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1949/04/10 第7回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第007回国会 水産委員会 第29号
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1949/04/10 第7回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第007回国会 水産委員会 第29号

#1
第007回国会 水産委員会 第29号
昭和二十五年四月十日(月曜日)
    午前十時四十五分開議
 出席委員
   委員長 石原 圓吉君
   理事 奧村又十郎君 理事 川村善八郎君
   理事 夏堀源三郎君 理事 平井 義一君
   理事 松田 鐵藏君 理事 林  好次君
      小高 熹郎君    川端 佳夫君
      高木 松吉君    田口長治郎君
      田渕 光一君    玉置 信一君
      永田  節君    福田 喜東君
      岡田 勢一君
 出席国務大臣
        大 蔵 大 臣 池田 勇人君
 出席政府委員
        大蔵事務官
        (銀行局長)  舟山 正吉君
        農林事務官
        (水産庁次長) 山本  豊君
 委員外の出席者
        専  門  員 齋藤 一郎君
    ―――――――――――――
四月七日
 委員長谷川四郎君辞任につき、その補欠として
 福田繁芳君が議長の指名で委員に選任された。
同月八日
 委員保利茂君及び福田繁芳君辞任につき、その
 補欠として奧村又十郎君及び長谷川四郎君が議
 長の指名で委員に選任された。
同月十日
 委員佐竹新市君及び中原健次君辞任につき、そ
 の補欠として中崎敏君及び岡田春夫君が議長の
 指名で委員に選任された。
同日
 理事保利茂君の補欠として奧村又十郎君が理事
 に当選した。
    ―――――――――――――
本日の会議に付して事件
 理事の互選
 小委員の補欠選任に関する件
 水産金融に関する件
    ―――――――――――――
#2
○石原委員長 これより会議を開きます。
 議事に入ります前に御報告いたします。去る七日の委員会におきまして、委員長一任になつておりました荒廃漁場復旧に関する小委員並びに小委員長選任の件につきましては、同日委員長において次の通り指名いたしました。
 荒廃漁場復旧に関する小委員
   小高 熹郎君  川端 佳夫君
   鈴木 善幸君  田渕 光一君
   永田  節君  福田 喜東君
   松田 鐵藏君  中西伊之助君
   同小委員長 川端 佳夫君
 なお他の二名の小委員につきましては、追つて指名いたしたいと思います。
 次におはかりいたします。去る八日理事保利茂君が委員を辞任されましたので、理事が一名欠員となつておりますので、これよりその補欠選任を行いたいと思いますが、互選の手数を省略し、委員長において指名するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○石原委員長 御異議なしと認め、奥村又十郎君を理事に指名いたします。
 なお水産金融並びに漁業災害補償に関する小委員及び水産物集荷配給並びに水産貿易に関する小委員であられました長谷川四郎君が去る七日委員を辞任され、また漁業制度に関する小委員及び漁船並びに水産資材に関する小委員であられました保利茂君か去る八日委員を辞任いたされましたので、これらの小委員か欠員となつております。つきましてはこの際この補欠選任を行うこととし、委員長において指名するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○石原委員長 御異議なければ、水産金融並びに漁業災害補償に関する小委員及び水産物集荷配給並びに水産貿易に関する小委員に長谷川四郎君を、漁業制度に関する小委員及び漁船並びに水産資材に関する小委員に奥村又十郎君をそれぞれ指名いたします。
#5
○石原委員長 水産行政に関する件を議題といたします。本日は池田大蔵大臣が御出席なりましたので、同大臣に対する質疑を行いたいと思います。大蔵大臣に対する質疑の通告がありますので、これを許します。夏堀源三郎君。
#6
○夏堀委員 最近中小企業に対する金融が、非常に大きく政治問題、社会問題として取上げられるようになつたのであります。池田大蔵大臣は何か放言といつておられましたが、この問題が大きく池田大蔵大臣の政治力によつて急転回したということに対して、私は最大の敬意を表するのであります。しかし中小企業の大きく浮び上つたそれと比較して水産関係はどうであるか。これは全然問題になつておらぬのであります。たまたま三陸沿岸の不況、加工業者の不振ということは、日銀の支店長会議において、支店長の意見の発表によつて、初めて数日前に経済新聞に取上げられた程度であります。政府としては、水産関係に対しては、ほとんど無関心であると申し上げてもまずさしつかえないのではないかと思うのであります。そこできよう大蔵大臣が御出席になつたので、まずお伺いしたいことは、水産金融は中小企業のわく内において処理されるものであるか、わく外において処理されるものであるか、まずこれをお伺いいたしたいのであります。
#7
○池田國務大臣 水産金融に対しましては、中小企業のわく内で処理するものもございましようし、またそれ以外の大企業としてやるのもあると思います。わが国産業の復興につきましては、とにかくあらゆる面から、あらゆる方法でやつて行かなければならぬものであろうと考えているのであります。従来水産金融に対しましては、農林中金あるいは勧業銀行などが、直接その衝に当つておつたのであります。戰後金融機構の変革ということによりまして、長期金融、ことに水産金融等につきましては、非常に意に満たぬものが多かつたのであります。私はこの点にかんがみまして、従来水産金融をやつておつた勧銀とか農林中金を強化いたしまして、十分に円滑な金融をつけるべく準備いたしているのであります。御承知の通りに、金融機関の再編成によりまして、近く勧銀とかあるいは農林中金などに見返り資金から出資をいたしまして、これによつて長期債券を発行し、これを水産方面にも持つて行きたいという考えでやつている次第でございます。
#8
○夏堀委員 なるほど水産はその範囲が広いのであつて、捕鯨事業とか、あるいはそれと反対に一本づりの小企業ということで、ピンからキリまであります。従つて金融機関の方でも、いろいろまちまちな金融があることは当然であります。しかし私は大きくこれを取上げて、いわゆる中小企業という点において申し上げたいのであります。中小企業の金融の促進ということはよく新聞にも載つております。きようの新聞にも、信用保証案成るとか、あるいは中小企業の金融促進とか、これに対する見返り資金か十五億云々、そこで百五十億の中小企業に対する保証の対策ができたとか、あるいは中小企業に対する救済的な意味における独立した銀行ができて、国家保証云々というようことがぼつぼつ新聞に見えているのであります。先ほどそのわく内で処理されるものであるということは、こうした面において大きく飛躍する中小企業か、水産も含めあれば、われわれもそのわく内において処理される方法に持つて行かなければならぬのじやないかと思うのでありますが、何といつてもこれまでのありきたりは、水産、特に漁業面に対しては、一般の金融機関も特別扱いをしていることは見のがせない事業であります。これに対する保險制度もまだ出ておらぬために、若干の危險を感じているということであります。ここを明確にしていただきたいと思うのであります。水産金融を單独に扱つてくださることを、私は大蔵大臣に今申し入れしたいのであります。なんとなれば、水産の金融に対しては、今申し上げたように、これまでの銀行の取扱い方法及びその系統が別々になつておりますので、今これを中小企業と一緒にするといつたところで、それを扱う方ではもうそういう方法では持つて行かぬだろう。やはりこれは特別に、水産金融は水産金融としての別途な取扱いとして、中小企業の上に見返り資金がもし融通できるものであるならば、見返り資金の水産に対する融通を別個な取扱いをして、この非常に苦しい今の水産の窮状を何とか救済してもらいたい、こういうことをきよう大蔵大臣に申し入れをしたいのであります。
 なおせつかく御多忙のところを御出席願つたので、他の委員の方々からも御意見もあるでありましようから、私はかいつまんで、今申し上げたことは緊急対策として、あとこの次には恒久策としての金融政策、この二本建で質問いたしたいと存じます。今申し上げたことに対する御答弁をお願いいたします。
#9
○池田國務大臣 水産金融に対しまして、特別の機関をつくつてやつた方がいいのではないかという御意見であるのでありますが、特殊の金融につきまして特殊な機関をつくりましても、資金関係その他でかえつてきゆうくつになるのが、今までの例であるのであります。私は長期金融と短期金融と二段階にわけて、水産関係の方はおおむね長期金融になりやすいのでありますから、長期金融機関としては、農林中金とか勧銀の方に水産金融に力を入れてやつた方が、金融機関の採算の上から申しましても、またいろいろな時期的な関係がある点から申しましても、いいのではないかと考えているのであります。水産金融と申しましても、御承知の通りに、船、網の金融もありましようし、また漁獲物に対する短期的な金融もありましよう。また生産物を維持加工し、市場操作をやりますのに、冷蔵庫その他の長期金融もございましようし、いろいろな点があると思うのであります。こういうことを考えますと、特別の金融機関をつくることよりも、やはり長期金融機関として水産部門に活躍さす方が、かえつて好結果を来すのではないかと考えております。
 なお見返り資金かな出ますものは、おおむねこれは生産資金、設備資金と私は考えているのであります。今まで資金関係で、普通の銀行はコンマーシャルべースに立ちまして、どちらかと申しますと短期金融をしております。見返り資金から出しますのは、長期的性質を帶びるものに出しているのであります。従つてただいままで出しました四半期の三億円の問題につきましても、つとめて各般の産業に、しかも長期的のものに向けるようにしているのであります。きよう新聞なんかに載つておりました中小企業、こういうものも、單にこれは商業方面ではございません。どちらかといえば、長期資金的のものを主と申しますか、こういうものがねらいであるのであります。ただいま事務当局において、すなわち大蔵省の銀行局と通産省の中小企業庁が検討を加え、できれば見返り資金の方から相当出しまして、西ドイツでやつておりますような保証制度を考えたらどうかというので、今研究を進めている状況であるのであります。これにはもちろん水産金融の方も入つて来ることは当然であると考えております。
#10
