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1947/11/06 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 農林委員会 第28号
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1947/11/06 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 農林委員会 第28号

#1
第001回国会 農林委員会 第28号
  付託事件
○農業調整法の改正に關する陳情(第
 一號)
○物價是正及び肥料、作業衣、ゴム底
 足袋配給に關する陳情(第十號)
○農業保險法の改正に關する陳情(第
 十三號)
○農業復興運動に關する陳情(第十四
 號)
○水利組合費賦課に関する陳情(第二
 十號)
○食料品配給公團法案(内閣送付)
○油糧配給公團法案(内閣送付)
○農業曾の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第四十六號)
○農業曾の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第五十一號)
○農業曾の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第五十九號)
○農業曾の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第六十一號)
○薪炭生産のあい路打開に關する陳情
 (第六十二號)
○茶業振興に關する陳情(第六十三
 號)
○農業用電力料金の引下げ及び換地處
 分經費の全額國庫助成等に關する陳
 情(第六十七號)
○東北及び新潟地方の特殊事情に立脚
 せる食糧供出對策改善に關する陳情
 (第六十八號)
○農林省所管の治山治水事業の一部移
 管反對に關する陳情(第七十號)
○農地委員會の經費を全額國庫負擔と
 することに關する陳情(第七十三
 號)
○林道飯田、赤石線開設に關する請願
 (第十七號)
○主食需給計畫の根本的改革に關する
 陳情(第七十四號)
○養蠶協同組合法の制定に關する陳情
 (第七十六號)
○農業曾の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第七十七號)
○農業曾の農業技術者給與を國庫負擔
 とすることに關する陳情(第八十
 號)
○農業曾の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第八十四號)
○愛知縣豊川沿岸農業水利事業經費を
 國庫負擔とすることに關する陳情
 (第八十九號)
○農業曾の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第九十一號)
○農業曾の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第九十七號)
○農作物の「榮養週期栽培法」の普及
 實施に關する陳情(第百二號)
○農業曾の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第百五號)
○農業曾の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第百九號)
○蠶繭の増産に關する陳情(第百十五
 號)
○養蠶協同組合法の制定に關する陳情
 (第百十六號)
○農業曾の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第百十九號)
○飼料配給公團法案(内閣送付)
○函館營林局の管轄區域變更に關する
 請願(第五十四號)
○藥用人參試驗場設置に關する請願
 (第六十六號)
○米價改訂に關する陳情(第百二十八
 號)
○民有林野制度の確立に關する陳情
 (第百三十號)
○養蠶協同組合法の制定に關する陳情
 (第百三十一號)
○農作物の「榮養週期栽培法」の普及
 實施に關する陳情(第百三十三號)
○開拓者資金融通に關する陳情(第百
 三十八號)
○米穀供出に對する報奬制度の發止竝
 びに肥料の配給に關する陳情(第百
 四十九號)
○農業曾の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第百五十號)
○遲配主食の價格に關する陳情(第百
 五十二號)
