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#1
第075回国会 農林水産委員会 第6号
昭和五十年二月二十日(木曜日)
    午前十時三十一分開議
 出席委員
   委員長 澁谷 直藏君
   理事 笠岡  喬君 理事 坂村 吉正君
   理事 中川 一郎君 理事 藤本 孝雄君
   理事 渡辺美智雄君 理事 井上  泉君
   理事 芳賀  貢君 理事 津川 武一君
      伊東 正義君    今井  勇君
      片岡 清一君    金子 岩三君
      吉川 久衛君    熊谷 義雄君
      佐々木秀世君    島田 安夫君
      丹羽 兵助君    本名  武君
      角屋堅次郎君    柴田 健治君
      竹内  猛君    馬場  昇君
      美濃 政市君   米内山義一郎君
      中川利三郎君    瀬野栄次郎君
      稲富 稜人君
 出席政府委員
        環境庁水質保全
        局長      大場 敏彦君
        農林政務次官  江藤 隆美君
        水産庁次長   松下 友成君
        資源エネルギー
        庁石油部長   左近友三郎君
        自治政務次官  左藤  恵君
        消防庁次長   森岡  敞君
 委員外の出席者
        海上保安庁警備
        救難監     船谷 近夫君
        参  考  人
        (香川県副知
        事)      井上 房一君
        参  考  人
        (瀬戸内海重油
        流出事故関係県
        漁連対策協議会
        代表幹事県漁連、
        香川県漁業協同
        組合連合会会
        長)      浜野 春男君
        参  考  人
        (三菱石油株式
        会社社長)   渡辺 武夫君
        参  考  人
        (三菱石油株式
        会社取締役技術
        部長)     木原 歓蔵君
        農林水産委員会
        調査室長    尾崎  毅君
    ―――――――――――――
委員の異動
二月二十日
 辞任         補欠選任
  諫山  博君     中川利三郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 農林水産業の振興に関する件(水島重油流出事
 故に伴う漁業被害問題)
     ――――◇―――――
#2
○澁谷委員長 これより会議を開きます。
 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。
 本日は、水島重油流出事故に伴う漁業被害問題について、参考人から意見を聴取することといたします。
 本日御出席の参考人は、香川県副知事井上房一君、瀬戸内海重油流出事故関係県漁連対策協議会代表幹事県漁連浜野春男君、三菱石油株式会社社長渡辺武夫君、三菱石油株式会社取締役木原歓蔵君、以上四名の方々でございます。
 参考人各位に申し上げます。参考人各位には御多忙中にもかかわらず本委員会に御出席いただきまして、まことにありがとう存じます。本問題につきまして参考人各位がそれぞれとられました対策を中心に御意見をお聞かせいただきたいと存じます。
 なお、議事の都合上、御意見をお一人十分程度、井上参考人、浜野参考人、渡辺参考人、木原参考人の順序でお述べいただき、その後委員からの質疑がありますので、これにお答えをいただくことにいたしたいと存じます。
 それでは井上参考人にお願いをいたします。
#3
○井上参考人 私、香川県の副知事でございます。
 水島重油流出事故に関しまして、香川県の対策本部としてとりました措置の概要につきまして、簡単に御報告申し上げます。
 去る十二月二十日、水島の油が香川県の海域、西の方は丸亀沖から、東は高松沖、香川県の漁場の中心でございますが、そこへ拡散してまいりまして、香川県の漁業に甚大なる影響を及ぼすというふうに感じまして、同日の正午に県の対策本部を設置いたしたわけでございまして、自来、海上保安部、市、町、漁連、さらに陸上自衛隊など関係機関の協力を得まして、その油の除去に対しましていろいろ努力をしてまいったわけでございます。それと、対策本部を設置いたしまして、早速三菱石油に対しまして、香川県側に高松市に三菱石油としても現地対策本部を設置してもらって、県並びに漁連あるいは海上保安部と連携を十分にとっていただくというふうな意味合いの問題と、さらに、年末年始を控えておりますので、被害漁業者の越年資金についてできるだけ早急に支出されるよう要請してまいったわけでございます。
 それと同時に、十二月の二十七日におきまして、県議会全員協議会を開きまして、被害の状況並びに今後の対策についていろいろ協議をしてまいりました。
 また、その間、国会の諸先生方や政府の調査団が現地調査に来県していただきました際に、中央に対する要望事項等も要請してまいったわけでございます。
 以下、この対策の概要につきまして、四つの点に分けて簡単に御説明申し上げます。
 まず、第一は、重油の回収、防除の問題でございますが、海上に流出いたしました油の回収作業につきましては、海上保安部を中心といたしまして関係機関が協力いたしまして油の回収に当たったわけでございまして、その間、陸上自衛隊からたびたび現地の方へ来ていただきまして、地元漁民、市、町ともども、いわゆる人海作戦によりまして回収に全力を挙げてまいったわけでございます。ほぼ一月末で海面あるいは沿岸部に漂流しております油の回収を一応終えたわけでございますが、その後香川県の海岸部あるいは島嶼部の海岸部に残っております油の量がかなりありまして、これらの除去につきましては、原因者であります三菱石油が中心となって、県並びに市、町、漁業協同組合の協力によりまして今後これの除去を図っていくというふうにいたしておるわけでございまして、大体百キロ程度――はなはだしいところ百キロ程度を二月末を目途にして作業をいま進めておるような状況でございます。
 それから、第二の問題でございます漁業補償の問題につきましては、本日、四県の漁連の会長の代表といたしまして香川県漁連浜野会長が来ておりますので、浜野会長から御説明申し上げます。
 それから第三点でございますが、商工業者等の関連被害対策の問題でございますけれども、鮮魚卸、小売を初めといたします商工業者の被害額は正確には把握することはちょっと困難でございますけれども、今日まで県の方へ届け出てきておりますもののみに限定いたしましても約十九業種に及んでおりまして、その被害額の総合計は、これは被害者の申し分でございますが、約十一億円余りに達しておるような状況になっております。
 県の対策といたしましては、できるだけ県内におきます金融機関に県の金を預託いたしまして協調融資を求めまして、約三億円の枠で、一企業当たり五十万円、金利は八%、償還期間一年というふうなことで臨時の融資制度を設けまして、高松市、坂出市、丸亀市、町その他――町につきましてもこういった独自の小口融資制度を特別に配慮してもらいたいということを要請してまいったわけでございます。
 それから、三菱側に対しましても、全業種漏れなく被害調査をしてもらいますと同時に、全面補償につきまして再三強く申し入れてまいったわけでございまして、三菱側におきましては、現在その窓口を設けまして、個々に折衝を始めておりまして、二月末ないし三月中には何とか解決したいというふうなことで、いま交渉を進められているのが現実でございます。
 第四番目の環境影響調査の問題でございますが、その一つは水質、底質の調査でございますけれども、水質調査につきましては、本県の地先海域十四測定点を選定いたしまして、事故発生以来三回にわたりまして調査をいたしてまいったわけでございます。当初のうちにおきましては〇・一ないし〇・四PPmという油分を検出しておりますけれども、最近におきましては、海上におきます水質についてはもとに復元しておるような現状になっております。
 それから、今回国におきましても、環境庁初め六省庁が一体となりまして、関係十一府県の協力のもとに二月並びに三月に環境影響の総合調査を実施していただくことになっております。これは県の方におきまして実施することになっております。
 魚介類に及ぼします環境影響調査につきましては、生物相の変化の調査、これはプランクトン等の生物相の変化を本県地先水域二カ所で観察測定をいたしまして、油分による影響を調査することにいたしております。
 また、生理生態に及ぼす影響につきましては、油の魚介類への生理的影響を魚種別にそれぞれ水槽等を使って生物実験を行って、養殖魚介類の被害生態を記録いたしまして、今後の対策資料とするというふうにいたしております。
 また、着臭状況の調査につきましては、県下におきます各保健所ごとに一月に七回試食会を開催いたして、油のにおいがするかしないかというふうな点について調査をしてまいったわけでございまして、この調査の結果は、いずれもそういったにおいはなかったわけでございます。
 また、さらに、国の委託によりまして、二月と三月各一回、県下七水域にわたります検体を採取いたしまして官能検査を実施する予定にいたしております。
 また、油汚染水産物市場等の実態調査につきましても、国の委託を受けまして県内で漁獲販売される魚介類等につきまして、多核芳香族炭化水素、鉱油成分、それから分折試験等を実施いたしまして、油の汚染の影響を調査することにいたしておるような状況でございます。
 きわめて概要でございますが、以上、香川県の対策本部としてとりました措置の概要につきまして御説明を終わらせていただきます。
 どうぞよろしくお願いいたします。
#4
○澁谷委員長 どうもありがとうございました。
 次に、浜野参考人にお願いいたします。
#5
○浜野参考人 私は香川県漁連の会長の浜野でございますが、きょうは瀬戸内海重油流出事故関係漁連対策協議会の幹事県漁連として出席をいたしております。
 この会は、一月六日に東京におきまして緊急に準備会を結成いたしまして、正式に滑り出したのが一月十三日。十四日でございまして、岡山県におきまして補償交渉の窓口その他の収拾事業の窓口を一本化するという決定をいたしたわけでございます。
 まず、総体的に申し上げまして、今回の事故に対しまして、国並びに本日御出席の先生方には格別の御配意をいただきましたことにつきまして、厚く御礼を申し上げておきます。
 各県によって日にちの違いはございますけれども、一月十八日に事故が起きまして、一月十九日以後順次操業が休止になり、最終的には、部分的には全面休業という形になっていたのでございますが、その間におきまして、汚染海域の清掃という一つの大きな眼目が出来したわけでございます。一部は海上保安部関係の指揮下に入りまして、漁船による掃除の作業、部分的には県の指導のもとに、海岸部岸壁、海浜等を主にいたしましてその清掃に従事しておるわけでございますが、現在におきましては、漁業関係者が主として行う作業は一応休止いたしまして、三菱の責任において、その指揮のもとに漁民も一部出張するという形で掃海をやっております。
 三菱石油に対する補償交渉につきましては、第一にとりましたのが、十二月の末に年末資金の交付をお願いしたいということで、この件につきましては各県の窓口が個々別々にやりまして、順次、岡山三・八五、香川七、徳島四・八、兵庫三・〇と、億の数字でございますが、そういう形で計十八億六千五百万が三菱から出まして、一応、第一次の内払い金として越年資金の支給が終わったのでございます。この金は、それぞれの県におきまして個々に配分を完了いたしております。その後、一月五日に、国の要請に基づきまして、県あるいは漁連等が一体となりまして、総合的に被害額の計上が行われました。続きまして、一月十五日に県及び漁連の自主的な再計算が行われまして、それぞれの金額の提出があったわけでございますが、そのいずれも、進行途中プラスになる部分もあり、マイナスになる部分もありということで、金額につきましては、精査の金額とは申し上げることができないのが現状でございます。
 現在におきまして計上いたしましても、やはり同じような形で、プラスになっていく部分あるいはマイナスになっていく部分が出るのはやむを得ない仕儀でございます。しかしながら、一応の算定をいたしまして、その中間払いの要求を三菱側に行いまして、一月二十九日、三十日、三十一日という形で、本日御出席を願っておりますところの左藤現地対策本部長のあっせんによりまして、一月三十一日渡しの五十億、二月二十日渡しの十億という内払いが決定をいたしまして、そのうち五十億はすでに授受を終わっております。ただし、この分配につきましては、香川県の場合にはまだできておりませんし、その他の県におきましてはそれぞれ分配の作業中だというように考えております。
 金額を申し上げますと、岡山八・三億、香川二十四・四億、徳島十二・五億、兵庫四.八億の計五十億でございます。十億につきましては、先ほど申し上げましたように二月二十日の授受になっておりますので、後刻の配分ということになるわけでございます。
 補償につきましては、一応の事務が完了した段階あるいは一応の清掃作業が完了した段階におきましても、なお後遺症の問題等がございますので、その事後の影響分につきましてのそれぞれの取り決め等につきましては、今後三菱側と折衝することになっております。
 なお、汚染海岸の清掃につきましては、陸空の自衛隊の作業援助も受けまして、県漁連が中心になりまして、二月初旬まで、主として漁連の責任において行ってきました。その総体的な指揮は一応それぞれの県対策本部にとっていただくことになりましたけれども、実際の作業は漁連が中心になりまして組合員がそれを行うという形になりまして、これの給付事業につきましては、三菱の方から全面的にその給付作業を行うという形になったわけでございます。一応その段階を二月初旬に終わりまして、現在におきましては、部分的にはちょっと問題のところもございますけれども、三菱の責任において三菱が掃除作業を行うということになっております。一例を申し上げますと、香川県の場合には、汚染された海岸が三百五十五キロでございまして、これが終わるのはなかなか容易なことではございません。
 以上のような作業をした結果、目に見える範囲内におきましては海は確かにきれいになったのでございますが、そういう段階を経まして、私どもは、各四県漁連ともに掃海事業あるいは試験操業あるいは海底の汚れておる部分の掃除等を行った結果、海底にはなお相当量のオイルマット、これは油の除去に使った吸着マットでございますが、これと、また海岸線には固定化されたところのボール状の油があるわけでございますが、最近の日差しがきつうございますので、終日日射がございますとそれが解けて動きつつあるというのが現状でございます。
 したがいまして、二月中旬から全面操業を行うべく予定をいたしておりましたけれども、まだ若干問題があるとして限定操業ということに切りかえまして、部分的に差し支えのないところから逐次解除していくという方法をとっておるわけでございます。しかしながら、これをやりましたやさき、二月九、十、十一日の三日間におきまして、高松の西浜地区におきまして中毒事件が惹起されましたので、その操業再開も若干の延期をいたしたわけでございます。きょうあたりから西浜地区におきましてもまた限定された漁業操業が行われるようになっておるはずでございます。
 参考のために申し上げますと、使用済みの中和剤は五万六千三百八十二かん、一千十四トン。吸着マットは五万二千九百十七ケース、約三百万枚。これは一ケースの内容が区々でございますので、約三百万枚でございます。そういう形のものを使っておりますので、これの後遺症の問題につきましては、なお今後十分に厳戒を要するというのが現状でございます。
 一応以上を申し上げまして、その他の部分につきましては、御質問の都度お答えいたしたいと思います。
 終わります。
#6
○澁谷委員長 ありがとうございました。
 次に、渡辺参考人にお願いします。
#7
○渡辺参考人 渡辺でございます。
 今回の事故によりまして、漁業関係の方々はもちろんでございますが、広範囲に被害を与えることになりまして、また、大きな社会的問題とも相なりまして、国民の皆様に大変御迷惑をおかけすることになりまして、深くおわび申し上げる次第でございます。
 すでに衆参両院におきまして考え方につきまして申し述べたところでございますが、その後の状況を込めまして御報告申し上げたいと考えます。
 事故以来、被害を受けられました方々が一日も早く正常のお仕事にお戻りできることを念願いたしまして善後措置を講じてまいった次第でございますが、この間、流失油の防除作業につきましては、国、地方自治体の御指導を初めといたしまして、当の被害を受けられました漁業関係の方々の大きな御協力を得まして、先ほどもお話しがございましたように、ようやく海面上は一応防除ができたと考える次第でございますが、なお、接岸部、陸上部といったところに汚染が残っておりまして、この防除につきましては、国の対策本部長から、二月までに大体完了するようにという御指示を受けております。なお、その時点におきまして完了できないものにつきましては、地方自治体、関係の団体とよく御協議の上、一日も早く清掃を完了するようにという御指示をいただいておる次第でございます。この間にいただきました各方面の御援助に対しまして、心からお礼を申し上げる次第でございます。
