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#1
第075回国会 地方行政委員会 第8号
昭和五十年三月十三日(木曜日)
    午前十時三十四分開議
 出席委員
   委員長 大西 正男君
   理事 片岡 清一君 理事 高鳥  修君
   理事 中山 利生君 理事 佐藤 敬治君
   理事 山本弥之助君
      伊能繁次郎君    亀山 孝一君
      木村武千代君    小山 省二君
      住  栄作君    渡辺 紘三君
      井岡 大治君    岩垂寿喜男君
      小川 省吾君    山田 芳治君
      多田 光雄君    中路 雅弘君
      小濱 新次君
 出席政府委員
        自治大臣官房長 山本  悟君
        消防庁長官  佐々木喜久治君
        消防庁次長   森岡  敞君
 委員外の出席者
        国土庁長官官房
        災害対策室長  杉岡  浩君
        参  考  人
        (地震予知連絡
        会会長)    萩原 尊礼君
        参  考  人
        (横浜国立大学
        教授)     入沢  恒君
        参  考  人
        (川崎市長)  伊藤 三郎君
        地方行政委員会
        調査室長    日原 正雄君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月十二日
 辞任         補欠選任
  林  百郎君     小林 政子君
同日
 辞任         補欠選任
  小林 政子君     中路 雅弘君
同月十三日
 辞任         補欠選任
  中路 雅弘君     林  百郎君
    ―――――――――――――
三月十一日
 国と地方公共団体との財政上の負担関係の健全
 化に関する法律案(阿部憲一君外一名提出、参
 法第三号)(予)
同月十二日
 地方財政の充実に関する請願(青柳盛雄君外二
 名紹介)(第一三四八号)
 同(土橋一吉君外二名紹介)(第一三四九号)
 事業税に事業主報酬制度創設に関する請願外一
 件(濱野清吾君紹介)(第一四〇五号)
 地方公営交通事業再建に関する請願(赤松勇君
 紹介)(第一四〇六号)
 同(石田幸四郎君紹介)(第一四〇七号)
 同(岡田哲児君紹介)(第一四〇八号)
 同(加藤清二君紹介)(第一四〇九号)
 同(佐藤観樹君紹介)(第一四一〇号)
 同(細谷治嘉君紹介)(第一四一一号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 消防に関する件
     ――――◇―――――
#2
○大西委員長 これより会議を開きます。
 消防に関する件について調査を進めます。
 本日は、川崎市とその周辺における地震対策及び石油コンビナート地域の防災対策問題について参考人から意見を聴取することにいたしております。
 御出席いただいております参考人は、地震予知連絡会会長萩原尊礼君、横浜国立大学教授入沢恒君、川崎市長伊藤三郎君、以上の方々でございます。
 この際、参考人各位に一言ごあいさつ申し上げます。
 参考人の皆様には御多用中のところ、当委員会に御出席をいただきましてまことにありがとうございます。本問題につきましてそれぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べ願いたいと存じます。
 なお、議事の順序は、初めに参考人の方々から御意見を約二十分程度お述べいただき、次に委員諸君からの質疑に対し御答弁をお願いいたしたいと存じます。
 それでは、まず萩原参考人にお願いいたします。
#3
○萩原参考人 私は、今回、地震予知連絡会が川崎地方の地盤沈下につきまして、いろいろと連絡会の行いました判断につきまして発表いたしましたことについてお話し申し上げたいと思います。
 昨年の十二月二十七日でございましたか、連絡会が、川崎地方と申しますか、多摩川下流域の地盤隆起につきまして見解を公表いたしたのでございますが、これは国土地理院が毎年、東京の水準原点と三浦半島の油壷にございます検潮所との間をつなぎますために、水準測量を国道沿いに行っておりますが、これが川崎市を中心といたしまして、ある範囲の土地が異常に隆起しつつあるということを検知いたしたわけでございます。
 大体この隆起の起こりましたのは一九七一年ごろでございまして、大体半径数キロのところが、大きいところで年間一センチぐらい隆起しているということが認められたのでございます。わが国のような非常に地震活動と申しますか、地殻活動の激しい国におきましては、年間一ミリとか二ミリというような変動は至るところにあるのでございまして、これは異常とは認められないのでございますが、年間十ミリ程度になりますと、私どもはこれを異常と認めているわけでございます。
 そして、この異常の様相を見ますと、かつて幾つかの経験がございまして、地震の起こる前に、こういう震源地付近の土地が異常に盛り上がったということが知られております。最も明らかな例は、昭和二年にございました新潟県の関原付近に起こりました地震のとき、それから例の松代群発地震のときに、いろいろなところでマグニチュード五程度の地震が起こりまして軽い被害を起こしたのでありますが、姨捨山の近所でやはり地震の起こります前に土地の隆起が認められまして、それから地震が起こったということで、それからまた例の新潟地震のときは、震源地付近の土地が年間十ミリといったような異常な隆起を、地震の起こる数年前から行っておったということが明らかになっております。このほか、こういうような例は外国にも幾つか見ることができるわけでございます。
 こういうわけで、川崎市を中心としたこの隆起の起こりぐあいだけを見ますと、これは明らかに地震と結びつくような形をいたしております。ただし、この隆起が一番激しく起こっているところが川崎市でございまして、ここはかって非常に過剰な地下水のくみ上げによりまして地盤の急激な沈下が進行したところでございまして、その後、地下水の揚水の規制が行われまして徐々に地下水が回復しているところでございます。そういうために地盤沈下との関連があるのではないか、そういうことのために地盤の隆起が起こっているのではないか、そういう懸念が十分考えられたわけでございます。しかし、これが地盤沈下の影響であるかどうかということをはっきりさせるためにはいろいろな調査をしなければなりません。それには相当な月日がかかるわけでございますが、一方、この川崎市及びその周辺は、日本にとりましても非常に重要な地域でございます。人口も密集しておりますし、いろいろと重要な工場も建っているところでございますので、この調査は早急に進めなければならないというふうに考えられたのでございます。
 しかし、こういう調査を行いますには、国を初め地方公共団体及び企業に協力していただかなければならないわけで、地震に結びつくかどうかはわからないからということでこっそりとやるわけにはまいらないのでございます。そういうわけで、こういう事実があるのでこういう調査を行いますということを公表した方がよろしいのであろう、かえって、公表しないでそういうことを進めていきますと、いろいろと憶測され、流言が飛ぶ、また間違った報道も伝えられるというふうに考えられますので、社会的な影響が非常に大きいということは十分考えておりましたが、これを公表することになったのでございます。
 今後、こういった現在行っておりますいろいろな研究、観測が進みますと、もう少しはっきりした形で皆様に連絡会の判断というものをお伝えできるのかと思いますが、現状におきましてはまだいろいろと資料が不足のために何か奥歯に物のはさまったような物の言い方で、いろいろとお迷いになっている方もあるのじゃないかと思いますが、そういう事情でこうした調査をなるべく早く進めたいと思っておるわけでございます。
 それでその後の調査によりまして、この隆起の起こりました中心部において地下水もまた、この隆起の始まりました一九七一年ごろから徐々に上昇していることがわかりました。それでは地下水の上昇によって土地がふくらんだのではないか、そういうふうに考えられるのでありますが、それは必ずしもそういうふうに簡単にはいかないのでございまして、川崎市には何本かの地盤沈下の調査のための観測井がございますが、それを見ますと、この基盤から上の洪積層、沖積層こういうものが、これはここから地下水を取ったために収縮して地盤沈下を起こしたわけでございますが、ここではまだ地下水が十分には回復していないために徐々にまだ少しずつ収縮しているということを示しておるわけでございます。こういうわけで、今回の隆起はこの川崎のいわゆる基盤と言われております数十メートル、百メートル前後の下にございます第三紀層、基盤、これが持ち上がっているということがはっきりしております。そういうために、一概に地下水が上昇したから表面層がふくらんだというわけにはいかないのでございます。
 もっとも、最近になりまして千葉県の船橋とかあるいは大阪地方それから東京におきまして、つまり地下水のくみ上げが非常に減った場合に、あるいはやめた場合に、土地が少しふくらむといいますか、表面は隆起するという事実が知られておりますが、しかしそれもある非常に限られた地域でございまして、何か特別な条件を備えたところがそういうふうになるということで、どこでもそういうふうになる、非常に顕著な隆起が起こるというわけではないのでございます。
 それともう一つ、最近地下水の異常と地震ということが国際的に非常に問題になっておるのでございまして、これは主にソ連の中央アジア、ウズベクスタンの首府でありますタシケント地方あるいはまた中国のいろいろな地域において地下水が地震の前に異常を示す、つまり地下水が異常に上昇するあるいは地下水の中に含まれている化学成分が異常に変わる、つまり非常に深いところから新しい水が異常に供給される、そういう事実があるという報告がたくさん出されております。日本では地下水と地震の関係は昔から言われておったのでありますが、そしてそういう研究も始められたことがあるのでございますが、何しろ非常に人口密度が稠密でございまして、至るところで水をくむということで、そういう研究は、いまとなってみればもっとやるべきであったのでございましょうが、そういうことをやっても人為的な影響の方が大きいからということで非常に疎んぜられておったのでございますが、最近になりまして非常に人口が少ない、そういう地方ではっきりそういう関係があるという報告が幾つも出ております。こういうことを考えますと、この地下水の異常は必ずしも水のくみ上げを規制したことによって起こったと一概に考えられない点もあるわけでございます。こういうわけで、今回の川崎市を中心にいたしました異常隆起というものは地震の発生につながりがあるかどうかということは、どちらであるとも現在のところまだ決定的なことは言えない状態でございます。ただ、しかしこの川崎地方の重要性にかんがみまして、非常に力を入れて観測、測定をやって、早くその問題を解決いたしたいといたしておるわけでございます。
 なお話は変わりますが、御承知のように南関東地方が観測強化地域といたしまして地震予知連絡会においてはいろいろの観測、測定を行ってまいりましたが、その結果、いわゆる水平ひずみの測定、つまり三角点間の距離をはかって、それを前の測量と比べまして土地のひずみを出す、そういうことによりまして、相模湾周辺といいますか、南関東の水平のひずみの状態がはっきりしてまいりました。それによりますと、現在まだ相模湾の周辺ではそれほど大きなひずみの蓄積はない。関東の大地震から蓄積はない。そのために、関東大地震そのものの再来というものは近い将来には考えられない、そういうふうに考えられております。したがって、この川崎の隆起が仮に地震と結びつくといたしましても、関東大地震のような巨大地震になるという心配はないわけでございます。一方、この隆起の範囲、起こりました面積といいますか、範囲から考えましても、それはマグニチュードにして六程度でございまして、関東地震のマグニチュード七・九、約八でございますが、これと比較しまして約二階級違うわけでございます。マグニチュードで二階級違うということは大体エネルギーにして千分の一でございます。なお、こういうふうに、マグニチュードが六程度のいわゆる大地震としては一番小さい部類に属するものでございますが、こういう六程度の地震でございますと、これもまた日本及び外国のこれまでの経験によりますと、ある前兆が起こりましてそれから地震になるまでの年数というものはそう長くない、非常に大きい地震ほど前兆がずっと前からあらわれる、そういう幾つかの経験がございまして、それに照らしますと、地震に結びつくといたしましてもそう五年も六年も先のことではない、大体二、三年程度ということのように思われるわけでございます。したがって、今回の隆起がたとえば地震に結びつくといたしましても、それほど大きいものではないということでありますので、住民と申しますか、こういう川崎市を初め東京都、横浜の住民の方々は、関東地震がまた来るというようなことはお考えにならないで、地震が起こりましても中心付近が震度五の少し強い方ということでございますので、いたずらに不安にならないで、地震の用意をするというふうにしていただきたいとお願いする次第でございます。
 なお、地震予知連絡会におきましては、こういうことがあったからこういう調査をする、そういう判断までが地震予知連絡会の仕事でございまして、ただいま申し上げました住民の皆様云々ということは、私個人のお願いでございます。
 ただ、こういうような状態で、大体震度五というような地震は、実は川崎地方にあるからといっていまさら驚くということは大変残念なことでございまして、日本のようなところでは震度五程度の地震はいつ起こるかわからない。それに耐えられるようにふだんからしておかなければならないものと思われます。たとえば東京について申しますと、江戸時代に二十二回ばかり震度五の地震がございました。これは記録に残っておる古い記録から判断するとそうなりますし、明治になりましてから今日まで、気象台ができましてからの記録を見ましても、関東地震の余震、これは除きまして十四回ほど起こっております。大体二、三十年に一回ぐらいの割りで起こるということになっております。ただし最近は、東京では昭和六年ごろ震度五がございまして、しばらくの間、これは徳川開闢以来レコードを破っておるわけですが、しばらく震度五がないわけでざいます。というわけで、震度五程度の地震は江戸開闢以来東京におきましてはしばしば起こっておるのでございまして、そういうことも考えまして、国を初めといたしまして地方公共団体、企業皆少なくとも震度五には十分耐えられるというような対策を平常からおとりいただきたいと思う次第でございます。このお願いも私個人のお願いでございます。(拍手)
#4
○大西委員長 次に入沢参考人にお願いいたします。
#5
○入沢参考人 入沢でございます。
 私の専門は都市計画でございまして、都市計画の方から、きょうは川崎を中心としました大都市の防災対策、こういった点につきましてお話し申し上げたいと思います。
 都市計画といいますと、比較的恒久的な都市の建設といった内容でございますが、今回の川崎の問題、非常に緊急であるというような話を聞いております。その辺との絡み合いで、都市計画の方で今回の問題をいかに扱うかという点が一つの焦点になるかと思いますが、その前に現在の都市計画の制度、御承知のように、地震その他都市の災害対策につきましていろいろ制度がございます。直接ございますのは、地域の中に防火地域というのがございまして、ある地域をつくりまして、そこは耐火建築で都市の不燃化を図るとか、そういった制度がございますが、そのほか間接的な制度としましては、市街地の再開発とか、そういったようなものもございますけれども、はっきり申しますと、過去の都市計画といいますと、比較的機能重点といいますか利便性重点といいますか、そういった点からすべて建設されてきたというきらいがございまして、必ずしもすべての都市計画のねらいが防災にはなかったということはございます。これは過去の欠点かと思いますけれども、そういった意味で今日非常に大都市の震災対策が叫ばれておりますときには、こういった都市計画をやはり環境の面におきましても安全第一と考えまして、利便性よりもやはり安全性を心がける、こういった転換の必要があるかと考えております。
 このような意味から、私どもも十年ばかり前から都市計画の中に防災面を取り入れようと考えまして、たまたま昭和三十九年の新潟地震でございますが、いわゆる新産都市に指定されました新潟市で地震が起こりました。御承知のようなコンビナートの問題とか、または新しく開発されました埋立地におきます近代建築と申しますか、耐火造の建物が倒れたとか、こういった事例がございまして、都市の防災対策につきまして非常に問題ではなかろうか、こういった機運がございまして、私どもも十年前から都市の震災対策、こういった研究を続けてまいったわけでございます。
 最初に考えましたことは、震災対策を立てますにしましても、一体現在の都市がどの程度危険であるかということがまず問題になるわけでございます。これに関しましては、新潟地震以前に、すでに東京の消防庁におきまして東京を対象にしました災害の危険度といいますか、そういった測定をやっております。主に木造建築でございますけれども、地盤との関係から関東大震災のデータを引用しまして、それから推定しまして、東京に地震が起こった場合、どの程度建物が破壊するか、そういったような危険度の調査研究がございました。これをもう少し都市計画の方から考えて対策を考える場合に煮詰めてまいりますと、そのような木造建物が倒壊するという以外に、特に東京を例にとりましすと、単に震災で建物が壊れる、さらにそれから火災が発生するということではございませんで、新潟の例に起きましたように、ある程度水害も起こる。言いかえますと、都市におきます地震といいますのは、非常に、われわれよく言っておりますけれども、複合災害を起こすであろう。単に震害で建物が壊れる、地盤が沈下する、亀裂が起こるということだけではございませんで、さらに火災が発生する、または堤防が決壊しまして低湿地には水害が起こるとか、このように非常に複合した各種の災害を発生する。こういった観点に立ちまして、東京を例にわれわれいろいろ危険度を調査した結果、江東地区が一番危険であるということになりました。すでに御承知と思いますけれども、われわれも研究いたしました結果が、江東地区に防災拠点をつくるという結果になったわけでございます。
