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#1
第075回国会 建設委員会 第14号
昭和五十年五月二十三日(金曜日)
   午前十時三十七分 開議
 出席委員
   委員長 天野 光晴君
   理事 内海 英男君 理事 梶山 静六君
   理事 唐沢俊二郎君 理事 服部 安司君
   理事 村田敬次郎君 理事 井上 普方君
   理事 福岡 義登君 理事 浦井  洋君
      小沢 一郎君    三枝 三郎君
      田村 良平君    野中 英二君
      渡辺 栄一君    佐野 憲治君
      清水 徳松君    中村  茂君
      山崎 始男君    柴田 睦夫君
      新井 彬之君    北側 義一君
      渡辺 武三君
 出席国務大臣
        建 設 大 臣 仮谷 忠男君
        国 務 大 臣
        (国土庁長官) 金丸  信君
 出席政府委員
        国土庁長官官房
        長       粟屋 敏信君
        国土庁土地局長 河野 正三君
        建設政務次官  中村 弘海君
        建設大臣官房長 高橋 弘篤君
        建設省計画局長 大塩洋一郎君
        建設省都市局長 吉田 泰夫君
        建設省住宅局長 山岡 一男君
 委員外の出席者
        建設委員会調査
        室長      曾田  忠君
    ―――――――――――――
五月十六日
 国道一六一号滋賀県北小松地区のバイパス工事
 計画変更に関する請願(瀬崎博義君紹介)(第
 二九一三号)
同月二十日
 公的賃貸住宅の建設等に関する請願(渡辺武三
 君紹介)(第三一五〇号)
 同(北側義一君紹介)(第三二五九号)
 同(浦井洋君紹介)(第三三五三号)
 同(田中美智子君紹介)(第三三五四号)
 群馬県利根村地内泙川水系ダム工事に係る護岸
 工事実施に関する請願(新井彬之君紹介)(第
 三二六〇号)
 群馬県利根村地内泙川水系ダム工事による代替
 農地の確保に関する請願(新井彬之君紹介)(
 第三二六一号)
 公団住宅の自治会事務所設置に関する請願(浦
 井洋君紹介)(第三三五五号)
 同(田中美智子君紹介)(第三三五六号)
 同(渡辺武三君紹介)(第三四〇〇号)
 建築家職能法制定に関する請願(福永一臣君紹
 介)(第三四〇一号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 都市再開発法の一部を改正する法律案(内閣提
 出、第七十二回国会閣法第八一号)
 大都市地域における住宅地等の供給の促進に関
 する特別措置法案(内閣提出、第七十二回国会
 閣法第九一号)
     ――――◇―――――
#2
○天野委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、都市再開発法の一部を改正する法律案及び大都市地域における住宅地等の供給の促進に関する特別措置法案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中村茂君。
#3
○中村(茂)委員 法案に入る前に、まず地価公示について国土庁に質問いたしたいと思いますが、本年の五十年一月一日の地価公示が五月一日の日に発表になったわけでありますけれども、実は昨年の四十九年一月一日の地価公示についても五月一日の日に発表になりました。四十八年までは大体四月一日に発表になっていたわけでありますが、昨年たまたま一月おくれたということで、昨年の三月二十二日のこの建設委員会で、私がそのおくれた理由について質問いたしたわけであります。特に四十八年までは四月一日にずっと公示になってきていた。四月というのは新年度が始まるし、どうして一月おくれたのだ。これに対して建設省の大塩計画局長が答弁して、四十九年は一つの見込み違いがあった、今後は地点数の拡大も行われるけれども、四月一日というのは一つの意味があるので、おくれるというようなことのないように努力したい、こういう答弁をしているわけであります。ところがことしもまた一カ月おくれた、こういうことでありますので、まず最初に、そのおくれた理由について明らかにしていただきたいというふうに思います。
#4
○河野(正)政府委員 おっしゃるとおり四月一日に、一月一日時点の地価公示をすることが私は理想だと考えております。本年も努力をいたしたわけでございますが、一万五千数百地点に標準地の数もふえてまいりまして、鑑定評価書が一地点に二つずつ上がってまいりますと三万以上の鑑定評価書になるわけでございます。これの審査等も大変膨大な事務になるわけでございますが、努力を重ねましたが、本年度は特に鑑定評価手法の改善等も行ったわけでございます。そういう特殊性もございまして、膨大な事務処理にやはり一カ月のおくれをとったということでございます。
 また、これは来年のことを申し上げますとあれなんでございますが、鑑定評価手法の新しい方式の定着も漸次図られておりますので、来年度以降はできる限り四月一日に公示ができるようにがんばってまいりたいというふうに考えております。
#5
○中村(茂)委員 先ほど申し上げましたように、昨年も、そのようなことのないように努力する、こういうことであります。それでことしも、それに努力してみたい、こういうことでありますけれども、地価公示法が改正になったときに、不動産鑑定士等の育成強化を図るということも同時に改正になって、地点がふえていくことはもうその改正のときに明らかになっているわけであります。ですから、昨年も私はそういう意味で、不動産鑑定士の育成強化等もやったり、また地方自治体に任せているという面も改正でずっと出てきているわけでありますけれども、地方自治体に対しての要請、または教育というかそういう面も強化していただいて、いままでのように四月一日にできるようにということを言ってきたわけであります。ですから、やります、こういうことでひとつ私は理解して、次に進みたいと思います。
 先ほどもありましたけれども、鑑定方式を変えた、こういうふうに言っておりますけれども、いままでの鑑定方式とことしの鑑定方式は、どういうふうに、どこのところが変わったのか、ひとつ簡潔にお答え願いたいと思います。
#6
○河野(正)政府委員 幾つかの点があるわけでございますが、主なものを一、二点御説明申し上げたいと思います。
 従前におきましては、取引事例比較法と収益還元法という二つの方式の中で、結局のところは取引事例比較法に引きずられた形の鑑定評価が許されておりました。そのために過去二年間のような投機的な取引が横行いたしまして、市場相場がどんどん上がってまいりますような場合に、後追い的な価格になりがちであるという批判を受けていたわけでございます。この点を改めまして、通常のケースの場合には、取引事例比較法も使っていいが、収益還元法の方にウエートを置いて鑑定評価をやるようにという指導をしたことが第一点でございます。
 それから第二点は、取引事例比較法を適用する場合におきましても、一般の事例の中には、ただ単に土地でもうけたいという種類の、実際の使用目的、利用目的の不明確な取引の事例も多々あるわけでございます。また、大企業等がスーパーマーケットあるいはガソリンスタンド等をつくるために、土地の特定性というか特殊な条件に引きずられまして、異常な買い進みをやるというようなケースもあるわけでございます。そういった特殊な事情に基づく事例につきましては、なるべく取引事例からオミットをしていくように、また、やむを得ずその取引事例をとる場合にも、その取引に当たっての特殊な事情という部分は十分に排除をして勘案するように、というようなことが第二点であったのでございます。
 まだ細かい点は幾つかございますが、そういうようなことを行いまして、本年度地価公示に当たった。また、国土利用計画法の施行に際しましての基準地の評価につきましても、これを厳に守るようにというふうにしているわけでございます。
#7
○中村(茂)委員 標準地の鑑定評価の基準に関する省令というのがあります。その第七条には取引事例比較法、第八条には収益還元法、第九条には原価法、三つの算定方式を決めているわけでありますけれども、この三つの算定方式のどれをとるか、こういうふうに私は理解していたわけですけれども、いまの話では、七条で決まっている取引事例比較法にいままではウエートがあった、今度は八条で決まっている収益還元法にウエートを置いてやった、こういう言い方でありますけれども、一応、基準に関する省令が出ていて、それぞれの条項で、やる方式が三つ決まっていて、それをまた――省令でありますけれども、一応省令で出ているものを条項別に解釈して、また指導して、鑑定方式をどこにウエートを置く、ここにウエートを置くというようなやり方で勝手にできるものかどうか、その点が、こういう省令が出ているものからして私は非常に不可解に思うわけですけれども、その点ひとつ、省の考え方を明らかにしてください。
 それからそれに関連して、今度出されました「国土の利用に関する年次報告」、いわゆる国土の白書というふうに言われるものの百五十一ページに、基準地価の算定方式というふうに、特に規制に関しての基準地価の算定方式が出ているわけでありますけれども、その中で、きわめて簡明に「近傍類地の取引価格から算定される推定の価格」これが取引事例比較法、「近傍類地の地代等から算定される推定の価格」これが収益還元法、「同等の効用を有する土地の造成に要する推定の費用の額」これが原価法、こういうふうに、基準価格の算出方式も、いま申し上げました地価公示についての鑑定評価の基準の項目を持ってきているわけであります。したがって、ここでもいわば種類はそれぞれ明確になっていまして、こちらの方を半分とってこちらの方を半分継ぎ足す、こちらの方にウエートを置くというふうな算定方式に別になっていないと私は思うのですけれども、そこら辺の関連も含めて明らかにしていただきたいと思います。
#8
○河野(正)政府委員 御承知のように、国土利用計画法の体系では、法律で地価公示のある地域とない地域とに分けておりまして、ある地域につきましては、地価公示という国の示しました価格を基礎といたしまして、個々具体の土地の価格を比準して出すというような形になっているわけでございます。したがいまして、国土利用計画法及び政令、施行令、施行規則の体系におきましては、地価公示対象地域につきましてはすでに基準値の価格ありという前提で行われておりまして、その場合には固定資産税の倍率方式であるとかあるいは比準方式であるとかということでやるようになっております。ただ、標準値と非常に地価形成の要因の異なるような土地につきましては、三方式を独立に具体に適用するというのを例外的に書いているわけでございます。
 そこで、大もとになる地価公示価格そのものの鑑定評価ということにお尋ねの焦点があろうかと思いますが、その場合には、おっしゃるとおりこの国土利用計画白書の百五十一ページにありますような三方式を適用するわけでございます。ただ、あらゆる場合にこの三方式を適用するのではなくて、通常の住宅地等につきましては取引事例比較法と収益還元法を適用する。ただ新規造成宅地、新しく宅地造成をやりましたような地域につきましては、コストの積み上げによる原価法を併用する、こういう運用になっているわけでございます。
 大体この百五十一ページに書かれましたとおりの手法の内容になっておりますが、さて、先ほどの私の説明に多少の言葉の足らなさもございましたので補完をさしていただきますと、従来は、昨年までは取引事例比較法と収益還元法を適用しなければならない場合におきましても、最終的な判断はいずれかの方法によって選択し得るような余地があったのでございます。そこのところをきめ細かく決めてなかったのでございます。そのためにおおむねの鑑定士の方々は、両方式を一応やってみるけれども、非常な乖離がある場合には取引事例比較法の方を採用してしまうというようなことになりがちでございました。今般、昨年の土地鑑定委員会の建議におきましては、そういった場合でも同等の価値あるものとして処理するように、つまりどっちかに片寄って結論を出すということはいけないということでございます。やさしく申し上げれば、取引事例比較法で出ました価格、収益還元法で出ました価格、その両者を同等の立場で考えるということにいたしたわけでございます。その辺が非常に違ってきたということと、それから収益還元法自体の中身につきましても、それから取引事例比較法の適用の中身につきましても、先ほど説明を申し上げた中に含まれておりませんが、細かな改正をいたしましてやったということでございます。
#9
○中村(茂)委員 これを審議する時間じゃないですけれども、新聞等で見れば、いままではどちらかと言えば取引事例比較法だった、しかし今年度は収益還元方式だ、こういう表現が多く使ってあるわけです。いまの説明からいくと、両方ずっとやってきて、両方対等に見てその中間をとったような言い方、どうも余りすっきりしないのですけれども、それじゃもう少し具体的に聞きます。
 先ほども質問したのですけれども、これには先ほど言いましたように、七条、八条、九条というふうにそれぞれはっきりと算出方式も省令で出ているのですよ。そしてどれにするかということになると私は思う。いままでの説明ではどうも余りすっきりしないのですけれども、改めてお聞きしますが、ことし結果的には収益還元法に重点がかかった、こういうふうに理解してもいいのです。そうすると、取引事例比較法で公示したものと収益還元法で算出したものと実際の公示価格についてどのくらいの開きが出てくるのですか。どこの例でもいいです。ひとつ額ではっきりさせてください。
#10
○河野(正)政府委員 大変むずかしい御質問でございます。本来理論的には取引事例から求めました価格も収益から還元いたしまして求めました価格も一致すべきであるという立場に立っております。