○夏堀委員 全体に含んで水産金融は入つ来ると申されますが、日本の水産は世界一であります。カナダその他日本の四分の一の水産しか持つておらないところでも、なお水産省の設置があつて、非常に飛躍的にやつている。しかるに日本はこれだけの大きな水産の力を持つていながらにして、認められない存在になつているのであつて、私はこの点は非常に嘆かわしいと存じております。そうした面が金融の方にも響いて、今大蔵大臣は、このわく内において処理されるであろうとおつしやいますけれども、それは処理されないのであります。なぜならば、水産は危險であるとか、何かただとつてくるのであるとか、まことに知識を持たないで、いいかげんな批判をして、これをおそまつにするということになるのであります。せつかく大臣はこのわく内において水産は処理されるであろうとおつしやつても、その通りに参りませんので、もしそのわく内で処理されるものであるならば、これは水産庁の方にも申し入れておきますが、計画を立てて、中小企業のわく内てあるとか、あるいは農金のわく内であれば、私はそれはやむを得ないのでありますけれでも、水産に対しては、このパーセンテージをある程度出せという計画性をもつてやつていただきたいと思うのであります。そういう方法でもつて行つても、なおかつ政治力と申しますか、日本の漁業者は非常におとなしいと申しましようか、終戰直後あれほど荒廃した漁業がいち早く復興して、どの産業よりも早く生産面に達した。危險な商売でありながら、不平一つ言わずに、陸上の工業にあるような労働争議等は一つもなく、默々として国家に協力しておる。それがその協力したことがものを言わないものだから、無視されておるという結果になつておるのではないかと思うのであります。現在でも、自分の苦しい立場を社会に訴える力もなく、ただこの水産常任委員会でいくらか発言する程度であつて、全然認められない存在であるのであります。そういうことでは、せつかく大臣がそういうようなことをお考えになつておつても、やはり無視されるということは当然であると思いますので、農金及び中小企業のわく内において行くとおつしやつたのでありますけれども、今申し上げましたように、このわくを水産に対してはこの程度出さなければならぬということを、あらかじめお考えになつて、水産庁の方と連絡をとつて、計画性をもつて融資の面をお考えになるかどうか、この点をお伺いいたします。
#11
○池田国務大臣 御承知の通り、先ほど申し上げましたように、長期資金を集めるべく機構を整備いたしておるのであります。金がどれだけ集まりますか、これからの金融情勢によつて違つて来ると思うのでありますが、もし水産方面に、たとえば北海道のにしんその他の一定の漁区についてどのくらいいるとか、あるいは三陸方面でどれだけのお金がいるというような申出がありましたならば、それを根拠に金融操作をしていいと考えておるのであります。先ほど申し上げましたような冷蔵庫の操作、これも水産にも最も必要なことでございます。また漁船、漁網の問題につきましても、われわれは申出かありましたならば、何時でもこれに応ずるような手配をいたしたいと考えておるのであります。この問題は、農林省におきまして具体案をお立てくださいますならば、われわれはこれにマッチするように努力いたしたいと考えております。
#12
○夏堀委員 わかりました。水産庁の方に申し上げます。大蔵大臣は今私の質問に対して、明確に御答弁になつておるのでありますが、はたして必要な資金について大蔵省との折衝までしてあるのかとうか、今後一体どうしようとするのか、きのうかの新聞に、水産庁健在なりやということが見えておりましたが、まだ水産庁があるのかないのかということさえ国民に疑われておるような状態でありまして、それではどうにもなりません。それで水産庁の方では、そういう重要な問題について、せつかく大蔵大臣がこのようにおつしやつておるのだか、それを申し出たことがあるかどうか。なおもう一つ大蔵大臣には、非常にけつこうなことを伺いましたが、私ども水産庁をたよりにしないとは申しませんが、どうも水産庁はその長官を失なつたというようなことで、沈滯気分になつておることは事実であります。国会はこれに馬力をかけ、十分に鞭撻して、今大蔵大臣のおつしやつたようなことを推し進めるために、国会の休会の期間を利用いたして、十分国政調査をいたしましてこの重要な資金面の問題を国会として取上げたいと思いますので、さようお願いいたします。
#13
○川村委員 ただいま夏堀委員なら、生産庁健在なりやいなやという新聞の例をとつてのお話がありましたが、私もその新聞を見て、まことに同感だと思つたのであります。しかし今大蔵大臣は、金融の措置を講ずることについては、計画を立てて来るならば、何時でも応ずる意思があるということをはつきり言明されております。そこで今夏堀委員から、そういう計画があるかどうかということを伺つておるわけでありますが、それと同様な意味で伺いたいのですが、今漁業で一番大きな問題になつておるのは金融問題であります。どこに行つても一にも金融、二にも金融でありまして、まつたく金融に閉じ込められて漁業ができないという現状であります。水産庁は今長官もおりませんし、またそういう積極的な問題を持つて行つても、農林大臣がいろいろな感情問題から、はたしてそれを取上げるかどうかということも考えますが、次長からこの場合、あなたは長官にかわつて今日まで行政面を取扱つておるのであるが、漁業金融の情勢から、水産庁内部の機構の中に金融課を設けて、積極的にこれを取扱う意思があるかないか、このことをあわせてお伺いしたいのであります。
#14
○山本(豊)政府委員 水産金融に関します各種の計画の問題でありますが、これは一昨年から去年あたりにかけましては、まだ資料も十分ではありませんので不十分であつたのであります。しかし今回そういうことを考えまして、大体年間の運転資金計画というようなものを、過般来係を督励いたしまして、大体の成案を得ておるのであります。もちろんこれは、全体についてどれくらいの資金がいるかという計画でありまして、非常に厖大な数字にもなりますし、とうていこのままですぐ大蔵省が御援助願えるかどうか問題でありますが、とにかくこの資料を大蔵省なり、あるいは日銀当局、農林金庫、そういう方面に提出いたしまして、折衝いたしたいと考えておるのであります。それから先ほど出ました見返り資金等につきましては、これは今までもいろいろ申し上げておりますように、この部分だけにつきましては十分な計画をもち、また関係方面にもいろいろ折衝いたしておるのであります。なお一般設備資金については、目下その資料をつくりつつあります。これらの資料通りにはなかなか参らぬと思うのでありますが、これも一応その前提といたしまして関係方面に十分連絡をいたしまして、ひとつ援助をしてもらおうというふうに考えているわけでございます。
 それから川村委員からのお尋ねの、金融課を置くかどうかという点でありますが、この点は今回の機構改革の場合にもいろいろ考えた点でございますが、何さま全体の課をとにかく非常にふやすということは、今日いろいろ問題もあり、予算の関係もございますので、現在漁政課で金融事務を行つているのでありますが、これをもう少し結集させまして、もう少し力を強くいたしますために、今回の改正では経済課へ持つて参りまして、金融の係とか税の係とか、こういう方面が結集させて一段と強くやりたい。こういうふうに考えているわけでございます。
#15
○夏堀委員 水産庁側の御答弁は、はなはだ不満足であります。なるほど確かにそういうようなことは多少動いてあるかもしれませんが、やはり積極性がないのだということです。実を結ぶまでに政治的に、あるいは事務的に持つて行く方法をとらなかつたからだ。だからこういう場合にどうにもこうにもならぬ段階に入つたのだということを申上げておくわけです。これはやむを得ないとして、時間もありませんので、恒久対策に対してお伺いいたしたいのであります。あの漁業法については、全漁民は農地改革と同様に、非常に大きな問題として取上げたのであります。議会でもいろいろな意見があつたのでありますけれども、どうしても日本を民主的な方向に持つて行くには、これでなければいかぬという、関係筋の御意向も非常に強かつたので、あの漁業法案を通したのであります。しかし今申し上げたように、この通りの弱体な漁民、組合の弱体な組織であつては、せつかくつくつたあの漁業法というものでは、組合の仕事は絶対にできないのでありますから、これに対して、いかなる方法をもつて組合の強化をはかるかということが、いわゆる問題として残されてあつたのであります。それで私は漁業法の審議中に、金融対策のあり方を明確にして、その裏づけをすることが、絶対必要である。そうしたようなことによつて多少の修正をしても、やはりこの漁業法を通さなければならぬということを申したのでありますが、私の主張するところは、漁業権証券約百七十億、そのうち組合で持つているものは大体百三十億か百四十億あるということであります。組合の持つているもの、これをばらばらにして配分したところで大したことではない。これをまとめて、いわゆる水産金融に対して大きく役立たせるということによつて、大きな犠牲を拂つたんだが、しかし金融の復活によつて漁業者が救われるということが一つのねらいであるというような意味からこの百七十億の漁業権証券を政府が買い上げる方法を講ずべきではないだろうか。最近の金融財政策上にも、そうしたようなことがぼつぼつ見えております。また実施されつつあるようでありますので、私は、どうしても、この漁業権証券の取扱いについては、農業の場合と違つて、もうすでにインフレ時代は去つて、むしろデフレ傾向にもなつておりますし、ことに組合の強化をはかるがためには、どうしてもそれなくしては、この法律案か通つたところで、これを実施することは絶体できないのでありまするから、この証券の取扱いについて、はつきりとこの際に、これを政府が買上げする方針をとるべきであるということを、私どもはここにあらためて大蔵大臣に申入れをして、この法律を死文化させないように、実際に生きた法律として、民主化の目的を達成させるがために、そういう方法をとらざるを得ないのであるということを、あらためて申入れをしておきたいのであります。なおこの問題の可否は、日本の漁業の今後に及ぼす影響が非常に大きいのであります。特に漁業協同組合の死活問題でありますので、この点を明確にしておきたいと存じますので、きようの大蔵大臣の御出席のこの機会に、この問題を特に取上げて、明確な御答弁を承つておきたいと存じます。
#16
○池田國務大臣 私は不敏にして、実は漁業権が担保になり得るかどうか、はつきり申し上げる資料を持つていないのでございますが、夏堀さんのおつしやいます、この漁業法によつて設定されました漁業権を政府が買い上げて、そうして漁業組合等に金を渡すということが、将来の日本の漁業に対していいことであるかどうかという問題につきましては、相当検討を要するのじやないか。ただ問題は、漁業組合等の関係漁業者に対しまして、できるだけ金融をつけて行くということで、この漁業の再建ができるのではないか根本から漁業権を政府が持つてしまうということは、相当私は研究の余地があるのじやないかと考えております。この点につきましては今後研究いたしましてお答えしたいと思いまするが、結論といたしましては、政府がこれを買い上げるということについては、相当検討の要があると思います。
#17
