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#1
第075回国会 文教委員会 第21号
昭和五十年七月四日(金曜日)
    午前十時三十九分開議
 出席委員
   委員長 久保田円次君
   理事 河野 洋平君 理事 塩崎  潤君
   理事 西岡 武夫君 理事 藤波 孝生君
   理事 三塚  博君 理事 木島喜兵衞君
   理事 嶋崎  譲君 理事 山原健二郎君
      上田 茂行君    臼井 莊一君
      床次 徳二君    楢橋  進君
      西村 英一君    羽生田 進君
      深谷 隆司君    森  喜朗君
      山崎  拓君    小林 信一君
      辻原 弘市君    長谷川正三君
      栗田  翠君    有島 重武君
      高橋  繁君    安里積千代君
 出席国務大臣
        文 部 大 臣 永井 道雄君
 出席政府委員
        外務省アジア局
        次長      中江 要介君
        文部政務次官  山崎平八郎君
        文部大臣官房長 清水 成之君
        文部省初等中等
        教育局長    安嶋  彌君
        文部省大学局長 井内慶次郎君
        文部省学術国際
        局長      木田  宏君
        文部省管理局長 今村 武俊君
 委員外の出席者
        法務省入国管理
        局次長     竹村 照雄君
        文部省初等中等
        教育局財務課長 別府  哲君
        文部省学術国際
        局ユネスコ国際
        部留学生課長  五十嵐耕一君
        文教委員会調査
        室長      石田 幸男君
    ―――――――――――――
委員の異動
七月三日
 辞任         補欠選任
  山口 鶴男君     岩垂寿喜男君
  安里積千代君     池田 禎治君
同日
 辞任         補欠選任
  岩垂寿喜男君     山口 鶴男君
  池田 禎治君     安里積千代君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 文教行政の基本施策に関する件
     ――――◇―――――
#2
○久保田委員長 これより会議を開きます。
 文教行政の基本施策に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。嶋崎譲君。
#3
○嶋崎委員 きょうは、先般二十四日に、南ベトナム、カンボジアの学生の援助基金を決めた問題に関連して質問をさしていただきます。
 最初にお聞きしますが、この政府の二十四日の閣議の決定に際しまして、文部省の調べによりますと、両国からの私費留学生六百七十六人、うち南ベトナム六百六十八人、短大五百九十八人、大学院七十人、カンボジア八人というような数字が新聞の報道によると挙げられておりますが、この数字はいつの時点の調査の数字でしょうか。
#4
○木田政府委員 ことしの春の状態でございます。
#5
○嶋崎委員 ことしの春というのは四月ごろですか、三月段階ですか。
#6
○木田政府委員 四十九年五月一日現在にことしの五月二十九日現在で調べましたものを合わせまして御説明を申し上げておる数字でございます。
#7
○嶋崎委員 そうしますと、たとえばことしの四月に卒業をしているとか、それから卒業できなくてとどまっているというようないろいろな場合がありますね。これは現在在籍している短大、公私立大学の学生数という意味ですか。
#8
○木田政府委員 現在大学に籍を置いている者の数でございます。
#9
○嶋崎委員 私の手元に文部省の留学生課のことし四月三日現在の調べがございます。この数字と大変違うわけでございます。これによりますと、国公私立の学生は五百二十四名になっております。これによりますと六百七十六名ですね。これは大学院含めまして幾らになりましょうか。この統計は国立大学、それから公立大学、それから私立大学にいる学生の在籍数ですか。この数字は、最初の文部省の調べによると、両国からの私費の留学生ですか、これは国立はこの中で、国費は除き――国費を除くともっと少なくなるんですがね、ここに出ている表によりますと。六百七十六人というこの数字の実態が、どうも私ばあっちこっち調べたのでは大変この数字がつかみにくいのですけれども、どういう調査に基づいた数字ですか。
#10
○五十嵐説明員 お答えさせていただきます。
 私ども毎年学校基本調査という基本的な調査がございます。それでやっております数字がただいま申し上げた数字でございますが、その学校基本調査の集計といいますのは少しおくれておりまして、現在私どもが新聞で申し上げた数は昭和四十九年五月一日の数字でございます。それによりますと、ベトナムの私費の留学生が六百六十八名、それからカンボジア人の私費の留学生が八名ということでございます。したがいまして、先生の五十年の現在でどうなっているかというのは現在調査中でございます。そういう意味におきましては、あるいは卒業した者もいるかもしれませんし、留年で残っている者もいるかもしれませんが、ほぼこのようなかたまりではないかというふうに私ども考えております。
 それから、国費の留学生につきましては、私ども国費の留学生の奨学金を出しておる関係上一番新しい数字を持っておりまして、その数字で申し上げますと、国費の留学生につきましては、五十年の五月二十九日現在でベトナム人国費留学生六十五名、カンボジア人国費留学生十五名という数字に相なります。
#11
○嶋崎委員 大体はいいのですが、私のところでは、国費の場合はわかりやすい数字なんでしょうが、この文部省の出しておるいまの課長の出しておるところでは六十八になっておりますけれども、これはちょっと三名違っておりますね。
 それから、私費の方は計でいきますと二百五十八、これですと、全部足すとどのくらいになりましょうか、どうも正確な数字が――いま調査中ということならば正確な数字を出していただきたいのですが、国公私立の大学などの場合には比較的調査がしやすいし、データが整えやすいと思いますが、では、各種学校並びに日本語学校に行っている学生については、文部省はどういうふうにその数を把握しておられますか。
#12
○五十嵐説明員 各種学校につきましては、実は私ども基本的にはつかんでおりません。これにつきましてはむしろ法務省の方で――結局、留学生につきましては、入国管理資格上で申しますと、私どもの所管しておりますところは、大学、短期大学におります者のそれがいわゆる四−一−六という留学生の資格で参っておりますから、それにつきましては、私どもただいま申し上げましたような学校基本調査というものを通じて、国籍別、大学別に調べてございます。それ以外の者につきましては、それぞれの入国管理上のあれでしかつかまえられないというふうに思っております。個別に悉皆でやれば、別個の調査でやればあるいは可能かもしれませんが、現在までのあれではつかめないということでございます。
#13
○嶋崎委員 日本語学校に行っている学生の中に、留学生の学生とそうでない学生との種類はありませんか。
#14
○五十嵐説明員 日本語学校につきましても、国際学友会が経営しております日本語学校がございますが、それにつきましては、従来の沿革的なこともございまして、四−一−六という扱になっております。それ以外の者につきましては、四−一−十六の三でございましたか、別のあれになっております。そういうことでございます。
#15
○嶋崎委員 そうしますと、いま課長が害われましたように、学生の中で留学生の場合には外務省と文部省が中に入っていますからその数字がつかめるはずですね。そうしますと、留学生の中で国公私立の大学に行ってないで、たとえば日本語学校に行っていて、そして留学生のビザを持っている学生の数はつかめるはずですね。いかがですか。
#16
○五十嵐説明員 先ほど申しました国際学友会につきましては、これは外務省所管の法人でございまして、現在外務省の方で調査をされていると思います。
#17
○嶋崎委員 外務省と法務省に聞きますが、日本語の学校に行っていて将来留学生になろうという、大学に進学しょうという希望で留学生としてビザが扱われているのと、そうでないいわゆる特在という二つの種類が現実にあると思いますが、法務省どうですか。
#18
○竹村説明員 先ほど来文部省の方から答えておりますように、留学生としての在留資格、符号的に申しますと四−一−六、入国管理令第四条第一項第六号の在留資格を持っている者とそうでない者とがございますが、そうでない者というのは、たとえば先ほど言われました日本語をまず学びたいという者で一定の施設に入る者につきましては、とりあえずは十六の三、入管令の第四条第一項第十六号、その法務省令の中で法務大臣の特別在留という、三号ですね、とりあえず認めまして、そして一定の選考に合格して四−一−六へ移行するという者もございます。
 それから、この機会にお答えしますけれども、そういう日本語学校ではなくて、各種学校というものがございます。この各種学校へ入学する者につきましては、これはいわば職業訓練的な学校でございまして、ベトナムを例にとりますと、きわめて例外的な存在でございます。たとえば、これは全部事前に査証申請に際しまして法務省の方に協議が参りますが、その協議の結果、入国を許可した数を申しますと、昭和四十八年が一名、昭和四十九年が一名、昭和五十年になってから三名というふうなぐあいで、きわめて例外的な存在になっております。
 以上でございます。
#19
○嶋崎委員 いまどうしてこの質問をしているかというと、今度の閣議決定で行われた在日ベトナムの留学生については、公立並びに私立の大学の、主として私費の学生に対する援助ということでございますね。その中身はまたそれぞれ議論しますが、そうしますと、いま日本語学校にいて留学生のビザを持っているというのは、将来大学に進学するということですね。そういう学生も当然対象に将来入るか入らないかという問題に関連してくると思うのです。
 もう一つは、各種学校の位置づけであります。今度、国会でも各種学校の格づけについて配慮した法案をわれわれが五党で通しておりますように、各種学校に来ている外国人の学生を留学生とみなすのかみなさないのか、ここが一つのポイントになってくるのではないかと思うのです。
 そういう意味で、いまの最初の質問だけ整理しておきますと、文部省の方で当面とにかく出ている、いま私の手元にある数字と、さっき報告いただいた数字でも、国費でもちょっと数字が違うのは恐らく卒業したからかもしれませんけれども、それから私立の場合はかなり数字が違っております。ですから、全国にいる国公私立の今日の学生がどこの大学にどういう学生がいるかということについて、文部省の方では、これは一番調査がしやすいでしょうから、直ちに調査をして正確なデータをつくっていただきたいと思うのです。
 もう一つは、今度は各種学校に行っているベトナムの学生ですね。それから、日本語学校に行っている学生で、その学生の総数はどれだけでどこにいるかということは、わかるのですか、わからないのですか。法務省、いかがですか。
#20
○竹村説明員 各入国管理事務所には個別の資料がございますから、それを全部当たればわかります。
 ただ私どもの外国人管理のやり方というのは、個別管理といいまして、まず事前審査のときに個別に審査して、相当な者は入国を認める、各港の入口においてその審査をして、在留資格を付与して上陸を認める。それから、今度は期間更新の際に個別に、たとえば留学生ですと、出席日数が十分か、単位をきちっととっているかというようなこと――各種学校も同じようなことをやりますけれども、そういうふうに個別に審査して期間更新を認める、あるいは期間更新を認めないというような審査をやっておりますので、全体的な数字というものの把握はやっておりませんので、そういった意味では若干調査に時間を要すると思います。
