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#1
第075回国会 地方行政委員会 第30号
昭和五十年六月二十六日(木曜日)
    午前九時四十九分開議
 出席委員
   委員長 大西 正男君
   理事 愛野興一郎君 理事 片岡 清一君
   理事 島田 安夫君 理事 中山 利生君
   理事 佐藤 敬治君 理事 山本弥之助君
   理事 三谷 秀治君
      伊能繁次郎君    亀山 孝一君
      木村武千代君    小山 省二君
      住  栄作君    渡海元三郎君
      古屋  亨君    渡辺 紘三君
      岩垂寿喜男君    山田 芳治君
      林  百郎君    小濱 新次君
      鈴切 康雄君    折小野良一君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣 福田  一君
 出席政府委員
        通商産業政務次
        官       渡部 恒三君
        通商産業省立地
        公害局長    佐藤淳一郎君
        自治政務次官  左藤  恵君
        消防庁長官  佐々木喜久治君
        消防庁次長   森岡  敞君
 委員外の出席者
        環境庁企画調整
        局企画調整課長 青木 英世君
        環境庁水質保全
        局調査官    小川 洋二君
        海上保安庁警備
        救難監     船谷 近夫君
        労働省労働基準
        局安全衛生部安
        全課長     野原 石松君
        建設省都市局都
        市政策課長   豊蔵  一君
        消防庁予防課長 永瀬  章君
        地方行政委員会
        調査室長    日原 正雄君
    ―――――――――――――
委員の異動
六月二十六日
 辞任         補欠選任
  小川新一郎君     鈴切 康雄君
同日
 辞任         補欠選任
  鈴切 康雄君     小川新一郎君
    ―――――――――――――
六月二十五日
 地方自治の確立に関する請願(佐野憲治君紹
 介)(第四〇八四号)
 同(古川喜一君紹介)(第四〇八五号)
 同外一件(佐野憲治君紹介)(第四一二六号)
 地方財政の充実に関する請願(岩垂寿喜男君紹
 介)(第四一一五号)
 同(大出俊君紹介)(第四一一六号)
 同(小川省吾君紹介)(第四一一七号)
 同(川俣健二郎君紹介)(第四一一八号)
 同(木原実君紹介)(第四一一九号)
 同(木島喜兵衞君紹介)(第四一二〇号)
 同(佐藤敬治君紹介)(第四一二一号)
 同(嶋崎譲君紹介)(第四一二二号)
 同(辻原弘市君紹介)(第四一二三号)
 同(山口鶴男君紹介)(第四一二四号)
 同(和田貞夫君紹介)(第四一二五号)
 同(稲葉誠一君紹介)(第四一九一号)
 同(岡田春夫君紹介)(第四一九二号)
 同(小林信一君紹介)(第四一九三号)
 同(小林進君紹介)(第四一九四号)
 同(佐藤観樹君紹介)(第四一九五号)
 同(田中武夫君紹介)(第四一九六号)
 同(多賀谷真稔君紹介)(第四一九七号)
 同(高沢寅男君紹介)(第四一九八号)
 同(楯兼次郎君紹介)(第四一九九号)
 同(中村茂君紹介)(第四二〇〇号)
 同(福岡義登君紹介)(第四二〇一号)
 同(藤田高敏君紹介)(第四二〇二号)
 同(広瀬秀吉君紹介)(第四二〇三号)
 同(松浦利尚君紹介)(第四二〇四号)
 同(武藤山治君紹介)(第四二〇五号)
 同(村山喜一君紹介)(第四二〇六号)
 同(八木昇君紹介)(第四二〇七号)
 同(山田耻目君紹介)(第四二〇八号)
 同(山中吾郎君紹介)(第四二〇九号)
 同(山本政弘君紹介)(第四二一〇号)
 同(横路孝弘君紹介)(第四二一一号)
 同(渡辺惣蔵君紹介)(第四二一二号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 石油コンビナート等災害防止法案(内閣提出第
 六六号)
     ――――◇―――――
#2
○大西委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出に係る石油コンビナート等災害防止法案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。林百郎君。
#3
○林(百)委員 石油コンビナートの防災法案が出されているわけなんですけれども、石油コンビナートというのは日本の経済の高度成長政策の最も象徴的なもので、近代的な科学が取り入れられ、巨大な資本の蓄積がわれわれの想像以上に行われている。それがいままで無計画的に、アトランダムに企業集積が行われてきたということの結果が、今日いろいろの形であらわれていると思うのですね。それに取り組むという、この大きな仕事が災害防止法案で足りるかということになりますと、研究すればするほど不十分さ、そしてわれわれの懸念せざるを得ないような問題がいろいろ出てきますので、私たちとしてはこれに積極的に賛成という態度もとることのできない立場にあるわけなんですが、最初に、新設される石油コンビナートの問題はさておくとして、一体現状のコンビナートについてどの程度保安の確保がされているかという問題は、若干消防庁の責任でもありますので、聞いてみたいと思うのですが、いろいろな問題が出てきているわけなんですね。それに対応するだけの消防庁は力も持っておらない、率直に言って、技術陣から言っても。それで最初に、一番国民の関心の新たなところである岡山県の水島コンビナートの操業再開に対して岡山県が消防庁に申し入れた事項がございますね。六月二十四日だと思います。項目申し上げますが、第一は、防災訓練を実施させ、保安体制の確認をチェックさせる。第二は、大気汚染防止、安全操業についての配慮などから段階的に操業させる。三、保安上重要な装置の始業点検手順書を再検討させ、再開についての安全を確認させること。四、バースからタンクまでの送油施設について事前に十分チェックさせること。五、海域の汚染状況を再調査させ、パトロールと清掃を引き続き実施させること。六、コンビナート企業間の原料受け払いについては事前に十分な計画を立てさせること。七、流出油回収の能力をさらに増大させるため、関係企業共同で大型油回収船を配備するようにさせること。こういう要望書が消防庁に六月二十四日なされているはずですが、これを御存じかどうか。御存じだとすれば、これに対してどういう対処をするつもりか、答弁願いたいと思う。
#4
○佐々木政府委員 岡山県知事から消防庁あてに三菱石油の事後措置の問題につきまして、使用停止処分の解除についての指示を求めてまいってきております。それでただいまお読みになりました事項は、消防庁に対する要望ではございませんで、倉敷市に対しまして、倉敷市の行政として行うべき事項、それから倉敷市が三菱石油に対してとらせるべき措置というものを掲げておるものでございます。
#5
○林(百)委員 そうするとそれについての意見の問い合わせば消防庁に来ておらないのですか。従来の答弁だと市が権限を持っているけれども、操業再開についてはその意見の問い合わせば必ず消防庁へ来るはずだ、その際自分たちの見解は述べますということを当委員会で言っているはずですね。だから私はその間を省略して、消防庁もこういう申し入れ事項を知っているはずだ、これに対して消防庁はどういう消防行政上の指導をするかということを聞いているわけです。
#6
○佐々木政府委員 ただいま倉敷市が企業と結びました災害防止協定の内容並びに災害防止計画の内容をいま検討いたしております。なおごく近い時期におきまして現地調査を行わせ、それによりましてさらに消防庁としては結論を出していきたいというふうに考えております。
#7
○林(百)委員 現地調査をしてどういう点を点検するんですか。
#8
○佐々木政府委員 これまで現地の倉敷消防署から施設についての保安点検というものを行わせております。その保安点検につきましては、四月中旬から五月下旬ぐらいまでかけて保安点検を実施をいたしますと同時に、さらにまた石油タンクにつきましても一万キロリットル以上のタンク並びに一万キロリットル以下のタンクにつきましても、すべてのタンクについての調査も行っておるはずであります。これらの内容につきましてのチェックと、それからさらに現在三菱石油にとらしております災害防止計画あるいはまた災害防止計画の一部につきましてのいろいろな措置を講じておるわけでございます。これらにつきまして、現地に当たってその内容を十分調査をして、それによりまして私どもの方の結論を出していきたいというふうに考えております。
#9
○林(百)委員 次官にお尋ねしますが、次官が本部長をしておる水島事故特別対策本部、ここへ岡山県から申し入れがあったことは御存じですか。
#10
○左藤政府委員 これは岡山県の委員会で行われました後の、二十三日付でございますが、私の方には二十五日の日に岡山県の知事から要望書の提出をいただいております。この内容といたしましては、一応岡山県としては操業再開を認めても差し支えないとは考えるけれども、今後こういった事故を再発生させないように一層の対策の強化を図る必要があるということで、国でその施策の強化をしてほしいというような五点ばかりの要望が出ております。
 第一番目には「コンビナート工業地帯における防災体制の整備について」、二番目が「船舶の航行安全の確保について」、三番目は「瀬戸内海環境影響総合調査について」、四番目が「屋外タンクの安全性の確保について」、五番目が「屋外タンクの防油堤の強化について」、以上五点についての要望書を私の方にいただいております。
#11
○林(百)委員 それであなたが本部長となっておる水島事故特別対策本部は、この要望に対してどうするつもりですか。
#12
○左藤政府委員 要望の内容につきましてはこれからまた検討してまいらなければなりませんが、いまそうした岡山県あるいは倉敷市の議会の様子というふうなものも参考にいたしまして、そうした操業再開を認めても差し支えないかどうかということを政府の事故対策本部としての意思決定をしていかなければならない。その段階におきまして、もちろん政府全体の問題でございますので、関係各省全部集まって対策連絡会議というものを東京に設置いたしておりますので、それに諮って、その御意向、その意思によりまして、その結果を岡山県に連絡するという形を政府の指導としてやりたい、このように考えております。
#13
○林(百)委員 それについて、結論は大体いつごろ出る見通しですか。
#14
