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#1
第075回国会 内閣委員会 第2号
昭和五十年二月十八日(火曜日)
    午前十時三十一分開議
 出席委員
   委員長 藤尾 正行君
   理事 越智 伊平君 理事 奥田 敬和君
   理事 加藤 陽三君 理事 木野 晴夫君
   理事 上原 康助君 理事 大出  俊君
   理事 中路 雅弘君
      赤城 宗徳君    大石 千八君
      近藤 鉄雄君    竹中 修一君
      中馬 辰猪君    旗野 進一君
      三塚  博君    山本 政弘君
      和田 貞夫君    鬼木 勝利君
      鈴切 康雄君    受田 新吉君
 出席国務大臣
        文 部 大 臣 永井 道雄君
        国 務 大 臣
        (総理府総務長 植木 光教君
        官)
 出席政府委員
        人事院総裁   藤井 貞夫君
        人事院事務総局
        給与局長    茨木  広君
        人事院事務総局
        職員局長    中村  博君
        内閣総理大臣官
        房総務審議官  佐々 成美君
        総理府人事局長 秋富 公正君
        総理府統計局長 川村 皓章君
        行政管理庁行政
        監察局長    大田 宗利君
        科学技術庁研究
        調整局長    伊原 義徳君
        文部省学術国際
        局長      木田  宏君
        文部省社会教育
        局長      安養寺重夫君
        文部省体育局長 諸沢 正道君
        文部省管理局長 今村 武俊君
        消防庁次長   森岡  敞君
 委員外の出席者
        国土庁長官官房
        災害対策室長  杉岡  浩君
        通商産業大臣官
        房参事官    下河辺 孝君
        建設省都市局都
        市政策課長   豊蔵  一君
        建設省河川局防
        災課長     田原  隆君
        国土地理院長  井上 英二君
        自治省行政局公
        務員部給与課長 金子 憲五君
        内閣委員会調査
        室長      本田 敬信君
    ―――――――――――――
委員の異動
二月十四日
 辞任         補欠選任
  鬼木 勝利君     正木 良明君
同日
 辞任         補欠選任
  正木 良明君     鬼木 勝利君
同月十五日
 辞任         補欠選任
  鈴切 康雄君     矢野 絢也君
同日
 辞任         補欠選任
  矢野 絢也君     鈴切 康雄君
    ―――――――――――――
二月十五日
 恩給法等の一部を改正する法律案(内閣提出第
 二七号)
同日
 金鵄勲章制度の復活に関する請願(森喜朗君紹
 介)(第四九四号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 恩給法等の一部を改正する法律案(内閣提出第
 二七号)
 国家公務員の寒冷地手当に関する法律の一部を
 改正する法律案(内閣提出第一九号)
 文部省設置法の一部を改正する法律案(内閣提
 出第一八号)
     ――――◇―――――
#2
○藤尾委員長 これより会議を開きます。
 恩給法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、趣旨の説明を求めます。植木総務長官。
    ―――――――――――――
 恩給法等の一部を改正する法律案
    ―――――――――――――
#3
○植木国務大臣 ただいま議題となりました恩給法等の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 この法律案による措置の第一点は、恩給年額の増額であります。
 これは、実施時期を昨年よりさらに一カ月繰り上げまして昭和五十年八月から、昭和四十九年度における国家公務員の給与改善率により二九・三%増額するとともに、昭和五十一年一月から、恩給と公務員給与との水準差の補てんを完結するため、さらに六・八%を上乗せすることとし、この両者を合わせ、恩給年額を三八・一%増額しようとするものであります。
 その第二点は、普通恩給等の最低保障の改善であります。
 これは、今回の恩給年額の増額措置に伴いまして、長期在職の老齢者の普通恩給の最低保障額を三十二万一千六百円から四十二万円に引き上げる等、普通恩給及び普通扶助料の最低保障額を大幅に引き上げようとするものであります。
 その第三点は、扶養加給額の引き上げであります。
 これは、傷病恩給及び公務関係扶助料に係る扶養加給額を、現職公務員の扶養手当相当額に引き上げようとするものであります。
 その第四点は、八十歳以上の高齢者の恩給の算出率の特例であります。
 八十歳以上の高齢者の普通恩給または扶助料の年額を計算する場合には、普通恩給の最短年限を超える実在職年の年数が十年に達するまでの一年について、基礎俸給の三百分の一に相当する額を普通恩給年額に加えることによって、その処遇の改善を図ろうとするものであります。
 その第五点は、六十五歳未満の傷病者の併給普通恩給に対する最低保障の適用であります。
 六十五歳未満の傷病者の併給普通恩給で、これまで最低保障の適用を受けていなかった者についても、六十五歳以上の者と同様に最低保障を適用することにより、傷病者の優遇を図ろうとするものであります。
 その第六点は、旧軍人に対する一時恩給の支給範囲の拡大であります。
 引き続く実在職年が三年以上七年未満の旧軍人またはその遺族に対する一時恩給または一時扶助料は、下士官以上として六月以上在職することが支給要件とされておりますが、この支給要件を廃止し、その対象を兵にまで拡大することとし、引き続く実在職年が三年以上ありながら、従来一時恩給等を支給されなかった旧軍人またはその遺族に対し一時恩給または一時扶助料を支給しようとするものであります。
 その第七点は、旧軍人等の加算年の年額計算への算入要件の緩和であります。
 現在、七十歳以上の老齢者、七十歳未満の傷病者または妻子に給する普通恩給または扶助料の年額を計算する場合には、旧軍人等の加算年を年額計算の基礎在職年に算入いたしておりますが、今回は、七十歳以上という年齢要件を五歳引き下げ、六十五歳以上七十歳未満の老齢者の普通恩給または扶助料についてもこの措置を及ぼすことにより、戦地等で勤務された方々に対する処遇の範囲を広げようとするものであります。
 その第八点は、特別加給の増額であります。
 増加恩給受給者の中でも特に重症である第二項症以上の受給者に対しては現在、年額七万二千円の特別加給が支給されておりますが、重症者という特殊事情を考慮しまして、その額を十二万円に引き上げようとするものであります。
 以上のほか、準公務員期間の通算要件の緩和、低額の仮定俸給年額の引き上げ等所要の改善を行うことにしております。
 なお、以上の措置は、さきに述べましたように、六・八%の増額を昭和五十一年一月から実施するほかは、すべて昭和五十年八月から実施することとしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
#4
○藤尾委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
     ――――◇―――――
#5
○藤尾委員長 次に、国家公務員の寒冷地手当に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。大出俊君。
#6
○大出委員 総務長官と人事院総裁に承りたいのですが、最近公務員の給料が民間の皆さんの賃金に比べて非常に高い、いわば役人天国だという数々の新聞記事あるいは総合誌等に載っている記事がございますが、インフレ被害者というのは大体サラリーマンですけれども、何かそのインフレ被害者同士をけんかさせるがごとき記事がたくさん載るわけであります。
 そこで、この問題を論じますと時間が大変かかります。かけてやるつもりでおりますけれども、きょうは寒冷地の問題を主題にしたいわけでありますので、前座の意味で少し承っておきたいわけであります。
 総務長官は、公務員の給料が高い、こうお考えかどうか。世の中が景気がよ過ぎまして、高校卒の女性が建設会社へ勤めたら、わずか一カ年しか勤めていないんだが、二十七万円のボーナスをもらったなんていうたくさんの例がある。私も幾つも持っていますが、この時代には不思議に公務員は気の毒だという意見が出てくる。まして六カ月近くも人事院勧告をぶん延ばされた時点なんというのは、政治の壁が厚くて公務員が気の毒だという意見が載ったりする。ところが、不況だとかなんとかいうことになりますと、途端に役人天国という話が出てくる。非常に大きな世論の矛盾がここにあるわけですけれども、ついては、今回の人事院勧告で公務員の総平均賃金というのはどのくらいになったのかという点と、公務員と民間と官民比較をやっている人事院でありますから、官民比較でわざわざ民間より高くしたはずはないわけでありますから、その辺で一体総務長官は高いとお考えなのかどうか。給与担当の大臣でありますから、新聞あるいは総合誌その他が論ずる役人天国なるものに敏感でなければならぬ。まず、どうお考えなのか承りたい。
#7
○植木国務大臣 公務員の給与につきましては、国家公務員の一般職につきましては、人事院勧告を尊重して実施いたしておりますし、また地方公務員につきましては、それぞれの地方自治団体の人事委員会の勧告に基づいて行われているわけでございます。その際に、民間との給与というものを調査いたしまして、均衡のとれたものを、国家公務員におきましても、地方公務員におきましても実施をしていると承知しているのでございます。
 したがいまして、企業の業種あるいは規模等々の比較をいたしますと、いろいろな意見が出てくるかとも思いますけれども、私といたしましては、ただいま申し上げましたように、それぞれ人事院の勧告、人事委員会の勧告に沿って決められているわけでございますから、妥当なものであると考えているのでございます。
#8
○大出委員 人事院総裁に承りたいのですが、いま公務員の平均賃金は幾らになりますか。
#9
○藤井(貞)政府委員 昨年勧告をいたしました時点におきます平均は、十三万六千二百三十五円でございます。
#10
○大出委員 それは年齢何歳になりますか。
#11
○茨木政府委員 三十九歳あたりでございます。
#12
○大出委員 官民比較をおやりになったわけでありますが、民間の昨年の春闘、つまり五月の賃金台帳を中心にして一体、平均幾らになりますか。対象業種で結構でございます。教員、看護婦を抜いたというわけでなくて、今回の比較は行政(一)、(二)表比較でありますから、そこの対象民間企業の平均賃金は幾らでございますか、年齢もあわせて御説明願いたい。――おわかりにならなければ、時間がもったいないので後からお答えいただきます。
 ところで人事院は、この民間比較を長年やってきているわけでありますが、私も、この委員会を担当いたしまして足かけ十二年でありますけれども、その間、皆さんのおつき合いをしているわけでありますが、一体、民間と比べてどういうことになっているのかという、これはできれば総裁にお答えいただきたいのです。
#13
○藤井(貞)政府委員 大出委員大変お詳しいように、人事院の勧告というのは、民間の給与との均衡ということをたてまえといたしておりまして、民間の給与ベースというものを調べて、それとの比較の上においてその後追いをするという形でやってまいっております。このことは、従来とも方針としては変わらずにやってきておることでございまして、われわれといたしましては、民間に比較して公務員が高いというような考え方は持っておりません。
#14
○大出委員 ところで、この退職金でございますけれども、私も足かけ四年がかりで大変苦労して、調査そのものは人事院でございましたが、これをはじきましたのは総理府の統計局でありますけれども、結果的に民間が高いということで後を追いかけて、完全ではありませんが、ようやく退職金の引き上げをしたわけであります。これは暫定措置の法律でありますから、十何年ほうり投げられていたわけでありますので変えたわけでありますが、退職金それ自体について民間との比較、どういうふうにお考えでありますか。――それもひとつ数字で、どういうことになっているのかという点を、先ほどの民間給与を含めまして後ほどお出しをいただきたいのであります。時間がもったいないわけでありますので、御即答いただけなければ先に延ばします。
 ところで総理府、人事院ともに、地方公務員と国家公務員の賃金の較差というものをどういうふうにおとらえになっておりますか。地方人事委員会も所管なさる皆さんでございますから、その辺のことがおわかりにならぬはずはない。もし仮に、地方公務員と国家公務員との、これは指定都市あるいはその他の都市、いろいろございますけれども、資料がございましたらいただきたいのですが、とりあえず、国家公務員、地方公務員の関係は、賃金の較差があるとすればどういうことになっているのか、ひとつ趨勢なり概況なり、資料をお持ちであれば詳しく御説明いただきたい。
#15
○茨木政府委員 先ほど御質問ありました点にお答え申し上げます。
 まず一つは、民間の賃金の問題でございますが、これは官民比較の際に、比較職種の中で、同一年齢のところのものを抜いて、こちらの公務員の構造の中に、人数分のところに入れてまいりますものですから、民間全体としての平均年齢なり、平均額というものは、あの際には出しておらないわけでございます。
 それから退職手当の問題につきましては、数年前、退職手当法改正の際の基礎資料として、その当時、民間の実態を調査いたしましたもので合わせるように資料を提出いたしました経緯がございます。その後の状況は、退職されました方についての追跡調査的なものを、いま五カ年計画でやっておりますが、それ以外のものは、いま実態の断面的な調査としましては新しいものはございません。
 それから地方団体との関係でございますが、私の方では、直接数字的なものとして、国と地方との比較は実施いたしてございませんで、自治省の方でおやりになっているものをお聞きしている程度でございます。
#16
○大出委員 国家公務員の給与を所管する皆さん、自治省の方も、これまた地方公務員を所管はするが国家公務員を所管しているわけではない。ところが自治省の方がしきりに、国家公務員とこれこれの差がある、こう言う。国家公務員の給与を所管する皆さんの方は、地方公務員の関係については何ら資料もなければ調べてもいない、これはずいぶん片手落ちな話であります。自治省は、国家公務員の給与を所管しているのじゃないのだが、そっちがしきりに高い高いと、こう言う。言われる人事院の方は、これは所管が違うから何もやってない、そんなべらぼうな話はないじゃないですか。これは総理府総務長官どうですか。
#17
○秋富政府委員 これは先生御高承のとおり、地方公務員の給与に関する指導といたしましては自治省がいたしておりまして、ことしの一月二十日、自治省の発表いたしました地方公務員の給与実態調査、これを国家公務員と比較いたしました数字、これが一番最近のものでございますが、と申しましても四十九年四月一日現在でございますが、これを申し上げますと、国を一〇〇といたしました場合、都道府県が一一〇・一でございます。指定都市が一一六・二、その他の市が一一一・四、町村が九六・六というものが、現在私たちの把握いたしております数字でございます。
#18
○大出委員 それが正しいなんてあなたはなぜ言えるのですか。あなた所管外じゃないの。いま所管外だと言ったじゃないですか。いまあなたが読み上げたのは、自治省の調査で、あなたが調べたのじゃないでしょう。あなたが調べたものじゃないのを、何がこれが正しいの。ふざけたことを言っちゃいけない。それではあなた、正しい根拠を出してください。自治省調査を取り上げてこれが正しい、何を言っているんだ、あなた。人事院自体が地方公務員との給与の較差を調べてないと言っている。われわれは国家公務員しか所管してないと言っている。あなたは国家公務員しか所管してないんでしょう。冗談言っちゃいけませんよ。そんなものは、ぼくの方が詳しく持っている。
 比較方式に、まずこれはフィッシャー、パーシェとあるけれども、ラスパイレスをとっている。そうでしょう。あなた、それすら言わぬじゃないですか。比較方式は一体何によるかということを明確に――統計というのは三つも四つも方式があるんだから、まず何によるかから言わなければ話がわからぬじゃないですか、そうでしょう、あなたは認めておられるからいいけれども。
 昭和三十八年七月一日、国を一〇〇とすると都道府県が一〇七・九、指定都市が一三四・二、その他の市が一〇八・三、町村が八七・二。これは毎年やっているんじゃないんで、昭和四十三年四月一日、国が一〇〇、都道府県が一〇八・一、指定都市が一二四・〇、市が一〇七・九、町村が八九・四。昭和四十八年四月一日、国が一〇〇、都道府県が一一〇・一、指定都市が一一六・二、市が一一一・四、町村が九六・六。いまあなたが言ったのは、昭和四十九年四月一日、国が一〇〇、都道府県が一一一・三、指定都市が一一六・一、市が一一三・八、町村が九九・二、こうなっているんですよ。あなたが四十九年だけ取り上げてもだめなんだ。
 自治省の調査でも、指定都市の例を見ると、三十八年七月には国の一〇〇に対して一三四・二もあった。ところが、三十八年から四十三年までの五カ年間、実は三十八年当時、いまの給与課長等がまだおいでにならぬ時代に、国家公務員の給与より地方公務員の方が高いというので、一遍に切るのちょうちんのという騒ぎが起こった。その根拠はどうなんだという追及を、私はわざわざ地方行政委員会に行って、柴田氏が財政局長のときにさんざんやり合った。理由があってこうなっているんじゃないか、東京都の例だって、地方労働委員会の裁定まで出ているんだ、そういう例を挙げて物を言って、一概にそれはできぬ、だから、反論がないんなら自今高い高いとおっしゃるな。反論がないから言い切って帰ってきた。そういう時代もある。
 しかし、努力をしなければいかぬのだから、四十三年四月に、指定都市が三十八年の一三四・二が一二四・〇に落ちている、一〇・二%から低くなっている。それから四十八年の四月、これが一一六・二、四十三年には一二四・〇なんだが一一六・二に落ちている。四十九年四月、さらにこれが落ちて一一六・一になっている。昭和三十八年は一三四・二あった。四十九年に一一六・一になっている。そうでしょう。あなた、何にも調べておらぬで大きなことを言ってはいけませんよ。国の人事局長で何やっているんだ。
 ところで問題は、地方公務員を所管する自治省が、一生懸命国家公務員と比べて高い高いと言われている。逆に言えば国家公務員は安い安いと言われている。そんなに安いのじゃ国家公務員は困るんだ。そうなら、自治省が一生懸命皆さんの方を向いて、国家公務員に比べて地方は高くなっている、高くなっている、こう言うんだから、君たちの方で調べてもおかしくないじゃないですか。国家公務員の賃金というのは、自治省の所管じゃないんだ。われわれは国家公務員の賃金の所管だから、地方公務員のことは知らないと言うのならば、同じ理屈なら自治省だって同じことを言える、地方公務員しか所管していないんだから。そうでしょう。
 そこで、自治省に承りたいが、その前に人事院や総理府は、一体この高い高いという自治省が持ってきた数字だけながめていればいいということになるのかならないのか、承っておきたい。
#19
○茨木政府委員 人事院といたしましては、いろいろ地方の方で高い高いと言われておりますが、それがどういうようなことでなっているのかということについては、こちらの方なりにいろいろ検討はいたしております。また、いろいろの交流人事の関係から見ましたもの等についても、いろいろ資料を集めておりますけれども、一番基礎になりますのは、例年夏の時期に行われます官民給与との比較に基づきますものでございますので、それについては、今後まだなお改善すべき点があるかどうかという点について絶えず研究をいたしておるところでございます。
#20
○大出委員 これは次回まででいいですけれども、皆さんの方だって、天下りのみならず天上がりという問題だって取り上げて一昨年方式を決めているわけだから、さっきも問題にした退職手当だって、一昨年改正をしたわけだから、そこらのところが一体、民間に比べてどうなのか、地方公務員に比べてどうなのかということについて、国家公務員賃金を所管する皆さんが、やはり責任ある調査結論を持っていなければならぬはずです。そんなに地方公務員が高過ぎるなら、ゆえなくして高いのなら、これは国家公務員を所管する皆さんの責任です、同じ公務員と名がついているんだから。そうでしょう。だから、私にひとつ皆さんの見解をお出しいただきたい。次回までに、よろしゅうございますな。
#21
○藤尾委員長 よろしゅうございますか。
#22
○大出委員 総裁がよろしいと頭をお下げになったから、それは結構です。
 ところで、地方公務員について、きょうは公務員部長お見えにならぬし、財政局長おいでにならぬ。自治省の松浦財政局長が、現場の職員のところまで出かけていって、やれ調べろ、高い数字を出して、これをぶった切るんだと言って後ろから督戦しているんだから、とんでもない財政局長がいたものだと私は思うんだけれども、その元凶の松浦君も出てこないから、この次はひとつ出てきてください。そう言っておいてください。
 そこで、給与担当課長がお見えになっているから承りたいのですが、今回、皆さんがしきりに地方公務員が高い高いと、こうおっしゃる。ところが、根拠というものを一切お示しにならぬ。いま私が取り上げた、ラスパイレスに基づく地方公共団体区分別の給与比較(一般行政職)自治省調査、三十八年七月、四十三年四月、四十八年四月、四十九年四月、これだけ私の手元にある。ところが、この中身というものは一切まだ出ていない。自治省の地方公務員給与実態調査によるものであるというだけのこと。地方公務員給与実態調査という中身があるんだったならば、それを出してくれて物を言わなければ、数字だけ出して新聞に発表して大きなことを言ったって、こっちは迷惑だ。大体同じスタンドポイントで、同じ土俵で物を比較しなければ比較にならぬ。比較をしようとする対象が違えば比較にならぬ。このラスパイレスで出している対象とは一体どういうものなのか。国家公務員の例をとったって、指定職というのは、皆これ抜いていて入ってこない例が多い。三公社五現業だって、公労法適用者以外というのはみんな抜いてある。高いところはみんないないんだから比較にはならぬ。
 ところで、具体的例を挙げないとあなた方の方で答弁に困ると思うから申し上げるけれども、今回四大都市、つまり横浜、川崎などの革新市政と言われる四つの都市、これはワーストフォーだと言う、給与は高いと言う。一体何を根拠に、この四大都市をワーストフォーだとあなた方おっしゃるか、説明していただきたい。
#23
○金子説明員 私どもの方から、四大都市につきまして別にワーストフォーというようなことを申し上げた覚えはございません。
#24
○大出委員 それじゃ、新聞が勝手に書いたことになる。あなた方、自治省がそう言っていると書いているんだから。ちゃんとここにある。市財政はワーストフォー。あなた方の方がそういうことを言ったんじゃないと言うならば、こういうことを書かれちゃ困ると言わなければいかぬじゃないですか。どうなんですか。
#25
○金子説明員 新聞の判断につきまして、私どもの方で一つ一つとやかく言う筋合いではないと思います。
#26
○大出委員 そんな無責任なことはありませんよ。新聞が自治省の意と全く違うことを、自治省がそう言っていると書いたら、新聞というのは天下の一億の国民が見るんだから、自治省はそういうことを言った覚えはないとなぜ言わないのですか。あなた方、公的機関、国でしょう。冗談じゃないですよ。(発言する者あり)いまイレギュラー発言があったけれども、心の中ではそう思って体にあらわるなんということがある。そうすると、このワーストフォーということを考えたことがない、言ったことがないというならば、この席上ではっきり、そういうことはないと言い切れるんですな。
#27
○金子説明員 私どものほうで、ラスパイレス指数につきましては各団体に通知をしております。それから、さらに、その積算の根拠となる基礎数値につきましては、四十九年度においては各団体が持っておるところでございます。その他計算に必要な算式、それから基礎の資料となります国家公務員の給与実態調査の結果、これにつきましては通知をしておりますが、それによって各団体は、自分のところで給与水準が高い理由、その原因となったところの制度及び運用について再検討してもらいたい、問題がある点については是正措置を講じてもらいたい、このように言っておるところでございます。
 したがいまして、私ども直接給与水準そのものにつきまして価値判断はしておりません。その原因となったところについて再検討して、是正措置を講じてもらいたい、こう言っているところでございます。
#28
○大出委員 えらいまたあなた方逃げるね。いままでは、たとえば大出俊なら大出俊という男が横浜市におれば、何年に入ってどういうふうに上がってどうなったかというものを、これは大出俊ですと、こう出す。全部出せと言うので出した。それだけのことなんですよ。判断はあなた方の方がやる。そうでしょう。ことしのその方式は違うんだ。あなた方は指数で出してこいと言う。指数で出した。出したらごまかした、こう言う。冗談言っちゃいけませんよ。出せと言うから言われたとおり出している。計算の基礎が違えば判断が違うのはあたりまえ。
 次に、例を挙げておきますので資料をいただきたい。自治体は夜間大学へ行っている職員が大学を卒業すれば、すぐ格づけして表へ出す。国家公務員だってやっている。だがしかし、これが比較の面でどういうふうに入ってくるかという点は全く不明確。市が出したら、出したものをあなた方はそのとおりとっていって、この人が夜間大学に行ってこうなったということはみんな抜けている。横浜市の例をとると夜間大学、大変な数なんです。たとえば四十七年三月、市の職員で八百三十三人卒業している。四十八年三月、五十二名。四十九年三月、五十八名。千三百六十四名もいる。二万ばかりの職員の中なんだから、千三百六十四名というのが大学卒業した資格でぽんと上がれば違うのはあたりまえだ。
 また一例を挙げれば、横浜には港高校専攻科というのがある。ここの教育課程からいくと、これは短大卒とみなさなければおかしい。だからそう見ている。これは争いがあるかもしれないが、横浜の特殊な学校だ。それだけの教育課程を持っている。ここを卒業しているのが四百一名いる。合計千七百六十五名格づけが上がっている。上がったものが出ていけば、皆さんが旧来のやつで計算をすれば指数だけしか出ていないのだから差が出てくるのはあたりまえだ。つまり、これは一つの比較対照の対象の違いを申し上げている。そういうものを一切ぶん投げておいて、うその報告したのへったくれの、迷惑な話です。市といえども公的機関だ。行政機関です。市民に対する責任を持っている。そういう無責任なことでワーストフォーだ、へったくれだと言われたって、ただじゃおけない。
 さっき読み上げたように、おたくの調査だって、問題になった三十八年、私は地方行政委員会に行って質問したことがある。あなた方は、そのとき答弁できなかったでしょう。できなければ、これから先高いのどうの言うなということを私は言ったんだ。当時の財政局長は柴田さんだ。これだけ見たって、指定都市は一三四・二というのが三十八年から一二四・〇に下がり、四十八年は一一六・二に下がった。さらにそれが、四十九年にもう〇・一落ちて一一六・一になっている。苦心惨たんして、みんな組合とけんかをしながら退職勧奨をやって強引にやめさせているんだ。そのためのストライキまで起こるという騒ぎだ。苦心惨たんしてやっているのにとんでもない話だ。頭のいい市長なら国家公務員よりちょっとはよけい給料を払うようにしておかなければ、同じ公務員になるなら、同じ給料なら国家公務員になりますよ。人が集まりはしない。
 ところで、いかにどうもワーストフォーだって、革新市長のところばかりあなた方挙げるけれども、そうでないところだってみんな高いんだ。おたくの調査によっても、国を一〇〇とした場合に、四十九年の例を挙げて、横浜市が一一八・三、大阪市が一二〇・九、川崎市が一一九・〇、東京都が一一八・三、名古屋市が一一八・一、神戸が一一六・八、こう並んでいて、厚木は一二六・一ある。はるかに高いじゃないですか。大和一二二・八、はるかに高い。平塚一二五・〇、横須賀一一七・六、相模原一二一・六、横浜は一一八・三なんだ。周辺の厚木にしても大和にしても平塚にしても茅ヶ崎にしても、はるかに高いじゃないですか。これはおたくの調査だ。冗談じゃないです。ここに市職員一人当たり人口比較もあるけれども、ちっとも高くない。ここに四十八年の五大都市の決算状況がある。決算状況に基づく人件費比率を見たって、市の歳入に対する人件費比率、これを見たって横浜は二二・九だ。名古屋の方が高い。二三・二ある。京都の方がまだ高い、二五・六。大阪は二一・三。何も横浜だけがワーストになることは一つもないじゃないですか。地方都市に行けば、もっと人件費は高いんだ。たくさんある。四十八年の財政構造比較もここにあるけれども、一つも悪くはない。一体何を比較材料にしているのか。
 新聞というものは、世の中の皆さんがみんな見るんだから、あなた方が高い、高いと言うならば、このラスパイレスの基礎になっている、国との本当に比較対照できる、その同じ土俵の上で比較できるのかどうかという、あなた方の比較した資料そのものを出してもらわなければわからぬじゃないですか。結論の数字だけ並べて悪いと言われてみたって考えようがない。冒頭に申し上げたように、年々一生懸命減らしてきて、文句を言われながら苦労しているんです。一三四・二のものが一一六・二になっている。そうでしょう。
 きょうは、さっき申し上げましたように、公務員部長もおられぬようだし、財政局長もいないから改めて承りますが、どうもあなたの方の的確な御答弁がないのだが、担当の課長さんだから詳しいはずでございますから、だからひとつ、私どもが納得できるような、高いとおっしゃるのなら、どういう比較構成でどうして高いのか。年齢、学歴、みんなございます。勤続年数もございます。その上でどういうふうに高いのかという点をお示しいただかぬと、これは国会でございます。私は、何も横浜市のみならず国に議席を持っているわけですから、対国民という意味で責任があるんだから、そこらの資料をいただきたい、いかがですか。また御説明いただきたい、いかがでございますか。
#29
○金子説明員 最初に、四十九年度においては指数のみを提出されたというふうに言われておりますが、この点は事実と違うかと思います。四十八年度においては、個票調査をいたしておりますが、四十九年度におきましては、市で集計をいたしました実数をもらっております。この実数に基づきまして、一方は国家公務員給与実態調査の結果を使ってラスパイレス指数の積算基礎にいたしております。なお、この結果につきましては、別にパーシェの算式によるもの、さらにフィッシャーの算式によるものも算式としてとりまして、私ども、これらの数字によりまして、ラスパイレス指数の結果をチェックいたしております。