 ただ、たまたま取引事例比較法自体につきまして多少の不備があった従前の段階におきましては、取引事例比較法で出しました価格と収益から還元いたしました価格との間に開差が生まれがちであった。そのためにどういうような操作を加えたかということを、むずかしい問題ですが簡単に申し上げますと、たとえば収益還元から出しました価格が、収益が年間六万円だから六分還元すればまあ百万円の土地である、こうなりました場合、取引事例比較法から出しますと百五十万という数字が出る。理論的には一致しなければならないのに五十万の開差があるという事態にぶつかったといたします。そういたしますと、百五十万の方をとりまして――百万円で出したが百五十万をとったとしますと、国土庁あるいは当時は建設省に怒られますので、年間収益六万円であった、現にことしは六万円なんだが、経済成長がこういう激しい時代ですから、二年ごとに地代も更新になるであろう。とすると、無限等比級数を適用いたしまして割り戻しまして、たとえば八万円だあるいは九万円だとかいう収益が将来を見通せばある、こうなぞらえるわけでございます。それを六分還元すれば百五十万に近くなるというような操作を加えて、結局は一番当初のプリミティブな作業で出しました百五十万という数字を採用する、こういうことが行われていたのでございます。ところが今回、昨年度の建議では、そういう実施細目にまで立ち入りまして詳しい基準をつくりまして、こういうような経済の局面で将来永遠に収益等が増加していくというような見通しをやり、無限等比級数を適用するというようなことはおかしい。したがって、地代等の将来の増額関係は二年ないしは、三年の見通しにとどめるべきであるというようなことにしたのでございます。
 また、取引事例比較法につきましても、先ほど申しましたように、特殊な才能のある大資本の方々のみが利用し得るような利用の形態を前提とした価格、取引の事例の価格というものを前提にして出しておりました。ところが、この最有効使用の原則というのが不動産鑑定評価の原則の中にありますが、あらゆる土地が、最も才能のある最も資本力の豊かな人が使った場合にはここまで使えるという前提で鑑定評価をするというのは、私は間違いである。地域に応じた、通常の人間が、通常の力でなし得るぎりぎりのところを最有効使用と言っているのであって、特殊異例の力のある人の最有効使用を言うのではないというふうに解釈を明確に確立をしてもらったのでございます。そういうようなことで、結論的には取引事例比較法に基づく価格と収益還元法に基づく価格と申しましても、それぞれの方式を両方とも改めておりますので、現時点におきましてはそれほどの開差があるはずが理論的にはないのでございます。
 以上お答えいたします。
#11
○中村(茂)委員 私は、結局ことしの公示価格は九・二%下がった、こういうふうに言っているのですね。だから、実際にその地価がそれだけ下がったのか、それとも鑑定方式が違ったわけですから、したがって九・二下がったと言うけれども、このうちの下がった何%は鑑定方式が変わったために下がったという一応数字が出てきているというふうに思うのです。全部九・二%が地価そのものが下がった現実の姿じゃない。この中身というものは二通りある。実際に下がった分と計算方式が変わって下がった分と含めて九・二だ、こういう理解を実はするわけなんです。何%かわからぬけれども、そういう理解でいいのかどうか。
#12
○河野(正)政府委員 おっしゃるとおりでございます。
#13
○中村(茂)委員 そうすると、国土利用計画法が制定されたときに、規制区域の基準価格について、附帯決議または話し合ってきて、市場相場の七〇%から八〇%にする、こういうことで、この問題を私もやはりこの委員会で取り上げて、四十九年度までやってきた地価公示のあり方、鑑定方式、こういう観念で市場相場の七〇%、八〇%が地価公示の価格というふうにイコールさせることはおかしいじゃないか、こういうふうに御質問したところが、いや、それはそうじゃない、地価公示がやはりここで言っている七〇%、八〇%に該当すると。いまになって私わかりました。鑑定方式を変えて、先ほど言っているように、まあそっくり変わっていませんけれども、何か中間的なものにして、いままでの値上がり分というものを余り見ないでいくというような方式に変わってきたといういままでの論議経過から見ると、やはりいままでよりもここのところで七〇%か八〇%にする、こういう附帯決議が即地価公示価格と、こういうふうになっているとすれば、今度の鑑定方式はいままでよりも二〇%か三〇%低くなっているんだ、いままでのそういう問題をめぐっての論議過程からして、私はそういうふうに理解するんですけれども、それでいいんですか。
#14
○河野(正)政府委員 附帯決議の御趣旨、宅地については市場相場の七、八割を目途に政令をつくり、施行に当たるという御趣旨は、私どもの念頭を去らない重要な事項でございました。ただ、鑑定評価手法の改善をそのためにやったということではないのでございまして、私は多年にわたりまして、この鑑定評価基準の運用の内容につきまして是正すべき点多々ありと考えておったのでございます。それを国土庁ができました際に行ったわけでございます。
#15
○中村(茂)委員 いろいろありますけれども、これはこの程度にして、いずれにしても、いままでよりもどちらかといえば、私は今回の鑑定方式の方が地価を安定させていくにはいいんじゃないか、こういうふうに理解しております。そういう意味を含めて、今回の地価公示でも明らかなように、地価というものがある程度鎮静の方向に来ているというような感じを受けます。
 しかし一方では、金融緩和の方向が出てくれば地価はすぐ動き出すのじゃないか、こういう条件もあります。また「国土の利用に関する年次報告」、これでも明らかなように、特に四十七年から四十八年にかけて思惑買いというか、企業の投機買いというか、そういう広大な土地がいま遊休土地というか、土地が動き出せばすぐそれが芽を吹いてくるというような条件があります。そういうことを考えてみた場合に、いまこそ土地の特に地価の安定対策というものをきちっと立てていく一番いい時期じゃないか、この時期を逃せば、地価の安定対策というものがまた大変なことになっていってしまう、こういうふうに思うわけであります。そういう意味で、長官から今後の地価の安定対策についてひとつ明らかにしていただきたいと思います。
#16
○金丸国務大臣 ただいま国土庁の土地局長と先生との話し合いの中にもいろいろお話が出たわけでございますが、そのように国土庁といたしましても非常な配慮をいたしておるわけでございますが、土地の問題につきましては、いわゆる限られた資源でありますから、これを適正に利用することは当然でありますし、そのためには、投機的な土地取引等につきましてはこれを抑制して、そうして国民生活の安定を図るという方向を考えなければならないことは当然であると思うわけであります。そういう意味で先般国土利用計画法という法律を先生方のお力によってつくっていただいた。私はこの法律の効果というものは、今日の土地の鎮静をいたしておる最大の要因であると思うにつけましても、皆さま方に格段の敬意を表する次第であります。
 そういう意味で、金融措置、税制の改善等を含めまして、またこの法律の的確な運営を図りつつこの宅地供給の促進というようなことも推進していかなければならない。また、先生が御指摘のように、きょうこの時点において、土地というものは、いわゆるかつて転がせばもうかるものだという考え方をぬぐい去るのには一番いい時期であると私も考えておるわけでありまして、国土庁といたしましては、十分各県と連絡をとりつつ、この土地問題については最大の関心を持ち、これを指導し、そして国民の協力を得ながら進めてまいりたいと考えておるわけであります。
#17
○中村(茂)委員 申しわけないですけれども、いま長官が言った程度のことは、この国土利用に関する年次報告に大体出ています。もう少し態度を私ははっきりしていただきたいと思いますのは、金融の面からしても、これから金融緩和の方向に行くとすれば、これは土地のそういうところについては金融を選別融資の中から緩めていかないとか、または線引きについてもこれはもう五十一年度には検討しなければならない時期に来ているわけでありますけれども、この白書でも明らかなように、調整区域に投機的な土地買い占めが一番あるわけであります。今度、このところで法案を審議している宅地供給については、市街化区域です。市街化区域にこういう法律をつくって手法をこらして農地を宅地にしていく、こういう法案が通り宅地供給をしていくにしても、調整区域に手をつけてそれが市街化区域のようになっていくと、せっかくこういうものをつくってもそちらの方に行ってしまう。そうすると、地価の全体的な問題にしてもいろいろ問題が出てくる。仮登記してそこの調整区域に土地をいま持って、このところが宅地にならないか、自由にならないかということで、長官の決断をどういうふうにするかということを土地は見ている。こういう時期でありますから、私はもう少しそういう具体的な問題について実は長官から決意をお聞きしたいのです。
#18
○金丸国務大臣 金融の問題につきまして御質問もあったわけでございますが、金融の問題につきましては大蔵省とも十分連絡をとりながら、もちろん必要な土地の金融は必要でありましょう。しかし、この土地取引の内容において、いわゆる土地投機を来すような状況のものについては、当然金融が緩和される場面にいたしましてもこれはしては相ならぬということで、実は国土庁は大蔵省の銀行局と十分な連携をとりながら、あくまでも選別でいくべきであるという考え方で臨んでおるわけであります。
 また、調整区域等の土地問題につきましては、十分な監視をしながら、またこれが土地安定の基本を崩すようなことになってはならないという考え方で、各都道府県とも十分な連絡をとりながら、本当に慎重にこの話を進めておるわけでありまして、国土庁誕生のゆえんも、当時の土地の投機というような問題も含めましてそういうことを考えてみれば、この土地の問題を安定させることが国土庁のまず第一の仕事ですし、また誕生のゆえんだとも考えておるわけでありまして、この問題につきましては、国土庁の土地局におきましても本当の配慮をして、また緻密な計画のもとに各都道府県を指導しておることを御理解をいただきたいと思うわけであります。
#19
○中村(茂)委員 今度は建設大臣にちょっとお聞きしたいのですけれども、地価を安定さしていくということと、いま審議しております大都市地域における住宅地等の供給の促進に関する特別措置法案、これは余り長過ぎますから、私はこれから大都市法案、こういうふうに言います。それから都市再開発法の一部を改正する法律案、これは言えば市街化区域、特に三大都市圏における農地の宅地化を促進する役割りを果たすものだというふうに思うのです。いままでの土地区画整理法に基づいてそれぞれ行われてきた面を見ていくと、促進の度合いが地価と非常に関係があるわけです。特にいままでの大都市内におけるところの区画整理の問題は、ある程度還元方式ですから、地価が高くなければわりあいに飛びついてこない、還元しても余りメリットが出てこない、こういうことのようです。
 今度この二つの法律で、市街化区域内の、特に三大都市圏における農地を宅地化していく、その促進を図っていく、こういうことを考えてみると、土地というものが安定していた方がこの法律が促進できるのか、それともある程度土地が高くなければそういうものが促進できないのか。これは農家の人がどういうふうにこれからの地価というものを考えていくかということと非常に関係あると思うのです。地価が変動し、地価がどんどん上がっていくというような状況では、この法律を適用して宅地に変えていく、こういう意欲がなかなか出てこないと思う、将来を見ていますから。そういうところへ持っていくよりか、もう少し置いてこれを違う方へまた売った方がいい値になるじゃないか、しかし、安定してきて、ここで計算してみて、この法律の適用を受けて宅地にしていく、それで十分メリットもある、ほうっておいてももう土地も安定してきているから。こういうふうに農家の人が考えたときに、この法律が適用され、農地の宅地化が進行していくのじゃないか、私はそういうふうに思う。
 そういう意味で、これからの地価の安定というものがこの法律の促進を決定的に左右するのじゃないか、こういうふうに思いますので、そこら辺の農地を含めての観点から、大臣の考え方をお聞かせ願いたい、こう考えます。
#20
○仮谷国務大臣 お説は全く同感です。大体この法律は、農地等の所有者が土地を手放さずに換地や立体換地をして、そして環境のよいところでよりよい宅地をつくっていこう、あるいはその上に住宅をつくろう、こういうのが目的でありますから、理論的に言えば土地の売買がないわけなんです。そうすると、土地の価格そのものは大して影響ないんじゃないかという見方もあるわけですけれども、ただ、土地がどんどん上がっているときは、そんなことをしなくてもほっておいても上がる、おっしゃるとおりですよ。だから私は、そういうふうな事業意欲というものは非常に減退される、恐らくないのじゃないかという見方もあるわけです。そういう面から考えると、土地が安定する、むしろ逆に下がってくる、そういうふうなときにはむしろ自分の土地を自分でよくして、そうして環境のいい宅地をつくっていこうということの意欲が逆に出てくるという意味で、土地の安定するということが前提条件、絶対条件として、私は、この法律は推進すべきである。それが理想である、そういう考え方、全く同感であります。
#21
○中村(茂)委員 金丸大臣、そういう意味で地価の安定にひとつ最大の努力をしておいていただきたい。
#22
○金丸国務大臣 万全の努力をいたします。
#23
○中村(茂)委員 それでは、大都市法案の内容についてお聞きしたいと思いますが、先ほども言いましたように、約せば大都市法案ということですけれども、名前も非常に長いし、それから内容も土地区画整理法を準用している面が非常に多いし、準用している土地区画整理法もきわめて難解な法律でありまして、この法案を、全体的なものを頭の中へ入れるのに苦労するわけでありますけれども、そこで、この法案の全体的な骨子について、簡単でいいんです、促進法なら促進法がこうあってこうというふうに明らかにしていただきたい、こういうふうに思います。
#24
