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#1
第075回国会 運輸委員会 第24号
昭和五十年八月八日(金曜日)
    午前十時三十分開議
 出席委員
   委員長 木部 佳昭君
   理事 加藤 六月君 理事 佐藤 文生君
   理事 佐藤 守良君 理事 増岡 博之君
   理事 太田 一夫君 理事 金瀬 俊雄君
   理事 三浦  久君
      石井  一君    關谷 勝利君
      宮崎 茂一君    綿貫 民輔君
      久保 三郎君    兒玉 末男君
      斉藤 正男君    坂本 恭一君
      梅田  勝君    石田幸四郎君
      河村  勝君
 出席国務大臣
        運 輸 大 臣 木村 睦男君
 委員外の出席者
        環境庁大気保全
        局特殊公害課長 酒井 敏夫君
        外務省アジア局
        次長      中江 要介君
        大蔵省国際金融
        局企画課長   神馬 常郎君
        国税庁直税部審
        理課長     菅野 文治君
        通商産業省立地
        公害局保安課長 広海 正光君
        運輸大臣官房観
        光部長     高野  晟君
        運輸省海運局長 後藤 茂也君
        運輸省船員局長 高橋 全吉君
        運輸省港湾局長 竹内 良夫君
        運輸省鉄道監督
        局長      住田 正二君
        運輸省自動車局
        整備部長    田付 健次君
        運輸省航空局監
        理部長     山元伊佐久君
        運輸省新東京国
        際空港推進本部
        副本部長    永井  浩君
        海上保安庁長官 薗村 泰彦君
        海上保安庁警備
        救難部長    山本 了三君
        労働省労働基準
        局安全衛生部計
        画課長     梶谷  浩君
        建設省道路局企
        画課長     浅井新一郎君
        消防庁予防課長 永瀬  章君
        日本国有鉄道常
        務理事     高橋 浩二君
        運輸委員会調査
        室長      鎌瀬 正己君
    ―――――――――――――
委員の異動
七月十七日
 辞任         補欠選任
  三原 朝雄君     菅野和太郎君
同日
 辞任         補欠選任
  菅野和太郎君     三原 朝雄君
    ―――――――――――――
七月四日
 一、地方陸上交通事業維持整備法案(久保三郎
  君外二十八名提出、衆法第七号)
 二、中小民営交通事業者の経営基盤の強化に関
  する臨時措置法案(久保三郎君外二十八名提
  出、衆法第八号)
 三、交通事業における公共割引の国庫負担に関
  する法律案(久保三郎君外二十八名提出、衆
  法第九号)
 四、中小民営交通事業金融公庫法案(久保三郎
  君外二十八名提出、衆法第一〇号)
 五、陸運に関する件
 六、海運に関する件
 七、航空に関する件
 八、日本国有鉄道の経営に関する件
 九、港湾に関する件
 一〇、海上保安に関する件
 一一、観光に関する件
 一二、気象に関する件
の閉会中審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 陸運に関する件(私鉄運賃に関する問題等)
 海運に関する件(近海海運に関する問題)
 航空に関する件
 日本国有鉄道の経営に関する件(新幹線の騒音
 対策に関する問題)
 港湾及び海上保安に関する件(LPG船基地建
 設に関する問題)
 観光に関する件(旅行業者に関する問題)
     ――――◇―――――
#2
○木部委員長 これより会議を開きます。
 陸運、海運、航空、日本国有鉄道の経営、港湾、海上保安及び観光に関する件について調査を進めます。
 この際、委員長から申し上げます。時間の関係もありますので、質疑、答弁は簡潔にお願いいたします。
 質疑の通告がありますので、順次これを許します。關谷勝利君。
#3
○關谷委員 海運局長と船員局長とに主としてお尋ねをいたします。
 壊滅に瀕しております近海海運対策については、前回の委員会におきまして、河村、久保、その他の委員の方々から、主として荷物の確保あるいは念書船の監視強化、裸用船の問題並びにこれらに付随する問題についての考え方はいろいろ御質問をせられたのであり、全く同感でありまして、その後の運輸当局の努力についてもいささか了とはいたしておるのでありますが、その後の情勢等を見ておりますと切り抜けるのになかなか容易でない状態でありますのでお尋ねを申し上げたいと思います。
 近海問題を論ずるに当たって、船員問題を避けて通っては解決ができるものではないと私は思っております。しかるに、海運局長も船員局長も船会社も船主もこの点についての努力がなされておらないのではないかと疑うものであります。去る六月二十七日の当委員会に提出せられました海運局長説明の「近海海運問題について」のプリントの中にもそれらしいものは見当たらないのでございます。強いて言いますと、「邦船のコスト引下げ等の合理化を図ること。」とあるだけでございます。それ以外には船員問題に触れた言葉は一つもない。その中に含まれておるのだと無理に解釈をすれば、そう解釈できないこともないのでありますけれども、きわめてあいまいであり、重点から外されておるというような感じがいたしてならないのでございます。
 いまこそこの問題について堂々と腹を割って組合と企業とが話し合うように指導しなければならないと考えるのでございますが、この点について海運局長と船員局長はどういうふうに考えておられるのか、双方からその点を伺っておきたいと思います。
#4
○後藤説明員 先月の十八日の人事異動で海運局長を拝命いたしました。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 お答え申し上げます。
 前回の委員会で、先生御指摘のように、私の前任者から近海対策につきましてるる御説明申し上げました。その点、先生御指摘のように、私どもが用意をいたしまして御説明をいたしました今後の近海船対策の各項目の羅列の中には正面から船員問題を取り上げたくだりがないということは御指摘のとおりでございます。しかしながら、前任者の考え方も全くそのとおりだと私は理解しておりますけれども、近海船問題を今後進めるにつきまして、その問題に絡まる日本の船員問題というものを避けて通るわけには全くいかないというふうに考えております。このことはいろいろな面からも当然のことでもございます。それから事柄を進めるにつきまして、海運組合を含めた日本の国全体のいわばコンセンサスというものを求めて、そういう枠の中で近海船問題を進めなければならぬというふうに私自身としては考えております。
 今後とも、同僚の船員局長さんとの相談はもとより、関係者、船主、船員、全体の方々のいろいろな意見をお聞きしながらこの難問題に対処してまいりたいと思っております。
#5
○高橋(全)説明員 去る十八日に船員局長に配置がえされました高橋でございます。
 お答えいたします。
 いまの關谷先生の御意見はごもっともでございまして、いま海運局長から御答弁いたしましたように、私、船員局長といたしましても、まず労使が中心になってこの問題を解決するという、そういうふうな雰囲気と申しますか、そういう状態になければこの近海船問題は解決できないと思っておりますので、それをいかにして両者を引き合わせるかということを真剣に考えてまいりたいと思っております。
#6
○關谷委員 船員問題に入る前提といたしまして、次にお尋ねをいたしますのは、大手六社並びに三光汽船、東京タンカー等の子会社あるいはこれに類する外国籍の会社がどれだけあるのか、概略でいいからその点を示してもらいたいのが第一点と、それから、これら企業の便宜置籍船、仕組み船の隻数並びにトン数がどのくらいあるのかということ。それから、念書船と称するものの隻数とトン数はどのくらいあるのか。そのうち、わが国との間の輸送に従事しておるものがどれほどあるのか。
 これは「日刊海運貿易」というプリントの七月二十一日発行分の報ずるところによりますと、これが延べといたしましてわが国との間の輸送に携わっておりますのが、一月から四月まで延べ二百二十八隻、一月から五月まで二百八十七隻というふうな記事があるのでございますが、運輸省は、私が公的ではございませんが尋ねました際には七隻だけだということを言っておるのでありますが、なぜこんなに大きく食い違っておるのか。その点、実際の隻数と調査の結果が余りにも食い違いが大き過ぎるが、これはどういう理由か、それを聞かせていただきたいと思います。
#7
○後藤説明員 お答えいたします。
 いわゆる中核六社あるいはその他の船会社の海外におきます子会社というものはどういうふうなものを子会社と見るかあるいは孫会社と見るかという、その見方によりまして、当然のことでございますが、いろいろと数字は変わってまいると思います。
 私どもいま手元に一つの資料を持っておりますが、これはある限られた考え方で整理をしたものでございますけれども、一応日本の船会社が五〇%以上の資本はその会社に対して出資をしておるという、そういった海外の会社というものを拾い上げまして整理をいたしますと、中核六社の海外の子会社あるいはその孫会社――この孫会社につきましては、日本の親会社が一〇〇%出資をし、かつその子会社がさらに一〇〇%出資をしている会社を一応孫会社と私どもは考えまして、私どもの資料では二十六、中核六社の海外子会社、孫会社があるということに承知しております。
 また、いま申し上げましたような二十六の会社が所有しております船、これもいろいろとございます。いわゆる便宜置籍船といったようなものの中には、その子会社の中には欧州のいわゆる海運国に籍を置いた会社もございます。したがって、その会社の所有船はいわば先進海運国の国旗に登録された船もございます。そういったものを一応除いて考えました場合に、私どものここにございます資料では、この二十六社のうちの二十二社がいわば世にいわゆる便宜置籍国にある会社であり、その会社が持っております船は、中核六社全体で約六十六万総トン、二十五隻といったような表がございます。
 また、中核六社以外の日本の船会社でございますけれども、これは法律上、政府として、その企業活動の詳しいことにつきまして、集約会社と違いまして、報告を政府が求める程度の精粗の違いがございまして、私どものところに十分な情報が集まっているという自信はございません。海外子会社もたくさんつくっておるようでございますが、私どもの報告に基づく海外の子会社というものは世にいわゆる便宜置籍船を実際に所有している形の子会社はほとんどないようでございまして、むしろそうでない形でいわゆる便宜置籍船を支配しているものが非常に多いようでございます。
 非常にはっきりした、中核六社について申し上げましたような詳しいデータはただいま私どもの手元には集まっておりませんことを御容赦いただきたいと思います。
 それから、いわゆる念書船で日本の近海貿易に従事しておりますものにつきまして、さきに前任者から御報告申し上げましたとおり、その実際の念書船の数は九十一隻であり、そして一月から四月までに南洋材輸送に従事した船は延べ七隻でありますということを私どもは前に御報告申し上げました。先生のただいまの御指摘のとおりでございます。これについて非常にそれと違ったデータがある、一月−五月というはかる時点が違うにいたしましても、少なくとも非常に違ったデータを別のところでお調べになっているということの御指摘がございました。これはあまりにも違い過ぎますが、実は、私、その点につきましては、その違いはこういうところに根差しますということを明確に御説明を申し上げます用意がただいまのところございませんので、この点につきましては、まことに申しわけございませんが、さらに海運局といたしまして勉強、調査をいたしまして、別の機会に御説明をさせていただきたいと存じます。
#8
○關谷委員 局長、私の方も早口で簡潔に問いますが、時間が五十分しかないのですから、ひとつ簡潔に分かりやすく、用心をした物の言い方でなくてもいいですからお答えを願います。
 これらの便宜置籍船、仕組み船、念書船等が大量に出現した原因は何であるかを考えたことがありますか。これはこちらからも一つ一つお尋ねするほうがいいのですけれども、まとめてこちらの意見もまぜながらお尋ねをいたしますが、船費の高騰なかんずく船員費の高騰等によって国際競争力が弱くなったために、これを逃れるための手段であるというふうに言われておるのですが、海運局長はどう思いますか。現在の大手海運企業はいずれも外国用船で黒字を出し、邦船の赤字をカバーしておるのが実情であると聞いておるわけなんですが、実情は私が言うことと違うのかどうか。それから、船員費の高騰や団体協約上の企業側の不利等について、その原因はどこにあると考えていますか。こういうことをまとめてお尋ねをいたしますので、その点について海運局長と船員局長が考えておられることを率直に簡単にお答えを願いたいと思います。
#9
○後藤説明員 お答えいたします。
 便宜置籍船というのは、先生御指摘のように、かつては税法の問題、税金が安いというところに主たる眼目があって、船主の選んだ方式としていまのような形が生まれたのではないかというふうに私は理解しております。その後いろいろな形でその便宜置籍船がふえておるようでございますけれども、ことに日本の船主が実際上支配しております便宜置籍船というものがございますようですけれども、それは最近では税金の問題と申しますよりも、コストがその場合に安くなるということを主たる要因としていまのような形ができ上がっておるというふうに理解しております。
 それから、つい最近までは先生御指摘のように長期の契約でレートを決めておるのが大部分である日本籍船舶の場合に屡その後コストがだんだん上がってきて赤字になっておる。一応別に海運マーケットの高いマーケットで荷物を運びながら低い用船料で船を仕切っておる外国用船の場合に、黒字が出ておるという状態がごく最近まで続いておったというふうに私も聞いております。今後マーケットが非常に悪くなりますと、このような状態がこのままのようなかっこうで続くのではなくて、高い用船料で使うのだけれども荷物がなかったり、あっても非常に運賃が安かったりということで、中も赤、外も赤というようなかっこうにだんだん推移していくということもあるいは将来のあり方としては考えられるかと思っております。
#10
○高橋(全)説明員 いま海運局長がお答えしたとおりだと思いますが、便宜置籍船が非常にふえてきたのは、先生がおっしゃいました船費あるいは人件費の高騰のみならず、海運局長が答弁いたしましたように税制の問題も大きな問題かと私は思いますが、それで、日本船のコストを下げるために便宜置籍船を使う。しかし、便宜置籍船といたしましては、やはり日本の海運企業の息のかかったものにしたいということから便宜置籍船が増加してきた、こういうふうに私は考えております。
#11
○關谷委員 あなた方が答弁せられるのに、いままででも、船員問題とでも言うたら大変なことになるのかというような答弁ばかりをしておるからだめなんですよ。いま海運企業がこういうふうな便宜置籍船とかあるいは仕組み船というふうなものをやっているのは、船員費を安くするため、もちろん船費を安くすると言った方がいいのかわかりませんけれども、そのためにやっておるのが大部分ですよ。船主協会の役員とか海運企業の経営者あるいはオーナー等の怠慢による結果とお考えになりませんか。ベースアップ、各種手当の引き上げ、新設等を要望する海員組合の幹部がその主張を強く推し進めることは、これは職責として当然なことなんです。ところが、企業側としてはそれを船長上がりの船員部長等にことごとく任せ切りで船員問題をないがしろにして、団体交渉の際常にただ諾々と要求をまるのみにして安易にその場を過ごしてきたのがいままでの実情でございまして、船主協会の幹部やあるいは船会社の幹部、これに追随した船主の無策、無気力の累積が今日の船費の高騰となっておると言われても過言ではないと私は思うのでございます。これは企業みずからが招いた結果というふうに私たちは考えておるのでございますが、これについてはどういうふうにお考えになっておりますか。
 大手企業は、これは当たりさわりがあるかもわかりませんが、雇われ重役と言われておるのでございます。近海内航はみんな自己所有でございます。ほとんどが自己資金であって、その近海内航の事情を無視して大手企業が独走して安易な妥結をして、そして今日までこの近海とか内航とかいうようなものにこれを押しつけてきた。自分たちが易々諾々として押し込められただけでなくして、近海内航にもこれを押しつけたような結果が今日のようなことになっておるのだと私は思いますが、そういうふうなことを考えたことはありますか。御答弁を願います。
#12
○高橋(全)説明員 いままで労使の関係は、特にこれは使用者側でございますが、使用者側といたしましては先生のいまの御指摘のような傾向が過去にあったように私は聞いておりますけれども、昨今はこの労務問題を避けては通れないという、さっき先生から御指摘がございましたような姿勢で、船主はまず労務問題を中心としましていま経営を考えておる、と、このように私は聞いております。
#13
○關谷委員 海運局長はどう思いますか。
#14
