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#1
第075回国会 社会労働委員会 第17号
昭和五十年五月二十七日(火曜日)
   午前十時三十六分開議
 出席委員
   委員長代理 理事 竹内 黎一君
   理事 菅波  茂君 理事 住  栄作君
   理事 葉梨 信行君 理事 枝村 要作君
   理事 村山 富市君 理事 石母田 達君
      伊東 正義君    大橋 武夫君
      小坂善太郎君    小林 正巳君
      田川 誠一君    高橋 千寿君
      橋本龍太郎君    細田 吉藏君
      粟山 ひで君    山口 敏夫君
      稲葉 誠一君    金子 みつ君
      川俣健二郎君    島本 虎三君
      田邊  誠君    森井 忠良君
      田中美智子君    寺前  巖君
      大橋 敏雄君    岡本 富夫君
      小宮 武喜君
 出席国務大臣
        労 働 大 臣 長谷川 峻君
 出席政府委員
        大蔵大臣官房審
        議官      後藤 達太君
        労働省労政局長 道正 邦彦君
        労働省労働基準
        局長      東村金之助君
        労働省労働基準
        局安全衛生部長 中西 正雄君
        労働省職業安定
        局失業対策部長 岩崎 隆造君
 委員外の出席者
        議     員 村山 富市君
        大蔵省造幣局東
        京支局長    原田 正俊君
        大蔵省印刷局長 松本 健幹君
        厚生省環境衛生
        局食品衛生課長 三浦 大助君
        林野庁職員部長 柳井 昭司君
        通商産業省基礎
        産業局アルコー
        ル事業部管理課
        長       中村 敏郎君
        運輸省航空局審
        議官      間   孝君
        郵政省人事局審
        議官      仲松 次郎君
        労働省労政局労
        働法規課長   松井 達郎君
        労働省職業安定
        局雇用政策課長 小粥 義朗君
        日本専売公社副
        総裁      泉 美之松君
        日本国有鉄道常
        務理事     加賀谷徳治君
        日本電信電話公
        社総務理事   山本 正司君
        社会労働委員会
        調査室長    濱中雄太郎君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月二十七日
 辞任         補欠選任
  原 健三郎君     小林 正巳君
同日
 辞任         補欠選任
  小林 正巳君     原 健三郎君
    ―――――――――――――
五月二十二日
 母性保障基本法案(中沢伊登子君提出、参法第
 一九号)(予)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 労働基準法の一部を改正する法律案(田口一男
 君外九名提出、衆法第二八号)
 労働関係の基本施策に関する件
     ――――◇―――――
#2
○竹内(黎)委員長代理 これより会議を開きます。
 委員長所用のため、指名により私がその職務を行います。
 この際、田口一男君外九名提出の労働基準法の一部を改正する法律案を議題とし、その提案理由の説明を聴取いたします。村山富市君。
    ―――――――――――――
 労働基準法の一部を改正する法律案
    ―――――――――――――
#3
○村山(富)議員 私は、提案者の日本社会党を代表して、ただいま議題となりました労働基準法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 日本経済は大変に発展を遂げ、今日ではアメリカに次いで、資本主義国第二位の生産力を持つに至っております。ところがその陰には、労働者の長時間労働、高い労働密度、婦人労働者に対する必要な保護措置の欠落などが横たわっておるのであります。
 長時間労働、高い労働密度で、営々と働いてきた日本の労働者は、今日では、百万人以上もが完全な失業に追いやられています。潜在的な失業者や、半ば失業状態に置かれている労働者は、その何層倍にも及ぶと推定されております。
 しかも、労働災害や職業病が、社会主義諸国に比べて、きわめて高率であるばかりか、先進資本主義諸国の中でも群を抜いて高率となっております。従来からある職業病のほかに、最近では、資本主義的技術革新をてことした労働強化によって、頸肩腕症候群、腰痛症、振動病、神経障害、胃腸障害等々が多発しております。
 また、婦人労働者における、流産や異常児の出産が、先進資本主義諸国の中で、群を抜いているという事実も、きわめて重大であると言わなくてはなりません。母体の保護という観点からだけでなく、子々孫々の健康にとっても深刻な問題であるからです。
 このような状態が放置されてよいはずはありません。日本社会党は、すべての労働者の労働時間を短縮し、完全な週休二日制を実施することによって、生命と健康と権利を守り、雇用を安定化するとともに、国際婦人年に当たり、産前産後休暇の大幅延長、妊娠障害休暇の設置などによって婦人労働者を保護する必要があることを痛感し、ここに労働基準法の改正を提案する次第であります。
 次に、この法案の内容について御説明申し上げます。
 まず労働時間の短縮等について述べますと、
 第一に、労働時間は一日につき八時間、一週につき四十時間といたしました。坑内労働その他の危険有害業務または車両等の運転の業務については、一日につき七時間以内、一週につき三十五時間以内とするとともに、労働時間中に一定時間の休息時間を与えなければならないものとし、その時間は労働したものとみなすことといたしました。
 第二に、使用者は、一週につき二日の特定の休日を、原則として一斉に与えなければならないものといたしました。
 第三に、深夜労働の制限一交替制労働の規制、時間外労働、休日労働の規制を強化するとともに、時間外、休日及び深夜の割り増し賃金を大幅に引き上げることといたしました。
 第四に、年次有給休暇を、毎年二十労働日にふやし、そのうち十日は、分割して与えることができないものといたしました。
 次に、婦人、年少労働者の保護について述べますと、
 第一に、解雇制限の範囲を延長し、妊娠中の女子及び産後一年を経過しない女子を解雇してはならないものといたしました。
 第二に、妊娠中の女子または産後一年を経過しない女子については、労使協定による時間外労働を禁止することといたしました。
 第三に、女子及び年少者について規制すべき深夜時間を延長して、原則として午後十時から午前七時までといたしました。
 第四に、産前産後の休暇期間をそれぞれ十週間といたしました。
 第五に、つわりその他妊娠に起因する疾病に対し休暇を設置し、二週間までを有給とすることといたしました。
 第六に、育児時間を延長して、一日二回、おのおの一時間以上とするとともに、その時間は労働したものとみなすことといたしました。
 第七に、生理休暇は、生理日の女子が請求したときは無条件に与えねばならないものとするとともに、二日を限り有給にすることといたしました。
 以上、この法律案の提案理由及びその内容につきまして、御説明申し上げました。
 十分に御審議の上、何とぞ速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。(拍手)
#4
○竹内(黎)委員長代理 これにて提案理由の説明は終わりました。
     ――――◇―――――
#5
○竹内(黎)委員長代理 労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。枝村要作君。
#6
○枝村委員 けさの一部の新聞にも載っておりました、七五春闘の処分の問題について、とりわけ国鉄がこの月の月末に発表するという記事であります。その内容もある程度明らかにしたものでありまして、これは国鉄当局がそういうことを提供したかどうかそれはわかりません。これは後からただしてみたいと思いますけれども、いずれにしても、そういう処分問題を中心にきわめて緊迫した時期に来たと私は思います、そういう意味で、きょうは三公社の当局に来ていただいておりますのですが、実はそれらを中心としていまから質問していきますが、最初に労使の関係についてお伺いしていってみたいと思います。
 そこで、専売公社に一番先に聞きますが、あなたの方の労使関係はどのような状態になっておるか、この点についてよい関係にあるとか、あるいは正常だ、円満だというような率直にお答えをいただきたいと思います。
#7
○泉説明員 労使の関係をどういうふうに表現するか、なかなかむずかしい点がございますが、御存じのように、私ども専売公社の労使関係につきましては、昭和三十四年ごろまではぎくしゃくした点が多かったのでございますが、その後労使ともにそうした状態ではお互いにぐあいが悪い、労使はお互いに信頼関係を持って、お互いの立場を尊重し合いながらやっていかなければならないという反省に立ちまして、その後は比較的労使の関係は円滑にまいっておると思います。ただ、そのためには、使用者側といたしましても、また労働者側といたしましても、お互いにお互いの立場を尊重するという基本的立場に立って、労使の関係の改善に努力する、こういう長い間の努力が実って今日のそうした状態になっておるものと、このように考えております。
#8
○枝村委員 まあ大変結構なことであると思いますが、私が見るところ、三公社の中でも専売公社が、いまおっしゃいましたような、相互の批判の中から生まれた相互信頼を深めていくという関係にあるように考えておりますが、あなたもそういう自負を持っていらっしゃるかどうかお答え願いたいと思います。
#9
○泉説明員 他の公社のことは私よくわかりませんけれども、専売公社の労使の関係におきましては、いまお尋ねのように、また先ほど申し上げましたように、労使が互いに相手の立場をよく理解し、労使関係をよくしていくということが大切だという基本的認識に基づいてやっておりますので、比較的うまくまいっておる、このように考えております。
#10
○枝村委員 次に、電電公社にお伺いしますが、同様の質問であります。労使の関係はよくなっているかどうかという点について、ひとつ答えていただきたいと思います。
#11
○山本説明員 お答え申し上げます。
 電電公社におきましても組合結成以来、先ほど専売公社の方から御説明がありましたように、昭和三十五年あるいは三十年代の終わりごろまでは相当激しい労働運動もございまして、労使間必ずしも安定しておったとは言えないと思います。ただ、電電公社の事業は非常に激しい技術革新というものが本来的に必要でございまして、この技術革新を実施してまいるためには、企業内でどうしても労働組合の十分な理解を得、協力を得ながら事業の合理化、近代化を進めていかなければならぬということで、設備計画等に関する事前協議等のルールもつくりまして、いろいろな経緯を経て、現段階におきましては比較的安定した労使関係にあるのではなかろうかと思っておるわけであります。
 考え方の基礎としましては、労使間の問題、労働条件に関する問題に関しては労使双方の話し合いに基づき相互の信頼と理解の上に立って物事を話し合いで解決していくといったルールを確立いたしまして、昭和四十年代に入りまして以降、そういった近代的労使関係の確立ということを目標として労使双方やってまいっておるわけであります。
#12
○枝村委員 よくわかりました。
 それでは国鉄の当局にお伺いいたしますが、あなたの方の労使関係は一体どうなっておるかという点について、ひとつ簡単に答えていただきたいと思います。
#13
○加賀谷説明員 他の公社と違って大変問題の多い国鉄でございます。十カ年計画をせっかく国会で御審議いただきましたことにつきましても、その後の経済変動その他によっていま全面的に見直しをしなければならぬというような状態にあるわけであります。したがって、国鉄の労使関係について聞かれておるわけでございますが、財政の基盤の確立ということがもっともっと大事なことだというようなことも言えるのかもしれませんが、私どもといたしましては、一時やはり非常に不信感の中に置かれた労使関係をだんだん改善いたしまして、いま他の公社で言われておりますように、粘り強い話し合いというものによって、問題は多いとは思いますが、企業内の問題をなるべく国民に迷惑をかけない形で解決していくという努力をしてまいったつもりでございます。逐次そういうことで改善されつつあるというふうに考えておりますが、なおこれはいろいろなたくさんの問題を抱えておる国鉄としましては、労使ともどもの共通認識、そういったものがなければ大もとの問題も解決しないと思いますので、なお粘り強い話し合いのペースで問題の解決を図っていくという労使の努力が必要であるというふうに常に考えております。
#14
○枝村委員 具体的にちょっと聞いてみますが、マル生時のことは世間一般が一番よく知っておるのですから、そのときの激しい労使対決の姿勢、そのために数限りのない影響を一般大衆も受けておる。そのときよりも今日は格段にやはり労使の関係についてはよくなっておるということは事実でしょうね。どうでしょう。
#15
○加賀谷説明員 現在の関係、たとえば今次の春闘におきましても極力組合の良識ある行動に訴え、なおかつ違法行為を重ねることについての厳重な説得をしたつもりでございますが、遺憾ながらやはりなかなかこういった形におさまっていないというふうなことでございます。私どもはいま先生の御質問のとおりいろいろ努力いたしておりまして、逐次いい方向に向かっておるというふうには考えておりますが、なお今後これ以上の努力が必要であるというふうに考えております。
#16
○枝村委員 いまちょっと触れられた中で、今次の春闘でいわゆるストライキなどの問題について双方がお話しになったと思うのです。これは国の政治全般に対する一種の労働者側の大きな統一行動であって、たとえば公労協あたりの一貫した闘いと進められておるのですから、むしろこれは労使の枠を越えた問題であるというようにわれわれは理解しておる。私のいま質問しておるのは、労使の間で一体どういう関係になっておるかということをお伺いしたのでありますが、あなたは逐次よくなっておるという表現であります。しかし国鉄再建についてもやはり労働組合の協力がなければこれはなし得ない問題だとするならば、そういう認識があるならば労働組合にそれの理解を求め、認識を求めるという、そういう前提に立って協力の度合いを深めていく必要があるのではないか、こういうふうに思うのですがどうでしょう。
#17
○加賀谷説明員 その問題につきましては、これまでもそういうつもりで国鉄のいま置かれております問題について十分の理解を求めてやってきておるつもりでございますが、今後ともますます事態が重大になってまいりますので、先生の御説のとおり相努めて双方の共通の理解によってこの問題に取り組んでいかなければならぬというふうに考えております。
#18
○枝村委員 そこで三月二十五日に労使との間でいろいろお話し合いをした結果、七四春闘に対する処分の凍結の問題について総裁が談話を発表いたしました。それに対して運輸大臣から三月三十一日に一種の注意に値するような警告を総裁にしております。それに総裁が答えてこういうことを言っているのです。「今日の困難な状勢の下にあって労使にとって最も大切なことは、その信頼関係を深めることにあると思います。過日の「談話」も、このような考え方から発したものに他なりません。今後とも関係各位の御理解と御協力をいただきながら、よりよき労使関係をめざして努力してまいる所存であります。」こういうふうに言っている。ですから、その本質は、先ほど言いましたマル生時代とは格段の差があるほど労使の間はうまくいっておる。しかしそれをより深めるためにこういう談話を出したというのですから、いまから労使関係をよくしようとか、逐次よくなるという規定ではないと思うのです。いまいいが、さらに深めていこうという意味でその談話が出されたというように、この答弁を見ると当然のように、常識的に理解をされるのであります。ですから先ほど専売公社や電電公社がおっしゃいましたように、それとほぼ同じような労使の関係に国鉄でもある、こういうふうに私どもは理解しておるのですが、間違いありませんか。
#19
○加賀谷説明員 他の公社も考え方を述べたということでございまして、同じ公労法によって労使関係ができておるということでございますから、筋道としては私は同じだというふうに考えております。私ども、その当時の談話でございますが、やはり当事者とは関係のない最賃制――関係のないと申しますことはちょっと語弊がありますが、当事者では解決のできない全国一律最賃制の問題というようなものを掲げておりまして、そういったことについて違法行為によってこの問題の解決を図るということについての重大な反省を求めたわけでございまして、決して処分の凍結とかなんとかいう議論の中から出てきたものではない。したがって私どもはやはり法は法として、けじめはけじめとしてつけなければならぬ。しかしこの春闘、できるだけ良識ある行動をとってほしいという意味で国民に訴えたということでございまして、基本の気持ちとしましては、ただいま先生が読み上げた談話どおりでありまして、できればそういうペースで問題の解決を図っていきたいという気持ちであるということでございます。
#20
○枝村委員 労働大臣、いまお聞きになりましたように、きょうおいでになっておる三公社だけでも大体労使の関係は俗な言葉で言えばうまくいっているというようにあなたもお受け取りになったと思うのです。
 そこであなたに聞くわけなんですが、いま問題になっている七四春闘の処分、これは七五春闘も含めると思うのですけれども、この問題につきましては、その結果いかんによっては大変な社会問題に発展あるいは波及するおそれがあるわけでありまして、そういう意味から国民の皆さんも、これはひとしくこの問題について注目をしておるところであると思うのです。公労協の発表によりますと、もし不当な処分がやられたら七日間に及ぶストライキ、反対闘争を実行することに変更はないと言っておるものの、しかし三公社五現業あたりは、当局の出方によりましてはこれを大きく転換する用意もあるという柔軟な姿勢になっておることは大臣も御承知のとおりだと思うのですが、まずこれを大臣、そういうことを知っておりますかどうか、ひとつ答えてください。
#21
○長谷川国務大臣 いま先生のおっしゃったお話、新聞かれこれでは聞いて知ってもおります。
 そこでいま三公社の話が出ましたけれども、やはり近代的労使関係というのは、これは悪いままにしておいてはいかぬということで、それぞれ組合なり当局がいろいろ話し合って逐次いい方向に向かっておるというお話がありましたが、私もそれを願っている一人であります。また、いま先生がおっしゃったように、処分が行われた場合にストが大きく行われるだろうという新聞記事なども知っておりますから、そういうことのないようなことを願っておるという形でございます。
#22
○枝村委員 もう一度尋ねますが、処分反対闘争に対する公労協の態度が、いままでとってきましたいわゆる階級性を帯びるあるいは労使対決というそういう基本的な運動路線の中から見たらきわめて柔軟な姿勢になっておる、先ほど言いましたように。当局の出方、政府の誠意ある態度によれば、これは七日間とは言っておる、設定はしておるけれども、柔軟な戦術に切りかえる方針に転換する、こういうことを言っておるということをあなたは知っておるかどうか、こういうことなんです。
#23
○道正政府委員 まだ最終的な方針は決めておられないようではございますが、その過程でいろいろ意見があるということは承知いたしております。
#24
○枝村委員 そういう官僚的な答弁でなく、率直に、あなた方は常に接触しておるはずだから、知らないはずはないのですよ。細かく聞いてはおらぬです。われわれから言えば、そういう態度に大きく転換しておるという公労協の態度をあなた方はよく知っておるかどうか。こういうことをあなた方知らぬで処分の問題とかスト権の問題その他取り扱ったら、それこそ何のための行政者であり、また大臣であるかということを今度はついていかなければなりません。知っておるかどうかということの質問に答えてもらう。知らないなら知らぬでいいですよ。知っていれば知っていると答えればいいんだ。
#25
○道正政府委員 公労協の内部にいろいろ意見があるようでございます。それで、一部に先生御指摘のように、従来と違った路線で対処しようじゃないかという意見がある、これはそのとおりだと思います。
#26
○枝村委員 これは一部の意見でなくして、公労協としてそういうふうに公に明らかにしておるのですよ。そうでしょう。
#27
○道正政府委員 まだ最終的な見解はお決めになっていないように私は理解いたしております。
#28
○枝村委員 いずれにしても、あなたたちも認識しておるように、そういうふうな態度になっておる。
 そのことは、公労協が、スト、処分、またストという悪循環をやめて、正常な労使関係を保持して、処分によって大混乱を起こすようなことを避けようとする、そして国民生活安定のため努力しようという姿であるというふうに私は受け取るのです。あなた方も当然そういうふうに受け取ってくると思うのです。このことは三木総理大臣がいろいろなところでしばしば言明しておりますように、悪循環に終止符を打ってけじめをつけよう、こういう真意と実は一致しておると思うのです。どこで、どういうふうにそのけじめをつけるかという問題でありますが、これは後からスト権などの問題で質問していきますけれども、そういう三木さんの言っていることと公労協のいまの態度とは、いろいろ思想的な相違はあろうけれども、この時期に何とかせなければならぬという点については一致していると思うのですが、どうですか。
#29
○長谷川国務大臣 三木総理大臣が、御承知のように対話と協調という話を国民に申し上げ、あるいはそれが議会においてのいろいろな態度において出てまいりますことは、御承知おきのとおりです。そして違法スト、それの処分、こういう繰り返しというものはなくしながら、新しいスムーズな労使関係を結ぶことによって、いまの日本の経済危機を乗り越えたい、こういうことも申し上げているわけでありまして、私は、その話し合いの中から解決の基本をなしていくということ、これはもう非常に大事なことであって、そういうものが生まれることを私たちも期待をし、そのためにはどういうことがいいか。ただ、そうした場合に、やはり法治国家でありますから、違法ということをわかっておってこれを毎年繰り返していく、これをどこかで断ち切る、これは大事なことだと思うのです。といって違法ストそのものをそのまま容認したならば、法治国家というものはなくなる。ですから、これを一遍けじめをつけて、そして新しい労使関係に向かっていく、こういう考え方が当然出てくるのじゃなかろうか。その中にお互いに政府もまた組合も、どうしてそれが生まれていくかという方向に、先生がおっしゃるようにスト権の問題等々もあるでしょうけれども、そういう方向に向かっていく必要がある、こう私は思っています。
#30
○枝村委員 三木さんも、行ったところ出たところで勝手なことを言っているというように一部の人たちは言っているが、私はそう思わぬ。やはりその真意は、スト、処分、このことによって国民が大変な迷惑を受ける。そうしてあなた方から言わせれば違法なストをやった者に対して何らかの処分をせなければならぬ。しかし処分することによって、いまのような、私が言いましたような大混乱、社会不安を起こすようなことがあってはならぬ。そこで、どこかでどういうふうにけじめをつけるか。スト権のところで話しますけれども、そこにはストライキ権を回復させるということも一つのけじめでありましょうし、そうして、いま言いましたように、大混乱を起こしてはならぬというその心底があるならば、そこには、けじめのつけ方についても、緩急自在な方法があろう、こういうことなんです。
 公労協も、そういう意味では、先ほどから私は戦術転換と言いましたけれども、戦術転換は即その一つの基本路線の大きな転換にも通ずる問題です。そこには、けじめをつけようという、こういう非常な強い要望もあるわけです。それはスト権回復に求めておるかもしれません。そういうことからすれば、私は、いろいろ思想の相違はあっても、一致しておるじゃないか、こういうふうに見るわけなんですね。
 それで、ことしの処分も、年度内に処分するということがやはり延期された。では四月中にやろうかということ、これも延期された。新聞発表によれば、五月のしまいごろに出すということを言っているようであります。これも新聞社が推測してやったのか、国鉄当局がわざと流したのか、それは知りません。そういうふうに延期されておるということは、単にその時期が悪かったということでなく、善意に解釈すればけじめをつけるため、けじめをつけるためには、混乱をなるべく起こさないようにして、国民に迷惑を与えないためにするという、その真意があるというように私は理解しておるのです。ですから、その気持ちのあらわれが、いま言ったように、去年からずうっと延期されてきておるというように見ておるわけなんです。しかも秋には閣僚協専門委員会でもスト権の問題について決着をつけようとしておる段階ですね。
 ですからそういうふうに考えてくると、労働者側と、三木さんを先頭にする長谷川労働大臣中核の政府の首脳の考え方も、これは余りかけ離れてはおらぬような気がするのでありますが、その点についてどうか、こういう質問です。
#31
○長谷川国務大臣 従来、昨年の春闘の処分が延びたということは、これは当時の政治的情勢とかいろいろな問題があった。そうしておいて、おっしゃるとおり、国鉄総裁が処分留保の談話を出したというふうなことなどもありまして、その間、しかしながら、やはり違法ストというものは、これはなくすためにも、きちっと一遍やっておいて、そして新しい労使関係がどうして生まれるか、これはやって――違法ストをやらなければ処分なしなんですから、これを一遍やはりきちっとしないと……。そういう意味で、私は、処分留保という国鉄総裁の談話を歓迎されたのではなかろうかというふうな感じ方を持っておりまして、そしてまたこれは処分が出たから一週間以上のストライキ、春闘がようやく終末に近づいて皆ほっとしたときに、そこで一週間も処分反対ストライキということになったら、これは一体どういうことになるだろうか。これは大変な社会的問題になる。また組合の諸君も大変な――いま再建の問題が国鉄の理事さんから出ましたけれども、そういう問題にもこれは非常な新しい関心が出てきやせぬかという感じ方を持ち、同じように、新しい労使関係を結ぶまでにどういうふうな道筋があるかというところに、国鉄総裁なりあるいはそれぞれの当局の理事者はいろいろ従来も考えてき、その観点に立っていまから先も考えていくというというところに、私も、総理大臣も、対話と協調の中に新しい労使関係をつくるという意味においては一つも変わりはない、こう思って、模様をいろいろ労政局長を通じあるいはまたいろいろな方々のお話なども聞いておる、こういうかっこうでございます。