○左藤政府委員 早くても来週末ぐらいになろうかと思います。
#15
○林(百)委員 来週末までに、その再開するについての条件を提示するということになるわけでしょう。たとえば防油堤の強化だとか、船舶航行安全の確保だとか、屋外タンクの設計基準、維持管理基準は、地盤の不安定な水島工業地帯の実態に適合したものにするというような具体的な措置をしなければならないわけでしょう。それが一週間ぐらいでできるということですか。
#16
○左藤政府委員 こうした問題についての一応の現在の基準というものから解釈いたしましてこれで十分なものであるかどうかということについて、現地でもたとえば防油堤の強化ということを実行しておると聞いておりますので、そういった実態の問題、いろいろな問題について検討をして、各省庁の意見もそこで取りまとめていかなければならない。したがって、その結果によって、これではまだ不十分なものであるということになれば、政府としては操業再開には賛成しがたいというふうな結論が出るかもわからないわけでありまして、一応の見通しを来週いっぱいぐらいのところで立てたいということで、各省庁に検討をこれからお願いしよう、こういうふうに考えております。
#17
○林(百)委員 見通しの一応の結論を出すということならわかりますけれども、大分具体的な措置を求めておりますので、いま次官の言われた一週間というのは、これはちょっと申し入れの趣旨に沿わないように思いましたので聞いたわけです。
 消防庁長官にお尋ねいたしますが、消防庁がこれを調べに行くというのですが、どういう人を派遣するのですか。
#18
○佐々木政府委員 技術関係の担当課長を派遣したいというふうに考えております。
#19
○林(百)委員 消防庁の課で技術関係の人が課長をやっている課は、幾つの課のうち幾つあるのですか。
#20
○佐々木政府委員 消防庁五課のうち二つの課でございます。
#21
○林(百)委員 はなはだ失礼ですが、佐々木さんはこういうケミカルなことだとか、それからテクニカルなことだとか、そういうことは大学で御勉強なさったですか。何か消防庁長官というのは、二、三年たつとすぐ次官になるので、エリートコースの足かけみたいなようで、本気で消防庁に腰を据えて、そして、日本の国の消防行政について、技術的に行政をやるという態勢が見えないわけですね。大体もう次は次官と決まっているので――まあ、佐々木さんはどうなさるか知りませんけれども……。はなはだ失礼ですけれども、あなたはそういう経験はおありなんですか。
#22
○佐々木政府委員 私は法律関係の方を大学で習いましたので、技術関係は存じません。
#23
○林(百)委員 はなはだ失礼な質問ですけれども、これは後の私の質問に関係するものですから。私、他意があって言っているわけじゃありませんが、ことに石油コンビナートなどというのは近代的な重化学工業、化学工業の集中なんですから、そこへ、法科だけ勉強した方がその消防の最高責任者というのじゃ、ちょっともう時代に合っていないのじゃないか。しかも、それが二、三年でもう次官になってしまう。やはりもう少しケミカルな知識だとか、あるいはサイエンティフィックな知識だとか、そういうものを、仮にあなたは洋科を出た方でいいにしても、そういうスタッフをもっと充実させて、そしてこれに対処するということにならないと、法律をつくっても絵にかいたもちみたいになる可能性が非常にあるというように思うので私は質問したわけなんですけれども、出世コースなんですから、ひとつ気を悪くしないで聞いてもらいたいと思うのですが、私はそういう点が非常に心配なんです。
 それでは、あと、せっかくお見えになっていますので、通産省と海上保安庁では、この水島コンビナートの点について、岡山県の当該市への申し入れ、それから事故特別対策本部への申し入れ事項が、いま答弁にありましたようにあるわけなのですけれども、本部長としては、各省庁集めて一応の中間的な見通しを立てたいというお話があったのですが、通産省、これは高圧ガス関係なのですが、通産省と海上保安庁関係の観点から見て、この再開がどのような条件に係っておるのか、ちょっと説明願いたいと思うのです。どういう点をどう改善する必要がある、そうでない限り責任を持って再開ということには踏み切れないというようなことがありましたら説明願いたい。あるいは管轄外なら管轄外で結構です、石油関係ですから。
#24
○佐藤政府委員 この石油タンクの所管は資源エネルギー庁でございまして、申しわけございませんが、いま石油部長が参っておりませんが、私どもの方といたしましては、当然保安関係の所管は自治省の消防庁でございますから、消防庁の御許可を得ない限りは三菱の操業は再開はでき得ないもの、こう考えております。
#25
○林(百)委員 海上保安庁どうでしょうか。
#26
○船谷説明員 この要望はいま拝見しているところでございますが、船舶の航行の安全の確保につきましては、従来からわれわれのできる限りの措置をとっておるところでございます。事故発生以来、もう特に水島航路は非常にむずかしい、備讃瀬戸との交差点においては特にそうでございますが、むずかしいところでございまして、われわれ非常に神経を使って安全措置を講じているところでございます。
 具体的な安全措置についていま申し上げるのが必要なら申し上げたいと思いますけれども、今後ともにできるだけのといいますか、もう最大限の安全措置を講じていきたい、このように考えております。
#27
○林(百)委員 最大限の安全措置をするということは、具体的にはどうするということですか。
#28
○船谷説明員 現在、巨大船が水島航路を航行するときには、長さが七十メートル以上、これは約三千トンに当たりますけれども、以上の船舶が行き会わないような管制を実施しております。三カ所の管制信号所を新たに、海上交通安全法制定の時点でつくりまして、そのような措置をとっております。それから、やはりその法律に基づきまして進路警戒船を配備させております。夜間や視界不良時には航行を禁止しております。航路幅や横潮等の影響を考慮しまして、航行を補助するためのタグボートを、特に水島航路については配備させております。それから、十分な余裕水深をもたせております。従来、何人かの先生方に指摘されましたが、この水深十六メートルのところ、それに一割五分の余裕水深をもたすような指導をしております。それから、水先人を必ず乗船させるようにしております。それから、着桟するときのスピードですが、これを一定の速力、秒速十五センチ以下で着桟させるように指導しております。それから、風速十五メートル以上が予想されるときは着桟させないようにしますし、また、着桟中でも離岸をするようにさせております。それから、停泊中においても、消防警戒船を配備させるように措置しております。
 このようなことを徹底的に実施さすという方針でおります。
#29
○林(百)委員 それは三菱石油の製油所の再開に係っておるのですか。再開とは別にそういう根本的な措置を海上に対して海上保安庁としてはとっていくという意味ですか。
#30
○船谷説明員 再開に直接関連はなく、再開するからそうするということではございませんで、従来からやっておりますし、事故発生後はなおさら神経を使ってやっているところでございまして、こういった安全措置についての実施をますます徹底的にやるという趣旨でございます。
#31
○林(百)委員 これは水島の事故特別対策本部長である次官ならおわかりだと思うのですが、この三菱石油水島製油所の油の流出事故によって国がいろいろ経費がかかったと思うのですが、これは総額どのくらいの額になっているのでしょう。
#32
○左藤政府委員 まだ最終的に積算をいたしておりませんし、私ただいま資料を持ち合わせておりません。地方公共団体におきまして、特に県と市でございますが、そういったところでも、もちろん関連的に水島の事故によって県及び市町村が支出しております金の中で、直接にたとえば油の回収に要した経費といったものにつきましては全部三菱石油の費用負担でさせる指導をいたしましたけれども、間接的なものであり、かつまた民生の安定というような本来的な業務の必要という形のものにつきましては、県及び市町村の支出あるいは国の支出という形をとっておりまして、そうしたものについて三菱石油に請求はいたしておりません。基本的な考え方といたしましては、直接に油の防除なりそういったものに必要な経費につきましては請求をいたしまして、三菱石油からその費用の支払いを受けておるという実態でございます。ただいまお尋ねの件につきましてはそうしたことでまだ集計をいたしておりませんので、手元に数字がございません。
#33
○林(百)委員 県から三菱石油に四千五百万の請求が出ていることは御存じですか。これに対してはどういう措置をおとりになるのですか。
#34
○左藤政府委員 お尋ねのことにつきましては、県が三菱石油に請求したものであるかあるいは国に対して請求したものであるか、その辺どちらの御趣旨でございましょうか。
#35
○林(百)委員 三菱石油に対して請求しているわけなんですけれども、これに対して国はどう考えますか、国の考えとしては。
#36
○左藤政府委員 請求したことについては聞いておりますが、まだそういったことについての最終的な結論はどういうふうにしたかということについては聞いておりません。いま申しましたように、県と会社との関係につきましては、そういった直接に被害回復に要した経費というものについては請求するべきであるというような指導を、県及び市町村に対しまして自治省としていたしておるところでございます。
#37
○林(百)委員 そのほかこの事故に関連して、直接間接いろいろの事業が損害をこうむっておるわけですが、これはわれわれも全く考えつかないようなところへ被害がいっておると思うのですけれども、たとえば香川県の民宿、ホテルが例年なら予約が満ぱいになるのが、ことしは七〇%程度しか来ないとか、あるいは運送業者が油があるために運送業務がはなはだ非能率的になっている損害だとか、直接的には養殖のえさ業者が損害をこうむっているとかいうようなことなんですけれども、これは基本的には原因者負担の原則が貫かれなければならないと思いますが、あなたの言うように民生の安定というような点で国や自治体が責任を負う場合もあり得るということを含めて、この事故のためにわれわれの予想もしないような方面にまでその損害が波及していることに対して、住民の損害を補償する、その場合、原因者負担の原則を貫きつつ、かつ国や地方自治体も見てやる、こういうことは考えられているのでしょうか。
#38
