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#1
第075回国会 運輸委員会 第5号
昭和五十年二月二十八日(金曜日)
    午前十時三十七分開議
 出席委員
   委員長 木部 佳昭君
   理事 加藤 六月君 理事 佐藤 孝行君
   理事 佐藤 文生君 理事 佐藤 守良君
   理事 増岡 博之君 理事 太田 一夫君
   理事 金瀬 俊雄君 理事 三浦  久君
      石井  一君    大竹 太郎君
      徳安 實藏君    西銘 順治君
      宮崎 茂一君    久保 三郎君
      兒玉 末男君    斉藤 正男君
      梅田  勝君    中島 武敏君
      高橋  繁君    松本 忠助君
      河村  勝君
 出席国務大臣
        運 輸 大 臣 木村 睦男君
 出席政府委員
        運輸大臣官房観
        光部長     佐藤 久衛君
        運輸省自動車局
        長       高橋 寿夫君
        運輸省自動車局
        整備部長    田付 健次君
        運輸省航空局長 中村 大造君
        運輸省航空局技
        術部長     中曽  敬君
 委員外の出席者
        環境庁大気保全
        局自動車公害課
        長       小林 育夫君
        大蔵省主税局税
        制第一課長   福田 幸弘君
        運輸省自動車局
        整備部公害防止
        課長      北川  清君
        自治省税務局府
        県税課長    福島  深君
        自治省税務局固
        定資産税課長  川俣 芳郎君
        運輸委員会調査
        室長      鎌瀬 正己君
    ―――――――――――――
委員の異動
二月二十七日
 辞任         補欠選任
  宮崎 茂一君     松浦周太郎君
  斉藤 正男君     多賀谷真稔君
同日
 辞任         補欠選任
  松浦周太郎君     宮崎 茂一君
  多賀谷真稔君     斉藤 正男君
同月二十八日
 辞任         補欠選任
  梅田  勝君     林  百郎君
  紺野与次郎君     中島 武敏君
  石田幸四郎君     高橋  繁君
同日
 辞任         補欠選任
  中島 武敏君     紺野与次郎君
  林  百郎君     梅田  勝君
  高橋  繁君     石田幸四郎君
    ―――――――――――――
二月二十六日
 国鉄車両のし尿処理設備改良に関する請願(下
 平正一君紹介)(第九三七号)
 国鉄篠ノ井線の複線化促進に関する請願(下平
 正一君紹介)(第九三八号)
 北陸本線能生駅の貨物取扱存続に関する請願(
 高鳥修君紹介)(第九六二号)
 鹿児島空港を拠点とする国際航空路の維持拡大
 に関する請願(山中貞則君紹介)(第九九七
 号)
 沖繩航路運賃同盟の決定事項改善に関する請願
 (山中貞則君紹介)(第九九八号)
 離島航路運賃のすえ置き等に関する請願(山中
 貞則君紹介)(第九九九号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 航空法の一部を改正する法律案(内閣提出、第
 七十一回国会閣法第八八号)
 陸運に関する件(五十一年自動車排出ガス規制
 に関する問題等)
 観光に関する件
     ――――◇―――――
#2
○木部委員長 これより会議を開きます。
 陸運に関する件及び観光に関する件について調査を進めます。
 質疑の通告がありますので、順次これを許します。中島武敏君。
#3
○中島委員 二十六日に道路運送車両の保安基準の一部を改正する省令を公布されて、窒素酸化物の最高値また継続生産車に対する適用時期について決められましたが、これは非常に業界にとって有利なように緩めた内容であります。この点、冒頭抗議をして、私の質問を行いたいと思うのです。
 最初に田付部長にお尋ねしたいと思うのです。私の質問は、この間途中で終わりましたので、きょうは引き続きお尋ねしたいわけですが、田付部長が部長に就任された年月日をお尋ねいたします。
#4
○田付政府委員 四十八年十二月一日付でございます。
#5
○中島委員 この間、私がお尋ねしたときには、最初は内示を運輸省が自工会に対して行った、その返事が来たという日付もはっきりと示してお尋ねしたのですが、そのとき、最初のお答えは、私はいなかったというふうに答えられました。その次に答えたのは、私でございました、しかし入院をしていた、それでかわりに課長たちにその件の仕事を整理してもらっていたんだというふうにあなたは言われたのです。ところが、いまお尋ねしてみますと、就任されたのは十二月一日ということであります。そうすると、これはあなたはまだ就任していない時期に内示が行われ、同時にそれについての自工会の返事が来ておったわけです。私でございましたと言われたことは、あなた、就任してないのでしょう。就任してないもとで、私でございましたも何もないじゃありませんか。その点は、この間私に対してうその答弁をされたということですね。どういうことだったんですか。
#6
○田付政府委員 やや説明が不十分でございましたが、十二月一日付で発令を受けまして、しばらくした後に急病をいたしまして入院をいたしておりました。もちろん発令後でございましたわけですけれども、手術が終わりました後の業務につきましては、ときどき課長から様子を聞きながら整理、監督をいたしておりました。先生からお話のございました自工会からの一連の問題につきましては、確かに私の就任前でございますが、私が発令になりました後の、五十年規制の最終的な整理期間がございましたので、その点につきましては私の監督で行ったという意味で申し上げたつもりでございます。
#7
○中島委員 十二月一日後は、あなたの責任でやられたというのはわかります。入院はされておってもあなたの責任でやられた、それはそうでしょう。しかし、繰り返して言いますけれども、あなたもこの間持っておられたこの文書、これは明確に運輸省が自工会の安全公害委員会公害対策部会に対して規制値案について提示をしたのは十一月二十九日。
    〔委員長退席、佐藤(守)委員長代理着席〕
そして、それに対して自工会が運輸省に対して返事をしたのは、要求したのは十一月三十日、こうなっています。あなたは、そのときはいなかったのですよ。十二月一日以後のことはわかります、あなたの言われるのは。しかし、それ以前ですね。このことについて、あなたが私でございました、私の責任でやったんだと言ったことは間違いじゃありませんか。そのことを聞いているのですよ。
#8
○田付政府委員 十二月一日以前のことにつきましては、そのとおりでございます。
#9
○中島委員 国会でちゃんと答弁していただくときには、もっとはっきりした、きちんと責任のある御答弁をいただきたいものだと思います。
 それでは、そのときは一体どなたの責任でこれはやられたのですか、お尋ねします。
#10
○田付政府委員 私の前の整備部長でございます。
#11
○中島委員 環境庁のヒヤリングと、それから過去の蓄積に基づいて運輸省案をつくって自工会に内示した、こういうふうにこの間あなた言われた。環境庁は環境庁案をつくって運輸省に意見を求めた、こういうふうに環境庁の方では答えておられるのです。環境庁おいでになっていますね。――運輸省に意見を求められたのはいつでございますか。
#12
○小林説明員 お答えいたします。
 何分にも一年数カ月も前のことでございますので、はっきりした記憶というものはございませんが……(「わかっているのに言わないのは苦しいな」と呼ぶ者あり)いや、決してわかっておって言わないわけではございませんで、事実いつごろ申し上げたか、それははっきり記憶をいたしておりません。
#13
○中島委員 私は、この間も同じ質問をしたんです。あなたはそのときにも記憶が定かでないと言われた。なるほど、私がのっけに聞きましたから、記憶が定かでないということもあるいは言えたでしょう。私はそう思って、その点は見逃しておったんです。しかし、それからきょうまで何日もたちました。それでもまだあなた、記憶が定かではないなどというようなことをいまだに言っておるのですか。はっきりしたことを言っていただかなければ困りますよ。何日もあったのですから。すぐ調べてください。
#14
○小林説明員 お答えいたします。
 何分にもこうしたものというものは、会議ではございませんので、会議録というようなものもございません。それと同時に、それに同席している人というものもおりません。担当者もすでにほとんどかわっております。したがいまして、そういうものが、いつ運輸省に意見を求めたかと言われましても、現在の段階では調べようがないというのが真相でございます。
#15
○中島委員 そうでしょうか。あなたは環境庁案をつくられたんでしょう。つくって、それを運輸省に示して意見を求めたわけですね。それは、口頭でなどという話では恐らくないと思うのです。当然これは文書でなければならない。細々とした数字がたくさん書いてあるものですよ。これは、環境庁の仕事としては非常に重要な仕事じゃありませんか。これは何もいま記録が残っていないという、そういう性格のものでしょうか。私はそういうことは信じがたいですね。もう少しはっきりした御答弁をいただきたいと思います。
#16
○小林説明員 どういう案であったかということは、記録はございます。しかし、それをいつ運輸省に示したかということは定かではございません。
#17
○中島委員 その数値の内容、これについては記録がいまあるというお話で、これは示していただきたいと思うのです。そしてまたその時期についても思い出していただきたいと思うのです。非常に重要な問題でしょう。
#18
○小林説明員 内容についてはお出しするわけにはまいりません。それから、思い出せと言われますけれども、記憶にないものを思い出すわけにもまいりません。
#19
○中島委員 冗談じゃないですよ。問題は、この間うちからの審議で私が聞いているように、運輸省が案をつくって自工会に示して、そして自工会からまたいろいろなものが返ってきている。これはもう運輸省もはっきり認めておられる事実なんです。それから、あなたは環境庁としての数値を示して、そして運輸省の意見を求めた、これもはっきりしているのです。認めておられるのです。そして、問題はどこにあるかということは、運輸省が事前に内示をしたということは一つの問題です。同時に、自工会の方から運輸省に対して重ねて要求が出てきて、そして、最終的に決まった値が決まった、こうなっているのです。その間には、あなたのところの環境庁が関与しているのですよ。ですから、これは、忘れてしまいましたとか、出すわけにはいかないとかいう問題ではないのです。それは、出すわけにいかないというのは、どういうわけで出すわけにいかないのですか。私は、出さなければこの問題は明らかにならないと思うのです。
#20
○小林説明員 これは、私どもの内部的な案でございますので、外へお出しするわけにはまいりません。
#21
○中島委員 内部の資料であっても、問題がいまかけられているのは、自工会と運輸省と、運輸省と自工会と、そしてまた、運輸省と環境庁と、この間でいろいろな折衝がされている一連の問題なんですよ。だから、単に内部の問題ということを言って済ますことができる問題でしょうか。私は、そのことについてはっきり数値を出してもらう。そのとき環境庁がどういうことをやったか、何を運輸省に対して示したのか、運輸省はどういう折衝をしたのかという一連の経過を明らかにすることなしに、この問題の全貌を解明することはできないと思うのです。そういう点で、私は何も無理を言っているのじゃない。あなたの方は、内部の問題だからということを理由にして出さないという理由は全く成り立たないと思うのです。はっきり出してもらわなければ困ると思うのです。これでもまだやっぱり出さないということを、あなたは繰り返されるわけですか。
#22
○小林説明員 お出しするわけにはまいりません。
#23
○中島委員 とんでもない発言だと思う。しかし、この問題をみずから解明していこうという意思は全くないということを明らかにしたものだと思うのです。
 それじゃもう一つ聞きます。
 環境庁が運輸省に対して数値を示して、そして意見を求めたとき、このときに運輸省の方は、自工会と話し合いをして、そして意見を持ってくるだろう、こういうふうに思って、あなたは運輸省に対して意見を求められましたか。
#24
○小林説明員 私どもは、そういうことを言ったこともございませんし、そういうことを考えたこともございません。ただ、運輸省が実際に検査なりあるいは審査なりのために自動車メーカーの意見を聞くということはあり得ることだ、そういうふうに考えます。
#25
○中島委員 続けてお尋ねしたいと思うのですが、五十一年規制を行う、この場合にもまたやはり環境庁と運輸省との間で、当然のことですが、いろいろ折衝があったと思うのです。その点について、やはり今回も環境庁の方から運輸省の方に対してどういう数値を示されたのか、これについて伺いたいと思います。
#26
○小林説明員 私どもは複数の案を示しております。
#27
○中島委員 複数の案といいますことは、幾つかの案を決めて、これでどの程度ならいいだろうか、適切かということを運輸省に聞かれた、そういう意味ですか。それはどれぐらいの案を示されたのですか。
#28
○小林説明員 複数としか申し上げようがございません。
#29
○中島委員 その数値については、お示しいただけますか。
#30
○小林説明員 お出しするわけにはまいりません。
#31
○中島委員 五十年のときのデータも示すことができない、五十一年のときのデータも示すことができない。
 重ねて伺いますけれども、メーカーに対してあるいは自工会に対して、運輸省の方で今度も案を示して折衝されていると思うのですが、やっておられますね。
#32
○田付政府委員 五十一年規制を定めます場合の基準につきましては、自工会その他との接触は一切いたしておりません。
#33
○中島委員 今度は全然やっていない、あなたはそう言われる。五十年のときには非常に確信を持っておやりになったのでしょう。いや、むしろ必要なこととしてあなたはおやりになったのじゃありませんか。実際にどれぐらいできるのかということをはっきりつかんでおかなければいかぬ、技術的な良心に従ってあくまで追求をしたと言われた。今度は技術的な良心はどこかになくしましたか。五十年のときにはやった、やらなければならないと思ってやった、当然のことだということをあなたも言われ、また大臣もそういうふうに言われた。じゃ、五十一年のときにはなぜやらなかったのですか。
#34
○田付政府委員 先ほど御説明申し上げましたように、五十年の規制を決めるときのデータのいわゆる技術的な意味での可能性の打診といいますか、につきましては、私の前に行われておったわけでございますが、五十一年のときには、逆にメーカーの方がむしろ私どもの方にいろいろと陳情に参りまして、私どもの方から特にそういうことをする必要もないままに、彼らの考えておりますこと、それから現実にはいろいろなヒヤリングをしてきた過程で入っておりますデータがございますので、ある程度の推定ができたということでございます。
#35
○中島委員 五十年のときにも環境庁がヒヤリングを行い、そのデータを運輸省はもらったと言われております。
 それから、自工会に内示をする前に、自工会の方からいろんな要望があったということも事実なんです。何もそれは今回とちっとも変わっちゃいないのですよ。五十年のときにも五十一年のときにも――今回だけが何も自工会から陳情があったわけじゃありません。陳情がないもとであなたの方から内示をしたというのじゃないのです。陳情があり、それに対して内示をしているのです。そういう点では、状況はちっとも変わっちゃいない。むしろ、五十一年はもっと厳しいことが問題になっているという段階ですよ。技術的な良心に従って、それこそあなたの方ではこんな厳しいことをできるのかどうかということを自工会に当然聞いてみる。案もこれぐらいでどうだ、これならいけるかといって聞いてみる。これの方がむしろ当然なんですよ。ところがあなたはいまやらないと言われた。本当にやらなかったのかどうか、重ねてもう一回聞きます。
#36
○田付政府委員 先生は、事情は同じだとおっしゃいますが、実は変わっているところがございまして、御承知のように、五十年の対策車はすでに出始めておりまして、すでに本田とかルーチェとか、ある程度NOxにつきましては、かなり程度の低いといいますか、基準の厳しいところを満足しそうな状態の車が現に出ております。したがいまして、あのクラスの車についてはある程度いけるのではないかという値踏みもございましたので、その間の事情は五十年に飛び込みましたときの状態と全く違っておりまして、四十八年から五十年に飛び上がる過程では、御承知のように、十分の一に下げるという非常にきわどい芸当をやったわけです。したがいまして、私たちも非常に深刻に考えましたし、果たしてそういうハードルが越えられるかどうか、実は非常に心配であったということでございます。ところが本田が出、ルーチェが出、そのほか三菱の話なども聞きますと、小さいccの車については、何やら見通しがつきそうだということがわかってまいりましたので、その点につきましては、多少事情が違っておりました。したがいまして、そういう先ほど御説明したような環境で、一応の判断ができたということでございます。
 なお、工業会に五十年のときにやりましたようなことは、五十一年のときにはやっておりません。
#37
