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#1
第074回国会 社会労働委員会 第2号
昭和四十九年十二月二十三日(月曜日)
   午前十時三十七分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         山崎  昇君
    理 事
                玉置 和郎君
                丸茂 重貞君
                須原 昭二君
                小平 芳平君
    委 員
                石本  茂君
                上原 正吉君
                小川 半次君
                神田  博君
                斎藤 十朗君
                高田 浩運君
                徳永 正利君
                森下  泰君
                山崎 五郎君
                粕谷 照美君
                片山 甚市君
                浜本 万三君
                柏原 ヤス君
                沓脱タケ子君
                星野  力君
                柄谷 道一君
   国務大臣
       労 働 大 臣  長谷川 峻君
   政府委員
       社会保険庁年金
       保険部長     河野 義男君
       労働大臣官房長  青木勇之助君
       労働省労働基準
       局長       東村金之助君
       労働省職業安定
       局長       遠藤 政夫君
       労働省職業訓練
       局長       藤繩 正勝君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        中原 武夫君
   説明員
       大蔵大臣官房審
       議官       結城  茂君
       通商産業大臣官
       房会計課長    川原 能雄君
       労働大臣官房労
       働保険徴収課長  中谷  滋君
       労働省労働基準
       局労災管理課長  田中 清定君
       労働省職業安定
       局失業保険課長  関  英夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○雇用保険法案(内閣提出、衆議院送付)
○雇用保険法の施行に伴う関係法律の整備等に関
 する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(山崎昇君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。
 雇用保険法案、雇用保険法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案、労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律案、以上三案を一括議題とし、質疑を行ないます。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○小平芳平君 私は、最初に労災関係について質問をいたします。特に労災関係については、去る四月四日の社会労働委員会で、当時の渡邊前基準局長、それから長谷川労働大臣の御答弁がありまして、で、私がそのとき指摘した点は、職業病の予防、職業上の疾病がふえる、技術革新の結果、そうした職業病は減るのがほんとうだと思うのですが、かえって技術革新の結果、職業病といわれる疾病がふえる傾向にも過去にあったというような点から、どうこのことを予防していくかという点で質問いたしましたところ、作業管理基準、あるいは指導要綱等により予防を徹底的に進めていくということで答弁があったわけです。で、ただ、それで私はよろしいと思うのですが、具体的に私が調べた範囲では、あるいはお話を聞いた範囲では、コンピューターに必要な穴をあけるキーパンチャー、このキーパンチャーに対する労働省の通達は、昭和三十九年九月二十二日に「キーパンチャーの作業管理について」という基準局から基準局長名の通達が出ている。しかし、この基準局から出た通達はたいへんりっぱな通達なんですが、実際上守られてないではないか。しかも、キーパンチャーの労働条件を守っていくべき労働省の通達に一番違反するのが官庁の契約じゃないかということを私は感じております。したがいまして、労働省としては、昭和三十九年九月二十二日の通達が守られるためには、一日どのくらいのタッチが予想されるか。またこのワンタッチ当たりどのくらいの単価が必要になるか。大部分が人件費ですから、ちょうど床屋さん、理髪業者の単価がきめられるようなぐあいにこうしたキーパンチャーに対する経費というものは大部分が人件費でありますので、その人事管理面で労働省の通達を守らせようとするにはどのくらいの労働時間になり、何万タッチくらいになり、単価が何銭くらいになるかということが出ますか。
#4
○政府委員(東村金之助君) ただいま御指摘ございましたように、最近におきまする技術革新とか、新原材料の導入等によって職業性疾病がふえつつあることは事実でございます。また、これがなかなか予防その他についてむずかしい問題をはらんでおることも事実でございます。御指摘のキーパンチャーの作業管理基準、これは昭和三十九年九月二十二日に出されました。そこでは、ただいまいろいろ御指摘ございましたように、せん孔作業の管理、せん孔作業時間とか、連続せん孔作業時間とか、休憩時間、それから平均生産タッチ数を一人一日当たり平均四万タッチというような基準がうたわれているところでございます。この基準に基づきまして、われわれは指導を行なっているわけでございますが、その前提として労働基準法そのものの問題もまた別途ございます。そこで、この労働基準法の法施行ということとあわせてこの指導管理基準といいますか、それを指導につとめているところでございますが、何ぶんいま御指摘のようになかなかむずかしい問題をはらんでおりますが、われわれは問題がこういうところからいろいろ具体的に出てくる形勢にございますので、従来も監督指導をやってきたつもりでございますが、さらにその監督指導を強化し、事前にこういう頸肩腕のような障害が生じないような指導を強めていきたいと、かように考えております。
#5
○小平芳平君 そういう抽象的な御答弁だけでなくて、それではきょう各省の方においでいただいておりますが、具体的に厚生省、それから通産省、それから大蔵省では、――私はコンピューターに関するむずかしい議論をしようとしているんではなくて、契約単価と、それからその契約単価が低いために労働者にしわ寄せが行きはしないか。その結果、せっかく出した通達も守られないじゃないかということにしぼってお尋ねをしているのです。したがいまして、いま申しました各省からどういう単価で契約しておられるか、御答弁いただきたいと思います。
#6
○政府委員(河野義男君) 社会保険庁におきましては、厚生年金、国民年金あるいは船員保険の被保険者の資格記録関係のデータ、それから年金の裁定のためのデータを電算機で処理しておりますが、これらにつきましてのデータの処理につきまして一部を外部に委託して処理しておりますが、その外部に委託するための条件でございますが、データの種類によって若干異なりますけれども、おおむね数字の場合はワンタッチ十五銭から二十銭でございます。それから、かなの場合につきましては三十五銭から四十銭で契約いたしております。
#7
○説明員(結城茂君) 大蔵省関係でございますが、外注しておりますコンピューターカードのせん孔でございますが、せん孔の資料のおもな種類は貿易調査統計データ、法人企業統計データ、普通財産統計データとございますが、契約金額は一タッチ当たり十八銭から二十二銭、こういうふうになっております。
#8
○説明員(川原能雄君) 通産省でございますが、通産省におきましてもいろいろな業務のコンピューター化のためのパンチ、これは内部でもやっておりますが、一部外注をいたしております。
 契約の単価でございますけれども、私ども通産省のほうでは一タッチ当たりという計算よりも、業者のほうにカード一枚当たりの見つもりをさせまして、それの一番低いところで入札者をきめておるということをやっております。それでその種類によっていろいろ変わりますけれども、おおむね一枚当たりの単価でございますが、六円、――七円に近い六円台から大体十二円くらいまでの間で一枚当たりの単価をやっております。
#9
○小平芳平君 通産省だけは幾ら言ってもワンタッチ当たりの単価を出していただけない。どうしても官庁で契約をしている契約先もそう特殊なところとやっているとは思えないのですが、その理由を私は了解しかねます。了解しかねますが、とにかく資料を出してくれないことには論議は進みません、通産省の場合は。それから大蔵省の場合は十八銭から二十二銭、ワンタッチ。社会保険庁の場合は、数字で十五銭から二十銭、それからかなで三十五銭から四十銭ということであります。これで労働省はこの程度の単価で先ほど言いますところの労働基準局の通達が守られていると思いますか。あるいはどこへしわ寄せが行くと思いますか。
#10
○政府委員(東村金之助君) ただいま具体的な数字がお示しございましたけれども、それを前提にいたしまして、先ほど申し上げましたタッチ数をこなした場合にどのくらいの生産が上がるか、したがって、全体でどのくらいの収入になるかという具体的な計算がちょっと私のほう、できておりませんが、いずれにいたしましても、私どもといたしましては、できました、できましたといいますか、お示ししました作業管理基準が守れるよう、そういういまお話がございました面からも指導、検討を進めていかなければいけない、かように考えております。
#11
○小平芳平君 そういう抽象的なことではだめですと言っているんですよ。この日本パンチセンター協会事業部というところで出した昭和四十九年三月に出した資料によりますと、ワンタッチ当たり料金、数字は三十七銭、かなは八十二銭、このくらいが――まあ数字なら三十七銭、かななら八十二銭、こういう金額でないととてもやっていかれないということをパンフレットでは述べているわけです。ですから、これに対する先ほどの二十二銭から十八銭ということは数字として見れば半額、半分、かなとして見れば四分の一という、そういうことで契約をしている。あるいは社会保険庁のほうで見ても同じように半額ないしは数字は半額、かなも半額ですね、半額以下です。ですから、そういうせん孔という、きわめて手による労働ですね、指先による労働が主体のそうしたせん孔作業でそういう官庁の契約が半額とか、三分の一ではたして労働者保護ができているのかどうか。ただ、労働省としてはもう通達を出してあるのだから、三十九年に通達を出して、十年前に出してあるんだから守られているだろうというだけでは職業病の予防になっていないではないかということを指摘しているんです。大蔵省では契約する場合に、各省が契約する場合に、これはなるべく安く契約することがいいでしょう、国家公務員の任務としてですね。あるいは資本主義社会の自由契約なんだから、先方がかってにそういうふうに安く入札するんだからそれでいいでしょうということも一理ありましょうが、大蔵省としてもおおよその、先ほど来説明するような事情からしておおよその見当がつかないものかどうか、こうしたパンチセンターで出している資料なんかを参考にする考えはないかどうか、大蔵省の方針を承りたいことと、労働省はもう一度そういう労働者保護のためにどうしていくかということを具体的に御答弁いただきたい。
#12
○説明員(結城茂君) 大蔵省で予算をつける場合の問題につきましては、担当といたしまして、主計局のほうで各省と相談いたしまして、その過程で予算がつくわけでございますので、実は私、その担当でございませんものですから、直接お答えできないわけでございますが、ただいまのパンチセンターの基準と現実の契約単価との関係でございますが、これにつきましては、各省それぞれやはり委託先と相談いたしまして、できるだけ効率のいい形で発注していく、こういう状況じゃないか、かように承知しておりますが、私どもといたしましても、そういう見地でそれぞれの外注先と契約している、かような状況でございます。
#13
○政府委員(東村金之助君) 私どもは、先ほど申し上げましたように、労働基準法の関係、それから作業管理基準の指導指針が出ておりますので、その関係、率直のところなかなかこれは事業所の数も多くむずかしい問題もございますが、去年の七月に一斉に監督ないしはいまの管理基準が守られている状況等を点検したわけでございますが、おっしゃるようにいろいろ問題がございます。そこでさらにこの問題を煮詰めまして、ただいま大蔵省のほうからもお話がございましたが、その辺ともからめまして、実質的に労働者の保護がはかられるようやってまいりたいと、かように考えております。
#14
○小平芳平君 大蔵省のお話はよくいまのみ込めなかったのですが、直接の私が担当者じゃないということですが、担当者の人に言っておいていただきたいことは、なるべく安く契約するということは、国家予算ですから、それは安いほうが、能率的なほうが契約するほうとしてはよろしいでしょう、それは。一理あると思うんです。一理あると思うんですが、私が申し上げていることは、先ほど来のように、そのしわ寄せが労働者の労働強化につらなり、またそのしわ寄せの結果、いまはわりあい若い女性がほとんど多い職場ですが、そうした職場から何年かたつうちに職業病が続出するというようなこと、その原因の一端が各官庁に実は原因があったんだというようなことがないように予算を査定する場合にも、組む場合にも検討していただきたいということを言っているんです。よろしゅうございますか。
 それから、労働大臣としまして、いま先ほど来申しますように、これはむずかしいことがある、むずかしいことがあるというのじゃなくて、私の言っていることはむずかしいことは一つも言っていないです。そうした職場の女性労働者に官庁の契約の単価の低いことが二分の一、三分の一じゃ話にならない。そういうことがもとで職業病が将来続出することがないような、そういう通達を出したら守らせるような手を打ってほしいということです。
#15
○国務大臣(長谷川峻君) 御承知おきのとおり、コンピューターというのが日本に入ってきまして、もうすでにアメリカの次に日本が盛んな国でございます。しかもまたそういう若い女性がキーパンチャーとなっているのですから、私のほうからしますと、まず、そういう職業病を起こさないという作業管理基準、こういうものを徹底させて病気を起こさせないということが一つ。これにはいままでもやっておりましたし、また御注意いただいたたんびにやっていることであります。あらためてきょうは小平先生からいまのように今度は契約の問題等も出ておりますから、これは新しい問題として勉強させてもらいたい、こう思っております。
#16
○委員長(山崎昇君) 大蔵省、答弁がありますか……。
#17
○説明員(結城茂君) ただいま小平先生の点は、もちろんこれは各省において予算要求するときのまた考え方もあろうかとは思いますが、役所の立場からいたしますと、やはりできるだけ効率的に、かつまたできるだけ少ない予算でと、こういう考え方でおそらく対処するというのが考え方だろうと思いますが、ただいまの点は関係のところにも申し伝えておきたいと思っております。
#18
○小平芳平君 大蔵省はすぐそういうふうに言いますので、大臣、先ほど来私の言わんとすることは決して無理なことを何かやらせようとか、主張しようとかいうのではなくて、そうした労働強化のしわ寄せがひいては職業病の続発ということにつながらないように、労働省として、労働者保護の立場から、労働大臣、作業基準なり、厳格に各省に申し渡すということが、できるかどうかわかりませんが、いかがですか。大臣、ひとつ強い姿勢をとっていただきたい。
#19
○国務大臣(長谷川峻君) 私は、地方をこうして女性の職場を歩いたときに、やはり頸肩腕症候群やら出ないように一緒に体操しましょうと、こんなことまで呼びかけたり何かするので、まず病気にならぬようにお手伝いすることが一番。その次には、いまのような単価の問題等々がありますれば新しい発見でございますから、ひとつそのつどまた大蔵省等に御相談することもやぶさかじゃありません。御注意、ありがとうございました。
#20
○小平芳平君 それでは次に、岐阜県の恵那郡一帯で石材業者がたくさんいらっしゃる。で、そこで振動障害を訴えていらっしゃる。で、私が現地に参りましたときは――十二月二日ですが、ちょっと寒い日でしたが、中の一人の方はまことに白ろう病、――実際に大臣も御存じかと思いますが、ほんとうに、ろうそのものになってしまいますね、指が。そういう被害者が発生していらっしゃる。それで、基準局としては、岐阜の基準局長さんがそこの場所に来ておられましたが、全然知らなかったと、実は。公明新聞の記事を見てやっと気がついてびっくりしたと、こういうことでしたが、その後の処置はどう進んでおりますか。
#21
○政府委員(東村金之助君) 岐阜県の採石労働者の白ろう病の問題でございますが、ただいまお話ございましたように、採石労働者に振動障害が発生しているということをお聞きしましたので、去る十月二十九日、三十日と岐阜労働基準局におきまして、その作業の状況、振動障害の発生の状況について概況を調査いたしました。それで、引き続き、今月の十六日に集団指導を行なっております。この集団指導におきましては振動障害とはこういうものであるというような医学的知見とか、健康診断の必要性、その他労働条件の問題、労働衛生上必要と認められる対策等について関係者に周知徹底方をはかりました。また明年一月、来月でございますが、中旬には特殊健康診断を実施させるというような手配をいたしまして、その結果により、適切な事後措置を講じてまいりたいというふうに考えております。
#22
○小平芳平君 中に一人、もうひどい障害を受けている人が発見されたでしょう。いかがですか。
#23
○政府委員(東村金之助君) ただいま申し上げましたように、十二月十六日に現地の労働基準局で集団指導を行ないました際に、症状の訴えのある者三名ございました。その場で専門医による診察を行ないましたところ、一名については治療が必要であるという御判断でございましたので、十二月二十五日に設備の整った病院で精密検査を行なうことといたしております。それによりまして、業務上・外の認定が決定されるということでございます。その他の労働者についても、こういう問題がございましたので、ただいま申し上げましたような次第で、一月中旬に健康診断をさらに実施したいというふうに考えております。
#24
○小平芳平君 この点につきましても、労働省の動きはきわめておそいわけですね。で、むしろ町民の福祉という観点から、町当局が非常に熱心にこの従業員の、過去の従業員も含めて調査をなさっていらっしゃる。あるいは保健婦さんで非常に熱心な保健婦さんがいて、一人一人の過去の経歴から現在の障害まで調べていらっしゃる。そういうことに対して現地がそういうふうに住民福祉という立場から動き出しているにもかかわらず、いかにも基準局の動きはおそかったと、こういうことでしょう。
#25
○政府委員(東村金之助君) 採石業におきまする白ろう病の従来の発生状況といいますか、それとかあるいは採石業の作業の実態等から見ますと、白ろう病というのはまれに従来も発生していましたけれども、まれであるという観念が一つあったと思うんですが、ただいま先生御指摘のように、現にそれに関連する患者の方というのが出ているわけでございますので、御指摘のように労働基準局のほうで、もしこれに対する措置その他がおそいというおしかりがあれば、われわれ謙虚に反省いたしまして、今後そういうことのないように努力したいと思います。
#26
○小平芳平君 謙虚に反省するたって全然知らなかったわけですよ、公明新聞の記事を見て初めて知ったと言っているんですから。ですから、そこに至るまでには、町当局や保健婦さんの入念な長い月日をかけた調査の結果が、初めてそういうふうに問題提起されたのでありまして、労働省こそ、そうした専門的なお医者さんもいらっしゃるわけですから、労働省がまっ先にそういう予防のためにやらなくちゃならない責任があったわけですから。あるいは職業上であるか、職業上でないかということも、労働省の機関で認定されるかされないかを待つ以外にないわけですから、したがって、この労働大臣ですね。そういうような実情にあるわけです。ですから、まあ限られた職員で、限られた体制で限度がありましょうが、やはりそういうもう少し、岐阜県といえば、要するに白ろう病に対してはよくわかっているらしいんですね。ほかの県よりもやっぱり山林も多いし、岐阜県は進んでいるはずだという岐阜県で、石材業者に対してはそういうことに、結果なっているわけですから、今後もう対策を大至急進めていただきたい。そのように私は要請いたしますが、いかがですか。
#27
○国務大臣(長谷川峻君) 私のほうとしますと、何といっても働く諸君の安全を守ることが一番大事なことでございます。そういう感じからしますと、そういう地方地方で、そういう症状なりが起こった場合に、こちらのほうが気がつかないということもありますけれども、そうしたことの起こった方々にすなおにひとつ基準局のほうに御相談いただくなり、そういうこともまた必要じゃないかというふうに思います。いずれにいたしましても、そういう常日ごろ多少手落ちがあるというふうなことがあれば、こうした場合ですから、特別にいままで以上の行政を推進してまいりたい。御注意がありました問題については、いまから先も一つ一つ入念に、そして業務上外であるかどうかということなどについても熱心に検討してまいりたいと、こう思っております。
#28
○小平芳平君 次、私は雇用保険法案関係で二、三質問いたしますが、前国会でこの雇用保険法案関係は、ずいぶん私はいろんな問題点を質問いたしましたので、今回は繰り返したことはいたしませんので、御答弁も簡単でけっこうですから、お答えいただきたいと思います。
 最初におとといの粕谷委員の質問に対しまして、何か局長は答弁しておられたんですが、かりに、粕谷先生が御指摘されたことをちょっと繰り返してみますと高校卒で就職した、二十五歳で離職したという場合ですね。高校卒で就職して二十五歳で離職したという場合は、大体勤務は五年以上になるから、そうすると現行法では二百十日ですか、それが新法、新しい法案では三十歳未満だから九十日ですね。ですから、こういう方は二百十日という現行法から、九十日というふうに大幅ダウンするのだということだと思いますが、それに対して局長は何か個別延長とか広域延長とか全国延長とか、いろいろな手があって、何かダウンしないでも済むようにとれるようなこともおっしゃっていたんですが、その辺ばどういうことですか。
#29
○政府委員(遠藤政夫君) ただいま小平先生が御指摘になりました高卒で二十五歳までつとめた。二十五歳になって離職を余儀なくされた方につきましては、現行法でいきますと二百十日の所定給付日数ということになります。それで新しい雇用保険法案の給付日数の制度からまいりますと、この人は三十歳未満でございますので、九十日ということに相なります。したがって、その点に関する限りは二百十日から九十日に下がることになるわけでございます。そこで、こういう人たちについて現在のような不況期で失業状態が深刻である。したがって就職がなかなかむずかしくて、九十日の所定給付日数の期間内に就職できない場合も考えられるじゃないかと、こういう御懸念かと思いますが、そういう場合には、不況期に際しまして発動されます各種の延長制度がございます。で、この私が一昨日申し上げました個別延長は、雇用保険法案の法第二十三条の規定によりまして、これは主として就職の比較的困難な中高年とかあるいは身体障害者、こういった方々について適用される条項でございますけれども、こういった不況に伴います深刻な失業状態につきましては、必ずしもこういった中高年あるいは身体障害者の方々だけでなくて、それ以外の方につきましても、なお、就職困難な事態というものは考えられますので、そういった点、個別延長の制度が十分機能することができますように、私どもは中央職業安定審議会の御意見を伺いました上で、より合理的な範囲内でこの個別延長の制度を活用してまいりたいと、かようにお答えいたしたつもりでございますが、私の答弁の不十分なために、あるいは先生に十分御理解いただけなかったかと思いますので、あらためて御答弁申し上げる次第でございます。
#30
○小平芳平君 この雇用保険法案が成立するかしないかという、そういう場合にもう少しはっきりしたことをおっしゃっていただきたいんですね。ですから、個別延長という場合は、身体障害者あるいは高齢者等に限るということなのか。それとも場合によっては個別延長で、身体障害者じゃないけれども、二十五歳の人が適用されるのかどうか、個別延長が。あるいは広域延長、全国延長ということが、現在の時点で二十五歳の離職者に適用されるということがあり得るのかどうか。一年二年先じゃなくて、現時点でどう判断して説明をしていらっしゃるのか。
