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#1
第075回国会 逓信委員会 第18号
昭和五十年五月二十九日(木曜日)
    午前十時八分開議
 出席委員
   委員長 地崎宇三郎君
   理事 宇田 國榮君 理事 加藤常太郎君
   理事 志賀  節君 理事 羽田  孜君
  理事 三ツ林弥太郎君 理事 阿部未喜男君
   理事 土橋 一吉君
      小渕 恵三君    亀岡 高夫君
      高橋 千寿君    坪川 信三君
      廣瀬 正雄君    水野  清君
      金丸 徳重君    平田 藤吉君
      田中 昭二君    小沢 貞孝君
 出席国務大臣
        郵 政 大 臣 村上  勇君
 出席政府委員
        郵政政務次官  稲村 利幸君
        郵政大臣官房長 高仲  優君
        郵政大臣官房首
        席監察官    永末  浩君
        郵政省簡易保険
        局長      北 雄一郎君
        郵政省人事局長 神山 文男君
 委員外の出席者
        行政管理庁行政
        監察局監察官  近藤 輝彦君
        逓信委員会調査
        室長      佐々木久雄君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月二十九日
 辞任         補欠選任
  池田 禎治君     小沢 貞孝君
同日
 辞任         補欠選任
  小沢 貞孝君     池田 禎治君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 昭和二十四年五月以前の簡易生命保険契約に関
 する特別措置法案(内閣提出第四四号)
 簡易生命保険法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第四七号)
     ――――◇―――――
#2
○地崎委員長 これより会議を開きます。
 昭和二十四年五月以前の簡易生命保険契約に関する特別措置法案及び簡易生命保険法の一部を改正する法律案の両案を議題とし、審査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田中昭二君。
#3
○田中(昭)委員 簡易生命保険法の改正に当たりまして、基本的なことから、私、現場の状況等をまず最初いろいろお尋ねしまして、本論に入っていきたいと思います。
 この簡易生命保険法の改正で私もいろいろな勉強をさせてもらったわけでございますが、ここに簡易保険の第一線で働くセールスマンの基本的なものを書いてあるのを私読ませてもらいました。その中から順序に従ってお尋ねしていくわけですが、まず最初に、簡保事業としても企業努力が必要であるということが掲げてあるわけでございますが、現在簡保事業は四千八百万件近い契約者を持っておって、この「多数の契約者からの信託を担っている」、こういうふうに最初に書いてあります。そこでその信託にこたえるためには、「今後とも一層国民生活に密着し、その福祉増進に役立つ存在になるよう努めていかねばなりません。」このように「企業努力の必要性」というところに書いてあるわけでございますが、「この信頼に応えるためにも国民生活に密着し、」というようなことは、どういうことを主眼に置いてやるべきでしょうか。またやられておるでしょうか。その点のお話を聞かせてもらいたい。
#4
○北政府委員 簡易保険そのものの使命といたしまして、簡易保険法第一条に明定されておるわけでございますけれども、要するに一言で申し上げれば、国民大衆の生活の保障ということでございまして、「もって国民の経済生活の安定を図り、その福祉を増進することを目的とする。」、対象は国民であるということが第一条にございますが、そういうことでございまして、簡易保険そのものの内容におきましてもおのずからそういうふうにいわゆるセールスもしなければならない。また商品等におきましても、国民のニーズに適時適切に応じたものをお勧めしなければならないというようなことが基本的にあるわけでございます。他方では、当然簡易保険に御加入いただきました方々の保険料が簡易保険事業の資金となりまして将来のお支払いのためにお預かりする、こういうことでございますが、その運用先等におきましても、これまた別途簡易保険の運用に関する法律というのがございまして、その中で、有利であると同時に公共の利益に役立つような運用を図らなければならないというふうに明定されておりまして、そういう資金の運用先におきましても一般国民生活に密着した運用を図っていくべきである。そういういろいろな意味におきまして国民生活に密着し、その福祉の増進に役立つ存在になるように努めていかなければならない、そういう趣旨でございます。
#5
○田中(昭)委員 簡保事業の法律の第一条に掲げてある法律の目的、理念に基づいたいまの局長の御説明はよくわかったわけでございますが、私は、ここでは、実際国民生活の安定の基礎となる保険料の収受それから保険の契約、こういうセールスマンの立場に立った基本的な国民生活との密着という点は、一つは、企業努力の前に「簡保事業を取り巻く環境」というところがございますが、その中に、二ページの最後の方に「簡保セールスのあり方に対するこのような」、いろいろな批判があるわけですが、「それが二六〇〇〇人の簡保セールスマンのほんの一部にせよ、国営保険として」云々、このようにあるわけです。これと関連して、セールスマンの実務の中での国民生活との密着という点ではどうですか。
#6
○北政府委員 お示しのところに書いてありますことは、大変残念でございますけれども、ここにありますようにほんの一部にせよ、かつて当委員会でも御指摘を受けましたのでありますが、いわゆる不正な話法を用いて勧誘するとかあるいは掛け切れないような掛金、保険料を要する簡易保険をお勧めする、すなわち超契問題等にも絡むわけでございますが、そういったことが当委員会でもいろいろ御批判をいただきました、また新聞等においても報道されたということは遺憾ながら事実でございまして、そういったことを放置することはできないという趣旨のことをここに書いたわけでございます。
#7
○田中(昭)委員 いまお述べになりました中で、過去のそういう簡保事業のセールスにおいての事故といいますか、最初に不適正な話法ということもお話しになりましたが、社会人は法律、約款等についてはまだどうしても乏しいといいますか、約款、法律等を見ましても約款、法律のとおりのセールスが行われているかどうか。これがこの法律の事業を行う方の立場に立ってだけなされてはいないか。約款または法律の示すところをわかりやすく親切に消費者に認識をさせておるかどうか。こういう問題がいま社会問題になっておるのではなかろうかと私は思うのです。けさもNHKのテレビで、生命保険が大変社会的な問題を起こしておるということで奥様方の朝の番組に取り上げられておった。私も途中までしか見ておりませんけれども、保険事業が社会問題としてテレビにまで取り上げられる。その消費者側、利用者側のいわゆる不知ということ、この法律、約款における事業者の方の手落ちといいますか不親切さといいますか、そういうものが相まってこういう社会問題を起こしている、このように私は認識しておるわけです。これは間違いでしょうか、どうでしょうか。
#8
○北政府委員 法律、約款自体の表現と申しますかそういった問題、これは昨日阿部先生から御指摘をいただいたところでございますが、そういったものを実際販売の衝に当たる外務員が的確に需要者に対しましてお伝え申しておるかどうかという問題、あるいは募集をいたしますときの媒体としてのビラでありますとかパンフレットでありますとかいったものが、そういったものを正しく伝えておるかどうか、いろいろな問題があると思います。実はすべてが万全であるようにやってまいっておるつもりでございますけれども、振り返ってみればそれぞれまだ至らないところが多々あると思います。昨日も法律、約款自体の問題につきまして、さらに平易にするようにいろいろ努力を申し上げるとお答え申し上げましたが、そのことを最初にいたしまして、ビラ等の問題、それから外務員につきましては、基本的にはこれは教育の問題だと存じております。さればこそいま先生お示しのような冊子などもつくりまして、実は全外務員にこれを配布しておるわけでございますが、こういったものを手引きにしてもらう、あるいは昨年から五カ年計画で外務員のほぼ全員を再訓練するというようなことも始めております。そういったいろいろな努力を結集いたしまして、お示しのように正しい内容をお客様に理解していただいて加入していただくということに今後とも努めたい、かように考えております。
#9
○田中(昭)委員 不適正話法による問題それから超過契約の問題等につきましてはまた後でお尋ねしていきたいと思いますが、またこの本に戻りまして、次に、「新契約増募の必要性」というのが五ページ以下にずっと書いてあるわけです。これの中で、私もわかっておったつもりでございますが、新規の契約をたくさんとらなければいけない、その四行目でございますけれども、「事業収入の根幹」であるいわゆる保険収入、これが「私達」となっておりますから、簡保事業に携わる人たちだと思いますが、事業に携わる人たちの給料、手当、事務用品など、もろもろの業務に関する経費はこの保険料の一部によって賄われる、これはそのとおりだろうと思います。だから、その下の方には「事業費が増えれば、少なくともその分だけ新契約を増募し、保険料収入、ひいては付加保険料収入を増加させなければならないということです。」こういうふうにありますが、これはこのとおりでございますか。
#10
○北政府委員 仰せのとおりでございます。事業費というものの絶対額がふえるということになりまして新契約のふえがないということになりますと、事業費のふえた部分の絶対額というものの持っていき場所がないわけでございますから、こういうことになると思います。
#11
○田中(昭)委員 それはちょっと違うのじゃないですかね。新規契約の保険料がふえなければ事業費の絶対額が賄えないというのであれば、いわゆるここに書いてあります危険保険部分の保険料とか貯蓄保険部分に相当する保険料とか、こういうものとの関係はどうなっておりますか。
#12
○北政府委員 先ほどの説明、やや言葉不足でございましたが、要するに事業費の絶対額がふえるということに相なりますと、結局新たな支出増というものを賄う財源というものは、先にございましたようにその大宗が保険料である。そうしますと、保険料というのは、その上の方に書いてございますが、それ自体の中に付加保険料として事業費分というものが予定されておる。その枠をはみ出るおそれがある。はみ出ますと、いわゆる付加保険料、これは約款で率で決めておりますが、付加保険料率というものを保険料収入にぶっかけました金額の範囲内におさまらないということになる。そのことは結局付加保険料率よりも実際にかかりました事業費率の方が高くなるということでございまして、端的に申しますと、いわゆる費差損というものを生ずるわけです。費差損というものを生じますと、結局、保険の場合には費差という問題とそれから利率の差、利差という問題と死差、この三つがそれぞれ益でありますとその保険の経営はよろしいわけですが、これが損に立ちますと経営がやや苦しくなる、こういう状況にございます。そのうち事業費部分、これが費差損というものを生じますれば、結局利差益でありますとか死差益というものをいわばそれだけ食う結果に相なるわけでありまして、全体としてそういう損のない状態よりは経営が悪くなる、こういう関係にある。ここに書いてあることを詳細に申し上げればそういうことでございます。
#13
○田中(昭)委員 事業費の中に占める人件費は九割近くになっている。人件費の上昇と新規契約の保険料収入との関係をお聞きしたかったわけです。
 そこでまた、そういうことばかり言っておっても始まりませんから、六ページの上から五、六行目に「四十八会計年度の新契約募集は、保険料で対前年増加率はわずか四・五%と従来になく低調です。」こう書いてありますが、これは私がこの統計の年報を見ましたところが、最初に最近五カ年間の新規契約の状況から見てみますと、どうも数字が違うようですが、これはどういう関係ですか。
#14
○北政府委員 この冊子にございます数字と統計年報の数字が違うじゃないかというお問いだと思いますが、むろん統計年報の数字が正確でございます。統計年報の数字は特約保険料というのをまず除いてございます。ですから基本契約に係る保険料だけが統計年報に載っております。しかも、その基本契約に係る保険料の確定数というものから算出したのが統計年報の数字でありますので、これは全く正確でございます。ところが、この冊子にございます数字は実は確報じゃございませんで、地方簡易保険局で受け入れました新契約の申込書によって速報的に入ってくるものがございます。その数字を使ったものであるということと、いま一つ特約保険料を含めた数字である、この二点におきまして統計年報の数字と相異なっておるわけでございます。したがいまして、統計年報の数字が確実である、こういうことであります。
#15
○田中(昭)委員 いまの局長のお話をまとめますと、この冊子に書いてある分は特約の分と、それから新規申し込みの速報的なものをまとめたのだ、こういう説明ですが、四十八会計年度の対前年増加率ですよ。どうもそれにしてみても年報の増加率と倍も違いますね。これは後で調べてもらいたいと思います。ようございます。いまおっしゃったとおりかどうかということは記録にありますから、後で正確に……。
 次ですけれども、あなたがさっきおっしゃった事業費がふえるということで損になるということがその次に書いてあります。「事業費が毎年二〇%程度増えていくのに対し、新契約募集の伸びが一〇%程度にとどまると仮定すれば、昭和五十二年頃には費差損となり、」こうありますね。事業質が毎年二〇%程度ふえていくというのは、どういう基礎でこういうことをおっしゃっておるのですか。新規募集が一〇%前後になる、これは仮定でもいいのでしょうけれども、事業費というのは決算では四十八年度まで出ているわけでしょうが、ベースアップ程度を考えれば一定の見込みというのは立つはずですが、二〇%程度事業費がふえているのですか、どうですか。
#16
○北政府委員 先ほど先生おっしゃいましたが、簡易保険事業の事業費の大宗はやはり人件費でございます。したがいまして、事業費の増加ということは人件費のアップということにかかわる点がきわめて大きいわけであります。この冊子は昨年の十一月に発行されておるわけでございまして、昨年の夏から秋にかけて書かれたものでございます。二〇%ずつ増加するというのは全くの仮定でございまして、昨年のそういう時期において、将来の予測も特に権威ある数字を用いたわけではございませんので、仮に二〇%ずつアップしていくとすればという全くの仮定の数字をとったわけでございます。
#17
