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#1
第075回国会 予算委員会第五分科会 第2号
昭和五十年二月二十五日(火曜日)
    午前十時一分開議
 出席分科員
   主査 谷垣 專一君
      内海 英男君    山村新治郎君
      大出  俊君    金瀬 俊雄君
      柴田 健治君    土井たか子君
      山田 芳治君    岡本 富夫君
      田中 昭二君
   兼務 大久保武雄君 兼務 石野 久男君
   兼務 楯 兼次郎君 兼務 和田 貞夫君
   兼務 栗田  翠君 兼務 紺野与次郎君
   兼務 中島 武敏君
 出席国務大臣
        建 設 大 臣 仮谷 忠男君
 出席政府委員
        内閣法制局第一
        部長      角田礼次郎君
        農林大臣官房審
        議官      今村 宣夫君
        建設政務次官  中村 弘海君
        建設大臣官房長 高橋 弘篤君
        建設大臣官房会
        計課長     丸山 良仁君
        建設省計画局長 大塩洋一郎君
        建設省都市局長 吉田 泰夫君
        建設省河川局長 増岡 康治君
        建設省道路局長 井上  孝君
        建設省住宅局長 山岡 一男君
 分科員外の出席者
        公正取引委員会
        事務局審査部第
        一審査長    妹尾  明君
        警察庁交通局交
        通規制課長   森  郷巳君
        国土庁長官官房
        災害対策室長  杉岡  浩君
        大蔵省主計局主
        計官      西垣  昭君
        厚生省社会局生
        活課長     石原 公道君
        通商産業省生活
        産業局窯業建材
        課長      木原 滋之君
        資源エネルギー
        庁長官官房鉱業
        課長      山村 和男君
        労働省労働基準
        局安全衛生部安
        全課長     野原 石松君
        建設省都市局下
        水道部下水道事
        業課長     井前 勝人君
        建設省河川局防
        災課長     田原  隆君
        自治大臣官房参
        事官      大畑 耕治君
        自治省財政局地
        方債課長    小林 悦夫君
        消防庁消防課長 辻  誠二君
        消防庁防災課長 藤江 弘一君
        参  考  人
        (日本住宅公団
        理事)     上野 誠朗君
        参  考  人
        (日本道路公団
        理事)     栗田 武英君
        参  考  人
        (首都高速道路
        公団理事)   小栗 良知君
        参  考  人
        (新東京国際空
        港公団理事)  角坂 仁忠君
        参  考  人
        (新東京国際空
        港公団参与)  上妻 尚志君
    ―――――――――――――
分科員の異動
二月二十五日
 辞任         補欠選任
  堀  昌雄君     大出  俊君
  岡本 富夫君     田中 昭二君
同日
 辞任         補欠選任
  大出  俊君     土井たか子君
  田中 昭二君     松本 忠助君
同日
 辞任         補欠選任
  土井たか子君     柴田 健治君
  松本 忠助君     岡本 富夫君
同日
 辞任         補欠選任
  柴田 健治君     山田 芳治君
同日
 辞任         補欠選任
  山田 芳治君     金瀬 俊雄君
同日
 辞任         補欠選任
  金瀬 俊雄君     堀  昌雄君
同日
 第一分科員石野久男君、紺野与次郎君、第三分
 科員大久保武雄君、和田貞夫君、第四分科員楯
 兼次郎君、栗田翠君及び中島武敏君が本分科兼
 務となった。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 昭和五十年度一般会計予算中建設省所管
 昭和五十年度特別会計予算中建設省所管
     ――――◇―――――
#2
○谷垣主査 これより予算委員会第五分科会を開会いたします。
 昭和五十年度一般会計予算及び昭和五十年度特別会計予算中建設省所管を議題といたします。
 質疑に先立ち、分科員各位に申し上げます。
 質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力を賜りますようお願いいたします。
 なお、政府当局に申しますが、質疑時間が限られておりますので、答弁は必ず的確に要領よく簡潔に行われますようお願いいたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大久保武雄君。
#3
○大久保(武)分科員 九州の阿蘇地方一の宮町を中心とする八カ町村には群発性地震が起こっておりまして、一月二十一日以来約一カ月間に震度五、震度四といったような強い地震を初め、震度一以上の地震が七十四回を記録いたしております。私は現地を視察いたしましたが、火口原の寒空のもとで、住民はなお恐怖のためにテント生活をしておる者もあるといったような状況であります。私は、この群発性地震地帯の住民の窮状を救うため政府が速やかなる対策をとられることを求めて質問をいたします。
 第一は、宅地、家屋被害が大きいのでありますが、災害をこうむっている宅地、家屋は個人資産でありますので、救済の道がないと言われて、大変心配いたしております。政府は、住宅金融公庫法により、低利、長期融資の方途を講ずべきであると思いますけれども、これに対するお考えはいかがでございますか。
#4
○山岡政府委員 私どもただいままでに承知いたしております阿蘇の群発地震によります住宅の被害状況は、全壊十戸、半壊四十八戸と聞いております。これに対しまして、住宅金融公庫からは、一般の個人融資につきましてはすでに申し込みを締め切っておりますけれども、個人用の特別貸し付けにつきましては別枠で準備をしておりますので、今後も御希望に応じてお貸し付けできるというふうに考えております。現在までに個人住宅で一件、住宅改良資金で十五件の申し込みを受けております。
#5
○大久保(武)分科員 いま御答弁があったのは、災害融資の、あれは四百三十万と整地費が七十万ですね。ところが、それじゃなくて、一般融資の方でやろう、こういうことですか、二百五十万の。
#6
○山岡政府委員 現在のところは一般の個人特別貸し付けでございます。災害復興ではございません。
#7
○大久保(武)分科員 戸数が少ないから災害指定ができない。あれは基準が五百戸以上ですか。そこで、一応わからぬでもございませんが、一般融資の災害用留保分の二百五十万はぜひつけてもらいたいと思うのであります。
 問題は宅地であります。傾斜地にありますから、土盛りした宅地がずっと崩壊しておって、家が宙ぶらりんになっているといったような場合においては、これは宅地からつくり直していかなくてはならぬわけですね。ところが、宅地に対する手がないというのですね。いまあなたが答弁された一般融資の場合は、宅地に対する手はないわけですよ。災害の場合は七十万の整地費があるわけです。これは非常に気の毒なのですね。ところが、阿蘇のような場合は、山が亀裂を生じて、地すべりがする、こういうおそれがきわめて濃厚なのですよ。そこで、地すべりのおそれのある場合は宅地防災工事が行われることになっておって、百五十万の資金がつくということになっておりますが、阿蘇は有名な地すべり地帯ですから、そういう面でこれを救済するということはできませんか。考えていただきたいと思います。答弁をいただきたいと思います。
#8
○山岡政府委員 宅地防災につきましては、現在のところ具体的に貸し付け状況が入っておりませんけれども、今後の問題として十分検討させていただきたいと思っております。
#9
○大久保(武)分科員 ただいまの私の考え方は、ぜひひとつ前向きで検討してもらいたいと思います。
 次は、道路であります。舗装道路は三十センチの亀裂というのが基準になっておるそうでございますけれども、今度は地震ですから、非常に無数の小亀裂が入っておるわけですね。小亀裂が入っておるけれども、その深度はかなり深いわけです、下から揺すっているから。そこで、小亀裂であってもこれは採択をしてもらいたい、基準の緩和を図ってもらいたいという気持ちでおりますが、この点はいかがですか。
#10
○田原説明員 お答えいたします。
 いま先生が御指摘のありました亀裂が三センチということは何かの間違いだろうと思いますが……(大久保(武)分科員「三十センチ」と呼ぶ)亀裂につきましては余り基準がございませんが、その実体が壊れているかどうかということでございまして、亀裂の度合いというのは現地でそれぞれそのケース・バイ・ケースで見ることにしております。
 問題は、舗装が取れるか取れないかというのは、舗装の厚さが本当に防じん処理程度のものはこれは初めから対象外でございますが、舗装として名のつく程度の舗装というものが厚さ三センチないし四センチくらいの舗装をしてあるかということでございまして、阿蘇の場合は問題ないわけでございますが、ただ今度の査定につきましては、査定官を派遣してほとんど採択をいたしておりますけれども、もしその工事費が町村工事だったら十万円以下、県工事だったら十五万円以下の小さい災害の場合には公共木土施設として採択できないわけでございます。これは法律上明記されております。
#11
○大久保(武)分科員 それでは、かなり舗装道路は見るということですから、一応先に進みますが、次は私道です。
 ああいう山村でほとんど道のないような村々ですから、農家が私道をつくっていますね。その私道に数軒もしくは十軒くらいぶら下がっておるわけです。これがかなり被害が大きいわけです。これは公共性があるとも言えるわけですね。そこで私は、町村道というわけにはいかぬかもしれぬけれども、何かやはりこういうものは、非常な寒村の打ちひしがれた地帯で、自分のうちも壊れておるし、いわんや道まではとても届かぬ、それを直さなければ農作業もできないという場合においては、血も涙もあるひとつ何かこれは採択の方途を講ずべきだと思うけれども、その辺はひとつ大岡式に何かうまいこといきませんか。これは大岡大臣でもいいしあるいは大岡事務官でもいいから、ひとつ答弁してもらいたい。
#12
○田原説明員 とりあえず災害担当官としてお答えいたしますが、公共土木施設として採択する場合には、そのものが公共の、たとえば市町村とか県とかで現に管理されておる公共施設であるということが第一条件になっておりまして、現在、いま御指摘のような場合は、これは私用でございますので、公共性がおありのようでございますけれども、現在市町村が管理しておりませんし、公共土木施設として認めるわけにはいかないわけでありますが、今後これを市町村等が町村道として管理するという姿勢を示していただいて、管理台帳に載せていただいて管理していただければ、その後に発生した災害については、これは一定の基準以上である場合は採択できるということになるわけでございます。それで急いでそういう体制を市町村の方でもとっていただくようにお願いしたいと思います。
#13
○大久保(武)分科員 その辺管理したらということですけれども、地震が発生して現に被害が起こっておるわけですから、その辺のことは私は若干、大岡大臣ならうまいこと話ができるかと思うのですが、大臣どうですか。
#14
○仮谷国務大臣 地震だから県道も市町村道も私道も、これは災害の起こるのは一緒でありまして、私道自体が非常な被害を受けて、それがそのまま個人負担で解決するということはなかなかむずかしいこと、よくわかっております。法のたてまえ上から言ったら、これはやるわけにはいきませんけれども、しかし、それは市町村自体が、その私道もどういうふうに改修していくかという問題でありましょうから、市町村自体がその問題に取り組んで実際にやったということになれば、市町村に対しては、たとえば災害の場合に、災害支出が非常に多い場合には、別途に市町村を助ける方法もありますから、そういう形でひとつ解決をつけ、現実に起こったものはそうしていかなければならぬと思いますし、これからの問題は先ほど防災課長が言ったような手続を踏んでひとつやっていただくようにお願いをしたい、かように思っております。
#15
○大久保(武)分科員 大岡仮谷大臣にあとはお任せすることにして、次に、最近発見された相当大きな被害があったわけです、ああいう山地帯ですから。東京に地震が起こった場合には、人間が住んでおるから、ここをやられた、ここをやられたといってみんな手を挙げるけれども、山の中で木が、おれはやられていると手を挙げるところはありませんから、だんだん発見されていくわけですね。そこで、最近発見されたところに大きな木落牧道というのがあるのです。これは牧道ですけれども、農業用にも使っているのです。そこで、こういったような牧道であって、農業用にも使うような道は、あの五〇%補助ではなくて、六五%の補助をやるべきだと思いますけれども、これは農林省どうですか。
#16
○今村(宣)政府委員 先生のお話のございました牧道は、扱いとしては農道として取り扱っていますから、全く農道と同じような取り扱いをいたしているわけでございます。したがいまして、受益農家二戸以上の場合には農業用施設災害として採択をいたしております。阿蘇地域の今次の災害につきまして、一カ所ごとの査定に当たりまして調査をすることになりますが、県からの報告によれば、ほとんど全部の個所が農業用施設として採択できる見込みでございます。
#17
○大久保(武)分科員 結構です。
 そこで、この牧道は国営なんですよ。国営で、この牧道を管理している草地改良事業所が三月三十一日に店を閉めてしまうわけですよ。そこで、この後どうするかという問題ですよ。この牧道の付近の山に最近大亀裂が発見されたのです。この大亀裂は恐らく崩壊して、そしてすそ野にある部落をつぶすであろう、こういう二次被害のおそれ濃厚なんですね。そこでこの復旧は、改良事業所がなくなって国がやるのか県がやるのか、あるいは山崩れのおそれがある場合には、普通の山地であったならば農林省、部落が被害を受けるときは建設省、部落が移転しなくちゃならぬときは国土庁というふうに各省に分かれているけれども、災害は省別には来ぬのであって、一遍に来るのだから、この災害の防除については一体どこが責任を持つのか。あるいは国と県は、国の改良事業所がなくなるが、その後においてはだれがやるのか、ここのところをひとつはっきり答弁してもらいたいと思う。
#18
○今村(宣)政府委員 先生、いま御質問がありました木落地区の幹線牧道につきましては、国営草地改良事業によりまして昭和四十七年に完成をいたしまして、それ以来一の宮町が仮管理を受託して供用されておるわけでございますが、今次の被害個所につきましては、とりあえず国営事業所において現地調査をいたしました。また、復旧工事の設計書を作成中でございます。そして両三日中に現地におきまして、農林本省と九州農政局、熊本県、それから一の宮町が現地で集まりまして、それで、直轄災害復旧工事として取り扱うか、あるいは補助災害復旧事業として取り扱うか、取り扱いについて協議をいたしまして、それで地元のお話でまとまりましたところによりまして遺憾のない復旧対策を講じたいと思います。
 農林省の方の現地査定官は、すでに昨日出発をいたしておりますので、現地でよく、九州農政局とそれから熊本県と地元の一の宮町で協議をしていただきまして、適切な措置を講じたいというふうに考えております。
#19
○田原説明員 建設省におきましても、建設省の所管と思われる地区につきましては、砂防部が全面的に災害報告を検査いたしましたけれども、建設省所管内においては、がけ崩れ、土砂崩壊等はいまのところ発見しておりません。ただ、人家が一部あるところにおきまして一カ所、急傾斜地の対象となるものとして災害があったようでございますが、これは採択基準上、県の工事になりますので、県の方に命じまして、ただいま復旧工事に着手する予定でございます。
#20
○大久保(武)分科員 それじゃ建設省、農林省、国土庁、十分協議して至急決めてもらいたいと思っております。
 それから、この山岳一帯には、後から発見された木落地帯がありますように、相当の亀裂が入っておると思うのですよ。ところがその亀裂は、だんだん発見されていく、森林地帯あたりはわかりませんからね。
    〔主査退席、内海(英)主査代理着席〕
そこで、これは早く調査をして亀裂の手当てをしていなければ、間もなく雨季に入るのですね。熊本県あたりは五月の末から雨季ですよ。雨季に入ったら、例のこの前の二十八災のように、あそこは大山崩壊をした地帯ですから、火山灰地帯ですから、どんどん崩壊して、思わざる二次被害が起こってくると思うのです。
 そこで、こういったような地帯に対する二次被害防止のために、地すべり地帯の発見、その防止等の対策を講ずべきであると思いますけれども、これは国土庁が恐らく災害対策として指揮されると思うけれども、どういう二次災害防止に対する対策を講ぜられるつもりであるか。また、阿蘇は活動火山であって、いろいろな被害を及ぼしておりますけれども、その防災あるいは営農等について特別の対策を講ずる意思があるかどうか。これは国土庁からですか、ひとつ答弁してもらいたい。
#21
○杉岡説明員 お答えいたします。
 この前の阿蘇の群発地震によりまして相当亀裂が入っているということでございますが、現在群発地震の亀裂等につきましては、県等で調査いたしまして、たとえば林野庁におきましても緊急治山事業、これによりまして、ことし及び来年早々これに着手するわけでございますが、なお亀裂等いろいろとあろうかと思います。県等においても調査されておりますけれども、必要によりましては、たとえば林野庁の林業試験場、こういったところから係官等を派遣してそれを調査するというようなことで、林野庁とも十分相談してまいりたいというふうに考えております。
 それから次に、もう一つの活動火山の指定の件でございますが、これは四十八年につくられました活動火山周辺地域における避難施設等の整備等に関する法律というのがありまして、これは桜島が第一号として指定されておるわけでございますが、最近の阿蘇の火山活動、これにかんがみまして、政府といたしましては県と十分協議をいたしまして、三月の早々でございますが、阿蘇町、一の宮町及び白水村、この三町村の一部を緊急避難施設の整備地域といたしまして、必要な避難ごうあるいは警報装置等を補助する予定にしております。
 なお、その周辺につきましては、農林省において防災の事業が行われるということに相なるわけであります。
#22
○今村(宣)政府委員 具体的事態に即しまして、ただいまの御質問の農林省関係を御説明いたしますが、阿蘇地域の被害地域であります一の宮町、それから阿蘇町、産山町、南小国町等に発生しました被害につきましては、工事費千五百万をもちまして緊急治山事業をやるということで、これは予備費支出の本日の閣議に付議をしたわけでございます。
 それからもう一カ所でございますが、鷲ノ石部落の山の亀裂につきましては、これは現在災害復旧とあわせて検討中でございまして、私たちとしましては、牧道施設として至急対策を実施する予定にいたしておる状況でございます。
#23
○大久保(武)分科員 わかりました。それでは、阿蘇活動火山の第二号指定を三月早々、三月一日ですか、やられるということですから、これはぜひやってもらいたいし、また農林省の防災対策も至急お願いしたいと思っております。
 次に、農林省関係ですけれども、自作農資金ですね。これは四千万円すでに九州農政局から本省に地震用として別枠で申請が出ておると私聞いておるのだけれども、まだ本省から返事がないということを聞いておる。大変おくれておるが、農林省怠慢じゃないか。
#24
○今村(宣)政府委員 県の方から自作農資金の融資申請がございましたので、私の方も早急に検討いたしまして、県の要望どおり、昨日決裁を得ましたから、本日早々に施行するように取り運びたいというふうに考えております。
#25
○大久保(武)分科員 昨日決裁をしたそうですから、これは一つ、安心いたしました。
 次は、農地復旧ですけれども農地復旧は、十アール当たりの限度額が決まっていますね。ところが、今度のように急傾斜地で起こった場合は、がけを築いていかなければならぬからその限度額じゃ足らぬのですよ。そこで、その限度額は外すべきじゃないかと思われることが一つと、たしかあの限度額というのは、算定方法が戸数が多くて面積の少ないところが高くなるようになっている。あぜ一つ違って隣りの町だともう限度額が違う。仮に被害が少なくても、戸数が多ければ高いといったような、いろいろ矛盾した問題が起こってくるけれども、これは今後の問題かもしれぬけれども、農林省、これはしょっちゅう災害のときには問題になるようだけれども、将来考えることはしないのですか。
#26
○今村(宣)政府委員 農地の災害復旧事業につきましては、災害復旧効果という面を考慮いたしまして、一戸当たりの国庫補助基準を定めておるわけでございます。この基準額は、毎年災害復旧事業の事業実施単価の動向を参酌しましてずっと引き上げられてきているところでございまして、従来の農地復旧の例を見ますと、全国的には特殊な地域を除いて限度額の範囲内にあるというふうに私どもは見ておるわけでございます。
 また、単位面積当たりの限度額は、市町村ごとの農地復旧の経済効果を考慮して定めておるわけでございますが、しかしまた、地形的な条件等が悪いために限度額を超えた場合というのがあるのはあるわけでございまして、こういう場合につきましては、被害状況を十分調査をいたしまして、現在の災害復旧の技術水準というのは相当高いというふうに私どもは考えておりますが、そういう現地に即しました適切な工法等を十分検討いたしまして、そしてその事業費の範囲内で適切な処置ができるというふうな処理をいたしてまいりたいというふうに考えております。
#27
○大久保(武)分科員 今村君も大分弾力のある答弁ですから、一応了承いたします。
 次に、阿蘇の田植えがすぐ来ますが、そこでこれは非常に心配しているのですけれども、ずっと地殻から揺っておりますから、表面上はわからぬけれども、亀裂が下へ入っておって、水を流したら吸い込んでしまって、そして水がたまらないだろうという、かなり心配と人心の動揺があるのですよ。仮にそういう被害が将来田植え時期に起こってきた場合は、これは後から発見されたものとして、農林省としては何らかの措置をとってもらいたいと思っておりますが、これに対する考え方はどうですか。
#28
○今村(宣)政府委員 ただいまお話のございました水田の漏水の原因となります有害な地割れの復旧につきましては、災害復旧事業として国庫補助の対象といたしておりますから、いま先生のお話のような件につきましては、それによって対処することができるというふうに考えております。
#29
○大久保(武)分科員 わかりました。
 次は厚生省関係ですが、世帯更生資金は県が県単でどんどん出しておるわけです。そこで、これは県の枠が不足してきた場合は厚生省は何とか五十年度予算等でしりぬぐいをしてもらいたいと思っておるのだけれども、これに対する厚生省の考え方はどうですか。
    〔内海(英)主査代理退席、主査着席〕
#30
○石原説明員 ただいまのところ、今回の阿蘇の被災世帯に対する世帯更生資金の資金需要といたしましては、県と相談いたしました見込みといたしまして、二千万円所要であろうと考えております。それについては本来国が三分の二の補助を出す制度になっておるわけでございますが、本年度財源を支出済みでございますので、遺憾ながら本年は、とりあえず早急に貸し付けを実施するということのために、一般枠を県が七千万円持っているほかに、県単の県知事の専決処分によりまして二千万円の支出をいたすことに県といたしまして態度を決定しております。これにつきましては、当然、本年度財政的に国が対処できかねますので、明年度の問題といたしまして、先生の御趣旨に沿った形で具体的に十分善処いたしたい、かように考えております。
#31
○大久保(武)分科員 了承いたしました。
 それでは次は消防庁です。貧村で、なかなか消防施設もないのですが、ああいう活動火山の地震地帯ですから、群発性地震に備えて、消防ポンプであるとかあるいは耐震消火用水槽、そういうものを備えたいという地元の希望がありますが、これは補助が三分の一ですね。あれを二分の一にしてもらいたいと言っておりますが、私ももっともだと思うのだけれども、何かこれを引き上げる方法はないですか。
#32
○辻説明員 ただいまの問題でございますけれども、御承知のように、市町村の消防の関係経費につきましては、市町村が本来負担する。したがいまして、交付税で原則的には措置をしております。それに対しまして、一部の消防施設につきましては、法律に基づきまして、三分の一の奨励的な補助金を出しているわけでございます。したがいまして、先生の言われる二分の一の補助率にできないかという点につきましては、残念ながら、できないわけでございます。
 なお、特例的に、僻地でございますとか過疎地域につきましては、特例法がございまして、三分の二の補助率を出しているわけでございます。この件につきましては、防火用水でございますとかポンプ自動車の要望が出てくると思います。これにつきましては、最優先で町村の要望を採択したいというように考えております。
 なおつけ加えますと、補助金の単価でございますけれども、五十年度におきましては、防火用水につきましても三〇%、それからポンプ自動車につきましても五十%程度の補助単価のアップをしておりまして、そういう形で十分の措置をしていきたいと思っております。
#33
○大久保(武)分科員 そうすると、阿蘇地帯はいまの山村に入るわけですか。
#34
○辻説明員 具体に個々の町村につきましては私現在承知しておりませんけれども、過疎地域に入りますと三分の二の補助率が適用になるわけでございます。
#35
○大久保(武)分科員 これは山岳地帯ですから、せひそういうふうに考慮してもらうようにお願いします。
 次に、特交の問題です。これは自治省ですが、特交もずいぶん考えていただいておるようでございますけれども、ヨナでやられ、また地震でやられ、そしてまた今度は水でやられるかもしれぬといったような大変な災害地帯であって、しかも土壌は悪いし、貧乏な山村ですから、この上とも特交の配分については十分考えてもらいたいと思いますが、自治省の考え方はどうですか。
#36
○大畑説明員 お答え申し上げます。
 阿蘇関係につきましては、県あるいは関係の町村から十分事情は聴取しておりまして、できるだけの措置をとってまいりたいと考えております。
#37
○大久保(武)分科員 それでは最後に、災害復旧の緊急査定です。一月の二十一日地震が発生しましてから約一カ月間、ずいぶん査定がおくれておったわけです。私が一週間ばかり前に質問通告をいたしましたら、皆さん非常に精を出されて、この二、三日の間にばたばた査定が進んでおりますようで、ちょうどそういう時期であったかもしれぬけれども、私に対する好意的配慮だったかもしれぬし、大変私は結構なことだと思います。
 特に農林省は、先ほど申しました木落牧道一帯の山林亀裂に対して写真判定をして、即座に写真で査定をした。これはちょっと役人離れをした、なかなかみごとなことであって、これは国会議員もやかましく言うだけが能じゃないので、これはちょっとほめておきます。ひとつ今後こういう災害時に対しましてはそういったような姿勢でやってもらうならば、私は政府が民心をつかむことができると思うのであります。
 また、各省の緊急査定には非常に敬意を表しますが、まだ査定の残った面もございますから、ひとつ一次査定を速かにやっていただきまして、群発性地震でございますから、二次査定を発見のつどまたやっていただく、こういうことが必要であろうと思いますが、この締めくくりにつきましては、建設大臣がおいででございますから、災害についてはきわめて堪能な大臣でございますから、ひとつ大臣からまとめて今後の災害対策に臨む政府の配慮、査定の仕方、そういうものを一括して御答弁をいただきたいと思います。
#38
○仮谷国務大臣 建設省の重点の中にも、環境保全の問題と災害から国土を守るという、災害に強い国土をつくるというのを重点にいたしております。私自体が実は災害常襲県で育ってきた男でありますから、災害の問題は身にしみて承知いたしております。そういう面で防災対策に全力を挙げることは当然でありますが、一たん災害が起こりましたら、おっしゃるとおり、いまおほめをいただいたようでありますが、一日も早く、早急に査定を終わって、そうして一挙に取りかかるべきである。これは当然のことでありまして、今後そのつもりで努力をいたしてまいるつもりであります。
#39
○大久保(武)分科員 終わります。
#40
○谷垣主査 これにて大久保武君の質疑は終了いたしました。
 次に楯兼次郎君。
#41
○楯分科員 私は、三十分以内に質問ということでありますので、建設省に起こっておるマル生運動についてお聞きをしたいと思います。きのう社会党の議員が質問をしておりますので、恐らくこの問題については重複をする点があるかと思いますが、いま委員部の方に聞いたら、きのう島本虎三君が多少この問題に触れた、こういうことでありますが、私は同席におらなかったものですから、多少重複するかもわかりませんけれどもお許しをいただきたいと思います。
 これは、私は建設省の管轄で言いますと中部地建内に住んでおるのですが、どこへ行きましても、もう私の顔を見るとマル生マル生と、どこへ行ってもマル生という言葉が建設省の関係の方からは出てくるわけです。事情を聞いてみますると、組合の役員あるいは組合員ですね、組合に加入をしておる者に対して、昇給昇格の一定の基準をつくって昇給はおくらかす、昇格は資格要件ができてから四年ないし六年実施をおくらせよ、こういう基準をつくって実施をされておるために、非常にわれわれは不当な取り扱いを受けておる、これを何とかひとつ国会の場でただしてもらえないか、こういう声が余りたくさんありますので、休会あけの国会に参りまして社会党の諸君に話を聞きますると、日本全国そうだと言うのです。日本全国そうだということを聞いたのでありますが、こういう不当なる昇給昇格についての弾圧基準を設けて建設省は指導をされておるのかどうかという点を、ひとつお聞きしたいと思います。
#42
○高橋(弘)政府委員 職員の昇任とか昇格等は法規の定めるところによる、先生御承知のとおりでございます。公平に、公正に行っておるのでございまして、先生の御指摘ございましたように組合の役員であるからこれをおくらすとか、そういうようなことはいたしておりません。そういうものの基準をつくっているなど、私どもそういうものは知りません。人事院規則等に定められましたとおりに私どもはやっているのでございます。
#43
○楯分科員 そうしますと、本省の方としてはそういう基準を設けて指導はしておらない、こういうことをおっしゃいますと、たとえば中部地建の局なりあるいは事務所でそういう基準を設けて実施をしておるというふうに解釈をしてもいいですか。
#44
○高橋(弘)政府委員 いま申し上げましたのは、建設省は出先も含めましてそういうことはないと申し上げておるのでございます。恐らく先生、中部において何かいろいろな文書を組合がだか新聞に発表したりいたしまして、そのことだろうと思います。それにつきましても、私ども国会でも共産党の先生から指摘を受けましたので調べましたけれども、そういう事実、そういう文書は確認できなかったのでございます。
#45
○楯分科員 そうしますと、結論を申し上げますと、そういう文書はない、そういう指導はないとおっしゃいますが、私の聞いた、これは全部ではありませんけれども、直接説明を聞いたところでは、先ほど私が申し上げましたような現実面を逆算というか逆推定をしていくと、先ほど申し上げました基準設定、実施ということとびしっと符牒が合うわけですよ。これはどういうわけですか。たとえばもっと具体的に言いますと、組合の役員をずっと長くやっておる人が、いわゆる先ほど申し上げました昇給昇格をおくらかすという基準に全部合致をするわけなんですね。だから、あなたの方はそういうことはないと否定されておるのですけれども、役員がもうほとんど全部同一規格でおくれておる。だから文書がなくても、組合の役員、活動家あるいは組合員は文書で基準を明示されているのと全く同じ状態にある、こういうことなんです。これは一体どういうわけですか。あなたの方は監督をされておるので、そういう現象は、文書もない、規格もない、指導もしておらないのにそういう結果になったというのは、これはどこに原因があるのですか。
#46
○高橋(弘)政府委員 先生御承知のように、これはどこの社会でも同じだろうと思いますけれども、役所でも、建設省でも同期に採用された職員でも勤務成績とか能力というものに差があります。したがって、長い間のうちにはそれは差が出てくるということになります。しかし、それは何も、同じような基準で、人事院規則に定めるところによりまして公平、公正にやっているわけでございますけれども、その結果出てくるものでありまして、それは組合の役員であるから、そういう理由で差別されるというものではないのでございます。
 これは先生から御質問ございませんけれども、ただ勤務成績だけに大変に偏っておりましても、格差が非常に大きいということになりますと、やはり非常に不平、不満というものが職場にありますと、これはやはり一つの大きな目で見ますと人事管理上問題なしとしないので、私どもそういう点につきましては、長年まじめに勤めてきたそういう実績、経験年数が非常に長い職員につきましては、そういう実績も十分ひとつきめ細かい配慮をしまして、そういう点も重点に置きまして今後選考していきたいと思っております。
 それからもう一つ、中部地建につきまして前々から共産党の先生からそういう御質問とか、具体的にこういう人という人の問題も挙げられます。したがって、私ども具体的なそういう挙げられました人につきましていろいろ調べてみました。これは具体的な人ですからここで申し上げません。ただ、総体的なことを一つ申し上げますと、ちょうど指摘を受けている、当時の昭和四十四年、五年のところの全建労の役員は大体三十年代、昭和三十年から四十年にかけて新制高校を卒業された方が多いのです。したがって、そういうことにつきまして、まず昭和三十年以降から四十一年までの新制高校卒で採用された者全員について、昨年の四月一日現在の等級、号俸別の分布状況を各年度別に調べてみたわけです。そしてその中で組合の全建労の役員、それから共産党の石母田先生から指摘がありましたものを加えますと、大体四十一人いるわけです。そういう人たちを分布の中に当てはめてみたわけでございます。そうしましたところ、大体の結論から申し上げますと、不合理に低い号俸で格づけされている者はいないのです。ただこれは、標準の号俸よりもおくれている者はいないわけですが、それよりおくれているというのは、これは卒業年度に採用されていない、中途で採用された、高校卒業は同じでございますけれども中途で採用された者でございます。それからいろんな、専従休暇等でそういう期間がある者は先生御承知のとおりです。それから懲戒処分を受けたことによる延伸だ、そういうそれぞれやはり理由があるわけでございます。
 なお、その中部地建のそういう四十一名の中で特別昇給の状況を見ますと、二回以上の者は九名、一回の者が二十五名、これは昨年の調べでございますけれども、合計三十四名というものは特別昇給もいたしておりまして、格別そういうことについて、そういう不当に低い号俸に格づけしたというのはいないというふうに考えてる次第でございます。
#47
○楯分科員 あなたの方は、調べてみた結果、いま私の申し上げるような取り扱いはしておらぬ、こうおっしゃるわけです。これはあと二十分しかございませんので、私は資料もこんなにもらったのですが、持ってもこなかったし、ここに私持っておる二つの例でも、あなたのおっしゃることと反対の現在の結果が出ておるわけですね。昭和三十一年に就職をして、約十名くらいずつずっと例を引いてありますが、組合役員をやった人は不当に昇給が低いという例、これを見たって二人だけの――まあ聞いておってください、二人の例ですが、はっきり出ておるわけですよ。だから、いまあなたはない、私はあるということをここで論争しておっても仕方がございませんので、後でだれか私の部屋へ来てください。その事実を的確、明確に指摘をいたします。
 そうしますと、いま官房長、あなたのおっしゃったのは、もう昭和四十四、五年からこの問題が国会で議論をされておるけれども、そういう不当な取り扱いはなかった、したがって国会ではそういう話は聞いたけれども、是正だとか訂正だとか、そういうことはする必要も全然なかったし、しなかった、こういうことですか。
#48
○高橋(弘)政府委員 先生の御指摘の点につきましては、私ども具体的な御指摘をいただければまた御説明に参ります。
 それから、先生のいまおっしゃった点について、私もちょっとさっき触れましたが、さっき申し上げましたように、私ども、組合の役員だということだけでこれを不当に差別している、動かしているということはないし、また今後するつもりはございません。しかし、さっき申し上げたように、勤務成績とか能力によって長年の間には差が出てくると申し上げました。しかしこれでも、それだけで著しい差が出てきますと、やはりさっき申し上げましたように職員間で、職場で不信感それからどうも不満感というものが出てくると思います。現に先生のおっしゃったように、地建の中で一部職員でそういうふうに、自分はどうもおくれているというふうに感じている人がいることは、私ども事実としてそれは認識いたしております。したがって、十分そういうものの事情聴取をいたして調査をいたしております。したがいまして、先ほども申し上げましたように、勤務成績だとか能力だとか……
#49
○楯分科員 時間がないですから、そういう不当な取り扱いはなかったので、国会で議論をしたけれども、その是正だとか手直しということはなかった、建設省のやってきたことは間違いない、こういうふうに答弁をされておるのか。どうも私の質問にお答えにならぬから……。
#50
○高橋(弘)政府委員 いま私がそれでずっと経緯を申し上げているわけでございますけれども、そういうことでございまして、さっき申し上げたように、経験年数の長い職員につきましては、単に勤務成績だけでなしに、そういう長年まじめに勤めてきたそういう実績も十分加味して、昨年から十分そういうことを組合の事情も聴取しながら、私ども対処してきたつもりでございます。今後も十分そういうことで指導を徹底してまいりたいと考えている次第でございます。
#51
○楯分科員 こんなことをあなたは否定する側におりますから、ここで結論は出ぬと思いますが、どういうことが現場で行われておるか。管理者の方から、組合に入るな。なぜか。それは昇給、昇格がおくれる。それからいま組合の役員以外の原因があって昇給、昇格がおくれるとおっしゃいますけれども、名古屋のこういう論争にはいつも言われると思いますが、全くあの人は仕事が間に合う、ところが赤だからいかぬと、こういうようなことも最高監督者が言うて、いや、これはちょっと言い過ぎであった、と言って取り消しておる、こういうことも聞いておるわけです。だから、あなたのいま答弁されることと、大分現場は違うと思うのです。だから建設省の方は、仕事は間に合うけれども、赤だからおくらかすというように私どもはとれるし、それから組合員はそういうふうにとっておるわけです。建設省は一体何色なら普通に昇給、昇格させるんですか。赤はいかぬと言うなら、何色ぐらいがいいんですか。
#52
○高橋(弘)政府委員 先ほどから何度も申し上げておりますように、私どもは、勤務成績、能力、それにいろいろさっき申し上げた経験年数の長い人はそういう実績というものを十分加味しながら考えておる次第でございます。公平、公正に行っております。