○左藤政府委員 御指摘の点については、どこまでどういうことでやっていくかということにつきましては非常にむずかしい問題でございますが、会社としましては、ただいまのところそれぞれの県に出張所と申しますか、そういう連絡要員を置きまして、四県に対して同じ考え方でそういった補償、間接的な被害と申しますかに対する補償を進めておりまして、大部分解決した、このように報告を受けております。都道府県及び国といたしましては、そうした民生の安定という立場から緊急的な融資という問題について、特に国民金融公庫、中小企業金融公庫、そういった政府三機関の融資ということを進めまして、現在かなりの金額が融資されておる、このように報告を受けております。
#39
○林(百)委員 これは海上保安庁と環境庁の管轄
 になるかと思いますが、何か瀬戸内海の油の汚濁がもう影響がなくなったというようなことが一部新聞にも報道されておりますが、しかし依然として赤潮というような形で被害が継続しておるという報道もございます。われわれとしてはこれを引き続いて徹底的に油の汚染の清掃をしていかなければならないと思います。また汚染のひどいところが各所に見られる。たとえば香川県等は特にひどくて、砂をちょっと掘っただけでも油の層が出てくるというような実情なんですけれども、これに対しては今後さらに環境庁の行政としてあるいは海上保安庁としてどういう措置を今後もさらに続けていかれますか。
#40
○小川説明員 まず環境影響調査のことでございますけれども、御承知のように環境庁が中心になりまして、各省庁御担当いただいて、総合的な調査を実施したわけでございます。それで六月十八日第一回の検討委員会で御検討いただき、その結果の評価につきましては、まだ最終的には取りまとめていないわけでございます。しかし検討委員会で御議論のあったところによりますと、先生御指摘のように、油の影響につきましては、二月、三月になりますと四十八年のレベルに大体戻ってきているのじゃないか、こういうことになっているわけでございます。しかし生物層にかなりの変化があったという御指摘も同時にあるわけでございまして、特にその生物の層の変化が赤潮にどのように影響を与えたのか、発生の要因になったかどうか、こういうことでございますが、これにつきましては三菱の油が赤潮発生の一要因になっているということは否定できないということになっているわけでございます。ただし赤潮発生のメカニズムというのは非常に複雑でございまして、さらにそれに加えまして自然的な要因、そういったものも加わるので明確な関係は把握できない、こういったような結論になっておるわけでございます。本来生物層の調査と申しますのは、生物のライフサイクル的な期間で調査しないと、その影響の全貌について把握できないということがわかっておるわけでございまして、これにつきましては、五十年度も引き続き調査を実施する予定にしているわけでございます。
 なお、海岸の気温が上がりまして海岸に付着した油が再溶出している、こういう問題につきましては、一応三月末におきまして汚染海岸四百六十九キロメートルあるわけでございます。これにつきまして大体一応の清掃は済んだわけでございます。その後におきまして再溶出のおそれ等もございますので、パトロール隊を編成いたしまして、再溶出を発見したり、あるいは除去の必要が発見されたような場合には直ちに除去作業を行っている、こういう体制をとっておるわけですし、今後も続けていく、こういうことになっておるわけであります。そういう体制で今後も臨んでいくことになっておるわけでございます。
#41
○林(百)委員 水島の石油コンビナートの、しかも一企業の三菱石油のタンクからの油の流出だけでこれだけの大きな被害が起きているわけなんですね。今度全国の石油タンクあるいは高圧ガスタンクについての安全を確保していこうというのが本法案の趣旨なんですけれども、しかし、この水島の油の流出事故を徹底的に究明することによって、果たしてこの程度の法案で将来の災害の防止の万全が期せるかどうかということが浮き彫りにされると思って私は聞いておるわけなんです。
 さらにもうちょっと水島の問題でこれを検討を深めていきたいと思うのですが、水島の重油の流出事故で、コンビナートにおけるタンク群が新たな災害の要因として非常に重視されてきた。政府は遅まきながらことしの一月から二月にかけて石油タンクの緊急点検を実施したと思うのですが、これはその事実があるかどうか。その中でいろいろの結果が出ておりますけれども、不等沈下は何件あったのか。一万キロリットル以上のタンクについてで結構ですが、どうですか。数字だけ言っていただきたい。
#42
○佐々木政府委員 緊急点検を行いました一万キロリットル以上のタンクにつきましては、そのうち特に沈下の著しいものとして、一応直径の二百分の一以上の不等沈下という基準で計算いたしますと百九基ございました。
#43
○林(百)委員 その後五月二十日に総点検等に関する基準についてというのが消防庁の予防課長名義で出されているわけです。
 そこでお聞きしていきますが、いま長官が言われました著しい不等沈下に該当する百九基、これは内部開放点検をするはずになっていますが、これはどの程度進んでいるんですか。この通達によると内部点検しろ、そして点検の仕方も書いてあるわけです。
#44
○佐々木政府委員 百九基のうちで検査が完全に終わりましたのが三十七基でございます。これは五月末ぐらいの調査でございますので、まだその後はとれておりませんけれども、完全に済みましたのが三十七基。それから現在点検の実施中のものが三十六基ございます。それからまだ点検に未着手のものが三十六基でございます。
#45
○林(百)委員 水島の事故が起きてからもう相当の月日がたっておりますが、ようやく点検がその程度だということになっている。
 そこで具体的に聞きますが、大阪府には何基そういうのがあったのですか。
#46
○佐々木政府委員 大阪府下におきましては十一基対象がございます。
#47
○林(百)委員 十一基の内訳はどことどこのコンビナートですか。行政区域で結構です。
#48
○佐々木政府委員 行政区域で申しますと大阪市内の分が七基ございます。それから堺、泉北のコンビナート地域におきまして四基でございます。
#49
○林(百)委員 大阪市内の七基のうち点検が済んだのは何基ですか。
#50
○佐々木政府委員 現在まで報告を受けておりますのは一基でございます。
#51
○林(百)委員 大阪市のような人口が稠密のところで、しかも著しい沈下が起こっているタンクが七基だというそのうち一基しか点検が済まないというのはどういうわけですか。業界から何かの抵抗があるわけですか。点検するためにはタンクを空にしなければならない、空にする間はそれは使用できない、それは資本の回転の効率から言って落ちるとか、そういうのがあるのですか。何かわからないのですけれども、どういうわけでしょう。
#52
○佐々木政府委員 大阪市内のタンクは大阪瓦斯と関西電力のものでございます。これにつきましてはいま一つの問題としまして、こうしたガス会社あるいは電力会社の場合におきましては、ガス並びに電気の供給関係の問題もございまして、この供給を一日も休むことができないというようなことがございます。それからこのタンクの点検を通じまして、私どもがいま点検の促進を図ります上で非常に隘路になっておりますのは、クリーニング業者と非破壊試験を行います業者が非常に手薄でございまして、現在一万キロリットル以下のタンクにつきましてもこうした調査をやっておりますので、そうした面から非常に手が回らないという問題も一つございます。
#53
○林(百)委員 五千キロリットル以上のタンクの場合も、直径二百分の一以上の沈下がある場合は使用を停止させて内部開放点検を義務づけている。これもこの通達にあるわけなんですけれども、その点検の結果、直径の百分の一未満の沈下の場合または沈下量が三百ミリメートル未満の健合は基礎修正の工事を行わなくともよい、不等峠下のままで一年使用する、しかし次の定期点検を受けることになっている。こういう条件でいき冒すと、点検をするためには約三カ月かけて、それから空にして点検をしろということになっておりますけれども、そうしますと、百分の一未満の柵下のものについては毎年毎年点検を受けなけれがならない、しかもそのために三カ月間の空白期間があるということになると、この通達を出しても、事実上いまあなたのおっしゃったように、大阪市だと七基のうち一基しか点検がまだできない、聞いてみればガス会社だ、それはクリーニング等にも重要な関係があるということになると、通達を出しても実際はできな、いのじゃないですか、それは何か調整するのですか。
#54
○佐々木政府委員 今回の点検後にさらに継続的な検査を行いますのは、外部からの点検でございまして、要するに先般の緊急点検をいたしましたその後において、六カ月、十二カ月ということにして検査をいたしますのは、その後沈下状況が進行しているのか進行しておらないのかという点を見きわめたい、こういうことでございまして、そういう意味におきましては、二百分の一以上のものにつきましても内部開放検査ではなくて、いわば外部の検査によりまして、その後の沈下状況を見守っていきたい、こういうことでございます。
#55
○林(百)委員 しかし、これも通達によるとそうなっていないわけですが、そういう調整をしていくということですか。通達を私が見た範囲では、長官の言うとおりになっていない。ただ、現実はいろいろそういう調整をしなければならない点が出てくるので、毎年毎年の点検というのは外部だけでいいというようなことですか。
#56
○佐々木政府委員 ただいまの私どもの通達の資料をお持ちでございますと、四ページのところに「点検後の沈下測定」こういうことで、六カ月、十二カ月ごとに沈下測定を行えということを書いてございます。
#57
○林(百)委員 そうしますと、仮に長官の言うとおりにしたとして、いま水島のコンビナートで起きている問題ですが、そこで不等沈下がある、ジャッキアップの措置で基盤を強化しなければならないというような場合は、それがこの通達に基づいて行われているのですか、まだそこまでは進んでいないのですか。
#58
○佐々木政府委員 地盤修正を要するものにつきましては、地盤修正の作業を行っております。現在の水島の地区におきましては、二基がその該当になっておりまして、いまその工事中でございます。
#59
○林(百)委員 大型タンクのために、修正によるひずみが一方では出てくるのではないか、要するにジャッキアップするために、それによってまた新たなひずみが出てくるのではないかというようなことから言って、やはりこの修正に踏み切れない。要するに、消防庁で通達は出しましたけれども、現地の消防行政から言いますと、空にして調べろとか、あるいははなはだしいのはジャッキアップして底を固めろとかいっても、またいろいろの企業上の差し支え、技術上の新たなひずみが出るというような差し支えがあって、これが一線の消防の方から言わせれば、必ずしも思うように進められないということを消防庁の本庁の方では感じ取っておりませんか、あるいはそういう声を聞いておりませんか。大阪で、七基のうち一基しかやられてないというのも、一つはそういう企業からの意見あるいは技術上の問願点があって、一応消防庁でこういう基準を出したけれども、やはり抵抗があってなかなか進められない、ちゅうちょすることがあるということは本庁の方では感じ取っておりませんか。