#32
○枝村委員 私どもは、それはいろいろ理屈を言えばあなたと論争になりますけれども、一番早いのは処分しなければストライキせぬで済むのですからね。このだれもわかるような簡単な理屈を、理論を、だれが実行するかといえば、実は権力を持ったあなた方以外にないですよ。力を持っているあなた方が主導権を持って、それをどうさばくかという問題になってくると思うのです。
 そこで、ちょっと聞きますが、内閣が処分を指令したり処分権があるなんということは、これは三木さん初めあなたもないと言っております。それにもかかわらず世間一般は、政府が処分権があるような、そういう言動をいろいろやっておる。そして三・二七のあのストライキは、国鉄総裁の勇気ある決断によって、一定の方向が出されたとは思いませんけれどもそれが大きく影響していることは、私は率直に認めます。にもかかわらず、あなた方は依然として処分権は政府にあるようなことを、公式の場では、ないと言っておりますけれども、方々ふれ歩いておるような印象を世間一般は持っているわけなんですね。それは一体どういう理由なんですか。何か政治的な配慮があるんですか。その点をお伺いします。
#33
○長谷川国務大臣 それは枝村さん、ちょっと話は違うと思うのですよ。ぼくは当時、国鉄の処分の問題等々があった場合に処分権、監督権というものは当事者にある、当局にあるということをはっきり言っているわけですよ。だから誤解する諸君は、いかにも労働大臣はやわらかいとか軟弱だとかと怒られたわけです。ですから私は話を混淆させちゃいかぬと思いまして、三公社五現業のだれが懲戒処分権者であるか、そういう図解までしてお配りしたこともある。そういうことですから、そこはひとつ御理解いただきたいと思います。
#34
○枝村委員 あなたはまだ総理大臣になっておらぬから、あなた自身はそうかもしれないけれども、三木さんは、予算委員会その他で処分権は公社の当事者、当局にあると言っておりながら、二十五日ですか、テレビ対談や新聞記者会見にはこの五月中には処分をするのだと、いかにも自分にその処分権があるような言い方を言って歩いているということをわれわれは知っておるのですよ。だったらあなたは、本当にあなたの真意であるならば、総理大臣にそういうことを言っちゃいかぬじゃないかと注意を与えなさい。
 ですから、この処分をすることによって労使の関係に大きな亀裂を与えることがあってはよくないと私は思う。先ほどから三公社の代表が言っておりますように、いませっかくいいところにいっておるのに、しかも公労協も柔軟な姿勢になっておるところに、違法だからといって、それは大量の首切りをせねばならぬ、これが処分だというような古い考え方で臨まれるということは、いま言ったように決して好ましい状態が起きてきません。これは言いかえれば国民の期待にも反することになる、こういうふうに思うわけであります。
 そこで私は、先ほどちょっと言いましたように、労働大臣が中心になって主導権を発揮して、政府が裏で三公社に勧告やら注意やら言うのは、監督官庁ですから言えないことはないのですから、そういうようなことが起こらないようにするようにひとつ努力してもらいたいものだ、こう思っておりますが、そのために労働大臣は自分の持ち得る権限、能力、それからいままであなたは、率直に言いますけれども、いろいろ党内からはハト派だと言われるほど、タカ派からはこのごろ調子が悪うなったということを聞いておりますけれども、それを途中で腰を折って、この最終段階であなたのいままでとってきたいろいろな公労協や国民が期待しておることを裏切らないようにしてほしいものだというように考えておるわけであります。ひとつ、これは結論的にあなたに要求するのではありませんが、そういう努力をしていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
#35
○長谷川国務大臣 ここで総理大臣のために弁明するわけじゃありませんけれども、大事なことですから御理解いただきたいのですが、四月一日の参議院予算委員会において、瀬谷委員の質問に答えていることをちょっと御披露申し上げますと、「悪循環を断ち切りたいという強い熱意があるかというのは、そのとおりでございます。」と答えて、「第二間の公社五現業の職員の懲戒権は、法によってそれぞれ総裁または主務大臣等が持っていますから、その実施の」時期等々というふうに、やはり懲戒権はこういうそれぞれの方々にあるということをはっきり申し上げているということを、ここでお答え申しておきます。
 それから、ただいま私の問題についてのいろいろ御心配などがありましたが、私はやはり労使がうまくいくということをいまから先も考えて――これは近代工業国家では大事なことでありますから、それは当然考えなければなりませんが、といって違法なことを、全国民がわかるようなことをしておったのを全部パアにするということになった場合には、一体法治国家としてどうだろうかということを考えますと、三公社五現業の職員に対しての懲戒処分権はそれぞれの当局にありますから、政府としては従来の考えからしまして、各当局が速やかな所要の措置をとりつつ、違法ストに対してのけじめをつけて、そして新しい労使慣行に立つような姿勢というものを期待しながら、十分いろいろな情勢を見守ってまいりたい、こう思っております。
#36
○枝村委員 また後から聞きますが、そこで国鉄の関係者に聞くのですが、現在労使の間で、処分だけではありません、いろいろな問題を含めて、この時期において大混乱を起こして一般国民に不安を与えないようにするための、その防止のための話し合いをされておるかどうか、お伺いいたします。
#37
○加賀谷説明員 処分の問題がいま問題になっておるわけでございまして、考え方としてはいま労働大臣からもお話があったとおりで、当事者として考えましても、やはりけじめはけじめとしてつけなければいかぬというふうに考えております。
 御質問の点につきましては、反対闘争、これは国民に非常に大きな迷惑をかける問題に直結するわけでございますので、こういったものを極力避ける努力を私どもしなければならぬわけでございますので、そういう反対闘争はあるまじきものであるということで極力組合にいろいろ話をし、説得をしておるということでございます。
#38
○枝村委員 今朝、先ほど言いましたように一部新聞社が発表した五月三十一日に処分をするということは、あなたの方から出したのですかどうですか。
#39
○加賀谷説明員 私どもは処分の問題につきましては、これは大事ないわば人事行為でございますので、慎重にいろいろ作業をして裏づけをしなければならぬということで、そういったことをいまやっております。したがって何も新聞記事に出ているようなことはまだ現在において決まっておりません。新聞に対してはもちろん私どもから話をしたつもりはなくて、推測によって書かれたものだろうというふうに考えております。
#40
○枝村委員 そこで、処分の目的は一体何かということなんです。私は思うに、これはあなた方から言えば、違法行為に対して処分して今後再び同様なことを起こさないように反省を求める、こういうのが目的であるというように思っておるのです、私はですよ。したがって反省を求めるという処分であれば、単に大量の首切りによってそれが求められるものかどうかということは、今日の近代的な社会における問題として軽々しく取り上げられるものではないというように一般的になっておると思う。
   〔竹内(黎)委員長代理退席、菅波委員長
    代理着席〕しかも、もしそれをやれば長期にわたるストライキもやろうというそういう強い構えの中では、そのことをやることはむしろ反国民的なやり方になる。確かに国会内外で一部の連中が大混乱を助長し、巻き起こすようなことをせき立ててさせるような言動があるようです。これは私はまことに遺憾だと思う。こういうことが続く限りは恐らくその人々は国民の総反撃を食らって消滅していくと思います。ですからそういうことでないように当局はやらにゃならぬ。その中の一つとして、当然のように処分された者が弁明、弁護の余地もなく切り捨て御免のようなやり方、これではいけないということが出てくると思う。少なくとも公労法による解雇はそういう余地なしのものになっておると思うのです。ですから、どうしても違法なら処分せにゃならぬとするならば、やはり処分される本人を納得させるとかいうことは、それは不可能かもしれませんけれども、全体として大きく言えば、これくらいならしょうがあるまいとか、あるいは弁明、弁護の余地も当然残されて人権が保障されておるとか、あるいは公労協もああいう態度になっておるのだから、これならまあまあ大きな問題にも発展せないだろうという、こういう配慮をしながら十分措置していく必要があろうと思うのです。それを労使の間の話の中に求めるということは、それはちょっとむずかしいかもしれませんけれども、そういう気持ちで国鉄当局も配慮し、慎重に検討しながら、この処分問題、混乱を巻き起こすことをさせないように、防止のための対策を立てられておると思うのですが、もしそういうように思ってなかったら、そのようにやるように私は強くあなたに要求しておきたいと思うのですが、いかがですか。
#41
○加賀谷説明員 処分の問題は、これは総裁のお考えでやるわけでございますが、やはりけじめはけじめとして、しかしいま先生おっしゃられる点もわかるのでございまして、慎重にかつ厳正にやっていきたい、そういうふうに決断していかなければならぬ、こういうふうに考えております。
 なお、先ほど申しましたように、こういう情勢下にあって、組合に対しても、いたずらに国民に迷惑をかける事態を引き起こしていいということでもないと思いますので、私どもそういうような事態にならぬように説得してまいりたい、また、そういったことも理解してもらえる、かように考えております。
#42
○枝村委員 何回も言うようですけれども、処分権は当事者にあるのでありますから、これは政府も言明しておるのでありますから、政府が何と言おうかと言ったらそれは何と言おうともという何とは、慎重にせいという何とは聞いてもいいが、やれやれという何と、こういうふうな、やはり助長するような、混乱を巻き起こすようなそういうことに対しては耳をかさずに、当局の処分権があるので、ひとつ決断を求める次第です。ですから、三・二五の国鉄総裁の談話はわれわれは評価しております。この精神を失わないようにしてもらいたいと思います。
 そこで専売公社と電電公社に伺うのでありますが、いままで述べてまいりましたように、処分権は当事者にあるのでありますから、せっかく労使の双方で今日まで築いてきた正常な姿をここで処分問題で破壊することのないように、そうして当事者能力に対応して処分問題にも対処することが最も望ましい。しかも、それは国民的な要望であるという情勢を踏んまえていただきたいと思うのでありますが、その点についての御答弁をお願いいたしたいと思います。
#43
○泉説明員 私どもといたしましては、先ほど国鉄の方でお述べになりましたように、昨年の春闘及び本年の春闘はやはり公労法に定められております規定に違反したストでございますので、それに対して処分をしなければならないというふうに感じております。また、組合に対しましても厳正かつ慎重に処分を行うということは申しておるところでございます。ただ、いつ処分を行うかということにつきましては、先ほど来お話がございましたように、労使関係の上からいたしまして慎重にその時期を選びたい、このように考えております。
#44
○山本説明員 電電公社といたしましては、昨年の春闘及び今年の春闘につきます処分につきましては、現行法制に基づきまして慎重にかつ厳正に対処してまいりたいと思います。従来から努力してまいりました労使関係の近代化、安定化ということについて、従来からもやってまいったわけでございますが、今後もさらに一段と努力をいたして、安定化の方向に進めるようにいたしたいと思います。
#45
○枝村委員 あなた方をここへ呼び出して突き詰めていくことは、せっかくそれこそ労使の関係がうまくいっているのがかえってやぶへびになる可能性もないこともないということを私は知っておるのです。ですから、これ以上問いませんが、当事者能力に対応して処分問題も慎重に対処する、これが今日のあなた方の中では最も望ましいことだという私の意見、要望を理解されるかどうか。労使関係を大切にすることが大事だ、こういう私の要望を十分理解するかどうかの点で答えてもらえばいいと思うのです。どうですか。
#46
○泉説明員 枝村委員の御意見は十分理解いたしております。ただ、繰り返して申し上げるようでございますが、やはり法治国家でございますので、法律に違反することに対しましては適正な処分はいたさざるを得ない、このように思っております。
#47
○山本説明員 労使関係の安定ということが事業の運営上何よりも重要なことであるという点については、私たちも十分遅解いたしておりますし、従来もそういう考え方でやってまいりましたが、今後ともさらに努力をいたしてまいりたいと思います。
#48
○枝村委員 それでは労働大臣にまた再び重ねて言うようでありますが、この問題についていままであなたはいろいろ努力されてきました。たとえば年度内処分については慎重論を閣内で述べられて、あなたの意見が重要でありますから、それが大きく影響されたというように聞いております。われわれは、その意味であなたのそういう動き、考え方、思想を評価しておるのです。最後の時期において、あなたの動きを、私だけでなくして労働者側も国民もそれだけに大きく注目もしておると思うのです。ですから、いままでのそういう努力をこの際無に帰さないために、大きな混乱を防止するために、またあなたもおっしゃいましたように、労使関係の正常化を損なうことのないように最後の努力を払われたいと思うのですが、その決意をひとつ述べていただきたいと思います。
#49
○長谷川国務大臣 私はこの委員会でほかの御質問のときもいつも申し上げておりますように、日本は近代国家として勤労者、額に汗する諸君が大事だということ、それをどう守るかということでいろいろ御質問に応じていままでもまいりました。いまから先も、その辺は変わりがないわけです。しかしその場合といえども、全部の国民に迷惑をかけて違法なことがしょっちゅうまかり通るというふうなかっこうでは、これはまずうございますから、昨年の春闘のときに、春闘共闘委と当時の官房長官と私が最終場面に立ち会ったときにも、実は厳正に処分はやりますという一項目が入っておったわけであります。それが昨年の七四春闘、そしてことしにずっとここまで来たわけです。その問いろいろな政治情勢などがあります。そしていま最終段階を迎えるというふうに新聞記事が書かれておりますが、その中においても私は、いまから先も組合の諸君がそれぞれ働いておる場所でよく働けるように、そして不安のないようにいい労使慣行が生まれる、そして違法ストは一遍ここでぴしゃっとけじめをつけてそこを出ていく姿の方がいいんじゃなかろうかというふうな気持ちの中に私は労使の新しい慣行を求められていくようなことに努力だけを申し上げたい、こういうふうな感じであることを御理解いただきます。
#50
○枝村委員 それでは、この処分問題などが起こる本当の原因はスト権の問題にありますので、これに触れていきたいと思います。
 最初に、閣僚協専門委員会の審議状況が大体どうなっておるか。それから、いまからどういうふうに進めていくのか、秋にはその結論が得られるのかという点について、最近のものでいいですから、ひとつ簡略に説明してください。
#51
○道正政府委員 御承知のように、公共企業体等閣僚協議会の専門委員懇談会におきまして目下鋭意検討が行われております。八月二日発足以来、この種の懇談会としては非常に活発に審議を進めていただいているというふうに思っております。三月二十七日からは、従来の経営問題であるとかあるいは当事者能力の問題を一応終わりまして、労働基本権の問題の討議に入っておられます。
 そこで、秋までには各専門委員の皆様方の御意見もまとめていただけるものというふうに考えておりますので、それを受けまして政府として閣僚協議会の場を通じて結論を出す、そういう段取りで処理をされるものというふうに考えております、
#52
○枝村委員 スケジュール担当じゃない、本質的な問題が労働省の中になければなりませんが、それらを踏んまえて秋までにはいわゆる結論が出される、こういう確信がありますか。
#53
○道正政府委員 現在閣僚協とされましては、専門委員の御審議を煩わしておるわけでございますので、その結論がまだ出せない段階で、どういう結論になるかということを政府の一員として私が申し上げるのは適当でないというふうに考えます。
 ただ、スト権を認めるか認めないかはともかく、秋までに結論を出すということは、昨年春闘の終末段階で政府と春闘共闘委の間の話し合いでも確認されておることでございますので、秋までには結論が出るというふうに考えております。
#54
○枝村委員 そこで、スト権を回復することによって労使の関係はいまより悪くはならないと思うのでありますが、どうでしょうか。特に今日混乱している最大の原因が、先ほど言いましたようにスト権の回復されていないところにあると思うのですが、その点について、労働大臣がいいですな。率直に答えていただきたいと思うのです。
#55
○長谷川国務大臣 労政局長から答弁申しましたように、専門委員の方々が非常に御熱心にやっていただいておると聞いております。それにまた労働省からもいろいろな問題について御報告し、御意見を伺っておりますが、ただいま先生のおっしゃったその問題につきましては、これはせっかく専門委員のベストメンバーがおやりいただいておるときに私がどうのこうのと言うことは大変僣越でもございますので、そういう問題についての御検討をいただいている、またどういう結論が出るか、それを私たちの方はお待ち申し上げている、そして新しい労使慣行が生まれることを、そういう中からつくり上げていきたい、こういうことでひとつ御理解いただきたいと思います。
#56
○枝村委員 それは典型的な官僚答弁でありまして、長谷川労働大臣にもあるまじき答弁だというように思っております。それはあとからひとつあなたとじんわりと話をしていきたい。
 そこで国鉄総裁に聞くのでありますが、最近しばしばストライキが行なわれているのでありますが、その状況を聞きたいと思うのであります。
 私ども経験しておりますが、ストライキのたびにいままでは大変なトラブルが発生しておりました。たとえば当局あるいは公安職員との衝突、激突、そして国家権力の介入による接触などによって刑事事件、傷害事件など、そういうのがしばしば、同時にまた多くの乗客、利用者を巻き込んだ大騒動もあったのですが、最近のストライキにはそういうことが発生しておるのかどうか、そういう不祥事件が起きているのかどうかということを、ごく最近のお話でいいですが、ひとつ聞かしていただきたいと思うのです。
#57
○加賀谷説明員 最近の春闘なんかの大きなストが行われます場合には、遺憾ながら規模も大きくなってまいりまして、全職場というようなスケールになってまいりますと、私どもあらゆる努力をいたしまして列車を確保するということに相努めなければならぬわけでございますが、遺憾ながら及ばざる状態になっております。部分的には多少そういった接触面で、トラブルと申していいのかどうか知りませんが、接触あるいはまた組合員に対する説得というようなことは極力やっておるわけでございます。しかし遺憾ながら一部の支部を除いて今次春闘、たとえば全職場のストライキに入ったというような状態になりますと、ほとんどの列車が動いてないというのが現状でございます。
#58
○枝村委員 いや、私の質問に答えていないのですよ。上尾事件のような不祥事件とかあるいはトラブルが起きて、それが刑事事件になるとか傷害事件になるとかそういうことが最近のストライキで起きておるかどうかということです。
#59
○加賀谷説明員 ただいま申し上げたとおりでございまして、一部を除きましてはいわゆる説得によって粘り強く組合員の反省を求めておる。しかし遺憾ながらこちらの意に反しておるという現象になっておるというようになっております。
#60
○枝村委員 あなた、私の方の質問に答えないのですか。そういう事件が起きておるのかおらないのか、これは調べたらすぐわかるじゃないですか。そういう件数が何件起きたとかなんとか報告があるでしょう。あったのかないのかというのです。これは事実だよ。何でもない。
#61
○加賀谷説明員 いまお答えしたとおりでございますが、そういう意味では起きていない。一ころ前の現象は余り起きてないというように思います。
#62
○枝村委員 起きていないでしょう。それは事実ですから。
 そこで、その起きていないのはなぜか、これを聞きたいのです。あなた方から言わせればいろいろ事情はあるでしょう。あるだろうから、言ってみなさい。
#63
○加賀谷説明員 違法なストのスケールが全職場、全国的になってまいりまして、非常に大きな範囲で行われるというようなことになってきておりますので、私どもも説得に相努めておりますが、なかなかそういった状態にならないということが現状でございます。
#64
○枝村委員 あなたにそういうことを言ってもなかなか答えぬでしょうし、またいろいろな理屈を言うでしょう。そこで私が、主観的な考え方はどうあろうとも、客観的にはこうなっておるという点について申し上げますから、それに対して肯定するか否定するかは勝手ですけれども、できれば何らかの意志表示をしてもらいたいと思う。
 簡単に言いますと、摩擦事件、刑事事件なんか起きないのは、いままでのような対決姿勢を当局が転換した、対決姿勢をやめたということにまず第一にあると私は思うのです。そしてスト、これを労働組合が計画し発表すると同時に、当局自身が計画的に運転休止などをしてそれに備えるという、こういうことをするからだと思う。それから三番目には、それによって必然的にトラブルが起きない。ですから国民は一定の安堵感、安定感を抱いてきておる。こういうふうに、何と理屈を述べようとも客観的には説明されると思います。またそのことは突き詰めて言うならば、あなた方はどんな理由を言おうとも、これはスト権の容認を国民的共通の認識となってきておると思うのです。ですから、これは国鉄当局がスト権を認めた措置として世間一般には受けとめられている。だからあのようにトラブルも何も起きてこないのである。そういう客観的な事実の上に立つ認証ができるのではないかと私は思うのです。この問題について、あなたは頭から否定するつもりがあるかどうか――まあ頭から全部肯定するつもりはあるかないかということになるわけなんですけれどもその点は苦しいでしょうが、事実それは否定はできない問題だというように思っているのですが、いかがですか。
#65
○加賀谷説明員 対決によってやるということ、これは労使の関係でございますますから、そういった非常の事態においても、対決によってごり押しに何かやるというようなことは、以前からもそう考えていなかった。それはまた別問題である。したがって、国鉄としましては、国民に御迷惑をかけないという観点から、やはり列車を動かして、国民の便宜を計らうという最後までの努力はしなければならぬということから生まれてきておるというふうに御認識願いたいと思います。
 それからまた最近は、先ほども申しましたように、非常にストのスケールが大きくなっておりますので、事実上列車は動いておらぬ、これは事実でございますが、先生いまおっしゃいましたように、こちらで計画的に運休するとか、そういったような考えは全然持っておりません。最後の最後まで動かすべき努力をしていきます。あるいは一部の地区において一部の列車を動かすことができるというような場合におきましても、全般のお客の混乱についての判断をしながら、少しぐらいの列車を動かして、いたずらに混乱を起こすということがあってはならないというような判断もあって、やむを得ずにやめるというようなことはありますが、決して先生のおっしゃるようなことではない。私どもとしましては、現行法制下におきましては、ストライキ権は否定されておるのですから、あくまでもこれは違法であるという認識を持っております。
#66
○枝村委員 それはあなたの理由であることは、それ自身は私は理解します。しかし、客観的に世間一般は、すでにストが発表されると同時に国鉄がちゃんとウヤの計画を出して、そして国民大衆に迷惑をかけぬように、事前にちゃんとこの汽車は動かぬということを発表しておるではないか、これはもう国鉄当局がスト権を認めておるのじゃないかというように見ておるのですよ、だれが何と否定しようとも。そういう今日の状況になっておることを、あなたはよう知っておると思いますけれども、ここで私の質問にはっきり答弁することができない立場の苦しさも、私も了解しますが、そうであることを労働大臣は知っておいてもらわなければいかぬ、あなたは本家ですから。もう国鉄はそういう段階に来ておる、こういうことを申し上げておきたいと思います。
 そこで、国鉄に聞きますが、いま審議が進められておる閣僚協の専門委員会で、もし求められるならば、スト権容認の可否について、一定の意思表示を表明するつもりがあるかどうか、この点についてお伺いいたします。いまの私の質問、わかりましたか。
#67
○加賀谷説明員 その基本権の問題につきましては、ただいま労働大臣並びに労働省からもお話がありましたとおり、閣僚協によって審議されております。私ども、その審議の経過を慎重に見守っていきたい、いかなければならぬ、こういうように考えておりますが、国鉄は御承知のように、先ほども申しましたように、いろいろな問題を抱えております。財政の基盤の確立といったようなものも、まあ当事者能力といったような問題で、閣僚協自体においても討議されておりますが、そういった基盤の確立といったようなことも無縁のことでもないというような感じもあります。国鉄としてどう考えるかということにつきましては、われわれ、日夜いろいろな面から検討はいたしておりますが、現在においてそれを申し上げる時期ではないというふうに思います。
#68
○枝村委員 現在の時期で、私はあなたにストライキを認めろとかいうようなことの要求をしておるのじゃないのですよ。もし求められた場合には、閣僚協専門委員会の場で、あるいは閣僚協の場で、スト権の問題について、態度、意思表示をする用意があるかどうかということを聞いているのです。それはもう日程、スケジュールの問題ですから、まだわかりもせぬような話ではないのです。
#69