 それから、先ほども申し上げましたように、ラスパイレス指数が高いということだけで、私ども直ちに是非を云々するということはいたしておりません。高いというところにつきましては、給与制度等その運用に問題があるところが多い。したがいまして、先ほど申し上げましたように、制度と運用について再検討して、正すべきものについては正してもらいたい、このように言っておるわけです。
 それからさらに、比較対象を明確に示せということでございますが、比較対象となる数字につきましては、年々公表いたしております。少なくとも都道府県、政令市につきましては、分厚い給与実態調査結果として刊行し、さらに当該団体に送付をいたしております。さらに、国家公務員給与実態調査の結果も、これも公表されておりまして、そのうちラスパイレス指数の算定に必要な調査につきましては、全団体に対して通知をいたしております。
 なお、ラスパイレス指数でございますが、これの算出につきましては、現在国において行っているのと同じような方法で職種別に学歴別、経験年数別の区別をいたしまして、これに基づきましてラスパイレス指数の算出をいたしております。
#30
○大出委員 あなたは、いまラスパイレス指数がこう出たからといって、だから高いと言っているわけじゃないと言うのだから、そうするとこの新聞記事は、ラスパイレス指数が高く出たから高いと言っているのだから、ワーストフォーだと言うのだから、だからこれは、あなたが言う意味からすれば、この新聞が書いたことが間違いだということになる。
 それじゃ、時間がありませんから次に移ります。あなたがいまおっしゃった数字だけじゃ困るので、ひとつあなたの方で、あなたでも結構ですけれども、どうしてこういうことになっているのかという点を、私は幾つか挙げましたが、そこらを、たとえば大学卒なら大学卒、港高校卒を短大卒の資格で入れている、あなた方は一体それはどう見ているのかという点等について、一遍御説明いただきたい。あわせて資料をいただければ、私も全くの素人じゃないのだから、資料を見ればわかるのですから、その上で次回に議論します。いまのところは、指数がこう出たから、だから高いと言っているわけじゃないと言うのだから、その限りで時間の関係がございますから次に移ります。御苦労さまでした。
 時間がございませんから、寒冷地給につきまして幾つか承っていきたいのでありますけれども、百分の八十五というのが旧寒冷地手当の計算の基礎でございました。これにはそれなりのいろんないきさつがございますが、昭和二十四年に、この法律ができたときに百分の八十五になっていたはずであります。これを、四十三年だと思いましたが、寒冷地手当が二十万円にもなってしまう者ができてくるということで、この手当の本旨に沿わない、こういうような理屈が当時つきまして、現行のように百分の四十五を定率、百分の四十を定額というふうに分けたわけです。当時の基礎は、たしか国家公務員北海道在勤等を中心にして平均給与を考えた場合に、五等級の十三号、六万六千円、扶養手当がたしか平均で千円、こういうことでプラス千円で六万七千円ということになったのだと思うのですが、そういう歴史があるわけであります。
 そこで、百分の八十五という、昭和二十四年にこの法律ができたときの基礎になっている数字、これはどういう根拠、どういう理由でこういうことになったのか。当時はブレーン・フーバー氏が総司令部にいるころでありまして、キレン氏などがまだおった時代、ホイットニー氏がおった時代、ソルターという当時専門的な係長さんもおいでになった時代であります。私も当時総司令部に日参をして、さんざん交渉した経験を持っておりますけれども、まだ石炭手当ができない、いにしえからであります。石炭手当を津軽海峡を渡したくないという総司令部の意向、これをその後何とか説得して、薪炭手当を青森県を中心につくった長い歴史がありますが、この百分の八十五という根拠、詳細に説明いただきたい。いかがでございますか。
#31
○茨木政府委員 当時の資料等をいろいろ秤量してみまして検討いたしておりますが、どうもまとまったものは人事院の当時、二十八年ころにまとめましたものが一番まとまっているようでございますが、それを見ましても、その辺の詳しい率が出てまいりました根拠は明確にはなりません。ただ、当時の経過を見ますと、やはり当時地域によりまして、支給月が九月から始まるもの、十月から始まるものというようなふうにいろいろ相違もございましたようですし、いろいろなところからそういうものが出てまいったのではなかろうかと思います。逆算的に推理をするわけでございますけれども、そういたしますと、一番大きなのは、やはり寒冷度等もございますが、その寒冷度の期間が一番大きく物を言うておるように私どもとしては見ております。年間やはり暖房を要します期間が、大体これに比例しまして二〇、四〇、六〇、八〇というような率が出てまいり、それがもう一つ五%ずつ上がっていった、大体こういうような経緯である、それが一番大きな原因じゃなかろうか、そのように推察をいたしております。
#32
○大出委員 いろいろなところから出てきたのだ、こうおっしゃるのですけれども、まず、いろいろなところがわからぬのですけれども、どんなところから出てきたのですか。
#33
○茨木政府委員 結局そうなりますと、寒冷地地帯におきます生計費の問題がそれに入ってくるのだということです。いろいろずっと各国会における速記録等も読んでおりますと、そこに入りますのは、燃料費でございますとか、それから食料費関係、被服費関係、それから住宅費関係、それから雪おろしの費用でございますとか、雪の運搬費でございますとかいうような意味の雑費でございますね、そういうようなものがいろいろ入っているようでございます。
#34
○大出委員 これは住宅、燃料あるいは被服あるいは雪おろし、つまり東京の生活と比べて大変に生活条件が違うということですね。そこらが計算をされて百分の八十五、そう考えていいわけですか。
#35
○藤井(貞)政府委員 当時、私は直接に担当いたしておったわけではございませんですが、関係のある仕事にも携わらしてもらっておりました関係で、多少のことは記憶にあるわけでございますが、最初、この寒冷地手当というのは、議員立法で二十四年にできたと思うのですが、そのときには当初、百分の二十の四カ月分以内ということで、百分の八十以内ということで定められておったと思います。それが支給額の限度についても、人事院が改正の勧告をするという権限が付与されることに相なりまして、その改正がございましたときに、寒冷地の方から、最高限度八十では非常にこれは低い、百にすべきじゃないかというような運動が非常に熾烈に展開されておったということを記憶いたしております。そういうことも背景にございまして、実は八十五というのは、国会修正が行われまして五%アップということになったと記憶いたしております。
 ただ、その際には、いま申した百にすべきだというような背景もございまして、やはりそれももっともではないか、物価も上昇しているのだし、また防寒、防雪経費が増高しておるということもあるから、やはりその点は十分しんしゃくをして上げるべきだということで八五%に修正されたということで、その間、非常に細かいいろんな合理的なデータその他が具備されて修正されたものではないというふうに私は記憶いたしております。
#36
○大出委員 そこで、二つに分けて聞きますが、当時千葉信さんが参議院においでになって、これは北海道の出身で、人事委員長等をおやりになった。衆議院の側は、最後の人事委員長は、きょうおいでになりませんが、受田新吉さんでございます。私は当時、官公労の事務局長をやっておりまして、北海道の笹川さんというような人がおいでになって、参考人でしゃべる、しゃべらぬという問題までありまして、そこに総司令部が介在するという非常に複雑な時期でございました。
 そこで、いまおっしゃる百分の八十と八十五の話が出たんですが、八十までは、先ほど茨木さん説明なさいましたが、論拠があるように聞こえる。残りの八十五というのは、百にしろというのを、そういう見方もあるけれどもということで、国会修正で八十五に五ふやした。これには確たる根拠がないといま総裁がお答えになりました。八十まではどうやら確たる根拠があるが、さて残りの五については確たる根拠がない、こういうわけであります。それはそれで歴史ですから、私がここで過去のいきさつを述べると長くなりますから省略いたしますが、皆さんの言うことを前提にいたします。
 さてそこで、四十三年にこれを百分の四十五と百分の四十に分けた。いわく定率、定額に分けた。これは、どういういきさつでございますか。
#37
○茨木政府委員 先ほど寒冷生計費というような言葉を使いましたが、結局、寒冷増高費をどう見ていくかという問題でございますので、したがって、各人の職務なり給与に必ずしも比例しない部分がどうしても大部分を占めるというようなものでございます、多少給与差なり生活の程度によっていろいろ差があるというものも出てまいりますけれども。
 そこで、どうも当初のいきさつを見てみますと、約三分の二程度のものがそういう固定的な感じであって、石炭手当とかいうようなことで出ておったという経緯があって、その他のものが給与比例的なものであったようでございます。
 御案内のように、だんだん給与改定が行われてまいりまして、俸給が上がるにつれまして、いまの八五%以内のそれぞれの率できまっております定率部分の方がだんだん大きくなってまいる、そんなことから俸給比例部分の方が三分の二を占めるというふうなかっこうに変わってまいったわけであります。当時、給与の等級別に見ますというと、俸給比例部分が余り大きくなり過ぎているのではないかというような問題もからんでまいりまして、そこで当時、約四〇%程度のものを定額に直すということで四十と四十五、四五%以下の部分が残りまして、四〇%相当部分が定額に置きかえられていった、そういうようないきさつであるというふうに思っております。
#38
○大出委員 さっきもあなたは、いろいろなところからこの八十五の根拠が出てくるんだというお話で、その中で北海道の生活様式に触れて燃料費であるとか、あるいは住宅設備であるとか、あるいは雪おろしであるとか、あるいは食料費であるとか、たくさんお挙げになった。それが八十五の根拠だ。総裁の方からは、五%切って、八十までの根拠をおっしゃって、五%は余り根拠がないと言う。だが、給与局長が言われる根拠があるとすれば、それを百分の四十五を定率にして百分の四十を定額にしたという理由が、いまの説明では納得できない。もう一遍お答えいただきたい。先ほどの御答弁との関連はどうなるのかを伺いたい。北海道の生活様式が変わったわけじゃない。寒冷増高費ということをいま冒頭におっしゃったけれども、何と何と何がどこに入って、どういうふうに仕分けをすれば、最初のいろいろのところから出てくる八十という、あるいは八十五という説明がつくのか、はっきりしていただきたい。
#39
○茨木政府委員 当初の経緯を先ほど聞かれましたので、当初の経緯の中には、そういういろんなものが入って、そうしてそういうものが出てまいったというふうに推定されますというふうに申し上げたわけでございますが、そこで、四十三年当時の吟味の過程では、その当時のものを、それぞれ個々の要素に分類いたしましてどうこうなっているというようなことではなくして、加算額と基準額と全体を見まして、その当時の民間の状況、それから公務員部内の等級間の職員間の問題、こういうものを検討されて、主として後者の公務員部内の相互関係というようなものに重点があってそういう改正が行われたようでございます。
 そこで、先ほど先生がおっしゃられましたような五等級の十三号俸というような考え方も、当時の北海道の職員の分布から出てまいりまして、上がる者と下がる者と出てまいりますものでございますから、そこで、できるだけ下がる者が少なくなるようにということで、その当時の北海道地域における役付職員の平均給を基準として、それより上の者は下がってまいる、それから下の者は上がってくるというようなふうに定額の方に置きかえていったという経緯であるようであります。
#40
○大出委員 ちょっとおかしなことをおっしゃるのだけれども、この法律制定の当初に当たっての百分の八十五の歴史的な理由というお話だったからああ答えたが、四十三年改正は、個々の要素ということもあったが、二つに分けて、公務員部内の相互関係だ。だが、この法律をつくった趣旨に基づく淵源をさかのぼれば、生活が違うから、雪が降っても雪が滑り落ちるようにうちを建てなければならぬ、あるいは被服だって寒いからよけい着なければならぬ、食い物だってそうだ、燃料は当然要るという、つまり生活様式の相違というものが非常に大きなウエート、それのみがウエートですよ。それをいまの答弁の結論は、主として公務員部内の相互関係ということでこう分けた、こうおっしゃる。
 それじゃ人事院が、この法律ができたときの趣旨は趣旨としてたな上げして、どうも給料が上がってきて百分の八十五じゃ、比率が八十五だからそのとおり上がっていくのだから高くなり過ぎる、政府にすれば金がよけいかかり過ぎるというようなことで、公務員部内の相互関係ということにすりかえて分けてしまった、この法律の立法の趣旨にそぐわないことを人事院がおやりになった、こういうことになりますが、そういうことですか。
#41
○藤井(貞)政府委員 多少言葉の言い回しの点で誤解があるかと思いますが、こういうことだと思います。
 初めこの寒冷地手当というのは、御承知のように寒冷増高費を賄うために設けられたものでございますが、そのためにはどのくらいがいいのかということについては、最初この八十の線が出てまいりましたときには、人事院といたしましてかなり詳細な、いま局長申し上げましたような衣服あるいは雪おろしとかその他食物のロスの関係とか、いろいろな面にわたりまして細かい調査を積み上げまして、それから大体こういうことで妥当ではないかということで、始めました際には、最高限度は八十ということにいたしたものだと思います。その後、毎年ベースアップというものがございまして、全体としての寒冷地手当というものの額も上がってまいるという事態が出ておりました。そこでその都度、毎年というわけにはまいりますまいが、その都度後を追いかけて、それで果たしてその増高費をカバーできておるのかということを、本来であれば調査すべきかもしれませんが、これは非常に手間暇もかかり、経費もかかることでもございますので、毎年にわたってそれはやっておりません。
 ただ、本来できました趣旨から申して、全体として寒冷地手当というものが毎年上がっていくというところとにらみ合わせた場合に、寒冷増高費というものは十分賄えておるのではないかという判断に立ちまして推移をしてきておったものだと思います。
 ただ、その後ベースアップの点からいたしまして、定率分が大変な影響を受けてまいるということで、俸給の高い人が非常に額が多くなってくるということになりますと、そもそも本来的には、この寒冷地手当というものは生活給的なものでございますので、その点余りかけ離れてしまうということもいかがであろうかということで、その点を考慮いたしまして、給与の低い者にもある程度のものは行くようにしなければならぬ、余り給与の高い者について多額のものが寒冷地手当の名前において出ることはいかがであろうというような配慮、いま局長が申した公務員部内の問題というのは、そういう意味でございますが、そういうところから定率、定額という考え方が出てまいったということだと思います。
#42
○大出委員 だんだん聞いていきますと、皆さんが苦しい答弁になるのです、皆さんおいでにならぬ前の話だから。滝本さんが給与局長で尾崎さんが給与課長で入ってこられたころには三課長、研究課長ですか、そのころには、寒冷地手当、石炭手当、薪炭手当ができていたんですから。薪炭というのは一体何ですかという議論だったんですから。炭とまきでございますよ、積雪の深度、風速なんか計算するんですよ、そういう答弁。宝珠山さんが係長で彼が一番詳しかった時代ですよ。だから、国会というなかなか理屈がわからぬ方がたくさんある中で通ったわけですから、いまそれを理屈づけようとしても無理な話で、これは何も定額、定率に分けなくたって下の方までずっと上がっておる。平均給与五等級十三号というと公務員の管理職だ、こうなっているんだけれども、平均給与なんだから、当時このくらいであろうと算定したのだから、それ以下の人がそこまで上がっていくのはあたりまえだ。
 そこで、なぜ私がこの問題を取り上げるかというと、四十五と四十というふうに分けたんだが、定率百分の四十五と定額百分の四十としたんだが、この四十というのは、五等級の十三号の方々が六万六千円だったから、これに扶養手当千円で六万七千円、それの百分の四十ということにすれば、二万六千八百円という金額になるということで定額で固定した。そうでしょう。四十三年から今日まで百分の四十ですから。定額で動かないのだから。内地五級がそのままなんだから。そうしますと、ここでまた給与がどんどん上がるからということで、百分の四十五でも、これまた高くなってきたから、もう一遍、四十三年の議論を人事院が持ち出そうというふうに受けとれる。だから聞いている。そこのところはどうなんです。もう一遍そういう考えがあるんですか。
#43
○藤井(貞)政府委員 ただいまのところは、そういう考え方は私は持っておりません。
#44
○大出委員 ただいまのところはと、こう逃げる言葉が一つ入っているから、なかなか総裁用心深いと思って感心しているんですが、ただいまというと、これはいまになるんですね。いまは持ってない。持ってないものが私の耳に入ることはないんですけれどもね。まあ表向きはないとおっしゃったんだから歯どめにはなるでしょう。時間がありませんから持ってないということにいたします。持ってないということでは、この問題はこれ以上進みませんので……。
 そこで問題は、当時の五等級十三号の方々の俸給というのは、いま幾らになっているんですか。
#45
○茨木政府委員 現在十四万五千九百円でございます。
#46
○大出委員 四十九年で五等級の十三号というのは、十四万五千九百円、この扶養手当が三千九百六十一円。当時は千円だった。そうすると、合計十四万九千八百六十一円である。ということになりますと、四十三年当時の五等級六万六千円プラス扶養手当千円が、いまやまさに十四万九千八百六十一円になった。
 だがしかし、ここで制度的に今回勧告が出されている中では、北海道甲地、本俸プラス扶養手当掛ける百分の四十五プラス二万六千八百円、プラス今回加算額が六万二百円。加算額というのは、これは灯油が上がったということです、簡単に言ってしまえば。そうすると、北海道の乙地、同様に百分の四十五プラス二万六千八百円プラス四万九千二百円。同様に北海道の丙地、百分の四十五プラス二万六千八百円プラス三万九千七百円。内地五級、百分の四十五プラス二万六千八百円プラス一万七千円。ここまでは、つまり定額というのはそのまま来ているわけですね。ここで定額の部分というのを、論理的にこれだけかけ離れているんだから、百分の八十なり八十五なりという方式をとった出発点からすれば、当時の五等級十三号を据え置きにしておくというのは筋が通らない、ここをどうお考えになりますか。
#47
○茨木政府委員 個別的に見ますと、そういう問題がだんだん出かかってきておるというふうに私どもとしても考えておりますけれども、寒冷地関係の経費は、御案内のように基準額全体、それに加算額を加えましたもので対応的に考えていくという考え方をいたしてきておりますので、そこで今回の場合も、定額と定率の方が相当ふえておりますので、その辺の問題をだんだん考えていかなければいかぬとは思っております。そういうような程度のいま考えでございます。
#48
○大出委員 総裁、これは部内の不統一じゃないですか。だんだん考えていかなければいけないと言うじゃないですか。総裁は、そういう考えはただいまないと言う。給与局長の方は、考えていかなければならぬと言うんじゃどうなんですか。総裁、もう一遍答えてくださいよ。
#49
○藤井(貞)政府委員 常にいろいろな資料に基づき、また情勢の変化に基づいて検討はいたしております。ただ、それをやるかどうかということは、これは私ないし他の人事官の判断でやることでございまして、ただいまのところ、そういう考えは持っていない、こういうことでございます。
#50
○大出委員 じゃ、茨木さん、あまりそこでよけいなことを隣で言うと食い違いますよ。
 そこで当時、これを決めるに当たって、ずいぶん政治的な総司令部とのやりとりがございました。複雑微妙な時期があったわけでありますから、そしてとにかく当面といったら、何もきょうということを意味しておるのじゃないと私は思いますから、それに勧告が出たばかりですから、そこのところは、下を向かれると、これは長い歴史的な既得権ですから、非常に大きな問題が出てくるわけでありまして、いまそこらもぼつぼつ考えなければいかぬ。どうも当時の五等級の十三号、六万七千円を据え置きにしていくのはいかがかと思うから、少し上げようという考え方に動いているのなら、これはそうしてください、そういうことになるのだけれども、そうでないと逆なんで、だから、そこのところを、私はさっきから物を言っているわけでございます。
 私の申し上げているのは、ここらをもう少し前向きで、つまり幾ら何でも十四万を超えるこの五等級十三号、これはインフレのなせるわざでありますから、十四万五千九百円プラスのこの二万六千八百円の算出基礎というのは、当時の六万七千円だということであっては事は済まぬではないか、こういうことを言っているわけです。これは、論理から言えばそうなる。当然のことです。公務員給与というのはどんどん上がっている。ところが、この公務員給与が基礎になって、平均給与が基礎になって決められている定額は、四十三年の公務員給与五等級十三号が基礎であるという、これは筋が通らない、こういうことを指摘しているわけであります。
 いまの点は、不合理なところでありまして、また少し議論をしなければならないわけでありますけれども時間がございません。当時の百分の四十五、百分の四十というのは、切り下げでございますから、切り下げたのでは、これは公務員の生活に差しさわるわけでありますから、したがって五等級十三号、六万七千円というようなところを現在の方向に向けて少しいじった方がいい、こういうことを私は言っておるわけでありまして、そのようにお聞きをいただきたいわけであります。
 それからもう一つ、時間がありませんからもう締めくくりますけれども、内地の三級地、ここが百分の二十五プラス一万六千七百五十円、加算額はゼロ、内地の四級地の方は、百分の三十五プラス二万百円プラス八千五百円、こういうわけでありますから、この前に竹中さんから議論があったというお話を聞きましたが、内地の五級地、百分の四十五プラス二万六千八百円プラス一万七千円、こういうわけでありますから、ここらあたりに八千五百円差があるわけです。現実の問題として四級地、三級地、あるいは五級地、四級地、三級地という間にこういう格差があることが妥当かどうか。たとえば五級地で言えば青森、秋田全県、山形県大部分、新潟の一部、長野の一部、岐阜の高山地方、こうでございましょうが、ここで山形市は五級じゃない四級になったんですね。山形市とすぐその外れと一体どう違うか。級地が一級違う。ここに加算額の面だけで見て八千五百円差がある。ここらは五級地、四級地の問題であります。三級地は富山市だとか金沢、仙台、ここらあたりにいきますと、これは加算額ゼロでございますから、これだけの開きがなければいけないのかという、こういう極端な格差がここでつく。これは論理的に言えば、飛騨の高山だとか伊吹山脈とかあって、伊吹山脈のこっち側は日本海の風が吹くから雪が多いなんという議論があるんですけれども、そういう論法でいくと、沖繩なら沖繩には台風被害が多いのだが、暑さで人は死なぬなんというきれいごとじゃなくて、行ってみればわかるけれども、この住みにくいところに何がしかのことを考えなければならぬという議論が出てくるのは当然なわけであります。
 そこで、こういう大きな格差がつく、ここらは、いささかどうも私は論理的に筋が通らぬという気がするわけであります。山形市と山形市以外のところと一級違うのです。ここらあたりは、一体どういまお考えでございますか。
#51
○茨木政府委員 まず、山形周辺の問題について御質問がございましたが、御案内のように、級地指定の基準といたしましては、積雪とそれから寒冷、これが基本になりまして、そのほかに調整要素として風速でございますとか日照とか、そういうような要素が調整要素として加わって、それぞれの地域について、測候所等の三十年間という非常に長い期間のものを平均いたしましたものに基づいて出てまいりました数値から、指定基準がそれぞれ区分されて出てまいっておるわけでございます。そこで、やはりそれなりの理由があって四級地になり、片や五級地になっておるというようなことでなかろうかと思います。
 御指摘になったところが、ちょうど私の郷里でございますので、そのような関係は存じております。この間も一月の中旬に、実際雪の多い、もとの積雪調査所のありました新庄のところにも行ってみましたし、現に除雪もやっておりましたが、山形県庁の人と一緒に車に乗っていたのですけれども、やはりこことこことは違うねという話を実は申し上げたのですけれども、月山等の山の陰でそういう積雪量が少ないということが大変大きな影響をいたしておるように見受けております。
 ほかの地域につきましても、やはり三級地、二級地、一級地とそれぞれボーダーライン等のところにおいては、地元の方の方から見ますとどうであろうかと、いろいろ御意見が出てきておるところもございます。そういうところにつきましては、三十年間の気象状況をとりますから、長い間の期間には多少温度差というようなものも変わってくることもございまして、そういうことから、計数資料がまた変わってまいりますれば検討してまいらなければいかぬというようなことで、それぞれこの地域区分の問題については勉強をしておるところでございます。
#52
○大出委員 これは理屈を言ってもしようがないのでこの辺にしますが、調整手当なんかもそうでございます。長い歴史がありますと、下げるところをつくるということについては、相当大きなやはり混乱が起こります、現状変革をやろうとすれば。この調整手当だって、田中龍夫さんが総務長官でそこで御提案になった。下がるところができることになっていた。ところが途中から、ちょっと所用がございますと言ってお出かけになって、別な方が答えている。いまだから申し上げるが、後ろから田中龍夫さんが入ってこられまして、質問している私に、大出さん、下がるところだけはつくりなさぬな、頼むと、こう言ってそこにお座りになった。提案している方は下がるところをつくって提案しているのに、御本人が後ろから、下がるところはよしましょうと、こう言っているわけです。
 つまり、そのくらいこれは大変なことなんです。だから私も、そこらはわからぬわけではない。なぜならば、仲裁裁定をながめてみると、人事院は、一円よけい出しましたなんてたわ言言っているけれども、実はそんな問題じゃない、六百六十一円にしましたなんて。この仲裁裁定と、つまり、この今回の勧告と全く違う。だから、青森の人にすれば、北海道との格差が問題になる。さて、山形市の人にすれば、いま私が言ったのが問題になる。それからさて、もう少し下がって、三級地の富山なり金沢なり仙台なりの方は、新潟と仙台の差がこれだけあってはと、こうなる。ただ、その傾向をそのまま持ってきているという現実があるものだから、なかなかきれいな筋の通る答弁にならないということなんです。だが、それにしても全くどうも、ここで加算額ゼロ、いささかこれはひど過ぎやせぬかと、今日まで来ると感じがする。だから、そこのところをどう考えるかと聞いているわけでありまして、これらは問題として残しておきます。
 それから最後ですけれども、級地の引き上げという問題この問題はどうお考えになりますか。下げるところをつくれとは言わない。さっき具体例を挙げましたが、下げるところをつくるというのは混乱が起こりますが、級地の引き上げ、この点はどうお考えになりますか。
#53
○茨木政府委員 先ほど触れましたように、いろいろな基礎要素、データに基づいて一応現在の級地が指定されておりますが、いろいろそのボーダーラインのところで意見の出ておりますものもございます。そこで、下げるのはいかぬが上げるのをどうするか、こういう端的な御質問になっておるようでございますが、もう一つ、私どもとしては、実はそれも、データが出ますれば、決して出し惜しみをするわけではございませんので、そのデータがどう出るかということによって決めさしていただくというふうにお願い申し上げたいと思います。
#54
○大出委員 そうすると、この法律が成立すれば、人事院は再勧告するのですか。そうして、それから総理府令の改正、こういう手続ですか。
#55
○藤井(貞)政府委員 さようでございます。
#56
○大出委員 そうなると、これはなるべく早く決着をつけなければ、八月の問題でございますからぐあいが悪いことになる。
 そこで、いまの問題にからみまして、この八月三十一日以降、結婚して世帯主となった人、また新規採用の方、世帯主であれば、あるいは独身者であればということになりますが、当然これは支払うんだと思うのでありますが、そこで、この身分変更者というのが、どうも気に入らぬのです。これは、まあ停職の人などを指すのだろうと思いますが、かといって、この人の生活が変わるわけじゃないのです。停職になったからといって、北海道を引き払って東京に帰ってくるわけにいかぬのですから、そこらのところをどう考えておられるのですか。
#57
○茨木政府委員 いまの身分変更と新規採用等の問題でございますが、これは、この前の附帯決議がございましたので、その後、鋭意検討を加えてきておるところでございますが、いま御指摘の、特に身分変更等の問題についてどう考えるかということでございますが、その辺が新たに追加支給の原因になりますものと、それからそうでないものと出てまいるわけでございます。そこで、いま御指摘の辺のところをどうするかというふうなところの検討にいろいろ時間がかかっておるということでございます。
#58
○大出委員 これで終わりですが、下げるところをつくらぬ、そういう長年の歴史、ある意味では政治的な背景があるわけですから、だから、新規採用なり結婚して世帯主になった人に金を出すからといって、片一方で身分変更者などということで今度はそっちは差し引く、あまりそういう小汚いと言ったらあなたは怒るかもしれないけれども、そういうことはおやりにならない方がいいだろう、こう思っているんですが、そこらはぜひひとつ御検討いただきたい。そのことだけ申し上げまして終わります。
#59
○藤尾委員長 午後零時三十分より委員会を再開することとし、この際、暫時休憩いたします。
    午前十一時五十二分休憩
     ――――◇―――――
    午後零時四十三分開議
#60
○藤尾委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 文部省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。大出俊君。
#61
