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第075回国会 逓信委員会 第7号
昭和五十年三月十三日(木曜日)
   午後三時二十九分開議
出席委員
   委員長代理 理事 加藤常太郎君
   理事 宇田 國榮君 理事 志賀  節君
  理事 羽田  孜君 理事 三ツ林弥太郎君
   理事 阿部未喜男君 理事 古川 喜一君
   理事 土橋 一吉君
      小渕 恵三君    笠岡  喬君
      亀岡 高夫君    倉石 忠雄君
      高橋 千寿君    坪川 信三君
      長谷川四郎君    廣瀬 正雄君
      水野  清君    村岡 兼造君
      金丸 徳重君    下平 正一君
      田邊  誠君    平田 藤吉君
      大野  潔君    田中 昭二君
      小沢 貞孝君
 出席国務大臣
        郵 政 大 臣 村上  勇君
 出席政府委員
        郵政大臣官房長 高仲  優君
        郵政省電波監理
        局長      石川 晃夫君
 委員外の出席者
        郵政省電波監理
        局放送部長   河野  弘君
        参  考  人
        (日本放送協会
        会長)     小野 吉郎君
        参  考  人
        (日本放送協会
        副会長)    藤根井和夫君
        参  考  人
        (日本放送協会
        専務理事)   藤島 克己君
        参  考  人
        (日本放送協会
        専務理事)   野村 忠夫君
        参  考  人
        (日本放送協会
        専務理事)   坂本 朝一君
        参  考  人
        (日本放送協会
        理事)     山本  博君
        参  考  人
        (日本放送協会
        理事)     川原 正人君
        参  考  人
        (日本放送協会
        理事)     中塚 昌胤君
        参  考  人
        (日本放送協会
        理事)     橋本 忠正君
        参  考  人
        (日本放送協会
        経理局長)   堀場 仁徳君
        逓信委員会調査
        室長      佐々木久雄君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月五日
 辞任         補欠選任
  津金 佑近君     平田 藤吉君
同月十二日
 辞任         補欠選任
  田中 昭二君     坂口  力君
同日
 辞任         補欠選任
  坂口  力君     田中 昭二君
同月十三日
 辞任         補欠選任
  高橋 千寿君     笠岡  喬君
  大柴 滋夫君     田邊  誠君
  池田 禎治君     小沢 貞孝君
同日
 辞任         補欠選任
  笠岡  喬君     高橋 千寿君
  田邊  誠君     大柴 滋夫君
  小沢 貞孝君     池田 禎治君
    ―――――――――――――
二月二十七日
 昭和二十四年五月以前の簡易生命保険契約に関
 する特別措置法案(内閣提出第四四号)
同月二十八日
 郵便貯金法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第四六号)
 簡易生命保険法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第四七号)
三月七日
 日本放送協会昭和四十八年度財産目録、貸借対
 照表及び損益計算書
同月一日
 簡易郵便局法等の改正に関する請願外三件(今
 井勇君紹介)(第一〇三六号)
 同(内海英男君紹介)(第一〇三七号)
 同外一件(大橋武夫君紹介)(第一〇三八号)
 同外一件(久野忠治君紹介)(第一〇三九号)
 同(小島徹三君紹介)(第一〇四〇号)
 同外八件(小平久雄君紹介)(第一〇四一号)
 同外十一件(永山忠則君紹介)(第一〇四二
 号)
 同(宮澤喜一君紹介)(第一〇四三号)
 同(森喜朗君紹介)(第一〇四四号)
 同(山中貞則君紹介)(第一〇四五号)
 同外四件(渡辺紘三君紹介)(第一〇四六号)
 同(宇田國榮君紹介)(第一〇八〇号)
 同外十九件(小沢一郎君紹介)(第一〇八一
 号)
 同外二件(金子一平君紹介)(第一〇八二号)
 同(木村武雄君紹介)(第一〇八三号)
 同(瀬戸山三男君紹介)(第一〇八四号)
 同外六件(竹下登君紹介)(第一〇八五号)
 同外三件(原健三郎君紹介)(第一〇八六号)
 同外一件(水野清君紹介)(第一〇八七号)
 同(有田喜一君紹介)(第一一三五号)
 同外四件(大西正男君紹介)(第一一三六号)
 同外四件(片岡清一君紹介)(第一一三七号)
 同外三件(加藤陽三君紹介)(第一一三八号)
 同(床次徳二君紹介)(第一一三九号)
 同(橋本龍太郎君紹介)(第一一四〇号)
 同外三十五件(松澤雄藏君紹介)(第一一四一
 号)
 同外一件(宮崎茂一君紹介)(第一一四二号)
 同外四件(武藤嘉文君紹介(第一一四三号)
 同(山本幸雄君紹介)(第一一四四号)
同月六日
 簡易郵便局法等の改正に関する請願外二件(伊
 藤宗一郎君紹介)(第一二〇九号)
 同外二件(内田常雄君紹介)(第一二一〇号)
 同外二件(内海英男君紹介)(第一二一一号)
 同(浦野幸男君紹介)(第一二一二号)
 同外十七件(小沢一郎君紹介)(第一二一三
 号)
 同外一件(大橋武夫君紹介)(第一二一四号)
 同(大村襄治君紹介)(第一二一五号)
 同外一件(小林正巳君紹介)(第一二一六号)
 同外十七件(椎名悦三郎君紹介)(第一二一七
 号)
 同外一件(塩川正十郎君紹介)(第一二一八
 号)
 同外二十一件(中馬辰猪君紹介)(第一二一九
 号)
 同(西村英一君紹介)(第一二二〇号)
 同外一件(根本龍太郎君紹介)(第一二二一
 号)
 同外一件(藤井勝志君紹介)(第一二二二号)
 同外一件(松野幸泰君紹介)(第一二二三号)
 同(宮崎茂一君紹介)(第一二二四号)
 同外二件(武藤嘉文君紹介)(第一二二五号)
 同外一件(渡辺栄一君紹介)(第一二二六号)
 同(黒金泰美君紹介)(第一二六〇号)
 同外四件(櫻内義雄君紹介)(第一二六一号)
 同外三件(塩川正十郎君紹介)(第一二六二
 号)
 同外七件(關谷勝利君紹介)(第一二六三号)
 同外二十六件(谷垣專一君紹介)(第一二六四
 号)
 同外十一件(中尾宏君紹介)(第一二六五号)
 同(野田卯一君紹介)(第一二六六号)
 同外二件(保利茂君紹介)(第一二六七号)
 同外二件(宮崎茂一君紹介)(第一二六八
 号)
 同外三件(毛利松平君紹介)(第一二六九
 号)
 同(山中貞則君紹介)(第一二七〇号)
 同外一件(今井勇君紹介)(第一三三〇号)
 同外二十一件(小沢貞孝君紹介)(第一三三一
 号)
 同(越智伊平君紹介)(第一三三二号)
 同外一件(大橋武夫君紹介)(第一三三三号)
 同外二件(木村俊夫君紹介)(第一三三四号)
 同(坂口力君紹介)(第一三三五号)
 同(瀬戸山三男君紹介)(第一三三六号)
 同外一件(染谷誠君紹介)(第一三三七号)
 局外二件(田中覚君紹介)(第一三三八号)
 同外七件(田村良平君紹介)(第一三三九号)
 同外一件(床次徳二君紹介)(第一三四〇号)
 同外十六件(中村弘海君紹介)(第一三四一号)
 同(根出龍太郎君紹介)(第一三四二号)
 同外三件(宮澤喜一君紹介)(第一三四三号)
 同(山本幸雄君紹介)(第一三四四号)
 同(早稻田柳右エ門君紹介)(第一三四五号)
同月十二日
 簡易郵便局法等の改正に関する請願外四件(宇
 田國榮君紹介)(第一三八九号)
 同(内田常雄君紹介)(第一三九〇号)
 同(大西正男君紹介)(第一三九一号)
 同外二件(大橋武夫君紹介)(第一三九二号)
 同外九十四件(金子岩三君紹介)(第一三九三
 号)
 同外三件(唐沢俊二郎君紹介)(第一三九四
 号)
 同(木村俊夫君紹介)(第一三九五号)
 同(小島徹三君紹介)(第一三九六号)
 同外十九件(住栄作君紹介)(第一三九七号)
 同(田中昭二君紹介)(第一三九八号)
 同外一件(竹内黎一君紹介)(第一三九九号)
 同(原田憲君紹介)(第一四〇〇号)
 同外四件(細田吉藏君紹介)(第一四〇一号)
 同外一件(松野幸泰君紹介)(第一四〇二号)
 同外三件(宮崎茂一君紹介)(第一四〇三号)
 同(越智伊平君紹介)(第一四二九号)
 同外三件(仮谷忠男君紹介)(第一四三〇号)
 同(木部佳昭君紹介)(第一四三一号)
 同(久保田円次君紹介)(第一四三二号)
 同外二十三件(倉成正君紹介)(第一四三三
 号)
 同外二件(小林正巳君紹介)(第一四三四号)
 同外一件(佐々木義武君紹介)(第一四三五
 号)
 同外四件(笹山茂太郎君紹介)(第一四三六
 号)
 同外五十件(志賀節君紹介)(第一四三七号)
 同外一件(萩原幸雄君紹介)(第一四三八号)
 同外三件(三塚博君紹介)(第一四三九号)
 同(有田喜一君紹介)(第一四六八号)
 同外一件(稲富稜人君紹介)(第一四六九号)
 同外一件(伊藤宗一郎君紹介)(第一四七〇
 号)
 同(石田博英君紹介)(第一四七一号)
 同(宇田國榮君紹介)(第一四七二号)
 同外七件(小山長規君紹介)(第一四七三号)
 同外四件(田村元君紹介)(第一四七四号)
 同外十六件(中村弘海君紹介)(第一四七五
 号)
 同外二件(根本龍太郎君紹介)(第一四七六
 号)
 同外十一件(古屋亨君紹介)(第一四七七号)
 同外三件(宮崎茂一君紹介)(第一四七八号)
 同外二件(山中貞則君紹介)(第一四七九号)
 同外四件(阿部喜元君紹介)(第一四八六号)
 同(越智伊平君紹介)(第一四八七号)
 同外十三件(大久保武雄君紹介)(第一四八八
 号)
 同外三件(加藤六月君紹介)(第一四八九号)
 同外三十七件(園田直君紹介)(第一四九〇
 号)
 第三種郵便物の郵便料金引上げ反対に関する請
 願(小平久雄君紹介)(第一四二八号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認
 を求めるの件(内閣提出、承認第一号)
     ――――◇―――――
#2
○加藤(常)委員長代理 これより会議を開きます。
 本日は、委員長が都合により出席できませんので、その指名により私が委員長の職務を行います。
 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題とし、審査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田邊誠君。
#3
○田邊委員 すでに各委員からあらゆる角度の質問があったと存じますので、重複の点はなるべく簡潔にいたしまして、われわれにいただいた範囲で質問をいたしたいと思います。
 NHKは何といっても日本の放送文化の進展の上から重要な役割りを持っておるわけであります。したがって、特殊な立場に立って法人の設立を郵政大臣が認可をいたしておるわけでありますが、私ども実はテレビを見、ラジオを聞く側から言いますと、その中心であるNHKの役割りは一体どうだろうか、現状は一体どうなっているだろうかということに対していろいろと興味を持ち、注目もし、また一面では心配もいたしておるわけでございます。そういった点から見まして、かなりこの数年間いわばテレビの普及がされてまいりまして、全体的に見ましても視聴率というのは非常に高くなってきたわけですが、しかし私はこの趨勢というのはここ一、二年の間にそのカーブは非常に緩くなってきているというように思うのでありまして、いわばかなり全国的に普及をしたという状態でありますから、このまま推移いたしますというと、このテレビの視聴率というのはここ数年の間に横はいないしある一面では減少するのではないかという点も言われておるわけであります。事実、曜日により、時間帯により、あるいは番組によりましては、数年間の統計の中では最高と言われたような番組もかなりその視聴率が落ちてきておる、こういう状態ではないかと思うのでありますが、この趨勢について一体どういうふうにお考えであるか。これは小野会長の方からでも結構でございますが、あるいは郵政省の方でおわかりであれはそれでも結構でございますが、ここ数年の趨勢と、今後のいま言ったような時代的な推移、これからいろいろと国民のレジャーやそれから文化等の趨勢等を見て、一体どういうふうなぐあいにお考えでございましょうか。
#4
○小野参考人 テレビの普及が非常に限界に近くなっておりますことはお説のとおりでございます。その限りにおきましてはほとんど全世帯がテレビを視聴しておられる。特にとりわけカラー時代になりましても、大方その八五%はカラーに親しんでおられるというような状況でございます。
