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#1
第075回国会 商工委員会 第9号
昭和五十年三月十八日(火曜日)
    午前十時三十四分開議
 出席委員
   委員長 山村新治郎君
   理事 塩川正十郎君 理事 田中 六助君
   理事 萩原 幸雄君 理事 前田治一郎君
   理事 佐野  進君 理事 中村 重光君
   理事 神崎 敏雄君
      天野 公義君   稲村佐近四郎君
      内田 常雄君    浦野 幸男君
      小川 平二君    越智 伊平君
      越智 通雄君    片岡 清一君
      近藤 鉄雄君    塩崎  潤君
      橋口  隆君    八田 貞義君
      林  大幹君    深谷 隆司君
      三塚  博君    森下 元晴君
      板川 正吾君    岡田 哲児君
      加藤 清政君    加藤 清二君
      勝澤 芳雄君    上坂  昇君
      渡辺 三郎君    野間 友一君
      近江巳記夫君    松尾 信人君
      玉置 一徳君    宮田 早苗君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  河本 敏夫君
 出席政府委員
        通商産業政務次
        官       渡部 恒三君
        通商産業大臣官
        房審議官    大薗 英夫君
        通商産業省立地
        公害局長    佐藤淳一郎君
        通商産業省基礎
        産業局長    矢野俊比古君
        資源エネルギー
        庁長官     増田  実君
        資源エネルギー
        庁石油部長   左近友三郎君
        資源エネルギー
        庁公益事業部長 大永 勇作君
        中小企業庁長官 斎藤 太一君
        消防庁次長   森岡  敞君
 委員外の出席者
        海上保安庁警備
        救難部長    山本 了三君
        労働省労働基準
        局安全衛生部安
        全課長     野原 石松君
        消防庁予防課長 永瀬  章君
        商工委員会調査
        室長      藤沼 六郎君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月十八日
 辞任         補欠選任
  粕谷  茂君     越智 伊平君
  田中 栄一君     三塚  博君
  深谷 隆司君     片岡 清一君
  山崎  拓君     林  大幹君
同日
 辞任          補欠選任
  越智 伊平君     粕谷  茂君
  片岡 清一君     深谷 隆司君
  林  大幹君     山崎  拓君
  三塚  博君     田中 栄一君
    ―――――――――――――
三月十七日
 商品取引所法の一部を改正する法律案(内閣提
 出第五三号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 高圧ガス取締法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第三二号)
 石油開発公団法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第四三号)
 中小企業近代化促進法の一部を改正する法律案
 (内閣提出第四五号)
     ――――◇―――――
#2
○山村委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、高圧ガス取締法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐野進君。
#3
○佐野(進)委員 きょうは法案審議ですから、大臣の出席を求めて質問をしたいと、こう思っておったのですが、諸般の事情により大臣のいないところで質問するわけで、政務次官に質問せざるを得ないわけでございますので、政務次官ひとつ十分その辺の事情を踏まえた上で答弁をお願いしたいと思います。
 そこで、まず最初に、この高圧ガス取締法の一部を改正する法律案が提案されておるわけでありまするが、これは四十年に改正され、さらにまたその後、液化ガスの保安確保に関する法律等々、高圧ガスに対する関心は、その事故発生をはじめ、各種のエネルギー問題の中において、その利用度が高まるにつれて関心が高まってきておることは、私がいまさら申し上げるまでもないわけであります。特に今日の情勢は、それ以上に、コンビナートにおける事故の続発、さらにまた輸送経過の中においての事故の発生等により、いわゆる石油化学全般に対しても保安、事故防止、こういう方面に対して積極的に取り組みを要望する声が高まっておるわけであります。
 そういう意味におきまして、今回提案された高圧ガス取締法の一部を改正するこの趣旨については、私は基本的に賛意を表するものであります。しかしながら、この法案の内容全体を見まするに、なお幾多の欠陥を指摘せざるを得ない点等が多々見受けられるわけでございまするが、まず最初に通産大臣に質問をしたいと思っておったわけですが、先ほど来の事情で大臣まだ御出席でございませんので、政務次官にこの法律案提出に至る基本的な考え方について一点お伺いをしておきたいと思います。
#4
○渡部政府委員 ただいま佐野先生から御質問をいただいたのでありますが、住民の安全、これは何といっても私どもの基本的な精神でありますし、それが御承知のように工場等が時代か進むにつれてどんどんできておりますと、そのための事故が頻発するということで、これは何よりも住民の安全ということでこの法律が準備され、先生おっしゃるようにまだまだいろいろ一つ一つの問題を取り上げますと御批判を受ける点があるかもしれませんが、とにかく一日も早くこの法律を制定して、少しでも住民の不安を取り除きたい、そういうことで、いままでの客観的な条件の中で許される範囲でできるだけ知恵をしぼって、安全強化のための指導監督、教育等を強化するためにこの法律をつくったわけでありますので、何とぞ先生方の慎重なる御審議をお願いいたします。
#5
○佐野(進)委員 それでは、具体的な問題について質問をしてみたいと思うわけであります。
 この法律案の提案趣旨の説明にもありますとおり、今日の情勢に対応して事業所における保安管理組織を強化するということから、保安の確保のための自主保安の一層の推進を図ることが必要であるということが強調されておるわけでございまするか、私はまず第一に局長に質問をしてみたいと思うわけであります。
 その一つは、化学工場等、高圧ガス事業所における保安対策について質問をしてみたいと思いますが、安全第一主義が会社の全従業員に徹底しているかどうかという問題であります。この前、出光のコンビナートにおけるところの火災事故が発生した直後、私は現地調査に、商工委員会の調査団という形で参加いたしたわけでありまするけれども、その中で強く感じたことは、一つの操作ということが、一人の人の操作ということが、勘違い、自己の判断と全く別の行為において全く逆の結果、いわゆる安全が不安全の状況に変化することを目の当たりに見たのであります。と申し上げますことは、電気を消すということを、電気をつけるという、スイッチの入れかえという状況の中においてその現実に遭ったわけでありまするが、いわゆる保安の確保という問題の第一は、全会社、従業員を挙げて一致した一つの方針の中で十分徹底した対策がとられるということ以外に、その方法がいかに機械化という形の中において処理をされようとしてもその実効を上げることは不可能であるということは、いままでの事故発生という形の中において幾多の事例が出ておるわけでありますが、この法案を提案するに際して、そのまず第一に、それに携わる人たちの保安の確保ということに対してどのような配慮をしておるのか、局長のひとつ答弁を求めたいと思うわけであります。
#6
○佐藤(淳)政府委員 四十八年から四十九年にかけて、コンビナートにおきますところの化学工場の連続事故の原因をいろいろ分析してみました結果、いろいろ御指摘を受けておりますけれども、その中の非常に大きい問題といたしまして、先生め御指摘のように従業員の誤操作の問題が強く指摘されております。しかも、非常な設備産業でございまして、装置一つ誤りますとああいうような大きな事故につながりますので、この問題をいかに改善し、徹底的に絶滅をしていくかということが審議会におきましても非常に論争の的になったわけでございます。
 したがいまして、この点はわれわれも今回の法律を制定するに当たっての最も基本的な問題として認識いたしているわけでございまして、法案の中にもまず第一に従業員一人一人が保安意識に徹底するというような体制を織り込んでいきたいということでございまして、その一つといたしましては、上は工場長から下は末端の従業員に至るまで保安教育を十分に重ねていくということを保安教育の改善という体制の中に織り込んでいきたいと考えておるわけでございます。
 それから、いろいろ注意してやっておりましても、やはり災害というものはある程度やむを得ず起きる場合も想定せざるを得ませんので、そういうことになった場合の危害予防規程を従来にも増して相当強化いたしまして、しかも日進月歩の産業でございますから、こういう技術革新を十分に織り込んだ形での危害予防規程の制定という意味から、第三者のチェックを十分受けさせるという仕組みも考えておるわけでございます。この辺の両面をあわせまして、上は経営者のトップから末端に至るまで先生御指摘の精神を十分に企業の中に入れてまいりたい、こう考えております。
#7
○佐野(進)委員 この高圧ガスの取り締まりに関しては、国際的な標語として、安全第一、品質第二、生産第三、こういうようなことが言われておるわけでありまするけれども、しかし実際上の各企業の内容をそれぞれ分析いたしますると、高圧ガスそのものに対する事故は、幸いと申しましょうか、コンビナートの状況の中においても比較的安全性が保たれておりまするが、しかしこのガスの事故がもし石油タンクと同じような状況の中で発生したとするならば、これははかり知れざる災害を石油タンクの比でない状況の中において発生する可能性を持つわけであります。したがって、そういう面におきましては、特にこの国際的な標語にマッチした形におけるところの処理というか取り扱いというか、そういう点について積極的な指導、いわゆる法律に基づくところの行政指導というものが強化されていかなければならなかった。しかし、現実の問題としてはなかなかそこまでいっていないという状況であったと思うのであります。
 そこで、私は、その原因の一つの中でこの種化学コンビナートがつくり上げられる経過の中において、地域の都市あるいはその地域にある資本、こういうものが、この安全性ということよりも企業を誘致する形の中においてその地域の発展を図ろうとすることに目を向け過ぎた面におけるところの条件が存在したと思うのでありまするが、これら地域におけるところのいわゆるコンビナートだけでなく、その地域全体に対する安全性あるいは環境破壊を防ぐ、こういう面におけるところの取り扱いについてはどのような考えを持って今後対処していこうとするのか、この点について局長の答弁を求めます。
#8
○佐藤(淳)政府委員 高圧ガスの関係の産業といいますのは、非常に大型でもございますし、しかもこの産業の性質上コンビナートの形を形成いたすわけでございまして、その意味におきましては、地域に対しまして、保安の面あるいは雇用の面、あるいは経済面に及ぼす影響は非常に大きくなってまいっておるわけでございます。そういう意味から、やはり地域との協調、融和なくしては、この産業の安全なしかも円滑な発展というのは期せられないわけでございます。ただ、この産業の歴史というのは、まだ十四、五年の非常に浅い年月しかたっておりませんので、企業のあり方にしましてもわれわれの監督の体制にいたしましてもいろいろ不十分な点がいまだ多々あったわけでございまして、その辺をいかに確立していくかということがいろいろ問題になっておるわけでございます。
 それで、特にいま先生が御指摘になりました地域との協調の一つの問題点といたしまして、環境を破壊しないようにやってもらうということでございますが、これにつきましては、立地の問題から、特にコンビナート地域の立地につきましては、昨年国会におきまして工場立地法というものを制定していただきまして、この中におきまして、特にこういう集合地帯の地域の工場立地につきましては、十分に緑地帯を置くとかいうことの整合性のある工場のレイアウトを考えつつ、もちろん大気汚染とか水質汚濁等につきますところの排出基準については十分に守らせるということを頭に置きながらいろいろ施策としてやっておるわけでございます。
 そういうことで、公害の問題につきましてはいろいろ配慮いたしておりますが、さらに保安の問題につきましては、特に一たび事故が起きますと、地域住民に非常に不安を与える要因がいろいろございますので、この辺につきましては今度の法律改正の中におきまして、設備面あるいは教育の面等々、いろいろ一昨年来の事故を教訓といたしまして盛り込んだわけでございますけれども、一方われわれ国といたしまして、監督する体制といたしましても、十分にこの新しい情勢を踏まえまして、都道府県の関係者ともどもこの問題につきまして懸命の努力を重ねていくつもりでございます。
#9
○佐野(進)委員 そこで、法律がそういう方向で改正されるわけでありますから、当局として積極的に対応してくれるということについてはそれを信用してみたいと思うわけでありますが、しかし企業そのものは本来高度成長の中で急激に発展をしていった企業でありますから、企業間における競争ないし利潤追求、こういうような面からいたしまして、この持つ特質としていわゆる生産第一主義、多少の危険性を残してもより多くをもうけたいというような形における本能的な企業の姿をいろいろの面でわれわれは見ることができるわけであります。
 具体的な例を申し上げれば、水島のコンビナートの事故発生の原因を探求するに、不確定なる要素に基づく建設をその資料に基づいて進めてあのような大災害を起こした、こういうような点もあるわけでありますが、そういう点をいまここで一つ一つ具体的に申し上げる時間もありませんので省略をいたしますが、この種企業間における競争が、本来一体化した形の中において保安を守らなければならぬその状況に格差を発生せしめる。特にその中においては企業秘密を守るというような名目のもとに、保安作業要領等の具体的な部分についてはそれぞれの企業か非公開にしている、あるいは事故が発生した直後、その事故発生の調査をしたりあるいはそれに対する具体的な対策をしようとする部外者の参入というか立ち入りを防ぐ、この種状況が幾多見られるわけでありますが、この法律が改正された後、これらの面に対してどのような措置をとらんとしておるか、ひとつ答弁をしていただきたいと思うのであります。
#10
○佐藤(淳)政府委員 この産業はとにかく戦後に新しく生まれた産業でございまして、しかも海外からの技術を導入して発展してきたという経緯もございますので、ほかの産業に比べますと特段と海外の技術導入が多いわけでございます。そういう意味では確かにそのノーハウ等につきましてのいわゆる企業秘密的なものが十分に入っておるということはこの産業の特性であることは事実でございますが、われわれは生産の問題はともかくといたしましても、保安の問題につきましては企業秘密はあってはならないということを強く指導してまいっておるわけでございます。実は一昨年事故が続出いたしました場合も、われわれといたしましては事故調査委員会というもので学識経験者を入れましていろいろ検討いたしましたが、その際にも企業の持っております保安関係の資料は一切出させまして公開のもとにいろいろ議論いたしましたし、それからその原因につきましてはほかのコンビナート地区にも参考になりますように全部公開いたしております。したがいまして、この問題につきましては、企業秘密を越えて今後とも保安問題につきましては検討していくという態度を強く求めていきたいと思いますし、企業側もそういう覚悟で必ずついてまいるというふうに確信いたしておるわけでございます。特にこういう大型のコンビナートの保安問題につきましては非常に多角的な検討を要する問題が多いわけでございますし、しかも関係行政官庁が非常に多岐にわたるという問題でもございますので、特段とそういう企業秘密の壁を排除しなければ本来の目的が達し得ないという気持ちもわれわれは十分に持っておりますので、先生の御指摘の方向に沿って対処してまいるつもりでございます。
#11
○佐野(進)委員 それでは、この面について、消防庁から出席があるようでございますので質問をしてみたいと思うわけでございますが、いわゆる企業秘密を初めとする幾多のコンビナートの問題について課題が残されておると思うのです。いま立地公害局長からお話がありましたとおり、各省間にわたる問題があって、この種問題に対してはきわめて不適切な処置、とまでは言わなかったわけでございますが、われわれから見るとそのような状況が必然的にある状況の中で保安の確保を図っていかなければならない、こういうことが言われておるわけでありますが、石油タンクは消防庁、高圧ガスタンクは通産省、こういうような形の中で、しかも同じ敷地の中に並存されている、こういう状況の中だおいて保安を確保するということについて消防当局はいささかも矛盾を感ずることがないかどうか、この点見解を明らかにしていただきたいと思うのであります。
#12
○永瀬説明員 先生御指摘のように大型のコンビナート施設の中におきますと、消防法の規制の対象あるいは高圧ガスの規制の対象、その他劇物毒物等の他の法令の規制対象等々が絡んでいることは事実でございます。その中におきまして、御指摘のごとく石油タンクにつきましては消防法の対象でございますし、高圧ガスタンクにつきましては通産省の方の高圧ガス取締法の対象でございますが、この間におきましてそれぞれの安全性の確保という点についての考え方、外的に見ますと多少の差があるように見えるわけでございますが、石油が持っております危険性というものと高圧ガス施設が持っております危険性、これはある程度本質的に違う面がございますので、それぞれの危険性を排除する形におきましての安全の確保ということが当然必要になってまいります。この場合の災害の様態も、高圧ガスの場合には爆発という形態、これがまず第一に考えられなければならない事故の形態かと思いますが、その間においてやはり同じような安全性を確保するという考え方に立った措置が必要でございます。でございますけれども、現段階においてこの考え方の間に全然そごがないのかという点になりますと、多少の観点の相違と申しますか、また後処置の方法の相違がございます関係上多少の相違はございますが、一般的に申し上げますと、大体両方の考え方がマッチしているという感じではおります。(「何を言っているんだかわからない」と呼ぶ者あり)
#13
○佐野(進)委員 だから、いまの答弁を聞いていると、結局不十分だということの一音に尽きるんじゃないか、こう思うわけです。役所の立場から答弁するんだからうまく言おうと思うと、何を言っているんだかわからないといういまのような不規則発言になると思うのです。しかし、いずれにせよ、この法案を審議する経過の中でコンビナートの事故多発が予想され、特に保安の確保を考えながら実質的な問題としてこれで絶対大丈夫だとなかなか言えない状況の中において、そういうような不安感を私は持つわけであります。
 そこで、立地公害局長に聞いてみたいと思うのですが、この事故を防ぐ一番大きな条件は、もちろんいまあなたが説明されているようにこの法律によって一層の行政指導ないし法律的規制を強める形の中においてその措置を講ずるということが一つの考えですが、やはり企業における責任の帰結が常に不明確であるというところから、冒頭私が質問したように、いわゆる安全第一か、生産第一かというようなことにまで結びついていこうと思うのであります。今日事故が発生した、その責任がどこまで及ぶのか。当然、事故は主として現地です、本社ではありません。したがって、現地における取扱者にその責任がしわ寄せされて、その保安管理全般に対する総合的な責任を負うべき本社の最高責任者にはその責任は全然及ばないということは、何といっても社会的に非常に大きな影響を与えるこの種事故に対して安易な取り組みを繰り返すという企業の体質が露呈されていっているのではないか、こう思うわけであります。したがって、企業責任を追及する場合において、そのトップに対してその責任が波及することは当然であろうと思うのでありまするが、その責任追及についてどのようにお考えになっておられるか、この点をひとつ明らかにしていただきたいと思うのであります。
#14
○佐藤(淳)政府委員 今回の法律改正によりまして、保安管理組織の抜本的強化を義務づけることにいたしたわけでございます。ただ、この法律の仕組みが、保安管理の問題でございますので、対象といたしましては工場ごとの保安管理ということに、法律の体系はなっておるわけでございます。
 それで、そういう法律の規制のたてまえに関連いたしますと、製造の事業を開始する場合には、会社に許可を与えるということではございませんで、都道府県知事がその所管にかかわりまする地域にございます事業所に与えるということにしておるわけでございます。したがいまして、工場ごとに保安管理の組織を設けるというたてまえになっておりますので、責任体制についても、上は工場長から下は従業員に至るというような仕組みに一応はなっておるわけでございます。
 ただ、その現場の工場におきますところの責任体制、これにつきましては現行法律では保安につきましては作業主任者を一ないし二名置けばいいという程度でございましたが、工場一つとってみても責任体制が必ずしも十分でないということで、今度は工場長を最高責任者にしようということで、その点については責任体制を十分にとらせるように変えたわけでございます。
 ただ、先生御指摘のように、しからば社長自体の企業責任はどうするのかという問題は確かに一つ残るわけでございます。これはこの法律のたてまえとしてそういう仕組みでございますので、なかなか社長そのものの法律的な責任を追及するという形にはなりませんけれども、一たびこれが事故につながりますと、大体において相当の規模でなくとも操業を相当長期間にわたって中止しなければならないという問題になるわけでございまして、これは生産中止というものはその会社にとって相当のダメージでございまして、その面からの社長の責任というのは当然追及されるわけでございまして、それから社会的の責任も当然免れないというふうにわれわれ考えております。
 そういうことも踏まえまして、実は四十八年の十月、それからことしの二月の二回にわたりまして、通産大臣が関係コンビナートの社長を呼びまして、厳しく社長の保安に対する責任の認識を深めるよう強い指示をいたしておりますが、われわれといたしましてはそういう観点で、社長といえどもこの問題の責任は、法的にはございませんけれども、いろいろな意味の責任はあり得るもの、こういうふうに考えておるわけでございます。
#15
○佐野(進)委員 政務次官、いま立地公害局長に質問したわけです。私は立地公害局長の答弁の中にちょっと気に入らないことが幾つかあるのですが、これをやっていると時間がなくなりますから、ちょっと気に入らないところだからそれを素通りするとして、あなたにお伺いしたいのですが、結局、消防庁あるいは通産省その他いろいろな関係において、この法律が改正されようとするその置かれている客観的な情勢の中で、企業責任を追及する、企業責任を追及する中で保安の確保を図らせる、そして事故の発生を防ぐ、こういうことが一つの流れとしてあるわけですね。
 そうすると、ぼくがいま質問していることは、その中で事故が起きた、結局現場の責任者、担当者が責任を負って、そのあとは全然知らない顔だ。発生した事故は、発生させたその人たちだけの問題でなくて、その影響は付近住民から、この前の水島のような場合においては相当広範囲な地域に対して被害を発生させるのですね。その発生させた責任は、その現場における取扱責任者だけであって、社長は社会的な責任を追及されるのだろうなんということは、これは少なくとも法律を改正しあるいはこれからそれを運用し、行政指導をしようとする者の立場としては、きわめて弱い表現であろうと思うのです。そこで、政務次官という立場におけるあなたが、この種事故が発生した場合において企業の責任を厳しく追及する、少なくとも現場責任者でなくて今度は工場長だというのですが、工場長も現場責任者ですよ、いわゆるトップの段階にまで責任を追及するような、そういう行政指導を含めた強力な姿勢を示す、そのことによって全社、全従業員が一致して事故を防ごうとする、そういう気持ちにまでなるのじゃないかと思うのですが、そういうことについて指導する気持ちがあるかどうか、法律の運用に当たってどう対処するか、見解を聞きたいと思うのです。
#16
○渡部政府委員 先ほど佐野委員より、今日の時代では何といっても安全第一、品質第二、生産第三というお話がありましたが、社会的な方向がそのように進んでおることは間違いがありません。そういう点で、事故を起こした場合の企業の責任というものが、一現場の者の責任だけで社会的に相済むというようなものでないことは当然のことであります。ただ、法律的な責任を負わせていく場合、これは法律上いろいろな問題があって、この法律にはそこまで明記することができなかった等の事情も御了承を願いたいのでありますが、法律で責任が明記されてないから責任がないなどという考えが今日通用するはずのものでもありませんし、あの三菱石油の水島の事故が起こって、これは現場の責任者の責任であって社長に責任がないとか企業に責任がないなどと考えておる者はだれ一人もないのでありますから、私どももそういう先生の考え方と同じ考えで、強力な行政指導を進めてまいりたいと思います。
#17
○佐野(進)委員 そこで、消防庁にもう一回聞きたいのですが、いまの問題に関連して、たとえば水島の事故が発生して、いま大変問題になっている。そうした場合、あなたの方ではその事故の責任追及にまで取り組んでおろうと思うわけですが、原因と結果、結果に基づいて責任、こういうことが出てくると思うのですが、私は時間がないのは大変残念だし、また時期を改めてやろうと思うのですが、水島の事故の原因は、タンクの亀裂か、基底部の壊れたのか一あるいははしごが壊れたのか、いろいろ条件があろうと思うのです。ただ私は、いまここでそれらの点について追及すれば、それだけで時間をとられてしまいますから追及はいたしませんが、ただこういうことが言われていることが大変私は解せないのですが、水島のタンクが壊れて油が流れた。結局、壊れた原因には、上部のタンクをつくった会社と基底部をつくった会社と二つある。その基底部をつくった会社と上部のタンクをつくった会社のその二つの責任、どちらのウェートが高くなるのかどうかということが重要な問題になってこようと思うのです、あえて私は会社の名前は言いませんが。そうしたとき、三菱石油はこの基底部をつくった会社の株を大量に売却して、その大量に売却する中において補償金に充当するというようなことがこれは新聞だからわからない。私は調査していませんが、あなたは基底部をつくった会社、わかりますね。特許に基づくところのあれによって請負をしているわけですね、日本じゅう相当多くの場合。それが事故発生までに幾つかの経過があったわけです。これがこのまま放置される。会社は株を売ればいいでしょう。しかし、責任という形になると、損害を受けた人たちに補償すればいいというだけの問題じゃなくて、発生せしめたというところのやはり責任を追及していかなければならぬが、企業はその企業の立場を守るためにそれぞれの処置をとる。消防庁はこれらについてまだその原因等は調査をしておりますということだけれども、責任追及について具体的な対策を何らお立てになっておらない。これでは幾らこういう法律ができて、いま通産政務次官が答弁したということになったって何にもならないと思うのですがね。私はきょうはその問題が主ではないからあえて固有名は言いませんけれども、そういう点について責任追及という措置をどのようにおとりになっておるか、簡単で結構ですから、ひとつ御見解を示してください。
#18
○永瀬説明員 先生お尋ねの水島の事故につきましては、御指摘のごとく現在原因の調査中でございまして、上物と下物との相関関係、これはいずれ明らかになってくると思いますが、基礎をつくりました会社、この上に全般をコントロールいたしますところの総括の元請の会社もございますが、御指摘のようにやはり現在の消防法のたてまえでは責任追及の形がはっきりいたしておりません。設置した者、三菱側だけが法令の上で表へ出ております。今後このような災害を単に設置した者だけの責任にかぶせて、その基本にありますところの工法あるいは施工の方法等についてほっておくわけにもいかないと思います。現在規制の形はございませんが、今後はその責任追及の方向について検討いたしてまいりたい、そしてはっきりさせたいという考え方であります。
#19
○佐野(進)委員 この点について立地公害局長。
#20
○佐藤(淳)政府委員 水島の石油タンクの亀裂の原因につきましては……
#21
○佐野(進)委員 いや、その問題はいいんだ。それじゃなくて、この種問題が起きたときの責任追及はどうかという点。
#22
○佐藤(淳)政府委員 かかる事故が起きた場合の責任の問題につきましては、当然その事故原因のつながる問題との絡みで決まると思いますけれども、今回の事例を一つとってみますと、若干その辺は工事の面と材質等の問題が絡んでおるようでございますので、簡単にどの辺の責任者につながるのかということは非常に問題としては複雑じゃないかというふうに考えておりますので、事故調査委員会の経緯を待ちましてわれわれとしても十分に勉強させていただきたいと思っております。
#23
○佐野(進)委員 この問題についてはまだ幾つか指摘しなければならぬ事項があるわけであります。時間の関係もございますので、一応締めくくりたいと思うのですが、この法律が改正される主たる一つの目的である保安の問題についての今日的課題である大規模なコンビナートの中における高圧ガスの施設等々については、いま質問を続けてきた私の考え方というものもその運用に当たって十分配慮の上ひとつ取り組んでもらいたいということを要望しておきたいと思います。