#21
○嶋崎委員 非常に急を要する事態ですので、文部省の方の助成や援助の考え方を後でただすとして、客観的なデータがないことにはどうしていいかわからないということになるわけですから、そういう意味で、法務省の方で手続的にむずかしそうな問題がありそうですけれども、各種学校はどういう――これは中身はわからないてすか。数字だけしかつかめないのですか、各種学校とかそういうのは。
#22
○竹村説明員 すべて中身はわかるようになっております。ただ、各種学校の場合は、従来から在日保証人が滞在中の生活費からそういった費用は全部保証するという者について入国を認めておりますから、現在までのところ各種学校へ行っている者から生活上の理由でいろいろ困難を訴えて出たという例はございません。
#23
○嶋崎委員 そんなわけで、各種学校に行っている学生の数と、どういうところに行っているか、そのデータを文部省の方にも至急お渡しできるように材料をつくっていただきたいと思います。
 さて、そこで今度は第一番目にお聞きしますが、政府が二十八日の閣議で決定したその決定の仕方がちょっとわからないのですが、閣議で決定をして国が一文も金を出さないというのはどういうことですか。
#24
○木田政府委員 ベトナムの学生の緊急な事態に対応いたしますために、閣議で御相談をいただいて、各省間の御協力を仰ぐということにしたわけでございます。特にいろいろな配慮から国費で事務の世話をしております日本国際教育協会で世話をさせるということ、これもやはり文部省が主体になってお世話をするという形になるわけでございますし、また公営競技等の資金、民間資金に実質的には御協力をいただくということにお願いをしたわけでございますが、公営競技の資金にいたしましても、各省の御協力を必要とすることでございますし、そのほかいろいろと入国管理上の措置、その後の学生の授業料の問題、その他の措置にいたしましても、やはり政府関係機関の関与ということなしにはとれないことでございますから、関係省の意向を取りまとめるという意味におきまして、閣議で御了解を願うというような措置をとらしていただいた次第でございます。
#25
○嶋崎委員 確かに日本にいる外国人の留学生、特にインドシナの政変に基づいて、そういう留学生に対して緊急な対処をしなければならないということはわかるし、閣議で決定するということも結構だと思うのですが、閣議で決定して国の金を一文も使わないというのでは、何のために閣議決定するかという問題になると思うのです。
 と申しますのは、いまから質問しますけれども、外務省や法務省や文部省にはそれぞれ役所の枠組み、すでに制度があるわけですね、留学生に対する援助の仕方だとか医療に対してはどうするかとかいう。そういう枠組みがあって、その枠組みの中で援助をするということを閣議決定したのと同じことですね、お金そのものは民間から持ってくるのですからげだから、閣議決定ということのために、今度は現在文部省が留学生に対して行っているいろいろな援助や便宜供与というようなものについて、枠組みがあるためにかえってマイナスになっておるということもあり得るわけでございます。そこで、そういう政府がお金を出さないものを閣議決定するというのは、私にはよくわからないのですけれども、国費をなぜ使わないのですか。
#26
○木田政府委員 閣議で御了解を願うといいますのは、やはり公営競技の資金を主体にして今回考えたいというふうに私どもも希望したわけでございますが、そういうことをするにいたしましても通産、運輸等関係省があるわけでございまして、完全な私人の金というわけにもまいりません。もっとも、こうした人道上の措置でいろいろな措置を進めます場合に、私は日本の市民社会が協力をするという姿勢が一番望ましいというふうに考えまして、それにしてもやはりいま申し上げましたように関係省の協力を得てそうした措置を進めなければならないということから閣議の御相談を願った、こういう次第でございます。したがって、公の金は、一部事務的な経費につきましては国際教育協会の事務費等を考えていかなければならないわけでございますけれども、そのほか先ほども申し上げましたように授業料の減免の措置を進める等のことを、やはりいろいろな意味で関係省の行政施策にかかわることでございますから閣議での御相談を願ったという次第でございます。
#27
○嶋崎委員 閣議決定の意味をいま局長がおっしゃったように理解するとして、民間の金の中身は公営ギャンブルの金というのはいかがなものでしょう。たとえば、子供の学資に親が競輪や何かに行ってかせいだ金を提供する、そういう印象を与えるという意味で、援助する資金というものについてはもう少し配慮する必要はないのでしょうか。現に、そういうお金が出るということに対して、留学生はいい感情を持っていないということを聞いておりますが、そういう金の出し方というのは、どうしてそんなことになるのでしょうか。
#28
○木田政府委員 公営競技の資金につきましては、教育関係でも幅広くいろいろなところに御援助願っております。
 今回の措置は、やはりある意味で緊急避難のような考え方をとっております。災害が起こりました場合に、いろいろの方の善意を持ち寄るということと同じような意味合いにおきまして、そうした気の毒な状態にある方の救援の対策として各方面の善意を集めていくということは決しておかしいことではない、こう考えております。
#29
○嶋崎委員 留学生の中には、新聞でそういうことが書かれますから、好感を持っていないということを認識しておいていただきたいと思うのです。
 二番目にお聞きしますが、現在文部省の方で国公私立のデータの数しかないでしょうけれども、ベトナム留学生の生活の実態を調査されたことはありますか。
#30
○木田政府委員 インドシナの政情の変化によりましていろいろな事態が想像できましたので、四月の終わりでしたか五月の初めころでございましなか、とりあえず都内の大学の留学生担当関係者を数度文部省にも集めまして、学生の実態の把握、その後の指導についてその時期に連絡をした次第でございまして、それ以後各大学を中心に実態把握に努めまして、現状で大体一人残らずうまくというふうにも考えておりませんけれども、学生の生活状況などあるいは授業料の減免措置等をとられました結果の概要等につきましては、大要承知いたしておるつもりでございます。
#31
○嶋崎委員 日本人の東京へ出てきている学生に比べて生活費はどのぐらい低いと判断されておられますか。
#32
○木田政府委員 学生の一人一人の生活実態というのはかなり幅があるというふうに理解をしてございます。一般的にいろいろと切り詰めた学生の生活実態から見まして、月に四万程度というのは一応必要最小限の線だというふうに把握をしておりますが、それよりも多い支出をしております者の支出の実態を一人一人について知悉しているというところまでは現在いっておりません。
#33
○嶋崎委員 文部省の方にもいっていると思いますけれども、YWCAが調査した「インドシナ私費留学生の状況調査」のデータはごらんになっておりますか。
#34
○木田政府委員 留学生課の方で御連絡をちょうだいいたしまして、承知をいたしております。
#35
○嶋崎委員 この調査、どうも私が文部省にお聞きした限りでは、この程度の調査が行われていないように思うのですね。たしか統計のとり方だとか人の選び方だとかいうようなことはいろいろありましょうが、この調査によりますと、調査票を出したのは国立大学の学生三十八人、私立大学の学生十七名それから公立大学二名、短大二名、日本語学校一名の学生についてその内訳を統計的に見たものでございます。これによりますと、大ざっぱに言いまして、日本の学生に比べて、留学生の場合には大体一万円ぐらい切り詰めているというのが実態、つまり日本人の場合ですと、平均月四万九千円ぐらいの生活をしているのに対して、三万九千円が平均になるわけで、かなり、一万円ぐらい切り詰めた生活をしているというのが出ておりますし、それからアルバイトの収入なんかを見ますと、日本人の学生に比べまして、ほとんどアルバイトをしなければ生活を支えられないという実態で、そのアルバイトは多種多様にわたっていますけれども、アルバイトでかせいだ分がぎりぎり生活費という実態になっていて、しかもそのアルバイトは週に五十三時間も出ていたり、大変な実態だという数字が出ているわけでございます。こうなりますと、せっかく留学生として日本に来て勉強しているのに、故国の事情に変化が起きて送金がストップしているという実情の中では、留学生としての学生生活が事実上できない、そういう事態になっているのが実態のように見受けられるわけでございます。
 そういう中で、今度の閣議決定では、当面基金を一億五千万円を予定して、大体一人当たりに四万五千円ほど三カ月分貸与する、貸し付けるということを決めております。その貸し付けた資金で生活している間に長期的なアルバイトなどの自活の道を探してもらうと言っていますね。現在でも大変なアルバイトでもって学資それから勉強に必要なほかの条件が、留学生としての生活よりもアルバイトで生活がきりきり舞いさせられておる、そういう学生に三カ月間のお金を貸して、その間に自活の道を探す、こう言っていますが、実際には、三カ月してもいまの状態がきりきり舞いして続いていくと思うのですね。そういう意味で、この貸し付けの期間、この支給の期間というものについて、三カ月と言っていますけれども、これは必要に応じてさらに引き延ばしていくことの可能性があるのかどうか、その点いかがですか。
#36
○木田政府委員 現在の段階ではとりあえず三カ月という応急の体制をとるというつもりでございまして、なお三カ月で早急に事態の改善が望めない場合にあと二、三カ月というような延長のことは必要になるかなというふうに考えておるわけでございます。しかし、インドシナの諸情勢等の改善、そうしたことも近い将来期待できるのではないかというふうにも考えられますし、また彼らの親元からの送金も政情の安定化に伴いましてまた回復するということも予想できることではなかろうかと思ったりいたしております。数カ月先の状況というのは今日において画然と予定するわけにもまいりません。とりあえずの措置としていまのような扱いを決めて、一刻も早く通常の状態に戻るということを期待しておる次第でございます。
#37
○嶋崎委員 支給の目的が、親元からの送金がとだえたりしているわけですから、日本と南ベトナム革命政府との関係が正常になるまでは、短ければいいですけれども、時間がかかるということがあり得ると思うのです。そういう意味で、まず三カ月間という期間については情勢いかんによって延期ができるというふうに処置はできるわけですね。
#38
○木田政府委員 今回民間の浄財を集めますのは、新聞にも報ぜられましたように、一応一億五千万円という金額を私ども目標にしております。その範囲内で措置がとれるように運用をしてみたいというふうに考えております。
#39
○嶋崎委員 この政府の決定によりますと、延期はしてもらえるとして、お金は民間から来てそれを管理するのは、窓口になるのは国際教育協会ですね。これは貸与になっていますが、返さなければならないのですか。
#40
○木田政府委員 今後の送金の回復の状況とかいろいろな状態等、よくわかりませんものでございますから、とりあえずそうした援助の措置を講ずるということにいたしました。また、個々の学生一人一人の実態について関係大学が必ずしも現在的確に把握しておるというわけではございません。こうした援助の措置を講ずることによりまして学生の実態についてもよりよく知ることができるであろうというふうにも考えておるわけでございます。でございますから、今回の措置を通じて学生の指導の的確を期するようにしたい。返還の非常に無理な事態に対して、とうてい返還を期待することができないという場合のこともすでに制度としては予定をいたしておりまして、非常に困難な場合になおかつ返還しろということまで言うつもりはいま持っておりません。