 あわせまして、補償の問題につきましては、先ほど浜野会長様からもお話しがございましたように、これまた、国の対策本部長のごあっせんもありまして、中間払いができることと相なりました。第三者によります被害の調査が進められておりまして、今後間もなくこの調査結果も出ることと思いまして、四県漁連様と今後精算につきまして御協議申し上げる段取りに相なっております。
 漁業関係以外の被害につきまして被害が広範囲にわたりまして、また、業種も非常に多いという関係もございまして手間取ってまいりましたが、最近ようやく軌道に乗りまして、これまた漁業の補償と並行いたしまして、できるだけ早くお支払いいたす考えでございます。
 一面、この苦い流出事故にかんがみまして、今後同種の事故を起こさないように、製油所の防災設備につきましては、消防関係御当局の御指示を得ながら整備いたしておる次第でございます。
 いろいろ不行き届きの面が多々あると思いますし、これから諸先生方から御批判、御指摘を受けることがたくさんあると思いますが、私としましては、御指摘を踏まえまして、この上とも誠意を尽くして事故の解決に当たりたい、かように考えておる次第でございます。
 どうぞよろしくお願いたします。
#8
○澁谷委員長 ありがとうございました。
 次に、木原参考人にお願いいたします。
#9
○木原参考人 三菱石油の取締役木原でございます。事故の概要から概略御説明いたしたいと思います。
 事故を起こしましたタンクは二百七十番という番号がついておりまして、公称能力が五万キロでございます。それで、内容物は直接脱流設備からの製品重油でございます。
 事故の発見は十二月十八日二十時四十分ごろ、二百七十番からの相当の漏油が認められております。それで、九時五分ごろ大量の重油が一度に噴き出しまして、そのために、そばにありました作業用はしご、独立ばしごでございますが、これが飛びまして、そのために防油堀が壊れ、油が防油堤から外へ飛び出したわけでございます。それで、海上に流出しないように防除作業に当たったのでございますが、不幸にして海上へ流れたものでございます。
 タンクからの流出油量は四万二千八百八十八キロリットルでございます。海上へ流出されたと推定されるのが七千五百から九千五百キロと推定されております。この油が海上を広がりまして、岡山、香川、徳島、兵庫県の淡路の一部と汚染いたしまして、まことに皆様に御迷惑をかけたわけでございます。
 その間の時間的経緯を少しく詳しく申し上げますと、十八日の二十時四十分に発見いたしまして、これを直ちにそばのコントロールルームに通報しております。操油課員はそこへ、現場へ直行すると同時に、私たち製油所に備えてある化学消防車を現場へ急行させております。操油課員は、二十時五十分ごろから五十五分にかけまして、装置から落ちてくる油をほかのタンクに切りかえております。それから、二百七十番のタンクの液面が高くて、隣の二百七十一番の液面が低いものですから、油の漏洩を防ぐために、量を少なくするために油を移しております。さらに、二十一時六分ごろ、その二百七十番のタンクから二百七十一番へ油を移すように二十四インチのバルブのスイッチを押すと同時に大きな音がしまして、二百七十番からの漏洩がさらに激しくなったということでございます。この時点から油が相当勢いよく噴出されております。大きな音とともに大量の噴出がありましたので、身の危険というか、人身の危険を感じて、二十一時十一分ごろ、直ちに消防署に救急車の要請をしております。それから消防署の方へ連絡しようとして電話をしたところ、逆に消防署から問い合わせがあった。これは救急車からの連絡があったものと思います。それから二十一時三十八分、この時点に海上の流出油を海上保安部に報告しております。それから、二十二時五分から、川鉄との切り込み港湾の間に油を閉じ込めるためのオイルフェンスを張って、二十四時三十分ごろにオイルフェンスを張り終わっております。これが大体時間的経過でございます。
 それから、防除作業の現状でございますが、先ほど来漁連会長からもお話しがありましたごとく、二月を目途として、陸上に付着しております油を全力を挙げて現在掃除中でございます。三菱石油の責任におきまして、漁連の方々、県の方々とお打ち合わせをし、しかも御協力を得ながら清掃いたしております。現在、岡山につきましては五カ所、香川につきましては百キロメートル、徳島につきましては十六キロメートル、兵庫につきましては約八キロの海岸線の清掃に従事しております。この間、二月一日以来、岡山県では、これは私たちが直接やっておりますが、約百名毎日出ております。香川県につきましては、私たちの手配しているものが約三百六十名、漁民の方にお願いしてくるのが約千八百名程度御協力願っております。徳島につきましては、私たちがやっておりますのが約二百名、漁民の方に約七百名御協力を願っております。二月末を目途として、県及び地元の方とお打ち合わせした地点の清掃に全力を挙げておる次第でございます。
 それから、海底につきましては、その都度漁連の方にお願いいたしまして、地びき網で清掃してもらっているというのが状態でございます。
 次に、事故原因の調査でございますけれども、これは消防庁の方において事故原因調査委員会が設けられておりますので、私たちとしましてはこれに御協力して資料並びにサンプルの採取に御協力申し上げておる次第でございます。
 それから、製油所の安全対策でございますが、二度とこういうことを起こさないように、消防庁の御指示も受けながら完全な体制をしいていきたいと思っております。
 第一に、タンクの点検及び整備でございますけれども、消防庁の御指示あるいは自主点検によりまして、約八十基のタンクについて点検をいたしました。その結果につきましては、倉敷市消防本部の御指示どおり点検並びに整備をしていきたいと思っております。
 それから、全タンクの沈下その他については、今後年一回検査を実施していく。
 それから、事故の起こりました二百七十番タンクと同種のタンクが四基ございます。同一建設業者であり、同一設計に係るものが四基ございますが、これは一切使用をやめまして、内部の点検及び独立ばしご等のはしごは取り除くということを実施して、安全を確認した上で使用するということにいたしたいと思います。
 それから、点検した上でさらに何かがありまして一、また油が流出しないように、製油所の周りに土堰堤を築きまして構外への流出を防ぐ、この工事をすでに実施しております。これは予定では本日、二月二十日をめどとしておりましたので、本日でき上がる予定になっております。
 それから、問題の排水口、これからも油が出ておりますので、これにつきましては、緊急遮断弁の取りつけの実施をもくろんでおります。
 それから、回収船でございますが、事故の起こった当時、不幸にして私たちは持っておりませんでしたが、三月の末に回収船が水島に配備される予定になっております。当時なかったことは全く不幸でございました。
 その他、オイルフェンス、吸着剤、処理剤、土のう等は、法定の約三倍ぐらい持ちたい。たとえばオイルフェンスにいたしますと五千メーター程度、法定では約千百メーターでございますが、その程度を常備していきたいと考えております。
 あと、パトロールの強化、通報体制の強化、教育の徹底、これらについては、意を用い、徹底的に実施していくつもりでおります。
 終わります。
#10
○澁谷委員長 ありがとうございました。
 以上で、参考人からの御意見の開陳は終わりました。
     ――――◇―――――
#11
○澁谷委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。柴田健治君。
#12
○柴田(健)委員 今回の三菱石油の重油流出について、被害を受けられた関係漁民の皆さんにお見舞い申し上げながら、そうしてまた関係者のいろいろな御苦労に対して敬意を表しながら参考人の皆さんに質問をいたします。
 本日参考人としておいでいただきまして、先ほどいろいろと御意見をお述べいただき、大変御苦労さまでございますが、参考人の皆さんには大変失礼ではございますが、われわれはわれわれ国会の立場から率直にお尋ねを申し上げたいと思いますので、ひとつ簡潔に御回答いただきたいと思います。
 まず、私たち日本人として小さい時分から誇りを持ってきた、その一つのシンボルというか、心のよりどころとして考えてまいりましたのは、山であれば富士山、海であれば瀬戸内海というのが一つの心のよりどころで、われわれは日本人の生活の基盤をそれに求めてきたし、そういう考え方に立って今日まで私たちは生きてきたと思っておる。そういう立場から考えて、瀬戸内海をなぜ汚すのかという気持ちが強いわけであります。しかし、ただ三菱だけだというのではなくして、この十数年、瀬戸内海の八億トンと言われるあの水が大変汚染されておることは、これは日本人にとっては非常にショックであります。そういう立場からお尋ねを申し上げたいのです。
 まず、三菱の社長さんにお尋ねを申し上げたいのですが、今度の事故が起きて、海洋汚染防止法の第三十九条から言うて、海上保安庁から、適切なる防除措置を講じなければならないという趣旨で指示をしたはずだと思います。海上保安庁から指示があったと思いますが、何月の何日にどういう方法で適切な防除措置をしなさいという指示を受けたか。具体的な項目について、これはこうしなさい、こうしなさいという指示が海上保安庁から当然出てきておると思います。どういう指示を受けられたか、お答えをまずお願いしたい。
#13
○渡辺参考人 お答えいたします。
 事故後、連絡員を海上保安庁の方へ出しまして、その時点から海上保安庁の御指導下において防除作業に従いました。
#14
○柴田(健)委員 だれがそういうものを受け取ったのか。そして、それは口頭で受けたか、文書で受けたか。とにかく、海上保安庁は法律に基づいて指示しなければならないことになっておるが、具体的に何月何日にどういう人が、口頭なら口頭で、文書なら文書で、どういう方法で指示を受けたのかということをお尋ね申し上げたのですよ。連絡をしたということは、それはもう毎日連絡するのは当然のことでしょう。毎日連絡調整をし、緊密な連携をとっていくことは当然のことです。しかし、法律に基づいて海上保安庁は適切なる措置を講じなければならぬということを指示することになっておる。海上保安庁が指示しないということはないと私は思う。していなかったら大ごとだと思うのです。これは海上保安庁、運輸省挙げて大変な責任問題になりますよ。だから、会社がその点どういう指示を受けたかということをお尋ね申し上げたのです。
#15
○木原参考人 お答えいたします。
 水島地区におきましては、平素から地区対策協議会というものをつくってございます。事故が起こりますと直ちに海上保安部の指導のもとに入るというふうな体制になっておりまして、私たちの方からは連絡員を差し出しまして、その指導下に入るということになっております。そういうことでございますので、一々の御指示は現在覚えておりません。
#16
○柴田(健)委員 いずれこの問題については改めて別の機会にやりたいと思いますが、これは今度海上保安庁等で具体的にしないと、現行の法律すら守っていないということになると大変なことになる。その点が、いま渡辺、木原両参考人の御意見を聞いてみると非常にあいまいだ。ただ、対策本部の方から、と言っているが、対策本部はどの地域にもある。そんな形式的な言い方をしておるということは、本当に真剣になって当初からやっておるとは私には思えない。国の指示に従わないということにもつながっていく。
 だから、漁連の浜野参考人にお尋ね申し上げたいのですが、ここに左藤現地対策本部長もおいでになりますけれども、先般の新聞報道では、二月十三日付の新聞に、三月の一日ごろには完全に清掃が完了し、そして海がきれいになる、だから安全宣言を出したい、そして操業を早くやらせたいという報道がされておる。いま浜野参考人からの御意見を聞いておりますと、まだ後遺症が心配される、いろいろ問題がある、海上についてはある程度きれいになったけれども、海中、海底についてはまだいろいろなものが残っておるという、非常に不安的な御意見を言われたのですが、現地対策本部の国の出先の本部長がどういう確認で、どういう根拠で、どういう基礎で御発言されたかわかりませんけれども、現地の漁民は年じゅう、長い間見ていて、海がきれいになったかどうかはよく知っておると私は思います。だから、そういうように片一方では安全宣言を出し、操業をやってもよろしいということになると、それを漁連の方はどういう受けとめ方をしておられるのか。三月一日ごろになったらきれいになるという見通しで、もう心配がないのか、そういう受けとめ方をしておるのか、まだ不安があると思われておるのか、その辺の御意見を聞かせていただきたい。
#17
○浜野参考人 非常に微妙な問題を含んだ御質問でございますが、私どもの判断で一月三十一日を目途にして大体の掃海作業が完了するという予定を組んでおったのでございます。ただ、思わざる事態が出来いたしたというのは、先ほど申し上げましたように、オイルマットの使用数が三百万枚。これは私どもにとりましては天文学的な数字だというような解釈をいたしておるわけでございますが、このオイルマットの使用方法が、回収することを前提とした使用ではなかったのではないかというような事態が、一月の末に調査の結果、あったわけでございます。そういう意味合いにおきまして、これはいま解除することは適当でないということで、さらに二月の一、二、三あるいは八、九、十というように、第二回、第三回という掃海作業の実施に踏み切ったわけでございます。そういう面がございますので、どういう判断でと言われましても、私も答弁に困るわけでございますけれども、大体におきまして、国の方にお願いしなければいかぬ問題として、油が魚の体内に入って、それが人間の体にどういう形で入るかという、そのシステムでございますか、それがまだ解明されていないようでございますが、むしろ、そういう面で国のほうが特別班をおつくりになって、そういう事態を検討されることを私は望みたいと思います。現状では、私どもは、油で汚染された魚は絶対に出さないということで部分的な安全宣言を行ったということをお答えいたしておきます。
#18
○左藤政府委員 国の行います汚染実態調査、それからいまお話しがございました魚介類の環境影響調査とか、試験操業とか、そういった結果をいろいろ総合いたしまして、その状況によっては区域を定めて、できるだけそういった安全宣言の問題を考えたいということで進めておったわけでございますが、いま浜野会長さんからのお話しにもございましたような、そういった問題がいろいろとございます。
 しかし、一般的に申しまして、この油濁の事故の経験とか重油の清浄とかというところから見まして、油臭がなければ、魚介類については、特に人体への安全性というようなものは考慮しなければならない根拠はないのじゃないかというふうに考えております。そういったこともございますので、そういった海域の実情に応じまして油臭魚の有無の検査をしながら段階的に操業していただきたい、こういうのが一番現実的な措置じゃないか、このように考えております。
 したがって、そういったことでわれわれも最初に計画いたしましたけれども、実質的にいろいろむずかしい問題もございますので、清掃をして、そして段階的に操業していただくということが一番いいのじゃないか、このように考えております。
#19
○柴田(健)委員 まあ、いろいろ微妙な問題があるから浜野参考人は意味深長なお答えがあったと思います。
 次に、浜野参考人にお尋ねしたいのですが、先ほどオイルマットに関連して、中和剤一千一百トンを使ったと言われた。中和剤の安全性については、これはいい中和剤だということで運輸省が認定をした種類は約六十種類ほどあるわけですが、どういうものをそこに使ったのか、どこのメーカーで、どこの製品か。これはなかなかわかりにくい点があろうかと思いますので、そういう点はお答えができなければ結構ですが、中和剤についての第二次公害というか、後遺症というか、そういうものについて運輸省の方は、要するに海上保安庁の方は、大したことはありませんというような言い方をしている。この間の予算委員会でも運輸大臣はそういう答弁をせられた。ところが、漁民の立場から言うと、どういう試験をしてどういう調査をしてそういうような半ば決定的な表現を使うのだろうかという非常な不満を持っておる点がある。それから漁連の会長さんとして、この中和剤に対して第二次公害は起きないと信じておられるのか、非常に心配がある。もっともっと調査をしないと結論が出ないし、本当に第二次公害が起きる可能性があるというような御意見があれば聞かせていただきたい。
#20
○浜野参考人 中和剤の種類につきましては、これは私の方の漁連はほとんど使わせておりませんので、種類等につきましては海上保安庁の方にお願いいたしたいと思います。
 それから、この三菱の重油流出事件を予期したわけではございませんけれども、私の方の漁連では、全漁連のあっせんのもとに十一月に東海研の大久保先生を御招待申し上げまして、その害毒のある旨ない旨等のお話しを承ったわけでございます。その席では、人体に害を与えるとかいう問題につきましては触れてはおりませんけれども、魚に対する分については新潟で使った以後改良せられて、そのときの毒性の千分の一以下になっておるので心配ないというお話しでございましたけれども、私どもの漁民は、実際に使ってみて影響があったので、大久保先生の話をそのまままともにとるわけにはいかないという形でその会は終わったのでございます。