#31
○政府委員(遠藤政夫君) 給付延長の制度は御指摘のように四つございまして、個別延長と、それから訓練の場合の延長と、広域延長と、それから全国一律の延長、この四つの延長制度が雇用保険法案では定められております。で、訓練延長と広域延長、全国一律延長の場合は、これは年齢あるいは身体障害とか、そういった区別なしに全員適用になるわけでございます。
 私が申し上げておりますいまの個別延長の場合は、当初私どもは中高年齢者でございますとか身体障害者、こういった特別に就職の困難な方々を対象に考えておりましたけれども、各方面からの御意見がございまして、ただいま小平先生御指摘のように、こういう就職困難な事態につきましては、若年者といえども、三十歳未満の若年者といえども、適用があるように配慮をしてまいりたいと、かように考えておるわけでございます。
#32
○小平芳平君 そうすると、二十五歳の若年者でも、若年というか、要するに二十五歳の人でも、健康な肢体の人で個別延長があり得るということですね。
#33
○政府委員(遠藤政夫君) さようでございます。
#34
○小平芳平君 そうすると、個別ですから、まさしく個々人についてになろうと思いますが、はたしてそういう個々人の申し入れによって、そういうことが可能なわけですか。
#35
○政府委員(遠藤政夫君) 法第二十三条に「公共職業安定所長が政令で定める基準に照らして就職が困難な者であると認めた受給資格者については、」と、こう書いてございます。そこで、政令でどういう者がこの対象になるかということが定められるわけでございます。先ほど申し上げましたように、主として目的といたしておりました中高年齢者とか身体障害者、こういった者のほかに、不況等で失業状態が深刻になって、所定給付日数以内で、就職ができないと認められるような場合、こういう条項が新しく一つ加わることになろうかと考えております。そういたしますと、それに該当する者は、個人的にケース・バイ・ケースで安定所長が判断をいたすわけではございませんで、それに該当する者はすべてこの延長の対象になる、こういうことでございます。したがいまして、本人が申し出て、それをイエスかノーかを判定するということではなくて、基準に照らして該当する者はすべてそうなる、こういうことに相なろうかと考えております。
#36
○小平芳平君 その点わかりました。
 では次に、短期雇用特例被保険者は、今度は新しい雇用保険法案が成立したとしますれば、五十日分の打ち切りということになるわけです。そうすると、依然としていや私は一般就職を希望しているんだと、要するにその方が働いている期間は、新しい法律というものは施行になってないわけですから、現行法の時代に働いていて、それでいつ成立し施行になるかにもよりますが、その方が、私は、そういう打ち切りは望んでおらないというふうに、就職活動を続けていきたいんだということになった場合は、どうなりますか。
#37
○政府委員(遠藤政夫君) 法第三十八条によりまして、「被保険者であって、次の各号のいずれかに該当するものが失業した場合には、――特例一時金を支給する。」こうなっております。その一号、二号で、「季節的に雇用される者」と、「短期の雇用に就くことを常態とする者」と、この二つの条項がございます。そこでこの二つの条項に該当するかどうかということは、次の第二項で「被保険者が前項各号に掲げる者に該当するかどうかの確認は、労働大臣が行う。」こう書いてございます。したがいまして、ただいま先生御指摘のございましたように、この法律が施行になりました後に、その出かせぎで働いた人たちが、この条項に該当するかどうかということは、労働大臣の委任を受けて公共職業安定所長が判断をし、きめるわけでございます。その場合に、この人たちがそれに該当したいわゆる短期雇用を常態とする人であるかどうかということは、実績を見た上で判定をすることになります。したがいまして、その人がこの法律施行後、一度出かせぎなり短期雇用に働いたその実績を確認した上で、この三十八条第一項の条項に該当するかどうかということを判定することになります。しかしながら、御当人が私はこの一時金のほうがけっこうなんですということになれば、これは問題はございませんので、その人は法律施行後直ちに一時金の支給の対象になる。しかし、そうでなければ、実績を見た上で判断をする、こういうことになるわけでございます。
#38
○小平芳平君 わかりました。それは要するに安定所長の判断によるということですね。それはいつもいつもそういうことを繰り返すのかどうか。
#39
○政府委員(遠藤政夫君) この法律施行後直ちに一時金の支給の対象になるわけでございますが、本人が私は一時金のほうがいいんですということになれば、この確認はきわめて簡単でございますので、それは一時金が支給されます。しかしながら、そうでない場合にはこの法律施行後、一度出かせぎに出られた方の実績を見た上でないと、なかなか判断がむずかしゅうございます。したがって、法律施行後一回の出かせぎから帰られたあとの受給の実態を見た上で、次の二回目からこの判定を安定所長が行なう、その実績を踏まえた上で判断をする、こういうことでございますから、一回ということでございます。
#40
○小平芳平君 一回だけね。そうすると、今度次の問題ですが、六十歳以上の労働者には保険料が免除になるということですが、先ほどの短期雇用の特例被保険者についての保険料は免除にならないのかどうか。
#41
○政府委員(遠藤政夫君) 御指摘のように、六十歳以上の人につきましては保険料全額免除することになっておりますが、この短期受給の特例者については、この条項が適用されないことになっております。
#42
○小平芳平君 その理由はどういうことですか。社会保障制度審議会の答申にも、六十歳以上の保険料を免除しておきながら、短期雇用の人には免除しないで徴収するのは、首尾一貫していないという答申だと思いますが、いかがですか。
#43
○政府委員(遠藤政夫君) 社会保障制度審議会の答申では、ただいま御指摘のように「六十歳以上の高齢者に保険料を免除しようとしながら農林水産業等特例保険者等に同様な措置が採られないことは均衡を失する。」と、こう書いてございます。確かに御指摘のとおりでございますが、実はこの社会保障制度審議会に諮問をいたしました際には、農林水産業に全面適用されることに関しまして、この農林水産業も短期受給特例被保険者と同じ扱いをすると、こういう考え方が当初とられておりました。したがいまして、この農林水産業も六十歳以上の高齢者の保険料免除の対象外ということに私ども考えておったわけでございます。しかしながら、その後、この答申後、法案になりまして、農林水産業も一般他の産業と全く同じ扱いをすることになりました。したがいまして、この六十歳以上の高齢者の保険料免除の規定に該当しないものは、いわゆる短期受給特例被保険者だけということになったわけでございます。そこで、なぜ短期受給者にこの免除の特例を適用しないかということにつきましては、私どもはこの出かせぎが中心になりますこの短期雇用者、こういう雇用形態がはたして好ましいものであるかどうか。そもそも六十歳以上の高齢者の保険料免除の規定を設けました理由は、こういった六十歳以上の人が、新しく就職しようとする場合、再就職をしようとする場合、こういう人たちの奨励措置という観点から免除をいたしました。また引き続き六十歳をこえて職業につかれる場合は、従来、長年保険の被保険者として、なお六十歳をこえて被保険者であるという方につきましては、いま申し上げました奨励的な観点からもからみ合わせて、当然免除すべきであると、こういう考え方をとっております。しかしながら、短期雇用、あるいは出かせぎといったような、こういう、私どもの雇用政策上からは、できれば常用労働者として一年を通じて安定した職場で働いていただきたいと、こういう考え方で雇用政策を今後推進すべきだと考えております。それに反しまして、こういった毎年毎年短期的に繰り返し不安定な雇用につかれる場合に、なおかつ、この雇用保険法上の保険料免除の特例を適用するのは、私どもとしてはこの制度の趣旨に反するということでございますし、同時にまた、六十歳以上の方といえども、この短期受給者は毎年毎年一般の常用労働者に比べますと、きわめて少額の保険料の負担で、一時金五十日という保険給付を毎年給付されるわけでございます。したがいまして、一般の通常の労働者に比較いたしますと、ただいま申し上げましたような両方の理由から、保険料免除をすることは適当でないと、かように考えた次第でございます。
#44
○小平芳平君 労働省が説明されますと、それは一応いろいろな説明はつくでしょうと思いますが、また、そういう説明は再三伺いましたが、この農林水産業のその経緯も存じておりますが、一般に六十歳以上の労働者には保険料が免除されるということが、非常に今回のこの雇用保険法案の前進した部面であると、もうほかの社会保険にも重大な影響が及ぼされるであろうほど前進した――社会保障制度が前進するんだというふうなことをおっしゃっている労働省にしては、この短期雇用の人は雇用政策の上から奨励できないとおっしゃいますが、短期雇用の人こそ恵まれない人が多いわけです。恵まれないといいますか、好きこのんで短期雇用を選ぶわけではないが、特にこうした不況時、通年雇用の先があればけっこうなんですが、この通年雇用すらできなくて、やむを得ず短期雇用に通わざるを得ない人から保険料を取るということば、どうも、はたして社会保障制度の大きな前進になるかどうか非常に疑問に思いますがね、しかし、皆さんは全然疑問がないですか、そういう点……。
#45
○政府委員(遠藤政夫君) 確かに、理由のいかんを問わず、六十歳以上であれば同じように免除すべきじゃないかと、こういう御指摘、たいへんごもっともでございますが、私どもといたしましては、この六十歳以上の高齢者に対する保険料免除は、制度として画期的なものだと実は自負をいたしております。しかしながら、こういった場合に、確かに御指摘はごもっともでございますけれども、私どもは、この出かせぎの短期受給者の場合、できれば地元にそういった就職の場があればそれにこしたことはないんだということも、しばしば御指摘を受け、あるいはそういう御要請も受けておるわけでございます。したがいまして、この三事業の中で、そういった地域に雇用の増大をはかるといったような方向で各種の施設が行なわれます場合は、それを奨励することにいたしております。また、通年雇用化につきましても、奨励金なり、あるいは特別の融資制度なり、そういったことによって、こういう人たちが短期間の出かせぎを繰り返すことの――なるべく常用化できるように、そういった措置がこの法案の中でも盛られているわけでございます。それと全く正反対の立場で、こういった短期の受給者を、まあ言ってみまするならば奨励するような措置をとることはいかがかと、こういうことも考えまして、確かに御趣旨のように、これもやったらいいじゃないかということは、よく私ども了承いたしておりますけれども、ただいま申し上げましたような趣旨で、この点に関する限りは対象にしないということにいたしたわけでございます。御理解いただきたいと思うわけでございます。
#46
○小平芳平君 六十歳以上の方に対して、この保険料を免除することが短期の奨励になりますか。何か、この保険料を免除するということだけで、大量に短期のほうへ六十歳以上の労働者が流れていくなんということが考えられますか。私は労働大臣はお詳しいと思うんですね、これは通年雇用でこの近所に職場があって通えるなら、だれもそうしたいわけです。けれども、前国会で私は岩手県の例をあげて、また、大臣もいろいろ東北の事情について答弁しておられましたのですが、そういうことで、私は国の雇用政策ということで、通年雇用の人は免除する、短期雇用は免除しない。免除しない理由は、短期の雇用奨励になるからだというようなことが、わが国の、日本の現在のこの出かせぎ労働者、あるいはそうした農村地帯から短期雇用で出かける人たちの実情に合った考えなのかどうか、非常に疑問に思いますが、いかがですか。
#47
○国務大臣(長谷川峻君) 私も出かせぎ地帯でございますから、前回御審議いただきます場合に、毎年毎年繰り返して失業保険をもらう、しかも一カ月に二へんぐらいずつ職安に行って、就職の意思があるのかないのかという認定をされる、ところが自分は自分の家へ帰ってきて仕事がある、そういうふうな中に、こうした出かせぎの方々が、いわゆるなじまないと申しますか、制度としてはなじまないことを十数年繰り返している。ですから、全国では、出かせぎの方々の中には、一割ぐらいはその失業保険はもらわないでいる方もいらっしゃる。また、もらっている者に対して、あの人はあんなにたんぼをつくっているのにかかわらず失業保険もらっておかしいじゃないかという密告もある、職安のほうの仕事も渋滞する、だから大手を振って、胸を張ってひとつもらうように、三十日分というものを一時金としたわけでございますが、各階層、あるいは各政党のお話もあり、また、私もその実情がわかりますために、ここで出かせぎ地帯からお帰りになった瞬間に、次の日に一時金として五十日分お払いします、あとは何をやってもよろしゅうございます、大手を振ってもらってくださいと、だれでももらえると、こういうところに五十日分の特例というものが設けられたわけであります。そして、おっしゃるように、六十歳以上の方には失業保険金を払わないでも済むと、こういう制度が、長くおつとめになった方方に生まれたわけでありまして、私はやはり短い期間で働いて、一時金を、五十日保険金もらうのが仕事じゃありませんけれども、東京なり、そちこちでお働きになって、一カ月十数万か幾らかの金をとるのが、それが目的でございますけれども、お帰りになったときに、一時金としてこういう保険金が払われるというところに大きなメリットがある、しかも、長くおつとめになった方々の保険金の上にそれが給付されるということでありますというと、ただいまのところ一ページとしてはこれはお認めいただいて、そうしてやはり私たちのような農村地帯においては、なるべく通年で働けるような職場をつくる、そういうところを私たちのこの雇用保険法でやっていくことが至当じゃなかろうかということを、いま考えているわけであります。
#48
○小平芳平君 どうも同じ御答弁ですが、通年で働ける職場があればたいへんけっこうだが、現状は、ないから困ると言ってるんですね。
 それから、それじゃ次に、もう時間が来てしまいますので――五人未満の問題はいかがですか。これは陳情が来ておりますが、労働省にも行かれたと思うんですが、五人未満の事業所で雇用調整あるいは職場訓練ということがあり得るのかどうか、考えられるのかどうか、そういうところからとられた十分の三の保険料は、むしろ大企業の雇用調整や、職場訓練に使われるんじゃないか、中小零細企業としては何のメリットもないじゃないかという御意見に対してはいかがですか。
#49
○政府委員(遠藤政夫君) 千分の三の保険料は、主として雇用改善事業、あるいは能力開発事業、いわゆる職業訓練、こういった経費に充当されることになっておりますが、実は私どものほうにも、この法案立案当時から、こういう経費が大企業中心に支弁されるのではないか、こういう御意見もございました。しかしながら、私どもは今回の一時帰休などに際しましても、大企業は何とかやっていけるけれども、中小企業は非常に苦しい、こういう御陳情もございました。この一時帰休の対策にいたしましても、来年一月一日から繰り上げ実施ということになりましたが、私どもはこの際もその休業の規模なりあるいは休業に対する援助の内容につきましても、中小企業に重点を置きまして、大企業より手厚くするように考えております。また、事業内訓練につきましても、従来は事業内訓練に対する援助はいわゆる小零細企業の共同訓練にごくわずかな援助が行なわれております。大企業なりあるいは中小企業が単独で行なう訓練については補助の制度がございませんでした。いわゆる中小企業でも単独で訓練が行なわれるということはある程度の規模以上の企業でございます。私どもはこういった実績はもちろん踏まえながら、事業内訓練の主として中小企業で行なわれる訓練に重点的にこの千分の三によります能力開発事業の援助を実施いたしたい、かように考えておる次第でございまして、御懸念ございますような小零細企業に均てんしないのではないかという点は、私ども十分考えながらこの実施に努力をしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
#50
○小平芳平君 十分考えながら、どういうふうに実施しますか。
#51
○政府委員(遠藤政夫君) たとえば、一時帰休対策にいたしますと、企業で休業期間中に支払われた手当の額に対しまして、大企業は二分の一を予定いたしております。しかしながら、中小企業につきましては、その三分の二をこの制度で援助をするということを考えております。また同時に、この一時帰休の休業期間のどれくらい以上休業した場合に、この援助の対象にするか、これはもちろん月に一日か二日休業したからこの援助制度を活用するわけじゃございませんが、その休業期間の規模につきましても、大企業と中小企業とではある程度の差をつけて、中小企業、零細企業の場合は比較的短期の休業についても援助をする。大企業については相当程度のものに限る、こういうふうに考えております。
 それから、事業内訓練につきましても、もちろんその補助の内容につきましては、相当な格差を設けてまいるつもりでおります。具体的には、まだこれから来年当初にかけまして予算で詰めるわけでございますが、従来が中小企業の共同訓練、いわゆる零細企業の訓練にしか補助が行なわれておりませんでした、この実績も踏まえて、私どもは中小企業を重点に考えてまいりたい、かように考えております。
 また、高年齢者の雇用奨励につきましても、これは中小零細企業に限って、大企業には適用しない、中小一零細企業にだけはこの奨励金を交付する、こういうふうに考えておりまして、この各事業全般について中小企業により手厚く、きめこまかく援助制度を実施してまいる考えでございます。
#52
○小平芳平君 非常に抽象的には言わんとする趣旨ばわかりますがね、実際具体的にこの日本の現在の中小企業の実情に合うかどうかということに私はまだ疑問がありますが、しかしそれ以上具体的には、まだ今後の問題だということでしょう。
 最後に、この点はいかがですか、制度審議会の答申にも触れておりましたが、三事業の使用主負担は国や地方公共団体も使用主の立場として考えるべきじゃないか、あるいは国家公務員、地方公務員の失業保険に対しても現状どうりでいいのかどうか、検討の要があるというふうな趣旨だと思いますが、この点はいかがですか。
#53
○政府委員(遠藤政夫君) 確かに従来からかなり長期にわたりまして、現行の失業保険法に国家公務員、地方公務員が適用を除外されております。これは当然含めるべきではないかという御意見がございました。現行の失業保険法の第七条かと思いますが、国家公務員なり地方公務員、こういった立場の人につきましては、その人たちがいわゆる離職をした、退職をした時点において支給されます退職手当といったようなものが、この失業保険法に定められた保険給付の内容を上回っております場合は適用が除外されておるわけであります。したがいまして、国は当然でございますが、市町村等におきまして条例規則等でそういった支給内容が下回っておる場合は当然適用されることになっております。この点は私どもは失業の時点におきます給付が失業保険法、今回の場合は雇用保険法の給付内容を上回っておれば、私はそれでよろしいのではないか、かように考えておる次第でございまして、これが今回の雇用保険法案で三事業が新しく加わりますと、この三事業の面で国なり地方公共団体は当然使用者としての、企業主としての連帯責任の一端を負担すべきではないか、こういう御趣旨の発言がございました。この点は雇用改善事業なり能力開発事業あるいは福祉のための事業、これは国なり地方公共団体は、それぞれ国、地方公共団体それぞれの立場でこういった事業を実施いたしておりますので、いわゆる民間の一般の企業が、産業全体が連帯をしてこういった趣旨のものを実施するという点では、国、地方公共団体をこれで同一列に置いて考えてまいりますことはいかがかと私どもはかように考えている次第でございますが、ただ各方面からこういう御意見もございますので、これは今後検討課題として私どもは検討いたしてまいりたい、かように考えている次第でございます。
#54
○国務大臣(長谷川峻君) 小平委員からだんだんの御注意がありましたが、私たち労働省としますと、中小企業からいまたくさん手紙をもらっているのです。これはほんとうに私は新しく啓発されたことですけれども、大企業の経営者は任期が来るといなくなります。しかし私たち中小企業はときには親代々でございます。逃げ出すわけにはいきません。――ですから、そういう意味で今度の雇用保険制度でもそういうことを踏まえまして、大企業は二分の一、中小企業は三分の二、こういう感じを持っております。そしてまた、経営者のほうからしますというと千分の三を事業主に負担させるのはけしからぬじゃないか、こういう実は御意見もずっとあったわけです。しかし、私は日本の全体の将来の雇用政策を考えると、このことのほうが日本のためになるのだ、こういうことで、ようやく、まだ少ないとおっしゃるかもしらぬが、ようやくここまで話がついて、そしていま長生きするお互いでありますし、技術が伸びるときであるから、そういう訓練もされ、雇用のいろんな機会をつかまえるというところに今度の法案がありますし、具体的にどういうふうなことになるかという、私のような気持ちで、あるいは局長がそういうことを体して、御答弁申し上げておりますが、具体的にそれをどういうふうに、今度設定した場合にまた新しく御意見などを承って御批判をいただくならばしあわせだと、まあ、いまのような感じであるということをあらためて御理解をいただきたい、こう思う次第です。
#55
○片山甚市君 片山ですが、提案理由の説明によっても、最近の雇用失業問題に対処する必要性を述べておられますが、政府は従前の完全雇用状態では経済がどうにもならない。いわゆる労働力をどのように確保するかということで考えられたものと考えますが、そうして、そのことによって労働省の出番をつくったのだと思うのです。こういう点では、今度の雇用保険法案は失業保険で余った金を、大企業を含めた労働力の確保または労働力の流動政策をとってきたことを完結しようとしている。特に出かせぎ労働者、短期雇用者あるいは婦人労働者に対する失業保険の給付の切り下げ、これは最もわれわれ働く着たちにとっての権利の侵害だと受けとめております。労働大臣は労働者にとって失業は最大の悲劇である、こういうようにおっしゃっておりますけれども、現実に出かせぎ労働者、短期労働者または婦人労働者にとってはそれぞれの都合がございます。婦人の方は御家庭に帰らなければならぬ都合があるのです。おわかりですか。三十歳までの間に、必ずある時期に子供を教育するためにも必要なのです。出かせぎの労働者もそうなのです。好きで、このんでやっているのじゃないのです。本日は主として出かせぎ労働者の問題について触れてまいりますけれども、あなたが、労働大臣が出かせぎのことを知っているというなら、胸を張って金が取れるなどと言う前に農業が成り立つようにすることです。何も出かせぎに行かなくても済むようにすることですよ。それもしないで、金をこそこそともらってきたような言い方、これは卑しむ言い方じゃないですか。これでは人間尊重の三木とは言えませんよ。だましの三木ですよ。そんなことで雇用保険法案について提案をしておる中で、婦人労働者に対し、あるいはまた季節労働者、出かせぎ労働者に対し、短期雇用の労働者に対して愛情ある措置をとれ。もちろん大企業の大きいところからもがばちょと取るということならわかるよ。何を言うとるかね、千分の三出したところがある。何もいままでよりもっとたくさん失業保険から金を取ろうという前提でやっておるんじゃないですか。こう思います。大臣、そんなことはない、言い切ってください。
#56
○国務大臣(長谷川峻君) お答えいたします。
 雇用保険法案についてのお話でありますが、私はこれまでの経済の成長によりまして雇用情勢は著しく増大しており、また量的にはほぼ完全雇用に近い状態に達しておったと、こういうことはお認めいただけると思います。今後におきましては、いまのような経済変動もありまして、一時的には労働力需給の緩和はある。しかしながら、その中に若年労働者数は絶対的にはこれは減少しております、たとえば中学校卒業生。そういうことからしまして、全体的には労働力需給の逼迫基調というものは続くものだと、こう思っております。しかし、この雇用保険法案の策定にあたりましては、このような基調のもとにおいては、今後ともいまのような国際経済環境の変化、あるいは景気の後退もございます、そういう不況がありますので、一時的に大量の失業が発生することをお互いが心配しているところであります。そういうときに、それに的確に対応できるように、そして失業補償機能というものを強化するとともに、一時に帰休するような方々に対しましては助成などを講じまして積極的な失業の予防を講じよう、こういうところに私たちの考えがある次第です。
#57
○片山甚市君 原則論はもうすでに私どもの浜本委員と話しをしましたから、具体的なことについて……。
