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#1
第075回国会 逓信委員会物価問題等に関する特別委員会連合審査会 第1号
昭和五十年五月六日(火曜日)
   午前十時六分開議
 出席委員
  逓信委員会
   委員長 地崎宇三郎君
   理事 宇田 國榮君 理事 加藤常太郎君
   理事 志賀  節君 理事 羽田  孜君
  理事 三ツ林弥太郎君 理事 阿部未喜男君
   理事 土橋 一吉君
      小渕 恵三君    亀岡 高夫君
      倉石 忠雄君    高橋 千寿君
      坪川 信三君    廣瀬 正雄君
      水野  清君    村岡 兼造君
      金丸 徳重君    久保  等君
      平田 藤吉君    田中 昭二君
      小沢 貞孝君
  物価問題等に関する特別委員会
   委員長 横山 利秋君
   理事 越智 通雄君 理事 加藤 六月君
   理事 竹内 黎一君 理事 橋口  隆君
   理事 山下 元利君 理事 松浦 利尚君
   理事 山中 吾郎君 理事 小林 政子君
      愛野興一郎君    片岡 清一君
      三塚  博君    山本 幸雄君
      加藤 清政君    中村  茂君
      野間 友一君    石田幸四郎君
      和田 耕作君
 出席国務大臣
        郵 政 大 臣 村上  勇君
        国 務 大 臣
        (経済企画庁長
        官)      福田 赳夫君
 出席政府委員
        経済企画庁物価
        局長      喜多村治雄君
        大蔵省主計局次
        長       田中  敬君
        郵政政務次官  稲村 利幸君
        郵政大臣官房長 高仲  優君
        郵政大臣官房首
        席監察官    永末  浩君
        郵政省郵務局長 石井多加三君
        郵政省貯金局長 船津  茂君
        郵政省人事局長 神山 文男君
        郵政省経理局長 廣瀬  弘君
 委員外の出席者
        自治省行政局振
        興課長     竹村  晟君
        物価問題等に関
        する特別委員会
        調査室長    芦田 茂男君
        逓信委員会調査
        室長      佐々木久雄君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 郵便法の一部を改正する法律案(内閣提出第六
 号)
     ――――◇―――――
    〔地崎逓信委員長、委員長席に着く〕
#2
○地崎委員長 これより逓信委員会物価問題等に関する特別委員会連合審査会を開会いたします。
 先例によりまして、私が委員長の職務を行います。
 郵便法の一部を改正する法律案を議題といたします。
    ―――――――――――――
 郵便法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#3
○地崎委員長 本案の提案理由の説明聴取につきましては、お手元に配付してあります資料により御了承願うこととし、直ちに質疑を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。加藤清政君。
#4
○加藤(清政)委員 郵便法の一部を改正する法律案並びにそれに関連する諸問題につきまして、関係各所にお尋ねしたいと思いますが、最初に福田経企庁長官にお尋ねしたいと思います。
 わが国における経済政策は、まず物価を安定させることが最大の眼目であると思います。その物価の動向を示す消費者物価指数は、あの昭和四十九年ごろの対前年同月比が二〇%を上回っていた狂乱物価時代と比較すれば、本年一月が一七%、二月が一三・七%、三月が一四%、四月が一三・四%と何とか前年同月比で一〇%台の推移になりましたが、しかし、これは、昨年は大幅な物価の上昇によるものであって、あくまでも高値安定であると思います。このような中で総理府統計局の四月二十五日の発表によりますと、東京都区部の消費者物価指数は対前月比で二・五%と大幅な上昇をしております。対前月比は、昨年十月には二・二%と大幅な増加でしたが、その後は十一月が〇・六%、十二月は〇・四%、ことしに入ってからは、一月が〇・四%、二月が〇・四%と比較的鎮静度が大変見えてきた。ところが、本年三月には一%、四月には一段と上昇して二・五%と急上昇をたどっているわけであります。
 そこで、福田副総理は本年一月二十四日の衆議院本会議の経済に関する演説の中で、「五十年度末の消費者物価上昇率は、」「前年度末に比し、これを一けたにとどめるとともに、さらに、五十一年度中のできるだけ早い機会に、少なくとも定期預金金利の水準程度を目指すことにいたしておる」という公約をしているわけであります。つまり、昭和五十一年三月には九・九%以下にいたします、そして五十二年の三月までには定期預金金利並みにするということであると思うのです。しかしながら、対前月比が二・五%と大幅な上昇を見せたように、物価動向はまだまだ安心できないと思うのですが、そこで、この公約が副総理として実現できると考えておられるか。まず副総理の見通しについてお尋ねしたいと思います。
#5
○福田(赳)国務大臣 結論的に申し上げますと、非常にいろいろ困難な問題もありますが、五十年度中にはぜひとも年度間の物価上昇率を一けたに持っていく、これは万難を排して実現するという決意でございます。
 これまでの、また現在の物価の推移につきましては、いま加藤さんの御指摘のとおりでございますが、これから先を考えますと、企業がいま非常に業況不振でございます。採算割れ、こういうような状態で、そこで多くの企業が製品だとかあるいは取り扱い商品の値上げをしよう、こういう動きがある。これは大事なときでありますので、ぜひ自粛願いたい、こういうふうに考えております。それから賃金が、これはやはり物価と非常に大きな関係があるわけですが、これに対しましては、労使双方に対しまして、世の中が変わったんだ、いままでの惰性でなく、新しい時勢に応じてのなだらかな決定を願いたいという要請をいたしておるわけであります。それから公共料金の問題があります。これにつきましては、いろいろな公共料金改定を要請される、こういうような状態に置かれておりまするけれども、これを必要最小限にしぼって物価政策に配意する。こういう立場をとっておるのでありまして、非常に困難はありまするけれども、これはもうぜひ何が何でも万難を排して一けた台の消費者物価水準というものを実現したい、こういう考えでございます。
#6
○加藤(清政)委員 ただいま副総理から、物価抑制については万難を排して最大の努力をするというお話があったのですが、しかし、この四月の対前月比が二・五%と大幅な上昇を来しておるのですが、その理由については、教育費が三一・一%あるいは果物が二〇・五%、教養娯楽が七・八%という、季節的な要因で上がったというようなことが言われておるわけでありますけれども、最近五カ年間の四月の月間上昇率は平均一・三%であり、四十五年から四十八年の平均を見ますと、一・二%弱の上昇にとどまっておるわけでありまして、このままでいきますると、政府経済見通しの消費者物価の五十年度平均上昇率を二・八%に抑えるのはむずかしいのではないかという新聞論調などが警鐘を乱打しておるわけです。
 そこで景気回復と物価安定の両立という課題に当面して、そのテンポと物価安定ということについて、これまで以上に多面的な機動的な運営が必要であると思うわけでありまして、特にインフレ要因をできるだけ抑制していかなければならないわけですが、そこでこの際、景気と物価について政府として責任ある目標と実現手段をお示しを願いたい、そのように思います。
#7
○福田(赳)国務大臣 いま私どもの立場は物価問題、これを最優先に考えなければならぬと思っておりますが、他方、景気のこともまた考えなければならぬ立場にあるわけなんです。つまり右手ではインフレを切る、左手では不況を切る、こういう立場になるわけであります。そこで、景気につきましては、物価政策を損なわない範囲におきまして各種の対策をとっていきたい。物価につきましては、ただいま申し上げましたような状態でございますが、悪い要素ばかりじゃないのです。いい要素もある。一つは、昨年ずっと上がり続けてまいりました海外からの輸入物価、これが非鉄金属でありますとかあるいは鉄鋼の原材料でありますとか、そういうものにつきましてはまだ上がる傾向があります。しかし、農作物、たとえば砂糖でありますとかあるいは小麦でありますとか飼料でありますとか、そういうものは非常な下落をいたして、いま底値まで来たなんというような見方もあるわけであります。そういう安いものが契約をされまして、そして夏ごろになりますると、だんだんわが国に入着をしてくる。それは非常にいい傾向になるわけであります。それから日本の経済も大変安定してきたというので、海外のわが国経済に対する信頼度、これも高まっております。そういう中で円が強含みである。これもまたわが国の物価にもいい影響をもたらすであろう。それからわが国の金利水準、これはイギリスやフランスよりは低いわけです。しかしアメリカに比べて二%高である、西ドイツに比べましては三・五%高である、こういう状態です。いずれ、この金利水準というものはわが国も下げていかなければならぬというので、そういうことがまた、産業のコスト、したがって物価政策にいい影響がある、こういうふうに見ておるのです。
 そういう物価問題から見たマイナス、プラスの要因を踏まえまして、先ほど申し上げましたように、五十年度中にはぜひ一けた台の物価水準を実現する、そういう考えですが、その目標を損なわない範囲における不況対策、これはとっていきたい。
 そこで、いま景気につきましては大体底に来た。しかし、これが急速な立ち直りをする状態とは見ておりません。どうも、いわゆるなべ底というか、底に来た状態が相当続くのであろう。しかし、これを余り続けるわけにもいかない。そこで、第一次の景気対策、また第二次の景気対策、こういう手を打っておるわけでありまするが、いまなべ底の状態がこれからどういうふうに動いていくだろう。私どもの目標といたしましては、夏ごろから徐々な景気回復の動き、それが出てくるように、これを目標といたしましてこれからの諸対策をひとつとっていきたい、こういうふうに考えております。
#8
○加藤(清政)委員 本年三月の経団連の調査によりますると、主力製品の価格についてどう考えるかとの質問に対して、稼働率が正常になってもコスト圧力は吸収できないので製品価格の上昇を期待する、と答えた企業は実に六四%もあるわけであります。つまり、産業界の三分の二は値上げしようと手ぐすねを引いて待っているという状態であります。期待している上昇率を参考に挙げてみますと、石油精製が一五%、建設が一〇ないし一五%、紡績が六〇%、化学が一五ないし二〇%、紙パルプが一〇ないし三〇%、セメントが八ないし一五%、鉄鋼が一五ないし二〇%、機械が一〇ないし二〇%、電気機器が五ないし二〇%、自動車が一〇ないし一四%、鉄道車両が一〇%、ゴムが一〇%ということであります。このように、各産業にわたって種々の値上げが予定されていますが、まだこのほかにも潜在的に値上げを希望している企業が二三%もあるというように聞いておるわけであります。つまり、産業界の八七%は値上げをしますよということで予定されているということを聞いておるわけでありまして、もし産業界で予定されているこの値上げが実行されたならば、またあの狂乱物価時代の再現を来すのではないかと大変危惧するわけであります。政府は、先ほど福田副総理も御答弁がありましたように、物価抑制については万難を排するし、産業の値上げについても極力自粛を要望するというお話があったのですが、政府としては、経営者への値上げ自粛要請だとかあるいは輸入政策の活用、野菜などの端境期対策、公共料金の値上げ抑制まで、基本の総需要管理政策について、物価動向とあわせてどう対応するか、その点についてお聞きしたいと思います。
#9
○福田(赳)国務大臣 企業の方では、いま加藤さんがおっしゃるとおり、もう大方の企業が値上げをしたい、こういう希望を持っておるのです。しかし、私はこれは希望にとどまると見ております。例外がないわけではありません。しかし、私もみずから経団連とも話し合いをいたしまして、非常に大事な時期でありますので、どうかひとつ値上げということにつきましてはこの際はできる限りこれをしないように協力願いたい、こういうことを要請しておるわけでありますが、企業の方でも、大事なときであるということはよくわかるのです。御協力申し上げます、こういうふうに言っております。それから、総需要抑制政策をとっておりますから、これは企業が値上げをするという期待を持ちましても、値が上がりますれば今度は売れ行きが悪い、こういう状態が出てくるわけでありまして、必ずしも希望あるいは期待がそのとおり実現するという環境にもないわけであります。そういう状態を見まして、私はそう企業が希望いたしますけれども、その方面はそう大きな心配がないようにできるのじゃないか、かように考えております。
 それから、農作物につきましては、これは主要なものにつきましては依然として事前了承制をとり続けていく、こういう考えでございます。これは生活に非常に直結する部面でありますので、特にそういう方法によりまして対処する、そういう考えでございます。
 それから、公共料金につきましては、先ほど申し上げましたように、よんどころない郵便料金、たばこ、この二つに限ってやっていく。それから、国会案件ではございませんけれども米と麦の消費者価格の問題があります。それらにつきましては、その時点における物価情勢を見まして、物価対策、また財政、この両面の要請が両立できるように対処していきたい、かように考えております。
#10