 その後この事件が起きたということで、私はその点できょうはっきり御返事を申し上げるわけにはいきませんけれども、使い方によりますれば魚に対してはかなり害があるというように考えております。ただ、その魚に対する影響が人体に及ぶかどうかにつきましては、私はその点を存じておりませんので、はっきりした御返事をいたしかねます。
#21
○柴田(健)委員 次に、同じく浜野参考人にお尋ねしたいのですが、いま瀬戸内海に大型タンカーが、小型、中型を入れても年間一万三千隻以上通っているのですが、私たちが考えてみても、水島港の港湾整備で――私は県会議員当時十二年間土木委員をしておった関係上、あの水島に大分通ったことがありますが、運輸省は十万トンを基準に港湾整備の許可を出した。今日では二十万トン、二十五万トン、延長三百五十メートルというような大きな船を入れておるのですが、これは事故が起きないのが不思議だ。当然起きる可能性はある。そういう危険を冒してまでコストを下げるために大型のタンカー船をつくって入れておる。ただ、頼りになるのは、船の運転士と機関長だけが頼りだ。ちょっと居眠りをしたり、ちょっとの不注意で、マラッカ海峡の祥和丸ではないけれども大変な事故が起きる可能性があるとわれわれは心配しておる。
 あの大型タンカー船の交通が今後も続けば、漁民の皆さんが本当に安心して魚を買ったりとったりするところの漁業振興という面から見て、本当に安心して、安定して、希望を持って漁業振興に努力してくれるだろうかという気持ちが私はあるのですが、この点について浜野参考人の御意見を聞いておきたい。
#22
○浜野参考人 一昨年から実施されました海上交通安全法の審議期間を通じまして、私どもは、瀬戸内海に大きな船が入ることをやめてもらいたいという運動を継続してやったわけでございますが、私どもが知っている限りでは、どの委員会かで、担当の大臣の方から、たとえば十万トンという点を置いて、これから上の船は入れることは好ましくないというような形のお話しがあったように承っておりますが、私どもは、海上交通安全法を通じまして、二万五千トン、三万五千トンぐらいが巨大船でございましたが、その範囲内でとどめてほしいという意見を申し上げておったわけでございます。そういう意味合いにおきまして、五万トン、十万トンはおろか、そういう大きなタンカー船に入ってもらいたくないという信念をいまも持っております。
 それから、漁業者の問題でございますが、昭和四十八年に、大きなタンカー事故が、私どもの県に影響を及ぼしたものが四回ございます。昨年はちょっと少なかったのでございますけれども、年末に大きな災害が起きたということで、このような形では魚に対する消費者の不安感が第一番の問題でございまして、私どもの漁業そのものが継続できるかどうか問題点があるというように私どもも考えております。
 なお、今後十分に漁民の皆さん方と相談をしぼって今後の方針を固めていきたいと思っております。
#23
○柴田(健)委員 浜野参考人にもう一つお尋ねしたいのですが、今回のこの事故については、海上保安庁なり、その他あらゆる国の機関が総出動していろいろ対策をとられたのですが、特に、海上保安庁がとった行動については万全な対策をとったとお思いになっておられますか。それとも、いろいろ将来検討しなければならぬ問題点がたくさんあったと思われますか。その点の見解を聞いておきたいと思います。
#24
○浜野参考人 人にはそれぞれ能力があると思いますが、海上保安部あるいは海上保安庁の方にこういう形の仕事が新しく添加されたのは最近の問題でございます。したがいまして、その防除体制が万全に行われるということは時間的に見てあり得ない、こういうふうに私は思っております。
 しかし、この問題が惹起して、それぞれの国の機関、海上保安庁あるいは六管の本部、あるいは海上保安部のそれぞれの地域の保安部、これらが十分な活動をしたとは私は思っております。しかし、率直に申し上げまして、私どもは漁業関係者でございまして、私はまた香川県の海区の委員長をいたしておりまして、私どもと保安部との関係は、取り締まりを受ける者と取り締まりをする者との関係になっておりますので、この上の答弁はひとつ許していただきたいと思います。
#25
○柴田(健)委員 井上参考人に御意見を聞かせていただきたいと思いますが、今度のこの事故で四県にまたがる事故が起きたけれども、県を含めて四県の市町村、地方公共団体が受けた年末から今日までの被害は大きい、これがまた将来どの程度復旧にかかるかわかりませんけれども、大変な迷惑をこうむっておられると、このようにわれわれは推察をいたしておる。県庁職員は年末年始も休まずに最善の努力をしてこられたという点はわれわれは十分知っておるわけでありますが、大変な御苦労であったと思います。そういう面から、法治国家として、それぞれの地方公共団体も果たすべき任務は十分果たされてきたとわれわれ理解いたしておるわけであります。そういう連帯性の中でそれぞれのできる限りの努力を今日までされてこられましたが、問題は財政的な問題です。地方財政がそうでなくても、硬直化ということで、国の方は地方公共団体をいろいろとよくしかるのですが、しかし、しかられてもどうされてもやるべきものはやらなきやならぬ。そこに財政問題ということでいろいろ御苦労されておる地方公共団体の苦衷をわれわれは察してお尋ね申し上げるのですが、この点について、その会社から全部そういう補償金を取られるお気持ちか。これはこの事件の中身のあり方だと私は思うが、問題は、天災か人災か、公害か災害か、国の方はそういうことでいろいろ各所にまたがって、まだ十分結論を出していない。海上保安庁の方は公害だと言われておるし、陸の方は、消防庁の方は災害だと言っているが、これは陸上災害と海上公害と分離してものを考えなければならぬのではないか。だから、香川県の方の明らかに海上公害という立場から言うと、これは公害だけに焦点がある。岡山県の場合は公害と災害だと言う。陸上災害、海上公害ということですね。こういう区分をされたときにはどうなるか、いろいろな問題がそこにあるわけでありますが、とにかく、問題は、財政的に大変な御迷惑をされた点についての補償をどうして解決しようとせられておるのか、お聞かせを願いたいと思います。
#26
○井上参考人 お答えいたします。
 今回の油流出事故に基づきますところの、県を初めとする市、町等の地方公共団体の財政的な問題につきましては、県あるいは市、町等が、緊急を要しますために、三菱石油にかわりまして直接的に資材を購入し、あるいは直接的な作業を実施する。たとえば臨時的な回収油の置き場あたりにピットを掘るとか、あるいはそこへノリ網を入れるための道をつけるといったような直接的なものにつきましては、これは当然原因者であります三菱に請求をすべき性質のものでございますし、また、現実に市、町につきましては一月の上旬に請求してまいったわけでございますが、その後、超勤とかその他いろいろな経費が要っておるわけでございます。こういった問題につきましても、原則的には原因者に負担してもらうべきでないかというふうに考えておるわけでございますが、この点につきましては、先般現地対策本部がまだ岡山にありました終わりころに、関係四県の副知事も集まりまして、そういった問題をどうするかというふうな点をいろいろ協議してまいったわけでございます。国自身でも海上保安庁関係とかあるいは陸上自衛隊関係とか、そういった関係もございましょうし、国の方針を見て検討もして、その方向をきめていく。しかし、原則としては、先ほど申しましたように、原因者に負担をしていただく。こういうふうな方向で考えておりますが、ただ、超勤あるいは管理的な経費といったようなものの要請をする時期の問題につきましては、現時点におきましては、他の被害者の補償がまだ妥結していないので、そういう時期に請求するのが適当であるかどうかという点につきましては疑問を持っておりますので、そういった考え方で進んでおるわけでございます。
 また、直接的じゃなくして、この事故に関連いたしまして、県におきましても、市、町におきましても、いろいろと財政上の必要経費というものも間接的に加わってきておるような状況でございますので、これは先般四県連合で中央に対して要請もいたしておりますように、そういった問題につきましては、今後の財政的な点について政府の方で考慮していただきたいというふうなことを要請いたしておるわけでございます。そういう状況、考え方でございます。
    〔委員長退席、坂村委員長代理着席〕
#27
○柴田(健)委員 木原参考人にお尋ねしたいのですが、あの二百七十番のタンクの種類のものが四基あるが、いままでのらせん形のはしごを垂直型のはしごに構造を変えたという、この点について私は非常に疑問を持っている一人なんです。らせん形の方が、タンクに振動を与えても非常に緩やかな振動になるだろう。ところが、二十七トンもあるような垂直型のはしごをフック方式でああいう構造に変更した会社の考え方は、何を基準にして、だれの指導でああいうことをしたのか、たとえば通産省の保安基準の許可を受けてそういう構造の変革をやって変更したというのか、この点がわれわれには十分理解できないので、その点のお考えを聞かせていただきたい。
 それから、もう一つは、あなたの方ばかりじゃございませんが、水島に千三百五十三の大小のタンクがあることは事実でありますが、この千三百五十三のタンクの中の三十五の高圧であるとか硫酸であるとかというタンクが除外されても、石油関係が千三百十八あるということになるわけですが、このタンクの基準、要するに建設基準、構造というものについては――一般のガソリンスタンドでは、そういう面については、消防法で、危険物取り締まり規則で相当のきめ細かい基準があるわけです。個人の危険物を貯蔵するタンクについては、非常に厳しい、きめの細かい、何ミリとか何センチというような基準があるのですが、ああいう大きなタンクには、いまの日本の法律の中では余りきめ細かい基準がないわけです。それをいいことに、会社独自で、企業ベースで、会社本位の考え方でああいうタンクの構造で今日までやってこられたのか。ただ、材質の検査または設置の認可、竣功の検査、使用の検査という程度にこだわり過ぎて、それだけで、要するに設置のきめの細かい規則がないために、会社はそのままの考え方でやってこられたのかどうか。
 この二つの点を聞かせていただきたい。
#28
○木原参考人 お答えいたします。
 第一番のはしごをなぜ縦、独立型のはしごに変えたのかということでございますが、最初私たちは普通のらせん形階段を指定したのでございますが、建設業者から独立ばしごという基本設計が出されまして、これの方が操業の安全度にいいだろうということで選んだのでございます。
 二番目のタンクの基準についてでございますけれども、これは消防署に対して許可を求めるものでございます。設計の基準となりますものは各建設業者にお任せしてありますが、これはアメリカのスタンダードが主体になっているものと聞いております。その他基準につきまして、地震等のことも少し触れられていると思いますが、これは私ちょっと手持ちがございませんのではっきりいたしませんが、主としてわれわれは一流の建設業者の仕様に従ってつくっておるというのが現状でございます。
#29
○柴田(健)委員 参考人の御意見ですから、討論はいずれ関係機関と私はやります。
 渡辺参考人にお聞きしたいのですが、聞くところによれば、三菱の水島製油所の増設計画があるということを聞くのですが、まだあそこに増設をやられるお気持ちがあるのかどうか、これが第一点。
 それから、最後にお聞かせ願いたいのは補償の問題ですが、直接被害、間接被害、今後の後遺症に対する被害というもろもろの補償について、紛争を起こすような、けんかをするような、裁判ざたになるような、警察の機動隊を出すようなことのないように、円満に、これ以上皆さんには御迷惑をかけないという基本の気持ちで、最後まで責任を持って補償については解決するというお気持ちがあるかどうか。
 この二点を聞かせていただきたい。
#30
○渡辺参考人 お答えいたします。
 第一点の水島製油所の拡張計画でございますが、現在計画はございません。
 第二点の補償につきましては、先生お話しのように、訴訟に持ち込むとかというようなことはなくして、誠意をもって解決に当たりたい、かように考えております。
#31
○柴田(健)委員 海上保安庁に参考人の前でちょっとお答え願いたいのですが、あの事故が十二月十八日の夜九時十分に起きて、そして海上保安庁が連絡を受けて出動したわけだが、油の流出量が当初は二百キロ、先ほどの参考人の御意見では七千から九千キロリットルというものが海上へ流出したと言われたのですが、この九千キロリットルという確認をされた時点はいつか。海上保安庁がつかんだ時点はいつか。そして、あの九十度ある高温のC重油を冷やすために冷却水を何トン使ったのか。海上保安庁はそれを確認しておられるかどうか。
#32
○船谷説明員 事故が発生しまして、流出量につきましては、非常に大量であるという認識はいたしましたが、七千五百ないし九千五百という推定量を出しましたのは、われわれが現地対策本部の一員として参っておりまして、その時点で消防の方とわれわれ海上保安庁が回収しましたものによる推定と、両方の突き合わせによりまして出した数量でございます。
 それから、冷却水につきましては、冷却水を使ったということは承知しておりません。
#33
○柴田(健)委員 海上保安庁というのは何をしておるところだね。九千五百トンの油の流出があって、それを会社が冷却水をものすごく使っているのですよ。そのために、海に流れている速さは大変なものなんですよ。この冷却水を幾ら使っているかということを海上保安庁がつかんでいないということは、これはゆゆしき問題ですよ。まあ、これはいずれ災害対策委員会に来ていただいてみっちりやります。
 井上参考人に最後にお尋ねしたいのですが、お考えがあれば聞かせていただきたいのですが、大量の油が瀬戸内海の海上に流出した場合、われわれが上から見た場合に、これはどこが本当に責任を持ってやるのかということでいろいろ問題がある。油の流出の防除作業に消防団や自衛隊を出したということは初めてだ、法律の根拠は何だろうかと、われわれも幹部として下から突き上げを食っておるわけですが、災害なら災害対策基本法でぴしっとしなければならぬが、それも不明確だ。下の方だけが災害だ災害だと言ってやっている。市町村や県が災害だ災害だといってやらされて、上の方はばらばらだ。こういう形になっているから問題だ。
 それから、現在の関係法律をどことどことを早急に改正してもらわないと地方公共団体は大変な迷惑をこうむるという点があるとするならば、たとえば消防法を早急にどう改正しなさいとか、海洋汚染防止法をどう改正しなさいとか、海上交通安全法をどう改正しなさいとか、港則法をどう改正しなさいとか、具体的にお気づきの点があればまず聞かせていただきたいと思います。
#34
○井上参考人 お答えいたします。
 先ほどお話しのありましたように、今回のような流出事故がありました場合に、全体的に指揮できるような体制がなかったということは事実でございますし、そういうふうな意味合いから、先般、災害直後、一月の上旬でございますが、被害四県の協議をいたしまして、中央に対しまして、恒久的な対策というふうな意味合いで、コンビナート工業地帯における防災体制の整備についてというふうなことをいろいろ要望いたしておるわけでございまして、そういう際におきまして、こういった事態が起きました場合に一元的に指揮系統ができるような体制をとにかくどこかに――法律のいろいろな改正が必要であると思いますが、そういう点について要望いたしておりますので、われわれといたしましては、そういう方向で御検討いただき、それが実現できるように希望いたしておるような次第でございます。
#35
○柴田(健)委員 終わります。
#36
○坂村委員長代理 次に、藤本孝雄君。
#37
○藤本委員 三菱石油水島製油所重油流出事故に関しまして、当面の措置並びに恒久対策につきまして若干の質問をいたします。
 まず、当面の措置でございますが、重油の回収、防除の点につきまして三菱石油の参考人の方にお尋ねをいたしますが、現在の重油の回収、防除の状況につきましては、先ほど香川県の井上副知事さんからの御説明でよくわかったわけでございますが、沿岸部の重油の回収、防除につきましては現在懸命な努力を払っておるというような段階でございますので、この沿岸部の重油の回収、防除の問題につきましては、早急にかつ徹底的に行わなければならないわけでございますので、すべてが終了するのは大体どのころかという、その見通しにつきましてお答えいただければありがたいと思います。
    〔坂村委員長代理退席、委員長着席〕
#38
○木原参考人 先生にお答えいたします。
 現在、二月末を目途として懸命の努力を払っております。それで、二月末の時点でさらにその状況を見て、県御当局とお打ち合わせして防除作業を取り進めたい、そういうふうに考えております。作業の性質上、なかなか最終点を見きわめにくいのでございますけれども、私たちは二月を目途としておりますが、その段階で県市当局とも一度お打ち合わせをしたい、そういうように考えております。
#39
○藤本委員 そういたしますと、二月の末ごろには、その作業の進捗状況を見て県、市関係者と相談をするということでございますから、そのころには大体のことはわかるというふうに理解してよろしゅうございますね。
#40
○木原参考人 お答えいたします。
 先生のおっしゃるとおりと思います。
#41