 先生の先ほど御指摘の点は、恐らく昨年の九月の多治見工事事務所で工務課長が、これは懇親会の席上で、仕事はよくできるが、赤だからいかぬ、と言っただけで、これはそれでおくらすと言ったようなことじゃないようでございますが、ふっとそういうことも懇談会の席上でそばにいたので言ったようでございます。それにつきましては、どうも深い意図があったということでもないし、一緒にいつもいるので私的な軽い気持ちで言ったというように聞いております。しかしながら、こういうような、私的な立場であってもそういう発言は穏当を欠くと思います。したがってそこですぐその場で、事務所長がそばにいたので、これはたしなめて、本人は謝罪いたしております。それから、地建の局長も現場に行きまして十分釈明いたしております。それで地建局長は本人にも注意をいたしております。なお、本人も他の部局へ移っております。そういうようなことでございますので、私どもこういう言動は不穏当なことであると思っています。今後そういうことがないように十分指導を徹底いたします。
#53
○楯分科員 私はここで、時間もないので非常に遠慮して、ときには仮谷建設大臣に陳情もしなければなりませんので、もう非常に遠慮して物を言っておるわけですよ。ところがあなたの答弁を聞いておりますと、絶対建設省はマル生については白紙であり、明々白々としておるというようなことを力を入れて答弁をなさいますが、現地はそうではないのです。だからそれは、過去のことを私はいろいろ言っても仕方がありませんので、具体的な資料を見て今後是正をされるならそれもいいし、それから、そういうマル生運動というようなものは、もうこれは時代おくれですよ。ほかの官庁でこの問題をやったんですが、不当労働行為に抵触をしない不当労働行為をやれと、こういうような訓示をして、その事実よりそういう言葉が明らかになってやめたところもありますが、私が先ほど来指摘をしておることが事実だとするならば、これは不当労働行為に当たると思うのですが、その見解についてはどうですか。
#54
○高橋(弘)政府委員 不当労働行為という点につきましては、これは労働組合法に書いております。これは国家公務員には適用ございません。しかし、国家公務員法におきまして百八条の七に「職員は、職員団体の構成員であること、これを結成しようとしたこと、」等によりまして正当な行為のために不利益な取り扱いを受けてはならないということがございます。したがいまして、これに当てはまるかどうかは具体的な事案によりますけれども、国家公務員法違反であるということがあれば、それはまことに悪いことでございます。十分そういうことのないように指導を徹底いたしたいと思います。
#55
○楯分科員 いま社会党は、もう御承知と思いますが、余りマル生運動弾圧の声が強いので、それぞれ調査班を編成をして現地調査をやっております。いま現実にそういう取り扱いがあれば、不当労働行為かどうかという点については何か公務員法の条文で肯定したようなしないような答弁があったのですが、これは当然私は、あなたが否定をされておる言辞からいっても不当労働行為であると断定して間違いないと思うのです。したがって、調査の結果その事実が明らかになった場合には、当然その責任者は相当な、何といいますか、処分といいますか取り扱いといいますか、措置を受けなければならぬ、こう私は思うのですが、この点どうですか。
#56
○高橋(弘)政府委員 先ほどから申し上げましたように、いろいろ事情を聴取し、調査いたしております。仮に、さっき私が申し上げたような国家公務員法違反という事実がはっきりしましたら、それは適切な措置をとるべきであるというように考えております。
#57
○楯分科員 大出君がおりますので、これで交代したいと思います。
 私は、もう過去のことは仕方がありませんので、いろいろ資料を出します。それから調査団もまとまった資料であなたの方に要求すると思いますが、ぜひひとつ過ちは過ちとして是正、正常な方向に行っていただきたい、これだけ申し上げまして、時間がちょっと早いですが、終わります。
#58
○谷垣主査 これにて楯兼次郎君の質疑は終了いたしました。
 次に、大出俊君。
#59
○大出分科員 大臣、たくさんあるのですけれども、珍しく今回は建設省設置法が私の委員会にないものですから、こちらへ出てきて聞かせていただきたいのであります。
 実は、京浜地区に地震が来るというので、昨年十二月二十七日に地震予知連絡会から、震度五の地震ということで、それは大変迫っているという萩原会長からのいわば予知が行われております。一生懸命地震を追っかけて質問をしてきたのですが、そこらじゅう空振りでございましてね、大臣。どこから聞いても、建設省をしてと、こうです。
 ポイントだけ申し上げます。さて横浜、川崎、品川というこの地域は、慶安地震という地震が慶安時代にございまして、以来三回有名な地震が起こっている地域であります。何遍も方々で言っておりますが、慶安二年の地震、これが川崎駅周辺で民家が百五十軒つぶれて被害が大変出ている。歴史的なことであります。それから文化九年の地震、これで横浜、川崎、品川の臨海地帯が一遍に大変な被害をこうむっている。さらに明治に入りまして、明治十三年の地震、これが横浜地震と言いまして国際的に有名な地震でございますが、地震学が確立されるきっかけになった地震、こういう意味で有名であります。河角さんの六十九年説なんかの中でも明らかでございますように、大きな地震が起こる、あるいはローカル的な大きな地震が起こるのは、かつてそこに地震が起こった場所、そういう場所である。そこに周期説が成り立つというわけでありまして、非常に危険な状況でございますから、横浜、川崎、東京、特に大田区、挙げていま大きな騒ぎになっております。
 そこで、横浜、川崎の場合には、川崎はすぐ後ろに三千基の高圧ガス、石油のタンクが並んでいる。横浜の場合でもそのすぐ後ろ側に二千基高圧ガス、石油タンクが並んでいる。産業道路一つ隔てて住宅街、三十メートルしかない。もうちょっと幅の広いところで五十メートル。一番幅の広いところで三百メートルしかない。新潟地震の経験で、五百メートルなければ大惨事が第二次災害として起こるということが学説的にも明らかであります。
 ところが皆さんの方は、これを地域的に見ますと、建設省所管でございますけれども、災害防止事業団が四十一年から千葉、市原、大阪、堺、愛知、東海、全国十六カ所、つまり緩衝緑地、遮断緑地帯をつくる計画が、プランが全部できて進んでいるわけでありますが、不思議なことに、日本最大のコンビナートであり一番古い、しかも遮断緑地が全くない、第二次災害が一番危険である地域に全くプランがない。中防会議に聞いても、きのうも河本通産大臣に聞いたのですが、遮断緑地に関する限りは建設省、仮谷さんのところだとこう言う。大臣、これは何とかしてくれませんか。いかがですか。
#60
○高橋(弘)政府委員 防災対策の上で遮断緑地は非常に重要なものでございます。しかし、先生御指摘の地区、私担当でございませんので、ちょっと具体的にどの程度あってどうだということを知りません。後で調べまして御報告申し上げます。
#61
○大出分科員 三十分の質問時間があるんですから、突然地震の話をしましたので、大臣、かえって恐縮なんですが、実は私もいささか頭にきましてね、地震に関しては全く所管がおのおのばらばらでございまして、国土地理院所管の事務局を持っている地震予知連絡会あるいは推進連絡会議、ここは科学技術庁の次官が議長でございまして、行政機関でありますが、ここでも建設省、全部建設省なんですね。
 したがって、これは大臣に、ほかのことじゃないんですから、実はずばり政治的な意思表示をしていただきたいのです。大変な不安な状況で、きのうも各市議会は地震条例という案をつくって一生懸命議論していて、いま一番問題は遮断帯なんですよ。遮断緑地なんですよ。とにかく全国のコンビナートはみんな建設省中心に計画ができて進んでいて、何で一体一番古い、一番大きな――一番古くなっているんだからタンクは二基に一基は全部欠陥タンク、それで、地震予知連絡会会長の萩原さんが、京浜地区は遮断帯でもつくらなければ危ないからあえて予知をしたのだが、国はやってくれない、計画もつくってくれないと新聞で嘆いておられるわけですから、所管の大臣でございますので、事務局の方に詳しい話をしてないんで恐縮なんですけれども、連日新聞に出ていることですから、ずばり仮谷さん、これは何とかひとつ計画をつくる、全力を挙げてやってみる、おれも何なら行ってみるというぐらいのことを言っていただきたいと思って実は質問したわけです。
#62
○仮谷国務大臣 地震予知の問題は、いろいろ最近非常に議論されておりまして、私ども地震予知が完全にできるようになれば、これはそれで万全だと思っておるわけです。そういう面で努力をしておりますが、所管がいろいろ分かれておることは御承知のとおりです。建設省の方では地理院の中に地殻調査部を今度つくりまして徹底的に調査をしていこうということでやっておるわけで、そのための予算もかなり大幅に伸ばしておるつもりでありますが、地震予知の問題は、非常に大きな広範囲な問題でありますから、国民的な合意も必要でありますから、ぜひひとつ国土庁、関係庁と十分相談しまして、ひとつ強力な機構をつくって発足したいと思っております。
 先生御指摘の地区の問題につきましては、よく調査をいたしまして努力をいたしてまいります。
#63
○大出分科員 大臣、お忙しいのはわかっておるのですけれども、金丸さんも近くおいでになるということでございますが、一遍行ってみていただきたいのですよ。というのは、産業道路を走っていただいただけでわかるのです。三十メートルしかないのですから。こっちはびっしり住宅です。こっちはびっしりコンビナートの塩素ガスまであるんですからね。石油、塩素ガス、エチレンから始まりまして、高圧ガスがずらりとある。だから、これは第二次災害は避けられない。それが心配だからあえて予告をしたと言っているわけですね。初めてのケースなんです。ことしの暮れからが危険期ということで明らかにされているわけですから、それは住民は――ついこの間、震度四に近い地震があって、そら来たというんで大騒ぎ、たなの物が落ちるというわけですから。この間実は文部省永井大臣に、木造講堂が三校ありまして、四千五百点以下の危険な校舎が教室数にして三百ありまして、と詰めたのですよ。そうしたら永井さんがあとから連絡をよこしまして、危険な木造講堂三校はとりあえず建てかえます、それはどうせ来年、再来年やらなければいかぬのだから何としてもこの地域は重点的に危険校舎の改築を早めますという御回答をいただきましたが、大変前向きでやっていただきました。子供さんが家を離れて学校に行っている。学校というのは避難場所のはずなんだから先につぶれたのでは困るんです。だから遮断帯がないというのは、しかも遮断緑地をつくる計画もないというのは捨ておけないのですよ。ほかは全部計画できているんですから、おたくの所管なんだから、ぜひ一遍その地域へ行ってみていただきたい、予算が終わってからで結構でございますから。いかがでございますか。
#64
○仮谷国務大臣 わかりました。一遍調査させてもらいます。
#65
○大出分科員 おいで願えますか。
#66
○仮谷国務大臣 はい。
#67
○大出分科員 恐らく横浜、川崎、東京にかけまして各市町村すべて喜ぶと思うのですよ。大変な騒ぎなんですから。学校の先生が、昔で言う防空ずきんを日ごろは腰かけに置いといて、地震と言ったら子供がそれをかぶってこの机の下に入るという訓練までやっているところですから、いま前向きでお答えいただきましてありがとうございますが、ぜひ一遍御視察いただきたいのですが、よろしゅうございますな。
 次に簡単に承ってまいりますが、公営住宅、公団住宅、特に自治体等がつくっております公営住宅、法律はたしか昭和二十六年にできたんじゃないかと私は思っておるのでありますが、この二十五、六年ごろにつくられました住宅、全国たくさんございますけれども、これを払い下げるという方針が決まったことがあります。これは、建設大臣がおかわりになる過程でいろいろ方針が変わった時代がございます。これは時の生活環境の相違でございますから、政策のそういう変更がいい悪いということは一概に申せません。ある大臣のときには自治体に向かって払い下げなさいと言った。しばらくすると大臣がかわると、いや、絶対払い下げない、土地の限られた日本の国なんだから、そこは高層住宅を建てるから払い下げてはいけないと言う。しばらくすると、公住協なる組織がわっとあるものですから、いや、払い下げに努力しますと言う大臣が出てくるという目まぐるしい時代がありました。そこで払い下げするとなったら、当時はまだふところ勘定がよくない時代でありますから、買える方、買えない方がありまして、点々と買っている。ところが歯抜けみたいになって、買わない人がまだたくさんいる。このままで以来二十何年たって、住めば都になっているわけでありまして、したがって、これを通称歯抜け住宅と言うわけです。きのうですか、私がうっかり歯抜け住宅の件で質問すると言ったら、お見えになった方が歯が抜けておりまして、どうも私が歯が抜けているんでなんて言うので、ちょっと悪いことを言ったと思ったのですが、これは通称歯抜け住宅と言うんですから御勘弁願いたいのですが、この歯抜け住宅の処理を何とかしないとうまくない。東京初め三都市を中心に払い下げないという方針を審議会等でお出しになっているのは知っているわけです。横浜市の方でも、ここに新聞記事がございますけれども、市の建築局長が、歯抜け住宅については国の方針もあるけれども何とか考えざるを得ない。横浜の場合は三十五年までに計千八百五十四戸払い下げているのです。三十五年までにそれ以前の古い住宅千八百五十四戸払い下げているのです。ところが、歯抜け式に払い下げておりますから、そうでないところがずっとこうある。ふところ勘定が悪くて買えない、だがいまなら買えるという人がたくさんある。実はそういう問題で地域の方々から非常に御意見のあるところであります。ここらのところを今後どう扱えばいいかという点、簡単で結構ですがお答えいただきたい。
#68
○山岡政府委員 先生おっしゃいますとおり公営住宅法は昭和二十六年にできております。その当時から払い下げに関する規定がございますが、昭和三十四年に特別の事由がある場合云々を入れまして、その後少しきつく取り扱っております。現在までのところ、公営住宅の建設戸数が四十九年の三月現在で百六十三万戸ほどございます。そのうちで払い下げましたものが十三万戸ございます。それから用途廃止したものが十万八千戸ございます。現在管理戸数が百四十五尺端数を抜きますとその程度の数字でございます。ただ、その場合におきまして先生おっしゃいましたようにいろいろと払い下げについての議論が行われましたが、現在確定しております建設省の考えといたしましては、三大都市圏にある低層公営住宅は原則として建てかえによりまして立体化を図りたい、戸数の増加とともに都市環境の整備を図る、そういう場合に既入居者のうちの希望者に対しては、その団地の中でできれば長期の分譲住宅を建設して提供したい、しかしながら三大都市圏以外の地域におきましては、低層公営住宅等につきましては、団地の位置、形状等を勘案した事業主体の判断を尊重してまいりたいというのが基本の方針でございます。ただ、先生がいまおっしゃいましたようないわゆる歯抜け団地につきましては、大都市圏におきましてもいろいろ問題が起きております。関係方面とも相談中でございまして、具体的なケースについて検討して進めてまいりたい、相談中でございます。
#69
○大出分科員 私の足元なんかにも昭和二十六年の六月に入居してい、つまり二十五年に建って二十六年六月に入居しているところがあるのですが、家の数にして二十六戸というまとまった小さいところでありますが、ここもこの時代に払い下げの話があった。ところが団地自治会というのは非常に結束していまして、中に買えない人もいるのに買えるからといって個々に払い下げるというのはよしましょうというようなことで払い下げを受けたい人もそのままになっている、そういうところもあるのです。ですから、同じ時期に同じように払い下げる、こういった方針をとったわけですからみんな話がいっている。片方はぽつんぽつんと払い下げた人がいる、片方は結束して、買えない人がいるんだから待とうというので待っていたうちに方針が変わった。これは清水ヶ丘住宅と言っておりますが、片方で歯抜けの処理をするときに必ずこっちからも意見が出てくるわけでありまして、果たして二十六戸のところが後何に使えるかという問題もございます。したがってこの辺は、旧来方針がいろいろ変わった歴史があるわけでありますから、きめ細かく御検討いただきたいと実は考えておる。できることならば当時のそういったいろいろな事情をしんしゃく、勘案を願うような形をおとりいただきたい。またそういうことでけじめをつけた方が後の土地利用というそれ以後の問題等についても処理のしようが出てくると私は思いますので、同じ行政区域内でありますから、その辺のことをお願いしておきたいのであります。
#70
○山岡政府委員 ちょうど先生がおっしゃいますと同様な事態が神戸の方で起こっております。それで兵庫県では現在審議会をつくりまして、審議会の中で個別の団地につきまして検討をいただいております。そのときにやはり地方公共団体の皆さんの御意見を求めて、われわれもその結果を非常に注目いたしておりますが、そういうものも参考にしながら弾力的に運用してまいりたいと考えております。
#71
○大出分科員 それは個々の方々にとりましては住めば都になって二十何年にもなるという。これは箱に入っているわけじゃなくて、古いのは一戸建てのところが多いものですから、いろいろな手直しをしているわけでありますので、ぜひひとつお願いしたいと思うわけであります。
 それから次に簡単に承りたいのですが、横浜新道という道がございます。それから東名高速がございます。横浜新道から東名高速をつなぐ保土ヶ谷バイパスというバイパスができまして、聞くところによると建設省直轄でおやりになった、こういうわけであります。ところがここに左近山と申しましてマンモス団地が一つある。住民の反対もありまして、ここに防音壁をおつくりになる。二俣川というところの手前であります。ところがその少し先に今度は東急ニュータウンというのがございまして、東急が建設いたしました。規模からいきますと左近山が圧倒的に大きいわけでありますけれども、同じ地域環境にございますので、東急ニュータウン入居者の方々の側からも同様に防音壁をつくってくれという要求、陳情が熾烈でありまして、私も実は抑えかねる実情にありますので、実情をひとつ申し上げて皆さんの――建設省がおやりになったわけですから、なぜ一体、片方は少し大きいからというので防音壁をおつくりになる、片方はそれだけ人間の数が少ないからというのでつくらぬと言う。これはやはり住んでいる方々にすれば同じ騒音が耳に入るわけでありますから、同じ条件でありますから、いささか片手落ちではないか。だから国がおやりになる政策としては、こっちにつくるというならここにもつくるというのが筋ではないかという気がする、素直に。そこらはいかがでございますか。
#72
○井上(孝)政府委員 御指摘の国道十六号の保土ヶ谷バイパスにつきましては、おっしゃるとおり、左近山公団住宅の場合には防音壁をつくっております。これは実はバイパスを計画するのと住宅公団の住宅の計画がほぼ同時期でございまして、公団と建設省と御相談をしまして、防音壁の費用を折半をして出しまして、この防音壁を設置したいきさつがございます。
 一方、少し隔たりましたところに御指摘の東急ニュータウンができております。これは実は道路をすでに工事に入りまして以後、ニュータウンが計画されまして、事業者であります東急不動産に環境対策の合併施工と言いますか、公団の場合と同様の対策をしようということで申し入れたのでございますが、東急不動産はむしろ道路に面する土地の価格を少し下げまして、道路から遠いところと差をつけまして分譲したという程度の措置にとどまったわけでございます。道路側といたしましては、供用開始に先立ちまして盛り土部分のところに本来ならガードレールをつけるところを、コンクリートの面壁をつくりまして、若干の遮音効果を期待したわけでございます。
 しかしながら、昨年の九月にこの保土ヶ谷バイパスが開通いたしまして、以来六カ月、半年たっておるわけでございますが、最近ニュータウンの一部の住民から、おっしゃるとおりの騒音対策を施すように申し入れがございまして、ただいま建設省では騒音の実態調査、測定をいたしておりまして、調査中でございます。
#73
○大出分科員 私も事情を知らぬわけではないのですが、いろいろな理屈は理屈としてさておきまして、騒音に対する人間の、騒音公害という、これはいろいろな理屈がありましても、同じ条件なんですね、五体満足なら同じ音は聞こえるわけでありますから。だから、片一方にできていて片一方にできていないということは、入居者はここは幾らというので入ったわけですから、騒音がありますからという条件をつけてパンフレットに書いてあるわけじゃない。結果的に東急の側はそうお答えになるわけですけれども、それで満足できない、やはりうるさいわけでありますから。したがいまして、そこのところはやはり権利義務は公平に、平等にある国民でありますから、同じように考えていくのが筋ではないかという気がいたします。ただし、いま調査中とおっしゃいましたが、ならば金が伴うわけでありますから、国の方でもむずかしい点がおありになると思います。したがって、時間のかかることについてはやぶさかではないわけでございまして、ぜひひとつ、そこのところはここでばしっと結論を出すということは無理でございましょうから、ぜひこれは御検討いただいて、ただし人間である限りは同じ音を聞けば同じようにうるさいわけでありますから、その人間感情というものを無視なさらぬように、前向きで御検討をくださるように、また住民にどうしろとおっしゃるのか、いろいろなことがございましょうが、そこらのところも含めて、ひとつ御検討いただいて、なるべく話し合いを続けていただくように申し上げまして、後は御回答をいずれの機会にいただきたい、こう思うのであります。大臣、ひとつここらはなかなかむずかしいので、理屈を幾ら言っても、うるさいのはうるさいじゃないかという理屈が残りますから、大臣の方からも一言お答えいただきたい。
#74
○仮谷国務大臣 いろいろ経緯があるようであります。その点、先生も御承知のことでございますが、いま調査をしておりますから、調査をして十分検討していきたいと思います。
#75
○大出分科員 次に、都市河川の問題で、根本龍太郎さんが建設大臣をおやりになっているころに、もう大分前でありますけれども、実は長い議論をしたことがある。時間がございませんから、ここで都市河川の問題についての基本的な議論は避けますけれども、また大塩さんが都市局をおやりになっているころにおつくりになった大きなプランがありまして、その中でも都市河川の問題は出てまいります。その時代にもずいぶんやりとりをしたことがございます。
 言いたいことはあるのですけれども、これは一切省略させていただいて、ずばり現実的な問題を申し上げますが、横浜市に鶴見川という大変水害、公害の長くかつ大きな被害の出た歴史のある川でございます。実は委員長谷垣さんおいでになりますが、谷垣さんの故郷にも由良川がありますけれども、似たような川であります。ずいぶん本日の委員長も河川問題では御苦労をなさった大きな実績をお持ちの委員長でございますが、まさに川を治める者はということでありまして、この川はいまだに治まらぬわけであります。しかし、ずいぶん皆さんの方も御苦労をいただいて、年間予算でたしか十四億円ぐらいの経費をおかけになってやっておられる。ただ私は、いいかげんな予算の使い方、かけ方をしたのでは、川というものは逆に妙なことになる。鶴見川水系に早渕川という川がございますが、高秀さんが河川局においでになるころに実態調査もしていたださましたり、私一緒に歩いたことがあるのでありますが、この早渕川を私はかれこれ八年ぐらい連続して質問してきたことがありますが、これも実は高田橋から先、峰大橋から上までのところがなお問題があるのでありますけれども、基本的に鶴見川は数百億かかると言われておりますけれども、被害があり、かつまた川を利用する方々の営業上の問題もあり、大変困難いたしておるわけでありますが、基本的にこの都市河川をどういうふうにお考えになるのか、承りたいと思います。
#76
○増岡政府委員 鶴見川は、私ども一級河川の中で非常に重点的に施行しておる川の一つでございますが、それは、先生おっしゃいますように、大都市を控えておるということでございます。それで、最近の出水の状況だとか流域の開発その他を考えまして、計画を改定せねばいけないということで、昨年の三月に、末吉橋というところに基準点がございますが、従来ここの計画高水流量は九百トンであったわけでございますけれども、いろいろな重要性を考えますと、やはりこれを二千三百トンに上げざるを得ないということで、非常に大きな計画に踏み切ったわけでございます。しかしながら、これには先ほど先生のお話のございましたようないろいろな支川も重要なところもございますが、いよいよ本川関係について施行していかなければいけないということで、現在下流付近に御承知のように人家だとか工場がたくさん建っておりますが、いまの川幅でできるだけ最大限流したら幾ら流れるだろうかということ、もちろん矢板工法だとかいうことでこの河川敷を最大限に利用しますと、これが千八百トン流れるわけでございます。残りが五百トン残るわけでございます。この五百トンの処理が計画上非常に大きな問題になっておりまして、中流部に調整池をつくったらどうかだとか、あるいは一気に放水路をやろうということを考えておりますが、私どもの現在の調査では、やはり放水路案でないと実際の実現は薄いのではなかろうかということで、技術的な勉強を現在鋭意やっておるわけでございます。そういうような計画がございます。したがって、ここ十年間に鶴見川につきましては九十七億、いまの単価で言いますと百五十七億ぐらいかけたことになっておるわけでございますが、当面は七百トンという流量ぐらいは安全に流下させたいというような基本計画で――将来の計画はあるのですけれども、七百トンぐらいは、十年に一度ぐらいといいますか、その程度の水はどうにか全体を流れるようにしようということで、それに障害のある個所をいま重点的に実は施行しておるわけでございまして、今後七百トンを全部流すということにしましても百二十億ぐらいまだかかります。当面はこの七百トン作戦といいますか、これに対応する仕事を最重点に置いて、本川改修並びに支川をやっていきたい、そういう感じでございますが、いま先生おっしゃいますように、いかに重点と言いましても、なかなか予算の増もありませんので、いま精いっぱいのところやっておる次第でございます。
#77
○大出分科員 時間もあと二、三分しかございませんが、早渕なんかにいたしましても、なお残っておる場所がありまして、ここなんかも流量をかつてずいぶん計算をして、お互いに地元に参りまして相談もしてやったことがあるのでありますが、鶴見川の場合には、下手なことをすれば、これは満潮時になりますと下流から逆流する。これはもう谷垣さんのふるさとであり、私の第二の故郷の京都、福知山の由良川なんというのはそうですね。一つ間違うと逆流してくるのですね。三階の家の三階にいて、二階のそこまで水が来て往生したことがありますが、鶴見川もそうなんですよ。私が育ったところが少し高いものだから辛うじて助かっていますがね。そこだけ残ってしまって、そこにふるえている、一面に濁流になってしまっていた、なんという幼いころの記憶もあるわけでありますが、これだけ長い間、それこそ流域の住民は泣きに泣いた川でございまして、多摩川の例の災害のございました関係で非常に最近神経質になっている付近住民でございます。したがって、この早淵の残り、それから鶴見川の抜本的な河川改修、何とかこれを――やむを得ずこのぐらいかけてとりあえず気休めにとなると、それはむだになるという気が私はするわけでありまして、抜本的な改修を大臣ぜひひとつ御記憶いただきたいわけでありますが、いかがでございましょう。
#78
○仮谷国務大臣 鶴見川の問題、私もいろいろ承ったわけですが、やはり町の中に流れておる川を根本的に直すということになりますと、いろいろ問題ができるわけでして、とりあえず河床を掘って低水路にしてというのが俗にやることです。それもやり方によってはおっしゃるように逆流しますから逆に浸水すること、私の県でもそういうような例がありましてよく承知いたしておりますが、それかといっていつまでもこのままでおるわけにいきませんし、根本的な問題を考えなければなりません。その場合には、やはりその地域の人々にも御協力をいただくということがないと、こちらが一方的になかなかやるわけにいきません。十分これは関係地区民とも相談しながら対策を立てていかなければならぬ、かように存じております。
#79
○大出分科員 地域の会社で川をもってある意味の受益者、こういう企業もございまして、最近私に何人かお話がありまして、ささやかであっても、何千万という金でしょうけれども、自分たちで自分たちの資力に応じた支出はしたいという申し出などもございました。心配の余りそういう方々もふえてきているわけでありまして、ぜひひとつそこらの熱意もくんでいただきまして、あわせて国が御努力いただくということで何とかこの問題、抜本的な改修をお考えいただきたい。
 時間がありませんから、大変大筋になりましたが、お願いしておきたい。
 もう一点だけ、一、二分で終わりますが、柏尾川という川、実は二級河川でございますが、横浜、鎌倉、藤沢という三市を貫流しておりまして、これも柏尾川が狂っておるとか怒っておるとか泣いているとかという名前がよくつく川であります。皆さん御存じだと思いますから申し上げませんが、神奈川県もそれなりに努力はしておるのでありますけれども、いずれにせよこれも全く人口稠密になったまん中を流れているわけでありまして、やってはいるんですが、これまた遅々として進まない。つい先般も大きな水害が起こっていて、せっかく積んだところみんな流れてしまった。何のために金をかけたかわからぬということになってしまう。ここにもやはり思い切った金をかけないということ、だからかけた金が全く水の流れとともに消えていくという悲劇があるわけでありまして、ここもやはり神奈川県の責任は大でありますけれども、国がやはりそれなりの御配慮をいただかぬとできません。これにつきましても一言皆さんのお考えを聞いておきたいのであります。
#80
○増岡政府委員 柏尾川につきましては、御承知のように中小河川事業と都市小河川事業とあわせてやっておるわけでございます。昨年も非常に浸水したところでございますので、まだ三事業もいろいろ残っておりますが、来年度の予算案につきましても、災害河川の典型的なところでございますので、重点的な配分をしようということを心がけております。
#81
○大出分科員 これで終わりますが、最初に申し上げた地震ですけれども、仮谷さん、もうあっちこっち担当のところを端から――どうも少し地震に疲れて、万が一でございますが、あったら大変な第二次災害になるという気がするものですから、ずいぶん質問を続けてきているのですけれども、なかなか国がみこしを上げていただけぬので、私の方がいささかくたびれてきて根負けの形です。特に中心は遮断緑地の問題でございまして、こればかりは三市幾ら逆立ちしてもできないわけでありますから、これだけはぜひひとつ大臣のお力をいただきたい。非常に差し迫っているという感じがいたしますので。
#82
○吉田(泰)政府委員 おくれてまいりまして……。おっしゃるとおり川崎、横浜地区をモデルにしまして防災遮断帯の基礎的な研究をしているものでございますが、いろいろそこに指摘されている問題点、段取り、複雑な問題が絡んでおりまして、第一義的には、やはり地元の市がわれわれと相談しつつ当面実現可能なものを少しでも進めていくというような姿勢が必要だと思いますので、相談に乗りながら、なお残された問題も逐次解決をしていく方向で大臣の御指示のもとに進めたいと思います。
#83
○大出分科員 法的な面もお考えいただきまして、用地がないのですから、古い工場でタンクも古いのですから、恐らく消防庁が調べて、底がさびているなんというものもある。だから法的な面もやはり考えて、どけるものはどけて強引に遮断帯をつくりませんと、三十メートル、五十メートルではどうにもならぬ。先ほど大臣にこれは一遍見ていただきたい、産業道路を走っていただけばわかるのだからと申し上げて、一遍行ってみようというお話を承りまして大変ありがたいのですが、地元の住民にすると、理性的に地震の予知を受けとめたいのだけれども、頭に血が上ってなかなか理性的になれぬわけです。国も建設大臣もお見えになったとか、いろいろ調べて、いま吉田さんおっしゃるように、三市集めて何とかつくろうという意思で前向きでものを検討するというふうに言っていただけますと、いささか気持ちの余裕ができて、冷静にかつ理性的に予知を受けとめて第二次災害を防ごうという気になるわけですから、そういう心理状態も含めて御検討いただきますようにお願いしたいのです。もう一遍大臣ひとつ済みません。
#84
○仮谷国務大臣 いずれにしましても一遍現地を見せてもらいます。私も初めてでございます。聞くのも初めてですから。そうしていろいろ相談してみます。
#85
○大出分科員 どうもありがとうございました。
#86
○谷垣主査 これにて大出俊君の質疑は終了いたしました。
 次に、紺野与次郎君。
#87
○紺野分科員 私は大都市中心部における大規模避難緑地と公共緑地の確保と拡大、緑の復活というような問題について質問いたします。
 初めに消防庁にお聞きしますけれども、関東地方の大震災が六十九年周期説で一九七八年、昭和五十三年ごろから危険期に入る、また地震予知連絡会が、川崎市を中心に東京南部、横浜市にかけて直下型地震マグニチュード六、震度五ないし六が起こる危険が、今後四、五年の間にあって、特にことしが大変危険性があるというふうに警告しています。
 それで消防庁は、昨年八月の「大震火災に対する避難体制の整備について」という文書の中で「大都市において大地震が発生すれば」こう言っています。「出火防止、初期消火等の消火対策の推進ももとより必要ではあるが、特に人命安全を第一義として、住民の安全な避難を図るための施策は大震火災対策の要として緊急の課題と考えられる。」と言って、避難体制の立ちおくれ、これを指摘して、特に大規模避難緑地の必要を強調しています。川崎市を中心とする直下型地震発生の警告を考えてみても、大規模避難緑地の確保及び新増設を積極的に進めることが非常に第一義的な緊急の重要課題であると思うけれども、この点についてどうですか。
#88
○藤江説明員 大地震がいつ来るかという地震予知の問題につきましてはいろいろ問題があろうかと思いますが、私ども消防庁といたしましては、たとえいつ地震が起ころうともそれに備えた体制を整備しておかなければいけないということで、従来大震対策の指導を行ってきたところでございます。その場合に、ただいま御指摘のございましたように、現在の消防力をもってしては、どの程度の規模になるかわからない同時多発火災に対して対処できるかどうかということにつきましては、現在のもろい都市構造からいたしまして問題がございますので、やはり私どもとしては、まず第一に人命の安全というものを第一義といたしまして、避難対策を地震対策のかなめとして推進したいというふうに考えてるところでございます。
 ところで、避難体制につきましては、これもいろいろ問題がございますが やはり現在の避難地あるいは避難路について若干問題があるのではなかろうか。と言いますのは、避難地の指定につきましては、御承知のとおりいまの都市につきまして適当な広場がないというふうなことから、既存の公園等が指定されておるということからいたしまして、距離的な問題としまして、そこに到達するのにかなり時間がかかるというふうな問題があるとか、避難地自身の問題としましては面積が狭過ぎる、あるいは中に木造の建物があるというふうなことから、もしかりに延焼拡大してきた場合に、その輻射熱から十分に避難民の安全が確保できるかどうかというふうな問題点があるわけでございます。そういうふうな点からいたしまして、私どもとしては、現在各都市におきましては避難地、避難路等を指定あるいは指定しようとされておられますけれども、基本的には十分な面積の、かつ適当な場所での大規模な避難緑地の造成、設置というものがぜひとも必要ではなかろうかというふうに考えてるわけでございまして、そういう趣旨から御指摘の昨年八月に私どもとしての方針を出したわけでございます。
#89
○紺野分科員 それで、その方針のおしまいの方に「大規模避難緑地の整備を促進するための措置として、都市公園事業及び都市緑地保全法による土地の買入れ等に対する国の助成の大幅な拡大を図るとともに地方債の思いきった拡充措置を講ずる」ということが必要だ。また「都市開発資金についても拡充を図る必要がある。」と言っておりますが、このような積極姿勢で具体的にやろうとしておるのですか、その点。
#90
○藤江説明員 避難地、避難路等の問題につきましては、やはり問題は土地問題でございまして、そのためには膨大な資金量とかつ長い年月がかかるということで、私どもとしてはできるものから手をつけていくというふうな方針を考えたわけでございますが、その場合に、現在の都市公園とかその他の既存の制度で、もちろん従来からその制度に乗っかってきておられたわけでございますが、その既存の制度の拡充で間に合うものについてはできるだけその制度を生かす、あるいは活用するというふうな方向で考えたい。
 そのほか、資金面につきましては、地方団体でもし積極的にその面での拡充を図られる場合には、資金的にもこれはできるだけおこたえするということで、その点につきましては地方債課長が参っておりますので、そちらからお答えすることになると思います。
#91
○小林説明員 必要な避難空地に対する用地の取得につきましては、地方債で処理していく方針でございます。
#92
○紺野分科員 次に建設大臣にお聞きしたいと思いますが、それは、大都市中心部が最近のようにコンクリート、鉄でずっと固められて、地下の方は地下鉄、地下街、そして空気は汚染されて自然が失われて、生活環境が非常に悪くなっているのは御承知のとおりです。問題は、大都市の自然を回復して緑を復元、拡大するということは緊急の課題でありますが、最近の新聞報道によると、大都市で町全体が公園、緑の中に町があるというようなものにしたいという、緑のマスタープラン、これを建設省が考えていると言っておりますけれども、この観点から見て、大都市中心部の公園緑地の確保と拡大の点について、いろいろあるでしょうが、しかし特に大都市中心部の公園、緑地の拡大あるいは確保についてはどういう姿勢と方針をとられておるのかお聞きしたいと思います。
#93
○吉田(泰)政府委員 おっしゃるとおり、都市部の緑の不足のためにいろいろな環境問題も発生するわけでございます。これに対処することが目下の急務になっております。これは地方都市でも同様でございますが、特に大都市ではさらにその必要性が高いということが申せると思います。私どもも緑のマスタープランということで公園、緑地といった公共広場、公共空地を広げるとともに、緑地保全地区のような民有のままの規制を伴った緑地保全というようなものも考え、あるいはさらに木そのものを植えていくというような植樹の計画も立て、こういったものを総合的に実施しまして、必要な量のオープンスペースと緑というものを急速に回復していきたい、こう考えております。
#94
○紺野分科員 それで問題は、東京都の具体的問題として港区の芝公園がありますが、ここは広域避難場所になっています。この周辺には新橋、六本木、麻布、芝、三田等々の都心部で最も密集した住宅地となっているし、また大オフィス街もその周りにありまして、膨大な昼間人口を控えているという点からいって、非常に貴重な避難広場であります。ましてや川崎市を中心とする直下型地震が想定されるという場合に、港区南部、特に港区ですね、断水の危険があるとされております。そういう点から見て、この芝公園を、水の施設も含めて総合的な大規模避難緑地として整備することが港区民の強い念願ですけれども、施策としても非常に緊急に重要であると思うけれども、どういうふうにお考えですか、消防庁にお伺いいたします。
#95
○藤江説明員 港区の芝公園につきましては、ただいま御指摘のとおり、大規模避難緑地としては、確かに川崎の地震の危険性等考えた場合には、非常に重要な問題であろうかと思います。そのような意味で、これの安全性の確保についてはいろいろな面から考慮しなければいけない。私どもとしては現在やっておりますのが耐震性貯水槽を避難地周辺あるいは避難地の中に埋め込むというふうな作業をしておりますけれども、そのほか、避難地の安全確保については、いろいろ中の、もし仮に、私ども実情は詳しくは存じませんが、木造等の建築物があればできるだけ除くといったような適切な配慮が、これは東京都のサイドの処理事項でございますけれども、なされているものと期待したいところでございます。