 農林水産の任意適用の「当分の間」というのがございますが、すみやかにいわゆる適用拡大のために強制するようなことは考えておりませんか。「当分の間」というのは、あなたのほうは百年ですか、何年ですか。
#58
○政府委員(遠藤政夫君) 昭和四十四年の失業保険法、現行失業保険法の改正におきまして農林水産業、これはこういった業態の実態から見まして失業保険法の適用についてはいろいろ問題がある。しかしながら、こういった農林水産業についても、ここで働く人たちに他の産業と同じように失業保険を適用することが望ましい、こういうことで当時附則に改定で一条項を設けられまして、五十一年の一月末日までに農林水産業についての適用の具体的な方策を検討するという条項が設けられております。私どもはその後鋭意検討を重ねました結果、五十一年一月末、つまり再来年の一月末で一年ほど余裕ございますが、繰り上げまして来年の四月一日から農林水産業に働く人たちも含めて雇用保険法の適用対象とすることに踏み切ったわけでございまして、ただ問題は、この農林水産業につきましては、他の産業と若干実態が異なっておりまして、たとえば賃金の支払い形態でございますとか、賃金の実態、こういった面で、あるいは雇用関係が必ずしも明確でない、こういった問題がございますので、法人である農林水産業あるいは五人以上の比較的他の産業と同じような形態で雇用関係なり賃金支払いの実態が明確なものにつきましては、四月一日雇用保険法の実施と同時に全面適用、強制適用に踏み切っておるわけでございます。その他の五人未満のいわゆる個人企業で、ただいま申し上げたような点で、いろいろと実態が不明確な点につきまして、これを全面適用にいたしますことはいろいろと問題を生ずるおそれがありますので、私どもはその実態を十分今後早急に明確にしてまいりますことによって、できるだけ早い機会に五人未満のいわゆる個人企業に雇用されておる方々につきましてもこの雇用保険法の適用を進めていく考えでおります。
#59
○片山甚市君 できるだけなどというのは官僚が言うことで、いつのことかわからぬから当てになりませんが、やはり農業を切り捨てた、それで一千万の労働者をつくって、これだけの高度成長政策をやった。農業あるいは農林水産に働く人たちのいわゆる絶大なる協力を身にしみてもっと先にやるべきですよ。大企業にばかり顔向けて、何を言うとるのですか、大組合とか大企業のところに向ける必要はない。そんなのは団体交渉やっておるのですよ。むしろこういうところにちゃんとしなさいということを言っておりますが、言うたって馬の耳に念仏という説があるからだめでしょうね。ほんとうに長谷川さんよく聞いておいてくださいよ。
 次、実はこのようなことを行ないますのについて、商業サービス等五人未満のいわゆる事業拡大をしてまいります。この適用事業所数、被保険者数の予定をどのようにふえていくのか、まずお示しを願いたい。これらの事業所の実態にかんがみ、どのようにして適用拡大の実をあげていくのか、適用届け出は黙ってすわってやるのか、どういうふうにやっていくのか、時間がないので簡潔に言ってください。回りくどいことを言ったらもっと演説するよ。
#60
○政府委員(青木勇之助君) お答え申し上げます。
 現在の適用事業所数及び被保険者数は次のとおりでございます。まず、適用事業所数でございますが、四十八年度末実績で申し上げますが、失業保険は八十五万八千事業所、うち委託事業、労働保険事務組合に委託しておりますのが二十万七千事業、一方労災保険のほうは百五十三万二千事業所、うち委託事業所が五十九万八千事業所、こういうふうに相なっております。次に、被保険者数は失業保険関係で二千二百九十八万人、労災保険関係で二千八百七十六万人と相なっております。次に、今回の法律改正に伴いまして適用拡大に相なりますが、総理府の四十七年九月の事業所統計調査、センサスによりますれば、五人未満の商業、サービス業及び農林水産業の事業につきまして全体で約百万でございます。これらのうちすでに任意加入等によりまして保険に加入いたしております事業所は約三十万でございます。したがいまして、未適用の事業所は約七十万と推定されます。これらの未適用、適用事業についての今後の適用問題でありますが、第一にセンサスの事業所の単位と労働保険の適用事業の単位、若干食い違いがございますので、この七十万事業所のすべてが適用対象事業であるとは考えられないのでございますが、そういう点で正確な数を算定することは困難でございます。しかし大体七十万、こういうことに相なります。このように未適用事業所はかなりの膨大な数にのぼるわけでございますが、これらの実際の把握というものもかなり困難な問題を伴いますが、しかし省といたしましては、これらの事業所への適用に極力努力してまいる所存でございまして、現在法案及び予算がまだ未定の段階で確定的なことは申し上げられませんが、できる限りすみやかに全面的な把握をいたしてまいりたい、こういうふうに考えております。なお、この全面適用の結果、新規に適用対象と相なりまする労働者数につきましては一応の推計をいたしますれば約二百四十万人、こういうふうに推計されます。
#61
○片山甚市君 それで適用の届け出をどのようにやっていくのかということについてはお答えがございませんでしたから、続いて申し上げることに答えてほしいのです。
 事業主が届け出を怠って、いわゆるサボるんですね、金をかけなければいかぬから、じゃまくさいから、そういうときに被保険者としての有資格者がその権利を行使したいと思ったときには行使ができるかどうか。いわゆる雇用主がサボってやってくれなかった、自分に。私のほうが国民にあふりそそのかすというか、権利があるのだからといってやったときに、あなたのほうがその権利を使わしてくれるかどうか、しかとお答え願いたい。
#62
○政府委員(遠藤政夫君) 従来、各種の社会保険におきまして、いわゆる中小零細というよりも小零細、――五人未満の事業所に適用がどうしても拡大できなかった。その最大の原因は、いま片山先生御指摘のように、こういった七十万、百万といういわゆる規模の小さい、新しくできてはまたすぐ経済情勢の変動でつぶれていく、こういう状況でございますために、これを的確に把握して適用をすることがきわめて困難で、かりに数千人人海戦術で動員いたしましても、これをシラミつぶしに完全に把握することは非常に至難のわざでございます。そういうことから、従来各種社会保険が五人未満の小零細企業に適用されなかった。私ども今回農林水産業のいま御指摘がありました個人企業のごく一部の実態上いろいろ問題のありますものを除きましては全部強制適用に踏み切ったゆえんのものは、いま御指摘になりましたような、かりにそういった片っ端からシラミつぶしに適用把握ができなくても、そこから離職をされた、失業された方については、この雇用保険法によります給付の権利が行使できる、こういう体制をとることにいたしたことによって完全適用が実現できたわけでございます。
#63
○片山甚市君 それでは、それをたよりにしましてこれからがんばりますから、そのときには雇用主の悪いことを労働者の責任にしないように念を押しておきます。
 そこで、それをするのには労働省というところには労働基準の監督と同時に職安の仕事があるのですわ。ここはまさか定員削減などというようなことはないでしょうね。いま言うように二百四十万人も労働者がふえてくる。そして、それだけの仕事をしようと、全国で七十万事業所をいわゆる管理しようというときには労働大臣、まさか近ごろのはやりことばで、役人が多かったらいかぬなどということを、――この中で言ったらいけませんが、必ず要員の措置をしてくれますか。行政側の対応をしてくれますか、しないですか、どうしますか。
#64
○政府委員(遠藤政夫君) ただいま申し上げましたような方式で私どもは使用者が怠慢であったからということで、その責めを労働者に転嫁するようなことをいたすつもりはございません。今後こういった小零細企業ほど離職の可能性といいますか、危険性をはらんでおります。したがって、給付面におきましては給付が円滑に行なわれますよう十分な要員の確保につとめるつもりでございます。
#65
○片山甚市君 非常にいいことばですから、全労働の組合にもよく言うて、サボらぬように言ってかんばってもらうことにいたします。
 その次ですが、五人未満の事業所の拡大適用のうち、いわゆる御承知のように、労働保険を一括集めることになり、事務組合を政府が認めておるのですが、これは事業主からの事務委託という側面よりも、現実に保険行政を行なうときには行政の事務の委託という側面が非常に強い。それにもかかわらず、そのお金を出すのに報奨金という名前を出しておるが、報奨などというような名前じゃなくて、本来は事務費的な内容だろうと考えますが、この事務組合が先ほどのお話によればカバーをしておる総数が出ていましたけれども、これは非常に労働保険事務組合というものはこれから育成をしていきたいという決議がございましたが、さて、それならば、報奨金ということばで出しておる五%と千二百円についていまのままでいわゆる助長、助成をしたことになるのか、改める用意があるのか。といいますのは、昭和四十六年まででございますか、は一〇%ほど出しておったのですが、保険金が高いところほどもうかって、零細の五人とかそこらが非常に仕事がやりにくいので、結局五%と千二百円にしたと言われますけれども、これ、先ほどのとおり七十万事業所で二百四十万ふえるところについて、こういう手数のかかるところをもう少し引き上げる、そして事務費として格付けをする、こういうふうな考え方はないかお伺いします。
#66
○政府委員(青木勇之助君) お答えをいたします。
 労働保険事務組合の育成活用ということは、先生御指摘のように、今後の労働保険の運用の面にあたりまして非常に大きなウエートを持ってまいります。そういうことから、われわれといたしましては、現在、四十八年度末で確定した事務組合の数が約一万一千ございます。さらに今後この設立の促進につとめてまいりまして、できる限り事務の円滑な推進につとめてまいりたいと思っております。
 さらに今後適用になってまいりますこれら零細企業の事業所につきましては、労働保険事務組合に対しまして委託を勧奨してまいりまして、できるだけ合理的に保険料の徴収事務等を行ないたいと考えております。
 なお、御質問にございました報奨金の問題につきましては、ただいま先生御指摘のとおりでございまして、四十七年までは十五人以下一率一〇%ということでございましたが、四十八年より一−四人につきましては定額制を設け、さらに十五人以下につきましては定率制ということで運用をいたしてきております。この報奨金の増額等につきましては、各般の諸方面から引き上げ等についての強い御要望もございます。そういう点で、現在まだ確定をいたしておりませんが、年末から年初にかけましての大蔵折衝等におきましてできるだけその増額につとめてまいりたいと思っております。
 なお、さらに事務組合の活用に関連いたしまして、事務組合の事務能力の向上のためにも指導あるいは研修会の開催等できる限りの努力を続けてまいりたい、こういうふうに考えております。
#67
○片山甚市君 実は、今回そういうことになりますと、労働省はこれだけの書類を渡せば済むのですが、事務組合がやるとこれだけの書類をつくらなきゃなりません。そのために事務の簡素化及び様式についてやはり事務的に合理的に公正に行なえるように、その関係の人たちと話をして、一方的に役所らしいきめ方をせずに、――役所というのは人のことを聞かないことをもって旨とする、ね、大臣そうでございましょう。それをやめて、今回は零細の人たち、千分の三を掛けるのでもたいへんな事業があるでしょう、千分の十集める、五――五でも。それぞれありましょう。この人たちが寄り集まって大企業がもうけておるのですから、三井や三菱や住友や餓鬼どもががっさりと山のように金を積んでふところに入れて逃げ回っておるのですから、どうか、その点ではしいたげられたものを助けていこうという事務組合、これに対してお願いがあるのです。あなたたちは法律によって四月一日から四十五日間の間に金を集めなさいということにしておる。四月一日までの間に様式が届かぬ、おわかりですか。あなたのほうの職安でも人が足らぬのですよ、足っておるような顔をしておられるけれども。それで講習会を開かれないために四月の中ごろまでかかる。ところが五月の十五日に金を納めろといって悪どいのが、この労働大臣と来ておるわけですね。じゃ、十五日に集める、九五%も。それは立てかえてでも払うでしょうけれども、それはやっぱりいけませんね。これは明らかにいかぬ。ですから、もしそうしたいならば、三月の終わりごろまでの間に書式を整えて講習会を終わって、そしてせなければならぬと思います。このことはしかとしてもらわないと、今度は五月の十五日に金を納めなければけしからぬなどと言わないで、おくれるならば五月の末ごろまで、それでは年度末いろいろありましょうからという、お役所の都合があるなら、もう少し日にちをずらしてでもやるようにね、――金金金金と言わないというのが今回の三木さんだそうでございます。いままでは金金金金という田中金脈が悪いと、こういうことになっておるのでありますから、ひとつ長谷川さんお帰りになりましたら、出戻りの大臣として、それだけまずお約束をお願いしたい。(笑声)いかがですか。
#68
○国務大臣(長谷川峻君) 御趣旨のとおりやろうと思っております。
#69
○説明員(中谷滋君) ただいま先生御指摘の事務組合関係の事務処理の問題でございますけれども、書類につきましては、従来、それぞれの必要性がございまして、労働保険の適正な徴収という目的のためにいろいろな書類があるわけでございますが、ともかく保険料の納付ということで金銭の取り扱いを中心とするものでございますので、まあ、その性質上、なかなか厳密性が必要でございまして、簡素化必ずしも十分容易ではございませんけれども、従来から簡素化を進めております。四十九年度においても若干簡素化を行なっておりますが、今後とも関係者の意見を十分聞きまして、簡素化に努力してまいりたいと思います。
#70
○片山甚市君 まあ、あれだけの書類があることをそれと全部関連して、いわゆるそれぞれの保険を一括集めるようになっておるんで、厚生省のほうも関係しましょうし、いろいろするんでしょうから、ひとつ大臣は、総理大臣のもとにおるんでしょうから、厚生省もよく言うておいてくださいよ。ここだけ言うてもだめです。
 次に、中小零細企業の負担については、非常にこれは千分の三でも重いと思う事業主がおって掛け金率について言うんじゃないかという心配をしますね。あなたも給付のほうはよろしいが、倒れたときにはね、三分の二見てやろう。大企業は二分の一、ちょっともらい過ぎでしょうが。倒れかかりもせいへんのに倒れかかったというのは山陽特殊製鋼にありますからね。あてになりませんわ、企業の決算報告というのは。そういうことですから、とにもかくにも零細のものに対する掛け金は企業主といえども軽いと思いません、私は。皆さんは企業主いうたら、資本家いうたら全部悪どいように思っとるけれども、おのれが働いて、一生懸命働いて働いてしとるんですよ。皆さんよりもっと働いておるかわからぬのやから、これは悪どいことせぬように。それに倒産、賃金の不払い、賃金の遅延などの場合、被保険者の権利をどう確保するかについて、労働債権については附滞決議もございますけれども、きちっとこれは優先順位をつけることについて、三木武夫という個人だっているんですから、これひとつ日本の国民の命を大事にすることが一番先だと大臣答えてくれませんか。無理ですか。
  〔委員長退席、理事須原昭二君着席〕
#71
○政府委員(東村金之助君) ただいまの賃金債権の問題出ましたけれど、衆議院の社会労働委員会でもそのお話ございまして、賃金不払いに対する救済制度について何らかの救済する措置ははかれないだろうかというお話がございました。で、そこで賃金不払いの実態の分析であるとか公租公課その他私法上の債権との関係等を調整いたしまして、そういう研究を行なった上で五十一年から一部こういう制度を発足させ、五十二年度から全面的にさらに展開していこうというふうに考えております。
#72
○片山甚市君 そんなことは書いてあるんですよ。私はよく読んどんのや。衆議院で書いてあるようなことは読んどる。わかっておる。二度と言わぬでいい、ここで。そこで、じゃ、労働債権が最優先するんだと、この零細企業の話をしとるんだ。大企業とまた違う、これ。そのぐらいは言えぬということはわかる。逐次やります、逐次と違う。いま何よりも火事になってるようなもんだ、こんな急迫感がなければ、あなたたちも体制に尽くしたいのやったらやりなさい。われわれはあなたたちの体制を悪いと思うとんのやから、悪いことなかったらいいんでしょうけれども。国民が困るんでね。私、国民の代表としてひとつ労働債権というのは何ものにもかえがたいんだと。あなた方は失業とは人間にとって最大悲劇だと言う。悲劇の労働債権が後まわしになり、そうして公課――公課って何ですか、日本の政府の税金じゃないですか。何やで、それどころじゃないでしょう。働いとる者の命をどうするんですか。――とにかく私はまあ、あなたたちみたいな人に何ぼ言うても、とにかくあかんでしょう。これはことばにならぬです。カワズのつらにしょんべんと昔のことばがありますが、とにかく何されても平気だ、ここさえ切り抜ければ、この委員会さえ抜けて本会議で採決したらそれでいいというような根性がないのか、こう思う。皆さん、われわれは、国会は与党だけ、自民党だけ悪いんじゃないんですよ。われわれ議員も全部だめになるんですよ。あなたたち悪いとほっとくわけにはいかぬ。ののしっとるのと違うんですよ。しかと耳をかっぽじって聞いといてほしい。
 そうならば、先ほど小平さんもおっしゃっていましたが、国がどのように労働災害そういうものについて起こさぬようにしておるのかということと同時に、たとえば林野庁や建設省が通年雇用をする、こう言い切りなさい。通年雇用をするという、今度の次の問題です。飛躍しまして申しわけないけれども。短期雇用とかそんなことしない。計画的にそうする、失業保険でお願いするなどというふうなさもしいことは、国の金取るというようなことはしません、こんなことをまず具体的にしてもらいたい。これが一つ。
 二つ目は、身体障害者の雇用について、特に公共事業というか、官庁では優先順位をつけて雇う、――優先順位ですよ、あとと違うよ。パーセンテージとも違うですよ。ほかの企業は雇わなくてもよろしい。官庁は優先順位をつければ、身体障害者が最も先に雇う順位がある、このようになりませんか。お伺いします。
#73
○政府委員(遠藤政夫君) 国有林野に働いておられるいわゆる定期作業員というような、短期循環的な雇用の方々、こういった人の通年雇用化につきましては、私どもかねがね農林省当局とも御相談をいたしまして、この通年雇用化、いわゆる常用化につとめておるわけでございまして、この数年間に、まあ、おしかりは受けるかもわかりませんけれども、相当数が常用化されまして、まだ一部日雇い形式あるいは定期作業員的な形式の方が残っておられますが、今後とも林野庁当局に働きかけまして、通年雇用化につとめてまいりたい、かように考えております。
 それから身体障害者につきましては、もうたいへん適切な御指示をいただきまして、私ども感謝にたえない次第でございます。民間につきましても、もちろん身体障害者雇用促進法の規定がございまして、雇用率が設定されております。私ども、この法律の趣旨に沿いまして、極力雇用の促進につとめておりますが、率先垂範すべき官公庁、政府関係機関におきましては、民間よりさらに高い雇用率が定められております。一応この雇用率を達成いたしておりますけれども、一部の省庁におきましてこの雇用率未達成の個所もございます。これは各次官会議あるいは人事課長会議等におきまして、それぞれ個別にこの未達成の各省庁につきましては極力この身体障害者の雇用率を達成するよう、私どもは要請をいたしておる次第でございます。
#74
○片山甚市君 次に、日雇い労働者のことですが、日雇い労働者の賃金の実態、就労日数の実態の現状はどうなっておるかということと、実は印紙が十四枚なければもらえなくなりますが、いまの不況時では最もいわゆる日雇いの労働者がそういううき目を見るのですが、これについて、特に受給資格の必要日数については、このインフレ時には若干特例を設けて、ある時期、財政的にも措置をとるべきだと思いますが、いかがなものでございましょうか。
#75
○政府委員(遠藤政夫君) 日雇い労働者の実態は、一般の常用労働者につきましても、こういう深刻な不況の影響を受けまして、雇用の状況が必ずしも思わしくないことは御指摘のとおりでございます。しかしながら、現行の失業保険法におきましても、新しい御審議中の雇用保険法案におきましても、被保険者としての資格は従来どおりでございまして、前二カ月に二十八日、つまり平均いたしますと月間十四日ということでございます。前二カ月間に二十八日ということは、一つの月でそれに満たなくても次の月、いずれかの月でカバーできるわけでございます。現在の日雇い労働者の方々の就労の実態を見ますると、月平均十四日ということは十分確保されておる状況でございます。一部港湾運送事業等におきましては、この月間の就労日数が非常に激減をしておる向きもございますが、これは港湾労働法によりまして別途、就労日数がこの雇用保険法案におきます日雇い労働者の保険受給資格を下回りましても、これは雇用調整手当が支給されることになっておりまして、これは事実上関係ございませんが、一般の雇用保険法案によります日雇い労働者につきましては、現在のこの規定で私どもは十分かと考えております。ただ、賃金が御承知のようにかなり上昇いたしてまいっておりまして、現行の失業保険法によります給付内容では必ずしも十分でないということで、今回の雇用保険二法案につきましては、さらに上の段階の給付額を設定いたしますことによりまして、実態に即応するように努力をいたしておる次第でございます。
#76
○片山甚市君 低いものがちょっとぐらい上がっても、たいして上がったことになりませんよ。まあ上げた上げたと言うの好きだから、それは言いなさい。しかし、その人たちにとってその実感が伴わないですよ。御自分の家でどなたか月雇いに行かれたら、ようわかりますよ。うちの子供は、うちの家内はそんなことをするようなことない、しっかりしておるんだからと言いたいんでしょうか。御自分が一度そういうことをやられましたらよくわかりますからひとつ、私はもしか十四日、足りなかった場合のことを言うておるんで、いや、そういうような事態が起こった場合の措置をとらなきゃならぬ、こういうふうに言いましたけれども、もう一度答弁を求めることはいたしません。
 さて、私の本題は実はこれから始まるのですが、深刻な度合いを深めてまいりましたいわゆる出かせぎ労働者、他面倒産が相次ぐ中小企業の問題について若干お聞きをしたいと思うんです。今日の不況によって出かせぎ者の求人が激減しているとマスコミが幾つか報道しておりますが、労働省が現在把握している出かせぎ者の労働市場の実情について説明をお願いしたい。
#77
○政府委員(遠藤政夫君) この夏以来の経済不況に伴いまして私どもは雇用・失業の面に相当な影響が出てくる、現実に数字の上に出てまいっております。その中で一番しわ寄せを受けやすいのが御指摘の日雇い労働者とかあるいは出かせぎの方方でございます。そこで長谷川労働大臣もたいへん御心配になりまして、みずから出かせぎの窓口の上野駅前の東北、北海道から出てみえます出かせぎの方々の相談所にもおいでいただきましたし、また、私大臣の命を受けまして先般北海道、東北にも実態を視察に行ってまいりました。御指摘のように出かせぎ労働者につきましては一般常用者と同じように求人がきわめて深刻になってまいっております。この九月、十月の状況を申し上げますと、出かせぎ労働者についての求人が昨年に比較いたしまして四〇%減っております。したがいまして、出かせぎに出たいという希望される方に対して十分な就職あっせんができないんではないかという懸念もございまして、私現地を見てまいりましたが、幸いなことに求人は四〇%減っておりますけれども、従来この出かせぎに対する求人が非常に大幅に増加いたしておりました関係上、四〇%減になりました今日におきましても、東北、北海道方面の出かせぎに出たいという御希望を持っておられる方につきまして、従来のように毎年毎年同じ事業所に定着をして繰り返し就労されておられた方々の中でいままでと同じところには行けなくなったという方々はおられますけれども、現在の求人によりまして希望される方はそれぞれ就職をされるにはまずまずいまのところ事欠かないという状況に相なっております。
#78
○片山甚市君 それでは、さらに政府の出かせぎ農民の統計のとり方についてお尋ねしますが、労働省は失業保険の短期受給者の数字によってみると、全国的に約六十万人存在しておると書いてあります。農林省の把握するところによると全国で約三十四万人が出かせぎ農民だと書いてあります。一説によると大体出かせぎは百万程度だろうといわれておるんですが、そこで政府は本格的に先ほどいわゆる短期雇用の問題を取り上げられたんですが、出かせぎ対策を実施しようというならば出かせぎ者の正確な数字把握をどのようにしておるのか、それについてお答えを願いたい。
#79