○藤本委員 そこで、対策本部長であります左藤政務次官に御質問しますが、先ほどの参考人の答弁にございましたように、沿岸部の重油の回収、防除の作業を進めておって、大体二月の末ごろには最終的なめどが出てくるというようなお話しでございます。そこで、将来の問題でございますけれども、回収、防除が終了いたしましたら、環境回復上の見地からも、それから関係者の不安を一掃する意味からも、対策本部として、この重油の回収、防除に関しての確認もしくは認定ということが必要だと思うわけでございますけれども、その点についてどのようにお考えでございますか。
#42
○左藤政府委員 御指摘の点につきましては、二月末を目途として、いま三菱石油の方で計画を立てて、作業を実行していただいておるわけでありますが、三月に入りまして、この点につきまして関係四県と連絡して、対策本部としてパトロールをすると申しますか、その状況を確認いたしまして、その上でなお残っておる点はどういう点があるか、そしてそれはどういう計画で進めるかということにつきましての第三段階と申しますか、そういう計画を立てて、その防除の万全を期していかなければならない、このように考えております。その上で、一応その点がきれいになれば、そうした問題についての地区地区におきます確認というものをいたしていきたい、このように考えております。
#43
○藤本委員 第二番目の問題は、漁業関係被害者等の救済措置についてであります。
 これは三菱石油の参考人からお答えいただきたいと思いますが、漁業関係被害者等に対する補償の状況につきましては、先ほど浜野参考人からの説明がございましたのでよくわかりました。そこで、漁業補償につきましては、早期に解決するように、この機会に強く要望いたしておきます。
 そこで、この漁業補償につきましての解決のめどについてどのようにお考えでございますか。お答えいただきたいと思います。
#44
○渡辺参考人 先ほども申し上げましたところでございますが、間もなく第三者の調査結果が出てまいります。詳細は来月半ば、十五日ごろじゃないかということでございますが、あらましのところは月内あたりから出てくるのじゃないかと思っております。その上で、四県漁連さんともお打ち合わせいたしまして、できれば三月末日までには解決申し上げたい、かように考えております。
#45
○藤本委員 渡辺参考人にお尋ねいたしますが、先ほどの三月の中旬に第三者の結論が出るというのは、例のインテコと日本海事検定協会に共同調査をお願いしているので、その結論が出るというこでございますね。
#46
○渡辺参考人 インテコと日本海事検定の共同調査ではございません。漁連さんはNKKを御使用なされております。私どもの方はインテコを通じて調査しております。
#47
○藤本委員 次に、漁連の浜野参考人にお尋ねします。
 今回の重油の流出事故によりまして大変な被害の直撃を受けた漁業者が多数見受けられます。建て網漁業であるとか一本釣り漁業などでございます。また、香川県内でも十カ所ぐらいの地区は大変な被害の直撃を受けておると聞いております。漁場の回復には今後まだ相当な期間がかかると思われますので、これらの被害の直撃を受けた被害者の生活再建を図るために総合的な救済事業、たとえば失業対策のような事業、海底の掃除などのような総合的な救済事業の実施が必要であると思いますが、漁連の会長としての浜野参考人の御意見をお聞かせください。
#48
○浜野参考人 お答えいたします。
 私どもが心配しておる海岸の組合は、坂出市の四漁協、それから高松市のうち下香西、香西、西浜の四漁協、男木島、女木島、庵治漁協の一部、これだけが一応海面の清掃、海底の清掃が終わった段階でも若干漁業の問題について問題が残るところでございます。率直に申し上げまして、若い層の力いっぱい商売ができる者につきましては私どももそう心配はいたしておりませんけれども、年がいった方あるいは体の弱い方、昔から小さい漁船で操業なさっておる方、これはいそ、海岸等、沿岸部に近いところで商売をなさっておる方でございますが、その人たちの漁場の回復というものは、一応全般的にきれいな海になってでも若干ずっと後遺症が残っていくと思われるわけでございます。
 その方たちにどういう形で生活の資金をかせげるようにしてあげるべきかという問題点につきましては、私どももまだ考え及んでおりませんけれども、たとえば従前から水産庁の方の予算ということで海底の清掃事業の予算化が若干なされておるわけでございますが、これは国、県、私どもも負担をしてという形でやっておるわけでございますけれども、そういう面である程度の予算の補正をお願いできれば、さしあたってそういう方々にもそういう形での掃海事業に従事という形のものをしてあげたい、こういうように思っておるわけでございますが、当面三菱側が責任を持って掃除をなさり、その中の一部にも組み込んでおりますので、両々相まってしばらくの間はそういう形で漁業以外の収入が得られるようにしたい、こういう考えを持っておるわけでございます。よろしくお願いいたしたいと思います。
#49
○藤本委員 そこで、水産庁もしくは対策本部、どちらからでも結構でございますからお答え願いたいのですが、ただいまの浜野参考人の御意見にもございましたように、漁場の回復が相当期間かかる、しかも、年とった小規模な零細漁業関係者にとっては、この生活再建ということは大変厳しいということで、その救済事業として海底清掃などの予算措置をぜひ増額してもらいたい、と、このような御意見が出たわけでございます。そのただいまの意見も含めて、水産庁もしくは対策本部、どちらからでも結構でございますけれども、生活再建のための救済事業というものについてどのようにお考えになっておられるか、この機会に御意見を承りたいと思います。
#50
○松下政府委員 お答え申し上げます。
 今回の水島の重油流出事故によります漁業被害者につきましての補償問題でございますが、補償がおくれることによりまして生活が窮状に落ちるということにならないように、これは当事者間の話し合いによる円滑な補償の促進というものを指導してまいったわけでございますけれども、すでに御案内のとおり、越年資金の早期支払いと補償金の内払いが行われておる次第でございます。また、制度資金の償還猶予等の金融措置についても、被害漁業者の実情に即した運用を行うよう関係者を指導しておるところでございます。
 水産庁といたしましては、今回の事故につきましては、こういった措置によりまして対処し得たといふうに考えておるわけでございますが、今後被害漁業者等から具体的な要請があれば、その段階で検討することといたしたいというふうに思うわけでございます。
 また、先ほど海底清掃の防除費についてのお話しがございましたけれども、これは当然原因者でございます三菱石油の方で支払われるべきものというふうに考えておる次第でございます。
#51
○藤本委員 私が申し上げておりますのは、今度被害を受けた漁業者のうちで、特に、先ほど申し上げましたように被害の直撃を受けた者、漁業の内容で言えば、建て網漁業であるとか、一本釣り漁業であるとか、また、島を中心とする漁場を持った漁業者については、その生活再建までの道がなかなか厳しい。漁場の回復が相当期間おくれる。したがって、そのことによってその生活再建が非常にむずかしいので、その間、たとえて言えば失業対策的な事業のような救済事業が必要ではないか。それに対して浜野参考人の方からはそれはぜひ必要だという意見が出て、しかも、政府の予算の中に海底清掃の予算もあるわけですから、その予算をさらに増額したらどうかという意見が出ているわけでありまして、私は何もそんな海底清掃の費用は三菱石油が払うべきだというような答弁を期待して言っているのではなくて、はなはだ遺憾に思いますので、もう一度答弁をお願いします。
#52
○江藤政府委員 先ほど次長がお答えいたしましたように、原則としては原因者であります三菱石油が当然これは負担をすべきものであると考えております。ただ、御存じのように、今回の予算に計上されておりますところの、いわゆる原因者不明によるそういう漁場の汚染についての予算をただいま御審議中でありまして、これが被害漁業者の救済金、油の防除あるいは清掃費というものに使われることになっておりまして、まあ、来年の予算はわかりませんけれども、二年間でおよそ十億近くのものを造成しようということで、国と経済界とでこれをいま準備中でありますから、それをもう少し予算をふやしてでも、この地域について、失対事業といいますか、そういうものに利用すべきじゃないかと、御質問の御趣旨はおそらくこういう御意見だろうと思うのです。
 ですから、最初に申し上げましたように、まず第一番に三菱石油がこれは当然負担すべきものであるが、しかし、こういうものもありますから、あるいはまた三菱だけによらないものもあるかもしれません。そういうことは十分検討いたしまして、重点的に私どもはこれを配慮させていただきたい、こういうふうに考えております。
#53
○藤本委員 質問が下手なせいで、どうもなかなかおわかりにならないようでございますが、要するに結論的に申しますと、失業対策的な事業が考えられないだろうかということでございますけれども、時間の関係もございまして、これ以上この問題に突っかかっておると時間がありませんから、そのような趣旨を十分に配慮するということでこの質問を終わりたいと思います。
 次の問題は、漁業関係以外の直接、間接被害の問題でございますけれども、三菱石油の参考人にお伺いいたしますが、この件につきましては、聞きましたところによりますと、全部で現在百五十五件、金額にいたしますと二十九億六千万、これだけの件数と金額が会社の方に申し出てあると聞いております。
 渡辺参考人の国会の従来の答弁にもございますが、補償関係につきましては誠心誠意をもってこれに当たる考えであると言われております。そこで、この漁業関係以外の直接、間接の被害の補償につきまして、いまの状況でございますが、これを簡単で結構でございますので、解決のめども含めてお聞かせいただきたいと思います。
#54
○渡辺参考人 今日まで魚業関係以外の補償につきましていろいろと手間取っておりましたのですが、ようやく軌道に乗ってまいりましたものですから、これは漁業関係の補償と並行いたしまして、できましたら大体三月中には解決いたしたい、かように考えておる次第でございます。
#55
○藤本委員 この問題につきまして、対策本部長にお尋ねいたします。
 この漁業関係以外の直接、間接被害者交渉につきましては、一番厄介な点は、被害の金額の算定がなかなかむずかしいという業種が約半分くらいある、しかも零細な企業ほどみずから被害の算定ができにくい、こういう点であろうかと思うわけでございます。
 先日当委員会で、安倍農林大臣からは、「間接被害については、市場だとか運送関係も出てくるでありましょうし、いろいろな問題が出てくると思いますが、こういうこともできれば一本の窓口にして、その鑑定機関の公平な鑑定によって三菱石油が誠意をもってこれに補償する、対処するということが筋道ではないだろうかと私は思っております。」という御答弁がございました。この漁業関係以外の直接、間接被害の補償を早期に解決させるために、何か鑑定機関を、これは三菱石油がつくるということではなくて、対策本部で――しかも農林大臣からも、補償の交渉が迅速に公正に行われるように全力を挙げて指導していくということが政府としての責任であるということを言われているし、また、対策本部の役割りも補償を円滑にするということでもございますから、対策本部で、このような間接被害を受けた補償が早期に解決できるように、必要であれば鑑定機関をつくったらいかがかと思うわけでございますけれども、この点についてはどのようにお考えでございますか。
#56
○左藤政府委員 漁業補償以外の補償につきましては、原則としては、被害者の方々と会社側とが直接に交渉していただこうという基本的な考え方で、もしそういった分であっせんの措置が必要だという場合があれば、関係県がまず第一にあっせんに入っていただく、そういうことにつきまして、県の取り扱いということについて、対策本部としてはなるたけ公正にしていただくために一本化の協議をする、そういった問題につきまして対策本部としてはいままで御協力を申し上げてきたわけでございます。したがって、たとえば石材商とか木材商とか、そういうふうなことではっきりと直接的な被害が計算できるようなものにつきましては、早期の補償というものは、いまもすでに行われるといいますか、話が進められておるわけでございますけれども、確かに、いま御指摘のような問題につきましては、対策本部として、いま言われたような鑑定機関と申しますか、そういうものをつくるというよりも、むしろ会社の方でそうした問題につきまして被害調査をしていただくという、第三者的な機関にお話しいただくということの方が筋道じゃなかろうか、と、このように思います。
 ただ、そういった問題につきましては今後ともいろいろ問題があるし、特に、いま御指摘のような、生活に困られるような零細の被害者の立場というものがございます。これにつきましては、この人たちの当面の生活の問題をどうすればいいかということがございますので、これは各県とも御協議申し上げまして、対策本部としては、国のそういった現行金融制度を活用するために窓口を一本化して、そういうところで御相談を受けて、そしてそういった救済措置を講ずるような手配をいたしておるところでございます。
#57
○藤本委員 三菱の参考人にお尋ねいたしますが、今度の間接被害を受けた方々に対しましては、一月二十九日の通牒で、政府関係三金融機関からの、経営が正常に戻るための運転資金の貸し出しが行われるようになりました。被害を受けた関係者からは相当の融資の希望が出ているわけでございまして、現実に相当数の借り入れが行われております。
 そこで一点お尋ねいたしたいことは、これらの借入金の金利の点でありますが、被害額に相当する借入金の部分についての金利については、三菱石油がこれを負担するということが筋であろうかと私は思うわけでございますが、その点についてはいかがでございましょうか。
#58
○渡辺参考人 お答えいたします。
 具体的のお話しを承りまして、先生の御趣旨のように取り計らっていきたい、かように考えています。
#59
○藤本委員 時間の関係で最後になりましたが、最後に、水島汚染魚中毒問題につきまして、香川県の井上参考人にお尋ねをいたします。
 この事件は二月十二日の新聞に出ておりますから周知のことでございますが、この問題の内容はよくわかっておりますから、主にこれに対する対策を簡単に御説明をお願いいたします。
#60
○井上参考人 お答えいたします。
 中毒事件の問題につきましては、先ほど浜野会長の説明の中にもちょっとありましたように、去る二月八日に高松地区の四漁協の組合員が掃海に参りまして、その際とれました魚を船上あるいは家へ持ち帰って食べました。その翌日が日曜日でございましたが、月曜日、十日に中央病院の方へ七名ばかりが参りまして、それによって下痢あるいは口のしびれ、嘔吐というふうな状況を催したということで、県といたしましても、中毒問題じゃないかというふうなことで現地の方へも参りまして、また、現地漁業者の食べました残りの魚も持ち帰りまして、県の衛生公害研究所におきまして分析をいたしましたが、大腸菌とかいうふうなものは見当たりませんで、中和剤等によるものではないかというふうな問題につきまして――これは中和剤の影響かどうかという分析方法というものがなかなかむずかしいようでございます。ただ、従来の土壌分析のような場合と、あるいは中和剤そのものを分析するというふうな場合は確定いたしておりますが、魚体に入っておるものに対する分析方法というものは未確定でございますけれども、一応先ほど申しました土壌分析方法のような方法で実施いたしましたところ、中和剤の影響もないというふうなことに相なったわけでございます。
 それで、この問題につきましては、しかし現実にそういった病気をこうむったという人が出ておりますので、今後の問題といたしましては、やはり、一般の消費者あたりに及ぼす影響、魚の買い控えというような現象が出てまいりまして、京阪神方面の市場におきましても、少なくともその間、県の分析がはっきりするまでは入荷を拒否されたというふうな実情がありました。県の分析結果を公表することによって、出荷者であります漁協並びに漁連の出荷責任者の名前を入れ、県の水産課長の証明によって各市場の方も入荷してもらうというふうな現状になっておるような状況でございます。
#61
○藤本委員 いろいろ検討の結果、重油事故と中毒とは無関係であったという検査結果が出た。それによって京阪神方面の市場に対しても出荷が可能になったということでございますけれども、消費者から見れば不安な気持ちはまだまだ解消されずに、相当不安感が強いと私は思うわけでございます。それだけに、漁連の会長であるとか県の水産課長の大丈夫だという証明書だけでは、そういう出荷はできても、香川県内の魚、ひいては今度の重油事故に関係している地域の魚に対する消費者の不安というものは解消されないと私は思うわけでございます。
 そこで、県としてそこまで研究、検討されて、重油問題と中毒問題とは無関係だということがはっきりしておるわけですから、大丈夫だという安全宣言を県としてなされたらいいと思うのですけれども、その点はどうでございますか。
#62
○井上参考人 分析の結果が出ましたので、本来なれば県といたしましても安全宣言はしたい気持ちはありますけれども、ただ、そういった発病者が出たというふうな直後でもございますし、先ほど浜野会長からも話がありましたように、きょうぐらいからその地区におきましても操業が開始されるだろうというふうな関係もございまして、県といたしましては、いま現在直ちに香川県の瀬戸内海関係の魚は全部安全だというふうな宣言をするのもちょっとちゅうちょいたしておるような状況でございます。
