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1974/05/23 第75回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第075回国会 内閣委員会 第18号
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1974/05/23 第75回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第075回国会 内閣委員会 第18号

#1
第075回国会 内閣委員会 第18号
昭和五十年五月二十三日(金曜日)
   午前十時三十分開議
 出席委員
   委員長 藤尾 正行君
   理事 越智 伊平君 理事 奥田 敬和君
   理事 加藤 陽三君 理事 木野 晴夫君
   理事 箕輪  登君 理事 上原 康助君
   理事 大出  俊君 理事 中路 雅弘君
      有田 喜一君    大石 千八君
      近藤 鉄雄君    竹中 修一君
      旗野 進一君    林  大幹君
      三塚  博君    吉永 治市君
      山本 政弘君    和田 貞夫君
      瀬長亀次郎君    鬼木 勝利君
      鈴切 康雄君    受田 新吉君
      安里積千代君
 出席国務大臣
        建 設 大 臣 仮谷 忠男君
        国 務 大 臣
        (行政管理庁長
        官)      松澤 雄藏君
 出席政府委員
        行政管理庁長官
        官房審議官   川島 鉄男君
        行政管理庁行政
        管理局長    小田村四郎君
        行政管理庁行政
        監察局長    大田 宗利君
        外務省アメリカ
        局長      山崎 敏夫君
        建設省計画局長 大塩洋一郎君
 委員外の出席者
        法務省民事局第
        三課長     吉野  衛君
        大蔵省銀行局特
        別金融課長   岡崎  洋君
        建設省住宅局住
        宅計画課長   京須  実君
        内閣委員会調査
        室長      本田 敬信君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月二十三日
 辞任         補欠選任
  受田 新吉君     安里積千代君
同日
 辞任         補欠選任
  安里積千代君     受田 新吉君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 許可、認可等の整理に関する法律案(内閣提出
 第四九号)
     ――――◇―――――
#2
○藤尾委員長 これより会議を開きます。
 許可、認可等の整理に関する法律案を議題といたします。
 この際、建設大臣より発言を求められておりますので、これを許します。仮谷建設大臣。
#3
○仮谷国務大臣 昨日の本委員会において、都市計画法の改正に関する和田委員の御質問に対し、宅地開発課長から答弁しましたとおり、聴聞制度が設けられている趣旨にかんがみ、この改正による同法第八十一条第二項ただし書きに規定する、正当な理由及び緊急やむを得ないときの運用に当たりましては、聴聞の周知の方法及び期間、相手方の状況、法令違反の是正の緊急性の度合い等につき特に慎重に判断することとし、相手方の権利を不当に侵害することのなきよう、通達等によりこの趣旨の徹底を図ってまいる所存であります。
 以上でございます。
#4
○和田(貞)委員 今後の問題として建設大臣並びに行政管理庁長官に要望しておきたいと思うのですが、都市計画法、道路法、宅地造成等規制法、建築基準法等、行監委員会の方からの答申に基づいて規定の調整を近くやられると思いますが、その規定の調整に当たっては、今回の都市計画法の一部改正に見られるような規定の整備を先例としないで、十分国民の諸権利を保障することを前提にして法の改正に当たってほしい、このことを強く要望しておきたいと思います。
#5
○藤尾委員長 委員長において善処いたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。瀬長亀次郎君。
#6
○瀬長委員 私は、特にアメリカ局長並びに法務省関係の方に質問いたします。
 質問は、この前起こりました金武村における少女暴行致傷事件、もう一つは伊江島の発砲事件にかかわる裁判権の放棄の事件、この二つについて質問をいたします。
 その前に、この両事件については、沖繩県議会が与野党一致して、当該の海兵隊の撤去を要求し、さらに伊江島射爆場の即時撤去を要求しましたが、なぜそのように県民の怒りをかき立てたのか。三木内閣の与党である自民党の県連に所属しておる議員も含めて全会一致で、いま申し上げましたような海兵隊と射爆場、この撤去を要求したその背景を申し上げますと、とりわけ、いま問題になっております海兵隊、この犯罪は、三年前に沖繩が祖国に復帰した四十七年の八月以降五十年の今日までどのように起こっておるのか。特に海兵隊だけに限って申し上げますと、四十七年九月二十日、金武のキャンプ・ハンセン内で、いわゆる基地内ですが、米兵に軍従業員が射殺されております。さらに越えて四十八年六月十一日、金武村で米兵二人がホステスを乱暴しております。さらに四十九年三月九日、キャンプ・ハンセン内、基地内で、米兵二人に日本人従業員が乱暴されております。さらに同じ年の五月八日、金武村で少女が米兵に乱暴されるという事件。さらに同年七月二十四日、金武村で米兵二人が通行中のホステスに暴行。越えて五十年四月十九日、金武村強姦致傷事件。さらに一日置いて四月二十日、これも海兵隊であるが、場所は北谷村の北前、これも強姦致傷事件。全部海兵隊であります。さらに、沖繩の県議会がこの前陳情にやってきましたそのときに、県議会でまとめた、四十八年から五十年四月二十日まで、地位協定第十七条五項(C)号の規定により被疑者の引き渡しを拒否された事件として、九件挙げております。その九件のうち、実に六割に当たる五件は海兵隊であります。海兵隊がいかに飢えたるオオカミのような存在であるか、百万県民は全部知っております。
 さらに私は、これにつきまして、一番最後に行われたあの金武村の女子中学生の暴行事件の現地調査をやった結果を、特にアメリカ局長に知ってもらいたい。
 申し上げます。私たちが行きましたのは今月の十四日であります。場所は、ブルービーチ、レッドビーチ、こういったビーチがあります。金武村では、そのブルービーチ、レッドビーチにもう一つのビーチがありますが、これは、全部アメリカにとられて、ただ一つ浜田海岸というビーチが残っており、金武村民の唯一の海水浴場はこの浜田海岸だけだ。そこで行われたのがいわゆる暴行致傷事件で、しかも十二歳と十四歳になる子供である。
 三時半ごろ学校を終えて、この二人はいとこ同士でありますが、裸になって海水浴場に飛び込もうとしたときに、このアメリカ兵が飛びかかってきて、一人は頭をぶんなぐり昏倒させ、一人は、次はまたなぐるだろうと思ったんでしょう、手をこうして、手が真っ赤に血を噴いておる。頭はもちろんやられておる。この石は一・五キロの石である。約一町南の方の海岸に同じく海水浴を楽しんでいたアメリカ兵が、ひょっとのぞくと、おかしいかっこうをしているのがいるなあ。聞きましたら、最初は、いわゆるアメリカのハニーに連中がそこでいたずらをしておるんじゃないかと思ったらしい。だが、見てみるとそうではない。少女に飛びかかって暴行中である。暴行しておるということがわかり、それでみんなを集めまして、とうとうこの米兵をつかまえた。そのすきにこの少女は、どこに逃げたと思います。そこは絶壁みたようなところであります。約七十度ぐらいの角度であります。これははかりました。アダン、琉球松、これが生い茂っているところであります。裸です。
 いまアダンと申し上げましたが、私、現地からこれを持ってきました。局長はアダンというのを知らないと思いますが、防風林であります。葉はこうなっております。これが表、これが裏です。裏も表もとげ。それで茎は大小無数にありますが、あの現場は、このくらいの茎が茂っている琉球松がある。茎にも枝にも葉にもこういうとげがある。頭は打たれて血が流れている。裸である。この裸である子供たちが、このとげの中を、実に二十二メートルぐらいあるそこを上がって、必死に難を逃れようとした。まさに必死であります。というのは、一緒に行きました十八歳の青年に、あんた、上がってごらんと言ったが、上がれませんでした、くつを履いては。こうなっていますから。
 十二歳と十四歳になる二人の子供が、このアダンの中を通って逃げ込んだところは、あの金武村の大きい道路のあるところの仲田商店。この仲田商店はアメリカ兵の洋服その他を扱っております。というのは古物商であります。これを直して日本人の体に合うようにミシンをかける。かけているのが伊波節子さんでした。その伊波節子さんに会いました。その伊波節子さんが最初に見たのです。裸になって駆けてきてはおりません。上がってから、恥ずかしいから持っていた洋服を着がえ、一人は水着のままである。水着は破れておる。一人の十四歳になる子供は、持っていた自分のスカートを着てはいる。だが、その上着、いわゆるセーラー服ですが、セーラー服の真っ白いきれは真っ赤に染まっておる。これは、頭に傷害を受けた血だけではなくて、真っ裸になってこのとげの中を歩いたので、その皮膚から流れ落ちた血で真っ白いスカーフは真っ赤に染まっておる。そして伊波節子さんが、あなた方はどうしたのだと言ったら、暴行されたとは言っておりません。最初に言ったのは、いえ、ころんでけがしました。ころんでけがしてこんな大きいけががあるのか、なら裸になってごらんと言ったら、もう体じゅうとげでやられておる。そして、これではうちに帰れぬだろうからということで、自分が仕立てた女の子の洋服に着がえさせて、うちに帰ってから病院に行くのですよと言って、金は持っていないから、伊波節子さんが交通費も与えて、そしてやろうとしたときに、アメリカ兵が三名探して歩いておる。これは暴行したアメリカ兵じゃありません。暴行した兵隊をつかまえたアメリカ兵のうち、どうしても少女を何とか確認しなければいかぬと言って来た。そうしたらその少女は、またやられるかもしらぬと思って、この家の中にタンスみたいな大きい倉庫があります。倉庫は被服が全部下がっている。この中にもぐり込んでぶるぶるふるえておる。そしてアメリカ兵が帰ってから、その伊波節子さんが金をやってうちに帰しておる。これが実態であります。