○吉田(泰)政府委員 大変長い法案でございますが、内容は、三大都市圏の市街化区域内の宅地供給を促進したいということでありまして、そのためにまず各圏域ごとに宅地開発協議会を設けるということが一つ。
 それから第二点としては、土地区画整理促進区域あるいは住宅街区整備促進区域という促進区域の制度を新しく都市計画に取り入れる。その促進区域内で、まず土地所有者等による事業の促進を促し、二年以内に着手されないようなときには市町村がこれにかわって乗り出すというようなことで、とにかく短期間に区画整理等を行ってしまうということでございます。
 第三点としては、それぞれの促進区域内で行われる典型的な事業として、土地区画整理事業というものの特例を開き、これを特定土地区画整理事業と名づけまして、その中に共同住宅区とか集合農地区とか義務教育施設用地あるいは公営住宅等の用地という一般の区画整理法にない特例を開いて大都市の特有な実態に合わせ、あるいは土地所有者である農民等の意向にも合うように配慮した。
 最後に、住宅街区整備促進区域の中で行われるべき典型的な事業として、新しく住宅街区整備事業というものを制度化いたしました。この中では、既存の住宅等があればそれを平面的に換地するわけですが、少なくとも四割の土地を中高層住宅まで建てて供給する、そういうことによりて農業から住宅経営に転換される方にもふさわしく、また地価の高いところで国民が要望する住宅にもなり得るという制度を仕組んだというところが骨子でございます。
#25
○中村(茂)委員 いまもちょっと話がありましたが、宅地開発協議会を規定しているわけですけれども、この宅地開発協議会はどのような構成で何を協議して、この協議会が協議し決定した事項については国はどのような措置を講じようとしているのか、その点をひとつ明らかにしていただきたいと思います。
#26
○大塩政府委員 宅地開発協議会は、宅地開発の供給の促進に関しまして国及び地方公共団体が共通の問題を討議する場として設けられた協議体でございます。そこで討議されます問題は各般に上りますけれども、具体的には水の問題とか足の問題とかあるいは地方財政の負担の問題等が現在のところ中心になるのではないかと考えております。こういった大都市圏域における開発の中心課題につきまして、共通の場をしつらえて円卓に着いて協議をし、その協議の成果を踏まえまして、これをそこの各構成メンバーが合意をいたしましたならば、その結果につきましては当然国も地方公共団体もその結果を尊重して努力するという効果をそこの場で期待しようという性格のものでごいざます。
 従来こういった各般の忌憚のない意見を開陳する場を通じて宅地開発のいろいろな問題点を明らかにするという協調の場が欠けていたということを考えますときに、この協議会を設ける意味は非常に大きなものがあると考えておるわけでございます。その結果を尊重するということは、国としても地方公共団体としても、その促進に関する事実上の行為のみならず、行政上の措置を含めてこれに努めるということに相なります。
 この構成につきましては、行政各官庁の国、それから都府県及び指定市をもって構成しておりまして、場合によりまして委嘱する市町村をもって構成することといたしております。
#27
○中村(茂)委員 この大都市法も都市再開発法の一部改正両方の法案とも促進区域制度を創設した。それから都市計画法には予定区域の制度がある。この促進区域制度と予定区域制度の関係はどういう関係になってくるのか、明らかにしていただきたいと思います。
#28
○吉田(泰)政府委員 市街地開発事業と予定区域の制度は、新住宅市街地開発事業など大規模な面的な開発事業、種類を限りまして設けられている制度でありまして、この特色は、公的機関が用地買収方式でその事業を施行するという、その事業施行に先立って予定区域を定め、大規模な開発事業が施行しにくくなるような事前の乱開発とか建築行為を抑え、将来の市街地開発事業を行いやすくする制度であります。
 これに対しまして促進区域制度は、主として土地所有者等の権利者による開発を期待し、これを促進するために同様建築行為等の規制を行いますけれども、これはあくまでも換地あるいは立体換地等、買収方式でない方式で、しかも主として土地所有者等によって開発してもらう、それを促進するために必要な規制をかけるという仕組みのものでありまして、両者は競合することはあり得ない性格のものであります。
#29
○中村(茂)委員 それで、土地区画整理促進区域の面積要件は五ヘクタール以上、住宅街区整備促進区域の面積要件は一ヘクタール以上。どうしてこういう差をつけたのか。
#30
○吉田(泰)政府委員 両者とも、基本的にはある程度の規模があって、促進区域をかけて開発されることの実益というものも確保したいわけでありますが、さりとて、市街化区域内である程度きめ細かく指定できるようにいたしませんと、大きく面積要件を掲げますと適地も非常に限られてしまうということになりまして、いわばその両者の中間をねらったわけでございます。
 その場合に、面積要件で五あるいは一ヘクタールと違っておりますのは、土地区画整理促進区域は、とりあえずは土地区画整理等の土地の区画形質の変更をねらっている制度でありまして、したがいまして、ある程度の大きさの規模のものでも開発が期待しやすい。しかしながら、その最低限度としては、たとえば区画街路などを考えましても、これはいまどきですから、できるだけ六メートルぐらいの幅員はとりたい、最低でももちろん四メートルなければ家は建てられないわけですから、そういったものを想定いたしますと、かなりの公共用地は生み出さなければならない。それを生み出してなおかつ相当量の宅地供給が期待できるということになれば、最低限が要るだろう、また良好な市街地としての設計をいたしますためにも大きい方が望ましいわけで、いわばその両者の折衷点として、五ヘクタールをもって限度とすることが妥当であると考えました。
 なお住宅街区整備促進区域は、その中で相当部分につきまして中高層住宅まで建ててもらいたいということでありますから、土地所有者にとりましても相当厳しいことになりますので、余り大きな面積を必要要件とすればなかなか採択しにくいということと、もう一つは、類似の制度である一団地の住宅施設という制度がありますが、これが一ヘクタール以上の一団地における五十戸以上の集団住宅というようなものを最低規模にいたしております。そのあたりを考えまして、住宅街区の場合はさらにきめ細かく拾う必要があるということ、それにしても一ヘクタール程度以下では中高層住宅が余り建てられなくなりますので、その辺を勘案いたしまして、一ヘクタールと差を設けた次第でございます。
#31
○中村(茂)委員 住宅街区の方は都心に近いところになるでしょうし、ある程度家が建っておりますし、それから整備したところについても建物まで、こういうことですから、一ヘクタールがいいのかどうか、土地区画整理よりも小さくても当然だというふうに思うのです。それから土地区画整理促進の方は、どちらかと言えば土地までですから、建物の方はまた別、こういう話ですから、しかも相当農地のあるところに手をつけていくということになりますから、ある程度わかるような気がするのですけれども、一ヘクタールと五ヘクタール、余りにもその開きがあり過ぎる、私はこういう感じがするのです。
 これは、また後ほど質問しますけれども、どこら辺のところを区切りにして、どういうふうになっていくかということがはっきりしてくればなおわかると思のですけれども、私の感じとすればこの開きがちょっとあり過ぎる、こういう感じがします。これはどうでもいいのですが……。
 次に、促進区域の建築行為等を制限しています。その理由と、それから住宅街区整備促進区域の方が土地区画整理促進区域よりも規制が厳しい、この点についてひとつ明らかにしていただきたいというふうに思うのです。
#32
○吉田(泰)政府委員 まず、両方の促進区域について建築行為等を規制している理由でございますが、これは条文にもありますとおり、促進区域が定められますと、区域内の宅地の所有者等はできる限りすみやかに開発の事業を行うよう努めなければならない、また、二年たってもそういった事業に着手されていないときには、市町村等が乗り出しましてそれを仕上げる。いずれにしても、促進区域内の土地は、近い将来必ず土地区画整理事業等によりまして開発が行われることが決められた区域ということになります。そういたしますと、近い将来行われるべき区画整理事業等の支障になる行為はできるだけ抑えて、促進が実体的にも図れるように配慮しておく必要があるというのが、この建築行為等規制の理由であります。
 すなわち、この促進区域指定後にも建築物が自由に建つということになりますと、将来区画整理事業を行う場合に、その建築物は、換地等によりまして移転とか除却とかしなければなりませんから、その費用がかさむわけでございまして、かさんだ費用は結局は地区内全員の負担ということに帰するわけでありますから、ある人だけがそれを自由に建てるということを認めることは全員の利益にもつながらない、また土地の形質変更、つまり開発行為を自由に行わせますと、小規模な開発が行われたりしてまた手直し的に区画整理を重ねてやらなければならないというようなことにもなりますし、あるいは促進区域の中でよさそうなところだけがつまみ食い的に開発されてしまって、残るところは開発しようもなくなるというような不都合も生ずる、こういうことでございます。
 したがいまして、通常の管理行為等の一定の行為は、これは必ず許可をするわけでございますけれども、あるいは許可不要にするわけでございますけれども、そういった将来の事業施行が決まっている地区でありますので、その事業施行の障害になることを防ぎたいという趣旨でございます。
 次に、住宅街区整備促進区域の方が規制がやや厳しくなっております。つまり、建築物のみならず工作物も許可制にかかるとか、もう一つは、促進区域指定の日に現に権利を持っていた人でないと、許可しないことができるというような違いがあります。これは、区画整理の場合は、新しく建物が建ちましても、要は将来の事業によるその移転費というようなものがかさむ、あるいは話し合いが多少めんどうになるという程度でありまして、区画整理という事業の性格上、建物が多少建ちましても、事業本来の目的が達成できないというほどの支障を生じないのに対しまして、住宅街区整備促進区域で予定している中高層住宅の建築を考えますと、これは新しい家が建ちますと、それは既存住宅区ということで平面換地をしなければならぬという制度になりまして、結局中高層住宅を建てる場所がなくなってしまいます。そういったことの不都合が、区画整理の場合よりもはるかに本質的であり甚大でありますために、促進区域指定日に権利を持った人あるいはその相続人等に限って最小限度の建築は許可するけれども、その後転売した人に対しては、木造二階建て等の建物につきましても許可しないでいいということにいたしまして、中高層住宅の建設が確保できるようにしたことによる差でございます。
#33
○中村(茂)委員 促進区域の制度をつくって促進していく、そこのところに面積と建築行為等の制限がずっと加えられてきている。それで大体促進区域についての考え方は一応理解できるのですけれども、今度現実にそれを当てはめてみた場合に、どこの地域に、どういうところまで住宅街区整備促進区域になるのか、どの程度から土地区画整理促進区域になるのか。いわば促進区域の指定方針というか指定のあり方というか、その点を明らかにしていただきたいと思います。
#34
○吉田(泰)政府委員 この促進区域は、法律の第五条あるいは第二十四条にそれぞれの要件が掲げられてありますが、実際には関係権利者による利用化への機運が盛り上がったところ、こういったところをむしろ要望を受けた形で指定するということが最も望ましく、私どもも極力そういった方向で実際の指定には当たりたい、こう考えます。
 そこで、両方の区分けの考え方でありますが、一般的に言えば、土地区画整理促進区域の方が同じ市街化区域内であっても市街地からやや遠い。したがって、広く空閑地等がまだ残っているような地域、地価も比較的低い地域ということでございます。
 住宅街区整備促進区域は、市街地に非常に隣接しているような場所、したがって便利でもあり、そのためには地価も高いというような場所、おおむねそういうふうに区分けしております。
 法律上の要件としては、たとえば用途地域で言えば土地区画整理促進区域は住居地域、第一種、第二種の住居専用地域が大部分であればいいということですから、いわば大部分が住居系用途地域であれば足りるということであるに対し、住宅街区整備促進区域は第二種住居専用地域に限り、さらにその中でも高度利用地区がかかっているところという二重の縛りになっておりまして、法律上の要件は非常に片一方が厳しくなっております。
 しかし、これはこういった中高層街区の建設を促進するということを制度化するためにそれにふさわしい地域、地区を要件にせざるを得なかったということでありまして、実務としては、住宅街区の整備を促進したい。つまり中高層住宅を建てたいというような機運が盛り上がってくれば、これはそういった良好な市街地となることが担保されているわけでありますから、従前住居地域であったり第一種住居専用地域であったりする場所につきましても、そこまで機運が出ているならばということで、それを当て込みまして第二種住専に切りかえ、あるいは高度利用地区をかけるということも当然考えられるわけでありますので、法律で書いているほどに実際の要件の厳しさはないと思います。
 両者の対象地域をはっきり区分するということは、これもやはり地元の土地所有者等の意向によりまして、どうせやるなら住宅街区までやりたいというようなところはできるだけそれも拾えるようにしたい。また比較的便利そうな場所であっても、とりあえず土地区画整理だけにとどめたい、住宅街区までやるのは意見が一致しないというような場所であれば、区画整理だけでもやることに意味があるとすればこれも受け入れた方がいいんじゃないかということですから、余り私どもは完全に厳密には区分しない運用を考えておりますが、法律上はそのような差があるわけでございます。
#35