 そこで、私は次の質問に入りたいと思うのでありまするが、もう一つのこの法律の改正の問題点としてのLPガス、一般家庭に供給されるガスの保安対策の問題について質問をしてみたいと思うのであります。
 私は、ガス事業法の一部改正の審議のときもあるいはまた液化ガスの保安に関する法律の審議の際も、この一般消費者に対する保安の知識の普及、取扱者の知識の徹底というか、その取り扱い条項に対する理解を深めるための措置、この中で発生する事故を防がなければならないという角度で実は長時間にわたって、審議をした経験を持っておるわけであります。その後の経過の中においても、それらの状態の中において審議した状態と今日いささかも、と言うと言い過ぎでありますから言いませんけれども、相当時間がたっているにもかかわらず、なお改良の点については不満足であるという言葉を言わざるを得ないことは大変残念だと思うのであります。と申しますることは、新聞を見ると、LPGの爆発によって家が飛んだとか何人負傷したとか、こういうことが連日とまでは言いませんが、相当の数で報道がされておるわけであります。そして、この事故の原因を探求してまいりますると、結果的に取扱者の責任であるということよりも消費者の知識が欠如している、こういう状況の中でそういう事故が発生したということを原因探求の中において私どもが見ることができるわけであります。しかし、消費者の取り扱いが不十分であるから事故が起きた、だから消費者が悪いんだということでは、国の行政としての責任は果たされない、こう考えるわけでありまするが、今日これらに対してどのような処置をとっておるのか、事故発生件数は例年どの程度の伸縮があるのか、簡単で結構ですから、この際ひとつ明らかにしていただきたいと思うのです。
#24
○佐藤(淳)政府委員 まず、事故の発生件数でございますが、一般家庭の事故発生件数は、四十六年が二百十七件、四十七年が二百九十九件、四十八年が三百六十八件ということになっております。それで、この事故原因でございますが、いろいろ都道府県からの報告によりますと、先生御指摘のように八〇%以上が消費者の不注意ということになっておりますが、問題は不注意ということで済まされない問題でございますので、やはり末端の保安をいかに確保するかということが一番大きな問題点であろうかとわれわれ思いまして、今回の法律改正あるいは予算面におきましても一般のユーザーの方々が事故を起こさないために、設備面あるいは工事面あるいは監督面あるいは消費者の啓蒙の問題等々につきまして、都道府県並びに高圧ガス保安協会等々の関係者を総動員いたしましてこの問題については積極的に取り組んでまいりたい、こう考えております。
#25
○佐野(進)委員 局長、だからそういうことはもうわかっているんだよ。この法律、積極的に積極的にと言うだけじゃだめなんだよね。もう何回も、私がさっき一番最初に質問したように、長時間にわたってこの問題を審議しての経過はわかっているわけだ。だから、そこで何が原因かということになると、消費者の取り扱いが不徹底だということで事故が発生している。器具の面においてもそれぞれ器具の取り扱いについて十分知識がないことによってそういうものが起こっているということが私は一番大きな――業者の取り扱いが不十分だということもあるけれども、そういうことになっている。そうすると、そういうLPGの本質とその本質に基づく取り扱いというものを十分消費者に理解させる行為が一番大切なことじゃないかということになってくるわけですよ。一体通産当局は、消防庁を含めてでも結構ですが、どの程度の予算でこの消費者に対するPR不足に向けてPRをしておるのですか、消防庁もひとつ一緒に答えてください。
#26
○佐藤(淳)政府委員 消費者に対します啓蒙のための予算といたしましては、四十九年度は五百万でございますが、五十年度は五千五百万程度を考えております。
 それから一消費者啓蒙の中身といたしましては、確かに都市ガスと違ったガスの特性を持っておりまして、この特性を十分に知らしめるということがまず初歩的な非常に大事な問題でございますので、来年度はこの予算を使いましてテレビ、ラジオ、新聞等を活用いたしまして一般ユーザーにPRしたいと考えておりますが、これにとどまりませず、関係業界とも協力いたしまして学校の教育用の副読本にこれを採用していただく、それかも学校等に壁新聞を張っていただくとか、それからポスターを張っていただくということで、これは児童生徒にも子供のときからこの観念を植えつけていただくということにも積極的に取り組んでまいりたいということを考えております。
 それから、何といいましても都市ガスと違った、空気より重いとかいう特性がございますから、これに着目した、やはり特性に応じた何か機器の開発、あるいはにおいをつけるとか色をつけるとかということを考えていかなくちゃならないということで、高圧ガス保安協会の中に消費者保安センターを置きまして、さらに来年は神奈川県に付属研究所を設置いたしまして、この中で先ほど言いました着色それから着臭それから地震が起きた場合の対策等々の具体的な問題を処理してまいる、こういうつもりでございます。
#27
○永瀬説明員 消防庁といたしましては、消防法によりますところの火災予防というのが市町村の責務になっておりますので、直接的な予算につきましては交付税の中の一部としての算定以外計算的には出てまいりませんが、何しろ現在火災によりますところの死者の防止というのが一つの大きな問題でございまして、これに絡みましてのプロパンの事故によりますところの死者防止あるいはプロパン事故の発生防止については、たびたび通達等で徹底を図っておりますが、特に春、秋の火災予防運動のときの一つのテーマにはできるだけ取り上げるように通達等で指導いたしております。
 なお、それ以外に、私ども消防庁といたしまして、地震対策のテレビのスポット予算を持っておりまして、毎週土曜日、日曜日の午前、十分程度でございますが、連続した番組を持っております。この中で、火災予防の一環としてプロパンを数回実は取り上げております。来年におきましてもそれがお認めいただけるような形でございますので、この中に引き続き一般火災予防とあわせてプロパンの事故防止を一般消費者を含めた国民に呼びかけていきたい、かように考えております。
#28
○佐野(進)委員 そこで、PRが一つの大きな問題でありますから、予算の金額は通産政務次官聞いてても大変少ないと思うので、これはひとつ後で要望したいと思いますが、お考えおき願いたいと思います。
 もう一つの問題は、やはり器具の問題があろうと思うのです。事故発生につながる問題として、器具の取り扱い、不適切な器具の供給等々、そういうことがあろうと思うのです。私はプロパン問題についてはいささか勉強させていただいておりますので、事故が起きるたびに胸の痛むような思いになるわけです。器具の取り扱いが単にホースをあけていたというだけでなくして、器具の欠陥が必然的にガス漏れを来して、その結果爆発を起こす。しかも、この爆発というものは、集団住宅等においてはその家庭だけではなくして、上の方へ上がるわけですから、全く知らないで寝ていて、自分の過失でないのに命を落とすような人も非常に多く出るわけです。この種事故は、まさに死んだ人については、何というか、災害これに過ぐるものはないと、こう思うわけでありまするが、そのことが器具の取り扱いの不徹底ないし欠陥器具等々によって発生したとするならば、その器具を供給した側においても、器具を取り扱わせた側においてもその責任は非常に大きいと思うわけであります。
 したがって、この点について私は二点質問をしてみたいと思うわけですが、一つはLPGに関係して、一つは都市ガスに関係して、公益事業部長来ておるようでございまするから聞いてみたいと思うわけでありまするが、LPGについては、その持つ特質性からいって、都市ガスと同じ配管、管をつなぐ、それを使っているということはまことに不適切ではないかと思うのです。しかも、時間が長くなるに従って、ひび割れ等がゴムというものには発生してくるわけです。その中で自然的に漏出が出てくるあるいは折り曲げる形の中においてそういう条件が発生していく、こういうことはもう都市ガスを長く利用している一般都市住民については常識化していて、そのことは案外においがわかるという形の中において事故を防ぎとめていることになる。ところが、プロパンはにおいがないわけでありまするから、結果的に大きな事故につながっていく、こういうことになるわけであります。
 そこで、立地公害局長にお尋ねをいたしたいのでありまするが、LPGの自動車のスタンド等は、供給するとき、私も見に行ったんですが、曲がらないんですね。タンクから自動車へ結びつける際、最っすぐに行って曲がることがないわけですね。したがって、破損というものが発生する確率が極端に少なくなっているわけですね。そういうような装置を各家庭のLPGについてつけざる限り、その種配管をせざる限りこれは利用できないということになれば事故は相当防げるのではないかと思うわけでありまするが、こういう指導をする気持ちがあるかどうかということが一つであります。
 もう一つは、公益事業部長にお尋ねをしたいのでありまするが、この前墨田区のあるアパートの一室において――いま東京瓦斯かいわゆる燃料の供給のカロリーといいますか、内容を変えましたね。かつては石炭であったけれども、今日は液化石油ガスを利用してこれを供給する、そういう形の中で不完全器具であるということで死亡したという新聞報道がなされている。その翌日は、それを不完全器具じゃなくて、取り扱いがまずかったのだということが言われておる。あるいはその後においては、さらにこれがまた不完全器具だというように転々とその見解が変わる報道がなされておるわけです。私ども商工委員会に所属する議員としては、この点について一体どれが本当なのかということについて非常に心を痛めながらその報道を見ておるわけでありまするが、その原因がどういうところにあったのか、事業部長として調査の結果をひとつこの際報告していただきたいと思うのであります。
#29
○佐藤(淳)政府委員 一般家庭におきます事故のガス漏れの中にゴム管のひび割れあるいは元栓から外れておったというような事故が相当多いことは確かでございます。それで、その対策といたしましては、確かに金属製ホースにかえるということは非常に有効な手段でございまして、聞くところによりますと、アメリカでも屋外に使用する場合を除きましてはゴムホースの使用は禁止されでおるやに聞いております。したがいまして、わが国におきましても、今後家庭におきましてもできるだけ金属製のホースにかえていくということを指導してまいりたいと思います。ただ一部、これは日本独特でございますけれども、すき焼きなべとかそれからガスストーブを使うとかいうことで、若干移動して使う場合が例外的にあるわけでございまして、この辺まで禁じられるかどうか、なかなか問題がございますけれども、しかしその場合であっても、ゴムホース自体がいままでどおりでいいというふうにはわれわれも認めておりませんので、仮にそういう場合に使うゴムにつきましては従来よりも肉厚を厚くするとか、ひび割れを起こさせないように品質を改善さしていきたいと考えております。
 それから、総じまして、今度LPガス業界にできます技術センターにおきましては、一般家庭のそういう細かいゴムホースや金属ホース等々も含めまして、どういう形が一番家庭の器具に密着して有効なのか、非常にきめの細かい検討もこの場でさせて、できるだけ一般家庭の問題を解決してまいりたい、こう考えております。
#30
○大永政府委員 先生御指摘の墨田区のケースでございますが、私もちょっと記憶が定かでないのでございますけれども、たしか比較的最近引っ越してきた人が調整漏れの器具、古い器具を使いまして事故になったのじゃないかというふうに記憶しておりますけれども、なお調査の上お答え申し上げたいと思います。
#31
○佐野(進)委員 これは公益事業部長、調査の上ということですから、私は当然調査してある、こう思ったのですが、やむを得ないでしょう。後でひとつ報告を求めたいと思います。
 そこで、時間が参りましたので最後の質問に入りたいと思うわけでありますが、この法律改正の中でいま一つ重要な柱は、保安行政の面、特に高圧ガス保安協会に対する補助ということか、あるいは政府出資によって、この高圧ガス取締法の中心的役割りを一層ひとつ強化していこうというところにこの法律改正の趣旨があるわけであります。そこで、私はそのこと自体に対しては賛成をするわけでありまするが、この保安協会と国及び都道府県の行政との結びつき、これはどういうような形になるのかということであります。この法律の説明そのものを見てまいりましても、結局保安行政については都道府県にその業務の重点が置かれるようにも考えられるわけでありますが、保安協会がその都道府県とどのような関連を持つ形の中でその任務を遂行しようとするのか、この点についてひとつ明らかにしていただきたいと思うわけです。
#32
○佐藤(淳)政府委員 高圧ガス保安協会と都道府県あるいは国との役割りの関係でございますが、国はもちろん法律を制定し、技術基準を制定いたしまして、これをもちまして都道府県が現場におきますところの工場の監督を実施するわけでございますが、この産業が他産業に比べて非常に高度の技術を要する産業でございまして、これの技術基準をつくり、あるいは自主的な保安を確保していく仕組みといたしましては、相当の高度の専門家によりますところの検討を要する面がございます。そういう面に着目いたしまして、自主的な検討をこの保安協会にいたさせまして、それでその中から国が必要だと思われるものを吸い上げる、あるいはまた国が必要と思われるものについて検討をさせるという場に活用している面が第一点でございます。
 それから、第二点といたしましては一非常に高度な技術の検討を要する面がございますので、都道府県の監督官に対しましていろいろ研修等はやっておりますけれども、やはり全国的なあるいは世界的な技術の目でこれをながめるチャンスも必要でございます。そういう問題につきまして、保安協会に高度の専門家をプールしておきまして、それで都道府県の監督とあわせまして随時遊動的に、機動的に現場をチェックさせるという仕組みにこの協会も使っております。
 それからさらに、いろいろ今度の法律の問題になっておりますところの危害予防規程の制定の際も、これも従来のような形式的なものじゃなくて、実践的に使えるものに組みかえたいと思っておりますが、その場合も、協会の専門スタッフによるチェックによりまして都道府県の知事の許可ということにつなげる仕組みにこれを使いたい等々の仕組みを協会の役割りとして考えておるわけでございます。
#33
○佐野(進)委員 まだ質問事項がたくさんありまするし、大臣にも聞きたいと思うことがたくさんあるわけでありますが、時間が来ましたので質問を終わりたいと思います。
 最後に、政務次官に、いま質問を続けてきた趣旨をひとつよく判断していただいて大臣にも伝えていただきたいし、この法律運用について万全を期していただきたいということを要望して、質問を終わります。
#34
○山村委員長 松尾信人君。
#35
○松尾委員 最初に、消防庁にお尋ねするわけでありますけれども、消防庁は、一万キロリットル以上のタンク二千六百九十七基と言われておりますけれども、その総点検をやった。
    〔委員長退席、塩川委員長代理着席〕都道府県に命じて総点検さして、その結果がまとまったわけでありますけれども、その結果、不等沈下のタンクも百基を超えておる。それでまた、タンク本体の改善を要するものも相当ある。付属物の補修も必要だ、防油堤も三百十八ぐらいのものはどうもまずいんじゃないか、悪い、消火設備も百三十七ぐらいはどうも不合格、合計七百三十五カ所に欠陥が発見された、このような集計の発表をしておるわけでありますけれども、特にその中で防油堤の欠陥三百十八カ所、このほとんどが亀裂である、こういうことでありますが、果たしてそれはどうかということですね。今回の水島事故におきましても、この防油堤というものが流出油の勢いで破壊されている、まあ役に立っていない、そうして大きく海洋汚染につながってきている、こういうことでありますので、その総点検の結果、どのような反省をし、どのように是正の措置をとってこられたか、これをまず聞いておきたいと思います。
#36
○森岡政府委員 一月に各地方公共団体の消防機関におきまして実施をいたしました緊急総点検の結果はいま御指摘がございましたとおりでございます。その中でタンクの本体につきましての不良個所でございますが、これは一件を除きましては若干油のにじみがあるかという程度のものでございまして、率直に申しましてそれほど致命的な欠陥とは見られないと考えております。防油堀につきまして亀裂のある個所が三百十八見られたわけでございますが、そのほとんどは表面に若干の亀裂が生じておるというものが多うございまして、根本的に向こう側まで突き抜けて亀裂しておるというふうなものは見られないという状況であろうと考えております。
 そこで、私どもがとりました措置でございますが、まずタンクの本体ないしは付属物に不良個所が認められたものにつきましては、その個所の補修是正を消防機関から企業に対しまして直ちに指示いたしております。それから、防油堀等に亀裂がありましたものにつきましても、コンクリート注入等によりましてその亀裂を補修是正するという措置を講ずることを指示いたしております。問題は不等沈下の著しいものに対する対策でございますが、不等沈下の沈下量とタンクの損傷につながる因果関係と申しますか、その辺につきましての評価がいろいろむずかしい面がございますが、総点検をいたしました結果、一応の目安を置きまして適切な措置をとりたいということで、私どもといたしましては、沈下量とタンクの直径との比率をとりまして、それが二百分の一を超えるものにつきましては不等沈下の状況が著しいという目安を置きまして、それにつきましては油を抜いて磁粉探傷その他の非破壊検査を徹底的に行うという措置を講ずるよう指示いたしております。油抜きクリーニングをいたしますのに若干の期間がかかりますので、すでに終了したものもありますればなお進行中のものもございますが、いずれにいたしましても、開放検査をいたしました結果、タンク底板その他に不良個所がありますればその補修是正を直ちに行うということで、そういう指示をいたしておりますので、現在、緊急点検に基づきます措置は着々と進んでおる、かように考えております。
#37
○松尾委員 当然、着々と進めておかないとどういう事故が続々と起こるかわからない、こういう心配を非常に持ちました。これはあるマスコミの調査でございますけれども、巨大なコンビナート、その地域を担当する自治体の消防署が仮に石油タンクが火災になった場合にどのような力があるかという調査でございます。これは四日市事故程度の火災が起きた場合、誘爆で大きな事故を起こさない消防力はあるかというテーマの調査であります。その質問に対しまして自信あり、このように答えたのは十一の消防当局のうち五つの消防局だけである。こういうことで現在の消防署の消防力、大コンビナートにおけるそのような防災体制というものが予算、人員いろいろな面でいま自信がない、誘爆を起こしたらお手上げだ、このようなことがこの調査の結果に出ておるわけでありますけれども、これはやはり大きな事故につながる前提になりますので、そういう点をあなたの方は知っておるのか、知っておるならばどのような対策を考えていくのか。答えは、予算がない、そしてそういう施設を速急につくるだけの余裕がない、こういう答えが大部分でありまして、自信ありというのも大した自信はないというようなことでありますが、この点いかがですか。
#38
○森岡政府委員 御承知のように市町村によりまして消防の体制に格差がございます。端的に申しますと、たとえば指定市のような大都市になりますと、人員あるいは器材、設備その他におきまして相当の力を持っておりますし、またこういうコンビナート地域の予防査察と申しますか、予防行政におきましても相当の技術職員を擁しております。しかし、小規模町村に参りますと、その点において相当の水準の低下は否めないと思います。そういう意味合いで、私どもはやはり全体といたしましてコンビナート地域の安全を確保いたしますためには、そういう弱小の市町村におきます消防力の拡充ということをぜひ充実してまいりたいと考えておるわけでございます。人員その他の経常的な経費につきましては、御承知のように地方交付税で措置いたしております。また、化学自動車その他の資器材につきましては国庫補助を行いましてその整備を進めておるわけでございます。これらの措置につきましては昭和五十年度におきましてもかなりの増額をいたしました。それらをフルに活用いたしまして、コンビナート地帯の防災対策を十分拡充してまいりたいと思います。
 いま一つの問題は、企業の各種の防災施設設備の充実の問題でございますが、現在消防法で一定の化学自動車その他の設置を義務づけておりますけれども、これはもっと根本的に企業の防災施設についての内容をレベルアップしていきたい、もっと強力な施設を持ってもらうように持っていきたい、かように考えます。
 第三は、市町村なり企業のほかに都道府県におきましても現在科学消防施設、特にあわ消火剤などの共同備蓄を進めておりますが、それにつきまして現在国庫補助制度もとっておりますので、それらも含めまして県、市町村、企業一体となった消防防災設備及び人員の増強を図ってまいりたい、かように考えております。
#39
○松尾委員 まず、企業自体の防災体制、それはおっしゃるとおり進めていかなくてはなりませんが、やはり事あるときには国としましてもこれは責任を持ってやるということになるわけでありますから、巨大コンビナートの所在するところの消防局、そういうものはまず重点的に整備する、五十年度で相当の予算を出して整備していく、この方向をとってもらいたい、このように思うわけです。これは要請にとどめておきましょう。
 それから、不等沈下についても先ほど言ったとおり調べていらっしゃるわけでありますけれども、そのときに高圧ガスの施設についてもあなたの方で若干調べたものがあるかどうかというのが一つ、それから通産省は四十八年十月に全国三千カ所の高圧ガス工場に対しまして抜き打ちの安全総点検をやっていらっしゃるが、その結果はどうだったか。高圧ガスの関係で消防庁が何かわかっておる点があればここで発表してもらいたい、通産省の抜き打ち検査についてその結果がどうであったか、特に不等沈下の問題もそこで調べてあるならば、その結果をあわせてここで報告してもらいたい、このように思います。
#40
○森岡政府委員 市町村の消防機関の中で、特に巨大なコンビナートのありますところにおきましては、石油タンクのほかに、同時に高圧ガス施設についても不等沈下の状況を調べたところがあるわけでございますが、私どもは消防法で所管いたしておりますのが石油施設でございますので、とりあえず二月中旬に報告を徴しましたのは石油タンク施設でございます。したがいまして、高圧ガス施設についての結果については、現段階ではまだ承知いたしておりません。
#41
○佐藤(淳)政府委員 高圧ガスにつきましては、通産省の所管でございますので、三月十五日を期限にいたしまして全国一斉点検の結果を集計中でございまして、いずれ集計いたしました後でまた御説明できるかと思います。
 それから、四十八年の時点で一斉点検をやったわけでございますが、その際タンクの不等沈下について調査したかどうかという御質問でございますが、実はこのときは相次ぐコンビナートの事故に火災とか爆発とかいう問題が非常に多かったものでございますので、その辺に重点を置いて調査をいたしまして、不等沈下については遺憾ながら調査いたしておりません。
#42
○松尾委員 構造その他が基本的に高圧ガスの関係と油のタンクとは違うと思いますけれども、やはり不等沈下があると思うのですよ。そういう点で、問題の所在点ということで、しっかりこれはお調べになった方がいいのじゃないか、こう思います。
 それから、これは運輸省関係、もう次に入りますけれども、非常に海洋汚染といいますか、海上の汚染が多い。油による汚染でありますけれども、七三年中の油による海洋汚染だけでも二千件を超えておる。そういうことでありまして、いろいろそこには誤った操作というものがなされて汚染につながっておる。明らかにタンクだとかパイプ等の装置それ自体の欠陥による汚染がその中で七十数件ある。これは七四年版の海上保安白書の中にあるわけでありますけれども、そういう問題もやはりしっかり解決していかなくちゃいけないと思うのです。
 それから、日本の工場の生産設備また貯蔵設備というものが世界の最大級になっておる。いずれもそれが過密な地域に、工場自体が過密にまた立地しておる。こういうことで、非常に大きな問題を起こす前提条件がそろっているわけでありますけれども、この海上保安白書におきましては「基本的な施策として、臨海工場の再配置、中継基地・パイプラインによる原油輸送システムの整備等と合わせて、巨大タンカーの入湾を規制することが要請されている。」これは東京湾、伊勢湾、瀬戸内海等が、今後ともに大型タンカーの入湾というものが大いにふえていく、そういう点で、これは当然そのようなことが指摘されておると思うのであります。
 さらに、六七年十月に、運輸大臣の諮問機関でありました海上安全船員教育審議会というものが運輸大臣に提出した答申でありますけれども、その中で、海上交通法規の整備と関連して配慮すべき事項として、海上交通というものを考慮に入れた工業立地政策の確立というものが指摘されております。「海上交通に対する影響も考慮した総合的、計画的な臨海地帯の開発と工業立地の規制」というものが第一番目に取り上げられておるわけであります。
 このような答申というものがすでに六七年十月、そのような時期になされておるわけでありますけれども、そのような答申にかかわりなく、石油精製だとか石油化学、鉄鋼等の臨海コンビナートというものが次々に建設されておる。これは通産省がどんどん推進しておるわけでありますけれども、大災害につながる大きな設備、貯蔵施設、そういうものになっておって、海上輸送のことは全部関連がない。陸上は陸上で勝手につくる。海上はそれで追われまして、輸送しなくちゃいけない。そこに無理なことがありまして、バランスが崩れてきて、事故につながっておるわけです。
 でありますから、私がここで指摘したいと思いますのは、そのような運輸省の考え方、基本的に私はりっぱだと思います。そういうものがいかに通産行政の中に反映されていくのか、いったのか。今後ともに従来のようなことではいかぬ。これは非常に残念だと思いますので、ひとつそういう行政官庁の相互のつながり、大事なことはお互いに話し合っていく、これが今後の石油コンビナート等の防災体制の基本になる、こう思いますので、運輸省並びに通産省のそういう点に対する見解、これは政務次官に通産省の方は代表してお答え願いたい。
#43
○渡部政府委員 ただいま松尾先生から御指摘があったとおり、大規模なコンビナートの安全体制ということになりますと、ひとり通産省だけの問題、あるいは運輸省だけの問題、あるいは自治省だけの問題ということにとどまらず、これは役所がそれぞれの責任、それぞれの体制を持っておりますから、これが有機的に連絡を強化していかないと、完全な安全体制がとられないということはお話のとおりでございます。実際、いろいろの問題、この前の問題等にぶつかりましたとき、閣議で三木総理の相互連絡強化を十分にして、安全体制の万全を図るようにという考えもあり、当省といたしましても、コンビナートにおける各省の緊密な連絡による安全強化ということのために、今後どのような方法をとるか、あるいは立法化が必要であるか、あるいはどういうシステムが必要であるか、そういうことをいま検討中であります。
#44
○松尾委員 やっぱり相互の連絡協調、大事なことは忌憚なく話し合っていい方向へ持っていく。運輸省なんかはそのような答申をちゃんともらいながら、そういう大事なことを通産省には何も言わないのですか。
#45
○山本説明員 運輸省は、先生御指摘のとおり、四十二年十月に海上安全審議会から海上交通規制に関する法制の整備ということで答申を受けております。この答申を受けた直後、関係の官庁にはお送り申し上げて、善処方を要望いたしました。
 その後、御承知のとおり、海上交通安全法を制定いたしまして、海上交通の安全につきまして法制の整備をいたしたわけでございますけれども、このほかにも、各地で臨海工場等が増設あるいは計画されました場合には、地方におきましては港長とか海上保安部長とかあるいは管区本部長とか、そういうレベルで、中央におきましては港湾審議会の場におきまして、それぞれ海上交通の安全問題から発言をいたしまして、善処を要望いたしております。
#46
○松尾委員 次には、コンビナート防災法といま言われておりますけれども、縦割り行政を反省して、そしておのおの関係官庁が責任を持って今度は防災をしっかりやっていこう、この機運が熟しまして、いろいろ関係官庁が意見を持ち寄ってそれぞれいま案を固めておる、こういうことを当委員会でも聞いております。そのような、仮にこれがコンビナート防災法というようなものであるとしまして、通産省はそういうものにどういうものを盛り込んでいきたいのか、また消防庁というものはどのような基本的な考え方をそういうものに盛っていくか、そして大きな柱というものをどういうところでねらいを立てておるか、これを両方からひとつ考えを聞きたいということであります。
#47
○佐藤(淳)政府委員 コンビナートの防災法の仕組みといたしまして、通産省といたしましては自治省と十分に連絡をとりながら現在事務的に相当詰めておる段階でございますが、産業としては通産省の所管の産業が大部分でございますので、個別産業のまず技術基準といいますか、当然やらなければならない技術基準については、この際改良すべきものは改良する。特にタンクと地盤等の関係等につきましては、従来技術基準としては必ずしもはっきりしてなかったわけでございますが、こういうものにつきましてはタンク、高圧ガス、石油タンクも含めましてやはり技術基準というものをこの際はっきりさせるべきであろうということが第一点でございます。
 それからさらに、やはりコンビナート全体としましての共同の一元的な、一体的な防災体制ということを、訓練の面あるいは資材の面あるいは点検等の面につきまして一体的に各省がやり得るような仕組みをこの際ぜひ確立したいということ、大体大きな考え方としてはその二点を中心にいたしまして、いま消防庁といろいろ議論を重ねている段階でございます。
