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#1
第074回国会 社会労働委員会 第1号
昭和四十九年十二月二十一日(土曜日)
   午後一時六分開会
    ―――――――――――――
  委員氏名
    委員長         山崎  昇君
    理 事         玉置 和郎君
    理 事         丸茂 重貞君
    理 事         須原 昭二君
    理 事         小平 芳平君
                上原 正吉君
                小川 半次君
                神田  博君
                高田 浩運君
                徳永 正利君
                橋本 繁蔵君
                森下  泰君
                山崎 五郎君
                粕谷 照美君
                片山 甚市君
                浜本 万三君
                柏原 ヤス君
                沓脱タケ子君
                星野  力君
                柄谷 道一君
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十二月十四日
    選任          矢野  登君
 十二月十八日
    辞任         補欠選任
     橋本 繁蔵君     石本  茂君
     矢野  登君     斎藤 十朗君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         山崎  昇君
    理 事
                玉置 和郎君
                丸茂 重貞君
                須原 昭二君
                小平 芳平君
    委 員
                石本  茂君
                上原 正吉君
                小川 半次君
                斎藤 十朗君
                徳永 正利君
                森下  泰君
                山崎 五郎君
                粕谷 照美君
                片山 甚市君
                浜本 万三君
                柏原 ヤス君
                沓脱タケ子君
                星野  力君
                柄谷 道一君
   衆議院議員
       修正案提出者   大野  明君
   国務大臣
       労 働 大 臣  長谷川 峻君
   政府委員
       労働政務次官   中山 正暉君
       労働省労働基準
       局長       東村金之助君
       労働省婦人少年
       局長       森山 真弓君
       労働省職業安定
       局長       遠藤 政夫君
       労働省職業訓練
       局長       藤繩 正勝君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        中原 武夫君
   説明員
       労働省職業安定
       局失業保険課長  関  英夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○調査承認要求に関する件
○雇用保険法案(内閣提出、衆議院送付)
○雇用保険法の施行に伴う関係法律の整備等に関
 する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(山崎昇君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る十二月十四日、矢野登君が委員に選任されました。また、十二月十八日、橋本繁蔵君及び矢野登君が委員を辞任され、その補欠として石本茂君及び斎藤十朗君が選任されました。
#3
○委員長(山崎昇君) 次に、調査承認要求に関する件についておはかりいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、社会保障制度等に関する調査.及び労働問題に関する調査を行なうこととし、これら二件の調査承認要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(山崎昇君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(山崎昇君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
    ―――――――――――――
#6
○委員長(山崎昇君) この際、長谷川労働大臣及び中山労働政務次官から発言を求められておりますので、順次これを許します。長谷川労働大臣。
#7
○国務大臣(長谷川峻君) 前国会でもたいへん皆さんにお世話になりましたが、三木内閣の労働省を担当をする者として戻ってまいりましたので、この委員会には格段の御心配、御配慮をいただくことと思います。何ぶんよろしくお引き回しのほどお願いします。
#8
○委員長(山崎昇君) 中山労働政務次官。
#9
○政府委員(中山正暉君) 労働政務次官を拝命いたしました中山正暉でございます。先生方の御指導を切にお願いを申し上げまして、ごあいさつにいたしたいと存じます。
 ありがとうございました。
    ―――――――――――――
#10
○委員長(山崎昇君) 雇用保険法案、雇用保険法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案、労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律案を一括して議題とし、政府から説明を聴取いたします。長谷川労働大臣。
#11
○国務大臣(長谷川峻君) ただいま議題となりました雇用保険法案及び雇用保険法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 現行失業保険法は、施行以来、わが国の雇用失業対策の柱として重要な役割りを果たしてまいりましたが、この間に、わが国の雇用失業情勢は、基本的変化を遂げるとともに、いわゆる高齢者社会への移行や最近の雇用失業情勢に見られるような国際的あるいは国内的要因による失業問題等の新たな事態に対処していく必要性が生じてきております。
 政府といたしましては、このような経済社会の動向に適切に対処することができるよう、雇用に関する総合的機能を持った雇用保険制度を創設することとし、雇用保険法案及び雇用保険法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案を提案した次第であります。
 まず、雇用法案の内容の概要を御説明申し上げます。
 第一に、この法律案は、失業者の生活の安定をはかるとともに求職活動を容易にする等その就職を促進するために失業給付を行ない、あわせて、労働者の職業の安定に資するため、雇用構造の改善、労働者の能力の開発及び向上その他労働者の福祉の増進をはかるための事業を行なうことを目的といたしております。
 第二に、この法律案は、零細企業の労働者はもちろん、従来から課題とされていた農林水産業の労働者をも含めて、すべての労働者に適用することといたしております。
 第三に、高齢者社会への移行等に即応して、給付日数等の面で中高年齢者等就職の困難な者に手厚く措置するとともに、給付率の改善、全国的に失業状況が悪化した場合の給付延長制度の新設など失業補償機能の強化をはかることといたしております。また、日雇労働被保険者に対する給付についても、改善をはかっております。
 第四に、農林水産業の適用に伴い、季節、短期雇用労働者に対する失業給付を、その実態に即して、五十日分の一時金にするとともに、これらの者の資格要件は、最低四カ月二十二日で足りるようにいたしております。
 第五に、以上のほか、高年齢者の雇用の促進や不況の際の一時休業に対する援助によって失業を防止することなど積極的に雇用の改善をはかるための事業を行なうとともに、労働者の能力開発及び労働者の福祉のための事業を行なうことといたしております。
 第六に、保険料については、現行の千分の十三の保険料率を据え置きとしつつ、千分の十の部分は労使が折半して負担して失業給付に充てるものとし、千分の三の部分は使用者の負担として雇用改善事業等の三事業に充てることといたしております。また、高年齢者の就職の促進と福祉の増進のために、高年齢者に関し、労使の保険料負担を免除することといたしております。
 次に、雇用保険法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の概要について御説明申し上げます。
 この法律案は、ただいま御説明申し上げました雇用保険法案の施行に伴って必要とされる関係法律の規定の整備及び経過措置を定めるものであります。
 以上、二法案の提案理由及びその概要につきまして御説明申し上げました。何とぞ、御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
 次に、ただいま議題となりました労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 現在のわが国の労災保険の給付は、これまでの数次の改正により、ILO条約の水準に達しているところでありますが、最近における経済社会の諸情勢にかんがみ、業務災害または通勤災害をこうむった労働者及びその遺族に対する給付の一そうの改善をはかるため、労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律案を提案した次第であります。
 次に、この法律案の内容の概要を御説明申し上げます。
 まず、労災保険給付の改善についてであります。
 第一に、障害補償年金及び障害補償一時金の額を、それぞれ約一二%引き上げることといたしております。
 第二に、遺族補償年金の額を、約一三%引き上げることといたしております。
 第三に、障害補償一時金、遺族補償一時金及び遺族補償年金の前払い一時金についても、年金給付と同様に、賃金水準の変動に応じてその額を改定することといたしております。
 また、これらの改善措置は、通勤災害に関する給付についても同様に行なうことといたしております。
 次に、船員保険の給付の改善につきましては、職務上の事由による給付について、労災保険の給付の改善に準じた改善措置を講ずることといたしております。
 以上のほか、労災保険の遺族補償年金の前払い一時金制度の拡充、中央労働災害防止協会の業務に化学物質等の有害性の検査の業務を加えること等の改正を行なうことといたしております。
 なお、この法律案は、公布の日から施行することといたしておりますが、労災保険及び船員保険の給付の改善等にかかわる部分は、国家公務員災害補償法等の改正にあわせて、昭和四十九年十一月一日から適用することといたしております。
 以上、この法律案の提案理由及びその概要につきまして御説明申し上げました。何とぞ、御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げる次第であります。
#12
○委員長(山崎昇君) この際、雇用保険法案の衆議院における修正部分について、修正案提出者衆議院議員大野明君から説明を聴取いたします。大野君。
#13
○衆議院議員(大野明君) 雇用保険法案に対する衆議院の修正部分について、その内容を御説明申し上げます。
 その要旨は、第一に、基本手当の算定の基礎となる賃金日額の最低額を千五百円から千八百円に引き上げること。
 第二に、政府は、昭和五十年一月一日から施行日の前日までの間において必要があるときは、失業保険の福祉施設として、景気の変動等により一時休業を余儀なくされた事業主に対し、失業を予防するために必要な助成及び援助を行なうことができるものとすることであります。
 何とぞ、委員各位の御賛同をお願いいたします。
#14
○委員長(山崎昇君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 それでは、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#15
○浜本万三君 大臣に雇用保険の関係につきまして質問を申し上げたいと思います。
 まず第一は、この法律を提案いたしました理由につきまして簡単にお尋ねをいたしたいと思います。
 自民党の経済政策の失敗によりまして、異常な物価高と深刻な不況が併存する状態に今日なっております。こういう中で国民の雇用と生活を脅かしておることはもう御承知のとおりであります。特に、深刻な不況の中で、十月には一千件を余る倒産が出ておりまするし、失業者も八十万人になろうとしております。さらにまた、来年の一−三月期には失業者の数が百万人になるのではないかというように報道をされておるところであります。こういう状況の中で失業者の生活を保障するためには、むしろ現行の失業保険法を強化、補完いたしまして国民の期待にこたえるのが政府のとるべき責任ではないかというふうに私は感じるところでございます。しかるに今回政府は、現行の失業保険法を、給付の削減、あるいはまた労働者の負担で使用者や政府が本来やるべき責任がありますところの三事業をあわせて行なわれようとしておるわけであります。したがって私は、この雇用保険法案の特質を一口で言えというふうに申されますならば、わが国における失業補償の唯一の具体策でありますところの現行の失業保険法を廃止いたしまして、労働者の生存権、生活権を奪うということになろうと思います。同時にまた一方では、企業が必要とするところの低賃金労働者の供給機構の再編成を財界の要望によって実現しようとするものであるというふうに言うことができると思うわけです。
 そこで、お尋ねをしたいと思いますのは、このような時期に、そういう事情にあるにもかかわらず、あえてこの法案を今国会で成立させようとする理由をわかりやすく御説明いただきたいと思います。
#16
○国務大臣(長谷川峻君) 私は参議院の本会議でもどなたかの御質問に答えまして、失業というものは人生の不幸であると、こう申し上げたんですが、労働省としまして、あるいはまた、お互いだれでもそうですけれども、失業の防止ということが最大のことだと思うんです。働く意思と働く能力がありながら、しかも自分の理由でなくして職場から離脱せざるを得ない、こういうことに対してはほんとうに何とか対処しなきゃならぬという立場でございます。そこで、かりに失業保険、この雇用保険になりましても、失業者の方々には失業の手当はずっと行くわけであります。現に、十月から三三%アップまでしております。なおかつ、それならば雇用保険法案をこういう短い臨時国会のときに参議院の予算委員会と並行してお開きいただきますと、こういう気持ちというものは、最近の雇用の非常に深刻化していること、これはもうたいへんなことでありまして、そういうことからしますというと、この雇用失業情勢に適確に対処するためには失業補償の機能の強化と失業の予防のために積極的な施策を盛り込んである、たとえば、一時休業に対しての助成などというものは従来の法律にはございませんでした。そういうもろもろのことが社会的に私は何とかこの法律を成立させるべきだという世論もまた生まれている。また、私たちが皆さん方にこの法律を御審議をお願いしておったということもそこにあるのでありまして、そういうことからしまして、私はこの臨時国会においてぜひ通過をさせて、おっしゃるように七十五万という数字を出されましたが、そういう雰囲気があるときでありますから、持っている手だてを一つ一つでもやることによってそういう方々にいささかの安心感といいますか、そういうものを与えることが大事じゃなかろうかと思います。今後の経済社会発展の動向に即して、あるいは能力とか訓練の問題なども入っておりますが、そういう総合的機能を持つ、私は雇用保険制度をこの際におつくりいただきまして、失業保険法の一部改正によっては十分に対処できないものをさらにこれによって大きくカバーしていくと、こういうことでございますので、よろしくひとつ御審議のほどをお願い申し上げたいと思います。