#60
○佐々木政府委員 大阪でまだ検査を実施しておらないのは、まだ油の抜き取り作業も、私どもの調査時点におきましてはやっておらないわけでございます。したがいまして、問題は少し違うかと思いますが、ただ、地盤修正を行います工法につきましては、確かに御指摘のとおり、技術的に確立された方式がないわけでございます。そういう意味におきまして、こうした地盤修正を行いますものにつきましては、この基準におきましても、三百ミリ以上あるいは百分の一以上という非常に危険な状態と見られるものについて限定をして地盤修正を行わせるということにいたしたわけでありますが、確かに過去の事故例の中に、これは外国の例でございますけれども、こうした工法をやった後で事故が起きているという事例も報告されておりますので、この地盤修正を行いました後のタンクにつきましては、水張り試験と、さらに水張り試験終了後には直ちに非破壊検査をもう一度やり直す、こういうことにいたしまして、このジャッキアップによる地盤修正後の点検につきましては万全を期していきたいというふうに考えております。
 また、さらに地盤修正を行いましたタンクにつきましては、試験後三カ月、六カ月、十二カ月ということにして、点検期間をさらに短縮いたしまして、その監視を強めていきたいというふうに考えております。
#61
○林(百)委員 長官の言うことはわかるのですけれども、一線の消防関係から言うと、これが必ずしも思うように進まないいろいろの抵抗なり技術的な配慮が出てきて、調整をしなければならないのではないかという意見が相当出ているように私たち耳にしているわけです。長官としては、五月二十日に出したものを再検討いたしますとはここでは言えないでしょうけれども、やがてこれはある程度調整しなければならない時期が来る、これは長官も十分知っていながら答弁しているのではないかというように察しているのですがね。
 そこでお聞きしますが、まくら置きのタンクとか架台タンク、支えの台があってその上にタンクを置いているもの、こういうタンクの場合はどういう点検を行うのですか。
#62
○永瀬説明員 まくら置きのタンクとかあるいはコンクリートの架台の上に乗っておりますタンクは、一般に小さなタンクでございまして、百キロ未満のタンクが多うございますが、これにつきましても同じような検査をやるよう指導したいと思っております。
#63
○林(百)委員 何基あるか、数はつかんでいるのですか。
#64
○永瀬説明員 全国で屋外タンクが九万の上を超えておりますが、その中で容量別の数というのはまだ正確には把握いたしておりません。各県別の屋外タンクの数は把握しております。
#65
○林(百)委員 ですから、まくら置きのタンクだとか架台のタンク等は、まだ実際の数はつかんでおらないということですね。そう聞いておきましょう。
 それから二百分の一と決めたこの基準は、どうして二百分の一と決めたんですか。二百分の一未満の沈下率の場合はどういう基準によって点検しなくてもいいことになるのですか。そうして、安全が必ず保障されるのですか。これはどこから出た数値ですか。
#66
○佐々木政府委員 二百分の一の数字は、いろいろな資料をもとにいたしまして、やや厳しい基準であろうと思われるものを消防庁で一応二百分の一ということで決めたものでございます。この二百分の一以下であれば安全かという点につきましては、必ずしもそういうことではございませんで、一応内部開放検査をいたします場合の不等沈下のタンクの基準というようなことで決めたものでございます。なお、こうした沈下の基準につきましては、なかなか確たる定説というものがないわけでございますし、また、この二百分の一の計算も全体的に見て二百分の一ということでございますから、実際の場合に局部沈下等があります場合には、全体としては沈下率がわずかでありましても局部沈下が相当極端にあるというような場合にはかえってまた危険な場合もございますので、これらの点につきましては、今後のいろいろの検討を通じまして、もう少しはっきりさせていきたいというふうに考えております。
 今度の保安点検の基準につきましては、こうした数値につきまして二百分の一、それから不等沈下につきましての、十メートルについて二十五ミリ以上の沈下というような基準も新たにこれに追加をしたわけでございます。
#67
○林(百)委員 どうも現状を聞いているだけで時間がたってしまうのですが、五千キロリットル未満のタンクについては開放検査をしなくてもいいということはどういうところから出てくるのですか。私たち市原市へ、まあ長官も行かれましたが、五千キロリットルというのは相当なタンクになりますわな。これは開放検査をしなくてもいいというこの基準を決めたのはどういうわけでしょう。直径は二十メートルくらいになりますからね。
#68
○佐々木政府委員 五千キロリットル未満のタンクにつきましては、その使われております鋼材の厚さ等の関係から、超短波の探傷試験を行った方が適切であるということで、超短波探傷試験を行いまして、これによって欠陥があるというふうに認められましたタンクにつきましては開放点検を行うことにいたしております。
#69
○林(百)委員 要するに、困難なものについては大分手抜きがあるような通達のように思うわけです。たとえば、ジャッキアップの場合で、現実にジャッキアップをして復元したという例はあるのですか。
#70
○永瀬説明員 小さいタンクにつきましてはございますが、大きなタンクにつきましては、先生御指摘のように、ジャッキアップしました場合にタンク自体が水平に持ち上げ得るかという問題がございますので、ジャッキアップ工法をとるかあるいは底板の張りかえ工法をとるか、これはそのタンクの大きさ、あるいは変形の状態、基盤の状態等からどちらをとるか考えなければならないと思いますし、またそれ以外の適切な方法がある場合においては、同等のものはよろしいという考え方をここに記載しておりますので、いずれかの方法でやる。しかし、要はタンクにそういうことを行って、逆に損傷を与えるようなことになってはならないという考え方が、一番の基調でございます。
#71
○林(百)委員 通達を出した課長が一番技術的に詳しく知っているし、またいろいろの問題点を把握しているように思うわけですが、そこで、長官と次官にお聞きします。
 一体、消防庁のこういう近代的なコンビナートに備えるための職員というのはどのくらいいるのか。これを一番集中的に行っているのが消防研究所だと思うのですけれども、今日消防研究所の職員は何人で、そのうち技術職員は何人なんですか。
#72
○佐々木政府委員 消防研究所の現在の定員、実員ともに五十八人でございます。それから、この研究所の職員五十八人のうち、所長以下三十八名が研究職の技術職員でございます。
#73
○林(百)委員 五十八人で、そのうち所長以下三十八人が技術職員ですか、あと二十名は行政職員ですね。これで全国、さっき聞きましたらタンクの数が、一応規制の対象になるのは幾らですか、九万というんですがね。これは何もここだけが全部現実的に点検するわけじゃないのですが、こういう近代的なコンビナート防災に備えるのに、この三十八名の技術員、あと二十名はいますが行政職員、これで足りると思いますか。卒直なことを言ってみてください。それから予算を調べてみましても、むしろ実質的にはだんだん減らされているのじゃないですか。物価高とかいろいろ計算してみますと、研究費、それから科学技術庁からの移管の費用、人件費を除いてそのほかの金額等から見まして減っているのじゃないですか。一体これ、どのくらいの予算ですか。五十年度を聞かしてもらいましょうか。
#74
○佐々木政府委員 消防研究所の五十年度の予算が二億八千七百万円でございます。これは消防研究所自体の予算でございますが、そのほか研究に当たりましては科学技術庁等の調整費等が支出されるという形になっております。
#75
○林(百)委員 ですから、私聞くのは、消防庁率直に言っていただきたいのですが、二億ぐらいの予算で、五十八名程度の研究所の職員で、これが消防庁の科学技術のセンターとしての指導的な基準や水準を巨大なコンビナートに対して出すことが一体できるのかどうかということですね。率直に長官の意見を聞かしてください。この委員会にだって消防小委員会があるんだから、もし、それじゃとても消防庁としての近代的な化学工業の行政指導には耐えられないということを長官みずからここでおっしゃるなら、われわれ委員会もそれを受けて何とかしなければいけない。そこを臭いものにふたを着せるように黙っていて、わけのわからないような水準やいろいろ――どこと相談してお出しになるのか知らぬけれども、恐らく研究所で出す水準とか基準というのは非常に少ないのじゃないかと思うわけですよ。たとえば四十八年に二十四項目の調査項目を出しておりますが、一体このうち項目が完了したのは幾つですか、知っておりますか。四十八年、四十九年、どちらでもいいですよ。
#76
○佐々木政府委員 四十八年度の研究項目は、旧厚生省ビルの実火災実験等を含めまして二十三件でございます。この年度、研究項目で終了いたしたものが四件でございます。四十九年度が、飛行艇による空中消火でありますとか、あるいは松尾鉱山の大規模延焼実験等を含めまして二十五件でございまして、このうちで終了したものが五件でございます。現実問題として消防研究所の人員が現在の要請されるいろいろな研究項目に対して十分かといいますと、率直に申しまして非常に不足をしておると言わざるを得ないだろうと思っております。
 それからもう一つの問題は、こうした特にコンビナートなんかの問題の場合に非常に私どもは感じておりますのが、適切な実験場がない、この点が非常に私どもとしまして人員の問題と実験場の問題ということで、私どももいまいろいろ計画をつくっておりますけれども、これらを実現させるために非常な隘路があるというふうに感じております。
#77