    〔塩川委員長代理退席、委員長着席〕
#48
○森岡政府委員 いわゆるコンビナートの保安防災のための総合立法につきましては、自治省が中心となりまして関係省庁の意見を取りまとめて素案を作成せよという指示がございました。御案内のように各種のコンビナートに所在いたします危険物の規制の法令が非常に広範に各種にわたっておりますし、また各省庁の所管に分かれております。さらに、現実に防災対策を実施いたします地方公共団体におきましても、たとえば高圧ガス施設につきましては都道府県、石油タンクにつきましては市町村というふうに分かれております。それらのところをそのままにしておきまして総合的な防災体制を組めるかというと、なかなかむずかしい問題があります。しかし、反面また、技術上の基準はそれぞれかなり精密な精度の高い基準を必要とされますので、その辺の調整が非常にむずかしいところでございますが、私どもといたしましては、基本的には個別の規制法につきましては先ほど通産省からお話がございましたように、各現行法令によります技術基準を強化していくというのを基本的なたてまえとして考えたらどうであろうか。したがいまして、その前提に立ちまして、総合的な保安防災のシステムをこの法律の中で基本的に考えていきたいと思います。
 ただ、そうは申しましても、現実に予防なり点検なりあるいは災害が起こりましたときの対応を考えますと、やはり最も密着しております市町村ないしは消防当局というものが早急に駆けつけなければならぬわけでございますので、その辺のところは現地の第一線が整合性のとれた行動、予防、点検が行えるような仕掛け、仕組みというものは、これはやはり考えていかなければならぬのではないかと思います。
 そのほかに、先ほども申し上げたことでございますが、コンビナート地域におきましてはやはり企業の保安防災の施設の拡充強化をやっていきたい。同時にまた、保安防災の仕組み、体制でございますが、人員でありますとかそういう点につきましても拡充をしていく必要があるだろう。さらに、個別の事業所だけでなくて、共同で保安防災組織をつくる、こういうふうな仕組みも確立していく必要があるのではないか。さらに、事故がありましたときの通報体制は、もっと機敏にかつ実効が上がるような通報連絡システムを確立する。また、平常から保安点検を徹底的に行う。これは企業の自主的な点検も厳密に義務づけていくと同時に、規制いたします官庁側におきましてもいままでより以上に思い切った点検検査を定期的に行っていく、こういう仕組みを確立いたしたいと思います。
 そのほか、いろいろございますけれども、一応以上のようなことを骨子として考えております。
#49
○山本説明員 運輸省の考え方を申し上げます。
 ただいま消防庁から考え方を申し述べたわけでございますけれども、運輸省といたしましてはこのコンビナート防災法の中に、陸上施設から油が海上に流れ出ないような設備なり法規なりをまず整備する、これに対して必要があれば運輸省サイドも安全に関する発言をできるようにする。
 もう一点は、油が流れ出しました場合に、その防除活動につきまして海上におきましては海上保安庁が主力となって関係者を組合いたしまして、この防除活動が効果的に行えるような体制なり設備なり装備なり、こういったものを定める。そういう基本的な考え方で対処いたしてまいりたい、そういうふうに考えております。
#50
○松尾委員 いずれにしても、この縦割り行政の権限というものをもう一つ超えた大きな立場での網をかぶせていく、こういうような基本的な姿勢を、それぞれいまお答えになりました三省の中できちっとやっていかないと、自分の権限を力説するというようなことでは大きな網を張れない、こう思います。そういう意味において、これはりっぱな防災法をひとつつくってもらいたい。
 なお、それに関連するわけでありますけれども、水島事故並びに瀬戸内海の汚染ということを真剣に討議してまいりました日本弁護士連合会、ここで工業基地港湾環境保全法、そのような立場からの法律が必要である、このようなことが指摘されておるわけでありますけれども、これは基地の防災法とこのような立場で述べられておる工業基地港湾環境保全法というものの関連というものは、当然なくてはいけないだろうし、そういう点についてまず通産省はどのように考えておるのか。大臣にもその意見書といいますか、考えというものは差し上げてあるというようなことを聞いておるわけでありますけれども、ごらんになったかどうか、それに対してコンビナート防災法とのつながりというものをどのように考えていらっしゃるか、聞いておきたい。
#51
○佐藤(淳)政府委員 日弁連でおつくりになりました報告書につきましては、いろいろ今回の水島事故を反省いたしまして、多角的に御検討になっているようでございまして、われわれといたしましても非常に参考となる面が多々ございます。ただ、問題の提起が非常に多岐にわたっておりますので、いま直ちにどれがいいかどれが悪いかというような御批判を加える段階にまだ至っておりませんので、十分に勉強の材料にいたしまして参考にいたしてまいりたい、こう考えております。
#52
○河本国務大臣 いま局長が申し述べたとおりでございまして、今後の防災対策を立てていきます上におきまして参考にしていきたいと考えております。
#53
○松尾委員 参考でなくて、やはりこれは防災法のより以上の分野を指摘しておる、このように考えます。そうしますと、防災法がどのような法体系をもって出てくるのかわかりませんけれども、やはり工業立地または港湾汚染防止法というような、これに防災というものをかぶせたような大きな基本的なものをつくられたらいいのじゃないかな、これは私の感触だけでありますけれども、念のために申し上げておく次第であります。
 次には、既存のコンビナートの問題であります。
 これは今回もいろいろ保安距離の問題、高圧ガス設備と民家等との距離、現行二十メートル、三十メートルというのを、最低五十メートル以上、最高二百または三百メートル以上にするという考えのようでありますけれども、こういうことでは、新しくつくるという場合はある程度いけましょうけれども、既存のコンビナートは、ひしめき合っておりますから、こういう余地があるのかどうか。そして、既存のコンビナートこそが非常に密集しており、また工場間の距離も近い、民家も近い、事故が起こったら大きな災害につながる、こういうことでありまして、既存のコンビナートの方は手がつかないような感じであります。新増設の場合と既存のコンビナート、それに対する保安距離、こういうものをどのように考えていますか。
#54
○佐藤(淳)政府委員 コンビナートに立地いたします化学工場の立地の条件といたしまして、今度新しく制定いたしますコンビナート保安規則の中におきまして、保安距離を定めておりますが、考え方といたしましては、新設の場合は設計の段階から実施が可能でございますので、既設よりは厳しい条件を付してまいりたい、こう考えております。
 問題は既設の工場をいかにするかということでございますが、確かにいろいろむずかしい問題がございます。しかし、できるだけ定められます規則に沿ってやっていただく、特に、耐用年数が参って建てかえますような場合は、当然そういうことを基準に置いてやっていただくということで、できるだけ守らせるようにいたしますが、どうしても地理的条件から規則どおりいかない場合も出てくることも予想されるわけでございますが、その場合には、それと同じ効果を持ったような防災壁を一段民家との間に設けまして実質的な被害は与えないように、それは個別の問題としてわれわれ直接に指導してまいりたい、こう考えております。
#55
○松尾委員 問題は既存コンビナートでありますけれども、そのような防災壁が、果たしてあなたのおっしゃるとおり――事故が波及しないように施設していくと、こうおっしゃるけれども、ひとつ川崎その他における現実を見て、そしてどのようにやったらいいかということは、これは真剣にお考えにならぬといかぬと思う。おまけに川崎の方は地震の問題が起こっておりまして、これはもう地震の問題については全く自信がないというように言われておるし、川崎の方は、重大な問題でいま取り上げております。そういうところで、既存のコンビナートの中の代表的なところでありますけれども、防災壁で、それは火災等でありましょうけれども、やはり大きく災害というものが、次には地震というもので波及的に大きくなる、こういうことも当然予想されますから、地震を心配されておる地域というものについては、特にやはり優先的に何かお考えになりませんと、しまった、あのときにもう少し思い切ってやっておけばよかったということになりますから、ひとつ川崎問題も含めて、私はいま川崎ということを頭に描いて既存コンビナートのことを言っておるわけでありますが、これは万全の対策を政府全体として立ててやっていかれるかどうか、これは大臣にお答え願いたい。
#56
○河本国務大臣 地震の問題に関連しましていま川崎のお話が出ましたが、これは私どももよく承知しておりまして、大変心配をいたしております。それで、いま関係各省と相談をいたしまして総合的な対策を立てておるところでございます。
#57
○松尾委員 しっかり、これはお願いしておきます。
 それから、事業所における自主保安体制の問題でありますが、これはピラミッド形で保安体制の整備を義務づける、いろいろ言っておりますけれども、この現場における担当者は非常に自信がない。これは川崎のあるオペレーターの述べた言葉もあります。もう、自分が勤めておる日は地震が起こらないように神頼み以外にないと。それから、大きな事故の起こる前に、この装置が危険だと指摘することができる者はほとんどいない。それから、こういう実例といいますか、困っているということがいっぱい、もうどうしようもないということであります。そういうものを幾らピラミッド形につくっても、現場におる責任者がそのように弱気を吐いて自信がないと言っていることでありますから、そういう面をかっちりと固めていかなくちゃいけません。また、特に京浜コンビナートのことで長らく検討された、これは関東学院大学の教授でありますけれども、その人の指摘であります。それは、生産第一主義である、安全対策はつけたりである。しかも、コンビナートは外国との提携や技術導入で育ってきたために技術を外に漏らしてはいけない、こういう体質から事故があっても隠します。企業の内部だけで処理していこうとする。そういうことでは、これは非常に重大な問題であるから、もっと自治体等第三者による手心のない点検を実施しなければいつどんな大事故が起こるかわからない、このようなことを指摘されておるわけであります。企業秘密によって防災というものが非常に思いがけなく大きくそこに破れを来す。やはり企業の秘密よりも災害を防ぐ、国民のそういう権利を守っていくということが基本的に大事でありますから、この点はもう他の同僚議員の質問でお答えがあったと思いますので、企業秘密とこの防災体制の確立というものをしっかりやってもらいたい、これは要望にとどめておきます。
 それから、保安統括者の問題も出ておりますけれども、これはやはり本社の社長を保安体制の中に組み入れていかなければいけないじゃないか、こういうことであります。トップの意識がどのようにあるか。いま生産第一主義でありますから、防災関係に大きな力を注いでいこうということを少しでも考えておるトップはいません。これはそのことを指摘したいと思うのであります。でありますから、やはり何といってもトップの姿勢が問題。日本石油だけで申しましても四十四年八月に事故で五人死亡、四十五年二月三人死亡、四十八年十月四人死亡、旭化成も四十八年八月、そしてそのような事故がずっとつながってまいっております。これはやはりトップの責任ですよ。そして、そういうことでありますので、トップを何としても防災の最高責任者に持ってくるということ。そういうことでありまするのに通産大臣、あなたはこのコンビナート関係者に注意をするというて、わざわざ会社の首脳を呼んで注意されたわけでありますけれども、そのときに出てきたのが半分くらい、あとは欠席とか代理を出した、そういう者がおるわけでありまして、通産大臣、非常に御多忙のところをきょうはお集まり願いまして恐縮だとか、そんなことが新聞に載っておるわけであります。まさかあなたがおっしゃったとは思いませんけれども、そういうことであれば、これはトップが事故を起こしておる、いま大きな問題が起こっておる、そしてわざわざ通産省がしっかりやっていこう、これを言おうとするときに、通産大臣の姿勢も仮に報道陣の言われたとおりであるとすればおかしい。そういうときに代理をやったり欠席をするというような、そのようなトップクラスの考え方がおかしい。災害というものはそういうところに基本的な問題があるんじゃないか、私はこう言いたい。いかがですか、通産大臣。
#58
○河本国務大臣 最近大きな事故が起こりましたのは水島の三菱石油、四日市の大協石油等でございますが、その際にはそれぞれの企業の社長を通産省に呼びまして厳重に注意をいたしております。ただし、先般各コンビナートの代表を呼びまして私から防災体制の強化について要請をいたしましたが、その際には事故を起こした企業ではなくして、各コンビナートにおけるそれぞれ代表的な企業を呼びまして、最近の事故の頻発状態にかんがみまして十分注意をしてもらわなければいかぬ、そういう趣旨のことを言ったわけでございます。予防的措置としての注意を喚起したわけでございます。でありますから、現実に事故を起こした企業に対する注意と先般の予防的な措置に対する注意とは区別をして考えていただきたいと思います。したがって、発言の内容も若干違ってくるわけでございます。
 それから、もう一つ申し上げたいことは、この防災体制の強化ということは私は企業の社会的な責任であると思います。同時に企業全体の経営にも関係する問題だと思います。そういうことでありますから、やはりこれはもう現場の工場長等に任せるべきものではなくして、いまお話がございましたように企業のトップすなわち社長自身が全責任を持って、そして細かい指示をすべきである、かように私は考えるわけでございます。したがいまして、先般コンビナートの代表を呼びましたときもその趣旨を厳重に話をいたしまして、同時にあわせて現場に指示すべき具体的な内容等につきましても、詳細指示をしたわけでございます。
#59
○松尾委員 事故を起こしたところと予防的な会社と違う、それは違いますけれども、事故は次々と起こってきておるわけでありますから、やはり基本的には同じ注意をし、厳重にやっていかなければいけません。やはりそういう点についてあなたは少し遠慮しておるんじゃないか。欠席者がおる、代理をよこすというような考え方では、本当にぼくはこのコンビナートの防災というものが、これはもう基本的に破れていくんだ、そういう点を指摘して、そして業界のトップをその気にさせる。ですから、トップを何としても最高責任者に置いて、そしてこれだけお互いがやっておりながらまたこのような事故が起きたときには責任をとるというくらいの考えを持ってまいりませんと、いろいろ法律をつくったりしてもトップの頭がそこにない限りは、やはり自分の企業第一、生産第一、収益第一という姿勢というものを変えていかなければいけない、私は基本だと思います。その点でしっかり、これは局長もその気になって大臣を補佐していくというふうな立場をとってもらいたい。
 それから、もう時間がほとんどなくなりましたので、いろいろ言いたいことがありますが、総括的に申し上げます。これは特定設備に対する製造段階の検査、五十六条の三第一項、こういうところで協会とか検査機関、こういうものがいろいろ協力してやっていくわけでありますけれども、そういう協会なり検査機関、工業品検査所、こういうところに、現在の土木建築工学、材料力学、溶接工学等の新しい技術がどんどん進んでおる中で、果たしてそのような力があるかどうか、こういう問題が第一点であります。
 それから、そういうところから協会なり検査機関の人員の配置、その実力、そういうものをよく点検していらっしゃるかどうか。それから、協会でありますけれども、広島支部、九州支部、こういうところで非常に弱体である。ですから、内容を私調べておりますけれども、申し上げる時間がなくなりました。指摘だけにとどめておきますけれども、この指定検査機関の指定の基準、ここにも大きく問題があるということであります。
 それから、どうもあわてて保安教育の問題だとか高圧ガス保安協会の育成強化というようなこと、そしてそれが協力するというような体制をとっておられるような感じがありますけれども、頼りの綱の協会が果たして頼りになるかということ、本当にこれは弱体ではないのか。そうすると、これは人員構成なんかも調べておりますけれども、そういう技術陣またそういう技術陣を引っ張っていく、防災体制を確立していくという最高責任者の指導力、実力、そういう面から申しましても非常に弱体というように感じます。そして、それが今回の高圧ガス取締法のあなたの方の大きな力点になっておる。力を入れようとするところが弱体でございますから、いまからというところもありましょうけれども、これをりっぱに整備をしていって早く力をつけさせませんと、法の頼りとするものが現状のようであれば、また予算的な措置にしてもわずかなものでありますれば、とうていこれは防災に追いつくものじゃない。高圧ガス取締法の一部改正と言いますけれども、改正したところで実は伴わないのではないかという感じがするわけです。ですから、協会並びに検査機関、そういうものの実力というものをよく認識されまして、そして近代科学、あらゆるものに対応できるそういう力が備わったというものにいたしませんと、法としては最大の欠陥を露呈するであろう、これは私は強く申し上げておきます。
 最後に局長の答弁を求めて、時間が参りましたので、私の質問を終わりたいと思います。
#60
○佐藤(淳)政府委員 今回の法律改正に伴いまして特段と保安の体制を強化いたしてまいるわけでございますが、確かにその中核となりますのは、これを運用する人の問題でございます。特に検査機関の中核となりますところの高圧ガス保安協会の人員の質的構成が最大の問題でございまして、一応現時点といたしましてはいろいろ資格を持った優秀な技術屋をそれぞれそろえてはおりますけれども、しかし今後の保安体制の強化の面からいきますとまだまだ万全とは私も思っておりませんので、特段とこれは強化し、また職員の実務的ないろいろな面の教育もやっていかなくちゃならない、こう感じております。
 それから、指定検査機関につきましては、公的な性格を持っております機関にやらせたい、こう思っておりまして、単なる営業としてこれを取り扱うような機関は排除いたしまして、職員の質も考え、そういうような公的マインドを持った経営者のおる機関を指定いたしまして厳正にやりたいと思っておりますが、これらにつきましても検査の人の充実、教育の面につきましてはまだまだ不十分な問題がございますので、御指摘の線に沿って十分に勉強してまいりたいと思います。
     ――――◇―――――
#61
○山村委員長 この際、内閣提出、石油開発公団法の一部を改正する法律案及び内閣提出、中小企業近代化促進法の一部を改正する法律案の両案を議題とし、それぞれ政府より提案理由の説明を聴取いたします。河本通産大臣。
    ―――――――――――――
#62
○河本国務大臣 石油開発公団法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明いたします。
 一昨年の石油危機以来、世界の石油情勢はきわめて不安定な様相を示しており、わが国国民経済の円滑な運営を図るため、従前にも増して石油の安定供給の確保が重大かつ緊急の課題となっております。
 この石油の安定供給の確保を図るためには、まずわが国企業による石油開発の推進を図り、これとともに石油備蓄の増強を行うことが必要であります。
 政府といたしましては、創立以来七年余にわたり、海外における石油開発の推進母体として活動してまいりました石油開発公団の役割りの重要性にかんがみ、来年度におきまして、石油開発公団の投融資規模の大幅な拡大と石油開発関係業務の拡充を図ることとし、また、これに加えて、来年度からの九十日備蓄増強計画の実施に伴い、石油開発公団が新たに備蓄増強に必要な資金の出資及び融資の業務を行うこととした次第であります。
 今回の石油開発公団法の一部を改正する法律案は、以上のような趣旨のもとに、石油開発公団の業務の拡充を図ることを目的とするものでありますが、その要旨は次のとおりであります。
 第一に、海外における石油等の探鉱をする権利その他これに類する権利を、民間企業への譲渡を目的として取得する業務を追加することであります。
 これは、近年の世界的な石油利権競争の激化にかんがみ、交渉力、技術力、情報収集力にすぐれ、知名度の高い石油開発公団が交渉の当時者となって、直接に利権を取得することにより、円滑な石油開発の促進を図ることを目的としたものであります。
 第二に、産油国国営石油会社が行う探鉱、採取等に必要な資金を供給するための資金の貸付業務を追加することであります。
 これは、近年産油国が資源主権の見地から有望鉱区を自国のために留保し、国営石油会社の手で自主開発することが多くなっていることにかんがみ、石油の供給等を見返りとする産油国への直接融資を石油開発公団が行うことにより、石油の安定的供給の確保を図ることを目的としたものであります。
 第三に、わが国領海及び周辺大陸だなにおける探鉱を、石油開発公団の投融資の対象とすることであります。
 これは、わが国周辺大陸だなが最も安定的な石油・可燃性天然ガスの供給源であることにかんがみ、その開発促進を図ることを目的としたものであります。
 第四に、石油開発公団の業務の対象である「石油等」の範囲に、オイルサンド及びオイルシェールを含ましめることであります。
 これは、オイルサンド及びオイルシェールが石油をしのぐ埋蔵量を持つ石油系未利用資源として注目を浴びていることにかんがみ、わが国としても、このような資源の開発への参画を図ることを目的としたものであります。
 第五に、共同備蓄会社の行う備蓄事業に必要な資金の出資及び貸し付けの業務を追加することであります。
 これは、資金面、用地面において困難が多い石油備蓄の増強について、石油企業の共同備蓄事業に対する助成を行うことにより、これを強力に推進することを目的としたものであります。
 なお、このほか、以上申し上げました業務の拡充に伴い、石油開発公団法の目的の改正、役員の増員等所要の改正を行うこととしております。
 以上、この法律案の提出の理由及びその要旨を御説明申し上げました。
 何とぞ、慎重御審議の上御賛同くださいますようお願い申し上げます。
 次に、中小企業近代化促進法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 現行の中小企業近代化促進法は、昭和三十八年の制定以来中小企業の近代化に大きな成果を挙げてまいりました。しかしながら、最近の中小企業をめぐる内外の環境は、大きく変化しております。
 第一に、我が国経済が、高度成長から安定成長経済へ移ろうとしていることであります。
 このため、組織化等による経営規模の拡大、近代化設備の導入等の従来の近代化施策に加えて、技術の向上、新商品の開発に重点を置く施策が必要となってきております。
 特に、需給構造の変化に直面している産業にあっては、新商品の開発による新たな事業分野への展開が望まれるわけであります。
 第二に、国民のニーズの多様化、福祉型社会への移行に伴い、中小企業に要請される課題が環境の保全、国民の健康の維持増進、資源の節約・再生利用、製品の安全対策等、きわめて多様化しつつあることであります。
 以上のような中小企業をめぐる環境の変化に対応して、中小企業の今後の近代化の方向を明らかにし、これに即応する施策を強力に展開していくことは、現下の急務となっております。
 このため必要な制度を整備することとし、この法律案を提案いたした次第であります。
 次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。
 第一は、近代化施策の対象となる業種の指定要件を拡大し、国民生活の安定向上の観点から、国民生活との関連性が高い物品または役務を供給する業種についても、その対象に加えることができるようにいたします。
 第二は、中小企業近代化計画の計画事項として、新たに従業員の福祉の向上、消費者の利益の増進等を加え、その充実を図ることといたします。
 第三は、従来の個々の業種内での構造改善事業に加え、関連事業者との協調による構造改善事業についても助成を行うこととし、より総合的な構造改善を積極的に推進することといたします。
 第四は、需給構造の変化に対処するため、新商品の開発等により従前の事業から新たな事業の分野へ進出しようとする新分野進出計画を承認する制度を設け、これを積極的に助成することといたします。
 以上のほか、これらの新たな制度に伴う税制、金融上の助成措置に関する所要の規定の整備等を行うことといたします。
 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
#63
○山村委員長 以上で提案理由の説明は終わりました。
 両案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
 午後一時三十分から委員会を再開することとし、この際、暫時休憩いたします。
    午後零時四十分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時三十九分開議
#64
○山村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 内閣提出、高圧ガス取締法の一部を改正する法律案を議題とし、午前中に引き続き質疑を続行いたします。上坂昇君。
#65
○上坂委員 この高圧ガス取締法の一部を改正する法律案の最大のねらいとするものは何であるか、これを御説明いただきたいと思います。
#66
○佐藤(淳)政府委員 今回の法律改正の最大の目的は、高圧ガス化学産業の方の事故を絶滅いたしまして、地域住民の不安をなからしめまして、地域と企業がともに協調して発展していくことをこいねがっておるわけでございます。
#67
○上坂委員 石油化学コンビナートにおける事故が続出しているわけでありますが、これはどういうときに起きているというふうにとらえておりますか。
#68
○佐藤(淳)政府委員 最近の事故、いろいろ学者先生等にも入っていただきまして、十分な分析をいたしておりますが、四十八年ごろのコンビナートの事故の大半は従業員の誤操作による面が大分指摘されておりますし、それから保安教育の面においても必ずしも十分じゃない、それから事故が起きたときの応急措置の体制が十分でない、大体このような指摘がされております。
#69
○上坂委員 いわゆる人為的ミスか、必然的に起こってくるものか、大体対策ミスであるか、こういう点をいまのお答えではいわゆる人為的なミスであるというふうにとらえているようでありますが、そういうふうにとらえていていいわけですか。
#70
○佐藤(淳)政府委員 直接的にはやはり誤操作等の人的のミスが指摘されておりますけれども、やはりそこに至りましたバックには、保安管理体制とか保安教育とか、結果はそうでございますけれども、そういうような深い問題がそこに介在いたしておりまして、基本的には、表面的な原因だけの問題としてとらえることは必ずしも適当じゃない、根っこには相当深い問題があるという認識をいたしております。
#71
○上坂委員 化学コンビナートが急速に発展をしてきまして、三万トン、五万トンのプラントから突如として三十万トンプラントというような大きなものに発展をしてきている。そういう中ではやはり高度経済成長政策に見合った一つの形のものが出てきたというふうに思っております。
    〔委員長退席、前田(治)委員長代理着席〕
そこで事故が発生をして、たとえば徳山工場の場合、四十八年に事故が起きたときを見てみますと、反応塔に設置していた温度計のうち一本しかコンピューターのいわゆる制御機構それと警報装置に接続していなかったと、こういうふうに報告をされておるわけです。コンピューター化をする以前は四本全部が制御室の記録警報装置につながっていたというふうに言われているわけです。化学コンビナートの場合には、要するにコンピューターに頼らなければならないような状況になってきている。ところが、頼る場合にも、何か全面的な形でいままでやっていたものをネグって、そして手を抜いてやるというような状況というものが見受けられるような感じがするわけです。そういうことについてはどういうふうにとらえておられますか。
#72
○佐藤(淳)政府委員 確かにコンビナートの場合には、通常コンピューターによる操業が一般でございまして、かえってそれだけにコンピューターに頼り過ぎるという問題もございますし、また万一コンピューターが故障した場合のことを考えますと、いろいろ問題点が指摘されるところでございます。したがって、こういうコンピューターの過度の依存が事故の発生につながることも十分に想定しなければならないということを考えておりまして、作動しない場合は速やかに手動に切りかえなければいかぬということでございます。こういったような異常時とかあるいは緊急時の措置についての作業マニュアルをふだんから十分に整備して、しかもそれを十分にまた作業員に徹底し教育しておかなくちゃならないということを考えておりまして、そういう観点から保安教育の中にそういうことを想定した訓練を常時やるつもりでおりますし、今後の作業マニュアルの中にもそういう問題を十分に織り込んでまいりたい、こう考えております。
#73
○上坂委員 コンビナートの場合には操作ミスであることが非常に多いという御指摘でありますが、実は開始時期、反応が開始する時期、それから停止するころ、このころに事故が非常に多いんですよ。平常運転を続けているときには事故というのはないんですね。だから、点検したり何かするときに事故が起きるのです。したがって、問題なのは、定時点検であるとかなんかいうものを化学工場でやりますね。そういうときには十分な準備と対策というものをやらないと非常に危険である、こういうふうに考えるわけであります。
 それで、コンピューターというのはどういうふうになっているかというと、平常の運転が中心になってコンピューターの機構がつくられているわけです。したがって、平常に運転をしていない、とめるときであるとか、それから開始するときであるとかいうときにも完全に機能していくのかどうかという問題が出てくるというように思うのです。そういうようなことも含めて取り締まりをしていくかあるいは指導をしていかないと、やはり事前に防いでいくことができないのではないかというふうに私は考えるわけであります。
