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1949/03/09 第7回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第007回国会 厚生委員会 第11号
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1949/03/09 第7回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第007回国会 厚生委員会 第11号

#1
第007回国会 厚生委員会 第11号
昭和二十五年三月九日(木曜日)
    午後一時四十六分開議
 出席委員
   委員長 堀川恭平君
   理事 青柳 一郎君 理事 大石 武一君
   理事 橘  直治君 理事 中川 俊思君
   理事 松永 佛骨君 理事 金子與重郎君
      今泉 貞雄君    田中  元君
      幡谷仙次郎君    亘  四郎君
      堤 ツルヨ君    渡部 義通君
 出席政府委員
        厚生事務官   星野毅子郎君
        (薬務局長事務
        代理)
        厚 生 技 官
        (公衆衛生局
        長)      三木 行治君
 委員外の出席者
        厚生事務官   高木  玄君
        厚 生 技 官
        (公衆衛生局栄
        養課長)    有木邦太郎君
        專  門  員 川井 章知君
三月八日
 栄養士法の一部を改正する法律案(内閣提出第
 四九号)(参議院送付)
 性病予防法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出第五〇号)(参議院送付)
の審査を本委員会に付託された。
同月六日
 大分県津久見港に検疫所設置の陳情書(大分県
 議会議長安部雅也)(第五二一号)
 国民健康保險制度の強化刷新に関する陳情書(
 熊本県葦北郡大野村長徳永宗起)(第五六二
 号)
を本委員会に送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 小委員会設置に関する件
 栄養士法の一部を改正する法律案(内閣提出第
 四九号)(参議院送付)
 性病予防法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第五〇号)(参議院輝付)
 厚生行政に関する件
    ―――――――――――――
#2
○堀川委員長 これより会議を開きます。
 大石委員から発言の通告がありますから、これを許すことにいたします。
#3
○大石(武)委員 私はこの厚生委員会に、医療制度に関する小委員会というものを設置したいと考えております。現在わが国の医療制度というものは、必ずしも満足すべきものではなく、むしろ非常な欠陥が近ごろ趨勢に伴つて露呈されていると思います。しかしてさらにまた最近においては医薬分業の問題であるとか、いろいろな問題が出て参りまして、われわれは日本の医療制度がいかにあるべきかという問題と真劍にとつ組んで、これを解決して行かなかつたならば、日本の医療制度というものはうまく行かないだろうと痛感されるのであります。従つてぜひともこの際委員会の中に医療制度に関する小委員会を設けまして、日本の医療制度のあり及びここれに関するいろいろな予算の問題等を検討して、一日も早くこの問題を解決して行きたいと念願してこの小委員会をつくることを発言する次第であります。
#4
○堀川委員長 ただいま大石委員から、医療制度に関する小委員会をつくつたらどうかという御発言があつたのでありますが、何かこれに関して御発言がありますか。
#5
○堤委員 現行の医療制度というものは、私たち、しろうとの目で見ましても、非常に研究の余地がございますので、異議なく賛成いたしますが、あまり医者ばかりを集めてこの委員会を構成することは、避けていただきたいということを、一言申しておきます。
#6
○堀川委員長 皆さん御承知のように、近ころ医薬分業というような重大な問題がある際でありますので、こういう小委員会をつくることはけつこうだと私は考えますが、いかがでございますか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○堀川委員長 御異議がないようでありますからそのようにいたします。この小委員会の小委員の顔ぶれ、あるいは小委員長は、委員長が指名することにして、御異議ありせんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○堀川委員長 御異議なしと認めます。それでは次の委員会までに委員長がこれを選定いたしまして指名することにいたします。
    ―――――――――――――
#9
○堀川委員長 次に栄養士法の一部を改正する法律案、性病予防法等の一部を改正する法律案の両案を一括議題といたしまして質疑をいたすことにいたします。質疑は通告順にいたすことにいたしまして、まず堤ツルヨ君にお願い申し上げます。
#10
○堤委員 有木課長が見えておりますのでお尋ねいたしますが、本省には国民栄養の調査機関があるはずでございます。有木課長のごときは、この辺のエキスパートでございますが、この機関に、戰前、戰後にわたるところの、国民栄養の実態と申しますか、そうしたものがはつきりと御説明願えるような資料がごさいましようか、ちよつとお伺いいたします。
#11