#17
○浜本万三君 今日の失業の状態にかんがみまして、先ほど大臣からお話がありました、救済措置を講ずるために、この法律を今国会にぜひ成立させたいという大臣の考え方はわかったわけでありますが、そうだといたしますならば、当然失業者を救済する最大の価値といたしましては、失業給付を増加させる、拡大させるということが一番重要なことであるというふうに思うわけでございます。私はそういう立場に立ちまして、以下本法案の給付事業に焦点を当てまして労働省のお考えを伺いたいというふうに思うわけです。
 まず第一に伺いたいのは、この法案で最も重要だと思いますのは、失業者に対しまして生活不安を与えないための給付事業を充実することだというふうに思います。しかし、第一条の「目的」によりますと、給付事業とおおよそ縁もゆかりもない雇用改善事業、能力開発事業あるいはまた労働福祉といった一般労働政策に属する三事業が同列ないし、私の見解ではそれ以上に扱われておるということを考えるわけであります。このような扱い方はまことに失業救済という立場から考えますと不合理であるというふうに考えますが、その合理性は一体どこに求められておるか、大臣の見解を伺いたいと思うわけでございます。
#18
○政府委員(遠藤政夫君) ただいま御指摘になりました雇用保険法案の中に盛られております雇用改善事業、能力開発事業、雇用福祉事業、この三事業が雇用保険法という体系の中で失業給付事業と並んで行なわれるのは不合理ではないかと、こういうお尋ねかと思いますが、実はこの雇用改善事業以下の三事業につきましては、その新しくこれから実施しようといたしております内容の中の一部分は、現行の失業保険法の福祉施設という形で行なわれておるわけでございます。
 そこで、私どもは、この雇用保険法で新しく三事業という形で体系化いたしましたのは、こういった従来から行なわれております各種の事業を今後の雇用失業情勢に、より適確に対処できるようなそういう積極的な政策を一つの体系のもとに実施しようというわけでございまして、こういった事業を現行の失業保険法の福祉施設という形で行ないますにつきましては、その財源等も労使の保険料でまかなわれると、ところが、こういうものは本来外国の制度でも雇用税でございますとかあるいは訓練税と、こういった形で行なわれている例もございます。
 で、そこで、従来からこの点につきましては、衆議院、参議院のこの社会労働委員会におきましてもこういったものを労使の負担する保険料で行なうのは適当ではないのではないかと、こういう御指摘がございました。私どもこういった外国の例にもかんがみ、また当委員会の御指摘にも十分配慮いたしまして、今回こういった性格の事業につきましては事業主の全額負担による財源を原資にしてこの事業を実施することにいたしたわけでございます。
 で、そもそもこういった事業を行ないますにつきましては、この事業はこの雇用保険法の一つの大きな柱になっております失業者に対する給付。で、こういった保険事故であります失業をできるだけ未然に防止し、あるいはこういった失業を減少させるということに役立つための事業でございます。で、したがいまして、こういった三事業を雇用保険法という一つの体系の中で実施することは、私は制度として最も合理的なものではないか、かように考えておる次第でございます。
#19
○浜本万三君 局長のいまの答弁がございましたが、なおこの問題についてお尋ねをいたしたいと思うわけです。
 私が考えますのに、この法案は失業者の求職活動を容易にするなど、その就職を促進させて、これとあわせて、積極的労働政策の支障となる年功序列型の賃金など、雇用賃金慣行を是正するためにいわゆる三事業の増進をはかることを目的にしておるというふうに読み取っておるわけなのでございます。で、それによって、労働者が失業した場合の給付というものは、誠実かつ熱心な求職者が再就職できなかったということを前提にいたしまして、その上で認定された場合に限って必要な給付を受けることになっております。この場合の必要給付と申しましても、生活保障に値する給付であるかどうかということはきわめて大きな疑問があるわけでございます。雇用促進が前面に出て、失業保険等の生存権の保障がそういう意味で私はあとになっておるということを申し上げたいと思うわけでございます。本来、生活保障の精神を持つこの制度を根本的に変えるとするならば、何といっても現行法を強化充実するということが非常に大切なことではないかというふうに思っておるわけでございます。
 そこで、まず続いてお尋ねしたいと思いますのは、そういう私ども見解に立って考えるならば、三事業と同一の法案の中で扱うということはどうしても私はまあ理解できないわけなんでございます。したがって、三事業は他の雇用関係法、職業訓練法、労働福祉法の改正によりましてむしろこの本法のワク外に出して、そして、それらの給付につきましては一般会計予算で対処することが望ましいのではないかというふうに思いますが、重ねてお尋ねをしたいと思います。
#20
○政府委員(遠藤政夫君) 御指摘のとおり、今回の雇用保険法の中では、失業給付という現行の失業保険法によります失業中の生活保障、就職までの生活安定、こういった事業が一つの大きな柱になっておりますと同時に、この失業を未然に防止し、失業給付事業のより効果的な運用をはかるための事業として三事業を加えております。この三事業をただいま御指摘のように全く別個の制度として一般会計でこの事業を運営すべきである、こういう御指摘でございますけれども、失業給付の事業を主体とする法律と全く別の体系で、別個の法律でこれを実施するということももちろん理論的には可能でございます。しかしながら、私どもは、先ほど申し上げましたように、失業をできるだけ防止し、減少させよう、そういうことに役立つための雇用改善事業であり、あるいは能力開発事業であり、先般のILO総会において採択されました教育訓練休暇に対する助成制度、こういったきわめて斬新な新しいものを盛り込んでおるわけでございます。こういうものをもしかりに別な法律体系でやるということになりますと、その原資をどこに求めるか。いま先生御指摘のように一般会計ということでございますが、私どもむしろこういうものは一般会計ではなくて、使用者の全額負担による原資をもって充てるべきではないか、かように考えるわけでございます。一般会計ということになりますと、御承知のように、一般会計の財源であります国税は勤労者の所得税がその大宗を占めております。つまり、勤労者の拠出による一般会計の税金によってこれをまかなうんではなくて、むしろ使用者の社会的責任と申しますか、使用者の義務としてこういう事業を実施すべきである。私どもはむしろそのほうがより社会的に妥当である、こういうふうに考えているわけでございます。また、かりにそういった使用者の全額負担による法体系を別建てにいたしますということになりますと、全く新しい角度から独自の法律を出して、こういう事業を実施することになりますと、いま直ちにこういったものを全国民的な関係者の合意を得て実施に移すということはきわめて現実の事態におきましては困難な事態かと思いますので、私どもはむしろこの失業の予防、防止ということと直接関連のある形でまとめるほうがより妥当ではなかろうか、こういうふうに考えた次第であります。
#21
○浜本万三君 使用者の負担でその事業を行なう、これが本旨であるという回答でございますが私が非常に心配をいたしますのは、この保険財政の中に三事業の仕事の状況によっては失業給付の中に食い込むんではないかと、そういう心配を第一に持っておるわけでございます。また、私の計算によりますと、使用者が今回この三事業を負担するという立場で千分の一・五保険料を引き上げるということになっております。これまでの失業保険法でいわれております三事業に相当する事業費が大体五百億円、新しく三事業をこの法律で実施するといたしまして約一千二百億近い財源が必要であるというふうに言われておるわけでありますが、そうなってまいりますと、五百億円の使用者の負担で一千二百億円の事業を行なうということになると、局長の答弁の内容とは結果は相当違うのではないか、こういう不審な点が起きるんですが、いかがでしょうか。
#22
○政府委員(遠藤政夫君) 従来、現行の失業保険法の福祉施設という形で行なわれました各種の事業の経費は正確にはいま手元に数字を持っておりませんが、四、五百億見当だったかと思います。これは現在は労使の折半で負担する保険料によってまかなわれております。これが雇用保険法が成立いたしますと、こういった事業はすべて新しい雇用保険法によります三事業に吸収されることになります。したがって、その原資は全額使用者負担の保険料によってまかなわれる、いわゆる千分の三によってまかなわれることになります。昭和五十年度の一応推計をいたしますと、この千分の三の使用者負担の保険料が約千五百億円でございます。したがいまして、予算によって確定いたしますが、この三事業に充当する千数百億の経費は全額この千分の三の使用者の拠出による保険料によってまかなわれる、こういうことでございますので、千分の十の労使折半によります保険料は、もっぱら失業給付事業に充てられる、こういうことでさい然と区別されることに相なっております。
#23
○浜本万三君 私は単純な計算で言うのですが、千分の一・五をふやしたのが五百億円、それから従来の三事業に相当する財源が約五百億円、そういたしますと今度新しく三事業に要する財源が千二百億、そういう単純な計算をいたしますと、従来は折半であったわけなんで従来の割合よりも新しく改正される今回の雇用保険法の場合は使用者負担の割合が少なくなるんじゃありませんか、こういう意味のことを言っております。
#24
○説明員(関英夫君) 技術的な予算の数字の問題になりますと、実はまだ昭和五十年度予算というものが固まりませんで、来年度の保険料収入全体を幾らと見るかということがきょうこの段階で確定的に申し上げることができませんで申しわけないんですが、かりに私ども昭和四十九年度、これは現年度はすでに予算は確定しておりますし、いままた補正をお願いしているわけでございますが、四十九年度に置きかえて考えると、千分の三が約千億円ということになります。で、その千億円に比して従来の三事業に相当するようなものが五百億円であった。で一・五がという先生の御説明でございますが、その千分の三はすべて事業主負担のものが一千億円になるわけでございますから、事業主からの拠出のものが三事業に回る部分が少なくなるということはございません。やはり従来よりはふえるわけでございます、千分の三はすべて事業主負担でございますので。どうも数字がまだ固まらない段階でございますので明確な数字で御説明できないのを申しわけないと思っております。
#25
○浜本万三君 では、それではまたあとに譲りたいと思うのですが、では続いて次の質問を申し上げたいと思うわけです。
 この法案によりますと、求職者に対する失業給付は、第十条によりますと、求職者給付とそれから就職促進給付という二つが盛られておると思うわけであります。
 そこでまず、給付の改善の問題なんですが、つまり、低賃金労働者の給付の改善についてお尋ねをいたしたいと思うわけです。
 失業者の基本手当の給付率は質金日額によって日額の六〇%から八〇%の幅を持たせております。そして賃金の日額は上限、下限がきめられておって、千五百円と七千五百円に押えられると思うのですが、これは先ほど千八百円というふうに下限が訂正をされております。さらにこの場合、賃金日額の八〇%の給付率は千八百円からしたがって三千円の賃金日額の労働者になっておるというふうに思います。そこで最高の八〇%の給付率の設定というのは、これは私もたいへんよろしいというふうに思うのですが、幾ら八〇%になったと申しましても、日給がわずか修正された千八百円の労働者の失業保険給付では、今日の悪性インフレーションの中で労働力の再生産の生計費になることはとうてい及ばないというふうに思うわけでございます。
 そこで伺いたいと思いますのは、もっとこのような低賃金失業者層の給付の改善を行なうべきではないかというふうに思うわけですが、この点いかがでしょう。
#26
○説明員(関英夫君) 失業給付の中の基本手当の最低日額の御質問だと思います。で、現行の失業保険の最低日額、これは先ほど大臣からお答えもございましたように、ことしの十月にそれまでよりも三三%の引き上げを行なったわけでございます。この十月から三三%引き上げたばかりでございます。それから雇用保険法案の政府の今回の提出原案は、その十月一日現在引き上げられたものに比してさらに三八%を引き上げる、こういうのが政府提出原案でございます。さらにまた、衆議院段階での修正案はそれをさらにまた引き上げると、こういうことでございますので、六六%の引き上げになる、こういうことでございます。非常にわずかな期間に大幅な給付改善をするというような考え方に基づいてやっているものでございます。
#27
○浜本万三君 それは幾ら六六%引き上げられたと申しましても、絶対額が少なくてはこれはもうしょうがないというふうに思うわけでございます。
 そこで、もう一つこの問題についてお尋ねをしたいと思うのは、一体いま申した八〇%の給付率を受ける低賃金失業労働者というのは幾らぐらい見込まれるでしょうか。何か明確なデータございましたら局長からお答え願いたいと思います。
#28
○政府委員(遠藤政夫君) 今回、衆議院段階で修正をされて引き上げられました最低額千八百円から三千円までの賃金階層に属する人たちの全体に対する割合がどれくらいかという御質問かと思いますが、つまり逆に言いますと、日額で三千円以下、――千八百円以下はもちろん含まれますが、三千円以下の部分が大体おおよその見当で、いま的確なデータはございませんが、全体の四分の一程度というふうに私ども試算をいたしております。
#29
○浜本万三君 そういうふうな四分の一−二五%、相当の数だろうというふうに思うわけなんでありますが、今日のようなインフレが進行する中で非常に生活が困っておるとするならば、本来の失業保険の目的を達成するためには、最低額の引き上げをまだまだやるべきだというふうに私は思うわけでございます。特にこの際あわせて考えていかなければならないことは、所得の再配分と申しましょうか、労働の価値を正しく評価するという立場から申しましても、当然労働者の全国一律の最低賃金制ということが問題になっておるというふうに思うわけでございます。総評などの労働組合では全国一律最低賃金制を七万円にしたいという要求も出され、労働省とも交渉されておるということを伺っておるわけなんでありますが、それらの事情を考えてみますと、やはり低賃金失業者の最低の給付金額をさらに上げていくということは当面行政としては重要な課題ではないかというふうに思いますので、特に最低賃金との関係におきまして大臣の考え方を伺いたいと思うわけです。
#30
○国務大臣(長谷川峻君) 働く諸君が手当がよくなる、労働分配率を高めていく、これはもう原則として当然なことでございます。ただ、全国最低一律賃金とよく言いますけれども、それならば東京の最低賃金と宮崎県なり鹿児島県なり、あるいは私たちのような東北の最低賃金というものは、これは差があるわけです。で、それをどこに合わせるか、これは私はたいへんな将来の問題だろうと思います。そこで、私たちとすれば、これはそういう審議会にいろいろおはかりしなければなりませんけれども、東京と川崎地帯ならば広域的にちゃんと大体の賃金が共通しているものがありはせぬか、今日までは地方によっての賃金、あるいは業種別の賃金が政・労・使の三者構成できめられているわけです。私は、将来の問題として、これはほんとうに御研究願わなければならぬものだろうと、こういうふうな感じ方を持っているものであります。