 テレビ視聴のいわゆる時間的内容の点から申しますと、これは年々ふえておるようでございます。いろいろあるいはレジャーの多様化によってそういったテレビの視聴時間が減るのではないか、こういうような見方もありますけれども、私どもの調査の結果では、毎年の調査あるいは五年目五年目にやります国民生活時間調査、精密な調査でございますが、そういう点から見ますと、大体におきまして、青年層では余り変わりませんけれども、家庭の主婦あたりでは顕著なふえ方をいたしております。個々の番組の視聴の点につきましては、これは放送総局長の方から御答弁申し上げますけれども、これは番組によりまして非常に高いものもあり、そうでないものもあるわけでございます。概して申しますと、朝の早朝は非常にNHKの放送受信の度合いが高うございますし、また夜間におきましてもいわゆる七時台のニュース、こういった時間帯におきましては民放さんよりもNHKの視聴の度合いが濃い。これが漸次夜遅くなりましてそういったいろんなドラマ物等になりますと、これはかなり民放さんの方も高くなるというような状況はございますけれども、概して申しまして非常によく視聴されておるというような実情であるように判断をいたしております。
#5
○田邊委員 いま会長は、だんだん限界に近づいてきているというお話で、私の方が実は心配しているのは、いままではかなりそういう普及はしておりますが、確かに家庭の婦人が家庭において作業しながら番組を見る度合いというものはふえてきているということも承知をしているわけですけれども、これから先が実は心配なんです。実は、今年度の予算の審議に当たって一番問題は、何といっても二百億を超すところのいわば赤字をわれわれとしては一体これからどうやっていくのかということが関心なわけでございますから、そういった点から見ますと、いわば今後の状態というのは、大体私は鈍化をしながら横ばいに進んでいくのじゃないかというふうに思いますので、この点だけちょっとお聞きしたい。
#6
○小野参考人 傾向としてはお説のようなことになろうかと思います。どうやら普及の限界に達しておりますので、これは年々の収入の伸び等から見ましても顕著にあらわれてまいっておるところでございまして、おそらく早晩横ばいになるような状態に至ろうかと思います。
#7
○田邊委員 実はそういう趨勢にありまするのとともに、民放がかなり発達してまいりまして、それから県域テレビもかなりのものができまして、私は群馬県でございますから御承知と思いますけれども、何といっても京浜広域圏においては民放六つ持っておるわけでございますね。したがって、NHKの総合と教育を入れて八つのいわばテレビ網があるという状態であります。実は私ごとを言ってはなんですけれども、三十分たちますとまたこう切りかえて次の違うところへ回すというような、こういう状態でございますね。したがって、このこともまたわれわれは考えていかなければならぬ。したがって、テレビ全体の普及度はかなり鈍化してきていると同時に、NHKと民放とのこのいわば視聴率の状態というものも、今後の状態を見た場合には、いわゆるNHKを見る度合いというのは、これは好むと好まざるとにかかわらず、私は少なくなっても多くなることはないんじゃないかと思うのであります。拝見をいたしました調査によりますと、四十六年、四十七年、四十八年と三カ年の状態というのを見ますと、NHKと民放というのは大体一対二という、時間量から見ましてそういう状態であるということを言われておるのですが、これもやはりどうでしょうか。今後の状態というものについては、どういうお考えでございましょうか。
#8
○坂本参考人 大体その点につきましては、先生御指摘のようにやはり横ばいの傾向で、そう大きな変化は将来にわたってないのではないかと思いますが、それも先生の御指摘のように民放の数と、NHKは教育と総合ということでございますので、多少その点の量的なことから言えば民放の時間量がトータルでは上回るということになろうかと思いますが、時間帯につきましては会長が申し上げましたように午前中などは圧倒的にNHKが高い。それから夕方、午後の――夜になりますと民放の方の娯楽番組等で分量的に多くなるという傾向かと思います。
#9
○田邊委員 これはわれわれが外国に行きましても、日本ほど実は朝から夜中までずっとテレビをかけている国というのは珍しいわけでありまして、そういった点から見ましても、ある時間帯によってはいまのお話のようにNHKが圧倒的に多いというお話は私はそのとおりだろうと思いますけれども、しかし、そのことをもってして今後の趨勢を推しはかることは危険だろうというように思うのですよ。したがって、まず今後もよくいって横ばい、悪くすればやはり民放との視聴の状態というのはこれは実は幾らか下がる、こう思ってかからなければ私は間違いではないかというように思うのですね。そういう状態の中で、NHKのこれから先の経営というのは一体どうするのかということを考えなければならぬと思うのであります。これは言い古された言葉でありますけれども、NHKはいわば受信料によって賄っている企業である。他の民放はいわばスポンサーつきの形でもって賄っておるのでありますが、この性格の差というものに安易にあぐらをかいていくという形になれば、これはNHKの使命というのは損なわれてくるのじゃないか、こういうふうに私は思っておるわけであります。そういった点から、おそらく御質問があったと思いますけれども、受信料収入の状態というものを拝見をいたしておりますというと、実はかなりこれが減少している。額はもちろん別でありますけれども、受信料の面では減少していると見ておるわけでありますが、あなたの方の資料をいただきまして拝見をいたしますと、実は五十年度の予算におけるところの収納率というのは九八・七〇となっておりますけれども、四十八年の見込みが九八・五でありまして、四十七年の九八・七に比べて〇・二%減少いたしております。したがって、この四十九年度予算における九八・九、これはいわゆる努力目標でございましょうけれども、それから五十年度における九八・七〇というのは、予想として見ても努力目標としても現実としては多過ぎるのじゃないか、こう思いますけれども、どうでしょう。
#10
○山本参考人 ただいまおっしゃった数字、確かに四十八年度は現在一・五という数字で未収納率示してございます。これは見込みでございますが、四十九年度、これは現在進行中でございますが、私たちとしましては、現在の財政状態から見て、最大の努力をしてこの収納率を上げたいという一つの努力目標でございますし、また五十年度の予算の九八・七〇、これは一・三だけ欠損を見ておるわけでございますが、これにつきましても、今日の財政状態から見たら最善の努力をしてこの目標に到達したいということでございまして、四十八年度は確かに一・五という数字になってございますけれども、これをぜひとも克服をして、この数字に近づけたいということで設定した数字でございます。
#11
○田邊委員 努力目標は当然あなた方の立場に立ってやられなければならないことであろうと思いますけれども、しかし、この低成長下において、いわば国民全体の需要率、これも減退している状況の中で、この収益を上げるということはきわめて困難ではないかという気がするのです。ですから、努力目標とそれからまたあなた方現実に考えている状態というものは幾らかの差がある、こういうことは認めざるを得ないのじゃないかと思ておるわけなんです。いま山本さんのお話を聞きましても、そういった努力目標で是が非でもやりたいということでございますが、これはお気持ちとしてわれわれは受け取っておきますけれども、しかし、これは何かの工夫を新しく加えなければ、なかなかむずかしくなってきているんじゃないかという気がしてならないわけであります。そういった点から見まして、きわめて幼稚な質問で恐縮でありますけれども、郵政省、御承知のとおり、NHKの受信料というものの推移をずっと私ながめてみますというと、いま申し上げたような懸念を持つわけでございますが、何といってもその根拠になるところのNHKの受信契約の法的な強制力、拘束力、これがないところに一番のむずかしい点があるのじゃないか、こう思っておるわけであります。
 そこで、これは電波監理局長でしょうか、この受信契約の法的根拠は、放送法三十二条によって契約をすることになっておるわけでありますが、ここにはもちろん受信料というものについての明確な規定はないのでありまして、契約をするという、契約の実は内容によってこれが決まってくるという形で受信規約というものがNHKにあるという形であります。これが経営委員会等を通じて決定をするということでありますが、これと放送法三十七条の四項によるところの「受信料の月額は、国会が、第一項の収支予算を承認することによって、定める。」というこの規定との関連は一体どういうことになるんでしょうか。本来的に言って、受信料の決定というのはこの三十七条によって法律的に規制をされていると、こういうように見ているのでしょうか、どうでしょうか。
#12
○石川(晃)政府委員 お答えいたします。
 受信料の決定につきましては、ただいま御指摘のように三十七条の四項によりまして、この受信料の月額は国会がその第一項の収支予算の承認によって決定されるということでございまして、われわれといたしましては、この収支予算の御承認を得たことによって受信料が決定される、このように考えております。
#13
○田邊委員 そうしますと、自動的にこれによって月額というのは決まってくる、したがって、受信契約というものの規約というものは、これはもう、その判断を経営委員会等がすることをしなくても――その時点にはですよ。その前に収支予算を出すときは、議決をするときには経営委員会の議決が必要でありますけれども、しかし、最終的には国会の承認という形になりますから、その決定の最終的なものは国会にある、こういうようにあなたは見るんですか。
#14
○石川(晃)政府委員 そのように考えております。
#15
○田邊委員 そういたしますと、私はこの拘束力というものに対して、徴収をする業務というものはかなり強制力を持つものではないか、こういうように思うのですよ。そうでなくて、いま実はNHKが一番困っているのは、何といっても立ち入り権がない、一体どこが契約漏れであるのかどうかわからぬということでございましょう。それと、この未払いなり契約をしなかった場合においてもそれに対する罰則規定はないという形でございましょう。ですから、そういったことが国会の承認という形でもって決まるということになれば、これに対して何かの措置があってしかるべきではないかという気が私はするんですが、これは国民の利益に大きな関係のあることですから、われわれ慎重に考えなくちゃいけませんけれども、その辺はどうなんでしょうか。たとえば、公衆電気通信法によるところの電話料金というのは別表で定めてある。それを納めなかった場合には電話を切るということがあるわけですな。そういう一つの制裁規定というものがあるという形でありますけれども、これに対しては一体どうです。まさかNHKが、払わなかったからといってそこに電波を流さないというわけにいかないわけでございますが、その点はどうでございますか。
#16
○石川(晃)政府委員 お答えいたします。
 ただいま御指摘の受信料の問題でございますが、この受信料の性格につきまして私たちの解釈でございますが、NHKの受信料の性格につきましては、昭和三十九年に出されました臨時放送関係法制調査会というのがございますが、それの答申の中に、受信料は「NHKの業務を行なうための費用の一種の国民的な負担であって、法律により国がNHKにその徴収権を認めたものである。国がその一般的な支出に当てるために徴収する租税ではなく、国が徴収するいわゆる目的税でもない。国家機関ではない独特の法人として設けられたNHKに徴収権が認められたところの、その維持運営のための「受信料」という名の特殊な負担金と解すべきである。」と述べられておりまして、郵政省といたしましても受信料の性格をこの答申に述べられているように解釈しているわけでございます。
#17
○田邊委員 そうすると、一般的な商行為として、いわゆる負担金というものに対して――租税とは違うのはこれはもちろんわかります。わかりまするけれども、それに対しては一体どういう制裁規定というものが一般的に認められるものでしょうか。
#18
○石川(晃)政府委員 これにつきましては制裁規定はございません。
#19
○田邊委員 そういたしますると、いまの三十九年答申を私どもは裏返して見れば、NHKというものに対する国民との意思的な合意というものは、普通の商行為によるところの契約と全く変わらないという判断に立つのか。いや、それは国民に対して、いまあなたがおっしゃったように、いわば国にかわってその徴収事務を預けておられるのであるか。もうちょっと国民の側から見れば、義務的な一つの精神を持っているものである、こういうように見るのか。その辺はどうでしょう。
#20
○石川(晃)政府委員 この件につきましては、一般の契約と同じものであるというように考えております。
#21
○田邊委員 ですから、いまそういうお話があるとすれば、先ほどの御答弁にありましたような努力目標でもって今年は収納率を上げていくというお話がありましても、これは全体的な傾向を逆流することは私はなかなかむずかしいという考え方に立つわけですね。したがって、契約拒否者に対する法的罰則はもちろんない。あくまでも聴視者の理解と協力という形でありまするが、これは立ち入り権がない現状の中でもって、どういう具体的な方法なりをとってこれから受信料徴収をさらに率を高めていく、こういうふうにお考えなんでございましょうか。
#22