○中村(茂)委員 土地区画整理事業、いままでやってきたこの事業は、建設省の都市局の資料によると、昭和四十八年度末で五千七百四十三地区、二十四万ヘクタール強が施行された。これはちょうど市街化区域面積百二十四万ヘクタールの約二〇%に当たるわけです。この二〇%に当たる程度までいままでの土地区画整理事業をずっとやってきて、今回特例として特定土地区画整理事業と住宅街区整備事業の二つを創設した。これは特に三大都市圏に住宅供給をするという理由だ。こういうふうに考えていくと、改正しなくもいままでの土地区画整理事業で、そこのところへ促進区域を前の方で創設しているわけですから、三大都市圏ということだけでこの特定土地区画と住宅街区これをやることもできるのじゃないか、ちょっと考えるとそういう感じも受けるのですけれども、三大都市圏だけになぜこれを創設してやろうとしているのか、ひとつ相違点というかきわめて明確な点だけを明らかにしていただきたい。
#36
○吉田(泰)政府委員 促進区域の実際の運用としては、私ども地元権利者の意向を十分反映した形で指定もし、事業の実施についての応援もしたいと思いますが、制度的には都市計画で促進区域が定められますと、土地所有者等は早急に区画整理等を行わなければならぬという努力義務が課せられ、その努力が果たされないということになりますと、二年という非常に短い期間で市町村等がかわって区画整理等を行ってしまうということでありまして、促進区域がかけられたことに対応するいろいろな措置がぜひとも必要であろう、こう考えたわけであります。
 その特例措置としては大体四つほどありまして、一つは共同住宅区が定められること、一つは集合農地区が定められること、一つは義務教育施設用地あるいはその代替地をとることができるようにしたこと、あるいは公営住宅等の用に供するための保留地を定めることができるようにしたことでございます。
 それからもう一つの住宅街区整備促進区域につきましては、これは区域内の土地に中高層住宅まで建てる、区画整理のような土地の形質変更を行った上でさらに中高層住宅まで建てるという事業でありますが、これにちょうど対応するぴったりとした制度的な事業が現在ありませんので、それに合うような新しい住宅街区整備事業というものを起こした、こういうことであります。
 いずれも促進区域内の促進義務というものに対応して、一方では土地所有者等の意向、一部でも農地を残したいというような意向、あるいはどうせやるなら共同住宅を建てたいというような人があれば、これはその希望によってそういったものをとれるような制度、あるいは三大都市圏では学校用地等非常に用地難でありますから、そういう用地難の程度の強い地区にふさわしく、小規模住宅といえども応分の義務教育施設用地またはその替え地となるものを確保しておき、将来小学校の用地問題を新たに起こすことのないように配慮しておくというようなことがどうしても必要だろう、こう考えたわけでありまして、三大都市圏以外につきましても将来だんだんそういう必要性も出てくるかもしれませんが、少なくとも現時点では、まず非常にはっきりした三大都市圏に限って促進区域の制度を起こし、それに対応するものとして種々の特例あるいは新しい事業制度を起こしたというものであります。
#37
○中村(茂)委員 土地区画整理事業は全国に網をかぶせて、その特例としていま幾つかの特色を挙げた内容を取り入れて三大都市圏にやっていく、そこのところが私ちょっとわからない。将来は広げるというふうに言うけれども、宅地供給の重要な要件は、三大都市圏は一番必要でありますけれども、まだ全国的に三大都市圏に匹敵するような地域が相当あると思うのです。ですから、そういううまい手法で大都市の近郊にそういう宅地供給をしていくということになれば、あえて三大都市圏に限定しなくもいいのではないか、こういう疑問が一つ起きてくる。
 ですから、これは審議の過程で、三大都市圏なんて言わないで、それに準ずるようなところについてももう少し広げていくという気持ちがあってもいいんではないか、こういうふうに私は思うのですけれども、いま少し――将来はというふうに触れられましたが、そう限定しなくも、近い将来にでもやはりこれを全国的に、三大都市圏に準ずるようなところについては広げていくということが必要ではないか、こういうふうに思うのですけれども、その点をひとつ考え方を明らかにしていただきたい。
#38
○吉田(泰)政府委員 たとえば特定土地区画整理事業の特徴を四つ申し上げましたが、それぞれの特色につきまして、いまの段階で制度的にこれを他の地域にまで広げるということに踏み切るには、まだ難点があると考えておるわけであります。
 たとえば集合農地区を残すということは、せっかく相当の工費をつぎ込み、労力も通じて区画整理を行うにもかかわらず、その三割ぐらいはあえて農地で残そうということですから、宅地供給の面から見れば効率が非常に悪いわけであります。にもかかわらずあえてそういう特例を認めようというのは、そういうことをすることによって、そのぐらい、三割ぐらい残るものならばやってもいい、努力しよう、あるいは積極的にやりたいという機運が期待できる場所が多いんではないかということでありまして、そういった特例まで開いて、資金の効率等にもかかわらず、あえてそういった土地所有者の意向に即する制度を設けるということは、まず当面は三大都市圏に限って踏み切ろうということであります。
 また義務教育施設用地をぜひとも取れとか、その代替地を取れということも、そういった義務教育施設用地の取得難ということが非常に著しい地区にやはり限らなければ行き過ぎになるのではないか。
 また共同住宅区の制度は、共同住宅区に換地を希望する人は、これは同意制度ですから、同意しているのですから問題はないのですけれども、共同住宅区を設けられたために、ちょうど共同住宅区に元地を持っていた人で、しかも共同住宅区を希望しない人があれば現地換地はできませんし、どうしても共同住宅区の外の最寄りのところに換地されざるを得ない。
 そういうことで、やはりそういった集合農地区とか共同住宅区とかいう特異な地区を設けるということは、地区内の換地設計上、多少現地換地とか現地に近い換地という土地区画整理の理想から言えば遠のいていくということでありますので、そういったこともあえて認めようというからには、やはりそこまで理由づけられる三大都市圏にしぼりたい、こういうことでありまして、そういう制度を起こすということになりますと、それのどうしても必要なゆえんを十分固めなければなりませんし、現在全くそういう道が開かれてないものをまず開くという意味では、三大都市圏という非常に明確な場所で区切るということが最も適当であると考えたわけでございます。
#39
○中村(茂)委員 三大都市圏だから義務教育施設の代替地が必要で、三大都市圏に準ずるような大都市については、そういうところは必要ないということには私はならないと思うし、集合農地区等についても、特にある程度集合農地区を設けてやっていくということになれば、これは三大都市圏に準ずるような他の都市についてもなお農地が常識としては多いわけですから、それも三大都市圏だけする理由にはならない。しかし、そういうところを設けて、宅地部分は比較的少なくなる、だから宅地を得るというメリットからすれば、比較的少ないその割合に金がかかる。だから、さしむきそう広範囲にできないから三大都市圏に手をつけて、これが順調にうまくいくようだったら広げていく、こういうふうに私はいまの答弁理解したんですけれども、理論的にはなかなか一ただ金の面からある程度制約してくるというなら、それから将来、まず制度をつくってやってみてうまくいくようだったら、またすぐ広げていくというような考え方だったとすれば、私は理解できるんです。いま言ったような、どうも創設されていく幾つかの内容が、三大都市圏だけ必要であって、他のところは必要ないという理由にはならないんですから、私はそういうふうに理解したいと思うのです。
 それから、住宅街区整備事業と特定土地の区画整理事業との相違点を明らかにしてください。
#40
○吉田(泰)政府委員 特定土地区画整理事業は区画整理法による区画整理事業に先ほど言った主として四つの特例を開いたというものであります。これに対しまして、住宅街区整備事業というのは全く新しい面開発事業として創設したものでありまして、その内容は、ちょうど特定土地区画整理事業に類似するような土地の区画形質の変更を行うとともに、あわせてその最低四〇%程度の土地には中高層住宅まで建てる、そこまでを一体とした事業であるという点が主な相違点であります。
#41
○中村(茂)委員 そうすると、もう少しはっきり言うと、住宅街区整備事業は中高層ビルの家まで建てる。それから特定土地区画整理事業は、建物の方は建てないで宅地だけを区画整理して、建物の方はまたそこの持ち主が幾つかに分かれるのでしょうけれども、共同で建てるなり個人で建てるようになるけれども、建物は入っていない。ここのところが一番変わっていると、こういうことですね。
#42
○吉田(泰)政府委員 おっしゃるとおりでございます。
#43
○中村(茂)委員 それから両方の事業とも、いま説明がありましたように、集合農地区というものをつくる、そうして生産緑地法の第二種生産緑地に指定することを要請できるようになっている。ところが、生産緑地法をこの建設委員会で審議したときに附帯決議が実はあるわけです。「地方自治体が、地域の実情に応じて現に実施している農業緑地等保全制度で、その内容が生産緑地法の規定と異なるものについては、これを尊重すること。」言えば、地方自治体が条例に基づいて、生産緑地というものを申請に基づいて認めた場合には、A、B、C農地について一応税金はかかるけれども、その分を条例で還元していくという逆の緑地があるわけですけれども、この事業をして集合農地区になって生産緑地法の第二種の申請が出てきて、した。ところが、そこのところに問題になった条例に基づく地方自治体が認めている緑地、これとの関係はこの中へ含まれるのですか。どういうふうになりますか。
#44
○吉田(泰)政府委員 おっしゃるとおり、生産緑地法の附帯決議でもって、「地方自治体が、地域の実情に応じて現に実施している農業緑地等保全制度で、その内容が生産緑地法の規定と異なるものについては、これを尊重すること。」とありまして、したがいまして、私どももそういった内容が違うものは今後とも存続するものと考えているわけであります。
 一方、この法律による集合農地区は、とりあえず農地を集合して、ばらばらでない形で農業の経営がしやすいように、また、他の住宅地等との配分もはっきり分けておくというような意味合いで設けたものですから、それだけでは、農地が集合されて換地されるというにとどまるわけであります。
 さて、そうなった後で、これを第二種生産緑地地区にしてもらいたいという全員の御希望があれば、必ず第二種生産緑地地区に指定するという要請の規定も置きました。しかしながら、第二種生産緑地地区に指定するということはちゅうちょする、それよりも、その条例に基づく還元対象の農地にしてもらいたいということになれば、これは市町村の条例の基準、要件等にもよるわけでございますが、これが集合農地区の実態と合っておればその対象とされるということになると思います。また、その条例の基準に合わなければその方の指定もできないということになるのではないかと思いますが、この集合農地区は第二種生産緑地地区に合致するようにしておりますから、そういう形式的要件、規模要件等は生産緑地地区にさえ合うわけですから、条例はより小規模のものが多いわけでありまして、多分条例には合う。ですから、あとはその内容がどういうものであるかということにかかるのではないかと考えます。
#45
○中村(茂)委員 次に、都市再開発法の一部改正に関する法律案について一、二点お聞きしておきたいと思いますが、大きく変わったのは私は三点だというふうに思うのです。そこで、もう時間がありませんから一括この三点をお聞きします。
 その一点は、従来の権利変換方式による第一種市街地の再開発事業のほかに、今度新しく収用方式というか、買収方式による第二種の市街化の再開発事業を創設した、こういうことですが、言えば、片方の方は権利還元でやっていく、今度第二種で創設した方はそこを全部買収してやる、こういうことですから、どちらの方もやりようによって全然変わりないような気もするのですけれども、買収方式を設けた理由を簡潔にひとつ明らかにしてください。
 それから、やはりこちらの方も促進区域、こういうものをつくっていく、こういうことであります。したがって、この市街化再開発の促進区域、先ほどの大都市法の土地区画整理の促進区域、住宅街区整備の促進区域、この関連、異なる点明らかにしてください。
 それから、今度新しく個人の施行者を認める、こういうふうになったわけですけれども、この個人施行に対して税制上または財政面、金融面においてどのような措置をとろうとしているか。それと、いままでは個人または共同、それで組合をつくってやっていく、これを個人ということになると、四十五階建てのビルを一つ、こういうのも個人ということになるのですか。
 そして先ほどの第一問になりますけれども、買収方式というのは駅前ぐらいなところを全部買ってという駅前の区画整理方式になるような気もしますけれども、そういうふうになっていくと、第二種をつくる意味もそうないような気がするんです。言いかえれば、第二種を設けた理由、促進区域の関連、個人施行者、これについての財政、税制、金融面の措置、この三点について一括明らかにしてください。
#46
○吉田(泰)政府委員 再開発事業は、既成の市街地、非常に権利のふくそうしたところでありますので、実際にはなかなか大規模に実施しにくいわけですけれども、しかし、できればなるべく広くやって、敷地も広く統合する。オープンスペースも大きく生み出す。あるいは非常災害時の避難拠点にもなり得るということが最も望ましいわけでありまして、これを要するに、大規模な事業にも今後はできるだけかかりたいということがございます。そうしてその大規模な事業を行う場合のことを考えますと、現在の第一種、つまり権利変換方式というものは、まず地区外転出者も含んで従前の権利というものをすべて一まとめにして処理しなければならない。これを権利変換計画と申しておりますが、それを立ててからでないと工事にも着手できないという仕組みになっているわけであります。そのために、権利変換計画を立てるまでに非常に時間がかかりまして、多数の人が中心におられる大規模な場合にこの隘路が非常に著しい。時間がかかるばかりでなくて、場合によってはもう事業ができないということにもなりかねない。
