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#1
第075回国会 逓信委員会 第20号
昭和五十年六月五日(木曜日)
   午前十時三十八分開議
 出席委員
   委員長 地崎宇三郎君
   理事 加藤常太郎君 理事 志賀  節君
  理事 羽田  孜君 理事 三ツ林弥太郎君
   理事 阿部未喜男君 理事 土橋 一吉君
      小渕 恵三君    高橋 千寿君
      廣瀬 正雄君    水野  清君
      金丸 徳重君    久保  等君
      平田 藤吉君    田中 昭二君
      小沢 貞孝君
 出席国務大臣
        郵 政 大 臣 村上  勇君
 出席政府委員
        郵政政務次官  稲村 利幸君
        郵政大臣官房長 高仲  優君
        郵政省電波監理
        局長      石川 晃夫君
 委員外の出席者
        会計検査院事務
        総局第二局長  柴崎 敏郎君
        参  考  人
        (日本放送協会
        会長)     小野 吉郎君
        参  考  人
        (日本放送協会
        副会長)    藤根井和夫君
        参  考  人
        (日本放送協会
        専務理事)   藤島 克己君
        参  考  人
        (日本放送協会
        専務理事)   野村 忠夫君
        参  考  人
        (日本放送協会
        専務理事)   坂本 朝一君
        参  考  人
        (日本放送協会
        理事)     山本  博君
        参  考  人
        (日本放送協会
        理事)     川原 正人君
        参  考  人
        (日体放送協会
        理事)     中塚 昌胤君
        参  考  人
        (日本放送協会
        理事)     橋本 忠正君
        参  考  人
        (日本放送協会
        経理局長)   堀場 仁徳君
        逓信委員会調査
        室長      佐々木久雄君
    ―――――――――――――
委員の異動
六月五日
 辞任         補欠選任
  池田 禎治君     小沢 貞孝君
同日
 辞任         補欠選任
  小沢 貞孝君     池田 禎治君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 日本放送協会昭和四十八年度財産目録、貸借対
 照表及び損益計算書
     ――――◇―――――
#2
○地崎委員長 これより会議を開きます。
 日本放送協会昭和四十八年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書を議題とし、審査に入ります。
 本件審査のため、本日参考人としてお手元に配付してあります名簿のとおりの方々が日本放送協会の当局から出席しております。
 まず郵政大臣から説明を聴取いたします。村上郵政大臣。
 日本放送協会昭和四八年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#3
○村上国務大臣 ただいま議題となりました日本放送協会昭和四十八年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書の国会提出につきまして、概略御説明申し上げます。
 これらの書類は、放送法第四十条第三項の規定により、会計検査院の検査を経まして国会に提出するものであります。
 日本放送協会から提出された昭和四十八年度の貸借対照表等によりますと、昭和四十九年三月三十一日現在における資産総額は、一千五百八十億八千七百万円で、前年度に比し、九十九億三千五百万円の増加となっております。これに対しまして、負債総額は、六百十一億六千七百万円で、前年度に比し、七十九億三千三百万円の減少となっております。資本総額は、九百六十九億二千万円で、前年度に比し、百七十八億六千八百万円の増加となっております。
 資産の内容を見ますと、流動資産三百二十三億五千五百万円、固定資産一千二百四十七億六千七百万円、特定資産八億八千六百万円、繰り延べ勘定七千九百万円でありまして、固定資産の内容は、建物五百二十一億七千五百万円、土地百四十八億四千五百万円、機械三百九十二億八千八百万円、その他の固定資産百八十四億五千九百万円となっております。
 また、負債の内容は、流動負債百五十五億七千六百万円、固定負債四百五十五億九千百万円であり、固定負債の内容は、放送債券八十八億六千万円、長期借入金三百二十二億八千百万円、退職手当引当金四十四億五千万円となっております。
 資本の内容につきましては、資本七百五十億円、積立金四十億五千二百万円、当期事業収支差金百七十八億六千八百万円となっております。
 次に、損益について御説明申し上げます。
 経常事業収入は、一千百八十七億二千三百万円で、前年度に比し、八十七億四千四百万円の増加であり、経常事業支出は、一千百九十六億七千九百万円で、前年度に比し、九十一億三千四百万円の増加となっております。
 この結果、経常事業収支差金は、九億五千六百万円の赤字となっておりますが、特別収入三百十五億四千八百万円及び特別支出百二十七億二千四百万円を含めまして、事業収入は、一千五百二億七千百万円、事業支出は、一千三百二十四億三百万円で、事業収支差金は、百七十八億六千八百万円となっております。
 以上のとおりでありますが、何とぞよろしく御審議のほどお願いいたします。
#4
○地崎委員長 次に、参考人、日本放送協会会長小野吉郎君から補足説明を聴取いたします。小野会長。
#5
○小野参考人 ただいま郵政大臣から日本放送協会の昭和四十八年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書の概要につきまして御説明がございましたが、委員長の御指名によりまして、補足説明を申し上げることといたします。
 まず、当年度末現在の資産総額は、一千五百八十億八千七百万円で、この内訳は、流動資産三百二十三億五千五百万円、固定資産一千二百四十七億六千七百万円、特定資産八億八千六百万円、繰り延べ勘定七千九百万円でございまして、固定資産の内容は、建物五百二十一億七千五百万円、土地百四十八億四千五百万円、機械三五九十二億八千八百万円、その他の固定資産百八十四億五千九百万円でございます。
 この資産総額を、前年度末に比較いたしますと、九十九億三千五百万円の増加となっております。
 これは主として、東京放送会館の売却収入のうち、その使用を翌年度へ繰り延べたことなどにより、流動資産が、百四十八億三千二百万円増加しました一方、東京放送会館の売却等により固定資産が四十七億四千二百万円減少したためでございます。
 一方、これに対します負債総額は、六百十一億六千七百万円で、この内訳は、流動負債百五十五億七千六百万円、固定負債四百五十五億九千百万円でございまして、固定負債の内容は、放送債券八十八億六千万円、長期借入金三百二十二億八千百万円、退職手当引当金四十四億五千万円でございます。
 この負債総額を前年度末に比較いたしますと、七十九億三千三百万円の減少となっておりますが、これは債務の返還により固定負債が百二億七千八百万円減少しました一方、受信料前受金等の増加により流動負債が二十三億四千五百万円増加したためでございます。
 また、資本総額は、九百六十九億二千万円で、この内訳は、資本七百五十億円、積立金四十億五千二百万円及び当期事業収支差金百七十八億六千八百万円でございます。この資本総額を前年度末に比較いたしますと百七十八億六千八百万円の増加となっております。
 次に、損益計算書により経常事業収支について見ますと、まず受信料等の経常事業収入は、一千百八十七億二千三百万円で、前年度に比較しまして、八十七億四千四百万円の増加となりました。
 これは主として、総合、教育両テレビジョン放送網の建設を推進いたしますとともに、放送番組内容の充実刷新及び事業の周知、受信者の維持、増加に努めました結果、有料受信契約者数が、カラー契約におきまして、当年度内に二百六十八万の増加を示し、当年度末一千八百二十九万となったためでございます。一方、普通契約は、カラー契約受信者の増加に伴い、当年度内に二百二十六万の減少を示し、当年度末六百二十六万となりました。
 次に、経常事業支出は一千百九十六億七千九百万円で、この内訳は、給与四百十六億六千八百万円、国内放送費三百一億円、国際放送費七億九千百万円、営業費百三十三億一千五百万円、調査研究費十八億七千五百万円、管理費百二十五億六千三百万円、減価償却費百六十三億三千二百万円、財務費三十億三千五百万円となっております。