#41
○嶋崎委員 そうしますと、いまの局長のお話によれば、必要に応じて数カ月間貸し出しは引き延ばすこともあるし、そして生活の困窮度いかんによっては返さなくてもいいということがあり得る、そういう運用として行われるわけですね。
 そこで、「貸し出しの出願は、各大学学生部が、指導教官と連絡しながら困窮度を審査して行い、さらに協会で審査会を設けて審査して決める。」と言っていますね。これは大学の教官と学生の審査に基づいた届け出に基づいて行う、こういう手続になるわけですね。借りたお金を返した場合には、そのお金は、民間から来た金は国際教育協会の基金になるのですか。
#42
○木田政府委員 その状態になって返ってくるということも、いつの時期にどう返ってくるか、六カ月先にすぐ全額が返るということもなかなか予想できる状態とは考えません。帰国するまでの段階において逐次返還していただけるものならば、そういう措置をとって返すべきものは返したらいいし、またこうした場合の援助基金としてちょうだいしたものであれば、後々、同じような学生に対する援護の措置に活用さしていただくという道もあるであろう。現在の段階はとりあえず応急に援助の手を差し伸べるということを主眼に考えておりまして、一応貸し出す、そして返還の時期等今後よく詰めてみたいと思っておりますけれども、返った段階の措置で、それぞれお返しをした方がいい資金は返す、そうでない資金は今後の類似の学生援護のために使わしていただく、こういう考え方でいま対処しておるところでございます。
#43
○嶋崎委員 そこでもとに戻りますが、受給資格を持つ留学生は現在は大学、短大、大学院、私学等々の、文部省が留学生として各国公私立の大学に在学している学生を対象にしていますね。各種学校とか日本語学校などで勉学をしているところにまで拡大させていく必要はあると判断されているのですか。ないのですか。
#44
○木田政府委員 これは個々の実態に応じて御相談をしていけばいいことではないかというふうに考えております。私どもといたしますと、とりあえず大学のいわゆる留学生を中心に考えたわけでございますけれども、もし将来大学で勉強する、あるいは看護学校等、正規の学校に準じた各種学校等で勉強するということのために緊急の困難にあるというような方、数はそう多いと予測されるわけではございません。先ほど入管の方からも御説明があったとおりでございまして、それは個々の学生の状態に応じてこうした国民の善意の措置というものの活用を図っていったらいいのではないかというふうに考えております。
#45
○嶋崎委員 そうしますと、各種学校や日本語学校に行っている学生についても、仮にビザが留学生の姿をとっていなくても、生活の困窮度いかんによってはこの援助資金が適用できるというふうに判断してよろしいのですか。
#46
○木田政府委員 いまから全部枠を広げて、どなたでもいらっしゃいというような考え方で運用することは適当でないと考えます。やはり正規の留学生ということでいま大学関係者がお世話をしておる方を中心に考えていくわけでございますけれども、こうした緊急避難のような状態にありますときに、本当に困っておられる方があった場合にそれをどうするかというのは、個別に考えてみたらいいことであろうというような気持ちで私はおるわけでございまして、法律であってこれ以外のものは一切というような運用の性質のものでないということだけは心得ておるつもりでございます。
#47
○嶋崎委員 それならばひっくり返して考えて、貸し付けの制度としては各種学校や日本語学校にいる学生についても生活の困窮度によっては貸し付けるというように枠を広げておいて、むしろ広げる方を原則にしておいて、そしてケース・バイ・ケースで、そうでない場合は除くというふうにしておく方が留学生にとっては制度の適用が、かえって申請して手続をとりやすいのじゃないでしょうか。いかがですか。
#48
○木田政府委員 むしろ運用の面からいいますと、かっちりしたものを中心にして考えておきます方が間違いが少なくていいのではなかろうかというふうに考えております。日本語学校、各種学校等かなり種類その他幅の多いごとにもなりましょうから、むしろ留学ということできちんとした枠どりのありますものを中心に考えまして、状況に応じて御相談の範囲があり得るというふうに考えておく方が的確かと思っておる次第でございます。
#49
○嶋崎委員 と申しますのは、各種学校や日本語学校に行っている学生は、留学生の学生のビザを持っている学生に比べて、いろいろな差別が実際にあるわけですよ。たとえば病気になったときの医療の補助は、各種学校その他の場合はないわけですね。一般の外国人と同じように、国民健康保険の制度がどうなるか。これは都道府県によって方針が違いますから、実際には適用されないわけです。それからまた、外務省がやっております例の外国人の日本語学校なんかを経営しているところですね。そういうところの学生とそうでない日本語の学校に行っている学生、同じ日本語学校へ行っている学生の中にも、留学生のビザを持っているのと特在のビザでいるのといるわけですよ。そういうために、たとえば施設なんかの利用でも研修等なんかの利用でも、実際には各種学校やそういうところに行っている人は十分利用できないという実情が訴えられております。仮に各種学校に行っている留学生が比較的裕福な家庭の方が多くて、援助は必要としないということがあるかもしれませんけれども、しかし現在送金のとだえているというのが、このYWCAの調査によりますとほとんど圧倒的ですね。ですから、各種学校並びにそういう日本語学校に行っている生徒についても、そういう差別を意識させないで、全員平等に支給するようなことを当面は考えてやる必要があるのではないかというふうに私は考えるのですが、それは運用ではできるというふうに判断して対処していけばいいわけでございますか。
#50
○木田政府委員 日本語学校に入って日本語を勉強されるという人には、いろいろな目的で、滞在中のことも考えながら日本語を学んでおられるという方もあると思うのでございます。ですから、日本語学校で日本話を勉強しているということだけで、全部最初から広げてしまうということは、今回の措置として必ずしも的確かどうかということをまた私どもも気にするわけでございまして、本当に日本で勉強するために日本に来ておられる方、そういうことのはっきりしております者を主眼に考えて、そしてそれに準じた方であるならば余裕のある範囲でお世話をしていくということが、こうした場合の人道的措置として適切ではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。
#51
○嶋崎委員 運用でと言いますけれども、実際に日本にいる留学生たちがせっかく閣議決定したそういう金を利用しようとしても、制度としては国公私立の大学にいる留学生を対象にしているだけに、そういう制度の運用が自分たちにも適用されるのかどうかということについては定かでないと思うのです。ですから、そういう人たちにこれを適用することがあり得るならば、あり得るということを文部省としてはっきりさせておく必要があるのじゃないでしょうか。
#52
○木田政府委員 まあ今回の措置も、基本的に日本にいろんな形で勉強に来たり日本の中におられる人たちを、やはり同じ市民として助け合っていくという市民としての国民的な受け入れ方、そういう気持ちで基本的には対処するという考え方でおりますので、いろんな職場にあるいは技術研修だとかいろんな形で来ておられる方があるであろう、それらの方はできるだけそれを受け入れている身近なところでお世話いただくということを主眼にして、みんなに手厚い手を差し伸べていただきたいということを主意にいたしておるわけでございまして、そのうち大学等で勉強しております者につきまして、一番数も多いことでございますから、私どもが中心になって今回の措置をとらしていただいた。こうした意味で、御指摘をいただいておりますことも関係の先に御連絡をするということはできようかと思います。
 私どもも、ことさらにかたくなに態度を狭めるというつもりはございませんけれども、初めからどなたでもということをいたしますことはかえって今回の措置の主意でもなかろう、こう思うものでございますから、少し運用を的確にいたします意味におきまして、きちんとしたところを中心に考えたいという御答弁を申し上げておる次第でございます。御指摘のありました点等につきましては、ひとつ関係の団体等へ連絡をしてみるということは考えておきたいと思います。
#53
○嶋崎委員 では各種学校のそういう留学生なんかについても、いま言ったような運用がやはり運用上可能であるということをインフォメーションできるように、対処をしていただきたいと思います。
 そこで、今度の基金の中には私立大学の授業料の問題は触れられていないのですけれども、私学助成法も通ったことですし、大学によっては授業料をすでに免除している大学がありますが、その免除している大学はどこどこですか。
#54
○木田政府委員 今回閣議で御了解をいただきました中に、授業料の猶予または減免ということについて積極的な指導助言を考えてみようという意味の文言も入っておるわけでございます。これは、公私立の大学を含めてそのように勧奨をしていきたいというふうに考えております。
 現在まで、私費学生の学生数の方から見たデータでございますが、私立大学で学生に対する授業料の猶予をいたしております大学が十三大学、百六十七人の学生に上っておるというふうに承知をいたしております。
#55
○嶋崎委員 私立大学中、そういう授業料の減免についてまだ対処をしていない大学で困っておる学生がいるのではないかと予測されるわけですけれども、そういう意味で、私立大学の授業料の減免について至急各大学で対処していただくような指導をお願いしたいと思いますが、十分に行われているのですか。
#56
○木田政府委員 すでに五月六日の時点におきまして、各国公私立大学の学長に対しまして私の名前をもって、学生のそうした取り扱いに対する温かい気持ちをお願いしたいという主意の御依頼は申し上げてございます。今回の措置は、いま国際教育協会を中心にいたしまして具体的な手続、処理の方法を急いでおりますので、それを明確に御連絡できる際に改めてまた個々の学生の指導に対して遺漏のないようにお願いするつもりでございます。
#57
○嶋崎委員 大学によっては、財政的な理由から自弁することがなかなかできないというような実情はないのですね。それは援助資金なんかで私学に対する対応もするわけですか。
#58
○木田政府委員 ごく一、二の大学を除きまして、そうたくさんの学生がおるわけではございませんから、授業料の減免等がその私立大学の運営に差しさわりが起こるというような性格のものではなかろうというふうに考えております。やはり関係者の善意ということでこうした問題に対処できるのではなかろうかと考えておりますし、また本当にある大きなまとまった数になりまして、その措置の結果、学校の運営資金のやりくり等に支障があるというようなことが起こりましたならば、それはまたそれで関係の局とも相談をいたしまして、援助の方法もまた出てくるのではなかろうかというふうに考えております。
#59
○嶋崎委員 そこで、いま新聞なんかにも報道されておりますが、卒業後の問題について大変不安な気持ちを抱いている学生があると伝えられております。来年卒業するとか、来年大学院に行きたいとか、そういうことをめぐって、卒業後もとの旧政府のパスポートが今度は新政府のに切りかえられるというような状態が問題になってくることを予測して、卒業後も日本にいたいという留学生が現実にかなりおります。YWCAの世論調査によりますと大体五四%ぐらいですから、半分以上の学生がそういう希望を持っております。