○後藤説明員 どこの企業であっても、ことに最近の場合、労務の管理ということが企業経営の核心であるということが私どもの印象でございます。陸上の産業のどの企業におきましても、労務管理については、社長、最高責任者以下血の出るような苦労をしながら自分の会社の働く人たちの管理について、それはいわゆる労使関係の調整ということになるかもしれませんが、それに苦労しておるというのが世間一般の相場であると思います。それに対しまして、先生が御指摘のような海運会社のような場合に、海上の勤務の経験のある、何でもかんでもわかっているような人というのが重役さんになって、その人たちが主として組合との交渉に当たるという、実際上のそういう事実が過去においてずっとあったということも事実であり、経験のない社長さんというのはどうしても後列で若干気楽にこの問題を処理しているという傾きがあったという批判は船会社の人はまじめに耳を傾けなければならない批判であろうと私は思っております。
 将来の問題でございますけれども、恐らくはいつまでもそういう状態を船会社の方が続けるはずはないと私は確信しております。
#15
○關谷委員 船員局長は、「と聞いております」というような、どこか遠くの方でそんなことがあるような気がいたしますというような、まことに頼りない答弁でございましたね。あなたは船中労の事務局長もやっておって、いままた船員局長になったので、一番適任で、私たちはあなたに期待するところが多いのです。労使双方が上手に話し合うような場面をつくるために努力もされようし一そしていまの場合には、これは最終的には私の意見としても申し上げますが、企業側と組合側とだけで話をしろと言ったって、こういうふうなむずかしいときになってきたらできるものではないのです。その中へ政府が一枚かんでそれで解決をしていくというふうな考え方にならなければ大変な結果が起こるのです。それだから言うのに、何やら遠くの方で聞いたことがありますというようなまことに頼りない答弁をしておられるあなたに、私の期待を大きく裏切られるような気がしてなりません。
 さらに質問を続けます。あなたではありませんが、いままでの船員局の態度についても、海員組合と腹を割って話し合いを重ねるというように指導したことを忘れて、そしてただ双方が話し合うのだと言う。双方の話し合いだけで片がつくのなら簡単なものでございますが、いまの事態はそうではない。その間にやはり政府が一枚かんで、話し合いのできないところは政府の方で一役買ってやろうということでなければできるものではないのです。それをほうりっ放しにしておるようなことではこれから先が思いやられると思います。何もなすところのなかった船員局長以下の態度も、これは責めるべきであると私は思います。
 それから、船員法第七十条の問題をどうするつもりであるのか。これは船員局長にはっきりと聞いておきたいと思います。国際条約では削除せられ、世界の海運国ことごとくが国内法で削除しておるというのに、すでに数年たなざらしにしておるのは、どういうふうな理由が存在しようとも当局の怠慢と言うほかはないと私は思います刀船員定員を国際条約並みに引き下げるために精力的に海員組合と話し合い、削減を実現すべきであると思うが、これはどういうふうにお考えになっておりますか、この点を伺っておきたいと思います。
 一応そこでちょっと簡単に御答弁を願います。
#16
○高橋(全)説明員 船員法七十条の問題でございますが、すでに四十五年に船員中央労働委員会に諮問をしておりますが、まだその答申をいただいておりません。船員中央労働委員会といたしましては二十六回その会議をやっております。しかしながら、四十八年以来その会議が中断しております。その原因は何かと申しますと、労使のコンセンサスが得られないままにいままで来ております。したがいまして、船員中央労働委員会は独立機関でございますから、行政といたしましてとやかく申し上げるわけにもいきませんので、いま先生がおっしゃいましたところの労使をいかに引き合わせるかということについては、私は使用者側が真剣に考えておるということを聞きましたと申し上げましたけれども、実は、私はそういう話を各社から伺っております。
 したがいまして、船員問題に対しましては、今後労使が真剣に話し合う環境をつくるというのが私の仕事ではないか、と、このように考えております。
#17
○關谷委員 船主協会や船会社、船主等の怠慢と運輸省海運当局の無策による船費の高騰を逃れるために海運企業の経営者がとったのが最近における便宜置籍船、仕組み船、念書船等であると言うて差し支えないと私は思います。この状態のままで推移すると日本の船員の職場というものはおいおい少なくなってしまいます。海運企業経営者はこの際大胆率直に船員組合とこれを乗り切るためにはどうしたらいいのかということをいろいろ話し合うべきではないかと思います。
 組合の方では、近海船の問題の抜本策が樹立されれば、船員費の合理化、削除については、官労使三者による船員政策の確立については協力するということをはっきり言うておるのでございます。私のところにプリントもありますが、そういうふうに言うておるのであります。なぜこの機会に大胆率直にもう少し話し合いをしないのかということでございます。
 ことに、これは非常にむずかしい問題ではありまするけれども、いろいろ話し合えば解決の方策があると思いますが、混乗等についても忌憚のない話し合いをすべきではないかと私は思っておるのでございます。考えようによっては第三国人の低賃金の犠牲による海運企業の運営等とはもってのほかであるというような議論も成り立ちます。しかし、国際競争場裏にさらされておる海運企業でございますので、ただ理屈だけでは通らない。現実はそう甘くはないんだということは考えなければならないのでございまするが、これらの点につきましては船員局長としてこれからよく話し合って、こういうふうな点まで触れるのだと――組合の問題、船員の問題ということになるとはれものにさわるような態度ということではこれから先は解決はつきません。これから先どういうふうにしようと思っておりますのか、船員局長の決意のほどを聞いてみたいと思います。
#18
○高橋(全)説明員 労使問題は、基本的には労使が自主的に物事を解決するということが基本だと思いますが、近海船問題を含め、雇用の問題がいま非常に重大でございます。したがいまして、労使のコンセンサスを得る環境をつくるというのが私の仕事だ、と、こういうふうに考えております。
#19
○關谷 勝利谷委員 労使双方で話し合いをするのが基本であるぐらいのことはわかっておりますが、労使双方で話し合っても解決のつかない事態に来ておるのです。その際にこれをどう解決するかということを私はお尋ねしておるのです。そのためにどれだけの努力をするのか。こういう方法でこんな努力をいたしますという答弁が欲しいのでございますが、一向に出ませんね。
 そして、混乗等につきましてもいろいろ問題が出てくると思います。やはり、東南アジア諸国の船員等は格安であります。雑役その他につきましてはこういうふうな者を使い、高級船員は日本船員でやるというようなことを考えもし、また、日本の高級船員がいろいろと便宜置籍船とか仕組み船というふうな方面に出られるような方途も講ずるということが船員局長のいまの仕事ではないのかというふうに私は考えるのでございますが、そんなことを考えたことはありますか。これからぼつぼつ考えますというところですか。どんなところか、伺ってみたいと思います。
#20
○高橋(全)説明員 混乗等の問題につきましては、これは船員制度の改正になるかと思います。もちろん法律改正も必要でございます。したがいまして、いま、環境づくりをまず労使が仲よく真剣に考えるという環境をつくりまして、それで一つ一つ官も入りまして解決をしていきたい。
 もちろん、混乗等の問題は先ほど申しましたように大きな船員制度の改革になるかと思いますので、その辺を一つ一つ労使がまず仲よく真剣に考えるという環境をつくりまして、その後そういう環境のもとで先生がおっしゃいましたような制度をいろいろ検討していきたい、このように考えております。
#21
○關谷委員 答弁が逆になっておるのです。そういう環境をつくることに努力をして、労使が円満に話し合いができるようなところをつくります、と言われるが、それに全力を挙げますということが先でなければならぬのです。労使が話し合いの環境になったらその後で努力するなんて、そんなことでいまの船員問題が片がつきますか。
 そして、混乗の問題が出まするというと、それは日本船員で余剰が出てまいります。その余剰が出た場合に、転廃業、職業訓練あるいは特別退職金というようなものが出てくると思います。こういうふうなことについてはやはり運輸省といたしましても一つの方策を考えて、こうもしなければ片がつかないということになりましたら、それをどんどん大蔵省等に要求をして実現するようにするのが船員局の仕事なんですが、そんなことは考えたことがありますか。
#22
○高橋(全)説明員 来年度の予算に間に合うようにいま鋭意努力しておりますが、余剰船員に対しまする陸上への転換あるいは余剰船員の再教育、こういう点をいま考えております。
#23
○關谷委員 利子補給等も廃止をせられまして、海運関係に対する幾分の節約もできておるときなんですから、そういうふうな財源はこちらへ回せというふうなことで、これからの船員問題解決の方に重点を置いて予算要求をするようにしてもらわなければ、いまの事態は解決をいたしません。よくこの点は努力してもらいたいと思います。
 東南アジアの諸国あたりの船員は格安であります。こんな格安の賃金についてILO等で取り上げたことがあるのかどうか。私は寡聞にしてそういうふうなことを知りません。今後そのような努力をするつもりがあるのかないのか。彼らに日本船員並みの賃金を与えなければならないことにするというと、近海海運のみに限らず、大手海運企業も含めての船員費の格差が解消することになるのであって、これは船員問題の解決が非常にやりやすくなる。こういうことになるのでありまするが、そういうふうなことをILOにいままで持ち込んだことがあるのかどうか。また、最低賃金というふうなものが恐らく持ち込んだとすればあるはずですが、それがさらに安過ぎるというふうなことならこれを上げるようなことも努力しなければなりませんが、そんなことについていままでどんな努力をしたのか、過去においてどれだけの努力をしたのか、将来どんな努力をしようとするのか、その点伺っておきたいと思います。
#24
○高橋(全)説明員 ILOの条約によりまして、すでに百九号条約というのがございます。これは「賃金、船内労働時間及び定員に関する条約」というのでございまして、一九五八年に採択されております。こういう条約で、現在八カ国が批准しておりますが、日本はまだこれは批准しておりません。(発言する者あり)批准しておりません。それで未発効でございます。
 この条約のねらいは、いまの先生の御指摘のような賃金の水準化ということももちろん入っておるわけでございますが、各国の賃金そのものを平準化するということは、それなりに各国の賃金のあり方というものがいろいろ問題があるかと思います。したがいましてこれがまだ未発効である、このように私たちは思っております。
 この条約につきましては、定員に関する条項もありますので、これを批准すべく、先ほど申し上げましたように、船員中央労働委員会に、船員法七十条を含めまして批准をする一つの手段としましていま諮問をしている段階でございます。したがいまして、わが国といたしましても海運諸国との協調を図る意味からもこの条約について努力をいたしたい、このように考えております。
#25
○關谷委員 いまから十五年ぐらい前までは、私たちは、日本の港でアメリカの星条旗というのですか、国旗をつけた船をよく見受けたものでございますが、最近は私の目が間違っておるのかどうか知りませんが、アメリカの国旗をつけた船を私は一回も見たことがないのでございます。聞くところによりますとアメリカの海運というものはいまゼロに等しいのだと言われておりますが、これがいまどういうふうな状況になっておるのか。その原因は何であったのか。
 私がアメリカの海運のことをお尋ねいたしますのは、そのような状態をよく考えて他山の石としなければならぬという考えからお尋ねいたしておるのでありますので、これがそのようになって、いまはどんな状態になっておるのか、そのようになった原因、経過等をわかっておればひとつ説明をしていただきたいと思います。
#26
○後藤説明員 御説明いたします。
 御指摘のように、アメリカの商船隊は統計で見ましてもだんだん少なくなってきております。アメリカは自分の国で相当多数の海上輸出入貨物というものを擁しているわけでございますけれども、それを運ぶのに、彼ら自身の海運というものを維持するのには、御承知のような建造差額補助、運航差額補助という膨大な補助金を支払って、それで自分の国の高い造船船価というものを船主の負担から救うために、あるいは自分の国の高い船員費というものを運航者の負担から救うために、そういった補助金を使っていろいろと苦労しながらアメリカ商船隊の維持ということに苦労しておるようでございます。
 しかし、もともと、先生のおっしゃった十五年前あるいはもっと前に、第二次大戦で膨大な商船隊が不要になって、それを非常に安く払い下げたがゆえに、その払い下げを受けた一部の船主がアメリカ国旗を掲げて戦後しばらくの間は運航しておったようでございますが、それがだんだん年をとって、もう使えなくなる。とすると、いよいよ全くそういった補助金をもらって運航しておるアメリカの船というものだけで、それがなければアメリカのような高い生活水準を反映した船員の賃金というものをアメリカ船員に払って、そのアメリカ船員を乗せたアメリカ船としては、これは恐らく国際競争力に拮抗することはほとんど不可能であるという状態から、いまのようにだんだんとアメリカ籍船舶というものは減っていっておるのだ、と、こういうふうに私は理解をしております。
#27
○關谷委員 船員局長はどう思っていますか。
#28
○高橋(全)説明員 私はアメリカの海運については余り詳しいことは実はわかりませんけれども、やはり、軍隊の予備軍と申しますか、そういうふうな関係から増強していった海運が、戦争も終わり、徐々に撤退していった、と、まあ私なりにそんなふうに考えておりますけれども、詳しいことは存じません。
#29
○關谷委員 海運局長も船員局長もユニオン等の関係が一番大きな原因であるというふうなことは極力言うことを避けておる。その考え方が日本の船員費をどういうふうにするかというようなことについての考えに通ずると申しますか、避けて通りさえすればいいんだ、責任さえ負わなければいいんだというような気持ちが今日の海運の状態になっておるんだと私は思うのであります。
 世上言われておりますところの、世界の、何と申しますか、いろいろな海運のことを調査しております人が一様に言いますことは、やはりユニオンの関係で、そうしてそれに対処する、ただ建造費等についてさえ助成すればいいんだ、船員の問題等につきましては政府は一切知らないんだ、組合と企業の間に任せておけばいいというほうりっ放しにした結果が今日のアメリカの海運の状態になったんだ、と、こう言われておるのでございます。だから、よくそういうふうなところも調査をして、船員問題といったら何かはれものにでもさわるようにして、さわらない方がいいんだというふうにしていた考えを捨てて、裸になって組合の中にも飛び込んでいって、そして労使双方の話し合いのできるようにしていこう、その場をつくろう、もしそういうふうなことができない、むずかしいという場合には、そこへ政治的な配慮を加えて、政府が一枚かんで解決をする、こういうふうな方向にこれから持っていかなければ片がつかないということを私は繰り返して申し上げておきます。これからの船員問題に当たりますあなた方の態度を変えてもらいたいということで、このことを申し上げておきます。幾ら言うても同じような答弁しか出ないので、のれんに腕押しをするような答弁をいつまでも聞きたくないのでございます。
 それから、近海海運の関係について、海運局が荷物の確保等について努力をしておりますということは承知をいたしておりますが、この点はどういうふうになっておるのか、これを御説明願いたいのが第一点で、それから、船腹が余っておりますために外国売船をやらなければならぬが、それについてはいろいろなことを考えておるということもこれまた仄聞をいたしておりますが、どのような組織でどういうふうな方法でというようなこともまだ正式には聞いておらないのでございますが、説明ができる段階でありますならば御説明を伺いたいと思います。
 時間が余りありませんので、簡潔にやってもらいたいと思います。
#30
○後藤説明員 お答えします。
 南洋材の輸送につきまして、最近、前回御説明したアクト、日本の南洋材協定の当局者とインドネシアの船主協会の当局者とが相談をいたしました結果がまとまりました。そして南洋材の輸送についてインドネシアの船主協会がいわばアレンジする船というものが大体さしあたって二割、残りの八割について南洋材協定がアレンジする船で運ぶというふうな原則的な約束ができたという報告を受けております。まだ正式の法律上の届け出は受けておりませんが、これは事インドネシアに関しまする限り、南洋材の輸送について、市場の安定ということでは恐らく非常に大きな今後にとっての朗報であろうと思っております。
 また、これとは一応別にいろいろと外国の関係者との話を進めて、日本のいま若干過剰ぎみの近海船舶をもし外国が買って、しかもそれが結果的に市場撹乱の要因にならないような売り方ができるという方法を私どもはいま模索しておるところでございます。
 いろいろな話がちょこちょこございますけれども、そういった性格の話でございますので、この席で詳しく御説明することはまだ御容赦いただきたいと思いますが、私どもとしては、過剰ぎみの船舶をある程度売って、それが結果的に市場の撹乱にならない方法があるならば、それを長い目で見た計画的な売船ということもやってみたいというふうに考えております。
#31