○林(百)委員 ですから、そういう実情をはっきりここで出していただかないと、まあ本法の中で各同僚議員がひとしく指摘した政令省令事項が非常に多いということ、私もいろいろの法案を審議したうちでこんなに政令省令事項の多い法案というのは見たことがないわけなんです。これはやはり二つの面で私は非常な危険を感じるのですね。一つは、消防庁では法律をつくったけれども、具体的に防災に万全を期するだけの基準をつくる能力がこの法案をつくった消防庁自体が持ち得ないということですね。そうしますと、むしろ企業に相談をかけて、実際はどうだが、おまえのところはどうだどうだというようなことで企業に相談をかけるというようなことになると、いつの間にか知らない間に企業ぺースに消防庁がめり込んでいってしまう、こういう危険を私は非常に感ずるのですよ。そこで私は余りに政令省令事項が多いじゃないかということを初めから指摘したわけですが、いま言ったように四十八年度の調査項目二十四項目のうち完了したのは四項目、四十九年度は二十六項目のうち完了したのは四項目というのは、二割以下の調査達成しかしておらないわけですね。しかもこの人件費を私の方で調べてみたのですが、他の省庁の同じような技術関係の人件費と比べて実に低いのですね。国の研究機関の人頭割りについては、ABCの三ランクがあるとわれわれ聞いておりますが、そのうちBランクが一人九十七万円ということになっておるわけなんですが、消防庁の消防研究所の一人当たりの人件費と、それから研究費も含めて結構です、研究費というのはどのくらいなんでしょうか、予算を一人当たりで割っていくと。
#78
○佐々木政府委員 消防研究所の予算の二億八千七百万円のうちで人件費が一億七千二百万円、それから研究費を含む物件費等が一億七百万円というような数字になっておりますが、人頭当たりの研究費は、昭和五十年度におきまして消防庁の場合九十七万円でございます。
#79
○林(百)委員 それは研究費も入れてですか、研究費を入れるともう少し多くなるわけですね。しかしよそののに比べますと、時間がありませんから参考までに申しますと、これは通産省関係ですか、機械技術研究所の研究費は一人当たり三百八十万円、電子技術総合研究所は一人当たり六百一十万円、製品科学研究所の一人当たりの研究費が三百十万円、消防研究所の一人当たりの研究費がぐっと下がって二百五十三万円になっておるわけですね。だから他の省庁の研究所に比べても消防研究所の一人当たりの人件費並びに研究費は非常に低いように思うのですが、これは長官どうでしょうか。
 それから、いま私の言ったので通産省関係のがあったら、ちょっと答弁してみてください。
#80
○佐藤政府委員 通産省では工業技術院というところに傘下の試験場を全国に十六持っておりまして、確かな数字ちょっと覚えておりませんけれども、大体工業技術院全体としては年間三百億くらいの予算でやっておりまして、いま各試験場ごとのおっしゃった数字ちょっと明確ではございませんけれども、ほかの文部省の関係の大学の研究機関よりは通産省の試験場の一人当たりの頭額というのは相当高い水準にあるものと思っております。
#81
○佐々木政府委員 先ほどの九十七万円の研究費といいますのは予算上の人頭研究費でございまして、これに特別研究費を入れますとただいまお示しのような数字になってくるというふうに考えております。確かに研究費自体としては私どもも十分な数字であるというふうには考えておりません。でき得る限りこの研究費の増額につきましては、毎年度予算の際にいろいろ努力をしているつもりでございますけれども、なかなか思うように予算が受けられないというような状況でございます。
 なおまた研究項目につきまして、毎年度四件ないし七、八件の研究完了を示しておりますのは、そのテーマによりますけれども、大体三年ないし五年という研究期間を見込んでおりますので、毎年度の研究終了というのが、年度によって違いますけれども四件ないし七、八件というような状況でございます。
#82
○林(百)委員 それはわかりますが、それにしても二十六件中四件、二十九件中四件というのは余りに少ない数字だというように思うわけですね。
 本法で指定されているコンビナート地域で消防の本部あるいは消防署を置かない市町村は何市町村あるか、市は恐らく消防本部あるいは消防署があると思いますが、町村等で消防団等しかないような、そういう町が幾つあるか調査しましたか。
#83
○佐々木政府委員 常設消防のない町村は三重県の楠町、それから鹿児島県の喜入町、それから沖繩におきまして与那城町、西原町、中城町、この五団体でございます。
#84
○林(百)委員 そういう自治体もあるということですね。
 と同時に、仮に消防署があるところでも、危険物担当課の係の状況を私の方で調査してみたのですが、四日市でそういう危険物係が九名いるわけなんですね。その九名のうち大学卒、専門卒が二名ということになって、あとの七名は大学あるいは専門卒でないわけなんですが、ところが、何とこの九名の人員が扱う四日市市の危険物製造所等完成検査申請が、これはたしか昨年だと思いますが、千百九十件ですね。危険物製造所等完成検査申請が千百九十件、そのほかの危険物等として許可、届け出事務扱いをする件数が何と四千件になっているわけですが、これをわずか九名の危険物係で扱うというのですね。これでは立入検査もできないし、仕事に忙殺されてしまって、何としても責任ある行政機能を果たすことができないように思いますけれども、こういう実情を消防庁ではおつかみでしょうか。
#85
○佐々木政府委員 私どもが本年の四月一日現在で調査いたしております消防職員の状況でございますが、四日市市におきましては予防関係の担当職員が二十一名、そのうち危険物担当が十八名ということになっております。
 確かに、いまコンビナート地域におきまして、この危険物関係の事務量が非常にふえてきておるということは事実でございます。私どもも交付税措置を通じまして予防職員の充実ということを図っておるわけでありますけれども、こうした交付税措置、あるいは消防力の基準に決めております職員数というもの等から見ますと、現在コンビナート地域におきます職員の充足状況というのは必ずしもよくない。この点で、少なくとも交付税措置を行っておりますぐらいの人員は確保するようにということを、これは消防長に言うても非常にむずかしいものでありますから市長さん方にお願いをしておるのでございますけれども、まだ私どもが期待するほど充足されておらないというのが現状でございます。
#86
○林(百)委員 上は消防本庁から、技術研究所のことを言いましたが、下は各自治体の消防署に至るまで、現在の高度に発達した重化学工業の危険に対する保安行政にたえるだけの力を持っておらないということはおわかりだと思うのですね。ところがそれが下手にいくと、四日市の例にあるように、これももう長官は十分御承知だと思いますが、実は昨年の新聞にまで出てしまったのですけれども、四日市市の消防本部建設について、コンビナートに対して二千万円建築費を寄付してくれないかというような申し出があるわけなんですね。本来、厳重に検査をし、厳重に行政的な監督をしていかなければならない企業側から、二千万円もの割り当て献金を受けるということになりますと、これは監督する者と監督を受けるものとの癒着が金の点でできちゃうわけなんですね。私は大蔵省やそのほかにも、こういうことの責任はやはり国の消防行政に対する財政的な不十分さから来ているのだという点を国会議員としては十分言うつもりですけれども、しかし末端でこういうことが起きてきたのでは、どんな法律をつくって、そして厳重に保安行政をしろと言ってもできないことになるのじゃないでしょうか。これは長官、お耳に入っておりますか。そして、これはどう処理されたのですか。
#87
○佐々木政府委員 消防の施設につきまして企業から寄付を仰ぐということは、私ども非常に好ましくない事例であるというふうに考えております。したがいまして、こうした寄付を仰いだから行政が手ぬるくなるということはないかと思いますけれども、やはりそうしたことが企業についての規制を緩める結果になるような疑惑を招くということは避けなければならない問題でございますので、私どもとしましても極力そういう意味の指導をしているわけであります。四日市の問題につきましては、もうすでにそういうことで事業が終わった後に私ども聞いておりますので特別な措置はとっておらないわけでありますけれども、そうしたことのないようにという指導をいたしております。
#88
○林(百)委員 これは倉谷消防長の話で、「つい申し出に甘え」ということで中日新聞にも書かれておるのですね。「コンビナート側からかねて応分の寄付をしたいとの申し出があったので、この際お願いした。ほしいものを全部並べたので金額が大きくなったが、全額集まるとは期待していたい。」こう言って、申し入れたのを見ますと、いすから、冷房装置から、コンクリートを急速凝固して強度を増す真空コンクリート工法の施設から、まあいろいろの物を全部並べて、これを四日市コンビナート防災協議会を通じて、二十八社が加盟しているのですが、これを工場に、二千万円肩がわりさせておるというのですね。市長は、知ってか知らないか、「全くばかげている。早速白紙に戻すよう消防長に指示した。不足分は市費で埋めるのは当然だ。」こう書いていますが、新聞は「これも公害?“黒い関係”」ということで書かれているわけですね。これは現在の消防行政の上から下まで、このような予算関係、人員関係では、末端ではこういう関係が起きてくる。したがって、コンビナート災害防止法ができて、点検措置やいろいろできたりしても、これは企業寄りになる可能性が非常に強い。
 しかもここで指摘しておかなければならないことは、大体警察署長を経た者が消防長になり、その消防長が消防長をやめると今度は各企業の防災責任者になる、ここでは名前は言いませんけれども。ですから、点検をして行政指導をしなけれかならない企業に先輩が行っているわけなんですね、しかもその防災関係の責任者になっているわけです。後輩が先輩に、おまえ、こうしろああしろ、そうしなければ処罰するということは言いにくいというのです。そういうことが公然と行われているわけなんですね。要するに各企業の防災関係へ消防長の天下り人事と申しますか、こういうことが公然と行われている。ぜひこれは全国で調査してもらいたいと思うのです。こんなことで企業の点検なんてできっこないですよ。しかもそれがみんな警察関係でしょう。警察も先輩だ、防災関係も先輩なら、後輩の警察署長や消防長は物を言えませんよ。消防行政をもっと厳粛にしなければいかぬと思うのです。これは本庁にもそういう疑いをかけられますよ。こんなわずかな研究費しかないので研究ができないということになるとつい業界に、まあ金で直接来ないにしても、実験はおたくに頼むとか、これはおたくに頼むとかというようなことになって、つい企業ペースに入り込んでいってしまうという可能性があるわけなんですね。この一例として申し上げているわけなんですが、そういうことについて長官と次官、どうお考えになられますか。これは重要な問題だと思うのです。
#89
○佐々木政府委員 四日市の事例はやや極端な事例かと思いますけれども、警察関係に以前勤務をしておって現在消防本部の消防長になっておられる方というのは七、八%ぐらいあるかと思っております。ただ、消防の行政は警察から離れましてもう二十数年たっておりますので、その後の消防行政の内容というものは非常に複雑になっておるわけでございますので、そうした事例というものは最近は非常に少なくなってきておるということは事実でございます。