○加藤(清政)委員 ただいま申し上げましたように、産業界の六四%が一割以上の製品価格の値上げを予定している。また紡績では六〇%の値上げを希望しているということをいま申し上げましたが、その中で政府は公共料金はできるだけ抑えていくのだということでありますけれども、独立採算制、受益者負担という安易なことで公共料金の値上げをするということになりますと、一方では、政府みずからが公共料金を値上げしようとしている中で、産業界だけに自粛を要請するというようなことで果たしてそれを受け入れるものかどうかということについて大変心配するのですが、この点もう一度御答弁願いたいと思います。
#11
○福田(赳)国務大臣 政府の方といたしますと、重要な公共料金では、いま問題になっているもののほかに国鉄の料金問題があります。それから電信料金、電話料金、そういうような非常に切実な問題があるのですが、それらはすべてしばらく延期する。こういうことにいたしまして、やむを得ざる郵便料金と、それからたばこ、これについて御審議を煩わす、こういうことにいたしておるわけであります。
 感触としますと、これは企業の方でも自粛するのだ、そういう際に政府の方だけがどうだというような面も、これは私は確かにあると思うのです。しかし、政府の料金はずっと前から据え置いておる。民間の方におきましては、もう狂乱物価、特に石油の輸入価格の暴騰以来、あらゆる商品につきましてこれを値上げをいたし、今日高値安定というようなところになっておるわけですが、公共料金の方は、そういう際でもあり、それだけは据え置こうということで、酒にいたしましても、たばこにいたしましても、郵便料金にいたしましても、電信電話料金におきましても、据え置いてきておるわけであります。したがって、そのしわ寄せが今日になって大きな各企業の赤字というものになって露呈されておる。こういう状態でありますので、その辺をよく説明いたし、理解をいただきまして、そしてただいまのような感触を払拭していただくということに努めていきたい、また努力をいたしておるという最中でございます。
#12
○加藤(清政)委員 政府が物価対策を強力に推進していくつもりならば、まず公共料金を凍結して政府みずからが他に模範を示すことこそ真の物価対策であり、それが物価の抑制に取り組む姿であると考えますが、同時に国民もそれを期待しておると考えるのですが、そのような中で政府はいまたばこの値上げだとか酒税の引き上げだとか、次々に公共料金または公共性のある料金の引き上げを図っておる。そして次には郵便料金の値上げまでも進めているわけですが、これでは物価の抑制に逆行するのではないかと思うのですが、ちなみに公共料金は、単に消費者物価指数に及ぼす影響とか家計費に占める比率とかということよりも、公共料金の値上げが物価上昇に対するあきらめムードをつくっていったり、あるいは便乗値上げを誘発し、心理的な影響を及ぼすということから、消費者物価や家計費に与える影響はそのウエート以上に大きいものがある、そう思うのです。そこで、政府が物価の抑制を本当に真剣に考えているとするならば、物価の抑制に取り組んでいくということでしたらば、公共料金は物価が安定するまでは全面的に凍結すべきであると思うのですが、その点について政府の見解をお尋ねしたいと思います。
#13
○福田(赳)国務大臣 公共料金といえども、原価といいますかコストを無視するわけにはいかないという立場にあることは御理解願える、こういうふうに思うのですが、それにしても政府が介入いたしまして決める価格であり料金でありますので、物価政策が非常に機微な際にはこれは公共料金の原則にばかり従う、そういう考えをとる必要はない。そこで、昨年のごときは国鉄料金の引き上げだとかあるいは米価の改定だとかを繰り延べる、こういうような措置をとったわけであります。それから五十年度につきましては、これは先ほども申し上げましたが、国鉄にいたしましても、また電信電話にいたしましても、どうしても処置を要する立場にあるのですが、しかし物価政策の非常にむずかしい時期であるというので、それは据え置きだ。しかし、公共料金を全部据え置きをいたしますと、そのしわ寄せが将来にかたまって起こってくる。そういうようなことを考えますと、全部据え置きということもなかなかむずかしい。そこで、郵便料金とたばこは、ことしぜひひとつ御審議を願ってこの処置をいたしたい、そういう結論に到達したわけなんです。もちろん、五十年度中の物価上昇率を二けたにはいたさない、そういう方針のもとにおける郵便料金、またたばこの問題のそういう措置ということでありまして、それらの公共料金の引き上げを前提といたしましてなお五十年度中一けた台の物価を実現する、こういう総合的な判断に基づいておることでございます。
#14
○加藤(清政)委員 それでは、いままでは物価問題に関する基本的な問題について、大変大きい問題でありましたので質問をいたしましたが、これから細目にわたって質問したいと思いますが、もうすでに時間も三十分経過をしておりますので大変残り少なくなりましたので、ひとつ御答弁は簡潔にお願いしたい、そのように思います。
 私は、こういうように狂乱物価時代の再現が予想されるときに、郵便料金値上げという物価の上昇に拍車をかけるような法案を審議しなければならないということはまことに残念に思うのです。そこで、この郵便料金が値上げになると、消費者物価に与える影響はどの程度になるか。そしてまた、家計費の中に占める郵便料金の割合についてどのように考えておられるか、その点御質問したいと思います。
#15
○石井政府委員 お答えいたします。
 このたびの郵便料金の改定によりまして一種二十円から五十円、二種十円から二十円というものを基本にした値上げをいたすわけでございますが、この値上げによりまして家計費の支出の上にアップの面で影響する度合いは〇・二%であるというふうに予測いたしております。
#16
○加藤(清政)委員 家計費の中に占める郵便料金がまあ〇・二%で低いという答弁があったのですが、そこで、郵便料金を値上げしても物価や国民生活に与える影響は少ないと考えておりますか。しかし、昭和四十九年十二月七日の郵政審議会の答申、つまり今回の値上げにかかわる答申ですが、その中にも「この料金改正案は従来になく大幅なものであって、直接間接に国民生活や経済一般に与える影響は軽視することを許さないものがある。したがって、郵便事業の円滑な運営を損なわないで、その影響を緩和する方策については、慎重な配慮を怠らないよう申し添える。」と強く明記しておるわけですね。このように直接的影響は少ないとしても、企業は郵便料金の値上げ分を価格の値上げで吸収しようとするでありましょうし、また郵便料金の値上げに便乗して大幅な値上げをする企業も出てくると思うのですが、そういう影響は直ちに大きく物価にあらわれてくると思うのですが、そういう現象があらわれた場合に政府はどのように対応しようとしているか、お尋ねしたいと思います。
#17
○福田(赳)国務大臣 郵便料金のいま御審議を願っておる原案によりますると、消費者物価に与える影響は〇・二%です。でありますので、これが与える影響というものはさほど大きなものであるというふうには考えません。しかし、郵便料金ばかりじゃありません。ほかにたばこの問題もあり、酒の問題もある。そのほかに企業の動きもある。そういうようなことで、総体としてこれからの物価をなだらかに動くようにいたしたいというためには、どうしても総需要抑制政策といいますか需給管理政策といいますか、そういうような総合的な政策を堅持してまいるというほかはなかろうというふうにこれを考えまして、そのような方向を取り続けてまいる。当分そういう姿勢で臨みたい、かように考えております。
#18
○加藤(清政)委員 郵便事業は国民生活に欠くことのできないものでありますが、そのために郵便事業は国が行っていると思うのですが、しかるに政府は郵便事業に対して独立採算制をとり、事業収入を受益者負担の原則で貫こうとしております。したがって、その事業収入の確保のために今回の値上げが実施されようとしておりますが、それでは今回の料金改正が実施されない場合の郵便事業の収支見込みはどうなっておるか。また、十月から仮にこの法案が通って料金値上げが行われた後の郵便事業の収支見込みはどうか、その点お尋ねしたいと思います。
#19
○廣瀬政府委員 料金改正を実施しない場合の計算をいたしますと、五十年度におきまして予算上は六百一億、すでに収支差額が出ておりますが、料金改正によりまして、約千六百億円の増収を見込んでおりますので、結果的に五十年度におきましては二千二百億程度の収入不足が出るのではなかろうかと思うのでございます。それから昭和五十年度予算におきますその中身におきまして、本年度十月から料金改正をいたしました場合は収入が五千八百四十六億円でございまして、支出が六千四百四十七億円ということに相なっておりまして、差し引き六百一億円の収入不足が見込まれている次第でございます。
#20
○加藤(清政)委員 いまの説明によりますと、仮に今回の郵便料金の値上げを実施しても、昭和五十一年には単年度だけでも約五百億円からの赤字が出るということになるわけですね。これでは郵便料金を値上げしても郵便事業の赤字の解消が当分できない。国民は値上げされた郵便料金の負担にたえなければならないという妙な形になってしまうわけですが、事業の独立採算も成り立たず、利用者は反面大きな負担をしなければならないという全くどっちつかずのことになりますが、この点はどうですか。
#21
○廣瀬政府委員 郵便事業は御承知のように人件費のウエートの非常に高い事業でございまして、その人件費とベースアップの動向が事業収支に非常に大きな影響を及ぼすということは事実でございますし、そのために経営が大変圧迫されるという現象が出てまいるかと思います。しかしながら、これは経常経費と申しますか、企業として必要といたします経常の経費でございますので、原則として受益者負担、利用者負担という考え方でまいるべきものと考えるわけでございまして、私どもは一般会計からの繰り入れによって補てんするというようなことは考えておりません。一般会計の負担ということになりますと、これはとりもなおさず税金によってこれを賄うということになりますが、郵便事業の現在利用の実態をながめてみますと、約八割は企業用通信、業務用通信ということになっております。したがいまして、こういったものを税金で負担することが適切かどうかということになりますと、かえってこのことが公平の原則にかなわないというようなことになるかと思います。したがいまして、現在の法のたてまえでもございます独立採算制は今後とも貫いてまいりたいと考えておる次第でございます。
#22
○加藤(清政)委員 郵便料金の値上げが実施されれば当然郵便の利用度は減少すると考えられますが、ましてこのような大幅な値上げをやった場合には郵便の利用度は値上げ幅以上に大幅な減少になるのではなかろうか、そのように危惧するのですが、昭和四十一年度の値上げでは対前年比の増加率が五・七%であったものが二・七%に落ち込んだ。四十七年の値上げでは四・二%であったものが二・五%に落ち込んでしまった。事務当局では十月から値上げが仮に実施された場合には、郵便の利用度の減少をどのように見込んでいるかどうか。それとも影響がほとんどないと考えておられるかどうか。種類別にひとつお聞きしたいと思います。
#23
○石井政府委員 お答えいたします。
 料金改正後の物数の見込みにつきましては、今後の景気の変動その他いろいろな条件によって変わってくるわけでございますが、過去におきます料金改正後の物数動向をもとにいたしまして、国民総生産の今後の見込みの増加率等も勘案しながら予測いたしておるわけでございます。すなわち、最近における料金改正後の物数の動きを見てみますと、料金改正前に比べまして物数の増加率は低くなってはおりますけれども、いままでは物数の絶対値が減ったということはないわけでございまして、ただいま先生御指摘のとおり、四十一年、四十六年の数字がございまするが、いまのような絶対減にはなっていないわけでございます。今回は確かに値上げ幅もかなり大幅であるということも考慮いたしまして、計算をいろいろいたしたわけでございますが、五十年度四月から九月までは従来のペースで大体郵便物数は伸びるであろう。そういたしますと、この間は二・八%の増がある。半年間二・八%の増があって、十月以降五十一年の三月までの半年間は逆に五・二%の減があるというふうに見ておるわけでございます。したがいまして、差し引きトータルいたしますと年間では一・九%の減というふうに見込んでおるわけでございます。
 なお、一種と二種の料金の問題がございまして、このたびのように大幅な改正が行われ、特に一種と二種との関係が従来一対二でありましたものが、もう少し差が開きましたこともありますもので、この点の一種から二種への移行というものも当然あるかと思います。そこで、五十年度につきましては第一種は対前年比六・二%の減、第二種は逆に一・九%の増というふうに見込んでおるわけでございまして、トータルいたしますると、先ほど申し上げました年間を通じてマイナス一・九%、そのように見込んでおる次第でございます。
#24
○加藤(清政)委員 値上げによって二・八%、さらに五十一年三月に五・二%減で、トータルとしては年間一・九%減で抑えるというような見通しを立てておられるのですが、いままでの値上げのときには大体平均三八%ないし四〇%以上の落ち込みがあるわけなんで、大変その点は甘いんじゃないかと思うのです。さらにこのような大幅な郵便料金の値上げが実施されれば、そんないま言ったような数字では済まされないと思います。郵便の利用度は大幅に落ち込んでくるでしょうし、たとえばダイレクトメールだとか現在は郵便によっておるわけですが、手配りになったり新聞での折り込み広告にかわったりすることがあるでしょうし、またコストを考えれば他の広告の方法を利用するようなことにもなると思うのです。郵便料金値上げによって郵便の利用は減少し、そして郵便事業の収入も減少してくるという、必然的なことでそうなると思うのですが、ところが、郵便事業はその性格から言って郵便の量が減っても一定の人員は確保しておかなければならない。これでは郵便事業はますます膨大な赤字を負うことになるわけで、つまり今回の郵便料金値上げによって物価の上昇だけが残るという皮肉な結果になるのではなかろうかと思うのです。
 郵便法第一条と第三条の関係ですが、郵便料金は福祉政策料金であると考えるか、それとも個別原価主義で進められると考えるか、その点お聞きしたいと思います。
