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#1
第075回国会 災害対策特別委員会 第4号
昭和五十年三月二十七日(木曜日)
    午前十時三十分開議
 出席委員
   委員長 金丸 徳重君
   理事 越智 伊平君 理事 島田 安夫君
   理事 高鳥  修君 理事 兒玉 末男君
   理事 柴田 健治君 理事 柴田 睦夫君
      今井  勇君    瓦   力君
      吉川 久衛君    志賀  節君
      竹中 修一君    萩原 幸雄君
      旗野 進一君   三ツ林弥太郎君
      宮崎 茂一君    森下 元晴君
      辻原 弘市君    古川 喜一君
      山原健二郎君    高橋  繁君
 出席政府委員
        国土庁長官官房
        審議官     横手  正君
        資源エネルギー
        庁石油部長   左近友三郎君
        気象庁長官   毛利圭太郎君
        消防庁次長   森岡  敞君
 委員外の出席者
        国土庁長官官房
        災害対策室長  杉岡  浩君
        水産庁研究開発
        部漁場保全課長 山内 静夫君
        海上保安庁警備
        救難監     船谷 近夫君
        建設省河川局防
        災課長     田原  隆君
        建設省河川局砂
        防部長     谷   勲君
        日本国有鉄道建
        設局長     高橋 浩二君
        日本国有鉄道施
        設局長     鈴木 秀昭君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月二十七日
 辞任         補欠選任
  津川 武一君     山原健二郎君
同日
 辞任         補欠選任
  山原健二郎君     津川 武一君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 災害対策に関する件
     ――――◇―――――
#2
○金丸委員長 これより会議を開きます。
 災害対策に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。柴田健治君。
#3
○柴田(健)委員 水産庁にお尋ねをいたしますが、水島の三菱石油のC重油の流出に関連をして、昨年十二月十八日以降長期間にわたっての油騒動というものは、関係漁民は物心両面の大変な苦しみを受けておることは御承知のとおりでありますが、まだ完全に漁場が整備されてないという、そういう状況なんですが、その後の状況というか、清掃の進捗状況、そして操業をやっていない地域、また操業をやっておる地域、それを具体的にちょっと説明を願いたいと思います。
#4
○山内説明員 お答え申し上げます。
 水島重油事故以来、長い間漁業関係は操業の停止、こういう事態に追い込まれておりましたが、その後徐々に操業を再開いたしまして、現在徳島県の北泊、小鳴門漁協二漁協を残すのみで、あとはほぼ全面的な再開にこぎつけたと、こういう段階でございます。もちろん油関係が徳島県の一部に、いまだに海岸関係に漂着しておる関係で、沿岸域につきましては、全県におきまして多少の支障がある、こう伺っております。北泊、小鳴門漁協につきましても、四月早々には再開の見込みと、こういう報告を受けておるわけでございます。
#5
○柴田(健)委員 操業を再開しておる漁協の報告を聞くと、油事故が起きる以前と今日、操業をやってみて漁獲高が非常に少ないという。魚の量が少なくなったのか、どこかへ逃げてしまったのか、またもとへ戻る可能性があるのか、まだなお油の後遺症というものが残って魚がおらなくなったのか、その点いろいろ意見が出ておるのですが、漁獲量が二〇%減った地域、五〇%も減った地域と、こういう意見があるのですが、その実態はどうですか。
#6
○山内説明員 お答え申し上げます。
 漁獲量の減少につきまして各県に照会いたしましたところ、岡山県につきましては、一月二十六日に一部操業を再開したわけでございますが、その時点におきまして、漁獲量が半分程度に減ったというふうな風潮もあるように聞いております。風潮もあると申し上げましたが、具体的な統計的な数字がない、こういうことで、漁獲減があったであろうと推定しているわけでございます。その後、岡山県におきましては、日生地区におきましてイカナゴの漁が非常に不振である、こう伺っておるわけでございます。その他兵庫県、香川県につきましては、漁獲減少の話はない、こういうような報告を受けております。徳島県につきましては、魚類がやや少ないんではないか、こういう報告を受けておるわけでございます。
 国といたしましては、これらの原因等についてどう考えるか、こういうことでございますが、現在水島重油事故に関連しまして魚介類等生物環境の調査、こういうものを実施しているわけでございます。この一環といたしまして、生物相の変化の調査あるいは生態的な影響調査、こういうものを通じまして、もし油であるならば、この原因究明に努めてまいりたい、こう思っておるわけでございます。
#7
○柴田(健)委員 いろいろ今後研究されて最善の努力をしてもらいたいし、漁獲量が下がるということは、漁民の生活の基盤が破壊されておるとも言えるわけであります。特に今度の事件で私たち予想しなかったのは、油の質、あのC重油の質からいうと、海底へ沈でんするということも考えられておったんですが、それはそれで今後この処置をどうするかという問題もあるわけですが、特にオイルマットが沈でんしておる。常識ではオイルマットが沈むということは考えられない。オイルマットそのものの質が悪いのか。これらの沈でんをしておるオイルマットの処理をどうするのか、これは水産庁としてはどういう方法でこれを処理をさせるのか、お考えがあればこの点を聞かしてもらいたい。
 それから、今度のに関係して、漁場整備を本当に本格的にやらなければならぬときが来ておる。国際的にも、海洋法会議で経済水域だとか領海の線が引かれた場合に、魚介類をどこに求めるか。沿岸ということも重点的に考えなければならぬ。そういうときに、沿岸の漁場整備に対する、あの辺の補助率を思い切って上げる考えはないのか、瀬戸内海沿岸についての事業費に対する補助率、それから融資の大幅の増額、低金利政策というようなものを思い切って考える必要があるのかないのか、この二点をひとつお尋ねしたいと思う。
#8
○山内説明員 お答え申し上げます。
 オイルマットの処理につきましては、各県ごとに、漁協を中心といたしまして、試験操業、こういう名目のもとに、三菱石油に操業費を負担させまして、海底に残っておるオイルマットを清掃した、こういう事実がございます。その後、二、三残っているものもあるやに承っておりますが、現在の操業におきましてオイルマットが非常にたくさん残っていて支障がある、こういう報告は受けてございません。大分日数をかけて試験操業をやった関係で、今後の操業にはそれほど支障がないのではないか、こう考えておるわけでございます。
 もう一点の沿岸漁場の整備の関係でございます。被害漁民につきまして非常にお気の毒な事態でございまして、水産庁といたしましても、できるだけのことはいたしたい、こう考えておるわけでございます。沿岸漁場関係の各種補助等につきましての補助率の引き上げ等でございますが、現在のところ補助率の引き上げにつきましては非常に困難な状態にある、こう考えておるわけでございます。
 その他の金融措置等につきましては、被害漁民につきましては、ことしの一月四日付で、水産庁長官の通達で、企業貸し付けに対するものの条件緩和措置をとるように、こういうぐあいの通達を金融機関に出しました。さらに、被害漁民の漁具等の購入についての制度資金の融資につきまして、具体的要望があれば、適宜検討していきたい、こう考えておるわけでございます。その他近代化資金あるいは農林漁業金融公庫関係の資金の融通につきましては、県当局と話し合いまして、できるだけ厚くなるような方向で善処いたしたい、こう考えておるわけでございます。
#9
○柴田(健)委員 次に、消防庁にお尋ねいたしますが、この事件を契機として、その他全国のコンビナート基地の調査をやられたわけですが、ほかの基地は別として、水島に対する実態調査というか、いろいろタンクなりバルブなり、その他製油機械全般にわたって点検をされたと思うのですが、それに対する不備な点、不完全な点というものがあったのかなかったのか。事故を起こした二百七十号のタンク以外の場所の点検というものをやってみて、不完全なところがあったのか。たとえばタンクの不等沈下が何個あるのかというように、三菱石油に関するだけ、ひとつお答え願いたい、こう思います。
#10