#31
○浜本万三君 それでは、給付のほうにもう一ぺん返ってみたいと思いますが、今回の法案の特徴の一つとして考えられますのは、失業保険の給付日数が押しなべて短縮されておることだというふうに思います。つまり年齢等就職の難易度と受給資格者の雇用期間によって給付日数がきめられることになっておるわけであります。真に対策を必要とする人に必要な給付を行なうというのが、先ほど大臣の御答弁でありました労働省の考え方であろうというふうに思うのでございますが、しかし、私に言わしめれば、この政策意図というのは、企業が必要としておる若年低質、金労働者には給付日数を大幅に削減をいたしまして就職を促進させる、そして逆に就職の困難な中高年齢層など、相対的に賃金の高い階層については、六〇%という上薄の給付率と扶養手当の廃止によって給付を低く押えて、失業保険財政の剰余金の拡大をはかろうとする意図があるのではないかというふうに思われるんですが、いかがでしょうか。
#32
○政府委員(遠藤政夫君) 先ほど大臣から冒頭に御答弁ございましたように、今回の雇用保険法案の一つの大きなねらいは、現行失業保険法によります失業給付、失業期間中の生活の安定のための施策、これをさらに一そう現実に即して機能を強化するということが大きな課題でございます七で、私どもは今回の雇用保険法案の中の失業給付につきまして、その給付日数の改定を行なっておりますが、不幸にして失業した方の中で再就職のなかなか困難な方々、たとえば中高年齢層の方とか、あるいは身体障害者でございますとか、そういった労働力不足の全般的な浸透する中で、なおかつ、就職のむずかしい人たちにできるだけ手厚くいたしますと同時に、こういう不況の中にありましても比較的再就職の容易な若年層の人につきましては、従来の実績を十分踏まえまして必要にして、かつ、十分な給付日数を確保すると、こういう考え方で給付日数を定めたわけでございまして、ただいま仰せのように、失業給付に必要な保険料の剰余金をできるだけふやそうということでは決してございませんで、むしろ剰余金が法律に定められた割合以上にふえますと保険料率を自動的に下げるという規定がございますので、剰余金をふやすということは私ども何ら目的とするところではございません。
#33
○浜本万三君 さらにまた、これは疑いの質問なんでございますが、給付日数の短縮によって半ば強制的に再就職をさせられる条件をつくることにならないかというような私は心配をするものであります。と申しますのは、すでに大臣も御承知のように、昭和三十九年には例の悪名高い「失業保険給付の適正化について」という労働省通達が出されておりまするし、さらに昭和四十四年の法律改正によってその地ならしが行なわれて、今回はいわばその総仕上げではないかというふうに思うわけです。そうなってまいりますと、憲法に保障された職業選択の自由というものが奪われるというふうに私は思うのでございますが、その点いかがでしょうか。
#34
○政府委員(遠藤政夫君) 御指摘になりました過去の適正化の通達等ございますが、今回の雇用保険法が成立いたしますならば、こういった関係の一連の通達は全部廃止いたすつもりでおります。と同時に、私どもは従来第一線の職業安定所の窓口でこの失業保険金の給付に伴ういわゆる認定業務と申しますか、これが非常に繁雑をきわめておりまして、そのために、本来のこういった失業して再就職を希望する方々の就職あっせんあるいは求人の確保、こういった業務がややもすれば手不足のために十分行き渡らない、こういうきらいがございます。私どもは今回の新法の成立を機会に、失業給付は十全に行ない、いままで失業給付をいろいろと判定のために手をわずらわしておった、そういう手をできるだけ簡素化することによって、こういう人たちの再就職のあっせん、求人確保あるいは身体障害者、中高年の人たちのためのごあっせん、こういうものに全力を傾注していく、こういう考え方でございまして、いま御指摘の御懸念のような事態は今後は絶対に起こらないように、私ども配慮してまいりたいと思っております。
#35
○浜本万三君 そうなってまいりますと、今日の状況というのは、もう御承知のようにたいへんな深刻な不況でございまして、特に今日の不況の特徴というのは、新聞報道にもございますように、新卒者の採用も取り消すというような状況でございます。また、比較的好況産業――若年労働者を雇用しておりました産業の深刻な不況ということがございますので、当然、若年労働者、婦人労働者を含めて雇用問題は深刻な状態になっておるというふうに思うわけです。そうなれば、当然それらの失業者に対する給付の充実ということが考えられなきゃならぬというふうに思うわけでございます。そういう立場に立って、法律の二十二条の関係の給付の削減問題についてお尋ねをしてみたいというふうに思います。
 今回の改正法によって、給付日数を一律に年齢によって給付することになりまして、例の百八十日から九十日というふうに、三十歳以下の失業者に対する給付が下がっております。これはまことに最近の情勢にかんがみまして、逆行する政策ではないかというふうに思うわけでございます。特に、これら若年労働者、婦人労働者の数は全体の被保険者の中で三分の一以上あるというふうにいわれております。しかも、そういう方々がこの法律によって、従来の既得権を侵害されるということになるわけでございます。そうなってまいりますと、先ほど説明をされた労働省の考え方とはまさに逆行する政策ではないかというふうに思うわけでございます。
 そこで、お尋ねをいたしたいのは、こういう給付日数をもとの百八十日に既得権を守るという立場に立って改正される気はないか、そういう点についてお尋ねをしたいと思うわけです。
#36
○政府委員(遠藤政夫君) こういう不況で若年者についてもかなり雇用情勢がきびしいんではないかと、こういう御指摘でございます。新規学卒の例にとってみますと、来年三月の中卒で就職を希望する人たち、約七万前後でございます。高等学校を卒業して就職をしようとする人が男女合わせて約五十万。これから日本経済が従来の高度成長から一転いたしまして、低成長と申しますか、安定成長へと向かってまいります。従来のような大きな雇用の伸びは期待できないにいたしましても、今後長期的に見まして、やはり年間二百万をこえる雇用需要があるわけでございます。その中でこの新規学卒者が五十数万、六十万に満たないという状態でございまして、来年三月卒業の予定者にいたしましても、就職希望者に対して数倍の求人がございます。確かにことし、この不況に際しまして、一部の企業で求人取り消しという事態も起こっておりますけれども、これは求人と求職に対する倍率からいたしますと、ほとんど問題にならない数字でございまして、なおかつ相当な高い倍率を示しております。また、新卒以外の若年者につきましても、こういった不況の中でも、失業という事態が起こりましても、なおかつこういう人たちにつきましては、雇用の需要が高いというような実態がありますために、たとえば先般工場閉鎖をいたしました大信紡績とか、東海レーヨンで若い人たちが一挙に失業という事態に当面したわけでございますが、この場合も当該地域でこういう人たちの再就職のための対策本部をつくって、再就職を確保したいということで現地で努力をいたしましたが、ところが実際は十数倍の求人があって、ほとんどの人が一カ月たたないうちに従来の条件、あるいはそれを上回る雇用条件で再就職をされた、こういう実態がございまして、一つの地域に大量に失業者が出るという事態がありましても、若い人につきましてはこういう不況のさなかでありましても、さほど大きな困難な事態にはなっていない。ただ問題はそういう場合にどうしても中高年とか、身体障害者でございますとか、そういった人たちにつきましてはなかなか再就職が確保できない、こういうことでございます。そこで、この給付日数につきましては、私どもはこういう比較的容易に就職できる若年層の人につきましては、従来の実績を十分踏まえた上で所定の給付日数を定めたわけでございます。そういたしまして、中高年とか、身体障害者とか社会的にいろいろ問題をかかえておられる方々につきましてはできるだけ手厚くするために給付日数を延ばす、こういう措置をとっております。しかしながら、一般的にはそういうことが言えましても、若年層の人の場合にもなお就職がむずかしいという事態、個人的にもありましょうし、地域的にもあると思います。したがいまして、そういう場合に就職困難の人については給付日数の延長という新しい制度がこの雇用保険法の中に盛り込まれております。こういう制度が活用されることによりまして、そういった就職困難な人につきましては給付日数が延ばされる、こういうことになっておりますので、私どもは十分そういったケースに対処し得る、かように考えておるわけでございます。
#37
○浜本万三君 先ほどのお話によりますと、給付日数の延長というのはおそらく個人別延長制度という適用をされることを想定されて御答弁になったんではないかというふうに思うわけなんでございますが、いずれにいたしましても十五歳で就職をいたしまして、十五年つとめて三十歳未満でございます。そうすると十五年間の失業保険は掛け捨てて、なおかつ失業した場合には従来の既得権すら失っていくということでは、たいへんこれは法の精神としては失業給付にもとる考え方だというふうに思うわけであります。しかし、先ほど局長がおっしゃいましたように、これは別途に個人別延長制度を活用いたしまして救済する措置があるというふうに私は伺ったんでございますが、そうであるならば、個人別延長制度という問題の具体的な適用についてさらにひとつ御回答をいただきたいというふうに思います。
#38
○政府委員(遠藤政夫君) 私は、給付日数の延長の制度につきましては、いま御指摘になりました個人別延長と、それから広域延長、それからもう一つは全国一律延長、こういう延長制度がございます。もちろんそのほかに訓練期間中の延長もございますが、こういった延長制度が新しく設けられておりますので、この制度を活用することによりまして十分御懸念のような問題は解消し得る、かように考えているわけでございます。その具体的な内容につきましては、これから関係の審議会に御諮問申し上げて、その答申の結果に基づいて基準が設定される、あるいは政令、省令が定められる、こういうことになるわけでございます。
#39
○浜本万三君 そうしますと、いまの局長の答弁を私がもう一ぺん申し上げますが、これは非常に重要な点ですからお答えをいただきたいと思うのですが、法律でこうなっておっても、個人別給付日数延長制度を活用いたしまして、三十歳未満の人も就職困難なものとして具体的に救済する措置を審議会にはかって実現するということに伺ってよろしいですか。
#40
○政府委員(遠藤政夫君) そういうことでございます。
#41
○浜本万三君 そうしますと、これはおそらく政令で定めなければならぬというふうに思うのでございますが、しかもまた来年の一月一日から実施をするということになってまいりますと、審議会の審議にいたしましても、政令を変える問題にいたしましても、相当急を要するというふうに思うのでございますが、たとえば審議会をいつごろ開かれて、そして政令をどういうふうに改正されて、具体的に来年の一月一日から適用されるようにされる御予定なのか、ひとつ日程を追って具体的に説明してもらいたいと思います。
#42
○説明員(関英夫君) この給付日数の制度、こういう点につきましては、政府提出案は四月一日を施行日にいたしております。で、一月一日といういま先生お話ございましたのは、衆議院段階での修正案のお話で、その一月一日は休業時の休業補償に対する援助のことでございます。したがいまして、私どもその修正案の問題は別にいたしますと、四月一日に間に合わせるべく、来春早々に審議会を開催するように準備を進めたいという腹づもりでおります。
#43
○浜本万三君 四月一日では、これはしょうがないと思うのです。ですから、私はやっぱり来年の一−三月が失業のピークであるということをしょっちゅういわれておるわけなんでございますので、衆議院段階における話し合いを含めまして、実質的に一月一日からこの救済できるような措置を講じなければならぬという考え方があるものですから、そのお尋ねをしておるわけであります。
#44
○政府委員(遠藤政夫君) いま課長から御説明申し上げましたように、この法律案は成立いたしますと来年の四月一日から施行になります。したがいまして、三月三十一日までは、現行の失業保険法がそのまま適用されることになります。私どもは、四月一日施行になりまして所定給付日数が新しい法律によって改められた、その問題につきまして、ただいま三十歳未満の問題もございますし、就職困難のために所定給付日数が足りないという場合が当然起こり得るわけでございますが、そういうものにつきまして、個人別延長、あるいは広域延長、あるいは全団一律延長と、こういう給付日数を延長する制度を設定いたしておりますので、その延長の基準につきましては、来年の四月一日の施行に間に合うように政令、省令を設定することにいたしたいと、こう申し上げておるわけでございます。
#45
○浜本万三君 重ねて給付の実質的な増額だけについてしぼってもう一ぺんお尋ねをするのですが、先ほど局長が答弁されましたように、法律では一応九十日にはなっておるけれども、個人別延長制度を活用いたしまして、できるだけ私の質問に沿うような審議会で検討すると、こういうふうに伺ってよろしゅうございますか。
#46
○政府委員(遠藤政夫君) 正確に申し上げますと、法律案の二十三条によりまして「公共職業安定所長が政令で定める基準に照らして就職が困難な者であると認めた受給資格者については、」云々と、こうなっております。したがいまして、その政令を定めることになりますので、その政令の基準によって就職が困難であるという判定をなされた者について、そういう延長の措置が考えられることでございます。こういうことでございます。
#47
○浜本万三君 わかりました。
 それではまた、これは二十四日まで審議がされるそうでありますから、引き続いてまたお尋ねをすることにいたします。
 次に御質問をいたしたいのですが、これは例の女子の結婚、妊娠退職による問題でございます。これも給付が制限をされておりまして、私どもは非常に不満なんでございますが、労働省の見解によりますと、四年間を限度に受給資格を延長できることにされております。しかし、出産後再就職を希望いたしましても、今日の状況を考えてみますと、たとえば保育所の設備が量的にも質的にも貧弱でございまして、そういうわが国における困難な条件の中で、結局これらの方々は受給資格を失っていくのではないかというふうに想像されるわけでございます。したがって、そうなってまいりますと、せっかくこういう制度をつくりましても、絵にかいたもちになるようでございますので、従来のような制度を踏襲されるということが必要ではないかというふうに思います。その点について重ねてひとつお尋ねをいたしたいと思います。
#48