○夏堀委員 きよう御出席になつた大臣に対して、きようのうちに明確な答弁をせよということは、私はちよつと言い過ぎであります。十分に検討してなお答弁をお願いするということが順序であろうと思います。ただ水産金融はなぜこうすつきり行かぬのかと申しますと、危険な事業であるということがまず大きな理由であろうと思います。そうした場合に、政府が債務として持つているこの百七十億というものは、おそかれ早かれ拂わなければならぬものである。そうして中小企業の場合には、何か保証制度というようなことによつて、年額百五十億の融資をお考えになつているということが、大きく政治問題として取上げられているのでありまして、そういう面と比較いたしまして、ものはここに政府の債務として百七十億という金があるのだ、そうしたならば、これを目当てとして金融を新たに展開するという方法を持つているのであるから、多少危險があつたにせよ、その目標がそこにあれば、政府がこれに対する何か救済方法的に融資しても、損するようなことはないだろう、これが私のいわゆるねらいであるのであります。貸しつぱなしではないのであつて、ここに初めて、危險な事業ではありますけれども、保証制度ということ即保險制度ということを考えなければなりません。災害保險制度、不漁の保險制度――これはちよつと問題が大きくなりますけれども、少くとも災害保險制度くらいは考えて、この財源をこうした金額から幾らか割愛するということも、政策的にこれを考えることは当然じやないか。これによつて金融機関は安心して金融できるということじやないだろうか。こういう考えから私は大臣にお伺いするのであります。結論的に申し上げますと、目当てはないのじやないのだ。百七十億の政府の債務かあるので、これを目当てにして金融を考えなければいかぬのじやないか。それさえも政府が取入れることはできないということになれば、政府は日本の水産を無視しているという結論になるおそれ多分にあり、そうなりますと、默々として働いておつたこれまでの漁民諸君は、宣伝もせずして何の政治的な方策も講ぜずして、最後の段階に入つて、国家に最も必要な食糧たる水産問題をやみからやみに葬むられるということになつたならば、これは世界のもの笑いになり、政府も大きく批判されるであろうことは、私は断言してはばからないのであります。私は、政府はもつと世界屈指日本水産に対して認識を深めていただいて、こうした面から、大きくこれを取上げることは絶対必要であると思うのであります。しかしながら、水産業においては多少の危險かあるのでありますが、それを多少でもカバーするということを織りこんで政府は今後の金融政策に対して、十分に御考慮をしてくださることを、私は要望するのであります。この点に対する御答弁をお願いいたします。
#18
○池田國務大臣 わが国の水産は、世界生産の四分の一ないし三分の一という地位に昔あつたのであります。しかも今後、多数の人口を養い、また世界の貿易市場に雄飛いたしまするものとして、水産は最も有望なものであるということは、万人の認めるところであるのであります。従つて私といたしましては、水産方面にできるだけの助成、育成をやつて行きたいということにつきましては、人後に落ちないつもりであるのであります。お話の通りに、水産業はある程度の危險性を持つておるのであります。従つていろいろな場合におきまして、昔は網元と実際海に出て魚をとる人とが、歩合制度にしたり、いろいろな特殊な運営があつたことも承知いたしておるのであります。それが経済の変革から、そういう制度がだんだんなくなつて、この点において私は、北海道、東北方面の水産に支障を来たしておるということは認めておるのであります。歩合制度がよいか悪いかということは別問題といたしまして、少くとも水産が最も重要なる産業である以上、これに対しまして、できるだけの金融措置を講じなければならないことは当然であるのであります。百七十億と称される漁業権証券の問題につきましては、私はまだ十分研究をいたしておりませんが、こういうものを今後水産金融にいかに利用して行くかということについては、大きな問題であると思います。せつかくお言葉かありましたので、今後そういう方面についても研究を続けて行きたいと考えております。私の水産に対しまする考えは、以上申し上げた通りであります。
#19
○夏堀委員 これまで私が行いました質疑の、結論的なことをお伺いしてみたいと思います。緊急対策に対しましては、漁業資金、長期資金、こうしたことは十分に政府では考慮しておる。ただその連絡はまだはつきり水産庁との間についておらない。その必要のある面に対しては十分考えて、融資の方法を講ずる。それから今の百七十億の漁業権証券の処理については、まだよくおわかりにならないようで、おわかりにならないのに明確に答弁をせよというのもむりでありますから、十分に研究をしたいという御答弁であつたようであります。そこで私は、こういうことを提案いたしたいと思います。水産庁は水産行政面に対しては、責任を持つてやらなければならないのでありますけれども、今の経済情勢においては、まことに申訳がないのであるけれども、先ほど申し上げましたように、ときどき新聞に出ておる程度でありますので、まことに心細い。そこで水産庁を主体とした何か水産金融に対して、今まで私が申し上げたことを十分促進する意味において、一つの組織と申しますか、研究会と申しますか、大蔵省も入れ、日銀も入れ、また国会のメンバーも入れて、組織的にこれを研究し、促進するという方法で、できるだけ早く実を結びたいと私は考えておるのであります。この点に対しては、委員長にもひとつ、どう扱いをするかということについてお願いしたいのですが大蔵省、水産庁側からもこうした面に対して、どのような考えを持つておられるか、御答弁を願いたいのであります。
#20
○池田國務大臣 委員会を設けてやるかどうかということは、私が御答弁申し上げるのは、少し行き過ぎかと思います。農林大臣にお尋ねなさつた方が、けつこうかと思いますが、今私が兼務いたしております通産方面におきましての中小企業の問題について申し上げますと、中小企業庁で、全国の中小企業を調べたところによりますと、設備資金は七十億円程度である。この七十億円を元にいたしまして、見返り資金から半分持つ。四半期三億円。こういうものを基礎にして、どんどん実際の金融の融通をやつておるわけであります。従いまして、農林省、水産庁におかれまして各水産業者について、どれだけの金がいるのだという調査ができましたならば、大蔵省はそれに乗つかつて、できるだけ信用をつくつて行きたい。これだけの金が、どこの業者にいるのだという調べにつきましては、一応農林省で委員会を設けるなり、あるいは委員会でなくとも、実際面を調査なさつてお持ちくだされば、今通産省でやつておりまする中小企業への金融と同じ方法で、十分出せるのではないかと考えております。
#21
○山本(豊)政府委員 夏堀委員の先ほどのお話は、水産庁としましても、十分考えておるところであるのであります。漁業権証券を最も有効に資金化の方に利用する――といつては語弊がありますが、活用するということは、水産庁としましても、大きな金融対策の一つとして考えておるのであります。たた具体的方法につきましては、ただいま大蔵大臣からのお話もありましたように、相当研究を要すると思いまして、実は日銀当局等とも、二、三回相談はしておるのであります。これに農林中金であるとか、あるいは必要があれば、大蔵省の係官にも出てもらいまして、水産庁が中心になつて研究をして行くことは、非常にけつこうだと思うのであります。ただそれが正式の委員会というふうにいいまするか、時々必要な方々に、われわれの方から御案内をいたしまして、お集まり願つて、そうして一日も早くある程度の具体案ができるように努力いたしたいと考えておるわけであります。
#22
○夏堀委員 私の申し上げることは、委員会などという、そういつた大げさなものではありませんので、結局その結果をよくするがために、あらゆる方面から知識をまとめて、その実を結びたいという程度の考えでありますので、せつかく水産庁の方でも、今御答弁になりましたけれども、今までぴつたり行つていだいのであります。てんで問題になつていないのであります。そして政治的といつてはむりでありますが、事務的には大蔵省と、ほとんど問題になつていないくらいに連絡がないのである。私はそのことを申し上げておるのであつて、これを強化するために、水産常任委員あたりが、この問題を取上げて、やかましく言つておるのであつて、結果において、水産庁に協力し得る何かの組織があれば、やりやすい。たまに委員会を開いて質疑を行つても、これは短時間のうちであるから、何にもならない。結局具体的のものにまとまりをつけるためには、その方がよいのではないかということを申し述べたのであります。どうぞ大蔵大臣におかれましては、いやでもおうでも、これをどのような形でも、具体的にあらゆる方面から検討して、これをどうしても水産のために必要であるという、いわゆる計画性を持つたそれによつて、これからしばしば何か大蔵省の方と折衝が始まると思いまするので、その際には、十分にきよう私が申し述べました世界一の日本の水産のあり方を、今後なお発展させる意味において、特に国際関係にこれから大きく飛躍的に運ばなければならない日本の水産に対しては、特に大きな関心を持つてお取扱いを願いたいということを、要望しておく次第であります。これで私の質問を打切ります。
#23
○石原委員長 松田君。
#24
○松田委員 政府は中小企業に対して非常な関心を持つて、相当の融資の額をきめて、積極的に政策を行わんとしておるのでありますが、民間銀行は、この点に対する協力の点がまことに薄いように考えられるのであります。もつとも日本の物価は、世界の物価の水準より、今までの統制経済によつて相当に高い地位に立つておる。ゆえに自由経済によつてその物価の水準を是正することが、すなわち企業の合理化によつて初めてなし遂げられ得ることである。これがわか党の主張であり、今それをカバーするために、大きな金融の政策を行つておるのであるが、これに対して民間銀行は、その物価の変動と将来の見通しからいつて、大蔵大臣が議会において答弁されておる物価の安定というものに対しては、いまだに相当の隔りがあるというように解釈されておるのか、ここに民間銀行の融資の対象の問題が論議されて、非常に円滑に行つていないような、実情にあるのでありまして、この点に対し、大臣は十分な御注意を各民間銀行に対してしていただきたい。かように考えるものであります。また金融には二つの道があつて、一つは政府の金融態勢であります。この政府の金融――今われわれの水産に対する金融のうちの政府の金融は、一に中金によつて行われておる。この中金の方法に対しては、今までは自己資金によつてこの方法をまかなわれておつた。ところが現在日本の物質のうちに非常にきゆうくつなものがたくさんあつた。たとえば重油のごときもの、これらアメリカから援助されなければならない重油が、われわれが今までは燒玉の機関を使用しておつたために、非常な燃料の消費が多い。また水産物ないしわが日本の貿易によつてカバーして行かなければならない金額というものも、こうした重要な燃料に相当取られるがために困るというような点が、たくさんあるのでありまして、われわれ自立態勢の建前から、この燃料を、いかにその消費の減少をはかるということに対しては、ただ一つディーゼル機関に機関の転換をする、これが大きな役目ではなかろうかと考えて、第五国会からこのことを叫んであるものであります。ところがディーゼル化するためには相当の資金が必要である。この資金に対しては、市中銀行からこれを借りるということはなかなか至難な問題であるのであります。ゆえに政府金融のうちの中金の融資によつて、相当なディーゼル機関の入れかえをはかるということは、すなわち日本の経済の安定をより以上に強めることであり、消費の点においては、約半分の油でけつこうなのであります。こういうことは、一時的に多額の金は出るが、どれだけ日本の経済安定に益するかということをもよくお考えくださつたならば、こうした問題を、政府金融の方面に十分に織り入れてやつていただくことが、消極的ではあるが、大きな意味合いの水産金融に役立つことである。かように考えるものでありまして、政府金融機関に対する相当な政府からの貸出しをやつていただきたい。かように考えるものであります。また北海道において特に問題になつているのは、魚田開発の問題でありますが、現在は中金の手にあり、大蔵省にそれがまわされているというふうにも聞いているのでありますが、これらに対しても、仄聞するところによりますと、二十四年度の一億のわくも別な方面の使途のためにだめになるというような意見も出ているようであります。こういう恒久性を持つた魚田開発は、ひとり業者の利益になる問題であるばかりでないのであり、これらに対しても、中金に対する金融の方法を高度に活用さしていただくことが、すなわち水産金融に対する恒久的なりつばな政策になると考えるのでありまして、政府に対する十分なる関心を持たれていただきたい。大蔵当局における御意思はどのようにお考えになつておられるか、承りたいと存ずるものであります。