○森岡政府委員 いまお話のございました、一月に実施いたしました石油貯蔵タンクの緊急点検の結果でございますが、水島地区に所在いたしますタンクの中で、緊急点検の対象にいたしました一万トン以上の大規模タンク及び高張力鋼を使用いたしましたタンクは百七十三基でございました。
 点検個所は、御承知のようにタンク本体あるいは付属物、防油堤、配管、弁、消火設備その他でございます。同時に、特に不等沈下の状況を調査いたしたわけでございますが、まず、タンク本体につきまして、油にじみ等の不良個所がございますので、それの是正を要するものが八基でございます。タンク付属物につきまして若干の不良個所がございましたのが十一基。防油堤につきまして、亀裂その他の状況がございましたのが五。配管、弁に問題がございましたのが七。消火設備、通気管等に問題がございましたのが二十一。さらに不等沈下でございますが、御承知のように、一応の目安といたしまして、不等沈下量とタンク直径との比率をとりまして、それが二百分の一以上のものを、特に著しい不等沈下があるものとして要注意ということで調査をいたしたわけでございますが、その数が十四ということでございます。
 これらにつきましては、本体、付属物その他の不良個所につきましては、早急に補修を行うように、倉敷市消防本部から指示をいたし、ほとんどそれは終了に近い状態になっております。不等沈下の著しいものにつきましては、油を抜きまして、開放検査を行うように指示いたしております。ただ、これは油を抜き、中をクリーニングいたしまして、底板部分の非破壊検査を行う必要がございますので、それにつきましては、若干時間を要します。相当数のものについては進んでおりますが、準備段階のものもあるわけでございます。
#11
○柴田(健)委員 これは現地の倉敷消防署が点検をしたというが、本庁の方からは、だれもこれに立ち会っていないですね。
#12
○森岡政府委員 今回の緊急点検は、倉敷市のみでなく、全国に所在いたします大規模タンクにつきまして、全体としての安全確保のために行ったものでございますので、消防庁といたしましては、各地域に立ち会うということは、実際上困難でございますので、いたしておりません。
 ただ、報告を受けまして、それの中で特に問題のあるものにつきましての扱い方、指示の方法等につきましては、個別に十分協議を受けております。以上でございます。
#13
○柴田(健)委員 それでは、現行法規を基準に置いて点検をしたということですか。
#14
○森岡政府委員 たとえば、不等沈下の問題等につきましては、必ずしも現行法規上、一定の基準を設けておるわけではございませんけれども、今回の事故にかんがみまして、先ほど申し上げたわけでございますが、私どもで種々検討いたしました一定のルールをめどに、調査をするということにいたしたわけでございまして、必ずしも現行法規で決まっておる範囲内で処理をすれば足りるという考え方に立ったものではございません。今回の事故の経験に徴しまして、およそタンクの安全確保のために必要な問題点を全部リストアップいたしまして、チェックポイントを明確にして調査をいたしたわけでございます。
#15
○柴田(健)委員 いま、現行法規が不備であるということは、だれしも認めておるので、この改正作業をやっておられると思いますが、現行法規にとらわれずに、災害を未然に防ぐという立場で点検をやられたという、高度な行政判断というか、そういう面も含まれておるということを、あなたが言われたのですが、しかし、今度、法の改正がやられたら、また点検をやるということになるのですか。
#16
○森岡政府委員 一月に行いましたのは緊急点検でございます。貯蔵施設の安全を確保いたしますためには、私は繰り返して点検を、しかも総点検を改めてさらにやる必要があると思っております。そういう意味合いで、法令の規定の整備が実現いたしました暁におきましては、当然それに基づきまして、さらに徹底した点検を行うということにいたしたいと思います。
#17
○柴田(健)委員 先ほど不備のあった点を具体的に説明されたのですが、その点についての改善命令は、いつ出され、それでいつまでに改善しなさいという期日を決めて出したのか。改善命令を出さない緊急点検はあり得ないと思うのです。点検だけ見て回るなら、だれでもやるのです。やはり不備な点は早急に、いつまでに改善しなさい、こういう改善命令を出すのが緊急点検の仕方だ、こう思う。査察だってそうですよ、いつまでに完全にしなさい、と。だれの責任で、どういう方法でいつ出して、いつまでに期限を切ったか、説明願いたい。
#18
○森岡政府委員 私どもといたしましては、各市町村の消防当局に対しまして、不良個所がある場合には直ちにそれを補修を行うように指示命令を出すようにという指導をいたしております。市町村当局それぞれ期限の切り方等につきましては、必ずしも一様でないかもしれませんけれども、しかし、当然そういうふうな措置をとっておるものと考えます。
 なお、先ほど申しました不等沈下の問題につきましては、いろいろ問題もございますけれども、しかし、これにつきましては、あえて開放検査をさせるように指示したわけでございます。若干の準備期間が必要でございますので、それにつきましては油の抜き取りのための別の保管タンクというものも考えなければならぬというふうな状態もございますので、必ずしも、たとえば検査してから一カ月以内に全部というわけにもまいらないという実情はございますけれども、しかし、全体といたしまして、できるだけ早く不良個所の是正を行うように指示、命令を出しているものと考えております。
#19
○柴田(健)委員 まあ、不良個所に対する改善、早急に指示しておるものと考えられる、こう言う。まことに無責任な言い方なんですね。確認してないんだね、本庁の方は。
 ただ、それなら市町村、倉敷なら倉敷の消防署の陣容、そしてそれに石油コンビナート基地を十分点検する能力を持っている専門職員、これは何人おられると思いますか。どういう資格を持って、どういう者が、それだけの能力を持っておる職員がおると思いますか、お答え願いたい。
#20
○森岡政府委員 ただいま倉敷市の消防本部の中での予防部門の職員の数、及びその中での技術職員の数につきましては、資料は手元にございませんが、全体で申しますと、全国で予防部門の行政を所管いたしております職員数は、約一万四千人でございます。この中には、御承知の建築物の予防査察を行っておる者もございますけれども、まあおおむね七割近くまでは、これは危険物関係の行政を担当しておるというふうに私は考えておるわけでございます。全体といたしまして、危険物関係の行政を担当いたしております職員は、市町村によりまして格差がございますけれども、しかし各市町村当局かなり努力をいたしまして、相当数の技術的なレベルを持った職員を確保するということで努めておる状態でございます。
#21
○柴田(健)委員 そういう態度というか、全国的な段階だけで判断をし、具体的には何も確認をする方法もしない、そして一方では工場運転再開をしたい。けさのテレビでも言うておったが、運転再開ということは、やはり二度とああいう事故を起こさない、災害を起こさない、こういうものを十分確認をしない限り、やはり加害者として社会的責任を負うたとは言えない。まだ漁業補償も済んでいない。漁民の立場から言えば、めんくり玉へ砂を入れられた、その上また追い打ちのように、指を入れてねじ曲げる、こね回すというようなやり方、これは住民感情として許せないという気がしておるわけです。
 その工場再開を、操業再開を、漁業再開でなしに工場の運転再開というのを認める、ただし、試運転だと言う。試運転も本運転も同じことですよ。だれがそんなことを指示するのか、消防庁が指示するのか、通産省が指示するのか、この点はっきりしてもらいたいと思う。
#22
○森岡政府委員 いまのお話でございますが、私どもは操業再開あるいは運転開始という問題につきましては、現在全く考えておりません。
 ただ、岡山県が本月の二十二日に消防庁に対しまして意見を求めてこられました。その内容は御承知のように、十二月十八日に事故が起こりました直後、倉敷市の緊急使用停止命令によりまして全体の装置をストップしたわけでございます。緊急に全装置をストップしました結果、未精製の油やガスが装置や配管の中に、それぞれたまったまま放置されておるようでございます。それをそのまま放置しておきますことは、非常に硫化水素を含んだ油なども多うございますので、腐食その他二次的な災害を生ずる危険があるということを、しきりに心配しておるわけでございます。そういうふうなこともございまして、それらの油を抜き取りまして窒素ガスを入れて封印をする。最も安全な状態においてシャットをするという状況に持っていくことが必要だという判断に立たれたようでございます。それにつきましての意見を求められておるわけでございます。
 いま、それに対しまして、庁内でいろいろ検討いたしております。まだ結論は十分出しておりません。
