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1947/11/12 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 農林委員会 第31号
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1947/11/12 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 農林委員会 第31号

#1
第001回国会 農林委員会 第31号
  付託事件
○農地調整法の改正に關する陳情(第
 一號)
○物價是正及び肥料、作業衣、ゴム底
 足袋配給に關する陳情(第十號)
○農業保險法の改正に關する陳情(第
 十三號)
○農業復興運動に關する陳情(第十四
 號)
○水利組合費賦課に關する陳情(第二
 十二號)
○食料品配給公團法案(内閣送付)
○油糧配給公團法案(内閣送付)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第四十六號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第五十一號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第五十九號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第六十一號)
○薪炭生産のあい路打開に關する陳情
 (第六十二號)
○茶業振興に關する陳情(第六十三
 號)
○農業用電力料金の引上げ及び換地處
 分徑費の全額國庫助成等に關する陳
 情(第六十七號)
○東北及び新潟地方の特殊事情に立脚
 せる食糧供出對策改善に關する陳情
 (第六十八號)
○農林省所管の治山治水事業の一部移
 管反對に關する陳情(第七十號)
○農地委員會の徑費を全額國庫負擔と
 することに關する陳情(第七十三
 號)
○林道飯田、赤石線開設に關する請願
 (第十七號)
○主食需給計畫の根本的改革に關する
 陳情(第七十四號)
○養蠶協同組合法の制定に關する陳情
 (第七十六號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第七十七號)
○農業會の農業技術者給與を國庫負擔
 とすることに關する陳情(第八十
 號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第八十四號)
○愛知縣豐川沿岸農業水利事業徑費を
 國庫負擔とすることに關する陳情
 (第八十九號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第九十一號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(九十七号)
○農作物の「榮養週期栽培法」の普及
 實施に關する陳情(第百二號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第百五號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第百九號)
○蠶繭の増産に關する陳情(第百十五
 號)
○養蠶協同組合法の制定に關する陳情
 (第百十六號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第百十九號)
○飼料配給公團法案(内閣送付)
○函館營林局の管轄區域變更に關する
 請願(第五十四号)
○藥用人參試驗場設置に關する請願
 (第六十六號)
○米價改訂に關する陳情(第百二十八
 號)
○民有林野制度の確立に關する陳情
 (第百三十號)
○養蠶協同組合法の制定に關する陳情
 (第百三十一號)
○農作物の「榮養週期栽培法」の普及
 實施に關する陳情(第百三十三號)
○開拓者資金融通に關する陳情(第百
 三十八號)
○米穀供出に對する報奬制度の廢止竝
 びに肥料の配給に關する陳情(第百
 四十九號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第百五十號)
○遅配主食の價格に關する陳情(第百
 五十二號)
○岩手縣下の三農業用水改良事業を國
 營とすることに關する請願(第八十
 八號)
○福島縣安達郡大山村内の開墾事業を
 中止することに關する請願(第九十
 五號)
○北海道てん菜糖業の保護政策確立に
 關する請願(第百二號)
○薪炭の價格に關する陳情(第百六十
 二號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第百六十三號)
○食料品配給公團法に關する陳情(第
 百七十六號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第百八十七號)