○小野参考人 お説のとおり、現在のNHKの受信料につきましては罰則がございません。ただ、それがゆえに法律的に言えば義務なしとは言えないのでありまして、支払いの義務は放送法三十二条の第一項、同第二項、三十七条の第四項、これらを勘案してみますと、明らかに支払い義務があるわけでございます。ただ、その支払い義務を法の力によって罰則までつけて拘束するということについてはいろんな配意があると思います。諸外国におきましては、あるいは受像機の没収とかあるいは罰金とかいろんな制裁規定がございます。日本は独特な、そういう無制裁のそれをとっております。ただ、その権利の保護のためには、これは一般の契約の例に従いまして、訴訟をすれば金は取れるわけでございますけれども、これは訴訟費用が大変でございます。現実にはそれは言うべくして一々行ってはおりません。
 そこで、やはり放送法の基本のそれは、国民の放送機関として国民の信頼と協力の上に立て、こういう高い理念が貫かれておると思います。そのような関係から申しまして、ただいま山本理事から御答弁申し上げましたような徴収のある努力目標を設定いたしましても、これはわれわれが懸命なあらゆる手段を講じて努力をいたしまして、これに対する万全を期してまいらなければなりません。もちろんNHKの番組自体が非常に歓迎され、これに非常な好感を持たれ、非常にいい番組だということになれば、その支払いの御協力も得やすいわけでございますので、第一義的には、番組の面においていたずらに民放と競争する小次元のものでなしに、もっと高い次元から、公共放送としては公共放送としての番組のあり方を常に追求しなければならないと思います。
 次は徴収の技術でございますけれども、これにつきましては、いろいろ直集の集金人もおりますし、また委託の集金人もおりますけれども、これらのやはり非常に態度のいい、好感の持てるような徴収態度によって御協力を得る。あるいは支払いをせられる側にも、非常に有利な口座の振りかえでございますとか前納でございますとか、こういうことを周知いたしまして、これについて御協力を得る、あるいは不在の家庭につきましては書き物によってそれを見ていただいて御協力をいただく、こういうようないろんな努力をいたしておるような次第でございます。
#23
○田邊委員 そこで私、この受信契約の中身についてお伺いするのですけれども、一つは受信契約の単位についてです。たとえば私のところは会館にいまテレビがある。それで契約をいたします。宿舎にテレビがある。それからまた田舎の方にテレビがある。これは契約しますな。ところが、自宅に複数のテレビがあるとする。これは同じでございますか。
#24
○小野参考人 大別して申しますと、生活の本拠であります住居関係、これは世帯でございます。その関係と非世帯の関係に分けております。世帯の関係につきましては、そこに居住をしておられる方について、これは契約をしていただくということになりますし、同一の方が他に事業所を持っておられ、あるいは事務所を持っておられれば、そこに設置された受像機に対しましても御契約をいただく、こういうようなたてまえになっておるわけでございます。
#25
○田邊委員 ちょっと私の聞き方が悪かったのですが、それはわかっておるのでありまして、それと同一の世帯の場合、二つ以上の受信機が設置された場合においては、その数にかかわらず一つの放送受信契約でございますな、これとの差はどうかという意味であります。
#26
○小野参考人 いわゆる負担の公平を期しますために――一台しか持たない世帯もございます、二台、三台、四台持っておる世帯もございます、それをやはり台数制にしたら公平にいくんではないか、このような一つのテーマがございます。もちろん、公平性の関係から一見そのように見えるのでございますけれども、やはりそこには、放送法第三十二条第一項の規定も、NHKの放送を受信できる受信設備を設けた者はNHKと契約しなければならないと義務を強制しております。この裏には、やはり見る見ないではなしに、大部分はNHKを見ておられる、また見ておられるに違いないと推定し得るそういうバックグラウンドがあって初めて可能な規定だと思います。そういった際に、複数に持っておられる世帯はみんな、その複数の台数をNHKのテレビを見るために三台なり四台をつけておる、こういう事実があれば、これはそういった台数制が一番いいと思いますけれども、恐らくこれは非常な苛斂誅求の反発を本質的に受けようかと思います。現在、民放さんとあわせて複数にチャンネルのあるそれの現実を踏まえまして、あらゆるチャンネルを見るために複数に置いておるんだ。それに一台だけでなしに、もう全部の台数について契約を強制し、あるいはこれに受信料を払え、これは非常に苛斂誅求じゃないか。恐らく三十二条の規定の基本にありますいわゆる聴視者の善意と信頼の上に立つ協会といたしましては、受信料制度の非常な苛斂誅求性と申しますか、そういうことでかえってそれはきわめて不公正だ、こういう一つの非難を受ける結果になろうかと思いますので――現在世界の各国でも、小国ではそういう台数制をとっているところもございます。そういうところはチャンネルが一つしがございません。大体国営でございます。大国は大体おしなべて一世帯で一契約、こういうようなNHKと同じような制度をとっておりますのには、そこに何らかの理由があるのであろうと推定されます。NHKといたしましても、いまの複数台数制の一見公平に見えるやのそれにつきましても、よくその本質を考えてみますと、これはなかなか容易には断定できない問題でございまして、恐らく直ちに、各種の民放さんをまぜてのいろいろなチャンネルを見るために複数に持っているのだ、NHKを見ておるのは一台しかないのだ、こういうような抗弁に会うと思いますので、かえってそうだとすれば非常な不公正のそしりを受ける結果になり、他面から申しますと、徴収能力から申しまして現在立入調査権もございません、設置の届け出の義務制もございません、そういう中で、世帯の内部の秘密にまでわたってこれを一々NHKが調査する能力とそういう手段を持っておりませんので、恐らくかえって非常に不公平な結果になるのではないか。これが一世帯一契約の原則を堅持しておるゆえんでございます。
#27
○田邊委員 小野さん、あなたの言われる根拠というのは私はちょっと薄弱だと思うな。それは一台であろうと二台であろうと、あなた方は善意と理解の上に立って徴収すると言っているのですから。一台だからと言って立ち入りができるわけじゃないのです。結局は、私の家は三台持っていますと言って、それはちゃんと言ってくれるその善意に頼る以外にないのですから、その点私はあなたのその答弁はきわめてこれは理論的じゃない。それでまたそういうあなたの根拠に基づいて三十二条を解釈されるとすれば、一台だってあなた、NHKは私は見ていませんよ、一年じゅう、NHKは私はきらいなんだ、見てません。これはそれじゃ受信料は取りませんか。
#28
○小野参考人 それは社会通念におきまして、NHKを全然見ない、どうだということは、これはあるいはきわめてまれな例はあるかもわかりませんけれども、そういったそれは通念上やはり考えられないところでございまして、それかと言ってテレビの受信料、ラジオの聴取料に至りましても、これをやはりはっきり利用せられた度合いが、あるいは水道のメーターであるとか、電気、ガスのメーターのようなそういうものがあって確証できれば問題でございますけれども、やはりその点は一般の社会通念の許す良識をバックにしなければならないと思います。そういう面から申しまして先ほどのような御答弁を申し上げたわけでございます。
#29
○田邊委員 それは私はうなずけない。そういうあなたの答弁はうなずけない。それは一台でも二台でも程度の差であって、一台ならNHKは必ず見るであろう、見ないのは本当にそれはごく少数部分だ、二台以上の場合になったらNHKを必ず見てくれるということは少し思い上がりだから、これはいわゆるそれに対して台数制をとることはいかがかと思う。これは私は、あなたの意見はどう見てもわれわれを納得させるものではないというふうに思いますね。世帯ごとにやっているという意味は私は知っているのですよ。知っているけれども、そういうふうには私は受け取っていくべきではないと思うのですよ。これを私は何も国民の側に立ってよけい取れなんということを言っているのじゃないけれども、ことしはあなたの方は二百億の赤字があるけれども受信料は抑えていくのでしょう。これは未来永劫に受信料を抑えていくという確約を私どもはいまここで得られれば別ですけれども、それはなかなかあなたこれから先大変なんでしょう。来年私質問するかもしれませんよ。そのときあなたのいまの答弁がまともに私のところに返ってくるかどうかということを私は心配するわけだ。そういった点から見れば、やはり一台よりも二台なり三台持っている国民というのは、これはいわばその収入の面から言っても余裕があるわけでしょう。ですから私は何も二台あれば二台分取れというような提案をしているわけでもない。いろいろ方法はあるでしょう。それはたとえば逓減制のこともあるでしょうし、付加料というようなこともあるでしょうし、いろいろな方法はある。そういうことについて検討しなければならぬところに来ているのじゃないかという気が私はするのですよ。そういった意味でこれは私は質問したわけです。ですからそれはあなたの言われたのは、いま小野さんちょっと長くやってこられたから、世帯別の一つの契約というものに対するあなたの考え方をお述べになったのはわかるけれども、私どもは一つ一つのいま変わり目に来ているときだから、いろいろな角度でもって、従前の考え方をイージーゴーイングに守るのじゃなくて、やっていかなければならぬじゃないかと思って実はひとつ提案をしているわけです。
 もう一つは、割り増し金の問題についてもしかりだと思うのですよ。先ほど電波監理局長からいろいろと法的な根拠で聞いた。私どももこれは訴訟以外にあなた方が強制力を持つものじゃないと思う。しかしこれだけの普及をし、いわば昔は三種の神器などと言ったけれども、いまはテレビは日常欠くことのできないものになってきているという状態の中でもって、この契約をしなかったりあるいは不払いだったりという者に対する割り増し金の問題等も、いままでの状態でいいのか。免除規定、免除基準等については、私も実は社会保障をずっとやってきた一人でございますから、それはいろいろと考えなければならぬですよ、社会的な不公正をなくさなければいけませんのですから。しかし、そういった面に対しての工夫はないか、こういうことを私は実はお願いしているわけでございまして、いま私が申し上げたことに対して必ずしもオーケーだとかということでなくて、それらを含めて受信契約そのものの中身についてひとつ洗ってもらいたいという私は考え方なんですが、どうでございますか。
#30
○小野参考人 断定的、否定的に私は申したのでなく、私の一つの感じとしましてそういうような論もあるであろうということを申したのが非常に強く響いたかもわかりません。もちろん今後いろんな面について非常に広い視野で、あらゆる検討に値するものは検討してまいらなければなりませんので、そういうような意味合いから、検討の対象にはやはり放棄しておるわけではございません。
#31
○田邊委員 ちょっと郵政省、いまの契約の問題でもう一つだけ簡単に聞きますけれども、難視聴の地域でもって、NHKはもう見えないという所についてはどうなんですか。
#32
○石川(晃)政府委員 お答えいたします。
 NHKが全然見えない所、いわゆる無線局を設置いたしましても電波が届かないということがはっきりいたしております所は受信料の必要はございません。ただ難視聴などによりまして、最近は都市難視聴などございまして都市でも見えなくなっている所がございますが、辺地においても同じような状況があるわけでございます。これは救済できる所はやはり受信料は取ることになっておりまして、ただ救済方策についてはNHKの方で鋭意努力しておるわけでございます。
#33
○田邊委員 これはあなた正確に読まれれば、三十二条は「協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者」となっている。できない者に対して取るということは、これは法的に正当な解釈じゃありませんよ。ですからそれは難視聴であっても解決のために努力するのは当然のことである。しかし、それが解決するまでは、この項目からこれは除外すべきじゃありませんか。そうじゃないの。
#34
○石川(晃)政府委員 先ほど申し上げましたように、NHKの放送を全然受信できないという世帯は当然受信契約を締結する必要はないわけでございます。ただ受信可能な世帯でございます。これにつきましてはやはり受信料を減免することは、現在の制度におきましては免除されていないということでございます。
#35
○田邊委員 その受信できない、見えない所ですよ。可能だとかなんとか言っても、現実に見えるか見えないかが問題なのであって、見えない所です。将来中継局等をつくれば見えるかもしれないけれども、現在見えない所について、免除基準の中にそんなものは一つもありませんよ。ありませんね。受信をできるという。いわゆる「協会の放送を受信することのできる受信設備」。ただあなた、テレビの施設があったからこれは料金を取っていいというものじゃないわけだ。その点はそれじゃ取らないでいますか。取らないでいるわけじゃありませんでしょう。わしのところは見えないと苦情を言っておっても、契約は契約ですと言って取っているのじゃありませんか。
#36
○石川(晃)政府委員 お答えいたします。
 ただいま先生御指摘の受信できるという三十二条でございますが、これは「受信することのできる受信設備」ということで、受信設備のことを言っているわけでございまして、具体的に申しますと、東京の場合は一チャンネル、三チャンネルを受けることができる、こういう意味でございます。ただ、その前に御指摘ございました電波が受からぬではないかというようなものにつきましては、これは受信料を取るわけにいかないわけでございます。そういう地域については受信料を取るわけにはいかないというふうに考えております。
