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#1
第074回国会 公害対策及び環境保全特別委員会 第2号
昭和四十九年十二月二十五日(水曜日)
   午前十時二十八分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十二月十八日
    辞任         補欠選任
     大谷藤之助君     山内 一郎君
     園田 清充君     片山 正英君
 十二月十九日
    辞任         補欠選任
     片山 正英君     金井 元彦君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         鶴園 哲夫君
    理 事
                森下  泰君
                山内 一郎君
                栗原 俊夫君
                内田 善利君
    委 員
                井上 吉夫君
                金井 元彦君
                菅野 儀作君
                藤井 丙午君
                宮田  輝君
                久保  亘君
               目黒今朝次郎君
                矢田部 理君
                小平 芳平君
                近藤 忠孝君
                三治 重信君
       発  議  者  栗原 俊夫君
       発  議  者  内田 善利君
       発  議  者  近藤 忠孝君
   委員以外の議員
       発  議  者  市川 房枝君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (環境庁長官)  小沢 辰男君
   政府委員
       環境庁長官官房
       長        信澤  清君
       環境庁企画調整
       局長       城戸 謙次君
       環境庁自然保護
       局長       柳瀬 孝吉君
       環境庁大気保全
       局長       春日  斉君
       環境庁水質保全
       局長       大場 敏彦君
       資源エネルギー
       庁石油部長    左近友三郎君
       消防庁次長    森岡  敞君
   説明員
       環境庁企画調整
       局環境保健部長  橋本 道夫君
       水産庁研究開発
       部長       佐々木輝夫君
       海上保安庁警備
       救難部長     山本 了三君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事の辞任及び補欠選任の件
○大気汚染防止法の一部を改正する法律案(栗原
 俊夫君外三名発議)
○継続審査要求に関する件
○自動車排ガスの昭和五十一年度規制完全実施に
 関する請願(第一五四号)(第一九一一号)(
 第一九六四号)(第二一〇四号)
○国の公害行政の抜本的改善に関する請願(第二
 四五号)(第一三三九号)(第一四七〇号)(
 第一九六一号)(第一九六二号)(第一九六三
 号)(第二〇六四号)
○平林寺周辺の自然を破壊する日本住宅公団の大
 規模分譲住宅建設反対に関する請願(第二〇〇
 〇号)
○公害及び環境保全対策樹立に関する調査
 (自動車排出ガスの昭和五十一年度規制に関す
 る件)
 (三菱石油株式会社水島製油所重油流出事故に
 関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(鶴園哲夫君) ただいまから公害対策及び環境保全特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 大谷藤之助君、園田清充君が委員を辞任され、その補欠として山内一郎君、金井元彦君がそれぞれ選任されました。
#3
○委員長(鶴園哲夫君) 理事の辞任許可についておはかりいたします。
 原文兵衛君から文書をもって理事を辞任したい旨の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(鶴園哲夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(鶴園哲夫君) この際、理事の補欠選任を行ないたいと存じます。
 ただいま許可されました原君の理事辞任と、大谷君の委員辞任のため、理事に二名の欠員が生じております。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(鶴園哲夫君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に森下泰君、山内一郎君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#7
○委員長(鶴園哲夫君) 小沢環境庁長官から発言を求められております。この際、これを許します。小沢環境庁長官。
#8
○国務大臣(小沢辰男君) 先般環境庁長官を拝命いたしました小沢辰男君でございます。一言ごあいさつを申し上げます。
 今日、国民は公害のない快適な生活環境、美しい国土を強く求めており、環境問題は政治の重要な課題の一つでございます。また、環境行政は、国民の健康の保護と生活環境の保全を第一義として、清浄な大気や水、美しい自然など豊かで恵まれた環境を確保し、これを後世の国民に伝えていくことをその最大の任務とするものでなければなりません。
 私は、このような認識に立って環境行政を推進してまいる決意でありますが、具体的に施策を進めるにあたっては、第一に、国民の声に率直に耳を傾け、その御理解と御協力を求めながら行政を行なっていきたいと考えております。
 第二に、長期的な見通しを立て、絶えず問題を先取りするようにいたしまして、あと追い行政におちいることのないよう万全を期さなければならないと考えております。
 当面する問題や来年度の予算編成につきましては、目下鋭意勉強をいたしておるところでございますが、幸いに元環境庁長官でございました三木総理がおられますので、環境行政につきましては非常に深い御造詣と強い熱意を持っておられるわけでございますので、総理の御指導もいただきながら、この重大な責務を全うすべく全力を傾ける所存でございます。
 委員各位の皆さまの非常に練達なまた豊富な経験をぜひ私どもに御指導賜わりまして、今後とも環境保全の問題に御協力を賜わりますよう切にお願いを申し上げましてごあいさつといたします。
    ―――――――――――――
#9
○委員長(鶴園哲夫君) 大気汚染防止法の一部を改正する法律案を議題とし、発議者栗原俊夫君から説明を聴取いたします。栗原俊夫君。
#10
○栗原俊夫君 私は提案者を代表いたしまして、ただいま議題となりました大気汚染防止法の一部を改正する法律案について、その提案理由と内容について、御説明申し上げます。
 現在、自動車の排ガスによる大気汚染は目に余るものがありますし大都市に住む人々、中でも交通量の多い道路から遠くない範囲に住む人々が、自動車の排ガスに含まれる一酸化炭素や、発ガン作用の強いベンツピレン等を含む炭化水素や窒素酸化物などによって重大な被害を受け、多くの人々が健康を奪われ命を縮めていることは、多くの医学者や科学者の指摘する否定すべくもない事実であります。
 中でも窒素酸化物は、光化学スモッグの原因物質の一つとして広範な国民に被害を及ぼしているだけでなく、肺など呼吸器系に対する発ガン作用のあることも明らかになっております。
 このように自動車の排ガスによって多くの国民が苦しめられ、命と健康を奪われているとき、政府は昭和四十七年十月五日の環境庁告示としてみずから決定した自動車排出ガスの量の許容限度の設定方針を、みずから踏みにじりかねない姿勢に変わっていることはきわめて重大であると言わなければなりません。
 しかも告示による設定方針が、技術的に不可能でないことは、すでに内外の多くの資料と科学技術者の示すところであります。
 かくも多くの命と健康が奪われているとき、もしも、窒素酸化物等の設定方針を大幅にゆるめ、実施を延期するとすれば、地球よりも重いはずの人間の命を、大資本家の独占利潤よりも軽く扱う暴挙であるというほかはありません。
 このような現状にかんがみまして、国民の命と健康を守るために、少なくとも四十七年十月の環境庁告示どおりに規制を実施することがぜひ必要であると考えるのであります、これがこの法律案を提出する理由であります。
 次に、この法律案の概要を申しますと、前述の告示どおり、昭和五十一年四月一日以後に生産される乗車定員十人以下の自動車の運行に伴い排出されるガスの平均値は、一キロメートル走行当たり、それぞれ、一酸化炭素三・一グラム、炭化水素〇・二五グラム、窒素酸化物〇・二五グラム以下となるようにしなくてはならないというものであります。
 以上が、大気汚染防止法の一部を改正する法律案の提案理由及びその概要であります。何とぞ慎重審議の上、すみやかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。