○中島委員 それは小型車の場合です、あなたが言われたのは。しかし、一千キログラム以上の車ですね、これについては非常にむずかしい、むずかしいということを一貫してトヨタ、日産は言ってきているのですよ。それはあなたも御存じないはずはないと思うのです。あなたがいま言われたのは、本田、東洋それから三菱、これを言われた。大手のトヨタ、日産については一言も言わないのです。それは違いますよ。私は、そのことをはっきり言っておきます。
 それから、続けてお尋ねしますが、昨年の十二月十六日に、北川公害防止課長は自工会の原田公害対策部会長と会談をしておられますが、このことについてお尋ねします。
 まず、会談をされたこと、このことについて認められますか。
#38
○北川説明員 お答えいたします。
 自動車の排気ガスの対策状況につきましては、常時各メーカーといろいろな実情の聴取ということはいたしておりますが、十二月十六日に原田部会長に会ったかどうかということについては記憶がございませんが、十二月また一月に原田部会長とかその他自動車メーカーの技術担当から話を聞いたという記憶はございます。
    〔佐藤(守)委員長代理退席、委員長着席〕
#39
○中島委員 十二月、一月に話を聞いたということはある、それは十二月のいつごろですか。
#40
○北川説明員 お答えいたします。
 十二月の上旬とかあるいは下旬に随時会った記憶はございますが、いまの会談を持つとかいうようなことをやった記憶はございません。
#41
○中島委員 なるほど会談かどうか、これは評価の問題ですから、いろいろ表現の仕方はあるでしょう。しかし、十二月上旬にも会っている、下旬にも会っているというお話なんですね。これは自工会の排ガス試験法分科会で報告されているのですよ、十二月の十六日に原田部会長と会ったということが。ですから、この問題もまず間違いのない問題だと思うのですが、しかし同時に記録もある性質のものだと思うのですね。そういう点では、きちんとした記録を調べて、提出していただけますか。
#42
○北川説明員 お答えいたします。
 先ほども申し上げましたように、記録をとっているということはございませんもので、御要望におこたえしかねると思っております。
#43
○中島委員 十二月上旬にも会ったということを先ほど言われましたが、十二月に何度ぐらい会っておられますか。
#44
○北川説明員 二度ぐらい会ったと記憶いたしております。
#45
○中島委員 話の内容は、大体どういうことだったですか。
#46
○北川説明員 お答えいたします。
 現在、排気ガスの五十年規制に対応した車の対策をやっておるわけでございまして、これらに対します技術の進行状況でございますとか、排気ガスの今後の対策、これらにまつわります問題の話を聞いた記憶がございます。
#47
○中島委員 ここではいろんなことを話し合われている。五十一年規制の実施時期について、新型車は五十一年の四月から、新造車は五十二年の四月からやむを得ない空気である。それからさらに、五十一年規制の最大値、つまり告示の数値は、告示はいつやるか。五十年の一月の末ごろにやる予定である。軽四輪の問題は、運輸省の方で収拾をしたいということを言っておられる。あなたはこれを思い出されて、認められますか。
#48
○北川説明員 お答えいたします。
 告示が五十年の一月末ごろに出される、こういうことにつきましては、すでに十二月にいろいろ国会関係をやっておりまして、話が出ておりまして、その関係について話をした記憶はございますが、その他の五十二年四月に継続生産車をするとか、あるいは軽自動車についてどうこうするとか云々とかいうようなことについて話し合った記憶はございません。
#49
○中島委員 五十年の告示のことですが、五十年の一月に大体出るということは話し合われたわけですね。ちょっとはっきりしなかったのですが、確認したいのです。
#50
○北川説明員 お答えいたします。
 その当時、まだ中央公害対策審議会で審議が進行中でございましたので、その審議がうまくいって、答申が十二月中、年内に出れば一月には出るであろう、一月に出ないと五十一年の対策が十分やっていけないということでございまして、まだ一月末に出るであろうということを確言したものではございません。
#51
○中島委員 何だか話があいまいなんですよ。
 ちょっと小林課長にお尋ねしますが、これは、実はいま北川さん言われたように、まだ中公審の答申も何も出ていない段階なんですよ。その時期に、もう五十年の一月には告示するんだというようなこと、こんなことが何か出ていましたか、環境庁の方で。これは告示のことですから、環境庁ですよ。環境庁でそんなことを言っていたのですか。
#52
○小林説明員 お答え申し上げます。
 実は私もちょっといま混乱しておったのは、先生、五十年の話なのか五十一年の話なのか、ちょっとわかりにくかったものですから……。五十一年のお話でございますね。(中島委員「五十一年の規制の話です」と呼ぶ)五十一年のお話ですと、五十年の一月末ごろ告示をするということを私どもが言ったかどうかということは、どうも余りはっきりいたしませんけれども、おそらく国会で、なるべく早くやりたいということで、さらに御質問があって、できれば一月中にやりたいということは、大臣あるいはうちの局長が答えたような記憶がございます。それ以上のことは私はわかりません。
#53
○中島委員 これはまだ中央公害対策審議会で何も結論が出ていない。そういう時期の話なんです、ひとつはっきりしておきたい点は。中公審で何も結論が出ていないという段階で、すでにその告示をいつやるかなんという話が出ているということ自身がおかしな話なんです。そうでしょう。論理にも何も合っちゃいないのです。そんなことをもし確言している人がいるとしたら、それはどうかしています。それで北川課長は、その問題については話し合った。一月の末ごろになるだろうということについては話し合ったということを認めておられる。
 それからもう一つ伺いますが、あなたが原田さんと会ったときに、ラインエンドの管理よりユーザー管理の方が大事だという話も言っておられる。これも認められますか。
#54
○北川説明員 お答えいたします。
 ラインエンドにおける管理、これは規制によって決まってくる問題でございまして、それはもちろんきちっとやらなければいかぬことでございますし、あわせて使用過程におきますいろいろなアフターケア、こういうことも十分やっていかないと、五十年、五十一年の、非常に高度な技術を使いました車に対する対応ができないということは、私、日ごろから自動車関係者に言っておった話でございますので、その意味でいまのお話が伝わっておると推測さしていただきたいと思います。
#55
○中島委員 それはそういうようなことが伝わっている。話があったということでしょう。しかしこれは、一般的にはユーザー管理が大事だということはそのとおりだと思うのです。しかし、この問題は単純じゃないのですね。なぜなれば、中公審の自動車公害専門委員会の中で、検査のやり方ということについていろいろ問題になっている。いわゆる家本メモによりますと、この問題についても、「検査の運用上の問題点を改善すれば、〇・八でもよいのではないか。」というような意見が出されて、これに対して家本委員の方から、「運輸省が動き易い形を残してほしい。」ということを言う。そして、小林課長は、「議事録は外に出すものではない。議事録に入れてもよいが、本日の席には関係者がいるので、十分分っているのでないか。記録には強い要望があったと記入の外、関係官庁でも十分検討する。」というようなことを言っておられるのです。ですから、これは単純にユーザー管理が大事だという問題とだけは受け取ることができない。これはやはりラインエンドの管理というものを軽視する、つまりここでもっと検査のやり方についても、それはわかっているじゃないかというようなことで、そういう問題を話し合われている、それとの関連でこの問題を考えざるを得ない。しかし、やはりそういう問題をあなたは言っておられるということを認められた。
 それから、さらにもう一つお尋ねしたいのです。やはりこの会談で、会談と言えば、あなたは会談じゃないと言われるかもしれないが、その話し合いでこんなことを言っておられる。革新団体から公式テストデータの公開を求めてきている、一部は提出した、しかし、諸元表記載値を適当にまとめて公表したらどうかと考えている、こういうことも話し合っておられますね。これは認められますか。
#56
○北川説明員 お答えいたします。
 そのような事実、は記憶がございません。
#57
○中島委員 私はなぜこんなことを言い出すか。これはそのときに、あなたが原田部会長と会ったときに話をしたということは、私どもにははっきりしているんだ。しかし、なぜ私がこのことを言うか。昨年の八月の閉会中審査のときに、私は公害環境特別委員会で低公害車の型式認定時のテストデータを要求したのです。そうしましたら、委員会で要求する前に要求しましたら、非常に簡単なものを出してこられた。委員会で要求しましたら詳しいものを出してこられました。それから、その後低公害車のラインエンドの検査のやり方の文書を出してもらいたいという話をしましたら、そういうものはないというふうに言われた。ところが、最近要求したら持ってこられたんです。その持ってこられたのは、「自動車排出ガスの平均値規制等について」という文書なんです。しかし、五十年規制のものもあるはずだから、だからそれも出してもらいたいということを言いましたら、五十年のものはない、ただし、四十八年と同じようにやっている、こういうことを言っているのですね。四十八年のものは文書でちゃんとあるのです。五十年のものはないのですか。これはまだ委員会で私が確かめた問題ではありません。あるのだったら出してもらいたいと思うのです。
#58
○北川説明員 お答えいたします。
 平均値規制の管理につきましては、四十八年規制のものについての通達は出ておりますが、五十年、五十一年規制につきましては、それを取りまとめましてこれから出すということで、いま準備を進めておるところでございまして、現在のところはございません。
#59
○中島委員 それじゃ、関連してもう一つ伺いますが、四十八年のものを私どもが要求しましたら、なるほどこういう文書を持ってこられた。ところが、これには別表の一、二、三、四というものがあるのです。その別表は、私どもには持ってきていないのです。これはその分だけはずして持ってきておられるのです。なかなか運輸省は資料を出したがらないのですね。何でこんなに資料を出したがらないのかという問題、非常に大きな問題だと思うのです。それで、先ほど言いましたように、私が委員会の中で要求しましたら、なるほど私どもにもわかるものを持ってきた。しかし、なかなか出したがらない。だから、さっき言いました革新団体からいろいろなデータを要求されている。一部はとうとう出してしまった。あるいは私のことかもしれない。これは私が要求したときのことかもしれない。それで、今度また要求されたら、諸元表記載値を適当にまとめて出したらどうかと思っているなんて、こんなふざけたことを言っているのです。冗談じゃないですよ。だから私はいまこうやって一つ一つ聞かなければならないのです。だから、私はあらためて要求しますけれども、五十年の先行車の資料、四半期ごとのテストデータ、これについて別表一、二、三、四の形式でメーカーが提出しているはずであります。そのものを提出していただきたいと思うのです。
#60
○北川説明員 御報告申し上げます。
 ただいまの別表一、二、三、四と申しますものは、私どもに業務資料として参っておるものでございまして、先般それを取りまとめたものとしてお出し申し上げておるわけでございますが、それでもって御了承いただきたいと思います。
#61
○中島委員 問題は五十年の規制をめぐり、五十一年の規制をめぐり、いろいろな疑惑がかけられているんですよ。ですから、そのことを運輸省が、みずから潔白であるということをはっきり証明するためにも、私は進んで、こういうデータは取りまとめた最後の結果というだけのものじゃなくて、もっと詳細なデータがあるんです。それは当然のことですけれども、報告しなければならない義務が各メーカーにはありますよ。それをはっきり出して、このように潔白であるということを証明するべきだと思うのです。どうぞひとつ、そういうものをはっきり出していただきたいと思うのです。私が昨年の八月に公環特でこのことを要求しましたら、内容のわかるものを提出してくださったんです。いまここで提出しないということをあくまでやらないで、出していただきたいと思うのです。もしここであなたがそれを断るという態度であるならば、諸元表記載値でごまかしておこうやという話をしたということは、あなたはそんなことは言いませんと言っても、私はやっぱりやったんだろうというふうに思わざるを得ないのです。
#62
○北川説明員 お答えいたします。
 先ほども申し上げましたように、私どもがいただきましたものにつきましては、それを取りまとめをいたしまして、そして先生方にお示しを申し上げる、こういうことにいたしておりまして、先般御要求のありましたものに対しまして、そのようにしてお答え申し上げたわけでございまして、今回のものについてもそのようにさしていただきたいと思います。
 先ほどお話のございました革新団体へのデータ提供に対しまして、私が諸元表云々というふうなことを申し上げたというふうに、非常に誤り伝えられておるようでございますが、決してそのようなことは、申し上げた記憶はございません。
#63
○中島委員 データを出す問題について、はっきりさせておきたいと思うのです。
 一番最初に要求したら、出てきましたものはこれなんです。「低公害自動車の審査時データ」、ペラ一枚の、中身もごく簡単な、本当に最後の最後の結論だけなんです。これは諸元表記載値ではないかもしれないけれども、こういうものなんです。これじゃわからないんです。それで、重ねて私が要求したら、出されてきたものはこれなんです。「低公害自動車の審査時データ」、標題は同じです。標題は同じですが、非常にきちんと一回一回のテストデータが入っているのです。これならわかるのです。こういうものならお出し願えるという先ほどの答弁ですか。ペラ一枚の簡単な、何もわからない、そういうものを出されると言われるのか。それとも、これに類するものを出されるというふうに言われているのか、そこをはっきりさせていただきたいと思います。
#64
○北川説明員 お答えいたします。
 先生の御要望のございます。データにおきますばらつきの問題がわかる、それは先般もお出し申し上げたわけでございますが、いまの御指摘のものは、四半期報告でございますので、様式、内容が違っておるはずでございます。そちらの方において、先般お出しを申し上げましたような書式でお出しを申し上げたいということでございます。
#65
○中島委員 つまりこれは、標題が同じですからちょっと理解しにくいかと思うのですが、これではなくてこっちであるという、つまりこれは審査時ですよ。ですから、それは明らかに違うのです。四半期ごとのものを私は要求しているのですけれども、四半期ごとのこういうものではなくて――確認していただくのが一番いいのだけれども、こっちの方をお出しいただく、こういう意味ですね。
#66
○北川説明員 お答え申し上げます。
 先生お話の、後ほどお持ちいたしましたものと考え方が同じように取りまとめて、先般お出ししたわけでございますが、その方法でお出しを申し上げたいと思っております。
#67
○中島委員 時間なので、もうこれ以上質問を続けるわけにいかないわけなんです。それで、まだお尋ねしたいと思っていることも残っておりますが、今度の五十一年規制の問題をめぐって、いろいろな疑惑が非常に深まってくるという状況のもとで、環境庁も運輸省も告示をされた。私は、本当にこの疑惑を解明するためには、告示を撤回して、もう一度やり直しをするということをやるべきだと思うのです。最後に大臣の考えをお聞きして、私の質問を終わりたいと思います。
#68
○木村国務大臣 運輸省は、自動車を使用する段階で低公害の、また安全度の高い車にして使用者の使用に供するというのが、運輸行政の仕事であるわけでございます。したがって、今回五十一年度の窒素酸化物の基準が決まったわけでございますが、あの基準に従って生産される車が、どの程度間に合うように生産できるか、言いかえれば、車の利用者の方がどの程度需要を満たされるかという、生産と需要とのある程度の適切なバランスがとれるということが必要であろうと考えておるわけでございます。したがって、その実施時期を決めますのには、その両面のことを考えながら、一体その時期をいつに置いたらいいかということで、いままで判断をしてまいったわけでございます。したがって、その間では、生産者側の生産の状況、開発の状況等についても十分なる情報、資料もとることが必要でございますし、また、生産者側がどういう意向でやっているかということを表明しておりますが、そういう話も聞いてやることも必要でございます。それらを勘案いたしまして、運輸省の判断で、この時期に線を引けば大体自動車を需要する側も供給する側も円滑にいくであろうということを考えまして、五十二年の三月という時点を決めたわけでございますので、この決めました事柄については、申し上げましたような経過をたどって決めたのでございますので、いまこれを変更するとかそういうふうな意思は持っておりません。
#69
○木部委員長 久保三郎君。
#70
○久保(三)委員 自動車に関して二、三お伺いしたいのでありますが、一つは、昨年十一月二十日、福岡高裁那覇支部で判決が下りました、いわゆる軽貨物による旅客有償運送、これに対するものに関連してであります。
 判決の内容は私から一々読み上げる必要はないと思うのでありまして、判決の要旨は、言うならば、有償運送をやれば輸送秩序が乱れることはわかっているが、いまの法体系から言って、これは違法ということで処罰する対象にはならないというのが結論のようであります。
 そこで、政府としてはこれに対してどういう考えをしておられるのか。このままでいくならば、これはある程度合法化されたかっこうになると思うのですね。これに対する見解、それからどういうふうな対策を立てようとしているのか、その点についてお聞きしたい。
#71
○高橋(寿)政府委員 お答え申し上げます。