 これを前年度に比較いたしますと、九十一億三千四百万円の増加となりましたが、これは主として、放送番組内容の充実刷新、受信者の維持、増加対策の推進及びこれらの事業規模拡大に伴う維持運用費等の増加並びに建設工事の進展に伴う減価償却費の増加によるものでございます。
 以上の結果、経常事業収支差金は、九億五千六百万円の赤字となりました。
 この経常事業収支差金に、東京放送会館売却益等の特別収入三百十五億四千八百万円を加え、一方、放送文化基金設立のための支出等の特別支出百二十七億二千四百万円を差し引いた当期事業収支差金は百七十八億六千八百万円となりましたが、このうち五十四億六千四百万円は資本支出充当として債務の返還等に充当済みであり、事業収支剰余金は百二十四億四百万円であります。
 なお、事業収支剰余金には、東京放送会館の売却収入のうち、その使用を翌年度へ繰り延べました事業安定のための資金三十四億九千三百万円及び債務返還の一部繰り越し八十七億円を含むものであります。
 これをもちまして、協会の昭和四十八年度末における財政状態及び当年度の事業成績につきましての補足説明を終わらせていただきますが、今後の事業運営に当たりましても、公共放送としての使命と責務を銘記し、一層放送事業の発展に努力してまいりたい所存でございます。
 何とぞよろしく御審議のほどお願いする次第でございます。
#6
○地崎委員長 次に、会計検査院当局から検査結果について説明を聴取いたします。柴崎第二局長。
#7
○柴崎会計検査院説明員 検査結果につきまして御説明申し上げます。
 日本放送協会の昭和四十八年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書は、昭和四十九年十月二十九日内閣から受領し、その検査を終えて、同年十一月二十九日内閣に回付いたしました。
 同協会の会計について検査いたしました結果、特に不当と認めた事項はございません。
 以上、簡単でございますが、説明を終わります。
#8
○地崎委員長 これにて説明は終わりました。
#9
○地崎委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。阿部未喜男君。
#10
○阿部(未)委員 協会の皆様、きょうはお忙しいところを御出席いただきまして大変ありがとうございます。本日は、協会の昭和四十八年度の財産目録、貸借対照表あるいは損益計算書等を中心に、業務の報告に対する若干の質問をさしてもらいたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 まず、国会の審議に対する協会の姿勢についてお伺いしたいのですけれども、率直に申し上げて、私ども国会の審議に携わりながらときどき非常にむなしい気持ちになるわけです。一生懸命議論をし、審議をしたことが国政の場であるいは協会等でどれだけ業務の運営の中に生かされておるのだろうか。国会の審議の場さえ済めば、後は、それですべて終わってしまうのだというふうな風潮があるのではないか。そういうことについて非常にむなしい気持ちがしておるわけでございますけれども、会長には、この国会の審査の経過や結果あるいは附帯決議等について協会がどういう姿勢で取り組んでおられるのか、その辺をまずお伺いしたいと思います。
#11
○小野参考人 お答え申し上げます。
 私どもが、この委員会で予算あるいは決算の御審議を受けます際に賜りますいろんな御意見なり、あるいはその承認に当たりまして付せられます附帯決議等につきまして、場当たりにこれをやっておる節があるのではないかというようなむなしい気持ちを持っておると言われますことは、私ども非常に残念に思います。実は私どもそういうようなことは毛頭考えませんで、国民を基盤にし、国民のための放送機関としての私どもといたしましては、国民の代表であり国の最高機関であります当委員会のこの御審議なりあるいは付せられました附帯決議等につきましては、最大限にこれを重視いたしまして、極力その趣旨を生かしていくような努力をいたしております。
 ただ、客観的ないろんな諸事情もございまして、私どもがそう考えましてもなかなかその成果が上がらない面もあろうかと思いますけれども、私どもの気持ちといたしましては、決して委員会が済んでしまえばもうそれで事終われり、かようには考えておりません。実はこうして委員会に臨みます私の気持ちといたしましては、これは一つのきわめて有益であり、非常に私どもの勉強になる修練道場の場と私は考えておるのでございまして、一言一句これは肝に銘じまして、それを経営に生かすような努力を重ねてまいっております。附帯決議等につきましても、これはできるだけ御教示の趣旨に沿いますように、最大限の成果を上げますように努力をいたしておるわけでございますし、また委員会審議の過程におきまして賜ります有益な御意見につきましては、これを十分に腹の中におさめ、これを生かしていくように努めたい、かような気持ちを持っておるわけでございますので、何とぞよろしくお願いを申し上げたいと思います。
#12
○阿部(未)委員 会長から非常に真摯な気持ちの披瀝をいただきまして、ともすれば意気消沈のところでございましたけれども、勢いを得て少し質問をさしてもらいたいと思います。
 私は、報道の持つ社会的な影響というものに非常に大きい感銘を受けたのです。
    〔委員長退席、志賀委員長代理着席〕
ついせんだって、公害対策環境保全の委員会におきまして、最近瀬戸内海赤潮でハマチの斃死が非常に続いておるわけですけれども、その被害者を代表して漁協の組合長さんがお見えになりました。その組合長さんがお述べになるのには、私は四十七年の赤潮、ことしの赤潮でもう漁業というものをあきらめようと思いました。しかしNHKが朝の時間で放送をした「鳩子の海」で、「緑の日本
 青い海 わしらがお国 まだ守れるぞ 時間があるぞ ドドンガドン」これを見ながら、まだ何とかなるのではないかという気持ちになって、あえて赤潮に対する被害の根源を突きとめるためにいま訴訟を起こしておりますという話を聞いたのですけれども、報道の持つ社会的な大きい意義について私は非常に深い感銘を受けたわけでございますが、そういう点を十分お含みの上でひとつこれからの協会の運営に取り組んでいただきたいと思います。
 そこで、実はさきに当委員会におきまして、昭和五十年度予算の承認に当たって附帯決議をつけましたし、それはまた私の質問の中でも特に協会の中期的な展望について明確にすべきであるという御要望をしたところでございます。附帯決議では第四項の中に、将来における財政基盤を確立し、経営を健全化するため対策を検討するようにという要望を申し上げたところでございますが、これに対してその後どういう取り組みがなされておりますのか、お伺いしたいと思います。
#13
○小野参考人 過般の予算審議に際しまして、先生からいろいろ有益な示唆も賜りました。当然そうあるべきでございまして、私どもはこの五十年度予算の御承認を受けました直後、四月早々に局を挙げましてそういった問題に取り組むような体制をつくりました。経営改善委員会というものをつくりまして、このキャップには副会長を委員長とし、全役員を委員といたしております。ただ、そればかりでなしに、この下で作業をいたしますいわゆる経営、企画主管の部門につきましては、精鋭をすぐってこの人事を行いました。通常、人事は定例的に六月末から七月へかけて行うわけでございますけれども、即刻、四月早々にそういった人事を行い、体制は整えたつもりでございます。現在、鋭意そういった検討をいたしておる次第でございまして、問題は、経営の現状にかんがみ将来の傾向等をも十分に参酌しながら、経営がりっぱにその使命を果たしながら、財源的にもまたその使命を支えるに足るような体制をつくるための努力をしなければならないことはもちろんでございまして、そういうねらいのもとに十分成果の上がり得るような体制はつくっておるつもりでございます。
#14
○阿部(未)委員 いまお話では、経営改善委員会をつくって、副会長さんを委員長に鋭意努力中だということを承りましたけれども、作業の内容がどの辺まで進んでおるのかは私も余り詳しく知りませんが、仄聞するところでは、経営基本問題調査会というものを設けたいというふうに聞いておりますが、この経営改善委員会と経営基本問題調査会との関連はどういうふうにお考えになっておりますか。
#15
○小野参考人 経営基本問題調査会、これは私ぜひつくりたいと思っております。この経営基本問題調査会と経営改善委員会との関係につきましては、経営改善委員会は、NHK内部におきまして十分にむだなく能率的な、しかも、果たさなければならない使命を一〇〇%果たし得るような体制をつくるための機構でございますし、またそのためのいろんな作業をいたし、あるいはそれによって事業内容ばかりでなしに、その基盤になります財政基盤についてもどうあるべきかを検討するものでございます。ただこれは、それだけではやはりNHK内部のそれでございますので、それで世の中を通ろうとしましても、これはまたNHK独善だ、こういうことも言われかねないわけでございますので、NHKに関係のない外部の方々の組織されます調査会、基本問題調査会をつくりまして、私どもの内部機構であります経営改善委員会の作業をいたしましたその案に基づきまして、それに対する御批判も賜り、あるいは賛成、反対いろいろあるでございましょうけれども、自由にそういった問題について御審議をいただいて、私どもが将来の当委員会で賜りました附帯決議の項を十分に生かし得るような方途を探っていきたい、かように考えるわけでございまして、この経営基本問題調査会はおおよそことしの七月中ぐらいには発足をさせたい、かように考えております。
