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第075回国会 社会労働委員会 第6号
昭和五十年三月十四日(金曜日)
    午前十時十三分開議
 出席委員
   委員長 大野  明君
   理事 菅波  茂君 理事 住  栄作君
   理事 竹内 黎一君 理事 葉梨 信行君
   理事 山口 敏夫君 理事 枝村 要作君
   理事 石母田 達君
      愛野興一郎君    伊東 正義君
      大石 千八君    加藤 紘一君
      片岡 清一君    瓦   力君
      小林 正巳君    田川 誠一君
      田中  覚君    登坂重次郎君
      二階堂 進君    野原 正勝君
      羽生田 進君    橋本龍太郎君
      稲葉 誠一君    金子 みつ君
      川俣健二郎君    島本 虎三君
      田口 一男君    森井 忠良君
      寺前  巖君    大橋 敏雄君
      岡本 富夫君    小宮 武喜君
      和田 耕作君
 出席国務大臣
        労 働 大 臣 長谷川 峻君
 出席政府委員
        総理府人事局長 秋富 公正君
        労働省労政局長 道正 邦彦君
        労働省労働基準
        局長      東村金之助君
        労働省労働基準
        局賃金福祉部長 水谷 剛蔵君
 委員外の出席者
        大蔵省銀行局銀
        行課長     宮本 保孝君
        建設省住宅局住
        宅計画課長   京須  実君
        社会労働委員会
        調査室長    濱中雄太郎君
    ―――――――――――――
委員の異動
二月二十八日
 辞任         補欠選任
  伊東 正義君     細田 吉藏君
  高橋 千寿君     根本龍太郎君
  稲葉 誠一君     阿部 昭吾君
同日
 辞任         補欠選任
  根本龍太郎君     高橋 千寿君
  細田 吉藏君     伊東 正義君
  阿部 昭吾君     稲葉 誠一君
三月一日
 辞任         補欠選任
  江崎 眞澄君     小林 正巳君
同月三日
 辞任         補欠選任
  岡本 富夫君     矢野 絢也君
同日
 辞任         補欠選任
  矢野 絢也君     岡本 富夫君
同月四日
 辞任         補欠選任
  小宮 武喜君     神田 大作君
同日
 辞任         補欠選任
  神田 大作君     小宮 武喜君
同月五日
 辞任         補欠選任
  瓦   力君     小坂徳三郎君
同日
 辞任         補欠選任
  小坂徳三郎君     瓦   力君
同月六日
 辞任         補欠選任
  稲葉 誠一君     野坂 浩賢君
  森井 忠良君     美濃 政市君
  小宮 武喜君     神田 大作君
同日
 辞任         補欠選任
  野坂 浩賢君     稲葉 誠一君
  美濃 政市君     森井 忠良君
  神田 大作君     小宮 武喜君
同月七日
 辞任         補欠選任
  小林 正巳君     中村 梅吉君
同日
 辞任         補欠選任
  中村 梅吉君     小林 正巳君
同月十二日
 辞任         補欠選任
  瓦   力君     千葉 三郎君
  小林 正巳君     中垣 國男君
  住  栄作君     濱野 清吾君
  高橋 千寿君     木村 武雄君
  島本 虎三君    米内山義一郎君
  小宮 武喜君     神田 大作君
同日
 辞任         補欠選任
  木村 武雄君     高橋 千寿君
  千葉 三郎君     瓦   力君
  中垣 國男君     小林 正巳君
  濱野 清吾君     住  栄作君
 米内山義一郎君     島本 虎三君
  神田 大作君     小宮 武喜君
同月十三日
 辞任         補欠選任
  伊東 正義君     田村  元君
  加藤 紘一君     徳安 實藏君
  粕谷  茂君     中村 寅太君
  住  栄作君     染谷  誠君
  田邊  誠君     大柴 滋夫君
同日
 辞任         補欠選任
  染谷  誠君     住  栄作君
  田村  元君     伊東 正義君
  徳安 實藏君     加藤 紘一君
  中村 寅太君     粕谷  茂君
  大柴 滋夫君     田邊  誠君
同月十四日
 辞任         補欠選任
  大橋 武夫君     大石 千八君
  粕谷  茂君     片岡 清一君
  高橋 千寿君     愛野興一郎君
  田邊  誠君     山崎 始男君
同日
 辞任         補欠選任
  愛野興一郎君     高橋 千寿君
  大石 千八君     大橋 武夫君
  片岡 清一君     粕谷  茂君
  山崎 始男君     田邊  誠君
同日
 理事山口敏夫君同日理事辞任につき、その補欠
 として住栄作君が理事に当選した。
    ―――――――――――――
三月六日
 下水道の整備等に伴う一般廃棄物処理業等の合
 理化に関する特別措置法案(橋本龍太郎君外十
 名提出、衆法第四号)
同月一日
 国民健康保険制度の改善に関する請願(田中美
 智子君紹介)(第一〇二九号)
 同(寺前巖君紹介)(第一〇三〇号)
 原爆被爆者援護法制定に関する請願外一件(赤
 松勇君紹介)(第一〇三一号)
 民間保育事業振興に関する請願(橋本登美三郎
 君紹介)(第一〇六五号)
 療術の制度化に関する請願外十八件(阿部昭吾
 君紹介)(第一〇六六号)
 同外十三件(松澤雄藏君紹介)(第一一〇三
 号)
 社会福祉労働者の労働条件改善等に関する請願
 (伏木和雄君紹介)(第一〇六七号)
 同(伏木和雄君紹介)(第一一〇四号)
 同(正木良明君紹介)(第一一〇五号)
 同(松尾信人君紹介)(第一一〇六号)
 同(松本忠助君紹介)(第一一〇七号)
 建設国民健康保険組合に対する国庫補助増額に
 関する請願(瀬野栄次郎君紹介)(第一一〇八
 号)
 戦時災害援護法制定に関する請願(荒木宏君紹
 介)(第一一六三号)
 医療機関の整備充実に関する請願(石母田達君
 紹介)(第一一六四号)
 同(寺前巖君紹介)(第一一六五号)
 同(土橋一吉君外一名紹介)(第一一六六号)
同月六日
 社会福祉労働者の労働条件改善等に関する請願
 (伏木和雄君紹介)(第一二〇二号)
 療術の制度化に関する請願外一件(中馬辰猪君
 紹介)(第一二〇三号)
 同外四件(左藤恵君紹介)(第一三二八号)
 障害者の生活及び医療保障等に関する請願(土
 橋一吉君紹介)(第一二四二号)
同月十二日
 社会福祉労働者の労働条件改善等に関する請願
 (伏木和雄君紹介)(第一三七二号)
 戦時災害援護法制定に関する請願(田中美智子
 君紹介)(第一三七三号)
 同(伊藤宗一郎君紹介)(第一四五七号)
 老後の生活保障確立に関する請願(石母田達君
 紹介)(第一三七四号)
 医療機関の整備充実に関する請願(加藤清二君
 紹介)(第一三七五号)
 同(木島喜兵衞君紹介)(第一三七六号)
 同(小林信一君紹介)(第一三七七号)
 同(佐野進君紹介)(第一三七八号)
 同(嶋崎譲君紹介)(第一三七九号)
 同(中村重光君紹介)(第一三八〇号)
 同(板川正吾君紹介)(第一四五四号)
 同(岡田哲児君紹介)(第一四五五号)
 同(竹村幸雄君紹介)(第一四五六号)
 同(長谷川正三君紹介)(第一五〇八号)
 同(美濃政市君紹介)(第一五〇九号)
 民間保育事業振興に関する請願(濱野清吾君紹
 介)(第一四二五号)
 国立小児腎センター設立に関する請願(志賀節
 君紹介)(第一四二六号)
 同(古屋亨君紹介)(第一四五八号)
 療術の制度化に関する請願外十一件(萩原幸雄
 君紹介)(第一四二七号)
 育児休業制度の拡充強化に関する請願(小沢貞
 孝君紹介)(第一四五九号)
 原爆被爆者援護法制定に関する請願(庄司幸助
 君紹介)(第一四六〇号)
 同(田中美智子君紹介)(第一四六一号)
 同(津川武一君紹介)(第一四六二号)
 同(寺前巖君紹介)(第一四六三号)
 同(中川利三郎君紹介)(第一四六四号)
 同(田中美智子君紹介)(第一五一〇号)
 クリーニング業法の一部改正に関する請願(伊
 藤宗一郎君紹介)(第一四六五号)
 原子爆弾被害者援護法制定に関する請願(渡部
 一郎君紹介)(第一四六六号)
 同(内海清君紹介)(第一四八〇号)
 同(小宮武喜君紹介)(第一四八一号)
 同(玉置一徳君紹介)(第一四八二号)
 同(竹本孫一君紹介)(第一四八三号)
 同(和田耕作君紹介)(第一四八四号)
 同外二件(山田太郎君紹介)(第一五一一号)
 建設国民健康保険組合に対する国庫補助増額に
 関する請願(瀬野栄次郎君紹介)(第一四八五
 号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 理事の辞任及び補欠選任
 勤労者財産形成促進法の一部を改正する法律案
 (内閣提出第二五号)
 公共企業体等労働関係法の一部を改正する法律
 案(内閣提出第二八号)
 中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案
 (内閣提出第三〇号)
     ――――◇―――――
#2
○大野委員長 これより会議を開きます。
 勤労者財産形成促進法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。枝村要作君。
#3
○枝村委員 前回に引き続いて質問を行いたいと思います。
 最初に転貸融資についてお伺いしてみたいと思うのですが、これは貯蓄残高が五十万以上の者に残高の二倍までを雇用促進事業団の発行する債券利率で貸し付けるというようになっておるのでありますが、現在、その有資格者がどの程度いると見ているのか、お伺いいたします。
#4
○東村政府委員 現在、この融資制度の貸し付けが開始されるのは五十二年度を予定しておりますが、この融資の資格要件を満たす勤労者の数は、現在の財形貯蓄の実態から推計いたしまして、約十一万四千人にはなると考えております。なお、このうち、現実にこの融資を利用するという人は限られるわけでございます。それは、具体的に住宅建設計画を持っている者が借りるというかっこうになるわけでございますが、そういう勤労者の割合などを考えますと、約四千人ないし五千人にはなるというふうに考えております。
#5
○枝村委員 実際に今日のようなこういう不況の世の中になっておるのですから、しかも、いままでに家を持っておる人、取得しておる人たちがその償還に大変困っておることはもう御承知のとおりであります。ですから、そういう状況とにらみ合わせてみまして、今後これの貸し付けを受ける者がどの程度になるであろうか、実際にこれが運用され、利用されて、持ち家制度そのものが、転貸融資によるその制度が本当に有効に活用されるものであろうかということが心配されるわけでありますが、そういう意味からして、どういう見通しを持っておられるのか、お伺いいたしたいと思います。
#6
○東村政府委員 これはただいま申し上げましたように五十二年度からでございますので、その時点になってみないと正確なことは申し上げられませんが、有資格者即融資を受ける人というわけではございませんで、有資格者のうちで住宅建設計画というものを具体的に持っている人、これが実際問題として貸し付けを受ける方になると思いますが、それが現在の推計では十一万四千人の中で四千人ないし五千人であろうと考えております。
#7
○枝村委員 そういう意味で四千と言われたのですか。――ああそうですか、わかりました。しかし実際には、いま言いましたように、貸し付けを受ける人たちが、その融資によって家は建てられるけれども、結局償還に困るという事態が生まれてくると思うので、償還に対する便宜の方法なんかも少しは考えていかなければならぬということになってくると思うのです。その問題はまた後で時間があれば申し上げたいと思うのです。
 その次に、雇用促進事業団が現在行っている財形持ち家分譲融資の実績はどんなもんですか。
#8
○東村政府委員 現在持ち家分譲融資を行っておりますが、これは四十八年九月から行われたわけでございます。四十八年度におきましては百億円、四十九年度におきましては百三十億円の融資の枠を設定したわけでございますが、制度が発足してまだ日なお浅いということと、たまたま景気が非常にかげってきたということがございまして、現在それほどの実績を上げておりません。現在は約三十一億という数字になっております。五十年度になりますとまた新しい枠を設定するわけで、私ども百三十億程度、つまり四十九年度と同じことを考えておりますが、逐次この持ち家分譲融資の趣旨も徹底してまいりますし、経済が安定してくればさらに貸し出しは伸びるのではないかというふうに考えます。いずれにいたしましても、こういう持ち家分譲の状況でございますので、今回の法律案におきまして個人の融資制度の道を開こうということを考えたのも、一つはそういう趣旨でございます。
#9
○枝村委員 実績は本当に芳しくないのですが、いまあなたは、物価が上がったとか、あるいは金融の引き締めとか不況、こういうものが原因でそういう芳しくない成績になったと言われるのですが、そのほかにはないのですか、それだけですか。
#10
○東村政府委員 一般的、抽象的に申し上げますとそういうことだと思うわけでございますが、やはり持ち家の分譲となりますと、たとえば個々の勤労者がある程度宅地を確保している、あるいは私はここに建てたいというような希望がありましても、やはり事業主がみずから土地を手当てして、みずからの負担において建てるということになりますと、なかなかかゆいところに手が届かないという事態も生じまするので、伸びないという事実も一つあるんではないか、かように考えております。
#11
○枝村委員 その次に、財形持ち家個人融資が新設されたわけなんですが、そうして勤労者が直接または間接的に住宅融資を受けられるようになったのですが、事業団が行う転貸融資と公庫が行う財形融資等は、その対象はどのように振り分けられていくのか、その点をお伺いします。
#12
○東村政府委員 「事業主又は事業主団体」ということがワンセットで出てまいりますが、わかりやすく事業主という場合に限って申し上げますと、まずその企業の中で転貸融資制度を設けている事業主に雇用されております勤労者につきましては、原則として勤労者が事業主に融資を申し込む、そうして事業主はこれを受けてそのための資金を借り入れるわけですが、それを雇用促進事業団が貸し付ける。それから一方、転貸融資制度を設けていない事業主に雇用されている勤労者については直接住宅金融公庫等に融資を申し込む、こういうふうになるわけでございます。
 なお、転貸融資制度を設けていると申しましても、それが死文化していたり、つまり実際に動かなかったり、ないしはその労働者が転退職が間近であるというようなやむを得ない事情がある場合には、直接住宅金融公庫の方がその融資を申し受ける、かように考えております。
#13
○枝村委員 この貸し付け利率が事業団の債券利率と同一であるということだそうですが、これでは優遇したとは言えない体裁を持つことになるわけなんですね。それともう一つ、財形持ち家個人融資については債券の調達金利に応じたもので貸し付ける、また国が利子補給しないのを制度的前進だと言うわけにはいかないような気がするのですが、こういう点はどうなんですか。
#14
○東村政府委員 勤労者が自分で家を建てようとする場合には、まず自分でお金をためる、つまり自己資金、それから住宅金融公庫というような公の融資を前提にするわけですが、通常はそれでは足りませんので、自分の勤めている企業から融資を仰ぐとか、さらには民間の金融機関から融資を受けるとか、もっと言えば、個人的にいろいろ駆けずり回って融資を受ける、こういう実態があるわけでございます。しかし、いま申し上げました自分の勤めている企業とか、民間の金融機関とか、その他からお金を借りるというのはなかなか大変でございます。どうしても公の形ですんなり融資が受けられるという道が大切でございます。そこで、財形貯蓄を一定の要件のもとに行えば、その残高の二倍は確実に融資を受けられるという仕組みをつくること、つまり融資を受けるその量をふやすということが当面きわめて重要な問題だと思うわけでございます。そういう意味では、ただいま先生御指摘の利子の点について欠ける点がございまするけれども、これはそれ自身一つの前進であり、勤労者に対する優遇措置だとわれわれは考えております。
#15
○枝村委員 結局、利子の補給を国がしないということなどの点については、これは前進的なものだとは言えないけれども、容易に借りられるような道を開く、この方にやはり重点を置いてこのような措置をした、こういうことですね。
 次に、財形持ち家融資の資金調達枠は、財形貯蓄残高の三分の一ということですが、勤労者への還元というなら、これはむしろ全額回すべきだというふうにわれわれは思っておるのです。すでに三千七百億円も財形貯蓄がたまっているのに、財形持ち家個人融資の開始時期が先ほど言われたように五十二年度になっているということも、どうもいま言いました点から言って、あわせておかしいと思うのですが、どうですかこれは。
#16
○東村政府委員 枠の問題でございますが、まず申し上げたいのは、この財形貯蓄を取り扱っている金融機関などに、先生ただいまおっしゃったように、その貯蓄に対応いたしまして雇用促進事業団等の財形持ち家融資の資金について一定の協力をすべきことを法律上義務づけておるわけでございますが、こういう制度をつくってあるのがほかに例を見ないところでございます。
 さらに申し上げたいのは、各金融機関等が受け入れる財形貯蓄は、御承知のとおり一年間は払い出しをしないことになっておりますが、そう長期に置くということはない場合が多いわけでございますが、雇用促進事業団等に対する資金協力、その協力した結果のお金は通常はかなり長期のものとなるという、預金する場合と貸し付ける場合、一方は短期で一方はかなり長期だという問題がございます。したがいまして、財形貯蓄の金利であるとか預金の量、それから銀行に滞留している状況、資金需要等々の要素を総合勘案して、関係各省の間において財形貯蓄残高の三分の一を限度とする、かように考えたわけでございます。もちろん、将来必要があればこの限度額の変更については関係大臣の間で協議していただくということは考えております。