○大出委員 文部大臣にきょう二つ承っておきたいわけでありますが、一つは国立少年の家、この法律でこれを文部省の直轄にする、こういうわけでありますが、この問題ともう一つ、最近、私の足元の神奈川県の川崎市でありますが、元木町というところについて、地震予知連絡会議から昨年の十二月に発表がございました。発表と申しますけれども、これは報告といっていいのかわかりませんが、昼間地震が起こるとすれば、子供さんは家を出て学校にいる。大正十二年の震災というのは、私が二つのときですから後から親周辺に聞いたわけでありますけれども、大変な心配を親にすれば感ずるわけでありまして、学校というのは本来避難場所であるべきものが、実はそっちへ行っている子供の方が心配だという大きな騒ぎが起こっておりまして、東京にしても川崎にしても横浜市にしても、市民相談室にどうしてくれるんだという、実は大変な数であります。それだけに、これは学校施設の問題として、あの地域が実は集中的に老朽校舎、老朽講堂のあるところでありまして、それなりに自治体は自治体の計画がございますけれども、何とかしなければ父兄の諸君は気持ちのゆとりが出てこない、冷静に受けとめろといっても、受けとめられる余裕がないわけであります。
 そういう意味で、きわめて緊急な問題でございますので、学校施設をどういうふうにするかということなどを含めて承りたい。以上二点であります。
 そこで最初に、国立少年の家、その前に青年の家があるわけでありますが、これは端的に承りたいのですが、青年の家が主催をする行事がございますが、この少年の家等が直轄になりますと、ここが主催をする行事というのは、一体どういうことをおやりになるのか。かつて地域青年団云々ということもございまして、これは必ずしもそういう見方がいいかどうかは別ですけれども、多少政治的なものの見方から異議のある意見も聞きましたが、どういうふうにお考えかという基本をひとつ聞かしていただきたいのでございます。
#62
○永井国務大臣 少年の家の主な事業について御答弁申し上げます。
 少年の家は三つ主な事業を考えております。一つは、自然観察、自然探求、自然愛護というような、人間が自然に親しむということです。
 それからもう一つは、野外の活動で、特に都市などではなかなかできないことですが、登山、キャンプ、ハイキングあるいはサイクリングというようなことを行う、そういうことでございます。
 それから三番目には、少年自然の家の職員とか少年団体の指導者、そういうふうないわゆる少年教育に従事している人たちの研修でございます。
 この三つを事業と考えております。
#63
○大出委員 いままで青年の家の場合は、国公立両方いろいろございますけれども、皆さんが成果として挙げていいと考えておられる点はどういうことになりますか。
#64
○永井国務大臣 御答弁申し上げます。
 私も実は、青年の家に数カ所泊ったことがございますけれども、やはり第一は、個人の生活が団体とうまくいかなければならぬ、こういう団体活動というのが実際の実践を通して行われていることと思います。それから最近、青年の家に行って私自身が観察をして感じておりますのは、もう高校の人たちも相当来ております。社会人というようなものを、比較的初めには対象にしておりましたけれども、社会人、職業人以外の人たちも来る、いわゆる学生も来る、それが交流するということもある。こういう意味で、社会人と学生を問わず、端的に申せば資質の向上あるいは交流の強化。
 それからもう一つは、やはり少年の家と似ておりますが、青年教育に携わっている、これは、いろいろなところで携わっております。企業の中でも携わっておりますし、あるいは学校、ボーイスカウト、いろいろございますが、そういう指導者の研修と申しましょうか、そういうものが、いままで成果が上がっているものだと私は考えております。
#65
○大出委員 実は御殿場に青年の家がございますので、私も前後三回ほど行って、二時間ばかりの話をさせられましたりしたことがございまして、したがって、運営の仕方、これが中心だろうという気がするわけでありまして、少年の家についても、いま大臣がお答えになっているねらいが悪いわけではない。ただ、なかなか青年の家なんかでも、地域青年団だとか何とかありますと、とかく政治的なものが絡むというような、そういう見方が別な角度の諸君から出てくる。そこらは運営の問題でございますから、きちっとしていただければ、それなりの成果が上がっていくだろうという気がいたしまして、これは議論すればまたいろいろございますけれども、皆さんのお出しになっている資料もございますけれども、素直に考えていきたいというふうに思っておるわけであります。
 大臣の時間の関係がございますので、後からいまの点はたくさんの方が質問いたしますから、私、いま問題になっております直下型、震度五、マグニチュード六あるいは五というような地震が、ことしの暮れあたりから大変に危険な時期であるという発想で出されている地震予知連絡会の報告に基づきます問題で承りたいと思いますが、前段に少し総論が必要でございますから、ほかの方々に少し承りたいと思います。
 私、ここに当時からの新聞をいろいろ持っておりますが、これは地元の神奈川新聞、大変大きな記事でございまして、これは「コンビナートに激しい衝撃」その上に「京浜に強震予報」「新幹線は空港は あきらめ顔の住民も」と、こういうわけでありますから、これを見れば、ここに住んでいる方々は、五キロ範囲などというようなことを言っておりますから、相当なショックを受けるのは当然であります。書き方のいい悪いは別として、相当大きな事件になる。それからもう一つ、「直下型地震の可能性も、川崎を中心に地盤が異常隆起地震予知連絡会が判断 来年末から危険期 この隆起の異常さ明白」こういうふうな書き方でありまして、今度はこれは読売でありますが、「一−二年で強震の心配 観測五年 異例の発表」異例の発表というわけですから、いままで予知に類する発表というのは実質的にはないのでありますから、言ってみれば、今回が初めてだと言える状況であります。ここに朝日新聞があり毎日新聞がありということで、ほとんどの新聞が、相当大きく取り上げております。しかも、そのすぐ後ろには、たくさんの京浜コンビナートの千二百からのタンクがずらり並んでいる。五十何社の企業がひしめいている。こういう地域でございますから、問題が起こるのは当然であります。
 そこで、まず冒頭に承りたいんですけれども、この予知連絡会が萩原会長さんの名前で、地震予知研究推進連絡会議議長あてに報告をなさっている。これは四十九年十二月二十七日であります。研究機関的性格は持ちますけれども、地震予知研究推進連絡会議というのは、科学技術庁の次官が議長をやっておられます。科学技術庁の武安義光さんが議長であります。これには各省が入っておりますから、その限りでは、これは行政機関であります。この行政機関に対しまして、国土地理院に事務所を置く学者その他の集まりでございます地震予知連絡会会長名で「最近における多摩川下流地域の地盤隆起現象について」という報告を出した。したがって、これは公のものと理解しなければなりません。
 したがって、まず地震予知連絡会がこういうものを明らかにした、ある意味ではこれは予報になるわけでございまして、そういう意味で、いまだかつてない形のことをおやりになったわけですけれども、その意図するものは一体何であったかという点をちょっと聞いておきたいのです。
#66
○木田政府委員 地震予知の体制につきまして、ちょっと前段のような御説明になりますけれども、私から御説明申し上げまして、いま御指摘がございました予知連絡会のことにつきまして、関連してお答えを申し上げます。
 地震の予知を何とかして学術的にも可能ならしめたいということで、昭和三十九年からスタートしておるのが、地震予知の推進に関する計画でございます。
 それで、文部省に測地学審議会というのが設けられておりまして、測地学及び政府機関における測地事業計画に関する事項を審議し、関係各省の測地に関係いたしますところに広く入っていただきまして、一次、二次、三次と計画を進めてまいっております。昭和四十九年から第三次の五カ年計画に入っておるわけでございますが、その第三次までのところでいろいろかなり観測体制も整ってまいりまして、学問的な知見も十分にふえてまいりましたし、観測事業も整ってまいりました。そこで、第三次の地震予知計画におきましては、国土地理院が中心になって日本全国の精密な測量を行う。気象庁が大中、小地震の観測を行う、大学が微小地震の観測体制を整えるということで協力体制を整えまして、その具体的な各省間の連絡を密にいたすため、また情報の検討と専門的な判断を行うために、国土地理院に地震予知連絡会が置かれたわけでございます。一方、具体的な政府機関の観測体制を緊密にするという意味で、御指摘がございましたように、総理府に地震予知研究推進連絡会議が設置されまして、具体的な研究の推進ということを、武安科学技術庁事務次官のもとでやっておるわけでございますが、いま御質問のございました地域につきましては、観測結果にかなり注目すべき大きな変化が起こっておる。これは研究者だけのことというよりも、もう少し、これははっきりしたものとして関係者にも呼びかけておく必要があろうということから、萩原会長が新聞にも観測の結果をお知らせして、皆さんでこの地震予知の問題を考えてもらおう、こういうことに出た次第でございます。
#67
○大出委員 ここで私は、非常に大きな問題だと思っておることが一つあるのです。それはどういうことかといいますと、この報告書を見ますと「昨日、地震予知連絡会は、川崎市及びその周辺の地盤隆起についての見解を公表いたしました。国土地理院は、東京−藤沢間の水準測量」つまり地盤の水準の測量をしているわけですが、これを「毎年行っておりますが、これによると、一九七一年以来川崎市を中心として半径数キロの地域が、大きい所で年間一センチ程度隆起しつつあることが認められます。しかし、地盤隆起の顕著な地盤が、かつて地下水汲み上げによる地盤沈下の著しかった地域と概ね一致することから考えて、地盤沈下現象との関連において生じたものでないかという疑いが持たれます。」こう書いてあるんですね。実は地下水をくみ上げたその地域と、全部じゃありませんけれども、おおむね一致している点があるから、地盤の隆起が原因かもしらぬという疑いが持たれる。ところが、この議論に至った中身を、内容をいろいろ聞いてみますと、これに反対をして表に出すべきじゃないという意見を吐いたのは気象庁の方々が中心なんですね、学者側の方は逆なんですね。それは、この文書はいわば非常に気をつけて書いたといえばそうかもしれませんけれども、誤解あるいは憶測があってはいけないから出したというのならば、私は書くべきものをはっきり書くべきだという気がするのでありますけれども、大変手前に物を言っている
 二番目に「微小地震の発生など他の地震前兆と思われる現象は、現在何も観測されておりません。」と言っておりますけれども、これは実は、そういう観測機関を置いて観測しているわけじゃないのですから観測をされていない。観測しているがあらわれないのじゃない、観測していないから出ないのです。
 それから「なお、地盤の隆起が地震発生に結びつかなかった事例もあり、今回地盤隆起が測定されたということだけから、これが直ちに地震の起ることに結びつくと考えることはできません。しかし、川崎地域が社会的に極めて重要な地域であることから、万が一を考慮し、今回の現象の実態をつかむために、関係各機関が協力して各種の観測を集約的に行うことが必要であると考えます。」という趣旨なんですね。だから私が、皆さん、政府関係の方においでいただいて承りますと、非常に理性的に受け取っていただきたいというお言葉が返ってくる。そうあわてなさんな、心配しなさんなと言う。地震予知連絡会が出したけれども、そんなに危険な話ではないですよと言う。
 私は、ここのところが、実は逆に言うと大変危険だと思っているんですけれども、いまのこの点、理性的に受けとめなさい、つまり、あわてなさんな、騒ぎなさんなということに通ずるわけですけれども、そこらのところは一体どうお考えなんですか。
#68
○木田政府委員 いままでの各省関係機関の協力のもとで進めてまいりました地震予知の研究体制の結果、どこが地震についてかなり危険度の高い地域であるかとか、どのくらいの大きさの地震を考えなければならぬかとかいうことは、川崎のような局部地域じゃなくて、一般的な広い範囲で考えますと、かなり精度がとれるようになってきたわけでございますが、現在の段階では、まだ、いつ起こるかということにつきましては、学問的な解明が十分につかないのでございます。
 そこで、関係機関協力して、震動の小さいものまでとるような観測体制をとり、危険地域についての観測体制を強化するということをやってきておるわけでございまして、相模湾地区につきましても、注意しなければならぬ地区の一つであるということで、関係者がいろいろな観測体制をそこに集めておるわけでございます。
 川崎のこの局部地域におきまして、いま御指摘のように、いろいろな振動音等が入ってまいりますから、微小地震の観測が必ずしもうまくまいりませんが、これから注意をして、さらに観測体制を整え、相互の関係機関の連絡を密にしなければならないということを政府関係者として進めてまいりますために、川崎についてのこういう発表もいたしたわけでございます。
 国土地理院が中心になって観測をしてこられました研究の結果につきましては、やはりこれは事柄自体として、内々で研究者だけのものにしておくということでない方がよろしいということの判断から、事柄は冷静に受けとめなければならないけれども、できるだけ今後の体制を幅広く進めていく必要があろうということから出たものでございまして、学問的にはまだいつというようなことなどもよくわかりませんし、川崎地区の特殊な地域につきましての現象をどう詰めていくかということを今後もやっていかなければなりませんので、それらのわからない点を含めて慎重に対処したいという意味で、用心したものの言い方を萩原さんもしておられるわけでございます。
#69
○大出委員 そこが問題なんですがね。これを見ますと、萩原さん初め予報すべきだと言った方々の、これは大勢でございますが、ここで言っておりますのを見ますと、地震というものを学問的に研究してきた立場から、一般的な考え方で京浜地区の場合を見ると、これまでの例とを異なるというわけです。隆起が非常に長く続いているというわけです。地下水の汲み上げ、これは川崎市がとめた。その前後を含めて非常に長いというわけです、かれこれ十年。そこで顕著な隆起現象があらわれて五年というわけです。だから、旧来の京浜地区の場合ではいろいろなことがあったけれども、それと例が違う、現象が違うというわけです。
 それから地震発生前に、同じような隆起現象が、三十九年の新潟地震、昭和二年の関原地震、これもやはり新潟県ですが、このときも隆起が非常に顕著であって、やはり地震と関連があるということを言いたかったんですね、この研究者は。ところが言えなかったわけです、聞いてみると。
 ここから先は実はオフレコみたいなことだけれども、学者先生は表に出したい。ところが政府関係の方は抑えるというわけですね。今回も抑えているわけですよ。気象庁は、これまでのエネルギーの蓄積量その他から見て、当分、この川崎あるいは関東、この周辺に地震が起こる可能性は少ないということで、発表すべきでないというわけです。ところが会長自身の考え方も、東京−横浜の一部を含めた地帯の最大限度五キロ程度の地域、ここに隆起が始まってから四、五年目ぐらいになる、だから、連絡会としては、地震発生がかなり迫っているという可能性も大いにあるというわけですよ、議論の中身としては。あわせて、ことしの暮れあたりからその意味で危険期に入る、学問的にはそう考えられる。だが、気象庁の方がそういうことを言うということでこの文章なんですね、結果的に。そして皆さん関係の方々は、私はおいでいただき、聞きますと、理性的に受け取ってくれと言う。そんなに危険だというんじゃないんですと。ここに非常に市民感情とのずれがあるんですね。
 市民感情の方は、地震予知連絡会の中身の議論を記者の方が行って聞く。われわれも聞く。いろんなことで聞いてきて物に書く。それを見る。そうするとその中には、気象庁の皆さんが、それは困ると言ってとめに入るという。それらまで出てくるものですから、事はなかなかややこしくなる。大変な心配をする結果になってくる、逆に。研究者の立場と官庁の立場が違うんですね。ここらあたり、私は非常に疑問を持つんですよ。やはりこの種のことは、科学的に考えた研究者か――この研究者のある人は、新潟の場合に何遍かそれをはっきり言うべきだということを言ったというのです。この地盤隆起は大きな地震につながると言えと。ところが当時は言えなかったというわけです。環境が許さなかった。だから、今回もこういう表現にはなったけれども、あえて出すべきだという気持ちは強かったという。
 ここらのところ、私は、やはり事務レベルでややこしいことになるからという判断だったのかどうか知りませんけれども、そこら一体どうお考えなのか、もう一遍だけはっきりしておいていただきたい、将来のこともありますから。
#70
○木田政府委員 地震予知連絡会に集まっております関係の担当者の会議の結果、いろいろな立場でいろいろな御意見があるというのは、こういう事柄の性質上、当然あり得ることだというふうに思うのでございます。しかし全体として、この際やはりうわさの形で思わざる流言のように事柄が広がるというよりは、むしろ、いままで関係者が的確に把握しておる限度を明確にお知らせをしておいた方が後々の体制を整えていくにもよかろう、また研究者の研究体制をそこに集中いたしていきますにつきましても、何もわからないままでそういう研究体制がある地区にだけ進んでいくということでは、かえって不安を与えることになろうということから発表になったわけでございまして、その起こっております事象の結びつけ方につきまして、いろいろな判断がなお成り立ち得るということは、この段階ではやむを得ないことかと思っておる次第でございます。
#71
○大出委員 これは政府側の基本的な考え方を承りたいのですが、私が承ったところが、何遍も繰り返しますが、理性的に受け取ってくれということをしきりに強調される。理性的であることは悪いことじゃありません。ありませんけれども、ただ、それだけで事が済むかということになると、話は別であります。そういう意味で、担当局長であるあなたの方も、これは理性的に受け取れ、そんなにいますぐどうだというわけじゃないのですから、安心してください、こういう言い方でいいのかどうか、承りたい。
#72
○木田政府委員 この地域にかなり特殊な異常な状態が起こっておる、そのために私ども、測地学審議会を中心にした学問的な観測体制というものは、地震予知のとってまいりましたいままでの経過から考えてみて、もっと集中的に観測体制を強化するということはぜひやらなければならない、そのことからいたずらな不安、動揺を起こしてはいけない、いろいろわからないこともたくさんあるので、ただ騒ぎになるということは慎んでいただきたい、しかし、できるだけの異常に対応する研究ということは進めていきたい、こういう立場に立っておる次第でございます。
#73
○大出委員 わからないわけですから万一の場合と、こうなりますね。そうでしょう。しかし、この万一の場合というのが、実は大事に至るか至らぬかということの分かれ道でございます。つまり理性的に受け取る、それはそれでいいとしても、危険予測という面で万一に備えて急がなければならぬ、あるいはいまの小切った予算じゃどうにもならぬから思い切って予算も投入して万全の措置を急いでとらにゃならぬ、そういう気構えになるということと、たとえば人工地震を起こすのは、予算がないから来年やるんだというようなことになるのとでは、つまり体制を整える意味での心構えが違えば速度が違う、これは大変なことなんですね。言葉の上で理性的にと言うんだが、理性的にと言って何もやらないんじゃ、えらいことになりかねぬと言うんです。それなら天災なんだが、実は人災の面を大きく含む、そういう結果になる。
 そこを私は心配をするので、いま、結果的に予知体制、観測体制その他を強化する、これはやらなければならぬ、しかし、いたずらに不安、動揺しないでと、こういうような言い方ですが、実はこの地域というのは、ここに私が調べて持っているのから見ても、大変に有名な地震のあった地域なんです、川崎、横浜、品川にかけてのこの地域というのは。まず一つは、慶安二年、一六四九年六月四日、これは徳川時代ですが、マグニチュード六・四という地震がこの地域に起きている。川崎中心であります。そしていまの川崎駅の近くの民家が百五十軒倒壊かつつぶれたと書いてある。大変な被害が出たと書いてある。慶安地震とこれを言う。次にこれは文化九年、一八一二年、六月六日ですが、神奈川県東部を震源地とした地震が起こった。川崎、横浜かつ品川、この臨海地帯一体に大きな被害が出たと書いてある。これを称して文化地震と言う。みんなローカルな地震です。それから明治十三年の地震、これは一八八〇年二月二十二日、横浜でマグニチュード五・四。これは震度五でございます。いまここで言っているのがマグニチュードで言うと五か六、震度五である、似たような地震。これを称して学問的に横浜地震と言うんですね。これは世界的に地震学が確立をする意味でのきっかけになった地震だと言うのです。地震学の面では貴重な地震――貴重な地震という言いぐさはありませんがね、被害が出たんだから。ところで、この横浜地震というのは震度五でも大地震なんです。そして被害は川崎、品川、この辺まで及んでいるんですね。
 慶安地震と文化地震の間というのはおおむね百六十年間、こう言っているんですが、例の地震学の河角さんがおっしゃっているプラスマイナス十三年ございますから、それを入れると、ここでこう見ると、文化地震と明治の横浜地震の間隔が、一八一二年と一八八〇年ですから六十八年なんです。そしてこの横浜地震から今日まで九十五年なんですね。だから研究者の中に、この時間間隔を挙げている人もいる。学問的には、大変大きな地震が起こった地域というのは周期的にまた起こる。ローカルな、横浜、川崎を中心に起こった地震というのも、やはり周期的に起こってきているということになると、過去四十年を超える間大きな地震がない、おまけに横浜地震から九十五年たっている、こうなると学問的に危険期だというものの見方ができると言うのです。
 そこらが、気象庁のいろいろな御意見があっても、会長さん以下皆さんの気持ちからすれば、地下水のくみ上げだけだと考えられない、幅広い、しかも期間の長い隆起がこんなに続いている、それが過去五年振り返ると、顕著な隆起になっているということになると表に出さざるを得ない。だから皆さんが押えても学問的には表に出る。それが皆さんの言う混乱や誤解を避ける意味で報告することにしたということなんです。やはりそこらのことは、冷静でいいけれども、正確に物は言っていただきませんと、非常に地震的には危険な地域である、そこにまた時間的にも周期的にも、一定の周期が過ぎている、隆起の現象から見て過去五年、そうすると一、二年というのは非常に危険な時期である、だからという前提がやはり皆さんの腹の中にないと、何となくどうも――その後どういう対策をおとりになったのかということを調べてみても腑に落ちぬ点だらけであります。それでは困る。そこのところをはっきりしていただきたいのですが、いかがでございますか。
#74
○木田政府委員 先ほど来申し上げておりますように、この観測結果に着目して今後の観測体制を集中させる必要があるし、いろいろな工夫も講じなければならないということから、発表もいたし、これからの体制を各省それぞれによって整えていこうということにいたしておるわけでございまして、私ども文部省の関係につきましては、かねてから南関東、東海地域の地殻活動の研究のために、昭和四十九年度も経費をつけて特別観測を実施してまいったわけでございますが、今回の川崎地区の異常隆起につきましても、目下、五大学の研究者が協力いたしまして、集中的な観測体制を行うような準備を整えておるところでございます。また国土地理院とか防災科学技術センター等の研究、観測との連絡、協力も行っておるわけでございまして、そうしたことを、政府の実施機関といたしましては、先ほどの武安科学技術庁事務次官のもとで、われわれが連絡を密にして進めていく、こういう体制に入っている次第でございます。
#75
○大出委員 これは学校校舎問題に入る前でございますので、長い質問はいたしませんけれども、少し具体的に承りたいのであります。私、ここに新聞を持っております。これは昨年の八月二十九日の新聞でございますが、「行管庁きょう改善勧告」こういう見出しであります。「避難場所のない川崎 横浜、川崎「石油」対策も不十分」表題は「お粗末 大都市の震災対策」とあるんですね。まさにお粗末ですよ。これは行政管理庁が調べられて勧告したわけでしょう。後の方になりますと「責任のなすり合い 各省庁」これは新聞の皆さんだから、こう書いたという言い方をなさるかもしらぬけれども、住んでいる皆さんは、これを見るわけであります。コンビナート、千何百のタンクが並んでいるところですから、まさに危険地域です。
 そこで、行政管理庁監察局長に承りたいんですけれども、これは皆さんがお出しになった、大変分厚い、りっぱなものであります。つまり、この勧告をとらえて新聞はいま私が申し上げたように書いた。この中身を見ると、この中もそうでありますが、関係各省庁の都市の震災対策というものは、まことにおくれっ放しという勧告。文部省の問題だとかいろいろございますが、「学校等の理科実験室及び薬局等においては、関東大震災を初めとする大地震の際、しばしば薬品類の混触等による火災が発生しているため、消防庁は、昭和四十五年、文部省とも連携を取り、都道府県知事を通じて、各市町村に理科実験室薬品類からの出火防止について指導するとともに火災予防条例準則の改正を行ない、化学実験室等における危険物の取扱い及び貯蔵の際の設備構造の基準を示している。」にもかかわらず「薬品類については、発火性を有するものが多数に上ることから、いまだ各種の薬品ごとの具体的な危険防止対策措置」これが行われていないと言うのです。
 これは実は、特別教室も木造教室で、危険ぎりぎりの特別教室がずらっとある地域なんです。だから、これは行政管理庁が指摘するように、このこと一つ的確に行われていないとすれば親は心配をする、子供を手放して学校へやっておるわけですから。本来なら学校は避難場所なんだが、そこが一番先につぶれるんじゃないかという以上に、そこに一番先に火災が起こるとすれば、これはえらいことになる。
 これは一例を挙げただけですが、この種のことがここにいっぱい書いてある。十勝沖地震の例からいっぱい挙げています、行政管理庁は。
 そこで、まず承りたいのは、総体的にこの中身を読ましていただきましたが、きわめてお粗末きわまることになっているんですけれども、監察結果を要約して言えばどういうことになるのかということと、その後一体どういうふうに進めておられるのかということ、これは監察なさった当局から承りたいのです。
#76
○大田政府委員 行政管理庁のいまのお手元の勧告は、昨年の八月勧告したものでございます。これの目的といたしますのは、過去百年ぐらいの歴史を見ますと、大体マグニチュード七ぐらいの大地震が十五回ぐらい発生しております。そこで、こういう大地震が発生をいたしましたときに、事故を最大限に防ぐ方法はどうすればいいだろうかということをいろいろ検討いたしまして、その対策を現地調査に基づきまして出しましたものが、この勧告の内容でございます。
 先生御案内のように、大都市というのは現在非常に人口も集中しております。あるいは産業も急激に集中しまして、都市としては非常に膨大化しております。しかし、そういう都市の中で地震が起きた場合、果たして大都市を守るような都市づくりというものができているかどうかということになりますと、この調査結果からは、非常におくれているという結果だろうと思います。
 そこで、一応こういう勧告を出しましたが、私の方としましては、これだけで全部、万全であるということではございません。もちろん行政管理庁といたしましては、専門外のことも大分ございますし、関係の各省でこれ以外のことも、あるいはお気づきの点があれば、改善していたおきたいという考え方を持っております。現在、勧告いたしました結果につきまして、各省庁の御回答をお待ちしているという段階でございます。
#77
○大出委員 これは去年の八月に出ている勧告でございまして、御回答をお待ちしている、全くどうも大都市の震災対策としてはお粗末な、お粗末という言葉は、いまお使いにならなかったけれども、不完全なものであるということ。たとえばタンクあるいは高圧ガスなどを見ましても、最近、本当に目に余るくらい実はコンビナートの火災その他が発生している。私は、川崎の日石の大事故のときに、引き続いて三回起こったものですから、昨年あの地に参りまして事細かに説明を聞いた。コンビナートというものは二十四時間動いていますから、これは一つ間違うと――こんな厚い、目盛りを見る硬質ガラスがある。しかも、こんなに幅が狭いのです。ボルトでものすごくとめてある。厚さが十何センチあるんですが、それが一瞬に粉々になって吹っ飛んでいる、事故現場へ行ってみたら。こんなものが何で割れるか。普通じゃ割れないですね、こんなに狭いのですから。このくらい長いものですが、ずらっと並んでいる。それが一瞬にして粉みじんだ。
 これの事故について原因がわからぬで、科学的に調べたいということを工場側が言っておりましたが、火薬庫ですよ、早い話が。二十四時間一切とめない稼動ですから。とめてはいけないわけです。第一とめられないわけです。そうすると、一つ間違えば大災害が起こる。施設は新しく見えても、使用の頻度からいきまして早く老朽化する。圧力の相違が出てくる。だから吹っ飛ぶ、こういうことなんです。
 したがいまして、そういう地域だから、タンクであるとか、高圧ガス、エチレンから始まりましてたくさんございますが、これらのものに対する対策は、単なる企業の消防対策というものに任せきりというかっこうじゃおさまらぬわけです。やはり国の的確な手段、方法の指示が行われなければならぬわけでありますが、さっぱり点検をした形跡が昨年のその時点にない。最近の水島の一件からですよ、ようやく皆さんが腰を上げたのは。だから行政管理庁は、その後の問題に触れていますけれども、プロパンガスまで触れておる、石油ストーブからプロパンあるいはタンクまでみんな触れておるが、結論は全部不完全、不備である、お粗末であるということです。いまだに回答なしとおっしゃる、八月から今日まで。そういうことでは困る。
 ところが、これまた困ったことに担当が違うんですね。石油タンクの方は消防庁なんでしょう。高圧ガスの方は通産省なんでしょう。まことにもって困ったことになるわけであります。
 そこで、一例だけ先に挙げておいてから承りたいんですけれども、これは本年二月十五日ですが、私のおります横浜市の消防局が、タンクに関する改善勧告を出した、企業あてに。しようがなしにやっておるわけですが、何と二基に一基が欠陥、タンク二つについて一つは危険であるという勧告です。一月ちょうど中ごろから二月の十日まで、これは貯蔵所になっていますが、横浜市内にある一万キロリットル以上の屋外タンク、それから非常に張力の高い鋼製のタンク二百二十七基について特別査察をやった、横浜市の消防局が。ところが、この結果をまとめてみると、約半分の百五基が法令違反、管理上の欠陥、この両方がある。期限つきでいま改善勧告を出しておるわけです。相手が企業ですから、おやりになるかどうかわかりませんが、明らかになっておるのは、幾つか挙げますと、亜細亜石油の横浜工場、これは漏洩事故がありまして大騒ぎになったことがあるんですが、このタンクが不等沈下、つまりタンクそのものが、片方が沈んでしまって傾斜している。消防庁はこれは災害のもとになると言う。十八基のタンクがみんなおかしいんですね、土地が埋め立てその他ですから。地盤が非常に軟弱なんですね。そこで、ここから始まりまして水抜きの口、それから油を防ぐ堤防の構造、それから危険物の漏洩、いまの不等沈下、それから消火設備の不備、これがずらっと並んでいる。シエル石油横浜あるいは丸善石油横浜、亜細亜石油横浜、日石横浜、みんな片っ端です、法令違反と危険倉庫。