#96
○紺野分科員 この芝公園の中に一万三千平米の私有地があります。これが駐車場なんです。重要な避難緑地として安全上問題ではないか。さっきの消防庁の方針では、避難地に私有地があるということが問題だ。それからそこに危険物が貯蔵されるなどはなおさら安全上の問題であるということを言って、こういうところにある私有地は公有化するということが望ましい、また行為制限等の規制措置も講ずる必要があると言っております。この一万三千平米の土地は以前、明治六年から有名な公園ですが、すべて国有地だったんです。いまどうなっているか。問題の田中金脈の一環と見られている小佐野賢治氏が主宰している日本電建の所有地です。しかもそのうち三千平米は、ごく最近田中角榮氏が幹事長とか臨時蔵相とか首相の時期に国有地を払い下げたものです。こういう都市計画公園緑地地区内の国有地をこんな形で払い下げること自体が問題です。それで一昨年の参議院決算委員会で私どもの塚田大願議員が追及しましたけれども、昨年もこの都市計画公園緑地指定の網を解除するという案が東京都から出されまして、都議会や港区議会の反対もあり、港区当局も同意せず、地元町民からの請願も都議会で全会一致で通っているような状態です。日本電建は、初めから計画しておりましたホテルを建てたいというふうに動いたことは明らかでありまして、新聞報道によると、この網がはずれただけで日本電建は百億の土地差益を得ると言われております。神聖な人命避難の場所を大企業のもうけの場所にかえれば、マスコミも疑惑の目を光らすし、住民も憤慨するのは当然です。
 そこで、こうしたトラブルを起こしている問題の私有地ですね、これは消防庁の方針のように安全上から見ても公共用地にかえる、そして都心部における重要な大規模避難緑地として確保し、充実させるべきだと思うけれども、どうでしょうか。
#97
○藤江説明員 先ほど申しましたように、避難地内部の問題としまして、木造建築物があるとか、あるいは危険物が集積されているというふうなことは、これはもちろん避難民の安全のために望ましくないことでございまして、それらについては避ける。またこれが私有地である場合につきましては、将来たとえばそこに木造建築物が建てられるという可能性もあるわけで、将来にわたる安全性の確保という意味から申しますと、私どもとしましてはできるだけ公有地にかえるということが望ましいと思います。ただ、この点につきましては、地方公共団体の財政事情その他の事情等もございましょうし、私どもとしてはその場合に、先ほど地方債課長が申しましたように、財源的には地方債でできるだけ対応するという姿勢ではおりますけれども、何分にも資金量としても膨大なものになりますので、ある程度時間がかかろうかというふうに考えているわけでございます。
#98
○紺野分科員 では、芝公園は、そういうことで、この中に私有地があるということは防災上本当は公有地にした方がよろしいという意見だと思います。
 それから芝公園は歴史的に、いま言いました由緒ある非常に貴重な公園緑地ですが、先ほどのマスタープランですね、この見地から見ても、都心部における緑復活の一つの基地になるものであるというふうに思うのです。確かにあの辺は非常に重要な、いわば緑拡大の戦略的にも重要な基地だと思います。大体二十一世紀を目指して、一人当たり二十平米、東京都は昭和六十年までに一人当たり十平米というふうなことを目指している重要な、貴重な基点となると思います。それで、このようなところをわざわざ公園、緑地の網をはずしてホテルを建てるというようなことは、避難緑地の確保の方針から見ても、先ほどの緑のマスタープランの基本方針から見ても逆行するものであるということですね。地元民もそういうふうに逆行するものだといって、これ以上網をはずされては大変だと言っております。
 それで建設省及び自治省として、特に建設省としても、都心部の緑地拡大の貴重な基地としてこれを保全する、保全した方がいいというふうに指導と、そして先ほどお話がありました公有地化のために具体的な指導と援助を与えるべきだと思いますけれども、どうですか。
#99
○吉田(泰)政府委員 一般的に申せば、都心部の貴重な空地というものはできるだけ保全し、さらに可能ならば公共的に取得して整備していくということが望ましいわけでありますが、御指摘の具体的な場所につきましては、まだ私ども都から協議を受けているわけではありませんが、都としては、全体の都市計画決定している約三十ヘクタールのうち、現に公園になっている所は十二ヘクタールでございまして、残り十八ヘクタールもの民地があり、この部分は公園になっていない所であります。それを用地を取得して公共の公園としてやる計画があるかということでありますが、先生おっしゃいましたように、都としては、ここばかりでなく、全体の都市計画決定公園の将来計画というものを見直しておるようでございまして、その一環として地元民にも意見を打診したりいろいろなことを内部的に進めているようであります。
 そういうことで、私ども一般的なお話としては、極力こういった貴重な空地を公園地化する、公園として整備するという具体案が持ち上がってくれば、国の予算の範囲内で助成対象にも重点的に取り上げるという気持ちでありますが、個々具体の問題につきましては、いまだ都の方針も決まっておりませんので、私どもここではどうするということも具体的に申せない段階であります。
#100
○紺野分科員 問題は、いま言いましたような緑のマスタープランとか避難緑地の問題とか、こういう方向で公有地化することは望ましいことだということを一般的に認めているわけですね。だからこういうことが実際に住民運動としても起こり、そういうことが望ましいというふうに発展しておりますけれども、これに対して積極的な指導の姿勢としては、やはり確固たる態度をとって指導の任に当たるというふうにしてもらいたい。あやふやにではなくて、言っていることとやることが合致するように、緑のマスタープランよろしい、避難緑地拡大よろしい、それらのことを国としてやはり実行していくように積極的姿勢をとってもらいたいということです。どうです、もう一度。
#101
○吉田(泰)政府委員 東京都の全体の計画として、緑の将来計画が後退するようなことがあっては困るということは、私どもも強く指導しておりますし、都も幸いそういう気持ちでおるわけですが、それは私どもから見れば全体の話として考える立場でありまして、具体的にどの場所をどういうふうにするというようなことは、まずもって都の方針の問題でありますので、具体的なこの場所がどうでなければならぬとまでは、私どももいまの段階でこちらから指導するということもできないのじゃないかと思います。
#102
○紺野分科員 では建設大臣の方にお聞きしましょう。
 あなたはこの間の十九日の建設委員会で具体的な、具体的な、具体的な小金井及び市川の国際興業と三井不動産の土地の自治体への放出について、自治体がそういうふうに本当に望んで交渉する気があれば、その方向で努力すると答弁されましたね。芝公園の、あなたも同県人だそうですけれども、小佐野賢治さんの日本電建の土地一万三千平米、これについてもいま質疑応答によっておわかりでしょう。これは公共用地にすることが望ましいという所なんです。そういうことについて、あなたはやはり同じように公有地化をするように努力をしてもらえるかどうか。そういう御良心と良識を持っておられるかどうか、そして努力していただけるかどうかということをお聞き申したい。
 それからもう一つ、自治省の方では、もしそういうふうな方向で話が進んでいけば、そのための地方債、これを拡充する方針である。あるいはできれば国が利子補給もしてあげようというぐらいの姿勢で地方財政を援助することが必要だと思うが、これは自治省の方のお考えですけれども、お二人からひとつ……。
#103
○仮谷国務大臣 小金井団地の問題のこの間の質問に対しては、地方自治体がその地域の国の土地を個人が持つよりも公共団体が持ち、それを公益のために利用することが好ましいということになれば、まず地方公共団体があっせんして所有者と交渉をして取得のために努力すべきであって、公共団体が中心になってやるというふうになれば私どもの方ももちろん御協力申し上げましょう、こういうことを実は言ったわけです。同じ問題としていま芝公園の問題が出ておりますが、これは個々の問題で東京都がどういう考え方で進めているのかまだわかっておりません。全然何も扱っておりませんから、この問題について明快な御答弁を申し上げるのはいかがかと思いますが、一般論として、都市公園にしてもその中に私有地があるということは好ましいことではない、公園はできるだけ公有地として保存されていくし、利用されていくということが好ましいことでありまして、そのために努力することは私は当然だと思っております。これは一般論として申し上げる、努力しなければならぬ問題だと思っております。
#104
○小林説明員 個別の問題につきましては申請の段階で検討させていただきたいと思いますが、遊休地に該当するようなもの、それからその他必要な公共用地の取得につきましてはできるだけ地方債で処置をいたしたい方針でございます。
#105
○紺野分科員 ではちょっと時間がありますから、今度は緑のマスタープランの考え方ですね。大都市中心部で公共緑地としていわゆる公園あるいは緑地というものが強調されると同時に、あの中に公園道路ということが言われておりますね。つまり街路を緑化するということです。それは欠くことのできない問題である。東京のような場合、特にそうだ。そこで、いま東京都で実験研究している透水性舗装というのがあるのです。水が全部よそへ流れるのじゃなくて、ある程度水を土の方に運ぶ透水性の舗装です。これが実用化を待っているわけですが、ひとつこれを取り上げて普及、実用化するように図ってもらえないかということです。というのは、現在のコンクリート舗装では大都市の土地は水を遮断されております。窒息しています、砂漠化しています。したがって街路樹が非常にひ弱くしか伸びないのです。ですから透水性舗装をずっと採用すると土地を潤すということ、息がつけるということです。そして街路の緑化を促進することになる。それで、この東京都が開発研究しているものを財政的にも援助を与えて普及するということ、この辺はしてもらえないかどうか、お聞きしたいと思います。
#106
○吉田(泰)政府委員 御指摘のように東京都でそういう透水性舗装の検討をしておられるようであります。まだその基礎的な段階で、特に耐久性の点が非常に劣る、都市内の舗装としてはそういう面で非常に欠陥があるということであります。こういったことにつきましては私どももいろいろな機会を通じてその実現のために努力する必要がありますが、これに国が直接助成する、直接関与するというような段階というものは、もう少しその見通しが立って、経費もかかる大々的な実用的実験をやるというような段階のことではないか、まだそこまで行く見込みがちょっと薄いという気がしております。
 街路樹などの保全につきましては、やはり植栽の升自体が狭いものを大きくするとか、特に明年度から新しく認められることになった、街路樹ばかりでなくて、街路樹と街路樹の間に帯状に植樹帯をつくる、それを既存の道路にも考慮しようというようなことになっておりますが、こういったことによっても、できる場所はその植栽帯を通じて水が浸透するわけであります。また舗装の仕方にしても、都の研究しているような透水性のある舗装という方向ばかりでなくて、いろいろ総合的に研究したいと思います。
#107
○紺野分科員 そういうことでなかなか消極的なお考えのようだが、都市は砂漠化しております。コンクリートの下で。そこに水を通すような開発をどんどんしてもらいたい。
 最後に申し上げたいことは、大臣にもお聞きしたいのですけれども、いままで高度成長で新幹線とか道路をいっぱいつくることに熱中して、いわゆる産業基盤を大きくするということにいわば二、国民生活の基盤の方には一というふうな公共投資が行われている。これを高度成長がもう不可能だというこの時点において、やはり思い切って国民生活の基盤を豊かにするような方向に、いま私が言ったこともその一部でありますが、そういう方向に全体として努力をされるようにお願いしたい。この点についてどうでしょうか。
#108
○仮谷国務大臣 お説のとおりであります。そういう方向で私どもは五十年度の予算も計上したつもりでございますし、今後もそのつもりで努力をいたしてまいります。
#109
○紺野分科員 これで終わりますけれども、要するに、直下型地震等々もことし起こるかもしらぬと言われていますね。そういう点で東京の都心部その他、ここを中心とする、コンビナートも含めてでありますけれども、こういう面の安全のための必要な施策をどしどしやってもらいたいということを最後に発言しまして、私の質問を終わります。
#110
○谷垣主査 これにて紺野与次郎君の質疑は終了いたしました。
 次に、岡本富夫君の質疑に入るのでありますが、本日は同君の質疑に対し参考人として日本住宅公団理事上野誠朗君が御出席になっております。
 なお、御意見は質疑をもって聴取することといたします。岡本富夫君。
#111
○岡本分科員 最初に住宅公団も来ておりますしあれしますから、大臣にお聞きしますけれども、住宅公団の全国の団地がいま非常に騒然としておる。
    〔主査退席、内海(英)主査代理着席〕
 それはなぜそういうことになっているかと申しますと、共益金。共益金というのは、御承知のように住宅公団と契約者との間で取り決められた、自室のドアの外、共用分、街灯、道路あるいは樹木あるいは花壇、芝生あるいは砂場、ごみ処理場、下水施設、こういうようなものの維持管理のために徴収される共益金でありますけれども、これがいままでは二年か三年ですかに一遍ずつ改定というようなことで来まして、高くて大体三五%から五〇%どまりだった。それが今度八二%の値上げを言うてきておるというわけですね。これについて団地の自治会の方では、どういうような計算方式になっているのか、こういうふうにして調べると、中にはごみ処理なんかは各地方自治体が持っていたり、あるいは公園も各地方自治体が持っているというようなことで水増しの共益金の根拠になっていたということで値引きされたというようなこともありますけれども、こういうような団地に入っている皆さん、契約した皆さんが納得できるような共益金の算出法でなければならないと私は思うのですよ。これについてまず大臣から、どういう御所見か、ひとつ承っておきたいと思うのです。
#112
○仮谷国務大臣 団地の共益費は入居の際に大体契約に基づいて家賃以外のいろいろな共用の部分に対する費用をそれぞれ徴収して、そして団地別で収支決算を明らかにしていっていることは御承知のとおりであります。共益費も、だんだんと人件費も上がるし、物価も上がってきますものですから、そういう面でこれは上げることはやむを得ないことではないかと思いますし、これは団地に限らず普通の町内でも町内会維持費といったものは皆で相談しながら毎年徴収し、あるいは相談をしながら引き上げをしていくことは御承知のとおりでしょう。ただ、八〇%ということをおっしゃいましたが、そういうことが適当かどうかの問題は、私も十分承知をいたしておりませんが、いずれにしても内容を明らかにして、そして関係住民が十分納得の上で決めるべきものであるというふうに考えます。
#113
○岡本分科員 住宅公団の上野さんですか、見えていますね。あなたの方では、私の方の調査によると、その共益金の基礎ですね、これは非公開だ、こういうような発言をしておるのです。いま大臣は、やはり皆さんが納得できるように、こういうふうに要るのだからこれだけは皆さん納得してもらいたい、こういうふうにするのはあたりまえだ、こうおっしゃっているのに、あなたの方ではどうもいままでのあれでは非公開が原則だと言う。ちょっと横暴じゃありませんか、いかがですか。
#114
○上野参考人 共益費の値上げにつきましては、この値上げの理由、それから値上げの算定の根拠になりますところの、たとえば芝生の面積とか、あるいは植栽の手入れ等をやりますからそれの本数だとか、そういうものは考慮をいたしまして、それから値上げをする場合には、大体従来ですと二回か三回、理由の説明を詳細にいたしております。ただ、公開できないといま先生がおっしゃいましたのは、共益費の業務は競争入札あるいは見積もり合わせでやっておる分がございます。その分につきましては、積算の単価、歩掛かり等は、後々そういうことで仕事を進めてまいります上において、非常に支障を来しますので、単価と歩掛かりは発表はできない、こういうふうに申し上げております。それで、電力料金その他の公共料金等、そういうものは、これはもちろん詳細に申し上げる、こういうことにいたしております。
#115
○岡本分科員 あなたの方の小川三郎さんという公団管理部業務課長の話、これを見ますと、計算の具体的な根拠を示せという要求もあるが、公開しないたてまえになっておる。私は、この前の狂乱物価のときも、そんなに上がる根拠を原価公開せよと言われるような時代において、あなたの方は、少なくとも公団でありますから、それより今度は安く入札をさせるのは構わないわけですから、それで利益を求める、これまではよろしい。また、団地に入っておる皆さんがともに利益を受けるための負担金でありますから、これはやはり数字も示して、これはおかしいじゃないか、この積算根拠はおかしいじゃないか、こういうような切磋琢磨があり、しかも皆さんが納得して、そして共益金の分担をするというなら話がわかると思うのですけれども、何か非公開、秘密主義にしておいて、それで納得せい納得せい、これでは納得できない。そういうことになると、あなたの方の下部の各公団事務所は非常に困るだろうと私は思うのですよ。これがまたひいては不払い運動、こんなことができたら、また世の中おかしくなってしまう。したがって、私は明らかにした方がいいと思うのです。その点もう一度。
#116
○上野参考人 現在改定規程に触れずに説明できますぎりぎりまで御説明しておるわけです。つまり、作業をやる諸元になる数量と、それからどういう作業をやるかというその仕様でございます。それから、それをやって結果幾らの費用が要るかという総額、これまでは公表いたすようにしております。
 ただ、繰り返すようでございますけれども、単価と歩掛かりは、これを明らかにしますと、つい請け負う人は満額で入札をしてくるわけです。それを少しでも下げるという努力をする点で非常に支障を来すものでございますから、そういう意味で、規程の中でも単価、歩掛かりは公表しない、
 こういう規定になっておるものでございますので、この点はひとつ御了承をいただきたいということを住民の方々にもよく申し上げておる次第でございます。
#117
○岡本分科員 この報道によりますと、これは私が調べたのじゃないですけれども、自治会の方の要求で芝生の面積や樹木の数が、公団の計算に誤りはないか、むだ遣いやあるいは手抜き、水増しはないか、ごみ収集や下水道処理などが自治体負担分を二重取りしていないかというようなことを調べると、その結果、日常の清掃床面積に屋上の面積まで加算しておったとか、あるいはまた新年度から自治体の負担になっておる樹木の手入れ費が含まれていたとか、ごみ収集ポリバケツがふえた、その数で人件費を割り出していたとか、こういうことで、公団のミスが判明して、そして共益費の値切りに成功した団地もある。私はこんなことを、あそこは値切ったとか、あそこは値切れなかったというようなことでは話にならないと思うのですね。ですから、やっぱり計算の根拠というものを入居者に公開して、そして納得していただく。いま大臣もそういう答弁だった。これはもう一度、ひとつあなたの方で再考するということを約束できませんか。
#118
○上野参考人 いま先生がおっしゃいましたような意味合いでの、単価、歩掛かりを除いた以外の積算根拠はすべて公表いたしておるわけでございます。従来は、芝生面積が幾らあるからという発表をして、それが違っておったという例も、御指摘のように、ございました。しかしながら、最近は、そういうことがないように十分各団地を調べまして、そういう正確な諸元をもとにして、単価、歩掛かりを除いたほかのことについては詳細説明しまして、御納得をいただくように努力をしておるわけでございます。
#119
○岡本分科員 こればかりやっておると時間がありませんが、何と申しましても、やはり大臣の方からも、指導は皆さんが納得できるような――皆一日働いて帰ってくるわけですね。それで、晩になったら、あるいは日曜日になるたびにそういう団体交渉をやらなければならぬというようなことでは、休みの時間がそれにそがれるわけですね。そういうようなことがないように、きちんと、みんながわかった、それなら喜んで払いましょうと言えるような方向を示して、そして交渉には応ずる、そして適正な共益金にしていく。要するに便乗値上げというようなことはけしからぬことですから、これは強く要望しておきます。
 次に、同和対策の問題についてお聞きいたします。
 これは一九六九年六月五日の衆議院内閣委員会の審議を通じて、当時国会と政府の間で確約された特別措置法の施行についての確認事項でありますけれども、国庫負担につきまして、名目単価と実質単価というのは非常に違うので、要するに国の補助率というものが非常に低い。これに対して当時の大蔵大臣、いま副総理の福田さんは、「財政当局といたしましても、この法案の趣旨が生かされるように、できる限りの御協力をしたい」単価の問題については「そういう趣旨において、実態に即するように処置をいたしますから御安心願いたい」とみえを切っている。あの人、よくこういうみえを切るのですけれども。
 そこで、これは大蔵省主計局から来ておりますか、この点はっきりひとつ御答弁願いたい。
#120
○西垣説明員 単価の問題でございますが、私どもといたしましてはできるだけの配慮をしているつもりでございます。
 まず改良住宅でございますが、改良住宅の建物の建築費につきましては、これは第二種公営住宅と同質、同規模の水準というたてまえになっておりますが、第二種公営住宅の単価につきましては、実態調査を行った結果、超過負担があるということで、その超過負担の解消を織り込みました単価を五十年度予算では使っております。そういった意味で改良住宅につきましても予算単価すなわち実質単価である、かように考えております。
 数字で申し上げますと、四十八年度から四十九年度にかけまして戸当たり単価を六二%引き上げておりますが、昭和五十年度におきましてはさらにそれを三二%引き上げております。
 次に、用地費等を含めました地区整備費でございますが、これにつきましても大幅な改善をいたしておりまして、戸当たりで見ますと約五〇%の改善を五十年度予算では実現いたしております。私どもといたしましては、できるだけの配慮をしているというつもりでございます。
#121
○岡本分科員 これは大臣、ひとつ説明申し上げますと、西宮市に行って調査をしますと、これはいままでの不良住宅を新しく建てかえる事業、改良住宅でありますけれども、この四十九年度の買収実績、これを見ましたら十六戸分の買収面積が千六百六十五平方メートルに対して、実質は一億一千七百万円かかっておるわけです。これは平均単価七万三百五十五円ですか、約七万円、それに対して補助単価は四万二千円の補助単価になるわけです。それが補助の一つの単価ですから、それに今度補助金と、こうなるわけですよ。
 それから改良住宅の建設費、これは西宮市が四十六年度に実施した九十七戸について一戸当たり三百四十六万円ですか、それに対して補助単価は二百十六万円、これは補助単価ですからね。
 したがって国の全部の総事業費が四千三百九十万円、財源の内訳を見ると、国費がそのうち四二・八%、県費が六・四%、起債が一九・八%、市費が三一%、この状態を見ますと国費は全体の四〇%程度しかない。起債だってこれはやはり市が出さなければいけませんからね。こういうような実態がわかりました。
 現在、四十九年度の基本単価、この超過負担を調べると、一戸の建設費がいま一千万から一千二百万かかる。ところが現行の補助単価、いま値上げしたと言う補助単価を見ますと六百二十七万円、しかも建設省で努力して三・三平米ですか大きくしたと申しますけれども、これはそこの高層住宅だったらその一戸分をふやしただけであって、共用するところのエレベーターだとか階段だとか、そういうものは補助対象の中に全然入ってないのですね。したがって全体を見ますと、大体西宮市の場合を調べますと、実際の総事業がいろんなものを含めまして五十年度の全体計画三十七億に対して、いま値上げしたと言う補助単価が二十三億ですよ。そしてその二十三億に対しての今度は補助単価ですから、国からは十五億しか出ないということです。したがいまして、パーセンテージでいけば、実質の総事業に対して補助対象になるのが六一・四八%、そこからまた補助金ですから目減りするわけです。したがって国費は十五億、そうすると県費が二千七百万、起債が七千七百万ですか、細かいことはおきますが、そうすると市が十一億すなわち一三%以上持たなければならぬ。
 これが西宮市のあれですが、芦屋市の場合を調べてみましたら、これまたもっと大きい。百六十六億の事業費に対しまして市の持ち出しが起債を引きまして一般財源で六十一億ですよ、三六・八%。起債が一九・五%。こういうことになりますと、これは時限立法ですが、ほとんど改良住宅事業というものは、同和対策事業というものはできないです。六十一億も芦屋市で出さされましたら一般財源全部突っ込んでしまうことになる。それでは一九六九年六月五日に、当時の総理大臣の佐藤さん、この人もはっきり、同和対策事業の問題については成果が上がるように政府は協力しますということを議事録を読みますと発表しているわけですね。これについての所見を建設大臣から篤と承っておきたい。
#122
○山岡政府委員 先生いまおっしゃいました具体の場所につきましては、現在地方公共団体等からヒヤリング中でございます。ただ、単価につきましては、先ほど主計官の方から申されましたように、五十年度におきましても格段の措置を講じてもらったとわれわれ考えております。
 ただ、自治体の、現地の家をお建てになる実情を見ますと、改良住宅の場合は公営の二種並みということが限度でございますけれども、実際には一種までをわれわれ補助対象の限度と考えております。ところが実際にはその一種よりももっと大きいのをおつくりになってるところもあるようでございます。したがいまして、われわれ改良住宅でございますので、標準建設費というのをつくっておりまして、標準建設費をそのままで大体一種並みの改良をやっていただければ、ちょうど来年はうまくいくというような予算を組んだつもりでおるわけでございまして、なおさらに実情につきましては今後引き続きヒヤリングを詰めながら実情に合うように相談してまいりたいと思っております。
#123
○岡本分科員 普通のいままでの改良住宅の頭であるから、要するに小さい家がたくさん無数に建つ、それを改良している、そういう頭でものを考えていると、特に芦原地区、こういう地区を見ますと昔よりみな大きいですよ、百姓やってましたからね。それを今度高層にして小さく詰めるわけでしょう。だから私はその頭の机上計算だけでは、これは各地方自治体ではそれぞれの言い分があるのを何とか納得をしてもらって、そしてこうした事業を長年かかって、これも時限立法ですから五十三年で切れる、これは延長もどうか知りませんが、非常に苦労をしてやっと事業決定に持ち込んだ、用地買収も終わった。ところが今度はこんなにたくさんな市の財源の持ち出しでは今度は――もっともっといろいろ細かい話はあるのですけれども時間がありませんから、もう一度これは建設大臣、あなた基本的に考え方を、いまの大蔵省に相当たくさんやってもらいましたなんて、何言っておるのですか。大蔵にしぼられて困ってるじゃないですか。しかも改良住宅でありますから、一時の収容施設もつくらなければならぬ。西宮あたりではもう三年前につくりまして移るようになっておるのですが、そこが道路際でやかましくて仕方がない、早くのきたいんだ、早くやってくれというんで約束してある。それで非常につつかれておるわけでありますけれども、これも一時収容施設にしましても、一戸当たり二百五十万要するものが、補助単価はきわめて少なくて一戸当たり八十六万円。この国の仮設住宅の基準は二十三・五平方メートル、坪にしたら八坪ですよ。やっとなだめて入ってもらう西宮市で最低にして三十二・七平方メートル、すなわち十坪ぐらいですね。そこへ入ってもらって、もう二年ほど待ってください、そうしたら何とかするからというようなことでやっておるわけですが、いままで大きいところでは七十坪、八十坪の家に入っていたのが八坪の家に入れますか。これもあなた方の机上計算ですよ。こういうことを一つ一つ取り上げていきますと、大臣、一遍総洗いせなんだら、本当の同和対策事業というものはできない、こういうように私は思うのですが、いかがですか。
#124
○仮谷国務大臣 同対特別措置法ができてから同和対策事業は私はきわめて順調に推進されておると思います。住宅の問題に限らず、漁港の問題にしましても、その他農道や環境の問題にしても、十分ではありませんけれども、かなり積極的な実績ができておると私は思っております。
 いまおっしゃる住宅の問題ですが、これも私どもは同対特別措置法に基づいて補助率も三分の二にしておりますし、補助裏も一〇〇%起債を認めるようにしておりまして、それで全国的な同対住宅というものは一応不十分でありますけれども皆さん建築してくださっておるわけなんですよ。たまたまあなたのおっしゃる西宮ですか、その地区にそういう問題があるわけであって、なぜそこがそうなっておるかという問題は私どももっと検討しなければいけませんが、やはりこれは全国一律にやるものとすれば、どこも同じように標準の規格をつくって、それに合うように補助規程をつくって補助をしていくというのが当然の政治じゃないでしょうか。特別のものに特別のことをするわけにいかないでしょう。そういう意味で、特殊な地域の問題については、これはなぜそうなったかを検討する必要があると思います。それはその地方団体とも相談しなければいかぬ問題かと思うのであります。私どもはできるだけの努力はいたしておるつもりであります。
#125
○岡本分科員 建設大臣、そんなことを言うなら私ももう一つ言いますけれども、実質単価というのは、北海道や九州、そういうところと、また近畿地方、あなたのところは四国ですが、要するに東京近辺、こういう大都市の近辺の実質単価、これが全部一律というようなことではこれはおかしいじゃないですか。これはできないですよ。しかも起債は一〇〇%見ております。これは補助の対象になったものだけが一〇〇%認められておるんですよ。補助の対象になってないものがたくさんあるんです。その補助の単価が低い。こういうことで、これは芦原地区、西宮のこれだけたくさん計画があって、わずかこれ一つできただけ。それで順調に進んでおります。これは西宮だけでなくして、芦屋市におきましてもそうですし、伊丹市も調べました。順調に進まないんですよ。あなたがそういう認識であれば、これはもう大問題ですよ。各地方自治体の皆さん方、どんなに苦労しているか。大臣、あなた、そういう考え方では私はどうもおかしいと思うのですね。しかも実質単価の補助にしましても、この点はぼく調べてないが、たとえば北海道の所は何ぼだと言うんだったら、その単価の補助率、こっちの方の百万円の補助率と、それから十万円の補助率と言ったら、同じ補助率でも百万円の所は相当出さなければならない。尼崎なんかは土地の買収をするのに、ここは実質単価は坪七十万円かかっておるんですよ。調べてみると一般財源全部出してしまわなければ本年度だけでもこの計画できない。こんなに苦しみながら一生懸命にやっておるわけですが、これが順調に進んでいるというような考え方、認識では私は相ならないと思うのですよ。この点、いかがですか。
#126
○仮谷国務大臣 単価は決して全国一律じゃございません。それぞれの地域によって単価は違っておると思いますが、私は特別なおっしゃるようなむずかしい地域もあることは承知いたしております。あなたが指摘された地域は大変苦労しておるし、そして非常に問題が起こっておることもよく承知をいたしておりますが、全国的に一般論として、私の県にもたくさん同対地区がございます。しかしそれはいろいろ苦労をしながらも努力をしてやってくださって、一応落ちつくところに落ちついているんで、十分とは申し上げませんよ、申し上げませんけれども、そういう所もあるんだからということを例に申し上げたわけでありまして、決してすべてが順調にいっておると申し上げたわけではありません。
#127
○岡本分科員 持ち時間が参りましたから、これで終わりますけれども、私は建設大臣に、この同和対策事業については時限立法でありますし、またそれに対しては政府の確たるところの国会に約束があるわけですから、もう一度再検討をお願いしておきたいと思っております。これを要求しておきます。
 最後に、これは二点だけ。芦屋市の下水道事業、細かいことを言っていると時間がありませんが、これも進んでおりまして、五十年度切られるともう途中でどうにもならないということであります。それからもう一つは、西宮市の夙川駅前地区の改良、区画整理ですか、これもやっと今日までに持ってきておるわけですが、この二つについての補助金の検討、これをひとつ要求したいと思いますが、都市局長と、それからこれはどっちですか、下水道、両方ひとつお答え願いたい。
#128
○吉田(泰)政府委員 芦屋市の下水道事業につきましては相当古くから始めた事業でございまして、近年は特に国庫補助金も思い切ってつけてきておりまして、かなりの進歩を見ている次第でございますが、明年度も、現在ヒヤリング中でございますが、諸般の事情、整備のスケジュール等十分勘案して配慮いたしたいと思います。
#129
○山岡政府委員 西宮市の夙川の市街地再開発事業でございますが、これにつきましては、昭和四十九年の五月二十八日に市街地再開発組合が設立されております。四十九年度から国庫補助を行うことにいたしておりまして、四十九年度におきましては、調査設計計画費及び土地整備費の一部に対しまして約一億一千万の国庫補助を追加いたしております。五十年度におきましては同様に、共同施設整備費等を含めまして約二億円の国庫補助の申請が大体ヒヤリングの段階で私どもの方に出てまいっております。十分打ち合わせをいたしまして、できるだけ御要望に沿いたいと考えております。
 なお、同じ地区で土地区画整理事業の合併施行でございますが、その方の国庫補助金につきましても約四億二千万の要望が出ておるということでございます。これも十分検討いたしまして、前向きに処置したいと思っております。
#130
○岡本分科員 終わります。
#131
○内海(英)主査代理 これにて岡本富夫君の質疑は終了いたしました。
 次に、土井たか子君。
#132
○土井分科員 まず建設省の方に、建設大臣も御出席でいらっしゃるわけでございますが、きょうお伺いしたいのは、プレパブリケーションの家、いわゆるプレハブ住宅の問題でございます。
 まずプレハブ住宅の利点というのは一体どの点にあるかというのを簡単で結構でございますから御指摘いただけませんか。
#133
○山岡政府委員 まず第一点は省力化ということでございます。それから第二点はマスプロダクションによる値段の低下ということでございます。その二つが一番大きい特徴だと思います。
#134
○土井分科員 いまお述べになった後の方のマスプロダクションによる値段の低下、これは安くてよいという利点もあるかもしれませんが、片やマスプロダグションによるいろいろな欠陥、消費者の方からすると欠陥が最近だんだん目立ってきておるようであります。
 そこでお伺いしたいのですが、建設省とされては、このプレハブ問題について構想を持っていらっしゃるに違いない、やはり利点がいまおっしゃったようにあるわけでありますから。いま現に全国の住宅の新築戸数の何%ぐらいがプレハブで建設されていて、先の見通し、まあ昭和六十年ぐらいの見通しで結構でございますから、その辺でどれぐらい建設するというふうな見通しを立てて、いろいろ行政の上で御指導なすっていらっしゃるか。
#135
○山岡政府委員 正確な数字をここに持っておりませんが、実は第二期の住宅五カ年計画、現在実施中でございますけれども、そのさなかに全体としての普及率を二五%程度まで持っていきたいというのがわれわれのねらいでございます。ただ、現実はどうかと申しますと、公的な方では大体一六、七%まで参っております。民間の方では一〇%ちょっと超す程度ということでございまして、平均いたしますと一三%ちょっとぐらいが現在の普及率かと思っております。
#136
○土井分科員 そうしますと、いまの御答弁からすれば、これから急速に普及率はずっと進んでいくというふうに一応考えているようございますね、現在の状態から推してですよ。五カ年計画についてお述べになりましたが、先行きはこれからだんだん普及するということを考えておいてようございますね。
#137
○山岡政府委員 だんだんいろいろな資材が高くなってまいっておりますし、マスプロダクションの効果を大いに活用したいというのがわれわれのねらいでございまして、大いに努力したいと思いますが、過去プレハブにつきまして建設省が指導を始めましてからほぼ小十年たっております。七、八年たってやっとこの程度でございまして、相当な努力をしなければまだまだ急に普及するというところまではいかないだろう。しかし除々にはできるだけの普及を図ってまいりたいというのがわれわれの方針でございます。
#138
○土井分科員 ところで、入居者、利用者、消費者の側からこのプレハブ住宅についていろいろな問題が指摘されて、この点の手直しはできないものかとか、こういうことに対してどういうふうにアフターサービスが考えられているかというふうな声が上がっているわけですが、そういうことをいろいろ具体的に把握なすっていると思うのです。現状認識はどういうものであるかを概要御説明くださいませんか。
#139
○山岡政府委員 最近、先生おっしゃいますとおり、特にプレハブの現地施工の問題等につきましていろいろな問題が起こっております。われわれといたしましては、プレハブをやっております業者の集まりでございますプレハブ建築協会というのがございますが、そういうところを通じまして苦情処理の機関を設けさせまして、そういう苦情を受けさせる。いまのは業者のお話でございますが、さらにプレハブ建築協会自体にも直接のクレームを受ける機関をつくらせる。それから建築省におきましても、直接のクレームが相当参っております。それらにつきましては、内容を聞きまして大いに善処してまいっておる次第でございます。
 なお、これに対しまして特にわれわれもこういう問題が多く起こることを考えまして、消費者の方が安心して購入できるプレハブ住宅が普及するということが一番であるという趣旨でございますが、プレハブ住宅として必要な各種の性能項目及び基準を明らかにしまして、いわばお医者さんのカルテのようなものでございますけれども、一つ一つのプレハブ住宅を診断をいたしまして、これは何点、これは何点、消費者の方がそれらを選ばれます際に、品質、性能がすぐにわかるようないわばプレハブ住宅のカルテを出すというようなつもりで工業化住宅性能認定制度というのを四十八年度に発足させておりまして、いままでにもある程度の認定をしてまいっております。この制度の運用に当たりましては、特に生産過程におきます品質管理、販売、アフターサービス等、営業過程におきます責任体制等についても十分勘案をして認定をするということにいたしております。今後そういう認定プレハブ住宅がたくさんふえまして普及するということを期待しておるわけでございます。
#140