 と申しますのは、都市の震災対策、非常に恒久的、根本的に考えますと、もちろん前提には人口の抑制とか危険物の排除とか、そういった点もございますけれども、直接的には火災が一番危険であるとしますと、建物往不燃化、都市の不燃化、こういった点になりますけれども、これはなかなか実行しがたい面がございます。依然として、都市には、相当耐火建築物が建っておりますけれども、木造の建物も建つ、こういった傾向でございますし、全面的に不燃化はすぐはできない。もちろん長いねらいとしましてはそういった方向に進むべきだと思いますけれども、できないという点。
 それと、さらに、恒久対策の中にも緊急対策があるではなかろうか。たまたま当時、南関東地震六十九年説といった説もございまして、緊急に対策を立てるとすれば一体どうすればいいかということを考えますと、根本的な対策につながります緊急対策としましては、やはり第一に考えることは人命の尊重であります。できるだけ人の命を大切にするということから考えますと、少々建物が壊れても構わないだろうけれども、人の命をいかに救うかということになります。日本の木造の多い都市におきまして一番危険なのは火災でございまして、関東大震災の例を見るまでもなく、むしろ、震害そのものよりも、火災によります焼死者が非常にたくさんである。このような観点で考えますと、密集した木造市街地をいかに火災から守るか、さらに、火災が起こりました場合に人々を無事に安全に避難させるか、こういった点にかかってまいります。
 これが緊急の対策ではなかろうか、こう考えまして、密集した市街地に避難場所を設けようではないか、こういった筋道になりまして生まれたのが、現在進行中でございます東京江東地区の防災拠点が一つの例でございます。もちろん、避難場所としましては、現在、そういった防災拠点以外にも、現在の空地とかそのような点が避難場所に指定されておりまして、いろいろわれわれ住民にも都の方からそういった指示がございます。避難経路の指示とか避難場所の指示がございますけれども、密集市街地の中に単に空地がございましても、延焼火災によりまして、輻射熱その他飛び火とか、そういった点からは人命の安全は保証しがたい。なるべくそこに安全な拠点をつくろう、そのような考えが防災拠点でございますけれども、もう一つ大切なことは、単に防災だけ考えまして都市づくりをするということにもなかなかまいりません。そのために膨大な金がかかりますが、それがやはりふだんの市民、住民の日常生活の利便につながるものである、たとえば防災拠点、避難場所をつくりましても、これが単に空地だけでありませんで、それがふだん市民の公園に使われるとか、または防災拠点の周辺に不燃建物を建てました場合にも、その建物がたとえば近代的な住宅である、共同住宅である、こういった役割りを果たしまして、恒久的に見ますと都市の再開発そのものでございます。しかし緊急で考えますと、いざという場合の避難の場所になる、こういった考えで東京の防災拠点を考えたわけでございます。
 その後、これをもう少しほかの都市にも考えようではないかという動きがございまして、先ほどの防災拠点もある程度調査費を国からいただいたわけでございますが、昭和四十七年から四十八年にかけまして、やはり国から調査費が出まして、川崎市並びに横浜市におきますコンビナートを背後に持ちました大都市の震災対策はいかん、こういったような調査研究が出されたわけでございまして、私もこれに参画したわけでございます。
 川崎、横浜、この両市の都市の様子は、御承知のように背後にといいますか前面にコンビナート地帯を控えている。その背後の一般市街地は、やはり東京の江東地区と同じように密集した木造の市街地であります。さらに、用途も混合しております。住宅地の中に危険物を取り扱う小さな工場がたくさんある、こういったような混合地帯でありまして、地震、さらにそれに伴います火災の発生の危険は非常に高いわけでございます。このような事態に都市計画として、特に緊急対策としてどのような対策があるか、このような調査研究を進めたわけでございまして、これにはやはりいろいろ考え方があろうかと思います。東京のような防災拠点をつくることも一つ必要でございましょうし、また恒久的に考えますと、できるだけ都市の全般の不燃化が必要であろう。また、住宅と工場とが混在しておりますのを、土地利用の純化を図りまして、零細工業はたとえば工場アパートをつくります、また工場団地をつくりましてそこに収容するとか、住宅をそれから分離するとか、このような土地の利用の純化もあるでしょう。
 また、コンビナートの問題を考えましても、一般市街地との関係から現在の配置は簡単には変更できません。そのためにはどうしたらいいか。一つの考えが、その中間に、防災遮断帯とわれわれ名づけておりますけれども、市街地から発生しました火災がコンビナートに延焼するのを防ぐ、逆にコンビナートに万一火災、爆発が発生した場合、そういったものが一般市街地の方に行くのを防ぐ、このような災害を相互に遮断するというような帯状のベルトを考えてはいかがか、これが防災遮断帯という構想の考え方でございます。先ほど申しましたように、四十七年、四十八年度におきまして、土地の利用状況、危険物の状況、そのような現況の調査を行いまして、具体的にこの防災遮断帯を考える場合に、どのような構想になるかという一つの案が考えられました。ただ、これはあくまでも構想でございます。先ほど申しましたように、特に川崎市につきまして申し上げましても、単に防災遮断帯が有効であるかどうか、ほかにもっと有効なる策はないか、こういった検討はまだ十分になされておりません。
 少し話を変えますと、このような大きな問題を単年度または二年度程度で結論を出すというのは非常に無理でございます。一応の防災遮断帯の構想は出ておりますけれども、私から正直に申しますと、これはまだ現況の認識に基づきました一つの案でございまして、これが果たしていいか悪いか、まだまだ十分検討する余地がございます。と申しますのは、わずか二年間の結果でございますので、正直に申しますと、緊急ではありますけれども、遮断帯が最も有効であるということはまだまだ必ずしも結論づけられておりません。しかし、こういった構想があるということは御承知おき願いたい、こう考えております。
 この遮断帯も、考えてみますと、東京の防災拠点も考えつきましてからようやく十年目にして、ことしの三月ごろから着工しようか。実に十年かかっております。もちろん都市計画の問題は、土地の収用、取得、このような権利関係が複雑であるとか、さらに新しい町につくれば住民の生活再建、そのような問題がございまして、住民の十分なる同意といいますか、そのような点がなければなかなか実行できない問題でございまして、なかなか長年月かかります。また、当然再開発いたしますと膨大なる資金もかかりまして、そのような点から実現まではなかなか長年月かかりますが、川崎市のこの防災遮断帯の構想も、恐らく具体的に考えてまいりますと、そのような問題によりましてすぐにはと申しますか、その実現までには相当の努力、もちろん住民のそれに対します理解も必要でございますし、一方では財源問題、資金問題からも相当の手当てをしなければなかなか実現の方向には向かないかと、こう考えられます。
 それで、川崎市におきまして、先ほど萩原先生の方から直下型地震、こういったお話がございまして、それでは私が申しました都市計画的な恒久対策の中でも緊急対策は間に合わないではないか、こういうことになりますと、一体都市計画としてはどう考えたらいいかという問題になってまいります。現在、川崎市でも避難場所とか避難経路、そういったような設定をされておりまして、応急といいますか緊急対策がなされておりますけれども、近々もし起こったとしますれば一番問題はといいますと、やはり人命の尊重から言いましても人命をいかに救うか、安全にするか、この一点にかかりますと、問題はやはり緊急でさらに応急的な対策と申しますと、避難場所をいかに設定するか、またその避難への経路をいかに設定するか、このような問題に変わってくると思います。
 さらに、なぜ避難するかと申しますと、やはりこれは火災、延焼火災によりまして、そのために人が逃げるわけでございますから、もう一つ根本にさかのぼりますと、木造市街地の火災の発生をできるだけ局限する、押さえる、こういった方向に参りまして、むしろ都市計画そのものよりも消防そのものに入ってくるかと思います。この点、実は私専門でございませんのでそうはっきり申し上げられませんが、建築の専門の方とか消防の専門の方からいろいろお話を聞きますと、たとえば震度五程度の地震が起こった場合に、建築物にどの程度の被害を与えるかよく議論されておりますが、専門の方のお話を聞きますと、震度五程度では建物の倒壊というのはほとんどないであろう。よほど老朽化しました建物であれば倒壊のおそれがあるかもしれませんけれども、一般の建築基準法を守っております木造建築にしましても、もちろん耐火建築は大丈夫であろう、こういったような話がございまして、直接地震によります建物の倒壊というのは震度五程度ではほとんど考えられない。
 となりますと、建物は健全に残りましても、むしろ問題点は火災でございます。昔と違いまして、各家庭でも非常に火気を使っている。こういった火気の始末をいかにするかとなりますと、素人考えでございますけれども、まずやはり各家庭でそのような火気に対します消火活動が一軒一軒の家には必要ではなかろうか。さらにそれが万一出火いたしまして延焼した場合には、町ごとにやはりそういったある程度の自衛消防が必要ではなかろうか。最近の住民、市民と申しますと、すべて公共的な消防力に頼りがちでございますけれども、地震のような突発の場合の出火に対しましては、まず各家庭で消しとめる、その次は町ぐるみで消しとめる、それでも仕方がなければ初めて公共の消防力が発動するとか、そういったような消防の段階的な体制が必要ではなかろうか、こう考えております。
 それと同時に、万一大火になりました場合の避難の問題でございますけれども、避難場所はありましても、周辺が大火でありますと、関東大震災におきます被服廠跡のあのような例になります。消防の問題もこの事案と関係ございまして、避難場所周辺の消防力の強化とか避難経路におきます消防力の強化、このような点がやはり応急のさらに緊急対策としては必要ではなかろうか、こう考えております。
 時間がございませんのでこの程度に一応とどめまして、何か御質問ございましたら後でお答えいたします。(拍手)
#6
○大西委員長 次に、伊藤参考人にお願いいたします。
#7
○伊藤参考人 川崎市長の伊藤でございます。先日は諸先生方非常に御多用の中を川崎市の地震対策の現状と現地の実情につきましてつぶさに御視察をいただき、また本日は本委員会において陳述の機会をいただきましたことを厚くお礼を申し上げたいと存じます。
 さて、本日は川崎市におきます地震、コンビナート対策を中心にとのことでありますが、お手元にお配りを申し上げました「川崎市地震防災対策」の資料を御参照いただきながら、これをもとに御説明をさせていただきたいと存じます。
 川崎市は、従来から、地震時におきます防災対策につきまして、川崎市防災会議に地震専門部会を設けまして調査研究をしてまいりました。昨年の八月にその答申を受けまして、地震対策につきまして今日まであらゆる角度から検討をいたし、しかも市民の皆さん方と一緒になって具体的な訓練を重ねる、そういう実践的な体制をとってきたところであります。
 そこで、まず川崎市の現状でございますが、今回の地震予知連絡会の警告をもとに、震央を川崎駅周辺と想定をいたしまして、五つの行政区のうち川崎、幸、中原の全区域と高津区の一部、合わせまして七十八・九平方キロ、全市の大体五七%に当たります地域が特に被災危険性の高い地域になる、こういう想定をいたしました。しかもこの地域は沖積層の厚い、軟弱な地層上にございますし、また埋立地の十三・五平方キロ、これを中心といたします地域の流砂現象も懸念されるところでございます。そして、本市は、御案内のように東京及び横浜とともに大都市圏域を構成をいたしまして、人口及び商業業務機能などの集中、集積をいたしておるところでございます。御案内のように、本市の人口は百万人を少し超えている、こういう状況でございますが、いま申し上げました地域には七十二万三千人の人口がございますし、また、コンビナート方面を中心とする昼間人口を合わせますと、七十六万四千人に達しておるのでございます。このような過密地域に大地震が発生いたしました際には、その人的、物的被害の大きさははかり知れないものがあろうかと思うのであります。特に川崎区では、耐用年数を超える木造老朽住宅が全住宅棟数の約三〇%を超える町が実は十もございますし、木造賃貸アパートなども少なくございませんので、被災時の家屋倒壊や二次災害の発生と拡大が大変心配をされるのであります。
 次に、コンビナートを中心といたします危険物施設は、製造所、貯蔵所及び取扱所を合計いたしまして七千四百五十七カ所ございます。さらに加えて自動車交通量も全市で一日七十七万二千台、内訳といたしまして、市内の事業所からのタンクローリー車は、石油類が二千台、LPGが五百台に達しておりまして、これらが発災時に災害を助長しないか、まことに寒心にたえないのでございます。
 これらのほかに、避難場所として適当なオープンスペースにいたしましても、川崎区では公園が区域の一・七%でございまして、さらに住工混在などの問題もございまして、災害に対しての多くの発災要因と拡大要因を抱えている、こういう状況でございます。
 このような現状から、私どもは庁内に地震防災対策本部を設置するなどして、市民を守るための総合対策を強力に推進をし、市民に対しましても対策の周知徹底を実は図っておるところでございます。
 次に、地震災害の緊急対策の前提となります被害想定等につきましては、まず地震規模をマグニチュードの六前後、先ほどの先生方のお話よりは少し強く想定をいたしましたけれども、マグニチュードの六前後、震央を国鉄の川崎駅周辺、そして市内におきます震度を、半径六キロメートル以内で震度六、十二キロメートル以内で五、十二キロを超える地域で四と想定をいたし、また、先ほど申し上げました地震専門部会の答申から、関東大震災級の地震による被害想定を基礎といたしまして、お手元の資料四ページにお示しをしてございますように、一応罹災人口約十二万二千人、倒壊家屋一万七千九百二十棟、出火口数百一という被害想定をしているのでございます。
 次は、地元といたしまして最も私ども関心を寄せておりますのがコンビナートの対策でございます。本市では、コンビナート地区とその背後の市街地がきわめて接近しておりますために、一たび災害が起こりますとその影響は大変大きいのじゃないか。したがって、その立場において地区の概況をまず申し上げたいと思います。
 第一番に、全国シェアで石油精製が一三・八%、エチレンの製造能力が二一%、まさに全国的に有数のコンビナートでございまして、関連事業所数も百三に上っておるのでございます。先ほど先生方も申されましたように、川崎市は日本の産業、経済界に対しましてかなりの影響力を持つ規模を持っているのであります。
 第二には、地区内には、二千五百七十の石油タンクを初めといたしまして、主として十二種の高圧ガス、さらに九種の有毒ガス、十六種に及びます有毒物質、さらには放射性同位元素など、多種多量な危険物が集中をしておりまして、震災時に、同時多発的に災害が発生した場合には、それを局所的に食いとめることはきわめて困難ではないだろうか。と同時に、誘発爆発等による複合災害に発展をして、近接市街地への影響、その被害等を考えますと、まさに想像を絶するものがあるのではないか、このように考えているのであります。たとえば、昨年の十一月に東京湾内でLPGタンカーの衝突事故がございました。あの第十雄洋丸には、二万三千トンのLPGが積載をされていたのでありますが、必死の消火活動にもかかわらず、二十日間も燃え続けておったのであります。爆沈という最終的な形にはなったようでありますが、本市のコンビナートには、その約十二・五倍、最大約二十八万八千トンのLPGがあるのであります。
 第三に、地区内には、夜間人口約二万人、昼間は八万人がいると言われておりますが、震災時における安全避難等につきましては、大変大きな問題が残されておるのであります。
 こうした現状を踏まえまして、コンビナート防災対策といたしましては、企業第一責任の原則に立っての企業の自主保安管理体制の強化、そして指導、地域ごとの共同防災体制の整備、川崎市石油コンビナート安全対策委員会の設置によります安全対策の強化、特別立入検査の強化などに取り組んでおりますし、また、災害時に備えた対策といたしましては、高性能装甲化学車二台、化学消防艇三隻を初めとする消防資機材の整備、石油コンビナート地域警防計画に基づきます特別消防部隊の運用、他都市機関との応援協定などを実は進めておるところであります。しかし、まだまだ十分という段階には至っておらないのであります。こうした中で、今後の措置といたしまして、まず第一番に、先ほど先生方からお話もございましたように、幾つかの問題点はあろうかと思いますが、私たちといたしましては、防災遮断帯の整備についてまず申し上げなければならないと思うのであります。
 すでに、建設省の御援助もありまして、実は青写真はでき上がっておるのでありますが、なかなかこれを実施をすることは大変なことでございまして、先般も申し上げましたように、概算九千億円という額は、私ども一地方自治体の財政の中では、どうにもならないのでありまして、ぜひひとつ国の力をおかりをして、具体的に実現をしなければいけないのじゃないかと、特に申し上げたいのであります。
 もちろん、私ども地元といたしましても、積極的に努力をいたしてまいりますが、今後、緊急整備を可能にする特別法の制定とともに、大幅な財政措置等につきましても、特段の御配慮をお願いしたいと存ずるのであります。