○田中(昭)委員 私はその数字をとって間違っているのじゃないかということを言いたいのじゃないのです。こういう冊子が仮に仮定とかなんとかいうようなことばかり書かれているとすれば、セールスの基本を教える場合に、いかに仮定といえども、その上の表を見てください。四十四年事業費率が一九%からずっと一五%くらいに下がりぎみじゃないですか。それをわざわざ二〇%程度というそういう仮定は、私はこういうセールスの基本を教える場合にそういう仮定を持ってくるというのはおかしいのじゃないか。そうでしょう。四十四年は事業費率というのは一九・一%でしょう。対前年増加率でいけば、四十五年が二〇%、四十六年が一六%、四十七年は一四%、四十八年は一五%、大体一四、五%と下がってきているのですね。これはその後に「新契約が五%の伸びであれば五十年度にも費差損になるという試算も出ています。」、こういう試算が出ているとすれば、これは後で資料で提出していただけますか。それともいま概略この二〇%増で、新規契約が一〇%の場合に五十二年度は幾ら費差損が出ておりますか、また新規契約五%の場合には五十年度に幾ら費差損が出ておりますか、教えてください。
#18
○北政府委員 最近三年間ほどお示しのように事業費率は下がっております。費差益が出る形になっております。これはなぜかと申しますと、事業費の絶対額がやはり上がっておるわけでありますが、そのころすなわち昭和四十四、五、六年というときに新規契約が非常な伸びを示した一時期があったわけでございます。そうしますと、事業費率と申しますのは先ほど申し上げました付加料率という率で決まっておりますので、もとになる保険料ががらっとふえるということによりまして、事業費に充ててもよいという絶対額が非常にふえた、その結果このグラフにありますようなことで、そういう費差益がたくさん出た、こういうことでございます。ところが、四十八年くらいから伸びがぐっと下がってきた、となりますと、それに同じような付加料率をぶっかけるということになりますと、得られる絶対額というものが比較的少のうございますので、そこへもってきて事業費がやはりふえるという状況がございましたので、費差損を発生する、こういう趣旨でございます。
 具体的な数字を申し上げますと、四十六年におきまして事業費の伸び率が一六・八%、四十七年度におきまして一四・三%、四十八年度におきまして一五・六%、それから四十九年度におきまして三二・五%、事業費はそういうパーセンテージで伸びているのでありますが、結果的に費差損益という問題は、もとになる保険料の伸びということに大きく左右されますので、そういうことに相なるわけでございます。
 なお、具体的な五十年度においての試算でございますが、五十年度におきましては付加率が大体一六・四%、事業費率が先ほどの仮定でまいりますれば一六・五%というふうに見込まれます。したがって、ごくわずかでありますが、こういう仮定でありましたら費差損になるのではないか、こういう結果でございます。それから四十九年度はいま集計中でございまして、結果が出ておりません。出ておりませんが、見当では若干の費差損を生じておるのではないだろうかという感じでございます。いずれ御必要があれば、集計に約一カ月くらいかかるかと思いますが、出ましたらまた御連絡を申し上げても結構でございます。
#19
○田中(昭)委員 その試算表を出していただくということで次に移ります。
 次に、「簡保セールスマンのあり方」という(4)の項目で、途中は省きますが、この「簡保セールスマンのあり方」の結論としてという九ページの最後に、セールスマンは結論として、「顧客の利益に合ったセールス」「顧客の理解と納得を得たセールス」これこそが「セールスの方向であり、簡保セールスマンのあり方なのです。」、こういうふうにりっぱなことを書いてあるわけでございますが、そうしますと、その前のページの八ページに――私はいまの結論で「顧客の理解と納得を得たセールス」、この点は大変大事なことだろう、こう思うわけですが、それに関連して八ページの八行目に「セールスマンはお客の立場に立ったセールスに徹し、国民から真に親しまれる存在となるよう努力を続けていく必要がある」、こう書いてありますが、理解と納得を得る、このことについて、いま私が読みました部分は関連があると思いますが、これでよろしゅうございますか。
#20
○北政府委員 先生のお示しになりました九ページの結論と八ページの上の方にございます言葉とは当然同じことと申しますか、当然深い関係のあることでございます。
#21
○田中(昭)委員 そこで具体的に、またこの簡保のセールスにおいて事故が起こっているのではないかというのが新聞の投書にあったわけですが、いまのセールスマンの結論とそれから私が言いましたいわゆるお客の立場に立ってセールスをやる、そういうこととはちょっと違ったようなことで、不正といいますか事故といいますか、そういうものになっている新聞事例があったわけですが、この新聞事例については指摘もしてありますし、お話も聞いておりますから、当局側からの概要をひとつ御説明願いたいと思います。
#22
○北政府委員 私どもの大部分の職員はこの「セールスの基本」で、先生御指摘のようなことを体してやってくれているというふうに私は確信しております。でありますが、御指摘のように、ごく一部には私どもの訓練等の努力も足りませんで、そういった実例があるのではないかと思われることは大変遺憾でございます。
 御指摘の具体例は五月二十四日付の某新聞に出ておりました「納得できぬ保険の解約」ということであると思いますが、御指摘の保険契約は、四十八年の七月に神奈川県の某局員の勧誘によって加入され契約が成立したものであります。この被保険者、この方は赤ちゃんでございまして、四十八年の五月二日に生まれられた、その方が同年の七月十四日に加入されたわけです。ところが、同年の十二月八日に病気でなくなられました。その病気は先天性の病気である、こういう診断が出ております。そこで、保険金の受取人から同月の――失礼しました。同年の十二月八日に死亡されたと申し上げましたが、年を越しまして、明くる年の四十九年の十二月八日に先天性の病気で死亡されたわけでございます。そこで保険金受取人から去年の十二月十九日に保険金の支払い請求があったのでありますが、所轄の東京地方簡保局で調査いたしましたところ、被保険者は契約加入前の昭和四十八年五月十三日から十八日まで、つまり生まれられてほとんど間もなく、当時感冒様の、かぜですね、つまり感冒様の症状で横須賀の病院に入院されました。退院後も通院加療を続けられまして、契約の申し込みをなすった当時は四肢を全く動かさず、ときどきせきがあったという状況であったのでありますが、にもかかわらず、契約申し込みに際してこれらのことについての告知がなかった、こういうことが一応判明いたしましたので、ことしの三月二十二日に告知義務違反ということで契約を解除した次第であります。ところが、これに対しまして契約者から同月二十八日に異議の申し立てが参っております。そこで、東京簡保局では関係郵政局を通じまして契約申し込み当時の状況を調査することにいたしまして、調査するということを四月九日付で契約者に御通知いたしました。
 この具体的案件につきまして、その契約申し込みのあったときに契約者側のそのお子さんについての病状の御認識がどの程度であったかということ、それから局側の申し込み受理状況が適正であったかどうかという点につきましてなお判然としない面がございます。そこで目下当時の状況を精査いたしております。その結果によりまして、契約解除という措置が適当であるかどうかという判断の結論を出したい、こう考えておるところであります。
#23
○田中(昭)委員 いま概要の説明の中で、一つ大事な点が抜けておる。ということは、七月に加入後、この新聞の投書の内容から見ても、はっきりした病名がわかったのがいつかということ、その前後の模様が抜けておりますね。それと、いまおっしゃっていただいたのはどうも、去年の十二月、保険事故が起こって請求の申し込みを受けた、その後異議申し立てがあった、そしておかしかったから調査を通知した、どうもその辺が当局側だけのことだけですね。本当に調査するというならば、異議申し立てが出た段階で、またその前でも、当然いまの概要の中で抜けている部分――まず概要の中で抜けている部分、ここで私指摘したのですけれども、どうですか、ございませんか。
#24
○北政府委員 先天性の病気で亡くなられたのは去年の十二月でございますが、契約者のお話でありますと、契約者がその赤ちゃんが先天性の病気であるということを知ったのは、去年の亡くなられる二カ月前の十月であるというふうに申しておられるわけですが、これは、いわば一方的と申しては恐縮でございますけれども、そう言っておられるという事実がございます。でありますが、先ほど申し上げましたように保険契約申し込みのありましたときに、病名はおわかりにならなかったのではないかと思うのでございますが、やはり手足を全然動かさない。ときどき、せきがあった。その前に生後間もなく入院もしておられる。それから通院治療もしておられるという状態がありましたことから、病名はおわかりにならなかったかもしれないけれども、御病気であったという事実があったということを一応調べました結果、わかりましたので、契約を解除するという措置をとったわけでございます。しかし、その後、異議の申し立てがありましたので、いま再調査をしておる。その結果によりましては先ほどの契約解除措置を取り消すこともありますし、契約解除そのままでいくこともある。ひとえにいま再調査の結果をお待ち願いたい、こういうことでございます。
#25
○田中(昭)委員 それは再調査の結果を待ちますけれども、余りにも常識的に――大臣、法律というのはこう決めてありまして、いまの局長の説明で調査するとおっしゃるから、私はそれはいいことだと思うのです。しかし、いまの概況の中では、その調査というのは契約者、被保険者のことについては一つも確認がなされてないのですよ。その外務員なり当該局、それから上の監察ですか、何と言いますか、調査する、その方の立場だけ確認してあるのですね。では、その調査は保険契約者にどうでしたかと一遍でも聞きましたか。まあ、それはいいです。もう少し問題点がありますから。
 赤ちゃんが生まれて一週間ぐらいしてかぜを引いて入院したというのでしょう。それで、その後退院しておるときに外務員が――二カ月後に退院しておる。手足が動かなかったというけれども、それは生まれて二ヵ月くらいの赤ちゃんですから動かしておる。全然動かさなければ、そこで契約すること自体がおかしいではないですか。手足を動かすことができなかった赤ちゃんを被保険者にして保険契約ができますか。どうですか。それが第一点。だから、そういうことは外務員に確認すると同時に、契約者なり被保険者に確認しなければいけないじゃないですか。この場合、被保険者は亡くなってありますけれども、子供ですから親でしょう。親にどうでしたかという一まあ、その後のことも、いまあなたはその次に十月には身体障害者の疑いがあるという医師の診断が出た。そのことつにいてもその時点で外務員は――本人は身体障害者の病名がはっきりしたから、障害者手帳まで見せて外務員にこれはどうすればいいでしょうかと聞いたというのでしょう。その辺の確認はなぜしないのですか。もしもそれが身体障害者手帳まで受けるような子供であるなら、そのときに告知義務の違反としてなぜ言わないのですか。それを言わないで、あなたがここで通り一遍のことを説明するということは、これは保険者、政府、国が、外務員の言うことだけを信用した結果ではないですか。まず七月の加入当時に手足が動かぬで、そういう被保険者に――赤ちゃんが生まれて二カ月でしょう。そういう被保険者に保険を掛けたということを想像してみますと、大体この当事者の言ってあることが、とにかくもう保険の勧誘に来て強制加入的に、もう時期もちょうど新規募集の勤誘をどんどんしているときだった、それで生まれたばかりの二カ月の赤ちゃんを見て、面接義務もあるわけでしょう。無審査でしょう。無審査、面接義務もあるという、そういう法律、約款の規定の中で契約者が、また外務員が契約したことがどうして告知義務違反に問われなければならぬのですか。だから、それをそのときに仮に――逆選択とかなんとかいう犯罪があるそうでございますけれども、そういう仮に告知義務違反という疑いがあるならば、いま言うたように十月の段階で――外務員というのは毎月、簡易保険というのは毎月集金に行って保険契約者と接触するわけでしょう。そしてその段階で障害者の状況も言って障害者手帳も見せたというのでしょう。これはあり得ることでしょう。じゃここでなぜ告知義務違反の問題が起こらないのですか。これはどうですか。
#26
○北政府委員 保険金の支払いには御案内のとおり即時払い、すなわち郵便局ですぐ払うケースと、それから地方保険局まで行って払う通常払いと二つございます。この場合は、お払いするのに何も問題がないというような一定のケース、大部分のものは即時払いするわけでございますが、それでも相当数のものが通常払いという形で地方保険局へ参ります。これが相当数あるわけでございます。したがいまして、その場合何を調べてお払いするかしないかを決めるかといいますと、相当パターン化したものを調べるわけでございます。死亡保険金を支払います場合には死亡されました原因等を調べるわけでございますが、そういったものを調べましたところが、このケースにおきましては全然契約者側において知らなかった事実が出てきたわけでございますので、それで一応これは契約解除という措置をとったのであります。しかしそういう場合に異議の申し立てという道は当然あるわけでございまして……(田中(昭)委員「そういうことじゃなくて、もう少し前の方を私は言っている」と呼ぶ)はい、結局そこへ戻ってまいりますが、そういうことで異議の申し立てがなされた。
 いま契約者について、加入者について全然調べておらぬじゃないか、こう仰せられますが、その最初の段階の契約を解除しますときにはそういった次第でありまして、相当多数のものを扱いますので一定のパターン化した調べ方をします。したがって、契約者にお聞きしなかったのでありますが、いま異議の申し立てがございまして再査をしておる。再査は終了したわけではございません。まずいまの段階を聞きますと、募集した本人について聞いておる段階でございまして……(田中(昭)委員「なぜ契約者に聞かないんだ」と呼ぶ)いずれ聞くはずでございます。それで結局は告知義務違反であったかなかったかという場合に、局側において過失があればこれは告知義務違反を問えない定めになっております。ということは、聞かなかった――局員の方が聞いたか聞かなかったかという事実問題があるわけでございまして、それが御指摘の点だと思いますが、その点につきましていま契約をとった局員について事情を聞いておる。調べておる。実はその結果も大体出ておるわけでございますが、その上で契約者側の御事情も十分聞きまして、そして最終的判断をする、そういう再調査の途中にあるということでございます。
#27
