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#1
第075回国会 文教委員会 第22号
昭和五十年八月二十日(水曜日)
    午前十時三十三分開議
 出席委員
   委員長 久保田円次君
   理事 河野 洋平君 理事 塩崎  潤君
   理事 藤波 孝生君 理事 三塚  博君
   理事 木島喜兵衞君
      宇野 宗佑君    臼井 莊一君
      小渕 恵三君    久野 忠治君
      床次 徳二君    綿貫 民輔君
      小林 信一君    長谷川正三君
      山口 鶴男君    栗田  翠君
      有島 重武君    高橋  繁君
 出席国務大臣
        文 部 大 臣 永井 道雄君
 委員外の出席者
        文部大臣官房長 清水 成之君
        文部省初等中等
        教育局長    安嶋  彌君
        文部省大学局長 井内慶次郎君
        文部省管理局長 今村 武俊君
        自治省財政局地
        方債課長    花岡 圭三君
        文教委員会調査
        室長      石田 幸男君
    ―――――――――――――
委員の異動
八月二十日
 辞任         補欠選任
  上田 茂行君     小渕 恵三君
  深谷 隆司君     宇野 宗佑君
  山崎  拓君     綿貫 民輔君
同日
 辞任         補欠選任
  宇野 宗佑君     深谷 隆司君
  小渕 恵三君     上田 茂行君
  綿貫 民輔君     山崎  拓君
    ―――――――――――――
七月四日
 一、学校教育法の一部を改正する法律案(内閣
   提出第五一号)
 二、文教行政の基本施策に関する件
 三、学校教育に関する件
 四、社会教育に関する件
 五、体育に関する件
 六、学術研究及び宗教に関する件
 七、国際文化交流に関する件
 八、文化財保護に関する件
の閉会中審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 文教行政の基本施策に関する件
     ――――◇―――――
#2
○久保田委員長 これより会議を開きます。
 文教行政の基本施策に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。長谷川正三君。
#3
○長谷川(正)委員 沖繩の本土復帰に伴いまして行政全般にわたって、県民の生活に支障を来さないように、そしてまた祖国に復帰して本当によかったというような実際の生活が行われるように、当時政府としても関係各機関それぞれ非常に努力をされたと思うわけでありますが、きょうは沖繩の学校の問題を御質問申し上げたいので、その前提として、そういう施策の中で特に教育行政上沖繩の本土復帰に関してどういう配慮をされたか、主な項目について簡潔で結構でございますからお伺いをしたいと思います。御答弁をいただきたいと思います。
#4
○安嶋説明員 私がお答えすることが適当かどうかわかりませんが、概況について申し上げますと、教育行政の制度におきまして特例的な措置が講ぜられておるということはございません。復帰に際しまして経過的な特例というのはございましたけれども、制度の基本につきまして特例措置というものはないわけでございますが、ただ、財政上の措置その他におきましてかなりいろいろな措置が行われております。管理局長もお見えでございますが、たとえば公立文教施設の整備でございますとかあるいは産業教育関係の施設設備の整備につきましては特別に高率な補助が行われておるわけでございますし、また私立大学の切りかえにつきましても特別な援助が国から約十億円支出されまして行われるといったようなことがございましたし、それから復帰の際に沖繩に新たに国立の青年の家が設けられるといったような施策も講ぜられておるわけでございます。行政上の実際の施策といたしましてただいま申し上げましたような各般の措置が行われたということでございます。なお、さらにつけ加えますならば、復帰を記念をいたしまして特別な国体も開かれたというようなことがございますが、概況を申しますとそういうことでございます。
#5
○長谷川(正)委員 いま、復帰に当たって幾つか教育上の行政上の処置がとられたお話しがございましたが、私学に関しては特に十億円程度の、これは補助金ですかどういう形なんでしょうか、配慮をした、こういうお話しでございましたが、その点をもうちょっと詳しく聞かせていただきたいということと、あわせて、この文教委員会でも当時問題になったと思いますが、国際大学の紛争がございまして、文部省も非常に精力的な取り決めをなさってこれを解決に持ち込んだように記憶しておりますが、国際大学についての処置がどうなっておるのか、この点を重ねてお尋ねいたします。
#6
○今村説明員 四十七年五月の沖繩の本土復帰前において沖繩には沖繩大学及び国際大学という二つの私立大学があったわけでございますが、その大学が四十七年の二月に統合いたしまして沖繩国際大学という大学になったわけでございます。その沖繩国際大学の校地の取得、造成、校舎の建築等に対しまして四十七年度、四十八年度の両カ年にわたりまして十億の国庫補助金を交付した、そのほか私学振興財団から四億円余りの融資をしたということになっておるわけでございます。
 次に、沖繩大学及び国際大学の統合の際に新しい沖繩国際大学に移籍することを欲しない学生がいたわけでございます。そこでその間、もっとも昭和五十一年三月末が限度となっておりますが、復帰当時の学生が在学する間は旧大学を学校教育法による大学とみなすという措置がとられたわけでございます。そしてその結果、現実には国際大学は学生がいなくなって、事実上廃校になりましたが、沖繩大学から沖繩国際大学に移籍を希望しない学生がおりましたので、その人々が復帰直後、復帰の際の特別措置を定めた政令、つまり「沖繩の復帰に伴う文部省関係法令の特別措置に関する政令」が無効であるといって、その取り消しを求めて行政訴訟を起こしたわけでございます。これが先生のおっしゃるいわゆる紛争だと思いますが、それが四十八年三月、取り下げられることになりました。しかし、かわりに新しい私立大学としての沖繩大学が設置者嘉数学園において計画されまして、それが四十九年二月でございますが、嘉数学園の申請に基づきまして、嘉数学園の設置する沖繩大学の新たな認可が行われたということでございます。新たな認可が行われたことによりまして、それまでの閥の復帰後のごたごたが全部解決をしたということに相なっておるわけでございます。
#7
○長谷川(正)委員 そうしますと、この沖繩大学の、沖繩国際大学へ合流することを望まない学生を残したのが嘉数学園になったのですか。そういうことですか。いまのお話しを聞いておるとそういうふうに聞こえますが。
#8
○今村説明員 形式的には嘉数学園が新たに沖繩大学を設置して、四十九年二月に新たな大学の設置が認可されたわけでございますが、実質上は、いま先生がおっしゃいますように、沖繩大学から統合された沖繩国際大学に移籍を望まない者が残っておりまして、それが実質上は引き継がれて沖繩大学に入っておるということになっておるわけでございます。
#9
○長谷川(正)委員 それは当時の在校生が卒業すれば廃校になる、こういうことですか。
#10
○今村説明員 全く新たな大学の設置が認可されたわけでございまして、当時の在校生が残っておる、残っていないということと無関係に今後続いていく大学として認可されたわけでございます。
#11
○長谷川(正)委員 そうしますと、先ほどお話しの、私学に対して十億円の措置がされたというのは、もっぱらこの沖繩国際大学というものが新たに設置され、それに伴う紛争処理のこの件にのみ出された、そう受け取ってよろしゅうございますね。
#12
○今村説明員 復帰に伴う措置としてはそれでございます。
#13
○長谷川(正)委員 そこで、いま出たお話しはわかったんですが、そのほかに、いま出ました嘉数学園は、短大、女子短大あるいは高校、幼稚園等もあるようでありますが、沖繩にその他にも、私立の幼稚園から大学まで、どの部門にあるか存じませんが、私立の学校というのは幾つぐらいあるのですか。