 ただ、考えられますことは、今回の油汚染によりまして、特に、先ほどの中毒事件というふうな問題もからみまして、たとえ県が安全宣言をいたしましても、油をかぶった魚に対する消費者のアレルギーと申しますか、そういうものはなかなかなくなりにくいんじゃないか。しかも、今回の汚染された地域が香川だけじゃなくして、香川、岡山、兵庫、徳島というふうな四県にわたっておりますので、先ほどの御質問の中にもありましたように、できることであれば国の機関におきまして各県と十分連絡をとっていただいて、国の機関においてもう大丈夫だというふうな宣言をしていただければ、消費者一般のそういったアレルギー的なものが解消するんじゃなかろうか、そういうふうに私は感じておるような次第で、それを要望したいと思います。
#63
○藤本委員 井上参考人の御意見、全くごもっともだと思います。
 そこで、対策本部長にお尋ねいたしますが、過去の水銀、PCBの場合も各県次々に安全宣言をしたわけでございますけれども、それではやはり消費者の不安というものが解消されずに、最後は厚生省が安全宣言をしたという例もございますので、先ほどの井上参考人の意見にもありましたように、この安全宣言問題については、国が県と十分に連絡をとって、至急に、できるだけ早くその結論を出して安全宣言をしてもらいたい、かように思うわけでございますが、本部長の御見解を承ります。
#64
○左藤政府委員 いまのお話しでございますが、ただいませっかく対策本部がそれに加わりまして、汚染実態調査、魚介類の環境影響調査というような相当基本的な調査も進めております。これを最終的な結果をまつということになりますと、分析とかいろいろな点でかなり時間がかかるわけでありますけれども、当面、試験操業というふうなものの結果を総合して、先ほどお話し申し上げたような形で、状況によって区域を定めて安全宣言を行うかどうかということを検討させていただきたい、このように思っております。
 それで、そうした点につきまして対策本部の中に厚生省の方も入っていただいておりますので、そういった点につきましても協議して検討させていただきたい、このように考えております。
#65
○藤本委員 対策本部長のお答えはよくわかるわけでございますけれども、やはり、中毒問題が起きておるだけに、この中毒問題と重油の事故との関係は無関係だということが県の衛生研究所の調査の結果はっきりしているわけでありますから、その点について、国も、そのことについての宣言といいますか、そういう発表といいますか、それだけでもぜひ早急に検討していただいて、そういう方向で処置をしていただきたいと思うわけでございます。御答弁をお願いします。
#66
○左藤政府委員 ただいまの点につきましては、対策本部としての意見と申しますか、そういうものが出すことができますように鋭意努力いたしたいと思います。
#67
○藤本委員 同僚の笠岡委員から関連質問がございますので、私はこれで終わります。
 ありがとうございました。
#68
○澁谷委員長 関連質問を許します。笠岡喬君。
#69
○笠岡委員 二、三点関連してお尋ねをいたします。
 まず、事故が起こりましたときに、大変年の瀬も押し迫っており、また、非常に寒いところで、さらに、官庁におきましては国の予算編成時期でもありましたにもかかわりませず、現地に対策本部をつくり、左藤本部長が赴任された。自来、これだけの大事故にもかかわりませず、官、民、また三菱の方とも協力が非常によくできて、非常にスムーズにいった。いままでこれだけの事故はなかったと思いますが、これだけの大事故であったにもかかわらず、今日、きのうおとといで二カ月という期間を経過したわけでございますが、この二カ月間にこれだけの成果を上げられたということは、私は地元の者としていろいろ注文はありますけれども、よくできた、政府を初め関係者の措置が非常にりっぱであったということは、ここで特に私は強調し、敬意を表したいと思います。
    〔委員長退席、藤本委員長代理着席〕
 そこで、いま一番大きな心配だということについて、私たちが聞いておる範囲内で、これは井上参考人に私は特に御注文を申し上げたいのでございますが、中和剤を使ったり、いろいろな措置をやっておられるけれども、中和剤を使って一かってイギリスの南沖でこういう事故があって、そして中和剤を使って、その第二次公害というものが出ておる。まあ、十年一昔ではあったようでございますが、中和剤を使って、油の膜を分解させて、そして粒子にして沈ました、その沈んだ粒子が災いをしておるというような事例もあるのです。とりわけ瀬戸内海というのは、私が申し上げるまでもなく、よく御承知のように、六、七十年かからないとあそこの水は一巡しない。それだけよどんでおる地域である。さらに、四国にトンネルを掘って、そして太平洋の黒潮に乗せたらどうかというような学説も昔からあるくらい、あの地域に住んでおる者としては、あそこの浄化ということには非常に気を使っておる。そういうときにこういう大事故が起こって、そして、先ほどもお話しがありましたように、目に見える範囲内においては二月をめどにきれいにされるということを承って、私たちも一安心しておりますが、隠れておる、目に見えない油が沈んで、それが後々後遺症で死の海になってしまうというようなことになるということを私は非常に懸念しておる一人であります。たまたま先ほどから井上参考人や浜野参考人から承って、そういうことを気にはしておられるけれども、私が現場の漁民から聞いた話なんかと総合いたしますと、指導者であり、また直接担当される皆さんとしての深刻さがもっともっとあってしかるべきではなかろうかというふうに私は感じたわけであります。
 そこで、それにはどういうふうな措置をするか、どういうふうな運動をするかというようなことをできるだけ早い機会にやってもらってはどうかと私は思いますが、御意見を聞かせていただきたいと思います。
#70
○井上参考人 今回の油回収によります中和剤等による影響の問題でございますが、先ほどの中毒事件の問題は、これは特に中和剤がそう急性的に出てくるというおそれはないというふうな結論にすぎないと私は思います。
 したがいまして、中和剤が長い間魚介類に蓄積して、それが人体にどういう影響を及ぼすかというふうな問題につきましては、先ほど浜野会長からも申し上げましたように、化学的には心配はないという説もあり、また、それは影響があるんだというふうに漁民ははだで感じておるというふうな説もありますし、また、そういう基本的な調査につきましては、これは県の技術者だけでもなかなか解明することができないわけでございますので、そういったような関係からも、国の現地対策本部なり、あるいは水産庁の専門的な技術者によりまして、また、関係各県の水産試験場関係の技術者等ともともども協力いたしまして、そういう解明をして、将来の後遺症等について十分検討をさせなければならない、そういうふうに私どもも考えておるような次第でございます。
#71
○笠岡委員 ひとつ、そのようによろしくお願いします。
 次に、三菱側にお尋ねをいたしますが、先ほど柴田委員あるいは藤本委員からお尋ねになり、誠意ある御答弁がありました。また、先般も岡山の現地でそれぞれ誠意ある意見の開陳があったということを新聞で拝見いたしました。敬意を払っておりますが、ざっくばらんにお尋ねをいたしますが、あの事故が起こった最大の原因は何だったか。単刀直入に言うとどうなんですか。技術部長さんに伺います。
#72
○木原参考人 お答えいたします。
 現在国の調査委員会でいろいろ調査されております。それで、私たちとしてはそれに御協力をし、しかも、サンプルもいろいろ差し出すような準備をしておるわけでございます。したがって、現在の私たちの推定といたしましては、この結果を待つよりないというのが現状でございます。ざっくばらんのところ、そういうことでございます。
#73
○笠岡委員 われわれがいろいろ聞いておるのに、底が抜けたとか、そうしてはしごが落ちてきて、防油堀ですか、それをそのはしごが壊したというようなことを聞いたわけです。そして、現場を見ると、防油堀の状態なんかも非常に不完全なものであったというようなことをいろいろと私たちも拝見したり、また、聞いております。
 いま柴田さんからもお話しがありましたが、私たち、三菱さんが水島にお越しいただいた当時は県会議員でおりました。そこで、水島の工業基地をつくるということについては、岡山県としては、おたくの三菱だけではなくして、あらゆる企業を誘致することに大変な犠牲を払って――犠牲と言うと言葉がきつうございますが、犠牲を払って、農業県岡山を農工県に脱皮させるのだというスローガンのもとに岡山県は大変努力した。そうして確かに国民所得も上がった。が、しかし、そのためには、農民とか漁民などは分相応のいろいろな犠牲を払っておる。そして、企業に来てもらって結果もよかったというやさきに原油をこぼされて、その被害というものは想像もつかないようなことが起こったということは、県としても非常にお困りでございます。この間、ちょうどあの事故がありましたときに、知事さんも東京へ来ておられました。そうして国の予算編成期でもあり、大変忙しいさなか、岡山県が誘致したという責任上各県にお断りをして回っておられるというような光景も見て、県自体も非常に大きな責任を感じており、また、それについて三菱さんの方でも責任を感じていろいろな措置がなされておるということはよくわかります。そして、また、はしょって端的に言いますが、石油というものが日本で非常に必要だということもよく認識しておるつもりです。しかしながら、石油が必要だということとあわせて、こういう時代でもあり、業者の方も環境浄化ということについては人一倍気を使っていただかなくちゃいけない。しかし、そういう面から見ると、防油堀の状態なんかを先ほど私が一例を言うたわけですが、そういう配慮が欠けておったのじゃないか。やはり、そういうものをいろいろ公平に見て、経営管理ということが優先しておったのじゃないかということをつくづく私は感じるのです。
 そこで、さっきから今後の防除対策とかいろいろなことについての御意見も承りましたが、また、拡張する意思もないということも承りましたが、おたくには千幾らのタンクも控え、また、水島には、心配すれば本当に限りないほどいろいろな危険の条件というものを備えておるわけであります。そこで、今後の安全対策というようなものについて、おたくだけではなくて、水島一帯として、こういう事故が起こったことについて何かお考えになっておるようなことが現在あるのかどうか、そういうことを聞かせていただきたいと思います。
#74
○木原参考人 お答えいたします。
 先ほど、私たちの製油所の今後の安全対策というものについて概要申し上げたわけでございますが、現在、倉敷市からも地区全体のおのおのに対して防災協定その他の申し込みもありますので、それを通じまして地区全体としての防災をやっていきたい、そういうふうに考えております。先生がおっしゃるとおり、事故を起こしましてまことに残念でございます。
#75
○笠岡委員 終わります。
#76
○藤本委員長代理 中川利三郎君。
#77
○中川(利)委員 ただいま技術部長は、事故を起こしてまことに残念ですという御発言でございましたが、社長は申しわけありませんと言い、常務取締役であるあなたは残念ですと言い、非常にニュアンスが違うわけであります。そこら辺が私は一つひっかかったわけでありますが、とりあえず渡辺参考人にお伺いさせていただきます。
 香川県から先ほど御報告がありました「重油流出事故対策の概要」を読ませていただきましたが、その中で、「商工業者等の関連被害対策」という項目がございます。先ほど副知事さんが読み上げたところでありますが、これは鮮魚卸、小売業を初めとする商工業者等の被害額について県が取りまとめたものでありますが、「これまでに被害があったとして県に届出のあったものは約十九業種に及び、そのうち被害額が一応判明しているものだけで約十一億円余に達している。」ということを書かれてあるわけですね。恐らく、そういう商工業者等の被害については各県から取りまとめがそれぞれ行われているだろうと思いますが、渡辺参考人から、そういう関連する商工業者被害について、いま何県くらいで何件くらい、何億円ぐらいのものが来ているのか、この点を教えていただきたいと思います。
#78
○渡辺参考人 現在私どもで御要求を受けておる件数は、当該四県合わせまして二百三十三件でございます。この中に金額の要求が出ていないものがかなりございますものですから、それを含めましてどういうことになるかということを判定いたしかねますが、一応四県合わせまして三十五億円程度の要求を受けております。
#79
○中川(利)委員 そうしますと、つまり、自治体が一定の責任を持ってまとめた被害につきましては、先ほど渡辺参考人が申されましたように、いまの漁業補償と並行してそれをお認めになってお払いになるということに理解してよろしゅうございましょうか。
#80
○渡辺参考人 この漁業以外の被害につきましては非常にむずかしい問題がございます。たとえば鮮魚商の方々の場合でも、内海に依存しておる度合いがいろいろと違いますし、また、地域間のそういった相違もございます。そういった点で非常にむずかしい次第でございますが、被害を受けられた方々の事情をよくお聞きいたしまして、公平に誠意を持って対処したいと、かような気持ちでおります。
#81
○中川(利)委員 むずかしいからこそ、個々、ケースによって違うし、場所によって違うし、いろいろあると思うのです。したがいまして、そこの自治体が一定の責任を持って算定したものをおたくが算定するというよりも、その方が客観的にも非常に公正であろうし、正確であろうと思うわけでありますので、そういうものをお認めになっていただけなければ、やはり零細な方々でございますので、会社との関係で言いますと、力関係というものが当然作用すると思うのです。したがって、あなたのおっしゃるような格好でそういう方々の立場をお考えになるならば、少なくともいまの段階では、自治体がおまとめになって、自治体が適正だと言うものをお認めになることが非常に正当だというふうに私は考えるのですが、その点はいかがでございましょうか。
#82
○渡辺参考人 自治体を初めとします第三者による調停というお話しでございますが、実は、第三者にあずけてお願いするのも誠意がないんじゃないか、被害の方々とよく話し合って実情を聞いた上で取り決めるべきであるという御意見もございます。私としては、この面についてはこだわらないつもりでおります。ただ、この内容につきましてよく御説明を承っていきたいと考えております。
#83
○中川(利)委員 渡辺参考人は、その方法、やり方については、内容にはこだわらないとおっしゃいましたが、第三者という先ほどの質問の中での御意見もございましたが、いまの段階で一番公正なのは、一番実態に明るい地方自治体かと思うのですね。その自治体にお願いして、それがその第三者的な役割りも果たすことになるでしょう。だからこの点には異議を差しはさむ者はないだろうと思うのですね。
 私がなぜこういうことを申し上げるかと申しますと、さきに解決を見たと言われます児島地域のこうした零細な方々に対しまして、何か、千五百万円だ、それもどっちも承諾したんだということを新聞で拝見させていただいたわけでありますが、自治体の損失額から見ますならば、おそらくこれは問題にならないんじゃないかと思うのです。これは会社側と皆さん方が一緒に話し合われた結果だと思うのですが、そういうことなんかを踏まえた上でこだわらないとおっしゃるなら、いろいろ手続上むずかしい面もあると思いますけれども、一番公正なそういう自治体の方々に入っていただくということを御承認いただくというか、そういうことについて前向きに御検討いただけるかどうか。ひとつ、この点をはっきりさせていただきたいと思うのです。
#84
○渡辺参考人 いま御指摘がございました児島の問題につきましては、県にもお世話になっております。また、いままでの私どもの方のそういった準備と申しますか、体制が不十分でございまして、その間被害を受けられた方は、たとえば県にお申し出いただいておった。まあ、体制も整ってまいりまして、これはひとつ誠意をもって解決したらどうだということでお下げ渡しになっておる場合もございますし、そういった意味合いで、ことに、多数の零細なと言ったら失礼でございますが、多数の被害者の方々の場合、お話しのような趣旨も十分わきまえまして、県当局とも御相談させていただきたい、かように考えます。
#85
○中川(利)委員 いまのお話しはなかなか微妙なニュアンスもございますけれども、一応いまの時点で会社は何かと忙しいだろうと思うのですが、このことが一番手がかからないし、行政といいますと一応住民も信頼しますし、また、住民のサイドということもありますし、その角度の中で問題の解決を図るということは、至当だと私は思うわけであります。そういう点で、くどいようでございますが、自治体なんかが判定したものはそれをお認めになるという方向で会社が善処するということと理解してよろしゅうございましょうか。重ねてお伺いします。よろしいですね。――はい、わかりました。