○土井分科員 まあ概要御説明ですから、細かい点に至るまでの御説明はいま承る余裕がございませんが、実はいろいろある問題で肝心かなめは、そこに入居なすっていらっしゃる消費者のお立場から考えて、いろいろな具体的な欠陥がどう取り上げられ、どう取り扱われるかという問題だと思うのです。そういうことを考えてまいりますと、なかなかきめの細かいところまで手が回ってないのです。なかなか行き届いた対策というのが現に講じられていない。理由はいろいろあるようでございますが、現にいろいろな方式でプレハブ住宅が売られ、建てられますね。大きく分けると、御承知のとおりに三つの方式があるようです。直販責任施工方式というのが、これは通称でございますが一つである。二つ目には販売代理店方式というのがある。これが一番多いようであります。三つ目には販売施工代理店方式というふうなのがとられておりますが、どういう方式をとりましても、メーカーが直接には工事を行わない、メーカーと工事施工者が別々であるというところが一つは問題なんです。入居者の側からしますと、いろいろな問題が起きたときに一体どこに問題を持ち込んだらいいのか、どこに苦情を持っていったらいいのか、アフターサービスなんかについては一体どこに持ち込んでいったらいいのかというのがさっぱりわからないという声がまず出てくるのです。いろいろな欠陥が最近出ておりますけれども、これは数え上げたら切りがないわけですね。大きなところは、二カ月の完成予定が七カ月もかかったとか、設計と違う施工が現にあちこちにしてあるとか、実は雨の降る日には洗面器では間に合わないほどの雨漏りがするとか、壁がふくらんでどうにもならない、基礎が傾いて壁にすき間ができてきた、ドアのすき間から風が吹き込んでくる、建具のたてつけが非常に悪い、換気、水はけが悪い、いろいろな問題が全部出てくるわけですが、こういうことを一つ一つに対してアフターサービスをしてくれるというのは一体だれなんでございますか。
#141
○山岡政府委員 先生おっしゃいますようにいろいろなシステムでプレハブ住宅は供給されております。その中で先ほどおっしゃいました直接施工の場合の責任の所在は明確であろうと思います。代理店のときが非常に問題だと思いますが、代理店の場合には、われわれ運用上といたしましては、その契約におきましてプレハブのメーカーが完成保証人となる、契約の最終的責任はプレハブメーカーが負うこととするように強く指導しております。また工事施工中においても、プレハブメーカーの工事検査員制度による検査を行うように指導しております。
 ただ、その際どこに持っていくのかというお話でございますが、そういうお話も方々でございましたので、先ほど申しましたように、プレハブ協会を通じまして各業者に全部クレーム処理の窓口を開かせております。それからプレハブ建築協会にも開かせております。さらにわれわれのところにも直接参ります。一例を申し上げますと、昭和四十八年中にわれわれのところへ参りましたプレハブに対するクレームが百十三件ございました。中身にいたしましては、おっしゃるとおり基礎不良、壁亀裂、仕上げ不良、雨漏り、その他価格等でございます。
#142
○土井分科員 時間の都合がありますから細かい点は一切結構ですから、質問に対してのお答えだけをいただきたいのです。
 ところで、先ほど来の御答弁を承っておりますと、メーカー側についての御認識はなるほどおありになるようなんですね。
 そこでお伺いしますが、プレハブ住宅についていろいろな欠陥が出た場合、建物についての欠陥は一体だれに責任があるわけでございますか。
#143
○山岡政府委員 二つあると思います。一つはプレハブの状態で工場でつくる場合のミス、これがございます。他の一つは現場施工の場合のミス、この二つであろうかと思います。そういう場合にはそれぞれの施工者それから製造者に責任があると思います。
#144
○土井分科員 これははっきりしておいていただかないと、先ほどおっしゃったプレハブ建築協会の言によれば、だれが建ててもメーカーに全責任がございますということをおっしゃっているのです。これ、確認させていただいていいですか。
#145
○山岡政府委員 それは先ほど私が申し上げましたように、代理店施工の場合には完成保証人ということでプレハブメーカーに入らせるようにしております。そういう意味で完成保証人という立場では同じくメーカーも責任を負うということになっているわけでございます。
#146
○土井分科員 ところが、メーカー側について現に苦情処理窓口が明確になっているかどうかという点を考えていくと、いまの完成保証人であるにもかかわらず苦情の窓口がまだ設けられていない。だからメーカーに持っていっても確たる返答が出てこないという場合がいまだにあるようであります。そうして完成時に立ち会いをする、点検をするという責任がいまおっしゃった限りにおいてはメーカー側にもあるようでありますが、これはいろいろな実態調査が現になされている中に、私がここへ持ってまいりましたのは主婦連の調べ、プレハブ住宅の実態調査というのを見ますと、入居時にメーカー立ち会いで点検をしなかったという例が二七・五%にも及んでいるのです。それから入居のときにメーカーから保証書を受け取らなかったというのが四九%にもなっているのです。立ち会い検査については、基礎工事のときであるとか、むね上げのときであるとか、引き渡しのときとか、一応三段階に分けて立ち会い検査をやるというのは一般常識だと思われますが、一々にメーカーは立ち会わない。特に入居時というのは、これは引き渡しのときでございましょう。一番大事なそのときにすら立ち会わないというふうな例がございます。また現に立ち会っておりましても、立ち会いはいろいろな建築が設計どおりに進んだかどうかということより何より、自分のところのメーカーの資材を現に使っているかどうかということの点検にとどまるというのが大半であるようでありまして、これは入居者の側からすると、後その住居に問題があったときに持ち込む意味での立ち会いになっていないのです。こういうことについて現に行政指導が一体どういうふうに建設省からメーカー側に行われているかというのは私は大変気にかかる問題でありまして、その点、いままでのこの対応の仕方、それからこれからこうやっていきたいというところがあればひとつお聞かせをいただきたいのです。
#147
○山岡政府委員 先ほど来申し上げましたように、全部に一々というわけにいきませんので、協会を通じまして文書による指導をいたしましたり、それから会議等の際に出かけましてわれわれの担当官が厳しくお話をするということで励行方を要請しているわけでございますが、いまおっしゃいましたように完全に徹底しない点はあろうかと思います。今後さらにそういう点について特段の努力をしてまいりたいと思います。
#148
○土井分科員 格段の努力にもいろいろな努力の方法がありますが、それ、具体的にはどういうふうになさいますか。通達でおやりになるか、あるいはメーカーを招集をしてそういうことに対しての指導をいろいろな形で行うとか、あるいは現にプレハブ建築協会というのがあるわけでありますから、これは協会を通じていろいろ行政指導を具体的にさらに進めていくとか、いずれでありますか。
#149
○山岡政府委員 従来は協会に対しまして私の方から公文書を出します。その公文書を受けまして協会名で全業者に通達をしてもらうというのが在来の取り扱いでございます。ただ、プレハブ協会もときどき全国集めて会合をやりますので、そういう席に出かけまして、われわれの担当者も十分話をいたしますし、今後目に余るものがあれば、呼びまして注意をいたすということにしたいと思います。
#150
○土井分科員 いままでどおりでは決していままでどおりの域を出ないわけであって、この点は少し思い切った方法でおやりにならないと、これからだんだん需要が伸びるという見込みで先ほどおっしゃったように建設省さんとしてはプレハブ住宅の建設をお考えになっていらっしゃるようでありますから、この辺なんかは基本的な問題になるのじゃないかと思うのです。現にマスプロダクションということに重点を置いてお考えになっていらっしゃる。これがやはり消費者の側からいたしますと、モデルハウスを見た上で、これならばよかろうというので、いろいろ注文をなすったり契約を結んだりなさいます。そのモデルハウスを展示している場所に行って見てまいりますと、展示場ではどうもデラックス資材が多いのですね。場合によりますと、モデルハウスと建てられたところの現物とがまるで違うという場合すら極端な例を挙げますとございまして、とにかく安かろうというので売ることに精いっぱいというような販売に重点を置いた、お客さんを獲得するのに一生懸命、熱心であって、その後の問題が手抜きになっているというふうな気配がなきにしもあらずなんです。したがいまして、そういう点からすれば現行法からして抑える法が実はございません、御承知のとおりで。この建築業法からいたしましても、あるいはいろいろな基準法からいたしましても、外観が整っていさえすれば一応パスということに極端に言うとなると思うのですね。したがいまして、こういうきめ細かな問題については、いままでどおりの行政指導ではもはや間に合わないということが一応言えるのじゃなかろうか。したがって、この点画期的にこれからこうやりたいというところを一言聞かせていただかなければならないような気がしてなりませんが、いかがですか。
#151
○山岡政府委員 いままでのプレハブのクレームの中にはやはり確かにメーカー側の悪い点もたくさんございます。ただ消費者の方々の勉強不足もあるようでございます。そういうことも加味いたしまして、先ほど申し上げました四十八年度に建設大臣の工業化住宅性能認定制度というのを官報告示で始めておるわけでございます。これは、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、数あるプレハブ住宅の中で、それぞれの業界の中で自信のあるものを全部出させまして、それについて、全部につきまして生産過程の品質管理、販売、アフターサービス、営業過程における責任体制等につきましても、いろいろな有識者の方に集っていただいて委員会にかけまして、相当厳選をいたしております。その結果は、それぞれのプレハブの表示に当たりまして、たとえば雨漏りについてはA、B、Cのうちの、私はB基準でございます。戸締まりについてはA、B、C、DのDでございますというようなことをカルテのように全部書かして報告さしておるというのが最近の状況でございます。
#152
○土井分科員 そういうことについて、種々お伺いをまだしたいわけでありますけれども、消費者側の勉強不足もあるなんというふうに、消費者の責任に万事なすりつけられる態度というのは、これはもう聞き捨てならないと私は思います。いろいろな苦情があった場合に持っていく窓口一つ明確でない限り、これは消費者側に責任をなすりつけられるということは越権じゃないでしょうか。その辺はひとつ謙虚に、消費者の立場というものを擁護するということで考えていただかないと、これは引き下がるに引き下がれないような御発言だと思います。――もういいです。私は先に進みたいと思います、本会議が一時からありますから。
 公正取引委員会の方からきょうは忙しい中を妹尾第一審査長においでをいただいておるわけでありますが、実はこのプレハブ住宅をめぐる問題で、販売実態、販売システムということからぜひ一度調査をお願いしたい実例があるわけであります。それはどういうことになっているかと言いますと、端的に言うと、土地と建設物の抱き合わせ販売ということになると思うのです。例を挙げますと、これは兵庫県の例なんでございますが、三木市の団地に起こった例です。宅地造成業者から分譲地を購入をいたしましたあるサラリーマンの方が、契約内容を見た場合に、六カ月以内にその宅地造成業者の親会社であるプレハブ住宅をつくっているメーカーの資材を使って建設することというのが条件である。ところがこのサラリーマンの方は、予定をなすっておりましたそれに対しての資金が百九十万円のプレハブというふうに考えられた。ところが肝心のこの親会社であるメーカー側は、その目指す百九十万円のプレハブを一方的に生産を中止しておりましたために、仕方なしに借金をして四百万円もするプレハブを建てるという羽目になったわけであります。ところが、最近になって、この同じ宅地造成業者から購入された土地にこのプレハブメーカー以外の鉄筋住宅が次々に建っていっている。正直言って、こういうふうな問題は、正直者がばかを見るというたとえのとおりでありまして、宅地造成業者の言い分どおりにしたためにこうなったのではないかというふうなことを言われているわけでありますが、これは身近なところで調べました限りにおきましても、兵庫県下ではあちこちにいま団地の造成がずいぶん急速度に進んでおります。神戸市の近郊なんか、大変な勢いで進んでいるわけでありますが、こういう場所に行きますと、一応この宅地造成したところの業者と特定の、それは親会社である場合が多いのですけれども、このプレハブメーカーと組んで、それ以外の製品を使って建造することを認めない。もしそれ以外の建築物ということになってくると、権利金を五万円から十万円支払わなければならないということにもなってくる。おまけに造園の問題に至るまで特定の造園業者を指定いたしまして、それ以外の造園関係の方々にお願いをするということになると、これはまた権利金が問題になるというふうな始末であります。こういうことは一体不公正の取引ということになりはしないか。こういう実例について御存じでいらっしゃいますか。それとも、御存じなければぜひこれについての調査をお願いしたいわけでありますが、いかがでございましょう。
#153
○妹尾説明員 その件につきましては、いまこの席で初めて承ったわけでございますけれども、事実関係を詳しく承知しておりませんので、いまこの場で結論的なことは申し上げかねるわけでございますが、どうもお話の限りで拝見いたしますと、独禁法の不公正な取引方法の規制の関係で問題がないとも言えないように思いますので、具体的などういう業者に関するあれであるかということをお知らせいただければ、調査いたしたいと思います。
#154
○土井分科員 では、具体的に名を言いましょう。
 神戸の中に鈴蘭台というのがございます。ここに木幡団地というのがあります。ここで鹿島建設が造成をいたしました土地を買って入っていらっしゃる方は、積水ハウスというのを指定されるようであります。そして造園は寺本造園というのを指定されるようであります。同様な例は神戸市の垂水区にございます多聞団地にあるようであります。さらに三木市の緑ケ丘に大和団地というのがございますが、これが先ほど申し上げました、大和団地を造成した大和建設が大和ハウスを指定し、造園業はグリーンという造園業以外を認めないというふうな状態になっているようであります。これは手短に知った限りでありまして、全国にこういう件数というのはさらに多いと私は読んでおりますから、ひとつ具体的に挙げたところだけでも早急に調査をお願い申し上げたいのです。いかがでありますか。
#155
○妹尾説明員 事件の端緒としまして、調査検討いたします。
#156
○土井分科員 さらにもう一問、これは通産がせっかくここに御出席でありますから申し上げたいのでありますが、建築物の中での部品の問題なんです。きょうここで特にお尋ねをしたいのはアルミサッシの問題なんですが、アルミサッシについては、大変極端な例を言いますと、五階建て住宅のアルミサッシの窓が外れて地上に落ちるという大変危険な例までございます。特に公団が造成したところのいろいろな高層建築の上から落ちるなんというふうな例があったりして、外れどめというふうなものをつけてやらなければならないところの外れどめというのが、素人ではどうにもならない。そこで、どこに持っていっていいかということでずいぶん難渋したという例があるようでありますが、それ以外に、部品だけの交換ができずに困っているとか、かぎがこわれても部品が手に入らないとか、それから雨戸の四すみのプラスチック部品がなくて困っているとか、一番多いのは戸車の故障であります。戸車が故障してしまいますと、これは素人で修理はできません。素人で修理をするということになってまいりますと、部品だけを取りかえれば済む場合でありますが、一個二百円から三百円の戸車というものが買いに行ってもないことのために、何万円もかけてサッシ全体を取りかえなければならないという例は非常に多いようであります。消費者が町の工事店や建築主に申し出ましても、部品がなかなか手に入らないというのが現状のようでございますし、戸車をいま例に挙げましたけれども、これもモデルチェンジが非常に激しい。モデルチェンジをいたしまして、そのたびごとに構造が複雑化していきますために、素人には簡単に取りつけができない。メーカーはアルミサッシの技術競争で、戸車で競争をするわけでありますから、複雑化するのはやむを得ないといたしましても、このメーカーの技術競争のために消費者が大変に痛い目を見るといういきさつも現にあるようであります。こういうふうな企業間でのさまざまな競争の陰に、部品がなくて困っている消費者のいるという実態、これがどうもメーカーには十分に把握できてないのじゃないか。現に消耗品という問題と耐久製品という問題との区別というものができないために、本来耐久製品であっていい問題が一部の部品の故障によって全体を取りかえなければならないような仕組みに現になってしまっている。こういうことはやっぱり黙っているわけにはこれ自身いかないような気がするのです。
 そこで、通産省の方では、早急にメーカー名の表示を徹底させること、それからさらに部品の規格化を具体的に進めること、それから部品の保有年数を設定すること、これなんかは必要最小限度の問題じゃないかと思いますが、こういう建築資材の、特に日常消費者の側からすると一番よく動かす場所、それから利用する度合いが大きいような場所、その一つにアルミサッシの問題が私はあると思いますが、いま申し上げたようなことについてひとつ通産省なりの御見解をお伺いしたいと思います。
#157
○木原説明員 先生の御指摘、神戸の生活科学センターでいろいろ御指摘を受けたわけでございますが、私どもも早速調べまして、業者を集めましてその対策を徹底するようにやっておるわけでございます。
 まず第一は、企業内のサービス体制というものを十分徹底を図ることというのが第一でございます。
 それから第二番目に、どこに行ったらそういう戸車があるのか、修理をしてくれるのか、それがわかるようにサービスステーションをちゃんと設けるということで、全国に数百カ所のサービスステーションを設けました。
 それから、いま一番問題になっているのが戸車の問題でございますが、そのほか、部品につきましても、このサッシは固定部門でございます。戸車は動く部門でございます。したがって、これは消耗品でございます。サッシの耐用年数がある限り戸車は準備する。もちろん戸車として準備できなければ、その型を保有して、その注文があったときにはちゃんとそれがお届けできるようにするというふうなことをやっております。
 それから、どこの製品かわからないという問題がありますが、これはJISではちゃんと表示をすることになっておりますが、この徹底が図られていないので、この表示をちゃんとやるようにということ。
 それから、抜本的には、先生御指摘の規格化の問題でございます。本体につきましては四十五年に規格化できておりますが、部品については、いろいろな開発途上であったというために、規格化がおくれておりますが、早速規格化を進めるべく、現在その準備のための委員会を設けまして、規格化を進めているような次第でございます。
#158
○土井分科員 もう時間が来ましたのでこれで終わりますが、早急にこれは進めたいとおっしゃりながら、いまから委員会を開いていろいろ規格の問題についての御検討をお始めになるような調子の御答弁なんで、これはもう現に戸車の問題はあっちこっちでどうにもならない実例が起こってしまっているわけでありますから、これは戸車を取りかえれば済むようにメーカーを指導したいとおっしゃっていますが、現にそうなっていないことをひとつ御確認いただいて、これも万事メーカーの責任において、耐久製品と消耗品、部品の問題というのは、耐久製品の耐用年数がある限り部品のこの消耗品の問題については取りかえがきくようなシステムをがっちり組んでいただかないといけないと思います。その点については自信を持っておやりくださいますか、一言おっしゃってください。それで終わります。
#159
○木原説明員 積極的に推進するつもりでございます。
#160
○土井分科員 これで終わります。
#161
○内海(英)主査代理 これにて土井たか子君の質疑は終了いたしました。
 この際、暫時休憩します。
    午後一時二分休憩
     ――――◇―――――
    午後三時十二分開議
#162
○谷垣主査 休憩前に引き続き会議を開きます。
 建設省所管について質疑を続行いたします。柴田健治君。
#163
○柴田(健)分科員 建設大臣にお尋ねをしたいのですが、まあ大臣も非常に頭を痛めておるのではなかろうかという問題をひとつお尋ねしたいのです。
 それは本四連絡橋の問題、大変御苦労されておることはよくわかるのですが、しかしわれわれも、地元の関係を考えるなら避けて通るわけにもいかないというわれわれの気持ちからお尋ねを申し上げるのです。
 御承知のように三本の本四連絡橋をかける、それぞれの関係ルートの地方公共団体は長い間運動をしてまいりまして、私たちもその運動の一環に参画をして、地方議会におるときから本問題に取り組んできた関係上、今度総需要抑制だとかインフレ抑制政策のあおりを食うてこれをそのままたな上げをするということもできないし、いままでの準備態勢というかそういうものを考えたときに、国の政策の方向というただ一片の総需要抑制論でこれを何かこう割り切れない住民感情というか、そういう長い運動の歴史的経過を考えた場合には、どうも余りにも公式論的過ぎるのではなかろうか。これでは政治不信というものが起きてくる可能性がある。不公正是正、不均衡是正、政治不信をどうなくしていくかということに本当に気を配っていかなければならぬ今日のわれわれの任務から言うと、こういう問題を契機としてまた政治不信を与えるということになれば、これはどうわれわれが解明していいのか、説明していいのか、地方住民に対する説得をする根拠がない。どうわれわれが説明したらいいのかというこの苦しんでおる立場を十分御理解いただいて、建設大臣として本問題に対してどういう心構えを持っておられるのか、まずその点をお聞かせ願いたい、こう思います。
#164
○仮谷国務大臣 柴田先生も私もこの本四連絡橋には直接関係のある地域に住まいをしておりますから全くお考え方は同感であります。しかもこの問題は、与野党を問わず超党派で長い間運動を続けてきた悲願でありますので、一日も早く問題を解決したいという気持ちも私は全く同感であります。したがいまして、いまお説のように、ただ総需要抑制だから無条件でひとつ無期延期したらいいじゃないか、あるいはいますぐできるのじゃないかということについてはいささか納得のいかないものがある、そこから政治不信が生まれてくることも十分に承知をいたしております。それは四国だけが特別なことを言っているかというと、そうではないのであって、むしろ北海道よりも九州よりも四国の方がおくれておる。そういう問題を考えてみると、私は、こんな時代だから無条件で延期をするとかいったような見通しの立たないことでいつまでも放任しておくわけにはいかないと思います。
 ただ、そういう意味で考えてみますと、公式に私どもがいま発言をいたしておる問題は、これは将来は三本が必要であることは当然だと思うのですけれども、現実の問題として三ルート同時着工ということ自体は、これは非常に困難であるし、私どももそれ自体がなかなかむずかしいと思っております。それじゃ一体その三本同時着工が無理なら、せめて一本でもやったらどうかという意見のあることも事実であります。ところが、三本同時着工という線を出すには、それなりにいろいろな政治的な背景があって、長い年月を要してそこまでの結論に達し、閣議決定にも至ったわけでありますから、それをいま直ちに覆して、じゃ一本どこから始めるかということになりますと、また一つの政治問題に後戻りをしなければならぬということもあり得ると思います。そこをどういう形で方向を見定めていくかというところにこれからの一番大きな一つの課題があると思うのであります。そういう意味において、公式的なものでなくして、もう少しお互いに各党が、関係者が腹を割って、現在の時点でどうすることが一番早く架橋ができるかという、ひとつ大義名分と申しますか、国民も納得できる一つの方策というものを考えてみたいというのが私の心境であります。そういう意味で、公式には経済の見通しがつけば一日も早く着工のめどをつけたい、判断をしたいという答弁を申し上げるよりここではいたし方ございませんけれども、それならいつの時点でどういう判断をするのかという問題になりますと、やはりこれがまだ公式には発言のできないいろいろな問題がありますし、またそれが解決をつける一つの方法ではないかと思っておりますから、そういう意味では私はどなたにもお答えをいたしておりますように、これはひとつ超党派で地域の人々がもう少しひざを打ち割って、かみしもを脱いでお互いに考え合って、いい方法を見つけ出すということに努力すべきであると考えて、そのつもりでこれからも努力をいたしてまいりたい、またひとつ関係の柴田先生等にもぜひ御相談申し上げて、よいお知恵も拝借いたしたい、こういう気持ちで進んでおるわけでございます。
#165
○柴田(健)分科員 インフレ抑制で総需要抑制ということも、それは総論としては理解できるけれども、私たちは、将来人口増、そして何としてもいろんな資源の確保ということがこれからの日本人に与えられた重要な政治課題だ、こう思うのですね。たとえば水産資源一つ取り上げてみても、今度海洋法会議で経済水域二百海里、領海十二海里ということになったら、どうしても日本の近海をどう開発していろいろな資源を確保していくかということをもっと真剣に考えなければならないし、そうしてまた食糧の問題の中で、日本列島の思い切った食糧の基地確保というか、そういうものを考えていかなければならぬ。これからの六十年の展望を見た場合に、現在でも二千四百万トンという間接直接の食糧を輸入しておる。日本の国土でこれを生産するとするならば、少なくとももう八百万ヘクタール以上の耕地が要ると言われておるわけですね。だから、土地をむだにしてはならない、そして付加価値を高めるための高度利用というものを考えなければならぬ。それには地域流通、全国流通というこの流通の問題もあわせて考えて、この食糧の供給体制を築いていかなければならぬ。これはもう総需要抑制論より以上に一つの民族の政治課題として受けとめていかなければならぬのではなかろうか。三本というのは、それはまあいろいろ問題で、住民感情、国民感情ということで、一方では学校建設を押えられる、また、道路整備なり社会施設を総需要抑制で押えられておる。この面から言えば、あんな本四連絡橋を三本一遍にかけるのは、それは無理だ、こういう意見も出てくることも間違いない。けれども、本当に将来の日本の資源確保、そして国民生活の安定、そしてまた土地の基盤整備、もろもろのものを考えたら、一日も延ばすわけにはいかない地域だ。たとえば北海道との連絡は大分工事も完成した。九州との連絡も、これはでき上がった。ただ四国をこのままでいいかというと、あの四国のいろんな資源の開発を思い切ってやらなければならぬ。いままでどちらかというと、この四国四県を何か小豆島を中心に考えた一つの領土であるという、何か八十八カ所めぐりにこの四国四県があるのだというような名所古跡めぐりの島だという考え方が依然としてある。この点は思い切ってもうこの考え方を改めなければいかぬのではないか。ただ四国を八十八カ所の神社仏閣をめぐる島だというような考えではいけない。この辺、それぞれの政党もそれから住民も国民も、そういう点を十分理解をしてこれからの国土利用というものを早急にやるべきだ、こう思っておるわけです。大臣のいまの御発言を聞いてみて、苦しいことはよくわかるのですが、もう当然、あなたも出身県が高知県、そういうことでわれわれとは長い間ともに手をつないできた一つの先輩後輩でもあるわけですから、苦しいことはよくわかりますが、そういうもろもろのものをもう少し思い切って、この人口密度の高い、そして何としても国内の資源開発というものが重要な政治課題だといういろんな問題を判断をして取り組んで早期着工ということを考えるべきだ。いま三つ一遍にかけるというのは、それはいろいろ住民感情があるでしょうから、一本ぐらいはぜひ早く着工すべきではなかろうか。いまそれぞれ地方公共団体で一番困っているのは、たとえば出資金の問題。岡山県を言うと、香川県と二つで六十億くらい出資をしなければならぬ。この出資の問題についても、かかるかかからぬかわからぬようなものをどうするのだ、こういうような当事者は非常な悩みがある。これは連絡橋公団の方もいろいろ悩みがあろうかと思うのですが、それともう一つは、縁故債の引き受けの問題についても、一千億以上も考えなければならぬということで、やれ、さて、やめる方はすぐ号令でやめられるかもしれませんけれども、地方の方の関係者は大変なことなんですよ、これ。これを十分考えてもらわないと、今後やりますからと言ったってもう信用しない。勝手にしなさいと言われた時分にはどうするのだ、公団をつくって。それから、公団の立場もわれわれはもう十分理解できるが、公団の皆さんの苦労も理解しながら、それを協力していかなければならぬ。住民感情をここで政治不信に結びつけてはいけない。苦しいながらも建設省また公団の方も本気でやってくれた、そしてこれはもう超党派でどの政党も、政党次元だとかイデオロギー次元だとかそういう次元でなくして、日本の本当の資源開発なり土地の高度利用なり国民の生活の基盤を安定さしていくという、そういうもので取り上げて解決に当たるべきだ、こう思っておるわけですよ。それだから私は具体的に、何も建設大臣の足を引っ張ろうとか、いじめようという気はないわけで、協力すべき点はそれぞれの党内でも呼びかけて協力していかなければならぬ。そういうことを、何も労をいとうわけではないわけですから一生懸命協力したい、こう思っておるわけですが、とにかく私は早急に関係の知事会議をまずやることが必要ではないか。それから選出の国会議員のそれぞれのブロック会議をするか、関係の国会議員の皆さんに集まっていただいて、いろいろとそういう考え方の理解を求めていく、そういう会合を持つべきではなかろうか。それが二つ。三つ目は、それぞれの党の代表者会議くらいはやっていく。これは大きな問題なんですからね。この三つ、知事会議と国会議員団会議をやるとか、各党の代表者会議をするとかいうことでひとつ早急にやって、それで反対する者が出てくるとするならば、われわれはまた角度を変えて一つの理解を求める運動を展開したい、こういう気持ちを持っておるのですが、大臣、どうでしょうか。私のいま申し上げたそういう手順で早急に一本なら一本にまとめる努力ということをやっていただけばありがたいと思いますが、どうでしょうか。
#166
○仮谷国務大臣 柴田先生、大変私どもには心強い、むしろ激励の意味の御質問でありまして、大変ありがたく思っております。私も大体同じようなことを考えております。ただ、関係県の知事会をやる、あるいはルート別のそれぞれの議員さんの会をやる、これを余り公にいたしますと、集まったわ、分裂したわということになりましたら、これは元も子もなくなるわけですから、そこに至るまでにもう少し私はいろいろと検討してみたい問題があるわけでありまして、集まったら大体一つの方向でまとまれる方向は大体見通しをつけてそういう形のものを考えたいと思っておりますし、一番心強いのは超党派で考えてもらいたいということであります。場合によれば一党一派の問題でなくして本当に超党派で、ときには一緒になって住民も説得するといったような形で、お互いに功名争いをするのでないという形で問題を解決をつけたいということも考えておりますし、そういう面では各党代表でお話しを願う会もぜひ持たなければならぬ時期がくるのではないかという感じがいたしておりまして、お考え方は全く同感でありまして、そういう方法で私はこれから進めていきたい。これはいつまでもほうっておくわけにいきません。少なくとも年内には問題を見通しをつけて方向をはっきりせねばならぬ、そういうふうに思っておりますし、たまたま私も四国の八十八カ所の住人でございまして、これはほかの大臣のように逃げて通るわけにいかないのです。長い間運動をしてきた手前もありますから、そういう意味での責任も感じておりますから、全力を挙げてそういった面で努力をいたしてまいりたいと思いますが、正面に出て旗を振って動くにはまだいささか時期も早いようにも感じますし、しばらくその間の呼吸もひとつはかってみたいと思いますので、御理解をいただいて御協力を賜りたいと存じます。
#167
○柴田(健)分科員 建設大臣としては非常に苦しい立場だと思います。しかし、私たちは、いま三木内閣ですね、三木さんも四国の八十八カ所に縁の深い人ですし、大平大蔵大臣も、これもまあ八十八カ所に縁の深い人だし、あなたもそうだし、いまの内閣の重要な閣僚というのが関係があって、それで話し合いがつかないというのは三木内閣の本質からはずれると思うのですね、話し合い、対話ということから。それから大体日本人というのは、総論賛成、各論反対というのが民族性なので、だから各論に入ってくると我田引水というのが起こる可能性がある。それから日本人は日本語からくる二重人格性、口と腹と違うという面が非常に強い民族性。それからやきもちやきの民族性だ。そういういろんな欠陥を持っておる日本人だから、取りまとめをせられる人は非常に苦労されると思うのですよ。だからそれだけ根回しというか、いろいろな準備というか予備運動が必要であるということはわかる。だから、いま先ほど大臣が言った年内というのが、その年内にもいろいろあるわけですね。目鼻、見当は、およそいつごろまでに大体いろんなアヒルの運動をやるかということですね。上は静かであっても足だけは一生懸命動いておるぞというそのアヒルの運動期間がいつかということですね。それから表へ出ていよいよ動き出すというのはいつかという大体およその考え方はありはしませんか。
#168
○仮谷国務大臣 私の首がいつまで続くかという問題も実はあるわけでありますが、まだここ二、三カ月はありそうな感じもいたします。私はもうすでに知事には個々に会っております。まだ会ってないところもありますけれども。そしていろいろ打診をしておるわけです。それからそれぞれのルートの議員さんにも個々にはそれぞれ会っております。野党の人にも会っておりまして、いろいろ意見を実は聞いておるわけでありまして、そういうことを考えてみますと、やはりこれはある程度決まり方によっては地方選にもいろいろ影響するでしょうから、地方選挙でも終わりましたら一応ひとつもう浮かび出なければいかぬのじゃないかという感じがします。そのことがいろいろ問題あるにしましても一応出るところは出て、そしてはっきりしなければ、いつまでも建設省もこのままでほうっておくわけにいきませんから、そういう形でひとつやってみたいと思っております。ただしそれは私の首がつながることが前提条件でありますけれども、この場合にはそういうふうにいたします。
#169
○柴田(健)分科員 建設大臣、遠慮することはないんだ。あなたの首の問題をあなた心配するというなら早くやめてもらわなければいけぬことだけれども、あなたが一生懸命やるのであったら、われわれは留任運動を起こしますわ。それはもうやりますよ。中国、四国一緒になってやらなければならぬ。そういうことで早急にやらないと、これは大きな政治問題であるだけに政治不信を生む。それから、あの地域から出て、そしてもういまの内閣の重要な閣僚がたくさんおってみずから政治不信を起こすなんていうのは、それはもう正直に言うて風の悪い話ですよ、大臣。その点は十分考えてやってもらいたい。ぜひ今度の地方統一選挙後表に出るということを理解して、今後御相談になればわれわれも御協力申し上げるということで……。
 次に大臣、私いろいろ取り組んで矛盾を感じている点をお尋ね申し上げて、ぜひ改正をしてもらいたいという点が一つあるわけです。それは建設業法の中で、法の精神から言うと元請業者、それから部分請負が認められておりますから、子供が生まれたり孫が生まれたり、ひ孫が生まれたりということで、順次、段階請負方式がいま行われておるわけですが、はなはだしいのは五段階ぐらいになっておるのですね。これの簡素化ということも考えていかないと、賃金不払い問題が起きるし、労務管理上非常な紛争が起きる。労働災害という、そういういろんな問題が起きて、紛争が常に起きておるということですね。これをとめるにはどうしたらいいかということでいろいろ関係機関に相談をし検討してみると、元請業者と発注者、発注者は国であるか県であるか市町村であるか、この発注者が孫、ひ孫ぐらいの段階になると実態をどうも十分つかんでいないんですね。だから請負契約方式から言うと、部分請負は認められているのですから、それはやってはいけないととめるわけにいかない。全国三十二万の業者があると言われている。三十二万の建設業者の中で、九九・四%ぐらいは資本金一億円以下というような零細企業。大手企業というのはごくわずかなんですね。ところが大手企業、たとえば大阪から博多までの新幹線の工事を見ていると、大林だとか大成建設、清水建設とか大手企業が請け負うのですが、それでいろいろな災害が起きる。現地調査をやってみる。たとえば東京から大阪までの東海道新幹線、死者が二百十一人出ている。けが人が三千六百人出ている。それから大阪から博多までの新幹線、博多は三月十日から行くのですが、この大阪から博多までの新幹線の建設で犠牲者が、百五十九名死者が出て五千人のけが人が出ているんですね。そのけが人の実態を見ると、大体下請の業者がたくさん出しているんですね。だからそういう労務管理や要するにいろんな作業の技術指導、そういうものが十分に行われていない。なぜかと言うと、やはりこの下請の業者が仕事を急ぐ余り、単価が安い余りということで無理をしているわけです。それをいつまでもほうっておくわけにはいかない。こういう点について、私はやはり国鉄であろうと国であろうと県であろうと、発注者は下まで大体実態を、どういう業者が部分請負をしているのだ、総額の金額は幾らだというぐらいのことは知っておく必要がある。何も公開をしなくてもいいが、発注者が知るべきだ。それから工事の分量、工事金額、業者名、そういうものを元請業者は発注者に対して報告をする義務があるという、そういう考え方に立って請負契約方式を変えるべきだ、こう思っているんです。これはいろいろ賃金不払いだとかそういう労務管理、いろんなことについてはその他数多くありますけれども、当面まずこの元請業者は発注者に対して、下請をさせる場合には下請の業者名、工事分量、工事名そして金額、そういうものを報告をする義務をつけたらどうか。まずこれをひとつぜひやってもらいたい、こう思います。この点大臣、ひとつ長たらしゅう申し上げたけれども、やりますと言うてもらえば、すぐ打ち切って私は帰りますから。
#170
○仮谷国務大臣 いろいろ下請の問題に対して御意見があったわけですが、確かに三十万以上の業者の中の九九・何%までが中小業者でもあります。しかもそれは、その中のまた五十何%が個人資本でありまして、非常に弱いんです。そういうことから、結局、過当競争も起こるし、重層下請の問題まで起こるという事態が起こっていることはおっしゃるとおりでありまして、そういうことから労働災害も起こってくるし賃金不払いも起こってくるし、あるいは工事の手抜きも起こってくるといったような問題がありまして、そういうことは厳重にひとつ慎まなければならぬということは私どもはいつも業界の方には通達をいたしておるわけでありますが、まだまだ不十分な点があることは事実であります。
 そこで、私どもこの対策として、やはり中小業者の体質を改善していくということが一番大事でありまして、その意味においては、五十年度に建設業振興基金をつくって、そして体質改善等も考えておりますし、共同請負ができるような、そういうふうな内容も強化していくことに努力をいたしておるわけでありますが、やはりいま先生のおっしゃった重層下請になりますと、子から孫からひ孫までの請負になっておりまして、末端までは全く元請自体が把握できていないというようなこともあると思います。そういう意味で、工事過程の監理だけでなくして契約監理の責任を強化して、そして現場の末端まで雇用契約関係を明確に把握していく、そのことを元請業者に厳重に申しておきます。そして、これを建設省の方に報告させるという義務づけになりますと法律問題になりますから、建設省から要望があればいつでもその実態が速やかに報告ができるように、そういうふうな体制はとっておけ、そういうような準備は十分いつでもしておくようにということを、元請業者には私ども厳重に通達をしてそれをやらすつもりであります。今後は実行してまいりたいと思っております。
#171
○柴田(健)分科員 発注者が十分中身を知っておくということがいろんな行政指導の面で、一つの事件が起きても――ぼくらが発注者に意見を言っても、どうも下がだれに請け負わしておるのかなということがわからぬ。それではいけないので、やはり請負方式の中で、ある程度行政指導の中で明確にさしていくということをぜひやってもらいたいということをお願いして、終わります。
#172
○谷垣主査 これにて柴田健治君の質疑は終了いたしました。