 こういう卒業後の身分の問題について木田村長か出された通達の後に法務省の対処の仕方が載っておりますが、これの二番目に「勉学修了後、そのまま本邦に在留したいとする者については、新しい情勢を見極めつつケース・バイ・ケースにより処理する。」こうあるわけですね。この「ケース・バイ・ケース」というのが何を意味するのか、基本的な施策がはっきりしてないんじゃないかということから不安を持っているのがおりますが、この点についてどう考えているんですか。
#60
○竹村説明員 こういう問題を決めます場合に私ども基本的に考えますことは、日本政府は革命政府を現在承認しております。革命政府は、戦争が終わってからその国土の復興のために全力を尽くしておるという実情であります。しかも国外へ流れ出た難民に対して帰国を呼びかけておるという実情でございます。そして現実にどのような形で国内建設が行われていくのかということは、これは今後の情勢の推移を見きわめなければならないことでありまして、いまこの時点で、南ベトナムがだれも帰国ができないような場所であるということを前提として基本方針を決めるということはいかがかと思われるというのが基本にあるわけです。
 ただ、今度の戦争終結後の情勢というのは、やはり社会体制が基本的に変わりつつあるわけでございます。そうしますと、そういった中でそれぞれの思想的な問題、政治的な信条の問題というものも絡まってそれぞれが行き方を決めるということになろうかと思いますが、私ども、そういった意味で「新しい情勢を見極めつつケース・バイ・ケースにより処理する。」と言っておりますけれども、われわれの腹の中では基本的には人道的に処遇するということを考えております。留学生の中でも、現にまだサイゴン政権がありますときに、サイゴン政権のもとから本邦に派遣されてきておりました中で、サイゴン政権に反旗を翻して革命政府を支持するということで、サイゴン政権の方から旅券の有効期間の延長を拒否された者などがおりますけれども、私どもはそういうことによって在留を打ち切ることはいたしませんでした。そういった者は現段階においては逆の意味で向こうに帰れる情勢ができておりますけれども、それぞれの実情に応じて現在も大部分は在留しております。ですから、逆の場合もまた同じような基本的な立場が貫かるべきであると考えております。
#61
○嶋崎委員 それで、いま学生が気にしている一つの問題は、法務省の出先で、ビザの期限が切れて、そして切りかえをやる際に、御承知のように保証書がありまして保証人が問題になります。その保証人の中に、もう向こうの情勢は変わったので保証人にならないというようなことをめぐって、保証人をどうするかということが問題になっているわけです。その際法務省の出先の方では、保証人というものについてかなり厳しい、形式的なものであっても新しい者を見つけてこいという形で指導が行われているように思いますが、いかがですか。
#62
○竹村説明員 この点につきましては、留学生の中には、かつての南ベトナム大使館の教育担当の方が保証人になっているという例が多かったのですけれども、そういった保証人がいまやおりませんし、すでに事務連絡として各入管事務所に通達を出しまして、そういった保証人の得られない場合は得られないということで結構であるというふうにしてあります。
#63
○嶋崎委員 では、その保証人がなくても、たとえば在学証明書なんかで切りかえはできるわけですね。
#64
○竹村説明員 そのように処置してあります。
 なお、この留学生につきましては、私ども留学生の管理というものをできたら各大学、そういった教育機関の自主的な管理に任せる、何とかそういうふうな方向に行けないものだろうかというふうな努力はしておりますので、大学当局の健全な管理というものがいわば実質的な保証人の役割りを果たしておるというふうに考えます。
#65
○嶋崎委員 それでは、在学証明書で対処していただけるように出先の方を指導しておいてください。出先ではやはり保証人を見つけてこいとか、そういう形で困っている様相があるようですから、善処方を御要望申し上げます。
 幾つかの質問をいたしましたが、文部省の方で対処していただくこと等を含めて、祖国からお金の仕送りが切れて非常に困っている学生は、特に政変という事態の中で困っておるのですから、できるだけの対処をしていただくことを御要望しまして、これで質問をやめます。
#66
○塩崎委員長代理 栗田翠君。
#67
○栗田委員 私、先日質問しました準要保護児童の問題、いわゆる就学援助費の問題の補足的な質問をさせていただきます。
 時間がありませんから、もう前置きは抜きにして中身に入りますけれども、この間伺いましたときにも、この準要保護児童生徒の家庭の認定の手続は市町村に任せてあるというふうにお話しになったと思います。直接教育委員会に父母が申請して認定する場合とか、それから学校が書類を父母に渡し趣旨の説明をして、父母がそれに書き込んで学校に出すといったような形とか、いろいろあると思いますけれども、一般的に全国で行われています認定に至る手続は大体どんなケースがあるのですか。
#68
○別府説明員 お答えを申し上げます。
 手続といたしましては、いま先生がおっしゃいましたように、学校を通ずるやり方あるいは教育委員会を通ずるやり方、さらに教育委員会から委任を受けておりますたとえば区役所などのような窓口を通ずるやり方、いろいろな方策があるようでございます。そこで、一例を申し上げますと、学校で子供たちにビラのようなものを配りまして、たとえば生活に困窮をして、その結果として子供さんを学校に通わせるのに苦労をしている家庭はございませんでしょうかといった趣旨のビラを配り、それを家庭に持ち帰らせて、そういう方については学校の方にお申し出をいただければこれこれの援助の道がございますというビラを配って、それで家庭の方からの連絡を待って学校の中で就学援助の認定委員会のようなものを開きまして、その委員会には地域の民生委員の方その他の方々が加わっている模様でございますけれども、それで認定をした上、教育委員会の方にその書類を回して所定の手続に入るということをやっているところもあるし、あるいはそういったビラを持ち帰らせないで、地域の民生委員あるいはその福祉事務所と連絡をとりながら学校側で判断をして、父兄の方にこういう方法があるんだけれども、この援助をお受けになりますかということを問い合わせた上で認定事務に入るという方法もあるし、あるいはまた積極的に父兄の方からの申し出があった場合には、それを材料として認定の委員会にかけてこれを判断をするという方法など、いろいろな方策をその地域の実態に応じてとっている模様でございます。
#69
○栗田委員 父母が申請したいと思ったら、申請する権利というのは当然ございますね。
#70
○安嶋政府委員 申請を希望される場合に、申請をすることはもちろん可能でございますが、ただ、どういう形で申請をするかということは、これは町村の教育委員会が申請の手続を定めるわけでございますから、その定められた手続に従って申請をしていただきたい。申請の手続は、いま財務課長から申し上げましたように、全国町村によりましていろいろございますが、そのいろいろあるふうに定められているその手続に従って申請をしていただきたい、こういうことでございます。
#71
○栗田委員 先日も伺った秋田県湯沢市の例ですが、私その後調査を進めましたら、この間伺ったよりもうちょっと違った形だということがわかったんです。いままでは、父母が直接教育委員会に申請したり、学校を通して、さっきもお話あったように、ビラを見て、書類に記入して申請したり、いろいろやっていましたけれども、今度の場合、父母の申請は受け付けないという形になっているということを聞いております。このことをどうお考えになりますか。
#72
○安嶋政府委員 私は、申請自体を受け付けないということは適当でないと思います。適法な手続による申請であれば、それを認める、認めないの問題は別といたしまして、やはり申請は受けるべきであると思います。
#73
○栗田委員 いまのお答えで、その点ははっきりいたしました。
 それで、次にですけれども、今度は準要保護家庭の認定の水準を文部省が大体大まかに決めておられたと思います。それは、この前の質問ではっきりいたしました。そして、ただ細かいところは市町村で弾力的に判断をしたらよいというお話もあったと思いますし、それからまた財政的に足りない場合にはもっと予算をふやすことも考えてよい、そういうこともお話があったと思います。ところでことしになりましてから、どうも方々の市町村で認定を非常に引き締める傾向が一斉に出てきたようでございます。これは文部省がそういう指導をしているのではないか、しきりにそういう問い合わせが来るわけなのですけれども、文部省としては何か通知、通達、事務連絡のようなものをお出しになっていらっしゃるのでしょうか。
#74
○安嶋政府委員 特別に引き締めるような指導はいたしておりません。
#75
○栗田委員 これは私手に入れた資料ですが、ことしの一月三十日、「各都道府県教育委員会就学援助事務担当者殿」というあて先で、文部省の初中局め財務課就学奨励係の名前で事務連絡が出ております。これは御存じありませんか。「要保護及び準要保護児童生徒援助費補助金に係る事務処理について」御存じありませんか。
#76
○別府説明員 一月三十日付で要保護、準要保護の児童生徒の割当等についての文書が出てございます。
#77
○栗田委員 割り当てとおっしゃいましたけれども、割り当てといいますと、これはどういうことなんでしょうか。私がいま申し上げた「事務処理について」というこれですか。二種類出ておりますね。
#78
○別府説明員 文部省から公文書として出しておりますのは、ただいま割り当てと申しましたけれども、文書の表題では「配分」ということになってございますが、予算上計上されております経費を、一応各都道府県ごとに従来の準要保護児童生徒数あるいは現在在学をしております児童生徒数に応じて案分をして予算額を配分をするという毎年の作業が行われておりますので、それを事務処理上必要な手続をとっておるということでございまして、いま先生御指摘のものについては、文部省からの正式の公文書とは違った形で、係からの事務連絡という形で出されておるものであろうかと思いますが、そういうものもございます。
#79
○栗田委員 その事務連絡の中身なんですけれども、どんな内容になっておりますか。
#80
○別府説明員 従来この種の仕事につきましては、大変細かい現場の具体的な事例について問い合わせを受ける場合が非常に多いわけでございまして、そのような場合には一々電話その他でお答えをしているわけでございますが、あるいはまた会議を開いてその席上において御連絡をしておるという実態がございます。そこでこの一月末の段階におきましてはちょうど会議等の予定もございませんので、そういった各府県からある程度共通して問い合わせがあるような事柄その他について、口頭で御指導するのにかえて、係の方から事務連絡という形で各都道府県教育委員会のその事務の担当者に御連絡を申し上げたという内容でございまして、内容的には大変細かい内容になってございます。
#81
○栗田委員 それでは、全部読んでいただきますと時間がかかりますから、部分的に言っていただきますが、つまり何らかの指導があったということは事実ですね。公文書ではないまでも、指導はなさったということは事実ですね。そうですね。
#82
○別府説明員 そのとおりでございます。
#83
○栗田委員 準要保護生徒の認定についてのこの部分はどうなっていますか。
#84