#23
○柴田(健)委員 会社の方はいろんな理屈をつけて、ガスがたまって爆発する可能性があるから運転を再開したいんだ。市の方もそれに同調している。会社と市は一緒になって県の方へ運転再開の要望を強く出している。県の方は待ってくれということで、抑えに抑えて今日まで来ている。県の方も弱りを上げる。国の方も運転再開をしたらどうかと言う。市と会社の方は一緒になってやっていく。
 しかし、漁業補償も済んでいないし、防油堤や何か完全にしていない。まだ防油堤の新しい基準も決めていない。漁民の立場を考えた場合には、もう二度と油流出なりそういう事故を起こさないという完全に設備改善をする。それを確認して初めて会社が社会的責任を負うたということも言えるし、操業再開の申請をする具体的な一つの証明として、再開の許可がおりるということになるんじゃないですか。いまの時点で再開を認めるなんというのは、消防庁、私はそういうことを許すということは、消防庁というものは現場のいろいろの問題をまだ十分確認してない。それから県の要請があったら認めるつもりですか。
#24
○森岡政府委員 先ほども申し上げましたように、また御指摘にもございましたように、企業の社会的責任、大変大事な問題でございます。それから、また再びこういう事故を繰り返さないように、徹底した保安防災設備を整備するということがなければならないと思います。
 ただ、県から申し出てきております、意見を求めております内容は、先ほど申しましたように操業再開とは全く関係なく、いまの状態を平常な停止状態に置きかえ直しまして、それでもって安全を確保したい、そうする必要がある、こういう観点に立って意見を求めてきておられるわけでございます。私どもといたしましては、その意見に基づきまして十分慎重に検討して結論を出したいと考えております。
#25
○柴田(健)委員 県なり市が期限つきで運転再開という、そしたら消防庁は認めるんですか。
#26
○森岡政府委員 消防庁といたしましては、いま申し上げましたような状況につきまして十分調査もいたしたいと考えております。その上で結論を出したいと思いますが、しかし、また同時に、地元の市議会、県議会の判断につきましても十分尊重してまいらなければならぬ面があろうと思います。それらを総合いたしまして、全体としてどうすべきかということの結論を出したい、かように考えます。
#27
○柴田(健)委員 森岡次長、市の議会や県議会にはそんな専門家は一人もおらないのです。今度の事故は、事件はだれも予想しなかったという、みんなその言葉で逃げているんですよ。予想しない事故を起こしておいて、それで後からいろいろ言うと、専門的な消防職員がおらなかったとか、そういう具体的な処置をしてなかったとか、そういうものが起きないから法律の基準はなかったとか何だかんだ言うて逃げてきたじゃないですか。市の議会や県議会で、そういう事故の問題について何ら認識や経験もない、権威者でない者が、技術的なものがわかるはずがないですよ。そういうものを再開の認可をおろすかどうかの、許可をおろすかどうかの判定の基礎にする、基準にするというのは、大きな誤りを犯すんじゃないですか。
#28
○森岡政府委員 尊重をすると申し上げたわけでございまして、別にそれだけでもって判断をするという気持ちは毛頭ございません。技術的な面からの十分の調査をして結論を得たいと考えております。
 ただ、何度も繰り返して申すので恐縮でございますが、私は、県から意見を求められておりますのは、再開とは考えておりません。県もまた再開とは考えておりません。安全な状態に、しかも正常な安全状態に持っていくための油抜き、あるいはガス抜きという措置である、かように考えておりますので、その点ひとつ誤解のないようにお願い申し上げておきます。
#29
○柴田(健)委員 通産省はどう考えておるのですか。
#30
○左近政府委員 お答え申し上げます。
 ただいまの、会社が倉敷消防署に申し出ておりますのは、いま消防庁から御説明のありましたように、緊急に停止した状態を、より安全な状態でとどめておくという処置のようにわれわれは承っております。したがいまして、それについてより安全な対策ということがはっきりいたしますればそれはそういうことが適当だと思いますが、いずれにいたしましても、これにつきましては現地の消防署あるいは消防庁の御判断というものが一番中心になりますので、われわれとしては全面的にその御判断に従いたいと思っておりますし、それに対してわれわれがとるべき必要な措置がございましたら、われわれも十分御協力申し上げたいというように考えております。
#31
○柴田(健)委員 ちょっと時間の関係で急ぎますが、海上保安庁、私たち保安庁のいま現在とっておる行動、あの事件の当時の行動というものに非常に疑問を持っている。ただ港則法で、あの水島港の船舶の出入港の権限は港長が持っているのですが、十万トン以上の船というものは、われわれは通ってはならぬという。たとえば海上交通法にしても陸上交通法にしても、やはりそれだけの基準がそれぞれある。それから港湾法で、港湾設備のときにしゅんせつ水深十六メートル、それは十万トンを基準にしてある。それを依然として二十万トン以上の船を平気で入れておる。港則法をわれわれどんなに読んでも、そのようなでたらめな権限を港長が持っていると思えぬ。二十一条には危険物の位置づけがはっきりしておるし、危険物を載せておる船はどうとか、それからまた三十六条の三の二項には、ある程度基準を、総トン数によって出入港の権限というものを港長に与えている。どう読んでも、そんな二十万トンや二十五万トンの船を平気で入れられるような権限があると思えない。保安庁この点についてどうですか。
#32
○船谷説明員 港長は、港内での船舶の交通の安全と交通秩序の維持の目的で特定港に置かれておるわけでありますが、どの程度の船をこの港には入れていいかどうかということ、それだけによってといいますか、安全上の問題からそういった船の大きさまで制限するというところではございません。その港そのものの最初の計画がたとえば十万トンであった。ところが、いろいろの事情で二十万トンを入れたいという場合に、それが陸上と違いまして、海上では喫水の問題と水深との関係がございます。水深よりも喫水が深い場合には絶対にその船自体が航行ができないわけでございまして、したがって大きい船が満載をして入るということは物理的に不可能でございます。その点は船の方で安全に通れる喫水まで積み荷を減らして入ってくるわけでございます。
 その場合に、その港あるいは航路で安全かどうかということは、全般的な海難の防止ということもわれわれ担当しておりますので、一般的にも考えます。それで安全であるという場合に、そういう船の大きさだけによって入ってはいけないというような権限は持ってないわけでございまして、要するに航路なり港内での船舶の航行の安全について十分にチェックをし、また必要ないろいろの指示をしておるところでございます。
#33
○柴田(健)委員 保安庁は筋の通らぬへ理屈ばかり言うて、逃げているのですが、常識の問題だと私は思うのです。ただこの間の事故で、船を勝手にどんどん交通させて動かしているんですが、陸上でも道路の上に油が流れたら交通遮断して通さない。あの船を動かしたために、広がらなくてもいい地域まで油がどんどん広がった。船をあのときただ二、三日でも交通をとめておけば、あんなに広がらなかっただろう、こうわれわれは考えられる。それを平気で船を動かしておる。この問題については、いずれ論戦をしないといけない。法律が不備なのか、いまの法律がいいと思っておるのか、港則法を直す気があるのかないのか、これだけ一言聞いておきたいと思う。
#34
○船谷説明員 港則法上改正点につきましては、従来から若干の問題がございますが、全般的に申しますと、従来港内での安全対策としましては、港則法で安全を確保するような措置をとってきたわけでございますが、航路、港外につきましては、それに類したものがなかったために、御承知のような海上交通安全法の制定を見たわけでございます。今度の事件にかんがみまして、海上交通安全法なり港則法なりの何らかの措置をとらなくてはいけないということがございましたならば、もちろん改正をすることにやぶさかではございませんが、目下各方面からの検討を進めておるところでございます。
#35
○柴田(健)委員 最後に、消防庁に二点聞いておきたいのですが、事故原因の調査委員会がこの二十日前後に出るというて、いまだに出さない。事故原因の調査がまだ出ないのに、工場の運転再開を申請があれば慎重に考えてみたいという、この点がどうもわからない第一点です。事故調査委員会は何のために調査をやっておるのか、将来改善する余地があるのかないのか。そういうものが十分出てこない前に運転再開させるという、この問題が一点どうも理解できないから、明快なお答えを願いたい。