 次に、栗田翠君の質疑に入るのでありますが、本日は、同君の質疑に対し、参考人として日本道路公団理事栗田武英君が御出席になっております。なお、御意見は質疑をもって聴取することといたします。栗田翠君。
#173
○栗田分科員 私も、ただいまの御質問と同じような趣旨の中身もありますが、建設業界が大変複雑な機構になっていまして、元請、又請、下請と何段階かにもなっている、そのためにさまざまな問題が生じていることについての行政指導の強化について質問いたします。
 一つの例を挙げますと、先日浜松市の市有地に産業廃棄物の不法投棄がされまして、市がその投棄した人をつかまえてたどっていってみたところ、何と元請までに八段階入っていたというような大変な例も出ているわけでございまして、しかも運搬をした当事者には産業廃棄物を捨てるための予算など全く渡っていなかったといったような例も出ているわけでございます。また、そのような機構のために、公共土木事業で末端で不当に低い代金で請け負わされているという例も出ているわけでございます。
 まず、ここに「建通」という静岡の建設業界の業界紙があります。五十年二月八日付のものにこういう記事が出ております。「県重機建協、下請制度問題など、行政当局へ下請の苦境訴え」そして、これは県の建設会議所の理事会で訴えられておりまして、こういうのがあるのですね。たとえば、「災害工事で重機施工費が一千六百万円積算されていたにもかかわらず、重機業者に六百万円で下請に出した−など悪質な事例」がある、こういうのが出ております。これは高木県土木部長などもこの会議に出席しておりまして、「業界内で解決を」といったような発言をしておりますので、御調査も願ってありましたが、これはどのような事情のものだったのでしょうか。
#174
○大塩政府委員 私どもは県の高木部長と連絡をとりまして、その中身を大体概略は聞いておるのでございます。静岡県の建設会議所、これは業者あるいは資材業者の約二十団体によって構成されておる、その会議の席上で重機業者から提起された問題でございまして、重層下請とかピンはねの問題につきまして質問があったのに対しまして、部長が、これは一つは業界の自主的な努力によって解決の方法を見出すということが根本である、役所としても措置すべきことがあればやりましょうというような答弁をなさっているというふうに聞いておるのでございます。
 不正投棄というような問題が出ましたけれども、それにつきましては、積算その他につきましては十分見てあるはずでございますけれども、そういう決められた単価その他で積算をされているのに、それがもし決められたところに捨てないで他人の土地などに不正に投棄するというようなことでありますれば、この廃棄物の処理及び清掃に関する法律等に違反する問題でございまして、これにつきましては、やはり行政指導のみならず処分の対象になろうかと思います。こういうことをお話しいたして連絡をとった次第でございます。
#175
○栗田分科員 不正投棄の問題については後で伺いますが、ここに書かれていました、千六百万円が六百万円になったという例は、七・七災害によります丸子川の復旧事業で、これは私なども地元の方と一緒に陳情しまして、十五億二千万円の予算のついたものでございます。このうち、一区、二区、三区と三つの工区に分けられたうちの第三工区が村井建設の請負になりまして、一億一千万円で工事をするようになったわけですけれども、その中で、重機関係千六百万円に対しまして下請が二社請け負おうとしたわけです。お互いに競争したわけなんですが、それぞれ千二百万円で請け負おうとしましたところが、これでは高いというので、望月建材というのを村井建設が入れまして八百万円で請け負わせたというわけなんです。ところが最初に出ていました、A、Bと言いますが、この二社が、先に申し出ていたのにということで大変もめて、結局、それじゃ百万円ずつこのA、Bに八百万からまた渡そうじゃないかという話で話をつけて、結局六百万で請け負うということになった、こういう事情のようでございます。これは、建設業法の十九条というところの「不当に低い請負代金の禁止」に当たるのではないかと思いますし、また何と言いましても、千六百万円で請け負っている仕事が末端に行って六百万円ということになりますと、これは下請業者が赤字を覚悟で仕事をするという大変な犠牲を負うか、または手抜き工事をするか、それとも六百万円でできるものであれば、これは大切な国費のむだ遣いになるのだし、大変な問題だと思うわけでございます。この辺についての正しい予算の運用、それから正しい指導について、今後どうしていくおつもりかということを伺いたいと思います。
#176
○大塩政府委員 御指摘のような切り投げと通常いわれます、請負内容そのままを下請におろすというようなことは厳に禁止しておるところでございます。十九条の三にありますように、もしその地位を利用して下請に不当に押しつけるというようなことがあれば、もちろん業法違反として相当の処分をいたすということになります。先ほども大臣がお答えいたしましたが、こういう基本的な問題といたしましては、重層下請が起きやすいというわが業界の体質の問題がありますので、基本的にはその体質の改善ということが基本問題でございますけれども、さしあたってはやはり発注者なりあるいは元請責任において下請末端まで契約監理、契約の内容まで把握しておるという、工事過程の監理はわりあいやっておるのでございますけれども、契約監理は行き届いていない。契約の内容をはっきりと元請がつかんでおって、そして発注者から求められばいつでも出せる、あるいは現場にどこどこの人夫が来てどこどこの下請業者がやっているということが一目瞭然にわかるような仕組みをまず講ずるということが、具体的な措置としては最も有効であろうというふうなことを考えておる次第でございます。
#177
○栗田分科員 繰り返して申しますが、下請業者が犠牲にならないで済むように、また大切な河川の復旧工事が手抜きなどで再び災害を起こすことが起こらないように、そういう状態をつくり出さないように厳重な調査と行政指導をお願いいたします。
 引き続きまして、こういうふうな不当に低い下請代金で仕事をしなければならないために人命が損なわれているという例も方々に出ているわけでございます。ここに、先日静岡市油山で、実は県道梅ヶ島・昭和線の工事中に土砂崩れ事故が起きまして、作業の婦人、農婦ですが、三人その下敷きになって亡くなられた事故がありました。大変大きな問題になっているわけなんですけれども、この事故につきまして現在元請の社長とそれから元請会社の監督が書類送検されているはずです。これはどういう点で書類送検になったのか。労働安全衛生法から見てどういう点に触れたのかということを御説明ください。
#178
○野原説明員 ただいま先生から御指摘のありました災害につきましては、そういった地山の下方で作業を行う場合には、土砂の崩壊のおそれがないように傾斜面を安全な勾配にするということ、もしそれができなければ擁壁、土どめ、支保工と言いまして、きちんとそれを防ぐような仕掛けにしなさいという規定があるわけでございます。そこで、現在果たしてそういうことを事前にやっておったかどうかということについて調査をいたしております。この斜面は削り取ってそういう姿になったというのではなくて、もともとの自然の斜面だということが一つあります。それともう一つ、そういう場合に一つのポイントになりますのは、客観的に見て事前に土砂崩壊のおそれがあるということが予見できたかどうかということはやはり一つの決め手になりますので、その辺も含めまして現在まだ捜査を続行している段階でございます。
#179
○栗田分科員 私が調査しましたところ、数日前から土砂がばらばら落ちていて、この主婦の一人はヘルメットを着用させることを要求したというふうな危険な状態の中で仕事をさせられておりましたし、山に亀裂が入っていて、地元の人たちは危ない危ないと以前から言っていたということがあります。
 そればかりでなくて、もっと重大な事実がございます。一つは、事故が起こりましたのは九時四十五分くらいだったのですが、最初十時と発表されまして、NHKも十時と発表しましたし、新聞社も最初は十時と言っておりました。途中で訂正していたようでございます。なぜこの時間のずれができたかと言いますと、作業中に起きた事故だったのに現場監督がもう一ヵ所とかけ持ちで監督をしていて、いなかったんです。十時になりますと中休みの時間になって、監督が現場を離れてもよい時間だった。作業中でなく休み時間に起きた事故であると言うために、時間をずらしたということがもっぱら言われておりまして、事実そうのようであります。
 もう一つ、もっと重大な問題があります。これはこののり面を切る作業を実際に現場でやった人の証言を私は直接そこへ行って聞いてまいりましたけれども、これを担当したのは最も下請で西部建材の新間さんという労働者なんですけれども、のり面を切るときに設計図などは見せられなかったというんですね。私は県へ参りまして、静岡県の上嶋道路建設課長補佐から直接説明を聞きましたけれども、県の設計では六十度に斜面を切ることになっておりました。ところが、設計図などは見せられずに、監督から言われたことは、なるべく垂直に近く切れ、できる限り垂直に切れと言われた。それでできる限り垂直に切って、初め八十度くらいに切ったけれども、もうその最中に土砂がばらばら落ちてきて、作業をしている自分さえ危険を感じたので、七十度くらいに切り直したということを証言しております。なぜそんなことになったのかと言いましたら、これは道路ののり面に後でブロックを積むわけですが、積んだブロックと斜面との間に石を詰めるわけです。なるべく垂直に切った方が、詰める石が少なくて済む。つまり予算が少なくて済む、こういうことのようで、こういうことはしばしばやられていて、後で調査しましても、崩れたところはどうなっているか斜面の傾斜がわからないし、崩れていないブロックの積まれてしまったところは、ブロックを外してみなければその斜面が何度に切られているかわからないということから、実際の設計図よりもはるかに急傾斜に切らせているという例があるようだし、この場合には事実こういうことのようでございます。しかもこの作業をした重機は、たった一日分の予算しかついてなかった。ですから、丁寧な仕事はできない状態だった。一日で決められた場所を仕上げなければならなかったという、こういう証言を私は直接聞いてきております。これは重大な事実だと思いますし、こういうことであるならばまさに故意に起こされた人災と言えるのではないかと思いますが、そのことについてどうお考えになりますか。
#180
○野原説明員 確かにこういう比較的小規模の現場では、現場における監理体制というものが非常に不十分であるという私どもかねがね認識を持っております。まあ先生がおっしゃいましたように、その現場におきましても実際に工事を実施したその東海土木工業の社長さんは、ほかの用務でその現場にはいなかったということは確かに事実であります。また元請の方の現場監督の方は、たまたま朝そちらへ見えたけれども、写真か何か撮ってすぐ他の方へ回っていかれたということも事実でございます。したがって、その現場では、下請の世話役さん、これが最高責任者で工事を遂行しておったということで、その辺確かに問題がございますので、今後とも私どもこの現場におけるきちんとした指揮体制というか、状況の変化に応じて適切な安全上の措置がとれるような体制の確立について指導をしてまいりたい。ただその場合、下請事業だけにそういうことを強く求めてもいろいろ問題がありますので、むしろその上位にある元方、さらには発注者、その辺あたりからいろいろの措置を起こしてもらうということが非常に大事でありますので、従来もやっております。今後とも発注者あるいはその元方の段階でいろいろ手配をしてもらうことを中心に、一層監督指導を強化してまいりたいというふうに考えております。
#181
○栗田分科員 私が要望しておりますのも、発注者は県でございます。県の指導、そして労働安全衛生法なども、元請ぐらいまでは徹底していても、下請はもういいかげんになっているというこの事態、これは国としても責任を持っていただかなければならないという問題ですし、またさっきの例でもわかりますように、下請が不当に安い請負代金で仕事をさせられている結果、いろいろな問題が出てきているという、この点からの行政指導を強化していただきたいということでございます。
 次に、先ほどちょっと出ておりました建設廃棄物の処理問題ですけれども、最近新聞にときどきこのことが出ております。二月七日の毎日新聞などにも、「住宅地に廃材投棄 建設大手 もぐり業者使って」という記事が出ておりまして、これは兵庫県尼崎の記事です。それからおととい、これは埼玉県にごみが不法投棄されていて、大半が都内の公共事業の建設廃棄物であるといったようなものも出ております。最近は、特にこういうことが非常に多くなってきているのではないかと思います。この問題について先ほど、末端の運搬をする者が捨てるべきところに捨てず、途中で捨てるような場合、厳重に処分しなければならないという発言がちょっとございましたけれども、たとえばこういう例がありますが、これはどうお考えになるでしょうか。
 これは静岡市の例ですけれども、運搬をする業者が市に行って、建設廃棄物の取り扱い許可を出せと申請したわけです。ところが市は捨て場がない。捨て場がないので困って、安倍川に捨てろと言ったらしいんですね。これは瀬本清掃管理課長がそういうふうに言いました。そして静岡市では、実際許可の取り扱いを出す権限は持っておりませんから、業者と一緒に県警に出向きまして、取り締まりを穏便にやってほしいと言った。県警は検討しますと回答した。県当局は、行政市には権限がないからやむを得ないだろう、こういうことになっているわけでございます。
 それで、ここで問題になってくることは、一つは捨て場がないということでありまして、これは本来だったらば捨て場そのものを県また市なども計画を持っていなければいけないと思います。廃棄物の処理及び清掃に関する法律の十一条に、処理計画を持たなければいけないということが書かれておりますけれども、静岡県の場合、私の調査では処理計画を持っておりません。
 しかももう一つの問題は、事業者の処理責任が明確でないということ。事業者とは一体どこを言うのかということです。元請なのか。元請だと思いますが、そうしますと、それが何段階かの下請に対して、捨てて来いというようなことを言って、それが捨てた場合にだれが処罰されるか。運搬した人が処罰されるのでありまして、それならば捨て場も示さず、さっきの例のように予算さえつかなくなった状態になっている下請の末端がやむを得ずどこかへ捨てた場合に、その人だけが処罰されるということは、ある意味では非常に不合理だという点もあるわけです。ですから、こういう点で最終処分地の確保、あっせんについてやはり行政当局が努力をすべきだし、そのように国が行政指導をすべきだと私は思います。
 もう一つは、発注者は元請の責任を明らかにさせるべきだと思いますが、この二点についていかがでございましょうか。
#182
○大塩政府委員 確かに現実の問題として、土砂とかコンクリートのそういった廃棄物の処理の場所というのが、最近特に目立って大型工事が多くなった現在、随所においてその捨て場所につきまして対策に苦慮されておるところでございます。その大半は埋め立て等の素材として利用するというようなことで処理されているケースが多いわけでございますが、御指摘のように、処理の計画を持って、それからそれをどういうような手段で運ぶかというような運び方等も相談をいたしまして、そして工事にかかるということが必要でございます。
 いま御指摘のような安倍川に捨てるというようなケースは、おそらく河川管理者の許可がなければ不可能だと思いますけれども、いずれにしましても、処理の計画を持つということが工事に着手するに当たっての要件だと思います。したがって、それが十分あるときは別でございますけれども、その処理の場所というものを明らかにしておくということが工事に着手する要件であると思います。
 それから、事業者につきましては、これは法律上現実にその事業をやっているものというふうに解されるのでございますので、一応は現実に工事をやっている下請なら下請の事業者がこの事業者に当たると思います。現実にそれを投棄している事業者ということに当たると思いますが、先ほどおっしゃいましたように、これは工事現場には何々組というような事業者の表示がしてあるはずでございまして、それは元請であるか下請であるかを問わず、現実にそこの場所で事業をやっている者というふうに解するわけでございます。
#183
○栗田分科員 県が処理計画を持っていないというのは大変怠慢だと思いますが、そしてそのようなしわ寄せが結局最も末端のところに来て、逮捕されたりするということについての指導の強化はどうお考えになりますか。
#184
○大塩政府委員 建設省としましては、工事の発注に際しまして、特に大規模工事につきましては特記仕様書というので、廃材あるいは残土の捨て場所を明記させることにしております。一般の場合は必要な経費を積算して、適正な残土処理が行われるようにということで業者を指導しておる、こういうやり方をやっておるわけでございます。で、普通問題になりますのは、そういう大規模工事に伴う大量の残土処理の問題が一番大きな問題になるのでございます。これはもう明らかに特記仕様書で書くことにしておりまして、それに必要な経費も積算されておるわけでございます。
#185
○栗田分科員 それが十分にされていないということについて、指導を強めていただく責任が国にあると思いますが、その点で厳重にお願いします。
 続きまして、東名高速道路の問題にちょっと入らせていただきます。
 静岡市の瀬名地区から小坂地区にかけて十五キロくらい東名高速道路が走っておりますが、実は静岡市のこの東名高速道路の沿線というのは、ほとんどが住宅地なのです。それで、騒音公害その他のさまざまな公害でいま住民が悩んでおりまして、かなり以前からいろいろな要望が出ております。
 まず最初に伺いますけれども、この東名高速道路の交通量、清水から静岡間はいま二秒間に一台というくらいの交通量になっております。大変な量でございます。特に夜は八〇%は大型車が通行するという状態になっております。そこで、以前道路公団が登呂四丁目というところで二十二時から二十三時まで音の量を測定されたことがあったはずですけれども、この音量はどのくらいだったでしょうか。
#186
○栗田参考人 昭和四十九年十二月の二日に測定をしておりますが、二十二時三十五分から二十三時十五分までの間、それぞれ環境基準測定法に定められた方式に従いまして測定いたしまして、道路側から二十メートルくらい離れた住宅地においては六十六ホン前後の数字を示しております。それから四十メートルくらい離れた住宅地においては五十二ホンから六十九ホンくらいの数字を示しております。
#187
○栗田分科員 ただいまおっしゃったのは平均値ということでございますね。
#188
○栗田参考人 中央値でございます。
#189
○栗田分科員 私もそれと同じ資料だと思いますが、持っておりますけれども、中央値はそのくらいですが、もっと高いときがあるわけです。五メートルのところでは九十ホン、ひどいですよ、これは窓を締めておりますけれども。二十メートルでも最高七十三ホンですが、これは環境基準からいって非常に大きくオーバーしていると思いますが、しておりますね。――大変なオーバーだと思います。
 そこで、どんな状態が出てくるかということで、「東名公害をなくす会」という会でいろいろなニュースなどを出しておられますが、たとえば夏でも一日じゅう窓が明けられない、電話が聞き取れない、ステレオはヘッドホンをつけないと聞こえない、子供、老人の健康障害と勉強に手がつかない、夜間不眠でノイローゼになる、振動で屋根がわらがずれ、しっくいが落ちる、粉じんで家の中はざらざら、車窓から空きかんやたばこなどがほうられて危なくて仕方がない、それからライトの被害、それからのり面と敷地の雑草が投げたたばこなどでよく燃えて危なくて仕方がない、町が東名によって分断されて排水が悪化している、いろいろなことがあるわけでして、中には泊まりに来た親類の人が、夜中に余りやかましいので驚いて、朝御飯を食べずに帰ってしまったという話だとか、もっとうそのようなひどい例は、隣にぼやが起きて消防車が来たときに気がつかなかったというのですね、余りの音で日ごろやかましいものですから。こういう中に暮らしていますので、全くどうしようもないということで、いま何とかしてほしいという切実な要望が出ております。
 ところで、以前道路公団の静岡の所長が、五十年度には苦情の出ている個所は防音壁をつくる計画だという約束をしておられるそうでございます。この対策についていまどういうふうに具体化させようとしていらっしゃるでしょうか。
#190
○栗田参考人 現在の要対策地域というのは約十五キロくらいあるだろうというふうにいま想定しております。それで、四十六年から実は防音対策のための防音壁設置工事というのにかかっておるわけですが、四十九年度までで約二・二キロほどやっております。五十年度計画では四キロないし五キロ実施しようということで、現在計画を練っておる段階でございます。したがいまして、要地域に対して約三分の二ぐらいを五十年度計画で完了させて、残りは五十一年度以降の計画で実施、こういう計画で現在進めておるわけであります。
#191
○栗田分科員 さっき言いましたような大変な実情になっているわけですし、五十年度までには苦情の出ているところは完成させるという約束もあるわけでございます。いま伺うと三分の二というわけですが、二・二キロに四、五キロというと、三分の二になるのでしょうか。十五キロ。三分の二より少ないと思いますが、これは計画として、大変進み方が少ないと思います。もっともっとこれは積極的に、その要望どおりぜひ進めていただきたいということ、予算をつけていただきたいということ、これについて重ねて対策を要望いたしますけれども、その点について努力をしていただけますか。
#192
○栗田参考人 いま申し上げました数字に若干読み違いがありましたので訂正いたします。
 三分の二と申し上げましたのは、四十九年度までに四・三キロ、四十九年度が二・二キロで、前半四十八年までにやった分を加えまして四・三キロ、五十年度で約五キロやりますから、約十キロになるわけです。要対象区域として考えておるのは十五キロと考えておりますので、三分の二ができる見込みであるというふうに申し上げたわけであります。
 その十五キロと考えました根拠は、両側に住居が続いておるという区間、これが約六・八キロございます。それから、片側だけ住宅があって片側が田んぼか何か、住宅でないという、あるいは工場地域であるとか非住居地域になっているのが一・七キロございます。両側というのは、両側に対策を必要としますから二倍になるわけです。片側というのは片側だけやればよろしいですから、それの換算延長で十五キロになるわけです。ですから、大体三分の二が行けるであろう、こう考えておるわけです。
 もちろん、できるだけ多く設置して一日も早く対策を進めたいわけでございますが、予算全体から見まして、四十九年度の予算に比べまして五十年度予算は約二・七倍の増額をしてもらうようにいま計画しておりますので、そういう点から申しまして、四十九年度の事業の二・二キロに対して約倍半ぐらいの計画でございますから、とりあえずこの辺のところで当初計画としては実施する考えでございます。もちろん、設計いたしましてから、現地の状況その他等でさらに増額がはかれる場合には極力これを増設するということで、今後とも努力を続けたいと考えております。
#193
○栗田分科員 あと一言で終わりますが、大型車の八十キロを六十キロに速度制限してほしいという要望が出ておりますが、これについてのお考え方を伺いたいということと、それからその他抜本的な対策、でき得る限りこういう状態を一日も早くなくすためにいかに当局として努力されるかということについて伺って終わりにいたします。
#194
○谷垣主査 時間がありませんから、簡潔に明瞭にひとつお答えを願います。
#195
○森説明員 ただいまの御要望の点につきましては、交通規制、つまり速度規制のみによって騒音を減らすということは実際むずかしい。その意味では総合的な対策の一環として考える必要があるだろうというふうに思っておりますが、前向きの姿勢で静岡県警察を指導してまいりたいというふうに考えております。
#196
○井上(孝)政府委員 先生御指摘の静岡地区につきましてはもちろんでございますが、住居専用地域あるいは住居地域等に対する騒音公害の防止の要求が、非常に全国的に高まっております。この点につきましては、今後とも十分意を用いて重点的に実施をするつもりでございます。
#197
○栗田分科員 では、これで終わります。
#198
○谷垣主査 これにて栗田翠君の質疑は終了いたしました。
 次に、田中昭二君。
#199
○田中(昭)分科員 大臣、時間が短うございますから、ひとつ簡潔にお答えいただきたいと思います。私も簡潔にお尋ねしますが、まず、国道の直轄工事で歩道を設置してあります。その目的は何でしょうか。
#200
○井上(孝)政府委員 建設省で交通事故の防止をはかるため歩道を設置いたしておりますが、これは交通安全施設整備緊急措置法に示すところによりまして交通事故の防止をする、特に歩行者、自転車の、弱い立場にある方の犠牲を食いとめるということであります。
#201
○田中(昭)分科員 この歩道工事に関しまして、国道に面した住民がおられますが、この工事が行われることによりまして直接的にも間接的にも、経済的または人身の損傷事故その他の損害を受けた場合には、国は補償しますか。
#202
○井上(孝)政府委員 歩道設置に限りませんが、道路工事によりまして沿道住民に不利益を与えるということに対しましては、工事の着工に先立ちまして、あらかじめ沿道住民に対して十分工事の必要性あるいは施工方法、工期等を詳細に説明いたしまして、極力沿道の方々の生活あるいは営業活動に支障のないような方法を講じておる次第でございます。しかしながら、なお、工事中におきまして若干の不便が短期間生ずるということも避け得ない場合がございますが、道路事業の公共性からして、受忍の範囲として御了承願う場合もございます。また、施工中に発生いたしました事故に対する措置といたしましては、その原因が国あるいは施工者の責任によって発生したものである場合には、当然被害者に対し誠意をもって当たる考えでございます。また、施工業者の責任による場合におきましても、業者をそのように、同じような観点から指導する方針でございます。
#203
○田中(昭)分科員 この歩道設置のいわゆる側溝といいますか、側溝工事が行われますが、その場合に、国道に面した住民に受益者負担ということで、側溝のふたの改良費用として負担をさせたり、または負担をさせない場合もあると聞いておりますが、こういうことの行われます根拠法令はどこでしょうか、教えてください。
#204
○井上(孝)政府委員 まず、側溝のふたに関する費用負担をする場合としない場合の差別でございます。実は歩道を設置いたします場合に大抵側溝にふたをつくるわけでございますが、加重といたしましては自転車あるいは歩行者の加重でございますので、一般には、歩道として使われる場合には薄くて済むわけでございます。時たま、御承知のように、歩道を少し切りかきまして自動車が沿道の住宅地に乗り入れできるようになっておる、いわゆる出入り口がございます。この場合には、加重が自動車加重になりますので、側溝のふたを厚く、あるいは強くする必要がございます。したがいまして、そういう出入り口につきましては、厚くなる部分、強く補強する部分はその沿道の利用者の負担をいただくわけであります。ところが、すでに道路法二十四条によりまして許可を得て出入り口をつくっておる者については、これはもうすでに許可いたしておりますので、道路管理者側で、必要な厚みの側溝のふたを設置いたしますが、許可を受けておらない、あるいは出入り口を新設する場合につきましては、補強部分の負担を沿道の方にお願いする、こういうことになっておりまして、それは道路法の二十四条、及び五十七条に負担の規定がございます。道路法五十七条でございます。
#205
○田中(昭)分科員 いま私が一番聞きたいのは、いま道路局長さんは、道路のふたを厚くする場合のその費用を、何かもとから乗り入れ口があって申請した者はその負担をさせないとかなんとかおっしゃいましたけれども、そういうことがこの二十四条に書いてありますか。その道路法二十四条を読んで、この辺のところを踏まえて簡単にお願いします。大臣、この辺大事でございますから聞いておってください。
#206
○井上(孝)政府委員 道路法二十四条は「道路管理者以外の者の行う工事」でございまして、私どもはいわゆる二十四条工事と申しておりますが、これは先ほど申しましたように……(田中(昭)分科員「読んで、いまあなたが費用を負担させると言ったが、そこを説明してください」と呼ぶ)はい、わかりました。二十四条工事は、いま申しましたように道路管理者以外の者の行う工事について規定をしておりますが、これを受けまして道路法五十七条におきまして、「第二十四条の規定により道路管理者以外の者の行う道路に関する工事又は……(田中(昭)分科員「そこは聞いてないのです」と呼ぶ)……負担しなければならない。」こういうふうに書いてあります。
#207
○田中(昭)分科員 法律については、大臣、お役人さんの方が詳しいと思いますが、私から、常識的に提案してみます。
 この「道路管理者以外の者の行う工事」ということは、私も事前にいろいろ説明を聞きました。素人にもわかるように、私は代表的な例を挙げて聞いてみましたところが、大臣、こういうことになっているのです。この道路管理者以外がたとえば国道に歩道橋をつけます。国道ですから管理者は国ですが、国以外の人が歩道橋をつけます。その歩道橋をつける場合には管理者に承認をとって、国道を損傷したりいろんな問題がありますから、そういう場合には申請をしてその歩道橋をつけてください。その歩道橋をつけた場合には、その歩道橋の費用はもちろんその歩道橋をつける人が出しなさいということになるのだ、そういう意味の法文だ、こう聞いたのです。この私の理解は正しいですかどうですか。
#208
○井上(孝)政府委員 これは、二十四条は「道路管理者以外の者の行う工事」でございますから、たとえば歩道がございまして、その歩道のところに出入り口をつくりたい……(田中(昭)分科員「いや、出入り口の話と違うんだ、私は歩道橋のことを言っている、それは正しいか正しくないか」と呼ぶ)横断歩道橋は、まさに先生のおっしゃるとおり、道路管理者以外の者が行う場合にはその方が負担する、そういうことでございます。
#209
○田中(昭)分科員 ちょうど法制局も来られたようでございますから、いま私は、――二十四条を私から読んでもいいのですが、素人でございますから。この二十四条の解釈は、いま私が申し上げましたように国道にだれかが、市町村とか、まあ奇特な方がおられて、歩道橋をつくります。そういう場合には、その国道の管理者であります国にこの歩道橋をつくることを申請をして、希望ですね、との歩道橋をつくる人は自分がつくりたいという希望がある。その希望を申請して、そしてそのつくることについて承認を受けてつくりなさい。これは二十四条。五十何条は、その費用はもちろん申請者が負担しなさい、こうなっているというんだが、私の解釈は、法制局として、大体間違いないでしょうかどうでしょうか。
#210
○角田(礼)政府委員 そのとおりでございます。
#211
○田中(昭)分科員 そうしますと、これからが大事なんですが、大臣、聞いておってください。いま、先ほどから局長がお述べになっておりますこの二十四条ということを盾にとって、いいですか、国道に歩道をつくるというのです。いままでは歩道はなかったわけです。そこで住民は生活しておったわけです。ところが、先ほどから出ましたように、いま騒音の問題、いろんな問題で困っていますけれども、国の大きな立場において歩道ができる。仮に大臣のおうちに国道が面しておったとしました場合に、その歩道ができるために工事する期間は、大変困るときもあるでしょうね。それで、その歩道をつくって、いまの車の多い時代ですから、車のないところはないと思います。通勤用に軽四輪車を持っておるような人が、日に一回か二回か乗り入れをするとすれば、そういう側溝のふたを厚くしなければならない。それは厚くするしないは、その住民が厚くしてくださいという申請をしなければ、それはそのままでもいいんでしょう。
 それじゃ、私が当局にいろいろ指摘しております福岡の博多区の板付付近と言っておきましょう、通称、ここでこういう工事が行われて、大変不公平そして暴力的な、暴力団まがいのあれが行われておる。ですから、当局から、これは調べてあるはずです。私も何回か行きました。建設局にも行きましたところが、本省の指示でちゃんと調べておりますということですから、私に教えていただけませんから、この場でひとつ、板付付近でどういうことが行われておるか、どこの住民に対してどういう負担をさせたかさせなかったか、その工事はどういう工事会社がやったか、それからひとつ教えてください。
#212
○井上(孝)政府委員 御指摘の工事は、一般国道三号線の博多区の板付地区、延長一キロ三百メートルの間に、歩道設置を交通安全対策事業の一環として実施いたしております。四十九年六月に着工いたしまして、十二月に一応完成しております。工事前の現道の状況は、下り線側は官民境界にU型側溝がございまして、それに路肩が接続しておる。側溝と路肩の一部を利用いたしまして、そこに幅一・五メートルから一・八メートルの歩道を設置する。こういう事業でございます。反対側の上り車線側は、すでに四十八年度に同様の工事をやっております。
 それから、工事の実施に先立ちまして、昨年の五月の中旬に地元関係者を個別に訪問いたしまして、歩道の構造、乗り入れ口の位置及び幅を説明いたしまして、現在使っておられる出入り口が道路管理者の承認を受けてつくられたものかどうかという確認を行いました。未承認個所に対しましては、先ほどの二十四条工事に基づく手続をしていただくように要請いたしました。これらの折衝に当たりまして、地元と協議の結果、歩道の構造とか乗り入れ口の位置、幅等については特に問題はございませんでしたが……
#213
○田中(昭)分科員 それは局長さん、また後で聞きますから、そのぐらいでやめてください。
 私は、先ほどから言います事実を場所を指定しまして、調べたとおっしゃるからその現状を聞くというのは、先ほどあなたがおっしゃったように、乗り入れ口が、出入り口がもとからあったところ、あったところで負担をさせたりさせなかったところがある、こう私はいま言っているのですよ。だから、それじゃ、乗り入れ口があったところで負担をさせましたところはここ、だれの太郎兵衛です、これはどういう工事をしました、何センチの厚さのふたをしました、また同じ、乗り入れ口があったけれども、ここは負担をさせておりません、その人の名前の代表的なものを挙げて言ってください。
#214
○井上(孝)政府委員 いま御説明をその後でしょうと思っておったのでございますが、二十四条の承認を受けておった者が九戸ございます。それから承認を受けていない者が二十二戸、全部で三十一戸ございます。これは建設省直轄になる前、昔の県管理当時から承認を受けておった者が九戸のえち六戸、その後建設省が管理するようになって受けた者が三戸でございます。それから、二十四条工事の承認を受けてない二十二戸につきまして、私どもは業者とその厚みの分の費用負担の契約をお願いいたしまして、現在まだ業者との契約のできておりませんのが二十二戸のうち十一戸、契約済みが八戸、業者に支払いを完了したものが三戸ございます。
#215
○田中(昭)分科員 いまおっしゃったことは間違いとは私は言いませんけれども、私の言っていることをそのまま言ってくださいよ。そういうことでは具体的に指摘ができませんから。
 いまあなたが調べてある所の中に、乗り入れ口がもとからあったところで負担させなかったところがあるでしょう。どなたですか、言ってください。それと、あったけれども負担をさせたところ。大臣、こういう細かいことを申し上げてあれですけれども、これは法律を適用して負担させるか、させないかという重大な問題でございますから。
 私が調べた方のが多うございます。三十八軒、私、調べております。一応申し上げますと、県のときであろうとどうであろうと、乗り入れ口が以前からあって無料でしたのが七軒、有料のところが六軒あります。これは私が一つ一つ申し上げますから、まずあなたはその中で、無料の人の中でだれかを取り上げて言ってください。有料の人でだれか取り上げて言ってください。そうしないと話がかみ合いません。
#216
○井上(孝)政府委員 側溝の負担をさせませんでしたものが、先ほど申しましたように九戸ございます。九宏薬品、清水建材センター、祭原福岡支店、金長、こういうところが四軒、それから福陵製作所、栄城興業、日下部さん、渡辺パイプ、伊原金属、以上九戸でございます。
#217
○田中(昭)分科員 かねじょうというのは無料だったというふうにおっしゃいましたが、本当ですか。
#218
○井上(孝)政府委員 金長でございます。
#219
○田中(昭)分科員 それでは栄城興業はどうですか。
#220
○井上(孝)政府委員 栄城興業は負担をさせておりません。
#221
○田中(昭)分科員 栄城興業は、私の調べでは払っておりますよ。
 それでは、払っておるものを私が申し上げますから、違っておれば言ってください。田中石油店はどうなっていますか。
#222
○井上(孝)政府委員 負担をしていただくことにして、すでに業者と契約済みということでございます。
#223
○田中(昭)分科員 それでは今度、無料のところを申し上げましょう。協和自動車――確認だけしましょう、協和自動車ありますか、あれは、うなずいてもらえばいいです。
#224
○井上(孝)政府委員 無料ではございません。
#225
○田中(昭)分科員 それでは祭原株式会社、先ほどおっしゃったかねちょうは無料ですね。
#226
○井上(孝)政府委員 そのとおりでございます。
#227
○田中(昭)分科員 それでは、いま申し上げたように、かねちょうは以前から乗り入れ口があって無料。それから、先ほどあなたがおっしゃった田中石油店、国際自動車、そういうところは有料ですね。どうしてですか。不公平じゃないですか、同じように前から乗り入れ口があって。
#228
○井上(孝)政府委員 これは先ほど二十四条工事の承認を受けておりませんでしたので、新たな承認として受け付けることにしたものでございます。
#229
○田中(昭)分科員 承認を受けさせればいいじゃないですか。前から乗り入れ口があったのですから。承認を受けなければ受けさせればいいじゃないですか。そうでしょう。道路法二十四条は、本人の申請によって、道路管理者に申請をして、それを許可すれば無料になるわけでしょう、乗り入れ口が前からあるのですから。
#230
○井上(孝)政府委員 二十四条の精神からいたしまして、車の出入り口設置につきましては、利便を受ける沿道の方にその費用を負担していただくということにしておりますので、新たな承認をする際には、その分を負担していただく、こういう考え方でございます。
#231
○田中(昭)分科員 だから、なぜその承認を申請させませんかということを私は言っているのです。前から、国際自動車でも田中石油店でも、乗り入れ口があったわけでしょう。ガソリンスタンドですから、前から乗り入れ口がありますよ。そこを承認の申請をさせれば無料でよかったわけでしょう。それを有料にしているのはどういうわけですか、こう言っているのです。なぜ承認申請させませんかと、こう言っているのです。
#232
○井上(孝)政府委員 田中石油、国際自動車につきましては、側溝のふたの厚さが申請がなかったものですから……
#233
○田中(昭)分科員 させればいいじゃないですか。
#234
○井上(孝)政府委員 従来なかったものですから、十センチの薄いふたしかなかったわけであります。
#235
○田中(昭)分科員 行政というのは、もう少し親切にやってやらなければだめですよ。そんな、ふたの厚さがちょっと違うとかなんとかいうことがあれば、申請を教えてやらなければできませんよ、一般の人は。行政をそんなやりっ放しやっておったら、国民からほんとに批判を受けて、せっかくやったりっぱな仕事も批判されますよ。そういうことは私が言う筋合いじゃないかもしれませんけれども……。