 さらに、一番最初に金武の警部補派出所に訴えたのは、与那嶺さんという人であります。この人にも会いました。兵隊を見た、ちらっと女の子も見た、これはどうも暴行らしいが、暴行であるのか。暴行という問題になると訴えていいかどうか迷ったそうです。しかし、血だらけになっておるから、傷害であるということについてはもう確信を持てるということで、この人が警察に行っております。
 私はなぜこの問題を最初に申し上げたかと言うと、もうアメリカ局長自身御存じかもしれないが、あなたのことを現地の新聞は暴言男と書いてあるのですよ。いま私が申し上げました実態の中から、自民党の所属議員である金武村出身の小橋川県会議員がおります。この人は沖特委の理事会で言っておりました。私は子供たちをよく知っている、私は安保条約反対じゃありません、基地も反対じゃありませんが、事この問題については海兵隊は一人も沖繩に置くわけにいかぬということを、実に顔を真っ赤にして言っておりました。これが実態なんです。だからこそ沖繩県議会でも、海兵隊の撤去とこの司令官の罷免を要求し、伊江島では、また後で申し上げますが、あなた方が裁判権を放棄したところでは、直ちに伊江島射爆場を撤去せよとの要求書を、全村民が村民大会の意思でまとめている。この点についていろいろな言葉を吐かれ、きのうは沖特委で大した罪ではないとかいうことが取り交わされましたが、この点は私はきょうは触れません。
 局長に子供があるかどうかわかりませんが、多分あると思うのです。私にも女の子がある。一番下の子は二十一歳になります。自分の子がもしこういったような状態に置かれた場合には一体どうするのか。その点あなたは、現在までしゃべって暴言男と言われたものを取り消すと同時に、この委員会で全沖繩県民に謝罪することが大事じゃないか。これがあなた方が言ういわゆる日米友好、日米親善のきずなになるのじゃないですか。
 アメリカにどういうことを言われてもオーケーだというあなたの気持ちを聞く前に、じゃその中学校の同級生はどういうことを言っているのか。一応あなたに告げてみますと、この学校の子供たちは、再びこのようなことが起こってはいけないというふうなことだけではなくて、基地の撤去を要求しているのですね。この点につきましては、きのう沖特委でも正森委員からお話がありましたから、詳しくは申し上げませんが、こういうことを村民大会で手記を残しております。「ニュースで知ったとき信じられなかった。米兵なんか金武村にいないほうがいい。米兵がいたらますますおそろしい金武村になる−一年生・女」「あまりにもひどすぎる。金武村から米兵を追い出したい−二年生・女」「この事件をきいてぼくは、もうこの日本に米兵をおかないでほしいと思った。米兵出ていけ−一年生・男」「アメリカ人は日本人をバカにしている。沖繩からでていけ−一年生・男」「とてもにくい、とてもおそろしい米兵−一年生・女」「米軍は前の事件のときも、二度とこういうことはおこさないといいながら、またおこした−一年生・女」「犯人を死刑にしてやりたい−一年生・男」「沖繩は復帰したのに、米軍は犯人を引き渡さない。無責任です。二年生女」。これがその子供たちの同期生、同窓生の言葉でありますが、これを受けて教師は何と言っておりますか。教師の一人は「米兵からの被害」「次から次へと学園に犯罪が及んでくる気がする。私たちは生徒に人を疑うことしか教えることができないんでしょうか」。これは先生の手記であります。
 後であれしますが、こういう一連の背景の中から、自民党も含めて海兵隊の即時撤去と射爆場の撤去を要求している。これについて、県民の気持ちに対しても、いままでのあなたの数々の暴言に対する陳謝と、さらに全県民の要求である海兵隊の撤去と伊江島射爆場の撤去について、これはきのうさすがに宮澤外務大臣も考えなければいかぬということで、すぐには拒否しておりません。この二つについて局長の御意見を承りたいと思います。
#7
○山崎(敏)政府委員 金武村の少女暴行事件が起こりましたときに、私は非常なショックを受けたわけでございます。ただいま瀬長委員から、そのときの状況につきまして、さらに現地調査に基づいて詳しい御説明を承りまして、私自身も非常に深い悲しみと大きな憤りを感ずる次第でございます。
 私自身としましても、この問題が起こりましたときに、直ちにアメリカ大使館の参事官を呼びまして、非常に遺憾であるということを申し、軍紀を厳正にしてもらいたいということを申したわけでございますが、さらに合同委員会でも申し入れたわけでございます。さらに、沖繩の方々がこの問題に対して抱いておられる憤激というものもよく理解いたしておりまして、外務大臣もその点については非常に心配をされ、若干異例のことでございましたが、在京のホッドソン大使をみずから招致されまして、この事件について改めて日本政府として遺憾の意を表され、こういうことは許すべからざる行為であり、今後二度と起こっては困る、軍紀をさらに厳正にしてもらいたいということを申し入れられた次第でございます。したがいまして、われわれとしては、こういう問題が二度と起こってはならないということで強くアメリカに申し入れておる次第でございます。
 私が参議院外務委員会においてこの問題が論議されましたときに発言いたしましたことが、その発言の状況は記録でお読みいただければわかると思いますが、いずれにいたしましても、非常に適切なものではなかったということは事実でございまして、その点については、まことに深く反省しておりまして、深くおわび申し上げます。
 それから今後の問題といたしまして、米海兵隊の撤去あるいは伊江島射爆場の撤去という問題に関しましては、これはわが日本政府の大きな方針もございまして、直ちにこの点に関してそのとおりやるというわけにはまいらないわけでございますが、ただ、アメリカの海兵隊が沖繩における多くの刑事犯に関与しているということは事実でございまして、それが沖繩の県民の方々にいろいろな御迷惑をおかけしておるということも、われわれは十分承知しております。その点については、われわれとしても、アメリカ側に対して、こういうふうな事件の起こらないように始終申しておるわけでございますが、ただ、海兵隊の存在そのものに関しましては、われわれとしては、やはり日米安保条約の目的、すなわち日本の安全と極東の平和と安全に寄与する存在であると考えておりまして、そのあり方に関しては、政府としてもいろいろと考えてまいらなければならないと思います。
 それから伊江島の射爆場に関しましても、米軍の駐留を認めております以上、若干の訓練が必要なことは事実でございます。ただ、これも伊江村に近接しており、また海洋博の会場にも近接しておるという事情もございますし、こういうもののあり方についても、われわれとしても種々考えておりまして、今後とも必要に応じアメリカ側とは話し合ってまいりたいと考えております。
#8
○瀬長委員 次に、裁判権放棄に関することで、去る七日に伊江島事件に関して嘉手納空軍基地報道部が発表したものと、きのう局長が発表したものとについて、重要な点が変わった発表になっております。
 一つは、これは第一項でありますが、前の「三等軍曹」から単なる「軍曹」となり、「上等兵」が「伍長」になっておる。すなわち軍曹から伍長に降等された。
 次に、「この処罰の執行は六カ月間ゆう予」というのの下に、「ゆう予され、けん責された」と譴責が加わっています。
 それから罰金。「一人は百五十ドル、他の一人は百ドルの罰金」という発表が、アメリカが適用したという陸軍法典十五条には罰金がない。どんどんどんどんわれわれが指摘したら、罰金は没収に変わっております。
 次は、非常に重要な点の変更であります。これは第四項。こうなっています。最初の報道部発表は、「かれらは、軍事法典百三十四条に違反し、人命を危険にさらすような状況下で、山城安次さんに向けて不当かつ故意に発砲したことが認められた。」この「山城安次さんに向けて」というのが、「山城安次さんの方向に」と変わっております。「向けて」と「方向に」とは違ってきます。そういう変更があります。
 しかも最初の発表は、いま申し上げましたように、外務省が、すなわち七日の外務委員会で局長が発表した。それで六日にあなた方裁判権を行使しない点を通告した。その七日に軍報道部から発表されたものとの違いなんです。あなた方は、それをなぜそのように違えたのかおわかりですか。説明できるのなら説明してください。
#9
○山崎(敏)政府委員 昨日の沖繩特別委員会において御説明申し上げた次第でございますが、この伊江島米兵発砲事件の処罰に関しましては、五月八日の夕刻に、在京米国大使館から外務省に対して通報があった次第でございます。それに基づいてきのう御報告申し上げた次第でございます。