○説明員(関英夫君) 失業保険制度というもの、あるいは現在の法律の名前にかかわりますので、少しことばを変えまして、失業補償のための保険の制度といいますものは、そもそもどこの国でもやはり短期保険として制度が立てられておる、したがいまして、長期的に保険料を積み立てて、で、非常に長期にわたって積み立てた保険料に基づく原資で長期の給付をするというような年金的な制度とは非常に異なっております。端的に言えば、その年に、一年間に保険料を全員が納める、不幸にして失業した人にそれで給付をする、こういう制度でございますので、そもそも長期的に掛け捨てというような概念とはならないものだと思いますが、ただ、私ども今度の雇用保険法案におきまして、受給期間を女子について延長いたしましたのは、やはりそこに男性の場合と、女性の場合とでは、職業を求める場合に別な条件があると、したがって、従来から受給期間は離職後一年間ということになっておりますが、それをそのまんま今後も続けたのでは女性にとって不利な場合がある。それは今回の法案にありますように、妊娠とか、出産、育児等の場合は、そういう理由でやめられた方にとりまして、一年以内に求職をしなければ一年たつと受給資格がなくなってしまうと、こういうことでは男性に比して一律にしていることがむしろ平等を欠くというふうに考えまして、私どもこれを四年間に延長すると、最高四年間に延長すると考えたわけでございます。で、この四年というのは私ども検討の際に長過ぎるのじゃないかというようなこともずいぶんございました。本来が一年勝負の短期の保険でございます。しかし、まあ最高四年ぐらいにしなければ、こういう事態から変わりまして、ほんとうに求職し得る事態にならぬ場合も考えられる。で、考え得るぎりぎりの期間延ばそうということで四年といたしたわけでございます。なお、女子の問題につきましては、それ以外には、この雇用保険法案では変えているところはございませんで、現行制度より不利になるということはございません。
#49
○浜本万三君 もう一つ心配になります点は、労働省令の定めるところによりますと、それらの方が四年以内にこの給付を受けようとするときには、公共職業安定所に申し出るということになっておるのですが、そうなってまいりますと、これまででも女子の方に対する給付は、窓口で制限をされるという苦情が絶えなかったわけでございます。時間が経過するに従ってその心配はなお増すのではないかというふうに考えられますが、そういう点、どのようにお考えでしょうか、またそういうことがないようにどういう御指導をなさるのか、その点についてお尋ねをしたいと思います。
#50
○説明員(関英夫君) 先生のいまの御質問は、具体的な安定所の失業の認定の問題として、先ほど給付適正化通達というおことばがあったわけでございますが、そういう問題にからむ窓口での認定の問題だと思います。前国会におきますこの参議院の社会労働委員会でも、その給付適正化通達の問題は非常に時間をかけて論議が行なわれました。私ども当時も申し上げたように、また先ほど局長からも申し上げましたように、雇用保険制度に切りかわった場合には、その給付適正化通達は廃止いたしまして、もちろん失業保険でございますから、失業の認定ということが必要でございますし、職業紹介をし、その上でなおかつ就職できない者に給付をすると、この原則は変えるわけにはもちろんまいりませんが、安定所の窓口で無用なトラブルがないように、それよりもむしろほんとうに必要とする職業をできる限り開拓してお世話する、そちらのほうに重点を移して、安定所の本来の使命に戻った行政運営をやりたいというふうに思っているわけでございます。
#51
○国務大臣(長谷川峻君) いまの問題は、私ども非常に考えておりまして、こういう雇用不安のときですから、この十月に全国の職業安定課長を労働省に全部集めまして、――これは異例なことだそうです。そこで、やはり職安はこういうときにこそ、人が悩むときに親切な声をかけてやることを、熱心に就職を世話すること。そうすれば、世話することによって仕事をした本人も喜びを感ずる。こういうときこそ一生懸命やるべきだということでやっております。私はその際に、やはりほんとうに働くというものの意味、それをひとつよくお考えいただきながら、私たちのほうもできるだけのいろんな手当て、考え方をこういう委員会で聞いたことを参考にしながら、たとえばいまの女子の場合でも、ほかの男子の場合よりはまだいいと、そういう問題なども考えながらやっておりますことも、あらためてひとつ御理解いただきたいと、こう思います。
#52
○浜本万三君 次は、日雇い労働者の給付の問題についてお尋ねしたいと思うんですけれど、日雇い労働者の給付金は、印紙保険料の納付日数によって三段階に分かれておると思います。二千七百円、千七百七十円、千百六十円というふうになっておると思います。そこで、現在の不況下で、しかも狂乱物価の中で、雇用不安にさらされておる建設、港湾労働者などの日雇い労働者の問題なんでございますが、このような仕事に携わっておられます日雇い労働者についての雇用の促進ということは当面非常に重要な問題になっておると思うんですが、まず、現状について簡単にひとつお聞かせ願いたいと思います。
#53
○説明員(関英夫君) 現在、公共職業安定所で日雇いの求人を受理しておりますが、この民間の日雇い求人につきましては、本年に入りまして、前年同期に比しまして毎月大体二〇%程度の減少になっております。特に、建設、港湾等の日雇い労働者が集中しております山谷あるいは愛隣等の地区につきましては、その減少幅が三〇%台というふうな減少を示して、景気後退の影響があらわれているというふうに言えるかと思います。
#54
○浜本万三君 先ほど、お話がございましたように、確かに非常にいま重要な問題であるということが十月から十二月にかけてのあらゆる新聞、雑誌などに出ておるというふうに思うわけです。そういう方々の雇用のあっせんということについては、早急に対策を講ずる必要があるというふうに思うわけでございます。それにいたしましても、これらの労働者の受給資格要件というのは、過去二カ月間に印紙保険料を通算いたしまして二十八日分納付することが最低の条件になっておると思います。そして、日雇い失業保険給付は一カ月間に十三日から十七日分しかないということも御承知のとおりだというふうに思うわけでございます。こういう方々の給付の額をふやしていくということは、結局それらの方々の生活を守っていくために非常に重要になってきておるという心うに思うんですが、そういう点につきまして、どういうふうなお考え方を持っていらっしゃるでしょうか、お尋ねをいたします。
#55
○政府委員(遠藤政夫君) 日雇い労働者の方々の就労状況につきましては、ただいま御説明申し上げましたように、一般常用求人の場合と同じように、やはりかなり低下を来たしております。私どもは、特に常用の場合もそうですけれども、日雇い労働者の方々につきましては、毎日毎日働いて、その日の賃金を得られるという方でございますだけに、一そう強力に求人を確保いたしまして、こういう人たちの就労状態が低下をすることのないように努力をいたしておるわけでございます。幸い、いまのところ求人は減っておりますけれども、就労状況はさほど悪化いたしておりません。大体横ばいのような状態でございます。まあ今後求人がなお一そう減少するようなことになりました際に、現在の就労状況が確保できるように努力してまいりたいと、かように考えております。
 ところで、こういった人たちのいわゆる日雇い失業保険につきましては、御指摘のように、前二カ月に二十八日ということでございますと、月に十四日働いて残りのいわゆる不就労日に対して保険金が支払われると、こういう制度でございます。しかもそういう資格を持った人につきましては月平均十五日の保険金が支払われる。といたしますと、十四日の就労プラス十五日ということで、ほぼ一カ月分が就労と失業保険の保険金によりまして給付が行なわれると、こういうことでございまして、私どもは、支給される保険金の――新しい雇用保険になりますと、失業給付の日額の引き上げにつきましては、今後とも実態に即して努力してまいりたいと思いますが、資格要件なり給付日数につきましては、給付日数をこれ以上ふやしますと一カ月三十日をオーバーすることになります。したがいまして、私どもは、むしろ実態に即した給付内容の充実に今後つとめてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
#56
○浜本万三君 特に職がないということになりますと資格要件を欠く条件が生まれると思うのですが、その点についてはどういう配慮をなさっていかれるおつもりでしょうか。
#57
○政府委員(遠藤政夫君) ただいま申し上げましたように、二カ月二十八日ということで月に十四日ずつなきゃならぬということじゃなくて、かりに一カ月が十日を下回るようなことがあってももう一カ月で二十八日を満たす、たとえば十八日あればいいということでございますので、その点はきわめて弾力的に設定されておると私どもは考えておりまして、この点、今後そういう事態が生まれるということは考えられないと思いますけれども、私どもは、そういうことにならないように就労確保の点で十分努力をしてまいりたいと、かように考えております。
#58
○浜本万三君 重ねて給付額の問題についてもう一回ひとつお尋ねするのですが、この千百六十円では、いかにもこれは低いと思うのですね。私は、やっぱりこれで合理的な根拠があるのだろうかということをしょっちゅう疑うのですけれども、労働省としては千百六十円にどういう合理的な理屈をつけていらっしゃるのでしょうか。
#59
○政府委員(遠藤政夫君) これは一般の場合に、失業前の賃金の六割ということでございまして、日雇い労働者の方々の給付の日額につきましても同じような考え方に立っておりまして、今回の雇用保険法におきまして、さらに上のほうに一段階積み上げまして一級を新たに設けたということでございまして、今後とも賃金の動向に即しましてこういった給付内容をさらに積み上げていくというふうにいたしたいと考えております。
#60
○浜本万三君 次は、身障者の雇用問題についてお尋ねしたいと思うのですが、今日、一般の労働者も深刻な雇用状態があるわけなんですけれども、身障者の方の雇用不安というものはそれに余るものがあるというふうに思うわけであります。これに対しまして遠藤局長は、十一月十一日でしたか、全国職安課長会議の中でりっぱなことをおっしゃっておられるのが載っておるのですが、それによりますと、一番大切なのは金や物ではなく、働く人たちすべてにその職場を確保することなんだという訓辞をなさっていらっしゃいます。そこで、これらの方々の雇用の確保という問題について今日特にどのような配慮をなさっていらっしゃるのか、お尋ねをしたいと思うわけです。
#61
○政府委員(遠藤政夫君) ただいま御指摘の十一月の全国課長会議におきまして、大臣からもお話ございましたように、異例なことでございますが、大臣から直接この問題につきまして御指示をいただいたわけでございます。私どもは、先ほど来御指摘がございますように、こういう不況が深刻になってまいりますと、どうしても雇用・失業面に相当の影響が出てまいります。その中でやはり一番問題になりますのは、中高年であり身障者の方々である。で、たとえ人員整理を余儀なくされるようになりましても、こういった社会的に非常に痛めつけられやすい身体障者の方々にしわ寄せをして、こういう人たちを解雇することのないようにということで、各関係企業を強力に指導いたしてまいっておりますが、御承知の身体障害者雇用促進法によりまして身体障害者の雇用率も定められております。一応民間企業につきましては、一・三%の雇用率は達成されておりますけれども、なおかつ今後この身体障害者で就職を希望される方はまだまだ多いわけでございます。で、この身体障害者雇用促進法によります各種の援助手段等も今後充実してまいらなければなりませんが、同時に雇用率の問題につきましても、民間企業は必ずしも十全に達成されているわけではございません。特に大企業につきまして、この雇用率の達成状況はきわめて悪い状況が現実にあらわれてきておりますので、この問題につきましても、先般来当委員会でも御指摘を受けております。私どもはできるだけ早い機会に、今年度じゅうに、こういった大企業で身体障害者の雇用率を達成してない、しかも何も理由がなくて達成してないような、こういう企業につきましては、これを公表するような制度を発足させることによりまして身体障害者の雇用の促進につとめてまいりたい、と同時に身体障害者の雇用促進法の中身につきましても、関係審議会等でいろいろと御意見を賜わっております。できるだけ早い機会に抜本的な改正を考えてまいりたいと、かように考えております。
#62
○浜本万三君 次は、適用事業等の、事業所の範囲拡大に関連する問題についてお尋ねをいたしたいと思うわけであります。この法案によりますと、農林水産など第一次産業を除いて、五人未満の事業所に適用の拡大をはかることにされております。そこで懸案の農林水産業につきましては、当分の間、暫定任意適用事業として当然これは適用の範囲に据え置かれることになると思うのであります。しかしこれまでの経過を調べてみますと、昭和四十四年の法律改正のときに農林水産事業等を当然適用するための適切な方策について調査研究を行ない、六年以内に必要な措置を講ずるということを国民を代表する国会で約束をされておるというふうに思うんでございますが、今回そのことに反して適用除外されておるということは納得できないわけでございます。したがって、これまでの調査研究の経過並びにその内容について簡単にお知らせを願いたい。
#63
○説明員(関英夫君) 先生御指摘の昭和四十四年の失業保険法の一部改正法の附則で農林水産業等、当時失業保険の当然適用事業とされていない事業を当然適用とするための適切な方策について調査研究を行なうことということになっておりましたので、私どもといたしましては、昭和四十七年度に林業に関しまして、四十八年度に農業、漁業に関しまして実態調査をいたしました。たとえば労働者の就労状況とか、季節性がどこまで克服されているかというような点に主眼を置いて調査を実施するとともに、失業保険制度研究会という、これは大臣の私的研究会でございますが、学者の、学識経験者の先生方からなります研究会も設けて検討を重ねたわけでございます。
#64
○浜本万三君 これにつきまして、私は特に次の点が心配になってまいりますので、お尋ねをして明快な回答をいただきたいというふうに思います。
 つまり五人未満の事業所ということになりますと経済基盤も非常に弱い。そうすると不況による倒産の影響が非常に強いということになります。そうしますと、来年の四月からこの法律が適用されるということになりますと、受給資格を得るためにはさらに六カ月間要する。そうなってまいりますと、それまでの間に倒産する企業があるかもわからないというふうに思うわけでございます。そういう受給資格のない倒産のうき目にあった失業労働者に対してどのような救済措置を講じられるのか。これは非常に重要だと思いますので特にこれは大臣のほうからひとつ御答弁をいただきたいと思います。
#65
○国務大臣(長谷川峻君) 新たに当然適用とされる零細事業所に雇用される被保険者は、法施行後六カ月を経過しなければ受給資格を得ることができないということでございますが、最近のこういう雇用・失業情勢にかんがみまして御指摘のようなケースも起こることも当然考えられますので、これに対しましては職業転換給付、この制度を充実させまして、その活用によって対処してまいりたいと、こう思っております。
#66
○浜本万三君 いま大臣がおっしゃいましたように、そういう具体的な措置を講じられるということなんでございますが、私どもは、特に一−三月が非常に心配になるというふうに思いますので、なお積極的な対策を講じられるように希望いたしたいというふうに思います。
 次は、雇用調整交付金制度の問題についてお尋ねをいたしたいと思うわけです。
 この問題は、労働省としては、今回の法案に情熱を傾ける一つの理由、目玉商品になっておるというふうに思うわけでございます。しかし、これに対してはやはり若干の心配がございますので、その点についてお尋ねをいたしたいというふうに思います。
 まず第一は、保険財政の面からお尋ねしようと思ったんですが、これは先ほど御回答がございましたので、それで私は一応質問を打ち切りたいというふうに思うわけでございます。
 次の問題は、使用者が雇用調整交付金制度というものを安易に利用する心配はないかということなんでございます。その点について労働省はどういう対策を考えておられるのか、お尋ねをしたいと思います。
#67