 第二に、危険物施設等に関する法改正の必要について申し上げたいと存じます。
 とりわけ、防油堤の容量について、タンク容量の一〇〇%以上への拡大、保安距離五百メーター以上、保有空地の強化、流出油防止堤設置の義務化、石油コンビナートの保安行政の市消防への一元化などにつきましては、早急に対処をお願いしたいと存ずるのであります。また、現在規制のないタンクの容量と高さの制限、タンク容量に応じた構造の具体的な設計基準の設定等の措置につきましても、早急に善処をお願いをしたいと思うのであります。
 第三には、地元消防体制の整備につきましても、現有の体制に加えた消防資機材備蓄センターを併設いたしました水上消防署の設置や災害想定訓練の徹底などを積極的に進めてまいる所存でございます。
 第四は、企業内あるいは企業間におきます防災体制の拡充強化、つまり自主点検、自主防衛、この原則を貫きながらの強力な働きかけを行っているところであります。
 第五は、市が実施をいたします震災対策事業につきましては、わが国の経済成長を支えてきた京浜工業地帯のアフターケアという意味からいっても、国の大幅な財政措置をお願いをしたいと思うのであります。同時に、企業における防災対策諸事業の円滑な推進を図るための税法上の特別措置等につきましても御配慮をお願いをしたいのであります。
 次は、地震防災対策の措置状況についてでありますが、災害の発生から復旧に至る過程につきまして、これを五つの段階に分け、それぞれ円滑に対策が推進できるよう、実は私どもなりのタイムプログラムを設定をいたしました。そして、その設定に基づきます徹底方を図っているのであります。
 しかしながら、現実には多くの問題がございます。たとえば、第一段階におきましては、まず災害の発生を防止するために必要な危険物等製造装置の構造強化による発災防止措置等についてその徹底を期することは、自治体の力だけでは困難でありますし、市街地内での出火の防止に必要なガス器具の緊急消火装置の取りつけも、今後の技術開発にまたなければならないと思うのであります。
 また、第二、第三の段階におきましても、避難所の緊急整備を初め、応急食糧、必需物資の確保と調達などには大変な努力が必要とされるでありましょうし、また、救急医療班の派遣要請の問題等、多方面にわたっての対策の確立が急がれているわけでございます。
 さらにまた、第三から第四の段階におきましても、道路、橋梁、住宅など、都市施設全般にかかわる復旧資材の調達、供給等につきましても、特段の御配慮をお願いをしたいと思うのであります。
 こうした現実は現実といたしまして、私どもは、タイムプログラムに沿ってその対策が円滑に推進されるよう、資料の十ページ以下に述べてございますような措置を講じているわけでございますが、御視察をいただきました際にも申し上げましたように、当面の緊急対策として必要な事業費総額は約一兆円という大変な額でございますが、私ども川崎市が五十年度に措置をいたしました額は約三十億円でございまして、大部分が未措置の状況にあるわけでございます。しかし私たちは、緊急の対策として、とにかく自治体としてできる限りの努力をしてまいりたいと思うのであります。しかし、国なり関係諸機関のお力をかりませんとこれはどうにもなりませんので、どうぞひとつお力添えをお願いいたしたいと思うのであります。
 最後になりましたが、地震対策は、何と申しましても市民、自治体、国、関係機関が一体となって未然に防止をする、このことが一番大切ではなかろうかと思うのであります。したがいまして、国の援助あるいはもちろん国会もそうでありますけれども、諸先生方におかれましてもどうぞひとつこの直下型地震の対策につきまして御指導、御協力を賜りますようお願いいたしまして、大変長くなりましたが、終わらせていただきます。ありがとうございました。
#8
○大西委員長 これにて参考人からの御意見の聴取は終わりました。
#9
○大西委員長 これより参考人に対する質疑を行うのでありますが、参考人の出席時間も限られておりますので、質疑者には時間を厳守されますようお願いいたします。
 なお、参考人の方々も、答弁はなるべく簡潔にお願い申し上げます。
 また、萩原参考人は、都合により十二時三十分に退席される予定でございますので、御了承願います。
 それでは、質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中山利生君。
#10
○中山(利)委員 萩原先生にお尋ねいたします。
 十二月二十六日に、川崎市の元木町付近に直下型の地震があるという見解の発表をなさいました。われわれも、この委員会としましても川崎市のコンビナートを早速見学に参ったわけでございますが、確かに住宅、工場が混在しております過密都市に、石油コンビナート、先ほどお話がありましたようなLPガス、有毒ガスを含めたコンビナート、それに直下型の地震があるということは大変なセンセーショナルな発表だったと思います。先ほどのお話によりますと、関東大震災と比べると大分小さいんだ、マグニチュードが二違うと、エネルギーに置きかえると千分の一違うんだというようなお話で、震度五以上の地震は二十年、三十年に一遍ずつは起きているんだからいまさら驚くことはないんだとかいうようなお話でございましたが、現地に行ってみまして、この大きなコンビナートに実際に地震が起きた場合はどうなるか、われわれ素人はマグニチュード五だとか六だとか言われましても、一体それがどのくらいの、たとえばエネルギーが千分の一違うとどのくらいの力が違ってくるのかというようなことは判断がつきませんし、現に、公表をされました段階で、新聞などにも報道されておりますような不安や混乱が川崎市民の中に起きている。川崎市でも大変な人材を投入しあるいは資機材を投入し、いろいろな方策を立てて、地方自治体としてこれ以上のことはできないと思われるほどの努力をされているわけですけれども、実際にあの場所でわれわれが地震ということで想像をいたしますと、もうあのコンビナートがまるっきりひっくり返ってしまうのだ、そういう状態になったときにはどうしたらいいか、途方に暮れるようなわれわれの判断しかできなかったわけでありますが、先生もおっしゃいましたように、こういう問題を公表されるということの社会的な責任というようなものも非常に大きいのではないかと思うわけであります。また、こういうものについて一般の市民、われわれ素人がよくわかるような的確な情報を流してくださる、そういう準備をなされているということでございますが、地震予知の精度といいますか確度といいますか、関東大震災は十数年前に予告されていたと言いますが、現在の科学の力で、一体いつ起きるかという問題、十年くらいの精度で予知をされるのか、あるいは一年くらいなのか、あるいは半月くらいなのか、そういう点どのくらいの精度が現在の科学ではあり得るのかという問題が一点と、それから、先ほどお話がありましたように、これからもより正確な情報を流してくださるということでありましたが、いつごろどのような情報を流していただけるのか、そういうようなことを、この二点だけ、時間がありませんのでお伺いをしたいと思います。簡単で結構であります。
#11
○萩原参考人 私ども地震の予知の実用化を目的として努力しておるわけでございますが、まず、地震の予知は長期的な予報から短期的な予報に向かっていくのではないかと思います。つまり、年の単位でございますね、何年くらい以内に地震が起こる確率が非常に大きくなったという程度、そういうものがいまある程度実用になりつつあるという状態でございます。
 なお、今回の川崎の問題につきましては、マグニチュード六でございますから、大体変動が起こりましてから二、三年以内ということになります。五年も十年も先のことではないのでございます。
 それから、もう少し的確な情報はいつごろできるかということでございますが、こういう地球相手のことは、きょうこういう機械を据えたからすぐあすわかるということではなくて、非常にもどかしいのでございますが、いろいろなことをやっておりますので、大体あと半年もたてば、いまよりはずっと詳しいことをもう少し皆さんに申し上げられるのではないかと思っております。
#12
○中山(利)委員 終わります。
#13
○大西委員長 岩垂寿喜男君。
#14
○岩垂委員 最初に、私川崎地元の選出の委員として、先日は皆さんに川崎を視察をいただいたり、きょうはまた、こうして参考人の意見を聴取するという機会をいただきました委員各位にお礼を申し上げながら、参考人の諸先生にもこの機会をかりてお礼を申し上げておきたいと思うのでございます。
 最初に萩原先生にお尋ねをいたしたいと思うのですが、昨年の十二月二十六日の発表の後ことしの二月二十七日の発表に至る経過の中で、新しい調査の資料、データ、そういうようなものをお手元にお受け取りいただいているかどうか、ちょっと承っておきたいと思います。
#15
○萩原参考人 いろいろと調査をしておりますが、特に地下水の調査につきましては、東京大学理学部におきまして、川崎市を初め東京都、横浜市、そういうものから資料をいただいております。また、企業の方々からも協力いただきまして、地下水面の上昇の状態、それから地下水の化学成分を分析するための試料の採取等について協力を願っております。
 そのほか、地震の観測も始めておりますが、これはまだ川崎市辺で小さな地震が起こり出したというような情報は得ておりません。なお、地下水の上昇の状態についてはかなり詳しいことがわかってまいりました。それからラドンとかその他カーボン、炭素の同位元素でございますね、そういったもの、それからトリチウムの分析、こういったものが進みますと、その異常に上昇した地下水が、地表から来たものか、さらに深いものから来たものかというような判定がつく一つの手段になると思うのでありますが、これは現在進行中でございまして、やがていろいろな資料の結果が得られるものと期待しております。
#16
○岩垂委員 引き続いて萩原先生にお伺いをしたいのですが、実は川崎市が、東京の水準測量を蒲田それから川崎それから鶴見を軸にして行いましたそのコンターラインと、もう一つ実は多摩川をさかのぼって、特別に川崎市としての水準基点をもとにしてはかったわけですね。そのときに、このコンターラインがやはり隆起している。つまり、いままでのコンターラインではなくて、こういう隆起があるということを指摘をしているわけです。実はこれは新しい発表なんです。特に私びっくりしたのですけれども、いままでの元木町のところではなくて、中原地域なんですが、苅宿というところで年間に二十八・四ミリメートルという隆起があるわけです。これは私は、先生方がせっかく御調査いただいたコンターラインとは異った、新しい隆起の状況があるというふうに私ども素人なりに理解をせざるを得ないと思うので、実は私、そこのすぐ近くに住んでいるものですから、ことさらそんなことを感ずるのでありますけれども、先生、とりわけ余り心配しなくてもいいという市民に対するお気持ちはわかるのですが、その点は新しいデータとして、是非いまの先生のお考えと比べてみてどんなふうにお考えになるか、ちょっと御意見を承っておきたいと思います。
#17
○萩原参考人 最初には元木町付近が一番の山というふうになっておりましたが、最近川崎市でおやりになりました水準測量の結果を拝見いたしますと、隆起の山が多摩川上流の方に向かって伸びているということがわかりました。で、これは大いに重要視しておるわけでございます。
#18
○岩垂委員 それは二月二十七日の発表の中の、つまりその考慮の中にはそれは入っていないというふうに理解してようございますか。
#19
○萩原参考人 二月二十七日の発表の前に暫定的な結果を川崎市から見せていただきまして承知しておりますので、考慮に入っております。
#20
○岩垂委員 そうすると、いまのコンターラインの変化というのはどのように私ども理解したらいいのか。その点を、つまり地震の危険性というものの新しい問題を提起しているというふうに理解してようございますか。
#21
○萩原参考人 これはまあいまはっきりしたことを申し上げる段階ではないのでございますが、こういうふうに川上の方、つまり、かつて余り地盤沈下の激しくなかった方にまで伸びているということは、その地下水の上昇と地盤隆起と関係があるといたしましても、その地下水がむしろ深いところから供給されたことではないか、そういう考えの方が強くなってくるものと思います。
#22
○岩垂委員 この間の新聞報道によりますと、川崎の隆起も地下水の異常な上昇というものを考えてみて、直下型地震の心配があるということを言われたわけですが、それが二月二十七日の関連性ということで指摘を受けたわけですが、その後二日ばかり前のある新聞では、要するに地下水のくみ取りが規制されたので地下水の復元があるんだ、したがってその直下型地震の心配は遠のいた、というふうな報道が行われていますけれども、これは予知連絡会の正式な御発表ではないというふうに承りましたが、そのように考えてようございますか。
#23
○萩原参考人 連絡会の見解は二月二十七日のときと現在も終始変わっておりません。
#24
○岩垂委員 これは参考までに、余り精密な資料ではないかもしれませんけれども、川崎市における地下水のくみ上げ状況というものを調査したデータがあるのです。これによりますと、確かにくみ上げの規制をした以後少し減っています。しかし、それは圧倒的な変化ではなくて、何か少しダウンした程度というふうに、地下水のくみ取りの状況をデータで調べてみると指摘できるのです。したがって、くみ取りを規制したから急速に隆起が、つまり地下水が復元してきたというふうに言うことはできないのではないだろうかと私ども考えておるわけでございます。そういう点で、いままで先生方が市民に対する不安ということの十分な配慮をしながらも、なおかつ備えあれば憂いなしという意味でその発表に決断をなさったその状況というのは、私はむしろもっと進んでいる、そのプロバリティはむしろ進んでいるというふうに考えたいと思うのですが、それは備えをつくる意味でもそういうことが必要だと思うのですが、そのように理解してようございますでしょうか。
#25
○萩原参考人 そのように御理解いただいてよろしいと思います。
#26
○岩垂委員 時間がありませんから最後に承りたいと思うのですが、予知連は全国の予知を対象にしておられるわけでありまして、そういう意味では多摩川下流域の異常隆起に伴う地域的な調査の観測体制といいましょうか、そういうものを集中的にこの際やっていただきたいという感じがするのです。しかも一年に一遍とかなんとかというのではなしに、たとえば四半期ごとに調査していくというようなことを是非お願いをしたいということが一つ。いまもういろんなことでやっていただいてはいるわけでありますけれども、回数の問題と、それから窓口の一本化とでもいいましょうか、いま先生のところで大体まとめていらっしゃるわけでございますけれども、可能な限り、市や県がいろいろ御質問申し上げたり、あるいはお願いをする窓口を是非一本化するようにお願いをしたい。
 この点について、先生のお気持ちや、あるいは予算的な措置などについても御注文がおありでございますれば、この機会ですから是非承っておきたいと思います。
#27
○萩原参考人 今回のことに関しまして川崎市の周辺における観測は、事実上私どもの申し上げておる集中観測に近いものになりつつありますし、そのための予算措置等は現在のところかなり十分に配慮されておるように思います。
#28
○岩垂委員 大変恐縮ですが、最後にもう一つ……。
 先生、さっき御発言の中で、調査をして連絡会の判断をなるべく早く出したいというふうにおっしゃっておられましたが、大体どの辺をめどにして予知連としての結論を、中間的になると思うのですが、お出しになるおつもりであるか、そのプログラムをちょっと承っておきたいと思うのです。
#29
○萩原参考人 次の連絡会は五月上旬に開くことになっております。そのときにはまだ十分な見解を発表できないかもしれませんが、大体秋ごろになればかなりの観測資料が入手できるのではないかと思っておるわけでございます。
#30
○岩垂委員 ありがとうございました。
 入沢参考人にお伺いをしたいと思うのですが、さっき防災遮断帯の問題についてお調べをいただいて、そしてそれをつくることがプランとして検討されていると言われました。そのときに、たとえば予算措置とかあるいは遮断帯の距離だとか大きさといいましょうか、そういうような問題について御検討をなさったことがあるかどうか。それから、もし遮断帯が必ずしも――いやもっと有効なものがあるかどうかを検討しようとしているんだと言うのですけれども、そのもっとということについて先生のお知恵といいましょうか、御見解がございましたらぜひ承っておきたいと思います。
#31
○入沢参考人 三つばかり御質問ございまして、一つは遮断帯の距離とかそういったものを考えたことがあるかということでございます。
 コンビナートの保安距離、こういった問題は、通産省あたりにコンビナートに関します省令がございまして、保安距離は三百五十メートルから三百メートル、こういったような案といいますか、一つの基準がございます。われわれもある程度それを参考にいたしましたが、ただコンビナートは段階によりましてずいぶん違うと思います。個別に火災爆発を起こした場合、またはそれらがだんだんと波及しまして全面的に最後には大災害を起こした場合、こうなりますと、その保安距離と申しますとなかなかむずかしい問題でございます。残念ながらこういったデータはほとんどございません。ですから、遮断帯の幅をどの程度とるかということは、実際には現在のデータからは無理でございます。むしろ具体的に実現性の方から考える。たとえば都市計画の方から申しますと、用地の取得がどうであるか、また緊急対策としまして十カ年程度で考えるにはどの程度まで用地が取得できるか、その範囲内でなるべく幅をたくさんとればいいだろう。具体的に前回の川崎市におきます防災遮断帯の仕組みと申しますのは、そういった点から非常に場所によってまちまちでございます。狭いところは三百メートル、非常に不良住宅が密集している、むしろ単なる遮断帯でありませんで、不良住宅の改良とかそういった点から考えますと、ある場所では五百メートルだとか、そういったようにいろいろまちまちでございます。直接その保安距離の面からは何メートルということは考えておりません。