 いま御指摘の諸点に関しましてまず最初に申し上げたいのは、われわれとしては、アメリカから正式に通報を受けたわけでございますが、現地の軍の報道部が発表いたしましたのは、英文が原文のようでございまして、それに訳がついておったようでございますが、われわれといたしましてはそれは承知しておりますけれども、外務省としては、その問題に関して正式に発表したということではなくて、昨日の沖繩特別委員会において初めて通報の内容を正式に申し上げた次第でございます。その間において、その点で従来から外務省としては、現地の報道部のような表現は用いておらない次第でございます。
 具体的に申し上げますと、最初に「軍曹」から「伍長」と言いましたが、現地ではそれは「上等兵」と訳しておるという報道でございますが、これはエアマン・ファースト・クラスということで、こういう軍の組織でエアマン・ファースト・クラスが何に当たるかということで、われわれもアメリカ側に問い合わせまして、やはりこれは「伍長」と訳すべきであろうということでございましたので、われわれとしては「伍長」と訳しました。
 それからきのう申し上げましたが、両名とも公式に譴責されたということをアメリカ側は通報いたしてきております。実は現地の報道部の発表でこの点が落ちております。これはなぜ落ちておるのか、われわれも後で問い合わせましたが、急いで発表したためにその点を落としたかどうか存じませんが、ともかく落ちております。しかし、われわれが受けましたのは正式の通報でございますから、公式に譴責されたということは間違いのない事実でございます。その点はアメリカ側の方に何か不手際があったのではないかと存じます。
 第三番目に、現地の発表では罰金百五十ドルないし百ドルということを言っておりますが、この点については、瀬長委員からもかねて御指摘がございまして、われわれも条文をチェックいたしました。これは英語では実はフォーフィットという言葉が使われておりまして、この点に関しましても、法務省の方とも御相談しまして、正確に訳せば、これはやはり没収と訳すべきであるということでございます。結局、その月給からそれだけの額を没収しておるということでございまして、世間では、それは通常罰金と言われるのかもしれませんが、法律的には没収と訳すべきであろうということでございましたので、われわれとしては、この点は正確を期しまして没収と訳しまして、御報告申し上げた次第でございます。
 それから最後に、「山城安次さんに向けて」というのを「山城安次さんの方向に」というふうに私の方で述べました点でございますが、これは英語ではイン・ザ・ディレクションという言葉が使われておりまして、われわれとしては、やはりこれは「の方向に」と訳すのが正しいであろうというふうに考えた次第でございます。
 したがいまして、以上いずれも、私たちとしては、アメリカからの通報の内容をきわめて忠実に、また落とすことなく御報告申し上げたと信じております。
#10
○瀬長委員 私がそれを特に指摘しておるのは、アメリカは司令官による行政罰であります。いわゆる裁判にかけることのない司令官の行う行政罰、これが十五条、これであるから、そういったことでは国民にいろいろ反米的な感情が起こるかもしらぬ、それで最初の発表から今度の外務省の発表になった。これは非常に巧みにいろいろ操作されておる。もちろん原文の英文を日本語に直すというときの問題の点もありますが、これは沖繩県民から言えば――日本国民全体の問題でありますが、とりわけ現地の沖繩では、こんな発砲をしてけがをさした者が罰金ではない、事実は月給から引くのが没収と言われておる。ただこれだけだ。降等もされていない。六カ月の猶予がありますから、六カ月の間に悪いことをしなければ同じじゃないか。いま降等もされずに本国に帰っておる。事実は、本当に没収されたかどうかも、だれも確かめることはできない。それほど県民は、この犯罪についてはアメリカを信用しておりません。これは全県的にです。だから私はそれを聞くのですよ。最初から実に欺瞞に満ちた発表である。そういう行政罰みたようなのがこの措置である。これについてはきのうも申し上げましたが、これが本当に適正であるというふうに考えるのかどうかは、政府の今後かかる事件に対する姿勢の問題に関連しますが、こういうアメリカの措置を、局長は、直接アメリカ局長でありますから、まあ大臣も補佐されるのですが、あなたの姿勢として、これを適正であるとお考えであるかどうか、ここではっきりしてもらいたいと思います。
#11
○山崎(敏)政府委員 この問題に関しましては、外務大臣もすでにほかのところで述べておられますが、本件に関しまして、両方の意見の対立が永久に続くという状態では、加害者の処罰もできなくなるわけであります。そして社会正義も実現されないということでございまして、最善の措置であるかどうかはわからないにしても、次善の策としてこういうふうに踏み切ったというふうに大臣もおっしゃっておられるわけであります。
 さらに、アメリカ側としましても、この問題をうやむやにすることなく、また本人が本国へ帰る前に処罰をいたしましたわけでございます。それから再発防止についても、できるだけの措置はとっておると思います。さらに補償についても、アメリカ側としても十分なことはしたいということを述べております。したがいまして、全体として見れば、今回のこの問題の決着は適正なものであったと考えます。
 ただ、わが方が裁判権を行使しないことになりまして、アメリカ側が裁判権を行使するに至りました以上、その量刑についてわれわれがコメントすることは差し控えたいと思う次第でございます。
#12
○瀬長委員 どういう政党、どういう団体、組織に所属しようが、日本国民として本当にまじめに考える人であれば、このような屈辱的な、そして良心があるかないかもわからぬような姿勢は許されないと思うし、現在、憲法論議が稻葉発言を通じて行われておりますが、憲法の前文の最後に――きのうもその件について触れましたが、これは私たち外交する場合に一番基本だと思うのです。こう前文の最後は結んでおるのです。「われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであって、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。」これが現日本国憲法の前文の結びなんです。いわゆる対等に立つ。アメリカと日本は、いまの裁判事件にあらわれているように、対等ではない。ベストではないが、ベターだ、だからアメリカに譲ったという、あなたの七日の外務委員会ですか、この表現の中にも、最後にこの問題は裁判管轄権分科委員会に移した。分科委員会では両方とも意見が対立したままである。日本側は、公務外である、第一次裁判権は日本側にある。アメリカは、公務中である、第一次裁判権はアメリカ側にある。これが平行して、そしてまとまりがつかぬ。日米合同委員会にかけた。合同委員会の日本側責任者、局長でしょう。それで合同委員会でもどうにもならぬ。ならないので、地位協定の規定に従って政府間交渉にした。そのときのことであります。「五月六日、昨日、わが方としましては最終的に次の諸点を考慮して、この事件の裁判管轄権の帰属に関する日本側の法的立場を維持しつつ」なんです。あの六日の時点でも、日本側の立場、すなわち、公務外であり第一次裁判権は日本側にあるという日本側の立場を維持しつつも、「本件の早期解決を図るという実際的見地から、本事件については日本側は、裁判権を行使しない旨をアメリカ側に通報した」、これなんです。
 したがって、日本国憲法の「自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務」、アメリカにもその責務がある。日本にもその責務がある。日本国民である山城君が、実に発砲され手にけがを受けた。これは日本人なんです。対等であれば、むしろ向こうが譲るべきである。なぜここを譲るか。これを屈辱という。主権の侵害ではないと考えるとか言うんだが、しかしどう見ても、この主権の問題に関する裁判権の放棄というのは、いわゆるベストではないということを認めておる。ベストにできるようにやるということが対等関係に立つ外交の基本でなければならぬ。そして憲法十一条は「国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。」ということも規定している。さらに十三条は日本国民の尊厳であります。個人の尊重。「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」個人の尊厳である。山城君個人の尊厳、これである。こういったような憲法規定があるにかかわらず、安保条約を国でつくったんだから、超憲法的な問題としてとらえるかどうか別として、いま現実の問題として、山城安次君がけがを受けたこの個人の尊厳は一体どうなる。人権はどうなる。これだけ考えてみても、現在あなた方が裁判権を放棄したということが、民族の主権、これを侵害させ、そして裁判権を放棄した結果は、結局、行政罰というふうな結論になってきている。日本国民はいままで三木内閣のあなた方外務省が言ったようなことで納得すると思うのですか。私は、納得し得るのは、まずまずごく一握りの層だと見ておる。これは憲法が規定しておる。そういう個人の尊厳を傷つけても、日本政府はアメリカの言うことに屈して、第一次裁判権を与えるなどということになったらどうなるか。
 小学校の子供たちは純真であります。アメリカ出ていきなさい。二度とこのようなことを起こさないと言いながら、私が最初に読み上げたことだけで、一体何回起こっていますか。しかも全部凶悪犯ばかり。殺人もある、強姦もある、輪姦もある、そして暴行致傷もある。こういったような凶悪犯罪が次から次へと起こるから、あのいたいけない子供たちの頭の中は鏡であります。澄み切っております。もうアメリカはこわい、出ていきなさいということを言う。こういう国民の主権に関係する問題、さらに人権に関係する問題、個人の尊厳、民族の尊厳をもし失った場合には教育ができますか。だからこそ先生は、私たちはもう、人を疑いなさい、人を信じちゃいけませんという教育しかできないのか。民族の尊厳が傷つけられた場合には、このような形で現場の教師が実に苦痛に呻吟をしておる。問題はここにあります。