○岩手縣下の三農業用水改良事業を國
 營とすることに關する請願(第八十
 八號)
○福島縣安達郡大山村内の開墾事業を
 中止することに關する請願(第九十
 五號)
○北海道てん菜糖業の保護政策確立に
 關する請願(第百二號)
○薪炭の價格に關する陳情(第百六十
 二號)
○農業曾の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第百六十三號)
○食料品配給公團法に關する陳情(第
 百七十六號)
○農業曾の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第百八十七號)
○農作物の「榮養週期栽培法」の普及
 實施に關する陳情(第百八十八號)
○農作物の「榮養週期栽培法」の普及
 實施に關する陳情(第百九十二號)
○市營競馬の施行に關する陳情(第二
 百二號)
○北海道開拓事業に關する陳情(第二
 百七號)
○岩手山ろく國營開發事業に關する陳
 情(第二百九號)
○農作物の「榮養週期栽培法」の普及
 實施に關する陳情(第二百十三號)
○農業曾の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第二百二十號)
○未墾地の開拓事業に關する陳情(第
 二百二十二號)
○群馬縣小馬牧村外三ケ村のかん漑用
 水路に關する請願(第百二十一號)
○蒜山演習地の返還竝びに開拓計畫變
 更に關する請願(第百三十五號)
○食糧配給確保に關する陳情(第二百
 二十六號)
○林業振興對策に關する陳情(第二百
 二十七號)
○農業曾の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第二百二十八號)
○農業曾の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第二百三十一號)
○水利組合法の改正及び水利事業費國
 庫補助に關する陳情(第二百三十二
 號)
○農作物の「榮養週期栽培法」の普及
 實施に關する陳情(第二百三十五
 號)
○米麥需給計畫の根本方針に關する陳
 情(第二百三十六號)
○農業保險法制定に關する陳情(第二
 百四十四號)
○農業曾の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第二百四十五號)
○岩手山ろく國營開發事業に關する陳
 情(第二百四十八號)
○未利用地耕作利用臨時措置法案(内
 閣送付)
○青果物の統制撤廢に關する請願(第
 百七十六號)
○開拓對策に關する請願(第百七十七
 號)
○舊軍馬補充部十勝支部用地内山林拂
 下げに關する請願(第百八十三號)
○十勝種馬育成所用地開放に關する請
 願(第百八十五號)
○昭和二十二年度産米價格竝びに供出
 に關する陳情(第二百六十二號)
○農作物の「榮養週期栽培法」の普及
 實施に關する陳情(第二百六十七
 號)
○農業曾の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第二百六十八號)
○農作物の「榮養週期栽培法」の普及
 實施に關する陳情(第二百七十一
 號)
○自作農創設特別措置法及び同法附屬
 法規の一部を改正することに關する
 陳情(第二百八十號)
○勤勞大衆の食糧危機突破對策に關す
 る陳情(第二百八十二號)
○日本競馬曾に關する陳情(第二百八
 十三號)
○農村指導農場開設に關する陳情(第
 二百九十四號)
○昭和二十二年度産米價格竝びに供出
 に關する陳情(第二百九十五號)
○農作物の「榮養週期栽培法」の普及
 實施に關する陳情(第二百九十九
 號)
○農業曾の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第三百號)
○臨時農業生産調整法案(内閣送付)
○小阪部川貯水池改良事業を國營とす
 ることに關する請願(第二百七號)
○旭川合同用水工事促進等に關する請
 願(第二百九號)
○農地改革促進に關する請願(第二百
 十三號)
○東京都内の食糧配給に關する陳情
 (第三百七號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第三百十三號)
○種卵及びひなの價格徹廢竝びに養鶏
 用飼料増配に關する陳情(第三百十
 八號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第三百十九號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第三百二十五號)