#25
○石井政府委員 お答えいたします。
 第一条と第三条の関係でございますが、第一条は郵便料金はあくまでなるべく安くということが基本になっておるわけでございます。第三条は収支相償ということをうたっておるわけでございます。個々の料金の収入支出の全体のバランスがとれるようにということで、独立採算の原則でやるというふうに考えておるわけでございます。
 個々の料金決定の基本的な考え方につきましては、やはりもちろんそれにかかっておりまする費用、原価と申しますかそれを基本にいたすわけでございますが、同時に個々の料金間のバランスと申しまするか、あるいは過去の歴史的な経緯と社会的な情勢といったようないろんな要素をかみ合わせまして現在料金を決定いたしておるわけでございまして、個々の原価だけで料金を決定するというふうな考え方は現在とっておりません。
#26
○加藤(清政)委員 郵便事業を独立採算で運営していくこと自体に問題があると考えておるのですが、郵便法第一条で「郵便の役務をなるべく安い料金で、あまねく、公平に提供することによつて、公共の福祉を増進する」と定められておるわけです。公共の福祉のために安い料金で郵便は配達されなければならないわけです。したがって、郵政事業特別会計は赤字になってもある程度やむを得ないということにもなるわけで、その赤字負担は一般会計から繰り入れをすべきであると思うのです。
 本年二月八日の衆議院予算委員会公聴会の席上で、重度身体障害者グループの「羊の声」の宮尾代表は、郵便料金の値上げについて次のように公述しているわけです。
 「今度の郵便料金の引き上げは、それ以上に深刻なものがあります。
 私たちのグループには、両手が使えないために、足で字を書く人がおりますが、この人は友達に手紙を出すことが生きがいになっていまして、毎日足の指に鉛筆をはさんで書いております。電話は手が使えませんから利用できません。また、字は書けますが、歩くことは不可能ですので、友人との交流手段ということになりますと、文通以外にはございません。手紙五十円、はがき二十円という今回の値上げ案は、こういう人たちから、その唯一の交流手段と、文通で得ておりました生活の張り合いを取り上げるおそれがございます。
 さらに、この値上げ案によりますと、これまで比較的低額になっておりました第三種の料金も大きく引き上げられていますが、これは身障者団体の活動に重大な支障を与えかねないものがあります。五年前のことになりますが、各団体が出しております機関誌の郵送料金を、郵政省の御好意によって三種扱いが受けられることになりまして、今日まで発行してくることができたのでございますが、今度の値上げが実施されましたならば、廃刊の危機に見舞われる団体も出てくるかもしれません。介護手当の新設は結構でございますが、それにも増して、この際、いま申し上げました郵便料金に関連しました問題につきまして、ぜひ何らかの措置をいただきたいと存じます。」と、このように切々と訴えられたこれらの人々にとっては郵便は唯一の生きがいであるということになるわけですが、独立採算制、受益者負担ということで福祉の優先、不公正の是正を公約した政府が、これらの人々の生きがいまでも郵便料金の値上げによって奪ってしまうというつもりかどうか。
 なお郵便法の第十九条の二で、災害地の被災者に対してはがき及び郵便書簡の無償交付が定められております。また二十六条では盲人用点字、盲人用録音物、点字用紙は無料と定められております。これらの費用は郵政事業特別会計の中で賄われております。つまり他の郵便利用者がそれらを負担しておるということになるのですが、こういうものは国の一般会計から繰り入れすべきものであると考えられるのです。郵政事業特別会計が独立採算制であるからその会計で賄えというのはおかしいのではないか、そのように思います。現に公職選挙郵便規則の第二条で候補者へ無償で交付したはがきの料金はどう扱われているか。たしか候補者には無償で衆議院、参議院の全国区、地方区、各都道府県知事、そういう選挙について交付されておりますが、後でそれを自治省の方からその財源について繰り入れをすると聞いておりますけれども、その点もひとつお伺いしたいと思います。
 このように、郵便料金は単純原価主義でなくて政策料金であってもよいし、そうあるべきであると思います。ただし、この場合貫徹しなければならない政策は公共の福祉でなければならないと思いますが、これを貫徹する場合、郵便事業を特別会計制度で運営していく限りは、その政策貫徹のための負担は一般会計で負い、特別会計へ繰り入れすべきであると思うのですが、その点をお聞きします。
 なお、今日国の政策全体の福祉優先への転換が求められている中で、郵便事業に対して身障者の郵便物無料化、低料金化、通信教育受講者の負担の軽減だとか、学術公共団体の研究通信等の負担軽減等に、社会政策的、教育文化政策的な郵便物に対して無料、低減化の要望がきわめて多いわけでありますが、この国民福祉の立場に立って、独立採算制にこだわらず、一般会計が負担し得る限度で、無料または低減扱いの料金として国民全体の理解と納得を得られなければならないと思いますが、この点について郵政当局と大蔵当局の見解をお聞きしたいと思います。
#27
○石井政府委員 お答えいたします。
 まず、身障者の関係の団体の方々が発行しておられます雑誌等の刊行物が、このたびの第三種の料金の値上げによって非常に影響を受けるということから、いろいろ御要望が出ておりますことは私たちも承知いたしております。この問題につきましては、現在第三種の認可基準の上から申しますと、こういった方々のお出しになっております刊行物は、発行部数等の面で基準には該当しない面があったのでございますけれども、これは前回の料金改定の際に、特別にそういった方々への配慮と申しますか、基準を甘くいたしまして三種としての低料扱いをすることの取り扱いを現在も続けてまいっておるわけでございます。第三種の料金につきましては、現在まだ決定いたしておりませんで、このたびの一種、二種の料金の決定後これを慎重に決めたいと思っておるわけでございますが、一般に伝えられております郵政審議会の答申の数字が、基本料金の面で低料のところで約五倍、非低料のところで約三倍、全体で三・二六倍の値上げになっておるわけでございます。そういったようなことからそういった御要望が出ておるわけでございます。こういった身障者の福祉に対する配慮ということは、郵便料金の中でどこまでこれを取り組むべきかという問題があろうかと思いますけれども、第三種として認可しておるものの中でそういった団体がどの程度あるか等につきまして、厚生省方面ともよく相談いたしまして、この点については慎重に検討してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
 それから、後段でお述べになりました、現在の郵便料金制度の中で、たとえば災害時におけるはがきの無償交付でありますとか、あるいは選挙の無償交付といったような、盲人の点字等の無料扱いといったものと選挙の場合との比較が出ておりますけれども、選挙はこれを公営でやるという国の方針に基づいてこれをやっておるわけでございます。郵便料金の中で、身障者の中の特に盲人とか、あるいはいまの被災者に対する措置というようなものは、他の郵便料金の負担の中で、利用者の負担の中でこれを取り組むというのが郵便法第三条の精神であろうと思いまして、従来からそういう取り扱いをいたしておるわけでございます。公職選挙法の関係で出ております選挙郵便物の無料扱いとは性格がおのずから異なるものであるというふうに考えておるわけでございます。
#28
○村上国務大臣 郵便の赤字を一般会計からの繰り入れによって補てんするようにしたらどうかという先ほどからの御意見でございますが、これはとりもなおさず国民の税金で負担することとなるわけでありまして、郵便の八割が企業などの業務用通信であるという実態から見ましても、負担の公平を失することとなり、適切でないと思っております。また、赤字が出れば一般会計から補てんするということになりますと、企業意欲を喪失するなどの弊害が生ずることも懸念されるところでありますし、独立採算のたてまえによって、受益者負担の原則に立ちまして、郵便料金で賄うことが社会的公平にもかなう最も妥当な方法だと思っております。
#29
○田中政府委員 お答えいたします。
 郵政大臣あるいは郵政事務当局から御答弁がありましたとおりでございまして、独立採算制の原則というものは、郵政事業特別会計法一条の規定にもはっきりうたってございますし、郵便法三条の規定に照らしましても今後ともこれを堅持してまいるべきもの、かように考えております。一般会計からの繰り入れ問題につきましても、一般的な問題点というのは、ただいま郵政大臣から御説明があったとうりでございまして、いろいろ社会政策的な展示物あるいは身障者等の低減料金等というようなものにつきましても、私どもは郵便法三条の規定に従いまして、全体の料金の中でこれを賄っていただくべき筋合いのものと考えておりまして、一般会計からの繰り入れという点は考えておりません。
#30
○加藤(清政)委員 時間がありませんので、その先を進めて質問します。
 郵便料金の決定の方式は、郵政大臣が郵政審議会に諮問して、その答申を待って第一種、第二種は法律事項として国会に、その他は政令事項として郵政大臣が決定権を持っておるということになっていますが、したがって、今国会で第一種、第二種の値上げ法案が可決されれば、第三種以下の郵便料金についても軌を一にして相当額の値上げが省令によって行われることになるわけですが、したがって第三種以下も当然国民の理解と納得を得なければならないわけですが、この際省令事項をやめて、国会審議に乗せて法律事項に改正すべきであると思うのですが、その点をひとつお伺いしたいのと、さらにまた、本郵便法の改正案が成立しない場合、省令事項で速達、書留など特殊料金や第三種、第四種料金について値上げするのではないかと心配されるわけですが、その点どうか。また、第三種の将来のあり方について、ゆくゆくは廃止するのではなかろうかということが巷間流布されておるわけですが、そのことについて大変な不安を持っておるんですが、その点についてどうか、お尋ねしたいと思います。
 なお、この料金体系を決定する重大な役割りを持つ郵政審議会でありますけれども、それが現在は郵政審議会は非公開であると聞いておりますが、これは全く国民の理解に苦しむところであって、この際公開の原則を確立して、明朗なうちに審議をして国民に示すということについてひとつお尋ねしたいと思います。さらに、郵政審議会の委員の構成ですが、いまは四十三名で審議会が構成されておりますが、その内訳は、企業の代表が一番多くて十七名、官公庁の委員が九名、大学関係者が九名、評論家が七名で、消費者代表が一人しかいないわけですね。これでは国民生活に重要な郵政審議会に一般庶民の意見を反映させることは大変困難であると考えられますが、もっと消費者代表や働いている労働組合などの代表者を入れて広い視野から審議をするということについてのお考えについてお尋ねしたいと思います。
#31
○石井政府委員 お答えいたします。
 第三種郵便物は、国の独占によっております第一種、第二種といったものと性質が違いまして、その内容となるものは、御案内のとおり、書店でありますとかあるいは新聞販売店等いろいろな方法でも頒布できる性格のものでございます。したがいまして、その料金は、法律にその基準を定めて、その枠の中で省令に委任し事業運営に弾力性を持たせたいということで、前回の法律改正でそのように取り扱われることになったわけでございます。したがいまして、その現在の省令でやってまいりますことは、私たちは適当なものであるというふうに考えておるわけでございます。
 ただ、この料金の決定につきましては、ただいまお読みになりました郵便法第一条、第三条の料金の決定基準によりまするほかに、同一重量の第一種郵便物よりも安くするということが一つの基準になっておるわけでございまして、この範囲内で具体的な料金を決めることになるわけでございまするし、また各界の権威者をもって構成されております郵政審議会に諮問いたしまして、広く民間の方々の意見を求めるといったような慎重な対処の仕方をとることになっておりまするので、その点もあわせて御理解を賜りたいと思います。
 それから、一部の新聞に報道されました、郵便料金が仮に改定できなかった場合に云々というような記事を見ましたけれども、これは私たちとしては現在予測もいたしていないことでございまするし、単なる憶測記事であるというふうに考えます。また、同じ中に、第三種の問題も、将来これを廃止するというようなことを検討しておるやに書かれておりまするけれども、事実としてそういうことは一切ございません。
#32
○加藤(清政)委員 郵政審議会の構成のことですね、そのことについてのひとつ見解を……。
#33
○高仲政府委員 お答えを申し上げます。
 郵政審議会の委員の任命の問題と公開の問題についてのお尋ねでございますが、まず郵政審議会の委員の任命でございますが、特に分野を画定いたしまして代表者を任命するというやり方はやっておりません。広く関係行政機関の職員、学識経験者、あるいは郵便貯金の預金者の利益を代表する者、簡易保険の加入者の利益を代表する者等を選任いたしておる次第でございます。現在の審議会のメンバーは広く有識者を網羅しておるものと考えておる次第でございますが、郵政審議会の委員の重要性にかんがみ、この任命に当たりましては今後とも慎重に配意すべきものと考えております。
 なお、各界の代表のさせ方が偏っているのではないかという御質問でございますが、ただいま申し上げましたように、特に分野を画定して任命しておるわけではございませんので、私、便宜私なりに分解いたして考えておるわけでございますが、行政機関の職員といたしましては四名、行政の経験者という立場からは八名、経済界からは七名、学界から八名、言論界から七名、労働界その他から八名といった分類ができるのではないかと私は考えております。これは私見でございます。
 次に、公開の問題でございますが、審議会を公開するかどうかということは審議会自体が決めておる問題でございます。審議会が非公開を決めるに当たりましては、特に秘密裏に事を運ぶという趣旨ではなくて、関係各委員が忌憚ない意見を発表できるようにという配意から非公開を決めておるものと私は了解いたしております。