○田中(昭)委員 それはおかしい。あなたずっと飛び越えて――それじゃ保険事故が起こって死亡して通知がいったわけでしょう。それに対してあなたの方は告知義務違反で解除通知を出したのでしょう。その段階ではいまあなたがおっしゃったように外務員なり保険契約者なりにいろいろなことを聞かれたですか。聞かれてないでしょう。聞かれたのは、この問題になってから聞いたのでしょう。だからそれは私は、何も保険金を払わぬとあなたが言っていることじゃないという理解の上に立って話を進めているのですから、それはいいのです。問題は、私が最初からずっとセールスマンの活動を取り上げたのはそこにあるのです。局長さん、私の話を聞いてくださいよ。だから常識的に、生まれたばかりの二カ月の赤ちゃんを被保険者として親が保険金を掛ける。その保険も、ここに概況に書いてあるように奥さんはいやいやながら、御主人は保険大きらいだったと書いてあるのでしょう。その点は少し私に似ているのですけれどもね。そういう生まれたばかりの赤ちゃんに保険を掛けるときに、外務員も、健康だと言って質問欄に書いてあるのでしょう。募集に行った人はその赤ちゃんを見て。その事実の判定は別ですよ、それはだれもできません、いまから。だれができますか、それじゃそれを。二カ月後の、あなたはいま手足を動かさなかったと言ったけれども、それじゃ手足を動かさないような状態じゃ保険契約はできないじゃないですか。だけれども、したわけでしょう。それで効力が発生して、ちゃんと保険証書をやったわけでしょう。保険証書も来た。それで外務員も少しは――外務員の気持ちというのは局長さん、私言わなくてもわかるでしょう。あなた長年郵政省にいらっしゃるんだから。私の方がそれはわからないかもしれません。しかし外務員は一生懸命保険契約をとろうと思って、生まれたばかりの赤ちゃんだから、二カ月ぐらいだからわからぬから健康だとして、本人が言おうと言うまいと健康として書いて契約を取り交わしたわけでしょう。それがどうして、またその後三カ月後に、本人は先天性の病気があって身体障害者だということも局側に通知をした、提示もし、その処置を求めたというじゃないですか。そこでなぜ告知義務違反という問題が起こらないのかと私は言っているのだ。そういうことがそういう段階で告知義務違反も起こらないというようなシステムならばこれは問題です。そうじゃないですか。どういうことですか。
#28
○北政府委員 問題は二つあるわけだと思います。まず契約を解除するに至るまでにどういう調査をしたかということが一つあると思いますが、その場合、お客様に、当該契約者に申し込み受理当時の状況について調べたかという仰せでございます。これはシステムといたしましては申込受理状況調書というものが必要なのでございます。申込受理状況調書というのには、そういうお客様のその当時の言い分、おっしゃり分というものが書かれることになっております。しかし実際に、本件の申込受理状況調書というものがどういうふうに書かれておるかはいま私把握しておりませんので……(田中(昭)委員「裁判所じゃないんだからそういうことを言っているのじゃないのです。ここは」と呼ぶ)だからお客様にその問題で契約解除する前に局の者がお会いしたかどうか、お話をお聞きしたかどうかはちょっと私つまびらかにいたしませんが、お聞きするたてまえになっておるということを申し上げたわけであります。
 それから五月当時、申し込み受理当時、その当該赤ちゃんがそういう状態にあられたということは、むろん局員が見たわけでございません。後で客観的にそういう状態に当時あられたということだということであります。したがって、いま再調査いたしておりますのは、その際に当方の職員がどういう面接をしたか、どういう形で告知を求めたかということについてはっきりしたところをいま調査しておるわけであります。いま本人について調査をしておりますが、本人についての調査が終われば、当該お客様についても事情をまた詳細にお聞きする、そして判断をする、こういうつもりであります。(「もう一つの方、十月は」と呼ぶ者あり)十月の段階におきまして、お客様から先天性の疾患であるというふうに一これは去年の十月であります。去年の十月でありますが、お客様から……(田中(昭)委員「おととしだよ。四十八年の十月じゃないの。いま五十年でしょう。おととしの十月でしょう」と呼ぶ)私の方では、何か去年の十一月の上旬に郵便局に身障者手帳を提示した、こういうふうにおっしゃっているように聞いておりますので、去年じゃないかと思いますが、いずれにしろそのことをお告げいただいたときに、局の方では契約が始まりましてから二年以内は告反であれば契約解除ということに、そういう制度にひっかかりますよということを申し上げたということを聞いております。しかし、それらすべてについて、いまさらに詳細に調査をしておるところでございます。
#29
○田中(昭)委員 この概要から見ますと、四十八年の十月に病気が判明した、そういう調査もできてないのですか。外務員、勧誘員の言うたことだけを真実として、そして告知義務違反かどうかということを認定するのですか。
 それではこれはちょっとおきまして、四十九年度に告知義務違反の解除件数というのはどのくらいございますか。
#30
○北政府委員 四十九年度で申し上げますと、総計、告知義務違反で最終的に契約解除いたしましたものが二千五百七十六件ございます。
#31
○田中(昭)委員 その中で解除を取り消したものはどのくらいございますか。
#32
○北政府委員 ただいま最終的に解除したものを申し上げました。一応解除通知を差し上げたのが二千七百九十六件でございまして、その後異議の申し立て等がございまして再調査した結果、解除を取り消したものが二百二十件ございました。したがいまして、二千七百九十六件からその二百二十件を除きました二千五百七十六件が最終的に告反で契約を解除した件数でございます。
#33
○田中(昭)委員 そうしますと、これは告知義務違反の解除件数なり、またそれに対して異議申し立てによって解除を取り消したという件数を聞いたわけですけれども、これは法二十一条に掲げてあります義務違反による解除、こういう法律の規定によって解除を取り消したのですか。
#34
○北政府委員 告示による契約の解除は先生御指摘のとおり法の第二十一条でございます。解除いたします場合は、これに該当する事実があったという判断で解除するわけでございますけれども、その後、さらに調べまして、よく調べてみたら、これに当たる事実がなかったという場合には当然この二十一条に当たらないわけですから、さきの決定を取り消すということに相なるわけであります。
#35
○田中(昭)委員 そうしますと、この解除件数の全部を見てみなければ即断はできないかもしれませんけれども、この告知義務違反によって解除になった例がほかにたくさんありますね。全国で二千七百件からあるわけですが、これの二十一条の二項の解除権ですね、この解除権の、あなたもさっきおっしゃったが、「保険契約が当該保険契約の効力発生の日から二年以上継続したとき」云々と、こうございますね。ですから、二年以上たった場合はもう解除できないわけですね。そういうことですね。そうしますと、いまのこの例から、ことしの三月ですか、解除通知を出した、この時点までのことを考えれば、簡易保険に入っておっても、二年以内に死亡事故が起こっても全部告知義務違反だ、こういうふうになるんじゃないですか。いまあなたは、この例からいけば、生まれてから契約当時にわからなかったことが調べてみたところが先天性ということがわかって、それで解除するんですから、こういう解除の仕方をすれば、この解除の条項である二十一条の二項の問題から見ても、全部簡易保険に入っておっても二年以内に死んだら保険金はもらえないんだ。逆を言えばそういうことですね。違いますか。
#36
○北政府委員 大変恐縮でございますけれども、この場合は逆は真ならずでございまして、二年たてば幾ら告反事実がございましても当方はそれを主張できない、二年以内においては告反の事実があれば解除できるということで、したがいまして、告反事実がなければ当然二年以内の場合全部有効でございます。それが契約の大部分でございます。ごく例外として告反の事実がある、それも二年越したらこちらはそれを主張できないのだ、こういう定めでございます。
#37
○田中(昭)委員 それは大事な点ですけれども、いまの一年間の解除件数から見ても、私はこれはまた後ほど別な機会によく教えてもらいたいと思いますが、この例から見ましても、簡易保険、生命保険、民保も含めて、こういうことであるならば大変な社会問題を起こすことも無理はなかろう、こういう感じがしてならないわけです。
 そこでもう少しこのセールスのことで聞いておきますが、なるたけひとつ現場に沿った状況で教えていただきたいわけですが、この本の中に、二十八ページから、「基本契約」「契約の申し込み」というところで、簡易保険は無診査であるために面接義務があるということを言ってあるんですが、この面接義務というのはどういう趣旨でできておるんですか。
#38
○北政府委員 その問題は、簡易生命保険法の第二十条に定めてあるわけでございます。無診査であるということと面接をしなければならないという二点が二十条で決められております。その趣旨といたしましては、簡易保険は無診査でございます。したがいまして、被保険者につきまして医的身体検査を行わないわけであります。でありまするけれども、やはり加入時に病気にかかっている人などの加入を防ぐために被保険者を外務員に面接させることを義務づける、そのことによって、はっきりしたいわば弱体者の加入を防ぎまして、ある意味では逆選択を防ぎまして、全体の契約者の利益を守る、こういう趣旨でございます。
#39
○田中(昭)委員 もう一つ、大体同じような、振興会から出た「活動の基本」という中に、「面接観査と告知義務」、これが書いてあるわけですが、これによりますと、局員は、勧誘員は「面接観査を厳重に行い、被保険者などから健康状態について正しい告知を受ける以外にない。」こういうふうに基本を書いてあるわけですが、いまの子供のような場合、これはどうなりますか。子供から面接調査を受けてそれで質問票の記入をやるわけですか。その場合は、子供の場合は保険契約者がやってよろしいということになっておるようですが、その保険契約者というのは、生まれたばかりの赤ちゃんに面接をさして、告知義務というのはどの範囲を言えばいいのですか。物を言えないような赤ちゃんにかわって親が赤ちゃんの状態を告知義務の項目に従って告知するわけでしょう。その場合はどういうふうな程度まで告知しなければならないのですか。
#40
○北政府委員 この場合の面接と申しますのは、先ほど申し上げましたが、医的検査ではないわけでございますから、外面から拝見して健康そうだということで足りるわけございます。
 それから、告知でございますけれども、まあ、赤ちゃんの場合、当然意思能力がないわけでございますから、そういう場合には契約者がかわって告知をしていただくということにしております。
#41
○田中(昭)委員 どうもその辺になりますと、はっきりした答えが不十分ですね。
 そこで、もう一遍「基本」に戻りますが、この「基本」に、保険契約をとる最後の段階で話法の中で、「話法の展開」というのがあるのですが、これでいけば、百二十三ページからちょっと見てください。「話法の展開」というのがありますね。「クローシング」、これは何かそういう最終段階での話法になるわけでしょう。この「クロージングの方法」の中に「推定承諾法」というのがあるのですね。こういうのを「基本」によって、最終段階で契約をとる場合に勧誘員はやるわけでございますが、この書いてあるのを読めば、百二十五ページ、真ん中辺に「御主人様はご健康で、これまでにご病気にかかったことがないと伺いましたが、これで間違いがございませんでしたらここに認印を……」と言って判を押しなさい。推定承諾法というのは、ここに書いてあるわけですが、これは相手が渋っている場合にはこういう方法で早速やりなさいというようなことでしょう。違いますか。推定承諾法の話法というのは、どういうときにどういう状態で使うのですか。
#42
○北政府委員 お説のとおりでございます。クロジーングと申しますのは、まずアプローチがありまして、本論があって、最終締めくくりという意味でクローシング。したがいまして、クロージング段階におきましては、本論という基本的な御説明であるとか、それから基本的な契約条項については御説明を終わっておる段階。したがいまして、この段階におきましては、お客様の心の動きに沿ってスムーズに御加入の意思決定をしていただく段階になるわけでございます。したがって、その際には、お客様が大分簡易保険に心を動かされたというようなお心を推しはかって、そして肯定的な方向で話を進めていくという方法、これを推定承諾法、こう申しておるわけであります。しかし、それが行き過ぎますと、当然押しつけがましい、かさにかかってきたというような不快な印象を与えまして、逆効果になるわけですから、そういう呼吸を十分よくのみ込んで、乱用しないようにという指導をいたしております。
#43
○田中(昭)委員 そこは大変むずかしいところだろうと思うのですね。ところが、この問題の締めくくりとして、まだいろいろな問題があるわけですけれども、大臣、結論的にいまのクロージングにしましても、推定承諾法にしましても、こういうセールスマンの基本を提示してある書き物でございますが、お客が黙っていれば契約を承知したと同じような質問をしなさいとか、当然契約してくれるだろうと決めて、そうしてお客が黙っておったらもう承知したものとして、その例としていま私が読んだ、御主人は健康ですか、健康ですねと言って、判を押しなさい、こういう指導といいますか、基本が書いてあるわけですがね。こういうものと、いまの新規契約を募集する、たくさんとらなければならないということは、使い方によってはいまのように問題を惹起すると思いますが、これについて、大臣、私常識的にこの問題を一つの基礎に置いて考えれば、いかがでしょうかね、こういう問題は。
#44
○村上国務大臣 いろいろと拝聴いたしておりますと、やはり人間と人間のことでありますから、なかなかめんどうな点があると思います。ただ少なくとも簡易保険は国営の保険でありますし、またこの保険の勧誘をする外交員ですか、外務員もやはりそういうような一つのプライドを持って、そして決してオーバーな、偽りのない、間違ったことのないように、本当にりっぱな人柄を一般国民に見てもらって、そしてその人柄に信頼されて、そして簡易保険というものがいかに国民大衆に必要であるかということを十分御認識をいただいて、そしてこういういまのようないろいろトラブルがあるでしょうが、そういうものを逐一払拭していくということが、私は一番大事だと思っております。まだ勉強が足りませんから、私も十分セールスのあり方について勉強した上で、また次の機会に私の意見も申し上げたいと思います。まあ何にしても人間性というものが少なくとも本当にりっぱなものでなければいけないということを痛切に考えておるところであります。
#45
○田中(昭)委員 この簡保の問題については、ことしの参議院の決算委員会でわが党の議員からも超過契約を主体にした御質問を申し上げております。まあ超過契約につきましては何らかの検討すべき事項もお約束いただいておるようでございますが、その前に、私もこの簡保事業につきまして勉強したいと思いまして、ここにあります「展望」の四月号というのを読ませていただきました。この中で、関東局の簡保の関係の方々が一生懸命仕事をまじめにやっておるというようなことを、これを読んで感じたわけでございます。そこで、いま大臣は人間性の云々というようなことも最後に言われましたけれども、私はそれも一番大事だと思います。しかし、これは職員の人間性だけの問題じゃなくて、相手のお客様との問題もありますね。そういう点から考えますと、この座談会に出てきている中では、いま関東におきましては「お守りしましょう、愛する御家族を」というなかなかりっぱなあれを掲げて、筆記話法という用紙で不適正話法をなくするためにも募集を続けてあるそうでございますが、この座談会を読みましても、結局は募集する人たちのお客様との人間関係、これが大変重要な問題で、これのいかんによっては簡保事業の健全なる発展も図れる。というのは、たとえば、私よくわかりませんけれども、各郵便局には簡保の新規募集の目標額というものもあるそうでございます。目標額というのは、上の方で決めればその目標額ということでいいのですけれども、それがだんだん現場におりてくるときには、変わった姿でおりてきておるというようなこともこの中でうかがい知れるわけです。そこで、この目標額というのはどういうふうにやって決めるのですか。たとえばこの関東簡保の局について具体的にひとつ教えてくれませんか。