 それから、いわゆる人為ミスであるかという問題ですが、私は、人為ミスであるということは、これは局長もいまそう思っているようにとられたのですが、やはり対策が万全でないというところから来ているんじゃないかというふうに思うわけですね。そういう面で教育であるとかあるいは保安要員の保安機構の確立というようなものが出てきているのではないかというふうに考えるわけですが、いまの点は局長、どんなふうにお考えになりますか。
#74
○佐藤(淳)政府委員 高圧ガスという非常にバランスを要する工程の中でこの作業が行われておりますので、先生御指摘のようにスタートアップあるいはシャットダウンという時期が非常に問題があるということでございますし、現実にそういう時期に事故が発生しているケースが非常に多いわけでございます。したがいまして、われわれの方といたしましてはこのスタートアップ、シャットダウンは極力夜間はやらないで昼間やるとか、あるいは十分な技術を持った責任者がおるときにこういう操作をやるとかということで、極力、こういう操作のときに際しましては万全の体制を踏まえながら実施するということをいま指導しております。
 それから、事故の原因でございますが、確かに人為操作のミスというものが表面上の理由になっておりますけれども、しかしそこに至った原因といいますのは、やはり深い原因がそこにあるわけでございまして、ふだんから異常時を想定した保安教育とか危害予防規程を十分に練っておくとか、そういう問題が十分に確立されておらないところに、そういうような人的なミスにつながるものがあるわけですから、やはり背後のそういう基礎的な問題をこの際確立しておく必要があるであろう、こう考えます。
#75
○上坂委員 石油化学工場の事故を見ますと、増産増産という形で残業が非常に続く、いわゆる生産第一主義になっておって、安全というものよりもとにかく増産をして経済の要請にこたえるというようなところへ重点が置かれている、そういう結果、事故が起こってきたんじゃないかというふうに思うのです。
 それともう一つは、したがって従来、先ほども言ったように、二、三万トンのプラントのものが突然三十万トンプラントのようなものに大きくなってきて、巨大化してきている。タンクにしましても危険物の量にしましても、四、五年前の十倍以上になっている、十数倍にもなっていると言われておりますが、高度経済成長から安定成長の時期に入っている今日、コンビナートに対してはどういうふうな方針で通産省は臨まれようとされるのか、これは大臣にお伺いをいたしたい。
#76
○河本国務大臣 やはり生産よりも防災が私は先だと思います。急がば回れでございまして、結局、工場の経営にいたしましても、防災体制なくして経営というものはあり得ない、こういうふうに考えております。
#77
○上坂委員 大変あたりまえなお答えをいただいたわけでありますが、私が聞いているのは、いま安定経済成長に入ってきている。そういうときに、こうした大きなプラントをどんどん許可をしていって、そして危険が増大するような形のものがこれから先も続けられるのかどうか、この辺のところをお伺いしたい。
#78
○河本国務大臣 やはり企業経営にはスケールメリットというものがありますから、大きなものだから許可しないということではなくして、やはりわが国の産業構造に合ったような形で今後許可すべきである、必ずしも大きいからよくない、そういう考え方ではいかぬのじゃないか、私はこう思います。
#79
○上坂委員 局長にお伺いしますが、事故は確かに付近住民の人に非常に不安を与えている。しかし、付近の住民の人たちに被害が及んだというのは、現実には余りありませんね。やはり一番損をしているのは、働いている人たちだと思うのです。そこの中では死んでいる人が大分いるわけですね。そういう労働者が働かされ、働かされ、そして事故が起きた場合には、その労働者諸君の操作ミスだ、こういうふうに言われたのでは、これは大変だと思うのです。なぜかというと、工場の中の危険であるということを一番よく知っているのは、そこに働いている人たちなんです。したがって、この人たちに対する対策というものが、今度の取締法案の中からは単に教育をするだけ、こういうかっこうのものでしか出てきていないと私は思うのです。たとえば協会の組織を見ましても、どこの組織を見ましても、いろいろな機構をつくる、しかし機構をつくるけれども、労働組合なり労働者の代表が参加するものはどこにもないわけですね。これでは本当の保安対策にはならない、こういうふうに私は考えているわけです。その点どうですか。
#80
○佐藤(淳)政府委員 この高圧ガス保安協会といいますのは、この法律の中にも組み込まれております特殊法人として国家要請によって設立された機関でございます。したがいまして、国の厳正な監督のもとに高圧ガス保安対策を推進してまいっておるわけでございます。特にこの機関の非常に重要な仕事といたしましては、技術基準を新しい技術の進歩に即応いたしまして的確につくっていくということが非常に大きな面でございますけれども、それと並びまして、広く一般ユーザーなりあるいは消費者なりの意見をその体制の中に十分くみ上げていくという面が大事でございますし、それから御指摘のように現場に働く方々の御意見、これは非常に実践的な御意見をお持ちでございますから、そういう実践的な御意見を、技術基準なりあるいは協会がつくっております保管基準、これは実践的なマニュアルでございますけれども、こういうような面に反映せしめるような形で今後は運営してまいりたい、こういうふうに考えております。
#81
○上坂委員 第五条、それから十二条、十三条、事業開始前の届け出がありますが、それにはガスの種類とか製造施設の位置、構造、方法などを都道府県知事に届けるということになっているわけですが、この場合、労働組合のあるところでは、労働組合と会社側との話し合いといいますか、そこで協定されたものが必ず届けられるようにしなくてはいけないというふうに思うのです。もし、新しくつくる場合、そこに労働組合がなかったならば、あとで労働組合ができた場合に労働組合の意見を付させる、こういうところまで細かくやっていく必要があるのじゃないかというふうに思うのです。労働組合のできないところはありませんから、そしてまた本当に労働者の権利と生活と生命を守るという立場で労働組合が取り組んでいく限り、保安に対しては非常に関心を持って対策を立てると思うのです。それを会社側からだけの形でこれを届けさせるということは、実際に働いている人の代表としての意見がこれに入らない。現場の意見を局長いま反映させると言ったけれども、実際には反映させることができないと思うのです。そういうところまで細かい指導をし、細かく法案の運用を図っていかなければならないのではないかと私は思うのです。その点いかがですか。
#82
○佐藤(淳)政府委員 現場におきますところの保安体制を十分に確立してまいる最も大事な問題といたしましては、従業員の意見を操業体制に反映させることである、またそれが工場操業上にとっても効果的であるというふうに私は考えております。このような観点から、労働省の方でも労働安全の面でいろいろ検査をいたしておりますが、われわれの方としましては、労働省ともこういう問題につきましては十分協議をいたしまして、特に今後は保安教育とかあるいは危害予防規程というものは今度の法律でさらに強化されるわけでございますけれども、こういうものをつくる場合には、労働省の関係でございます事業所内の安全委員会というものがございますが、この安全委員会にお諮りして、現場の労働者の意見がここでは十分反映されるわけですから、こういうものも議題として取り上げていただいて、それで実施の面に移すというふうに機構として組み込んでみたい。それから、現実に実践的に必要となりますところの現場の作業マニュアルを改正する場合も、現場で実際に設備の運転に当たっております従業員の意見が十分に反映するような仕組みを指導をいたしまして、これは一つの手続としているというような形をこの際、明記してまいりたい、こう考えております。
#83
○上坂委員 手続として明記をしていく、いわゆるある程度法的な裏づけといいますか、そういうふうなものを加味して運営をしていくというお答えですから、非常に前向きの答えであるというふうに思います。
 そこで、高圧ガス保安協会の問題ですが、危害予防規程の場合、これは高圧ガス保安協会の意見を付するだけになっているわけですね。ここのところで私は思うのですが、この評議員会にやはり労働者の代表、これは労働組合の全国的な大きな組織が特に全部できているわけですから、やはりそういう全国的な組織の中から何人かここに加えるべきだと思うのです。そうすれば、おのずから意見が反映していくような状況というのは出てくるし、それに先ほど局長が答えられたような、今度は本当に現場に、下へおろした形で意見を吸い上げていく、反映をさせていくという形になっていくと、労働者の、いわゆる働いている人たちの意見というものは非常にここに反映をしてくるのではないか、こういうふうに考えるわけです。その点、いかがですか。
#84
○佐藤(淳)政府委員 労働組合の方々が特にこういう保安問題に積極的に参加していただくということは非常に大事なことでございまして、われわれとしてもぜひそうしていただきたいと思います。
 ただ、先生おっしゃいましたその参加の仕方でございますけれども、協会の評議員会といいますのは、会員の互選によりまして各界のいろいろなガスごとの代表が入っておりまして、この評議員会で取り上げます問題は会員に関すること、たとえば会費をどうするとか、そういうような問題でございまして、むしろ先生のお考えのような御趣旨を生かす場としては、いろいろな委員会がございますから、そういう委員会に御参加いただく、あるいはまた通産省の諮問機関といたしまして高圧ガスの審議会もございますから、そういう場に入っていただくとか、そういう場の方がむしろ望ましいのじゃなかろうか、こう考えます。
#85
○上坂委員 いまお答えになったような形でも結構ですが、とにかくそうした労働者の代表というものをこれに加えていくような形をぜひ実施をしていただくようにお願いをしたいというふうに思います。いま委員会の問題がありましたが、技術委員会などにもこれは入れることができるだろうと私は思いますので、そういう運営をぜひ図ってもらいたいというふうに思います。
 それから、保安教育の問題ですね。この教育の計画についてはやはり労働組合と――実際にやられるのは従業員ですから、受ける方もまた指導する方も。恐らく工場長という形だけではやらないと思うんですね。技術屋さんがいて、その技術屋さんが実際に指導していくと思うのです。したがって、これについては必ず労働組合を参加させる、あるいは意見を付させる、作成実施の段階にそうした従業員の代表を入れていく、こういう形で指導をしていってもらいたい。それからもう一つは、教程の要綱をつくっていかなくちゃならぬと思うのですが、その場合には必ず労使間の協定というものが必要であるというふうにしてもらいたいと思うのです。そうすることが一番大切ではないか、こういうふうに思います。
 それから、時間がありませんからもう一つ話しますが、協力会社に対するところの教育ですね、これは義務づけなければいけないというふうに思うのです。事故のあれを見ましても、下請の人たちが苦しんでいる事故がかなりあります。そういう意味で、いま言った協力会社、下請といいますか、そこに対する教育を義務づける、ここまで細かい施行令といいますか、そういうものをつくっていく必要があるのではないか、その点はできますか。
#86
○佐藤(淳)政府委員 協力会社の方々の教育が不十分なために事故が起きた例がございます。われわれの方としましても、従来、その点につきましては若干欠けていた面を率直に反省いたしまして、下請の方々の教育をぜひこの際十分にやるような仕組みを保安教育の中に十分に織り込みたい、こう考えております。
#87
○上坂委員 いまの教育計画の要綱についてどうですか、協定をさせるということは。必ずこれを義務づける……。
#88
○佐藤(淳)政府委員 労働組合の方々の御意見を十分に反映させる仕組みとして、確かにそういう協定もあろうかと思います。これは仕組みについては、またいろいろ先生の御趣旨を体しまして検討させていただきますけれども、いま私たちの考えておりますのは、保安教育の中に当然そういう労働組合の意見を反映させ得るというふうな手続的なことを考えておりますので、あるいはそれで十分かと思いますけれども、先生の御提案も含めまして、これからの問題でございますので、さらに検討させていただきたいと思います。
#89
○上坂委員 それから、事故はどういうときに起きるかというと、新しく使い始めるとき起きるのですね。そのころからしばらくの間は不安定なんです。そして、一定の年限があって、この期間はわりあいに事故がない。ところが、設備を更新するその五年、六年くらいの間に、ここでいわゆる性能が低下してくるわけです。このころに危険性が非常に高まる。これがコンビナートの特徴だ、こういうふうに言われております。そのころに対してのいわゆる生産の指導なり、こういうことがぼくは非常に大切になってくるんじゃないかと思うのです。そういうものをないがしろにしてしまうと、突如として事故は起こる、こういう状況があるというふうに思いますが、そんな点はどんなふうにつかんでおられるか。
 それからもう一つは、設備はどんどん大きくなってくるものだから、従来の工場敷地の中にいろいろな建物をつくって、その設備と設備の間、いわゆる距離というのですか、そういうのが狭まってくる、また人家との間の状態も狭まってくる、こういう状況があって、言ってみれば小規模時代の配置そのままで大型化してくる、こういう状況が出てくるのだろうというふうに思うわけです。そういうところから非常に危険性が出てくるし、住民の不安というものが大きくなってくるんじゃないかというふうに思いますが、そういう点はどんなふうに御指導なさるおつもりですか。
#90
○佐藤(淳)政府委員 確かに、設備を更新してある期間過ぎた後に事故が起きるケースも指摘されております。したがいまして、従来、保安検査につきましては、大型の優秀な工場については三年に一回とか二年に一回とかいうような定期検査であったわけでございますけれども、今後はそういうことは一切やめまして、大型であろうと優良であろうと、最低限度年に一回はやるというふうに改めるつもりでございますし、やはり先生のおっしゃったような単なる画一的な検査じゃなくて、設備の耐用年数を踏まえまして、あるいはまた設備の稼働状況を十分頭に置きながら検査するという仕組みも今後は考えていかなければならないと考えております。
 それから、設備間距離あるいは保安距離につきましては、今度の省令改正の中で十分に間をとるように考えたいと思っています。特に保安距離につきましては、従来、民家との距離が二、三十メーターでよかったものを最低五十、非常に危険なガスを持つところにつきましては二、三百メーターぐらい、十倍ぐらいに拡大することにいたしたいと思います。設備の大型化に伴いまして住民の不安が確かにつのってきておりますので、その面につきましては、保安距離の問題、設備間距離の問題、それからいろいろな広報活動等を含めまして住民との対話を十分にやることによってこういう不安を解消させてまいりたいと考えます。
#91
○上坂委員 もう一つお尋ねしますが、人家と工場との間をふさぐときに大きな壁をつくるという発想があるわけですね。ところが、この壁が問題になるのですが、中で働いている人が爆風がはね返ってきてやられてしまう、中に入っている労働者がやられてしまう、こういうような問題もあるだろうと思うのですね。したがって、壁というのは簡単に、つくればいいというようなものではないので、かなりの距離、そうした点を十分計算した上でそういうものを許可していくということが必要になってくるだろう。やはりあくまでも働いている人の不安を除く、不安をなくして本当に一生懸命になって働くことができる、そのことがりっぱな運転につながってくるわけでありますから、そういう点を含めてこれは指導していかなければならないと思いますが、その点について最後にお聞きして、質問を終わります。
#92
○佐藤(淳)政府委員 保安距離は、できれば空間を置きまして距離を延ばすのが一番いいわけでございますけれども、既設のものにつきましては必ずしもそういかない問題がございますので、それにかわる措置として防災壁を考えておりますが、下手に建てますとその爆風が構内にはね返ってきまして従業員がけがをすることも考えられますので、本件につきましては、そういうケースの場合にはわれわれとしてはもう非常に慎重に、専門家を集めまして、むしろ本省直轄で一件ごとに企業と相談しながら設計等を考えて万全を期してまいりたいと思います。
#93
○上坂委員 質問を終わります。
#94
○前田(治)委員長代理 次に、質問通告順により、宮田早苗君を指名いたします。
#95
○宮田委員 まず、法律の二十六条並びに二十七条の危害予防規程、保安教育計画の強化についてお伺いをいたします。
 危害予防規程の策定、変更申請に際しましては、権威ある保安協会の意見書をつけなければならない、また都道府県知事に保安教育計画の変更命令権限を与えるということになっておりますが、この点は的を射た案だと思います。
    〔前田(治)委員長代理退席、田中(六)委員長代理着席〕
一昨年七月の出光石油化学を初め一連の石油化学コンビナートの事故から私どもが得た教訓の一つは、従業員の誤操作や対応の不適切さ等が事故を大きくさせたと思うのであります。出光など事故を起こした企業は、企業内の保安教育計画をどのように変更届をし、実行しているか、この点をまず簡単にお答え願いたいと思います。
#96
○佐藤(淳)政府委員 出光石化の徳山工場につきましては、一昨年の事故後、全般的な保安管理体制の見直しの一環といたしまして保安教育の強化を指示いたしました。同工場におきましては、運転担当の従業員に対する教育訓練時間を月五時間から八時間に増加させるとともに、教育訓練の評価を個人別進度表によりまして行うことにいたしております。また、教育の内容につきましては、次のような項目を追加いたしております。すなわち、改訂基準書及び装置の改造点の周知徹底、あるいは基本操作の実習によりますところの周知徹底、三番目としまして、装置の重要事項につきまして、異常時を想定し、各人の役割り、分担を定めてのケーススタディーを実施する等々のことを追加いたしておりますし、さらに同工場の教育の研修計画も変更させて実施させております。それらのことが出光石油の実施した具体的な措置でございます。
#97
○宮田委員 今回の法改正のきっかけとなりました高圧ガス及び火薬類保安審議会の答申の中にも、法令上の保安教育計画の届け出制度が形骸化しているという指摘もあるのであります。
 出光石油化学の保安教育基本計画を取り寄せてみましたが、基本計画の改定日時が四十八年七月二十五日となっておるわけでありまして、事故は同じ月の七日でございます。対策を急ぐに越したことはございませんが、改定前後の内容を比べてみましても、保安教育をした場合、その実施報告書を工場長に提出するというのが目新しいくらいでございまして、事故の教訓がどう生かされているのかよくわからぬのでございます。たまたま改定の準備中に事故が発生したというようにもとれるのでございますが、この関係についてはどう思っておられるのか、お聞かせ願いたいと思います。
#98
○佐藤(淳)政府委員 保安教育の研修計画書の変更というのは八月に入ってからでございますので、確かに時間的の経過は余りございませんけれども、この工場に限りませず、一般的にいろいろな事故の実態を分析いたしますと、保安教育計画の中身自体が必ずしも十分でないということを強く痛感いたしますので、今回の法律改正の重点も実は先生の御指摘のところに相当あるわけでございまして、この面につきまして今度は実践的な、しかも相当現場に即応したような形の保安教育を定めてこれを実行に移してまいりたい、こう考えております。
#99
○宮田委員 二十六条の危害予防規程でございますが、三項では知事が「危害予防規程の変更を命ずることができる。」ということになっておりますが、このケースがあったかどうかということと、再び出光の徳山工場の事故後の対策に触れますが、同工場では事故後の八月に第三回改正をしております。高圧ガス危害予防規程を県に提出しておるわけでございます。それによりますと、非常災害発生時の措置及び教育訓練の方法とか工場保安管理組織の改正など新しい点が幾つか見られますが、先ほど申しました教育の問題につきましては後退というような傾向も見受けられるわけでございます。たとえば保安会議の開催のところは、改正前は毎月二回でございましたが、改正後は一回ということになっておるわけでございます。出光の予防規程改正を通産省はどう評価されておるものか、さっきも若干の答弁がございましたが、つけ加えてお答え願いたいと思います。
#100
○佐藤(淳)政府委員 最初の御質問でございますけれども、二十六条の三項に基づいて実際に変更を命じたケースがあるかという御質問でございますが、届け出の段階で変更を命じたケースは実はございませんが、事故が起きますと直ちに事故調査委員会を開きまして、そこで危害予防規程が実際に正しかったかどうかということをチェックする仕組みにいたしております。したがいまして、事故が起きたものにつきましてはほとんどこの予防規程の変更を命じさせております。今後は、事故が起きたということじゃなくて、事前に変更を命ずるように注意してまいりたいと思います。
 それから、もう一つの御質問でございますけれども、確かに従来保安会議の開催が毎月二回になっておったのが、事故後は原則として毎月一回ということに改められておりますが、これは実は事故前におきます保安会議と申しますのは、この高圧ガス取締法関係以外にいわゆる労働安全衛生法に基づくものを含んでおるわけでありまして、高圧ガス保安のための会議が毎月開催される保証が実は前はなかったわけでございますのが、事故後は新しく別に高圧ガス委員会というものを設置いたしまして、ここでは必ず月一回やるというふうに改めたということで、質的な変化をやったわけでございます。また、それと並びまして、危害予防規程の問題の検討も含めまして、いろんな点の検討をこの委員会でいろいろやっておるわけでございますので、その点は御了解いただきたいと思います。
#101
○宮田委員 次に、審議会の構成の問題についてお伺いいたします。
 化学関係に直接従事をしております者、それを組織しております労働組合、この代表が審議会に入っていない。この点については、いままでの組織のいきさつもございましたでしょうが、大きな手抜かりではないかと私は思っておるところでございます。たとえば就業規則等の関係につきましても、直接関係があるということで入っておるわけでございますが、事この化学問題に関しましては入っておりません。
    〔田中(六)委員長代理退席、塩川委員長代理着席〕ところが、最近の化学に働いておいでになる方々の組織が、連絡を強化しなければならぬということから一体化されておるわけでございますから、この審議会に出る委員を選ぶに際しましても、連携も非常によくとれるし連絡もとれる状態にございますだけに、この審議会に労働組合の代表を入れる考え方があるのかどうかということをお伺いいたします。
#102
○佐藤(淳)政府委員 先生御指摘のとおり、従来労働者代表の方がお入りになっておらないわけでございますが、今回の法律改正を機会に組合の方々がお入りいただけるように早速措置いたしたいと思います。
#103
○宮田委員 次に、行政上の問題についてお伺いいたします。
 何しろ最近のこの種の事故に対する問題というのがたくさん提起もされておりますし、現実の問題として起こっておるわけでございますが、関係をいたします法律、これは消防法あるいはまた労働安全衛生法とか、いま審議しております高圧ガス取締法ということで対処されておるわけでございますが、これがどうも動員の面におきましてもあるいは調査の面におきましても、一体化ということにはなかなかなり得ていないことであります。特に消防の関係についてでございますが、災害に対しましては消防組織のあり方が特に問題になっておるきょうこのごろでございます。たとえば現行消防組織法第十九条で市町村消防の自主性の規定として「市町村の消防は、消防庁長官又は都道府県知事の運営管理又は行政管理に服することはない。」とされておるのでございまして、これは自治体消防の大原則でございます。市町村消防は消防庁長官等の指揮監督を受けないことがはっきりしておるとも言えるんじゃないかと思うわけです。これは今日の情勢に照らし合わせて見ますと、重大なことじゃないかと思うのでございます。
 そこで、お伺いをいたしますのは、コンビナートの防災について、市町村消防の自主性と消防庁長官の監督はどのように行うつもりか。これは一見通産との関係が薄いようでございますけれども、何しろ災害の原因、災害の非常に不安の対象になっておりますのが通産省の関係でございますだけに、あえてお聞きをしておるところであります。なかなか指揮監督できないというふうに思うのでございますが、この点についてまずお伺いいたします。
#104
○佐藤(淳)政府委員 コンビナートにおきます保安防災体制のあり方としましては、いま先生おっしゃいましたように、市町村消防の独立という問題が確かにございますけれども、一方、災害対策基本法の中では、大災害を想定いたしましたケースといたしまして、地方別に都道府県知事を中心にいたしました防災の仕組みがございます。それで、石油化学工場を中心にいたしましたコンビナート地区につきましては、大体そういうような組織がすでに行政上つくられておるわけでございまして、そこにおきましては、共同訓練、共同防災資材等も用意されるように仕組みとしてできております。
 それから一方、われわれ通産省といたしましては、やはりコンビナートの中における工場が、まず自主的にみずから守る体制をとるべきであるということで、局長通達によりまして、コンビナートの防災協議会をつくらせております。この中で自主的に防災訓練もやっておりますし、それからいろいろな資材の問題、それから点検の問題等々も、現場の都道府県知事なりあるいは市町村、消防庁の御指導を得ながらやっております。
 それから、今度は各通産局、八つございますけれども、各通産局ごとに、一昨年の事故にかんがみまして、化学対策本部というものを常設いたしておりまして、ここに大体学識経験者、七十人ぐらい先生方をお願いしてございまして、この方々に、問題があるたびに現場の点検をお願いする等々のことをいろいろやっておるわけでございますが、さらにそれでも必ずしも十分と思えませんし、特に行政官庁の監督体制そのものについて確かにばらばらな面もございますので、ただいま自治省あるいは関係各省とも十分に連絡をとりながら、その点についての検討を進めておるというような状況でございます。
#105
○宮田委員 せっかく大臣お見えでございますので、さらにコンビナート保安についてお聞きするわけでございますが、三菱石油水島事故以来、コンビナートの保安体質の強化が緊急の課題になっておりますことは御承知のとおりであります。さきの委員会におきまして通産大臣は、三木総理が本件について新法制定の検討を自治省に指示しているからというような御答弁をされておるわけでございます。現在、自治省が、特に消防庁が検討しているのであれば、消防法あるいはまた消防組織法に基づく消防の観点が主であろうと思うのであります。コンビナート保安問題は、単に消防の面からだけではなく、最近は特に石油精製、石油化学、鉄鋼等に係る技術の知識や経験を踏まえて、適切な措置なり対策をとらねばならないと考えておるわけでございますが、これに関しましてまず大臣のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
#106
○河本国務大臣 総理の方から、先ほどお話しのような御指示がございまして、いま自治省が中心になって作業を進めておるわけでございますが、これに対しまして関係各省からいろいろな資料を出しております。そしていま、さらに御指摘がございましたように、単なる消防の知識だけではコンビナートの防災体制というものはやれない、こういうことから、通産省等からも技術者を中心として参画をさせまして共同で作業を進める、責任は自治省が持っておられますけれども、共同で作業を進めていく、そういう形でいま進んでおるわけでございます。
#107
○宮田委員 関連をいたしますが、所管大臣として、また現に高圧ガス取締法の所管大臣としての通産大臣は、三木総理が自治省に指示したからといって、責任のないような態度は許せないと思うのでございます。むしろ通産省がコンビナート保安についてももっと積極的に責任を負って取り組むべきだと思うのでございまして、この点についてのお考えをさらにお聞かせ願いたいということと、もう一つございます。
 そうであるならば、通産省は自治省と共同してコンビナート保安問題、なかんずく新法制定に前向きに取り組むべきであると考えます。特に石油備蓄法案を今国会に提出しようとしておられると聞いております。こういうことを考えますと、通産省の方々はちょっとのんびりされておるのではないかという気もするわけでございますが、本法案についても、こういうようなのんびりしたことになりますと、重大な考え方をさらに持たなければならぬというふうに思うわけでございますが、この点についても大臣の所見をお伺いをしたいと思います。
#108
○河本国務大臣 確かにコンビナートの中に存在する企業のほとんど全部は通産省が監督をしております。そういう関係でございまして、決して自治省任せということではありませんで、先ほど申し上げましたように、資料を出しますと同時に、特に技術的な面からはいろいろ助言をいたしまして、積極的に共同していま作業を進めておる、こういうことでございます。ただしかし、作業の責任は一応自治省が持っておられる、通産省は積極的に協力しておる。決して放置しておる、こういうことではございません。責任を痛感しながら進めておるわけでございます。
 なお、この防災体制を強化確立するということは、これからの産業政策上絶対に必要なことでございまして、産業政策を円滑に進める上におきましてもどうしてもこれは必要だと思います。特に先ほどお話のございました石油の備蓄との新しい関連におきましてもこれはぜひやらなければいかぬ仕事である、こういう自覚のもとに進めておるわけでございます。