 時間がありませんから細かく申しませんが、こういう状態になっておるのを皆さんは、先般、川崎地区等について消防庁が点検をされた、こういう話でございましたが、これは一体いつごろどういうふうにおやりになったのですか。
#78
○森岡政府委員 地震の際のコンビナートの危険発生につきましては、御指摘のように大変問題が大きいと思います。そういうふうなこともございまして、昭和四十九年度から消防庁におきましては、学識経験者をもって構成します防災診断委員会におきまして、各消防本部が地域内のコンビナートあるいは石油その他危険物の貯蔵所を保安点検いたします場合のマニュアルと申しますか、そういうものを明確に進めていきたいということで進めておるわけであります。
 その一環といたしまして、先般、川崎市につきまして調査をいたしたわけでございます。この防災診断委員会は、四十九年度、五十年度の二カ年度で結論を得たいと思っております。早急に五十年度中に結論を出したい、かように思っております。
#79
○大出委員 二回とおっしゃるが、いつといつでございますか。――川崎地区の点検をおやりになったのはいつでしたか。
#80
○森岡政府委員 昨年の八月でございます。
#81
○大出委員 これは、私がこの間私の部屋においでいただいて承りましたら、水島事故、これが主なんです、それとこの例の地震予知連絡会の報告というのをあわせてやりましたというわけなんですね。
 つまり、水島の事故だの予知連絡会のこういう報告がなければ、これはいつのことやらわからぬことになる。いまようやく、お話では四十九年度と五十年度とおっしゃるんだが、四十九年度というのは、本年三月までが年度内ですよ。そうでしょう。五十年度というのは先の話です、四月以降。
 そうすると、二回やることにした、四十九年度と五十年度と。ずいぶんこれはまたのんきな話でございまして、この予知連絡会の昨年末のものを見ましても、ここにおのおのの責任者の方が発言されている。「コンビナート、石油タンクが大小二千四百基、石油化学工場が八十以上も密集している川崎臨海コンビナート地帯。四十万トンタンカー五十隻分の原油を抱える京浜工業地帯の心臓部だ。巨大なタンクの間を縦横にパイプが走り、石油、高圧ガス、LPガス、エチレンなど、一触即発の火薬庫。」こう書いてある。
 去年の三月に、川崎市の防災会議地震専門部会、部会長が日大工学部教授の金井さんでございますが、それのまとめた調査では、「臨海工業地帯の場合、地盤の締まりがよくない砂質土で、しかも地下水が多い。震度五程度の地震でも地盤の粒子間の水圧が増し、土の粒子がバラバラになって地盤全体が液状化現象を起こす。」したがって、震度五であってもこのタンクはもたないと言う。これは去年の三月、川崎市が日大の教授金井さんにお願いをして調査していただいたその結果です。
 先ほど、震度五だから大した地震ではないという感じがひょっとするというお答えが出てきているんですけれども、震度五というのは、さっき私が三つ、四つ挙げました地震で、やはり直下型ですから、相当な被害が出ている。
 これは、気象庁の地震課が出している資料でありますが、通常震度五というのはどのくらいのことになるかというと、家の場合、しっくいの壁に割れ目ができる、コンクリート製の煙突、石がきが崩れる、墓石、石灯籠などが倒れる。室内になると、震度四ですでに、花びんや金魚ばちの水があふれ、たなの荷物も落ちる、五では室内はめちゃくちゃになりそう。
 京浜地区というのは地盤が非常に悪い。したがいまして、普通の震度五といっても、いまの文化地震から慶安地震からすべて震度五前後で、それで相当な被害が出ているんですから、川崎のこの調査に基づく結果としては、震度五だというと、このコンビナート地帯はえらいことになるという。
 だから、どうもいまのお話を聞いていると、四十九年度、五十年度二回お調べになる、それで結論を出す、こうおっしゃるが、ことしの暮れから危険期だ、こう言っている世の中に、皆さんの方が、五十年度、来年、こういう悠長なことでは、これでは地域住民はおさまりませんですよ。
 だから、ここなんか見ますと、これは、みんな皆さんが自分で発言されている。たとえば昭和石油横浜油槽所の防災担当の島崎政雄さんという方ですが、らちの場合、つまり昭和石油の場合、鉄筋製のオイルビット――油水分離槽ですが、オイルピットやバルブなど油流出に対する対策は数段階に分かれて施されておりますから、この京浜運河に油が流れ出るようなことはないと思うけれども、しかし火災が起きたら、もう手のつけようはありませんと言い切っている。担当責任者ですよ。火災が起きたらお手上げだと言うのです。
 また、多摩川をはさんで羽田空港との間にある日本石油化学浮島工場――浮島というのは、全部埋め立てですからね。この日本石油の浮島工場、ここの入倉和夫さんというポリエチレン担当係長さんも、事故を想定してふだんから非常訓練をやっておりますが、可燃物を大量に扱っておりますので、配管が破れて火災が起これば、手のつけようがありません。こう言っておる。防災、消防の余地がない。まさにこうなるというと、これは一触即発の火薬庫ですよ。
 軟弱地盤で、去年の三月、川崎市の委嘱に基づいて大学の先生たちがお調べになった結果からして、震度五が起こったら、直下型なら液状化になってしまう、タンクというのは傾斜だけで火災が起こると言うのです。そうすると責任を持てないと言うのです。
 そういう地域であるのに、皆さんの方は四十九年度、五十年度、二回この調査をする、そして何らかの結論を出したい、こうおっしゃっておる。どうもそういうことで事済む筋合いかどうかという点が私は非常に疑問です。いかがでございますか。
#82
○森岡政府委員 私どもも、悠長に構えておれる問題ではないと真剣に考えております。
 先ほど申し上げましたのは、四十八年の四月、すなわち、四十八年度の当初からコンビナート地域の防災対策につきましては、総合的な体制を考える必要があろう、それについては保安点検なり、あるいは保安規制につきまして根本的に考え直す必要があろうということで、四十九年五月から防災診断委員会を設置して進めた、こういうことを申し上げておるわけであります。八月にそれに基づいて第一回の調査をした。その後、御指摘のように、水島の流出事故のようなものもございましたし、また地震予知連絡会の発表もあったわけでございますので、私どもは、早急にこの診断委員会の作業を進めたいと思っております。
 同時にまた、先ほど御指摘のありました、診断委員会の結論をまつだけでなくて、行政的に一月中に緊急点検もやらせましたが、そういうふうな総点検を、これから引き続いて全コンビナート地域について精力的にやってまいりたい。その際に、地震による被害、危険というものをあわせて見てまいりたい。各都市の消防本部、これは非常に真剣でございますので、各都市の消防本部と十分打ち合わせをしながら、地域地域の実態に応じた、地震対策を含めた災害対策を根本的に早急に進めていきたい、かように考えております。
#83
○大出委員 ちょっと承りたいのですが、この川崎のコンビナート地帯で、これは川崎市の研究機関が、いま私が申し上げましたように、時間をかけて調べて結論を出しておりますが、皆さんは、いま地震に対するコンビナート地域の危険の度合いを調べたいとおっしゃるんだが、いま四十万トンタンカー何十隻分というようなものを抱えている。いま二人、人の名前を挙げましたが、責任が負えないと言っている。この地域で、私は震度五の地震の度合いも申し上げたんだが、予知連絡会は、震度五が起こるとすればという前提で言っておられるんだが、マグニチュードで言えば五か六であると言っているんだが、浮島というのは埋め立てですけれども、あの辺の地盤でもし震度五なり六なりという地震が起こったら、このコンビナートのタンクはどういうことになるのかということです。どうお考えになりますか。あなた方は、そういう意味の御調査をされたことがございますか。
#84
○森岡政府委員 地震が発生いたしました場合の被害の想定というものは、客観的に想定を立てますと、なかなかむずかしい面があろうかと思いますが、しかし私ども、神奈川県ともいろいろ協議をいたしまして、神奈川県の石油コンビナート災害対策計画におきましても、いろいろな被害想定をいたしております。私どもも、それがおおむね妥当ではないかと考えておるわけでございますが、若干抽象的ではございますけれども、立地する地盤の構造あるいは地震力の強さによりましては、当然、地盤の破壊あるいは施設設備の損壊という問題も生じましょうし、またガスの漏洩等のような問題も生じましょうし、あるいはタンクその他の塔槽類あるいは加熱炉につきまして、支持脚が破損をいたしましたり、あるいは貯蔵設備の破損ないしは配管の破損という問題が、御指摘のように起こる可能性というものは、私は当然あり得ると思うのであります。
 そういう点につきまして、やはり客観的な被害想定を踏まえて対策を早急に立てなければならぬ、このように考えております。
#85
○大出委員 早急に立てねばならぬとおっしゃるのだが、本当ならば、もう立っていなければならぬ、これだけ大変な状況なんですから。
 これは、通産省の方に承りたいんですけれども、二月の十五日の新聞ですが、川崎の日本冶金、これが油に引火しまして八千平方メートル焼いたのです。これは臨港署が調べております。これはステンレス合金を薄板に加工する作業ですが、作動するオイルパイプが破れた。外径二十五ミリ、内厚四・五ミリ、これが破れた。高熱のために直ちに引火「一瞬火の海」と書いてある。これは大変な騒動になっておる。今月の十四日です。これには「また」と書いてある。「コンビナートまたひやり」「工場一瞬火の海」もうあの周辺というのは、どこで流出事故が起こってもすぐ火になってしまう、こういう状況なんですが、高圧ガスの方は通産省ですね、皆さんの方はどうでございましょうか。
 この地域の高圧ガスにかかわる各種の問題、浮島をめぐりましても、三回も続けて大きな事故が起こったりいたしました。人も死にました。地震対策を含めてどういうふうにお考えか、いかがでございますか。
#86
○下河辺説明員 お答えいたします。
 高圧ガス関係につきましては、各都道府県を通じまして監督を行っておるわけでございますけれども、高圧ガス関係の事故が一昨年多発いたしまして、また昨今、一般消費家庭におきますLPG関係の事故も続発しておるというような情勢でございます。一昨年来、審議会におきまして、高圧ガス取締法の改正の審議をお願いしておったわけでございますが、今般、その成案ができまして、今国会に実は御審議をお願いしたいという情勢でございます。
 その内容につきまして、若干簡単に御説明いたしますと、まず高圧ガス設備が設置される前に、メーカーが製造している段階において検査を受けるというようなことを一つ考えております。それから保安関係の管理組織を強化いたしまして、責任体制を明確にするというような点を考えております。それからなお、保安教育、計画、訓練等も強化をする。それから現在、特殊法人で高圧ガス保安協会というのがございますが、そこに専門家をリザーブしておきまして、各工場が被害防止規程を作成する場合に、この協会の意見を聞くというような体制を整備したい。なお、一般家庭のLPガス消費におきます保安の確保につきましては、高圧ガス保安協会に出資及び補助金を交付いたしまして研究所をつくりまして、そこでいろいろな消費過程における保安問題の研究をしていこうというようなことを現在考えて、着々準備を進めているわけでございます。
 なお、法律のほかに、現在一般高圧ガス保安規則あるいは液化石油ガス保安規則等ございますが、このほかに今回、新たにコンビナート等保安規則というようなものを制定いたしまして、コンビナートや大規模な石油化学工場等につきましての保安監督の抜本的な強化を考えておる次第でございます。
 この内容につきましては、まず第一に、保安距離でございます。これは高圧ガス設備と民家との距離でございますが、これを従来の距離より飛躍的に増大しようというようなことでございます。
 それからそのほか、緊急遮断装置とかガス漏れ検知警報器、それからスチームカーテン、ウォーターカーテン、散水設備、保安電力あるいはインターロックというような保安設備でございますが、こういうものも拡充強化してまいろうというのが、コンビナート保安規則の大きな内容になっております。したがいまして、一般高圧ガス保安規則あるいは液化石油ガス保安規則につきましても、保安設備の抜本的な強化を図ることによりまして、地震対策にも大きな効果があるのではないかというふうに考えております。
 なお、一般家庭のLPGにつきましては、高圧ガス保安協会の研究所におきまして、地震が起きたときの遮断装置というようなものも新たに研究開発してまいろうというような考えでおる次第でございます。
 なお、神奈川県に限りまして申し上げますと、従来から、神奈川県におきましては、当局ともいろいろ相談のもとに、既存の設備についてでございますけれども、これの改善工事を指導しておったわけでございます。これは従来の計画でまいりますと、五十三年までに既存設備を全部改善させるというような方針になっておったのでございますが、今回の事態に対処いたしますために、今年度内に――五十年度内でございますが、これを繰り上げて工事を完工するというようなことを考えております。
 その他、一般的に行っておりますものとしましては、アンモニア冷凍機あるいはオートスタンド、それからボンベ置き場等に対しましても、これをフロン化するとか、あるいはタンクを地下に持っていくとか、あるいはボンベの置き場を市外の共同収納所に移すというようなことを考えておりまして、中小企業に対しましては、融資制度なども創設いたしまして実施しているように聞いております。
 なおさらに、今回の関連の事項といたしまして、これらの設備につきまして、緊急遮断弁とか、あるいは除外設備等の保安設備の点検の強化あるいは可燃ガス等の保有量を減少するよう努力するとか、あるいは夜間、休日におきましての保安体制の強化というような点につきましても指導を行っているという報告を受けております。
#87
○大出委員 いまいろいろ御説明いただいたんですけれども、冒頭に申し上げましたこの行管の勧告の中でも、事通産省と名指していろいろとある。家庭用の話もありましたが、家庭用プロパンなんかにしても、国の助成、指導、つまり国も出すものは出せと。これは時間がありませんから細かく申しませんが、非常に細かく指摘をいたしているわけであります。家庭用の石油ストーブ、これは消防庁の関係でしょうけれども、これなんかも、条例改正を自治体にやってもらえ、そうして自動消火装置かついている――つまり、これはメーカーとの関係が出てまいりますが、最近はそれも大分外国製品にあります。十勝沖の地震の例が、この行管の勧告に載っておりますけれども、大変に家庭用の不始末と申しますか、発火原因というもののほとんどがそれだという。だから、四十八年一月に火災予防条例準則を改正して、対震自動消火装置付以外の石油ストーブの使用を禁ずるように市条例を改正しろ、こう言っている。ところが、これはまだ全くその条例改正が行われていない大都市まであると書いてある。これは、やはりほっておける筋合いじゃないですね。ですから、これは販売業者の保安意識の高揚を図るためにということについても、大分細かく行管はものを言っている。さっき回答を待っているというお話がございましたが、どうもどっちをながめてみても、つい最近になってから、水島事故以後またコンビナート火災あるいは爆発等が頻発をいたしておりますので、ようやく腰を上げかけたという感じなんですね。大変残念なことだと思うのです。
 あわせて承っておきますが、いま問題になっている例の四日市のタンクの火災事故、これなんかも不可抗力だと言う、これを読んで見ると。おくれた自動消火装置、おくれて役に立たなかった、まさに不可抗力だ――密田さんのところの大協石油ですね。不可抗力だということになると、実は手のつけようのない火災が起こるわけであります。そうすると、地震だということになるとすると、これは、ここの責任者の方が言っておりますように、お手上げだということに通ずる。これでいいのかどうかという問題が実はある。今度は、四日市問題等をめぐってこの種のタンクが事故を起こすことは、タンクをここに置く以上、やむを得ないというふうに書いてある。不可抗力、あなた方の方の結論はそういうことになるのかどうか。
 だから地震で――埋立地なんですから、いずれも関東ロームで京浜工業地帯というのは本来地盤が悪い。何しろ科学技術庁ががけ崩れの実験をやってみたところが、それで人が死んじゃったりしているんですからね。それで先般、長官がおやめになったりしている、こういう地域ですから、だから、あなた方の方は、これらの大変危険な状況に置かれている現実が目の前にある、これを個々にいろいろなことをおっしゃるのだが、一体これを総括的にどうする、住民サイドに立って一体どうしてくれるんだ、どうすればいいんだ。あなた方は端的に答えが出てまいりますか。
#88
○森岡政府委員 最初に、お話のありました石油ストーブの問題でございますが、これは御指摘のように、条例準則を改正いたしまして、鋭意対震性自動消火装置がつくものでなければ使用させないという形で進めておるところであります。なお若干、まだ条例改正が行なわれていないところもございますけれども、これは早急にそういう形になるようにぜひ進めていきたいと思います。
 それから次の、四日市の大協石油の火災、不可抗力だからということで片づけてしまえる問題ではないと私どもは思います。それは火が出たわけでありますから、きわめて単純な言い方でございますけれども、当然原因があるわけであります。原因は徹底的に究明いたしまして、その原因に対応する対策を考えなきゃならない。ただしかし、その場合に、その原因がいろいろ、完全に一つまとまらないこともあり得るかもしれない。その場合には、数点の問題点が、しかしそれでも当然出てくるわけでございますから、それに対する対策を徹底的に立てるということが必要ではないか。
 それから、特に固定消火設備が最初作動しなかったという問題があるわけでございますが、もちろんその点も考えなきゃならないと思います。固定消火設備の改善も考えなきゃならない、しかし同時に、固定消火設備が作動しない場合には、スクアート車とかあるいは化学車とかが今度は大変威力を発揮したというふうに私どもは考えておりますが、ああいうものをもっと思い切って整備していく、こういうことが必要だと思います。
 それから最後に、コンビナート地帯が地震問題を含めて大変危険ではないか、それに対して、一気にこうすれば片がつくという答えが出るかという問題でございますが、先般、予算委員会でもいろいろ指摘がございまして、コンビナート地帯という特殊な地域に着目をして、総合的な防災体制を確立するような方策を検討しろという指示もいただいておりますし、私どもの方といたしましては、高圧ガスなり危険物なり全部総合いたしました総合的な保安体制の確立をぜひ考えたい、かように考えております。
#89
○大出委員 少し総論が長くなり過ぎた感じがいたしますけれども、大事なことでありますから申し上げたわけでございます。
 もう一つ、あわせて承っておきたいわけでありますが、遮断緑地などというものは、これは建設省の所管でございましょうが、実は横浜の根岸に、有名な日本石油という大きな企業がございます。これができるときに、私も現場でずいぶん苦労して、工場長さん等と話し合ってきたのでありますが、遮断緑地も大変幅広くつくったり、集合煙突をつくって、秒速六十メートルで逆転層の上まで吹き上げるなどというものを全部つくって、風洞実験なんか全部やって、称して横浜方式などと言うのでありますが、実はあの工場は、工場長さんの御説明によると、八十億円の危険防止のための金がかかっている。当時の金で八十億円。最近話してみましたら、だから、いまになると、そういう意味の苦情は承っていないと言う。つまり、工場設備あるいはコンビナートをつくるときから、それ相当な金をやはりかけなければ災害は防げないという結論が出ている気がするわけであります。学校の問題なんかでも同じことが言えると思うのでありますが、金をかける気にならなければ問題は解決しない。川崎のこの地域なんていうのは、遮断緑地というものは薬にしたくてもないような地域ばっかり、密集していましてね。
 さてそこで、遮断緑地が必要だということをおっしゃる建設省の皆さんにすれば、しからば一体、どうすればそれができるかという問題があわせて出てこなければ、黙っていればいつになったってそのまま。そこらのところは一体どうお考えですか。
#90
○田原説明員 建設省の地震対策は、非常に多方面にわたっておりまして、都市問題、河川問題、道路問題その他またがっておるわけでございますが、ただいまの御質問の内容は、全く都市のずばりの問題でございますので、都市政策課長が来ておりますのでお答えしたいと思います。
#91
○豊蔵説明員 ただいまお話のありました点につきまして、私たちは、まず第一には、先ほど消防庁の方からもお話がありましたように、コンビナート地区自体におきまして、災害が発生しないように、また、かりに事故が起きましても、周辺市街地へ波及することを防止するような施策を進めていただきたいと思っておりますが、その上でなおかつ、非常に大きな地震等が発生いたしました場合に、都市部に及ぼす影響等も考慮いたしまして、四十七年度から二カ年にわたりまして、防災遮断帯といったようなものをつくったらどうだろうかという調査をしてまいっております。これらの調査結果等も参考にいたしまして、今後の遮断帯整備の方策を考えてまいりたいと思っております。
 ただしかしながら、当面やはり緊急に整備する必要がある地域も多々ございますので、これらは一般的な公園緑地の整備あるいはまた避難道の整備、そういったような現行制度で与えられました手法を十分に活用し、重点的に予算等の確保に努めてまいりたい、かように考えております。
#92
○大出委員 いまの御答弁を聞いておりますと、皆さんの所管に基づく型どおりの御答弁になるんですね。最後に予算がついているわけですね。どっちから入っていっても、みんなそこに来るんですね。遮断緑地、遮断壁をつくる必要があると言う。そうすれば防げる、だから、その方向に向かってやりたいと思っております。思っていることはいいのですが、そこでもう一つ、今度は予算等の獲得にも努力してと、こうくるわけですね。いつになったらどういうふうにやるんだと言えば、いやそう思っているんだけれどもというところにとまっていまして、片方には今度は予算と、こうくるわけですな。物事がそこにとまって、さっぱり前に進まない。
 まあ水島事故が起こったと言えば、あわてて点検をしてみる。どうもここらあたりが、政治的に考えれば、集中的にここに危険があるんだというなら、これを直す、そうならなければ意味がないんですね。ところが、行管はいち早く勧告をしました。各省にみんな細かく物を言った。いいことを言っているんですけれども、それで結果をお待ちしています。行管は待っている。皆さんの方は、こうすればいいと思います、ああすればいいと思います、予算の獲得には努力してと、ここまでになっている。そこから先は、旧態依然たる町並みが、旧態依然たるコンビナート群が、旧態依然たるタンクが並んでいるまんまということになる。そうすると、後ろにタンクをしょっていて、やれ直下型地震が起こるなんと言われた住民にすれば、ふんまんやる方ないんだが持っていき場所がないんですな。私は、これではならぬという気がする。そして、おのおの所管が違うんだから、一つの地域の問題をと言ったって、たくさんの方々をみんな集めて一々聞かなければ、この地域に必要なことは一つも結論が出ない。これで震災対策ができるのかという、何ともどうも残念な話でありますが、何かどうも重要なものが欠けている気が私はするわけであります。切りがないので次に移らしていただきますけれども、何ともどうも残念な話なのですが、ここでもう一つだけ、後の質問と絡みますから、ちょっと承っておきたいのです。
 避難場所というものを地域防災計画等に従って指定しろと、こう言う。法律的には確かにいろいろなものができている。災害対策基本法、激甚災害特別援助法、火山避難施設等整備法、中央防災会議、これは国土庁の所管であります。つまり、中央防災会議が物を言わなければいかぬ筋合いなんだと思います。そこで、もう一つだけ聞いて、防災会議の所管の方から一言欲しいのでありますが、避難場所を指定せいと言うので避難場所を指定した。避難場所があったって、学校がつぶれたら生徒はどこかに避難すると言ったって、その間の避難道路というのは一体どうなのかと言ったら、全くない。避難場所だけあって避難道路がない。しかしいたし方がない。それで避難場所を指定さしたって全く意味がないですね。そうすると、そこらの問題は、その所管は建設省の皆さんかどうか知りませんが、一体どうお考えかということ。
 幾つか問題を提起いたしましたが、国土総合開発庁設置法という法律が、昨年この委員会に出されてまいりました。国土利用計画法は通っても通らぬでも、国土をずばり所管する官庁はないんですから、せめて集中的にそこへという気がいたしましたから、国土総合開発の総合は気に食わぬから取りましたけれども、国土庁は皆さんの御賛成でまとまってできているわけであります。そこに対策室もあり、中央防災会議の事務局がそこでやっておられるわけでありますが、以上、各省がおっしゃるいろいろなことを総括的に考えて、一体、中央防災会議を担当なさる皆さんの側はどうすれば――いま具体的な例は、地震予知連絡会議が挙げている、ことしの暮れあたりがすでに危険期に近づいているというふうに学問的には考えられると言う直下型の元木町を中心にする川崎の、あるいは横浜の、あるいは東京へ流れる地震帯、歴史的にも地震があるところ、この危険な状況、周期的にもそういう時期に来ていると言う。この問題などをとらえて、一体どういうふうにすれば前に進んでいくのかという、中央防災会議は一体どう考えるのか、そこらのところを聞かしていただきたい。
#93
○杉岡説明員 お答えいたします。
 中央防災会議、災害関係の省庁が集まった事務局でございますけれども、これにおきましては、昭和四十六年に政府の震災に対する基本方針と申しますか大地震対策要綱というのをつくりまして、それを関係省庁で進めておるわけでございます。四十八年に都市防災それから地震予知の推進、防災体制の確立というような三項目をテーマにいたしまして、関係省庁でこれをお互いに話し合っております。
 それで、そういう話し合いの場でございますけれども、中央防災会議は国土庁にあって、十八省庁から震災対策は成っておるわけでございます。いろいろな細かい関係省庁がございますが、十八省庁から成った地震対策の連絡会議を設けまして、そこに所要の分科会と申しますか、たとえば都市防災あるいは避難あるいは中央対策、こういったような分科会を設けまして、関係省庁独自でやれるものはどんどん進めてもらうというのは当然でございますが、中で話し合っていかなければならない、たとえば都市防災のような非常に関係省庁が絡むもの、これは現在、建設省で都市防災の委員会等も設置されておりますけれども、こういったところを中心にして進めてもらうというような、災害対策の推進の場を設けておるわけでございます。
 こういった場がございますので、たとえば今度の川崎の件でございますけれども、二十七日予知連の例の文書がございまして、同時に、われわれのほうにも関係省庁来ていただきまして、いまの予知連の会長の報告等を関係省庁に提示いたしまして、現在、国もあるいは各公共団体も、いわゆる南関東大地震を前提といたしました地震対策というのを進めておりますが、これをさらに推進し、それから関係省庁の所管についても、これをさらに推進するというようなお互いの申し合わせをいたしまして、それぞれ実際に進めておるという次第でございます。
#94
○大出委員 どうも私が少し焦りぎみなのかもしれませんけれども、地域の皆さんの気持ちからすれば、昨年すでに明らかになっているものが、これはこういうふうに進んでいる、将来計画としてこういうふうになっていくというふうなことにきちっと入っていかない。冷静に理知的に受けとめて、いたずらにあわて騒ぐことがないようにとおっしゃったわけだけれども、しかし学問的にこうだという限りは、それが万一のことであっても、やるべきことは積極的にどんどんやらなければいかぬ筋合いのものだと私は思っている。
 そういう意味で、具体的に川崎の元木町問題につきまして、一体いまから何をやって、いつごろまでにどうなる、つまり地盤の異常な隆起というものが地下水のくみ取り、途中で川崎市がとめましたが、関連があるかもしれない、そこで、あるいは学問的に出ている大きな地震と関連があるかもしれないというので、予知なり研究なり調査なり観測というものをこれからお進めになるというのですが、それは一体これからどういうふうにおやりになって、いつごろまでに結論をお出しになり、そして具体的に何かがやれるようにするのか。この辺の道筋をどこからか御説明をいただきたい。
 たとえばラドンならラドンを調べるとする、地下の岩石が崩壊をする、そういう意味でラジウムの崩壊現象がラドンが濃くなってくる、そこらのところも調べなければならない。微小地震というものも観測しなければならぬ。しかし騒音の大変多い地域だから普通じゃできない。トンネルの中、地下等でやらなければできないという問題がございます。
 一体、それがこれからどういうふうに進められていくのか。科学技術庁、文部省両方の予算にこれは絡むと思うのでありますが、そこらのものを含めて道筋の御説明をいただきたいと思います。
#95
○伊原政府委員 先ほど来先生御指摘のとおり、川崎地区におきます隆起問題、研究開発を担当いたしております各省庁ともに、これは非常に重大問題であるということでございまして、実は地震予知連絡会が昨年十二月二十六日に御見解を表明されました翌日、関係省庁から成ります地震予知研究推進連絡会議を至急開催いたしまして、川崎地区におきます今後の観測体制の強化につきまして、連絡協議をいたしたわけでございます。
 その結果、まず四十九年度におきましては、各省庁といたしまして手持ちの機器、人材さらに金のやり繰りをいたしまして早急に観測を開始する、かつ経費が足りない機関につきましては、科学技術庁におきまして特別研究促進調整費を充当するということにいたしまして、現在、鋭意観測に入っておるところでございます。