○加賀谷説明員 意見はどうかと求められれば、国鉄としての意見は述べなければならないというふうに考えております。
#70
○枝村委員 その意見はもう、いまの国鉄の実際の状況の中から判断すれば、当然結論は出てくると思いますので、私はこの際、どういう意見を述べるかということについての追及はいたしません。しかし、いま言いました現状認識の上に立つて、労使関係の問題を含めて、スト権の問題というのはきわめて重要でありますから、前向きでひとつ対処するようにしていただきたい、そういう私の要望に対して、努力するならするとかなんとか答えていただきたいと思う。
#71
○加賀谷説明員 ただいま閣僚協の議論の進行状況もいろいろ聞いた上で、国鉄としての意見を述べるということなら述べるというふうに考えております。
#72
○枝村委員 私の要望に対して、それは全く否定する考えがあるのかないのか、これに対してどうお答えになりますか。
#73
○加賀谷説明員 その点につきましては、まだそういうことを申し上げる時期ではないというふうに思います。
#74
○枝村委員 今度は労働大臣に聞きますが、マッカーサー書簡によって、それまでありましたスト権が一挙にして奪われてしまいましたね。
 そこで、昭和二十三年に公労法が制定されましたが、そのときに、現在の自民党に所属する国会議員の方々は一様に公労法制定そのものに対して非難をしておるのです。これは議事録にちゃんと載っております。とりわけ三木党首の率いておりました国民協同党を代表して大島多蔵議員は、国辱的な立法だと討論の中で演説をしております。この一節を紹介いたしますと「かかる過渡的な、一時的な国辱的法案が撤廃される日の来ることを切望いたしまして、本案に賛成するものであります。」と、こういうふうに言っているのです。それからまた、当時の綱島労働委員長も、また民主党の川崎秀二議員も同様な趣旨を述べているのであります。
 こう見てまいりますと、スト権の回復は、もう二十何年もたっているので、もうそろそろ時間の問題ではなかろうか。そのために昨年の春闘で合意事項ができて、今日、閣僚協専門委員会というスケジュルに乗ってきたと思うのです。秋にはその結論が出されようとしておる。そう見てまいりますと、今日が一番私は熟しておると思う。熟したときにおいて、その主たる責任者であり、労働基本権の守り主である労働大臣が、このあたりでやはり一定の意思表示をする、これが大切だと思います。先ほどから言いますように、専門委員会で審議しておるからいま私が言うことは差し控えたい、こういうことを言っているのは、これは官僚の答弁することであります。政治家長谷川労働大臣、あなたは、昔はタカ派と言われておったが、いまハト派の大将だと言われておる。そのあなたがここではっきりさせることは、あるいは前向きの姿勢を示すことは、後世の日本の歴史だけではなくて、世界的に歴史にあなたは名を連ねる資格があるのですよ、まあおだてるわけではありませんけれども。そういう意味でひとつこの際、この問題にどのようなあなたのいわゆる意思表示をするかということもまた同時に国民も注視していると思うのです。そこで、ここで表示することは、処分の問題と、それ以上にやはり月末に控えておるあの大闘争を左右するポイントにもなるというふうに私は考えております。そういう意味で、労働大臣長谷川としてひとつ、私の言っていることを十分理解して、前向きな姿勢で取り組む決意を示してもらいたい、これが私の質問です。
#75
○長谷川国務大臣 だんだん古い議事録の話などもお伺いしながら勉強させていただきましたが、これは何といま先生からおしかりをいただいても、私自体がどうのこうのという結論をいますぐ申し上げる段階ではございませんことを御理解いただき、勉強してまいりたい、こう思っております。
#76
○枝村委員 それでは、いろいろ差しさわりはありましょう。個人長谷川さんと私が対面したときにはなかなかいいお話をしていただくけれども、ここに来るとそれはなかなかできぬ、そういうことを十分私も認識いたしますので、この際ひとついままで三公社の人たち、それから皆さんとのやりとり、それから私の意見、こういうことを十分理解できるかどうか、この点ではいかがですか。
#77
○長谷川国務大臣 私は、皆さん方の御意見あるいは組合の諸君、こういう方々には会うことはひとつもいといませんし、またお話を聞くのに興味さえ持っているわけでありまして、ただいま三公社五現業のそれぞれの当局者が従来の労使の慣行の変遷等々はよく私も理解もできます。そしてまた、いまから先も日本の場合には労使の慣行がよくなることが日本の発展に大事な問題だということにおいては先生と人後に落ちないつもりで勉強してまいりたい、こう思っております。
#78
○枝村委員 わかりました。理解していただきまして、ありがとうございました。
 それならもう一言。そのために労働省もいままた言いましたように秋には結論を出すというのですから、結論を出すためでいきましょう、誠意を持ってひとつ本腰を入れてそのために善処していただけますか。どうでしょう。
#79
○長谷川国務大臣 昨年の春闘終末のときに、私と二階堂官房長官が春闘共闘委とお会いしたときに、あの閣僚協の話が田中総理大臣のもとに臨時閣議を開いた結論から生まれたことでございますので、秋に結論が出るということを期待し、またその中においての専門委員の方々、関係者の方々が一生懸命勉強されている、その出てくるものを待っている、こういうことでございます。
#80
○枝村委員 誠意を持って善処するために努力するということの答弁はどうしても得られませんか。そうだとすれば、私はここで質問を保留しておきます。それで後から、午後からでも再び質問させていただくことにいたしまして、ここでは終わります。
   〔菅波委員長代理退席、竹内(黎)委員長
    代理着席〕
#81
○竹内(黎)委員長代理 次に、稲葉誠一君。
#82
○稲葉(誠)委員 じん肺法の患者の処遇の問題というようなことを中心にしてお聞きしたい、こう思います。
 そこで、最初にお聞きしたいのは、じん肺法の患者が現在どのくらいいるというふうに実態を把握をしておられるのか。たとえば管理区分別上か、あるいは潜在的な方もおられると思うのですが、そこら辺のところから御説明願いたい、こう思います。
#83
○東村政府委員 昭和四十八年、じん肺法に基づき管理四と決定された人は約千二百名でございます。なお、この人たちには補償があるわけでございますが、じん肺患者に対して労災保険から補償している人は、昭和四十八年度、こっちは年度でちょっと時期は違いますが、末で約八千五百名と相なっております。この八千五百名には療養中、それから新規再発という人が含まれております。
#84
○稲葉(誠)委員 そのじん肺法の患者の人は、原因はどういうふうなところからこういう病気になってきておるわけですか。特に戦前からの炭鉱だとか銅山とかにおられる方が多いようにも聞いておるわけですが、戦前、戦後いろいろな原因があると思うのですが、それを大筋に分けると、どういうふうな原因によってこういうふうな病気になるわけですか。
#85
○東村政府委員 専門的なことはちょっと私自身差し控えさしていただきますが、現在こういう患者さんが出ている職場といいますか、金属鉱山とかあるいは陶磁器の作業であるとかさらには石炭鉱山、そういうところの粉じん職場で働いていた人、したがいまして、石炭などにつきましては、過去の患者さんが現在も引き続き療養しているというケースもございます。新しい職場で発生するというのもございます。
#86
○稲葉(誠)委員 その新しい職場で発生をするということは、労働省としてはどういうふうにしてその発生を防ぐということを考えておられて、そしてこの発生はどの程度の段階でなくなるとか、あるいはなくなるのは無理だとか、どうしてもこの程度はそうは言っても事実問題として発生するということになるとか、そこら辺のところはどういうふうに理解をしておるわけですか。
#87
○東村政府委員 古いものも新しいものもございますが、私どもは補償の問題、ただいま触れましたが、補償に行く前に何とかこういう患者さんが出ないようにということに極力努めているわけでございまして、そのためには御承知のとおり、じん肺関係の法律がございまして、予防であるとか健康管理、こういうところに意を尽くしているわけでございます。ただ何といいましても、いかに手を尽くしてもやはりじん肺になってしまう方がおりまするので、こういう方に対しては、私どもは今度は補償の面で何とかして遺憾のないようにという姿勢でやっておる次第でございますが、できるだけ予防の面においてじん肺患者がなくなるようにと、健康診断を初めもろもろの施策を進めているところでございます。
#88
○稲葉(誠)委員 私の聞いているのは、そのなくなるようにということは、具体的にどういうふうにやっているかということと、その中でいろいろ問題点が、たとえば健康診断が何年に一遍とか三年に一遍ですかいろいろありますね。そういう点で改善すべき点があるとか、これがなくなるように国としてもっと積極的な施策というものが考えられないのか、どこに問題があるのか、どうしてなくならないだろうか、お聞きしたいことはこういうことなんですがね。
#89
○東村政府委員 ただいまのお話非常に広範にわたる問題でございまして、ただ単に健康診断の問題だけではございません。いろいろ問題ございます。私どももじん肺に関し従来いろいろやってまいりましたけれども、さらに一歩を進めるという観点から、現在じん肺関係の審議会におきまして、ただいま先生御指摘のようなきめの細かい予防対策等について審議中でございまして、専門的、技術的に問題を詰めている、こういう段階でございます。
#90
○稲葉(誠)委員 そのいまの審議会で具体的に結論は出ても、それをどうやって問題は実行に移すかということですね。そこら辺のところの詰めをお聞きしたいと思います。
 同時に、病院へ行って患者の人とよく話をしますと、いま大きな問題というか、あるいはこれは杞憂なのかもわからないのですが、管理区分の変更の問題ですね、この問題で非常に心配をされておるわけですね。管理区分四の人がいろんな形でそれが変更されてしまうというふうなことを心配されている人もいるわけですね。そういうふうなことが現実にあるのかないのか。現在管理区分の変更ということについてどういうふうなことを考えておられるのかということをお聞きしたいと思うのです。
#91
○東村政府委員 ただいま先生御指摘のあったのは、恐らくじん肺で管理区分四であったものが、療養中のそういう人が管理三以下で症状固定となった場合に、障害補償を行うという問題にかかわると思うのです。実はこの問題につきましては、障害等級専門家会議という専門家の集まりにおきまして、いろいろ議論をした結果、結論が得られまして、先般労働大臣に報告書が提出されました。この報告書に盛り込まれている事項については、現在関係の審議会にお諮りして、それを告示するという段階に相至っております。
 どういうことかといいますと、労災保険における障害補償は、業務上の傷病について療養の効果がなく、かつ症状が固定したと認められるに至ったときに、その残存する障害の程度に応じて障害補償を行うというふうに相なるわけでございまして、いままでの管理四の人が管理三になった場合には、今度は障害補償を行うということになりまして、いままでの療養補償ではなくて、あるいは療養関係の補償ではなくて障害の補償に切りかわるという事実が出てまいるわけでございます。
 こういう問題になりますと、現在職場にいる方あるいはすでに職場を離れた方等々について、職場復帰の可能性とかあるいはそれができるとかできないとか、いろいろ問題が出てくると思うのです。で、この問題につきましては、私どもその管理区分の変更ないしは補償の変更に関連して、患者さんに不安を与えないようといいますか、弾力的にケース・バイ・ケースで問題を処理していきたい、かように考えております。
#92
○稲葉(誠)委員 何か管理区分を療養患者全員を対象として、そして検査し直しか何かして変更するんだというふうに、これは間違ってとっているのかもわからないんですが、そういうふうにとっているんじゃないかとも思われるのですが、そういうことはないわけですね。
#93
○東村政府委員 ただいま申し上げましたように、ケース・バイ・ケースにおきまして、それは治っていない方もおるでしょうし、あるいはさらに療養を続けている方もおるでしょうから、一概に全部どうというわけにはいきません。しかも、治っている方につきましても、お年寄りの方、若い方、在籍の方あるいはもうすでにおやめになった方、いろいろございますので、その辺は弾力的に、ひとつケース・バイ・ケースで実態に応じてやりたい、かように考えております。
#94
○稲葉(誠)委員 その場合、患者の人たちにいたずらな不安を与えないように、今後十分注意をしてもらいたいと思うのですね。この点について大分不安に思っているようです。労働省側の真意が伝わってないのかもしれませんが、大分不安に思っておられるものですから、この点については、そういうことのないように注意というか努力していただきたい、こういうふうに思うわけです。
 そこで、病院へ行って患者さんに会っていろいろ聞きますと、一つの問題として出てまいりますのは、介護手当の問題ですね。管理四の人というか、家族の人がそこへ来ていろいろ介護をしておるということを事実上は認めておるらしいですね。その場合に、どういうときに介護手当を出すのですかあるいは出さないのでしょうか。そこら辺、現実にはどうなっているんでしょうか。
#95
○東村政府委員 ただいまの御質問の前の関連でお答えいたしますと、患者さんにできるだけ不安を与えないようにという御趣旨、まことにごもっともでございまして、私どもも事務的にそういうことが起こらないように、患者さんのところへ参りまして、この辺のいきさつあるいはわれわれの意のあるところを十分説明しておることになっております。
 それからただいまの介護料の問題でございますが、現在じん肺患者で自宅療養者のうち常時介護を必要とする方々については、労災保険の保険施設で介護料を支給しております。それから病院等療養機関に入院中の人については労災保険の保険給付で現に看護を受けており、これに加えてさらに介護料を支給するという必要性はないと考えております。つまり基準看護の承認を受けた療養機関に入院している傷病労働者については現物給付として、つまり実際に看護をするという形で看護の給付が行われております。それから基準看護の承認を受けていない療養機関、小さな療養機関と申しましょうか、そういうところに入院している方々については、一定の条件のもとに当該傷病労働者の請求に応じまして保険給付として看護料を支給するという形をとっております。
#96
○稲葉(誠)委員 いまの場合、お医者さんが介護というか、それを必要だというふうに認めるとその介護手当というのを現実に保険の中から出しているわけですか。お医者さんの認め方が人によって非常に違うんだそうですね。緩やかに認める人となかなか厳しくて認めない人とあるし、実際にはどういうふうになるのですか、家族が介護しておるのが相当多いらしいですがね。
#97
○東村政府委員 もう一度繰り返しますが、まず自宅で療養している方と、それから病院の方とあるわけです。自宅で療養していて介護を必要とする者については介護料を支給している。病院におられる方は介護料は支給していない。ただし基準看護という、大きな病院については保険給付の中に当然もう看護のお金が入っている。ところがそれほど大きくない、基準看護でないところは入っておりませんが、これにつきましては労働者の請求に応じて保険給付として看護料を支給する、こういうことになっております。
#98
○稲葉(誠)委員 労働者が請求するときに医師の証明書か何か要るのですか一その出し方が問題なんじゃないですか。緩やかに出す人と非常に厳しい人と、こういるんじゃないですか。
#99
○東村政府委員 ただいまの御指摘は、基準看護の承認を受けてない小さな療養機関ですが、御指摘のように一定の条件のもとに、それにはいろいろ証明書とか何かございますが、そういうものをつけていただいて、保険給付として看護料を支払う、かように相なっております。
#100
○稲葉(誠)委員 そのときに証明書が、非常に医師によって違うらしいですね。非常に厳しくして出さない人と、それから実際には介護しているんだからできるだけ出してあげたらいいということでわりあいに緩やかにやっている人と、こういうふうにあるらしいのですね。そういう問題がある。できるだけ認めてそれを出してもらうようにしたいというふうなことが言われておるわけですね。
 それから私もよくわからないのですが、じん肺にかかっていろいろ合併症が出る場合があるのですが、あるいはそこら辺との関係ですね。その場合に補償関係が一体どういうふうになるのか。たとえばじん肺と心臓病との間には合併症として因果関係を認めるけれども、ほかのものの場合には認めないとか言って、その認めない方がむしろ原則のような形になっているらしいのですが、ここら辺のところはどういうふうになっているのですか。
#101
○東村政府委員 じん肺と合併症は肺結核ですね。それ以外のものにつきまして、内部臓器の問題等々が問題になるとすれば、じん肺と相当因果関係にあれば、それは合併症と言いますか同時に業務上の疾病として認められますが、じん肺と相当因果関係がないものは認められない、こういうことになるわけで、結果的にはただいま先生御指摘のように肺結核は通常認められますが、それ以外について相当因果関係があるというのはなかなか医学的に確立されておりませんので、認められないケースが多い、かように承知しております。
#102
○稲葉(誠)委員 肺結核とじん肺との間には相当因果関係がある。ただ相当因果関係と言っても相当因果関係の範囲をどういうふうに見るかということは、それによって問題は非常に違ってくるわけですから……。
 そこでたとえば、いま、じん肺の病気の方が合併症みたいな形で出てくるのは、高血圧、糖尿、心臓、行っていろいろ聞いてみますとこの三つが多いらしいですよ。厳密に言えば高血圧とじん肺とは関係ないじゃないかということは言えるでしょうし、それから糖尿とも別個の問題だと言えるかもわかりません。ただ心臓の場合は、じん肺にかかって体も非常に弱ってきておる、こういうようなことから心臓が悪くなってくる。聞いてみますとそういう人が非常に多いようですね。心臓が悪いと非常に金がかかるそうですね。私の聞いた範囲では十日間ぐらいの治療で大体二万円ぐらいかかる。だから療養給付をもらってもほとんどそれでなくなってしまうのだということを言っている人が多いですよ。だから相当因果関係の範囲のつかみ方ですよ。法律上の因果関係というのはうんと広くなってしまうからそこまでのことは言いませんけれども、相当因果関係と言ってもこれは見方の問題なんです。そこで心臓が弱るという場合にはすべてが因果関係があるというふうに認められないかもわかりませんけれども、そこら辺のところ、できるだけ緩やかに見てあげる必要があるのではないか。このことで非常に金がかかって困っている人が多いようですね。だから相当因果関係がないという見方は一つの法律的な判断ですけれども、そこのところをもっと理解を示して温かくやってあげる必要があるのではないか、こういうふうに思うのです。
#103
○東村政府委員 ただいま心臓病のお話が出ましたが、じん肺が進んでまいりますと心肺機能が低下する。つまりそれがいま裏から見ると心臓病の問題とかかわり合ってくるわけですが、それはじん肺そのものが重くなったということにもなると思うのです。いずれにいたしましても、この余病の問題についてはさらに検討を進めてみようということを考えております。
#104
○稲葉(誠)委員 いまの合併症と余病の問題、じん肺というのは私もよくわからないのですが、どういうふうな治療法があるわけなんですか。
#105
○東村政府委員 じん肺そのものをもとに返すというのはなかなかいまの医学では……。ただ、余病というか合併症というか、結核そのものを治すということは結核の治療になるわけでございますが、じん肺そのものを根治する、快方に向かわせるというのは現在の医学ではなかなかむずかしいということになっております。
#106
○稲葉(誠)委員 だから、現代の医学ではなかなかむずかしいということは、それだけ非常に深刻な問題になってきているわけでしょう。
 そこで、行って聞きますと、じん肺の患者の方々だけの問題じゃないかもわかりませんけれども、薬を飲んで、難聴、目が見えなくなる、頭髪が抜けるというのがじん肺の患者に多いという話なんですね。これはほかの一般の病気の場合でも、薬の害によってそういうことが起きることもありますから、特有の現象ではあるいはないかもしれませんけれども、非常にそれが多いそうです。こういうときに非常に生活に困ってくるということが考えられるので、そこで私が希望をいたしますのは、こういうふうな余病のようなものがどういうふうに起きているか、そういうふうなことについてもっといろいろな形でよく調査をして、そしてできるだけ温かい配慮といいますか、そういうふうなものをしてあげる必要があるのではないかということを考えるのです。これで非常に金がかかって困るらしいのですね。労災でもらってもほとんどそっちに回って非常に困るという訴えが多いのですが、そこら辺のところをどういうふうにするのかということをお答え願いたいと思います。
#107
○東村政府委員 先ほども申し上げましたように、確かにいま先生おっしゃるような問題がいろいろ起こっておりますので、そういうものをまず総括的に、しかも専門的、医学的に詰めてみようということを現在審議会等で検討しているところでございます。
#108
○稲葉(誠)委員 その審議会というのはいつごろ結論が出るのですか。そして、その中に患者の人たちというか、そういう人たちの代表というような人も入るなり、その意見も十分聞く、あるいは実態を調査するというふうなことになっているのでしょうか。
#109
○東村政府委員 結論はできるだけ早くと現在の段階では申し上げるほかないのですが、この審議会というのは公労使三者の構成になっております。公益側にはお医者さんもおられます。それから労働側には、やはり関係のところの実態をよく知っている方もおられます。それから私どもも、いろいろの関係の患者さん等の実情を陳情を受けたりしておりまして、そういう向きも審議会に反映させるというふうなこともやっております。私どもとしてはできるだけ事実をつかみたい、またつかむように努力している、こういうことでございます。
#110
○稲葉(誠)委員 事実をつかみたい、それに努力する、それはわかるのですが、そのためによく患者の人たちと話し合ってやっていく必要があるのではないかと思うのです。私はこの前、藤原の珪肺病院へ行っていろいろ聞いたのですが、あの院長は患者からも信望がある人のようですね。患者の様子を言っておりましたが、よく実態を話し合って理解をして、その上に進んで善処をしていただきたい、こういうふうに思うわけです。
 それから、法律が非常に変わりまして、これはどういうふうに改正になったのですか、二回改正になっているわけです。前の改正になったときに打ち切りみたいになっている人、これがどの程度いるわけですか。それから、どういうふうにこれに対する処遇というものがなっているわけでしょうか。
#111
○東村政府委員 数はいまちょっと申し上げますが、こういう形になるわけです。じん肺患者の方で昭和三十五年の法改正前に打ち切り補償を受け、なお同年四月一日以降も療養を継続している方々については、特別の経過措置といたしまして給付額を減額する等の措置を講じてきております。つまり、打ち切り補償をしてしまったのでそこで問題は終わるわけでございますが、特別の経過措置というものをとりまして、その以後におきましても長期傷病補償給付を行うという特別の措置をとっております。ただ、その際には打ち切り補償を受けないで長期傷病補償を受けている方が別途おりますので、打ち切り補償をすればもうそれで労災補償と関係がなくなるわけでございますが、特別の措置で続けるということになりましたので、打ち切り補償を受けない人との均衡を考慮いたしまして、その長期傷病補償の給付額を減額するという措置をとっている次第でございます。約九百名でございます。
#112
○稲葉(誠)委員 そこで、これはもう一つの問題になってくるわけですが、こういう話が前からあるのですか。健康診断の問題ですが、もうさっきちょっと話が出ましたけれども、現在はこれは三年に一回ですか。これを毎年一回ぐらいはやってほしいという要望が出ているわけですか。これについては労働省側はどういうふうな考え方を持っているわけですか。
#113
○東村政府委員 御指摘のように、現在じん肺法では、管理一の方に対し三年に一度の健康診断を義務づけております。これはじん肺の進行速度を一方で考えると、これでまあいいのじゃないか。それから、ただ粉じんの性質とか種類、有害度を考えると、どうもこれだけではまずいじゃないかという問題もあります。そのほかに、たとえば被検者のエックス線被曝の量をなるべく抑えようというような問題もありまして、平均的に見て三年に一回でよろしいじゃないかということを考えてやってきたわけでございます。
 かたがた予防対策をさらに強化しようということだったわけですが、先ほど申し上げましたじん肺の審議会におきましても、三年に一回ということでよろしいのかという問題提起がございましたので、専門家会議等を開きましてこの問題もさらに詰めてみたい、かように考えております。
#114
○稲葉(誠)委員 それから、何かじん肺の手帳を出すべきだというようなことがいろいろ言われているようですね。これは具体的にどういうことで、それに対してどういう態度なのですか。
#115
○東村政府委員 手帳問題につきましては、管理四の方と管理三の方と分けて考えてみたいと思うのですが、管理四と決定されて現在療養している人につきましては、もう療養中でございますから医師の管理下にございますので、健康管理手帳の発行はこの段階では必要ないと思います。ただ、じん肺の管理三の者で、将来じん肺の管理四として療養の対象となるおそれのある人については、現在、すでに労働安全衛生法六十七条によりまして、離職の際に債康管理手帳を交付いたしまして、健康管理の万全を期している、こういう形になっております。
#116
○稲葉(誠)委員 きょうはこの問題について第一回ですから、私もこの程度で終わりたい、こういうふうに思うのですが、このじん肺法の中で補償の問題を何か単独立法にしてほしいというふうな話があるのですか。私、ちょっとこれはよくわからないのですが、単独立法にしろというのはどういうことで、それについては労働省側はどういうふうに考えているのですか。あるいはそういう話は、そこまで話は聞いていないということでしょうか。
#117
○東村政府委員 ちょっと先生のお話と逆になるかもしれませんが、現在はじん肺法というのは健康管理の問題を中心にした法律になっておるわけです。それに恐らく補償の問題をひっくるめて単独立法という御趣旨だと思うのです。