 以上でございます。
#34
○加藤(清政)委員 郵政事業の円滑な遂行のために郵便局舎が必要かつ不可欠のものであるのですが、そのために全国津々浦々にまで郵便局が設置されておりますが、これらの郵便局があるからこそ、どんな山間僻地の一軒家に至るまで郵便物の戸別配達ができるということになるのです。ところが、この郵便局舎の土地取得費だとか、あるいは建築する場合だとか、維持管理などが郵政事業特別会計で賄われているわけです。つまり、郵便局の建物まで郵便利用者が負担しているということになるのですが、郵便事業はその公共性から見て郵便局舎の土地取得だとかあるいは建築、管理運営は当然一般会計から郵政事業特別会計に繰り入れらるべきであると思うのですが、この点についてもう一度お伺いしたいと思います。
#35
○村上国務大臣 郵便事業が独立採算をあくまでも堅持していくためには、郵便事業に要する人件費あるいは施設、これらは皆それぞれ郵便事業の会計の中に含まれておるものと考えております。郵便局舎も、たとえば各会社の支店、出張所のようなものでありますので、これらもやはり郵便事業費の中に含まれておるものと解釈いたしております。
#36
○加藤(清政)委員 先ほど、郵政審議会は公開にすべきではないかという質問に対しまして答弁がありましたが、公開に準じたような方式でやっているということですが、郵便料金を決定する上においてそのポイントとなる郵政審議会は、やはり何としても公開にして、国民の納得と理解のいくようなそういう立場に持っていくべきだと思うのです。公開に準じたような方式でやっていくということでありますから、さらに公開に踏み切るというようにお願いしたいと思うのです。
 それからもう一つは、審議会の構成メンバーについて、労働組合の方からもあるいは消費者の方からも入れていると言うんですが、この構成分野からいいまして大変ウエートが少なくて、もっと消費者の声を十分に反映すべきであると思うのですが、この点もひとつ御再考願いたい、そのように思います。
 すでに時間が参りましたので、ひとつ資料の提出をお願いしたいと思います。郵便物の各種の種類別の原価、それから収入、損益を昭和四十八年度と四十九年度の二年分を資料として提出していただきたいと思うのですが、委員長、お取り計らいを願いたいと思います。
#37
○廣瀬政府委員 ただいまの種類別原価でございますが、現在郵政省でつくっております原価は四十八年度まででございます。したがいまして、四十九年度以降の原価は計算いたしておりません。それ以外の資料は提出さしていただきます。
#38
○加藤(清政)委員 四十八年度について資料の提出を……。
#39
○地崎委員長 承知しました。
#40
○村上国務大臣 審議会の公開の問題につきましては、審議会自体で決めていることでありますので、郵政当局として何ともお答えできないことであります。
#41
○加藤(清政)委員 いまの質問並びに審議の概要を踏まえて、郵政大臣からひとつ、メンバーのお一人なんですから、そういう声を十分反映して、やはりメンバーに加えるように大いに発言していただきたいと思うのです。
 時間が参りましたので終わります。
#42
○地崎委員長 小林政子君。
#43
○小林(政)委員 経済企画庁長官にまずお伺いをいたしたいと思います。
 政府の物価対策並びに物価に対する政治姿勢についてお伺いをいたしたいと思いますけれども、政府は物価の安定を最大の課題にするということを言い、また来年度の物価上昇については、一けた台でこれを抑えたいということをいろいろと宣伝もされておりますけれども、実際に四月の東京都の二十三区部の消費者物価指数、この前月比の上昇率等見て、大幅上昇を示しているこの事実に照らして、一体具体的に一けた台ということが実現できるというふうに目標を見きわめているのかどうか。まずその点をお伺いいたしたいと思います。
#44
○福田(赳)国務大臣 五十年度の物価上昇率、これは一けた台にとどめるということは、かねて政府の目標としておるところでございますが、さてそれが実現できるかどうか。四月はこれは特異な月でありまして、昨年のごときは三%上がっているのです。私はこれを二%以下にということはなかなかむずかしいと思っておったのだが、できたら二%ぐらいになればなとも念願しましたが、結果は二・五%、こういうふうになっておるのですが、それにしても昨年の三%よりは低いところに来ておるわけなんです。それが東京区部の話なんですが、これが全国ということになって一体どういうふうなことになってきますか。これは月末になってみなければわかりませんけれども、仮に全国が東京区部の二・五%程度だ、こういうことになった場合に、さて五十年度中の物価上昇、これが一けた台におさまるか。こういうことでございますが、これが仮にそういう区部と全国が大体同じだということを前提として考えますと、五月以降毎月平均すると〇・六%の上昇だ、それにとどまるということでなければ一けた台にはならぬし、それにとどまるということになれば一けた台になる。こういうことでございますが、先ほども申し上げたのですが、これからの物価につきましては、この物価を押し上げる要因、これらは賃金問題もあれば、また企業の採算から来る値上げの動きの問題もある。しかし、そういう悪い要因ばかりでなくて明るい要因、たとえば農作物の海外からの輸入価格がかなり下落してきております。その下落した価格の農作物、これが夏以降は逐次入着してくる、こういうような要素もありますし、また為替相場の動き等も強含みに動いておるという動きもありますし、またいまの日本の金利水準が非常に高い。これもいずれの日にか、これは是正するという幅が残っておるということでございますので、これもコスト引き下げの要因になる。そういうメリットの面は極力伸ばしておる。それからデメリットの面は、これをなるべくデメリットがデメリットとして動かないようにいたす。そういうことによって、とにかく万難を排して、来年の三月末における物価水準は一けた台におさまったということにいたしたい。これは非常にかたい決意を持って物価政策に取り組んでいきたい、こういうふうに考えております。
#45
○小林(政)委員 特に三月下旬の卸売物価、これを見ますと上昇率〇・一%、四月上旬も〇・一%と卸売物価もこのところずっと――四月中旬は若干マイナスになっておりますけれども、どういう動きを示すかということは、これは非常に今後の問題であろうというふうに思います。しかも、経企庁あるいはまた経団連の調査によっても、これはもう明らかなように七〇%からの企業の値上げ期待ムードというものが非常に強まっている。こういう情勢の中で、公共料金を次々とここで値上げをしている。私はこれは諸物価引き上げの新たな引き金を政府は引く役割りを果たしているんではないか。酒、たばこの値上げを行い、そして今回郵便料金の値上げをやろうとしているわけですけれども、これの及ぼす社会的な影響という問題を一体どのように認識をされているのか。この点についてまずお伺いをいたしたいと思います。
#46
○福田(赳)国務大臣 公共料金は、物価政策が非常にこういう機微な段階でありますので、本来ならばこれはコストを見て、そして逐次公共料金もそれに合わせるように改定をすべきなんですが、こういう機微の際にかんがみまして、ゆとりのある物価政策を重視した考え方をとらなければならぬ。そういう考え方のもとにこの昭和五十年度予算に取り組んだのです。私は、こういう際ですからでき得るだけ公共料金は、異例ではありますけれども、少し厳しく繰り延べるという考え方を打ち出したらどうかなとも思ったのですが、他方、公共料金と申しましてもたくさんあるわけです。いま議題になっております郵便料金のほかに、たばこの問題もあります。また公共料金ではありませんけれども、酒の増税の問題もあるわけです。その他電信料金でありますとかあるいは電話料金でありますとか、あるいは国鉄の大赤字の問題でありますとか、いろいろの問題がある。そういう中でこれを全部据え置きをいたしますと、これは後でしわ寄せが、収拾が非常に困難になる。そこでこの際、五十年度の問題としては郵便料金とそれからたばこ、この二つはぜひ片づけておきたいという結論に到達いたしまして、いま御審議をお願いしている、こういう段階でございます。
 公共料金を引き上げることが一般の物価対策に与える心理的影響、そういうことにつきましては、私もこれは注意しなければならぬことだろうと思います。ただ、いま郵便料金にいたしましても、たばこにいたしましても、あの狂乱物価の後を受けての価格改定はいたしておりません。民間企業なんかみんなやっているわけですから、その上さらに民間企業の方は値上げをしたい、こう言っておる。この公共料金の中で、いま郵政、たばこ、そういうものは改定をしておりませんので、これを放置しておくとまたそれなりにいろいろ重大な問題があります。そこでそれは踏ん切りをつけるということにいたし、その波及につきましてはそういう事情があるんだということについての御理解を得まして、そして便乗とかそういうような心理的な影響の出ないように、極力いま努力をいたしておるという最中でございます。
#47
○小林(政)委員 そうしますと、このように理解してよろしゅうございますか。公共料金は今後、米の問題も出てまいります、あるいはまた予想される問題としては国鉄の問題、あるいは麦価の問題から電信、電話、引き続いて公共料金の値上げというものがいろいろと予想をされているわけでございますけれども、今回は酒、たばこと郵便、そのほかの問題については、一切いわゆる公共料金については値上げを見送る一こういう姿勢と承ってよろしいですか。
#48
○福田(赳)国務大臣 他の重要公共料金につきましては、逐次その赤字を解決していくという考え方です。そこで国会の御審議を煩わすのは、これはそのうち特に重要な案件についてでございますが、国会の審議を煩わさないで、いわゆる重要公共料金を決められる問題もあるわけです。国会の御審議を煩わす国鉄、電信、電話、こういうものにつきましては、本年度はこれが改定はいたさない考えでございます。次の国会の機会に御審議を煩わす、こういうことに相なろうか、かように存じます。次というか、将来の国会と、こういうふうに思いますが。それから米、麦の消費者価格、これは国会の御審議にならない問題でございますが、これにつきましては消費者価格を決める段階における物価の情勢それから財政の状況、そういうものをよく見きわめまして慎重に決めていきたい、かように考えております。
#49
○小林(政)委員 これは、個々の物資については値上げの問題等についても家計支出等に占める割合というものはそう大きなものではない、
    〔委員長退席、三ツ林委員長代理着席〕
特に郵便はそうだということが言われておりますけれども、公害の問題ではありませんけれども、煙突から出る排出基準そのものがそれぞれ基準内にあっても、環境基準から見ればもう大変な公害になっているというようなことを考えても、具体的には酒の値上げが家計支出に対して〇・七%だとかあるいは郵便が〇・一二%だとかいろいろ言われておりますけれども、こういうもの全体が民間物資も含めて値上げをされるということで国民の生活というものがものすごく大きく圧迫をされている。こういう点を考えますと、特に公共料金の及ぼす影響はきわめて重大だと思います。この問題については私は、今回の郵便料金の値上げについても家計に及ぼす影響は〇・一二%と言われておりますけれども、このような大きな影響力を及ぼす公共料金の値上げについては行うべきではないというふうに考えまして、この点からひとつ郵政大臣にお伺いをいたしたいと思います。
 郵便制度の問題につきましては、これは国が国民に保障しなければならない重要な公共通信手段の一つであるというふうに考えますけれども、いかがでしょうか。
#50
○村上国務大臣 郵便料金は値上げすべきでないというそのお気持ちはよくわかります。私も同様に考えてまいったのでありますが、これを特別会計でなく一般会計から補てんして何とかとりなしていこうということになりますと、その八〇%まで業務用になっておりますので、これらを一般会計の税金で賄うということになりますと、これはもう公平の原則にも反することでもありますし、また郵政事業が特別会計を崩していくということになりますことも、これは法律上決められていることをこのまま一般会計に引き戻すということは絶対にできない、かように私ども思っておるのであります。
    〔三ツ林委員長代理退席、委員長着席〕
#51
○小林(政)委員 いや、郵便制度というものが国が国民に保障しなければならない重要な公共通信の手段であるというふうにお考えになっているかということをお聞きしたのです。
#52
○村上国務大臣 その点につきましては御指摘のとおりでございます。
#53
○小林(政)委員 そうしますと、郵便事業に対して政府が負っている責任というのは郵政大臣、どのようにお考えでございましょうか。
#54
○村上国務大臣 でき得る限り安く国民に公平に奉仕するということであります。
#55
○小林(政)委員 先ほどちょっと御答弁ありましたけれども、今回の郵便料金の値上げを行わなければならないというその主たる理由は一体どこにあるのか。この点について明確にお答えいただきたいと思います。
#56
○廣瀬政府委員 郵便事業は人手に頼る部分が大変多いわけでございまして、したがいまして経費の大宗は人件費と申して差し支えないかと思います。最近におきましてその人件費が高騰をいたしておりまして、そのために経営を圧迫いたしておるわけでございますが、一方郵便の収入の方は、郵便物数の増加をながめてみましても、大体年々三%ないし四%程度の伸びしかございません。したがいまして、その結果収支差額を生ずるというようなのが最近の傾向でございます。
#57
○小林(政)委員 郵便事業が困難に直面している理由は、一つは人件費の高騰である。それでは人件費がなぜ高騰せざるを得ないかという原因を一体大臣はどのように見ていらっしゃるのか。どのように認識をされていらっしゃるのか。この点についてお伺いいたします。
#58