○別府説明員 「準要保護児童生徒の認定について」というタイトルで書いてございますのは、「こめことについては、通達に定めるとおりであるが市町村民税の所得割を納付する世帯の者については、原則として準要保護者として認定することは適当でないこと。」という内容でございます。
#85
○栗田委員 確かにそのとおりのようですが、「適当でないこと。」といいますと、これはかなりはっきりとした指導内容ですね。これに沿って各市町村ではいわば、均等割りでない世帯、所得割りの世帯については認定しないということでぐっと引き締めてきている傾向がいま出ているわけなんです。「適当でないこと。」というのは相当強い指導だと思いますが、いかがですか。
#86
○別府説明員 従来からこの準要保護児童生徒に対する就学援助につきましては、生活保護を受けていない世帯ではあるけれども、家庭が経済的に困っていて、その結果として子供を学校に通わせるのに困難を感じているという家庭に対する援助でございます。そういう意味におきましては、生活保護の対象になっている世帯は、その生活保護費の範囲内で義務教育を受けておるということでございますけれども、それよりもさらに所得の多い世帯に対する援助でございますので、この対象の認定については、各市町村教育委員会におきましてその家庭の実態等を十分に把握して行っているわけでございますが、従来から市町村民税の所得割りの対象になっているようなそういう収入のある世帯については、準要保護の対象として認定しているケースはきわめてまれなケースでございますし、通常はそういった世帯はこの準要保護の対象にならないという扱いが通例でございますので、その旨の指導をこういう形でやっておるということでございます。
#87
○栗田委員 生活保護の対象になっている世帯より所得の多い世帯である、こういうふうにおっしゃっていますし、この前の文部省が研修会に使われたテキストでも、生活保護水準の一・三倍ぐらいというおおよその目安というのが出ていたと思います。
 ところで、伺いますけれども、この均等割りという場合、所得は標準四人家庭で大体どのくらいまでが均等割りになるのかお話しください。
#88
○別府説明員 この点については、生活保護の支給地域は一級から四級まで分かれておりますけれども、その地域区分、あるいはその世帯構成、またその世帯における実態等によって非常に区々になっておる模様でございまして、私どもそのような点については余り正確な知識を持ち合わせていないわけでございまして、厚生省における国民生活実態調査、あるいは税当局における市町村民税の所得割りの非課税世帯がどのくらいの割合になっておるかといったようなデータをいただいて一般的な目安にしておるということでございまして、個々の具体的な数字については、現在余り細かい数字を持ち合わせておりません。
#89
○栗田委員 余り十分な調査をなさらないでこういう事務連絡をお出しになりますと、非常に問題が出てくるのです。たとえば静岡市の例ですけれども、静岡市の場合には、住民税の均等割りは標準四人世帯で七十九万三千百六十円までです。これは基礎控除、配偶者控除、扶養控除、生命保険、国民年金、国保、この控除額を全部合計した額になるわけなんですが、七十九万三千百六十円。ところで、静岡市の標準四人家庭の生活保護世帯の水準ですが、最高は百五十一万七千七百三十円でございます。つまり、生活保護水準にあっても所得割りの家庭はかなりございます。そのことを御存じですか。
#90
○別府説明員 ただいま特定の市の問題についての御指摘でございますが、そのような細かい資料をただいま持ち合わせておりませんので、御指摘について正しい御説明をすることができませんけれども、私どもの方で税の関係者並びに生活保護担当者からいま話をいろいろ聞いておるところによれば、一般的に言えばそういう状態にはならないというふうに聞いております。
#91
○栗田委員 文部省は非常に調査が足りないのじゃないかと思います。これは恐らく静岡市だけではないはずです。全国でいまかなり問題になっております。結局、文部省がこういう事務連絡を出したために、所得割り以下に制限をしているわけなんですけれども、均等割りに制限しているのですけれども、生活保護世帯であっても所得割りで税金を払っているところは相当あります。どうお考えになりますか。そういう事実があるとすれば、文部省が出された事務連絡、この指導の中身は非常に問題があると思いますが、いかがですか。
#92
○安嶋政府委員 前回も先生から御指摘がございましたように、現在の準要保護の認定の基準は生活保護基準の一・三倍程度ということになっておることは御承知のとおりでございますが、全世帯のおおむね二五%程度がこれに該当するであろうということも先般御指摘のとおりでございます。ところが、市町村民税の所得割りの非課税世帯の数もほぼ二五%程度であろうと言われております。したがいまして、先ほど申し上げましたように、従来の指導の基準を今回特に厳格にしたというような気持ちはございません。
 さらにつけ加えて申しますと、一・三倍以内の者であればすべて準要保護として認定するということではないということを前回も申し上げたわけでございますが、所得割りが非課税でございましても、それがそのことだけの理由をもって準要保護の対象にはならないとは私どもは考えておりません。つまり、前回の指導といい、今回の指導といい、それは準要保護を認定する際の一つのめどでございまして、具体的な適用につきましては町村におきましていろいろなバランス、それから具体的に基準にくみ取り得ないような事情もあるわけでございますから、その辺のところは実情をしんしゃくして弾力的に運用していただいて結構だと思います。
#93
○栗田委員 もう少しいまの問題に具体的にお答えいただきたいのです。いま私が挙げました静岡市の例の場合には、均等割りの世帯よりも生活保護水準の世帯の数の方が多いのです。生活保護水準の中にあっても、所得割りを払っているところがあるということなんですね。そうしますと、文部省のようなこういう指導をされますと大きな矛盾が出てまいりまして、生活保護世帯の場合には教育扶助費が出るわけなんですけれども、その対象にもなるような家庭で、所得はそうだけれども実際には生活保護はとっていないという家庭まで就学援助費をもらえないところが出てくるわけですね。そして、市町村は非常にこの指導を厳密に受けとめて、いま所得割りの人たちを切り捨てるということを出しているわけなんです。こういう実態が起こってます。そうしますと、この事務連絡は、市町村によって違うにせよ、いまのような例のある市町村の場合には非常に不適当なものだと思うのですが、いかがでしょうか。
#94
○安嶋政府委員 静岡の実態につきましてはさらに私どもも詳しく調査をいたしたいと思いますが、先ほど来申し上げておりますように、昨年の指導といい、今回の指導といい、これは町村が予算を執行いたします際のめどでございますので、具体的には町村の実情に応じてこの基準を余り逸脱しない形で、妥当な形で運用されることを私としては希望いたしておるわけでございます。
#95
○栗田委員 逸脱しないようにとおっしゃいますけれども、私はとにかく具体的な例を出していま申し上げているのでして、私の調査が間遠っていなければ――私はこれは正しいと思っていますが、均等割りが七十九万三千百六十円の町得、そして生活保護水準の上限が百五十一万七千七百三十円といいますと、生活保護水準の半分ぐらいの所得でないと均等割りにならないのですよ。
     〔塩崎委員長代理退席、三塚委員長代理着席〕
だから、具体的にこの例の場合には、この文部省の事務連絡、指導というのは不適当じゃありませんか。
#96
○安嶋政府委員 御承知のとおり、今回の指導は準要保護の指導でございます。先生御指摘のように、その世帯が要保護世帯でありますれば、これはまさに生活保護自体の対象になる世帯でございますから、準要保護というよりはむしろ要保護でございますから、これは当然対象にしてしかるべき世帯であろうと思います。ただ、先ほど来申し上げておりますように、準要保護の認定につきましては幅があるわけでございまして、その幅は町村における妥当な判断にまちたい、こういうことを申し上げているわけであります。したがいまして、私どもの指導の基準を何もそのとおり実施せよということではなくて、実情に即した弾力的な運用を図ってもらいたい、ただしそれは余り基準を逸脱しないようにお願いをしたい、こういうことでございます。
#97
○栗田委員 幅があるからとおっしゃいますけれども、そうしますと、生活保護水準よりも本当はもう少したくさんの対象、所得の多い対象を準要保護と当然考えていらっしゃるわけでしょう。ですから、静岡市の場合には均等割りで切ってしまいましたらば生活保護の対象になる人より数か減るわけなんですから、これは不適当ですね。
#98
○安嶋政府委員 ただいま申し上げましたように、生活保護の対象になる方であれば、これは対象にすることが適当だと思います。
#99
○栗田委員 何かお答えがずれているのですけれども、もちろん生活保護の対象なら要保護家庭ですから、これは何もわざわざ準要保護にしなくたっていいわけです。しかし、均等割りである、所得割りの者は適当ではないと言うのですね、とにかくはっきり書いてあるのですから。いまおっしゃったとおり、「このことについては、通達に定めるとおりであるが市町村民税の所得割を納付する世帯の者については、原則として準要保護者として認定することは適当でない」と書いてあるのですよ。これはずいぶんはっきりとした指導内容だと思いますが、それをまじめに実行しますと、要保護家庭の一部さえ入らないということになるということは、この甘い方は適当でないでしょうと私は言っているのです。
#100
○安嶋政府委員 御指摘の指導は、その準要保護についての指導でございます。したがいまして、要保護世帯につきましては、これは先ほど来申し上げておるように、就学奨励の対象になるということを申し上げているわけであります。市町村民税の所得割り分を納めていない家庭と申しましても、これは段階がいろいろあろうかと思いますがその段階のうち所得割りを――失礼いたしました。市町村民税の所得割りというのはいろいろ段階があるわけでございますが、その中で特に困窮したものをどういう基準で選ぶかということになりますと、所得割りを納めていない人を準要保護という形で認定することが適当である。納めている方の中でも、それは実際上お困りの方があるかもしれません。そういう方を全然認定してはいけないと言っているわけではありません。それは町村の実情に応じて、あるいは世帯の生計の実情に応じて認定していただいて結構でございます。ただ、基準として何かと言えば、それは所得割りを納めていない方、そういう方がやはり準要保護と認定すべきものであろう、こういうことを申し上げているわけであります。したがいまして、繰り返しになりますが、要保護世帯でございますれば、これは所得割り税を納めている方でありましても就学奨励の対象として扱って差し支えないと思います。
#101
○栗田委員 最初、文部省は生活保護水準の一・三倍ぐらいというめどを出しておられましたが、いまのようなお答えになりますと、要保護世帯以外には対象者はほとんどなくなってしまうのじゃないですか。だって、いまのお答えで、静岡市の例では要保護世帯を対象にした場合に、これでも指導の中身よりは幅広くしたことになるのです。私の言っていることとお答えが食い違っていて、おかしいんですけれどもね。間違って聞いていらっしゃるのじゃないですか。
#102
○安嶋政府委員 整理して申し上げますと、要保護世帯と準要保護世帯があるわけであります。要保護世帯については就学奨励の対象にしてよろしい、こう申し上げているわけであります。要保護世帯にありましては、市町村民税の所得割りを払っていらっしゃる方でありましても就学奨励の対象にしてよろしい、こう言っているわけであります。