#25
○池田国務大臣 物価の問題でございますが、私は財政演説で申し上げましたように、大体今後横ばいで行く、実効価格におきましては、大体下りぎみではないかという考えを持つているのであります。最近繊維製品を中心にいたしまして相当値下りがありましたが、だんだんこれは安定して来るという気持を持つております。なお金融問題、ことに漁業金融の問題につきましては、先ほど来申し上げた通りでありますが、一般市中銀行は、商業金融機関として改組再出発いたした関係上、長期金融に非常な支障を来しているのであります。一一部では非常に金詰まりということを言われているのでありますが、また他の方面では、銀行が金を貸し過ぎる。これじや財政インフレはとまつたけれども、信用インフレではないかという心配をする人が、国内におきましても、また外国におきましても、あるのであります。すなわち昨年は上半期では七百億円ぐらいの貸出しである。下半期では二千億の貸出しである。こういうことになりますと、せつかく政府の方で財政を引締めて行つておつても、信用インフレでまたこわれるのではないかという心配も起るのであります。また銀行経営から申しましても、預金に対しまして貸出しが――ある銀行においては、預金よりも貸出しの方が多い、何が貸出し過ぎるものではないかという心配をなさる人もあるのであります。金詰りの声と信用インフレの声が、両方ごつちやになつておるような状況であります。従いまして私は、何としても今までのような金融機関のあり方ではいけない。一般の銀行が商業金融であるならば、長期金融の強化を完全にはからなければならぬというので、実は数十億円の金を、見返り資金から農林中金、あるいは勧銀、興銀、あるいは商工中金へ出しまして、これによつて二十倍の債券を発行し、数百億円の長期資金を持ち、そうして今の漁業とか、あるいは長期の工業方面の金融をはかつて行こうといたしておるのであります。燒玉エンジンからディーゼルの方にかわつて行つた方が、燃料その他におきまして非常に得になることはお話の通りであります。われわれといたしましても、御審議を願いました金融機関の再編入によりまして、長期資金の獲得を十分にし、そうしてこういう金を今の漁船その他の合理化の方に使つて行きたいという考え方を持つて進んでおるのでります。なお魚田の開発につきましては、われわれも関心を持つております。御承知の通りに、二十四年度における見返資金の運用につきまして、水力の発電とか、あるいは造船、鉄鋼、石炭の方に出しまして、農林関係に実はひとつも見返り資金が出ないというのは、いかにも遺憾でありますので、三月の中ごろ、とにかく少しでも農林関係に出したいというので、魚田とさつまいものキュアリングに力を入れてやつたのでありますが、結局いものキユアリングの設備が、九千四百万円の申請があつたのが七千万円程度出ることになりまして、魚田の方にまわらなかつたことはまことに遺憾でありますが、今後におきましても、魚田開発については、重大なる関心をもつて御希望に沿うべく努力したいと考えております。
#26
○石原委員長 ちよつとお諮りいたします。ただいま参議院が本会議を開きますので、通産大臣は二十分ほど出席をなさらなければならぬそうでありますので、またあとですぐもどつて来てもらうことにいたしますから、さよう御了承願いたいと思います。
#27
○奧村委員 ただいま大蔵大臣は、見返り資金から十数億の各債券発行銀行に金を貸して、数百億の債券を発行する。これは国会で債券発行の法律が出ましても、どうやら関係筋などの関係もあつて、実現がはなはだ困難で遅れるようであります。特に水産金融に関係の深い農林中金、それから北海道拓殖銀行、これの増資及び債券発行は、実際いつごろになるか、今のところのお見通しをお伺いいたします。
#28
○舟山政府委員 最近新聞紙上においていろいろ伝えられおるのでございますが、銀行の優先株式の見返り資金による出資、あるいは預金部資金による銀行債券の発行ということについて相当悲観的ではないかという説も伝わつておるのでありますが、その点につきましては、ただいま大臣からもお話のございました通り、現在は信用インフレの段階にあるのではないかという疑惑からして、見返り資金の出資なり、債券の発行なりを、そうむやみに、慢然とはこれを認めがたいという状況にあるのでございます。見返り資金の出資につきましては、既定計画通りこれを申請いたしまするし、また預金部資金の債券引受けにつきましても、相次ぎましてこれを申請して、ぜひ実現をみたいと考えておるのであります。問題は、結局現在見返り資金なり、預金部資金について、総額幾らとわくをきめまして、これだけを認めてもらいたいといつたような交渉では、なかなかむづかしいのではないか、実際こう資金か必要であるという事情、それから一般信用状態というものを十分に説明いたしまして、そういう申請を持つて行つたならば、必ずや了承を得られるものと私どもは確信をいたしておる次第であります。
#29
○奧村委員 ちよつと速記をとめてください。
#30
○石原委員長 速記をとめて……。
    〔速記中止〕
#31
○石原委員長 速記を始めてください。
#32
○舟山政府委員 ただいま株主総会の日取りの決定しておりますのは勧業銀行であります。北海道拓殖銀行も、大体来月早々株主総会を開きまして、増資の決議をいたします。御承知の通り、株主総会は一定期日前に総会招集の通知を出さなければなりませんから、極力急ぎましてもそのくらいになるだろうと思うのであります。それから農林中央金庫につきましては、政府関係の出資は、農林中金の自己増資の問題とからみ合いまして、総代会をいつごろ開くかということは、まだ私確めておりません。しかしできるだけ早く開いていただくように、お願いをいたしておる次第であります。私どもといたしましては、もうすでに軌道に乗つておると思われるのは興業銀行関係、それから農林中央金庫関係は、ほかの特殊銀行に比べまして、その緊迫性が非常に大きいと考えております。極力これは増資もさせ、債券も発行させまして、資金的に補充してやらなければ、非常に困ることができるというふうに考えております。
#33
○夏堀委員 漁業手形のことについてちよつとお伺いいたしたいと存じます。漁業手形の制度化まで持つて行くについて、愛知県あたり非常に骨を折つて、どうにかかつこうがついたのでありますが、結果において大した金額は出なかつた。そうしてこの間の水産金融の小委員会に、参考人として日銀からおいでになつた際に、あちらの方の意見として、積立金ははなはだどうも不振である。一体漁業手形に対して、つなぎ資金に対しては再検討を要するというような御意向かあつたのであります。なるほど、先ど来申し上げたように、組合が弱体である。特に零細漁民の面に対しては、そういつたところが確かにあるそうであります。しかし一面においては九九%まで非常に成績がよいということも多分にあります。悪い点ばかり持つて来て、こういう資料があるから困るというので、何分貸したくないというようなことは、まことにどうも困るので、この場合に、あるいは日銀あたりから、漁業手形に対しては、全面的に再検討ということをも仰せられました日には、これはたいへんなことになります。むしろこれまでの成績のよい分に対しては、この倍率をもつと多くして、これを積極的にお進めになり、そうしてまずい点に対しては一応整理をして、徐々と計画性をもつてやつて行くという親切味がなければいかぬと思いますので、私は漁業手形に対しては、水産常任委員会としても強くこれを取入れて、政府の方に協力した立場もありますので、せつかくここに発足した第一歩の踏み出しの漁業手形に落第点をつけられますと、今後の水産金融に大きく影響するところが非常に多いと思いますので、この取扱いに対しては、愼重を期してやつていただきたいと思つておるわけでありますがこの点に対しての、銀行局長それから水産庁側の御意見を承りたいと思います。
#34
○山本(豊)政府委員 夏掘委員からのお尋ねの漁業手形制度でありますが、これは昨年来皆さんの御協力を得まして、なかなか困難な制度をようやく実現を見たのであります。その後の実施の状況は、現在のところ全国で約十億円くらい出ておるわけであります。ところが先ほど申されましたように、地方によりましては、そのもとになるいわゆる基金が十分に集まらない。たしか全国でまだ二億程度しか基金が集まらないという状況のようであります。しかしこの点につきましても非常に心配されまして、再検討を要するというようなお話も聞きましたので、水産庁としましては、さつそく日銀に連絡をとりまして、まだとにかく制度を実施して間もないことでもありますし、その成果につきまして、簡単にこれを廃止すると言われますと、非常に迷惑をいたしますので、日銀御当局によく御理解をいただきまして、一応納得をい、ただいたのであります。ただ最近、夏掘さんのお話のありましたように、どうも成績が思わしくないというふうなことが全国的に流布されますと、その基金の成績が非常に上つておる県も、そうでない県も、十杷一からげに貸しにぶるということになりますので、その点につまして、われわれとしましては、大蔵省なり、日銀御当局にも、成績のいい所は、少くともより以上に出すというふうな気持でひとつやつていただきたいことを、お願いしておるわけであります。先だつても宮城県の水産部長か参りまして、やはりこの漁業手形のことをいろいろ頼んで参つたのでありますが、話を聞きますと、隣りの福島県では非常に基金が集まらぬ、そこでその影響で宮城県あたりでも、基金か集まつておるのに、銀行の方がなかなか好意的に出て来ないというようなお話を聞いたのであります。これらにつきましては、一律にお考えにならぬように、またわれわれとしましては、成績の上るように指導もいたしまして、少しでも役立たせるように持つて参りたいと考えておるわけであります。
#35