○有木説明員 御答にいたします。御承知のように、戰後に行いました結果はその都度発表をしておりますので御承知のことと思いますが、戰前におけるものは、実はただいま行つておりますような国民全体の栄養状況を判断するのに価値のある資料というものはないのでございます。しかしながら部分的な、たとえば職種的に部分的であるとか、地域的に部分的であるとかいうようなものがありますし、一方では食糧生産の面から出しました資料も一、二ございますが、もし御必要でございましたならば取寄せまして御説明をいたします。
#12
○堤委員 それからいかなる機関で、いかなる方法でそれを実施されているか、少し具体的に説明していただきたい。
#13
○有木説明員 それではごく簡單に説明をいたしますが、ただいまやつております調査は二つの方法をとつております。第一の方法は、国民が一日に幾ばくのもとを、いかなる方法、すなはち配給、自己生産、その他いかなる方法によつて幾ばくのものを攝取しておるかという攝取量の調査、他の一つの方法は、これらの食物を攝取しておる国民が身体的にいかなる栄養上の症候を発現しておるかというような二つの方法でございます。なお対象の選定にあたりましては、国全体の姿がわかりますような任意抽出法によりましてやつております。そのほか身体症候発現率以外に、身長及び体重の消長をはかつて行く、大体以上が方法の骨子であります。
#14
○堤委員 公衆衛生の向上と申しますか、そうしたものは合理的に栄養をとることによつてだんだん改善向上されると思うのでございますが、これは何と申しましても、懇切な機関、それから政府の穏当な対象をとらえての計画的な栄養の調査、そうしたものが実態を把握して計画的にやることによつて、これが非常に重大な影響を及ぼすと思うのでございますが、国民栄養の向上をはかるための具体的な資料を得るために、こうした統合的な調査というものを実施するところの今後の計画をお持ちになつておるのでございましようか。
#15
○三木政府委員 御質問のございました栄養調査の総合的なやり方と申しますのは、ただいま有木課長からお答えいたしましたように、全国各部麺府県にわたりまして十三万五千人の人間を対象といたしまして、一年に四回、身長の消長及び攝取量調査というものをやつておるのでございまして、それらの状況によりまして今日現段階において国民栄養の状況はどうであるかという数字が得られるのでありまして、それがすなわちわれわれの国民栄養対策の基礎資料であり、また食糧輸入の基礎資料と相なつておる次第でございます。これらに基きまして保健所を中心とする栄養指導網が活発に活動しておるという現状でございます。
#16
○堤委員 学校だとか、また工場におけるところの集団給食の実施状況を簡單に御説明願います。
#17
○三木政府委員 学校及び工場におきまする集団給食につきましては、厚生省といたしましては相談役という立場でございまして協力をいたしているわけでございます。ただ農村等におきまする集団給食につきましては、これは地方衛生部において直接指導監督いたしているのでございます。文部省及び労働省におきまして、学校及び工場の集団給食をやつているわけでございまして、中央におきましては厚生省とこれら関係各省とが協議会等を開いてやつておりますが、地方末端におきましても、厚生省系統、すなわち府県衛生部の栄養関係の職員がこれらに向つて協力をいたしている、こういう状況でございます。
#18
○堤委員 私は、ことに女性の立場から、学校給食というものを私どもの目で拜見いたしまして、非常に普及度が低いように思うのであります。私は六三三制の六・三というものは、現在における段階におきましては、この学校給食というものを完全にする必要があるのではないかと思つておりますが、そのように持つて行くような計画をお持ちになつておりますでしようか。どうでしようか。
#19
○三木政府委員 ただいまの堤委員の御意見には私どももまつたく同感でございます。ただ従来は、主食の面におきましてはこれを家庭から携行するということになつているのでございまして、副食の面について集団給食、学校給食をやつているわけでございますが、近く八大都市につきましては主食でありますところの小麦粉等も配給いたすような運びになりましたのでこの点は一進歩であると考えている次第でございます。
#20
○堤委員 八大都市において主食を家庭から携帶させずに給食することが実現するということをおつしやいましたが、これは四月からでございますか。
#21
○三木政府委員 四月であると承知いたしております。
#22
○堤委員 どうか本省におかれましては、栄養知識の普及、それから粉食の奨励、またこれになれさせること、カロリー食糧の攝取、また協同親和の精神を養うという集団給食の実施によつて国民栄養の改革をはかるというような点から見まして、非常に大切な問題でございますので、私の以上質問いたしましたような点を特に御盡力願いたいと思います。
 それから農村の酪農化、養鶏、農産物の価格下落によるところの農業経済というような立場から見ましたときに、この協同組合の結成とか、また自家処理、自家加工というようなこと、また学校給食とか、工場等におけるところの団体の栄養給食、これに対する本省の処置というものは、今後国民の文化水準を上げる上においても、また広く女性解放の立場から申しましても、非常に大切なことでございます。今後学校給食ということも、八大都市だけは主食を携行しないでいいように四月から実施するつもりであるということもおつしやいましたが、これを、ことに農村末端にまで延長し、実施していただきたいという希望をつけ加えておきます。
 次に性病の方について質問いたします。府県知事あるいは市長が行うこの事務に要するところの費用負担分については、昭和二十五年予算においてどれほど見積られているかということをちよつとお知らせ願います。
#23