 具体的に申し上げますと、まず測地測量につきまして、海上保安庁水路部が水準測量を、東京湾岸約十キロメートルにつきまして実施をすることにいたしておりまして、すでに二月十六日までに標石の埋没作業が終わっておりまして、これから測量にかかることになっております。それから検潮につきましては、国土地理院と海上保安庁水路部が、それぞれ川崎、横浜等の検潮記録の整理を実施中でございます。それから精密変歪測量につきまして、これは先ほどの特別研究促進調整費を充当いたしまして、国土地理院が三角点十二点につきまして観測を実施いたすことになっております。選点作業は、すでに一月二十九日に終了いたしておりまして、経費約七百万円をもちまして、これから測量作業を開始するわけでございます。それから地震観測につきましては、科学技術庁の国立防災科学技術センターが地上におきまして、まず微小地震の測定をいたすことにいたしておりまして、川崎市役所におきまして、十二月十六日から観測を開始いたしております。さらに生田付近の、工事を中断いたしておりますトンネルがあるそうでございますが、その鉄道のトンネルを利用いたしまして、十二月二十八日に観測を開始いたしました。また神奈川区におきまして、さらに追加して地上の微小地震観測を二月十六日から開始いたしております。さらに深井戸を利用いたしまして微小地震の観測をいたしたいということで、これは先ほどの特別研究促進調整費の経費約八百万円を利用いたしまして機器を整備中で、さらに適当な井戸をいま探しておりまして、三月には測定を開始いたしたい、こう考えております。それから気象庁におきましては、既設観測網の資料をもとにいま解析を実施いたしております。それから地質構造調整につきまして、通産省の地質調査所が既存資料の収拾整備を行っておるところでございます。さらに地表調査を二月中旬に開始をする、こういうことになっております。さらに地下水位、水質につきましても、同じく地質調査所が現在、既存資料の収拾、解析を実施中でございます。また地盤沈下及び回復の調査につきまして、国土地理院が同じく解析を実施しております。なお、このほか大学関係でも、たとえば重力測定、これは川崎地区を中心に一月から測定開始。それから地震観測につきましても、川崎地区を含みます広域観測体制を、一月から各大学でしいていただいておる。あるいは先ほど、先生御指摘のございましたラドン等の測定につきまして、井戸の調査、分析を東京大学に実施していただく、こういうことになっておるわけでございます。さらに昭和五十年度は、引き続きまして、さらに体制を強化いたすことにいたしておりまして、これは川崎地区だけではございませんが、地震予知関係の全体の予算が昭和四十九年度の約十五億円に対しまして、ただいまの政府予算原案が二十億ということで非常に拡充していただいておるわけでございます。
 こういうふうに関係各省庁、本件の重要性にかんがみまして、非常に強力に仕事を進めておるわけでございますが、実はこの川崎地区は、異常現象を生じております範囲が非常に小そうございます。そういうことでございまして、全国的なネットによって把握することがややむずかしい地域であり、かつまた先生御指摘のように、非常に人口が密集しておる、それから生産活動が活発でございますので、いろいろな雑音が入るということで、観測上非常に問題が多いわけでございます。そういう特殊事情を克服いたしまして、いろいろ精密観測の手法をさらに開発いたし、各種資料を整えまして、今回の異常隆起と地震との関係を明らかにいたしたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
 ただ、先ほど文部省の木田局長からの御説明にもございましたように、現段階におきまして、現段階の地震予知研究のレベルから申しますと、地震の発生の時期を非常に高い精度をもって早い時期に予知するということはまだ困難である、こういうのが専門家の方々の御見解でございます。したがいまして、各関係省庁協力をいたしまして、今後さらに地震予知の研究の推進について努力をしてまいりたい、こう考えております。
#96
○大出委員 たいへん前段で時間がかかりまして恐縮でございましたが、一つそういう例ができ上がれば、次にまた新たな角度から進んでいくのだろうとは思いますけれども……。
 そこで、文部省の予算で承りたいんですけれども、この教室の新増築にかかわる予算というのは、昨年、本年比べまして減っているんですね。これは私の調べた数字が違うかどうかわかりませんけれども、十万平米ばかり減っている感じがいたします。百十万が百万になっているんですね。それはそれとして、大臣あてに、横浜の市長などからの名前で文書でお願いをしてあるのだと思うのでありますが、これは横浜のみならず、あの周辺は、横浜で言えば鶴見地区、元木町というのは川崎のまさに老朽家屋の集中地でありまして、かつまた、学校もそういうわけで老朽校舎が非常に多いところでございます。東京の大田区の方は、調べておりませんからわかりませんけれども。横浜の例を見ましても六キロ圏、今回の予知に類する報告に基づきます元木町周辺六キロ圏、ここに学校にして老朽校舎が二十二校、三百六十三教室ある。ところが、点数がたとえば六千点ありましても、実際に柱が曲がってないと、文部省の方々というのはなかなか補助対象にしない。おまけに学校というのは、御存じのように教室は並んでおるわけでありますから、この教室は四千五百点という基準にしてこれはだめだ、だが隣は大丈夫だというわけですね。その隣も大丈夫だが、その隣はだめだ。そうすると、これは建てかえるとすると、補助金をもらってと言ったって、どこにくれるかと言えば、そのだめな教室しか補助金をくれない。そうすると、並んでいる教室を、真ん中だけ生かして両側だけ壊して建てかえる、こういうわけにはまいらぬのです、補助金はだめな教室しかくれないんだから、真中の大丈夫な教室の補助金はないんだから。しかしこれは、全部壊さなければ建えかえられない、そうすると、全くの私費負担になってしまう。そういう大変な苦しさがあり、かつ矛盾があるわけであります。
 そこで、年度計画を立てて、これだけある老朽校舎を何とかしなければならぬ。木造の怪しげな、という言いぐさは恐縮でありますけれども、体育館というのは、この地域に木造で大きなもので三つばかりございます。だからこれは、みんな父兄は知っているわけでありますから、避難場所だという意味で学校というのはとかく注目される場所ですけれども、うっかりそこに避難したら、避難したところから先につぶれるという心配をみんなしておる地域であります。大正十二年の震災が昼に起こっているということからいたしましても、子供を手放して学校にやっている間に震災が起こった、一番心配になるのは子供でございます。したがいまして、やはり教室の老朽化というものを放任はできない、何とかしなければならない、こう私はいつも考えるわけでありまして、これは普通教室のみならず、特別教室につきましても、同様の老朽教室がございまして、これはお読みいただいておると思うのでありますけれども、学校それぞれ逐一私は知っております。
 したがって、ここらのことを、いま関係各省庁の方々は、私どもからすれば、歯がゆい限りという気はするんですけれども、機構上やむを得ぬ面もございまして、何とかそれなりに一生懸命おやりになっているとして、文部省関係の方々の方でこのあたりの手当ては何か手がないか。つまり自治体が考えている改築の度合いをもう少し早めさせるということ、しょせん直すものは直さなければならぬのですから。そう実は考えるわけであります。
 だから、予算を実は来年度という、それならそれを何とか引き上げていま間に合うようにする。該当の市も、ほかに使わなければならぬものを集中的にこの地域に持ってくるというふうなことで、心配している親の見ている前で端から一つでも二つでも手当てをしていく、私は、そういう前向きな努力が必要ではないかという気がする、ほかの事態とは違いますので。そこらのところを、少し御見解をいただきたいのであります。
#97
○今村(武)政府委員 学校建物につきましては、木造の建物をなるべく鉄筋にするということ、あるいは鉄筋の建物については耐震度、安全度を常に点検するということ、これは大事なことだと思います。先ほどからお話がございますように、必ずしもいますぐ地震が起こるというわけではございませんけれども、関係の方々が心配しておられるというのは事実でございます。それに対しまして、現在できる仕組みの範囲内でできることはしていかなければならないということで、昨年の十二月二十七日の地震予知連絡会会長の文書を国土庁からいただきましてから、私ども部内で研究をしてみたわけでございます。
 先生の御説にちょっとだけ説明をさしていただきますと、耐力度一万点満点で四千五百点以下のものを危険校舎として扱っておりますが、先生のおっしゃるように、教室ごとに見るわけではなくて、建物のむねごとに、建物の専門家ではございませんが、はり間、けた行き、柱の本数、腐食の度合い、そういうものを点検いたしまして、一教室ごとではなくて、むねごとに耐力度の点数を出し、それが四千五百点以下のものを危険校舎として扱っております。しかし、おっしゃいますように、そういう不安のあるようなもの、特殊な事例につきましては、四千五百点から五千点までの校舎につきまして、実情を具体的に把握いたしまして補助の対象としております。したがって、横浜、川崎市の方で五千点までの危険校舎について集中的に整備をしたいというお気持ちがあれば、それに即応すべく努力をしたいと思います。
 ただ一つ、横浜の小学校二十二校とおっしゃいましたが、これは、その地域にある木造の建物全部でございまして、耐力度の点数いかんにかかわらず全校が挙げてあるようでございます。したがって、おそらく二十二校直ちに改築しようというお話にはならないと思いますので、そのうちで危険校舎に該当するものを、市の御希望になるべく沿うように努力をいたしたい、かように考えております。
#98
○大出委員 ここに挙げてありますように、この校舎を取り上げた理由の中に密集密度、たとえば地震なら地震があった場合に、その周辺が大変な密集地であるという観点からの考え方が一つ。それから地盤が、たとえば沖積層という層でありますけれども、これがどの程度のものかという、さっきのコンビナートの話じゃありませんが、震度幾つであっても地盤によっては大変な変化がございますので、そういう点から見る物の見方が二番目。それからもう一つは、いまの話の老朽の度合い。柱のあるところをいろいろつるして調べますが、私も何校か立ち会って見たことがあります。なかなかむずかしい理屈をおっしゃるわけですけれども、専門家ではありませんからわかりませんけれども、専門家が専門屋なりにながめてみて危険であるという、つまり老朽の度合い、そういう物の観点。そこらを総合して学校に印がついているんですね、自治体側の考え方は。
 したがって、いまおっしゃるように、じゃどうするかと言えば、冒頭におっしゃったように、木造のものは鉄筋にかえろ、こういう方針ですから、いずれにしても、かえなければならぬわけだけれども、当面五キロ以内というところをながめてみて、どこが危険で、どこから手をつけていくかという、それにはおのずから順番が出てくると思うのです。だから、そこらのものに対して旧来の方式でやれば遅くなる。これは全部見ておりませんけれども、私が持っております資料には順番が、自治体側の予算その他をにらんでの改造地区の年次計画がございます。この年次計画でいきますと、これは地元がおさまらぬわけであります。したがって、何とかこれは早めて物を考えなければならない。早めるについては、やはりそれに即応する金という問題になる。
 そこで、文部省側がそこをどういうふうに考えられるかという、問題はそこにくると思うんですね。そこらあたりの点を、それなりに考えるとおっしゃるのだが、もうちょっと具体的に言えば、どう考えるかという点ですね、ここらあたりをお聞かせ願えないか。
#99
○今村(武)政府委員 危険校舎の改築の計画を、従来の地元の計画を、御心配がおありなようでございますから変えていただきたい、そしてこの地区のものは優先的に改築するような努力をしていただきたい、その事情を県を通じて私どもに話をしていただきたい、私どもとしては、全国を通じて言えば、原則としては四千五百点以下の建物を補助の対象とする、特に三千五百点以下を優先するという方針をとっておりますが、その地区につきましては、四千五百点から五千点までのものについて特例の道を開いていきたい、そして地元の希望になるべく即するような努力をしたい、かようなことでございます。
#100
○大出委員 これを見ますと、四十九年、五十年、五十一年と、こういうふうに分けまして、この三カ年間の改造計画が載っているわけですね。この中に四千五百点以下、四千五百一点から五千点、五千一点以上ということで四十九年、五十年、五十一年と、こう並んでいるわけですね。体育館が下の方にある、これは皆さんのところに行っていない資料かもしれませんけれども。これを見ますと、大変に危険地域にある学校で点数が相当に低いものが五十年、五十一年にまでまたがっていく。それでもやり切れない。したがって、そこらを何とかひとつ早めなければならぬ、そういう意味で申し上げているわけでございまして、前段少し長くなって恐縮でございましたが、要は、こういう震災対策で自分たちの手の届かぬところの問題はあきらめるにしても、何よりも心配するのは、やはり子供のことでございます。
 したがって、所管の文部省という立場で、まずもって子供のことについては、何とか具体的に表に出てきた、文部省が苦労して、金がないところであっても、何とか自治体も努力しろ、おれの方も努力するからと、なけなしの金でも使って何とかするからと、これでやれやれ子供のことはという、やはり逐次そういうことにしていかないと、余裕を持って物を考える気持ちになれないわけであります。
 実はこの間も、先週の初めでありましたか、結構長い地震が横浜でございました。後で聞いてみたら、元木町周辺から五キロ以内ということになったところというのは、そら来たというわけで、普通ならがまんしているやつがみんな飛び出してみたり、大騒ぎになったという、後で笑えない話が実はたくさん耳に入っております。そういう心理状態の地域でありまして、コンビナート側の人も、さあ来た、大変だ、保安よりも自分が逃げる方が先だという、えらい騒ぎが起こっているわけであります。
 つまり、そういう心理状態にありますので、どこかでひとつ――一番心配するのは何だと言えば、何はともあれ子供ですよと言う。学校へ行ってその学校がと、こういう話をたくさん聞きますので、ぜひひとつ、そこら文部省の皆さんが前に出ていただきたいものですからこういう質問をしたのですが、大臣、ひとつ最後にお答えをいただきたいのです。
#101
○永井国務大臣 ただいま管理局長から申し上げましたように、やはり元木町の場合には、非常に注意を要する状況でございますから、住民の気持ち、特に子供に対する関心というものを十分考えまして、先ほど申し上げましたような前向きの方向で進んでいくようにいたしたいと思います。
#102
○大出委員 長い時間、恐縮でございました。
     ――――◇―――――
#103
○藤尾委員長 次に、国家公務員の寒冷地手当に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中路雅弘君。
#104
○中路委員 法案の寒冷地手当の問題についても、幾つか御質問したいと考えているわけですが、順序を逆にしまして、最初に、総務長官も新任されたわけですし、総務長官のおられる、所掌の職場である総理府統計局の、長い間懸案になっています、すでにもう六年が経過しております職業病の認定の問題ですが、この問題から幾つか御質問をさしていただきたいと思います。
 総務長官は、大学を出て、最初は労働組合の委員長もNHKですか、やっておられたという経験もあるわけですから、職員組合や労働組合の問題について知識もあると思うのです。長官になられてから、総理府の中でも統計事務、機械を使う非常に高度の集約的な労働をやっている統計局の職場を一度訪問された、ごらんになったことはありますか。まだないかどうか。特に職員の健康管理というのは、重要な課題だと思うのですが、最初に、その点について、一言所見をお聞きしておきたいと思います。
#105
○植木国務大臣 ただいまNHKの労働組合の委員長をしていたというお話でございますが、委員長はいたしませんで、大会の議長をした経験がございますので、その点については訂正をさしていただきます。
 統計局には、就任をいたしましてからしばらくいたしまして就任のあいさつかたがた参りました。ただその際には、大変多忙をきわめておりましたので、職場そのものを視察することはできませんでしたが、職員の方々にお集まりをいただきまして、就任のあいさつなり所信の表明をいたしたのでございます。
 なお、職員の健康の管理につきましては、重要な問題でございますので、最大の関心を持っております。
#106
○中路委員 昨年暮れ、私は同僚議員とともに、統計局の職場をお尋ねしまして、当局の皆さんや職員の皆さんからいろいろ実情を聞いてきたわけです。また昨年の内閣委員会でも、この問題を一度取り上げさしていただいた。あるいは私たちの同僚の、参議院では岩間議員が、二度にわたって昨年も質問をしているわけですが、まだ解決をしていないという問題でもありますので、この問題を中心にしてお尋ねしたいと思うのです。
 統計局を私、視察したときに、局長は定数が二千三百人ぐらいだというお話だったのですが、資料をいただきましたら、定員は四十九年度二千二百八名となっていますから、こちらの方が正確じゃないかと思います。この中で、どのくらいの仕事の量かと聞きましたら、二千百人分ぐらいの仕事をしているというお話だったわけです。
 最初に、統計局のいまの定員は二千二百八名ですが、実際の定員、現在の職員の数、これは、ことしの一月一日でもいいのですが、何名ですか。
#107
○川村政府委員 二千百六十名でございます。
#108
○中路委員 いま定員二千二百八名に比べて二千百六十名ですね。すでに四十八名、定数に比べても減になっているわけですが、皆さんの方から提出いただいた、産休その他の休みを除いた平均出勤率を見ますと、資料だと八五%となっています。すると、二千百人分の仕事を実際には千九百人か二千人ぐらいまででやっているわけですから、局長の話でも百名以上百五十名近い、定数の面では過重労働になっているということも明らかですし、しかも、いま頸肩腕症候群が発生している職場、たとえば製表課、この中の、私もいただいたのですが、符号等のつけの事務の係、この出勤率になりますと、七〇%台のときがもうしばしばあるということになっていますし、ますますその点では、職員の皆さんに過重な負担がかかっているということは明らかであります。
 この前、昨年の質問でも私、取り上げましたが、職員組合の調査によりますと、九〇%の人たちが肩や背中、そういうものに痛みを感じる、非常に疲れる、そういう結果も出てきている。また経済製表課の、もう少し係別にとってみますと、これは符号の一係というところでは、昨年の末に私、聞きました話ですが、係長あるいは産休を除いて、さらに半日勤務とかそういう方がありますから、実際には四十名在籍で三十名で仕事をしなければいけなくなって、その係では仕事がその日できなくて、他から応援に来ていただいて仕事をしないとやれなくなったということがあったというお話も私は聞いたわけです。その点では、定員の面でも非常に大変な職場だと私は思うのです。
 そこで一昨年、統計局で健康の診断調査をやられたわけですが、この調査の結果どんな統計が出ているのか、特徴がありましたら、内容について簡潔にお話をしていただきたい。
#109
○川村政府委員 ただいま中路先生から、全体の出勤率は大体八五%でございますが、たまたま経済製表の一係というような御指摘がございましたが、出勤率も時期によりまして、たとえば夏のある時期というような期間をとらえますと、多少そういう意味で部分的に四十名が三十名になるというような現象もございます。ただ、全体として作業の計画はそれで組んでおりますし、先ほどの人員の多少無理な面は、実際には仕事の工夫、具体的に申しますと、業務の簡素化あるいはある部分の仕事を機械に移すというような努力は私ども実際にやっておりまして、その辺はならすように努めているつもりでございます。
 それから一昨年の健康診断の具体的なデータは、本日こちらに持ってきておりませんので、必要がございましたならば、また後ほど御報告を申し上げたいと思っております。
#110
○中路委員 一昨年の健康診断が、どういう内容で健康診断をやられたかというのは、私、持っているわけですが、この健康診断の結果についてのいまお話しの資料、これは提出していただけますか。
#111
○川村政府委員 内容がわかるものにつきましては提出したいと思います。
#112
○中路委員 健康診断をやられましたが、その結果、どうだったかという結果についてのまとめられた資料、これを提出していただきたいということなんですが、いいですか。
#113
○川村政府委員 御要望の点は、後ほど取りそろえたいと思います。
#114
○中路委員 それでは、これは出していただくということで検討さしていただきたい。
 私が職場を回ったときに、肩たたきが置いてある職場がずいぶんあるんですね。それから穿孔係というところへ行きますと、あんま機も職場にある。肩たたきというのは、たとえば経済製表課なんかの職場でどのくらい置いてありますか。
#115
○川村政府委員 ただいま肩たたきということでございますが、一組に大体一個というかっこうで配置をしておりまして、一組というのは、おおむね七、八名単位の一つの作業単位を一組と称しております。
#116
○中路委員 私は、短時間ですが、ずっと見せていただいた職場の状況から言っても、この統計局の仕事の性格やあるいはそれから来る皆さんの疲労、それは非常に大変なものです。職員の皆さんの要望で皆さん自身があんま機まで職場に置かれているわけですから、これだけでも他の職場と違った大変な職場だということを痛感したわけです。
 最初に、幾つか労働条件の問題でお聞きをしたいのですが、人事院にお聞きしておきたいのですが、人事院規則でキーパンチャーのタッチ数というのがありますね。これはどうなっておりますか。
#117
○中村(博)政府委員 一日四万タッチでさいます。
#118
○中路委員 人事院の定める作業通達の中で、いまおっしゃったように「せん孔作業の一人一日当たりの平均生産タッチ数は四万を超えないよう作業調整すること」となっていますが、この一人一日四万というのは、その一日の仕事の最高限度、そのように理解していいですね。
#119
○中村(博)政府委員 御指摘のとおりでございます。
#120
○中路委員 これは総理府の方からいただいた資料ですが、キーパンチャーの平均タッチ数ということで皆さんからいただいた資料を見ますと、タッチ数は四十五年より大体二万五千から三万五千回タッチだというふうに言われているわけですね。私は職場を回りまして、また職員の皆さんから、実際のタッチ数を個人別にも大分いただいたのですが、見てみますと、何人かの例を取り上げますが、名前はA、B、Cでタッチ数、これは最近のタッチ数ですが、Aさんという、これは認定者ですが、認定者の場合でも、これは週間をいただいたのですが、たとえば土曜は少ないのは当然ですが、木曜日で四万一千四百七十七という数字が出ていますし、そうでない方、多くの人が四万、五万回、五万回を超えているのが多いわけです。たとえばDさんというのをとりますと、水曜日が四万六千二百七十七、木曜日が四万三千八百四十六、金曜日が五万三千四百八十九、月曜日が五万四千六百四十一、火曜日が五万一千二百三十三。Eさんという人になりますと、水曜日が六万二百六十六、月曜日が五万二百九十九、火曜日が四万八千二百七十二。Gという人は、これは罹病者ですが、この方でも水曜日が四万七千三百四十四とかいう数字が出ているわけです。
 先ほど人事院で、この規則にある四万を超えないというのは、最高限度だというお話をされているわけですが、実際に私がタッチ数をお聞きしたのは、いま一例を挙げましたけれども、まだ資料はたくさんありますが、五万回を超えているのが出ています。これは、どういうとり方をされているのですか。皆さんからは二万五千とか三万五千タッチだと私の方へ報告をいただいたが、これは、どういう計算の仕方をしているのですか。
#121
○川村政府委員 中路先生が実際に職場をお回りになって、何か特定の個人からお集めになったといういまの数値でございますが、実は当局は、そこまで個人別のだれが何ぼというデータは持っておりません。なぜかと申しますと、実は過去に、個人別にタッチ数をむしろ当局が管理をするというかっこうになりますと、個人にノルマを強いるという問題がありまして、職員の方から、どちらかというと個人別の作業数は出してくれるなというかっこうでありましたので、私どもは、先生よりあるいは精度が悪いかもしれませんが、個人別にだれが幾らというやつは持っておりません。ただむしろ、そこの係なら係全体としてどのくらいかという数は管理上出さなければなりませんので、その意味での数を私ども求めて出して御報告したのが、実は先般の数字でございます。
 特に実際問題として御理解をいただきたい点は、統計局は十二本ばかりのいろいろの種類の調査がございます。その調査ごとにパンチを打つ項目というのは、カードが同じようなかっこうでありましても、穴をあける位置は皆違うわけでありますから、調査によりまして穴あけの数は違うわけであります。それからタッチの数も、場合によってミスのパンチをあけますと、それだけまたタッチをしなければならぬ、パンチの穴の数はふえるわけであります。そういう問題がありますので、そこは私ども、非常に詳細に注意をいたしまして、むしろ計画的にそこのところは、今度の調査をどのくらいの期間で仮にパンチをしなければならぬかという、そういうかっこうになるとすれば、それの平均の穴をあけなければならぬ数、その場合でも、たとえばゼロみたいな数値はむしろ打たないで済むような工夫まで実はいたしまして、できるだけ作業の簡素化を図って計画を立て、いつごろまでに大体終わらすということで、実際、計画がそこで終わるならば、初めからの計画した平均パンチ数は大体維持されている、こういうふうに判断をいたしておるわけでございまして、いささか先生の個別の数値については、私どもはさようでないと、こう思っております。
#122
○中路委員 詳しくいただいているんですが、たとえば皆さんから私がいただいた報告でも、パンチしにくい場合と、いまおっしゃったように非常にしやすいのとありますね。しにくい場合は、一人一日二万五千タッチが限度であると、皆さんの方は書いている。それで、パンチしやすい調査の場合は、ここに出ている一人一日四万タッチに近いタッチ数になるが、仕事の配分を工夫して、どんなに多くても四万タッチを超えることのないように配慮をしているのだ。それで昭和四十五年ごろからは二万五千タッチから三万。いままで四十三年、四十四年は四万タッチの範囲近くまでであったけれども、昭和四十五年からは二万五千から三万五千タッチの範囲と認められるというのが皆さんの報告なんですね。
 私がお聞きしたのは、これは多くの人たち何人かに最近のタッチ数を聞いたのですが、皆さんの方がとっておられないという話であれば、ここで四万タッチというのは、先ほど人事院でも最高限度だというお話ですが、恐らくこういう数字の違いが出てくるのは、実際のその人のタッチ数ではなくて、出勤率なんかも考慮しないで、全体の平均かなんかで割って、一日が平均で四万を超えないというような数字の出し方じゃないかと私は思うのです。いま人事院は、一日の平均タッチが四万を超えないということを言っているわけですから、定数で割るとかあるいは全体を平均するとか、この規則はそういうことじゃないわけです。
 そうだとすれば、たとえば四万タッチ以上は、規則でもあるわけだから超えないようにする。実際に私が挙げたように五万、六万というタッチをしている人たちは、大体四万タッチ近くになれば、規則においても四万で、その日の仕事はそこまでだということで、その範囲にとどめるということについてもそれは責任は問われない、これは規則どおりにやられているということでいいですか。
#123
○川村政府委員 いま先生の御質問は、多少その時間のとり方――先ほど人事院がおっしゃいましたが、この基準は一日三百分以内で四万タッチというかっこうに実はなっております。統計局もこの点、三百分以内という問題は――実際にキーパンチャーの方々は、一般の事務職員と違いまして、比較的休憩等の置き方の時間帯も違えて、全体は八時間勤務でありますが、正味は一日の中での実働を二百七十分というかっこうで押さえて、それで実際のパンチを打つ実働の仕事はいたしておりますから、その二百七十分の部分で作業がどう終わらなければならぬかということで実は係別の平均のタッチ数を出して、いつまで終わるということを出すわけですから、もし先生のおっしゃるようなかっこうだと、期限どおりに終わらないというかっこうが実は出てきてしまうかなんかして、それは決して八時間で割っているものではございません。
#124
○中路委員 いや、私が言っているのは、一日の――いま人事院の方も、ここは一日の最高限度だというお話なんですね、この規則で言っているのは。だから、私の言っているのは、この規則どおり――これは、いままでの経過でキーパンャーの中から、すでに皆さんが認定されている多くの頸腕症候群の認定患者も出ているわけですから、認定されなくても、それに近い症状の人が多くなっているわけですから、そういう健康管理の立場からもこういう規則をつくられたわけでしょう。しかもこの規則は、これが最高限度だということを人事院も言っておられるわけですから、このとおり運用していただくということで、五万、六万を超えるというのについては、そういうことをやらさないという点についてはいいですかということで念を押しているわけなんです。
#125
○川村政府委員 かねがねお答えしましたとおり、私どもは少なくとも、それを上回ることは絶対にないということで日ごろ努めておるつもりでございます。
#126
○中路委員 これは、さっき人事院の方が、一日の最高限度だということを言っておられますから、それを守っていただくということをもう一度確認しておきたいと思います。
 もう一つ、家計簿のことを聞きたいのですが、家計簿の記入の処理数、これも私は局長にお聞きしました。一日一人どれぐらいか、六冊ぐらいというお話だった。これも、調査に行きましたときに、職員組合の皆さんが出しているニュースがありますが、このニュースをいただいて、これで見ますと、昨年の八月の月をとったニュースですが、大体八冊から九冊行う。多いのはもっと十冊、十一冊とありますが、一番集中しているのが八冊から九冊ということで、六冊の仕事でも性質上、相当大変だという話を局長もしていましたけれども、実際は、このニュースを見ますと、八冊から九冊行う場合が多い。また月六回、締め切りがあります、地域から集めてくるわけだから。お話を聞きますと、月六回の締め切りがあって、非常に追われているのだと言う、少なくとも期限があるわけですから。
 そういう話も聞いたのですが、これも職場の皆さんの個人の問題でないです。全体の人数の中でどこに集中しているかということを私見ましたら、八冊、九冊に集中しています。だから、やはり平均のとり方が、実際のその日の実働というのではなくて、定数かなんかでやっておられるのじゃないですか。そうしなければこんな食い違いは出てこないでしょう。
#127
○川村政府委員 実は、細かい話ではなはだ恐縮でございますが、家計調査の場合の家計簿の集計のやり方というのは、四十六年以降やり方を変えてきていることは先生十分御存じだと思います。それは従来、符号つけは符号つけばかり、内容検査は内容検査ばかりという、比較的横割りの方式をとっていたものを、作業の単能化に耐えられないという問題が多少ありますので、これを、むしろ縦割りと申しますか、符号つけもそれから換算もというかっこうの縦割り方式に実は変えてきておりますから、その意味で、むしろ冊数の方は低く出てきておるのが最近の実情でございます。
 ですから、横割り時代には、場合によれば八冊、九冊という時代が確かにあったと思いますが、ごく最近としては、先生にお答えしましたように、五冊ないし六冊というのが実は平均の処理でありまして、たまたまそれも、なれた職員はあるいは八冊ぐらいおやりになる方もおりますし、あるいは四冊ぐらいの方もおるということで、その辺は多少個人別の差はありますけれども、そこはむしろ、先生の御入手になっておる情報が本当なのか、私どもの情報が本当なのかという問題に帰するのではないかと思います。
#128
○中路委員 これだけ多くの人たちの――私、だれか特定の個人をとっているのじゃないのです。四冊と言いましたが、四冊というのは一人なんです。四冊から五冊というのはほとんどないのです。四冊が一人あって、それで四冊もあるなんていまおっしゃったけれども、二十人とか何十人とかいうのが集中しているのは、この七冊、八冊というところへ集中しているから私はお尋ねしているので、四冊の人もあると言うが、これは本当に何か事情があったんでしょうね。それで言えば、十二冊というのも三名あるわけですから。十一冊、十二冊とあるわけです。