○農作物の「榮養週期栽培法」の普及
 實施に關する陳情(第百八十八號)
○農産物の「榮養週期栽培法」の普及
 實施に關する陳情(第百九十二号)
○市營競馬の施行に關する陳情(第二
 百二號)
○北海道開拓事業に關する陳情(第二
 百七號)
○岩手山ろく國營開發事業に關する陳
 情(第二百九號)
○農作物の「榮養週期栽培法」の普及
 實施に關する陳情(第二百十三號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第二百二十號)
○未墾地の開拓事業に關する陳情(第
 二百二十二號)
○群馬縣古馬牧村外三ヶ村のかん漑用
 水路に關する請願(第百二十一號)
○蒜山演習地の返還竝びに開拓計畫變
 更に關する請願(第百三十五號)
○食糧配給確保に關する陳情(第二百
 二十六號)
○林業振興對策に關する陳情(第二百
 二十七號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第二百二十八號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第二百三十一號)
○水利組合法の改正及び水利事業費國
 庫補助に關する陳情(第二百三十二
 號)
○農作物の「榮養週期栽培法」の普及
 實施に關する陳情(第二百三十五
 號)
○米麥需給計畫の根本方針に關する陳
 情(第二百三十六號)
○農業保險法制定に關する陳情(第二
 百四十四號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第二百四十五號)
○岩手山ろく國營開發事業に關する陳
 情(二百四十八號)
○未利用地耕作利用臨時措置法案(内
 閣送付)
○青果物の統制撤廢に關する請願(第
 百七十六號)
○開拓對策に關する請願(第百七十七
 號)
○舊軍馬補充部十勝支部用地内山林拂
 下げに關する請願(第百八十三號)
○十勝種馬育成所用地開放に關する請
 願(第百八十五號)
○昭和二十二年度産米價格竝びに供出
 に關する陳情(第二百六十二號)
○農作物の「榮養週期栽培法」の普及
 實施に關する陳情(第二百六十七
 號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第二百六十八號)
○農作物の「榮養週期栽培法」の普及
 實施に關する陳情(第二百七十一
 號)
○自作農創設特別措置法及び同法附属
 法規の一部を改正することに關する
 陳情(第二百八十號)
○勤勞大衆の食糧危機突破對策に關す
 る陳情(第二百八十二號)
○日本競馬會に關する陳情(第二百八
 十三號)
○農村指導農場開設に關する陳情(第
 二百九十四號)
○昭和二十二年度産米價格竝びに供出
 に關する陳情(第二百九十五號)
○農作物の「榮養週期栽培法」の普及
 實施に關する陳情(第二百九十九
 號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第三百號)
○臨時農業生産調整法案(内閣送付)
○小阪部川貯水池改良事業を國營とす
 ることに關する請願(第二百七號)
○旭川合同用水工事促進等に關する請
 願(第二百九號)
○農地改革促進に關する請願(第二百
 十三號)
○東京都内の食糧配給に關する陳情
 (第三百七號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第三百十三號)
○種卵及びひなの價格撤廢竝びに養鶏
 用飼料増配に關する陳情(第三百十
 八號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第三百十九號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第三百二十五號)
○開拓融資金増額に關する陳情(第三
 百三十號)
○農地法による山林開墾行過是正に關
 する陳情(第三百三十二號)
○農作物の「榮養週期栽培法」の普及
 實施に關する陳情(第三百三十五
 號)
○千葉縣長生郡茂原乾繭所の設備を縣
 蠶絲業會に還元することに關する陳
 情(第三百三十七號)
○農業協同組合法案に關する陳情(第
 三百四十二號)
○三方原揚水事業に關する陳情(第三
 百四十五號)
○富士山ろく開發農業用水事業促進に
 關する陳情(第三百四十九號)
○こうじ類の一般製造に關する請願
 (第二百四十六號)
○茨城縣下北浦干拓事業促進に關する
 請願(第二百四十八號)
○茨城縣下のかん害對策助成に關する
 請願(第二百七十六號)
○大池用水幹線改良に關する情請(第
 二百九十號)
○主食配給に關する陳情(第三百六十
 號)
○農業協同組合法案に關する陳情(第
 三百七十八號)
○農地調整法竝びに自作農創設特別措
 置法の改正に關する陳情(第三百八
 十號)
○奈良縣下のかん害對策に關する陳情