#46
○北政府委員 具体的に本年度、五十年度の募集目標額を中心にして申し上げたいと思います。募集目標額は、いろいろな要素を加味して実は考えておるわけであります。国民所得の増加とか、それからその地域における保険需要の増大というような外部的要因、それから外務員の数でありますとかそれから予算の目標、そういった要素を内部的には取り入れる。さらには前年度の目標額、前年度募集が目標額に対してどのように推進されたかというような状況、そういったもろもろのことを勘案して募集目標額を立てるわけであります。五十年度の募集目標額というのは、一応これは予算でも明らかでございますように、保険料三百億円というものを新契約の募集目標といたしております。実際にはそれをまたいろいろならしまして、まず郵政局別に三百億円というものを配分をする。郵政局においてさらにこれを郵便局に配分をするという形をとっております。先ほども言いましたように、郵政局に配分する場合には先ほど申し上げましたような内外の諸要素等を取り入れておりますが、各郵政局で郵便局に配分する場合もほぼ同様な要素を使っておる、そういう次第であります。
#47
○田中(昭)委員 その配分の内容については、私はちょっと質問がまずかったかわかりませんが、本省で各郵政局に割り当てる、その額を具体的にということじゃなくて、私が申し上げたかったのは、その郵政局別に郵政局の置かれております環境といいますかお客様の状況といいますか、そういうものを踏まえた上での目標というのがもちろん立ててあると思います。そうしますと、関東局というのはこの座談会で出てきておりますのを見ますと、募集の成績というのは全国最下位だそうですね。そういうことは皆さん方は十分知っておると思いますが、その全国で最下位の契約しかとれない関東簡保の中におきましても、ある局は一年間の目標を五十日で達成してしまう。この普通局は全国一をずっと続けているそうですね。どうも私は、全国で一番悪い関東の状態の中で、普通局の中では全国一を続けておる普通局がある。これはアンバランスじゃなかろうか。それは細かい事情もあろうかと思いますけれども、一年間の目標を五十日で達成する、あと十カ月はその局は――その辺のあれは適正に行われておるのでしょうか、どうでしょうか。
#48
○北政府委員 この記事で関東郵政局は全国最下位であるとみずから称しておりますのは、平均保険料それから平均保険金の面でございます。いわゆる成績ということになりますと、先ほども申し上げ、また先生も御理解いただいておる、そのもろもろの状況で一応の郵政局別の目標を決めますが、その達成割合というのを一応成績というふうに見ますれば、関東は全国でちょうど真ん中ぐらいに位置するわけでございます。ただ、従来のいろいろな沿革とかというようなことからいたしまして、平均保険料や平均保険金が小さい、つまり小粒の契約が多い、こういうことを座談会において当該の保険部長が言っておるわけでございます。
 それから全体にそういう中でごく一部の局で連年非常に大きな業績のある局がある。これは間々ございますわけで、私の承知いたしております限りにおきましても、関東のみならず全国ぽつぽつそういうところがございます。そういうところを見て見ますと、非常にベテランの局員がおるとかあるいはその局員と地域との連関が非常にいいとかというような事情があるようでございます。じゃ、それだけ毎年とれるなら、その局の募集目標を多くしてということもあるかと思いますが、やはりその募集の目標というものはその区内の人口でありますとか区内の財力でありますとか、あるいはその局の外務員の数でありますとか、そういったところから一応割り出すものでございますから、連年二〇〇%、三〇〇%というようなことが一部の局では生ずるわけでございます。念のために申し加えますと、それは比較的小さい局に多いのでございます。
#49
○田中(昭)委員 これはまた少し私、勉強してみたいと思います。
 もう一つ、これらに関連してですけれども、この統計表を見てみますと、一番最後のところに「府県別簡保・民保・農協事業成績」という中で、簡保、民保、農協の生命保険の新規契約の人口千人当たりの件数が出ておりますが、この最初が、東京郵政局の簡易保険が人口千人当たり四百五十二件、いまの関東が三百九十七件、そういう状況の中で、信越とか北陸とか中国とか四国とか九州、東北、こういうのが人口千人当たりずっといいんですね。都会がぐっと悪いのです。私は、お客の豊かな未開拓部分は大変よろしい、こう座談会でも言われているごとく、都会の方が多くなければいかぬじゃないかというような素人考えがするのですが、そういうことを考えますと、関東も、私は田舎の方じゃないと思うのです。田舎も少しありますけれども、主体として東京に近い。ここに言ってあるように、豊かな未開拓部分。金持ちも多いから金持ちを全部――利息利用話法ですか、最近やっておるようですが、それをすれば全部入ってもらえるというようなことがこの座談会に出ておるのですが、この辺、簡易保険というのは田舎からばかり加入させて町の方は加入が少ないというのはどういう理由ですか。
#50
○北政府委員 御指摘のようなことが数字の上では郵政局別に見れば一応あるように思います。しかし、たとえば近畿などをごらんいただいたと思うのですけれども、近畿という都会の多い郵政局でも加入率は相当高いのじゃないかと思うのでございます。たとえば関東あたりは低い数字でございますが、関東は若干特徴があるのではないかと思います。さっきもちょっと申しましたが、沿革ということが若干ありはしないか。数年前、東京郵政局と関東郵政局に分かれましたけれども、それ以前ずっと東京、関東合わせまして一つの郵政局でございました。この関東の数値はそんな沿革が響いていないだろうかと見ております。それ以外につきまして、確かにこの数字では田舎の郵政局の方が人口千人当たり件数が高いのでありますが、これもしさいには分析しておりませんけれども、民保さんの方が何といいましても店舗、外務員の分布というところから都市中心でございますので、そういう関係から都会の場合は民保さんが相当のシェアを持たれるということはあろうかと思います。それから簡保の一つの特色といたしましては、国民全体をお客様と心得ておる。その場合、二万全部で簡易保険を扱っておるわけではございませんけれども、二万近い郵便局等で簡易保険をお扱いしておるから、どこの田舎の方の方でも簡保に入れるということが一つの特徴になっておりますので、そういった意味で御指摘のような地域的な分布数になっておると思います。
#51
○田中(昭)委員 いま民保のことをお話しになりましたが、民保の方が多いから簡保が少ないということにはならないんじゃないですか。これはいまの説明では私よくわかりませんから、時間もございませんからまた後日聞くことにします。
 次に、超過契約の問題に入っていきますが、まず四十九年度超過契約を解除した件数、保険金額それから返しました手当、これはわかっておりますか。
#52
○北政府委員 四十九年で申し上げますと、簡易保険の申込書の受け入れ総数が四百三十一万六千件ございました。そのうち申し込みの段階で発見いたしまして受理を拒絶した超過契約が一千六百九十九件でございます。それから申し込みを受理した後で無効処理いたしましたものが八百五十四件でございます。拒絶あるいは無効処理したものにつきましては当然募集手当を支給せずあるいは返納せしめております。
#53
○田中(昭)委員 後でわかって返納させた分の件数は八百五十四件でありますが、その保険金額と返納の手当は幾らぐらいですか。
#54
○北政府委員 保険金額を申し上げますと、拒絶いたしました千六百九十九件に対応する保険金額が四十七億三千万円でございます。それから無効処理いたしました八百五十四件に対応する保険金額が十九億三千万円と相なっております。募集手当の返納金額につきましては手元に資料がございません。
#55
○田中(昭)委員 四十八年度ではどのくらいありますか。その返納手当の分。
#56
○北政府委員 いまと同じ数字を四十八年について申し上げますと、総体の受け入れ数が四百十三万件余りございました。対しまして申し込み段階で拒絶をいたしましたものが二千四百四十二件でございます。拒絶いたしました保険金額が六十六億五千万円であります。それから契約成立後に無効処理いたしましたものが千二百五十六件でありまして、保険金額が二十八億二千六百万円、こう相なっております。
#57
○田中(昭)委員 その千二百五十六件を解除したわけですが、これはどのくらいの人が勧誘した分ですか。それと、いまの手当の返納はどうですか。
#58
○北政府委員 人数については、一人が何件やったかというのがございませんので、わかりかねます。
 それから募集手当は、この分については返させておりますけれども、その金額が幾らになるかは集計をとっておりませんのでわかりかねます。
#59
○田中(昭)委員 しかし、それはあなた、二月の段階で答えているのじゃないですか。私には答えられないのですか。そういうことはないだろうけれども……。四十八年分は何か千五百万くらい手当を返納させたというふうに答えていますよ。これは間違いですか。
#60
○北政府委員 申し上げたとすればまことに申しわけないのでありますが、本省としてそういう統計を現場に求めておりませんので数字がないわけでございますが、申し上げたのならば、ただいまの無効処理の保険金額というものと件数とで割り出しまして、一定の保険種類というものを推定しまして、大体幾らくらいということを推定した数字であったろうかと思いますが、そういうことでございます。
#61
○田中(昭)委員 推定なら推定でこれはちゃんと会議録に載っていますよ、「四十八年度について調べてみますと、この超過契約として契約がなかったものと処理した契約にかかる募集手当は約一千五百万円であります」と。なぜ私がそれを聞いているかといいますと、募集手当を返納させたら、せっかく仕事をして、勧誘員は返納しなければいけないわけでしょう、その仕事をした分については。その問題が一つ。それによってどういうことが起こるかという問題が一つですよ。それと、四十八年よりも四十九年が少ないということはどうしても私は納得できない。急に何か減る理由があったのですか。いわゆる申し込み、ずっと前の分もありますからね。あなた、わからないというようなことも委員会答弁してありますがね、その分だけでもふえなければならないと私は思うのです。超過契約はやめなさい、それについてはチェックもしますという方向で取り組んできたわけでしょう。それがどうして四十八年よりも四十九年は少ないのですか、件数にしてみても金額にしてみても。それはどうしてですか。何か理由があるのですか。
#62
○北政府委員 実は無効処理件数、お尋ねが四十九年、四十八年だけでございましたので、ああいう数字を申し上げました。そのとおりでございますけれども、いま少しさかのぼってみますと、四十五年が無効処理件数三百七件でございます。それから四十六年が五百七十一件でございます。四十七年が一千六十四件、それから四十八年が先ほど申し上げた千二百五十六件、四十九年が八百五十四件とこうなっております。そこで、私この数字を見ますに、超契問題は当委員会でも四十六年ごろから特に御指摘が強かったのではなかったかというふうに思います。そこで、無効処理というものが四十七年、四十八年に非常に多く表へ出た。四十九年は四十七年、四十八年に比べれば減っているわけでございますが、このことは確たる根拠がないので大変申し上げにくい。口幅ったいと仰せられるかもしれませんが、私どもなりに超契の抑制ということに力をいたしてきたつもりでございます。それが多少効果があらわれたのではないだろうかというふうにも思うわけでございます。
#63
○田中(昭)委員 簡保の局長さんは健全なる確実なる事業運営を図ると同時に、違法のことについては、訓示規定とかなんとかいうことは別として、それもありましょうけれども、違法の超過契約についてもしっかり取り組んでもらわなければいけませんよ。それが取り組んでいると口では言いながら、いまの結果は、申し込みの段階でチェックしたのは少ないというようなことは、いまあなたが一これも少ないのですけれども、そういう申し込みの段階で出てくるということについては、やっているということはわかるのですが、事後に解除した件数が少なくなるというのが確たる説明がないということは私は大変不満です。それはまた、そういうことではこの超過契約について取り組んでいると言えないということを言っておきます。
 それと、募集手当が千五百万であろうと二千万であろうとも、その二千万なり千五百万なりの募集手当を取った場合は、それは予算上はどうなるのですか。国庫に入れるのですか。その場合、勧誘員はその募集手当を返納することについてはどういう指導をしてありますか。
#64
○北政府委員 超契のゆえをもって無効処理ということになりますと、契約がもとへさかのぼってなかったことになりますから、そういう意味合いにおきまして募手も返納をさせる、こういうことをしております。返納させた募集手当は歳出返納金として処理しております。――失礼しました。差し継ぎ返納として処理しております。そういうシステムがございます。次の募手支給と差し継ぐという意味でございます。
#65
○田中(昭)委員 勧誘員に対してはどう指導をしているのですか、返させた後。そのままほっておくわけですか。
#66
○北政府委員 要するに、差し継ぎ返納ということは、その後も毎月募集員が募集するわけでございますから、その後の募集に対する募集手当の支給と相殺するといいますか、の分として払うということでございます。
#67
○田中(昭)委員 よくわからないですね。失礼ですけれども、それはそういうことでしょうが、もう少し現場のことをよく踏まえておかないと、これはやはり税金の還付なんかとの問題も起こってきますよ。自分はこれだけ募集手当をもらいましたと申告すると、減額すれば、それを変えなければならない。ですから、どうもそこまで考えてなかったようなことで、局長さんのそういう指導では大変現場では混乱すると私は思う。
 もう時間もないようでございますから、その問題はまた後に譲るとしまして、この超過契約の問題を土台に考えますと――大臣聞いておってください。まじめに仕事した職員、善意をもって保険にかかった人、こういう人は、いまの手数料を返さなければならないとか、先ほどの子供に保険をかけたという問題告知義務違反、こういうものに対しては救済の方法はなのですね。これは別な場所で議論されたときに、こういう問題については、本当は還付する保険料には金利をつけなさい、これも検討するという大臣の御答弁をいただいたのですが、こういうこと。それから、クーリングオフですか、解約の期間を延ばすという問題、こういう問題について検討するということを国会の場でおっしゃっておりますが、これはどの程度検討は進んでおりますか。