 次に、準要保護の認定の基準、これは先般来申し上げているように、いろいろ基準があるわけでございますが、その範囲は生活保護基準の一・三倍、そういう示し方もございますが、別に、市町村民税の町得割り分を納めていない方というような一つの基準もあるわけでございまして、そういう方については個別のケースに即して就学奨励をするかしないかということを、これは町村で判定していただきたい、こういうことでございますが、おかしいでしょうか。
#103
○栗田委員 おかしいです。さっき課長もおっしゃっていましたけれども、この就学奨励費というのは生活保護の対象になっている世帯よりも所得の多い世帯を対象にして考えているものである、こうおっしゃっていましたね。そうですね。
#104
○別府説明員 ただいま申し上げましたのは、準要保護世帯について申し上げたわけでございまして、要保護世帯に対する、生活保護で出されていない分野についての就学援助は一応省略して申し上げている。現在では準要が問題になっておったと思いますので、その部分について一般的な申し上げ方をしたわけでございます。
#105
○栗田委員 つまり準要保護の場合にそうだということですね。だから、生活保護世帯よりも所得の多い世帯を準要保護世帯として対象に考えているということでしょう。それなのに、文部省の指導のとおりにたとえば静岡市などでやりますと、生活保護世帯だけでもその対象にならないということです。もっと所得が少なければ均等割りではないんですよ。だから、いまの初中局長のようなお答えだと、それじゃ幅を広げても、生活保護世帯まで、要保護世帯までは就学奨励費を出すけれども、もうそれ以上は市としてはなかなか出せなくなってしまうわけですね。そういうことなんです。大臣、どういうふうにお考えになりますか、いまの点。
#106
○安嶋政府委員 ちょっと補足して申しますが、オーバーラップがあると思うのでございますね。所得割りを払っていない方と生活保護基準に該当する方と、こういうオーバーラップがあるわけでございますね。オーバーラップした部分については、生活保護法に基づく要保護世帯と認定されるものについては、所得割りをお払いになっておってもそれは要保護と認定して、就学奨励の対象にしてよろしいでしょうということをまず申し上げているわけですね。ところが、生活保護基準を超えている方がたくさんあるわけですね。その中でどういう部分を準要保護と認定するかといえば、それは所得割りを納めていない方を準要保護と認定することが適当でしょう、こういうふうに申し上げているわけでございます。
#107
○栗田委員 非常にそのために対象者の幅を市町村でぐっと狭めてきているわけです。実際には、所得のある程度の水準の人たち――非常に多い人というのは少ないわけでして、大体平均して水準は決まっておりますから、いま言われたように年間百五十一万前後すれすれぐらいの方が非常に多いわけですね、標準四人世帯でも。そうなったときに、いまのような指導が出されますと、所得割りだからということで、それこそすれすれの状態でありながら、外されるんですね。あくまでもさっきから、準要保護というのは生活保護世帯よりもやや所得の多い世帯を対象にしていらっしゃるわけでしょう。その点、そうですね。ちょっとその点をもう一度はっきり答えてください。
#108
○安嶋政府委員 そのとおりでございます。
#109
○栗田委員 ですから、そうなりますと、こういうふうな指導をされますと非常に狭められるということなんです、静岡市の例のような場合は。これは静岡市ばかりではないようで、かなりあります。それは非常に市町村によって基準が違ってきていますから、中には所得割りが非常に高い水準で、あと均等割りの方が非常に多い場合もありますけれども、そうでないところに一斉に認定をぐっと狭めるという状態が出てきているんですね。だから、文部省の指導だとみんなが言っているわけですね。指導によって狭められたのだというふうに言っているわけです。ここのところを何とかしていただきませんと、せっかくこれから予算をふやすとおっしゃりながら、必要な家庭があって、父母が申請しながらそれが市町村から認定外に外されていくという形が強まってきているということなんです。この点をいま問題にしているわけでございまして、ここのところを何とかしていただかないと困るわけですね。どうお考えになるかという、そこのところを伺いたい。大臣、どうお考えになりますか。
#110
○安嶋政府委員 最初に申し上げましたように、特別に引き締めるという方向のそういう気持ちで指導しておるわけではございません。そのことは申し上げておきたいと思います。
 それから、前回もお話がありましたように、一・三倍という基準があるわけでございますが、市町村民税の所得割りの非課税世帯というものの数も、一・三倍という対象でとらえたものの数とそうは違わないであろうという前提に立っておるわけであります。つまりそのことは、特に対象数をしぼるという意図でそういう指導をしておるのではないということでございまして、その点は御理解をいただきたいと思います。
 それから、この事務連絡を何とかせよというお話でございますが、ただいま静岡市の例等も具体的に御指摘になったわけでございますから、そういう具体的な事例等も調べまして私どもとしては検討をいたしたいというふうに思います。
#111
○栗田委員 それでは時間がありませんので終わりにいたしますが、大臣、こういうふうな例が非常に出ていまして、うっかりしたことをやりますと、市町村では、文部省で考えていらっしゃるのと非常に違う事態が出てくるという場合があるわけなんですね。だから基準の決め方だとか指導というのは非常に慎重にやっていただかなければならないと思いますし、誤解が出るようなやり方が出た場合には適切に急いで直していただきたいと思いますが、そういう点、大臣、どういうふうに今後していただけますか。
#112
○永井国務大臣 ただいま初中局長が申し上げましたように、準要保護世帯というのは要保護世帯よりも収入の多い家庭という考えでわれわれ進んできておりますが、しかしながら、所得割りを払わない、それを基準にすると静岡で非常に矛盾が生じるという先生の御指摘の問題、そういうことになりますと確かに矛盾でございますから、これはただいま初中局長申し上げましたように、私どもとしてまず調査をいたしまして、そして本来の趣旨に沿うように対処してまいりたいと考えております。
#113
○栗田委員 これで終わります。
#114
○三塚委員長代理 安里積千代君。
#115
○安里委員 私は、公立学校におきまするいわゆる主任手当の問題と学生の教育研究災害補償の二つの問題についてお聞きしたいと思います。
 文部省はさきに公立学校の校内組織に関する調査を行ったようでございますが、その調査の結果並びにその調査のねらいというのはどこにあったのでございましょうか。
#116
○安嶋政府委員 調査の結果はただいま集計中でございまして、まだまとまっておりませんが、調査のねらいということでございますと、御承知のとおり、学校という組織体におきましては、その全体を円滑に運営いたしますためにいろいろ校務の分担、分掌があるわけでございます。通常、校長、教頭のほかに、教務主任でございますとか学年主任でございますとか生徒指導主任でございますとかいろいろな職務分担の形態があるわけでございます。そういう実態を明らかにしたいというのがさしあたりの調査のねらいでございますが、私どもといたしましては、そうした特別な職務に従事しておられる先生方、これは仕事が量的にもまた責任の度合いも高いわけでございますから、そうした方々に何らか給与しの手当ができないかということをかねて検討してきたわけでございますが、去る三月、人事院に対しまして、こうした方々に対して適当な給与が支給されるようにという要望を出したわけでございます。その要望を実現いたします具体的な基礎的な資料といたしまして今回の調査をいたしておる、こういうことでございます。
#117
○安里委員 そうしますと、具体的な資料、調査実態というものがまだ把握できてないけれども、そういう方々に対して何らかの給与上の措置をとりたいということで人事院にはもうすでに要請をされた、こういうことでございますか。
#118
○安嶋政府委員 教務主任、児童生徒指導主任あるいは学年主任等につきまして何らかの特別な給与を行う必要があるということは、これは都道府県の教育長協議会におきましてもそういう意見を述べておりますし、また、文部省に設けられておりまする教員等処遇改善の調査会におきましてもそういう意見が出ておるわけでございます。そうした意見を踏まえて文部省といたしましても人事院に要望をいたしたわけでございますが、実態の大体のところにつきましてはもちろん文部省も把握はいたしておるわけでございますが、さらに精密な資料も必要であるという人事院の御意向もございまして、改めて調査をただいま進めておる、そして集計をいたしておるということでございます。
#119
○安里委員 現在の実態は、結局学校内におきまするいわゆる組織でございますので、当然校長の権限の中においてそれらの担当する主任というものが命じられておる、こういうふうに理解されるわけでございますが、もしこれに対しまする何らかの給与上の手当をするということになりますというと、その校内の中におきまする主任あたりの任命の制度その他についても当然変わってくるというふうに考えられますが、そのように理解してよろしゅうございますか。
#120
○安嶋政府委員 現状は校内の校務分掌といたしましていろいろな形があるわけでございますが、これに給与を支給するということになりますと、やはり制度的に明確なものを設ける必要があろうかと思います。そういう観点から文部省におきまして検討中でございますが、ただ、実態を大きく動かすようなそ、ういう方向は考えておりません。
#121
○安里委員 これは素人的な考えかもしれませんけれども、私は大変な改革になると思うのです。学校の運営上あるいは職務の遂行上それぞれの事務分担として校長が命じて、それに対して手当を給するということになりますと、主任を命ずるというような基本的な職を与えるという分担を決めるということにつきましても、校長の権限だけでできる問題じゃなくして、これは任命と申しますかその職務の分担を命ずる任命権者と申しますか、校長以外の上の方で当たらなければ、これに対して給与上の法的な措置を講ずることができないということになるのじゃないかと思いますが、間違いでしょうか。
#122
○安嶋政府委員 私どもは、教頭のように身分として教務主任、児童生徒指導主任といった職を法定をするということは、これは考えておりません。先ほど申し上げましたように、現状は校内における職務の分担ということでございますから、そういう前提に立って制度を明確にするということを検討いたしておるわけでございます。
 だれが任命をするかということでございますが、これは校長という場合もございましょうし、あるいは教育委員会という場合もあろうかと思いますが、そこら辺のところはただいま検討中ということでございます。
#123
○安里委員 いろいろと教頭職のようなはっきりした管理職の位置づけというものはいたしませんでも、学校内における事務分担、これに対して手当が支給される、待遇をよくするという基本的な考えには決して反対するものではございませんけれども、そうすることによりまして校長の権限が強化されるのであるか、あるいは校長以外に別の手当をもらっておるということによって、そこに何らかの支配的なと申しますか管理的な力が加わってくるということも考えられるわけでございます。こういうことが私は将来に対して教育現場においていろいろな対立や問題が起こりはしないか、こういうことを考えるわけでございますし、教育の現場のいまの実態調査というものもまだ十分把握されてないし、集計もされてないということでございますけれども、これによって起こるトラブル、対立、現場における混乱というようなものが不幸にして起こりはせぬかという心配を持つわけでございまするけれども、文部省とされましてはそういうことに対する見通し、配慮というものも十分なされておられるかどうか、お聞きした