 あなた方は簡単に、裁判権はこういうことでベターであるのでというのでは、いつまでたっても被害者にとっては賠償もできない。どうにもできなければしようがないじゃないか。もう放棄して早目に何とか、これはベストではないがベターとしてとりたいという、そのベターとしてあなた方がとった結果が、いま私の申し上げる憲法をじゅうりんしておる。少なくとも山城君の個人の尊厳はどうなる。まだ補償もされておらない。単なる補償で成り立つとお思いになったら大間違いである。この憲法に規定されておるいわゆる個人の尊重、民族の尊厳、これについて局長はどうお考えなんですか。
#13
○山崎(敏)政府委員 今回のこの事件の解決が日本の主権の侵害であるというふうにはわれわれは考えておりません。われわれは地位協定におきまして、裁判権については一つのルールをつくっておるわけでございまして、それに従って適正に裁判権を分配しておるわけでございます。そして公務中であるものはアメリカが裁判権を持つ、公務中でないものであればわが方が裁判権を持つということになっておるわけでございまして、そのルールに従ってわれわれも論争してまいったわけです。まさに山城さんの人権を保護しなければならぬとわれわれも強く考えまして、そしてその状況から見て、われわれとしては今回の米兵の行為は公務外であるということの主張は続けた。そのためにこそ十カ月もいろいろな議論を重ねた次第でございまして、政府が山城さんの人権を軽く見たということはございませんで、むしろ重く見たからこそがんばってまいったわけでございます。
 ただこの問題は、やはりいつまでも決着がつかずにおくということは、大臣も申されましたように、社会正義の実現が期されないことになります。その意味で、先方に裁判権を譲ったとしても、その裁判権が行使されることによって社会正義は実現できるわけでございます。われわれが全部のケースについて裁判権を行使できれば、もちろん国民の方々により御納得願えるということはよく承知しておりますけれども、やはり問題の性質によってケース・バイ・ケースに判断していくほかないわけでございます。前々からるる申し上げたようないろいろな考慮に立ちまして、政府の政治的な決断として、今回の場合はアメリカ側に裁判権を譲ると申しますか、わが方が裁判権を行使しないことといたした次第でございます。
#14
○瀬長委員 委員長、これを局長に見せてください、勉強のために。見たことないでしょう。
#15
○藤尾委員長 委員長に提出してください。
#16
○瀬長委員 局長、いま山城君の人権を尊重したからこそがんばってきて、最後には裁判権を譲ったと言いますが、これは理論の飛躍であって、このようなことは一体山城君自身が承知すると思うのですか。山城君の発言では七メートルのところから信号用ピストルで打たれたというのですよ。検事局は犯人から十七メートルと言うのだが、いずれにしても十七メートルから七メートルの付近だ。検事局で実際しているのを見ましたが、ベニヤ板は貫通はしていないが、十七メートル離れたところから信号用ピストルを発射したら、へこんでしまっておる。顔面にでも当たったらどうなりますか。目はつぶれる、あるいは死ぬかもしらぬ。不幸中の幸い、手に当たったからこそ手に三カ月の傷を受けたわけであるが、個人の尊厳を重んじたから結論で裁判権を放棄したというあなたの言い分は、一体山城君が承知すると思うのですか。アメリカはまだ一文も補償していない。以前だったら、来て謝りもするが、謝りもしていない、その当時私も行きましたが。日本国民ですよ。日本国民がアメリカから発砲され傷を受ける、裁判もすることができない、その結果は行政罰だ。山城君の人権を尊重し、国民として生命、自由を尊重した、したからこそこうなったと、あなた、本当に恥も外聞もなくこういうことを言えるのですか。もう一遍言ってください。政府は山城君に対して何をやったのですか。
#17
○山崎(敏)政府委員 われわれとしましては、この事件を非常に重く見て、そのためにこそアメリカ側と最後まで争ったわけでございます。しかしながら、裁判権をどちらが行使するかという問題は、結局、地位協定の関係の規定によって律するほかはございませんので、この事件の実態につき法務省の御意見も伺って、またその他のいろいろな考慮の上に立って、今回は裁判権を行使しないことにしたわけでございますが、先ほど申し上げましたように、アメリカ側としても、この件については非常に遺憾の意を表しており、また処罰をするという約束をいたしましたので、こういうことになったわけでございます。処罰の結果に関していろいろと御意見のあることは承知しておりますけれども、その点に関しましては、われわれとしては、先方が裁判権を行使いたしました以上、それについてコメントするのは差し控えさせていただきたいというふうに申し上げておる次第でございます。
#18
○瀬長委員 時間が余りありませんので、結論を急ぎますが、最初に、私、資料を要求したいのですが、出せますか。
 あなたの方で七日に外務委員会で証言された日本側の主張ですね。公務外であり、第一次裁判権は日本側にあったというこの主張と、その逆のアメリカ側の主張ですね。これを併記して分科委員会から合同委員会に提出されたと書いてありますね。その二つの主張の写しを委員会に提出できますか。どうですか。
#19
○山崎(敏)政府委員 従来からのアメリカ側との約束となっておりまして、合同委員会の文書そのものを提出することは差し控えさせていただきたいと思います。ただ、刑事裁判管轄権分科委員会で日米双方の主張の要点を書き記したものは、法務省の方で御準備願えると存じます。
#20
○瀬長委員 合同委員会でアメリカと合意すれば出せると理解していいのですか。アメリカが、よろしい、こういった要求があるので、この二つの意見が併記されたものを国会に出してもいいということになれば、出していいというふうに理解していいのですか。
#21
○山崎(敏)政府委員 従来からのアメリカ側との約束になっておりまして、合同委員会の文書そのものはお出しいたしかねます。ただ、従来からもいろいろな問題について合同委員会で合意いたしましたこと、あるいはそういうふうな文書についてアメリカ側の了解が得られれば、その内容について要点を記しました日本語の文書をお出しすることは、アメリカ側の了解が得られればお出しできるということでございますので、この点は、刑事裁判管轄権分科委員会の小委員長とも相談いたしまして、アメリカの了解が得られれば、そういう要点を記した文書はお出しするようにいたしたいと存じます。
#22
○瀬長委員 委員長もひとつ、その要点を委員会に提出すると言いますから、ぜひ保管をお願いしたいと存じます。
#23
○藤尾委員長 ただいまの問題につきましては、委員長において善処いたします。
#24
○瀬長委員 最後に、きのう正森議員が提起した問題ですが、あなたは、アメリカは綱紀粛正するとか、反省するとか、遺憾の意を表するとか言っておりますが、実はこれは金武村長に会ったときに手に入れたものであります。きのう原文を受け取ったでしょう、局長。訳文は非常に粗雑であるかもしれないが、大体意味ははっきりすると思うのですね。
 反省どころの騒ぎじゃない書き出しです。二少女に暴行致傷、あの事件を起こしたときにこう書いてある。書き出しが「去った十日間にキャンプ・ハンセンの近くでいろいろのことが起こりました。自由は妨害され、」――アメリカの自由ですよ。「自由は妨害され、ゲートは閉ざされ、デモはゲートまで行われ、抗議文は私か私の代理人に手渡され、そして、私と金武村役場との会議がありました。」これから始まっている。そしてこれには、日本国民の人権の問題とか、生命は大事であるから、兵隊さんは日本国民の生命財産、これは大事にしなければならぬぞ、人権は尊重しなければならぬぞということは、一言も書いてない。海兵隊の任務はこうだ、任務はこうだから、あなた方兵隊はみんな外交官でありますよという、海兵隊の任務を達成するための司令官の兵隊に告ぐなんですよ。これが綱紀の粛正になりますか。われわれの普通の考えによると、再びこのような事案を起こしちゃいかぬと遺憾の意を表するのであれば、沖繩県民も日本国民だ、アメリカ人と同じなんだ、暴行しちゃいかぬことはもちろんのこと、生命財産、人権は尊重されなくちゃならぬぞ、あんた方兵隊だからといって別じゃありませんぞというようなことぐらい言うかと思ったら、逆じゃないか。これで綱紀の粛正とか軍紀を粛正するということが言えるか。むしろその反証が挙がっている。村長さんは激高しておりました。これに対するあなたの感じと、もう一つ時間がないから続けて言います。
 村長さんに会いましたら、私は十二カ年村長をしておる、いま五期目、その間にいろいろなことがあった。私は自民党の所属であるから基地撤去は言いません。だが、言いたくてしようがなくなっておる、こう言っておりました。われわれの海岸は日本海に面して実に青々とした海岸です。サンゴ礁もある。ところが、さっき言ったブルービーチ、さらにレッドビーチは全部アメリカにとられて、わずか浜田ビーチ一つしか残っていない。せめて浜田ビーチにはアメリカは入るな、われわれに残されておる海岸だけでも、金武村民に与えてほしいのじゃなしに、われわれはかち取る、その権利はあると言っておりました。そういった点くらいはアメリカに言えますか。綱紀の問題といまの問題、二つ御答弁をお願いします。
#25