#14
○今村説明員 私立の学校が、大学が二つ、短期大学が二つ、高等学校が五つ、中学校が一つ、小学校が二つ、幼稚園が二十五ございます。
 それから、いま先生が嘉数学園と嘉数女子学園を御一緒にお話しされましたが、嘉数女子学園は、学校法人としては嘉数学園と全く違う法人でございます。
#15
○長谷川(正)委員 そうしますと、いまお話しの沖繩大学ないし国際大学以外の私学に対しては、この移行に関してもその後も、特別の財政的配慮とか制度的配慮とかそういうようなことは一切何もいままではなされていなかった、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
#16
○今村説明員 復帰に伴う程度の特別の措置はいたしておりません。ただ、私学でございますから、私学の経常費補助金の交付、それから私学に対する融資、私学振興財団からの融資は、本土の各私学に対すると同様な態度で行っておるわけでございます。
#17
○長谷川(正)委員 わかりました。そうしますと、一般的な私学としての取り扱いの補助あるいは融資が行われているという程度である、こういうことですね。
#18
○今村説明員 そのとおりでございます。
#19
○長谷川(正)委員 そこで、きょう私御質問を申し上げ、特に文部省の善処をお願いしたいのは、このいま解決された問題以外に、私学が沖繩では一もちろん日本の私学はみんないま大きな問題に当面しておりますからこそ、前回の国会でも各党が一斉に私学の助成なり振興なりについての法案を用意する、こういったような情勢が生まれまして、その中で与党の自民党から御提案のありました私学振興助成法が余りに当初の内示されたと申しますか伝えられた中身よりははなはだしく後退しているために、私どもは与野党一致の法案にしたかったのですけれども、残念ながら野党としては反対の意思表示をして、その中で成立を一応見た。したがって、この法案については今後その中身の充実あるいは必要な改正を速やかにして、今日日本の私学が当面している問題を大きく解決することが今後私どもの大きい責任だ、こういうように感じておるわけでありますが、その中で沖繩は特にまた、あの本土復帰という特別な異常な事態の中で推移しておりますから、その財政的逼迫というものは本土一般私学以上に非常な苦難の中にさらされておる。そのために紛争が起こり、正常な教育が妨げられる、こういったような状態も出ておるようでありまして、その一つ、私が最近承知しましたのはいま管理局長がおっしゃいました嘉数女子学園の紛争の問題で、ここには短大と付属高校と幼稚園があるようでありますが、このいずれもが教職員組合との紛争、特に一つの原因は、さっき申し上げました私学振興助成法というようなものが日程に上る段階では特に二分の一経常費の補助というようなことが伝えられておりましたので、自民党原案でもそうなっていたように伝えられておりましたので、これらの期待もそこに作用して授業料の値上げはしないでもいいのじゃないかというようなことで、当局とすると授業料の大幅値上げをせなくてはとうてい経営ができないというような状況にあったようでありますが、それらが絡んで紛争がよりどろ沼状態に進む。これは私もいろいろ経験がございますが、紛争が起こりますと感情的な問題も絡んだりして思いがけないほどの深みにはまり込むというようなこともしばしばあるわけでありますが、この学園にもそういうような現象もなしとはしないように私も感じておりますが、根本はやはり財政の問題であります。したがって、補助なりあるいは融資なりという措置を特にめんどうを見てやる必要が、私学全体にもそうでありますけれども、沖繩の場合にあるように思います。
 この嘉数女子学園の問題について、これは短大は直接文部省の責任下にあるといいますか、まあ高校以下は一応沖繩県を通してということになりましょうが、こういう特殊な事情の中にある学園でありますから、文部省はもういままでもいろいろ調査もされるし、その陳情もお聞きになっていると思うのですけれども、この紛争の状態それから現状をどう把握され、今後どう指導なり援助なりをされるおつもりか、それを聞かしていただきたい。
#20
○今村説明員 今年の四月二十五日、沖繩県総務部長から文部省管理局長あてに通報されております「学校法人嘉数女子学園の紛争状況について」という文書、及び八月六日に嘉数女子学園関係者が文部省管理局振興課にお見えになったとき持参されました書類、当時伺いましたお話し等を総合いたしまして、紛争のいきさつは次のように理解いたしております。
 昭和四十九年十一月の末に、同学園の理事会が五十年度の学費値上げを決定いたしましたところ、同学園の教職員組合が反対を声明して理事会との交渉に入りましたが、合意が得られず、先ほどお話しがありましたようないろいろな事情もございまして、その後労使紛争に入っておるということでございます。本年一月から三月までの間に組合員のストが延べ七回にわたって行われ、また組合員による管理職等の入校阻止、理事の軟禁等の暴力行為があったと報告されております。その後裁判所の調停案、沖繩県の調停案、教授会有志の和解案等が提出されましたけれども、いずれも実らずに失敗に終わっております。八月一日、県教育長のあっせんにより理事会が労使の間の協定案となるべきものを考え、それを示して和解に持ち込みたいと考えておる模様でございます。そして、学校当局としては夏休み中に解決をめどとしておりますけれども、報告によりますと、見通しは必ずしも楽観を許さない状態である、こういういきさつであるように伺っております。
 これに対する文部省の考え方でございますが、気持ちとしては、学生、生徒が絡む問題でございます。学生、生徒の授業が四月以降全く中断されておるなどということはきわめて遺憾なことでございます。したがいまして、労使ともに学生の教育を担当しておられる方々でございますから、その重要な責務に思いをいたされまして、事情はよくわかりませんが、お互いに譲るべきところがあるのじゃないかと思います。それぞれに良識の線で一日も早く妥協されて、学生、生徒の授業に支障のないようにしていただきたいということを願っておるわけでございます。
 現在の私立学校法によりますと、所轄庁である文部大臣は、設置、廃止の認可かあるいは閉鎖命令かということで、私立学校は初めと終わりの両時期に立ち会うだけで、中間はもう全く私学の自治というようなことになっておりますので、文部省としては、この紛争自体に対して労働委員会みたいな調子で入っていったり、裁判所みたいな感じで入っていったりすることはなかなかできないわけでございまして、それ以上にわたりますと、また私学に対する不当な干渉になるおそれもございます。
 そこで、直接に関係がございますのは、私学経常費補助金の交付の問題と融資の問題とが二つございます。従前までは私学経常費補助金は本土の各私立学校と同じような条件に従いまして審査して交付いたしておりましたが、補助条件によりますと、十カ月以上超えて紛争があった場合は補助金を打ち切る、または減額するというような規定がございますので、四月以降の日にちを計算して、一日も早く処理をしていただきたいと思っております。
 それからまたこの間授業をしてないわけでございますから、授業料の収入が入らない、結局お金がない、融資というような問題が起こってくると思います。私学振興財団からの融資が問題になってまいりますが、融資する際は返還のめどがあり、返還の資産があるということが条件になってまいりますので、それには学校がいつまでもこうもめている状況ではどうにもなりません。融資しようという気持ちはございますが、学校内の平穏な事態の解決ということが融資の前提条件になるわけでございます。したがいまして、そういうことなども学校法人の理事者あるいは事情によっては組合の方々にもお知らせをして、円満な良識的な事態の解決を望みたい気持ちでございます。対策としてはその補助金と融資という二つがございます。
#21
