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1949/02/16 第7回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第007回国会 厚生委員会 第6号
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1949/02/16 第7回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第007回国会 厚生委員会 第6号

#1
第007回国会 厚生委員会 第6号
昭和二十五年二月十六日(木曜日)
    午後二時三十一分開議
 出席委員
   委員長 堀川 恭平君
   理事 青柳 一郎君 理事 田中 重彌君
   理事 中川 俊思君 理事 松永 佛骨君
   理事 苅田アサノ君 理事 金子與重郎君
      今泉 貞雄君    丸山 直友君
      堤 ツルヨ君    渡部 義通君
 出席政府委員
        厚生事務官
        (社会局長)  木村忠二郎君
 委員外の出席者
        專  門  員 川井 章知君
        專  門  員 引地亮太郎君
    ―――――――――――――
二月十五日
 外地免許医師に対する国家試験に関する陳情書
 (鹿兒島県薩摩郡求名村狩宿浜屋七雄)(第三
 一三号)
 遺族の援護強化に関する陳情書(大分県玖珠郡
 東飯田村大字松木三千六十七番地松木祐久外六
 百八十九名)(第三三〇号)
 遺族援護強化に関する陳情書(鳥取市鳥取県議
 会議長中田吉雄)(第三三四号)
 遺族援護に関する陳情書(静岡県浜名郡赤佐村
 長池本正之外七名)(第三四八号)
 遺族の援護強化に関する陳情書外十九件(岡山
 県小田郡陶山村大字篠坂七百三十七番地増成滝
 夫外二百四十九名)(第三七一号)
 医療法中一部改正の陳情書(広島県医師会長長
 崎五郎)(第三七七号)
 国立福山病院結核療養患者の主食改善に関する
 陳情書(広島県国立福山病院朝原茂夫外十四
 名)(第三八五号)
を本委員会に送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 生活保護法に関する件
    ―――――――――――――
#2
○堀川委員長 これより会議を開きます。
 本日はまず生活保護法に関する件を議題といたしまして、政府より説明を聽取することにいたします。まず社会局長より説明を聞くことにいたします。
#3
○木村(忠)政府委員 生活保護法の全面的な改正を国会へ提案いたしまする予定をもちまして、先般来準備をいたしておりましたが、大体その成案を得まして、ただいま関係方面の了解を得るように手続をいたしておる途中でございます。従いまして一応その内容は大体確定いたしておると申し上げていいようなものでございまするけれども、まだ関係方面におきまして、若干御意見があるようでございまするから、あるいは二、三内容がかわつて来るかもしれないということを御了解の上お聞き取り願いたいと思います。
 今回の生活保護法の全面的な改正をいたしました大きな理由は、生活保護法は戰争の終りました前にありましたところの各種の救済保護に関する法律を統合いたしまして、新しい考え方のもとに、国民の最低生活を保障することにしようということでできた法律なのでございまするけれども、何分にも終戰後の混乱の際にできました法律でありますので、その後施行せられました憲法等に照し合せましても、その内容におきまして、なお遺憾の点が多々ございました。その関係からこの法律の全面的な改正は、できるだけ早くしなければならないというような情勢に迫られておつたわけでございます。すなわち現在におきましては、あらゆる法令上の規定の中で、国民の権利義務に関係いたしまするようなことは、細大漏らさず法律に規定いたしまして、これを政令、省令等に委譲しない。つまり法律を見ますれば、大体その法律が目ざしておりますところのものが明らかになるというのが、その趣旨なのでございますけれども、憲法制定前の法律でありまする関係上、重要なる諸規定を政令以下に讓つておりまして、そのために解釈等におきましてあいまいな点がありましたし、また従来の救済といつたような面が、十分拂拭しきれないというような状態にあつたわけであります。社会保障制度の一つの部分といたしましての法的の制度といたしましては、不十分な点が多々あつたわけであります。これらの点をできるだけ直しまして、現在の情勢に即応するように改正いたしたいと考えておるような次第でございます。この問題につきましては、政府当局におきましても、久しく研究を電ねて練つておつたのでありますが、先般社会保障制度審議会におきまして、社会保障制度の一環として公的保障制度というものを御検討に相なりまして、そのために生活保護を改善強化する必要があるというので、これにつきましての改善方策の要綱を御可決に相なつた次第でございます。爾後当局といたしましては、この勧告の線に従いまして、この法律の全面改正を企図いたしまして、関係方面とも密接なる連絡を保ちつつ改正案を練つて参りまして、ようやくその結論を得て、この国会に提案することが大体できるというところまで参つたような次第であります。
 そこで次にこの法律におきまして改正いたそうといたしておりまする要点を申し上げてみたいと思います。
 この法律の改正案におきましては、第一に憲法第三十五條に対応いたしまして、社会保障制度の一環としての最低生活の保障、そのために最低生活を営むことのできない事情にあります者に対しまして、その権利として保護を要求することができる。またそれに対応して、国としてはこれに対して保護を與えなければならないという関係を明らかにいたしたのであります。このことは保護を受けます者の権利、これに対します国、公共団体の義務というような関係を明らかにいたしますと同時に、保護を受ける者の側におきますところの義務をも明らかにいたすことにいたしたのでありまして、この点従来の国から受けます單なる利益であるというような考え方から、数歩前進いたしたものと言つてさしつかえないのであります。この点がこの法律の改正案の一番大きな、また重要な点でございます。この点はこの法律案の全部にわたりまして、その規定が盛られておるようなわけであります。これは第一章総則、第二章保護の原則、第八章の被保護者の権利及び義務、第十章の保護費の規定、返還の規定の間に、その点を明らかにする規定を多々入れてあるのであります。たとえば、この法律案の第二條におきまして、すべて国民は、この法律の定める要件を満たす限り、この法律による保護を平等に受けることができるという基本的な規定を設けまして、その内容としまして第三條でもつて「この法律により保障される最低限度の生活は、健康で文化的な生活水準を維持することができるものでなければならない」という規定を設けておりまするし、また第十九條におきまして「市町村長は、要保護者に対して、この法律に定めるところにより、保護を決定し、且つ、実施しなければならない」という規定を設けております。さらに第五十六條におきまして「被保護者は、正当な理由がなければ、既に決定された保護を、不利益に変更されることがない」という規定を設けてあります。なお第六十九條におきまして「国、都道府県及び市町村は、この法律の施行に要する必要にして十分な費用を予算に計上しなければならない」といつたように、非常に事こまかに、この保護を受けることが国民の権利であつて、一定の要件を満たしまする限りにおきましては、この保護を要求することができるということにいたした趣旨を明らかにいたしておるのでございます。従いまして先ほど申し上げました通りに、この権利を持ちまする以上は、これに対しまして、その義務をも明らかにしなければならないというところからいたしまして、法案の第八章におきましては、被保護者の権利及び義務という規定を第五十六條から六十三條まで設けまして、ここに各種の権利のほかに、第六十條以降の義務を負わせる、かようにいたしております。つまり権利義務の関係を明確化するということは、この法律の中の一つの大きな目標でございます。
 これに伴いまして、第二の点といたしまして、保護者の保護を受けるにつきまして、その処分に不服がありまする場合におきまするところの不服を申し立てる制度を、法律上確定いたしたことが、この法律改正の第二の要点でございます。この不服申立の規定は、法案の第九章第六十四條から第六十八條までの間に、この規定が設けてあるのであります。従前におきましては、生活保護法の施行細則におきまして、一つの事務上の手続といたしまして、不服の申立に類する制度を昨年の春から設けておるのでございます。これは従来の考え方を一応一倒する一歩であつたのでございまするが、これを今回におきましては、権利関係を明らかにいたしまする当然の帰結といたしまして、不服の申立制度を法律上明らかにいたすことにいたしたのでございます。
 次は保護の方法といたしまして、従来は生活扶助、医療扶助、助産扶助、生業扶助、葬祭扶助、この五つの保護の種類と相なつておつたのでございまするが、今回教育扶助、住宅扶助という二つを生活扶助の中から切り離しまして、新たなる保護の種類としてあげまして、これらの従来きわめて弱かつた扶助制度を強くいたすことにいたしたいと存じたのであります。従来も生活扶助の基準といたしましては、その中に住宅に必要なる経費、並びに義務教育を受けるに必要なる経費というものを、生活扶助の基準額の中に計上いたしておりまして、これらの点に遺憾のないようにいたすように努力いたして参つたのでありまするけれども、何を申しましても、従来飲食物というものがきわめて大きな分野を占めておりまして、その点に重点を置かれておりました関係上、遺憾ながら教育、住宅等の点におきましては、十分ならざるものがございましたので、これを独立の扶助の種類といたしまして、その内容を充実いたすことができるようにいたした次第であります。
 第四の点は、保護施設に対しまするところの監督の強化でございます。従来も保護施設につきましては、この監督の規定がなかつたわけではないのでございまするが、生活保護法によりまする保護が、これを施設に收容いたしまして保護する場合におきまして、その施設が公のものでありましようとも、民間のものでありましようとも、いずれにいたしましても、その收容いたしまして行いまするところの具体的な保護が適正でないということがありましたならば、この保護法の精神を生かすことができない。特に施設に收容いたしました場合におきましては、居宅の場合とは異つた制約がございますので、この保護施設というものに対しましては、特に嚴正なる監督をいたしまして、保護の目的達成に遺憾なきを期する必要があると存ずるのであります。従いまして第六章の保護施設の章におきまして、保護施設の内容を明らかにいたしますると同時に、保護施設の設置につきましての手続を詳細に規定いたしまして、これによりまして十分なる監督をいたすことにいたしたような次第であります。特に都道府県、市町村といつたような公共団体の持つておりまするところの施設以外の保護施設につきましては、監督規定を特に嚴重にいたしたのでありまして、その点は法案の第四十條から四十一條、四十二條というところにその規定が設けられておるのであります。特に保護施設につきましては、その施設の設置は公益法人に限ることにいたしまして、その公益法人につきましても、保護施設になるためには、その財的基礎が確実でありまして、しかも政府の方針に従つに保護の実施ができるものに限るということにいたすために、その設置の認可につきましての手続を詳細にいたしますると同時に、爾後の監督の規定が設けられたようなわけでございます。