 それから、今度は消防職員の問題ですが、人事院の方は五十年度で週休二日制を試験的にやると言う、五十一年度からやりたいと言う。消防職員を週休二日制に、ほかの公務員がするならばやらなければならぬだろうと思うんですよ。その場合に人員の増加をどうするのか、消防職員だけ週休二日制をしないのか、この二点だけ時間の関係がございますから、お答え願いたいと思います。
#36
○森岡政府委員 事故原因調査委員会は現在まで十回審議を行いまして、五回現地調査をやっておりますが、大変原因が多岐にわたっておりますので、その最終的な結論を得るには何度も繰り返して申しておりますように、底板部の切り出しを行ったり、そういう措置を行わなければなりませんが、しかし中間報告を求めております。中間報告は三月中に出していただける、こういう状態になっております。いま鋭意その報告案の作成を急いでいただいておるわけでございます。
 それから週休二日制の問題でございますが、人事院は昭和四十九年の報告におきましては、「当面、時間短縮を伴う隔週又は月二回を基準とする週休二日制の実施を目途として、」検討するという報告を出されております。現段階でまだそういう意味合いで、たとえば五十一年度から行うとか行わないとかいうふうな段階には至っていないと私は思うのでございます。
 しかし、御指摘にございましたように、公務員について隔週でありましても週休二日制が実施されます場合には、それは当然消防職員がそれにおくれるということがあっては、私は勤務条件として適当ではないと思います。したがいまして、おくれをとらないようなきちんとした勤務条件を整えるということで準備を進めてまいりたいと思いますが、御指摘のように、その際交代制勤務要員につきましては、当然一定の人員増を伴わなければならないと思います。そういう点につきましても、昨年の勤務条件研究会でいろいろ御検討願いまして、それらを踏まえまして粗漏のないように計画もし、準備も進めてまいりたい、かように考えます。
#37
○柴田(健)委員 終わります。
#38
○金丸委員長 次に、山原健二郎君。
#39
○山原委員 最初に、国土庁の方へ台風常襲地帯対策審議会の問題です。
 御承知のように、台風常襲地帯における災害の防除に関する特別措置法、昭和三十三年四月二十二日、法律ができまして、台風常襲地帯対策審議会が構成されています。ところが私もその審議委員で、二年前に任命をされたのが二月の五日であります。これは内閣総理大臣から任命をされておりますが、二月の五日が経過をして、いま三月の二十七日です。いまだにこの新しい審議委員の任命もなされておりませんが、しかもこの十数年間一度もこの審議会が開かれていないという状態。それだけでなくて、関係都道府県知事あるいは議長、これはそれぞれ二名、さらに学識経験者三名、この任命も行われていない。要するに国会議員だけが本会議で議長指名で任命をされて、まるで当て馬のように、審議会の実体がないにかかわらず、国会議員だけは審議委員の名前がつけられておる、こういう状態。この前もこの問題について指摘をいたしましたが、これは一体どうするつもりですか。
#40
○横手政府委員 ただいまの点につきましては、前回にも先生から御指摘を受けたところでございまして、内部におきましても、いろいろ検討いたしておるところでございます。
 この法律の趣旨はもう先生御承知のとおり、指定地域に係る公共土木施設、こうしたものの防災事業の五カ年計画をつくりまして、この計画に基づいて事業を実施し、国土の保全と民生の安定を図るということにあるわけでございますが、この法制定後の経緯その他勘案いたしてみますと、その後九州地方の開発促進法あるいは四国地方の開発促進法、こうした促進法が制定されましたり、また治山治水緊急措置法、これが制定されておりまして、各般の防災事業の推進は、こうした面で図られてまいってきております。また、この法律は時限法ではございませんが、実質的には三十三年から三十七年までの第一次五カ年計画、また三十八年から四十二年までの第二次五カ年計画の策定について触れられておりまして、いわば四十二年度の終わりをもちまして、実はその後の措置がなされてないという面はございます。
 それはともかくといたしまして、正式に審議会が設置されておりますので、御指摘のように国会議員の先生方と政府関係機関の委員だけの任命は行ってまいっておりますが、審議会を開催することは、ここ十数年行っていないと似たような状況にあるわけでございます。ただ少なくとも法的にはこうした審議会が設置されておりますし、重要事項の審議の必要があります場合には、当然これは開催されてしかるべきものというふうに考えておりますが、ただいま申し上げましたような事情もございますので、災害対策特別委員会、この委員会の小委員会においても、この台風常襲地帯の法律の運用のあり方について御検討を願うというふうに承っておりますので、その御検討の結果も参考にさせていただきながら、今後のあり方について十分考えてまいりたいというふうに考えております。
#41
○山原委員 それは国土庁の見解は非常に不届きですよ。法律にあるわけですからね。わが党は、これは国会対策の問題にしますよ。法律にあるわけでしょう。そして任期は、もうすでに切れている。十何年間も開かない。しかもその審議会の構成は二十三名、内閣総理大臣の任命によって決定されると出ているわけです。これは法律不履行の政府の責任は追及されますよ。しかもへこれから本委員会の小委員会において検討する、その結果を見てやるとは何事ですか。法律はすでにあるじゃないですか。法律が変えられたら、国会の法律に従ってやるべきであって、法律が現に存在しておるのに、小委員会の決定とかなんとか、そんなこと、あなた方の言うべきことじゃないのですよ。やるのかやらないのか、一言言ってください。それによって私の方は態度を決めますからね。法律不履行の罪、これは明らかなんです。
#42
○横手政府委員 お答えいたします。
 審議会の組織は、御指摘のように総理大臣が任命いたします委員二十三人以内をもって組織される、こういうことになっておりまして、現在十五名の委員の方が一応任命されておるわけでございます。
 なお法的には、先ほども申し上げましたように、審議会は構成されておりますので、必要の都度開くべきものというふうに考えておりますことは、先ほども申し上げたとおりでございます。ただ、従来からのいろいろな事情もございますので、そういう点も十分踏まえながら、必要な時期に開催ということについて考えてまいりたいというふうに思っております。
#43
○山原委員 審議会は構成されていないじゃないですか。二月の五日で、もうすでに任期は切れているわけですよ。仮に国会議員と行政機関の者とが構成したとしても、任期は二月五日で切れているのじゃないですか。まだ任期が続いているのですか、私は。どうですか。時間がないから簡単に答えてください。
#44
○横手政府委員 委員の任期は二年ということになっております。したがいまして、現在は国会議員の方八名、それから政府機関七名、十五名が任命されておるわけでございます。
#45
○山原委員 二年の期限が切れているじゃないですか。いつですか、私どもが任命されたのは。一昨年ですよ。一昨年の二月五日ですよ。期限、切れてるんですよ。
#46
○横手政府委員 先ほど十五名と申し上げましたが、国会議員の先生方につきましては、委員の任期が終わりますと、引き続き内閣官房の方で任命の手続を進めておるところでございまして、うっかりいたしておりまして、二月五日に一応の任期は切れておられる、こういうことになります。現在、任期の切れた方につきましては、内閣官房の方で手続を進めておるところでございます。
#47
○山原委員 これは大変不勉強ですね。内閣官房というのは一体何をやっているのですか。二月の五日に期限は切れている。私は、その前に恐らく国会の本会議にかけられると思っておったのですが、それもかけられてない。審議委員も決められていないんじゃないですか。これは重大な問題ですから後へ残して、時間がありませんから、先へ進みたいと思います。
 台風常襲地帯の問題を、いまから私が二つの点で話ししますから聞いておいてください。
 国鉄の方、おいでくださっていますのでお聞きしたいのですが、去る三月二十日に土讃線におきして、まさに大惨事になる、急行「土佐」が土砂崩れのために転落するかもしれないという事故が起こりました。調べてみますと、幸いなことに地すべりとか土砂崩れではなかったようです。その点はいいのですが、そのときの雨量は百三十ミリという雨量です。この土讃線は、いままでに毎年毎年事故を起こし、そして年間約四十日とか五十日とか不通になるということが続いておりまして、国鉄としても、この土讃線というのはかなり頭の痛い路線ではないかと思うのです。しかし、これは非常に重要な路線でありますので、この問題について三十九年十二月十七日に、土讃線防災対策委員会報告なるものが出ておりますが、これは今日の段階で抜本的に見直す必要があると私は思います。ことに繁藤事件が四十七年に起こりまして、六十名の人が亡くなるという事件が起こっておるわけです。したがって、この問題について改めて対策を考えられておるのかどうか、これを最初に伺っておきたいのです。