○政府委員(遠藤政夫君) 雇用調整の措置、いわゆる雇用調整交付金制度につきましては、確かに御指摘のような懸念もあり得るかと思います。私どもは、この雇用保険法案の中で雇用調整措置を制度化いたしました最大の理由は、冒頭に大臣からお話ございましたように、私どもはできるだけ失業をさせないようにする、働いている人たちを職場から離脱させないようにするということが、これが最大の眼目でございまして、企業が不振のために不況の影響を受けて休業しなければならぬ、操業短縮をしなければならぬという場合に、それが即人員整理、解雇につながらないようにするためにこの措置が設けられたわけでございます。したがいまして、企業が恣意的にこの解雇につながるような、なしくずし解雇につながるような休業をするという場合にこの雇用調整措置を発動するつもりはございません。したがって、御指摘のように、そういうことにならないようにするためには、労使の事前の協議とか、そういったものが前提になるような方法を私どもは考えてまいりたい。具体的には、この基準をきめますに際しましては、中央職業安定審議会に十分御意見を伺いまして、その結果に基づいてそういう乱用が行なわれることがないように最大の努力をしてまいりたいと、かように考えております。
#68
○浜本万三君 これは三事業の給付制度の一つになるというふうに思うので引き続いてこの問題をお尋ねするのですが、三事業の中で行なわれるこの種、給付制度を円滑に運用をしていくためには、どうしてもこの労働者の参画が必要だというふうに考えるわけなんでございますが、この制度をうまく運用するために労働者の意見というものをどのようにくみ取っていかれるつもりなのか、具体的にお答えをいただきたいと思います。
#69
○政府委員(遠藤政夫君) この運用につきましては、ただいま申し上げましたように、当然運用の基準をきめます際に中央職業安定審議会の意見を聞いて、その答申に基づいて実施いたすわけでございます。この審議会は御承知のとおり労・使・公益、三者構成になっておりまして、労働代表が参画をして意見を出されるわけでございます。したがいまして、私どもはその労使の意見を十分しんしゃくした上で実施に移してまいりたいと、かように考えております。
#70
○浜本万三君 別にこの制度運用の労使委員会というものを持たれるお気持ちはございませんか。
#71
○政府委員(遠藤政夫君) 具体的な実施基準がきまりますと、それをそのまま適用するわけでございますので、具体的に個別的に一々交付するかしないかというようなことは、これは担当機関の実施になりますので、それについて労使委員会というものをつくる考えはございません。
#72
○浜本万三君 じゃ、もう一つお尋ねするのですが、新聞によりますと、この特別措置は特別措置として来年の一月一日から繰り上げ実施したいという御意向が労働大臣から表明されておるわけなんですが、そうしますと当然それまでにある種の制度をつくらなきゃいかないということになりますと、一月一日という限られた期限を考えますと、先ほど局長が言われた委員会との関係はどうなるのでしょうか、日程的にお答えください。
#73
○説明員(関英夫君) 私ども衆議院段階におきます修正案というものがもし成立いたしました場合のことを考えまして、二十六日に中央職業安定審議会の招集をお願いいたしております。そこにこの一−三月の実施基準をおはかりして、何とか間に合うように作業いたしたいというふうに考えております。
#74
○国務大臣(長谷川峻君) 四月一日から実施の法律でございますけれども、委員会で審議しておりますと、やっぱりこれほどむずかしい情勢じゃないか、はだにひたひたと国会におられる先生方もいまの社会のこの雇用不安を感じられるわけです。だから、何とか早く施行できないかという熱心な御意見が出ました。私は非常なときはやっぱり非常なことをやって、そしてみんなに安心してもらう、そういう姿勢の中に、みんなでこう努力をしていくという姿が大事じゃなかろうか、こういう御答弁をしておりましたが、先ほど大野議員がここで説明申し上げましたように、衆議院の段階においては与野党の皆さんがそれならば一月一日にやるべしというふうな修正案、――私は、こういうときにこそ労働省がほんとうに労働者を助けるために、守るために心中するつもりでひとつしっかりやろうじゃないかということで実はお願いしているわけでありまして、まあ、そういう善意と申しますか当然のことでしょうけれども、そういう姿勢でやっておるというところをひとつおくみ取りいただき、その間にいまのように事務的には審議会等々も開いていく、こうしたまあ年の暮れ、役所とすれば年の暮れ、普通は年の暮れでしょうけれども、ほんとうにこういうときに努力しなきゃならぬという気持ちで労働省の諸君ががんばっているということもまた皆さん方に御理解願いたい、こう思う次第であります。
  〔委員長退席、理事須原昭二君着席〕
#75
○浜本万三君 まだ少し質問が残っておるのですが、二十四日まで審議されるということですから、一応時間が参りましたので私の質問を終わらせていただきます。
#76
○粕谷照美君 私は、大体三事業を中心として質問をしたいというふうに思っておりましたが、いまの浜本委員の質問、それからそちらの答弁をお伺いいたしまして若干関連してどうしてもお聞きしたいということがありますので伺います。
 この八月の十六日の総理府統計によりますと、四十九年の上半期に労働力人口が七十五万人減員をしたというのがありました。これは昨年の同期に比べますと約四万人減だと、しかもその内容については男子がふえているのに女子がたいへん大幅に減っているということがあげられておりましたが、その理由の最たるものに、いわゆるピークの時代に生まれた人たちが昭和二十三年前後になると思いますが、そういう人たちが結婚及び育児、出産これを機会に退職をしたのだと、こういう問題点が出されていたわけです。非常に私は婦人のこの若年層の退職というものが、この失業の不安の中でもっともっと大きな問題として大臣にも考えていただかなければならないというふうに思っているわけです。先日、東京都の中小企業に働く婦人の統計をとりました、その統計表を見せていただいたわけですが、その中に母性保護の規定すら知らないような、こういう企業主がいるという数字があげられています。そういうところで婦人労働者は働きたくても働けない、これはもう本人の意思とかなんとかにかかわらず失業と同じような条件が、たとえば出産をすることによって退職しなければならないというような条件が出てきているというふうに私は思うわけですが、現在でも若年定年制をとっているところが、これはちょっと古い統計になりますが、先回婦人少年局長にお伺いしたのですが、御答弁がありませんでしたので、四十七年の答弁をお伺いしますと、結婚定年制をとっているところが六%、出産が二%、そしてまた、若年定年制をとっているところが一・四%あるという、こういう問題点が出ているわけなんです。したがって、それとからまり合いまして、今回婦人労働者とは書いてないと労働省側はおっしゃいますけれども、しかし、私たちは一番の被害を受けるのはこの婦人労働者だというふうに考えて、納得ができないわけなんですよね。延長しました、延長しましたなんて言っていますけれども、現実には日数を切り下げられているという、ここのところで納得をすることができないわけなんですが、いま職安局長が、今回たいへん大ぜいの方々が集団的に不況によって失職をした、そうして、そういう人たちに対してたいへん親切に職業指導をなさって、なかなかいいところに全員就職をしたということのお話しがありました。私はそれがほんとうであったならばたいへん喜ばしいことだというふうに思うわけです。たとえば現在以上の条件で就職をした人たちがいたという報告はほんとうであったならば、たいへん喜ばしいことだというふうに思うわけですが、その統計も現実に見ませんと、私は心から喜べるという状況にありませんので、その資料を後ほど私にいただきたいというふうに思っております。なぜかと申しますと、私たちはいま職場の中でもう二十歳を過ぎますとね、係長あたりが「おばさん、おばさん」なんて言わせて、居づらくなるような状況というものをつくっているわけですよね。そういう中で女の人が、たとえば二十五歳で失業した、二十七歳で失業した、こういうときに、この人たちがほんとうに若い人と言えるかどうかという問題点があると思うのです、採用する側のほうにしてみれば。そうしますと、こういう人たちが今回失職をしたあるいはこれから失職するであろう、そういう状況の中で、いままでだったら失業保険が入るのだわ、半年もらえるのだわとこう思っていたのが四月一日からだめだということになりますとね、これはまさに保険を掛けていたのだからもらえるものだという、そういう期待に対するペテン行為じゃないかというふうにも考えられるわけなんです。この個別的な延長を考えていますと、こういうふうにおっしゃっていますけれども、ぜひこの部分については全国一律に、たとえば一年間二年間延長するとか、こういうような問題を具体的にお考えをいただきたいというふうに思っているわけですが、この辺のところはいかがでしょう。
  〔理事須原昭二君退席、委員長着席〕
#77
○政府委員(遠藤政夫君) この点は、先ほど浜本先生のお質問でお答えいたした次第でございますが、本来のこの失業に対する補償といいますか、この雇用保険法での失業給付の所定日数につきましては、失業した人たちが不幸にして職を離れた方が次の新しい職につかれるまでの間をこの保険制度によって補償する、こういうことでございます。したがいまして、これからの深刻な労働力不足の事態の中でもなおかつ就職がきわめて困難な人たちが一部におられます。反面、若い人につきましては金の卵といわれるような状態でございまして、そういう人たちの過去の現行失業保険法によります受給実績、それから、これからの雇用情勢に照らしまして、私どもとしては必要にして十分な補償ができるような体制を前提にいたしまして給付日数を定めておるわけでございます。しかしながら、こういった不況という事態に直面いたしますと、かりに一般的には比較的就職が容易な若い人たちでありましても、現実にはなかなか就職がむずかしいという事態も起こってまいります。したがいまして、先ほど申し上げましたように、こういう場合に個人別延長、あるいは地域的な延長、あるいは全国的な、不況によって失業状態が深刻になった場合の全国一律延長、こういったことによりまして、九十日なり百八十日なりあるいは二百四十日なり、それぞれの所定給付日数に対しましてさらにこの給付日数を延長するという制度が設けられておるわけでございます。したがいまして、こういった給付日数延長の制度をフルに活用することによりまして、御懸念のような点は十分私どもは対処してまいれる、かように考えておる次第でございます。
#78
○粕谷照美君 私は、大臣が本会議で、失業は人生の最大の不幸だとおっしゃいましたし、いままた労働者とともに心中する気持ちがある、こういうたいへんあたたかい気持ちを持っていらっしゃることに期待をいたしまして、特に来年は国際婦人年でもあります。この婦人労働者の権限が大幅に削減をされたとか、婦人労働者が泣くような状況にあるというようなことは絶対に回避をしていただきたい、このことをお願いいたしまして三事業のほうに入っていきたいというふうに思います。
 私は、失業保険制度というのは、労働力を売る以外に生存の手段を持たない労働者が失業という社会的な事故にあった場合に、失業保険給付を受けることによって失業中の生活の安定を確保する、すなわち憲法でいえば生存権を保障するところに本来の目的があるんだと、基本的にこう考えているわけですが、それは近代的な社会保障制度は、十九世紀後半のヨーロッパで、一定収入以下の労働者を対象に失業保険、医療保険、そして年金制度がつくられたのが初めでありますし、また、日本の国におきましても戦後に整備された制度もまず労働者に適用されたという歴史から、こう考えているわけですが、この基本的な認識に誤りがあったならば御指摘をいただきたいというふうに思います。
#79
○国務大臣(長谷川峻君) まあ、私たちが働くことを売るとか買うとか、そういうふうなことじゃなくして、私はやっぱり生きるために働く、それがときに給料になってくる。自営者もございます。問題は、やっぱり一生のうちで、二十四時間のうちで働く時間が一番大事なことですから、そういう方々が安定して、そして、その生活が年々充実していく、その中に自分の子供も教育していく、こういうふうなところに焦点を合わせて、そのお手伝いを労働省がしていく、いないな政府がしていく、こういう考え方でやってまいりたい、こう思っております。
#80
○粕谷照美君 私の質問にお答えいただいたんですか、それで。よくわからないんです。
#81
○国務大臣(長谷川峻君) それじゃ、あれですが、失業保険制度というものは、やっぱり失業者の生活を安定させて、その再就職を援助することをまず第一番に目的にしております。そういうことからしますというと、社会保障の重要な一環をになっていると、こういうふうな感じ方を持っております。
#82
○粕谷照美君 それでは、さらにこの保険給付による生活保障が失業した労働者に適職を選択させる機会を保障し、労働力の窮迫販売を防ぐ機能をも有しなければならないというふうに思うわけですが、その意味で失業保険制度は失業補償制度の基幹でなければならないんだというふうに思うわけです。この考え方に対しても御見解をお示しください。
#83
○国務大臣(長谷川峻君) そのとおりです。
#84
○粕谷照美君 しかし、そういうふうに言いましても、失業補償が失業保険制度による一時的な所得保障という限界があるというふうに思います。ですから、失業者の適職選択機会、労働力の窮迫販売防止の機能を十分に生かすためには、どうしても政府が雇用機会を創設し、職業教育、そして訓練、職業紹介などの雇用安定対策を講じなければならないというふうに思うわけです。その意味で、失業補償と雇用保障というものは、法的には別個の問題であるというふうに思いますけれども、表裏一体の関係にあるというふうに考えますが、いかがなものでしょうか。
#85
○政府委員(遠藤政夫君) 私ども、現行の失業保険法におきましても、あるいはただいま御審議いただいております雇用保険法案におきましても、働く人たちが失業された場合に、できるだけその失業の期間を如くして希望される適職に再就職をしていただく、その期間、この保険によって生活をささえるために、生活を安定させるために一定の所得を保障する、こういう考え方で、これがこの法律の根幹をなすわけでございます。同時に、そうすることによって、それぞれのすべての人に生涯安定した働く場、職場を確保するということが私どもは最大の目的である、かように考えておるわけでございます。したがいまして、この雇用保険法案の中で、失業給付という一つの大きな柱と、それと表裏一体をなします適職に再就職を確保する、そのために必要ないろいろな事業、あるいは教育訓練でございますとか、あるいは福祉のための事業、こういったものがもう一つの柱として盛り込まれている、こういう仕組みになっているわけでございます。
#86
○粕谷照美君 そういうことであるとするならば、今回の法案の失業給付事業の求職者給付において実質的に給付水準が切り下げられますし、さらに従来においてもしばしば問題になっていた求職者の職業選択の自由を無視するような、ややもすると、強制労働的な職業安定行政がより強力になるところに今回の問題があるというふうに思うわけです。これは、三日前に、私、たいへん近しい職業安定所につとめている人にお伺いいたしたわけですけれども、この雇用保険法案が通ったならば一体あなた方はどういうふうな感じでこれを受けとめますかと、こう質問したら、われわれの権限が強化をされるというふうに考えていますと、こういうふうに言われたので非常にびっくりしたわけですけれども、つまり、法案のたたき台になった失業保険制度研究会の報告の中にある、失業保険制度には失業補償機能のほかに、失業を予防し、再就職の促進をはかる機能があるという考え方は社会保障と全く矛盾するものであると、わが国の多くの労働法、それから社会政策分野の学者がそういうふうに批判をしていることも御存じだというふうに思うわけです。