#109
○宮田委員 出光の問題だけではございませんが、化学工場の中にいろいろな事故が起きておるわけでございますが、この事故対策の問題、あるいはまた新しい教育基本計画なり、あるいはまた予防計画なりを策定して県に申請をなさるわけでございますが、この計画を立案されるときに、労働組合の、労働組合がないところは直接その現場に働いておる代表といいますか、そういう方々が加わってこの計画を立てられておるものか。また、事故がありましたら、事故に対する対策、この問題についで労使で対処をされる、労使で予防計画を立てられるということになっておるものかどうか。私、化学のことをよく知りませんので、その点掌握されておりますならば、お聞かせ願いたいと思います。
#110
○佐藤(淳)政府委員 現場の保安教育並びに異常時の対応策等々につきましては、何といいましても上は工場長から下の従業員の一人に至るまで同じ気持ちで対処していただかなければならないわけでございますので、そういう観点から今度の法律改正の一つのねらいといたしましては、現場の方々一人一人がこの保安問題に参加するという意識を十分に盛り上げるということがねらいでございまして、従来の保安教育なり危害予防規程の作成の場合、制度的に労働組合の意向を聞くという制度にはなっておらなかったわけでございますけれども、法律改正後の保安教育あるいは今後新しくつくられる危害予防規程の作成の段階には、労働組合なり従業員の方々の意見が十分に反映させ得るように、それは形式的じゃなくて実質的に反映させ得るように、制度的にいろいろ考えてまいりたいと思いますし、またそうすべきであると考えております。
#111
○宮田委員 積極的にそういう件についての参加をお願いをいたします。
 次に、気象庁あるいは学者、また国土地理院などで構成しております地震予知連絡会が、さきに多摩川流域の異常隆起から地震の可能性を指摘しております。東京湾沿岸が地震に見舞われた場合、埋立地に林立する工場群の危険性はもとより、超過密の道路を往来しておりますタンクローリー車の保安問題がクローズアップされておるところでございます。四十年の衆院商工委員会での附帯決議にもその安全対策確立の必要性がうたわれておるわけであります。運送業者への保安教育は万全ということになっておるかどうかということと、それから地震時の高圧ガスの輸送、この点について通産省の考え方をお聞かせ願いたい。若干抽象的な質問になりましたが、いまそういうところにおります地域の住民の方、大変に不安を持っておるところでございますので、その点について何かお考えがあればお聞かせ願いたいと思います。
#112
○佐藤(淳)政府委員 今回の法律改正におきましても、特にタンクローリー等の輸送保安確保対策というものが一つのかなめになっております。それで、現在高圧ガスの移動につきましては、規則によりまして特に都市部のような人口集中地域につきましては特別の規制を行っております。具体的には、タンクローリー等に対しては、一定の資格を有する移動監視者を同乗させるほか、繁華街または人込みの通行を避けさせるということをやっておりますし、それから駐車をする場合は、住宅の集中地域は避けるように規定してございます。それから、一定量以上のガスを移動しようとする場合は、移動計画書を通産局長に提出して確認を受けなければ移動できない規定を設けております。通産局長は、この確認を行う場合には、都市部の道路のうち高圧ガスを移動することが望ましくない道路の通行に際しましては、管区警察局の了解のあった場合を除いては認めておりません。さらに、いま御審議いただいております法律改正案が成立した場合には、基準類の整備をさらに図りまして、輸送の万全を期する覚悟でございます。
 それから、第二点の地震時の輸送保安対策でございますが、仮に地震が起きますと、重大な災害をもたらすおそれがございますので、その具体的な方法をただいま検討中でございますが、地震時におきましては車両の追突、場合によっては転倒が考えられるわけでございますが、たとえば追突時の事故発生の防止のためには容器とリアバンパーの間隔を規制するとかあるいはバルブの弱い部分をプロテクターで保護させるとかあるいは消火器などの防災の器具の携帯を義務づける等々の規制をただいま検討いたしております。
 それから、現在でも、事故が発生した場合の防災活動につきまして、関連業界の互助組織を各県ごとに地域防災協議会という名前でつくらしておりますけれども、これにつきましても地震を想定して一層強化する方法もただいま検討中でございます。
#113
○宮田委員 次に、水島の三菱石油の事故に関連するのですが、石油化学工場内のプラント事故と鋼材の材質の問題についてお伺いいたします。
 高圧ガス保安協会の事業計画、これは四十七年度のものですが、その中にも高張力鋼等の技術基準の作成というのがありますが、その基準はいつ作成されるわけか、これをまず一つ聞きます。
 それから、水島の事故もあったことですから、タンクの鋼材の材質の見直し等をやるべきだと思うのでありますが、鉄鋼メーカーとの連携はどうされておるか、あわせてお答え願いたいと思います。
#114
○佐藤(淳)政府委員 通産省から高庄ガス保安協会に委託しております高張力鋼の技術基準の作成につきましては、四十七年度から継続してやっておりまして、五十年度に完了する予定になっております。
 それから、高張力鋼の材質の問題につきましては、水島のタンクにつきまして、いま消防庁の方で、事故調査委員会で十分に御検討願っておりますので、われわれの方としてもその結果を得ますれば、早速参考にさせていただきますが、さらに今後は、今度の法律改正にもございますように、特定の設備、危険な設備につきましては、メーカー段階においても材質を検査する仕組みを新しく導入いたしましたので、そういう場合は当然のこととして鉄鋼メーカー等とも材質の問題について十分に打ち合わせることに相なろうかと思いますので、具体的にいろいろ検討してまいりたいと思っております。
#115
○宮田委員 次に、高圧ガス保安協会の業務拡大に関連して二、三質問をいたします。
 まず、一般家庭でのLPガス事故予防のために消費者保安センターを設置することには賛意を表しますが、この業務拡大に伴います人員計画、さらには平年度の予算規模をまずお聞かせ願いたい。さらに、でき得れば、将来計画も含めてお答え願えれば幸いであります。
#116
○佐藤(淳)政府委員 今度の法律改正を機会に、協会の業務が相当拡大するわけでございますが、人員計画につきましては、補助事業部門と非補助事業部門があるわけでございます。補助事業部門と申し上げますのは、今度この協会に新しく出資並びに補助金が入ることになったわけでございますが、その仕事の中核の一つといたしまして、いま先生がおっしゃいましたLPの保安センターができるわけでございますが、ここに大体十名でございます。それから、国内外のいろいろな情報を集めまして、新しい技術基準の制定に資するための保安情報センターをつくる予定になっておりますが、ここに六名でございます。さらに、保安技術基準の制定のための補助事業としまして、さらに六名を張りつける予定にいたしておりまして、全体としては来年度は九十四名の人員を考えております。
 それから、予算でございますが、国全体といたしましては、三億四千六百万円の一般会計からの予算を予定いたしておりますけれども、補助事業部門の全体といたしましては、約五億程度の事業を考えております。
 それから、非補助事業といいますのは、これは検査とか講習、保安教育等々が非補助事業部門になるわけでございますが、これが大体、五十年度におきまして十億程度の予算規模を考えております。
#117
○宮田委員 最後になりますが、過去数年間の協会の決算報告書を調べてみましたが、疑問に感じる個所がございます。
 一つは、四十六年度決算書に出向社員退職金というのがあります。金額は、他の項目と一緒になっておりますので、正確なことはわかりませんが一出向社員というのですから、文字どおりはっきりした所属会社があるわけだと思います。この点をひとつお聞かせ願いたい。
 それから二つ目は、四十七年度決算書に退職金二千五百余万円というのがあります。調べてみましたところ、役員さんが二人やめたということですが、それは在職期間は六年と九年でございます。私がこの問題を取り上げますのは、本法が改正された暁には、当然給与規程のようなものができると思うのでございますが、現行法でも協会に対する監督命令等の権限を通産省が持つわけでしょうし、世間の常識に照らしました場合、どうかと思いますが、この点についてお聞かせ願いたいと思います。
#118
○佐藤(淳)政府委員 まず、御質問の第一点でございますが、出向職員に対する退職金の問題でございます。これは、四十五年四月に保安協会に出向してまいりまして、四十七年三月に退職した出向職員の退職金でございます。出向職員に対する退職金等は、当該職員の出向時に出向元会社と協会の間で契約を結びまして、それで協会規程による退職金を出向者の退職金の一部として出向会社に支払うということにしておるわけでございまして、退職金の水準も、高圧ガス保安協会の退職金規程によったものでございまして、これは適正であろうと思います。
 それからさらに、四十七年度の決算書に役員の退職金二千万以上計上されているという御指摘でございますが、これは本協会の退職金規程に基づいて支給されておりますが、理事についての支給基準は、ほかの特殊法人との横並びで見ますと、むしろ低めでございます。それから、このときやめられた役員は、この年度に役員が三人一挙に退職したことが原因でございまして、これも先ほど言いましたように、特殊法人としては非常に低い水準の退職金規程に基づいて支払われたものでございますので、妥当であるとわれわれは考えております。
#119
○宮田委員 ひとつ誤解のないようにしていただきたいわけですが、退職金が多いとか低いということで言っておるわけじゃございません。やはりこの種の関係については、給与規程というものがつくられてしかるべきじゃないかということを言っておるわけでございますが、その件について何かありましたら、ちょっと答弁願いたいと思います。
#120
○佐藤(淳)政府委員 従来とも、先ほど言いました退職金の規程やら給与規程につきましては、われわれとしても十分監督はしておったわけでございますけれども、ただ従来、人件費等につきましては会費で賄ってきたということもございまして、自主的に運営させていた面が確かにあったわけでございますが、今度は新しく予算措置をいたしまして出資も入りましたので、今後は、給与規程、退職金規程等々の財務部関係につきましては、一切通産大臣の承認を得るというふうに改めることにいたしております。
#121
○宮田委員 それでは終わります。
#122
○塩川委員長代理 これにて宮田早苗君の質疑は終わりました。
 引き続いて、野間友一君。
#123
○野間委員 私は、公害災害上大問題になっておりますコンビナート、とりわけ石油化学工業の問題について、これから若干の質問を申し上げたいと思います。
 いろいろ調べてみますと、この石油化学工業は、昭和三十二年に本格的に誕生したわけでありますが、その後十七年間、世界にたぐいまれな成長を遂げてまいりました。設備投資は約二兆円弱、大変な額です。エチレンの生産量を見てみますと、三十二年と四十八年を比べますと、約二百九十倍、わが国の全化学製品中に占めるエチレンの割合は、生産額で言いますと一・八%から三六%へ、まさに超高度経済成長、超成長を遂げたわけであります。
 このように石油化学工業が成長を遂げた大きな理由の一つは何か、それは政府の手厚い育成政策、これがあったということであります。特に初期の段階、三十年の通産省の省議決定がありますけれども、これはいわゆる石油化学工業の育成対策、これが重要な背景をなしております。
 そこで、初めにお伺いしたいのは、この省議決定に基づいて今日までとってきた助成措置の内容について、ひとつ簡潔に御答弁を願います。
    〔塩川委員長代理退席、萩原委員長代理着
    席〕
#124
○矢野政府委員 お答えいたします。
 いまの省議決定に伴いまして、石油化学工業の育成のためにとられた施策でございますが、一つには、まず石油業法の運用によりまして、原料ナフサを安定的に確保したということが一つございます。それから第二は、重要機械免税制度等によりまして機械設備の積極的な導入を図ったわけでございます。第三点は、開銀融資あるいは特別償却制度というような租税特別措置によります制度によりまして設備投資の促進を図ったということでございます。それから第四点は、関税あるいは外資法の運用というようなことで、先進国の世界的企業、巨大企業の進出からこれを保護したということ。それから最後の点におきましては、国際競争力強化という点で、エチレン設備の大型化を推進いたしまして、これまた外資法に基づく技術導入契約のチェックというふうなことで、この大型化の実行を確保した。大体この五つに御説明ができるかと思います。
#125
○野間委員 いまのお話にもありましたように、開銀融資、これは業界の資料によりますと千十四億円出ております。通産省からもらった資料では、これは石油化学にかかる構造改善枠として四百二十二億という資料をもらっておりますけれども、業界では千十四億、こうなっておりますね。開銀の関係ではこのように莫大な融資をする。それから、いまお話がありましたけれども、重要設備の特別償却、それから重要物産製造者の法人税の免税、それから重要機器の輸入関税の免除、いま言われた大型化の促進、まさに至れり尽くせりでこの石油化学工業を今日まで育成してきたというのは先ほどの答弁にあったとおりであります。
 そこで、次にお聞きしたいのは、これらの助成措置、これが業界の要求に基づいてやられてきたということも、これまた事実であります。石油化学工業協会が、当時の事情について石油化学工業の十年史の中でも述べておりますけれども、そこで先にお聞きしたいのは、石油化学工業懇話会ですね、それから後の石油化学工業協会、これは何社で、どういうのが入っておるのか、お聞かせ願います。
#126
○矢野政府委員 お答えいたします。
 石油化学工業協会、現在の加盟社は三十八社ございます。
#127
○野間委員 いや、最初懇話会があって、これが協会になりましたですね。発足した当時何社で、どういうのが入っておるのか、こういうことを聞いておるのです。
#128
○矢野政府委員 発足時の会社数がいま手元にございませんのでお答えができないのは残念でございますが、当初、東燃石油化学とか三井石油化学あるいは三菱油化、こういったものが中核をなしましたので、そういった会社がメンバーになっていると思いますが、最終の数字をお答えできないのは遺憾に存じます。
#129
○野間委員 この十年史によりますと、この懇話会、これは三十二年に結成されて、旭ダウ、昭和電工、住友化学、日本石油化学、古河化学、丸善石油、三井石油化学、それから三菱石油、三菱油化、モンサント化成、この十社であったということが十年史にはあるわけですね。
 これがいま申し上げた協会に発展的に解消するわけですけれども、ここで、その十年史の中身を見てみますと、こういうことを書いておるわけですね。「昭和三十二年二月に石油化学工業の健全なる発展と石油化学会社の協調を目的とした「石油化学工業懇話会」が結成された。これに参加した会社は、十社であった。」「この懇話会は、政府の石油化学育成策に対する積極的な働きかけを開始した。税制面では昭和三十二年四月に法人税法第六条の重要物産免税品目に石油化学製品を適用させ、七月には租税特別措置法による特別償却制度の適用および揮発油税の免除を決めることにも成功した。また、開銀融資については、三十三年、特別枠の対象業種に指定された。」「さらに、石油化学工業原料の主体となった揮発油に対する原油外貨の特別割当についても陳情していたが、三十三年末に認めさせた。」先ほど育成助成策について幾つか述べられたわけですけれども、いま申し上げた、これは石油化学の大手でありますけれども、これらがつくった協会が、この十年史によりますと積極的に働きかけてこれこれをさせた、こういうことを書いているわけですね。だから、これが事実かどうかということなんですけれども、これによりますと、いかにもこの大手の企業があれこれして、それに呼応して通産省が、あるいは大蔵省も入りますけれども、それに対する手当てをした。これからすると、まさに財界と申しますか、大手の企業の言うとおり一つ一つの手だて、助成策をとってきたというふうに私は感ずるわけですけれども、その点についていかがですか。
#130
○矢野政府委員 ただいま協会十年史の経緯の御説明がございました。これは、私どもの方もそれを否定する根拠はないと思います。要するにおそらく事実だと思います。いわゆる大手企業からこういういろいろな動きがあって、その結果、現在のような石油化学工業というものがいろいろな助成の上にできたのではないか。これは私どもの方も、当時の考え方からいたしますと、石油化学工業が将来やはり日本の輸出あるいは国内の国民経済に非常にプラスになるだろう、こういう判断のもとで、先ほど先生御指摘のような昭和三十年の省議決定もあったわけでございまして、いわば当時、出発のときはたしか開銀の新規産業というような扱いだったと思います。その後三十二年あたりから構造改善枠ということに切りかわったと存じますが、いずれにいたしましても、当時はこれは新しい産業として日本に定着させたいという政府の姿勢もありまして、それがいまの大企業十社でございますか、こういった要望と相結んでいまの石油化学工業が固まってきた、こういうふうに解釈してよろしいのじゃないかと思います。
#131
○野間委員 いま認められたわけですけれども、中小企業とかは、われわれもよく政府に陳情したり要求したりするのですけれども、なかなかこれのガードが厚くてやらない。いま申し上げましたように、石油化学についていいますと、一つ一つこれについて強力に大手が働きかけてこれを実現したということなんですが、こういう点を見ますと、やはり通産省は企業寄りだという評価を受けるのはあたりまえじゃないか、そういう感じがするわけですね。しかも、この石油化学工業の育成強化のために、さらに金融あるいは税制上、先ほど挙げましたこれだけではなしに、操業率の向上あるいは規模の巨大化、はやりの言葉で言いますとスケールメリットの追求だと思いますけれども、これについても非常にきめの細かい指導をされてきたわけであります。これは事実認められると思いますが、三十四年の十二月に「今後の石油化学工業企業化計画の処理方針」、こういうものを出しております。この中で、時間の関係でこちらから言いますけれども「生産設備の増強を図り、輸入の完全防遇を実現すること」、それから「総合石油化学コンビナートの完成を期すること」「コストダウンと基礎製品等の供給力の増強を図ること」、こういうことがこの処理方針の中に書かれておりますけれども、この事実は間違いありませんね。
#132
○矢野政府委員 御指摘のとおり、事実でございます。
#133
○野間委員 これを見ても、この中には保安上の対策が全く欠落しておる。まあ驚いたわけですけれども、さらに次いで三十五年の一月、これは通産省化学工業局の中に化学工業研究会がありまして、ここの論議なども私、見てみました。これも十年史の中に出ておりますけれども、国際競争上の格差を解決するには、当面は操業率を向上させることしか方法がない、アメリカでは一般に石油化学工業の操業率は八〇%以上だ、これを九〇%あるいは一〇〇%操業にまで高めて、国際的な競争にたえる必要があるのだ、こういうこともこの研究会の中で論議されたということが記載されております。これ間違いないと思うのですね。
 さらに、四十二年、これは石油化学協調懇談会、これがエチレン新増設基準として年産三十万トン以上という方針を決定した時点のコスト試算をしております。これによりますと、年産十万トンを基準として、二十万トン規模ではキロ当たり四円のコストダウン、三十万トンでは六円、四十万トンでは六円六十銭、こういう試算をしております。この協調懇談会、これも協会それから通産省あるいは開銀等々、つまり官庁それから民間の企業、業界、こういうものが寄ってつくったわけであります。
 こういうふうに一連の経過を見てみますと、コンビナートを一つの至上命令として、しかもそれだけではなしに、そのスケールメリットの追求という点から、生産規模を巨大にしていくということですね。と同時に、操業率を九〇ないし一〇〇に高めていくということで、一貫してこのようなスケールメリットの追求を、官があげて民間と一緒になってやってきたという経過がこの中でうかがわれるわけですけれども、こういう事実についてはどうですか。
#134
○矢野政府委員 先ほどもお答えいたしましたとおり、国際競争力の強化ということを至上命題といたしましたので、そのスケールメリットとしては先生御指摘のとおり、四十年で二十万トン、四十二年に三十万トン規模ということで、三十万トン規模ということならば、国際競争に十分たえ得るだろう、こういう形で動いてまいりましたので、いまのお話は事実だと思います。
#135
○野間委員 四十万トンについても同じですね、いま答弁ありませんでしたけれども。
#136
○矢野政府委員 スケールメリットの規模といたしましては、三十万トンを実は国としていまの協調懇で決めたわけでございまして、四十万トンというのはむしろそれ以上であればということで、特に四十万トンが非常によろしい、こういうことは判断しておりません。
#137
○野間委員 いま若干申し上げたような経過を見てみますと、先ほど申し上げたけれども、設備がどんどん増加し、しかも巨大化してくる。ところが、一連の方針なり文章を見ましても、これに対する保安上の問題が全く欠落しておる。これを見て実は私驚いたわけですけれども、結局生産第一主義、スケールメリットということでどんどんやっていくけれども、これについての保安上の問題が全く抜けておるというようなこと、これはとんでもない話だと思うのですね。生産の規模の拡大あるいは生産量をふやすと同時に、人の健康とか命、これを守らねばならぬ。これは中には労働者ですね、あるいは外には住民の健康、命にかかわる直接重要な問題であります。いまはとりわけ保安の問題が重要視されるようになったわけですけれども、ワンテンポもツーテンポもおくれて保安がついていっておる、こういうような現状ですけれども、そういうような点から考えて、こういう石油化学工業を育てるという方針をいまあなた述べられましたけれども、なぜ同時に人間の命や健康を守っていくという立場が一体となってこなかったのか。これについては大変な手落ちがあったのじゃないかと私は指摘せざるを得ないと思うのですね。この点どうですか。
#138
○矢野政府委員 保安の流れにつきましては、別途立地公害局長の所管かと思いますが、御指摘のとおり昭和三十三年適正規模二万トンと決めまして以降、三十六年に四ないし六万トン、それから三十八年におきまして十万トン、それから四十年が二十万トン、四十二年三十万トンということで、いわば巨大ではございますが、国際競争力強化のためには適正規模という判断をしたわけでございます。確かに四十年ぐらいまではこういった協調懇というところで設備投資を調整する際に、公主とか保安という問題に対して、特に当時は保安でございますが、保安問題に対して非常に不十分であったのではないかと私も思います。ただ、たしか四十二年の三十万トンのときになりまして、四十二年は一般高圧ガスの災害が非常に多うございまして、四十八年の件数よりもやや少ないのですが、非常にふえたときであります。たしかそのときには、基準といたしまして保安上の配慮が十分なされているものであることということをうたったと私は記憶しております。そういうようなことで、四十二年くらいの体制としては保安を配慮しだしたというのが実情だと思います。
#139
○野間委員 局長も認められたけれども、結局これが三十年ごろから問題になる。問題になるというのは、石油化学工業を重視するということを国も決め、そして企業も一緒になってこられたというわけですね。それから、いま四十二年のお話がありましたけれども、保安対策そのものがずっとおくれて出てきたわけでしょう。問題になってから出てきたわけですね。これは国がそういう姿勢であったから、業界もまさにそうだったわけです。といいますのは、これまた同じ十年史の中の「保安・公害対策」というところで、これによりますと、たとえばこういう記載もあります。三十九年五月に自主保安基準を協会がつくった。その後「三十九年六月に新潟地震による石油精製工場の火災、ついで川崎地区におけるプロピレンオキサイトの爆発事故が発生すると業界は直ちに」――「直ちに」と書いてあるのがみそですが、「協会の中に防災保安委員会を設置して自主保安体制の整備強化を目指し、昭和四十二年四月には「石油化学工業危害予防規程規範」をつくって」云々、そして「四十三年初めに千葉地区で高圧法ポリエチレンの爆発事故が発生すると保安委員会の中に特に高圧法ポリエチレン保安小委員会を設けた」結局、何か事故がありますと、その後これに対して手だてを講じた、こういうことがこれに書かれておるわけですね。ですから、政府がそういう姿勢でありますから業界自身もこのようにして、後で気のつく何とやらで、結局何か健康や人命に被害とか影響があるというような事故があった後にこれについての手だてを講じようという、後手後手の姿勢を業界そのものが今日まで示してきたということが、業界史の中でも明らかに出ております。ですから、せんじ詰めて言いますと、政府そのものがそういう姿勢だから、つまり育成強化の方針を三十年に決めて、それから十年も後になってからここにもありますがコンビナート地域の保安に関する基準、化学工業局がこういうものをつくって通達しておる。それから、コンビナートの保安規制、こういう規則をつくるという動きがいま出てきたわけでありますけれども、それもいま申し上げた四十三年の自主保安のための基準という化学工業局から出しておる通達、これから七年おくれてやっとこの規則を定めようとしておる。
 こういう点から、政府も業界もこういう保安対策の立ちおくれを本当に真剣に反省して、そして抜本的な対策を立てなければならないということが当然出てくると思うのですね。これらについてどのように考えておられるのか。
#140
○佐藤(淳)政府委員 この産業は、先生御指摘のように三十四、五年ごろから急速に成長いたし発展してきた産業でありますために、保安面におきまして十分であったかとの御指摘については、必ずしも万全でなかった点を率直に認めざるを得ないと思います。したがいまして、今後は特に規模別に、大型の問題あるいはコンビナート等の集合地域の問題等々の実態に即して一しかも今後のこの産業の進展の度合いに応じまして、機動的に保安体制を確立しなければならないというふうに痛感いたしております。従来、ともすれば後手であったということも踏まえまして、われわれとしては先取り的に保安の問題をとらえ、設備面の問題、保安教育の問題あるいはコンビナート全体の防災体制の問題等々のすべての分野にわたりまして積極的に正していくようにしたいと考えております。
#141
○野間委員 後で気がつくというようなことでは、もう今後は絶対許すことはできないと思うのです。この十年史に「とくに近年は保安・公害に対する地域住民の関心はいちじるしく高まってきている。」という全くばかにした表現があります。つまり、保安、公害に対する住民の関心が著しく高まってきたという記述で保安、公害対策が書かれておる、こういう姿勢ですね。人がやかましく言うから、住民がうるさいからという発想がこの表現の中にあると思うのですね。企業に対して厳しく規制強化をしなければならぬ、この姿勢そのものを私は非常に問題にしたいと思う。ようやっといま反省するような答弁がありましたけれども……。
 そこで、この大幅な規制強化について、コンビナートの保安規則ができるようでありますけれども、これはいまできておるのかどうか、できておるとすれば、その中身についてはどうなのか、その点について若干お聞かせ願いたいと思います。
#142
○佐藤(淳)政府委員 この法律の改正に伴います保安規則につきましては、ただいま検討いたしておる段階でございまして、できるだけ早い機会に実施に移すように準備中でございます。
#143
○野間委員 いつごろこれができるのかということと、休憩前に通産大臣も言われましたけれども、自治省を中心として、コンビナート規制法というものがいま準備されているということで、これとの関係ではどうなるのかですね。
#144
○佐藤(淳)政府委員 技術基準を中核といたしますところの省令の改正につきましては、三月下旬を目途にただいま作業をやっております。
 一般的なコンビナートの保安体制につきましては、ただいま具体的に自治省と検討いたしておる段階でございますが、この辺につきましては、単に通産と自治省のみならず関係省庁が大分入っておりますので、はっきりした見通しはまだ私の口から言える段階にはございません。
#145
○野間委員 通産大臣にお聞きしますけれども、コンビナート規制法ですね、これは今国会に出すことをめどにしていま作業を進めておられるのかどうか。
#146
○河本国務大臣 間に合わせるつもりで作業が進んでおるはずでございます。
#147
○野間委員 局長にお聞きしますけれども、いま申し上げた規則とコンビナート規制法とはどういう関係にあるわけですか。
#148
○佐藤(淳)政府委員 保安規則は高圧ガス取締法の実施のために必要な技術基準でございまして、この産業の保安対策上最低必要な技術基準を定めるということでございます。
 それから、コンビナート法と言われている問題は、コンビナートの中には高圧ガスの産業やら石油タンクあるいは電気工作物、ガス等々のいろいろな産業が入っておりますので、これをコンビナートの面としてとらまえました一体的な防災保安体制はいかにあるべきかという観点から検討しているわけでございます。
#149
○野間委員 そこで、この保安規則について少しお伺いするわけですけれども、いま申し上げたように、石油化学工業については、税制上、金融上、その他いろいろな優遇措置をいままで講じてきて、急成長をなしてきた産業でありますが、今度また、通産省が出しております「高圧ガスの保安体制の強化の方向」という資料によりますと、一つの手だてとして開銀及び中小企業金融公庫融資あるいは税制上の特別償却、このために財政融資、それから税制の各般にわたって措置をするのだということが書かれてあるわけですね。