#48
○鈴木説明委員 ただいま先生のお話がありました三月二十日の災害につきましては、先生のおっしゃいますように発生しておりまして、列車を五時間とめております。これをよく調べてみましたところ、土讃線の約二百メートルぐらいの山の上で土佐山田町が道路工事をいたしておりまして、その道路工事の土砂が捨てたままになって放置されておりまして、それが、先生いま百三十ミリとおっしゃいましたが、私どもの方の記録では連続雨量九十ミリと推定されておりますが、この雨が降りまして、道路工事の土捨ての土がそのまま流れまして、その線路を埋めたということになっておりまして、先生の御指摘の地すべりとかそういうものではございませんで、この三月二十日の事件につきましては、多少道路工事の後始末に問題があったようでございます。かねがね私どもは国鉄の用地内ばかりでなく、線路の周囲の環境の変化につきまして、絶えず私どもの現地部門と地域の行政の方々と連絡を密にするよう指導しておるわけでございますが、この点、地方自治体の側で多少道路工事の始末の問題が欠けていたというような件で、まことに残念な事件だと思っております。
 なお、土讃線の本質的な対策はどうかというお話は、先生三十九年とおっしゃったように伺いましたが、実は三十七年ではないかと思いますが、三十七年に土佐岩原と豊永の間に大崩壊がございまして、それでどうして線路を守るかということで即時集中的に委員会をつくりまして、その後約五十億を使いまして対策を進めてまいったわけでございます。ところが、御承知のように土讃線のあの四国の地帯は、わが国の中央構造線という複雑な断層地帯の南側で非常に地質状態が悪いところでございまして、この五十億をかけたにもかかわりませず、四十七年に繁藤の大災害をこうむったわけでございます。
 したがいまして、先生おっしゃいましたように、私ども国鉄だけではどうにもなりませんので、さらに新しい委員会を発足いたしまして、香川大学の斎藤教授を委員長としまして、各大学の専門の先生方あるいは県の行政の方々等も入れまして、いま非常に大がかりな委員会をつくりまして、国鉄のみならず、いわゆる他の行政機関でもやるべき対策も含めまして、どのような対策をしたらいいか御検討をいただいている最中でございまして、委員長の御連絡によりますと、本当に近々、恐らくこの一、二カ月の間とは思いますけれども、報告書がまとめられて、まだその内容が明らかにされておりませんし、また実際にその考え方に基づきまして現地に一つ一つ設計しますと、金額等も変わってくると思いますので、金額の量としましては、まだ申し上げられる段階ではないわけでございますが、先般五十億をかけてまいりましたが、それに近いような金の額の防災対策を進めたいと思っておりまして、この報告を得まして直ちに具体化に進めてまいりたいと思います。
#49
○山原委員 大がかりな委員会をつくられて抜本的に検討されて、近々にその方針が出るそうですから、またその際にそれを見せていただいて、場合によりましては折を見て質問をいたしたいと思います。
 土讃線の問題では、やはり安全の問題、これはたとえばハウス園芸をやっているとかいう輸送の問題も絡みまして、安全の問題あるいは四国の経済の問題にも関係してまいります。そのことにやはり大きな重点が置かれなければならぬと思うわけですが、現在高知市を中心にしまして高架化の問題が起こっております。これは高知駅を中心とする鉄道の現在市街地を走っておるものを高架化するという問題ですが、これにつきまして、聞くところによりますと、国鉄の方では岡山の工事事務所からすでに大阪の工事局へ計画が回って、四月末にはその計画が発表されるのではないか、こういうことを聞いているわけです。
 ところが、この高架化の問題につきましては、約三百五十戸の人家が立ち退きをしなければならないという問題等も起こりまして、かなり大きな政治問題化しているわけです。しかも沿線の住民八千名に及ぶ署名もありまして、この決定の仕方によっては相当な混乱が起こることも予想されているわけですが、まず第一番に立ち退きの問題あるいは公害の問題を含めまして、計画について相当慎重な検討がさるべきだと思いますし、住民の意思を無視してごり押しをするようなことは絶対やってはならない。実はこの沿線に私もおるわけでございますけれども、私のところにも連日地域の人たちから心配をされた声が届いておるような状態でございますが、このことにつきまして、長い時間をかけて御答弁をいただくわけにはいきませんけれども、再検討あるいは住民の声を十分に聞く、こういう慎重な態度をとるべきだと私は考えているわけですが、これについて御見解を簡明に承っておきたいのです。
#50
○高橋説明員 先生御指摘のように高知の高架化につきましては、いろいろの意見が地元であるやに聞いております。この高架化事業の目的は、踏切等を極力なくしまして鉄道の安全を図りたい、もう一つは、鉄道線路が町を分断いたしておりますのを、分断を極力少なくして町の発展に資するというような目的で、これは御承知のように都市計画事業として行われることになるかと思います。私の方は県、市等からの御委託を受けて、いまどういう構造にすれば目的を達するかということで、いろいろ調査をいたしておる段階でございまして一応全国に高架化事業というのがたくさんございますけれども、いずれも高架化事業でございますので、一応高架にするという前提で、そうして踏切がどういうふうにしたらなくなるか、あるいは都市の発展にどうしたら資するかということで研究を進めているわけでございます。
 いま先生のおっしゃるのは、いろいろな問題があるのだ、もっと慎重にやるべきだということでございます。けれども、私の方はそういう観点から設計をつくりまして、それを県、市等に御協議を申し上げるという性格のものでございます。したがって、私の方だけでこれを決めるということではなくて、最終的には都市計画審議会等にお諮り申し上げた上で設計は決まってくるだろうということだと思います。この点については、まだ最終的な結論を私の方も得ておりませんし、また地元からも、これでよろしいということにもなっておりませんので、十分慎重に検討した上で進めていきたい。先ほど何か四月に発表するというようなお話もございましたけれども、県と地元との間によく意見がまとまりません限り、私ども発表するという性格のものでもございませんので、よく地元の方々、県、市等と御相談の上で設計を確定していきたいというふうに考えております。
#51
○山原委員 とにかくたくさんの人口の、いわば密集地帯でございまして、そういう点では十分検討をしていただく必要があると思いますし、今後も住民の声といいますか、私ども南北の交通の関係とかその他いろいろ調べております。それでも高架化をしなければならぬという結論は私は見出していないわけです。また、いろいろな方法もあるのじゃないかという気もいたしますので、なお十分検討していただくように、この点は要請をいたしておきたいと思います。
 次に、気象庁にお伺いをいたしますが、私も気象庁の問題につきましては、先ほど話の出ました繁藤災害のときに気象庁の職員が大変苦労しておる姿を見ました。人員は少ないし、ああいう災害のとき、しかも台風常襲の地帯におきまして、ほとんど不眠不休で警報を出したりいろいろしなければならぬという実態も知っているわけです。そういう点からずいぶん苦労しておるのだなと思いながら、お聞きするわけですが、気象庁におきまして、現在いわゆる定員の削減問題が起こっているわけですね。その中で、大体政府の構想というものは聞いていますけれども、こういう部門の定員を減すということが果たして正しいことなのかということを痛切に感じております。今度の削減計画によって大体どこの場所あるいはどこの測候所の人数を減すというふうな計画を立てておるのか、最初に伺っておきます。
#52
○毛利政府委員 気象庁におきまして、先生がお話しになりました第三次削減計画の第一年度といたしましては、基本的に三つの柱を立てまして案をつくっております。
 その三つの柱と申しますと、第一には気象通報所の併設と廃止を行うものでございます。第二には、二十四回の気象観測通報を行っておりますものを八回の気象観測通報に変更いたします場所がございます。それから第三番目といたしまして、その他といたしまして事務の簡素化、効率化などを行います。この三本の柱を立てまして実施するように計画しておる次第でございます。
#53
○山原委員 私の質問は、四月一日から第一次を実施されるということでございますので、それについて、どこの場所、どこの測候所の人員を削減されるのかということを聞いているわけです。
#54
○毛利政府委員 申し上げます。