○舟山政府委員 大体水産庁からお答え申し上げました通りでございまして当局といたしましては、決して漁業手形の制度を疑つておるというようなことはないのであります。今もお話がありましたように、大体去年この制度ができましたときの考え方によりますと、去年中八億くらいの積立金をいたしまして、その倍額くらい漁業手形を動かしたいという予定でございましたが、現実積立てがありますのは、二十八府県で一億余、二億円足らずの積立てしかできなかつた。それを機械通りに適用いたしますれば、漁業手形のつなぎ手形というものは、その倍額しか出せないわけであります。現実には十億も出ておるということで、この制度の趣旨にかんがみまして、日本銀行といたしまして、極力便宜ははかつておると見受けられるのでございます。なお復金の保障というものがなくなりました後におきましては、できるだけこの積立共済基金の充実に努めることが、この手形制度運用の円滑を期するゆえんとも思いますので、各府県におきまする共済基金の積立には、なお水産庁とも一緒になつて努力いたしたいと考えております。
#36
○夏堀委員 よくわかりましたが、私の考えは、成績のよくない所へ右へならえで、いいとこもだめだ、これを恐れるのでありまして、山本次長のおつしやつたように、なるほど福島県の成績が悪いということも私ども聞いております。けれども、そのために全部が悪いのだということで、最後の落第点をつけるということは、今後の成績に及ぼす影響が非常に大きいと思います。そこでいい方面には、この倍率の程度をもつと向上するという方向へ持つて行きますと、やはりこれはよくやらなければならなぬということで、ここに競争をするようになるだろう、こう私は考えておりますので、この際ひとつ大蔵省の方からも、日銀等に申入れいたして、いい部面は特に取入れて、これに対する信用制度が今までよりも向上させて、この倍率を上げてやつたらどうか。それによつて今申し上げたように、成績の悪い方もこれにならつて、影響を受けて、いい方に努めるだろう。そうしてこれまでの非常に悪い点は、何かここに悪い事情があるだろうと存じますが福島の場合には、これは銀行の方にも罪があると思います。いわゆるこの制度を運用して、銀行の救済にとつたということを聞いております。千葉でもそういうことがあつたそうであります。救済のふりかえのためにこれを利用したということになりますと、漁業者の方でも何かペテンにはまつたということで、あとをかける必要はないというように考える。これはりくつから言えば、貸借関係ですから、のがれるわけには行かぬけれども、感情的にはおもしろくないのじやないか。これは一方的に漁業者のみの責任に期することは、ちよつと酷じやないかと考えますので、今までの成績の悪い点は十分に御調査になつて、そうしてこれに対する整理の方法を確立して、今後この漁業手形をより以上に発展させるように、今申し上げたように、倍率の向上を十分に考えようということを、特に大蔵省から日銀の方にあらためてそのことの申入れをしていただきたい、こう思うのでありますが、いかがでありますか。
#37
○舟山政府委員 漁業手形制度の効能につきましては、少しも疑わないのみならず、非常にけつこうな場制度だと思つておりまするので、これを発展改善して行くことにつきましては、今後努めたいと存ずるのでございます。倍率を動かすというような問題につきましては、なお今後研究いたして行きたい、かように存じます。
#38
○奧村委員 先ほどの農林中金の件ですが、もう一つお尋ねしておきたいと思います。農林中金の増資は、農林中金が現在四億、それを倍額の八億に増資してそれから見返り資金が二十億入る。こういうことなのですが、新たに四億増資するのは、大体農業協同組合などの、系統団体その他今までの出資者ですが、これが倍額増資かすぐに可能なのであるかどうか、これはかなり困難じやないか。それから全額その増資が拂込みされて、初めてその見返り資金が出せるのであるかどうか。そういうことであるとするならば、これはかなり増資の時期が延び、また債券発行か延びるのじやないか、こういうふうに思うのですが、その点の事情をお伺いいたします。
#39
○舟山政府委員 農林中金の増資につきましては、自己増資と見返り資金による増資と計画されていることは、お話の通りでございます。自己増資の問題につきましては、これが提案されましたのは、少しく前のことに属しまして、そのときには、農林中央金庫の役員の民主化の問題、民選の問題と関連して、大体中金側の話によりますれば、増資の目途はついておつたようであります。しかしその後数箇月経ました今日、協同組合側における資金繰りの都合その他もございまして、また民主化の問題も、法律改正のときには間に合わなかつたために、下部機構において、ただちに無條件に増資をすることについては、若干難色もあるやに聞いているのでございます。しかし自己資本の充実ということは、金融機関の経営上必要でございますので、これはぜひとも実現いたしたいものだと考えているので、中金首脳部においても同じ意見を持つております。なおこれと見返り資金の出資の関係は、必ずしも関連はございません。総代会で増資の決議をいたしますれば、法制上の正式の手続として、この見返り資金の出資も取運び得るわけであります。今はその下話の程度でありますから、正式の見返り資金の放出申請というようなことまで持つて行けない状況であります。これを形式的に、あるいは手続的に完成いたしますれば、できるだけ早い機会に、見返り資金二十億の増資の許可を得たいと考えております。
#40
○玉置(信)委員 漁業手形の点につきまして、銀行局長、水産当局にお伺いいたします。ただいま夏堀委員からもお話がありましたが、この活用の率があまりよくないということは、結局積立が困難であるというものが、私は多いのじやないかと考えているのであります……。
    〔委員長退席、夏堀委員長代理着席〕ところでその積立金の問題は、業者から言えば、先に相当の資金を出してもらえば、それによつて事業を活発に行い、あとから積立てることが非常に楽になる。ところが融資側からすれば、先に積立ててもらわなければならぬ、積立てるだけの能力がなければ、恐ろしくて貸せない。結局鶏と卵の論争をするようなもので、結論は容易に得られないと思います。しかし今日の中小企業を見ましても、この零細漁業を見ましても、先に何らかの融資の道をはかつてもらうことによつて、相当その業態か将来発展をして行くというものがたくさんあるわけであります。中小企業の資金につきましては、大臣が来られたときに、根本問題をお尋ねしたいと思うのであります。この積立制度を倍でなくて、むしろ三倍程度に引上げて融資をするというようなお考えはないか、これを第一点としてお伺いしたい。
 次は舟山銀行局長は最近おかわりになつたので、御存じないかもしれませんが、水産庁としてはすでに検討し、案を立てておるという御答弁をしばしばされておるので伺います。加工手形の問題でありますが、これも数回各委員からも申し上げておるのであります、加工資金というのは、ただちに漁業生産の面につながりがございまして、加工業者が資金を借りることは、勢い業者の資金に活用されることになりますので、漁業手形と同様に加工手形を創設すべしということについて、いろいろと前の愛知県銀行局長あるいは日銀の方、水産庁の方もお集り願つて、私ども提起をいたして御相談願つたときは、大蔵省側も、日銀の方も非常にいいことだというようなお話があつて、水産庁においてはこの問題を取上げて、せつかく検討を進め、近く案ができるということをこの前の委員会で御答弁を願つておるわけでありますが、この加工手形についてどういう状況でありますか、この二点についてお尋ねいたしたいと思います。
#41
○舟山政府委員 漁業手形の問題に関しまして、積立てをしなければ漁業手形に対して金融を認めないというような声かあるやに伺つたのでありますけれども、漁業手形の円滑なる運用を期するためには、終局的には基金を十分積立てるということを要請しておりますが、さしあたつては漁獲高の五パーセント程度を積立てていただけばいいということになつておりまして、たとい現在は積立金は十分なくても、本格的な漁業手形の制度としてではなく、つなぎの措置といたしまして、現に先ほど申しましたように、一億何がしの積立に対して十億近くも出しておるようなわけでございまして、その点は私どもといたしましても、実情に即した扱いをいたしておるつもりでおります。本格的に制度として倍率をどうするかという問題は、なお研究いたしたいと思いますが、これも府県の委員会において、適当に変更し得ることになつておつたのではないかと記憶いたすのであります。なお次の加工手形の問題につきましては、水産庁の方でその後研究いたしておるはずでありますので、水産庁の方からお聞きとり願いたいと思います。
#42
○山本(豊)政府委員 基金の積立金の倍率が問題になつておりますが、これは結局現在の状況を実際に見まして、非常に成績がいいという場合には、それを三倍にしあるいは四倍にするということは、われわれも非常に希望しておる点でございます。ただ問題は、現在の二倍でもなかなか府県によりましては成績が上つていない。ですからそれらを見合いにいたしまして、今後考えて行きたいと思うのであります。
 それから加工手形の問題でありますが、これはいわゆる先般やりました漁業手形の資金目標というものの範囲の拡張の問題になると思うのでありますが、この加工水産物に対するいわゆる手形金融というものは、いろいろ研究する必要があると思うのであります。水産庁の係の方でも、その後いろいろ研究を続けておるわけでありますか、まだはつきりした結論は出ておらないのであります。今後も続けて大蔵省あたりの御意見も伺いながら、なお練つて参りたいと考えております。
#43
○玉置(信)委員 先ほど夏堀委員から、水産金融について委員会の代表的な質疑応答がございましたので、加工手形の制度のごときも、おそらくその一環として、恒久金融の対策なりについて考慮せられるべきことであろうし、そうした方針で立案をされるのではないかと思つておりますが、しかし水産庁では、この前ももうすぐ案ができるというようなお話でございましたので、そうした金融対策が講ぜられる前に、すでにこれが発表があるのではないかというように、私は心待ちにお待ちしておりましたが、今の御答弁によりますと、依然として御研究の過程にあるようであります。そうしますと、いつごろ成案が得られるか、その見通しがありましたならば、この機会にお聞かせ願いたいと思います。それによつて先般の夏堀委員の提案に含まれて、これが計画されるということも考えられるわけですから、この点もあわせて御答弁を願いたいと思います。
    〔夏堀委員長代理退席、委員長着席〕
#44
○山本(豊)政府委員 この問題は、私の方の係りとしましては、金融課と加工水産課と両方でやつておるわけであります。問題は加工水産課の方で――いろいろこの前にも申し上げたと思いますが、府県の資料を集めつつあるわけでありまして、相当程度まで資料が集つたのであります。しかしまだ十分でないという状況もありまして――もちろんこれはとことんまで集めたところで、結果は同じかもしれませんが、それをにらみ合せて、両方の係りの方で具体案を立てようという段階でありますので、いつまでとはつきりここで申し上げかねますが、こちらの水産委員の方々と御懇談の機会を得まして、できるだけ結論を早くつけたいと考えております。
#45