○村上国務大臣 これはなかなか私が郵政大臣として先生の御納得のいくお答えができぬと思いますが、大体石油ショックに端を発して、世界的情勢から日本だけでないどこも皆物価高を来たしておるというような点で、結局その物価の高騰による賃金の増加等に端を発して、それがやはり郵便料金にはね返ってきているというようなことであろうと思います。
#59
○小林(政)委員 この問題については、去る二月の二十五日の本会議のときに三木総理が、郵便を利用されている方にもいろいろと負担を願うという答弁をされているわけですけれども、私は人件費が高騰せざるを得ないという原因は、いま石油ショック等による物価の高騰が影響しているというふうにおっしゃいましたけれども、むしろそれをたぐっていきますと、歴代の政府がとり続けてきた高度経済成長、この政策がやはり物価高騰をもたらした根本の原因である、このように考えますけれども、現在の郵政事業に困難をもたらしてきたその原因、そこに政府の責任があるのではないか。ところが、その責任を実際には受益者負担という形で、三木総理もこれを国民にもその負担をお願いするんだ、こういう形で、政府みずからがっくり出してきたこのような状態を国民全体の受益者負担という形でこれを負担させるということは私はこれは問題ではないか、このように考えますけれども、郵政大臣の見解をお伺いいたします。
#60
○村上国務大臣 なかなかむずかしい質問でして、これをどこに原因があったかということになりますと、ずっと終戦直後からのいろいろな経済状勢等を一々御説明申し上げなければならないのじゃないかと思います。私は、そういう先生の御指摘のような点もさることながら、やはりこれは世界的な一つの傾向であった、かように思っております。
#61
○小林(政)委員 ともかく、今日の郵便事業が実際にはこのような赤字を出している。しかも、その理由が人件費の高騰である、このように言っているわけです。私は、この人件費が高騰せざるを得ないような経済情勢を実際につくり出したのは一体どこの責任なんだ、どなたの責任なんだということをやはり明確にしなければ、ただ人件費が高騰している人件費が高騰しているということで問題の本質をすりかえるということはできないというふうに思いますけれども、やはり私はこの問題について、一体それでは人件費というものはどのような状態になっているのかということを調べてみました。業務費の中に占める人件費の比率というのは年々下がってきているのですね。昭和四十年には八〇・六二%であったものが四十一年には七九・五九%、四十二年には七九・三一%、四十三年は七九・六六%、四十五年は七四・八〇%、四十六年は七五・二九%、四十七年は七五・四三%、四十八年は七四・二一%となって、むしろこれは年々業務費に占める人件費の比率を見る限り、郵便事業の悪化が人件費の高騰にあるというようなことは理由にならないのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
#62
○廣瀬政府委員 私どもで調査いたしました人件費率が若干食い違っておりますが、大体四十七年、四十八年、四十九年、五十年というふうにとってまいりますと、七〇%台になっていることは確かでございます。ただ、郵便事業の場合は、物件費と申しましても、この中に相当人件費的な要素が含まれております。たとえば賃金だとかあるいは請負費のようなもの、運送費などはほとんどが人件費的要素と考えてもいいようなものでございまして、こういったものを含めますと約九〇%くらいが総体の経費に占める人件費の割合というふうに考えていいかと思っております。比率は年々変わっておりませんけれども、年々のベースアップがございまして、総額は年々相当大きくふえております。先ほど申しましたように、物数の方はほぼコンスタントに推移しておりますので、収入と支出の差額は年々相当ふくらんできているというのが実情でございます。
#63
○小林(政)委員 私は、むしろこの人件費の高騰ということは、いま挙げたここに書かれているこの比率をずっと見てみますと、業務費の中に占める割合は逆に年々低下してきている。そしてまた郵便物数が年々五%程度ふえている。こういう中で、いわゆる職員の増加の状況等も、むしろ郵便物数がふえているわりには職員の数というのはふえていない。こういう統計の数字がずっとここに出ておりますけれども、根本の問題は――これは会計検査院が検査の結果を報告をいたしておりますけれども、四十六年度に郵政事業特別会計については固定資産の再評価を実施をいたしております。そして、これに伴って償却の対象となる資産の価格というものは増加いたしましたけれども、そのほかに償却方法を定額法から定率法に変更をいたしております。そのために減価償却費が八十五億九千六百三十九万円となって、前の年の四十五年の二十八億四千八百八十万円に比べて二〇一・七%、金額にして五十七億五千万円、非常に著しく減価償却が増額をしているわけですね。この点は会計検査院のこの検査報告書によっても指摘をされているところでございますけれども、四十六年といいますと、料金の改定が行われた年でもあります。そしてまた第三条を改正して独立採算制が取り入れられた、こういう年でもあります。私は、費用として計上される減価償却をここで最大限にやはり見積もったものと思われますけれども、この点についてまず事務当局から答弁をいただきたいと思います。
#64
○廣瀬政府委員 私正確には記憶いたしておりませんが、会計検査院の指摘というのはあるいはなかったのではないかというような感じがいたしております。四十六年度の減価償却の方法を変えましたことは事実でございます。これは業務量が年々ふえてまいりますと、郵便局舎が狭隘になってまいります。したがいまして、耐用年数の途中におきまして郵便局舎が使えなくなる、狭隘になるというような状況になってきましたために、定額法によってこれを行いますと、財産除却時におきまして償却不足額が非常に大きくなってまいります。そこで過小償却というような事態が生じてまいっておりました。そこでその償却不足を縮小いたしまして、その期間における損益計算の適正化を図るというようなことで定率法を採用いたしたわけでございます。先生御指摘のように、定率法をとりますと、定額法によるよりも、その当初におきましては、ことに前半におきましては、逓減償却の性格から申しまして、大きな償却額になってまいりますけれども、郵便局舎の現状をながめてみますと、耐用年数一ぱいまで建設しなくて済むというような状態にはまだなってきておりません。郊外地域におきましてもそのような現象が出ております。そこでそういった損益計算上正確な償却をするために、当時定額法から定率法に変えたというようないきさつでございます。
#65
○小林(政)委員 時間がなくなってまいりましたので、償却資産につきましても、四十五年に千七百七十一億。四十五年を一〇〇といたしますと、四十八年二千九百三億は一八三・九%もこれが増大をしているのです。これは政府が高度経済成長を続けてまいってきている中で、都市への人口の集中、産業の集中、こういった問題の中で、郵便事業がその対策のために局舎を建てたり、あるいは郵便物の自動区分機の整備など、こういう費用の増大に伴って、赤字が相当ここで出てきている。こういう問題、これらの分を国民の負担にすべてを求めるということはむしろ私は筋違いではないか、このように考えます。この点について後ほど御答弁をいただきたいことと、それからもう一つお伺いをいたしたい問題は、郵便料金の改定に伴って、今回第一種、第二種の問題ももちろん重要な問題でありますが、第三種郵便についても、法律事項ではない、省令事項ではありますけれども、この問題についても、現在審議会の答申によれば第三種は現行六円が三十円ということに、五倍の引き上げということが言われておりますけれども、私はこの第三種郵便物の低料郵送の制度を設けたという理由につきましては、先ほど来からの答弁でこれを省略いたしますけれども、私はやはりこの郵便法の中で設けられているこの規定については、本当にもっとこれを生かしていく、こういうことが非常に必要ではないか。私自身いろいろな団体からこの問題についての意見を聞きました。たとえばこれはある婦人団体ですけれども、国際的な婦人組織にも加盟をしている婦人団体連合会の機関誌費の状況について――約一万部の郵送をいたしております。これは四十八ページという薄い雑誌ではありますけれども、一応雑誌ということになっておりますので、いままで郵送料が十六円であった。今回これが三十九円になるのですね、答申によりますと。そうすると二・五倍。一冊でもって二十三円も郵送料の値上げになるということなんです。これは御承知のとおり営利を目的として発送をしているものではありません。会員同士のつながりをつくる役割りと同時に、特にさまざまな婦人団体とも一体になって、国際婦人年等の中で婦人の社会的な地位の向上あるいはまた男女差別の撤廃など、そういった社会的な啓蒙活動の普及を広く行っている。私はただいまこういう一つの例を挙げましたけれども、これは婦人有権者同盟にいたしましても、あるいはまた業界誌にいたしましても、あるいはまた団体にいたしましても、機関誌を相当郵送でもって配付をいたしている。こういう中で、第三種の今回の大幅な引き上げというのは非常に大きな問題ではないか。このように考えますけれども、いままで政策料金をとっていたのでありますから、第一種、第二種にこれをかぶせるというようなやり方ではなくして、現行料金を据え置くためには、その赤字については政府が何らかのその支出を補償すべきではないか。このように考えますけれども、憲法が保障している言論、出版の自由、文化の享受の自由、こういう立場をさらに普及していくという立場に立って、この問題について明快な御答弁をひとつお願いいたしたいと思います。
#66
○廣瀬政府委員 郵政事業の中で、特に郵便事業は人件比率が高い事業でございます。これは国鉄とか電電とかと比べまして非常に色合いの違ったものであろうと考えております。そこで、ただいま先生御指摘の固定資産に関する経費でございますけれども、これは私どもの経理全体の中で見てまいりますと、減価償却費にいたしましてもそれから利子負担にいたしましても、合わせまして全体の三%程度にとどまっております。したがいまして、それを一般会計負担というようなことにいたしましても、なお全体の収支差額を解決する基本的な方法にはならないというのが現状でございます。したがいまして、私どもといたしましては利用者負担、受益者負担という原則、これは固定資産の経費につきましても同じような考え方をとってまいりたい、このように考えている次第でございます。
#67
○小林(政)委員 第三種について大臣、答弁してください。
#68
○石井政府委員 お答えいたします。
 ただいま御質問のございました第三種の料金問題でございますが、御案内のとおり第三種、第四種あるいはその他の特殊扱いの料金は省令料金になっております。ただし、この料金は第一種の範囲内でという法律の明文がございますので、このたびの郵便料金の改定の状況を見まして、これが決定いたしました後でこれを慎重に決めたいということでございます。その際、郵政審議会の答申から出ております数字が、ただいま御指摘になりましたような値上げの幅になっていることは事実でございますけれども、ただ、ただいま御指摘になりましたような雑誌等につきましては、今度の三種の値上げの中では、全体が三・二六倍でございまして、新聞等の値上げはもう少し大きくなっているわけでございます。雑誌につきまして、ただいま十六円のが三十九円というふうにおっしゃったと思いますが、封書も、御存じのとおり二十円のものを五十円にいたすわけでございまするので、二・五倍という料金になっておるわけでございます。問題は、この第三種の赤字というものが結局は第一種の基本料金に反映いたしまして、そのために第一種をより上げなければならないというふうな問題に発展いたすわけでございます。一般会計から負担という問題もございますけれども、全体としての収支相償ということで慎重に検討してまいりたいと思っておるわけでございます。
#69
○小林(政)委員 大臣、最後に答えてください。
#70
○村上国務大臣 ただいま政府委員がお答えしたことと別に変わりはございませんが、とにかく、この法案の御審議を願った上で、郵政審議会の答申も尊重しながら、客観的事態も見詰めながら、第三種等の料金は決定いたしたい、かように思っております。
#71
○地崎委員長 石田幸四郎君。
#72
○石田(幸)委員 まず福田副総理にお伺いをいたします。二点ばかり最初にお伺いをしたいわけなんですが、きのうの新聞によりますと、郵政省の方針として、郵便料金の値上げが成立しなければ、省令分だけでも上げようというようなことが発表になっているわけです。これは郵政大臣にお伺いすべきことかもしれませんけれども、これは確かに先ほど来審議が行われておりますように一種、二種のみが国会の法律案件であって、三種以下は省令で決める、こういうふうになっているわけですけれども、しかし国会で郵便料金の値上げ問題がこれだけ審議されている中におきまして、もしこういうような方針だとすれば、これは国会軽視もはなはだしいという感じがするわけです。恐らくそうでないと思いますけれども、しかしながらこれは万が一ということも考えられますので、副総理は物価大臣も兼任をしていらっしゃるわけでございますけれども、こういった報道についてどうお考えになりますか。厳重にこれはそういうことがないようにできますか。
#73
○福田(赳)国務大臣 昨日の新聞で、法律を要しない第三種料金の引き上げを、いま御審議を願っておる郵便法の改正案が通らないでもあえてこれをやるのだ、こういうことでございますが、さような考えは郵政当局は持っておらぬ、こういうように承知しております。あくまでもこの法案の成立を待ち、その法律成立の過程の御審議を踏まえ、また郵政審議会の御意向を尊重して決めていきたい、こういう慎重な構えでございます。
#74
○石田(幸)委員 そういう答えを期待してあるいは新聞に出ているのかもしれませんけれども、いずれにしましても、そのようなことにならないということでございますので了解をしたいと思います。