○政府委員(遠藤政夫君) いま御指摘のように出かせぎの実態につきましては農林省の統計によりますと三十数万でございます。私どものほうの現行の失業保険法によりますいわゆる短期受給を繰り返しておられる方々の数字は約六十万ということになっております。先ほど大臣からもお答え申し上げましたようにこの出かせぎに出て郷里に帰られてなお失業保険の給付を受けておられない方もございます。したがいまして、そういうものを推計いたしますと、私どもの失業保険の統計で実績として出ております数字よりは若干上回った数字になろうかと考えております。私どもは、この出かせぎの問題につきましていろいろな施策を検討をし実施に移してまいっておりますが、まず出かせぎに出られている人たちの実態を的確に把握することがまず何よりもすべての施策の前提条件であろうかと、かように考えております。そこで、出かせぎに出られる方に事前に就労の経路を明確にしていただく。つまり公共職業安定所なりあるいは市町村なりあるいは農協なり、こういった出かせぎ関係の公共機関、団体を通じて出かせぎに出ていただくということを私どもは極力指導をし、進めておるわけでございますが、なかなかやはり出かせぎに出られる方でいろいろな事情もあって、こういった公共的な機関、ルートを経ないで就労される方がいまだにあとを断ちません。私どもは、まず、この点を何よりも私どもの行政の最重要案件として今後とも進めてまいりたいと、こうすることによりまして、出かせぎ者の実態を十全に把握することになろうかと、かように考えておる次第でございます。
#80
○片山甚市君 つまり、このような統計の数字が大きく違う原因は、出かせぎ者の定義がいわゆる農林省と労働省によって異なるからだろうと思うんです。そこで出かせぎの定義というものはどんなもんですか。
#81
○政府委員(遠藤政夫君) 私どものほうの数字と農林省の数字が違う理由は、これは私どもから必ずしも明確なお答えができかねますけれども、私どものほうはいわゆる短期受給者という形で保険の受給を受けた方を申し上げているわけでございまして、農林省ではいわゆる何といいますか、農業従事者で、専業、兼業ございますが、その中から出かせぎに出られたという数字を一応発表しておるわけでございます。私どもは出かせぎという形で公表されております失業保険の受給者の中には必ずしも農家の出身者でなくて、いわゆる農業従事者として夏なりあるいは冬場出かせぎに出られる方だけではなくて、それ以外の方も含まれております。したがいまして、いまお話になりましたような意味での出かせぎ労働者という数字だけではないことを御理解いただきたいと思うわけでございます。
#82
○説明員(関英夫君) ちょっと補足をさせていただきたいと思いますが、失業保険を季節的に受給する六十万という実績、これが一つでございますが、私ども出かせぎ労働者の対策を行ないます場合には、必ずしも失業保険を受給しておらない人でも出かせぎ労働対策の対象としては考えようと、こういうことで、そういう場合の出かせぎ労働者の定義といたしましては、一カ月以上一年未満の期間居住地を離れて他に雇用されて就労する者で、その就労期間の経過後は居住地に帰る者、こういうような形で出かせぎ労働者をとらえていろいろな援護対策をやろうと、こういうことにいたしております。ですから、そういう定義とそれから失業保険を毎年季節的に受給する六十万人とはある面でダブりますし、またダブらない面もございます。
#83
○片山甚市君 農林省が昭和四十七年に行なった先ほど言うた三十四万かあるんですが、出かせぎ状況調査結果の報告書によりますと、調査対象が三十四万二千人、うち今後も出かせぎに行くと答えた者が二十六万七千三百人と、そのうち農業だけでは生活が苦しいという農民が十八万五千五百人、行かない、が、わずかに三万二千四百人しかおりません。わからないというのは四万二千三百人でした。この調査は昭和四十七年でありますから、今日の悪性インフレの中ではより多くの現金支出が、いわゆるトラクター、コンバイン、いろいろ農機具を買っておる関係から、その借金、農業生産道具を買った借金払いのために、また子供を学校へ行かすためにたいへん金が要るようになっておる。この出かせぎの人口は増加しておるのか、それとも少なくなっておるのか、労働省としてどう把握するか。
 そこで、このように農民が農業経営だけでは生活ができないような事態をつくり出したほんとうの原因は何であるか。私は、先ほどから何回も言うておるが、あなたのほうの口からこういうようになっておるのは、どういうことなのか説明してもらいたい。さらに出かせぎ者は小農から中農に移り、いま大農と思われるところまで広がっていっておると思いますが、そういうことでないかどうか御返事を願いたいと思います。
#84
○政府委員(遠藤政夫君) 出かせぎがどういう事情で起こってきているのか、実態はどうなのかというお尋ねかと思いますが、出かせぎ労働につきましては、自然的な環境、経済的な事情、こういったことで、本業である農業、林業あるいは漁業、こういうものだけでは、そういったものによる収入だけでは自立できない、こういうことから、その合い間と申しますか、農閑期、漁閑期に他の仕事につきたい、さりとてその居住しております地元ではそれにふさわしい適当な職場が得られないということで、居住地を離れて、東京、大阪、そういった工業地帯に就労せざるを得ないというのが出かせぎの実態であろうかと思います。一方、建設業あるいはその他の産業におきましても人手を確保する必要があるということで、本来ならば通年的に常用労働者としての労働力が望まれるわけでございますけれども、そういった就労する人たちのほうの事情から通年的に雇用できない。やむを得ず季節的に一年間、――一定の期間、六カ月ないし十カ月というような形で労力を確保せざるを得ない、こういうのが現在の出かせぎ労働の実態であろうかと思います。でしかしながら、最近一次産業、いわゆる農林水産漁業に従事される方々の雇用就労者数が激減してまいりまして、全体の中で一三%ぐらいに落ちてきております。したがいまして、その供給源と申しますか、それ自体が著しく減少しております。と同時に、ただいま申し上げました居住地区で、地元での就労機会が農村地域工業導入促進法等によりまして、ごくわずかではございますけれども、逐次ふえてきております。したがって、京阪神、京浜地区へ就労、出かせぎに出なくても地元で就労する機会も逐次ふえてまいっております。こういったことで出かせぎの人たちの数字は全体としては減少の傾向をたどってきております。
#85
○片山甚市君 次に、今回不況による雇用の縮小あるいは失業保険の給付制限がいかに東北地方を中心とする出かせぎ地帯の経済を脅かしているかについてお尋ねしてみたいと思います。たとえば昭和四十八年度の青森県五所川原市の年収を見てもわかりますが、ここでは米は四十五億円、リンゴが十二億円、出かせぎが三十一億円です。失業保険でもらう金が五億円と構成がなっております。全体の三分の二以上が出かせぎと失業保険の収入でまかなわれておるということですが、今回の雇用保険制度給付切り下げ等、出かせぎ者を多く出しておる政策からたいへんなことだと思います。こうしたことから出かせぎ者の雇用確保が非常に重要な課題になっている現在、労働省はその出かせぎ者のいわゆる雇用確保についてどのような対策をとられるおつもりでしょうか。
#86
○政府委員(遠藤政夫君) 私どもはこの出かせぎという労働形態につきましては、必ずしも好ましい実態ではないと、かように考えておりまして、先ほど課長からも申し上げましたように、この出かせぎ労働者の方々に対しまして、一つは通年雇用化を進める、それからもう一つは地元でそういった就業の機会を、雇用の機会を増大することによって地元で働いていただけるようにする、こういうことによりまして、できるだけ出かせぎの方方が居住しておられる地元で就業していただけるように努力をし、政策を進めておるわけでございます。しかしながら、こういった政策は短期間にその効果が実現できるわけではございません。したがいまして、先ほど御指摘になりましたように、現在出かせぎに出て、将来とも出かせぎに出たいという希望を持っておられる方は、全国的に多数ございます。したがいまして、こういった不況で出かせぎに対する求人が激減はいたしておりますけれども、私どもは希望される方々の出かせぎ先につきまして、その求職者に対する職場の確保ができますように関係の安定所、全力をあげてこの出かせぎ労働に対する求人の確保につとめておるわけでございます。
#87
○片山甚市君 出かせぎ者の雇用制限、中止という最近の労働市場のニュースを見るにつけ、たとえ雇用機会に恵まれた者でも、どのような仕事につくかの選択は、企業の試験にパスをせなければならなくなりました。特に中高年齢、女子、病弱者、それに能率がよくないというようなことで、大多数の人たちがオミットされると聞くのですが、このようなことがないように、したがって、これらの人の生活権、労働の権利が奪われていることについて企業は必要なときに必要ないわゆる労働力の活用という合理主義によっていままで出かせぎ者を酷使してきたのでありますから、労働省としては御都合主義の雇用をやる企業にさせないように、引き続きいままで出かせぎ労働者を使ってきた立場から、その人の新しい仕事がつくれるように願いたい。この結果、不況になったから雇用しない、責任は出かせぎ農民にあるかのような無責任な企業の行政の姿勢は絶対に許すことはできませんし、いまお話によれば、そのようなことをさせない、こういうように言っておられますけれども、そのことについてしかと確認をしたい。労働省は、この法案で出かせぎ者の失業給付を締めつけよう、そのことによって胸を張ってお金をもらえると、出かせぎに行かなくても済むようにすることが胸を張ることなんです。地元に産業を興すといっても、興せるぐらいであれば出かせぎに行かない。そこで働いたら失業保険より安い賃金しかもらえない、こんな実態を改善をせなけりゃならぬ、こう思いますが、いかがでしょう。
#88
○政府委員(遠藤政夫君) こういう不況のあおりを受けまして、確かに出かせぎの求人は減っております。先般、私、大臣のお供をいたしまして、上野の駅前の出かせぎ相談所に参りましたときも、たまたま大臣の御出身地である宮城県から十数人の方が上野駅に着いて、その足で相談所に見えておりました。いままで話を聞いておりますと、毎年毎年ここ五、六年間同じ事業場に繰り返して就労しておられたそうでございますが、ことしはそこが出かせぎ者の求人を三分の一減らしたので、私はもうすでに先に行った人がいたので同じ工場には行けなくなりましたということで相談員が御相談に乗っておりました。約一時間ぐらいで他の求人先に行き先がきまりました、こういうお話でございました。その求人の内容でございますが、こういった不況で賃金が従来の条件確保ができないんじゃないか、こういう懸念ももちろんございますけれども、私どもが東北、北海道、上野駅前の相談所で確認いたしましたところによりますと、賃金は昨年よりも大体平均二〇%から三〇%上がっております。ただ問題は、ことしの春以来いわゆる残業時間の規制ということで常用労働者も含めて残業時間がきわめて少なくなっております。そういった関係で一日当たりの賃金は二割ないし三割上がっておりますけれども、残業時間が少なくなりましたために月間の収入は去年の横ばいかあるいはやや上回るといった程度で、単位当たりの賃金の上昇に見合うにはほど遠い、こういう状況でございまして、従来の労働条件を確保するというのがようやくだという実態でございます。私どもといたしましては、ただいま片山先生御指摘のようなことになりませんように、出かせぎ労働者に対する求人の確保とその労働条件をできるだけ向上させる方向で行政指導をし、努力をしてまいりたいと、かように考えておるわけでございます。
#89
○片山甚市君 いまのような状態でありますから、いわゆる雇用調整の関係があって残業が少なくなるということから一カ月の手取りは減ることになります。二〇%程度賃金は上がったといっても、季節労働者、いわゆる出かせぎ労働者については一カ月の手取りが少なくなってくることになる。今日週休二日制を求め、労働時間短縮、こういうことを考えておるときに、私たちは残業を当てにする、稼働日数を延長する、こんなようなことを出かせぎ労働者に求めるわけにいきません。そこで、いままでしいたげられた賃金決定の機構の中に、出かせぎ労働者の賃金を省として特別に保障するような対策をとられる用意がないか、この機会に。保険を掛けさすつもりでしょう、短期雇用で。それならば賃金についていわゆる残業とか雇用日数の増加という前に、基本的に賃金を引き上げていく、このようなことをして保障する用意はありませんか。
  〔理事須原昭二君退席、委員長着席〕
#90
○政府委員(遠藤政夫君) 私どもはこの出かせぎの人たちの労働条件が確保されるように求人先につきましては極力指導いたしておるわけでございまして、残業時間が減ったことによって収入がダウンするとは申しましても、前年に比較いたしましても単位当たりの賃金額は増加いたしておりますために大体従来の労働条件が確保されるというような現状でございますし、私どもは、この実態が確保されるような方向で求人指導を今後とも強力にいたしてまいりたい、かように考えております。ただ、先生いま御指摘になりましたように、残業時間はふやすな、休日も減らすな、しかし賃金は幾らにしろということにつきましては、ごもっともではございますけれども、賃金は労使間できめられることでございます。私どもとしましては、求人を受けます場合に、求人条件として提示された賃金を、これでは困りますと、こういう条件では人を御紹介するわけにはまいりませんよと、こういった意味での指導はできますけれども、幾らにしろというところまでは、これは労使決定の原則に反することにもなります。私どもとしては、私どもの行政指導の限界で十分先生の御趣旨に沿うような努力をしてまいりたいと、かように考えております。
#91
○片山甚市君 ですから、労働組合の意見がありますが、全国一律最低賃金の問題でございますし、地域包括最賃のこともございますが、なぜ大臣、全国一律最賃ができなければ、地域包括最賃でもいいから、出かせぎ労働者を拘束するような法的なものをつくらないのでしょうか。特に東京の地下鉄、ビルといえば、東北やいろんなところがら来た出かせぎの人たちの血と汗の結晶でございましょうから。東京で快適な乗りものに乗る、りっぱな建物に入るとなれば、必ずはるけきふるさとを捨てて働く人のことを思うのは私の常でございます。ならば、いまのように、基本賃金が二〇%上がった、――物価が何ぼ上がったんですか。大きなところは御承知のように、三〇%から三二%上がったんじゃないですか、ことしの春闘などというのは。そこで二〇%上げたなどというのは、ナンセンスもはなはだしい。これはもう働いている者の気持ちなどさらさら――大企業寄り、大企業の組合寄り、そうなりませんか。大臣、血と涙のあるあったかみのあるというのは、こういうところに具体的な手を差し伸べることですよ。強い者ばっかりに味方しておる。さっき言われたように官僚答弁とはかかるものか……。まだあとようけあるんだけれども、もうやりたくなくなる。もっと本気で、書いたものを読まぬとぱっと答えて、内閣が不統一になったら、また協議してきめたらいいんです。何も国民の前に内閣が先にあることはあるか、こう思います、私思うんですからね。そんなわけのわからぬ一年生の議員がよう国会に来たなと言うでしょうけれども、私は働いてきた者としてそう言わざるを得ない。私の所属は大きな組合ですからね、こんな組合というのはほっといてもひとりで歩けるんだよ。私がなぜ出かせぎの労働者のことをするかといったら、私も小さいときから農民の子として、五反百姓の子として生まれてきた。赤貧洗うごとくに育ってきたからね。昔は、くつは買わなくてもよかったの、自分でぞうりをつくって、私、学校へ行ったの、今の親は買うてやらなきゃならぬの、金が要るの、おわかりですか。昔の農業と、農村とはまた違うの。そんなもの昔のままにしておけと言うんですか。そんなことないでしょう。時間が過ぎるから次に行きましょう。腹が立ってしょうがないです。もうとにかくそんな官僚答弁というのは、もう愚にもつかないということです。私のほうから答弁をする。もう少し性根入れて、最低賃金制をしくとかなんとかして、包括的に全国民的に救う用意がある――総評さんに言われず、同盟さんに言われず、どなたに言われずに、政府というのは、三木というのはそういうことをやるために、田中金脈とは違うんだと、こうぬかすのかと思ったら、おっしゃらない。こういうことはつまらぬですね。
 次、さらに問題なのは、低賃金に加えて賃金不払いであります。多くの出かせぎ者は建設業など重層化された下請機関で働いている関係上、企業倒産が多く発生して、そこで、出かせぎ者に限ってみて、企業倒産等による原因で賃金が不払いになっている実態と、それに対する労働省の措置について説明を願いたいと思います。
#92
○政府委員(東村金之助君) 賃金不払いにつきましては、従来から問題ありましたけれども、最近の不況の深刻化に伴いまして、さらにそれが増加しております。で、昭和四十九年九月末現在で件数が千五百件、対象労働者数が一万四千名、不払い金額が二十九億というような数字が出てまいっております。その中には御指摘のように、建設業関係の不払いもかなり含まれております。特に件数が増加しております。で、これは現在のところ私どもといたしましては、いち早くその実態を把握いたしまして、すぐそれを支払わせると、早期に支払わせるという態度で地方の労働基準局、監督署に指示いたしまして、そういうことを実施しております。ただ、それだけでは足らない部面もございますので、特に建設業につきまして、たとえばいま御議論になっております出かせぎ労働者等について不払いが多発するような向きもございますので、建設業については別途業界を指導いたしまして、それが保障できるような制度ないしは不払いが生じたような場合には、特別に建設省と連絡をとりながらそれをつぶしていくような制度、そういうことを考えております。いずれにいたしましても賃金の不遅払いといいますのは労働者の生活にとって重大な問題でございますので、早期把握、早期解決という態度で対処している次第でございます。
#93
○片山甚市君 ところが賃金不払いの問題を発生させたもう一つの側面がございます。それをきちんとしてほしいんですが、それは重層化した下請関係による、――ですから一つの例で言いますと、東京の建設業で見ると、親企業は入札額の一五%から二〇%ピンはねで子会社に請け負わせ、子会社は同様に頭をはねまして、いわゆるもう一つの孫にばっと落とす、孫がいただきましたものは大体元請金額の四〇%ぐらいで仕事をしないといかぬ、こういうことになっておるんです。だから建設会社はわりに献金をするという説がある、政治献金を、熱心にするという説がある。見たことないけれども。さらに加えて金融等の引き締めによりまして資金繰りの困難さから倒産会社の幹部の蒸発、そうして賃金不払いというケースが多く存在しておるんです。いませっかく努力願っておるようでありますが、出かせぎ農民はこうした孫企業に就職する機会が非常に多いといわれております。こうした不安定な雇用実態を労働省はどの程度把握をして、賃金管理なども含めて労働省がいわゆる保護をするというか、手助けをするような、出かせぎ労働者に対する、賃金に対する保障を、こういうことば具体的にできないものだろうか、この際お考え願えないだろうかと思いますが、いかがですか。
#94
○政府委員(東村金之助君) ただいま御指摘のように、出かせぎ労働者等が孫下請のような、かなり問題のあるような事業所に雇用された結果、賃金不払い等の被害をこうむるということは確かにおっしゃるようにございます。そこでそういうことのないように職業安定所を通してぜひ就職をしてもらいたいということを私どものほうも安定局と連絡をとっております。それからいまおっしゃったように倒産して行くえ不明になっちゃうような極端な例がございます。そういう場合にもわれわれ全国に監督署がございますので、相互に連絡をとってできるだけそれを追跡していく、で、突きとめましてそれを払わせるという例もございますし、現に努力をしております。なお、代金等が親からだんだんこう先細りになるというような問題がございますが、私どもは賃金不払いもさることながら、安全衛生の問題等についてそういうものが確保されていない、現場で働いている方が安全衛生の保障ができないという問題もございますので、そういう面についても努力していきたいと、かように考えております。
#95
○片山甚市君 基準局長はりっぱなことをおっしゃったから、そのかわり基準監督官を少しふやしたらどうなんですか。昭和二十二年より減るというような、こんななまくらな――ふえておると言うかな。こんな数字、間違ったら答え、よろしい。いわゆる労働基準監督官が――事業所がふえて、高度成長して事業場所がたくさんできても役人減らすという合いことばの中で、一番資本家もみんなぐるになって減したのは労働基準監督官と労働サビース、労働者のための保護ですね。今度三木武夫という首相がまともな人間だったらおそらく労働省に山と人を積んでやるから労働者を守れ、こう言うだろうと思う。あれじゃ言わぬから、だいじょうぶだ、そんなに長続きしない――先礼ですが。私は、なぜそんなことを言うのかというと、いわゆるたとえば秋田県の出かせぎ者が浜松市の梱包企業、東海梱包株式会社に雇用されたとき、賃金は、職安では――本荘ですが、の職安に申し出たときには、日当四千二百円−四千七百円の間できめますと言いまして、採用したら三千九百円の日当に四百円の食費を取るぞと言われた。こうした場合、労働条件の変更であって、出かせぎにとっては重要な問題でありますけれども、労働省はそんなときにはどういう措置をその当該労働者にとらすのですか。労働組合をつくれと言うのですか、このときは、逃げるために。そんな職安のインチキの雇いみたいになっているときにはどういうように――その省の、日本政府の名においてでもこの梱包会社にどう言ってくれたのですか。たとえばどうしてくれたのですか。口約束ですか。
#96
○政府委員(東村金之助君) ただいまの、最初ございました労働基準監督官の数の問題でございますが、これは私どももちろん十分ではございませんが、年々増加するように努力はいたしております。ただ、おっしゃるように事業所もふえております。したがいまして、一人当たり労働基準監督官の担当する範囲はなかなか思うようにいきませんことも事実でございますが、ただ問題がございます、たとえばいま御指摘の建設であるとか、その他災害が多発しているようなところには集中的に監督をやるというような指示をしているところでございまして、それもまだ十分ではないという面もございますので、来年度も増員の要求をしているところでございます。
 それから、労働組合のあるないという問題にもかかわりますが、私どもといたしましては、やはり労働条件が非常に劣っておるといいますのは、労働組合があるところよりは、やはり労働組合のないような中小零細企業の労働条件の悪いところだというふうに考えまして、いま申し上げましたような、やはり人員のワクの中でもそういうところを重点的に対処していることでございます。ただ、いま具体的にお示しになった例はちょっと存じ上げておりませんので。
#97
○片山甚市君 例ですから、こういうようなものについて職安が約束した金額、現地へ行ったら違っておったようなときはどうするのかと聞いたんです。それだけなんですよ。わからぬだろうから、そう言ったら、私のことばが。だから長々と演説したんだけれども、もういいですよ。どうせろくな返事は出ぬ。企業がわからぬでもいいんですよ。東海梱包株式会社というところで四千二百円から四千七百円で雇いましようと言ったんで行ってみたら、三千九百円からで、しかもそれから食費を引きますと言う、その中から。寄宿舎かどこか入っているかどうか知らぬけれども。話が違うようなときにどうするのかと聞いた。しかし、そんなこともできないということがわかったですよ。やはり労働基準局が監督をやるとすれば、そういうようなものに対して具体的に手当てをしてもらいたい。これはまあ時間がございませんからね。
 それから、安全労働の問題については、いまおっしゃるたように、出かせぎ者の事故はずいぶん大きい。手抜きをしておる。これを認めておるんですから。認めておるなら、賃金のことじゃなくて、安全労働の問題について手抜きがある企業がある。それをさせぬように教育させ、そういうふうにすると言ったんですから。今度、これ、臨時国会ですけれども、次、通常国会になったら、大臣、たんと時間をいただきまして、本音でそんなことを言うておるのかどうかね。私が答えぬうちにいま言うたんだから、質問せぬうちに。ありがとうございました。
 そこで、昨年一年間で秋田県の場合、九十八人の出かせぎ者が死亡しております。そのうち、労働災害によるものは五十人、他の四十八人は病死等でありますが、このように出かせぎ者の事故が多いのは先にも触れましたように、企業の安全対策、いままで聞きましたように。対策の手落ちとともに出かせぎ者自身の生活環境の変化、仕事のふなれが発生率を高めておる原因だと思います。
 そこで、就労前の安全教育、健康診断を徹底し、出かせぎ者という特殊性を考慮した安全対策の確立を願いたいと思うんです。自分の家から離れて生活しておるんでありますから、そういう点、どうでありましょうか。
#98