○三木政府委員 ただいま御指摘になりました府県並びに市町村における性病予防の経費につきましての予算関係の点でございますが、ただいま私どもの資料がさような詳細なものを持ち合せておりませんので昭、和二十四年度すなわち今会計年度におきまする国の予算といたしましての性病予防費は一億一千四百七十四万七千円、二十五年度予算といたしまして一応予算案として計上せられておりまするものは、一億五千七百五十八万八千円、これらの経費の内容につきましては、性病の職員及び施設及び衛生教育というような経費が主たるものでございまして、これに地方費がくつつきまして性病予防活動ということに相なる次第でございます。
#24
○堤委員 これは平衡交付金として、やはりひもつきになつておりますか、地方に参りますときに……
#25
○三木政府委員 これは国の負担金といたしまして、ひもつきの負担金に相なつておりまして、平衡交付金ではございません。
#26
○堤委員 次にお尋ねいたしたいことは、たとえば癩によつて生活を閉鎖された場合、そういうときに生活保障の基準はどの程度なのでございましようか。
#27
○三木政府委員 癩の場合におきましても、生活保護法とおおむねその軌を一にいたしております。
#28
○堤委員 性病による治療の基準というものを一応どの辺に置いておられますか。
#29
○三木政府委員 私どもで、ただいま性病治療の方針を一応きめておるのでございまするが、それによりますると、性病とは申すまでもなく梅毒、淋病、軟性下疳、鼠蹊淋巴肉芽腫、この四種でございますが、まず梅毒につきましては、マバルゾールという薬でございますが、及び次サルチルサン蒼鉛、これらを主薬といたしまして全身療法をやり、必要がある場合におきましては局所療法をやるというようにいたしておるのであります。なおペニシリンの生産が非常に増強して参りましたので、近くペニシリン療法を採用して行きだいと考えております。なお淋病につきましてはズルフア・チアゾール、ズルフア・ダイヤジン、これらの薬及びぺニシリン療法、その症状等によりまして二種の薬剤によりまする治療を行つておるのであります。軟性下疳におきましても、鼠蹊淋巴肉芽腫におきましても、ズルフア・チアゾールまたはスルフア・ダイヤジンを服用するというようにやつておるのでありまして、もちろんこれらの場合におきましても、局所に病気がありまする場合には、局所に対するしかるべき措置は講じておるのでございます。
#30
○堤委員 中央の方から各都道府県または市の方に薬剤が交付されておりますが、それは梅毒だとか淋病について、一年に大体どれくらいこれによつて完全に治療しているかというような目算は、大体本省の方で立つておりますか。
#31
○三木政府委員 性病病院の患者数――これは昭和二十四年四月から八月までのものでございますが、梅毒におきましては入院患者は四千八百三十六人、外来が一万七千四百五十七人、淋病におきましては入院が九千五百五十七人、外来が一万二千百二人、軟性下疳は入院四百四十一人、外来が九百八人、鼠蹊淋巴肉芽腫におきましては、入院患者は二、外来患者が六十二、こういう数になつておりまして、これらの性病全体が外来三万五百二十九、入院は一万四千八百三十六、合計四百五千三百六十五、こういう数字になつておるのでございます。なおこれらの数字と比較いたしまするために、性病の届出の数を御参考のために申し上げてみたいと思うのでありますが、昭和二十四年一月から十二月まで一年間の性病によりまする届出患者の累計を申し上げますと、梅毒におきまして十八五五千七百八十五、淋病におきまして十七万八千九百一、軟性下疳三万一千士百六十九、鼠蹊淋巴肉芽腫六百三十五、合計三十八万六千六百九十、こういう数字でございます。
#32
○堤委員 ただいまお読みになりました資料を恐れ入りますが後ほどいただきたいと思います。
#33
○三木政府委員 承知しました。
#34
○堤委員 それから減免規定の基準でざいますが、これをどういうふうにお考えになつておりますか、ちよつと説明していただきたいと思います。
#35
○三木政府委員 これは健康保険によるものは当然それによつて支弁いたしまして一部負担は国民健康保険組合の場合におきましては異なるわけでございまするが、それによつております。それから生活保護法対象者につきましては、生活保護法によつて支弁する、こういうことに相なつておる次第でございます。
#36
○堤委員 性病に関しましては今数をおあげになりましたけれども、これはやはりたとえば入院をしている人とか、完全に医者に表向きふかつた人たちの数でございまして、実際は私ははかり知れないものがあると思うのでございます。でございますので、たとえば徴兵検査がありましたように、満二十年に達した全国の男女には身体検査のようなものを行つて、健康調査をしてそして発見された者には国の方でこれを治療するとか、また保護するとかいう方に持つて行かれるのが私たちは理想的ではないかと思うのですが、そうした御計画をお持ちになつておりましようか。
#37
○三木政府委員 性病患者の数についてはただいまその一部を申し上げたのでございまするが、なお妊産婦等につきましては、妊娠にあたりまして血液検査を行つております。そういう数字もございまして、私どもといたしましては大体の数字はつかみ得ておると考えておるのでございます。しかしながらもとよりこれは不完全でございまするので、住年の徴兵検査のごとき制度がございまするならば、一番適当でありますけれども、これも基本的人権に関する問題でもありますので、なかなか困難である。従つて性病予防対策としては、まず第一に性病の衛生知識普及ということに重点を置きまして、自発的に届け出ていただく、並びに患者を見つけ出した場合におきましては、それの接触者調査というようにいもづる式におつかけて行くこと、そして場合によれば必要に応じて健康診断命令を出すというような方法でやつておるのでございまして、全国民に対して一齊に調査することは、予防当局といたしましては理想でございまするけれども、実際としては行いがたい、かように考えまして、ただいまさような計画は持つておりません。