 これに対しまして第二種と申しますのは、用地買収方式でございますから、いわば一むね単位に工事を実施する計画があれば、その急ぐところの用地買収を先に進めるということによって、まずビルを建て、そして地区内の希望者があればそれを優先的に入れるというような転がしの方式も加味して、事業を一つずつ進めていけるという効果があります。特にかなりの面積を工場跡地等で先買いしているような場合には、そこにもう現にあいている土地があるわけでありますから、そういうところにまずビルを建てていくということが可能になるわけであります。
 そういう意味で、第二種というものは大規模な事業に適していると考えたわけでございますが、といって権利の保護に欠けるということでは困りますので、用地買収方式をとりますけれども、地区内残留を希望される方には必ず地区内に残れるようにする。つまり、権利変換と結果的に同じようなことになるように、これは保障しております。したがって結果としては同じようなことになり、権利者の保護にも欠けることなく、また事業の施行としてはそういった先行取得用地を活用する等により逐次事業が進めていけるというメリットがあると考えてこの制度を創設したものでございます。
 次に、大都市法とあわせまして三つの促進区域の制度があるわけでありますが、いずれも都市計画法上は促進区域に関する都市計画というもので一括されるわけでありまして、要するにその基本的性格は、市街化区域内において主として関係権利者による市街地の計画的な整備または開発を促進する必要があると認められる土地の区域について定めるというものであります。しかしながら、その三つはその促進すべき事業の種別がそれぞれ異なっているわけでありますし、対象地域も異なっておりますために、都市計画に定めるべき事項とか土地所有者、市町村等の責務の表現の仕方とか、あるいは建築行為等の規制の内容も強い弱い等、若干異なっているということになっております。
 個人施行の制度は、一つには市街地再開発促進区域という制度を設けましたことに伴って、まず土地所有者等の権利者の力でやっていただきたいということを言う以上は、従来のように組合を結成しないとできないというわけにもいかない。つまり組合を結成しないでも話し合いで、全員合意で権利者が集まってやるというようなことは当然認めなければなりませんので、それが直接の動機で個人施行を含めたわけでありますが、これは区画整理事業などもともと個人施行の道が開かれておりましたので、今後それにならっていこうというものであります。
 個人施行といいますものは、一人または数人ということでありまして、数人の場合は全員の同意が要るということになります。全く一人の場合ということは余りないかと思ますけれども、というのは、規模要件一ヘクタールとかいろいろありますから余りないかもしれませんが、制度上はあり得るということで、その場合は一人でありましても、市街地再開発事業ということで再開発法による監督を受け、企業局の承認等を取って的確に行っていくわけでございますから、組合施行等と同列に並べてもいいんではないか。もちろんそういった場合には、法律外のことですけれども、国庫補助等の助成についてはそこまですることはあるまいということで私どもは考えていないわけでありまして、実態の助成面では差がありますけれども、制度的にはそういうものもあり得ると考えます。個人施行につきましては、原則として組合施行と同様の優遇措置を財政上、税制上も考慮したいということでありまして、いま申した純粋の個人が、デベロッパーのようなものが、再開発をやるという場合などには国庫補助を適用しませんけれども、それ以外の場合には個人施行の場合も補助対象に加え、組合施行と同様な各種の助成措置を講じたいと考えておるところでございます。
#47
○中村(茂)委員 いまの個人施行、いまは本当に個人でも大きいですからね。それがデベロッパー等の場合と、本当に区画整理の中に大きく該当する一個人と、この判定が非常にむずかしいような気がするのですけれども、いま相当大きいビル等が出てきていますから、一つの建物で何人ということではなしに、本当に個人の施行で個人の一つの建物、これの判定というものは非常にむずかしいんじゃないか。しかも、個人で建てたのがそういうふうに財政面なり税制面で相当な優遇を受ける、こういうふうになると、そこに不公平が出てくるような気もするのですけれども、そこら辺のところをもうちょっと明らかにしていただきたい。
#48
○吉田(泰)政府委員 個人施行というのも、発事業としてやる限りは再開発法の要件に合っていなければならないわけでありまして、再開発事業の要件というのは、たとえばその地区内の耐火建築物が非常に少なく、それから十分な街路等の公共施設がないとか土地利用が細分化されていること等により当該区域内の土地の利用状況が著しく不健全である、そういった法定要件が当然あるわけであります。
 したがいまして、普通大きな法人と、一人で現にビルを持っているあるいは広い土地を持っているというような場合に、所有者が一人しかないわけですから、恐らくいま言ったような要件には該当しないと思います。つまり再開発法に言う再開発事業としてまでやらなければならないほどの必要性がないわけでございますから、まず該当することは非常に少ないのじゃないかと思いますが、もし該当して、現況が土地利用が非常に悪くて危険であり、都市機能も阻害されている、また高度利用地区であるにもかかわらず耐火建築物が少ない、あるいは老朽しているというような場合であれば、これは再開発法に基づいて監督できる方が、任意の建てかえ事業等で勝手にやられるよりはいろいろ監督も働くわけですから、都市の改造という見地から見ても望ましいのではないかと思います。
 ただ国の助成等は、その場合には一般の場合と差を設けまして、そこまでの必要はないわけですから、国庫補助などはしない、こういうことでいきたいと思っているわけであります。
#49
○中村(茂)委員 同じ個人施行で国の補助をするところとしないところが出てくるようないまの言い方ですけれども、これから実施していく場合には細かい基準などをいろいろつくってやっていかれると思うのですけれども、全く個人という問題を取り入れる場合に、国の財政措置をいろいろしていくということになれば、共同でやったものと不公平にならないようにやっていただきたいという点が私の質問の趣旨なんです。ですから、その点を生かすようにしていただきたいと思います。
 終わります。
#50
○天野委員長 柴田睦夫君。
#51
○柴田(睦)委員 大都市地域における住宅地等の供給の促進に関する特別措置法案に関連してお尋ねいたしますが、その前に、この間新聞などで報道されております住宅金融公庫の問題について伺っていきます。
 四月二十八日に住宅金融公庫の個人住宅向け貸し付け申し込みの受付をして、受付は一日で締め切られた。そして報道によりますと、最初八万戸を超えたので一日で締め切ったと言われておりましたが、その後、八万戸どころではなくて十三万六千戸の申し込みがあったというような報道でありますけれども、この間の事情をまずお伺いしたいと思います。
#52
○山岡政府委員 ことしの一月から三月までに五万戸の受け付けをいたしましたけれども、そのときに約十日間で満配になるという実績でございました。それらのことも考慮いたしまして、例年よりも一カ月早めまして四月の二十八日に募集を再開いたしました。ただ、そのときの見通しといたしまして、やはり一度に殺到する可能性なきにしもあらずということでございましたので、現地と絶えず連絡をとるように公庫に指示をしたわけでございます。そこで公庫の方では、従来受け付け申し込みの数が大体全体で半分ぐらいを占めるだろうと思われる主なところを指定をいたしまして、午後三時現在のものを報告をとりました。その概数が約八万ということでございます。シェアが半分でございますので、四万幾ら、それを倍をして約八万と推定をしたわけでございます。したがいまして、これでは当初予定の七万四千戸を当然上回るだろうということで、当日の締め切りを決定をいたしました。周知を図ったわけでございますが、なお三時以後も受け付けばいたしております。その分のトータルがその晩の二時ごろのおおむねの概数報告で十三万を超えたというのが実態でございます。
#53
○柴田(睦)委員 締め切り時間が地方の支店などについても一律に行われなかったのではなかろうか、決められた締め切り時間以後にも受け付けられたものが出されたのではなかろうかというようなことを聞いたことがあるのですけれども、そういう事情は調査しておられますか。
#54
○山岡政府委員 現在、いろいろなお話がございましたので、細目についても調査をいたしております。
 ただ、三時にとりました以後も、たとえば銀行は普通は窓口を三時で閉めておりますけれども、そのとき店内に入っていらっしゃる方は全部受け付けたと言っておりますし、それから農協、信連等でもやはり受け付けておられますが、そういうところはやはり五時とか六時とかまで受け付けられたという実態があるようでございます。
 ただそれにつきましては、例年の例で申しますと、通常の勤務時間内の受け付けということでございますので、その辺のところで各受託機関はおやりになったのだろうと思っております。
#55
○柴田(睦)委員 代替融資の枠を五万六千戸上回って受け付けたということになるわけですけれども、これは審査に合格したものについてはすべて貸し付けをするというのが筋だと思うのですけれども、この申し込みをした人で、これは審査があるわけでしょうけれども、審査に合格した分についてこれからどういう処置になっているのか。それから下期の融資枠の先取りというような話、こういうことも新聞に出ておりましたけれども、そうしたものも含めて今後の個人住宅向けの貸し付け申し込みをした人に対する処置をどういうふうに進められているのか、お伺いをいたします。
#56
○山岡政府委員 二十八日に受け付けをいたしましたもので概数報告は十三万四千戸ということでございますけれども、従来の例から申し上げますと、やはりそのうちから一割ぐらいは大体脱落されるという見通しでございます。これは自分の自己資金の都合がなかなかつかなかったというような理由でございます。そういうことを差し引きましても、予定よりも約五万戸はオーバーするだろうと思っております。
 ただ、その数字は年間予算の内枠でございますので、当面の問題といたしましては、とにかくお引き受けした方々については漏れなくお貸しできるようにしたいということでございます。
 なお、秋の分につきましては、これは昨年、年間平準化を希望する声が非常に多かったということで二回以上の分割をしたわけでございますけれども、やはり秋以降の予定がありまして第一期には申し込まなかったという期待も非常に多かろうと思います。したがいまして、予定戸数もしくは情勢によりましてはそれ以上の戸数につきまして貸し付けできるような措置を講じたいと建設省は考えておりまして、大蔵省等と十分協議をしてまいりたいと考えておる次第でございます。
#57
○柴田(睦)委員 法案について伺いますが、この法案は「国及び関係地方公共団体は、大都市地域における住宅の需要及び供給に関する長期的見通しに基づき、新たに必要となる住宅地の供給を確保するため、相当規模の住宅市街地を開発する事業の実施その他の必要な措置を講ずるように努めなければならない。」こう、うたっておりますが、この規定は、住宅地供給の確保を定めた現行法の責務の規定があるわけですけれども、現行法下の責務から、新しく国及び地方公共団体の責任を、新しいものを定めるものになるのかどうかという問題です。現行法では、たとえば住宅建設計画法が「住宅の需要及び供給に関する長期見通しに即し、かつ、住宅事情の実態に応じて、住宅に関する施策を講ずるように努めなければならない。」こう言っていますし、また都市計画法も「都市の整備、開発その他都市計画の適切な遂行に努めなければならない。」こう言っているわけです。現行法においても、住宅地の確保ということは当然のことでありますし、国や自治体の責任であるわけですけれども、この大都市住宅地供給法案で住宅地供給の確保の責任を規定するというのは、いままで以上に新しい意味があるのかどうか、まずお伺いします。
#58
○大塩政府委員 第三条のこの規定は、いま先生の挙げられましたような、長期の計画に基づいて、新たに必要となる宅地開発の事業を推進するために必要な措置を講じなければならないというふうに書いたものでございまして、国、地方公共団体の当然の責務を明記したということでございまして、この場で新たに長期計画そのものについて責務をうたったものではない、それに基づいて宅地開発を進めるべき当然の義務を明記したというような宣言規定というふうにお受け取りいただきたいと思います。
#59
○柴田(睦)委員 この前の委員会での建設省の答弁によりますと、特定区画整理事業を通じて昭和六十年までに二万ヘクタールの宅地を生み出す、住宅街区整備事業によって二千五百ヘクタールの宅地を整備する、こういう答弁でありました。もちろん、これは建設省の希望数字であるわけですが、大都市地域においては、昭和六十年までを見通した場合に、住宅の需給の見通し、及びこのためにどれだけの住宅地が必要であると考えておられるのか、お伺いいたします。
#60
○大塩政府委員 現在のところ、昭和四十七年に建設省がっくりました新国土長期構想というものを持っておりますが、これからわれわれは現在のところ推定して計画を持っております。これによりますと、三大都市圏におきましては四十九年度から六十年度までの間に必要とされる住宅の建設戸数は千二百万戸でありまして、そのうちに新たに宅地を必要とするものが四百四十万戸というふうに見込んでおります。この四百四十万戸に相当する、新たに宅地を必要とすることとなる面積が七万六千ヘクタール、これが新規に必要な面積であるというふうに需要を推定いたしております。