 気象通報所に関しましては、気象庁には五つの管区がございますが、札幌管区、仙台管区、東京管区、大阪管区、福岡管区それぞれ一ないし二カ所の通報所を併設または廃止いたします。また二十四回の観測通報を八回にいたしますところは、北海道管区では一カ所、仙台管区では一カ所、東京管区で四カ所、大阪管区で一カ所、福岡管区で二カ所でございます。
#55
○山原委員 その管区の場所、それはどうなんでしょうか。
#56
○毛利政府委員 通報所といたしましては、札幌管区では鷹泊、本別、日高門別の三カ所でございます。仙台管区におきましては若松、東京管区におきましては上田、平岡、佐久間、庄川、大阪管区におきましては高津川、波止浜、福岡管区におきましては広瀬、山口、五ケ瀬川、球磨川、川内川でございます。
#57
○山原委員 測候所の削減も計画されているわけですか。
#58
○毛利政府委員 二十四回観測通報を八回観測通報に直しますところは、稚内、小名浜、相川、輪島、前橋、八丈、西郷、福江、厳原でございます。
#59
○山原委員 高知県宿毛の測候所、この人員削減の問題、夜間閉鎖をするという問題が起こりまして、宿毛市議会は満場一致で、それは大変困るという意見書を提出をされておりますが、この宿毛の測候所における夜間閉鎖、これをやる計画があるのですか。
#60
○毛利政府委員 第一年度の計画では、宿毛候所は含まれておりません。
#61
○山原委員 三カ年計画で削減をやられる計画だそうですが、二年度、三年度において夜間閉鎖をする計画があるのですか。
#62
○毛利政府委員 第一年度につきましては実行案をつくりました。第二年度、第三年度につきましては、これから慎重な討議をいたしまして、衆知を集めまして検討する段階でございます。
#63
○山原委員 当局の文書によりますと、そのほかに十九カ所もあるのだそうですが、十九カ所を調べてみましたが、それぞれ非常に重要なところですね。いま水島の問題もありましたけれども、多度津などもそうですし、津山などこれも大変なところでございますが、呉にしましても福山にしても、私は瀬戸内海付近を言っているわけですけれども、宿毛の場合を見ますと、一体どうなるのかということですね。
 注意報とか警報の伝達、昨年四十九年一年間で、夜間閉鎖といえば大体午後の五時から翌日の八時三十分までとお聞きしておりますが、この間に宿毛測候所だけで四十回の注意報を出しております。昼間を含めますと百七回でございますが、そのうち四十回は夜間の注意報です。それから警報は十四回出ておりますが、そのうち五回は夜間に出ております。しかも台風情報に至りましては、三十二回昨年出ておりますけれども、そのうち二十五回が夜間に出ているわけです。しかも、この宿毛は御承知のように千五百トンのフェリーが夜間就航しておりまして、宿毛と九州の佐伯間、約三時間を必要としますが、六回往復をしておりますけれども、そのうち四回は夜間往復でございます。また、そのほか宿毛の例を見ますと、漁業の問題があるわけです。ここは御承知のように伊藤忠の原油基地ができるかどうかということで大騒ぎをしておるところでありますが、漁業関係者が千五百十八名、一千百四十一隻の船があります。また隣の大月町、ここは漁船が五百二十九隻ございます。隣の愛媛県の城辺町、ここには五百八十九隻の船がありまして、これはほとんど夜間操業です。これに注意報、警報の伝達ができなくなるということは、これは重大な問題です。
 さらに、この宿毛は台風の通路になっておりまして、風速二十五メートル以上の台風というのは、もうしばしばでありまして、しかもこの台風時の電話の問い合わせ、たとえば現在では関西方面からの釣り客が来ておりますが、週末には測候所に対して電話の問い合わせが来ます。また地場産業として、ここはイグサの生産地でありますけれども、イグサというのは、御承知のように、これはもう気象条件と一番関係があるのです。雨が降ったらおしまいなんですね、そういう問い合わせば夏場には頻々として来ております。
 また台風時や異常なときにはどうするのかといえば、臨時勤務をするというお考えのようでありますけれども、これも大変です。現在六名でございますから、所長、係長などはもう電話の問い合わせ、連絡、電話機の鳴りっ放しという状態、あと三名が毎時間観測をしなければならなくなるわけです。こういうことで、しかも台風が去っても翌日は休暇はとれないということで、もう全くくたくたというのが実情でございます。去年七月だけで台風が三つ来ておるわけですからね、これは大変なことなんです。
 こういうことを考えてみますと、私はこういう夜間閉鎖などということは、気象庁の仕事は監視もあるでしょう、しかし、住民に対するサービスもあるはずです。これは気象庁ができて今度百年目を迎えて、その祝賀式も行われると聞いておりますけれども、気象庁の創立の意義、これは住民に対するサービスだと思うのですよ。そういうものを切り捨てていくという態度は、私は絶対にやめていただきたい。これは、住民の安全を保障するためにも、あるいは漁業の操業を守るためにも、ぜひ気象庁としてがんばっていただかなければならぬと思いますが、長官の見解を伺っておきます。
    〔委員長退席、児玉委員長代理着席〕
#64
○毛利政府委員 ただいま先生がおっしゃいました夜間閉鎖の問題でございますが、気象庁といたしまして、かねがね気象業務を遂行いたしますためには新しい気象技術の導入、気象学の進歩などを取り入れまして、施設も充実しながら拡充すべき業務は拡充し、整理すべき業務は整理いたしまして、目的に沿うように効率化を図ってまいっておる現状でございます。
 削減計画第一年度につきましては、われわれは三つの柱を立てて実行することにいたしました。もちろん、この計画を実行いたしますときには、ただいま先生から御指摘ございましたように、国民に対しますサービスを落とさないように、防災業務がおろそかにならないように十分に注意しながら、またいろいろの点に配慮をいたしながら計画をつくったのでございます。なお第二年度、第三年度につきましては、これから部内におきまして慎重に討議いたしまして、衆知を集めまして、いろいろの点を十分に配慮しながら計画を立てたいと存じております。第一年度には夜間閉鎖ということは考えておりませんし、第二年度、第三年度に夜間閉鎖をどうするかというふうなことにつきましては、まだ何も決めていない現状でございます。
#65
○山原委員 科学技術の導入、これは気象庁の方にも昨日お聞きしたわけですが、そのことを私は否定しておるわけではありません。しかし、やはりサービスという問題になれば一人の問題が出てくるわけですし、また機械にしましても、十分に機能を果たす力を持っているのかどうかの検討ですね。AMeDASにしても、何週間も何カ月もとまっているところだって現にあるのじゃないですか。ただ機械力に頼るというだけでは、問題は処理されないわけでございますし、それから、私がいま宿毛の例を挙げましたけれども、宿毛の実態は長官わかっていただけると思うのです、どれほど深刻なものであるかということは。むしろあの地元の人たちは二人ふやしてもらいたいと言っておるのですよ。それを減らして、夜間閉鎖するなどということ、これは気象庁創立の趣旨からいっても、私は逆行だと思うのです。
 それだけではありません。国会におきましても、この委員会で四十三年九月十九日の決議があるわけです。それは飛騨川事故に関連したときの討議の中で、気象庁の要員の確保、拡充整備、これが国会の決議ですよ。さらに四十四年にも同じ決議がなされているわけでございまして、こういう国会の決議という立場から見ましても、そういう安易な削減ということは適切ではありません。これは国権の最高機関である国会に対する不信行為です。そういう点で計画については再検討をしていくという必要が私はあると思いますが、時間もなくなってまいりましたので、この点について長官の決意を伺っておきたいのです。
#66
○毛利政府委員 第二年度、第三年度の計画につきましては、これから慎重にいろいろなことを十分に考慮いたしまして、衆知を集めまして計画を立てたいと存じております。
#67
○山原委員 人命尊重の立場から慎重に討議をして決めた国会の決議を尊重されるように、最後に強く要請をして、私の質問を終わります。
#68
○兒玉委員長代理 この際、国土庁横手審議官から発言を求められております。これを許します。横手審議官。
#69
○横手政府委員 先ほど御答弁申し上げました中に間違った点がございましたので、訂正させていただきたいと存じます。
 先ほど、国会議員の委員の方、任期が二年というふうに申し上げましたのは間違っておりまして国会議員の先生方は任期の定めがございません。両院から指名されまして、委員の変更がありました場合に内閣総理大臣の官房の方で所要の手続をとる、こういう進め方になっております。したがいまして、現在は国会議員の先生方八名、政府機関七名、計十五名の委員が任命されておるわけでございまして、もちろん必要な時期には審議会は開く必要があるものというふうに考えておりますので、おわびして訂正させていただきます。
#70