 次はその保護を実施いたしまする機関といたしまして、従来の補助機関の関係を改正いたしまして、従来この保護の実施は市町村長がいたすことになつておりました。この市町村長の行いまするところの保護の事務を補助する機関といたしまして、民生委員法に定める民生委員が、この補助機関となることを規定いたしておつたのでございます。しかしながら公的保護の実施につきましては、あくまでも公の機関がその責任のもとにこれを実施するのが当然でありまして、その間にその責任を回避するようなものが介存するということは適当でないというところから、生活保護の実施の機関が市町村長の責任であるということを明らかにいたしますると同時に、市町村長はその責任を途行いたしまするため、專任の有給の事務職員を置きまして、その事務職員が一定の資格を持ち、その者は一定の資格を持つて市町村の事務に当らなければならないということにいたしまして、有給の專任の職員が市町村長の手足となつて十分に活動いたしまして、保護の実施に遺憾なきを期するということにいたしたのであります。ただ有給の專任の職員をもちましては十分に行き得ない、かゆいところに手が届かないといつたうらみがないとは申されませんので、これに対します協力機関といたしまして、民生委員法に定めるところの民生委員をこれに協力せしめることにいたしたのでございます。この点は法案の第三十一條及び第二十三條におきまして規定いたしたようなわけでございます。
 次は医療機関に対する監督の制度でございます。生活保護法の保護費の中で、非常に大きな部分を占めますものは医療扶助でございます。現在の医療扶助の金額は、生活保護法の保護費の四割を超えるというような状態になりつつあるのでござ、まして、これが逐次増加の傾向にあるわけであります。これはその保護の性質からいたしまして、必ずしも喜ぶべきこととは言えないのではありますけれども、実際の医療の状況を見ますと、健康保險の医療、あるいは自費でもつて行います医療と比較いたしまして、その内容が非常に高くなつておる。これは各種の医療機関によりまして調べますと、そういうような状態がないこともないといつたような状況でございますし、健康保険におきますると同様に医療機関に対しますところの監督、監査と申しますか、その規定を設けたのであります。これは法案の第五十三條というところに、医療費の審査の規定を設けたような次第でございます。これに関連いたしまして、第五十四條の報告徴收の規定が設けられてございます。
 次は生活保護法の保護費の支弁に関連しまして、施設に入つております者の保護費が、その入つた人の元の居住地の市町村長の負担または支弁となつておりました従来の規定によりますと、この支拂いが非常に遅れる、またきわめて不確実であるといつたような状況からいたじまして、施設のない市町村におきまするところの、施設に入らなければならない要保護者に対します保護に欠くるところができるといつたような関係から、これに対する繰替支弁の規定を設けまして、その点において遺憾のないようにいたしました。この点は法案第七十二條にその規定を設けたのでございます。
 以上申し上げましたところの七つの事項のほかに、従来政令以下で規定してあるました各種の規定を法律に掲げまずと同時に、その内容におきましても若干の改善を行つてございます。例をあげて申しますれば、第三章の保護の種類及び範囲という点におきまして、従来の法案におきましては、保護の種類というものは法律に規定いたしましたけれども、保護の程度及び方法は勅令でこれを定めるということに規定いたしてございまして、その内容につきましては、政令以下を見なければ明らかでないといつたようなことになつておるのでありますが、保護におきまして、最低限度與えるものはどういうものであるかという点を、法律上明らかにいたしました。法案の第十二條、第十三條、第十四條、第十五條、第十六條、第十七條、第十八條というのは各種の扶助の内容、範囲を明らかに規定しております。なおその実施の方法につきましては、法案の第十九條以下に規定しますと同時に、その方法については第五章保護の方法という章を設けまして、第三十條から第三十七條までの間に詳細なる規定を設けたようなわけであります。これらの点は従来勅令以下に譲られておつた規定でございます。こういうようなものを法律に規定いたしまして、法律によりまして、その権利の内容を明確化することにいたしたような次第であります。
 大体以上申し上げましたような点におきまして、その改正をいたしたものでございますが、この法案におきまして特に重要な点は、第一章の総則と第二章の保護の原則でございまして、ここに書いてありますようた、この保護は国民の権利でありまして、無差別平等にこれを受けさせるということが第二條にございます。それから保護の程度は、健康で文化的な生活水準を維持することができるものである、ということを明らかにいたしました。なお従来におきましては、もとの生活保護法の第二條及び第三條におきまして、第二條に特にこの保護をしない場合を規定いたしたのであります。従来は「左の各号の一に該当する者には、この法律による保護は、これをなさない。一能力があるにかかはらず、勤労の意思のない者、勤労を怠る者その他生計の維持に努めない者。二素行不良な者」これらの者につきましては、この法律による保護はしないという規定を設けたのでありますが、こういう積極的に保護をしないという規定を不明確なる内容のものといたしまする結果から、合理的な、保護を必要とします者が保護を受け得ないといつたような実態がある状況にかんがみまして、これらの点をこういう積極的な規定をやめまして、そのかわりにこの法律案におきましては、この法律に定める要件を満たす限り必ず保護を受けることができるという規定をいたしますと同時に、ただこの法律にあります保護は、国民の最後のよりどこであるという点を明らかにいたしますために、第四條におきまして、保護の補完性――この生活保護による保護が最後の補足的なものであるということを明らかにいたしたような次第であります。この点は今度の法案においては「保護は、生活に困窮する者が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することを要件として行われる。2民法(明治二十九年法律第八十九号)に定める扶養義務者の扶養及び他の法律に定める扶助は、すべてこの法律による保護に優先して行われるものとする。」という規定を設けてこれにかえたようなわけでありまして、これによりまして、とにかく保護を受けられないようなことがないように考慮いたしたわけであります。
 大体以上がこの生活保護法の改正案でございまして、もし必要がございますれば、逐條的に御説明申し上げることにしまして、一応これをもちまして、私の説明を終りたいと思います。
#4
○堀川委員長 それでは質疑は通告順に御指名いたします。丸山君。
#5
○丸山委員 二、三お伺いしたいことがあります。実はまだ少し研究が足りませんので、第二十九條の、「要保護者又はその扶養義務の資産及び收入の状況につき、官公署その他適当と認める者に調査を嘱託し、又は銀行、信託会社、要保護者若しくはその扶養義務者の雇主その他の関係人に、報告を求めることができる。」ということがございますが、「その他適当と認める者」というのはおもにどういうことを御予定になつておりますかということと、この條項をつくられましたのは、保護を決定するのに、その保護を受けるに該当するかどうかということを審査するために、その者が預金を持つておらぬかとか、あるいは信託会社に預金を持つておらぬかというようなことを調査する必要があるからだろうと思います。が、そのほか適当と認める者がはたして銀行に報告を求めても、銀行はその法的に適当と認める者に報告しなければならぬ義務規定があるのかどうかというようなことを、ちよつとお伺いしておきたいと思います。
#6
○木村(忠)政府委員 この第二十九條を新たに設けました趣旨は、従来は保護をいたすか、いたさないかということにつきまして、政府の方の一方的な行為ということに相なつておりました関係から、その調査が不十分な場合には適当に処置することができたのでありますが、今度の法律によりますると、その権利義務の関係を明確にいたしました関係上、保護をいたすにつきましては、その保護を受けまする者の家庭の状況、扶養義務者の実情、あるいはその他の資産の状況、あるいは收入の状況というものを明確にいたしませんと、その権利義務の関係が明確にならないわけでございます。従いましてこの調査につきまして、法律上これを要求して、その要求に対して必ず正当なる報告をなさせるということをいたさなければならないということに相なりまするために、この規定を設けまして、ここに書いてございまする通りに、資産收入の状況を知つておるべき者につきましては調査の嘱託をし、それから銀行とか、信託会社というような資産の状況を明らかにし得るものにつきまして、報告いたす義務を負わせるということにいたしたのでございます。適当と認める者はどういうものがあるかということにつきましては、私今明確にお答えはできませんけれども、大体これにつきましては考えはあるのでございますが、私ちよつと失念いたしておりますから、別にお答えいたすようにいたしたいと思います。
#7
○丸山委員 ただいまの御答弁はちよつとピントがはずれておる。その條文をおつくりになつた趣旨はよくわかるのです。ただ富公署はある権限をもつて銀行の預金等を調査することができるかもしれないが、その他適当と認める者は、銀行から報告を求めるところの権利が、この法律によつてできるかもしれないが、銀行には、個人の預金は何人にでもかつてに漏らしてはならぬひとつの義務があります。そういう義務を解除する、これもできると局長は認めるのか。一体どんな資格の者がどんな方法で求めた場合に、銀行はその義務を免れるかという、その権利義務の関係を聞きたい。
#8
○木村(忠)政府委員 その点は後段の、「銀行、信託会社、要保護者若しくはその扶養義務者の雇主その他の関係人」という方で、大体その財産について明らかにいたすことができるものについては報告を求めることができる。これは報告を請求する権利がこちらにある。これに対しては報告しなければならぬということに相なるという考えでございます。