 大臣、そこを見てもらいますとわかりますけれども、大変な、いろいろな問題があるのを言っておきましょう。この工事が行われて、協和自動車というのが一番初め――大臣、見てください。道路局長さんには見てもらっては困りますよ、私の方の調査資料ですから。協和自動車というのが一枚目の上の方、いいですか大臣、この辺に協和自動車ありますね。ここは大臣、読んでもらって、私は資料だけ申し上げますと、自分の私設ふたで、自分の費用を二十数万円投じてやったというのです。ところが、その後契約をとりに来たというのです。契約というなら、なぜ先に見積書持って来ませんかと言ったら、それ以後一つも請求に来ません、そういうことが書いてあるのです。それから高圧ガスというのが、二枚目のこの辺にあります。これを見ますと、小切手で払うからと言ったら、現金でなければ、小切手では受け取らぬというんで、その人は払わぬでおるわけです。小切手は保管してあります。レストラン国際というのがあります。ここは、レストランですから、乗り入れ口を広げてくれと言ったら許可しなくて、そして契約書にも判も、結局申請もできなくて、建設省から二回督促来たけれども取り合わなかったところが、これはまた無料です。それからコスガという会社がありますが、ここは、建設省が勝手にやったんだから、うちは関係ないから払わないよと言って、それで済んでいるんですよ。東洋運搬機なんか、ひどいですよ。これも、拡張をお願いしたけれどもできなかった。それじゃ何で契約なんか承認するかと判を押さなかった。それ以後一つも来ない。それでもちゃんと工事はできている。
 二十四条がどうであろうとも、この法律によってこういう不公平をして、私、東京も一、二確認してみましたところが、東京あたりでは、これは負担はさせていない。東京と九州を差別するんですか、いま差別がむずかしい大問題になっているとき。不公平もはなはだしい。どうですか、そういう不公平行政をやっておって、人身事故も起こしておって、知らない。あるところでは、二十日ぐらいで工事が終わりますからと言って、いまのガソリンスタンドですよ、三カ月もかかって、ガソリンスタンドは仕事にならなかった。先ほどあなたは国の責任において補償すると言ったけれども、そういうこともつかんでない。
 大臣、ひとつお考え願いたいと思います。私がいま言ったことはうそじゃありませんから、それに書いてあるとおりですから、東京と九州をそういう差別をすることが、時間がありませんからあとは言いませんが、不公平と思いませんか、どうですか。
#236
○仮谷国務大臣 突然のお話で、私も実はよくわからない。この表を見せてもらっても、実はまだのみ込めないのです。ただしかし、私ども、行政で東京であろうが福岡であろうが差別をするとか、そんなことを絶対に考えておりませんし、意図的にそういうことがあるはずはございませんが、いろいろ複雑なようでございますから、ひとつよく私どもに調べさせてください。これは決して意図的にそういったものでないということだけは、はっきり申し上げておきたいと思います。
#237
○田中(昭)分科員 私は二十四条の問題をいろいろ聞きましても、大臣がおわかりにならないように、私も何遍聞いても、二十四条を盾にとってこられて、負担をさせることは妥当だとおっしゃいますけれども、仮に妥当だとしてみても、いまのような不公平があってはならないでしょう。それはお認めいただけますね。
 それから、さっき、大臣のおうちが国道に面しておるなどと申し上げましたが、国道に面しておる住民は県道でも市道でも、そういう歩道を舗装するときに何の負担もないというんですよ。それがなぜ国道でそういうことを負担しなければならないか。これはほかのことを持ち出さないと思いますけれども。
 それから、いま大臣は東京と九州は差別してないとおっしゃったけれども、私が確認したところでは差別があります。しかし、大臣はここでは差別はないとおっしゃっておるから、では差別がないということを調べてもらわなければ、私は了解するわけにいきません。申しわけないですけれども、建設省の国道の予算がこういうふうについておりますけれども、これはこういうことが行われまして、ここで申し上げておきますが、これに関連して、こういう予算を私は認めるわけにいきません。認めることによってこういう弱い者がいじめられて問題が続出して、そして国が批判されてどうしますか。それによって政治不信まで起こってきて、あの代議士さんに頼んだところが全然できなかった。あっち回しこっち回されて、結局建設省の方のお役人さんの方は、そういうことは言ってくれるなと言って拝んで帰った。そういう事実がいろいろあるんですよ。一つ一つ具体的に申し上げませんけれども。
 そこで、この工事をやった会社も、十人そこそこの使用人を使って、本当の零細業者です。それから、現場の国道維持事務所というのもあるそうです。ここも、あなたたちが二十四条云々と言うから、大変困っていますよ。私が行ってもそういうふうに説明をされる。全部被害者ですよ。弱い者だけが納めさせられたり許可にならなかったり、そしてこういうふうに土建会社は、これは大臣、いまのここ二、三年高物価のときですから、資材なんかが上がって、これは私の推測ですが、もうかろうと思って請負させてもらったけれども、もうけが少なくなった。これ幸い、金の取れるところは取ってしまえ。「建設省二十四条工事」と請求書にはっきり書いてある。お見せしましょうか。こういうことをやったら、これは詐欺行為じゃないですか。「建設省二十四条工事」とちゃんと請求書に書いてある。これは「建設省二十四条工事」の請求書と来ておれば、住民は、法律に従って請求が来ると思うじゃないですか。そうでしょう、お見せしたとおり。道路会社だろうと何だろうと。その道路会社も大変な欠損で、この金を払ってもらわなければ倒産するかもわかりませんよ。
 ですから、大臣、最後に、そういう道路会社が倒産しそうになっている、欠損もやっておるというふうな会社、現場の維持事務所の役人さん、ずうっとたどっていけば、強いものは国家権力だけですよ。この法律だけですよ。それから、先ほど言いましたように、国道のその歩道工事のために休業しなければならない。実際廃業者も出ていますよ。そういうものに対してちゃんとした手当てをとってもらわなければ、これは解決しません。でありますから、私は先ほどから言いますように、この道路工事を請け負う工事会社も、大変な苦しさの余りに、そういうことが行われておるかわかりません。これは私の推察です。どうであろうとも、そういう不公平がこの法律のもとに行われておるならば、この法律も、これは少し、ただし書きか何かつけて変えなければいけないですね。大臣どうでしょうか。それといまの弱い立場の現場の人たち、これに対しては何分の温かい処置をしてもらわなければ、行政が、先ほどから私が言いますように批判され、その行政の親切さが欠けたために損害を受ける。大臣いかがでしょうか。
#238
○井上(孝)政府委員 先ほど申し上げましたように、こういう工事をやる場合には、あらかじめ沿道の方々に十分打ち合わせて、御了承を得た上で行うというふうに指導しておるわけでございますが、この板付地区の歩道設置に際しまして、そういう点でトラブルが起きましたので、もし不十分な点がございましたら、今後こういうことのないように十分指導してまいりたいと思います。
#239
○田中(昭)分科員 大臣お願いします。いま二十四条がどうであろうとも、二十四条が存在して、そのことによって行政の上で、あなたたちは道路工事会社のやりそうなことだから関係ないと言われるけれども、いまのように請求書に「建設省二十四条工事」なんか書いてくるというのは、どういう指導をやっておるのか、それはまた私は、別に議論しなければならないと思います。それよりもいまここでは、そういう不公平、差別、それが現実にこの二十四条によって起こっておる。それに対してどうするのかお答え願わなければ、問題の解決の方向が見出せないじゃないですか。まだたくさんあるんですよ、大臣、陳情書なんかが。読みましょうか、内容を。大変なことですよ、これ。
#240
○井上(孝)政府委員 二十四条の適用につきまして、判断にいろいろな解釈があるようでございますが、ひとつこういう点、負担を受ける者と受けない者とがはっきりと御了解を得られるように、十分な説明をするようにこれから指導してまいりたいと思いますし、また、二十四条工事の適用につきましても十分気をつけていきたいと思います。
#241
○田中(昭)分科員 最後にひとつ、大臣の御所見をお聞きして終わります。
#242
○仮谷国務大臣 先ほど申し上げましたように、まことに突然でして、私も実はまだ本当にのみ込めておりません。これは道路局長からもう少し話をよく聞いてみなければと思います。あなたもかけ足でお話しなさっておりまして、あなたはよくわかっておるけれども、私はあなたの言っていること、本当にのみ込めないんですよ。だから、もう少し時間をかしてください、よく調査してみます。それからはっきりしたけじめをつけます。
#243
○谷垣主査 これにて田中昭二君の質疑は終了いたしました。
 次に、和田貞夫君。
#244
○和田(貞)分科員 公営住宅の問題について質問したいと思うわけでありますが、この公営住宅というのは、低家賃住宅ということをたてまえにして建設されるわけでございますから、もちろん、その入居者の収入基準というのが一つの入居資格になっておるわけです。ところが、この収入基準があまりにも低いために、建築資材が高騰していく、あるいは地方においては用地の取得困難であって、たとえ用地が取得されましても用地費が非常に高くつくというようなことで、建設費を基礎にして家賃が算出されておるわけでありますから、建設省の方で決められておる収入基準の該当者が入居いたしましても、現実的に家賃が払えないという、こういう面が出てまいりますし、また、家賃と収入基準というものを比較いたしますと、これでいいのだろうかという疑問を持つ向きもあるわけです。いま、年間第一種住宅につきましては百八十四万三千九百九十九円、これが年間収入としての収入基準になっておるわけでありますが、一体これでいいのかどうか。
    〔主査退席、内海(英)主査代理着席〕
近い将来変更されるということであれば、どのくらいの金額にされることになって、それは月額にすれば大体どのくらいになるのかということをお答え願いたいと思います。
#245
○山岡政府委員 お尋ねの入居基準でございますが、昨年の十二月に改定をいたしております。昨年の十二月に改定いたしまして、収入基準としてそれぞれ書いておりますのは、第一種では六万五千円以下、第二種は三万六千以下というふうに一応決めております。ただ、これを、標準世帯と言いますから夫婦と子供二人の四人世帯でございますが、その標準世帯について見ますと、第一種の年間の収入額は二百十五万一千円ほどになります。それから第二種の三万六千円と申しますのは、やはり標準世帯で言いまして、年間収入が百六十五万五千円ほどになります。月額で申しますと、これは、年間のボーナスそれから税金等全部込みにして月割りにしたものでございますけれども、第一種住宅で、月額で言いますと十七万九千円ほどになります。第二種が十三万七千円以下ということになるわけでございます。
#246
○和田(貞)分科員 年間の収入を月割りにするとそうなるわけですが、先ほど言われた六万五千円というのは、六万五千円の月収ということが基準になるわけでしょう、そうでしょう。ボーナスというのは毎月入ってこないのですからね。だから、月額の六万五千円ということであれば、恐らく、ことしの公営住宅の建設費であれば、家賃が二万円台になるのではないか、こういうことが予測されるわけなのですが、仮に二万円ということになりましたら、六万五千円から二万円の家賃を引いたら、あとの四万円や四万五千円で生活できますか。
#247
○山岡政府委員 いまの政令で決めております六万五千円と申しますのは、そういう月間粗収入等からいろいろな、たとえば扶養控除、税金の控除等々をいろいろと全部した裸の数字でございまして、やはり年間所得で見ていただきますと、第一種は二百十五万一千円ということでございますから、ある程度の収入になっておろうかと思います。
#248
○和田(貞)分科員 いずれにいたしましても、建設費が地方地方によって異なるわけですから、大都会とそうでないところとおのずから家賃が異なってくるわけですからね。したがって、収入基準を全国一律に決めていくというところに無理があるのじゃないか、こういうふうに私は思うのですが、この収入基準を今後もなお全国一律に決めていって、各自治体にその収入基準というものを押しつけていくように考えておられるのかどうか、お尋ねしたいと思います。
#249
○山岡政府委員 収入基準を全国一律にずっと運用してまいっておりますが、それについてはやはり地域別にしたらどうか、こういう御意見もございます。現在いろいろと検討いたしております。ただ、地方公共団体の中で、たとえば私の方の考えで見ますと、大都会の方が高く、地方の方が低いというのは当然であろうかと思いますが、地方公共団体の御意見によりますと、むしろ逆の傾向が出ております。いろいろなことを勘案いたしまして十二分に検討した上で、そういう制度の検討をいたしてまいりたいと思っておる次第でございます。
#250
○和田(貞)分科員 建築費を基準に置いて家賃を算定する、こういうような方法をとってまいりますと、いかに政策減額、いわゆる政策家賃を決めましても、それにはやはり限界があると思うのです。先ほども申し上げましたように、公団はすでに二万円台の家賃でありますが、おそらく公営住宅も、ことしの建設から二万円台になっていくのじゃないか、ついに東京都では家賃が二万円、政策家賃としては二万円、こういうことになっていくわけですが、これにはやはり限界があります。この家賃の算出をいつまでも建設費をもって計算していくというような決め方、これはここらあたりで何とかしないと、三十年前に建った公営住宅の家賃が百五十円、百六十円、いま建った家賃が、政策家賃としてでも二万円になってしまう。むしろ、いま新しい世帯が、若い世帯が入ろうと思うと二万円の家賃、もうすでにかなりの年輩になっている方が五千円、六千円の家賃に入るというような矛盾を繰り返していくわけで、そのような考え方を続けていく限りにおきましては、ここ四、五年たちますとこれは大変な格差が生じてくる、こういうように思うわけですが、ここらあたりで家賃の決め方を、いつまでも建設費にこだわっていくというのではなくて、入居者の収入に応じたいわゆる応能家賃制度にこの際切りかえていく、こういう考え方に立つことができないのですか。
#251
○山岡政府委員 先生おっしゃいますとおり、在来、建設原価でやっておりましたために、補助基本額の引き上げだとか、それから、できるだけ建てかえを促進いたしまして用地費の節約を図るとか、それから、地方公共団体にお願をいたしまして傾斜減額をしていただくとか、いろいろやってまいりましたけれども、おっしゃるとおり、このままではいけないと思います。ちょうど、住宅宅地審議会というのをわれわれ持っておりますけれども、そこで第三期から始まります新しい五カ年計画につきまして、その基本的方向づけを相談いたしております。まだ正式の御報告が出ておりませんで、中間の御報告が出ておりますが、その中に、家賃負担の適正化のために、家賃を入居者それぞれの住居費負担能力に応じて決定する応能家賃方式の採用が提言されております。われわれも現在そういう勉強を鋭意しておるところでございまして、できる限り早い機会にそういうふうなことについての成案を得たい、関係方面にも協議を進めたいと思っておる次第でございます。
#252
○和田(貞)分科員 そのような方向で、もうここらあたりで踏み切らないと、今後なお検討していくということでは私は間に合わないと思うのです。特に二種住宅につきましては、超低所得者を対象にするわけですから、いかに三分の二の補助がなされたところで超過負担もこれあり、いままでの一種住宅に比べてもかなり上回った家賃になっていくわけですが、本当の住宅に困った低所得者がその住宅に入居することさえもできない、こういう現象面が必ず出てくると思うわけです。東京都におきましては、五十一年度から都営住宅の家賃を応能家賃制度に切りかえていくように踏み切られたというように聞いておるわけですが、すでに自治体自体が、法の改正をまつまでもなく、進んでそういう応能家賃制度に切りかえていくところも出てきたわけでありますから、遅れをとることなく、応能家賃制度に切りかえなくてはならないと思うわけであります。単に国内的な議論をしておるだけではなく、やはり公営住宅の性格、同じ性格で福祉住宅として、福祉施設として建設されておる諸外国におきましても、ソ連につきましてもそうでありますし、あるいは西ヨーロッパにつきましても、フランス、西ドイツ、スウェーデン、同じように応能家賃制度で家賃を決めておるわけですが、一体、いつぐらいの時期にそのような制度に切りかえようというように考えておられるか、くどいようでありますが、ひとつお聞かせ願いたいと思います。
#253
○山岡政府委員 東京都でこの間、新聞に確かに載っておりましたけれども、東京都の方も実はわれわれと共同歩調で勉強いたしておるわけでございまして、五十一年から直ちにということではなかろうと実は思っております。
 現在、確かに先生おっしゃいますように、ヨーロッパでそういう制度を持っておるところが数カ国ございます。ごく最近も私のところから、事務、技術両方担当者を一カ月ばかり勉強にやっております。聞いてみますと、いままでも書類等にも載っておりましたけれども、諸外国でも特に低所得の方に対する対策のようでございまして、最近では必ずしも、インフレ等の波を受けまして、完全にうまくいっていないという点があるようでございます。
 したがいまして、日本らしい、間違いのない応能負担制度をつくりたいというのがわれわれの念願でございまして、恐らく六月に本答申が出ましたならば、それを受けまして直ちに小委員会をつくりまして、何年ということはちょっと申し上げられないと思いますが、なるべく早く、できれば本当に第三期の早々からでもやりたいのがわれわれの気持ちでございます。
#254
○和田(貞)分科員 応能家賃制度を導入するに当たって、ひとつ提言しておきたいと思うわけでありますが、建設費を基礎に置いて家賃を決めるのじゃないわけですから、収入によって家賃を決めていく。極端なことを申し上げますと、収入が高くて家族数が少なければ、家賃が高くても小さい家に入ってもらう。逆に、収入が少なくても家族の多い人は間数の多い住宅に入ってもらう。こういうようにしてもらわないと、ただ収入だけのことを考えて、家族数のことを考えないで家賃制度の導入ということになりますと、いま申し上げましたような問題が残るわけでありますから、そのようなことはひとつあわせて考えていただきたいと思いますし、さらに、応能家賃制度をとったといたしましても、超低所得者につきましてはさらに減額措置というものを講じるようにしないと、低収入であればあるほど生活費に食い込む家賃の比率というものが高くなるわけですから、その点もひとつ考慮してもらいたいと思います。
 外国におきましては、たとえばスウェーデンでは、低所得者には家賃手当というものを出しております。あるいは西ドイツにおきましては家賃の補助制度というものを持っておりますし、逆にフランスでは、上の方にはさらに応能家賃制度にプラスすることの割り増し家賃というのをつけておるというような例もあるわけでありますから、いま申し上げましたようなことを応能家賃制度の導入に当たって、私はこの機会に提言しておきたいと思うのですが、どうですか。
#255
○山岡政府委員 先生おっしゃいました点、確かに応能家賃をやる場合のわれわれの考えておる問題点と一致いたしております。特に、応能家賃に移ります際にはやはりいろいろな問題がございます。収入を本当に確実につかむこと、これが一つでございます。それから、やはり標準となる住宅にどの程度のものを考えるか、これは国民のコンセンサスが必要でございます。それから、おっしゃいますように、家族数に比べまして大きい、小さい、それから家の古い、新しい等によりまして、いろいろな問題が生じてくるかと思います。さらに、おっしゃいましたように、特に現在でも特目で入れておりますような特別の低家賃と言いますか、低収入の方に対する対策等も配慮する必要があろうかと思います。
 いずれも、そういう点につきましては十分検討した上で、日本らしいりっぱな応能家賃制度をつくりたいと考えております。
#256
○和田(貞)分科員 よろしく御検討をお願いいたしたいと思います。
 あわせてお尋ねしたいわけでありますが、木造住宅がかなり古い年次に建っておるわけですが、恐らく私の記憶では昭和二十七、八年ごろが木造住宅の最終であったと思うのです。順次、都市部におきましては、公営住宅の用地取得難の中で、木造住宅を建てかえる、高層化していくという計画が進められておるわけですが、入居者にしてみますと、長い間土地を踏んで、木造住宅に住んでおった、そういうことから、できるならば建てかえてもらいたくない、いつまでもそこに永住したいという気持ちで、住民の皆さんが建てかえ計画に反対をするという運動が起こったり、あるいはむしろさらに進んで、この木造住宅を払い下げしてほしい、こういう運動が起こっておるわけですが、これらの点につきまして、建設省としてのお考えをこの際お聞かせ願いたいと思います。
#257
○山岡政府委員 先生おっしゃいますように、最近では中耐率といいますか、高層率といいますか、そういうものを非常に上げてまいっております。まだ一部の木造は少しあるわけでございますが、過去におきまして、たとえば東京を例にとりますと、現在までのところ、木造住宅が現在でも三万七千戸ございます。簡易平家建てと申しますのが一万三千戸ございます。それから簡易二階建てと申しますのが一万九千九百戸、約二万戸ございます。全部トータルいたしますと、約七万戸の低層の住宅があるわけでございます。それがいずれも一軒が五十坪ぐらいの土地を持っております。そうしますと、三百数十万坪の都有地が東京の中にあるわけでございます。したがいまして、われわれといたしましては、そういうところを、古い二DKといいますか、二間に台所ぐらいの家でございますので、そういうものを建てかえまして、新しく大きな家にし、環境のよいところに建てかえていく。そうしますと、戸数が七万戸でございましたものが倍以上になります。そういう意味で、土地を高度利用するとともに、環境をよくし、建物の中身をよくしていくということで、大都会におきましてはぜひとも建てかえを促進してまいりたいというのがわれわれの願いでございます。大阪におきましても、同様な六万五千戸の低層住宅がございます。これも約三百万坪ぐらいの土地があるわけでございまして、いずれも国庫補助金のついた土地でございます。そういうものを大いに活用いたしまして建てかえを促進したいというのが現在の考えでございます。
 なお、そういう場合に、先生おっしゃいますように、地元の方におきまして、やはり長年住んだということからも、払い下げの御要望が非常に多うございます。また、中には、払い下げなくてもいいが、この土地のところで持ち家を持ちたいという御要望もございます。したがいまして、最近ではそういう団地の中に希望者を募りまして、大きい長期分譲住宅等をつくりまして、持ち家の方には持ち家を、賃貸の方には賃貸をというようなことを御提言しながら建てかえを進めているというのが現状でございます。
#258
○和田(貞)分科員 住民から何とか払い下げしてほしいという運動があっても、そう住民の要求にはこたえることはできませんか。
#259
○山岡政府委員 いま申し上げましたのは三大都市圏といいますか、大都市に対するわれわれの考え方でございますが、それ以外のところにおきましては、元来、公営住宅は地方公共団体のものでございます。したがいまして、法律上それを承認ということで建設大臣も携わっておるわけでございますけれども、地方の土地計画、それからいろいろな将来の再建計画等と絡みまして地方公共団体の方で処分してもよろしいという方針をお立てになる場合には、できる限りその方針に沿いたいと思っております。
#260
○和田(貞)分科員 三大都市圏の場合もそのとおりですか。
#261
○山岡政府委員 三大都市圏の場合は、われわれの気持ちといたしましては、先ほど来申し上げましたとおり、原則として建てかえによる立体化、戸数の増加、それから都市環境の整備を図るという方をお勧めしたいと思っておるわけでございます。ただ、現在までのところ東京都、大阪府、大阪市等におきましては、処分をしようとするときに建設大臣に御相談があるわけでございますけれども、現在のところ、そういうところでは払い下げの申請はほとんど出ないというのが実情でございます。
#262
○和田(貞)分科員 そうすると、三大都市圏でも、払い下げの申請があれば、建設省はそれに応じるということですか。
#263
○山岡政府委員 まず、いま申し上げましたように、出てこないというのが実情でございますが、出た場合も、われわれとしては、原則として反対をいたしたいと思っております。ただ、実際の問題といたしましては、災害住宅というのがございます。大災害等がありました際に、その人の土地を借りながら上物だけをつくったとか、それから、ずいぶん昔に処分をしたものが一部まざっていて、いわゆる歯抜け住宅になっておるとかいうもので地方の特殊事情に基づくものがございます。そういうものにつきましては、三大都市圏の中におきましても、ケース・バイ・ケースで地方公共団体と相談してまいりたいというふうな運用を行っておるわけでございます。
#264
○和田(貞)分科員 私は、この際明確にしてもらいたいと思うのですが、いまのところではそういう申請はない、しかし、あってもお断りするというようなことを言われたり、あるいはそれはあくまでも原則であるというようなことを言われたり、どっちつかずの態度であると思うのですが、全日本公営住宅払い下げ促進協会というのがあるということを御存じですか。
#265
○山岡政府委員 存じております。
#266
○和田(貞)分科員 それによりますと、前の田中総理が四十八年七月にこの払い下げ促進協会の会長に、木造住宅の払い下げをするということを断言した、こういうように書かれたビラが流れているわけですが、それは事実ですか。
#267
○山岡政府委員 ビラが出たのは事実でございます。
#268
○和田(貞)分科員 ビラが出たのが事実じゃなくて、ビラに書かれておる田中総理が断言したことが事実であるかどうか。
#269
○山岡政府委員 その点につきましては、当時やはり委員会でいろいろと問題になりました。特に各先生方からこぞって、そういうことはいけないことだ、特に大都市においてはやはり土地を高度利用すべきだ、そういう話は間違いだというふうな意見がこもごもたくさん出ました。当時の建設大臣がそういうふうなビラを見せていただきまして、その真意を総理にひとつ諮ってもう一遍答弁しろということになりました。それで、その後、亀岡大臣のときでございますが、大臣は総理にも御相談されまして、一応建設省としての考えを総理に申し述べられました。そういう方向でやるべきではないのかというふうなお答えをいただいております。特に大都市等については、今後も再開発といいますか建てかえといいますか、そういうものを大いに進めていかなければなりませんが、そういう場合に、国の補助をもらった東京都もしくは大阪市の公有地等が再開発ができないということでは一切の再開発が進まないんじゃないか、それはやはり原則的には建てかえて、環境整備する方向でいいよというふうに言われたとわれわれは聞いております。
#270
○和田(貞)分科員 昨年の三月に京都の伏見区で百戸の払い下げをした、これも事実ですか。
#271
○山岡政府委員 私ちょっとつまびらかにしておりませんが、担当に聞きますと、ないと言っております。
#272
○和田(貞)分科員 それもこの文書に書かれておるわけです。しかも、この文書を拝見いたしますと、名前を読み上げますと、その中に東京都の安井謙さん、あるいは大阪の中山太郎さん、あるいは東京の天野公義さん、大阪の原田憲さん、塩川正十郎さん、中山正暉さんというように、大臣の経歴者あるいは政務次官の経歴者、これらの方々が「公営住宅払下促進議員連盟」と称して名前を連ねて、いま建てかえを計画しておる住宅の住民にこれがまかれておる、こういうことなんです。先ほど建設省の方からの考え方お聞きしましたが、私たちはやはりできるならば住民の要求にこたえてやってほしいと思う。できもしないのに、こういう無責任に名前を並べられ、ビラをまかれたら、住民は戸惑いしますよ。一体建設省として今後木造住宅の払い下げについて払い下げをするのかしないのか。この機会にひとつ明確に大臣から答えてもらいたいと思います。
#273
○仮谷国務大臣 和田先生もいろいろ先ほどから、建築費がいわゆる原価主義で行っておるので家賃は高くなる、応能家賃主義で行くべきではないかという議論がずいぶんされてきた。そうすると、これから建てる建物、公営住宅というものはできるだけ安く建てるということを原則にしなければならぬと思います。応能家賃主義も必要でありますし、あるいは傾斜減額も必要でありますけれども、それよりも、最も安く建つことを考えなければならぬ。いま建築の一番問題はやはり用地じゃないでしょうか。そうすると、少なくとも三大都市の中では現在の宅地を有効に立体的に利用することが、これはもうそれだけ建築費が安くなるということは御理解いただけると思います。そういう住宅政策の基本から言ったら、三大都市圏のようないわゆる住宅用地を本当に高度に利用しなければならぬ所は私は払い下げすべきでない、こういう基本的な考え方を持っております。ただし、これは全国一律にそういうことを言うことは、これは行政じゃないと思います。たとえば三大都市圏を除いた地方へ行けば、公営住宅を建てる用地は幾らでもある。たくさんあるわけなんです。そういう所がどこへでも、しかもそう大して大きな経費をかけずに建てるというなら、むしろ希望者があれば現在の公営住宅を譲ってやって、そしてその資金を片一方へ融通して建築していく、新しい住宅をさらに多く建てていくということも、これも住宅政策の一つの方向ではないかと思いますから、そういう面において、これは地方の実態によって考えるべきだと思います。私は原則として、大都市中心にしては土地を高度に利用すべきであるという原則からいって、これは払い下げすべきではない。ただ、地方で用地が十分に手に入るところであって、そう建築に不都合を来さぬということになれば、希望に沿って払い下げをすべきである、こういう考え方を持っております。
#274
○和田(貞)分科員 時間もありませんのでなんですが、私の言いたいのは、やはり住民が希望しておる、住民が要望しておる、だからそういう要望にこたえられるのであればこたえて欲しいと思うのです。こたえられないにもかかわらず、過去の大臣経歴者やら政務次官経歴者が名前を連ねてこういう文書を流すということは、これはやはり住民が行政の言い分を信用しないですよ。だから、どっちかを聞いた上、私もやはり住民の立場になりたいと思うし、どうしてもだめだということであれば、それではどうしようかという対応策というものを立てていかなければいかぬわけですから、その点をはっきりして欲しいということを私はお願いしておるわけです。今後といえども建設省の方としては、三大都市圏の範疇に入る木造住宅の払い下げは絶対にしないということですね。ひとつそのことだけ大臣から……。
#275
○仮谷国務大臣 そのとおりでございます。
#276
○和田(貞)分科員 時間が参りましたので、その辺で終わりたいと思います。
#277
○内海(英)主査代理 これにて和田貞夫君の質疑は終了いたしました。
 次に、石野久男君。
#278
○石野分科員 非常に短い時間でございますので、二つほどお聞きいたしたいと思います。一つは区画整理に関係する問題、一つは河川改修に関係しての問題でございます。
 最初に、区画整理組合法の実施に当たりまして、実際にその場におる者にとってなかなかめんどうな問題というのは、もちろん組合法の施行地内におけるところの問題もさることながら、施行地と施行地でない地域との境界になっている所の処理の仕方。道路拡大なんというようなことになりましたときに、この施行地と施行地でない所の拡大のときの土地供出の分担の率の問題について、実際の指導をどのようにやっておられるか、まず先にお聞きしておきます。
#279
○吉田(泰)政府委員 土地区画整理事業の施行地区を決めます場合には、土地区画整理法の施行規則で定められておりますように、原則として道路、河川等の地物、すなわち「土地区画整理事業の施行によりその位置が変更しないものに接して定め」るということになっております。したがって、原則的には、道路がその境界線になる場合にはその道路の中心線で決めるというのが一応の原則であります。ただ、その規則では、ただし書きとして、その土地区画整理事業により非常に利益を受けることとなる宅地が隣接してあるような場合には、必ずしもその道路の中心線でとどまらないで、道路の向こう側にまで若干入ってそこで境界を定める、というようなこともできるようになっております。これは区画整理事業が隣接して両方で行われるならば道路の中心線で決めるのが合理的でありますが、ある道路を境として、片一方は区画整理事業が行われ片一方は行われないというような場合には、受益が区画整理事業を行わない区域にも若干及ぶわけでありますから、そちらの区域も若干取り込む。まあ普通は一宅地分ぐらいを取り込んでいることが多いようであります。
#280
○石野分科員 中心線を中心として軸線で両方に均等配分で土地を供出させる。これはもうたてまえだろうと思いますし、それから受益の面が非常に多い住宅がある場合には、そちらの方へよけいにとってくるということも一応の理屈にはなりますけれども、道路を抜大すれば両側が皆共同の利益を受けるわけでございますから、これはあくまでもやはり中心線を軸として均等配分で分担させるというような指導をすべきじゃないだろうか、私はそういうように思うのです。ここは余り論争すると時間がありませんから……。実際にはそれにもかかわらず、区画整理をする組合の方でやはりなるべく仕事を早く進めたいということから、自分の方へ全部、押せ押せで組合の方で全部供出する。たとえば四メートル道路を六メートルに拡大する場合、中心線から均等配分すれば一メートルでいいところを、組合側だけで二メートルを供出するというような指導が行われておりますと、両方に同じ地主でおる場合にはどっちでもいいのですけれども、そうでない場合になりますと、大変これは問題が大きくなってまいります。事実問題としてそういう場所が各所にあると思うのです。私はそういうときの指導について、組合員の中で苦情が出ましたときに、その苦情処理をやはり適切にやりませんと組合の中では大変な混乱が起きるというふうに思います。だから、そういう点で私はやはり当局の指導、特にこれは任意組合になっていきますから、総会決議あるいは理事会の指導で仕事はどんどん進んでいきますね。自分たちでやることになっていきますから、指導が適切でありませんと、理事と組合員との間に大変もめごとが起きてくるという事実がございますので、そういう場合の処置を適切にしていただきたいと私は思っておるのです。当局側に、そういうようなときにはどういうような指導をするか、ひとつお聞きしておきたいと思います。
#281
○吉田(泰)政府委員 本来は、郊外の土地を開発していく場合に区画整理事業というのはある単位がありますけれども、その単位で区切られることはやむを得ないとしても、できれば全面的に次々と隣接して施行していくということが望ましいわけで、そうなれば御指摘のような問題は起こらないわけです。しかしながら、実際には一部家が建ち込んでしまったり、その他の関係である地区だけが区画整理が行われ、その隣接の所が行われない。しかも、その隣接地として適当な地形、地物としては道路しかないというような場合に、道路を境界にすることが間々あるわけでございまして、その場合に御質問のような事態があり得るということでございます。その場合も本来はやはり向こう側に一宅地取って、そして例示された事案であれば、四メートルを六メートルにする場合に両側で一メートルずつ広げるということが一番いいと思いますが、これもその道路境をもって地区の集落が分かれているとか、いろいろな事情でなかなかそこまで取り込めないというようなこと、いろんな事情があってやむを得ず拡幅分を全部区域内に取り込むというようなこともある程度行われていると思います。なかなか一概には申せませんが、そういう方法をとるときにはよくよく組合としても各組合員に納得してもらって、説明をした上で事業計画を立てるべきだし、苦情が具体的に出れば適切な説明をし、応対をしてその苦情を解決していくという心構えがぜひとも必要だと考えます。
#282
○石野分科員 これは組合員の総会なり理事の間に理解が進んだ場合はよろしいのですけれども、そうでない場合の処置の仕方として、私はやはり四メートルを六メートルに広げる場合には、片方一メートルは当然これは責任をつけられておりますから、あとの一メートルは上級の管理者が責任を持って他日その側面を片方の面を拡大する、というようなことで処理するというのが正しい。いいだろうと思うのです。ところが、区画整理組合を認可するに当たって、六メートルでなければ認可しないよというような強い態度になりますと、いやでもおうでもその組合を結成する段階で、六メートルそれじゃ私の方で全部出しましょうというようなことで、その六メートルを全部背負っちゃうというようなことが行われたのでは、これは大変誤った指導になるのじゃないか。私はやはりこの問題については指導の問題だと思いますので、たとえば東京都で言えば、区だとか東京都というようなところが、そういう場合には相手側の側面における一メートルというものは区の責任とか都の責任で他日六メートル道路にする、一定時期は五メートルで仕事をそれで進めていく、そういうような対処の仕方をすべきでないだろうか。これは当然やはりその責任が上級の官庁にはあるのじゃないだろうかというふうに考えますけれども、それはどういうふうに処理なさっておりますか。
#283
○吉田(泰)政府委員 建築基準法では最低四メートルあれば家が建てられるということでありますから、御指摘の場合に一メートルだけ片側に拡幅しておいて五メートルでも家は建てられるわけですけれども、私どもせっかく区画整理などをやる場合に、その最低の四メートルではやはり将来非常な支障を生じますから、何とか六メートルぐらいにはしたいという気持ちがあるわけでありまして、そういうことが間々二メートルを片側に取るというような指導となってあらわれているのだと思います。したがって、私どもも一般論として五メートルでもがまんしてしまうというのもちょっと言えないわけですが、それで非常に悶着を起こすというようなことでもまた困りますから、そういう場合にとりあえず五メートルにしておくということも一策であります。ただ、残った一メートルをどのような形で拡幅するかという問題が残りますけれども、個々の事案に即して指導したいと思います。
#284
○石野分科員 これは六メートル強行だということになると、必ず組合の中で問題が大きくなって、組合の中の紛争になってきてしまうんです。それで私は事実上そういうような場にぶつかっておりまして、仕方ないから六メートルを五メートル五十にするとか、とにかく三十センチだけでも広げてというようなことで話はつけている場がありますけれども、実際にはやはりこれは六メートル強行というやつを組合の側だけに押しつけるという、そうしてまたそれを受けとめなければ組合の設立は許可しないというような指導の仕方は非常に過酷だと思うのです。事実問題として更地を持っている場合には、そして地主が同じである場合には、どちらにいってもこれは何でもないのです。ところが、借地人が片方に組合員の中におったり、しかもその借地が五十坪だとかあるいは七十坪だというような小さい借地である場合に、やはり一〇%あるいは一四%の供出だということになってまいりますと、とてもじゃない、これはやっていけない。土地は出せないから結局金だ。ところが、土地を出さなければどうしても地形がうまくいかないというときには、無理してでもその土地を出さなければならなくなってくる。そういうことがありますので、これはぜひひとつ無理のないような指導をこの際していただくようにお願いしておきたいと思うのです。これは特に東京なんかでは非常にたくさんある問題でございますので、具体的には名前出しませんけれども、その趣旨は十分徹底していただくように、これはお願いしたいと思うのです。
#285
○吉田(泰)政府委員 御趣旨に即して十分指導いたします。
#286