○關谷委員 外国売船の際によく考えなければならないことは、売船について買い手の方に優遇措置を与えると、非常に安い船価のもので、しかもまた向こうは格安の船員を乗せて、そして日本の市場を撹乱するというふうな状態が起こらないとも限らないのでございまして、聞くところによると、売船については、三十年の年賦で利率は二・五%というふうなきわめて優遇せられるような海外協力基金を使うのだというようなこともうわさが流れておるのでございまするが、そういうふうなことで余りに向こうを優遇して、そうして日本の船が、邦船が競争ができないような状態がまた再現するということにならないようにやっていただきたいと思います。これは希望でございます。これから先のことなので十分わかっていないということでございますので、これは、これからそういうことを決める場合の参考にしていただきたいと思います。
 近海海運企業というのは、その基盤が非常に脆弱なためにすでに倒産をしたものがたくさんあります。また、近い将来倒産の危機に瀕しておりますものもたくさんあるのでございまするが、この姿はやはり大手企業にも及んでくるんですよ。大手企業あたりはいま安閑として対岸の火災視しておるようでございまするが、やがては自分の身に及んでくるのでございますので、こういうふうなことを企業と組合とが外国の海運と競争しながらやっていけるようにするのにはどうしたらいいか。これは労使双方がよく話し合って、そうして両方が互いに協力をし、助け合って切り抜けていけるようにするのが役所の仕事です。いままでのような役所の仕事なら、船員局というようなものを廃止して、そして海運三局を二局にした方が気がきいておる、行政整理の上からそうした方がいいんだというふうな気持ちもしたりするのでございまするが、船員局を置いておいてよかった、よくやったというふうに言われるようにやってもらいたい。船員局長は経験者で、船中労委の事務局長もやった局長なんだから、私たちは大きく期待しておるので、この点についてこれから精力的に取り組んでもらいたいと思います。
 まだ大分御質問を申し上げたいと思って用意はしてきておるのでありまするが、時間が来たようでございまするので、これで打ち切ります。
#32
○木部委員長 斉藤正男君。
#33
○斉藤(正)委員 関係官庁の幹部が大分更迭をされたようでございますが、十年一日のごとき質問を繰り返すわけでございますので、ひとつ的を得た答弁をお願いいたしたいと思うわけであります。
 同時に、非常に重要な問題であって、本来は総理大臣以下に出席を求めて決意のほどを聞かなければならない問題でありますけれども、こういう事態で大変残念でありますが、出席の各位はそれぞれの責任において精いっぱいな答弁をお願いいたしたいと思うわけであります。
 私がきょうお尋ねするのは、「新幹線鉄道騒音に係る環境基準」の問題でありますけれども、去る六月の二十八日に中央公害対策審議会は附帯決議を含めて答申をいたしました。これが環境庁から告示になったのが七月の二十九日であります。六月の二十八日に特殊公害騒音振動部会を含めてこの答申があったわけでありますけれども、一カ月余りたってようやく告示にこぎつけた。この間、一カ月の間にいろいろと言われておりました。どうしてこんなに遅くなったのだろうか。専門家が十分な時間をかけ、資料を集め、検討をして答申をしたにもかかわらず一カ月の間これが告示まで暇がかかった。国鉄なり運輸省なりあるいは大蔵省なり自治省なり、関係各省庁がこの答申について何かしら異議を申し入れて抵抗をした、したがってなかなか調整に手間取ったというようにしか思えないわけでありますけれども、主管官庁である環境庁から、なぜ一カ月もこれがたなざらしにされておったのか、まず赤裸々に伺いたいと思います。
#34
○酒井説明員 お答えいたします。
 御指摘のとおり、六月二十八日に中公審の答申をいただきまして、環境庁が告示をいたしましたのが七月二十九日でございました。その間一カ月を経過したわけでございますが、この中公審の答申にもうたわれておりますとおり、今次環境基準の達成につきましては非常に困難を伴う課題でございまして、関係省庁が一体となって達成努力に向けて協力されたしというような答申をいただいておるわけでございますし、あるいはまた総理初め国会における答弁におきましても、関係省庁が十分によく相談をして、と、こういうことでございまして、ただいま御指摘のとおり運輸省初め関係省庁と、いかにすれば達成できるかという観点から十分協議を重ねまして、その結果一カ月という期間を経過したわけでございますが、最終的に調整が相調いまして告示をいたしたわけでございます。
#35
○斉藤(正)委員 その政府の連帯責任というか、仲間意識というか、課長は大分遠慮しいしい物を言っているようでありますけれども、これをせんじ詰めれば国鉄と運輸省が圧力をかけてなかなか調整できなかったということじゃないのですか。一言で言えばそういうことでしょう。あるいは大蔵が金のかかることは真っ平だとか、あるいは自治省が地方自治体に負担のかかるようなことも真っ平だというようなことから、主として財源の問題で話が行き詰まって手間がかかったということではないかと思うのですけれども、この答申にもございますように、「騒音振動部会特殊騒音専門委員会において新幹線鉄道騒音に係る諸対策を総合的に推進するに当っての行政上の目標となるべき環境基準について検討した結果、別添の専門委員会報告がとりまとめられた。これをもとに、騒音振動部会においては、慎重な審議を行い、とくに達成の方途と可能性について繰り返し検討を重ねた。その結果、設定されるべき環境基準が日本国有鉄道のみを対象とする基準であり、当該企業体における技術及び体制の現状や経営の実態から、当該企業体のみの措置によっては達成を期することが困難であること、従って当該企業体を管掌する政府においても積極的かつ有効な措置をとることが欠くべからざるものであることと認めた。すなわち、当該企業体が達成への隘路とする技術開発、実施体制、財源措置等の諸問題について関係省庁が一体となって協力し、地方公共団体の協力をも得て措置することなしには基準達成が期せられないものと認めた。」ということが明記をされておって、国鉄や運輸省がせっかく基準を決めていただいてもできないものはできないんですけ、勘弁してください、幾らりっぱなものを文章化されてもやれないものはやれないんですということを含みとして持ちながら、実は、なるべく内容を穏やかに、場合によっては基準値の変更を含めても何とかならないだろうかというようなことを言うことも私はわからぬではないけれども、やはり環境庁としては、諮問をし、答申を受け、その答申をつくるまでには、私は寡聞にしてよう知りませんけれども、他のこういう部類の委員会とはかなり違った精力的な積極的な取り組みを時間と回数をかけてやってようやくできたものだと思う。それが関係省庁との調整ということで一カ月もかかったということについては非常に疑惑の目をもって見られても仕方がないというように思うわけであります。
 これは後ほど関係者にもお尋ねをいたしますけれども、冒頭に申し上げましたように、一企業体である国鉄だけではどうにもならぬ、また、これを所管している運輸省だけでもどうにもならぬ、政府が挙げて取り組まなければならない問題だということを特に明記されていることを考えますと、私は、いつか時期を求めて総理大臣以下に覚悟のほどを聞かなければならぬというように実は思ってもいるわけでございます。一カ月かかっていよいよ告示になった。それはそれなりに簡単な説明でありましたけれども、いいですが、ところが、これも間々あることだと言われておりますけれども、答申と告示が異質なものになっているわけであります。すなわち、答申の原本に対して、告示の内容が違っております。余分なものがくっついているわけであります。この点、私が読み上げてもいいですけれども、答申と告示が違っている点について環境庁からお答えください。
#36
○酒井説明員 お答え申し上げます。
 答申と告示が異なっておると申しますか、答申に対しまして告示におきまして「達成目標期間」という項目がございまして、この「達成目標期間」の項の末尾でございますが、読み上げますと、なお書きが入りまして、「なお、環境基準の達成努力にもかかわらず、達成目標期間内にその達成ができなかった区域が生じた場合においても、可及的速やかに環境基準が達成されるよう努めるものとする。」という三行が挿入された次第でございます。
#37
○斉藤(正)委員 先ほどもちょっと読み上げましたけれども、この答申の中にもありますように、
 「行政上の目標となるべき環境基準について検討した結果、」というような言葉が使われておって、これは環境基準なのですね。そして、この環境基準を実施する際にいろいろ書れておったのが、達成目標期間の末尾に、いま読んでいただいたところの、「なお、環境基準の達成努力にもかかわらず、達成目標期間内にその達成ができなかった区域が生じた場合においても、可及的速やかに環境基準が達成されるよう努めるものとする。」という三行が挿入されたわけでありますが、これは環境庁と運輸省の妥協の産物だというように報道をされ、論評をされました。言うならば、環境庁がへっびり腰でとうとう国鉄なり運輸省に屈服したというように言われてもいるわけであります。
 御案内のように、「達成目標期間」の図がございまして、それにそれぞれの達成目標期間が明示をされている。しかし、これは絵にかいたモチになって、一生懸命努力したけれども、期間内にできなかった場合はなるべく早くやることでよろしいのだということなのです。「三年以内」とか、「七年以内」とか、「十年以内」とか、「開業時に直ちに」とか、「開業時から三年以内」とか、「開業時から五年以内」とか、あるいは「新設新幹線鉄道に係る期間」は、「開業時に直ちに」ということになっていますけれども、これも一生懸命そのつもりになったけれども間に合いませんでしたと言えばそれでいいということになってきて、言うならば、こんな別表をつくり期間を決めても絵にかいたモチだと解釈されても仕方がないというように思うのですが、気持ちとして、「可及的速やかに」というのは非常に便利な言葉であって、なるべく早くやればよろしい、しかし、それには技術とか金とかあるいは住民との関係とかということがあって、三年が五年になろうが七年になろうが、十年が十五年になろうが二十年になろうが、あるいは「開業時に直ちに」というやつがやっぱり事情があってできませんでしたということになるという、そういう抜け道が完全に明記をされたということであって意味ない、こんな環境基準なら告示しても意味がないと言われても仕方がないと思うのですけれども、この辺の解釈について環境庁ではどうお考えでございましょうか。
#38
○酒井説明員 お答えいたします。
 先ほど申し上げましたとおり、この環境基準の達成がきわめて困難であるという認識のもとに審議が進められたわけでございますが、とりわけ達成目標期間につきまして運輸省側からもいろいろ御要望があったわけでございます。
 この「達成目標期間」の文中の表現に「目標」あるいは「目途として」という表現がなされておりますが、これはつまり環境基準はもとより達成目標期間につきましても、行政上の目標である、努力目標であるということを明らかにいたしたわけでございますが、運輸省側の御要望としましては、さらにそういうことの表現を明確化されたいということでございます。
 そこで、なお書きでございますが、実際にこの期間内に達成努力を傾けました結果として達成できなかったという場合が事実上起こり得ると思うのですが、達成努力をなされたにもかかわらず、交渉上の問題等に起因いたしまして結果としてできなかったという事態におきましても、それからさらに延びていくというのじゃなくて、そういう事態においても早く達成してもらうということで、念のためといいますか、入念規定といいますか、ここにありますところの達成目標期間の趣旨、意味合いをさらに明確化するために協議調整の上で入れたわけでございます。
#39
○斉藤(正)委員 非常に苦しい答弁で、環境庁の本意ではなかったように受け取られますが、どう受け取ろうとそれは個人の自由でありますけれども、環境庁がきわめて不満であるけれども妥協の産物としてこの三行を入れざるを得なかったというように私は思うわけであって、これでは全く歯どめがない。国鉄や運輸省がこれを盾にサボるだろうなどということは私は考えませんし、そんなことがあったら大変でございますが、しかし、沿線住民の苦悩というようなことを考えれば、まさに沿線住民の気持ちを逆なでするものだと言って当然だと思うわけであります。
 課長さんがお忙しいようですから、直接関係はございませんけれども御出席をいただいたついでに一つだけ要望と質問をいたしておきますが、新幹線の振動につきましても、私は、たびたびの約束では、早くから、昭和五十年三月三十一日までには暫定基準を出すという答弁をいただいてきたわけであります。今日騒音も大変な公害でありますけれども、新幹線が走ることによって発生する振動もまた放置できない問題であります。基本法にも振動の法規制はないわけでありますけれども、指導基準というようなことも含めて、あるいは公害基本法の改正も含めて、この振動対策は一体どのように取り組まれているのか、直接の責任者としてお答えをいただきたいと思います。
#40
○酒井説明員 お答えいたします。
 私どもも先生と全く同じ認識に立っておるわけでございまして、振動対策につきましては昭和四十八年末に中公審に諮問をいたしております。四十九年当初から今日まで十一回専門委員会が開催されまして審議をいただいておるわけでございますが、法規制と相関連いたしまして、新幹線の騒音につきまして環境基準もできましたので、新幹線振動の対策指針といいますか、法規制とあわせまして新幹線鉄道の振動にかかわりますところの対策指針につきまして早急に結論をいただきますように審議会にお願いをいたしておりますし、また、審議会でも精力的にただいま審議をいただいておるところでございます。
 なお、環境基準に振動はどうかという御質問につきましては、公害対策基本法の制定当時からこの振動にかかわりますところの技術的問題、あるいは広がりの問題等からいろいろ論議がございまして、その時点では入らなかったわけでございますが、御質問の趣旨も拝聴いたしまして、今後さらに検討を重ねてまいりたいと思っております。
#41
○斉藤(正)委員 酒井課長、よろしいです。
 運輸省に伺いますが、いま大変聞きにくいことを申し上げたかもしれませんけれども、それは事実だと思うのです。運輸省が国鉄の意向を受けて何とかひとつ調整してくれということで、現実を踏まえたものを言った結果こうなったと言うだろうと思うのです。したがって、さぼる気持ちは毛頭ないし、管理監督をして十分やらせます、と、こういうことだろうとは思うのですが、しかし、私どもはそう簡単に理解できない。特に、この答申にもありますように、政府は挙げて取り組まなければならない問題なんだというふうに書いてある。事実、国鉄のいまの財政状態はそうだと思うのですよ。この環境基準どおり実施をして防音工事をするなり、あるいは全面移転をするなりというならば、沿線十三万戸と言われており、大変な金がかかるわけでありますから、それは慎重に取り組まなければならぬことは当然です。しかし、いろいろな地域で国鉄当局は沿線住民と話し合っておりますが、国鉄は加害者意識というものがないのですね。国鉄は加害者であって、沿線住民が被害者なんですよ。だれのせいでもないのですよ。新幹線が通ったばっかりにこういう公害に遭っているわけです。この加害者意識を持つことが先決問題だ。その加害者意識を持つことによって初めて言葉の端々にも、具体的な施策にも国鉄なり政府の誠意があらわれてくると思うのです。
 その点、これは運輸省だけではどうにもなりませんが、これから政府は挙げてこれと取り組むという、その中心はやはり運輸省しかないわけですから、一体どういうことを政府として連絡協調をしながらこれと取り組むのか。特に鉄監局長はその責任者でありますが、決意のほどをお述べください。
#42
○住田説明員 今回の新幹線騒音に関します環境基準というのは非常に厳しいものであるというように考えております。したがいまして、ただいま御指摘がございましたように、また答申の中で述べられておりますように、この問題を解決するためには政府が一体となってやらないとなかなか実現が困難であろうということはそのとおりでございます。
 私どもといたしまして、この対策を実施する上において一番大きな問題として考えている点は二点あるわけでございまして、一つは、こういう新幹線の騒音対策、環境基準の達成のためには地元の方々の――地元といいますのは地元の市町村及び関係住民の方になりますが、そういう方々の御協力を得ないとなかなか実現がむずかしいのではないかということが一点と、もう一点は、先ほど来御指摘がありますように、現在国鉄の財政状況というものは非常に苦しいわけでございまして、このために、この新幹線騒音対策に最終的にどれぐらいの金がかかるかまだ計算は終わっておりませんけれども、そういう資金を捻出する上において、現在の国鉄の財政状況というものはかなりの負担になると思います。そういう大きな点が二つあるわけでございまして、この点につきまして、特に自治省あるいは地方公共団体との間で十分話し合いをして進めたいというように考えておるわけでございます。
 先ほど来、環境基準が後退したとかしり抜けになったというような御指摘もございましたけれども、私どもといたしましては、あの告示がしり抜けになったというような理解をいたしているわけではございません。先ほど来申し上げましたように、地元の協力さえ得られればあの目標期間内に達成することは必ずしもむずかしくないというように考えておるわけでございまして、今後地元の協力を得られるように精力的にわれわれも努力し、国鉄の方も地元と密接な連絡をとって地元の協力が得られるように努力を進めさせていきたい、そのように考えているわけでございます。
#43