#37
○田邊委員 二段、三段構えの話じゃないんだ。これは現実に映っているか映ってないかなんですよ。受信のできる施設と言ったって、国民はテレビを買って、それがNHKが映っているか映ってないかが問題なんであって、将来においてこれは何らかの装置をすれば受信できるだろうと言ったって、現実に映ってなければ受信できないと思うのはあたりまえじゃないの。
   〔加藤(常)委員長代理退席、宇田委員長代理着席〕
それはどう区別するの。あなたの所は難視聴地域で将来中継局をつくれば受信できるんですからしばらくお待ちください、こういうことになるわけ。要するにあなたの言いたいのは、テレビを買って、その地域はいわばNHKの放送網の届く所なんだから、総合なり教育テレビが見えるという所は皆取ると言うんでしょう。ところが、現実に見えなかったらどうするの。見えなくてもそれはやむを得ないわけだね。泣き寝入りなわけだね。
#38
○石川(晃)政府委員 現在NHKにおきましては、NHKの使命に基づきまして全国あまねく受けられるようにということで、各地方に従来テレビの電波の届かなかった所には中継局などを設置いたしまして見えるようにいたしているわけでございます。しかしながら、先生御指摘のように、電波が届かない地域につきまして仮にこういう設備を持っても、それは全然契約する必要はないということでございます。
#39
○田邊委員 電波が届かないとか届くとかというようなことは国民は知らないのだよ。現実に映っているか映ってないかが問題なんだよ。そういうことに抵抗するあれはないと私は思うのだ。これ、ちょっとあなたの方で研究してください。この読み方はあなたのような読み方もあるけれども、実態論から言ったらこれは国民を納得させるものにはならない。これは裁判をやっても国が必ずしも勝つとは保証はできないと私は思うのですよ。ですからあなた、これはたてまえ論はわかっているんだ。たてまえ論はわかっているけれども、国民の利益を守る立場から言えば、国はこれに対して何らかの考え方というものを明らかにしておかなければならないと思うのですよ。これは電波が届く地域なんだからNHKが映ろうが映るまいが受信契約は成り立つものでございます、それが法のたてまえでございますというような不親切な態度ではいけないのですよ。だから私は、NHKがこれから先いろいろ努力をされることを聞いているから、そういった点も含めてこういった問題に対しても親切に答えておかなければいけないだろう、こう思って質問しているわけです。何かまだ答弁ありますか。よろしゅうごさいますか。――これは大臣、どうですか。――大臣の答弁はなきものと思いますか。検討される用意ありますか。
#40
○村上国務大臣 いま全然見えないところですね、法的にそれを拘束して何でも取ってしまうということのできない――国民の理解と協力にまつ以外ないというNHKの放送料金でありますから、あなたのお話を伺っておりまして、少しでも国民が納得して、催促されなくても喜んでその料金を払いたいという気持ちに持っていくような御意向のように私いま聞いておったのですが、全然見えないのにただセットがあるからと言って、よしんば強制的に取るだけの法律があったとしても、見えないものを取るということは私はまずいと思います。しかし、今度翻って、NHKの公共料金というものは一つの国民の義務である、NHKを育成する上において、要するに放送料金以外NHKとしては収入の道がないということですから、そうすれば、NHKははっきり映らぬけれども、ほかのテレビはよく映るというような場所がありますね、そういう所の場合は、これは潔癖論から言えばまことにどうかと思いますが、しかしNHKも幾らか見えるんだから、NHKはそれが唯一の収入源である、これだけで経営をしているんだから、これはセットのある限り公共料金を払っていただくというようなことで、どこのテレビも見えない、NHKも見えないのに金を取るということは、たとえ国民道義に訴えても払わなければならないその反面に払わなくてもいいんじゃないか、こう思います。
#41
○田邊委員 大臣の言葉を素直に私ども受け取っておきまして、いろいろとそれに対する方策をNHKもまた郵政省も真剣に考えていただきたい、こう思います。
 いま収入の面でなかなか厳しい状態であるということでございましたが、例の内幸町の放送会館の売却をいたしまして世論を沸かせたのでございますが、三百五十四億円でこれを売却をいたしたということでございまして、NHKはいろいろと世論を気にいたしまして、その中の一部をもって放送文化基金の設立をする、それ以外については事業安定のために使用するということでございましたが、一つは、事業安定のために使用するという百四十一億のものは五十年度において、繰り越し八十七億でございますが、これで全部使い果たす、こういうことでございますな。
#42
○小野参考人 一応、三百五十四億でございます。正確に申しますと三百五十四億六千三百万円で売れております。これの当初計画とその後実行による現状までのそれを御答弁申し上げたいと思いますが……(田邊委員「大体わかっておりますけれども、時間がないからいま言ったように……」と呼ぶ)この八十何億を使いますと皆無になります。全部完了でございます。
#43
○田邊委員 それで、これは郵政省、どういう御見解でございましょうか。放送文化基金に百二十億、当時の約三分の一はここに使うと言って、この点は国民の批判をかわすという意味であるいはつくられたのかもしれませんけれども、残りの事業安定のために使用する百四十一億というのは五十年度で全部使い果たしになられるという形でございまするが、この使い方についてあなた方の御感想はどうでございましょう。これはまことに適切なやり方であったというお考えでございますか。これほど苦しくなるNHKにしてみれば、もう少し使用の方法について工夫があってしかるべきではなかったかというお考えにならぬでしょうか。いかがですか。
#44
○石川(晃)政府委員 お答えいたします。
 放送文化基金でございますが、こういうものにつきましての金の使い方ということにつきまして、いろいろNHK内部においても検討されたことだとは思いますが、私ども最近のいろいろな情勢を見ましてやはりこういうのは妥当ではないかというふうに考えております。
#45
○田邊委員 四十八年度以降のことでございますから私はいまここで言ってもいたし方ありませんけれども、やはりNHKは厳しさを持たなければならないというように思うのです。そういった点でこの予算の審議についても相当そのことをNHKに求めていると私は思うのでありまして、確かに一つの意味のある基金の設立ではありますから、その是非をここでは言いませんけれども、しかし、いわばこの種のものについては、一つには国民の全体的な理解が得られる方法であると同時に、NHK自身の経営についてこういったものが適切に有効に使われるように配慮してしかるべきではなかったかというように私は思います。一応この状態の中ですから苦言を呈しておきたいと思うのです。
 いま申し上げたように収入はかなり率の面でも頭打ちになってまいりました。したがって、どうしてもNHKの中におけるこれから先の経費の使い方については考慮していかなければならぬというように思います。資料をいただいておりますから、それに対する御答弁は要りませんけれども、人件費の構成を見ましても四十八年度においては四一・六%、同種のものを比較した表をいただきましたけれども、かなり人件費の占める割合が大きいわけですね。五十年度予算の中では四五・九%、給与だけでも三八%、こうなっておるわけでございますが、この趨勢でいきますと、後一年ぐらいたちますと五〇%に届くということではないかと思うのでありまして、この点は私はかなり注目をしておかなければならないことではないかと思っておりますけれども、この傾向を一体どういうぐあいに見ておられましょうか。
#46
○小野参考人 受信料額が現在のそれで、しかもテレビのこれからの普及の度合いが現在想定できる程度にあるといたしますと、これは日本経済の動向がどうなりますか、今後のその動向の中におけるいわゆる人件費がどうなりますか、この推移にもよりましょうけれども、ざっと考えましてもこのパーセンテージは漸次上がっていかざるを得ない、かように考えます。
  〔宇田委員長代理退席、加藤(常)委員長代理着席〕
#47
○田邊委員 この中身について、私きょう申し上げる時間はございませんけれども、いわば職制的なやり方から見ましても、私はここに並んでいらっしゃるところのNHKのいわば理事者の方々につらく当たるという意味じゃありませんけれども、たとえば大学を卒業されました方などを見ますと、ABCDとランクをつけてDが管理者といたしますと、AからBに上がっていくのに四、五年ぐらい、BからCに四、五年ぐらい、こう言われている。ところが、一たび高校卒業だというと、AからBに上がるのに十五年も二十年近くもかかっている。こういう状態でありまして、私は、NHKの全体の人たちの勤労意欲の面から言い、これから先国民に接するところの部面についていろいろ考えなければならぬという先ほどのお答えから見まして、こういった一つの職階的ないまの給与のあり方についてももうちょっと考えていただかなければいかぬじゃないか。もっと現場で働いている諸君については十分な意欲を持たせるようなやり方をすべきじゃないかと思いますが、一言でいいですが、どうでしょうか。
#48
○小野参考人 非常に有益な御意見を承りました。私どもも現状をもってこれが最善とは考えておりません。職員制度あるいはその中における給与制度、昇進制度等につきましては、抜本的な検討を加えてまいらなければならないと思います。
#49
○田邊委員 そこで郵政大臣、予算を提案されるに当たってあなたの方で意見書を付されておりまして、何といっても今年のNHKの収支予算、事業計画、資金計画の中で一番問題なのは二百十五億余の支出超過であります。したがって、一つには先ほどからの論議をいたしました受信料収入の確保の問題のいろいろな努力と工夫とをこらしていただくと同時に、経費の効率的な使用ということを言われておるのですが、郵政省側は経費の効率的な使用というのはどんなことをあなた方の方はもくろんでいらっしゃるわけですか。何を望んでいらっしゃるのでしょうか。
#50
○石川(晃)政府委員 経費の効率的使用ということでございますが、これに努めるべしということを求めましたのは、昭和五十年度の予算がいま御指摘がございましたように二百億円を超す赤字になったわけでございます、しかし、事業の運営に当たりましては、やはり最小限の費用で最大の効果を上げていただこうということで……(田邊委員「抽象的なことはいいから、具体的に何を言っているのか」と呼ぶ)出費をできるだけ抑えるようにやっていただきたいということでございまして、NHKは言論報道機関でもございますし、われわれとしては経費の使用につきましては自主的にNHKの方で考えていただきたいということでございますので、その具体的内容につきましてはやはりNHKにお任せした方がいいのではないか、このように考えております。
#51
○田邊委員 郵政省はそれはきわめて無責任だ。あなた方の方は監督官庁であるとすれば、もうちょっと具体的に指摘をすべきものは指摘をしてもらいたい。あなたはどのくらいの監督をされているのか、どのくらいの指摘をされているのか、私、これは疑いますよ。NHKが内部的にはいろいろ考えていらっしゃるけれども、やはり大所高所、監督の立場から言えば、こういった点が必要だということを指摘をされなければならぬ、私どもはこう思うのです。
 私、実は与えられた時間が余りございませんからこれについて一々申し上げる時間はございませんが、経費の節減の強化ということでもってNHKが節減強化額約十五億ばかりもくろみをここに出されておる。そういう中で一番大きいのは会議、電話その他業務運営経費の節減強化六億六千万円、こういうふうに言われているのですけれども、私はこれは決してNHK全体がそうであるとは言いませんが、中にはかなり親方日の丸的な一つの緩みがNHKにありはしないかというように思うのです。もしそういったことがありとすれば、やはり厳しさをもっと強めていっていただかなけわばならぬというように私は思っておるわけです。