 しかし、八冊、九冊というところへ一番集中しているから、局長が六冊だとおっしゃるから、六冊でも大変な中で、しかも八冊、九冊というのが、ほとんどの方がこういうところへ集中しているとすれば、労働の点でも大変だろうということで、これも、さっきのキーパンチャーじゃありませんけれども、やはり皆さんが言っていられるお話よりも、実際の職場の状況がもっと過重になっているのじゃないか、これは実際行ってみてお話も聞いてのことです。
 だから最初に、長官も直接一度、職場に行って実情を見ていただきたい、職員から直接聞いていただきたい、皆さんの方がまとまった統計もないとさっきもおっしゃっているわけですから、そういう職員組合とも話をする、あるいは実情も聞くということ、ひとつ長官としても、時期を見て現場も見ていただきたいというふうに思うのですが、この点はいかがですか。
#129
○植木国務大臣 ことしはセンサスの年でありまして、同時に、国際婦人年でもございます。できるだけ早い機会に職場を視察いたしまして、実情をつぶさに拝見をしたいと思います。
#130
○中路委員 私、二、三見せていただいた、お話を聞いた例でお話ししましたけれども、いずれにしましても、半日ばかりいろいろお話を聞き、職場を回らしていただいて、この職場が非常に大変な職場だ。いまお話しのように、特にことしは集中します。国勢調査、それから何年か、三年に一回とか五年に一回とあるような調査が集中するという大変な年ですから、量からいっても大変な職場です。
 私も仕事を見てみましたら、製表課ですか、電算機に入れるのに鉛筆で色を塗るんですね。一日のノルマが決められているから、消しゴムのかすが少しでも入るとまずいというので、神経を使ってやっているわけです。能率グラフが職場によっては張られるというようなことで、仕事に非常に追われているわけですから、こういう中でキーパンチャーだけではなくて、一般事務職員の皆さんの中に大量の頸肩腕症候群という患者が出てきている。これは、私が半日見ました職場の状況の中でも、公務災害との関連というのは非常に因果関係があるというふうに思うのですが、すでにこれの申請をされて通院をしている、いろいろ経済の困難な中で。
 それで、最初申請されてから六年近くなって、まだキーパンチャーの認定だけで、一般事務の皆さんの申請者については解決をしていないという状態にあるわけですが、現在、申請者の皆さんが何名で、まだ申請してないけれども、この病状で病休の届け出が出ているのは全体で何名ありますか。
#131
○川村政府委員 お答え申し上げます。
 現在、まずキーパンチャーの方については申請者が十一名でございます。それから一般事務の方では三十二名でございます。それからキーパンチャー及び一般集計事務の未申請者は大体五十二名でございます。
#132
○中路委員 特に一般事務の皆さんの申請をされた患者の職業病認定の問題についてですが、これの扱いがいまどうなっているのか、簡単に最初お聞きしたいと思うのです。
#133
○川村政府委員 一般事務の方々の申請のその後の経過というふうに質問の意味を私ども承知しましてお答え申し上げますが、先生すでに御存じのとおり、昨年、公務とのある程度困果関係を、新しいケースなものですから必要であるとして、人事院から指示されました筆圧であるとか、あるいは視機能等の労働衛生的な検査を実施しようといたしましたが、遺憾ながら職員団体の協力が得られないものですから、これが過去に実施できなかったことは、すでに御存じと思います。
 ただ実施機関としては、この問題は、一日も実は放置できない問題であるというふうに認識をいたしておりまして、関係機関の御意見を伺い、かつ頸肩腕症候群に関する専門家を有し、一般の信用も高い総合病院に実はお願いをいたしまして、その意見を聞き、解決を図るということで、昨年の二月に職員団体に具体的な案を提示いたしました。それも前回同様、実際には職員団体の協力がなかなか得られませんで、実施できないで現在に来ております。
 しかしながら、現在でもなおこの問題は、職員の健康に関する実は問題でありますから放置しておけずという問題で、私どもは、むしろその患者の方々の診断書が実際出てきているから患者さんということはわかっておるわけでありますが、その主治医に対して、実は意見書を出してくれるように依頼しておる最中でございまして、また労働衛生面から職場診断をも実施して、公務の起因性の有無というものを明らかにし、できるだけ問題の早期解決を図るとともに、今後の健康管理の指針も求めたいということで鋭意努めておるところでございます。
#134
○中路委員 現在申請を出した方の主治医の意見書を出してもらうようにしておるといういまのお話ですが、この主治医というのは、本人が現実にかかっている医者ですね。この医者から意見書を求めるということですか。
#135
○川村政府委員 いま主治医と申しましたのは、実際に申請をしてくるには、それだけの書類が要るわけで、その申請のとき、実際の、本人が申請の書類につけておる主治医のことでございます。
#136
○中路委員 私がいただいておる文書では、皆さんが私のかかっている医者は、この病院のこのお医者さんです、主治医はこの医者ですということで、総務長官とそれから課長ですかに出されておるわけですが、この医者の意見書を求めるということですか。
#137
○川村政府委員 私が先ほどお答えしましたとおり、実際にその申請書を本人が出してきて、その認定を受けんとして申請を出してくるわけでありまして、その申請書類に添付しました主治医でございます。
#138
○中路委員 それでは、もう一度聞きますが、これは最近出されたのだと思いますが、写しです。公務災害認定申請者の皆さんから、総務課長と総務長官あてに文書が出ております。「私達の主治医は次の医師です。」ということで病院名と個人について全部。これは東大病院それから国立医療センターの先生、芝病院、氷川下セツルメント病院、鬼子母神病院等の医師の名前を挙げて出ていますが、この申請者の皆さんが現実にかかっている医者、この医者の――まだ診断書以外出ていませんから、本人からあるいはその医師から意見書を皆さんが求めて、それで検討するということになりますか。
#139
○川村政府委員 実は、細かい問題でございますので、説明員にちょっと補足させます。
#140
○中路委員 いや、細かいことはまた後で聞く。聞くんだけれども、私が言っているのは、あなたが主治医の意見書をいま求めているというお話だから、その中身について、それに間違いありませんねということを念を押しているのです。細かいことは後で聞きます。
#141
○川村政府委員 重ねて申し上げますが、今回、実施機関においては、すでに出されている頸腕の診断書がございます。その診断書の主治医ということでございますから、一人についてもちろん複数の場合もあり得るわけです。単数というわけじゃございません。
#142
○中路委員 いま意見書を出してもらうというお話ですが、皆さんの方で、申請者もあるいは職員の団体も抜きにして独自に、患者さんがかかっている医者に意見書なるものを求めてずっと回っておられるわけですが、そういうことはやっておられるのですか。
#143
○川村政府委員 お答え申し上げます。
 独自に回っておられるというその独自という意味なんでございますが、先ほどもお答えしましたように、患者さんが仮にA、B、Cとおられますと、そのA、B、Cの方々が全部同じ主治医かどうかというのは、各人別に違うことは先生御存じのとおりだと思います。だから、そのAという方は、自分がどなたにかかったかという、御自分は自分のことはわかっていると思います。Bという人は、Bの御自分の主治医というのはわかっていると思います。その意味で、そういうかかった方々のところに意見書を出しておりますから、私どもは、そういう主治医の方々にお願いに回っていることは事実でございます。
#144
○中路委員 民間ですと診断書を出すでしょう。そして申請を出せば、それで労働基準局がやっているのです。改めて意見書というようなものは、私は聞きましたけれども出ていません。しかし、主治医の意見書を求めたい、特に一般事務の場合、新しいケースですから、ということならば、これは本人が、私のかかっている医者はこれですということで、私が言ったように、皆さんのところに文書まで出しているのですから、その主治医から、本人とも相談すれば、話していただければまたわかるわけですから、意見書を求めるというのは、全く常識的なことなんですね。私が言っているのは、それをやられるんですねと念を押しているのだが、何か話が少し違うんだな。別なことをやろうとしておられるのですか。
#145
○川村政府委員 先生御存じのように、これは国家公務員災害補償法上の認定でございますから、いわば認定の実施権者と申しますか、それから実施機関としての認定の責任上、私どもが当然行う行為だというふうに考えておりまして、いまそういうことでそういう措置をいたしておるわけでございます。
#146
○中路委員 ここに皆さんの方で持ってこられた「意見書の提出について」という文書があります。病院名、医師名というものを書いてありますが、この文書を、いまおっしゃったように提出を求めて、病院なり機関なりに回っておられるわけですか。これに間違いありませんか、私の方へ資料でいただいたもの。
#147
○川村政府委員 はい、間違いございません。
#148
○中路委員 この文書は、どこで作成されたのですか。また、どういう医師団の皆さんのあれでつくられたわけですか。
#149
○川村政府委員 実施機関たる総理府におきまして、その道の専門家の意見を広く求めまして作成をいたしました。
#150
○中路委員 その専門家の意見というのはわかりますか、どなたですか、どういう医師団ですか。
#151
○川村政府委員 実は、広く専門家の意見を求めましたので、だれかれという問題ではございません。
#152
○中路委員 それは、おかしいじゃないですか。広くと言ったって、そんなに何十人もあれじゃないでしょう。皆さんが何人かの専門家の医師に依頼をされて、そうして、これを作成されたんじゃないですか、私はそれをお聞きしているのです。これは決して名前を言えないとかそういうことじゃないんでしょう。皆さんの依頼をされた医師団のお名前を聞いているわけです。
#153
○川村政府委員 先生、これは十分御存じと思いますけれども、私ども実は、専門家もそんな少数じゃありませんで、広く求めたことは事実でございますが、実際いま意見書をめぐるいささか問題みたいなものが現実に進行しておりまして、その方々に対する多少御迷惑の問題も考えて、一々名前をここで申し上げることは差し控えさしていただきたいと思っております。
#154
○中路委員 これを、皆さんが出された意見書だと確認されたわけですが、この文書、こういう意見書を、実際に患者の皆さんがかかっている医者に求められているということは、みんな知らないんですね。患者さんは知らないのです。
 それで私は、これをきのういただいて、見てびっくりしたのです。この中身は、意見書でも何でもないじゃないですか。医者の意見を書くというか所見というのを書くというのは、一番最後に一行あるだけで、この膨大なやつは、皆さんの方からの医者に対するアンケートの調査ですね。アンケート方式になっていまして、主治医がみずからの診断と治療に基づいて意見を書くという意見書じゃないのです。ほとんど個人のカルテですね。医者が診断書で出したそれ以上に詳しいカルテ、それを出させようとしているわけですから、さっき主治医の意見書とおっしゃったわけですが、そういうものと全く似ても似つかない、そういう意見書というものじゃないのです、名前だけ意見書となっているのだけれども。だから、いま問題が起きているわけでしょう。しかも、それを関係者は何も知らない。そういう内容のものが自分の主治医に回っているかということも知らさない。意見書の内容すら、私にきのう渡されたので、本人自身が知らないんですね。皆さんは、主治医から意見書をもらうんだ、それで検討するんだ。それを、本人も職員団体も知らない。そして意見書と名前がついているけれども、その意見書とは全く似つかわしいものじゃない。そういうものを求めて歩かれるから、また問題がこじれてしまう。
 これは、もとへ戻して、皆さんがおっしゃるように、その本人が現実にかかっている医者から、医者の診断に基づいた診断書が出ているわけですから、その所見を提出させて、それで検討する。民間はそこまでやっていませんけれども、一般事務の問題の場合、一応新しい問題だというので、そういう手続でやられれば、この問題は私は解決をしていくと思うのです。問題を複雑にしているのは、こういうものをやられるからです。
 だから私が、これはだれが作成したのだと言ったら、名前を言えない。言えないでしょう、こういうものを出すんだからね。この点については改める。そうすれば、問題は解決するのじゃないかと私は思うのですが、まず最初にその点をお聞きしたいと思う。
#155
○川村政府委員 先生のただいまの点につきまして、職員が知っているか知らないか、それから何のためにそれを求めるのだということでございますが、もう最初の起点から先生御存じのとおりでございますが、ちょっと改めてお話を申し上げておきますと、実はその意見書をつくりましたのは、意見を聞いて決めたのは、その実施機関たる総理府でございますから、どなたかといえば総理府でございますということになるわけでございます。
 それで、それはなぜかという問題を次に申し上げますと、国家公務員災害補償法上、公務災害の認定に当たっては、単に診断の名前をもってだけ認定するということではなくて、専門医によって詳細に把握された症状及び所見に従って行うということにされておるわけでございまして、現在、実施機関が得ております資料というのは、その申請者からの頸肩腕症候群である旨の診断書のみでございまして、これのみをもってしては、いわば医学的にも新しい問題である本問題を、これが疾病と公務との因果関係を明らかにすることは至難のわざでございます。
 したがって今回、実施機関においては、公務災害認定申請者から出された頸肩腕症候群であるとの診断書を作成した、したがって、その各医師の方に意見書を求めるとともに、一方では労働衛生面からの職場診断、これは職場の条件なり、明るさなりというような問題も入ってこようと思いますが、それを実施して公務との起因性等も明らかにしたいということが私どもの考えでございます。
 ところで、国家公務員災害補償法の第二十六条の規定におきましても「人事院又は実施機関は、審査又は補償の実施のため必要があると認めるときは、補償を受け若しくは受けようとする者又はその他の関係人」これは通達等をごらん願えれば、現認者であるとか医師であるとか、あるいは所属官署の職員等ということが入っておりますが、それらに対して「報告をさせ、文書その他の物件を提出させ、出頭を命じ、医師の診断を行い、又は検案を受けさせることができる。」こう規定されているところでございます。実は直接認定に当たる実施機関の責任において、当該資料を求めるということがこの趣旨でございます。
 なお、主治医の意見書を求めることについては、従来、認定申請者の方々あるいは職員団体からもこういう点については要望のあったところでございまして、今回の措置につきましては、これを十分配意して措置しましたことを申し添えておきたいと思います。
#156
○中路委員 皆さんが主治医に意見書を求められているというんじゃないわけですね。
 それでは、その前にお聞きしますけれども、この意見書を求めた病院名はどこどこですか。
#157
○川村政府委員 確かに、いま出しました先については、ここに手元に資料を持っておりませんが、これは実際に先生十分御存じのとおり、先ほど各人別に主治医が違うということを申し上げましたが、いまその三十数名を見ますと、その方々が複数の、おのおのありますから、実は相当の数になります。しかも患者さん御自身が、自分の部分の主治医についてはわかっているということだけを特に申し添えておきたいと思いますし、あわせて実は、各個人個人の医者を申し上げないという意味も、現在、事態が進行している中で、多少そういうお医者さんに御迷惑をかけたくないという配慮も同時に動いております。
#158
○中路委員 病院名については、後でいただけますか。どこの病院に、先ほど示しましたこれがいま回っているのか、依頼されているのか。
#159
○川村政府委員 ただいま先生に申し上げた趣旨から、患者さん個々人は全部わかっているわけでございますから、私は適当でないと思っております。
#160
○中路委員 この文書がどこの病院へ回っているのかということは、みな知らないんですよ。自分で皆さんの方へ出しているんでしょう。いつもかかっている医者はこの医者です、皆さん主治医から意見書を求めると言うんだから、そこから意見書を求められるのかと思ったら、そうではなくて、いろいろ病院へ文書が回っている。
 だから私は、実施権者と言ったって、皆さんは専門家じゃないんだから、必ず何人かの医師団に依頼をして、その医師団でこの調査表を作成されたんでしょうから、だから皆さんが依頼をされている医師団と、そしていまこの意見書を求められている病院名と、これだけは出していただきたいというふうに言っているわけです。
#161
○川村政府委員 中路先生、この事態の進行は十分御存じだという上で申し上げますが、各患者の方々が、自分が過去に頸肩腕症候群だと言って私どもに診断者を出しました。そのかかったお医者は、各人は少なくとも知らないということじゃなくて、各人が知っているわけでございまして、各人別に名前が違うわけでございます。その方々に一応出しているということで、実は何も先生にお知らせしないという意味じゃなくて、第三者にまで一々、回っている病院がこれこれだと言う必要はないということを、私は重ねて申し上げておきたいと思います。
#162
○中路委員 それじゃ私に出していただけますか。その病院名と、それからもう一つは、先ほど言いましたように皆さんが実施の機関だ、そのとおりですけれども、実施機関だといって専門家じゃないでしょう、局長はお医者さんじゃないんだから。依頼をされて、こういうものを作成されてこられたんだから、その医師団なりチームですか、もしあれば。どういうチームでこれをつくられて、どの病院へ依頼されたのかということの二つについては、私に出していただけますか。
#163
○川村政府委員 先生十分御存じのとおり、そのお医者さん、これは意見書を取る場合も、それから先ほどの専門家に御相談した場合も、そのお医者さん自体に多少御迷惑をかけることがないようにという意味でのことを率直に申し上げているつもりでございます。先生は、そのことも実は十分御存じの上で、私に示さないのかとおっしゃいますが、私は、その意味で再三申し上げているとおり、本人は少なくとも御存じの、たとえば主治医の場合には、少なくともその患者御本人は知っているわけでございますから、だれかということは、それは私は必要ないと思っております。
#164
○中路委員 私が言っているのは、局長が最初に、主治医の意見書を求めるのだとおっしゃっているんですね。しかし実際に、私も幾らか事情は知っていますが、主治医に意見書が回っているんじゃないんですよ。ないから、皆さんが主治医に意見書を求めるのだ、最初局長が言われたから、そのとおりならいいんですよ、求めて。しかし実際に、この意見書の中身の問題、中身も意見書というようなものとは全く違った中身なんですよ、様式がないんですよ。しかも、それがまた主治医というところに意見書が回っているのではないんですね。
 だから、そういう事情を知っているから、どこに回しているのだ、どこの病院にこれを持っていっているのだということと、こういう文書を作成されたのは、皆さん依頼したのは、どういう経過でつくられたのかということを当然私はお聞きする、経過を知っているだけに。そういうようになっていない。最初局長が言われたようになっていないから、何でそうなっているのだということを聞いている。主治医のところに意見書が行っているのだったら私は言わないですよ。
#165
○川村政府委員 ですから、いま各人の主治医以外のところに意見書が行っているというふうに自分は御存じだと、こうおっしゃるなら、むしろそのことを率直に言っていただいて私、結構だと思います。私どもは、その方針で主治医に意見書をお願い申し上げたつもりでございます。
#166
○中路委員 それでは、意見書の中身のことは別にして、患者の皆さんが、皆さんのところにも、日常かかっているのはこの病院です、この医者ですということは、先ほどの文書でも出しているわけですから、その主治医から意見書を――意見書の中身は別ですよ。別ですが、その医者のいわゆる診断に基づいた意見書ですね、医者の自主的な意見書、これを皆さんが求めるというふうにやるということで念を押しますけれども、いいですか。
#167
○川村政府委員 何回もお答え申し上げたとおりでございます。
#168
○中路委員 もう一度念を押しますが、お答えしたとおりというのは、私の話したようにやるということですか、それでいいんですか。
#169
○川村政府委員 私が先ほど答弁申し上げたとおりでございます。
#170
○中路委員 もう一度、いまのことを後で戻りますが、意見書の中身のことに関してそれじゃお聞きしましょう。
 一昨年健康調査をやられたという、この健康調査の結果については、後で私の方へいただくということになっていますが、この健康調査をやられたときのアンケート、健康調査表というのをいただいたのですが、これを見ますと、たくさん項目がありますが、たとえばこの中に「家族にひどいノイローゼになった人がいますか」とかあるいは「精神病院に入院したことがありますか」とか「家族のだれかが精神病院に入院したことがありますか」とか、こういう設問が多いんですね。いま言われているのは、職場でこれだけの職業病、頸腕症候群についての認定の申請が出ているわけです。だから、その職場の環境との関係でこういう問題が出てきている。皆さんはそういうことで申請を出されているわけです。それについて調査をされる、健康の関係をどういうふうにやるのかということとは、これは別なんですね、ここで聞かれていることは。「家族に精神病院に入院した人がありますか」というような設問の健康調査をやられているわけです。
 私、ちょっと別の資料があったのですが、これは電電公社で頸肩腕症候群に関するプロジェクトチームをつくって調査をやられた文書でありますが、このプロジェクトチームのアンケート内容を見ますと、よく似ているのです、皆さんがやられたのと。「結婚適齢期で焦りを感じるでしょう、両親が心配していませんか」とか「夫の収入で生活ができるのだったらやめたらどうですか」とかあるいは「上司を信頼していますか」いろいろたくさんありますけれども、こういう設問調査は、いまの健康調査と言われるようなものじゃないんですね、この中身は。これと同じようなことが実際には意見書の提出だとかあるいは健康調査ということでやられるんじゃないか、またやられているんじゃないかという不安が皆さんにあるわけなんです。
 先ほど国際婦人年と言いましたけれども、こういう設問自身は婦人を侮辱するものですよね、ここまでなってくれば。健康調査ということで、いま言いましたように、「結婚適齢期で焦りを感じるでしょう、両親が心配していませんか」これが頸腕症候群の調査の項目だと、こういうことになれば、こういう調査がやられれば大変だ。皆さんが言っているように、診断書を出している、だから、その診断書を出した主治医の診断に基づいた意見を出して、それで判断をしてほしいということが皆さんの要望なんですが、それとは別のところで、病院名もいまだ言わない、どこの病院へこういう調査を出しているかということも言わない。だれがこういう意見書と全然中身の違うものをつくられて、どういうところでつくられたのかということも言えないというものを――職員団体やあるいは患者の皆さんは、六年間これを申請してから苦しんでいるんですよ。その人たちにも言えないということで調査をやろうとするから、ますますこの調査についてみんなが不安を持って問題が解決しない。こういうものには応じられないというのが出てくるのは当然なんです。ここにこの六年間こじれている問題がある。そして六年の間認定も受けられないから、通院するにも休みをとらなきゃいけない。これは昇給にも響く。経済的にも大変なんですね、肉体的な苦しみだけじゃなくて。それが六年間続いているわけなんです。
 この解決が、いま局長が言われたとおり、本人も言っている主治医の意見書も求めて、それで皆さんがそれについて検討していただくということを率直に、素直にやっていただければいいわけですが、いま言ったようなことがやられている。それで、ますますその点で皆さんが不安を持たれるということは当然だし、私は、そこのところの問題をはっきりさせなければ、この問題はいつまでたっても解決しないと思うのです。歴代の総務長官になるたびに皆さんが出しているんですね。早くこれを解決してほしい、その苦しみを長官あての手紙で何遍も訴えられています。その手紙を幾つかもらっています、皆さんが出された写しを。ここで、いま進められているやり方、これをこういう調査でなくて、やはり診断を出された本人の主治医から診断に基づいた判断、意見を求め、それについて検討するという筋へ問題の解決を戻すというふうにできませんか。
#171
○川村政府委員 先ほど一昨年の健康調査の結果といきなり言われたものですから、実はその結果までは持ってきておりませんが、いま先生のお話を承っておりますと、どうやら非常に多くの項目の質問をしているという点で気がつきましたが、実際に健康診断を人事院等で定期的に一年にこれだけやれという量が決まっている以外に、統計局は特殊な職場であるために、特に付加してよけいにやっている部分の質問書でございます。これはCMIという調査でございまして、アメリカのコーネル・メディカル・インデックスの略でございます。これは実際にはニューヨークのコーネル大学のブロードマン博士の考案になる二百十四問のいわば質問書でございます。その意味で、そのうちの一つの設問を取り上げて、いかにも何か非人道的なことを聞いているというふうに実はお取り上げになっておりますが、これらの項目というのは、配列の順序を専門家がちゃんとお考えになって、ある部分と相反するような設問を全部組み合わせて、これは世界的にもCMIの検査法というかっこうに実はなっております。
 それで、たとえばいまの頸肩腕症候群の病気につきましても、確かに仕事の点から出てくる場合もありますが、多少心理的な問題もこれは無視し得ないであろうということも考えて、このCMIの検査も実は重ねたわけでございまして、そのうちの設問の一つが多少問題だから、すべてやり方がそういうかっこうであると言うのは、いささか私は言い方がいかがかと思うのでございます。むしろそれではCMIの検査をやめろとおっしゃる言い方の方が率直かというふうに考えるものでございます。
 一応そういうことでお答えをいたしておきたいと思っております。
#172
○中路委員 職場との関係なんということはないですよ、この中には。ほとんどないですよ、いま私も取り上げましたけれども。
 もう一度はっきりする意味で、それでは、先ほど一部はしましたけれども、皆さんのところへ、一番最近罹病された皆さんが、そろって一同ということで申請者として出されている文書がありますが、これを確認する意味で読んでみますと「頸肩腕障害を公務災害として認定してほしいと申請してから六年目に入りました。その間、当局は資料問題で期日を延ばし、申請者は精神的、経済的にも苦しいつらい立場に立たされています。」そして次に文章があって「二月三日より連日申請者が当局へ行きましたが、説明するどころか話し合おうともしてくれない。申請者本人の意思を全く無視して」いま私がお話ししたようなデータ集めを医師に、病院へはまだ行っておられませんけれども、依頼をしているということもここに書かれてありまして、そして「私たちの主治医は次の医師です。」ということでずっと名前が挙がっています、読みませんが。これが日常ずっと本人が診断を受けている主治医なんだということ。「ここで示した以外の医師は、私たちは認めていないので、採用しないでほしい。意見書の内容は、主治医の判断で意見を出してほしい。」ということですね。こういうことを含めた皆さんの要望がここで出ているわけです。
 私が言っている主治医の意見書というのは、ここで申請者の皆さん一同が言っている、いま言った内容のことなんです。これに基づいて意見書を求めてやっていただくということを私も言っているわけです。そうすれば問題は解決するわけなんです。
#173
○川村政府委員 いま先生がおっしゃっているのは、昨日私どもに提出されました要求書のお話であろうと思いますが、患者の方々がいわば切々として訴えられている意味は私もよくわかります。ただ、言っていらっしゃることが、素直に全部がそうかどうかという点については、私は若干実は疑義を持つものでございます。なぜかと申しますと、たとえば私たちが主治医として認めた医者というふうにおっしゃいますけれども、私たちが認めるというよりも何よりも、自分たちが認定のときに出した主治医には全部当たるということを私ども申し上げてあるわけでございますから、その辺は少し心を広くお持ち願う方が私は妥当でなかろうかと思っております。
 それで結果的には、ここにお書きになっている病院の方々には私ども意見書を求めている、これは結果的には入っております。その点もここで申し上げておきますが、それでこちらの考え方を御理解願いたいと思います。
#174
○中路委員 それでは、先ほどから言っているように、どこの病院に出されているのかということですが、これは私の方には出していただけますね。
#175
○川村政府委員 ですから、実際先生がおっしゃっている主治医という意味と、私が申し上げている主治医というのは、実際具体的に人の範囲になると何か多少違う観念になっておりますので、私が繰り返し繰り返し申し上げているわけでございまして、実は言葉のやりとりとしては、同じ単語を使いながら、違った概念になるのは非常につらいことでございますけれども、あくまで申請者の各個人個人がお出しになってきた診断書もその主治医には行きます。ここに書いてある、私どもが認める医師とまで言っているその方々は、大ぜいの中には確実に入っていますというところまで申し上げているので、そこで御了解をいただきたいと思っております。
#176
○中路委員 私が言っているのは、本人が日常かかっている医者なんです。診断書も書き、本人が主治医として日常かかっている医者です。その医者は経過もずっと知っているわけですから、その医者の意見書を求めてほしいと言っているのです。一番筋が通るのじゃないですか。
#177
○川村政府委員 先生に先ほどから何回も申し上げておりますが、私どもは、認定機関としての仕事をやっているわけでございまして、認定申請者が申請のときに出してきた診断書、それからその前にも健康診断をした場合の、頸肩腕症候群と書いてきたところの、かかったお医者さんは各人別に皆違いますが、しかし、その方々には皆聞いています。それで私どもは違ってないと思っておりますし、先生がおっしゃっていることも、恐らく大差がない問題だと思いますが、何かそこのところに非常にこだわられるのは、むしろ私ども理解をいたしかねている現状でございます。
#178