○川村委員 私は漁業行政について山本水産次長にお伺いして、確答を得ておきたいのであります。それは御承知の通り、戰争中並びに終戰後の食糧の危機から、水産食糧の増産をするという省令がありましたので、各都道府県で非常に力を入れたことは御承知の通りであります。そうしたことから北海道には水産資源が非常に多いということもありましようけれども、東北各県から北海道、数百隻の機船底びき網が密漁したという事実が現われておるのであります。従つてこれを行政措置として、何らか整備をして正式に操業せしめるようにしなければならぬということで、多分第五国会であつたと思いますが、水産長官並びに水産関係首脳者から、本委員会にもお話があり、さらにわれわれ関係道府県の本委員会に席を列しておる水産常任委員の方々に相談があつたことは事実であります。その際に水産庁といたしましては、大体三百隻程度の密漁船が北海道に行つておるが、これを三分の一程度に整備をして、北海道の海に堂々と出漁させたいのだか、これに対する意見はどうだというふうな御意見であつたのであります。その場合に、私はこの席におきまして、入れることはまことにけつこうだ、決してこのまま放置しておくことは業者のためにも、あるいは漁業行政の面からいつても、必ずしも妥当とは考えないので、これをしかるべく整備をして、北海道の海に進出させることはけつこうであるが、北海道の沿岸においても、いわゆる機船底びき網の許可をしろという要望もたくさんありますし、また現在の機船底びき網といたしましても、あるいは船のトン数制限、馬力の制限、その他隘路になつておる点もあるし、また北海道に八百隻程度の小型手繰網漁業、いわゆる漁場に往復する漁船は羅針推進器を使用するが、漁場で操業する場合は、手やろや帆で操業するという変則的な漁業もあるから、これらも整備する必要があるのじやなかろうか。それに対しても希望に応じては機船底びき網を正式に許可してはどうか。すなわち新規許可、さらに現在の北海道の隘路になつておる点、それから小型手繰りの補足的なものも整備して、新たな許可をすることが当然でなかろうかという私の主張に対しまして、水産庁長官はそうしましようということで、それから数次にわたつて委員長も出席され、さらに関係都道府県の水産常任委員の方々も出席されて練つた結果、八十五隻という機船底びき網を、内地から北海道の太平洋岸に入漁させるということに一応相なつたのであります。そのときに、同時に北海道の先ほど申し上げたような問題も解決して、一緒に操業出発をする、かようなことで進んだのでありまして、現実には内地の八十五隻というものは昨年の十二月一日から出漁しておる。その場合も八十五隻というものは妥当でないから、もう少し増加させたいという意見もありましたし、また各関係府県で、機船底びき網の数の割当が不公平であるという声もあつたのでありますが、これに対しまして私はその仲裁役となつてようやくその割当もでき、そうしてその不満なところには、北海道の底びき綱との関係を考慮して解決をつけようということに相なつておつたのでありまして、それらはまだ解決つけておりません。北海道の小型手繰りの整理問題については、去る二月であつたと思いますが、ようよう小型整理の要綱が水産庁案としてできまして、われわれもそれに参画いたしまして決定したのであります。それに基いて北海道の小型手繰りを整理するということで進んでおるのでありますが、要は内地から八十五隻の機船底びき網を太平洋岸に入漁せしめると同時に、新たに北海道に機船底びき網を許可しよう、そしてその許可の対象となるものは、いろいろ地方の事情もあるので、ただ單に新たに認めるもの、あるいは今まで小型手繰りとして密猟しておるもの等も全部これを整理して認めようというふうになつて、本質からいうと、八十五隻の内地船を入れたら、北海道にまた新たな許可をするのだ、その新たな許可の中に、いわゆる小型整理、小型手繰りに類似したものの整理をして認めよう、こうしたような方針で行つたはずであります。ところが先ほど私が申しました水産庁案の小型整理要綱というものはできて、北海道と折衝したように私は聞いておりますが、その整理要綱を北海道に示して、大体水産庁案で行くということに決定したという報告がわれわれに対してあつたにもかかわらず、去る四月三日付の函館新聞に、札幌から電話で小松課長帰庁談として、小型手繰り整理案は道庁案で。小松漁政課長帰庁談(札幌)小型手繰り整理問題が上京中の小松漁政課長は三日帰庁次の通り語つた。今回の折衝により道庁の意見が水産庁案に十分取入れられることになつた。また整理転換の具体的事項に関するすべての権限も移讓されて来たので、大体道側の考え通りにできると思う。こういう帰庁談を発表しております。私が聞かんとするところは、具体的事項に関するすべての権限も移讓されて来たので。こういうふうになつているのでありますが、私が聞きました際には、水産庁案で全面的に行くことになつた、ただ数においてはくぎづけでなく、幾分のゆとりをとることもあるのではなかろうかということであつたのでありますか、この記事を見て、私はまことに遺憾だと存じましたので、今朝山本次長に伺いましたところが、どこまでも川村の話の通りだ、こういう確答を得ましたから、一応は安心いたしましたけれども、私は今までこうしたような内部的の問題を、常任委員会に取入れることはあまりにも軽過ぎると考えましたので、遠慮しておつたのでありますが、この際内地から八十五隻入れた場合に、一体どういうお考えをもつて小型整理にも当り、あるいは今後の北海道に対する機船底びき網の許可をする方針であつたか、さらに今の小松漁政課長談に対して、どういう御所見を持つておられるか、挙措をどうするかという問題について、お伺いしたいのであります。
#46
○山本(豊)政府委員 川村委員のお尋ねにお答えいたします。北海道の新しく許可する八十五隻、これに関連して長年北海道庁でなかなか手がつけられなかつた小手繰りの問題もぜひ解決したい考えまして、皆さんといろいろ御相談をいたしまして、案をつくつたのであります。ただこの小手繰りの実施の関係におきましては、やはりどうしても道がこれに当らなければなりませんので、そういう意味で道庁を呼びまして、まず水産庁案に従つていろいろ懇談をしたのであります。その結果は、先ほど川村委員からお確かめになりました通りに、われわれとしましては、大体水産庁の原案が道庁の方においても了解がついた、こういうふうに考えております。従つてその線でわれわれはこれを実施したいと考えておりますが、ただいまお読み上げになりましたその新聞記事につきましては、あるいはまた道へお帰りになつて、道庁の役人としての立場上、内心必ずしもそうでないところをそういうふうに言われたのか、その点必ずしも記事通りであるかどうか問題でありますので、この点は至急に電報で照会いたしまして、大体本省の考えておつたような線で、道においても実施に移してもらうというふうに、処置して参りたいと考えております。
#47
○川村委員 私のその前にお伺いしたいことは、八十五隻の内地船を、つまり密猟船を認めて整理して入れたのであるから、北海道にも新規の機船底びき網漁業を許可するという方針で行つたのか、内地の船は密猟船を整理して入れたけれども、北海道では小型手繰網漁業の整理によつて許可するという方針で言つたのか、この点をまずもつて明らかにしたいというのが、私の質問しておる一つのゆえんであります。もう一つは、今われわれと相はかつて決定した要項に基いてやるということを、あなた方がわれわれに確言したにもかかわらずこういう記事が出ておるが、どこまでも水産庁案を基礎にして、これを全然動かさずしてやるという御意思があるのかどうか。第三点は、それにたがつて、この発表通りに行くと、道庁案で行くということになつておるが、もし行かない場合にはどういう責任をとらせるのかどうか。
 もう一つつけ加えて申し上げますと、十二月一日から今度整理されて、内地から八十五隻入漁されたと同時に――もつと端的に言うと、十二月一日から必ず北海道の機船底びき網を進出をさせる、いわゆる許可をするということを、あなたでなかつたけれども、水産庁の方が明言した。それが今日まで遅れておるということは、これは水産庁の責任であると私はこう感ずるのであります。その内容はもう機船底びき網の時期というものは、一期過ぎた、一年過ぎたと言つてもよい。夏は休む。十二月から四月までというものはほんとうの盛漁期になる。従つて今後許可されてみたところで一年の漁期を失つたも同様なことで、この責任をどうとるのか。この四つの点を明確に答弁を願いたいのであります。
#48
○山本(豊)政府委員 第一点でありまするが、これは川村委員が前段にお話になりましたようにわれわれは考えておるのであります。ただこれが小手繰りの問題が長年の懸案でもありますので、これとひとつ並行して関連を持たしてやるということに水産庁は考えておるわけであります。それから十二月一日から今日まで延びておつたという点につきましては、十二月一日からやるという点については、私は知らなかつたのであります。その点についてはまことに申訳ないと思うのであります。小手繰りの関係がありましても、一日も早くこれを実施に移したいと考えております。それから道庁案の問題でありますが、水産庁といたしましては、内容が同じであれば水産庁案も、道庁案もないのであります。先般考えましたような線でぜひこれは実行に移したい。若干最後の実施面においていろいろ問題等はありますが、これにつきましては、水産庁で考えていたように道として実施させたい、かように考えるのであります。
#49
○川村委員 今山本次長は、十二月一日から出発ということは知らなかつたというのでありますが、もちろん当初は知らなかつたかもしれません。しかし水産庁の小手繰り網整備要綱というものを確定する際に、要するにつくるという際に、あなたは御出席なさつて、私のすぐそばで、私に責任を問われたときに、この点をはつきりこう答えたじやありませんか。そのことはわれわれは知らなかつたけれども、そういうお約束かあるならば、一日も早く解決をつけて、その点を緩和して行きましよう。こうあなたが申された。ところがわれわれが準備ができて、出願しておる。――これは先ほども申し上げたように、内地の方の不平、すなわち岩手県、青森県、新潟県、秋田県、この四県から不平が出た場合に、これを押さえて、そうして北海道の小手繰りを、つまり新規許可を早くさして、それを抱いて行こうという約束で、この不平か收まつたのであります。それはよくおわかりのはずであります。しかるに今道庁にとやかく言われて、準備ができて、しかも出願を許可せぬということは、これはまさに水産庁の責任でなくてどこの責任かということを問いたいのであります。こうしたような責任、それからもう一つ、道庁が今水産庁案と同調しない。しかも権限を全面的にまかせられたということで、かつてにやられたのでは、この水産委員会で取上げられたあの大きな問題が、まつたく踏みにじられる、こういうふうになりますので、その責任をどうするか、この二つの問題をまだ御答弁になつておりませんので、はつきりあなたから御答弁願いたいのであります。
#50