 私が得ました資料によりましてちょっとお話か申し上げますと、ある地方局の幹部が過去二年ばかりの間に実はあるレストランで飲食をいたしておりますが、この飲食はほとんど毎日のようにされている。これは技術部の関係でございます。私、実はいろいろ系統をお聞きしましたところが、対外的な折衝をする方じゃないのであります。したがって、これは当然自己の費用をもって充てるべきものであります。私、これはレストランの受取を全部調べてまいりました。大体毎日のようにこれをいただくのであります。これを全部NHKの方にツケを回している。これは私は実はある一人の個人に限って、その名前がわかっているものだけについて現場を当たってまいりました。ところが、これは外部とのいろいろな会合ではない。この人とNHKのほかの職員とのいわば食事代であり、飲食代であるということが判明をいたして、その部面だけ拾ってまいりました。年間にいたしましてこれが約十数万円。この辺のところはあなたの方はどう処理するかといいますと、テレタイプか何かでもって中央へ送りまして、これがいわば何か会合費だとか打合会費、こういうことで本部はそれに対する支出を与えている、こういう状態であります。チェックをしていないのです。これは一つのレストランですよ、あなた。地方局の一人の人間、それを交えた部内者ですよ。それがこれだけの――私はあなたにちょっと後で見せてもよろしゅうございますけれども、実はここに持っている。こんなことをあなた――この人は大変にウナギなどが好きで、ほとんど毎日ウナギを食っている。コーヒーなどばかり飲んでいる。これは私は、実は本来でありますならば、ちょっとここで明らかにしたいんです。明らかにしたいんだけれども、私はそれをいたしません。これはいたさない私は私の考え方がありますから。しかし、こんなことが許されておるNHKで、二百億の赤字を背負って、いまいろいろと経費の節約をいたします、この目標を掲げています、そして国民に対しては善意ある協力を求めて収入を図りますと言ったって、これはできません。こんなことを知らないからあなたは言っている。私は、残念ながら、NHK親方日の丸の状態というものに対して、このままでは見過すわけにはいかないというふうに思うのです。こういったことが随所に行われておるとすれば大変ですよ。私の推計によりますと、この局でもってやられているところのこの種のいわば自己負担に属すべき状態というものは、これの数十倍に上ると見ている。こんなことをあなたはやっておいて――これはあるいは全体のあなたの方の巨大な予算から見れば少ないことかもしれない。天井から目薬のことかもしれない。しかし、そういったものに対して節度をもって厳しさを求めていくのでなければいけない。私はさっき給与のことを言いました。やはり給与自体はちゃんと払うべきである。そして、下積みの人たちに対してはさらに手厚い待遇をすべきである、こう思いますけれども、こういったものをそのまま認めるというような、そういう仕組みというのに対しては、私は許すことはできないというふうに思うのですけれども、どう思いますか。見せてくれというなら見せますよ。――笑いごとじゃない、あなた、ちょっと。
#52
○小野参考人 ただいま御指摘の点は、私どもには非常に厳しい点でございます。親方日の丸のような気持ちが少しでもあってはならない機関でございますし、厳にそういった面は戒めてまいっておりますけれども、後刻その資料は見せていただきまして、そういった面については善処いたしたいと思いますし、また今後、そういった金額の多寡ではなく、その姿勢そのものに問題があろうかと思いますので、この面は絶無を期して、そういった面については厳しい態度で臨んでまいりたいと思います。
#53
○田邊委員 したがって私はそういうことを具体的に提起をしたのでありますから、これに対してあなたの方から具体的にひとつ各局なり、特に幹部の職員に対して――これはあなたのところの本部に現におる幹部職員ですから。本来、私の性格は大臣も知っておるし、大方の人は知っておるけれども、私は実はこれでもって済まそうなんということじゃないのですよ。しかし、私はNHKの将来のことを思い、これから先の向上を願う一員であるという立場からいって、このことに対してこれ以上言及しないわけです。しかし、ひとつこのえりを正すという具体的なものをあなたたちはおやりになりますか。それから全局に対してそういった面に対する指示をいたしますか。
#54
○小野参考人 これは即刻NHKのすみずみまで通達によりまして、そういうことのないように厳重な通告を出したいと思います。
#55
○田邊委員 大臣、どうでしょう。最後に、やはりあなたのそれに対する所感をひとつ承っておきたい。
#56
○村上国務大臣 田邊さんの非常にNHKを思ってくれる御意見を拝聴いたしまして、私はむしろ感謝いたしております。そういうことが氷山の一角でなければよい。ただこれだけならばともかくも、あなたのお気づきになったところでそういうことがあったというだけでなくて、もしそういうことが方々で行われているとしたら、それこそせっかく小野会長初め本当に公共放送の育成のために一生懸命やっている人たちの努力が水泡に帰します。それだけにこれは私は頂門の一針として、十分小野会長においては警告も発したり、そういう事実が先生の御指摘のところだけであるか、あるいはひそかに目の届かないところにもそういうことがあるんじゃなかろうかというようなことで、十分綱紀粛正をやるべきである。私はいまお話を聞きながら、こう感じたわけであります。
#57
○田邊委員 ひとつNHKの全般にわたる努力と、それから国民の期待にこたえられるところの適切な運営を図られるように特に要望いたしまして、質問を終わらしていただきます。
#58
○加藤(常)委員長代理 平田藤吉君。
#59
○平田委員 今日、テレビ、ラジオは国民の大多数の世帯に普及して、国民生活にとって切り離すことができないものとなっております。そしてNHKは国会中継などを初め公平に扱う努力が見られて、われわれもこの努力は一層続けてもらわなければならないというふうに考えております。しかし、広範な国民の多面的な意見を反映させるという点でも、また公平の原則を貫くという点でも一層努力をしていただかなければならないというように考えております。
 したがって、NHKは放送法が示しておりますように、一つは「放送が国民に最大限に普及されて、その効用をもたらすことを保障すること。」、二つには「放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによって、放送による表現の自由を確保すること。」、三「放送に携わる者の職員を明らかにすることによって、放送が健全な民主主義の発達に資するようにすること。」というこの原則を堅持しつつ、さらに努力を続けてもらわなければならないというように考えます。この点について会長の見解をひとつお聞かせいただきたい。
#60
○小野参考人 御指摘のとおり、NHKといたしましては、厳正に中正な態度と不偏不党の態度を貫き通さなければならないと思います。そういった意味合いから、私どもはこれこそ公共放送としての唯一の支柱であろうと思います。これがなくなれば、もうおそらくNHKの存在は意味ないものになろうかと思いますので、この点に関しましては、在来もそのように努めておりますけれども、将来もこれを鉄則として守り通してまいりたいと思います。
#61
○平田委員 国民の多面的な意見を反映させる上で、国民の期待と要望に十分にこたえていくという立場から見まして、私どもはまだまだ十分だとは思ってないのですよ。
 NHKの運営に当たっておられる現在の経営委員会の構成、これを見ますと、財界人が全体の中でやはり多数を占めているのですね。この点は、学識経験者や勤労者や婦人の代表など各階層の意見が正しく反映できるように改善することが大事だというように考えておりますが、これは大臣ひとつ、どうですか。
#62
○村上国務大臣 NHKの経営委員の任命につきましては、個人個人を厳密にまた一律に分類することは非常にむずかしいと考えるものでありますが、任命に当たりましては、今後とも教育、文化、科学、産業などの方面に関する学識経験を十分に念頭に置いて、慎重に選考いたしたいと思います。
#63
○平田委員 これは、現在の構成それ自体が、いろいろ名前はつけておりますけれども、結局八人までが財界人で占められているのですよ。だから、今後においてこれはやはり検討して、もっと各層の意見が反映できる構成に改めるべきであるという点は改めて強調しておきたいと思います。
 次に、引き続いて大臣にお伺いしたいのですけれども、NHKの五十年度予算はかつてない赤字予算になっておりますが、このNHKの予算に付した意見書の中で、大変な赤字予算であるにもかかわらず、「おおむね適当である。」というように言われているのですね。この「適当」というのは一体何を指しているのか。内容についてお聞かせいただきたい。
#64
○村上国務大臣 NHKの五十年度の収支予算等につきましては、事業収支におきましては二百十六億円の赤字を計上しておりますが、これは、テレビジョン受信機が国民に広く普及し、受信契約、特にカラー契約の伸び率が鈍化いたしたということによりまして、事業収入の大宗を占める受信料の収入の増加率が減少してきたのに対しまして、最近の人件費、諸物価の高騰等によりまして支出が大幅に増加しているため、やむを得ず生じたものであると考えられます。今後の問題につきましては、NHKが受信料を唯一の収入源として放送を行う公共放送機関であることにかんがみまして、経営の健全化を図ることがきわめて重要なところであると考えられますので、NHKがみずから経営のあり方について再検討し、国民の理解を得られる形でその健全化を検討していくべきであると考えております。
#65
○平田委員 「適当」の内容を言われたのだろうと思うのですが、よく理解できません。と言いますのは、こんな赤字を出していて適当だという話はなかろうと思うのです。これは大変だというのが普通なのじゃないかというふうに思うのですよ。ですから、そういう意味では何で、こういうことになったかというのを政府自身がもっとやはり突っ込んで考えていただかなければならぬと思うのですね。これは言うまでもないことですけれども、高物価、インフレ政策が大きな影響を与えることは、だれが見ても明らかだと思うのです。これはやはり責任は政府にあるのだ。そういう意味では大変な事態になっているという認識から問題を立てて、なぜそうなったかというのを考えていただいて、責任のとり方というものはやはりはっきりしなければまずいのじゃないかというように思うのですね。
 また、意見書の中で「受信料収入の確保」というふうに言われておりますけれども、どうやって確保したらいいとお考えなのか、お聞かせ願いたいと思います。
#66
○村上国務大臣 これはもう私よりもNHK当局の責任者がおられますから、十分おわかりだと思いますが、私はあくまでも、こういう種類の法律によって統制のできないものに対しては、国民道義の上に立脚して、国民に十分理解と御協力をいただけるように切々とこれを訴えて、そして料金の徴収をしていくということが大事であろうと思います。
#67
○平田委員 確保するのもなかなか容易じゃないわけで、やはりかなり実態についての研究が必要だろうというふうに私も思うのですよ。先ほど来お話もありましたけれども、改めて受信料制度の問題について、私もここのところはしっかり確認しておきたいというふうに思うのです。と言いますのは、いまの受信料制度は、放送法三十二条でNHKと聴視者との契約ということを基本に据えて決められているわけで、私はやはり公共放送機関の発展にとって大変大事なことだというふうに思っているわけです。なぜならば、NHKが番組とその内容を国民の期待にこたえて一層よいものにする努力を続けることによって契約率を高め、料金収入率を高める道をも開くことができるのだというように思いますね。一部の人々の間では、受信料は税金と同様に法律で義務化して聴視者に納入させるべきだという意見を述べておりますけれども、これは私はやはり法律で決めるべき問題じゃない、また法律で決めさせてはならない問題だというように考えております。この点についても、ひとつ大臣どうでしょうか、もう一度料金をめぐる問題ではっきり見解をお聞かせいただきたいと思います。
#68
○村上国務大臣 やはり国民の良識に訴えて、あくまでもNHKは本当にわれわれのものであるというような気持ちを国民が持ってくれるように、すべての点に努力して料金の問題は解決することだろうと思います。
#69
○平田委員 会長、ひとつ……。
#70
○小野参考人 受信料制度の問題につきましては、いろいろな意見もございましょうけれども、私は、現在の受信料制度に関する放送法の規定を含めまして、現在の日本の放送法は世界に冠たるものだと思っております。特にNHKが非常に努力をいたしまして、その努力によって国民の信頼をかち得、その上に使命を果たしていくというたてまえから言えば、私は非常にいい制度ではないかと思います。とかく税金の問題とかいろいろあります。これは絶対にとるべきではないと思いますし、極論をいたしますと、安易な道は破滅につながるとさえ私は考えております。そういう意味から申しますと、現在の受信料制度、これはやはり一応一遍は契約をしなければならない、こういう義務規定はございますけれども、罰則もない、立入検査もできない、届け出の義務もございません。しかるに、そこにNHKが本当に番組をよくし、また聴視者との接し方をいろいろ気をつけていくところに、やはりNHKとしてのあり方の基本がひそんでいるのではないかと思います。そういうような状態から、いろいろ受信者の方々の最大の協力を得まして、現在すでに九八%という高い、税金にも見られないような徴収成績をおさめております。これは維持すべきものと思います。
 ただ、いろいろ受信料の額の調整等の問題がありますと、恐らくそういう議論も出ると思いますが、巷間、一部の評論家と称するような人々の中には、NHKには契約の義務はあるけれども、その契約たるや自由契約、民法の自由の原則に沿った契約の自由であって、拒めば拒み得るんだというような曲解をする向きもございます。あるいは罰則もないのだ、何もないのだから、払わぬでも何もできないから、支払わぬでもいいんだという、いわゆる受信料不払いの論理といったようなことを堂々と掲げるようなそれがあります。それはありますけれども、現在そういうことで世間は惑わされておりません。仮にこれが、そういうことで非常に浮動するようなことになれば別でございますけれども、幸いそういう現状にもございませんので、いまの現状が続く限り、いまの放送法の規定は、最初に申しましたように世界に冠たるものであって、この基本は曲げるべきではないと私は考えております。
#71