#11
○委員長(鶴園哲夫君) 以上で説明の聴取を終わりました。
    ―――――――――――――
#12
○委員長(鶴園哲夫君) この際、継続審査要求に関する件についておはかりいたします。
 大気汚染防止法の一部を改正する法律案につきましては、閉会中もなお審査を継続することとし、本案の継続審査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#13
○委員長(鶴園哲夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#14
○委員長(鶴園哲夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#15
○委員長(鶴園哲夫君) 次に、請願の審査を行ないます。
 請願第一五四号自動車排ガスの昭和五十一年度規制完全実施に関する請願外十一件を一括して議題といたします。
 これらの請願は、理事会において協議の結果一請願第二四五号国の公害行政の抜本的改善に関する請願外六件は議院の会議に付するを要するものにして内閣に送付するを要するものとし、請願第一五四号自動車排ガスの昭和五十一年度規制完全実施に関する請願外四件は保留することに意見が一致いたしました。
 右、理事会の申し合わせどおり決定することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#16
○委員長(鶴園哲夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#17
○委員長(鶴園哲夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#18
○委員長(鶴園哲夫君) 公害及び環境保全対策樹立に関する調査を議題といたします。
 まず、自動車排出ガスの明和五十一年度規制に関する件について、質疑のある方は順次御発言願います。
#19
○久保亘君 時間の関係できょうはあまり詳しく質問ができませんが、私がぜひ大臣のお考えとして明らかにしていただきたいと思っていますことば、自動車公害専門委員会が報告をまとめましてから、その後大気部会が開かれ、そしてこれはさらに中公審の総会の議を経るところまで進んできておると思うのでありますが、今後中公審の最終的な結論が得られる見通し、時間的な見通しですね、そして環境庁の告示のめどをどの辺に置いて進められるつもりであるか、まずそういう日程的な面でのお考えをお聞きしたいと思います。
#20
○国務大臣(小沢辰男君) 御承知のとおり、従来はそれぞれの部会で決定をいたしましたものを会長が総会にはかけませんで、答申として長官に提出をされたわけでございますが、今回の排出ガスの問題については、事の重大性と、いろいろな特に国民の関心の強い問題でございますので、総理の御意向等も受けまして、私中公審の会長と御懇談を申し上げ、中公審の会長自身も自主的にさらに慎重に審議をしたいというので、総会におかけになりまして、総会でいろいろ各委員から御意見が出ましたものでございますから、会長のお考えを中公審に申し上げながらも、なお総合部会に審査の場を移しまして、総合部会を開いて慎重に審議をするということになりまして、その総合部会を二十七日に第一回目お開きになるわけでございます。そこで非常に審議は十分尽くされた問題でございますので、二十七日の総合部会で結論を得ていただくのではないかと思いますけれども、これは私ども全く中公審の自主的な、真摯な御検討に待っておるわけでございますので、いま私どもが二十七日に答申が出るとかあるいは出ないとかという予測を申し上げるわけにいかないわけでございます。しかし、かりに年内に答申をいただくということができました場合でも、さらに告示という段階に至るまでには、いろいろ技術的に調整をとってまいらなければいかぬ問題がございます。この辺は事務当局から答えさしていただきますが、そのために答申をいただいた、すぐ告示になるというようなどうも手順にはすぐにはなかなかならない、やはり告示までに準備その他で一ヵ月ぐらいを要するんじゃないかというような見通しでございます。詳しい、なぜそうなるかということについては、技術的な点もございますので、もし御必要があれば、政府委員から答弁をさせます。
#21
○久保亘君 いま大臣のお答えの中で、この排ガス規制の問題については十分審議が尽くされたと考えているという環境庁の御説明のようでありますが、審議が尽くされたという見方も一つの見方としてあるのかもしれませんが、国民の側からいたしますならば、この審議はなお尽くされていないだけではなくて、いままでの審議の条件となってきたものに、前提となってきたものにかなり問題が多いという考え方も多く存在をしておると思います。
 それで大臣にお尋ねしたいのは、最近東京都が住民組織と共同で実施いたしました都内のNOの状態についてまとめて発表したものがございますが、大臣はこの調査結果については御承知になっておりますでしょうか。
#22
○国務大臣(小沢辰男君) 私御承知のように、着任しましてすぐ本会議あるいは予算委員会等で詳しく勉強する時間というものが非常に制約されておりまして、この件につきましては、大体のことば担当の局長から承っておるだけでございます。
#23
○久保亘君 その調査結果によりますと、環境基準に比べまして、東京都の調査地点における排ガスによる汚染の状況というものは、かなりひどい状態になっていることが、調査の数字の上からは明らかになっておるわけであります。だからこの問題はきょうは時間がありませんから、議論を深めることがたいへんむずかしいのでありますけれども、どこに視点を置くか、どういう角度からものを見るかということによって、この問題に対処するしかたが非常に違ってまいります。
 そこで小沢長官は初めて私はお会いするわけでありますから、ぜひお聞きしておきたいのは、これまでもことばの上では、いつでも国民の健康と生活環境を守るという立場から、排ガス規制の問題に対してはきびしく対処をするのだというのが環境庁の意見でありました。しかし、実際に中公審の審議の過程にあらわれたもの、またこの委員会における審議の過程であらわれてくるものは、必ずしもその立場が貫かれておらないという疑問を私たちは持つわけであります。それで長官としてはこの排ガス問題については、元長官の三木総理の指導も受けながらと言われたのでありますが、五十年規制に示された三木長官の、当時の三木長官の排ガス規制に対する姿勢というものをあなたも貫いて、そうしてき然たる態度でこの中公審の答申に対処をするのだ、こういうようなお考えを表明をしていただきたいと思うんですが、長官のこの問題に対する基本的なひとつかまえというのをお聞かせいただきたいと思います。
#24
○国務大臣(小沢辰男君) 私は三木内閣の閣僚でございますので、三木総理の御方針に当然従っていくのがあたりまえでございます。それが変わるようなことはございません。ただ、御承知のとおり、三木総理も参議院の本会議においても、あるいは衆議院におきましても、あるいは予算委員会におきましても、中公審というものが非常にあらゆる角度から、また各界の代表を網羅した構成でございますので、あらゆる角度から検討をされた結論については、これを尊重するという態度を総理が表明をいたされておるわけでございますので、当然答申が出ましたならば、その答申を尊重いたしまして、私どもは政府の方針を決定していくことになるだろうと思います。
#25
○久保亘君 いま長官がお述べになりましたような立場、それから今日までの検討の内容、そういうものを総合的に考えてまいりますと、中公審の結論というのは、何も十二月二十七日にこだわることはなかろうと思うのであります。私どもが仄聞するところでは、中公審の総会においては、おそらくかなり対立する討論が行なわれるであろう、こういうふうに聞いております。いろいろな意見がある場合に、この意見を一つのスケジュールでもって、この日までに無理やりまとめてしまうということではなくて、もし年末、特にせわしいときに、十二月二十七日に論議が尽くされない場合には、中公審自体の問題ではありますが、日程をそこで切らない、その点については環境庁としては御異存はありませんか。
#26
○国務大臣(小沢辰男君) 私ども中公審の自主的な御審議を尊重する立場でございまして、環境庁として中公審に早めろ、おそめろ、あるいはどうしろという内容についてまで干渉がましく御注文をつける立場にないわけでございますので、中公審の会長あるいは総合部会等でその内容によりましてどういうような態度をおとりになりますか、私どもいま今日、二十七日に出るだろうとか、延びるだろうとかいうような軽々にそういう点についてここで私が発言することは遠慮さしていただきたいと思うわけでございます。
#27
○内田善利君 いままでこの排気ガス規制の問題についてはいろいろ論議されてきたわけでございますが、私は現段階で三点にしぼって長官にお伺いしたいと思います。
 まず第一に、この自動車排気ガス規制については、何よりも優先して国民の健康を考慮すべきであると、このように思いますが、この点いかがですか。
#28
○国務大臣(小沢辰男君) それは当然だと考えます。
#29