 それから第二点の予算の問題でございます。これも非常にむずかしいわけでございます。構想段階でございまして、具体的にどういった事業によって実施するかというところまでまだ精密に詰めておりません。現在でも、制度が住宅地区改良事業とかまたは市街地再開発事業、個別には道路の建設または公園の建設、そういったものがございまして、まだまだ構想段階でございまして、具体的にこの地区でこれが一番的確であるというところまでは煮詰めておりませんから、具体的な予算は私どもの研究者グループとしては詰めておりません。ただ、川崎市の方では若干の概算をされておると思います。
 それから第三点は、ほかにももっと考え方があるのじゃなかろうか。私が先ほども申し述べたのでございますけれども、与えられたテーマが一応コンビナートと一般市街地の間に防災遮断帯をつくればどういった構想になるかという、先にテーマが決められまして、そのことで研究したわけでございます。われわれの立場からしますと、もう少し川崎市特に川崎区あたりの全般の危険度、災害危険度を調べまして、ほかにも先ほど申しました防災拠点、避難場所の問題、そういった点をもう少し詰めてもらいたい、またはさらにもっと不燃化できるところがないか、または防火地域の再検討とか、こういった点があるのじゃなかろうか、そういった意味でございます。
#32
○岩垂委員 先生にもう一つ伺いたいのですけれども、いまのような居住地域との隔離ということもあるわけですが、実はコンビナートに働いている労働者にしてみますと、あそこへ渡る橋が落ちてしまったらもうどうにもならぬわけであります。火の海だけでなしに、有毒ガスやあるいはある意味で酸欠が起こったり、爆風が起こったりという状態ですね。そういう問題に対応するに技術的に道筋があるのかどうか。これはあるのかどうかという大変極端な物の言い方で恐縮なんですが、どんなふうにしたらいいだろうかということについて、もしお考え、御検討なすったことがあるならぜひ承っておきたいと思います。
#33
○入沢参考人 コンビナート内部におきます被害状況、そういった災害の問題につきましては実は私、検討しておりませんが、一般的に考えますと、コンビナート内部の災害発生につきましてはやはりコンビナート自体がみずから防衛するということが必要じゃなかろうかと考えております。ですからコンビナート全体、内部を全部タンクとかそういったもので埋めないで、やはり中に緑地をとるとかある程度のそういった安全の場所をみずからつくるということが必要じゃなかろうか。これは考えでございます。
#34
○岩垂委員 最後に一つだけ伺いたいのですが、いま先生がおっしゃったように、コンビナートみずからの、要するに社会的な責任というものがいま改めて問われているというお言葉も含めて、そのように私は理解するのですが、たとえば遮断帯をつくるにしても、企業の負担といいましょうか、これだけある意味で生産活動を続けて利潤を上げてきたわけですから、その広い意味での社会的な責任を果たす上で、遮断帯に対する企業の出資といいましょうか、企業の分担するといいましょうか、そういうものが広い意味のPPPの原則で――そういう言葉が適当であるかどうかは別として必要だと思うのですが、この点について御意見を承っておきたいと思います。
#35
○入沢参考人 防災遮断帯をつくります場合の負担の問題でございますけれども、コンビナート内部におきましてもすでに保安距離というものが示されています。ですからこの点に関しましては絶対に守ってもらいたい。ただ、周辺の問題になりますと、なかなかこれはむずかしい問題でございますが、単に防災遮断帯は地震時の災害のそのような問題だけでございませんで、先ほど申しましたように、やはり平常の日常環境、市民に役立つ、たとえば公園をつくるとか、または不良住宅を改良するとか、こういったものもやはり防災遮断帯の構想の中に入ってございます。この点に関しましては、やはり自治体の責任であるし、または国がそれに補助をするとか援助するとかこういった点もあります。
 それから当然住民の負担もあるだろうと思います。これは土地の問題に関してでございます。やはり土地の取得とかそういった点におきましてしばしば住民が反対しますが、この辺もやはり住民の方が防災遮断帯の本当の意味、災害時におきます遮断帯の意味、それから平時におきます環境整備、こういった意味で理解されて、土地のような問題に関しましても住民の理解と協力が必要であるだろう。やはり国、自治体、企業、住民四者の協力が必要ではなかろうかと考えます。
#36
○岩垂委員 どうもありがとうございました。
 最後に伊藤市長に伺いたいのですけれども、いまお配りいただいた資料の中に予算の問題が実は配られたわけですが、これは五十年度の対策予算、市としての取り組みの予算だろうと思うのですけれども、最後に一兆円かかる、そのうちの三十億だ、こういうふうにおっしゃったわけですが、とりあえず緊急にどんな手だてを国に求めたいかという、特に緊急なものを指摘をいただきたいのです。本委員会は地方行政委員会ですから、地方の行財政の問題を真剣に御議論いただいている委員会ですし、そういう意味で緊急に何とかしてほしいという問題をぜひここで御意見として承っておきたいと思います。
#37
○伊藤参考人 いま防災遮断帯について先生方からお話がありました。まず私としては何といってもコンビナートと住居地域を遮断する、この一兆かかるものを全力を挙げて国家的な事業としてやってほしいという願いはいっぱいなんです。しかし、これは大変むずかしい課題があるとしてそれはそれなりに置いて、ほかにどうだということになりますと、何といっても一番目には、消防機材の整備が一つあります。それから、先ほどのタイムプログラムの中で私ども設定した中の当然関連でありますが、地震が発生する、避難をする、そのための避難道路が必要である、この避難道路についての財政措置が必要である、と同時に、避難道路の緊急性を確立をする法令の整備が必要なんでありまして、いま都市計画法関連の中でやっておるとなかなかこれは進まない。したがって、避難道路としての緊急性、それなりの立法措置をぜひお願いをしたい、と同時に財政措置が必要になると思うのであります。ですから、まとめますと、大体消防機材の整備と避難道路――避難場所については、これはもうあらかじめ整理してありますので、この二つ。さらに、これはもう文教の関係でありますけれども、南部地区における老朽校舎の整備、この三つが必要でありまして、私ども五十年度の中では老朽校舎の整備というものに大変大きなウエートを実はとったわけでありますけれども、これも、まあ何としても緊急にするにはやはり政府の相当な御援助をいただかなければいけないんじゃないか。大体この三つにしぼられると思います。
#38
○岩垂委員 ありがとうございました。
 もう時間がないそうですから、最後に、大変恐縮ですが消防庁長官に、午後またお尋ねしますけれども、いま先生方いらっしゃる前でちょっと実は一つだけ質問したいことがあるのですが、委員長よろしゅうございましょうか。
 いま、川崎、横浜それから東京都で、マグニチュード五ないし六という被害想定をそれぞれやっているわけです。これは実はそれぞれ被害想定の方式が違いまして、東京と川崎と横浜が別々なんですけれども、恐らく消防庁では大変熱心にこの問題に取り組んでおられ、御準備をいただいているわけでございますので、まさにいまの直下型地震について、もし起こったときにどんな被害想定をなさっておられるかということについて、消防庁長官からできればお教えをいただきたい、こんなふうに思うのですが、いろいろな見解があると思いますけれども、ぜひ承っておきたいと思います。
#39
○佐々木政府委員 現在、それぞれの地域の地域防災計画の中で被害想定をいたしまして、それに基づいた対策を考えておるというのが現状でございます。ただ、大きい地震の経験というものが、この関東地方におきましては大正十二年の関東大地震というのがその実例になりますので、各市とも大体は関東大地震の実例を中心にいたしまして、川崎におきましても横浜におきましても、東京の場合といろいろな建物の状況なり地盤の状況というものが差がございますので、そうしたいろいろな要素についてある程度の修正を加えながらそれぞれの地域の被害想定を定めているというのが現状でございます。また、今回の川崎市の被害想定も、実は相当地震を大き目に見ていくといいますか、いわば備えを定めるためにはやはり大きい被害というものを想定した方が万全の対策になり得るだろうというようなことで計算をされているような感じでございます。そういう意味におきましては、やはり私どもの防災の立場から言いますと、いまの川崎市の方式でいいのではないだろうかというふうに考えております。
#40
○岩垂委員 また後ほどそれは伺いますから、以上で終わります。どうもありがとうございました。
#41
○大西委員長 中路雅弘君。
#42
○中路委員 時間も限られていますからごく簡単に二、三お聞きしたいのですが、最初に萩原会長さんに一問お聞きしたいわけです。
 昨年十二月二十六日の、マグニチュード六、直下型地震の可能性の発表、それと二月の地盤隆起が地下水の異常上昇と重なっているという意味での発表がありましたけれども、私は、安全体制、防災対策を進める上で、地震の可能性があるとすれば、いまの発表になった隆起の原因を調査をする、できるだけ早く原因を明確にするということと、あるとすればその時期を一日も早く究明するということが防災対策の上で非常に重要だと思うのですが、一つは、いまやられている観測の体制ですね。これが考えられ得る万全の観測をやっていただきたいという点で、もしできればまだこういうこともやりたい、やればより精細に観測ができるというようなことがありましたら、一言それをお聞きしたいのと、もう一つは、先ほど時期についてお話しになりましたけれども、たとえば地震の起きる一カ月前なら一カ月前に相当はっきりとそれが予知できれば、防災対策の上でも、たとえばコンビナートには、先ほど市長がお話のように毒ガス類も相当あるわけですから、そういうことを含めて事前の体制もできるわけですが、いまの科学的な観測の体制で、長期の展望もあるわけですが、今度ははっきりと地震が起きる場合に、たとえば一カ月前なら一カ月前に相当明確にそれが予知できるのかどうか、そういう点について簡潔にお伺いしたいと思います。
#43
○萩原参考人 観測につきましては、いま考えられる、必要と思われることをかなりたくさんの種類をやっております。それで、そうした物の成り行きに応じまして、こういうことが必要だということならばまた追加いたすことになると思いますが、ただいまは必要と考えられるものは全部行っております。
 なお、いわゆる地震の直前に警報を出すというような短期予報につきましては、いろいろな観測を集中しております場合に、現在のところではできる場合もあるしできない場合もあるという、そういう状態でございます。
#44
○中路委員 市長か入沢先生にお伺いしたいのですが、先ほども岩垂議員からあったコンビナートに働く労働者の問題です。市長の話だと、ここで市民とともに八万人ですか、昼間働いておるようですね。このコンビナートに働いておる労働者の対策というのを考えた場合に、これは私の一つの意見ですけれども、現地も見てみまして避難場所が一番問題になるのです。それを考えた場合には、運河を利用するより方法がないんじゃないか。いまあの幾つもある運河が利用度が非常に少なくなってきているわけですが、たとえばの例であの運河を埋め立てる、そして避難場所その他に活用する、そういう方法も考えられるのではないか、またそういう方法しかないんじゃないかと私は思うのです。川崎市でも、話をお聞きしますと、運河の問題について調査費を今度つけられたということですが、労働者の安全対策という問題について市長のお考えがもしありましたら、いま考えられている構想ですね、お聞きしたいと思います。
#45
○伊藤参考人 確かに御指摘のとおりの方法があろうかと思います。問題は、運河を埋め立てるのにどれだけの工期と経費がかかるんだろう、これが一つあります。これが五年も六年も先ですと、先生がおっしゃったように地震が来ちゃうわけですから、これではいけない。したがって、現在調査をいたしておりますのは、御指摘のような運河を埋め立てることについての調査が一つ。
 もう一つは、やはりそれと並行しながら、いつでも労働者の皆さんが逃げられるように船を用意する必要があるんじゃないか。これはもう常時用意をしておく。幸い直下型で元木町のところですから津波はないと思っていいと思うのでありまして、そういうことからいって船を用意する、こういう考えであります。
#46
○中路委員 もう一つ、このコンビナートというだけじゃなくて、市街地との関係で、川崎の場合は混在しているわけですが、先ほど入沢先生もお話しになりまして、市長も特にこれだけはということで防災遮断帯のことが出ているわけですが、この点では市長も言っていますように、いま調査は一応二年で打ち切られているわけですね。だから、ぜひともこの問題は予算をつけて進めていかなければなりませんし、市長の要望書に特別立法も出ています、必要になってくるかと思います。この事業手法を考えていかなければいけませんが、まず一気に、たとえば五百メートルもどうするというだけじゃなくて、緊急を要するわけですから、いま京浜製鉄所も扇島へ移るわけですね。跡地の活用が問題になる、あるいは新日鉄の跡地とか昭和電工など工場跡地がずっとあの周辺にあるわけですね。そういうところを漸次適用していって、この防災遮断帯という構想を具体的に進めながら、一方で、いまの移転していく工場跡地を進めながらそれを広げていくというような、そういう構想も現実では考えないと、防災遮断帯のことの論議だけしていては絵にかいたもちになってしまうというふうに私は思っているのですが、都市対策等含めて、入沢先生先ほどちょっとお話しになりましたけれども、私の意見なんですが、その点のお考えは方法としてどうですか。
#47
○入沢参考人 おっしゃるとおりでございます。
 防災遮断帯というのは非常に恒久的といいますか、長期の中でも緊急的な問題でございますけれども、具体的になりますと一挙にできません。ですから、現在可能な、いまおっしゃいましたように工場が移転すれば、すぐその跡地を長期構想に合わせてうまく使うとか、たとえば軌道があけば、やはりそれの跡地も将来の長期構想に合わせてうまく使うとかそういった点でございまして、個別個別に積み重ねながら、最後には防災遮断帯の構想がよしとすればそれに合わせていく、こういった方向でいいのではないかと思います。
#48
○伊藤参考人 御指摘のとおりでありまして、具体的には新日鉄の跡地の分と、それから日本鋼管の予定をされる跡地、まずこれをつなぐ分をやろうということで、私としてはとりあえず産業道路から海に向かって五十メートルは何としても確保したいということで、新日鉄、日本鋼管、しかも新日鉄の跡地の分については、私の構想としては工場を移すのではなくて、何とかオープンスペースでお仕事をされる業者の方に払い下げをして、人様の経費で実質的には二百メートルぐらいの遮断帯を確保していきたいということで、トラックヤードあたりはどうだろうかと、具体的にそういうものを詰めているところでございます。
#49
○中路委員 もう一問だけちょっとお聞きしますけれども、地震には爆発、火災等の問題があるわけですが、もう一つ毒ガス、市民の皆さんの話を聞きますと、毒ガスの心配というのは非常にあるわけなんですね。特に有毒ガスの塩素ガス、県の工業保安課で調べていただきましたら、川崎のコンビナートの塩素ガスの貯蔵能力が五百四十九トン、百トンタンクを最大にして大小のタンクに分散されているわけですが、塩素ガスの場合に、一トンタンクでも漏れれば大変なことになるわけですね。しかもどこにタンクがあるのか市民には知らされていないというようなことで、先日何かの集会で市長も防毒マスクでも用意しなくちゃ、しかし余りに市民に不安を与えても、というお話をされたこともあります。先ほど地震の予知との関係もそれでお聞きしたのですけれども、もしはっきりと予知ができるということになれば、少なくともこういう危険物を事前に対策を立てる、抜き取る、時間的に余裕があればいろいろの方法が予知との関係で私は明確になると思うのですが、このガスの問題ですね、特に有毒ガスの対策というのはどのようにいま立てられておるのかということだけお聞きしたい。
#50
○伊藤参考人 まずこれを取り締まる権限の問題に大変むずかしいところがありまして、私どもとしては、消防が取り締まれる権限をまず与えていただきたい。それからそういう施設についての設計基準をもっともっと明確にしていただきたい。現在ありますそういう施設については、法令の整備の中から徹底的な点検と災害防止というものに取り組んでいく。この三つではなかろうかと思います。
#51
○中路委員 あと時間がありませんから、終わります。
#52
○大西委員長 小濱新次君。
#53
○小濱委員 萩原先生に、お時間の御都合があるようでございますので最初に御見解をお伺いをしたい、こう思います。
 地震に対する一般人の考え方といたしまして、地震の心配はないのか、あるいは万々一起こる可能性は強いと見るのか、起こるとすればその震度は、またいつ起こるのか、こういうことを知りたいと願っているわけでございます。先生の御発表を私どもも一、二回その内容を読ませていただきました。それから記者会見での先生の模様も拝見をいたしました。先生も先ほど言われましたように、ちょっと奥歯に物のはさまった言い方といいますか、もう少し聞きたいわけですが、それを聞かしていただけなかったということで歯切れの悪い、ちょっと問題点が残っているというそういう見解を私どもも伺っております。そこでまあ現時点では、先生の御説明にもございましたように、各種という、この水位の上昇の問題あるいはまた地盤の隆起の問題、地震の活動の状況等の話がございました。こういう資料が集まりつつあり、その中には安心できる材料もあり、また不安を覚える材料と両方あるように理解されておるわけでございます。