○平田委員 いま会長からも言われましたように、やはり放送内容をよくしていくこと、何といってもここのところが大事だと思うのですね。それから、もちろん経営での改善すべきものを大いに改善していくこと。そして国民との結びつきが深まれば深まるほど、やはり支持は高まるだろうというふうに思うのですよ。この立場からの努力を続けられるというのですから、私はやはり非常に大事なことだというように考えます。
 次に、VHFとUHFをめぐる問題についてお伺いしたいわけです。
 NHKは東京と大阪のUHF大電力局を廃止することにしたというふうに聞いておりますが、どんな理由で、なぜ廃止することになったかということを、理由をひとつ簡単にお聞かせいただきたい。
#72
○小野参考人 現在東京、大阪のUHF試験局は、UHFの普及を図るという一助にするためにつくられたものでございます。その後、いわゆる放送大学なる構想がございまして、これの一つの実験過程に供しようということで、三年間ばかりこの実験放送を続けてまいりました。ことしの三月三十一日をもちまして、一応この実験の成果も上がりましたので、放送大学の実験放送のそれは今年度末で打ち切りになっておるわけでございます。そういった面からこの試験局を大勢としては続ける必要もないということで、明年度四月一日からはこれを休止しようという措置に出たものでございます。
#73
○平田委員 私の理解では、郵政省がテレビの電波帯を十カ年計画でVHFからUHFに全面的に移行させる、ここからつくられたという理解ですよね。そういう立場から聞いているわけですけれども。
 郵政省にお聞きしますが、NHKのいまのいわゆる東京と大阪のUHF大電力実験放送局を廃止することについて、どう考えられるか、お聞かせいただきたい。
#74
○石川(晃)政府委員 私どもの手続といたしましては、NHKの方からUHFの放送試験局を休止したいという申請が出てきております。これの免許期限は来年の二月まででございますが、その間において当分の間休止したいということで上がってきております。その休止の理由は、先ほどNHKの会長から申し述べましたように、現在まで行っておりました放送大学の放送試験、こういうものも一段落いたしましたし、当初目的としておりましたUHFを使っての各種の実験、これも一段落いたしましたので、今後、いままでのデータの整理を行いたい、こういうようなことでございましたので、われわれとしては、この休止するということを認めたいというふうに考えております。
#75
○平田委員 そうすると、郵政省の方は休止するというふうに理解しているわけですね。だとすると、時期が来れば再開するのかという問題。
#76
○石川(晃)政府委員 私の方で聞いておりますのは、いま申しましたように休止ということでございますので、NHKの方がその免許有効期間の間にもう一度局を再開して、そうしていろいろな各種の実験のだめ押しというようなことをやりたいという場合にはできるようになっているわけでございます。したがいまして、現在、休止ということで申請を受けているわけでございます。
#77
○平田委員 この大電力局問題は、やはりテレビ電波をUHFへ移していくということとのかかわり合いだったはずなんですね。そういう点を考えますと、これは私の方も、じゃ郵政省はテレビの波をVHFからUHFへ移すのをやめたんだなというふうにも考えるわけですよ。この問題は、私はこの委員会で何遍も取り上げてきている問題なんですね。いつでもはっきりしないのですよ。十カ年計画で進めるということで、昭和四十三年から取り組んできているわけだから。もう七年たつのだ、どうするのだということについても、はっきりしない。こういうような状況が続いているわけなんですが、その点どうなんです。
#78
○石川(晃)政府委員 このVU移行につきましては、昭和四十三年の九月に郵政省の方で方針を決定いたしまして、その方針に従いまして従来検討を進めてきたわけでございます。したがいまして、この方針自体は現在そのまま踏襲いたしまして種々の検討を進めてきておりますが、やはりいろいろな事情、その後検討を進めましたところ、経費の問題あるいは置局の問題、技術問題、こういうような問題がございまして、さらにその検討を進めているという段階でございます。
#79
○平田委員 これは、いまの私の理解では、NHKの大電力実験局を廃止した段階でやはりかなり検討してみる必要を含んでいるのじゃないかというふうに思うのです。初めから専門家の間でも強い反対意見があったわけですね。これを無視して、テレビ電波をVHFの波からUHFの波へ移させる十カ年計画を決めて、今日まで約七年間計画を推進さしてきたわけですね。私どもはこの委員会でこの間にこの問題を取り上げまして、批判も続けてきたわけですよ。
 批判の中身を言いますと、第一は、国民の圧倒的多数がテレビの聴視者であり、テレビはすでに国民の生活に深く結びついている。当然のことながら国民の財産でもある電波帯のうち、テレビが最も広く利用している現在のVHFの電波帯は、当然テレビが引き続いて利用すべきものである。
 第二に、郵政省はUHF電波帯をテレビに使えば都市難視聴が解消できるなどというふうに言ってきたわけですけれども、反対に難視聴がひどくなっていくということもだんだんはっきりしてきた。VHFの波をテレビに使うことを基本にして、それを補完する意味でのUHFの電波帯を使うというふうにすべきであるということ。これまで郵政省の方針で、NHKはテレビ電波をVHFの波からUHFの波へ移すために、先ほど申し上げましたが、簡単に実験をやって成果をおさめたのでやめたとおっしゃるけれども、実際に東京と大阪の大電力実験局だけで約十億円近くかけておるわけでしょう。それから経費の面で見ても、四億円近くをかけてきているわけですよね。そういう意味ではやはり経済的には決して軽い負担のものであったとは言えない。会長は役割りを果たしたようなことをおっしゃいますけれども、それは会長の見解がそうだというふうに私は承っておきますよ。しかし、実際にはNHKの経営にとっては、そんななまやさしいものではなかったはずだというふうに考えております。同時に、これはNHKにとって厳しいものであったと同時に、東京と大阪並びにその周辺の聴視者にも負担がかかっているのですね。たとえば、UHFのチャンネルつきのテレビを買わされているわけでしょう。UHF.受信用のチャンネルはテレビ一台について約五千円かかると言われているわけです。ざっと計算してみますと、東京、大阪とその周辺で八百万台になるのですね。ですから、これはそのまま足すわけにいかぬだろうとは思いますけれども、全体で約四百億円に上ると見ることができるわけですよ。いずれにしても大変な負担をかけさしたことになるわけです。これは郵政省がUHFのチャンネルをつけなさいと命令したわけでもないし、NHKがUHFをつけなければ今度は見えませんよと言ったわけではないのですよ。そういう意味では責任を逃れることはできるかもしれませんけれども、実際にはUHFに移行するんですということで、東京と大阪周辺が、テレビ業者がずっと売り込んでいったわけですよ、メーカーが。ですから、そういう意味では大変な負担をかけてきた。この負担をかけることはいけないというふうに私どもは言ってきた。
 第三に、したがって、テレビ電波をVHFの波からUHFの波へ全面的に移すという計画は中止すべきだということをこの委員会で私も繰り返し主張してきたところなんですね。これまで実際にやってきた上に立って、VHFからUHFヘテレビ電波を全面的に移行させるという計画はここら辺できっぱりと見切りをつけて、VHFの補完物としてUHFの波を使っていくという立場に徹すべきだ。これは、これ以上NHKに負担をかけないためにも、国民にこれ以上負担をかけないためにも、はっきりしておくことが大事だというふうに思いますが、ひとつ大臣――電波監理局長でもいいです。
#80
○石川(晃)政府委員 お答え申し上げます。
 ただいま御指摘の件につきまして、VU移行の問題でございますが、これは先ほど申し上げましたように、基本方針としてはテレビジョンをVからUに移すという方針で現在進んでおるわけでございます。この構想が出てまいりました原因でございますが、これはVHF帯におきます重要通信というものが、VHF帯では十年後にはほとんど満配になって、さらに重要な通信の疎通を害するであろうということから出てきたわけでございます。現実の問題といたしまして、当時VHF帯が非常に逼迫しているという状況は現在も変わっていないわけでございまして、現在におきましても、VHF帯におきましては約十万局の重要無線の局があるわけでございます。われわれといたしましては、その重要無線局につきましてあるいはほかの周波数帯が使えないかどうかということも検討を進めておりますが、しかしながら、やはり技術開発よりも現実の無線局の増加の方が非常にスピードが速いものでございますから、重要無線局というものが非常に窮屈な状態にあるという現状でございます。ことに最近は、重要無線の中にいろいろ公害関係のものだとか、そういうようなわれわれの生活に非常に直結するような無線も入っておりますので、ぜひこのバンドはそういうものに使いたいというわれわれの考え方は、現在も維持しているわけでございます。
#81
○平田委員 ずいぶんがんこだと思うのですね。
 それでは聞きますけれども、VHFの電波帯をだれが一番たくさん使っていますか。
#82
○石川(晃)政府委員 われわれ通常、周波数問題からいきますと、VHF帯といいますのは三十メガから三百メガまでを言っているわけでございますが、やはりその中心になりまして非常に効率的に使われておりますのが百五十メガ帯でございます。その百五十メガ帯の前後には放送のテレビバンドがございまして、そのために百五十メガ帯が非常に狭隘になっているということでございます。したがいまして、そのバンドを含めますと、やはりテレビなどが相当大きな需要を占めているというふうに考えられるわけであります。
#83
○平田委員 さっきも言いましたけれども、テレビというのは、国民の生活に深く結びついて、生活に欠くことができないものになっているのですよ。これは世帯数から言ったって、人口から言ったって、圧倒的多数が日常的に使っているのでしょう。電波帯はだれのものなんだ。国民の共有の財産じゃないですか。圧倒的多数が日常生活に欠かすことができないものとして使っているところを、どけという法はないだろう。なぜがんこにそこのところだけは拒否するのか、お聞かせいただきたい。
#84
○石川(晃)政府委員 確かに先生御指摘のように、テレビの受信者というものが国民のほとんど九十何%、あるいは都市においては一〇〇%近いという人が見ているわけでございます。したがいまして、利用率ということからいきますと、先生御指摘のとおりでございますが、われわれは、このような電波が国民のものとして、国民の利益を守らなければいけないという面におきまして、いろいろ電波を有効に使っていただいているわけでございます。災害などにつきましては、やはりないにこしたことはございませんが、一たん起きたときは、これは国民の生活に重大な影響を与えるということでございますので、特に最近非常に多く使っておりますのは災害用の公衆通信、こういうようなものが百五十メガ帯等において使われているわけでございます。
#85
○平田委員 災害というふうに言われますけれども、災害で圧倒的多数の国民に電波を通じて知らせているのはだれだと思いますか。
#86
○石川(晃)政府委員 いま御指摘がございましたように、電波で災害を国民に知らすという方法につきましては、従来はいろいろな使い方をしておりましたが、最近は放送局などもその面に力を入れて、そして災害の報道ということに重点が進んできているというふうに聞いております。
#87
○平田委員 わからないのですよ、あなた方が言うのが。災害のために必要だ、必要だと言うけれども、緊急に必要だと言うけれども、一番早く国民に知らせてくれているのはやっぱりテレビ、ラジオですよ。郵政省は国民に知らせましたか。あるいは警察でもいいです、全国民に知らせていますか。やってはいないですよ。私はその面でVHFの電波帯を絶対に使ってはいかぬとは言いませんよ。これはやっぱり必要なものはあるのですから、できるだけ競合しないように、最も有効に使うべきだと思いますよ。だけれども、Uの波もあるわけですから、そこを開発研究していくことを、わずかな部分で使う場合には考えたらどうなんですか。そういう立場から見たら、いつまでもこのVの波からUの波へテレビの電波帯を移してしまうのだということに固執していたら、これは大変だと思うのですよ。その面の研究だけでも大変なことになると思うのです。私どもが言っているのは、VHF帯でテレビが現在使っておるのだから、新たに必要なものは新たに開発しなさいということを言っているのですよ。だから、そういう立場に立てないのか。これは局長と幾ら言ったって切りがつきません。大臣、こういうことなんですよ。どうお考えかをお聞かせいただきたい。
#88
○村上国務大臣 私、勉強が足りないだけでなくて、大体技術的なことはよく承知いたしておりませんので、正確なお答えができないことをお許し願いたいと思います。いずれにいたしましても、大事なことですから、私も私なりに可及的速かに勉強いたしまして、大体のその先生の御質問にはっきりとお答えができるようにいたしたいと思います。しばらくひとつ、お願いします。
#89
○平田委員 大臣もそうおっしゃっているのですから、私は、やはり国民の圧倒的多数が使っていることについて目を向けていただかなければならないし、それから生活に欠くことのできないものになっているということにも十分注意を払って、しかも電波帯は国民の財産であるという点もお考えに入れて、ひとつ検討していただきたいというふうに思いますね。