#68
○北政府委員 クーリングオフにつきましては、過日も申し上げましたように、簡保では最終的に契約に従事しますのは地方簡易保険局でございますので、契約成立するまでに事実上申し込みから相当の期間があるわけでございます。無論日付はさかのぼりますが、そういった間に該当のお申し出があれば、クーリングオフに相当することを実際上、事実上の問題としてやっておりますので、簡保がその点制度としてのクーリングオフがないから困るという声は、実は強く聞いてはおらないわけでございます。しかし、制度的にそれを整備するということも意味がないわけではございませんので、そういう意味でその実行について検討しておる、こう申し上げたわけでございますが、どういう機会にということまで実は具体的には決めておらないわけでございます。いろいろな制度の中の一つとして、いつごろ、どういう形で実現するかということについてなお検討しておる、こういうことでございます。
#69
○田中(昭)委員 告知義務違反の問題についての苦情処理機関といいますか、それなり、また還付金に当然金利をつけるという問題、これはどうですか。局長さんだけでなく大臣もひとつ御検討することをお約束なさっておるのですから、お答えください。
#70
○北政府委員 告知義務違反をめぐる問題のみならず、簡易保険の契約の権利義務にかかわるあらゆる問題につきまして、現行の簡保法におきまして、簡易生命保険郵便年金審査会という法定の機能を持った一つのシステムがございます。したがいまして、ただいま申し上げました関係につきまして、御異議のある方はこの審査会にお申し出を願うというシステムでございます。現にこのシステムは、いいことか悪いことか、多くの方に利用されておりまして、その結果、当方のそれ以前の決め方というものが覆るような例も現実にあるわけでございます。それが一応訴訟の前置機関のような形で、はっきりしたものとしてそういうシステムがあるわけでございます。
 それから、無効処理した場合に、便宜措置でございますけれども、保険料をお返しする、その場合の利子の問題、これはなお引き続き検討させていただきます。
#71
○村上国務大臣 大変いろいろな方面から参考になる御意見を拝聴いたしました。この問題につきましては、私が前向きで検討すると言ったというようなお話でありますけれども、決して逃げるわけではございませんが、前回私がお答え申し上げましたのは、ひとつ勉強さしていただきたい、勉強をいたしますということでありましたので、今回も、まだ勉強が足りませんから、もう少しひとつ勉強させていただきたいと思います。
#72
○田中(昭)委員 それはここですぐ結論が出ないからこういう方向で検討しているということを私は聞きたかったわけですけれども、いま局長のおっしゃるように審査会の云々とか、ただ勉強しているとか検討しているというようなことでは、どうもそればかり繰り返すのじゃ意味がないと思うのですよ。審査会なんかでも、それは審査会まで一々持っていくことを全部知っておればいいですよ。また、審査会もほとんど郵政省御出身の方で、当局の方ばかりだというようなことも言われておるわけです。ですから、現実に救済機関というものが機能するように仕向けてもらいたいということを強く要望しておきます。
 最後に、最初に取り上げました新聞報道された問題ですけれども、これは本当に郵政省にとっては貴重な問題提起としてもらいたい。そのためには、先ほどから議論しましたように、まず当局側だけの確認をとるのじゃなくて、契約者の立場に立っての処置がなされなければならない。病名がはっきりしたときも、死亡事故が起こったときにも、そういうときには勧誘員は温かい親切な手を差し伸べてないわけでしょう。法律というものは、どんなにりっぱに決めてあっても、その親切さ、温かさを省けば、これは両刃の剣で、本当に真実を訴える者に逆にその意思を殺してしまうという作用さえ起こすわけですから、十分ひとつ肝に銘じて処置してもらいたい、こういうことを要望いたします。そのことについての決意をひとつ聞いて終わりたいと思います。
#73
○北政府委員 最後にお述べいただきました具体的案件につきましては、先生のお気持ちを十分体しまして、慎重に、かつ精密に調べまして、早く結論を出したい、かように考えます。
 それから、異議の申し立てでございますが、これは審査会をお使いにならなくても、異議を言っていただければそれなりにさっきのように処理いたしますし、それでさらに御不満の方は審査会がございますよということを申し上げておるわけでございます。大分たくさんのお方が利用いただいておりますので、相当知られておると思います。なおその構成はほとんどが大学の先生方でありますとか、そういう専門家でございまして、部内者はごくわずかでございます。
#74
○地崎委員長 平田藤吉君。
#75
○平田委員 初めに昭和二十四年五月以前の簡易生命保険契約に関する特別措置法案にかかわる質問をしたいと思います。
 昭和二十四年以前、当初の簡易保険法の目的はどういうふうになっていたか、お聞かせいただきたい。
#76
○北政府委員 二十四年六月からただいまの法律ができておりますが、それ以前の法律は大正五年にできた旧簡易生命保険法でございます。この法律は、実は性格は書いてございますけれども、目的というものを、全体の中からおのずから読めると思うのでございますが、特に明示してございませんでした。
#77
○平田委員 第一条には何と書いてありますか。
#78
○北政府委員 第一条は、「簡易生命保険ハ政府之ヲ管掌ス」というのでございます。
#79
○平田委員 全体から読み取れる目的は何ですか。
#80
○北政府委員 当時は、第一条はただいま申し上げましたとおりでございますし、第二条におきまして独占ということがございました。「簡易生命保険事業ハ保険會社之ヲ営ムコトを得ス但シ保険金額千圓ヲ超ユルモノハ此ノ限ニ在ラス」。したがいまして、国営の一定の範囲内におきましての独占事業として規定されておった。そういったことから、大本につきましては国民の生活の福祉増進に寄与するという意味では現行法と同じでございますけれども、加えて保険金千円を超えないそういう保険契約は全部国営保険である簡易保険の独占的に所掌するところであるということが非常にはっきりした、そういうたてまえであったわけでございます。
#81
○平田委員 今度の法案の中で一定の金額の目安が示されておりますけれども、この目安の根拠についてお聞かせいただきたい。
#82
○北政府委員 金額の目安と仰せられますのは、特別付加金の……。
#83
○平田委員 付加金を含めて。
#84
○北政府委員 このたびの特別措置、これは一定の特別一時金というもの、を当方が差し上げることによりまして、契約の消滅をお申し出の方にはそういうことをして差し上げるという趣旨でございますが、その特別一時金の内容は、保険金繰上支払金というものと分配金繰上支払金及び特別付加金、この三つから成り立っておるわけでございます。
 平均で申し上げますと、保険金繰上支払金というのが対象になります全保険契約を平均しますと九百八十三円、それから分配金繰上支払金というのが一件平均で申しますと千二百六十二円、それから特別付加金というのが平均三千円、こういうのでございまして、合わせて一件平均五千円余りというもの、結局保険金九百八十三円に対しては五倍余りのものが差し上げられるということであります。
 しかし、その中で保険金繰上支払金でありますとか分配金繰上支払金と申しますのはそれぞれの契約にいわばくっついたものでございます。特別付加金については、一定の区分によりまして傾斜をつけて各契約におつけする、こういうことを考えております。それは基本的には保険金額というものを一つの要素として見る、それからいま一つは長期継続性といいますか、古い契約ほど優先して差し上げるというようなことで、段階をつけてこの三千円というものはお配りをしたい、その平均が三千円である、こういうことであります。
#85
○平田委員 比較的物価が安定していたと見られる時期、昭和九年から十年を一〇〇としまして消費者物価指数はいまどれぐらいになっているか。何倍になっているか。この二つお聞かせいただきたい。
#86
○北政府委員 昭和十年という仰せでございますが、日本銀行の調査で当時から今日まで引き続いておるのがございます。これは卸売物価指数の調査でございます。これによりますれば、昭和九年から十一年の三年平均を一〇〇といたしまして昭和四十九年の指数は六万六七〇、こういう数値を示しております。
#87
○平田委員 これは何倍になりますか。
#88
○北政府委員 約六百倍でございます。
#89
○平田委員 大正五年から三十年間、毎月たとえば一円ずつ掛けてきた人の場合三百六十円になるわけです。これは単純に計算が出るわけですけれども、いま言われた日銀統計で見まして六百倍、いろいろあるのですね。消費者物価指数で日常生活に欠くことのできないもの、たとえばお米だとか食料品や衣料品などを見ますと、三千倍から六千倍ぐらいになっていますね。しかし、日銀の方で全体で統計数字を出しているわけですから、卸売物価で四百余り、それから消費者物価で六百余りですか、倍率を出しているようですけれども、中間をとって五百倍というふうにしてみましても、当時の三百六十円というのは十八万円に相当する。六百倍だということになると二十万を超えるわけですよ。それと比べてみますと、四千円から六千円ぐらいの打ち切り金、ずいぶん低いのじゃないか。こういうふうに考えるのですけれども、どうお考えですか。
#90
○北政府委員 この法律に言います特別措置は、ただいま先生のおっしゃいました貨幣価値の長期間における変動に伴う措置ということを目的とするものではございませんで、保険事業の経営の効率化と加入者の利便を図るためにこの特別措置をいたすのだというふうに、法律の要綱にもそういうふうに申し上げておるわけでございます。したがいまして、その場合の、先ほど御説明いたしました特別一時金の一要素である特別付加金と申しますのは、保険事業の効率化による節減額、これをめどといたしまして、その範囲内で支給しようとするものでございますので、それが一件当たりにいたしますと三千円くらいになるということでありまして、そういうことから、特別付加金の額をさらに増額するということはこれは困難であると考えます。
#91
○平田委員 まあそうおっしゃいますけれども、実際に被保険者は積み立てていっているわけですね。当時の貨幣価値そのままで、その当時そのお金の大部分は国と財閥とで使っているのですよ。当時の価値のままで使っちゃってるのですよ。利用しているのですよ。そして莫大な利益を得ているわけですよ。このことを考えますと、私はいまの答弁じゃとても満足できないと思うのですね。しかも、あの引き続く侵略戦争にそのお金も多くの場合利用されてきているのですよ。そう考えていきますと、いまのような答弁、つまり当時のお金が当時使われて、貴重な金を苦しい中から積み立てているのです。それがその当時の貨幣価値でちゃんと利用されている。大もうけを保証しているのですよ。その当時積み立てた金を今日返すという段になったら、二足三文だ、孫の小遣いにもならぬというような金じゃないですか。そういう金額を示して妥当だと考えているのはどうもおかしいと思うですよ。もう一度そこのところどう考えるのかをお聞かせいただきたいと思います。
#92
○北政府委員 簡易保険事業はそれ自体でやはり収支を合わせなければならない、そういうシステムになっておるわけでございます。大正五年にこの事業が創始されまして今日まで連続してきておるわけでございますが、その間、当初から保険料を大宗とする収入というものは、お客様の信託財産としてそれぞれの時期におきまして最も適切な方法で運用をしてまいったわけであります。しかし、簡易保険の事業のその資産の運用先と申しますのは、当初からいわゆる金銭債権ばかりであったわけでございまして、今日までその点変わりがないわけでございます。したがいまして、簡易保険事業といたしましては、その金銭債権の限りにおいての運用とその運用益を享受してきたのでありまして、その元本及びそういった運用利益というものはすべて契約者のためにこれまでお使いし、あるいは現に積み立てておる、こういう形になっておるわけであります。しかし、基本的に簡易保険の事業は簡易保険の財政の中でやるというたてまえでございますので、仮に昔に比べればいま貨幣価値が下がっておるからというお話でございましても、やはりその枠からは出るわけにはまいらぬというふうに思うのであります。加えまして、先ほども御説明いたしましたように、この特別措置は実はそういうことを目的とした措置ではございませんので、別途事務の節減額というものを特別付加金という形でお示しをして、それで御納得いただける方にはお申し出を待って契約を消滅して差し上げる、こういうものでございまして、御趣旨のところとこの特別措置との問題とはまた私ども別の目的を持ったものだと、こう考えておる次第であります。
#93
○平田委員 あなた方はそう言ってよく平気でいられるものだと思うのですよ。大体この時期の被保険者というのは、多くは侵略戦争のために犠牲になってきている人たちなんですよ。いいですか、そのことをまずやはり考えなければならぬ。しかも当時何と言ってあなた方は勧めたんですか。当時の政府は何と言って勧めたんですか。これを掛けておけば年とって安心なんだから、間違いが起こったときに家族は困らないで済むんだから、こうやって勧めたんでしょう。そうして被保険者、国民は政府のその言葉を信用して掛けてきたんですよ。その貴重な、それこそ当時で言えば血の出るような金を掛けてきて、今日になったら、差し上げるなんて、生意気なことを言いなさんな。責任はだれにあるか。政府が保証したから入ったのに、今日になったら紙くず同様になった。この責任はだれにあるのか。ここのところをあなた方はどう考えているのか、お聞かせいただきたい。
#94
○北政府委員 当時と現在を比べまして貨幣価値が非常に下がったということはまことに遺憾に存じます。その貨幣価値が下がったということと、それから金銭的な債権、債務関係が長期にあったということと見比べますと、簡易保険といたしまして、簡易保険事業のみならず、まあ他にも同様な事業があるわけでございまして、ただいま仰せのことは特別措置とは別と存じますけれども、簡易保険のみのことではない、ほかのたとえば民間生保その他についても共通の問題でありまして、その点はまた別の問題として慎重に検討しておるところであります。
#95
○平田委員 私はいま簡易保険の問題を論じているのですよ。別の問題を論じているのではない。あなた方の姿勢が根本から狂っているということを言っているのですよ。年をとって安心して暮らせるようにするためにお入りなさいと言って勧めたんでしょう、いろいろなことを言って。間違いが起こったとき安心して家族は困らないようにできますよと言って勧めたんでしょう。それは私だって、私の父親でも母親でも皆入っていましたよ。いま亡くなったとき棺おけ一つ買えないでしょう。政府が簡易保険で保証してきたのはでたらめだということは、そういう事態でも証明されておるのですよ。このことについて、あなた方はどう考えるのですか。しかも麗々しく、これはいまでもちゃんと決まっておるのでしょう。第一条で、