 それから、もう一点でございますが、先ほど、これらの零細な方々に対しましての自治体その他での融資のあっせんの話とか、その利息の話が出されまして、渡辺参考人からいろいろ前向きの御答弁があったわけでありますが、漁業の補償の問題に対しましては、これは基幹的な損害を受けた方々でありますから当然だとは思いますが、内払い金というものが出ているわけですね。それぞれ各県がどういう形でまとめてきて、どれくらいあるのだということを一応出されてきているわけでありますから、この際、本質から言いますと、それぞれの金融機関からお借りするということも一つの方法でありましょうけれども、そうした関連する被害の方々に対しまして、その自治体を対象に内払いを実行して、その中でどういうふうにするかということは自治体にとっては非常に迷惑な話だと思いますから、筋から言いますと、会社が同じようなかっこうで内払いをなさるのが筋じゃないだろうか。それがあなたの先ほどおっしゃったような誠意あるお気持ちに沿うものではなかろうかと存じますか、いかがでございましょうか。
#86
○渡辺参考人 お話しのとおりだと思います。現実にこの漁業以外の補償の場合でも、御相談いたしまして内払いを実行しておるケースもかなりございます。
#87
○中川(利)委員 そうすると、そういうケースもかなりあるということは、そういう御要求が県なり市町村からございますれば、それにおこたえいただけるというふうに理解してよろしゅうございましょうか。よろしいですね。どうかお答えいただきたいと思います。
#88
○渡辺参考人 その点につきましては、県なり自治体の方々と十分御相談申し上げまして、できるだけそういった内払いというようなことも考えていきたいと思っております。
#89
○中川(利)委員 資料によりますと、水島重油の漁業被害だけで、被害額は百五十九億何千万になっておりますね。そのほかにいろいろな関連する被害もございましょうし、先ほど来いろいろお話しのありましたように、海をきれいにするとか、ヘドロをなくするとか、そういう仕事もございましょうし、二次公害、人の健康にかかわるようないろいろな問題も今後発生するだろうと思うわけですね。私がある学者にお伺いしましたところ、たとえば海底に油がしみついたヘドロ、しかも、吸着板なんかとまじってなかなか取りにくいもの、こういうものをきれいにするためには相当の時間もかかるし、また、金額にいたしましてもおよそ天文学的な数字になるだろう、三十兆円もかかるなんという話をされておるわけでありますが、これはもう大変なことだと、改めてそれで認識を深くしたわけでありますが、会社といたしましては、そうした今後の事態を踏まえ、これらとの対応についてどういうふうな御認識をお持ち合わせになっているのか、お伺いできれば幸いだと思います。
#90
○渡辺参考人 たいへんむずかしい問題でございまして、瀬戸内海一帯のヘドロということになりますと、これまたとっても企業の限界を超える問題でございますし、こういうものは重油の流出に起因するというようなことが部分的にわかりますれば、これら将来の問題は誠意をもって対処したい、かように考えております。
#91
○中川(利)委員 将来の問題については誠意を持って御解決いただくのは当然だと思うわけでありますが、瀬戸内海のそういう大変な天文学的な数字になるもの、それが全部これに起因するかどうかは別といたしましても、応分の補償というものは当然出てくるであろうし、今後の人体に対する影響なんかももしあれば、また新たな負担を負わなければならないということになるだろうと思うのですね。したがいまして、三菱石油でありますから相当の力はあるものと私は存ずるわけでありますけれども、しかし、三菱石油だけでこれに対応できるかどうかという問題を一つの問題として考えざるを得ないと思うのです。
 お話しを承りますと、外資系の会社との提携なんかもあるようでございますけれども、それにしても、率直に申しまして、そういう国民的な大きい被害を償うことについては、やはり、会社としての限度もあろうかと私は思うのです。しかし、これを緊急に、あるいは将来ともに、三菱さんが補償を当然の義務としておやりになるということを前提とするならば、石油だけではなくて、全三菱の責任において、これを最後的にはわれわれはやるのだということになりますと、国民の受け取り方というものはずっと変わってくるだろうと思うのですね。この被害は一石油会社が表面的には事故を起こしたということになっておりますけれども、やはり、それぞれの関連の中で三菱全体として生きているものだと思うのですね。そういう点で、そういう御見解も考え方も当然考えるべきものではなかろうかと私は思うのでありますけれども、渡辺参考人の御意見を承りたいと思うわけであります。
#92
○渡辺参考人 お答えいたします。
 三菱と申しますとたくさんの会社があるわけでございますが、かって岩崎家で主宰しておりましたいわゆる三菱財閥という形とは現在全く異なっておりまして、各社それぞれ独立しておる別途の会社でございます。たとえば今度の事故、流出による補償その他のことについて、これは結局会社にとりましては損失になるわけでございますが、損失を三菱の他社に分担していただくということについては、それぞれの会社も株主もございますし、従業員もございますし、損失自体を分担していただくということは全く別問題のことである、と、かように私は考えております。
 御指摘のございました外資の関係もございますが、これもまた同様でございまして、もちろん大株主として――三菱石油は日本の会社でございますから、外国の方々とは習慣なり考え方も多少違うとは思いますが、この措置につきましては、これは日本の会社として三菱石油が処置するということの了解は得ておる次第でございますが、そういった点で、精神的なサポートだとか、可能な限りの、理論が通ると申しますか、納得ができる面のいろいろなサポートはあるだろうと思いますが、今度の事故による損失自体をグループの会社なりにお願いするということはちょっとできないことである、かように考える次第でございます。御了承いただきます。
#93
○中川(利)委員 では、次の問題に入りますが、木原参考人にお伺いいたします。
 先ほど、事故の原因究明に当たりまして同僚議員から御質問があったわけでありますが、保安管理についていま国が究明中だ、その結果を待ってからいろいろと会社としての判断を持ちたいというようなお話しでございましたが、国の結果待ちはともかくといたしまして、日常の保安管理について会社側としては十全な体制をとっておったのかどうか、この点についてどうであったかをお聞きしたいと思うのです。
#94
○木原参考人 お答えいたします。
 当該タンクにつきまして、それぞれ保守点検項目をきめまして、たとえばベントバルブは半年に一回ですか、ちょっと忘れましたが、そういう限りのメインテナンス保安体制はとっておった、そう考えます。
#95
○中川(利)委員 そういう限りの保安体制をとっておったと言いますけれども、たとえばパトロールだとか、そういう保安監視ですね。私が聞いたところによりますと、これは中谷石油というところに下請に出しておったということを聞いておりますが、これは事実ですか。事実かどうかだけで結構です。
#96
○木原参考人 お答えいたします。
 中谷を使っておりましたのは、警備職場で使っておりました。管理しておりますのは操油課でございます。
#97
○中川(利)委員 つまり、警備その他、これはパトロールしたり警備するわけですから、こういうものはほとんど会社が責任を持ってやっておらなかったということだと思うのです。
 それから、私はちょっと申し上げたいのですけれども、昭和四十七年三月に安全工学協会というところが発行した「石油コンビナート地域における危険物施設の安全性に関する調査報告書」というものがございます。四十七年三月に安全工学協会がこういう調査報告書を発表しているわけであります。この調査会のメンバーを見ますと、国立大学の教授とか各石油会社の方々が名前を連ねている。たとえば三菱石油だとか、アジア石油、大阪石油、東燃石油、日本石油というようなところの方々と、横浜国立大の先生だとか、あるいは早稲田大学の先生だとか、いろいろな方々が集まって四十七年につくられた調査報告であります。おたくからは久保田福三郎さんという方と山崎光由さんという方が出席してこの研究に参加したわけですね。ところが、この調査報告の内容を見ますと、四十七年段階におきましてすでにこういうことを言うているのです。たとえば防油堀について見ますと、これは報告書の内容ですが、「地塊の変位、亀裂の発生などでこれで完全だという保証はない。欲をいうならば、その上にさらに土盛りをすべきであろう。これがスペースの点で問題ならば、地震の際破壊した場所を直ちに補修できるよう土のう等を用意すべきであろう。」と指摘しているのです。別のところに参りますと、敷地から外へ流出した場合の措置として、「防油堀がこわれたとき、危険物の流出量が防油堀の収納能力を上まわったとき」、「油類が水面に浮き、敷地内からさらには敷地の外へ流出することも考えられる。したがって、もし許されれば敷地内にこれらの危険物を誘導して安全にためる場所があるのが望ましい。これができないにしても、少なくとも災害は敷地内で処理し、外へは出さない心掛けは必要であろう。このためには敷地周囲に土盛りをするなどの方法がある。この方法は、とくに津波による浸水が予想される場所ではとくに必要である。」ということを言っていますね。津波であれ、地震であれ、災害に対しては、四十七年の三月時点で皆さんの役員も参加して、専門家も参加して、このような調査報告をすでにまとめていらっしゃる。しかし、いまあなたのお話しをお聞きいたしますならば、会社のそばへ土堰堤を築く、きょうあたり完成するのではないか、こういうお話しなんですね。かねて指摘されていたにもかかわらずこれに対する措置を怠ってきたということだと私は断言したいわけでありますが、この点について、渡辺さんの御意見を承りたいと思います。
#98
○木原参考人 お答えいたします。
 ただいまの安全に関する報告書でございますか、それを拝見いたしました。そういう報告書が出たと思いますが、私はまだ読んでいないのでございますが、一般的には、現在われわれがやっております防油堀及び防油堀等の規則によって製油所が運転されておったわけでございます。したがいまして、今後そういうふうな製油所を取り巻くような土堰堤もつくろうということでつくっておるわけでございます。
#99
○中川(利)委員 この点はいま指摘したとおりなわけでありまして、一般的には云々ということじゃなしに、一般的であれ、何であれ、一般的にこういう問題がすでに出されているわけですね。なぜそれをおやりにならなかったか。皆さんも参加して、こうしなければならないということを専門家がお決めになっていらっしゃるんだな。この点について、あなたは先ほど非常に残念だということはおっしゃいましたけれども、一言も申しわけないという言葉は出なかった。そのことと私は関連あるのだろうと思ってこういう発言をしているわけでありますが、一言、いまのこの問題について渡辺参考人の見解をお聞かせいただければありがたいと思います。
#100
○渡辺参考人 お答えいたします。
 消防法の問題にいたしましても、また、企業内の心構えにいたしましても、今回のような大きな事故を想定した体制にないのではないかということですが、この点は会社としても謙虚に反省いたしまして、今後に対処いたしたい、かように考えます。
    〔藤本委員長代理退席、委員長着席〕
#101
○中川(利)委員 井上参考人にお伺いいたします。
 先ほど来、私は、漁業者以外の被害補償につきまして、自治体が判定というか、認定、精査したものについては、会社の方もそれをお認めいただくように御要望申し上げたわけでありますが、これは皆さんの御意見を聞かないでこんなことを言うのは大変失礼だと思うわけですね。それで、この点について、事務的な処理能力だとかいろいろな問題がおありだろうと思うのですが、それらに対する御見解を承れればありがたい。そのことが一つ。これはなぜかと言うと、中小企業庁というものもあるわけでありますが、たとえば水産庁は漁業者の間に入って一生懸命がんばっているということばあるけれども、通産省の中小企業庁というのは窓口も何もさっぱりなっていない。実際問題から言いますと、これは地方の商工課だというかっこうになっているんですね。いまのそういう問題については地方が責任はないわけでありますけれども、被害ついでにそういう点をお引き受けいただけるかどうか。この点が一つ。
 もう一つは、率直に言って、この事故発生以来いろいろな御難儀をなさったと思うのですよ。御心痛もあったろうし、いろいろな被害もそれなりに受けたと思うのですけれども、そういう経過の中において、会社あるいは国の行政に対しても御注文なり御要望をいろいろとやってきたと思うのですね。そこで、いろいろなそういう経過を踏まえて、井上参考人が、この点が一つ問題として残るというところを押さえていただかなければわれわれの行政としてはうまく進んでいかないということがもしありましたら、御見解としてお漏らしいただければありがたいと思います。
#102
○井上参考人 まず、第一点の漁業者以外の補償の仲介人として地方自治体が入り得るかどうかというふうな問題でございますが、この問題につきましては、私ども県におきましても、漁業者以外ということになりますと、商工業に属するもの、あるいは漁業組合員でない零細漁民というふうな水産課に属するもの、大体そういう関係がございまして、当初は、三菱石油におきましても、人数の関係もあり、被害者との話し合いがなかなかかみ合わないというふうなことで、私ども県の現地対策本部から三菱石油の高松における現地対策本部に対しまして、一般の被害に対する窓口を早急に充実し、つくってもらいたいというふうなことを要請し、一月の上旬、十日前後ぐらいから本格的に受け付けて、いろいろ話し合いが進められてきておるというふうな段階でございます。
 本来から言えば、漁業者以外の補償の中でも、こういった直接的なものにつきましては、先ほど来話がありましたように、両方の話がわりあい早く解決できるんじゃないかというふうに思われるわけでございますが、間接的なものにつきましては、これは適正な第三者が、どなたが入りましても見解の相違というふうな点がかなりあろうと思うのでありまして、おそらく、三菱側の調査をすれば、三菱側としてはこの程度ということになり、被害者側は、いや、そんなに少なくないというふうな議論になると思うわけでございまして、そういうふうな意味合いから、第三者的なものが必要だと思いますけれども、多業種にわたり、また、県の商工課あたりでも、従来、三菱石油に対して、こういう事情でこういう被害が出てきてこういう要望が出てきておるということで、窓口の方へも連絡をとって、誠意をもって交渉してもらっておるような状況でございます。
 ただ、県がこういう被害の第三者に入るということは非常にむずかしいんじゃないかと思います。それぞれの業種の均衡の問題も出てきましょうし、また、認定そのものも、県といたしましても正確な実被害というものは認定が非常に困難だというふうに考えられるわけでございまして、私どもといたしましては、そういう取り次ぎとか、あるいは三菱に対する指導とか、そういうものは十分できるわけでございますが、県が仲裁者、調停役に入るというよりは、承るところによりますと、かつて新潟の事件の際におきましてインテコが――今回、漁業補償について三菱石油がインテコに委託しておりますが、むしろこのインテコあたりに、三菱石油の委託というんじゃなくして、他のものの委託というような形で仲介の労をとっていただいた方がいいんじゃないかというふうな感じをいたしておるようなわけでございます。
 また、第二番目の、今回の事故に対する行政の率直に感じたこと、意見というものはないかという問題でございますが、これは現在の法律上の問題だろうと思いますが、特に今回の事故のように、これが瀬戸内海に流出いたしまして非常に大きい被害になりましたが、水島水道あたりで何とかとめるような方法――それはいろいろな法律問題もあったでございましょうが、そういう点を改正すべきところは改正して、そういうところで食いとめ得るような方法が講ぜられたらいいじゃないか、たとえばこういう事態のときには船舶の航行を禁止するといったような方法が講ぜられていただければいいのじゃないか、と、こういうふうな感じを持っております。
#103
○中川(利)委員 井上参考人にもう一回聞くわけですが、私は決して第三者になってほしいとは言っておらないのですよ。私は決してそういうことを申し上げているのではなくて、先ほど来渡辺参考人にもお聞きしたことでありますが、自治体が一番実態を把握していますから、これをお認めになるようにということで渡辺さんにお話ししたわけですね。やはり力関係がありますから、自治体はそういうものを第三者になって介入せよということではなしに、そういうことをまとめたものをお認めいただけるようにということで先ほど来社長とお話ししたわけであります。また、その見解をいただいたわけでありますから、その程度のことならばできるだろう。しかし、自治体がうそをつき、でたらめをするのかということになりますと、そういう見解が前提になりますと、これは問題にならないことでありますが、少なくとも三菱が責任を認めていらっしゃるわけですから、自治体の権威の中で御調査いただいてまとまった数字については会社に認めていただけるようにという、こういう前提の中で、そういう事務は可能かどうかということをお聞きしたわけであります。
#104
○井上参考人 先ほどの報告の金額でございますが、これは県自身が調査した結果ではございませんで、一応その被害者の報告を取りまとめての金額の合計でございます。したがいまして、非常に判定がむずかしいようなものとか、そういうものにつきましては、被害者の方からもおそらくいろいろ話があると思いますので、県といたしましてもできるだけその実態等につきまして協力をして、三菱の方へ折衝してまいりたい、かように存じております。
#105