 もう一つ先生に、先ほどのお答えの中からお尋ねしておきたいことがございますが、先生のお話の中で、変動が起こってから二、三年以内と思われるというお話がございました。先生は記者会見でのお話の中では、一、二年のうちに地震の心配があるというふうにお答えになっておられました。それから、もちろん気象庁は連絡会のこの発表に従うということになっているという意見を気象庁から伺いました。したがって地震予知連絡会会長の先生の御発言というのはまことに重大な内容を持っているわけでございます。
 そこで率直に先生の御意見を伺いたいのですが、地震予知技術の現段階からして川崎地震発生の可能性についてどうかというこの問題について、こういう問題がありますので、いま少しこの問題の説明をしながら具体的に内容をお聞かせをいただきたい、このように思いますので、よろしくお願いいたします。
#54
○萩原参考人 御質問の内容非常にむずかしいのでございますけれども、先ほど変動の時期云々は、これは変動が起こり始めてから二、三年で、一、二年というのは現時点から一、二年ということでございますから、同じことでございます。変動は少し前から起こっておりますから、これは同じことを言っておるのでございます。
 それから、川崎の隆起が地盤沈下というものとは関係ないということになりますと、これは相当の確度を持って地震とのつながりが出てまいります。大体八〇%、九〇%。ただ問題は地盤沈下とのつながりでございますが、これはそういう地盤沈下とつながりがあるとすればシロになるわけでございますが、シロにしようと思いまして、いろいろな資料をいままで集めておりますが、集めてもなおなかなかシロというところが出てこないというのが現状でございます。よろしいでございましょうか。
#55
○小濱委員 教授にいま少しお尋ねしたいのですが、関東大震災では七・九という数字が発表になっております。先生の御発表の中ではマグニチュード五ないし六という発表でございまして、震度五、これは強震というふうに発表になっております。ところが新聞を見ますると、それが震度六になり、また七になり、八になっているという、そういう記事の内容にもなっているわけでございます。そういう点で非常に地域としては不安を抱いて、いろいろと地震が起きたならばという対策をいま講じているわけでございます。具体的な内容については先生も御存じであろうと思いますから、そういう点でぜひひとつ、この川崎地震発生の可能性はどうかということの内容について、先生から率直な御意見を伺いたいと思いまして御質問をしたわけでございますが、少し前段が長かったから混同したかしりませんが、そういう意味でのお答えをもう一度いただければ幸いに存じます。
#56
○萩原参考人 先ほど申し上げましたように、地盤の隆起現象から見まして、その隆起だけから見ますと川崎における地震の可能性は非常に高いと申し上げます。つまり八〇%、九〇%の確度を持って地震とつながりがあるということが言えるのでございますが、ただ地盤沈下ということにひっかかりがあるわけでございます。いまこの問題を解決しようとしていろいろやっておるのでございますが、そういうことを考えに入れますれば、強いて確度を言えとおっしゃれば、まあ五分五分じゃないかと思うのでございます。
#57
○小濱委員 大変どうもむずかしい質問をしたようでございまして、失礼いたしました。先生お時間のようでございますから、御退席を願って結構でございます。
#58
○大西委員長 この際、申し上げます。
 小濱委員の御質疑中でございますが、萩原参考人の退席の時間が参りましたので、御了承願います。
 萩原参考人には、御多用中のところ貴重な御意見をいただき、ありがとうございました。厚く御礼申し上げます。
 それではどうか御退席ください。
#59
○小濱委員 入沢教授にお尋ねをしていきたいと思います。
 数点ございます。先ほど伊藤市長は、全国的に有数なコンビナート地帯、この対策といたしまして、発生時被害対策は困難であり、その被害状況は言語に絶するという話をされました。そういう状態は、先生は神奈川にお住まいでございますからよく内容はお知りになっているかと思いますが、そういう観点から、これから五点についてお尋ねをしていきたい、こう思います。
 第一点は、コンビナートで地震が起きたと仮定した場合、どういう事態が想定されるのか、それについてどんな措置を考えたらよいのか。また、その措置の理由ないし根拠は何か。これが一点でございます。
 二点目には、水島事故などの例を見ても明らかだが、全国のコンビナートのある地域は、大半が沿岸部を埋め立ていたしましたもので、軟弱な地盤であるわけでございます。地震発生の場合、このような地盤ではどのような被害が想定されるか。これが第二問でございます。
 少し補足さしていただきますと、川崎の現地を拝見して、満潮時には地面すれすれのところまで来ているようなところもあるようで、地震には先ほどの説明でも高波がつきものと言われておりますが、そういう想定のもとではわれわれもその被害想定というものを考えたときに戦慄を感ずるわけでございまして、そういう点から第二番目の質問をしたわけでございます。
 三番目には、現在あるコンビナートについて、防災上どんな対策を立てたらよいでしょうか。恒久的対策あるいはまた臨時応急的対策、これについて御意見をお聞かせいただきたい、このように思います。
 四番目には、これから新設されるコンビナートについて、防災上どんな配慮が必要であろうか。
 少し補足をさしていただきますと、先ほど消防庁の長官から御意見がございました。その消防庁で、コンビナートの実態調査をいたしましたけれども、非常に危険視される内容の発表がございました。こういう点でこれからまた改良あるいは新設の運びになっていくだろうと思いますが、そういう点から防災上その配慮の必要性が生じておると思いまして四番目の質問をしたわけでございます。
 五番目は、ひとつこれはぜひ御意見を聞かしていただきたいと思うのですが、現在政府においてコンビナート保安法案を考慮中と言われております。特に注意を要する点があれば、この際先生の御教示をいただきたい、このように思います。
 大変長くなりますが、ぜひひとつお聞かせをいただきたいと思います。
#60
○入沢参考人 五点ばかり御質問がございましたが、私の専門は正直に申しますと一般市街地の都市計画をやっておりまして、実はコンビナートそものの研究は十分やっておりません。でございますので、相当科学的根拠を持って私の意見を申すことはできません。ですからその点、一応の感想であるという前提で、御容赦願いたいと思います。
 第一点は、地震が起こった場合にコンビナートの災害の様子はどうなるであろうかということでございますが、この場合、前提としまして、地震がどういった性格の、といいますよりか、むしろ強度の地震であるか、これによってずいぶん違うと思います。川崎のように震度が五という段階ではどうなるか、もっと強烈に震度が六になり七になった場合どうなるか、災害の想定はなかなかむずかしいわけでございます。先ほども災害想定の話がございましたが、この問題は非常にむずかしいわけでございまして、正直に言いますと仮定条件の積み重ねでございます。
 順番を追って考えましても、いま申しましたように地震そのものの強さ、震度が幾らであるかということによってずいぶん変わってくるであろう。また受けますコンビナートの地盤の性状によってずいぶん違います。埋立地と申しましても一概には必ずしも言えない。深いところの基盤の状態がどうであるか、埋立地のすぐ下にあります沖積層の深さがどうであるか、また、埋立地そのものの土の性質がどうであるか。ちょうど新潟地震におけるように、地下水位が非常に浅い、粒のそろった砂であるとしますと流砂現象が起こりますし、必ずしもそうでない場合もあります。そういうように地盤の状況、それも深層から浅いところまでずいぶん性格が違いますので、これによっても違ってくる。最後にその上の工作物といいますか、コンビナート自体の装置工業の構築物がございますが、これの耐震設計がどうなされているか、こういった段階で、さらにそのコンビナート自体のタンクとかその他生産品、原料、そういった種類によってもずいぶん様子が違ってくる。先ほどございましたようにガスがあるか、毒ガスがあるか、こういった点でも災害の様子はずいぶん違っておりまして、これらを考えますと、現在ではなかなか災害の様相というのははかりがたいというのが正直なところでございます。非常に極端に申しますと、全滅するかもしれない。ただしこの場合、非常に強烈な地震が発生した場合でございます。しかし、震度五であればある程度は大丈夫だ。いま申しましたように相当の条件の積み重ねによりまして被害想定が出てきますので、正直、私の立場から言いますと、被害想定をどういった尺度から、観点から、条件から出すかということははなはだ困難であると申さざるを得ません。
 それから二番目の点でございますけれども、全国のコンビナート、日本の場合にはほとんど海岸地帯にございますけれども、この埋立地の地盤がどうであろうかということでございます。
 これはやはりいま申しましたように、場所によりましてずいぶん違っております。同じ海岸でございましても、先ほど申しましたと同じ説明でございますけれども、深い地盤の構造、浅い地盤の構造、すなわち沖積層の厚さ、さらに埋め立てに使いました土砂の性状、そういった点で地盤の震動はずいぶん変わってまいります。ですから、これも同じく具体的に一々細かい調査をしませんと的確なる被害想定はなかなか無理ではなかろうか、こう考えております。
 三番目の問題でございますが、コンビナート自体の防災上の対策ということがございます。
 これは後の問題とも関連いたしますけれども、一番最初の御質問でお答えしましたように、コンビナートの災害が起こるのは、外的な地震を別にしますれば地震の問題が一番根本的である。さらにその上に建ちますコンビナートの装置工業の構造自体の設計の問題がございます。これがさらに被害を発生するとした場合に、問題はそういった施設そのものの被害でございませんで、しばしば先ほどから問題になっておりますように、従業員に与える被害、人命に与える被害、さらに一般市街地に対しまして人命に与える被害、こういった点から対策を考えなければならない。
 順を追ってまいりますと、その埋め立てをする場合に地盤の性状を十分考えてコンビナートを造成する。さらにその地盤の性状に合わせまして、上にあります装置工業の設計の強度を考えていく。これらが全国一律の設計強度ではまずいのではなかろうか。やはり地盤の性状に合わせた設計をすべきであろう、こう考えます。それがさらに一般的な人命に与えるような被害を及ぼすということになりますと、これはやはり現在の段階では空地といいますか、保安距離、こういった点を十分にとるということになります。
 この場合の応急的措置、恒久的措置、期間ということでございますけれども、恒久的措置でありますと、きわめて長いことを考えますと、やはり大都市周辺に危険なコンビナートがあることがいいか悪いか、こういった点になります。これは非常に長期の問題であります。それから短期の問題になりますと、先ほど申しましたように短期と申しましてもやや恒久的といいますか、そういった点になりますと、防災遮断帯をつくって当面のそういった問題を解決する、そういった点もあるでしょうし、さらに直前の応急措置になりますとこれはなかなかむずかしいわけでございまして、むしろコンビナート自体、現在装置工業的な各種の施設がございますけれども、そういった施設に手抜かりがないかどうか、維持管理は十分されているかどうか。しばしば最近コンビナートで小さな、といいますよりも、相当の被害が起こっております。そのような点を考えますと、ふだんの維持管理または補強が大事ではなかろうか、こういった点が応急措置ではなかろうかと考えます。
 四番目に、新しくコンビナートをつくる場合にどういった配慮が必要であろうかという問題でございます。
 これも、根本的に考えますとやはり立地の問題、コンビナートをどこに設けるか。もちろん原料を海外に頼っていますから、海岸線につくらざるを得ないであろうということは考えられますけれども、その場合に、第三点で申しましたように、やはり大都市という人口の非常に過密地帯にはなるべく接近させない、このような配慮が根本的には必要であろうということが考えられます。
 最後の第五点でございますけれども、コンビナートの保安に関する法案があるということでございます。特に注意すべき点はどうかということでございますけれども、個々のことになりますと私の専門外で少しわかりません。やはり私の立場から申しますと、土地利用の観点から申しますれば、どこに立地させるかという点の場所の選定の基準といったものがあれば、こう考えております。
 以上でございます。
#61
○小濱委員 さらにもう一点御見解をお尋ねしたいと思いますが、水島事故の例でも明らかなように、一本のタンクでもあれだけの被害が事故によって生じた、こういう事例がございます。川崎では約十万トン以下のタンクが二千六百本近くあるわけです。その他高圧ガス、塩素その他の有毒ガスを発生するような、そういうタンクもたくさんあるわけであります。そういう点で、危険なそういう状態であるタンクもたくさんあるわけですけれども、幸い万が一、一本も事故がなければいいのですけれども、その事故が発生した場合には、いまでの論議はみんな陸上の論議でしたけれども、今度は海面の場合、日本の心臓部と言われる東京湾がどういう形になっていくのか。東京湾には横浜でも三千五百ぐらいの船がございますし、川崎でも二千隻と言われている。この東京には無数のそういう仕事をしている船があるわけですね。そこへ海面油あるいは海面火災ということが想定されるわけです。これについて、やはりコンビナートの耐震対策を当然講じなくちゃならないわけでございますが、海上に対する対策強化のための先生の御意見をひとつ聞かせていただきたいと思うわけでございます。
#62
○入沢参考人 専門外の質問ばかり出しまして困るわけでございますけれども、海上に出ますればこれは非常に問題であろうと思います。まずやはり陸上で防ぐということが根本問題であります。
 現在、私も詳細に調べておりませんが、いつかやはり川崎のコンビナート地帯を調べたことがございますけれども、たとえばタンクが破損した場合に、水島のように油が流れてくるとしますと、やはり防油堤の問題が非常に重要になるのではなかろうか。コンビナートに行ってまいりますと、防油堤が大体一層しかございません。あれをやはり二重、三重、一つは壊れてもその次に防ぐ、こういった段階的な対策が必要ではないか。従来、余りにも一つの地帯に頼り過ぎまして、それで安全だという考えでございますけれども、一つの安全に対する対策が破れた場合にはその次の対策があるか、さらにその次の対策があるか、こういった積み重ねの対策が必要ではなかろうか。一例でございますけれども、防油堤といいましても、ただ一重にあるだけであるということにやはり問題がある。この場合に二重、三重にするとかそういった配慮が必要ではなかろうか。ですから、まず陸上におきまして、そういった設備面で耐震的な強化ということが私は一番大事ではなかろうか。水島の例で見ますと、海上に出てしまえば後の処理はなかなか困難であるということは、はっきりわかっております。
 以上でございます。
#63
○小濱委員 最後に、伊藤市長に一点だけお尋ねをしておきたい。
 先ほども今後の対策ということで、いろいろ御意見を伺いました。第一番に特別法の制定ということを特に強調なさいました。あるいはまた第二には、関係法令の一元化ということも述べられました。特に、当面緊急対策を講ずるための財政援助が必要であることはよくわかります。事後の対策ではなくして予知対策、事前に対策を講じようとするための財政援助を求めておられるお気持ちは出ておったわけでございます。
 いろいろと御意見がございましたけれども、今回、コンビナート保安法という法をいま消防庁が中心になってつくっておりますが、これに対する御意見なり要望、あるいは財政援助に対する御意見なり御要望なり、この際、率直に市長から聞かしていただきたいと思います。
#64
○伊藤参考人 率直に申し上げまして、何といっても、コンビナートの場合にはタンク一つ取り上げましても設計基準がないわけでありますから、きめの細かい法令を整備していただきたい、あるいは新法になるようでございますので、その中で具体的なものを、ぜひ建築基準法のような形でお決めをいただきたい、これが一つであります。
 それから二つ目は、そういう新法ができた場合に、現在の既設のタンク等に対する措置をどうするか。私どもの知る限り、新しい法律ができるのでありますが、経過措置についてはどうしても既設の分をかばうような形でいつもできておる。したがって、ここいらのところを防災という見地でぜひ御検討をいただきたい。何しろ地震を予知するまで科学水準が高まっているのでありますから、守る方についてもその水準までぜひ科学というものを高めていただきたい。そして財政措置につきましてもぜひお願いをしたい、かように考えておるわけでございます。
#65
○小濱委員 以上で終わります。
#66
○大西委員長 参考人の方々には、長時間にわたり貴重な御意見をいただき、まことにありがとうございました。委員会を代表して厚く御礼を申し上げます。
 午後二時から理事会午後二時三十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時五十五分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時四十七分開議
#67
○大西委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 消防に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。岩垂寿喜男君。
#68
○岩垂委員 どうも済みません。消防庁長官の質問が残っていたものですから、皆さんお忙しいところ申しわけないと思うのですが、お許しをいただきたいと思います。