○内田善利君 国民の健康が優先されるならば、たとえば東京都内におきましてぜんそく様被害者、こういう方々が現在まで過去五年なりあるいは七年なり自動車の排気量とともにどれだけその被害者が出てきたか、そういうことは環境庁のほうでお調べになっておると思いますが、この点いかがでございますか。
#30
○説明員(橋本道夫君) いま先生の御指摘のございました件につきましては、公害健康被害補償法の地域指定のための基礎調査において、四十八年度来調査をいたしまして、一部の地域について指定地域をしたところでございますが、その中でこの自動車の排気ガスの影響と明らかに分離することば現在の段階ではむずかしゅうございますが、ある一定の地域におきましては、慢性気管支炎等の有症値が高いということで指定地域にいたしたところがございます。
#31
○内田善利君 私もこの点については調査しておりますが、非常に憂慮すべき状態にあると思うのです。指定地域まで指定されてきた、ところが自動車排気ガス規制については後退、こういうことでは国民の健康をほんとうに第一に考慮してこの規制が考えられておるのか、非常に疑問なわけです。いままでいろいろなことを審議をしてまいりまして考えることは、いろいろ答弁を聞きまして考えることは、結局五十一年四月がやってきても五十一年規制に基づく自動車は出てこない、ということは、国民の健康、すなわち大気汚染の改善をすることは無理だと、そういう考え方に基づくと思いますが、その点いかがですか。
#32
○国務大臣(小沢辰男君) 私は今度の御答申がどういう形で出るか、まだ予測することはできませんけれども、もし大気部会で御決定のような答申であるといたしますと、あの大気部会での決定されました御意見の中には個々の自動車の排出ガスの規制と同時に、総量規制の点についてもいろいろときびしく御提言をされておられるわけでございますので、それらを総合的に対策として私どもは強力に進めることによって、健康を守る目的達成のための、環境基準に到達する努力は何とかやっていきたいものだと、こう考えておるわけでございます。おっしゃるように、中公審の答申がさらに慎重審議を続けているわけでございますので、四点について特に中心を対策に置いてやれという御意見等も大気部会では出ておりますが、そのほかにもあるいはいろいろ御意見が出てくるんではないかというふうにも想像されますので、答申をいただいた上で総合的に内閣としてひとつ真剣に取り組んでまいりまして、所期の目的を達成するように努力をしたい、かように考えております。
#33
○内田善利君 そうしますと、具体的には五十一年規制の自動車は、五十一年四月になっても走らないわけですから、いままでと同じような――大体自動車は二十年ぐらいもつ自動車があるわけですから、耐用年数二十年くらいになっておりますから、そういう自動車が走ります。そうしますとNOXO・二五グラムというのは、総量規制からいきますと大きなデータでございます。そうすると、自動車の台数を減らすとか、具体的に、そういうことも考慮されるのか。先日の委員会ではそういうことも含めて審議するという大気保全局長の答弁でございましたが、そういう自動車台数のこと、あるいは固定発生源対策、そういったものも考えて、これは後退した場合のかりの予想した質問でございますが……。
#34
○国務大臣(小沢辰男君) 大気部会の一応御意見の中には、御承知のどおり乗用車のみならず、ディーゼル車あるいは小型トラック等の規制の強化という項目やらあるいは低公害車の技術開発の促進という点あるいは交通総量の抑制という非常にむずかしい問題あるいは低公害車の開発と普及を促進するための税制上の格差によりまして、これらの促進をはかるとかいう御意見がまあついておるわけでございまして、そのための、この目的を達成するために、私どもは環境庁だけではなかなか処理できない、それぞれ所管の通産あるいは警察当局あるいは運輸当局のいろいろな協力を得ていかなきゃいかぬ問題ございますので、できましたら総理とも相談をいたしまして、これらの対策が総合的に行なわれるような協議の場を持っていきたい、そうしてそれによって各省の協力をひとつうんと強く実施の方向に向けていくように努力したいと、こう考えておるわけでございます。
#35
○内田善利君 次に、これは七大都市の自動車排出ガス規制問題調査団の報告によりますと、私は企業努力をちょっとお聞きしたいのですけれども、経常利益に対する広告宣伝費と経常利益に対する研究開発費、これ比較してみますと、トヨタの場合は広告宣伝費のほうは二二・一%ですが、研究開発のほうは二〇・一%しかない。日産の場合は経常利益に対する広告宣伝費は一七%ですが、研究開発費は一四・九%しかない。それから東洋工業の場合は広告宣伝費が四六・二%に対して研究開発費は二九・八%、こういうふうに……。本田技研の場合は多いです。三三・七%に対して六五・二%。これを見ますと、私は第二の問題として、四十七年にきめた段階から今日まで企業の努力は足らなかった、努力はなかった、それはやはり経済問題ペイの問題コストの問題そういうことで国民の健康が忘れられた結果こういう科学技術研究開発がおくれた、このように思いますが、この点いかがですか。
#36
○国務大臣(小沢辰男君) 私この問題まあ着任した日に大気部会の答申といいますか、部会が終った日でございまして、いろいろ説明を聞きまして、いま先生のおっしゃるような点もどうも開発努力が足らぬのじゃないかということについて、場合によったら企業だけが企業の採算で技術開発についてこの経費を、資本を投入しないというような形では困るから、何とか国民の健康を守るためなんだから、ひとつ国からも相当の技術開発について何らかひとつ強力に援助をして、早急に目的を達成するように努力をさすべきじゃないかという議論もいたしてみたんでございます。ところが、御承知のとおりOECDのPPPという原則にいろいろ抵触するような、直接に触れるようなことも出てまいりますので、しかし私は何らかの方法でそういう面を国としても国民の健康を守る上において、直接あるいは間接にこの技術開発というものをうんと進める努力をすべきじゃないかというので、いまその方法論について積極的に検討をいたしておるところでございます。
#37
○内田善利君 最後に、この問題は結局メーカーのコストベースといいますか、経済的な面に乗りかった行政の姿だと私は結論を持っております。最後に、日本の自動車の役割り、これは根本的に私は練り直す必要があるんじゃないか、検討し直す必要があるんじゃないかと思います。国土の単位面積当たりの台数でアメリカよりもずっと多いわけですから、それがアメリカの環境基準、環境保全を守るということと日本は同じというわけにいかないと思います。こういったことで、根本的にこの自動車の役割りについて検討が必要でないかと思いますが、この点についてお伺いして終わります。
#38
○国務大臣(小沢辰男君) 私も先生の考えに私個人としては非常に同調したい考え方でございます。いかにして自動車のそうした使用量といいますか、交通量を減らしていくかということについてはいろいろな方法もございますし、また所管官庁がそれぞれございますので、そういうような考え方をもちまして、できるだけ協力をさすように、環境庁主導型でひとつ努力してみたいと思います。
#39
○近藤忠孝君 自動車公害専門委員会、それから大気部会の報告がなされておりますが、すでに御承知のとおりマスコミも含めましてたいへんな不評でありますし、たいへんきびしい批判がなされております。この大きな後退に対して小沢環境庁長官はどんな態度をとるか。これは三木内閣の試金石でもある、そのようにいわれておるわけでありますが、なぜこのような疑惑が持たれておるのか、その理由は二つあると思います。一つは、この自動車公害専門委員会などの構成の問題が一つです。それからもう一つは審議状況でありますが、まず最初に構成の問題、委員の構成の点でありますが、これはすでに十一月二十五日の当委員会において、沓脱タケ子委員のほうから、専門委員である家本委員がメーカーの主張を忠実に伝えて、メーカーの代弁という形で、企業の利益代表であるというような露骨な発言をこの専門委員会において行なっている、こういう指摘がありました。それに対して環境庁側の答弁は、自動車産業の実態をよく知った人を委員に招くことは当然の責任であると考えると、こういった答弁があったわけです。どちらの見解が正しいのか。そのことはもうその後の事実の経過がはっきり示しております。たとえば自工会ですけれども、これ御承知のとおり、この専門委員会の報告が出ますと、これの緩和を求めるということを豊田会長みずから言明しております。いわばこれは圧力をかける側でありますね。さらにもう一つ十二月四日の朝日新聞によりますと、三日の朝に社長たちが、自動車工業会集まりまして秘密会議を行なって、「規制はあくまで一本立てとすべきで、規制値は走行一キロ当たりの窒素酸化物」「排出量〇・九グラムとするのが妥当」であるということで一致をして、「この線にそって四、五両日の中央公害対策審議会自動車公害専門委員会で主張する。」と、こういった記事もあります。これは家本委員をして主張させるということだと思うわけでありますが、現に専門委員会でその趣旨の発言をなさっておる、こう聞いておりますが、こういう事態について一体どうお考えになるのか、長官の御意見を聞きたいと思います。
#40