○石野分科員 それからもう一つ、組合員の中で、これは細かい問題なんですけれども、やはり組合員になっていた方が亡くなってしまう。そして後は、名前は変わらないでそのままあるわけですね。しかし、仕事はやはりどんどんしていくし、いろんなそれに対する割り当ても何も出ていくのですが、たまたまその方が借地人であって問題がある。その息子が非常に問題を提起して組合の中で意見を述べている。総代を選出するに当たって、名字は同じですから、名前だけが違うのですから、名簿が配られても一般の人は息子の名前だか亡くなったおやじさんの名前だかわからないわけですよ。だから名字で投票をします。投票して当選をする。ところが、名前が違うからというのでそれを総代からはずすというような指導が行われておるわけですけれども、これはあまりにも形式だと思うのですよ。こういうような場合には、もう少しやはり親切に具体的な実情に沿うような――しかも当選した人が最高点を取っているのにはずされてしまって、次点が総代に上がっていくというようなことが事実上あるわけですよ。こういうことはよくないと思うのですけれども、こういうときはやはりもう少し適切な指導をするようにひとつ注意を喚起しておきたいと思うのです。実際にやかましく言えば問題がありますけれども、私はこれは注意でひとつやってもらいたいということだけ特にこの席上でお願いしておきますが、そういうようなときには適切な指導をひとつしてください。いかがですか。
#287
○吉田(泰)政府委員 組合員の方が亡くなられたときに、相続人が一人でありますと確かに御指摘のようなことかと私も思います。ただ、二人相続人がいて共同で相続された場合には共有ということになりますから、これも土地区画整理法の規定によって、共有の場合には全体合わせて一人の組合員とみなすということになっております。不都合を生ずるわけです。それを解決するために土地区画整理法の規定で、共同で相続された共有の方がお互いに話し合って代表者を決め、これを施行者、組合であれば組合に通知するということにいたしておりました。そういう手続をしてあれば、その代表者の方が選挙権、被選挙権があるわけでありまして問題は起こり得ないと思いますが、もしその手続が行われておりませんと、選挙、被選挙という性格の行為ですから、共有者がそれぞれ持ち分だけの選挙権、被選挙権を持つというわけにもいきませんので、そういう場合にはその選出は効力を生じないということにもなろうかと思います。いろんなケースがありますので、無理のない形で法の趣旨に沿いながら、実情に合い、円満にいくような方法を私どもも指導したいと思います。
#288
○石野分科員 それはひとつお願いします。
 それからこれは別なことで、河川改修に関連してですが、時間がありませんので、二件ほどありますが、一つだけは私が事情を申しまして御所見を聞いておきたいのです。
 これは久慈川護岸工事のことでございまして、昭和四十二年の一月に護岸工事が行われたことがございましたが、そのとき一定の工事をやりまして、護岸工事をやる中で何らかの事情で、その工事をするための土地が足りなくなったんだと思うのです。そしてたまたま高槌亀吉という方の所有地を使っております。土地としましては約八十平米ぐらいのところでございますが、その土地では直径八十センチぐらいのエノキが切り倒されましたし、それからまた六十センチぐらいの直径の杉の木も倒されている。それから直径三十センチぐらいの杉の木が五、六本そのとき切り倒されておるわけです。その他小さなものも倒されておるんですが、この問題は、ちょうどそこの戸主がいなくて奥さんだけがいたものですから、それらの問題の処理ができないままに今日に至っているわけです。土地はそのまま護岸工事として国が使ったわけなんです。土地の借地料も払っていないし、それからその伐木した物件に対する弁償もしていない。片方、その土地に対しては税金は取っているわけです。こういうやり方というのは、田舎のことですから、大したことはないぐらいで来てはいるんですけれども、実はこれは非常に大きな間違いだと思うのです。一応やはりこれは調べて処理していただきたいと思います。細かいことはこれは後で調べていただけばわかりますから、事実問題として、工事事務所の方では何とかしなくてはいけないと思っているのでしょうけれども、もう古くなったからなかなかやれないということだろうと思います。こういう点はひとつ処理していただくようにお願いしたいと思います。
#289
○増岡政府委員 ただいまの先生の御指摘の件につきましては、非常に現場的な問題でございますので、工事事務所によく調べるように指導いたします。
#290
○石野分科員 それはまた後で具体的な問題として処理をしていただきたいのです。
 それからなお、いま現在久慈川の河川工事が行われておりまして、これについてやはり相当な農家の方々が土地を提供しながら河川の改修が行われております。その土地の買い上げなりあるいは移転の問題で事実上問題がごたごたしておるわけなんです。もう時間もありませんから多くを申しませんが、農家の方々はみんなこの工事には協力する態度をとっておりました。たまたま建設省の事情によりまして、これの買い上げの期間を予算の関係で幾つかに分割しました。その最後の分割になったのが一昨年の八月ごろから暮れにかけてのころだと思います。ちょうどそのとき、石油ショックで物価狂乱の時期に入っていくわけなんですが、その第三回目に処理、いわゆる買い上げの契約をし、そうしてそこから移転をし、家を建てなければならぬというような事情に直面した方々の中で、この物価高のために最初に考えたようになかなか事が運ばないというような事情がございました。そのために、なお現在三軒の方々が代金を受け取らないで話をやっているところがあります。この問題は、率直に言って、三人の方々は一応約束は、調印はしておりますから、会計法上から言えばどうにもこうにもしようがない問題であることは事実です。けれども、この人たちの実情を見ますると、その後物価高騰によりまして、とてもじゃない、もう家も建たないというような事情です。実際には、農家のことですからりっぱな家を建てております。どういうふうにして建てたかというと、みんな自分たちの土地を売っているわけですよ。あそこへ行きますと、工事事務所の方々は、おまえら、そんなことを言うけれども、りっぱな家を建てているじゃないかと言って、写真なんか皆さんのところ持ってきていると思いますが、この家を建てているのは、全部五反歩、七反歩という土地を売って、建設省が買い上げたほかに自分の土地を売って、それを足しにして建てているという事情があります。こういう問題は、これはやはり適切な処理をしていただきたい。特にこの人たちの土地の買い上げは、昭和四十六年度の段階で坪二千六百円という値段で現在計算されているわけです。一町歩売りましても、率直に言って、いま一軒家建たないという事情です。これではあまりにもひどい。従前に建てた方々はもうそれなりでいいですけれども、現在の事情ではそういう事情になっているということが一つ。この方々が不満を言う理由は、同じような地域の中におって同じような条件にあった人が昭和四十八年の年末における契約を拒否しまして、昭和四十九年の三月二十八日に契約をしている方があります。約定をした方がある。その方々は、根本拡幹さんほかもう一人の方ですが、この方々は、前の人たちと比べて約二〇%アップの単価で契約をしているわけです、全体トータルで、グローバルな計算で。そういう事情があるものだから、この人たちは大変に不満を持っているのが実情でございます。私は、もう農家の方々ですから、皆さん方がそこへ行っていろいろ話をすれば、当然それにおいて契約はしておるのですけれども、実情かくのごときでありまするので、ぜひひとつこれは皆さんの方で実際の事情を勘案していただいて、そして何らかの処置をして、この人たちの窮状を救ってやってもらえないだろうか。また当然のこととして、この人たちは言うべき理由もあると思いますので、そういう処置について配慮をしていただく用意があるかどうか。これをひとつ聞いておきたいと思います。
#291
○増岡政府委員 いまの久慈川の河川改修に伴う家屋移転の問題でございますけれども、先生おっしゃるように、ここに七軒の皆さん方がありまして、これを移転せなければいかぬということで、鋭意地元の御協力を得ながら進めてきたわけでございますが、私どもの建設省の直轄の公共事業の施行に伴う損失補償基準というのがございまして、これに、そういうことが一応締結したところでこれが非常に適正な単価であるということになりますと、やはりそれが最後まで御承知のとおり動かせないことになっておるわけでございます。
 それから、いま先生が申されました根本さんという方は、私どもの調べでは、この方が土地を早く、二回にわたって私どもの方にいただいておるわけですけれども、家屋移転費は――四十九年の六月に、どう言いますか、次の年に締結なさっておるわけでございます。したがって、根本さんの場合には、御承知のとおり私どもは年度当初、四月でございますが、本年度使うべき家屋移転に伴う単価という基本的な単価を決めます。これはたくさんの資料で決めるわけでございますので、根本さんについては四十九年度単価が使われた。そのほかの方々は四十八年度の単価ということで、これはやはりやむを得ないし、またその時点の問題でございますので、正しい方向だと思っております。ただ、先生がおっしゃいますように、当時は全国各地石油ショックの問題がありまして、こういう問題が非常に困難な時代であったことは十分わかるわけでございますけれども、私どもの事務的処理といたしましては、それ以外に方法がないのではないかというように考えております。なお、調印なさった方は、御承知のように七〇%の前払いを払っておるわけでございまして、家屋が全部動かれますと残りの三〇%をお支払いする。そういう実情でございますので、ひとつよろしくお願いをしておきたいと思うのです。
#292
○石野分科員 後の根本拡幹さん、そういうような話になりますと、根本拡幹さんの家は、これはここに地図がございますが、土地柄としましても、そんなに隔たっている所じゃないですよ。そして、しかも同じような条件で話をしておったのですが、たまたま、先ほど申した三軒の方々、いま現に話が残っておる三軒の方の中の一つの高槌さんというのは、先ほどの伐木されたり土地を無断で国が使ったりしている方なんですよ。その人なんかみんな人がいいからそういうふうにしているのですよ、実を言うとね。なるべく協力しようということでやってきておる。それからまあ私は多くは言いませんけれども、係の方々は判を押すのに相当やはり強要と言っちゃいけませんけれども、相当程度やはり無理に判を取っているという事情があるわけです。そういうようなことから、片方で同じような条件にあった方が、来年六月ということを言っておりますけれども、実は三月の二十八日にその話が決まったのだということはもう地元で皆わかっておる。それは書類上どうなったか知りませんけれども。そして、その方はそれから仕事が始まっていっているというわけですから。ここでの御答弁はそういうことでありましても、実情はそれじゃ納得しません。私はここで言いたいことは、農家の方々があまり事情がわからないから、もっと端的に言えば十分な交渉の知恵がないものだから、早くに判を押してしまった。もう三カ月待っておればこんなに違ったのに、こういうような事情です。ところが、片方では材木の値段は上がる、手間賃は上がる、もうどうにもこうにもならぬというような実情です。しかも土地は膨大に取られております。本当に百姓をやることができないくらいな土地を取られちゃっているわけです。こういう実情の中で、狂乱物価になる前に話を決めて、その前に手を打ち大工さんを頼みやっている人は、仮に十二月にやっても一月に家が完成しても、それはそれなりにできておるのですけれども、この人たちはそれじゃできないわけなんですよ。だから、そういう言うなればまじめでしかも弱者になっている方です。こういう諸君に対して、実情がかくのごとくであるのにほうりっ放しておくのはよくない。ことに先ほど言うように、土地はただで使って、税金は取っているというような国のやり方がこの人たちにあるのですからね。この純朴な農家の方々に対して、皆さんはただいちずに法がこうなっているからというようなことだけでは、私はそれは血も涙もないと言わなくちゃいけないと思うのです。こういうことではよくないと思いますので、確かに会計検査法だとか何かありましょうが、これは大臣、こういう問題についてはもう少し温かみのある処置の仕方をすべきであろうと思いまするので、特にこの問題については配慮してもらいたいというふうに私は思っております。ひとつ大臣の所見を聞かせてもらいたいと思います。
#293
○仮谷国務大臣 初めて聞く話でありまして、いま局長からもいろいろ答弁して、それぞれ物的にも事務的にもこれ以上の処置はないようでありますけれども、先生のお話聞いてみると、中には特殊な人もあるようでありますから、よく調査をさせていただきます。
#294
○石野分科員 ありがとうございました。ひとつよろしく調査してください。
#295
○内海(英)主査代理 これにて石野久男君の質疑は終了いたしました。
 次に、中島武敏君の質疑に入るのでありますが、本日は、同君の質疑に対し、参考人として首都高速道路公団理事小栗良知君が御出席になっております。
 なお、御意見は質疑をもって聴取することといたします。中島武敏君。
#296
○中島分科員 まず最初に、道路行政のあり方について大臣にお尋ねじたいと思うのです。
 道路行政につきましては、産業中心とかあるいは自動車優先の考え方ではなくて、国土の均衡ある発展と地域住民の利便、環境第一義的に考えた住民本位の立場で行っていくべきだと思いますが、大臣の基本的な考え方をお尋ねしたいと思うのです。
#297
○仮谷国務大臣 お説と同感であります。
#298
○中島分科員 昭和四十七年六月六日の閣議了解で「各種公共事業に係る環境保全対策について」というのがありますが、これに基づいて環境アセスメントを行うことになっておりますが、道路建設事業についての環境アセスメントはどうなっているでしょうか。
#299
○井上(孝)政府委員 道路の建設に際しまして、交通公害を最小に食いとめるために、道路の計画を立てます際に路線選定等について十分地域の土地利用との関連を調査をいたします。それから、つくります道路構造につきましては、なるべく沿道に集中的な公害を及ぼさないように、場合によっては道路の構造を地下、掘り割り式にするとかあるいは高架にするとか、あるいは環境施設帯と称して両側に遮音壁等を設置するための十ないし二十メートルのスペースをとるということを考慮いたしております。また、実際に地域との折衝に当たりましては、できれば将来の交通量、それに伴う騒音の予測等を調査をいたしました結果をお示しして、折衝をするということにいたしております。
#300
○中島分科員 いまお話しになりました土地利用、それから道路構造、さらに交通量、騒音というふうにおっしゃったと思うのですが、これは環境に与える影響の上から言っても自動車の排気ガス、これももちろん含まれると思いまが、念のためお尋ねしておきます。
#301
○井上(孝)政府委員 排気ガスについて私触れるのを忘れまして恐縮でございますが、排気ガスについてもできる限りの方法を講じて予測することにいたしております。ただ、残念なことに、まだ排気ガスの予測について確たる方法論が確立しておりませんことと、それから御承知のように排気ガスにつきましては、むしろほとんどが自動車の構造等に関することでございまして、残念ながら道路構造によってこれに対処し得るという範囲はきわめて困難な場合が多いということでございます。
#302
○中島分科員 そこまで伺っておいて、具体的にさらにお伺いしたいのですが、新大宮バイパスの問題についてお尋ねしたいと思うのです。これは板橋区の三園町とか高島平五丁目の住民の人たちが、予想される公害を非常に心配しまして、それで公害のない道路にしてもらいたいということを要求されておるわけであります。これは当然のことなんでして、昨年の八月に私も建設大臣、当時は亀岡建設大臣、道路局長は井上道路局長でしたが、に要請にお伺いしたことがあります。そのときに環境、これはアセスメントとまでは言い切れないと思うのですが、予測調査ですね。これについて総合的にこれを行うということのお約束がありましたが、これはその後行われているものでしょうか。
#303
○井上(孝)政府委員 十七号新大宮バイパスにつきましては、御指摘のとおりいろいろのいきさつがございますが、昨年地元からこのバイパスを道路を地下に入れてほしいということを主体とする要求が出ております。これにつきましては各種の案を検討いたしまして、それによる騒音等の予測をいたしますと、実は十二月末、昨年末までというお約束を地元の方といたしております。いま実はアセスメント関係が若干おくれておりまして、地元の方にも御了解を得ましてもうしばらく待っていただくことにして、近く地域の住民の方と十分話し合いをする予定でございます。
    〔内海(英)主査代理退席、主査着席〕
#304
○中島分科員 このアセスメントのことについてなんですが、これはどんな指標でいろいろアセスメントをやっておられますでしょうか。
#305
○井上(孝)政府委員 指標まで私ちょっとまだ聞いておりませんが、私の方の現場を担当しております関東地方建設局及び大宮国道工事事務所、それと私の方の建設省に土木研究所がございまして、ここに騒音等の専門家がおりますので、その両者で相談をしつつ、かつ現状を測定して、アセスメントの結果を現在検討中でございます。
#306
○中島分科員 これは非常に常識的なことなんですが、将来の自動車の交通量ですね、これについての検討はどの程度やられておるものでしょう。
#307
○井上(孝)政府委員 実は先生御承知のように、笹目橋から十七号バイパスはできておりませんが、その一部である笹目橋から練馬・川口線を通って、すでに笹目橋の十七号バイパスは現在利用しておるわけでございますので、その交通量の伸び等を勘案いたしまして、昭和六十年時点の交通量の推定をやっております。現在のところこの十七号バイパスには、都道の補助二百二号と二百一号というのが横から入ってきております。そのはさまれた区間で、昭和六十年前におおむね六万四千台ぐらい、それからその先、都心寄りは四万三千台ぐらいというふうに推定をいたしております。
#308
○中島分科員 アセスメントが目下進行中ということですが、大体これの完了される時期というのはどれくらいの時期になるものでしょうか。
#309
○井上(孝)政府委員 お示しできるようなものをまとめ上げるのが三月末、というふうに私は連絡を受けております。
#310
○中島分科員 この環境アセスメントが行われ、そしてまた住民が納得することのできるような道路構造とか、あるいは排気ガス、騒音対策ということができるまで、この前のお話では、それまではやはり住民の納得を得るために道路の建設を一時中止をするというお話だったのですが、この点についても別に変わりはなかろうとは思いますが、念のためお伺いをしたいと思うのです。
#311
○井上(孝)政府委員 御質問のとおりでございますが、実は御承知のように大宮バイパス、この区間はすでに都市計画決定がなされておりまして、周辺に住宅がついている、道路そのものは後からつくるというようなことになりましたので、路線を変更するというのは大変困難、不可能に近いことでございますので、先ほど申しましたように地域の方々の、構造等で何とか自分たちの公害が少なくなるようにということでございますので、非常に限られた条件の中でやらなければなりません。苦慮いたしておりますが、もちろん地域の方々と十分話し合いをして御了解を得るまでは、本格的な工事は着工しないということにいたしております。
#312
○中島分科員 次に、高速五号線の二期工事の問題についてお尋ねしたいと思います。首都高速道路公団の扱っておられる高速五号線の二期工事の建設については、事前に交通量、騒音、排気ガスについて現況の調査はおやりになったと思うのですが、そうでございますか。
#313
○小栗参考人 この首都高速道路の五号二期線につきましては、都市計画の告示が昭和四十三年の九月に出ております。大分古い時代でございます。いま道路局長からお話ありましたような、そういったいい環境アセスメントということについて、まだその当時お互いに話題にのっておらないような状態でございましたので、実際の問題としては、最初においてはまだそういう調査は十分には行われておらないというような状況でございます。
#314
○中島分科員 現在はやられておりますか。
#315
○小栗参考人 現在につきましては、いろいろの騒音の問題、振動の問題、日照の問題そういったものを調査いたしております。
#316
○中島分科員 排気ガスはおやりになりましたか。
#317
○小栗参考人 排気ガスにつきましては、先ほどもお話ありましたように、道路の構造といったような点にはなかなかいまさら変えられないというふうな問題もございますので、十分な調査は行っておりません。
#318
○中島分科員 騒音の調査をおやりになったというお話ですが、結果はどうですか。環境基準に照らしてみて、環境基準を満足させておりますか。
#319
○小栗参考人 騒音の現況調査につきましてはやっておりますが、現在の幹線道路沿いの付近でございますけれども、現在でも環境基準をオーバーしておるというふうな状態のように聞いております。
#320
○中島分科員 これは首都高速の場合も同じだと思いますが、こういう非常に大きな道路についてはやはりアセスメントをきちんとやるということが必要だと思うのです。高速五号線の場合には現在すでに進行中でありますので、その工事にかかる前にということを求めましても、かなり無理があろうかと思います。しかし、いまからでも、もうすでに工事にかかっているのだから、これはしようがないんだということじゃなくて、やはり新大宮バイパスに接続するものでもありますし、そういう点ではやはり予測調査を行うべきじゃないかと思うのですけれども、あるいは予測調査と申しましてもいろいろな調査のやり方がありますけれども、本当だったらきちんとしたアセスメントをやるべきだと思うのですよね。そういう点について公団の方ではどういうふうに考えておられますか。
#321
○小栗参考人 その点につきましては、先生からも前からいろいろお話ございまして、地元の要求もまた十分に承っておりまして、この要求を十分満たせるかどうかわかりませんけれども、できるだけ地元の意向を尊重いたしまして、そしてそういった環境アセスメントのことを考えていきたい、こういうふうに考えている次第でございます。
#322
○中島分科員 次に、工事の被害問題についてお尋ねしたいと思うのです。
 これも公団にお尋ねしたいと思うのですが、工事被害の補償額というものはあらかじめ予算化をしているものでしょうか、そうじゃないものなのか、についてお尋ねしたいと思います。
#323
○小栗参考人 工事の被害というものは、予想するということは非常に因難でございます。しかし、工事費全体から見ますと、額はわりあい少のうございまして、これにつきましては、すべて解決するというだけの予算をその中に組んでいきたい、こういうふうに考えております。
#324
○中島分科員 この工事の被害調査を行うときには、首都高速道路公団の場合には、東京都の建設局でつくっております「工事に伴う環境調査要領」これを準用されていらっしゃると思うのです。そこでお尋ねしたいのですが、この建設局の「工事に伴う環境調査要領」ではこういうふうになっていますね。「建設工事の施工に伴って工事現場周辺に発生する騒音、振動、地盤変形及び地下水変動等により、人の健康又は生活環境に障害を及ぼすことを防止もしくは軽減するために」騒音調査、振動調査、それから地盤変形調査、地下水変動調査、それから家屋調査等を工事前にまた工事期間中に、そしてまた工事が終わってから行うというように決められておりますが、この点で高速五号線第二期工事の場合に工事前の調査は行われたかどうかということについてお尋ねします。
#325
○小栗参考人 いまのお説のとおりでございまして、東京都の基準に基づきまして、それで事前に調査いたしております。調査の範囲は、詳細については高速道路の関係は二十メートル、それからその外さらに二十メートルにつきましては少し程度の落ちた調査をするというような基準がございますから、それに基づいて調査をいたしております。
#326
○中島分科員 家屋、物件については何メートルまで事前に写真を撮っておられますか。
#327
○小栗参考人 写真まで調査する問題については二十メートルまでだと思っております。
#328
○中島分科員 この「工事に伴う環境調査要領」によりますと、二十メートル、四十メートルの問題ですが、これについて四十メートルの所までやはり精査と同じようにやらなければならないということが書いてあるわけなんです。ただし、間取りの平面図の作成だけは省略してよろしい。こうなっておるわけでして、その点ではこのとおりおやりになっていないということになりますね、いまのお話ですと。二十メートルまでは写真を撮ってやっておられるが、あとの二十メートルはやっていらっしゃらないということで間違いありませんね。
#329
○小栗参考人 ちょっとその点自信がございませんので、現場の方をもう一度よく調べまして御返事いたしたいと思います。
#330
○中島分科員 ぜひひとつ調べてください。これはやはりきちんとしておきませんと、もうずいぶんトラブルが起きる問題なんです。
 それでもう一つ、この問題に関してお尋ねしますが、工事被害ですね。家屋にひび割れを来したとか、あるいは傾いたとか、あるいは土台が沈下したとかというようないろいろな被害が起きますが、この場合の補償は何メートルの所までおやりになっておられますか。
#331
○小栗参考人 そういう工事に起因してできたようなそういう損害といったものは、その距離にかかわらずせなければいけない、こういうように思っております。
#332
○中島分科員 何メートルにかかわらず損害を補償されるということでございますね。しかし、損害を補償しようと思うと、いまさきにお尋ねしましたように、ちゃんと事前に二十メートルくらいまでしか大体写真を撮っていないのではないか、こういうのでは、後で果たして工事による被害かどうかということがわからなくなってしまう。そういう点ではやはり東京都の基準によります四十メートルまでは少なくともやはりきちんとしておく。四十メートルで被害が起きないかということになりますと、そうではないのですね、現実には五十メートルで被害が起きる場合もあるのです。そういう点ではもっとさらに広げて、事前に写真その他による精査を行っておくべきだと思うのです。いかがですか。
#333
○小栗参考人 そういうふうな被害を及ぼすようなことが予想されますならば、そういった遠い所でも十分に調査するということで今後やっていきたいと思います。
#334
○中島分科員 道路局長にお尋ねいたしますが、やはり二十メートルとか四十メートルとかいうことを一応の線を引いておるわけですけれども、しかし、二十メートルの外側であるから、あるいは四十メートルの外側であるからということで、実際に工事に伴って被害が起きたということは、現実には間々あるわけです。そういう場合に、やはり必ずきちんと補償するというふうにあるべきだと思いますが、建設省としてはいかがでございますか。
#335
○井上(孝)政府委員 道路工事に起因して生じたそういった被害には十分に補償することにいたしております。
#336
○中島分科員 公団にお尋ねいたしますが、工事被害がどの程度でどのくらいのものかという査定ですね、これは一体どなたが行うわけでしょうか。
#337
○小栗参考人 これは私どもの職員とそれから実際に被害を受けた方、そういった者と協議して決めるということでございます。
#338
○中島分科員 この査定を行うときに皆さんの方の職員の方がおやりになるのですか。私は必ずしもそうとは伺っていないのです。業者の方に下請に出して、そういうところで査定を行っておられるというお話を聞いておりますが、いまの御答弁ですと、職員の方が行う、そして被害者の人と協議をするという御答弁でしたが、もう一度お尋ねしたい。
#339
○小栗参考人 ちょっと省略して申し上げましたけれども、実際の、たとえば家屋調査とかいったようなものにつきましては、それぞれコンサルタントなり業者なりといったような専門家に調査させまして、そして職員が査定をしまして、もちろん査定をする前に関係人の方と協議いたしますけれども、責任は職員でやります、ということでございます。
#340
○中島分科員 責任を公団の方でお持ちになる、こういうお話でございますね。
 それで、問題は、その査定とそれから実際に要する費用との間に相当大きな差があるということが起きているわけなんです。ここが非常に問題の点だと私は思うのです。これは幾つもの例がありますが、これは板橋の西台のある方の場合ですが、公団の見積もりが十六万千五百七十五円、こういうふうになっているわけです。ところが工事を頼んだ業者の方に見積もってもらいますと、五十一万九百円という見積もりが出てきたわけなんです。ざっと三倍以上の開きがあるということでありまして、これは非常に大きな問題にならざるを得ないわけなんです。公団の方は納得のいくような補償をするということは、これはもう再三この説明をおやりになるときには言われるのです。これは日本じゅうどこでもそうでしょう。ところが実際は、いま言ったような非常に大きな開きが出てくる。そこでその差額について、これではとても納得できないから、何とかしてくれということを言いますと、差額については再考の余地はない、見積もりのとおりで納得してもらう以外にはないというようなことを現場では言われるわけなんです。私はこれはまさか公団の方針だとは思わないのですよ。幾ら何でもそんなことは公団は言われないと思うのですけれども、実際にはそういうことが起きておるわけです。その点で、公団の方針としてはこうした場合に、やはり差額についてもきちんと補償するという態度をとられるべきではないかと思うのですけれども、いかがですか。
#341
○小栗参考人 そういうふうなトラブルはよくございます。しかし私の方でも、公団といたしましてはやはりそういう損害補償に対する基準もございます。これは物価値上がりその他でもって、改定は逐次いたしておりますけれども、現場だけの問題で処理できないときには、それぞれまた上の方に上げていただきまして、十分その関係の方の御意見を伺いまして査定をしていきたい、こういうふうに思っております。
#342
○中島分科員 工事をやりますといろいろな被害が出てくるのですが、日曜、祭日は工事をやらないということ、これも再三お約束になっていらっしゃいます。ところが現実はどうかというと、コンプレッサーによる工事が日曜、祭日にも行われているわけなんです。私、何月何日のいつ、どこそこでということを申し上げることはできますけれども、それはちょっと遠慮といいますか、この場では申しませんけれども、そういうことが現実にやられているのです。それでその仕事をやっている下請業者の方に聞きますと、公団から、いや日曜祭日はそういう工事をやってはならないということはちっとも聞いてない、そういう指示は受けてないと、その下請業者の責任者の方がはっきり言われるのです。それで、こういうのは道路行政を進めていく上でも非常にまずいですね。私は、公団の姿勢としても、やはり住民に約束したことはきちんと守っていくというようにしなければいけないと思うのですが、どうでしょう。
#343
○小栗参考人 ただいま御指摘のありました点につきましては、まことに監督不行き届きで申しわけないと思っております。今後そういうことのないように、約束は守るようにひとつよく指導いたします。
#344
○中島分科員 物理的な被害というだけではなくて、営業被害という大変むずかしい問題が方々で発生しているわけであります。高速五号線の場合にもそうです。アパートの経営者が、現在の工事騒音がひどくて、道路ができたら騒音に悩まされるからと言って引っ越しをする人が多くて、その補充もできないで、そして空き部屋が続出して家賃収入が大幅ダウンだ、どうしてくれると言って嘆いて困っておられる。また、工事振動のために精微機械部分を扱う仕事ができない、店の前がダンプの出入り口になって商売が上がったりだというような被害が出ている。こういう営業被害についてもきちんと補償すべきだと考えますが、この点は道路局長にお尋ねしたいと思うのです。
#345
○井上(孝)政府委員 そういった被害も含めて、納得のいく補償をするように指導しておる次第でございますが、やはりいろいろ査定の段階でトラブルがあることは存じております。
 それから大変失礼ですが、先ほど私はちょっと言葉が足りませんでしたが、起業者である公団、ただいまの場合公団。公団の責めに帰すべき被害があった場合には、公団が予算で見て補償いたしますが、中には業者の方の責めに帰すべきものもございますので、場合によっては、先ほどの御指摘がそれに当たるかどうか知りませんが、業者の見積もりと公団の方の査定に差がある、そういった場合もあるということを申し添えておきます。
#346
○中島分科員 土地の取得についての損失補償の基準については、「公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱」という閣議決定があります。しかし、工事のような事業施行に伴う損害補償については基準もきちんと決められていないという現状であります。わずかに、この要綱を閣議決定しました際に、閣議了解がありますが、その中で「社会生活上受忍すべき範囲をこえるものである場合には、」また「これらの損害等の発生が確実に予見されるような場合には、」という条件つきで、「賠償することは差し支えないものとする。」という、大変消極的なことが書かれているわけであります。そこで私は、営業被害の問題も含めて、事業施行に伴う損害補償の基準をやはりこの際政府がつくるべきではなかろうかというように思うのです。これは何も、いま申している例だけではなくて、全国方々でぶつかっている問題でありますので、この点、道路局長ないしは大臣にお尋ねしてもよろしいのですが、いかがでございますか。
#347
○井上(孝)政府委員 実は私、道路局長でございまして、こういう被害関係の基準は道路だけの問題ではございませんので、私から責任を持ったお答えはできかねるのでございますが、前向きに十分検討いたしたいと思います。
#348
○中島分科員 大臣は、いまの問題をどうお考えになりますでしょうか。
#349
○高橋(弘)政府委員 先生のおっしゃったようなことを含めまして、目下、損失補償基準研究会でいろいろ検討いたしております。できるだけ早くその結論を出していきたいと考えておる次第でございます。
#350
○中島分科員 この道路行政の問題は、やはり地域住民の生活環境やあるいは健康を守るという、住民サイドで行われなければならないことは、私当然だと思うのです。そういう点では、建設省の資料であります首都高速道路沿線住民よりの環境問題改善等要求調書というのを見てみますと、これはもう十四路線で百五十七件の要求が出ているわけなんです。要求は、騒音対策から、防音壁の設置、排ガス対策、振動防止策、日照、電波障害、落下物防止さく設置、営業補償など、非常に多岐にわたっております。いかに住民の生活環境と健康をないがしろにしてこれまで高速道路がつくられてきたかということを、このことは証明しているのではないかと思うのです。そういう点では、やはり道路建設に当たっては、住民と十分に話し合う、予測調査はもちろん精密な予測調査を行う、そして最低、路線を決定する、道路構造を決定するというような際には、住民の納得を得るというようにするべきだと思いますが、この点お尋ねしたい。
#351
○井上(孝)政府委員 首都高速道路の調査については、私ちょっとまだ詳しく存じておりませんが、首都高速道路をつくりましたあの時代には、騒音とか排気ガスとかの問題が社会的に現在ほど問題にならなかったものですから、住民の方も、また施行する公団、建設省の方も十分なそういった配慮が足らなかったということは事実でございます。現在の被害に対してどういうふうに処置するか、首都高速公団も阪神高速公団も同じでございますが、いろいろ研究中でございまして、次々と手を打ってまいりたいと思っております。
 それから、新しくこれからつくる場合にどうするかということでございます。とりあえず先ほどの閣議了解の線もございますので、実は昨年の四月に道路局長通達で道路環境保全のための用地取得及び管理に関する基準というのを流しました。冒頭ちょっと申し上げましたが、たとえば幹線道路の両サイドに十ないし二十メートルの環境施設帯をとる、構造を高架にする、堀割りにする、こういったことを基準として流しております。
#352
○谷垣主査 中島君に申し上げます。予定の時間は経過しておりますから、御協力をお願いいたしたいと思います。
#353
○中島分科員 簡単に一つだけ。
#354
○谷垣主査 簡単に一問だけ、特に許します。
#355
○中島分科員 本当に最後に、簡単なことです。
 歩道橋にお年寄りや身体障害者のための手すりを設置する件について、私は昨年八月に申し上げたことがあるわけです。これはいまどこまで設置されているか、全国的に。そしてまたいつまでに完了される予定であるか。それだけお尋ねして、きょうの質問を終わります。
#356
○谷垣主査 簡明にお答え願います。
#357
○井上(孝)政府委員 先般、先生からのそういうお申し入れがございましたので、関東地方建設局にその旨指示いたしました。まことに申しわけありませんが、現在その結果はまだ取り寄せておりませんので、すぐ調査をいたしまして、御連絡申し上げます。
#358
○谷垣主査 これにて中島武敏君の質疑は終了いたしました。
 次に、山田芳治君。
#359
○山田(芳)分科員 私は古都保存法と鉱業権との関連について、具体的な問題についてお尋ねをし、かつ、行政当局の善処をお願いいたしたいというふうに思うわけであります。
 実は昨年同じくこの分科会において当時の亀岡建設大臣に一年前にお願いをしたのでありますが、その内容は、京都市の金閣寺の北側に鷹峰というところがあります。そこに鉱業権の設定された鉱山があるわけであります。その鉱山は珪石とマンガンという鉱種がございまして、そこに鉱業権が設定をされ、すでに昭和二十四年に採掘権が兵庫県の人に与えられているわけであります。それで、昭和二十四年当時の人から二代にわたって受け継がれているわけでありますが、昭和四十一年に現在の鉱業権者がその鉱業権を取得したわけでありますが、このマンガン並びに珪石を採掘しようということで、大阪の通産局に施業案を持って昭和四十一年に願いに行ったわけであります。そうしたら、施業案の内容はとにかくとして、そこは古都保存法の範囲だから京都市の古都保存法による許可をもらってこなければ施業案を認めるわけにはいかない、こういうわけであります。今度は京都市へ行きますと、いや、それはほかの法律で許可をとってこなければ、古都保存法の許可を与えるわけにはいきません、こういうわけで、業者はあっちへ行き、こっちへ行き、両方へ言っていくけれども一向にらちがあかない。昭和四十一年からそういう状態で推移をしておったのを私が見るに見かねて、昨年亀岡大臣並びに資源エネルギー庁並びに建設省に、こういうふうな行政のなわ張り争いでは困るではないか、両当事者でどうすればよろしいかということを十分協議をして指導してやってほしい、九年間もほってあるということでは困るではないかという話をこの委員会でいたしました。亀岡大臣が、ここに答弁がございますので申しますと「主権者である国民をしあわせにしようということで、立法の立場にあるわれわれも国家公務員法に基づく公務員の諸君も、そういう問題を速急に解決して生活に不安なからしめるというのが基本であります。私も聞いておって、九年間もそういうことで解決していないということははなはだ遺憾でございますから、速急に両省と話し合って解決の方向に進めなければならないと思いますので、そのように指導いたします。」という答弁がなされております。それ以来私は一年間この問題についてじっと見ておりましたが、現段階に至るも、その鉱権権者に話を伺っておりますと、やはり通産当局は、古都保存法の許可を持ってきてくれ、こういうことを言っているようであります。また京都市の方も最近やっと、それはそれとして、建設省の指導のもとに、古都保存法という立場で独自に判断してもよろしいというようなことが言われておるわけでありますが、さてその書類を提出するようになりますと、採掘の施業案を持ってこいとか、またそれを持っていくと今度は爆発物の貯蔵庫はどこに置くのか、その構造を持ってこいとか、その次には山の所有者の許可権といいますか、立ち入りの承認書を持ってこいとか言うて、何遍も何遍も足を運ぶけれども、なかなかきちっと詰めた話ができていない。そういうことで、鉱業権者は、あっちへ行き、こっちへ行き、何遍も何遍も行くわけでありますが、なかなか解決をいたさないということになっているわけであります。こういうことでは、一年も前に大臣からこういう話を承っておるわけでありますが、その後一体どうなっているのか、どういう方向で話を詰めておられるのか、その経緯をひとつお伺いをしたいというふうに思うわけです。