 それからまた、最近企業の自衛消防組織というものが次第に強化をされてきております関係で、消防経験者というものを企業側が欲しいという要請がありますこともこれは事実でございまして、これは自衛消防組織の強化の上から言いましても、消防としてはできるだけ協力をしてやりたいというふうに考えておるわけでありますが、ただ、そうした消防経験者が企業に入ることによって、防災体制あるいは法律による規制というものが緩められるというような事例がもしあるとすれば、これは非常に困った問題でございます。この辺は私どももよく指導していかなければならないというふうに考えております。また私どもが聞いております事例では、消防経験者が防災担当者になるということによって非常に模範的な防災体制をとっておるというような企業も私ども見聞きしておるのでございまして、必ずしも一概に消防経験者が企業の中に入るということについては否定すべきものではないというふうに考えております。
 なお、研究所におきます研究費の不足が企業の方に転嫁されるおそれはありはせぬかというような問題でございますけれども、消防関係の産業というのはなかなかもうかる産業ではございませんので、消防研究所が企業に委託をして、それが企業の利益につながるというようなことは、消防の関係につきましてはそういう意味でもうかる産業でないという意味におきまして、企業との関係はほとんど生じないであろうというふうに私は考えております。
#90
○左藤政府委員 確かに消防の技術というものの必要性というものが一層強化されてこなければならない事態になりましたので、そういった意味におきまして専門的な技術者というものが不足するということからそういったことが起こるのだろうと思いますが、消防庁として研究所を初めそういった技術者の訓練、育成というものにもつともっと力を入れていくということによって、そういった問題についても、いま御心配のような点についても、そういった疑惑を解消することができるのではなかろうか、そういった面の努力をすべきではなかろうか、このように考えております。
#91
○林(百)委員 長官、長官としていろいろおかばいになる気持ちもわからないことはありません。しかし世間の常識から言って、企業の防災関係を点検ずる場合に、消防関係の自分の先輩がその企業の防災の責任者になっている場合に、思うような措置ができないと考える方が常識だと思うのですよ。そんな心配はないのだとおっしゃる方が常識的な感覚からはちょっと外れているので、だから私はいますぐ、人の生活にかかわる問題ですから、どうしろこうしろとは言いませんけれども、そこはやはり厳格にする必要があるだろうと思います。そして、消防の関係の企業はもうからないと言うけれども、消防行政によって企業を規制していけば、企業にある程度の犠牲を払わせることがあるわけです。たとえば底抜きでタンクの沈下を調べるといえば、そのタンクは三カ月なら三カ月間使えないわけですから、そうすれば資本施設がそれだけ休まなければならないことになりますね。水島のようなああいう事故が起きて、三菱の方で早く再開したいと言うけれども、防災関係から言えば、すぐそれを再開さして資本の施設としての能力を発揮させるわけにいかない、こういう関係が生じますから、これはやはり消防関係と企業、ことに防災でこういう権限を持ちますと、企業の資本の効率化、能率化と、一方では防災という関係でそれを規制していく面とは非常に摩擦する面が出てくると思うのですよ。そういう場合に、万が一にも国民に対して防災の責任を持っておる消防関係が企業ペースでいっては困る。しかもその消防側では、今日の巨大なコンビナート資本集積に対する科学的な十分なスタッフをそろえておらない。ということになれば、心配する方があたりまえなんですよ。そのことを私は言っているので、先ほどの長官の答弁も長官として国会で公式な答弁ですから、私も人情としてわからないことはありませんが、その点はやはり厳格に――末端で先輩後輩関係なら、後輩の者は、先輩がやっているものはうまくいっていますと言うのはあたりまえですよ。同じ消防庁畑から行っているのですから、そんな悪くなんか言いっこないですよ。だから、あなたの耳に入ってくるのはうまくいっています、うまくいっていますということだと思うのです。その辺はやはり厳格にやっていっていただきたい。
 こういうことを言っていますと、時間がたってしまって、法律の根本に対する質疑時間がなくなってしまうので、これはもう各同僚があらゆる観点から本法案については点検がされておりますので、私は与えられた時間の中でほんの二、三点だけ申し上げたいと思うのです。たとえば政令、省令が非常に多いということですね。そういうことで先日消防庁から試案が出たわけなんですが、二条の二号による特別防災区域への指定の石油の基準貯蔵・取扱量の計数の出し方ですね、これだけのものが出てくるとするならば、これをどうして法律へ盛らないのでしょう。そうでありませんと、われわれ国会議員がこれに賛成したということになりますと、この法案に対してはわれわれは責任を負わなければならないわけですね。ところが、基準が全然具体的に示されてないものにわれわれ賛成した、事故が起きた、そうなると、われわれもまた国会議員として十分審議を尽くさなかったという責任を負わなければならないわけですよ。これはわれわれの国会議員の審議権がこれだけ空白になっていると言っても差し支えない部分なんですよ。だから、政令でこれだげのことが言えるなら、第一章総則のうちの二条の第二号関係、それから二条の第五号関係等はどうして法律へ入れないのですか。それがわからないのです。
#92
○佐々木政府委員 この法律の立法は、御承知のとおり本年の二月から急速に作業が始められたものでございまして、立法段階におきましてはまだその辺の数字的な詰めが完了いたしておりませんで、そうした数字の問題はほとんど政令に護るということにしたわけでありますけれども、立法作業にさらに引き続き政令事項の具体化の作業をやっておりますので、最近になって具体的になってきた事項を先般一応お示ししたわけでございますが、まだ数字的にも確定しておらない部分もございますし、これらの政令につきましてはできるだけ早く具体的な計数的な詰めばやっていきた、というふうに考えております。
#93
○林(百)委員 それは従来の答弁で一応そうなっているのですが、われわれ国会議員としては、これははなはだ不本意の法案でして、これでは輪郭だけがかかれた絵であって、全く味もそっけもない法案だということにならざるを得ないわけですね。
 ここで労働省の方にさっきからお待ち願ってはなはだ恐縮ですが、実は第一種事業所の新設の場合の届け出後の配置関係だとか、あるいは省令で定める事項等を行政機関の長に送付するという中に労働省も入っているわけですね。これを見ますと、環境庁、国土庁、厚生省、運輸省、農林省、労働省、建設省と、これだけ届け出を全部送らなければならないわけですが、労働省としては、こういう防災関係についてはどういう見解をお持ちになっているわけでしょうか。長い間お待ち願ったので一言……。
#94
○野原説明員 労働省としましては、石油化学コンビナートにおいて働いておられる方々の安全衛生の確保を従来から行政の最重点にいたしまして、労働安全衛生法の規定を中心に個別的な監督指導をやってきておるわけでございます。同時に、各コンビナート地区に災害防止協議会というのがございますので、その場を通じまして法令規定事項以外の分野につきましても自主的な活動が促進されるようにいろいろ指導をしております。一昨年、実は御承知のように全国各地の石油化学コンビナートで災害が続発いたしましたので、その際、そういった諸規定のあり方等含めまして抜本的な検討をいたしました結果、夜間とか休日における管理体制が弱いというような点、あるいは安全衛生教育、それがまだいま一つ十分でないといったいろいろの問題がございましたので、それらを中心に、いま申し上げましたような規定の改正、整備を図り、さらにこういった石油化学コンビナートにおける安全対策の充実に努力をしておるところでございます。
 いま先生が御指摘されました計画段階における安全審査ということも実は労働安全衛生法の中にも規定があるわけでありますが、この運用につきましては関係官庁と現地におきまして十分な連絡をとりながら現在まで進めてきておるという状況でございます。
#95
○林(百)委員 建設省の方にも大変お待ち願って恐縮でございましたが、一言お伺いいたします。
 これはもう各同僚議員からも聞かれておるのですが、要するに防災のための遮断地帯をつくる、緑地帯の設置というようなこともありますし、それから私たちの見解としては、コンビナートの防災に特別防災区域だけ、第一種事業所、第二種事業所というようなところだけの防災ということだけでは、今日のあの巨大なコンビナートの防災には足りないんで、既設のコンビナートも含めて新設のコンビナートも都市計画的な非常に広範な範囲での防災計画を立てなければ、そこのタンクがどうだとか、ここのパイプがどうだということだけではその地域全体の住民の安全が保障されないというように思うわけなんですが、そういう点について建設省としてはどうお考えになるか。
 それから防災地帯の設置について、ここでは緑地帯の設置というような言葉も使われておりますが、そういうことについてどうお考えになるか、ひとつ見解を述べていただきたい。
#96
○豊蔵説明員 ただいまお話しのコンビナート地域と都市計画との関係でございますが、先生からただいま御指摘ありましたようにこの法案にも特別防災区域の中におきます第一種事業所の新設等につきましては届け出制度がしかれることになりますが、それに関連いたしまして私どもも関係行政機関としていろいろ御相談を受けることになっておりますが、そういうようなところで都市計画的な観点からも十分配慮していただくように御意見も申し上げられるかと思いますし、また特に既設のコンビナートにつきましては従来からいろいろ緊急調査等も行ってまいっておりますが、単にコンビナートの一つ一つの施設という観点からでなくて、それ全体の地域の防災ということで、都市計画上緩衝緑地のみならずその他の環境施設の整備とか、あるいはまた再開発事業等、いろいろなその実地に即した組み合わせで周辺の防災計画といったようなものをつくり上げてまいりたいと思っております。
 また、この法律に基づく緩衝緑地のあり方につきましては、法律上一応公害防止計画の対象になる地域とその他の地域とを分けて扱っておりますが、いずれにいたしましても実質的に現在いろいろと問題になっております地域につきまして、関係公共団体と十分連絡調整いたしまして必要な措置をとるように私たちもできる限り予算措置その他充実さしてまいりたいと考えております。
#97