○国務大臣(小沢辰男君) 私は中公審の審議に対しまして、環境庁自身もあるいは政治的な圧力をかけるとか、そういうことは一切いたさせておりませんし、またいたさせない方針でございますし、当然中公審の審議に民間のいろいろな圧力が加わることについても一切許すことはできないと思っておりますので、私は先生おっしゃるような中公審の中で産業界の何といいますか、中公審という使命を忘れ、またその委員としての責任を忘れたような、そういう考え方、態度で進む委員は絶対におられないものと信頼をいたしておるわけでございます。で、もしこれだけ慎重に審議をしていただきました答申が出ました場合に、他の業界等のいろいろな御要請なりあるいは圧力はありましても、私はこの答申をあくまでも貫いて尊重していきたいという考え方でございます。
#41
○近藤忠孝君 そういう発言をする人はいないと確信するということでありますが、もしいたとすればこれはたいへんな問題であると、こういう御趣旨と理解いたします。
 さらに問題は、私どもこれは常識的に理解しますと、この新聞記事のとおり工業会で相談をして、その代弁者として出ていくというような、そんなことが行なわれておれば、逆に申しまして、専門委員会での審議状況はこの家本委員を通じて自動車工業会に筒抜けになっている、私どもはその点ずいぶんいままで指摘してまいりましたけれども、そういうことも十分考えられると思うのです。その点でこれは春日さんにお聞きしたいのですが、そういう事実があるのじゃないか、要するに国会に対しても国民に対しても秘密にしておった中央審議会専門委員会の審議状況が工業会のほうに筒抜けになっておる、そういうことはあり得るのじゃないか、この点はいかがでしょうか。
#42
○政府委員(春日斉君) まあ、筒抜けになるという、どういうことか、意味深長なおことばだと思うのですが、もちろん家本委員は自動車メーカーの副社長をなすっている自動車工学の専門家という立場で私どもはお呼びしておるわけでございます。したがいまして、われわれはいわゆる学術経験者という立場からお招きしてはおりますが、現実問題として確かに自動車メーカーの要職にあることも事実でございますから、そういう意味で全く委員会の審議のことが伝わらないとは言えないと思います。しかしながら、いわゆる審議会の委員の立場での家本委員が審議会のあり方を自動車工業会のほうにそのまま伝える、こういうようなことはないものと考えております。
#43
○近藤忠孝君 それはあったらたいへんな話でありますけれども、もう一度確認いたしますが、たとえば実際に審議の状況、技術的にどんな点まで議論しているのか、こんな点は自動車工業会のほうに伝わっていない、このようにお考えでしょうか。
#44
○政府委員(春日斉君) 十六回にわたります自動車公害専門委員会の討議の内容につきましては、審議会が終わるたびに私どもは、私ないしは委員長が出席いたしまして、環境庁記者クラブにおきましてかなり詳細なレクチュアを行なっております。大体三時間ぐらいの討議に対して一時間ぐらいのレクチュアを行なっておるつもりでございます。したがいまして、私どもは審議会の内容というものはほとんどオープンに申し上げておるものと、まあ完全オープンではないかもしれませんが、少なくともセミオープンの審議をいたしておるつもりでございます。そういう程度のことはもちろん自工会に十分に新聞によりましても伝わっておると考えております。
#45
○近藤忠孝君 セミオープンということばはどんなことかわかりませんけれども、それはわれわれも知っておるわけですね。しかし問題は、具体的に〇・六あるいは〇・八五という結論を出すについて、われわれはかなり専門的、技術的な討議があったんだろうと、この点をしつこく聞いたんですが、その点については一向にお答えになってもらっていない。そんな、どの程度までこの自動車専門委員会が技術的問題について審議する力があるのか、どこまで議論しているのか、ということは、逆に、自動車メーカーからすれば、どの程度までの規制でいけるのかいけないのか、また資料も出すようにするのかという、そんな問題にまでこれは関係するわけです。そんな面の一番大事な、国会にも隠されておったような一番大事な議論が、私はメーカー側に筒抜けになっておったんじゃないかと、こういう疑惑を感ずるんです。その点どうでしょう。
#46
○政府委員(春日斉君) ただいまお話ございましたように、自動車公害専門委員会の委員が審議する能力なしと受け取るような御発言ございましたが、私は専門委員会の名誉のために申し上げておきますが、私は現段階において……
#47
○近藤忠孝君 質問にまともに答えてください。
#48
○政府委員(春日斉君) それぞれの委員の方々は、当代一流の、日本を代表する自動車専門の委員会メンバーとして恥ずかしくないものと考えております。したがいまして、それらの方々が討議されたことがない、〇・八五なり〇・六について、そういうことば全くないわけでございます。十五回、十六回の審議間においてはそういったことを中心に討議が行なわれたわけでございます。そのおよその経過につきましては、当時の新聞にも詳しく報道されておると思うのです。
#49
○近藤忠孝君 質問は、そういう国会にも隠されておったような技術的な討議がメーカー側に伝わってないかどうかというそういったことを聞いているんですよ。それにまともに答えていただきたいと思います。
#50
○政府委員(春日斉君) その点につきましては明確にいたしません。
#51
○近藤忠孝君 最後に質問いたしますが、そういう構成の問題、それから審議の状況の問題で、私どもはかなり疑惑を持っている。それで、本日提案した大気汚染防止法の改正が出ているわけですね。これについて私どもは、こういう法案が出ている以上、さらに環境庁としても、いままでの審議の状況などとも十分からみながら、さらに慎重な検討をしていくべきであると考えますが、この点について長官の御意見を伺って質問を終わります。
#52
○国務大臣(小沢辰男君) 私どもは、先ほど申し上げましたように、総理の御方針としても、特にさらに慎重に審議をしていただいているわけでございますので、この中公審の専門的な御討議の結果の答申を得まして、われわれとしては態度をきめたいと思います。それ以外には現在のところお答えする何ものもないわけでございますが、ただ国会の御提案も本日拝見をいたしましたので、この点は国会の今後の御審議等も十分、私どもが方針をきめるにあたっては、当然これは一つの大きな参考になるものと、かように考えております。
#53
○近藤忠孝君 けっこうです。
    ―――――――――――――
#54
○委員長(鶴園哲夫君) 三菱石油株式会社水島製油所重油流出事故に関する件について、資源エネルギー庁、消防庁、海上保安庁、通産省、及び環境庁からそれぞれ報告を聴取いたします。
 資源エネルギー庁左近石油部長。
#55
○政府委員(左近友三郎君) 三菱石油株式会社水島製油所におきます重油流出事故について御報告申し上げます。
 最初に、このような非常に広範な影響のある事故が起こりましたことにつきまして、通産省といたしましては、はなはだ申しわけなく存じております。
 事故の状況につきましては、お手元に資料がございますので、その資料に即して御説明申し上げます。
 一が事故状況でございますが、昭和四十九年十二月十八日午後八時四十二分、岡山県倉敷市水島海岸通り四に所在します三菱石油株式会社水島製油所タンクヤードの第二百七十号タンク、これは容量が五万キロリットルで、そのときには脱硫済みのC重油が約三万八千キロリットル入っておったわけでございます。そのタンクの底部からの油漏れが発見されました。
 その後、タンクからの流出が激しくなりまして、タンク側面に付置された鉄製のはしごの基礎コンクリート部分が流出油の圧力によりはしごとともに吹き飛ばされたと推定されます。タンクから約八・五メートル離れたコンクリート製の防油堀に衝突いたしました。このために防油堀の上部を幅三メートル高さ十センチメートル程度破壊いたしました。高さ一・五メートルの防油堀が、これにより最低部では六十センチメートルになったわけでございます。これが大体午後九時十分ごろというふうに推定されております。
 第三に、防油堀内への流出油は合計約四万四千キロリットルでございまして、これは第二百七十号タンクの内在いたします重油全量とバルブで連結いたしました第二百七十一号タンク内在の重油の一部でございます。防油堀外へはこのうち約一万六千キロリットルが流出したと見られております。製油所では、土のうを積み、海上への流出防止につとめましたが、流出した重油が約九十度程度の熱油であったために作業が阻害されまして、一部重油が製油所の南西部より海上へ流出いたしました。大体午後十時ごろと推定されます。流出油の量は千キロリットルないし三千キロリットルと見られていますけれども、現在のところ正確な数字は判明しておりませんし、もう少し出ておるのではないかという観測もございます。
 第四に、海上へ流出した重油に対しましては、オイルフェンスにより港外への流出防止が試みられましたが、強い潮流と北寄りの風により相当量がオイルフェンスを越えて港外へ流出いたしました。
 なお、火災、死傷者の発生はございませんでした。
 次に措置でございますが、防油堀内の流出油約二万八千キロリットルについては、移動ポンプで第九十九号タンク、大体三万七千キロリットルの容量でございますが、へ回収を実施中でございます。防油堀外へ流出し、構内約八万平方メートル、全敷地が約百五十万平方メートルございますが、その八万平方メートルの範囲に滞留した重油についても、廃油タンク等に回収中でございます。
 海上流出油につきましては、関係主管庁を中心といたしまして、油回収船の出動、油処理剤、油吸着材等により、回収、処理に当たっていただいております。