○開拓融資金増額に關する陳情(第三
 百三十號)
○農地法による山林開墾行過是正に關
 する陳情(第三百三十二號)
○農作物の「榮養週期栽培法」の普及
 實施に關する陳情(第三百三十五
 號)
○千葉縣長生郡茂原乾繭所の設備を縣
 蠶絲業會に還元することに關する陳
 情(第三百三十七號)
○農業協同組合法案に關する陳情(第
 三百四十二號)
○三方原揚水事業に關する陳情(第三
 百四十五號)
○富士山ろく開發農業用水事業促進に
 關する陳情(第三百四十九號)
○こうじ類の一般製造に關する請願
 (第二百四十六號)
○茨城縣下北浦干拓事業促進に關する
 請願(第二百四十八號)
○茨城縣下のかん害對策助成に關する
 請願(第二百七十六號)
○大池用水幹線改良に關する請願(第
 二百九十號)
○主食配給に關する陳情(第三百六十
 號)
○農業協同組合法案に關する陳情(第
 三百七十八號)
○農地調整法竝びに自作農創設特別措
 置法の改正に關する陳情(第三百八
 十號)
○奈良縣下のかん害對策に關する陳情
 (第三百八十七號)
○農業協同組合法案に關する陳情(第
 三百九十號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第三百九十二號)
○農業共濟保險法案中の農家負擔等に
 關する陳情(第三百九十三號)
○食糧緊急對策に關する陳情(第三百
 九十九號)
○養蠶協同組合獨立強化に關する陳情
 (第四百號)
○農業協同組合法案の一部を削除する
 ことに關する請願(第二百九十七
 號)
○觀光都市に對する自作農創設特別措
 置法の實施延期に關する請願(第三
 百十六號)
○熱海觀光地帶を農地法の適用より除
 外することに關する請願(第三百二
 十四號)
○森林治水竝びに災害防止林造成事業
 擴充強化に關する請願(第三百三十
 號)
○民有林施業案編成國庫補助増額に關
 する請願(第三百三十五號)
○鹿兒島縣に國立茶業試險場九州支場
 を設置することに關する請願(第三
 百三十六號)
○樟腦製造事業を森林組合に許可する
 ことに關する請願(第三百三十七
 號)
○農業協同組合法案に關する陳情(第
 四百十七號)
○農業協同組合法案に關する陳情(第
 四百二十四號)
○邑知潟干拓計畫反對に關する陳情
 (第四百二十六號)
○福岡縣三池郡高田村地先その他の干
 拓事業を國營とすることに關する陳
 情(第四百三十六號)
○農業災害補償法案(内閣送付)
○農村指導農場開設に關する陳情(第
 四百三十八號)
○主食の均てん配給に關する陳情(第
 四百四十號)
○新發田市舊町裏練兵場拂下げに關す
 る陳情(第四百四十一號)
○食料品關係の公團制反對に關する陳
 情(第四百四十九號)
○農地開發營團の解散に伴う開發事業
 の都道府縣移管その他に關する陳情
 (第四百五十號)
○民有未墾地買收計畫の樹立その他に
 關する陳情(第四百五十二號)
○農業協同組合法案に關する陳情(第
 四百五十四號)
○邑知潟干拓計畫反對に關する陳情
 (第四百五十五號)
○東京都の薪炭増配に關する陳情(第
 四百六十號)
○農業協同組合法案に關する陳情(第
 四百六十八號)
○元御料林拂下げに關する陳情(第四
 百七十號)
○植林用苗木無償配付に關する請願
 (第四百一號)
○適地開拓に關する請願(第四百二
 號)
○北海道農業試驗場復興助成に關する
 請願(第四百七號)
○燧灘干拓事業實現促進に關する請願
 (第四百二十號)
○ビール麥栽培奬勵に關する請願(第
 四百二十五號)
○農業協同組合法の制定その他の關す
 る陳情(第四百八十二號)
○薪炭生産者價格等に關する陳情(第
 四百八十三號)
○鹿兒島縣揖宿郡内のかん害救濟に關
 する陳情(第四百八十六號)
○農業保險制度の擴充強化に關する陳
 情(第四百九十一號)
○農地委員會費國庫補助増額に關する
 陳情(第四百九十九號)
○農業協同組合法案に關する陳情(第
 五百一號)
○水害林業對策に關する陳情(第五百
 十一號)
○米竝びに甘藷の價格改訂に關する陳
 情(第五百二十三號)
○農業協同組合法案その他に關する陳
 情(第五百二十四號)
○競馬法の改正に關する陳情(第五百
 二十五號)
○適正米價決定に關する陳情(第五百
 二十六號)
○燧灘沿岸干拓事業實現促進に關する
 陳情(第五百二十八號)
○千葉縣下のかん害復舊助成に關する
 陳情(第五百二十九號)
○農業協同組合法案に關する陳情(第
 五百三十四號)
○食料配給公團制反對に關する陳情