○長谷川(正)委員 かなり詳細に御調査もされておりますし、それに対する対策も用意されているように承りました。いまもお話しがありましたが、何と申しましても園児なり高校の生徒なり短大の学生なりが四月から全然教育を受けられないという状態はまことに不幸な事態であり、その父母、家庭の心配も察するに余りがあります。したがって、理事者、組合双方に――私も現地に行って調査したわけでありませんので、想像の域を脱しませんけれども、多少感情なども手伝ったり甘い期待があったりして行き過ぎがあったような面もあるやに考えられますけれども、いまやこういうふうに長期になりまして教育が停止しているということでは、これは容易ならぬ事態でありますから、われわれとしてもこの解決にひとつ努力をする責任があるというふうに考え、当事者の頭もようやく冷静を取り戻しているのではないか。特に私学振興助成法ができましても、直ちにあしたから二分の一の補助が得られるなんという夢は一応消えた形になっておりまして将来の問題になっておるということ、こういう現実も踏まえまして、この際ひとつ九月からでも授業が直ちに開始できるような方向に当事者にも強くその解決を要望するとともに、文部省当局が県とも十分連携をとりまして早急な解決に向かって努力をしていただきたい。ことしは予算の中に高校以下への補助も八十億ですか、組まれている段階でもありますし、その配分がどうなされるか、詳しいことは存じませんけれども、ぜひこれらのことも配慮して解決していただきたい。
 そこで私は最後に申し上げたいのは、いま今村管理局長は私学については私学の自主性を尊重する意味で出生と御臨終のときだけ文部省は関係すればいい、あとは私学は御自分でおやりなさい、これが基本だというようなお話しですが、確かにそういう面もあろうかと思います。思いますが、しかし、いま申し上げたように、実際に教育を受けている側のことを考えれば、文部当局としてはそういう意味で、不当な干渉をしないという意味ではいまの考え方はいいのですけれども、これを育成、援助するという意味ではできるだけ温かい行き届いた配慮をしていただきたい。そこで、おそらくこの融資にしてもあるいは補助金をさらに交付するというようなことにしても、条件としては学校が正常化され、再建する方途を明確に示せというようなことは当然条件になろうと思います。ところが、だんだん伺ってみますと、紛争中の給与をどうするかとか解雇した者をでは取り消すとかいろいろあるにしても、すぐ財政の問題が絡んでくるようでありますから、再建計画そのものを立てる過程ですでに、やはり公式になるか非公式になるかは別として、文部当局なり私学振興財団なりの助言といいますか、見通しに対する親切な相談に乗る姿勢というか、そういうものが必要だと思うのですが、そういう点はひとつちゃんと立ててこい、それまでは知らぬよ、こういうような態度でなしにやっていただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
#22
○今村説明員 先ほどは私立学校法の法律上のたてまえを申し上げました。しかし、さはさりながら、生きている人間が仕事することでございますので、現地における教育がうまくいくように、非公式な面では十分事態の解決を助けるという気持ちで私学振興財団とも連絡をとりあるいは県の学事課とも連絡をとりあるいは私学の理事者の側あるいは組合の方も要すればお話しもいたしまして、事態が円満に解決するように事実上の行為として最善を尽くすつもりでおります。
#23
○長谷川(正)委員 最後に、時間が来たようでありますから、これで質問を打ち切りたいと思いますが、文部大臣に、この問題は、一つは沖繩の本土復帰の後遺症という一面がございます。それから一つは、日本全体の私学の助成の問題がございます。縦と横の両方の面から、ぜひ一日も早く問題が解決し教育が正常化しますように、大臣としての特段高い御指導、御配慮をいただきたいと思いますので、大臣の御意見を伺って、私の質問を打ち切ります。
#24
○永井国務大臣 先般沖繩の海洋博の開会がありますときに私は沖繩へ参りましたが、実は先生が御指摘のように沖繩県におきます教育の問題が重要であると考えましたので、後、実は残りまして、そして琉大の学長、それから県の教育長の諸先生とお話しをするだけではなく、いまの青年の家のお話しもございましたが、あれは渡嘉敷島というところにございますが、そこへも参りまして、私としてもいろいろなことを勉強いたしてまいりました。
 一般的に言いまして、条件の上でいろいろ不備な点がありますから、これは私立に限らず高等学校などの問題もありますし、それから琉大にもいろいろ御希望の点があるわけです。いわゆる本土並みということで工夫をしていかなければならないことが一つ。それから他方、海洋学ですとかあるいは熱帯医学とかあるいは熱帯植物学という点から言いますと、日本の他府県では達成できないこともできるという特殊性もございます。そういうふうな事柄について、直ちにできることとそれから長期的に考えるべきことと、いろいろ現場を見て、私も勉強して帰ったわけでございます。
 そういう中の一つとして現在の私学の問題がございます。これは管理局長がすでに申し上げましたが、私学振興、わが国全体の問題でございますが、沖繩に関しましては学校教育が条件上いろいろ不備な、また不利な点がございますから、私たちとしてこういう紛争の解決というものもなるべく早くして、そして公私を含めた学校教育の条件がよくなっていきますように努力をいたしたいと考えております。
#25
○長谷川(正)委員 ありがとうございました。終わります。
#26
○久保田委員長 栗田翠君。
#27
○栗田委員 いま八月は概算要求の提出の時期でございますが、当然文部省としても文教関係のさまざまな検討をされておられると思います。この中で、私ことしの三月に、七十五国会の中で高校増設問題を質問しております。このときに、全国の高校増設の要求の高まりや、また非常に困難な現状なども、いろいろ現状も出してお話しをいたしまして、それで大臣も、高校増設に国の補助金をつけるという問題について、非常に重要な課題として検討していくということをたしかお答えになったと思います。
 それで伺いますけれども、その後どのように検討され、またいまの要求の時期に向けましてどういう態度をお決めになっていらっしゃるでしょうか、それを伺いたいと思います。
#28
○今村説明員 高等学校の進学率がいま九〇%を超えた状況になっております。この時期になってまいりますと、高等学校の量と質という問題が非常に重要な問題になってまいりますので、文部省の中では、建物の予算を所管いたしております管理局だけでは仕事の範囲をはみ出る分もございますので、初中局とも十分協議しながら来年度の予算要求の態度を検討しておるところでございます。まだ文部省として最終的に決まった態度がございませんので、本日は発表できるものはございません。
#29
○栗田委員 きょうの朝刊の読売新聞を見ますと、新増設高校の建設費三分の一を国庫補助する方向に、文部省が昨日、十九日に決めたというような記事が出ております。このような記事について、この内容についてはその真相はどうでございますか。
#30
○今村説明員 けさ担当の課長から、私も、一紙にそういう記事があるということを聞きました。恐らく新聞の観測の記事だろうかと存じます。
#31
○栗田委員 それでは重ねて伺いますけれども、しかし、全国にあれだけの状況が出て要望が高まっている中で、文部省はどういう姿勢でこの問題を扱っていらっしゃいますか。今年度、昨年度について要求していらっしゃるわけですが、来年度についても積極的にやっていっていただくことを多くの人たちが望んでいるわけですけれども、その方向はどういうふうになっておりますか。
#32
○今村説明員 積極的な態度で臨んでおります。
#33
○栗田委員 高校問題対策協議会がつくられて、すでに幾度か審議をされているようでございます。この協議会の目的、趣旨などはどんなものですか。
#34
○安嶋説明員 高等学校問題対策協議会でございますが、七月一日付の事務次官裁定をもって省内に設けたものでございますが、そこで検討いたしておりますことは、高等学校増設対策に関する基本的な考え方、あるいは高等学校該当年齢人口の進学率が地域的に格差があるわけでございますが、こういった問題、さらに職業訓練施設や各種学校等、技能連携制度の改善についてどういう態度をとるか、あるいは市町村立の昼間定時制高等学校が全日制に移行するというような問題もございますが、それにどう対応するか、あるいは高等学校設置基準が制定されて二十数年たつわけでございますが、これが実情とかなりかけ離れた姿になっておりますので、そうした問題にどう対応するか、あるいは高等学校の設置や運営が最近かなり弾力的な運営を必要とするような状況になってきておると思いますが、そういう問題にどう対応していくかというような問題、その他一般的に高等学校にかかる問題点について、省内の担当の局課長の方でもって論議を進めておるということでございまして、まだ最終的な結論には到達はいたしておりません。