 ここでお聞きしたいのは、いま石油化学工業が非常に巨大化して、内部留保、蓄積もずいぶん進んでおる、その上にこの規則をつくって、それを背景としてさらに金融、税制上の助成措置が講ぜられるということになっておりますけれども、なぜいまの時期になってもこういう助成措置が必要なのか、具体的にどういう根拠でそういう判断をしたのか。それからもう一つ、大企業の場合、この規則が実施された段階で、平均してどの程度の負担になるのか、そういう試算をされているのかどうか、そのあたりを聞かしてください。
#150
○佐藤(淳)政府委員 今度の法律改正に伴いまして、高圧ガスの対象産業に対しまして、従来に比べますといろいろな設備の面で強化の義務づけをすることになるわけでございます。しかも、この設備面の保安体制の確立というのは非常に事を急いでおりますし、一たび事故が起きた場合の地域住民に対する影響もございますので、緊急にこれを完成させたいということをわれわれ念願いたしております。このように相当大規模かつ多額の投資を短期間のうちに完成せしめるという場合には、やはり何らかの補助的手段を講ずるということは一般的にいままでも行われてきているわけでございまして、特に今回のように、単に工場の保安という面のみならず地域問題として考えた場合も、この設備の強化というのは非常に重大であるという面から、特にこういうことを措置することにいたすわけでございます。
 それから、金額の点でございますが、大体われわれとしましては、二年間ぐらいにこれを完成せしめるということになりますと、今度の保安強化によります上積み分は一千億ぐらいかかるだろうというふうに想定いたしております。
#151
○野間委員 中小企業に対しては当然助成措置を講じなければならぬということは、私は理解できるわけです。ところが、この期に及んでもなおかつ大企業優遇に何でこんなに上積みするのかということが理解できませんし、いろいろ国民的な立場で聞いてみましても、これはやはり依然として大企業優遇の措置が講ぜられているということで非常に批判が強い。当然だろうと思います。いま業界全体で上積み分が一千億という話がありましたけれども、この程度のものなら、それぞれの内部留保とかあるいは民間の金融機関からの借り出しで十分まかなえるのじゃないか、私はこう判断するわけですけれども、その点についてどうなのかということ。
 それから、急速に金が要る、急速に手だてをしなければならぬのでこれは金が要るのだという話がありますけれども、これとてよく考えてみますと、いままで野放しできた。それがために、いま申し上げた公害や災害の問題で保安上の設備を強化しなければならぬ。ですから、たとえば公害の場合にはPPPがありますけれども、この災害の場合だって私は同じだと思うのです。自分が企業として物をつくるわけですから、それと両輪の関係にある保安については、いままでも手厚い手だてをするのが当然だったわけです。先ほどから聞いていますと、これについては後手後手で、この点についての反省もあったようですけれども、しかも設備がこれだけ巨大化すればするほど、一たん起きる災害の影響というか、被害の度合いがこれまた巨大になるというのも当然だと思うのですね。ですから、いままで後手後手に企業がやってきたということに原因がありこそすれ、いま急速にこれをとめなければならぬ――それは単なる企業の中の問題ではなしに、住民との関係があるんだ、こう言われました。確かに地域住民の立場から考えても、保安の設備を強固に、しかも早急にというのは当然の要求ですね。しかし、その要求と、それからこのような助成措置を講じなければならぬかというのは、これはまた別の問題だと思うのです。このあたり、どういう根拠に基づいてこういうことを決められたのか、ひとつお聞かせ願いたいと思います。
#152
○佐藤(淳)政府委員 本来保安投資というものは、いわゆる設備投資の中の生産関係投資と違いまして、事業所の生産とか収益に直接つながる投資じゃないわけでございます。しかも、今度われわれが実施せしめる内容は、現在の基準は十分に守られておるわけではありますけれども、この国の基準を変えようということでございまして、しかも既存のものに対しても保安強化をやらせる、しかも短期間にやらせるということが一つの大きな目的でございますし、単にその工場内の保安のみならず、公共保安、広域保安をここで確立させたいということで、この設備投資自体が相当公共性を持っておるというようなことでございます。そういう意味では、単なる設備投資といっても、国としても十分にこれを資金面、融資面で応援していくことは当を得たものとわれわれは考えております。
 それから、単にこれは大手のコンビナート企業のみが対象になるわけじゃなくて、中小規模の工場につきましても保安強化をやっていただくことになるわけでございます。これはコンビナートのみならず、単独立地の企業についても、中小規模についてもやっていただくことになるわけでございまして、これにつきましても中小金融公庫等の手当てをいたしまして、大手、中小に関係なく今度の措置を円滑に、しかも短時日にやらせたいという目的であることを御了解いただきたいと思います。
#153
○野間委員 いま私が申し上げたように、保安を強化せいということはだれも否定してないわけですよ。そうでしょう。それと金の手当ては別の問題だということを言っておるわけですよ。と同時に、これも私先ほどお聞きしたわけですけれども、中小企業に対する助成はわかるというのです。ところが、中小企業と大企業と差別せずにという話がありましたが、そうではなくて、大企業ならこの程度の金は自力で手だてできるのじゃないかということを申し上げているわけです。それじゃ一千億円の、大企業と中小企業で必要な金額の割合は大体どういうことになっていますか。
#154
○佐藤(淳)政府委員 先ほど申し上げました保安投資規模の一千億というのは、大手の企業でございまして、中小規模は大体これの五分の一程度になろうかと思います。
#155
○野間委員 これはやはりぼくは再検討すべきだと思います。
 そこで、関連して聞くわけですけれども、冒頭から申し上げておるように、政府が指導して操業率を高め、それから規模を巨大化してきたという経過ですね。しかも、合理化あるいは機械化がずっと進められてきた。急速に技術も進んだわけです。そして、その中で、先ほど国際競争力な問題がありましたけれども、コストダウンというものを至上命令としていままで種々の施策を講じてきたわけですが、そういうような一連の三十年から始まる政府のとった措置、そういうものが適正であったかどうか、相当であったかどうか、どう考えられるのか、その点どうですか。
#156
○河本国務大臣 昭和三十年代の初めから日本の産業を重工業、さらにまた先ほどお話しの石油化学工業を中心とする化学工業に転換をしたわけでございます。明治初年から昭和三十年代の初めまで九十年間、わが国は繊維産業それから雑貨工業を中心とする軽工業が中心であったわけでございますが、いまから二十年前の世界の体制の中におきまして、日本の産業というものは重工業と化学工業に転換しなければ生きていくことができない、そういう観点に立ちまして、政府が全力を挙げてバックアップいたしまして日本の産業を構造転換させたわけでございます。その結果、現在ようやくいろいろな面で国際競争力を発揮いたしまして、われわれが世界において十分な経済活動をできる基礎ができたわけでありますが、そういう意味において、私はこの産業構造の転換という政策は大成功であった、こういうふうに考えております。ただしかし、先ほど来質疑応答がございましたように、余りにも急激な転換でありましたために、しかも特に石油化学工業の場合は外国の技術を導入してこれを行った、こういうことのために防災面あるいは公害面で後手後手に回った、そういう失敗があったということは、これは私は率直に認めざるを得ない。それをいま一生懸命取り返しておるというのが現状である、こういうふうに認識をしております。
#157
○野間委員 と同時に、私伺いたかったのは、いわゆるスケールメリットの追求ですね。巨大化、これがいまどこでも反省されておるわけでありますけれども、そういう点から考えて、いま二十万トンあるいは三十万トン、四十万トンの話がありましたが、大きければ大きいほどいいのだという姿勢ですね。つまり、操業率をずっと九〇、一〇〇に高めていく、それから生産量をふやすために大きな装置をどんどんつくっていく、こういう巨大化、大きいことはいいことだということを私はやはり反省しなければならぬと思うのです。いままでの施策がそういう方向で進められてきた。しかも、いま通産大臣認められたけれども、保安や公害上の問題が後手後手に回ってきた。この問題を考えてみますと、巨大化そのものがよかったかどうかということが真剣に反省されなければならないんじゃないか、こう思うわけですけれども、その点について通産大臣いかがですか。
#158
○河本国務大臣 わが国の宿命的な産業構造といたしまして、資源が全然ないということをまず第一番に考えなければいかぬと思いますし、それから人口が非常に多いということも大きな要素として当然考えていかなければならぬと思うわけでございます。そういう意味から、資源がなく人口が多い、したがって外国貿易に依存しなければいかぬ。外国貿易に依存します場合には、これはやはり外国との激しい競争になるわけでございます。激しい競争に打ちかつためには、やはり低廉でしかも良質な品物をつくるということが肝要でございまして、そのためにはスケールメリットということがどうしても前提条件になると私は思います。特に新しい商品の開発とか新しい技術の開発、こういう面はスケールメリットのある実力のある企業、これが前提になるわけでございまして、そういう意味からスケールメリットということは決して悪いことではない。やはり日本の産業は、ある程度の競争力を保持して外国との貿易に打ちかつためには、スケールメリットというものは必要である。ただしかし、最近反省されますことは、大きくなればなるだけ企業としての行動というものに自制を加えて、行動の基準というものをはっきりつくって、そうして社会的責任を自覚しながらこれを行っていく、そういうことは当然必要だと思います。しかし、スケールメリットということにつきましては、先ほど申し上げましたような考え方を持っているわけでございます。
#159
○野間委員 ただ、私申し上げたいのは、保安対策なり公害対策が巨大化の中でうまくマッチして、十分手だてがなされてき、またなされれば、それはそれなりの一つの議論ではないか、考え方ではないかと思うのです。ところが、一方では大きくなるだけなる、ところがそれに対応する適切な保安対策がなされてこなかった。現に事故が多発している。しかも、これらが巨大なこういう石油化学工業、とりわけコンビナート、その中から出てきているということの中で、いままでのような形のやり方がよかったのかどうか、それを反省すべきじゃなかったか、こういうことを申し上げているわけで、確かにいろいろな資源の問題あるいは国際競争力の問題、それを通産大臣が言われるのは、私は決して全部否定するわけじゃないんです。しかし、そういうような形で、保安対策はおざなりになってもスケールメリットはいいんだという理屈は毛頭出てこないと思うのです。通産大臣の話を聞いておりますと、何か発想が私と逆なような感じがするわけです。健康とか命とか環境とか、そういうものを必ず十分手だてした上での設備の新設あるいは増強、こういうものがなされなかったことが、いまコンビナートの規制なりあるいはその他のいろいろな手当てを急速にしなければならない大きな原因になったんじゃないか、こういうふうに思うわけです。
 そこで、関連して労働者の人員の確保の問題についてお聞きしたいと思いますけれども、時間の関係でこちらから申し上げますけれども、石油化学工業に働く労働者の数の推移、これを生産量の推移との関係で数字を調べてみますと、たとえば四十五年の生産を一〇〇として従業員を一〇〇とすると、生産と従業員の数、これが全く対応せずに、生産はふえるけれどもそれに見合って従業員の数がふえていないというのが通産省の調査統計で明らかに出ておるわけであります。こういう点から考えて、保安設備そのものをいかに強化していくかということと同時に、結局最後はやはり人間の手だと思うのです。人間の確保がなければ、保安対策上も決してこれがいいということが言えないのは当然だと思うのです。こういう石油化学のところに働いておる労働者などからいろいろ聞いてみましても、事故が起こればこの人数ではもうやれないということを異口同音に語っておるわけです。
 四十八年の十一月に合化労連の災害対策委員会が要求をしておりますけれども、この中で幾つか拾ってみましても、徹底した安全点検を実施せよ、組合が安全を認めるまで停止をしてくれ、これは老朽化とか材質が悪いあるいは下請依存、こういうのが幾つかの問題点として挙がっております。さらに、必要人員の確保、それから労働密度が高いということ、しかも正常時、修理時あるいは緊急時、これはきちっと必要な人間だけは確保してくれという要求。それから三つ目は、技術教育、安全再教育、定員外に六カ月から十二カ月訓練予備期間、その教育内容についても組合との合意をということも出ております。それから、作業基準を安全第一に、それから夜勤と緊急時の指揮系統を明確にしてくれ、夜間電気系統の確保、それから装置と人間の能力を超えた操業はさせない、こういうふうに切実な要求が合化労連として出されておるわけです。
 さらに、四十九年三月コンビナート等に立入点検した学者の提言等を化学保安近畿対策本部事務局というところから出しておる四十九年五月の報告書、私ここに持ってきておりますけれども、たとえば京都大学の柴田先生の指摘ですけれども、「生産性を高めるために設備面の合理化、近代化が進み、そのためにできるだけ配置人員も少なくされていくことは理解できますが、保安関係を含めて事故時に対処できる人員が確保されているか再検討する必要があるように思います。一つの装置でも熟練し操作・機能を熟知するのに最低半年、大きな装置であれば二−三年を要するというのが現場の人の回答でした。」そして、「人員配置を再考して欲しいと考えます。」これは柴田先生だけではなしに、福井労働基準局の安全衛生課長佐野さんあるいはその他の方々の指摘もありますけれども、学者等も立入点検された際に、やはり人の問題について重視しなければならぬということも指摘されております。
 いま挙げた合化労連の要求、それから現場の労働者の要求、詳細はきょうは省きますけれども、たくさん聞いております。こういうのがやはり出ておるわけです。
 そこで、通産大臣あるいは労働省に聞きたいわけですけれども、保安上人的な点から考えましていまのままの保安要員でよいのかどうか、これらの点について、コンビナートを含めて石油化学工業等について調査を正確にしたのかどうか、あるいは保安の基準は一体どうなっておるのか、人的な面でですけれども、こういうような点について通産省あるいは労働省の見解を聞かしていただきたいと思います。
#160
○佐藤(淳)政府委員 統計によりますと、確かに生産規模と人員とは必ずしも比例いたしておりませんが、これは特段とこの産業が技術革新の激しい産業でございますし、設備の更新も他産業に比べて非常に速いという面もございまして、そういう技術革新あるいはスケールアップによりまして生産性の向上が他の産業よりもやりやすかったということから、人員面の増大が生産に比べて非常に少なかったという面は確かにあるわけでございます。ただ、いろいろ事故が起きましてから、いろいろな先生方あるいは労働組合からの御指摘があったことは事実でございますし、われわれもその事故報告書を率直に認めますし、また改善しなければならないというふうに考えております。
 それで、特に今度の法律改正の中身といたしましては、やはりこの人の面におきますところの保安管理というものを最大の重点事項に考えておりまして、設備面のスケールに応じまして保安の監督員あるいは保安の責任体制、両面にわたります保安管理機構をこの際法定しようという考え方を一つ持っております。したがいまして、責任体制とそういう人員配置とを有機的に結びつけました組織をこの際確立するということが第一点。
 それから、先生からも御指摘がありましたが、やはり現場の労働者の声をこの保安面に十分に反映させるということが非常に大事でございまして、この面がいろいろ今度の事故時も欠点として指摘されておりますので、いろいろな今後の保安教育計画をわれわれの方に出す際にあるいはまた危害予防規程を新しくつくる際には、現場の従業員の意見を必ず聞くという仕組みをこの中に取り入れまして、先生の御趣旨のような仕組みで今後運営してまいりたい、こう考えております。
#161
○野原説明員 設備を改善し、危険性を排除するということは、この石油化学コンビナートなどの安全を確保する基本的なあり方だと思いますが、これには一定の限度がある現状であります。
 そこで、そういう設備の改善とあわせて人の側の対策、すなわち先生がおっしゃいました適正な人員の確保、それから必要な安全教育の徹底、さらには労働時間その他の労働条件についての改善等がなされなければならないというふうに考えております。一昨年の秋に各地のコンビナートで事故が続発した際に、労働省といたしましてもその直接原因のみならず、背景的要因についていろいろ調査検討した結果、やはり御指摘のように必ずしも現場における要員が十分でなかった、そのために安全衛生教育も必ずしも適切に行われなかった、あるいはまたメンテナンス等の面においても遺憾な点があったというふうな事実が指摘されましたので、単に正常運転ということだけでなく、いま申し上げましたようなことも含めて、それらのことがスムーズに行われるような人員が現場において確保されるように現在強力に行政指導をしているところであります。
 それから、第二点目の安全教育の点につきましては、実は労働安全衛生法が制定されました際に内容の充実強化を図ったわけでありますが、一昨年の事故続発の例等にかんがみまして、さらに昨年、この特定の設備につきましては、それらを運転しあるいは修理したり清掃したりする人々に対して特別の一定の時間の教育をやるように新たに事業者に義務づけるとともに、安全委員会というものが一定規模の事業場に設置されておるわけでありますが、それの付議事項としてこの安全教育についての計画を挙げまして、その場で関係作業者の意見も十分に聞くということで実効を上げておる次第でございます。
#162
○野間委員 報告書を見ますと、個別具体的な指摘がないわけですね。いま立地公害局長も言われましたし、今度の法の改正の中で確かにいわゆる名前をつけた幾つか、二、三ですね、これをふやしておる、保安上の要員について。これは確かに法律上、改正法にはそうなっております。ただ、名前をつけるだけじゃこれは何にもならないので、質と同時に量の確保ということが相まって初めて全うすると思うのですね。そういう意味から考えて、平常時あるいは緊急時、この場合の具体的な手当てがいま十分であるのかないのか、名前だけ単にふやすということだけでは実が上がらないというように思うわけです。
 そこで、聞きたいのは、いまの改正法の中にある幾つかの保安要員の強化、その人的な面での強化ですけれども、それで十分だというふうに考えておられるのか。企業に個別に当たって、そして実態をつぶさに見て、その中で未然にこの事故を防ぐというそういう手だてが、とりわけ石油化学工業あるいはコンビナート、そういうところでは不可欠のものじゃないかというように私は思うのですけれども、そういう立場からお聞きしたいと思うのです。
#163
○佐藤(淳)政府委員 保安要員の確保といいますのは、単に企業内の保安のみならず、特にコンビナートにつきましては、コンビナート全体の防災のための共同保安要員というもので、両方の仕組みが必要になってまいるわけでございます。
 まず、前者の保安要員の問題でございますが、法律で規定されますのは、危害予防規程の中で、それを守るに最低必要な人員は、これは法定されるのと同じでございますので、それは当然のこととして充足されると思いますが、ただ法律で規定されますのは、一般的にはこれは全部の企業に罰則も含めて義務づけられるわけでございますから、最低必要な人員になるわけでございます。さらに、それを超えての人員は、やはり規模別にあるいは地域的な問題も含めまして、これはやはり通産省並びに都道府県が責任を持って個別に行政指導の範囲でその法律を踏まえて指導していくという両面が必要だろうと思います。
 それから、コンビナート全体の保安要員につきましては、現在各事業所において防災体制の必要な人員を配置させておりますけれども、今回の事故にかんがみまして必ずしも十分でないというふうにもわれわれ考えておりますので、これは今度の法律の問題とも関連いたしまして必要な人員は充足していくというふうに考えております。
#164
○野間委員 そうすると、後者はともかくとして、前者の場合、これは産業政策上も非常に重要なことだと思いますけれども、適正な労働者の確保あるいは配置、そういうものを個別的に一つ一つ手当てをしていく、これを入れていくということをここで約束できますか。
#165
○佐藤(淳)政府委員 法定された人員の確保は当然のことでございますが、それを上回るものにつきましては、これはもちろん労使間の問題もあろうかと思いますが、少なくとも保安上の立場からの必要な人員は充足していただくということにつきましては、都道府県と通産省と、個別の問題として行政指導してまいりたいと思います。
#166
○野間委員 それじゃ次に進みますけれども、操業率と安全性の問題について少しお聞きします。
 先ほど申し上げたように九〇ないしは一〇〇%の操業率、これを今日まで推奨してきたわけですね。四十八年の例のチッソの爆発事故、このときは操業率は一一〇%、出光の徳山、この火災事故は、ここでも論議になりましたけれども、一たん装置を停止しながら、十分な検討もせずに再開して事故を起こした。私も現地に行ってまいりました。このように大型設備の場合、小さな故障とかあるいは災害、この場合でも全体の運転を停止しなければならぬ。これは経営的な打撃が大きいという一つの資本の論理があるわけです。ここで事故が発生するわけですけれども、これはダイヤモンド社の「石油化学」という本の中にもこういう資本の論理について書いておるわけですけれども、このような操業率をフルに上げていくということ自体問題になると同時に、逆に今日のような不況の中で操業率を五〇ないしは六〇に落とすというところがいま出ておるわけです。これも、操業率の極端な低下、これまた安全性の面では危険であるという学者の指摘もあるわけです。
 ここでお聞きしたいのは、その上限の問題とそれから下限、このデータを通産省は把握しておるのかどうか、しておるとすれば、具体的にどの程度のものが基準になるのか、こういう点についてひとつお伺いしたいわけです。
 ついでに言いますと、ある技術者にいろいろ聞いたわけですけれども、たとえばいまのスケールメリットの追求の中で、一つの装置で三十万トン、四十万トンというのがありますけれども、五〇%操業というもの、つまり操業率を五〇%に落とすということ、これは保安上危険である、そうでなくて、たとえば四十万トンの場合には十万トンのものを四つつくる、そして二つをとめる、こういうことをしなければ、これはだめだというわけですね。
    〔萩原委員長代理退席、委員長着席〕
 ところが、先ほどからずっと一貫して申し上げておるのは、いたずらにスケールメリット、こればかりを追求してきた、こういう中で、操業率の下限がいま大きな保安上の問題となってきているというふうに考えるのです。この点についての見解をひとつ聞かせてください。
#167
○佐藤(淳)政府委員 確かにこういうような非常に高度な技術の結集でございます化学産業につきましては、操業率と保安の問題は非常に重大な問題であり、関連性があろうかと思います。それで、極端な操業度の上昇あるいは低下ということはやはり好ましくないということはわれわれも考えておりますが、大体化学工場の場合は、一基という場合よりも、二基、三基が組み合わせられてつくられておりますので、操業度を落とす場合には、たとえば二つの場合は一つをシャットダウンするというようなことでなければ、現実問題として、一つのものを自由に上げたり下げたりというようなことは不可能かと思います。それはなぜかと言いますと、これはガスの反応によりまして製品をつくっていくということでございますから、そういうようなことはおのずから限度があるわけでございます。したがいまして、やはりそういう問題も、産業の好不況によりまして操業度をアップしたりダウンさせたりするということは、装置自体から本来あり得ないわけでございますけれども、しかしそういう動機が働く要因も絶対にないとも言い切れませんので、その辺については、御指摘でございますので、今後は十分に注意させてまいりたいと思います。
 したがいまして、いま適正な上限と下限はどこが安全限界かということにつきましては、われわれとしては十分な知識はございませんけれども、おのずから装置自体からいって常識的に定まる点はあろうかと思いますので、そういう点も含めまして、今後いろいろ検討させていただきたいと思います。
#168
○野間委員 法案の中身について余り触れる時間がありませんでしたけれども、大事な点で二、三お聞きしたいと思います。
 この特定設備の検査機関の指定の基準、これは今度新設するわけですけれども、五十六条の九、ここに幾つかの要件が書かれております。これの三号によりますと、民法上の法人というものがありますけれども、これは特定設備の検査機関は、通産大臣あるいは保安協会、そのほか指定業者としては民法上の法人に限るということになるわけですか、どうですか。
#169
○佐藤(淳)政府委員 指定検査機関の要件といたしましては、公益法人に限るということにさせてまいりたいと思います。
#170
○野間委員 もう何かせかせかしてきましたけれども、この特定設備の検査については、これは今後新たにつくられるものはもちろんですけれども、既存のものについては、法律の対象になるのかならないのか、その点どうですか。
#171
○佐藤(淳)政府委員 既存のものは対象になりません。
#172
○野間委員 そうしますと、既存のものが対象にならないということは、やはり一つの問題だと思うのです。これは一定の技術上の基準があって、過去のものは、それに適合しておったらいいんだと言われるかもわかりませんけれども、しかしいままで基準があって、それでもなおかつ事故が起こってきたし、今後起こらないという保障は全くないわけですね。だから、新しいそういう設備についてはこういう検査をするということだけではなしに、既存のものについても同じような形での手当てをする必要があるんじゃないか、すべきだ、こう私は思うのですけれども、この点についての見解はどうなんですか。
#173
○佐藤(淳)政府委員 今回の特定設備検査制度を新設いたしました動機は、この高圧ガス産業の事故の原因としまして、従来設備に起因した重大な事故という問題は実は余りなかったわけでございますけれども、この法律改正を機会に保安対策の万全を期するという見地からこの制度を実施するに至ったわけでございます。
 それで、新設と既設で差ができるわけでございますけれども、既存設備につきましては、この際、いろいろ保安検査を実施いたしておるわけでございますが、この保安検査の頻度を増したりあるいは精度を上げることによりまして、問題点を十分に現場においてチェックするように仕組みを変えてまいりたい、こう考えております。それで、メーカー段階でチェックする点につきましても、大体問題点はおのずからしぼられておりますので、そういう保安検査の場合には、メーカー段階でチェックするような個所につきまして特に重点的に自主検査あるいは保安検査をやるということでこれをカバーしていく。もちろん不良なものについては計画的にこれを早く取りかえるというようなこともやりまして、補完的な体制をここでやることによりまして、本来の目的を達成したい、こう考えております。
#174
○野間委員 それじゃ、最後にひとつお尋ねと同時に御要望、要求をしておきたいと思います。
 通産大臣にお願いしたいのですが、通産大臣の行う検査あるいは通産大臣の指定する検査機関が行った検査、これに合格した設備が、その設備、機器上の欠陥による事故を不幸にして生じたという場合には、一体だれが責任を負うのかということです。
 それから、最後の要望として申し上げたいと思いますけれども、四十八年と四十九年に行った総点検の結果を、これは政府の責任で集約、分析してぜひ公表されたい。特に問題のある企業についてはその地域の防災会議にも報告して、強く改善の措置を急がせるようにすべきだということです。
 それから第二は、いま出ましたけれども、既存の設備あるいは機器についても新しい技術上の基準を定めて、防災上重要な機器については計画的にこれを取りかえさせるというふうにすべきである。
 それから三つ目は、現行の法律に基づく施設の位置、構造及び設備、技術上の基準を定めた省令があります。これをもう一度新たな観点から検討、見直しを行って改正する必要があるんじゃないか。これは時間がありませんので、個別には言及できませんけれども、特に安全弁を常に全開にしておくという規則などは、大気中に有毒あるいは可燃性のガスを放出させることになりやすいことも考えられると思うのです。
 したがって、さしあたりきょうの審議に関連するこの三つの要望、要求、これを通産大臣にして、いまの最初のお尋ねと同時に、ひとつ見解を聞かしていただきたいと思います。
#175
○佐藤(淳)政府委員 お尋ねの第一点でございますが、設備の欠陥に基づきまして、しかもそれを検査したものが事故を起こした場合の責任の問題の御質問でございますが、設備の欠陥に基づきます事故の民事上の責任といたしましては、メーカーまたは当該設備を設置しているユーザーが負うことになろうかと思います。しかしながら、検査等の瑕瑾があった場合に検査主体員が責任を負うかどうかという問題は、検査の瑕瑾と被害の間に直接に因果関係があるかどうかについてケースごとに判断する必要があると思われますが、仮にそのような因果関係があった場合には、検査主体員が責任を負う可能性もあり得るのではなかろうか、こう考えております。
 それから、四十八年、四十九年に実施いたしましたコンビナートあるいはエチレンセンターの取りまとめの報告については公表をいたしておりますし、今後とも必要な方面には公表をさしてまいりたい、こう考えております。