#38
○堤委員 ただいまの局長のお話で大体わかるのでございますけれども、しかし基本的人権については遠慮なさらずに私は考えていただきたいと思うのです。たとえばこの間引揚げて参りましたときに、特に性病の調査をする場合に、基本的人権に触れるからむき出しに調査することができないので、はつきりした数がわからないということを援護庁で申しておつたわけであります。憲法第二十五條に書かれております、健康にして文化的な最低生活というこの線で行きましたならば、私は強制的に健康調査をやつたからといつて基本的人権を侵すことにならないと思うのです。むしろいたつて親切なことであつて、これは特定の人たちが、基本的人権を侵されたかのごとき感を持つだけであつて、ほんとうに親切ならば、私は国家として健康調査を強制的にやつて健康を保持させるのが当然だと思います。それでありますから、基本的人権にかかわらずに、どうかもう少し積極的な意見を持つていただきたい。そうして私たちはぜひ特例でも設けて、健康調査をするようにして、青年男女を中心とした全国の男女に、昔の徴兵検査にひとしいようなものを実現するように、常日ごろ考えておるのでございまするが、そうした意見をひとつ局長も持つていただいて、ぐんぐんとそうした考えを弱めないで――自主的に申し出る人などと言つても自主的に申し出るような人はない。ことに今日こんとんといたしております社会世相を反映いたしまして、われわれしろうとの目で見ておりましても非常におそるべきものがあるのでございますから、一日も早く手を打つていただきたいと考えております。基本的人権を侵すようにお考えにならないで、ひとつ局長のお考えを改めいただきたい。
#39
○三木政府委員 堤委員から非情に力強い御鞭撻をいただきましたので、私どもはさように考えて参りたいと存じます。われわれ予防当局といたしましては反対する理由などはごうもございません。ただ実施いたします場合に、まことに文字通りの箱入り娘であつて、梅毒のごときことは夢にも考えられないという者につきましても、これをやることは事実上むずかしい。そういう人をも、好むと好まざるとにかかわらずひつぱつて参りまして、皮膚に切開を加えるということは事実上困難であります。はたしてしからば、その者を除外いたしまするならば、その次の段階の者を、私は決してそうではないという者をさらにひつばつて来ることはどうであろう、これを実施する面におきましてはなかなか難点がございます。しかしただいまの御意見につきましては、私どもまことにありがたい次第でございます。十分にその線に沿いまして研究いたしたいと思つております。
#40
○堤委員 私ちよつと麻薬の方に触れてひとつ質問さしていただきたいと思います。私は武蔵野の病院でアドルムを飲ました女の人の、特別弁護をやることになつております。近ごろアドルム、ヒロポンで自殺する者が非常に多い。この事件は殺したのですが、うつかり御主人はお茶も飲めないという笑い話もあるような始末です。この点局長はどういうふうにお考えになつておるか、一度質問しておきたいと思うのですが、これも犯罪を非常に助長しておるように思うのです。製薬販売については、当局としては十分な対策をお練りにならなければならないと思いますが、最近の犯罪とにらみ合せて、何かこれに対処するところのお考えをお持ちでございましようか。
#41
○三木政府委員 ただいま星野さんがお見えになつておりまするから、当該の薬の取締りにつきましては星野課長からお答え願いたいと思います。ただ私どもといたしましては、これらのアドルム、ヒロポン等を濫用いたしまして、その中毒に陷つているような者はおおむね精神衛生の面から見ますると、何らかの病名のつけ得る者がなつているわけでございます。従つて今日までわが国の精神衛生の面が弱かつたとい、ことはまことに申訳ない次第でございます。国会の方でも精神衛生に関する行政の強化ということをお考えになつておるようでございまするけれでも、私ども行政当局といたしましても、その面からする強力なる精神衛生施策を実行いたしまして、これらの中毒患者等の撲滅に側面からの協力をいたしたい、かように考えておる次第でございます。
#42
○堤委員 もう一つ伺つておきます。この間も私は犯人に出会つたのですが、薬屋では彼らの希望するだけの量を売つてくれたというのです。そうして別に両方ともに疑問を持たずにたくさん買つているのですが、たくさん飲めば致死量であるというような常識を両方持ちながら、これを普通に販売しているようなことは、私は厚生省として考えていただかなければならないと思いますが、こうしたものはもう少しいい対策があつてしかるべきだと思います。これは現状のままで行かれるか、そこのところをもう少しはつきわしていただきたい。
#43
○堀川委員長 それも星野薬務課長に御質問願いたいと思います。ほかにありますか。
#44
○堤委員 それでは栄養士法とか、性病の問題で御質問のある方はどうぞ先にしてください。
#45
○渡部委員 私はまず栄養士法の点で質問いたします。今度の改正の要点は、大体見るところ一年制を二年制にするという点と、栄養士試験を嚴重にする、あるいは嚴密にするために、栄養士試験審査会を置くというような点にあるように考えられます。もちろん私たちは現在国民の健康状態、ことに軍団的生活を行つておられまする国民の健康状態に顧みまして、すぐれた栄養士を急速に多量に養成しなければならないという点につきましては、心から強調しなければならないと考えておりますが、いろいろ疑問ある点は、こういうふうな国民の健康問題に関連する栄養問題は、今や全民族的な見地から重大問題になつて来ておるのでありまして、従つて当然この問題は国家的な見地から考えらるべきものじやないかと思うわけなのです。ところが現在この栄養士を養成する機関は、民間の経営に全然まかされているように見受けられますが、まず第一に国家としてこの機関を設けるような御意思はあるのかないのか、この点をお聞きします。
