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#1
第075回国会 商工委員会 第26号
昭和五十年六月二十日(金曜日)
    午前十時五十二分開議
 出席委員
   委員長 山村新治郎君
   理事 塩川正十郎君 理事 田中 六助君
   理事 萩原 幸雄君 理事 前田治一郎君
   理事 武藤 嘉文君 理事 佐野  進君
   理事 中村 重光君 理事 神崎 敏雄君
      天野 公義君    小川 平二君
      越智 通雄君    粕谷  茂君
      近藤 鉄雄君    橋口  隆君
      深谷 隆司君    藤井 勝志君
      板川 正吾君    岡田 哲児君
      加藤 清政君    加藤 清二君
      川俣健二郎君    上坂  昇君
      竹村 幸雄君    渡辺 三郎君
      野間 友一君    米原  昶君
      近江巳記夫君    松尾 信人君
      玉置 一徳君    宮田 早苗君
 出席政府委員
        林野庁林政部長 堀川 春彦君
        通商産業政務次
        官       渡部 恒三君
        通商産業審議官 天谷 直弘君
        資源エネルギー
        庁次長     熊谷 善二君
        中小企業庁長官 齋藤 太一君
 委員外の出席者
        環境庁長官官房
        参事官     宇野  佐君
        文部省体育局ス
        ポーツ課長   望月 健一君
        運輸省船舶局造
        船課長     神津 信男君
        運輸省港湾局機
        材課長     工藤 秀雄君
        海上保安庁警備
        救難部救難課長 福島  弘君
        労働省労働基準
        局監督課長   岸  良明君
        建設大臣官房政
        策課長     宮繁  護君
        建設大臣官房建
        設機械課長   上東 公民君
        建設省計画局建
        設業課長    大森 敬介君
        建設省計画局建
        設振興課長   高比良和雄君
        自治大臣官房地
        域政策課長   久世 公堯君
        商工委員会調査
        室長      藤沼 六郎君
    ―――――――――――――
委員の異動
六月二十日
 辞任         補欠選任
  竹村 幸雄君     川俣健二郎君
  荒木  宏君     米原  昶君
同日
 辞任         補欠選任
  川俣健二郎君     竹村 幸雄君
  米原  昶君     荒木  宏君
    ―――――――――――――
六月十九日
 伝統的工芸品産業その他の中小企業性産業を保
 護するための輸入制限等に関する特別措置法案
 (渡辺武君外四名提出、参法第二六号)(予)
同日
 地熱資源開発促進法制定に関する請願(大村襄
 治君紹介)(第三七七三号)
 同外一件(久保田円次君紹介)(第三七七四
 号)
 同(小此木彦三郎君紹介)(第三七七五号)
 同外三件(染谷誠君紹介)(第三七七六号)
 同(前田治一郎君紹介)(第三七七七号)
 同外五件(大久保武雄君紹介)(第三八一一
 号)
 同外四件(亀山孝一君紹介)(第三八一二号)
 同外二十二件(越智通雄君紹介)(第三八四三
 号)
 同外十七件(八田貞義君紹介)(第三八四四
 号)
 同外四十件(熊谷義雄君紹介)(第三八八四
 号)
 同外五件(大西正男君紹介)(第三九〇七号)
 同外二件(塩川正十郎君紹介)(第三九〇八
 号)
 同外六件(野田毅君紹介)(第三九〇九号)
 同(橋本龍太郎君紹介)(第三九一〇号)
 同外三件(村岡兼造君紹介)(第三九一一号)
 同外十一件(早稻田柳右エ門君紹介)(第三九
 一二号)
 郡山市におけるスーパーマーケットの開業規則
 に関する請願(神崎敏雄君紹介)(第三七七八
 号)
 石油販売業者の資格制度法制化に関する請願(
 上村千一郎君紹介)(第三八一三号)
 同(早稻田柳右エ門君紹介)(第三八一四号)
 同(浦野幸男君紹介)(第三九一三号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 通商産業の基本施策に関する件
 中小企業に関する件
 資源エネルギーに関する件
     ――――◇―――――
#2
○山村委員長 これより会議を開きます。
 通商産業の基本施策に関する件、中小企業に関する件及び資源エネルギーに関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。渡辺三郎君。
#3
○渡辺(三)委員 最近の油の流出事故の状況についてお聞きをしたいわけですが、まず最初に環境庁からお聞きをしたいと思います。
 昨年の十二月十八日のいわゆる水島事故については最近資料をいただいておるわけですが、それらを含めて、この六月までの間に、わが国の近海における衝突あるいは座礁などによる油の流出事故の状況について、どのくらいの件数になっておるか、あるいはその件名、これを時間がありませんからひとつ簡潔にお聞きせいただきたいと思います。
#4
○福島説明員 海上保安庁が確認いたしました四十九年におきますわが国周辺の海上におきます海洋汚染関係の事故発生件数は、千九百八十五件でございます。このうち千百七十一件が船舶から排出されたものでございます。そのうち七百八件が排出源不明なものとなっております。また、百六件が陸上から排出されております。
 これを海域別に見ますと、やはり船舶交通の非常にふくそういたします東京湾、伊勢湾、瀬戸内海といったところが非常に多うございまして、千二百三十七件と、全体の六二%を占めております。
 これを原因別に見てみますと、故意あるいは過失といった、要するに人為的なものが千四十六件、五三%でございます。それから、タンク、パイプ等の破損によりますものが七十一件、四%、次に海難によるもの百二十六件で六%、そのほかが十八件というふうになっておりまして、原因不明なものが七百二十四件、三六%と、非常に大きな数字を占めております。
 それから、先ほど御質問にありました水島関係につきましては、どの程度お答えいたしましょうか。――よろしゅうございますか。
#5
○山村委員長 福島課長に申し上げます。質疑者に対しての質問は御遠慮いただきます。
#6
○渡辺(三)委員 いまお答え願った最後の水島関係については、具体的にどういう対策を油の回収の問題を中心にしてやられたか、この点をひとつ簡潔にお答えいただきたいと思います。
#7
○福島説明員 水島事故につきましては、全般的な対策は非常に多元的なものにわたっておりますが、海上保安庁がやりました油の拡散防止等につきましての措置、対策等を申し上げます。
 海上に油が出た場合には、まず最初にその拡散を防止するためにオイルフェンスを張る、そうして油を囲い、囲ったところで回収船によって取る、なおかつ取れない部分につきましては除去剤等を散布いたしまして、海上で乳化分散を図るというのが一つの海上における流出油の処理作業のパターンでございます。
 そうして、海上保安庁といたしましては、流出油の事故発生の通知を受けますと、即時、待機いたしております船艇が、まずオイルフェンスを持っていきまして、その拡散を防止する。それで、最も至近距離に回収船がおりますれば、当然回収船を随行します。それから、回収船も数が非常に少のうございますので、民間企業等で持っておれば、当然横の連絡を平素からとっておりまして、そうして官民相呼応してそういった施設を初期の段階に集中的に投入する。それで、水島におきましても、やはりそういった一つのパターンで作業を進めたわけでございますが、初期の第一日の流出油の状況を見ますと、当時非常に条件がいろいろ悪うございまして、潮あるいは風の影響を受けまして、一日目で、水島で言いますと、川崎製鉄の南の付近へいったわけでございます。それから一週間たちますと、すでに鳴門海峡の方へ行ったというような、非常に大量のものがそういった自然条件の影響を受けまして広範囲に広がったということでございまして、御承知のように、保安庁の及ぶ限度以上のところまで行きましたので、最善を尽しましたけれどもああいうような結果になったというような事情でございます。
#8
○渡辺(三)委員 先ほどの答弁の中にありましたように、四十九年と言いますか、非常にそういう事故が多い、そしてまた、いま水島の問題についてちょっとお答えいただきましたが、このオイルルフェンスあるいはその次に油の回収船、こういうふうなことでいろいろの対処をされたと思いまけれども、いまの答弁の中にもありましたように、油の回収船が、そういう事故件数あるいは今日のそういった事故の状況から比較をしますと、配置が非常に不十分なのではないか、こういうふうな気がするわけでありますけれども、いまわが国で実際に油の回収船、いろいろな形はあると思いますけれども、比較的性能のいい、十分使いものになると言いますか、そういうふうな油回収船の実際の就航状況あるいはまた配置の状況、これはどうなってましょうか。