 この問題つきましては、実はずっとかつてはそういう形に近かったわけでございますが、その後いろいろ法律の変遷等がございまして、むしろじん肺は健康管理、予防というものに徹する。補償は補償の体系の中で位置づけるということになりまして、いわば縦割りの単独立法に対して横割りのじん肺法と補償法という形で現在やっておりますし、それで十分いけるんじゃないか。
   〔竹内(黎)委員長代理退席、菅波委員長
    代理着席〕もちろん実際問題としては両者の関連をよく見ながら、そういう方向で進んでいいのじゃないかということで現在進んでおります。
#118
○稲葉(誠)委員 大臣、これは大臣に対する要望になるわけですが、じん肺の患者がおられるわけですね。そういう実態を大臣自身もよく見て、そしてよく話し合いをしながら、彼らが一体何を要望しているか。もちろん要望の中には、現在の中で無理な要望もあるかもわかりませんよ。それはいろいろあると思うのですけれども、いずれにいたしましても、よく自分で見て、話し合って、その中からそういう患者の人たちに対して今後温かい配慮をいろいろやっていく、こういうことをぜひお願いをしたいと思うので、一遍ぜひそういう病院などへ行って患者の人たちとも会って大臣自身がいろいろ話を聞いてほしい、その中から前進を図ってほしいということを私どもは要望するわけですが、それに対する大臣の答えをお聞きをして質問を終わりたい、こういうふうに思います。
#119
○長谷川国務大臣 働いている間にこういう病気になる方々、私もいろいろな場所を見るわけですが、おっしゃるように昨年の十一月でしたか、中部労災病院に行きまして、院長さんの御案内でいろいろなものを拝見したことがございます。及ばずながらそういうふうに実際を見た中に、皆さん方の陳情なりあるいはまた病院の拡充とか――なかなか機械なんかも高いのですね。一つの機械が一億、二億するなんという話も聞いたりしますと、そういう実態は行った場合にわかるわけでして、いまから先もなるべく現場を踏みながら、先生方の御意見あるいはまたそういう患者さんの気持ちというものを理解できるような形で施設の充実に努めたい、こう思っております。
#120
○菅波委員長代理 田中美智子君。
#121
○田中(美)委員 まず労政局長に質問したいと思います。
 地方労働委員会の命令についてなんですけれども、その中身の問題についてちょっとお伺いしたいのです。
 不就労という場合、いま私が質問いたしましたのはあらかじめ申し上げておきましたが、中部日本放送株式会社というところで、一応これからCBCと申しますが、このCBCで不当配転や不当解雇やそれから昇格差別などいろいろなことがあったわけです。この中で地労委の命令がこの二月二十八日出たわけです。この命令に会社が一応従うという形をいまとっておりますが、その中で最初にお聞きしたいのはこの命令の中身なんですね。この中で斎藤悠子さんというアナウンサーがいるわけですけれども、この方が昇格差別をされているのに、これが命令の中では、ほかの男の方は昇格している人もあるにもかかわらずこの人はしていないわけですね。その理由として不就労であるということを言っているわけです。
 これは御存じだと思いますので大急ぎで話しますが、不当配転をされまして、この不当配転は地裁でもって勝利しまして会社には命令が出ているわけですね。不当配転だということが出ているわけです。ですからそれに従って――彼女はアナウンス部にいたわけですけれもこれを編成部に移された。その間編成部で働いていたわけですね。それで、地裁でこれは不当配転だと言われたものですからもとのアナウンス部に返ってここで就労していたわけです。しかし地労委の命令の中にはその再配転するまでの期間というものを就労していないというふうに言っているわけです。これを労政局長はどのようにお考えになりますか。――労政局長、せっかく来ているのに答えられませんか。労政局長、時間がありませんので急いでください。
#122
○松井説明員 実は細かい命令の中身になりますので私から答弁させていただきたいと思います。
 この命令は、先生いまおっしゃいましたように、 (田中(美)委員「簡潔におっしゃってください」と呼ぶ)これは最近出た命令でございますが、その中で一部につきましては申し立てを認め、一部につきましては申し立てを却下いたしました。(田中(美)委員「私の聞いたことだけに答えてください」と呼ぶ)はい。
 それで、先生がお話しになりました斎藤さんという方につきましては、私の承知しております限りではこれは除籍期間の問題でもって、つまりこの斎藤さんを含めまして三人の配転の問題は申し立て以前一年前の行為であるということでもって、それで申し立てを却下したわけでございます。それでこの問題がいま中労委で争われているという段階でございます。
#123
○田中(美)委員 もう一度はっきり申し上げておきますけれども、余分なことを話さないでいただきたい。聞かないことに答えていただいたときは時間を延ばしていただきたいと思います。
 私がいま言っておりますのは、地方裁判所で不当配転であるという命令が出た。この命令に会社が従わないということを地労委が認めているということになるじゃないですか、不就労ということは。そういうことはないじゃないかと労政局長に聞いているのです。あなたは発言しないでください。違うことを答えているのですから時間がもったいない。いまの三分間削除していただきたいと思います。地方労働委員会は――地裁が不当配転だと言っているわけでしょう。だからもとへ戻せと言ったわけですね。それなのに会社は戻さなかったわけですよ。戻すまでには非常に時間がかかって、四十九年になって再配転という形でもとに戻しているわけです。ということは、CBCは地裁の命令に従わなかったわけですね。しかし彼女はその間もとのアナウンス部でずっと就労しておりましたし、これは賃金も支払われていたわけですよ。不就労なら賃金は支払われないわけでしょう。大臣、賃金もらっていたのですよ。そうして、大臣も、労政局長も隣の人のを聞かないでこっちの言うことをよく聞いてください。この斎藤悠子さんは、不就労だと言われているその間、四十七年の秋に十五年勤続ということで表彰されているのですよ。それなのになぜそれが不就労なんですか。イエスかノーかだけお答え願いたいと思います。労政局長にお願いします。なぜ不就労ですか。
#124
○道正政府委員 非常に具体的な御質問で、必ずしも的確に承知いたしておりませんので、答弁に立ちませんで申しわけございませんでしたが、いずれにいたしましても、本件につきましては地方裁判所なりあるいは労働委員会、さらには中労委の再審査請求が行われているという段階にございます。したがいまして個別の問題について私がここで一々判断を申し上げるのはどうかというふうに思うわけでございます。
#125
○田中(美)委員 それは中労委に出ておりますけれども、労働省というのは、地裁が命令を出したものに対して会社側が従わないというものにはこれは指導しないのですか。もうこれ以上――あなたはよく御存知じないようですので、これは至急調べまして――中労委で争っている争ってないい――これは中労委に対して地労委が間違っているということをちゃんと指導してもらうように、これは労政局長、労働大臣からずっと命令系統にあるわけですから、結論が出るまで待つということでは命令なんか要らなくなっちゃうわけです。結論が出てもそれにCBCが従わない、そんなことならばお巡りさんも何にも要らないということになりますよ。何をやったって勝手やということになりますよ。ですから、私としてはこの不就労ということはどうしてもおかしい、もう一度調べていただきたいということを申し上げて、次の問題に移りたいと思います。この問題について、不就労が果たして不就労であるかどうかということを、労働省の見解をもう一度具体的に、御存じないとおっしゃったので、お調べになりまして、私の方に御返答いただきたいと思います。斎藤悠子さんの四十五年四月六日から四十九年十月一日までの間は不就労であるか、不就労でないのか。労政局長の御意見を私の方にお伝えください。
#126
○道正政府委員 たびたびの御指名でございますが、先生も御理解いただきたいと思うわけでございますが、行政指導にも限界がございまして、なかんずく事案が第三者機関でございます地労委とか中労委に係属中に私どもの方の判断を示すことは、公正な第三者機関の判断に影響を及ぼすということで、本件に限らず終始一貫発言を遠慮するという立場をとってきております。この点について御理解をいただきたいと思います。
#127
○田中(美)委員 これはずっと前の話なんです。昭和四十五年四月の地裁で出た問題ですね。これで不当配転ということについてCBCが言うことを聞かなかったわけですね。そのときの指導を労働省がなされていなかったわけです。ですから、これをもう一度、社長の小島源作さんになぜこの命令に従わなかったかということをちょっと電話で聞いていただきたい。その御返事を私の方にしていただきたいと思います。それならよろしいでしょう。それもできませんか。そのときに労働省が指導しなかったわけですからね。それをちょっと電話で、どうして地裁の言うことを聞かなかったのかということを、労働省の意見を言わなくてもいいです、どうしてかということだけちょっと聞いていただきたい。その返事をしていただきたい。よろしいですか。いいか、悪いかだけ答えてください。
#128
○道正政府委員 繰り返しになりまして恐縮でございますが、個別の案件につきましては公正な裁判所なり労働委員会の判断を尊重するというたてまえから、個別案件については私どもとしては介入することは遠慮させていただきたいと思います。
#129
○田中(美)委員 そうすると、労働省というのは、地裁の命令には会社が従わなくてもこれは仕方がないということですね。それでは、中労委を指導するということしか道がないということですね。そういうことですか。
#130
○道正政府委員 中労委も、地労委の決定について不満がある方々が中労委へ再審査の申し立てをするわけでございますから、地労委に対すると同じように中労委に係属中の案件につきましては、具体的な役所としての判断は差し控えさせていただきたいというふうに思います。
#131
○田中(美)委員 そうすると、結論が出るまではどんな悪いことをしても通るということですね。いまの日本の労働省というのはそういうことですね。
#132
○道正政府委員 当事者間で争いがあるから地労委、中労委に持ち込まれるわけでございます。この地労委、中労委が公正な判断をすることを期待して、私どもは個別の案件についてとかくのことは申し上げることを差し控えているということでございまして、そういう制度になっておることだけ御理解いただきたいと思います。
#133
○田中(美)委員 わかりました。そうすると、地裁の命令が出ているにもかかわらず、昭和四十五年四月六日の地裁の決定についての労働省は何の指導をする力もなかったということがいまここで非常に明らかになったと思うわけです。
 それで次に移りますが、それでは今度の地労委の命令、これは命令が出ているわけですから、これについては厳重に指導はできるわけです、いまのお答えのことから言えば。いまこの中で命令に従って昇格になった事例は出たわけです。しかしこの中にこういうことが書いてあるわけです。この辞令に、主事と主任というのに六人をしたわけですけれども、「申し立て事件の決定により、仮に昭和四十八年三月一日をもって主事、主任とする」と「仮に」という言葉が会社の辞令についているわけです。命令の中には「仮にせよ」とは書いてないわけですね。「せよ」と書いている。この「仮に」というのもどういう意味か調査を至急していただきたい。これはいま地労委が二月二十八日に出たばかりですので、今度は労働省の指導力というのも発揮していただきたい。この「仮に」というのはどういう意味かということをお調べいただきたいと思います。これは大臣、できますでしょうか。
#134
○松井説明員 命令については、先生御存じのとおり中労委で争われているとおりであります。その辞令の中身につきまして、「仮に」と書いてあるのかどうか、実は私どももよく承知しておりません。一々個別争議について私どもとしては介入できない立場でございますが、先生がおっしゃいました「仮に」という点については、私ども初めて承知しておるところでございまして、その「仮に」と書いてあることの効力がどういうものであるかという点については、これから中労委でも問題になる際当然問題になるのではなかろうかと私どもとしては想像いたしております。
#135
○田中(美)委員 そうすると、中労委で問題になるまで労働省は地労委の命令については何の指導も、指導というよりもそれを聞いてみるということさえできないということですか。労政局長、そういうことですか。
#136
○道正政府委員 繰り返しになりまして恐縮でございますが、私どもが事実関係を調査するんだからいいじゃないかという気持ちで仮に両当事者に当たった場合におきましても、そのことが地労委なり中労委の立場における公正な審査の妨げになることがあり得ますので、私どもとしては個別案件については申し上げることを差し控えさせていただきたいというふうに思うわけでございます。
#137
○田中(美)委員 そうすると、地労委が出てもこれを指導する力はない、まるでCBCの重役のようなお返事でございます。
 次に移りますが、その中にもう一つ、磯貝照代さんという方がやはり不当配転をされ、同じような状態で地労委の決定によってこの方は昇格をされなかったわけですね。その理由が、簡単に言えば、男子は同期で同格で同じ時期に入社した人たちの三十九人の調査を地労委がやっているわけです。このうち男は七〇%が昇進している、女性は二八・五%しか昇進していない、こういう調査が出ているわけです。大臣、これは男女差別じゃありませんか。
#138
○東村政府委員 給与その他昇進等につきまして、賃金について差別があれば、それが女子であるがゆえの差別であれば、おっしゃるように賃金についての男女同一賃金を規定した四条に違反いたします。女子であることを理由とすればですね。
#139
○田中(美)委員 それではこの場合、男性は七〇%昇進している、女性は二八・五%しか昇進していない。地労委ではこれは賃金格づけだと言っているわけですからね。賃金格づけの中でこのような数字が出ているわけですね。これは男女差別ではないんですか。
#140
○東村政府委員 一般論で恐縮でございますが、いまのような差別が女子てあるがゆえに――ほかのいろいろ原因もあるかもしれませんが、それが女子であるがゆえにとなれば、これは繰り返しになりますが、男女同一賃金の問題に触れます。しかしそれが結果としてそうなった、その、原因がいろいろあれば、またこれは別でございます。
#141
○田中(美)委員 それでは一応あなたがおっしゃるように、三十九人のうち男性は優秀であったから七〇%昇進し、女性は優秀でなかったから、女であるということではなくて優秀でなかったから二八・五%しか昇進しなかったということですね。そういうふうに解釈しますと、地労委では、この磯貝照代さんの昇進しない理由に、この七〇%と二八・五%というのは男女は関係ないわけですから、一人一人見てみたら、この人は優秀でこれは優秀でないという形で決めたわけですね。そうだとすれば、磯貝さん、この人を昇格させないという理由に、女子は二八・五%しか昇進していないから磯貝さんは昇進させないということを言っているわけです。この理屈ですよ。この理屈で考えたら、これは女の方に磯貝さんを入れているわけでしょう。そこには矛盾があるわけじゃないですか。こんな地労委の命令を出すというのは、一体労働省は男女差別というものをどういうふうに考えているのか。ことしは国際婦人年で、地球上の男女差別を全部なくしていこうという大きな世界大会があるときです。地労委という公の機関がこういうおかしな矛盾した理論、中学生にわかるような理論ですよ。七〇%と約三〇%というものが、これは男女じゃないんだというならば、磯貝さんが能力があるかないかということで考えたらいいわけでしょう、賃金格差で考えれば。この上で昇進させられないというならば、そういうことならばまだ理屈は通ります。こういう数字をもってやっているというところに矛盾があるわけでしょう。これは矛盾と思いませんか。大臣、どう思いますか。この理屈だけで言えばどう思いますか。矛盾でしょう、理屈は。東村さんわからないですか。私がいま言っている理屈ですよ。
#142
○東村政府委員 おっしゃる理屈といいますか、これは具体的なケースでございますので、私どもの方の関係としては、労働者が女子であることを理由にして賃金に差別をつけられてはならない、こういうことになっておりますから、このケースがその法規に該当するかどうか、さらに私どもの方としても詳細に調査してみないと……
#143
○田中(美)委員 また私が聞かないことに答える。聞かないことには答えないでくださいと言っている。私の聞いていることは、こちらが男女差別でないならば、磯貝さんをそれに当てはめて昇進しないというのはおかしいじゃないかと言っているんです。これを調べていただきたいと言っているわけです。おかしいじゃないか。CBCは男女差別をしているんだ。だから、していると思うので、これを調べていただきたいと言っているわけですよ。理屈はわかりましたか。
 それでは、もう一つやりますので、二つ一緒に調べていただきたいのですけれども、地労委の命令では、賃金の格づけというものは、課長補佐までを賃金格づけだと言っているわけですね。この賃金格づけの中で、主事、主任、課長補佐というところまでが賃金格づけであるわけです。これに基準外手当というのをつけているわけですよ。普通ならばオーバータイムが出るところを、やってもやらなくても打ち切りでこれだけ出すというものを出しているわけです。主事から課長補佐まで出しているわけですね。この中で、このお金が女性と男性の場合、本給の、女性は一〇%、男性は二〇%ときっちり決められているんです。これは男女差別じゃないですか。
#144
○東村政府委員 ほかの条件についてすべて同一で、女であるがゆえにということで、いまのような手当、賃金に差別があれば、これはおっしゃるように違反ということとなります。
#145
○田中(美)委員 それではこれは大至急調べていただきたい。きちっと書面になって出ておりますので、これの中にも出ております。男女別々に一〇%、二〇%と出ておりますので、これは労基法四条違反であるかどうか大至急調べて私にお返事いただきたいと思います。よろしいですか。
#146
○東村政府委員 事実を調べて、先生に御報告します。
#147
○田中(美)委員 この会社は昇格差別、不当労働行為、不当配転、あらゆることをやっているわけです。男女差別を、私の調べたところではやっているわけです。この社長の小島源作さんという人は勲二等の勲章をもらっているわけですね、今度の。こんなおかしいこと、いまの政府は何をしているんだろうと思うのですね。こういう労働者をいじめまくっている社長に勲章を渡すなんという、これは余談の話です。私に、やるななんというような権限はありません。しかし労働者は笑っていますよ。あんな勲章なんかもらうのは、悪い証拠にもらっているのじゃないかなんてことを労働者は言っているくらいですけれども、こういう会社ですので、これは必ず調べて、ここのところがもし労基法四条違反であれば、厳重な指導をしていただきたいというふうに思います。よろしいですね、大臣。ちゃんとはっきりおっしゃってください。やりますね、指導を。
#148
○長谷川国務大臣 いま局長が答えたとおり、調べさせます。
#149
○田中(美)委員 この次は秋田相互銀行の問題ですけれども、これはよく御存じだというふうに思います。時間がありませんが、そちらで御存じないはずはないと思います。いま、非常に画期的な裁判の勝利であるということで、これは国際婦人年でも大きく議題になると思いますが、七名の女子が裁判を起こしまして、これについてはいろいろ問題もありますけれども、差別給与、差別された賃金というものをさかのぼって支払われたわけです。しかし、同じ会社には、組合が違うというだけであって、裁判を起こしていないというだけであって、十四名というのは裁判には参加しておりません。ですから個人の名前で勝利はかち取っておりませんけれども、この人たちも同じ状態で賃金差別をされていたわけです。そうすれば、当然このあと残された十四名も、やはり、計算いたしますと約六百五十万近くになるわけですけれども、この賃金をさかのぼって支払う必要があると私、思います。この点はいかがでしょう。
#150
○東村政府委員 御指摘のように、この裁判の原告である七名のほかに、女子労働者十四名の方が、同じ賃金規則ですか賃金規程によって支払われていた、こういう事実がございます。そこで、その方々についての賃金債権でございますが、この七名の方は、判決によりまして、判決に明示してあるように賃金の支払いが出てくるわけでございますが、実はこの十四名の方につきましては、すでに賃金債権についての時効の問題がございまして、賃金債権を請求する権利が形としては消滅しております。私どもも、そういう消滅した賃金債権について払えということにはまいりませんので、相談には乗っておりますけれども、現在のところ、原告になった七名の方と同じような形ではなくて、労使の間でお話し合いが持てるような形が進んでおると聞いておりますし、私どもそれを見守っておるというところでございます。
#151
○田中(美)委員 二年前は消滅してしまうということですと、これはいま言えば二年前にさかのぼっていいわけじゃないですか。いいわけでしょう、二年前までは。これは、考えてみれば、七名の人だって、二年前にさかのぼっただけじゃ本当は足らないのですよ。前から戦っているのですからね。借金だって、一年間催促しなければこれは時効になってだめですけれども、催促していく限りは十年でも二十年でもこの借金というのは続くわけでしょう。そうすれば、これをいま会社にいっていれば消滅するということはないじゃないですか。どうして消滅するのですか。
#152
○東村政府委員 この裁判で問題になっております賃金の差別といいますか、そういう規定は、四十六年の四月でございますか、改正されております。したがって、それ以降は問題が生じてないわけでございまして、それ以前になりますと二年をもうすでに経過しております。
 ところで、時効の中断の問題でございますが、これは法律上いろいろうるさい規定がございまして、裁判上の請求、そういうふうなきちっとしたものでないと、なかなか中断という効力が生じてまいりません。したがいまして、事実上、いま先生おっしゃったような問題がございまするので、中断だとか時効だとかいうことはそのこととして、これは法律的にはもう債権消滅しておりますが、せっかくそういうあれも出たところでございまするので、私どもも相談に乗りながら、この問題が何とか解決できればというふうに見守っているところでございます。
#153
○田中(美)委員 黙って見守るのではなくて、積極的に中に入って指導をしていただきたいというふうに思います。よろしいでしょうか。
#154
○東村政府委員 ただいま申し上げましたように、私ども監督機関でございまするので、限界がございます。しかし、お気持ちはわからないではございませんし、労働者の身になってみるといろいろな問題がございまするので、私どもの限界を越えない範囲内においてやってみたいと思います。
#155
○田中(美)委員 それでは、その次の問題、これは十二チャンネルと近畿放送、サンテレビ、大阪朝日放送、この東京、大阪、四つの放送局の中で、本社員じゃなくて実際には本社員と同じように扱われているわけですけれども、実際にはよそから来ているというふうな形で、職安法四十四条違反問題というようなことで、よく御存じだと思います。この間、私は、労働者の皆さんと一緒に、江田課長と竹村課長補佐にお目にかかりまして、これを調査し、一日も早く本社員にするように解決するようにと、この四十四条違反が一かけらもないように解決するようにというふうに申し入れてあるわけですけれども、この点はどのような御指導をしていただいているでしょうか。
#156
○岩崎政府委員 先生いま御指摘の具体的な点一つ一つでございますが、簡単に申し上げさせていただきたいと思います。
 東京十二チャンネルの問題は、例の松崎照明研究所に働いている者を松崎照明研究所が引き揚げる、そこで直用にしろという話が出ているわけですが、一方十二チャンネルでは照明企画会社にそれを委託いたしまして、松崎照明研究所に雇用されて従事していた者をそれに移そうということでやっておりますけれども、その点が必ずしもうまくいかない。そこで、松崎照明研究所が現在のところでは五月いっぱいで切れる契約を再契約するということで、実は先生御指摘の職安法四十四条の問題が解消するわけではございませんけれども、その間に従業員の身分が不安定であった問題は、一応いまのところ雇用安定ということになっておる……
#157
○田中(美)委員 はい、結構です。私が聞いたことに答えていただきたい。もう時間がないのです。私は四十四条違反、これをどうするかと聞いているのです。それはありますけれども、身分の安定だけ、凍結だけは解きましたということはもう聞いていることなんです。ですけれども、そうしたって現状は四十四条違反でしょう。使っている機械もみんな十二チャンネルの機械ですし、指導系統もみんな十二チャンネルの管理者がやっているわけですね。実際は本社員と同じように扱われているということは、これはまるで人貸し稼業から人を勝手に連れてきて、そして本社員にしないで安い賃金で使うている、こういう状態が五千人も出ているということは大変な問題だと言っているわけです。ですから、この四十四条違反を今後どのように解決していくのかということを聞いているのです。その前のことはもう済んだことですので、このことについて答えていただきたい。
#158
○岩崎政府委員 そのほかの件についても、その点では一般論としては同じことでございますけれども、私どもは状況を把握いたしまして、それぞれ四十四条違反の事例が把握できましたならば、手続といたしましてはそれぞれ安定所長の名前で改善の勧告をするわけです。それぞれそういう過程を通っておりますけれども、その過程でいろいろ長い間の契約関係その他の複雑な絡みがございますので、改善に手間取る問題もあり、またそれがかえってそこに従事している人たちが契約解除ということで全く解雇と同然なことになってしまうということもありますので、その辺は当事者である労使が十分に話し合いをして、その中から雇用の安定が図られつつ、しかも四十四条違反が解消されるような方向で改善をしていただきたいということが私どもの趣旨でございますので、若干の時間が、それぞれの事案について異なりますけれども、かかっているというのがいまの時点での問題でございます。
#159
○田中(美)委員 若干の時間というのはどれくらいですか、一言で。
#160