○斉藤(正)委員 国鉄のこの関係の最高責任者がいらしゃいますけれども、実は、昨晩、新幹線総局の施設部長さんが浜松まで来てくれました。そして、団交的なものはこれが最後だということで地域住民も個別交渉に応じるという態度決定になりそうですか、おたくには部長があり、課長があり、補佐がありというようにランクがありますね。それが、どういうわけか知らぬけれども、えらいと称する人が来るほど言葉遣いも丁寧だし、頭の下げ方も角度が深いですね。実るほど頭の下がる稲穂かなというのか、どういうわけだか知らないが、第一線でばちっと被害者と当たる人たちは頭ばかり下げておれぬ、売り言葉に買い言葉だということでけんかめいたことになるのかもしれませんけれども、私がさっきも言いましたように、加害者だ、御迷惑をかけて申しわけありませんという気持ちが下までずっと通っていなければ住民運動、大衆運動というものは要らぬ摩擦を起こすのです。
 特に、被害者に分けた補償の仕方、内容等を説明した文書は「助成のしおり」と書いてあるが、今度の説明でも、公害に関する助成に関してというような言葉や文章を盛んに使うわけだが、何が助成だ。助け成すという助成金というのは、助けてあげますよ、このお金でやってくださいよということだが、これはそういうものじゃないんだから、これはあくまでも補償金ですよ。国鉄は助けてやるんですよ、助成してやるんですよと言うのですね。何が助成なんだ。何が助け成すなんだ。これは被害に対する補償でしょう。大体、文章や言葉遣いがそういう気持ちだからだめなんです。「助成のしおり」なんて言わなくて、「補償のしおり」と書けばいいじゃないですか。いや、それが国の機関の常識ですとか決まりですと言うなら、悪い決まりは国鉄が率先して、あるいは運輸省が率先してやめたらいい。これは助成じゃないんですよ。
 住民は動きたくはないんだ。先祖代々からそこに住んでいて、新幹線が通ったから公害に悩まされてやむを得ず動かざるを得なくなってきた。それを助成してやるから動けなんという態度がそもそも間違いです。
 高橋さん、きょうはその気持ちだけ答弁してください。
#44
○高橋(浩)説明員 ただいま私の方で実施いたしておりますのは、とりあえず暫定基準八十五ホンに対する防音工事あるいは移転等について実施いたしておりますが、ただいま言葉の点で大変おしかりを受けておりますが、私どもの方の当初考えましたのは、防音工事というものを原則に考えておりました関係上、防音工事を行う場合にはその他の改良工事と一緒に行われるのじゃないかということが念頭にございまして言葉遣いは助成工事ということになった点でございます。
 しかし、気持ちといたしましては、現実に先生も御存じのように、浜松の点においては防音工事ということで考えておりましたけれども、実際には大部分の方が移転を希望するということになりましたので、ただいまは浜松の問題については移転補償という考え方で進めております。
 いまの気持ちを十分体して地元の方々とお話し合いをしたいという気持ちでございますので、御了解いただきたいと思います。
#45
○斉藤(正)委員 防音工事だから助成で、移転だから補償だということでなくて、おたくは全体的に加害者なんですからね。民間でこれが起こったら大変なことなんですよ。だから、その点を念には念を入れて加害者意識を持って臨んでいただきたい。
 最後に、時間が若干超過して申しわけないのですけれども、国税庁からお出かけいただいておりますので伺いますが、これは本人の意思でなくて、国鉄の公害によってやむを得ず土地を売って移転をするわけであります。ところが、これは租税特別措置法の適用を受けないということから課税の対象になります。本人が売りたくて売った土地へ税がかかるならしようがないのですけれども、全く本人の意思でないのに買い上げられてしまうという形のものが何割かを税金で持っていかれるということは地主にとっては大変耐えられないことです。特に、不在地主に至ってはひどい目に遭うわけなんです。
 そこで、国鉄も運輸省もそれから関係自治体も、大蔵省に対して租税特別措置法の適用をこれに拡大していただいて強く善処されることをお願いしていると思いますが、基地周辺の土地買い上げがこれの対象になっておりますので、せめてその程度の配慮はぜひお願いをいたしたいと思います。関係当局もお願いをいたしているところと思いますけれども、この場で善処の方向での答弁をいただきたいと思います。
#46
○菅野説明員 ただいまの御質問でございますが、不在地主の土地が補償の対象になりましたときに、いまの制度では御承知のとおりそのまま課税になってしまうわけでございまして、そういうようなものといたしましては航空基地の周辺地域の整備に関する法律がございますし、その他また土地の収用等に関しまして強制的に土地を譲渡しなければならないような場合につきましては特別措置法にそれぞれ規定があるのでございますが、本件につきましてはその規定がないことは御存じのとおりでございます。
 そこで、こういうものにつきましても措置が適用できるようにするために、私どもといたしましては、こういうものに関する立法をお願いいたしまして、それに乗っかりまして措置法で規定をするということにぜひ持っていくようにしていただきたいというぐあいに考えておるわけでございまして、執行当局でございまして私が申す立場にはございませんが、大蔵省の方といたしましてもその点につきまして検討することについてやぶさかではないというぐあいに考えております。
 以上でございます。
#47
○斉藤(正)委員 終わります。
#48
○木部委員長 久保三郎君。
#49
○久保(三)委員 運輸大臣が参ります前に、時間の関係もありますので、最初に新国際空港に関係してのいわゆる燃料の暫定輸送の問題で一、二お伺いしたいのですが、きょうは時間がたくさんございませんのでまとめて質問しますので、簡単に要点だけお答えいただきたいと思います。
 この質問に入る前提として申し上げますが、最近、運輸省並びに公団は新国際空港の開港について、いまになってと言っては大変語弊があるが、大変焦りを来して、本末転倒というか、本筋をおろそかにして筋違いなことをたくさんやっているんじゃなかろうかと思うのでありまして、そういう点から言って、関係の住民は理屈の上でも理解できない面がたくさんあるわけですね。そこに感情の問題も言うなら並行して出てきていると私たちはいま考えているわけなんです。要請されることは結構でありますが、要請される背景にはちゃんと腰のすわった筋の通った話が前提としてなくてはいけないだろうと私は思うのであります。
 そこで、これはいままでも質問書を出して御回答いただいていることでありますが、暫定輸送期間について、暫定の期間は三年間であり、三年間というのはいつから三年間かということでありますが、これは新国際空港が開港した時期から三年間だと言う。暫定というのは、千葉から成田空港までの間のパイプラインがいま思うように敷設できないから、問い合いそうもないので暫定ということだと、理屈の上というか、筋の上では一応通ると思うのですが、ところが、いままでの回答なり何なりは開港から三年ということですね。これはばかばかしいことです。いままだ開港もしていないのですね。いつ幾日から開港するということも決まっていない。そこで約束が開港から三年というのでありますから、これはずいぶんばかげた条件だというか、期間だと思う。そこで、開港から三年間がなぜ暫定なのかということについても簡単に説明していただきたい。
 それから、もう一つは、三年の中身について伺いたい。時間もありませんからこれは細かい話は聞くわけにはいきませんが、三年でめどが立つというからには、たとえば最近公団の総裁は千葉市内のパイプラインのコースを変更するかもしらぬという非常にゆとりのある言明をしておりますが、だから、そういうものを含めて本パイプラインは暫定期間として――暫定期間ということがはっきりわかりませんが、いつの日か完成するというか、そういう見通しがあって言うのかどうかということですね。
 それから、もう一つは、これも御回答いただいておりますが、このために鹿島港に鹿島石油が石油タンクというか、油タンクを造設するわけであります。この造設するについては、首都圏の近郊整備地帯及び都市開発区域の整備に関する法律という法律がございまして、御案内のとおり、あの地域に設備できるものは製造工場というか、そういうものだけでありまして、単なる中継なりあるいは通過するための施設の設備ということは法律としては禁じられているわけであります。皆さんのいままでの解釈では、いや、そのとおりである、これは製造ではございません、通過であります、なるほど通過でありますが、タンクを利用するのは、タンクの本来の目的は鹿島石油が精製に必要な貯蔵タンクで、これを利用するまでの間一時借りるのでありますから法律違反にはならないということでありますが、これも法律解釈あるいは現実の問題としては十分でない。現状に合ってない。言うならばこれは牽強付会というか、そういう解釈であるわけです。
 それから、もう一つは、安全性を確保しながら一日約三千キロリッターの油を輸送するについて、国鉄はその能力があるのかどうかということです。こういう問題について、安全性を確保しながら輸送する問題についてどういうふうに思うか。
 そういうことについてお答えをいただきたい。それを先に簡単にお答えいただきましょう。
#50
○永井説明員 お答え申し上げます。
 まず、最初に、三年はいつからか、それはどういうわけかという御質問でございますが、これは先生が御指摘のとおり、開港時から三年ということでございます。これは開港前に空港内に備蓄をいたす必要があろうかと思いますので、その若干前から開始することになるかと思いますが、いずれにいたしましても、輸送期間はおおよそ三年ということでお願いいたしておりますが、その三年の問題につきましては、これは一方におきまして、先ほどお話がございましたように、千葉市港頭からの本格パイプラインの工事の完成といったもののめどを考えまして、また、一方、暫定輸送期間というものを極力短くしたいという考え方から三年ということでお願いしておるわけでございます。
 コースの変更についての公団総裁の検討の用意ありというような言葉が事実かどうかという御質問でございますが、現在千葉市の方と検討中でございますが、コース問題も含めまして今後地元の千葉市にいろいろお願いしたいと考えております。
 それから、鹿島石油がつくります石油タンクの法的な問題でございますが、首都圏の近郊整備地帯及び都市開発区域の整備に関する法律に基づきます本来の製造に用いますタンクでありましても、お話しのとおり、短期間暫定的に使い、それが終われば本来の製造業に戻すということであれば法律的には問題ないかと思いますが、実際問題といたしまして、従来の鹿島港のあり方といったようなことを考えまして、知事の承認が得られるようさらに実質的な問題として検討を加えてまいりたいと考えております。
 それから、鉄道輸送の安全問題につきましては、それぞれの鉄道関係の安全関係の法令その他によって十分安全措置は講ぜられていると思いますが、さらに地元のいろいろな御要望や御意見等もあると思われますので、これらを十分勘案いたしまして、地元と御相談の上しかるべき安全措置を講じてまいりたいと考えております。
#51
○久保(三)委員 いまのお答えでは十分じゃないのでありまして、開港時から三年間というのはあなたの方の常識ではわかりますか。まだ開港していないのです。いつ幾日から開港するとも言っていない。両方ともおやりになっているのでしょう。本パイプラインも一応やるつもりでおられますね。そうだとすると、これは不確定要素が前提にあるわけですね。前提に不確定要素があって、確定した三年間というものを置いても、これはみんな不確定なんですね。そういう物の言い方はごまかしではないのだろうかというふうに私は思うのです。
 それから、もう一つは、鹿島石油のタンクの一時使用というのがありますが、一時使用ということは、たとえばあなたは三年間が一時だとおっしゃるが、私は三年間が一時だとは思いません。だけれども、まあそれが一時だとしましょう。そうだとしても、開港時が決まらないのでありますから、それでは三年間という保証がどこにあるのか。そうすると、暫定というのは言うならばいつまでも暫定になる危険というか、可能性があるのですね。そういうことを考えますと、これはこの法律をねじ曲げた解釈で何とか通り抜けようという考え方であって、これは法律さえねじ曲げて通れば後は通れるのだという詭弁ですね。実際にそういうものが住民の間で信用されるかどうかという問題をちっとも考慮されないで、暫定の三年も、いまの鹿島石油のタンクの利用も考えておられるところに大きな問題があると私は思うのであります。
 いずれにしても、時間がありませんから、これについては再び御答弁はきょうばいただきません。いずれ改めてお願いしたいと思います。
 そこで、次に、外務省からおいででありますので伺いますが、先般の七月の財団法人交流協会と亜東関係協会との間の取り決め、いわゆる民間航空業務の取り決めについてお伺いしたいのでありますが、財団法人交流協会というのはわが国のこの種の権益を代表するものであるのかどうか。いかなる性格のものであるのか。それから、将来この種の取り決めが予想されるのかどうか。こういうものがあるのかどうか。それが第一点。
 それから、二点目は、この取り決めは関係当局の同意を得ることという前提でそれぞれ決めておりますけれども、いかなる手続で同意をされているのか。それから、交流協会と政府との関係はどんな関係になっているのか。
 きょうは実務的なことだけ聞きたいのであって、政治的なことはいまのところお聞きしませんが、それから、日台間に運航するわか方の――これは新聞によりますれば、日航のダミー会社で日本アジア航空とかいうのが当たるそうでありますが、運航する航空企業の最終決定は政府がするのか、それともどこがするのかですね。いわゆる交流協会がするのか。いかがですか。
 それから、もう一つ、これは四点目でありますが、以遠権ですね。これは二国間の問題だけじゃなくて、第三国にも関係する問題でありますが、これはこういう民間機関がそういう取り決めをしても、それぞれの国というか、政府が同意すれば問題がないのかどうか。そういう形がいいのかどうか。
 それから、次に、五点目になりますが、この取り決めの中で、わが方の航空企業の台湾からの以遠権で、特にアジア方面については、具体的な取り決めはこの取り決めの本文の中ではしないで、合意議事録の中でしておる。これはなぜ合意議事録の中でして、本取り決めの中ではしなかったのか。台湾側は本取り決めの中でしているが、そういう違いがあるのでありますが、これはどういう意味なのか。
 それから、次には、台北の飛行情報区の通過はわが方の定期航空はいかなる企業でも無着陸飛行ができることに取り決めはしてあるようでありますが、この場合は具体的に行き先については余り問題はないのか。
 それから、次には、業務取り決めは当該企業の自由であるのか。当該企業が勝手に運航便数とかあるいは運賃とか一これは取り決めはそれでいいのかどうか。特に、その中で、日中航空協定の中では、中国民航は大体成田、それから中華については羽田というような含みで実は協定ができているが、まだ国際空港成田は開港できない。その場合に、羽田で両方の同時駐機の問題が出ると思うのだが、この点についてはいかように措置するのか。
 それから、今後のこの取り決めの具体的な推進ですね。これはこの取り決めを行ったところの、わが方は財団法人の交流協会、向こうは亜東関係協会ですか、そういうものが今後とも折衝に当たるのか、それともそれぞれこれから運航を開始するであろう当該の航空企業同士が推進をするのか、その辺のところはどうなのでしょうか。
 それから、最後に、運航の開始はいつからやりますか。
 以上、大変たくさんありますが、簡単に結論だけで結構であります。
#52
○中江説明員 御質問の諸点のうち、外務省の所管に属すると思われますところをまずお答えさせていただきたいと思います。
 いま冒頭におっしゃいました亜東関係協会と交流協会の取り決め、これの当事者である協会の性格はどういうものかという点でございますが、これは御記憶におありと存じますが、日中正常化をいたしましたときに、台湾との関係は、実務的な関係は継続することについて中国側が理解を示した、その日台間の実務関係を継続する上において、民間の機関をお互いに置いて、そういう機関を通じて実務関係の維持継続に必要があれば当たらせようという考え方があって、そのもとで、日本側では交流協会、台湾側では亜東関係協会というものが置かれたわけでございますので、その性格は、公の政府間の関係のない日本と台湾との間で実務関係を継続するに当たっての必要な事務を行うための民間の団体である、と、こういうふうに性格づけられるかと思います。
 第二番目の御質問で、航空関係につきまして、今度やったような取り決めのようなものがほかにまだあるのだろうかという御質問かと思いますが、いまのところは、これ以外にこういった取り決めを結んで何かをしようということは別に考えられておりません。
 第三番目に、この中にあります「関係当局の同意が得られるよう相互に協力する」という、この関係当局の合意が得られるということの、その関係当局の合意とこの取り決めとの関係いかんということですが、これは担当の運輸省の方から専門的にはお答えいただけると思いますけれども、本来、航空法上のいろいろの手続によって初めて実行される国際航空運送業務だということでございますので、この民間の協会の間の取り決めだけでは何事も動かない、この民間の取り決めで民間同士で話し合ったことを具体化する段階で、問題ごとに当局の同意なり免許なりという行政的な措置がとられる、そういうことについてそれぞれの関係当局の同意なり承認なり免許なりというものが得られるようにお互いに民間の協会としては協力していきましょう、と、こういう趣旨でございまして、この民間の取り決めからすぐに政府の権限についてどうこうという法律的な効果は出てこないというふうに認識しております。