 (第三百八十七號)
○農業協同組合法案に關する陳情(第
 三百九十號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第三百九十二號)
○農業共濟保險法案中の農家負擔等に
 關する陳情(第三百九十三號)
○食糧緊急對策に關する陳情(第三百
 九十九號)
○養蠶協同組合獨立強化に關する陳情
 (第四百號)
○農業協同組合法案の一部を削除する
 ことに關する請願(第二百九十七
 號)
○觀光都市に對する自作農創設特別措
 置法の實施延期に關する請願(第三
 百十六號)
○熱海觀光地帶を農地法の適用より除
 外することに關する請願(第三百二
 十四號)
○森林治水竝びに災害防止林造成事業
 擴充強化に關する請願(第三百三十
 號)
○民有林施業案編成國庫補助増額に關
 する請願(第三百三十五號)
○鹿兒島縣に國立茶業試驗場九州支場
 を設置することに關する請願(第三
 百三十六號)
○樟腦製造事業を森林組合に許可する
 ことに關する請願(第三百三十七
 號)
○農業協同組合法案に關する陳情(第
 四百十七號)
○農業協同組合法案に關する陳情(第
 四百二十四號)
○邑知潟干拓計畫反對に關する陳情
 (第四百二十六號)
○福岡縣三地郡高田村地先その他の干
 拓事業を國營とすることに關する陳
 情(第四百三十六號)
○農業災害補償法案(内閣送付)
○農村指導農場開設に關する陳情(第
 四百三十八號)
○主食の均てん配付に關する陳情(第
 四百四十號)
○新發田市舊町裏練兵場拂下げに關す
 る陳情(第四百四十一號)
○食料品關係の公團制反對に關する陳
 情(第四百四十九號)
○農地開發營團の解散に伴う開發事業
 の都道府縣移管その他に關する陳情
 (第四百五十號)
○民有未墾地買收計畫の樹立その他に
 關する陳情(第四百五十二號)
○農業協同組合法案に關する陳情(第
 四百五十四號)
○邑知潟干拓計畫反對に關する陳情
 (第四百五十五號)
○東京都の薪炭増配に關する陳情(第
 四百六十號)
○農業協同組合法案に關する陳情(第
 四百六十八號)
○元御料林拂下げに關する陳情(第四
 百七十號)
○植林用苗木無償配付に關する請願
 (第四百一號)
○適地開拓に關する請願(第四百二
 號)
○北海道農業試驗場復興助成に關する
 請願(第四百七號)
○燧灘干拓事業實現促進に關する請願
 (第四百二十號)
○ビール麥栽培奬勵に關する請願(第
 四百二十五號)
○農業協同組合法の制定その他に關す
 る陳情(第四百八十二號)
○薪炭生産者價格等に關する陳情(第
 四百八十三號)
○鹿兒島縣揖宿郡内のかん害救濟に關
 する陳情(第四百八十六號)
○農業保險制度の擴充強化に關する陳
 情(第四百九十一號)
○農地委員會費國庫補助増額に關する
 陳情(第四百九十九號)
○農業協同組合法案に關する陳情(第
 五百一號)
○水害林業對策に關する陳情(第五百
 十一號)
○米竝びに甘藷の價格改訂に關する陳
 情(第五百二十三號)
○農業協同組合法案その他に關する陳
 情(第五百二十四號)
○竸馬法の改正に關する陳情(第五百
 二十五號)
○適正米價決定に關する陳情(第五百
 二十六號)
○燧灘沿岸干拓事業實現促進に關する
 陳情(第五百二十八號)
○千葉縣下のかん害復舊助成に關する
 陳情(第五百二十九號)
○農業協同組合法案に關する陳情(第
 五百三十四號)
○食料配給公團制反對に關する陳情
 (第五百三十八號)
○食料配給公團制反對に關する陳情
 (第五百四十一號)
○農業保險法の改正に關する陳情(第
 五百四十四號)
○自作農創設特別措置法の一部を改正
 する法律案(内閣送付)
○國有林野法の一部を改正する法律案
 (内閣送付)
○緊急食糧需給に關する特別措置法案
 (衆議院送付)
○農地調整法の一部を改正する法律案
 (内閣送付)
○林業關係水害復舊費國庫補助引上げ
 その他に關する請願(第四百五十
 號)
○農業協同組合法案の一部を削除する
 ことに關する請願(第四百五十二
 號)
○繊維産業從業者に對する加配米及び
 物資報奬配給に關する請願(第四百
 六十三號)
○山口縣玖珂郡内各町村のかんばつ防
 止對策に關する請願(第四百七十二
 號)
○山梨縣下の水害復舊費國庫補助に關
 する請願(第四百八十號)
○農地制度改革等に關する請願(第四
 百八十一號)
○食料配給公團制反對に關する陳情
 (第五百四十六號)
○食料配給公團制反對に關する陳情
 (第五百五十一號)
○あひる飼育事業の擴充強化に關する
 陳情(第五百五十四號)
○緊急開拓事業費の増額に關する陳情
 (第五百六十九號)
○水害應急對策用建築資材の配給に關
 する陳情(第五百七十號)
○大和平野東南部用水改良事業費豫算
 増額に關する陳情(第五百七十一
 號)
○農地制度改革に關する陳情(第五百
 七十二號)
○奈良縣下のかん害對策に關する陳情
 (第五百七十三號)
○農業協同組合法案中に薪炭を明記す