 それから、現在の技術基準につきましては、もちろん新しい情勢、あるいは設備の更新と同時にいち早く機動的にこれを改正するという姿勢は絶対必要でございまして、われわれとしてもいま先生がおっしゃったような安全弁等の問題も含めまして、常にこの技術委員会というのは開いておりまして必要性があればいつでも改正できる体制にございますので、機動的に時期を逸しないように改正する仕組みを今後とも続けてまいりたいと思います。
#176
○河本国務大臣 いま局長が述べたとおりでございます。
#177
○野間委員 終わります。
#178
○山村委員長 玉置一徳君。
#179
○玉置委員 大体同僚議員の御質問で疑点は晴らされたと思いますが、二、三お尋ねをしておきたいと思います。
 第一点、まず入る前に、高圧ガス、ことにLPG、プロパンガスの各家庭での使用によりまして過去一年間に起こりました事件の数と人命の損傷、いわゆる死亡とそれから重軽傷の数、及びそれが物件に与えた被害の総額、それを一件で割りますとどのくらいになるか、この四つを事務局から御答弁いただきたいと思います。
#180
○佐藤(淳)政府委員 液化石油ガスの事故件数でございますが、一般消費先の事故件数といたしましては、四十七年が二百九十九件、四十八年が三百六十八件、四十九年が三百八十八件でございます。それで亡くなった方が、四十七年が五十二人、四十八年が五十九人、四十九年が六十四人でございます。それから、けがをされた方が、四十七年が三百九十八人、四十八年が三百八十九人、四十一九年が五百四十一人でございます。
 それから、この事故によりまして物件に与えた被害につきましては、われわれの方としては、都道府県はつかまえておると思いますけれども、物件については報告は取っておりませんのでお答えできません。
#181
○玉置委員 そこで、件数にして比率で出しますとそのような率でしか出ませんけれども、近時、私の方の近くでも、京都の南部ですが、爆発が年に三、四件続いて出ておりまして、このごろ都市ガスにかわらしてくれといういろいろな要請が私の方にも舞い込みまして、大阪瓦斯に依頼をしたりいろいろなことをしているわけであります。そこで、これが絶滅を期するためにどんな方策をいまお考えになっておるか。
#182
○佐藤(淳)政府委員 お答えします。
 この一般消費者のところにおきます事故の絶滅につきましては、きめの細かいことを相当広くやらなくちゃいけない、こう思っております。ですから、そういう意味では一つの決め手はないわけでございまして、総合的に多角的に進めたいと思います。
 その中身でございますが、一つには機器の改善をまずやらなければいかぬということでございまして、早急には、いま考えておりますのはふろがまとか瞬間湯沸かし器とか、そういうものについて、立ち消えになった場合には元栓が締まるような新しい装置の機器でなければ今後販売してはならないということを一月十日付で公布いたしております。
 それから、金属ホースにできるだけかえていく、これはゴムホースでも従来間に合っておったのでございますが、ひび割れ等の問題もございますので、これをできるだけ金属ホースにかえていくとか、それから一般家庭に導管で持ってくる場合もあるわけでございますが、この場合には工事責任者は国家試験を受けた者でなければならないとか等々のことも考えておりますし、それから何といいましても千八百万世帯の膨大な世帯がお使いになっておるわけでございますので、この方々のやはり注意を喚起する、あるいは取扱い要領等につきまして、きめの細かい啓蒙普及をやらなくちゃならないということを考えておりまして、これにつきましては、高圧ガス保安協会に今度新しい予算をいただきましたので、消費者保安センターをつくりまして、ここで十分な啓蒙普及の活動をさせたい。
 それから、LPガスというのは空気より重いという非常に厄介な特性を持っておりますので、これにつきまして色をつけるとか、においをもっと強くするとか、あるいはまた地震が起きたときのために耐震性の構造に機器を改造するとかというような技術問題につきましても、今度協会内に出資をいただきましたので、その出資をもちまして技術研究所をつくりまして、その研究所でそういう問題も研究させていくというようなこと等々のいろいろ盛りだくさんなことを計画いたしておるわけでございます。
#183
○玉置委員 そのうち一番効果があるのは臭気だと思います。臭気をいまの少なくとも十倍というんですか、何倍というんですか知りませんけれども、これはかねて言われていることでもありますし、一日も早く、できれば来月一日からとか、何かそういうめどをつかまえて言わないと、総合的にということもわかるけれども、総合的にということは、なかなかできぬということにも通ずるわけでありますから、一番手っ取り早い臭気の問題だけでもいつから一体おやりになりますか。
#184
○佐藤(淳)政府委員 ガス漏れ対策として、ガスそれ自体に色をつけるかにおいをつけるということが一番有効であることはわれわれも承知いたしておりますので、早速五十年度から研究所にやらせることにいたしておりますが、実は現在もつけさせてはおるわけなんですが、非常に濃度が低いわけでございます。いままでもいろいろ実験してまいったのですが、着臭剤とガスとが分離いたしまして、ボンベの中では一体ですけれども、出るときはばらばらになってしまうという非常にやっかいな問題があるのでおくれているわけでございますが、なかなか考えるほどやさしくないわけでございまして、いまの見通しだと二年くらいかかるのじゃなかろうかという感じがいたします。それでは困りますので、一方、先ほどちょっと申し忘れたわけでございますが、実はガス漏れ警報器をこの際普及させることによってそれの補完をさせてまいりたいということで、リース制度を来年度から新しく考えておるわけでございます。
#185
○玉置委員 千八百万世帯にすでに普及されておる、その監督は通産省だ。なかなかむずかしいのでございますなんていまごろ言うておることがどうかと思うんです。だから、本当に適切な手を一日も早くできることから打っていかないと、総合的にということはよくわかりますけれども、それならば、安全機器の先ほどのなくなればとまるとかというもの、それだったら途中の導管さえひび割れ、何やら漏れということがなければ絶対大丈夫ですか。
#186
○佐藤(淳)政府委員 十分にチェックして売り出すわけでございますから、大丈夫と思います。
#187
○玉置委員 その機器をつけない限り、今後販売はまかりならぬということに決められたことは適切に行われておりますか。
#188
○佐藤(淳)政府委員 ことしの一月十日に公布をいたしましたのでまだ時間はたっておりませんが、若干メーカー側の供給体制もございまして猶予期間をある程度置いてございますので、全面的に売り出されますのは秋ごろになろうかと思います。
#189
○玉置委員 秋ごろまでは出ないのですか、それは。一部は出るのですか。一部は出るのですね。――わかりました。そうすれば、その機会に全部取りかえろということはできませんか。全部取りかえるにはどのくらいの年月かかるのですか。
#190
○佐藤(淳)政府委員 買いかえていただければいいわけでございますけれども、生産台数の供給力の問題もございまして、全部入れかえるとなりますとやはり五、六年はかかるかと思います。
#191
○玉置委員 着臭は二年くらいかかる見込み、それは五、六年かかる、いずれも大分向こうの話ですね。そうすると、その間に命を守るのにはまず、命を守るよりも、いままで死亡した人、爆発を受けた人、これはだれが責任をもって弁償をしたのですか、どの範囲を。
#192
○佐藤(淳)政府委員 販売店にいろいろ定期検査の義務を負わせておりまして、一方販売店の責めに帰すべきような事故が起きた場合の補償措置といたしまして、強制的に販売店を保険に加入させておりますので、販売店の責めに帰す問題につきましては、販売店が責任をもって弁償いたしておるわけでございます。
#193
○玉置委員 販売店の責めに帰すべきということは、具体的に言えばどんなことですか。と同時に、どれだけの保険を掛けさせておりますか。
#194
○佐藤(淳)政府委員 販売店の責めに帰すべき内容としましては、適正な設置をされてなかったというような問題でございまして、設備面における欠陥が事故につながった場合は販売店の責めに帰すということになろうかと思います。
 それから、支払われますところの金額は、人的被害の場合は一人一千万円でございます。それから、物的被害の場合は一事故二千万円、こういうことになっております。
#195
○玉置委員 ゴムホースがひび割れしておるということはどちらに入りますか。
#196
○佐藤(淳)政府委員 家庭内のコンロ等に使っておりますゴムホースであれば、これは一般消費者の方の責任でございます。
#197
○玉置委員 それならば、販売店が検査をしにいく場合は、どれを検査しておるのですか。
#198
○佐藤(淳)政府委員 ガスが充てんされております容器につきましては、毎月一回販売店が見回っておりますけれども、家庭内に入って、家庭内で使っておる器具についての点検は毎年一回ということに定めております。
#199
○玉置委員 毎年一回検査するだけだから、つまり一番起点になっておる容器から出ておる付属物の危険は販売店だけれども、中は知りませんぞということですね、あなたのおっしゃるのは。また、事実上そんな外の器具というものできょうまで事故があったのかどうか。ほとんど中じゃないだろうか。操作の誤りとガスホースのひび割れ等々がほとんどじゃないだろうかと思うのですが、その率はわかっておりますか。
#200
○佐藤(淳)政府委員 事故の大半は、御指摘のとおりボンベの事故というものはほとんどございませんで、家庭内におきますひび割れたゴムホースからとか、あるいは元栓の閉め忘れとかというような事故が大半でございます。
#201
○玉置委員 そうすれば、販売店からは一切の補償はないということですね。
#202
○佐藤(淳)政府委員 消費者の責めで起きた事故につきましても、販売店の方から見舞い金を支払うということにいたさせております。
#203
○玉置委員 都市ガスがこの間大阪で大爆発を起こしました。人間並びに家屋、住居等に大被害を及ぼしましたが、そのときも一人一千万円、大阪瓦斯ほか三者であのときは手当てをしたと思うのですが、こういうときはどうなっていますか、見舞い金というのはどの程度ですか。
#204
○佐藤(淳)政府委員 大阪のケースについては具体的に承知いたしておりません。先ほど言いました補償の金額も最低の金額でございまして、実態に応じましてケース・バイ・ケースで認定して支払われるということになっております。
#205
○玉置委員 先ほどのは、見舞い金じゃなしに販売店の責任において、こういうことなんです。いま私の言うのは、大多数が販売店の責任においてじゃない方向で起こっておるのが現実だから、そのときは見舞い金があります、こういう話で、見舞い金は都市ガスではこのくらいの見舞い金、あなたのおっしゃった販売店の責任においてと同じぐらいの見舞い金が出ておるわけであります。これは家屋内の話じゃなしに家屋の外の話だ。そのときにプロパンガスの場合は見舞い金としてどの程度出しておるのだ、こういうことなんです。
#206
○佐藤(淳)政府委員 大体最低で三万円程度の見舞い金でございます。
#207
○玉置委員 だから、私が言わんとするのは、都市ガスを使う者とLPガスの不始末とで、どえらいごつい差があるじゃないか、こういうことであって、一千八百万世帯で何キロ使っているのですか。そのキロにたとえばキロ当たり五円でも掛けることによって大きな総合的な補償ができるんじゃないだろうか。何かの工夫があってしかるべきだ。おまけに爆発しますから、三軒、五軒吹っ飛ばすような災害がかなり多いわけです。やられた者にしてみればたまったものじゃない。それを見舞い金の二万や三万もらったって、家を吹っ飛ばされてはどうともならぬじゃないですか、どのように考えますか。
#208
○佐藤(淳)政府委員 実は生産物の賠償責任保険というのがこのほかにございまして、これは器具に欠陥があった場合でございますが、これにつきましては瞬間湯沸かし器、ストーブ等の燃焼器具につきまして、人的損害につきましては一人当たり大体千五百万、それから一事故当たり三千万でございます。それから、物的損害につきましては五百万程度を賠償するということになっております。それから、調整器、高圧ホース等の燃焼器具以外の物につきましても、それぞれの賠償責任保険があるわけでございますが、設備にもよらない、要するに元栓の締め忘れとかそういう問題についての保険の問題というのは、そういうケースが非常に多いわけでございますので、その辺についてはこれからの研究課題でございますので、せっかくの御提案でございますので、ひとつ勉強させていただきたいと思います。
#209
○玉置委員 そこで、大臣にお伺いしたいのですが、いま質疑をいたしておりましたように、千八百万世帯といいますと、共同でアパート等でお使いになっているところもあると思います。都市ガスとそれから千八百万プラスアルファ、いわゆる共同世帯を入れますと、大体日本のすみからすみまで使っているのじゃないだろうか、こう思います。そのくらい普及したものでありますので、先ほど聞いておれば、総合的にだけれども、そのうちの臭気といえども、かすに二年ぐらいかかるのじゃないだろうかという御見解であります。機器に至っては五、六年かかるのじゃないだろうか、こういうことですから、これを一日も早く実現するように、臭気のごときものはひとつ研究を促進していただきたい。
 二番目には、機器もできるだけ早く取りかえができるように、製造能力をプッシュできるような方法がないだろうか。
 三つ目は、その機器ができたときに、みんなが取りかえられるような長期月賦のような形をとり得るように、その製造元に相当な開銀等の融資をしまして、現在あるものでも早く取りかえができるような措置を何とか講じてもらいたい。
 四つ目は――四つ目まで言うとややこしくなりますから、この三つについてひとつ大臣のお答えをいただきたいと思います。
#210
○河本国務大臣 ごもっともな御意見でございますから、そのような方向で努力をいたします。
#211
○玉置委員 ちょっと味もしゃしゃれもないような御返答で、初めて質問に立ったのにあんまり親切な答弁じゃないと思うのですが、まあやむを得ぬとしまして、そこで局長、検査ですが、販売店の検査だけでいいだろうか。物を売る人の検査だけでいいだろうか。しかも、中の方は年に一回しかやりませんという。一番事故の多いのは中の方です。これにも工夫が要るのじゃないだろうか。第三者機関でもって検査をする。販売店にもやらしておいたらいいのですよ。しかし、三カ月に一遍ぐらいは第三者機関も入れるとか、一年に一回はもう一つピックアップしたものをあれするとかいうようなことが考えられるのじゃないだろうかと思うのですが、どうですか。
#212
○佐藤(淳)政府委員 第三者といたしまして、毎年一回の消費設備の点検に当たりまして消防職員を立ち会わせるということも一つの案かと思いますが、これも実際問題として非常に膨大な数に上りますので、今後は販売店の指導監督に当たる体制としまして、やはり消防署とも十分に連絡をとりまして、できれば立ち会わせてもらうということも考えてみたいと思いますし、それから販売店の大多数が中小企業でもございまして、調査能力が必ずしも十分でないところもございますので、これを補完する意味で、各県にいまLPの保安センターというものを積極的につくらせる指導をいたしております。この保安センターに販売店の調査代行をやっていただきまして、この方々は専門家でございますから、販売店の調査と相まちまして、こういう第三者的なチェックも補完的にやることによって、先生の御趣旨を生かすように考えてまいりたいと思います。
#213
○玉置委員 私は、コンビナートのああいう地盤沈下等々を考えまして、われわれ行政の素人からすれば、コンビナート等のものは本当は通産省が直接責任を持っていいんじゃないだろうか、それからどこへ行きましても町々に消防があるのですから、こういったものは本当は消防がおやりなすった方が適切にいくんじゃないだろうかとすら考えたりしておるのです。
 そこで、府県の街路を自動車で参りますと、外側に十キロか三十キロぐらいのボンベを二つほどくくりまして、そして中へ入れているのを見ますが、だれもいたずらをする者もないからいいものの、もうちょっと囲いをつけるとか何かしなければいかぬような感じがして、ひやっとするようなことを非常にたくさん見受けます。ああいうものも何か隔離施設くらいのものは  へいの中に入っているものはよろしゅうございますが、へいじゃなしに、だれでもコックをいらえるようなところは子供がいたずらしようなと思って、本当はびくびくするような感じがするのですが、ああいうものは危ないものだからもう少し気をつけなければいかぬのだという考え方をみんなに植えつけなければいかぬと思うのですが、どのように考えられますか。
#214
○佐藤(淳)政府委員 ボンベを設置する場合は、足場を固めまして鎖でつないで絶対転倒しないように注意はさせておるわけでございますけれども、確かに外に露出しておりますと第三者がいたずらするケースも考えられますので、その点は改善の方向で至急に検討してみたいと思います。
#215
○玉置委員 それからもう一つ、どこの家でもぱちっとやりますと点火するわけですが、点火の能力をなくしたようなものを、ついそのまま火をつけていらっているところがかなり多うございます。ああいうものもある時期に点検に回って、修理ができるのか、取りかえができるのか、もうだめならだめと言う、各人の家ではどの程度でもうそれがだめになったかということを見出す能力がございません。だから、今度は何とかセンターというものをこしらえるというお話ですから、そういうものも三カ月に一遍ぐらいは、全部回れということはなかなか大変なことかと思いますけれども、やっていただくようなことまで御検討いただきたいのだが、どのように考えられますか。
#216
○佐藤(淳)政府委員 先生のおっしゃった対策を講ずるためには、もちろん販売店に対してサービスをさらに向上さしていくということと、それだけでは十分ではない面もございますので、今度協会にできますところのLPの消費者保安センターの職員を活用いたしまして、これをひとつ巡回指導という形で、できるだけ末端に手の届くような仕組みをこの際考えてみたいと思っております。
#217
○玉置委員 これはこの程度にしておきまして、コンビナートの問題につきまして若干お伺いしたいと思います。
 コンビナートの不等沈下等につきまして新聞で発表されました。それから、その対策を各省が一致してやるように検討をされておるわけでありますが、学者、経験者等々によりましてどのようにすべきであるかということを至急に出したいというようなことを新聞で伺っておるのですが、進行状態はどのようになっておりますか。
#218
○佐藤(淳)政府委員 自治省でおつくりになった非常に大綱的な考え方は一応たたき台としてできておりまして、この素案を基礎にいたしまして、特に通産省は最も責任の多いといいますか、産業としても非常に大きなウエートを持っておりますので、十分な検討を加えるために、特別の体制をしきましてただいま検討いたしておりますが、できるだけ今国会に間に合わせるように法案をつくるようにというような上からの指示もございますので、そのテンポでただいま懸命に作業を進めておる段階でございます。
#219
○玉置委員 百七でしたか、百幾つの不等沈下の著しいものを発表されたと覚えておりますが、そのうちどれだけを、どの程度以上になったものは復元しなければならないというようなことをお決めになりましたかどうか、それを言うておるのです。
#220
○佐藤(淳)政府委員 タンクの不等沈下につきましては、石油タンクについては消防庁、高圧ガスについては通産省が並行的に行っております。いま先生のおっしゃいましたのは、たしか石油タンクの問題であろうかと思いますが、不等沈下につきましては、両方とも直径の二百分の一、〇・五%以上の沈下をしたものは異常とみなしまして、これは画一的に点検するということをやっておりまして、しかも沈下の度合いの非常に大きいものにつきましては、油を抜きまして内部の構造もチェックいたしておるわけでございます。
#221
○玉置委員 その度合いの大きなもの、それはどのくらいあって、そしてそれを復元するのには、どのような方法で、何カ月かかって、何ぼ金が要るか、それを聞きたいのです。
#222
○佐藤(淳)政府委員 私の方の高圧ガスは、実はおくれて調査が始まったものですからまだそういう段階まで至っておりませんが、石油タンクについては、すでにそういう問題点の解析が始まっております。きょうは消防庁がお見えになっておりませんので、ちょっと詳細は私から申しかねますので、あしからず御了解いただきたいと思います。
#223
○玉置委員 詳細なことを間違いなく言ってくれという意味じゃなしに、この間の不等沈下の著しいもの百幾つ、それから学者その他寄りまして、手直しをしなければいかぬと思われるものはどのくらいかということの検討に入るというようなことを新聞で見たように思います。それがどの程度進んでおるのかということを私は聞いたのです。それで、百幾つがそのまま手直ししなければいかぬ、どちらにいたしましてもあんなものは油を抜かなければ復元はできませんから、そういうことをするのにどのくらいの金が要りますかということを聞いている。また、そんなことは通産省としてはしょっちゅう頭に入れておらぬと、これは消防庁でございますというようなことで局長が責任を果たすということは私はできないと思う。
#224
○増田政府委員 タンクの中で石油タンクの分につきまして、私の方からお答え申し上げます。
 この前、一万キロリットル以上のタンクの総点検を行いまして、これは消防署が行ったわけでございます。それから、それ以外に、それ以下の分につきましては、各会社独自にやらしておるわけでございます。その中で、不等沈下が特に著しいということで指摘されましたのが約百ございます。それから、それ以外にタンク本体及び付属物について不良個所があるということで指摘を受けまして補修を要するというのが三十一あったわけでございます。
 これにつきましての補修のやり方その他でございますが、現在水島のタンク事故につきまして、これは専門の学者で構成されます委員会が調査中でございます。それで、この結論が出まして、それによりましてタンクの修理方法というものを確立するということで、現在は不等沈下のはなはだしいものにつきましては、油を抜きましてそれの点検をする。つまり中に亀裂のおそれがあるか、油漏れがあるかどうかということを全部調べておりますが、それの修理方法その他につきましては、先ほど申し上げました水島の調査委員会の結論が出ましたら、今後絶対にそういうものが事故を起こさないような方法を確立しまして、それによって指示しまして改修させる、こういう方針にしております。
#225
○玉置委員 長官にお伺いしたいのですが、かなりの分をやらざるを得ないことになると思うのです。いずれも水島の調査の見解を待ってからだと思いますけれども、それも一年も二年もたつわけにはまいらぬと思います。やがて結論が出るものと見なければならない。さすれば、それに対して相当な金が要ると私は思うのです。ついては、開銀融資その他も協力せざるを得ないのじゃなかろうか、それだけの用意はあるか、とてもそれは追っつかぬのか、何かの見込みをいま持っておらなければおかしいのですから、どのようにお考えですか。
#226
○増田政府委員 いまの調査でございますが、これはできるだけ早くやるということで現在やっております。それから、できましたら中間の報告をいただきまして、取りかかれるものはもう取りかかりたいということで、近く中間報告を出すということで作業もいたしております。そういう状況になっております。
 それから、ただいま玉置先生からのお尋ねのこれに対する費用の問題でございますが、これは相当な費用がかかるのではないか、こういうふうに思っております。その場合に、ただいまおっしゃられましたように、開銀で見るとかその他の資金の手当てをどうするか、これは私どもの方もその結果を待ちまして適当な処置をいたしたいと思いますが、現在のところでは、まだそれがどれくらいの金額がかかるか算定できておりませんし、また精製業者が自分の資金でもしできれば、自力でやらせる。ただ、これにつきまして国家の援助が必要であれば、ただいまおっしゃられましたような開銀資金その他で金融的なめんどうを見て、できるだけ早くこれを直すように措置いたしたい、こういうふうに考えております。
#227
○玉置委員 つきましては、先ほど局長からお話しのようにコンビナートに関してはそれぞれの三法がありますけれども、その三法、消防法、高圧ガス取締法、労働安全衛生法ですか、そういうものが一連の関連を持ちながらそれぞれの分野の取り締まりをしているわけでありますが、それを有機的な横の関連を持ちなから、教育訓練計画、防災計画、そういうようなことができるようなコンビナート防災法を速やかに企画したい、こういうことですが、一体いつごろに間に合わすような努力をされていますか。
#228
○佐藤(淳)政府委員 今国会に間に合うようにという大臣からの御指示でございますので、それに間に合わせるように、いま懸命にやっている最中でございます。
#229
○玉置委員 お伺いしたいのは、海上保安庁関係の海上あるいは港湾、そのときにオイルフェンス等も関連しているのじゃないだろうか。陸上だけではなしに、海上の、コンビナートを取り巻く周辺、そこでさあというときの予防のことも私は要るように思うのですが、それも一緒に検討されておいでになるかどうか。
#230
○佐藤(淳)政府委員 今度のコンビナート防災法は、政府全体の問題でございますので、当然、運輸省、海上保安庁も参加いたしておりまして、そういう海上面におきます防災資材の問題につきましても検討いたしております。
#231
○玉置委員 そこで、もう一つ、川崎や横浜周辺で申しますと地震の問題、対策等々も言われます。かなり思い切った防災計画が要るのだと思いますし、なお遮断壁と申しますか、あるいは遮断のグリーンベルトの地帯、できれば二百メートルないし三百メートル、それを企業で買い上げろということも、これは至難なわざで、できぬ話だと思いますが、やはり大将来のことを考えれば、そういうコンビナートとコンビナート以外の住宅地域との隔離帯というものが、都市計画的にどうしても要るのではないだろうかという感じがいたします。これは通産省の仕事じゃないかもわかりませんけれども、やはり都市計画法の一部改正と申しますか、あるいは強力にそれを入れ込んでいくとかいうことを二十年、三十年、五十年にわたって私はやはりすべきじゃないだろうか。そして、移転された場合には、土地は買い上げるけれども、家の移転については長期、年二分くらいの思い切った、五十年年賦くらいか、百年年賦でもよろしいが、そういう道を開いて、将来にわたるグリーンベルト地帯というものをつくっていかなければ、これは後からその家が建ったにしろ、押し問答しておったって切りがないのじゃないだろうか。どうしても都市計画の方へ、建設省に物申されまして、あるいは大臣は国務大臣でありますから、将来のために、しかも地震が云々されるような今日でありますから、私はこの点、大都市に接しておるところだけは、そういうことを思い切ってやるべきじゃないだろうかという感じがいたしますが、どのようにお感じになっていますか。
#232
○河本国務大臣 すでにこの数年前から公害防止事業団である程度のことはやっておりますけれども、いまのお話は、これまでのやり方では不十分である、さらに最近の災害状況から見て大規模にこれをコンビナートに実行すべきである、ついては家の立ち退き等については、長期の低利資金の調達も必要でなかろうか、こういうお話だと思いますが、私も最近の災害状態、コンビナートの現状等から見まして、やはりそれは必要だと思います。でありますから、これまでのやり方をさらに規模を大きくいたしまして、徹底的な対策を立てる必要があろうかと思います。政府部内でも至急に意見を統一いたしまして、そのような方向で実現するように取り計らっていきたいと考えております。
#233
○玉置委員 そこで、この三法をまとめられるようなときに、先ほど同僚の宮田議員から質問がございまして当局から答弁があったそうでございますが、災害をなくすためにはどうしてもそこに十分現場従業員の意見の反映というものが要るということは当然でありますし、そういう意味では高圧ガス及び火薬類の審議会あるいは高比ガス保安協会というようなところに労働者の代表の参加が望ましいし、それから点検、訓練、防災設備等々の計画というようなときに、必ず組合との協定というようなものを結びまして過労な形にならないように、それで十分の実効を上げ得られるような措置をお講じになるかをお聞きいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
#234
○佐藤(淳)政府委員 今回の高圧ガス取締法改正の大きなねらいといたしましては、この産業に携わる従業員一人残らず保安意識に徹底いたしまして保安確保を図るということが最大のねらいでございます。それを達成いたすためには、やはりその技術基準をつくる場合とか、あるいは保安教育をやる場合とか、あるいは危害予防規程を作成する場合は、一番現場を知っておられ、しかも実践的な知識を得られております従業員の方々の声を十分に反映させるということが最大のねらいと私も思っております。したがいまして、あらゆるチャンスをつかまえまして現場の方々の御意見が反映できますように、たとえば審議会の委員になっていただくとか、あるいは保安協会にいろんな委員会がございますから、委員会に参加していただくとか等々のことで、積極的に先生の御趣旨が生かされるように考えてまいりたいと思います。
#235
○山村委員長 中村重光君。
#236
○中村(重)委員 高圧ガスの取り締まりを強化していくということは必要なことなんだ。ところが、同僚委員からもいろいろ質疑が行われて、政府としても制度的に改める点は改めていく、保安強化のために万全を期していくという答弁があったわけですが、願望ではだめなんで、いままでどの点がよくなかったのか。今後、たとえば関係官庁との連絡調整というものをどう進めていくのか、それから地方自治体に多くの仕事を担当してもらうことになるわけですから、地方自治体との関係はどうするか、制度の面、機構の面、予算の面、人の配置の問題等々具体的な方針が明らかにされなければ、私どもといたしましても単に願望にすぎないということで納得ができないわけですから、それらの点に対して考え方をこの際明らかにしておいていただきたいと思います。
#237