 (第五百三十八號)
○食料配給公團制反對に關する陳情
 (第五百四十一號)
○農業保險法の改正に關する陳情(第
 五百四十四號)
  ―――――――――――――
昭和二十二年十一月六日(木曜日)
   午後一時三十七分開會
  ―――――――――――――
  本日の會議に付した事件
○農業災害補償法案
  ―――――――――――――
#2
○委員長(楠見義男君) それでは只今から開會いたします。本日は農業災害補償法案を議題に供します。本日の議事の進行について豫め御了解を得て置きたいのですが、それは本日はこの法案についての提案理由を伺いまして、尚それに關聯して制度の内容に互つて普遍的に農政局長から御説明を伺う程度にいたしまして、質疑は明日からいたしたいと思います。さよう御了承を願いたいと思います。それから先日來板野さんから質問を留保されておつたことがございます。それは食糧關係についての質問でございますが、それを本日はやつて頂くことにいたしたいと思います。さよう御了承を願います。
 先ず政務次官から提案理由の御説明を伺い、板野さんから質問をして頂きまして、それから農政局長から内容についての御説明を伺う。こういう順序にいたしたいと思いますから、さよう御了承願います。では農林政務次官。
#3
○政府委員(井上良次君) それでは只今から農業災害補償法案につきまして、その提案の理由の大體を御説明申上げたいと存じます。
 農業は申すまでもなく自然の力の支配を受けること最も多い産業でございますが、特に我が國におきましては氣象の變化の甚だしい、いわゆるモンスーン地帶に屬しております關係上、諸外國に類例を見ない程多くの生産上の危險に暴されておりますことは皆樣御存じの通りであります。それでありますから農業の保險制度を整備して、農業經營の安定を圖りますことは、農業上にも、亦社會的に見ましても、不可缺の要件でありますので、家畜については昭和四年以來、又農作物については昭和十四年以來それぞれ保險制度を實施して來たのであります。然るに最近の經濟事情の激變により、且つ又制度の内容においていろいろ制限がありますので、殆んどその本來の機能を果しておらない状態に陷つておりますと共に、一方食糧の増産の推進竝びに農地改革後における自由獨立なる農家の經濟の安定を圖る必要からいたしまして、農作物及び家畜の保險制度を根本的に擴充強化することが急務でありますので、ここに現行の農業保險法及び家畜保險法を廢止しまして、新たに本法案を提出した次第であります。
 以下本法案の主要な内容を御説明申上げたいと存じま。す第一は、機構の改變であります。農業協同組合法の施行に伴い、全員加入である市町村農業會は解散することになりますので、新たに市町村の區域に農業者全員の加入の農業共濟組合を設置し、都道府縣の區域に、農業共濟保險組合を設立して、この團體によつて農作物及び家畜の共濟保險を併せて行うことといたしました。
 第二は、共濟の目的及び共濟事故の擴充であります。先ず農作物につきましては、共濟事故を氣象上のすべての原因に擴張いたしましたが、その著しいものは冷害であります。この改正によりましては、今後農家は蟲害を除きました外一切の原因による損失の補填を受けることができるのであります。又共濟の目的につきましては、從來桑葉について補償しておりましたのを、一歩進めて蠶繭の保險とし、又將來は藷類にも及ぼして行くことにいたした次第であります。家畜につきましては、共濟の目的を擴めました外、牛馬の廢用、疾病傷害及び生産についても共濟保險をいたすこととして、制度の完備を圖つたのであります。
 第三に、共濟金額の改訂であります。現在農作物の共濟金額は昭和十八年當時定めたままになつて、水稻について言えば段當四十五圓の低額であつて、殆んど保險的機能を喪失しているのでありますが、本法案では毎年主務大臣が農作物については段當り、蠶繭についてはグラム當りの收穫價額の二分の一を標準として、その基準を定めることといたしたのでありまして、本年の水稻については段當り二石以上は千二百圓、一石五斗以上は九百圓、一石五斗未滿は六百圓といたして實施することになつております。家畜の死亡廢用については價格の八割、疾病傷害については主務大臣が定める額の範圍内とし、生産共濟については、胎兒は母畜の死亡廢用共濟の共濟金額の二割、生後のものはその生後の經過月數に應じて増額することとしております。