#16
○阿部(未)委員 日程としては大体いまお話がございましたので、経営改善委員会が部内機構としてのいろいろな問題を検討し、財政もあわせて検討する。これを受けて経営基本問題調査会がそれに基づいてのいろいろな検討を行う。しかも、それは七月ごろには発足したいというお話のようでございますが、この経営基本問題調査会というのはどういう方々の参集をいただいてお進めになるおつもりか、構想があればひとつ承りたいと思います。
#17
○小野参考人 この具体的な個人名と申しますか人選につきましてはいままだ成案を得つつある段階でございまして、まだ関係の方々に折衝もいたしておりません。ただ、考えの基本といたしましては、いわゆる国民のための放送機関といたしましては、国民各層の意見が反映できるようなものでなければならないと思います。NHKは何を使命とすべきか、こういった事業内容についてももちろんでございますが、恐らくこれはいろいろな見方があろうかと思います。現在財政は非常に困難な状況にありますけれども、きわめて消極的に考えればもうできるだけ仕事を縮めていって、それによって財政の安定を図っていく、こういう考えもあろうかと思いますけれども、私はそういう考えをとりません。いまの情報化時代におきましてNHKが果たしてまいらなければならない使命はますます大を加えつつありますし、先ほども報道関係の問題につきまして、芸能番組の一部のテーマソングを例にとられまして、そういったそれによって張りを持つのだという方もあるようでございます。ただ芸能番組だけではなく、報道それ自体の内容について本当にNHKが国民のためになるような存在でなければならないと思いますので、NHKがやらなければならない仕事につきましては現在以上にやはりこれに重点を置いて拡充してまいらなければなりません。ただそこに、やらずもがなのものが仮にあるとしますならば、こういうものは切って捨てなければならないと思いますけれども、現在そういうようなことを経営改善委員会も、その範囲なり幅なり深さなり厚さなりそういったものを検討いたしておるわけでございますし、これをいまの経営基本問題調査会にかけるわけでございますけれども、そういうわけで勢いやはり現在の時点で考えますと、作業はまだ成案にまでは至っておりませんけれども、いろいろ事情を考えますと、四十三年度にカラー契約を新設いたしましたものの、四十六年度がピークだと申しましても、あの高度成長の物価事情の中においてわずかに一〇・六%の伸びでございます。その後一〇%。特に非常に物価問題が世間の注目を浴びるようになった高上昇を続ける中で逆に収入の伸びが落ちまして六・八%あるいは五・六%。五十年度においては四・一%しか見込めない。こういう状況にあって、もうカラー契約もおおよそ限界に達しておる現状でございます。そういうことになりますと、勢い好むと好まざるとにかかわらず、財政の安定を期してNHKの使命を万全に果たしていきますためには、料金の問題に手をつけざるを得ません。そういうことになってみますと、事料金の関係はNHKの番組内容と同時に、やはり国民的基盤の上に立っておりますので、国民各層の意見が反映できるようなものでなければならないと思いますので、あるいは地方の行政関係のそれとしましては知事会関係の方あるいは町村会関係の方あるいは婦人団体の関係、消費者組合の関係等、いろいろそういった受信者の声を反映できるような立場にあられる方々をこの委員会には中枢的部分として入れてまいりたいと思います。それだけではやはり問題は解決いたしませんので、経営問題に詳しい専門の方々あるいは学界においていろいろ体系的に物を考え得るような方々とか、あるいはマスコミ評論界の関係の方、経営について非常に豊富な経験を持っておられます財界の方々でございますとか、あるいはいろいろNHKの事業内容から申しまして、文化芸能関係に詳しい方々、あるいは難視解消等がいま最大の重点でございますけれども、そういった問題について、放送がいかに技術に依存しておるかという見地に立ちますと、そういった技術、科学、こういう方面にも詳しい人々に入ってもらわなければならないと思います。できるだけ広範な方々に入っていただいて、万遺憾のなきよう期してまいりたい、かように考えておる次第でございます。
#18
○阿部(未)委員 大体の構想はわかりましたが、経営委員会の場合にも列挙主義でこれこれの分野から選びなさいというのがまたあるわけですけれども、結果的にはこの委員会でもしばしば問題になるように、必ずしもそのとおりにいっていないのではないかというきらいがあるようですから、もしおつくりになるとするならば極力そういう点に留意をされて、本当に各層各界の代表になるような方々を選んでもらいたいと思います。
 ひとつ懸念がありますのは、一体経営基本問題調査会と経営委員会との関係は一体どうなるだろうか。すでに経営委員会というものが置かれてNHKの経営の問題について十分な審議が行われておるのに、あえて基本問題調査会というものをつくらなければならないだろうか。屋上屋ではないかという気がしますが、この点どうでしょうか。
#19
○小野参考人 御説のとおりの感じがないでもないと思います。ただ、経営委員会はやはり国民の意向を十分に吸収するようなたてまえで選任をされております。したがいまして地区制もとっておりますし、いろんな配意が行われておるわけでございますけれども、経営委員会として構成されますと、任命後におきましてはやはり協会内部の役員機構でございます。世間からはそのように見られがちだと思います。そういうことで私どもが事務的に作業をして、国民の立場を代表せられる立場にあるNHK内部機構であります経営委員会だけで事を処理してはやはり独善だ、こういうそしりを受けないでもないと思いますので、純然たる外部の関係の方々の集いでありますそういった経営基本問題調査会に諮って、そうしてこれは答申をいただくわけでございますけれども、決定権はございませんので、これをいかに決定するかは経営委員会の使命に属する問題であろうと思います。そういうことで問題を割り切っておるような次第でございます。
    〔志賀委員長代理退席、委員長着席〕
#20
○阿部(未)委員 本当に国民視聴者の各層の意見を聞く機構にしていただかないと、いまちょっと会長からも出ましたが、これが受信料値上げの隠れみのになるというふうなそしりを受けないようにひとつ配意をしてもらいたいと思います。
 そうしますと、七月中旬に発足させて、中期的な展望を含めて、いつごろまでに答申、いわゆる結論を得たいと考えておられますか。
#21
○小野参考人 予算編成に対しましてこれが間に合わなければなりません。そういう時限がございます。と同時に、五十一年度予算につきましては、いろいろ協会としても画期的な予算になろうかと思いますので、できるだけ早期に国会提出の運びに持っていきたいと思います。そのためには十一月半ばぐらいまでには、希望でございますけれども、経営基本問題調査会の答申を受けまして、それによって経営委員会の判断を仰ぎ、それによって協会案を確定して、それに対する予算編成作業にかかってまいりたい。少なくとも予算の編成は十二月中くらいには終わって、一月に入ればいろいろな手続がスムーズにいけば国会提出が可能であるように図ってまいりたい、これが私どものいま考えておる考え方でございます。
#22
○阿部(未)委員 経営基本問題調査会の答申を受けて経営委員会が協会の経営について結論を出すまでは、そうするとNHKの受信料の値上げ等についての発表はないというふうに理解してようございますか。
#23
○小野参考人 いろいろニュアンスで値上げをするであろうというようなことは出るだろうと思いますけれども、どのくらい値上げをするかというようなそれはその答申をまって、経営委員会で決定する前に出ることはないと思います。
#24
○阿部(未)委員 案はおそらく国会に提案をされるとき出てくるのだと思いますけれども、やはり国民ひとしく値上げに賛成の者はないと私は思います。しかし、この前から議論をしておりますように、どうしてもそれをしなければならないということになれば、ある程度早い時期に世論に訴えて、その必要性を納得をしてもらうということも考えられるのではないか。この操作でいくと私はかなり時期を失するというおそれもあるという心配もありますので、その辺また機会を改めてお伺いしたいと思いますけれども、いまの問題については慎重にということが一つあると同時に、視聴者の理解をいただくという観点からの取り組みもあろうかという気もいたしますから――決して値上げに賛成ではございません。なろうことなら現行のままやってもらいたいと思いますけれども、しかし、大体私どもとしては協会の内容もわかっているわけでございますから、よんどころないということになればそれらも十分勘案をして措置をしてもらいたいというふうに考えます。非常に微妙な問題ですからそれ以上触れません。