 そこで、あえて労働省がこの法案に失業給付事業と一般労働施策で行なうべき雇用改善、能力開発、そうして労働福祉といった三事業を保険事故と考えて同一に扱う措置をとった理由を、先ほどの浜本委員への御説明にもありましたけれども、どうしても納得がいきませんので、もう一度明確にお伺いをしたいというふうに思うわけです。
#87
○説明員(関英夫君) 今度の雇用保険法案におきまして保険事故という概念で私ども給付をいたしますのは、失業給付のほうだけで考えております。失業というものを保険事故と考え、そういう保険事故にあわれた方に失業給付をする、これが保険事故の問題でございます。しかし、保険事業全体といたしましては、そういった保険事故をできるだけ発生を防ぐとか、あるいは、不幸にして保険事故が発生した場合に、その保険事故をできるだけ短くするといいますか、早く再就職を促進する、こういった事業も保険事業全体としては非常に必要なことであるので、あわせて保険事故に対する失業給付と、それから保険事故を予防し、あるいはそれを短くするような、そういうような三事業とをあわせて行なう総合的な制度として雇用保険制度というものを考えたものでございます。三事業については、保険事故というふうには考えておりません。
#88
○粕谷照美君 これは、私や社会党が言うだけではなくて、総理府の社会保障制度審議会も、この点については、「雇用改善事業等三事業が失業の予防に資する点は理解できるとしても、これら保険事故でないものを含めて、ことさらに「雇用保険」と称することは、社会保険の概念を拡張しすぎるものであり、それぞれの事業の責任の所在を不明確にする。」と、こういうきびしい批判をした答申を四十九年の二月八日に出しているということはもう御存じだというふうに思いますので、重ねてこの給付事業と三事業を法案に盛り込んだ合理的な理由というものをお伺いしたいわけです。
#89
○説明員(関英夫君) ただいま御指摘の社会保障制度審議会の答申は、国会に提出いたしました雇用保険法案、これは今回もあるいは前回の場合も同様でございますが、でなくて、それ以前の雇用保険法案大綱といいますか、そういう考え方について御諮問申し上げ、御答申をいただき、その御答申をできる限り尊重して、初めて雇用保険法案全体を考えたわけでございますが、そのときに社会保障制度審議会にお出ししたおりには、たとえば三事業は千分の三をもって充てるというような考え方が明確に書かれてはおりませんでした。そういったような全体の事情から、私どもの説明の不十分さもありましたが、三事業を含めて保険事故というふうにお考えの先生方もおられたかと思いますが、国会に提出いたしました雇用保険法案におきましては、はっきりと保険給付事業と三事業とを分けまして、三事業は本来の保険事故である失業というものを予防し、あるいはそれをできる限り短縮する、そういうものに役立つ事業として、従来の失業保険法で言いますと、福祉施設という形で失業の予防、就職の促進をやってきたわけでございますが、いわばそれを発展、拡充した形とし、かつ財源は事業主負担のみの財源として、そういうものとしてはっきりと制度的に確立いたしまして国会に提案したと、こういうことになっております。
#90
○粕谷照美君 そういう経過はわかりました。
 それでは、この雇用保険法案というものは、そもそも人手不足の時代に対応して、単なる失業給付事業だけじゃなくて、能力開発、雇用促進などの雇用政策分野にまでも拡大しようという考え方から出されたという経過があるわけです。つまり、背景には高度経済成長政策を通じて、深刻な失業問題は発生せず、そして給付の制限強化によって保険財政が潤っていった。そして潤った保険財政は、積立金運用収入によりまして、独占資本の財投にあるいは勤労者財産形成事業、あるいは官舎あるいは公用自動車の購入などに充てられたなどという批判もあるような、そういう運用がなされていたというふうに考えるわけですが、この法案の構想は、制度的にも財政的にも、また不況による中小企業倒産、そして失業者の増大という今日の状況、そしてまた、総需要抑制政策を堅持しようという現在の政府の基本方針と合わないのではないかというふうに思いますが、これはいかがでしょうか。
#91
○政府委員(遠藤政夫君) 粕谷先生いま御指摘のように、この雇用保険法案が今日の姿で御審議いただきますまでには約一年半の期間がございました。この法案を最初に準備に着手いたしましたのは、昨年の八月でございます。したがいまして、当時まだ高度経済成長下でございまして、この法案作成に着手いたしました時点で、まず大前提として議論になりましたことは、一体日本経済は従来のような、こういう高度経済成長といったような事態が、今後常態として続くものであるかどうかということが議論になりました。早晩近いうちに経済の転換期が来るであろう。その際も、なおかつ労働力不足という事態は、長期的にいま以上に、当時の時点以上に深刻になるであろう。しかしながら、国際経済の影響とかあるいは国内経済の摩擦的要因によって、当然相当深刻な経済不況、それに伴う失業の深刻化という事態も予想しておかなければならないだろう。その際に、そういった事態を考えますと、現行の失業保険法ではきわめて不十分な点が多い。したがって、この失業保険法の持っております失業補償の機能を、そういう、これから予想される深刻な失業状態にも対処できるような形に機能を強化すると同時に、いかなる事態に対しても、できるだけ失業を予防し、働く人たちが生涯働ける間、その適職に安んじて働けるような安定した職場を確保できるような体制をとっていく必要がある。そのためには、この失業の予防という観点からの積極的な政策を確立する必要がある。こういうことが出発点になりまして、この雇用保険法案ができ上がったわけでございます。したがいまして、できた当時の時代的背景と、現在とはかなり情勢は変わっておりますけれども、この雇用保険法案が法案という形ででき上がりましたのは、実は昨年の十二月からことしの一月にかけてでございます。すでにその当時では、いわゆる昨年の秋以来の石油危機によります不況が当然予見されておったわけでございまして、その時点から私どもはことしの九月、十月にはこういう失業事態がおそらく出てくるであろうということを予測しながら政策を進めておったわけでございまして、ただいま粕谷先生の御指摘の点は私どもとしては十分予見し、織り込んだ上でこの法案を御審議をお願いしているわけでございます。
#92
○粕谷照美君 たいへん先見の明のある雇用保険法案だというふうにおっしゃっているわけで、私たちもほんとうはそうであってもらいたいと、こう願っているわけですけれども、今日の不況下のこの不安の状態とは、全くそれとは逆な状況下の発生であるだけに、現在はむしろ失業者を発生させないという、こういう施策のほうが重要になっているというふうに思っているわけです。それで、その三事業によって失業を予防するんだというその効果が生かされるという自信があって出されているんだというふうに思うわけですが、ほんとうに私たちが安心をして、ほんとうにそうなんだというふうな明確な説明というものをいただきたいと思います。
#93
○政府委員(遠藤政夫君) 具体的なお答えになるかどうかわかりませんが、実は先般の通常国会が終了いたしました六月三日以降、この数カ月間に一時休業、操業短縮あるいは人員整理が進んでおります繊維とか電機とか、こういった関係の業界、労使をあげてこの雇用保険法案の早期成立の私どもは強い要請を受けてまいりました。で、先般の通常国会で衆議院段階でいろいろ御審議をいただきました中で、かりにこの雇用保険法案が成立しても、五十年の四月一日からではおそいんじゃないか、すでにこの秋には相当深刻な不況の影響を受けて、雇用面でもたいへん憂慮すべき事態が起こり得るであろう。そういう事態に対応しなければならないにもかかわかず、四月一日までゆうちょうなことを考えておれぬじゃないか。もっと早くこの中身を繰り上げて実施したらどうだ、こういう御意見もしばしば承ったわけでございます。そういう点につきましても、いろいろと御議論ございましたが、もしそういう今回衆議院段階で御修正になりましたような来年一月一日から繰り上げて緊急に実施に移すと、こういうことがもし可能であり、実施されておりましたといたしますならば、繊維、電機あるいは運輸関係、化学とかこういった各産業界で起こっております操業短縮、一時休業あるいはその一歩進んで人員整理、合理化といったような問題が、私ども相当程度緩和され、失業が予防できたんではないか、こういうふうに考えておりますし、関係の労使の間でもそういうことが考えられただけに、この法案の成立を急げという御要請を受けておったわけでございます。
#94
○粕谷照美君 そこは考え方が違うわけで、何もこの法律を出さなくてもそういう問題点を解決することができるというふうにはお考えにならなかったわけですか。この一緒にまぜた法律、いまのこの雇用保険法案を出さなくても、たとえば、そのようなことに対するにはどのようなふうに対処をしたらいいか、こういう発想はなかったわけですね。
#95
○政府委員(遠藤政夫君) そういう不況業種に対しまして緊急融資をやるとか、あるいは私どものほうでは人員整理に至りますまでにできるだけ指導をして、そういうふうにならぬようにする、これは十分いたしてまいりました。しかしながら、そういった融資措置とかそういう指導だけでは、この不況を乗り切るために、特に中小企業等におきましてはなかなかむずかしい事態になっていることも、先生御承知のとおりでございます。私どもはこういう雇用調整措置によって、休業期間中の経費が三分の二なり二分の一補てんされるということであれば、それだけ企業としては切り抜けることが十分可能である、こういうことが私どもとしては考えられるわけでございまして、その観点から関係者の御要請もあったんだと、私どもかように考えております。
#96
○国務大臣(長谷川峻君) 粕谷先生、こういうことじゃないですか。いまから四、五年前に繊維ショックがあったんです。そのときも七、八万が出るだろうという話から、いまこの雇用保険でなくて、持っている労働省のいろんな手当てで、失業者が出たのではかないませんから、それで受け血というものをつくったんです。そのときはそうショックが激しくなくて、思ったよりはそういう人は出なかった。しかし、今度のやつは失業する前に給付金というもの、雇用調整交付金というものをやって、中小企業は三分の二、一時帰休の月給を助成していく。そのことによってずっと長い解雇をしないで済む。こういうことは今度の新しい法律でできるわけですからね。それはこれがなくとも何かやりましたよ。やりますけれども、この法律ができれば、そういう新しいことをやれるというところに御審議願っておる。まあ労働省、先見の明を誇るわけじゃないですけれども、私はほんとうにことしの春でもできておれば、四月一日のやつをこの機会に一月一日に繰り上げろという話さえ出ている今日ですかち、私は十月でも、ことしの六月に法律が通っておれば、六月でもこれがやれたんじゃないか。そうすれば、いまの方々も多少は救われたんじゃなかろうか。そういうところに皆さん方の猛烈な要望があって、それを受けて立っていることですから、よくひとつ御吟味のほどをお願いします。
#97
○粕谷照美君 吟味すればするほど、私が先ほど申し上げたように、悪い条件というもので切り捨てられる人たちが非常にたくさん出ているわけですから、そういうことをしないで、いまの大臣がおっしゃったようなことをやるというようなことの発想をまず私たちは要求をしたかったわけですが、もうすでにここに経過としてきているわけですから、私はもうそれ以上何も申し上げません。いずれ社会党としての最後の見解は二十四日の日に出すということですから……。
 三事業についての各論に入ることにしていきたいと思います。
 まず最初に、雇用改善事業について、法案によりますと年齢別の雇用の改善があげられて、中身として、定年の引き上げ、そして高年齢者の雇い入れ促進等、年齢別の雇用構造の改善をはかるために必要な事業主に対する助成及び援助というのがありますけれども、現在でも中高年齢者対策としてこれらの助成措置を行なっているわけですけれども、具体的な中身を現行法と比較して説明をしていただきたいというふうに思います。
#98
○説明員(関英夫君) まず、定年の引き上げの促進の問題でございます。これは現在雇用対策法に国の施策として定年の引き上げということを国はつとめることになっておりますし、そういった規定に基づきまして現在予算措置で定年延長奨励金というようなものをやっておりますが、それをこの事業の中で強化しつつ実施したいということでございます。
 次に、高齢者の雇い入れの促進でございます。現在中高年齢者等雇用促進法に基づきまして中高年齢者の雇用率というものが官公庁と民間事業所それぞれ別に設定されております。そういった雇用率をもとに高齢者を適職に雇ってくれるように行政的に努力しているわけでございますが、この雇用改善事業の中からは、今度は新しく高齢者の雇い入れの奨励のための交付金のようなものを考えていきたい。具体的には来年度予算の問題でございますので、まだ金額等固まっておりませんが、これが成立すれば来年度予算において高齢者を雇用する事業主に対しまして奨励金を交付して、高齢者の雇い入れの促進に資したいと、こんなふうに考えております。
#99
○粕谷照美君 現在でも労働省は中小企業事業主に対して一年延長について一人当たり二万五千円の助成をしているということは存じておりますけれども、助成措置が機能していればこの問題は解決できるというふうに思いますか。それをしていれば解決ができるんだというふうにお考えですか。私たちはその声はあまり聞いていないわけです。
 それで、現在の定年制の現状はどういうふうになっているのかということと、厚生年金受給年齢の六十歳まで、この定年延長を法律によって規定をするんだという考え方はないのかということについてお伺いしたいと思います。
#100
○説明員(関英夫君) 定年制の問題につきましては、定年制というものが労使の話し合いによりまして労使関係としてきまっておるということで、ごく最近までは労働省としては、定年問題について国として積極的にどうこうするということは、いわば、労使間に介入するような話にもつながりますので実は差し控えてきたというのが実情でございますが、しかしながら、高齢化社会を迎え、定年問題が非常に重要な社会問題になってまいりますので、そこで、三年前ぐらいですか、雇用対策法を改正いたしまして、定年の引き上げの促進ということを国の施策としてはっきりうたうということに踏み切ると同時に、ただいま先生のお話にありましたような中小企業におきます定年延長に対しまして奨励金を交付してそれを促進しょうというような施策をとり始めたわけでございます。これらの施策をとり始めてからまだ非常に日が浅いわけでございまして、そういう意味で実績もまだ十分あがっているとは言いかねる面もございますし、また、そもそも、定年延長というのは、先ほど申しましたように、企業の中における労使間の話し合いの問題でございまして、そこに、特に日本の雇用賃金慣行といいますか、年功序列賃金といったような問題がからみますだけにこの解決は私は非常にむずかしいことだろうと思います。で、奨励金を出せばそれで解決するかと言われれば、それのみをもって解決しますということはとうてい申し上げることができない非常にむずかしい問題だと思います。また、法律によってそれを一律に規制するというようなことも、現実に日本の雇用質金慣行を考えました場合に、とうていできないことではなかろうかと思います。私どもとしましては、この定年の延長という問題につきまして、奨励措置を充実しつつ、これからの高齢化社会に向かって労使ともにひとつこの問題を真剣に取り組んでいただく、そういう雰囲気をつくり、そういう論議に必要な資料を提供し、そして定年の引き上げを促進していきたい、こういうふうに考えております。