#35
○栗田委員 その中で、高校増設についてどのような論議がされておりますか、そのあらましを伺いたいと思います。高校不足を解消していくという立場とあわせてですね、高校増設についての論議でございます。
#36
○今村説明員 行政の内部の議論でございますので、まあいわばいろいろな立場からいろいろな意見が出ておるわけでございます。高校の増設が社会的に要望されておる、どの量に達するか、その理解、あるいはそれに対して現在の小、中、高、大学の制度の中で、高等学校の量をいかほどに想定すべきであるか、そういう基本論から、現実には、補助率をどうするか、単価をどうするかといったところまで、いわば各種各様の議論が出ておりまして、それらをまとめて整理しておる段階にはまだ至っていない、かようなことでございます。
#37
○栗田委員 全国都道府県の知事会などがいろいろ要望も出しておりまして、必要な高等学校の建設計画なども出しています。これが実際に建設されるかどうかというのではなくて、何校必要であるかということを、だいぶ細かい資料でも出しているようでございますが、それを見ますと、昭和五十年から五十二年までの三年間に新増設で四百四十一校、新設が二百四校、増設二百三十七校が必要である、こういうふうに言っております。文部省としては、この五十年から五十二年までに何校新増設が必要だというふうにお考えでしょうか。その辺はどういうふうにいま計画を立てていらっしゃいますか。
#38
○今村説明員 その点がまだ決定しておりません。
#39
○栗田委員 しかし知事会がこれだけの具体的な資料を出しておりますので、その具体的な資料に基づいてなるべくそれができるように努力をされるのが当然だと思いますけれども、それはいかがですか。
#40
○今村説明員 知事会から出された資料を審査するあるいは検討するという立場は文部省にあっていいわけでございまして、知事会の希望は希望としてわかるわけでございますが、文部省としてはどういう態度をとるか、決心をするかということがまだ最終的に決まっていないわけでございます。
#41
○栗田委員 きょうは八月二十日です。八月中に概算要求を出さなければならないわけです。まだ決定していないとおっしゃいますけれども、腹案というのは当然お持ちだと思いますし、ことし三月に伺ったときには五年間で三百三十七校というお話しでございました。これよりふえるのか減るのかといったような問題もありますし、大体の概要というのはもう出しておいでにならなければ、これは余りに無責任な態度だと思うのです。それで全国知事会の要望に全くマッチするか、一致するかどうかということは別といたしまして、大体どのくらい必要だという調査の結果を出しておられますか。
#42
○今村説明員 概算要求を決定するのは八月の末でございます。まだ八月の末までに期間もございますので、十分検討させていただきたいと考えております。
#43
○栗田委員 それでは重ねて伺いますけれども、三月に私が質問しましたときに学校数についての大体の目当ては持っておいでのようでしたけれども、学級数の調査をしておいでになりませんでした。人口急増地などは標準的な学校では済まなくて、大きな学校を建てなければならない。それも一校と数えられて何校というふうになっておりました。あのとき調査を進めるというお答えでございましたが、その後調査を進めておられますか。
#44
○今村説明員 学級数、学校数というのは結局は収容すべき建物の面積に最終的には換算しなければならないわけでございます。生徒の増加の傾向あるいは現在の保有しておる建物の面積あるいは私立筒等学校において持っておる潜在的な収容力、そういうことなどを勘案いたしまして何人分を収容する面積を建設すべきかということになりますので、学校数と学級数の区別はいわば便宜の問題になってくるわけでございます。私どもはいま最大の力点を置いておりますのは、今後それぞれの県において、何年度において何人分を収容する建物をつくるべきかということを検討しておるわけでございます。それらについて、高等学校という学校の基本をどう踏まえるかという視点もございます。そこに価値判断もございます。なかなか結論を得るのがむずかしいというのが現在の段階でございます。
#45
○栗田委員 何もかも結論が出ていないようでございますけれども、それでは一校当たりの単価、これはいまどのくらいに考えておいでになりますか。
#46
○今村説明員 一校当たりの単価を計算します場合に、一つの学校を二十一学級、一学級四十五人収容ということで計算をいたしておりますが、実は単価の定め方につきましても公立小中学校との関係もございますし、また建設省の住宅関係の単価などとも横並びの調整を図る必要もございますし、それらもまだ浮動しておりますので、一校当たり幾らということは決定いたしておりません。
#47
○栗田委員 決定はしなくとも、大体どのくらいと押さえていらっしゃいますか。いまの常識的な単価ですね、それを余り低く抑えられては困るという心配もあるわけですし、そういうことも含めてどのぐらいに押さえておいでになりますか。
#48
○今村説明員 まだこういう場所で申し上げるような数字は決まっておりません。
#49
○栗田委員 いろいろな報道などを見ましても、人口急増地では特に用地難があります。そのために用地費を含めまして一校四十億ぐらいはかかるのではないかということがしきりに報道されておりますけれども、この辺の急増地についての現状などは知事会それから教育長会からかなり聞いておると思いますが、実際はこのくらいになっているわけですね。どうなのでしょうか。
#50
○今村説明員 建物の値段は急増地あるいは非急増地、さほどひどく違いませんけれども、土地の値段は場所によってずいぶん値段が違うわけでございます。したがって、教育長会、知事会でおっしゃっている数字もはなはだ不確定な要素が入っておりまして、買う場所によっては半分になったり二倍になったりするわけでございますから、どういう見当で物をおっしゃっているかにかかわるわけでございまして、どれもこれも過去の実績は実績であるとしても、将来の予測は予測でございまして、非常に不確定な要素を多く持っておるわけでございます。
#51
○栗田委員 自治省に伺いますけれども、ことし三百億の起債枠が組まれておりますが、現在この消化状況はどのくらいになっているでしょうか。
#52
○花岡説明員 地方債の枠が三百億でございますが、これに対します申請額、これらを交付税なり基準財政需要額の算入額なりあるいは基準事業費等で算定をいたしますと、大体五百四十七億程度必要であろうというふうな算定をいたしております。
#53
○栗田委員 今年度の消化状況が五百四十七億ぐらい必要だということですね。
#54
○花岡説明員 今年度分でございまして、消化状況と申しますか、現在今年度必要な額につきまして算定した額でございます。
#55
○栗田委員 そうしますと、三百億では足りないわけでございますが、これは枠外債などを活用されるということですか。
#56
○花岡説明員 この不足の二百四十七億につきましては、現在大蔵省と枠外の折衝をいたしておりまして、ほぼ合意に達しておる段階でございます。
#57
○栗田委員 東京都などの特に人口急増地では建設計画はいま非常にダウンをさせているということが報道されております。それで建設費はもちろん、用地費も非常にかかるということで、枠外債の拡大ということなどが大変大きな要望になっているわけですが、こういうことも含めまして、大臣に伺いますけれども、先ほどから積極的な方向で検討するというお答えが出ておりますが、枠外債ももっと広げさせ、それから何としてでも概算要求の中に補助金を要求していく姿勢でやっていっていただきたい。それから、全国の知事会その他から要望のあります建設計画に沿って、それに見合ったものとしてぜひとも要求をしていっていただきたいというふうに思いますが、その辺の御意見を伺いたいと思います。