 その次にお伺いしたいのは、四十八年度予算の承認の際に特に一般放送事業者の放送を含めて、テレビの難視解消について対策を立てていただきたいという決議が出されているわけですけれども、NHKとして非常に努力をされていることは私どもも十分承知しておりますが、早く言えば民放がなかなか乗ってこないということでエリアがずいぶん変わってきているところが多いようでございますが、四十八年以降いわゆる民放との関連においての難視対策はどんなふうに行われているか、若干の取り組みをお願いしたいと思いますが……。
#25
○藤島参考人 お答え申し上げます。
 難視聴の解消につきましては、ここ数年予算の御審議の段階でもっと積極的にやれという御決議をいただいております。特に四十八年度にはいま仰せのとおり一般放送事業者の放送の分も含めてなるべく積極的にやるようにという御趣旨の附帯決議をいただいておりまして、私どもかねがね最大限の努力をいたしているつもりではございますけれども、なお力及ばず、大変反省をいたしているわけでございます。四十八年度はそういう御趣旨に沿いますようにいろいろ努力をいたしまして、最初御質問の一般放送事業者の放送との関連のことを申し上げますと、これは御承知のとおり経営基盤が私どもとは全く違いますし、それからいろいろチャンネルプランその他に関連があることもございますし、そういう点につきましては、私どもがたとえばいろいろなことをやる余地はございませんが、私どもが一般放送事業者との関係において努力できる範囲というものは、ある限定された中で特に工事あるいはそういうサテライトを実施する工事のしやすいようにお互いに共同建設をやろうではないか、そういたしますと、かなり経費的にもお互いに節約になるわけでございますので、そういう点で従来もその地域の一般放送事業者の方々とはそういうお話し合いの場を持っておったわけでございますけれども、特に四十八年度は、いまの御決議の御趣旨を尊重いたしまして、各地域の話し合いの場をなお一層強化をいたしまして、その結果、結果的に申し上げますと、従来はその年度の全体の難視聴のために置局いたしました数の約一〇%前後が共同建設ということになっておったわけでございますけれども、四十八年度はそれが一六%まで上がりまして、倍というわけにはまいりませんけれども、そういう点でかなり前進をいたしたものと私どもは判断をしております。続いて翌年度も若干これを上回るようなことになっておりますので、この点で御了解をいただきたいと思います。
#26
○阿部(未)委員 大変骨を折られておるようでございますから、ひとつ続けて一般放送事業者の関係をNHKと一緒にやられるようにお骨折りを願いたいと思います。視聴者の方々非常に期待しているわけでございます。
 次に、受信料収入についてちょっとお伺いしたいのですけれども、昭和四十八年度末における未収受信料は大体三十二億七千四百万円ばかりということでございますが、そのうちで収納不能という見込みを立てておるのが四十八年度決算で十七億四千百万円、こうなっているようでございますが、これは未収受信料のうちの大体五十数%が収納不能だという数字になると思うのです。これは四十八年度の決算で一遍におやりになったのか、毎年やっていってこういう数字になるのか、ここのところちょっと担当の方からお伺いしたいのです。
#27
○山本参考人 お尋ねの点でございますけれども、四十八年度の未収金というのは三十二億七千万余り、それを引当金に計上いたしますのが十七億で、パーセントとしまして五〇%ちょっとであるということは数字としてそのとおりでございます。これは四十七年度がこれと同じもので比較をいたしますと、約六〇%が未収額に対して引当金が計上してございますので、四十八年度は五三%でございますので、やや数字の上では努力をいたしているという傾向でございます。しかし御指摘のように、これは四十八年度の分が前年度に比べますと、パーセントにいたしますと一・五%の対調定額の比率になっております。前年度は一・二九――一・三でございます。パーセントといたしますと、四十八年度の方がややパーセントは上がっております。これの処理の仕方は、一年目がいま申し上げた数字で計上いたしまして、次の翌年度におきまして最終の二年間の分を総決算をいたします。こういう処理の仕方をいたしまして、四十八年度の分も今年度において最終の確定した対調定額の欠損率を決める、こういうやり方でございます。
#28
○阿部(未)委員 そうしますと、四十七年度で立てている十七億四千百万円というこの金額は、一応収納不能見込みとして立てて、そして四十九年度の決算でこれを精算といいますか落とす、そういうことになるようでございますが、そうしますと、私の質問しました、大体例年この程度のパーセンテージ、いわゆる一・二九なり一・三前後が収納不能となって落とされている、こういうことになるわけでございますか。
#29
○山本参考人 年度によりまして少しずつ違いますけれども、傾向といたしましては大体そういうことでございます。
#30
○阿部(未)委員 決算はまだできておらないと思いますが、いま四十七年度はちょっとお伺いしたのですけれども、四十九年度末においてはこれがどのくらいになりそうでございますか、見込み額は。
#31
○山本参考人 ただいまの一・五%か二%をやや超えるということになろうかと思います。
#32
○阿部(未)委員 傾向としては収納不能というのがパーセンテージの上でも少しふえつつある、単に金額だけでなく、パーセンテージの上でもふえつつあるというふうに考えていいわけですか。
#33
○山本参考人 ここ数年間の傾向といたしましては、やや、少しずつふえつつあるというふうな数字になっております。
#34
○阿部(未)委員 これは、会長非常に大きい問題で、前々からここでも議論されておりましたが、その不払い同盟だとか、NHKの受信料を払う者はばかだとか、いろいろかまびすしい意見がありまして、これが影響しているんじゃないかと思いますが、この傾向は是正されなければならないと思うし、特に正直に納めておる者がばかを見るというようなことがあってはならないと思うのですが、鋭意努力中と思いますが、何かひとつ対策はないものでしょうか。
#35
○小野参考人 ただいま山本理事からお答えを申し上げましたように、未収欠損の関係につきましては、ここのところ年々成績は悪い方に向かっているようでございます。まことにゆゆしい問題であると思います。受信料制度の公正な、円満な運用を図ってまいりますためには、いろいろこれは適切な方途があれば抜本的な対策を立てなければならないものと考えます。そういった面で、いろいろ営業当局の方も知恵を傾けて努力をいたしておりますけれども、いろいろ社会環境の変化、そういった面の影響も受けまして、まことに遺憾のような状態にはなっておりますけれども、私はこれを放置すべきものでないと思います。
 一方におきましては、契約の面につきましても、過般の予算審議の際に、契約の獲得について何かやはり月間でも設けてやったらどうかという御示唆も受けました。今年度は二回ないし三回はそういった契約獲得月間をつくって鋭意努力するつもりでございますけれども、契約の獲得もさることながら、収納の関係につきましてもかつては非常に高い成績を持っておったわけでございますので、それが、世の中が非常にそれだけ漸次むずかしくなりつつある傾向は否定できませんけれども、それにいたしましても、受信料制度を本当に円満に維持いたしてまいりますためには、やはりそういうような実態で正直者がばかを見るのだというようなことになっては、連鎖反応は非常にこわいと思いますので、いろいろ適切な方途を講じてまいりたいと思います。ずばり現在こう申しまして、こういう方法を用いればということは、残念ながら持ち合わせておりません。まことにこれは遺憾に思うわけでございますけれども、この関係につきましては、やはり契約収納に当たります職員のあるいは委託の関係の方々のいろんな訓練の関係、あるいは対応の仕方、いろいろな関係があろうかと思います、あるいはいろんな集団生活等も多いわけでございますので、そういう関係につきましても、考えとしましては、そこの管理人に非常にお骨折りをいただくとか、いろんなことも考えるわけでございますけれども、何しろいまのような世相で、なかなかこれも、これならというずばり回答の出るようなものはございません。しかし、事柄は放置すべき問題ではございませんので、専心この関係については努力を続けてまいりたいと思います。
#36
○阿部(未)委員 せっかくの努力をお願いをしたいと思います。