 福岡高裁の判決につきましては、いま概略先生がお示しのとおりでございます。この判決の中身の問題につきまして、私たちも実はちょっと意外だった点がございます。私たちは、百一条違反ということで十分成立し得るということでやったわけでありますけれども、成立しないのだという判断が出たわけでありまして、ちょっと意外に思っておりますけれども、これはやはり裁判所の結論でございますので、そういった点については、私たち行政当局がとやかく言う筋合いではないと思います。
 そこで、内容の論評は避けたいと思いますけれども、私たちのこのことに対する今後の態度といたしましては、この判決にも触れられておりますように、反復継続して事業をやる場合には、当然四条による免許を取らなければいけない、むしろそういったことでこの違反摘発をすべきではないかというふうに示されております。確かにそれも一つの見解だと思います。私たちはできるだけ、そういう反復継続して行われているという、つまり営業的に行われているという実証をこれからも挙げる努力をいたしまして、そして四条違反でやってみるということも考えておりますけれども、何分にもこの種の事実に対しまして反復継続性の立証、いわゆる現行犯的なもののデータを積み重ねるということは、事実上非常にむずかしい点もございますので、私どもといたしましては、そういったことの努力を進める一方、やはりもう一遍百一条違反でトライをしてみよう、こういうふうに現地の総合事務局の当局では考えております。
 なお、やはりそれについても裁判所の判断が否定的になるだろうかどうかもう一遍トライをしてみたい、こういうふうに言っております。それが直接このことについての私たちの見解でございますが、先生の御質問の趣旨が、いわゆる軽貨物自動車によるタクシー行為全般をどうするかという点について答えろというお話でございますれば、後ほどまた御説明申し上げます。
#72
○久保(三)委員 やはり有償行為ということで何とかやってみようかというようなお話ですが、私は問題の考え方は二つあると思うのですね。二つと言うより一つなんだろうけれども、沖繩を中心にしてこういう有償運送の行為が、言うならばかなりの数だと思うのですね。最近では奄美大島にもそういうのが出てきてる。近く本社の方にもだんだん出てくるのではなかろうかというふうに思うのであります。
 考えてみれば、一番手っ取り早い商売でありまして、車の値段もそう高くはないので、ちょっとした資本金、資本金と言われるほどのものはなくても商売ができるということなんですね。そういう商売ができるということは、反面需要があるということでありますから、需要がないのに商売はできませんから、だから沖繩にしても奄美にしても、本土と変わった特殊な条件があるのかというと、私はこの面については余りないと思うのですね。だからそういう状態を今後必要とするのかしないのか、あるいはいまのハイヤー、タクシーの制度で十分カバーできるのかどうか、そういう問題もあわせて検討する必要がありはしないか。いまのやり方は、単に有償行為は禁じられているからそれで取り締まろうというのは、余りにも末梢的な考えではないだろうかというふうに思うのであります。
 それからもう一つは、沖繩だけ見ても、それでなくてさえ那覇市を中心にして交通は混乱しているのですね。バスにしてもなかなか体質改善までいかない。ハイヤー、タクシーもやや軌道に乗ったようだけれども、なかなかどうも思わしくない。そこに何千両かのこの種の軽貨物というか、これが有償運送をしているということでありますから、これをやはりどこかで断ち切って軌道に乗せなければ、沖繩あるいは那覇中心の公共交通というかそういうものは確保できないと思うのです。そういう観点から、総合的に交通行政の面から、いわゆる輸送需要をどう整理し、どう秩序立てていくかという、そういうものから考えていく方法があると思うのですね。単に法規違反とかなんとかで取っつかまえようということだけでなくて、そういう方向も考えてみよう、それに対して去年の十一月にそういう判決が出て、思わぬ判決だと言われればそのとおりでありますが、われわれも判決文を読むと、ああなるほど、そういうふうにも解釈できますねということで、むしろ法律の盲点を突かれたというかっこうだと思うのです。だから、法律を直すということも一つでありますが、ただいままで申し上げたような観点を考えてみる必要がある。
 それからもう一つ、三つ目は、四十六年でありましたか、法律による免許可の整理を一斉にやりましたね。そのときからこの問題は発生しているわけですね、この淵源を尋ねれば。だからもうすでに数年になっている今日、あの制度を改廃をした方針というのが正しいのかどうか改めてこの際評価をし直して、輸送秩序はどうあるべきか、その中で免許可のあり方はどういうふうにすべきかという、そういう三点目が私はあると思うのですね。そういうものをあわせて考えて早急に対策をとらなければ、これは混乱をさらに一層招くであろうと思うのですが、そういう観点から御検討いただいているのかどうか、あわせてお答えをいただきたい。
 それから局長がおっしゃる百一条、有償行為だけでひとつやっつけようと言うんだが、これはむずかしいですよ。反復営業行為をやっているなんて、そんな、ついて歩くわけにいきませんからね。むしろそういうのはお客さんも必要でやっているのでしょうから、それはできませんよ。だからそういうことじゃなくて、いま言ったようなことから考えてみたらどうか、いかがですか。
#73
○高橋(寿)政府委員 お答え申し上げます。
 私も概要において先生と同じ意見を持っているわけであります。先ほどお答え申し上げましたのは、一応行政当局として公式答弁というか、この判決についてどう考えるか、取り締まり方針をどうするかということにつきまして部分的にお答えしたわけでございますが、私の考えておりますことを、若干時間かかりますが、申し上げますと、やはりなぜこういったものが出てきたかという基本に立ち戻って考えてみなければならない。そうしますと、やはりいま先生がお話しのようなことがあるわけであります。一つには、沖繩には昔からそうですけれども、鉄道とかがない、それからバスの交通もなかなか便利でないというようなことがあります。それから占領中にかなり安いガソリンが沖繩本島では手に入ったものですから、沖繩の島民がマイカーとかタクシーとかそういう小さい乗り物、小回りのきく乗り物で用を足すという生活習慣が身についてしまったということがあります。それから道が非常に狭いものですから、どうしても小回りのきく乗り物をみんな喜ぶようになった。それからこれは基本的問題でありますけれども、沖繩復帰後なおいまだに生活水準についてそう思い切った改善が行われない。そうなりますと、沖繩の県民の方はやはり手っ取り早く安く利用できる交通機関にどうしても頼りがちになる。かてて加えまして、沖繩復帰による本土からの中堅企業の進出等も思うにまかせない現状から、かなりの人たちがいわゆる産業予備軍的に余っている。こういう方々が、兼業、専業のいずれを問わず、手っ取り早いもうけ口として何かねらっておった。そういったところへ、先ほどもちょっと御指摘の許認可整理法が通りまして、軽自動車による貨物運送事業はフリーになりました。そういった条件が全部一緒になって大変な数のものが出てきたということがこの出てきた原因であると思います。したがいまして、このことは、軽自動車を使って貨物運送をするのはフリーであるということでありまして、人を乗っけることはあくまでもこれはフリーじゃないわけでありまして、現在の道路運送法でも人を運ぶことはやはり免許が要るということでございます。明らかに反復継続して行えばこれは四条違反、いわゆる無免許営業になりますし、また反復継続性がなくても百一条の自家用自動車の無許可有償使用の違反になりますので、私たちは取り締まりを続けたいと思っておりますけれども、何と申しましても、先ほどから申し上げておりますような社会的な基盤の上に出てきたものでございますので、われわれの取り締まりというふうなことで根絶やしにするということは不適当である。もちろん取り締まりも進めますけれども、そのことだけに頼ってやることは不適当である。むしろそれはそれとして行いながら、もっと基本的、抜本的には、先生の御指摘のような大量交通機関を整備して、こういったものに頼らなくても済むような交通サービスを充実させるということの方が基本である、こう考えているわけであります。
 そこで、バス、タクシーに分けまして、それぞれ沖繩の総合事務局がバス業界あるいはタクシー業界を指導いたしております。いろいろ項目がございますが、長くなりますから読み上げませんけれども、バス、タクシーサービスを充実させまして、こういうものに頼らなくても済むような交通体系を早くつくりたい。特に海洋博がございまして、海洋博を契機にバスなんかにつきましてはかなりの資金的バックアップもできますので、これをチャンスにいたしまして大量公共交通機関による交通というものを本位に考える、そういったことに早くいたしたい、いま鋭意努力をいたしておるところでございます。
    〔委員長退席、佐藤(守)委員長代理着席〕
 なお、沖繩の経済復興が進みませんと、なかなか基本的にこういったものがなくなるという状況は造成できないと思いますので、これはまた政府の関係機関にもお願いいたしまして、早くそういったことを進めていただきまして、こんな違法な仕事をしなくても食っていけるようにしてあげたい、こう思っております。
#74
○久保(三)委員 沖繩にはいまこの種の軽自動車はどのくらい登録されて、また奄美にも最近かなりふえてきたというのですが、それは様子はわかりますか。あるいは全国的な――いまわからなければ後で資料で出してくださって結構です。
#75
○高橋(寿)政府委員 奄美の資料がちょっとないのでありますけれども、沖繩につきましては昨年の秋に五千台ございます。これは大変な数でございまして、沖繩のタクシーの数と台数ではほぼ同じ数でございます。奄美はまだ非常に少ない台数であります。
 そこで、先ほどちょっとまだ私答弁が足らなかったのでありますけれども、こういったものがどんどん本土の離島なりにも出てくるのではないかというふうなことも考えられないことはございません。奄美につきましては、いま数字が入りまして、二百四十台ほどあるようでございますが、だんだん南の方の島から北の方に上がってくることも考えられないではございませんけれども、その場合に、まだ私の行政の責任者としての責任ある答弁というよりも、若干私見が入りますけれども、離島なんかではいまの千五百cc、二千ccというふうなああいう大きなタクシーだけでいいんだろうか、むしろ軽自動車、三百六十がいいか、もうちょっと大きくした方がいいかという別の議論もございますが、もうちょっと、仮に三百六十ccというものが五、六百ぐらいに上がるようなことになったといたしますと、これは離島なんかではタクシーキャプとして役に立つのではないかということも考えられますので、近い将来やはりそういった検討もいたしまして、どこでもここでもというわけにいきませんけれども、離島のような比較的道路条件もよくない、また足も、足と申しますのは、一日の一回一回の運行距離もわりに短いというところにつきましては、そういった種類のタクシー営業も認めることによって、いわゆる合法的な枠の中に取り入れていく。つまりタクシー営業になれば当然私たちの監督が及ぶわけでありますから、そういうことで違法であるということだけでほっておかないで、むしろ前向きに、そういった需要があるならばそういうことも方向としては考えていきたい、このように考えております。
#76
○久保(三)委員 私も、いま後段にお述べになったように、必要な場所には、何も大きい車でなくちゃ有償行為はいけませんなんということは必要ないと思うのですよ。態様に応じ、いまの時代に、これからの時代に合った輸送というのはそれぞれのケース・バイ・ケースでというか、地域や需給に応じて設定してもいいかもしらぬ、こういうように思うのです。しかしそれは大きく言えば総合交通体系というか地域における総合交通体系、そういうものも前提に一つは考えてみたらどうかというふうにも思います。しかし、当面沖繩なり奄美で既存の輸送秩序が乱れて安全性が阻害されるようなことがあっては困ると思うのですね。だから当面の対策は、措置はどうしますかということになるわけです。だから早く結論を得なければいかぬ。これはどうしますか。運輸大臣にお尋ねした方がいいでしょう。――局長ですか。
#77
○高橋(寿)政府委員 私は、軽貨物自動車によるタクシー行為が行われておりますのは、沖繩の特殊事情というふうにかなり考えているわけであります。特殊事情といいますのは、やはり復帰のおくれによる沖繩全体の経済、社会水準の低さというものがあると思うのであります。その点は本土の離島は違うと思うのであります。したがって、私は、本土の離島については今日これを認める気は全然ございません。したがって、奄美大島を含む本土の離島については、今日は取り締まりをいたしまして根絶やしにいたしたい。しかしそれだけではやはり需要に応じられませんので、もう少し前向きの方法としまして、バラエティーに富んだタクシーサービスという意味で、先ほど申し上げたこともやっていきたい、こう思っているわけでございます。
#78
○久保(三)委員 貨物ならばいいんですね、有償行為は。お客じゃなぜ悪いのかというんです、単純素朴な考え方を言えば。貨物だって、後から質問しますが、これは有償行為がよろしいということになって、これから総合交通体系というか物流の中で軽自動車の役割りはどういうふうに位置づけたらいいのかわからなくなってくると思うのです、いまのままでは。そうでしょう。だから、私は、必要のあるものならばこれは軌道に乗せてあげたらいいと思います。
 しかし、それは必要があるというだけで、むやみやたらに輸送秩序が破壊されたり、これからの交通、運輸のあり方に支障があったりすることでは、これは困ると思うのですね。それはやはりちゃんと枠の中へ入れて決めなければいかぬと思うのです。そういうものがなくて、四十六年のころは自動車については、何というか、めんどうだ、そんなに小さい車まで一々判を押すことはないだろうということでこれはやったと思うんですね。それはそれなりに当時はいいんでありますが、いまになってみれば、貨物は有償でいいが、旅客乗せたらけしからぬぞというのは、大体これはつくるときからおかしいと思うんだな。後に乗ることができるんだから。それで車でなくたって、自転車だって輸送ができるんだから。あれは有償だっていいんですよ。やるつもりならできるんです。その辺にもいますよ、自転車が。あれは有償でやっているんですよ。そういうことを考えると、もともと貨物はいい、旅客は悪いんだなんということも、決めたこと自体にも、運輸当局もうかつな話だと思うんだが、まあそういう話は別として、いずれにしてもこの問題は早急に解決しなければいかぬ。
 それには局長が言うように、奄美や沖繩は特殊だと言うが、これは特殊ではないんだな。発生がしやすかったというだけだ。それは先ほどお話があったように、占領下においてすでにそういうものがあって、これは許可制度になっていたんですよ。ところが、沖繩復帰と同時に、日本政府の行政の範囲では許可の必要はないということになったんで、一挙にはびこってきたという経緯があるんですね。だから、いずれにしてもそういうこともあるんで、これは局長はほかにはそう発生しないような話をしておられるが、私は、ここで議論すればするほどはびこっていくんじゃないかと思うのです。
 最近失業者が大変多くなりました。車の運転もできる人が多くなりました。軽自動車はわりあい安い。そういうことになると、手っ取り早くひとつかせごうかということになってくる。何もそういう者の生活を奪うことが中心ではありませんけれども、輸送の問題は体系づけていかなければならぬ時代に混乱を引き起こすと困る。だから、早急にこういう方針をお立てになることがいいと思うのですね。局長のところでおやりになるか大臣のところでおやりになるかは別として、やはりこれは早急に基本方針を決めて取りかかる筋合いのものだと思うのですが、いかがですか。
#79
○木村国務大臣 局長が申し上げておりますように、この状況は沖繩にそれだけの背後事情があってこういう現象が出たわけでございますので、局長が特殊だと申し上げましたのは、本土の事情から見た場合に特殊だということであるわけでございますが、旅客をああいう軽自動車で運ぶということになりますと、人命の問題もございますし、また旅客を輸送するわけでございますから、サービス面に快適な車両でなければいかぬとか、いろいろな条件があるわけでございますので、沖縄も復帰がおくれたために経済的にもかなりおくれをとっておりますのでこういう状況になっておると思うのでございます。これからだんだん本土並みに経済状況もよくなってまいりますと、これはだんだん姿を消していくのじゃないか、私はかようにも思っておるわけでございますが、現状はまだそういう背景を持って現在その需要が非常に強いというところでございますので、その点も、行政の面ではちょっとなまぬるいようなところもありますが、情勢もよく考えてやらなければいかぬのではないかと思います。
 それから軽自動車が許可が要らないで輸送行為ができるという問題でございますが、私もちょっとはっきりは覚えておりませんが、軽自動車のことでございますし、行動半径も狭いので、有償的に貨物の輸送をやりましても、全体の貨物輸送あるいは有償輸送ということにそう大した影響はない、したがって、そこまで法律で締めるのはどうかというようなことで当時それから外されておると思うのでありますが、これは今後の情勢を見ながらその必要が出てくればまた考えなければいけない場合があるかもしれぬと思っておりますが、現状はそういうふうな認識でおるわけでございます。
#80