○岩崎政府委員 たとえば先生いま御指摘になりました朝日放送などの問題はもう半年ぐらいかかっておりまして、これは恐縮なんでございますが、そういういろいろな労使のジグザグのいきさつがございますので、必ずしも一月以内とか二月、三月というふうに申し上げることもできないのですが、それぞれの具体的な事案の難易に応じて私どもは全力を挙げて解消に努めてまいりたいと思います。
#161
○田中(美)委員 大阪と東京だけでも五千人もいるということですので、これは四十四条違反というのを、いまあなたのおっしゃった言葉の中には、解雇ということにもなりかねないというふうな脅迫的なお言葉をお使いになったというふうに私は思うのですけれども、この方たちは開局以来社員と同じようにずっと働いているのです。一カ月、二カ月前に人貸し稼業からちょこっと人を連れてきたという人じゃないのです。みんな専門家としてずっとそこで働いている人ですよ。これが解雇をされるかもしれないなどというようなことをあなたが間違っても使うということは、これは脅迫的な言辞だというふうに私は思うのです。解雇されるべきはずは全くない人たちですよ。これがいまなおそうした四十四条違反であるがために、一般の社員よりもうんと安い賃金で使われている。これで日本の放送局というものが保たれている。こういう労働者の状態というものを一刻も早く直す、そのために全力を挙げるという言葉を言うべきであって、解雇されるかもしれないなどというような言辞は今後一切使わないでいただきたいというふうに思います。
 これで質問を終わりたいと思いますが、最後に労働大臣に言いたいのですけれども、よく個々の事犯、小さな事犯というふうにあなた方はお思いになるかもしれませんけれども、そこでそうした不当な差別を受けている労働者にとっては、まさに自殺でもしたいぐらいの屈辱を感じているわけですよ。決してこれは小さい問題ではないわけです。私がいまそれのほんの一部分をわずか三十分の間に取り上げている。これを労働省としては即決にして、きちっと指導することが全くできないということがいま暴露されているわけですけれども、その点を労働大臣よくお考えになりまして、こうした具体的な事例が出てきたからこそ、これについては積極的な指導か問い合わせをしていただきたい。先ほどの労政局長のお言葉というのは非常に私は不満です。自分が問い合わせることも中労委に対する圧迫になる、こういう言い方は、もうあなたの姿勢はどこを向いているのか。その陰で労働者がどんなに屈辱と悲しみと自信喪失、そういうものを感じているかというものについては目を向けていないわけですよ。ですから、確かにそれが中労委に対する圧迫になるかどうか、それはあなたの立場からしてあるかもしれません。しかし、それだからといって労働者がどんなに苦しい立場でいるかということを無視してはいけないのじゃないですか。この労働者の立場も多少は考えて、こちらに圧迫のかかることをそれではあなたの方ではどうするかは別問題として、やはり労働者の立場も考えて、「仮に」というふうな命令以外のものがついているものなんて一体これは何だということを聞くことさえもできないというふうな力のない労政局長でどうするんだということを私は言いたいわけです。ぜひその力を――知能だけがすぐれているというのが人間の力ではないと思います。あなたは非常に知能のすぐれた方だと思いますけれども、それだけが人間の能力ではないと思うのです。もうちょっと労働者に対する温かい愛情を持った、そういうものでもって発言もしていただきたいし、そういう行動をしていただきたいわけです。法律というものは人間がつくったものじゃないですか。そこに愛情のないようなそうした返答というものは、私は能力失格だというふうに思います。そういう点で、労働大臣に今後一層の努力をしていただきたい、指導をしていただきたいと思います。最後にその決意をお述べいただきたいと思います。
#162
○長谷川国務大臣 労働省は働く諸君を守ることが大事でございますから、働く諸君には愛情を持って、そして組織には尊敬、こういうことでやっております。一つ一つの事案について先生のおっしゃるとおりやれないというふうな問題などもあっておしかりいただくこともわかりますけれども、そうした場合には機関を大事にしながら、それに対する根回し等々もございますので、おっしゃるお気持ちというものを体しながらも、労働省は本来勤労者に対する愛情ということでやっていくことをここで御理解いただきたい。こう思います。
#163
○田中(美)委員 言葉だけでなくて、実践していただきたいと思います。
#164
○菅波委員長代理 この際、休憩いたします。
 本会議散会後、直ちに再開することといたします。
    午後一時八分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時二十七分開議
#165
○竹内(黎)委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。石母田達君。
#166
○石母田委員 私は、二つの点についてきょう質問をいたします。
 最初に、先ほど午前中の枝村議員に対する答弁の中でありましたように、新聞にも三十一日には公労協の処分が発表されるのではないかということが報じられております。そういう中で、私は三木内閣のこうした問題についての基本姿勢について問いただしたい。それは、今度の春闘に対しまして三木内閣は、いわゆる一五%以下に賃金の抑制を図る、そしてまた一方では公共料金の値上げ、こういうことで物価値上げの責任を労働者にしわ寄せしてその賃金を統制する、こういうふうな挙に出てまいりました。特にこうした問題について、労働者の側から実力行使を含む手段に訴えての闘いが起きたわけでありますが、
    〔竹内(黎)委員長代理退席、菅波委員長
    代理着席〕この要求についてこたえるどころか、そうした態度を賃金問題一つとってもとりながら、処分だけは強行する。しかも、この闘いの最中にも、再三この処分ということを自分たちの意思、やり方を押しつける武器に使ってきた。これは全く不当だと言うほかないと思います。特に、この委員会でも再三論議されておりましたように、このスト権の問題については閣僚協議会で今秋までに結論を得ること、こういう努力が続けられておる最中にこういう問題が起きるということは、なお一層不当だと言うほかないと思います。
 そこで、大臣にお伺いしたいのですが、この閣僚協議会は、一体どういう点まで前進しているのか、今秋までに結論を得るということについてのどういう見通しがあるか、まず最初にお伺いしたいと思います。
#167
○長谷川国務大臣 あなたの前段言われたことは別といたしまして、ただいまの御質問、今秋の閣僚協という話でございますが、私がいままで報告を聞いたところによりますと、当初経営形態の問題に入って、それから三月の半ばか下旬からか、いまの争議権、三公社五現業のいろいろな問題について、専門委員の方々が一カ月に二回か三回か非常に御熱心に御研究をされておる、こういうふうに聞いておりまして、恐らく秋までには何らかの結論が出されるもの、こういうふうに期待をしております。
#168
○石母田委員 私は、また労働大臣に聞きたいんです。あなたは、五月二十三日の読売新聞等に、首相が全国一律最低賃金制の実施について否定的な考え方を明らかにした、こういう記事が載っているのを御存じであるかどうか、お伺いしたいと思います。
#169
○長谷川国務大臣 記事は拝見しました。
#170
○石母田委員 この記事によりますと、二十二日、全国中小企業団体中央会の総会に出席した三木首相が、この社会労働委員会にもすでに提出されております四党の全国一律最低賃金制法案――これはまだここでも審議されておりません。しかも、あなたは、全国一律最低賃金制については検討する、あるいは研究するとも言っております。そうした段階で、首相たる者が、こういう全国一律最低賃金制については実施の考えのないような意味のことを話したというので、この新聞では問題にしているわけであります。その後、そういうことについて、実施を否定したのではない、こういう釈明が記者団に対して行われておりますけれども、このような言動があったということは事実なのかどうか、あなたは調べたのかどうか、この点についてお伺いしたいと思います。
#171
○長谷川国務大臣 ちょうど御質問があったからお答えするいい機会だと思いますが、実は、その全国中小企業の総会か大会に私もお呼ばれしておったのです。そこで、玄関に入りましたら総理大臣がいまお帰りになるということでした。私はお帰りになる総理大臣をお見送りしようと思っておりましたら、車に乗る前に総理が私のそばに来まして、もっとも総理の周辺にはほかの大臣もおりましたが、実はいまここで話をした、その席上で、どなたからか全国一律最賃の問題が出て、この全国一律最賃の問題については総理大臣はストライキをやめさせるために妥協してそういうものを取り入れたんじゃないか、こういうふうな話があった、自分は、そこで、そういうことはございませんと、こう答えてきたんだということの、ちょうど自動車に乗るところで話がありました。私は大変なことだと思いまして、私の番になりましたときに、実はこういう話がいま総理からありましたが、全国一律最賃の問題については私が所管でございます。これは今度野党が全部、それから同盟、総評、各種労働団体が全部そろってきてのお話でありましたので、私が全国一律最低賃金というものをいまからの賃金審議会にかけて御研究願うということにしております、しかし、その中には、四十五年度に全国最賃の会議において、いますぐに実行することはなかなか大変だという話もあることも含めながら、委員会で私はお答えしたところでございまして、誤解のないようにという話をして私はそのとき釈明しておきました。でありますから、新聞記事を注目しておりましたらいまのように出ておりましたので、私の話も一緒に聞いてもらえばよかったなということを考えつつ、その後で総理大臣にお目にかかったときに、最賃の問題について新聞には報ぜられておりますけれども、自分の関係することなのでこういうふうに説明しておきましたと私は御報告をしておきましたので、否定とかなんとかということじゃないことを改めてひとつ御理解いただきたい、こう思っています。
#172
○石母田委員 あなたの考えはわかりました。しかし、首相がこういうことを言ったかどうかという問題と、首相のこうした問題で新聞で、「労相の諮問機関である「中央最低賃金審議会」に「全国一律最低賃金制を含めた最賃制のあり方」を諮問することになっている。その諮問前に首相が実施しないという“本音”を表明したことは、労働側や野党の強い、反発を招くのは必至」というふうに書かれてもおります。この問題について私、三木首相にも直接お伺いして、その真意を聞きたいというふうに思っております。この問題については、きょうお見えになりませんから保留をしたいと思います。
 さて、私はきょう、もう一つの問題として金融機関、特に横浜銀行における労働基準法違反と不当差別の問題について質問したいと思います。
 この横浜銀行というのは、資本金二百三十億円、預金一兆六千四百四十五億円、全国の地方銀行の中でもトップであります。四十九年十月一日から五十年三月三十一日、この期の利益金は四十五億五千九百万、また店舗数は神奈川県を中心といたしまして百三十七本支店、十七出張所あります。この横浜銀行に対しまして、神奈川労働基準局あるいはそれぞれ支店の所轄の監督署から、労働基準法違反があるということで勧告が出されております。
 私どもの調査によりますと、まず二月二十八日に立入調査が行われている。それから、三月二十五日付で労働基準監督署からの勧告が五つの支店に対して行われている。さらに三月三十一日に再び立入調査が行われている。四月四日付で勧告がなされております。そうして四月二十二日付で、今度は労働基準局として頭取あてに再再度の勧告がなされているわけであります。これは事実ですか。
#173
○東村政府委員 大筋、事実でございます、細かいことは別といたしまして。
#174
○石母田委員 その労働基準法違反というのは、一つは、支店長代理等に時間外手当が不払いになって、これを二年間さかのぼって支払えという内容になっております。それからもう一つは、八時間を超えて労働しているのに一時間の休憩を与えていない。それから三つ目は、女子職員に一日二時間以上の残業をさせていた。その他、役職手当引き下げの就業規則の改定を届けていない。こういうような内容の基準法違反の事実というふうに聞いておりますけれども、それでよろしゅうございますか。
#175
○東村政府委員 各支店別にいろいろ違いますけれども、共通的に言えることは、ただいま先生御指摘のあったとおりでございます。
#176
○石母田委員 この横浜銀行というところは非常に労働強化が激しくて、大変なところであります。
 ここに一つの調査がありますが、その合理化といいますか労働強化のために、最近二年間に死亡者が八名、四十八年五月から五十年の五月。そして最近また一名亡くなったそうであります。この方は、大抵は急性心不全であるとか脳出血あるいは再生不良性貧血症、急性腎不全とか。そうして一番若い方はまだ二十二歳の成瀬律子さん、一番年上の人でも五十一、泰野支店係長の和田正夫さん、こういう方が次々と亡くなられておるということは非常に異常な状態じゃないか。もちろん、それぞれ死亡の原因はあると思います。この病名を見たり、あるいは年齢、役職を見ますと、かなり業務上の仕事に関連があると見ざるを得ない状況にあるわけであります。そうした実態の中で、先ほどの労働基準法の違反の事実が、一回の勧告で直らず再度の勧告で、それでも十分じゃないということで頭取あての労働基準局からの勧告、こういうふうになっておりまして、最後の労働基準局の勧告の中には、四月三十日までにその回答を求めるという内容も書かれてあります。
 こうした問題について、私はまず大蔵省の方に、こういう銀行の状態について一体どういうふうに考えられるか、考えを伺いたいと思います。
#177
○後藤(達)政府委員 お答えを申し上げます。
 労働問題につきましては、私ども銀行の業務を監督しております立場といたしましては、直接介入をしてどうこう申し上げるべき立場にはないかと存じますが、ただいま先生の御指摘のように、法令違反にわたるようなことを銀行がやっておるということは大変遺憾なことだと思います。この法令に違反するかどうかという点は、まさに労働省の御指摘のとおりかと存じますが、そういう点について即刻是正をしなければいけない、こう存じますが、銀行から報告を聴取したところによりますると、是正するという方向での御回答を労働省の方へお出ししておるということでございますから、その回答の趣旨に沿って是正を図られるものではないかと存じます。
 なお今後につきましても、再び法令違反を犯すようなことがないように、私どもといたしましては、直接にはなかなか指導できない立場ではございますけれども、いろいろな機会に注意をいたしてまいりたい、こういうふうに考えております。
#178
○石母田委員 いま申しました四月三十日の回答の内容について労働省の方から……。
#179
○東村政府委員 ただいまいろいろ違反があったということを御指摘あり、私もそのとおりだということを申し上げましたが、横浜銀行の頭取の名前で、四月三十日付で所轄の労働基準監督署経由の上、神奈川の労働基準局長あて「労働基準法第三十七条を除き是正を行いました。」という文書の回答がございました。なお三十七条というのは、御承知のとおり割り増し賃金の問題でございますので、その計算とか残業時間の確定なとに時間を要しまするので、それをやった上で、次の賃金支払い日である六月二十日にはきちっと支払いますという是正の報告を受けている次第でございます。
#180
○石母田委員 それからもう一つ、私たちの調査によると、あなたたちが三月三十一日に立入調査をやった。これらの中で、たとえば横浜銀行の横須賀支店に八時二十分ごろ行ったそうです。つまりもう三時間以上オーバーしているわけだな。ところが、女子三十八名中二十四名が違法就労を行っていた、それを現認したというふうに報告がありますけれども、これはそうなっていますか。
#181
○東村政府委員 対象店舗を監督いたしました中で、二百三十八名の女子労働者に対しまして約三五%、八十一人程度の女子職員が時間外労働をやっておったという報告を受けております。
#182
○石母田委員 ぼくの方が細かいんだな。横須賀支店は三十八名中二十四名が違法就労で現認しておる。そんなのじゃしようがない。君たち資料を出さないんだからこっちの方で調べているんだ。意識的に出さないんだな。
 その中で、こういうことをやっているんだな。監督官が来た、うるさいというので更衣室に女子の職員を入れちゃって、電気を消して、帰った後に十時まで女子職員にやらしている。こういうことまでやっているんだよ。これはまさに、そういう勧告を受け、それで隠すためにこういうことをやっておる。男性は夜明けまで残ったのがいる。銀行なんというのは実際はこれが実態なんです。これはどうなんです、知っていますか。
#183
○東村政府委員 横須賀のお話でございますが、三十八名中二十四名が違反をやっていた、ただその際に、監督に行ったときには隠れていて、それでまた出てきてやるというところまであったかどうか、私どもはつまびらかでございません。また、この銀行でそういうことかあったとは、私、資料かございませんから言えませんか、そういうことがあり得るということは、一般のケースとしては考えられます。
#184
○石母田委員 驚いたことだな、一般的にはかなりあり得る。
 それで私、これは違法じゃないかと思うのだが、横浜銀行には休暇規程があるんだ。これは就業規則の第三十六条に基づく休暇規程で、第七条に、「休暇を受けようとするときは、あらかじめ所属長に届け出て許可を受けなければならない。」となっている。われわれは常識で、こういう許可を受けなければならぬなんということは、これは四十八年の最高裁の判決を待つまでもなく明らかに法律に触れておるものです。労働協約の方を見たらこれは届け出だけになっている。こういう問題は基準局の方ではチェックしないのか。これがもし事実だとすれば、早速これは改めさせなければならぬ問題ですよ。どうです。
#185
○東村政府委員 いまのお話を聞いて申し上げられることは、労働協約に違反する就業規則は、その限りにおいては効力がございません。
 それからいまの、就業規則に盛られている休暇というのも、休暇の種類がいろいろございまして、年次有給休暇という法律で規定されているものなのか、あるいはそれをオーバーするものなのか、その辺の問題がございます。さらには、許可という文字が、いわゆる許可という厳密な法律的な意味なのか、あるいは慣例上許可といって届け出させているのか、その辺ちょっとはっきりしませんが、さらに具体的な実態を把握してみたいと思います。
#186
○石母田委員 こうした労働基準法違反あるいはその疑いのあるようなことが公然と行われ、あるいはまたそれが摘発されるとそれをごまかすようなことまでやる、こういう銀行なんですね。
 そこで、不当差別が長年来行われているのです。これは、四月二十二日の読売新聞、朝日新聞、東京新聞、そうした各紙に報道されて大きな問題になったこの労働基準法違反の問題と同時に、一部の人たちに対する不当な賃金差別あるいはその他の差別が行われているわけであります。たとえば賃金の差別で言いますと、竹中健治、これは毎月の差別額が八万九千九百三十円、年間の差別額が百六十八万円、四十一年から四十九年までの累積差別額が何と五百二十万、こういう計算が出されております。以下、大久保靖雄、三輪正治、加藤良雄、重田勇、大谷邦孝、福谷隆男、丸山紀夫、市原省吾、原紀昭、森好子、こういう人たちがいま「不当差別をなくす会」というところから発表されている者であります。
 この人たちはどういう人たちかというと、まずはっきりしている第一の理由と思われるものは、すべてもとの地銀連という組合にこの横浜銀行の組合が加盟したときの役員です。たとえば竹中という人は書記長、大久保という人は中央委員、すべてこれは青年婦人部を含めまして役員をやっていた。この人たちは地銀連を脱退するときに反対をした人たちです。いわば組合の中で言えば会社の受け入れやすい、言いなりになりやすい、そうした傾向に対しまして反対して、むしろ労働者の権利や暮らしを守るということについて先頭に立って戦ってきた人であります。こういう人たちが不当な差別を受けている。
 もう一つの理由と思われるものは、いわゆるアカ攻撃、思想的な差別であります。本人たちがそれぞれの上司から言われていることを断片的ですけれども申しますと、たとえばこの竹中健治という人は、昭和四十一年の四月に酒井という豊岡支店長から――これは場所の名前です。なぜ最低の昇給の九百円なのか――いま最高二千円ぐらいですけれども、この人たちはずっと最低の昇給、九百円でやられている。理由を聞いたところ、きみの考え方がいけないのだ。あるいはまた四十三年の四月、四十四年の四月に再度この問題についてただしたところ、沢野という中山の支店長は、きみの考え方やサークルに入っていることが原因だ、企業の利益に沿わない考え方の人にはそれなりの処遇をする、こういうことまで言っているというのであります。これはもうたくさんありますから、ほかの人については例を言いません。こういうことで、いわゆる会社の考え方に合わないとか、会社の言いなりにならないとか、会社の意に沿わない組合の活動家だとか、こういうことで長期にわたってこうした差別を行っているということは許せないことだ。こういう不当な差別については、この銀行に限らず大企業についても再三私は取り上げてきたことは大臣も御承知のとおりだと思うのです。このような問題がいまだに続いて、経済的にも社会的にもこうした人たちに大きな犠牲を強いている。家族に対してそうしたしわ寄せをしている。こういう問題について、一体労働大臣はどういうふうに考えますか。
#187
○道正政府委員 先生御承知のとおり労働組合法におきましては、労働者が特定の労働組合の組合員であること、正当な労働組合の活動を行ったこと等を理由に、その労働者に対して不利益な取り扱いをすることを不当労働行為として禁止しているところでございまして、使用者がそのような行為をしていけないことは当然だと思います。
 横浜銀行のケースについていろいろお話がございましたけれども、私どもとしては必ずしも詳細に承知しておりません。ただ、そういう不当労働行為があるということであれば、労働委員会の審査を受ける道も開かれております。これはまだ私どもの調査では労働委員会にそういう審査請求が出されておらないようでございますが、いずれにいたしましても、労働組合法に違反するような不当労働行為があるということであれば、法律に違反する行為でございますから当然是正をしてもらわなければ困るということだと思います。
#188
○石母田委員 もちろん労働組合法もあるし、労働基準法の第三条にも違反の疑いがあると私は思っているのですよ。私はいつも言うのだが、大臣、ああいうふうに、あればやるのだ、こういう態度じゃいかぬというのです。労政にしても基準にしても、労働省の仕事というのはそういうものを犯さないように予防する、防止するということ。裁判所じゃないのだから、来たらやってやるのだ、そういう態度が私はいかぬというのです。だからもう局長なんかいい。労働大臣、こうした問題が横浜銀行に起きて新聞にも訴えられている。こういう事実があるのだから、この点について十分積極的に、申告があろうがなかろうがあなたたちはやるべきだと私は思うのですが、どうですか。
#189
○長谷川国務大臣 銀行において、労働者の労働条件については、女子の時間外労働とかあるいは休憩の確保など、労働時間を中心にした問題が非常に多いと聞いております。労働省といたしますと、やはり労働者を事前に守るということが大事でございます。そういうことからしますと、銀行に対しまして労働時間の適正化等を中心に銀行労働者の労働条件の確保が図られるよう監督指導に努めてまいります。
 なお、一方労働基準法等の違反が認められた場合には、法に基づいて厳正に措置を講じてまいる、こういう姿勢でございますので、こういう姿勢がはっきり天下にわかっていただきますと、私は事前にそういう間違いというものは起こさないのじゃないか、こういうふうに思います。
#190
○石母田委員 ぜひそうやってもらいたいと思う。それを受けて基準局でも――よくわれわれが行くと監督するところがたくさんあって、何か年間の重点監督というのがある。金融機関については特にマークしてもらいたい。きょうは時間がないから言わぬけれども、私のところへ来ているのは千葉銀行、これは賃金差別。あるいは千葉興業銀行、それから東邦銀行、秋田銀行、静岡銀行、北陸銀行、こういうものがいっぱい資料が来ているのだ。こういうところでぜひあなたたちの方で重点的にこういう業種を監督指導してもらいたい。これはどうです。
    〔菅波委員長代理退席、竹内(黎)委員長
    代理着席〕
#191
○東村政府委員 監督は私どもの監督官の定数が非常に限られておりますので、全面的にというわけにはいきません。ただ、いま先生がおっしゃったように、地方の銀行などはいわばその地方の代表的な企業であるということもございまして、そういう意味の代表的企業が違反を犯しているということは非常に残念でございます。したがいまして、御趣旨のようなことを前々から私ども考えて監督をしているつもりでございますが、今後も適切な監督を進めてまいりたい、かように思っております。
#192
○石母田委員 なかなか返事はいいのだな。だけれどもこういうことがあるのだよ。相模原労働基準監督署、これは神奈川県にある。これがいま申し上げた横浜銀行の管轄だ。その管轄の関係支店から招待を受けて、二月七日、厚木の謝朋殿というところで五万五千円ばかりのいわゆる飲み食いをやっているのだよ。基準監督署が招待されているのだ。いいかい。労働基準法の違反で二度も勧告を受けているところ、そこから招待されて飲み食いしているのだ。これでいま大臣だの基準局長が言ったことができるのかい。どうなんだ。
#193
○東村政府委員 監督をした結果、違反の摘発されたような事業所に対して厳正な態度で臨まなければいかぬと大臣もお答えになり、私もそういうように考えております。そういうところから、招待を受けたとかあるいはその辺の具体的事情は存じ上げておりませんが、そういう事実があるとすれば、やはり監督機関としての威信の問題でもあり、あるいは監督をやっていく際の姿勢について批判を受ける問題でございますから、そういうことのないよう厳重に注意してまいりたい、かように考えております。
#194
○石母田委員 この謝朋殿というのは横浜銀行の厚木支店の地下なんだ。つまり横浜銀行の子会社が経営しているのだ。そこの地下へ行っているのだ。だから相模原の管轄の支店の摘発がないということは偶然かどうかわからぬよ。しかし常識で考えれば、あなたが先ほど言ったように、一般的にそういうことが行われているかもしれない、そういう場合にこうした供応というか招待を受けている、ここに公務員が出ておみやげをもらって帰っている、こういうことは私は重大な問題だと思う。こういうことを調べて、もし事実だったらどうなんだ、大臣。