 そこで同じく受信料に関連して、受信料収入の予算の立て方でございますけれども、ちなみに四十八年度の決算を見ますと、カラー契約において、予算では三百二十一万五千台の増加を見込んだわけです。ところが、実際に増加したものはカラーテレビで二百六十七万八千件ということになっていますから、これは実に、カラーテレビで見た場合、契約の予定としては五十三万七千件が未達成になったということになると思うのです。ところで、五十三万七千件という予算に対する実際の契約の差があったにもかかわらず、受信料収入の方で見ますと大体三億くらいの赤字といいますか、予算に対して赤である、こういうことになっているようでございます。
 そこで四十七年度を見てみますと、四十七年度カラー契約の増加の予定は四十万台ということになっておるようですが、実際には三十八万二千台しか契約ができなかったので、これは大体十八万一千程度の見込みに対する契約の落ち込みです。ところが、ここでは約十億円の受信料収入での赤字が出ておるわけです。私ども素人考えとして五十三万七千件も契約が予算に対して落ち込んだのに、三億円で受信料収入の赤は済んだ。一方は十八万一千件程度の落ち込みであるのに十億の受信料収入の予算に対する赤字が出てくる。素人計算でしてみても、こういう差は出ないはずだという気がするわけです。確かに四十七年度は沖繩が復帰をしたという関係があります。しかし、これはカラーテレビには関係はないわけですから、カラーテレビの契約増加をずっと見込んでいってそして計算が出てくるわけでございますから、その計算の結果が一体どうしてこういう違いが出てくるのだろうか。これは素人ですからよくわかりませんから、ちょっと知らせてくれませんか。
#37
○山本参考人 実は予算を立てますときには年度の最終の数字までまだ確定をした上での段階でございませんので、やや年度の最終段階の契約数と予算を立てるときとの時間的な違いというものによる多少の数字というものは違ってまいります。四十七年度と四十八年度の御指摘の点は、数字の上で確かにそのような数字で出てまいりました。その内容をいろいろ検討いたしますと、受信料の収入という金額の面はカラー契約がどういうテンポとどういう量でふえるか、それから白黒の方がどういう量とどういうテンポで減っていくのか、こういうことによりまして、契約数全体の数ですね、カラーだけでなくて白黒の減少、そういうものも合わせまして契約数全体の数字に一つのあらわれ方が出てまいります。と同時に、カラーを非常に年度の早い時期に契約をとりますと、その全体の受信料収入というものは上がってまいります。それから白黒が減少するものが、これも年度の前半よりも後半に多くなってまいりますと、これも前半の収入が確保されますので受信料収入としてはプラスの要素になります。たまたま調べますと、四十八年度はそういう要因が重なってまいりました。たとえば白黒の減り方というのが年度の後半の方に非常に偏ってきていましたが、四十七年度は非常に早い時期に減少という姿が出てまいりました。それから四十七年度は、冒頭に申し上げましたように、四十六年度の年度末の収入において予定どおり達成できなかった欠陥を持ち越しておりました。それで四十八年度は四十七年度の収入が年度末におきましては予算よりも上回っておったということがプラス要因として四十八年度に持ち越している。そういうもろもろの要因を全部計算をいたしますと、全体の契約数の数ほどの差がなくなって、かえって四十八年度が実質的に受信料としては四十七年度に比べますと好条件であった、こういうことが内容でございます。
#38
○阿部(未)委員 恐らく結果はそうだと思うのです。結果的にはそれは最初立てた予算のとおりに決算が出るわけがないから、だから予算があって決算があるわけですが、予算を立てるときの考え方としてその年度ごとで白黒からカラーにかわっていくテンポがそんなに大きく違うものと私は思えないのです。四十八年度はいま何か白黒がなくなるのが早かったとかなんとかいうようなお話でございましたが、大体白黒とカラーに入れかわって契約されるわけでしょう。だから私ども素人考えから言えば、白黒からカラーにかわる時期が早いときの方がNHKの受信料収入はふえるのではないか。恐らく予算を立てるときには、それが平均して年度末において仮に四十万なら四十万台ふえる、あるいは五十万なら五十万台ふえるという計算はしても、予算としてはその中辺をとって予算を組むとかなんとか、そういう方法があるはずでございます。それが四十七年と四十八年の違いが、そんなに大きな違いが単にテンポの上でだけ出るというふうには、白黒、カラーを切りかえたテンポの関係でこれだけの大きい差が出るとは思えないので、さっきも数字を申し上げましたが、実に三倍ですよ。契約の落ち込みは、四十七年度十八万一千の予算に対する落ち込みであったのに対して、四十八年度は五十三万七千件という予算に対する落ち込みでございますから、これは三倍も契約そのものが落ち込んでおるのに、一方受信料収入の方は、三倍も落ち込んだときの方が三億円の予算に対する赤字で済み、三分の一の落ち込みしがなかったときの方が十億の赤字が出るという、その予算の立て方そのものにどこか無理があったのじゃないか。これは何も責めるつもりじゃございません。これから先ずっと受信料収入を立てていく上の一つの指針だと思うから私は聞いておるわけですから、いまおっしゃったようなこと、いろいろ原因があろうと思いますけれども、私はそれだけの簡単な原因で年度ごとにそう大きい差が出るとは思えないのですが、間違いありませんか。
#39
○山本参考人 数字の上で内容を分析いたしますと、こういうことが要因だろうというふうに私たちは大体分析をいたしておりますが、ただいま御指摘がございましたように、こういう数字を立てるのには従来のいろいろな過去の経験、そういうものを十分しんしゃくをいたしまして、今後の数字を固めていく上においては大きな教訓といたしたいと思います。
#40
○阿部(未)委員 わかりました。私も余り専門じゃありませんから内容までは検討しておりませんけれども、素人考えでどうもちょっと腑に落ちなかったのでお伺いしたわけですが、次の問題に移らしてもらいます。
 この委員会では、かねてから負担の公平を図るために未契約者の把握を推進するようにということをお願いし続けてきているわけでございますけれども、特に私は東京都下の契約の普及率が非常に低いことを指摘をして、その何か対策はないものだろうかということをしばしばお願いをしてきたところでございますが、いろいろ協会の方でもお考えになって、たとえば寮の管理人等に集金を委託したらどうかとか、いろいろな御意見もあったようでございますが、具体的な対策ができ、あるいは幾らかでも実効が上がっておるというような傾向にあるのかどうか、お伺いしたいと思います。
#41
○川原参考人 昨年の五月のこの委員会で先生からその点について御指摘もいただきまして、私の方でもいろいろ考えを詰めまして、先ほど会長からも申し述べましたけれども、寮の管理人あるいはそういう方にお願いする点も鋭意講じております。ただ、具体的に申しまして、東京都の場合は一番私どもが苦労しておりますのは、大きい会社の寮等よりも個々に散在といいますかございますアパート、この種のものにお住まいのいわゆる単身世帯の方、あるいは若いお二人の御夫婦の方、こういう方たちとの接触の機会が大変むずかしくて、そこで非常に苦労しております。実はそういうアパートの管理人の方等にもいろいろお話し申し上げているのでありますが、お金に関することをかわりにやっていただくということは、まあ鋭意お願いはしているのでございますけれども、目に見えてという形ではなかなか上がっておりません。ただ、御指摘もございましたので昨年以来鋭意努力いたしました結果、四十九年度の結果といたしましては東京都の全体の契約の数字もかなり上がってまいりました。これはおかげさまで、四十七年度並びに四十八年度においては非常に停滞の様相を呈したわけでございますけれども、四十九年度に入りまして普及率等も上向きになってまいりました。
#42
○阿部(未)委員 やはり一生懸命やれば幾らか効果があるということを立証しておると私は思うのですが、大変だと思います。率直に言って学生の下宿とかいろいろ大変だと思いますけれども、ひとつ負担の公平を期する意味からも、今後も続けて御努力をお願いしたいと思います。
 次に、放送文化基金の問題で、これは監督官庁は郵政省でございますけれども、NHKも膨大な基金を出しておられるわけですから拱手傍観ということではないと思うのですが、この文化基金が四十八年度に少しかかっておるように思われますが、さらに四十九年度と、こうなっておるわけですが、文化基金の事業活動について実は五十年の予算の一番最後のところに参考資料として若干載せていただいております。しかし、たとえば何々に対する助成とか、ほか何十件というふうな数字で、一体どういう内容になっておるのか細かな点がわかりませんので、余り詳細でなくて結構ですが、二、三の例を挙げながら、ひとつどっちからでも結構です、郵政省からでも結構ですしNHKからでも結構ですから、文化基金の事業活動の内容を知らせてもらいたいと思うのです。
#43
○石川(晃)政府委員 お答え申し上げます。