 それから先ほど来いろいろな話がありますように、公共料金の値上げの問題については、いわゆる酒、たばこ、郵便料金、こういうものが本年度のいわゆる値上げの問題として審議されているわけですが、来年またその他の公共料金の問題、値上げが政府から提案されるかもしれない。そういうようなことも考えてみますと、いわゆる一般の家庭の、特に主婦なんかは、公共料金というものが毎年毎年上がってくる、それにつれて物価もさらに上がるのじゃないかという心理的な不安感というものがぬぐい去れないと思うのですね。私たちもそういった国民の生活、家庭を守るという立場に立って考えてみますと、やはりその不安というものはどうしても除去できない。その率がどうであれ、そういう心理的な影響というものが私は非常によくないと思うのですけれども、経企庁としまして一年間における公共料金のアップ率あるいは公共料金の占める率というものが、たとえば消費者物価指数に比較して、ある程度幅はあると思いますけれども、どの程度ならばいわゆる現在の家計の中で許容できるのか。あるいはそのアップ率にしましても、公共料金、認可料金も含めてこの程度のアップ率ならば許容できるのかというような試算はしていらっしゃいませんか。特に大臣は、具体的には昭和五十年四月から十二カ月かけて年間の物価上昇率というのは、けたの範囲にとどめる、あるいは五十一年度においては物価水準を預金金利以内に抑えていくのだというような目標を示していらっしゃるわけですからね。それだけにぼくはそういうような試算ができるのではないかというふうに思うのでございますけれども、この点はいかがでしょうか。
#75
○福田(赳)国務大臣 公共料金が一体どういうふうになるか、またすべきか、そういうことを前提といたしまして物価五十年度一けた台、こういうことを申し上げておるのです。その場合に、郵便料金、たばこ、酒の増税から来る影響、そういうものはもちろん見ております。その他若干のゆとりも公共料金部面から見ておかなければならない、そういうふうに考えておりますが、それらを前提といたしまして五十年度中の物価上昇率を一けた台におさめる、こういうことなんです。これは、四月という月は非常に異例な月で、去年は三%東京区部では上がっておる。ことしは二・五だ。こういうことになりましたが、十二月、一月、二月、三月、この四カ月をとってみますと、年率に換算しまして消費者物価の上昇率は七%でございます。それからことしの年度になりまして、とにかく四月に二・五%上がった。五月以降はどうだというと、平均して〇・六%の上昇でいきますれば一けた台になる。こういうのですから、これは努力すればできないことはないと私は思うのです。これは万難を排してやっていく、こういうふうに考えております。
#76
○石田(幸)委員 それでは具体的な問題に入りたいと思うのですが、郵政大臣にお伺いをいたしますが、郵便事業の赤字がだんだん増大をしているから今回の値上げになっているわけでございます。しかし、今回の値上げによっても赤字は克服できないわけですね。むしろその赤字幅というのはだんだん増大の方向を示しているわけでございますけれども、今回の値上げ問題だけで、将来どういうふうにしていくか、赤字の増大にどう対処していくかということについては、値上げ以外の方策というのは具体的には、いままでの審議のいろいろなものを読んでみても、示されていないように思うのでございますけれども、そういうようなことではやはり国民も今回の値上げも単に赤字を解消するだけの、まあ物価との絡みを見て目の子計算で料金値上げをしているのじゃないかというような不安もぬぐい去れないと思うのでございますけれども、将来一体この郵政事業に対してどういうような見通しをもってこれから対処していくのか。現在のこういった文化の進展状況を見ますと、郵政事業というのはだんだん拡大をせざるを得ない方向に行くであろうと思いますね。そうしますと、やはり先ほど来問題になっている人件費の増大というのは、これまたそれに伴って増大せざるを得ない。そうすると、十年、十五年後を考えてみますと赤字は拡大される一方であるというような、そういう単純な論理になってくるわけなんですけれども、そういう問題についてどこかで歯どめをする方法はないのか。あるいは何か手を加えればこういう方法があるのだというような研究が、恐らく当局としてもそれは研究されておるのでございましょうけれども、そういうものも含めて、将来の方向に対してどんなお考えを持っているのか、お答えをいただきたいと思います。
#77
○廣瀬政府委員 先ほど来申し上げておりますように、郵便事業は人手による部分が非常に大きいわけでございますし、また一方、収入の面について見ましても弾力性の非常に乏しい企業でございますために、収支差額を生ずるというのは、ある意味で先生御指摘のように宿命的なものもあろうかと思います。しかしながら、過去郵便事業につきましては独立採算制というたてまえで料金をもって賄うということでやってまいりました。しかも現在の法制もそのように収支相償のたてまえを原則にいたしまして、経費につきましてはこれを受益者負担とするというふうに考えておる次第でございます。
 今後におきましても、人件費の負担というのは従来どおり出てくると思うのでございますけれども、郵便利用の実態という点から考えまして、先ほども申し上げましたように、企業通信の割合が非常に大きくなってきております。そういった中で受益者負担という原則を外すことは非常に問題があろうかと思いますし、また、赤字が出たからこれを一般会計ですぐ補てんするということになりますと、経営意欲というものも非常に失われてまいります。経営努力を続けていくということは公企業といえども必要でございますので、今後ともそういった原則は貫いてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#78
○石田(幸)委員 それは先ほど来私も話だけは聞いておるのです。
 そうすると大臣、いま局長が答弁されたように、受益者負担が原則だからそれ以外は何も知恵はないということですな。そういうことですか。大臣、どうですか。
#79
○村上国務大臣 最も安い料金で国民にあまねく奉仕するということが原則であります。物価の上昇あるいはまた人件費の高騰等は、これはわれわれの考えているほかのことでありますので、これは政治全体として考えることでありまして、私としてはこのままの姿で今後もいくつもりでこの料金改定をお願いしている次第であります。
#80
○石田(幸)委員 大臣、もう一ぺんお伺いしますが、そうしますと、長期の問題をとりましても仕方がないのでありまして、仮に二十年で区切りましょう。いままで二十年間こういうようなスタイルでやってきたわけですけれども、しかし、時代もずいぶんいろいろな意味で進展しておるわけですけれども、この延長線に今後も郵政事業はあるのだ、これ以外に方法はないのだ、こういうことでございますか。それとも一つの機関をつくって将来の郵政事業に対する研究をするというようなことも含まれているのですか。
#81
○村上国務大臣 現時点におきましては、私は先生の前段に御意見のありました今後十年も二十年も郵便事業はこのままでいくべきだとも考えますが、しかしそれをあらゆる角度から、国民に安くサービスできる方法があれば、そういうこともやはりこれは別な方面で検討して差し支えないと思います。しかし、現在の私の立場としては、郵便事業はこのままで五年もあるいは八年も続けていくものであるという立場に立って御審議をいただいておるようなわけであります。
#82
○石田(幸)委員 それでは具体的な内容に入りますけれども、先ほど来いろいろ審議がされておりますように、いわゆる個人書簡の増大に伴う郵便事業の増大ではなくして事業用である。そういうような話が出ているわけでありますけれども、たとえば大口割引の問題にいたしましても、二十七条の三の規定ですか、三千通以上を出す場合においては最高一五%までの割引をしておる、こういうことでございましょう。これは完全ないわゆる事業用の郵便物ですわね。これがどんどん拡大していくわけですよ。そうすると、将来ともに割引額というのも、これもまた拡大をしていくわけです。水道料金等の問題を見ましても、最近はシビルミニマムというような問題になって大口需要というものはむしろ、いわゆる新規の事業、設備ですか、そういうものを拡大していかなければならない。そうでなければ新規の需要の要求に応じられないというようなことから、たくさん使うものはたくさん高額の料金を払うのだというような議論も出てきておるわけでしょう。そういう問題について郵政省の方では全然変更する余地はない、こういうことですか。これは将来、たとえばわれわれの選挙の場合だって、相当なはがきを各党出しておりますね。十万通二十万通出すでしょう。そういうような問題についてもそれだけ人件費がどんどんふくれ上がっている、設備もふくれ上がらなければならぬということですから、ぼくは場合によってはある程度、そういうような量的な問題については、数を規制するということになりますと、いわゆる言論の自由をむしろ封圧するような方向にいってしまうから、そういうようなことはできないでしょう。だからこそむしろ数の多いものは、それだけの経費を郵政省としては食うわけだから、むしろ高額料金に、三千通以上は規定料金の一五%増し、あるいは十倍ならば五〇%増しというような方向でいかなければ、先ほど大臣がおっしゃった現状の方向を拡大していくのだという方向に合わないじゃないですか。私はそうせいと言うのじゃないですよ。あなたの方針でいくならば、設備もふやさなければならない、人間もふやさなければならない。それに伴って赤字がふえていくわけですから、受益者負担となればそういう方向になってくるじゃないですか。いかがですか。
#83
○石井政府委員 お答えいたします。
 大口の郵便の利用者の問題になるわけでございますが、現在御指摘のとおり大口利用者が郵政省の希望しておりまするような区分を協力してくれました場合に、ただいまお話に出ましたように一定の割合を料金から割り引くという制度は現在あるわけでございます。この制度の趣旨は、要するにこのような区分をしていただかないと、郵便局で結局それだけの手数を食うわけでございますので、それだけたくさんの費用がかかるというふうな考え方で現在やっておるわけでございます。外国におきましては逆に、たくさん郵便を出す場合はやはり手間暇からいいますと一通当たりは安くつくわけでございまするので、たとえば印刷物、あるいはまたそれを大量に出す場合は、西ドイツ等では普通の料金の半額程度にまけておるという例もございまするし、欧米諸国では大体そういった考え方が共通になっておるわけでございます。ただ、わが国におきましては、去る四十一年の料金値上げの際に、第五種という制度がありましたものを廃止いたしまして、これは、印刷物については二割引きという割り安料金だったものをやめたわけでございます。したがいまして、現在のわが国の郵便料金制度は、逆にそういった大口利用者に対しては世界的に見て最も厳しい制度であるというふうにいわれておるわけでございます。また今後の郵便物数の増加を考えますと、現在割り引いております料金以上に私たちとしては協力を得ておる。むしろこの割引率をもっと高くしてほしいというふうな要望がありまして、そうしないと非常に大口利用者としても協力しにくいというふうな要望も出ておるわけでございます。現在の割引率をいつまでもそのままにしておくのがいいかどうかは、もっと慎重に考えなければならぬと思いますが、制度としてはこの制度をむしろ維持していきたい、かように考えております。
#84
○石田(幸)委員 だから、そういうことは局長に現状またあるいは世界の各国の比較の話を聞いてみても、これは答えにならないのですよ。大臣、どうですか。あなたの言った方向でいけばそういう方向にならざるを得ないじゃないですか。局長の答弁は世界はどうこう――世界はどうこうではないですよ。あなたの方針は、現在のこの形を維持していくというのでしょう。そういう方向で郵政事業をやっていくというのでしょう。それならば私の言うたとおりなるじゃないですか。だから、こういうような料金割引は、あなたのその基本方針からいけば、私はおかしいと言うのです。どうなんですか。
#85
○村上国務大臣 いま局長の御説明申し上げましたのは、多量の郵便物はそれだけに差し出す方で一つの整理をして出してくれればそれだけ郵便局内で手間が助かるということ、これを主にしてお答えいたしたようであります。私もそのことについては、従来ある方針を堅持していくということには差し支えないと思いますが、しかし、郵政審議会等におきましても、かような問題については十分将来前向きで検討していきたいという意向もあると承知いたしておりますので、なおそういう点につきましては十分私も前向きで検討してみたいと思います。
#86
○石田(幸)委員 それは、先ほど来局長のお話を聞いておりましても論理が逆転しておるじゃないですか。受け付けするときはどんなにたくさんの量を受け付けたとしても、配達する人数から比べれば、もうきわめて少ないのですよ。そんなことは初めからわかっている話じゃないですか。そういうことでは答弁になりませんね。
 まあ、それは、ではやめまして、角度を変えてお伺いをしたいわけでございますけれども、いわゆる各種郵便の原価、これはどういうふうになっておりますか。特に総合原価主義をとられておるようでございますけれども、郵便、それから保険、貯金、この三事業の人件費の配分の問題、この問題についても明確なお答えをいただきたいと思うのです。それから第一種、第二種、第三種について、いわゆる営業指数計算というものが国鉄でも貨物と旅客に分かれて出されておりますけれども、総合原価主義をとる限りにおいては、それは出ないはずはないのです。だから総合原価主義というのは、大臣、一体どういうものか御存じですか。――ちょっと待ってください。
 大臣、総合原価主義というのは、これは政府むしろ福田副総理にお伺いしなければならぬかもしれませんけれども、国鉄も総合原価主義というものをとっているわけです。しかし経済辞典を見ましても、総合原価主義の定義というものは、いま政府がとられているそういう総合原価主義とは基本的に違うのです。私はこの総合原価主義のとり方については、現在政府がやっていらっしゃるやり方については非常に疑問を持っているわけなんですけれども、それだけにやはりもう一歩、郵政省にしましても郵便、保険、貯金という三つの異なる事業をやっているわけですから、政府としてももう少し各個別のそういうような計算方法といいますか、原価主義をとるにいたしましても、もう少しそこら辺のところ、定義づけなければいかぬと思うのですね、人件費の問題にしましてもあるいはまたいろいろな設備の問題にいたしましても。そういったところもひとつぜひ御理解をしていただきたいと思うのです。