 したがいまして、第四番目の政府との関係という意味では、これは民間の取り決めでございますので、政府は一切関与しておりませんが、その民間の取り決めに基づいて個々の案件について政府の担当当局に申請なり協議なり相談なり、事実上いろいろアプローチがございましたときには、それぞれの問題に応じて国内法令の範囲内で措置していく、そして日本と台湾との間の実務関係が維持されるということに政府は協力していこうという趣旨のことは、日中正常化の後で、先ほど申し上げましたように交流協会と亜東関係協会ができましたときに、これは四十七年十二月二十六日でございますが、官房長官の説明がございまして、各種の民間交流がこの協会の設立によって円滑に進められていくことを期待する、そして政府としてもわが国の国内法令の範囲内でできる限りの支持と協力を与える方針であるという方針を説明しておられまして、政府はこういう民間のレベルでなされたアレンジメント、準備を受けて政府としてできることをしていこう、と、こういうことでございます。
    〔委員長退席、増岡委員長代理着席〕
 あと、航空企業の問題、以遠権、それから以遠権のアジアの諸点の問題FIRの問題、業務取り決めの問題、これは運輸省の方からお答えいただければいいかと思います。
#53
○久保(三)委員 運輸省は担当局長が来ていないようだが、担当課長はどなたですか。
#54
○山元説明員 以遠権を行使する場合のわが国の企業につきましては、運輸大臣が路線免許を行いまして、これを行使することができることになっております。
    〔増岡委員長代理退席、委員長着席〕
#55
○久保(三)委員 ぼくの質問を聞いておられないようだけれども、わが方の企業に対して許可を与える話をいまあなたはしているわけです。一つは、よその国の航空企業というか、よその国のそういうものに以遠権を与えることについてぼくは聞いているわけです。それから、もう一つは、この取り決めの中でアジアの地点を具体的に明示していないで、ことさらに合意議事録に譲ったのは何だろうかと聞いているのですよ。しかし、時間がないから、これは答弁はよろしい。約束の時間だから答弁はよろしいから、後でお話を聞きましょう。
 大臣がいらっしゃったから最後に大臣にお聞きしたいのですが、大臣、大変御苦労さんでした。クアラルンプールの事件でありますが、これは基本的にはこの委員会でも運輸大臣以外にも関係の大臣を呼んで、今後のこの種犯罪というか一事案というか、こういうものの扱いについて政府の態度をきちっと整理する必要があると私は思うのですね。しかし、きょうは運輸大臣はお疲れのところでありますからその問題を後に譲りまして、運輸大臣に特に直接御関係のことだけ一、二点私はお尋ねします。
 一つは、この前のハイジャックの問題のときにも申し上げたと思うのでありますが、ハイジャックに対して――ハイジャックというか、この間のものはシンガポールの事件ですが、言うならば、そのときにも日本航空の飛行機と乗員を使って事案の処理をなさったわけです。今度も日本航空の航空機に日本航空の乗員を乗せて処理をされた。これは事情やむを得ぬという気持ちは多分にあるのでありますが、政府と日本航空との関係ではもっと整理しておく必要があると思うのですね。これは向こうはなるほど特殊法人ではありますが、一つの企業であります。政府と企業との間に、かかる案件処理のために――これは命令はしなかったと思うのでありますが、要請という形で、半分命令でしょうね。それ以外に方法はないのでしょうけれども、そういうことをやるとするならば、政府と当該企業との間にこの種案件の処理についての安全の保障とか、あるいは生命、財産の保障とか、そういうような取り決めが一つあるべきだと私は思うのですが、いままで何も取り決めておらないように私は聞いております。
 それから、もう一つは、そういう場合に政府が要請したら引き受けてもらえるかどうかということももう少しきちんとしなければいけないのではないかと思います。
 それから、この前から申し上げているのは、特に当該飛行機に乗り込むところのパイロットを含めた乗組員の保障の問題ですね。これは国家的な要請に従ってやるのでありますから、それに応じた制度が確立しておらなければいけないだろうと思うのですね。これが一つ。
 それから、もう一つは、この乗員はそういう要請があっても、会社の一般的な業務命令と受け取る筋合いではないと私は思うのですね。別だと思うのですよ。だから、乗組員について業務命令としてそういうものが出された場合には拒否ができるという余地を残しておく必要があると思うのです。そうでないと非常に混乱すると思うのですね。
 そういう幾つかの点について運輸大臣はどういうふうにお考えでありますか。いま、案件を大半処理された後でありまして、大変お疲れのところでありますからむずかしいことを申し上げることはどうかと思うのでありますが、当該運輸大臣としてのこれらについてのお考えをお述べいただければ大変結構だと思うのですが、いかがでしょうか。
#56
○木村国務大臣 今回のクワラルンプールにおきます事件につきましては皆さんから大変御心配をいただき、また、いろいろと重要な御注意等もいただいておりまして、心から感謝申し上げる次第でございます。
 幸いに、本日十時十五分、犯人その他を乗せました日本航空機がリビアのトリポリの空港に着きまして、ただいま私がこちらに参ります時点では、四名のマレーシア人と日本人の人質と、それから日本航空の乗務員等、すべて航空機からおりましてホテルに向かったという情報を得ておりますので、ただいままでの段階ではまずまず無事にその任務を果たしてくれておるということをまず御報告申し上げておくわけでございます。
 ところで、今回の事件につきまして、いま久保委員がお示しのように、実は、前回シンガポールのときにほぼ同じような要請を日本航空に対してやりまして、日本航空側もこれを引き受けて、無事事態の解決をやったわけでございますが、そのときの時点におきまして、日本航空の機長会の方から、こういうことには今後応じられないということできつい抗議の文書を総理大臣に提出をしておるいきさつがございます。それは私も十分に理解をしておるわけでございます。
 そこで、今回このような事態になりまして、日本で刑が確定しており、また係争中で身柄を拘束されておる七名の犯人をクアラルンプールの空港に連れてこいということが、向こうで約五十名に近い人質をもってAIAビルに立てこもっておる犯人からの要求であったわけでございます。政府といたしましてはいろいろな角度から検討いたしたわけでございますが、事がマレーシアで起きた事件であるわけでございますし、また、あそこで人質になっております一般の方たち、スウェーデンあるいはアメリカの外交官を含めまして約五十名の人命の尊重ということから、また、犯人の中にどうも日本人らしき者もおるということでもございますし、その五十名の人たちの生命を保護するために、彼らの要求であります日本で勾留あるいは刑の執行中の七名の犯罪人を引き渡すということ以外に方法はない、と、こういうふうに政治的に判断をいたしたわけでございます。
 そこで、日本航空の乗務員並びに日本航空機を使ってこれをやる以外に方法がないのでございまして、私はまず日本航空の朝田社長に来てもらいました。そして、官房長官立ち合いのもとで今回の事情について詳しく説明をいたし、この際人命尊重という立場からぜひ協力をしていただきたいという要請をしたわけでございます。今回の事柄は全く挙げて全部の責任を政府が負います、また、今回のフライトにつきましても、日本航空によるフライトとはわれわれは考えなくて、政府がみずからフライトをやるのだということで、すべての責任を政府が背負うのでひとつまげてわれわれの要請を聞いていただきたい、と、こういうことを申し伝えまして、朝田社長もこれを引き受けてくれまして、乗務員等と十分話し合いの上であのような決断をしてもらったわけでございます。
 そこで、いよいよ出発するに当たりまして、私は羽田の空港に参りまして、十一名の乗務員並びに関係者、乗り組む人たちに直接会いまして、同じことを御本人たちの前で私は政府を代表して申し上げたようなわけでございます。したがいまして、乗務員の方たちにも政府の意のあるところは十分に理解をしてこの任務についてくれたことと私は考えておるわけでございます。
 続きまして、この人たちが最大限度に安全が保障されるための措置――こういう非常事態のときでございますからもちろんそれにも限度はありましょうけれども、われわれの努力によって安全が最大限度に確保できるための措置は何としても講じなければならないと考えまして、クアラルンプールと十分連絡をとりながら今回の飛行の段取りをつけたわけでございます。
 まず、第一点は、犯人の要求では乗務員は三名に限るということで来ておりました。これはクアラルンプールまで行きまして、いずれそれから先も使われることは予想することでございますので、これはどんなに長時間になり、あるいはどんな地域に行かざるを得ないかもわかりませんので、三名という乗務員ではとうてい安全は期せられないし、飛行の安全も生命の安全も期せられないので、これは困る、あくまでも二組のクルーが必要であるということで、最後までこれを主張し続けたわけでございます。
 それから、どこに行くにいたしましても、目的地がはっきりして、目的地で着陸を認められて、そこで任務が終わるということが明確でなければならない、また、飛行の途中ではそれぞれ関係国の上空を通過するわけでございますので、上空通過の承認を求めなければならない、また、途中で給油の必要があるようなコースになります場合には、給油のオーケーも絶対とらなければならない、と、これらの点を最後まで主張しまして曲げなかったわけでございます。そのために犯人の言うところと大分違いができてまいりまして、彼らが計画しておるクアラルンプールを出発する時間等も相当に延長になったわけでございますし、また、彼らの計画もこちらの主張によってずいぶん曲がってきたということも事実でございます。
 コースにつきましても、通過国の承認を得られないために一度決まりかけましたコースも急遽変えざるを得なかった、給油地も変えざるを得なかったというふうなことで、われわれとしては最大の努力をいたしました結果、途中経過いたします関係国の了承も、また給油に必要な空港における一時着陸、給油ということも全部了承をとりつけまして、そしてもうこれ以上にわれわれとしてはやるべきことはないというところまで突きとめまして了承したような結果でございます。
 したがいまして、無事目的地までは現在着いてくれておりますけれども、帰りは犯人等をおろして帰るわけでございますが、しかし、帰り道にも、異常な飛行になるわけでございますから、どこでどういう事故があるかもわからぬわけでございますから、羽田に機材、機体並びに乗務員が無事に到着するまではわれわれとしては決して安心はできないわけでございますが、そういうふうな経過をたどりまして、また、われわれとしては最大な限度に生命、財産の安全を図る方法を講じまして今回の飛行を行ったということでございまして、日本航空に対してはもちろんそういうことで命令する権限もなければ、関係にもないわけでございます。また、個々の乗務員の諸君に対しましてももちろん乗務命令を出すべき性質の事柄ではございませんので、これは日本航空自体としては政府の要請を受けてくれましたし、また、乗務員自体は社長の要請を受けて自発的に乗ってくれたという経過になっておりますことを御報告申し上げる次第でございます。
 なお、これらが無事に円滑に今日までいきました陰には、マレーシア政府当局も並み並みならぬ努力をしてくれましたことを申し添えまして、感謝をいたしたい、かように考えておるような次第でございます。
#57
○久保(三)委員 時間がとうに過ぎましたのでこれ以上申し上げることもなんでありますが、大臣がおっしゃる御説明というか、お話はよくわかりましたが、私がお尋ねというか、お話を申し上げているのは、そういう仕組みがはっきりしていないままにおやりになることは今回限りにしたらどうかということです。たとえば乗務員の身分保障にしてもきちっとやって――大臣がおっしゃることは一番確かなことではあろうかもしれませんが、もしもそういうことがあった場合には制度としてこれを確立することが一番ではないかという意味で御検討をいただきたいというふうに思うわけです。
 以上であります。
#58
○木部委員長 三浦久君。
#59
○三浦委員 私は、鉄道監督局の方にお尋ねいたします。
 まず、最初は私鉄運賃の値上げの動きなんですが、八月五日の報道によりますと、八月の四日に、私鉄大手十四社は、経団連会館で社長会を開いて運賃改定申請の最終的な協議を行ったということであります。その内容は、まず、全国一斉に申請するか、関東、関西、ブロック別に申請をするか、経営内容の悪い会社から申請をするかという、そういう申請の方法等についての協議と、また、値上げ幅については三〇%程度は必要だと見ているということが協議の対象になったようであります。
 運輸省関係者がある記者に語ったところによると、三〇%以上の値上げをする場合には四〇%から五〇%の値上げ申請が必要になろうというふうに語ったと言われております。こうなると物価に及ぼす影響というものは非常に大きくなるわけですね。聞くところによれば、民鉄協会の深草という理事長さんは、運輸省には値上げをめぐる状況説明はやっているというふうに語っているようであります。もしそれが本当だとすれば、どのような状況説明というものが運輸省に対して民鉄からなされたのか、お尋ねしたいと思うのです。
    〔委員長退席、増岡委員長代理着席〕
#60
○住田説明員 八月四日に社長会が開かれたということは新聞の報道で承知いたしておりますけれども、その件につきまして、民鉄の方から私どもの方へ説明は一切まだなされていない状況でございまして、したがいまして、どのような話し合いがなされ、どういうことを考えているかにつきましては、私どもはまだ承知いたしておりません。
#61
○三浦委員 そうですか。これはかなり確度の高い報道としてわれわれは受け取っておったのですけれども、それはなければないということで結構です。
 そうすると、現在、私鉄運賃の値上げについての運輸省の考え方というものは白紙であるというふうに聞いてよろしいですか。
#62
○住田説明員 少なくとも現段階では、民鉄の方から運賃値上げの申請をするとかしたいというような話は聞いていないわけでございまして、したがいまして、そういう段階で運輸省としてどうこうするということをまだ検討もしておりませんし、お話しするような内容もないわけでございます。
#63
○三浦委員 前回の値上げのときも私鉄大手十四社の赤字というものについて大きな疑問が出されたわけですね。私どもも、限られた資料ではありますけれどもそれを分析して赤字の内容についての疑問を具体的に提出したわけですけれども、今度も私鉄大手十四社の赤字宣伝をそのままうのみにしないで、厳正な態度で臨んでほしいと私は思うのです。
 特に、政府自身が今年度の末に物価上昇率を一けた台に抑えるという公約を国民に対してしているわけですね。ところが、実際には酒、たばこ、消費者米価、郵便料金、電報、電話等いろいろな公共料金が軒並みに値上げを控えているわけです。また、鉄鋼も上がりましたしね。そういうことで、私鉄大手十四社に三〇%以上の大きな値上げをそのまま認めるとすれば、これは国民に対する公約を果たすことができないんじゃないかというふうに私は思うのですね。私どもは、この私鉄運賃の値上げをめぐる動きについては今後も厳重に監視をしていきたいというふうに考えておりますので、運輸省においても、そういう申請等があった場合には、物価を抑えるという観点で厳正に対処してほしいということを要望しておきたいと思います。
 それから、これは運輸省にお尋ねしますが、清掃車の問題であります。これはじんかい車と言っておりますけれども、ごみの回収に従事をしている労働者は毎日のように排気ガスにさらされているわけですね。御承知のとおりに排気ガスというのは大体車の後部にあります。私がおります北九州市ではちょうど車の右端のところに排気口が出てきているわけですね。そして、労働者は毎日のようにその後からごみを車の中に入れているわけです。そういうことでもろに排気ガスをかぶっています。そして、また、押し込み装置といって、ごみを入れるとごみを奥にぐっと押し込む装置がありますが、この押し込み装置を作動する場合にも結局アクセルをふかすという状況があるわけです。そうすると、これは毎日毎日作業をやっている間じゅう排気ガスにさらされているという状態であります。特に、夏は、上からの日照りとアスファルトの照り返し、悪臭というものによって大変健康に悪い状況が重なり合うわけですね。それで労働者はいま目まいがするとか目やにが出るとかせきが出るとかいうような症状を訴えているわけなんです。
 それで、私は、こういう特殊車両、特にじんかい車のように排気ガスの出口で作業をしなければならないという車については、保安基準を改正しまして、一般の車より以上に厳しく排気ガスの規制をやる必要があるんじゃないかと思っているのですけれども、この点についてはどういうふうにお考えでしょうか。
#64
○田付説明員 先生のお話しのように、自動車の後部でいろいろな作業をする自動車がほかにもたくさんございますが、これらの排気管の位置と作業者の位置がなるべく離れた方がいいということになろうかと思うのであります。
 ただ、現状をいろいろ調べておりますが、エンジンから排気管を引っ張り出します位置がエンジンによりていろいろ違っておりますし、下回りのスペースの広がりその他技術的な要素等いろいろ調べてみますといろいろな散らばりがございまして、いまのところ、こういうふうにしなければならないという画一した場所を一義的に決めるのはまだ非常にむずかしい現状でございます。
 ガスの量そのものの低減化ということは当然必要でございますので、これはじんかい車であろうと一般のトラックであろうと全体としていま基準を強化しつつございますので、その中で低減化が進められていくというふうに考えております。