○久保(三)委員 いずれにしても早急に検討を加えてこれ以上混乱をさせないように持っていくべきだと思うので、自動車局内でも結構でありますが、もう少し関係者集まって早急に結論を得られるような仕組みを考えてみたらどうかというふうに思います。別に答弁は要りませんが、そういうふうに考えます。いままでのお話だと何かまださっぱり見当がつかぬようでありまして心もとないというふうに思うのです。判決が出たために旅客輸送が非常にやりやすくなったんじゃないかと私は見ているのです。これは事実だと思うのですね。それだからそういう点も含めて考えてもらいたいと思います。
 次にはトラックというか貨物輸送の問題でありますが、最近区域のトラック、路線もあるのでありますが、中小の中では最近の総需要抑制というものもあったり、いままで運送屋に出したものを自分の自家用車で運ぶというようなかっこうも出たためにかなり苦しい経営をしているものが多いと思うのですね。そこで倒産するものもあるし、あるいは会社更生法の適用というようなものもある。あるいは賃金の遅欠配などはかなり出てきたということです。これでは困るのでありまして、ついてはそういうものを倒産関連業種に指定しまして、もっとつなぎの資金の融資などを考えるとか特別の金融措置を考えるというようなことが必要だと思うのですね。聞けばまだそこまではいっていないように思うのでありますが、その点に対しての配慮はどうなっているか。
 それからもう一つは、全体として、地域にもよりましょうけれども、新免その他の問題がございます。これはやはり今日の情勢を踏まえて免許を考えるべきだと私は思うのであります。もちろん、地域その他もございましょうが、少なくともそういうことだと思うのですね。それをやらぬで、従来のような、白トラやっていて、つかまえてと言ってはおかしいが、それがわかって、おまえ白トラやっていたら困るから青ナンバーに乗りかえろというような行政指導の一環として免許がやられることも間々あるわけでありますが、それでも困るのでありまして、最近は地域ではそれぞれ区域の集約というか共同化を政府の方針に従ってやっているわけでありますが、そうやりながら今度はどんどん新しいものが出てくるとアウトサイダーとしてこれが活躍する。そうすると共同化して集約しても余りメリットがないというようなことが最近間々見受けられる、それが倒産にもつながるということでありますので、その点についての指導について、万全を期すべきではないかというふうに思うので、あわせてお答えをいただきたい。
#81
○高橋(寿)政府委員 トラック、通運のような物流関連企業がいま大変苦しい状況に陥っているということは私たちもよく承知しております。これはバス、タクシーと違う苦しさがございますのは、業界全般が不振ということもありますけれども、貨物運送事業は荷主さんにかなり頼っておりますので、特定の産業が悪くなりますと特定の産業に頼っているトラック事業者が非常に悪くなってしまうという意味で、一般的に景気のよしあしという問題もありますけれども、さらに深刻なのは景気の悪い産業の荷主さんに専属的に出入りしているトラック事業というのは大変深刻な状況になるということでございまして、そういった点は、今回の不況が従来になかった非常に深刻なものであるということに関連いたしまして、トラック業界もいままでにない深刻さを迎えているわけであります。
 そこで、いま先生御指摘のございましたような倒産関連企業の指定をいたしましてつなぎ融資を優先的に行うという点と、もう一つは雇用保険法の調整金の給付をもらって一時帰休等の場合に金が出るというふうなこと、この二つのことを、一方は中小企業庁、一方は労働省でございますが折衝を進めております。きのうまでの情報でございますと、後者の方の雇用保険法の指定業種にトラック業と通運業が入るという内示を受けております。中小企業庁の方も、雇用保険法の指定業種になればかなりそのことを尊重して、倒産関連業種を決めてやろうかというふうに聞いておりますので、これも倒産関連業種に近く指定ができると思っておりますが、なお、その点については中小企業庁に強力に折衝を続けます。
 そこで、それに関連しまして免許を少し考えたらどうかという点につきましては、昨年の秋も交通対策特別委員会で御質問がございまして、お答えしたわけでございますけれども、私たち、各陸運局に流しております通達の中に、通常の場合には、なるべくそこの地域の中の需要に対して供給不足にならないように、どちらかといいますと、要件充足主義といいますか、要件さえ整えば免許をするという方針を出しておりますが、不況のときにはその地域の状況をよく勘案して処理するようにということを言っております。そこで、昨年の秋以来各陸運局に話をいたしまして、トラックは、荷主さんによりましても、地域によりましても、かなり状況が違いますので、そこの地域、そこの業者よく事情を見まして、必要がある地域については、過渡的にやはり免許を控えるということもしなさい、その辺は陸運局長の判断に任せるということを指導をいたしておりまして、これからもそういった点について誤りなきを期したいと思います。
#82
○久保(三)委員 次には、自動車運送取扱事業の問題ですが、これはもう御承知かと思うのでありますが、最近取扱事業を営む者が、これは区域事業者あるいは荷主、こういうものが取扱事業を行って、そのために、区域事業者などはそれに隷属させられまして、運賃のダンピングが当然のごとく行われている。そのために、区域事業者、さっきの総需要抑制に伴って荷物の動きが少ない上にダンピングがはなはだしくなっているということなんですね。これは運送取扱事業、単純な水屋といいますか、荷物を預ける、そういうことだけじゃなしに、たとえばある工業団地みたいなものができますと、そこの団地進出企業が別会社をつくってというか、簡単にできますから水屋をやる。そうなりますと、いやでもおうでもそこへ入ってくる。そこで、区域運送事業者と、あるいは路線事業者もそうでしょうが、取扱事業者との間の運送契約に基づく運賃並びに料金というのは、現実にはどういうふうになっているのですか。
#83
○高橋(寿)政府委員 いまの御答弁の前に、先ほどの答弁の補足をいたします。
 雇用保険法の指定業種に、きょうの閣議で決まったそうでございます。いま大臣に伺いました。
 それから二番目の御質問でございますが、いわゆる水屋さん、運送取扱業の問題でありますが、全国に四千六百業者ほどございます。区域事業が二万五千、路線事業が四百というのに比べますと、かなり少ない数ではございますけれども、四千六百の事業者がございます。
 そこで、現在の道路運送法のたてまえでは、この取扱業者、水屋さんも運賃、料金を決めて認可を取りなさい、こういうふうになっておりますけれども、道路運送法のたてまえが運送関係業者と荷主の間の料金を決めるたてまえにいたしております。取扱業者の定める運賃、料金といいますのは、すなわちトラック業者の運賃、料金と同じものであるということにいたしております。先生のお尋ねは、しからば取扱業者と運送業者の間の料金はどうなっているかという点でございます。この点については対荷主関係の問題としては出ておりませんので、道路運送法の認可料金ではない。そこで取扱業者とトラック業者の間の内部関係ということで処理をされております。これは商取引の実態でございますので、特に私たち幅などにつきまして線を設けておりませんけれども、現在の事業の実態は一〇%とか一五%とかというところの手数料を取っているというふうに聞いております。
#84
○久保(三)委員 これが一番問題なんですね。水屋と運送屋の間の、運送屋というか運送取扱事業者とトラック屋との間の問題ですね。これはいまお話しのとおり、対荷主に関係しては、水屋が集貨しようがあるいはトラック屋が直接集貨しようが、これは同じであるということは、見ようによっては当然かもしれませんね。しかし水屋とトラック屋の間に何にも決めがないということは、商取引に任せるということは、実態からいくならば、だれが強いかと言ったら、荷物を持っている者が強いわけですね、荷物を運ぶ者は荷物が欲しいわけだかち。荷物がなければどうにもなりませんから、当然これは強くなる。強い者と弱い者との関係からいけば、だれが得するかということになる。しかもそれ以外に、代車というか用車というのですか、そういう関係からすれば、今度はトラック業者を度外視して水屋自体が運送行為みたいなことができる場合がありますね。積み合わせだけができないだけでしょう。そういうものを含めて考えると、この辺のやはり戦線整理をしないと、トラック屋がこの先大変むずかしくなるのではないか。片方では共同化を進めて体質改善をやろうとしても、なかなかそのメリットが、言うならば水屋あるいは荷主産業、そういうところへ行ってしまう心配、心配というか、現実にそうですね。これは海運なんかもそうなんでありますが、メリットが荷主産業に偏っていく。そういうことでは、いつまでたっても安全確実な輸送をモットーとする輸送体制というのはむずかしくなると思うのですね。だから、いままでの過積み、過労運転、運転事故というような悪循環が断ち切れないだろうと思うのですよ。だから、そういう問題を考えれば、この際水屋と貨物運送事業者の問の関係を規律する必要はないのかどうか、あるいは水屋の行動半径を規制する必要はないのかどうか、いかがですか。
#85
○高橋(寿)政府委員 水屋さんが生まれた理由というのは恐らく小さいトラック業者の集貨力の弱さということから、それを補ってもらうものといたしまして水屋さんを利用した、基本的には、恐らくこれは持ちつ持たれつであると思います。そこに頼っている小業者もたくさんあると思います。しかしながら、できればやはりそういった中間手数料的なものがなしにした方がいいわけでありますから、理想としては小業者が地域ごとに共同化いたしまして、集貨力の大きな団体にまとまって一人前の仕事をするということが基本だと思いまして、私たち、構造改善事業の中では適正規模にまとまりなさいということを中心に指導いたしております。しかしながら、現に存する水屋さんにつきましては、いま先生の御指摘の御趣旨も体しまして何らかの方法を考えてみたいと思います。
 若干基本的な話になりますと、どうも道路運送法のたてまえ自体が、トラックを持って物を運ぶという業者、事業を中心に立てて、そのお世話をするという、いわゆるソフトな業者というものを余り考えに入れなかったということがございます。そこでこれは四、五年来の議論でありますけれども、いわゆる総合運送取扱業というふうなもの、こういったものについての法規制をすべきじゃないかという議論もございました。これは通運業の将来の問題なんかと関連いたしまして、自分たちで運ぶ道具を全然持っていなくても、運ぶことのお世話をすることによって仕事をする、このことが、たとえば巨大商社なんかの問題とからみますと、大変な仕事になるわけであります。みずから何も持たなくても情報網というのを財産にしまして、運送業者を駆使するという業が総合運送取扱業ということでつかまえられるのかもしれないということから、そういった意味で、道路運送法というものをもう一歩進めまして、そういう情報産業的なものまで入れていくかということにつきましては大きな問題でございますが、そういったこととも関連いたしまして、この取扱業とトラック業者の関係についても、おかしいことがないように勉強したいと思います。
#86
○久保(三)委員 一般的に、トラックの用車という場合はどういう形態を指しますか。
#87
○高橋(寿)政府委員 通常考えられます用車の形は、トラック事業者が荷物の多い少ないの波動をカバーするためにやる方法だと思います。たとえば百台持っているトラック業者が、あるピークのときには百二十台、百三十台必要になるというふうなときに、百三十台分のものを常時持っておりますとコストがかかるというところから、百台だけ持っておりまして、二十台、三十台を臨時的に車を借りてくる、そういうことのために用車という制度が行われていると思います。
#88
○久保(三)委員 三十七条の貸し渡しはないのですか。
#89
○高橋(寿)政府委員 三十七条の貸し渡しは、通常行われておりません。
#90
○久保(三)委員 水屋の介入によって、三十七条あるいはそれ以外の形態による用車というか代車というか、そういうものについてどういうふうに考えておられるのですか。
#91
○高橋(寿)政府委員 実は私もまだ三十七条はしっかり読んでいないので申しわけありませんけれども、水屋さんの場合には三十七条の貸し渡しということが出てこないということでございます。
#92
○久保(三)委員 それは一般的に、先ほど局長からお話がありました貸し渡しを受ける側ですね、受ける側は、これは当然自動車運送事業者であるわけです。そうですね。
#93
○高橋(寿)政府委員 はい。
#94
○久保(三)委員 そういう貸し渡しが最近どういう傾向にあるか、多いのか少ないのか、その点はどうなんです。
#95
○高橋(寿)政府委員 正確に数はつかんでおりませんけれども、やはりだんだん数としては減っております。
#96
○久保(三)委員 それから、許可を受けなくて、そういう車の移動というか、これが行われている傾向があるわけです。これについては余り御存じないですか。
#97
○高橋(寿)政府委員 申しわけございませんが、余り私その間のことをよく知っておりません。
#98
○久保(三)委員 それが最近水屋が中に入ってかなりやられているというような話も聞いているわけなんで、いずれにしてもこのトラック業界というのは最近――最近ではないのでしょうが、非常に問題が多いと思うのですよ。ついては、局長のところでこれらの秩序、特に先ほど申し上げたように、この水屋と運送事業者の間の関係、しかもこの水屋は、最近では荷主産業がそういうものをやる場合も出てくるということになりますと、これはもう荷物はがっちり持っているのでありますから、言うならばダンピングを助長する傾向に当然なってくると思うのです。これを防ぐ方法はないのかどうか。水屋と運送事業者の間の公正な取引というのは考えられないのかどうか。いかがですか。
#99
○高橋(寿)政府委員 やはり基本的には、トラック事業者の体質を強化いたしまして水屋さんに負けないような交渉力を持つことが基本だと思いますけれども、それとあわせまして、運送取り扱い業も登録制度で私たちの監督下にございますので、取り扱い業者の方につきましてもフェアな仕事をしていくように指導をすることを考えていきたいと思います。
#100
○久保(三)委員 ただ言葉の上だけではちょっと、制度でありますから、むずかしいと思うのですよ。だから、規制の方法をやはり考えてやらぬと、せっかく構造改善事業で体質を改善しようと言いながらも片方から掘り崩されるということでもこれは困るのですね。だから私は、運賃料金の立て方は、それはそのとおりでいいと思うのですよ。多少何がしか、荷物は自分で集めるのと他人が集めるのとでは大分違いますから、この辺のサービス料というか、手数料はあってしかるべきだと思う。また、そういうために水屋の存在があるのだろうと思うのです。そういうのに対してやはり、さっきの答弁では一〇%ぐらいというのですが、ぐらいではなくて、ある程度基準を示すとか標準の方法を示すとか、そういうことをやっていかなければ体系が崩れると思うので、その辺どうなんですか。
#101
○高橋(寿)政府委員 先ほどもお話し申し上げましたように、道路運送法の運賃料金という形で認可の対象にしておりませんので、直接そのことについて私たちが認可制で規制するということはできないわけでありますけれども、しかし、登録を受けている事業者が収受する料金でありますし、当然これは免許を受けて仕事をしているトラック運送事業者の経営の健全化に重大な関係のあることでございますので、強力な行政指導でその辺は一つの標準的なラインを出して強力に指導していきたい、こういうことを考えております。
#102
○久保(三)委員 さっきの話にまた戻りますが、トラックの元請と下請との問題があるのですね、水屋との関係ばかりでなくて。水屋はもちろん元請でしょうから、トラック業者はその場合は下請になりますね。その関係が今度は大きな企業と小さい企業の間で出てくるわけですね。これもかなり多いですね。だからこの元請、下請の関係は――なるほど公式に言えば運賃料金は同じですよ、取るものはだれが取ろうが。しかしそこにダンピングしなければ、当然元請、下請の関係では出てこないわけでありますから。その辺の規制は何にもないと思うのですが、どうなんです。
#103
○高橋(寿)政府委員 現在の道路運送法のたてまえの中では、元請、下請関係についての法規制はございません。
#104
○久保(三)委員 私は公正な競争とか、まあ、これは独禁法の問題もあるかもしれませんが、少なくとも元請、下請の関係は、輸送のことは安全につながりますから、それはもっと別な観点からやはりある程度規制すべきだと思うのです。元請、下請を全部なくすわけにもまいらぬかもしれませんね。しかしながら、これはやはり規制しないでそのままでいいなんという話は私はないと思うんで、この辺は何も考えられませんか。いかがです。
#105
○高橋(寿)政府委員 非常に形式論理だけで申しますと、小さいいわゆる下請事業者がもらう運賃はやはり認可運賃をもらわなければいけない、こうなっているわけであります。ただ問題は、認可運賃として収受したものの中から、いわゆる御指摘の元請業者といいますか、水屋さんといいますか、そちらの方にどのくらい払ってしまうのかという問題だと思うのであります。その払い方が大変高額になりますと、本来小さい事業者みずからでも支出していたであろう集荷料といいますか、それの額を超えて力関係で取られてしまうということになりますと問題であると思います。その関係は、ちょうど取り扱い業者と運送業者の関係と同じ問題だと思いますので、先ほど御答弁申し上げましたような趣旨によりましてやはり適正な指導水準といいますか、ガイドラインといいますか、そういったものを設けまして指導いたしていきたい、こう思っております。
#106