#9
○福島説明員 現在、全国に油回収船が官民合わせまして五十六隻ございます。それで、先ほど御質問にありました、要するに性能関係についてでございますけれども、御承知のように海上それ自体非常な特殊性がございまして、瞬時にして広範囲に拡散する、しかもその油が流れた海面自体が風とかあるいは潮流といった自然条件の影響を強く受けるわけでございます。それで、オイルフェンスを張るにいたしましてもあるいは回収船を使うにいたしましても、そういった自然条件との闘いでございまして、私たちが期待するほどの性能を持った回収船というものは、いまのところちょっと見当たらないという現状でございます。それで、海上保安庁にもロッキード社の製作した油回収船二隻を現在備えておりまして、近くあと一隻備えまして、今年度内に三隻保有することにいたしております。
 これを使った実例といたしましては、ことしの四月十五日に、小名浜港の沖で第十五大手丸という九百九十九トンの船が衝突しまして、C重油が二百十一キロリットル流出した事故がございました。そのときに、先ほど申し上げました当庁の回収船を横浜から小名浜まで回しまして一回使いました。それから、四月十七日に第三みつ丸という船、これも九百トン前後の船でございますが、愛媛県の瀬戸内海の北条市沖で衝突いたしまして、C重油が六十三キロ流出した。そのときにもそのマスキー、回収船を使いました。それから、先般御承知の六月四日に、二十万トンの栄光丸が第二海堡の近所で座礁しましたが、このときにも当庁の回収船あるいは第二港湾建設局の回収船等に現場に参加していただきまして、回収作業を実施しました。先ほど申しましたように、期待するほどの性能は残念ながらないといった実情でございます。
#10
○渡辺(三)委員 わかりました。
 そこで、運輸省来ておられますか。――運輸省の船舶局の方にお聞きしたいわけですが、わが国における油回収船の各メーカーごとの建造の実績、これをひとつ簡潔にお話しいただきたいと思います。できれば、それぞれのメーカーの建造実績とあわせて性能の状況、あるいはまた、さらにどのような方式のものを今後考えておるのかという技術開発の面も含めてお答えをいただきたいとと思います。
#11
○神津説明員 お答え申し上げます。
 油回収船のメーカーといたしましては、横須賀市にあります光工業、それから金川造船、石川島播磨重工、三保造船それから隅田川造船、渡辺製鋼所というのがメーカーでございまして、この油回収の方式といたしましては、吸着方式それからポンプ吸引方式という方式がございまして、それぞれの社において先ほど申し上げました約六十隻の油回収船をつくっております。ちょっと現在造船所別の建造隻数のデータは手元にございませんので、また後ほど調査をしてお答えいたしたいと思います。
 それから、現在どのような技術開発を行っておるかという御質問でございますが、船舶局におきもまして、特に荒天時において大量流出油を効果的に回収することができるような高性能な油回収船の設計を行っております。
 それから、私どもの担当でございませんが、同じ運輸省の港湾局におきまして油回収船及び清掃船の、特に外国を中心といたしました文献調査及び大型しゅんせつ用油回収装置の開発を行っております。
 また、海上保安庁におきましても、海洋における油汚染防除、防御技術開発に関する研究といたしまして、大量流出油の回収率にすぐれ、しかも事故発生現場に迅速に移動可能な油回収船の開発を行っております。
 それから、民間におきましても、舶用機器開発協会におきまして、排出油に対して特に効率のよい油吸引装置の研究開発を行っており、また静止時において効率よく遊油水を吸収できる呼び込み装置をつけました回収艇の開発を行っておる状況でございます。
#12
○渡辺(三)委員 実は建造の実績についてはいろいろな型、小型のものもありましょうし、あるいはいま答弁の中にもありました比較的性能の高い、そういったものもありましょうし、分類はいろいろあろうと思いますが、できれば今日の状況に対応して十分に性能を発揮できる、そういった建造の実績をメーカーごとにお聞きしたかったわけです。しかし、これは後でなお厳密に調査をしてお答え願えるということでありますから、これは一応保留します。
 次に、同じようにヘドロの採取船についても、もしわかればメーカーごとの建造実績を端的に挙げていただきたいと思います。
#13
○工藤説明員 港湾工事におけるいわゆる普通のヘドロしゅんせつでございますけれども、それに使われるしゅんせつ船は、その型式別に分けますと、主としてグラブしゅんせつ船、それからポンプしゅんせつ船と、この二型式に分かれると思います。
 それで、昭和四十九年八月現在でございますけれども、グラブしゅんせつ船につきましては五百九十六隻、ポンプしゅんせつ船につきましては四百四十六隻という多数に上っております。その中で、現在公害関係で言われておりますヘドロ専用船というものは主としてポンプ船のタイプになろうかと思いますけれども、十七隻でございます。
 それで、その所有者と申しますか、持っておりますところは国が一隻、地方公共団体一隻、民間が十五隻でございます。
 それで、現在この十七隻の造船所ごとにつきましては詳しいデータを持っておりませんので、また後ほど先生の方に御報告いたしたいと思います。
#14
○渡辺(三)委員 それでは、時間の関係もありますから、造船所ごとの建造実績をいろいろと伺ってまいりたいと思っておったわけでありますけれども、それはいずれ資料で出していただくことにいたしまして、先ほどの答弁の中にもちょっと出ましたが、幾つかのメーカーの中で株式会社渡辺製鋼所というのがあります。これは御承知のように昨年の十二月の末にいわば企業が倒産をしておるわけであります。
 ところが、この会社の建造実績をずっと調べてまいりますと、いま私が出しました油回収船についてもあるいはまたヘドロの採取船にしても、わが国においてはこれまできわめて大きな実績を持ってきておる。それが昨年の十二月に倒産をしており、株主を調べてみますと、代表的な株主としては大阪商船三井船舶、これが中心でありますけれども、三菱重工、それから三井造船、住友重機、いずれも船舶関係では非常なメーカーでありますが、こういったところが株式会社渡辺製鋼所の株の全体の七割を占めておるという状況です。しかも、先ほど海上保安庁の方から話がありましたとおり、今日の事故の続発、これに対する速やかな対処、そういう点からすれば、どうしてもやはり油回収船というものをもっと十分に配置をして、そういった事故が拡散しないように、もともと事故をなくすことが前提ではありますけれども、もし不幸にして起きた場合に、直ちにそれに対処できるような配置というものが非常に必要なのではないか。こういうふうな状況の中で、いま言ったわが国においてはこの種の船舶建造に非常に大きな実績を持っておる会社が倒産しておる、このような状況になつておるわけでありますけれども、この株式会社渡辺製鋼の倒産の状況について、運輸省ではどのように考えておられますか。
#15
○神津説明員 先生ただいま御指摘ございましたように、渡辺製鋼所は、従来主として作業船を建造してまいった造船所でございますが、四十九年十一月七日に一億一千二百万円の不渡り手形を出しまして会社更生法の適用を申請し、その後同年十二月二十日に申請を取り下げまして、二十五日に破産をしたと聞き及んでおります。
 この件につきましては、私どもといたしましては、一応民間ベースの話でこのようになったということを聞いておりまして、やむを得ないのではないかと考えております。ただし、現在特殊作業船の建造につきましては、先ほども申し上げましたが、かなり技術の高い造船所もございまして、現在の段階では、作業船の供給体制には別段の支障はないというふうに私どもは考えております。
#16
○渡辺(三)委員 建設省が来ておられると思いますが、そこでお伺いしたいのですが、建設省の関東技研が開発しましたヘドロ採取船にかかわる真空吸引、圧力空気による圧送方式の技術、これをいま私が申し上げております株式会社渡辺製鋼に特許ノーハウの優先実施権というものを与えて、その技術の開発を進めさせたといいますか、そういう経過があるというふうに伺っておるわけですが、この株式会社渡辺製鋼のこの業界における位置といいますか、そういうものの評価、これをどのように建設省では考えておられますか。
#17
○上東説明員 建設省におきましては、昭和二十三年から三十年にかけまして、直轄の工事用といたしまして、ポンプしゅんせつ船十五杯を渡辺製鋼所から購入しておるわけでございます。また、ただいまお話のございましたように、昭和四十六年水中のヘドロしゅんせつ装置の製作を同社に請け負わせています。この基本の考え方につきましては、建設省関東地方建設局において発想いたしまして、その製作につきまして、共同開発といったような形で同社にやってもらったわけでございます。
 ただいまお話のございました同社の製品あるいはまた技術についてでございますが、こういった納入の使用実績というのを踏まえて考えてみますと、この分野におきましては、経験が豊富で信頼できる技術力を持っていた会社であったというふうに考えております。
#18