 「この法律は、国民に、簡易に利用できる生命保険を、確実な経営により、なるべく安い保険料で提供し、もって国民の経済生活の安定を図り、その福祉を増進することを目的とする。」。もって国民の経済生活の安定を図り、その福祉を増進することを目的とする――何が福祉ですか。当時のいまで言えば二十万からの金を掛けて、そうして積み立ててきたものが、いま五千円くれてやるから福祉なんだ、何を言っているんだ。いまの金にすれば二十万からの金ですよ、あなた。利用したときは政府にしてもちゃんとそのときの価値で利用しているんですから。インフレがこういうふうに高進してきた、それは別の問題だ――別じゃないですよ。政府の施策でこういうふうに高進してきているのですよ。あなたの言うような言い分をこれからも続けるとしたら、これから保険に入りなさんな、同じことになるから入りなさんな、いま一生懸命掛けたって十五年先、二十年先にいったら紙くずになりますよということになるのですよ。そのときは政府は、保障しませんよとあなたは答弁しているのと同じなんだよ。それでもまだいまの答弁を守りますか。もう一遍答えてください。
#96
○北政府委員 この特別措置法の目的そのものは、先ほど来申しておりますように、ただいま手作業で処理しておる契約が二百数十万件ございます。これを消滅させるということができますれば事務費の節減が将来に向かって図られる。その節減額というものを特別付加金としてお客様に還元できる、こういう措置でございまして、そういう意味では、これは先生ただいま仰せのこととはいわば別の措置でございます。
 先生仰せの問題につきましては、私どもも決していまのままで、これでいいんだというふうには必ずしも思っていないわけであります。しかし、具体的にどうするかということになりますと、先ほど申し上げましたように、簡易保険事業というのは簡易保険事業の中で一つの完結した事業でございますので、事業の中でそういったものに対処しなければならないという運命を持っておるわけでございます。その限りの中で、ただいま法一条をお読みいただきましたが、法一条の趣旨に沿うようにその範囲内でできるだけ努力をしたいというのが私どもの考えでございます。
#97
○平田委員 国民の福祉に、被保険者の福祉に貢献なんかしないんだということですよ。第一条で言っていることは、この保険は守らないんだということなんですよ。あなたはさっきからいろいろなことを言っているけれども、結果はそうでしょう。いまのお金にすれば二十万円の金を当時使っている。利用している。ところが、返す金は五千円しか返さぬ。預けた金は二十万円に相当する。返す金は五千円だ。保険の経営の中でやるんだからやむを得ません――あの戦争中の困難な中で積み立ててきて、そしてとにかく将来のことを考えながら一生懸命政府の言うとおり、政府を信頼して積み立ててきた、この人々に対して何と答えるんだということですよ、大臣。私が言っているのはそういうことなんです。だから、こういう場合にはやはり当然本当の特別の措置――そんなものごまかしですよ、特別措置なんか。確かに特別の措置には違いないけれども、国民生活の安定や福祉に貢献するというような特別措置じゃないでしょう、これは。あなた方は、これから集めて歩いたんでは金がかかってしょうがないから、ここら辺で片づけようじゃないかという特別措置なんです。そういう根性で、血の出るような金を積み立ててきた国民に相済まぬと思わぬのかということなんですよ。本当の特別措置とすれば、国が応分の負担をし、責任を持って被保険者に相応した保障をすべきである、私はそう考える。当然金額はこんな孫の小遣いにもならないような金額ではなく、大幅に保障すべきだというふうに考える。大臣、二つの問題がある。被保険者に対して政府がずうっと大正以来保障してきた保障をどうしてくれるのだということなんですね、その点が一点。当然こういう問題については政府が責任を負うべきだ。この保険会計の枠の中で何とかするのでございますと言うんじゃ特別じゃないんですよ。本当の特別の措置を講じて政府が責任を負うべきだと考えるんですが、大臣ひとつお答え願います。
#98
○村上国務大臣 平田先生の御意見を拝聴しておりますと、何か私も昔のことを思い出されました。やはり先ほどお話のあったように、戦争とかなんとかいうようなこと、そのために今日こういうふうになっているのじゃないかという御意見がちょっとありましたが、私の個人的な問題を取り上げたら恐縮ですけれども、私どもは本当に当時二千万以上の定期預金を一朝にして金融措置によってわずか七万円になって、しかも自分の一家族で使う金は月三百円以上証紙を張った金が使えない、こういうようであとは全部取られた、取られたというか、返してもらえないような措置をやられたのは御承知のとおりであります。今日それがここまで尾を引いているとは思いませんけれども、しかしやはりその特別な金融措置によって、いまで言えば何十億という定期預金もほとんど返してもらえぬというようなひどい措置もあったのでありまして、これは先生の先ほどお話しになっておったことで私も静かに当時のことを思い出されました。しかし、今回のこの措置は、なるほど物価が当時から比べると六百倍にもなっておる。これはだれが悪いのか。とにかく政府は、どの政府にしても一生懸命にやって、物価の安定、国民生活の安定を図るために努力してきたんですが、しかしどうも実際において当時と比べて六百倍も千倍もインフレというか物価高になっておる。そうなりますと、少しぐらいの保険の掛金では何とかこれを整理し、というか何とか余りひどい損のいかないときに片づけることが要するに郵政省のためでもありますし、また被保険者のためにもなると思ってこういう措置をとったのであります。
 しかし、先生の御指摘のとおり、この返し方が少ない――私ども決して多いと思っておりません。しかし、いまの簡易保険局の立場、簡易保険のあれから見ますと、大体これ以上差し上げるということになりますと、非常に今度は財政的にやれなくなる。いろいろなことはよくわかりますが、この程度にひとつさせていただいて、それで一遍すっきりなって……(「政府はすっきりするかもしれぬけれども、契約者はちっともすっきりしないよ」と呼ぶ者あり)まあそのことはよくわかりますが、まあこの程度で、いま仮に積み立てとか剰余金とかいうようなものを全部取り崩してくるわけにいかない。それはあとの大ぜいの契約者に対してそういうわけにいかないので、それは理屈を――理屈と言うと悪いですが、それは先生方のような非常にうんちくのある先生方から追及されれば答弁もできませんけれども、大体おわかりになっておると思いますので、ぜひひとつこの程度で、あとはひとつ激励を賜りたいと思います。
#99
○平田委員 いや大臣わかりませんよ。わからない話を長々といただいてもどうにもわかりません。だから、簡易保険の枠の中で困難があるだろう、しかし何といったって、国営で政府が責任を負って、しかも千円までは独占ということでやってきたんだから。そして老後を保障しますよ、福祉のために役に立つようにしますよと言って、積んでおけばいいのだからと言って約束するから、皆さんほんまことに思って積んだら、こういうことになった。約束はやはり国民に果たしてやらないとだめだ。二十四年まではいいですよ。いま言ったように大臣、それで片づけていくでしょう。二十四年以降のはどうなんですか、また同じじゃないですか。もう簡易保険なんか入ったってだめだという結論しか出てきませんよ、これじゃ。途中で何か起こらない限りはこういうものは積んだってだめなんだということになるのですよ。だからそういう意味では、私は、改めてやはり大臣、政府の責任を感じて政府の責任で対処しなければまずいというふうに思うのですよ。簡易保険の枠の中だけで任せておいてはだめだというふうに思うのですね。しかも、それまではちゃんと政府は一〇〇%この金を安い利息で利用してきているのですから。そこいら辺は私は改めて検討してもらわなければならないと思う。
 さて次に、簡易生命保険法の一部を改正する法律案の問題に入りたいと思います。
 簡易保険の最高限度額は、このところ次から次へとインフレ状態ですな。二十一年に五千円で始まったのですね。二十三年で二万五千円、二十四年に五万円、二十七年に八万円、二十九年に十五万円、三十二年に二十万円、三十三年に二十五万円、三十六年三十万円、三十七年五十万円、三十九年百万円、四十二年百五十万円、四十四年二百万円、四十七年三百万円、四十九年五百万円、そして今度八百万円ということですが、すごいですね。上げ幅もだんだんインフレに応じて大きくなっていますよ。どうもよくわからないのですが、これじゃ毎年毎年上げているようなものですよ、最高限度額を。そうしますと、最高限度額というのはあってなきに等しいと言わざるを得ないのですね。なぜ最高限度額なんというものを設けるのだろうか、疑問が起こってくるのですよ。そこのところをひとつ聞かせてください。なぜ最高限度額を設けなければならないのか。
#100
○北政府委員 簡易保険はいわゆる無診査保険でございまして、保険契約申し込みの際に医的身体検査というものを行わない保険でございます。したがいまして、体の弱い方が進んで高額の保険に多数が加入されるということになりますと、この事業経営の基礎に破綻を来すということにも相なります。そのことは、全体の加入者にやはり迷惑を及ぼすということになりますので、そういう意味から、無診査保険として負担し得る危険の限度ということを考えておるというのが、最高制限額を設ける一つの大きな理由でございます。いま一つは、民間保険との関係ということもやはり考えておるわけでございます。そういうようなことで、事業経営上守るべきこととして最高制限額というものを決めておる次第であります。
 具体的にその額をどうして決めるかということでございますが、これはやはり無診査保険ということから来るおのずからなる制限というもののほかに、やはりそのときどきの国民一般の生活水準、と申しましても大体のめどでございますけれども、めどといたしましては、被保険者が死亡なさいました場合の、その間の医療費、それから葬祭費、それから平均的に遺族がおありだと考えて、遺族の当分の生活費、こういったものを一応考えまして、そんなことも一つのめどに考えております。また、他方では、やはり国民大衆のための簡易保険でございますので、一定の保険金額を確保するためには当然それに伴う保険料の負担をお願いしなければいかぬわけでございますから、国民大衆の一般的に負担し得る保険料というものも、他方最高制限額を考える一つの要素にしております。
#101
○平田委員 そうすると、最高限度額を超えて契約した場合は、これは違法の契約ですね。
#102
○北政府委員 最高制限額は、仰せのように簡保法の十七条に明定されております。したがいまして、これに違反した契約というのは簡保法十七条に違反する契約でございます。
#103
○平田委員 そうすると、超過契約、つまり違法契約が明らかになった場合に原則的にどういう態度をとるんですか。
#104
○北政府委員 私どもは、第一に、いわゆる超過契約というものは、申しておりますように違法でございますから、そういった違法な契約の締結に応じない。違法な契約の締結を申し向けるのはもとよりでございますが、そういう申し向けがお客様の方からございましてもこれに応じない、それを厳しくしていこうという態度でございます。しかし、何せ全体で四千九百万件という多数の契約を保有しておりまして、しかもその上に毎年四百十万ないし三十万ぐらい、ここ数年間そうでございますが、そういった新しい契約が加わってくる、こういう状況の中で超契のチェックが非常に困難でございます。その結果、間々超契があるという事実がございますが、超契がそういうことで遺憾ながら成立してしまったという場合に、これをこちらで違法であるがゆえにその契約の効力を無効にするということになりますと、これは私法上の問題でございますし、それからそのことでお客様も一定の保障が得られる状態になっておられるわけでございますから、そういった法的安定というものを突き崩すというようなことは、やはり善意のお客様に対してとるべき方途ではなかろう。かたがた、昭和三十五年でございますか、契約そのものは有効であるというような判決もございますので、十七条違反の違法な契約でありましても、それが成立してしまった場合には、これはその契約の効力そのものは有効であるこういうことで対処しております。
#105
○平田委員 超過契約には応じない。だれが応じないのですか。応じないということ、つまりそれを断るのはだれが断るのですか。
#106
○北政府委員 当然、簡易保険の衝に当たる者でございまして、まあ外務員、それから郵便局、それからさらには契約締結権限を内部的に委任してございます地方簡易保険局。機関別にはこういう三段階でチェックいたしております。
#107
○平田委員 その違法契約は、実は郵便局の職員によって勧められている。こういう事例は私もいままでたくさん指摘してきましたよね。それがやられている。まだまだたくさんあります。あなた方のところへ無効になったとか拒絶したとかなんとか言っている数というのは氷山の一角ですよ。根っこは非常に広いものです。たくさんありますけれども、時間の関係もありますから私は二、三の例だけにとどめておきたいと思うのです。東京江戸川区船堀の西條啓男さんというお宅の場合ですね。家族六人が被保険者になっているわけですけれども、六人で二十七本の契約を結んでいるのですね。いずれもこの六人ともどの人も最高限度額を大幅に超えているのです。その超えた総合計は、実に四千八百万円に上るのです、超えた分だけで。ひどいのですね、これは。この家族の静子さんという人、この人が五十万円と三百万円、二本入っておりますが、このうち五十万が超過ですね。つまり五十万というものが超過契約になるものなのです。それから啓子さんという人が三百万と三百万。これは三百万円が違法です。一本が違法です。それから美恵子さんという人が三百万と三百万、やはりこれは三百万が違法です。それから興一さんが二百万と三百万と三百万。このうち五百万が違法です。それから富江さん、この方が百万、三百万、三百万、三百万、三百万、三百万というふうに入っております。このうち千三百万円が違法です。それから啓男さん、この人は大変ですな。百万、二百万、百五十万、百万、三百万、三百万、百五十万、百五十万、三百万、三百万、三百万、三百万、こんなにある。この人が合計二千三百五十万超過です。これは一体どういうことになっているのです。どうしようもないでしょう。わからないのじゃないのです。わかっていてこういうことを勧誘員がやっているのです。被保険者はわからないのですから。あなたこれへ入ったらどうです、これへ入ったらどうですと言われれば入るのですよ。三百万円以上は入れないのですよということだったら、こんなことにはならないのです。ですから、明らかに違法を承知でやっているということは、たとえば静子さんの場合には四十五年の二月、そして四十八年の五月、この二回ですよ。啓子さんの場合は四十八年の二月と四十八年の五月、同じようなグループが行って勧誘しているのです。それから美恵子さんの場合は四十八年の五月、四十八年の二月。それから興一さんの場合は四十六年の六月、四十八年の二月、四十八年の五月。近接しているのです。しかも同じ郵便局から同じような連中が行って入れているのですから。みんなそうですよ、これ。啓男さんの場合は四十五年の四月以降ですよ。ばあっと入っている。これ、一体どういうことなんです。私は、この件だけではないですよ、いままでからたくさん指摘してきている。どういうことなのか、お聞かせいただきたい。