 午前中の参考人に対する質疑の中で明らかにされたわけなんでございますけれども、先生方に御調査をいただいた直下型地震のいわば震源地と言われる元木町の隆起というのは東海道に沿っての隆起でありまして、ところがその後の川崎市の調査によりますと、それとちょうど直角になるわけでございますけれども、多摩川の上流に向かって実は隆起の楕円があるというふうに指摘をされているわけであります。なかんずく地下水の復元上昇という問題があるわけでありますが、地下水はくみ上げを規制したから復元をしているのだという説があるわけでありますが、いま私が申し上げた多摩川の上流の隆起と言われるものは、地下水のくみ上げとは必ずしも関係がないということも明らかなのでありまして、そういう意味では、やはり地震の危険性というか可能性という問題が強い。特に萩原先生が私の質問に対してそのプロバビリティーは強くなっているというふうに言われたわけでありますが、それについて再び御質問を具体的に申し上げたいと思うのです。
 最初に、中央防災会議の方からお伺いをしたいと思うのですが、昭和四十五年三月二十三日に「関東地方南部における大震火災対策に関する答申」というので消防審議会から答申が出されておりまして、言うところの震災に対する「国の責務」ということがかなり強調されているわけであります。特にその中で強調されているのは「国は総合的な防災上の責務を有し、防災効果を確保すべき最終責務を持つものである。」ということを前提にして、いろいろな対策、とりわけ「必要な援助、指導、調整に関する施策を進めるべきである。」ということを明らかにしております。その中で「大震火災に対する国の防災組織、体制の整備、確立」ということが指摘されているわけでありますが、これらの対策がその後どのように具体化されてきているのか、これらの点について最初に承っておきたいと思うのであります。
#69
○杉岡説明員 お答えいたします。
 消防審議会の答申が出まして、それを受けまして、すぐ引き続きまして中央防災会議におきましては、「大都市震災対策推進要綱」というのを防災基本計画のもとにつくりまして、関係省庁等を中心にいたしました震災対策の基本的な方針を決めております。それに基づきまして関係省庁におきましては地震対策を進めておるわけでございますが、さらにそれをいろいろと調整するという意味におきまして、中央防災会議に必要な分科会を設けましてやってきたわけでございます。さらに、昭和四十八年でございますが、この年は関東大震災の五十周年に当たるということもございまして、中央防災会議を開きまして、地震予知の推進、都市防災化の推進、それから都市防災体制の確立という三点を特に地震につきましては申し合わせまして、関係省庁はそれに基づいて実施するということにいたしておるわけでございます。
 その結果、地震予知等の予算がふえたわけでございます。特に中央防災会議が国土庁へ参りまして、さらに地震対策を進めるという意味におきまして、国土庁、すなわち中央防災会議に震災対策の各省連絡会議というのを――これは先生の御指摘のように、関係省庁が非常に多いわけでございますが、十八省庁から成る連絡会議を設けまして、そのもとに必要な、たとえば都市防災、応急対策あるいは救援、救護といったような分科会を設けまして、関係省庁で調整する事項につきましてはそれを実施する。もちろん、関係省庁みずからの責任等において実施することについてはどんどん進めてもらうわけでございますが、話し合いが必要なところについては分科会あるいは各省連絡会議を通じまして調整をして進めていくというのが、現在政府がとっております地震対策の調整といいますか、組織でございます。
#70
○岩垂委員 いまの対策、具体的には川崎の直下型地震と言われるものに対する機能としてどのように対応しているかということについて、具体的にお答えをいただきたいと思います。
#71
○杉岡説明員 お答えいたします。
 地震予知連絡会議の会長の方から、昨年の十二月二十六日でございますか、川崎の異常隆起等について発表がございました。それですぐに国土庁といたしましては、翌日の十二月二十七日でございますが、関係省庁の担当者を集めまして、地震予知連絡会長から科学技術庁の事務次官にあてました地震予知につきましての公文書がございますが、それを周知いたしまして、関係省庁におきましては、さっき申しましたように地震対策につきましては、南関東を中心にいたしまして将来大きな地震があるだろうということで、現在、いろいろな防災計画あるいは地震対策等を進めておりますが、なおそれをさらに一層進めるあるいはそれを見直して行うというような会議を開きまして、それに基づいて関係省庁が行っておるわけでございます。
 関係省庁の主な対策等を申しますと、地震が起こったときの救援あるいは警備、そういったものにつきまして、警察、消防あるいは防衛庁、こういったところにおきまして、それぞれ必要な関係地方公共団体との連絡をとりながら、起こった場合にどうするかというような対策を現在進めておるわけでございます。さらにコンビナート等につきましても、消防庁あるいは通産省を中心にいたしまして、コンビナートの点検あるいは高圧ガス等につきましての耐震強化事業を現在進めさせておるわけでございますが、これを五十三年まで通産省が進めておるのを、特に五十一年度にはそういった耐震性の事業を完了させるという指導を県を通じてやる、こういう体制を進めておるわけでございます。建設省等におきましても、あの地区における公共施設等の点検を強化いたしまして――これは従来からその点検強化はしておるわけでございますが、さらにそれを強化いたしまして、必要な特別巡回等も行って公共施設等の完全さをねらうというような対策をそれぞれ進めておるわけでございます。
#72
○岩垂委員 午前中、川崎の市長から、川崎市における防災対策の具体的なしかも各省庁またがった対策が提示されたわけです。これはお持ちにならないと思いますけれども、こういう国のレベルで、たとえば起こったときから、それに対してどういう対応をするか、お役所は一体どういう機能をするか、そういうようなことについて具体的なタイムテーブルをぜひ中央防災会議の段階でつくっていただかないと、やはり一つの地方自治体だけがやっても不十分でしょうし、それから行政的にもかなり広域化したその立場で被害を受けるわけですから、川崎だけでやってもどうにもならないわけです。そういう役割りを中央防災会議がまだおやりになっていらっしゃらないような感じがしますが、そういうこと、つまりタイムテーブルと、それをつくっていく過程での自治体の参加ということをこれからお進めいただくのかどうか、この辺について御見解を承っておきたいと思います。
#73
○杉岡説明員 先ほど申しましたように、各省連絡会議を通じまして中央防災会議では関係省庁の施策を進めておるわけでございますが、毎年、年に一回、防災の日に、これは九月一日でございますけれども、関係省庁等を中心にいたしまして防災訓練等を進めております。こういった機会等もございますので、現在いろいろと関係省庁の対策をまとめ、県あるいは公共団体等の対策をまとめまして、地震があった場合の応急対策をどういうふうにするかということを関係省庁等と十分協議をして、そういった対策を進めてまいりたいというふうに考えております。
#74
○岩垂委員 これはかなり時間を急いでいただきたいと思うのです。というのは、たとえばそれは中間報告でも結構ですけれども、市民の前にあるいは県民の前にこういうプログラムが成っているということをぜひ明らかにしていただく、その上で、不十分なものをお互いがどう補完し合っていくかという意味で、国と自治体と住民、それに企業も含めてですが、四位一体となった体制が必要なんであります。その点で、国の対応というものが少しテンポが遅いんじゃないだろうか、そういう感じを持ちますので、一体どの辺にめどを置いていまのようなことを作業として完成なさるおつもりか、対策の問題で結構ですから、お答えを願っておきたいと思います。
#75
○杉岡説明員 個々の対策につきまして、緊急を要するものあるいは長い時間かかって行われなければならない事業、こういったものがあるわけでございますが、応急的な対策等につきましては、現在関係機関等においてもある程度の被害を想定いたしております。こういったものをさらに国のレベルに置き直したときにどのような対策をとるかというのを、関係省庁等で至急進めてまいりたいというふうに考えております。
#76
○岩垂委員 細かく聞いて恐縮なんですが、たとえば予算措置を含む具体的な手だてが必要なんですよね。この間も一つの例を申し上げたのですけれども、食糧の備蓄倉庫をつくる、それは農林省の予算です、そこへ医薬品を入れますとそれは厚生省の方です、あるいはそこへ消防器具を入れますとそれは自治省というか消防庁です、あるいはほかの生活必需物資を入れますといったらこれは通産省です。つまり予算的なことを含めて窓口が非常に多元化しているわけです。これでは一つの倉庫を建てるにしてもきわめて非能率であるだけではなしに、一体できるのかできないのかという議論が出てくるわけでありますので、その予算的な裏づけを含めた、つまりそれを具体的に裏づけていくという対策を含めた中央防災会議の役割りというものが強調されなければならぬと思うのですが、この点についていまどのようなお考えを持っていらっしゃるか、御見解がありましたら承っておきたいと思います。
#77
○杉岡説明員 事業につきまして、たとえば予算的に非常に長期あるいは多額の費用を要する防災遮断帯等の整備あるいは避難地、避難路といったような事業もございますが、こういったものにつきましても、予算を通じて重点的に配分するというようなことを行うわけでございますが、たとえば新しいいまの防災用の倉庫でございます。こういったものにつきまして新しい、たとえば補助制度というようなことになってこようかと思うわけでございますけれども、むしろそういった公共団体等で行う倉庫が効率的に行えるようにこういったものを検討して指導するということが必要かと思います。これにつきましても、関係省庁相談いたしまして検討してまいりたい。新しい補助制度につきましては、ある程度の検討をしなければならないだろうとは思います。
#78
○岩垂委員 時間がなんですから結構です。どうもありがとうございました。
 次に消防庁長官にお伺いをしたいと思うのですが、今度の震災対策というものを進めていく上で、たとえば防災遮断帯とか避難道路とか、あるいは広域の避難場所の確保とかという、防災上の重要な整備区域というものをつくる必要がありやしないかという意見が起こっているわけでありますが、これは川崎市からの要望の中にもあるその緊急な整備を促すための特別法というようなものをつくる必要はないのかどうか、こういう感じを持つわけでありますが、この点についての要望についてどのようにお考えになっていらっしゃるか、ちょっと承っておきたいと思います。
#79
○佐々木政府委員 御指摘のように、震災対策というものはその事業内容から見まして非常に広範な事業を持つわけでございます。そしてまたこれに関係する省庁も、いまの縦割り行政の方式になりますと関係省が非常に多くなってくる。こういう意味におきまして、この震災対策について総合的な立法をするということも一つの方法であろうかと思いますけれども、ただ法律が一本になりましても、その権限の配分をどうするのかということになってまいりますと、またもとへ戻ってくるというような感じになりまして、この辺がこの立法と実際の行政との担当の区分というものとの間に、やはりいまのままで行います場合には、分担をめぐっての問題が非常にむずかしいことになるんじゃなかろうかというような感じがいたすわけであります。
 ただ、いずれにしましても、この地震対策というものは、いわば総合行政の一つとして行なわなければならない性格を持っておるという点は御指摘のとおりでございますので、これを解決する方法としていま各省の連絡会議をもってやっているわけでございますが、やはりこれが地震の性格から見て、地域の問題でもある、そしてまたその災害の態様というものが地域によって非常に差があるということから見ますと、ある程度は地域的な個別対策というものも考えていかなければならない、こういう意味におきまして、やはりこの辺は国土庁の方ともいま話をしておるわけでありますけれども、われわれの連絡会議というものに地域的な部会的なものを設けて、そしてまた地方団体の方の参加を求めるというふうな方式ということは考えていっていいじゃないだろうか、そういう意味において、いまの縦割り行政の方式の弊害というものをできるだけ除去して、総合的な対策を考えていくという方式が一つのいまの現状を是正する、いわば現実的な方法として考えられるのじゃないだろうかというような感じがいたします。
#80
○岩垂委員 いまのお答えは、つまり川崎の直下型地震なら直下型地震に影響を受ける地域をいわば対象にした連絡会議というものを特別につくる、それで対応していく、そういう意味ですか。
#81
○佐々木政府委員 川崎を中心にした直下型地震というのが、予知連絡会議におきましてもいわば具体的な問題として取り上げられてきておりますので、そうした方式というものをわれわれとして考えていかなければならぬじゃないだろうかということで、これはまだそこまで各省意見調整したわけじゃありませんけれども、そういう方向での速やかな取り組みというものが必要じゃないかというふうに考えておるわけであります。
#82
○岩垂委員 どうも本当にありがたいのですけれども、これは思っているだけじゃなくて、中央防災会議もありますけれども、これは急いでいただいて、そうしてぜひひとつ窓口を一本にしていただいて、市民の不安にこたえていただきたい、こんなふうに思うのです。これは消防庁が一生懸命でやっていらしゃることを私どもも感謝をいたしておりますけれども、何せ幾つかの省庁にまたがる仕事でありまして、この間私陳情に上がる場合でも、一体どこまで歩いていったらいいだろうかというようなことでありまして、行けば行くほど、あれはこっちですよとか、これはあっちですよというような話になりまして、どうにもならぬということをしみじみ感じたわけであります。陳情のあて先がそういう状態なんですから、ましていわんや事態が起こったときに、一体それがどういう形で機能するかということになりますと、大変どうも心細い思いがいたしましたので、この川崎の対策というふうに特定をして大変申しわけないのですけれども、いま持っている機能について、そのような対策を急いでいただくようにお願いを申し上げたいと思います。
 それから、これは佐々木さんに、そういう立場上の前に、税金をやっているあなたから伺うのですけれども、遮断帯とか避難道路とか避難場所の確保なんかの補助金とか、あるいは財政対策というのは一体どういうふうに考えるべきなのか、また国はどういうふうにお考えいただけるのか。これは所管外かもしれませんけれども、もし消防庁の立場でお考えがございましたら、お教えをいただきたいと思うのです。
#83
○佐々木政府委員 防災遮断帯の問題と避難体制の問題につきましては、やや取り組み方が違うかと思うのでございますが、消防の地震発生時における重要な仕事が、住民をいかに安全に避難をさせるかというのが消防の重要な任務になってくるだろうと思います。そういう意味におきまして、この大震火災発生時におきまして、安全な避難を確保するための避難路をいかに確保するか、それから避難空地というものをいかに確保するかということが非常に重要なポイントになるわけでございまして、むしろ消防体制を云々するよりは、こうした避難路、避難空地を確保することの方が、より地震対策としては重要な施策であろうというふうに考えておるわけでございます。
 そういう意味におきまして、東京周辺におきましては、東京都を初めとして川崎、横浜等につきましてそうした避難体制というものにできるだけ早く取り組むということをお願いをしておるわけでございますが、現在この問題につきましては建設省の方とも十分打ち合わせをいたしておりまして、特に避難空地というものにつきましては、いわば公園緑地というものが防災機能を持った公園緑地にできるように、そしてまた、避難がどの地域からも比較的短い距離で避難できるような避難地を確保する、それを平常時においては都市公園なり緑地として使う、こういう方式を考えてほしいということを話をいたしておりまして、建設省もそういう方向でいま検討をしているわけでございます。これにつきましては当然に都市計画事業としての補助制度もありますし、また、自治省におきましては用地確保のための地方債の枠というものも準備をいたしております。したがいまして、それぞれの都市におきまして必要な土地を確保し得る場合におきましては、財源措置は一面地方債において、一面また国庫支出金においてそれぞれ手当てをしてまいりたいというふうに考えておるわけであります。
 それから防災遮断帯は、コンビナート地域との関連におきまして、この防災遮断帯の機能というものを十分考えておかなければならないというふうに思うわけでありますが、この防災遮断帯のつくり方というものにつきましてはやはりいろいろ問題がございます。現在の川崎などの実態から見まして、いわば空地としての防災遮断帯というものを確保するということは、現実問題としてはなかなかむずかしい。それにまた年月が相当かかるということを予想しなければならないわけでありまして、こうした空地にかわるべき、いわば防災遮断施設というものについての検討ということも必要じゃないだろうか。
 それからまた、石油等をたくさん取り扱う事業所とそうでない事業所との関係におきましては、考え方によりましては、たとえば川崎に見られます自動車工場あるいはまた鉄道の操車場というものは、場合によってはこれは防災遮断帯になり得るところでございます。これにある程度の防災施設を付加することによって防災遮断帯の機能を十分果たし得るのではないだろうか、こういうことで、この点はいま川崎市の消防当局等ともいろいろ打ち合わせをいたしまして、そうした防災遮断機能を持つ施設のつくり方といったようなものをいま検討しておるところでございます。
#84
○岩垂委員 いますぐ立ち退きをして広場をつくってという議論は、本当のところ大変だろうということは私どももいま感じているわけですけれども、あそこに鉄道の線路がありますよね。たとえばあれを利用するということだって不可能じゃないと思うのです。私、ずっとこちらから端まで見たのですけれども、あれを使えばかなりの面で、たとえば輻射熱のことだとか延焼だとか、爆発に際しての爆風だとか、まあ酸欠だとかあるいは有害ガスなどは別として、そういう機能は十分果たし得ると思うのです。ですから、そればかりやっていろということを申し上げるつもりではございませんけれども、そういう意味の行政的な対応を、ぜひ指導、助言をいただきたいし、それから同時に財政的な措置について御協力を仰ぎたい、このように思いますが、その点でもう一遍ちょっと伺っておきたいと思います。