 当省といたしましては、広島通産局に対策本部を設けまして、汚染処理資材の手配、需要先に対する石油製品の供給に支障のないように、近隣の日本鉱業株式会社水島製油所等からの応援出荷の手配を行ないました。
 石油製品の需給面からは、三菱石油株式会社水島製油所の供給比率は約四%でございまして、現在同工場の生産設備は全面的に停止しておりますものの、さしあたって影響はございません。
 今回の事故については、関係の主管官庁によりましてその原因を調査中でございますが、とりあえず当省といたしましては、問題の緊急性にかんがみまして、石油精製各社に対しまして、去る二十一日、あらためてこの製油所の操業に関しまして、十分注意をするようにということで通達をいたしました。二十三日には、関係者を呼びまして自主的に点検、対策を講ずると、で、その結果について報告するように指示いたしております。
 さらに、製油所の保安確保の重要性にかんがみまして、石油精製設備の総点検というようなことも考えておりますが、これは消防庁等の関係主管官庁の方針に沿って、その御方針に十分協力してまいりたいということで考えております。
 以上御報告を終わります。
#56
○委員長(鶴園哲夫君) 消防庁森岡次長。
#57
○政府委員(森岡敞君) ただいま資源エネルギー庁のほうから御報告ございましたのとかなり重複いたしますので、重複部分を避けまして当庁から提出いたしております概要の中で、消防庁に関連いたします部分の御説明をまず申し上げたいと思います。
 三枚目をごらんいただきたいと思います。
 消防隊の出動状況でございますが、十二月十八日の二十一時十三分、三菱石油から救急車の要請を受信いたしまして、救急車が出動いたしました。同三十四分、救急車より油漏れの報告がございました。これに基づきまして警戒のため、消防ポンプ車一台出動指令を出し、さらに同四十七分、消防隊の全隊の出動指令を出しました。同二十二時二十五分に化学車全車の出動指令を出しました。その結果、出動車両等の状況は、その下に出ておりますように、その出動台数が合計四十二台、倉敷消防本部二十五台、あと応援企業、市役所、消防団、三菱石油等の車両が出ております。その下に倉敷市の消防本部の出動車両の内訳を掲げております。
 次に、次のページをごらんいただきたいと思いますが、同タンクは、四十八年九月六日、設置許可を倉敷市消防本部のほうでいたしているものでございます。昭和四十八年十二月十五日に完成検査をいたしまして、それに合格いたしました。
 なお、流出油は、C重油類似品で液温約摂氏八十度に保温されております。引火点は摂氏百二十度以上のものと認められますので、火災の危険はないという状態でございます。消防庁といたしましては、事故の起こりました翌日、十九日、直ちに専門係官を現地に派遣いたしまして、事故の状況の把握につとめました。さらに、二十三日から警察その他関係当局と協力いたしまして、事故原因の調査を早急に進めるということで、二十三日に担当課長外一名を原因究明のため現地に派遣しております。何と申しましても、事故原因の調査究明を短時日の間に行なうということが大事でございます。しかし、また反面、この事故の原因につきまして、かなり技術的な調査も必要でございますので、早急に学識経験者を網羅いたしました事故調査委員会を設けまして原因究明を終了いたしたい、それに基づきまして、他の製造所、あるいは貯蔵タンクなどの保安規制につきまして万全の策を講ずるように対処してまいりたいと、かように考えております。
 以上でございます。
#58
○委員長(鶴園哲夫君) 海上保安庁山本警備救難部長。
#59
○説明員(山本了三君) 海上保安庁から措置状況につきまして御報告申し上げます、資料をごらんいただきたいと思います。
 海上保安庁は、十八日の午後九時三十八分に三菱石油水島製油所より事故の報告を受けております。この報告に基づきまして、第六管区の海上保安本部は、巡視船艇を現場に急行させ、浮流油の状況調査及び流出油の防除活動に当たらせております。同時に、水島地区にあります大量流出油対策協議会、これを発動いたしまして、官民一体の防除活動を発動いたしております。
 現在までに出動いたしました船艇等につきましては、次のページにありますけれども、当庁巡視船艇は延べ百五十七隻、航空機延べ三十六機、地方公共団体、民間機関の作業船等は延べ四百八十一隻、漁船は二千四百五十八隻、計三千九十六隻ということになっております。
 現在のところの油の拡散の状況でございますが、末尾に図を添付いたしております。この図でごらんいただきますとおり、西のほうは粟島、丸亀沖の粟島、東のほうは鳴門海峡を通って十二マイルほど南に下がっております。これらの油の拡散防止につきましては、オイルフェンス六千二百八十メートル、これを十数ヵ所に展張いたしまして、油の拡散の防止に当たっております。油の回収、処理につきましては、油回収船艇延べ四十一隻、バキュームカー延べ七十一台、水中ポンプ六台、こういったものを使用して回収に当たっております。現在まで使用いたしました油処理剤は百五万五千八百リットル、油吸着材は四十六万三千七百四十七キロであります。本日の処理作業の予定でございますが、油の回収には油回収船十六隻及びバキュームカー十二台、こういうものを使用して回収に当たる、そういう計画であります。なお、本日出動いたします船艇等につきましては、巡視船艇は三十六隻、地方自治体所属の船舶八隻、漁船は五百五十二隻、小型作業船五十五隻、計六百五十一隻。これに水島、玉野地区の消防団員、漁業者、あるいは香川地区の漁業者、こういったものを動員いたしまして油の処理に当たる、そういう計画であります。
 御報告を終わります。
#60
○委員長(鶴園哲夫君) 水産庁佐々木研究開発部長。
#61
○説明員(佐々木輝夫君) 水産庁では、十九日、岡山県から事故発生の連絡を受けまして、直ちに専門官を現地に派遣しまして、かなり被害が広がりそうだという予想のもとに、水産庁の瀬戸内海漁業調整事務局に、この問題に対しまする情報連絡本部を設けまして、被害状況の把握と油の流出状況に応ずる被害の軽減対策の指導、連絡に当たってまいっております。
 これまで各県から漁業被害として水産庁のほうへ報告がございました数字をお手元に資料として提出してございますけれども、昨日の夕方現在までの報告で、岡山県下では、ノリ養殖業で三万二千八百二十一枚、これは網ひびの枚数でございます。漁業者は通常さくと申しておりますけれども、約三万三千さくについて二十六億二千六百万円程度の被害を受けた。ハマチ養殖につきまして約二万尾、二千万円、それからワカメ養殖につきまして、これは養殖施設の規模でございますが、四万四千メートル、これははえなわの長さでございます。約一千百万円、合計二十六億五千七百万円の被害の報告が集計されております。このほかに漁船漁業が油の流出に伴いまして操業ができない、とりました魚が市場に出荷しても売れないという心配があるために休業をいたしておりますけれども、これについての被害についてはまだ調査中でございます。
 それから香川県下におきましては、やはりノリ養殖業を中心にいたしまして約七万八千さくについて二十三億四千六百九十六万円の被害報告が出ております。香川県下でもやはり漁船漁業の休業がございますが、これにつきまして、現在の段階で約二億九千三百五十五万円という被害報告がございまして、計二十六億四千五十一万円、両県の被害を合わせまして約五十三億円程度の被害が報告されております。
 で、現在、兵庫県下あるいは徳島県下でも若干その被害を受けておるところがございまして、兵庫県下では、ノリ養殖業等ですでに判明しているもので八百枚というノリ養殖が被害を受けたという報告でございますが、詳細についてはまだ被害範囲等も若干広がっておりますので、いま調査中でございます。それから徳島県下についても同様被害をワカメ養殖等で受けておることはわかっておりますけれども、被害数量については現在把握中でございます。
 これに関連いたしまして、この被害の救済策について、現在、関係の県の漁業団体が中心になりまして、県及び水産庁のほうの指導連絡のもとに関係会社に対して早急な補償等の措置の要求をいたしております。おおむね基本的には年内に、できるだけ早期に、当面の仮払い的な補償措置を講ずるということで、特に香川県側については大体基本的な方針が固まってまいっておりますが、岡山県下につきましては、現在なお折衝中でございます。
 水産庁は、これらの指導連絡に当たるために、現在水産庁の次長が現地に出向きまして、全体の連絡調整に当たっております。
 以上で報告を終わります。
#62
○委員長(鶴園哲夫君) 環境庁大場水質保全局長。
#63
○政府委員(大場敏彦君) 事実関係につきましては、お手元に資料がございますし、ただいま各省庁から御説明がありましたので、重複いたしますので省略させていただきます。
 環境庁といたしましては、今回の事故の重大性にかんがみまして、事故発生後直ちに係官を現地に派遣いたしました。その結果、事故の実情なり被害発生状況の把握に努力をいたしたわけでございますが、また同時に、最大の焦点を現地において被害を拡大するのを防止するということのために努力の焦点を置きまして、各省庁との連絡調整に当たったわけでございますが、残念ながらただいま御報告がありましたように、被害は拡大してしまったと、こういった実態でございます。