#58
○永井国務大臣 ただいま概算要求を編成いたしております段階でございますが、先生御指摘のように、知事会ももとよりでございますが、知事会以外のそれぞれ関係の方々からいろいろ御要望がございますので、ほとんど連日といってよいほどそういう御要望の文書それから調査データというものをいただいております。これを尊重いたしまして、しかし十分に検討いたしまして、そしてこれまた連日といってよろしいと思いますが検討して進めていく。これは先ほどから管理局長それから初中局長も申し上げましたように、いろいろな角度から多岐にわたって検討いたしておりますから、この段階でもちろん結論ということは申し上げられることではございませんけれども、もちろん私たちの考え方は、積極的に国民が要望していくものにどのように対応していったらよろしいか、こういう観点で御要望の書類も検討し、私たちの概算要求というものの基本的な原則、そして数字というものを割り出すべく努力している次第でございます。
#59
○栗田委員 次に私学助成について伺いますが、七十五国会の終盤で私学助成法が非常にどさくさの中で、余り十分な審議の時間もなく成立をいたしました。とにかく成立しております。ところで私学の危機というのはここ数年叫ばれ続けておりまして、いまますます非常に危機が深くなっているわけですけれども、私大連は今度必要な額として千九百億要求しておりますし、高校以下の私学は二百億少なくとも必要であるという要望が出ておりますが、これを解決していくために、文部省、来年度の概算要求としてはどんな姿勢でいま取り組んでおられますか。
#60
○今村説明員 私学振興助成法がついこの前の国会で成立して国民の代表者の方々の私学に対する態度が示されたわけでございます。その態度に即応すべく私どもとしては私学経常費の予算の計上に鋭意努力しているところでございます。
#61
○栗田委員 次に伺いますけれども、四十六年度から五十年度までの五カ年計画で人口急増地の小中学校の用地費の補助がいままで事業としてされておりました。いまの計画のままですと、ことしでこれが切れることになるわけです。しかし実際にはまだまだ小中学校も非常に学校不足です、急増地の場合は。用地費についてはますます要望が高まっているわけですが、来年度この事業の延長をしていくおつもりがありますかどうか、こういうことについて伺います。
#62
○今村説明員 先生御指摘のように五十年度で一応は打ち切る予定の補助金でございます。五十一年度予算要求に対しましては、非常に苦しい枠の中でそれをどうするかという問題について目下鋭意検討中でございます。
#63
○栗田委員 この方向としては、どんな方向で検討しておいでになりますか。
#64
○今村説明員 方向としては何の場合でも私一生懸命に積極的にやります。しかし非常に苦しい予算の枠内で取捨選択をするわけでございますから、実際問題はなかなか大変でございます。
#65
○栗田委員 それでは次の問題を伺います。
 育児休業法が成立いたしまして、来年四月一日から実施されるということになっております。そこで、育児休業法の法文の中にも書かれておりますように「業務の円滑な実施に支障がないと認めるときを除き、第四条第一項の規定により定められた当該育児休業の期間を任用の期間として、校長以外の教職員又は看護婦、保母等を臨時的に任用するものとする。」ということが書かれているわけです。いわば代替教員を初めとする代替要員の義務づけというのですか、それがあるわけです。いま多くの人たちに聞きますと、たとえ法律が成立してもこの代替の要員がなかったら実際に権利を行使することができないのではないかという心配が非常に広がっております。
 そこで、来年四月一日と申しますが、もういまからそういうものについては準備をしていかなければならないと思うのですけれども、いま文部省としては、この配置計画をどのように立てられ、どのように準備を進めていらっしゃるでしょうか。
#66
○安嶋説明員 配置計画というお尋ねでございますが、具体的には、御承知のとおり各県の教育委員会が計画については策定をするわけでございますが、御指摘がございましたように、相当数の代員が必要とされ、しかもそれが従来のように産前産後三カ月ということではなくて、一年近い期間がプラスになるわけでございますから、要員の確保についてはあらかじめ十分配慮すべきである、こういう観点から、先般の教育協議会におきましても、私から、そうした希望を述べておりますが、事務的には五十一年度の育児休業の希望予定者数を現在初中局の地方課において調査をいたしております。この数字がまとまりますならば、それに必要な代替要員の数というものも具体的に出てくるわけでございますので、それを踏まえまして、法律の趣旨が十分生かされますように、各府県教育委員会を指導してまいりたいというふうに考えています。
#67
○栗田委員 代替要員の場合、教員ですと有資格者であることが必要になってくるわけです。潜在的にどのくらい代替要員としてプールがあるかということですね。そういうことなどが問題になってまいりますが、いま調査中でいらっしゃるというものですから、五十一年度一体何人くらい希望するかということを、はっきりわからないとは思いますけれども、例年出産される教員がどのくらいかという数などは大体統計が出ていると思うのです。そうしますと、数としては一体どのくらい――いままでですと、全員が休暇を取るわけではありませんので、それはわからないわけですけれども、どのぐらいの数になると想像されるのでしょうか。
#68
○安嶋説明員 産休の発生件数でございますが、小、中、高、幼稚園、特殊学級を平均をいたしますと、比率で女子職員の五・三%、実数で約一万六千件の産休件数がございます。これは、さっき申し上げましたように、産前産後の休暇なわけでございますが、これが延長になるわけでございますから、件数といたしましては一万六千件程度であろうかと思います。それをつまり従来よりも長期間にわたって代替要員で補充をしていくということになるわけでございます。見当といたしましてはそういうことかと思います。
#69
○栗田委員 どれだけが希望されるかというのは、初めてのことですから、つかめない問題ですけれども、代替要員がないために休暇を取りたくても取れないという人が出てくることのないように、実際にはその結果として何人休業したかということが出ても、それは希望者全部が消化されてなかったということのないように、これはどうしても早く手を打っていかなければならないというふうに思いますが、そのことについて、大臣、どんなふうにお考えになっていらっしゃいますか。
#70
○永井国務大臣 私どもは当然法律の趣旨を生かすように努力をいたしていく考えで、先ほど申し上げたような数字に基づいて検討を進めている次第でございます。
#71
○栗田委員 もう一つ伺いますが、いままでの産休の代替要員は、全国で何人ぐらいがおられましたか。
#72
○安嶋説明員 この代替の仕方でございますが、教育委員会に常勤職員をプールをいたしまして、それを次々に回しているような形もございますし、その都度その都度臨時的任用によって充足しているケースもございますが、私どもの調査では、さっき申し上げました件数がほぼ実際に何らかの形で充足されておるというふうに考えております。義務教育国庫負担金の関連で申しますならば、小中学校でございますが、大体一万三千ぐらいの代替要員が充足されておるというふうに考えております。
#73
○栗田委員 いままでですと、短い期間ですから、一人の代替教員の方が一年間に何回か仕事をされるということになるわけですが、一年続くとなると非常に大幅にふやさなければならない、これはなかなか困難な仕事だと思いますので、これの確保については極力進めていっていただくことを重ねてお願いいたします。
 それから、最後に伺いますが、六月、七月に私は二回にわたって就学援助の問題で質問しております。特にこの就学援助費について、静岡市などの例を挙げまして、文部省が出しました事務連絡の矛盾ですね、部分的な、ある地域によって矛盾が出ているということ、均等割り以下を準要保護家庭というふうにするということになっていたけれども、実際には生保基準でも均等割りでないところが出てきているわけですが、それについて調査をされるというお約束をいただきましたが、その後調査は進められておりますか。