○松田委員 ただいま川村委員から水産庁の責任という問題が出ておりますが、この点は私どももその問題の中心になつたのでありますが、ただ北海道庁があまりにも自分かつてな案をもつて、まとまる最初において、再三水産庁案というものを内示しておるにもかかわらず、これに北海道の業者の意見というものが強く反映して、それが最も民主的なやり方であると、かように考えて、今日の行政の措置というものを誤つて考えられて、再三再四水産庁に交渉に来た。こういうことで、水産庁としてこのわれわれの委員会に諮つたのであるが、それはその間における時期のずれがあつたものと私は了承しておるのでありまして、川村委員のただいまの水産庁に対する責任ということは、いま少しやわらかい意味においてごかんべんをしてやるべきが至当ではないかと考えるのであります。けさ北海道庁の新聞を見せられたのでありますが、まだ誤つた考え方で自己の面目のみにとらわれておつて、北海道の業者を惑わすということは非常に遺憾である。但しこれに対して、水産庁がまたどのような指示を與えたかということが一番問題になるのでありまして、長官代理の次長がただいま話されておる点に、私ども聞いておることから行きますと、ぴんと来ない点があるのでありまして、私どもその当時はつきり申し上げたように、今日の吉田内閣は與党が絶対に責任を持つてその施策を行うのである。但し審議権はわれわれにあるのであつて、行政権はわれわれにないのである。しかしその政策の現われというものに対しては、絶対に責任を持つものである。かように申し上げたことがあると考えておるのでありまして、この点に対してあいまいなお言葉のように考えられるのでありますが、当時打合せした要綱と何らかわらないのであるかどうかという点を、お伺いしたい。
#51
○山本(豊)政府委員 川村委員の第一の問題でありますが、その点は水産庁といたしましても、もう一段の熱意が足らなかつたということは私も了承するのであります。なかなかいろいろ事情もございまして、今日に至りましたことは、私からおわび申し上げておきます。
 それから松田委員の御質問の点でありますか、その点は道庁の方か参りましていろいろお伺いしたのでありますが、これは大体水産庁の考え通りに道庁の方でも了承してくれた、こういうふうに考えております。原則的な大切な点は、ただ実施面になりますと、また細部の点では道庁の方でもいろいろと考えもあると思うのでありますが、大筋は皆様と御相談した通りに道庁の方でも納得したものだと、こう考えております。
#52
○奧村委員 議事進行について委員長に御希望かたがたお願い申し上げます。今日の委員会は公報にもありますように、水産金融並びに一昨日の地方財政委員会との連合審査会における地方税制におけるところの水産の税制の問題、これが本日の議題であるはずであります。ところがまだ地方税関係の政府委員が見えておりませんが、もうすでに時間か経過いたしました。ところが午後になるとこの委員会の部屋は使用できない。これは一刻も延ばすことができません。至急この地方財政の政府委員をここに招致するように、とりはからつていただきたいと思います。
#53
○石原委員長 了承しました。玉置君。
#54
○玉置(信)委員 私は大蔵大臣兼通産大臣のお立場でお伺いを申し上げたいと思います。水産の面におきましても、御承知のように、生活必需の問題については、ひとしく中小企業の面における融資の取扱いを受けておるのであります。そこで先ほど松田委員からちよつと質問がありましたのに関連してお伺いし、さらに希望を申し上げたいと思うことは、この中小企業に対する融資が、先般私北海道の重要な問題がありまして、三月三日にひと走り国に帰つて来た際に、地元の業者からいろいろと質問を受け、その点に関して拓銀の支店長にもお会いして、中小金融の貸出しの状況について意見をかわして来たのであります。政府におきましては、しかも大臣が特に力を入れておられまする中小企業融資の点につきましては、まことに私どもとして感謝をいたしておるのでありますが、実際の出先になつて参りますと、しかも商業銀行である市中銀行といたしましては、融資の対象である業者のいわゆる返還能力と申しますか、銀行から見ますると、融資に対する回收の見通しが非常に薄弱であるということから、実際には融資をあまりしていない。これは銀行の立場からは当然のことであろうと思うのでありますが、小さな私どもの市について見ますと、支店長の話によりますれば、北拓の一箇月の中小企業に対する資金のわくは一千万円、支店に対しては月わずか百万円ということであります。その百万円に対して融資の申込み者が相当多くの数になつておる。百万円をしからば希望通りに貸すということになるとどれだけになるかと申しますと、百万円でありますからここで喋々申し上げる必要はないことでありますが、せめて二、三人とでも思えば三十万円かあるいは五十万円、ところがそれに対してもなおかつ貸ししぶらなければならない現状であります。しからばそれだけの額を貸す人は、自己信用において貸しておるような状況でありまして、実際においてこの中小企業に対する融資が、末端においては全然活用せられていないというのが現状でございます。これは先ほど申し上げましたように、融資対象の人的信用の問題でありますが、しかしそうした借りようというものは、全然企業が成立たないというわけでなくて、一つの誘い水をしてもらうことによつて、その企業態というものは非常に活発に動いて来て、相当な生産が上げられるという状況にあるものが、前申し上げた結果によつて借りることができないというのでありまして、これに対しては、政府において相当の保証を與える必要がないか、こういうように考えるのでございますが、これに対して、大蔵大臣はいかようにお考えになるか、まずその点をお伺いしたいと思います。
#55
○池田国務大臣 中小企業に対しましての融資について、政府保証という議論かあるのであります。私は当初は政府保証でやることはいかがなものかという気持を持つておりましたが、お話の通りに、ただいまの状況では、中小企業家が組合その他にお互い信用をつけあつて、自己の信用力を高めて行くのがこれが普通の道だ、こう考えてそれをやつておつたのでありますが、なかなかやはり参りません。北拓に対しても、預金部資金あるいは政府資金、また復興金融金庫からも北拓へは特に出しております。こうやつても今言つたように月一千万円という程度では、これは二階から目薬にもならぬ状況であります。今まで出しました政府資金を、もつと活用いたしますように勧奨いたしますと同時に、先ほどの御質問で答えましたように、中小企業に対しまして、見返り資金か何かによつて保証制度をやつてみたらどうかという気になりまして、ただいま研究いたしておるのであります。何と申しましても、中小企業はあぶないというようなことを言う人もあるのですが、御承知の通り、前の庶民金融金庫、今の金融公庫、これなんかの回收率は非常にいいのでありまして、損が行くのが二、三パーセント程度なんであります。無担保で生業資金から出しておる。そういう状態から考えまして、制度ができれば回收不能という金額は微々たるもので、とにかくひとつ制度を何とかしてこしらえようというので、今研究をしております。見返り資金から出すとういことになりますと関係方面の了解がいりますので、実現につきしまては今はつきり申し上げられませんが、とにかくそういう制度をひとつ考えたらどうか。幸いに西ドイツではそういうことをやつておるのでありまして、また向うでも援助資金からフアンドが出ておるような状況でありますので、ただいませつかく検討中であるのであります。
#56
○玉置(信)委員 ただいまの御答弁で非常に満足したわけでありますが、どうかできることならば全額保証、できなければ八、九割程度の保証までひとつ御考慮を願いたいと思うのであります。
 次にお伺いしてみたいことは、中小企業者の融資の対象となる企業の状態であります。今までは主として施設に対するものが融資の対象となつておつたのでありますが、その施設の面におきましては、現在の企業の内容を転換して、より高度にその企業を発揮できるという方向の施設に対して貸すということでありますが、その対象をもつと何とか実態に沿うようにお考え願いたいと思うのでありますが、今の御方針の通り変更しない考えでありますかどうか、その点をひとつお伺いしておきたいと思います。
#57
○池田国務大臣 中小企業に対します金融の問題は、何と申してもやはり不動産担保で出す気になつてもらうよりほかにないと思います。これは製造業でありますと、いろいろなものでくふうがつきますが、物品販売業だと唯一の担保は店の建物ということになるのであります。いま少しく経済が安定したならば、そうしてまた勧銀とかあるいは農林中金、商工中金の長期資金がふえて参りますれば、これは自然店舗なんか担保になり得ると思うのであります。何と申しましても、普通銀行ではそういう気になりにくいから、特殊の金融機関に長期資金を集めさすというので、銀行法の改正をいたしたのであります。私は一般の商業銀行から借りられなければ、農林中金特に商工中金、勧銀、北拓を通じまして、ことに商工中金につきましては、最近大阪へも理事を置いて、東京と相談なすつて、大阪の方でどんどんやつて行けるように機構もかえて行こう、こういうような考えを持つておるのでありますが、何と申しましても、中小企業のうちで、大きい方は相当担保力が見出されますけれども、小さい方は住宅よりないので、住宅、建物担保の金融ということも、これから少しやつて行かなければならないのではないかと考えて、その方向へ進んでおります。
#58
○石原委員長 大屋は司令部へ一時に行かなければならぬそうですから、簡單にお願いします。
#59
○玉置(信)委員 私が前提として希望を申し上げたいと思つたことは、ちようと大臣の御答弁がありましたので、まことに適切だと思うのでありますが、建物、土地、施設方面に対する担保貸付ということを、特に御考慮願いたいと思います。さらに最後にお伺いして、ここに強く要望しておきたいことは、全般の徴税制度でありますが、実は昨年私の地方の増毛という所に、札幌の税務局から所得税の調査に参りまして、しかもこれが日没後に訪問して、午前の四時までぶつ通しで、いろいろな帳簿とか資料だとかいうわけで調査をいたしまして、しかもそのやり方は、あたかもかつての司法警察官であるとか、あるいは検事のような態度をもつて、夜中寝せないでやつた。実は私去年参りましたときに、その話をされ、さらに一月に帰りましたときに書面を持つて私のところへ来ておつたのであります。これは実は個人的に大臣にお話し、お耳に入れたいと思つておつたのでありますが、幸いにこの前の本会議でしたがどつかで、大臣から特に徴税に対する税務署の吏員の教養を高め、訓練をするようなお話もありましたので、一応了承いたしておりましたが、現実にはそうした非常な行き過ぎの行為もありますので、こうしたことに対して、大臣は今後いかなる考えをもつて徴税吏員の訓練をなさる御意思でありますか。またそうした者に対する監督をどういう方法でやられるか、この場合お伺いしておきたいと思います。
#60
○池田国務大臣 数多い税務職員のうちで、しかもまた非常に経験が少いのか、ときに行き過ぎがあるということは、私は否定することはできない。まことに遺憾に思つておるのでございます。各国税局には苦情相談所というものを設けまして、税務官吏で行き過ぎの者があつたならば、何時でも言つて来ていただきます。そして内部で非違を見つけるよりも、やはり外部の人から申出ていただきまして直すのが、一番適当だと思いましたので、苦情申込所を設けて、実はそういうことのないようにやつております。税務の調査で、これは昔からある程度あることでありますが、朝から調べ始めまして深更に及ぶ場合もあるのでありますが、これはもう特殊の例外の場合であつて、相当の手続をとつてやるべきだと思いますが、今のように、日没後に行つて、夜通しで調べるということは、これはおそらく常識から言つていかがなことかと思うのであります。もしそういう人かいましたら、ひとつお教え願いたいと思います。事情を調べて善処いたしたいと考えております。先般も、申告納税の分が予想通り行かぬ、補正予算二百億円減らして千七百億円にしたのでありますが、今の状態ではまた二百億、二百五十億の赤字が出るということを心配して、国税局長が集まつておりましたが、これは申告納税が予算に対して非常な赤字が出るということ、また滞納が八百億円もあるというような事実は、税務官吏において相当の責任かある――納税者におかれてある程度になう点もありましようが、その原因は税務官吏にあることを銘記しなければならめということを言つて、税務の執行について十分訓戒を與えたような状況でございます。お話のような行き過ぎの点がございましたら、今度調べますから、遠慮なしにお申出をいただきたいと思つております。