#9
○丸山委員 なお私には不明確なのでありますが、そうすると、その他適当と認める者がどんな者で、どんな資格をお與えになるか知りませんが、それが県知事か市町村長が、お前は適当と認めるから調べろという命令を出す。するとその人間が、まだ法的の辞令をもらつたものでも何でもないのに、だれの預金は幾らあるか教えろ、報告せいと言つて行つても、銀行ははたしてそういう者に預金の実情を説明しなければならぬ義務があるのか。あるいはそういうものを漏らすことは、場合によつたら、銀行としては多少責任を問われるようなことが起らぬかということをただ心配するのでございます。
#10
○木村(忠)政府委員 前の「調査を嘱託し」というのは調査を嘱託するのでございます。あとの方の「報告を求めることができる」というのは、銀行、信託会社とはつきり書いてございますから、これによつて報告を徴することができるわけでございます。
#11
○丸山委員 銀行は報告しなければならない義務が生ずるわけでございますか。
#12
○木村(忠)政府委員 法律上求める権利ができれば、この規定に従いまして報告する義務が生ずるわけでございます。
#13
○丸山委員 なおお伺いいたします。五十四條で、先ほど御説明がありましたように、生活保護法に関する医師の診療内容が不適当であると思われるむのがあるということは、私は十分承知しております。これを審査する必要があるということも、もちろん私としても何ら疑いはないのでありますが、ただこの審査する方法でございます。審査する方法は、この五十四條に示されておるところによりますと、都道府県知事が審査するため必要と認めたときは、「指定医療機関の管理者に対して、必要と認める事項の報告」を命ずる。これはよくわかりますその次でございます。「当該吏員に、当該医療機関について実地に、その設備若しくは診療録その他の帳簿書類を検査させることができる。」ということになつております。この当該吏員という意味はどういう意味でございましようか。これは医学的の知識のない当該吏員などというものが、診療録などを見るというような場合になりますと、かなり混乱を生じて、知識の不足のために誤つた観察をするということも起るかと考えます。それから大体診療録、診療報酬の請求書を審査する必要があると考えるのでありますが、それはどこにございますか。また診療報酬請求書を審査するとなりますと、その審査機関はどういうふうになりますか。ちよつと御説明を願います。
#14
○木村(忠)政府委員 診療報酬請求書の審査の方は、第五十三條の方で、「診療報酬を審査することができる。」あれでできるかと思つております。その方法、機関につきましては、現在ではやはりその審査の機関を特別につくりまして、現状といたしましては任意的にやつておる状況でございます。大体それを引継いでやることに相なるのではないかと思つております。これにつきましては、各県の実情によりましてそれぞれ異なつておるのでありますが、現在やつておりますのは、医師会に嘱託しておる場合もございまするし、健康保険の関係の方に嘱託しておる場合もございますし、それぞれいろいろな方法でやつておるようでございます。これにつきましては適当なそういう機関を使うようにいたしたいと考えております。
 それから次の当該吏員が検査する場合につきましては、これはお話の通りに、やはり医学的の知識がある者でなければその検査はできない、仰せの通りでございまして、これにつきましては適当なる職員を置きましてやります場合と、それから適当なる職員に嘱託いたしましてやらせる場合、この二つがあるのじやないか。これにつきましては、御説の通りに、この規定が濫用せられないように、十分注意しなければならないというように考えておる次第でございます。
#15
○丸山委員 審査はいろいろであつて、まだほんとうにしつか。どういう機関を設けてやるということのお考えがはつきりきまつておらぬように、今の御答弁で承知したのでありますが、これはこの法に、何らかの診療報酬審査機関を設けるという規定を入れる必要はないでありましようか。私はこれが必要であると考えます。そうして、審査員はどういう者を任命するかというような規定が、ここに一つ入る必要があるように考えます。それから当該官慶と申しまするが、医師たる当該官吏というよづなことを、何らかそこに規定がありませんと、ただこれだけでは、県知事がどんな当該官吏を使つてもよいということになります。そうすると実際の運用にいろいろな障害を生ずる危険があると思いますが、それをお入れになろうというお考えはありませんか。
#16
○木村(忠)政府委員 この点につきましては、大体健康保険の規定にならうものであるというように私は記憶いたしております。
#17
○丸山委員 しからば健康保険法のどこによるというようなことを、どこかにおうたいしてくださいませんと、ちよつと都合が悪いかと思います。
#18
○木村(忠)政府委員 健康保険法の規定に、同じような規定があつたように私は記憶いたしておるのでありますが、間違つておるかもしれませんが、大体そのつもりでおりまして、お話の通りの趣旨にやりますようにいたしたいと考えておるのでございます。
#19
○丸山委員 そうすると診療報酬審査機関とか健康保険の診療協議会とか、いろいろ規定がございますが、そういう規定を新たにおつくりになるということはお考えになつておるわけですか。法の中に入れるか、あるいは別にその規定をおつくりになるかということは、もうすでにお考えになつておるわけだすか。
#20
○木村(忠)政府委員 これにつきましては健康保険の方に委託した方がいい場合と、そうでなくて別にできる場合があるので、地方の実情に応じてやるようにいたしたいと、現在のところは考えておるのでございますが、これにつきましては十分検討いたして見たいと考えております。
#21
○丸山委員 また御検討になるという御意思でございますと、先からのお話にありましたように、この法案がこのままでなく、なお変更があるかもしれないとおつしやいましたが、そうするとそういう点においてもなお変更があると了解してもよろしゆうございますか。
#22
○木村(忠)政府委員 この法案につきましては、変更があると申し上げましたのは、アプルーヴアルを受けますときに、修正してアプルーヴアルがあるかもしれないということを申し上げたのであります。この案の内容でもつて、向うにアプルーヴアルを求めておるような次第であります。こちらでもつて考え直すということは、ただいまのところではできないという情勢になつておるのであります。
#23
○丸山委員 これをお直しになる御意向がないとすれば、ちよつとおかしいと思うのですが、診療報酬審査機関か健康保険の検査機関に委嘱するとか、あるいは別につくるかもしれない。その実情に即してやると、こうおつしやいますが、別におつくりになります場合には、そこに何らかの規定が必要だと思います。別にそういう審査請求書を審査する機関をおつくりになるならば、当然その機関をつくる規定をおつくりになることが必要なのであります。規定がなくてそんなものはできるはずはないのであります。従つて法令かどこかになくちやならぬと私は考える。その点についていかがお考えになりますか。
#24
○木村(忠)政府委員 こまかい問題でありますので、私ちよつとはつきりお答えいたしかねますが、大体現在ではこういう規定なしにやつております。その関係上いろいろな方法をとつておるわけでございますが、これにつきましては審査機関をはつきりつくるということになりますれば、規定はどうしても設けなければならぬことになるだろうと思います。ただこの規定を何でつくるかということは、法律でつくりますか、政令でつくりますか、政令でも省令でも、あるいはまた府県の條例でもできる。どれにいたしますかということにつきましては、十分に研究していたしたいと思います。
#25
○丸山委員 そういう機関をつくるのは、政令でも省令でもできるとおつしやいますが、そういう機関をつくつて、それに審査させるということが、法令の中で必要だと私は考えるのであります。どうしても必要だと考えます。現在行われております審査規定はないのでございます。ないがゆえに便宜上、健康保険の審査委員会に委託したりなどしてやつておるわけなのであります。これが問題を生じなければよろしゆうございますが、そういう法的の権限のないものに、便法をもつて審査さしておりまして、それに異議を生じた場合には、異議の持つて行き場がないというわけです。それに対抗するこができない。そういうことが起つて参りますので、すみやかに法の中に審査機関というものをつくる。その内容については政令でも省令でもできるかもしれないがつくる。それが審査をするのだということは、どうしても私はこの中に入れておく必要があると感じますが、いかがでございましようか。
#26
○木村(忠)政府委員 そういうことに対する答えは、私ども先ほどから申しました通りに、こまかいことに対しまして、ちよつとはつきりいたしておりませんから、別にお答え申し上げるということにいたしたいと思います。
#27
○丸山委員 では打切ります。
#28
○堤委員 ちよつと私は局長にお尋ねいたしますが、この案をわれわれが審議して、そうしてOKをおとりになる前に、こちらの意見を新たにつけ加えるということを全然なさらない意図なんでございましようか。少くともそこをはつきり聞かぬと……。どうも先ほどから聞いておりますと、入れてもらえぬようでございます。それだつたらやつておることが何ら意味がございませんから
#29
○堀川委員長 ちよつと速記をやめて……。
    〔速記中止〕
#30
○堀川委員長 速記を始めてください。
#31
○堤委員 これの改正はけつこうなんでございますが、私はこの案が出されましたならば、ひとつぜひお願いしたことがあつたのです。と申しますのは、第五国会以来社会局長自体もずいぶんお聞きになつていられると思うのでありますが、非常に母子世帯の問題がやかましくなつて取上げられ、大きな社会問題になつておりまして、今までの母子保護法並びに児童福祉法によつて、これらの人を救い得ておらない。これは世論も現実もはつきり物語つておりますので、生活保護法をどうせ御改正になるならば、特定の未亡人母子世帯のために法律ができないとしたならば、当然この改正の中に入れてもらわなければ、私は大きな手落ちではないかと考えております。この中に教育扶助、住宅扶助などが切離してうたわれたのはけつこうでございますが、私はさらにこれに未亡人母子世帶いうものに対する特定な但書でもいいから入れてもらいたいという希望を持つておるわけですが、これにはそういつたお考えは何ら入つていないようでございますが、その母子世帯に対して局長は何らお考えを入れずにやられたかどうか。そのことをちよつと聞きたいのでございますが……。
#32