○山崎(敏)政府委員 キャンプ・ハンセンの司令官が出しました布告は私も拝見しました。御指摘のとおり、この文書を読んでみまして、今回のこの事件に対する米軍の反省がきわめて薄いのじゃないかという感じが、私もするわけでございます。そしてことにその書き出しで、自由が阻害されたとかいろいろなことが書いてありまして、米軍の立場からのみ書かれておる。そして周囲に住んでおられる方々の人権に対する配慮がきわめて足りないという感じを持つ次第でございます。その点でこの布告の内容は、われわれは、最高レベルで申し入れたことが十分下に徹底していないのじゃないかという感じを持つわけでございまして、この文書を提示いただきましたので、さらにアメリカ側に対してもこれを示して、こういうことでは不十分だ、もっとしっかりした布告を出し各兵に注意を促してもらいたい、ということを申し入れたいと考えております。
 それから第二の海岸の点につきましては、私、実態をよく承知しておらないので、ちょっとわかりかねるわけでございますが、どういう点でございますか。
#26
○瀬長委員 金武村の海岸は、海水浴場になるところが全部アメリカにとられて、そして残されておるのは、この事件の起こった浜田という海岸なんです。これだけにはせめてアメリカは入らぬでほしい、自由に安心して海水浴ができるような場所だけは確保するということを村長さんが言ったんですよ。
#27
○藤尾委員長 瀬長君に申し上げます。
 この問題につきましては、委員長におきましても、日本国民に対する非常に重大な人権の侵犯と、そしてアメリカ軍人の安全保障条約に対する忠実から逸脱した暴走、そういった問題が含まれておるように思います。そこで委員長は、ただいまの瀬長君の御発言等々を踏まえまして、こういった資料等々ももちまして、総理大臣並びに外務大臣に、直接委員長といたしまして抗議をし、そしてその問題に対する措置をとらせ、その御報告をいたさせますから、さように御了承いただきたいと思います。
#28
○瀬長委員 いまの委員長の御発言、ありがとうございます。ぜひそのとおりやってほしいと思います。
 時間が参りましたのでこれでやめますが、最後に、局長が、山城安次君の個人的人権の尊重、生命を重んずればこそこのような措置をとったというようなことについては、これは私は追及を保留して再びやることをここで申し上げまして、質問を終わります。
#29
○山崎(敏)政府委員 私は、先ほどから申し上げましたように、山城さんの人権というものを非常に尊重し大切であると思うからこそ、われわれとしてはいろいろ主張してまいったということを申し上げたわけでありまして、ただ裁判権の問題ということになりますと、政府の最終的な判断として行使しないことになりましたけれども、決して山城さんの人権を軽く考えていないということを申し上げたわけでございまして、裁判権を行使しないということと人権の尊重と直接結びつけて申し上げたのではないのでございまして、私の真意はひとつ誤解のないようにおくみ取り願いたいのでございます。裁判権をどちらがとるかという問題は政府としての決定でございまして、われわれ交渉当事者としては、一生懸命がんばってまいったということを御理解願いたいと思う次第でございます。
#30
○瀬長委員 その説明では理解はできませんので、保留します。
#31
○藤尾委員長 委員長において善処いたします。
 上原康助君。
#32
○上原委員 私は、いま審議が継続されております許可、認可等の整理に関する法律案について、二、三点お尋ねをしたいと思います。
    〔委員長退席、木野委員長代理着席〕
 特に問題になっておりました外人登録法の一部改正の部分が全面的に削除されたこともありまして、それ以外若干問題もありますが、一応議論もされてきたのですが、いま一、二点、特に不動産登記の件と金融公庫法の一部改正と関連させて住宅問題等について、時間の範囲でお尋ねをしてみたいと思うのです。
 その前に、せっかく長官もお見えですからちょっと触れたいのですが、行政管理庁の性格といいますか、本来の行管の職務権限というものが、許認可法案に関して出された法案などを見ても、設置法でうたわれていることとは矛盾といいますか、相入れない、非常にやりにくい面もあるんじゃないかという感じを持つわけですね。そこで、果たして行管のやろうとしていることが十分にこなされてきているのか、またどういう面に最も支障があるのか、そこいらのことについて、いま少し大臣のお立場なりお考えなり、あるいはまた、事務当局の実際に行管行政を進めている中で感じている点などを含めて、明らかにしていただきたいと思うのです。
#33
○川島(鉄)政府委員 行政管理庁の任務、これと今度の許認可整理法とどういう関係があるのかというようなお尋ねかと存じますが、行政管理庁は従来から、行政運営の改善ということについては、ずっとそういう意味での活動をいたしております。設置法の上からどう読めるかという問題につきましては、設置法の第三条に御案内のとおりいろいろと権限を書いてございますが、その各号に書かれている趣旨から、当然行管の責務だと思っております。言葉をかえますと、他の省庁においてそのようなことをやるのにふさわしいところがあるかというと、各省庁の設置法からは読みにくいんではないか、行管設置法において初めて読めるんではないか、こういうふうに思っております。
 行政運営の改善というのにはいろいろございますが、その一環といたしまして、行政運営が具体的に国民との関係においてなされますときには、必ず許認可等とくくっておりますが、こういったようなことで国民との間に関係が生ずるわけでございます。したがって、行政運営の改善を図る上におきましては、許認可の整理、合理化、こういったような形になってあらわれてくるわけでございます。これの改善につきまして、行管はいろいろと各省庁と御相談して推進に当たっておるわけでございますが、その方法といたしまして、各省庁で主管しておられる法律の中に書かれているもの、あるいは政令等において書かれているもの、省令というふうな規定でこういう許認可等に関することが規定されておりますが、法律につきましては、国会の御同意を得て改正する以外に方法がない。その方法といたしましては、単独法の改正、それから今回御審議いただいております一括整理法という方法があろうかと思います。法案の改正につきまして、単独法でやりますにつきましては、いろいろと小さな問題で複雑な手続を煩わすのもどうかということで、各省庁の御意向をも受けて行政管理庁でまとめておるということでございます。
 少し言葉は足りぬかと思いますけれども、以上でございます。
#34
○上原委員 平たく言えばいま御答弁あったとおりかと思うのですが、私が少しお尋ねしておきたいことは、せんだって雑談の中にも、一体行政管理庁というのは必要なのかという話も実際あったわけですね、酷かもしれませんが。しかし反面、特に、この設置法の二条でうたわれております「所掌事務及び権限」の中では、非常に重要なことが規定をされておる。ただ、その前に私が申し上げたいことは、何も積極的に合理化をやれとか人減らしをどんどんやれという意味で申し上げているのじゃないのです。感じとしては、やるべきところにもっと頭を突っ込まぬで、余り行政の簡素化にもならないところだけを目をつけているんじゃないかという感じを私は個人的に持つわけですね。しかし、本来の行管の職務権限というのは、本当に国民が納得する立場での行政の簡素化なり、定員、人員あるいは機構等の問題に真剣に取り組んで、そのことがむしろ優先をして、行管の考え方なり、おつくりになるその方針等が各省庁に対しても徹底していく、そういうのが本来のあるべき姿勢だと思うのです。しかし、いまのところは、むしろ逆のような感じもするわけですね。長い間のわが国の行政機構なり各省庁のそれぞれの権限なりなわ張りなどがあって、なかなかむずかしいことはわかるのですが、そこいらをもう少し前向きにやっていただかないと、なかなかこの二条でうたわれていることが徹底できない。
    〔木野委員長代理退席、委員長着席〕
 そういうことは実際お感じになっておらないのかどうか。そこはもし改めるべき点があったらどうすべきだと思うのか。今後の方向づけ、姿勢についても、ある程度こういう機会には議論をしておかないといけない問題だと私は思うわけです。そういう意味で冒頭これを取り上げたわけですが、この件についてはいかがですか。
#35
○川島(鉄)政府委員 先ほどもちょっと申し上げましたが、行政管理庁は、行政を管理いたしまして行政の効率化を図ることを任務としてやっておりますが、これにつきまして、行管が徹底しないのではないかというお話がございますが、実は行政管理庁も政府の一つの機関でございまして、これらの機能を発揮していく上において必要な場合には閣議の御決定をいただきまして、閣議の線で政府全体の意識を統一していただくという手続をとっております。
 さらにはその前提として、行政改革本部というものが政府の内部にございまして、行政を管理する立場にある関係の省庁の方の会議がございます。そういうようなことで、政府の意識を統一するような手続は一応経ております。そういうことでございますので、行管の働きが十分に機能しないのではないかということはないと信じております。
#36
○上原委員 そこで、大臣にちょっとお尋ねしておきたいのですが、行管の機能が発揮できないとは言えない、十分やっているということを信じているという御答弁ですが、ある意味では行管の権限というのは、大臣おとなしくお座りになっておりますが、二十名の大臣のうちでも一番蛮勇をふるっていい場合があると思うのです、行管行政、いい意味での本当の簡素化、効率化をやるという場合には。しかし、これまでのわれわれが受ける感じとしては、どうも各省庁にへっぴり腰で、閣議に持っていこうとしたってなかなか通らない、そういうわだかまりなりうまくいかないという面は、私は皆さんが非常に感じているんじゃないかと思う。そこを打開していくにはどういう方向があるのかということは、これは政治の問題でもあるわけです。