 それからもう一つ御質問の、五十二年度からこれを実施することの問題でございますが、私どもは、この制度は三年貯蓄をした人にその資格を与えるということを考えております。したがいまして、この改正案が成立した後三年以上経過してから貸し付けを開始するというのが通常だと思うのでございますが、これまで財形貯蓄を行ってきた人がこういう制度ができるということになりますと、その条件に合致するように素早く、いろいろの考えのもとに要件に満てるように努力されると思うのです。そういうこともありますし、かつ、できるだけ早くこの資金を活用するという見地から実は五十二年度に繰り上げた、かように考えておるわけでございます。
#17
○枝村委員 七十二国会に出されて廃案になったあの改正案よりはいいということなんですね。
 その次に、財形貯蓄の資金活用の道を持ち家融資に限っているのはやはりちょっと問題であるようですから、これをもっと勤労者の福祉のために役立てることを考えるべきではないかというふうに思っております。たとえば、そのために財形貯蓄は全額特定機関に集積して、住宅貸し付けばかりではなく、労働金庫への預託とか、勤住協、住宅生協への運用資金貸し付け、育英事業への貸し付けなど、労働者の福祉向上に広く活用する道を講ずべきだという声が相当各方面からも出ておると思うのです。ですから、ひとつこの際これは検討してみてもらいたいと思うのです。財形の本質との関係などがあってなかなか事務当局はうんと言わぬようでありますけれども、しかし、銀行に預けてその三分の一を、いま局長が言いましたように、事業団の方へ回すとか労働者に還元するというふうなそういう約束事をするのは珍しいので、かえって前進だというようなことを言っておりますけれども、しかし、あとの三分の二は銀行が勝手にどこにでも貸し付けたりなんかしているのですから、そういうことを思えば、いま私が言いました方向にいろいろな貸し付けを行って、労働者の福祉向上に利用させるということも基本的に決しておかしいことではないと思うのです。ですから、ひとつ大いに検討しておいてもらいたいと思うのですが、いかがですか。
#18
○東村政府委員 お話の前提に、特定機関に財形貯蓄を集めるというお話がございましたが、この財形貯蓄はできるだけ勤労者が自由に便宜に参加できるということが一つの利点でございますので、そういう意味では、何か特定の機関に集中的といいますか専門的に扱わせるということは必ずしも適当ではないんじゃないかと思うわけです。
 ただ、そこに先生の力点があるのではなくて、資金をもう少し広く使わせることはできないかという御趣旨だと思います。この問題につきましては、実は昭和四十八年十一月に勤労者財産形成審議会から答申がございまして、その中にいろいろ言われている中で、当面勤労者による取得保有を保進すべき財産の範囲としまして、金融資産と持ち家ということがうたわれておりますので、その線に沿って現在考えておるわけでございます。なお、育英事業であるとか賃貸住宅の新しい考え方等々ございますが、育英事業まではなかなか手が回りかねますが、財形の持ち家融資制度というものが現在ございまするので、賃貸住宅制度をどうするかというのは、はなはだむずかしい問題ではございますが、この財形持ち家融資制度の今後の実績も勘案の上、将来の検討の課題としてまいりたい、かように考えております。
#19
○枝村委員 もう一つあるのですが、先ほどお話がありましたように莫大な保有資金があるのですが、これを活用して財形契約者のために財形賃貸住宅制度、こういうものを新しく設けて、そして地方公共団体、勤住協などにその建設、管理を委託することなど、こういうことをもひとつ考えてみてはどうか、こういう意見もまた各方面から盛んに出されておるわけです。こういう問題についてはどうお考えになりますか。
#20
○東村政府委員 実はただいま概括的にお答えした中の具体的な御提案でございますが、現在最も望んでおりますのは持ち家ということでございまして、ただいま申し上げました四十八年十一月の財形審議会の答申におきましても、一般的に住宅土地対策ということが必要であり、やはり良質、低家賃の賃貸住宅の大量供給が考慮されなければならぬという指摘がございますが、財形政策においては「このような一般的な住宅、土地対策との関連、また勤労者の望ましいライフサイクルとの関連において持家取得を促進するよう考えなければならない。」こういう御指摘をいただいているわけでございます。したがいまして、賃貸住宅の問題は財形政策以外の一般の政策としてやる、持ち家の問題は財形の方でやる、こういうふうに指摘されたわけでございますが、せっかくの御指摘でもございまするので、これまたむずかしい問題ではございますが、財形持ち家融資制度の今後の実績も勘案の上、将来の検討課題といたしたいと思います。
#21
○枝村委員 その次に、転職したときの取り扱いについては、今回継続措置がとられておるのですが、しかし、私どもから言うとなお不十分な点があるのです。たとえば、転職先の企業が財形貯蓄を取り扱わなければこれは継続することができぬようになっているのです。そうなるとこれはどうも救いようの道がありませんな。また、不況下であるだけにやむを得ず離職した者の継続措置、これは六カ月だとか言っておりますが、果たしてそれが妥当であるかどうか、こう考えてきますと、もう少ししっかりした救済措置はないものかどうか、こういう点をお伺いしておきます。時間が余りないから簡単に答えてください。
#22
○東村政府委員 御指摘の点につきましては私どもも再々関係者の方から問題提起をいただいておりますが、この法案においては、それが法的にきちっとしたものはないのは御指摘のとおりでございます。ただ、転職した先のところに、この財形貯蓄をやる、つまり事業主としては天引きをするということを強制するわけにいきませんので、あくまでも労使の自主的な合意が必要だということでございます。ただ、御承知のとおり、現在の勤労者財産形成促進法第七条におきまして、事業主は財形貯蓄について勤労者に協力しなければならぬという規定がございます。その規定に基づきまして、われわれといたしましては、ただいま先生御指摘のようなことができるだけ防げるように行政指導をしてまいりたい、かように考えております。
#23
○枝村委員 その規定に基づく行政指導をひとつよい方にやってもらうように、こういう心配がないようにひとつしてもらいたいと思うのです。
 その次に、範囲を生命保険とか農協共済に拡大するのですから、当然生協共済もその対象となるようになるのでしょう。その点をひとつ確認をしておきます。
#24
○東村政府委員 今回の法律案の上では、「政令で定める生命共済の事業を行う者」とこういうふうになっておりまして、生協を定める道が開かれております。財形貯蓄の要件を満たす限り、生協の生命共済も対象となることができることとなっております。
#25
○枝村委員 それから、公務員等の今後の取り扱いはどうするか明らかにしておく必要があると思うのでお伺いしたいのですが、これは雑則、十五条ですか、ここに、いわゆる個人貸し付けですか、そういう制度が公務員にもこしらえようとすればできるような道が開かれておるわけなんですね。
#26
○東村政府委員 そのとおりでございます。
#27
○枝村委員 総理府の人事局長来ていらっしゃいますね。そういう道が開かれておるのですから、国家公務員の共済組合法を改正して、そして公務員労働者にもこういうことが受けられるように早く措置していただきたいと思うが、どういうお考えを持っていらっしゃいますか。
#28
○秋富政府委員 先生御指摘のとおり第十五条の二項並びに共済組合法の改正をいたしまして、国家公務員につきましては、国家公務員共済組合法並びにその連合会が財形貯蓄の一部を原資といたしまして公務員に対し直接融資するということになっておるわけでございます。今後も公務員の特殊性を考慮しながら、民間とのバランスの保持に十分配慮しながら、関係方面とさらに協議して推進してまいりたい所存でございます。
#29
○枝村委員 時間が来ましたのでこのあたりで終わりますが、大臣に最後に一つお伺いしておきたいのです。
 これは後から賛否の討論があるときに詳しく申し上げるのですけれども、大体、今次の改正案はわずかの税の優遇措置がとられているだけで――という言葉はちょっと大げさでありますけれども、財形貯蓄の範囲の拡大とか給付金、助成金制度、転貸融資などについてそれぞれ前進の道は開けておりますけれども、特段の実益がないような気がしてならぬのですよ。詳しくは申し上げませんが、そう見てまいりますと、特別に積極的にこの改正案はほめてあげるようなものではないし、だからといってこれは改悪だと決めつけるようなものではないような気がするのです。そこで、私が前回申し上げましたように、審議会の答申を今後ひとつ十分に尊重して、財形促進の具体化がいろいろ行われると思うのです、こういうものも常に審議会に諮りながら、そこの知恵をかりながらやってもらいたいと思います。そして、私どもが進んで積極的にこれに賛成ができるようにしてもらいたいものだと思うのですが、最後に大臣のそれに対するお考え方を聞いておきたいと思います。
#30
○長谷川国務大臣 勤労者が家を持つということは気持ちが落ちつくことでありますし、福祉の充実として一番最後の問題、こう思いましてこういう改正案などを出して前進をしている、こう思いますが、従来とも審議会の中にはいろいろな権威者がおりまして、その意見の中から私たちは提案をしておりますので、いまから先もそういうことを理解しながら、しっかりと研究しながら一層の拡充を図ってまいりたい、こう思います。
#31
○枝村委員 質問を終わります。
#32
○大野委員長 石母田達君。
#33
○石母田委員 私は、きょう財形法と、それに関連いたしまして現在の住宅ローンの問題、それから住宅金融公庫の申し込みなどの公正の問題という点について質問したいと思います。
 初めに、今回出されている財形法に関連して、いま財形の方の貯蓄残高は、四十九年の十二月現在で約三千七百五十二億円というふうに調べられておりますけれども、これでよろしいのですか。
#34
○東村政府委員 そのとおりでございます。
#35
○石母田委員 それから、契約件数は約三百六十五万件となっていますが、これは前年度に比べて何%ぐらい、それから何件ぐらいふえていますか。
#36
○東村政府委員 ただいまその数字を調べますが、前月に比べまして八万一千五百人ふえております。
#37
○石母田委員 去年の数がわかれば、ふえた数はわかるはずです。
#38
○東村政府委員 手元に具体的資料ございますが、ちょっと時間をお与えください。
#39
○石母田委員 それじゃ、一人当たりの残高は九万四千八百三十五円、これは一人当たりの平均の貯蓄高、こう見ていいのですか。
#40
○東村政府委員 おおむねそういうことでございます。
#41
○石母田委員 それから、この財形の中でいわゆる住宅融資という形で利用された額は、昨年度、年間どのくらいになっていますか。
#42
○東村政府委員 現行では御承知のとおり分譲融資ということでございますが、それは三十一億何がしでございます。
#43
○石母田委員 法律によりますと、こうした融資に回される分は三分の一が限度額になっているわけですね。そうすると、いまの三十一億円に見合う融資枠というのはどのくらいですか。
#44
○東村政府委員 三十一億に見合うといいますとその三倍ということになるわけでございますが、ただいま先生御質問の趣旨は三千七百五十億の三分の一、だから千二百億何がしということになるわけです。
#45
○石母田委員 だから最初の答えは違うでしょう。この三十一億円の三倍じゃなくて、積み立ての三分の一がその枠ということですね。
 これは、四十九年十二月の貯蓄残高で見ていいわけですね。
#46
○東村政府委員 それはその年度年度のお話でございまして、そのとおりでございますが、もう少し御説明いたしますと、大体各年の前において予算折衝がございます。そのときには、ただいまお話しございました、たとえば三千億なら一千億でございますが、それを全部予算に計上するか、あるいはそのうちの見込み的なもの、計画的なものを考えてやるか、これはまた別でございまして、実際には四十八年度においては百億、四十九年度においては百三十億という枠を設定したわけでございます。
#47
○石母田委員 五十年度はどういう見込みになっていますか。
#48
○東村政府委員 これからのお話でございますが、五十年度も四十九年度と同じく百三十億を考えております。
#49
○石母田委員 いまお聞きのとおり、利用される額が実際には非常に少ないわけですけれども、この主な原因というのは、やはり総需要抑制というか現在の不況、あるいは土地代の高騰、あるいは諸建築資材の値上げとかというような問題が反映して、そうした会社が住宅を分譲で売るというような建設が非常に少なくなっている、したがって利用することも少ない、こういうことでしょう。
#50
○東村政府委員 おおむねそういう原因だと思います。
#51
○石母田委員 そうすると、今度の改正によってそれがどのように大きく改善される見込みがあるのか、もし試算でもあれば聞かしていただきたいと思います。
#52
○東村政府委員 今度の改正といいますと、従来は分譲融資でございますので、事業主がその責任において住宅を建てて、勤労者の希望者に分ける、こういう形をとるわけでありますが、今度の改正案では、それはそれとしておきますけれども、それ以外に労働者自身が土地を手当てし、あるいは自分の希望によりましてお金を借りたいという場合には、事業主を通じて借りる又貸し、転貸という形と、それから勤労者が直接借りるという直接貸しと二つの道を開いたわけでございます。これは分譲スタイル、つまりいままでのやり方でございますと、勤労者自身がここへ建ててもらいたい、あるいはおれは土地を持っているんだけれども、建てたいなと思ってもなかなかうまくいかないという問題がございましたので、直接勤労者の思うところに家が建てられるように、こういうことを考えたわけでございます。
 数字については、これからどのくらい借りる人が出てくるかという……
#53
○石母田委員 去年くらいまではよく聞いて、これくらいの収入の人がこれだけやれば、何年後にこれだけの建物が建てられるというような試算があったんですね。よく聞かしてもらったのです。ことしはまだ聞いてないから、あれば聞かしてほしい。
#54
○水谷政府委員 一つの試算でございまして、そんなに貯金ができるかどうかといういろいろな御意見もあろうかと思いますが、仮に毎月二万円、それから年二回のボーナス期に十万円の財形貯蓄を五年間行うというように仮定いたしますと、利息等がつきまして大体五年間で二百五十万程度になる。したがいまして、その二百五十万程度の貯金を五年たって持った人は、その倍額の五百万円が借りられる。したがいまして、そこで七百五十万円が一応調達できる。それに今回の制度では一般人としての公庫の融資とのあわせ貸しができるということでございますので、公庫の五十年度の融資枠が木造の場合に四百五十万円というように承っておりますので、それと合わせますと一千二百万円というお金になるわけでございます。一千二百万円で家ができるかどうかという問題ももちろんございますけれども、まあ住宅の建築ならば一千二百万円あればできるといいますか、土地問題等いろいろ問題があることはもちろん承知いたしておりますけれども、まあ大体そんな積算といいますか、見通しといいますか、そんなことを考えているわけでございます。
#55
○石母田委員 その試算の場合に、この人の返さなければならない金は毎月大体どのくらいになりますか。
#56
○水谷政府委員 仮にいまの想定ですと五百万円借りたわけでございますが、実は試算しましたのはちょっと大きくて、最高が一千万円でございますので、一千万円借りた場合を試算したわけでございます。一千万円借りたとしますね、一千万円借りた人が、住宅金融公庫の四百五十万円借りたものと合わせた場合に返す金額というのは、毎年の返済額は、もちろん償還期間が木造の場合は十八年、その他耐火の場合で二十五年とか三十五年とかいろいろケースがございまして違いますけれども、木造の場合で九十八万円、簡易耐火構造の場合には八十五万円、耐火構造の場合には七十七万円ということになります。実際に借りた人が償還する場合には、月々月賦で均等で償還する場合と、それから私ども実際に行っておりますのは、ボーナス期にはその数倍返すといいますか、一千万借りますと、五百万円はボーナス期償還、それから月々均等償還はその半分というようなことをいたしておりますので、大変でないということはございませんけれども、まあその程度の金額になるということでございます。
#57
○石母田委員 かなり大変なことですね。毎月二万円で、年二回ボーナス期に十万円ずつ、二十万円ということだね。それで五年間やって、こうした金になっても、いまの土地とかあるいはまたこの返済ということを考えますと、労働者が果たしてこういうものに魅力を感じ、あるいは実際実現可能であろうかというと、いまの五年後の状況の見通しがどうなるかということが非常に不安な状態ですから、実際にいって非常に大変だろう。これは事業主であろうと個人であろうと、建てる条件というのはそう変わりないわけです。ただ、直接借りられるあるいは又貸しになるということから、借りる形態は、窓口はそれは広げられるかもしれぬけれども、実際のいま建設がなかなか利用されにくい条件というものは、個人の場合も事業主の場合でも、そう変わりはない。
 そうしたときに、今度の改正によって、ではどう見通しが変わるかというと、いま申しましたように、それは窓口は利用しやすくなるけれども、利用する条件というものはこれによっては大幅には改善されない、こういう問題があるわけです。そうしますと、先ほどの三十一億円ということがあるけれども、これが個人になったからといって大幅に借りられる改善があるかというと、今年度も昨年度と同じような予算を組んでおられるということから見ても、そう大幅な改善にはならない、利用者がぐっとふえるというようなふうには思えないのですが、どうでしょうか。
#58
○東村政府委員 ただいま賃金福祉部長からいろいろ数字を申し上げましたが、いろいろの試算でございまして、特に現時点におけるお話でございます。先生おっしゃるように、これから先、もっとインフレになるじゃないか、もっと土地が上がるじゃないかということになれば、これから先、賃金もどういうふうに上がるかという問題にもなりまして、なかなか見通しがつかないことは事実でございます。これだけでやはりりっぱなうちが建つかと言われると、ちょっと問題があることは私ども承知しておりますが、何せ勤労者が自分の持ち家を持ちたいという願望は非常に強いわけでございますので、それを何とかして少しでも楽になるように、少しでも援助できるようにという趣旨でやっておりますので、一気にはできませんが、できるだけそれに近づけるような努力をしている、そのあらわれが現在逐次こういうふうに出ているわけでございまして、御指摘のように、すぐこれだけでうちが建つというわけではございません。