○渡辺(三)委員 昭和四十七年に、いま言った技術の提供といいますか、建設省のそういう支援も得ながら、毎時六十立米の小型ヘドロ採取船をこの会社は完成しておるようです。そしてさらに、その実績の上に、毎時五百立米型を完成して、これは東洋建設に納入をしておりますことが明らかになっております。これは伊予三島における製紙ヘドロの採取に当たっては相当の威力を発揮しておる、こういう実績を持っておるのではないかと思うのです。ですから、最近問題になっておりますヘドロの採取、あるいは一番最初お答えをいただきました油の回収、そういう面については、わが国のこの種の造船の先発メーカーとして非常に大きな実績を上げてきているのではないか。先ほど運輸省の説明によりますと、これは経営上のいろいろな問題もあり、あるいは経済状況もあって倒産をしたことはやむを得ないが、全体的に見れば、油の回収船の建造にしましても、あるいはまたヘドロ船の建造にいたしましても支障はない、こういうふうに運輸省ではおっしゃっておるわけですが、いま申し上げているようなことと関連をして、運輸省では、今後この種の事故が起こっても、今日のわが国の造船体制からいって全く心配ない、こういうふうにお考えですか。
#19
○神津説明員 先ほども申し上げましたように、現在の段階では、その他この種の造船に従事しております造船会社がございますので、そう建造体制に支障はないということでございまして、この種の事故といいますか、この種のケースが続発する場合には、また考慮すべき点が出てまいるかと考えております。
#20
○渡辺(三)委員 いま検討されております総合的な公害対策の中で、各コンビナートに油回収船の設置を義務づける、あるいは各港湾建設局や港湾管理者等もそれらを保有する、こういうことになれば、大体いまの想定でどのくらいの油回収船を必要とするのか、この点の試算がありますか。
#21
○福島説明員 先ほどもちょっと触れましたように、海上に油が流出した場合には、海面そのものが気象とか海象とかいった自然条件の影響を強く受けるために、短時間のうちに非常に広範囲に広がるといった状況、あるいはC重油といった粘度の高いといいますか、重質油といいますか、そういうものにつきましては、時間が経過するに従いましてだんだん凝固をしてくるといったいろいろな困難な条件がございまして、それでどの程度の回収船を必要とするかといったことを定量的につかむのは非常にむずかしいと思います。
#22
○渡辺(三)委員 運輸省の方ではどのように考えておられますか。
#23
○工藤説明員 私ども港湾局におきましては、油の回収につきましては、国の直轄の仕事といたしまして、特に油流出関係の状態が憂慮されます内海、内湾等におきまして現在回収作業をやっております。それから、技術開発等につきましては、先ほど船舶局の方から申し上げましたように、今年度の予算におきまして、大型しゅんせつ船に大量の油を回収できるような機能を付与できないものかどうかということについて調査しておりますけれども、私どもといたしまして全体的な数量、どういう隻数が必要かということについては、海上保安庁の御答弁にありましたように非常にむずかしい問題で、まだ確定的な数字を持ち合わせてございません。
 それから、ヘドロ処理しゅんせつ船に関しましては、現在環境庁を中心にいたしましていろいろな公害防止計画、あるいは港湾管理者等におきますいわゆるヘドロしゅんせつ計画というものがございますけれども、非常にむずかしい技術的な問題もございますし、またその量の確定あるいは実施時期というものが種々の情勢によりまして確定しておりませんので、現在段階ではただいま申し上げました十七隻でございますが、これを最大限に活用いたしまして工事を進めていきたい、このように考えておるところでございます。
#24
○渡辺(三)委員 そこで、時間があと五、六分しかありませんから、この問題、最終的に詰めるわけにはまいりませんけれども、労働省もお呼びしておるので、この際一つだけお聞きしておきたいと思いますが、ことしの二月二十八日、衆議院予算分科会におきましてわが党の藤田議員が質問をしたのに対する長谷川大臣の答弁がございます。それは、今日の特に不況が深刻化する中で未払い労働債権が非常にふえておる、そういうふうなものと関連して、この賃金を払っていこうとすれば企業倒産に追い込まれそうだ、こういうときにそれらを国がカバーをして、そしてそういう状態を乗り切るという制度というものを考えていかなければならないのではないか。これは時間がありませんから、私、非常に簡単に申し上げておりますけれども、そういう質問に対して、大臣は、労働基準監督署がいろいろ動いて解決しているものもたくさんある。しかし、なおかついまのような問題等も出ておるので、これはやはり賃金未払いに対して手当てをすることを制度として考えていかなければならないだろう、こういう相当はっきりした答弁をなさっておるわけであります。
 今回の渡辺製鋼の問題を考えてみますと、大体私の調べでは、未払い労働債権が十四億九千万、相当の額に上っておるわけであります。労働省としては、二月二十八日に大臣がそのような答弁をなさったことに関連をして、制度としてあるいは運用としてどのようにやっていこうかというような検討がなされてきたと思うのでありますが、その現状あるいは詰まったものがあれば内容をひとつお答えいただきたいと思います。
#25
○岸説明員 ただいまおっしゃいましたとおりに、現在の破産法の中におきまして、特に清算型の倒産の場合には確かに賃金債権の保護というのが非常に弱いわけでございます。
 私ども賃金不払いに対しまして、労働基準法二十四条に従いましてそれの債権の確保を努めておりますけれども、企業が倒産をしたというような場合、特に破産の場合につきましては打つ手がないというのが現状であろうかと思います。
 そこで、先生がいまおっしゃいましたとおり、労働大臣は予算分科会において藤田先生の御質問に対して、この賃金不払いの問題について制度として救済措置を考えてみよう、こういうお答えがあったわけでございますし、また昨年の末の雇用保険法が成立した際にも附帯決議としてお示しをいただいておるわけでございます。私どもとしましては、そういうような大臣の御発言並びに附帯決議の線に沿いまして、現在鋭意検討を進めている最中でございます。
 ただ、いずれにいたしましても非常に関係する法律がたくさんございます。しかも、いままでの制度の中では非常に問題の多いところでございますので、ちょうど私どもの労働省の中では労働基準法の関係をいま勉強していただいております労働基準法研究会というのがございます、この研究会は労働基準法上の問題点等をいろいろと御検討をただいているところでございますけれども、この日程を差し繰りまして、問題が非常に重要であり緊急性を要しますので、ただいま鋭意御検討をいただいておる最中でございます。この研究会の検討の結果が出ましたならば、私どもは早急にこれに対する具体的な措置を講じてまいりたい、かように考えております。
#26
○渡辺(三)委員 時間が参りましたので、最後に通産政務次官からお答えをいただきたいと思いますが、きょうの私の質問では必ずしもまだ状況がはっきり浮き彫りにされるような詰めができませんでした。これは時間の関係でやむを得ないから、改めて私は機会をとっていろいろとこの問題について質問したいと存じますが、いずれにいたしましても、いま公害が非常に大きな課題になっておって、しかも油の流出事故やあるいはヘドロのしゅんせつ、こういう問題で、それに対応する体制をどうしても早急にみんなの協力でつくっていかなければならないと思うわけです。
 そういう段階にある状況の中で、わが国のそういった油回収船なりヘドロ採取船、こういうものの建造の先発メーカーであった有力な企業が倒産をした。しかも、その後始末の状況を見ておりますと、これは私の感じでありますけれども、株主が先ほど言ったようなわが国有数の大会社でありますし、しかもこの種の技術についてはある程度の経験を持っておるメーカーであります。ですから、そういったような有力な株主と十分に話し合いを詰めながら、これは倒産になったといっても、事実上はいま東京都なんかの注文を受けながら仕掛かり品をやっているわけですね。通産省としても産業政策上十分に株主とも相談を願って、もし再興できるものならば再興する。そして、今日置かれているこの公害対策の体制をより強化する、それの一助にしていく、こういうことが産業政策上どうしても必要だと私は思う。そこで、そうした問題についてさらに本質を明らかにするという意味も含めて御相談を願うなり、そういった方向での努力をなされるべきではないかと思うのですが、最後に通産次官のお答えをいただいて私の質問を打ち切りたいと思います。
#27
○渡部政府委員 ただいま先生の御指摘の問題、これは非常に重大な問題であり、また社会的にもこれはそれぞれの立場で影響のある問題でありますし、またそれぞれの役所にも関係する問題でありますので、十分調査の上、通産省としてもそれが社会性のあるきわめて重大な問題であるという認識の上に立って、できるだけの対処をしていきたいと思います。
#28
○山村委員長 川俣健二郎君。
#29