 郵政大臣、そういうわけで、総合原価主義といいましても、これは学問上の定義が何もないわけですよ。しかし、やむを得ないでしょう。いまここで答えろといっても御無理でございますから、とにかくいま郵政省がとられている総合原価主義に基づく人件費の配分、それから各三事業にわたる庁舎といいますか、そういうものの配分、三事業にわたるものの全部をひとつ資料として後ほど御提出をいただきたいと思うのです。よろしゅうございますね。
 それからもう一つ、先ほどのやつと関連があるのですけれども、三種の値上げ幅が非常に問題になっているわけですね。一番大きいのは五倍というようなことでございますけれども、その根拠も総合原価主義に照らしてひとつ明確にしていただきたい、こういうふうに思います。
 それから郵政大臣にお伺いしますが、こういった公共料金の値上げというのは、現在の物価高の時代に大変国民感情を逆なでをするわけでございますけれども、やはりそういった値上げをすると同時に、これだけ値上げをするについてはこういった新しいサービスというものを何か考えておりますというようなことをしなければ、ただ一方的に値上げだけでは国民の皆さんは納得できない、こういうように私は思うのですけれども、そういった点はどんなふうにお考えですか。
#87
○村上国務大臣 御指摘のとおりでありまして、郵便料金を値上げすることを決して私どもはこれは当然だというような気持ちでやっているわけではありませんので、本当に必要最小限度の料金の改定をお願いいたしておる次第でありますが、その結果としてはやはり今後従来以上に国民によくサービスしていくというようなことに努めてまいりたいと思います。前回の際には、航空機を利用して云々というようなことも聞いておりますが、今後はどういうふうにするかについてはいま検討中でございます。
#88
○石田(幸)委員 これは自治省との絡みがあるのですけれども、まず郵政大臣の方にお尋ねしますが、実際に郵便事業の第一線に働いている人たちの苦労というのは大変であろうと思います。私たちも毎日のようにその実態を見ているわけでございます。そういった意味におきまして、まだまだ各都市においては住居表示が明確でない、そういう点が私たちが実際にいろいろな家を訪ねてみてもなかなか困難を来たしているわけですね。また市によりましては、非常に小さな町と名のつくのが非常に数多くあって、何々町といわれても素人では見当すらつかぬというような状況がまだ行われておるわけです。これは自治省の管轄なんですけれども、これはやはり郵政大臣、ひとつ現場の苦労もお考え合わせになって、郵政大臣としても積極的にこれを推進するというような御努力をなすってはいかがか。こう思うのでありますけれども、この点いかがでしょう。
#89
○石井政府委員 ただいま御指摘のとおり、住居表示が実施されますると、われわれの郵便業務の上でも非常にプラスになりまするし、またそれは利用者に対するサービスということにもはね返ってくるわけでございます。現在の地方自治体の計画世帯数等は自治省の方で御所管でございまするが、計画数に対して大体七割ということでございますが、全体の中では三一%というふうな数字になっておるようでございます。郵政省といたしましてもこの未実施の自治体に実施方を強く要請いたしておりますが、実施段階におきましては審議会も各地にできるようでございますので、そういったところへ地元の郵便局長を参加させていただいたり、また財政的な理由で実施に踏み切れない自治体に対しましては簡保資金の融資ということも考えたりいたしております。いずれにいたしましても、住居表示の円滑な実施について郵政省も最大の御協力を申し上げてまいりたい。現在もやっております際に、住居表示板を郵政省のお金で交付いたしまするとかあるいはまた新住居通知表のはがきを寄贈するといったようなことも過去ずっとやってまいりまして、側面的な援助を申し上げておるというのが実情でございます。
#90
○石田(幸)委員 自治省の方どなたか来ていらっしゃいますか。――その促進状況、とうなっていますか。
#91
○竹村説明員 現在都市を中心に市町村は、住居表示の制度の改正をしておるわけでありますが、全国で実施しなければいけない団体、これが四百九十あります。このうち完了した団体を含めまして実施中の団体が三百五十一あります。実施状況は、四十九年度の計画予定を含めまして実施面積で大体五五%、人口の比率で七三%ということになっております。
#92
○石田(幸)委員 これで私の質問は終わりますけれども、個別問題についてはもう少し掘り下げて郵政省としても御検討いただきたいと思うのです。郵便料金値上げをしないにこしたことはないのでございますけれども、その値上げについてもやはり一般家計に響かないように、しかもそれが物価との関連もありますので、値上げ幅の問題もあろうかと思います。一挙に五倍というような値上げの方法もこれは心理的に大きな影響を与えるし、またそういうものが間接的に家計にはね返ってくることもあるわけでございます。さらに、三事業との関連につきましても、前回参議院の黒柳君がいろいろな御質問を申し上げておったようでございますけれども、その関連も含めてもう少し改善の方向というものを打ち出されることを期待をいたしまして、一応私の質問はこれで終わります。
#93
○地崎委員長 和田耕作君。
#94
○和田(耕)委員 昨年の十二月七日に郵政審議会の答申があったわけですけれども、大体骨子は三つの重要な項目に分かれておると思います。第一は、この文章にはっきり書いておりますが、今春――今春というのは去年のベースアップのことでしょう。大幅の賃上げが実施され、明年度、これは今年、いま進行しておる賃上げの問題が見込まれるので、料金改正以外の対応策は早急に措置し得ない。したがって、料金値上げの問題を基本的に認める、というのが第一項です。第二項は、しかし、直接間接に国民生活あるいは経済に与える影響が大きいので、政府はできるだけこの運用について慎重な対策を講じなさい、というのが第二項です。そして第三項は、将来の社会経済の変動に即応して料金体系その他の全般的な問題について長期的な視野に立って検討すべきである。
 この三つが答申の大きな項目だと思うのですけれども、まず第一項からちょっとお伺いしたいのです。
 この考え方を郵政省も認めておられると思いますが、今後大幅な賃上げが行われるたびに料金改正を行うおつもりかどうか、この点をお伺いしたい。
#95
○村上国務大臣 今後の問題につきましては、いまここではっきりと今後はどうしますということをお答え申し上げることはどうかと思いますが、まず私といたしましては、今後物価が安定して賃金も常識的に落ちついてくれることを希求いたしておる次第であります。
 御承知のように、郵政事業、特に郵便事業は特別会計というたてまえから、これを崩してまいりますと――先ほど来お話しいたしておりますようにその事業の八〇%までが各企業が利用いたしております。そういうようなことで、これを一般会計なり特別な財政措置によって負担することになりますと、やはり国民の税金によって賄うというようなことになりますれば、公平の原則にもどるんじゃないかというようにも思っておりますし、なおまた一方、足らなければ一般会計から幾らでもあれしてくれるんだというようなことになりますと、やはりどこかにありましたような親方日の丸式のことになりまして、やはり私を含めて全従業員の意欲というものも失われるのじゃないか。というようなことを考えますと、私といたしましてはやはり特別会計の範疇であくまでも処理してまいりたいと思っております。したがって、今後その労銀がどういうふうになっていくかということについては、私はこのままであることを希求しておるようなわけでありまして、先のことについてはまたその段階で十分考えていかなければならないだろう、かように思っております。
#96
○和田(耕)委員 この公共料金の――これは基本的な問題とも関係すると思うのですけれども、公共料金の引き上げということは、消費者物価の引き上げ、アップという問題は確かに直接関連があると思うのですけれども、賃上げとほとんど並行して上げるということになるという問題が果たしてどういうものかということを私は思うのですけれども、これ副総理、いかがでしょうかね。つまり経費の七〇%の人件費、そして物件費等の中に含まれておる二〇%、プラスして九〇%の人件費というものが郵政事業の特徴だということになると、結局賃上げの額だけが上がれば利用者負担の原則で料金のアップをしなければならないという理屈はわかるのですけれども、もしそういうことになれば、これは国民は非常に迷惑をするわけですね、その賃上げという問題についての一定の一つの標準みたいなものがないと。消費者物価の問題ですと、まあだれが見てもこれは上がっているから郵便料金も上げなければならぬということはわかるのですけれども、郵政省の職員のアップというものが郵便料金に直接響いてくるという特殊な業界であるわけですから、ここで――しかし、まあ賃上げをしちゃいけないということを言っているわけじゃないのです。これは賃上げも当然物価が上がるからしなければならないということになるわけですけれども、ここで一つは、利用者負担の原則は原則として私も認めていいと思うのですが、こういう問題の場合はどうしてもある程度、その中のある程度は国家財政負担によって調整をするというような考え方がないと、賃上げが行われるとすぐ上がってくる。つまり財政負担の何割か――まあそれか二割であるか三割であるかは検討を要するとしても、ある程度の財政負担ということで、そういう時々刻々と変化している問題を調整していくという考え方が必要のように思うのですけれども、これは副総理、いかがでしょうね、そういう問題。
#97
○福田(赳)国務大臣 これ、お話は郵政事業の独立採算制をどういうふうに考えるか、こういう問題であると思うのです。これは私は、独立採算制を完全にとっていった方がよろしい、こういうふうに思いますが、御指摘のようにこの時期的なずれの問題ですね、そういうことはあるだろう、こういうふうに思います。そういう際は独立採算制を完全に堅持していくというたてまえから言えば、そのつなぎ――これは租税による一般財源というようなことでなくて、国家資金というか資金運用部資金、こういうようなことでこれをつなぐということじゃないか。こういうふうに思うのですが、私はこの郵政事業の経費の措置、それに対応して赤字が出てくる、そういう際の赤字を毎年毎年料金の改定でというわけにもまいりませんから、どうしてもずれが出てくる。そのずれに対しましては、やはり独立採算制を堅持するというたてまえを崩さないで金融措置で国家が協力をする。一般財政当局が協力をする。こういう仕組みがいいのじゃあるまいか、そういう感じでございます。
#98
○和田(耕)委員 それと関連する問題で、その問題は一応おいておきまして、その次の何か直接間接に国民が悪影響を受けることに対して措置すべきであるという項目が答申の中にあるんですね。これに対して今回何らかの配慮をしておられますか。あるいは今後こういう問題を検討しようという、そういう項目があれば。
#99
○石井政府委員 お答えいたします。
 ただいまの答申の中に触れております「郵便事業の円滑な運営を損なわないで、その影響を緩和する方策について」慎重な配慮をするようにという趣旨に沿いまして、実はこのたびの郵便料金の改定の中にも、御案内のとおり実施時期を四月一日の答申になっておりましたものを十月に延ばしましたことと、特にはがきにつきましてはわが国では一番利用率の高い郵便の手段になっております実情を考えまして、答申では三十円という答申になっておりましたものを二十円というふうにいたしておることがこの趣旨に沿った施策であるというふうに考えております。
#100
○和田(耕)委員 この問題を考える場合にも、たとえば先ほどから第三種の問題が問題になっているのですけれども、第三種を使う人がどういう人あるいは団体かということはいろいろむずかしい問題がある。それから会社その他の問題もこれは大口に利用しているということもありますけれども、会社が利用しているからと言ってこれは国民生活に重要ではないとは言われない。まあいろんな問題かあると思うのですけれども、こういう問題もたとえば三種のいままでの六円から三十円となりますと五倍。これは私のよく存じ上げている中小企業のこういう問題を扱っている人なんかは禁止的な値上げだというふうに言って、これをこのままでいったらいままでの仕事はできない。これはある出版印刷あるいは啓蒙的なことをやっている会社ですけれども、そういうふうな問題もあるし、つまり先ほどから申し上げているある程度の財政負担は覚悟すべきであるということは、こういう場合にもやはり考えられる問題である。つまり、利用者原則というものは基本として置いておっても、二割か三割の度合いで、先ほど副総理言われたこの一つの調整的な問題を含めまして、そういう財政負担の心がけがないとなかなかこういう公共料金を適正に処理していくことはできない、私はそういうふうに思うのですよ。つまりそういうふうな考え方がおありになれば、いまごろ答申で言われておるような問題も具体的に生かされてくる。利用者原則ということを、原則は原則としても、そのまま実行するという棒をのんだようなかっこうだとなかなかうまくいかない。そういう配慮をすべきだと私は思うのですけれども、いかがでしょうか。
#101
○石井政府委員 お答えいたします。