 いまの局長の御答弁で、大臣としては十分やっていける、あるいはこれまでもたくさんのいろいろな要請なり行政簡素化していかなければいかないものが二千四百件近くも出てきているわけですね。そのうちから、えり分けて順序にやっておりますが、本当に行政全般を見直して、特に予算問題、人の問題あるいは地域住民、国民へのサービス問題等をもっと総合的に検討すべき面もあると私は思うのです。この点についていかがですか。
#37
○松澤国務大臣 御意見はごもっともだと思います。現実の問題として、今日政府には、私自体が内閣にかわりまして委員長をやっておる問題もございますし、あるいはまた委員会等もございまして、るる説明をしたり率直に申し上げまして、内閣自体の問題等に対しましても、意見等を述べる機会等もございます。そういう点からいたしますれば、ただいまお話しのような点等に対しましても、十分に考慮してやっていかなければならぬことは言うまでもないのでございまして、何といたしましても、いま事務当局から申し述べられたようなことを具体的に述べまして、そして率直に推進をするというふうなことに進めていく、こういうような方面で一生懸命やっておるようなつもりでございますが、仮に、けしからぬ、不相応だ、かようにおっしゃられる点等がございますれば、遠慮なくお教えをいただきましたならば、それらに従ったような立場に立ってやっていきたい、かように考えております。
#38
○上原委員 それで、外人登録法の問題もあったわけですが、ここに今回提出された幾つかの許認可等の整理に関する法律で、その作業を進める過程で、もちろん行管でおまとめになったわけですが、厚生省に属するものもあるし、建設省のものもあるし法務省のものもある、いろいろあるわけですが、そのお答えは、またそれぞれの省からやらなければ、実際行管の方ではお答えができない面もある。ここも若干矛盾はしますが、それは別として、法案をまとめるまでには、どのくらい皆さんは、関係省庁と意思の疎通といいますか、統一を図るためにやっておられるのか。また皆さんが、行管の方ではこれはぜひとも含めたいと思ったけれども、各省庁の同意が得られずに出せなかったという面もかなりあるんじゃないかと思うのです。そこいらの経緯なり内容についても少し明らかにしておいていただきたいと思うのです。
#39
○大田政府委員 行政監理委員会から二百十九事項の答申をいただきまして、行政管理庁といたしましては、答申の時期が若干遅いということもございましたのですが、その中で、今国会に提案できるものをまず中心にいたしまして、各省庁と折衝したわけでございます。そして各省庁から、各省庁のそれぞれに関するものにつきまして、これは何年度に実施できるか、これは何年度に大体実施できるか、一応そういう各省別の予定計画をとりまして、それを全体的にまとめまして、大体この二百十九事項につきましては、三カ年あるいは四カ年というような計画を実は立てたわけでございます。しかし、その中には各省庁で単独に法案を出されるものもございますし、あるいは予定されておるものもございます。それから、そのほかのものにつきまして、一括整理方式による、このたび御審議をいただいておる方法でできるもの、そういう分類もございます。それから最終的には、二百十九の中で三十そこそこは、実は各省と協議中でございまして、まだ詰まっておりません。これにつきましても、なるべく早く成案を得たいということがございまして、このたび出しました十二法律、二十三事項につきましては、一応成案を得ましたわけでございまして、それをまず今年度に出します。それから来年度はこれからまた、一応の計画をいただいておりますけれども、その中で具体的に、単独法あるいはそうでないものと区別しまして出すというような年度計画は、一応できております。しかし具体的には、どういうふうに変化するかということは、これからの問題でございますが、少なくとも行政管理庁といたしましては、答申をいただいておるものにつきましては、それを推進するという責任がございますので、これからも鋭意努力いたしたい、そのように考えております。
#40
○上原委員 時間がちょっとあれのようですから急ぎますが、その場合に、いろいろ問題があると思うのですが、要するに、許認可としてまとめるのか、あるいは各省設置法の改正とかその他の単独法で改正するのかということが、選択の面で一つの議論になる点だと思うのですが、そこいらについてはどうなんですか。各省庁の場合はむしろ単独法で出したいが、行管としては、やはり答申なりを受けて許認可事項としてやっていきたい、そういう面で議論が分かれるのか、その点もいま少し明らかにしてください。
#41
○大田政府委員 行政管理庁といたしましては、各省で単独法で出したい、また予定しているというものにつきましては、そちらを優先しております。それで、このたびにつきましても、たしか三事項につきましては各省で単独法で出しております。そういうことでございまして、どうしても予定ができない、しかも一括整理法の内容にふさわしいというものにつきましては、一括整理法で出すというふうに考えております。
#42
○上原委員 そこで、これは委員長なり与党の先生方の大変な御努力もいただいて、外人登録法というのは今回全面削除になったわけですが、念のためにお尋ねしておきたいのですが、まさか今後許認可法の中にこれを含めるという意思はもうお持ちないですね。その点は明らかにしておいていただきたいと思います。
#43
○松澤国務大臣 ただいまの御意見等につきましては、るる質問等もございましたし、お話等もございました。また、各省とも話し合いもいたしました。その結果といたしまして、率直に申し上げますと、許認可等の問題に対しましても、今回の外人登録的な問題等になりますと、やはり法務省が中心にやっていきたい、かように考えて現在その話を進めております。どうかさように御了承願いたいと思います。
#44
○上原委員 決断すべきときは決断しなければいけませんから、勇気ある決断に敬意を表しておきたいと思うのですが、法務省もまた、余り悪いのは出さぬようにひとつやっていただきたいと思います。
 そこで、法案の中身にちょっと入りたいんですが、不動産登記法の一部改正が出ているわけですが、理由はもちろん趣旨説明の中でもわかるんですが、なぜこの不動産登記法の一部を今回提出されたような方向で改正をしていかなければいかぬのか、その理由なり現在の状況等についていま少し詳しく御説明をいただきたいと思います。
#45
○松澤国務大臣 私から簡単な面だけを御報告しておきたいと思いますが、今回の簡素化で法務大臣の権限が法務局長に委譲されるわけであります。その件数は、不動産登記法、工場抵当法合わせて二十件程度でありますけれども、権限が委譲されます結果、本省における約十日間くらいの事務処理期間が短縮され、申請者にとっては大きな利便になるのではないか、かように考えておりますが、詳細の点にわたりましては事務当局から説明をさしたい、かように思います。
#46
○上原委員 確かにその点だけ考えると、書類が法務大臣まで行って処理される、そこまで行かないで地方の法務局なりあるいは登記所でできるということになりますと、簡素化になる面もあろうと思うのですが、若干問題があるわけです、正直に申し上げて。私はもちろん詳しくはございませんが、そうしますと、現在何件ぐらい年間処理されているのですか、不動産というのは。
#47
○吉野説明員 現在問題になっております不動産登記法の八条の第二項の関係でございますと、年間処理件数は大体十件程度でございます。それから工場抵当法の十七条二項関係の登記事件は年間約二十件程度でございまして、現在登記所で処理されている事件数から見ますと、非常に微々たるものであるということが言えようかと思います。
#48
○上原委員 年間十件ぐらいの処理しかないわけですよね。これからすると、そんなに事務が煩雑で、あるいはいろいろ手間がかかるから簡素化ということには、どうも理解しかねる面があるわけですよ。これが年間百件もあるいはそれ以上もあって、大変事務的にもあるいは日程的にも手間がかかるというならわかるわけですが、そこいらがこの行政簡素化という面で出されたところに釈然としない点があるわけです。
 そこで、改正された場合に、たとえば数個の登記所にまたがるときはどうなるのか。また、数個の法務局または地方法務局にまたがっているときは、たしか改正案では地方法務局長の権限でできるということになるのですか。数個の法務局にまたがるときだけが法務大臣ということになるのか。そこいらについてもう少し明らかにしておいていただきたいと思うのです。
 それと、時間がありませんから一緒に申し上げますが、その場合に、現在はたとえば東京都と埼玉両方に不動産がまたがっている場合もあり得ると思うのですね。現在は本人が申請したい登記所なり法務局にできるわけでしょう。改正された場合は、個人の申請主義といいますか、個人の意思の尊重というのはどうなるのか、あわせて御答弁いただきたいと思います。
#49
○吉野説明員 お答えいたします。
 現行の不動産登記法の八条の二項の規定を見ますと、不動産が数個の登記所の管轄区域にまたがっておる場合には、法務局または地方法務局の長においてその管轄登記所を指定するというふうになっておりまして、ただ、そのまたがる関係が、数個の法務局または地方法務局の管轄区域にまたがる場合には法務大臣がこれを指定する、こういうふうになっております。したがいまして、先ほど先生例に出されました、東京と埼玉にまたがっておる不動産につきましては、現行法によりますと、法務大臣がその管轄登記所を指定するということになるわけです。
 実際の指定手続はどうするかと申しますと、申請人の方としましては、不動産登記法の施行細則の三十七条ノ八という規定がございまして、当事者は、埼玉でもあるいは東京でも自分の任意の管轄があると考えられる一つの登記所に申請書を出せばよろしい。出されました登記所におきましては、他の管轄権を持つ登記所と協議いたしまして、そしてどちらの登記所を管轄登記所にするかということを決めまして、そしてその結果に基づきまして法務大臣に具申をいたします。法務大臣は、その具申に基づきまして、大体具申どおりの管轄登記所を指定するというのが実務の取り扱いでございます。