#124
○安嶋政府委員 先ほど申し上げましたように、教務主任とか児童生徒指導主任、学年主任といったようないわば役職は現に学校にあるわけでございます。そうした仕事に従事しておられる先生方は、やはり特別な職務を付加されておりますし、また責任も重いわけでございますが、そうした事柄に対して適当な給与を行いたいというのが私どもの趣旨でございます。これによりまして管理体制を強化するとか締めつけを行うとか、そういう考え方は毛頭持っておりません。
 たた、一部に――一部にと申しますか日教組等におきましては、こうした教務主任等に対しまして特別な給与をいたしますことについて反対の意見もあるようでございますが、これはぜひただいま申し上げましたような文部省の考え方を御理解願いたいものだというふうに考えております。機会のあるたびにそういう説明を申して、理解をしてもらいたいと言っておる次第でございます。
#125
○安里委員 現在これらの事務分担によって授業の分担に差し支える、いわゆる現在の事務分担というものが授業の分担をしておるそれ以外に、この主任的な仕事の分担によってほかの教職員にこの分担がかかってくる、割り込んでくる、こういうような実情でしょうか。それとも現在は教務の、あるいは主任の仕事をしておりましても一般の授業の分担には支障を来たしてない、こういう状況でございましょうか。この事務分担をすることによって大事な授業の分担まで食い入っている、こういうような実態はございませんか。
#126
○安嶋政府委員 ただいまそういった点も含めてしかし教務主任あるいは学年主任等の職にあられる先生方が現実に授業時間等におきまして若干軽減されておるというような例もあるかと思いますが、しかし教務主任や学年主任等として付加されておる職務もまたこれ大きいわけでございますし、その職務責任も重いわけでございますから、そうした事柄に対しましてやはり適当な給与をするということが必要であるというふうに私ども考えておるわけでございます。
#127
○安里委員 その職務の重要性がどれだけあるかどうかというようなことも、いまここでお聞きする時間もございませんので触れませんけれども、この問題は十分理解の上でなされなければならぬ問題だと思いますので、しかもまだ十分な把握も調査も実態上しておられぬようでございまするので、それらに対しましては将来に悔いを残さないように処理していただきたいと思います。
 次に、学校の教育研究災害補償の問題についてちょっと触れたいと思いますが、これは前にもちょっと触れたことがありました。事実、四十九年度の予算におきましても文部省といたされましても学生の教育研究災害補償問題について調査を進められておりまするし、現実に教育の現場において学生たちの、もちろん施設や指導の不備などからくることもありましょうけれども、研究、実験の過程におきまして、あるいは過失でありましても、あるいは思いがけない災害が起こるということも免れない実態であると思います。これに対しまして何らかの手当てをする、補償をするというような考えというのは当然だと思いまするし、学生が安心して研究に実験に励むことができるという道を開くことが必要だ、こう思いまするし、またそのための調査研究会の中間報告も出されたと承知いたしております。
 そこで、当局といたしましてもこの制度を設けることに積極的な意欲を持っておられまするし、また調査研究会の中間報告も出されておるようでございますので、私は、その中間報告の大綱と、それに対しまする文部省としての基本的なお考えをお聞きいたしたいと思います。
 あわせまして、これは中間報告の程度でございますけれども、最終的な報告がいつごろなされる予定であるか、またなされたものであるか、これに対しまする文部省としての確定的な御意向というものを承りたい。
#128
○井内政府委員 学生の教育研究災害補償制度の問題につきましては、ただいま先生からお話ございましたように昨年度全国の大学を対象に、大学の正規の教育課程として実施いたしておりまする正課中の事故の実態調査を行いまして、その結果も参考にして、大学関係者に依頼をいたしまして、調査研究会を組織し、学生の教育研究災害補償制度のあり方につきましての検討を依頼したのでございますが、去る四月十日にその概要がまとめられまして報告をいただきました。
 それによりますと、学生の教育研究災害補償制度は、できるだけ広範囲の学生の互助共済制度として学生が互いに掛金を出してお互いの事故に備えるものとすることが望ましいという趣旨でございまして、文部省といたしましては六月初めにこの構想を全大学に一応示しまして、互助共済の精神に立って大学の協力を求めるとともに、どの程度の学生の加入が得られるかなどの調査を行うためのアンケートを依頼いたしまして、そのアンケートの結果が七月末あるいは八月初めごろには大体まとまってこようかと思いますので、その結果を待ちまして制度の細目を定め、もしアンケートの結果ただいま申し上げましたようなことで各大学からの賛同が相当数得られるならば、できましたら昭和五十一年度から実施に入れないものであろうか、かように私どもとしましては念願をいたしておるところでございます。
 なお中間報告の中で触れました主たる事項は、制度の対象とする傷病等の範囲を一体どのような範囲にしたらよろしいか。それから給付の種類及び額につきましてどのようにしたらよろしいか。かすようなそ、ういう方向は考えておりません。
#129
○安里委員 これは素人的な考えかもしれませんけれども、私は大変な改革になると思うのです。学校の運営上あるいは職務の遂行上それぞれの事務分担として校長が命じて、それに対して手当を給するということになりますと、主任を命ずるというような基本的な職を与えるという分担を決めるということにつきましても、校長の権限だけでできる問題じゃなくして、これは任命と申しますかその職務の分担を命ずる任命権者と申しますか、校長以外の上の方で当たらなければ、これに対して給与上の法的な措置を講ずることができないということになるのじゃないかと思いますが、間違いでしょうか。
#130
○安嶋政府委員 私どもは、教頭のように身分として教務主任、児童生徒指導主任といった職を法定をするということは、これは考えておりません。先ほど申し上げましたように、現状は校内における職務の分担ということでございますから、そういう前提に立って制度を明確にするということを検討いたしておるわけでございます。
 だれが任命をするかということでございますが、これは校長という場合もございましょうし、あるいは教育委員会という場合もあろうかと思いますが、そこら辺のところはただいま検討中ということでございます。
#131
○安里委員 いろいろと教頭職のようなはっきりした管理職の位置づけというものはいたしませんでも、学校内における事務分担、これに対して手当が支給される、待遇をよくするという基本的な考えには決して反対するものではございませんけれども、そうすることによりまして校長の権限が強化されるのであるか、あるいは校長以外に別の手当をもらっておるということによって、そこに何らかの支配的なと申しますか管理的な力が加わってくるということも考えられるわけでございます。こういうことが私は将来に対して教育現場においていろいろな対立や問題が起こりはしないか、こういうことを考えるわけでございますし、教育の現場のいまの実態調査というものもまだ十分把握されてないし、集計もされてないということでございますけれども、これによって起こるトラブル、対立、現場における混乱というようなものが不幸にして起こりはせぬかという心配を持つわけでございまするけれども、文部省とされましてはそういうことに対する見通し、配慮というものも十分なされておられるかどうか、お聞きした
#132
○安嶋政府委員 先ほど申し上げましたように、教務主任とか児童生徒指導主任、学年主任といったようないわば役職は現に学校にあるわけでございます。そうした仕事に従事しておられる先生方は、やはり特別な職務を付加されておりますし、また責任も重いわけでございますが、そうした事柄に対して適当な給与を行いたいというのが私どもの趣旨でございます。これによりまして管理体制を強化するとか締めつけを行うとか、そういう考え方は毛頭持っておりません。
 たた、一部に――一部にと申しますか日教組等におきましては、こうした教務主任等に対しまして特別な給与をいたしますことについて反対の意見もあるようでございますが、これはぜひただいま申し上げましたような文部省の考え方を御理解願いたいものだというふうに考えております。機会のあるたびにそういう説明を申して、理解をしてもらいたいと言っておる次第でございます。
#133
○安里委員 現在これらの事務分担によって授業の分担に差し支える、いわゆる現在の事務分担というものが授業の分担をしておるそれ以外に、この主任的な仕事の分担によってほかの教職員にこの分担がかかってくる、割り込んでくる、こういうような実情でしょうか。それとも現在は教務の、あるいは主任の仕事をしておりましても一般の授業の分担には支障を来たしてない、こういう状況でございましょうか。この事務分担をすることによって大事な授業の分担まで食い入っている、こういうような実態はございませんか。
#134
○安嶋政府委員 ただいまそういった点も含めてしかし教務主任あるいは学年主任等の職にあられる先生方が現実に授業時間等におきまして若干軽減されておるというような例もあるかと思いますが、しかし教務主任や学年主任等として付加されておる職務もまたこれ大きいわけでございますし、その職務責任も重いわけでございますから、そうした事柄に対しましてやはり適当な給与をするということが必要であるというふうに私ども考えておるわけでございます。
#135
○安里委員 その職務の重要性がどれだけあるかどうかというようなことも、いまここでお聞きする時間もございませんので触れませんけれども、この問題は十分理解の上でなされなければならぬ問題だと思いますので、しかもまだ十分な把握も調査も実態上しておられぬようでございまするので、それらに対しましては将来に悔いを残さないように処理していただきたいと思います。
 次に、学校の教育研究災害補償の問題についてちょっと触れたいと思いますが、これは前にもちょっと触れたことがありました。事実、四十九年度の予算におきましても文部省といたされましても学生の教育研究災害補償問題について調査を進められておりまするし、現実に教育の現場において学生たちの、もちろん施設や指導の不備などからくることもありましょうけれども、研究、実験の過程におきまして、あるいは過失でありましても、あるいは思いがけない災害が起こるということも免れない実態であると思います。これに対しまして何らかの手当てをする、補償をするというような考えというのは当然だと思いまするし、学生が安心して研究に実験に励むことができるという道を開くことが必要だ、こう思いまするし、またそのための調査研究会の中間報告も出されたと承知いたしております。
 そこで、当局といたしましてもこの制度を設けることに積極的な意欲を持っておられまするし、また調査研究会の中間報告も出されておるようでございますので、私は、その中間報告の大綱と、それに対しまする文部省としての基本的なお考えをお聞きいたしたいと思います。
 あわせまして、これは中間報告の程度でございますけれども、最終的な報告がいつごろなされる予定であるか、またなされたものであるか、これに対しまする文部省としての確定的な御意向というものを承りたい。
#136