○政府委員(東村金之助君) 出かせぎ労働者の、たとえば都会に出て来て建設現場で働くというような方に対して、いま先生おっしゃいましたように、事前に教育であるとか、あるいは当該事業所に入る雇い入れの際に健康診断をやるとか、そういう手を打っておかないと、やはり具体的に仕事やった際にいろいろ問題が起こりますので、私どももそういうふうにやりたいし、現にそういうふうに指導しておるところでございます。
#99
○片山甚市君 指導じゃなくて、それは必須条件にしてもらいたい。あんたとこ監督官庁やから通達出すの好きでしょう。通達出すの好きだから、そうしなさいと、こういうように言って、そうじゃなきゃ職業案内をしませんよ、こういう職業案内はしませんよと、こう言えばいいんでありますから、ひとつそういうようにお願いをしたいと思います。
 それから次に、出かせぎ者と雇用保険の関係についてですが、労働省の見解をお尋ねしたいんですが、労働省はじめ財界では、出かせぎ者の失業保険受給に対して惰民養成とかデカンショ保険とか、さらに百円玉を入れて千円札が出る制度だとかと、さまざまな理由をつけて非難をしてまいりました。先ほどのお話のように肩身狭い思いして金取っておると大臣はおっしゃる。私のことばむかついんでね、おっしゃる。そして今回の法案提出にあたっても、いわゆる全被保険者約二千二百万人のうちの三%弱に相当する者が支給総額の三四%に当たる失業保険金を受給し、著しい不均衡、社会的公正の見地から現状のまま放置することはできないというのがもっともらしい提案の理由の一つになっております。先ほど申しましたように出かせぎ収入、失業保険に依存しなければ生活ができないように追い込んだのは、政府の農業切り捨て、高度成長、――重工業中心の高度経済政策から農民を追い出すための政策からだったことは明らかです。先ほど申し上げたように大都市の地下鉄やビルの建設はこの人たちの努力によってつくられたものと思います。そうして、今日インフレをつくり上げ、物価高をつくり上げて、いわゆる不況をつくり上げた日本政府のその尻ぬぐいを失業保険の給付を切り下げるということで、そして新しくいわゆるこういうものをわれわれに押しつけようとしておることについては納得できません。これは一体現実問題として他にどのような手段で出かせぎの労働者が農業で食えていくようにするのか。そういうことをしないでおいて、あまりにも農民に対して冷たい言い方ではないだろうか、こういうように思います。
 お金をもらったといってもそれは、それで生活できるのじゃないんです。何も出かせぎの人たちはおもしろ半分に家に帰っているのと違うんです。百姓しに帰っておる、ほんとうに。たいへんなことですね。もう、もみが干し上がらぬうちに東京に出てこなきゃならぬ。奥さんや子どもさんやと別れて住むというのは、あなたたちは、大臣あたりは楽しいですか。いや、まあ、たいへんでございましょう。そういうふうに思ったら、その対策についてさらに決意を、あなたのほうの気持ちを大臣からお聞きしたいんですが、いかがでしょう。
#100
○国務大臣(長谷川峻君) 私も出かせぎ地帯でございまして、非常に御同情、御支援いただきますことを心から敬意を払うわけであります。それだけにまたこういう雇用保険法案によって一方手当てをしながら、そしてまた、全体の雇用率というものを上げるために万全の対策を整え、そのためには熱意をもって御激励いただいたのにこたえる覚悟で懸命にやりたいと思っております。
#101
○片山甚市君 時間がまずもうなくなったようですから、一点。
 そこで、そのようなことで、出かせぎ農民の救済策としてわが党が労働省に対して要求しておりますところの短期特例給付の施行の延期など当然なものと思います。ひとつ、この審議を通じまして最終的に出かせぎ労働者に対する十分な配慮をしていただく、それが高度成長政策の中で働いた農民に対する、その人たちに対する私たちの償いの一部であろうかと思う。皆さんから言うと非常にたくさんのお金でしょうけれども、その人たちにとってはたいへんなことだと思います。そういうことをまず結びのように言っておきます。
 労働省は季節的受給者への給付を一時金制度に切りかえる理由として、これによって最初の一回だけ失業認定を受ければ、あとはどこで働いても自由だと先ほどおっしゃっていただきました。どこでも働けるほどの場所があるんなら、収入があるんなら出かせぎになぜ行くのでしょう。そんなことは胸を張ってというけれども、みんな胸を張って働いてもらわなきゃならぬ。そして失業保険は権利として受け取らなきゃならぬと思いました。しかし、あんたたちは恩恵で渡しておったということがわかりました。そこで、そういう点で非常に残念だと、これによって職安の窓口に出て失業認定を受けるトラブルは解消されておるけれども、逆にこれによって失業保険制度本来の趣旨はどうなるのでしょうか。つまりこのように一時金として前渡しを行なえば明らかに失業者でないものまでが給付という性格に変質してしまう。過去の失業した期間に対する給付という失業保険制度との不整合が問題になりやしないかと思いますが、それは目をつぶりますんですか。どうでしょうか。
#102
○政府委員(遠藤政夫君) 確かにいま先生御指摘のように出かせぎに出た方はいろいろな形がございますけれども、一つの形としては出かせぎから帰って農業に従事される。まあ帰って田植えをして取り入れが済んだらまた出かせぎに出る。こういうことでございまして、少なくともそういう農業に従事している限りは本来的には失業給付の対象にならないわけでございます。そういったことがいろいろ問題になりまして、一般の労働者との、他の産業に従事しておられる労働者との不均衡といったような問題が指摘されたわけでございますが、今回の雇用保険法におきまして、一時金という制度に改めましたことは、そういった制度的な矛盾、不均衡、こういったことを十分わきまえた上で一時金制度をとることによりまして、出かせぎの人たちのこの保険制度における給付の実態を踏まえ、これを制度化しようとしたわけでございます。したがいまして、確かに理論的には御指摘のような問題残されておるかもわかりませんけれども、この雇用保険法案におきまして、そういった過去の矛盾を制度化することによって解決をしようとしたわけでございます。
#103
○片山甚市君 雇用保険法案についてはまた須原理事のほうからも私の足りないことは言ってもらえると思いますし、時間が制約されていますから、別の労災法についてちょっとお聞きをしたいと思います。
 労災法改正に関連して脊損障害者の問題について一点だけお尋ねし、その善処を要望したいと思います。
 労災障害者の中でも脊損障害者の皆さんは、最も不幸な方々であると私は思います。すなわち、その傷病は現代医学をもってしても不治とされている傷病で、そのほとんどは膀胱、直腸障害であり、両下肢機能は用廃、加えて性的不能です。かつ歩行不能、このために車いすを利用しないと行動できません。このようなことを思えばこれらの方々の味わう苦しみは言語に絶するものがあり、また家族の受ける精神的かつ経済的苦しみはことばや筆に尽くすことはできないと存じます。
 そこで質問するのです。現在三級の認定を一級へと障害の等級を上げることはできないのでしょうか。
 二つ目には、特に打ち切り補償を支給されている者に対する、長期傷病給付から四十日分の差し引き給付を行なっていますけれども、これをやめることはできないのでしょうか。数が少ないのです。そうたくさん金が要るのじゃないんです。この苦しみという意味で……。
 次に、その他、次の点について善処をする気はないでしょうか。自宅療養者に対する介護料を一万八千円いただいておるところを五万円程度に引き上げる。また二つ目には、新旧脊損者の補償給付差額の是正をする。このことは古い方は平均賃金は非常に低いので、今日のインフレ下では生活できない状態ですから、古い方々の給付について引き上げていくようなお考えはないだろうか。
 あとのほうは希望です。初めのほうはそうじやなくて、きちんとお答えを願いたいと思います。以上で終わります。
#104
○説明員(田中清定君) いわゆる脊髄損傷者の方々は両下肢の麻痺の方が多いわけでございますが、大体障害等級で申し上げますと、一級の方、三級の方が多うございます。これは症状の程度によりましてある方は三級にもなる、ある方は一級にもなるということでございます。ただ、療養中の方は年金のほかに医療費が出るわけでございますが、その年金の額が現在三級程度の額でございますが、この方がなおった場合にその症状の程度に応じて一級に該当すれば障害一級に認定され、障害補償年金が出る、こういうことに相なっておるわけでございます。
 それから過去に打ち切り補償を受けた方で、これは昭和三十五年以前の方でございますが、その方で現在なお療養を継続されておる方には長期傷病補償給付といたしまして年金が出ておるわけでございますが、打ち切り補償をもらわないで年金をもらっておられる方々との均衡から、御指摘のように減額等の調整措置を講じておるわけでございますが、これにつきましては前国会以来、しばしば患者の方々からも御意見もございますし、当方といたしましても、非常にお気の毒な方々の場合でございますので、現在、労災保険審議会におきまして、いろいろ基本的な問題についての検討を行なっておりますので、それとあわせまして検討いたしまして、その結果に従ってまた措置をいたしたい、このように考えておるわけでございます。
#105
○片山甚市君 時間がございませんから、いまの答弁について不満ですから、引き続きこのことについてはお尋ねをしていき、よくしていただきたいと存じます。
 最後に大臣、私が申し上げたのは出かせぎのことだけに限定しているように思われるかもしれませんが、そうではなくて、血のある、あたたかみのある政治をするならば、このような法案でなくて、三法を別にして、失業保険の問題について至れり尽くせりするのが当然だろうという立場でありましたし、特に短期給付、短期雇用の問題、あるいは婦人の労働についての問題、これはやはりあとで私のほうの須原理事のほうから言うと思いますけれども、十分に政府が考えていただきたい。それと同時に、二百四十万新しく入る五人未満の零細な企業に働く人々にこれが適用されるための措置のためには、お金を惜んで、またその人たちの対策を怠ることがないように、そして事務組合との間に円滑に意見を統一して、いわゆる簡素な形で、しかも公正に、的確に、正確に事務が進んでいくようにしてもらって、だれもがこの保険から落ちることがないようにしなければならぬ。私は、この保険法案に反対の立場、個人的に言うと、もうこんなものは山ほど反対しておるんです。あんたのところは命かけてやっておるそうですが、そういうことでありますから、くれぐれも、国民がこれを通してほしいなどというんじゃなくて、不況をつくったために、不況産業の雇用主と、その不況の中におる失業しておる者があわてふためいておるだけ。通ってしまったら、今度はまるまる三事業のほうへ金を取ろうと思っておる。そして、われわれ積み立てた金を全部そこへ使われるんだと思うとくやしくてたまらない。これは私の偽わらざる気持ちですから、そのおつもりでしかとひとつ、人世最大の悲劇、失業をなくすると同時に、その人たちが失業したときに生活が保障されないようなこんな給付の切りかえ方について善処のできることを、最後の五分間までわれわれねばり抜いて意見を述べたいと思いますから、お願いします。終わります。
#106
○委員長(山崎昇君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後二時から再開することとし、休憩いたします。
   午後零時五十八分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時十分開会
#107
○委員長(山崎昇君) ただいまから社会労働委員会を再開いたします。
 午前に引き続き、雇用保険法案、雇用保険法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案、労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律案を一括して議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#108
○沓脱タケ子君 それでは、ただいま上程をされております雇用保険法案に対しまして最初にお尋ねをしたいと思います。
 この雇用保険法案に対しましては、七十二国会に上程をされたころから、ずいぶんいろいろと異論のあるところでございます。そして、この法案については、これは社会政策学会の有志などからも、いろいろと意見が出ております。これは七十二国会の審議の際にも、若干審議の過程に出たかと思いますけれども、この学会の学者の方々の反対の声明の内容にも、非常に明確に言われているわけですね。この雇用保険制度の目的というのは、労働者が失業した場合に、その生活の安定をはかるだけではなく、むしろ求職活動を容易にするなどその就職を促進するとともに雇用政策、能力開発、雇用福祉の三事業の増進をはかるということによって、これまでなしくずしに進められてきた既成事実、内容としましては、給付の締めつけと保険料の制度本来の目的外への使用等、これを合法化し、さらに強化しようとするものである。そのため、この制度は明らかに失業補償制度としての性格の後退をもたらすものであるというふうに言われております。で、七十二国会の本委員会でも問題になりましたように、この法案というのは、一時帰休を実施する企業への補助金制度の新設、これを盛り込んで中小企業等の関心を引こうとしておる。しかし、全体としては現行失業保険制度を、惰民の養成などと非難をしてまいりました日経連の要求に応じたものであり、保険財政を政府や大企業の労働力政策の財源に充てる道を開くものだ。いま進行しつつある失業対策としては、これは基本的に有効なものではないというふうに考えます。したがってわが党は、雇用保険法案に対する修正案と、さらに現下の経済変動に伴う雇用不安の緩和等に関する緊急臨時措置法案の、これを提案をするという立場から質疑をしていきたいと思うのであります。
 まず、本題に入る前に衆議院におきまして、わが党を除く四党で修正をされました点のうち、少々理解がしにくい点がありますので、最初にこれをお聞きしたいと思うわけです。その点は修正案の趣旨の二番目ですね。「政府は、昭和五十年一月一日から施行日の前日までの間において必要があるときは、失業保険の福祉施設として、景気の変動等により一時休業を余儀なくされた事業主に対し、失業を予防するために必要な助成及び援助を行うことができるものとし、これに伴い施行期日について所要の整備を行うこと。」という二項がございますが、これは一体どういうことなのか、簡潔にひとつ御説明をいただきたい。
#109
○政府委員(遠藤政夫君) ただいま御質問ございました衆議院の社会労働委員会において修正されました二つの項目のうちの、第二の項目につきましては、今回御審議いただいております雇用保険法案の中の雇用改善事業のうちで、いわゆる経済不況で一時休業、操業短縮といったような事態を生じまして、さらに進みますと人員整理、解雇という事態を招きかねないと。こういう場合にできるだけ失業を予防するという観点から解雇、人員整理に立ち至る前の段階で、操業短縮による休業期間中の休業手当に対して、この雇用保険制度によって助成をする。そうすることによって失業をできるだけ防止し、縮小させようと、こういう考え方でございます。ところが、この雇用保険法案は施行が来年の四月一日、五十年の四月一日から施行されることになっております。したがいまして、現下の不況情勢からいたしまして、この項目については来年の一−三月から、一月−三月の間におきましても当然そういう事態が十分予想されます。そういうことに緊急対応するためには、この条項をできるだけ早く発動すべきである、こういう関係労使の間で強い御要請がございました。これを受けて、この条項に関する限り、一月一日から実施をするという修正が行なわれたわけでございます。
#110
○沓脱タケ子君 そういたしますと、ただいまの御説明によりますと、昭和五十年四月一日までは現行の失業保険法による福祉施設に関する費用から、いわゆる一時帰休の賃金補償を出すということになるんですね、そういうことですね。
#111
○政府委員(遠藤政夫君) そのとおりでございます。
#112
○沓脱タケ子君 そうしますと、現行の失業保険勘定の資金というのは、これは労使折半ですね。五割、五割で労使折半の負担であると思うのですけれども、その費用を使うということになるわけですね。
#113
○政府委員(遠藤政夫君) そのとおりでございます。
#114
○沓脱タケ子君 そこでちょっとわからないのです。労働基準法の第二十六条ですか「使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の百分の六十以上の手当を支払わなければならない。」というふうに定められています。労働者も半分負担をしておるという現行失業保険資金で、一時帰休の賃金補償とするということは、この労働基準法二十六条の趣旨から見まして、矛盾が起こらないかどうか、基準局長の御見解を聞きたいのです。
#115
○政府委員(遠藤政夫君) 今回の修正によりまして、一月一日から繰り上げ実施になります項目につきましては、その対象となる休業期間中に労働基準法によります休業手当の支払いの義務が課せられるものもありますし、休業手当支払いの義務が課せられないものもあるわけでございます。したがいまして、私どもはこういう事態に対してできるだけ失業をなくす、予防するという観点から、この雇用改善事業の中の一つの事業として取り上げたわけでございます。本来、雇用保険法案におきましては、こういった事業に必要な経費は、すべて全額使用者の負担によるということにいたしております。ただ、緊急事態に対応しまして、こういった問題を繰り上げて実施しろという御要請がございまして、私どもはやむを得ずこういう措置をとることにいたしたわけでございますが、その際問題になりますのは、ただいま御指摘の財源をどこに求めるかということでございますが、御修正によりまして、現行失業保険法が三月三十一日まで、今年度末まで適用されるわけでございます。その条項によって実施するということになりますと、御指摘のようにその財源は、現行失業保険法によります保険料を財源とするほかはない、かようなことに相なっておるわけでございます。
#116
○沓脱タケ子君 私は、遠藤局長が言っておられる点、いまの不況と失業の進行しているきわめてたいへんな段階では、緊急措置が必要だというふうな点についてこれは異存がないんです。私が基準局長にお尋ねをしたのは、法の上で矛盾をしないかということについての御見解をお尋ねした、といいますのは、これはもうおわかりだと思いますが、二十六条による労働者に賃金を支払う場合、使用者の責めに帰すべき事由による休業の場合、使用者は、当該労働者に手当を支払わなければならないというふうに定めがあるから、ところが今度一月一日から三月三十一日までおやりになる原資というのは、使用者の側の原資ではなくて、労使折半による失業保険の資金だという点で、法律上矛盾がないかどうかと、ちょっとそれを感じたものだから、基準局長の御見解をお伺いしたいと、そういうことなんです。
#117
○政府委員(東村金之助君) おっしゃるとおり労働基準法の二十六条では、使用者の責めに帰すべき事由により労働者を休業させた場合には、平均賃金の六割を払わなければならぬというふうにございます。つまり、使用者の責任において、六割の賃金を補償すると、使用者の責めに帰すべき事由という内容は問題でございますが、その責任においてやるということです。財源をどうするということは、また別途の問題であるというふうに考えます。
#118
○沓脱タケ子君 そこが理解のしにくいところなんで、私はそのことをやることがいいとか悪いとかいう論評を加えようと思っていないんですよ。法的に矛盾がないかどうかということをただしているんです。というのは、私が理解しにくいと言っておる点は、もう少し言いますと、たとえば今度の雇用保険法案でも、一時帰休の賃金補償分、つまり雇用促進三事業ですね、これの費用というのは、労働者の負担分の金を使わずに、いわゆる資本家負担分とされる千分の三でまかなうことにしているということをるる御説明をいただいているわけですよ。いま審議している雇用保険法案でも、そういうふうに明確に御説明があるのに、現行の労働者が半分お金を負担しておる失業保険の金を使うということは問題にならないか。しかも、これが労基法の二十六条の内容とは抵触しないか。抵触と言ったら大げさですけど、矛盾がありはしないかと、その点をお聞きをしたいわけですよ。だから、確かにそうだけども、資金まで云云というふうに言われますけれども、明確に法が規定しているのは、使用者は当該労働者に手当を支払わなければならないということになっているんです。労働者の金を使ってもいいというふうなことを、資金は何でもよろしいというふうに、ここはやっぱりそういう法解釈ができるのかどうか、その辺ですよ。その辺を、私は緊急事態だから緊急的な措置をとっているんだということで、どういうふうに理解をされるのかという、その辺の矛盾がありはしないかと私は思うんですよ。だから、その点について、明確にさえしていただければけっこうなんです。
#119
○政府委員(遠藤政夫君) ただいま御質問の点、繰り返しになるかもわかりませんが、休業した休業期間中に対して、何らかの形で休業手当が支払われる。その休業手当は、基準法上二十六条に義務づけられた休業手当の場合もございますし、それ以外の使用者の責めに帰すべからざる事由によって休業して、休業手当を使用者のほうで払う場合もございます。そこで、問題は基準法に定められた支払い義務のある休業手当の場合だと思いますが、その場合も、休業手当はこれは使用者が使用者の責任において支払われなければならないことは当然でございます。それと、今回の修正によります、これに対する助成措置の関係でございますが、これはあくまで使用者が支払った休業手当、使用者の責任において使用者みずからが支払った休業手当に対して、それを助成するという形で使用者に交付されるものです。したがって、その休業手当の支払いが、労使の保険料から支払われるのではなくて、使用者がその休業時の賃金相当分として支払ったそのことに対する助成として、失業保険特別会計から、この法律の規定によって支払われると、こういうことでございます。したがって、私は矛盾するものではないと考えております。かりに使用者が休業手当を支払う原資にこと欠いて、銀行から融資を受けるか、あるいは財政投融資の一環から融資を受けてやるか。その原資がどこに求められるか、これは別として、少なくとも休業手当の支払い責任は使用者にあり、使用者から労働者に支払われる。それに対して、何らかの形で、その支払ったことに対する援助助成措置が行なわれる、こういう関係でございますので、矛盾はないと私ども考えております。
#120
○沓脱タケ子君 それで、私は、これで矛盾があるのではないかということと、理解がたいへんしにくいということを申し上げた内容は、いま雇用保険法案の一番問題点になっておりますいわゆる雇用促進三事業、それがいわゆる資本家負担の千分の三でやるんだと、労働者の掛け金は使わないんだ、使わないんだということをずっと言われてきているんですよね。時と次第によったらやっぱり使うじゃないかという実例になってきているわけですよ。ということになりますと、これはいま言っているけど、将来はひさしを貸しておもやを取られそうになるんじゃないかと、かねがね言っておった主張を裏書きするようなことになるじゃないかということを申し上げたいわけですよ。その点は、法の関係が矛盾がないといろいろ言われました。私は十分了解はしておりませんが、これだけにかかずらわっていたいとは思ってはおりませんので、その点は、時と次第によったら、審議の過程では資本家負担の分しか雇用事業には使わないと言っておるけれども、時と次第によったらどうするかわからぬという実例が現に示された、これは非常に重大な問題だというふうに思います。
#121
○政府委員(遠藤政夫君) 沓脱先生は、この三事業は使用者の負担する千分の三でまかなわれるんだと言っているけれども、それはいつごまかされるのかわからぬと、こういう御指摘のようでございますけれども、私どもは、従来、現行失業保険法によります二十七条の二の「福祉施設」におきまして、労使負担の保険料で各種の福祉施設が行なわれてきております。この点につきまして衆参両院の社会労働委員会その他におきまして、こういった形は決して好ましいことではない、これが無制限に増大することについては、何らかの歯どめ措置が必要であるという御意見が強く出されておりました。私どもも、今回雇用保険法案を立案するにあたりまして、こういった福祉施設的な仕事、あるいは失業という事態に対して補償が行なわれる、その付帯的な事業として、その保険事故である失業をできるだけ予防し、あるいは減少させるために必要な事業、これは法体系として付帯的に行なうことは当然でもあり、必要なことでございますけれども、従来の経緯にかんがみまして、こういった費用は当然使用者の負担、使用者の社会的責任において行なわれるべきであるということで、従来この失業保険法二十七条の二によります「福祉施設」として使用されておりました経費も、あげて全部この千分の三の使用者負担に移行さしたのが、今回の雇用保険法案の体系になっております。したがいまして、私どもはいま今回の緊急の措置として、雇用改善事業の中の一部が繰り上げ実施になった、その部分はやむを得ず現行の失業保険法の体系の中で行なわれる、こういうことになりまして、二十七条の二が適用されるわけでございますが、私ども今後こういった事態で万が一にもそういうことはないと思いますけれども、国会でこういう法律が制定されまして、千分の三に相当する部分を千分の十の労使負担の保険料でやれというような法案が成立するということになれば、私どもはやらざるを得ませんけれども、むしろ逆にいままでそういったものを是正する意味におきまして、全額使用者負担の保険料で事業を運営することにいたしております。しかも、その経理区分を明確にいたすことにしております。私どもとしては、さような千分の十と千分の三を混同し、混淆するようなことは全く考えていませんことを申し添えさしていただきます。