#74
○安嶋説明員 まことに申しわけございませんが、私まだその結果を聞いておりませんので、後刻連絡をさせたいと思います。
#75
○栗田委員 それでは時間が参りましたから私の質問を終わりますけれども、国民の大きな要望に沿って文教行政が進められるようにできる限り最大の努力をしていただきたい。とかく文教予算というのは削られがちですけれども、文部省としては強い姿勢でここのところを要求していっていただきたいということを要望いたしまして、私の質問を終わりにいたします。
#76
○久保田委員長 有島重武君。
#77
○有島委員 ただいまの話題に出ておりましたけれども、高校の問題について私も少し御質問させていただきたい。
 全国知事会の調査によりますと、今後三年間でもって公立高校四百四十一校の、新増設が必要である、その財源は総額五千億円に上るであろうと言われている。この点につきまして、文部大臣の御認識はどうなっておるのか、またどうなさるおつもりか、このことについて伺いたいわけでございますけれども、文部大臣、最初に伺いたいのですが、高校の進学率というものが全国的に大体九〇%を超えた、そして都市部ではもう九九%になっておるということがございますけれども、希望者全入というお考えがおありになるのかどうか、この辺はいかがでございますか。
#78
○安嶋説明員 高等学校の問題につきましては、先ほど来申し上げておりますように、基本的な問題点がたくさんあるわけでございますが、私どもは従来から高等学校の入学希望者はできるだけ多数高等学校に入学させることが適当であろうというふうに考えてまいったわけでございますが、しかし、それにいたしましても、高等学校の教育課程を履修するということになりますと、ある程度それを消化するに必要な学力等も必要なわけでございます。したがいまして、現行の学校教育法施行規則におきましては選抜という制度が設けられておるわけでございますが、高等学校教育を履修するに必要な基礎的な学力があるということを前提にいたしまして、なるべく多数の者が高等学校に進学するということが望ましいことであるというふうに考えております。
#79
○有島委員 大臣、初中局長がそのようにおっしゃるわけでございますけれども、高校というものは選抜をして入れるというたてまえがあるということですが、都市部ではもうすでに九九%になっておるということがある。そうすると、今度選抜を厳しくするというと、それでは高校はうんと選抜を厳しくして、全入などということはしないという方向に持っていくおつもりなのか、あるいはいまの局長のお話しでは、後段にまいりますと、なるべく大ぜいの人をやはり入れるというお話しにだんだんなってまいりました。いま中学浪人というような者が相当数おるということも報告されておりますね。局長としてのお話しはわかったから、大臣としては将来全入の方に持っていきたいというお気持ちがおありになるのか、あるいはもっと選抜を厳しくしていこうというようなお考えであるのか、その辺の大臣のお考えはどうなんですか。(安嶋説明員「ちょっとその前に一言補足させていただきたいと思います」と呼ぶ)大臣のお考えを聞いているのでありまして、局長のお考えはいま十分承ったわけなんです。補足ですね、補足はいいから……。
#80
○安嶋説明員 全入という言葉の使い方でございますが、希望者全員を入学させるということでございますならば、先ほど申し上げましたように、高等学校教育を受けるにふさわしい能力、適性というものがあるわけでございますから、やはり全入という、能力、適性のいかんにかかわらず全員入学させるということは適当ではないというふうに考えております。しかしながら、さりとて高校急増の問題に当面をいたしまして、選抜の水準をこの際高めるというようなことも一方考えておるわけではございません。選抜と申しますと、いかにも何か特別に優秀な者を選び出すというような言葉のニュアンスがあるかもしれませんが、そういうことではございませんで、現状におきましても、先生御承知のとおり、入学希望者の九八%が入学をしておるということでございますので、そういった趣旨に御理解をいただきたいと思います。
 私の補足を終わらせていただきます。
#81
○永井国務大臣 高校への進学率が非常に高まっているという中で、そもそも高校というものはどういうものであるのかという問題、これはすでに数年前から議論されていることでございまして、教育課程審議会におきましても、課程という角度から高校について考えてきているわけでございます。もちろん人々の要望に応じて学校をつくるということは非常に大事でありますけれども、他方においてそういう課程という角度から高校というものは何であるかということを考えること、また基準について考えること、こうしたことが重要でございますので、いますべてこれらの問題は検討事項として進行形であるというのが実態でございます。
 しかし、そういうふうに申し上げますと、ではどこに問題点があるかということになりましょうが、問題点の一、二を先生の御質問との関連で申し上げますならば、決して厳しくするわけではありませんけれども、高校に入っていく上での選抜、そういうものはやはり必要であろう。そのことはやはり今後も考えていかなければならない問題でありますが、しかし、そういうふうにすることによって、では門戸を閉ざす方向を考えているのかというと、そうではなくて、そういうふうな基準というものを設けた上で、そうして希望する人たちが基準に合っている場合には、これは希望する人たちが学校に入れるように、そのことがこの急増の時期においてどのような姿で実現することができるであろうか、こういう角度から考えているわけでございます。
#82
○有島委員 大臣のお気持ちとしては、義務教育が九年間ある、そのあたりで国民の教育というものは打ち切りでもいい、それを原則としていく方向でよろしいというようなお考えでいらっしゃるのか。あるいは、もう大部分の人が高校を受けるのがあたりまえであるというような風潮にいまなっているわけでございますけれども、その方向を定着していこうという方向に向かっての、いま進行形とおっしゃいましたけれども、そのお考えの基本のところは、国民の大部分高校に行かせるべきであるというようなお心持ちでいらっしゃるのか、その辺のところ承っておきたいのです。
#83
○永井国務大臣 ただいま先生のお言葉の中に、義務化という角度から高校を考えているかということでございます。これにつきましては、いま高校への進学率が確かに非常に高いのでございますが、しかし、数字を見ますというと、高校生の約三割が私立の学校に通っているわけです。そこで、義務化ということになりますと、その三割も全部カバーするだけの財源が準備されなければいけないということになります。さらにまた、先ほど先生から御指摘がありましたように、大都市の人口が非常に多いところでは進学率が高いのでございますけれども、しかし全国的には相当のばらつきがあるというのが実態でございます。そういうふうに私学の学生の率が多い、また全国的なばらつきが相当ある、そういう中で絶対にそれだけの財源というものもカバーできるかという問題が一つ。
 それからもう一つ、義務化という角度から申しますと、現在九年でございますが、十二年の教育というものを準備して、これがわが国の国民として生活をしていく上で知的あるいは体育の角度あるいは技能の角度から絶対に国が保障しなければならない最低限である、こういう検討をいたさなければなりませんが、現段階におきましては、以上申し上げた諸種の事情によって、義務化を考えるのは行財政上尚早であると私は考えております。
#84
○有島委員 いまのお話し伺っていると、財源不足であるからこれはやらぬ、やることができないということが一番結論みたいになって、それができるならば、財源さえ整うならば、将来義務化も考えられるということを何か言外に含んでいらっしゃるように私は聞こえたのですけれども、いかがでございますか。
#85