#195
○長谷川国務大臣 国会の場で先生からそういう御指摘を受けたような事実は、私たち役所の者にはないと思うのですけれども、一遍あるかないか調べてまいります。そしてもしあるとするならば、これはお互いの仲間として非常に残念なことでございますので、よく注意をするし、その実情を聞きたいと思っております。
#196
○石母田委員 とても注意ぐらいでは済まぬ。しかしあなたたちは事実を知らないのだから、領収証もあるし、おみやげ代六千円、領収証五万五千六百九十八円、渕野部支店が負担したのが一万三千六百九十八円あるのだから、こういうことで注意くらいで済むと思うかどうか。これはきょうは私、時間がないから保留しておきます。しかしこれは重大な問題ですよ。中元だとかお歳暮を受けているのは普通なんだよ。私、それだって問題なんだ。返してよこしたのは税務署長だけなんだ。あとは署長、監督課長、監督官、みんなお歳暮送っているんだ。みんな受け取っているんだよ。私は、こういう姿勢で家際監督できるかどうかというのは重大な問題だと思う。
 それから銀行についても、こういうことを監督官庁がやるなんというのはとんでもないことだと思うのですよ。これは大蔵省の方でも十分やって下さいよ。
#197
○後藤(達)政府委員 御指摘の点につきましては注意をしてまいりたいと思います。
#198
○石母田委員 時間が参りましたので、最後に大蔵省にまとめて返事をしてもらいたい。
 こういうことをずっと見てまいりますと、やはり銀行の過当競争というか何というか知らぬけれども、非常に私ども考えられないような労働条件と労働環境なんだね。ですからまず一つとして、ボーナスになってくると全員外交というか、わあっとやって、このアンケートを見ても年末になると二回、三回やる人が八割だ。あれは来られる方も大変だし、そういう問題について何とか中止するように、これは一つだけやめたって、ほかの――過当競争ですから、私はこれは行き過ぎた勧誘活動じゃないか。また営業店が閉店してから時間外の外訪活動、あれも私は中止してほしい。それから、労働時間の延長なしの週休二日制について問題になっていますから、この点と、この三つの点について最後にお答えを聞いて、私の質問を終わりたいと思います。
#199
○後藤(達)政府委員 ただいま最初に御指摘の銀行の過当競争という問題につきましては、私どもかねがね指導上非常に心配をしてまいっておるところでございます。先生御指摘の労働条件という問題のほかに、やはり預金の吸収に適当な競争をやるということになりますと、銀行の業務といたしましても不祥事件を起こしかねない。あるいは預金の紛飾というような、表面をつくろうようなことをやりかねない、両建て歩積みも起こりかねない、いろいろ不都合なことが起こってくる一番の原因であろうかと思います。したがいまして、こういう過当競争などのないようにということはかねがね注意をいたしてきておりますが、なおただいまの御指摘のような点につきましては、重ねていろいろな機会に注意をいたしてまいりたい、こう考えております。
 なお、週休二日制の問題につきましては、先般大蔵大臣から、定年制延長及び週休二日制の実施に関する閣僚の懇談会が設けられておりますが、そこで御提案をいたしました。この問題につきまして、今後早急に結論を出すように前向きに検討してまいる、こういうことで全般的な検討が進められておるような段階でございます。
#200
○石母田委員 質問を終わります。
#201
○竹内(黎)委員長代理 大橋敏雄君。
#202
○大橋(敏)委員 私は去年の十月二十九日、この社会労働委員会で、ノースウエスト航空会社に関する下請企業にいろいろ問題がある、たとえば職安法違反あるいは基準法違反の疑いがありますよということで、具体的な事例を引いて問題点を指摘しながら、その善処を強く要望していたわけでございますが、労働省としまして、その後いかにそれに対して対処なさったかということ、その結果についてお尋ねをしたいと思います。この問題は労使の問題だけにとどまらず、乗客やあるいは乗務員の命にかかわる重要な問題につながると思いますので、きょうは再度この問題について触れてみたいと思います。
#203
○岩崎政府委員 いま先生からお話がございました昨年十月二十九日の当委員会で御指摘を受けました問題は、私ども東京都を通じまして事情聴取、現地調査等を行いました。その結果、職安法違反の関係で御報告申し上げますが、日本空港サービスがノースウエスト航空から請け負っております乗客の案内、それから貨物、手荷物の搭載等の業務が職安法四十四条に抵触する疑いがあるということが明らかになりました。そこで、所轄の大森公共職業安定所長の名前で、ノースウエスト航空、それから請け負っております日本空港サービス、両社の代表者に対しまして改善を図るように勧告いたしました。改善案の提出を求めたわけです。その際、その改善案につきましては労使双方が自主交渉をいたしまして、その合意に基づくものとして策定するように指導いたしたわけでございます。
 その後いままでの改善の経緯でございますが、労使がそういうことで自主交渉いたしまして、その結果、輸出入の貨物量の集計事務の関係、それから搭乗案内、通関、検疫、出入国手続等に関する客の応待、それから送迎等の作業関係につきましては、業務の完全請負化、それから従業員を直接にノースウエストが雇用するということによりましてその部分の改善を図られたのです。ですが、全体の中から申しますとまだ残っておりまして、貨物、旅客荷物の機体への運搬、積み込み作業、それからさら洗いの作業、ポーターの作業等、全部で六業務ございますが、それにつきましては引き続き現時点におきまして労使が交渉を継続中であるという報告を受けておりまして、私どもとしては、労使双方に対してできるだけ早く自主的な交渉によって事態の解決を図るように、引さ続き非公式でございますけれども指導はいたしておるわけでございます。
#204
○大橋(敏)委員 四十九年十二月六日にいわゆる改善要求通告を出されたということですね。いま報告を聞きますと、それによって一部分は改善され、まだ引き続き改善されつつあるという内容になっておるようでございますが、私が現地に参りましていろいろ伺ったことによれば、ノースウエストのグランドホステス関係はノースウエストに正式に、いわゆる正社員として採用された、あるいはまた搭載課の一部は改善の方向に動いた、あるいは服務規定について、この前いろいろ指摘しました問題については全面撤廃をされた。しかしながら、貨物課あるいは機内食課、補給課、旅客課、いわゆるポーターサービスですね、これなどはいま言われたとおりにまだまだそのままに放置されているかっこうになっているということであります。実は、このノースウエストの下請になっている日本空港サービス、通称JASCOと言われておりますけれども、これは本来クリーニングあるいは作業着のレンタルが目的であったわけですね。それが旅客の案内、貨物、手荷物の搭載、フライトキッチン、そういう方面にまで労働者を供給するような仕事になってきたことから違反の疑いがあるのではないかということになってきたわけです。
 そこで搭載課についてでございますが、下請の導入の拡大によって搭載課の消滅を図る方針であるということが会社の考えのようだ。その動きの一つとして、会社側は作業車両をJASCOに譲渡しようとしたけれども、組合側はこれに対してピケ等を張って抵抗して強く反対しているようでございます。つまり、労使関係はいま非常に悪い状態に陥っているわけでございます。航空機の貨物の搭載業務というものは、自動車とか列車のように簡単にはいかないと思うのですね。つまり、この貨物の搭載というものは熟練が必要とされているわけでございます。したがいまして、搭載貨物のバランスあるいは貨物の固定などで、作業のミスが思わぬ航空事故を引き起こす危険性が強い、こういうことから大変心配されているわけですが、搭載課のある従業員は次のようなことを言っておりました。会社側が合理化のために搭載課の仕事を下請に切りかえようという意図を持っていることは確かだ、しかし、ジャンボ機がほとんど全部といった時代を迎えて貨物の搭載業務が重要なウエートを占めるようになったことに逆行して、アルバイト主体の下請に任せることは乗客の安全を完全に無視したもうけ主義のあらわれではないか、このように非難をしていました。さらにつけ加えて、組合員のある方は、われわれは下請を締め出そうという考えではないのだ、全員が正社員として採用され、そして責任ある立場で仕事をしたいのだ、乗客の安全、乗務員の安全を期したい、これが自分らの本当の気持ちだ、とまじめな意見を述べていました。そういうことから見てみますと、今回の勧告ないしは監督指導というものは私は非常に手ぬるい感じを受けるのですけれども、この点についての意見を聞きたいと思います。
#205
○岩崎政府委員 私ども職業安定法の四十四条との関係、これはこの前も先生に申し上げましたのですが、職業安定法の施行規則で労務供給事業にならない要件として列挙しているわけでございますけれども、その一つに、いま御指摘のありました機械器具等を自前でやっているか、あるいは提供を受けて実際には労務請負というかっこうになっているだけであるのかという点が一つのポイントになるわけでございまして、そこで安定法の違反をなくすための指導といたしましては、それを直用にすればもちろんよろしゆうございますが、それともう一つは、機械器具を実際にその下請の会社が持つことによって労務請負でない形でやること、そのことが実現されれば、職業安定法の問題としては一応解決するということになるわけです。ただ、その間にはいままでのいきさつあるいはそういった労使関係のいろいろな問題がございますから、私どもも単刀直入にどちらということの指導まではなかなか申し上げにくいので、その辺の労使のお話し合いあるいは会社同士のお話し合いというものに私ども直接介入することができず、間接的にと申しますか、そういう形での指導をするにとどまっているということが実態だと思っております。
#206
○大橋(敏)委員 実は形の上では、いまおっしゃるような姿になれば、いわゆるJASCOが機材等を持てば違反ではなくなるという形にはなる。しかしながら、いま言いました搭載業務というのは熟練度が必要だということで、いまJASCOが従業員を雇用している姿を見ると、臨時的なものが多いですね。いかに機械が整備されようとも、内容として熟練云々という立場からいくと話にならない。ですから、会社側はただ形を整えようとして焦っている姿があるわけですから、ここのところをもっと厳しく行政指導をしていただきたい、もっと明確にノースウエスト自身の仕事として動きがとれるような姿に変えていただきたいということです。
 具体的な例をもう一つ挙げますと、下請にJATSというのがあったのです。これはノースの給油業務を担当していたわけです。油を積まなければ飛行機は飛べないわけですから、当然ノースの仕事であるわけですが、それを下請にやらせていた。今度の勧告で実際に見ていくと、これは違反であるということでそれは閉鎖されたわけです。ところが、そこに十二名の従業員がいたわけですね。そのうちの六名はすぐ配転された。残りの六名が二カ月間の臨時雇用としてノースウェストに吸収されたわけです。本当は本採用するのがあたりまえですよ。臨時雇用として六名引き上げて、そのうちの四名は二カ月間の期限が来るうちに適当に再就職していったわけですね。残り二名がずっと期限までいたわけです。期限が来ると当然解雇になった。しかしながら、この二人の解雇者は、われわれは本来ノースウエストのやる仕事をまじめにやってきたのではないか、違法という姿をとっていたのでそれはなくなったのだけれども、仕事はノースのことをやっていたのだから、自分らは当然ノースウエストに正式に採用されるべき立場にあると言って、それを主張し続けております。ですから、労働組合の方はその二人の方をいまきちっと抱きかかえて、正式に本社の方にもその理由、意見を申し述べて、一日も早く採用してもらうようにというようなことでいま交渉が続けられているわけでございますが、どこからどう考えてみましても、これはやはりノースウエストの方がもっと大人の立場に立って、そういう二人の従業員を正社員として雇用するのが当然ではないかという考えを私は持っております。この前も労働大臣は御答弁の中で、外国人の企業といえども、日本人として働いている労働者は、一歩もひけをとらず守り抜いていきますよ、こういう力強い激励もありましたし、それを聞いた組合員の皆さんも、さすがに労働大臣だといって感激もしておりましたし勇気づけられておりましたし、こういう立場からも、いまのJATSに関係した二人の従業員がいま悩んでおりますし、何とか労働者保護の立場から乗り出していただきたいと思います。
#207
○岩崎政府委員 事実関係について私申し上げます。
 事実関係については、先生が御指摘になりました点、そのとおりだと思います。ただ、その結果、職業安定法四十四条違反の姿はなくなる。しかし、実際にはその六名の方は、すでに配転されれ、六名の方は二カ月の期間の中で四名が途中でかわっていき、それから最後に二名だけ残されて、その二名が期限切れで解雇になるという形になってしまっている。これは確かに経緯をずっと踏まえてまいりますと、その解雇された労働者の方にとって非常にお気の毒な点があると思います。私どもは、職業安定法四十四条の違反の事実がなくなっておりまして、法律違反の責めを直接に会社側に問うことができないかっこうになっておりますので、その二名の方につきましては、いま先住御指摘の大臣のお気持ちも踏まえまして、私どもは一線の機関を督励して、何らかの形でその労働者の方々の雇用の安定と申しますか、そういうことができますような形での解決を図りたいというふうに考えております。
#208
○大橋(敏)委員 これはむずかしい問題だろうと思いますけれども、労働大臣から一言でもお口添えがあれば簡単に解決するのではないかと私は思います。確かに、いま言うように職安法違反の立場からいけばそれはなくなるでしょうけれども、実体的に労働者保護の立場からいったときに、これは何とかして救済してあげなければならないという実情にあるわけです。労働大臣から一言これに対してお答えをいただきたいと思います。
#209
○長谷川国務大臣 前回も御答弁申し上げたのですが、外国系の企業といえども国内の労働基準法その他の法律を守ってもらう、これは当然でございます。そのためにこそお互いの国があるわけです。しかし、お話のように、なかなか外資系の場合には向こうの考え方の違い、あるいは向こうのいろいろな従来の組織の違い等々があって、そちこちで問題を起こしたことも私もよく承知していることでございます。しかし、原則はいまのようなことでして、労働者を保護する労働一省としては、こういう問題について重大な関心を持ちながら、問題は一番先にやはり労使間で、労働条件の問題をめぐってやる場合に、基本的には納得のいくような話し合いをしてもらいたい。そしてまた、その間に違反などがあれば、いまのようなお互いの姿勢の中から、手を尽くせるものは尽くしつつ国内の労働者を守っていくということでいまから先も進めてまいり、関係係官がまたいま御答弁申し上げたような形でやっておりますこともそういうあらわれの一つであり、これを推進していくにはやぶさかじゃありません。
#210
○大橋(敏)委員 いま挙げました例は二人の問題ですけれども、単なる二人の問題で片づけられない大きな意味があると私は思うわけです。ひとつ労働者保護の立場からよろしくお願いしておきます。
 そこでJASCOの従業員である立場で、パンアメリカン関係でグランドホステス四人、機内食五人、合計九名ですけれども、この方々が全員正社員になるということであったわけですけれども、どういうわけか知りませんが、去る三月四日付でこれが全部白紙撤回されております。これも事情をよく調べて善処していただきたいと思います。
 それから関東空港サービス、これは六十人いるわけでございますが、うち二十人はこのJASCOに吸収されたようでございます。しかしながら、問題は差別待遇的な内容で雇用されてしまっているということですね。賃金などが非常に悪条件になってきているということです。
 こういうことで、せっかく監督指導をなさっているけれども、まだ細かいところには行き届かないところが非常にたくさんあるということですから、きめ細かい行政指導を強く望むわけであります。いまの点、よろしいですね。
#211
○岩崎政府委員 いまのパンアメリカンの関係、よく実情を調べまして処置したいと思います。
 それから、後の点につきましては、あるいは基準の関係になるのかもしれませんが、これも先生のおっしゃる趣旨を踏まえまして、私どもよく調査検討したいと思います。
#212
○大橋(敏)委員 ひとつ一日も早く労使間が改善され、りっぱな仕事ができるように指導願いたいと思います。
 次に、ノースウエストの合理化推進のもう一つの柱というのがあるのですが、これは航空機運航の心臓部とも言われておりますいわゆる羽田の運航課の閉鎖問題があるわけです。会社側はこういうふうに言っているのですよ。コンピューターを導入するので、羽田の運航課を廃止してアメリカの本社に一本化するんだ、こういうお話でありますが、手始めに運航課の五人の配置転換をもうすでに発表いたしております。三月十五日に通告をして、四月一日実施、そして五月一日に業務命令が出ておりますが、組合側としてはこれは承服できないということで強く反対して、現在強行就労中でございます。組合側が強硬に抵抗している理由は、航空機の安全にとって大きなマイナスになるということでございます。
 運航課のCさんという方はこう言っておりました。コンピューターが幾ら性能がいいといっても、あくまで機械であって、臨機応変の措置や緊急時の指示など結局人間がやらなくてはだめなんだ、特に気象条件に大きく左右される航空機にとって正確で早い情報が絶対不可欠な要件である、こうした強引な会社の合理化によって航空機の安全性が脅かされるというだけではなくて、定時性のあるいは経済性が著しく損なわれることも間違いはない、このように力説していたわけですが、この運航課の閉鎖については大きな問題をはらんでいると思います。また、去る五月十五日現在、百七十六人のパイロットの皆さんが運航課廃止反対ということで署名をいたしております。ですから、この運航課を閉鎖すればいかに危険な状態になるかという裏づけであろうと私は思うのでございますが、この点について労働省としては御承知になっているかどうか、まずお尋ねしたいと思います。
#213
○東村政府委員 ただいま先生御指摘の問題については、大筋存じ上げております。ただ、これは配転の問題といいますか合理化の問題といいますか、そういう問題でございますので、事の性質は労使間で決めるべきお話し合いのテーマだと思います。その際に、何といいましても労働基準法に抵触するような、たとえば均等待遇に違反するというようなことになりますれば、これは私どもの関連が出てまいりますが、そういう意味で、労使間で十分話し合って納得のいく線で落着できるようにということを私どもは期待している次第でございます。
#214
○大橋(敏)委員 ここは基準法云々というよりも、乗客、乗務員の安全性の問題、命にかかわる問題になるわけですね。それだけに簡単に法律で割り切って物を判断するところではないわけです。
 実際これが実施されると私は大変になると思うのですね。一本化というのは、アメリカのミネアポリスに統合されるということでございます。そうなれば、緊急事態が発生しても、五千四百四十マイルも離れた本社からは、航空機に対し機敏な指示を与えることができない。あるいは正確な乗客の数や貨物の量等は最後までわからないため、出発に際しいろいろな弊害を起こす。間違った計画をされれば離陸や着陸に際し思わぬ事態が発生しかねない。三番目として、急激な気象の変化、特にタービュランス等の情報提供ができず、不慮の惨事を招く懸念も大いにある。四として、飛行監視の中止に伴い、途中の情報が皆無となり、これによって生ずる救難活動もおくれ、人命の安全に重大な脅威をもたらす。五つ目に、特に緊急事態発生時にだれが対処するのか。一、気象状況、二、最新のNOTAM、三、本社からの指示があったとしても、言葉の問題等で臨機応変の措置を講ずることができない。これは組合側の皆さんがいろいろと検討した結果、こういう事態になりますよ、だから合理化合理化といって簡単に片づけられる問題ではありませんということで、いまその手始めとして、二十八人いるわけですけれども、その中の五人の配転についてもいま反対をし、そして強行就労しているわけですね。こういうことです。しかも、その五人の内容を見てみますと、アシスタント、いわゆる管理士補佐という人ですけれども、五人のうち男子が二人ですけれども、グレード十二という給料の水準だったのがグレード七にぐんと下げられるのですね。二人ともです。それからあとの三人は女の職員になるわけですけれども、グレード七からそれが一人は五に下げられるのですね。あとの二人は職場転換というだけでございますけれども。こうして一つ一つ、見れば見るほど何だか日本人労働者を非常に冷たい姿で処理しようとしていることがうかがわれるわけです。ですから、これは基準法だけの問題ではなくて、政治的な立場で大きく重視して配慮してもらわなければならぬ問題ではないかと思うのですが、これは大臣からもひとつ答弁をいただきたいと思います。
#215
○間説明員 ただいま御指摘のありましたノースウエストの労働上のいろいろな問題につきましては、私どももそういう情報は耳にいたしておるところでございます。特に、ただいまお取り上げになられました運航管理面の要員の削減、これは確かに運航の安全性に関連する問題ではあるというふうに私どもも思っておりまして、そういう意味におきましては、私ども特に安全性の問題といたしましては非常に関心を持つわけであります。
 ただ、しかしながら運航の安全面に対しますところの監督の問題につきまして、特に外国機の場合におきましては、現在民間航空条約、俗にシカゴ条約と申しておりますが、この条約によりまして、その航空機の登録国がこれについての監督の責任を持つ、こういうたてまえに実はなっておるわけでございます。したがいまして、日本に就航いたしております外国の航空機の運航面につきまして、日本の国内の空域におきますところの交通秩序に直接関連をいたします分野、たとえて申しますと運航のルートの問題とかあるいは管制の指示の問題、こういった問題につきましては、これは日本政府といたしまして、航空当局といたしまして外国の航空機に対しましても監督指導の責任に立つわけでございますが、それ以外の運航の安全の面、たとえば運航管理の実施の方法、具体的にどういうふうにやるかというような問題あるいは要員の配置の問題、乗組員の乗務割りの問題とかあるいは訓練の問題とか、こういった問題はその航空機の登録されております国の規則に従ってその国の当局がこれを監督する、こういうたてまえに実はなっておるわけであります。いまのノースウエストの場合でございますと、これはアメリカの航空会社でございますので、アメリカ連邦航空局がこれについてのどういうふうなやり方であれば適当であるかということの監督をいたしておるわけであります。そのノースウエストが実際にどういうふうな運行管理のやり方を行うかということにつきましては、私どもは直接これに対する監督指導という立場にないわけでございます。日本航空について私どもが行っております監督指導の中身とかけ離れたものであるということであれば、またそれなりに一つの安全上配慮しなければならない点が出てくるのではないかと思いますが、さしあたりこの問題についてどうするかということについては、やはりわれわれとしてはアメリカの当局の判断にまつ、あるいはその指導監督にまつというふうにせざるを得ないのでございます。
#216
○大橋(敏)委員 いまあなたはたてまえ論ばっかりでお話しなさっておりますけれども、実際にアメリカから飛んできまして羽田につくわけです。着いた乗客がずらずらと出てきてそれなりの検査を受けたり、大変な忙しい目に遭うわけですね。荷物は荷物で動いておるし、パイロットやあるいはスチュワーデスはそれなりに運航課の指示を受けて動いているわけですよ。現実問題としてそういう仕事はあるわけですね。それで、いま言った皆さんの主張なさっておるような内容というものが明らかであるわけです。ですから、あなたがここで、いや絶対にアメリカの運航管理は安全なんだと言い切れるはずもないし、またそう言える立場でもないわけですね。しかしながらそれを利用するのは日本人もたくさんおるし、仮に外国人であっても人の生命というものは大変なものですから、この問題はただたてまえ論だけで責任逃れすればいいというような問題ではないと思うわけです。ですから、あなたもいまの事情は大体のことは知っているというような話でありましたけれども、一歩も二歩も深くそれを堀り下げて検討していただきたいと思います。そして、もしこれは危ない、安全でないと思う点が少しでもあったら一歩も譲らないというぐらいの立場で折衝してもらいたいし、また労働者を保護する意味あるいは守る意味からは、労働省ともそういう問題についてはどんどん連絡をとってもらって進めていただきたいと思います。よろしいでしょうか、その点。
#217
○間説明員 この安全の問題は何にも増して留意しなければならない問題であるということは私ども十分に理解いたしております。先ほど私は現在の国際条約上のたてまえからのお話を申し上げましたけれども、もちろん、日本におきますところの航空の安全に責任を持ちます航空局といたしまして、外国の航空会社の問題について全然これを無視してしまっていいというふうに考えておるわけではございません。したがいまして、今回ノースウエストの問題につきまして本委員会におきまして特にお取り上げになられましたという点から考えましても、この問題につきましては私どもも真剣に考えまして、さらによく事情を聴取していきたい。その上で、これは日本の運輸省が直接できるものと、もちろんできないものとございます。その結果に応じましてしかるべく配慮を払ってまいりたいというふうに思います。
#218
○大橋(敏)委員 大臣、これはいま説明しましたとおりですが、問題は、もうすでに業務命令が出まして、五人にそれに対しての直接の問題が降りかかっているわけです。組合側としてはこれに対しては反対をして、現在強行就労中という立場になっておりますので、これもひとつ労働省の立場から善処されるよう配慮していただきたいと思います。よろしいでしょうか。