 この放送文化基金の活動状況につきまして簡単に申し上げたいと思いますが、放送文化基金は御承知のように四十九年の二月一日に設立されたわけでございます。したがいまして、四十八年度はわずか二カ月間でございましたので、この間は準備期間ということでございまして、実質的な活動を行ったのは四十九年度からでございます。
 仕事といたしまして、いろいろ助成、援助などの活動がございますが、その概要といたしましては、項目をかいつまんで申し上げますと助成、援助関係の実施といたしまして、放送に関する技術の研究開発、それから受信改善手段の開発の助成、援助、このようなもの。それから放送に関する国際協力への助成、援助。それから放送に関する法律、経済、社会、文化的研究調査の助成、援助。また放送に関する文化の振興、文化の保存のための助成、援助。かようなものに重点が置かれて助成、援助を実施してきたわけでございます。また、そのほか、教育施設あるいは社会福祉施設に対する受信設備の援助というのも行っております。さらに放送文化及び放送技術に関する著しい貢献に対する表彰と、このような大きく分けまして三つの項目について行ってきたわけでございます。
 この収支の状況でございますが、大体収入といたしましては四十八年度は暫定的なものでございますので、四十九年度の収支について申し上げますと、先般この収支計算書が提出されまして、それを見ますと四十九年の四月一日から五十年の三月三十一日までの間でございますが、収入といたしまして約十二億、支出といたしまして八億八千七百万、このような額になってきております。収入の部といたしまして、主なものといたしましては、やはり基本財産の利息収入というものが約九億八千万でございまして、これがその十二億の中の大きなものとなっております。また支出といたしましては事業費、管理費、予備費等ございますが、やはり事業費に七億九千八百万、約八億近くの経費を使っております。
 概略、以上でございます。
#44
○阿部(未)委員 これは、こじりつまむわけじゃございませんが、収入は十二億ではなくて十一億一千万じゃございませんか。
#45
○石川(晃)政府委員 お答えいたします。
 私どものところに来ております資料といたしましては、予算額といたしましては十一億ということになっておりますが、決算額といたしまして、基本財産利息収入といたしまして九億八千万、そのほか運用財産利息収入あるいは賛助会費収入、雑収入、繰越金受け入れというので十二億になっておるわけでございます。
#46
○阿部(未)委員 それは決算ですね。
#47
○石川(晃)政府委員 決算でございます。
#48
○阿部(未)委員 わかりました。私のは、これは予算ですから。
 それで、これは時間がありませんから委員長にお願いしたいのですが、ただいまお話がありました、たとえば「放送に関する技術の研究開発の助成、援助ならびに受信改善手段の開発の助成、援助など二十一件の助成、援助を決定」したというふうになっております。その次のものが二十九件、その次の項目が二十件、その次が二十五件と、こう勘定してまいりますと膨大な数の団体に援助がされておるように見受けられます。したがって、いまの決算でわずか十二億程度のお金で、これだけの膨大なところに援助をしておるとすると、一体どこの団体にどのくらいいっておるのだろうか、その団体は一体どういうことをやっておるのだろうかということについて、私どもは国民の非常に貴重な基金でございますから疑問を持ちます。したがって、おそらく局長さんのところにあると思いますから、このそれぞれの団体の性格と、そこに四十九年度中に援助または補助をした金額を資料として提出していただきたいと思いますが、委員長、よろしゅうございますか。
#49
○石川(晃)政府委員 後ほど資料として提出させていただきます。
#50
○阿部(未)委員 そこでこの文化基金に関連してでございますけれども、まずいまの第一項にあるわけですが、「放送に関する技術の研究開発」というのがあるのですけれども、これはNHKの方でもこの技術の研究開発には相当予算を組んで、独自でおやりになっておるはずでございます。したがって、これ、個々に基金からこういう団体に援助をしなければならないのかどうか。NHKの技術研究との関連はどうなるのか、これが一点目です。
 もう一点は、これは五項目でございますけれども、「特定の教育施設、社会福祉施設に対する受信設備の援助」というところがあって、「へき地小中学校七百八十三校に対し、カラーテレビ受像機またはFM受信機付ステレオカセット再生機を寄贈」と書いてあります。これは恐らく僻地の小中学校に、基金から受信機を差し上げたということだと思うのですが、私ばそのことに不満を言うわけではありませんけれども、かねて議論をしておりますように、小中学校といえば義務教育の学校でございます。義務教育は国が負担をするという原則があり、先般文部省の見解も聞きましたけれども、これは教材の一つだというふうに文部省も明確に答えておるわけです。したがって、ないということは大変気の毒なことです。どこかでしてあげなければならないと思いますが、義務教育の小中学校にこの基金から受像機を買って差し上げるというふうなことが妥当かどうか、非常に私は疑問を持つわけです。
 この二点、一つはNHKの技術研究との関係、一つは義務教育施設に対する基金からの寄贈というのは一体適切かどうか。二点を伺いたいのです。
#51
○藤島参考人 最初の点についてお答えいたします。
 お説のとおり、私どもの技術研究でも各般の研究をやっておりまして、恐らくいま考えられるいろいろな種類のものは網羅して、漏れなくやっていると思います。ただ、御承知のとおり、研究と申しましても、同じテーマでございますけれども、アプローチの仕方とが材料のとり方とかでいろいろやり方が変わってまいりますので、たとえばいまの助成金の中で申しますと、光を使った磁気記録の方法その他につきましても、もっと密度の高い記録をいたしたいということでございますが、これは材料の問題もございます。鉄粉の問題もございます。それからいま申し上げたように、録音技術そのものもございまして、それぞれNHKが多少やっておるところを外れたようなところで民間でいろいろやっておられます。それから当面都市受信障害その他で大変問題になっております受像機のゴースト、これをどうやって消してうまく見えるようにするかといういわゆるゴーストキラーと称しておるものでございますけれども、こういうものを電気回路でやる場合もございますし、それから技術的にチューナーの部分で切りかえてうまくやるという方法もございますので、いろいろそういう点で重複しないように、緊急なテーマの順で、私どもがいまこれは大変緊急だと思うもの、最初に一、二の例を申し上げましたけれども、そういうものを含めまして、最近の新しいディジタル技術の問題等もございまして、当面非常に緊急性のあるものにつきまして、できるだけ各方面のそういう研究体制をひとつ利用する、と言うと語弊がございますけれども、一緒に考えていただく。その場合に、アプローチの仕方なり処理の仕方なりそういうものが重複があるかないかということを十分検討いたしまして、重複しないようにして、助成金を出していただいておるように聞いております。
#52
○野村参考人 御質問の第二番目の、僻地の小学校中学校並びに社会施設等に対するカラー受信機やステレオカセットの寄贈について申し上げます。御承知のように、この基金の資金になりました問題は、私どもの内幸町の土地、建物の売却代金の利益金という問題で、当時本委員会並びにマスコミ界でも相当御議論がございました。その際、世論並びに本委員会の議論の中でも、この利益金はNHKがむしろ社会還元すべきではないかという御議論が一つございまして、その社会還元の有力な形として、やはり同じ社会還元でも放送に関係がなければ本来の趣旨からしておかしいということで、受信機の寄贈という提案がございました。これを、この文化基金の事業の定款の中にうたいまして、承認、設立を得たわけでございますが、実施してまいりますと、当初大体七億円から八億円の利子収入が得られるであろう、その中の三億円はこの種の寄贈に充てるべきであるという形で出発いたしましたけれども、実施の過程において三億円は要らない。四十九年度の決算を見ますと二億二千八百万円で帳じりを締めております。これは詳細に、まあ文部省なりあるいは厚生省なりとの実地調査をいたしますと、それほど一遍に多額の受信機並びにカセットテープは要らないということがわかりましたので、そういう実態に基づいて計算して配付いたしたわけでございます。
 ただ、お説のとおりこの文化基金の評議員会並びに理事会内の内部的な検討の結果は、やはりこの種のものはいつまでもやるべき性質のものではない、また事実実態はだんだん減ってきておりますので、金額的にも五十年度予算では五千万円減額して、一応予算は二億五千万円という形で事業計画を立てておりますが、なお実施の過程ではそれだけの予算も実行しないで済むのじゃないかというようなことで、方向としては先生のおっしゃるような方向に進んでおります。
#53