○永井国務大臣 財源も一つの要素であると申し上げたのでございます。その後で申し上げたことは、十二年の教育という一つの水準を設けて国家として保障して、日本国民として生きていく上での知的、技能的ないしは体育に基づくそうした最低限を保障しなければならないという、そういういわばきわめて学問的に明らかな結論というものももう一つ考えなければならない要素である、こう申し上げたわけです。財源も一つであると申し上げたわけでございます。
#86
○有島委員 財源と、それからもう一つの国としてこれを保障すべきかどうかという点はどうなっているのですか。それも鋭意いま検討中でいらっしゃるわけでございますか。財源の方はわかりました。財源があればということがありますね。それからもう一つは、国としてどうしてもこれが必要であるかどうかという点がいままだ不明であるということはわかりました。不明であるから鋭意検討中であるのかどうか。これがはっきりすれば、後は、財源の方が必要ということになれば、確保しなければならぬということになるわけですね。そちらの方の、大臣の前段の方のお話しについて大臣のお気持ちとしてはどうなのか。文部省の処置として、いまそういったことを御検討いただいているのかどうか。
#87
○永井国務大臣 ただいまの財源以外の義務化の問題につきましては、これも財源以外の角度から幼稚園についてもいろいろ議論されている点でございまして、したがいまして、まだその問題が不明であって、結論は尚早であると申し上げたのはどういうことであるかというと、次のようなことであります。不明でありますから検討しないでいいと申し上げたのではなくて、幼稚園などの問題も含めて今後も検討していかなければならない、そういうものであると考えております。
#88
○有島委員 わかりました。そうすると、幼稚園を含めて高校の義務化についても検討していく、そういうことでございますね。
 その次にもう一つ承っておきたいのですが、高等学校の目的でございます。学校教育法の四十一条を見ますと、「中学校における教育の基礎の上に、心身の発達に応じて、高等普通教育及び専門教育を施すことを目的とする。」こうなっているわけですけれども、「心身の発達」ということが、中学校の場合にも、「中学校は小学校における教育の基礎の上に、心身の発達に応じて、中等普通教育を施すことを目的とする。」こういうふうに同じようなフォームで書いてあるわけです。高校時代の心身の発達、これはちょうど十六歳から十八歳の年代という時代ですね。これは人間にとって大変大切な時代であると思うのですけれども、この時代の特徴というものはどんなふうに大臣お考えになりますか。高校時代の心、体の特徴、それを踏まえての上の高校の論議になろうかと思うのですよ。余りむずかしい突き詰めたお話しでなくてもいいから、大臣のお考えとしてどんなふうに考えていらっしゃるか。
#89
○永井国務大臣 先ほどの発言で、もしも誤解を招くようなことがあるといけませんのでちょっと補足をさせていただきます。
 私が申し上げたのは、現段階において高校を義務化するという決定に至ることは尚早であるということでございます。義務化を検討しているんですねというふうに先生がおっしゃられて、直ちに義務化をやる考えがあるかのようにとられますと誤解になりますから、その点申し上げておきます。幼稚園も含め、高校についても将来の問題としてこういうことは常に考えていくべきことであることは明らかです。しかしながら、現段階において義務化は考えておりません。これは明確に申しておきませんと誤解を生じますから、この点申し上げておきます。
 なお、高校がどういう発達段階にあるかについては、まず初中局長から御説明申し上げることにいたします。
#90
○有島委員 将来義務化ということを私たちは考える、いまの大臣のお話しもそんなふうに受け取ってよろしいわけですか。
#91
○永井国務大臣 将来にわたってそうしたことは問題として考えていかなければならないと申し上げたのです。将来義務化すると申し上げたのではないのでございます。
#92
○有島委員 考えるというのは、腕を組んで考えるということではなしに、お役所としてお考えになるということはそういったことを含めて検討していく、具体的に何かの場をつくって検討してくださる。先ほどもお話しがございましたけれども、わざわざこうした高等学校問題対策協議会というようなものも設置されておるようでございますので、これは大いに検討していただきたい、そう思います。
 それからもう一つ、高等学校は一体何をするところなのかということを、先ほど大臣がおっしゃったけれども初中局長にお答えいただくのでしたらば、もう一つこれも含めてもらいたいのだけれども、「高等普通教育及び専門教育を施すことを目的とする。」というふうにありますけれども、この専門教育ということをレギュラーな高等学校教育の中に持ってくるべきなのか、あるいは専門教育というものはいまの高等学校の中に持ってきて徹底的にできるのかという、非常に中途半端なものになりやすいのじゃなかろうか。高校の多様化ということもありますけれども、それが結果としては余り思わしくない結果になってみんなにきらわれているという実態もあるようでございます。それで、高校の普通教育というものをどの辺で押さえるかという問題が一つあると思いますけれども、専門教育はむしろ校外で受講していくような方向ということを私たちは考える。そんなことについて、これは短い時間では議論はできないのだけれども、初中局長の方ではどんなふうにお考えになっているか、わりと時間がありませんから短く答えてください。
#93
○安嶋説明員 生徒の発達段階に応じたという言葉の意味でございますが、教育心理学その他の学説によりますと、三つの段階に分けて考えることができるわけであります。
 第一に知的発達につきましては、思考あるいは言語能力、知覚等につきまして、十五歳から十八歳の間はほぼ成人並みの理論的な構成ができ得る段階に達するというふうにいわれております。
 次に情緒的な反応、興味、道徳性、社会性あるいは自己についての考え方、そういったものをひっくるめて情緒社会性と学問的に言っておるようでありますが、そういった面につきましてはほぼ成年期の反応に達しまして、道徳的にも自律的な判断が可能になるような段階であるといわれております。
 それから身体運動機能の面につきましても、ほぼ成人に近い段階に達するということでございまして、十五歳ないし十八歳の心身発達の段階といたしましてはそうした段階にあるわけでございまして、それに対応した教育を行うことが高等学校教育の目的である、こういうふうに考えておるわけでございます。
 次に、専門教育という内容でございますが、量的に申しますと御承知のとおり農、工、商、水産、家庭等のいわゆる職業教育が中心でございますが、このほかに英語科でございますとか理数科、体育科、芸術科、そういった科もこの専門教育の中に含めて考えておるわけでございます。現実にそういう課程も、非常に多いというわけではございませんが、設置されておるような状況であります。
 それで、高校三年でこうした面の教育について十分なことができるかということになりますと、これは判断の問題でもございますが、私どもといたしましては、基礎的な専門知識あるいは技能はある程度この段階において教育することができるというふうに考えておるわけでございます。こうした教育は御承知のとおりきわめて重要な教育でございまして、したがいましてやはりそういう教育は正規の学校教育制度の中において用意をするということが適当であろうと思います。しかし、かと申しまして、その正規の学校教育制度の外にありますこうした教育を軽視するということではもちろんないわけでございまして、職業訓練施設でございますとかあるいは各種学校、先般の法改正によりまして専修学校制度というものが設けられたわけでございますが、そうした高等学校以外の教育施設における専門的な教育につきましても技能連携というような形で位置づけが与えられておるわけでございます。そういうものを認めないということではないわけでございます。そうした技能連携等についての制度の拡充につきましては、今後ともさらに検討してまいりたいというふうに考えております。
#94