○川俣委員 時間は三十分しかございませんので、端的に地下資源開発について政府の考え方を、これは従来私が登壇させていただいて伺ってまいりましたが、その資源開発に伴って、いろいろと地上物権との競合、障害、これは一応公害と言っているわけですが、そういった面との関係がかなり一方にある。もう一つは、資源開発を優先させるか、あるいは膨大な地上権、土地を必要とするゴルフ場などとの競合の行政指導をどうやっているかという点について、具体的に例示をしながら政府の考え方を伺ってまいりたいと思います。
 そこでまず、私は言わずもがなだと思いますが、石油ショック以降はもちろんでありますが、国内の資源の見直し、この資源開発に積極性を見てきたし、またこれを開発するように当委員会としては予算措置なりあるいは制度改正なりでいろいろとやってまいりました。銅、鉛、亜鉛のようなベースメタルはもちろんでありますが、石油、石炭、地熱開発、そして天然ガス等々、エネルギー問題ではこの地下資源の開発に非常に関心を示すようになったわけです。
 したがって、まず第一番目に、現在の政府当局の地下資源開発に対する姿勢を政務次官から伺って、それからエネルギー庁の方に具体的に質問していきたいと思います。
#30
○渡部政府委員 ただいま川俣委員の御指摘の問題は地下資源の開発で、わが国のように資源原料の乏しい国にとってはきわめて重大な問題でありますから、わが省としても特にこのエネルギー問題、天然ガスの開発というようなものは積極的に取り組まなければならない問題であると考えて、それぞれの努力をしておるのでありますが、ただ狭い日本でありますから、開発と環境保全は今日当面する非常にむずかしい問題になっておりますが、これらの面をよく調和させて、御指摘のような問題を解決するように努力をしていく考えであります。
#31
○川俣委員 そこで、時間がありませんから、その地下資源の中で現在における日本の天然ガス開発の状況、千葉と新潟が主であるわけですが、エネルギー庁の方からひとつ実態と、一体年間どのくらい生産しておるか、そして日本の地下には可採埋蔵量が一体どのくらいあるのだろうか、いまのテンポで掘っていくと何年分ぐらいあるだろうか、さらに四つ目は、いま石油を二億七千万キロリッター海の向こうから運んできているわけだが、もしこれを天然ガスにかえるとすれば、あるいは全部かえられないにしてもどの程度の可能性があるか、石油を天然ガスにどのくらいかえられるだろうか、こういった面を少しお聞かせ願いたいと思います。
#32
○熊谷(善)政府委員 お答えいたします。
 現在の日本全体の天然ガスにつきましての可採埋蔵量、これは理論埋蔵量、原始埋蔵量いろいろございますが、約四千四百億立米でございます。千葉県は、経済性を加味いたしました可採埋蔵量につきましては、千六百億立米と見ております。
 日本全体で天然ガスの生産は約二十六億立米でございますが、うち千葉県は約五億立米生産をいたしております。
 先ほど御指摘の石油全体の原油輸入は、今年度約二億七千五百万キロリッター程度を見込んでおるわけでございますが、ただいま申し上げました天然ガスは二十六億立米でございます。これを石油に換算して、全部天然ガスで代替するということになった場合には、これを百倍しなければならぬという計算になろうかというふうに思います。
#33
○川俣委員 千葉県は御案内のとおり大変な工業地帯であるわけですから、日本の国としてはそれに伴ってエネルギーが非常に使われるわけですけれども、それでは一体千葉県の場合はどのくらいのガスの消費量であって、それに対して現在天然ガスをどのくらいの比率で供給しているだろうか、この辺を聞きたいのです。
#34
○熊谷(善)政府委員 千葉県におきますガスの消費量でございますが、都市ガス、工業用とも合計いたしまして、年で五億九千万立米ということでございます。このうち天然ガスで賄っておりますのが五億一千万立米でございます。
 他方、千葉県の天然ガスの生産でございますが、先ほども申しましたように約五億一千百万でございますので、ほぼ千葉県の地元の天然ガスの需要に対しましては地元の生産で供給しているという計算になろうかと思います。
#35
○川俣委員 東京に隣接しておる千葉、そして工業地帯の千葉、重要なる日本の国の工業地帯になるわけですが、そこで消費する工業用、家庭用を加えて五億九千万のうち五億一千万立米の天然ガスを供給できるようになっておる。さらに、これからエネルギーというのは、石油というのはいろいろな問題にぶつかると思うのだが、この天然ガスの開発を積極的に進めておるというエネルギー庁の姿勢はわかりますが、ただ、いま非常に問題になっておるのは、地上との競合でどうも行政指導としてきわめてまずいものが端的にあらわれてきておる。
 そこで、鉱業法を見ますと、十五条に公共の福祉という関係に特に気をつけて競合しないように調整するようにせいというふうになっておりますが、いま私が端的に質問しようとするのはゴルフ場との競合で、施業案の認可はおりた、ところがそこに地上権を持っているゴルフ屋がどうしても掘らせない、こういう問題が、これは一つの例ですけれども、そのほかに全国のゴルフ場と地下資源との関係の問題を例示すると無数にあります。
 そこで、話をちょっと転じますが、ゴルフ場というものの考え方ですが、このゴルフ場というのはどこで管理しているのですか。同じ通産省ですか。
#36
○天谷政府委員 ゴルフ場の所管は通産省でございますが、具体的に申し上げますと、産業政策局の商務課でございます。
#37
○川俣委員 そこで、ゴルフ場の規制あるいは行政指導あるいは認可する場所、申請は出しておるのだから、これはどこですかね。
#38
○天谷政府委員 ゴルフ場の開設自体は、営業自由の原則に従いまして自由でございます。ただし、それが土地開発関係の種々の規制法に関連する場合が多うございますので、その際には数十ございますところの土地開発関係の規制法の所管の官庁に届け出るなり、あるいは許可を申請するなりの手続が必要でございます。
#39
○川俣委員 そうすると、ゴルフ場をつくる場合に申請書というのは一番先にどこに出すのですか。各官庁に出している、窓口一本じゃないのですか。
#40
○天谷政府委員 先ほど申し上げましたように、土地開発関係の規制の法規はきわめて多数ございまして、数十の法律があるようでございます。都道府県について申し上げますと、大部分の府県におきまして土地開発の条例がございますし、あるいはまた指導要綱を定めてある県もございます。ゴルフ場開発のみにかかわる指導要領を定めておる県も数県あるようでございます。したがいまして、ゴルフ場を開設するに当たりましては、そういう条例や指導要綱に従いまして、まず都道府県に対して許可申請の手続をするということが必要でありますし、そのほか都市計画法等の法律にかかわります場合には、おのおのの所管官庁に対しまして許可申請、届け出等の手続をすることが必要であろうと存じます。
    〔委員長退席、田中(六)委員長代理着
    席〕
#41
○川俣委員 いろいろな官庁は必要ないよ。自分の土地に自分のゴルフ場をつくる場合に、最低どこへ申請しなければならないのかと聞いているんだ。
#42
○天谷政府委員 その自分の土地が、たとえば都市計画区域内にあります場合には都市計画法による手続が必要でございます。(川俣委員「いや、自分の土地はそういう法律は一切規制なしのところだ。最低どこへ申請しなければならないのか。」と呼ぶ)私の方は、都市計画法、森林法あるいは自然公園法等の法律は所管でございませんので詳しいことは存じませんが、その自分の土地が都市計画区域であるとか森林であるとか、あるいは自然公園法の区域内であるとか農地であるとかいう場合には、それぞれの手続が必要であろうというふうに存じております。それから、土地開発関係の条例があります場合には、そういう条例をしいておるところの府県におきましては、県庁に届け出等の手続をとることが必要であろうというふうに存じます。
#43
○川俣委員 いいですか。私の質問は違うんだよ。そういう法律には一切抵触しないゴルフ場をつくるのに、最低どこに申請しなければならぬのかということなんだ。都市開発法にも触れない、農地法にも触れない、公園法にも触れない、一切触れないゴルフ場をつくるときに、最低どこにだけは許可を受けなければならぬかと質問しているんだ。
#44
○天谷政府委員 そういう法律に一切関係ない場合には、許可は必要ないと存じます。
#45
○川俣委員 自治省、そうかな。一切官庁に申請しないでゴルフ場をつくっていいのかな。商務課、よく聞いておけよ。
#46
○久世説明員 先ほど通産省の方から答弁がありましたように、現在多くの県におきましては、行政指導でございます指導要綱によりまして、ゴルフ場その他大規模な開発につきまして行政指導としての届け出あるいは開発協定、そういうものをやらせております。
#47
○川俣委員 わかったようなわからぬようなあれだけれども、行政指導も何もしようがないんだよ、届け出ないんだから。商務課は、自分の土地である以上は、一切の届け出は必要ないと言っておるんだ。都市計画法にも触れない、農地法にも触れない、一切届け出は必要ないというのに、どうして行政指導できるんだよ。最低どこかに届け出る必要があるんだよ。そんなことわからないのか。届け出ないのにどうして行政指導できるんだよ。
#48