 この関係は、今度の改正法でいきますと、埼玉は東京法務局管内の一地方法務局でございますから、指定権限は法務大臣から東京法務局長に委譲されるということになりますけれども、不動産登記法の三十七条ノ八という規定は全然改正しません。したがいまして、この場合には、当該登記所のいずれかの登記所に申請人は申請書を出せばよろしい。この辺は全然変更を加えないでおります。出されましたときには、管轄指定の申請書を出すあて先が、今度は法務大臣から法務局長ということになるわけでございます。
 現在の実務でございますと、かような場合、現行でいきますと、大体監督権のある法務局または地方法務局の方に管轄指定具申書を出しまして、その監督の法務局または地方法務局を経由いたしまして、法務省の方に書類が回ってくるということになりまして、その間、郵便の事情、あるいは監督法務局から法務省に書類の決裁を求める関係等におきまして、若干日数がかかる。これが今回の改正法になりますと、つまり法務省に具申するという関係が落ちますので、その関係だけ時間が短縮になり申請人に便利になるというふうに、私どもは考えております。
#50
○上原委員 そうしますと、三十七条ノ八は全然手をつけないということで、本人の意思の尊重というのはなされるという立場をとっておるわけですか。もし本人の意思が、いや私はここに登記をしたいのだ、この法務局あるいはこの登記所ということでやっても、その登記官が不動産調査と一緒にいろいろ協議をするわけですね。協議をして、いやここにしか登記できませんというような職権の乱用的なことは、全く起こらないのか。たとえ法務大臣の許可までいかないでも、地方の法務局なり地方登記所でできるとして、本人の意思の尊重の問題は、事、不動産の問題ですからね、一番大事な点だと思うのですよ。
 ここいらは明確にしておいていただかないと、登記官の職権によって、いやここにしか登記できません。私はここが希望なんだと言ってみても、そういうようなかっこうになってしまうと、非常に問題が出てくると思うのですね。しかも、年間、先ほどおっしゃったように十件くらいしかないとなると、かえってそういうことでいざこざが起きて、登記業務というものが複雑化していく。あるいは実際登記をしようとする国民の方と役所の方が、感情的なりいろいろな面で対立をするという面も、場合によっては出てこないとも限らぬ。これを私は懸念するわけです。そこいらは全然心配ないというお立場をとっておるわけですか。
#51
○吉野説明員 先ほど御説明いたしましたように、不動産登記法施行細則の三十七条ノ八という規定は全然手をつけないでおりますから、いま先生御指摘になりました点は、実は改正法と関係なく現行の法令の問題としてございます。そういう問題はございます。私どもといたしましては、管轄登記所を指定する場合には、最大限に当事者、申請人の意思といいますか、それを考慮いたしまして、それに基づいて協議をするというようになっておりますから、これは今後ともそういうことで処理されるものと確信しております。
#52
○上原委員 この点は、ちょっと重要な点だと私は思いますので、大臣の方からも一言お答えをいただいておきたいのですが、これまでの慣行なり法のたてまえからしますと、申請主義をとっておりますし、個人の意思というのが十分に尊重されてきておるわけですね。ですから、いまちょっと議論をしましたように、特に、二つの法務局なり二つの登記所、そういう面にまたがっている場合に問題が出てくる可能性があるわけですね。したがって、個人がここにしか登記したくないんだというときには、十分そのことは尊重をして、少なくとも、登記官なりあるいは役所の権限によって――もちろん相応の理由があれば話は別ですが、そういう個人の意思の尊重というものは最大限になされるという、そういった行政を指導していくということは大臣の方からお約束できますね。
#53
○松澤国務大臣 いまのお話ごもっともだと思います。しかし、率直に申し上げまして、従来どおりやっていくのでありますから、他に変更をするというふうな理由等が格別にあるというようなことになりますれば、特別に考えなければなりませんけれども、いまのところは、格別に変わっていくんだというようなことが考えられませんから、従来どおり実施するんだというふうに御記憶願いたいと思います。
#54
○上原委員 ぜひそこいらの点は御配慮いただくように、特に御要望申し上げておきたいと思います。
 ちょっと急ぎますが、次に住宅金融公庫法の改正も出ていますね。これは委託手数料を定める場合における主務大臣の認可を廃止するという趣旨のようですが、このこととの関連で住宅問題について、これからの私の将来の議論ともちょっと関連しますので、お尋ねをしておきたいのですが、何か新聞報道などを見ておりますと、いわゆる個人向けの住宅建築融資の問題が、建設省と大蔵省の間でかなり議論されているような感じを受けるわけですね。
 そこで、まずお伺いしたいのは、現在、建設省の方では、住宅融資なり公庫からの融資、あるいはすでに四月二十八日に開始をした第一回目の申し込みの受け付けというのは、一日だけで大幅に突破をしたということがあるわけですね。ここいらは今後どういうふうな方向で住宅政策を考えるのか。これは事務レベルよりは政策的なことですから、大臣などからお答えをいただくのがむしろ適切かと思うのですが、事務段階ではどういうふうに見ておられるのか説明をいただきたいと思います。
#55
○京須説明員 先生の御質問のように、金融公庫の個人住宅融資でございますが、去る四月二十八日に七万四千戸の予定で受け付けを開始しましたが、わずか一日でそれを非常に上回りまして、約十三万戸という申し込みがございまして、そのために、当初の予定の予算でございますと、十三万戸全部受け付けはただいま不可能でございます。そのために、何とか申し込みをした方々に御迷惑のかからないように善後措置を考えております。
 また、今後の長期の方向でございますが、やはり国民の個人住宅融資に対します希望が非常に強うございます。そのような観点から、本年度は第二次五カ年計画の最終年度でございますが、明年から始まります第三次の五カ年計画等におきましても、十分そのような国民の御要望を踏まえまして、極力国民に広く公庫融資の貸し付けができますようにいろいろ検討をしたいと思っております。
#56
○上原委員 第一次が七万四千戸で、まだ秋に九万四千戸ですか、それだけふやすというわけですか。締めて九万ということになっているわけですか、計画は。
#57
○京須説明員 秋の予定は、個人住宅貸し付けでは七万戸でございます。
#58
○上原委員 これは最初の七万四千戸プラス七万戸ということですか。
#59
○京須説明員 そうでございます。
#60
○上原委員 そうしますと、すでに一日だけで十三万戸の申し込みがあって、秋の分まで食い込んでいるわけですね、結果的には。そこで、これだけ申し込みが殺到していることは、ある意味では非常に結構なことなんですね。国民が自分の住む家屋を持つということは当然の権利でもありますし、また福祉政策という限りにおいては、私はその点をもっと優先さすべきだと思うのです。
 その議論は別としまして、いま大蔵省も来ておられると思いますので、ちょっとあわせてお尋ねしたいのですが、今後、これだけ希望者が多いから、現在の貸出金利なり、あるいはいまのような受け付け順位方式というものを改めていくとか、所得に制限をつけるとか、いろいろな案が内々検討されているという報道もあるわけですが、ここいらはどういうふうに今後調整をしていこうとしておられるのか。融資の資金の問題等、またいろいろな面で引き締め的な面もありますので、なかなか厳しいという状況はわかりますが、事、住宅問題については、そう簡単に、需要者が多いから、希望者が多いから金利を上げるとか、あるいはいろいろなことをやるべきでないと思うのですね、私の立場で申し上げると。そこいら大蔵はどう考えているのか、建設省はどういう方針でいこうとしているのか、これは少し明確にしておいていただきたいと思うのです。
#61
○岡崎説明員 ただいま先生御指摘のありましたような現実の事態を踏まえまして、本年度お認めいただきました予算の中ではどの程度のことができるかという観点から、いろいろ建設省と相談しておる。さらにやや長期的には、おっしゃるように、住宅需要というのは非常に根強いものでございますので、限られた予算でございますから、その範囲内で今後どう一番住宅を必要としている人から住宅公庫の融資が利用されるだろうかというようなことにつきまして、建設省と、先生御指摘のような点、たとえば所得のお話でございますとか、金利のお話でございますとか、そういうようなことも含めまして意見を交換していきたいと思っておりますけれども、いま時点ではまだ成案は得ておりません。
#62
○上原委員 それで五十年度の予算は、たしか一般会計が二千九百四十六億三千万ですか、財政投融資で一兆六千二十六億円、これは間違いありませんか。私の調べたところではそうなっていますが。
#63
○京須説明員 金融公庫の分でございますと、一般会計の補給金は五百二十七億でございます。
#64
○上原委員 その他を含めて大体こういう規模になっているわけですか。それは大蔵どうですか。
#65
○岡崎説明員 大変恐縮でございますが、私、銀行局で住宅金融公庫を担当しておりますものですから、財政全体の住宅に向いておる数字につきまして、正確な数字をいま手元に持っておりませんので、はっきり申し上げられませんけれども、大体、先生のおっしゃる数字というふうに一応記憶はしております。
#66
○上原委員 そういたしますと、住宅金融公庫に関する五百二十七億、これはもうすでに先ほどの申し込みという面では突破するということになりますね。この枠は著しくはみ出ることになるわけでしょう、融資をする立場で。