○久保(三)委員 いずれにしても指導というのはなかなかむずかしいのですね。紙に書きましたものを何かそれぞれの業者におやりになるとかいうことだと思うのですが、最近の三木内閣の一つの柱は弱者対策だというふうに言われていますので、しかも経験豊かな運輸大臣が来られたのでありますから、私はある程度、政治家になってからの見直しもやはり必要だろうと思うので、いま局長がおっしゃるような指導だけではむずかしいんで、政策的にもう少し前進をさせる必要もあるし、法律的に必要があればやはりこれも直していくというのが必要だと思うのですね。別に規制ばかり考えているわけではありません。取引の公正をどうしたらいいかという問題は私は必要だと思うのですね。いままでそれがないので、結論としては、海でもそうですか、陸でも荷主産業に隷属した形が運輸産業であるというふうに言われているわけです。それから抜け出すことができないために混乱があるわけですね。先ほどの軽自動車の問題もやはりそうですよ。
    〔佐藤(守)委員長代理退席、委員長着席〕
だからそういうものを一つ一つ片づける方向をこれから考えていくべきだろうと思うので、いかがでしょう、私はしつこいようでありますが、そういう体制をつくってもらいたい、こういうふうに思うのです。いかがです。
#107
○木村国務大臣 大変示唆に富んだ御意見で私も非常に参考になるわけでございますが、いままで特に水屋の問題は長年にわたって道路運送法上の取り扱いについては常に一つの問題を残しながら処理されてきておることは事実でございます。特に陸上における貨物輸送の円滑を期する意味におきまして、一つの穴埋めのように水屋というものがそういう役割りをやっておったことも事実でございます。しかも零細な事業が多いわけでございますので、経済事情あるいは景気の動向によって、これがいまお話のように本当に弱者の立場に立つ場合もございますし、ある場合にはまた非常に逆に小さくても強者の立場に立つというふうな変遷を繰り返して今日に至っておると思います。それで現時点で考えますときに、景気もだんだん鎮静化し、物価対策も効果を発してきておりますので、今後はかなり経済情勢は落ちついてくると思います。そうしますと、やはり水屋は弱者的立場がだんだん色濃くなるのではないか、そういう時点にあるということを私も認識をいたしておりますので、これを不公正是正という立場から考えました場合、法的にどういうふうに処遇していくか、あえて法的な問題まで上げなくても行政指導でできるかどうか、この辺が私はいま考えなければならない一つの問題点だろうと思っておりますので、いまここで私がそのいずれにするかという決断はもちろんできませんが、先生の御意見非常に貴重な御意見でございますので、これもあわせてひとつ研究の対象にさせていただきたいと思います。
#108
○久保(三)委員 時間でありますから、最後に一つだけ申し上げておきたいのですが、先般私の方から自動車局それから労働省、そういうところに来てもらって申し入れというかお話をしたことがあるのです。それはリースの問題です。これは長い説明はもう必要ないと思うのでありますが、タクシーにもございます。しかし道路運送法三十六条にぴたっと違反しているかというと、法律の条文と実態は多少すき間がある。しかし三十六条の趣旨にはぴったりこれは違反していると私どもは見ている。それから片方、労働基準法から見れば、これは見ようによっては三十六条の方のリースになれば、もはや労働者ではございませんから、基準法の適用にはならないというような非常に微妙な穴くぐりと言ってはおかしいが、やっているわけですね。これはやはり安全の問題にも非常に関係が多いものでありますから、この間運輸、労働の両省においてこれの実態を調べ、対策を講じてほしい、改善方をやってほしい。これは単にタクシーばかりじゃありませんで、いま申し上げたトラックの問題にもかなり多い。トラックの方がかなりタクシーよりは、もっと名実ともにリースに近いものが多い。そのためにトラック業界で混乱しているものもかなりあります。そういうものもありますので、タクシー並びにトラックについてリース問題を解決するための検討をしてほしいし、改善のための施策を打ち出してもらいたいということを要請しておきましたので、これをぜひ正面から取り組んでほしい、こういうように思うのです。大臣には改めて参りますけれども、御見解をお漏らしいただきたい。
#109
○高橋(寿)政府委員 私から先にお答え申し上げます。
 労働省とも十分連絡をとりまして、リースというものに対して正面から取り組みたいと思っております。私の考え方では、最近におけるいわゆる金の卵と言われる状況、つまり労使間というものの力関係がかなり変わってきているというところからも影響があると思いますので、従来のように単に法律論だけ振り回していたのでは解決がつかないと思っております。したがいまして、現在の経済実態、雇用の実態、労使関係の問題等非常に広い立場から、労働省とも十分連絡をして検討いたしまして、あるべき姿をはっきり打ち出したいと思っております。
#110
○木村国務大臣 このリースの問題も先ほど久保先生がおっしゃいました水屋の問題と同じように、局長が言いましたようにいまの法律でもってきちっと規制すべき問題であるか、どう取り扱うかという点で、同じような型の問題だと私も思っております。リースにもいろいろの形態がございまして、いまの三十六条ですか、これに正面から違反するやり方もございますし、そうでもない、そこは巧妙に使い分けもできるという問題でもございますので、いま局長が申し上げましたようなことを考えながら対策を立てていかなければいけないと思っておりますので、この点はわれわれも十分にそういう措置を講じたいと思います。
#111
○久保(三)委員 ありがとうございました。終わります。
#112
○木部委員長 高橋繁君。
#113
○高橋(繁)委員 私は、観光問題にしぼりまして質問をいたしたいと思いますが、大臣も用事があるようでありますから最初にお聞きをいたしたいと思います。
 まず大臣のいわゆる観光に対する基本的な考え方を聞かしていただきたい。そこから始めていきたいと思います。
#114
○木村国務大臣 観光というのは言葉の意味から非常にいろいろな解釈が行われておるのでございますが、ことに国内におきます観光それから国際観光、この二種類に大別できるわけでございます。
 在来の観光というものの実態等を考えてみますときに、国内の観光という点をまず考えますと、これは文化の面と保健の面、この二つの面から観光というものの社会的な意義をわれわれは認めざるを得ないと思います。文化の意味から言いますと、観光ということは結局人間の移動、旅行につながる人間の日常活動でございます。この旅行を通じまして古い歴史を訪ねるとか、あるいは違った土地の人が互いにそこで接触をして親しみを増すとかいろいろな面でわれわれの文化の向上に大いに役に立つ。かつまた山野を跋渉する、あるいはスポーツを見にいく、あるいは観劇をする、そういうふうなことも含めまして文化と同時に健康の増進、国民の健康を増進するという機能も持っていると思うわけでございます。
 そのほかにもいろいろ観光というものにつきましては、最近では産業観光というふうな言葉もありますように、産業の振興にこの観光というものを作用させてその効果を上げようというふうなことから、産業観光というような言葉も出ておるようなことでございまして、われわれ人間社会におけるいろいろな面から観光の人間的な意義というものは非常に強いのでございますが、そういうもろもろの意義を社会的にもまた国家的にも評価をしながら、その効果が上がるようにやっていくのが観光行政であろうかと私は考えます。
 また国際観光におきましては、国家間あるいは異民族間の親善友好を温める、同時に国際間の平和に大いに裨益する、これは過去の歴史に見ましても国際観光の交流が非常に盛んなときには必ず世界は平和なんです。少し世界平和にかげりができてきますと、国際間の観光客の数はだんだん減ってきておる。そういうことから考えましても、国際観光というものは世界平和に最もつながる、こういう意味で、私は国際観光の意義は非常に高いと思っております。そういう趣旨から、国際観光におきましては、ことに平和国家を標榜いたしております日本としては、国際観光に戦後は一層の力を入れていかなければならない。同時にこれは国際収支の改善にもつながる問題でございまして、この点からはやはり国際貿易、産業政策、そういう面からの効用も非常に多いわけでございまして、経済、それから平和、国際親善、文化、こういう面から国際観光というものの意義を高めるために、国際観光事業に政府が非常に強く関係をいたし、またいろいろな施策を進めておるというふうなのが現状でございまして、観光というものに対する政府の姿勢はそういう点に求めてやっておるわけでございます。
#115
○高橋(繁)委員 大臣のいまの見解は間違いじゃないと思いますが、してみると、それが正しい行き方であるということになりますと、最も観光の基本になるべき観光基本法というのが制定されておる。この制定された時期にも大変問題があったと思うのですが、たとえばオリンピック前にあわててつくった法律のように私は、そのときおりませんからわかりませんが、感ずるわけです。したがって、その観光基本法に盛られておる目標なりあるいは趣旨説明なり言いますと、若干いまの、若干どころじゃない大臣の基本的な考え方と大いに異なる点がある。たとえば国際観光振興にしても、国際親善、平和あるいは文化の交流といったことに、観光の基本というものはそこに置いて、しかる後に国際収支の改善であるとかということがなくちゃならない。ところが、この観光基本法の目標に示されておることは、それが逆になっておる。逆になっておっても目的が同じだといえばそれまでですけれども、私は特に観光基本法が国際観光振興に重点を置いた基本法である、こういうふうに読んで、私は私なりに解釈するわけです。もちろん国際交流が激しくなり、国際観光を振興しなければなりません。私も今後の国際親善の大きな一つの担い手として、この観光を基本にした国際交流というものが大きく役立つことは間違いないと思いますが、そこら辺に私は目標にしても説明にしても、基本法についての十年余たった今日において、この基本法は大いに改正をしなければならない立場に来ていると思うのですが、このことに対する大臣のお考えはどうですか。
#116
○木村国務大臣 観光基本法にはなるほど先生のお話のような表現で基本の姿勢というのができておるようでございますが、まあしかしこれは、そこに書いてありますことのウエートの置き方というものは、その時代その時代の社会情勢あるいは国情といったものから、ウエートは多少こちらに置かれ、またあちらに動くというふうになってしかるべきものじゃないかと私は思います。網羅をして一応基本的な態度というものはそこに書いてありますので、私はいま直ちにこれを改正しなければならないであろうというふうな考えは持っておりません。それぞれのそのときの要請に応じて観光政策の重点というものを、その示す範囲内において重点的に、ある時期にはこれを重点にし、ある時期にはあれを重点にするという行き方でいって差し支えないのではないか、かように考えております。
#117
○高橋(繁)委員 もちろんそうなんですよ、それは政策ですから。しかしながら今後の日本の観光に対する基本的な考えというのはやはりここら辺で、オリンピック当時とは国際情勢も変わってきていますし、国内の観光の、国民の観光に対する考え方も変わりつつあります、特に週休二日制と相まって。ですから私は、この観光基本法というものをここら辺で手直しをする段階に来ていると思うのです。もちろん政策は政策でやらなければいかぬですよ。
 たとえば、この基本法の「国は、前条の目標を達成するため、」云々ということで第一番に掲げていることが、「外国人観光旅客の来訪の促進及び外国人観光旅客に対する接遇の向上を図ること。」ということです。もちろんそれも大事です。しかしながら国内体制ができてない、観光に対する基本的なものが。それで、まず第一番に外国人を招いて接遇の向上を図るということ自体が、私は観光基本法に対する問題点なのじゃないかと、こう指摘したいのです。どうですか、その辺については。
#118
○佐藤(久)政府委員 先生がいま仰せになりましたその観光基本法に前文がございまして、この法律の趣旨がそこに簡潔に表明されておるわけでございます。そこでは、観光というのは国際平和と国民生活の安定を象徴するものである、その双方にわたっていろいろな施策が進められなければならないという、非常に崇高な観光の哲学といいますか目標が決められておるわけでございます。その前文を受けまして、まず第一に国の観光に関する施策の問題としていろいろ項目を挙げてございますけれども、国際観光とそれから国内の観光というふうなものにつきましてはやはり同じような形で進める、そこの具体的な手段というふうなものをこの条文に規定しておるわけでございまして、もちろん先ほど大臣から御説明申し上げましたように、そのときどきの情勢におきまして、いずれに力点を置くかということの問題はございますけれども、私どもといたしましては国内観光あるいは国際観光というふうなものにつきまして、その事業行政の運営に当たりましては、先ほど申し上げましたように国際親善の増進あるいはまた国民生活の緊張の緩和というふうな前文に盛られた趣旨に従いまして運用しておる次第でございまして、このような基本的な精神はなお現在においても十分に妥当し得るものと考えております次第でございます。
#119
○高橋(繁)委員 それは言えばいろいろ解釈はできると思うのですが、先ほど申し上げたように私は、前条の目的を達するために第一項目にそういう項目が盛られているものも大事でありますが、それよりも大事なことがあるんじゃないか。基本法ですから、なかなか政府当局がこれをいじるということは好まないと思うのです。しかしながら観光に対する考え方というものは変わってきておる。ということは、私この間オーストラリアに行ってきまして、オーストラリアの国民が言うことは、大変日本には経済的には御厄介になっています、しかしながら日本の国民とは私たちはまだ友達じゃありませんと、はっきり言うのです。産業とか経済とかいう問題よりも、もっと文化の交流なりあるいは平和という問題について誠実につき合いたい、もちろんその第一前提は言葉というものがわからなければならないけれども、言葉はわからなくてもお互い目を見ればわかるじゃないかと、向こうの人がそう言うのであります。だから今後文化の交流に大いに、同じ地球上の位置に位置する私たちは、今後日本とそうした面で交流を深めていきたい、こう言っているわけですよ。そういうことを考えると、先ほど大臣が言った文化の交流なり平和という問題に、この観光が最大の目標を達することに意義がある。ですから、今後国際交流を維持しなければいけないという面から言っても、そうした考え方を基本にして、この観光基本法というものを、国内体制はもちろん、国内の観光に対する考え方も変わってきているのですから、一部改正なり一応検討する段階に来ているのじゃないかというのです。だから、そんなことはもう検討する段階じゃないんだ、このままでいいんだという考えなのか、少しでもそういう観光に対する考え方を改めるべきときに来ていると思いますが、これはどういうふうにお感じですか。
#120
○木村国務大臣 私も、観光基本法を絶対に変えるべきではないというふうなかたくなな姿勢ではございません。いま委員がおっしゃるようなことも、そのときどきの行政によっても違うわけでございますし、変える必要があればいっでも変えるにやぶさかではございませんが、先ほど申し上げましたように、いまの基本法に記載してある事柄は、いま先生のおっしゃるような事柄もその中に包括しておるのじゃないかというふうに思うものですから、このままでいいんではないか、こういう考えは持っております。そこで一何か新しい、特に御提言をいただいて、こういう点をこういうふうに変えなければどうもいかぬじゃないかというふうなことがあったらお教えいただきますれば、また大いに検討したいと思います。
#121
○高橋(繁)委員 後日またそういうことで提案をいたしたいと思います。
 そこで、運輸省として、観光に対しては主として国際観光振興に力を入れておるということで理解してよろしいですか。
#122
○佐藤(久)政府委員 先ほど御説明申し上げましたように、国際観光の問題と、それから国内の観光ということにつきましては、いずれに力点を置くというふうなことではございませんで、現在外客の誘致あるいは接遇の改善というふうな面につきまして、いろいろな関係法律がございますけれども、所要の財政措置あるいは旅行業法等を通じましてのいろいろな行政監督というふうなものを通じまして実施しておりますし、また国内の観光につきましては、御承知のように国民の所得が非常に向上いたしまして、観光に対する需要度が多くなったと同時に、御承知のように、大都市におきましては、日常の生活あるいは行動を通じまして、ストレスといいますか、そういうふうなものがわれわれの生活を不安に陥れる、こういうような面がございます。そういうような問題に対処いたしますために、国内的には在来の民間の観光関係の業者のバイタリティーを活用いたしましたいろいろな施策を進めますと同時に、やはり観光に関する需要というものが非常に大量にございますので、そういうふうな面に対応いたしますために、大規模観光レクリエーション地区の整備とか、あるいは青少年旅行村の整備というふうな面につきまして国家助成を行いますと同時に、一般の国民に対して公正妥当な観光に関する情報が提供できますように、情報システムの研究等を現在進めておるような状況でございまして……。
#123
○高橋(繁)委員 私が聞きたいのは、どちらに力を入れているかといえば、こちらに力を入れています、こう言えばいいのです。たとえば予算面からいきますと、国際観光振興会に補助しているのが十四億九千百八十二万三千円、五十年度予算額。ところが国民観光対策は一億七千八百七十三万八千円。片や一億七千万、片や十四億九千万、こういう開きがあるわけです。だから、観光基本法にのっとって国際観光の振興ということは重点になっているから運輸省としてはそちらに力を入れざるを得ない、こういうふうに私は考えるわけですが、その辺の、観光に対する基本的なものは、国際観光に力を入れる――十五億近い金を投資しているわけです。国民の観光対策はたった一億七千万。それはやっぱり基本法に基づいてそうなっているからこうなっていると私は解釈するが、この辺はどうですか。