#122
○沓脱タケ子君 それは、新しい法律の例示を明確にされておるんだけれども、これは冒頭に申し上げたように、学者の方々、研究者の方々のすでに意見が出されているように、従来なしくずしにやられてきたのが合法化されるというだけで、しかも、失業補償制度が非常に後退になるじゃないかという問題が、やはり最大の問題だということになっているわけですよ。しかもそれに匹敵するような実例ではないかというふうに私は疑問を持ったということを申し上げているんで、そのことがいいとか悪いとか私はいま論評を申し上げるつもりはないんです。
 そこで、時間の都合がありますから、次へ進みますが、いわゆる失業給付について、これは過日来から各委員からもずいぶん質疑をされておりますので、繰り返してお伺いしようとは思っておりませんが、幾つかの点について若干お聞きをしておきたいと思うんです。
 この、いま審議をされております法案で、最も問題になっておる点の一つは、いわゆる若年労働者、特に婦人労働者の失業給付日数について、非常に切り捨てられるという点がやはり一つの重大な問題点。それから午前中に提起されましたいわゆる出かせぎ労働者の給付の問題。このあたりが給付内容についての最大の問題点になっているわけです。過日来から言われておりますように、たとえば婦人労働者で、十五歳から中学校を卒業して就職して二十七、二十八歳になってやめたら、これは十年以上になって二百七十日なんです、現行法では。二百七十日もらえるのが九十日、十ぱ一からげに三十歳未満全部九十日ということになるというふうなことは、これは保険、いわゆる失業補償制度が大幅に後退したと言われてもこれはしょうがない。いろいろお聞きをしておりますと、質疑の中での御答弁を聞いておりますと、そういった点については、いわゆる個別延長給付あるいは職業訓練延長給付ですか、それから広域延長給付だとかというふうなことでやるというふうに、適用していくというふうにおっしゃっておられるわけですが、たとえば、それで全部救済されたとしましてもこれは六十日なんです、六十日。だから九十日に切り下げられた方が全部延長給付の適用を受けたとしても百五十日なんです。十年以上の人ですと現行は二百七十日なんです。十年未満五年以上の方で二百十日なんです、現行は。それにもとても延長給付が全部やられたとしても到達しない、これは。そこでちょっとお聞きをしておきたいのですが、政令事項なんです、しかも内容は。したがって、従来は、現行は中高年齢者とか身体障害者などが、個別延長については配慮されているらしいですけれども、けさの局長の答弁を聞いておりましたら、政令を変えて就職の困難と目される者については一人一人個別ではなくて救済できるようにしていきたいというふうなお話でございましたけれども、それじゃ三十歳未満のそういった人たちはいわゆる個別延長給付その他延長給付で全部救済できるような措置がとられるのかどうか、その点明確にしておいていただきたい。
#123
○政府委員(遠藤政夫君) 御審議いただいておりますこの法案の失業時における所定給付日数、これは現行の失業保険法と異なりまして、失業した場合に、その人たちが希望される職場に再就職されるまでの期間をささえていこう、こういう考え方でございます。現行の法律が、つとめておった、被保険者であった期間が五年以上たてば幾ら、十年以上の場合幾ら、確かに十五歳で中学校を出ましてつとめ始めて、十年つとめて二十五。二十五でやめた場合に、十年だから二百七十日、こういうことでございます。この点につきましては、確かに現行はそうなっておりますが、理論的にも現実的にもいろいろ問題がある、こういう関係者あるいは有識の方々からの御見解もございまして、私どもは、これからのいろんな場合が予想されます失業情勢に対応して、できるだけ現実に即した実態に最もマッチした制度に改める必要がある、こういうことから、今回の雇用保険におきましては、就職のむずかしいかやさしいか、現実にその点を判定することによって必要にしてかつ十分な所定給付日数というものを定めていこう。そういうことで、そうなりますと、こういう失業が深刻な中でも、これから長期的な労働力不足の実態の中で若年労働者というのは比較的就職が容易である。これは金の卵ということをいわれておりますだけに中小企業、大企業を問わず引っぱりだこでございまして、そういった人たちの就職はきわめて容易である。それに反して、景気が回復いたしまして雇用の増大が見込まれるような事態になりましても、なおかつ中高年とか身体障害者、こういった人たちの就職はこれから高齢化社会に向かいますだけになおさらむずかしくなってくるわけでございます。そういう実態に即した所定給付日数の制度をつくっていこうというのがこの法案の考え方でございます。
 とは申しましても、こういう深刻な経済不況に見舞われ、その影響を受けて就業状態がむずかしくなってまいりますと、そういった一般的な情勢にかかわらず、なおかつ若い人でも就職がなかなかむずかしいという事態が必ず起こり得ることは当然考えられます。
 そこで、そういった事態に対応するために、この雇用保険では個別延長の制度、あるいは広域延長、あるいは全国一律延長といったようなことで、その人が再就職できるまで、できるだけ所定給付日数を延ばして再就職を確保しようという考え方でございます。
 で、全国一律延長の場合は、これは一定の基準に達した場合、全国一律ということはもちろん若年者も高年齢者も身体障害者もいろいろな延長のほかに一律に延びるわけでございます。これは九十日を考えております。
 それから広域延長の場合は、これはもう現行法にもございますので御承知のとおりでございます。
 訓練延長の場合は、これは訓練を受けておる期間、半年なり一年、所定の日数に加えてさらに延長されるというわけでございます。
 で、個別延長につきましては、けさほど御質問がありましてお答えしましたように、この法案を立案します当初は、中高年齢者あるいは身体障害者とか精薄者とか、こういった人たちを主として考えておりましたが、けさほど来御指摘のございましたようなこともございまして、若年者といえどもやはり全般的な不況のために就職が困難な事態が予想されるわけでございますので、そういった場合にも適用できるような方策を政令の制定の段階で考えていきたい、こういうふうにお答え申し上げたわけでございます。
#124
○沓脱タケ子君 いまのお話を聞いていましても、それじゃ三十歳以下のいわゆる今度大幅に、ときによれば三分の一に切り下げられるというふうな、いわゆる若年労働者、婦人労働者についての給付の切り下げという分については全部はなかなか救済されないという、いわゆる限定される内容があるんだということなんですね。で、有識者等いろいろ御見解があってというふうに言われていますけれども、実際にこれを審議していて痛切に感じますのは、これは七十二国会のときにも問題になりましたように、いわゆる日経連からの要望ですね、政府への要望の中にうたわれていることがそっくりそのまま出てきているというふうに思わざるを得ない。これは九項目かの要望が政府に出されておりますけれども、その中の二番目に、こういうふうな内容があるんですね。これは日経連の政府に対する要望書ですよ。「失業保険制度の根本的改革を図ること。」という内容の中に、「失業保険制度を抜本的に改正し、出稼ぎ労働者などの季節的労働者はこれを別枠に扱い、また就業の意思のない女子、結婚退職による不正受給等を防止するなど、失業保険制度の健全化に抜本措置を講ぜられたい。」というふうな要望が出ているわけですが、まさにそれに、はっきりとこたえている内容であるとしか考えられない。
 いま、少なくともこれだけ不況と失業の増大で国民が不安にさらされているとき、失業中の労働者の生活を保障するということが非常に切実に求められているというのがいま現下の情勢です。失業保険給付率を少なくも六〇%から八〇%にしなければいかぬ、あるいは給付日数はいまの状況の中では大幅に延長されるべきだというのが、これはいま国民の要求なんです。わが党は少なくともそういうふうに考えているわけです。そういう点で、失業給付の改悪部分についてはきわめて過酷だというふうに思うわけでございます。
 時間の都合がありますから、引き続き問題のいわゆる三事業についてお伺いをしていきたい。
 本法案に対する批判の中心というのは、これはもう各委員からも言われておりますし、かねてから言われておるように、失業保険制度の中で従来なしくずしに、さっきも申し上げたようになしくずしに実施してきたいわゆる異質の三事業、これを合法化して法制化しよう、強行しようということだという点が一番大きな問題点なんです。過日の審議の中でも、これは別ワクの法案にするべきだという御意見も出ております。そのことでも明らかです。
 で、労働省は、念のために聞いておきますけれども、先ほどちょっと局長触れられたんですけれども、念のために聞いておきたいのは、労働省はこの三事業分の費用、労働者負担分は使わずに、いわゆる資本家負担分の千分の三、この資本家負担分のみで実施するというふうに再三言っておられます。制度的にはこれはどこで歯どめをかけるのか、その点だけ明確にしておいていただきたい。
#125
○説明員(関英夫君) 雇用保険法案の六十八条のところで、この三事業はその千分の十三のうちの三の部分で、この三事業に要する費用に充てるものとする。――ということを六十八条の二項で書いてあります。そういうことによりまして、私どもとしてはたとえば毎年度予算を組む場合にも、この千分の三以外の費用を持ってきてこれに充てた予算を国会に提出することはとうてい考えられないわけでございますので、千分の三の範囲内で予算も組み、その予算に従って支出もやっていく、こういうふうに考えております。
#126
○沓脱タケ子君 いや、私、特にこれをお聞きしたのは、冒頭に修正部分についての見解で申し上げたようなことがあるので、かってにはできないんだなあということをきっちり伺っておきたかったわけです。
 で、いわゆるこの雇用改善事業についてお伺いをしたいわけですけれども、雇用調整交付金の適用というのは、これは新しい制度ですね、今度の雇用保険法案に基づく。これを適用というのは、企業規模、いわゆる中小企業、大企業差別なく、区別なく適用するんですね。
#127
○説明員(関英夫君) はい、適用対象としては大企業も中小企業もすべて対象とするというふうに考えております。
#128
○沓脱タケ子君 ちょっとお聞きしたいんですが、いまのいわゆる一時帰休で、相当何万人かの労働者が一時帰休になっておりますけれども、大体その使用者の賃金補償というのは通常の賃金のどの程度になってますか。
#129
○説明員(関英夫君) 一時帰休といいますものの中に、非常に短い、月一日だけというようなものから非常に長期間のものまでいろいろございまして、その度合いに応じていろいろきめ方も異なっているのが現実だろうと思います。で、非常に短い場合には通常の賃金の一〇〇%を補償するというのもございますが、長くなってまいりますと、労使協定によりまして通常の九〇%、あるいはたまにはそれより低いものもございますが、最近は繊維関係なんかではおそらく九〇%というような労使協定が多いというふうに承知いたしております。
#130
○沓脱タケ子君 まあ、九〇%あるいは一〇〇%ということだそうですが、これはあんまり企業規模では差はございませんか。
#131
○説明員(関英夫君) 特に企業規模によって差があるというふうな話はあまり聞いておりません。
#132
○沓脱タケ子君 私、これは労働省の雇用政策課で一時帰休の状況調べの調書をちょっと拝見をしたんですが、それによりますと、四十九年十月末の調査によりますと、いわゆる一時休業の労働者というのは繊維と電機産業関係だけで八万一千二百六十四人だと、これは対象従業員二十人以上の企業で、職安で把握したものだということなんだそうですけれども。この八万一千余りの労働者の中で大企業といわゆる中小企業との比率はどのくらいになっておるかということをお聞きしますと、おおむね七対三だと、八万一千余りの労働者の中の七というのは大企業ですね、大企業が労働者の七――七〇%、中小企業は三〇%だというふうに言われています。で、こういうことになっておるわけですが、ちょっと念のために聞いておきたいんですが、この雇用調整交付金というのは、休業の場合に、一〇〇%使用者が賃金補償した場合には、そのたとえば大企業なら半分、それから中小企業なら三分の二を助成するという制度ですね。そういうことで、まあ一〇〇%になるのか九〇%になるかは別といたしまして、こういう現在出てきている数字、これは十一月にはもっとふえているんじゃないかと思いますが、その十月末現在の八万一千人の一時休業の方々、七〇%の大企業の方々という、これはまあ、おおむねだからきっちりじゃないと思いますが、七〇%として勘定してみますと、そのうちの、八万一千のうちの五万六千八百八十四人が大体大企業だ。中小企業は二万四千三百八十人だということになるわけですね。正確にはわかりませんよ。これはかりに一人の労働者に一カ月十万円ずつ、まあ一カ月べたに休んでいるかどうかは別としまして、一カ月十万円の一〇〇%補償をした場合に、大企業には二分の一、中小企業には三分の二の費用を出すということになりますと、労働者一人当たりに大企業では五万円、それから中小企業は十万円の三分の二ですから、何ぼになりますかね、七万円余り。これを単純に算術計算で掛けてみますと、いわゆる大企業といわれているところでは二十八億四千四百二十万円、中小企業には三分の二にいたしまして十六億三千三百四十六万円というふうな状況になるわけです。まあ私、これを見て、そうすると、今度これをつくられたいわゆる雇用調整交付金という制度は、いまの情勢の中でたいへん望まれているというけれども、確かに望まれているとは思いますよね。しかし、大企業がたいへん救われるんだなあというふうに思うんですよ。その点はどうですか。
#133
○政府委員(遠藤政夫君) ただいまお話のように、かりに十月末現在での一時休業、これは二十人以上でございますから、それ以下の分は統計数字に出ておりません。かりにいま沓脱先生御指摘のように七、三ということで試算をされますとそういうことになります。しかし、これは単なる算術平均でございます。その原資になります保険料の負担は中小企業も大企業も賃金に対する千分の三ということで同じように負担しております。それを中小企業の場合はいまの計算は必ずしもまだいろいろな条件ございますから、そのとおり一律にはまいりませんで、もっと中小企業のほうがふえますけれども、それにいたしましても総額としては確かに大企業のほうが多くなるかもしれません。しかし、負担は中小企業、大企業同じに平等に負担しておりまして、しかも二分の一と三分の二という、有利に中小企業に割り当て交付をする、こういうことでございます。したがいまして、もしかりに加重平均というような方法で検討しますと、先生のおっしゃるのとは逆になるはずでございます。したがいまして、私どもは、この雇用調整交付金の問題はもちろんそうでございますし、その他の雇用改善事業等にいたしましても、あるいは職業訓練の援助の制度にいたしましても、その運用の面で政令なり省令なりを定めます場合に、中央職業訓練審議会の意見を十分伺いまして、その御意見に基づいて中小企業に不利になるということでなくて、大企業に比較いたしまして格段に中小企業に有利になるように私どもはこの実施を進めてまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
#134
○沓脱タケ子君 これはね、全くお断わりしたように単純計算ですよ。しかし、まあ中小企業――私ども中小企業の町で長年生活をしてきた者としてよくわかるんですけれどもね。大企業なら相当何百人あるいは何千人も一時帰休というようなことができるかもわかりません。できますでしょう、現にやっているんだから。いわゆる百人や二百人あるいは五、六十人の中小企業で一時帰休などをやったらもたぬですよ。労働者自身がどっかへ行ってしまって、再雇用できなくなる。だから、できるだけそういう一時帰休というようなことはやらないで、たいへんな苦労をしている。ということになりますと、ほとんどこの雇用調整給付金というのは不況だ不況だいわれながら内部留保等は非常に前年対比でもふえている大企業に持っていかれることになるんじゃないかというふうに思うわけです。まあ、これは意見の違いで論議をしていてもしようがないですけれども、客観的にたまたま出た数字で計算をしてみてもそういうことになるというふうに思うわけです。
#135
○政府委員(遠藤政夫君) 沓脱先生、いま一時帰休ということばをどういうふうに受け取っておられるのか、ちょっと私、理解いたしかねるんですが、いわゆる一時帰休ということで解雇という形で従来一時帰休が実施されております。一たん解雇して、ある一定期間たったらそれをまたもう一ぺん呼び戻して再雇用すると、こういうことになりますと、おっしゃるとおり、中小企業では、こういう深刻な失業情勢の中で、もう一カ月あるいは二カ月後に再雇用するという場合に、労働者はほかへ逃げちまってなかなか中小企業で再雇用できない。そうであるがゆえに中小企業では何とか操業短縮、休業という状態で持ちこたえようとしているわけです。私どもがこの対象にしておりますのは、いわゆる解雇という形の一時帰休でなくて、そこまでいかないように、操業短縮によって休業状態にある場合、その休業状態のままでささえていこう、こういうことなんです。したがいまして、先ほど申し上げました数字は、この一時休業、操業短縮の数字でございます。この中で、件数で言えば中小企業のほうが圧倒的に多いわけです。ただ、かかえております、雇用しております労働者数が大企業のほうが多いために労働者数にしますと大企業のほうが多くなる。したがって、休業の規模なり、あるいは休業に対する援助の内容なりを考えますと、先ほど申し上げたように、加重平均ということばが適当かどうかわかりませんけれども、考えますと、むしろ中小企業のほうが多くなる、こういうことでございます。
#136
○沓脱タケ子君 いや、私一時休業のつもりで言うておったんですがね。一時休業でも、たとえば中小企業は持ちこたえられなくなるというのは、それは一〇〇%休業補償がずっとやれれば、これはとまってくれるかもわからぬ。しかし、九〇%、七〇%というふうに休業中の賃金給付が下回ってくるということになりますと、これは労働者がまんができないから、やはりどこかへ逃げるというふうなことになるわけですよ。それは、なぜそんなことを言うかというと、現に私がおる大阪の中小企業の非常に多い西淀川でこう言っているんですよ、不況で仕事のないときに求人募集をしている企業があるんです、現に。あんたとこ仕事ないのにどうして求人募集をしているんだといって聞いたら、いわゆる中小企業の社長いわく、いまどこも仕事がなくて休業したり、あるいは操業短縮したりしておるので、いま労働者を募集したら質のいい労働者を集められる。だから、いま求人募集をしておくのが非常に得策なんですというようなことがぬけぬけと言われるような、こんな事態が起こっているんですよ。だから私は申し上げている。何の根拠なしに言うているんじゃない。だから、私が言いたいのは、いわゆる一時休業などというのは、大企業は簡単にやれるかもわからぬけれども、中小零細企業ではやりたくてもやれない。うかうかやったら労働者が逃げて、もう一ぺん来てもらえないという心配のほうが多くてやれないのが実情なんだということを申し上げている。それで私はそういう言い方をしたんですよ。
 もう一つ、この雇用改善事業でお伺いをしたいのは、定年延長奨励金というのがございましたね。これは過日もすでに質疑がかわされておりますので、私は簡単にお聞きをしておきたいんですが、現在やられている定年延長奨励金というのは、これは中小企業だけ適用されているのですけれども、今度の法案では大企業にも適用されることになるんですね。助成単価は大企業と中小企業とはどんなふうになるんか、ちょっとお考えを聞いておきたい。
#137
○政府委員(遠藤政夫君) 定年延長の奨励のための助成につきましては、現在は細々と中小企業だけを対象にして実施いたしております。しかし、この雇用保険法案が成立いたしますと、国は大企業も含めて全体として定年延長を実施したい、かように考えております。特に定年延長という問題は大企業ほど定年のワクが非常にきびしいというのが実態でございます。したがいまして、大企業に率先して定年を延長してもらうように私どもとしては政策指導もいたしますし、助成制度も適用したい。ただ、そこで御指摘のように、この点も私どもは中小企業ほど延長のための助成は手厚くすべきだ、かように考えておりますが、来年の一月四日から始まります予算折衝の段階で、その点を十分フォローしながら予算を設定いたしたいと、かように考えております。
#138
○沓脱タケ子君 これは、現行は労働者一人当たり一年について二万五千円ですね。今度は労働者一人当たり大体、これは一々聞いたらいいんだけれども、もう先に、聞いていることを言いますがね、五万円程度にしたいということなんですけれども、これは助成をするときにどのくらいの差をつけるのか、ちょっと聞いておきたいですね、考え方を。
#139
○政府委員(遠藤政夫君) 先ほど雇用調整交付金の際に大企業二分の一、中小企業三分の二というふうに考えております。これは大体方針としてもきめておりますが、その他の各種の援助措置がございます。職業訓練の援助でございますとか、定年延長とか、あるいは有給訓練休暇の賃金助成の問題とか、いろいろございますが、おおむね私どもといたしましては、これは予算で最終的にきまりますけれども、財政当局との折衝の結果になりますが、考え方としては雇用調整交付金で三分の二、二分の一といったような形で考えております。そういう方向を基本に踏まえて、ものによってそれは若干の差が出てくると思いますが、考え方の基本としてはそういう方向で考えたいと思っております。
#140
○沓脱タケ子君 それで、これは労働省の「定年制の現状と動向」という資料を拝見をしたんですが、これはいただいたんだと思うのですが、これによりますと、五十人以下の零細企業では六十歳以上の定年企業数というのが四四・六%もあるというふうに書かれている。いまおっしゃったように、大きい企業は五十五歳、――千人から五千人までの企業は六一・七%が五十五歳、五百人から千人までが六六・八%、この労働省の資料を拝見しますとこないになるんですよ。五十五歳、五十六歳の定年制のところで五百人から千人までの規模の企業ば七七%の企業が大体そのあたりだと。千人から五千人までのところでは五十五歳、五十六歳というのが大体七三%の企業がその程度だと。ところが、これも非常にはっきりしているのですね、五十人以下の零細企業では六十歳定年の企業というのが四四・六%もある。そうしますと、定年延長をするといっても、定年がいま五十五歳や六歳の企業なら延ばしていきやすいし、そのための定年延長奨励金をもらえるわけです。だけど、六十歳の定年をやっておる企業で、これから二歳も、三歳も、五歳も延ばしていけるんかどうかということになりますと、これはやっぱりまたそういう規模の大きい企業のほうが奨励金がもらいやすいという結果が出てくるわけなんです。そういうことにならぬですか。
#141
○政府委員(遠藤政夫君) お説のとおりでございます。この定年延長奨励金だけを計算しろとおっしゃれば、現在施行されております、実施されております定年制度が大企業ほど比較的低い。で、中小企業は五十五歳で定年になって大企業から転身をされる方々を中小企業で受けとめるというケースが現在時点においては多いわけです。そこで、私どもは定年延長奨励をやります場合に、中小企業にばかり言わないで大企業みずからが定年を六十まで延ばせということを大臣が先頭に立って強力に言っておられるわけです。私どもはこの定年延長を大企業が率先して延ばしてもらうというために、もしこれがかりに五百人以上あるいは千人以上の企業が一斉にこのことによって定年を六十歳まで延ばしてくれるというなら、そのために延長奨励金が大企業に集中しても私はいいと思うのです。問題はこれでなくて、これと、それから中高年齢者、特に五十五歳以上の高年齢者の再就職奨励の制度が同じようにございます。そこで、今度は逆に中高年の中で特に就職のむずかしい五十五歳以上の人を中小企業が雇う場合には、定年延長奨励金以上の奨励金がある。これは年間を通じて出される。月当たり幾らということで出される。定年延長奨励金は一年一回きりなんです。それでおしまいなんです。一回出すことによって大企業が六十歳まで延ばしてくれるなら、こんなけっこうな話はないのです。そのために必要な金だったら私は出していいと思うのです。そうすることによって、私どもは五十五歳を過ぎた人たちが安んじて職場で働いていただける、同時に中小企業では六十歳定年をとっておられれば、それ以上延ばすことはむずかしいと思いますけれども、その六十歳までの定年の間に五十五歳以上の人を雇っていただければ、それ以上の援助措置を私どもは考えておるわけです。定年延長奨励金どころの騒ぎじゃない。もっと手厚く中小企業で高年齢者を雇っていただいた場合に助成をするという制度を私どもは現在この中に組み込もうとしておるわけです。私はその点は、御指摘はごもっともでございますけれども、それで十分じゃないか、けっこうだと思っております。