○木村(忠)政府委員 未亡人母子世帯に対します扶助といたしまして、特別なる規定をこの中に設けるかどうかという点でございますが、御承知の通りに現在のすべての生活保護、最低生活の扶助というものは、無差別平等ということが原則に相なつておるのでありまして、従いまして特殊のものに対しまして、特別なる保護をするということを法律上書きますことは、まず現在のところでは、母子の保護法をつくることができないと同じ理由でできないと申し上げなければならないと思うのでありまして、ただ実際の法の運用といたしましては、各種の世帯で必要といたします最低の経費というものは、必ずこれを交付しなければならないということになるのであります。母子世帯として特別に必要な経費ということが、当然に考えられる場合におきましては、これをその基準の中に入れなければならぬということになるわけでございます。その点につきましては、そういう基準を設ける場合におきまして、その点を必ず考慮に入れてしなければならぬということになるわけであります。現在母子世帯につきまして、特に母子世帯でありますために多く経費が必要であるということは、生活費としては考えることが困難ではなかろうかというふうに思つております、母子世帯であるからして、そのものに特別に余計に生活費がかかるということは考えられないのじやないか。こう考えますので、生活の扶助といつた面におきましては、特に母子世帯についてどうこうということは困難ではないかと思つております。
#33
○堤委員 いつも母子世帯の問題になりますと、政府委員の方では、特に無差別李等をお出しなります。無差別平等という言葉はよくわかるのでありますけれども、今局長がおつしやいますように、母子世帶なるがゆえに、母子世帶なるがゆえの特別の費用を、人並み以上のものを受けたいというところの要求でなしに、人の人たるに値する、健康で文化的な生活をしていない母子世帯が多いから、現状に即して、これを優先的に取上げられるのがほんとうではないかというような考えは、常識であると思うのであります。私が主張しております母子なるがゆえに、一定の費用を、この生活保護法の中でもつて補助をやれと言うのでなしに、非常に今まで方々に彷徨しておりました母子世帯というものを、特にこの中にうたつて強調してやる必要があるのじやないかということを言つておるので、むりやりにそういう解釈をせずに、この未亡人母子世帯というものを救つてやらなければいけないという意味で、どうか一度考え直していただきたいと思いますが、いかがでございましようか。
#34
○木村(忠)政府委員 未亡人母子の点におきまして、もし援護を受けなければならない者があつて、援護をせずにおるといつたような状態でありましたならば、それははなはだ遺憾なのでありまして、われわれとしましては、そういうものは絶対にないようにしなければならない。援護を要するものにつきましては、この法案によりますれば、当然すべて援護しなければならないことになつております。この法案によりますと、現在の生活保護法におきましても同様でございまして、この点につきましては、われわれとしましては、もしも保護を受けなければならないような状態にあります者に対しまして、保護しないということのないようにいたしたいと考えております。その点にかんがみまして、従来の生活保護法の第二條第一項に申しまする通り、つまり働きのない者に対して働かせて、もし働かない場合には補助しないといつたような規定、これの運用を誤りまして、そのために母子世帯で働くことが非常に困難をしまする者が、働かないために補助を受けないといつたようなことは考えられるのでありますが、それらの点は、今回の改正におきましては除きまして、なお扶養義務者があるといつたような関係で、その扶養義務を非常に重く見まして、その扶養義務を履行させる方法を講ぜずして、保護しないといつたような状態にありましたもの、これについても、今回の法案におきましては、扶養義務の規定について特別な考慮を抑いまして、これによりましてその生活保護法による保護を受けなければならぬ者に、いろいろな口実をもつて保護を與えなかつたということを、これからはできるだけなくするようにしたいと考えておるのでありまして、それらの規定によつて御心配の点は、相当拂拭されると考えておるのでございます。
#35
○堤委員 説明を承りましても、おつしやることがあまりはつきりわからないのでございます。結局のところ向うで裁決が下らなかつたらできない法案でありますけれども、母子世帯というものに対する向う様の認識が、非常に間違つているということを、社会局長はお気づきになつておるかどうか、非常に疑問に思うのでありますが、男女同権で、平等を與えられておりますけれども、日本の女の困難は、子供を抱えて、精神的に経済的に、社会を泳いで行くだけの、社会人としての能力がないという現実、この現実をはつきり認識すれば、当然これは法によつて保護されなければならないものであつて、この人たらのために特定の法が――社会保障制度が確立しますまでの暫定的な法として、できなければならないのがほんとうであります。どの法律も何らそれに触れてもらえないということは、私は健康で文化的な生活水準を維持することができない範疇の中に入つて、しかも今までの生活保護法、並びに兒童福祉法の実施によつて救われておらなかつたところの、またわれわれの常識で考えて見ましても、依然としてこの法律で行かれるならば、五十万世帯くらいは救われないと思うのであります。私はこの法律がせつかく改正されるならば、あくまでもこの未亡人母子世帶というものを特別に考えて、何か附帯條項を入れるなり、特定の條項を設けるなりして、この中にうたつてほしいということを――これはわが党の岡委員も同調しておるのでございますが、特にこれは申し上げて、なおこの要望を入れてもらいたいという気持を持つておるのでございますが、どうも社会局長さんのお考えが、未亡人母子世帯に対して、今日の輿論といい、現実に対して、あまりにも官僚的に行き過ぎなさつて、情状酌量、血も涙もないような行き方をなさるような気がしてしかたがない。実に答弁を聞いておりましても、そういう気分を覚えるのであります。もう少し何とか考えていた児かなければ、私はこの質問をやめるわけには行かないのです。
#36
○木村(忠)政府委員 未亡人母子世帯が非常に苦しいということは、私もよくわかるのであります。これに対します処置といたしましては、あらゆる法制はこれを適正に運用して、そういうことのないようにするのが当然ではなかろうかと思うのであります。私ども、決して未亡人母子世帯に対しまして、血も涙もないつもりはないのであります。私どもは実は先般も地方税法改正の委員会で――委員長、ちよつと速記をとめて下さい。
#37
○堀川委員長 速記をとめて下さい。
    〔速記中止〕
#38
○堀川委員長 速記を始めて下さい。
#39
○木村(忠)政府委員 そういうような点につきまして、極力除去して行くようにして行きたいと考えております。生活保護法におきましては、何か母子世帯に対して特別な扶助を與えるということが考えられる限りは、これを取上げて書ことは、法律上きわめて困難じやないか。母子世帯に対する特別な援護の方法を具体的に持つていない場合に、お題目だけを書くことは、法律としてはきわめて下体裁なものになつてしまうというように考えるのであります。それは何も意味もないことで、ただお題目的だということになりますから、適当ではないんじやないかと考えるのであります。ただ運用にあたりまして、特に弱い線におきまして遺憾のないように運用しなければならぬ。これはすべて運用の問題ではなかろうかと考えております。母子世帯に対しまして、特別不利益な條件を與えるといつたようなことは、法律においては極力除去するという考え方を持つて、そういう方面から母子世帯に対する援護の全きを期するというふうにやつて行きたいという考えで処置いたしておるのであります。その点は先ほども申し上げましたように、母子世帶につきましては、いわゆる実家があるとか、しうと、しうとめがおるといつたようなところで、実際に扶養してくれないにもかかわらず、扶養義務者がおるじやないかというので、一応扶助を打切られるというようなことがないようにするためには、扶養義務に関する規定を明確にいたしまして、扶養義務を行わせなければならぬ場合には行わせるようにする実際の規定を入れる。しかもそのかわり、扶養義務を行わせることができないような場合には、必ず扶助をするといつたような規定を設けまして、母子世帯に対します不利益な点を除去するといつたようにいたしたわけであります。
#40
○堤委員 この未亡人母子世帶の問題は、非常に大きな問題でございまして、生活保護法が救い得ておらなかつたということを、今までのいろいろな輿論をとりましても、また実際に母子家庭の叫びを聞いてみましても、実例として幾多上つておるわけなんです。それで私は、これは他党の厚生委員といけども――少くとも民自党の政調会あたりでも、この未亡人問題についてはずいぶん関心を持つておるようでありますが、左は共産党といわず、長野民主の各党でも、すべてこの未亡人母子世帯が、もう少し特定の法律か、生活保護法によつて救われなければならないということは、これは皆が認めるところだと思います。それでどうぞ皆さん方の御賛同を得て、未亡人母子世帯に対する――局長はああおつしやいますけれども、この中に附帶條件でも入れて、何とかここで救い上げ得るような方法を講じて、ここで救い土げてもらいたい。そうでなかつたらいつの日にか未亡人母子世帯が救われるであろうかという気がいたしますので、さらに強調いたします。他党の委員でこれに御同調の方は強調していただいて、大いにここでがんばつていただきたい。
#41
○苅田委員 私はきようはまたこまかい條文にいての十分な検討ができておりませんから、主として予算の面につきましてお尋ねしたいと思います。
 最初にお尋ねしたいのは、生活保護法で百五十三億五千三百七十万円、こういうふうに計上されておるのですが、これは社会局長が三月十日に参議院の厚生委員会でお答えになつたところを見ますと、昨年の五月より二・五%ふえたものとして計算した、こういうように御答弁になつておるように思うのですけれども、二・五%というのはどういう基準によつてこれをつくられたかということをお聞きしたいのでする
#42
○木村(忠)政府委員 生活保護費のうちで、生活扶助費の増額というものが二十五年の四月から二十六年の三月までの間、二・五%ずつ毎月増して行くという大体の計算でございます。二・五%はどういうところから来たかということは、非常にこまかい数字になりますから、一応の推定でございますが、従来の増加の数字のほかに、つまり従来の基準を上げなくても逐次増加いたしておる傾向があるわけでございます。これに対しましてことしの一月から米価が値上りになる。その値上りが幾らでありましたか、今はつきり覚えておりませんが、その値上りの最初の予定の比率を加えまして二・五%という数承を出したのでございます。従いまして一応の現在の水準としましては、現在程度に要保護者の数、並びに要援護者の生活の困窮度が増加して行く。それに主食の費用がふえただけふやして行くということになると、大体二・五%増というところでもつて予算が組み得ると計算いたしたのであります。これは毎月の金額というものを基礎にしてやつておるのであります。