 第四は、農家の負擔する共濟掛金率及びその掛金の農家と國家との分擔割合の合理化であります。掛金率は一定年間の被害統計を基礎として算定することには變りはありませんが、これを米麥については各都道府縣毎に通常、異常及び超異常、の三段階に分析して、全國に共通する最低の掛金部分はこれを農家の負擔とし、これを超える通常及び異常の部分は二分の一を國家が負擔し、超異常の部分については、全部を國家負擔といたしたのでありますが、平均して見ますと、農家と國家との負擔は約半々となつております。蠶繭についても同樣の趣旨で處置をいたすことにいたしております。
 次に、農業共濟團體の事務費、即ち農業共濟組合及び農業保險組合の基準になる事務費は國庫で負擔することにいたしておるのであります。
 以上が本法案の重要な内容でありますが、本法實施につきましては特に水稻については本制度の改正の經過に鑑みまして、本年度のものにつき遡及的に適用することにいたしております。何率愼重御審議の上速かに御決議あらんことを切望する次第であります。
#4
○板野勝次君 井上政務次官にお尋ねいたしたいのですが、十月末日までにおきまするところの主食の遲配の状況と、それから聞くところによりますと、新米穀年度に入るので、從來までの遲配は切捨てと、こういうことを聞いておるのですが、そうするに至つた事情を先ず最初に伺いたいと思います。
#5
○政府委員(井上良次君) 昭和二十二年度の主要食糧の遲配の現状は、現在十月末で全國的に目下調査中でございます。未だ明確にいくらあるということはここで申上げかねますが、大體二百二十萬石くらい程度、約十六日分に該當するものが遲配になつているのでないかと、推定をいたしております。この二百二十萬石の約十六日分に該當する遲配を、政府はどうするのかという御質問でございますが、この遲配に對しましては一つは六月以前の遲配と七月以後に起りました遲配とを二つに區分してお考えを頂きたいのであります。六月以前の遲配に對しましては、關係筋より遲配は穴埋めすることはならん。それは今後大體政府において七月から十月に至る四ケ月間の需給を按配をいたしまして、完全に配給する見通しが付くならば、六月以前の遲配はこれから輸入食糧で以て日本の主なる需要を滿たさなければならん現状において、過去の遲配を埋めるということならば、輸入する必要を認めないではないか。こういう御意見でございまして、政府としても止むを得ず六月以前の遲配は一先ず棚上げをせざるを得ない實情になつている次第であります。その後七月以後に御承知の通り政府は計畫遲配約二十日を計畫いたしました。そうしてこれを發表いたしました。時の食糧事情が極めて深刻な現状にありましたので、現在の需給の状況では到底現行基準量を完全に配給することの困難さを考え、且つ生産縣と消費縣のバランスをとる關係上、二十日間の遲配を計畫いたし、この二十日間の遲配に對して政府は緊急對策を打ち立てまして、この遲配の穴埋めに全力を擧げるという方針を採つたのであります。そこで第一の穴埋めの對策といたしましては、小包米でありますとか、或いは救援米でありますとか、或いは又他の代替食糧を以てこれを穴埋めをする。即ち加工水産物、保存食糧、これらを非常放出をいたしまして、特に大消費地を中心にこの遲配の穴埋めを計畫したのであります。その後七月の末から八月にかけまして、やつと輸入食糧も好轉して參りましたので、大消費地に對しましては、特に枠外の放出を墾請をして許可を得、更に八月、九月、十月のこの三月は大體滿配をするということに等しい輸入食糧の放出の許可を得ましたので、全力を擧げて配給に努めましたが、何分にも一度に外國食糧を輸入放出になりました關係上、これの製粉、それから輸送、それから配給、こういう點に大きな支障を來して參りまして、ために政府が完全に配給する計畫を立つておりましたけれども、製粉の加工能力が思うように電力その他の關係で進まない、或いは又輸送關係がいろいろな關係でうまく行かない、或いは又配給能力においていろいろな點でうまく行かない、こういうことが影響いたしまして、その後遲配を多少起こした地域もあるのでございますが、これらの遲配も起しました主として大消費地に對しまして、最初政府は七月一日から十月末日までにこの遲配の穴埋め用として、別に主食等差引き配給するということではなしに、綜合配給の見地におきまして、一般配給の外に枠外といたしまして加工水産物約五百萬貫、これを大消費地にこの遲配の穴埋め用として配給することに決定をいたしておつたのであります。