#61
○柴田(睦)委員 その七万六千ヘクタールについての住宅地については、国はそれを生み出すという考えであると思うのですけれども、この宅地を生み出す方法、どういう方法でやるのか、このことを伺います。
#62
○大塩政府委員 これには、大体大まかに分けますと、主体別に申し上げますが、公共団体あるいは公団というような公的機関が行います開発方式、それから区画整理による開発、その他は民間によるものというふうに大まかにそういうふうに分別いたしまして、従来から第一期五カ年計画、第二期五カ年計画それぞれにおきまして、その実績及び計画を見ますと、公的開発によるものが大体三割、それから民間によるものが五割、区画整理によるものが二割、こういった見当になっております。これはそのまま今後続くという意味ではございませんが、それが一つの目安でございます。拒否反応その他が出ておりますので、この公的開発は比較的大規模でございますから、特段の措置を講じながら、この三、五、二ということを一つの目安として考えておる次第でございます。
#63
○柴田(睦)委員 この法律案は、この前の宅地並みの課税に引き続いて農地などの宅地化を図っていくということに目的があると思うのですが、局長の言われる宅地化見込みでは、これは大都市地域内の市街化区域内の農地にどれだけ手をつけることになるのか、このことをお伺いします。
#64
○吉田(泰)政府委員 この特定土地区画整理事業及び住宅街区整備事業で昭和六十年ぐらいまでにどの程度の事業量を見込んでいるかということは、あくまでも現在の私どもの希望も含めた予定にすぎないわけですが、着手で約七万ヘクタール程度、うち四万ヘクタールぐらいが十年間で整備され、これはグロスでございますから、集合農地区とか公共用施設用地を除きました面積としては約二万ヘクタールぐらいになるであろう、こう考えているわけであります。
 一方、現在三大都市圏の市の区域内に約十万八千ヘクタールの農地があります。そのほか町村の区域も含めますと約十二万六千ヘクタールということになっております。
 この事業は農地のほか山林等も含めて行いますので、すべてが農地というわけではありませんが、それを踏まえて算定いたしますと、着手の七万ヘクタールというものの中に山林等を除いて農地が五万ヘクタール程度と推定されるわけでありまして、これは着手でございますが、このうち集合農地区にどれぐらい残るか、最大限三割残れば一万五千ヘクタール残るわけですが、まあ二割ぐらいと見ますと一万ヘクタールぐらいがなお残るということですから、差し引きまして約四万ヘクタールぐらいの農地が、六十年までに着手された事業によって、六十年以降まで計算すれば宅地化される、こういう考えであります。
 もちろん六十年までの間には市街化区域そのものも若干ふえると思われますから、いまの面積はあくまでも現在の市街化区域の中の農地の面積十二万六千ヘクタールということを考えて、それとの比較で申し上げた次第でございます。
#65
○柴田(睦)委員 この法律案を最大限に利用するということでありますと、結局、大都市地域の市街化区域内の農地が七割までなくなってしまう、こういう理論になるんじゃないかと思うのです。
 ところで政府は、昭和四十八年の宅地並み課税以来市街化区域内の農地を宅地化するための具体的な施策を導入してきたわけですけれども、そのことを推進するための法律であります特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法及び農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法というのがあるわけですけれども、この二つの法律の実績はどのようになっておりますか。
#66
○山岡政府委員 特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法いわゆるあめ法でございますけれども、これにつきましては、大変残念でございますが実績が非常に少のうございまして、四十八年度には受け付けは八件、二百九戸ございましたが、実績は五件、百二十戸。四十九年度では二十二件、五百五十一戸の受け付けをいたしておりますが、実際に貸し付けに至ったのは八件、百八十七戸、現実に建ちましたのは三百七戸という状態でございます。
 それから農住法の方は、昭和四十六年度に三百五十一戸、四十七年度に千三百八十四尺昭和四十八年度に千三百七十三戸、四十九年度に千六百一戸、合計いたしますと四千七百九戸というのが実績でございます。
#67
○柴田(睦)委員 その実績が目標よりもきわめて低いということは、宅地並み課税を通じての市街化区域内農地の所有者は、そのようなあめを出されても、農地をつぶし、農業をやめるという気にはならないということを示していると思います。また、市街化区域内農地の所有者の意識調査などの結果を見ても、農業をやめるという人は非帯に少ないようであります。この二つの法律が農民の自発性に頼るという考え方であるのに比べてみますと、大都市住宅地供給法は促進区域の指定ということによって一面強制の面を持っているわけです。農地の宅地化促進についての効果を建設省は期待するわけでしょうけれども、これは農民の側からは当然抵抗があらわれてくると思うのです。こういう中で促進区域制度を法律で定めるという趣旨はどこにあるのかお伺いします。
    〔委員長退席、内海(英)委員長代理着席〕
#68
○吉田(泰)政府委員 確かに制度上は、促進区域というものは三大都市圏の市街化区域の中でこれと目指したところを都市計画で決めまして、そこはまず権利者によって原則として開発し、宅地供給していただきたいが、二年たっても着手もされないということではめども立たなくなりますので、市町村等が乗り出して区画整理をやるということでありまして、強権的にも見えるわけでありますが、一方実務といたしましては、あくまでもこれは権利者による宅地供給の促進をねらうことを主とする制度でありますから、それがねらえるようにということで、当然開発の機運が権利者の間にも起こってくるというような地区をむしろ要望を受けたような形で指定するということが大部分の実態だと思います。そういうことで運用しますので、運用の面から言えば農民等の意向にも合うわけですから、必ず促進されると思いますが、そういう運用面を離れた制度面として見ますと、促進区域を指定することによって集合農地区を残しながら区画整理ができる等の農民の方の意向にも合致するような新しい特例が開かれておったり、また法律外でありますけれども、種々の国庫補助等の助成を行うあるいは減税、住宅金融公庫の融資等を大幅に行うということとかみ合わせまして、制度面から見ましても優に促進効果は図れるものと考えた次第であります。
#69
○柴田(睦)委員 それではこの促進区域制度というのは、現行の都市計画法による区画整理事業の手続の仕組みといいますか、現行の都市計画の手続とどういう相違点があるのかお聞きします。
#70
○吉田(泰)政府委員 現行の都市計画にあります土地区画整理事業の都市計画などは、直接的にそういう区画整理事業などの市街地開発事業を行うための制度であります。それに対しまして、この促進区域はいわばそれに先行しまして間接的に土地区画整理事業等の開発事業を促進すべき区域を設定するというところに基本的な違いがあります。
 つまり、区画整理事業の都市計画は、それによって直ちに事業を行うわけでありますが、促進区域の場合は直ちに事業を行うのではなくて、土地区画整理事業とかあるいはそれに準じた開発行為等を促進してもらいたい、またそれを促進するに支障のあるような建築行為等は規制する、一方その努力義務に対応して種々の特例を設けあるいは助成を強化するというような、事業の行いやすい場を設定するというような意味合いの都市計画でございます。
#71
○柴田(睦)委員 考え方はその説明を聞いておきますが、現実に行う事業の手続というのは何ら変わりがないということになると思うのです。現在既成市街地でやられております区画整理でも、住民の反対によって大きな困難に幾つも直面しているわけです。これらの多くが、現在の都市計画に定められる手続や事業計画などの仕組みがきわめて非民主的である、住民の意思が反映されないというところに原因しております。いままでの説明によりましても、促進区域の指定の際に、土地所有者の意向は十分に反映できるというように説明されておりますけれども、この住民の意向を反映するということについての法律案の制度的な保障、法律案の上にこの保障があるのか、そのことをお伺いします。
#72
○吉田(泰)政府委員 この法案による促進区域の指定は、特にいまおっしゃたような特別の意向反映の規定を置いているわけではありませんけれども、そもそもまず市町村が指定することになっておりますし、それから都市計画法の規定による都市計画の決定の手続は当然経るわけでありまして、それによる説明会の開催とか案の縦覧、意見書の提出等による意見処理、こういったことは当然行うわけであります。しかも実際には、促進区域を指定すれば二年以内に土地所有者等がやってもらえないときには市町村が乗り出さなければならないわけでありますから、その点も勘案しまして、促進区域を指定したけれども一向に権利者による促進が行われないというようなことでは、市町村自身事務的にもパンクするわけでありますから、当然土地所有者等の意向に即して決定するよう、実際には他の都市計画以上に十分な意向打診が行われるということは当然考えられます。また、そうなければ、実際上も不都合を生ずるということになると考えます。
 そういった都市計画の一般的な手続しか法律には用意しなかったのは、それ以外に特別に同意とかあるいはそれに近いような規定を制度化いたしますと、何のことはない、まさに要望によってやるようなことになりまして、実際の運用でそうやるのは私ども当然だと思いますけれども、制度にそう書いてしまいますと、この制度による促進というものが非常に意味の薄いものになり、要望によってやるのならば、特別の助成もそれほど要らないではないか、あるいは集合農地区等の制度も余り要らないのではないかということにもなりかねません。要するにこの制度で考えたいろいろな助成措置あるいは特例措置の根拠が、促進区域ということによって義務づけられたというところから出発しているわけでございますので、そういう意味でも、制度的には都市計画の一般的な手続だけにとどめてあるということでございます。
#73
○柴田(睦)委員 制度的には同じだ、運用の面で考慮する、こういう考え方ですけれども、これではいままでの都市計画や区画整理にまつわる問題の解決をしていくということには実際上ならないと思うのです。区画整理事業のたてまえは、住民の住みよい町づくりという性格を持っていることから、現行法の区画整理法においても住民参加の制度的保障というのがやはり検討されなければならないと思うのです。この法律案について言いますと、促進区域指定に当たって土地所有者の意向を反映できる制度的保障、こういうものを法律案に入れるべきじゃないかという考え方を持っております。たとえば立川市で区画整理が行き詰まっておりましたときに、これを改めて、計画の最初の段階から住民が参加できるやり方をやってきた、こういうことでまた区画整理が軌道に乗っているというように聞いておりますけれども、単に運用の面で考慮するということでは、従来数多く見られる区画整理にまつわるいろいろな問題を解決していくことはできないと思うのですが、建設省の考えをもう一度お伺いします。
#74
○吉田(泰)政府委員 やはり制度としては普通の都市計画の手続以上のものを特別に付加するということは、この制度を制度論として成り立たせるもとが失われる恐れがありますので考えられないわけでありますが、区画整理事業にも大きく分けて二通りありまして、すでに家の立て込んでいる既成市街地あるいはその縁辺部というような現に相当人が住んでおられるところを多大の移転補償費も投じてやる場所と、それからこの法案で考えておりますほとんど家が建っていないといういわば更地の新しい市街地開発というものとでは、おのずから土地所有者の方々の御意向も違うと思います。おっくうな程度も違うし、実際のメリットもかなりあるということですから、従来も新市街地の区画整理というものはかなり順調にしてきております。この制度によって特例を開きあるいは強力な助成をすれば、よくこの制度の趣旨なり実態というものを御説明し、徹底すればするほど、かなりの方がこの制度に協力しようという気になられるのではないか。そういう更地でもありますから、一人当たりの所有区分も細分化されていないわけでありまして、五ヘクタールといいましても、わりあい小人数の方だけで、それも複雑な借地権とか借家権も大体ないわけでありますから、そういう意味でも賛同が得やすい素地はある、こう考えるわけでございます。柴田(睦)委員 次は、宅地開発協議会ですが、これは「住宅市街地を計画的に開発する事業の促進に関し必要な協議を行う」ということとされておりますけれども、この協議会というのは、住宅市街地の開発に関して権限を持っているのか、協議会には権限があるのかということをまずお伺いします。
#75
○大塩政府委員 この協議会は、事業に関しその円滑な促進を図るために設けるものでございます。その期待いたしますところは、共通の課題につきまして意思の疎通を図り、その合意をその場で得るというところに目的を持っております。したがいまして、これはいわば行政機関というものではなくて、固有の権限で意思決定を行うというようなものではない。協議体、会議体であるという性格からいたしまして、権限ということよりは、そういう会議体を構成するというところに目的を持ったものであるというふうに考えます。
#76
○柴田(睦)委員 先ほどの御説明によりますと、協議会が当面は水や交通や地方財政の問題など差し迫った重要な問題について話し合いをするという説明がありましたけれども、それは結局住宅問題の隘路を解決する協議会という性格であるようですけれども、この協議会におきましては、住宅建設五カ年計画などの計画調整に関して、また宅地開発公団の宅地の開発などに関して、こうしたものについても協議が行われるわけですか。