#43
○苅田委員 そうしますと、算定の基礎になつておるのは、やはり昨年五月でよろしいのですね。
#44
○木村(忠)政府委員 昨年の五月を基準にしまして昭和三十五年の四身を推定いたしまして、それを基礎にして計算したわけであります。
#45
○苅田委員 そうしますと、ただいま政府が生活の扶助を與えておられる人員は総計どのくらいか、それから保護を要する人員につきましてお聞きしたいのです。
#46
○木村(忠)政府委員 現在の要保護人員は、一番最近わかつておりますのは十一月現在のものでありますが、この保護を受けております者が合計で百七十二万三千三百六十七人、これが私の方としましては、保護を受けております者、即要援護者、つまり要援護者は必ず保護を受けておらなければならないという見地からいたしまして、これが要援護者の数、また保護を受けておる者の数というように考えております。
#47
○苅田委員 ただいまの社会局長のお言葉で、私も大体本年度の百五十二億という総計の推定が、これでもつて十分か十分でないかということの大体の結論が出ていると思うのですが、ただいま保護を受けておる人員を保護を要する人員であるというふうに見ておるというお言葉と、それから現在與えられておる保護の基準が算定の基礎になつておる、こういう両方から考えまして、それではほんとうに現在保護を要する困窮者が全部保護を受けておるかどうか、これが一つの問題になると思うのです。それから現在受けておる保護によつて、これが現状では十分な保護かどうか。この三つの方面があると思うのですけれども、私どものごく簡單な資料から考えましても、現神は保護を受けなければならない人が、決して保護を受けていない。これは、その辺の路次に立つてお聞きになつても、至るところで出て来ると思うのです。こういう点について、あなたの方では保護を受けておる者と、保護を必要としておる人員と合致しておるのだというようにして計算したとおつしやいますが、局長自身も、保護を要する者は全部保護を受けておるという御認識かどうか。念のために一ぺんそのことをはつきりお聞きしたいと思うのです。
#48
○木村(忠)政府委員 先ほどの私の言葉が足りませんので、誤解をされたようでありますが、百七十一万二千三百六十七人というのは、昭和二十四年の十一月におきまする要保護人員であり、また保護した人員であると考えております。私どもの方といたしましては、実際に保護を要する者であつて保護しないということは考えられないということになつておりまして、そう考えざるを得ぬのであります。一応百七十二三千三百六十七人というのは、昭和二十四年の十一月をもつて、それだけ援護したということになるのであります。今後の問題としましても、これが増加するということは当然考えられております。この点を見込みましたので、結局二・五%を考えたのはその点からであります。決して慶援護者が今後増加しないということは、私の方としては考えておらないので、要援護者がだんだん増加する。この増加の状況は、現在の増加の傾向に従つてふえて行くというふうに考えております。
#49
○苅田委員 私は今後の増加の点は今問題にしてないのです。現状において保護を必要とする者が、全部救われておるかどうかという点について、再度お聞きしたわけであります。ただいま、現状ではそういうふうに脅えておるというお言葉ですが、それじや一つお伺いしますが、現在昨年の定員法とか公務員法とかによつて、職を奪われて失業者になつておる人がずんぶんいると思いますが、現在完全失業者が何人おるか。これに対して、政府の失業対策費によつてどれだけの人が就労しておるか。こういう点についてお答え願いたいと思います。
#50
○木村(忠)政府委員 完全失業という意味が、どういう意味でお尋ねになつておるのか私はよくわかりませんが、潜在失業までも含めての意味のお話か、含めないでのお話か、そこのところがよくわからないのであります。
#51
○苅田委員 完全失業というのは、日一時間も働かないといも意味です。
#52
○木村(忠)政府委員 一日一時間も働かないという人がどのくらいあるかという数字は、きわめて少い数字に統計上は相なつておると思います。労働省で調べております数字を見ましても、あまり大きな数字に相なつておりません。この数字がそうふえてもおらないと思います。従いまして生活保護を要する人がどうふえて行くかということは、ふえつつある傾向を見る方が、われわれとしては正確であるように考えております。大体その傾向をとりましてやつておるのでありますが、これももう少しいい方法が考えられましたらそれも考えてもいいと思いますが、私としましては現存はその程度のやり方でやつておるのであります。
#53
○苅田委員 私が言つておるのはそうじやないのです。あなたの立場は、あくまで現在行われておることが非常に完全に行われておるという仮定の上でこれをおつくりになつた。私が言つておるのは、現在生活の扶助を必要としておる者で扶助を受けていない。堤委員が一生懸命になつて母子家庭を入れてくれとおつしやるのも、この一つであると思いますが、その点をお聞きしておるわけです。今お聞きしましたところ、あなたの方では、今年になつて非常にふえた失業者のことは、今度の生活保護法でやつていらつしやらないことがはつきりして、実に驚いておるのですが、これは数がきわめて少いとおつしやいますけれども、これは官庁統計でも四十万ないし五十万と言つておるわけです。新しい失業対策費で救われていない者が六万、これは政府が言つておる。私どもはもつとたくさんいると思つておるが、そういうものは全然加わつていないわけです。それからこれは全部生活援助を必要とする人じやないかもしれませんが、それ以外に失業救済費でもつて、日雇い労務についておる人たちがたくさんあるのですけれども、その人たちは月に二十日働けば非常にいい。あとの日は働けない。しかもそういう人たちに対する生活保護法の適用は行われていない。あまり御存じないようですから一つ実例を申し上げます。これは私一人じやなく堤委員も一緒に、この暮に参議院会館で全部の婦人議員が、そういう日雇い労務者の陳情を受けたのですが、そのときの例であります。これは堤委員もよく御存じですが、これがたつた一つの例じやなく幾らもあるのです。その一つを申し上げてみようと思います。これは藤井いとさんという日雇い人夫で、文京区に住んでおる人、夫がぜんそくで働けない。子供が十歳、七歳、一歳の三人ある。その收入は日雇い労務で働いて月に三千円から四千円しかもらつていないのです。それで今では米とか、砂糖とかの配給を受けたら、すぐその場で売つて、いもを買つたりなんかして子供にも食べさせてやる。これでもどうにもならぬので、民生委員に対して保護を申請したところが、主人がいるからといつて相手にしないというのです。こういうのは一つだけじやない。読み上げればたくさんここにありますけれども、幾らもあるのです。こういう状態の者は、これは堤さんがおつしやつた母子家庭じやないが、夫がいても、こういうように悲惨な例がたくさんあるわけです。だからそういう実情を推測しないで来年度の計画をもし立てられたら、それで救われない人が、あとまで幾らでも残つて行くということですが、この現状がよいか悪いかということは、あなたは当局の責任者として、もつと実情を調べていただかないと、ただ形の上だけで百五十億にふえておるのだと言われたのでは、実際新しい改正の趣旨にのつとらないと思います。ただいま私が読み上げたような例が、あなたの方には全然ない。こういうようなお考えですかどうか。こういう例はたくさんあるだろうということをお考えになりませんか。
#54
○木村(忠)政府委員 私の申し上げ方が少し事務的でありまして、その点で誤解を受けましたのはまことに遺憾であります。現在の生活保護法の保護費というものが、はたして適当であるかどうかという点については、一つの考え方があるだろうと思います。つまり現在の基準の考え方をそのまま引延ばして行つて妥当であるかどうかということ、もう一つは、現在の基準を動かすということを考えたらどうかということであろうと思うのであります。現在の基準でもつて生活することがどのくらい苦しいかということは、私もよく知つておるのであります。この点については、たびたびこの席でも御質問を受けまして、いろいろと努力いたしておるのでございますけれども、まことに申訳ない次第でありますが、力が足りないために、いまだ基準が十分のところまで行つていないというような状況でございます。もう少し基準を高くすれば保護を受けられる者が、基準が低いために保護を受けていない者も、相当あるのではないかというふうに考えております。それからもう一つ考えられますことは、現在の……。
#55
○苅田委員 お話中ですが、今言つたのは五人家内でしよう。五人家内で四千円、五千円のものが、どうして保護を受けられないのですか
#56
○木村(忠)政府委員 大体五千円というのが五人世帯の現在の基準になつておりますから、五千円見当だと、基準の保護を受けられない場合もあり得るかもしれませんが、その点は正確な調査をしなければわかりません。大体五人世帯で五千円であれば保護を受けられないのが普通だと思います。
#57
○苅田委員 そうすると四千円の場合は、当然それに入るわけでしよう。
#58
○木村(忠)政府委員 その点につきましては具体的な例をお示しくだされば、調査いたさなければならぬと思いますが、ただ一方的にそこでお話をお聞きになつた分だけでお話がございましたのでは、私の方では具体的な例についてどうだということは申し上げられません。しかしわれわれとしては、一応漏れる者のないようにしなければならぬと考えておりますが、実際には漏れた者もあるかわりに、保護を受ける必要のない者で保護を受けている事例もあるだろうと思います。そういう者が現実にあるということは認めておりますが、一体それがどれくらいあるかということについては、私どもとしては制度としてやつておるのでありますから、一応ないということを申し上げなければなりません。しかし実際にはあるだろうと思つております。これについては先ほど申し上げたように、現在の保護のやり方というものについて、相当問題があるだろうと思います。今回の保護についても、要求すべきものは当然要求させ、要求した者で適当な保護を受けられない者に対しての救済手段を明らかに規定しようというふうに考えましたのも、その点を明らかにしたいという考えからであります。これについて泣寝入りになつておるという事例が具体的にございましたならば、私どもの方としては、ただちに適当な処置をとりたいと思つております。予算が十分であるかどうかという点については、ただいま申しましたように、具体的な問題については、やり過ぎておるものもあれば足りないものもあるというふうに考えられますので、一応現状を基礎にして、相当増加しつつあるものについては――相当増加しつつあるというのは、現在の失業の状況によつて増加しておるものもあるし、基準の引上げによつて増加したものもあるという意味でありますが、そういうものをにらみ合せて基準を引上げれば、どのくらいふえて来るかということの総額でやるより仕方がないと思つております。それで予算を組んだわけであります。御承知のように生活保護費の方は、足りなければ予算の範囲内で済ませるというものではないの戸ありまして、足りなければ追加予算を組んでやらなければならぬのであります。従つて現在の見込みとしては、一応百五十億程度でやるというようにしておるのですが、もしこれが運用の中途で急激に失業者がふえて来て、どうにも間に合わないということになれば、その場合はどうしても追加予算を要求して、これを十分なものにするという処置を講じなければなりません。そういうつもりで一応現在の基準では、この百五十億という積算が出て来たということを申し上げたのでありまして、これが十分であるか十分でないかということはやつてみなければわかりません。やりつつある間にもし足らなくなる見込みがついたならば、それに対して必要な処置をとるようにいたしたいと考えております。