○中路委員 私のこだわっているのは、本人も職員団体も了解していないんですね。それから知らないのです。こういう文書が回っておるというのも、私たちが独自にわかったのです。それで、こういう文書を皆さんがやられておるということもわかったわけです。それでますます不安が起きるのです。そういうことで念を押しているわけです。最初、主治医の意見書を求めると言われたから、その主治医についても、それから意見書の中身についても、念を押しているわけです。
 時間の関係で、寒冷地手当の問題の方に行かなければいけないので、一つ例を挙げますけれども、たとえば民間で、これは新聞に出ていた名古屋の例ですが、三菱電機の名古屋製作所、一般の事務職員です。四名で三名は事務職員、これが去年の春、名古屋の労働基準監督署で頸肩腕症候群に認定されたわけですが、これを申請されたのは、おととしの暮れですから数カ月ですが、数カ月で認定を受けているわけです。こごに詳しく記事が出ていますけれども、民間の場合ですと、このように――これは主治医の意見書も出ていないんですよ。そこまでやっていない。本人が公務災害についての申請書と医者の診断書を労働基準局へ出して、それで数カ月後に基準監督署で認定をしているわけなんです。労働省はこういう仕事のやり方をしているわけだ。それが総理府の場合、申請が出されてから六年間、問題が解決していないということは、どこに問題がこうこじれたあれがあるのかということで、やはり職員団体や申請者の皆さんとよく話をして、皆さんが主治医の意見書を求めるということについても職員団体と申請者と話をしてやっていく、こういう話を抜きにしては問題は解決しないわけでしょう。
 だから私は、この問題の終わりに念を押すのですが、主治医の意見書を求める、民間団体はそういうことは抜きでもやっておる、やっておるのだけれども、新しい問題でもあるからという皆さんのお話でありますから、この問題はそういうことで職員団体とお話をされる、あるいは申請者と話をしていくということでいいですか。
#179
○川村政府委員 ただいま三菱電機の名古屋の例等の御引用がございました。民間は早かったそうでございますが、私どもは、その意味では確かに新しいケースだということを何度も申し上げておりますし、六年というのは、実は当局の方が握りっ放しでサボったというようなことでは決してございませんで、途中でも何回も御提案も申し上げ、むしろ職員団体の協力を得られないでここまで来ておるという事実も、中路委員御理解いただきたいと思っております。
 それから職員団体、職員の方が知らない、知らないというふうにおっしゃいますが、たとえば最近の申請者との話し合いの経過というメモがございますから申し上げておきますと、一月二十四日、職組矢島委員長に対し方針説明、一月二十四日、申請者九名に対して説明、一月二十五日、同申請者十名に対して説明、一月二十七日、申請者三名に対し電話連絡をいたしました。それから一月二十八日、申請者残り二名に対して電話連絡をいたしました。それから二月三日、申請者十四名と話し合いをいたしました。二月五日に職組との交渉をいたしております。二月十七日に申請者総務課長あて要求書提出、先ほどの要求書のことでございます。この程度の接触はいたしておりますし、今後もしてまいりたいと思っております。
#180
○中路委員 私が言っておるのは、皆さんの一方的な説明じゃなくて、それについて職員団体や申請者と話をして、こういうことでやりましょうということで進めていくのが筋でしょう。それを、一方的に話をして、こちらの方がそれについてまだ納得してない、だから、さらに話をする。いまもまだ病院名を言っておりませんけれども、そういう中身も本人に知らせない。私はきのう初めて意見書という調査表をもらったのですが、そういうものが別に回っておるということになれば不信を持ち、話も軌道に乗らないということは当然なんで、そういうやり方は改めて、ここで職員団体や申請者、申請者は六年間も苦しんでおるわけですから、その人たちと話をして、申請についてどういうふうに検討していくか、そして問題を解決するようにもう一度軌道へ乗せてほしい、そういうふうにこの問題の終わりにお願いをしたいのですが、これについては総務長官どうですか。
 そうしなければ、これは六年かかっておるでしょう。先ほど民間の数カ月でやっておる例を挙げましたけれども、六年間に、いま皆さん会ったと言ったけれども、全然会わないときもあって、キーパンチャーの皆さんが認定を受けられなくてあの総理府の前に座り込んだり、そういう時期もずっと経過しておるわけだ。だから、ここでこの問題を申請者あるいは職員団体と話をして解決していくというふうにやっていただきたいと思うのです。
#181
○植木国務大臣 この問題につきましては、長い経過をたどっているということを、私、就任直後に説明を受けまして、早期解決のためにできるだけのことをするようにということを指示いたしてまいりました。その経過の中で、ただいま申し上げておりましたように、処理方策につきまして、罹病者等に対しまして、いろいろな解決策を提示いたしましたが、なかなか御賛同を得られないというような形で今日に参り、そして先ほど来お話がございますように、主治医に対しまして意見書を求める等の措置をとっているわけでございます。
 御承知のように、国家公務員災害補償法におきまして、公務災害の認定をいたしますためには、単に診断書名のみをもって認定するわけにはまいりません。したがいまして、専門医によって詳細に把握された症状及び所見によって行うということが当然でございますので、そのための努力をしているわけなのでございます。実施機関あるいは統計局が、罹病者の皆さんあるいは組合の方々と十分に話し合いをするということは当然のことでございまして、今後もそのための努力をさせてまいりますから、患者及び職員組合の皆さん方も、早期解決のために御協力をいただきたいということを、この席をかりましてお願いを申し上げておきます。
#182
○中路委員 時間が大分超過しましたが、この問題の最後に、申請者の皆さんが先ほど読みました要求書を昨日出されていますが、この中に、申請者が当局へ行っても話し合おうとしてくれない、一切拒否した態度をとっているということを非難しております。その点では、いま長官も言われましたけれども、こういう態度を改めて申請者あるいは職員団体と話をして、診断書だけではなくて、主治医の意見書が必要だということであれば、その本人の行っている主治医があるわけですから、日常見てもらっている医者の意見書をどういうふうにとっていくかということについても、職員団体やその申請者の皆さんと話をして、この問題の解決に当たってほしい。そうでないと、そういう話を抜きにしていろいろ当局が別の作業をやられると、それがまた不信になり不安の材料となって、なかなか話が軌道に乗らないということです。
 何と言っても、実際に六年間の苦しみというのは大変なことなんですね。これは経済的にもいろいろの被害、苦しみを受けています。家族を含めて大変な状態なんです。
 この点では、ひとつ新しい総務長官、歴代の総務長官に訴えが出ているわけですが、ここで植木長官の時期に、ひとつこの問題の決着をつけるということで鋭意努力をしてほしい。あくまで申請者とよく話をして解決をしてほしい。その要望も聞いてほしい。ここまで苦しんできたわけですから、その点を重ねて強く要望しておきたいと思います。
#183
○植木国務大臣 早期解決のために努力をいたしますから、当事者の方々もどうぞ御協力くださいますようにお願いをいたします。
#184
○中路委員 幾つかまだ出されない資料のこと、お聞きしたいこともあったのですが、約束の時間もあるので、この法案の方の質問が残っちゃって、ちょっと駆け足で二、三お聞きしておきたいと思います。
 寒冷地は、後で修正について御相談をしたいということもありますので、短時間でお聞きしたいと思います。午前中も大出委員から御質問、論議があったところですが、今度の寒冷地の加算分、北海道加算額と内地加算額の最高限度を改定するというものですが、四十三年に基準額の中に定額部分を設けて以来、定額部分というものは一度も直されていない状態なわけですが、これは昨年度の、四十八年度の附帯決議にも出ているわけですから、今度も定額部分についてさわられていないということについて、なぜそうなっているのかということを、最初に簡潔にお聞きしたいと思います。
#185
○茨木政府委員 寒冷地手当の問題は、先ほども御説明申し上げましたように、定額部分それから定率部分それから加算額の部分、三つが一緒になって全体として賄う、こういう仕組みになっております。そこで、定額部分についてだけどうこうというふうに分解して検討するというわけにはまいらぬ実情にございます。全体として見ますと、現在の寒冷地の関係は不足であるかどうかという見方でやはり検討してみなければいかぬので、そういう目で物事を見ますと、今回提案申し上げております加算額の部分については、燃料関係の経費の激変が大変ございますので、その部分について特にお願いを申し上げましたわけで、全体として見ますと、この基準額の部分については、いま直ちに改定をするという状況にないという判断をしておるわけでございます。
 それは、一つは御案内のように、この部分は夏にいたしております民間給与との比較の際に一緒に調査をいたしております。でございますから、その官民較差の中にこの部分も当然含まれているわけでございまして、その官民較差の配分と一種類になっております。でございますから、この部分だけを別の時期に取り出してどうこうするというのは、やはりその時期に方針を決めまして、その部分の原資を保留しておけば別でございますが、そうでないというと、別の時期に独自にいじるということは、やはり官民比較の関係からちょっと問題がございます。
 それから別途、民間の状況について調査をしてみますと、なお全体としてはこちらのほうが民間に比して見劣りするというような状況では決してございません。そういう状況もあるものですから、やはり定率、定額両方合わせました基準額として見ますと、いま直ちにこれをどうこうしなければならない事情ではないというところで、改定の勧告をしなかったという実情でございます。
#186
○中路委員 昨年のこの委員会でも皆さんから御質問があって、これは給与局長の尾崎さんがお答えになっている中でも、定額部分を設けた趣旨についてお話をされていますね。その中で、四十三年の改正までは定率部分が大きな部分を占めて、生計費的な給与としてははなはだしく偏向しているという関係を考慮して、定率部分をできるだけ少なくするということで、従来の俸給比例部分の半分を定額化して、低い給与をもらっている者に多くの支給をすることにしたというふうに、定額部分を長期に据え置くということが手当の趣旨を変質させるものであるという意味の発言もされているわけですが、この俸給というのは、職務の責任と複雑さの度合いによって決められるわけですね。他方、寒冷地手当というのは、寒冷、積雪等に伴う生計費の増加、これに伴う生計費的な給与である。したがって、定額部分を長期に据え置いていきますと、寒冷地手当の性格を俸給のそれに近づけるというふうになってくる。最初に定額部分を設けられたときの趣旨も説明されていましたけれども、また逆から見れば、手当の趣旨を変質させていくということにもなるわけですね。
 この点で私は、定額部分、定率、加算額も含めて、この寒冷地手当の問題について、ここで全体として検討してみる必要があるのではないか。このままでいきますと、おっしゃったように、俸給部分の比重が非常に大きくなってくる。この寒冷地手当という生計費的な性格、そういうものが変わってこざるを得ないというふうにも思うのです。
 それからもう一点は、全体の総額が相当多くなっているからというお話もありますけれども、ちょっと私、調べてみたのですが、公社、現業なんかと比べますと総額としても低いですね。支給総額で見ますと、一般職のほうが低くなっています。
 時間もありませんから、私の方で二、三ちょっとお話ししますと、比較可能な類似の制度をとっているところと比較するのがいいと思いますが、たとえば専売や林野等々をとってみますと、定率は同じ率ですね。定額部分だけとってみますと、たとえば一級地で専売が一万三十円、林野が八千三百円、一般職が六千七百円ということですし、五級地でとりますと、専売が四万百十円、林野やアルコール専売が三万三千二百円、一般職が二万六千八百円、これでも低いわけです。今度の増額される、改正された後の北海道の加算額で、甲乙丙でとってみましても、たとえば甲地で見ますと、専売が六万一千四百八十円、一般職が六万二百円、乙地でとりますと、専売が五万三千四百十円、林野が五万二千五百円、一般職が四万九千二百円、丙地は専売が五万四百五十円、林野が四万六千五百円、一般職が三万九千七百円というふうに、一般職の方が大体低くなっているということが言えるわけです。一番金を押えている大蔵省の専売なんかよりも低いわけですから、この点では、定額分の増額について昨年度の附帯決議もあるわけですし、全体、総額としても、類似のところを比べてみますと決して高いということはないということで、やはり附帯決議の趣旨を生かしていくという点からも、この点はもう一度検討をする必要があるということと、根本的には、やはり最初に言いました寒冷地手当の性格から言って、この問題についていま三つに分かれていますが、検討をしていく時期にあるのではないかというふうにも感ずるのですが、簡潔にこの点についての御意見をお聞かせ願いたい。
#187
○茨木政府委員 先ほど総裁から、現時点ではどう考えているかということについては、いまのところ考えてないというふうな答弁があったわけでございますが、今後の問題点といたしましては、定額と定率との関係も変わってまいりますし、そういう意味では、絶えず検討していかなければいかぬので、やはり今後この点は十分吟味をしたいと思っております。
 ただ、いま公社関係のものをいろいろお挙げになりましたけれども、これはこの前、こちらの方が定額と定率に分けました時点の翌年度に、向こう関係が定額を決めておりますような関係から、とりました基準年が違いました関係上、定額が高くなっておるという点もございますし、それから加算額等につきましては、石炭の歴史的な沿革のようでございますが、とっております量が、毎回違っておったというような点も影響としてあらわれてきておるようでございます。そんな点から、いろいろこちらの方と三公五現系統のものとの間の相違点が出ておるということは、やむを得ない経緯があったのだろうと思います。たてまえとしましては、一応こちらの方が本体で、向こうさんの方がそれに準じていただくような関係になっておるわけでございますけれども、実態は、そういうようないろいろな経緯で違っておるものだというふうに考えております。
 ただ、こちらの方は、先ほども説明しましたように、一応民間との官民較差の中の配分という形で基準額が決まっております関係上、やはりそこは民間の動きというものも十分踏まえてまいりませんと、寒冷地帯の職員と暖地の職員との間の原資の配分問題でありますから、その辺でやはり公務員部内としましては、なかなか論議のあるところでございますから、そういう点も踏まえまして、慎重に検討してまいらなければいかぬ問題でございます。
#188
○中路委員 いま民間とのお話もありましたが、全体として決して高くないわけですから、さっき公社、現業との比較をお話ししましたけれども、含めまして、もう一つ附帯決議というのが、昨年別の問題でお話ししましたけれども、国会の委員会での各党一致した附帯決議というのは、やはり次の勧告の中に国会の意思を尊重して生かしていくということについて、もっと――この委員会のそういう一致してされた修正や決議を尊重してやっていく、検討もしていくということとも関連してきますので、さらにこの点の検討を要望しておきたいと思うのです。
 それから急ぎますけれども、もう一つは、これは私の方で、皆さんの御賛同を得れば、この点だけはぜひ修正をしたいと思っておるわけですが、九月一日以降、基準日以降翌年二月末までの期間内に寒冷地に採用された職員、いわゆる中途採用ですが、これにもやはり寒冷地手当が支給できるようにする必要があるのではないか。これも附帯決議の中の問題でありますし、亡くなった佐藤総裁は、この問題について、議事録を見ますと、今後拍車をかけて検討したいと何回も答弁されておるんですね。それから拍車をかけて検討して、今度何にもあらわれてこない、勧告もしていないという問題ですし、これは公社、現業の場合は、中途採用者について一定の割合で支給をしているわけです。異動と同じような扱いにしているわけです。先ほども世帯区分に伴う支給額の調整ということがありましたが、たとえば結婚の場合、これも公社、現業の場合は増額調整、追加支給があるわけですね。これも附帯決議にありますし、亡くなった前総裁が、拍車をかけて検討したいとまで何遍も答弁されておる問題ですが、今度の勧告にあらわれていない。
 私は、こういう点は、人数はそう多くないのですから、中途採用で寒冷地で働くという場合に当然支給をしてあげる、この程度の改善はやらなければいけないのじゃないかと思うのですが、今度どうして勧告に出てこないのですか。
#189
○茨木政府委員 それは前のときに、附帯決議がございます事項につきましては、当方といたしましても、十二分に時間をかけながら勉強をしておったのでございます。特に一昨年の末ごろから昨年の三月ごろまでにかけて鋭意詰める検討をいたし、関係の人々ともいろいろ意見の交換をいたしてございます。その線に沿うて夏の勧告の時期には、相当の時間をさきまして御検討をいただいた経緯がございます。
 ただ、先ほど言ったように、官民較差の中の分配でございますから、いい点だけ加えていくということになりますと、そこに較差をどんどん食っていくという関係に相なります。当然返納してもらうべきものについては、やはり返納してもらうようなものを実施していかなければいかぬというような問題も同時に出てまいっておるわけでございます。
 そこで、そういう問題について、返納ということをいやがるということであるならば、そういう事態が起こらないように、特に燃料関係が、石炭とか薪炭でなくなりまして灯油に変わってきたということから、長期間買い置くということができなくなったという事態を踏まえて、むしろ各月支給のようなかっこうに変えていったならば、そういう問題がおのずから自然に解決するではないかというお話も総裁等から、前の国会でもちょっと述べられておるようでございますが、その点が再度述べられまして、そういう点も踏まえて引き続きやはり検討をしようということで、夏の時期には見送りになった、こういうことでずっときておるということでございます。
 ですから、その辺のところの詰めをやはりやらなければいけませんが、そうしますとなかなか、一括支給の妙味もあるので、各月支給はちょっと困るという、関係者の方の意見もまた聞いてみますとございまして、そんなところからなかなか積み切れなかったということでございます。
#190
○中路委員 時間が最初の問題で超過しちゃって、あとの鬼木さんに悪いのですが、あと二、三問、済ませんがお願いします。
 いま返給の話もありましたけれども、特に世帯区分の結婚なんか、じゃ離婚して返給――異動の場合には、本人もそこにいなくなるわけですね。しかし、世帯区分の場合に、本人はやはりそこで働いているわけですから、あまりにもそうなれば冷酷なことになるわけです。たとえば家族が亡くなるという場合なんかも、それは本人の意思じゃないわけですし、そういう点は異動とも違うわけですから、その辺の配慮は、家族が亡くなったから、世帯区分が変わったからその分返せとか、その点は私は、返給ということじゃなくて解決できるのじゃないかというふうに思うのです。
 やはりそこで、寒冷地で家族を含めて働くわけですから手当が支給される、手当があるわけですから、それが本人にも渡るという点については、ぜひ私はこれを実現をさしていただきたいと思うのですが、他の皆さんとも相談をして、特に中途採用者等の問題につきましては、そこで採用されて寒冷地で働くという人については、少なくともそこでの手当が渡るような処置をぜひとっていきたいものだというように考えています。他の党の皆さんとも、御相談は後でさしていただきたいというように思います。
 あと一、二点にしますけれども、先ほどこれは、大出議員が質問されていましたから私、詳しく聞きません。それで、級地区分に関する要求が、資料をいただきましたら各級区別ありますが、合計して四十四件出ていますけれども、これはまだ今度の中では取り上げないという方向ですか。
#191
○茨木政府委員 それはこの前、四十三年の時期と四十七年の時期に、一部基準の改定を含めまして相当検討いたしてございますので、今回は特に、燃料費の激変から来る部分についての手当をお願いするというたてまえで取り組みました関係上、それらの地域の新たに出てまいったものについて引き続き検討するという問題については、これからよく検討してまいりたいというふうに考えております。
#192
○中路委員 気象状況の基準等は非常に長いですね。十年から三十年という気象状況をとっておられるわけです。これは長期の調査がやはり必要だということもあるでしょうけれども、たとえば三、四年非常な寒冷が続くというようになっているにかかわらず、三十年からの調査を待たなければいけないということで、なかなか格上げといいますか、それができないということも、一面また不合理さとして出てくるのではないかというように私は思うのですが、この点では、基準を含めてもう一度、級地の格上げの問題その他については、全体として改善処置を検討していただきたいというふうに考えるわけです。
 あともう一点ですけれども、この問題については、御意見をひとつもう一度お伺いしておきたいのですが、基準をずっと見せていただいたのですが、この基準について、一面また非常にこの基準の適用だけでいけば不合理が出てくるのじゃないかというふうにも感ずるわけです。
#193
○茨木政府委員 いまお話に出ました三、四年というような問題でございますが、やはり暖冬というような言葉が使われる年もございますし、逆の年もございますし、そんなところから、やはりある一定の気象上の専門家の意見も聞いた上で、ある程度の長期間を押えるというようなたてまえをとらしていただいておるものというように承知いたしております。ですからその点は、相当前からの資料は大体整備しておりますので、そういうものを踏まえて検討さしていただくということは、御承認いただかなければいかぬのではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。
 ただ、やはりいろいろ新しい年度が入ってまいりまして、古い年度の昔のところが落ちていくわけでございますから、そういう経過でやはりデータが変わってまいるものがございますし、それから四十三年に入れましたときの補正要素的な基準を加えて検討していきますと、前と違った結果が出るというような場合もございますから、そういうようなものが出てまいりましたものについては、ある時期にまとめましてまた御相談をお願いするというような事態がくるということもあり得ると思います。一応そういうことで、やはり長期的に検討させていただくということだと思います。
#194
○中路委員 これで終わりますが、これは一括して意見も述べてお尋ねしたいのですが、勧告が内閣と総理府の二段構えの勧告になっているわけですね。今度もこれが通れば、第二次勧告を予定されているということですが、総理府令に任されている部分があるということで勧告は二段構えになっている。総理府に委任された部分が相当あるわけです。人事院勧告では北海道の三つ、それから五級地ですね。最高限度が法律事項で、後は総理府令できめるということになっている。こういった問題について、法律事項として一本で勧告できるようにする、当然もうすぐ第二次勧告でやられるわけですからね。
 それから基準日の問題、これも総理府令で決められています。あるいは俸給の比例部分の支給率、最高の限度四五%が決まっているだけで、後は総理府令でやるわけです。それからできれば支給日、こういった問題について、できるだけ一本にして、第二次勧告をまたやっていくという形じゃなくて、一本で勧告がやっていけるというふうに、こういったいま挙げましたような問題を検討していただいて、改善をしていく必要があるのではないかというふうに思うのですが、この点についてのお考えもお聞きしておきたい。

#195
○茨木政府委員 法律のつくられましたときの経緯からその後の改正を含めまして、人事院の権限事項と、それから総理府の方の権限事項との分配、あるいは法律事項と政令以下のところでお決めになる事項との分配というようなところから、いろいろ御指摘のような区分ができておるのだと思います。全部法律事項にした方がいいのかあるいはいまのままの方がいいのか、よく両者相談しませんといかぬ問題だと思います。今後もよく相談しながら検討してまいりたいと思っております。
#196
○中路委員 これで終わりますが、いまの問題は総理府とも関係があるのですが、長官から、いま言ったような問題、二段構えになっていますから、これはひとつ、人事院ともよく相談をされて、私は一本にした法律事項として提案をされていく方がいいのではないかという意見なんですが、十分検討していただくということについての御意見も最後に聞かしていただきたい。
 後、人事院勧告の基礎作業のことしの問題について、幾つか初任給を含めてきょう御質問したいと思ったのですが、約束の時間が大分延びましたので、一応別の機会にまたやらしていただきたいと思います。
#197
○植木国務大臣 人事院とよく相談をいたしまして検討いたします。
#198
○藤尾委員長 鬼木勝利君。
#199
○鬼木委員 時間も非常に切迫しましたし、夕やみ迫るころになりまして、皆さん大変御迷惑かと思いますが、しばらくひとつおつき合いを願いたいと思います。
 寒冷地手当に関する問題ですが、これに関連した問題も実はお伺いをしたいのですが、事情がそういうことでございますので、本法案そのものについて簡単に二、三御質問を申し上げたいと思います。
 まず、改正の内容についてでございますが、この寒冷地手当の勧告の説明を拝見してみますると、四十七年の勧告以降における石炭及び灯油の価格の変動状況並びに石炭及び灯油両者の使用量の推移の状況、それから寒冷地手当非支給地との均衡、こういうことがうたってあるようです。なるほど、そういうことを勘案してやったということが、これによく書いてあるようでございますが、灯油及び石炭の四十七年度から今日までの推移、動向について、どのように変動しておるのか、私の方も大体調べておりますけれども、専門家の皆さんが正確にお調べになっておると思いますから、その点を承りたいのです。人事院の方で結構です。
#200
○茨木政府委員 四十七年度以降でよろしゅうございますね。――それでは石炭及び灯油の価格の推移についで申し上げます。
 石炭の価格で申し上げますと、トン当たり四十七年当時が一万五百六十五円、四十八年が一万一千四百十九円、四十九年が一万六千三百四十二円ということで、四十七年を一〇〇といましますと四十九年が一五四・七という指数になってまいります。
 灯油の方は、配達込みの十八リットル入りのかんの値段でございますが、四十七年が三百三十九円、四十八年が少し安くなりまして三百二十四円、これは前年の十月から四月までの平均で申し上げておりますけれども、四十九年が四百三十八円という価格になります。ただ、灯油につきましては、その後の値上がり状況がございますので、六月に臨時の調査をいたしてございますが、それで六百六十一円という価格になっております。四十七年を一〇〇といたしますと四十八年が九五・六、四十九年の最初の方に述べました部分が一二九・二、それから六月の価格のところで一九五・〇、こういうような価格変動の状況を示しております。
#201
○鬼木委員 いまあなたが言われた推移は、石炭と灯油の値上がりの実態並びに率でしたが、使用量はどのように変わってきておりますか。石炭と灯油が逆になってきた状況ですな。
#202
○茨木政府委員 金額とカロリー換算で出しますので、多少の相違はございますが、これは四十八年までのデータでございますけれども、四十五年あたりから申し上げますと、支出金額の方でいきますと、このころはちょうど五〇、五〇ぐらいの比率になります。それが四十六年は、石炭が三六%に落ちまして灯油の方が六四%。四十七年は、石炭が三一%に落ちまして灯油の方が六九%。四十八年は、石炭が二八%に落ちまして灯油の方が七二%。
 それからカロリー換算の方、主としてこちらの方を扱っておるわけでございますが、これでいきますと四十五年は、石炭が五七%で灯油が四三%。四十六年は、石炭が四二%で灯油が五八%。四十七年は石炭が三三%で灯油が六七%。四八年は、石炭が三一%で灯油が六九%というところでございます。
 それで、両者を勘案いたしまして三〇対七〇という比率を今回使ったわけでございます。
#203
○鬼木委員 あなたの数字は少し違っておるんじゃないかな。私が調べたのでは、四十七年は石炭が非常に多いですね。あなたの方は石炭が少ないようになっておるが、ちょっとおかしいな。四十七年あたりは、北海道ではまだ石炭をよけい使っておったはずですよ。だから、六五%程度は石炭を使っておったわけです。それが四十九年あたりになりますと三〇%と、半分になっておるのです。逆になっておる。灯油は、四十七年あたりは三五%ぐらいであったのが、四十九年あたりになると七〇%と倍になっている。こういう使用量や価格の変動によってこれを勧告するのだという、その勧告する人事院そのものが、そういうあいまいな、わからぬようなことじゃ困る。どういうところから積算したのですか。
 藤井総裁も見えておるようだが、あなたは何ですか。総裁でしょう。もっとしっかりしなさい。大事なことですよ。これは積算の基礎になるんでしょう。そんないいかげんなことを言われたんじゃ困るよ。もう一度言ってごらん。
#204
○茨木政府委員 先ほど申し上げましたのは、今度使いました統計局の家計調査によりますところの使用量の比率を申し上げたわけでございます。そこで少し答弁が不十分であったわけですが、前回、四十七年の勧告の際に使いましたのは、当時の北海道地区におきます家庭用暖房石炭の販売量を、直接人事院と北海道の道庁とが協同して調査をいたしました結果、いま先生がおっしゃられましたように、石炭が六五、灯油が三五という比率が出ましたので、それを使ったわけでございます。
 今回、現場の方から、販売量と消費の実態は違っておるという御意見がございましたので、むしろいまの家計調査によるところの比率を使った方が、より実態に合うのではないかということで、今回の比較の際には、家計調査によるところの使用量の比率を使いましたので、先ほど御説明申し上げましたような数量に変わったわけでございます。したがって、四十七年のときと今回とは、その調査の基礎が別のものに置きかえられたという事情が一つございます。
#205
○鬼木委員 どこで調査しようがここで調査しようが、あなた方が勧告をされたのでしょう。総務長官よくお聞きくださいよ。従来石炭をたくさん使っておった、だが今日は、灯油が逆になった、石炭の率よりも倍になってきている、そういうことを勘案して、今度の寒冷地手当を勧告したというふうに説明に載っておるじゃないですか。それを家計のどうだこうだ、あちらで調べたとかこちらで調べておるとか、そんな右顧左べんするんじゃなくて、的確なあなた方のはっきりした数量を出してください、こういう意味でのこのように積算の基礎はあるんだと。そんな学者が研究しているような、学校で講義を聞いているんじゃないんですから。だれはどう言った彼はどう言った、こういう説もあるああいう説もある、そんなこと聞いているんじゃないんですよ。人事院総裁、あなたひとつ答弁してください。
#206