○井内政府委員 学生の教育研究災害補償制度の問題につきましては、ただいま先生からお話ございましたように昨年度全国の大学を対象に、大学の正規の教育課程として実施いたしておりまする正課中の事故の実態調査を行いまして、その結果も参考にして、大学関係者に依頼をいたしまして、調査研究会を組織し、学生の教育研究災害補償制度のあり方につきましての検討を依頼したのでございますが、去る四月十日にその概要がまとめられまして報告をいただきました。
 それによりますと、学生の教育研究災害補償制度は、できるだけ広範囲の学生の互助共済制度として学生が互いに掛金を出してお互いの事故に備えるものとすることが望ましいという趣旨でございまして、文部省といたしましては六月初めにこの構想を全大学に一応示しまして、互助共済の精神に立って大学の協力を求めるとともに、どの程度の学生の加入が得られるかなどの調査を行うためのアンケートを依頼いたしまして、そのアンケートの結果が七月末あるいは八月初めごろには大体まとまってこようかと思いますので、その結果を待ちまして制度の細目を定め、もしアンケートの結果ただいま申し上げましたようなことで各大学からの賛同が相当数得られるならば、できましたら昭和五十一年度から実施に入れないものであろうか、かように私どもとしましては念願をいたしておるところでございます。
 なお中間報告の中で触れました主たる事項は、制度の対象とする傷病等の範囲を一体どのような範囲にしたらよろしいか。それから給付の種類及び額につきましてどのようにしたらよろしいか。きましては、全体の計画といたしましては、大体他の保険等によってカバーされる分野と本人負担になってまいります分野があるわけですが、医療費の問題につきましては、現在の保険制度等により本人負担となりますものが大体三割が大部分ではないかと思います。そのような状況等を考えますと、いまのコストの問題と約三割が本人負担になり、その本人負担部分をカバーするということが医療費の給付のねらいでございますので、いろいろな調査会での検討の際に、一応二千円未満のものにつきましては対象外としてしかるべきであろう、こういうふうなただいま御判断になっておる次第でございます。
#137
○安里委員 全国の大学院学生の統一調査、これは相当詳細にわたりました、かつ実態に即した調査でございますので最も信頼の置ける数字だと思いまするけれども、これで見ますと、これは七十二年度の調査でございまするが、二千円、三千円以下あるいはまた治療に一日から六日、七日、こういうようなものが全体のほとんど五〇%近いものを占めておると思うのです。もちろん死の結果を来す、あるいは後遺症あるいは相当日数の治療を要するというようなこともありますが、これらは数にしてそう多くはございません。外から見て軽微だと思われるもの、それから治療にそれほどの日数を使わないもの、これが五〇%に近い、半数に近い数字じゃないかと私は思います。したがいまして、中間報告にありますような二千円未満のものが除かれますと、実際上この制度ができましても適用され、救済を受けるものはわずかしかない、こういうような結果になるかと思います。もちろん、これは確定的なものでなくして中間報告に示されたものでございまするので、今後の皆さん方の御検討の中に入れられなければならぬ問題だと思います。現にあらわれておりまする報告に対しまして、皆さんとされましてはもちろん今後考えなければならぬ問題でございますが、いまの段階において小さいものは除けというような考え、これはめんどうだからということもあるかもしれませんけれども、事実上大多数を占めておるということでございますので、この点については十分配慮する必要があると思います。最後にその点をお伺いしたいと思います。
#138
○井内政府委員 昨年の調査時点におきまして調査の実態を把握し、二千円未満は対象としなくてよろしいのではないかという中間報告になっております。正直に申しまして、去年からことしにかけて医療費も相当上がってまいっておりますし、それから明年度のこともあろうと思いますし、この辺はわが国の医療費全体がどういうふうな単価でどういうふうに動いていくかとか、そういう実態の推移も見比べながら最終の判断をしなければならない。その際、ただいま先生から御指摘の点は十分含んで検討さしていただきたいと思います。
#139
○安里委員 最後に、これは相互共助の共済制度で、しかも学生の個人の負担において掛金がなされてくる問題でございますが、これらの運営その他につきまして、その負担する学生たちが何らノータッチというような中間報告の姿でないかと思います。掛金を持ち、利害の関係を有するといたしまするならば、当然これらの運営について関係者である学生たちが何らかの関与をする道を開くことが私は必要だと思います。中間報告ではその点も何ら触れておらぬと思いますので、この点に対しまするお考えもあわせてお聞きいたします。いまは中間報告の程度でございますので、当局とされましても確定的な御意向というものを承る段階ではないと思いまするけれども、それらのものも配慮しつつ、ぜひひとつ来年度においてはこの制度が制度化できるような方向に進めていただきたいという希望を付しまして、私の質問を終わっておきたいと思います。
#140
○井内政府委員 中間報告を取りまとめます際に、国公私立大学にわたりまして委員を御委嘱申し上げて御検討いただいたわけでございますが、その際、私どもも、各委員を通じて学生の意見が反映されるようにということで各委員にもお願いをし、おまとめを願った次第でございます。なお、現在実施中のアンケート調査につきましても、各大学においては何らかの形でそれぞれの大学の学生の意向というものをやはりキャッチし、これを吸収しませんと、正直、アンケート調樺の回答が不可能なわけでございまして、その辺等、できるだけそういった点につきましての配慮はいたしながら、今後アンケート調査の結果も取りまとめ、その分析もさしていただきたい、かように存じます。
#141
○久保田委員長 山原健二郎君。
#142
○山原委員 電報のような質問をしますから、電文のような返事をしていただきたいと思うのです、時間がありませんから。
 高等学校の新増設というのは、これはもう大変重大な問題になっています。過去二年、文部省は予算を要求をいたしましたが、来年度は要求する決意ですか。それだけ聞きたいのです。
#143
○今村(武)政府委員 非常に重要な問題でございますので、目下検討中でございます。
#144
○山原委員 これはぜひ実現をしてもらいたいと思います。起債の点などもありますけれども、一番これは要求されておる問題ですから文部大臣にぜひとも、検討中ではありましょうが、実現するように、これは各党とも恐らく一致して応援をすることができると思いますので、ちょっと大臣の決意を伺わせてください。
#145
○永井国務大臣 きわめて重要な問題でありますから、前向きの姿勢で検討をいたします。
#146
○山原委員 大学の学生会館の問題を一つ伺います。
 これは徳島大学の場合ですが、学生会館の予算はつきましたか。
#147
○井内政府委員 徳島大学の具体のお尋ねでございますが、徳島大学の学生会館それ自体は、非常に早い時期に大学から希望があり、たしか昭和三十五年に学生会館を建設いたしたと記憶しております。
#148
○山原委員 学生会館の食堂の経営について、文部省は、学校福祉協会を導入すれば予算を出すなどという指導を一般的にいたしておりますか。
#149
○井内政府委員 徳島大学の問題で最初のお尋ねがありましたので、そのことであるいはお尋ねと答えで問題がずれておったらいけませんので補足いたしますが、ただいま徳島大学では新しい食堂の設置という問題があります。その食堂の設置につきまして、同大学における食堂の現状から、新しい食堂設置は急務のことであろうと私どもも判断をし、本年度予算執行をするべく検討を進めております。
 なお、ただいまお尋ねの大学に設置いたしまする食堂の経営主体を一体どういうふうにするかということにつきましては、各大学の事情による各大学当局の判断、各大学の案によりましてこれは決定をしていただければよろしいわけでございまして、食堂建設に当たりまして、食堂の経営主体につきまして特別の条件を付するといったことは一切いたしておりません。
#150
○山原委員 これは大学自体に任すべきであって、絶対に誤解のあるようなことはしないでほしいと私は思うのです。この問題はいろいろ前々から聞いております。長い経過もありますけれども、その中で学校福祉協会が入れば予算を認めるなどと大学当局の人が言われるということがまた紛争の契機になったりするというようなことも聞いておりますので、これは十分注意していただきたいと思います。
 もう一つは、障害児の教育におきまして年齢を超過した場合、これが学籍の中に入っていない。そのために教員の定員もふえないという例があります。高知県の国立療養所にあるつくし学級という障害児教育をやっておるところですが、年齢を超過すると学籍をのけてしまう、そして先生の数もふえないということ、これではどうにもならぬわけですね。一人の先生が十二、三人持っておるという状態が出ておりますが、そういうことなんですか。
#151
○安嶋政府委員 学齢超過者を含んでおりましても、ある学級編制が行われておりますれば、その学級編制を前提にして教員を配当いたしております。
#152
○山原委員 もう一つ、先ほど安里先生も言われましたが、大学と違って国立高専の場合、学校災害で生涯不具になる子供が出ています。たとえば柔道の試合で首の骨を折って生涯不具になる。これは学校安全会等の改正といいますかあるいは要求としては、国家補償制度をつくれという要求も各県から出ておりまして、幾つかの県議会はこれを満場一致で議決をして、政府にこの申し入れもしているようです。こういうのに対して、とりあえず学校安全会の制度を改善をして、死んだ場合はこうだ、半ば不具者になった場合はこうだということをしないと、スポーツは一層盛んになるし先生方ももうそれで責任をとらされるなどということになると大変でありますから、これを学校安全会の改善とかあるいは他の方法など現在考えておりますか、その点伺いたいのです。
#153
○井内政府委員 具体の問題として、高知高専でいろいろな問題があったことは私も存じておりますが、学校安全会で高専関係は一応カバーすることに相なっておりますし、この問題につきまして、あるいは国の助成策なり制度的にどのような問題を検討すべきなのか、また検討しているのか、その辺私ちょっと所管外なものですからはっきりいたしません。
#154
○山原委員 これはぜひ検討していただきたいと思います。
 以上をもちまして、今国会における私の一般質問を終わります。
     ――――◇―――――
#155
○久保田委員長 この際、一言ごあいさつ申し上げます。
 第七十五回国会は、本日をもって終了することになりました。
 今国会、本委員会におきましては、内閣提出法律案はもとより、かねてより懸案となっておりました文化財保護法の改正を始め、いわゆる専修学校法、個人立幼稚園助成法、私学助成法、育児休業法等について、特に委員各位の御努力により成立いたしましたことは、まことに御同慶にたえないところであります。
 委員会の運営上、委員各位の意に沿い得なかった点があったとは存じますが、これは私の不徳のいたすところでございまして、委員各位の御寛容をお願いいたしたいと存じます。
 百九十日間という長期にわたる国会ではございましたが、皆様方の御支援、御協力によりまして、大過なく本日を迎えられましたことを厚くお礼を申し上げます。今後とも御指導、御鞭撻のほどお願いいたしまして、簡単ではございますが、ごあいさつといたします。
 ありがとうございました。(拍手)
 本日は、これにて散会いたします。
    午後零時五十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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