 ることに關する陳情(第五百七十四
 號)
  ―――――――――――――
昭和二十二年十一月十二日(水曜日)
   午前十時五十六分開會
  ―――――――――――――
  本日の會議に付した事件
○林業等に關する小委員の選定
○農業災害補償法案
○自作農創設特別措置法の一部を改正
 する法律案
○農地調整法の一部を改正する法律案
  ―――――――――――――
#2
○委員長(楠見義男君) それでは只今から委員會を開會いたします。最初に御了承を得て置きたいと存じますが、それは農業災害補償法につきましては、昨日もちよつと申上げましたように衆議院では大體質疑を終了して、追つかけて參議院の方に送付になると思うのであります。この法案は御承知のように本年の水害についても適用されるということになつておりまして、水害地帶或いは旱魃地帶の農家に取りましては、一日も早くこの法案の成立を期待しておるような状態であります。從つて參議院といたしましても、衆議院から送付になりますれば、できる限り早くこれを成立させたいと思つておるのでありますが、そういう意味からいたしまして、實は昨日も速記がございませんでしたので、委員打合會の形式でいたしましたけれども、できれば一應の豫備審査としての質疑を本日中に終了いたしまして、正式に衆議院から案が廻つて來るのを待つて最後の仕上げをいたしたい、こういうふうに考えておるのであります。從つてそういう意味からいたしまして、できるだけ本日一應の質疑は終了して頂きたい。このことをお願いいたしたいと思います。
 それから今週の委員會としての豫定でございますが、本日はできれば午後も續行いたしまして、實は速記の關係が非常に窮屈になつておりますので、速記のある間にいたさなければならん。例えば法案の提案理由の説明を伺いますとか、そういうようなことは、どうしてもこれは速記がなければできませんので、都合によりましては、本日の午後は自作農創設特別措置法の一部改正法律及び農地調整法の改正法律等についての提案理由を伺つて置いたらどうかと思います。それから明日はこれは速記が都合がつきませんので、委員會の打合會の形式で以て、今申しました二つの法案について内容的の説明を伺つて置きたいと存じます。それから明日の午後は豫ねて商業委員長の方から申込みがございまして、商業委員會と水産委員會と農林委員會、この三つの連合懇談會を開いて生鮮食料品の統制の問題について懇談をしたいという申入れを受けておるのであります。從つて明日は午前は先程申しましたような法案の内容を伺うことにいたしますが、午後はその方の關係がございますので、できるだけ懇談會の方に御出席を煩わしたいと存ずるのであります。
 それから明後日は委員會は休みであります。それから十五日の土曜日でありますが、これは農業資産相續特例に關する法案について、かねて司法委員會に當委員會の間で連合委員會を持つて更にその小委員を出して、小委員の方々において御審査を願つておつたのでありますが、大體の結論が付いたようでありますから、連合委員會において御報告を願い、一應連合委員會を解くということにいたしたいと思つております。土曜日はそういう運びにしたいと思います。委員會自體として付託された法案を審議いたしまする期間は、本日と明日の午前ということになつております。その點を豫め申上げて置きます。
 それから大分お揃いのようでありますから、この際申上げて置きたいことは、これもかねて御了解を得ておりましたことでありますが、林業關係の小委員をこの農林委員會に設けるということでありますが、各派の方々とも御相談をいたしておつたのでありますが、先日林業委員の小委員の指名については、委員長に御一任を願うことになつておりました。只今から林業委員の小委員の御指名をいたしたいと存じます。それは徳川さん、河川さん、石川さん、岡村さん、高橋さん、木檜さん、平沼さん、柴田さん、木下さん、廣瀬さん、以上の十一名のお方に林業委員をお願いしたいと思います。林業委員會においてお願いいたしたいことは、これはもう先日申上げて置きましたが、森林活水對策について政府が立案せられるに當つて、この委員會として國土委員會その他とも十分御連絡を願つて、必要な助言或いは推進をして戴く。又委員會自體として獨自の觀點から森林政策に關する、或いは又森林立法に關する事項についての御研究をお願いしたいと思います。それが第一點であります。
 それから陳情、請願で、いろいろの案件が出ておりますが、この陳情、請願の中で、林業關係のもの及び治山治水にも關係がございます農業水利の事柄、及び開拓關係の事項についても御審議を煩わしたいと思います。