#65
○三浦委員 そうすると、排ガス規制をこの車だけについて特別に強化することはできないということですか。
#66
○田付説明員 理論的に不可能ということではございませんが、実は、トラックの今後の排気ガス規制の強化につきましてはこれから検討を始めますので、そういう中で議論されるべき問題だと思うという意味でございます。
 ただ、全般的にはエンジンの性能を抑えるということになりますので、特にということが技術的にちょっとむずかしかろうかというふうに私は考えております。
#67
○三浦委員 そうすると、排気管の取りつけ位置を変える、結局、作業をしている場所から排気管の位置を遠ざけるということによってかなり排気ガスが拡散されるということがありますね。この点については何か特別の配慮をされていますか。
#68
○田付説明員 実は、どのような位置に排気管を持ってくればよいかということは、その自動車の種類、用途によってばらばらでございまして、私ども、自動車の安全あるいは公害上の基準を決めております保安基準でいろいろな規制をいたしておりますが、どの車にも共通して言えなければならない最低の必要基準だけしか書いてございませんので、こういう種類の自動車はこうあってほしいという、言うならば望ましい基準というものは実は書き切れておりません。したがいまして、従来どうしているかといいますと、たとえばいろいろな種類の自動車がございますが、バスなんかの場合でも、かなり細かい点について、基準には書く必要はないが、具体的にはこうあってほしいというものがありました場合は、その業界を指導いたしまして、その内部で自主的に実際の姿が出てくるような実現を図るということで指導してまいっております。
#69
○三浦委員 保安基準によれば、左向きじゃいかぬとか、右向きじゃいかぬとか、下向きじゃいかぬということが書いてあるだけで、あとは自由になっておるわけでしょう。そうすると、主に清掃車を使っているのは地方自治体ですね。自治体の自主的な判断に任されているわけですよ。ですから、それぞれ自治体によって排気口の場所が違うわけでしょう。これでは自動車公害を防止して労働者の健康を守るという立場に立っていないというふうに言わざるを得ないと思うのですね。これは、やはり、運輸省の方でこういう位置に取りつけた方が一番いいんだというように一それは車種とか大きさとかいろいろあるかもしれないけれども、それならそれに準じて、こういう車の場合にはここが望ましいとか、こういう車についてはここが望ましいというふうに、一つ一つそういう基準をつくる必要があるのじゃないかと思うのです。そうして毎日毎日排気ガスにさらされる労働者の健康を守るという観点がなければならぬと私は思うのですね。それは技術的に不可能ではないと思うのですよ。
 それについて、あなたの方で、どこが望ましい位置なのかということをこれから車の種類ごとに調査して、そういう行政指導をするという意思はありませんか。
#70
○田付説明員 先ほど申し上げましたように、個々の車によっていろいろあり方が違いますだけでなくて、実際にそれをどう加工するかという細かい問題も伴いますので、先生の御指摘の地方自治体が大体主体者だと思いますから、私どもの方から声をかけまして、具体的に車ごとにどのような姿が望ましいのかという点について調査なり改善なりをして一応の線を出すように、私どもの方からも指導をいたしまして、そのことができるようにサポートをしてまいりたいと思っております。
#71
○三浦委員 それはおかしいじゃないですか。あなたの場合は、地方自治体にそういう調査とか検討をやらせるということでしょう。それはちょっとおかしいと思うんだな。それでは、たとえば運輸省組織令の第六十三条の二を見てごらんなさい。何と書いてあるのですか。
#72
○田付説明員 ちょっと舌足らずで誤解をされたかと思いますが、私どもがやらないから自治体にやらせるという意味ではございませんで、地方自治体の中のそういう清掃関係の方がお集まりの協議会があるようでございます。ですから、そういう方々のところへ私どもの方も協力をしまして、実際の使用者であるそういう方々がどのような車があったらいいのかということをそこで調査し、まとめるように、私どももお手伝いをしながらやってまいりたい、こういうことでございます。
#73
○三浦委員 だから、それは逆なんですよ。あなたたちの責任でやらなければならないことなんですよ。あと五分しかないので余り議論しておれませんが、これはあなたたちの責任でやらなければいかぬじゃないですか。あなたの部に公害防止課というのがあるでしょう。その公害防止課というのは、運輸省組織令によれば、「公害の防止に係る技術基準に関すること。」というのが所管事項になっているわけでしょう。それを自治体にやらせるというのはおかしいじゃないですか。それから、また、あなたの方では交通安全公害研究所というのがあるわけだね。ここでもこの公害の問題についての技術基準を開発するということをちゃんとやっているわけでしょう。
 あなたたち自身に法律でもってそういう公害の防止ということが義務づけられているわけなんだから、それを、車を地方自治体が使っているから地方自治体に任せるんだ、私たちはお手伝いだというのは逆なんで、、地方自治体、実際に使っているユーザーからいろいろな意見を聞きながら、あなたたちがそういう基準をつくっていくということでなければならないんじゃないですか。あなたたちの責任でやるというのが本来の立場でなければいけないんじゃないですか。どうなんですか。
#74
○田付説明員 問題の内容によりましては必ずしも私どもだけでということではないかと思いますが、基本的には私は先生の御意見と同じなんです。そういう意味では説明がちょっと不十分だったと思うのですが、手段として、まず、第一に、ユーザーであり実際に車を使っている方々が自主的に意見をまとめることにお手伝いをしましょうということで、もちろんこれは何もしないという意味ではございませんで、そういう過程において私たちが直接メーカーを呼び、調査をし、基準を出させる必要が当然出てくると思いますから、それはそれで私どもはやります。通常の場合ですと、先ほどバスなどを例に挙げましたが、トラックなどもそうでございますが、私ども役人でちょっとわかりにくいところがいろいろございますので、そういう使用過程上の実際に使っていらっしゃる方のいろいろな苦情とか意見というものをまとめる場としてそういうものが非常に有効であるという意味のことを申し上げたにすぎません。
#75
○三浦委員 そうすると、あなたたちがいろいろな人からの意見を聞くということはあっても、最終的には運輸省の方で調査をし、検討をし、そういう基準をつくりたい、と、こういうふうに承っていいのですか。
#76
○田付説明員 最終的にその基準としてまとめるような形になりますかどうですか、ちょっと私はいま予想できないのでありますが、それは結果を見まして判断をさせていただきたいと思います。
#77
○三浦委員 どうもはっきりしない答弁ですが、時間がありませんので、次に労働省の方にお尋ねします。
 いま私が述べましたように、大変な被害を受けているわけですね。それで、労働者の話によりますと、六十歳ぐらいまで働いている人たちはやめてから二、三年たつと大概死んでしまうというようなことで大変不安を感じているんですね。それで、私は、こういう危険な作業に従事して、有毒ガスに絶えずさらされて作業している労働者の健康診断の問題について特別な配慮をする必要があるのじゃないかと思うのです。それで、お尋ねしましたら、一般の健康診断と同じ内容の健康診断しかしていないということなんですね。ところが、実際におたくの方から資料をもらいましたけれども、「都市ガス配管工事における一酸化炭素中毒の予防について」という通達がありまして、これでは特にそういう一酸化炭素中毒になっているかいないかというような点についていろいろと健康診断の内容が行政指導で行われているようですね。それと同じように、この一酸化炭素とかNOとか、そういうものによる健康被害というものを特に調査をするというふうに健康診断の内容を改める必要があるのではないかと思うのですね。その前段として、まず実際に労働者にどういう影響が出ているのかということですね。これをまず調査をする必要があると私は思うのですが、この点について労働省はどういうふうにお考えです全
#78
○梶谷説明員 御指摘のようにいろいろ問題があるということは私どもも承っておりまして、実は、そういう点も勘案しまして、つとに四十二年に通達を出しまして、清掃車の関係の労働者につきましては、安全管理、衛生管理のための企業の中の組織でありますとか、あるいは教育でありますとか、あるいは健康診断、あるいは設備の中で、たとえばうがいをやる設備を設けるとかいったようないろいろな細かい基準のようなものを設けまして行政指導を進めております中で、特に作業行動を安全衛生化するという意味合いにおきまして、排出口、排気ガスを出す方向その他を考慮して作業行動の一つのやり方というものを確立するように、それぞれそういう意味で努力をして、それに従って作業を行わせるようにというようなことを指示をいたしておりますが、その後どの程度の健康管理の実態になっておるか、その結果、先ほど先生が御指摘になりましたような被害がどの程度出ておるかといったような点につきましては、これまた先生御指摘のごとく確たる調査が現在のところまだございません。
 御指摘もございましたので、今後専門家の意見も聞きながら、どういう場所においてどういう調査をしたらよろしいかというようなことをいろいろ研究をいたしました上で、実態調査について前向きで検討させていただきたいと思います。
#79
○三浦委員 終わります。
#80
○増岡委員長代理 この際、午後二時から再開することとし、暫時休憩いたします。
    午後零時五十六分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時開議
#81
○木部委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。太田一夫君。
#82
○太田委員 まず、第一問ですが、衣浦臨海用地造成事業が行われまして、そこの第二号地にシェル石油株式会社と、それからブリジストン液化ガス株式会社と、それから兼松江商株式会社の三社が進出いたしまして、LPG、LNGの基地を建設するということが決まりました。愛知県知事はこれに対してその設置を認めておるわけでございますが、現在、問題は、先発メーカーであるシェル石油が第一期工事といたしまして二万六千トンのタンク二基、二万五千トンのタンク一基、七百トンのタンク二基、合計七万八千四百トンのLPGタンクを建設しょうということで、そのためには四万トンないし五万トシのタンカーの出入りに便なるようにそこに岸壁施設をつくりたいということから設置許可の申請が出ておるようであります。
 そこで、最初に港湾局長にお尋ねいたしますが、このLPGの巨大タンカーの接岸の施設が許可を求められておることについて、これは一応最初の港湾計画の若干の変更であるようでありますが、この接岸施設の改正が求められているかどうか。求められているとするならば、あなた方はどのような基準に照らし合わせ、いかなる手続によって結論を出そうとしていらっしゃるか。
 その場合一番問題になるのは安全問題だと思います。陸上の施設の問題と航路上の海の問題と二つありますが、ともに安全問題が一番問題であると考えられるのでありますが、港湾局の現在の状態、お考えを最初に承っておきたいと思います。
#83
○竹内説明員 ただいまのところ、正式に県の方からそのような形での相談は来ておりません。ただ、本件につきまして調査をいたしましたところ、御承知のように、この部分は工業用地といたしまして昭和三十六年に港湾の計画の決定を見ております。その後埋め立て工事が行われまして、それを先生がいまおっしゃいました三社に県が分譲したわけでございますが、その間はいずれもいわゆる工業用地というような形で経過をしてまいりました。ただ、分譲するときに、たとえばシェル石油あるいはブリジストン液化ガス並びに兼松江商等につきまして、おっしゃいましたようなLPGのタンクをつくるというような目的で売却処分をしているようでございます。
 そういうことでございますけれども、事実、実際に船をそこに着けようという場合には、当初工業地だけだったのでございますけれども、LPG等の船を着けるとかあるいはタンクをつくるというような場合には、私どもやはり港湾の計画を改めて見直しまして、これは地方港湾審議会、すなわち愛知県における港湾管理者の地方港湾審議会を経まして、運輸大臣の諮問機関である港湾審議会にかけるという処置をとることになります。その際に、航路の問題あるいは泊地の問題、それから岸壁の問題、それをあらゆる方面から関係者とも打ち合わせまして、安全面についての検討は当然行われるべきことでございます。
 なお、そのタンク等を埋立地の上につくるわけでございますから、その周辺のことにつきましても当然港湾計画上議論していきたい、関係者と相談するように指導していきたい、このように考えている次第でございます。
#84
○太田委員 そこで、通産省にお尋ねをいたしますが、現在、高圧ガス取締法しか取り締まり適用法がありません。したがって、高圧ガス取締法の適用を受けるこれからのタンク――兼松江商にいたしましても、ブリジストン液化ガスの会社にいたしましても、やがては二十万トンから三十万トンの備蓄をできるタンクを設置するという雄大な計画でありますから、これは相当慎重に考えなければならぬと思うのであります。
 そこで、高圧ガス取締法によりますと、第八条では、十五条の基準に適合するものは許可をしなければならないということになっておるわけでありまして、その十五条の中で私どもが目を引かれるのは「高圧ガスの貯蔵は、通商産業省令で定める技術上の基準に従ってしなければならない。」となっておりますから、通産省の定める技術上の基準というのが一番問題だと思うのですが、その通産省の定める技術上の基準の中でどのような安全基準が設定されておるか、これをお伺いしたいのです。
 とにかく、天災もあるし、不測の事態もあると思うのですが、そういうときに爆発するとか火災になるというような心配はあるのかないのか。干拓住民約百戸がその近くに住んでおるわけでありますから非常に心配をいたしております。その設置の安全基準、これについて通産省のお答えをいただきたい。
#85
○広海説明員 ただいま先生がおっしゃいましたように、高圧ガス取締法上の許可は、都道府県におきまして、各種の法律に基づいて定められております安全基準への適合につきまして厳正な審査を行った上で許可いたしております。本件につきましてもこれら各種の安全基準を遵守させることはもちろんのこと、さらに、八月一日に今般高圧ガス取締法の改正を行ったわけでございますが、それと並行いたしまして各種の安全基準の強化をいたしました。そういう強化の方向をも考慮いたしまして、安全上万全の対策を講ずるよう県の方で指導いたしまして許可したというふうにわれわれは報告を受けております。
 具体的にどういう安全措置を講じさせているかという点につきましては、これは非常にいろいろな三十、四十ぐらいの項目があるわけでございますが、主なものをたとえて申し上げますと、一つは保安距離がございます。本件につきましては民家等の保安物件まですでに千五百メートル以上の幅をとってございます。また、タンク間距離も各タンクの最大直径の和の四分の一ということで、具体的には約二十五メートルほどの間隔をとらせております。また、防液堤の設置も義務づけられておりまして、この防液堤の中には、万が一にもタンクが破壊いたしましてガスが出た場合にそれを収容できる能力を十分にとってあるということでございます。また、耐震対策につきましても、地盤を十分に強化いたしまして、具体的には、支持層まで約四十二メートルございますが、四十二メートルの長さの鉄管パイルを一基当たり三百七十六本打ち込みまして十分な地固めをした上で、さらに表面にありますヘドロを取り去りまして砂を入れかえまして、さらにその上にコンクリート盤をつくりましてタンクを乗せていくというような、日本で過去に起こりました最強の地震にも耐え得るような構造にしてタンクをつくっております。また、地震の感震装置も設置しておりまして、震度三でキャッチいたしまして自動的にガスの流出入を遮断するという装置もつけてございます。また、たとえば散水装置あるいは消火栓、消火器といったような各種の消火設備も十分に配置しております。また、ガス漏れが起きた場合の警報機につきましても十六カ所につけておりまして、爆発下限界の三分の一、つまりガス濃度〇・六%で警報機が作動いたしまして自動的に遮断するという装置もつけてございます。
#86
○太田委員 保安課長、重ねて確認をいたしますが、そうすると、民家からの距離は千五百メートルの幅をとることを指示していらっしゃるわけですね。
#87
○広海説明員 現在、民家との距離は千五百メートルございます。ただ、境界線がございまして、将来民家が境界線間際まで来る可能性はございますが、その場合でも、現在の用地だけで約三百五十メートル、用地の一部だけを現在譲渡されておりまして、今後完全に十六万平米譲渡されますとその境界線までさらに四百メートル広がる。つまり、合計七百五十メートルから八百メートルぐらいの距離が確保されるということになります。
#88
○太田委員 確認しますが、八百メートルを確保するというのが安全基準の一つの条件だということでよろしいですね。
#89
○広海説明員 現在定められております安全基準によりますと、この安全基準はガスの量によって決まるわけでございますが、それによりますと約百五十メートル、これが基準上の距離でございます。これだけの距離をとっておけば万々大丈夫であるということになっております。しかし、先ほど申し上げましたように実際上は境界線までの距離でも約八百メートル、現在では千五百メートルの距離がとられているという実態でございます。