#101
○粕谷照美君 それで、先ほどお話がありましたように、雇用率が官公庁、民間事業所に設定されているというようになっておりますけれども、この現状についてお伺いしたいと思います。
#102
○説明員(関英夫君) 雇用率につきましては、中高年齢者等雇用促進法の第七条に基づきまして、現在、国や地方公共団体等の官公庁を対象とするものといたしまして、中高年齢者に適した職種三十三職種を選びまして雇用率を設定しております。また、民間事業所につきましては、六十三職種について中高年齢者の雇用率を設定しておりますが、これは、一気にその率まで達成することは非常に困難なものでございますので、達成の目標年度を昭和四十六年の十月に設定いたしました職種につきましては五十年度末、それから昭和四十八年九月設定の――こちらは事務員等でございますが、そういった三十四職種については五十二年度末ということで、その間に徐徐に達成していただこうと、こういうことで設定したわけでございます。したがいまして、まだその達成目標年度に達しておりません。
#103
○粕谷照美君 その四十六年にきめられたものは五十年度ですから来年度わかるわけですね。ぜひその目標に達するようにせっかくの御指導をお願いしたいというふうに思うわけです。
 では、次に、地域的な雇用改善の内容として、雇用機会を増大させる必要がある地域への事業所の移転、あるいは季節労働者の通年雇用の促進、さらに地域的な雇用の改善をはかるために必要な事業主に対する助成及び援助、というのがあるわけですが、この事業について詳しくお伺いしたいと思います。
#104
○説明員(関英夫君) 「雇用機会を増大させる必要がある地域への事業所の移転による雇用機会の増大、」というのにつきましては、労働力需給から見て雇用機会が非常に少なく、雇用機会を増大させる必要がある地域を労働大臣がいろいろな指標から見て設定いたしまして、その雇用機会不足地域に新たに新増設する事業所の労務費コストといいますか、そういったものにつきまして助成することにより、そういった地域での事業所の新増設による雇用機会の増を促進していきたいというふうに考えております。なお、これに関連するものとして、現在、農村地域工業導入促進法等によります施策がいろいろ行なわれておりますが、そういうようなものをさらに拡充強化して対処していきたい、こういうことでございます。
 それから通年雇用の促進といいますのは、季節的に就業し、季節的に解雇される人たちがおります。これをたとえば通年雇う、そのためには設備の改善、たとえば冷蔵庫を備えて夏も冬も事業ができるというようなふうにするならばできると、――これはたとえば水産加工のような場合でも、いままで現実にそういう例がございますが、そういったようなことをして通年雇用に切りかえた場合、その通年雇用に切りかえる事業主に対しまして奨励金を出すというような形で通年雇用の促進をはかりたいというようなことを考えております。
#105
○粕谷照美君 いま課長がおっしゃったように、ほんとうにこの法律は農村地域工業導入促進法とたいへん関係が深いというふうに思うわけですけれども、その昭和四十六年に鳴りもの入りの宣伝でつくられたこの法律が、現在、ほんとうにどのような成果をあげているのか、現状はどのようなふうになっているのかということについて、これは課長にお伺いすることじゃないかもしれませんが……。
#106
○説明員(関英夫君) 農工法に基づきまして、現在、農村地域にすでに進出して操業している企業は三百三十六企業でございます。それから進出を決定した企業数は六百十七となっております。で、現在操業中の企業に雇用されている労働者約二万八千人、うち、地元からの雇用者が二万二千人というようなことになっております。
#107
○粕谷照美君 そうすると、決定したものと、それから現実のものとの関係は、たいへん大きな差があるわけですね。この原因というのは、一体どういうふうに分析をされているわけですか。
#108
○説明員(関英夫君) 農工法に基づきます地域に進出を決定いたしましても、現実に進出いたしますには工場の新設、それから、その新規工場へ移転する労働者、――基幹的な労働者はおそらく移転することになると思いますが、移転する労働者をどうするか、その住宅施設等をどうするか、あるいは労働者を新規に地元から相当数雇い入れることになりますが、そういった労働者の募集等々に相当の日時を要しますために、進出を決定いたしましても、現実に操業開始までには相当の日時を要します。そういう意味で、先ほど申し上げましたのは、すでに操業している、現実に操業している企業が三百三十六、決定企業は六百十七と、こう申し上げたわけでございます。
#109
○粕谷照美君 私は、これはやっぱり企業の活動が停滞ぎみだというふうに思うわけで、地域的なこの雇用改善事業を計画しても、ただ計画だけ、計画倒れに終わるのではないかという危険性が非常に大きいというふうに思います。ほんとうに労働省が言うように、地域の雇用改善が可能なのかどうかという点については、制度をつくって中身のないものではナンセンスであるというふうに思いますし、ナンセンスなだけじゃなくて、害毒がむしろあるんじゃないかということを、現実に地域を回ってみますと考えられないわけでもありません。したがって、十分この点については御審議をいただきたいというふうに考えております。
 次に移したいというふうに思うんですが、「雇用改善事業」の柱の一つに、経済変動に対する雇用調整対策という不況対策がありますけれども、この交付金の支給要件について御説明をいただきます。
#110
○説明員(関英夫君) まず、この雇用調整交付金は、法律にありますように、「景気の変動、国際経済事情の急激な変化その他の経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた場合」というのに限られます。したがいまして、一口に不況産業といいましょうか、その不況産業であるかいなか、これをまず一定の基準を設けまして、大臣が指定する不況産業でなければならない、これが第一の要件だろうと思います。たとえば放漫経営をたまたましておった、そのために操短に追い込まれたというような場合は対象とならないわけでございまして、法律に書いておりますような「経済上の理由により」、「国際経済事情の変化」なり、「景気の変動、」なり、そういったようなやむない経済的の理由により、事業活動の縮小を余儀なくされるような産業であることが第一だと思います。
 それから、そういった産業におきまして、事業活動の縮小を余儀なくされた結果、休業になった、その休業の規模も非常に問題になろうかと思います。あまり小さな休業規模のものまで対象とするということはいかがなものか、やはりある程度以上、一定規模以上大きな休業でないといかぬだろうと、こういうふうに思います。
 それから次に、先ほども浜本先生のほうから御指摘がございましたが、その休業ということについて、私どもは労働協約なり、あるいは組合がない場合には、労働者を代表する者との書面による協定なりによって労使間の協議がととのったもの、こういうことも前提として考える必要があろうかと思います。
 で、そういうような前提を満たす場合に、事業主が労働基準法の休業手当最低補償額六割以上を支払った場合に、その支払った休業手当を大企業の場合は二分の一、中小企業の場合は三分の二、交付金として支給するというようなことを考えておりますが、具体的には、先ほど申しましたように、中央職業安定審議会におはかりをして基準をきめたいと思っております。
#111
○粕谷照美君 私たちが考えているのは、やっぱりこういう不況は、いまのところ自動車だとか建設、繊維、あるいは電機などに非常に幅広く影響を受けているわけですが、さらに、こういう産業の下請が現実には中小企業の倒産件数としてあらわれているわけですよね、調整金を受けないままに倒産して労働者が失業をするということも推定されるわけで、やっぱりこのことは大企業のみになるのじゃないか、この制度そのものは。そういう心配を持っているわけなんですが、ありませんか、そういうことは。
#112
○説明員(関英夫君) 先ほど申しましたような基準のうち、特に私は休業の規模の問題が、大企業と中小企業とでは非常に差異があろうかと思います。したがいまして、中小企業と大企業との場合では、休業の規模については、やはり差異を設けるというようなことも必要かと思います。つまり、大企業ですと相当自由に――と言いますと語弊がございますが、休業規模等の幅をもってきめられるでございましょうが、中小企業となりますと、それだけ余裕がございません。そういう意味で、中小企業の場合に、たとえば三ヵ月も休んでいなければ援助しないというようなことをした場合には、ほとんど利用できない、こういうようなことももちろん考えられると思います。中小企業の場合には、休業規模がある程度小さくても対象にするというようなことを考え、かつ、助成内容も大企業よりも三分の二というふうにしますと、たとえば九〇%の賃金を補償するとすれば、三〇%分で足りるわけでございますので、そういう意味で、規模なり、助成内容について配慮すれば、中小企業も活用することが可能であるというふうに思います。
#113
○粕谷照美君 中小企業についての配慮を考えているということはよくわかりました。
 この雇用調整交付金の支給、これは労働大臣が基幹産業等を指定して行なうことになっておりますけれども、さっき申し上げましたように、産業も非常に多岐にわたっておりますし、不況回復の時期、あるいは期間も、たいへんこれから長引く可能性が大きいというふうに思うわけです。で、雇用調整交付金、この支給額はたいへん巨額に達しますし、雇用保険が財政的に破綻をするという危険性があるんではないかという、こういう心配を持っているんですけれども、どういう財政勘定になっているわけなんでしょうか。
#114
○説明員(関英夫君) 三事業のうちで、景気等の状況によりましてその見込みが非常に変わってくるというのは、この雇用調整交付金ぐらいのものでございまして、あとの事業は大体私ども従来の経験からして、十分、積算した予算でまかなえると思っております。そういう意味で、本来の失業給付のほうは、景気の影響によって非常に異なってまいりますので、そこに余裕があった場合には積み立て金を積み、いざというときに備えて積み立て金を一定規模持っておると、こういうようなことも必要でございますが、三事業のほうは千分の三の保険料の中で変動要素、景気による変動要素が非常に大きいのはこの雇用調整交付金でございますので、その点は来年度予算を組みます場合に、十分配慮して予算措置をしておけば、私どもとしては千分の三の範囲内の中で十分運用できると思っております。また、特に不況期におきましては、三事業の中にも優先度合いというものを考えまして予算を組んでいくというようなことも可能でございますし、あるいは非常に異常な事態ということになれば、政府もよく既定経費の節減ということをやりますが、三事業の中にも新しく施設をつくるとかいろいろなものがございます。そういうようなものの運用によって非常事態には対処し得る余地があるというふうに考えております。
#115
○粕谷照美君 たいへんまじめに答えていただいてありがとうございました。
 で、その次に、「能力開発事業」の事業内容についてお伺いするわけですが、従来の職業訓練の行政というものとどういうふうにからむかということについてです。法第六十三条に示している事業内容は、事業主の行なう職業訓練への助成及び援助、第二番目に公共職業訓練施設の設置またはそれへの援助、三番目に求職者、退職を予定する者の訓練、四番目に有給教育休暇制度への助成、援助、そして最後に技能検定の実施に要する経費負担と必要な助成などがありますが、大半は事業主か事業主団体への援助行政になっております。それで、これらの事業内容によって、被保険者等に関し職業生活の全期間を通じて、能力を開発し、向上させることを促進するという事業目的が十分に達せられるというふうにお考えになっていらっしゃるかどうかということです。
#116
○政府委員(藤繩正勝君) ただいまおあげになりましたように、これからの職業訓練は労働生涯、特に最近は平均余命が非常に延びてまいりまして、長い労働生涯の中で、しかも早い技術革新に対応しまして、それぞれの段階で職業訓練を受け得るような体制を整備させるということが非常に大事でございます。そこで、従来からも広範な職業訓練を展開しておりますし、なかんずく昭和四十四年にいまの職業訓練法を制定していただきまして、体系的な訓練を行なえるようになったわけでございますが、しかしながら、なおそれを一そう理想的に行ないますには、たびたびお話にもございますように、諸外国では職業訓練税あるいは訓練賦課金というような制度もあるわけでございまして、わが国でこれを実際にどういうふうに実現するかということは今後の重要な課題だと思いますけれども、この法案に盛られております考え方も、現状からすれば一つの前進ではなかろうか。そして事業主の全額負担によります事業におきまして、ここに六十三条にありますような諸般の施策を行なうことによって、従来より増して訓練の内容を高めることができるというふうに思っております。
 ただいまここにあがっておるものは、どっちかというと事業主に対するものが多いんじゃないかというお話でございますが、従来から職業訓練行政全体を通じましても、予算をごらんいただきましてもおわかりになりますが、大半が公共職業訓練に要する経費でございまして、いまも、現在でも事業主に対するものは四、五%程度でございます。これを行ないまして、今度の法律でかなり充実できましても、まあ、せいぜい一〇%ぐらいではなかろうか。全体としては当然公共訓練に重きを置いていく。ただ問題は公共訓練と事業内といいますか、そういうものを十分ミックスして、相互に関連をもたして効果のある訓練を展開したいということで、訓練の立場から言えば、この制度が一日も早く実現することを期待しているようなわけでございます。
#117
○粕谷照美君 職業訓練や職業教育訓練に関して私たちは考えているわけですが、すべての労働者は、年齢、性別、人種にかかわりなく公共的な職業教育訓練を受ける権利があり、国はこれを保障しなければならないという憲法の二十六条、二十七条があります。さらに、その費用及び教育期間中の生活は国及び資本家がこれを負担しなければならない。三番目に、教育訓練の内容は、体系的で完全な基礎教育を含み、永続的な技術進歩に対応するものでなければならない。四番として、見善い、養成工に対しては、法的最低賃金が保障されなければならない。そして最後に、訓練制度の計画、運営、その発展について、また一般に訓練問題の取り扱いについて、労使団体の代表の参加を保障すべきであることという、こういう原則があるわけですが、これらの原則は、ことばの表現こそは違いますが、ILOをはじめとして、すでに国際的に普遍化された一般的な原則だというふうに考えているわけです。この原則に対して賛成なのか反対なのか。そして、わが国の職業訓練制度が、この点に関して、あらゆる面でかなっているかどうか、ということについてお伺いいたします。
#118
○政府委員(藤繩正勝君) ただいまおあげになりました各項目につきまして、個々にわたりますといろいろ意見もございますけれども、大筋としてはやはり私どもはそういう考えで訓練をやらなければならないというふうに思っております。先ほど申し上げましたように、ただいままたおあげになりましたように、生涯にわたるいろいろな段階で訓練を行なう、またそれを受けるような体制が、受け得るような体制が必要であるということからいたしますと、今度のこの制度は一歩前進ではなかろうかというふうに思います。
 特に、最近訓練で非常に問題になっておりますのは、高校進学率が非常に高まってまいりまして、従来のように中卒で高校その他に行けなかった者を職業訓練校で受け入れまして訓練をやるというパターンが大きくくずれておりまして、むしろいまおあげになりましたように、これからは成人訓練、あるいはすでに雇用された者を受託して行なう受託訓練というような形で、しかもその間にペイを受けてやれるように事業主に援助をするということもこれに入っておりますけれども、そういう形で展開をする。そのためには、ここに入っておりますような、たとえば技能開発センターというような考え方もどんどん推し進める必要があるというふうに考えておるわけでございます。