○有島委員 いま高校の増設という問題をめぐって高校問題がクローズアップされてきた。この高校問題も昔からいろいろ大変あいまいと申しますか、もっともっと突っ込んで考えていかなければならない問題をたくさん含んでいたにもかかわらずわりあいと後回しにされていたこともあろうと私は思うわけです。いまクローズアップされてきたのはやや増設問題、財源不足問題というようなところから起こってきたクローズアップのされ方だけれども、この際に大臣にお願いしたいのですが、高校問題を深く掘り下げてひとつ結論を出していっていただくようにしたいと思うわけです。
 いまも局長のお話しを聞いていると十六歳から十八歳、そういったいろいろな特徴のある段階である。その中でもって、さっきも大臣が、これは国民としてそこまでの教育が必要なのであるか、国家としてそれを保障することが必要なのであるかというようなことをもう一遍、これは未解決だけれどもうんと考えていくとおっしゃいましたから、そのお答えをなるべく早い機会に中間発表なり何なりをいただきたい。私たちもすでに四、五年前から高校問題についてはいろいろな提言をしております。そういったこともひとつ御検討をいただきたいと思うわけです。
 それから、あと時間がなくなりましたけれども、きょうは特殊教育についてやろうと思っていたわけです。
 これは昭和四十八年四月五日の参議院の文教委員会で当時の奥野文部大臣が、昭和五十四年度から養護学校を義務教育化できるよう法的措置をとるというようなことを言われまして、このことが四十八年の暮れの閣議でもって決定した、こういった経緯がございます。この義務化に伴っていろいろな問題が起きてくることが予想されるわけですけれども、これについてもしっかりした計画表、企画表、五十四年までの推移状況といいますか、どういうふうに推進していくか、こういったものがあるのでしょうか。
#95
○安嶋説明員 御承知のとおり養護学校整備七カ年計画というものが策定されておりまして、四十七年度を初年度といたしております。五十四年度までにただいま御指摘のように義務制に移行するために必要な施設設備を整備するという計画の内容になっておりまして、従来の実績を見ますと、ほぼ計画が消化されておるという状況でございます。今後ともこの計画の実現につきましてはさらに努力をいたしまして、五十四年度当初の制度の発足に間に合わせるように努力をしてまいりたいというふうに考えております。
#96
○有島委員 この計画表は現実にはまだないわけですね、いまのところ。
#97
○安嶋説明員 七カ年計画というのが、先ほど申し上げましたように、ございまして、四十七年度から五十三年度までの七カ年におきまして、精神薄弱児の学校百四十九学校、病弱児のための学校四十八学校、肢体不自由児のための学校四十六学校、計二百四十三校を設置するということで計画が進行中でございます。これに対しましては、まず給与面におきましては、義務教育国庫負担金と同様な国庫負担が行われておりますし、建物につきましても、新設校については三分の二の高率補助をするということになっておりまして、計画は進行中でございます。五十四年に対しましてほぼ支障なく準備が完了するものと考えております。
#98
○有島委員 細かい問題はまた機会を見て詰めることにいたしまして、大臣に一言だけ承っておきたいと思います。
 と申しますのは、この心身障害児に対しての教育ですけれども、これがどちらかというと福祉的な、言葉はちょっと度が過ぎるかもしれませんけれども、厄介者をどうお世話しましょうかというようなニュアンスが非常に強かったのではないかと思うのです。現在も強いのではないかと思います。それから教育者の立場、教育技術の面から見直していけば、この特殊教育というものは教育技術の中の最もすぐれたものではないかというようなことが言えるのではないかと私どもは考えております。そして、そうならば、この特殊教育に携わった教員というものはその年限に応じてやはり優遇されなければならぬ。これは、特殊教育をやってきた人ならば、ほかの教場に行っても教育に対する姿勢というものがずいぶん違ってくるはずであるということを私どもは考えるわけです。そういうような特殊教育に携わった者に教員としての一つの資格といいますか、資格づけというものを追加するなり増加するというようなことをお考えになる用意はないか、そういうことを承っておきたい。
#99
○安嶋説明員 特殊教育をつまり福祉の面でというお話しでございますが、厄介者扱いにしてというようなお話しもあったわけでございますが、そういう気持ちで私どもは特殊教育には全く当たっておりません。当然、公としてこれは温かく教育をすべき立場にある、そういう考え方を基本といたしておるわけでございます。
 それから特殊教育が教育の技術という点におきまして相当高度なものであるということは御指摘のとおりでございます。文部省は先般、特殊教育総合研究所というものを久里浜に設けまして、その関係の研究を進めておるわけでございますが、特殊教育におきまして開発された教育技術が普通児の教育に大変役に立っておるというような点もございます。そういう意味におきまして、先生御指摘のとおり、特殊教育における教育の技術というものが、特殊教育だけではなくて教育全体に対して非常にいい刺激を与えておるということは仰せのとおりかと思います。今後ともそうした方面の研究あるいは研究成果の普及につきましては、さらに努力をしてまいりたいというふうに考えております。
 それから特殊教育を担当する教員の処遇の問題でございますが、かなり高率の調整額が支給されておるわけでございます。しかしこれはまだ不十分だという面もございますので、今後ともそうした面の拡充には努力をしてまいりたいというふうに考えております。
 それから人事の交流の問題でございますが、これは仰せのように、特殊教育の経験瀞が一般の学校において教鞭をとるということも非常に大切なことだと思いますし、逆の場合もまた必要なことであろうかと思いますが、ただ、特殊教育経験者に特別な資格を与えるという点につきましては、私ども現在のところは考えていないわけでございますが、どういうふうにそういう問題に対応していくか、今後検討してみたいというふうに考えます。
#100
○有島委員 それでは、きょうは、高校将来義務化ということについてひとつ御検討を願いたい。それからもう一つは、特殊教育については、特殊教育に携わるということがその教師の一つの誇りであり、何といいますか、尊敬の一要素であるというような方向、そのことを制度的にも定着してもらいたい、今後とも検討してもらいたい、そういうことをお願いしたわけです。
#101
○永井国務大臣 まず特殊教育の方の問題でございますが、特殊教育というのは英語のスペシャルエデュケーションの翻訳と思いますが、実際を言うと、果たしてこれが適当な表現であるかどうか、私も考えざるを得ないわけであります。これはむしろ教育の中で最も重要なものの一つであって、一つの国の教育がりっぱに行われているかどうかについての一つの重要な物差しであろうかと思います。たまたまこれを特殊教育という表現で呼んでおりますが、もちろん厄介者というようなことではなく、むしろその逆に、この教育が十分に行われているか、また、この教育とそれから一般の教育と、そういうものが協力的に展開しているかということが非常に重要であろうと考えております。ですから、事実上、特殊学級の場合には一般の学級との交流というふうな方向もだんだんに推進しているわけでございまして、そういう角度で、やはりこれは本当にりっぱな教育というものを国民全体の中に完成していく一環である、こういう角度で私たちは考えている次第でございます。
 また、義務化問題について私が申し上げたことの繰り返しになりますが、すべて一つの国の教育制度を考えてまいります上では、文部省のような立場にありますものは、他国の教育制度というふうなものも検討し、またわが国の将来も考え、たとえば義務化というふうなことについても、いろいろな角度から将来とも問題にしていかなければいけないと申し上げたわけでございまして、決して、将来義務化の方向で高校について考えていく、こう申し上げたのではございませんから、その点は大変繰り返しになるようでございますが、誤解を招くといけませんので申し添えておく次第でございます。
#102
○久保田委員長 本日は、これにて散会いたします。
    午後零時九分散会
ソース: 国立国会図書館
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