#46
○三木政府委員 御指摘の通りに、国民栄養の問題は非常に重要な問題であり、またこれが指導に当ります栄養士というものも重要な職業であることは、私どももお話の通りに考えておるのであります。それにつきまして国立の栄養士養成所をつくる意思があるかというお尋ねでありますが、これはつい数年前まで国立の栄養士養成所があつたのでございますが、これらの栄養士養成所は、これを再教育機関ということにいたしまして、そうして公衆衛生院に一緒にいたしたわけです。そこで私どもといたしましては、事情が許すように相なりまするならば、国立の機関を持ちたいというように考えているのでございます。
#47
○渡部委員 それで一年制を二年制にするということの内容を拝見しますと、大体時間の問題ですが、この科目時間の振合いによると、われわれから見て社会常識的な科目として非常に重要と思われるような食品学とか、看護及び育見学とか、家庭科学とか、食物の歴史とか、それから健康上の諸問題の基礎となるべきような健康教育というものが全然削られている。これに対して外国語、これは今までは全然なかつたものでありますし、あるいはなかつたと思われるものが九十時間にもなつている。なぜこの社会常識的な科目として、栄養士にとつてはぜひとも必要と考えられておる科目がほとんど全面的に削られてしまつて、外国語を九十時間に増加しなければならないのか。これほど外国語のために時間をさかなければ栄養士として高い、すぐれた者の養成が困難であるのか、こういう事情をお聞きします。
#48
○三木政府委員 二年制に相成りました場合の学科課程でございますが、参考資料の上の案が、この法律案が通過いたしました場合の改正の案でありまして、下の案は、現在一年制でやつております時間でございます。従いましてただいま御指摘の基礎学科のごときは、別に減るようなことはない。むしろふえておるという次第でございます。なお外国語の九十時間は多過ぎるのではないかという御意見でありますが、もとよりこの案は一応の案として考えておりますので、最後的には、さらに検討をいたす所存でございますが、一応この案をつくりました私たちの気持としては、今日は御存じのようにすべてそうでございましようが、ことに公衆衛生学、栄養学におきましても、外国におきまする水準となるべくマッチして行きたい、また外国における新しい研究というようなものも理解して行きたいというように考えますので、栄養に関する、あるいは栄養士の活動に関係のあるような外国語の書物が、できるだけ読めるようにしてやる必要があるのではないかというようなわけで、一応外国語の九十時間というものを盛つた次第であります。しかしもちろんこれは最終的のものでは、ございません。
#49
○渡部委員 われわれの考えでは、時間というよりも、年限を長くするということは、今日国民が一般に非常に困つておるときに、栄養士養成所に入所する人たちが非常に減るのではないかというような懸念が非常に持たれるわけですが、そういうときに、外国語を非常に多くふやし、外国の栄養の水準というものの研究をさせるというようなことが、ことさらに必要であるかどうかということには、疑問を持つておるわけであります。それよりも、りつばな栄養学に関するもの、あるいは栄養問題に関するものを、どんどん政府その他の機関において発行されて、それが栄養士の養成にもあずかり、また国民全体の栄養観念を高める上に役立つようなものとして、流布される必要があるのではないかと増えておるわけであります。そういう点から、この時間の延長をするという点には、かなり疑問を持つわけでありますがしかしもし延長するといたしましても、これによると中学から入学できるのか、あるいは高等学校を出てから入学するのかという点がはつきりしていないようですが、その点はどうなのですか。
#50
○三木政府委員 御指摘になりました、この際時間を延長することはどうであるかという問題でございますが、これは保健婦、看護婦、助産婦というような、これらの養成機関におきましても、修業年限を非常に延長いたしておるのでございまして、私どもは栄養士需給の現状とか、あるいはその他の点を勘案いたしまして、とりあえず一年間延長いたしたいと考えておるのであります。なおこれが入学資格は、栄養士法の現行法におきまして、六・三を終りまして入るということに規定してあるのであります。
#51
○渡部委員 この栄養士の年限を延長したり、あるいは栄養士試験審査を愼重にして嚴重にするということになりますと、この養成所あるいはそれらの機関を卒業した者に対しては、やはり一定の資格というようなものを基礎にして、身分的な保障も考えてやらなければならぬのではないかという点も考えられるのでありますが、この点については、当局側としてはどういうふうに考えておりますか。
#52
○三木政府委員 これらの栄養士養成所を卒業いたしましたり、あるいは栄養士試験を通過いたしますと、都道府県知事から栄養士の免状をいただくわけであります。従いまして栄養士の資格を取得いたしますと、これに伴つて身分上の保障等があるわけであります。保健所におきましても、その他におきましても、栄養士を採用する、あるいは集団給食におきましても、栄養士を採用するというような法的な準備をいたしておるわけでございます。
#53
○渡部委員 厚生省の方でたとえば就職のあつせんをするとか、あるいは就職の場合にどういうふうな関係を持つておるかという点についてはどうですか。
#54
○三木政府委員 就職全般から申しますと、今日でも現在需要と求職との関係は、むしろ需要の方が多いという実情でございます。厚生省といたしましては、府県からあつせんを求められました場合におきましては、東京近辺の学校等の卒業生につきましてはみずからあつせんし、あるいは外郭団体でありますところの、栄養士会等であつせんせしめるというような措置を講じており、また各府県におきましても、府県自体、あるいは栄養士会の支部等がこれらのあつせんに任じておるという実情であります。