#90
○太田委員 簡単に聞きますが、現在あるものが千五百メートルの幅であり、将来境界までいっぱい民家が建つとしても八百メートルは確保されると理解していいと思うのですが、百五十メートルでは困るのですね。コンビナート防災システム開発調査委員会というのがありまして、「コンビナート保安・防災技術指針」というものを発表しておりますが、それによるとLPGの大量漏洩による危険区域というのはタンクから半径百六十メートルであるし、それからLPGの大量漏洩による火災となったときの危険区域は五百十六メートル半径と言っておりますから、本基地に関しては少なくともさっきおっしゃった運用上八百メートル確保を確認をしていただかないと危ないと思うのです。これは要請しておきます。
 それに関連をして消防庁にお尋ねをいたしますが、LPGのタンクの基地の災害という前例が余りないと思いますから、私どもデータそのものはありませんが、先回の雄洋丸の火災によりまして、LPGそのものも液からガス化しましたときに火炎を放出することは一つの実例があるわけでありますから、そういうことから考えて、大量のLPGの大型タンクが設置される場合に消防法上どのような安全確認をなすべきであるか、これについて現行法上何か規定があるなら教えていただきたいし、それから、LPGタンクの爆発火災というものは予想されるかどうか、この点についてお答えをいただきたいと思います。
#91
○永瀬説明員 消防法の関係におきましては、LPGタンクそのものに対します特別な防災上の規定はございません。一般の対象物並みの規定しか持っておりません。
 さらに、お尋ねのLPGのタンクの爆発火災の点でございますが、これはよほどの不測の事態でも起こりませんと、実は、LP関係のタンクは、低温冷凍のタンクにいたしましても、あるいは球型の内圧がかかっておりますタンクにいたしましても、内部に燃えることを支えます酸素が入っておりませんので、いわゆる燃焼による爆発ということはちょっと考えられません。したがいまして、圧力その他の関係でタンクが裂けるということでも何らかない限り、私どもとしては火災は起こらないのではないだろうかと考えております。
#92
○太田委員 私はこの件についてはさらにお尋ねしたいのでありますが、時間がありませんから後で資料でもいただきたいのでありますが、特に、消防の関係におきまして、消防法土地方の消防署は何らチェックする権限も規定もないということでは住民としては不安だと言っておりますので、通産省の高圧ガス取締法だけに頼るということじゃなしに、御研究なさったLPGのタンクの安全性と危険性について何かデータがありましたら後刻ちょうだいをいたしたいと思います。
 これはこれで終わります。
 第二の問題に入りますが、これまた時間が非常に少なくなってまいりまして恐縮でありますので、少しかいつまんで私の方から聞きたいことを申し上げて、簡潔な御答弁をいただきます。
 これは最初に大蔵省にお尋ねしたいことなんでありますが、すでに先回新聞等に出まして御承知の台湾と日本を結ぶ国際地下銀行組織の問題であります。去る七月の初めごろ国際地下銀行組織が摘発をされました。大栄旅運というように報道されておりますが、八月四日の新聞ニュースによりますと、台湾地下銀行の社長さんに大阪地裁は外為並びに外貿管理法違反の罪で懲役六カ月、執行猶予二年、罰金百万円という判決を下したと報ぜられておるのであります。この中で裁判官は国際地下銀行組織の摘発に関連し、この判決に関連をし、「単なる形式犯ともみられるが、ヤミ決済は麻薬、ピストル密輸等の不正犯罪を助長するもので責任は大きい」ということを言っておるのであります。
 私の聞きたいのは、この事件の捜査に関連して、国内の大手旅行業者が二社、それは日本旅行社と東急観光でありますが、この二社が結果的にその行為に加担をしていたことが明らかになっていることであります。このことは、過当競争にあえいでおる旅行業者の一つの焦りというようなものにメスが入れられたものだと私は思いますけれども、これは非常に国際信用の問題がありますから、そこで大蔵省にお尋ねをいたしますが、昨年九月に海外旅行に関係する国内の旅行業者百六十社を集められまして外為法に違反しないように何か自粛を求められた。これは小口送金制度というのが、四十九年四月に、いままで三千ドルまで自由送金がよろしかったのが二百ドルに削減をされて圧縮されたのですね。そこで、円払いとか円受け取りとか、そういうことにつきまして自粛を求められた。外為手続について自粛してほしいとおっしゃったということであります。私どもがこの問題について大蔵省にお尋ねしたいのは、新聞には二社出ておりますけれども、不正容疑が二十社にわたっておると言われておるが、こういうことについて現在どうお考えになっていらっしゃるか。
 いままでの名前を挙げました日本旅行社と東急の二社は、まあ一つは抵触する疑いがあるという程度でありまして、そのものが罰を受けておりませんから、おそらく解釈上そう大きな罪はないと思いますけれども、疑いを受けたということだけでも相当のものだと思うのです。それでさらに二十社と言われておりますニュースもあることですから、二十社にも及ぶそういうような若干の疑惑のある小口送金制度の悪用というようなものがあったのか、これをお尋ねします。
#93
○神馬説明員 お答えいたします。
 小口送金制度、外為法に触れるような悪用があったのかどうかということでございますが、この為替管理につきましては、外貨事情等によりまして時期に応じましてきわめて変わっております。昨年までは外貨事情がまだ緩やかなときでございまして、管理もいまよりは非常に緩い時代でございましたので、その小口送金制度というものが、そのねらいとするところは別といたしましても、いわゆる形式的に法に違反するような形で悪用されたというようなことはないというふうに考えております。
#94
○太田委員 課長さんの御説明を了解しておきたいと思いますが、それは検察庁の方もその問題について云々と余り大きく発展をさせておりませんし、この問題は一応けりがついておるようでありまして、当該大栄旅運の違反容疑に対する判決が下されて、それでまあ一応の大団円ということになっておりますから、それは犯罪としては私どももそれで了解しましょう。
 しかし、私はここで運輸省にお尋ねをしますが、観光部というのは、昔は観光局であったが今度観光部になって、とかく観光行政というものが弱体化しておるじゃないかという世の批判がある。そこで私はしっかりしてほしいと思うのですよ。「昭和四十九年度において講じようとする観光政策」というのがありますね。私どもこれをちょうだいしました。三十七ページに「海外旅行の健全化の推進」というのがありまして、ここに書いてありますね。「日本人海外旅行者の行動が一部受入国において批判を受け、必ずしも日本人旅行者が全面的に歓迎されているとはいえない状況が生じており、対日感情の上に大きい影響を及ぼしている。旅行者のマナーの問題は、基本的には旅行者自身の問題であって、家庭、学校、社会を通じての教育にも関連し、早急に解決を期しがたいが、政府は次の措置を講じて海外旅行の健全化に努める。」と書いてありまして、「(1)旅行業者に対し、旅行添乗員の研修を強化しその資質の向上を図ること、旅行業者が不健全な旅行を企画、募集しないようにすること、旅行業者の行動基準を作成すること、説明会等において旅行参加者に海外事情やマナーにつき周知徹底することを指導する。」とあって、以下若干ありますが、これが四十九年度においてその事件が起きた年にあなたの方が指導指針としてお出しになったものです。それから、もう一つ、「昭和五十年度において講じようとする観光政策」をこの間いただきましたね。これも同じことが書いてある。何も一字一句違わない。書いてあるだけじゃないのかという気がしてしようがないのだが、本気でこういう指導をやるつもりか。単に観光客個人のマナーの問題でなくて、旅行業者が外為法だとか為替管理法だとかなんとかかんとか法に違反するような行動、疑われるような行動をすること自身少なくとも問題だと思う。
 それから、もう一つは、私が特に指摘をしておきたいは、ここのこういう企業に運輸省の関係の方あるいは国鉄関係の方が相当数天下っていらっしゃいまして、先ほど申し上げた日本旅行社とか東急さんには有名な方がいっていらっしゃるわけですね。だから、言うなら、民間の業者の手本でなくちゃならぬ者が実はそういうように李下に冠をわざと正すようなことをするということはどういうことであろうかという気がするのです。名前は省略をしておきますが、こういう大手業者のそういう行動については少なくとも厳しくチェックをしていただきたいと同時に、観光政策そのものをもう少し積極的に実のあるものにしてほしいと思うのでありますが、観光部長の所感はいかがでありますか。
#95
○高野説明員 お答えいたします。
 先ほど先生からも御指摘がございましたけれども、私ども日ごろから旅行業者に対して各方面でいろいろな監督といいますか、指導を実はしておるわけでございます。おっしゃいましたように、大手は特に業界の手本にならなければならぬということもございまして――大手だけではございませんで、一般旅行業者の団体でございます国際旅行業協会というものもございますが、そういった協会等を通じて、さらにはまた私ども法律に基づきます立入検査ということもしておりまして、その中で違法あるいは非常に不当な行為があったというような場合には、私どもとして処分もいたしたことも何件かございます。
 そのように旅行業者自身の姿勢を正し、これによって旅行者の利便を増進し、かつ安全な旅行を仲介していくということをさせるように私どもいろいろと努力はしております。私どもの努力のたりない点はあろうかと思いますが、私どもといたしましては、先ほど申し上げました立入り検査を今後ともさらに頻繁に行うとか、もちろん、事態が違法等のことがございますればびしびしと厳しく処分をしていくというような考えをとって、業界の指導あるいは監督ということに大いに努力をしていきたい、と、かように思っております。
#96
○太田委員 もちろん、あなたの言葉はそれでよろしいですね。何も間違っておるわけじゃない。ただし、旅行業法第六条の第一項第三号に、旅行業務に関し不正な行為をした者は登録を拒否しなければならないとあるんですね。登録を拒否するだけの決意はありますか。
 このようなとにもかくにも天下の大観光業者がそんな法秩序を無視するようなことをして――いまの話でも、個人の旅行者自身は何も関係ないんですよ。事によると安かったかもしれないですよ。やみ銀行を通じた方がそれは経費は安いですよ。ですから、メリットはあったかもしれませんよ。だけれども、それは信用というものを非常に落とすわけでしょう。(「モラルの問題だ」と呼ぶ者あり)
 そこの問題ですから、旅行業法第六条第一項第三号の登録を拒否するというようなことも場合によってはあり得るような構えを見せて、ともすれば過当競争、不正競争が出てきそうな今日、あなたは決意を新たにして業者の指導をやってほしいと私は思う。協会などにさせておくようなことではだめですよ。いかがですか。もう一度答えてください。
#97
○高野説明員 ただいま御指摘がありましたように、登録の拒否事由というようなことも挙がってございます。私ども、先ほどおっしゃいました案件について直ちにどうこうという結論は現在のところまだ得ておりませんけれども、一般論といたしまして、私どもは、不正行為といったようなものがあったものにつきましてはもちろんこの法律の条文の解釈を厳正にいたしまして、その情状にもよりますけれども、場合によってはもちろん取り消しあるいは登録の拒否をするという態度で従来もおりましたし、もちろん今後ともそういう方針でやってまいりたい、と、かように思っております。
#98
○太田委員 時間がありませんので最後に要望をしておきます。
 観光部長、あなたの方は何千社という国内旅行業者に対してはそれぞれの都道府県知事にその登録と監督を任せておるような形であります。委任事務ですね。ところが、それに対してあなたの方は一体幾らぐらい予算を出すかというと、平均して十七、八万しか交付金は、支出金は出しておらないでしょう。これではやりようがないじゃないですか。
 それから、いまの二つの旅行者についてあなたは遠慮なさっておるのじゃないかと思うのです。東急観光さんは社長さんが運輸省民営鉄道部長、国鉄営業部長さんでおありになった方だし、それから日本旅行社の方は常務取締役以上社長を含めて四人ともともに運輸省並びに国鉄の局長だったと言われる。社長さんは運輸省鉄道監督局長、国鉄監査委員会委員というような肩書きを持っていらっしゃった人が天下っておるわけだ。しかし、あなたの方は先輩に対して御無理ごもっともとおっしゃらないで、今後りっぱに御指導くださることを願います。その点は、今後観光行政を拡大強化するという意味から私は申し上げておるわけであって、二社をとっちめよなどと言っているわけじゃないですから誤解のないように願いたいが、遠慮せずに、いいことはいいし、悪いことば悪いということで、やるべきことはやるべきです。
 これは観光行政の将来の発展のために十分運輸省が奮発してくださることを希望いたしておきまして、質問を終わります。
#99
○木部委員長 石田幸四郎君。
#100
○石田(幸)委員 まず、運輸省にお伺いをしたいわけでございますが、いま太田委員が取り上げられた衣浦港の大プロパン基地建設に関して、いわゆる大型タンカーが出入りをするわけでございますので、その交通安全等の問題について私はこれから質問をしたいと思うわけでございます。
 そこで、この衣浦港湾にそういうようなプロパン基地が建設をされることについて、大蔵省は一体どの時点でこの問題を承知しておったのかということをお伺いをしたいのと、さらに、また、この港湾建設、特にプロパンガスの基地を建設するについて、一体どこが中心になって総合検討しているのか。これはいわゆる県という問題だけではなくして、漁業補償の問題も出てくるかもしれませんし、建設省も関係があると思います。したがって、運輸省、建設省、農林省にわたってそういうような問題が相互に絡み合っているわけでございますので、調整機関がどうしても必要だと私は思うのですけれども、一体どこが軸になってこの調整等をやっていくのか、この点についても触れてもらいたいと思います。いかがですか。
#101
○竹内説明員 運輸省の港湾局といたしましては、現在、LPGのタンクをここにつくるということにつきましての正式の通知はございません。ただ、いろいろと調査した結果このようなことがわかったというのが現状でございます。
 経緯を申し上げますと、この港湾の計画を決めましたのは運輸省が中心になって決めたわけでございますが、昭和三十六年に第十四回の港湾の計画部会というものを開きまして、この部会に、約百七、八十ヘクタールでございますが埋め立ての二号地というところがございますが、この百七、八十ヘクタールの土地を工業用地として決定しております。その際には、大蔵省も建設省も各省がいろいろとこの計画を練るときには全部連絡しながらやってまいりますので、当然関係の省庁は存じているわけでございます。ただし、このときにはやはり工業用地として決定してきたわけでございます。その後昭和四十年になりまして埋め立ての免許を知事が出しましてこの埋立地をつくっております。この際にはこの部分は工業用地ということになっております。その後昭和四十七、八年におきまして、この埋立地の土地をシェルと兼松江商とブリヂストン液化ガス株式会社の三社に県が売っておりますが、その建設計画の中には、この上にLPG等の貯蓄をするということを承知で売っているわけでございます。
 このような経緯でございまして、県のとってきた措置、工業用地計画、それから埋立地計画、それからそれに対する売却というふうな形の一環の動きの中には違法な行為はございませんけれども、今後この埋立地の上にガス等の貯蔵をするということになりますと、当然港湾の方の形も変わってくる、たとえば岩壁もガスの大型船が着かなければいかぬということになりますので、今後その計画を検討していかなくちゃいかぬ、このような段階になっているわけでございます。
#102
○石田(幸)委員 いまも御説明がありましたように、昭和四十七年の時点においてこの契約が行われておるわけでしょう。そうしますと、これは、いわゆる国の段階としては、安全対策の問題あるいは海上のそういった防災対策の問題が当然出てくるわけでありますから、この土地の契約が行われてしまってからでは、いわゆる既成の事実として、あとは現在の法律に適法であるかどうかということを検討するだけでほとんど進んでしまうというようなことになってしまって、そういった意味の検討がずっとおくれてしまうわけですね。一つの既成事実を問題の原点として、そこから出発をしなければならぬというようなことになりますので非常に遺憾だと思うのですね。こういう問題について、特にそういう防災を要するような基地を建設するについては、今後、ただ県にそういう判断を任せていくだけではなくして、港湾全体の問題として、国も当初から関与できるようなもう少し総合的な方向に行かなければいかぬと思いますので、私は意見を申し上げておくわけです。
 次に、海上保安庁の方にお伺いをするわけでございますけれども、きょう配付をされました「海上保安の現況」にも、先ほどお話があった雄洋丸の問題が大変な問題としてこの報告書の中にも列記されておるわけですね。自衛隊まで出動して、プロパンガスが炎上しているのが大変危険であるからとうとう曳航を中止して爆弾によって撃沈をしたというような、そういう事実が現実にあるわけでしょう。そういう問題を踏まえた上でこの問題を考えていかなければならぬ。