#85
○佐々木政府委員 川崎のコンビナート地帯を見ますと、大きい油類の事業所は大体海岸ふちにある、そして一般市街地の方から遠いところにあるということにはなっておりますけれども、個別にそうした石油タンク等がまた一般市街地の近くにないかというと、やはりあるわけでございまして、その辺の整理がまた必要であろうというふうにも考えますし、また、あの操車場自体が石油のタンク車が相当出入りをしておるわけでありまして、このタンク車の出入りというものを何か別な方法でなくする方法を考えられないだろうか、こういうことも一つの検討課題でございます。
 そういう意味におきまして、あの地域につきましては、コンビナート地帯の中に一般住宅が入り込んでいるところも若干ございますし、あの五地区については相当きめ細かにそれぞれの対策を考えていかなければならないということで、私どもも川崎の消防当局とも打ち合わせをしながら具体的な対策というものを、十分市の要望も実現できますような方向で検討してまいりたいというふうに思っております。
#86
○岩垂委員 ありがとうございます。
 この間、現地を視察して、委員の先生方にも全部おわかりいただいているのですが、たとえば化学消防車がございます。これは六千五百万円ほどかかったというふうに伺っているのですが、御承知のとおりに、消防庁の告示によるところの補助基準額というものは一千万を限度としての三分の一でございますから、実際問題としては三百三十四万円という補助でしかないわけです。あるいは消防艇などについても、実は三十トンで三千万円の三分の一ということでありますが、三十トンでは波がちょっと高くなればどうにもならぬわけでありまして、実際には五十トンということにならざるを得ない。そうすると、やはり五千万円というようなぐあいになってしまうわけでありまして、そういうことで排煙車とか流出油の処理車だとかいうことを含めて、地震対策車ということを含めますと、これは全部補助基準額を持ち得ないわけでありまして、そういう点で、いままでも基準額の引き上げについて御努力をいただいているわけでありますが、この際そういう対策について、たとえばコンビナート地帯に対する特別の基準というものを設定したりすることはできないかどうか、あるいはそれができないとすれば、時価に合わせた、必要に合わせた基準額というものの算定について大蔵省と改めて御折衝いただくわけにはいかないかどうか、この辺について承っておきたいと思っております。
#87
○佐々木政府委員 実は石油コンビナート地帯におきまして、特に化学車関係というものに非常に特殊な、高性能のものが要求されるということはもう御指摘のとおりでございます。ことしの昭和五十年度の予算におきまして、消防施設の整備費の補助基準額というものは相当大幅に引き上げになっておりますので、五十年度の場合には恐らく通常のポンプ車でありますとか化学車、はしご車等は、実勢価格とはそれほど差のない補助基準額になり得るだろうというふうに考えております。
 ただ、川崎市が装備いたしましたあの装甲化学車といいますか、ああいう特殊仕様のものになりますと、一般市町村に対する補助方式というものでは、そうした装備の特殊分というところまで見込んでの補助制度がいまないというところに一つ問題があるわけでございます。
 それで、いま消防力の基準の見直しを行っておりまして、その一般市町村分についての消防力の基準は、大体今月いっぱいで結論を得られる段階に達しておりますけれども、さらに引き続いてコンビナート地帯における消防力の基準の改定作業といいますか、新設の作業を実施するつもりでおります。その段階におきまして、現在、こうしたコンビナート地帯における特殊車両について、地震対策を含めてのいわば新しい消防車の補助というものを考えていく必要があるんじゃなかろうかというふうに思っているわけでございます。
 ただ、この問題について一つ問題がございますのは、各都市においてこうした高性能化学車等の仕様に非常に差があるということでございます。そういうことでいま各消防機関、特にコンビナート地帯のあります消防機関で、こうした装備についてある程度標準的なものをつくる作業もあわせてやる必要があるんじゃないだろうか、こういうことでまた検討もしてもらっておるところでございまして、できるだけその標準的なものをつくって、コンビナート地帯にいわば特別な科学消防力を付与する方式というものも考えていきたいというふうに考えております。
#88
○岩垂委員 コンビナート防災法の問題について伺っておきたい。
 まあ、いま準備をしている最中ですから、あるいは細かくお答えはいただけないかもしれませんけれども、ひとつ今日までの作業の状況について一般的にお教えいただいて、これは各委員とも共通だと思うのですけれども、それらの問題について今後議論をしていく上で私どもも若干気になっている問題もありますので、それについても後から質問をしたいと思うのですが、今日までの作業の概要について、お答えがいただける範囲で御答弁をいただきたいと思うのです。
#89
○佐々木政府委員 総理からの指示によりまして、自治省が中心になって、コンビナート防災法といったようなものの立案作業にいま入っておるところでございますが、現在の段階は、一応自治省におきましてたたき台を作成をいたしまして、そのたたき台をもとにして各省庁の意見を求め、その意見の調整に入っているという段階でございます。
#90
○岩垂委員 その中で、たとえば高圧ガスの取り締まりなどについての一元的な指導というものをいただかなければならぬわけでありますが、きのうの新聞を見ますと、通産省がコンビナート保安規則というものを新しく制定をする、七月一日が施行期日だというわけでありますが、それはいまのコンビナート防災法とのかかわりの上で、何か既成事実をつくってしまうみたいな感じが私にはしてならないのです。そうでないとすれば幸いなんですが、そういう点についての見解はいかがでしょうか。
#91
○佐々木政府委員 いま私どもが作業いたしておりますコンビナート地帯の防災法におきましては、現在の高圧ガス取締法あるいは消防法といったような法令の規定は施設個々についての規制というものが中心になっておりまして、そうした個々の施設に必要な保安距離の規定でありますとか、その他防災設備の設置基準とかいうものが作成されておるわけでございます。今度の防災法におきましては、そうした単体的な規制は現行の制度にしておきながら、コンビナート地帯をいわば面としてとらえて、そのコンビナート地帯全体としてどういう防災体制をとらせるか、個々の防災につきましてはそれぞれの法律の規定によりながら、さらに個々の規制に加えて、コンビナート地帯であるがゆえに、いわばそういう施設がたくさん集積をしているコンビナート地帯というものについてさらに規制を付加すべきものをこの防災法の中では考えていきたいというふうに思っているわけでございます。
#92
○岩垂委員 あるいはまだ検討を煩わしていないのかもしれませんけれども、かねてから問題になっている防油堤の容量の拡大だとか、あるいはタンクの高さの制限とか容量の制限だとか、あるいは保安距離の問題であるとか、保安空地の問題であるとかということが当然考慮されるべきだと思いますが、それらのことも含めて御検討の対象になっているというふうに承知してようございますか。
#93
○佐々木政府委員 いま申しましたように、個別規制の面と総体的な規制の面と両方相まってコンビナート地帯の防災を図っていこう、こういうことでございます。したがいまして、現在の防油堤の規定というのは、どちらかといいますと、タンクの単体に対する規制でございますので、この点は消防関係の法令の中で改正を考えていきたいというふうに思っているわけでございます。
 それから、そうした消防法令の規定のほかに、地域として何を考えているかということでございますので、コンビナート地帯、特に石油を扱っております事業所の場合には、油流出の防止堤といったようなものの段階になりますと、これはどちらかというと、コンビナート防災法の方で扱っていく。個々のタンク自体の防油堤というようなものにつきましては、消防法令の中で考えていくというような考え方をとっていきたいと思っております。それからタンク自体についてのいろいろな保安基準の問題、これはやはり単体規制の分野に属するものであろうというふうに考えますので、これは消防法令の改正の中で考えていきたいというふうに思っております。
#94
○岩垂委員 一番最後の保安距離の問題なども、どちらかというと、単体ということよりも一つのエリアだろうと思うのです。たとえば川崎でごらんいただいてわかるわけですが、だれもみんなびっくりしたのですけれども、タンクがびっしり密集しているのですね。あれはどうしたって間引きしなければどうもならぬと思うのです。だれが見てもそういうふうに感ずるわけです。これからつくるものはそれはそれとして、既設のものも一定の猶予期間を置いて間引きをしていかないと、これは大変だろうと思うのですが、その辺のことは今度の防災法の中で位置づけられるというふうに考えてよろしゅうございますか。
#95
○佐々木政府委員 タンク相互間の保安距離といったような問題は、やはり消防法の保安基準の中で考えていくべきであろうというふうに思っております。ただ、いまの保安距離がいいのかどうかという点になりますと、これは相当議論のあるところでございまして、一つのタンクの火災が次のタンクの火災を誘発するという場合に、どれだけの距離があった場合にそれを完全に防げるのかということについては、まだ資料が十分得られておらないという状況でございます。ただ、先般の大協石油の火災におきまして私どもが実際に教訓を得たのでありますけれども、一つのタンクからの火災について、他のタンクについて相当な注水を行うことによって隣のタンクへの火災の延焼を防止できる、こういうことになりますと、タンクの現在の消防設備というものをもう少し強化していく。現在はあわ消火剤をタンク内に注入するという方式だけをとっておりますけれども、タンク外の側板についてドレンチャー施設等を付加させて、タンクを冷やしていくというような消防設備を付加していく方法をとることによって、現行の保安距離でいいのじゃないだろうかということも考えられますので、この辺はもう少し技術的な検討にまちたいというふうに考えております。
#96
○岩垂委員 単体の始末は別の法律でと、こういうわけですが、有毒ガスやあるいは高圧ガスの対策、処置というものはこの法律の中に当然入れられなければならぬと思うのですが、それらのことはどのようにお考えになっていらっしゃるか。
#97
○佐々木政府委員 川崎等に見られます有毒ガスの扱い方につきましては、これは実は防災上非常に問題でございまして、毒性をなくするという方法がそう簡単に講じられない。結局有毒ガスが漏れた場合には、避難をするよりいたし方がないというような状況でございますので、これは厚生省、通産省の方ともいろいろこれから打ち合わせをしていかなければならないわけでありますけれども、まず漏れない方式を考えられないだろうか、こういうことで、高圧ガスの面、それから高圧ガスになっておらない有毒性の物質につきまして、これは厚生省の方でそうしたタンクの構造等につきまして、さらに安全な構造をとる方法があるのではないかということで、これはどちらかといいますと、単体規制の方の面で考えていきたいというふうに思っておるわけであります。
#98
○岩垂委員 諸先生方にここでどことどこと言ってもいいのですけれども、川崎の塩素ガスの問題などが明らかになると、実はかなり市民にとって大変なことになるわけであります。素人ながらサットンの地表濃度式とかいうものを人にいろいろ聞いてみて、これは大変だという感じがするわけであります。ところがこの消防審議会の答申を見ますと、このときからすでにタンクの基礎的な基盤の確保という問題についてのチェックの対策がないというふうに言われておるわけであります。耐震構造についてみれば、いまでも依然として不十分だと言わざるを得ないのであります。その点について、これはちょっと所管が違いますが、やはり一連のものとして消防庁で見ていただかないとどうもならぬのじゃないだろうか、そういうふうに思いますけれども、その点についてぜひ見解を承っておきたいと思います。
#99
○佐々木政府委員 実はこの問題は石油のタンクにつきましても同じような問題がございますわけで、この点は通産省におきましては工業技術院を中心にしまして、タンク構造についてのJIS規格の検討ということをいま進めておるわけですが、私どもの方におきましても、こうしたタンク構造について、地盤からタンクの構造に至るまでの保安基準の改正ということに近く取り組んでいきたいというふうに考えております。ただ、この作業は半年や一年ぐらいではなかなかでき上がらないというふうなことが考えられますので、とりあえずはできるだけ早い機会に指導方針というようなものを打ち出して、暫定的な強化体制というものを考えていかざるを得ないというふうに思っておるわけでございます。
#100
○岩垂委員 細かいことを申し上げて恐縮ですが、たとえばタンクのことは、設計水平震度なども実際には県の指導でやっているわけですけれども、決して十分じゃない。しかも行政指導なんでして、非常に不安定な条件だと言わざるを得ないのであります。そういうことをやはり法律できちんと建築基準法との兼ね合いで煮詰めなければいけないのではないだろうかというふうに私は感ずるわけでありますが、それと関連をして、消防庁が諮問をいたしまして、石油化学工業協会から、「石油化学コンビナート地区の火災、爆発、中毒等の被害の想定について」という報告書が出されております。これを読んでも実は私素人だからわからないのですけれども、それなりにこれは大変なことだという感じを持っているわけであります。にもかかわらず、この大変なことだという――本当は石油化学工業協会が調べたとすれば一番責任を痛感しなければならぬと思うのですが、調べたにもかかわらず、その後の手だてというものが私は決して十分ではないというふうに指摘をせざるを得ないのであります。まさに背筋の寒くなる思いというのはこの中から感じられるわけでありまして、これらについて消防庁は、これからのコンビナート防災法の作業を進めていく上でこういう問題がどういう形で扱われていくのか、これは包括的な質問で大変恐縮ですが、御意見を承っておきたいと思います。
#101
○佐々木政府委員 実は石油のタンクにつきましては、耐震性としまして設計水平震度〇・三というのは消防法関係の法令に規定をされているところでございまして、この設計水平震度〇・三といいますのは、関東大地震のときの水平震度が〇・二ないし〇・二五というところから、その安全度を見て〇・三というふうに決められておるところでございます。ただ、これは設計段階においてそうした耐震性が考慮されるということでございますけれども、その後地盤の変化あるいは沈下等によってその強度が維持されておるかどうかというようなところに非常に問題があったわけでございまして、いまのタンク建設の状況等から見ますというと、やはり基礎地盤からの基準というものを決めていかないと設計段階における耐震性というものはなかなか確保できないのではないだろうか、こういうような感じがいたすわけでございまして、そういうことで、この石油タンクのみならず高圧ガスのタンクあるいは毒劇物のタンク等につきましても、これは総体的に検討をしていく必要があるというふうに考えておりまして、私どもも早急にこれは取り組んでまいりたいというふうに思っております。
#102
○岩垂委員 企業の保安という問題について見ても、たとえば大きな企業に保安要員が五人ぐらいしかいないわけですね。そして、火事だといったときに、一人は知らせに行って、一人は会社の方の対策を進める、そうすると消防車を動かす人はもう二人ぐらいしかいないというような、そういう実態がほとんどなんです。その意味では、企業内の保安体制というもの、つまり自衛消防力ということ以前の問題ですが、そういう問題をもきちんとしておかないと企業責任を果たし得ることにはならぬのじゃないかというように私は思いますけれども、この辺についてはどのようにお考えになっていらっしゃるか、承りたいと思います。
#103
○佐々木政府委員 企業内における保安防災体制というものにつきましては、今度のコンビナート防災法の中で相当厳しい規定を置いてまいりたいというふうに考えております。これにつきましては、各企業それぞれの事業所における保安防災体制と、さらにコンビナート地帯全体としての共同保安防災体制というものをつくらせるというようなつもりで私ども作業を進めておりまして、この点は、現行の自衛消防力の基準というもののさらに見直しも含めまして、こうした企業自体の保安防災体制につきましては相当きつい基準を設けていく必要があるというふうに考えております。
#104
○岩垂委員 時間が来ましたから、具体的で大変恐縮ですが、ごらんをいただいて思うのですけれども、川崎の場合は水上消防署という機能がどうしても必要なように思うのです。特に東扇島地区ではこれはどうしても必要だという感じがいたします。それから、やっぱりコンビナートの防災ということを考えたときに、ヘリコプターなどが整備されるということも必要だと思うのですが、そういうことについて、その必要性をお考えになるかどうか、あるいは、お考えになるとすれば、それらについて具体的な御協力を国の立場でいただけるかどうか、これらについて、大変細かい具体的な質問で申しわけないのですが、御質問を申し上げて、最後にしたいと思います。
#105
○佐々木政府委員 御指摘のように、川崎の港湾区域におきまして、さらに前面の方に埋め立てが進んで工場が移転をしていくということになりますと、いまの臨港消防署の体制をさらに前進させなければならないというふうになるだろうと思います。その点につきましては、私どもも、十分市の消防の実態を考慮しながら、それらに対する国庫補助金なりあるいは起債なりの措置というものは十分とってまいりたいというふうに思います。
#106
○岩垂委員 ヘリコプターはいかがですか。
#107
○佐々木政府委員 現在ヘリコプターも補助対象にいたしておりますので、必要な施設につきましては十分それに対応するように考えていきたいと思います。