#55
○渡部委員 栄養士が養成されて、工場なり療養所なり、その他に就職することになるわけですが、このときに、栄養士の意思にかかわらず、現在のいろいろな経済上の問題と関連しまして、あるいは財政上の問題と関連しまして、材料とか、予算とかによつて栄養士の意思というものが、ほとんど実現しがたい状態にあることは、国立療養所やその他の事実を見ても十分判断ざれ得るところと思いますが、こういう場合に、厚生省としては、栄養を強化しなければならぬ、そうして国民的な、民族的な健康を増進して行かなければならぬというふうな見地から、どういうような関與をされるのかという点をお尋ねいたします。
#56
○三木政府委員 栄養士がせつかく工場へ参りましても、工場の一使用人であつて、しかも工場の炊事の実権は他の者にあるという場合は、御指摘の通りしばしばございます。そのために栄養士の活動が十分に行かない場合があるということは、私どもも感じておるのでございます。これにつきましては、まず基本的には、国の食糧全体というものにつきまして、栄養当局としての立場から、農林省に対していろいろと折衝をする。また国立病院というような具体的な問題になりますならば、国立病院におきまする栄養の問題につきましては、厚生省内におきまして、私のところと医務局とが、どのくらいのカロリーをはじき出すかというような問題の検討をいたします。そういうことによりまして、栄養士活動ができますように、栄養の素材を必要なだけまわせるように、あとうだけの努力をいたしておるのであります。理想といたしましては、栄養士が管理者といたしましてすべて栄養問題に関する限り、栄養士が最終的な立場に立つことが一番適当でございますけれども、これはなかなか私どもといたしましても、実現が困難である、かように考えまして、以上申し上げましたような努力をいたしておるような次第でございます。
#57
○渡部委員 その点についてはわれわれは非常に要望しておるところなんで、現に国立療養所とかその他で、栄養について患看たちの間に非常に問題があるということも聞いておりますので、今あなたがおつしやつた点々強化して推進されることを要望するわけです。
 一年を二年に引上げるという点ですが、この点で栄養士の身分的な問題との関連であろうかどうか、はつきりいたしませんが、とにかく養成所の入所人員といいますか、そういうものが比較的少い。そうして入つても、退学して行くというような傾向が非常に強いというふうに聞いておりますが、もしそういう傾向があるとするならば、現在さらに国民の生活が一般に困つておる場合に、これを二年としたならば、そういう傾向が一層助長されて来るのではないか、従つて本法案が、すぐれた栄養士を多数つぐり出そうとする趣旨に困難を生ぜしめているのではないかという懸念があるわけですが、その点はどうですか。
#58
○三木政府委員 一年を二年に引上げますために、養成所に入所を希望いたします者が少くなるのではないかというお尋ねでございまするが、その点は、私どもも確かに若干の影響があると存じます。ただしかし、この法律案におきまして、年限を延長いたしますることは、私ども政府当局だけの考えというよりも、むしろほとんどの栄養士養成所におきまして高等科というがごときもの、あるいは專攻科というがごときものを設置しておりまして事実上二年制の学校の方が多いのであります。中には三年制の学校もあるわけであります。そういうわけでございまして、私どもといたしましては、このゆえに栄養士養成所に入学を希望する者が非常に減るというような、さような大きい影響があるとは考えておらない次第であります。
#59
○渡部委員 現在の一年制において、たとえば外国語といつたようなものを非常に少くすることによつて、その時間をむしろ栄養学一般に関する基礎的な方面に振り向けるとか、その他の方法によつて、むしろ年限を短縮して、現実に必要とする栄養知識、あるいは栄養学というものを強化して行くというふうな立案はできないものかどうか、その点を伺います。
#60
○三木政府委員 学科内容につきましては、先ほど来申し上げましたように、これは素案でございまして、それぞれの專門家に集まつていただきまして、ただいま御指摘になりましたような基礎学科につきましても、これをふやして行くというようなことで、これからさらに考慮を拂いたいと存じております。御趣旨の点につきましても、私どもよく研究いたしたいと存じます。
#61
○渡部委員 いろいろ意見はありますが、これで一応質問を打切ります。
#62
○堀川委員長 性病予防法について質問がありますか。
#63
○渡部委員 性病予防法についても打切ります。
#64
○堀川委員長 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
#65
○堀川委員長 速記を始めてください。
#66
○松永委員 それでは、栄養士法の一部を改正する法律案及び性病予防法等の一部を改正する法律案の両法律案に対しましては、質疑も終了しておられますので、この際質疑を打切り、討論終結の後、表決に付せられんことを望みます。
#67
○堀川委員長 ただいまの松永委員の動議の通り、栄養士法の一部を改正する法律案及び性病予防法等の一部を改正する法律案の両法案の質疑を打切り、討論終結の後、表決に付することとにいたして御異議ありませんか。
    〔「異議なしと」呼ぶ者あり〕
#68
○堀川委員長 御異議がなければ、さよういたすことにいたします。
 それでは討論に入ります。堤委員。
#69
○堤委員 ただいまの性病予防法の一部を改正する法律案並びに栄養士法の一部を改正する法律案に賛成の討論をいたしますが、希望條件を付したいと存じます。