この加工水産物の約五百萬貫は順次順調に入つて參りまして、東京都、大阪、その他大消費地にはそれぞれ配給を續けて參つたのでありますが、これは食糧緊急對策として立てた案でありますが、その後今申します通り、主要食糧が大凡完全に配給される見込みがつきましたのでありますが、さりと申してこの緊急對策で取上げました加工水産物五百萬貫をそのまま打切るということは、實際上困りますので、そこで我々は遲配の穴埋めということは、實際上主要食糧においてできなければ、少くとも加工水産物においてもその穴埋めに振り向けるといいますか、それに代替をさすといいますか、そういう方向で十月末まで實施して行く、こういうことで、いわゆる主要食糧においては穴埋めはできませんけれども、加工水産物とか、油脂類というものを多少増配をいたしまして、そうして穴埋を一つ行うと、こういう方法を許可を取りまして、實行いたしておる次第であります。勿論主要食糧で以て完全に配給する政府の責任でありましたが、今申しましたように、止むに止まれん非常事態が後から後へと起つて參りまして、非常に國民の皆さんには御迷惑をお掛けをいたした次第でありますが、政府といたしましては最善の努力を傾け、八月、九月、十月に對して、大端境期に對して非常手段を講じてともかくも今日食糧が一先ず安定感に、これは表面的でございますけれども、一應落著いた状態にありますことは、全く皆さんの御協力の賜でありまして、今日この場合、過去の遲配を新年度に入る際に、新年度に食糧事情というものが相當見通しが立ち、且つ樂觀できるという情勢でありますならば、政府は又新らしい何かの手を講じて、過去の遲配に對する對策を講じても差支がないという理論も立ちますが、その二十三年度の食糧事情というものがなかなか容易ならん事情にもありますので、政府といたしましては、本年度の食糧事情の基本的對策を確立する必要上、二十三年度の食糧事情に起りました遲配は一先ず打切る、こういう方針を取らざるを得ない状態になつたということを御了承頂きたいと思うのであります。
#6
○板野勝次君 只今の御説明で大體分りましたが、どうも政府の政治責任を、本當に配給の問題に對する責任を感じておられないように見えるのでして、これは八月二十二日の豫算委員會で中西功君の質問に對して、片山首相が、遲配、缺配の問題に答辯しておりまするのは、こういうことを言つておるわけです。政府の方では、遲配、缺配の問題を政府の方ではこれを打ち切るとか、或は棚上にしてしまうとか、そういうことを言つたこともなく、又そういう考えもないのであります。幸いにして八月分が遲配、缺配がなくなるし、又九月、十月も遲配、缺配もなくして、豫定通りの配給をなし得る。こういう情勢になりましたので、喜んでおるのでありまするが、更に過去の遲配、缺配も、できるだけこれを縮めたいと努力しておるのであります。いろいろな方策を講じまして、できるだけそれを縮める方策に進むということが必要と考えておるのでありますと、そういうことで、首相は、この豫算委員會において、棚上を絶對にしないということを言明しておるわけです。もとより大きな情勢の變化が生じた場合は止むを得ないと思うんですが、現状ではどう考えて見ても、今少し政府がこの主食の配給問題に對して責任を感じ、適切な處置を講じまするならば、この十月末にその棚上をしなくても乗り切り得ると思いますし、同時に負擔がかくのごときことを言明しておりますることが何ら實行されないというのならば、大臣の政治責任というものは全くないのでして、この答辯等に對して、政務次官はどういうふうに考えられておるのだろうか、その點と、それからこの缺発が棚上せられれば、當然千八百圓ベースで生活して行かなければならない勞働者の生計は非常に狂いを生ずる。どうしてそれでは生活して行くかということになれば、筍以外に生活の方法はないのですが、これに對して遲配の棚上をするとすれば、この千八百圓の基準を割つてでも、その期間に對する補償をする政府の責任が、政治的な責任があると思うのですが、それに對する考えと、二つをお伺いしたいと思います。
#7
○政府委員(井上良次君) 總理が食糧問題に關聯いたしまして、遲配は打ち切る考え方を持つていない。然るに實際は打ち切る状態になつているじやないかと、こういう御質問でございますが、勿論總理といたしましては、當時の食糧事情から考えましたならば、一應は滿配ができるという確信が立つての答辯であろうと思います。御承知の通り、八月には外國食糧が三十四、五萬トン入つておりますし、九月には二十四、五萬トン入りましたし、更に又十月にも放出食糧が約束されております關係上、これを完全に製粉化し、配給いたしますならば滿配はできる、尚過去の遲配も相當穴埋めができるという假定の上に立つてのお話であろうと考えます。併し實際我々全國の主要製粉工場、精麥工場を總動員し、且つ食糧第一主義の對策を立て、配給は徹夜で作業を行わせるような非常手段を講じても、いろいろな惡條件のために、滿配はできなかつたというようなことも起つておることでありまして、而もその裏付けとしては特に生活の困難な主要都市に對しては、加工水産物その他調味料、或いは又油脂等において多少の按配を加えて、それの穴埋をしておるような次第でありますから、その點は御了承頂きたいのであります。