○久世説明員 法律的には、現在都市計画法その他土地利用関係法に触れない場合におきましては、届け出る必要はございません。ただ、先ほど申し上げましたように、多くの都道府県におきましては、特に災害防止及び自然環境の保全というような見地から、ゴルフ場等の設置につきまして届け出をさせるという行政指導要綱をつくりまして、そして市町村をそれによって指導し、その市町村の区域内にゴルフ場等をつくる場合におきましては、市町村を窓口にいたしまして県の方に届け出るというような行政指導を行っているわけでございます。
#49
○川俣委員 必ず市町村を通じて県には届け出なければなりません。これは日を見てまたいつか論議するけれども。
 そこで、具体的に申し上げますと、千葉県の天然ガス五億九千のうち、県内において五億一千も供給しておる。それに対してさらに井戸掘りを始めなければならない。施業案には認可をもらった。ところが、ゴルフ場との関係はどうにもならない、いまの商務課のような考え方であるから。エネルギー庁は許可をした。ゴルフ場をつくるのにも許可をしたようなしないような、したがって施業案の認可を受けながらいまだに掘れないでいるわけだよ。そこで、鉱業法によると、採掘権というのはりっぱな物権である。境界もちゃんと示してある、まっすぐ下が。ただし、鉄道の場合は五十メートル四方は掘れない、こういうようになっておる。しかも、施業案の認可の場合は、これは東京通産局の管轄ですが、昔と違って、いまは現地を十分に調査して、それは県を通じて町村に委託をして、したがって町長の同意書を得て、その町長の同意書を添付して認可を得る、こういうのが大体いまのルールですよ。それを全部手続を経ておる。したがって、施業案の認可を経ておる。そのゴルフ場は万木城だという。これをどのようにこれから持っていこうとしておるのか、エネルギー庁、どのように指導していこうというのか。もし、指導ができなければ、鉱業法に土地の収用というのが書いてある。これを適用して、てんやわんややれと言っているのか。その前にこれは指導する必要があるんじゃないか。
#50
○熊谷(善)政府委員 お答えいたします。
 先生御指摘のように、本件の施業案の認可に当たりましては、他の権益の調整等十分審査の上で、また地盤沈下その他のおそれがないかどうか、具体的な検討をいたした上で処理しているものでございますし、本件のガス自体は地元の産業あるいは民生に直結をして使われているということから考えますと、本件につきましては円満な形でこれが妥結し、採掘ができますことを私どもとしては期待をいたしておりまして、そういう構えで今後の必要な指導に当たりたい、かように考えております。
#51
○川俣委員 円満に解決するぐらいなら、何も私は委員会に持ち出さぬのよ。円満に解決できないから行政指導に入っていかなければだめじゃないかというんだよ。しかも、鉱業法によると、一たん認可を受けたのはそのうち消えてしまう、こういう問題も出てくる。
 せっかくだから、文部省、ゴルフというのは一体娯楽かね、スポーツかね。
#52
○望月説明員 お答えします。
 ゴルフは実施の形態を見ますと競技も伴うし、ときには身体活動が当然伴います。しかも、健康の保持増進ということでやっているというふうに理解いたしますので、これは私たちはスポーツである。娯楽かと言われると、スポーツには娯楽性というものはいつもつきものでございまして、ほかの種目で野球をやっている人も、あれは楽しみでやっているという面もあるわけでございますが、スポーツ振興法には、スポーツとは、運動競技及び身体運動、それはキャンプとか、そういうものを含みますが、そして健康の保持増進ということをスポーツというという規定がございまして、それ等を見ますと、明らかにスポーツである、そういうふうに解釈しております。
#53
○川俣委員 そういう答弁をされると、これ以上質問せぬでもいいのですが、私は逆の意味で、議員立法でゴルフ規制法というのを先輩方が論議されたこともある。私は法律をつくって、窓口をつくってゴルフというものを位置づける必要があるのだという考え方なんです。いまの通産省の商務課というのは、法律を持っていないんで窓口なんだ、単なる統計なんだ、だからゴルフ場をやる場合の法律手続その他は一切御存じないのじゃないかというような考え方なんだ。ところが、県や町はこれは非常に厳しくやっておる。そして、国の法律になっていないところに行政指導がなかなか行き届かないという問題にぶつかるわけです。そこで、公園法とゴルフ場との関係が二、三過去にあったが、国立公園内にゴルフ場をやった場合に、それを過去に法律規制をしたのかどうか、ちょっと聞いてみたいんですが。
#54
○宇野説明員 お答え申し上げます。
 自然公園の場合に、従来自然公園の中でゴルフ場というのを事業として認めておったことがあるわけでございますが、四十八年に政令改正をいたしまして、この事業というのを公園事業の中から削除いたしております。同時に、特別地域、自然公園の中の特に国立公園が環境庁長官の直接の権限でございますが、国立公園の特別地域では許可をしないという方針を出しましたし、さらにこれは従来知事の委任事項でございましたけれども、これを、ゴルフ場は環境庁長官の直接許可権限に属させるというような改正をいたしてございます。さらに、普通地域では届け出事項に加えるというような改正をいたしました。それ以後、特別地域の中では、このゴルフ場につきましては、許可をしていないわけでございます。
#55
○川俣委員 こういうように政務次官、前は公園内にあったわけだ。ところが、自然破壊ということで、政令を改正して規制しておるわけだ。禁止しておるわけだ。これは自然破壊という名目で禁止しています。
 さて、今度は天然ガスの開発、これは一応国策上、食糧の自給に並ぶ重要な通産省の施策だと思うのだが、この問題で、にっちもさっちもいかないところを一つの例をもって委員会に持ち出した。したがって、この辺で政令を改正して出すという段階だと思います。あるいはそれができなければ鉱業法の百五条ですか、土地収用という法規制があるが、これを適用して、やはり井戸掘りを認可したように掘らせてみる、こういうように構えるべきだと思います。したがって、政令改正までなかなか時間がかかる、あるいは土地収用というようなトラブルも起こさないで、通産省が施業案認可の窓口をして、行政指導をやっていくという強い意思でもあれば、私も今回の質問で終わりますが、この三つの方法でやはり何らか見解を示してもらわないと、私はどうもならないと思うのですよ。その辺なんです。
#56
○渡部政府委員 ただいま川俣委員から御指摘のありました問題、これは大変大事な問題でありまして、仰せのとおりエネルギー資源の国内開発、これは食糧の自給と匹敵する重大な問題であります。
 そこで、先ほど熊谷次長から答弁しましたように、鉱業権者と土地の所有権者の問題が起こった場合、当事者間で円満に話し合いがついて解決されることが最も望ましいのでありますが、なかなかむずかしい問題になってきた場合、天然ガスの開発など地下資源の開発と他の権益との調整については、鉱業法に基づき、具体的に個々のケースについて判断を行うことにしております。
 なお、法律上の手段としては、天然ガス開発のためには、鉱業権のほかに事業を実施する多少の土地の手当が必要であり、土地権者との話し合いがつかないときは、鉱業法上、鉱業権者が所轄の通商産業局長の許可を得て、これは第百四条、百六条で当該土地を使用できる道も開かれておるのでありますから、私どもとしてはケース・バイ・ケースで、そういう問題が出た場合、これは国内のエネルギー開発はきわめて重大な問題であるという認識に立って積極的に推し進めていくように努力をしてまいりたいと存じます。
#57
○川俣委員 いまのような見解を示されればこれはひもとかれていくと思うのですが、ただ当事者間だけで話し合うということが壁にぶつかっておるだけに、いま言った政務次官のような考え方でさらに進めて、地下資源開発に積極的な姿勢を示してもらいたいということを要望して質問を終ります。
#58
○田中(六)委員長代理 次は、米原昶君にお願いいたします。
#59
○米原委員 私は、二週間前のこの委員会で主として、官公需の問題について、この不況のもとでできるだけ中小企業に仕事を回してもらいたいという見地から長官といろいろ問答をしたわけであります。そのときの問題がまだ幾つも残っていたので、それを質問しようと思っていたのですが、理事会の決定できょうは非常に時間がありません。二十三分しかないのです。ですから、建設関係の問題だけにしぼってきょうは質問いたします。
 六月十六日の経済対策閣僚会議で、いわゆる第三次不況対策というものが決まりました。そして、その中でも住宅建設の促進ということが第一の重点に置かれているようであります。住宅金融公庫などの五十年度個人住宅貸し付け契約枠について、約五万戸相当分を下期から上期に繰り上げるということでありますが、実際のいまの住宅事情からいいますと、四月二十八日に一日で締め切られた住宅金融公庫には十三万四千戸が申し込まれた、たった一日の受け付けでも第一次分を六万戸も上回っていたわけであります。ですから、そういう点から見ますと、実を言うと五万戸分の上期繰り上げでは現実の住宅事情には応じ切れないというような実情でありますから、恐らくこれが出されればやはり四月の場合と同じようなことになってくるんじゃないかということがすぐ予想されるわけです。そうだとしますと、住宅需要の見地から見ましても、この方策そのものは私ももちろん結構だとは思うのですけれども、一体下期はどうなるのか、当然追加が必要だということをどの新聞も書いておりますが、一体どのようになるだろうかという点について、建設省の御意見を聞いておきたいんです。