#67
○京須説明員 先ほどお答え申しましたように、第一期の申し込みの受け付けの際に、七万四千戸の予定が十三万戸になりました。しかしながら、第二回以降といたしまして、秋に受け付けます分が七万戸残っております。したがいまして、第一回目の受け付けの際に非常に申し込みの予定戸数をオーバーしましたものにつきましては、まず第二回以降のものより先にいたしまして受け付けようと思っております。そういたしますと、当然秋以降の分について戸数がなくなってまいります。これにつきましては、先生からお話がありましたように、前向きに対処いたしまして国民の住宅需要にぜひこたえたい、こう考えております。
#68
○上原委員 これは事務段階にお尋ねするのはどうかと思うのですが、枠はふやすということで政府は前向きにというお答えがあるわけですから、大蔵もそういう立場で事務段階では進めているというふうに理解していいですか。
#69
○岡崎説明員 枠をふやすかふやさないかにつきましては、大蔵といたしましては、成案あるいはスタンスをまだ決めておりません。
#70
○上原委員 大蔵と建設の違いをはっきりさしておいていただけば、将来また議論の場があると思いますので……。
 そこで、先ほどもちょっとお答えがあったわけですが、いわゆる年度内ですから、現在も申し込んだ方々は、受け付け順位で七万三千なら七万三千。また秋に幾らか上増しになるわけですが、その年度途中で、まさか条件を厳しくしていくとか、先ほど言いましたように、現在の金利の五・五%を引き上げていくとか、あるいは面積も百二十平米から百平米に引き下げていくとか、所得制限をつけるとか、少なくともそういうことは大蔵も建設も考えておらない、秋の分もできるだけ国民の要求なり要望を満たしていくという立場でこの住宅問題については考えていく、この点だけははっきり言えますね。
#71
○京須説明員 建設省といたしましては、年度途中に金融公庫の貸し付け条件あるいは対象規模の変更等をするつもりはございません。
#72
○岡崎説明員 建設省の御意向はそのとおりでございますけれども、仮に全く第一期と同じような状態で申し込みを受け付けた場合に、四月の場合でも十三万戸というようなことで殺到してまいります。したがいまして、仮に秋に第二回目をやったといった場合に、それが何万戸ぐらいになるだろうかということにつきましては、ちょっと予想がつきかねております。したがいまして、いままでどおりのやり方でやれば、非常に大きな戸数の申し込みが第一日目、しかもまたこういうような事態でございますから、朝早くから非常に列をつくって並ぶというようなこと等もあり得るかと思います。そういうようなことが起こることは適当かどうかということにつきましては、私どもは疑問に思っておりまして、建設省と今後とも、この次に募集する際につきまして、どういうふうにしたら一番適正な募集方法がとれるかということは、さらに協議していきたいというのが私どもの気持ちでございます。
    〔委員長退席、木野委員長代理着席〕
#73
○上原委員 そこで、これと関連して、新築の場合は、五十年度はかなり住宅政策というのが配慮されていると思うのですが、すでに持っている中古の住宅ですね。もっと建て増しをしたいとか、あるいは改築をしたいとかいう方もたくさんあるわけですが、この方々に対しての税制面における考慮、それは全然なされていないということで、非常に不公平だという声が強いわけですね。これも少し議論しようと思ったのですが、時間がありませんけれども、少なくとも住宅政策ということで全般的に考えると、新築であろうが、あるいは中古の家を持っておって、それを改築したい、もっと増築をしたいという場合であろうが、同じ条件にするかどうかは別にしましても、現在のあり方というものは、いま少し検討する必要があると思いますね。それについて建設省と大蔵省の見解を一応賜わっておきたいと思うのです。
#74
○京須説明員 昭和四十八年度に住宅統計調査を実施いたしましたが、その結果によると、全国ですでに住宅戸数が世帯数を上回るようになっております。したがいまして、今後は、既存の住宅をよりよく改良する、あるいはすでにあります住宅を改善する、こういった点も非常に重要だと考えております。したがいまして、今後私どもといたしましては、五十一年度から始まります第三期の五カ年計画を通じまして、たとえば中古住宅につきましての売買にも金融公庫の融資をつけるとかいった前向きの姿勢でもって検討しようと思っております。
#75
○岡崎説明員 住宅金融公庫につきましては、建設省からよく意見を聞きまして検討していきたいと思います。御指摘の税制面につきましては、先生の御意見を担当の局の方に伝えておきますので、御了承いただきたいと思います。
#76
○上原委員 それでは時間ですから、ちょっと物足りない面もあるのですが、やめますが、そこで最後に、これはむしろ政治の問題、政策の問題なんですね。国務大臣という立場で、いまちょっと議論しましたように、住宅問題というのは、本当に国民各層の、庶民の一生の夢だと言っても過言ではないと思うのです。せっかく政策的にも、金利の面においても相当緩和をして、前向きの姿勢で住宅政策というものを建設省中心にやってきましたが、国民の要求、要望、需要が多いからということで、ここでまたもとに戻る政策というのは、私はとるべきでないと思うのですね。そういうことをやらないで、ほかの方だけぼんぼんふやすから、われわれもいろいろ文句をつけるのですよ。これを大臣という立場で、ぜひ閣議においても、少なくとも現在の条件というものは下回ってはいけないし、ほかの予算は削ってでも国民の要求を満たしていくという福祉政策こそ望ましいと思うのですが、これに対してひとつ大臣の決意を伺っておきたいと思うのです。
#77
○松澤国務大臣 ごもっともな御意見でございますので、いまおっしゃるようなお気持ちを十分に体しまして、閣議等においても発言をして、御趣旨に沿うようなぐあいに持っていきたい、かように存じます。
#78
○上原委員 これで終わります。
#79
○木野委員長代理 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#80
○木野委員長代理 ただいま委員長の手元に、越智伊平君外四名より、自由民主党、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党の各派共同をもって、本案に対する修正案が提出されております。
 提出者より趣旨の説明を求めます。越智伊平君。
    ―――――――――――――
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#81
○越智(伊)委員 ただいま議題となりました許可、認可等の整理に関する法律案に対する自由民主党、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党の各派共同提案にかかる修正案につきまして、提案者を代表してその趣旨を御説明申し上げます。
 案文はお手元に配付いたしてありますので、朗読は省略させていただき、その要旨を申し上げます。
 許認可等の整理につきましては、国民負担の軽減及び行政事務の簡素化を図るため積極的に推進すべきことは、いまさら申し上げることもないことと存じます。
 しかし、今回の許可、認可等の整理に関する法律案中の外国人登録法の改正部分には、先般来の質疑を通じて明らかなように、外国人登録法の基本に触れる疑いのあるものがあり、これを許認可等の一括整理法で処置することには、なお検討を要すると考えるのであります。
 本修正案は、以上のような観点から、原案のうち外国人登録法の改正に関する部分を削除しようとするものであります。よろしく御賛成くださいますようお願いいたします。
#82
○木野委員長代理 これにて修正案についての趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#83
○木野委員長代理 これより原案及び修正案を一括して討論に付するのでありますが、別に討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 許可、認可等の整理に関する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。
 まず、越智伊平君外四名提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#84
○木野委員長代理 起立総員。よって、本修正案は可決いたしました。
 次に、ただいまの修正部分を除く原案について採決いたします。
 これに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#85
○木野委員長代理 起立総員。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。
 なお、ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#86
○木野委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
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#87
○木野委員長代理 この際、暫時休憩いたします。
    午後零時三十三分休憩
     ――――◇―――――
    〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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