#59
○苅田委員 ただいまの局長のお言葉の中で、私二、三確約をしていただきたいことがあるのであります。その一つは、現行の法律によつても生活基準に足りないものは、たとえば市町村の方で、国から来ておる予算にわくがないとかいう理由でなしに、これは今度全部権利としてかわつたのですから、権利として要求できると確認してよろしゆうございますか。これが一つ。
#60
○木村(忠)政府委員 新しい法律が通過して施行になりますればその通りでございます。それから通らなくても、国としてはやらなければならぬと考えております。
#61
○苅田委員 今の御答弁は、そうやつておるというのですから、当然これはすぐ実際に行われてよいのでございましようね。
#62
○木村(忠)政府委員 その通りでございます。
#63
○苅田委員 もう一つは、この法律によつてどんどん下から請求が行つて、どうしてもこの百五十億で足りない場合には、年度の中途でも追加予算を組んで、必要な人には必ずきめただけの援助を與える、これも確約なさいますね。
#64
○木村(忠)政府委員 その通りでございます。
#65
○苅田委員 次に私は基準のことについてお尋ねいたしたいと思いますが、現在の生活扶助の基準というものが非常に低いということは、社会局長もお認めになつたと思います。ところが今度新しい法律になれば、憲法の二十五條によつて、文化的な、健康的な最低の基準を権利として要求できるわけですが、あなたがお考えになる日本人の文化的な健康的な最低の基準というのはどういうものか。つまり一つ一つの條文をあげて言えばたくさんあるでしようが、たとえば食費なら食費、燃料なら燃料といつたよくわかるものだけでよろしゆうございますから、どういう基準で算定なすつたか、これを伺いたいのであります。
#66
○木村(忠)政府委員 現在出しております基準は、たびたび資料を差上げている通りでありまして、それでやつているわけであります。これがどの程度のものが妥当であるかということについては、どこにも正しい学説はありませんし、これが正しいものであるというものはないのでございます。われわれとしては、現在よりも逐次よくして参りたいというのが考えなのでありまして、これについては先般お話申し上げたような基準にまで引上げたいと思います。その内容についてはきようは資料を持つておりませんからしつかりしたことは申し上げられませんが、この前一応御説明申し上げたような率にまで引上げたいというのが、私どもの希望でございます。どこが最低の線かということは、線の引き方でございますから、われわれとしてはできるだけ高い方が当然であると考えております。もちろん高いと申しましても、国民全体の平均水準にまで引上げるというふうには考えておりませんが、適正なところまではぜひとも引上げたいというふうに考えております。しかしこれは財政力とも考え合せなければならぬことでありますので、現在ではこの前お示しいたしましたような内容のところまで引上げるように、今努力しておる最中であります。従いましてこれはそこまでなりました上で、今度は国民の生活水準というものがどうなつているかということを調べまして、さらに引上げる必要があれば引上げるということにいたしたいと思います。つまり最低基準でありますから、できる荘け引上げるのがいいのじやないかと思います。
#67
○苅田委員 大体東京都で四、五人家族で、今度引上げになりますと五千四百円ですか、五百円ですか。
#68
○木村(忠)政府委員 まだ正確に計算いたしておりませんから、幾らということは申し上げかねるのであります。この前に申し上げたのは六千何百円という数字を申し上げたと思いますが、そのときの数字では六千何百円という数字で、これは最近の物価の情勢から言いますと、もう少し下ると思います。それがどの程度下るかということは、正確な数学を持つておりませんから申し上げられません。
#69
○苅田委員 それは参議院でお答えになつておるので、これを見ればよくわかるのですけれども、もうお忘れになつたかもしれませんが、この次はぜひひとつ新しく引上げる基準になつておるものに沿いまして、食費が幾らか、あるいは住宅費を幾らに見込んであるか、あるいは燃料費は幾らであるか。これは大体日本人の最低の文化的な健康的な生活の標準となると私は思うのです。そういうものをぜひひとつはつきり資料を持つて来て御説明を願いたいのであります。それでなければ今度の改正法案は、もうこの第一の章からうそを言つておることになると思います。ですからやはりほんとうに最低であつても、とにかく上野の浮浪者のようなのは文化的とも健康的とも言えないと思います。ですからその程度のものは、やはり法律にきまつている以上は出してもらいたいと思います。第十章にはわざわざ予算の方は必要なだけ十分とれということが書いてあるのですから、ここの審議で、もうこれだけでは予算が足りないということになりますと、やはりこの法律を通す條件としては、それだけの予算はそろえていただきたいと思います。そういう点も、私どもの方で基準なるものを一々拝見をしまして、さらにこまかい点を申し上げたいと思つております。
 それからこれは直接あれに関係しないのですけれども、こまかい点ですが、予算に関係ある点を二、三お尋ねしたいと思うのです。今度は社会福祉主事というのができるということになつたわけでしよう。專任の官吏は今度は市町村長の補助機関として置くということになつた。そうしますとこの專任の官吏というものは、人数は何人ぐらいお雇いになるおつもりか。それについての給料はやはりこれは官公吏ですから、基準ベースがあると思うのですが、その給料はどのぐらいの額になるか。その給料は生活保護費の中から出すのか、それとも別途にお出しになるのか。その点をひとつ……。
#70
○木村(忠)政府委員 この点は社会福祉主事を置かなければならないということに町村には義務づけております。これにつきましては現在町村でその仕事をしておりまする者を、それに振当てるということにいたしたいと考えております。これに対しまして何人おるかと申しますと、現在町村が一万ばかりおりますから、一万人より多いことは間違いないと思つております。これに対する経費は、生活保護費以外でございます。現在生活保護費を考えることはいたしておりません。これは市町村が負担するということになつております。これにつきましては国から金が出ているわけではないの私といたしましては少くともこの事務を国の事務としてさせる以上は、市町村だけに負担させないで、国が相当の額を負担すべきであると考えておりますが、現在ではまだそれができませんで、現状といたしましては先ほど申し上げましたように、現在やつておりまする人に働いてもらう以外には方法はないのじやないか、こう思つております。ただ来年度といたしましては、全国に約三千人ばかり人を増員しようという考えでもつて、その準備は進めております。この点につきましては、予算に入つておりますので、これは現存の生活保護費とは全然別でございます。
#71
○苅田委員 これはただいま局長のお話にもあつたのですけれども、新しく專任の人を市町村にお入れになる。現在やつておるのが一万人ぐらいとすれば、主として民生委員が実情を調査して、現在やつている人は專任の人たちと一緒になつてやつて、さらに先ほど申し上げましたように、ほんとうにかけてもらわなくちやならない人が落ちているという状態がたくさんあるわけですから、それは現在やつている人たちだけでやれと言えば、現在以上に生活保護法の適用というふうなものが円滑に行かないということは、これはわかつているわけなんで、どうしてもこれはふやさなくては、この法律の改正をやられた以上は、うまく回転することはとうていできないと思うのです。そういうふうな改正がよい惡いということは、別に私は申し上げるつもりなんですけれども、きようは予算の面だけに限りましても、そういうものはぜひ別途国家から支給してもらうように、ぜひ予算をとつていただきたい。ただいまはそういうふうな御意向であつたのですけれども、私からもなお局長がそういうふうに、今後も折衝していただくことを特にお願いしたいと思います。
 それからもう一つ、これは先ほど人数の点で、やはりこの点ははつきり現在の要保護人員がどれだけあつて、今の実情に沿わないかということを、局長にはもつとよく私は知つていただきたいと思うのです。それで私たちもやはりそういう点を知りたいと思いますから、この次までに正確に現在完全失業者がどれだけいて、それから潜在失業者もわかれば――潜在失業者で一時働いている者でも定職がないというような人たち、そういう者がどれだけで、それからそれに対する政府の失業対策費が二十四年度は何万人分を救済しておつたか。二十五年度の失業対策費はどれだけで、それで何万人分をまかなえるかということを、調査して出していただきたいと思うのです。(「所管が違う」と呼ぶ者あり)所管が違うというお声がありましたけれども、そういうような明らかな生活の方途のない人たちのことを頭に入れないで、私はこの生活保護法案を立案するということそれ自体が、われわれに大きな不利だと思うのです。それだから委員の人たちも、それくらいの親切さをもつてこの生活保護法を勉強しなければならないと思いますから、ぜひその点を出してもらいたいと思います。
 それから直接生活保護法には関係ないのでありますけれども、社会局の予算の点で私ちよつと一、二不明の点を聞きたいと思います。民生委員の指導事務の強化に必要な経費、こういうのが計上されておるのですが、これは二十四年度は四千百万円ぐらい、二十五年度は千五百万円くらいで非常に減つているわけですが、どういうわけでこ、ういうふうに減つておるのですか。
#72