 それでは次に、電子計算機をめぐる問題についてお伺いしますけれども、NHKではすでに電子計算機による情報処理方式、情報処理機構を採用して活用範囲を広げてこられたわけです。これは非常に大事なことだと思うのですが、しかし、聞くところによると、これが少し行き過ぎの面もあって、一部の手直しが行われたというふうに聞いておりますがどういう点なのか、お聞かせいただきたい。
#90
○藤島参考人 ただいま御指摘のように、三十七年度から私どもはいろいろ電子計算機を導入いたしまして、特に四十三年からは番組制作の方にも敷衍いたしまして、私どもはかなり効果を上げておると思っておりますけれども、まあ電子計算機は、御承知のように日本といたしましてもあるいは世界的に申しましても日が浅いものですから、導入以来いろいろと実際の手直しをいたしてまいりました。最近特にその番組制作に関しまして、内幸町からこちらのセンターの方に移行いたしましたその機会に、いろいろ抜本的に直したいと思うところもございます。
 特に番組の制作ということは、ただ単に事業の効率化とか能率化ということだけではもちろん判断できませんし、私どもの最終的なねらいは、やはり番組の質的な向上ということでございますので、それを犠牲にするような運用の仕方はいたしてはならぬと考えております。したがいまして、コンピューターを使います場合いろいろプログラムを入れるわけでございますけれども、そのプログラムの入れ方に私どもはやはり、いま申し上げた原則に立った制限を加えております。
    〔加藤(常)委員長代理退席、宇田委員長代理着席〕
したがいまして、必要な器材の割り当てとかあるいは必要な人員の割り当てとか、そういう点に限定をいたしたリミットの中でプログラムをやっておるわけでございますけれども、最近多少手直しについて週刊誌等に出ておりましたことは、番組制作の一つのプログラムをつくる方法にネットワークの手法というものがございまして、これは主として番組の日程を計算する部門に属するものでございます。私どもコンピューターのプログラムの全体の量から言いますと、その部分は約三%以下くらいにしかなりませんけれども、基本的には番組の日程をいろいろ判定をするインプットでございますので、できるだけ番組の本来的な性質から考えまして、一つの枠にこだわらないで機動的にあるいは流動的に変更できるような手法を考えておったのがネットワーク手法という手法でございますけれども、その後いろいろ四十三年からやって、あるいは放送センターへ移行します段階において番組の制作そのものもいろいろふえてまいりましたし、カラー化ももっと充実してまいりましたし、一方では労働条件その他もできるだけ改善したいので、深夜とか早朝の仕事をなるべくしないようにするとか、そういう業務の対応の仕方も逐次改善してまいっておりますから、むしろいままでやっておったようなネットワーク手法をそのまま続けてまいりますと、かえって非常に複雑なインプットをしなければいかぬということが表面に出てまいりまして、言うなればこっちがねらったことでなくて、インプットが煩わしくて、出てきた効果はそれほど流動的ではないではないかというようなことに相なりましたものですから、移行しました機会にそこをこれから改善をしてまいりたい。そのほかにも、コンピューターのインプットあるいはプログラミングというものを四十三年に実施以来改造いたしたものはもう三百本近く改造いたしております。今後も現場と密着していくように、あるいは放送の番組の制作という本来的な質的な向上のねらいというところを重点に置きまして、もしいろいろな周囲条件が変わってまいって改善した方がよろしいというものが出てまいれば、勇敢に変えていった方が私はよろしいと思っております。最近も改造をいたしまして、その結果大変むだになったのではないかという意見もございますけれども、御承知のようにコンピューターというものはいろいろなプログラムを入れて使っているわけですから、そこでインプットが変わってきたからむだというものではないと私は考えております。全体的な経費その他も、そのことによってかなり節減できると考えておりますので、そういう変更なり訂正というものは、今回のものももちろんですが、今後のものにつきましてもあり得ることだと私は考えています。
#91
○平田委員 いま言われたように過程では当然起こり得ることだと思うのですよ。私どもは当然なことだとは思うのですけれども、機械は本来苦しい労働から人間を解放して人間の自由の領域を広げるというために役立たせるということがやはり基本だろうと思う、もちろん能率をも含めて。ところが、今日ではいわゆる技術革新の中で人間の意思を無視して、機械に人間を管理させて、苦しい労働を強制する手段として機械が使われていくというような状態がやはり多く見られるのですね。私どもは、当然この機械を扱う場合に、この両面が絶えず出てくることを念頭に置いて注意を払わなければならない問題点だというふうに思うのですね。特に芸術、文化の活動に当たる場合に、この機械に人間が使われるような仕事のやり方の場合に、やはり創造性を失ってくる。これは芸術、文化にとっては決定的に重大な欠陥としてあらわれてくると思います。そういう意味で、私どもがこういう分野については十分な注意を払って、この機械の運用に当たらなければならないというように思うのですが、会長、ひとつ。
#92
○小野参考人 お説のとおりでございまして、やはり文明の利器はもろ刃のやいばだろうと思います。一面には非常にいい面もございますけれども、他面にはそれによって人間の自由、創造性を阻害するというような面もあろうかと思います。私どもはこの機械の導入によって人間の自由なり創造性が失われるようなことがあってはならないと思います。この点には厳重な注意を払っておりますし、機械の利点を大いに上げますとともに、やはりそれなくんば人間としてとかく陥りがちな放縦の面は機械によって規律化される、こういう利点もあろうかと思いますので、そういうようなつもりで運用してまいりたいと思います。
#93
○平田委員 次に、労働者の権利をめぐる問題についてお聞きしたいと思います。
 放送を通じて国民の福祉の向上に寄与することを唯一の目的とし、国民の多様な要望にこたえて報道、教育、教養、娯楽の各分野にわたりすぐれた放送番組を放送し、わが国の文化水準の向上に資することをNHKは使命としているわけです。その使命を達成していくためには、やはり番組制作などを初めとして、創造活動を初めとするNHKの労働者の基本的な権利が守られるということが何よりも大事だというように思うのですが、会長のお考えをお聞かせいただきたい。
#94
○小野参考人 私も先生と同様に考えております。
#95
○平田委員 いま申し上げましたように非常に大切な使命を担って働いている労働者の賃金は、一体どうなっているだろうか。この間もこの委員会で答弁されているのをお聞きしましたけれども、結局民間の労働者の水準、それから公務員労働者の水準、また他の言論機関の労働者の水準よりもかなり低いというのが現実である。しかも、その差がこのままでいったら年ごとに開いていくという危険をはらんでいる。これは非常に重大なことだと思います。さっきも会長は経済情勢との関係の中で全体を考えなければならぬということを言われた。私もそうだと思うのですよ。しかし、今日段階で差が開いているものはつぼみはしないですよ。そういう意味で、なお今日段階でも高物価、インフレが続いているわけですから、このような事態のもとで労働者の賃金が他のものと比べて水準が低いということについてどうお考えか、お聞かせいただきたい。
#96
○小野参考人 やはり重要な使命を担っておりますNHKでございますので、きわめて有能な人材をそろえなければなりません。その意味から申しましても、他のものと比べまして、これも比較の対象はいろいろありましょうけれども、結局人材の場合はマスコミ界におけるいろいろな他の同種産業との間でございます。広く広げますと、あるいはそれが余りに低くて他が高ければ、マスコミ外のその方面に人材が集中するでございましょう。そういった面から見れば、そういったことがないように、その水準には劣勢をとらないようにすることが理想ではないかと考えております。
#97
○平田委員 しかし、会長、いまそうおっしゃるけれども、今度の出されている予算案の枠ではこれは追っつかないと思うのですね。とても水準は追っつかないのだというふうに思うのですよ。NHKの労働者の当然の要求にもこたえていかなければならぬ。ここに問題があると思うのですけれども、格差を縮めながら正当な労働者の要求にこたえていこうとすると、この枠じゃ間に合わぬというのが見えていると思うのですな。そうなった場合に、労働者の当然の要求を受け入れて、五十年度予算の枠の中では処理できないという場合に、放送法第三十七条に示されているように補正予算を組んで労働者の生活を守るというふうにすべきだ。補正予算をやはり組んでいく、枠内にこだわらずに、足りなければ補正予算を組んでいくという立場を貫くべきだと思うのだが、その点どうですか。
#98
○小野参考人 適正を期し得なくて、ほかと非常な見劣りがあるというような現状に到着したといたしますと、予算の枠内ではどうにもならぬことであろうと思います。その場合には、やはり補正予算によって措置すべきものと考えております。
#99
○平田委員 今度の予算を見まして、全予算の中で国内放送費の占める比率がどうも気になるのですな。前年度と比べますと、これは余り心配ないのですよ。しかし、ずっと振り返ってさかのぼって見ますと、三十八年が三六%、四十三年が三一%、四十七年が二七・一%、そして五十年が二四・四%というふうに、ずっと国内放送費が低下し続けているのですね。それは絶対額は上昇しているとは言いましても、総予算の中でやはり国内放送が主体ですから、この中で相対的な比率が低下していくということ自身、番組内容の質に影響を与えないか。私どもも耳にしているのですけれども、NHKにとっては大変大事なドキュメンタリーなどの費用にやはりかなりのしわも寄っているようだ。それはおそらくあらゆる分野に寄っているのだろうと思うのですけれども、そういう点を考えますと、さっき来申し上げておりますように、いい放送をして国民との結びつきをもっと強めていくという立場から見ると、大変心配なんですね。番組内容の質の低下につながらないか、その危険性はないかという点が一つです。それからもう一つは、同時に芸能人を初めとする出演者の出演料などにも悪い結果をもたらしはしないだろうか。この二つについてどうお考えか、お聞かせいただきたい。
#100
○小野参考人 現在、いろいろ比率を申されましたそれは、国内放送の直接費だけでございます。これに人件費その他の間接費等を入れますと、この全体に占める構成比率はまた違ったものになろうかと思います。それはともかくといたしまして、直接費だけでも年々非常に下がっておるといったそれは、好ましい結果ではないと思います。これはいろいろ財政の事情等にもかんがみまして、極力最低の経費をもって最大の効果を上げる、こういうような努力を強請しましてそのような形になっておりますけれども、将来の財政の健全化、安定化、こういった面をきちっととりましたときには再検討を要すべきものであろうと思います。現在のところ、幸いにそのことが番組の質にしわ寄せになって非常に質の低下を来しておるとは私は判断しておりませんけれども、そのような事情でございますし、今後のこれに臨む態度は将来の財政の健全化、安定化の基盤の上に立ってもう一度検討してみたいと思います。
#101
○平田委員 さっきの、人件費が全体の中で占める比重が非常に高い、これは当然のことで、高くたって他と比べると低いわけなんですから。だから、NHK労働者がたくさん賃金を取っているということを意味するものではないわけですよ。そういう意味で見ると、やはり全体として厳しいということを考えざるを得ないのですよ。それだけに、NHKが真剣な努力を傾けて、番組内容の向上を初めとして、経営においても民主的に進めるための努力、用意というものを大いに努力を傾けていただきたい。しかし、全体として見ますと、私どもは今度の予算を見ましてもまだまだ納得できないものがたくさんはらんでおるわけでしょう。当然のこととして、政府が出すべきものは出してもらわなければならない。
    〔宇田委員長代理退席、加藤(常)委員長代理着席〕
それから冗費も節約してもらわなければならない。そういう意味で、全体から見て、私どもも今度の予算には納得していない。今後、今日遭遇している困難を切り抜けるために真剣な努力を傾けられることを心から期待します。同時に、郵政省の方も、余りNHKに負担ばかりかけるようなことにならないよう、配慮して進めてもらいたいというふうに思います。そのことを要望しまして、私の質問は終わります。
#102
○加藤(常)委員長代理 この際、日本放送協会当局から発言を求められておりますので、これを許します。山本参考人。
#103
○山本参考人 前回の当委員会におきまして、田中委員から国内放送費の総額についての御質問がございました。そのお答えを私が間違えましたので、ここで訂正をさせていただきたいと思います。大変失礼をいたしました。
 正確には、国内放送費の五十年度予算の総額は三百七十三億二千二百万円でございます。訂正させていただきます。
#104
○加藤(常)委員長代理 田中昭二君。
#105
○田中(昭)委員 日本放送協会の予算の審議に当たりまして、先ほど発言がありましたように、私の質問に対して間違いがあったそうであります。いま訂正の御発言をいただきましたが、問題は国内放送費の額であったわけでございますが、この問題については、いまの数字で了解いたします。