#108
○北政府委員 ただいまお示しの具体的な例につきましては、私どもも先生のお話を伺いまして調べましたところ、そのような超契が結ばれている事実を承知いたしました。大変遺憾な事態であったというふうに存じます。ただ、そういうような事態、具体的にはただいまのケースは最近知ったのでございますけれども、先生も仰せのように、他にも超契が後を絶たないという事態がございましたので、私どもといたしましては昨年の十二月に、超契をなくするということについて従来よりも強い態度で本腰を入れてそれに乗り出す、こういうことで、実は新しい通達を出したわけでございます。その中におきまして、超契のチェック方法というものを従来より強化するとか、いろいろの手だてを講じた次第であります。今後さらに、新規契約の中から超契をなくしていくということにつきましては、いろいろな方途を講じまして、さらに厳しくしてまいりたい、こういうふうに考えております。
#109
○平田委員 さらに、東京江戸川区松島の稲田さん、これも江戸川ですよね。家族四人が被保険者で合計十六本契約しておるのです。これも違法契約額が千二百二十万円にも上っています。これもひどいのですね。稲田真さんが二十万、五十万、百万、三百万。これは百七十万の違法契約ですね。それから孝行さん、三十万、五十万、三百万。これは八十万違法契約。それから正行さん、二十万、百五十万、百五十万、三百万。これは三百二十万の違法契約。それから重吉さん、二百万、五十万、三百万、三百万、百万。これも六百五十万の違法契約です。これも同じことですか。
#110
○北政府委員 そのような事実がございました。
#111
○平田委員 後でまた問題は挙げたいと思うのですけれども、私がこの委員会で四十八年七月十一日に質問をしました。この際に、江戸川区の山西静夫さんとその家族に対する超過契約、この問題で質問をした際に、あなた方の方から実情を調査するという答弁がありました。実情を調査されて、事実はどうだったか、お聞かせいただきたい。
#112
○北政府委員 山西氏の関係でございますが、本件保険契約は、被保険者の数が八名、それから契約者の数が五名、契約件数は三十六件でございます。四十七年の七月二十一日から四十八年の五月二十一日までの間にそれぞれこれだけの契約が申し込まれたわけでございます。そのうち、四十八年五月二十一日に申し込まれた十二件の契約につきましては、四十九年七月に保険料払い済み契約に変更になっております。その後、昭和四十九年十一月二十九日付で、各保険契約の保険契約者であります山西という女性ほか三名の方から、全保険契約について要素の錯誤等を理由として無効処理方、保険年金審査会に審査の申し立てがございました。そこで、当方といたしまして、関係者について申し込み受理当時の状況を調査いたしましたところが、最終的に各保険契約につきまして要素の錯誤、保険契約者の無権代理、被保険者の無同意、超過契約などの事実が判明いたしましたので、関係の全保険契約について無効処理をすることにいたしまして、この五月二十一日に保険返還金支払い通知書を交付いたしまして、その結果、本件は審査会への審査申し立てを取り下げた。こういうふうに最近本件は結論が出た次第であります。
#113
○平田委員 一つは、審査会で審査中なのをあなた方の方で無効としたというのはどういうことか、これが一点。それから契約を解除するのと無効との違いはどういうことか、これが二点。この二つ答えてください。
#114
○北政府委員 事案が審査会に提訴されますと、審査会から私どもはこういう事案がかかったぞという通知を受けます。それによりまして保険者としての私どもが審査会に対して弁明書というものを出して当方の主張点を明らかにする必要があるわけでございます。したがいまして、その弁明書を出す過程におきまして、当方としても事案についてさらに直接精査をするわけでございます。本件は、その段階におきまして、郵政局を通じまして詳しく調査いたしましたところが、先ほど申しましたようなことが最終的に判明いたしまして、この山西さんたちのお申し出に対して弁明書をもって反論するまでもなく、当方がその契約の成立について要素の錯誤等があったということで、先方の御要請に応ずる。したがって、弁明書を出さないということに当方としてなるわけでございます。したがって、問題が消えたわけでございますから、山西さん方が申し立てを取り下げられた、こういうことでございます。
 いま一点ちょっと聞き漏らしたのでございますが……(平田委員「もう一点は、無効と解除との違いと、なぜこれを無効にしたか」と呼ぶ)効果が違うわけでございまして、無効ということになりますと、これは初めにさかのぼって事態がなかったということになるわけであります。したがいまして、その既納保険料等についてもそのままお返しするということが効果として生まれます。それから解除ということになりますと、解約でございますので、これは別途解約還付金というものの定めがございまして、解約還付金を差し上げる、こういう効果が違うわけでございます。
#115
○平田委員 さて、そこで私不思議に思いますのは、私がこの委員会で質問したのは四十八年七月十一日ですよ。そして、この山西さんが業を煮やして審査会に申請を出したのは四十九年十二月二日。一年以上たってからですよ。いいですか。あなた方が精査を始めたのは審査会にかかってから精査が始まったわけです。なぜ一年以上もほっておいたかについて明らかにしてください。なぜなのか。国会をそれほど侮辱しておるのか。具体的な事例で名前まで挙げて聞いているわけです。そして約束もしている。さっそく調査いたしますという約束もしている。なぜ一年以上もほっておいたか、明らかにしてください。
#116
○北政府委員 御質問をいただきまして、その後、所轄の郵政局を通じまして御本人と接触いたしましたところ、契約を継続してもいいという御意向があった時期があったというふうに聞いております。そういうことで、それならばというつもりであったようでございますが、その後、いろいろまた内容についての御質問がありまして、御本人からいろんなお話がございまして、最終的に先ほど申し上げましたように無効処理すべきだというお話に固まったのが去年の九月であるというふうに聞いております。その間、当方から見ますと先方の御意向が少し変わったようでございますけれども、その間先生に、変わったら変わったなりに御連絡申し上げませんでしたことにつきましては、まことに遺憾でございます。
#117
○平田委員 それは言いわけですよ。これは山西さんは莫大な金をかけて弁護士に頼んで申請を出しておるわけですよ。弁護士にかかった金だけでも大変だと言っていますよ。それは継続すると言ったと言うけれども、ここにごまかしがあるのですよ。本人の意向とは違いますよ。大変怒っていますよ。そういう意味ではやはり同じ外務員が、どうですか、まあつないでみてくださいよと言っていったんじゃないか、また言いくるめて帰ってきたんじゃないかと思う。そこのところは、もう一遍調査し直してもらいたいというように思います。しかも、これはもう外務員に任せておいてはだめですよ。それこそ監察局の方で手を入れてもらわなければならないだろうというふうに思うのです。たとえばこうなんですよ。山西さん宅に対する違法な契約には、とにかく簡易保険を募集するとき用いる手口の悪質なものがたくさん用いられておるのです。ひどいんですよ。募集に当たっては江戸川郵便局の保険課員であるところの数馬、久米ら数人がグループを組んで、そうしてこの人のところを当たっているのです。まず第一に、山西静夫さんらの保険契約者五名と被保険者八名ですね、これをうまく組み合わせています。そして合計三十六口の保険金額、実に一億五百万円を契約したわけです。一カ月の保険料は七十九万円です。四十七年七月から四十九年八月までに支払った保険料の総額は二千万円に上るわけです。この契約者と被保険者とを組み合わせている点、まず第一に非常に手口が込み入っているということ。
 第二に、山西静夫さん、当時九十歳です。この人を契約者であり受取人にして、十年払い十五年満期の養老保険を三千万円、十本も掛けている。これは十ぐらいの孫の保険なんですよ。それの受取人が九十のおじいちゃんなんですよ。こういうやり方。ところが、山西静夫さんが亡くなられましたら、早速八十歳になる奥さんと同じような手口でもって新たに保険の契約を結んでいるという状態なんですよ。
 第三番目に、山西さんの子供さんで四国に住んでいるという人、これはもう面接も何もしません。当然、四国なんですからできやしません。それで契約を結んでいる。学校に行っていて留守の十歳の子供と面接なしで契約を結んでいる。さっきもお話がありましたけれども、面接なんというのは本当にやってはいないんですよ。奥さん、だんなさんのぐあいいかがですか、そうですか、丈夫ですか、いいでしょうねというんでやってしまう。それで後で病気になったというと、その病気は前からあったんだ、こうやって申し入れを拒否する。こういうことが平気でやられている。無面接というのがこういう形で、いま申し上げた連中がやっておるわけです。
 第四番目に、募集する際にうそとペテンを両方兼ね合わせている。こう言っているんです、有利な積立貯金だ。貯金だ、と言っている。税務署にわからないし、税金はかからない。まず税金。特別のものなので、あなたについては特別に許可をもらってきてある。何だか権威をつけて保険に入れさせる、こういう話法です。大変はやって、あなた方も問題にしたから知っているでしょう。貯金話法だとか税金話法だとか、こういうことをやっているんですよ。こういう悪質なものをなぜ早く処置しないのか。ここまであなた方調べているのかどうか。私は、こういう悪質なんですよということを前の委員会でも前の問題でずっと指摘しているわけです。そういうことも調べてない。
 さらに重大なことは、保険料の払い込みに当って、数馬という者は山西さんの貯金通帳を巧みに預かって、そうして私の方で保険に切りかえますと言ってここから七百万円おろして保険に入れるんです。ところが、いろいろ複雑な絡みがありまして、団体契約や何かも山西さんの場合にはいろいろ複雑にやっている。そうして、結果として百六十万円ないし二百万円の金はどこへ行ったかわからないという事態が起こっているんですよ。この点どうなっているか、あなた方も調べたんでしょうから答えてください。
#118
○北政府委員 先ほど申し上げました最終的に無効にいたしました原因といたしまして、先ほども一応申し上げましたけれども、ただいま仰せの貯金の説明をしたということは、私ども調べましても、どうもそうだというふうに私どもも断定いたしました。それが先ほど申しました要素の錯誤ということでございます。お客様が、そういう話法をいたしましたので保険じゃなくて貯金だと思って入られた、という意味で要素の錯誤ということを私どもは認定いたしております。それから一部の被保険者に無同意で契約を締結したということも私ども判明いたしております。それから一部の契約者について無権代理をしたということもあったというふうに認めております。だから、それらのことを総合いたしまして、そういう措置をとったわけでございます。
 それから最後に仰せの金額の不符合分でございますが、これはいまだ結果が判明しておりませんが、現に監察局において取り調べ中と聞いております。
#119
○平田委員 行政監察局、お見えですか。――行政監察局は、いま一連のことをずっと申し上げましたけれども、こういう事態はいま始まったことじゃないんですよ、前々から私もこの委員会で何遍も指摘してきておる。こういう事態をどう考えられるのか、ひとつお答え願いたい。
#120
○近藤説明員 郵政事業につきましては、個々の職員が多数おりまして、貴重なお金とか郵便物を取り扱うということで特に規律が必要だということで、他の役所の事務とは違いまして特別に部内考査機関を強めまして、強い権限も与えておるという監査体制をとっておるわけでございます。このような監査体制が政府全体としてとられておりますので、従前からいろいろ問題はあったかと思いますが、こういう個々の問題につきまして監察局が立ち入って監査するというようなものではなくて、郵政省全体として改善が図られていくということが望ましいというふうに考えております。
#121
○平田委員 郵政省全体の改善なんですけれども、幾ら言ったってこういう事態が起こってくるのですよ。これはまた後で問題を指摘しますけれども、幾ら言ったって起こってくる。これは郵政監察官じゃ済まない問題です。行政管理庁はやはりここら辺をにらんだ抜本的な対策を考える必要があるのじゃないか、意見を述べる必要があるのじゃないかというふうに思っているわけですよ。大臣、こんな事態、繰り返し繰り返し悪質な者がこういう行為を行うという事態をどうお考えですか。
#122
○村上国務大臣 やはり何かに欠陥があるのじゃないかと思いますね、こういうことが起きたのはどこかに。それは人間の要するに本能的なものもありましょうし、あるいは法の欠陥もあるのじゃないか。私はまだ研究はしていませんけれども、何かあると思いますね。あなたの御質問に対しての答えにはならぬかもしれませんが、私もいまほとんど初めてのつもりですが、一々具体的なものは初めて聞くのですけれども、私もまたいろいろ思い当たる節もあって、なるほどそういうものですかなということが御指摘によってよくわかりましたので、今後どういうふうにしてこういうことを絶無にするかということについては、十分将来において研究というか検討させていただきたいと思います。
#123
○平田委員 いま具体例を挙げましたが、山西さんについては全体として処理をするということになったようです。とにかく被保険者にあるいは契約者に迷惑のかからないようにすべきだ。私が指摘したときにすぐ取りかかっておいてくれれば、こういうことにならないのですよ。直ちにやってくれれば、あれ弁護士料だけでも大変なものですよ、聞きましたけれども。ここで言うといろいろ問題が起こるから言いませんけれども。そんな負担をかけなくたって、質問したらすぐ手を打って、外務員をやって話を聞くのじゃなくて、ほかからちゃんと手を入れて調べてみるという措置をとっておけば、そんなに負担をかけなくて済んだのですよ。ここら辺も今後の問題としては考えていただきたいし、先ほど西條さんと稲田さんの問題を指摘しましたけれども、この処理に当たっても、山西さんのときの苦い経験を踏まえて、早速被保険者、契約者と相談をして、契約者の意向も十分尊重して、不利益のかからないような処置をとってもらいたいというふうに思うのです。