○中川(利)委員 最後にお聞きするのでありますが、渡辺参考人も大変だと思うのですね。率直に申しまして大変だと思います。しかし、先ほど冒頭の質問にもありましたように、山では富士山、海では瀬戸内海と言うくらいの日本の大事な宝がああいうかっこうで汚染されたわけでありますから、その中でのいろいろなしさいな権利義務の関係だとか利害の関係も錯綜するだろうと思いますが、根本的には、日本の海をきれいにする、漁業者の権利を守るということが基本であります。けれども、それ以外の零細な方々に対しても、その判定をするのは会社だというようなことではなくて、零細であればあるだけそれに見合った配慮をするためにも、先ほど私が申し上げたような、若干県を煩わし、あるいは第三者を煩わすかもしれませんけれども、そういうものの判定に従っていく、特に自治体の調査に従っていく、と言うと言い過ぎでありますけれども、そういう方向でこの人々を解決していただきたいということですね。
 そのことについてが一つと、それから最後にもう一つ、せっかくおいでいただきました漁業団体の浜野先生でありますからお尋ねいたしますが、先ほど申し上げましたように、このような重大な事態に対して、しかもあなたの先ほどの御答弁によりますと、三百何キロだかがまだ残っているのだということですね。これは大変に重大だが、この問題について、浜野参考人はこれまでもやってきたわけですが、特にさしあたってはこの点を熱望する、この点を何とかしてほしいという、行政に望むことがございましたならば、一言で結構ですからお答えいただければありがたいと思います。
#106
○浜野参考人 地方の方に人材がないとは言いませんけれども、設備、人材ともに限られたものでございます。こういう非常事態が起きましたときに、中央の方から人員、機材等を含めまして急遽派遣ができるというような体制にしていただくと私どもは本当にありがたいと思っております。いろいろな問題が起こりましても、私どもは暗中模索というような形でいろいろな作業を始めておりますが、そういう形の中でそういう措置をとっていただければ、と考えております。
#107
○中川(利)委員 それから、渡辺参考人にも一言お答えいただきたい。
#108
○渡辺参考人 先生のお話しのように、会社側が無理やりに押しつけるとかというような大それた考えは全然ございません。謙虚な気持ちでよくお話しも聞きまして、先ほども御指摘のように、県御当局の御仲裁があった方がいいというような場合は、県当局にも篤といろいろ御援助いただきまして、そういった面については善処するつもりでございます。
#109
○中川(利)委員 終わります。
#110
○澁谷委員長 瀬野栄次郎君。
#111
○瀬野委員 三菱石油株式会社水島製油所重油流出事故に伴う漁業被害問題等について、参考人並びに政府当局に質問いたします。
 まず、最初に、重油流出事故に伴い莫大なる被害を受けられました瀬戸内海関係漁民の皆様に心からお見舞い申し上げると同時に、対策に日夜当たってまいられました関係者の皆様方に真心から敬意を表する次第でございます。
 そこで、まず、森岡消防庁次長にお伺いいたしますけれども、今回の事故の原因についてはいろいろ調査中で、いろいろ取りざたされておりますけれども、きのうの時点で、この原因は明らかに二百七十号タンクの基礎に原因があったのだというふうに言われておりますが、その点についてはいまどういうふうに調査を進めておられるか。冒頭に明らかにしていただきたい。
#112
○森岡政府委員 今回の水島のタンク事故の原因につきましては、御案内のように、学識経験者十五名から成る事故原因調査委員会を設けまして鋭意御審議をいただいております。
 御指摘の基礎工法の問題のみならず、タンクの構造、材質あるいは溶接という、そういう全体のあらゆる部門にわたりまして精密に検討を加えるという方向をとっておるわけでございます。したがいまして、現段階では、これが主たる原因だ、これは副次的な原因だというふうな結論をお出しいただくまでの段階にはまだ至っておりません。非常に綿密な試験研究などもやっていただいて結論を出していただこうと思っております。それには若干時間もかかりますので、場合によりますれば中間的な報告をいただくようなことになるかもしれないというふうなことも含めまして、とりあえず三月中には何らかの結論を出していただこうということで鋭意御審議を煩わしておる段階でございます。
#113
○瀬野委員 森岡消防庁次長、そこで中間的な報告をしたいというのは三月中ということですけれども、最終的には大体いつごろの見通しになりますか。
#114
○森岡政府委員 完全に各種の事項について試験研究をやりますためには、たとえば底板の破断面の切り出しをやりまして、それについて、電子顕微鏡の検査でございますとか、各種の精密な検査をやっていただくことになるようでございます。その切り出しにつきまして、いま直ちに、天井の部分をそのままにしておいて切り出すということになりますと、労働安全上大変問題があるというふうなこともございます。そういうふうなことがございますので、私どもの現在の見通しでは、最終的な結論はやはり五月ないし六月にならざるを得ないのではないかということになりますが、しかし、それでは時間がかかり過ぎるという私どもとしての判断でございますので、先ほど来申し上げましたように、そういう精密な検査の結果は留保していただきまして、三月中に一応の結論を出していただくような方向で御検討を煩わしておるわけでございます。
#115
○瀬野委員 現地対策本部長の左藤政務次官にお伺いしたいが、いまの消防庁次長の答弁にありましたように、原因の問題につきましては三月中に中間的な報告を、ということでございますが、昨日、報道機関を通じて、原因がタンクの基礎にあるというふうなことが明らかになってきたという意味の報道がなされておることはあなたは御存じですか。
#116
○左藤政府委員 いや、私は聞いておりません。
#117
○瀬野委員 木原参考人にお伺いしますけれども、いまの問題について、あなたは全然そういったことを聞いておられませんか。
#118
○木原参考人 きのうテレビでそういう話があったということを私けさ聞きましたが、それだけでございます。
#119
○瀬野委員 香川県漁業協同組合連合会長の、いわゆる事故対策協議会の代表幹事県漁連の浜野参考人にお伺いしますけれども、いまの問題について、事故の原因のことで報道をお聞きになっておりますか。
#120
○浜野参考人 まだ、聞いておりません。
#121
○瀬野委員 聞いておらぬじゃちょっと残念ですけれども、責任者であり、また漁連の代表幹事県の立場でもあるわけですから、また、そういったことが私たちにもいろいろ情報が入っておるわけですから、真相をよく調べていただいて、早く原因を明らかにしていただきたいと思います。これが一つの人災か災害かと、いろいろな問題の論議が今後注目されるところでありますけれども、そういったところに大きく影響してきますので重大な関心を持っておるわけでございますから、地元の皆さん方も、そういった点についての調査の推移を十分見守りながら、今後また国会審議の場においていろいろと御意見をお聞かせいただきたいと思っておりますので、よろしくお願いしたい。
 まず、それだけお伺いしておきまして次に進みますが、先ほど、三菱石油株式会社の取締役技術部長の木原参考人からは、二月末を目途にして清掃が続けられておる、岡山県が五カ所、香川県が三菱関係が三百六十人出ている、漁民千八百人の協力を得て百キロに及んで清掃をやっている、徳島県は三菱関係が二百人、漁民が七百人、十六キロ、兵庫県は八キロ、海岸線の清掃をやっている、というふうなことでございました。浜野参考人は、香川県が中心でありましょうが、三百五十五キロにわたって汚染海域があるというふうなことも言っておられます。私も断片的にはいろいろ聞いておるのですけれども、この際、海岸線の汚染の全沿線はどのくらいになっておるのか、木原参考人はどういうふうにこれを受けとめておられるのか、もう一回はっきりとおっしゃっていただきたいと思うのです。
#122
○木原参考人 お答えいたします。
 清掃計画を二月初めに立てました時点、これは地図ではかって実際に実測したわけでもないので非常に数字が食い違うと思いますけれども、清掃が必要なものが約百七十キロ、そのうち六十五キロ清掃して、約百四キロを新たに清掃しようという計画を立てたわけでございます。
#123
○瀬野委員 環境庁の大場水質保全局長にお尋ねしますけれども、いま、そのような木原参考人からの話がごさいましたが――それでは、環境庁がちょっとおくれておるようでありますので、現地対策本部長の左藤政務次官に伺いますが、あなたは、対策本部長として、この汚染海岸は各県ごとにどのくらいになっておって、総延長は幾らになっておると掌握しておられるか。現地へ行って大変御苦労いただいて、がんばっておられるので、きちっと掌握しておられると思うのですが、その点を明らかにしてください。
#124
○左藤政府委員 先ほど来お答え申し上げましたとおり、一応一月末段階におきましての状況を調査いたしまして、そして、二月以降における必要なところにつきましての状況の計画を立てて清掃に当たったわけでございますが、特に汚染の著しい区域というのは、第一次に清掃を実施いたしました地区は八十八キロで、着手していない地域は百十九キロでございまして、合わせて二百七キロということでございます。それから、その他、汚染の程度が著しくないという地域が二百八十一キロでございますので、全部合わせますと四百八十八キロに及んでおります。内訳は、岡山県が五十八キロ、兵庫県が三十四キロ、香川県が三百五十五キロ、徳島県が四十一キロということになっております。
#125
○瀬野委員 浜野参考人にお尋ねしますが、いま左藤政務次官から答弁がございましたように、明らかになりましたが、現地の調査をいたしますと、現地関係者の方たちは、港とか、特に汚染がひどいということでいろいろ騒いでいるところは清掃ができつつあるけれども、実際には四百八十八キロに及ぶ膨大な海岸線が汚染されておる、この中には、テトラポットにずいぶん付着しておるのもあれば、いろいろと深刻なところがまだたくさん残っている、これは漏れなく掃除をしてもらわなければならぬ、と、こういうことを言っておりますけれども、漁民に関係のある、特に漁場に関係のあるところだけということでもないでしょうが、浜野参考人は漁協を代表してきょうおいでておるわけですが、全域にわたって清掃すべきであるというふうに交渉して進めておられるのか、この点はどういうふうに現地では話し合いをしておられますか、明らかにしていただきたい。
#126
○浜野参考人 先生のお説のとおりに、全域にわたりまして清掃をしてもらいたいという意思で交渉を始めております。
 申し上げておきますけれども、香川県側は島嶼部が主体でございまして、たくさんの島がございます。その延長になりますのと、海岸線につきましては港湾の出入りが非常に激しゅうございますので、河川敷等も含めまして延長が三百五十五キロになる。その内容は、砂の中へ沈下してしまって一応表面に出ていない分は後回しにいたしまして、石垣の穴の中等にオイルマットなんかが詰まっておりますので、それら緊急度を要するものが先ほど左藤本部長がおっしゃった地域に該当する、こういうように御理解願いたいと思います。
#127
○瀬野委員 浜野参考人に引き続きお伺いしますけれども、砂を掘っても、海岸の砂の中には、波がその都度押し寄せてくる関係で、大体四つの層になって油がずっと深く入っているというふうなところがかなり多く見受けられるわけでございます。三菱石油の渡辺社長はこれらの問題についても誠意を持って行うというふうにおっしゃっておられますけれども、こういった問題も見逃されない問題である。表面だけ一応掃除が終わったというふうにおっしゃるけれども、実際はそういうものがある。これは今後大変あとを引く問題ですが、この点については、浜野参考人はこれにどういうふうに対処しておられますか。
#128
○浜野参考人 深いところでは五十センチくらい、浅いところでは二十センチくらいで、三層ということでなしに何層にもなっておるということで、場所によりまして違いがあるようでございます。それで、緊急度の高いもののところは、砂を洗い出すというような方法で最深部までの部分もやっておりますので、香川県側は遅々として進行速度が進んでいないということでございますが、全部やってもらうつもりでおります。
#129
○瀬野委員 さらに浜野参考人に伺いますが、一回清掃しても、御存じのように、風の吹きぐあいによって、きれいになったと思ったらまた油が押し寄せてきて汚れているということで、漁民はもう何回もさいの河原みたいに同じことを繰り返しているというのが現状でございます。今後後遺症も相当残ることでございますけれども、こういったことについては、その都度十分掌握をして三菱とも折衝するということになっておられるか。今後ずいぶん風が続くと思いますけれども、まだ相当期間こういった現象は続くと見ておられるか。その点を参考までにお聞かせいただきたい。
#130
○浜野参考人 重油がたまる場所というのは、大体限定せられた場所になっております。したがいまして、それを見ておりますと、新しく寄ってくる油なんかの分ははっきりわかりますので、常時それぞれの組合に監視員を置きまして監視をいたしております。
 それから、砂の中へもぐる分につきましては、全体的に見ますと、その過程のものは大体終わったと思っております。
 今後は、たまりの部分が各所にできますので、その分を重点的にのけていけばいいんだというように解釈いたしております。
#131
○瀬野委員 浜野参考人にさらにお伺いしますけれども、先ほどのあなたの陳述の中で、吸着マットが約三百万枚ある、これは回収を前提として使用したのではないかというような意味の陳述がございました。まことにこれはけしからぬことでありますが、現在、この吸着マットが推定でどのくらい残っておると見ておられるのか、どれくらい回収できたのか、また、その回収したものはどういうように処分すべきだと漁連では考えておられるのか、二次公害の関係もございますので、参考までにお伺いしておきたい。
    〔委員長退席、笠岡委員長代理着席〕
#132
○浜野参考人 私は技術屋ではございませんので、そういう面はあまり詳しくございませんけれども、オイルマットは原則としては沈まないのが原則でございます。それは表面張力の関係で浮くのがたてまえになっております。そういう限りにおきましては、浮いておるのが見える範囲内で回収はできるのでございますが、今回の場合には、事故が起きてから一週間くらいは西北あるいは北北西の風が強く吹きまして、それがオイルマットをぐるぐる巻き込みまして、表面張力が少なくなり、それで浮力が減って中へ沈んだ、こういう形になっておるのが一つでございます。
 ついでに申し上げますと、ポール状の分が海岸にたくさん沈んでおるというのはいろいろな考え方があるのでございますけれども、中和剤は、使いますと拡散をしてしまって、ポール状のものが残らないのが原則でございます。ところが、実際にはポール状のものがあるということで、私どももおかしいということで調べてみたのでございますが、中には、船なんかが掃除して船底からほうった雑物が丸い形になった分もあったようでございます。私も顕微鏡で見まして、木片なんかが出てきたのを実際に確かめております。
 それから、小さいポール状になるというのは、海岸にある油が海岸にある砂を巻き込みまして、砂の重力がかかって、それがだんだんに深みの方へ寄っていくという現象があるようでございます。これはまだ確定には見きわめておりませんけれども、各組合長の現場の話をずっと聞きますし、私自身も海岸へおりていってみますと、どうも、しんに砂等を含んだものが海岸にあるようでございます。海岸で移動いたしますので、これが深い方へ移動するということになりますと大問題になりますが、いままでの常識では、動く場合には浅い方へ浅い方へ向いて動くたてまえになっておるようでございますので、何とかそのところを研究して捕捉をいたしたいと考えております。
#133
○瀬野委員 左藤政務次官、いまの吸着マットの処理については、これは相当量なんですけれども、どういうふうに対策本部では考えておられますか。
#134
○船谷説明員 オイルマットの使用につきましては、油処理剤による処理はいろいろと二次公害の問題がございますが、オイルマットにつきましては、完全に回収しさえすれば最もいい回収方法であります。したがって、今度の場合は全国から集めまして、非常に大量のオイルマットを使用したわけでございます。これはもちろん全部の回収を前提としなくてはいけないということは当然のことでございますが、今度は非常な大量であったし、それから、いま浜野参考人がおっしゃったような事情もございまして、苦手のものが未回収になったということがございます。
 なお、また、品質が繊維状で溶けるような状態になるという、どちらかというと質の悪いオイルマットもございましたので、これは今後は品質をよくチェックいたしまして、このような二次公害が再び起こらないような製品にするよう指導いたしたいと考えております。
#135
○瀬野委員 浜野参考人、時間の限定があるのではしょって、後日の審議の参考にするためにいろいろお伺いしますので、要点だけお答えいただけば結構でございます。