○木村(忠)政府委員 ただいまの資料の話でございますが、私の方でわかります範囲内におきまして調査いたしたいと思つております。失業者の数の取り方につきましては、非常にむずかしい問題でございまして、労働者の方でとつていただく以外には方法なかろうと思います。そちらの方に依頼いたしまして、できましてから差上げたいと思います。統計というものは自分でかつてにとるわけに行きませんから、結局労働省の方にとつてもらうより以外になかろうと思います。
 それから民生委員の費用が減つておるということですが、民生委員の費用はそう大して減つていないと思いますが……。
#73
○苅田委員 三分の一減つております。
#74
○木村(忠)政府委員 それは何かはかの費用で……。
#75
○苅田委員 民生委員の指導強化の費用です。
#76
○木村(忠)政府委員 それはおそらく今度の予算の編成を組みかえたものがございますから、その関係だと思います。はつきりした数字は申し上げられません。
#77
○苅田委員 ついでに、この次の御答弁になるかもしれませんが、私の質問したいことを申し上げておきたいと思います。この場で御返答が願えればなおけつこうだと思いますが、この民生委員の指導事務強化の経費というものは、参議院であなたがお答えになつているところによれば、民生委員の活動の経費と、民生委員の指導の経費の二つにわかれておる。そうして民生委員の指導の経費というのは、全日本民主委員連盟に依頼して民生委員手帳をつくつたりする経費だとお答えになつておる。それで私のお聞きしたいのは二つの経費、片方は明らかにこれは民生委員連盟に委託なさるのですから、昨年度の予算及び今年度の予算のうちでどういうふうな配分がなされておるか。ただいま御記憶ないですか。
#78
○木村(忠)政府委員 民生委員連盟に委託いたします経費は、本年度よりも明年度の方が若干減ると思つております。これは御承知かと思いますが、昨年の十二月以来有給職員に切りかえるという方針が立ちましてから、予算的に有給專任職員に対する経費をふやしまして、民生委員に対する経費が若干減つていると思います。
#79
○苅田委員 はつきりした数字はきようお持ちになつておりませんか。それでしたらこの次の委員会までに民生委員の活動に使つた経費と、民生委員の指導の経費というものの二十四年度、二十五年度の実際の配分と、それから二十五年度の計画とをひとつ持つて来ていただきたいと思います。
 それから社会局長は、実際の生活保護のために必要な実情の調査というものを、特に人数の点なんかでは講じていらつしやらない。ただいまの現在行われているのは必要な人は全部しておるのだということは、私はそういうことは言えないと思いますが、ちやんと予算はとつているわけでしよう。生活保護法を適用するための計画とか、調査の経費はとつてあるはずです。ですからこのたくさんの経費を、今まで何に使つておつたか考えざるを得ないのです。それだけの経費をとつておられるのだから、実際に国に分どれだけ保護を必要とする人がいるかということを、もう少し十分につかんでいただきたいと思います。この点はもしあなたの方でほんとうにそういうことまでわからぬというなら、この費用をどういうふうに使つておるか、お聞きしたいと思いますが、どうですか。
#80
○木村(忠)政府委員 私の方の調査を御信用にならないようでありますから、何と申し上げてよいかわからないのですが、私の方で一応調査いたしましたのは、保護が必要であるということを調査いたしまして、それの集計はできております。それによりますと先ほど申し上げました百七十二万三千というのが、その数字であります。そのほかに毎年一齊に保護者の生活状況を調査いたしております。その調査は持つておりますが、その数字にいたしましても、この数字より多いという段階になつておりません。従いましてこの数字が当てにならないとおつしやいますれば、調査したものが間違つておるということでありますから、私どもの方といたしましては、調査をいたしておれば、一応正しいと考えざるを得ないのであります。この調査の仕方等につきまして、いろいろ御意見もあろうかと思います。われわれとしましては、一応現在あります機関を使いまして、全能力をあげまして調査をいたした、そういうふうになつておるのであります。
#81
○苅田委員 先ほども局長は、実際には生活保護法を適用しなくてもいい者も適用されておるだろうし、しなくてはならぬ者も漏れておるだろうということをおつしやつたのですから、これは非常に正確だというふうにおつしやることは、局長の言葉自体としても矛盾があると思うのです。そういう不十分があるということをおつしやつたからには、ほかの方法ででも、そういつた不十分さを補うような調査方法も考えなくてはならぬじやないかと思います。これは意見ですから、とにかく私が申しました資料は、この次にお出し願いたいと思います。
#82
○堤委員 婦人代議士がこずらにくいことばかり申し上げますけれども、要するに私や苅田さんが強調いたしますことは、各市町村の末端に行きまして、非常にこれを訴えられるのです。市町村長は板ばさみになつておるということです。堤先生が来て、生活保護費はゆたかで十分な手が差延べられてあるとおつしやるけれども、末端の市町村の実情はこうだ、たとえば十件なら十件の要保護があるということを一つの字から出しましたときに、この家を嚴密に調べられて、国からの予算は三人分しか来ておらぬから、あとの七人は何とか條件をつけて削つてしまえというので捨てられる。だからこちらから実際にこれは要保護者であるというレッテルをつけて出しても、それは県庁、本省の予算で削られてしまつておるからという実情をるる訴えられるわけです。それで苅田先生のおつしやるように、実際にたくさん救われておらない。ですから局長の方では、今までの費用で救われておつた者だけで、すべて救われておると思つておられるかということをついていらつしやるわけで、私たちは生活保護法を御改正になるならば、一度各市町村から要求を出させて見て、五十件あつたら五十仲、百件あつたら百件そのままを厚生省の帳面に載せてみて、予算が幾らいるということを出して行かなければならないと言つておるのです。今まで要求の三分の一なり四分の一に削つて、ラジオがあるからやめておけ、あそこは千円働きがあるから差引けというような行き方でやつていて、百五十億今年の額がふえたと言つておられては調査にならぬということを苅田先生は強調しておられるのです。調査ということが先ほどから出ておりますから、ひとつ親心を出してもらいたい。生活保護法の改正にあたつては、当然四月一日以降になつたら国家は義務として追加予算でも組んで加えられなければならない必要もありますから、即刻予算の費用をそこにお使いになつて、ひとつ思う存分申請してみろ、今までは抑えられておつたけれども、押えられない数を報告してみろと言つて、五十件なら五十件そのままの人を帳簿の上に載せられたら、局長さんはびつくりして腰をお抜かしなさるほどたくさんあると思う。そうすれば百五十億というものは苅田さんがおつしやるように、決して多いものでないということがはつきりして来る。そこで初めて社会局の信用もできて、実際に即した相談ができると思います。きよう私は苅田さんを助けるようでありますけれども、社会局長はそこにポイントをつかんでいただいて、われわれ国会にそうした資料を見せていただきたいということを私はお願いしておきます。
#83
○木村(忠)政府委員 この際議論にわたりますことは申したくないのでありますけれども、町村の要求して来ました費用を三分の一、四分の一に削つたということは、私どもの方では一回もやつたことはありません。そういうことをおつしやる町村長がございましたら、その名前をおつしやつていただきたいと思います。これははつきりしたいと思つております。私どもの方としましては、各町村から集めましたものを集計いたしまして、大体それに近いものを出しております。三分の一、四分の一に削つたということは、とうてい考えられないことであります。むしろ私の方としましては、こちらから前渡ししてありますものを、町村の方が、あとから渡すように大分間を置いて出すというようなことは問い七おりますけれども、町村の方から言つて来たものをこちらで削つたとか、当然やらなければならないものをやつてはならないということは、私そういつた覚えも全然ありませんし、私の方の事務の方から、そういうことを聞いたこともありません。そういうことはあり得ないと思います。もしそういうことがあつたらお教え願いたいと思います。町村がはたしてそういうものを県に知らして、県から育つて来たものを削つたかどうかということを取調べたいと思います。
#84
○堤委員 私の方も水かけ論みたいになりますが、実際に講演に行つたときに、私の座談会に行つた席上で出た話なので、私の方の滋賀県野洲郡中里村の村長が言つておる。中に立つて非常に困つているということです。局長さんのおつしやいますのでは、余計に先のものをやつておるということですが、町村の方では、もらいたいものを頭をはねられて、三分の一、四分の一に削られていると言う。実際のところ泣きつかれているのですが、為政者として非常に間違つているかのごとく思われるのは残念だと言われるのは、観念の上において非常に開きがある。厚生省の奥で考えていることと、地方漁山村で考えていることに非常に違いができて来る。こういう点も私は考え直してもらわなければならない点だと思います。前もつてたくさん金をやつておるから余つているだろうという考えを持つていらつしやるような今の話なので、苅田先生の話場だとか私の話は、もちろん頭の中に入らないだろうと思いますが、これは実際にどこの市町村へ行つても言つておりますから、その点もう少し厚生省として御研究願いたいと思います。
#85