 また一方、環境庁といたしまして、即座に関係府県の担当者を招集いたしまして、同種の施設の管理あるいは点検の強化、被害の拡大の防止のために万全の措置をとるよう東京で会議を招集いたしまして要請したところでございます。先ほど申し上げましたように、残念ながら重油の漂着範囲が拡大してしまったのでございますが、今後の対策の重点といたしましては、いち早く漂着油を除去するというところに最大の力点を置いて関係各省といろいろ緊密な連絡をとって対策を進めてまいりたい、かように思っております。なお環境庁といたしまして、先生方の御努力によりまして、昨年瀬戸内海の環境保全臨時措置法という法律を議員立法の形で成立さしていただきまして、その法律に基づきまして排水の規制あるいは下水道の整備等、瀬戸内海の水質保全をはじめとする環境浄化対策を進めさしていただいている過程でございますけれども、今回の水島のごとき事故が起こりますと、そういった日常の努力をふいにしてしまうということにもなりかねない重大な事柄でございますので、まことに残念に思ったわけでございます。そういった意味におきまして、今回のいろいろな教訓を学びとりまして、いろいろ問題があろうと思います。いろいろ構造の問題あるいはその管理体制の問題それから防災体制の問題、それから不幸にして事故が海上にまで拡大してしまったという場合における汚染の防除体制、いろんな点につきまして問題点があり反省すべき点が多かろうと思いますので、こういったことにつきまして関係省庁とよく連絡をとりまして、そういった制度なり施策全般にわたりまする点検を行なって今後の対策に資したいと、かように思っているわけでございます。
#64
○委員長(鶴園哲夫君) なお本件につきましては、院のほうとしまして公害、農水、商工、地方行政、運輸、この五つの委員会から委員の派遣としまして二十六日、明日、調査に出ることになっております。
 それでは、質疑のある方は順次御発言願います。
#65
○久保亘君 質問をいたします前に、いま報告のありました資料についてはっきりしてもらたい点があるんですが、資源エネルギー庁の報告によれば、このタンクから流出いたしました重油の温度が九十度と報告されております。消防庁のほうは八十度という報告になっております。それから堤防の決壊部分について資源エネルギー庁は、幅三メートル、高さ九十センチ、消防庁のほうは幅六メートル高さ九十センチ、こうなっております。その同じ事故についてどうしてこんなに食い違いがあるんですか。
#66
○政府委員(左近友三郎君) 通産省のほうといたしましては、現地の通産局からの報告に基づいて、この報告書を作成したわけでございますが、おっしゃるように一つの事実について二つの数字があるということは、まことに申しわけないことでございますので、至急消防庁と打ち合わせまして正しい数字にいたしたいと思っております。
#67
○久保亘君 温度のほうは私はどういう影響があるのかよくわかりませんが、この堤防の決壊部分については、流出量の問題や残留量についてかなり重大な影響を持つはずです。三メートルと六メートルというと、かなりの違いがあります。そういうようないいかげんな調査に基づいて、そしてこの事件の報告がされたり対策が立てられたりしているとすれば、そのこと自体が非常に私は問題だと思うわけです。で、私はいまの問題は、ちょっとこのタンクが一体どういうような消防庁の検査基準によって許可になっているのかということと、流出量や残留量と非常に関係をしてまいりますので、すぐ統一をしてもらえるわけにいきませんか。
#68
○政府委員(森岡敞君) ただいまの報告文書のギャップにつきましては、いま早急に調整いたします。
 それから検査の問題についての御質問がございました。消防法令におきましては、この種のタンクにつきましては、いわゆる水張り検査という検査を行なうことになっております。御承知のように水は油よりも比重が高いわけでございますので、水を一定期間だんだんと張ってまいりまして、それによってそのタンクの構造の状況を検査いたします。このタンクにつきましては、昭和四十八年の八月九日から水を張り始めまして約八十六日間検査を続行し、そして水を抜いて検査合格をいたしたと、かようなことでございます。
#69
○久保亘君 消防庁にお尋ねいたしますが、この検査というのがそれぞれ自治体の消防本部で検査をされる、こういうことになっている点については、この完成検査について問題はありませんか。
#70
○政府委員(森岡敞君) 現在の石油等の危険物の製造施設あるいは貯蔵施設等につきましては、消防法令の規定によりまして市町村消防本部が設置の許可をし、その前提として検査を行なうと、こういうたてまえになっておるわけでございます。御指摘は市町村の場合に技術的な面等でなかなか十分でない面があるんじゃないかと、こういうお話ではなかろうかと思うのでございます。私どもといたしましては、市町村消防当局、特にコンビナートやCTS基地のありますところにつきましては、技術的に十分知識なり経験を持った消防職員を配置いたします。またその教育訓練も十分実施いたしておりますので、私どもといたしましては、検査につきまして市町村消防本部のやり方に粗漏があるということはないと、かように考えております。
#71
○久保亘君 この完成検査はどれぐらいの期間をかけて行なわれるものですか、一日で終わるわけですか。
#72
○政府委員(森岡敞君) 完成検査を行ないます前に、先ほど申しましたように、タンクの強度あるいは圧力が加わりました場合の変形の有無などを調べる水張り検査を行ないます。これは先ほども申しましたように、約三カ月近くの相当長期間を当てまして綿密な検査をするわけでございます。その他のたとえば保安距離の問題でありますとか、あるいはタンクの鋼板の厚みの問題であるとか、耐震性の問題あるいは底板の腐食防止のための措置が十分なされているかどうか、これらにつきましては書面及び現実のタンクにつきまして調べて検査を行なうわけでございます。でございますので、一がいに何日間かけるということをいまここで申し上げる資料を持ち合わしておりません。やはり一日ぐらいで片をつけるというふうなことではなく、相当数綿密な検査をしているものと考えております。
#73
○久保亘君 大体三カ月ぐらいかかってやるんですか、いま何かそういう意味のことを言われましたが。
#74
○政府委員(森岡敞君) この三菱石油の当該タンクにつきましては、水張り検査を約三ヵ月かげてやった、こういうことでございます。
#75
○久保亘君 それのあなたの報告がおかしいんじゃないですか。このタンクは四十八年の九月六日に設置許可をした、それから工事をやっているんですよ。そして十二月十五日に完成検査合格となっているんだから、そうすると、一週間ぐらいでつくったんですか、これ。水張り検査を三カ月ぐらいかけてやったというなら、設置許可があって一週間ぐらいでできないと、そういう検査はできませんね。
#76
○政府委員(森岡敞君) この資料に出ております設置許可九月六日というのと、先ほど申しました八月九日から水張り検査にかかったというところにタイミングのズレが、確かに御指摘のようにございます。ちょっとその辺のところ私もいま手元の資料で十分解明できませんので、あとで調べまして。
#77
○久保亘君 そういう検査の、どういう検査が行なわれたかということに、すでに事故が発生してから何日かがたっているにもかかわらず、非常にあいまいな報告しかできないし、そして消防庁自身が明確につがんでいないということはかなりずさんな検査のもとに許可をされているのじゃないか。一日じゃないということでしたからわかりましたが、去年の十一月十五日というのは土曜日なんですよ。土躍日の日に完成検査、最終的な検査が行なわれて合格になっているわけです。だから、かなり簡単な手続で企業側の言い分を承認をして、そしてこの許可を出しているのではないか、こういうふうに思われる節があります。きょうは、私に与えられた時間が十分しかありませんので、あなた方のほうはそれでゴングが鳴るから助かるようなことだけれども、時間があればこれはたいへん問題なところですよ。それで、委員長にお願いをして、この問題についてはひとつ少し徹底的な究明を行なっていただきたいと考えております。
 それで、最後に私は、危険物の規制に関する規則二十二条によれば、タンクの容量に応じて最低〇・三メートルから最高一・五メートルときめられておりますし、また堤防はタンクの全容量の半分の危険物を収容できる容積があればよいことになっております。これでは今回のような事故に対しては対処し得ない。したがってこの規則二十二条の改正が必要であるし、それから検査について直接消防庁が専門の技術者を派遣して、その厳重な検査を行なって許可をするということに運用上改められなければならないと思うんですが、その点についての御見解をお聞きしておきたいと思います。
 それからもう一つは、この事故によるかなり広範にわたる漁業者をはじめとするいろいろな人たちへの被害についての救済の緊急対策はどこで講ぜられておって、どのように進んでいるのか。