○藤井(貞)政府委員 当方が調べておりまするのは、的確な資料に基づいて、計算をしたものに基づいてやっておるわけでございまして、先刻給与局長が御説明申し上げたとおりでございます。
#207
○鬼木委員 そうしますと、石炭と灯油の値上がり、それを平均しますと八二%以上値上がりしておるというんですね。いいですか、またあっちで調べたこっちで調べたなんて言うてはつまらぬぞ、はっきりせぬと。八二%以上の値上がりなんだ。ところが今回のこの手当のアップは六〇・九%アップする、こういうことになっている。そこまでは間違いないですか。それをまたひとつ確かめておこう。そうせぬと、またほかでだれがどう言ったこう言ったという、わけがわからないようなことを言うから。そこまではいいですか。だから、今度の勧告は六〇・九%上げることになっているが、実際は平均は八二・九%上がっている、そういうことですか。
#208
○茨木政府委員 北海道平均としましては、六〇・九%で間違いございません。
#209
○鬼木委員 そうしますと、実際は八二%以上上がっている。ところが勧告は六〇・九%、そこに約二二%ばかりの差があるわけです。一体どういうわけですか。これは恐らく、あなた方の答弁は、後からまた非支給地との均衡とかなんとか必ず言われると思う。大方そう言われるだろうと想像しておるんですがね。ことしだけそういう差をつけた。これは的確な言葉か何か知らぬが、足切りというそうだが、今回のみ足切りをつけた。じゃ、いままでは関係なかったのか。二二%の足切りをつけた、その二二%つけたという根拠、基礎、積算の基礎ですが、どういうわけで二二%つけたのか、今回だけ足切りをつけたその理由。従来もあったはずじゃないか。いままでもずっと、灯油も石炭も全国どこでも使っておった。これは暖かいところだって、われわれのところだって、九州は南国といいますけれども、やはりストーブはたいてますよ。灯油はたいてますよ。
 だから私は、これをどうだこうだ言っているのではないけれども、ことしだけ足切りをつけた、しかも二二%の差というのは、どういう計算の基礎によって二二%という足切りをつけたのか、的確な御説明を承りたい。
#210
○茨木政府委員 一番最初のときに、竹中先生の御質問に対してお答えをした部分がございますが、今回、加算額について改定を勧告申し上げましたのは、灯油等の大変な値上がりということが原因でございます。そこで、この灯油事情は御案内のように、加算額のついております地域だけの問題ではなくて、全国の地域にわたって灯油が同じような状況で値上がりをしておるわけでございます。
 そこで、そういう事情が一つと、それからもう一つは、先ほど来御質問ございましたような経緯で明らかになりましたように、従来は北海道地区については石炭が中心になっておりましたものが、漸次灯油の方に置きかえられてまいったわけでございます。今回も七〇が灯油で三〇が石炭という比率に変わってまいったという事情がございます。
 そこで従来は石炭なり、あるいは四級地、五級地については薪炭なり、特殊な暖房形式をとっております関係上、他の地域についても、そこの地域については特殊な問題があるのでというそれなりの理解があったわけでございますが、今回、灯油が漸次ウエートを占めてまいりますと、同じ他の地域だってやはり灯油の事情で価格の激変があることは当然なわけでございますので、その辺の納得と申しますか、そういう点をやはり配慮してまいらなければならぬ事情が今回は出てまいったわけでございます。
 そこで、三級地以下については加算額がございませんけれども、これは基準額と通常のその他の俸給のところで燃料費というものは出しておる。それから全然寒冷地手当の対象になっておりません東京その他の地域に勤務いたします公務員の方々は、全く寒冷地手当のないその他の給与の中でそれらのやはり暖房費の手当てをしていく、こういうような関係になっております。そこで、その間の調整を、大幅に石炭から灯油に置きかえました関係もこれあり、そこに調整を加えていく必要があるということに実はなったわけであります。
 そこで、じゃどういうふうな方法でやるのがいいかということで、結局寒冷地手当をもらっていない地域、これは東京外二十三都市のところにいろいろ測候所等がありますので、やはりそこの暖房を要します度日数ということでつかまえております。と申しますのは、寒冷地手当の区分の基礎に使っておりますものに、屋外温度が摂氏の八度以下の日にちに室内温度を十二度に上げていきますに要します燃料費を見るという考え方のもとに、その度数の累計を年間出します。それを暖房度日数と称しておりますけれども、それの北海道地区の甲地、乙地、丙地で、甲地でございますと二千八百三十度日数、それから乙地が二千三百七十度日数、丙地が千九百六十度日数というふうにそれぞれ出てまいります。先ほど申し上げました非支給地の二十三都市の同じ条件の暖房度日数で見ますと、その平均が六百六十度日数と出てまいります。そこで、その六百六十度日数につきましては、非支給地の方々もやはり同じように燃料をたいていらっしゃるわけでございますから、今回の石油価格の騰貴のような事情は、同じようにやはりその部分については波をかぶっておるという関係にございます。
 そこで、先ほどの二千八百三十とか二千三百七十とか千九百六十と出てまいりました度日数から、いまの六百六十のところを差し引きましたものについて今回の値上げ部分を見ていくという考え方をとらしていただいたわけでございます。これは、現在入っております基礎からそういうような考え方を入れていくという考え方もございますけれども、そういたしますと、余りにも激変になりますので、そこで今度の加算額の増加部分について、そういうような暖地と、それから寒冷地帯との間の調整を加えることが妥当な措置であろうということで、そういうような計算で出しました結果、逆算的に申し上げますと、先ほどの六〇・九と八二・何ぼとの差が出てまいった、こういうようなかっこうでございまして、その出ました原因は、いまの暖房度日数をその分だけ差し引きますという操作を加えた結果でございます。
#211
○鬼木委員 それは非支給地でも、東京あたりでも灯油はたくさん使っていらっしゃるのですから、その意味はわかるのです。わかるが、いまあなたの御説明ではただ計数的――そこで私、わからないのですが、その算出された基礎をひとつはっきり示してもらいたいですね、二二%というのはどうして出てきたかということを。漫然と二二%が出たわけじゃないと思いますから、その二二%というのはどういう計算の基礎によって出たのか、その論拠をもう少し明確にしてもらいたいと思うのです。一応理由はわかります。非支給地との関係を勘案して差をつけた、それだけの足切りをつくった。しかし、それにしても今回のみあなた方が足切りをつけられた理由、それもわからないですよね。それはどうですか。
#212
○茨木政府委員 二つ御質問がございましたから二つ答えますが、一つは、まず前段の関係でございますが、甲地の例で申し上げますと、現在の加算額の支給額が三万六千八百円でございます。それで三万六千八百円プラス――それから括弧になりまして、今度の改定額をどういうふうに出したかという内容になるわけですが、三万六千八百円掛ける〇・八二九、これは先ほどの加重平均をいたしましたものでございますが、それを掛ける。それから、さらにそれに掛けますものが一マイナス二千八百三十分の六百六十、小括弧、それから大括弧閉ず、こういうような方程式に実はなるわけでございます。これは、先ほど六百六十度日数を差し引きましたと申し上げましたが、それが一マイナス二千八百三十分の六百六十という姿に出てまいります。それを、いまの三万六千八百円掛ける〇・八二九掛けるいまのもの、こういうことになりまして、その出しました数字をもとの三万六千八百円にプラスする、こういう姿になるわけでございます。
 同じようなことで、乙地については三万八百円というのが基礎の数字でございまして、それにやはり同じような方程式を、ただデグリーデーのところが二千三百七十分の六百六十になりますが、それを掛けていく。丙地は基礎が三万五千六百円でございまして、それに同じような方程式を掛けていくわけですが、デグリーデーのところが千九百六十分の六百六十を一マイナスする、こういう姿になるわけでございます。そういうものを掛けました結果が今度の数字として出てくるわけでございます。
 ですから、それで出てまいった合計の改定額のところが、甲地でいきますと二万三千四百円、乙地が一万八千四百円、それから丙地が一万四千百円と、こうそれぞれ出てまいります。それをもとの数字にプラスしましたものが今度出しております甲地、乙地、丙地のそれぞれの数字に改定していくことになるということで、多少丸くしてございますけれども、それが六万二百円、四万九千二百円、三万九千七百円、こういう姿になるという算定方式でございます。
 それから次は、なぜ今回だけそういうような暖地との調整をやったかということでございますが、それは先ほど御説明いたしましたように、一つは、灯油事情が全国的であるということと、それから漸次石炭から灯油に置きかえられてきましたが、これが全部灯油になりますと、一体どう考えるかという問題が当然出てくるのだと思います。そうしますと、ほかの地域と全く違わないような暖房形式に変わってしまいますわけでございますから、特殊性が漸次失われていくものというふうに私どもとしては考えておるわけでございます。しかし今回は、七割が灯油で三割はなお依然として石炭という消費実態が残っておりますので、したがって、それを基礎から全部洗い直すということは、やはり問題があろうということで、今度の加算額の改定部分についてのみそういうような操作を加えていくということにいたしたわけです。
 しかし今後の姿は、寒冷地の加算額地帯と非加算額地帯との関係あるいは寒冷地の非支給地との関係、そういうものをやはり漸次そういうふうにして調整をする必要が出てまいるのではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。
#213
○鬼木委員 どうも私は、あなたたちの話はまだはっきりわからぬが、結局ことしだけ足切りをやった。で、将来は十分調整をしていく。だから、この足切りということは将来ずっと続けるんじゃない、こういうふうに理解していいですか。
#214
○茨木政府委員 いや、方向としましてはむしろ逆でございまして、石炭等がなくなって灯油にかわっていくということになりますれば、本土の地域と暖房形式が変わらなくなりますので、むしろそういう調整の方が漸次強まっていくであろうということを申し上げたわけでございます。
#215
○鬼木委員 ところが、その灯油の方も、これがこういう変動で、油のショックでこういうことになったのですが、将来はまた石炭をよけいたくようになりますよ。石炭は今日見直しをしておりますし、生産は来年度でも少なくとも二千万トン以上は確保するということになっておるんですからね。だから石炭は、これからは徐々にまたよけいたくようになりますよ。そういうこともよくお考えの上でおっしゃっていただきたいと思うんですよね。
 なるほど灯油を、率において石炭の倍もたくようになって、しかも灯油は非常に高くなったというようなことで非支給地との関係を調整された、それはよくわかりますけれども、やはり八二%上がったならば、八二%に相当するところの寒冷地手当を差し上げるべきだ、そう主張しておるんですよ。そういうところのあなたの見解はどうですか。
#216
○茨木政府委員 石炭と灯油との消費の実態の推移の問題でございますが、いま御意見のような点も十分理解のできるところでございまして、一時灯油が大変高かったときには、石炭にちょっと戻ったような姿も見えるかなと思った時期もございます。ですから、今後また何らかの事情で御意見のような姿になってまいりますれば、先ほど私が申し上げましたような、調整傾向を強化するというのにブレーキがかかってくるものだというふうに考えております。
 それから、すぱっと出ました姿のままで出すのもということは当然ございますけれども、今回、加算額のところだけ改定の勧告をいたしたわけでございまして、何も改善の加えられなかった従来方式のもので、定額と定率の基準額でいくという地帯の方々の意見は、同時に、三級地にもそういう加算額をくれないかなという御意見もございますし、それから東京だってその影響を受けたんだよという意見も、この検討の過程の中には、内部でも出てまいっております。そんなことも、やはりそれぞれの地域の方々のお気持ちも考え合わせないといかぬものでございますから、そういうような大幅に灯油に置きかわった状況に応じまして、一部調整を図るということをやることが妥当であるというふうに考えたわけでございます。
#217
○鬼木委員 この問題については、なお私も研究したいと思います。だんだん時間もないですから……。
 それで、私考えてみますと、人事院の勧告によって四十三年に改正せられた、その場合に、定率、定額を一緒にして八五%上げてある、ところがそれを、定率を四五%にして定額を四〇%と、こう分けられた、どういう趣旨のもとに四十三年にそういうふうに改定されたか、こういうことです。四十三年までは定率、定額ともに八五%でやってあった、それが四十三年にそういうふうに改定されたその理由、それをちょっとお聞かせ願いたい。
#218
○茨木政府委員 寒冷地手当制定の当初は、基準額相当部分はきわめて僅少でございまして、先ほど来議論になっております加算額部分に相当します、当時、石炭加算額とか薪炭加算額と言っておったわけですが、その部分が寒冷地手当の大部分を占めておったというような状態から漸次変わってきておるわけでございます。その後逐年、御案内のように給与のベース改定が行われてまいったわけでございますが、その改定の中には、御案内のようにエンゲル係数等でもはっきり状況があらわれておるわけでございますけれども、その後の経済成長につれましての配分の過程で、生活費的なものと、それからそれを上回る部分と申しますか、そういう部分の比率が漸次変わっていったのだと思います。そういう関係で、生活費的な部分の占めるウエートが漸次給与の中で小さくて済むというふうに、給与総額が変わっていったということだと思います。それが端的に、終戦当時は六〇%程度もあったエンゲル係数が、最近では三〇%台のものになってきたということだと思うのです。
 そこで、寒冷地関係の経費というのは、どちらかというと、生活費的な経費でございますから、むしろそう大きく給与額に比例しながら変わっていくという性質ではなくて、定額的な、生活費的な傾向の費用であることは間違いないと思います。そういうようなところがいろいろ検討の材料になってまいって、当時、民間の方の支給額と比べてみましても、こちらの方とは相当そこに開きが出てまいったという感じもあり、それから定率でいきますと、俸給に比例しまして寒冷地手当が出てまいりますから、そこで職務給的な要素でできております各等級間の給与差というものが、そのまま生活費的な寒冷地の額にあらわれてくる、その辺の不合理性が大変問題になりまして、そこで八五%の率のうち四〇%程度のものを定額でやり、あとの四五%は定率で残す、こういうような基本的な考え方のもとに前回の改正が行われたようでございます。
#219
○鬼木委員 さすがにベテランだ。いまの御回答はまさに合格ですよ。あっぱれじゃ。
 ところで、四十三年の人事院勧告は、いまあなたのおっしゃったとおり、御説明なさったとおり。「逐年の給与改定により現行制度が次第にその本来の趣旨から離れつつあるので、この実情にかんがみ、これを合理化して、百分の八十五を最高の割合とする現行の定率分を次のように新しい定率分と新しい定額分とに区別して支給することとすること。」こういうことで、いまのあなたの御説明どおりです。つまり、俸給に比例して寒冷地手当をつけるということは、これは本来の趣旨から逸脱しておるのだ、そこで定額分と定率分とを分けたのだ、まことにごもっともだと思うんですよ。
 ところが、せっかく四十三年にそのように改定されたものが、最近またその本来の趣旨からだんだん離れつつあるのではないかという懸念があるんですよ。あなた方そういうことをお考えになりませんか。俸給の高い者は寒冷地手当をどんどんたくさんもらう、低い者はわずかしかもらえないということで、せっかく四十三年に改定されたことがまたもとに逆戻りしていく、逆流していくというような実態になりつつあるのじゃないか。これは私の杞憂であれば結構ですが、どうもそういう懸念がなきにしもあらずです。そういう点はお考えになったことはありませんか。また、そういう実態があるのじゃないですか。どうですか。
#220
○茨木政府委員 午前中の質問に総裁が答えた点との関連もあるわけでございますが、一応いろんなことを検討するというのが、私どもの事務当局の使命でございますから、そういう面で絶えず検討を加えております。そういう面で、今回も加算額を吟味します際には、一応基礎からそういういろいろなことも検討は加えてはおります。それで漸次、そういうような先生の御心配のような色彩が出てまいりつつあるなというような感じは持っております。
 そこで、今後の問題点としましては、やはり定額をどう改善していくか、定率の部分についてどういうような調整を加える必要があるか、そういうようなことを今後の課題として、民間の動向ともにらみ合わせながら検討を必要とするものであるというふうに考えております。これは、あくまで今後の問題として勉強してまいりたいと思っております。
#221
○鬼木委員 やはり毎年寒冷地手当の差が非常に開きつつあるんですよね。しかしそういう点は、せっかく本来の趣旨、こういうことを人事院の皆さんのほうから勧告しておられるその本来の趣旨から、また離れつつあるのじゃないか。
 たとえば、これは北海道に限らずですが、最高の俸給を取っていらっしゃる方と、あるいは初任給の独身の方と、これを比較しました場合に、寒冷地手当を七倍以上もらっていらっしゃるんですよ。それはどなたということは申しませんが、最高の俸給をもらっていらっしゃる方のを私が計算したところがね。私は、だから最高の七倍をもらっている人を減らせとか削れ、そういうことを言っているのではありませんよ。それは、もらっていらっしゃる方は結構ですよ。一番下位の低い人を上げてあげるような考えはないか、こういう考え方ですよ、私は。また、御夫婦とお子さんが一人の家族三人の場合と、最高の俸給を取っていらっしゃる方と比較した場合は三倍になっている。
 長官、ちょっとよくお考えください。これは、いろんなことを言うようですけれども、最高の俸給を取っている者だからよけい油をたき、よけい石炭をたくというわけにはいかぬでしょう。それは無論、そういう地位の高い人は、お人の出入りも多いかもしれぬし、お部屋なんかも広いかもしれぬ。しかし、ひとり者の七倍も八倍もなんというようなことは余りにもね。やはり全部俸給によっているから、こういうことになるんだと思う。これが家族三人のところよりも三倍。最高の俸給を取っていらっしゃる方は、必ずしも家族が多いとは限りませんよ。御夫婦二人かもしれない。どうですか、そういうような点は。
 私は、多く取っている者を削れなんて、そんなことを言っているのじゃありませんよ。それは結構ですよ。だけれども、余りにも懸隔がはなはだしいから、そういう気の毒な人たちに何とか考えられる方法はないのか。あるいは定率の部分の上限を制定する必要はないのか。どうですか。
#222
○藤井(貞)政府委員 御指摘のような点は確かに問題点としてございます。まさしくそういうような考え方から、四十三年の勧告の際には、従来の定率分八五%というものを分けまして、四五%の定率分と四〇%の定額分ということにいたしたわけでございます。当時は、それで大体均衡を保っておったと思いますが、その後毎年ベースアップがございますので、御指摘になりましたように定率分が据え置かれてはおりますけれども、その分が額としては非常に多くなっていくということがございます。
 そういう点から、今後このままにしておけばということの実は問題点があるわけでございまして、その点につきましては、われわれといたしまして、給与勧告との間の原資の配分の問題もございますけれども、しかし本来、この寒冷地手当というのが、お話のように生活給的なものでございますので、その点の範囲を逸脱しないように十分にひとつ検討をしてまいりたい、かように考えておりますが、今回の場合は、石炭、灯油の値上がりということが非常に異常なものでございますので、さしあたり、それに対する手当てといたしまして加算額の改定をお願いいたしておるということでございます。引き続きその点については検討を続けてまいりたいと思います。
#223
○鬼木委員 あなた方のやっていらっしゃることを、私は責めているわけじゃないんですよ。これは法に従ってあなた方はやっていらっしゃるんですから。だけれども、人事院としては、勧告をするところのあなた方には責任があるんですから、そういう点はやっぱり御考慮をしていただきたい。いま総裁もおっしゃったように、本来の趣旨ということからだんだんかけ離れていく。寒冷地手当というものは、これは俸給じゃないのだから。
 その点を、いま総裁が、確かに問題がある、十分考慮するというお答えですから、それを私は信頼しますから、十分将来はこれは考えていただきたい。そして上厚下薄にならないように。なるべく下の方にいいように。これは三木内閣の考え方もそういう行き方でしょうね。強い者を助けていくようなそういうあれじゃない。弱い者を大事にしていくのだ、政治の流れを変えるのだ、政治転換の年だ、こう言われておるのに、依然として同じことを千編一律繰り返していくのじゃ、何も三木内閣がそんなことを言ったって、われわれはそれにああそうですかと言うわけにはいかない。そういう点、長官どうですか。お考えいただきたいと思うが、長官の御意見は。
#224
○植木国務大臣 寒冷地手当につきましても、他の給与と同じように、国民の納得の得られるようなものでなければなりません。したがいまして、中立的な第三者機関でございます人事院が、専門的な立場から研究をし、調査をして勧告をせられるわけでございます。これを政府が尊重をして実施するということを行っているのでございますが、ただいま鬼木委員が仰せられましたことは、まことに貴重な御意見であろうと思います。人事院も、いま総裁から今後検討をしてまいりたいという御意見でございましたので、私どもといたしましては、その検討、研究の成果を待ちまして、改めてこの国会で御審議をお願いいたしたいと存じます。
#225
○鬼木委員 長官のお考えも、私の意見と大体一致したと思いますので、ぜひその点はよろしくお願いをしたいと思います。
 次に、これは先ほど中路議員さんからもお話があっておったと思いますので、重複してはなはだ相済みませんが、四十八年の三月に内閣委員会で全会一致による附帯決議がついておるわけですね。ところが、その附帯決議の中に、これも中路先生からもお話があっておりましたが、時間がなくて御説明も非常に簡単でございましたので、もっと私お伺いしたいのですが、「定額分および加算額の増額ならびに基準日後の世帯区分の変更等に応ずる、支給額の調整について検討すべきこと」こういう附帯決議が全会一致で出ておるわけなんです。
 ところが、はなはだ申し上げにくいことだけれども、総務長官もいらっしゃるが、人事院の皆さんにお伺いしたいのですが、この委員会における附帯決議なんというものをいかようにお考えになっておるのか。なるほど所管大臣なんかは、なんかはと言ったら申しわけないが、大臣の皆様方は、附帯決議は大いに尊重いたします、十分御意思に沿って努力するであろうことをはっきりここで申し上げます、まことにありがとうございました、御可決どうもありがとうございました、そういうことで、附帯決議が出たらもうしめたものだ、これでもう可決じゃ、ああよろしいよろしい、後はどうなろうとこうなろうと――じゃありませんがね。これは私だけそう考えておるが、通りさえすれば、後はどうでもいいんだということをお考えになってはいないと思いますけれども、結果において、附帯決議というものはいささかも生きていない。十分これは検討されたのか。
 寒冷地手当法の第四条にも載っておるんですよ。私、その点も調べたんですよ。附帯決議のことが載っておるわけじゃないけれども、「人事院は、この法律に定める給与に関して調査研究し、必要と認めるときは、国会及び内閣に同時に勧告する」調査研究する、だったら、この附帯決議についてどのように調査研究をされたのか。どのように皆さんは打ち合わせられて、どのように合理的に結論を出されたのか。附帯決議には、こうはっきり載っている。総務長官ははっきり、御趣旨に沿うて十分努力をいたしますと言っているんだ。ところが今回は、定額だけであって、あとは全部載っていない。中路先生も具体的に御質問になっておった。いずれも、これは全部オミットしてある。
 大体、こういうことは、附帯決議についてわれわれが質問しなくても、本法案につきましては、こういう附帯決議が出ております、しかし、その点につきましては、かようかくかくしかじかで、今回は遺憾ながらこういう結果でございますので御了承願いますと、人事院総裁からでも当然これは説明があってしかるべきだ。ほおかぶりでいこうなんていうのはとんでもない。はっきりこの公開の席で、委員会の席で、附帯決議は尊重しますと言うている。附帯決議というものは重大なものですよ。簡単にわれわれつけているのじゃありませんよ。全会一致でつけているのです。それに対しては、人事院総裁から、あるいは総務長官からでも、こうして附帯決議がこの法案には出ております、しかし今回は、こうこうこういうわけでございますということを、当然あなた方が説明すべきだ。法案の審議をお願いします、よろしく御賛成を願います、それであなた方は言うべきごとは言うてない。われわれに了承を求むべきことの了承を求めていない。不都合千万だ。そういう態度はよろしくない。
 大変御無礼なことを申しまして、お気を悪うなさらぬように、ひとつなごやかにいきますから、長官並びに総裁から、これに対しての御説明、御回答を願いたい。
#226
○藤井(貞)政府委員 仰せまでもなく、附帯決議というものは、最高限尊重していかなければならぬことは当然でございますし、その趣旨とするところは、できるだけ早い機会に実現に移していくということに努めなければならないことも、これまた申すまでもございません。
 この間の附帯決議の内容につきましても、私も十分承知をいたしておるわけでございますし、また人事院といたしましても、先刻お触れになりましたように、寒冷地手当等についても、絶えず調査研究を続けていかなければならぬというのが法律上の義務でもございますし、そういう法律上に拘束があるなしにかかわらず、われわれとしては、絶えずいろいろな資料を徴して研究調査を重ねてきておるところでございます。
 ところで、いまお話に出ております附帯決議、特に基準日以後の新規採用とか身分変動あるいは世帯区分の変更等について措置をやるべきではないかということについては、趣旨はよくわかりますし、それのやり方等について、具体的にいろいろ技術的にも考えてみたわけでございます。
 ただ先刻来、給与局長もお話を申し上げたかと思いますが、この定率分、定額分等につきましては、これは一般の給与勧告に要する原資の配分の対象ということにもなっておるという点がございますので、制度といたしましてはどうしても、追給ということがありますれば、それに対応しての返納、途中からやめられたとかそういったような場合につきましても、一応返納というようなことが、制度の整合性というものを考えます場合は、措置をしていかなければならぬということが事務的にはございます。そういうことになりますと、これはやはり関係方面の御了承も賜らなければなりませんので、いろいろ御連絡もいたし、御意見も拝聴いたしましたところ、そういうことについては、やはり問題点があって、そう簡単なことではないよというようなお話もございます。
 そこで、これらについては円滑に事が運べますように、十分関係者に御納得をいただかなければならぬという面もございましたけれども、その点については、まだ最終的な結論が得られないということでございましたので、はなはだ遺憾ながら、今回の勧告には入れることができなかったということでございます。
 しかし、この問題につきましては、他の制度改正、すなわち、たとえばのことでございますけれども、現在寒冷地手当というものは、年一回払いで支給をいたしておるわけでございますけれども、そういう点について、数回に分割して支払うとかそういうようなことをやってまいりますと、いまの問題もかなり解決をするというような面もございます。ただ、現在まで一括払いということでやっておりますのを、そういうふうに切りかえてまいりますと、また要するに、既得権というような面から問題が提起されるということもございますので、いろいろの点を考慮しなければならない問題が残っておりましたので、今回の勧告には入れ得なかったということでございます。
 ただ御指摘のように、附帯決議の趣旨もございましたことですから、さらにわれわれといたしましては、精力的にこの問題に取り組んで、できるだけ早い機会に結論を得て、御勧告を申すというところに持ってまいりたいと考えております。
#227
○植木国務大臣 附帯決議は、政府は最大限に尊重いたしまして、でき得る限り早期に実現をすべきであるということは当然でございます。したがいまして、先ほどお話しのような、附帯決議は附帯決議だといって投げやりにするというようなことはあり得べからざることであるというふうに私は存じております。
 なお、この寒冷地手当の改正についての附帯決議は、私も承知いたしておりますが、御承知のとおり、法第四条で人事院の勧告を尊重して寒冷地手当の改正を行うというたてまえでございますし、また支給地域区分の改正については、法第三条によりましてこれまた勧告に基づいて措置する、こういうことになっております。いま人事院総裁も、いろいろお話しになりましたが、政府といたしましては、人事院の専門的な調査研究に基づく判断を尊重してまいりたいと存じております。
#228
○鬼木委員 いまの御説明でよくわかりました。私も、そういうことはないと思いますけれども、この附帯決議につきましては、十分ひとつ御検討願いたい。これは、いま人事院総裁のおっしゃるように、技術的にいろいろめんどうだとは思います。途中で転勤されるとか、また途中で向こうへ見えるとか、支給日は八月三十一日だ、そのずれがとか、あるいは戻さなければならぬ、返済しなければならぬ場合もあるとか、いろいろあると思いますけれども、これは実態に応じまして、その事実をとらえて十分ひとつ御検討願いたい。
 そういうことを踏まえた上で附帯決議をつけたわけで、また皆さんも、そういうことは御承知の上でこの附帯決議を承知されて受けられたわけですから、全然そういう問題が突然起きてきたわけではないわけなんですから、当然これはだめだ、受け入れられないというような附帯決議だったら、皆さん方でもこれは受けられるわけはないと思いますから、そういう点をひとつ、いま長官からも非常に温情のあるお言葉をいただきましたので、人事院総裁も、そのようにお考え願いたいと思います。
 まだいろいろお聞きしたいことがありますけれども、大変遅くなりまして御迷惑かけましたので、皆さんお疲れだと思いますから、これで御無礼いたします。ありがとうございました
#229
○藤尾委員長 次回は、来たる二十日木曜日午前十時理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時二十四分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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