○青柳委員 この生活保護法の改正問題は、今度の国会におきまして、われわれの委員会が受持つ一番大きい問題であろうと存じております。われわれの発言する機会もこの後たびたびあると存じますが、本日はただ一つの点につきまして、御意見を承らしていただこうと存じます。私は日本の生活保護法は、他の各国に見ないりつぱな制度であると存じております。このことはひとり私が考えるばかりでなくて、世界的の権威者を網羅しての社会保障制度の調査団の勧告書の中にも、りつぱに書き上げてあるのでございまして、しかもこの日本に従前ございましたりつぱな生活保護法が、今回は他の手段によりまして最低生活を営むことのできない者は、当然に公の扶助を請求し得ることができるというような権利的な建前をとつておりますことは、従前ややもすると生活保護法の制度が恩惠的なものである、法律的に解釈いたしまして、法律上の反射的利益であると解釈されておりましたのを一擲いたしました、ほんとうに画期的なものでありまして、国民の権利として要求し得るということになりましたことは、憲法の第二十五條に即応いたす面から申しまして、非常にりつぱな、将来日本が打ち立てるべき社会保障制度のうちの公的扶助の面におきまして、相当このままに受入れてもいい制度であろうかとさえ私は存ずるのでございます。要するに私は制度そのものといたしましては、日本の生活保護法、現在また改正されようとしまする生活保護法は、世界に冠たるものであると存ずるのであります。先ほど来いろいろ御意見、御質問がございましたが、要するに運用の面におきまして、まだまだいろいろな問題があろうと存ずるのでございます。運用の面の問題として考えられますのは、それはいろいろ手続の問題もございましよう。また予算の問題もとざいましようが、私はこれを取扱う人、実施機関、こういうものが相当責任を持たなければならぬと存ずるのでございます。かかる意味におきまして、この保護の機関の問題につきまして少しく局長の御意見を承らしていただきたいと存ずるのでございます。先ほども局長のお話の中に、今度改正されたあかつきには、保護の実施をする責任と権限を明確にする意味をもつて、市町村長にはつきりした責任を持たすのである、市町村の事務に持つて行くの泥、しかもそのためには社会福祉事業というものを設けてそれに補助させる。そしてりつぱに市町村が責任をもつて、明らかな権限のもとにこれを実施するというお話でありました。従いまして局長のお話によりましても、民生委員というものはこれを協力機関とする、こういうことでございます。よくわかるりでありまして、保護の実施を市町村に全責任を持たずということははつきりした制度でありまして、非常にけつこうなことであろうと私は存じます。ただここに民生委員の制度でございますが、日本の今までの生活保護法が、あのイギリスの救済制度のように、惰民を養成するようなことにならなくて済んで来たのは、この方面委員、民生委員の方々のお力があずかつて非常に多いのであります。この方々が今回は協力機関ということに相なつて来るのであります。この点におきまして民生委員の方々の熱意を抑えてしまうというような制度になつてしまわないかということをおそれるのであります。ことにこの二十二條を読みますと、市町村長又は社会福祉主事から求められたときは、市町村長及び社会福祉主事の行う事務に協力する、こうあるのでございまして、この点につきまして今まで非常に功績のあつた民生委員の方々の、生活保護法に対する協力意欲を失つてしまうおそれがあると考えるのであります。その点について局長の御意見を承りたいと存じます。なおこの問題につきましていろいろな御事情もございましよう。御事情だよりましてあるいはお話にくい点もあろうかと存じますが、かかる際にいかにして民生委員の意欲、熱意を衰えさせないようにして民生委員を働かして行くかという点についての御意見を、承らせていただきたいのであります。
 なおもう一つ、市町村にはつきりとこの仕事を受持たせるということは、なかなかすぐに実地に現われて来ることがむずかしいのであります。それまでの間過渡期において、いろいろむずかしい事務運営上の問題が起るだろうと思うのでありまして、その間におきまする民生委員のお仕事というものは、相当注目すべきと申しますか、大きい問題だろうと存ずるのでございます。すなわち私のお尋ねいたしたいと思う点は、民生委員の熱意において、従前のように続けてこの事業をやつて行くか。将来は民生委員という制度はだんだん薄くなつて行くのでありましようが、その過渡期においてやはり民生委員の力を得なければならない点がありますので、そういう点につきまして心配があるのでございます。そういう問題に関しまして局長の御意見を承らしていただきたいと思います。
#86
○木村(忠)政府委員 この公的扶助事務の事項というものにつきまして民生委員のあり方でございますが、これは民生委員本来の性質から申しますと、壁間のヴオランテイアーでありまして、近隣のせわをやくというのが、民生委員本来の仕事であろうと思つております。それで現在の民生委員は生活保護法の事務に追われておりまして、なかなかいろいろな仕事をやつておられるのであります。ことに生活保護法の施行の方法、各世帯の必要なる生活の費用というものを計算いたしまして、それと同時にその世帯におきまするところの收入というものを調査する。またこれに対しまするところのほかの援助がどうなつておるかということも調査する。そういうふうにいろいろの調査をいたしましで、それを差引計算いたしまして、この家はどれだけの扶助をしなければならないという数字を出すのであります。この仕事は非常に事務的に煩雑な仕事でありまして、これが基準の改訂のたびごとにそういうことをしなければなりませんし、またその世帯の構成がかわりますたびに、そういう調査をしなければならない。またそこの世帯の收入がかわりますと、またそれを調査しなければならないということでありまして、その事務が非常にめんどうに相なつておるのであります。そういうめんどうな事務に追われまして、本来の民間のヴオランテイアーとしてのいろいろなせわをする面が、どちらかというと、やりにくなるということに相なりますので、民生委員さんのそういう事務的な仕事というものを、できるだけ省くようにしなければならぬというのが、従来からのわれわれの考えであります。そのためにはそういう仕事をしまする專任職員を置かなければならない。專任の職員を置くならば、その專任の職員はケース・ワーカーとしての適当な技術を持つた者を置くのがよいのでありまして、そういう者に公的扶助の仕事というものは、一応割振りができるという形に相なると思います。ところがそういうふうになりましても、專任の職員というものは事務的に見ますれば、結局ケースを幾つか負担する。六十負担するのがいいのか、百負担するのがいいのかということについては、いろいろ問題がおります。百ケースを一人が負担するということになりますと、一つの町村にケースが百ありますれば、一人のそういう專任職員を置くことができることになるわけであります。そこで町村の現在の状況を見ますると、各町村にはとてもこれだけのケースの仕事はない。なければ結局それだけの專任の職員を置くだけのことはないということになります。それから見ますると、兼任の職員を置くことになりまするし、またケースを百も持つておりますると、十分目の届かないところができて来るわけであります。たとえば援護しなければならないという人に援護の手を差延べなければならない場合に、知らずにおる。また町村に粗漏の点があつて、援護すべからざるものに援護するという点が出て来る。そういう点が出て参りますから、この調査をしまする場合に、いつもやはり要援護者の身のまわりを見ております者から助言を受けなければならないという必要があるわけであります。民生委員というものは、本来そういう援護を要しまする人々の身のまわりを、いつも世話しておる人でありまするから、そういう人々というものは今後ともやはり必要であります。そういう人に対しましては、こういう仕事をするものは協力態勢をとつて行かなければならぬ。その協力態勢を法律上の協力態勢にするかどうかという問題が、次に問題になるわけでありますが、現在の状況からすれば、法律上協力態勢をどうとるかということを明らかにする必要があるのじやないか。その場合におきましては、どちらが積極的に出なければならないかということになりますと、当然その責任を持つております市町村長側から積極的な極力を求めるべきである。こういう考え方からいたしまして、一応二十二條のような書き方をいたしたような次第であります。従いまして、民生委員の本来の働きにつきましては、今後ともますます活発な活動を希望しております。單なる生活保護法の執行の役員であるという面から離れまして、ほんとうに生活保護法が適正に施行されておるかどうかということを見守つて行く人というようになつてほしいと考えまして、今後ともそういうふうに指導いたして参りたいと考えておる次第でございます。そういうふうな趣旨でありまするので、この法文を規定いたしました精神につきましては、これを運営いたしまする場合におきましては、十分地方に徹底いたすようにいたしたいと考えております。
 なおこの実施でございますが、現在社会福祉主事として適当な者が全国におるわけではありません。全国の市町村の状況を見ますると、はなはだその陣容は貧弱なものであります。この陣容の強化につきましては、昨年来鋭意努力いたしておるのでありまして、さしあたり六大都市及びその他の十六都市、合せて二十二都市におきまして、專任の有給職員を根幹として生活保護法を運営するという態勢をとることによりまして、これがうまく行きましたならば、次にその範囲を逐次拡張して行くようにいたしたい。つまり具体的に仕事のやり方を指導しながら、この社会福祉主事の内容を充実さして参りたいと考えておりまして、その転換の際におきましては、やはりこめんどうながら、従来の民生委員さんに相当手伝つてもらわなければならない点があると考えております。また方向といたしましては、先ほど申しましたような方向に持つて参りたいというように考えておる次第であります。
#87
○青柳委員 やはり生活保護というような、こういう困つておる方に対して、いろいろあたたかい援護をするという仕事につきましては、ひとり事務的方面ばかりでなく、人と人との関係でもつていろいろとわかれもするし、いろいろの仕事をやつて行く面も多々あると思うのでありまして、民生委員さんの力をかりることも今後も必要でありますし、いわゆる社会福祉主事の教養についても、十全の御指導をお願いいたしたいと存じます。なおこの問題に関連いたしましても、また次の問題に関連いたしましても、次の機会にまた質問することにいたします。
#88
○苅田委員 民生委員の問題ですが、先ほどの私の質問とも関連いたしますので、さらに局長から確言を得たいと思つておりますが、当然適用される人が適用されなかつた場合には、全部これは当然適用せらるべきものだという御意見はわかりますが、そういうときに、そういう明らかな違反をやつた市町村なり、あるいは民生委員なりに対して、厚生省としてはその場合どういう責任ある態度をとりますか。伺いたい。
#89
○木村(忠)政府委員 非常な悪意をもつてやりました場合におきましては、適当な処置をとらなければならぬと思います。ただ調査が粗漏であつたとか、あるいは何というか、指導のやり方が円満に行かなかつたというような点につきましては、できるだけそういうようなことのないように、指導するようにいたして参りたいと考えております。
#90
○苅田委員 それで一般的に生活保護の適用をしてもらおうと思えば、いろいろの点でおつかいものをしなければならぬ。たとえば生活困窮者でありながら五百円、六百円というものを持つて行かなければやつてもらえないというのがたくさんあります。そういう場合にはどういう処置をとりますか。
#91
○木村(忠)政府委員 そういうことがあれば、これは完全に悪意を持つておりますので、何と申しますか、やめていただかなければならぬと思つております。
#92
○堀川委員長 本日はこの程度で散会いたします。
    午後四時二十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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