 先ほどもちょっと申し上げましたように、とにかくまずうちを建てるお金が欲しいのだ、ところが、自分の勤め先の会社へ行ったり、あるいは銀行へ行ったり、友だちや親戚へ行ってかき集めるという、非常に苦労をされている。少なくとも、そこだけは資金が筋を通して借りられるようにしようじゃないかという問題が一つございます。もちろんその返済にはいろいろ問題がございますことは承知しておりますが、そのようにして、逐次逐次勤労者の努力が報いられるように何とかしてみたいというのが趣旨でございまして、これだけで終わるわけではございませんし、いろいろの条件が重なってくると思いますが、さらに努力はしたい、かように考えております。
#59
○石母田委員 つまり、今度の予算でも百三十億、昨年度と同じだ、そして枠だけは三千七百五十二億円の三分の一の約千二百億円の限度額はある。これは後で正確な数字を聞けだいいのですけれども、毎月八万人ずつふえる。前年度に比べて百万人以上たしかふえているはずです。そうでしょう。そうしますと、積み立てはどんどん伸びていく、利用する額は、三分の一の限度額は、使える枠は、これまた伸びる、しかし利用する額はそれほど飛躍的には伸びない。こういう実態の中でどういうことが起きるかといいますと、利用されない部分、つまりこれは事業団にやってしまうわけじゃないから、結果金融機関に残ったままでしょう。そうしますと、いま都市銀行、信託、あるいは長期信用銀行、地方銀行、証券、こういうところで現行の制度では扱っておるわけですけれども、そのほかに労金がありますが、そういうところで資金を運用する部分がふえるという結果になるわけです。そうしますと、私どもがこの財形法が制定されたときに指摘したとおり、これは結局金融機関の資金集めじゃないかということを指摘して私どもは反対の立場の理由の一つにしたわけですが、こういう傾向がこの不況という状況の中でますます増大していくのじゃないかというふうに思うのですけれども、この金融機関に貯蓄されたものがどのように利用されて、そうしてどのくらいのものを生み出したのか、あるいはそういうことをチェックする――たしか調整年金のときには、一年に一回か何かやったときにチェックする、三月三十一日か何かにあったけれども、これは何か都市銀行は、出したものについてチェックする、そういうシステムは何かあるんですか。
#60
○東村政府委員 その前に申し上げますと、先ほどの増加している人間の数でございますが、百二十五万人の増加でございます。
 それから、ただいまのお話でございますが、一言お断りしておいた方がいいと思うのですが、先ほど五十年度に同じく百三十億円と申し上げましたのは持ち家分譲の方でございまして、いま御議論になっている個人融資の方は五十二年度からでございますので、その金額とは一応別の問題でございます。
 いずれにいたしましても、五十二年度からどういうふうに融資がさばけていくかという問題は、繰り返しますように、もう少し時間的に接近しないとわかりませんが、私どもは、当初はどのくらい伸びるかわかりませんが、かなり伸びるのではないだろうか、少なくとも現在の持ち家分譲の三十何億というそういう割合よりはかなり伸びるのではないだろうか、かように考えております。
 それから、やや問題がずれるかもしれませんが、この財形貯蓄は大体一年据え置きというのが多いわけでございますが、融資になりますと、十年だとか十八年だとか長い期間寝かせるといいますか、そういう活用の仕方になりますので、そこにバランスといいますか、滞留期間の問題、貯蓄量の問題、利子の問題、いろいろ絡んでまいりますので、なかなか余っているものを全部どこかへ回すというようなわけにもいかない、これは一般論で恐縮でございますが、そういう問題があることを申し上げておきたいと思うのです。
 なお、この積み立てられた財形貯蓄のお金が、三十一億なり何億出たあとのものはどうなっているかということでございますが、いまの財形法のたてまえでは、そういうものを制度的にチェックするというものはございません。
#61
○石母田委員 だから、労働者が利用する期待というのか、そういう見込みについては、まだどういう見通しになるかということでなかなか利用し得ない条件の方が強いわけです。こういう中で年間に百二十何万人もふえるということは、財形の問題について企業の中で社内預金と同じような形での天引き――これは天引きですから、そういうことが行われているのじゃないか、またそういう話も聞く。といいますと、労働者の方から見ると、社内預金を職場で会社がやって、会社はそれを資金に使う。これはまた金融機関の方にそういうものが資金として、利用が少なければ少ないほど、貯蓄がふえればふえるほど金融機関は資金が豊富になる。しかも、それはチェックする制度的な保障もない。まさにこの財形制度というものは、社内預金やその他の問題ともあわせて十分にその点を検討していかなくちゃならぬ。つまり、金融機関の資金集めじゃないかということの疑念が晴れるどころか、ますますそうなってきているのじゃないかという感を強くせざるを得ないのです。
 私は、この問題と同時に、いわゆる財産形成という場合は、あなたたちがおっしゃるように、持ち家をつくる、同時に貯蓄をふやすことも財産だ――この貯蓄が果たして財産に当たるかどうかというのはいろいろまた学者の中でも論があるところですけれども、よしんばそういう貯蓄というものを財産と見ても、これが現実にいま目減りをしている。一八%ないし二〇%目減りしている。四十八年度では一世帯について三十七万円目減りしたとか言われている。こういう目減り、つまり財産形成の二つの柱である貯蓄は目減りだ、片っ方は積み立てしても貯蓄しても家はなかなか建たぬ。これじゃ財形制度というのは労働者にとって一体どういうメリットがあるのか。将来建つかもしれない。その将来がまたなかなか見通しが立たない。あなたたち自身でも立たない。こういう状況で財形制度といって一体何のメリットが労働者にあると思っているのか、もう一度お伺いしたいと思います。
 時間がないので、また同時に、目減り対策がいま一般の預金についても論議されて、政府も何か考慮するような話をしているけれども、そうした場合には当然この財形の貯蓄に対しても目減り対策を考えておられるのかどうか、この点をあわせて質問したいと思います。
#62
○東村政府委員 御指摘のように、当面の財形政策の柱といいますのは、ストックをふやすあるいは持ち家促進をするということであることは事実でございますが、これはその前提といたしまして、労働者が貯蓄をしたい、あるいは労働者が家を建てたいという、みずからそういう意欲がございますので、それをできるだけお助けしよう、たとえば貯蓄については、御承知のとおり五百万円までの元本から生ずる利子については非課税にするとか、いろいろやっておりますが、そういう形で少しでも労働者のそういう意欲を側面から援助をしていきたい、こういう趣旨でございまして、おっしゃるとおり、一般的なインフレの問題、土地価格の問題等がありまして、なかなか家が建たないあるいは目減りが問題になってくるということはございますが、そういう中でもやはり労働者は貯蓄をしたい、家を持ちたいという考えがございますので、それをできるだけ援助してやりたいというのが趣旨でございます。
 なお、目減り対策等がいろいろ議論されておりまして、その中で財形貯蓄はどうかという問題でございますが、これは全般にわたる問題でございますので、私どもからいまこういうことになっているということは、少なくとも私から申し上げる問題ではございませんし、そういうことを具体的に私は承知しておりません。
#63
○石母田委員 これは意欲はあるのです。確かに家を持ちたいということは、いまの住宅難の中で働く人たちにとって切実な声ですよ。貯蓄もしたい。病気になったり、子供が学校に上がったり、いろいろなことで貯蓄もしたい。しておかなければ不安だ。これもそうですよ。しかし、私どもから言うと、それを利用している形で、そのしたいということがどちらもなかなか実現不能で、片っ方は目減りもしていくということで、だれが一番メリットを得るかというと、そういう状態が続けば続くほどいわゆる意欲が強くなる、積み立てをする、利用するあれが少ない、そうすると金融機関が非常に資金が豊富になる、こういう仕組みを私は言っているのです。この問題は財形制度の持つ根本的な矛盾じゃないか。しかもそれが天引きでやられる。私は労働大臣に聞きたいのだけれども、そういうことで、財形制度というものに対して、やはり根本的な検討を加えなければならぬ。特に、たとえば住宅改良にこういうものを貸すというようなこと。持ち家、つまり土地を買って家をつくらなければならぬということだから大変なわけですね。それは、持てば確かに大きな財産になるかもしれぬけれども、この状態の中でこれに限定しているということについてどうなのかということも、私は財形制度そのものについての疑問は持っておるけれども、こういう貯蓄者に対するそうしたものの検討などというのはしたことがあるのかどうか、しているのかどうか。
#64
○東村政府委員 ただいま先生いろいろ御指摘の点、私どもも常に考えてはおるわけですが、そういう具体的な問題になりますと、なかなか全体の金融政策とか全体の税制、全体の建設計画等との絡みが出てまいりまして、そういうところからの限界というのがあることは当然だと思うのですが、何しろ、たとえば貯蓄の問題でございましても、ただいま申し上げましたように五百万円までの元本から生まれる利子は非課税であるという形をとっておりますが、それは例のマル優というような問題に比較しますと、かなり優遇されているというのが事実でございまして、その預けたお金が十分労働者の福祉に回ってこないじゃないかという御指摘、当然でございますし、われわれも努力しなければいかぬと思いますが、まだ発足して間もないことでございますし、いろいろ条件がその間重なったという問題もございますので、いまの姿が将来ずっと引き続くとも考えられません。しかし、そういう成り行きまかせではなくて、せっかくいろいろ御指摘ございますので、今後も審議会等でいろいろ検討する計画になっておりますので、そういうところであわせて検討もしてみたい、かように考えております。
#65
○石母田委員 この問題について大臣に、とにかくそういう条件でなかなか財形制度、これが利用されてない。そういう中でいま目減りはしているわけだから、せめてこの目減りに対しても何らかの対策を講じなければならぬということについて大臣はどう考えておられるのか、最後に答弁してください。
#66
○長谷川国務大臣 家を建てるということは、だれにとっても一生の大事業でございます。本当に個人勤労者であろうとだれであろうと、家を建てることは一生かかってようやくできるということでございまして、財産形成制度を設けているゆえんも、それを助長するために、非課税の制度などもつくっておる。さらにまた、今度の改正法案で新しい問題も出ておるのもそういうことでございまして、よその委員会でございましたが、話が出たように、いままで勤労者で家と土地を持っている人、これがほかの、ただ単に貯金している人よりは非常に目減りが少ない。それは、土地代金などが、たしか四十八年三一・四%か二%かインフレで上がった。土地代金がそれだけ上がったから財産がふえたというようなことでございまして、いずれにいたしましても、こういうスタートの中に何とかそれぞれの個人勤労者が考えているものに沿っていきたい、お加勢したい、それがまた社会の安定、勤労者の福祉にもなる。その間において、おっしゃるようないろいろな問題が出てくる。これは当然予想をしなければならぬことでございまして、一つ一つにいまから先も根気強く手当てしていきたい、こう思っております。
 目減りの問題につきましては、これは本当に大変なことでございますし、何といっても世界的にインフレがあることですから、ことしの三月までにはとにかく消費者物価をぴしゃっと一五%以下にするということが目減り対策にもなる、こういうことで、根本的なものはやっていきつつ、一方、全般的な金融制度としてなかなかこの目減りをすぐ補償するということは、この方々もそうでございます、一般の勤労者も大変な問題なので、金融制度全般の問題として考えていかなければならぬ。と言って、これはなかなか可能なことじゃない。全世界がそれで悩んでおるというところにお互いの悩みもあることも御理解いただきたいと思います。
#67
○石母田委員 いま最後にという言葉を言ったのは、この財形の今度の改正についてのことで、私これで終わりますけれども、私は、この財形制度の中で、目減り対策もいますぐやらないということになればますます金融機関を保護することになるということで、この財形制度を通してだれが一番メリットを持っておるかということについては、依然として私はこれは金融機関の資金集め、そしてまた、天引きその他によって第二財投あるいは企業預金の別な形だ、社内預金だというような、労働者にとって二重の負担、犠牲を与えるものだというふうに考えております。
 さて、次の問題に移りたいと思いますが、住宅ローンの問題です。大蔵省の方にお伺いしたいのですけれども、いま金融機関の融資総額中の住宅ローンの比率といいますか、それは一体どの程度になっておりますか。
#68
○宮本説明員 全国銀行で見まして、九月末で四・六%でございます。
#69
○石母田委員 昨年の十月でしたか、個人の住宅の問題についての融資を確保するというような意味の通達が出たわけですね。これ以後どうした指導が加えられ、それによる改善がどのように行われて、現在どういう状況にあるか、お答え願いたいと思うのです。
#70
○宮本説明員 御指摘のとおり、去年の十月一日に銀行局長通達を発しまして、住宅ローンにつきましては格段の努力をしてもらいたいということを発しました。それから去年の十二月二十五日に、大口融資規制の通達を出しました。そのときに、いわゆるおととしの十二月に出しました選別通達を実は廃止いたしたわけでございますけれども、そのときにも住宅ローンにつきましては特に配意するようにというような通達を出しております。そして具体的には、私ども直轄いたしております都市銀行につきまして特に指導を強めておるわけでございますけれども、指導の内容といたしましては、全体の貸し出し増加額に占めます住宅ローンの増加額、これは限界シェアとわれわれ呼んでおりますけれども、この限界シェアを、少なくとも一〇%を割ってはならないということで指導をいたしております。その結果、四十九年の一−三月から見てまいりますと、四半期で九百六十七億増加いたしておりまして、これの限界シェアが一〇・七%でございました。さらに四−六には千三十一億ふえまして一二・二%、七−九に千二百八十四億、一二・三%、それから十−十二月期でございますが、千三百八十億ふえまして一〇・六%、それからことしの一−三月の計画を実ははっきりとりまして、個々に出てまいります計画につきまして、努力をしていないようなところにつきましては、もう少し上げろというような指導をいたしまして、一−三ではこの比率が大体一二%にはなるんじゃなかろうかという予定でございます。
#71
○石母田委員 一〇%を下回らないということですから、これでもいいわけですけれども、現状の国民の、住宅難で困っておる人たちの数とかあるいは条件を考えますと、この一二%くらいが適切だ、あるいはもっとこれを上げろというような指導をするのか、あるいは、そうならば何か具体的に、このパーセントぐらいまでには上げたい、下の方は恐らく一〇%を下回らないとしても、上の方はこの程度までは何とかしたいという目標でもあるのかどうか、それをお伺いしたいと思います。
#72
○宮本説明員 実はただいま日銀の窓口規制というふうなのがかかっておりまして、全体の枠がかなり抑えられております。たとえば、一−三月でございますと都市銀行で九千百億というふうな額が抑えられておりまして、その抑えられております全体の範囲内で、中小企業に回さなければならない、それから地方公共団体にも回さなければならない、いろいろの資金需要が強いものですから、現在のところは一〇%を下回らないということで指導をいたしておりますけれども、その窓口規制が撤廃されましたような場合には、できるだけその点につきましても配慮するように指導いたしていきたいと思いますが、現在具体的に何%にするかというような目標値は実は定めていないと申し上げるのが正確な御回答かと思います。
#73
○石母田委員 いまこの住宅ローンの中で、金融機関と提携しているローンというのか、提携ローンの会社に回している融資額の比率とか額というものはわかりませんか。
#74
○宮本説明員 そのときどき、その四半期、その月によって違いますけれども、大体の傾向といたしまして六、四の割合で、六が非提携でございまして四が提携会社を通じて流しておる資金でございます。
#75
○石母田委員 私は住宅金融公庫の問題に今度は移りたいと思うのです。
 それは、横浜なんかでもそうですけれども、この申し込みについてかなりの苦情が来るのですね。個人の申し込みの場合でもなかなかこれが取れないということがあるのですが、この住宅金融公庫の申し込みというのは個人の申し込みがたてまえだと思いますけれども、その点についてはどうでしょうか、建設省。
#76
○京須説明員 住宅金融公庫には、個人住宅の貸し付け、あるいはいわゆるマンション業者とかあるいは住宅関係の供給公社とか、いろいろ公的機関等の融資もございまして、多種分かれておりますが、住宅金融公庫の融資の一番大きなものと申しますと、個人融資でございます。
#77
○石母田委員 個人融資のときに、その申し込みは個人個人で行って申し込むというのがたてまえだと思うのですが、どうですか。
#78
○京須説明員 御質問のとおり、原則としまして個人住宅貸し付けの場合には、個人の方々が御当人で銀行の窓口へお見えになりまして、その上で手続を踏まれまして、また窓口の機関の質問等にお答え願う、それがたてまえでございます。
#79
○石母田委員 そうしますと、建設会社などがあるいは不動産会社などが一括して申し込む、あるいは予約をとって申し込むというようなことについては、いまのたてまえから見てどういうことなんですか。
#80
○京須説明員 特定の企業等が個人の申し込みの書類をまとめまして一括して申し込む、あるいは予約をしておく、そういうことは一切許しておりません。厳重に指導しております。
#81
○石母田委員 それでは、そういう事実があればこういうことは直ちに是正する処理をとられるわけですね。
#82
○京須説明員 事実を調査しまして、事実でありますれば必要な措置をとります。
#83
○石母田委員 この申し込みは、現在はすべて金融機関を通じてなされておる。かつては金融機関ではなくて公的機関が取り扱ったと聞いておりますが、この点どうなんですか。
#84
○京須説明員 公庫の融資の中では、物によりましては公共団体等を通す場合もございますが、個人住宅につきましては金融機関を通しております。
#85
○石母田委員 以前、金融機関を通さなかったこともあるというふうに聞いておりますが、どうですか。
#86
○京須説明員 調査の上、御報告申し上げます。
#87