○山原委員 これは八条の三項に出ているわけですけれども、一項の六号までの審議委員、これは衆議院、参議院の議員も含まれておりますが、それは「再任されることができる。」ということだけなんですよ。本来は任期が切れたら、そこで終わり、そして改めて再任をしていくという手続が必要なんですね。それで初めて審議会が構成されるわけですからね。しかも都道府県の知事、議長それから学識経験者を入れないなんということになると、台風常襲地帯対策審議会の意義はなくなるわけですよ、国会議員とか行政機関の代表だけでは。そういう点では正確なことを法律に基づいてやってください、そのことを要請しておきます。
#71
○兒玉委員長代理 高橋繁君。
#72
○高橋(繁)委員 私は、大沢崩れ対策の問題ですが、大沢崩れの防止対策五カ年計画が最終の段階に来ておりますので、また新たな計画をされて、その防止をしなければならないことは当然であります。したがって、それらの問題について質疑を進めてまいりたいと思います。
 最初に、富士山のいわゆる大沢崩れの実際に崩れておる源頭、この崩落区域の防災工事を重点にしなければならないというのは当然でありますが、その源頭部の崩壊区域について土木研究所でここ二、三年の間研究を進めております。あの高さのところで、しかも四十度というような角度のところで、その崩落区域を防止できることが一番いいわけでありますが、その研究所の現在行われてきた研究に基づく成果といいますか、そういうものについてお答えを願いたい。
#73
○谷説明員 先生も御承知のとおり、源頭部に対する対策といたしましては、気象の関係あるいは落石が多いといういろいろな困難な問題がございまして、普通のわれわれのとっておりますコンクリート等による工法によりますと、非常に困難であるということで、新しく、樹脂でございますが、レジン、こういう樹脂を使いまして固定するという工法が、実施に対しても一番可能ではないかということで、現在、そういうレジンのいろいろな種類の薬品が、どれが適応するかということで調査、研究をやっておる次第でございます。これは耐候性の問題、施工性の問題範囲が非常に広うございまして、これあたりの研究におきましても、非常に数多くの調査、研究が必要でございまして、現在まだそれを続行中でございます。
 以上でございます。
#74
○高橋(繁)委員 実際に、現場でその実験はなされたのですか。
#75
○谷説明員 源頭部におきましては非常に困難でございますので、上井出林道の上のところの個所を使いまして、そこで実際に実験しております。
#76
○高橋(繁)委員 その結果から見て、実際この工法というものが実用化のめどがあるのかないのか、その辺についてどういう見解を持っていますか。
#77
○谷説明員 現在におきましては大沢崩れの崩壊の規模も非常に大きくございますし、絶えず落石があるというような状況でございますので、現在、大沢崩れそのものにつきまして、なお一層の現実の姿を調査するということも始めておりますし、そういうことを踏まえまして、いままでやっておる結果が果たして実現可能であるかということは、今後の大きな問題であると思います。現在のところではまだ、実施できるかどうかという段階までには立ち至っておりません。
#78
○高橋(繁)委員 考え方として、先ほど申し上げたように、崩落区域における防災の工事を重点にすべきである。いまは土砂の流出を防ぐ扇状地における工事が進められておるわけですね。これは当然進めなければならない。しかしながら、防災という観点からいって、源頭部における、なかなかむずかしいと思うのですけれども、なおさらに研究を重ねて、その工事の実現の、あるいは実用化という方向に向かって、やはり早急な結論を出すべきではないか。なかなかむずかしいと思うのですけれども、そういう観点に立って進めていただきたい。そういう決心で進めますか。
#79
○谷説明員 これは単に大沢だけでなしに、日本の高山地帯における一つの代表的な工法であると思いまして、今後もこれはしっかりとやっていこう、もう代表的な工法であるということで、何とか結論を得ようという覚悟でおります。
#80
○高橋(繁)委員 ひとつよろしくお願いします。
    〔兒玉委員長代理退席、委員長着席〕
 富士山のいわゆる大沢崩れの防災工事は、いま部長がおっしゃったように、大変世界的なものでありますし、今後の防災工事の大変参考にもなる地域でありますので、よろしくお願いをいたしたい。
 そこで、建設省の直轄砂防事業になりまして、今回行われておる計画も、五十三億という膨大な政府予算を使って工事を進めておるわけで、大変前進をされた方向でなされておることに対して感謝をするわけですが、その五カ年計画でやってきております現状を見ますと、建設省の報告によれば、本年度を入れて、五十一年度までですけれども、現在六六%ですか、工事が進捗をしているように思いますが、残すところあと一年で、残された五カ年計画の工事はどのように進まれていくのか、この辺の見通しについて。
#81
○谷説明員 大沢崩れの五カ年計画につきましては、全体計画につきましては、四十七年に三回土石流が起こりまして、そのときに大きく促進を図るようにやったものですから、非常に伸び率の高いような計画になっておりました。ここ二年ほど、公共事業の方も総需要抑制ということで非常に伸び率が悪かったものですから、六六%というような非常に低い率に、総体的もそうでございますが、そういう形になっております。
 残りましたものにつきましては、いままた新しい長期計画、五カ年計画というようなものを検討しておりますから、残りの扇状地の基幹工事が速やかにできるように、促進が図れるように、今後新しい計画の中に入れていこう、こういうふうに考えております。
#82
○高橋(繁)委員 そうしますと、全体の扇状地における計画というのがありますね。その全体の計画から見て、昭和五十一年度までには、率で言ってどれくらい進むのですか。
#83
○谷説明員 ちょっと来年度、五十一年の予算の状況にもよりますが、われわれとしましては、現在の状況でいきますと、五十一年までに八割ぐらいのところまでは持っていきたい。ただし、それが七割、八割と言いますけれども、われわれのやり方としましては、こういう総需要抑制の中におきましては、特に導流堤あるいは床固め工等の基幹工事につきましては、相当の進捗を示すというような状況に持っていこうと思っております。ただ、下流の方の流路工あるいは導流堤等の根固めにおきましては、少しおくれてくるというような状況になると思います。
#84
○高橋(繁)委員 その八割というのは、五カ年計画の中の八割でしょう。ところが、扇状地における防災工事の全体計画が大沢崩れ対策協議会で、ある程度見当がついていると思うのですね。その全体計画からいって、五十一年度までの五カ年計画で一体どれだけできるかというのです。それは見通しを持っているのですか。
#85
○谷説明員 現在、床固めあるいは導流堤を始めまして、まだ上流の方に森林帯等の計画もありまして、長期計画あるいは五カ年計画で、それらの工法をいま検討しておりまして、そういう変更のやつを入れますと、どの辺までいくかということは、ちょっといま申しかねますが、五カ年計画の策定に当たっては、その辺も十分検討して、扇状地の計画というものを立てて、はっきりさせたいと思います。
#86
○高橋(繁)委員 樹林地帯は、新しい計画のようでもありますから別として、いわゆる土砂を防止するための扇状地における計画というもの、全体計画というものは、お立ちになっているのですかそれは、まだこれからなのですか。
#87
○谷説明員 現在は、計画は立っておりますが、細部の根固め等の模型実験等を行いまして、ほぼはっきりした計画が立ちつつありますから、そういうものを入れますと、ちょっと金額的にははっきりと、ここではまだ出ないわけでございます。
#88
○高橋(繁)委員 そうしますと、来年度で一応決められた五カ年計画が終わりになるわけです。今度は次の五カ年計画というものが当然立てられていかなくちゃならない。ということになると、次の予想される計画というものは、いつごろはっきりいたしますか。
#89
○谷説明員 ことし長期計画ができますから、それまでにははっきりいたしますし、なお、新しい五カ年の中に入りますと、大体扇状地におきます――まあ樹林帯の問題は少しまだ、将来肥料をやったり、あるいは補植したりする問題がありまして、これは次の五カ年以上にそういう仕事は残りますが、大体扇状地における基幹工事は、すべて終わるような形になると思います。
#90
○高橋(繁)委員 現在の工法によって、扇状地の導流堤並びに床固め工事が行われておりますが、昭和四十七年に大沢崩れの災害がありました。大変な災害ですが、あれだけの災害が来た場合に、導流堤あるいは床固めの工事というものは耐え得るものですか。まだ不安は残りますか。
#91
○谷説明員 現在行っております工法で、四十七年程度の土石流に対しますと、十分耐えます。
#92