#77
○大塩政府委員 この協議会の中身は、宅地開発の促進に関し必要な事項につきまして、幅広くいろんな議題が上ると思います。したがいまして、さしあたっての中心課題として、先ほど水、足、財政問題等を例示いたしましたけれども、そのほかにも共通の問題が多々あると思います。したがいまして、その中でもいまおっしゃいましたような計画の問題も出ることもありましょうし、それから公団のやり方等について、各圏域ごとにそれぞれ違った角度から問題が出ることも当然予想されると思うのでございます。しかし、この協議会が直接にその計画をつくったりするというものではない。それに関連して計画等が当然議題に上るということは考えられることであり、また必要なことであると思います。
#78
○柴田(睦)委員 行政機関ではない、そして協議をするところに意味があるんだということですけれども、いままででも宅地を開発したり、あるいは住宅の建設計画をつくるというような場合においては、当然国と地方自治体との協議がなされてきたと思うのですけれども、いままでの現実に行われてきた協議とこの協議会の協議、これには何らかの違いが出てくるとお考えですか、お伺いします。
#79
○大塩政府委員 まず第一には、各圏域ごとに、いわばブロックと申しましょうか、圏域ごとに問題が違うということで、圏域ごとに構成するというところが一つの特色でございます。
 それから、やはりそこに国と地方公共団体、特に指定市まで含めまして、それから委嘱した市町村も加えまして、そこでいろんな各般の共通の問題を討議する。その中にはいろんな利害の問題も入りましょう。しかし、いずれにしても共通の場をそこで設定して議論し合うということが、個別の事業に関して、従来は折衝の経過を持ち、また折衝してきたわけでございますけれども、そういう共通の場において広域的な見地から討議し合うことを通じて共通の意識を醸成していくということが、今後の宅地開発にとりましてもきわめて重要なことであり、必要なことだというふうに考えております。
#80
○柴田(睦)委員 大都市の近郊においては、もうすでにいままで問題になっております団地お断りだとか、あるいは人口の抑制策をとるとか、あるいはまた市街化区域の農地もできるだけ残す、むしろ拡大するというような地方自治体もあるわけですけれども、そういう中でこの協議会を設けることによって果たして宅地の開発を進めるための役割りを果たすことができるかどうか、非常に疑問に思うわけですけれども、この点についてどういう見通しを持っておられるのかお伺いします。
#81
○大塩政府委員 この協議会を設定いたしますことによって、即効的ないい結果が直ちに生まれるというふうに考えることは少し期待し過ぎだというふうに考えます。この協議会は常設のものとして、常時こういう場を設けて、先ほど申し上げましたような共通の課題を討議するという場を設定することに意味があるのでありまして、そこで、いま直接に問題になっておりますような、水だとか足だとかあるいは財政負担、関連公共公益施設の問題等が中心になりましょうが、そのときどきによってまたいろんな問題も出てまいります。こういう共通の場を通じて話し合うんだという、そういう広域的見地からする共通の意識を各圏域ごとに持って、そして国及び地方公共団体がその場に参加して、その結論が出たならばそれを尊重するんだという場を持つことに意味があるというふうに考えておりまして、私はこういう組織をつくることが必ずいい結果をもたらすに違いない、また、こういうものを持たなかったことが、それぞれの立場立場の理由はありましても、共通の問題として触れられることが少なかったのではないかというふうに考えております。
#82
○柴田(睦)委員 それでは、土地区画整理促進区域に関してです。これは第五条でその要件を定めておりますが、この定められた要件に合致する区域、これは市街化区域内において立地的にはどういうところを予想しておられるのか。A、B農地、C農地といろいろあるわけですけれども、そうしたものも含めて立地的な予想されるところ、これをお伺いします。
#83
○吉田(泰)政府委員 土地区画整理促進区域は、法律でその要件が定められておりますが、住居系の地域であれば広く市街化区域内のどこでも指定できると私どもは考えております。もちろん、住宅街区整備促進区域と比べれば、比較的市街地から離れ、しかもそれほど高くないというところに一般的には区分けされると思いますけれども、それも運用の活用を考えれば、余り厳密に区分けすることもないのではないか、こう考えているわけであります。しかも、五ヘクタール程度のかなり小規模なものも指定できるようにしておりますので、相当きめ細かい指定ができるということを考えますと、必ずしもC農地とは限らず、A、B農地等でも五ヘクタール程度空地があいておれば指定できるものと考えます。事実そういう機運があれば指定も積極的にしたい、こう考えます。また、もちろん山林原野等もすべて含まれているということになります。
#84
○柴田(睦)委員 五ヘクタール、規模が小さいということですけれども、市街化区域における五ヘクタールというのは相当広い土地であると思うのです。しかも、それが家が建っていないというところですから、これは必然的に、それは法律の上では別にC農地に限るわけではないでしょうけれども、現実にはC農地の方に手がつけられていく、そういうふうになっていく、こう見るのが当然だと思うのです。
 そこで一つ伺いたいのですが、促進区域の指定に当たりまして、優良農地であるというような場合に、あるいは農民が農地の拡大を求めているというような事情がある場合に、市町村が指定をするというようなことは、そういうところは差し控えよう、こういうようなことがあり得るのかどうか、お伺いします。
#85
○吉田(泰)政府委員 運用としては農民等の土地所有者の方々の意向というものを十分打診して反映していく。もちろん打診に当たりましてはいろいろこの制度の持つ長所、短所、すべて洗いざらいに御説明して、その上で納得をいただくということでありますから、すべてが土地所有者側からの全くの自発的なものばかりを受け身で待つというわけでもございませんけれども、そういったいろいろな折衝を通じて具体的に機運の盛り上がったところ、こういうところを指定することを私ども考えますし、指定主体である市町村としてもやたらなところを指定して、後で全部市町村が施行しなければならぬということになっても物理的に不可能になりますからよもやそういうことはできないのではないか、こう考えます。そういう意味で農民の方にむしろ農地を全部残したいという希望が強ければ当然指定はできないわけであります。
 もっとも、優良農地というのは本来は線引きの際市街化調整区域に入れるというのが筋でありまして、非常に小規模なために優良農地であっても市街化区域に取り込まれているものも間々あるかもしれませんが、そういうところで、農民の方も農地として将来とも残したいということであれば、それを押してまで指定するということは考えておらない次第でございます。
#86
○柴田(睦)委員 C農地について言いますと、このC農地は昭和五十年度末までに宅地並み課税の取り扱いを決めるということになっているわけですが、そういう土地を促進区域に定めるということは、C農地をすでに宅地として扱うということになると思うのですが、これは宅地並み課税というものよりも、それよりも先立って都市農業をつぶす、なくする政策になりやしないか、こう思うのですが、いかがですか。
#87
○吉田(泰)政府委員 この制度が結果的には主としてC農地を対象とすることになるだろうということは、私もそう思いますが、だからと言って宅地並み課税の問題は別であります。つまりこの制度がC農地も含めて特例を開いたり新しい制度を開いたからと言って、それを理由に課税のあり方としてもC農地まで宅地並み課税に入れるべきだという意味では毛頭ありません。
 次に、その問題を離れまして、C農地には宅地並み課税を適用されていないのに、この法律によって宅地化を図るというのは先走り過ぎるのではないかということかと思いますが、これは私ども前々から申し上げているとおり市街化区域でありまして、それも非常に住宅宅地の需要の激しい三大都市圏でありますから、これはやはり法律の趣旨に即してできるだけ優先的、計画的に市街化を図りたいということであります。しかしながら、すべてを宅地化するというのでは抵抗も強いかもしれないということから、集合農地区等の制度もあえて用意したわけでありますから、C農地も含めて宅地化をするということはむしろ当然と考えている次第でございます。
#88
○柴田(睦)委員 それから、区画整理促進区域については一定の要件のもとで市町村が特定区画整理事業を行うこととされておりまして、告示後二年間たっても許可、認可がされない場合、また期間内においても権利者による施行が困難、不適当である場合に市町村が事業を施行するということになっております。宅地の権利者が「事業を施行することが困難又は不適当であると認められるとき、その他特別の事情があるとき」こういうことが書いてあるわけですけれども、これはどんな場合を予想しているのか、それが二年間も待たずに施行しなければならない理由は何であるか、このことをお伺いします。
#89
○吉田(泰)政府委員 この「困難又は不適当」というのは、機運はあるわけですけれども、具体的に換地の計画等も含めて地区の整備計画を立てていきますと、関係権利者の数が多いような場合に十分利害の調整がとれない、むしろ市町村が乗り出して公平な、公益的な立場から計画を立てて推進していく方が皆さんの御理解も得やすいというような場合もあるかと思います。
    〔内海(英)委員長代理退席、委員長着席〕
 また、権利者が行いましても公共団体が行いましても、換地手法でやるわけですから、一定の減歩を除いては土地が土地に交換されるだけでありますけれども、その間つなぎ的な資金計画を立てなければなりませんし、関係権利者で実施する場合には、そういった資金計画を立てて最終的には採算を合わすわけですけれども、そういう資金調達の面で不安があるというような場合もあると思います。そういった場合には、公共団体がやれば公共団体の力で資金をつなぎ的に調達し、事業を完遂できるわけでありますから、そういった場合が「困難又は不適当」な場合の代表的な事例ではないかと考えます。
 「その他特別の事情」と申しますのは、あらかじめ市町村が促進区域内に相当市町村自身の所有地を持っているような場合とか、市町村が公的住宅を建設したいと思っているが、ほかにはどうにも適切な用地がないというような場合に、公共団体として積極的に区画整理をしたいという場合があると思います。
 その他一般的に言いまして、市町村などが大規模かつ早急に区画整理を行いたいともともと思っている場所で、土地所有者等もあえて異論がないような場合に、この法律に言う「要請」というような手続をあえてとらないでも、市町村が区画整理を初めから行うことを考えてもいいんではないか。これは例外ですけれどもそういう場合も想定したい。
 つまり特定土地区画整理事業は促進区域をかけた場所でないとできないわけでありまして、同じく公共団体が三大都市圏でやりましても、促進区域をかけてからでなければ特定土地区画整理事業はできない。つまりそのためにわざわざ設けたいろいろな特例措置も活用できなければ、特別の助成措置も活用できない。ひいては土地所有者にも不利になるわけでありますから、公的機関が特定土地区画整理事業を実施したいという場合に、初めからそういった意向を予測しまして、公的機関が乗り出すという場合も「その他特別の事情」には含まれるというふうに運用して、実態に即したことができるように考えたいと思います。
#90
○柴田(睦)委員 結局権利者の要請がある場合、これが二年以内に施行できることになっているわけですが、要請がない場合においても市町村が進んでやるという内容に、この特別の事情がある場合というのは適用されるようでありますけれども、そうなりますと、市町村の区画整理、市町村施行でむしろ強制していくという面が強くなるのではないか、このように思うわけです。
 ところで、特定区画整理事業において集合農地区を三〇%以内で抑えることにしていますけれども、そうしますと、ほかの七〇%は共同住宅あるいは義務教育施設用地、公営住宅等の用地をつくり出すということになるわけですけれども、モデルとしてはどのように考えておられるのか、どのような割合でモデル的には考えておられるのか、お伺いします。
#91
○吉田(泰)政府委員 いろいろ権利者の方の要望、その他地形等もありますから、一概に言えないので、あくまでモデルでありますが、モデルとしては集合農地区を約三〇%、それから道路等の公共施設用地というものはもちろんとるわけでありますけれども、集合農地区とか共同住宅とかいう場合には、その中に含まれる街路等はその地区内に入れて考えるわけでございますので、これから申し上げる数字は、それぞれの地区内に公共施設用地が若干入った数字とお考えいただきたいと思いますが、そういう場合に集合農地区が約三〇%、それから残りのうち共同住宅を希望される方がなければ、これは本人の要望による制度ですからゼロということになりますが、共同住宅のメリットもありますから二〇%ないし三〇%ぐらいは共同住宅の希望があると私どもはモデルとしては考えたい。そうしますと、残る一般宅地、普通の低層住宅用の一般宅地というものが三〇ないし四〇%ということになり、義務教育施設用地は五%程度以上、それから公営住宅等の用地、これも土地所有者の同意が要るわけですから、ゼロになることも考えられますが、これも土地所有者にとって意味のあることでもありますので、まあ三%程度以上はとれるのではないかということを考えております。
#92
○柴田(睦)委員 そういうモデル的な考え方があるわけですけれども、これらの事業によりまして、全体的に公営住宅用地それから義務教育施設用地、これを六十年までにどの程度供給できるという見通しを持っておられるか、計算されておりましたらお伺いします。
#93