 安全宣言の問題で浜野参考人にお伺いしますけれども、これは御存じのように、私のところも数年前から、水俣病のことで、有明海汚染についてずいぶん論議をし、頭を悩ませた問題なんですけれども、漁民のことを思い、また、消費者のことを思い、さらには今後の操業のことを思ったり、いろいろしますと、大変むずかしい問題ですが、何といっても人間の健康第一に、そして慎重に安全宣言というものはやっていただかなければならぬ問題であります。これは十分おわかりだと思いますが、部分的な安全宣言をいま一応なさっておる。ところが、ああいった中毒患者も出たというようなこともございまして、場所場所によってはいろいろ問題化しておりますが、この安全宣言を仮にやってもいろいろと問題は今後残るわけですから、補償打ち切りということになっては困るわけで、安易な安全宣言ということは問題であると私は思うわけです。最後までこれは三菱関係の補償もしてもらわなければならぬわけですが、その点については漁連としてはどういう決意でおられますか、お答えをいただきたい。
#136
○浜野参考人 はっきり安全宣言のような形をとりましたのは、私の方では、多度津町と丸亀市の一市一町でございます。その場合にはほとんどが汚染海域からはずれた形になっておりまして、若干の影響はあるけれどもまず心配がないということで、組合が中心になりまして、市、町の援助を得て官能検査をやった結果によって安全宣言をいたしております。
 それから、私も、安全宣言を出すことにつきましては十分考慮しなければいけないということで、汚染海域でとれた魚ではないのだという証明書をつけるのが一つと、汚染海域ではあるけれども軽微な汚染海域であってまず心配がないと思われますという形のものと、二手に用意いたしまして、特に重点的に松山――坂出市の海岸でございますが、松山から王越、それから高松市の下笠居、香西、それから高松市の西浜の区域の沿岸五百メートル付近の魚につきましては、漁業者を指導いたしまして、その辺は問題が残っておるから漁獲をしないようにという指示をいたしまして、安全と思われる海域の漁業をやらしておるわけでございます。
 したがいまして、安全宣言とまではいきませんけれども、県の方へお願いいたしておりますのは、中毒問題については直接魚が原因ではなかったということを広く周知していただきたいということをお願いしておりまして、まだはっきり安全宣言をするところまでは至っておりません。
#137
○瀬野委員 そこで、安全宣言にからんで、中毒問題のことをちょっとお伺いしますけれども、まず松下水産庁次長にお伺いし、逐次左藤政務次官、三菱石油渡辺社長という順序でお伺いしますが、実は、重油汚染魚が原因じゃないかということですが、三菱石油水島製油所の今回の事故によって、高松市沖で掃海中の漁民がとれた魚を食べて七人が中毒症状を起こした事件に引き続いて、今度は高松市内の地元漁民らが下痢や吐き気など中毒に襲われていることが明るみになりまして、県民に大きなショックを与えておるわけでございます。これが十二日の県議会の文教厚生委員会でいろいろと問題化されまして、魚中毒患者の総点検を実施せよというようなことがいろいろ言われておるわけです。そういったことから、県の環境保健部が十三日にこれを受けて、高松市内の西浜地区四漁協の漁民を対象に調査を行ったところ、これがはっきりして県下全般にわたって大きな不安の渦が巻き起こっているということで、現に地元の婦人会の皆さん方やら関係者の方から、香川県全域が中和剤や油で汚れたのだから、一部の海域でとれた魚だけをストップしてもやはり心配である、同じような重油汚染魚が食卓に上るのではないかというふうにも言われており、これはえらい不安げにみんな言っております。さらには、漁業再開以前に県が試食会を行ったというふうに言われておりますが、油臭い魚はいないかということでいろいろ試食をしたのですけれども、先ほど浜野参考人がおっしゃったように、場所によっては一応部分的に安全宣言を行ったところもあるわけですけれども、結局、地元の人たちに言わせますと、これは前もって異臭魚または油まみれになった魚を除いておったということがわかり、結局、そういったものを除いているから異臭魚はいないということになるのじゃないかということで、地元では、ずいぶんずさんな試食会だということで批判の声が高まっているということになっております。これは今後十分対策を練って調査をされるんであろうと思いますけれども、こういったことが市議会で相当問題になっている。また、県の環境保健部でもこういったことを調査して明るみになったというふうに言っているのですが、水産庁松下次長、見解をお聞きしたい。
#138
○松下政府委員 高松市周辺におきます漁業者の方々に中毒事件が発生したという件でございますけれども、この件につきましては、先ほど井上参考人の方から御発言があったとおりでございまして、水産庁といたしましては、県の報告によりますというと重油あるいは中和剤によるものではないというような報告を受けている次第でございます。
 それから、最近の事件につきましては、私ども、県の方からそのような報告はまだ受け取っておりません。
#139
○瀬野委員 左藤政務次官、いまの件ですが、これは重要な問題なのでなかなか簡単にはいかない。これが中和剤によるものだとか、原因が重油汚染によるものだとか、そういうことはなかなかはっきりしないのですけれども、まず間違いないということが地元でも言われ、また、県議会あるいは市議会等でもこういうことがいろいろ論議されておるわけです。あなたは現地対策本部長で、十分こういうことは承知しておられると思うが、こういうことが明らかになった場合には、この中毒患者に対する対策、対処方針はどういうふうにしようと考えておられるか、お答えをいただきたい。
#140
○左藤政府委員 先ほどいろいろお話しがございました点で、まず、第一の、香川県の中毒の二月十日に起こりました問題につきましては、いまのところ、今度の油による汚染で起こった中毒ではないというような一つの報告を受けておりますが、第二番目の、いまお話しがございました点につきましてはわれわれはまだ報告を受けておりませんが、いずれにいたしましても、油が魚に影響して、その魚を食べたということによっての被害を受けた者に対しましては、そういう因果関係が明らかになれば、対策本部といたしましては、その地域に対するいろいろな警戒とかいうふうなことに対する配慮を当然しなければなりませんし、そういった患者に対する補償の問題とか、そういうものについては十分誠意を持ってやっていただくような折衝を三菱石油側とももちろんしなければならない、このように考えております。
#141
○瀬野委員 水産庁次長に伺いますが、現在鳴門ワカメの灰干しというやつが最盛期なんだけれども、例年よりも二十日ぐらいおくれている、しかも収穫が半減しているという問題が一つあるのですけれども、まあ、これは後日いろいろと委員会でも検討、審議することにしたいと思いますが、水産庁、そのように承知しておられますか。簡潔にお答えください。
    〔笠岡委員長代理退席、委員長着席〕
#142
○松下政府委員 鳴門海峡周辺におきますワカメの被害につきましては、私どもも報告を受けておりまして、その対策でございますけれども、若干軽微なものにつきましては、特に灰干しワカメ等の処理その他につきましては、県の方を通じまして、関係漁民の方々の御指導その他をいろいろとお願いしておるところでございます。
#143
○瀬野委員 浜野参考人、いまの件はあなたの県ではないけれども、いろいろと四連の関係でもお聞きになったと思うが、これに対する補償等はどういうふうに対策を進めておられるか、簡潔にお答えください。
#144
○浜野参考人 香川県の場合には、汚染されたと思われたワカメにつきましては、全部摘採をいたしまして、廃棄処分にいたしまして、損害の対象として、三菱側立ち会いの上で検数をいたしまして、後刻その金額を決定するわけでございます。
 それから、鳴門側の分につきましては、鳴門の方針で、いまのところまだ海面の汚染があるので揚げられないということでございますので、私の方の県の事情を申し上げまして、できるだけそういう措置にしてもらうということでお願いをしておりますけれども、はっきりした形の分はまだ出ておりません。しかしながら、一月十五日現在で出しましたところの、地元徳島漁連と徳島県庁が合作でつくりましたところの損害の賠償の中にはその金額を含んでおります。
#145
○瀬野委員 香川県副知事の井上参考人にお伺いしますが、時間がないのではしょって簡潔にお伺いしますけれども、商工業者に対する被害の問題で、先ほど十九業種と申されましたが、ひとつ、この席で十九業種を明確におっしゃってください。
#146
○井上参考人 申し上げます。
 鮮魚卸売業、鮮魚小売業、鮮魚仲買、すし屋、料亭、飲食店、旅館、採貝採草業、その他水産食品製造業、スポーツ用品小売業――これは釣り具の小売り、ノリ養殖資材小売業、木材卸売業、一般製材業、港湾運送業、沿海貨物運輸業、沿海旅客運輸業、桟橋――これはマリーナです。それから石材の加工業、造船業等でございます。
#147
○瀬野委員 井上参考人にお伺いしますが、先ほど、十九業種については全業種に対し被害調査を進めておる、窓口の折衝等を考えている、上月末から三月には解決したい、と、こういうことだったのですが、そのように理解していいですか。ちょっとお答えください。
#148
○井上参考人 これは県が解決しておるというのではなくして、県が取り次ぎをいたしまして、三菱石油の高松現地対策本部の補償担当の方でそのそれぞれの業種からの被害を聞き取り、三菱石油においても調査をして、現在補償の交渉を煮詰めておるということで、そして、三菱側としての意向としましては、二月末ないしは三月には早く解決をしたいというふうな現状でございます。
#149
○瀬野委員 先ほど、三菱石油株式会社の渡辺社長は、これらの被害については、四県で二百三十三件、三十五億円程度の要求を受けておるというようなことでございましたが、これらについて若干お聞きしたいのですけれども、時間がございませんのではしょってお伺いしますが、実は、今回、「三菱石油重油流出事件に伴う緊急対策と美しい瀬戸内海をとりもどすための要求」をしている団体で、三菱石油流出事件対策実行委員会というものができておりますが、これは世話人が岡山県、徳島県、香川県、兵庫県等の人でございまして、「瀬戸内の環境を守る連絡会」、「公害防止倉敷市民協議会」、「阿南市をよくする会」、「香川の環境を守る連絡会」、それから「大阪湾、播磨灘の環境を守る県民会議」、さらには「公害なくせ県民大集会実行委員会」といったようなものがたくさんありますが、これらの皆さん方の要求は、補償もさることながら、何としてももとのきれいな海に返していただきたいというのが切なる訴えでございます。けさほどから三菱の社長も補償問題その他いろいろとおっしゃっておりますが、当然補償は行うと同時に、きれいな海に戻すために最大の努力を払ってもらわなければならぬといったことが地元の皆さん方の強い要望でございまして、被害の全面補償と原状復旧の回復のために対策をすぐに実施してもらいたい、さらには、直接、間接を問わず、すべての被害者への全面的補償を三菱石油に行わせていただきたい、また、流出重油を回収して、海底、海浜、岩礁から完全に除去し、すみやかに復元をしてもらいたい、汚染状況の全面調査と、海洋、生物、人体など環境への影響の総合的調査を実施してもらいたい、と、こういったことをいろいろと強く訴えておられるのは当然のことでございます。
 そこで私はお伺いしたいのだが、この間接被害を受けている皆さん方を軽視しているということで、地元では、先日来百名の方が東京へデモを行い、各関係省庁に、また私たちのところへも強い要請をなさってまいったわけです。われわれも当然のことながらよく事情はわかっておりましたが、要請を聞いて、その深刻さにさらにその感を深くしたところでございます。特に、渡し船、観光釣り舟、えさ虫採取業、勤労者釣りの会というような、先ほど申し上げた十九業種のあらゆる方たちが、ぜひ話し合いをしてもらいたいということで本社に何回行っても会ってくれない。先ほど社長は、誠意をもってこの対策には十分対処するということをおっしゃっておりますし、現地と会社との交渉ということでいろいろやっておられるのだが、実際問題として、一体だれを交渉の相手にしてやればいいのか。本社でも会ってくれないという状態なのだが、これは早急に話し合いの窓口をつくって会ってもらいたい。
 さらには、鳴門市の代表なんかも、誠意ある話ができずに今日まで推移しているが、みんないら立たしい気持ちでおるということで問題になっております。
 こういったことについて、三菱の社長、渡辺参考人は、どういうふうな窓口で会うか、誠意をもってやってもらいたいと思うが、その点のお考えを述べていただきたいと思います。
#150
○渡辺参考人 間接という言葉が俗に言われておりますですが、直接、間接を問わず、被害を受けられた方を軽重を分けるという気持ちは持っておりません。ただ、先ほど来申し上げましたように、いままで賠償の人員の整備だとか体制が不十分でございまして、そういうことからいろいろと問題があったのじゃないかと思いまして、これは本当に申しわけないことと考えておりますが、この間接被害の問題になりますと、現地でのお話しがどうしても一番大切でございますものですから、現地の対策本部に任せております。
 御指摘の会につきましては、十三日の日に会合を持っております。
 以上、お答えいたします。
#151
○瀬野委員 社長さん、いまの件で、いま言ったような、釣り舟だとか、渡し船だとか、それから釣り人だとかいう、間接被害を受けた方たちは、この窓口がほしいというふうに言っておるわけです。その窓口はどこへ行けばいいのか、また、会社としてはそういう人が来ればどこで会われるのか、その点をもう一回はっきりおっしゃってください。
#152
○渡辺参考人 岡山県の場合でございますと、水島に対策本部がございます。こちらですべて処理することになっております。
#153
○瀬野委員 岡山県だけではなくて、ほかの県はどうですか。
#154
○渡辺参考人 香川県の場合は、高松の対策本部でございます。徳島県の場合は、徳島の対策本部でございます。兵庫県の場合は、淡路対策本部でございます。
#155
○瀬野委員 社長さん、おっしゃったようなそういう対策本部にこういう方が来たら、誠意をもって会うように、特にお願いを申し上げておきたいと思います。
 最後に一点お伺いして終わりたいと思いますが、瀬戸内海のタンカーの航行が最近激しいということでいろいろ問題になっておりまして、大型タンカーの規制をしていかなければなりません。
 そこで、現在瀬戸内海の鹿ノ瀬というところに藻場がありまして、これは魚類の大きな繁殖場になっておりますが、これは水産庁の松下次長は御承知かどうか、時間がないから簡潔にお答えください。
#156
○松下政府委員 鹿ノ瀬漁場の点につきましては、報告を受けております。
#157
○瀬野委員 これは唯一の魚類の繁殖場ですけれども、最近の調査によると、浅瀬の移動がずっと見られてきているということが言われておりまして、海図にこれが出ていない。そのために、十万トンタンカーというような大型タンカーが入ってきますと、それに座礁したり、また、浅瀬に乗り上げるというケースがあるし、その危険が最近とみに多くなっておりまして、ひやひやしているというんです。現地ではこれを神風運航、神風操業というふうに言って大変はらはらしておるけれども、これは海図にないと言うんですが、これは環境無視であり、また、安全無視でもあります。海上保安庁なり関係の方は、この件について、これは海図にあるのかないのかということをよくわかっておられるのかどうか。こういったことがはっきりしていなければ、海図に明確にしてないと、これが座礁したら、唯一の魚の繁殖場になっている藻場が壊滅的打撃を受けるという心配があるので、このことについて関係当局からお答えをいただきたいと思う。
#158
○船谷説明員 海図に関しましては、海上保安庁の水路部が担当しておりますが、鹿ノ瀬の浅瀬につきましては、海図に載っていないということは、私といたしましてはいままで聞いておりません。さっそく調査いたしまして、測量をしなくてはいけませんが、よく確かめまして、海図に掲載するような措置をとりたいと思います。
#159
○瀬野委員 以上で質問を終わりますが、いまの問題については、水産庁の方でも早速調べていただきたい。そして、これらが海図に載っていないということは大変な問題だと思うし、さらに事故が今後起きる可能性もあると思いますので、その点十分対処していただきたい。
 時間が参りましたので、これで質問を終わりますけれども、三菱石油株式会社の渡辺参考人は、冒頭の陳述の中で、本日の委員会で指摘を受けた点については、十分これを踏まえて、誠意をもって事故の解決に当たりたいと思っているということの発言がございましたが、そのことを肝に銘じて、大変な問題でございますので、関係漁民、関係者が十分に納得のいく補償をしていただくように強く要望しておきます。
 本日は、忙しい中、四参考人には当委員会のために貴重な意見を陳述していただいて、今後の審議に大変参考になることがございました。心からお礼を申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
#160
○澁谷委員長 以上で、参考人に対する質疑は終了いたしました。
 参考人各位には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼申し上げます。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後二時十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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