 それからもう一つ。これは消防庁か資源エネルギー庁どちらでもいいんですが、どちらにも関係してくると思うんですが、昨年の秋からの石油危機がさかんに喧伝されました時期に、統計によりますと原油の輸入量は決して減っておらないのであります。しかし、原油が足りなくなったという言い分によって国内の消費を操作をしたというようなことのために原油タンクがいずれも満ぱいになり、当時タンカーは積み荷をおろすために一週間沖合いで待たされることはざらであったと聞いております。そしてまた、それぞれのタンクはいまここに消防庁から報告されておりますように、五万キロのタンクであっても収容量は四万八千ときめられておりますが、それ以下にもっとこのタンクに収容する場合の通常時の安全ラインというのがきめられているはずであります。ところが、昨年の暮れのころにはかなり無理をしてタンクの実収容能力一ぱいまで原油を入れたと私は聞いております。で、通常のスピードの三割ぐらいのスピードに注入のスピードをダウンさせて、用心用心しながらあのふたが上まで、かたっといくまで入れた、そういうことが行なわれたということをタンカーの関係者から私は聞いております。だから、そういうようなことが企業側の都合によってどんどん行なわれれば、どのような検査を行なっておってもこのタンクの原油漏れの危険性というのは常時存在をする。だからその点についての規制についてもう一ぺん綿密なる調査を行ない、そして厳格なる一つのタンクの利用についての規制についても定める必要はないのか。消防庁だと思いますから、消防庁のほうからお答えいただきたいと思います。
#78
○委員長(鶴園哲夫君) いま久保委員から発言がありましたが、先ほど委員長のほうから述べましたように、院といたしまして五つの委員会から十名の者があす派遣されまして調査をやることになっております。その調査の結果を待ちまして、またこの問題については論議をしなきゃならない、このように考えておるところであります。
#79
○政府委員(森岡敞君) まず防油堀の問題について申し上げます。
 防油堀の問題につきましてはその容量は御指摘のようにタンクが一基の場合にはその五〇%以上、それから多数の場合には最大のタンクの容量の五〇%と他のタンクの一〇%の総和をもって防油堤の容量と、こういうふうにきめておるわけでございます。確かに御指摘のように普通のタンクが不幸にして油漏れということが出ました場合には、これでは十分ではないという問題は確かにあるわけでございます。今後この事故を契機にいたしまして防油堀の容量あるいはその他設置基準などにつきまして前向きで改善の方向で検討を進めたいと思っております。
 それから直接消防庁が技術者を派遣して検査をしてはどうかという御意見でございますが、御案内のように現在の消防法令のたてまえは市町村消防というたてまえをとっております。まあ自治体消防という考え方を基本的にとっておりますので、政府が消防業務につきましてみずから乗り出すという考え方は基本的にとられていないわけでございます。国及び地方の行政事務制度の基本にかかわる問題でもございますので、やはりここはかなり慎重に考える必要があろうかと思います。私どもといたしましては当面やはり市町村の消防当局に対する指導を徹底いたしまして、検査その他運営につきまして粗漏のないように厳に推進していくということでやってまいりたいと、かように考えておるわけでございます。
 それからタンクの安全容量を越えて入れられているのではないか、その辺に関する検査なり監督が十分ではない、あるいはまたそれについての調査をしておるかという点につきましては、私、そのような事例を十分いままで報告に接しておりませんけれども、御指摘もございますので、その点につきまして綿密な調査をいたしたいと、かように思います。
#80
○説明員(佐々木輝夫君) 漁業被害についての対策措置でございますが、今回の事故が三菱石油の水島製油所からの油の流出によるものであるということは明かでございますので、水産庁としては当然原因者負担の原則で処理すべきであるという方針のもとに関係県及びその漁業団体等をいままで指導してまいっております。これまでの折衝経過で当面の措置といたしまして香川県下につきましては一応やり方としては県にございます水産振興基金という公益法人が県の漁信連から三菱石油の裏書きのもとに借り入れをいたしまして、その借り入れ資金を漁連を通じて末端の被害業者に仮払いの形で払うという方針を会社との間でも基本的に了解をとりまして、いまその額について折衝中である、しかし、近々それはめどをつけますというふうに報告を受けております。それから岡山県につきましても原則的にいまのような方式で当面の措置を講ずることについて了解は成り立っておりますけれども、具体的な方式及び金額等について現在なお折衝中である。近々、今明日中にでもめどをつけたい、こういう報告を岡山県のほうからもらっております。私どもといたしましても、いまのような県の漁信連の段階等でかりに原資等が不足しておるような事態がございましたならば、そういったものを農林中金等とも協議をして支障がないようにわれわれとしてもあっせんをしたいと、かように考えております。
#81
○内田善利君 時間がありませんのでおおまかな質問をしますが、大体この事故の行政責任はどこにあるのですか。
#82
○政府委員(左近友三郎君) この水島製油所全体の運営管理につきましては、通産省が所管をしておる産業でございますので責任がございます。ただ、問題がタンクの問題になりますと、これはまた消防法による取り締まりというのがございますので、そのほうについての問題があろうかと思います。ただ、私は通産省といたしましては、やはり製油所の運営全体について責任を持っているというふうに考えております。
#83
○内田善利君 通産省は石油業法によってどんどんどんどん石油を入れるわけですね。そうしますと、タンクを点検する、タンクの保安を考えるのは消防庁、そういったことになりますと、高度経済成長がもたらした、どんどんどんどん石油を入れた。そして備蓄基地をつくった。ところが消防庁のほうはその保安安全を確保しなきゃならない。追いついていけないわけですね。そのついていけなかった結果が、防災対策の不備からこういう事故が起こったと私は判断しておるわけですが、間違いありませんか。
#84
○政府委員(左近友三郎君) 石油精製会社の操業にあたりまして、保安とかあるいは公害、環境保持の面については、これは非常に大切なことでございますので、従来とも通産省といたしましても十分指導いたしまして、関係の環境関係、安全関係の法規に十分合致して操業するように、あるいは設備もそれに合致した設備をつくるようにという指導をいたしております。したがいまして、通産省といたしましては石油の需要が非常に拡大したから、その点についてずさんであっていいというふうな気持ちはごうも持っておりません。
#85
○内田善利君 消防庁にお聞きしますが、四十八年の八月三日、二百七十号タンク、これを検査されたときに一ヵ所補修されておりますね。この点の状況をお話し願いたいと思います。
#86
○政府委員(森岡敞君) いま御指摘の補修の問題については、私どもも資料、いま持ち合わしておりませんので、後刻調べましてお答えいたします。
#87
○内田善利君 検査の許可を与えた、検査完成のときの問題、またこの検査のときの二百七十号タンクは一ヵ所補修してから合格という結果が出ておるわけですね。これはちゃんと消防庁のほうからいただいた書類なんですから。これはどこが大体施行してどこが検査したのか不明なんです。これはもう消防庁が責任を持てない。あまりにもエネルギー政策が先行したために、消防庁が保安体制に責任を持てなかった一つの証拠なんですよ。
#88
○政府委員(森岡敞君) 検査ないしは許可の際の実績につきまして、率直に申しましてそのたびごとに消防庁のほうに詳細な報告は実はいままでのところ取っていないという問題がございます。その点は確かに御指摘のように私ども今後こういう大規模の製造あるいはタンク施設につきまして、検査ないしは許可の際の情報の収集というものを消防庁といたしまして徹底していく必要があると、かように考えております。
#89
○内田善利君 このタイプは、石川島播磨重工業株式会社の書類なんですが、注文は千代田化工建設株式会社、そして納入先が三菱石油とこうなっているわけですね。その検査結果、二百七十三号タンク、二百七十二号タンク、二百七十一号タンクは合格になっている。問題のこの二百七十号タンクだけが補修後合格と、この補修点がどこであったのか、その辺を私は聞きたかったんです。その補修点がどこであったか。一ぺん補修したところはもろいんです、何でも。その補修個所でなかったかどうか、この辺をはっきりしたがったんです。
 海上保安庁に聞きます、時間の許す範囲で。海上保安庁のほうでは公害課のほうで調査された結果、陸上からのタンク漏れ、この件数が四十八年度は九十七件、四十九年度は七十八件となっておりますが、この詳細はあとでお聞きしますとして、こういうタンク漏れ事故がいままで毎年百件近くあっているわけですね。これに対してどのような対策をとってこられたのかお聞きしたいと思います。
#90
○説明員(山本了三君) 陸上からの油の流出事故に対する対策でございますが、海上保安庁は御承知のように海上におきます安全、こういったものに対する所管官庁でございます。したがいまして、通常の場合には船舶等からの油の流出に対する対策を考えておるわけでございますけれども、陸上からの流出に対しましても船舶からの流出の対策と同様、同じ手法で対処するということで考えてまいっております。
#91
○内田善利君 これによりますと、この百件近くの事故はバルブ操作の誤まり、オーバーフロー、それからタンクが腐蝕していたのに気づかなかった。こういうことでタンクから漏れたのが百件近く毎年あっているわけですが、消防庁は御存じですか。
#92
○政府委員(森岡敞君) 私どもはいま御指摘のような油漏れにつきまして、正式の報告はいまのところ受けておりません。