○石母田委員 金融機関は言うまでもなく営利を目的としている機関でありまして、またそういう社会的な役割りも非常に大きなものであります。そういうところで、提携したローン会社というところへ、六対四にしろいろいろ便宜を図るということは、これは営利会社としてあるいは当然と言えるかもしれぬけれども、この関係と、よく私どものところに、その結果申し込みの用紙が取れないという苦情の中に、申込用紙の割り当てが銀行にあるのじゃないかというようなことで、こうした提携ローン会社の方に有利にそれが行っているのじゃないか、こういう苦情が来ていますけれども、この点についてはどうですか。
#88
○京須説明員 公庫の申込用紙でございますが、この枚数につきましては、それぞれの窓口の金融機関に、その過去の実績あるいは申し込みの予測等を行わせまして、必要枚数は十分に配付するように指導しております。したがいまして、万一申込者に対して足らない場合には、大至急本店の方から配付させるとか、あるいは最寄りの公庫代理店の方にごあっせんするとか、そういう措置を講じておりまして、申込用紙につきまして特定の枠を設けるとかいうようなことは全くやっておりません。
#89
○石母田委員 そうすると、この間国会でも問題になったと思いますけれども、私どもが住んでいる横浜で、ナプコと横浜銀行が提携して、共催してというか、説明会を開いて、その席上の受付のところに申込用紙を持っていってやったという事実があるわけなんですよ。こういうときの申込用紙というのは、どこからどういうふうに手に入って業者が持っているのか。そういう説明会を共催でやるというようなことが新聞にさらされれば、当然、いわゆる公的な性格を持つ住宅金融公庫の資金融資というものが、その特定の業者にあたかも優先的に取り扱われているという印象を与えるわけですね。そうして、その業者が申込書を持っているということになりますと、いまあなたが言っているように本店から足りないからどんどんやるというふうにはなってない。この点についてどうですか。
#90
○京須説明員 私どもの方の調査もまだ十分ではございませんが、それによりますと、その横浜銀行におきます業者の金融公庫融資の説明会の席上におきまして、公庫の申込用紙を配付した事実はないと聞いております。説明会を終わりました後で銀行の方にお寄り願って、個人個人にお渡しした、そのように聞いております。
#91
○石母田委員 それは事実をよく調べて、その最中と言うとまた語弊があるから、終わった後かもしれぬけれども、受付のところでそうしたことが行われたというふうに私も聞いているので、この点については十分調査してください。
 同時に私は、そうした特定の業者とそれから銀行が一緒になって説明会を開く、こういうことについてははなはだけしからぬ、こういうことは一切今後やめるべきだというふうに思いますけれども、これはどうですか。
#92
○京須説明員 おっしゃるとおり、業者が主催で金融公庫の融資の説明会を行いまして、それに対しまして銀行が協賛の形で一緒になりまして場所を提供するということは適当ではないと存じます。今後、このようなことがないように指導したいと思っております。
#93
○石母田委員 それで、この説明会なんというのは何で公的な機関でやられないのか。私は昔はそうだったという話も聞いているのですけれども、昔はともかく、そういう金融機関という営利的なところでやる、そうするといま言ったような、そこと提携しているローン会社とお得意というような関係もいろいろ出て、そういうふうになりがちな仕組みになっているわけですね。ですから、こういうものは公的な機関で説明会をやる、あるいはそれが主催してやる、そうして住宅公庫の方がそこへ来てやるということの方が、非常に利用者にとって公正である、また公的な性格の融資であることから見てその方が当然ではないかというふうに思うのですけれども、どうでしょうか。
#94
○京須説明員 公庫の個人住宅融資の申し込みにつきましては、申込用紙を差し上げる際に、必要な手続等を書いた説明書を配付しまして、それをお読み願えばほぼおわかり願えるように十分考えたわけでございますが、お話のように、公的機関等が説明会を開く、そういう点につきましては、もしそういうことになりますれば非常に結構と存じておりますし、公庫の職員等を派遣いたしまして説明会をやるということは結構だと思っております。
#95
○石母田委員 申し込みの方も金融機関に全部やらしているんだけれども、申し込みの受け付けについてもそういう公的機関を利用するということについてかなりの強い要望があるわけですね。あなたの言われるように、申込用紙が本当にどんどん出る、大量に刷るということになれば、そういう公的な機関の利用ということも、いろいろ条件があるでしょうけれども、検討していいんじゃないか、そうすべきじゃないかというふうに思いますけれども、どうでしょうか。
#96
○京須説明員 金融公庫の融資につきまして公的機関にお願いする点でございますが、問題になりますのは、実際に融資のお金を扱う点あるいはその融資後償還する場合に、その公的機関ではそのお金は扱えない、そういった問題点がございますので、いろいろ検討をいたしております。
#97
○石母田委員 ぜひ検討してもらいたいと思います。
 それで、申し込みの受け付けのときにいま先着順になっているわけですね。先ほど個人ということで指導されているということですけれども、実際にはそうした大手の不動産会社、大企業というようなものが一括してやったり、あるいはまたそういうお得意さんというような問題でいろいろ疑惑を生ずるような問題が起きるということで、この申し込みについて抽せん制、昔やったそうですけれども、こういう公開の抽せん制でやったらどうかとか、あるいはまた住宅困窮度に応じて審査しながら受け付けをすればもっと公正なんじゃないか、こういう意見と希望があるのですけれども、この点についてはどういう見解を持っておるわけですか。
#98
○京須説明員 抽せん制につきましては、お話のように五、六年前までやっておったのでございますが、ひやかしと申しますか、当選後辞退が半数に達したといったようなこともございまして、必ずしも本当に金融公庫の融資を御希望の方が全部当選できないといったような問題がございました。したがいまして、現在でも抽せん制の復活は考えておりません。
 それからまたお尋ねの住宅困窮者に優先的に融資するような方法について検討してはどうかというお話でございますが、現在でも公庫の融資につきましては、たとえば個人の場合でございますと百二十平方メートル以上の大きなものについては御遠慮願うとか、あるいは特に金がかかります高価な単価の住宅は御遠慮願うとかいろいろやりまして、いわばぜいたくなものについては公庫融資はお貸ししないというたてまえでやっておるわけでございます。しかしながら、御承知のように公営住宅等につきましては、困窮者に優先的にお入り願うといったような制度につきまして現在すでに実行段階でございます。したがいまして、公団の賃貸住宅あるいはその他の各種の公的住宅とあわせまして総合的に、困窮者に対してどのようにしたならば優先的にお貸しできるかといったようなことについても検討したいと思っております。しかしながら、この検討は非常にむずかしゅうございまして、果たして世論の御批判にたえるようなうまい基準ができるかどうか、そういう点も悩みがあるわけでございます。
#99
○石母田委員 最後に、そうした点でこの申し込みの方法の公正さを確保して、この選択の自由が保障されるように、そしてこうした苦情や批判が絶えないという状況をなくすためにも、現状に甘んじないで――何も私は選択制をやれとかどの方法をやれということはいま特に言いませんけれども、そうしたことを十分あわせ考えて改善策をぜひ検討してもらいたい、こういうふうに考えますけれども、どうでしょう。
#100
○京須説明員 昭和五十一年度からは第三期の住宅建設五カ年計画が発足いたすわけでございます。したがいまして、現在建設省におきましては、住宅宅地審議会と申します建設大臣の諮問機関におきまして、今後の住宅政策の基本的体系について種々御議論願っております。その答申等をいただきまして十分前向きに考えたいと思っております。
#101
○石母田委員 質問を終わります。
#102
○竹内(黎)委員長代理 次に、大橋敏雄君。
#103
○大橋(敏)委員 ただいま議題になっております勤労者財産形成促進法は昭和四十六年に創設されたわけでございますが、そのときの法案内容は不十分ではありましたけれども、その持つ意味が勤労者に対してかなりメリットになる、こういう判断のもとにわが党は賛成をいたしました。しかし、前国会に提案されたこの改正案の内容は、創設されたときの内容から見ますれば確かにかなり改善はされたとは思いましたけれども、最初の基本答申といいますか、その立場から見た場合は話にならない、こういう感じを受けましたので、こういう熱意のない労働省の態度に対して私は憤りを感じて反対をしました。
 しかしながら、今度出されております法案の中身を見てまいりますと、財形貯蓄の範囲の拡大が図られておりますし、また転職をした場合の継続措置もとられてきた、あるいは勤労者財産形成の給付金制度あるいは助成金制度、また財形持家個人融資制度等の新設が加えられているということ、こういうのを見てまいりますと、今回の答申にもありましたように、基本答申の方向に沿った一歩前進の内容である、このように評価しております。私もこの点についてはその努力は認めるわけでございますが、しかし肝心のといいましょうか、ひとしく勤労者が求めていたプレミアム、いわゆる割り増し金の支給制度、これが実現していない。まことに残念と思います。四十九年のときの答申にも「先きの答申で財形貯蓄に対する割増金の支給の必要性を特に強調したところであるが、」とこういうふうに述べていたわけでございますが、労働大臣はこのことに対して熱意を持って努力したのかどうか、また今後どうするお考えなのか、まず聞いておきたいと思います。
#104
○長谷川国務大臣 この制度が生まれましたときに、その必要性をお感じいただいて御賛成いただき、あるいは途中の経過においていろいろ御批判などもいただき、そういう中から、ただいま御賛成いただいたように、範囲の問題とかあるいはまた給付金の問題とか持ち家制度とかいうような、今度の提案したものに対して正しい御評価をいただいたことには感謝を申し上げます。
 それで最後に、プレミアムの問題は一つもやらないじゃないかというお話でございますが、これはだんだんいままでの答弁の中でも時には御説明申し上げましたが、私も最終的にはどうしてもやはりプレミアムをつけるべきだという感じ方を持っております。でありますから、大蔵省との折衝においても大分熱心にやりましたが、何さまほかの金融財政制度と一般の関係とか、根本的な問題であるというふうなことなどがありまして、いまだ実現を見ていない。いずれにしても、その点などは、その後も審議会の有力な委員の方々からもだんだん説明も聞いておりますので、今後こうした問題について改めて皆さんの御加勢を得ながら推進してまいりたい、この熱意は変わっておりませんことを御理解いただきたいと思います。
#105
○大橋(敏)委員 熱意については十分持っている、努力していくということでありますけれども、やはり勤労者財産形成の目玉とも言えるプレミアム制度です。一日も早くこの内容が実現することを強く要請しておきます。
 同時に、財産形成の最大の障害といいましょうか、これはやはりインフレ、物価高騰であろうと思うのです。やはりこの答申の中に「勤労者がその所得の一部について消費を留保し、貯蓄として積み立てていく努力に対して、強力に国、事業主が援助」せよ、こういう趣旨の答申内容でありました。また「その努力がより効率的に結実するような措置を講ずべきである。」こう言っておりますけれども、こんなにインフレになったりあるいは物価が上がっていけば、せっかくの努力が消えてしまう、水のあわじゃないかというくらいにまで私は考えるわけでございますが、労働大臣はこのインフレ克服に自信を持っておられるのかどうか、また今後の見通しについてどのようにお考えになっているのか、お伺いしたい。
#106
○長谷川国務大臣 物価安定は全世界が悩んでいる問題でございます。ことに日本の場合には、狂乱物価というものが続いた関係で、国民が非常に不安でございました。そういうことからしますと、特に私の方は御承知のとおり、毎日働いている勤労者、月給を持って帰って、それをいただくその奥さん、これが毎日毎日のように物価が上がったのじゃ大変だという感じからいたしまして、政府が一五%程度という消費者物価の目標を掲げたのに対しては、勤労者の立場から経済官庁によく働きかけしながら、今日その物価抑制というものが一五%以内になるというふうなめどがついた。これはまさに――、私は組合の諸君からも一五%ができないときはおまえやめろと言われたこともあります、そういう激励あるいは刺激、そんなことなどもあって、一生懸命物価抑制に経済官庁に向かって御協力をお願いしたゆえんだ、こう思っておりまして、いまから先も何といっても大事なことでございます。一五%のことしの実績とその全部の努力というものを踏まえて実現をした、これを来年の三月には今度は一〇%以内に持っていく、こういう努力をさらに積み重ねなければならぬ。
 御承知のとおり財産形成は西ドイツが元祖でございます。西ドイツの場合は政労使ともどもにひとつコンサート方式――あそこはやっぱり音楽の国でございますから、ベートーベンやらバッハやらショパンやらみんな出たところですから、ハーモニーをよくして、バイオリンもピアノもクラリネットも、自分の音だけ立ててほかの音をがちゃがちゃにしちゃまずいから、相手と調子を合わせながらうまくやっていこうという方式が西ドイツのいろんな労働政策の基本だと聞いております。そういうこともございますので、まず物価問題もそういうことでやっていく、そしてその中に財産形成のようなものも御協力をいただきながら、やはりハーモニーを上手にやっていかなければ日本はだめだということで、いまから先も熱意を持ってやってまいるつもりでございます。
#107
○大橋(敏)委員 この財形制度の内容は、五年あるいは七年、それ以上というかなり長い期間をもとにした仕組みになっているわけでございますが、その中でインフレ等で減価していけば本当にその趣旨が消されてしまう。大変なことです。いまインフレ抑制については政府も全力を挙げて一五%程度で抑えていくというその努力の説明があったわけでございますが、確かに物価は昨年ごろからやや鎮静傾向にあることは見えるわけでございますけれども、われわれ一般国民から見た場合、まだまだ安心できない。不安の気持ちですね。特に前総理が打ち出しました日本列島改造論が引き金となりまして高騰しましたところの建築費あるいは土地の価格、これが現在いわゆる高値安定というところでとどまっているわけですね。したがいまして、勤労者財産形成法に基づいて持ち家をしようとしてみても、実際的には無理ではないか、こういうふうに考えるわけですが、この点についてはどういうお考えを持っておられますか。
#108
○長谷川国務大臣 土地が異常に高騰したことは事実でございます。また、あなたも地方でおわかりのとおり、つまらぬゴルフ場や、いっぱい買っているようなところは、いまの総需要抑制、物価抑制というふうなために、もうどうにもこうにも利用ができませんから、それで手放したいというふうなこと、あるいは国土利用法が生まれた関係からして、私は土地というものが大分下がりつつあるというふうな感じを持つのです。なおかつ、これをひとつ国土利用法などを活用しながらはっきり安定の方向に持っていく。それから、財産形成をやる場合でも、個人が土地も見つけるでしょうけれども、いまだんだんお話しのあったように、建設省とかそういう関係役所ともよく私の方で連絡をとりまして、やっぱりそういう勤労者のための土地政策というふうなものなども関連させながら、そして一方財形をやる方々に希望を持たしていくというふうな、いまや労働政策は日本全体、内閣全体、各役所全体に通ずるというふうな認識を持ってやっていただきたいということで私はいまから先も推進してまいる、こういうつもりでございます。
#109
○大橋(敏)委員 先ほど大臣は、西ドイツの財産形成法、これは非常にすばらしい内容である、またその理念においてもりっぱなものだと認識なさっているようでございますが、私もその点については同意見です。その西ドイツの財産形成の実情とわが国の財形法とを見比べますと、西ドイツが大人ならばわが国はまだ幼児程度であろうと思うのですね。まだ非常にちゃちだと言わざるを得ないと思います。
 そこで具体的にお尋ねしますが、今回の財産形成制度は、たとえば財形貯蓄に対する援助にいたしましても、あるいは財形持ち家融資に対する負担軽減措置にしましても、企業に依存することを基本とする仕組みになっているというわけです。そうでしょう。ということは、事業主に一応援助したのだから国も一生懸命援助していることになるじゃないかという、私はこれは肩がわりだろうと思うのですね。財形の基本答申にもありましたように「あくまでも勤労者の貯蓄元本に対する援助でなければならない。」こう述べております。これは答申の中にありますよ。「勤労者の貯蓄元本に対する援助でなければならない。」つまり財形の基本というものはあくまでもそうあらねばならぬのだ、こう言っているのに対しまして、大臣の熱意はわかりますけれども、実際この法案の中身からいきますと、先ほど言いましたように企業に依存することを基本とした仕組みになっている。私は、これはやはりまだ消極的な姿である、こう思うのですけれども、いかがでしょう。
#110
○東村政府委員 答申等にもいろいろ述べられておりますが、ただいま先生がおっしゃるように、これは事業主の援助によって国の援助の肩がわりをさせるものではないかというお話でございますが、西ドイツの例で、政労使がコンサート方式でやっている、調和をとった形でやっている、そういう方向でわれわれもやっているつもりでございます。利子についても、不十分ではございますが、マル優を超えて五百万円までは非課税にするあるいは持ち家分譲の融資の利子の差額補給をする、さらには今回、財形給付金に対する助成金をやるというように、国としても努力をしているつもりでございます。
 もちろん、まだ幼稚だとおっしゃられればそのとおりでございますが、しかし、基本的な考え方は、政労使がそれぞれ努力をし合って勤労者の財産形成を促進していこうというたてまえであるとわれわれは考えております。
#111
○大橋(敏)委員 いずれにいたしましても、西ドイツのそれと比べますと、国の援助というのはまだまだ微々たるものだと言わざるを得ません。
    〔竹内(黎)委員長代理退席、菅波委員長代
    理着席〕
 そこで、基本的な考えになりますけれども、大体勤労者にせよ、国民の住宅供給というものは何もこうした法律の上から求めさせるものではなくて、本来国の責任で公共住宅を大量に供給していくべきである、私はこう思うのですね、大体家を求めさせる基本は。勤労者の自主的努力による持ち家取得を奨励する、わが国のこのような財形持ち家融資制度というものには、問題があるのではないか、こういう考えを私は持っておるのですけれども、この点についての見解をお伺いします。