#360
○吉田(泰)政府委員 前回の御質問で御指摘をいただきまして、いろいろ担当の京都市当局とも打ち合わせし、答弁の趣旨に沿いまして指導いたしました結果、それまでは鉱業法による施業案の認可と古都保存法の採掘許可の手続が、まあどちらが先かというようなことでなすり合っていたものを、そういう当事者の言い分でずっと来て、余りにも長くなっているという御指摘でもありますし、当時の大臣もそのように答弁されたことでもありますので、私どもとしては京都市に対し、施業案の方の手続がなくても受理して、そして許可なり不許可なり、内容審査の上処理してもらいたいということを言いまして、京都市でもその気になりまして現在に至っているわけです。昨年十月ごろに京都市から正式に、この申請に対しまして施業案の問題を抜きにしてでも許可申請を出すようにということを連絡いたしたようでございます。その後時間がたっているのは、いま先生がおっしゃるようにいろいろ許可申請に伴う添付書類等の問題があるようでございます。私ども、再度の御指摘でもございますし、少なくも一歩進めて許可、不許可ということを判断しなければ先へ進まないわけでありますから、私も詳細な、どういう書類の不備があるのかまだ調べておりませんが、早速調べまして、受理できるものならする、それから申請人の方も早急に整備できるものならそれを補充していただいて、早く処理ができるようにさらに指導したいと思います。
#361
○山田(芳)分科員 実は、切り出しでそう申し上げたわけでありますが、実際、非常にむずかしいところだと思うのです、はっきり言って。金閣寺のそばでありますから、しかも珪石というのは露天掘りという工法でやらなければ、表面に非常に多い鉱物だそうでありますからむずかしい。だから、本当にその許可をしていただけるという見通しがあるならこの施業案でもまじめにつくっていくというようにやるわけですが、いま申しましたように、すべての手続を全部完了していくという中で、本当にその古都保存法においても許可し得るのかどうかということを、ある意味においてはできないならできない、できそうならできそうだからこういう書類、というといいのでありますが、とにかく書類は全部整えて持ってこい、こういうことであります。だから施業案も露天掘りという形で持っていっているけれども、担当の人たちの話を聞くと、それはちょっとできないということをちらちら言いながら、なかなか渋っておる、こういう形であるし、業者の方も持ってこいと言われれば、やはりこの露天掘りの施業案から、それから爆発物の処理の状況、それから山の所有者の同意も得るという、まだこれは得られてないようでありますが、そういうものを一生懸命努力しているという形に実際なっております。だから、本当を言うと、私はここでお伺いしたいのは、資源エネルギー庁の方で鉱業権というものがいまのようにあるけれども、現実に古都保存法というような厳しい法律の中において露天掘りというようなものをやるということは、常識でいってなかなか認められないというならば、これは一体古都保存法の方を先にするということが妥当なのかどうかということが問題だと思います。と申しますのは、鉱業権というのはそこにある鉱石を掘っていくという権利でありますから、通産省プロパーの立場でその鉱業権が可能な限りにおいて掘れるならばそれを認めるということの方が先である。そして、それが得られたあとに古都保存法の許可を求めるということをしてやるべきだというふうに私は思うのですが、これはあべこべになって、むしろ建設省の方は採掘権に基づく施業案を持ってきなさい、古都保存法でどうであるかをまず調べてあげましょう、こう言っているわけですが、現実にそれができるかできないか、そこでまずだめになってしまったら、たとえ鉱業権があり採掘権があっても、通産省の方ではそれを認めないのだという立場をとっているとするなら、一体その鉱業権というものが形としてあるけれども、現実にはそれが生きてこない、こういうことになるわけであります。そうすると、鉱業権の内容というものは一体どういうふうに理解すべきものであるのかということを私は聞きたい。実際そこにマンガンが換算をすれば何億という価値のあるものが眠っているけれども、現実に掘れないというようなものがもしあるとすれば、鉱業権というものは一体どういうものなんだということを感ぜざるを得ないのですが、その点についてひとつお伺いをしたいと思います。
#362
○山村説明員 お答えいたします。
 鉱業権とは、御承知のように一般鉱物が存する地域におきましてそれを採掘する権利でございますが、他の公益との調整等を十分勘案してそうした採掘を行い得る権利だと思います。
#363
○山田(芳)分科員 そうすると、ほかの法律で掘れないというような、採掘権はある、しかし、ほかの法律で掘れない鉱業権というのはある。そうすると、その権利というのは一体どういう種類の権利になるのでしょう。
#364
○山村説明員 お答えいたします。
 他の法令と協議して掘らなければならないものはそういった制約を当然受けるべきではないかと思いますけれども、ただ私の方といたしましては、御承知のように古都保存法の施行に当たりましては京都市当局が一応責任を持っているわけでございますので、当該施業案の審議につきましては十分京都市と協議をとりまして、そして古都保存法に基づきます開発鉱区の許可申請に対する処分とそれから鉱業法に基づく認可に対する処分とのそごのないよう十分処置をしていきたいと思います。
#365
○山田(芳)分科員 こういうことなんですよ。古都保存法の九条によりますと、古都保存法で許可できないものについては損失を補償いたしますと書いてあるわけですよ。ですから、古都保存法の規定によってそれができないというなら補償しなければならぬ規定がある。ところが、いまのようにほかの法律で許可しないものは鉱業権を許可しない、こういうことになりますと、一体九条の規定というのは死んでしまうのではないですか。吉田局長さん、いかがですか。
#366
○吉田(泰)政府委員 古都保存法は非常に厳しい規制をしておりますために、その権利規制に対応するように権利者の保護も図っているわけでありまして、それがいま御指摘の損失補償の規定と、それから別の条文になっております土地の買い取りの規定でございます。損失補償につきましては、許可申請をしたが許可を受けられないということが基本の要件でありますが、他の法律で別途に許可が要るような場合に……。
#367
○山田(芳)分科員 それを受けて来なければいかぬわけですね。だから受けてくれ、こう言っているわけです。鉱業権の方が先にやりなさい、こう言っているのに、そうではない、こう言うから、おかしいのです。
#368
○吉田(泰)政府委員 そちらの方の手続が要るということになっておりますが、この件は前回も先生がおっしゃいましたようにどちらが譲り合っておってもいけない。二つの法律体系が競合しているわけでありますので、どちらかが譲り合わないで引き受けろということでございましたから、古都法で先に引き受けてもいいではないかと思って、いまのところはそういう処理をしているわけでございます。
#369
○山田(芳)分科員 わかっていると思うのですが、鉱業権というのは鉱業権プロパーで許可をして、そして古都保存法にいく、古都保存法は古都保存法の立場で、いかぬと言えば、それは損失補償なり何なりをしてやれる規定があるからそれが生きてくるんだ。さっき言ったように、あんな所を露天掘りで掘れるはずはないと思うのですよ。だから、鉱業権て一体どんなものなんだろうと、こう思うのですけれども、私は、鉱業権というのは鉱業権だけで、鉱山の立場からそこに鉱石があってそれを掘るという権利を与えればいいのであって、古都保存法のことは市役所なり建設省がお考えをいただけばいいのであって、その間で、古都保存法の立場で、その鉱石を採掘することが古都保存法に違反するかどうかということを十分見てもらったらいいというふうに思うのに、これ、逆転をしておるのですね。私は、これも時間がないので、問題の提起をいたしておきますから、私はこの問題は引き続いていろいろと関係各省と十分話をして――本当にこれは十年もたつわけですから、もう少し親切に、一遍行くとこれを持ってこいといって、また持っていったら、いや、これは足らぬからまた持ってこいと、こう言われてまた持っていく、何遍も両方へ通っておって、これの経費だけでも大変だ。そのあげくの果てに、これは許可しませんと言うんだったら、この鉱業権者、そんなこと言っていいかどうか知らないのですけれども、これは大変なことになるんじゃないかというような思い結めているという状態でありますので、私はあえて二遍もこの問題を取り上げたわけです。ひとつ両方十分話し合って、私もよく話に乗りますから、親切に相談に乗って、解決の方向にやっていただきたいということを、ひとつ大臣から一言。いまお聞きのように、両当局がまだ去年聞いたと同じ状態であるという点があるので、この点、大臣の気持ちだけ伺って、具体的な相談に乗りたいと思います。
#370
○仮谷国務大臣 初めて聞くことですから、私も的確なお答えになるかどうかわかりませんが、いずれにしても、どちらの法律を適用するにしても、御本人からの許可申請することが必要であって、それに対しては親切に指導をして許可申請のできるようにしてあげるということは当然だと思います。そういうふうに努力すべきだと思います。
#371
○山田(芳)分科員 ひとつそういう点よく督励をしていただきたい。
 それでは、時間の関係がありますのでこの程度にして、次は、私の地元でありますけれども、京都府下の宇治市にいま、建設省の直轄の道路といたしまして、大久保バイパスというものがつくられておりますが、途中でとまっております。とまっている理由は、一方では京滋バイパスと二十四号線の大久保バイパスが同時に完成をすることによってこの地域の交通をはいていこうというわけでありますが、京滋バイパスの方がいろいろな関係でとまっている。そういう関係で大久保バイパスも同じようにとまっているということであるわけであります。ところが、大久保バイパス並びに京滋バイパスができるということを前提にいたしまして、京都府の南部は人口が急増する地帯でありますので、いわゆる生鮮食料品の中央市場として食品センターというものが構想され、すでに着工され、近く完成を見るという状態になっているわけでありますが、この食品センター、いわゆる中央卸売市場的なものが大久保バイパスなり京滋バイパスができるということを前提として設置をされております。しかもこういう食品センターは、御承知のようにここへすべての生鮮食料品が集荷をされて、そして朝早くから各小売業者がここに集まって、それを競りで買っていくということでありますから、非常な交通の混雑が予想される。大久保バイパスなりあるいは京滋バイパスができることを前提につくっていった。ところが、食品センターの中央卸売市場のような方が先にできているけれども、京滋バイパスも大久保バイパスもとまってしまう。現実にそうなると、そのセンターが開店をしたときには大変な交通混雑を来すということで、付近の住民も非常に問題にしておりますし、また食品センターも非常に困っておるという状態であります。京滋バイパスは、これはなかなか問題がありますので当分できぬと思いますが、大久保バイパスだけは、そのセンターに近接をし、しかもセンターの一部の土地も買収をしてつくるという計画で、喜んでこれは協力をすると言っておるわけでありますから、大した距離はございませんので、早急に、せめて大久保バイパスだけは、センターに到達できる部分ぐらいはひとつ来年度の段階で処理をしてやらないと、付近の住民も困るし、また食品センター自身も現実の機能を果たすのに不十分である、こういうふうに考えておりますので、その辺の事情をひとつお聞かせいただければ幸いだと思います。
#372
○井上(孝)政府委員 先生いまおっしゃいましたとおりの事情にございます。大久保バイパスは、府道八幡荘・宇治線というところから城陽市新池までの六・七キロが、暫定二車線ではございますが、すでに供用開始をいたしております。残念ながら、食品センターのあります北側の方に延伸しようと思いましても、京滋バイパスが予定より大変遅延をいたしておりまして、京滋バイパスに取りつくものですから、現在府道八幡荘・宇治線以北は調査中ということで、京滋バイパスと調整しつつ事業を進捗させようというふうに考えております。私どもといたしましては、御指摘でございますが、京滋バイパスの建設がこの交通混雑の解消に最も役立つわけでございまして、基本的には京滋バイパスの促進ということに鋭意努力をしたいと思っています。
 なお、食品センターにつきましては、御承知と思いますが、現在府道八幡荘・宇治線に出入り口をつくっておりますので、今年五月に営業開始が図られます段階におきましては――まだ交通量か二百台ばかりでございますので、逐次営業が拡充してまいります事情も勘案いたしまして、御指摘の点十分検討してまいりたいと思っております。
#373
○山田(芳)分科員 京滋バイパスはなかなかむずかしい部分が多いので、私は、京滋バイパスは京滋バイパスとして、大久保バイパスの方を先にひとつ食品センターまで延ばしてもらいたい、こういうことですが、そういうことはいかがなものでしょう。
#374
○井上(孝)政府委員 その辺の事情をもう少し詳しく調べまして、その方向で検討いたします。
#375
○山田(芳)分科員 最後の質問にいたしますが、最近建設省の入札の問題についていろいろ論議があります。非常に不況でありますので、いわゆる大手と言われる大きな土建屋さんが、従来ならば地元の比較的小さな土建が請け負うような、あるいは入札をするような工事費のものについてもどんどん食い込んできているという状態で、この公共事業の抑制とともに、中小の土建業者が非常に困っているという実情が各地に見られます。そういう点について、それほど金額の大きくないものについては、大きなものをなるべく外して、できるだけ地元の業者に請け負わせるというような指導をしていただきたい。いろいろの問題ありますけれども、私は具体的な問題はこの際触れませんけれども、基本的にそういう点について、建設省の最近の扱いが若干大手に偏しているのではないかという意見が聞かれるので、この点について、もう少し中小の業者を、地元の小さな業者でもできるというようなものがあれば、そういうものを育成するためにも、やらしてやっていただきたいということを、基本的な方針だけで結構ですから、ひとつ大臣からでもお答えをいただければ幸いであります。
#376
○仮谷国務大臣 お説のようなこと、たびたび国会でも議論をされますものですから、私ども十分注意をしているつもりでございます。特に建設中小業者というのは、九九%までが中小業者でありますし、総需要抑制で一番お困りのこともよくわかっていますから、四十九年度から特に地元の業者を優先してやれということは出先機関にもあるいは都道府県の知事さんにも十分依頼をしておりまして、そのつもりでやっておりまして、それから工事もできるだけ分割をして中小業者に受注の機会を与えるということも考えておりますし、さらに地元の優良な業者は二段ぐらい上げて、その指名の中に入れる。そのかわり上位の組は入れないというふうなこともやらしておりますし、いずれにしても私どもは至上命題として地元業者を優先して考えよということをやらしておるわけでありまして、だんだんそういう点は浸透しておると思いますけれども、なお今後そういう基本方針で努力をいたしてまいります。
#377
○山田(芳)分科員 いろいろまだ問題点ありますけれども、この際これは触れませんから、ひとつそういう方向でまたお願いをしておいて、私の質問は終わります。
#378
○谷垣主査 これにて山田芳治君の質疑は終了いたしました。
 次に、金瀬俊雄君の質疑に入るのでありますが、本日は同君の質疑に対し、参考人として新東京国際空港公団理事角坂仁忠君、参与上妻尚志君が御出席になっております。
 なお、御意見は質疑をもって聴取することといたします。金瀬俊雄君。
#379
○金瀬分科員 私は、最初に土地収用の問題について御質問申し上げます。
 憲法第二十九条にあるように人権侵害に至らぬよう土地収用法ではその取り扱いに慎重な手続を定めています。そのことについて土地収用法の解釈とその運用、とりわけて事業認定分にかかわる数点について、成田空港に起きておりますいろいろな問題について御質問申し上げます。
 第一点は、土地収用法第二十条は事業認定の要件を定めているが、同一事業につき二重に申請、さらには二重に処分するということはできるかどうか。
#380
○大塩政府委員 同一案件につきまして二重に収用の裁決の申請をするということはできません。
#381
○金瀬分科員 「事業認定の要件」第二十条の第三号として「事業計画が土地の適正且つ合理的な利用に寄与するものであること。」と決めてある。そのためには事業計画自体がまず事業施行にとって適正かつ合理的でなければならない、そういうふうに規定がしてありますが、そう思って差し支えございませんか。
#382
○大塩政府委員 そのとおりでございます。
#383
○金瀬分科員 そうしますと、言いかえれば、事業計画は事業施行に必要最小限の土地を任意買収あるいは強制買収を問わずすべて含むものでなければならないというふうに考えてよろしゅうございますか。
#384
○大塩政府委員 そのとおりでございます。
#385
○金瀬分科員 そうなりますと、空港公団が新東京国際空港建設事業のために建設大臣あてに昭和四十四年九月十三日に提出した事業認定申請書に添付された事業計画は、このような意味で適正かつ合理的なものであったと考えて差し支えございませんか。
#386
○大塩政府委員 いま御質問のとおり、われわれも慎重に検討いたしました結果、当該申請に係る土地は必要最小限度のものであり、かつ公益上その他の点からしてこの事業の認定をするにふさわしいものであるというふうに考えた次第でございます。
#387
○金瀬分科員 空港公団による新東京国際空港の建設事業は、航空法第五十五条の三で定められている工事実施計画によって具体的な内容が定められているが、この工事実施計画を遂行するに必要かつ十分な土地の収用が事業認定に係る事業計画で定められていると思っていますか。
#388
○大塩政府委員 そのように判断いたしております。
#389
○金瀬分科員 それでは工事実施計画では、たとえば四千メートルの滑走路、これに付帯する進入灯の設置を企図しているが、事業認定に係る事業計画ではこの進入灯の設置は不可能であるというふうに考えられます。その点についてはどうですか。
#390
○大塩政府委員 これは具体的なことは後で公団の方に答えていただく方がいいかと思いますが、われわれの判定いたしましたのは、滑走路の配置等につきましてその延長が中心市街地等から離れているとか、あるいは進入路等も適当に配置されており、かつそれが必要であり、そしてその進入路等が取得されることが可能であるというような総合的な判断のもとに妥当であるというふうに認定したものでございます。
#391
○金瀬分科員 それでは公団の方でも結構です、局長さんでも結構ですが、四千メートルの滑走路の南側から入るときには進入灯というのができないでしょう。進入灯というのが南側から入る場合は滑走路の横につけてある。そうすると滑走路そのものが三千二百五十メートルに減らされてしまうわけだ。だから四千メートルの滑走路というわけにはいかなくなる。それはわかりますね。
 そのことと、いまの成田空港が進入路がないということになるわけだ。だから簡単に言えば、先ほどあなたが、全く間違いがない、土地収用法の認定どおりやったと言っているけれども、実際は七百五十メートルほど足らない、滑走路が短いということになるわけだけれども、そう考えてよろしゅうございますか。
#392
○大塩政府委員 進入路等との関係におきまして、滑走路との関係につきましてはちょっと技術的な問題も伴いますので、公団の方からお答えさしていただきます。
#393
○角坂参考人 いま金瀬議員の御質問の進入路というのは、いわゆるアプローチエリアのことだと判断いたします。現実にこれは話し合いで用地買収をいたしております。まだ用地買収が全部済んでおりませんので進入灯は立っておりませんが、これは極力用地買収いたしまして、四千メートル滑走路に支障のないように進入灯が近くできますように最大の努力を現在している最中でございます。
#394
○金瀬分科員 北側の土地買収というのは任意で買ったのだから進入路がそのまま使えるわけです。南側の方は必要な用地を買うことが絶対不可能な所です。だからそうなってくると、南側から飛行機を入れる場合には、途中、滑走路へ進入灯というのをつけなければいけないから、南側から飛行機を進入させる場合は滑走路が三千二百五十メートルしか使えないということに実際はなるのですね。だから進入灯を滑走路の横へつけていますね、前の方、南側へいまつけずに。そうなっていますよ。それはどういうことですか。
#395
○角坂参考人 非常に困難いたしておりますけれども、私どもの判断では不可能ではなくて、何とか任意買収で解決いたしまして、四千メートル滑走路に支障ない進入灯を近くつけられるように一生懸命やっているということでございます。
#396
○金瀬分科員 そうすると南側の滑走路を七百五十メートル確保するためには、いままで私が聞いた法律の解釈によれば、この場所は強制収用できない場所と考えてよろしゅうございますね。
#397
○大塩政府委員 事業認定の内容の中に当該滑走路の位置等も含まれておりますので、その必要な用地は収用の対象になり得るものと思います。
#398
○金瀬分科員 さっきあなたは収用の対象にならないと言った。ずっと聞いてきた過程で二重にはできないと。それからさっき言っていますよ、二重にできないし、これができるということになると大変なことになる。
#399
○大塩政府委員 私は起業地の中に含まれていることを前提として申し上げましたが、そのいまの進入路は起業地の中に含まれておりませんので、それはこの収用裁決の対象にはなりません。
#400
○金瀬分科員 それでは将来ともこの場所は強制収用できないということですね。
#401
○大塩政府委員 この進入路を公共上必要な土地として別途認定するならば、その際には収用の対象になり得るのでございますけれども、現段階ではこの認定の中の起業地に入っておりませんので、したがってその意味ではできません。
#402
○金瀬分科員 それではこの土地は将来とも土地収用の法律にひっかからないと。そうなってくると、この南側から飛行機が入ってくる場合には、成田空港は四千メートルの滑走路がないということですから、これは完全にそういう意味では使用することは困難であるというふうに考えてよろしゅうございますか。
#403
○大塩政府委員 ただいま申しました意味は、その道路を別途公共施設として事業認定をするという行為が必要でございます。そうすれば収用することが可能でございます。
#404
○金瀬分科員 先ほどあなたは二度できないと言ったでしょう。二重にさらに処分は可能かと言ったら、さっきできないとはっきり言っている。それはできないということをはっきり言っているから、さっきずっと聞いてきたのはこのことを聞こうと思って聞いてきたので、あなたはできないと言っている。
#405
○大塩政府委員 先ほど私が申し上げましたのは、同一の対象につきまして二つの裁決はないということを申し上げたのでございまして、いまのお話の件は別の事業用地でございますから、いま認定いたしております起業用地内に入っていないわけでございます。
#406
○金瀬分科員 進入灯というのは、これは飛行機を飛ばす上にどうしても必要なものなんですよ。だから事業認定に入っていなければならないものなんです。そうでしょう。ならないものなのに入っていなかったということは忘れてしまったということなんでしょう。忘れておったということでしょう。あなたは二度やってはできないということだから、進入灯のためにわざわざ強制収用をかけるということは困難なはずですよ。どうなんですか。
#407
○大塩政府委員 その進入路につきましては、この起業地の対象の中に入っておりませんが、一体不可欠のものであるならば改めて別途その当該進入路を別の案件といたしましてそれに付加するというようなことが必要かと思いますが、いずれにしましても当初その起業用地の中に進入路が含まれていなかったのでございますから、いま先生がおっしゃいますように、その進入路が一体のものであったかどうか、それならばなぜ当初一体のものとして申請しなかったかという問題は残ると思いますが、いまの判断ではその起業地の中に含まれていないということだけを申し上げておきます。
#408
○金瀬分科員 これはまた後でいろいろその時期になって問題になると思いますので、問題を後に保留することにしまして、次に建設事務次官から出された薬液注入法という通達について、これは成田でもいろいろ問題になりましたので、そのことについて御質問申し上げます。
 第一点は、水ガラス系凝固剤と尿素系凝固剤を併用した後で掘削工事を再開した場合、その薬液を単独に一つずつ使った場合の水質検査を二つあわせただけでそれで十分だと言うことができるかどうかという問題です。質問、わかりますか。私の質問の意味がわかりますか。
#409
○井前説明員 この暫定基準の担当をいたしておりますので、お答えいたします。
 この水質基準につきましては、いずれも厚生省の飲料水の判定基準によりまして定めておりますので、われわれはその厚生省の基準で大丈夫だというふうに判断しておるわけでございます。
#410
○金瀬分科員 これは水ガラス系のものを検査して大丈夫だということと、それから尿素系のものを検査して大丈夫だということで、それで二つあわせて使った場合に大丈夫かどうかということについてまだ判定が出ていないはずですよ。いいですか。両方あわせて使った場合に判定はむずかしいのですよ。これは私は学者からとったあれによると、できないと書いてある。あなたは大丈夫といま言ったけれども、二つを同じところに注入した場合にはできないと書いてある。大丈夫ですか。
#411
○井前説明員 水ガラス系の場合の基準とそれから尿素系の場合の基準がございますので、それぞれの基準を満足させれば大丈夫だというふうに判断しております。
#412
○金瀬分科員 それぞれの基準が満足してもだめだということになっているのだよ。二つあわせると違う併用反応というのができてくるのだ。あなたの場合は、一つずつやって大丈夫だから大丈夫だと言っているけれども、同じ場所に二つの薬を注入した場合には逆反応が出ると書いてあるのだよ。だからそれでも大丈夫かと聞いているのだよ。
#413
○井前説明員 それぞれの違った種類の薬液を併用した場合の複合作用につきましては、先生の御指摘のように、必ずしも明確ではないと思いますけれども、それはやはり今後のいろいろの技術の研究にまつべきものがあると思います。しかし、いまのところは、それぞれの基準を適用することでわれわれとしては十分ではないかというふうに考えております。
#414
○金瀬分科員 これは将来の問題になると思いますが、あなたの方でも十分研究してくださいよ。私の方で調べたのによると、二つを併合して使った場合はだめだと書いてある。あなたは大丈夫だと考えている。これは成田だけでなくて全国的な問題なんですよ。そこから汚染された水をくみ上げて水道に使っている場所もあるのだから、これは十分――私の調べてもらったこれは東大の教授に調べてもらったけれども、この二つを一緒にした場合どうなるのだと聞いたら、二つを一緒にすると反作用が出てきてだめだと書いて言っているのだ。あなたはいいと言っている。どちらかが間違っていると思うけれども、もう一度あなたの方で検討してみてください。
 それから七月の十日付の通知で暫定指針について決めたわけですね。通知が出ていますね。あなたはそれによって話をしているから。ところが本格的な指針についてはすぐに学識経験者を含む検討委員会をつくってやり直しをやるということを言っているけれども、いまどういうふうにやっているか、それを説明してくれませんか。
#415
○井前説明員 先生御指摘のように暫定指針は七月に出しておりますが、なお問題もございますので、早速ことしに入りまして関係省庁によります薬液注入工法の調査連絡協議会というものを発足いたしまして、学者、専門家等によります専門委員会を設けて、同工法の調査なり設計あるいは施工に関する技術基準等について、さらに十分な検討をしていきたいということで委員会を発足させておるわけでございます。
#416
○金瀬分科員 それの委員長はだれですか。
#417
○井前説明員 東京大学の福岡先生でございます。
#418
○金瀬分科員 いままでにこの検討委員会を何回ぐらい聞いてどういうことを検討したか、具体的に説明してくれませんか。
#419
○井前説明員 去る二月の十四日に最初の連絡協議会を開きまして、それが第一回でございまして、そのときはまず、初めての協議会設立でございますので、今後の問題点の大筋を協議しようということで終わっておりまして、いろいろ先生の御意見等も取り入れた上で、次回に実際のいろいろの審議に入りたいということで、次回はまだ予定しておりません。
#420
○金瀬分科員 まだ具体的な審議には入っていないようですので、それは、暫定基準だけじゃなくて本格的なものを急いでつくるように強く要望しておきます。
 それから、続いて質問させていただきますが、大臣、こういう本がおたくの方で出されているのを知っていますか。これは「防災遮断帯整備効果の分析及び整備基本方針の検討」という、この本を見ますと、いろいろ質問を書いてきましたが、はしょって話しますと、この本は四十九年三月に書かれた本です。非常にいい本でりっぱな本ですよ。それで、われわれが考えていなかった――後に地震予知連絡会で、川崎市の直下に地震が起きそうだということを書いておりますが、これはそれよりも一年も早く南関東に大地震が来た場合どうするかということを書いてあるのですよ。その中に、特に川崎とか京浜地帯のことが詳しく載っていますが、これを読んでみますと、日本全国がこれと同じような状況にあるんじゃないかと思うのです。特に東京湾の沿岸、それから伊勢湾、それから瀬戸内海、こういう方面はどこでもそうだと思いますが、特に地震の多発地帯と言われておる南関東のことが詳しくここに載っておるわけです。
 地震の場合に、特にこれらの地帯は工場と市街地が非常に近い場所にありますので、競合した大きな災害が起こる可能性があるわけですが、これに対する対策として、こういうりっぱな本が書かれておるのだから、これに基づいていろいろと対策を練っていると思うのですよ。どういう対策が練られているか御説明願いたい。
#421
○吉田(泰)政府委員 ただいま御提示のありました。「防災遮断帯整備効果の分析及び整備基本方針の検討」という冊子は、昭和四十八年度と九年度の両年度にわたりまして、建設省が中心となって、横浜市、川崎市等の当局の方にもあるいは学識経験者にも御参加をいただいて、一つのモデルとして臨海工業集積地帯と一般市街地、その隣接する区域というものに大きな防災遮断帯のようなものを設けて、これで臨海部からの災害というものが一般市街地に及ばないように遮断する仕組みについて基礎的な研究をしたものでございます。モデルとしてたまたま横浜及び川崎市を使い、またその使った場所が非常に震災等の危険もある南関東の集積地区でございますために、全国の模範という意味でも効果があるのではないか、こう考えたものでございます。
 したがいまして、この研究自体は、これで直ちに行政なり予算のペースに乗せるという意図でつくったものではなくて、こういったものを基礎にしながら、さらに精密な調査も進めるとともに、こういったものを指針としまして各地方公共団体、特に大都市部のようなところを受け持つ公共団体側で、たとえば地域防災計画を固めていくというようなときに参考にもしてもらいたい。もちろん建設省としても、そういったものから抜き出されました当面実現可能な、地元としてもぜひともやりたいというような個々の具体的な結果が出てくれば、それはたとえば遮断緑地帯であったり、あるいは緑道といった形のものであったり、あるいは市街地の再開発計画であったり、いろいろあると思いますが、そういうものが出てきた段階で、この基準等も参考にしながら適切に協議の上、国庫としてもできるだけ優先的な配慮をしていこう、こういう態度でおるものでございます。
#422
○金瀬分科員 この中で、災害が起きた場合、大地震が起きた場合、そうしたときにどういう対策が一番必要であるかということが書かれておりません。直接、災害がいま起きたという場合はどういうことをやれば一番災害対策になるかということについてお答え願いたい。
#423
○吉田(泰)政府委員 私ども災害対策というものは緊急対策から恒久対策まで、そしていま言われるような応急、当面の措置というものと、いろいろ段階があると思います。一番の問題は人命の安全でありますから、これに対する平素からの訓練とか教育とかあるいはPRということだと思いますが、建設省が担当しそうな事柄について申し上げますならば、何といっても避難広場を広くできるだけ多く確保する、そしてそこへ行く避難路を整備し、避難路自身も防災的につくり上げる。まあその二点が何といっても大事だと思います。
#424
○金瀬分科員 ここに、あなたの方で緩衝地帯をつくると書いてあるでしょう。緩衝地帯をつくるということは、市街地と工場との間を遮断する最大の効果を上げるわけですが、その緩衝地帯をつくることが人命の救助にもつながり、火災を防ぐことにもつながるし、あるいは場合によっては水を確保することにもつながるし、あるいは食糧の確保にもつながるわけですが、その緩衝地帯で、そういうものをストックしたり、あるいは水を確保する施設をしたり、いろいろなことが必要だと思いますが、そういうことについて、今後そういうコンビナート地帯にそういう緩衝地帯をつくるための予算というのは相当つける気があるのかどうなのか、あるいはまたいまそういう予算がついているかどうか、その点について、
#425
○吉田(泰)政府委員 全国で特に新しく臨海開発を行うような場所では、非常にささやかなものではありますけれども、都市公園の予算の中で緩衝緑地というものも採択しております。全国十カ所ぐらいあるかと思いますが、ただ、これはこの研究書で言っているような、幅少なくとも三百メートル、できれば五百メートル、延長も延々と十数キロに及ぶというような大規模なものではございませんで、現にやっておりますものは小ぢんまりしたものでありますが、ただ、その場合にも工場側にも、それに接しまして工場敷地の中にも五十メートルとか百メートルとか後退して緑地帯を設置してもらう、両々相まちましてかなりの遮断効果を果たそうというようなものが実例としてあります。そういった緩衝緑地につきましては、私どもも今後ますます重要になってきますので、公園予算全体の中の配分の話もありますけれども、公園全体も伸ばしつつ、その中で緩衝緑地の予算も伸ばしたいと思います。ここに提案されているような緩衝地帯というものは、その全部がいわゆる公園とか、緑地ではなくて、堅固な建物でさえあれば住宅や工場でもいいというような場所も多々あるわけではありまして、これにつきましては再開発とかその他のあらゆる手段を動員してやっていかなければなりません。一挙にはなかなかできないわけでありまして、地方公共団体の計画の固まりを待ちまして、少しでも進めていくという態度が必要かと思います。
#426
○金瀬分科員 時間がなくなりましたので、最後に一点だけ大臣に質問申し上げます。三菱石油を初めコンビナートで大変タンクの故障が起きています。そのことについて建設省の見解を聞きたいと思います。
 それは、タンクというのは消防庁の管轄にいまなっておって、建設省は全然関係ないわけですね、これは全然関係ありませんね。消防庁の管轄で関係ありませんね。(山岡政府委員「ありません」と呼ぶ)そうしますと、ああいう巨大なタンクをつくるのに、設計とか施工とか竣工とか中間の検査とか、そういうことをやる能力というのが地方の消防署にあるかどうかという問題ですよ。それで、実際聞いてみると、全然能力のない人が検査をしている。たとえばボーリングとか地下構造とか、そういう検査をする能力がない人がやってる。だから、結局隣のタンクとの距離とかあるいは防油さくの高さをはかるとか、そういうことだけしか検査ができなくて、実際の検査ができないわけですよ。私も水島とかあるいは市原の――私は千葉県ですが、市原の消防署に、一級建築技士でそういう地下構造とかなんとかを調べて、悪いからこれを直せとか、そういうことが言える人がいるかどうかというと、余りいないようですよ。消防庁に資料を出してくれと言ったら、どのくらい技士がいるか出してくれと言ったら、資料は来ないのですね。結局、消防署の、火を消している人たちが行って検査して、これでいいとか悪いとか言って竣工検査を終わらしているんじゃないか、そう思うのですよ。根本的に建設省と消防庁が話し合って合同で検査をするとか、合同で調査をするとか、合同で許可するとか、それをやらなかったら災害といえものはなくならない、私はそういうふうに考えるのですよ。だからその点について大臣の見解をひとつ……。
#427
○山岡政府委員 現在建築基準法におきましては、いわゆる建築物のほかに、やはり建築工学で処理したほうが望ましいと思うものの工作物につきましては建築基準法を準用いたしております。例を申し上げますと、煙突、広告塔、防火水槽、昇降機、ウォーターシュート等でございます。
 ただいま先生のお話のございました石油タンク等につきましては、これは危険物の大規模貯蔵ということでございまして、現在消防法令でやっておりまして、特に危険物の規制に関する政令の中に詳しく出ております。ただ、最近のコンビナート等におきますいろいろな問題を見てみますと、むしろ建築工学と申しますよりは、基礎とか地盤に関します土木工学と両方合わさったようなもの、そういうもののほうがどうも問題だというようなことになっております。幸い、コンビナートの防災性の向上につきまして、現在自治省を中心にいたしまして各省で協議中でございます。建設省には建築関係の人も土木関係もたくさんおりますので、みんな力を合わせて、自治省と相談をして、今後そういう体制を進めるようなことを検討してまいりたいと考えておる次第でございます。
#428
○金瀬分科員 大臣、地盤沈下なんというのは必ず起きるものですよ。地震があったりあるいはあらしがあったり、埋め立てて何年もの間に地盤沈下というのは起きるんですよ。だから、地盤沈下が起きたからタンクが壊れたということは、これは当たらないと思うのですよ。地盤沈下が起きても大丈夫なような鋼材を使いタンクをつくるのが本当なんです、地球そのものが年じゅう変動しているんですから、だから、地盤沈下とかなんとかということよりも、むしろもっと厳重な検査、施工方法、そういうことを厳重にやれば、こういう事故は起こらなかったと思うのですよ。消防法の不備じゃないか、そういうふうに考えていますが、私はやはり、建設省が本格的にこのタンクというのは建築基準法でやるべきであって、消防法でやるべきでない、そういうふうに考えていますが、大臣はどう思いますか。
#429
○仮谷国務大臣 いま住宅局長からお答えをいたしたと思うのですが、私どももいまの石油タンクの問題は、これはただ消防法にまかしてそのままでいいとは考えておりません。建設省自体も乗り出して、技術や、体制を十分に発揮して未然に防いでいかなければなりませんから、そういう面については関係各省と十分連絡をして、そして共同してこの問題の対策を立てて、あるいは事前に災害を防止していくということに努力しなければならないと思っておりますから、そういう面では私ども全面的に努力してまいるつもりであります。
#430
○金瀬分科員 どうもありがとうございました。
#431
○谷垣主査 これにて金瀬俊雄君の質疑は終了いたしました。
 以上をもちまして、昭和五十年度一般会計予算及び特別会計予算中建設省所管に関する質疑は終了いたしました。
 次回は、明二十六日午前十時より開会し、運輸省所管について審査いたします。
 本日はこれにて散会いたします
    午後七時二十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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