#108
○岩垂委員 どうもありがとうございました。
#109
○大西委員長 多田光雄君。
#110
○多田委員 杉岡災害対策室長にちょっと伺いますが、各省連絡会議が持たれていろいろ検討されているという話も伺いましたが、実はこの間地元へ行って地元の方々の話を聞き、きょうも参考人として呼ばれた川崎市長の話を聞きましても、昨年暮れの発表以来地元住民が非常に深刻な受けとめ方をしていて、市民生活の上にさまざまなあらわれが出ているのですね。ところが、政府の皆さんの御答弁やあるいはまたお話を聞いていますと、そういう地元の方々のこの直下型地震に対する対策というかあるいは感度というか、それとずいぶん私は食い違いがあるように思うのですよ。その食い違いの原因は一体何なのかということを実は午前中から考えているのだけれども、マグニチュード六程度であれば言われるような被害は起きない、少し地元はオーバーだというふうにお考えになっているのか、それとも、短時日にあれだけの膨大な対策というものができるものじゃない、まあ一定の時間をかけてやろうとしているのか、その辺、各省の連絡会議でどういう論議になって、そしてどういう見通しを持っておられるのか、これをひとつもう少し詳しく説明していただきたいと思います。
#111
○杉岡説明員 お答えいたします。
 十二月二十六日に地震予知連絡会の会長から、地震があるかどうか、一応の異常隆起はあるけれども、これが原因等についてもいろいろあるのだが、さらになお根本的にいろんな地震予知関係の調査をしなければならないというような発表がありまして、地震予知連絡会の方はいろいろと研究機関が集まった機関でございますが、われわれといたしましては、そういった地震予知連絡会の発表それ自体が必ず地震に結びつくというようなことじゃないということであったわけでございますが、しかし、やはり地震予知連絡会という一つの権威ある機関の、地震が起こり得る可能性があるというような発表に基づきまして、万一起こった場合の対策というものは当然考えていかなければならぬ。だから、片方におきましては、地震予知研究推進連絡会議、これは科技庁が連絡会議の窓口をしておりますけれども、必要な研究機関の調整をして、さらに、地震が起こるかどうか、いろいろな、たとえば水平測量あるいは三角測量あるいは必要な微小地震の調査あるいはラドン等の調査、こういったものを片方では進めるけれども、なお、防災体制として当然進めなければならないというような認識のもとに、関係省庁で、これは現在、昭和四十六年から震災対策推進要綱というものがございまして、それから公共団体におきましても、地震が起こった場合、たとえば南関東に関東大地震が起こった場合に、どのような対策をとるかというような地域防災計画がそれぞれできておるわけでございますが、そういった地域防災計画、これを川崎等を中心とした地震等に焦点を合わせて、たとえば警備体制、いろいろな救急体制、こういったものが全般になっているのを、たとえばあの地区に焦点を合わせていくというような体制を関係省庁でとるというようなことで進めておるわけでございます。
 したがって、われわれの方も、一応、いつ地震があってもいいような常時の体制というものを進めて、従来から進めておるわけでございますが、こういったものをさらに検討する。もちろん、地震対策につきましては、長期の計画、これは都市を地震に強い町にするというような対策がございますけれども、もちろんこれも進めなければならない。しかし、これは長期の対策でございますが、いわゆる常時の地震に対して対応するような応急対策の整備、こういったものを進めていくというように関係省庁で必要な対策を進めておるわけでございます。
#112
○多田委員 地震予知連の発表というのは、聞きますと、国土庁長官の了承も得て、そして公的な機関が発表しているわけですよ。そうすると、その発表がどういう影響を関係住民に与えるのかということは、これはだれでも予測することができるのです。まして昨年の暮れ、コンビナート災害が相次いでいるし、またあの新潟地震の被害というものも国民はまだ忘れてはいないのですよ。それから、前々から関東大震災がまた起きるのじゃないかということが都内においても新聞にも書かれているし、そしてやはり都民一千万の心の中には、そういう不安は絶えず抜きがたいものとしてあるわけなんですね。そういう際にこれを公的な機関が発表するということは、これはそれなりの腹があって私は発表したものだろうと思うのです。また、どういう反応があるかということも、これは常識として想像できる問題なんですね。
 実際に川崎市の準備というものは大変な準備であって、そのために先ほども言われているように一定の幹部もそこに配置する、すでに三十億からの設備をしている、計画どおりやるならば約一兆円必要とする、こういうことで、まあいわば市がそれに大変な労力を払っているわけなんですね。ところがどうも、この間も消防小委員会でいろいろ話が出たんだけれども、閣議でも余り話題にもなったことがない。次官会議でもなったことがない。それで要望が出ておったわけですけれども、これほど百万の住民の住んでいる川崎市で大きな問題になり、国会でもそれが取り上げられているという段階で、なお、いろいろな中期、長期の計画を立てるのはいいけれども、そういう発表のやり方、それから発表した後の政府の対処の仕方、こういうものに私はまだ大変疑問を感じているのですよ。同じ発表するのであれば、一定のところで論議をして、しかじかの対策も立てていくということが前提になって発表されるならば、住民も安心されるだろうというように思うのですが、この辺どうも、私は後手というよりは非常に無責任だと思う。ですから参考人に呼ばれた川崎市長も繰り返し言っていることは、国が力を出してほしい、そして国と地方自治体が一緒になってやらしてもらいたい、あるいはまたこの立法措置もとってもらいたい、金も出してもらいたい、こういう切実な訴えをしているのですけれども、そういうものにふさわしい連絡会議になっているのか。
 それから、繰り返し申し上げますが、このずれは一体科学的な見通しにずれがあるのか、金がないからそうなのか、非常に手間暇のかかることだからそうなのか、そこをもう少し詳しく説明していただきたいと思う。
 この点は消防庁長官もひとつ、感想でもよろしゅうございますから、そういうずれを私は感ずるので、述べていただきたいと思います。これはお二人にお願いいたします。最初に国土庁の方から……。
#113
○杉岡説明員 お答えいたします。
 地震予知連絡会の発表につきましては、いろいろと午前中萩原会長等からの御説明もあったかと思いますが、これは、研究機関の集まりである地震予知連絡会等におきまして、あの辺に異常隆起があるということを国土地理院が調査をいたしまして、これをさらにいろいろな精密観測をするという場合に、いろいろな公共団体等にそれを了解をとる、あるいはその住民の方々にたとえば井戸等を使わしてもらうというようなことになってまいりますと、さらにそれがデマになるというようなおそれを持たれたようでございました。そういったデマ等を起こすよりも、地震が起こるかわからないけれども、一つの隆起があったというようなことで、その可能性があるというような発表にしようじゃないかというふうに予知連の会長は踏み切られたというふうに聞いております。
 われわれといたしましては、消防庁等と一緒になりまして、東京あるいは神奈川あるいは横浜、川崎といったような都県あるいは市、こういったものと、現在の地域防災計画等から見てそういった場合にどう対処するか、あるいはどういうふうな見直しをしたらいいかというような、その事前の会議もその公共団体等といたしておりますが、そういった地震対策の応急的な対策、起こった場合の緊急の避難対策あるいは救護対策あるいは消防、こういったような対策、これは絶えずできるように常時心がけていきたい。ただ、あそこを耐災環境を備えた都市にするということになってまいりますと、これは相当長期の期間がかかるわけでございますが、これにつきましては重点的に関係省庁におきまして予算を配分する、あるいはさらに必要な事業を指導するというようなことでこういったものに対処していきたいというような、まず応急対策を、今回の川崎地震の予知に関しまして現在進めているという実情でございます。
#114
○佐々木政府委員 大地震の発生に際しまして消防が担当する分野は、地震の発生に伴いまして火災が発生をする、その火災に対して初期消火、それから延焼を防止する、それから避難体制を確保していく、この三つの点が、私どもの地震が起こりました初期においてどうしてもやっていかなければならない問題でございます。
 消防庁におきます大地震対策は、これまで東京、いわば南関東地域、それから中京地域、それから阪神地域といういわば過密大都市の地域を中心にした大地震対策を進めてきておったのでありますけれども、昨年暮れに川崎を中心にした局地的な大きい地震が発生をするということになりまして、こちらの地震の方がもっと早い時期に発生をする可能性がある、こういうことから直ちにこの地震対策を川崎を中心にした地域における具体的な地震対策に切りかえをいたしまして、現在、東京都におきましては大田区、品川区、それから川崎はいわば川崎駅を中心にした地域、それから横浜市におきましては鶴見区を中心にした地域、こういうことでいま具体的な地震対策を進めているところであります。特に川崎におきましては大きいコンビナート地帯を抱えているというふうな問題がございますので、昨年は水島のタンクの油漏出事故というものとちょうどまた時期が合ったわけでございますけれども、コンビナートの再点検というものをいま早急に実施をしているところでございまして、一応大規模タンクにつきましての点検を終わって、いま一万キロリッター以下の小型タンクの点検を大体六月末までに完了するということを目標にして、そうしたコンビナート対策を進めているわけであります。
 ただ、川崎におきまして地震が発生をいたしますというと、実際の消防の運用ということになりますと、どうしても一般住民を対象にした消防の活動というものが中心になってまいるかと思います。そういう意味におきましては、コンビナート地帯というものは現在の川崎の臨港署だけが中心になった消防体制にならざるを得ない。そういたしますと、どうしても企業の自衛消防力というものをもっと強化してもらわなければならないということにもなってまいります。特に川崎市につきましては、コンビナート地帯の自衛力をもっと向上さしていくという方向で、コンビナートにおける火災その他の災害が一般の居住地域の方に及ばないようにあの地域で守っていくということについて、さらに個別に地域別に細かな検討をいま進めているところであります。
#115
○多田委員 あと一、二点。これはいずれまた別に国土庁長官その他にも伺って、はっきりさせなくちゃならないと思っております。
 次、これは長官に伺いますが、川崎のこの問題は、単に一般的な地震というだけじゃなくて、いま長官も指摘されたように、大きなコンビナートを持っているという意味で市民の不安が一層倍加されるわけです。実は先ほども伺ったのですが、あそこで市として百一件の市内の火災が同時に発生をするというようなことを予想しまして、うち六〇%は市民が消してくれるものというふうに考えている。三十九件が残るということになるんだが、それに対処する川崎全市の消防体制で見ると、消防隊が七十八個部隊、そしてこの二個部隊で一編成、消防車が二台ということになって、ちょうど符合が合うわけですね。三十九件残って三十九編成ということで、これは偶然の一致だろうと思いますが、その場合、同時に消防車が一斉に出れるというものでもないだろうし、あるいは距離その他によってもこれは大変なことになるだろうというふうに思うのです。そうしてみた場合に、市民に対する火災の対策の問題が一つあります。これはこれとしておくとして、問題は、指摘されたコンビナートの問題なんですね。コンビナートの災害というのは予測できない問題であって、たとえば水島の問題にしても、火災対象であったものが海まで汚れてくる、そういう新しい事態が出てくるわけです。ですから、地震という総合的な災害の場合は何が起きるかわからないということで、私はコンビナートに対する対策というものは尋常一様ではいかないだろうというように思うのです。そういう意味で、市ではコンビナートに対して一定の文書を出しているようですけれども、これは市だけに任せるのではなくて、消防庁としてもコンビナートに対してどういう具体的な指導なりあるいはまた指示というものを与えているのか。それからもう一つは、これはまた私は寡聞にして聞いてないのですが、企業側から地震に対して企業としてどういう責任を持ってどういう体制を立てていくのかという自主的な防災体制というものがつくられてきているのか。つまり、指導とそれから企業側のこれに対する対処の問題ですが、これを長官、ちょっと教えてください。
#116
○佐々木政府委員 大地震発生ということになりますと、御指摘のように同時多発火災というものでございまして、これに対応する消防力というものは、現実問題として非常に不足をするということはやむを得ないところであろうというふうに考えておるわけでございます。それに対しまして、現在一般の居住地域につきましては、耐震性貯水槽の配備と、それからその貯水槽を使います小型動力ポンプの配置ということを、いま各大都市の地域において実施をいたしているわけでございます。東京都は大分整ってまいりましたけれども、川崎の地域はまだややおくれておるというのが現状でございまして、この点はよく消防当局とも相談をしながら、早急にその点の設置を急がしてまいりたいというふうに考えております。
 それから、コンビナート地域についての問題は、現在川崎におきましてはコンビナート地帯が五地区に分かれておるわけでありますけれども、それぞれの企業におきまして防災組織をつくらせますと同時に、共同防災組織というものを組織さしておりまして、これの実際の訓練等をいま消防の方でも指導いたして実施をいたしておりますけれども、そうした地震時において二、三の事業所から同時にタンク火災が発生するというような事態になりますと、やはり企業の消防力というものはまだ十分ではないというふうに私ども考えております。そういう意味におきましては、やはり企業自身についてもさらに消防の資機材の充足というものをやっていただかなければならないということと、やはりこの前の大協石油等の火災において経験いたしましたように、共同組織というものはこれをうまく組織をしておけば相当有効に働き得るということもございますので、こうした共同防災組織というものについてさらに強力な組織化を指導していきたいというふうに思っておるわけでございます。
 まだ企業のいわばこういう施設の安全性というものについて私どもが十分な対策がとり得なくて、水島のような事故が発生をしたわけでありますけれども、そうした油の流出事故と火災の事故、これは地震の際には同時に起こり得る可能性があるわけでございますので、そういう面からの地上のいろいろな防油堤の強化その他につきましては、私どもが法令の規定で具体的に規定をする前に、いわば暫定的な基準などもつくりながら、その防災体制の強化を指導していきたいというふうに思っておるわけでございまして、この点は企業側におきましてもいま川崎市の指導のもとに二次防油堤の設置等につきましても具体的な計画実施の段階に入っております。そういう面の規制を全国的に指導していきたいというふうに考えております。
#117
○多田委員 あと一問で終わります。
 さっきも川崎市の伊藤市長が、コンビナート法ですか、新法をつくる場合の希望として、既設の施設に対してはどうしてもかばうというか、そういうふうなものになりやすいということを指摘しておりましたけれども、私も、これからつくるコンビナートについては、これだけの災害が続いているわけですから、住民としても企業としても一定の考慮はするだろう、また、コンビナート法ができればかなり厳しいものになると思うのですが、問題は、やはりいままでできている既設のコンビナート、これをどうするかということがやはり今後も、防災体制をとる上でも一番大きな問題で、また頭の痛いところだろう、私はこう思うのですがね。その点で、先ほどの岩垂委員に対する回答でもございましたが、たとえば防油堤の問題であるとか、また安全距離をきちんとするということでございましたけれども、一体それで済むのかどうなのか。しかも何千というタンクがあり、それは東京湾全体で見ると膨大な数に上ってくるわけですね。その場合に、いま検討しているコンビナート法の場合には、既設のそれに対して、たとえば間引きをするとか、あるいはまた、これはコンビナート法によっては不可能かと思いますけれども、たとえば工場の配置がえというような問題まで含めたものを検討しておられるのか、検討していないとすれば、それはどういう方法によってやられるのか、この点ひとつ伺いたいと思います。
#118
○佐々木政府委員 私どもがいま作業いたしております、いわゆるコンビナート地帯防災法というものは、やはり既設のコンビナート地帯の防災体制をいかに整備していくかということが重点になるわけでございまして、当然に既設のものを前提にしながらいま検討を進めております。ただ、そうした防災面から見て非常に危ない、これを何か新しいものに切りかえていかなければならないといったような、いわば物理的にある程度の時間を必要とするものにつきましては、ある程度の経過措置というものも設けながら、できるだけ早い機会に新しい防災基準に適合するようなコンビナート地帯に切りかえていくという方法で措置してまいりたい、こういう考え方で進めております。
#119
○多田委員 最後に、大体いつごろコンビナート法はでき上がりますか。
#120
○佐々木政府委員 でき得る限り、今月末ぐらいまでに政府原案としてまとめ上げたいというつもりでいま作業を進めております。
#121
○多田委員 終わります。
#122
○大西委員長 次回は、明十四日金曜日、午前十時から理事会、午前十時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時二分散会
ソース: 国立国会図書館
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