#124
○木村国務大臣 この予算の額でもって国際観光と国内観光の重点の開きを示すと考えていただくことは、私はちょっと異議があるわけでございます。といいますのは、国際観光はほとんど国がやりませんといけない事業でございます。ところが国内観光ですと、国もやりますけれども、主としてその主体は、都道府県あるいは市町村の公共団体、こういうものと一体となって国内観光のいろいろな諸施策をやってまいらなければなりませんので、金額で比較するということになりますと、国際観光の面では政府のいまの十四億という予算が一応の標準になりますけれども、それじゃ国内観光にどれだけの投資をしておるかということになりますと、国の予算と地方の公共団体の予算とを集計したものによって対比をすることがむしろ適切ではないかと、こういうふうに考えておりますので、その点はひとつ御理解いただきたいと思います。
#125
○高橋(繁)委員 それは私も理解しておるんですが、ただ、もちろん外国の人たちを招かなければいけません。私は基本的な考えに立って言っているんですが、しかし、ただ招けばいいんだということではなくて、現実に国内体制がまだそこまでできてないのです。だから、外国人を招く場合の国内体制というものをもっと整備しなければいけないということを言いたいのであります。
 基本的な論議はこれくらいにいたしまして、あと若工具体的な問題で質問をいたしたいと思います。
 それでは、国際観光振興という面で振興会に十五億近い補助をして国際振興を図っておる。ところが、実際問題としてそれが本当に力が入れられて促進をされておるかどうかという問題と、非常な問題も国内に来てあるわけですが、そういう問題について若干質問したいと思いますが、たとえば外人観光客の感想として、最近日本へ来ることは非常に物価高でホテル代が高くて困るということがあるわけであります。これは、どこへ行ってもそういう感想を漏らしていました。ところが、日本へ連れてまいりますと、ニューオータニだとか、一流の高級ホテルヘみんな案内するわけであります。中小のホテルにはほとんど案内しない。それでホテル代が高い、物価が高いという感想を外国人観光客は漏らしているが、そうした問題について、しからば国内で、国際振興という立場から、運輸省なりあるいは振興会なり、そういう手が打たれているかどうか。たとえば外国人の一番好みのコーヒーであるとか肉であるとかいうものに対する、本当に外国人を招くならば、こういう不況下においてどういう手が打たれているか、お聞きをいたしたい。
#126
○佐藤(久)政府委員 まず先生御指摘の、日本のホテルが外国からおいでになられるお客さんにとって非常に高いじゃないかと、こういうふうな御批判についてでございますけれども、それぞれ各国の主要都市におきますホテルの料金等を比較してみますと、ホテルの格といいますかそういうふうなものでいろいろ差があるわけでございますけれども、異常に高いというほどではないと思います。ただ問題は、食事の関係が非常に高い、こういうふうな批判があるわけでございます。その主な原因は、肉が高いということのために、御承知のように外国人は肉を常食といたしておりますので、その関係が非常に日本のホテル代が高いという印象に結びついているように思います。この問題は、実は日本の食糧政策の問題にも関連してくる問題で、私どもも農林省に対しまして、輸入肉の活用というふうなことも実はお願いしておりますけれども、国内的ないろいろな事情がございましてむずかしいような状況になっておるわけでございます。
 と同時にそういった高いホテルを利用するようなお客だけを考えておるのかということでございますけれども、実は青少年といいますか、あるいは青年等の旅行もふえてまいっております。したがいまして、昨年からでございますけれども、国際観光振興会を督励いたしまして、そういった安い料金の旅行というものを考えようということで、新しい試みでございますけれども、バジェット・トラベル・カードというふうなものを作成いたしまして、それにはデラックスなホテルじゃございませんで、いま私どもが財政的な援助をいたしまして整備しておりますビジネスホテルといいますか中級ホテル、こういうふうなものを利用しなさい。あるいはユースホステルあるいは国民宿舎、こういうふうな宿泊サービスもございます。それから食事関係につきましても、こういうところに参りますれば内容が非常に豊富でございまして、安く仕上がりますというふうな内容のいろんな案内書をつくりまして、そして実は各国にばらまいておる。特にアメリカにおいてはこれが非常に評判になっておるようでございまして、そのような形のサービスも、実は観光振興会を督励いたしまして実施させようという状況でございます。
#127
○高橋(繁)委員 いろいろとまだ、たとえば外国人を招くのに国際会議と並行して招致するとか、ところがその国際会議が四十七年二百十四件、四十八年二百二十七件開かれておる。国で京都に国際会館をつくったけれども国際会館を使用するのはわずか三十四件でございます。これはもう運輸省とは関係ありません。そうした政府がつくった国際会議センターが年間三十四件しか開かれていない。国内では二百二十七件開かれておる。そうしたいろんな地域的な関係もありましょう、国際会議センターを京都につくった問題点もありましょうが、そうした問題。とすると、国際会議センターというものをもっと便利な土地あるいは宿泊所と関係した――私は委員長と同じ静岡東部でありますから、熱海であるとか伊東であるとかいうところにつくることが肝心ではないかというような感じもいたします。これはそういう問題点だけ申し上げておきます。
 それからホームビジットの問題、案内標識の充実、これも国内体制の整備ということで私は言えると思う。日本人が外国に行った場合も、至るところに日本語と英語と――日本の国内でも書いてあれば自然に英語を覚えてしまう。それがどれだけ利益になるかわからない。外国人が日本へ来てもちっとも言葉が通じないし、わからないというような感想がずいぶんたくさんある。そうした体制を用意して外国人を招くということをしなければ、私は、観光という考え方が、ただ連れてくればいいんだという、そういう考え方がいままで強かったということを指摘をしたいのです。国際観光についてはまだたくさんありますけれども、次に進みたいと思うのです。
 通訳養成の問題もございますが、いま国内の問題で、青少年の旅行村、これは過疎対策の一環でやっておるようであります。私は一つ提唱したいのは、週休二日制、観光と余暇という問題で、これと一体となった観光対策を今後考えなくちゃならぬと思う。
 一つの例を申し上げれば、委員長のおひざ元で伊東市で言いますが大室山にスポーツの広場がある。たとえばテニスができる、バレーができる、サッカーができる。これは四カ月向こうまで満杯なんです。しかも東京、関西、関東方面が多いんです。わずかな施設でありますが、東京都内でやるよりも、そうしたユースホステルとか泊まってやれば、その方が安上がりだということで、このスポーツ広場というものも、青少年旅行村とあわせて今後の問題として考えなくちゃならないが、そういう国内体制の整備の問題とあわせてお答えを願いたい。
#128
○佐藤(久)政府委員 先生御指摘のとおり余暇時間の増大に伴いまして、国民のレクリエーション活動に対する需要というのは非常にふえてまいっております。このレクリエーション活動の中に、その居住地におきまして、われわれの生活圏の中でやるスポーツとかあるいは散歩とか、いろんなものがございますと思いますけれども、そういったものと、それから自分の居住地を離れて、日常の生活圏を離れてやるレクリエーション活動と二つあろうかと思います。運輸省といたしましては、在来から後者の方の生活圏を離れてやるレクリエーション活動、こちらの方に力を入れてまいっておりまして、御指摘のように青少年旅行村というものをやってきておりますし、それから四十八年からでございますけれども、大規模観光レクリエーション地区の整備ということをやっておりまして、現在三カ所手をつけております。五十年度におきまして一カ所さらに手をつけるつもりでございますけれども、その中におきましては、キャンプ場とかピクニックとか、あるいはまたサイクリングとかスキーというふうないろんな施設を総合したものを府県と一緒になりまして整備していくということで、大体先生から御指摘のような方向で今後も進めてまいりたいというふうに思っておる次第でございます。
#129
○高橋(繁)委員 国内体制の整備をひとつお願いをいたしたいと思います。また提案はあとで申し上げます。
 次の問題に進みまして、ちょっと具体的な問題で、自治省並びに大蔵省が来ていると思いますので、お伺いしたいのです。
 実はホテル業法が運輸省で決まりまして、それに従ってホテルをつくった、整備したところについては固定資産税の不均一課税という問題があります。これはそうしたいわゆるホテル業法によって整備をされたホテルは、固定資産税が都道府県によって、地方自治体によっても違うようでありますが、建てますと、固定資産税がかなり低く評価されて納めておる。この法律ができてもう二十何年たつわけです。そうしますと、中小零細旅館とホテル業法によって建設されたホテルとは、固定資産税についてずいぶんの差ができてきておる。地方財政の緊迫しておる状況から見て、私は、一体この不均一課税というものを将来何年間にもわたって続けるのか。もう時代がこういう時代になってきておりますし、そうした不均一課税というものを撤廃して、中小零細旅館の固定資産税を、たとえばそれ並みに引き下げるのか、そして同じようにするとか、あるいは何年たったらこれを廃止するとかいう方向に行くべきだ。わずかな旅館であろうとも、大資本を投じて――大きな旅館にそれが多いわけですが、常に積極的に、もうこれを撤廃して私たちも中小零細旅館と同じような固定資産税を納めたいと言っておるホテルも中にあるわけです。いつまでもそう差をつけられておることは申しわけない、こういう真摯な気持ちの会長、社長もいるわけです。ですから、こうした不均一課税というものを一体政府は、自治省はどういうように考えておるのか、将来あるいは同一にするのか、あるいは撤廃をするのか、その問題について自治省のお考えをお聞きいたしたい。
#130
○川俣説明員 現在、国際観光ホテル整備法に基づきまして、ただいまお話しございましたように、登録ホテル等につきましては、固定資産税についての不均一課税が市町村において行われることができるようなことになっておりますが、この不均一課税の規定が国際観光ホテル整備法に設けられております趣旨は、外客のための宿泊施設を整備いたしまして、そういうことによって国際観光の振興を図るという見地から、国際観光ホテル整備法におきまして、国税についての減価償却資産の耐用年数の特例が設けられておること、あるいは施設及び経営の改善の勧告、並びに資金のあっせんをすることができるとされていること等を考慮いたしまして、地方税につきましても地方団体が不均一課税を行うことが公益上の事由に該当するものであるということで同法に特に規定が設けられたものである。地方団体はこの規定を前提にいたしまして、その自主的な判断に基づいて不均一課税を行っておるものと考えております。
 ただいま申し上げましたように、国の施策との関連におきまして地方税の不均一課税についての規定が設けられておるということでございますので、国として登録ホテルの整備を進める施策が依然としてとられておるにもかかわらず、地方税についてのみその不均一課税を廃止するということは必ずしも適当ではないのではなかろうかというふうに考えておるところでございます。ただ税制上の特別措置につきましては、その措置の目的とするところが達成されているかどうか等について絶えず見直しをすることが必要でございまして、この問題につきましても関係当局の意見も徴しながら十分検討する必要はあるというふうに考えておるところでございます。
#131
○高橋(繁)委員 これは私はこじつけるわけじゃないのですけれども、観光基本法の国際観光の振興という面から、運輸省でホテル業法をつくって不均一課税の措置をやらせている。だから地元ではそういういろいろな問題があるわけですよ、だからいま言ったように国にそういう法律がある以上はできないのだ、そういうことでしょう。不均一課税をやめることはできない。その辺の問題について大臣のお考え、どうですか。
#132
○佐藤(久)政府委員 いま先生おっしゃいましたように、外客の接遇の改善という形で国際ホテルの整備をやっておるわけでございますけれども、実は数字で御説明申し上げますが、昭和四十年に外国人で日本に参りましたのが三十六万六千でございます。四十八年にはこれが七十八万四千云々というふうなことになっておりまして、倍率で申しますと大体二・一四倍というふうになっております。私どもはその国際観光ホテル整備法に基づきまして、いわゆる基準客室というふうなものを整備させておるわけでございますけれども、それが四十年には一万六千三百六十八室、それから四十八年には三万七千四百九十三室というふうなことで、二・二九倍というふうな大体並行した形においてホテルの客室の整備が行われてきておるわけでございます。先生が冒頭に御説明ございましたように、今後とも国際観光というふうなものを促進いたしまして、外客を日本に誘致いたしまして、日本の国情をよく知ってもらうということのためには、私どもはこういうふうな整備をさらに進めてまいることが必要だろうと思いますし、また四十九年につきましては、オイルショックの影響がございまして多少外客の入国数は伸び悩んでおりますけれども、長期的には七、八%前後の伸びが期待されるというふうに考えておりますので、私どもとしましては、こういう法律に基づくホテル整備というふうなものが必要であろうというふうに考えておる次第でございます。
#133
○高橋(繁)委員 そういうことで実際問題やったわけですよ。ところがオリンピックのときもたくさんお客が来るというて熱海でもつくった、ところが外国人は来なかった、そういう例があるわけです。したがって、いまこの現代において、そういう不均一課税が大変不公平をもたらしているし、地元ではそういう問題があるわけですから、こういうホテル業法の不均一課税というものはもうこの時代で撤廃すべきじゃないかというふうに私は考えるわけです。これはひとつ検討していただきたい。
 それからもう一点でありますが、固定資産税の耐用年数を短縮してもらいたいということがあるわけですが、この問題についてどういうふうにお考えですか。
#134
○福田説明員 固定資産の耐用年数につきましては、所得税法、法人税法の政令に規定がございますが、これは現実にその資産を使用します耐用年数に基づいて定まっておるわけでございます。旅館の場合は鉄筋で四十年、こうなっておりますが、店舗の場合は六十年ということでやはり旅館の使用形態に基づくこれは現実的な資料による耐用年数でございます。問題は国際観光ホテルの場合だと思いますが、これは先ほどから御指摘のように特殊の政策目的を持っておるということから、現在二十五年という耐用年数になっておるわけであります。この種の特別措置法による耐用年数その他の特別措置と申しますのは、言われるように確かに業者間の不公正感を呼ぶ、またほかの業界、ほかの政策とのバランス上非常に問題がありますので、この種の政策が達成されたかどうか、かつてはそういう必要があったかもしれませんが、非常に政策的に短かくなっているものにつきましては、そういう業者間での不公平が生じないように、特別措置の整理ということで見直すのが本当の筋ではないかと思うわけでございます。
 しかしあと建築基準法とか消防法等によりまして、人身の保護のために避難設備とかそういう趣旨のものが出ますと、これは法律によって義務づけられますので、特別措置法で初年度三分の一というふうな償却は考えておりますが、ことしもその種の追加をやろうと思っております。この種のものはそれなりの説明ができると思うのですが、一般的に特別措置を拡充していく、旅館一般に拡充するというのは考えられないと思います。
#135
○高橋(繁)委員 それではそれは検討してください。
 あと自治省の関係で、わかればお答え願いたいのですが、たとえばこういう別府であるとか熱海、伊東であるとかいう観光地につきましては、非常に滞在人口というものが多いために地方自治体で大変な負担をしておる。たとえば地方交付税算定基準と市の実態を見てみますと、別府市は国の基準だと六十一人でいいわけだ。これはごみ処理の問題。ごみ収集について地方交付税の算定基準でいくと六十一人でいいところが、実際には百三十四人雇っておられる。伊東で言えば四十二人でいいところが七十二人、熱海で言えば三十三人でいいところが三倍の九十四人のごみ収集。常設消防についてもしかりです。算定基準でいきますと、別府で七十五人でいいのが実際は百四十七名、伊東では五十三名でいいのが八十名、熱海は四十二名でいいのが百名の実人員を置いておる。これは昼間人口、いわゆる滞在人口というものが多いために地方自治体でそういう余分な負担をしているわけですね。これに対して自治省はこの人口というものをなかなか認めない。屎尿処理場一つつくるにしても、滞在人口を認めないでその町の人口だけでやるから大変だ。大きなものをつくらなければならぬ。だけれども補助金はわずか、同じということでありますので、そこら辺の問題を、特別交付税の形かあるいはいろいろな施設をつくるときに認めてほしい、こういう意見があります。もしおわかりならお答えいただきたい。
#136
○福島説明員 ただいま御指摘のように、観光地の行財政需要というものがかなり特殊なものとしてあることは、御指摘のとおりでございます。それに対しまして、いろいろ地方団体の方から要望もございますし、自治省といたしましては、地方団体の財政対策としては、ただいま御指摘のありました特別交付税だとか、そのようなもので措置をいたしておるわけでございますが、特に今年度の地方税制の改正におきましても、地元の市町村から大変要望の強うございました入湯税の税率の引き上げにつきましては、現在標準税率が四十円になってございますが、これを百円ということで、二・五倍というようなことで引き上げまして、ささやかではございますが、そういった財政需要に充てていただくための財政措置も、税制上とるというようなことをいたしておるわけでございますが、今後ともそのような努力はしてまいりたいと考えておる次第でございます。