#112
○東村政府委員 ただいま先生の御指摘があったようなお考え方はもちろんございますが、ただこの財形の問題につきましては、四十八年十一月、先生御指摘のように財形審議会から基本答申が出ております。その中でも、いまおっしゃいましたように、「一般的に住宅、土地対策が強化される必要があり、勤労者に対する住宅対策としてはやはり良質、低家賃の賃貸住宅の大量供給を十分考慮すべきである。」ただ、財形政策におきましては、「このような一般的な住宅、土地対策との関連、また勤労者の望ましいライフサイクルとの関連において持家取得を促進するよう考えなければならない。」という御指摘もございます。つまり、基本的には先生がおっしゃったようなことがございますが、やはり家を持ちたいという勤労者の強い要望、要求がございますので、それをあわせて伸ばしてやるというために財形は大いに努力をせよ、こういうような趣旨がうたわれておるわけでございまして、われわれもその線に沿ってやるのが至当ではないか、かように考えております。
#113
○大橋(敏)委員 趣旨はわかりました。わかりましたが、じゃ現実に、財形法に基づいてある程度の預金をすれば、家が持てるのかということになるわけですね。現実問題、見ていきますと、よほど家庭生活に収入がある人でなければ簡単には家は持てないということになっておる。実は、これは三月十二日の新聞でございますけれども、建設省が十一日にまとめた四十九年住宅着工統計というのがあるんですけれども、それを見てまいりますと、住宅というものは、質にせよ、量にせよ、大幅に後退をしている。こういう内容なんですよ。昨年一年間に新しく建てられた住宅は百三十万戸で、五年前の水準にまで激減している。また、その落ち込み幅も戦後最大となっている。さらにマイホームの床面積も十四年ぶりに逆に狭くなってきている、こういう内容が報道されております。さらに、その中身をずっと見てまいりますと、建設省の調べですけれども、住宅の工事費の予定額は一平方メートル当たりの全国平均が四十七年は四万九百円であったものが四十九年十月には七万四千八百円と、何と一・八五倍まではね上がっているというのです。それから年度ごとに実施している住友銀行の調査によりますと、土地代を含めた全国標準住宅価格が四十七年度の七百二十万円、そして四十九年度の千三百六十二万円と二年間で約二倍近くなっているわけですね。この間の個人所得の上昇率を見てみますと五六%で、住宅価格と所得の差は依然として大きい、こういう内容が報道されているわけでございますが、こういう実態から見た場合に、財形制度から受ける恩恵といいますか、実際に持ち家をやろうということは無理じゃないか。月に二万円貯金できれば、これは特にいい方の方じゃないでしょうか、一般の勤労者で、毎月二万円貯金できる。仮に二万円貯金していきますと、今回のこの法案の内容からいきますと、二万円掛けるの十二カ月で二十四万円ですね。そして七年間預金をして百六十八万円、これに利子がつきますので、細かいことは抜きにしましても百七十万円くらいにはなります。その倍額が融資できるということになっておりますので、三百四十万円になるわけですね。もともとの自分の百七十万円がありますので、合わせますと五百十万円、そして住宅金融公庫からも借りられるようになっておりますが、満額借りて四百五十万、合計しまして、九百六十万円ですよ。ということは、いま言うように全国平均の一千三百万円かかる平均が出ているわけでございまして、こういう姿からいくと、やはり本当のお家はこれだけでは持てないなという私は実感がしてならないのでございますが、この点についてはどういうふうにお考えなんでしょうか。
#114
○東村政府委員 先生御自身でいま具体的な数字をお挙げになったわけでございますので、それについてどうこう申し上げるわけでございませんが、いまのお話の住友銀行ですか、千三百数十万円かかる、こういうお話でございましたので、われわれも一応試算してみたわけでございますが、それによりますと、財形貯蓄を三百万円する。そうしますとその二倍の六百万円借りられる。さらに五十年度からは住宅金融金庫から四百五十万円借りられる、合計千三百五十万円になっていまの住友の数字と合ってくる。
 さて、それはそれとしてそういうものを本当にできるか、こういうお話でございますが、三百万円貯金するためにはどれだけ毎月やったらいいか、御指摘のお話の中にもございましたが、毎月二万円、年二回のボーナス期に各十二万円貯金すると五年でできるわけです。また毎月一万五千円、ボーナス期に七万円貯金すると七年間で達成できる。もっともそのことの前提には、これからやる話になりますと、そのときにはまた土地の価格、住宅建設費がどうなるかは次の問題でございます。あわせて今度は、住宅金融公庫の枠も広がっておりますので何とも申し上げられませんが、いずれにしろ、これだけできる所得は相当のものじゃないかという御指摘もわかるわけでございますが、何せ現在家を持とう、家を建てようという意欲に燃えておる方はいろいろございますので、先ほどから繰り返しておるように、現在では自分の貯金とそれから金融公庫とそれ以外は会社とか友達とか親戚とか民間の金融機関とか行って、もうとにかくかき集めるという非常に苦労をされている。それを少しでも筋道を立てて借り出しやすいようにしようというわけでございますので、私が申し上げたような数字の人がいればこれは一気にできるわけですが、そうでない人もできるだけ借りやすいようにという趣旨で、さらに今後も努力はしていきたい、かように考えておるわけです。
#115
○大橋(敏)委員 りっぱなつじつまを合わされたと思いますが、確かに家を持ちたいという熱意を持った勤労者は多い。しかし、借り集めるだけの能力のある人ならばいいのですよ、それもない勤労者が多いわけですね。実は、財産形成法というのは、大体そういう一般の勤労者に家が持てますよというふうに指導していかなければならぬ内容だと思うわけですよ。いまあなたは、二万円貯金してボーナス期に七万円程度やっていけば大体できるじゃないかという説明をなさいましたけれども、ボーナスは確かに出ますが、これは日ごろの生活の不足分といいますか、いわゆる借金しているわけですね。ボーナスのときにその借金を埋めるわけですから、あなたが思うように簡単には余裕は出てこないわけですよ。ですから、計算してみれば確かにそうだなと思われますけれども、きわめてごく一部の人にしか該当できないような内容だと私は思うのです。したがいまして、これがもっと普遍化するように、さらにさらに改善をしていただきたい、こう思うのです。したがいまして、労働大臣に、勤労者財産形成政策の今後の進め方についてどのように考えておられるのか、所信をお伺いしておきたいと思います。
#116
○長谷川国務大臣 家を持つということは、これはお互いからしますと、一生一代の大問題でございます。ですから、仮に共かせぎであって、住宅ローンを借りて、後はもう月賦で飯も食えないでばたばたしておるというふうな方々もおられれば、一人一人がみんなケースが違うと思うのです。そういう中において、やはり勤労者が豊富低廉な公営住宅に入ることも必要だろうし、ある場合には、いまのように自分の一つの目標を立てて、生活の設計の中に、自分の一代において家をつくる。あるいは、ヨーロッパの場合は構造が違うですからね、日本のように木造じゃないものだから。一代で土地を持つ、二代目に家をつくる、三代目にファーニチャーを用意する。だから、その建物は三百年、四百年、ファーニチャーでも、古いものでもいつまでも使える。こういう長い努力があるのですね。そういうことなども見ながら、私たちは非常に権威のある審議会の皆さん方の御答申をいただいておることですから、そうした展望の中におつくりいただいた考えなどを入れたものを一つ一つ具体的に、日本のいろいろな複雑な――よその国そのものを日本はまねするわけにもいかないことでございますから、国情が違う、思想が違う、インフレの対策一つにいたしましても、西ドイツの例を引けば、第一次世界大戦、第二次世界大戦の経験などもあるから、やはりそれぞれが覚悟が日本と大分違うというふうなことなどもありますから、私はやはり審議会の御答申を一つ一つ、皆さんの御協力を得て、あるいは政府全体の賛成も得ながら枠を拡大しながらやってまいりたい、これが日本の将来の勤労者の精神なりあるいは福祉の向上につながるという基本的な御答申を実行する足取りでやってまいりたい、こう思っておるわけであります。
#117
○大橋(敏)委員 それでは次に移りますが、労使というものは対等であるべきである。労働協約というものはそういう立場からつくられるわけでございますが、今回の財形給付金制度というのがありますね。これを見てまいりますと、事業主負担によって実施されるようになっております。これは事業主の援助という美名のもとに、企業の労務管理を強化させる一助となるものではないだろうかと私は恐れるのですよ。つまり、給付金制度は事業主が実施する、つまり、労働者に対してある意味の貸しをつくることになりますね。労働者側は物が言いにくくなるのじゃないか、こういう心配を私は持つわけでございますが、こういう点はどうでしょうか。どう思われますか。
#118
○東村政府委員 ただいま先生は給付金制度を特に取り上げてお話がございましたが、財形政策の中では、いま先生がおっしゃったようなことができるだけなくなるようにと、これがいわゆる労務管理対策であるとか労働力定着対策に使われないようにという配慮をしているつもりでございます。
 まず、この財形貯蓄自身を行うかどうかというのは全く自由でございまして、これをだれも強制するわけにはまいりません。さらに、財形貯蓄をやった場合に、これは給料からの天引きということがございますが、そのためには労働基準法二十四条で労使協定が必要になりますので、ここでまたチェックをされるわけでございます。さらに、今回の改正案にもございますように、転職した場合に財形貯蓄が続いていないとどうしても足どめといいますか、定着対策になるわけですが、これを今回は、転職した場合でも引き続き財形をやっているという姿ができるように改正を考えておるわけでございます。
 それから、いま御指摘の給付金制度の問題でございますが、これも、これをやるかどうかということは労使の合意が前提になりますので、そういうチェックをするならば、労働者が自由な意思で希望するということでございますから、労務管理であるとか足どめの心配はまあないと思いますが、さらに実際の運用に当たってそういうことのないように国としても十分気をつけていきたい、かように考えております。
#119
○大橋(敏)委員 大臣、いま局長は、まず各所でチェックされるので労働者が不利になる立場にはないと思う、しかし、運用面ではやはり心配があるのでしょう、しっかりした行政指導をやっていくという答弁だったので、特にここは大事なところですから、大臣よく記憶していただいて、真剣ないわゆる行政指導をしていただきたいということを言っておきます。
 また、その財形給付金制度はあくまでも財形貯蓄をやっている勤労者だけを対象としているものだけに、企業においてこれが採用し得る実態にあるのかどうか、こういう心配もされるわけです。つまり、給付金制度を活用してやろうという力ある企業はできましても、ないところは全くできないわけですから、そこに格差ができてきますね。二つの問題があると思うのですが、これについてどのようにお考えでありますか。
#120
○東村政府委員 まず給付金の問題でございますが、仮に法律ができた場合に、給付金制度をどの程度採用する見通しなり実態があるか、こういうお話でございますが、実は、現在これに類似の形をとっている企業がございます。財形貯蓄を実施している企業のうち一六%のところで、従業員が行う財形貯蓄について何らかの形で上積みをするというものがございます。しかし、その場合には、税制上の利点といいますか、恩典というものはもちろんございません。しかし、今度これが制度化されるならば、法律にもございますし、課税上の恩典というものが出てまいりまするので、従来やっている一六%はもちろんでございますが、それ以上に広がっていくのではないだろうか、かように考えているわけでございます。
 それからもう一つ、その一六%といっても、零細企業等ではやってないじゃないか、私どももそういうふうに推測するわけでございますが、これにつきましては、助成金という国が考えました一つの補助政策によりまして、しかも、それは零細企業に厚くなるようにという考え方から助成金を出しますので、ほうっておくよりはという言い方は悪いかもしれませんが、やはり格差を埋めるような作用をそこでするわけでございますので、そういう形で格差問題も何とか解消するような方向に行きたい、かように考えております。
#121
○大橋(敏)委員 零細企業には厚い助成をするということで、その格差はなくなるのじゃないかということですけれども、助成金が百人以下は五%、二十人以下で一割、確かに厚いことは厚い。ですけれども、その割合自身がまだ非常に低いものだと思います。ですから、その格差を本当になくそうと思うならば、この助成の割合をもっと広げなければうそだと思うのですね。これは大臣、大事なところですよ。本当に零細企業で働く勤労者を守ってあげようと思うならば、またその助成金制度を生かそうと思うならば、そこにもっと力を注いでやらなければならぬ、こう思うのですが、大臣この辺はどうですか。
#122
○東村政府委員 もちろんこれによって格差がなくなるとは思いませんが、ただこういう助成金を出さない場合よりは縮小するんじゃないかということを申し上げたわけでございます。
 それから、御指摘のように、中規模で五%、小規模で一〇%というような比率そのものが不十分ではないかというわけでございますが、こういう制度をつくること自身が非常に新しい問題、いわば質的に一つの転換を遂げるという問題でございますので、こういう姿勢が出たということ自身が大きな意味を持つのじゃないだろうか。したがいまして、この比率をどうするかという問題ももちろん御指摘のようにございますが、こういう制度をつくって、しかも率を変えているというところをひとつ御評価願えれば、かように考えるわけでございます。
#123
○大橋(敏)委員 確かに私もこれはいい制度だとは思う。思いますけれども、どうしても、できる企業とできない企業の格差が出てくることが気になってならないわけですね。その努力は私も評価します。しかし、もっともっと内容を改善していただきたい。後で大臣の答弁の中に、この気持ちも含めてお願いしたいと思います。
 では、ちょっと話は変わりますけれども、雇用促進事業団が現在行っております財形持ち家分譲融資の実績はどうなっているのかということです。私は非常に芳しくないというふうに聞いているのですけれども、どうでしょうか。
#124
○東村政府委員 御指摘の雇用促進事業団の持ち家分譲融資の実績でございますが、昭和四十八年九月から始まったわけでございます。四十八年度においては百億、四十九年度においては百三十億の枠を設定しましたが、ただ、制度発足間もないことでなかなかPRも行き届かないということもありますし、同時に一方景気停滞、物価上昇という問題もございまして、なかなか事業主の方がこの制度に乗って分譲住宅を建てようという意欲がわかなかったといいますか、条件がなかったといいますか、そういうことでございまして、現在までの実績は三十一億、こういうふうに相なっております。五十年度におきましては、もう制度発足後日がたってまいりますし、これから安定成長ということでございますので、従来のような条件よりもよりよくなるのではないかというふうに考えまして、せっかく努力をしてまいりたいと思います。
 なお、こういう問題の一つの検討の結果として、やはり分譲融資という形だけではなかなかだめでないかということもございますので、分譲融資は分譲融資といたしまして、法律にございますような個人の財形持ち家融資という道を開くことによってこの資金の活用をさらに図っていこう、かように考えております。
#125
○大橋(敏)委員 それでは、この前廃案になりました改正法案にはありましたけれども、長期財形住宅貯蓄契約者に対するいわゆる割り増し融資制度は、今回の法改正の中ではどのように消化されていったのか、お尋ねいたします。
#126
○東村政府委員 前回の改正案に盛り込まれておりましたのは、長期財形住宅貯蓄契約者に対する割り増し融資制度でございましたが、それが今回は別の形をとったわけでございます。この長期財形住宅貯蓄契約といいまするのは、対象者の要件がきわめて厳しく、その利用が限定されておりました。貸付限度額が標準建設費の範囲内で抑えられておりました。それからさらには七年間という長い先の話でございました。こういうことにいろいろ問題がございましたので、今回の改正法案におきましては、それを発展的に改組拡充をいたしまして、今度は通常の財形貯蓄契約を締結いたしまして、三年以上の期間にわたって貯蓄を行った一定の勤労者を対象とするということが一つです。それから、原則として貯蓄残高の二倍の範囲内で、もちろん最高がございますが、持ち家取得資金を借りられるようにしたこと。それから第三番目には、住宅金融公庫の一般個人住宅貸し付けと併用することを妨げないということにしたこと等々でございまして、前はなかなか窮屈な条件がございましたが、今度はそれを非常に緩めて、しかもそれをさらに高めたようなかっこうで吸収をしたというふうに御理解願えればいいと思います。
#127
○大橋(敏)委員 非常に要件が緩和されて、大きな改善だということのように受け取れたのですが、それでは今回新設される財形持ち家個人融資についてでございますけれども、債券の調達あるいは利子に応じた条件で貸し付けをいたします、こういうふうになっておりますけれども、これは国が利子補給をしないということを前提とした制度になっていると私は見るのですね。これはおかしいのじゃないかと思うのですけれども、どうですか。
#128
○東村政府委員 この問題につきましては、先ほどのお話と関連するわけでございますが、家を建てるというような場合には、自分の手持ち資金とそれから住宅金融公庫からの公的資金、これが一つ頼りになるわけでございますが、先生から先ほどお話がございましたように、それ以外から集めるのは非常に大変だ、これはおっしゃるとおりでございます。非常に大変だというそこのところを何とかしよう、したがって財形貯蓄の二倍まで借りられる道を開くということ、借りることが容易になるということ、そのことが非常に当面大切ではないか、これは非常にいいことではないかということを考えたわけでございまして、御指摘のように、利子補給をしないという問題はございますが、かなりそういう面では前進であるということをお認め願えればと思います。
#129