○阿部(未)委員 確かにいま僻地の学校等で受像機のないところ、私はお気の毒だと思います。何とかしてあげなければならないと思います。それはもう変わりがないのですけれども、しかし本質を履き違えているといつまでたっても直らないのではないか。私は受信料の問題でさえやはり負担すべきものは負担をし、そして免除すべきものは免除をするという形をとらないと、国がいたずらに国民の負担に肩がわりをさせるおそれがある。そういうことを申し上げてきたので、これはまあ、いま差し上げていることが直ちに悪いというふうに私は即断はしませんけれども、せっかくいま野村理事さんからもお話がありましたので、この基金の使い方についていまのような問題は関係の方とも十分相談をいただいて、ひとつ基金の所期の目的を達するように、いやしくも国民の負担に肩がわりをさせるために使われるようなものであってはならないというように考えますので、特にひとつ御配慮を願いたいと思うところでございます。
 それから次にお伺いしたいのですけれども、一昨年の石油ショックの際に協会の英断で放送時間の短縮をされましたが、あのときたしか会長は、そうなればNHKの財政にも幾らかプラスになるのではないかというようなお話があったような気がしますけれども、四十八年度、これはわずかしかかかってないと思いますが、できれば四十九年度、この放映時間の短縮のために節約できた電力料金とか人件費、詳細にわからないと思いますけれども、大まかに、どのくらいのものが節約できたのか、お知らせを願いたい。
#54
○山本参考人 四十八年度は非常に短期間でございましたので、金額といたしまして約三千万でございます。それから四十九年度は通年いたしまして、全体の経費として節減できたものが九千六百万円ほどでございます。それで中身は電力料八百万、中継料五千三百万、番組制作費三千六百万、こういう内訳でございます。
#55
○阿部(未)委員 わかりました。
 それではその次にお伺いしたいのですけれども、カラー契約の解除の数をずっと見てまいりますと、四十八年度にカラー契約の解除が百三十二万件に上っております。その前の四十七年は八十八万、四十六年は五十五万、こんなふうに年々四十六、四十七、四十八とカラー契約の解除が非常に数が多くなっておるのですが、これはこの前にちょっとお伺いしまして移転等の関係もあるやに聞いてはおったのですけれども、しかしこの数字は、四十七年あたりで八十八万であったものが四十八年に百三十万に上るというのは、単に住居の移転とかいうふうなものだけでの契約の解除と思われないのですが、何か別の動きがあるのではないかという気がするので、その辺どう把握されておるのか、ちょっとお伺いしたいのです。
#56
○川原参考人 この数字につきましては特に格段の事情があるわけではございません。いま解除あるいは廃止と申しておりますけれども、一番大きいのはやはり人口移動と申しますが、引っ越しによりまして、本来これは私ども続いて行き先をお探しして契約は続行しているはずでございますけれども、やはりそれを全部やることはとても能力がございませんので、行く先がわからない場合にはこれは結局解除と言いますか廃止という形で処理をして、新しくお引っ越しになりました所で私どもの集金の者が回っておりますので、ここでまた契約に入っていただく、こういうやり方をとっております。したがいまして、母数のカラーの受信者がふえてまいりますとどうしてもそれに対する移動率が、まあ移動率は同じでもふえてくる。こういうわけでございまして、いま人口の移動率が大体年間二二%ないし一四%ございますので、それが全部ここでわからなくなるわけではございませんけれども、どうしてもふえてくるという事情にございます。
#57
○阿部(未)委員 それはよくわかりました。
 けさの新聞ですけれども、「中野区のTV難視問題」「話し合いは平行線」だというふうになって、たしか中野というのは、この前この委員会で出たのは、不払い同盟か何かできておる所だと思ったからちょっと気になったのですが、ここで協会の方でも一緒に入っていろいろ御相談をなさっておるそうでございますが、どういう内容か余り詳しくわからないのですけれども、この種の問題が起こったとき協会の果たす役割りというのはどういうことになっておるのか、お知らせ願いたいのです。
#58
○川原参考人 協会といたしましては、テレビの絵がもちろんできるだけよく受信者の家庭に届くといいますか見えるようにいろいろな意味で努力をいたさなければならない義務がございます。ただ新宿、中野の場合は、本来テレビの電波は出ていたはずなんでございますが、そこに副都心の大きなビルができまして非常に見えにくくなってきた。したがいまして、私どもとしてはもちろん協会としてもいろいろな努力はいたしますが、まあこの種の場合はこれは明らかに受信の障害を起こしている、妨害をしている原因がはっきりしているわけでございますので、原因者責任主義と申しますか原因者の手によってこの受信障害は解決していただきたい。これはまた技術的に解決する方法もあるわけでございます。そのために私どもは受信者の実際の事情をいろいろ調査いたしまして、実際どの範囲にそれでは障害が出ているか、それはどこに原因があるか、それはNHKが一番その種の力も持っておりますので、できるだけの調査をいたします。この新宿、中野の場合にもその努力をいたしまして、その結果は関係の方に全部報告してございます。その上で現在私どもは、この原因者であります新宿新都心開発協議会、これはSKKと略称しておりますが、そういう業界の団体がございますので、そこにぜひひとつ受信者のために受信障害を解除していただきたい、これは有線でやれば可能なわけでございますから、それをお願いしているわけでございます。
#59
○阿部(未)委員 これによると、SKKの方ではUHFの波でいったらどうか、そういう電波中継基地だかサテライトですかを提案しておるようでございますが、住民の側ではやはり共同アンテナの方がいいのだ、こういうことになっておるようで、結局話し合いが平行線になった、こういう報道でございますね。実際はいまお話のあったように共同受信装置か何かで決着がつくということなんですか。
#60
○川原参考人 実を言うと、決着の見込みが、きのうも実は私どもの者も入りましてお話し合いしたのですけれども、まだついていないのでございます。それで私どもは、この原因者の手によってこれは解決していただきたい。そうでないとこれは切りがございませんし、そういうふうに申し上げているのですが、SKKといいますかビル主側の方が、一つにはその原因がビルの陰だと私どもははっきりそう思っておりますけれども、一部についてはほかのビルの影響もあるのではないかという意見があるのと、それからビル主だけに原因者負担、原因者責任主義で責任を押しつけられても困る、これは本来都市再開発と申しますか、これは大きな意味での国の施策あるいは地方自治体の施策のもとに行われているのであるからそちらの側でもやはり相応の責任負担をしてもらわなければ、ビル側だけに負担を押しつけられては困るというのが御主張で、さらに加えて有線によってこれを全部つなげばもちろん解決できることはおわかりなんですが、非常に経費がかかる、それでここにUHFの波の割り当てを受けて、非常に狭い範囲ですけれどもサテライト局のようなものをつくればわりあいに経費がかからないで解決ができるはずだというのがそのビル主側の御主張なわけです。しかしながら、私どもが聞いている限りでは、現在UHFの波の割り当てについては非常に困難な事情があるやに聞いております。ただし、これは政府の方でお決めになることでございます。そこで私どもはその議論をしておったのでは恐らく見通しもむずかしいし、めども立たないので、住民の側もそうおっしゃっているわけですけれども、何とか早く有線でできないものかということをお願いしているわけでございます。
#61
○阿部(未)委員 NHKはある意味では被害者の立場になるのかもわかりませんけれども、せっかくの地域の皆さんの要望ですから、それだけの指導力があると思いますので、ひとつNHKが仲に入って早く解決をしてやっていただきたいと思います。
 それから、前から問題になっておりました放送衛星の関係ですけれども、これはアメリカ側の都合でちょっと打ち上げが予算的にも困難だということで一時挫折を来たしておったようですが、その後国内でも新しい技術的な開発があり、また打ち上げについてもアメリカ側の方で引き受けてくれようというふうになったので、かなり早まるのではないかというふうな報道もなされておったのですが、これは局長さんのところでおわかりでしょうから、日本の国内における技術の開発というものはどういうものだったのか、アメリカ側の契約履行に踏み切った内容はどういうものか、そしていつごろになるのか、お伺いしたいのですが……。
#62
○石川(晃)政府委員 お答えいたします。
 放送衛星の開発につきましては、現在宇宙開発事業団で開発を進めておりますが、非常に順調にいっているということでございます。宇宙開発事業団におきましても、創立以来各種の衛星に関する技術の開発を行ってまいりまして、当初に比べましてやはり相当な技術の向上というものが認められるわけでございます。ことに、日本として非常に不得手でございましたソフト関係につきましても、これに力を入れまして、ソフトウェア関係につきましても相当な力を得たというふうに聞いております。また諸設備につきましても新しい技術を入れまして、いろいろな地上施設の建設にもかかっております。