#137
○高橋(繁)委員 時間も参りましたので、最後に、大変地元の問題で恐縮ですが、新幹線の駅は静岡県に四つございます。大阪−東京間十一ある中で四つある。その中で「ひかり」をとめてほしいという希望が各地から出ておりますが、関西の大阪の市長会でも、ぜひ熱海にとめてほしいという要望が出ておる。至るところからそういう要望が出ておる、静岡県内だけでなくて。委員長も同じですが……。その問題について、国鉄としてどういう見解を持っておるのか、お聞きをいたしたい。
#138
○木村国務大臣 熱海に「ひかり」をとめる陳情、私も地元の市長さん初め皆さんから受けまして、よく理解をいたしております。私は、もっともだと思う点がたくさんあります。したがいまして、今後その御要望にどの程度沿えますか、その辺もよく考えまして、前向きで国鉄に対して検討するように言っておりますから、ひとつしばらくお待ちをいただきたいと思います。
#139
○高橋(繁)委員 以上で終わりますが、機会があれば、また具体的な問題で質問いたしたいと思います。
     ――――◇―――――
#140
○木部委員 長次に、第七十一回国会から継続審査となっております航空法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案につきましては、第七十一回国会におきましてすでに趣旨説明を聴取いたしておりますので、これを省略いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#141
○木部委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。航空法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#142
○木部委員長 これより本案について質疑に入ります。
 質疑の通告がありますので、これを許します。佐藤文生君。
#143
○佐藤(文)委員 時間もございませんので、三十分という制限がございますので、簡単に質問いたします。
 運輸大臣に質問します。
    〔委員長退席、佐藤(守)委員長代理着席〕
 戦後航空法が成立しましてから二十数年たちましたが、過去二十数年間の国内外を通じての航空行政を中心にした非常な変化があったと思います。今後の航空行政のあり方について、基本的な考え方をまずお聞きいたしたいと思います。
#144
○木村国務大臣 現在のわが国の航空は、御承知のように、国内航空におきましては五社、国際航空におきましては一社、これでもって航空事業が運営されておるわけでございます。景気が非常によろしかった経済成長のテンポの早い時期には、いずれも相当の成績をおさめてまいってきたのでございますが、一昨年から、石油の値上がりを初め、諸物価の高騰、あるいは人件費の大変な上がり方、そこへ持ってきまして、好況時代に仕入れました機材の大型化というものが、だんだん効用が減りまして、そういういろいろな情勢のもとに、現在それぞれの航空会社が非常に苦況に立っておるわけでございます。
 そこへ持ってきまして、手いっぱいでもう飽和状態の羽田の空港にかわりますに成田新空港を早く開発して、この局面を早く解消しようということで、成田新空港の建設に努力をしておるのでございますが、これもすでに予定より三年以上おくれて、いまだに開港を見ないというふうな状況下でございますので、現在各航空会社とも赤字を持っておりまして、どうやってこれを克服していくかということに、いろいろと方法を講じながらも、非常に苦労をいたしておるのでございます。
 航空事業につきましては、すでに四十五年に閣議の了解がございますし、四十七年には、大臣通達でもって、一応三社の運営等についての基本方針が出ております。したがって、この時点で現在の日本の航空行政というものをどういうふうに見て、今後どういうふうにしていくかという、一つの見直しを必要とする曲がり角に来つつあるのではないかという認識はいたしておりますけれども、いましばらく推移を見まして、この辺は慎重に考えていきたい、かように思っております。
#145
○佐藤(文)委員 航空行政がいま非常に転換期になっておることは言うまでもありません。先進諸国においても同様でございます。
 そこで、しぼりまして、赤字になっておる、また、なりつつある日本の航空三社を中心にした赤字解消に対する行政指導をどのようにやっていくかということ、それから第二点は、航空再編成をどういう基本的な考え方でやろうとしているか、それから第三点は、航空運賃というものをどのように基本的に考えていくかということ、第四点は安全問題、以上四つの問題にしぼって、質問をいたします。
 そこで、赤字解消のために日本航空、全日空あるいは東亜国内、それぞれ企業努力をやるということは、これは当然であります。これはもう当然精力的にやらなくちゃならぬと思うのですが、政府としてもこの点に関する対策を私は推進しなくちゃならぬと思いますね。政府として、行政指導し、また、やるべきことがあると思います。そこで、その中で特に空港整備特別会計の内容について私は触れてみたいと思います。
  その第一に、空港公害と受益者負担の限度という問題、もうそろそろ限度に来ているのじゃないかというぐあいに私は考えますが、航空局長はどう考えますか。
  さらにまた、よくイコールフッティングということを言うているのですが、これはどういうことなんですか。
 その二点を質問いたします。
#146
○中村(大)政府委員 空港整備特別会計の中で、受益者負担が、現在の状況あるいは将来の見通しに照らして限度に来ているのではないかという御質問かと思いますけれども、従来航空事業というものは、空港の整備、保安施設につきまして主として受益者負担という原則でまいったわけでございます。それはそれなりに私は妥当な考え方であったと思っておるわけでございます。ただ、今後の空港整備特別会計の方向につきまして、どのような方向で整備をしていくべきかという方向づけとの関連でその財源をどうするかということが相関的に考慮の対象になってくるわけでございます。この点については利用者負担、受益者負担という原則については、これを一応認めるといたしましても、空港整備の事業の内容、中身をよく洗いますと、必ずしもこれを受益者にストレートに負担させることがいいかどうかというものもあるわけでございます。したがいまして、全体的に受益者負担の原則をどうこうということよりも、やはり将来の空港整備の内容、中身について具体的に検討いたしまして、それに即して受益者負担あるいは一般財源からの負担、こういうものを整理をする必要があるのではないかと思っております。この点については当然新しい視点に立って第三次の空港五カ年計画というものを五十一年度以降発足させる必要があるわけでございますので、五十年度においてそういう観点から慎重な検討を加えて先生御指摘のような考え方を含めまして計画を立てたい、こういうふうに思っておるわけでございます。
 それからイコールフッティングのことでございますけれども、やはり各交通機関というものが同じ条件に立ちまして、そこで公正な競争をさせるということが妥当な考え方という観点から、イコールフッティング論が出てきておるわけだと思います。そういう意味で、現在の航空事業、特に空港整備特別会計の財源というものと他の交通機関とのコストの関係につきましては、これまた将来の航空の総合的な交通体系の中における位置づけというものがどうあるべきかということとも関連させてこの問題は解決を図っていかなければならないと考えます。
#147
○佐藤(文)委員 大臣に質問します。
 私は航空行政の中でいま一番大切なのは飛行場の建設、それは下物ですね。それを利用する航空会社等は上物になります。この航空会社、利用者、受益者と言いますか、これをワンセットにして、そして受益者負担でなるべくやっていこうという意味で空港特会というものは発足したのだと思いますけれども、ただ、この空港特会の内容というものを見ると、飛行場というものは長い期間にいろいろな受益者がだんだん出てきます。利用者が出てくる。これは単年度で飛行場は建設をやる、そのためには飛行場の重用料とかあるいは譲与税とかそういうもの中心に飛行場をつくりなさいといって、だんだんと一般財源というものが、本年度の空港特会を見てもダウンしていますね。その方向は方向として私はうなずけるところはあるのですけれども、もうすでに日航においては大体いろいろな租税公課等が四十九年度は約二百四十億円、五十年度は二百八十七億円の負担になってくる。それから全日空においては約三百十億円ぐらいの租税公課というものが負担になって、営業収入の二〇%をオーバーしようとしておる現実ですね。それから見ると、国際的に見ても、私はなかなか負担の限度に来ていると思いますね。
 そこで、空港特会の中で一般財源というものと受益者負担というものの間にショックアブソーバー的な何かがなければ、今後問題が非常に大きくなっていくという可能性を秘めていると思います。したがって、大臣として、空港建設をやっていくと多額な金が要りますね。たとえば五カ年計画の内容を見ると五千六百億くらいの金が要るんだ。しかしその五千六百億の中のいろいろな分析をしてみても、それだけでは地域住民の期待をかけるようなローカルの飛行場もなかなか建設できない。特に沖繩なんかに至っては、これは国鉄もありませんね。あるいは新幹線も通っていない。そうすると離島の人というのは、私は久米島に行ってみたのですが、おばあちゃんがげたばきで一週間も前から那覇に行くために飛行機を待っている。これは九九・九%公共機関になっておる。営業というのじゃなくてげたがわりになっておるということ、そういうようなところの飛行場の建設なんというのは私は大切なところだと思います。そういうところを考えると、それなら運賃を上げるかというと、これは久米島から沖繩に来る人の運賃を上げるということは、住民の反対を受けるどころか、私自身も行きましてこれは無理だという印象を受ける。
    〔佐藤(守)委員長代理退席、委員長着席〕
ですから設備投資というものとコストというもの、これのバランスをとることが久米島と沖繩ではできないわけですね。そういうようなところがあるところを見ると、五千六百億円プラス二千億円か三千億円くらいのショックアブソーバー的な予算がこの中になくてはうそだと思うのです。そういうところを今後大臣として十分努力してやってもらいたいという念願を私は持っているのです。お考えを承りたいと思います。
#148
○木村国務大臣 いまお話しのような問題は確かにこれからの航空整備の中で大きな問題として取り扱わなければいけないと私も思っております。ことに航空会社に三百億とかあるいは二百億とかいうふうな赤字も出ておるという現状を本当に考えてみますときに、受益者負担という思想が実際に効果を結び得ないのじゃないかという感じを持っておるのでございます。
 ことに一ころは、航空というものは交通機関としてはぜいたくと言いますか、高級なもののように扱われておりましたけれども、実際おっしゃるように、いまや航空というものは国民の本当の日常の交通機関化してきておる。ことに離島関係におきましてはしかりでございます。そういうことを考えますと、私は、五十一年度から新しい長期の計画も考えていかなければなりませんが、その考え方の基本構想にはいま佐藤先生のおっしゃるような観点に立って基本的なものを一応検討いたしまして、どういうふうなかっこうで今後の空港整備の財源をやっていくかということは十分御趣旨を入れまして、基本的な骨格を予算編成あるいは長期計画をつくります前に十分検討をし、議論をしてまずつくっていきたい、かように考えております。
#149
○佐藤(文)委員 この問題に関して質問を終わりたいと思いますが、空港整備なり航空路整備の進捗度の調整とか、人件費を含むいろいろな維持運営費の再検討というようなことは、精力的に航空局長お願いします。これをやることが今後の航空再編成の基盤になるような気が私はいたします。これをやらないで出先の航空三社のダブルトラッキングとかあるいはトリプルトラッキングとかというような問題は片づかないと思いますので、この問題を十分ひとつ検討するということをお願いしておきます。
 それから、第二点に移ります。航空再編成の問題であります。現在、三月より東亜の幹線乗り入れ、それから東京−釧路線のダブルトラッキングの問題あるいは東京−大村の東亜の乗り入れ等、こういう問題がいま静かに起こりつつありますね。これは四十七年度の大臣示達の航空行政の指針に従ってのやり方と思って、これなりに私は賛意を表しております。だがしかし、問題があると思うのです。その問題点だけを私はここで四、五点申し上げたいと思います。
 その第一点は、こういつたような昭和四十七年の、あれは七月だったですか、大臣示達によって、日本の航空三社、日本航空はこういう任務ですよ、全日空はこれですよ、東亜はこれですよ、日本航空と東亜国内との合併は一応これでピリオドを打ちますよ、しかしそれは閣議の了解事項をよく認識して両社協力して今後の共存共栄を図りなさいというような内容で、それぞれのシェアを決めて一つの示達を出したことは生きていると思います。しかし、その当時の状況と現在の状況とはもう変わってきておる、非常に変化しておることもこれもまた事実である。私の調査では、その当時、東京からの乗客数と大阪の乗客数と調べてみるというと、東京の方が多くて大阪が少なかった。しかし、現時点では大阪の方が多い、東京の方が少ない、こういう変動も起こっておるという。それからだんだんローカル空港の変化というものもあらわれてきて、鹿児島空港なんというのは、もう国際線としての任務を果たしつつある。幹線という言葉があの中に載っていますけれども、北海道と東京と大阪と福岡が幹線である、こう書いてあるが、幹線というものは何かということもまた、ローカル空港がだんだん充実してくるというと幹線の内容も違ってきますね。そういうような点から、やはり果たしてトリプルトラッキングというそういうものが今後永続していくのがいいんだろうかどうだろうかという、再検討の時期が、ある時期に来るんじゃないかというおそれが反対論者の中にありますね。これは私はやはり航空行政上、耳を傾けて聞く時期が来ていると思います。この問題が一点。
 それから第二点の問題は、日台路線という問題が依然としていま横たわっておる。私はこれは日中共同声明のあの趣旨の範囲内において鋭意努力していくという姿勢をお願い申し上げたいと思います。可能性がある、こういう私の信念のもとに、日台路線は、これは慎重にその復活に御努力をお願いしたい。九十億円の減収という、これは経済ベースのみならず政治的な面においても大切な路線であると私は思います。こういう問題も、その再開の時期、日中平和友好条約との関係、そういういろいろな微妙な関係がございますので、私は日台路線の復活については慎重に、大臣、状況判断されて準備をされていくような御決意があるかどうか、こういう問題についてお聞きします。
 第三点は、日航と全日空との間に、あの大臣示達の中に、近距離国際定期問題が横たわっていると思いますね。要するに、全日空というのは近距離のチャーター便でいくんだが、しかし不定期路線までいくのかどうか、そういう問題点も含まれておりますので、国際情勢を十分把握されていく必要が私は再編成問題の根底に流れていると思いますので、これも十分配慮してほしい。
 さらに国際関係で、もうすでにパンアメリカンの株の五〇%をイランが買収したという情報も私に入っております。パンナムとTWAの合併論も入っておるし、BOACという伝統的な航空会社もBEAと合併してBACという名前で羽田に入っておる。日本とイギリスとの航空協定のトラブルが昨年暮れありました。それによって四十五便が三十九便になり、ある時期には二十九便まで減ったといったような変動も起こっておるし、インドネシアの航空交渉の過程においても東南アジア諸国の国益対等論も台頭しておるし、アラブの国では昨年一年間で七億ドルというのですから二千百億円ぐらいの予算でアメリカから民間機を購入して成田開港のときには乗り込み準備をしているというような情報も入っている。
 このような国内と国際のいろいろな問題が加味されたときに航空再編成の問題がやがて起こるわけでございますので、以上の問題点を十分に把握して航空再編成問題に取り組んでいただきたい。その調査なりその準備体制に取り組んでいかざるを得ない方向にございますので、以上の問題を私はあえて申し上げて、大臣あるいは航空局長の再編成問題についてのお考えを聞きたいと思います。
#150
○木村国務大臣 再編成問題につきましては、いまるるお話がございましたいろいろな要素を考慮して今後考えていかなければならない問題であろうかと思います。ことに近距離の国際航空についても、すでに四十五年、四十七年の方針の中にも触れられておりますし、また日本以外の日本に乗り入れております世界各国のエアラインの状況等、いまお話しのような状況をも十分に考慮をして再編成問題を考えていかなければならないと考えております。基本的には国内三社というものが、今後この三社の形でずっと行くべきであるかどうかという問題にどうしても触れてくると思います。この問題はいましばらく私は推移を見ながら、いまお話しのいろいろなそういった要因を考慮に入れながら、ひとつ考えさしていただきたいと思っております。