○林(百)委員 基本が消防行政で責任を負っておりますので、それがやりにくくなるのもなんですけれども、しかし都市計画全体としてその都市の中にあるコンビナート施設からの災害をその都市に居住している人たちに及ぼさないようにするということは、これは建設省の都市計画の上からこれからの新しい行政部門として非常に重要なものになると思うのですね。そういう意味で十分建設的な意見を反映さしていただくように希望しておきたいと思う。
 それから緑地帯の関係ですが、防災地帯の設置の点については、建設省、何か具体的なお考えありますか。別になければいいですよ、いま法案で出たばかりですから。
#98
○豊蔵説明員 特にございません。
#99
○林(百)委員 ない。はい結構です。
 そこで、長官にお聞きしますが、大事な点がみんな政令になっておりますので、私たちはこれで一体防災に十分なのかどうかという判断ができないわけなんですね。
    〔委員長退席、愛野委員長代理着席〕
その中で、第三章というのは「特定事業者に係る災害予防」で、自衛防災組織、共同防災組織あるいは防災管理者、防災規程等、これは本法案の目玉の大事な章だと思うのですね。そこで一体どういう具体的な基準なのか、その基準がたとえばそれぞれの政党として責任の負える、この法案に積極的に賛成の態度を示すことのできる基準であるかどうかということを検討しょうと思って見ますと、一切は「政令で定める」、「主務省令で定める」とあって、検討のしょうがないわけなんですね。具体的に申しますと、たとえば第十六条の第三項の「特定事業者は、その自衛防災組織に、政令で定めるところにより、防災要員を置かなければならない。」その内容を見ますと、防災資機材に対応した必要な人員とするとあるだけで、これでは一体どういう規模のコンビナートあるいはプラントにはどれだけの人員を配置してどういう施設を置くかということがわからないのですがね。これはどういうことになるのですか。ただこれしかいまのところは言えないということですか。
#100
○佐々木政府委員 この防災資機材の内容につきましては、第四項に例示してありますような化学消防車あるいは油回収船といったような資機材の備えつけを義務づけるわけでありますけれども、化学消防車等の備えつけは石油タンクの最大タンクの大きさに応じまして台数が計算をされることになるだろうと思います。
    〔愛野委員長代理退席、委員長着席〕
あるいはまた油回収船等はその事業所における油のいわば備蓄量というものに対応した油回収船を義務づける形になるかと思いますが、それぞれその事業所のいろいろな基準が決められた上で資機材の分量が決まってまいります。そういたしますと、そうした資機材については、消防自動車の場合には何名の人間を置くとか、油回収船には何名乗せるとかというふうな基準が同時にそれとともに決められていくというふうに考えております。したがいまして、この事業所の大きさ、あるいはタンクの大きさ、これらによってその基準を政令で定めていきたいというふうに考えておるわけであります。
#101
○林(百)委員 だからそれは長官がそうお考えになるのはいいけれども、われわれ議員はどうやって審議したらいいのですか。こういう規模のタンクにはこれだけの化学消防車あるいは特別な消防車が必要だ、そういうものがある場合には幾らの人員が必要だということを決めてくれなければ、長官はそうするつもりだったって、われわれ国会議員は、それに賛成か反対か態度を決める標準がないということになるわけでしょう。
 それで、いま長官のおっしゃったところも、たとえば十六条の四項ですか、この政令の説明を見ますと、「自衛防災組織の防災資機材等は、石油等又はそれ以外の危険物等の種類及び数量並びに当該事業所の周囲の状況等を勘案して、化学消防自動車、消火薬剤、油回収船、オイルフェンス、オイルフェンス展張船、油処理剤、耐熱服等の資機材等とする。」こうあるだけで、これはあたりまえなことです、これだけこういうものがあるということは。どういう規模のプラントまたはコンビナートにはどういう規模でこれを置くかということがなければ、われわれ国会議員は、それでは十分だとか不十分だとか、そういう内容ではわれわれはもっと修正をしなければいかぬとか、判断できないじゃないですか。長官、どう思いますか。これはちょっと無責任な法案の提案の仕方です、国会議員さん、全部お任せ願いたい、あとは政令と省令でやりますからと。しかも、政令と省令とをやる場合には、必ず企業と相談するに決まっていますね。これは企業と相談しなければできっこないわけなんですから、おたくのところの実情はどうですかとか、あるいは企業の実情を調べるわけなんですから。だから、そこを私たちは、ずるずると企業ペースに入っていくんじゃないかという点を心配しているわけです。
 それはさておいて、先ほどの質問です。それにしても、自衛防災組織が責任を持っておるプラントまたはコンビナートのその規模によって、ここに挙げられている資機材がどのように配備されるのか、それから、その資機材に基づいて人員を幾ら配置するかということはわからないじゃないですか。これはどうお考えになりますか。それは長官は長官で、将来政令省令で定めるから、いいから国会議員さんとにかくこの法案を通してくれと言うかもしれないが、われわれは審議の対象がないことになりますよ。どうお考えになりますか、良心的なる答弁を求めるわけですけれどもね。
#102
○佐々木政府委員 ただいまの政令または省令にゆだねております事項は、従来消防法等の規定によりまして政令省令にゆだねている事項とそのバランスをとったつもりでございます。
 それからまた、自衛防災組織の防災資機材のどれだけのものを持たせるかということは、別に企業と拝診する必要は全くございませんで、ただ、新しい資機材、たとえば油回収船でありますとかオイルフェンスといったようなものにつきましては、海上保安庁の専門的な意見も聞かなければならないものでございます。消防用のものにつきましては、私どももいま基準の作成を急いでおりますけれども、さらに海の関係につきましては、海上保安庁の方にも検討をお願いしているところでございます。それらの作業がまとまり次第、この基準はできるだけ早く出していきたいというふうに考えております。
#103
○林(百)委員 その答弁では、たとえば素人わかりのいいオイルフェンスにしても、幾らの距離の油の流出を防ぐためには幾らのオイルフェンスを備えつけることを法律的に義務づけるとか、あるいはどういう可能性のある場合には二重のオイルフェンスを義務づけることにするとか、自衛防災組織の中でそういうことぐらいは法律で決めておかなければ、ただ資機材の中にはオイルフェンスがあります、消火薬剤があります、化学消防自動車がありますと言ったって、それでわれわれがそれじゃ、あ、そうですか――そんなものはあることは決まっておることなんでね。たとえば何キロリットルのタンクが何基ある場合、あるいはそこのプラントなりコンビナートの総石油貯蔵量が幾らの場合は、各企業あるいは共同防災組織としてこれだけの化学消防車、これだけの薬剤あるいはオイルフェンス、こういうものを必要とするとかなんとかなければ、これはあなた、しかも自衛防災組織、共同防災組織というのは、これは既設のコンビナートにも適用される非常に重要な部分なんですね。その部分が何ともまあ大事なところへ行くと全部政令と省令で決められちゃうわけですね。これでいいとお思いになりますか。それとも、法案を非常に急いだので、御不満かもしれませんが、この程度しかできませんでした、そういうようにおっしゃるのですか、どうなんですか。
#104
○佐々木政府委員 私どもも、この法律の審議の際には、政令事項をもう少し具体的にお示しすることができるようなことになればいいがと思っておったわけでありますけれども、なかなかそこまで作業が間に合わなかったわけでありまして、大体この資機材の種類といったようなものをお示ししたわけでございます。
 オイルフェンスにいたしましても、これはその企業の立地している場所、港湾の状況によって表現の仕方があるいは異なるのではないかというふうに考えておりますが、その規定の仕方等につきましては海上保安庁の方と十分御相談しなければならないわけでありますけれども、たとえば海に面している部分の延長といったようなものが基準になり得るのかどうなのか、その辺も、私どもこれにつきましては十分知識がございませんので、海上保安庁の方でひとつ検討をしていただきたいというふうに考えております。
 消防車の関係でございますけれども、これは前前から申し上げておりますように、タンクの独立火災というものを自衛消防力で消し得るだけの能力は持ってもらいたいというようなことでいま計算をしておる段階でございまして、最大タンクの直径というものを一応基準にいたしまして消防車の数量というものを決めていきたいというふうに考えております。
 余裕がございますればもう少し具体的にお話ししたいわけでありますけれども、いままだこれにつきましては作業中でございます。
#105
○林(百)委員 だから次官に、大臣がいたら大臣にお聞きしたいのですが、いま長官の言うには、消防庁の意欲はわかりますよ。意欲はわかるけれども、準備する期間が短かったとか、どこどこと相談しなければ決められませんとか、そうしたら準備をして決まったものを国会にお出しになっていいんじゃないですか。そうでなければ、消防庁が準備が間に合わなかった責任、よそと相談してこれから決める責任を、これに賛成したわれわれ国会議員が連帯して負わなければいけないわけなんですよ。もう少し国会というものを厳粛に考えていただかなければ、全部お任せください、あなた幾つ政令省令があると思いますか。こんな法案はないですよ。だからこれにわれわれ国会議員に態度を示せ――われわれは非常に協力的な委員会ですから、いままで一生懸命協力はしてきましたけれども、何とも態度の示しようがないのですよ。
 たとえば共同防災組織一つについて聞きますが、一体このマネジメントはだれがどうやるのですか。もう時間がありませんから、次官答えてください。ただここに共同防災組織をつくるとあるだけで、だれがどうやって指揮して、どう効率的にそれを運営するのですか。
#106
○左藤政府委員 その点につきましては、独立の法人格を持たせるかどうかについて地域によって決めていただきたいというふうに考えております。
 いまお話しの点につきましては、確かにいろいろそういう点について十分の、たとえば政省令にゆだねないという形で、何か具体的に法律の中に書き込むということにつきまして、時間的な余裕があればそうすべきものもあったと思いますが、この問題につきましては、御承知のとおり大協石油なりあるいはまた三菱石油の重油流出の事故以来着手した問題であります。そしてこの国会で何とか急いで御審議いただきたいということでお願いしたようなことでもございまして、そういった点について十分な配慮がないということについては、われわれも残念に思っている点が幾つかあることは事実でございます。しかしこの問題についてこれから、この委員会で御審議いただきました点を、十分意を体しまして、その政省令の決定につきまして配慮をしてまいりたい、このように考えております。