#60
○宮繁説明員 お答え申し上げます。
 ただいまお話しのとおり、四月に受け付けました住宅金融公庫の融資につきましては、下期の分を約五万戸繰り上げまして融資に支障のないように措置がとられることになりました。そういたしますと第二回目以降の融資受け付けの申し込みを期待しております方々に対しまして、最初の計画どおり融資ができないという問題が出てまいるわけでございますが、その繰り上げました五万戸分につきましましては、追加補充いたしますように今後関係方面とも十分打ち合わせまして、対処してまいりたい。さらには、現在の景気の動向等にかんがみまして、あるいはまた旺盛な住宅需要にかんがみまして、プラスアルファという追加をしたい、こういう考えで建設省は関係方面と今後折衝してまいりたいと考えております。
#61
○米原委員 この住宅建設は、現在の状況からしましても、中小建設業者の仕事と深いかかわり合いを持っておるわけであります。ところが、最近は大企業がこの分野にもかなり進出してきております。そうして、当然これは何とかしてか中小企業の方に仕事を回さなくちゃいけないという状態だと思うのですが、これはやはり大企業が取ってしまうという問題がかなり深刻な問題になっているわけであります。昨年度の住宅金融公庫追加融資五万戸の配分をめぐって、たとえば、建設省の官僚と住宅金融公庫の理事、大手プレハブメーカー七社が、一月十四日十時からホテルオークラにおいて割り当ての裏取引をした、こういうことが、これはどの新聞にも全部出ましたから御存じでしょうが、「週刊住宅」という週刊紙です。この六百六十七号に非常に詳しく出ております。当然不況対策としても、ことに建設業の場合、中小建設業者の倒産は最も高いわけでありますから、そういうときに、せっかく出されたこういうのがやはり大手メーカーに取られているという実情が報道されている。一般の新聞にも出まして大問題になりました。この問題について建設省の方はどういう見解を持っておられるでしょうか、聞きたいのです。
#62
○宮繁説明員 お答え申し上げます。
 直接私が所管いたしておりませんので、直接的にお答えできないかもわかりませんけれども、たとえば大手のプレハブメーカー等が一括して住宅金融公庫に申し込みをして、かなりの量を受注いたしますと、当然お話しのように工務店等の小企業者の方が困るわけでございまして、そういうことのないように事前に打ち合わせをしたのがああいうふうな報道になったと聞いておりますけれども、しかしいずれにいたしましても、金融公庫の申し込みの受け付けにつきましては、御本人または御家族の方から個別に申し込みいただく、大手の業者が書類をまとめまして受け付け、申請を出すというようなことをなくしたい、こういうような方向で進んでおります。
#63
○米原委員 この問題については、公正取引委員会の方では、これ自体は独禁法上の問題にはならないとしても、公庫法第十八条の、融資対象者は公正に選ばなければならないという、こういう点には明らかに触れている、こういう見解を持っておるようであります。ただでさえ大手建設メーカーが民間金融機関内のローンとセットで住宅金融公庫を利用させるようにして、中小建設業者を不当に排除しているということが前から問題になっております。私は、先日中小建設業者と懇談会をやったときにも、こういう点で建設省のことが事実ずいぶん問題になりました。先日、二週間前に質問したときにも申したのですが、建設省が出しておられる官公需の問題に対する通達、これはある意味じゃ中小企業庁より一歩前進していいことが書いてある。しかし、事実はそうなってないということが業者の間でも問題になっているわけであります。こういう点で今度の不況対策として出されたこの問題、この住宅建設これ自体はいいことである。しかし、これは民間の契約でやることでありますからそう簡単じゃないでしょうが、実際の指導として、できるだけこれを中小業者にやらせる、大手業者に取らせないような指導を建設省としては極力やっていただきたいのです。この点について、まず建設省の決意を聞いておきたい。
#64
○宮繁説明員 お答え申し上げます。
 建設省の所管の事業は、公共事業のほかにいまお話に出ております住宅建設もございます。住宅建設につきましては、それぞれ個々の方々が、それぞれ会社あるいは工務店と契約するというようなことでございまして、直接的に建設省がその契約にまでどうこうするというわけにはなかなかまいりませんけれども、所管いたしております公共事業につきましては、今日のような経済状況でございますので、中小建設業の方々に発注ができるだけ多くまいるように指導いたしておりますし、また住宅建設につきましても個人の建て家等につきまして、先ほどお話がございましたようにできるだけ公庫の窓口業務等を通じましてもそういうふうな配慮をいたしてまいりたい、こんなふうに考えております。
#65
○米原委員 建設業の中でも、とりわけ中小建設業が官公需に依存しているわけであります。最近の不況下で、この中小建設業、負債額が一千万円以上のものだけでも七四年で三千六百六十九件、これは東京リサーチの調べで出ております。ふえております。全産業の企業倒産の三分の一近くもこの建設業が占めている。建設業の就業者総数が全国で四百三十一万人も一いる、こういう実態を考えてみましても、この問題は不況対策としても一番中心になるんじゃないか、こう考えるわけです。総需要抑制政策の中で非常な困難に陥っている、これが特に中小建設業者であります。全体として、政府としてどのような対策をこういう中小建設業者に対してとっておられるか、聞きたいのであります。
#66
○高比良説明員 一般的な点についてまずお答えします。
 最初に、発注面におきまして、去る四月七日に事務次官通達を発しまして、発注標準を遵守いたしまして上位のクラスから下位に下がることは極力避けるという点、それからもう一つは、分割発注の点を規定しておりまして、さらに第三点としては、共同請負制度、大きく言いましてこの三つの点につきまして指導をいたしております。これが発注面でございます。
 それから、さらに金融面におきましても、昨年以来まず政府の三金融機関からの融資の枠を拡大していくという点、それから民間金融機関に対しても強力に要請をしておりまして、一部特別融資ということを行った実績もございます。
 今後につきましても、さらに発注面、金融面の両面につきまして十分な手当てをしていきたい。さらに、ことしの夏に発足を予定しておりますが、建設業振興基金という制度を発足させまして、できるだけ中小建設業者の体質を強くしていきたいというふうな施策を講じておりまして、そういうふうに総合的な面におきまして中小建設業対策というものを積極的に推進していきたいと思っております。
#67
○米原委員 不況下でありますが、大手建設業者の方を見ますと、たとえば七四年の九月期の決算でも増収、増益を上げております。たとえば清水建設の完成工事利益率が一〇・三%、大林組が九・六%、工事の採算の大幅改善をなし遂げております。これは公共工事契約額のスライド条項によって単価の増額を認めさせた、たとえば工事額は二%から三%、労務単価は一四%から一五%のアップを認めさせた結果であります。ところが、実情を聞いてみますと、それだけ単価が上がっておるのを認めさせているにもかかわらず、下請に対してはそれに見合った改善がなされていない。これは下請業者からずいぶん不満が出ておりますが、こういう実情を建設省は知っておられるでしょうか、聞きたいのです。
#68
○大森説明員 ただいま先生御指摘の点につきましては、私どもの方でもそういうふうな下請面からのお話は確かに伺っております。ただ、スライドそのものにつきましては、あくまでも異常なインフレというものについての救済措置といいますか、当然当初の契約にもございます規定に従って、一定の基準に従ってスライドを実施した、それの元請と下請との関係につきましては、直接には建設省として、発注者という立場から関知できない分も確かにあるわけでございます。御指摘のような点は、間々そういうお話も伺っております。その点につきましては、建設省としても昨年の十二月末に通達を発しまして、元請から下請に対する代金の支払い等につきまして厳正に支払いをするように、特に中小企業の保護という観点から、そういう支払い条件を十分に改善するようにということを通達を発しております。こういうものによりまして、その後私どもも下請団体から事情を聴取しておりますが、改善の向きもあるというふうに聞いております。ただ、それが完全に下請段階すべてを通じて徹底しておるかどうかということにつきましては、今後ともさらに大手元請の支払い条件を改善するようにという指導をますます強化してまいりたいというふうに考えております。
#69
○米原委員 実際はそういう指導はほとんど徹底してないということを私は下請業者から聞いておるのです。官公需の七二%を、全建設業者の大部分を占める中小業者を排除して、大手大企業が独占しておるのが実情です。