 それから、もう一つお尋ねをいたしますが、これは航空機の安全性とは直接関係はないわけですけれども、合理化の影響を受けて無視できない問題があるのです。これは飛行機の中で食べる機内食の問題になります。二月でしたか、新聞にも出ておりましたね。「機内食 羽田空港製も落第問大腸菌など基準超す 都調査 工場老朽で半数以上」こういう大きな見出しで、これは切り抜きですけれども「百四十四人の入院患者を出した日航ジャンボ機の食中毒事故は、現場責任者の自殺事件までひき起こしたが、」という書き出しで出ておるのは御承知だと思います。あるいはまた五月十五日ですね、いま問題にしておりますノースウエスト航空会社の航空機でも二件の事件が発生いたしております。マニラ発東京経由アンカレッジ行きの便でございますが、マニラで積み込んだ一等の食事が腐敗して、東京で積みかえたという問題です。もう一つは、アンカレッジ発の東京経由ホノルル行きの便ですけれども、クルー、いわゆる乗務員の食事が腐敗していたという事実がございます。先ほど問題になっていたもの等も加えまして、このような機内食の事故の続発、フライトキッチンと言われておりますけれども、これも合理化と切り離して考えることはできないと私は思っております。羽田にあるノースのフライトキッチンは、これがと思われるほど唖然とするようなバラックの不衛生な建物のようでございます。私はまだ直接見ておりませんが、うちの党員が現地調査へ行って来ましてそう言っておりました。クーラーもなくて、室内温度は四十度、これに労働強化と超過勤務の連続では衛生管理が行き届かないことは十分起こり得るだろう、こういうふうに言っております。
 さらに驚くことは、ジャンボ機内の冷蔵冷凍設備がほとんど故障しているのだそうですね。そしてドライアイスを積み込んでいるというのが実態であるようです。熱帯のマニラでドライアイスが何時間もつかというのが問題視されているわけでございますが、頼みの保健所は、外国でつくったものについてはタッチできない、こういうふうに言って余り取り上げられていないようでございますが、合理化の名のもとに食品の管理がおろそかになっていたということであればとんでもない事故が起こることになるわけでございますが、こういう点について、まず合理化との関連性が一つあることと、実際にそうした食品についてのチェックのあり方ですね。これについて私は問題がありそうに思いますので、厚生省の方が来ていらっしゃると思うのですけれども、お答えを願いたいと思います。
#219
○三浦説明員 機内食によります食中毒ですが、わが国で製造された機内食が原因となって食中毒が発生したというレポートはまだ私ども受けておらないわけでございます。しかし、最近二月三日に発生しました、いま先生御指摘のアンカレッジで塔載された機内食に起因した日航機の食中毒事件、それから五月二十日、マニラで塔載されました機内食に起因したフィリピン航空様の食中毒事件の二件は、私どもの手元に入っております。機内食は、それを製造しております施設の所在する国に指導監督の権限があるわけでございまして、機内食を調製しております営業者数はわが国では二十業者ばかりあるわけでございますが、現在営業者が食品衛生法に基づきます飲食店の営業許可を受けて営業をしているわけであります。これらの営業者に対しましては、他の食品営業施設と同じように各都道府県の食品衛生監視員が随時監視を行うということで指導の徹底を図っておるわけでございますけれども、日航機の食中毒事件を契機といたしまして、この事件の国際性にかんがみてなお一層監視を厳しくするようにということを関係の都道府県に通達してございます。
#220
○大橋(敏)委員 実は私は、労働組合の皆さんからそういう事実、また本社の方から、こういうことがあるぞ、ああいうことがあるぞという連絡が入っているのを見せていただいた。残念ながらきょうここに持ってきておりませんけれども、後刻お届けいたしますが、これは大変なことですね。大体一万メールくらいの高空で乗客は旅を楽しみ、しかも機内で食事をするというのが楽しみの中でも一つの大きな内容になっておると思うのですよ。ところが、その実態はいま言ったように腐る寸前のものあるいは腐ったものということになると、これはもうおろそかにできない重大問題だということで私は取り上げているわけでございますが、羽田空港周辺には関連企業として五つの機内食の製造工場があるそうですね。このうち二つが日本企業のものであって、あとの三つは外国航空会社の直営になっているということでございますが、その五つの工場とも年中無休だそうですね。フル回転だそうですよ。三交代のところもあるそうでございます。この五つの工場で約三十航空会社分の、一日二万食分が製造されているということを私は聞いているわけでございますが、いずれにいたしましても製造する場所の衛生問題も非常に問題だろうと思います。この辺はもっと厳重に監督指導をしていただきたい。
 それから、労働問題の合理化問題との絡みで、会社との複雑な動きから、当然東京で積むべき食品を積まないで、よその地域、香港とかホノルルとかいうところで積んでそういう結果を招いているという事実もあるわけです。これは会社のデータなんですけれども、たくさんその内容が書いてある。その一つの例を引きますと、十月十六日、六〇六便、これはホノルルを立って東京に来て、またホノルルへ帰るという便ですね。ホノルルから東京まで八時間、東京からホノルルまでは九時間かかるそうでございますが、その往復分をもう最初のホノルルで積んでしまっているんだそうですね。ということは、大変に時間の経過したものを最終的に食べるということになっているわけですが、これもどうやら合理化問題との何かがあるような感じがしてなりません。ですから、組合運動とこれとはまた別問題でありまして、こういう点も含めてきちっとした指導をしていただきたいわけですよ。その会社の運営に介入するというのではなくて、当然労働者あるいは乗務員や乗客を守るという立場から適切な指導をしていただきたいということでございます。両方から見解を述べていただきたいと思います。
#221
○長谷川国務大臣 直接私の方の所管でないようでありますけれども、私はいささか航空には関心を持っているものでありまして、ロンドン、ニューヨーク、東京、この三つは世界においての三大空港で、一番お客さんの多いところであります。そういうことからしますと、日本の羽田――いずれそのうちに成田になるかもしれませんが、そういうメーンの航空基地で起こった問題が日本の信用なりあるいは国際的ないろいろな信用にかかわるということになりますと大変なことです。そういうことですから、直接労働省法令なり法律に違反はしていないにしても、全体の問題としてこれはよく監視もし、注意をしていく必要があるのじゃなかろうか。いわんや、いまは、日本の場合でも国際線というのはお客さんが非常に少なくて赤字が出ている。またそれだけに国際的にもダンピング等々が言われているときでありますから、そういう中において自分の業績を上げるためにも、信用のある機内食、信用のあるサービス、それから一番大事な安全運航、こういうところに一層日本の航空界は力こぶを入れなければいかぬのじゃないか、こう私は考えておりますので、所管じゃありませんけれども十二分にひとつ注意していくつもりであります。
#222
○大橋(敏)委員 それじゃ、時間も大分迫ってきましたので、次に移りたいと思うのですが、これは運輸省に関係すると思うのですけれども、これは実際の話なんですが、ノースウエスト機内食において、いまのジャンボですね、大変な人数が乗って、三百数十人乗っておるわけでしょう。わずかの従業員で食事を出すわけですね。飛行機に乗ると速いものですから、それを食べ終わって片づける前にもう着陸するというのですね。あれは着陸するときにはちゃんともとの姿に戻して、きちっとテーブルも座席ももとの位置に戻して着陸しなければならないという航空法規があるやに聞いておるのですけれども、現実問題として食器テーブルを出したままでんと着陸しているという事実がかなりあるんだそうですよ。こういうことについて御存じかどうか。
#223
○間説明員 ノースウエスト航空につきまして、そのようなことが機内で実際に行われておったかどうかという点につきましては、私どもこれを過去におきましてチェックしておらないのでございますので、ただいまお話を伺いましてきわめて好ましからざるものであるというふうに考えております。
#224
○大橋(敏)委員 これはもう実際に従事しておる皆さんの証言で間違いございませんので、これは大変なことだと思います。ここは、改善の仕方については会社側と組合側の皆さんとの話し合いにゆだねる以外にないと思いますけれども、その監督指導をしっかりお願いしますよ。
 それから、最近キャセイ航空がスチュワーデスを香港採用という立場で採用しまして、大変なハードスケジュールで使っておる、しかも賃金は安い、労働条件も悪い、こういうことが最近大きな話題になってきつつあるわけでございますが、私どもこれまた再度これを深く調査をしまして取り上げますので、労働省としましてもいまの問題を重視していただきたいと思うのですが、いかがですか。
#225
○長谷川国務大臣 最近キャセイが非常に業績を上げていることは私も知っております。そういうときにいまのようなことが起こったのじゃ大変でございますから、問題があなたから提出された場合には私の方でも検討して、日本の国益を守るために、安全のためにやってまいりたい、こう思います。
#226
○大橋(敏)委員 これはいまの大臣の答弁を本当に期待したいと思います。実態を見れば見るほど本当にかわいそうな状態で働いております。私も具体的なことは次の機会に調査をして持ってまいりますので、そういうことにならない前に善処されることを強く要望いたしまして、私の質問を終わります。
#227
○竹内(黎)委員長代理 小宮武喜君。
#228
○小宮委員 私は、今回の春闘問題に関連して若干質問します。
 今回の春闘における違法ストに参加した三公社五現業の労働者数がどれくらいになるのか、各当局からそれぞれ御答弁を願いたい。
#229
○泉説明員 専売公社関係におきましては、今回の春闘に参加いたしました者は、単純参加者を含めまして六千四十人ほどでございます。
#230
○加賀谷説明員 ことしの春闘につきましては、まだ実はつまびらかな数字が手元にございませんが、目下鋭意それの調査中でございますので、的確な数字はわかりませんが、恐らく二十万を超すということだと思います。
#231
○山本説明員 正確な数字はただいま調査中でございますが、本年春闘に参加した人員は、約九万人でございます。
#232
○原田説明員 お答え申し上げます。
 今回の春闘につきましては、大体千七百名の組合員がおりますけれども、そのうち約千名が参加しております。
#233
○松本説明員 正確な数字はまだつかんでおりませんが約千六百五十名でございます。
#234
○柳井説明員 まだ正確な数字はつかんでおりませんが、参加人員の非常に多いときにおきましては、組合員約五万六千人の九割強という数字ではないかというふうに考えております。
#235
○中村説明員 アルコール事業部におきましては、組合員九百名中、参加者は二百二十名でございます。
#236
○仲松説明員 一般参加者四万九千七百六十名、指導者につきましては目下取りまとめでございます。
#237
○小宮委員 労働大臣も聞かれたように、今回の春闘においても各三公社五現業においてかなりの人たちが違法ストに参加しておるわけですが、労働大臣は本委員会において、処分権は各公企体当局にあるので、その公企体当局の良心に期待をしたいということを答弁されておるわけですが、今回の違法ストに対する政府としての姿勢はどうですか。
#238
○長谷川国務大臣 これは昨年以来何遍も申し上げたとおり、日本は法治国家でございます。違法ストということがわかっておってストをやられるということは非常に困ることですから、事前にはストが回避できるようにいろいろ話もしてまいりました。しかしストがそのとおり決行された暁におきましては、法治国家のたてまえ上、違法ストに対しての処分はそれぞれの当事者がおやりになるだろうということを期待しているわけであります。
#239
○小宮委員 そういうようなことでございますから、労働大臣に対しては私はまた別途質問いたしますが、それでは各三公社五現業の当局においては、今回の違法ストに参加した人たちに対する処分はどうするのかということと、時間もございませんから、あわせて昨年の春闘の違法ストに参加した者の処分はどうするのか、どういうようにしようと考えておられるのか。ことしの春闘参加者の措置の問題、昨年の春闘参加者の措置をどうしておるのか、この点をまた三公社五現業から順次答弁してください。
#240
○泉説明員 私どもは、昨年の春闘に参加いたしました者についても、また本年の春闘に参加いたしました者につきましても、それぞれ厳正かつ慎重に処分を行うことにいたしております。
#241
○加賀谷説明員 いま専売から申し上げたと同じでございますが、私ども、昨年の分、それからことしの春闘につきまして、これは事務が大変でございますけれども、指導者並びに指導的な行為のあった者についてなるべく早く事務を整えまして、事務のでき次第、速やかに処分をするということにいたしております。
#242
○山本説明員 昨年の参加者及び本年春闘の参加者について詳細に調査をいたしまして、慎重かつ厳正に処分をいたす所存でございます。
#243
○原田説明員 お答え申し上げます。
 昨年春闘及び秋闘並びに今回の春闘を含めまして、各公企体と同様に慎重かつ厳正な処分を行いたいと存じます。
#244
○松本説明員 昨年、本年分ともに処分いたします。
#245
○柳井説明員 昨年及び本年の春闘ともに、これに対する処分につきましては、慎重かつ厳正に対処したいというふうに考えております。
#246
○中村説明員 昨年及び本年の参加者に対しましては、厳正かつ慎重に処分を実施したいと思います。
#247
○仲松説明員 昨年の春闘参加者、本年の春闘参加者含めまして、厳正かつ慎重に処分をいたしたいと思います。
#248
○小宮委員 皆さん方は慎重にかつ厳正に行うということを言っておりますけれども、それでは、昨年の春闘の分がいまだに処分がされないということは、これは厳正に慎重にやっておるということか。これは特に専売公社に質問しますが、専売公社では、たばこの増産に備えて、ことしの秋までは昨年の分も処分をしないという密約を交わしたということが、これはもうすべての新聞に報道されておりますが、これは事実かどうか。
#249
○泉説明員 私、参議院の予算委員会でもお答え申し上げたのでございますが、巷間伝えられたような密約というものは一切ございません。したがって、私どもとしましては、先ほど申し上げましたように昨春闘の参加者につきましても厳正かつ慎重に処分するという態度に変わりはございません。ただ、その時期につきましては、たばこの定価改定という問題がございましたために今日まで延引いたしておる次第でございます。
#250
○小宮委員 われわれが新聞報道を見ても、専売公社がいわゆるたばこ増産に備えてことしの秋までは処分をしないという密約を交わしたということで、他の公企体も、専売公社が秋まで延ばすということであればわれわれの方もそれより早くする必要はないということで、足並みをそろえたのではないかという見方がされておりますけれども、専売公社としてはそういうふうな密約をしたことはないと言う。それでは各新聞報道は、これはうその報道をしたということになりますか。
#251
○泉説明員 さようでございます。そのような密約の事実はございません。
#252
○小宮委員 厳正かつ慎重に処分するというが、一年たってもいまだに処分しないということは、厳正かつ慎重にやっておると言えるかどうか。では、具体的にどういうような点で慎重にやっておるのか、どういうような点で厳正にやっておるのか、答弁をしてもらいたい。
#253
○泉説明員 一つは、私どもの場合におきましては、従来の処分におきましては、一日勤務しなかった場合にどういう量刑、二日勤務しなかった場合にどういう量刑というふうにいたしておるわけでございますが、実は昨年から二十四時間勤務の体制の工場が出てまいったわけでございます。そうしますと、そういう工場でストが行われますと一日八時間という計算ではできないことになりますので、そういう工場を含めまして、従来の処分の量刑の点につきまして検討し直さなければならない点が出てまいっております。また、そういった量刑の問題のほかに、事実につきまして――昨年の参加者は、組合員三万四千人のうちの約一万五千人でございますので、それらにつきまして、事実関係の調査に時間を要したことが一つございます。それから、先ほど申し上げましたようにたばこの定価改定を控えておりますために、その定価改定前に騒ぎを起こしたくない、こういうことで取り扱ってまいったことはございます。しかしながら、先ほども申し上げましたように、秋まで処分をしないといったような密約といったものはございません。
#254
○小宮委員 各当局は、昨年の春闘の問題については慎重にかつ厳正にやられるという話だが、それではいつごろになるのか、それをはっきりここで時期を明確にしてもらいたい。皆さん方先ほどからいろいろ質問があるように、たとえば労働基準法を守れとかあるいは労働組合を守れと、いろいろな立場から言われておるけれども、やはりわれわれは厳然として法律を守って、そこの中でいろいろな問題をとらえてやっておるわけだ。そうした場合に、この法律は守られなければいかぬ、これは守らぬでもいいということは許されないと思う。そういうような意味で厳正かつ慎重にやっておるというなら、それがいつごろになるのか、ひとつ各三公社五現業、答弁を願いたい。
#255
○泉説明員 先ほど申し上げましたように処分は行います。その処分は厳正かつ慎重に行うということで、目下その時期につきまして慎重に検討いたしておる次第でございます。
#256
○加賀谷説明員 先ほども申し上げましたとおりですが、昨年の春闘とそれから今回の春闘とあわせて行いたいと思っておりますので、今回の春闘の分、特にいま事務を急いでやらしておるということでございまして、事務のでき次第、できるだけ早く処分をしたいと思っております。
#257
○山本説明員 電電公社におきましても、昨年の処分とそれから本年の春闘の処分をあわせてやりたいというふうに考えております。そのために調査に若干時間を要しますから、調査が終わり次第、早急に処分を実施したいと思っております。
#258
○原田説明員 造幣におきましても、昨年度の春闘処分とあわせて本年の分につきましても、現在鋭意それを受けまして検討しておるところでありまして、準備の整い次第、できるだけ速やかにやりたいという気持ちでやっております。
#259
○松本説明員 ただいま調査を急いでおりますので、調査が終わり次第、いたしたいと思っております。
#260
○柳井説明員 林野庁におきましても、五十年の春闘に関します処分も四十九年分と含めまして実施したいというふうに考えておりまして、現在五十年の調査について行っておりますので、その検討が終わり次第、できるだけ早くやりたいというふうに考えております。
#261
○中村説明員 準備のでき次第、なるべく速やかに実施したいというふうに思っております。
#262
○仲松説明員 目下取りまとめ中でありますが、準備の整い次第、今春闘のストを含めて、できるだけ早く調査のできたところから逐次実施したいと思います。
#263
○小宮委員 厳正かつ慎重にやってきて、昨年の春闘の分もまだ厳正かつ慎重にやっておるのが、ことしの春闘の分も一緒に含めてやりたいということは事実上可能ですか。一年もかかって慎重にやってきたことが、ことしの春闘の分も含めて一緒にやるということが可能かどうか。われわれから言わせれば、皆さん方はそういった詭弁を使ってはいかぬ。やろうと思えばことしの分でもできるということを立証しておるじゃありませんか。それを昨年のやつは一年も延ばしてきて、それで今年度分と一緒だ。それじゃ、今年度分と一緒になるということは、また来年、一年先のことですか。その点ひとつ明らかにしてもらいたい。専売公社から……。
#264
○泉説明員 昨年の春闘に対する処分がおくれておりますことはまことに申しわけないことでございますが、これがおくれるようになりましたのはいろいろな事情が重なったせいでございまして、必ずしも私どもだけがこの春闘の処分を引き延ばしておったということではございません。したがいまして、本年の春闘分とあわせまして処分を行うことは可能と考えております。
#265
○小宮委員 われわれも、何も好きこのんで処分をしなさいと言っているのじゃないのです。ただ、たとえば法律無視をやって、これが全国的に蔓延した場合にどういうような結果になるかということをわれわれは恐れておる。だから、たとえばスト権の問題にしたって、今年の秋には何らかの結論が出されようとしておる、そういうような場合に、こういったストライキを打つことが果たしてプラスになるかどうか。われわれだって、いまの三公社五現業の人たちに対してスト権を与えろという主張をしておるわけです。しかし現実に現在法律がない。それを法律ができるまで、あるいはできる場合にスト権が与えられるということが想定されたとしても、現実にない場合は法律に従ってやってもらわなければ、すべての労働者がそういうような空気になってしまったらどういうことになるのですか。たとえば私が一番恐れるのは、スト規制法によって電力の労働者だって停電ストは規制されておる。あるいは炭鉱だって、スト規制法によって保安要員を引き揚げることがとめられておる。そのため、それを守っておるからこそ、むしろそういうような意味では停電ストも起こらずにいま済んでおるとさえ私は言っていいと思うのです。このことから、現在電力の労働者の中でも、スト規制法を廃止しろという声すら盛んに起きておるわけです。だから本当に法律を守っておる人たち、あるいは法律を守らないでこういった違法ストをした人たち、こういうものが同列に扱われるということになった場合にどうなるのかと言いたい。だから問題は、そういう意味で、この問題については各当局とも、先ほど言われたように恐らく慎重かつ厳正にということになれば、また来年にでもなるかもしれませんが、そういったあいまいなことでは困ると思う。
 だから、そういうような意味で労働大臣に質問しますけれども、こういった問題がすでに一年間も放置されておる。あるいは労働大臣もあるいは三木総理だって、われわれ民社党の春日委員長には、四月中とか五月の上旬だとかいろいろ約束されておる。しかしながら、それにもかかわらずその約束が守られないというところに、これは三木内閣あるいは長谷川労働大臣の指導力の問題にもかかってくると思いますけれども、しかしこういった大きな問題は、やはり私は折り目を正して、筋目を立ててもらいたい、こういうふうに考えておるのです。だからいまのような各当局の抽象的な説明、しかも口をそろえて異口同音にいろいろなことを言っておられるけれども、労働大臣としてこの問題についての所見をまずお伺いしたいと思うのです。
#266
○長谷川国務大臣 何回となく御答弁申し上げましたけれども、やはり法というものは守らなければなりません。その間に私たちは生きているわけであります。世の中は契約と法律の中に安心感がある。そういうことからしますと、違法ストをやった諸君を厳正に処罰するということは、昨年の閣議決定の一番目が閣僚協設置ということでございました。そういうことからしまして、それぞれの当局が慎重に研究された事態もわかりますけれども、先生のおっしゃるように筋目をつける、歯どめをかけるということが大事なことだろう。そういうことで各当局がいま検討し、厳正にやるというところを私たちは信頼しておる、こういうことでございます。
#267
○小宮委員 それでは、各当局が処分を延期したという理由の中で、いろいろわれわれが聞き及んでおるところによれば、労使関係が好転しつつあるとか、せっかく労使関係が正常化されつつあるのに、処分をすればさらに悪化するというようなことも理由の中に含まれておるようです。したがって、各当局からそれぞれの労使関係についての根本的な考え方をまずお伺いします。
#268
○泉説明員 専売公社の労使関係におきましては、昭和三十四年ごろまではかなりぎくしゃくした関係が続いておったのでありますが、しかし、このように、ストをしそれに対して処分をする、またストをするといったようなことを繰り返しておったのでは、労使関係はいわゆる近代的な労使関係にならないということをお互いに悟りまして、その結果、両者で合理化基本協定というものを結びまして、使用者側としましてはその合理化計画を事前に公開して組合の理解と納得を求める、組合側としては公社の計画に対して意見を申し出て、お互いの意見を出し合って、そして合理化を実施していくという体制になりまして、その後長い間にだんだん労使関係が相互の信頼と理解によってやっていくという形になって、まいっております。もちろん、その間公労法違反のストがございましたので、それに対する処分は今日まで厳正かつ慎重にやってまいっておるところでありますが、しかし労使関係としましては、いま申し上げましたように、合理化基本協定を基礎にいたしまして、相互の信頼と理解ということを基本に、お互いに話し合いによって物事を処理していくという体制にございます。
#269
○加賀谷説明員 ただいま専売からのお話もあったとおりでございます。基本的にはそうだと思いますが、私ども特に他の公社と違いまして非常に大きな問題を抱えておる。要するに、財政基盤を確立しなければならない問題経営基盤を確立しなければならない問題があるということでございまして、これは事情が非常に深刻になっておる。ここまで至りますと、これは組合と共通の認識を持って取り組まなければならぬ。これまでにもいろいろ組合にも協力を受けて、合理化問題――業務量が非常にふえておるのにもかかわらず、四万三千人の人間を現実に減らしてきておるというようなこともございますが、なお一層あらゆる面で共通の認識を持ちまして協力態勢を整えていかなければならぬというふうに私考えます。一時いろいろ不信の関係などもございましたが、最近では一応不信感は除かれたというような認識に立っております。しかし、まだまだ労使の関係として双方努力しなければならぬ面がありますが、基本的にはとにかくやはり話し合いの精神でいかなければならぬ。私どもは、やはり違法行為、違法ストに訴えて問題の解決を図るということについては、これは現在の法制下においては違法な行動であるということで、そういうことのないようにということで常に説得しておりますが、残念ながら完全にそこまでには至っておらないということでございます。いずれ基本の問題としましては、ますますわれわれ労使話し合いのベースで物事の解決をし、ひいては財政基盤の確立にともども邁進しなければならぬということでやっておるつもりでございます。
#270