 そこで、私、こういう間違った数字のために保留しておりました質問、関連のある質問でございますから、少しさせていただきたいと思っております。
 その前に、私、いつもNHKの方には申し上げておりますが、受信契約の数、その把握というものについて特にお尋ねをしたり指摘をしたりしてきたわけでございますが、これは現在のNHKの経営基盤の上にも大事な問題でございますから、もう少しお尋ねしておきたいと思います。この五十年度の報告を見てみますと、年度の初めに契約総数が二千五百二十二万、大体二千五百万、こういう契約者が年度内の増加が六十七万ということで、大変増加の割合が少なくなってきている。そういう増加の中で、特に私が指摘しました例の非世帯の契約数でございます。四十八年度において指摘しました、前回もお聞きしたわけでございますけれども、そのときの数字もちょっと私理解できない点がありましたから、その点についてさらにお尋ねするわけでございますが、この五十年度に予定しております六十七万の契約増加、その中に非世帯の分を見てみますと、大体一割、六万前後の増を見ております。しかし、ここで私思いますことは、この非世帯の契約数というものは、把握する契約数の以前にテレビを設置しておるだろうという推定数というのがあるわけであります。そうしますと、その推定数が仮に絶対的なものであるとすれば、私は指摘しましたあと、四十八年が五十万、これが、四十九年は見込みでございますけれども五十七万、そういう数字になるわけです。そうしますと、四十八年の五十万に対しまして四十九年が五十七万の見込み、五十年は当初六十三万程度の目標を立ててあるわけでございますが、非世帯について指摘しましたことから見てみますと、推定設置台数に対する把握台数、これは全体的にふえなければいけないと私は思うのです。もちろん推定設置台数そのものもふえるでしょうし、そのふえる設置台数に対する把握率も上がっていかなければ指摘した意味がない、このように思われますが、現実の姿は、設置台数に対して把握率は四十八年度よりも四十九年度は低くなる、こういう状態をどのように理解すればいいのでしょうか。
#106
○川原参考人 この把握率も、私どもの推定に対する把握では四十八年度よりは四十九年度は上がっております。数字を申し上げますと、四十八年度末の数字で申し上げますが、先ほど五十万台の把握と御指摘ございましたそのときの非世帯におけるテレビの設置台数約六十八万くらいと推定をいたしております。それに対しまして五十万台の把握で、把握率は七四%というふうになっております。それに対しまして四十九年度は、確かに御指摘のとおりいま努力中でございますので、これは最終的にはわからないわけですが、現在五十七万台くらいまでは行くであろうと前回申し上げました、そのときの四十九年度末のテレビの設置台数の推定は七十三万ないし四万、ちょっと端数がありますけれども、七十三万六千というふうに私ども計算しております。それに対しまして五十七万台まで把握できれば七七%の把握率にはなるだろう、かように考えておるわけであります。
#107
○田中(昭)委員 この点は、設置台数をどう見るかということによっていまの把握率も変わってくるわけですけれども、これは今後の把握台数を見てまたお尋ねすることにしまして、一応終わっておきます。
 次に、郵政大臣の意見書に対しまして私前回も申し上げたわけでございますが、これは二百十五億も赤字を計上しなければならないというようなNHKの予算案に対し、ただ型どおりの、毎年と同じような意見書だけでは私はどうも理解ができない。と言いますのは、赤字を抱えておりますと、NHKとしましても翌年度にはその赤字を埋めなければならない。そのことについては郵政省としても十分な検討が要るはずでございますが、先ほどからお話も出ておりますように、受信料を永久に上げないということはできないような経営基盤があるわけでございますから、そういうことも含めて、もう一遍大臣からお答えいただきたいと思います。
#108
○村上国務大臣 お答えいたします。
 NHK予算におきまして、格別の理由もなく郵政省令に盛られた表現と異なった表現をとっていることは適切であるとは申せませんが、昭和五十年度収支予算、事業計画及び資金計画全体について見ました場合、その内容はおおむね適当であると判断したものであります。
#109
○田中(昭)委員 まあお答えは大体同じようなことになっておりますから、郵政省の方に、さっきの非世帯の推定の設置台数というのはどういうふうな見方をしておりますか、わかっておればお答えをいただきたい。
#110
○石川(晃)政府委員 ただいまの数字につきましては、郵政省といたしましては的確につかみかねますので、NHKの方にお願いいたしましてつかんでいただくことにいたしております。
#111
○田中(昭)委員 前回私の質問で委員長にお預けしておりました問題についての政府並びにNHKからの御発言をいただきたいと思います。
#112
○加藤(常)委員長代理 この際、前回の委員会における田中委員の質疑に対し、郵政当局及び日本放送協会当局から発言を求められておりますので、これを許します。石川電波監理局長。
#113
○石川(晃)政府委員 前回の当委員会におきまして、NHKの事業計画に記載してあります「年度内廃止契約者数」という表現が、放送法施行規則において記載すべき事項としております「年度内の解約者数」という表現と異なっている点につきまして、私の答弁が適切を欠いておりましたので、本日改めて説明させていただきたいと存じます。
 放送法施行規則第九条におきましては、「事業計画には、左に掲げる事項を記載するものとする。」と規定し、その中で、受信契約者数に関し「年度内の解約者数」を記載することとしております。この規定は、事業計画に盛るべき事項を定めたものでございます。NHKが事業計画において用いております「廃止契約者数」は、受信契約を解約したものの数であり、「解約者数」とは表現を異にしておりますが、内容は全く同一のものであります。
 したがいまして、NHKの事業計画が放送法施行規則に違反しているというわけではございませんが、同じ内容の言葉はできるだけ同じ表現を用いる方が適当であると考えますので、五十一年度以降の事業計画におきましては、表現を一致させる方向でNHKとも打ち合わせをしたいと考えております。
#114
○田中(昭)委員 いまの御発言で全面的に了解はできませんけれども、この際、施行規則にあります「年度内の解約者数」というこの定義をお聞かせいただき、また協会には「廃止契約者数」というのはどのようなお考えでお書きになったのか、また同じく定義をお述べいただきたいと思います。
#115
○石川(晃)政府委員 お答えいたします。
 解約と申しますのは、継続的な契約関係につきまして、一方の契約当事者の意思表示によりまして、その効力を将来に向かって消滅させるということを申しております。したがいまして、放送法施行規則におきます受信契約の「年度内の解約者数」とは、NHKと受信契約を締結しておる者のうちの、一の年度内におきまして受信契約を解約した者の数を言うものでございます。
#116
○山本参考人 基本的には、ただいま郵政省から答弁がございましたものと同じでございます。「廃止」と申しますのは、契約をする場合にはNHKの放送を受信できる受信機を設置した場合に、これは契約をする義務が課せられます。同時に、いま申し上げたNHKの放送を受信できる受信機の設置を取りやめた方、これをわれわれ普通「廃止」と呼んでおります。そういう意味の廃止をされた方は当然解約をする、こういうことになると思います。「廃止」と申しますのはNHKを受信し得る受信機をお持ちにならなくなるということ、イコール法律的には解約、こういうふうに理解いたしております。
 将来の問題は、いま郵政省が答弁いたしました線で私たちも措置をいたしたいと思っております。
#117
○田中(昭)委員 NHKの重要な予算と事業計画を審議するわけでございますから、そういうふうな、規則と違った表現を用いられることはいけないことだ、これも当然でございますし、今後厳重にひとつ注意していただきたいと思います。そのことに対します政府の反省の言葉をひとつ最後にお願いします。
#118
○村上国務大臣 今回の件につきましては、その処理につきまして適切を欠きましたことから非常に御迷惑をおかけいたしまして、相済まないと思っております。
#119
○加藤(常)委員長代理 これにて本件に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#120
○加藤(常)委員長代理 これより討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので直ちに採決いたします。
 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件について採決いたします。
 本件を承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#121
○加藤(常)委員長代理 起立総員。よって、本件は承認すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#122
○加藤(常)委員長代理 ただいま議決いたしました本件に対し、三ツ林弥太郎君外三名より附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 まず、提出者より趣旨説明を求めます。三ツ林弥太郎君。
#123
○三ツ林委員 提案者を代表いたしまして、ただいま議題となりました附帯決議案について御説明いたします。
 まず案文を朗読いたします。
   放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件に対する附帯決議(案)
  政府並びに日本放送協会は、次の各項の実施につとむべきである。
 一 放送法の精神にのつとり、表現の自由と不偏不党を確保すること。
 一 難視聴解消対策を効率的に推進すること。
 一 政府は、命令する国際放送の費用について、十分な額の予算化をはかること。
 一 協会は、受信契約者の維持増加をはかるとともに、将来における財政基盤を確立し、経営を健全化するための対策を検討すること。
 一 協会は、業務の効率的運営を推進するとともに、職員の待遇改善についても配意すること。
 右決議する。
以上であります。
 この決議案は、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党の四党共同提案に係るものでありまして、案文も当委員会における質疑等を勘案して作成したものでございますから、その趣旨につきましてはここで改めて御説明するまでもないと存じますので、この際省略さしていただきます。
 何とぞ全会一致の御賛成をお願いする次第であります。
#124
○加藤(常)委員長代理 これにて趣旨説明は終わりました。
 本動議に対し別に御発言もありませんので、直ちに採決いたします。
 三ツ林弥太郎君外三名提出の動議どおり、本件に附帯決議を付するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#125
○加藤(常)委員長代理 起立総員。よって、本動議のごとく附帯決議を付するに決しました。
    ―――――――――――――
#126
○加藤(常)委員長代理 なお、ただいま議決いたしました本件に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じます。御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#127
○加藤(常)委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#128
○加藤(常)委員長代理 この際、村上郵政大臣及び小野日本放送協会会長から発言を求められておりますので、これを許します。村上郵政大臣。
#129
○村上国務大臣 本件に関しましては、慎重なる御審議の上、ただいま御承認いただきましたことを厚くお礼を申し上げます。
 ただいまの附帯決議につきましては、政府といたしましても、今後放送行政を進めるに当たりまして、御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
#130
○加藤(常)委員長代理 小野日本放送協会会長。
#131
○小野参考人 日本放送協会昭和五十年度収支予算、事業計画、資金計画につきましては、ただいま全会一致をもって御承認をいただきまして、まことにありがとうございました。厚くお礼を申し上げます。
 なお、この予算の執行に当たりましては、この予算に付せられました郵政大臣の意見書の趣旨を十分に体しますとともに、御審議中に賜りました幾多貴重な御意見に対しましては、これを念頭から忘れないで、その趣旨を極力生かすように努めてまいります。
 また、ただいま附帯決議につきまして、日本放送協会に関する部分につきましては、いずれも経営の根幹をなすものでございますので、これを十分に遵守いたしまして、執行の万全を期してまいりたいと思います。
 どうもありがとうございました。(拍手)
#132
○加藤(常)委員長代理 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
    午後五時五十分散会
ソース: 国立国会図書館
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