○高橋(繁)委員 四十七年の大沢崩れの状況ならば耐え得る。ところが、そうした土砂流というものは、あそこの大沢崩れでごらんになっていると思うのですけれども、大変な河床変動や、流れの方向が変わっていくわけですね。自然の猛威というものは物すごいものがあると思うのです。したがって、四十七年の当時の災害については、大体あれで間に合うのじゃないかと思うが、それ以上の災害が来た場合には、保証は全くないわけでしょう、だから、その辺についても、次の五カ年計画をお立ての際に、よほど慎重に考えられていかなければならない、こう思うわけであります。
 それで、四十七年の土砂が大変堆積をしておるわけですが、その土砂の排除については、もう一度確認をしておきたいのですが、どのようにお考えになっていますか。
#93
○谷説明員 四十七年の土石流で出ました土砂のうちで、特に下流の方へ流下しやすいという土砂が十五万立米ございまして、これは四十八年度にすでに排除しまして、導流堤の方に使っております。
 それから、今後の管理の問題でございますが、やはりあそこは土砂を貯留するところでございますから、今後は骨材としての利用等も考えまして、土石流等による土砂を排除してまいろう、こういうふうに考えております。
#94
○高橋(繁)委員 それだけで現在堆積しておる土砂は排除できるのですか、導流堤の方に使うとか、あるいは床固めの材料にするとかいう方法だけで。あと残りませんか。
#95
○谷説明員 現在のところは導流堤や床固めの工事がございますが、将来は、そういう工事が済みますと、本当に土石流で出ました土砂はそのまま残るわけでございます。だから、ほかの方の公共事業に使うなり、あるいはあそこの砂れきは非常に締まるというような特徴を持っておりますから、そういうほかの方に利用するようなことも、いまあらゆる方面の資料も集めまして検討をやっておるところでございます。
#96
○高橋(繁)委員 次に、いわゆる不測の事態が生じて、いまの導流堤を乗り越えて土砂流が流れ込んできたときの対策として、樹林ベルト地帯を計画されているやに新聞でも報道されました。
 これはなかなか大変な研究を要する問題でもありますし、報道によれば、大沢崩れの下方のところに幅五十ないし百五十、四百万本の森林を形成することによって土砂流を食いとめ、下流の被害を防ぐというような、全く世界でも初めての構想として、現地はもちろんのこと、これは全国大変な注目を浴びる計画なり工法になろうかと思いますが、そういうような世界でも初めての事業のために一体どれだけの幅を要し、どれくらいの森林を要し、あるいはどういうような樹木がこれに適当かどうかということは、これからの研究課題であろうかと思うのですが、本年からもうその研究に着手する、現地でもう植樹するというようなことでありますけれども、概略のその樹林地帯の構想について説明を願いたい。
#97
○谷説明員 樹林帯の問題につきましては、大沢崩れという非常にあらゆる悪い因子が集まっておりまして、将来不測の大きな土石流が発生するというおそれも多分にあるわけでございます。そういった場合にもひとつ安全なようにということで、現在の導流堤の外側でございますね、あそこへ樹林帯をつくりまして、そこを突き破った土石流はその樹林帯で殺されて、周囲には被害を及ぼさないというような方法であるわけでございます。
 現在、樹林帯の幅を何ぼにしたらいいか、百メーターがいいか五十メーターがいいかと、いまいろいろな案もありますが、その辺の樹林帯の幅あるいは樹種の問題でありますが、これは川に近い方は多少湿潤なところに適したもの、あるいは土石流を受けても萌芽性で、すぐ芽が出てくるというような樹種を堤防の近くに置きまして、それからケヤキだの杉だの、外側に向かって喬木を植えていくというような構想があるわけでございまして、具体的な樹種あるいは広さにつきましては、まだ五十年度におきましても引き続いて調査をやりまして、それで幅なんかも確定していこう、樹種も決定していこうというふうに考えております。
 それからまた、これは次の新しい五カ年計画等には、積極的に事業が実施できるような段階まで積極的に取り組んでいこうというように考えております。
#98
○高橋(繁)委員 その研究は一体どこでおやりになりますか。おたくの課でやるのですか、あるいはほかの部でやるのですか。
#99
○谷説明員 現在やっておりますのは、やはり大学の先生あるいは土木研究所等も入れまして、そういうところで特に樹木の方の関係の専門の方にも集まっていただいてやっております。
#100
○高橋(繁)委員 窓口はおたくのところでやるわけですね。
#101
○谷説明員 そうでございます。
#102
○高橋(繁)委員 そうしますと、五十年度にもう実施をしようということでしょう。そうすると、五十年度については一体何から始めるのですか。
#103
○谷説明員 五十年度におきましては、まだ調査でございます。たとえば樹種ですね。いろいろ木を植えてみまして、あるいはその土壌なんかを調べまして、どういう肥料に欠けておるかというようなこと、あるいは土石流なんかが来た場合に、樹林帯の幅をどれくらいな厚みにすればいいか。森林として形成される場合に、余り幅も狭いと森林としての形が整わない。一つのグループとして成立するためにはどういう幅がいいか。そういうことも含めて調査、研究することにしております、
#104
○高橋(繁)委員 調査、研究をすることは当然始めてもらいたいのですけれども、実際はあの大沢崩れの両岸あるいはそれに伴っているかなりの民有地もあります。この民有地のその辺の処置も考えなければならない。ということになると、富士山の山ろくは、いまどんどんと開発されていっておりますので、その辺の計画も早くめどを立てて、民有地の買収をするなり、そういう方法を講ずるための協力方を依頼するなり、計画なるものを早く発表しないと、せっかくのこのすばらしい計画が、後数年後になってできないということになるおそれもあるので、どうかひとつそういう基本的な計画というものを早く打ち出して、それで発表すること自体がいいか悪いか、これはいろいろな問題もありますが、大変なすばらしい計画であると私は思うのです。
 特に富士山ろくは防災工事をする傍ら、自然保護ということもやらなければいけない。あそこの前の砂防事務所の所長さんも、そのように言っております。したがって、そういうことでそうした樹林地帯を設けて第二次の防災工事をやるということは、これからの大変貴重な一つのあれになると思いますので、その辺の計画を速やかに立てて実行に移していただきたいというように思いますが、いかがなものですか。
#105
○谷説明員 先生のおっしゃるとおりでございまして、われわれとしましても、できるだけ早急にその樹林帯の幅等を決めまして、先生のおっしゃるように用地の問題等もございますから、その辺を早く解決することとともに、また大沢の四十七災における土石流等のこわさというものもみんなPRしまして、また用地の方の関係も善処できるような形に早く持っていこうというように考えております。
#106
○高橋(繁)委員 したがって、そういう樹林地帯の計画あるいは扇状地帯、源頭部、このいろいろな複雑な要素を含んでおりますので、それと富士山の実態あるいは大沢崩れ――ある学者が大沢崩れの防災工事をすると富士五湖がなくなるのではないかと言っているようなことも、ぼくはどっかで聞いたことを覚えておりますが、富士山というのは非常に不思議な山です。ですから、その実態を踏まえて、この富士山の研究というものをなされた上で、一体どういうことが一番いいのか。それと同時に、潤井川の下流地域におる二十五万の市民の安全ということから考え、あるいは国土保全、また麗峰と言われている富士山を守るということから言っても大変な工事になると思います。したがって、そういう意味を含めて崩落区域の防災工事と国土保全の投資というものは惜しんではならない、私はこのように思うわけです。そういう意味で、防災課長も来ておりますので、そういう点あわせて御意見をお聞きをいたしたいと思います。
#107
○谷説明員 大沢崩れにつきましては、本当に世界の代表あるいは日本の代表の工事でございますので、われわれも今後とも十分事業の促進ということを図っていきたいと考えております。
#108
○田原説明員 大沢崩れにつきましては、第一次的に砂防部でいろいろ対策工事をやっておりますが、ただやられました施設が壊れるとか、そういうようなことにつきましては災害復旧事業として取り上げ、抜本的にさらに強化していくというつもりで、砂防部と一体となって、常にその辺については着目しながら進めておる次第でございます。
#109
○高橋(繁)委員 終わります。
#110
○金丸委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
   午後零時二十分散会
ソース: 国立国会図書館
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