 違法契約がわかりますと、今度こういうことをやっているのですね。あなた方の方も懇示――懇切に示すというのですか、懇談して示すというのですか、懇示ということですね。それから料済み契約。いままで払い込んだ金額に見合った分の契約に切りかえて、そしてもうこれは払い込んだ、これから先十五年据え置き。料済みというのはこういうかっこうになるのですね。貨幣価値が落ちるまで預けておきなさい。返せばいいのでしょう、こんなもの。ところが、何とかかんとか言いながらまた積ませていく。全くしようがない。やはりそうだったか、引っかかってから後でまたくやしがっているわけですよ。これはたとえば西條さんの場合だってそうでしょう。大変な金額です。興一さんの分、この二百万円分を四十九年九月三日に料済みにしています。一たん打ち切ってこれでもう十五年なら十五年据え置きというふうにしていますよ。それから富江さんの分、三百万円を四十九年九月三日に――毎日のように行っているのですな、二日に行って書きかえて、三日に行って書きかえて。それから啓男さんの分は三百万円をやはり四十九年九月三日に、それからもう一つの三百万円を四十九年九月三日に、いずれも料済み契約に書きかえているでしょう。こうしますと、勧誘奨励金をもらったのを返すのが少なくなるのですよ。とにかくそれで済まされているのですね。これは私はやはりこういう違法な契約をした者は、違法分については全部不利益のかからないようにお返しする。それからまた入ってくれるなら入ってもらうでいいですよ。だけれども、違法なんですから、入れないのですから。この人を料済み契約にしておいて、何の得がありますか。いまもらって使えばいまの価値で使えるのですよ。十五年先へ行ったらこれまた紙くず同様になるのですよ。こういう不利益を平気でこうむらせるようなことはすべきじゃないというように思うのです。こういう方法をやめるべきだと思うのですがね。どうです。
#124
○北政府委員 お示しの料済み契約あるいは料済み化の問題でございますが、料済み契約という制度そのものはございます。しかし、先生もよく御理解いただいておると思いますけれども、これはお客様が経済事情の変化といいますか、変化等によりまして従来の保険料を持続して払い込むことが困難となられた場合に、最大限お客様に不利にならないようにしてあげよう、こういう趣旨のものでございまして、それを先生のおっしゃるようなふうに不適正な募集の具にするということは、私どもこれは論外であるというふうに思っております。しかし、四十八会計年度のそういった料済み契約を調査したのでございますが、実は遺憾ながら相当増加いたしておりました。しかも、それが主として東京管内で発生しておるというような結果も出ましたので、先ほど申しましたように昨今の経済情勢でございますから、お客様の御都合というものも都会地に多く出たという面もあるだろうと思いますが、ほかに、これまた先ほど申しましたように、不適正な募集の具に供せられておるという問題があるとすれば、これは大変なことだと思いますので、東京郵政局に先ほど会議をやらせましたときに、十分注意を喚起すると同時に、数次にわたり通達を発出いたしまして、そういうことのないようにと戒めております。さらに、現状の詳しい状況把握と並行して指導に当たっておるところであります。
#125
○平田委員 募集手当の総額、四十七年、四十八年、四十九年の総額をちょっと聞かせてください。
#126
○北政府委員 支給総額でございますが、四十九年度はまだ決算が終了しておりませんので数字がわかりません。四十八年度は約二百三億でございます。四十七年度が約百八十八億でございます。
#127
○平田委員 これは外務員の一人当たり月額、平均幾らになりますか。
#128
○北政府委員 募集手当は外務員だけに支給するわけでございませんので、郵便局の窓口で募集するケースも若干ございますから、そういったものを除きまして、先ほどの四十八年度について外務員一人当たり年間支給額を見ますと五十三万七千円、それから四十七年度におきまして四十九万一千円、こういう数字になっております。
#129
○平田委員 この手当支給の最高額を受けた者は年平均幾らになっておりますか。四十七年、四十八年、四十九年と。
#130
○北政府委員 ただいまお示しの三年、実は簡保は募集の便宜上前から奨励年度というものを別に立てておりまして、毎年九月に始まりまして八月末に終わる、そういう中でこういった関係の資料をとっておりますので、便宜それによらしていただきます。これは平均と仰せられましたが、最高ということでございまして、平均ではございませんで、しかも飛び離れた数字でございますので、そういうことで申し上げます。
 四十七奨励年度最高の人が年額約一千百万でございます。四十八奨励年度におきまして最高の方が一千万でございます。四十九奨励年度におきまして最高の人が約一千三百万円、かく相なっております。
#131
○平田委員 一千三百万円の人というと、月に百万以上になるわけですね。なかなか大変なものですな。
 次に、表彰をめぐる問題についてお伺いしていきたい。
 これもこの前から言っていることなんですけれども、この問題で私がこの委員会で論議した後、悪質な手口を用いて違法契約を推進したと指摘されている者が表彰されているのですね。これはなぜなんだろうか。名前を挙げただけの者でずいぶんいます。草野(練馬)、田村(葛飾)、飯島(浅草)、原(調布)、四十七年度の大臣表彰で七名中四名までが私がこの委員会で非常に悪質な手口を用いていると指摘した者が表彰されておる。これは私が指摘する以前に表彰された。このところはとにかく、ひどいものだと思ったのです。ところが、私が指摘して以降、四十八缶に大森の武藤勉が大臣表彰を受けております。それから田村悦郎、これが四十八年度の簡保局長表彰を受けております。国際優績者表彰、国際的に表彰するのですね。これは私が指摘した後に、草野、遠藤、田村、飯島、原、橋本、新井、服部、川上、武藤。どうです、これ。この国会で指摘した以降、国際優績者表彰しているのですよ。どういうことなんです。さらに最高優横着、これはいまの一千万からかせいでいる連中でしょう。私が指摘した後ですよ。田村、武藤、原、小瀬、新井、服部、川上、守田、富田、これだけ最高優績者で表彰されている。これはさっき挙げたような事例をざらにやっている連中ですよ。いま申し上げたのは四十八年ですが、さらに畑田、草野、田村、飯島、数馬――数馬というのはいま江戸川の例で挙げたやつです、橋本、武藤、これが四十九年度の最高優績者表彰です。私の方でちょっと調べただけでこれだけいるのですよ。なぜ、こういうことをするのか、聞かせてもらいたい。
#132
○北政府委員 ただいま仰せの中で国際優績者と申しますのは、わが方も加入しておりますが、実は国際的に一つの協会組織がございましてそこの表彰でございますが、それはともかくといたしまして、事業の表彰に当たりまして、先生御指摘のような事情のある者が過去において表彰を受けた事実は確かにございます。しかし、この表彰制度というものは、先生御指摘のとおり、単に募集額が多いということで上から順番に並べるということではよろしくない、そういうことでなくて、その中に含まれる非違行為はもちろんでありますけれども、違則な取り扱いあるいは苦情申告の多寡あるいは有無、新契約の失解率等の内容、その中には当然違則ということで超契も含まれるわけでございますが、こういった点につきましても最近におきましては相当厳しい考慮を払っておるつもりでございます。今後もそういった点につきましては、さらに御指摘を受けることのないように運営を強めてまいりたいと思います。
#133
○平田委員 私が言っているのはそういうことじゃないのです。悪質な手口である、これはほんの一例だと言って国会で指摘したそういう悪質な者を何で表彰したのかということを聞いているのですよ。あなたは正当な理由があるから表彰したということを言っているのですよ。納得いきませんな。これは絶対納得いきません。とにかく金を集めてきさえすればいいんだというやり方で国民に対して迷惑をかけているのですよ。だから、こういう事例が後を絶たない。悪いことをやったやつを現に表彰しているじゃないですか。あなた方は奨励しているじゃないですか。何でそういうことをするんだということを私は聞いているのですよ。国会で論議されようと、そんなこと知っちゃいないという態度が具体的な事実になってあらわれているんだ。納得できませんよ。
#134
○北政府委員 先ほども申し上げたと思いますが、当委員会におきましての先生方の御指摘以前から、不正話法でありますとか超契でありますとかもろもろの問題について十分承って、それを体して私ども実際の行動をしておるつもりでございます。ただ、表彰という問題と募集成績という問題との絡み合いは、端的に申し上げますれば古くからいろいろ沿革がございます。しかし、そういう御指摘がございまして、私どももそういう沿革があるにしてもやはり先生方の仰せのとおりであるということを身にしみて感じておりまして、募集金額の多寡だけでなくて、内容のよしあしということを十分に考慮に入れて表彰の可否を決するように最近ではいたしておるつもりでございます。具体的な御指摘があったのにかかわらず、その後表彰したというものにつきましては、私具体的に手元に持っておりませんが、そういうことは今後とも絶対ないように努めたいと思います。
#135
○平田委員 今後ともと言ったって、この前もあなたの前の局長は同じようなことを言っているのですよ。同じようなことを言っていて、ちゃんと表彰しているのですよ。聞いちゃいないでしょう。私はきょうは時間がないから具体的な事例を申し上げていないのです、この連中が何をやったか。詐欺師ですよ、一口に言えば。詐欺師に等しいやり方で、表彰されるために、そのあげくの果てには莫大な奨励金をふところに入れるために。しかも、そういう連中に限って労働組合の中で分裂を組織する役割りを果たすのですよ。しかも、そういう連中が指導者になって後輩を指導しているのですよ。なくなりっこないでしょう。結構だ結構だと言ってそういう連中を表彰しているのですから。後輩はその連中の言い分をぴしっと聞いていますよ。この前も指摘したように、月末になると手当袋がテーブルの上に立つというのだ。この本だって立つのは容易じゃない。給料袋がテーブルの上に縦に立つというのだ。しかも、この連中には郵便局長が物を言えないというのだ。この連中に物を言っておかしくなるというと、割り当てられた目標が遂行できないから。新しい住宅を建て、芸者遊びもしていると聞いている。そういうところに局長を招待すると聞いている。それはそうでしょう。一ヵ月に百万円からの手当をもらっていればできますよ。そんな連中を何で、表彰するんだ。何で表彰したんだ。今後のことを聞いているのじゃない。何でそういうことをやったかということを聞いている。国会で具体的な事例を挙げて長々と私が指摘しているんだ。にもかかわらず、表彰するとは何だということなんですよ。そこのところを聞かせてくれと言っているのですよ。
#136
○北政府委員 先生の御指摘は私どもよく理解いたしますし、御指摘を身に体して保険事業の体質の改善ということに、表彰はもとよりいろいろな手段を具体的な実行面において図ってまいりたい、こういうふうに考えます。
#137
○平田委員 この連中は依然として簡易保険界では権威を持っている連中でしょう。それはそうでしょう。何遍も何遍もいろいろな表彰を受けているのですから。そのままにしておいて、そして今後気をつけますと言ったって通りません。この前指摘したときに、あなたの前の局長は、今後気をつけます、そういう人々に表彰のないように努力いたしますと言っているんだ。にもかかわらず、やってのけている。なぜなんだと聞いているのです。今後を聞いているのじゃない。
#138
○北政府委員 お言葉十分わかるのでございますが、大変恐縮でございますが、重ねて十分御意向を体してまいりたいと思います。
#139
○平田委員 理解できません。納得いきません。こんなにこの問題で時間をかけられたのじゃたまったものじゃないですよ。なぜ表彰したかというのを聞いているのに、今後そういうことのないようにいたします。この前そう言っていてやってのけたから、私はなぜかということを聞いているのですよ。この前そういうことを言っていなければ、まあしようがない、これから気をつけろというので済むかもしれぬ。四十八年から私は繰り返し繰り返し、この問題を指摘しているのだ。しかも、新聞を見ると、外野新聞ですか、外野はにぎやかだと言うけれども、とにかく麗々しく書き立てられている。あなた方の保険外務員に対して出しているいろいろな資料にも、ちゃんとこの連中は載っているのですよ。どうしてくれるのだ。なぜそんなことをしたのだと言っているのですよ。ここのところがはっきりすれば、どうするかというのが出てくるはずです。なぜそういうことをしたのか、答えてください。
#140
○村上国務大臣 私からお答えいたします。
 このよしあしの責任は一切私にあるはずです。先生にはないわけです。その私が先生から聞いたことは、いま聞いているのです。その前を私は知らないのです。だから、いままでのことはここらでひとつストップしていただいて、これからどうするかをひとつ、私がその責任をとってやるかどうかということについては、これからの御批判に願いたいと思う。そういうふうにお願いしたいと思います。どうぞひとつ……。
#141
○平田委員 大臣、そうはいきませんな。大臣、そうはいかないでしょう。いまの局長さんはこの前何をやっておられたのです。人事局長でしょう。あなた、ちゃんと論議を聞いているのですから。それは簡易保険局長が当時答えていましたよ。だけれども、ちゃんと参加しているのです。郵政省の中で、あれは前にやめた人の責任だというふうにはいきません。そういうわけにいきません。大臣はそれは初めてかもしれぬ。局長は聞いている。なぜそういうことをするのか、教えてくださいよ。
 委員長、時間もなくなりましたからきょうはこれくらいにしておいて、答えが出るまで引き続いてやらしてもらいましょう。というのは、今度八百万円に限度額を引き上げる。この問題をめぐって被害がかなりの被保険者に出ているはずです。これをやると出てくる。料済み契約とかさまざまな形で、いままでの違法契約を隠すための仕事がやられる。料済み契約にしてしまうと違法契約の枠から外されるのですよ。そうして、さっき話したように十数年間というもの利用されっ放しで、紙くず同様になってから特別措置法か何かがまた出てきて、解決する。迷惑がかかることは目に見えている。だから、私はそういう意味ではこの八百万円になぜするかという問題でまだ質問したいのだけれども、八百万円にして起こってくる問題を考えるときに、この問題はけじめをつけなければならぬ。そういう意味でひとつこの問題についての質問を留保させていただいて、次回に引き続いてこの問題について答えを出していただく。いま局長ひとりじゃ何とも答えようがないだろうから。答えが出てくれば、いままでやったやつをどうするかについても返事が出るはずだ。私は、一たんここで追及して、承知いたしましたと言った以上、やらないで再びでたらめをやってのけるなんていうことは、今度は大臣がかわったんだからしようがないやと言って済ますわけにまいりません。そういうわけで、時間も来ましたから、これ以上粘っても後に差し支えが出ますから、引き続いてこの法案の審議中次の機会に審議させていただくことにして、留保させていただきたい。
#142
○地崎委員長 理事会で相談をさせていただきます。次回は来る六月四日水曜日、午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
    午後一時四十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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