○大橋(敏)委員 そのとおり、中身はなかなかいいことにはなっている。しかし、これは利子補給は国が見るというぐらいまでいかなければ、先ほど西ドイツの問題が出ておりますので、そういう立場からいけば、当然利子補給は国がするというぐらいの前進を見なければ、やはり期待された財形法ではない、私はこのように思います。また、利子補給するぐらいの改善がなされれば答申の精神も生きてくる、こう思うのですが、大臣、その辺はどう思いますか。
#130
○東村政府委員 先生のおっしゃるように、さらに加えて利子補給ということになればよりベターであると思うのですが、ただ余り利子補給ということが全面的に出ますと、資金の枠の問題にも響いてきますので、そういうデメリットもある。これは一半の理屈と言えばそれまでかもしれません。そういうことがあると思うのです。しかし、ワンステップとしては、とにかく借りられやすいようにするということが当面の問題でございますので、仮に利子補給をしなかったならば、これはやめた方がよかったのかというと、そうでもないし、これはこれ自身で意味があると考えましたので、この制度を採用した、こういう次第でございます。
#131
○大橋(敏)委員 時間もだいぶたってきましたので、じゃ次に移りましょう。
 いま労働省からいただいた資料を見ますと、財形貯蓄が三千七百五十二億三千六百十四万四千円なされているというのですね。このように大きな金額になっているわけですけれども、この資金の活用の道が持ち家融資に限られているというのは問題ではないだろうか、もっと勤労者の福祉のために広く役立たせることを考えるべきではないかと私は思うのでございます。これは先ほどの質問者からもあったように思いますけれども、もう一度この点明確に答えていただきたいと思います。
#132
○東村政府委員 御指摘のとおりの資金活用の実情でございますが、これにつきましてはいろいろ問題もございます。
 先ほども申し上げましたが、財形貯蓄というのは金融機関に大体一年程度据え置くというのが多いわけでございます。しかし、持ち家融資なりその他の勤労者の福祉のために役立てるということになりますと、それがかなり長期に寝るといいますか、償還の期間が長くなりますので、その辺の調整も一つ問題ではないかと思うわけです。
 それから現在持ち家に集中的に使われておりますのは、実は昭和四十八年十一月に基本答申が財形審議会から出ました。その基本答申におきましては、先ほどからいろいろお話ございますように、財形政策の基本理念がうたわれておりますが、そのほかに勤労者により取得保有を促進すべき財産の範囲として、当面やはり金融資産であるとか、あるいは持ち家について重点的にやりなさい、こういう指摘がございまするので、その線に沿って考えたわけでございます。しかし、せっかく御指摘ございますし、われわれもできればと思いますので、いろいろむずかしい問題はございますが、御指摘の点については、将来課題として検討してまいりたい、かように考えます。
#133
○大橋(敏)委員 それでは、先ほどもちょっと出ていましたけれども、現在企業内で行われている社内預金について、その功罪がいろいろと話題になっているわけでございます。特にこうした財産形成促進の法律もできたことでありますし、この社内預金の管理の適正化を図りつつ、財形制度との調整を図っていくべきではないか。実は四十九年の答申の中にも「勤労者財産形成促進法に基づく各種制度と現在企業で行われている財産形成のための類似制度との調整を図ること。」と、すでに指摘しておりますね。したがいまして、私は、やはりこの社内預金に対して一つのしっかりした考えを持った行政指導がなされるべきである、こう思うのでございますが、いかがなものでしょうか。
#134
○東村政府委員 社内預金の問題につきましては、現在二兆円というようなかなりの数字に上っておりますし、こういう時代でございますので、不払いといいますか、焦げつきといいますか、そういうことがあってはならないという観点から先般一斉に監督をやってみたわけでございます。その結果は、社内預金についての不払いはほとんどございませんでしたが、御指摘の管理について、われわれが指導通達を出しておるのに、その線から見ますと、かなりルーズの点が見受けられましたので、社内預金の管理についてはさらにきちっとするようにということを全国に指示していますし、今後とも社内預金の管理の適正化については努力してまいりたい、かように考えます。
#135
○大橋(敏)委員 この財形法が発足したのが四十六年ですね。それから今日の財形貯蓄契約勤労者数、労働省から出たのを見ますと、三百九十五万六千七百二十九人である、こういう数字が示されておりますが、この数字は、発足したときの予想されたのとどうだったのか。私は、ある一面では非常に予想以上に伸びたのではないかという感じを持っておりまして、勤労者の関心と期待は大きいのではないか、こう考えているわけです。
 ましてや、全国就業者中に占める雇用労働者数は、四十八年度で三千五百七十万人、六八・八%であるということも示されておりますし、五十五年度では四千百万人になる、こういうふうに推計されております。パーセントで言えば七三・五%です。まさに勤労者社会が実現してくるわけでございますが、そうしたわが国の現状、実情から、この財形貯蓄というのは本当に、本気になって進めていくべき内容ではないか、こういうふうに思うのでございますが……。
#136
○東村政府委員 ただいまお挙げになった数字、当初予想していたものとどうかというお話でございますが、われわれも、いろいろ試算をする中では、こういう数字に近いものも考えられなかったわけではございません。しかし、西ドイツ等の比較等においては、まあこういう数字になるということが自信を持って見通せなかったことは事実でございまして、そういう意味では予想外ということは言えると思います。つまり、西ドイツや何かから見ますと、かなり伸びておるということになると思います。と同時に、これからも、こういう数字は、どういうテンポかわかりませんが、伸びていくと思います。そういうことになれば、先生おっしゃるように、財形貯蓄、財形に関するいろいろの制度というものを、さらにさらに充実させていくことが必要になってくるのじゃないか、かように考える次第でございます。
#137
○大橋(敏)委員 もう時間が参りましたので、最終的に要望になるわけですけれども、今回いろいろと改善が図られることになるわけでございますけれども、この活用が十分なされるか、なされないかで、この法律が死ぬか生きるかになるわけでございますから、積極的な行政指導を行ってもらいたいということです。
 それから、実は全国の信用金庫協会から、われわれの手元に要望が届いているのです。時間があれば内容を全部申し上げたかったのですけれども、残念ながら時間が来ましたので……。
 いま信用金庫は、地域金融機関として四百七十六金庫、四千六百余の店舗をもって地元中小企業、地域住民の金融の円滑化に努力しているのだ、したがって今度の勤労者財産形成給付金制度の取り扱い金融機関にしてほしい、こういう要望なんですけれども、どんなものですかね、これは。
#138
○東村政府委員 それは給付金制度に関する参入の問題だと思うのですが、
    〔菅波委員長代理退席、委員長着席〕
やはり銀行にはそれぞれ銀行としての守備範囲といいますか、持ち分といいますか、というものがございまするので、現在法律に書いてあるその金融機関にさらにプラスするということは、現在のところは考えておりません。
#139
○大橋(敏)委員 現在のところは考えてないけれども、将来考える余地がある……。
#140
○水谷政府委員 将来の問題ということになりますと、全然考える余地がないということはもちろん言えないわけでございますけれども、これはどちらかといいますと財形制度に関する問題よりも金融機関の業務分担といいますか、一言で言えば長期性の預金ですね、それを扱うような金融機関であること、それから第三者のためにする契約、つまり生命保険の場合が一番はっきりいたしますけれども、事業主が預託をいたしまして、それで金融機関にその金が一定期間、この場合七年間ですけれども置かれまして、それで七年後に労働者のものになるということになっておりますので、言うなれば、第三者のためにする預託といいますか、そんなかっこうの金融機関が現在対象になっておるわけでございます。したがって、御指摘のような信用金庫と同じような要望が一般の都市銀行その他普通銀行からすべて寄せられておるわけでございますけれども、決して逃げるわけではございませんが、私どもの問題よりもむしろ金融機関の業務分担にかかわる問題でございますので、いま私どものところで、将来の問題として、もちろん検討しないわけではございませんけれども、将来見込みがあるというような御返事はいたしかねるといいますか、その辺はそういうようなことでございます。
#141
○大橋(敏)委員 最後に一言、総まとめで大臣の方から……。
#142
○長谷川国務大臣 大橋先生からだんだん財産形成に対しての御評価をいただきましてありがとうございますが、なかんずく、今度転職した者にまでつないでいくということは、ほかのこともあるけれども、大変な一つの前進じゃなかろうかと私は思っております。同時に、勤労者の場合には非常に税金などが捕捉しやすいわけですから、そしてまた、個人営業者なり農業者とかそういう方々から見れば、勤労者というものは住宅というものに一番困っている現実ですから、私はこれをステップにして、やはりある意味では小さく産んだかっこうで、御批判などもいただいておりますが、これを大きく育てる、小さく産んで大きく育てる、こういう社会的要請にマッチしてやっていきたい、こう思っております。
#143
○大橋(敏)委員 終わります。
#144
○大野委員長 次に、小宮武喜君。
#145
○小宮委員 昨年ごろから労働省では、勤労者の財産づくりということを目玉商品の一つとして宣伝されてきたわけでございますが、私はその前に、今日のインフレ、物価安定、それにこの不況の克服こそが勤労者の財産づくりの大前提でなければならぬと思うのですが、大臣はこのインフレ抑制、物価安定についてどのように見通しをされておるのか、それからまた、不況克服についてもどのように考えられておられるのか、ひとつ見解を承りたいと思います。
#146
○長谷川国務大臣 おっしゃるとおり、いまは世界がインフレで、その中に不況があり、さらにはまた雇用不安というものがあるわけでございます。けさ閣議において総理府長官が、あちらの方でとった一月の完全失業者の数字などを発表しておりました。百万は割っておりますけれども九十九万という数字、アメリカが八・二%で七百万、その中に十六歳から十九歳が驚くなかれ二〇・三%、こういうことからしますと、やはり私はインフレーションを抑えることが最大の眼目である。そして一方においては、働く職場から離職する者を少なくしていく、こういう政策が大事だ。そして貯金でございましょうね。ということになりますと、大体日本の場合には、国会の審議を経まして、雇用調整給付金などが働いておって、ここ一、二カ月というのは失業者というものは数字は横ばいになっております。こういう形をとっている。一方、物価対策は、ここ三、四カ月は卸売り物価というものは安定しております。これが働いて三月末の消費者物価が一五%以内におさまるというかっこうになったことなどが、勤労者の月給もさることながら、これをもらう奥さん方、こういう方々の日常の心構えというのが大分違ってくる。安心が出てくる。そちらの方にいまから先にやりつつ、一方は雇用関係をにらみながら、時にきめ細かい中小企業対策とか、あるいは地方の公の建設、こういうものなどを網の目を細かくしながら物価抑制をねらいつつやっていくことが一番大事じゃなかろうか、こう思いながら、せっかくの微力を尽くしているところであります。
#147
○小宮委員 失業者の統計のとり方にも、これはアメリカとか西ドイツと日本の場合はそれぞれ違っておるわけであります。だから、その意味では日本の総理府がとっておる統計数字にしては、これは内輪な問題になる。向こうでは一時帰休という問題がない。レイオフ、一時解雇ということで全部失業者が上がってくるわけですが、わが国の場合は、失業者として外に出さずに内に抱えておるというところに過剰労働力の問題があるわけです。
 そういった問題は別の機会に譲りまして、とにかくいずれにしても、今日インフレによって勤労者の預貯金が非常に目減りをしておるということで、これはもうすでに御承知のように訴訟まで起こされているわけです。その点から財形審議会の答申でも、財形貯蓄については税の減免だけではなくて、やはり西ドイツのように貯蓄額の二〇%相当額、最高十万円を限度として国が割り増し金をつけたらどうかということが提案されておるわけですが、今回この改正案を見ても割り増し金制度というものが実現されておりません。これは大臣は一生懸命努力されたとは思いますけれども、どのように努力をされたのか、また今後の見通しについてはどうなのか、その点ひとつ大臣から答弁願います。
#148
○長谷川国務大臣 これは私微力で、直ちに実現できなかったことは非常に遺憾と存じます。しかしながら、わが党あるいは野党の皆さん方も、大蔵大臣と労働省の予算折衝のときなどは大変御加勢いただきました。しかしながら、西ドイツの場合二十年間の歴史ある優等生、こちらの方はスタートして三年というふうなことと、やはり国情の違い、社会保障の違い、こういうことなどで一遍に解決しなかったことです。私は思わず理想というものは一日にして成らず、予算獲得できないときにそう申し上げたことですが、これは審議会の御答申にもありますし、さらにまた、本年度以降もこういうものも含めて検討していくという態勢でございますので、せっかく西ドイツみたいに直ちに大幅ということが仮になくても、しかしそういうものが今度少しずつあらわれている。中小企業の場合、零細企業の場合というふうに多少の前進がそんなところにある。しかし一方、いまから先も大いに検討し、御協力をお願いするということで御理解いただきたいと思うのです。
#149
○小宮委員 日本の財形制度というのは西ドイツの制度を見習ったと思いますけれども、西ドイツで労働省と経営者、いわゆる労使関係が非常に安定しておるという背景の中には、政府が勤労者の生活安定のために財形政策に非常に力を入れているというのも一つの大きな要因になっておるのです。ところが、これは大臣が一番御承知のように、わが国では労使関係が、全体としてではなくて非常に悪化しておる。こういうような面から見ましても、やはり政府、労働省というのは労働者の財産形成についてもっと力を入れるべきだ。いま御承知のように、税金の問題一つをとりましてもトーゴーサンとかクロヨンとか言われるように、勤労者は非常に冷遇されている。そういうような意味では、日本の労使関係を安定させるためにも、いわゆる正常化させるためにも、政府としても労働省としても、勤労者の財産形成についてはもっともっと力を入れて、そしてひいては労使の安定化を図る、正常化を図るというのが一番大きな問題だと私は思うのです。
    〔委員長退席、竹内(黎)委員長代理着席〕
その点について、そういうような立場から今後の財形政策をどのように進めていかれるのか、さらにひとつ大臣から所見を聞きたいと思うのです。
#150
○長谷川国務大臣 まさにおっしゃるとおりでして、夜テレビを見ていると、民放などが財産形成、財産形成と広告を出しますね。しかし、これは自分でやっている人はわかるでしょうけれども、ほかの方々は何のことかわからぬと思うのですよ。いわんや、社会的意義なんというのは、ほかの方々はなおわからぬ、こういうことからしますと、私はやはり勤労者政策としての財産形成というものはどういう意義を持っているかということを、労働行政に関係する皆さんとわれわれだけじゃなくして、一般の指導者階級といいますか、そういう方々にぜひわかってもらわなければいかぬ。私は、いまから先、そちらの方に力を尽くしつつ、一方においては一つの指針が審議会の方から出されてもおりますので、これの普及、徹底と申しますか、その審議会の方々の御奮発もまたお願いしながら、社会的にずっとPRしてもらう、もちろん私たちがその中心になって、皆さんと一緒にやっていく。これが日本の場合には、いままで労使がなかなかうまくいっておりませんでしたが、これは非常に残念なことです。そういうところじゃもうないんだ。日本はここを切り抜けるか切り抜けぬか、大変なことですから、ことに組合といえどもこれだけの大きな力を持っておるのですから、社会的に文化的に経済的に、非常に一方においては責任もあるわけですから、国全体の経営に責任がある。これが非常にお役に立つことは大体わかったことですから、そういうことでぜひ私は、啓蒙なり推進をやっていきたい、こう思っております。
#151
○小宮委員 労使がどうあるべきかということについては、春闘のたびにも大臣が一番よく存じておりますから、そういうような立場からも、やはり勤労者の財産形成については、政府としてももっと力を入れるべきである。
 ところが、われわれが見ましても、西ドイツと比べても西ドイツの方は勤労者の財産形成に非常に力を入れている。それに比べれば歴史も浅いけれども、ようやくいま緒についたと言えば言えないこともございませんが、やはり力の入れ方によっては、西ドイツ並みにやろうと思えばやれないことはないと思う。
 しかし、それをいま急にここで言っても、それは無理でしょうから言いませんけれども、ただ、財形貯蓄に対する税制上の優遇の問題です。こんなところへもそういった政府の姿勢というものが出てきておるわけですが、改正案の内容は、利子非課税の限度額の引き上げ、税額控除率及び限度額の引き上げ、こうなっておるわけですが、これは税制を中心にした優遇策でございますが、やはり財形貯蓄の金利についても引き上げるべきじゃないか。西ドイツの場合もやっているわけですから、そういうような意味では、金利の引き上げについても政府として考えるべきじゃないか、こういうように考えますが、いかがですか。
#152
○東村政府委員 財形貯蓄に対する優遇措置の仕方でございますが、先生おっしゃいましたように、財形貯蓄については税制上の優遇措置のほかに、金利面でも何か措置する必要があるじゃないかというお話でございます。そういうお話の趣旨、よくわかりますが、やはり全体的な金利体系というものがございまして、そのバランスとの調整が必要になります。どうやってこれをとったらいいか、なかなかむずかしい問題でございます。したがいまして、さらに慎重な検討が必要じゃないかと思います。
#153
○小宮委員 だから、やはり現状はこうだからもうどうしても無理だということで――現状のからを破らぬ限りは、私が先ほど言っておるように、本当の勤労者の財形づくりはできないのだということを私は言っておるわけだ。だから、いまがこうだからこの枠内でしか物事が考えられないということでは、いまより以上の勤労者に対する財形についての政府の施策というものは発展性がないというふうに指摘をしたいのです。