 制度の改革や権限の委譲によつて性病が予防され、栄養が改善されるものではございません。われわれは、こうした法制的技術を越えた栄養の向上、性病予防についての方策として、次の諸点を要求いたしたいと思います。一、満二十年に到達したる全国の男女は国と地方公共団体の責任において周到なる健康調査を実施する。かくて発見されたところの帶患者に対しては、保健所が中心となつて生活補導、治療等を実施するようになさるべきものと考えます。二、国民栄養調査を徹底するとともに、六・三制学校においては全面的に給食を実施する。かくて従来の米食偏重の食習慣を少年期において打破し、合理的な、かつ高カロリーの攝取の慣行を與える。三、国民栄養の改革と併行して、わが国の農業経営を改革し、そのために総合的な栄養改善の機関を設置すべきであろうと考えます。
 わが日本社会党は右のような希望條件を付して賛成討論を終ります。
#70
○堀川委員長 渡部委員。
#71
○渡部委員 栄養士の養成が非常に重大になつて来ておるということは、お互いの意見がまつたく一致しておると思いますが、言うまでもなく国民栄養問題が健康問題に関連して非常に重大性を帶びて来たということは、これは現在の政治経済的な事情が、單に国民の生活問題だけではなしに、健康問題にさえなつて来ている。單に食えないというだけではなくして、その健康さえも維持できないという、重大な問題になつて来ているということに根本の原因があるのでありまして、この根本の原因に向つてわれわれ国民が全力をあげて、そういうことのないように、かえて行かなければならぬということは、当然のことであります。そういう前提に立ちましても、この栄養士の養成ということはもちろん必要であり、すぐれた栄養士を急速につくり出すということは必要であるわけでありますが、先ほども私は疑念があると申し上げましたように、今多くの人たちは栄養方面に関係して行きたい、あるいはそういう点に職を見出したいという考えから、たとえば養成所といつたようなところに入ることを布望ておつても、実際上の問題として、そういう余裕さえ持つことが非常に困難な状態にあるわけだと思います。そういう点は当局も認められておると思うのですが、こういう場合に一年制を二年制に特に引上げなければ、栄養士を養成することができないとは、われわれには考えられないわけです。われわれの考えはやはり科目、あるいは学程といつたようなものを合理的に改革することによつて――この点については厚生省その他の專門の人たちが真劍に考究することによつて実現できると思いますが、そうすることによつて時間を短縮しながら、しかも合理的に養成し得る可能性があり得るという見解に立つて、おるのであります。そういう見地から、むしろ時間はできるだけ短縮して、一年制にし、しかも合理的な養成の方法を再検討して、より多くの栄養士希望者たちが、みずから希望するところに向き得る條件をさらに拡大して、そうして国民が要求しておるところの、あるいは集団的社会生活の中で非常に要求されておるところの栄養士の養成を急速に高めて行くということが、現状にとつてぜひとも必要ではないか、主として以上の考えからこの案については荷検討を加えなければならぬ、従つて現在この案を法制化することには反対であります。
#72
○堀川委員長 以上をもつて討論は終結いたしました。これより栄養士法の一部を改正する法律案と、性病予防法等の一部を改正する法律案の二法案を採決いたすことにいたします。両法案を原案通り可決するに賛成の諸君の御起立を願います。
    〔賛成者起立〕
#73
○堀川委員長 起立多数。よつて両案はいずれも原案通り可決いたしました。
 なお議長に提出する報告書の作成に関しましては委員長に御一任を願いたいと存じまするが、さよう御了承を願いたいと存じます。堤委員。
#74
○堤委員 それではまことに恐縮でございますが、ちよつと時間をいただきまして先ほどおいでになりませんでしたので、もう一度繰返して質問申し上げます。
 最近アドルムで自殺をしたり、またヒロポンで人を殺したり、非常に犯罪がふえておるわけです。一体人命というものは、保護されなければならず、これを断つがごときことは許せない行為なのでありますが、こうしたところの性格を有する、また一時的にも異常の精神状態に陷らしめるというようなこの薬、これが製薬され、またどしどし薬局の窓口で販売されておるという現状なのですが、これに対して当局は今日の犯罪とにらみ合せていかなるお考えを今お持ちになつておるか。伺いたいと思います。
#75
○星野政府委員 ただいまの堤委員の御質問にお答えいたします。先般来覚醒剤プロパミンあるいはメチールプロパミン、すなわちヒロポン等の濫用によりまして、青年あるいは少年が必要以上に服用いたしまして、多大の弊害をかもしておりますが、厚生省といたしましては、医薬品を本来の医療の目的、あるいは正しい使用方法を基礎といたしまして、製造を許可いたしておりますが、これが正しく使われるかどうかということにつきましては、薬事法の規定に基きまして、さような習慣性のありますような薬品、あるいは毒性、劇性を持つております薬品等は、たとえば劇薬に指定いたしましたものについては、使用目的等を十分ただしまして、買受人の氏名等を自書せしめて販売せしめる、あるいは医者の処方箋あるいは指示によつてのみ販売し得る薬品に指定いたしまして、そうして国民に対する害毒を防止する方針をとつております。ただ従来の方針が、たとえば劇薬等におきましては、注射薬を指定いたしましても、錠剤等は、その一つの製剤の中に含まれます量が少量でありますれば、弊害がないわけであります。正しい使用方法を患者、あるいは使用者にとつてもらえば、弊害はないという趣旨で、その指定の範囲等を選択いたしておるわけであります。