#61
○冨永委員 もう時間がないようですから、簡單に質問します。話はもとへさかのぼつて参りますが、大蔵省は大体水産行政に対し、御関心が薄い、積極性に乏しいということは、今度の予算の面においても私は痛感いたしております。水産庁の積極性に乏しいことも遺憾ながら私も認めるところであります。たとえばその一例をあげてみますと、漁港の問題等の予算に関しまして、GHQに参りますと、大蔵省の方でこの予算を削つたのである。大蔵省の方へ交渉しますと、GHQで削つたのだ、こういうようなことがありまして、どだい水産というものに対してまつたく御理解がない。これに対して大蔵大臣はどういうふうな御認識を持つておられるか、伺いたいということが一つ、次に資金操作の面でありますが、国家資金から、いろいろ長期資金ということもけつこうでありますが、現在市中銀行の企業を合理化することについて、大蔵大臣はどういうような御見解を持つておられるか。つまり今日の市中銀行において、預金者からあるいは三分、四分というようなきわめて低利な利息で預かつたもの、あるいは日銀から借りる場合は、一銭ないし一銭二、三厘で借りる、それを中小工業者に対して貸し出す場合は、三銭ないし四銭くらいものである……。
#62
○石原委員長 大臣は一時にお約束があるそうですから……。
#63
○冨永委員 では私の質問を保留します。
#64
○松田委員 銀行の支店に対して、最近は銀行の支店を廃止してまでも支店を存置するようなことを考えていないようでありますが、もちろんわが党の政策が自由経済になり、すべての点が自由にならんとするときにあたつて、しかも北海道などに対しては、銀行の支店は置かないようにしておるのがたくさんあるのでございますが、こういう点大蔵省としてはどういうふうにお考えになつておるか。私どもの方の町は、大体において漁業における生産は十五億くらいあるのでありますが、北海道の拓殖銀行一つであります。昔は安田銀行と二つあつたのでありますが、現在は一つということで、ここに銀行も一口に言つて民主化されていないようなきらいがたくさんあるのでありまして、こういう点に対して、よその銀行へ入れたい思つてもなかなか入れられないという現状にある、かように言うておられるのであるが、銀行行政に対してこういうふうにお考えになつておるか、お聞かせ願いたいと思います。
#65
○舟山政府委員 銀行の活動状況につきましても、お話の通り、戦時中の統制によりまして、独占的な気分で十分働かないというようなきらいがあります所へは銀行の新設も認め、また他の銀行の支店というものも設置を考慮するという方針で臨んでおるのでございます。銀行によりましては、その支店か採算に合わない、その支店だけの経理で收支償わないというようなところにつきましては、これを引揚げたがるという傾向があるわけであります。しかしこれも銀行に命じまして、そういう採算ばかりで動いてはいけないということで、支店の新設はもちろん、また廃止につきましても当局の同意を得さすということで、各地方に御不便のないようにはからつておるのでございますが、何分銀行も一つの民間の営利会社であるという建前からは、どうしても引合わないから本店をやめるというような場合につきましては、むりにもと言いかねる面もございます。そういう場合には、これにかわる銀行の方で希望がございますれば、これも奨励して参りたいし、またその他中小金融の專門機関というようなものも置いて参りたい。これを要しまするに、決してある一つの銀行に地盤を與えて、独占せしめてやすきについておるというようなことのないように、最近の監督方針としてやつておるわけであります。
#66
○松田委員 一つの町に銀行があつて、その銀行の同意がなければ、よその銀行の支店がこしらえられないというような意見もあり、向うさんの意見でもつてなかなか許可ができ得ない。こういうような話も聞いておるのでありますが、一例をあげてみますと、東京においても、魚市場に対して拓殖銀行が進出するとき、全部の銀行の調印がなければでき得なかつた。ようやく調印をもらつて、同意書をもらつて、あすこへ支店をつくることかできた。かように聞いておるのでありまして、北海道などにおいては、ことさらにその点が強いようでありますが、銀行当局は支店を設けたいという考え方を持つているのでありますが、拓殖銀行の勢力範囲であり、そこの同意を得られなければ、なかなか支店を設けることができ得ないというような話をしているのでありますが、この点はどういうことでありますか。
#67
○舟山政府委員 関係方面の意向によりますれば、銀行が支店をむやみにこしらえるというようなことは、銀行の堅実性を害するから、これはいけないというような指示のある部面もございます。しかし大体には、銀行の支店設置につきましては一定の基準を示しまして、われわれにまかされておるようなかつこうでございまして、最近の取扱いといたしましては、決して従来ある銀行の同意を得なければ、そこに他の銀行の支店を置けないというようなことはいたしておらぬのでございます。特殊の地域等については、いろいろ制約もあるのでありますが、他の同業者が排撃するからそこへ出せないというようなことは、まあ独占禁止の趣旨から見ましても不適当なことと思いまして、その点はさように改めているのであります。
#68
○石原委員長 ちよつとこの際委員長の発言をお許し願います。銀行局長に対してでありますが、勧業銀行が今度増資をすることを認める、その場合に水産金融に対してどう指示をするか、どういう方針をとつておるかという点であります。かつて復興金融金庫の貸出し制度の場合に、勧業銀行は非常に独自において水産金融に対する努力をしたわけでありますが、それか復興金融金庫が貸出しを中止した。その以後勧業銀行と漁村関係は絶縁になつておるのでありますが、この勧業銀行が一番漁村の実態を知つておるのでありまして、増資をして活動せしめる場合に、水産金融に対する勧業銀行に対して一つの條件を付ししもらいたい。こういう希望を持つものであります。それに対する御方針を承つておきたいのであります。
 それからこれは大蔵大臣にただす点でありまするが、今朝来質疑応答があつたように、水産金融は、恒久対策としても、緊急対策としても、このままにしてはおけないのでありまして、それにつきましては、国会において水産金融に対する法案を出すという方針も研究中であります。そういう点に対しまして、水産庁と大蔵省その他金融関係の方面において、政府として水産金融の法案を制度化する意思があるか、あるいはまた国会かその方針をとることにおいて、どういうお考えがあるかこういうことをただしたいのであります。これは重大な問題でありまするから、本日御答弁くださるか、なおさらに日をあらためて大蔵大臣の出席を求めるつもりでありますから、そのときでもよろしいのでありますが、一応おただししておきます。
#69
○舟山政府委員 第一の勧業銀行の問題でございますが、勧業銀行は、従来水産金融も一つの重要営業項目として、その方面に多大の貢献をいたして参つたのであります。その後農林中金、あるいは水産関係の協同組合というようなものが漸次活動を活発にするに至りまして勧業銀行としては、その方面の活動分野か狭まつて参つて来ておるということは事実と思うのであります。このたび勧業銀行に増資をし、債券発行を認めるということにつきましては、実はそれと同時に、勧業銀行を普通銀行化いたしまして、特に政府の命令権というものはなくなるのであります。これは銀行に対する全般的の考えが、やはり民間金融機関に対しては、政府は干渉すべきでないという思想に基くものでございまして、その点は特殊銀行がなくなるということは、不便な面もあるのでございます。しかしとにかく政府から見返り資金も出資いたしますし、預金部資金を供給して行くということになりますので、私はその点につきましては、水産金融の方面に十分意を用いるようにという指導をして参りたいと考えるのであります。これを許可の條件とするというようなことは、私ただいまのところでは、政府対銀行という関係から、必ずしも適当ではないであろうというように考えております。私の今の考えを申し上げる次第でございます。
 次に水産金融に関しましては、国会か法律案を御提案になるということでありますれば、私どもそれを審議いたしまして、事務当局としての意見は十分申し上げたいと存じます。しかし国会の御趣旨に沿うことはもちろんのであります。ただその点につきましてどういう御案ができますか存じませんが、先ほど大蔵大臣も申しましたように、ただ特殊の機関をこしらえるというようなことにつきましては、この機関が育つて行くかどうか、その機関が資金を吸牧できるかどうか、多大の問題がございますので、これも事務当局の私どもの現在の考えといたしましては、既存の金融機関に資金を十分注ぎ込みまして、そうして水産金融に不便のないようにはからつて行くことが、最も早道で、効果が上るゆえんではないかと考えておる次第でございます。
#70
○石原委員長 なお一言申し上げておきます。応急、恒久の金融対策につきましては、ただいまのような御答弁は、前の銀行局長等よりも承つております。現在復興金融金庫か貸出しを中止した後においては、鉱山、各種工業、石炭、その他中小企業に対しては、復興金融金庫にかわる融資を政府は相当しておるのであります。しかるに水産に対しては、ただ單に漁業手形制度かできたことと、中金に貸出しをせしめるという方針の以外には何ものもないのでありまして、そのために今日現実に困つておる次第でありますから、これは大蔵当局において、ほんとうに真劍に考えてもらわなければなぬ。ことにまた水産庁においても、これの制度の立案にあたつては、ここに行詰まりを打開する制度を立てなければならぬと思うのでありまして、われわれ委員会においては、さらに熟議を遂げて申出をするつもりであります。本日はこの程度にとどめたいと思います。
 なおお諮りします。地方税法案につきまして地方行政委員会に申入れの件は、時間的都合もありますので、これを延期することとし、明日午前十時より本件について委員会を開きたいと思いますが御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#71
○石原委員長 御異議なしと認めます。なお問題となつております魚市場卸売手数料値上げについて、長崎県知事、長崎県揚繰組合、下関水産振興協会等より、いずれも五分以上絶対引上げを反対するという電報か参つておりますから、この際御報告申し上げておきます。
 本日はこれをもつて散会いたします。
    午後二時十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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