 この財形貯蓄に対する利子非課税の限度額は五百万円になっているわけですが、財形本来の目的からいってもこの限度額を引き上げるということを考えなければいけませんが、限度額を設けるということ自体に私は何か不合理を感ずるわけです。もっと限度額を引き上げるか、あるいは退職金に至っても一千万円くらい最近もらうわけですね。三十年で非課税が退職金の場合は一千万円ですね。三十五年で一千二百万、勤労者が三十年、三十五年働いてもらった、そういうふうな一千万なり一千二百万の退職金に対して、こういうような――非課税の限度額を五百万円に上げたと言うて労働省はいばっておるようだけれども、もっとこれは一千万に上げるとか一千五百万まで引き上げる。少なくとも汗水たらして働いた金に対して利子課税まで設けるというのはちょっとおかしい。利子を課税するというのはおかしい。だから、そういうふうな意味では非課税の限度額は撤廃しなさいと私は言いたい。撤廃すべきだ。それが一挙に無理であるならば少なくとも一千万、一千五百万くらい上げるべきだ、こういうふうに私は考えるのですが、局長どうですか。
#154
○東村政府委員 ただいまのお話は利子非課税の限度額の問題でございますが、実はこれは御承知のマル優制度というのがございますが、これは現行三百万でございます。この別枠として勤労者に限って認められておるものでございまして、したがいまして、それとの関係から限度額を撤廃するということはちょっと考えられない。
 なお、この非課税の限度額は昭和四十七年発足当初は百万円でございましたが、四十九年度税制改革により五百万円に引き上げられたというものでございます。御趣旨はわかりますが、現在でもかなり上がっておるし、一方マル優制度とのバランスもあるということを、先ほどのお話のように御叱正あるかもしれませんが、そういう実態でございます。
#155
○小宮委員 限度額の引き上げの問題については、これはもう私は限度額を設けること自体が不合理だ、特に財形の目的からいっても。その意味ではいま言われるとおり、いつもほかの金利体系の問題いろいろあるうし、そこまでは私も撤廃しろとまでは言わないとしてもやはり限度額を大幅に引き上げるように、やはり来年度あたりは、五十一年度あたり早急に検討すべきだ、こういうふうに思います。
 それから、財形貯蓄によって家を建てますね、そういうふうな住宅貯蓄にかかわる印紙税、不動産取得税、登録税なども、財形貯蓄によって家を建てた場合は、こういうふうな制度の目的、勤労者の負担の軽減から見て、私はこういった諸税は免除すべきじゃないかというふうに考えるのですが、これは労働省としてはどのように考えますか。
#156
○東村政府委員 ただいまの問題でございますが、持ち家の取得につきましては、これは一般の持ち家でございますが、現在所有権保存登記の登録免許税率の軽減とか不動産取得税の課税標準の特例等の措置が講ぜられておりますが、財形分譲融資に当たりましては、所有権移転登記の登録免許税率の軽減等の措置が講ぜられております。印紙税、不動産取得税、登録免許税についてさらにこれを免税にするということは、これまた、いままで申し上げておりますように、全体の税体系から見てなかなかむずかしい問題ではないかと考えております。
#157
○小宮委員 時間が経過しますから先に進みます。
 今度の改正案で、事業主は従業員の財形貯蓄奨励のために付加金が義務づけられているわけですが、この付加金は大体幾らですか。
#158
○東村政府委員 いま御指摘のございましたのは給付金だと思うのですが、この給付金は、もちろんこの法律ができました暁初めて動き出すわけでございます。どの程度を想定しておるかというお話だと思いますが、私どもといたしましては、これは推計がなかなかむずかしいわけでございますが、年間一人当たり十万円程度を最高限度額にしよう、政令においてそういう規定をしていこうとは思うわけです。しかし、いずれにいたしましても、この制度の本旨は労使の合意によって運用するということでございますので、その拠出金の額についても労使が合意した金額によって決まる、かように考えている次第でございます。
#159
○小宮委員 現行の財形制度は財形貯蓄と財形持ち家が大きな柱になっておるわけですが、勤労者がこの制度に加入するというのは、やはり持ち家制度に一番魅力を感じて加入をされておられる方々が大半だと思うのですよ。しかし、先ほどからもいろいろ指摘がありましたように、果たしてこの制度だけで家が建てられるかどうかということははなはだ疑問です。それは家を建てる場合の一助にはなると思います。そこで、労働省は庭つき一戸建てということを盛んに昨年は宣伝をしたわけですから、庭つき一戸建てというのは大体どの程度の規模のものを労働省としては考えておるのか、この点いかがですか。
#160
○東村政府委員 庭つき一戸建て住宅の規模につきましては、住宅金融公庫の融資によって建設された住宅の実績によりますと、全国平均で住宅の面積が九十六平米、敷地面積が二百五十四平米となっておりまして、この程度の規模が標準ではないかと考えております。
#161
○小宮委員 それでは現在財形貯蓄に加入されておられる人たちの数と、それで貯蓄残高が幾らになっておるか、念のために一番新しいところの数字でひとつ示してください。
#162
○東村政府委員 昭和四十九年十二月末現在の財形貯蓄の加入者数は三百九十六万人、貯蓄残高は約三千七百億円でございます。
#163
○小宮委員 そこで私が知りたいのは、加入者の平均年齢がどれだけになっておるか。それでその人たちの平均年間所得はどれくらいなんだろうかということですが、これは労働省としては把握しておりませんか。
#164
○東村政府委員 全体的な体系的な資料はございませんが、財形貯蓄に加入している五千人の勤労者について四十八年に行われました民間の調査でございます。それによりますと、加入者の平均年齢は約三十六歳、平均年収は百四十万円でございまして、これは考えてみますと全労働者の平均と大体同じでございます。
#165
○小宮委員 それでは仮に財形貯蓄にことし加入をして家を建てようと計画した場合、毎月幾ら貯蓄して何年後に家ができるのか、ひとつ具体的に教えてください。
#166
○東村政府委員 財形持ち家個人融資が新しく今度できたという前提で考えてみますと、資金源は自己資金とそれから金融公庫と今回の個人融資、こういうことになって、その他いろいろ合わせてやることになると思うわけでございます。これをどういうふうにやっていったならば家が建つかという問題でございますが、たとえば毎月二万円、年二回のボーナス期に各十万円という財形貯蓄を五カ年間行いますと、その元利合計が二百五十万円程度になります。二百五十万円になりますと、その倍の五百万円が借りられる。そのほかに五十年度金融公庫からは四百五十万円が借りられる。合計千二百万円程度になるということになるわけでございます。ただ、今後建築費や土地の価格がどう上がるかという問題がございますので、これは十分抑制をするという前提でございませんと、将来の問題としてはまた数字が動いてくる、こういうふうに相なるかと思うわけでございます。
#167
○小宮委員 財形貯蓄に加入して家を建てようという人は、やはりここに加入して家を建てようという考え方ですから、労働省は当初はこれで庭つき一戸建てをつくるのだということを盛んに言っておった。ところが最近になったら庭つき一戸建てということも労働省の口から全然消えてなくなった。それでまた最近は、いや、それはあくまでこの制度で家をつくれるということではなくて、家をつくるための一助としての制度でございますというふうにだんだん後退してきているのですよ。この法律案は昨年も国会に出されたわけですから、そういうふうな意味では労働省はもっと前向きに取り組んでいただかぬと、なかなかこういうふうな時代ですから、非常に後退しておるような印象を受けることは残念でございますが、いま言われるように、本来われわれもそういうような意味で考えれば、それでは七年後、十年後に土地の価格はどうなるのか、建築費はどうなるのかということまで突っ込んでいけば非常にむずかしい問題でございますし、時間がかかりますからやめますけれども、そういうふうな意味で単純計算でいけば、これだけたまってこれだけになるから家ができるという計算ができますけれども、そう簡単にいくかどうかということは非常にむずかしいと思います。
 それはそれとして、さて家がいよいよでき上がったとした場合に、その融資の返済期間と返済金は、毎年元利合計で幾らになるのか、その辺いかがですか。
#168
○東村政府委員 返済期間でございますが、これは住宅の種類を入れて考えなければいけませんが、耐火構造の場合これは三十五年以内、それから簡易耐火構造の場合二十五年以内、木造の場合は十八年以内ということを考えているわけでございます。これは財形持ち家個人融資の話でございます。
 そこで、勤労者が住宅を建てる場合に、ただいまお話し申し上げましたように、住宅金融公庫の融資と、先ほど申し上げました財形持ち家個人融資と両方利用することができますので、それを合わせて利子計算その他をやってみたわけでございます。先ほどの計算でもほぼ一千万円近いということでございますので、切りがよいので一千万円ということでやってみますと、融資の平均年利率を約七%といたしますと、毎年の返済額は耐火構造の場合が約七十七万円、簡易耐火構造の場合は約八十五万円、木造の場合は約九十八万円、年間でございますが、そのように相なるわけであります。
#169
○小宮委員 木造の場合でも年間九十八万円返済していくというのは、なかなか並み大抵のことではできませんよ。よほどの収入のある人でなければ財形貯蓄制度に加入して家を建てるということは非常にむずかしいと思うのです。
 それは別として、次は土地の問題ですが、財形審でも持ち家取得について土地対策が強化されない限り住宅問題の解決はあり得ないということを指摘しておりますが、まさに私はそのとおりだと思うのです。土地確保について国が責任を持つのかどうかその点いかがですか。
#170
○東村政府委員 これは財形政策の中において国が土地を確保するということではなくて、やはり一般の土地政策の中で財形で持ち家ができるように、かように考えております。特に考えるわけではございません。
#171
○小宮委員 結局土地が確保できないと、加入しても実際家を建てようと思っても建てられないわけですよ。だから私は、その財形貯蓄をやって家を建てようとする人に対しては、この制度本来の目的からいっても、やはり国がある程度土地についても責任を持って確保してやるというところまでいかぬと、なかなかむずかしいのじゃないか、こういうふうに考えます。また、改正案で、新たに住宅公団、宅地公団が発行する宅地債券を購入するための預貯金についても一定要件を満たすものについては財形貯蓄に含めるということになっていますが、この一定要件というのは、これは何ですか。
#172
○水谷政府委員 宅地債券というのは、実は現在、余り幅広く行われておりませんので、そのようなものが行われた場合に、これを対象にしよう、言ってしまえばそういうことになるわけでございますが、ただいま御質問の、一定の要件といいますのは、三年以上の期間にわたって継続的に宅地債券を購入すること、それが一つ。それから、購入した宅地債券については、その償還差益を含めて、すべて宅地の取得のための頭金に充てること。それから債券の購入は、事業主を通じて賃金からの控除により行うことというようなことを一定の要件というようにいたしております。
#173
○小宮委員 それは、宅地債券を購入すると、土地の確保はできるわけですか。
#174
○水谷政府委員 この辺は非常にむずかしい問題でございますが、宅地債券の制度というのは従来かなり広く行われておりまして、現に宅地債券を購入して土地を優先的に確保した人というのもかなり聞いております。で、たてまえ上は、宅地債券を購入しますと、一般の者に優先して宅地の購入といいますか、取得ができるというたてまえになっておりますけれども、現在、それではどの程度宅地債券の発行というのが住宅金融公庫なりあるいは日本住宅公団等が行っておるかということを調べますと、余り数多く行われておらないというのが現状でございます。したがいまして、宅地開発公団法が成立して、この辺の制度がかなり軌道に乗るといいますか、一般化いたしますと、この制度が実際に動いてくるといいますか、そういうようになるものではないかと考えております。
#175
○小宮委員 また、財形審では、財形のこの持ち家だけで勤労者の住宅問題を片づけるということではなくて、勤労者のために低家賃の公共住宅を大量に供給するということは考慮されなければならないと言っているわけですね。先ほどから言われますように、やはり貯蓄をして家を建てても、今度返済するのに、そういうように九十六万も幾万も払っては、これは相当中流以上の人でなければなかなか加入できないということになるので、やはりもっと低所得者の人たちの住宅問題が解決するような、そういうような公共住宅を大量に供給するということが財形審でも指摘されておるわけです。
 そこで、住宅供給に占める公共住宅の比率はどうなっておるのか。また、今後、公共住宅の建設計画はどうなっているか。これは建設省の方が一番いいと思うのですが、しかし、少なくともこういうふうな勤労者の持ち家対策を進める場合に、ただ建設省は建設省、労働省は労働省というばらばらの体系ではなくて、政府として行う以上はやはり一つの体系の中でこういうふうな制度を進められるべきだ、こういうふうに考えますので、もし労働省でこの問題を提起し、制度をつくる以上は、だから今後の公共住宅の建設計画はどうなっておるのか、あるいは公共住宅の占める比率がどうなっておるのか、その点、ひとつわかっていたら説明してください。
#176
○東村政府委員 建設省の調べによりますと、四十六年度から四十九年度の間に七百二万戸の住宅が建設されまして、そのうち公営住宅が四十二万八千戸、公団住宅が二十三万二千戸、計六十六万戸の公共住宅が建設されておりまして、住宅建設総数に対して九・四%の比率と相なっております。
 ただいま先生御指摘のように、財形審議会におきましても、勤労者の良質、低家賃の住宅を大量に供給する必要がある、一方にそういう問題を構えながら、一方には勤労者が家を持ちたいという希望を何とかかなえさせてやるように持ち家取得について財形で考えろと、こういう御答申でございますので、その線で現在やっておるわけでございます。したがいまして、建設省等ともさらに今後緊密な連絡をとりながらこの問題を進めていきたい。具体的将来の数字は手元にございませんので……。
#177
○小宮委員 財形貯蓄の残額は、先ほどの答弁の中でも三千七百億という答弁がありましたけれども、この残額が各金融機関別にどのように契約され、その契約内容がどうなっておるのか、各金融機関別にひとつ説明を願いたいと思う。
#178
○長谷川国務大臣 お答えいたします。
 四十九年十二月末現在が先ほどからお話しのあった約三千七百億、金融機関別の内訳を見ますと、証券会社十九社で約一千四百億円、信託銀行八行で約一千三百億円、都市銀行十二行で約三百八十億円、労働金庫四十七金庫で約三百二十億円、地方銀行十五行で約百六十億円、長期信用銀行三行で約百三十億円となっています。
#179
○小宮委員 その資金の運用については、各金融機関の自由裁量に任されておるのですか。
#180
○東村政府委員 この資金の運用につきましては、法律におきまして持ち家のための融資制度をいろいろ設けられておりますが、それ以外のものは各金融機関に任されている、こういうことになっています。
#181
○小宮委員 最後に一点だけ。この財形制度については、われわれも積極的に賛成するというような気持ちもわいてこないわけです。そうかといって反対する理由も特段ない。まあないよりはましだということで私も賛成をする気持ちでおるわけですけれども、いままでのいろいろ答弁を聞きましても、悪く勘ぐる人は、財形制度というのは、持ち家促進ということを口実にして勤労者に貯蓄奨励を行っているのではないかという見方も一つあります。また一つは、国が当然やらなければならない住宅政策を勤労者に肩がわりするものではないかという見方もあるのです。しかし、私も必ずしもそのとおりは見ませんけれども、しかし、そういうような意味ではやはり国が、各金融機関に運用を任されておるこういうような基金については、ひとつ国が財形基金として管理して、そしてむしろ勤労者に対して有効活用を図るようなことを考えるべきだ。ただ、いま言う持ち家の分はありますけれども、後は全部結局金融機関に任されておるわけですから、そういうようなことではなくて、やはりこういった批判を受けないように国が財形基金として管理して、もっと勤労者のために有効活用を図るということを、政府としても労働省としても考えるべきではないかと思いますけれども、この点について大臣の所見だけお伺いして、私の質問を終わります。
#182
○長谷川国務大臣 先生の貴重な御意見のとおりでございまして、何といたしましても日本の場合には勤労者が大事な宝でございますから、その方々の福祉向上のためには一層努めてまいりたい。この制度ができまして約四百万の方々に御加入いただくということは、私は日本の勤労者の非常に健全なあらわれだ、こう思っているわけでありまして、その期待に背かないように審議会の御意見を中心にして推進してまいりたい、こう思います。
#183
○小宮委員 労働大臣は信頼しておりますから。ある人が言っておったけれども、労働省ではもう局長は余り当てにならぬけれども、大臣だけが、一番頼りになるという人もおりましたので、ひとつ期待をして私の質問を終わります。
#184
○大野委員長 これにて勤労者財産形成促進法の一部を改正する法律案についての質疑は終了いたしました。
 この際、休憩いたします。
 本会議散会後直ちに再開することといたします。
    午後一時十一分休憩
     ――――◇―――――
    午後四時六分開議
#185
○大野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 勤労者財産形成促進法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案についての質疑は終了いたしておりますので、これより本案を討論に付します。
 討論の申し出がありますので、順次これを許します。葉梨信行君。
#186
○葉梨委員 私は自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題になっております勤労者財産形成促進法の一部を改正する法律案につきまして賛成の意を表するものであります。
 本法律案は、勤労者の生活の実情に照らし、勤労者の財産形成を一層促進する必要があることを踏まえ、現行法の内容を大幅に拡充強化していると考えます。