#93
○内田善利君 これが行政間の連絡不十分、海上保安庁は毎年流れてきたのを承知している、そうしたら、そのタンクの責任者である消防庁に報告すべきだと思うのですね。そうして事故対策を講ずべきだと思うのですが、これも無責任な証拠の一つです。こういうことでどんどんどんどんタンクができていったんでは、国民の不安は増大するばかりだと思うのです。海上保安庁は対策を講じておられるようですけれども、先ほどちょっと報告の中に対策協議会をつくってるとこういうお話がありましたが、この対策協議会の数とかあるいはその目的、あるいは予算措置、こういったことについて油漏出事故に対する対策協議会なるものの実態を教えていただきたいと思いますが。
#94
○説明員(山本了三君) 海上保安庁の流出油事故対策について御報告いたします。海上保安庁は全国の海上保安部署に船艇、航空機等を配備いたして海上の安全を期しておるわけでございます。したがいまして、流出油等がございました場合には、そういう船艇、航空機、あるいは海上保安庁で備蓄いたしております資機材、そういったものを投入してこの防除活動に当たる、そういうことになります。しかし、大量の流出油がありました場合には、もちろんこの大量流出油を発生させた原因者、これがその防除責任を法律上有しておるわけでございますけれども、その原因者の活動、それと私どもの国の活動、これではとても間に合わない場合があり得る、そういうふうに考えます。したがいまして、海上保安庁といたしましては、コンビナートがございます港、こういった港を中心に官民合同の大量流出油対策協議会、そういったものを結成いたさせるように指導いたしております。で、この数は全国で六十一カ所に及んでおります。その規模でございますけれども、まずコンビナートの港に対しての比較的小規模な協議会、それからもうちょっと拡大いたしました地区ごとの協議会、さらには東京湾とか伊勢湾、大阪湾とか、そういう湾単位の総力を結集した活動ができるような協議会、こういったものを系統的に整備いたしております。
#95
○内田善利君 予算措置、法的根拠……。
#96
○説明員(山本了三君) 予算措置でございますが、四十三年以降海上保安庁は、オイルフェンス、それから油処理剤を中心に整備を進めております。で、本年度におきましては、オイルフェンス展張船五隻……
#97
○内田善利君 協議会についての……。
#98
○委員長(鶴園哲夫君) 協議会についての予算。
#99
○説明員(山本了三君) 協議会の予算につきましては、これは各地のいわゆる構成メンバーでやっておりますので、私ども現在つまびらかにしておりません。
#100
○政府委員(左近友三郎君) 先ほど御指摘のありました数字のそごについて、ただいま調査いたしましたので御報告申し上げます。
 温度、それから破壊の個所の数字でございますが、これは測定の場所あるいは測定の方法について若干そごがあったようでございますが、やはりこれについては実態を最も的確に判断しておられます消防庁の数字が正しいというふうにわれわれは思います。したがいまして、われわれのほうはまことに申しわけございませんでしたので、訂正させていただきます。
#101
○近藤忠孝君 先ほど各官庁のほうで救急の対策をとっているということでありますけれども、この流出した重油を完全に除去することが可能なのかどうか、その具体的方法などを説明していただきます。どこが責任ですか。
#102
○説明員(山本了三君) 海上に流出いたしました油の処理でございますが、油の処理につきましては大体こういう考え方で現在やっております。
 油が流出いたしました場合には、まずその拡散を防止するということで、これはオイルフェンスを使うということでございます。で、そのオイルフェンスにたまりました比較的濃い油につきましては、これは回収船、あるいは吸着剤、あるいはバキュームカー等の場合もございますけれども、まず物理的な処理を行なう、機械的に処理する、で、その残余は、できない場合、あるいはオイルフェンス外に流出した場合には今度は油処理剤を使う、一応そういう形式でございます。
 今回の場合には、不幸、オイルフェンス外に溢出しまして、それから港からいま相当広範囲にわたっておる、そういう現状でございますので、いま私が申し上げたような濃い部分についてはオイルフェンスで囲んで機械的に処理をする。それから薄いところではもちろん処理剤を使う。それから、現在相当日時を要しまして、タール状にだんだん油が変質いたしております。こうなりますと、油回収船、あるいは場合によっては吸着剤、こういったものの能力がきわめて落ちるという状況になりますので、人海作戦を用いざるを得ないということで、現在、香川県サイドでは漁業者が多数出まして、人海作戦でくみ取り等をやってその除去にあたっておる、そういう実情であります。
 完全に除去できるかという質問でございますけれども、従来、大量の流出油があったケースがたくさんございます。で、これは、その大量流出油の結果が相当長い間環境の保全に悪影響を与えたということはございます。しかし、比較的早い機会に、原状に復するということは語弊があるかもしれませんけれども、それに近い状態になっております。日本におきましては相当多量の海上における流出油事故が多数ございますけれども、現在のところ、きわめて長い間問題になったという事例はございません。
#103
○近藤忠孝君 しかし、一定の期間、今後も被害が続くことは明らかだと思います。
 そこで、そうなりますと、今度は、水産庁のほうにお伺いしますが、被害は、これにとどまらずに、今後続出すると思うのですが、そういったものに対して万全の対策をとっていくお考えがあるかどうか。
#104
○説明員(佐々木輝夫君) 私どもとしても、ある程度の期間、この被害が今後続くということを予想いたしておりまして、いままでは当面対策に追われて、関係の県の試験場等も今後の状況の把握体制等についてほとんど考える余裕もなかったような事態でございますが、大体、油の拡散範囲等がほぼ見通しがつきました段階で、年内に、水産庁の水産研究所が中心になりまして、各県の試験場と連絡をとって、今後油の汚染による漁場の被害、汚染がどういう区域でどの程度続いていくかということを明確に把握するための調査体制を整備することを早急に相談をしたい、かように考えて、いま、手配中でございます。
 まあ問題といたしましては、今後、そういう油による汚染の水産資源へのいろいろな、再生産の問題であるとか、あるいは低濃度の油によります油湿魚の問題等、いろいろ考えられますので、それにはまず汚染区域がどんな状況で今後推移していくかということを把握することが先決でございますので、そういった調査体制を整備して、実態をつかみながら的確な措置を講じてまいりたい、かように考えております。
#105
○近藤忠孝君 長官にお伺いしますが、きょうの説明でも、また、質問でもはっきりしたとおり、全体に対してほんとうに責任を負うところがないわけですね。これに対して、国務大臣としてどうしていくおつもりか、この点についてのお考えを聞きたいと思います。
#106
○国務大臣(小沢辰男君) 私もこの事件を考えてみますと、通産、消防、自治、それから被害を受けた水産、海上は海上保安庁ということで、いろいろ多岐に所管が、それぞれ、分断されてあるわけでございます。ただ、この事故自身を総合的にやはり検討していかなきゃいけませんし、また、今後の対策も十分考えていかなきゃいかぬ問題を含んでおりますので、これは私の、全く、いまいろいろ御意見を承っての所感でございますが、さっそく官房長官と連絡をとりまして、まとめをやる責任者をきめてもらいまして、今後のことを含めましていろいろ対策にあたりたい、かような考えを持っておりますので、至急その辺のところを官房長官とよく相談をいたして、でき得れば、必要があればぜひ何かそうした対策本部的なものを考慮してもらいたいという気持ちでいま聞いておりましたので、その線で早急に、きょうでも官房長官と相談してみたいと思います。
#107
○近藤忠孝君 いまの段階で緊急に対策本部を設けること、それはもう必要なことです。むしろ設けられていなかったこと自身のほうがおそきに失すると思いますが、同時に現在ではこれは法的あるいは制度的な体制がないので、そういった対策でやる以外ないと思うんですが、石油のこういう状況を見てみますと、いままでの制度ではもうだめだということだと思うんですね。それに対して、制度的にも全体的に対処する体制をつくっていく気があるかどうか、この点についてお伺いしたいんです。
#108
○国務大臣(小沢辰男君) その点になりますと、いろいろ今回の教訓あるいは従来でもいろいろな問題ございますので、今回の事故を契機にしまして、総合的に検討を進めてまいりますが、やはりそれはそれぞれの所管で方針がきまりましたら、やはり実行していってもらわなければいけませんので、そのために特にいまおっしゃいましたような必要があるかどうか、この点も含めて十分検討いたします。
#109
○委員長(鶴園哲夫君) 本件に関する本日の調査はこの程度にいたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十一分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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