○吉田(泰)政府委員 共同住宅の用地と義務教育施設用地等につきましては、私どもまだ試算しておりません。同意が要ったり、必要な度合いが地区によって違うものですから、しておりませんが、いまのモデルで仮に算出すれば計算が出ないわけでもありませんけれども、これはモデルであって、全体の数字の基礎にするにはちょっと適当でないものですから、お許しをいただきたいと思います。
#94
○柴田(睦)委員 特定区画整理事業については特別の助成措置を講ずる予定である、こういうことを言われておりますが、その特別の助成措置を講ずる法律上の根拠、それからその助成措置が通常の区画整理事業に比べて宅地の権利者に対して有利である点はどういうところであるか、お伺いします。
#95
○吉田(泰)政府委員 法律上の根拠は、たとえば税法であればそれぞれの税法に書き込むということでありますし、その一部はこの法律の附則等で処理しております。また、住宅金融公庫融資等ににつきましては現行法の解釈でいき、足りないところは将来の公庫法の改正でいくというようなことでいきます。それから国の補助の特別の優遇につきましては、これは法律の根拠ではなくて予算措置の運用として実施したいということでありまして、一言で申せば特定土地区画整理事業の場合、公共減歩は同じことでありますけれども、保留地減歩を大幅に減らす。それが大幅に減らせるように国庫補助及びその裏負担としての公費の投入を図るということであります。
#96
○柴田(睦)委員 聞いておりましても、助成制度という点では従来と大きな変化はないようであります。現行法での助成制度というのが、実際は権利者からきわめて不満が述べられておりますように不十分である、ひどいものであるということを考えてみますと、いま言われたような助成制度、それは、いま行われております区画整理事業にも拡大する必要があるのではないか、こう考えるのですが、この点についてはどういう考えか、お伺いします。
#97
○吉田(泰)政府委員 区画整理事業の促進のために視野を全国に拡げましていろいろ改善措置を制度的にもあるいは国庫補助等の助成の面でも考えていかなければならないとは思っておりますが、ただいまのところでは、先ほど来申し上げましたように、まず三大都市圏、一番住宅宅地の需給が逼迫しているこの重要な地区を対象にしまして、そこに制度的には相当強力な促進区域という制度をかぶせ、その促進の努力義務、努力しなければ公的機関が仕上げてしまうという、何が何でも宅地を供給してもらうという仕組みのもとで、それとうらはらに種々の優遇措置を講ずるということを考えておりますので、現在の時点では私どももこういう区域を対象として出発してみたい。今後のことはこの場でなかなかはっきり申し上げられませんけれども、気持ちとしては私どもも区画整理事業が大都市に限らず進むことが最も望ましいわけでありますから、さらに今後の推移を見守りつつ検討いたしたいと思います。
#98
○柴田(睦)委員 それでは、次の住宅街区整備事業ですが、この住宅街区整備事業は、住宅地を整備するとともに、施行地区の四〇%以上については中高層住宅を建設するということが義務づけられております。しかも、その施設住宅内の住宅は勤労者の居住の用に供するのにふさわしいものとなるように定められなければならないということになっておりますが、このことについて伺うわけですが、まずこの事業についての助成措置の内容からお伺いします。
#99
○吉田(泰)政府委員 まず国庫補助制度としては、施行地区内の都市計画道路につきまして、幅員の八メートル程度の狭いものまで補助対象に加える、あるいは基本計画とか事業計画作成費について一般会計からの別途の補助をするということでありまして、その裏負担である地方公共団体の負担金とあわせまして住宅街区整備事業による土地所有者の負担が非常に軽減する、簡単に申せば公共用地のための減歩はしていただきますけれども、事業資金に充てるためにそのほかに保留地をわざわざとって、それを処分して事業費に充てるということが普通行われるわけでありますが、この事業につきましては、保留地減歩は事業費を生み出すためには必要ないということまでいきたいと思っております。
 次に、融資とか利子補給につきましては、住宅金融公庫からの融資を行うということが一つあります。また、農民が賃貸住宅の用に供するために施設住宅の一部を購入する場合に利子補給を行うということであります。
 それから税制としましては、土地区画整理の場合に準じた、換地とかいろいろな場合の所得税、不動産取得税等の減免措置があるほか、この法律案の成立を待ちまして、五十一年度の税制改正において、権利者に与えられます住宅である権利床に対しまして、固定資産税を、五階以上の場合は十年間、三階、四階の場合は五年間税額から三分の二を減額するということを予定しております。
#100
○柴田(睦)委員 施行地区のうち四〇%以上について中高層の住宅を建設するということが義務づけられるわけですけれども、その事業資金はどのようにして捻出するのかという問題ですが、たとえばこの中高層住宅を建設するについてデベロッパーが引き受けるということもあるでしょうけれども、その場合に、そのデベロッパーに対しても農協からの融資がちゃんと受けられるようになるのかどうか、お伺いします。
#101
○吉田(泰)政府委員 住宅街区整備事業の事業費は、大きく分けまして土地区画整理事業に準じた土地の区画形質変更、公共施設の整備等土地関係の費用と、それから中高層住宅の建設費、これに分けられるわけでありますが、このうち住宅の建築工事費はとりあえず施行者が負担しておいて、保留床という、従来の権利者に立体換地されるもの以外の余分にでき上がった床、これを処分することによって回収するということになりますが、その間のつなぎ資金が必要でありますので、つなぎ資金として住宅金融公庫の融資ができるようにいたしております。また、農協等の金融機関から融資を受ける場合には、農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法に基づきます年三・五%以内という、例の利子補給が適用になるということになります。
 なお、地区内の権利者が保留床の優先譲渡を受けることができるように規定してありますが、その場合にも、その購入資金について住宅金融公庫の融資を受けられるというふうにいたしております。
 デベロッパーの点はちょっと聞き漏らしましたので、失礼します。
#102
○柴田(睦)委員 結局、現実には建設企業が仕事をしなければならないというわけですが、建設企業が仕事をする場合に、その資金は農協などから出すのか、出せるのかということです。
#103
○吉田(泰)政府委員 その建築費のつなぎ融資の最も効果的で端的なものは住宅金融公庫融資でありますが、それのみならず、当然農協等の資金は考えているわけでありまして、その場合に、先ほど申しましたように、水田要件がなくても、利子補給の制度を適用できるようにいたしておるところであります。
#104
○柴田(睦)委員 中高層住宅の建設ですから、当然デベロッパーが参加してくるわけですが、そこに、デベロッパーが仕事をする、そして金を出す、結局は農民が建設企業に借金をして開発する仕組みだと思うのですけれども、そこで先ほど言われました保留床の処分という問題が出てきます。この法律では、この優先譲渡順位が土地所有者、それから公営住宅用地、公益法人、それから第三者、こういう順番になっているわけですが、実際には、保留床処分はどのような割合で処分されると想定しておられるのか。土地所有者が保留床処分の場合においてどの程度確保する見通しであるか、公営住宅用地にはどの程度確保できる見通しであるか、この想定についてお伺いします。
#105
○吉田(泰)政府委員 まず地方公共団体とか日本住宅公団等の公的機関が施行する場合には、保留床はまず関係権利者の生活再建のため必要な範囲で優先譲渡の規定もありますから、この優先譲渡の希望があれば、それをまず先取りするわけですが、残りはすべてその地方公共団体等の公的住宅になると思われます。
 次に、個人施行とか住宅街区整備組合が施行する場合を考えますと、これも、まず第一には一般宅地の関係権利者で希望があった人に優先譲渡されるわけでありますが、残りにつきましては、この法律で地方公共団体等に先買い権が与えられております。したがいまして、公的機関が必要だと思い、値段も折り合うということであれば、これを先買いするということになりますが、しかし、一般の第三者に譲渡されるという部分も相当あるのではないかと考えます。地方公共団体等は、住宅街区整備組合の施行の場合には参加組合員という形で入り得ますから、実際には、地方公共団体がぜひとも公的住宅で確保したい場合には、当初から参加組合員等の形で入り込む、あるいは参加組合員にならないまでも、組合と事前の話し合いを得て、この程度のものは譲渡してもらいたいというような話が実際には進んでいくと思います。先買い権の規定が実際働くことはないと思いますけれども、そういう結果になると思います。そういう形で公的住宅がかなり公共団体の意向によってはとれるのではないかと考えます。
#106
○柴田(睦)委員 公共団体が公営住宅用地を先買いで買い取るということですが、この買い取りについては、一定の補助はつくのですけれども、結局は、いままでの超過負担の実際から考えてみましても、地方自治体の持ち出しがふえるということが十分に考えられますし、そうなりますと地方自治体も二の足を踏むということから、公共団体の方で買い取れなくて、この保留床が住宅デベロッパーの手に数多く処分される、そういう危惧を持つわけです。こういうことにならずに、公共団体が必要な公営住宅用地を買い取っていくということについて、建設省としてどのような指導あるいは援助を行うつもりであるか、その気概についてお伺いしたいと思います。
#107
○吉田(泰)政府委員 先ほど申し上げましたように、公的機関が公的住宅として確保したいつもりがあれば、事業の当初から参加組合員として入るとか、あるいはそこまでいかなくとも、事前にこの程度の保留床を取得したいという打ち合わせを打っておきまして、そうなりますれば、公的住宅の規格その他にも合った、初めから計画を立てて建設が進むということでありますから、一般の公営住宅の補助制度とかあるいは公庫住宅の融資制度とか、公団住宅の財政措置等によりまして、十分計画的に公的住宅を確保することができると考えております。
#108
○柴田(睦)委員 建設省ではそういう考え方ですけれども、実際公営住宅の標準単価と実勢単価には大きな開きがあるという現実から考えてみますと、なかなか言われるとおりにはいかないのではないか。標準単価に合わせる住宅をつくるということになれば、今度はきわめて小さな、一人一室という目標からほど遠い実情になるというように考えられるわけです。ここには、公営住宅の標準単価を実情に見合うものにするということが必要でありますし、自治体に実際大量な補助をすることをしないと、結局保留床は自治体で買えなくて、民間デベロッパーの手に落ちることになってしまうわけです。そういう意味では、そういうことがなくて、本当に公共の利益に合うような保障がされなければならないということは言っておきたいと思います。
 それからこの住宅街区整備事業は、第二種住居専用地域、高度利用地区というような要件があるところで、相当に地価が高いところであると思いますが、そこに勤労者にとって適正な家賃の住宅を供給することが本当にできるかどうか。この地価との関係において適正な家賃の住宅を供給するというこの法律案の目的に合するような建物がつくられるかどうか、その可能性についてお伺いします。
#109
○吉田(泰)政府委員 御指摘のとおり、地価の比較的高い場所が住宅街区整備事業にむしろふさわしいわけでありまして、先ほど来申し上げましたいろいろな手厚い助成措置を講じますとともに、金融措置も講じる、あるいは税制上の減税等の措置も講じるということで、いわば財政、融資、税制の三位一体の施策を強化することによって適切な家賃の住宅を供給することは十分できると思います。特にこの中高層住宅を建てるということで私どもは容積率も一〇〇%程度にはなるものと考えて計算いたしますと、土地の費用の一戸当たりのウエートも低層住宅に比べればはるかに軽くなりますので、家賃あるいは譲渡価格両面から見ましても適切な、要望にもマッチし、原価も割らないということが可能であると考えます。
#110
○柴田(睦)委員 住宅公団の家賃が結局七十年償還、この住宅街区整備事業でつくられる住宅の資金の償還は二十五年、これは農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法に基づいてつくられた場合ですけれども、そういうことを考えてみますと、公団の家賃がもうすでに勤労者にとって非常に高いものになっている。それよりも、二十五年償還ということになると公団なんかよりもかえって厳しい条件になると思うのですが、そういう場合に果たして勤労者にとって、勤労者用の住宅がつくられるかどうか、きわめて疑問だと思うわけです。
 それから最後に、建設省が言われますように、住宅街区整備事業が住宅難を解決するに役立つようにするためには、結局農民の負担を軽減するということとともに、自治体の買い取りの補助措置、低家賃のための補助、こうしたものを含めて国の大幅な助成措置がなければ、この法案に書いておられるような目標を達成していく、現実的なものにしていくということが実際上はできないと思うのですけれども、最後にこの点についての見解を伺っておきます。
#111
○吉田(泰)政府委員 御指摘のとおり、一つには土地所有者の優遇措置、一つには地方公共団体の財政負担の軽減、要するに実態に即したものにしていくということがぜひとも必要でありまして、私どももこの法案を提出するに当たり、制度面及び予算措置等でまずまずの努力をしたつもりでありますが、なお今後の実施状況を見ましてさらに強化すべきものを強化し、所期の目的が達成されるよう最大限の努力を払いたいと存じます。
#112
○天野委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後一時四十分散会
ソース: 国立国会図書館
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