 尚この際申上げておきますが、今申上げました通り、全體においては二百二十萬石程の遲配を來しておりますけれども、これを昨年度の食糧事情と比較いたしますと、昨年政府の、前内閣の配給いたしました食糧は年間に三千八百三十萬石配給をいたしております。ところが本年に入りまして二十二年度の食糧年度におきましては四千五百三十萬石配給をいたしておるのであります。從つて昨年に比べますというと七百萬石の増配をいたしております。そういたしますというと、實際二百萬石の遲配を來しておるけれども、現實において七百萬の増配を昨年に比較いたしますとやつておるわけでありまして、この意味から考えますならば、我々は今日の日本の事態を打開するためには、何としても勤勞者の食生活を保障いたしまして、生産力を増強し、インフレを食止るという手を打たなければなりませんから、この點に對しては全力を注いでおる次第であります。特に千八百圓の問題が出ましたが、千八百圓のベースを決めて、經濟を安定して日本の堅實なる國内體制を整えるという立場から考えますならば、これを裏付けるところの生活必需物資については、當該省であります農林省といたしましては、全力を擧げて、いかにして千八百圓の裏付物資を確保するかという點で、今日闇の嵐の中において生活物資確保に全力を擧げております。御存じの通り一升の米が闇値で百八十圓も二百圓もいたしております中において、これをマル公において完全に配給するということがいかに困難な事情にあるか、そしていかにこれらの食糧の不足しておる中において主要生活必需物資を確保することが困難な事情にあるかということをお考え頂きますならば、我々は無駄にこのことを看過しておるわけじやない、どうしたならば千八百圓ベースを裏付ける生活必需物資が確保できるかということに萬全の力を注いでおりますので、この上とも一つ皆さんの御協力を賜わりますように特にお願いをいたしまして、只今の答辯に代える次第であります。
#8
○板野勝次君 只今の答辯は少し私の期待しておつたのとは違つた面があるので、遲配が棚上げされると千八百圓ベースではどうしても穴ができて來る。その赤字に對して當然政府としては政治的な責任があるのだから、その穴埋めをし得る程度のものを支給する意思があるかどうか、こういう點なんです。
#9
○政府委員(井上良次君) 遲配が棚上げされると、その分だけ闇で先ず食つておるのだろうからその闇値で買うた部分に該當する生活費を政府が負擔をするかどうかといふ問題になつて來るのでありますが、私は今申上げました通り、實際それはそういう政治責任は一應追求されると考えます。併し政府といたしましては全力を擧げてこれらの確保に努め、且つ今申しました通り主要食糧においては穴埋めはできなくても、他の代替でカロリーにおいてはこれを穴埋をして參るという手を打つて來ておりますので、この際政府は遲配によるところの闇購入の費用を政府が負擔をするという考え方は只今持つておりません。
#10
○板野勝次君 いくらお尋ねしてもその點では滿足な囘答が得られませんからもう一點お尋ねします。それか十一月一日から新らして價格が實施されたのですが、東京都でも棚上げになつたのに芋等の配給が繰上げ配給されて、先月末に配給された地域と、十一月一日になつて同樣の性質のものが新價格で配給されておるので、或る區においてはその値上りに對する公平でない點がとかく言われておるわけですが、これは繰上げて配給されたものならば當然その十一月一日になつた面に對しても、同樣の價格にすべきが當然だと思ふので、いろいろ營團等で調べて見ると、食糧管理局の方からそう言つて來ておるので、十一月一日になつて配給したものについてはどうも止むを得ないのだ。こういうことを聽くのですが、そうでなくてさえも生計が非常に困難な際に一應繰上げて十一月一日分から配給する面があるのならば、同樣な方法を取るべきではないかと思うのですが、この點と同時に、そういう負擔の公平からして見るならば、十一月一日から取つた新價格に對しては、これを拂い戻して或る程度まで値上りによる負擔を輕減して行く、こういうことが取らるべきが當然だと思うのですが、その點に對してはどういう御見解でしようか。
#11