#119
○粕谷照美君 この問題は、とうてい私に与えられた七十五分の質問の範囲内では間に合いませんので、いずれきっちりとやりたいというふうに思っているわけですけれども、昭和四十六年にこの五カ年計画が出されたわけですけれども、その五カ年計画で、まだ統計がとれてないと言われればそれまでなんですが、現在の職業訓練所の実態はどのようになっているかということを、特に婦人の問題も含めましてお伺いをいたしたいというふうに思います。
#120
○政府委員(藤繩正勝君) ただいまおあげになりましたように、四十六年に新しい法律に基づきまして職業訓練基本計画というものを立てまして、それに目標を置きながらやってまいりました。ただ、この訓練目標は、特に達成目標といたしまして、最終時の五十年の収容人員をあげておるというところが特徴でございますけれども、たとえば検定種目につきましても、どの程度の検定を行なうかというような達成の数量を目標に掲げております。そういった点からいたしますと、たとえば検定などはかなり目標に到達してきておりますけれども、ただいま申し上げましたように養成訓練、つまり学校を卒業しましたいわゆるグリーンボーイを受け入れて行なう訓練というようなものにつきましては、なかなか思うように目標に達していない。それからまた、成人訓練というようなものは、その必要性が理解されておりながら、ただいま技能開発センターのことも申し上げましたが、そういった具体的な受け入れの体制が十分でないということから、必ずしも私どもは満足をいたしておりません。
 中央職業訓練審議会でも、この問題をもう一ぺん検討しようじゃないか。ちょうど年度も変わりまして、新しい五カ年計画を必要といたしますので、それをやりたいということでございますので、私どもも検討したいと思っております。
 それから婦人の職業訓練でございますが、当然のことながら婦人が非常にたくさん就業していらっしゃる職種は訓練の中でもたくさんあるわけでございまして、全体で大体、昭和四十八年度の数字で女子の入校者の割合は一五・四%、全体のまあ一五%ぐらいが女子でございます。女子につきましては、特にたとえば東京とか、大阪とか、名古屋とかいうところでは女子専門の職業訓練校を持っておりますし、それからまた、中高年の婦人を対象にするいわゆる家事サービスの訓練も、東京で申し上げれば牛込にございますが、ああいった特殊の訓練も行なっております。そういう訓練のニーズに対応して、われわれは訓練の種目、内容カリキュラム等々にこれからも十分検討を加えて改善をしていきたいというふうに思います。
#121
○粕谷照美君 検討したいということは、結局やっぱりあまり成績がよくない、考えていたほどでないということで、その原因は一体どこにあるかということを御検討なさっていただきたいというふうに思うわけですけれども、しかし、そう思っていらっしゃって、その検討まで至るにはすでに、やっぱりこうこうこういうのが原因じゃないかというふうなお考え方があろうかというふうに思うわけです。で、現在そのような状況になった理由、原因というものは一体何なのかということをお伺いしたいというふうに思いますし、それからその婦人の訓練について大都市を中心にして女子専門のものができているということについては、これはいたしかたがないというふうに思うわけですが、私どももこれからやっぱり婦人労働者が未熟練労働者であったり、女の人が働かないで家にいるんだなんという状況とはもう大きく変わってきているわけですから、積極的にこの婦人労働者も職業訓練を受けられるようなチャンスをつくるように努力をしていただきたいというふうに思うわけです。
 そして、今後のこの訓練のあり方についてあわせて原因とともにお伺いしたいわけですけれども、今後公共的な訓練に重点を置いていくのか、あるいは大企業なんかでやっています企業内訓練ですね、それとのウエートはどのように考えていらっしゃるのかということについて……。
#122
○政府委員(藤繩正勝君) 先ほども申し上げましたように、たとえば入校率というような観点からすれば、現在必ずしも十分充員状態がよくないという問題がありますが、それは判断をするとすれば、つまり需要と供給の両側に問題がある。つまり、需要といいますと、公共訓練が十分な受け入れ体制を持っていないがゆえに、なかなか訓練校に入る、きてがない、きてが少ないという問題と、それからもう一つは、訓練校に行く人の数がそもそも少ないという問題があろうかと思います。その前者につきましては、もう少し魅力のある訓練校にする必要があるというような声もございますし、あるいはその訓練中のペイの問題等々もあるわけでございますが、それは今度のこの法律の制定によりましてずいぶん前進し得ると私ども思っておりますが、決定的な実は問題は、むしろ供給側にあるわけでございます。というのは、往年でもかなり入校率がよかった時代は幾らでもございます。決定的な問題は、先ほども触れましたように、ここへきて高校進学率がどんどん上昇してきた。中卒の者は全国で、まあ中卒でそのまま終わるという者が一〇%ぐらいしかない、東京のごときは四%しかないわけですから、その中から職業訓練校に受け入れようというのは初めから非常に無理があるわけでございます、そこで、私どもは先ほど申しましたように、一たん雇用された人々をむしろ対象にしたそういう受託訓練あるいは成人訓練というものが必要でございます。
 それから一つ問題なのは、よく言われますが、一たん雇用されましても、まだ成年労働者である間、まあ二十四、五歳までの間に相当流動する層がございます。よく言われますように、三年間で五割も離転職をするということが言われます。そういう層に対してむしろ職業訓練を施すべきではないか。現に東京や神奈川や大阪あたりでは、相当数の者かそういう形で職業訓練を受けております。そして失業保険を受給しながら、つまりペイを受けながら基礎的な訓練を受けて、そしてりっぱに再就職していく。これは一つの私は新しいパターンではないかというふうに思っております。
 いずれにしましても、生涯を通じた各段階における各種の訓練に対応できるように、それには何と言いましてもやっぱり財源がほしいわけでございまして、そういう意味で最初に申し上げましたように、この制度は、訓練の立場からは、一日も早くできることを期待をいたしておるというわけでございます。
#123
○粕谷照美君 いまのお考えはよくわかったわけですけれども、私はやっぱり、供給の側に問題があるというふうにおっしゃいますけれども、現在の公共の職業訓練の水準そのものが、大企業に比してやっぱり非常に低いというところに魅力がない、役に立たないという、ここのところに基本があるというふうに思いますので、大臣といたしましても、この職業訓練については、労働者側の要求も十分にくみ入れて、ほんとうに財源的にきちんと喜んでいけるような条件というものをつくり出すようなお考え方があるかどうかについてお伺いしておきます。
#124
○国務大臣(長谷川峻君) 私は、役所の仕事がちょっとひまになりますと、こういう学校をよくたずねるのです。しかも、お互いの平均寿命がどんどん長くなることですし、それから機械がどんどん発達することですから、やはりああいうところを活用して、そして訓練されたことによってかりに新しい資格が生まれればそれによってペイがさらによくなる。こういうふうな感じを持っておりますので、おっしゃるとおり、訓練の内容の新しい分野、特に魅力がなければ新しい分野を見つけていくとか、さらにまたこういうものを活用するという零囲気、そういうものも私はぜひ助長してもらいたい。こういう国会の場においていまのような御熱心な御意見が出るということは、私は非常に影響力のあることだと、こう思っている次第でありまして、将来ともに一生懸命つとめてまいりたいと、こう思っております。
#125
○粕谷照美君 では、今度の法案に新規に出されました有給教育訓練休暇制度の援助というのがあるわけですけれども、この教育訓練というのは具体的に何を指していらっしゃるのか。それから事業主に対する助成などの方法というのをもっと具体的に明確にお示しいただきたいと思います。
#126
○政府委員(藤繩正勝君) 御承知のように、ことしのILOの総会で有給教育訓練休暇の条約が採択をされまして、日本政府といたしましても賛成をいたしたわけでございまして、その教育訓練休暇の普及の一助にもということで、今度のこの法律には、いま御指摘になりましたように、六十三条の四号に助成措置が書かれておるわけでございます。
 で、私どもこの法律が成立しましたならば直ちに、ほかの点でもお答え申し上げておりますのと同じでございますが、こういった内容を十分詰めまして、関係審議会等におはかりすると同時に、予算要求もいたしていきたいというふうに思っておりますが、現在考えておりますこの制度の内容は一応こんなふうに考えております。
 つまり、助成援助の対象となる教育訓練のための休暇といたしまして、休暇の全期間について賃金が全額払われる、つまり有給休暇でございますから当然でございます。それから所定の労働時間内にこういった教育訓練を受けるために労働者の申し出によってまた与えられる。つまり使用者側の命令による訓練ではなくて、労働者側の申し出ということが要件になる。それから労働協約、就業規則その他明文により規定される。そうして大半の労働者に適用がある制度というふうになっていること。それから休暇の期間が、訓練コースについて長短がございますが、できれば一カ月以上、場合によっては、中小企業では二週間ということも考えられるかもしれませんが、とにかく一定の長さ以上のものでないといけない、一日二日の講習ということではあまり適当ではないのではないかと。そんなふうなことを考えておりまして、公共職業訓練施設の訓練はもとよりのこと、学校教育法による学校教育、成人教育等にも取り入れたいということであれば、できるだけ適用したいというふうに考えておりまして、これから細部はさらに詰めたいというふうに思っております。
#127
○粕谷照美君 それでは最後にお伺いをしたいというふうに思いますけれども、昨日きまりました衆議院の社会労働委員会における附帯決議の中でこの問題に関するものがあげられています。それで、きのうきまってきょう答えるということで難色を示されると困るわけですけれども、附帯決議を尊重するというのは当然の態度だろうというふうに思いますけれども、いまその附帯決議に対する考え方をひとつお伺いしたいと思います。
#128
○政府委員(遠藤政夫君) 昨日、衆議院の社会労働委員会におきましてこの法案が採決されるにあたりまして、十項目からなります附帯決議が付せられております。この附帯決議につきましては労働大臣から、その趣旨を尊重いたしまして関係各省間とも十分調整の上でその趣旨を実行に移してまいりたいと、このようにお答え申し上げております。私ども、当然その労働大臣の指示を受けまして、附帯決議の趣旨を尊重して運用上配慮してまいりたいと、かように考えています。
#129
○粕谷照美君 そういう大臣答弁を私はいただきたいと思って質問しているわけじゃないんですよ。そういうことはいつも議事録には書いてありますから、たとえば八項目を見ましても、「十分活用できるよう配慮すること。また、育児をはじめとする婦人労働者の諸問題に関する援護措置を含めるよう配慮すること。」、こうあるわけでしょう。具体的にこう出ているわけですから、具体的にお答えいただきたいと思います。尊重しますなんてそんな形式的なことだったら要らないわけです。
#130
○政府委員(遠藤政夫君) 申しわけございません。十項目ございますが、十項目一つ一つお答え……
#131
○粕谷照美君 いや、この「三事業」についてというふうに私は最初に限っているわけです。
#132
○政府委員(遠藤政夫君) 附帯決議の第七項目に、「雇用改善事業等の三事業、特に能力開発事業及び雇用調整対策については、中小企業も十分これを利用しうるよう配慮するとともに、補助率についても大企業よりも高めるよう努めること。」、こういう項目がございます。私ども、先ほど御指摘がございましたように、こういった雇用改善事業なりあるいはその中の雇用調整対策につきまして、当面の一時休業対策におきまして大企業だけに利用されるというようなことは、私どもの意図しているところでは決してございません。むしろ逆に、最も困難な状況に置かれる中小企業がこれによってこういう不況を乗り切ることができるように措置をいたしたい、かように考えておりますので、適用の対象なり適用の内容につきまして十分配慮してまいるつもりでございます。
 それから、その次の第八点目に、雇用改善事業につきまして、短期雇用特例被保険者、いわゆる短期の季節出かせぎ受給者を多数雇用する産業、つまり建設業とか運輸業等でございますが、こういった企業におきましては短期被保険者でございますために雇用改善事業の対象になりにくいんじゃないかという御懸念がございましたが、その中でもたとえば通年雇用対策とかそういったいろいろな面がございますが、こういった点も十分活用できるように私どもは考えてまいるつもりでございます。
 それから育児、婦人労働者関係の問題でございますが、私どもといたしましては、婦人少年局で、担当の局におきまして、この婦人問題、特に育児休業の問題につきまして研究会が設置され、いろいろ御審議をいただいているようでございます。私どもといたしましてはこの雇用保険法の運用の面におきまして、その結果を十分に尊重いたしまして具体的な対策を講じてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
#133
○政府委員(森山真弓君) ただいま職業安定局長から大略御説明申し上げたとおりでございますが、育児休業につきましては休業期間中の生活安定措置につきまして何ぶんにも長期間にわたることでございますので、何らかの措置を考えたいというふうに思っております。その具体的な方法につきましては、ただいま申し上げましたように、育児休業研究会の結論を待って措置したいというふうに思っております。
#134
○粕谷照美君 終わろうと思ったんですけれども、いまの婦人少年局長のお話がありましたので、この「育児をはじめとする」ということの中心に育児休業を持ってこられたわけですけれども、勤労婦人福祉法の附帯決議とからみ合わせてその審議会でもって検討すると、前向きの方向で検討するということになりましょうか、どういうことでしょうか。
#135
○政府委員(森山真弓君) 仰せのとおりでございまして、育児休業その他育児にかかわる便宜供与につきまして勤労婦人福祉法に定められておりまして、勤労婦人福祉法の可決されましたときの附帯決議及びいまお話の出ました附帯決議、両方に関係しているわけでございます。前向きに検討いたしたいと思います。
#136
○粕谷照美君 以上をもって私の質問を終わるわけですけれども、やはりこういうような法律を私たちとしては基本的には問題があるというふうに思うわけですが、いろいろと検討するにあたってはやはり労働者側の代表の意見というものが大きく入らなければならないというふうに思っているわけでございます。先ほどもその点について質問をし、お答えもいただいたわけでございますけれども、十分にお話し合いを進めていただきますようにお願いをいたしまして終わりたいと思います。
#137
○委員長(山崎昇君) 三案に対する本日の審査は、この程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時四十六分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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