○佐藤(淳)政府委員 御指摘のとおり、今回の法律改正の実行の万全を期すためには関係省庁との連絡体制も非常に重要でございます。特にこの高圧ガスに関係いたします省庁といたしましては、危険物を相当持っております関係からの消防庁、それから労働者の安全のための措置といたしまして労安法がございます。これらの三省庁が特に関係の深い官庁でございまして、これにつきましては最近の事故にかんがみまして昨年の五月に局長クラスの三省庁の連絡協議会を設けておりまして、定期的に問題点の協議を進めてまいっております。これにつきましては今後さらにコンビナート全体の調整という問題が出てまいりますので、この三省庁のみならず、他省庁とも現実問題として調整を図り得るようなことを仕組みとして考えてまいりたいと思います。
 それから、特に現実の現場の監督につきましては都道府県にお願いしておるわけでございますけれども、特に消防につきましては市町村も関係いたしますし、この辺につきましては、一方災害対策基本法の仕組みの中に地方出先の通産局とか労働省の出先とかという中央官庁の出先機関と、都道府県あるいは市町村との連絡協議会というものが設けられております。これについては必ずしも十分な活動がいままでなされておらなかったわけでございますが、これは今度のコンビナート法の制定とも相まちまして、これを活発に運営さしていくということも大事かと思います。
 それから、予算面でございますが、従来この法律を施行いたします中核的な機関であった高圧ガス保安協会に対しまして国からの予算はほとんどなかったということでございまして、これはまことに遺憾なことでございますので、五十年度予算では初めて出資等も含めて拡充強化することになったわけでございます。これも今後とも前向きに、必要な金はわれわれは絶対取るということで対処してまいりたいと思います。
 それから、この法律を施行するということになりますと、相当学識経験豊かな人材が必要になってまいるわけでございます。一方、質的の向上という問題も含めて保安教育の問題も非常に重要になってまいります。この人的の問題につきましては実は非常にむずかしい問題が一つございまして、単なる量的な補充じゃいけませんので、相当学識経験豊かなしかも高度の技術を持った人を考えなくちゃならないということでございまして、したがいましてこの面につきましては高圧ガス保安協会の中に専門家をプールして使うということも仕組みとして考えているわけでございます。
 それから、都道府県の現場の人的構成につきましても、今回の法律改正に伴いまして拡充強化するように都道府県にお願いをいたしておるわけでございます。
#238
○中村(重)委員 工場ごとに保安要員、保安係員、さらにこれは工場長を考えているようですが、保安統括者を置く、そしてピラミッド型の保安管理組織を整備する、これは企業自体の問題になる。しかし、これには強力な指導が必要になる。それから、工場の危害予防規程及び保安教育計画を都道府県がチェックすることになるのだから、これもまた都道府県の負担というものは大変大きくなってくる。それから、特に危険の多い設備については、その設計、組み立て段階から検査を受けさせる、従来は完成検査であったわけですが。こうしたことは大変必要なことではあるのだ。必要なことであるからして、保安要員というものを相当数ふやさなければならない。同時に予算措置というものが当然これに伴ってくるわけだ。
 こういう制度、機構をつくったり保安強化の対策を推し進めていく上において、具体的にどのように変わってくるのかということ、それから国自体としても都道府県としても、人の面においてどの程度増強させるのか。いま局長の答弁では、都道府県に対してもお願いをするということを言っている。単なるお願いではどうにもならないわけなんだ。その裏づけとなるところの予算措置というものが考えられなければならない。そうした具体的なことについてどう考えているのか、どう措置することになるのかということをお答えになるのでなければ、あなたの方の単なる願望に終わるじゃないか、そう指摘せざるを得ないわけだから、そういう点についてこの際はっきりしておいていただきたい。
#239
○佐藤(淳)政府委員 この監督体制の非常に重要な要素といたしまして、都道府県の保安要員、監督要員の充足につきましては、通産省と都道府県の問で毎年積極的な協議をやってきておりまして、したがいまして職員数も四十四年が五百十九名であったわけでございますが、四十八年は六百十七名ということで、この間約百名の増加を示しております。
 それから、一方国におきましても、本省と通産局の要員は、都道府県に比べますとわずかではございますけれども、四十四年の三十七名から四十八年の四十七名ということで十名増加いたしております。それから、さらに来年度は、本省二名、通産局三名、五名の増員をこの関係で予定いたしておりますし、各県につきましては、この高圧ガス関係の担当職員としまして最低一名程度の増員を具体的に相談いたしておるわけでございます。
 そういうことで、必ずしも十分とは思いませんけれども、人的充足につきましては今後とも努力をいたしてまいる所存でございます。
#240
○中村(重)委員 都道府県に対して先ほど来私が申し上げたような仕事をやってもらう、それに対しては一名ぐらい必要だと考えて一名をお願いしたということになるのか、ただ単にあなたの方の判断なのか。
 それから、一名にしても二名にしても三名にしても、都道府県に対して専門の保安要員、保安係員というものを配置してもらうということになれば、当然それだけの予算の裏づけがなければいけないわけだ。頼むだけ頼んで、仕事だけ押しつけて、それに対する裏づけをしないから問題となっている超過負担なんということが当然出てくることになる。だから、都道府県に対しては、高圧ガスの取り締まりを強化していく上について都道府県の果たす役割りはこう変わってくるのだ、そのためには保安係員がどうしても何名必要だからその準備をしてもらいたい、それに対しては国としてこれだけの財政的な裏づけをいたします、そうならなければだめなんだということです。そうしなければ、都道府県はやろうとしてもないそでは振れないから、結局それが実行されない、それであなたの方の願望に終わってしまうということになる。そういう点は、当然はっきりさせなければならない。いまのところ、ただ単にこの程度必要なんだからそれをお願いをするということでとどまっているのだったら、今後、私が指摘をしたようなことについてどうやっていくのかということを明確にしておいてください。
#241
○佐藤(淳)政府委員 都道府県職員の人的構成につきましては、標準的な監督体制というものを考えておりまして、その標準的な監督体制を実施するために必要な人員というのは理論的にわれわれとしては算定いたしておるわけでございます。この算定の基礎に基づきまして、われわれの必要な人員を確保してもらうということを毎年予算の時期に自治省といろいろ協議いたしておるわけでございます。来年度は、こういう法律も実施されるという見通しもございましたので、自治省としましても、地方財政が非常に大変な中ではございますけれども、一名各県ごとに増強しようということに踏み切っていただいたわけでございます。ただ、これはわれわれの要求しました人員とは違いがございますので、これにつきましては今後とも自治省のほうに要求してまいる考え方でございます。
 それから、予算面でございますけれども、従来、県の定期的な保安検査につきましては、企業側からの検査手数料によって賄ってまいったわけでございますが、これは全国の収入が、都道府県関係が年間大体四億円でございましたが、実際の支出は十億でございまして、相当な赤字のもとに行われてきたわけでございます。そういうことで、都道府県としましてはこの予算では十分な監督体制ができないというような声も一部にございましたので、今後の法律改正を機会に手数料を必要最低限度に値上げを行いまして、都道府県の予算面における制約を取り除いて万全を期するということにいたしたわけでございます。
#242
○中村(重)委員 予算の面において、先ほど玉置委員からプロパン爆発というのが非常に多いという指摘に対して、あなたの方は、そうした事故を防止していくために今度は地域に対して保安センターをつくるというようなお答えがあったわけです。保安センターを地域につくるといっても、あなたの方で今度考えている予算はわずか一億にすぎないわけです。それは用地の取得費等に充てることになるのだけれども、それでは一億程度の予算をもって幾つの県に保安センターをつくることになるのか。先ほどの質問に対して、あなたは地域に保安センターをつくってそうした事故が起こらないように対処していきたいと言ったのだから、当然そこらあたりも考え方をはっきりしておいてもらいたいと思うのです。
#243
○佐藤(淳)政府委員 先ほど申し上げました趣旨は、若干私の説明が不十分であるいはお間違いになったかと思いますが、実は各県に置きます保安センターといいますのは、販売店の調査の代行機関を増強させようというねらいで、これは行政指導で設置を要請しようということでございまして、これは手数料収入によりましてこの保安センターが運営されるということになろうかと思います。
 それから、今度国の予算でつくりますセンターと申しますのは、高圧ガス保安協会の中のLPガス消費者保安センターでございまして、これに要するに研究所を神奈川県に設置いたしまして、技術研究をやるのと同時に全国的な啓蒙普及活動をやらせるセンターを協会の中に仕組みとして考えまして、その中に、出資といたしまして、先生いまおっしゃいました一億円を土地の手当てに考えておりますし、それから約一億八千万円程度の予算をもちましてLPの啓蒙普及等に充てたい、こう考えております。
#244
○中村(重)委員 そうすると、その保安センターをどこに幾つつくるんですか。
#245
○佐藤(淳)政府委員 昨年の四月現在でセンターとして全国に二百七十一あるわけでございますが、これは県によりまして相当ばらつきがございます。それで、できるだけりっぱな保安代行ができるようなセンターをできるだけ多くつくりたいということを考えておりますが、その辺は今後いろいろ、販売店の関係の全国組織がございますから、この辺とも十分に相談しながらつくってまいりたい、こう考えております。
#246
○中村(重)委員 いままではほとんど与党はいなかったわけだ。そして、採決の時間が迫ってくるとこんなにたくさん集まってきて、そしてがやがやとああいうところで言っている。注意せぬとだめだ。
#247
○山村委員長 御静粛に願います。
#248
○中村(重)委員 それから、従来はボンベ等は証明書の制度であったわけですね。今度は証明書を廃止することになるわけですね。それは保安との関係はどういうことになるのですか。保安上、証明書制度を廃止をして、そして今度は刻印を押す、こういうわけでしょう。どういう発想からそういうことになったのですか。
#249
○佐藤(淳)政府委員 現行の証明書の制度は、容器検査所におきまして検査をいたしまして、検査に合格いたしますと、そこにおきまして合格証明書を発行しておったわけでございますが、どうもこの証明書とボンベ本体がばらばらになってしまって、それぞれ独立的に動くという問題が発生いたしてきておりますので、従来証明書の書類に記載しておった事項をボンベそのものに刻印してしまおうということでございますから、ボンベそのものを見れば、これが検査に合格したのかしていないのかということがはっきりわかりますし、いままでのように書類と物本体がばらばらに流通するという弊害が避けられますので、そういう保安上の観点からわれわれとしてはこれを取り上げたわけでございます。
#250
○中村(重)委員 いままで番号は刻印で押してあったわけです。しかし、それはメーカーがいままでやっておった。今度は国がやると言うんだから、しかも証明書に書いてあるようなことを全部今度は容器に刻印を押すと言う。そういうことが簡単にできるのかどうかですね。また、どういう方法でもって今度は国は刻印を打つことになるのか。考え方はいいけれども実行が伴わないことではどうにもしようがない。したがって、こういう方法でやります、それは可能でありますということを私どもが納得できるように説明をしてもらわなければいけない。
#251
○佐藤(淳)政府委員 今度のねらいは、まさに保安上の観点からこれを考えたわけでありますけれども、確かにいままで証明書に書いておったもの全部をこれに刻印するということは、なかなか実際問題としてできない面がございます。それで、われわれといたしましては、刻印する場合の項目としましては、保安上最低限度必要な項目に限りまして刻印をするということに考えておりますが、これの内容につきましてはいま鋭意検討をいたしておるわけでございますが、大体考え方は、そういうことで保安上最低必要なものに限って刻印するというふうに考えております。
#252
○中村(重)委員 改正法律案を出しているんだ、あなたの方は。どういうことを書くかということまではまだ結論も出ていない、これから検討してまいります、そういうことで法律の改正案を出すことがおかしいじゃないですか。
 それから、あなたは容器と証明書というものはばらばらになると言う。ばらばらになってはいけないことなんだ。刻印を押すということは、保安上の点からそういうことをするんだとおっしゃるんだけれども、刻印を押すということが保安上どう強化されることになるのかということです。いまあなたは容器と証明書というものはばらばらになるとおっしゃった。そのために非常に困っておるのは販売業者じゃないのですよ。問屋なんというところは、実際はそれを販売するときに、これは充てんをするときでも全部ついて歩くんだから、容器と証明書というものはばらばらになってはいけない、ずっとついて回らなければいけない。だから、それを大変めんどうがっている大企業があるわけです。そういうことで、あなた方の方では、そうした大企業の方から注文、こうしてもらいたいということを要求されて、そうして刻印ということにするというのが本音じゃないですか。――じゃ、はっきりいままでのことでは保安上こういう点がよくないから、刻印を押すということは保安上このとおり強化されますというような説明が当然なされなければならない。その点どうなんですか。
#253
○佐藤(淳)政府委員 刻印する内容といたしましては、先ほど最終的に決定はいたしておらないということを申し上げましたけれども、一応の原案はすでにできておりまして、容器製造業者の名称またはその符号、それから充てんすべきガスの名称、それから容器の記号番号、内容積、バルブ、附属品を含まない質量、耐圧試験における圧力、容器検査に合格した年月日、これを刻印する予定でございます。
 それから、なぜこういうことに変えたかと申し上げますと、現在新たにガスを充てんする場合には、容器証明書の提示があって、それで充てん所がこれにガスを充てんするということになっておるわけでございますが、どうもその容器証明書を金庫なら金庫の中にしまっちゃいまして、それで充てん所にその証明書を持っていかないでガスの充てんをしてしまうというようなケースが見受けられるわけでございます。そういうことではいけませんので、本体に刻印を押しておけば、これが合格したということが一目でわかるわけでございますから、そういう観点でこの書類は廃止いたしまして、本体そのものに証明書にかわって刻印制度を考えたわけでございます。
#254
○中村(重)委員 容器に刻印を押すことは私は反対ではない。しかし、証明書を廃止することに問題を感じるのです。容器にペンキを塗って、塗装されてしまったらどうなるのです。私の品物だという証明はだれがどこでするのですか。
#255
○佐藤(淳)政府委員 われわれの考えておりますのは塗装した程度で消えるような刻印じゃなくて、相当乱暴に取り扱っても消えないような刻印を考えております。
#256
○中村(重)委員 だから、刻印を押すことはいいから、証明書を廃止することは、これは考えものです。それはあなたは、ペンキを塗ったぐらいでは消えないような刻印を考えておりますと、こう言うのだけれども、余り深く刻んでいったんでは、容器そのものが今度は危ないんだよ。そう塗装で消えないような刻印を考えております、私の質問に対してあなたの答弁がそう返ってきたわけだ。これは立証しなければいけないからそういう答弁になるわけです。だから、上を塗装してもそれでは消えないようにするということになってくると、相当深く刻まなければいけないんです。そういうことをしたら危ないんです。
 だから、いままでは刻印が記号番号だけだったんだから、そして証明書というものによって、これはAならAの品物である、Bの品物であるということがわかるように、そして不完全な容器でないように、充てんする場合にでも容器と証明書を持っていってやらなければならないと、こうなっているわけです。しかし、今度は私が申し上げたように、盗難に遭って、それを盗んだ人が塗装をやってしまってわからないようにしてしまえば、これは所有権争いが起こってくるわけだ。だから、ばらばらになっておるからということだけで刻印を押すということが、保安の面において最上なことであるというふうに簡単に片づけてはいけない。だから、刻印も押す、証明書も所有させる、そして必要なときにいつでもその証明書が出されるようにしておく必要がある。問屋が、これは問屋に限らないんだけれども、容器は個人の家、所有者の家にあるんだが、ある業者が容器を売ってしまうんだ。ところが、容器を売ったけれども金は返さない。それだから、今度また別の業者に売る。そうすると、そこで所有権争いが起こってくるのですよ。新たな物議を醸すという形が必ず出てくるわけだから、そういう点は単なる観念的なことでやってはだめなんです。実際の実情を把握してこういう制度というものは考えていくということにしなければならない。私は刻印を押すことそのものに反対ではありませんから、この改正法案に対して反対しようとは考えておりません。おりませんが、トラブルが起こるような危険性があるから、そういう点については慎重に対処していく必要があるということです。
 それから、ドラムかんをどんどん町にほったらかしているのをあなたは見たことがあるでしょう。証明書をなくしたらああいうことになります。自分の所有であるということに対する意欲というものが薄らいでくるわけです。だから、そこらはよほどお考えにならなければいけないことだから、その点に対する考え方はいかがですか。
#257
○佐藤(淳)政府委員 この容器証明書を廃止する問題につきましては、先生からも御指摘がございましたが、実はわれわれの方としましても、これを踏み切るまでには相当経緯がございまして、実は高圧ガス審議会の中で、ユーザーの方々あるいは販売店の方々の御意見をいろいろお聞きした上で、この方法がよかろうということに踏み切ったわけでございますけれども、確かに議論としては、先生おっしゃったような問題点、いろいろございますし、またわれわれが予測しないような問題もあるいは出てくるかとも思いますので、今後実施に当たりましては、十分に先生の御指摘になった面を踏まえまして万全を期するように注意してまいりたいと思います。
#258
○中村(重)委員 だから、行政指導でできるところもあるのだし、また政省令によって私が申し上げたようなことを生かしていくという道だってあるわけです。だから、私は単なる観念的に言っているのじゃないのです。これは、この法律案を審議するに当たって、私どもは私どもなりに調査もし勉強もしているわけです。それで、申し上げたようなことが具体的事実として出てくるわけなんです。その点は、いまの答弁で一応納得をいたしますから、私が申し上げたような点を十分今後は配慮してもらいたい。行政指導でいけるなら行政指導でもいいでしょう、あるいは政省令によってやる必要があるという場合は、そういう方法でやるというように考えてもらいたいと思います。
 それから、高圧ガス保安協会とプロパン協会との関係はどういうことになりますか。時間の関係もありますからまとめてお尋ねいたしますが、これは補助金の制度、今度は出資ということも先ほどの消費者保安センターの点で考えられているようですが、それはおくといたしまして、いまの出資、いわゆる補助金なんというようなものが中央の高圧ガス保安協会どまりになって、地方のプロパン協会なんかはただ仕事をさせられるだけで何のメリットもないということになってくると、やはりその点で保安の意欲を失うという形になりかねないですから、そこらの考え方はいかがですか。
#259
○佐藤(淳)政府委員 各県のプロパンの協会は、これは保安協会の有力な会員でございまして、技術基準の問題やらあるいは保管基準の問題等につきましてもいろいろ御意見を賜っておりますし、非常に熱心に協会の活動に参加していただいているわけでございます。今後、保安協会の業務といたしましては、このLP関係の業務が特段と強化されるわけでございまして、この強化いたす事業の中におきまして、各県に置かれますLPガス協会に、保安検査の代行の面とかそれから一般消費者に対する普及啓蒙の活動とかという問題につきまして、協会の一部の仕事をお願いするというようなことも考えまして、有機的に御参加いただくということをぜひやっていただきたい、こう考えております。
#260
○中村(重)委員 私がいまお尋ねしたことは、きょうが初めてじゃないのです。もうずいぶん前から高圧ガス協会と地域のプロパン協会との有機的な連携というものが必要なんだ、その指摘に対して、いまあなたがお答えになったようなことをいつも歴代の局長は答弁してきている。しかし、残念ながら高圧ガス保安協会と地域のプロパン協会というものは密接じゃないです。遊離しているのです。その実態をあなた方は御存じじゃないのです。だから、そういう実態を十分把握して、どこにガンがあるのか、問題点はどこなんだ、それをはっきり確かめて適切な指導をしていくということでなければならない。それから、申し上げたように、中央だけがいいことをして、われわれには仕事ばかり押しつけて何にもやらぬじゃないかというような、そういう空気だってあるわけだから、その点は十分お考えにならなければいけません。地域のプロパン協会というものは大変重要な役割りを果たすのだから、有機的にいけるように期待をしますというような単なる答弁では、これは私が申し上げたようなことがそう簡単に解消できるものじゃありません。根は深いところにある。これは決して団体の個人的感情とかなんとかといったようなことだけじゃないのです、これは制度の上に問題がありますから。その点は、私がきょう委員会において指摘をしたことができるだけ早い機会にこう改められた、私どもが安心できるような、また消費者が安心できるような、そうしたお答えを期待いたしておきたいと思います。
 それから、LPガスの販売業者と製造業者に対しては、この容器の販売等についての規制があるわけですが、その他の団体に対して規制がないように思うのですけれども、その点は今後どのようにしていこうとお考えになっていらっしゃいますか。容器の販売です。
#261
○佐藤(淳)政府委員 ちょっとお尋ね申し上げたいのでございますが、その他の団体というのはちょっとわかりかねますので、よろしくお願いいたします。
#262
○中村(重)委員 この容器の販売業者には規制がないわけですよ。ところが、たとえばゴムホースでもってLPガスをお座敷まで引っ張ってくるというような形で、長いホースを使っている。ところが、都市ガスと違って、LPガスは容器より自然気化するわけですよ。したがって、発生量には限定があるわけですね。だから、発生量を超すような消費設備というものがあっては、申し上げたように長いゴムホースなんかを使っていると、今度はガスが不足するという形になるのです、都市ガスと違いますから。そこに不完全燃焼というものが起こってくる恐れがあるわけですが、消費者が何にもわからないで、プロパンに使いますから長いホースを下さいと言ってホースを買いに行くのですね。だから、その買いに来た者に販売業者は売ってしまうのですよ。そして、それをつけるのです。ところが、私が申し上げましたように、これはLPの場合は容器から自然気化することになる。発生量には限度がある。そこからこの消費設備と発生量とがそぐわない形になってくると、どうしても不完全燃焼というものが起こってくるのです。そうなってくると、容器を販売する業者にやはり規制が必要になってくるということになる。これはLP業者というものはよくわかっているのですよ。LP販売業者はそこらあたりは知識を持っているのです。一般の販売業者はわからない。そういう点はそう簡単な問題じゃないのですよ。だから、容器の販売をするに当たっては、それだけの知識を持たせる必要があるということなんです。その点を何かお考えになってはいらっしゃらないのか、こう言うのです。私はさっきだいぶ考えてぽっと浮かんでこなかったのですが、こんろですね、元栓からこんろまでの間を長いホースを使っている家庭があるのですよ。都市ガスは何も問題ないのです。LPガスは容器から自然気化するところに問題があるわけです。お答えができなければ、それはこの法律案に直接関係を持ちませんから、きょうは、後で検討するというお答えであっても結構なんですけれども、知識を持っているLPガスの販売業者だけに容器の販売を限定するということにはあるいは問題があるかもしれません。しかし、少なくともこうした爆発性があるところのその容器等を販売するに当たっては、やはり欠陥品を売るということにもなりましょうし、私が申し上げましたように、これは適当でない販売をするということにもなってまいりましょうから、その点は十分お考えになる必要があるのではないかというように考えます。いかがでしょう。
#263
○佐藤(淳)政府委員 先生がいま御指摘になったような問題につきまして、ただいま実は基準を作成いたしておりますが、まだ完成をいたしておりません。ただ、非常にいろんなケースが考えられますので、早速今度できますLPの消費者保安センターの重大な項目として取り上げまして、先生の言われました問題点の解明を急いでやりたいと思います。
#264
○中村(重)委員 それではこれで終わりますが、冒頭申し上げたように、もう改正案の内容はよろしいのです。ですから、この改正に伴うところの予算の面においてあるいは人的な面において十分内容を充実する措置を講じてもらいたいということを私は強く要望いたしておきたいと思います。ともかく爆発事故を絶対に起こさない、そうした考え方の上に立って対処してもらわなければなりません。いままでのいろんな事故の経験から、不備の点を補っていかなければならないということで今回の改正法案をお出しになったのでしょうから、それはそれで結構ですが、しかしこれだけでは問題の解決にならないということを申し上げておきたいと思います。
 終わります。
#265
○山村委員長 以上で本案に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#266
○山村委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 高圧ガス取締法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#267
○山村委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#268
○山村委員長 本法案に対して、塩川正十郎君外四名より、自由民主党、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党五党共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 まず、提出者より趣旨の説明を求めます。塩川正十郎君。
#269
○塩川委員 ただいま提出いたしました附帯決議案につきまして、提案者を代表し、その趣旨を説明申し上げます。
 まず、案文を朗読いたします。
   高圧ガス取締法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行にあたり、公共の安全確保に万全を期するため、次の諸点につき適切な措置を講ずべきである。
 一 コンビナートにおける地震対策、不均等地盤沈下対策等を含め、その保安を確保するため、関係行政機関の有機的連繋、協力体制の強化、総合的保安対策を担当する主務省庁の明確化及び企業間の共同保安体制の強化を一層推進するとともに、コンビナート保安に関する基本的な政策を早急に樹立すること。
 二 一般家庭の液化石油ガス消費に伴う災害の絶滅を期するため、消費者に対する啓蒙・指導の徹底及び消費設備、安全機器等の改善を図るとともに、販売事業者に対する監督・指導の強化に努めること。
 三 高圧ガス保安行政体制を一層強化するため、国及び地方公共団体の組織及び予算の充実を図り、必要な人員を確保するとともに、保安行政に現場従業員及び一般消費者の意見を十分反映させることとし、省令の改正等に際してもこの点を配慮するよう努めること。
以上であります。
 決議の各項目につきましては、委員会における質疑等を通じましてよく御理解いただけることと存じますので、個々の説明は省略させていただきます。
何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#270
○山村委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#271
○山村委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。
 この際、付帯決議について政府から発言を求められておりますので、これを許します。河本通産大臣。
#272
○河本国務大臣 ただいまの附帯決議の御趣旨を尊重いたしまして、行政に万全を期する次第でございます。
 どうもありがとうございました。
    ―――――――――――――
#273
○山村委員長 お諮りいたします。
 本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#274
○山村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
#275
○山村委員長 次回は、来る二十五日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時五十二分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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