 特に、いま愛知県等で検討されている航路については、これは従来ともに問題のある水域ですね。私も、港湾整備の問題のときに伊良湖水道の問題をどうするんだと聞いたら、運輸省としては港湾整備の関係からこの伊良湖水道をもう少し深く掘りたいということを言っているわけでしょう。ところが、これが神島と伊良湖岬の間の水道だってまだまだかなりの幅がありますね。たしか千二百メートルぐらいの幅があるわけですよ。そういう中においても実際にタンカーが貨物船と衝突をして大変な被害が起きたという事実も近い例であるわけでありまして、そういうものと比較して考えていくときに、厳密に言えば三百メートル、緩く見ても四、五百メートルしか余裕がないような師崎水道にこういうような危険性のあるタンカーが出入りするということが果たして妥当であるのかどうかという問題について、海上保安庁はこの問題を一体どう受けとめておられるのか、お伺いをしたいと思うわけです。
 ただ、その伏線として考えてもらわなければならぬことは、それでは現在師崎水道には一体どんな状況があるのか。いわゆる漁民との関係ですね。あるいはどんな大きさの船が一カ月に一体何隻ぐらい通過をしているのか。そういう中に危険性のあるプロパンガスのタンカーが入っていかなければならない。しかも、これは相当な大きさですね。新聞報道によりますと約四万五千トンぐらいと言われておるわけでしょう。幅三百メートルぐらいのところの水道に対して長さ二百メートル、幅三、四十メートルの船が通過するというような問題を考えたときに、これは非常に厳密に審査をしなければならない問題だと思いますけれども、海上保安庁はどのように考えていますか。
#103
○薗村説明員 私、実は、長官に就任いたしましてすぐ、いま先生からお話のございました伊良湖水道の航行安全は大変重要なことだと思いましたので、去る六日の日に鳥羽から渥美半島まで渡ってまいりましたが、実は、遺憾ながら時間の都合がございましたのでどうしても師崎水道までは伺うことができませんでした。しかし、伊良湖水道を通ります際に、図上で、またこちらからながめまして、師崎水道の状態も、先生のお話を伺うことがございますのでできるだけ実地に見てこようと思って努力をいたしたところでございます。
 御承知のとおり、伊良湖水道につきましては、一キロ二百ぐらいの幅で、長さが三キロ八百ぐらいの長さでございまして、漁労をしておられる船もございます。一方、航行安全も守らなければいけませんので、できるだけそれらが調和していけるようにということを現場にも監督をしてまいったつもりでございます。
 それから、師崎水道につきましては、いまお話がございましたように、一日に漁船が七百七十隻ぐらいある。一方、貨物船は百三十隻ぐらいある。それから三千トン以上五万トン程度の大型船も一日に二隻ぐらい通航しておるという実情にございます。したがって、シェルの計画が進みましたときに、その航行安全の問題と漁業の生業の問題とがどうなるであろうかということは私どもも十分関心を払っております。
 シェルの会社から基地の計画を聞きましたので、海上保安庁としては、伊勢湾海難防止協会においてこの問題を取り上げて、学識経験者と漁業関係者等を入れて、特に特別委員会を設けてよく審議をするようにということを私どもから指示したのでございます。近々その審議の結論が出てまいりましたら、私どもはその線に沿って、また海上保安庁としても独自に十分検討して、必要な具体的な指導をいたしたいというふうに考えております。
#104
○石田(幸)委員 その審議会での結論が出てからというお話でございますけれども、六月十一日付の新聞には対策の具体案というものがもう出ておるわけですよ。これを見ますと、その言葉を裏返してみると、きわめて危険な状態がありありと見えるわけですね。この日の結論によりますれば、タンカーが伊良湖、師崎両水道を通航する際は、一つには、「漁船との衝突を避けるため、先頭に警戒船をつけ、化学消防船を随伴する」ということになっていますが、これは危険性がなければ何もこういうものをつける必要はないわけでしょう。これは危険だということを十分認識した上の発言になっているわけですね。それから、二番目として、「荒天時と夜間は航行禁止にし」となっているが、これも水道が狭いということを意味しているのですね。そして、「漁船の多い日没時もタンカーの航行を避ける」ということは何を意味するかというと、いわゆる潮の満ち干によって漁船等が出てくるのは朝と夕方でしょう。これはやはり危険があるということでしょう。それから、「余波で漁船が沈没しないよう、時速は八ノット以下に抑える」というの屡これが厳重に守られればいいけれども、これによって人身事故が起きかねないという危険性を、その具体策の裏にはありありとのぞかしているわけですよ。それから、「同海域にくわしい水先人をつける」ということは、つけなければこれは運航できぬというわけでしょう。さらに、「タンカー通航時間を地元漁協など関係機関へあらかじめ知らせる」となっているのは、知らせておかなければ危険だということでしょう。裏返しに読みますればそういうことでしょう。そういう問題が実に五点にわたって、私に言わせれば六点にわたって指摘されておるわけですよ。
 そこで、お伺いをするわけでございますけれども、この警戒船をつけたり化学消防船を随伴するということについては、これは海上保安庁としてそういうふうにしなければならないと思っておるのか。そういうことになりますれば、その費用はどうなるのか。海上保安庁の方でそういうものを手配するのであれば、これは単なる一企業のために大変な経費をかけてやるというようなことになりますわな。この点はいかがですか。まず、そこから伺いましょう。
#105
○薗村説明員 海難防止協会の結論が出ましたら、それをよく検討して、私どもまた独自に具体的な指導を決めたいということを先ほどお答えしたわけです。
 その審議の内容については私は実はいま一々つまびらかにいたしておりませんが、ただ、いま先生からお話のございました点につきましては、ある程度危険があるということは考えた上で、それに対する予防措置を講ずるということは、実は、師崎水道だけではなくて、その入り口である伊良湖水道についてもそういう方策をすでに講じておりますし、また、近くの東京湾を考えましても、浦賀水道でもそういう方法を講じておるわけでございますが、具体的な内容のお話で、警戒船などをつけるということになりますと、もちろんそれは船社の負担ということで、私どもの予算でどうこうするという問題ではございません。
#106
○石田(幸)委員 それならば伺いますが、師崎水道みたいな狭いところを仮に長さ二百メートルのタンカーが通過する、さらに五万トンクラスのそういう船が出航する、すれ違うというような問題を考えてみますと、いわゆる警戒船あるいは化学消防船等も両わきを走っておるわけでしょうから、これは大変危険なところですな。いま、日本の港湾の中で、水路が三百ないし四百程度のところでこういうような大型船がすれ違う可能性というものは相当数あるのですか。
#107
○山本説明員 師崎水道の場合には、千トン以上の大きさの船とは行き会いをさせないという案が現在出ておるようでございます。
 これはすでに正式に報告を申し上げたというわけではございませんけれども、内々聞いてみますとそういう案をつくっておるようでございますけれども、そういう措置も適当ではなかろうかというふうに現段階では考えております。
#108
○石田(幸)委員 全国の例はどうですか。
#109
○山本説明員 海上交通安全法が施行されております東京湾、伊勢湾、大阪湾、瀬戸内海等は大体航路は一方通行ということになっておりますので、同じ航路の片側で原則的に行き会うというようなことは避けることにいたしております。伊良湖水道においてももちろん同じでございます。通常の場合ですと、狭水道ではそういう大型船の行き会いということは管制をしなければ往々にして起こり得るということは十分に考えられます。
#110
○石田(幸)委員 これは私が後半申し上げた問題のお答えにはなっていないわけですが、現地においては千トン以上の船はすれ違いをさせないということを考えているようだということは、この点は一応評価をいたしますけれども、現実にこの水道は四、五百メートルと言われておるのです。しかしながら、いわゆるノリの操業場であるとかいろいろな問題がありまして、実際は三百メートルぐらいじゃないかと言われておるのです。これは私もときどきこういったところは行きますのでよく知っております。そこにはもう日曜と平日とを問わず無数の釣り人の漁船が出ているわけです。そういうきわめて危険なところにこういう大型船が出る。しかも、前にプロパンガスのタンカーが爆発事故を起こした。その爆発事故そのものを見てみると、油を積んだ船よりもさらにその危険性というものが現実にあった
 そういうことを考えてみますと、航路問題は、ここだけというふうに限定しないでもう少し考える必要が出てきているのではないかと思うのですけれども、この点はどうですか。先ほどの全国的な例と、それから航路の全体をもう一度再検討する必要があるのではないかという点についてはいかがですか。
#111
○山本説明員 先生の御指摘の航路幅でございますけれども私ども、ノリが入っていないときには七百メートルと一応踏んでおります。冬分、ノリが入りますと大体五百メートルの幅になるというふうに考えております。漁業者が往々にして越境してノリをつくりますけれども、そういった場合には若干狭くなるであろうということも考えております。
 それから、航路の問題でございますが、現在考えられておりますLPGタンカーは衣浦に入ります場合には師崎水道を通るほかには、ほかの水路を通るというわけにはまいらないのでございます。ほかに水路が幾らかありますけれども、それは通るほどの深さはございません。
#112
○石田(幸)委員 全国的な例はどうですか。
#113
○山本説明員 先生の全国の例はどうかということにつきまして、質問の趣旨がちょっとわかりかねますので、もう一回よろしくお願いします。
#114
○石田(幸)委員 あなたの観測におきましては、ノリの漁業が行われていないときには七百メートルということですね。行われているときはもう少し狭くなるわけですよ。そういうことはわかっておるのだが、そういうところに、しかも全国的に見てそういう大型タンカーが出入りするところで、まあ、あなたの説をとって五百メートルとしまして、その五百メートルのところで大型貨物船もしくはタンカーが通過し合う、すれ違うというような例が全国的にはどことどこでどの程度のことがありますということを調べて報告をしてくださいということです。
#115
○山本説明員 狭水道で大型のタンカー等が航行いたしておりますところは、師崎水道に匹敵する水道といいますと、水島に入ります水道がこれに該当するであろうと思います。あれが大体七百メートルでございます。そのほかには、大型のタンカーが入る水道で七百メートル以下のところは恐らくなかろうと考えます。
#116
○石田(幸)委員 港湾局長さん、だから私は申し上げたわけですよ。四十七年度の契約のときにこういう問題を検討しなかったので結局既定事実が一つできちゃって、それでもなおかつ危険な水道を通らなければならぬ。いま、海上保安庁の方では、四万五千トン以上のものは伊良湖水道を通過してからでは迂回はできないのじゃないかというようなことが出てくるわけでしょう。そうすると、きわめて危険な状況の中に無理やりに通そうとしているわけですよ。
 いまも申し上げたように、海難防止協会の最終安全策というものを報道機関によって見ますれば、一項目一項目全部裏返してみれば危険な要素があるからこそ特別な措置をしなければならぬというふうになっておるわけですよ。この問題は愛知県でもかなり紛糾している問題なんです。これは関係省庁の間では一体どこがメーンになって調整をしていくのですか。
#117
○竹内説明員 お話しの要点につきまして考えますと、県がこの譲渡をするときのいろいろの考え方について相当反省しなくちゃいかぬじゃないかという面が確かにあると私は思います。ただ、この問題につきまして、先ほど申し上げましたように、計画を練り直すという手続がございます。そのほかに、これはまだバースをつくってございませんから、バースをつくる手続もしなくちゃいかぬ。こういうことに関しましては、運輸省としてはタッチしていくわけでございますが、計画をつくる際につきましては、航路の安全の問題であるとか、あるいはバースの安全の問題等を十分考えまして、県と一緒になってこれの解決に当たりたいというふうに考えます。先ほど海上保安庁長官の方からも申し上げましたように、当然、海難防止協会の意見というふうなものも港湾の新しい計画に対する参考に強くしていきたいというふうに考えます。
 なお、航路の問題でございますけれども、航路の安全に対しても、航路の拡幅の問題等につきまして漁業者とも話し合いながら、できるだけ安全な航路にしていきたいというような方向で研究を進めていきたいというふうに思っております。
#118
○石田(幸)委員 まず、伊良湖水道の問題については、これは運輸省としてはもう一遍あそこを掘るということなんですが、この問題については本当に慎重に検討してもらいたいと思いますね。現実に事故が起きておるわけですからね。
 それから、海上保安庁の方になお要望しておきたいのですけれども、これは港湾のバースをつくるとかいろいろな問題があると思うのですけれども、海上の輸送安全を確保するためにこういうような海難防止協会等の最終安全策が出ているわけですが、一体これからどういう経過、審議を経て結論を出されるのか、いつごろこの問題についての結論を出そうと思っていらっしゃるのか、海上保安庁としてはこの点はいかがですか。
#119
○山本説明員 先生の御指摘の伊勢湾海難防止協会の結論というのは、現在まだ正式に出ておりません。報告されておりません。その報告を正式に見ました時点で、先刻長官が申し上げましたとおり、海上保安庁も含め十分検討してまいりたい、そのように考えております。
#120
○石田(幸)委員 そんなことでは答弁にならぬのであって、そんなことを言うていたんじゃ話にならぬ。伊勢湾におけるタンカーの海難発生件数というのは毎年、多いときで十件、少ないときで四件、六、七件から八件、九件というふうにあるわけです。そういうふうにタンカーによるところの海難の発生件数というのはたくさんあるわけでありまして、とにかく、いま報道されているようなことについてもう一遍――あなたの方は結論を得ていないと言いますけれども、現実にそういうことが世間に報道機関を通して発表されておるわけだから、それを私は知りませんじゃだめなんですよ。六月十一日に発表になっているわけなんだから、これは最終結論なのかどうなのか、そういう問題もきちんと問い合わせをして、そしていつごろまでにこの問題については検討して結論を出さなければならぬというようなめどくらい出さなければ、これは話にも何もならぬじゃないですか。周辺の住民としても、そういうような海上保安庁の姿勢がはっきりしない限りにおいては議論も何も進みやしませんよ。
 そういった意味で私は申し上げているのですが、これは一体どういう審議経過を経て、いつごろ結論を出すというつもりなんですか。
#121
○山本説明員 私ども、伊勢湾海難防止協会とは緊密に連絡をとっております。したがいまして、新聞報道はやや早まっております。これは先刻申し上げたとおり、結論が出ましたら、なるべく早く海上保安庁としての態度を決定いたしたいと思います。
#122
○石田(幸)委員 それじゃ、その問題はそれだけにしておきましょう。
 長官、この問題については一つ一つが問題ですから、真剣にお願いをしたいと思うのです。
 最後に、建設省に伺いますが、名古屋港の中に名古屋の流通センター総合団地ができるということになっておるわけなんですね。そういうことで建設省としては認可になって進めているわけですが、これは運輸省との打ち合わせ等はどうなっているかということなんです。
 結局、ここら辺に流通センターをつくってみましても、名古屋港を横断する環状二号線の計画があるのですけれども、この橋をつくらないことには流通センターというものは全く機能をしないという心配があるわけです。だから、流通センターだけつくってみても流通の効果というものがきわめて限定される状況にあると思うのですけれども、そういった意味におきまして、この橋の建設計画はどうなっているのか、あるいは運輸省と建設省との打ち合わせば十分にできているのかどうか、この点だけお答えをいただきたい。
#123
○浅井説明員 お答えいたします。
 御指摘の計画は名古屋環状二号線の海上部の計画ということで、私どもでは昭和四十四年から調査を進めてまいってきておるわけでございます。これは海路の横断三カ所を含めまして七・六キロの計画になっておりまして、計画の中身といたしましては、沈埋トンネルの案、橋の案等いろいろ検討いたしましたが、現時点では長大橋を三本かけて渡るという計画になっております。
 現在、橋の高さの点とか港湾の各種機能との調整を図るためのいろいろな調査を、特別専門委員会を設置しまして、運輸省とも連絡をとりながら内容を固めてまいってきておるわけでございます。
 ただ、いずれにしても大規模の計画でございまして、恐らく三千億がらみの金が全体でかかるのではないかと思いますし、工期にいたしましても、調査に両三年、それから工事期間は大体八年ぐらいは通常のペースで考えてもかかるのじゃないかと思います。しかも、この大規模の工事につきましては、御承知のような資金面の隘路が現時点でございまして、なかなか着工に踏み切れないような状況にございます。
 これは国道三百二号線として一応昨年秋に認定した路線の一部でございまして、建設省としてはいずれやるつもりでおりますが、現時点でいつごろ着工していつごろまでにできるかというめどはちょっとできかねる状況でございますので、御了承いただきたいと思います。
#124
○石田(幸)委員 終わります。
#125
○木部委員長 本日は、これにて散会いたします。
    午後三時六分散会
ソース: 国立国会図書館
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