 もう一つ、中小建設業者の場合、地方自治体の官公需に依存する割合が非常に大きいわけでありますが、予算の六月補正で、二十六府県が見送りというような未曽有の地方財政危機であります。ところが、政府は、五十年度予算においても地方債起債を前年度比二一・二%低く抑え、過去五年間でも一兆円に上ると見られる超過負担の抜本的解消の措置もとってない。また、地方交付税率も抑えたままであります。このような中で、地方自治体関係の公共事業はいままでかなり中小業者に行っておるのが実情でありますが、これに対するしわ寄せが一方で非常に深刻になっておるわけであります。ですから、今度の国として出された不況対策それ自体は結構ですが、同時に、地方自治体の方でもこういうことができるような手を打つ必要があるのではないか。これは中小企業対策としても深刻な問題なんです。この点について中小企業庁長官、どういうふうに考えておられますか。こういう点について御意見を聞いておきたい。
#70
○齋藤(太)政府委員 中小企業の行政は、各種の施策が府県と一緒になりまして、国と府県が金を出し合いまして行うというケースが非常に多いのでございまして、たとえば高度化資金等につきましても一定割合ずつを出し合っておるわけでございます。最近地方財政が非常に窮迫しておりまして、そういう意味におきまして、年度当初に予定いたしておりました計画がそのとおりに進み得るかどうか、私ども実は懸念をいたしておるわけでございまして、ただいま高度化資金等のことしの実施につきましては各県と話し合いを進めておる段階でございます。一般的にはことしの三月の経済対策閣僚会議におきまして、公共事業等の問題につきましては、地方債の円滑な発行に十分留意するといったようなことが申し合わせをされておりますけれども、さらに地方の財政の実情等、それからいま話し合いをいたしております内容等によりまして、地方財源の調達について問題があれば、関係当局等にも要請をして、その確保方について努力をしてまいりたいと考えております。
#71
○米原委員 私たちの調査によると、証券取引所の一部、二部上場会社二十一社の四十八年度の官公需総額が一兆一千八百十五億円、四十八年度の官公需総額の実に二六・七%に達しております。この大手二十一社のほとんどが建設業であります。このように、官公需が特定の大企業に集中して発注されております。このような状態を再検討して、中小企業への官公需を増大させることが不況対策としても特に重要ではないか。この点で、私たちは先日政府に対して中小企業に官公需を回すための申し入れをしたばかりであります。でありますが、これをどうかもっと思い切った手を打って促進していただきたい。次官からこの点について決意を聞きまして、私の質問を終わります。
#72
○渡部政府委員 ただいまの米原先生の御意見、特に今日の不況で一番しわ寄せを受けて苦しんでおるのが中小企業でありますから、不況対策のために積極的に行われる官公需、これはできるだけ中小企業にも発注してこれを解決していくようにということ、これは私どもも全く同感でありまして、通産省としても第一次不況対策、第二次不況対策、住宅その他の拡大、こういう際には必ず一つの指導方向を明示して、中小企業にできるだけよけい発注するように、これは行政指導を重ねてまいっております。
 いま御論議の建設関係の問題等も全くそのとおりでありますが、ただ恐らく建設の場合は何十億、何百億というような、これは中小企業ではできない工事等もありましょうが、中小企業で消化できる仕事はできるだけ中小企業にも発注して、今日、不況のあおりを一番受けている中小企業対策に尽くしていくように努力してまいりたいと思います。
#73
○田中(六)委員長代理 次は、近江巳記夫君。
#74
○近江委員 きょうは非常に時間が限られておりますので、ポイントをひとつ簡潔に御答弁いただきたいと思います。
 一つは、金融関係の問題でございますが、やはりこの不況の中で中小企業は非常に苦しんでおるわけであります。政府としても努力はされておるわけですが、その一環として、民間に対して中小企業救済特別融資制度というものをさせるようにしておられるわけですが、これは政府系と同じ金利でございますが、この問題につきまして今後どれだけ実施されるか、この点について長官にお伺いしたいと思います。
#75
○齋藤(太)政府委員 民間の金融機関からの中小企業向けの救済特別融資でございますが、昨年の十二月までに約二千億円の特別融資を行っております。ことしに入りまして、今月の初めにさらに基礎産業、機械産業、生活産業、それから造船、海運業等の十三業種を対象といたしまして、五百五十億円の融資を実行することを計画いたしまして、ただいまその十三業種の融資希望業界から申請を受け付けておる段階でございまして、審査の上、七月に入りましたら各銀行に推薦をいたしまして、融資の実行に移りたいと考えております。
#76
○近江委員 この政府系の資金につきましては、今年度は二兆四千億ということを聞いておるわけでございますが、四半期に分けますと平均六千億ということになるわけですが、いままでの実績として、一応この計画に上げられておるのを見ますと、七千億を四月から六月の期間に出しておられるわけですが、やはり何といいましても、夏場になりますと、さらに政府としては第二次不況対策等もとっておられますが、まだまだ回復に向かわない、そういうこともありまして、資金需要というものはさらにボーナスであるとかいろいろなことで非常に苦しい状態に置かれると思うのです。この七−九におきましてはどれぐらい予定されておるのかということなんですね。
#77
○齋藤(太)政府委員 政府系の三中小企業金融機関の融資枠でございますが、第一・四半期の四−六月につきましては、ただいま先生お話しのように、七千億円の融資枠を設定いたしまして融資を行っておるところでございます。昨年度の第一・四半期が当初計画で五千五百億でございましたので、それを千五百億上回る規模でございまして、年間の枠に対しまして二八%相当分を第一・四半期分として計上したわけでございます。
 第二・四半期につきましては、現在関係当局と種々検討中でございまして、まだ決定を見ておりませんが、できるだけ中小全業の現在の資金の調達難にこたえますために、必要額は十分確保いたしたい、かように考えております。
#78
○近江委員 それから、融資と同時に、いま非常に中小企業が困っておりますのは、いわゆる仕事量も非常に減っておる。そういう量の確保の問題と同時に、借りた金の返済ということについて非常に困っておるわけです。そういう点におきまして、政府も配慮しておるようでありますけれども、さらにこの返済猶予につきましては全力を上げてやるべきである、こう思うのです。新しい金をまた借りて借りたところへ返す、悪循環が起きておるのですね。返済猶予をすれば助かるわけです。その点について長官のお考えをお伺いしたいと思います。
#79
○齋藤(太)政府委員 昨年来、中小企業の不況による困難に対処しまして、政府系資金の増額等によりまして、融資面でいろいろと手を打ってまいったわけでございますが、依然として不況が長引いておりますので、そういった融資の返済時期が参りましたものにつきまして返済猶予を望む声が非常に多いわけでございます。これにつきましては、一律に返済猶予というわけにはまいりませんけれども、事業者の資金繰りの状況、経理の内容等を個別に銀行の窓口で審査をいたしまして、返済猶予がしかるべきであるというようなお困りの向きにつきましては、極力弾力的に対処するように政府系の三機関を指導いたしておりまして、三機関からさらにその代理貸しをいたしております銀行等にもその趣旨の徹底方を図っておるところでございます。昭和四十九年度の返済猶予の実績が最近判明いたしましたが、件数にいたしまして約三万件、金額にいたしまして一兆六千四十億円の返済猶予を行っております。今後とも、こういう情勢でございますので、この問題につきましては極力弾力的に事業者の希望を受け入れていきますように三機関を指導してまいりたいと考えております。
#80
○近江委員 長官としてはそのように指導をされておられるわけですが、公庫は公庫でやはり経営といいますか、そういうことの悩みもあるわけですね。そういうことで、それぞれの地方へ行きますと、頼みに行ったけれども、必ずしも猶予をしてくれないとか、やはりいろいろ厳しい壁にぶつかっているわけです。ですから、いま長官はこれを徹底させたい、代理貸しの方にもそれを周知徹底させたいということをおっしゃっておられるわけでありますから、必ずそれが徹底できるようにひとつ再度力を入れていただきたい、このことを強く申し上げておきます。
 それから、不況という問題は各業種にも非常に浸透してきておるわけでありますが、政府としては不況業種の指定ということは随時なさっているわけですが、こういう不況下におきまして新たな指定であるとか、そうした点について、お考えになっておられることがありましたらお伺いしたいと思います。
#81