#107
○林(百)委員 時間が参りましたので、そういう次官の答弁にこたえまして二、三今後の問題点も提案いたしまして、それで私の質問を終わりたいと思いますが、たとえば共同防災組織などはこの法案の中では非常に重要な役割りを果たす機能を持つ組織だと思うのですね。それがまだどういう形態のものか決まりません。それは時期を急いだためにはなはだ残念ですが、まだ具体的な御答弁できませんというのでは、これははなはだ残念だと思うのですね。
 そこで具体的な提案をしておきますが、この法案は新設、変更の際の届け出義務を関係大臣にする、また関係大臣の計画の変更、廃止の指示権、防災施設の義務など一定の改善が抽象的ではありましたけれども、加えられていることは私たち評価するにやぶさかでありません。ただその反面、今日国民が最も望んでおる既設のコンビナートの移転だとか縮小をも含む抜本的な安全対策などの重要な問題が手がつけられていないことがわれわれとしては非常に消極的な側面だと思うわけです。本法案では事業所の新設、変更の際の届け出、指示等の規定によって主として新設のコンビナート建設の防災対策が一定の強化をされるほか、特定事業者にかかわる災害予防に関する事項の規定によって防災の施設、自衛防災組織など企業責任をある程度明確にして、またその他国や自治体のチェック機能も強化しているなどの改善面のあることを私たちとしては決して否定するものではありません。こういう点も含めまして、具体的な提案として第一には、地域住民の最も切実な要求である既設のコンビナートの移転、縮小も含む規制が行われていないということがこれは決定的な消極面ではないかと思うわけですね。既設のコンビナートについては未然に事故を防ぐよりは、現行法の改正によって規制の強化にとどまっておって、レイアウト規制は適用されない。主として災害の発生対策となっているにすぎないわけですね。これでは既設の施設を聖域化してしまって、そこへはもう手をつけないのだ、レイアウトの規制の点では。そういう感を持たせるわけで、これでは国民の要求にこたえるためには足りないのであって、コンビナートの場合によっては間引き、移転、縮小等を含む抜本的な対策がやはり必要ではないか。
 第二には、各種の基準を初め重要な事項が、先ほど私が申しましたように政省令に任されていることであって、そのための多くの事故の具体的内容が不明でありまして、これでは責任を持って法案の審議を行うことが困難である。政府は、政省令をつくる際、住民の立場に立って防災上必要かつ十分な内容の政令をつくることを極力私たちは要求するわけであります。同僚議員から、アフターケアでこの点をこの法案後、議員として視察する必要があるんじゃないかという積極的な提案もありまして、私もごもっともだと思っていますが、この点は第二の問題点だと思います。
 第三には、企業の防災規程が届け出のみであって自治体のチェックが不可能になっておるということであります。
 第四には、特別防災区域協議会が努力規定になっているために、災害の発生または拡大の防止に関する基準等は作成しなくてもいいことにつながる危険があります。少なくとも特別防災区域全体に係る災害の発生、拡大の防止に関する自主基準等を作成して、企業でも地域一体となった防災対策が立てられるように考えなければならないと思います。
 第五に、緑地帯の設置が、これもやはり努力規定になっている点であります。少なくとも防災対策の一つとして緑地帯の設置を義務づけるとともに、基本的には企業と国の負担でこれを実施すべきである。本法では地方公共団体、これは三谷議員が昨日十分質問して明らかになった点でありますが、地方公共団体の費用負担のうち、元利償還の五〇%を交付税で措置することになっていますが、この点については問題がいろいろございまして、仮に交付税全体の率を引き上げることなくこの費目を生かしておくということになりますと、これは自治体の本来の自主的な財源である交付税がそれだけ、本来国と企業が負うべき部分が減少するという問題も起きてきますので、これは国と企業が負担すべきものだと思います。
 第六に、防災に関する行政の一元化の問題でありますが、本法案では自治、通産両省の協議にとどめて一元化が実現していないのはもとより、海上の問題、毒物劇物の問題等には触れておらないのでありまして、これはやはりコンビナート周辺に住居を構えている住民の重大な関心事でありますので、この点ははなはだマイナスの側面だと思います。
 以上のように、それぞれの法規定に問題点を持っておって、かつ総合的な防災対策が必要にもかかわらずそれらが成っていないのでありますので、以上の点を指摘しておきまして、共産党としては、これははっきり申しますが、積極的な側面のあることは否定しませんが、はなはだ不十分、消極的な側面、さらには国会議員の審議権が無視された側面もありますので、何としてもこれは積極的に賛成するわけにはいかない、こういう提案をしておきます。棄権という態度をとるということを最後に私の方で提案をいたしまして、私の質問を終わらしていただきます。
#108
○大西委員長 以上で本案に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#109
○大西委員長 これより討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#110
○大西委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#111
○大西委員長 ただいま議決いたしました法律案に対して、片岡清一君、山本弥之助君、三谷秀治君、小濱新次君及び折小野良一君から五党共同をもって附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 この際、本動議の提出者から趣旨の説明を聴取いたします。片岡清一君。
#112
○片岡委員 私は、この際、自由民主党、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党の五党を代表いたしまして、石油コンビナート等災害防止法案に対し、附帯決議を付したいと思います。
 案文の朗読により趣旨説明にかえさせていただきます。
   石油コンビナート等災害防止法案に対する附帯決議(案)
  政府は、相つぐコンビナート災害、とりわけ三菱石油水島重油流出事故等の重大性にかんがみ、特に左の諸点に留意し、コンビナート災害の根絶を期すべきである。
 一 石油コンビナート等特別防災区域にかかる消防法、高圧ガス取締法、労働安全衛生法等の関係法令による規制を強化し、本法とともに、当該区域の防災対策が真に一体的・総合的に講じられることとなるよう運用に万全を期すること。
 なお、石油コンビナート等における防災行政の一元化についても検討すること。
 二 既設事業所における災害を防止するため、石油コンビナート等における石油・高圧ガスタンクの基礎、構造、防油堤、防液堤、保安距離等に関する規制を強化し、危険物等の過密化の防止その他安全性を高めるための措置を強力に推進すること。
 三 石油コンビナート等における災害の特殊性にかんがみ、すみやかに海上防災に関する立法措置を講じ、本法と相まって陸上および海上を通ずる総合的・一体的な防災体制を確立すること。
 四 事業所の自衛防災組織については、当該事業所における災害に十分対処しうるだけの防災資機材を備えつけさせるよう措置すること。
 五 石油コンビナート等特別防災区域における共同防災体制の役割の重要性にかんがみ、共同防災組織および石油コンビナート等特別防災区域協議会が設置されるよう積極的に指導すること。
 六 事業所の従業員について、防災教育および防災訓練が十分に行われるよう指導すること。
 七 本法および防災関係法令の基準が適確に遵守されることを確保するため、定時および随時に立入検査を実施する等事業所の監督を厳格に行うこと。
  なお、石油コンビナート周辺地域の住民から異常発見等の理由により立入検査の要請があった場合、関係機関はすみやかに立入検査を行うこと。
 八 防災のための緩衝地帯としての緑地等の設置が促進されるよう十分に予算措置等を講ずること。
 九 石油コンビナート等防災計画の作成にあたっては、住民の意思が十分に反映されるよう地方公共団体を指導すること。
 十 石油コンビナート等の防災に関する科学技術の研究開発を強力に推進すること。
 十一 コンビナート関係地方公共団体の専門技術職員の充実をはかるための教育訓練および処遇の改善ならびに化学消防車、人員の増強等消防力の充実強化のため必要な措置を講ずること。
 十二 近時における災害の多様化、大規模化に即応し、防災技術の高度化等を推進するため消防庁、消防研究所その他国の関係機関の機構、人員等の充実強化に努めること。
 右決議する。
以上であります。
 何とぞ皆様の御賛同をお願いいたします。
#113
○大西委員長 以上で、趣旨の説明は終わりました。
 これより採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#114
○大西委員長 起立総員。よって、片岡清一君外四名提出の動議のごとく附帯決議を付することに決しました。
 この際、政府から発言を求められておりますので、これを許します。福田自治大臣。
#115
○福田(一)国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重して善処してまいりたいと存じます。
#116
○大西委員長 渡部通商産業政務次官。
#117
○渡部政府委員 ただいまの附帯決議の御趣旨を尊重いたしまして、行政に万全を期する次第でございます。
    ―――――――――――――
#118
○大西委員長 この際、お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#119
○大西委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#120
○大西委員長 次回は、来る七月一日火曜日、午前十時から理事会、午前十時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午前十一時五十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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