○政府委員(井上良次君) 只今東京都において現在配給しております芋類の配給に關聯して、價格差をどう直すか、こういう御質問と伺いますが、現在配給いたしております問題になつておりますこのですは、大體六日分くらいを配給しておる豫定になつております。このうち約半分は舊價格で配給をいたしまして、後三分の一強が新價格で配給されることになりました。このために同じ配給を受ける芋であるに拘わらず、日が一日異つた關係から舊價格と新價格の間における開きが生じて來て、不公平であるという問題が起つております。これは消費者としては一應御疑念を挟まれる點でありますが、御存じの通り十一月一日から新小賣價格が決定されましたので、政府としては十一月一日以降に配給するものは、この新價格による配給料金を頂いておるわけであります。現在問題になつております甘藷の約六日分はこれは大體十一月分として配給する分を、何といいますか十一月になつてから配給をいたしましたのでは、御存じの通り芋のことでございますから、腐敗を生じます虞れがありまするし、且つ盗難その他の危險もありましたので、一時に東京都に多量のですが入荷いたしました關係上、これを十月の舊價格の時に、十一月分を繰上げて配給をいたしておるわけでありまして、我々政府の方から言いますならば、これは當然十一月分として配給を受ける芋でありますから、新價格が決つた以上は十月に配給した分も當然新價格で貰うべきでありますけれども、十月に配給をした分もこれは何といたしましても價格は變更されておりませんから、當然舊價格で十一月分を配給してしまい、その後配給未納の分については、十一月以降に配給された分につていは、新價格によつて頂戴をしておる。こういうわけでありまして、十月分のやつを十一月に配給をしてそれで新價格を取つておるというのではないのでありますから、この點はどうぞ誤解のないようにして頂きたいと思います。
#12
○板野勝次君 その點は何も誤解しておるのではなくて、十月末日を以て棚上にしたのだし、そういう責任もあるのに、今度は當然中間を失つたから、そのブランクを埋めるためにも早く配給するのは當然だと思うのです。それからそういう棚上した責任から見ても、六日分程度のものを舊価格でサービスするくらいのものは、農林省として當然取つていい處置と思うのです。從つて芋の性質上早く配給をしたところは舊價格によらなければならない。これはもとより當然のことで、質問の限りではないのですが、十一月一日に渡つて來たその六日分の中の三日分は早く配給されたが、後の三日分は後になつて來る。從つて都民の間に非常に偏頗な處置があるのだから、この六日分については舊價格によるという措置を取つても決して不都合じやない。何も公式的に、機械的に一日から値上げになつたから、未配給のところに對して新價格でやらなければどうにもならないという法はないと思うのです。できればその前の遅配の責任からして見ても、そうして又消費者の負擔を輕減する意味からでも、この六日分については舊價格によるという措置を、今からでも遲くはないので、是非やつて貰いたいと思うのですが、その點の御意見を重ねて承りたいと思います。
#13
○政府委員(井上良次君) 一應御意見は承りましてよく相談をして措置することにいたします。
#14
○板野勝次君 できるだけ一つ願います。
#15
○委員長(楠見義男君) 時間の都合で、先程申上げましたように大體二時頃に終りたいと思つておりました。丁度時間が参りましたので、農話局長からの説明は明日伺うことにいたしまして、本日はこれで散會いたしたいと思います。
   午後二時十二分散會
 出席者は左の通り。
   委員長     楠見 義男君
   委員
           太田 敏兄君
           門田 定藏君
           羽生 三七君
           北村 一男君
           柴田 政次君
           西山 龜七君
           木檜三四郎君
           小杉 繁安君
           佐々木鹿藏君
           石川 準吉君
           宇都宮 登君
           岡村文四郎君
           島村 軍次君
           寺尾  博君
           藤野 繁雄君
           松村眞一郎君
           山崎  恒君
           板野 勝次君
  政府委員
   農林政務次官  井上 良次君
   農林事務官
   (農政局長)  山添 利作君
ソース: 国立国会図書館
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