○齋藤(太)政府委員 中小企業信用保険法に基づきます不況業種制度でございますが、この指定を受けますと、信用保証が倍額まで通常の場合に比べまして受けられることになっておりまして、またその場合の保証料等も通常の場合よりも若干安くなることになっております。この制度を適時発動してまいったわけでございまして、現在までに、業種分類で申しまして四十七業種指定いたしております。これは製造業で申しますと、事業所数の大体半分に当たる業種が現在、不況業種として指定を終わっておるという状況でございます。しかし、まだ新たな不況業種の発生がございまして、たとえば造船業で、下請関係等が最近とみに仕事が減りまして受注が悪化いたしておりますので、不況の度合いが強くなりました業種につきましてさらに追加指定をいたしたいと考えまして、現在関係当局と交渉中でございまして、なるべく早く決定して告示をいたしたいと考えております。
#82
○近江委員 こういうことは、中小企業庁がどれだけ把握されているかということから速やかな対策が出るわけであります。そういうことを常に申し上げておるわけでありまして、こうした恩恵もあるわけでありますから、不況の業種につきましては速やかに手を差し伸べるという姿勢を常に堅持していただきたいと思います。第三次不況対策におきまして官公需の問題もうたわれておるわけでありますが、私も、予算委員会等で常に指摘してまいりましたことは、官公需の中におきまして中小企業の占める割合は非常に低いということであります。政府も努力しておられるようでありますが、非常に伸びも低いわけですね。諸外国等におきましてはかなり高い数値を中小企業分野は確保しておるわけであります。中小企業者にとりましては柱ともいうべき長官であり、中小企業庁であります。ですから、このシェアの獲得につきましては、中小企業庁がまとめておられるわけでありますから、中小企業のそうした分野につきましてさらに大幅に官公需がとれるように全力を挙げてやっていただきたい。いま、仕事がないという悩みが一番大きいわけですね。中小企業に対しては今後どのようにしていかれるか、その点をお伺いしたいと思います。
#83
○齋藤(太)政府委員 昭和四十九年度の官公需の中小企業向けの発注につきましては、昨年八月に閣議決定をいただきまして、一応目標といたしまして、官公需総額の二八・七%、金額にいたしまして一兆四千七百四十億円を中小企業向けに発注するという計画を立てまして各省庁にお願いいたしておったところでございます。ところが、こういった不況になってまいりましたので、特に中小企業向けの発注を強化していただきたいということで、何度も各省庁と御相談をいたしまして、特例と申しますか、お願いを重ねてまいったわけでございますが、四十九年十二月末の、四月から十二月の間での中間的な集計結果によりますと、この比率が二九・四%に上昇を見ております。しかし、私どもとしましては、もっとこの比率を実績として引き上げたいと考えまして、ことしの二月四日でございましたか、さらに閣議了解をいただきまして、各省庁はさらに中小企業向けの発注を増大するようにということで御努力を願っておるところでございます。これが一%上がりますと約五百億発注額がふえる計算になるわけでございます。ただいま、四十九年度の実績の集計と申しますか、各省ごとの数字を集めまして集計いたしておる段階でございますが、まだ最終的に金額が確定を見ておりませんけれども、ほぼ三〇%に達したのではないかと考えております。
 五十年度につきましては、上半期に極力契約を繰り上げるというような政府の方針でもございますので、中小企業向けの契約の目標をなるべく例年よりも早く設定いたしたいと考えまして、現在各省庁と詰めを行っておるところでございます。何しろ二十八省庁、公社、公団に及んでおりますので作業に手間取っておりますが、なるべく早く、しかもその比率を極力高いところに目標を置きまして、現在の中小企業者の不況にこたえるように努力をいたしたいと考えております。
#84
○近江委員 なるべくその数値を目標を高く設定したい、これは長官のお気持ちもうそじゃないと私は思うのです。しかし、諸種のそういう制約によりまして、設定したいと言っても、それはどのくらいかということなんですね。私たちが考えておるのと相当開きがあるわけです。私たちは少なくとも五〇%まで持ってこいと言っておるのですが、その辺の開きが大き過ぎるように思うのです。できるかどうかは各省庁の協力いかんにかかっておるわけですが、長官としては、ぜひともここまで引き上げたいと思っておられる、そういう腹の中はあると思うのですよ。それをひとつここでおっしゃってもらいたいと思うのです。
#85
○齋藤(太)政府委員 現在各省庁といろいろお話をいたしておりまして、まだその最終的な数字が出ておりませんので、この段階でその数字の予測等につきまして申し上げることは困難でございますが、四十九年度三〇%に達したといたしますと、過去数年の最高の率になるわけでございますが、この四十九年度をさらに相当上回るように努力をいたしたいと考えております。
#86
○近江委員 その点はひとつ全力を挙げて努力していただきたいと思います。
 最後にお伺いしたいのは、下請代金支払遅延等防止法の関係でございますが、こういうように不況になってまいりますと、仕事が減ってきておるところへもってきて支払いの条件がさらに悪くなる、こういうことも非常に増大してきておるわけであります。そこで、この取り締まりをさらに強化していただきたいということでありますが、親会社の中にもランクがいろいろあるわけですね。そういう点で、どっちかというと大企業の方は、大企業の中でも非常に大きいところの大企業等については、むしろ手ぬるいのじゃないか。中小企業に毛の生えたようなクラスのところをさらに厳しく取り締まっていく、これはもう逆だと思うのです。大企業の中でも力のある上位クラスのところを特に厳しく立入調査等をやって取り締まっていく、こういうことが大事だと思うのです。その点についてお伺いしたいと思います。
#87
○齋藤(太)政府委員 下請代金支払遅延等防止法によります取り締まりにつきましては、公正取引委員会と分担をいたしまして親事業者について原則として悉皆調査をする、こういう方針で調査をいたしております。昭和四十九年度は約二万二千事業所につきまして調査を行ったのでございます。四十八年度が一万六千事業所でございましたので、約六千件ばかりふえておるわけでございます。その結果で見ますと、やはり違反の疑いのあるものが二、三千出てまいりまして、必要な向きには立入検査をどしどし行いまして、また役所に先方を招致いたしまして改善方を指示いたしております。特に悪質なものは公正取引委員会に案件を送致いたしまして、処分を請求いたしておるわけでございます。
 一番多いのは契約書の未交付でございますが、それ以外にも、非常に長い手形を出しておるもの、それから六十日の期日が過ぎましても代金の支払いが行われていないものというのが違反の中の三割ぐらいございます。こういうものにつきましては改善方を一々指示いたしておりますが、同時に、親事業者自体も中小企業である場合が相当多いわけでございまして、こういう場合には行政指導による指示だけではなかなか解決を見ない問題がございます。つまり経済問題でございますので、そういう特に不況色の強い業界につきましては、集中的、重点的に政府系資金の融資を行う、あっせんをする、こういうことによりまして支払い条件がいま以上に悪化しないように指導面もあわせて行っておるところでございます。
#88
○近江委員 ちょうど約束の時間が来ましたから終わりますが、いずれにしても中小企業の問題につきましては、政府としてもいろいろやっておられますが、さらにきめ細かに愛情を持って見守り、適切な対策をとっていただきたいと思うのです。
 最後に渡部政務次官に、中小企業の今日の不況下におけるこの苦況の中で、長官もいま決意を表明されましたが、さらにひとつ決意をお伺いして私の質問を終わりたいと思います。
#89
○渡部政府委員 ただいま近江委員から中小企業庁長官に質疑応答がありましたとおり、いま不況対策が私どもの役所が当面しておる最大の急務であります。その不況対策の中でも、不況によって強い者よりは弱い者の方が影響を受けるわけでありますから、一番影響を受けている中小企業対策というものが何といってもわが省の当面する急務であるということで、いま中小企業庁長官から答弁されたように官公需の早期発注、さらにこの早期発注する官公需をできるだけ中小企業に発注するようにという再三の努力を重ねてきたのでありますが、その間にはいろいろ技術的な問題があります。たとえば建設関係の場合、非常に大きな仕事になりますとやはり何か大企業の方が安心して発注できる。しかし、そういうような場合でも、たとえば地方で言いますと、中小企業に幾つかで共同企業体をつくらせて、なるべくは大企業よりは中小企業にさせるとか、あるいは筑波学園都市等で行っている大企業と地元の中小企業とで共同体を組ませて、従来大企業がやると思われておったような仕事を中小企業にもやらせるとか、いろいろきめの細かい配慮をしながら、先ほど近江先生が申されましたような目標に向かってできるだけ施策を尽くしていくという決意であります。
#90
○近江委員 終わります。
#91
○田中(六)委員長代理 次回は、来る二十四日火曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時四十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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