しかしながら最近の実情にかんがみまして、医薬品に標示せられました正しい使用量を越えて服用する者が多くなるような、こういう状況におきましては、従来の方針からさらに一歩進みまして、さような意味合いにおきまして、そういう弊害を防止するために、販売手続を嚴重にするという方針をとる必要があるものと存じます。覚醒剤につきましては、先般来製造を事実上制限いたしますとともに、販売におきましてもまず錠剤等も劇薬に指定いたしまして、さらに医師の処方箋または指示によつてのみ販売し得るという品目の中に加えまして、ほぼ弊害を防止する実効をあげておると存じます。たとえば今日私が承知しております範囲内におきましては、大体販売数が六分の一程度に減つておるようでございます。すなわち本来の医療の目的に主として使用されておるというふうに見受けられるわけであります。アドルムその他の睡眠剤につきまして、やはりその習慣性、その服用量等、事実上弊害あるものにつきましては、それを今調査いたしております。さような意味におきまして、その結果を待ちまして、あるいは御指摘のごとく特殊の方法の販売品目の中に加えるということも考えられると思いますが、現在におきましてはアドルムについて結論はまだ得ていないわけでございます。
#76
○堤委員 この間、毒を飲ませました犯人に会つて質問したのでありますが、これは初めから殺意を持つて買つておるのです。薬局の主人は不審がつて、量はそんなにたくさんはいけないのだとかいうことをあなたに一つも言わなかつたのかと言つたら、別に向うは何も質問しない、十入つたのを一箱買つたと言うのです。初めから殺意を持つて行つておるのに、一言もふかしぎな点を抱かずに売るという薬局の常識ですね。これは非常に問題だと思うのですが、私は当然製造と販売に特別な制限、または販売禁止というようなところまで持つて行つてもらわなければならないのではないかと考えておるわけです。大体ヒロポン、アドルムなどを初め製造を許し、販売を許されたのについては、何か理由があつただろうと思うのですが、これはどういう結果を考えておられたのでしようか。今日のような結果を許可されたときた予想しておられたかどうか、その点を伺いたい。
#77
○星野政府委員 ヒロポン等につきましては、特別に製造許可をいたしました当時は、戰争中でありましたので、非常に疲労をいたしますのに対して、急激にこれを回復せしめるという必要がございましたものですから、さような意味で特別な目的のために許したわけでございます。現在のごとく、広く一般に使用されるということを予想しておりませんでした。最近の問題につきましては、これは催眠の目的のために必要量だけ飲むという用法を明瞭に指示いたしまして許可をいたしておりますわけでございますので、現在のごとくそれを催眠以外の、自殺の目的をもつて使う、多量に飲むということにつきましては、これは当時といたしましては正しい催眠薬として用いられるという目的のために許可されたものであつて、端的に言えば予想していなかつたというわけであります。そこで御質問のように、これはひとつ法律的な制度のもとに制限を加えるということも一つの方法でございますが、一般にそういう正しい使用法においては何ら弊害がないにかかわらず、多量にそれを用いるということについて、薬局におります薬剤師あるいは薬種商に対しまして事実上のさような点につきまして、一層取扱いに愼重な注意を促しまして、そうして使用者である国民大衆にさような弊害を起させないようにという、取扱い方についての事実上の周到な注意を促す、そういう方面に徹底して行くのも一つの方法だと思います。薬局界あるいは役所方面におきましても講習、教養というようなものを目下各府県ごとにときどき行つておりますが、かような状況にかんがみまして、さような点を特に注意いたしまして、そうして販売する方におきましても弊害を防止するようにひとつ指導して参りたいというふうに考えております。
#78
○堤委員 ついででございますので私申し上げておきますが、医薬分業などが盛んに問題になつておりますが、今日の薬局の窓口における薬剤師の態度は、あれは非常に問題だと思う。致死量を平気で売つたり、ただ利益を得んがために薬を求められるままに、その本質的な作用を知りながら、平気でしろうとに言われるままに売るというような薬剤師のあり方というものは、大いに反省を促す必要があると同時に、厚生省自体は社会情勢に応じて、やはり薬局の窓口を制限する必要があるのではないか。今は戰時中ではありません。戰時中に予想せられなかつた今日のような社会情勢のもとに、犯罪がアドルム、ヒロポンを中心として広がつておるのでございます。これは時宜に応じた各市町村の末端までも通じるようなひとつ指令でも出されるように特に考えていただきたいことを希望しておきます。
#79
○堀川委員長 次に授産事業に関しまして高木説明員より発言を求められておりますので、これを許します。
#80
○高木説明員 授産事業の刷新に関しまして、このたび総司令部の公衆衛生福祉局長名の覚書を厚生省に発せられることになりまして、その内容を明日新聞発表いたす予定でございますので、その新聞発表の事前において当委員会に御連絡申し上げるために、本日お手元に資料を配付した次第でございます。新聞発表の案文につきましては、総司令部におきましても渉外局を通じて発表せられる趣でございますが、なお今日午後その内容につきまして当方の発表案と先方の発表案についてお打合せをしておるような次第でございますので、ただいまお手元に配りました資料等若干修正せられるかもしれませんが、大綱においてかわりないと存じますので一応その点御了承願いたいと存じます。
#81
○堀川委員長 それでは本日はこの程度で散会いたします。次会は公報をもつてお知らせいたします。
    午後二時五十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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