 すなわち勤労者財産形成貯蓄制度の改善、事業主の拠出による勤労者財産形成給付金制度及びこれに関する中小企業助成金制度の新設、財形持ち家個人融資制度の新設等をその内容としており、これらは今後の勤労者の財産形成を促進する上で大きな役割りを果たすものと考えるものであります。もちろん各党代表の御質問の中にも種々傾聴すべき御意見と御不満があったことは承知し理解しておりますが、特にプレミアム制度の導入に関し財政等の絡み等を突き詰めて検討しますと、現状における可能な限りの改善を図っておるものであって、これ以上の前進は新たな格別の工夫をこらさなければ不可能と考えます。
 私は、この段階においては本法案をまず可決、成立せしめ、しかる後、理念についての堂々めぐりではなく、日本の現実を踏まえて具体的な実り豊かな論議を重ねることにより、次の前進を図ることが勤労者の期待にこたえる最善の道と考えます。
 以上の理由により、私は本法案に賛成の意を表明いたします。
#187
○大野委員長 枝村要作君。
#188
○枝村委員 私は日本社会党を代表して、勤労者財産形成促進法の一部を改正する法律案に反対の意見を述べます。
 今回の改正案は若干の税の優遇措置がとられているにすぎないのでありまして、それだけに特別これといった実益がないのでありまして、特にわが党が主張し、財形審議会が再三にわたって答申した国の負担による割り増し金の支給を実現させることについて、全くと言っていいほどその努力が見られないのはまことに遺憾であります。
 とりわけ昨年の七十二国会の本委員会で附帯決議として示された財産形成の促進に有効な財政面からの優遇措置を可及的速やかに講ずることがなされていないのは、国会決議を軽視するものとして行政府の怠慢を強く指摘せねばならぬのであります。
 法改正の中で二、三の点について触れてみますと、第一に財形貯蓄の範囲拡大です。ふやせるものは何でもかんでも対象として広げる、そうしてどんどん奨励していく考えが政策としてとられるならば、それに対して適当な措置を行うことが必要であります。その措置とは審議の中でも述べましたように、財形貯蓄は企業を通じて行い、天引きされるのでありますから、個人貯蓄に関する守秘義務と同じような義務を企業に課すべきではないか。そうしないと、今後の労働運動と労働者によくない影響を与える心配があるからです。労働者の貯蓄を利用し、対労務政策、所得政策の問題に波及されないという保証がないからであります。
 第二は、給付金、助成金制度であります。
 給付金制度は十月からであり、事業主負担ですが、ここにも事業主の思うがままの配分がされるし、また、企業格差がそのまま個人資産形成の格差助長に持ち込まれるなど、いずれにいたしましても、このままでは不都合であると思われるからであります。
 助成金の支給も、せっかくつくられたのでありますから、よいものにしていかなければならないのでありますが、今日の段階では、その見通しはかいもくわからない。五十一年から実施されるのでそうかもしれませんが、推定としても、年間総額一千万円になるかどうかも疑問であるというのも納得できないのであります。
 第三は、転貸融資についてです。
 個人融資が新設され、勤労者が直接、間接的に住宅融資を受けられるようになったのでありますが、今日の社会経済状況から見て、実際の効果がこれによって上がるのであろうかとなると疑問が余りにも多過ぎます。ここにも、本当に勤労者が土地、建物を含め、家が持たれ、償還も生活を脅かさないようにやれる方法など、政府が総合的に対策を立てると同時に、財形としてやれるべきものは万難を排して取り組むべきでありますが、この点も不安定であります。
 以上の点を総合して、この改正案に賛成する根拠がきわめて乏しいのであります。願わくは、わが党が積極的に賛成できるような転機をつくるためにも、先ほど申し上げましたような諸点を十分検討して、可及的速やかに実現されたいのであります。
 以上をもって反対の理由といたします。(拍手)
#189
○大野委員長 石母田達君。
#190
○石母田委員 私は、日本共産党・革新共同を代表して、勤労者財産形成促進法の一部改正案に反対の態度を表明します。
 反対理由の第一は、自民党政府の政治によって深刻化したインフレによる労働者の生活や住宅問題について、政府は責任を放棄し、労働者の貯蓄努力に責任を転嫁するからであります。
 政府は、本法案の提案理由として、「勤労者の財産形成を一層促進するため、」と述べているが、現在のインフレのもとで、血のにじむような努力で蓄えた貯蓄は二割近くも実質価値が下がり、また、大資本の土地投機をあおった結果、地価は暴騰し、労働者の住宅建設を一層困難にしているのであります。このような原因と責任をたな上げして、労働者の貯蓄意欲を利用し、貯蓄をあおることは、労働者に対する欺瞞であり、政府の無策の責任を転嫁するものであります。
 第二の理由は、労働者は、自分や家族の不時の災害や、住宅建設、老後の対策などを考え、無理をしても自己の生活を守るために貯蓄を行っています。政府は、今回の改正案で個人融資を導入し、いかにも住宅建設ができるかのように描いておりますが、貯蓄残高の増加にかかわらず、実質的にはこれらの貯蓄している労働者の住宅建設による利用度が低く、結果として金融機関へ資金が集められ、金融機関や大資本の利益を保障しようとするものとなっていることであります。
 政府が、もし真に労働者の生活を豊かにし、住宅問題を解決する意思があるならば、いま直ちに行なうべきことは、第一に、インフレ政策をやめ物価を下げること。第二に、貯蓄の目減り分を補償する措置をとること。とりわけ、財形貯蓄の対象人員三百九十六万人の三千七百五十億円に対する減価に責任ある措置を行うことであります。第三に、勤労者の所得税の大幅な減税を図ること。第四に、低廉な公共住宅を大量に建設すべきであります。また、大都市近郊での大資本の買い占めた土地を安く放出させ、労働者用の宅地に充てるべきであります。
 以上、私どもの主張の実現を図るとともに、本制度の抜本的な改善を行うべきことを強調し、本法案に反対する討論を終わります。(拍手)
#191
○大野委員長 大橋敏雄君。
#192
○大橋(敏)委員 私は、公明党を代表いたしまして、ただいま議題となりました勤労者財産形成促進法の一部を改正する法律案に対し、賛成の意見を表明します。
 現行の勤労者財産形成促進制度につきましては、その内容が魅力に乏しく、また、勤労者が転職した場合に財形貯蓄を継続して利用できないこと、あるいは財形持ち家分譲融資の利用実績が少ないことなど、制度の利用面でも問題点が少なくないところであります。
 しかし、今回提出された法案は、そのような問題について改善を行う点が多々あり、特に七十二通常国会において廃案となった改正法案に比較し、わが党が強く主張していた勤労者の財形貯蓄を援助する施策として、たとえば事業主の拠出による給付金制度及び中小企業の事業主に対する助成金制度が新設されるほか、財形貯蓄を行う勤労者一般を対象とした財形持ち家個人融資制度の創設や勤労者が転職した場合も継続措置がとられるなど、その内容は十分評価できるものとなっております。
 本法案が成立すれば、勤労者のみずからの努力と国及び事業主の援助により勤労者の金融資産の形成と住宅の取得が一層促進されることとなり、勤労者財産形成促進制度は一応軌道に乗るものと考えられます。
 とはいえ、特に残念なことは、勤労者がひとしく期待しておりますプレミアム制の導入がいまだに施行されなかったことであります。すでに財形審議会の基本答申にもプレミアムの重要性とその早期実現を要求していることは周知のとおりであります。
 わが党といたしましては、これらの課題につきましては、間もなく提案を予定されております附帯決議に盛り込み、政府がその内容を十分尊重し、今後着実な制度の発展を図るよう強く期待し、本法案に対する賛成の討論といたします。(拍手)
#193
○大野委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#194
○大野委員長 これより採決に入ります。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
#195
○大野委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#196
○大野委員長 この際、山口敏夫君、枝村要作君、大橋敏雄君及び小宮武喜君より、本案に対し附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 その趣旨の説明を聴取いたします。山口敏夫君。
#197
○山口(敏)委員 私は自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党を代表いたしまして、本動議について御説明を申し上げます。
 案文を朗読して説明にかえさしていただきます。
  勤労者財産形成促進法の一部を改正する法律案に対する附帯決議
  政府は、次の事項について適切な措置を講ずるよう配慮すべきである。
 一 勤労者財産形成促進制度全般について、今後更に積極的な改善に努めること。
 二 財産形成促進に有効な税制、財政面からの優遇措置を可及的速やかに講ずること。
 三 物価対策や土地対策の確立が勤労者財産形成の基礎的条件をなすことにかんがみ、これらの施策の早期充実を図ること。
 四 転職した場合における勤労者財産形成貯蓄契約の継続措置、勤労者財産形成給付金制度及び助成金制度並びに勤労者財産形成持家融資制度が活用されるよう、積極的に行政指導を行うこと。
 五 勤労者財産形成持家融資の条件全般について、改善に努めること。
 六 勤労者の貯蓄目的における子弟教育目的の重要性にかんがみ、かかる目的の貯蓄に対する援助の強化について検討すること。
 七 社内預金の管理の適正化を図るとともに、勤労者財産形成促進制度との調整について検討すること。
以上であります。何とぞ委員各位の御賛成をお願いいたします。(拍手)
#198
○大野委員長 本動議について採決いたします。
 本動議のごとく決するに賛成の諸君の起立を求めます。
#199
○大野委員長 起立総員。よって、本案については、山口敏夫君外三名提出の動議のごとく附帯決議を付することに決しました。
 この際、労働大臣から発言を求められております。長谷川労働大臣。
#200
○長谷川国務大臣 ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして、これが実現に努力する所存であります。
    ―――――――――――――
#201
○大野委員長 なお、本案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
#202
○大野委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。
    ―――――――――――――
     ――――◇―――――
#203
○大野委員長 次に、公共企業体等労働関係法の一部を改正する法律案及び中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。
 政府より提案理由の説明を聴取いたします。労働大臣長谷川峻君。
    ―――――――――――――
 公共企業体等労働関係法の一部を改正する法律案中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案
    ―――――――――――――
#204
○長谷川国務大臣 たぢいま議題となりました公共企業体等労働関係法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 公共企業体等労働委員会の委員の定数は、昭和三十一年の同委員会発足以来、公益委員五人、労働者委員及び使用者委員各三人とされておりますが、近年、同委員会が関与する労使紛争は増加する傾向にあるとともに、紛争の内容も複雑化、多様化する傾向にあり、しかも、同委員会としては、これらの紛争を短時日のうちに集中的に調整せざるを得ない場合が少なくないのであります。このような事情にかんがみ、政府としては、同委員会の事務の一層円滑な遂行を期するために、同委員会の委員の定数を増加することが適当であると考え、公共企業体等労働関係法の一部を改正する法律案を提出した次第であります。
 次に、この法律案の内容につきまして概要を御説明申し上げます。
 第一に、公共企業体等労働委員会の委員の定数につきまして、現行法においては、公益委員にあっては五人、労働者委員及び使用者委員にあってはおのおの三人とされておりますが、これを、公労使各側それぞれ二人増加し、公益委員にあっては七人、労働者委員及び使用者委員にあってはおのおの五人とすることとしております。
 第二に、公益委員の政党所属につきましては、現行法においては、公益委員のうち二人以上が同一の政党に属することとなってはならないこととされておりますが、公益委員の定数の増加に伴い、これを、公益委員のうち三人以上が同一の政党に属することとなってはならないこととすることとし、これに伴う関係規定の改正をしております。
 その他、この法律案におきましては、その附則において、増加した定数を充当するための委員の任命手続が進められている間の公共企業体等労働委員会の委員の定数その他について、所要の経過措置を規定しております。
 以上、この法律案の提案理由及びその内容の概要につきまして御説明申し上げました。
 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
 次に、中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 中小企業退職金共済法は、中小企業の労働者の福祉の増進と中小企業の振興に寄与するため、昭和三十四年に制定されたものであります。この法律に基づきまして、現在、中小企業の常用労働者を対象とする一般退職金共済制度と、建設業及び清酒製造業に期間を定めて雇用される労働者を対象とする特定業種退職金共済制度の二種類の制度が設けられております。
 これらの制度に加入している事業主の数は約二十四万、加入労働者数は約二百七十六万人に達しており、本制度は、中小企業労働福祉対策の主要な柱の一つとなっております。
 ところで昭和四十五年の法律改正以降五年間に、一般の賃金及び退職金の水準は相当程度上昇しており、本制度についても、これらの動向に対応して改善を図る必要があるものと考えております。
 政府は、このような観点から、本制度について所要の改善を行うこととし、先般中小企業退職金共済審議会に諮問し、その答申をいただきましたので、ここに中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案を提出した次第であります。
 次に、この法律案の内容につきまして、概要を御説明申し上げます。
 第一に、一般退職金共済制度に関する改正につきまして御説明申し上げます。
 その一は、掛金月額の引き上げであります。
 現行制度では、掛金月額の最低額は四百円、最高額は四千円となっておりますが、賃金等の上昇に合わせて退職金給付の改善を図るため、掛金月額の最低額を八百円、最高額を一万円にそれぞれ引き上げることとしております。
 その二は、退職金給付に対する国庫補助の増額であります。
 現行制度では、退職金給付に関し、掛金月額の最低額である四百円に対応する退職金について、掛金の納付があった期間が三年以上十年未満の場合はその金額の五%、十年以上の場合はその金額の一〇%の国庫補助を行っておりますが、掛金月額の最低額の引き上げに対応して、この国庫補助の対象を掛金月額八百円に対応する退職金に引き上げることとしております。
 その三は、被共済者としての掛金納付月数を通算する条件の緩和であります。
 被共済者でなくなった者が再び被共済者となった場合に前後の退職金共済契約に係る掛金納付月数を通算するためには、一定の条件を満たすことが必要であります。この条件について現行制度では被共済者でなくなってから一年以内に再び被共済者となった場合でなければならないことになっておりますが、この期間を一年延長し、二年以内に再び被共済者となった場合には、掛金納付月数の通算を行うこととしております。また、この場合現行制度では、被共済者の自己都合による退職の場合には掛金納付月数の通算を行っていないのでありますが、本改正案においては自己都合による退職の場合であってもやむを得ない事情に基づくものについては通算を行うこととしております。
 また、今回の制度改正を契機としてこの法律案の施行の日から昭和五十一年十二月一日までの間に掛金月額の増額を行った場合については、掛金月額の増額後二年未満の間に被共済者が退職したときであっても、特別に、増額分については掛金相当額の給付を行うこととしております。
 第二に、建設業及び清酒製造業に期間を定めて雇用される労働者を対象とした特定業種退職金共済制度に関する改正について御説明申し上げます。
 その一は、掛金日額の範囲の引き上げであります。
 各業種の退職金共済組合が定款で定め得る掛金日額の範囲は、現行制度では「十円以上百円以下」となっておりますが、賃金等の上昇に合わせて、これを「六十円以上三百円以下」に引き上げることとしております。
 その二は、退職金の支給要件の緩和であります。
 現行制度では、掛金の納付された期間が三年未満であるときには退職金は支給されないこととなっておりますが、この期間を一年短縮し、掛金の納付された期間が二年以上あれば退職金を支給し得ることとしております。
 その他、この法律案におきましては、その附則において、これらの改正が円滑に実施されるよう所要の経過措置を規定しております。
 以上、この法律案の提案理由及びその内容の概要につきまして御説明申し上げました。
 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
     ――――◇―――――
#205
○大野委員長 この際、理事辞任の件についてお諮りいたします。
 理事山口敏夫君より理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
#206
○大野委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。
 なお、その補欠選任につきましては、委員長において指名いたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。
#207
○大野委員長 御異議なしと認め、理事に住栄作君を指名いたします。(拍手)
 次回は来る十八日火曜日午前九時五十分理事会、十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時三十一分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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