 それから日台間の問題ですが、これはどう考えましても、政治的に云々と、いろいろありますが、どう考えましてもとにかくこんな不自然なことはない、これはどうしても自然の形に早く復さなければならないということが、とにかく私の頭から離れません。しかし非常に高度に政治的な色彩の強い問題でございますので、いま政府がみずから手を下してどうこうということは許されませんし、幸いに両側とも民間の機関がそれぞれございますので、その間でいろいろと話が進められておるようでございますし、その推移も私たちも常に注目をいたしつつ、一日も早く不自然が解消されて、最も自然な形で台湾と日本との間の航空路が開けることを大いに期待をいたし、われわれとしても祈るような気持ちで見守りながら、何かわれわれの力で努力することはないかということも模索しつつ、今日一日も早い自然への復活ということを期待をしておるのでございます。
#151
○佐藤(文)委員 価格維持の問題について質問いたします。
 第三点、航空運賃の問題です。これは私が言うまでもなく、国際線においてはIATAで一人といえども反対したならばこれは決定ができません。全会一致で国際運賃の改定をする、それを各国へ持って帰って、所管運輸大臣のOKをとって実施をする、こういうことになっておりますね。ところが、IATAという国際的な民間航空機関でもってそういうことを総論で決めても、現実はチャーターフライトとかあるいはパック観光とか、いろいろな面で価格がダウンして、日航自体においても毎年毎年実収というものはどんどん下がっている。ですから、運賃を上げても一体どのくらいの実効があったか、私はなかなかつかみ得ないのです。こういう点はやはり航空局としてはつかんでほしいし、その価格維持のために果たして民間だけでいいんだろうか、ICAOの政府間におけるところの強い申し合わせというもの、そういうアクティブを日本政府の運輸大臣はとるべきではないだろうかと私は思うのですが、いままで日本政府が、ICAOの政府間の協定機関、そういう国際間の航空の相談をする機関に対して強くアプローチしたことを私は聞いていないのだが、決められた航空運賃というものをまじめにやっていくという監視体制、そういうものをやるべきじゃなかろうか。もうすでにアメリカでは、司法省が間に入って、二十数名の監視員をつくって、アメリカ国内におけるところのダンピングというものは政治の力ですぽっと監視をし、そして公正な競争場裏をつくろうとしておることも聞いておるのですが、大臣として、この公正なる価格維持ということについてICAOに対してどういうふうなアプローチをしていこうとするのか、あるいは国内の航空三社、日航は五〇%近く政府の金が入っているから、日航だけじゃない、航空五社に対してそういうような指導体制を強硬にやってもらいたいというのが私の考え方なんですが、大臣のお考えを聞きたい。
#152
○中村(大)政府委員 運賃のダンピングの問題は、国際線それから国内線ともに問題でございます。特に国際線につきましては、先生御指摘のように、民間の機関同士の段階ではこれを是正するということが、正直言いまして非常にむずかしいということをわれわれも認めざるを得ないわけでございます。したがいまして、それを是正するために、たとえばただいま先生おっしゃいましたような、アメリカがとりますような措置というものが今後一つの考え方として検討されなければならないと思いますし、また、政府間の問題としてこれをどのようにして取り上げるかということについて、私どももこれは今後の問題として真剣に考えなければならないと思います。正直言いまして、いままではいわゆる非常に歴史的な伝統のございます民間の航空会社の自主的な規制というものに期待をかけてきたわけでございますけれども、それが非常にむずかしい状態になっておるということを認めざるを得ないと思います。
 国内運賃につきましては、これは国内法によりまして当然規制すべきことでございますし、規制し得るわけでございます。法律的にこのダンピングというふうなことでなくても、いわゆる最近のような需要のダウンを契機にいたしまして、集客活動というものが非常に激化いたしておるわけで、ために、ややもすれば常軌を逸脱したようなサービス合戦をするということが、いわゆる運賃のダンピングをしておるのではないかという疑念を持たれることでございますので、この点につきましては、私は、厳格にこれに対処してまいりたいというふうに思っております。これがひいては長い目で見て航空会社の経営を健全化するゆえんでもあると思っておりますので、ぜひそういうふうに指導してまいりたいと思います。
#153
○佐藤(文)委員 最後に価格問題についてお願いだけして次に移りますが、大臣、私は、航空会社、日本航空、全日空、東亜国内というと、何だか給料が一般に高くて大会社だというイメージは、これは一億の国民ありますね。私自身にもあるわけです。ところが、この三社が昨年一年間に上げた営業収入のトータルは五千億に満たないわけですね。そうすると、ソニーが大体四、五千億円です。それから日立になると一兆円ということになっておる。私は、三社で一兆円の壁を破ったときに初めて一つの企業として成り立つのであって、航空三社なんていうのは、私は幼稚産業だと思わざるを得ない。数字を見て、そう思わざるを得ないと私は思ったわけです。非常に弱い。おまけに日本航空が昨年、これは大臣ごらんになったかもしれませんが「航空安全対策について」、あの雫石事件が起こって、それから国内法の改正になって、安全をしっかりやるために、見張り義務とかいろいろな条項をつくったわけですね。これが四十七年のときに提案されて、きょうまた審議するようになったんですけれども、こういう日本航空の「航空安全対策について」というのは、雫石事件が起こった後慎重に審議して私の手元に入ったわけです。これを見ましても、欧州やアメリカの飛行機会社と比べて非常に違うところは、乗員訓練というと日本人が一番。パイロットがうまいんだと、アメリカ人以上にうまいんだ、こういうことを一時宣伝して――私たちも入りましたね、あの神風特攻機の時代は入った。その尊王攘夷論が入って、それは本当かなと思っていろいろやって実態を見ると、航空についての二、三十年の空白というものは、この技術においても、相当長い期間を使わなければ。パイロットになり得ないという、そういう実態は、これは宣伝と内容とは違うわけですね。それを見たときに、日本航空の乗務員、パイロットになるために、727の一時間訓練するのに五十万円払っている。それからジャンボの一時間の訓練に百十四、五万円払っている。乗務員訓練のために年間九十億円という金を使わなければ一流のパイロットになり得ない。全日空は四十億円だ。それは営業収入の大体五%ぐらいですね。欧州各国は一・二%なんですよ。それだけまた、一流のパイロットをつくるために日本航空は、あるいは全日空はよその国よりも数%多く金をかけねばならないという幼稚産業の中に起こったこの実態を見たときに、私は、価格の維持ということについては、行政指導、これは強くして企業というものを守らなければもうだめだというのが、価格維持について目を光らしてくださいよという私の趣旨であります。そういう意味において、価格維持について目をそらさないで、強い指導をしてもらいたい。アメリカですらもやっているじゃないか、そのことを言いたいわけでございます。
 それから、第四点の問題の安全問題です。
 航空法の改正で運航規制の強化とか設備の装備義務の強化とか、それからATCトランスポンダーを各飛行機に載せるとか――羽田の管制塔に私は一回登ったことがありますけれども、一分間に何回という飛行機がどんどんおりてくる。前に木の札があって、一つ一つ木の札を順番をおろしては指示をしている。それが非常に危険だというので、さらにレーダーを入れる。レーダーを入れて、次は、今度は向こうからのリアクションによってそのレーダーではっきり高度もわかるといったようなトランスポンダー入れる。さらに専門家に聞くと、テレビでパイロットの顔が見られれば、そして字幕が出ればなお安全だというところまでいまいこうとしているわけですね。そういうようなことについてのいろいろな改正案を出したということは私は賛成でございます。けれども、航空機の安全問題について世界でどのくらい起こっているんだろうかと言うと、一年間大体千二、三百人ぐらいの死亡者があって、十人以上を大事故と見た場合、事故率は二十五回から三十回ぐらい起こっている。それが、一年間大体五十数週ですから、二週間に一回は十人以上の飛行機事故が起こっている。しかし、四、五年前から、総需要はどんどん伸びているけれども、おかげで上々になっている、大体横ばいでいっている。世界の国々と連携をとった安全対策というものは、一国ではできませんので、当然やらなければならぬということから考えて――私はこの前「エアポート75」という映画を見たのですが、航空局長見ましたか。いま映画をやっているのですよ。「エアポート75」と言うのですよ。
#154
○中村(大)政府委員 不敏にしてまだ見ておりません。
#155
○佐藤(文)委員 なるべく見てください。
 それならテレビ見ましたか。パイロットが中毒になって飛行機が墜落せんとするテレビをいまやっておりますが、ごらんになりましたか。
#156
○中村(大)政府委員 そういう画面があったということを後から報告で聞いたわけでございます。
#157
○佐藤(文)委員 私はたまたま「エアポート75」という映画をこれはどういうことなんだということで見に行きましたが、「エアポート75」というのは、単発の飛行機で飛んでおったパイロットが心臓発作で、急に上げちゃって、きゅーんと上がって上のジャンボに下から突き当たって穴があいてジャンボのパイロットが空中にほうり出されて、そしてお客さんの中から何回かやったことのある人がコーパイロットと一緒になって下からの指示によって無事に着陸したという映画なんですね。航空機事故というのはそういう思いもかけないことが起こりますよというところまでやっている。それから、アメリカではアポロの宇宙船を、これでもかこれでもかと一機の宇宙船に四百億も五百億もかけてつくり上げて安全性を確保して月に到着し、それから陸地に到着していくという、その安全の上につくり上げているという実態を見たときに、私は、安全政策というものについてさらにこの改正以上に先にまだ何かあるような気がするのですよ。ですから、三年前にこの改正案を出してからこの三年間、なるほど日本航空にはこういう案が出て、実施しているかどうか私は知りませんが、総点検をする必要がある。新幹線の総点検をするならば、安全についての総点検を航空局はやらなければ――三年前の案が実はそのまま出ているわけですね。しかし安全問題については、いま言ったような映画やテレビのドラマに出るような、そういうことまでも追求してやらねば安全の追求はできないんだということを教えていると思うのです。
 そこで、そういう問題についてさらに努力をして、今後の小型機による二点間の旅客輸送の場合にはどのような注意がまたあわせてあるのかということとか、そういう問題をどうも等閑視しているような気がしてしようがない。小型機の故障が多いです。あれが幸い港の岸壁に突き当たって落ちたり電線にひっかかって団地の真ん中に落ちたようなことでいいけれども、ジャンボと衝突しないとか727と衝突しないということはあり得ないということをこの映画で教えているわけですね。そういうことについての小型機の指導体制もあわせてやってもらいたいということが一点。
 それから第二点は、最近雪が降りまして、南の島にも雪が降るといって、九州にも雪が降って、博多にも雪が降って福岡にも降って、私の調査でこの一カ月の間に日本航空だけで十七便の欠航がございました。全日空、東亜を入れますと四、五十便の欠航があったということは一体何かと調べてみると、北海道あたりでは除雪のいろいろな設備ができているでしょうが、九州とか四国あたりないわけですね。それがやはり航空機の安全と赤字解消に微妙に影響がある。一種、二種の空港は国の責任でつくるということになっているならばそこら付近も、防雪対策については十分配慮してほしい。
 三番目。羽田の滑走路が地盤沈下をした上が剥離しつつあるというようなこと、それについての予算は取ってある。幾ら取ってあるか私はよく知りませんが、本年度の予算に入っているはずだ。羽田の滑走路は一本しか使っていない。二番目の滑走路は駐機場になってホテルになっている。それならこれを全面閉鎖をして修理をするのか。予算は取ってあるが一体どういう対策でやろうとしておるのか、そういう面についても私は一つの疑問点がある、これは安全と非常に関係がありますから。
 それからさらに、根本的な解決はもちろん先ほど大臣が言われたように成田空港の開港であります。しかしそれまでにやるべきそういった安全政策についての具体的な、航空局長としてやるべきこと、そういうことを私は十分やっていただきたいと思います。
 四十分が来ましたので、航空局長の御答弁の後に最後に大臣に航空行政全般のことについて、あるいは再編成の問題、価格維持の問題、安全性の問題、こういう問題についていま少し――国鉄問題について、超党派で話し合いをしようということになるならば、私は航空行政は国鉄以上だと思いますよ。飛行機と国鉄ということを並べてみて、私はどっちも大切だと思うのです。総合交通体系のうちの一環である。けれども、根本的に違うことは、ハト時計と電子時計というものを比べどっちも同じだと考えたらとんでもないことなんですよ。ですから航空行政についての転換期に立って、幸いいま日本航空だって、一番初めの社長は藤山さんか、その次は松尾さんそれからいまの朝田さん、三代目です。全日空だって三代目。とにかくいま皆三代目になっているのです。三代目のときは一代目、二代目の後掃除をするわけですよ。私はそう思う。とにかく日本人のパイロットは優秀だと言う。われわれもそう思った。けれども、実際は長時間金をかけなくてはいかぬ。しかしそれはチープレーバーであったかもしれない。そういったようないろいろな過去の歴史を積み重ねていま三代目の経営者が四苦八苦して、これで乗り越せば日本の航空行政というものが評価をされる、これでダウンすれば日本の航空行政というものが国民のひんしゅくを買うようになると私は思います。日本人とフランス人というのは飛行機が好きでございます。私はそう思います。エアショーで一番入場料が上がるのは日本とフランスですもの。ですから、ひとつしゃんとがんばっていただきたいと思います。
#158
○中村(大)政府委員 航空について、安全がまず最優先するということは、先生御指摘のとおりでございます。今度の法律改正につきまして、私どもは、現在の時点において、安全関係の規定が十分であるかどうかということは再検討をいたしたわけでございます。その結果といたしましては、少なくとも現在開発されております機器、保安施設、そういうものを一〇〇%活用するためには現行の、今回改正をお願いいたしております法制を十分に運用いたしまして、後は政府の行政指導、会社の内部の運営体制、こういうものを十分に強化いたしますならば、私は航行の安全というものは十分に期せられるというふうに思っておるわけでございます。ただ、日進月歩の世の中でございますから、そういう進展とにらみ合わせまして法制につきましても常に再検討をするということは、先生御指摘のとおりだと思います。
 それから除雪でございますけれども、これはたまたま五十年、今年、何年に一度という大雪が特に南の方に起こったわけでございます。それで、確かに除雪のための設備といたしましては空港みずからが除雪車両を配置いたしております空港というものは限られておるわけでございまして、それ以外のところについて、これは非常に不確定な要素がございますので、常に契約を継続しておくわけにはまいりませんけれども、しかしながら除雪車両等を持っておられる方というものはふだんからよく調べておきまして、一朝事あるときには直ちにそれを結集して除雪ができるというふうにいたしておるわけでございますけれども、たまたま長年そういう大雪がございませんでしたので、そういう運用について若干欠けるところがあったとすれば、われわれとしては今回は非常にいい教訓になりましたので、これをさらに徹底し、効率化するように努力してまいりたいと思っておるわけでございます。
 それからCランの改修でございますけれども、これは来年度予算といたしましては、これは成田の開港を前提とするわけでございますが、その場合には当然全面的な改修をするという前提で、その予算は組んでおります。しかしそれを前提としない場合におきましても、四十九年度、今年度でございますけれども、すでに六千万円の予算で、これは夜間工事によりまして改修をいたしておりますので、これによりまして、羽田の滑走路の安全は確保しておるというふうに申し上げていいと思います。
#159
○木村国務大臣 航空行政に非常に高い識見と深い御理解を持っておられます佐藤委員の御発言、いまわれわれが取り組んでおります航空行政に対して、大変傾聴すべき点がたくさんございました。本当にお礼を申し上げる次第でございます。私も航空行政には非常に強い関心を持ち、また重要視をいたしております。ことに、事、事故に関します限りは、他の交通機関とは比較にならない重大性を持っておると思います。つまり、航空事故では中途半端な助かりはないということであると思います。そういう意味から言いましても、航空行政については事故対策、航空安全、これを何よりも最重点に置いて考えていきたいと思います。
 現在御審議をいただいておりますこの法案も、お説のとおり全く両三年かかっての法案でございますので、その後の情勢も変わっておる点があろうかと思います。しかし、この際は、とりあえず従来のこの法案を早く成立をさしていただきまして、直ちに次の検討に入って、常にその時代、その時期に適合する安全政策を実行してまいりたい、かように思っております。
 なお、運賃問題あるいは再編成の問題等も、本当に真剣に取り組んで、今後航空行政に力を入れていきたいと思っておりますので、今後ともよろしく御指導をお願い申し上げる次第であります。
#160
○佐藤(文)委員 終わります。(拍手)
#161
○木部委員長 次回は、来る三月七日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開くこととし、本日は、これにて散会いたします。
    午後二時五分散会
ソース: 国立国会図書館
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