#142
○沓脱タケ子君 大企業につぎ込んでもいいという御意見なんですが、これは引き続き言おうと思っておったのだけれども、定年延長奨励金だけではなくて高年齢者雇用促進給付金か、これは労働者一人当たり月一万二千円程度一年間支給する。これは大企業、中小企業に別なく一応五十五歳以上程度のものを考えるというふうなことなんですよね。これはあなたのところから説明を聞いた資料に基づいての話ですよ。これもそういうことになると、いわゆる定年延長奨励金と同じように大企業にこれをあげないと採用してもらえないのですね。大・中・小の区別なしですわ。これもそういうことになるでしょう。いまの定年延長奨励金と同じようなことになりますね。
#143
○説明員(関英夫君) 高齢者の雇用奨励措置は具体的には来年度予算の問題ですので、一応いま先生のお話のありましたようなところを想定しつつ来年度予算をやっていきたいと思いますが、対象といたしましては、私は高齢者の雇用を奨励するということが目的であり、企業規模を別に限定する必要はないと思いますが、現実は先生御承知のように大企業に多く定年制が行なわれておりまして、そうして大企業を定年で退職した高齢者が中小企業に再び職を求めるというのが現実の労働力の流れでございます。そのよしあしは別でございますし、また大企業の定年延長というものは大いにやっていかなければいけませんけれども、高齢者の雇用奨励措置はしたがって私は現実には中小企業にほとんどが行くものと、こういうふうに考えております。
#144
○沓脱タケ子君 それはちょっと話が違う。大企業は高齢者を再雇用しないから大体中小企業に行くと、そういう意味だな。それじゃ、定年延長は、大企業に行くけれども、行っても長く働けるという条件が確保できるなら大企業にたくさん流れてもかまわないと局長おっしゃったのだけれども、定年延長というのを、その場合に、給与が据え置きだとか、一般の労働者と同じようにベースアップその他の労働条件が同等である場合はいいのですけれども、ない場合はどうします、これ。定年延長奨励金、そんな場合には出すのか出さたいのか、どうしますか。
#145
○政府委員(遠藤政夫君) この定年延長は、たとえば五十五歳あるいは五十六歳といったように、戦前人生五十年、人間の寿命が五十年といわれた時代につくられた五十五歳定年制です。最近では、いまやもう七十歳、女性の場合は七十歳をこすような状態になって、依然として人間の寿命が五十の時代につくられた定年制度が行なわれておる。これはたいへん私は不合理だと思う。ましてや戦後いろいろな情勢が変わって、社会環境がよくなって、昔の五十歳の人に比べるといまの六十歳の人のほうが、はるかに肉体的にもあるいは頭脳的にももっともっと働き盛りだということが言えると思います。そういう人たちに対して、五十五歳あるいは五十六歳というような比較的低い定年制度が延長されて、少なくとも六十まで十分働いていただけるというなら、私どもは何ら、――そういったいろいろな条件はもちろんあると思いますが、これに対して定年延長の奨励をすることは当然だと、かように考えております。
#146
○沓脱タケ子君 私が聞いておることに答えぬで、――そんなことは聞いていないですよ。定年延長には反対も何もしていない。そのことについて反対も何もしていないんですよ。論評も加えていない。それを一生懸命言うたってあかぬ。私が聞いたのはそうじゃなくて、定年延長という場合に、労働者の待遇その他が、たとえば五十五歳から五十六歳に延ばしたときに、五十五歳までと全く同じような待遇を受ける場合と受けない場合とあるかもわからぬ。受けない場合には適用はどうなさいますかということを聞いておる。
#147
○政府委員(遠藤政夫君) 定年延長につきましてはいろいろむずかしい問題があることも私ども承知いたしております。定年延長を奨励する場合に、いま御指摘になりましたような賃金の問題とか、あるいは退職金の問題とか、あるいはそれ以上にもっとむずかしい、いわゆる地位、身分の問題とか、こういった問題がございます。そういった問題が、何らかの形で労使間で解決されない限り定年延長というのはいかにかけ声をかけても助成措置をとってもむずかしいということは先生御承知のとおりでございます。そういった問題が解決された上で、それがどういうことになろうと、定年延長が行なわれれば援助措置はやります、こう申し上げておるわけです。
#148
○沓脱タケ子君 それで三事業のもう一つの能力開発事業です。これは一つずつ聞いておれば切りがないのですが、代表的なことだけ聞いておきたいのですが、この能力開発事業の中で、事業主等の行なう職業訓練に対する助成というのがありますね。これは現行もやられておるわけです。今度の法案が実施されるとどないになりますか。簡単に言ってください。
#149
○政府委員(藤繩正勝君) ただいまお尋ねの件でございますが、お話しのように現在でもすでに事業内の訓練については補助が行なわれておりまして、事業内の職業訓練に対する補助といたしましては、共同の職業訓練施設に対する補助金、それから施設の補助金、運営費の補助金というようなものがすでにあるわけでございますが、今度この法律で、そういった面の補助が非常に大幅に増大される。つまり、従来のそういう補助金は補助率が四分の一でございまして、非常にわずかなんでございますが、できるだけ補助率を上げてまいりたい。特に再三申し上げておりますように、中小企業について重点的に補助率を上げてまいりたい。それから、そのほかに、事業内の訓練を行ないます場合に、共同で行なっているものだけいま補助をしておりますけれども、できれば単独のものにも補助をしていきたい。それから、いろいろな訓練法人というようなものをつくってやっておりますが、そういった法人についても運営費の補助をやっていきたい。いろいろなそういう新規のものを要求してまいりたいというふうに思っているわけでございます。
#150
○沓脱タケ子君 そうすると、現行でやられている、いわゆる事業主等の行なう職業訓練に対する助成というのは、これは四十八年度の実績はあなたのほうからもらった資料によりますと七百四十五カ所、これは中小企業なんですね。で、今度の法律案が通りまして施行されますと、企業規模に無関係に補助をするというふうになるのですね。その補助率は大企業と中小企業とまたちょっと変えたいと、こういうことでしょう、いまの話は。そうじゃなかったかな。――それでもうあまり余分な時間とりたくないから簡単に言いますと、そうすると大企業が新しく対象になるということになるんですが、現在大企業というのは、特に独占大企業――独占大企業ということばもおかしいのだけれども、大企業では、私ども知っている限りでは、大体自分の会社で職業訓練機構を持っておると思いますよね。その自分の会社で持っておる職業訓練機構に対しても、今度は大企業にも助成をするというわけだから、これにも助成をするんですね。違うんですから、ちょっとはっきりしておいてください。
#151
○政府委員(藤繩正勝君) いままでは共同訓練をしている企業に対してのみ補助がありましたが、今度は一般的に補助をしたい。ですから、われわれとしては全事業に対して補助をしたいと思いますが、できるだけ中小企業にしぼって、重点を置いて補助をしたい。それは、この法案が、まあ、いままだ成立をしないわけでございまして、これが成立してから私どもとしては、概算要求を出さなきゃならぬというようなことでございまして、そういった点につきましては、今後関係の審議会等ともよく御相談をしながら内容をしぼってまいりたいと思っておりますが、いま申し上げたように、補助の制度としては一般的に補助をしたい、ただ、中小企業に重点を置いて補助をするようにいたしたいというわけでございます。
#152
○沓脱タケ子君 それはおかしいんでね、中小企業に重点を置いてやりたいというんだったら、何も変えぬでいいわけです。現行法では中小企業にしか、あれですよ、やってない、現行法では。新しい法案では企業規模に無関係に助成制度をとりたいと、こういうことになっておるんです。そんなら法律変えなきゃいい。何もこれからわざわざ審議会にかけて、中小企業にできるだけしぼって利用できるようにもう一ぺん検討してもらう、そんなこと必要ないんですよ。わざわざ何で大企業にまで、企業規模に関係なくといって大企業にまで適用を広げるのかと、必要ないじゃないかと、会社で持っている訓練所が大企業にはみんなあって、それにわざわざ今度また国から助成してあげますと、この法律ができたら。そんなあほなことする必要がないということを言っているんですよ、私は。
#153
○政府委員(藤繩正勝君) 昨日の御質問にもございましたが、職業訓練をどういうぐあいにやっていくか、特にその財源をどこに求めるかというのは非常に大きな問題でございまして、従来やっておりますわずかの、十億何がしの補助金は、一般会計と、それから一部、先ほどお話がありましたが、失業保険特別会計の福祉施設として行なわれているものでございますが、きわめて不十分なものでございます。諸外国におきましては、訓練税あるいは訓練賦課金というようなものに財源を求めまして、一般財源とは別に企業主が集まりまして財源を調達して、そして訓練を行なうということが一般に行なわれているわけでございます。そこで、昨日のお話にもありましたように、理想を申しますれば、そういった企業賦課金、あるいは訓練税というようなものを財源といたしまして、そうしてそれを還元して大幅な訓練をやっていくというのが理想でございます。しかしながら、この法案に盛られているやり方も、現状から見ますと、そういった目標に一歩前進した一つの新しい制度である。つまり事業主の負担においてすべてが供出した財源においてそれを還元する。その場合に、特に一律還元ではなくて、中小企業に重点を置いて還元をやっていくと、こういう考え方でございます。
#154
○沓脱タケ子君 あのね、中小企業に、中小企業にとおっしゃるけどね、繰り返したくないんだけどね、大企業にはちゃんとみな自分の、事業主の行なう職業訓練所というのは持っていますがな。中小企業って、私は中小企業の、一行政区に、千事業以上の中小零細企業の蟠踞する町に長い間おったけれども、その地域の千ほどの工場の中で、事業主が職業訓練所を持っているというような会社はないんですわ。そうすると、千分の三掛け金取られて、大企業のほうへはそのお金は使うていただけるけれども、中小零細企業は取られっぱなしという結果になるんじゃないかということを言いたいわけですよ。これは事業主の行なう職業訓練に対する助成なんですよ。だから、こんなもん大企業に何で広げるんだと、現行のように中小企業で自分の会社で持っておるところに助成をするということでいいじゃないかということを申し上げているんですよ。そんなしちめんどうくそう、法律案が成立したら審議会にかけてできるだけ中小企業にたくさん使ってもらうようにって、それは口ではそうなんです。客観的に、それじゃ、新たに中小企業が自分の会社で職業訓練所をつくってこれからぼつぼつ始めますという費用を全部出せるんですか。そんなことできませんでしょうが。そんな絵にかいたもちみたいな話をしておったんでは、これはもう中小零細企業はまた千分の三も掛け捨てになりそうだと、心配があるから言っているんですよ。
 それからもう一つ、もう続けて言いましょう。新たに新設をされるという有給教育訓練休暇制度に対する助成というのがございますね。これはおたくでもらった資料でそういうことになっている。これはどういう制度ですか。
#155
○政府委員(藤繩正勝君) 有給教育訓練休暇につきましては、昨日の御質問にもございまして、お答えをしましたとおり、たいへん生涯訓練という理想から申しまして、今後の訓練の一つの行き方として非常に意味のあるものと私どもは思っております。そこで、これにつきましても、現在、調査をいたしましても、日本の現状ではまだ有給教育訓練休暇というものの普及率は非常に少のうございまして、わずか三十人以上の事業所に限りましても一四%程度でございます。しかしながら、今後これを大いに普及するためには、やはりこういった法律に基づく財源によりまして、奨励、助長していくということが大切だというふうに思うわけでございます。そこで、昨日もお答えしましたように、これからこまかい内容を検討していくわけでございますが、たとえば事業所におきまして労働協約、就業規則等できちんとした定めがありまして、そして有給休暇として、その期間中の賃金を全部使用者が負担をする、そうして一定期限以上の長い期間の、そしてまあ、たとえば職業業訓練校でありますとか、大学でありますとか、そういうきちんとしたところの訓練に受講せしめるというような場合に、その間の事業主が負担した賃金の一定部分をこの交付金で見るということによってその奨励を進めてまいりたい、こういうものでございます。
#156
○沓脱タケ子君 それで、これも中小零細企業で、有給でその労働者を職業訓練に出せるほど余裕があるか。これは大企業では出せますよ。中小零細企業ではそれほど、出せるほどの余裕があるかどうか考えてみなさい。それはないですよ。私どもも五十人、百人の企業、二百人、三百人未満の企業の実態というのはかなりよく知っておりますが、そんな余裕というのは、そう簡単にないんです。そうなってくると、大規模工場ですね、大企業のほうは出しやすいということになって、それはまた助成金をもらえると、これ一つずつ見ていると、千分の三で、いわゆる資本家負担分でやる事業だというけれども、これは取るときは強制でしょう。中小企業であろうが、零細企業であろうが、千分の三取るのは強制的に取られるわけでしょう。しかし、恩恵にあずかるのはさっぱり、掛け捨てで大企業に全部吸い上げられていくというふうなことになりかねない。この制度を見ていきますと、こまかく見れば見るほどそういうことになります。だから、これはもう確かに、これもあれですよ、この職業訓練というのも、日経連の要望書の中の九項目の一つにちゃんとあるんですわ。労働力不足対策についての国に対する要望書の中に、産業界の委託による訓練機構の整備という要望が出ていますよ。全くそれのその要望に即したものと言わざるを得ない。
 さらにです。そういうことで、もう一つの事業がありますね。雇用福祉事業、この雇用福祉事業について、最後に、この三事業の最後にお伺いをしたい。
 この雇用福祉事業というのは、これは一体、いろいろな事業をやるとこういうふうに明記をされておるので、ちょっと具体的に聞きたいんですがね。四十七年の夏に大阪の労働局で出かせぎ労働者の実態調査っていうのをやっているんです。そうしますと、大体住まいは寮が六、飯場が四というふうな割合だというんですね、出かせぎ労働者の住まいは。したがって、当然大部屋が非常に多い。そういう中で、家族が上京したときに家族の宿泊施設がなくて困る、どうにもならぬ。だから家族の宿泊施設を望む者というのは、これはアンケートによると五六%。それから家族の宿泊費のめんどうを見てほしいというのが二六・七%というふうに非常に要望が多いわけです、宿舎についての要求ですね。それからまたもう一つは、こういう具体的な要求がある。ちょっと一ぺん簡単だから読んでみますが、「宿舎にはテレビ、洗たく機、冬は暖房、夏は扇風機を備えてほしい。」それから「宿舎には浴場を備え、もし、ない場合でも、歩いて五分以内のところで入浴できるようにしてほしい。寝具は清潔なものにして、シーツ、毛布、まくらを一週間に一回は洗たくできるようにしてほしい。宿舎には家族や友人、知人がたずねてきたときに自由に話し合える部屋をつくってほしい。宿舎は一室に八畳以上だけれども、一室に五人以内として、屋外へ出なくても便所に行けるようにしてほしい。また、明るい電気と手紙を書くぐらいの机がほしい。」こういう要求が出ておる。それから、こんな要求と同時に、もっと人間らしい、あたりまえみたいな要求、これも要求に出ているんですが、「出かせぎ者にも一カ月に一日以上の有給休暇を制度化して、二カ月に一回は帰省できるようにしてほしい。この旅費の支給等を制度化してください。特に正月とお盆の帰省は旅費の全額を事業主に義務づけ、政府及び自治体でも援助をしてください。」こういう要求が出ているわけですよ。これはもっともな要求だと思うんですけれども、こういうふうな、たとえば出かせぎ労働者の皆さん方の要求というのは、こういう雇用福祉事業で救済できるのかどうか、これについてちょっとお尋ねをしておきたい。
#157
○政府委員(遠藤政夫君) この雇用福祉事業の中でいろいろな施設を予定いたしておりますが、これは先ほど沓脱先生から御指摘ありましたように、大企業に片寄って中小企業はその恩典を受ける可能性がきわめて少ないんじゃないか、こういうお話でございますが、この福祉事業につきましては、従来から失業保険法によります福祉施設として行なっておりますのは、大企業はいろんな福祉施設を持っております。しかし、中小企業につきましては、こういったいわゆる福利厚生施設というものに、必要性は感じてもなかなか手が回らないということで、ほとんど大部分が主として中小企業で働く人たちのための施設ということで従来も措置してまいりましたし、今回の雇用保険法案によります福祉事業はそういうことで今後運営をしてまいりたい、こういうふうに考えております。と同時に、いまの出かせぎにつきましても、従来こういった福祉施設の一環として出かせぎ相談所、それから出かせぎ労働者のための福祉センターがすでにそれぞれ五カ所設置されております。この出かせぎ労働者の福祉センターにつきましては、家族が出てきた場合に、東京、大阪にいる出かせぎの人たちと会って、あるいは一緒に泊まれるような施設ということで地元の意向を十分反映した施設になっておりまして、こういったものを今後増設してまいる予定でございます。
#158
○沓脱タケ子君 そうすると、今後はこういったささやかな要求ぐらいは雇用福祉事業ではやられるんですね。その辺はっきりしておいてください。――やるんですな。
#159
○政府委員(遠藤政夫君) 御指摘のようなもの、完全に御要望を満たせるかどうかはわかりませんけれども、出かせぎの人たちが安心して働けるような、あるいは家族と会っていただけるような、あるいは休養できるような、そういう施設をつくってまいりたいと思っております。
#160
○沓脱タケ子君 いや、それは私この要求を拝見して驚いたんですね。実にささやかな要求でしょう。で、これはいわゆる雇用福社事業で全部やれるのかやれないかは別としても、こんな要求がいまごろの時代に出さなければならないような労働条件に置かれておるということは、これは労働大臣ほってはおけぬですよ。午前中の質疑でも出かせぎの労働者の皆さん方の問題が克明にいろいろと質疑をされましたけれども、その人たちの労働条件が、労働環境がこういう状況だというのは、これは黙視できないと思います。少なくともこういったささやかな要求、これは全部早急に解決するべきだと思います。いまだって何にも雇用福祉施設という予算がよけいあるわけでしょう、何百億か。こんなもの解決してないといったら話にならぬと思うのですがね。
#161
○国務大臣(長谷川峻君) 沓脱先生から詳しい御質問がありましたが、労働省といたしますと、いまのような要求に一つ一つこたえていこうと思うのです。せんだっても、私は上野の出かせぎ者、いま泊まるところ、とにかく伝票を書く時間のほうがかかるくらいで、三時間、四時間休んで二百円、こういうところが非常に歓迎されているんです。ですから、いままでもそういうことをやってきましたが、今度は独立してそんなことがやれますから、そういうきめのこまかいことをやってひとつ期待に沿いたい、こういうふうに思っております。
#162
○沓脱タケ子君 私は、いままで三事業を中心にして質疑をしてきたわけですけれども、失業補償給付については、これはもう冒頭に申し上げたように、労働者の要求している給付率の引き上げだとか給付日数の延長というふうなところには応じないで、逆に若年労働者にはきついところは三分の一にばっさり削るというふうな改悪の中身を持っておる。しかも三事業というのは、先ほどお聞きしてきましたように、ともすると中小零細企業は掛け捨てになって、大企業に全部そのお金が行くような、いわゆる大企業優先の事業であるというふうなことが非常に心配される内容として明らかになったと思うんです。
 で、こういう状況の、いま置かれている深刻化している不況と失業の進行するいまの失業、雇用不安の状況の中で、やっぱりこれだけの雇用保険法で対応できるのか。これは私はできないんじゃないかというふうに思うんです。そこで、ちょっとお聞きをしておきたいと思うんですけれども、これは前回の本委員会でも私お伺いしたと思うのですが、前々回だったかな……、ちょうどたまたま長谷川労働大臣でなかったんですが、雇用不安が起こってきますと、パートタイマーあるいは臨時工、あるいは季節労働者というのは一番先に首切られる。しかも、この前、私が本委員会でも指摘をいたしましたけれども、これらパートタイマーは失業保険ももらえないという状況に置かれている、というふうなことになってきているわけです。したがって、どうしてもやはり失業を防止するという緊急措置というのはいまのこの緊急事態の中ではきわめて重要な要素になってこようと思うんですが、こういった点について労働省はどういうふうにお考えになりますか。
#163
○政府委員(遠藤政夫君) 先般の当委員会におきまして、パートタイマーの保険適用のお話、問題が御指摘ございました。私は現行法におきましては、確かにパートタイマーその他いわゆる臨時的な労働者につきましては適用が除外されている。これはいろいろ理論的な問題もありますし、当事者からの希望もあってそういう扱いになっておりますけれども、本来、こういった短期雇用の労働者を含めまして、当然雇用保険の対象として適用すべきであると、私どもこう考えております。この雇用保険法案におきましては、そういったきわめて臨時的な、いわゆるアルバイト的な労働であって、常態として働くつもりのない、そういう考えを持ってない、いわゆる学生アルバイトやこれに類するような者、それ以外はすべてこの雇用保険の適用対象にすべきである、かように考えております。
#164
○沓脱タケ子君 失業保険の対象にするというだけではなくて、首を、まあ早く言うたら、いわゆる高度成長政策で労働不足だからどんどんかき集めて働かせる。ところが、ちょっと不況だということになったら、ばさっと切られていく。そういうことで国民が生活不安にさらされたらたまらぬわけですよ。特にいまの状況の中では、やはりインフレで不況だ、あるいは雇用不安だというふうな社会情勢の中で、便乗的にどんどんやられたらたまったもんじゃない。少なくとも、そういった点で失業の一方的な拡大、これを押えていく失業防止のための緊急措置というのはどうしても要るんじゃないか。
 もう一つは、これはずっと審議の過程で出てきておりますけれども、私はこういう手紙をもらった。これはたいへんな問題で、これは午前中にも労働債権の問題で、五十一年度、制度を考えて、五十二年ぐらいから何とかと言うてるんだけれども、そんな五十一年、五十二年待ってられないという、どれほど切実な情勢になっておるかという実例を、これはたまたま千葉県の労働者の方からいただいた手紙ですが、国会で何とかしてくれと書いてある。
 ちょっと読みますと、
  七月二十七日に突然紙きれ一枚で解雇通告をし、しかも予告手当、夏の一時金、退職金の話も全然提示されず、代表者の管財人は六月二十五日に一ぺん話に応じたが、今日まで全然行くえがわからなくなっている。
  そこで、突然ですがこの苦しさをぜひ理解されて国会の場で追及をしてもらいたい。
 こういうふうに初めに書いて、
  私は三十八歳の労働者で、現在妻と子供三人の五人家庭ですが、やっとの思いでマイホームを借金して四年前に建てましたが、公庫に一万円余りと長女の幼稚園に一万円ほどとかかりまして、夏の一時金、八月、九月の給料も支払われず、すべての貯金も保険もすべてを使い果たし、十月からは失業保険の八万五千円で生活をしています。正月を間近に控えて近所の子供……
 云々と書いて、
 実にわびしい思いです。
  また来年の四月から長女が小学校入学と、下のふたごの姉妹が幼稚園に入りますので、子供の費用だけで三万円以上になり、公庫の借金を入れますと、失業保険から出ていっての残りはわずか四万円そこそこです。親子五人の食費にさえ足りないという状況になっています。何とかこの苦しい状況を守るためにがんばっていただきたい。
 こう書いてある。