 第三種の料金でございまするが、現在たとえば中央新聞の朝刊は大体二十ページ、百二十グラムということになっておるのでございますが、これを八円で毎日配達いたしておるわけでございます。一方、普通出されておりますはがきは大体三グラム足らずでございます。現在十円というふうになっておるわけでございまして、こういった面から見ましても、第三種の料金というものが非常に割り安な料金になっておるということは御理解がいただけるのではないかと思うのでございます。第三種の制度の意義ということになりまするといろいろまた意見も分かれる点があると思いますけれども、郵政審議会でも、この第三種の制度をいまのままで非常に過度の割引をしていきますると、結局その赤字額が第一種等の基本料金にはね返ることになりまするので、いままでのような過度の割引はやめて、少なくとも直接費ぐらいは負担をしてもらうようにしたらどうかという趣旨で、ただいま御指摘になりましたような答申の数字が出ておるわけでございます。この点につきましてはその答申を尊重しながら、先ほどもお答えいたしたわけでございますが、今後一種、二種の料金の決定を見ました後で、十月に実施するまでの期間、十分ございまするので慎重にこれを決めてまいりたいと、さように考えておる次第でございます。
#102
○和田(耕)委員 これは郵政、郵便の仕事を国が直接やるというたてまえには、やはり私が先ほどから申し上げているように国が相当の負担をして、そしてこの郵政事業を国民の利益に沿って運営するという気持ちがあるからだと思うのですね。利用者負担の原則というものをそのまま適用するということになると、何も国が直接やる必要ないのです。そういうふうな面から考えても、郵便事業というものが国民の非常に大事な仕事である、しかもこれは公正にできるだけ安くやらすというたてまえから国がやっていると私は思うんですね。利用者負担の原則をそのまま実行するという考えであれば、これは国がやる必要はないのですよ。これは公社であってもいいし、あるいは極端に言えば民間の者がやったって、監督さえしておればできることです。国が直接やるという場合には、やはりそういうふうな意味の問題を、少なくとも二、三割は国が負担するつもりで、いろいろな矛盾を矛盾なしに解決をして国民生活に悪い影響がないようにという気持ちがあるから国が直接やるわけでございまして、いまちょっと異常な賃上げとか異常な物価高というものがあるものだからいろいろな問題が出ておりますけれども、基本の考え方としては国が二、三割の限度において見る腹を持つべきだ。これは国鉄でも同じことです。そういうふうなたてまえとしてこの料金問題を考えていくというように考えないと、なかなか基本的には、この第三項の将来の長期的な視野に立つという意味も、そういう意味を入れてこないとなかなか解決できないんじゃないか。こういうふうに私は思うのですが、これはひとつ両大臣から簡単で結構ですからお気持ちを聞かしていただきたい。
#103
○福田(赳)国務大臣 私は結論としては、郵政事業は、これは完全に独立採算でいった方がいい、こういう見解で、財政で一割、二割これを負担するという方式はとるべきものではない、こういう考えです。ただ、先ほどから申し上げておりますとおり、これは結局経費がかさんできた、そういう際には料金引き上げ問題というのが起こりますが、その引き上げを行う時期、そういうものはタイミングがありましょうから、やはりずれが収入支出の間に出てくる、そういうふうに思います。そういう際はもう金融でつないでいく、こういう考え方をとり、完全独立採算制、これを堅持するがいいと、こういうふうに考えております。
#104
○和田(耕)委員 ちょっと福田副総理に早速お聞きしたいのですが、そうであれば副総理、郵政事業は公社にしてもいいじゃないか、あるいは他の民間の特殊な法人、民間の団体がやってもいいじゃないかという議論が出てくると思うのですけれども、また、いまの労使関係がうまく解決できない状態から見ればその方がいいのだという説もあるのですけれども、そういうことも考えられるというふうに受け取ってよろしゅうございますか。
#105
○福田(赳)国務大臣 私がいまお答えしたのは、そういう機構の問題まで広げてそれでかかわりを持ってお答えしておるわけじゃないんです。まあ料金を引き上げる、そういう際にはもう当然その企業の合理的運営、これはよほど真剣に考えなければならぬだろう。そういう合理的な運営に努力を尽くして、その上、初めて料金問題というものを考える、こういうことだろうと思いますが、その企業の生産性というか合理化というか、そういうことをどういう形態でやっていって一番いいのかと、こういうことになりますると、また相当基本的に考えてみなければならぬ問題である、そういうふうに考えます。
#106
○和田(耕)委員 いまの国営の状態では、郵政大臣もお話がありましたとおり、まあ俗に言う親方日の丸というような感情もあって、なかなか合理的な運営をやろうと思ってもできないという問題があるわけですね。私は、それができないのはできない理由もわかるんです。また郵政事業という国が直接やっているような公共性の非常に強いものについては、なかなかこれを個人の会社がやるとか、あるいは公社――公社の場合は多少別ですけれども、そういうふうな形ではやりにくいということもわかる。そうであれば国がやはりそれなりの負担をして、そして国民のいろんな矛盾に対して、バランスをとるという考え方が出てくる。もし副総理がおっしゃるように利用者負担の原則をそのまま実行していくんだということになると、これは何も国がやる必要はありはしない、また国がやらないことによって出てくるメリットもある。こういう問題。つまりこの第三項の、将来の社会変動に即応して料金体系そのものの全般的な問題を基本的に検討すべき時期であると、こういうのはどういう意味で書いているのか知りませんけれども、おそらくいまのような問題とは無縁ではないと私は思うんですね。そういう問題についてひとつもう一度お伺いしたい。
#107
○村上国務大臣 私はただいまの副総理の御答弁でよく理解できると思います。御承知のように赤字になりましたのは四十八年あるいは四十九年と、こうして二年連続赤字でありましたけれども、しかし政府の財政措置によりまして、この二年間赤字が出たからすぐ次の段階に値上げということはなかったのでありまして、まあたまりかねて、このまま放置しておけば大変なことになるというので、今回の御審議願っておる法案となったわけでございますが、たとえ国が二割でも三割でもめんどう見てやるんだということになりますと、どうしてもそこに私をはじめやはり従業員の何かに依存するものが出てくるおそれなしとしないのであります。やはり先ほどの副総理のお話のように、一応どうしてもいけないときには財政的に一時めんどうを見てやろう、そして最後はやはり利用者負担の原則というものを崩すことのないようにということを私も考えております。それから審議会の御答申の中にありました先生御指摘の点は、これらの機構の問題だけでなくて大いにサービスの面も取り入れているものと考えられます。
#108
○和田(耕)委員 この問題はなかなか一朝一夕であれできる問題ではないのですけれども、この際やはり国営の郵政事務の内容の実態をよく見られて、これだけ費用がかかったんだからこれをやるんだ、といってここにもありますように「料金改正以外の対応策は早急に措置しえないことを考慮する」こう書いてある。この意味は、これもどういう意味かよくわかりませんけれども、私はこれはそういうふうな郵政省内部の管理運営の問題と無関係ではないと思う。そういうような問題、しかもこう申しても、いまの状態からいってなかなか解決できないということは私もよくわかっている。わかっているがために、つまりこういう状態では国が直接やってる段階では利用者負担の原則をそのまま実行することではやっていけないのではないか。一時的にめんどうを見ると言っているけれども、一時的がもっと長期的になる恐れは十分――現にそうですか、いまの状態がそうですね。
 こういうことですから、やはりこのたてまえとして、こういう超公共的な仕事に対しては、国としてはある程度の国家負担を初めから準備して考える。もしそれがいけない――という理由も私はわかる、副総理言われる理由もわかるのですけれども、そうであれば、もっと抜本的な機構の問題等も考えるべきである、もっと適正な管理ができるような方向を考えるべきである。つまりこういうことを検討する時期に来ているというのはそういうことですね。そういう問題を含めてひとつ御検討をいただきたいと思います。
 この問題はその程度にいたしまして、最後にお伺いしたいのは、これは全般の物価政策との関係のあることだと思いますのでお伺いするのですけれども、副総理、今年の三月末に一五%以内、来年、つまりもう今年になりましたが、三月には九・九%を目標にするというこのお考えは、これは私も間違っていないし、そしてそのために副総理を中心に努力をされて、一四%という数字をとにもかくにも出してきたということは非常に評価できる。しかし、これは副総理、短期決戦の考え方ですね。もう現在そういう状態とはかなり事情は変わってきておりますね。そうなると、つまり去年の暮れから一五%以内、そして来期には九・九%、一けたというこの考え方の基本的な条件が変わってきている。副総理は変わらない、こうお考えになっておっても、たとえば景気を回復さすためのいろんな措置を現にとっておられる。こういうことだけ考えましても、条件は非常に変わってきている。去年からの非常に強い引き締め、総需要抑制ということで非常に厳しい経済状態が出てきた。これを犠牲にしてもなおかつ一四%実現をした。しかし、現在ではそれの上に立って景気をもう一遍、もう少し回復させようとしている。また先ほど来いろんな関係委員が御指摘になるように、お米の問題もあり、十月にはこれも出てくるし、その他公共料金が出てくる。九・九%というのはなかなか維持困難だということが政府部内の関係の閣僚もそういうふうな意向を持っておられるというふうにも漏れ承っておる。こういう問題について率直に副総理のお気持ちをお聞きしたいんです。この九・九%を守るためには是が非でもこれを実現するのだというお気持ちなのか、あるいはこれを守れないような状態になってくれば、ある程度までこれは九・九にとらわれないで一二、三%でも、いまの一四%ぐらいのところでもしようがないというふうにお考えがあるのか、この点をひとつ副総理にお伺いしたいんです。
#109
○福田(赳)国務大臣 私は国民が物価が安定するということを挙げて期待をいたしておる、こういうふうに思います。これはしかし、短期決戦というか、そんな簡単にはおさまらぬと私は思うのです。狂乱物価というようなああいう需給インフレ、これは短期決戦でもう相当短期間でおさまり得たが、今日はコストインフレです。このコストインフレというものは、これは時間をかけなければならぬ。そこで大体見通しを立てまして、四十九年度は一五%以内、また五十年度は九・九%以内、また五十一年度におきましては、そのなるべく早い時期にその時点の定期預金金利以内におさめる、そういう段階を踏みまして完全に消費者物価の安定を図りたい、こういう考えなんで、まあ多少それは環境は変化はあります、ありますけれども、多少の環境の変化があるからといってその目標を変えるというようなことになったら、国民は安心しません。また政府の施策について信頼いたしません。ですから、多少の困難はありますが、大方の人も困難があるというような認識でありましょうし、私自身も、これは手ぶらで、あるいは摩擦なしにこの国民的目標が達成される、そういうふうには見ておりません。まあしかし、困難を冒しても、万難を排してこの目標は達成させる、こういう決意でございます。
#110
○和田(耕)委員 それでは重ねてお伺いしますけれども、今年の十月になりまして副総理が思っておられるような状態とは違った、もっともっと物価が上がりはしないかというような危険な状態が出たとすると、十月に設定したこの料金値上げを再び延期する、国鉄がやったような措置をとるということはないというふうにお考えになっておられるか。これはお米の問題も同じことです。そういう九・九%ではおさまりにくいという状態が今後出てくる可能性が私は多いと思うのですけれども、もしそういう状態が出た場合でも十月実施の線は必ずやるんだというふうにお考えになるのか。あるいはこれは九・九%を守るためには少しぐらいずらしてもしようがないとお考えになっておられるのか。そこのところのお気持ちをちょっと聞かしていただきたい。
#111
○福田(赳)国務大臣 まあこの郵政料金は、これは十月一日実施という予定になっておりますが、これは私はこの料金改定が物価の見通しに大きな影響を及ぼすであろう、そういうふうには見ておらないんです。数字の上からも〇・二%の影響だ、こういうことでございますが、これは他の公共料金と違いまして、私はそう根本的な影響になるとは思わない。この料金改定は、せっかく御審議をいただいておるわけでございますので、十月には予定どおり実施いたしたい、かように考えます。
#112
○和田(耕)委員 もう時間も来ましたのでこれでやめますけれども、副総理の九・九%、一けたラインを維持するという決意は相当にかたいということはわかりました。わかりましたが、副総理の言葉にもありましたように、スタグフレーションという状態は短期決戦でもう抑えられる段階じゃない。あるいは三年、五年と時間をかけて、もっと総合的な判断で対処するような時間になってきているということであれば、そういう問題については、これは私が言うのはおかしいのですけれども、やはりもっと弾力的な考え方を持たなければならない時期に来ているんじゃないか。あるいは国民が生活上非常に困難であれば、また郵便料金そのものの物価へのはね返りは少ないとしても、やはり先ほどから指摘されておるように、心理的な問題が大きいのですね、公共料金というのは。そういう面がありますので、国民生活を大事にする、副総理も九・九%を維持するためには国民生活が大事だというお考えですけれども、これは一つの兼ね合いの問題ですね。もう現在では去年の短期決戦の状態から兼ね合いを重視していかなければならない時期に入っているわけですから、そういう問題についてはひとつ御考慮なさって、公共料金の延期というものが必要であれば、やはりそういう考え方を持つべきであるというふうに思いますので、その点は要望いたしまして、私の質問を終わります。
#113
○地崎委員長 以上で本連合審査会は終了いたしました。
 これにて散会いたします。
    午後零時五十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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