 ことに衛星関係でございますが、これは昨年の十一月に基本設計を終了したわけでございます。そうして現在その後の詳細設計を進めておりまして、衛星に使いますいろいろ各種部品の製作あるいはその試験というようなことの作業を進めている段階でございます。見込みといたしましても、大体順調に進んでいるということが言われるのではなかろうかというふうに考えております。
 それから衛星の打ち上げの件でございますが、これは御案内のように昨年の十二月に、打ち上げ依頼に関する契約の締結上の問題から昭和五十二年度に打ち上げを延期するということが宇宙開発委員会で決定されたわけでございますが、その後日米の両国間で折衝いたしました結果、去る五月二十三日でございますが、ワシントンにおいて日米両政府間で、打ち上げ依頼に関する書簡の交換が行われたわけでございます。したがいまして、今後は具体的な打ち上げ契約の問題でございますが、これにつきましては、現在宇宙開発事業団とそれからアメリカの航空宇宙局、NASAでございますが、その間で締結の手続が進められております。したがいまして、近日中にはこの契約も成立する見込みであるというふうに聞いております。
 以上でございます。
#63
○阿部(未)委員 まだ契約はできてないのですからはっきりしてないのですが、契約内容としてはいつごろ打ち上げるという予定で契約内容を詰めているのですか。
#64
○石川(晃)政府委員 宇宙開発事業団とそれからNASAとの間で結ばれます契約の中には衛星打ち上げの時期等についての契約も行われるわけでございます。問題になりました二十四カ月前からの経費の支払いという件につきましては、五十年度に予算が成立いたしておりますので、したがいまして、五十年度からこの支払いを開始いたしますと、五十二年度には打ち上げられるということになっております。ただ、その打ち上げの時期それから順序、こういうものにつきましては、現在宇宙開発事業団の方でいろいろ技術的な問題、アメリカの状況、こういうものを含めて検討しながら契約を進めていくということでございます。
#65
○阿部(未)委員 それから局長さんもう一つお伺いしたいのですが、この前の委員会のときに国際放送の問題に絡んで、政府が政府の命令する国際放送についてNHKが必要とする予算の削減を行ったときには、当然郵政省からNHKに命令をする放送内容は変わってくるであろう、予算の決定をまってというお話が局長さんからありましたが、すでに予算は決定をされたわけでございますけれども、当初考えておった放送の内容とどんなふうな変わり方をしたのでしょうか。
#66
○石川(晃)政府委員 お答えいたします。
 今年度の国際放送の実施命令を約五億三百万円の予算をもって行うということを予定いたしまして大蔵省に要求したわけでございます。ところが、予算の成立額が三億四千五百万円ということになりました。非常に残念ではございましたが、満額取れなかったわけでございます。したがいまして、郵政省といたしましては、今年度の政府命令に当たりまして、当初私たちが五億三百万円ということで考えておりました計画の内容を変えまして、そうしてNHKの方にこの国際放送を実施していただきたいということでございますが、いろいろ検討してみますと、やはり番組に要する経費を減らして放送を行うというのが至当ではなかろうか、そのようなことで国際放送の命令を出したわけでございます。これは四月の二日に命令を出しました。
 この番組のことでございますが、大体番組の経費といたしまして、番組制作費、これは取材費とかあるいは録音テープなどの経費でございますが、あるいはその編成企画費、これは資料費とかあるいは企画費とかいうものでございますが、こういうようなものを極力節約していただきまして、そしてやはり前年度並みというような形で実施していただくようになるのではなかろうか、かように考えております。
#67
○阿部(未)委員 五億が三億五千万になったわけですから、約三分の一NHKの国際放送の分野では歳入の欠陥を来たしているはずです。私が冒頭申し上げましたのは、おそらく私は局長さんからそういう御答弁をいただくだろうと思ったのです。私はもっと内容を詳しく知っていますが、これは初めから言うにどんぶり勘定です。国際放送というものは、NHKが自主的に行う国際放送と国が命令する国際放送を合わせてどんぶり勘定でやっているというのが実態だと私は思います。したがって、国の予算が一億五千万削られたからといりて、NHKの放送時間なりその電波を出す国国に対する内容が変わってくるとは思えないのですよ。しかし、いまあなたは節約してやってもらう――一億五千万節約できるものなら、初めから五億の要求をするのがそもそも私は間違いだと思うのです。これがもう節約をしてどうにもならない数字が五億三百万ですか、五億を超える数字であるということが、NHKの試算でもそうであり、郵政当局の検討した結果もそうであったから、国に対して、郵政省が命ずる国際放送の内容はこういうものになりますから、これだけの予算を出してくださいという要求をなさったのだと思うのです。いまのような御答弁ですと、私が言ったように、全くむなしいものしか残ってこないのですよ。率直に言って、NHKはやはり一億五千万の赤字は一般の国民の負担で肩がわりされているのではないか、そういう気がしますが、これは会長どうですか。
#68
○小野参考人 いろいろデリケートな問題でございます。全体の放送は先生の申されるとおり、どんぶり勘定でやっております。これが政府命令分、これがNHK自前分と、こうは分けにくい問題でございまして、ただ観念上から申しますと、政府は命令した分については全額交付金を出さなければならないたてまえになっております。そういう面からいって、郵政御当局の方では三億四千五百万円の交付金しか出していなければ、それ相応の、それでやれる範囲の命令しか出し得ないたてまえでございます。おそらくそういうことで、結局は総体としてかかりました経費の中でそれを差し引いたものはNHKが自主放送としてやる、こういう分野にならざるを得ないと思うのでございまして、この辺が非常にむずかしいところだと思います。
#69
○阿部(未)委員 ですから、私はずっといままでも申し続けてきたのですが、実際には国際放送が十五億を超えて金がかかっているわけですね、人件費を全部含めますと。その中でNHKでもかなり遠慮した、と言うと言い方が悪いのですけれども、かなり遠慮してこの人件費等をのけてみて、実際に政府命令を受けてやるものが五億ちょっとかかるのではないか、こういうことになっていると思うのです。したがって、私はたてまえは二つあると思うのです。これだけ予算が必要であるとするならば、それだけはどうしても、国で、命令分については法律で定められているわけですから、金を出すというやり方と、もう一つはどうしても国が出せないのなら、やはりNHKの方で少し内容を変えてもらう以外にないのではないか、これは国民に黙って負担をさせる筋のものではないという気がするわけです。ですから、やはり実際問題としてNHKが放送内容の変更ができないのならば、もう一つの道である必要である予算については全部国が出す、そのことをやはり政府が明確にすべきだし、これもまた附帯決議にもずりといままでつけてきているところなのです。この国会の附帯決議を、これは郵政省の責任であるとは申しません、大蔵省の責任が大きいと思うのですけれども、同じ政府なのですから、その附帯決議なりNHKの国際放送の内容というものについて大蔵省が納得するような説明を行って、少なくも来年、五十一年からはこういう穴をあけないような、NHK、国民に負担をかけないような措置を国が講じてもらいたいと思うのです。これは附帯決議の趣旨でもあり、また国際放送というものの内容、法律の趣旨でもあると私は思います。
 本当は大臣がおれば大臣から所信を聞きたいところですが、政務次官おいでになりますから、ひとつ政務次官からそこのところをお伺いしたいのです。
#70
○稲村政府委員 阿部先生の御意見を私なりに聞いていて、全く同感でございますし、今後とも努力するという方向でまいりたいと思います。
#71
○阿部(未)委員 総じて四十八年度の決算の内容を拝見しまして、実はちょうどこの年は下半期に石油ショックがありまして、そのために物価が一六%も上昇するという大変な年だったと思います。しかしその中で、売却の問題があったとはいえ、協会全体の予算の執行は非常に苦しい中で御努力をされた跡が十分見受けられるというふうに考えまして、協会の四十八年度予算運営、業務運営の御労苦に敬意を表して、私の質問終わりたいと思います。
 どうもありがとうございました。
#72
○地崎委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時十分散会
ソース: 国立国会図書館
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