 また、問題になったから非常によくわかっておられると思うんですが、東京の大田区にあるしゅんせつ船の製造工場の渡辺製綱という会社ですが、これは三百人余りの企業らしいです。ことしの十一月の七日に倒産をしている。企業は現在会社更生法の適用を申請中というところです。そういう現状なんですよ。この会社は昨年十二月以降十五人の労働者が定年退職でやめているわけです。この人たちは会社から三分の一しか退職金もらってない、十五人の定年退職者は。一年したら三分の二は支払うという約束をされていた。十五人分で約四千万円にもなるといわれている。ところが、倒産してアウトです。支払いの見通しはなくなってしまったわけですから、これは定年前に借金をして家を建てて退職金もろうたら返そうと思っていた。老後の生活設計も立ててたけれども全部くずれている。そういう状況になっている。ところがこの企業は、資産状況というのは、負債が約三十億で資産が土地その他を含めて五十億ぐらいあるというわけです。労働者の調査でこうなっているわけですが。これもらうのにやっぱり一年半も二年もかかるわけです、実際。
 こういう実態というのは、けさの報告では、こういう労働債権、給料の未払い、遅払いというのは二十八億ぐらいだと言われておられましたけれども、これは労働省の調査ではことしの上半期で四百五億円にもなっているというふうに報告されているんですね。これは新聞での報告ですね。四十億か五十億かは別としまして、そういうのが非常にたくさん出てきている。ですから、せっかくやっとの思いでつくったマイホームを手放さなきゃならない。あるいは老後の設計を立ててたのがだめになる。実際どうしていいかわからないといのが、これは午前中に言われた出かせぎ労働者だけではなくて、一般の労働者の中にも非常にたくさんの人たちがそういう状況になっておるわけです。
 これらについて、少なくともこの労働債権、働いた金なんですからね、給料だとかあるいは退職金だとかというのはちゃんと労働者がからだに汗して働いた金なんですね。そういう労働債権を、しかもこのインフレと不況のたいへんな中で早く解決をするというための対処のしかたですね、労働債権の対処のしかた、そういうことをやるために労働基金、いわゆる労働債権の支払い基金、そういったものを早くつくってやるというお考えはないのかどうか。これは五十一年、五十二年と言ったら、いま困っている何万人かの人たちはどないもならぬですよ。どうですか。
#165
○政府委員(東村金之助君) いまいろいろ具体的な例をおあげになってお話ございましたが、私どもも、先ほど申し上げましたように、ほかの問題も重要でございますが、とにかく賃金の不遅払いというのは労働者の毎日毎日の生活に関係する問題でございますので、私どもの第一線の監督官あげてこの問題に取り組むという姿勢でおります。とにかく問題が深くならないように、傷が深くならないように早くとにかく問題をつかまえて、できるだけ問題を解決するという方針でやっておりまして、ただいまお話ございましたが、ことしの三月から九月の間に約四十億ばかり不払いが出たわけでございますが、それの三十八億前後はそういうかっこうで支払わさしております。
 いまお話ございましたように、どうも事業所が行くえ不明になっちゃったとか、あるいは事業主がどっかへ行っちゃったというようなことがございまして、そういう問題については、ただいま投書等にございましたが、監督署でそれを申告受けまして、その申告に従いまして、あとをフォローいたしまして、できるだけそれを支払わせるということをやりまして、かなり実績があがっているという面もございます。
 しかし、それにいたしましても、現実に賃金の不遅払いが救済できない問題も残りますので、それに対してどうしたらいいかという問題でございます。現状におきましては、労働基準法二十四条の罰則があるということで刑事罰でこれを払うように追い込むわけでございますが、それでも限界があります。そこで建設業等におきましては、いまおっしゃいますような賃金の支払いの基金みたいなものをつくり、それを奨励するようなこともやっております。ただ、それだけではまだ問題があるじゃないかという御指摘当然ございますが、われわれとしては、先ほどお答えいたしましたように、もう少しがっちりしたものを、まあ、がっちりしたということばはあまりよくないですが、整備していこうと、救済制度を整備していこうというふうに考えているわけでございます。ただ、これが五十一年、五十二年というふうに時間かかるじゃないかという御指摘ございますが、何せこれは一般の市民法上の問題とも抵触したりあるいは財源等の問題もこれあり、いろいろ検討すべき問題がございます。そういう問題をなるべく早く片づけてもそういう時期になるということでございますが、当面何とかしなきゃならぬ問題、先ほどお話がございましたような問題、ほんとうに身につまされている問題でございまして、われわれも当面その間どうしたらいいかということを真剣にいま申し上げたようなことで対処していきたい、こう考えております。
#166
○国務大臣(長谷川峻君) 私の生まれた地方は、昔、学校の先生やら役場の職員は遅配、欠配半年−一年した地方でしてね。きのうも私のところに当時の学校の先生が七名ぐらい来ましてね、三円、五円を遅配、欠配、区切ってもらった話などを言っておりましたが、全くこれは身につまされる話でございます。そういう話を聞くたびに私はほんとうに居ても立ってもおられぬ。先日もそうですが、たとえば日本熱学、あれが大きく破産しましたね。そういうときに私のほうの労働省の大阪の基準局は、ほかの債権の前に賃金だけは押える、その次に社内預金を全部取る、そしてその間に就職をあっせんするというふうなことなどもいままでやってきましたが、非常に小さいというとおかしいが、非常にいまのようなこまかいものになりますと、なかなか私のほうでも押えることができませんので、地方の官庁に向かってはそういうところをよく見て指導をすると同時に、いまの局長の話のやつを何とか早く具体化してやっていきたい。ほんとうにこういうことを見ますというと、大きな企業につとめている組合の諸君と中小零細企業にいる諸君との違いというものもわかるだけに、私は前向きの姿勢でしっかり取り組んでいきたい、こう思っております。よろしくひとつ御声援のほどをお願いします。
#167
○沓脱タケ子君 何とかせにゃいかぬということをこれは大臣も局長もおっしゃっているのです。ただ、私はほんとうにもう一日一日がたいへんだという状況なんだから、雇用調整交付金でも、それこそ一月一日にこれは資本家に助成する金でさえもそういうふうな緊急措置までおとりになるということになっているんだからね、賃金をもらえなくて何ともならぬと、労働債権がどうにもならぬというふうな状況というのは、これはまさに正月を目の前に控えて実に深刻ですよ。少なくともそういった緊急措置がとられないものかということを私は申し上げたかったわけです。これは近い将来具体化するであろうというのはすでに決意のほども伺っておるわけですから、これはいつまで待っておれぬじゃないかという話なんですね。
 そこで、最後にこの雇用保険法案について申し上げておきたいのですけれども、そういった点で、いまのいわゆる失業と不況、しかも雇用不安のたいへんな状況の中では、雇用保険法でどうも対処できないじゃないかということなんですよね。そういった点で、わが党としては雇用保険法案はこれはもう絶対賛成できない。少なくとも企業の経営困難を理由にしてどんどん解雇が一方的に拡大されていくというふうなものを押えて、少なくとも失業防止に対する緊急措置あるいは失業中の労働者の生活保障、生活を守り、同時に就労の条件を拡大していく、仕事をつくっていくというふうなこと、それから休業補償の実施、当然ですね、これは。それから失業保険の適用の拡大、これはもうパートタイマーも含めてさっき局長も言われたからやられるのだと思うけれども、いまでは、現行では失業保険をもらえないというふうな人もいるんで、これは全部適用の拡大、同時に休業補償の緊急融資制度、これは休業補償の実施というけれど、これはやりっきりのお金じゃなくて、私は少なくとも休業補償の緊急融資制度だと、それから労働債権の支払いを補償する、代行する基金の設定、そういったものを内容にしてどうしてもいまの緊急事態を克服しなければならない、こういう点で、この方向で私ども共産党といたしましては、本法案に対する修正案、同時に失業防止のための緊急措置、――失業者の仕事と就労の確保、三つ目は、休業補償の緊急融資制度、同時に労働債権の支払い基金の設定、そういったものを内容とする法案の提案をいたしております。そういう立場で本法案についての態度を明確にしておくわけですが、いまの緊急事態、これを乗り切っていくためには、少なくとも、緊急に、しかも特別措置がどうしても必要だ、そういった点をやはり明確にしていくということが、これはもう雇用保険法案を出したら全部片づきそうな話ではこれはもういただけませんので、その意見を明確にしておいて、雇用保険法案に対する質疑は一応終わりたいと思います。
 そうして引き続き残っております時間で、同時に上程をされております労災保険法の改正についてお尋ねをしておきたいと思います。
 で、今回上程されております改正というのは一定の改善であるというふうに私どもも評価をしております。しかし、労災保険の原則というのはこれも他の社会保険と異なりまして、労働災害と職業病というのは当然資本家が完全補償の義務があるんだと、で、給付の面ではこの原則を適用するのが当然なんだ。またILOの百二十一号勧告から見ましても、その水準に満たない面も多くあります。近年、高度成長政策のための合理化の進行で急増している職業病の認定と予防をめぐって問題はまだ多うございます。これは百二十一号勧告には「反証がない限り、次の場合には、当該疾病は、職業に起因するものと推定すべきである。」として、原則的に業務に起因しないとする使用者の反証がない限り、一定の要件のもとでは職業病とすべきであるとしておりますけれども、これらの点では、なお現行の労災保険法ではおくれているというふうに考えます。
 この問題、もう残り時間少ないですから、具体的に質疑をする時間がないのですけれども、そこで、私は労災補償の原則というのは資本家に完全補償の義務があると言いましたが、この点から見て今後さらに改善されるべきだというふうに考えるわけです。そういう上に立って残された時間で、朝も片山委員から提案をされておりましたが、脊損患者の御要望、その御要望に即して労災保険法の改善あるいは運用上の改善ですね、そういった点についてお伺いをしていきたいと思っているわけです。
 で、最初は、給付の基礎日額の最低保障額の引き上げ、これはことしは千三百八十円だと言われておりますが、五十年度はどのくらいにするか、これはせんだっても脊損患者、たいへん不自由なからだを押してわざわざ御陳情に見えたわけですけれども、少々スライドして上に上がっても底が抜けたらさっぱり話にならぬと、日数がふえても、――今度の改善では日数がふえているんですね、給付の。そういう改善がなされても底が抜けたら何にもならぬということで、給付基礎日額の最低保障というのは非常に重要だと思うんですが、これは五十年度はどのくらいになさるおつもりですか。
#168
○政府委員(東村金之助君) 冒頭御指摘ございましたように、今回の改正はILO百二十一号勧告の線に沿いながらやりたいと、ただし、それ全部ではないという点はございます。したがいまして、申し上げたいのは、われわれといたしましては、今回の改正だけで全部終わったというのではございませんで、さらに引き続き根本的な問題についても検討していきたい、こういう姿勢でおります。
 ところで、いま御指摘の問題でございますが、おっしゃいますように、労災保険の給付といいますのは、災害直前三カ月間の平均賃金というものを利用しております。で、その利用するしかたにおきまして、その額が著しく低い、不適当であるという場合も生じてまいりますので、それに対しては給付基礎日額に最低額を設けるという考え方でおります。で、この最低額千三百八十円というもの、これもまたいま御指摘ございましたように十分とは思いません。したがいまして、来年度はこれをできるだけ上げたいという考え方のもとに今後大蔵省と折衝をしていく、こういうことでございます。
#169
○沓脱タケ子君 そうすると、五十年度は少なくとも千三百八十円よりは上げると、これは確実ですね。
#170
○政府委員(東村金之助君) ただいま申し上げましたように、大蔵省と折衝するわけでございますので、私どもとしてはぜひ上げたいというふうに考えております。
#171
○沓脱タケ子君 いま局長も御答弁の中で言われましたけれども、給付基礎日額の算定基準、これがボーナスを含まないので極端に低いという場合があるのでという御意見が出ましたけれども、これはボーナスを含むように基礎日額の算定基準を改めるべきだと思うのですよ、そうするとそんなでこぼこはできないのだから。しかも、そういうふうにするのが制度の基本の一つだと思うのですけれども、給付率の引き上げ、それからボーナスを含める、スライド制を実施するというのは、いま労災保険の給付の一番大事な点だと思うのです。というのは、少なくとも従前の生活水準を労働者が完全に維持する、労働者に保障させるというためには、どうしたってそれが要るんじゃないですか。その点どうですか。
 これは私は、ボーナスを含むか含まないかというのは、現在の日本の賃金のあり方から見まして、非常に大きな違いが出てくる。だから給付基礎日額の算定基準にボーナスをまず入れるようにするべきだというふうに思うのです。で、いかにアンバランスができるかというふうに、単純計算をしてみて考えてみた。計算をしてみた。たとえば、月給十万円の労働者に、過去三カ月ということで、単に三カ月のあれをしますと、九十日で割るとしますと、そうすると一日の給付基礎日額というのは三千三百三十三円になる。同じ十万円の労働者でも、たまたま年末のボーナスを三カ月もらった、その時期が含まれたとしたら六万六千六百六十六円になる。倍になるのですね。これはだれでもわかる極端な実例を出して考えてみたのです。倍違ってくる。しかも、これがある一定の時期だけならがまんできると思うのです。たとえば脊損患者のように、これは現在の医学ではどうにもならなくて、一生やっぱり給付を受けなきゃならない。こういう人たちに極端に言うて倍も違うような状況が制度上実施されているということになりますと、これはやっぱり問題があるということです。それほどひどい矛盾が出てきておるということは、早急に改めなければならないんではないか。しかも、保険料はボーナスを含めて取っているのと違うのかな、たぶん保険料は……。失業保険はボーナスも含めて六カ月で基礎日額をきめているのですね。失業保険給付はそうでしょう。だから労災は、これは生涯の問題だし、ときによると、不幸にして労災を受けて、特に脊損患者の方のような状況になりますとまさに生涯の問題になってくる。こういう不合理というのは何とか早く解決をしてあげるべきだと、制度として解決をするべきだというふうに思うのですけれども、どうですか。
#172
○政府委員(東村金之助君) 給付基礎日額の算定の基礎にボーナスを算入するべきではないかという御指摘でございますが、先ほど申し上げましたように、労災保険は労働基準法十二条で、平均賃金を計算いたしまして、この平均賃金に寄りかかっているような制度になっております。その平均賃金といいますのは、その事故があった直前の三カ月の賃金を計算するわけですが、そこにボーナス等臨時の賃金は入らない、こういう制度になっておるわけです。ところがいま御指摘ございましたように、長期給付である年金の場合と、あるいは短期給付である休業補償給付等については、一たん出発点で問題が出てしまうと、かなり性格の違った影響を受けるという御指摘がございます。それから、ボーナスの支払いの時期や方法、支払いの額について業種、企業によって非常にアンバランスでございます。賃金と違いまして臨時の賃金でございますから、なかなか一定の相場らしいものがない。中小企業等においては特に低い、こういう問題がございます。
 そこで、これをどうするかというのは、制度にかかわる基本の問題でございまして、今回の労災保険法の一部改正案を審議願いました審議会におきましても問題になりました。しかし、その際には、まだ結論が出てまいりませんでしたので、引き続きこの問題は検討をするということになっているところでございます。
#173
○沓脱タケ子君 これ、簡単なんですよ。労災を受ける前の労働者の従来の生活水準を完全に保障するということになれば、これは今後の問題はわからないから過去の問題になると思うのですけれども、ボーナスの時期やらがややこしかったら、一年分全部算定基礎にすれば、これは憂のボーナスは少なくて、そのときに該当したからこの人は損をしたとか、冬のボーナスに該当したのでこの人は得したということにならなくて、その労働者の従前の生活を保障していくという上では非常に接近できるのではないか。そういう点で、これは早急に解決をはかるべきだというふうに思います。これは審議会で検討続けるのですか。いつごろこの結論を出して、いつごろ解決していくつもりですか、新年度解決せぬのですか。
#174
○政府委員(東村金之助君) いま審議会でやっているということは、このいまお出ししている労災保険の一部改正法案を出す際にも議論があったわけです。そのときには結論が出ませんので、当面はこういう形のものがないかっこうでいま法案を審議していただいておるわけでございますが、それで結論がなかったから終わりというのではなくて、さらに引き続き検討をすると、こういうことで現在検討しているわけでございます。ただ、これはいまのボーナスを入れるかどうかという問題だけではございませんで、もろもろの基本的な問題も同時にやっておりますから、すぐどうこうということはございませんし、一たん審議会のほうにおまかせしてございますので、私どももできるだけ早くというふうには考えておりまして、さらに資料その他事務局でやれることは十分やってまいりまして、その審議を促進してまいりたい、こういうことでございます。
#175
○沓脱タケ子君 これはできるだけ早くということですけれども、大臣、ときによったら同じ労働者がけがをした時期、負傷した時期によって倍も手当てが違う、しかも一生それが続くというようなこと、こういう不公正は三木内閣のもとでは一日も早く是正するべきです。
 それから、もう時間があんまりなくなりましたからちょっと急ぎますが、脊損患者さんの要求の中で、スライド制度の改定の件が出ていますね。「現行のスライド制度は隔年毎になっていますが、かつての同僚である健常者に於いては現在の物価高を反映して、各企業共毎年大幅な賃上げが行なわれておる。」したがって、「全国労働者の平均賃金が五%上昇する毎に毎年スライドを実施して頂きたい」ということをお願いいたしますということの要請なんですがね。現行は二〇%なんですね。それを何とかして五%ごとにしてほしいという御要望なんですが、もっともだと思うのですが、これはどうですか。
#176
○政府委員(東村金之助君) 先ほど申し上げましたように、幾つかの基本問題がこの制度改正を結論づけていただく審議会で残ったということを申し上げましたが、その一つでございます。おっしゃるように、われわれといたしましても、いまスライド制は賃金変動を頭におきまして、その二〇%のところを目安にしております。それがもう少し刻みを少なくすべきではないかという御議論も出てまいりました。そこで、いま申し上げましたように結論が得られませんでしたので、今回の法律におきましては、その問題とは一応切り離してスライド制のなかった障害補償一時金、遺族補償一時金、それから遺族補償の前払い一時金をスライド適用しようという新しい問題を提起いたしました。その問題は先ほど申し上げたように全体の基本的な問題の中で引き続きやっていこうと、こういうことになっております。
#177
○沓脱タケ子君 それで、これはけさも伺いましたが、いわゆる昭和三十五年以前の打ち切り補償をもらっている人ですね、これ四十日分さっ引くというやり方になっているわけですけれども、いまの労災給付というのがその当時の人たちがもらっている給付の平均金額というのはきわめて低いんですね。そういう中で、四十日分ずつ削られるというのはずいぶんこたえるという問題があるわけです、具体的には。
 それから、もう一つ矛盾するなと思いましたのは、すでに一時打ち切り補償としてもらった金額を上回る金額がすでに四十日分として政府に支払い済みだという問題ですね。これはこの間陳情に来ておられた方の御意見では、三十二万円打ち切り補償もらった。その当時千二百日分だそうです。ところが、その後制度が変わって四十日分ずつ削られたお金をこれはまあ貨幣価値がインフレでずいぶん変わってはいるというものの、すでに削られた、四十日分ずつさっ引かれた金額はすでに五十万をこしている。こういう状況のままで、これは打ち切り補償もらった人と、もらっていない人とが全く同等というのはどうなのかという論議もあろうかとは思いますよ。しかし、その労災補償を受けている労働者がたいへんな生活の実態の中でこれは改善の要望が出ているわけですから、それが一時打ち切り補償としてもらったお金をはるかに上回る金額がもうすでにさっ引かれているというふうな状況では、この制度というのは改正をするべきではないかというふうに思うのですよ。そこで、これは審議会にかける事項だと局長は朝言いましたね。
#178
○政府委員(東村金之助君) はい。
#179
○沓脱タケ子君 それで、まとめて聞きますが、これは法律改正を要するんでしょうね、これ。
#180
○説明員(田中清定君) いま先生の御指摘の四十日分の件は法律の改正が必要でございます。
#181
○沓脱タケ子君 そこで、先ほどから申し上げたボーナスを含む問題、それからスライド制の問題、それからいまの四十日をやめる問題、こういったこれは全部法改正を伴いますね。これね、非常に矛盾しているという点が脊損患者の要求から照らしてもきわめて矛盾が大きいので早急にこれは通常国会にでも法改正をするべきだと思うのですけれども、大臣どうですか。
#182
○国務大臣(長谷川峻君) 私は、脊損患者の問題は非常に注目している一人でございますが、いまこういうところであらためて先生から御指摘いただきましたので、勉強してみたいと、こう思っております。
#183
○沓脱タケ子君 早急にやはり改善をするべきだというふうに思います。
 もう一つは、自宅療養者に対する介護料の値上げの御要望が出ておりました。というのは、これは聞いていてほんとうに確かにお気の毒だと思ったのは、病院で加療を、療養をしておりたい。ところが、家庭の奥さん、家庭におる残された奥さんが病気になるとか、あるいはときによったら蒸発をするという場合も起こる。そういう中で病院では治療が、療養ができなくてやむなく退院して自宅療養をしているという患者さんもいるそうですよ。その場合に、現行の一万八千円ではこれはもう人手がなかったら身動きならぬのだから、どうしてもまかない切れない、せめて世話をしてもらえるような人が雇える程度の金額にしてほしいということが切なる要求ですよ。これはたいへんささやかな要求だけれども、患者さんの要求だから具体的に申し上げておきますが、少なくとも五万円まで引き上げてほしい。これは病院ですと付き添いは五万円では雇えないですよ、実際にはね。こういう要求が出ておりますが、これは法律事項ではなかろうと思いますが、どうですか。
#184
○説明員(田中清定君) 確かに御指摘のように、脊損の方がたいへん自宅療養者についてもお気の毒な実情にございます。ことしの九月から月一万八千円に介護料の値上げをしたわけでございますが、さらに財政当局とも折衝いたしまして、できるだけその増額をはかっていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。これは法律事項でございませんので、予算的な努力で改善をはかっていく、こういうことでやってまいりたいと思っております。
#185
○沓脱タケ子君 いよいよ時間が迫りましたから、定刻でやめなきゃいかぬので、最後にひとつお伺いをしたいのは、やはり脊損患者の方の、これは脊損患者だけではなくて、日本の医療の中でリハビリの施設というのはきわめて貧困なんですね。身体障害者――障害者、障害児の対策についてもこれは全国的にきわめて貧弱なんですが、特に脊損の方のリハビリ対策というのはこれは特別に考えてあげる必要があろうと思うのですけれども、具体的な対策をお進めになるつもりはありませんか。
#186
○政府委員(東村金之助君) ただいま御指摘ございましたように、リハビリテーションそのものがいろいろ問題でございます。実は労働省におきましてもいろいろのサイドからこの施設の拡充を従来はかってまいりました。しかし、何せばらばらであるというようなこともございまして、その整備充実ということが今後の課題になりますが、特に脊損患者等、重度の障害者のリハビリテーション施設については来年度予算等を中心にいたしまして具体的に進めてまいりたい、充実してまいりたい、このように考えております。
#187
○沓脱タケ子君 来年度予算で具体的に何を詰めるって、ちょっとようわからぬかった。
#188
○国務大臣(長谷川峻君) 従来、脊損患者が入ったまま、なおらないでずっと入っているのが一番ひどいですから、外国の例を見ますというと、入ったとたんに社会復帰、それを考えてずっと治療しているようですから、労働省としてはそういうふうな施設をひとつ考えたい、こう思っております。
#189
○委員長(山崎昇君) 三案に対する本日の質疑は、この程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時九分散会
ソース: 国立国会図書館
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