○山本説明員 電電公社におきましても、昭和三十年代の終わりごろまでは職場等において相当激しい職場闘争等が発生をいたしておりまして、必ずしも労使関係は安定しておったとは思えないのでありますが、その間労使双方ともいろいろな経験を積みまして、労使関係の近代化が企業のためにぜひとも必要である、特に私ども電信電話事業は技術革新が非常に激しい企業でございまして、この技術革新による企業の近代化というものなくして事業の発展というものはあり得ない、こういった点について労使双方、それぞれ立場は違うわけでございますが、一定の理解を示すということで、そういった設備拡張等に対する基本的な問題についても十分話し合いをする、あるいは事業の進展に伴ういろいろな労働条件についても、話し合いでもってそれを解決していこうという、根互信頼の立場に立った労使関係というものを樹立しようということで、昭和四十年代に入りましてから、逐次労使関係の近代化というものに労使双方心がけてまいったわけであります。まだまだいろいろ不十分な点、問題点もあろうかと思いますが、今後ともそういった方向で私ども最善の努力を尽くしていきたいというふうに考えております。
#271
○原田説明員 造幣局の労使関係も過去にいろいろな紆余曲折があったわけでございますが、全造幣の労働組合が、総評あるいは公労協の違法ストに参加し始めたのは三十八年以降でございます。その後、総評あるいは公労協の統一的な方針にいわば忠実に従ってやっておるわけでございますが、ただ、違法行為が過激だとかあるいは長期的になって、貨幣その他の製造計画に重大な支障を与えるとか、そういった事例は幸いにしていままで見られなかったわけでございまして、私どもといたしましては、貨幣を中心といたします造幣事業の健全な運営を確保するという見地に立ちまして、労使それぞれの立場の相違はあるわけでございますが、しかしお互いに節度を保って、相互の基本的な信頼関係の上に立ちまして、今後とも貨幣のように丸い、円滑な労使関係を維持してまいりたいというふうに考えているわけであります。
#272
○松本説明員 印刷局におきましても、三十年代の半ばごろから四十年代の半ばごろにかけましてかなり深刻な対立があったようであります。その間に、そういった対立の経験を生かしまして、一つにはお互いにルールを守り合おうじゃないか、それから、お互いに信頼関係を育て上げようじゃないかというような努力をしてまいったわけであります。その努力が実りまして、もっともまだ必ずしも十分だとは言えないのでありますが、かなり労使関係は安定に向かいつつあるということは申し上げられると思います。
#273
○柳井説明員 林野庁の労使関係におきましても、やはり相互信頼という上に立ちまして、お互いにルールを遵守いたしまして、誠意をもって物事の処理に当たるというふうなことで努力しておるわけでございまして、国有林野事業におきましてもなかなか厳しい環境下にあるわけでございますが、そのようなお互いの努力を通じまして企業の健全な発展並びに労働条件の確保、こういうふうな点に努力してまいりたい、こういうふうに考えております。
#274
○中村説明員 アルコール専売労組は組合員数九百名で公労協傘下では最小でございますが、加入率一〇〇%で組合に皆加入いたしております。
 労使関係につきましては、三十年代の初めごろ、工場払い下げ問題、そのときに若干ぎくしゃくした関係がございましたが、その後は比較的安定した環境でございます。四十年度以降公労協の統一行動に参加しておりますが、幸いに生産に支障を来すような規模の違法行為はなく、双方とも信頼関係に立ちまして、たまたま四十九年度以降アルコール会計も実質赤字に転落いたしまして、今後この専売事業をどういうふうに維持発展させていくかという共通の認識に立ちまして、労使相携えて事業を進めてまいりたい、このように考えております。
#275
○仲松説明員 郵政省におきます労使関係でございますが、昭和四十五年以前の約十年間、非常な不信感が積み重なった時代がございます。当省におきましても大きな闘争が連年あるいは一年置きに組まれてきたわけでございます。この間に労使間の不信感というものがだんだんつのってまいりまして、そういったことに対してそれを是正する、あるいは不信感を根絶するという労使双方の努力は何遍となく試みられたわけでございます。しかしながら、なかなか実を結ばないということで、四十五年の年末に至りまして、突っこんだ議論の結果、やはり労使間でパイプが細くなってどうにもならぬということがまず発見されまして、そこでお互い不信感を除去するということで、省の方が先に出るべきか、組合の方が先に出るべきか、そういった議論はもうやめにしよう、まず省が一歩前に出るから組合もついてくるべきである、組合の悪いところについては正すべきところは正していくというお互いの腹蔵のない意見交換のもとに立って、そこをスタートとして労使関係の安定化が進んでいるわけでございます。その後徐々に安定化が進みまして、たとえば一例としまして、昨年の年末――郵政省と組合との間は年末の繁忙期を背景にして毎年闘争が組まれておったわけでございますけれども、昨年の年末には、十一月段階で大綱妥結する、ストライキを経なくとも要求は実現できるという実績を積んでまいったわけでございます。
 郵政事業は人手を要する事業でございますので、労使関係の安定化につきましては大事にすべきであると考えております。
#276
○小宮委員 皆さん方の答弁を聞いておると、いかにも労使関係がうまくいっておるようなことを言っておられますけれども、労使関係がうまくいっておるというのに、それではなぜこういうような違法ストが行われるのかという問題をちょっとお聞きします。これは国鉄、電電公社、郵政、この三つからお聞きしますけれども、やはりうまくいっておられないからこういうような問題が起きるのではないか。たとえば各当局と公労協のそれぞれの組合の中でのいろいろな取り決めの問題、そういった問題は話し合いですべて解決されて、ストライキに訴えるということはもうない、いつも話し合いで丸くおさまっておるのだというような受け取り方を感じるわけですが、その点、いま言うように、国鉄、電電公社、郵政から、全部というと時間がございませんから、ひとつこの三つから説明をしてください。
#277
○加賀谷説明員 労働問題、長い歴史を申しますといろいろな転変がございまして、やはり労使関係のいい慣行の確立ということで双方努力してきている歴史だと思います。したがって、私いま非常にうまくいっているというふうに特に申し上げたわけではございません。かなりいい方向に一時よりは向かっているという程度で申し上げたのですが、しかし、それでも絶えざる今後の努力が必要であるということでございます。
 いま先生もおっしゃるように、違法行動による問題の解決ということが最近は幾らか少なくなってきたのですけれども、いまだに行われておるという点につきましても、これは国民生活に大きな迷惑をかけているということにも相なるわけでございまして、なお私どももいろいろ反省し、努力してまいりたいというふうに考えております。
#278
○山本説明員 電電公社におきましても毎年春闘の段階等においてストライキが行われておりますが、このストライキは、おおむね賃金問題等公社のみで独自に解決できない問題等につきまして、また組合の方は公労協という一つの統一闘争の戦術の中で実施されておるわけであります。私ども先ほども御説明いたしましたように、いろんな事業の近代化、合理化が非常なスピードで行われておりまして、これを円滑に実施するために労働組合との間の団体交渉、話し合い等、非常に頻繁に行われております。中には解決に相当時間を要するようなものもございますし、中にはいろいろ実力行使等もかけて問題を論議した場合もございますが、少なくとも昭和四十年以降の時点におきましては、企業内の問題だけを掲げてストライキの手段に訴えたといったようなことはまずなかったというふうに考えております。
#279
○仲松説明員 先ほど一つの例を挙げましたけれども、四十五年十二月以降、いま電電公社から出ておりますような企業内問題についてはとにかく話し合いで解決しようということで、私の記憶では、企業内問題でストライキその他をやったことはないと思います。それから、ことしに入りましても、二月における鉄道郵便局の合理化、それから四月における貯金局、地方保険局のEDPSに伴う合理化、こういった問題も山積しておったわけでございますけれども、これも話し合いで全部解決いたしたわけでございます。
#280
○小宮委員 特に、こういった春闘のたびに一般の国民からいろいろ言われておるのは、やはり今回の交通ゼネストの場合においても五千数百万人の人たちが足を奪われておる、それにまた郵便物あるいは電報のおくれによってはかり知れないところの損害と迷惑をこうむっておるということで、やはり何とかひとつこういうようなことは正常化できないのかというのが全国民の声だと私は思うのです。特に国鉄の場合に、その問題については、現在では、国鉄のストライキによる被害者の組合までつくろうではないかという動きがあちらこちらでも散見されておるような状態です。
 特にこれは国鉄と電電と郵政にお尋ねしますけれども、特にわれわれが一般の国民から言われるのは、列車の車体にポスターとかビラがべったり張られてある。これはもう車体ばかりではなくていろんな建物にも張られておるわけですね。だからこういうような問題についても、国民の共有の財産であるこういうような建物あるいは列車に対してまでああいうようなことをすることを当局は何で認めるのかということすら一般の国民からいろいろ指摘をされるわけです。そういうような問題について、特にそういったポスターやビラがべたべた張ってあるのは、国鉄とそれから電電公社と郵政ですから、このビラの規制の問題について、特に当局としてはどういうような姿勢で臨んでおるのかということと、もう一つは、これは国鉄にお尋ねしますが、国鉄の場合、今度そのビラをはぐのに一枚十三円五十銭だとか、そういった金を出して下請の方々にはいでもらっておるというようなこともいろいろ聞くのだが、そういうような点は事実かどうか。これは国鉄は一つよけいに質問しますので、御答弁願いたい。
#281
○加賀谷説明員 御指摘の点、何といいますか、いわば国鉄としては、商品をああいう状態にして提供しているということにつきましては非常に深く反省しております。その点、組合にも大所高所から、こういうことはあるべきものでないということで話はしておりまして、組合としても一応理解しているというふうに私は考えておりますが、長い間下部におきまして労働運動の一つの手段としてやられてきたという問題がありまして、なかなかこれが絶無にならないということを非常に残念に思っております。私どもとしましては、これを認めるといま先先のお言葉ですが、そんなことは毛頭ございません。そういった実行行為の予防に全力を尽くしているつもりでございますが、これが夜陰に乗じて大きな広い車両基地の暗いところでやられるといったことで、なかなか防ぎ切れないという問題もございまして、この実行行為を発見した場合には、もちろん厳重なる処分でもって対処するということでやっておるわけでございます。
 なお、はがす問題につきましていまお問い合わせがございましたが、これはなるべく早くああいう不愉快な状態を回避しなければならぬということでありますので、管理者その他の職員も動員いたしまして、できるだけその場所ではがすということをやっておりますが、それでもなかなか間に合わぬというような場合には、そういう下請といいますか、そういったものを利用するということも間々ございます。そのように御理解願いたいと思います。
#282
○山本説明員 私どもも、ビラ等が建物等に張られることにつきましては、その都度厳重に労働組合にも注意をいたしております。現実にはそういった姿が絶無ではないわけでございまして、まことに遺憾に思っておる次第でございます。張られた場合には、速やかに管理者等によってそれをはがす、あるいは建物の清掃、管理をやっているところにやらすとか、いろいろな手段で早急にこれを削除するということをやっております。それから、悪質なものに対しましては告訴等の手段に訴えたこともございまして、決して公社としてこれを認めているわけではなくて、その都度毎年厳正な態度で処置をしてまいってきておるつもりでございます。
#283
○仲松説明員 ビラの件でございますが、先生から御指摘の、郵政省も同等だとおっしゃいましたけれども、確かに昭和四十三、四年ころまではビラ張りをめぐるトラブルが大分あったわけでございます。しかし、四十六年ころからは、掲示板以外には張らせない、また組合の方は張らないということでまいっておりまして、ここ三、四年はそういうことはございません。たとえば今度の春闘の場合、事業所がたくさんありますので一件もなかったとは言い切れないと思いますけれども、ほとんどそういう情報には接しておりません。
#284
○小宮委員 労働大臣に質問しますが、処分の問題については各当局が処分権者であるからということを大臣言われるわけですが、そうであれば、私は大臣にお聞きしたいのは、たとえば、公労協にしても、大臣に対して処分の凍結の申し入れだとか、あるいは処分の延期の申し入れだとか、いろいろ新聞報道を見ればやられているわけですが、そういうような場合は、大臣は、そういった処分権者がやるべき問題であるならば、それは処分権者の当局と話し合いをやってくれと言うのが当然ではないか。そうしてこそ初めて、大臣が言われるように当事者能力というものを育成していくということになりはせぬか。それを大臣あたりは、そのことを申し入れを受けて、善処するとかいろいろなことを言っておるようでありますが、そういったけじめをつけて――そういった処分権が各当局にあるとすれば、大臣はやはりそういった立場でそういうふうな問題についても臨むべきだ、このように私は考えますが、いかがですか。
#285
○長谷川国務大臣 私は、あなたも御承知のとおり、対話と協調は三木さんですけれども、昨年の春闘のときから、いろんな方々がお見えになればお会いするわけです。ことしの場合には最賃の問題とか年金の問題とかいろいろな問題で参ります。その間に、おっしゃるように処分の問題の話が出たことがあります。しかし、私はそういう方々にはっきり申し上げておきますことは、処分の問題は私の権限じゃないということが一つと、やはり法の定めるところに従って各当局が厳正にやることであるという態度だけは終始してまいったつもりでございます。そして一部にはなかなか誤って言うものですから、思わず、三公社五現業のどの人が総裁でありあるいは局長であり、大臣であり、そういう処分権者が皆違うわけです、そういう図解まで示しまして、議論がめちゃくちゃにならないようにそういう手配までもしたことがありまして、私の口から、処分の話が出たときに、私がそれを善処するとかなんとかということは一言も言うておりません。そのことだけははっきり申し上げておきます。
#286
○小宮委員 処分の問題はそれくらいにして、次は春闘の賃上げの問題について、いろいろ申し入れが長谷川労働大臣だとかあるいは福田副総理だとかやられておりますが、そのような中で、この賃上げについて公労委の調停案が出る前に、何か大臣が有額回答をするということを発表して、そしてこれは公労協側の抗議によって陳謝をしたというようなことも言われておりますけれども、やはり賃上げの金額の問題にしても、これは本来は労使双方で交渉されて、そして、それがまとまらない場合は公労委に持ち込まれるというのが筋ではないか。それを大臣の方に、あるいは総理の方にいろいろ申し込まれて、そこで少なくとも労使に関係する分野の問題にまで労働大臣が立ち入っていろいろなことを言うのは越権ではないか。やはり物事は筋を通してやってもらわぬと、筋目、折り目をつけてもらわぬと、それが一回行われると次々に広がっていくという問題もあるし、そういった点について労働大臣の所見を聞きたい。
#287
○長谷川国務大臣 三公社五現業の賃金問題は、おっしゃるとおり労使が自主的に交渉して解決されるべきものでありまして、政府といたしましては、従来からもできる限り各当局が当事者能力を発揮できるよう努力してまいったところであります。
 いまお話のあった今回の有額回答の提示に当たりまして、当局との調整が難航して、決定が四月の二十八日の本当に深更に及んだわけであります。そこで、やむを得ず、労使間の団体交渉に先立って新聞発表を行った次第でありまして、そのことにつきましては委員会あるいはその他において私から遺憾の意を表明したところでありますけれども、政府といたしましては、労使間の交渉を軽視したり、当局の当事者能力を否定するような考えは全くないことを、この際重ねて明らかにしておきたい、こう思います。
#288
○小宮委員 だから、そういった有額回答の問題にしても、幾ら金額を出すにしても、公労委の内部の問題ですよ。それを労働大臣が有額回答をするとかなんとかそんなことを言うのはおかしいのであって、そういうことになると、公労委と政府とはツーツーで何かやっておるのではないかということすらわれわれは勘ぐりたくなるわけです。しかし、それは労働大臣も一応そういったことはなかったということでありますので、これ以上のことは言いませんけれども、われわれが考えまするに、やはり春闘のたびにそういったいろいろな問題が起きてくる、そのためにこういった問題も大体毎年のように、ここで処分をするなという人がおるかと思えば、私のように処分をしろという人もおるし、だからこういったことをなくするような方向でこれを解決するようなことを考えなければいかぬと思う。その点では、言われたように、大臣も特に当事者能力を育成して、自主交渉に干渉したりいろいろなことをする意思はありませんということを言っておることだし、だからそういった意味での、今度の場合はやむを得ぬとして、いま言われたことをわれわれは、今度はまた来年の春闘の場合に労働大臣おられるかどうかわからぬけれども、しかしこれは長谷川労相がおられぬでも、労働省としてこういったけじめをつけてもらいたいということなんです。
 だから、そういった意味で私は三公社五現業の方々にも申し上げたいのは、そういった皆さん方は話し合いをやっておる、すぐこれは公労委に移す、そのうち政府が、長谷川労働大臣なり三木さんが何かうまいことしてくれるだろう、いわゆる時の氏神があらわれて何とかしてくれるだろうというような安易な気持ちが皆さん方の中にありはしないかということを私は思いたくなるわけです。だから、あくまで労使関係は労使で解決するということを基本にして、やはり労使関係の正常化もこれは当然のことですから、そういった意味で対処をしてもらいたいということを特に私は申し上げておきたい。しかしながら、今後そういった問題について、皆さん方がここで答弁されたことが本当にそのように実行されているかどうか、また実行されつつあるかどうかについては十分私は監視をしながら、またあらゆる機会を取り上げて、この中で私は皆さん方にひとつ追及の手を進めていきたい、こういうふうに考えます。
 時間も来たようですけれども、そういうような意味で私最後に一つだけ質問します。
 これは労働省なんですが、最近造船産業が非常に不況になってまいりまして、したがって、御承知のように新規受注船もなくなった。また既受注船の中でも非常にキャンセルが出てきたということで、造船産業界全体として非常に現在不況に陥っておるわけです。そのしわ寄せがやはりまず関連産業に出てまいります。だからそういった意味で、この造船産業に対して前臨時国会で成立を見たいわゆる雇用保険法に言うところの不況業種に指定をすべきではないかというように考えますけれども、詳しいことはまた次の委員会等でもやりますけれども、一応労働省としての考え方をここで確認しておきたいと思うのです。
#289
○小粥説明員 造船業に対する雇用調整給付金の指定業種の指定につきましては、これは業種の指定基準がございますので数字の点検をいたしておりますけれども、造船業全体として見ますと、これは製造のトン数その他から必ずしも指定基準には該当いたしませんけれども、その中で個々の業種ごとに見た場合に、やはり相当不況色が強くあらわれている業種もございますので、そうした業界からの数字等もいただきまして、いま最後の詰めを急いでおります。したがいまして、指定基準に該当する分についてはできるだけ早急に指定をいたしたいと思っております。
#290
○小宮委員 その見通しは、大体いつごろになればはっきりしますか。
#291
○小粥説明員 造船業の中に特に下請関係、特に中小企業の多い業種の全部から数字の提出をいただいてはおりませんものですから、すでに数字をいただいておる分についてはその点検を済ませた上で、できれば六月からということで作業を急いでおるところでございます。
#292
○小宮委員 それでは、もう時間が参ったようですから、小さいことは後でまた個別にいろいろお聞きをしたいと思いますから、この点でこの問題は終わります。
 以上、まだ申し上げたいことはございますが、三分あるわけですけれども、三分間は短縮しまして皆さん方に協力して、きょうは私の質問をこれで終わります。
#293
○竹内(黎)委員長代理 枝村君。
#294
○枝村委員 私は午前中の質問で一部納得のできぬ問題がありましたので保留しており一ましたので、引き続いて質問いたしたいと思います。
 午前中は三公社の方だけに集まうていただきました。五現業の方は政府関係ですから、それは労働大臣が代表してその答弁をしてもらうということで呼ばなかったのですが、いま三公社五現業が幸いにそろわれましたので、しかもいまの質問に対する答えを聞きますと、午前中の私の質問に対して答えたとほぼ同様な内容でありましたので、私はその意味で別に異論はないのでありますが、しかし聞くところによりますと、労使の関係は、俗な言葉で言えば一様にうまくいっておる、こういうことを述べられております。私は大変結構なことだと思います。ですから、その関係を今後もますます維持していって、そしてさらに信頼感を高めていこう、こういう姿勢であることを知ることができました。そのためには、いま処分が非常に問題になっておりますけれども、処分をすることによっていままでのそういう関係が御破算にされるというようなことはやるまいという、そういう真意を受け取ったのであります。小宮委員がいみじくも指摘いたしましたように、七四年の春闘に対して一年がかりでまだやられてない、七五年春闘も含めて今度の処分を考えておるとすると、また一年たつのではないか、このことが三公社五現業が一様に言いました、慎重かつ厳正な処分をするということにぴったりと合っておると私は思っております。そういう意味で、ひとつこの態度を堅持して、しかも午前中言いましたように、公労協その他も、これは大きくそのための考え方について柔軟な態度を示しておりますだけに、くれぐれも慎重かつ厳正に処分の問題に対して臨んでいただきたいということを特に申し上げておきたいと思います。
 そこで、労働大臣は、午前中から御苦労さんのように、いままで十分聞いておられます。よくおわかりになったでしょう。そういうふうに三公社五現業が、処分権を持っておる当事者がそう言っておるのですから、あなたもいままでいろいろ努力されたそれを無にしないように、さらに政府として、あるいは監督官庁として、そういう全体が望んでおること、それは特に国民の皆さんもそういうふうに期待しておるだけに、さらに一層の努力をされるようにお願いいたしたいと思います。そして次には、この処分が悪循環のようなかっこうでやられる、それが続く限り本当の意味の信頼感とかあるいは労使の正常化は期せられません。ですから、どうしてもスト権の問題を解決するように努力をしなければならぬ。午前中の私の質問に対して、あなたは、私やあるいは労働団体その他のいろいろな意見が述べられ、これを十分理解するというところまでははっきりお答えになったわけなんです。さらにもう一歩進めて、前向きの姿勢で、秋に出されるであろうスト権の結論に対して善処するための努力をするということが、この際あなたの口からこの委員会で言えないかどうか。もし言えないとすれば、私はもう時間がありませんから言いませんが、あなた自身の平生の態度を私は知っておりますから、この場で態度で示していただきたい。態度で示すということは何か。うなずくこともあろうし、上を向くこともあろう。ですから、ここで言いにくければ、私どもが言ったことに対してよくわかった、努力する、そういうことを示していただきたいと思うのですが、これもてきませんか。――そういうことをすることが、いまからの処分に対して大きな問題が起こるということがもしあるとするならば、あなたの一言によって、態度を示すことによって、それが未然に防止されるということになる重要な時期に来ておるのです。そういう意味で、私の言ったことに対して理解したのだから、理解した以上、そのための善処に対して努めるようにしてもらいたいものだと思うのですが、いかがですか。いいですか。どうです。
#295
○長谷川国務大臣 先ほどから、三公社五現業の当局者が労使のいい慣行をつくるために長い間苦労された模様、よく私も皆さん同様に理解できました。そして、そういう慣行がずっと続くことによって日本の労働運動といいますか、日本の経済運動というのがよくなる。そこのところに、後からもう一つ問題があなたから質問されているわけですが、この問題につきましてやはり関係閣僚協がございましていまいろいろ研究している最中に、その中の私が、ここであなたから幾らほめられたからといって、そのとおりでございますということを言えないことだけは御理解いただきたい。こういうふうに思います。
#296
○枝村委員 くどいことの質問は私は余り好みませんから言ったこともありませんが、しかし事が重要な時期に来ておるだけにしつこく求めておるのです。
 そして、閣僚協の結論が秋に出ると言いますが、それは単に専門委員に任せるということではないはずなんです。いわゆる労働基本権を守り抜くとする労働省の態度いかんにかかっている。これは各種の審議会でもそうですよ。しかもこれは立法措置によって改正されていく問題ですから、その親元であるあなたの方で何らかの示唆をいつかの時期にはせなければならぬ。専門委員の連中もそれを望んでおると思うのです。それをいまのような調子で、大臣がここで何らか言うと、そのことが専門委員会、閣僚協に大きな影響を与えて逆な悪いことになりはしないかと、そういう懸念があるかもしれませんけれども、しかし、実態として労働省の態度がそれを左右するということになれば、午前中も言いましたように、 いまここで、政治家である長谷川労働大臣が、官僚の上に立つような答弁をやめて、そして明確なその方向だけでも、しかもその努力の姿だけでもここではっきりさせることが大事ではないでしょうか。そういう意味で私は言っているのです。ただ、言葉の上ではそれは言いにくいかもしれません。だから態度ででも示してもらいたい、こういうことなんです。私の気持ちはわかるでしょう。わかったらいいです。そういうように期待しておることを申し上げまして、この辺で質問を終わります。
#297
○竹内(黎)委員長代理 次回は明後二十九日木曜日午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時三分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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