 それからもう一つの問題は、今年の冬の燃料對策について近く電氣委員會、鑛工委員會、運輸交通委員會及び農林委員會の四つの連合委員會が設けられることになる豫定でありますが、その連合委員會においては、更に所屬の各委員會から小委員を設けて具體的に御檢討を願い、又必要な政府に對する助言、推進をして頂くわけでありますが、その十一名の小委員の中から更に三、四名の小委員を御選拔願つて、その連合小委員會にお出し願いたいと思うのでありますが、いずれその問題は具體化いたしました場合に必要な御連絡を申上げたいと思います。大體そういうようなことで御進行を願いたいと思うのであります。同時に小委員の方々におかれましては、できるだけ早い機會に御會合願つて委員長を御選任願いたいと思います。それだけ本日の議題に入ります前に申上げて置きます。
 それでは引續いて農業災害補償法案について御審議願いたいと思います。農政局長も追つかけて見えますが、今保險課長がおられますから事務的の問題についての御質疑を先ず先にお進め願いたいと思います。
#3
○藤野繁雄君 事務的の問題で逐條的に大體御質疑申上げたいと思うのであります。
 第十五條の第一項の組合員の資格に關する命令事項でありますが、命令事項の第一に書いてあるのでは、資格が明らかでないように考えられるのであります。今配付して頂いた定款例によつて見ますというと、第五條で明らかになつておるのでありますが、これは命令事項でもう少し定款に書いてあるように明らかにする必要があるんじやなかろうかと思うのであります。それを命令事項では明らかにせずして、定款で明らかにしてあるところの理由はどこにあるのであるか。それから第二號の種豚でありますが、種豚というのは雄だけであるかどうか。繁殖用に供するところの雌も種豚の中に言つておるのであるかどうか。
 それから第十六條で、第十五條の第一號と第二號との該當者は加入の點について區別してあるのでありますが、第一號の該當者は強制加入であるのであるかどうか、第二號は任意加入であるのであるかどうか、若し一方の方は強制加入で、一方を任意加入とするのであつたならば、これを區別したところの理由はどこにあるのであるか。
 それから第十八條で、代理人を組合員に限定してないのでありますが、これは農業協同組合の際にも申上げたのでありますが、法律で組合員に限定する必要があるのじやないか、こう考えるのであります。同樣にその問題は、二十三條の第五項の場合も同樣であります。
 それから第十九條の第二項の「定款で特別の定をしたとき」と書いてありますが、その「特別の定」とはどんなものであるか。二十三條の第三項の「設立に必要な事項の決定」ということでありますが、これはどういうふうなことであるのか。第三十九條の組合員名簿でありますが、これは命令で定めると書いてあるのであります。農業協同組合では法律の中に書いてあるのであります。今配付されたところの模範定款を拜見して見まするというと、七十一條に組合員名簿に記載する事項が書いてあるのであります。同じ時期に出されるところの法律であつて、農業協同組合では法律に書き、今度の法律においては命令に委ねて法律に書かなかつたところの理由はどこにあるのであるか。
 それから戻りますが、三十一條の第四項で「役員の選擧は、無記名投票によつてこれを行う。」こう書いてあるのであるが、滿場一致の同意を得たならば、投票によらなくても差支えないじやないか。絶對的に投票によれということはいかなる理由であるのか。第五十九條の第一項の第一號の「及び第十一號に掲げる事項」でありますが、これも農業協同組合の書き方と、今度の書き方と違つてるところの理由はどこにあるのであるか。農業協同組合では十一號に掲げてある事項ということは、最後に公告ということを書いてあつて、これには一括して書いてあるのでありますが、立法技術でありますが、區別されたところの理由はどこにあるか。法律第五十四條によつて見まするというと、解散の場合においては理事が清算人となると法律で、決めてあるのであります。然るに六十五條によつて見まするというと、組合が解散した場合においては、清算人の受任の登記をやらなくちやできない、こういうふうなことになつておるのでありますが、從來の商業組合を見て見ましても、産業組合を見てでも、農業團體法を見てでも、すべてこういうふうな理事が清算人となる場合においては、清算人受任の登記はせなかつたのであります。特に清算人を法律で決めて置きながら、更に清算につきましては清算人の登記をせなくちやできないという理由はどこにあるのであるか。
 それから六十六條によれば、清算が結了したときには、清算結了の日から主たる事務所の所在地においては登記せなくちやできない。この清算結了の時期でありますが、これは今までいろいろと登記を取扱つておる登記所の都合でいろいろの解釋をしておるのでありますが、この際政府においては清算結了の時期というものをいつと考えておられるのであるか。清算結了するためには總會を開いて承認を求めなくちやできない、承認を求めて支拂をするというようなことになるのであつたならば、清算結了の日というものはいつであるか。この日をどういうふうに決めるかということをお伺いしたいと思うのであります。それから從たる事務所というのがあるのでありますが、從たる事務所というものはどういうふうなものが從たる事務所であるか、今同の組合では縣に保險組合ができ、郡には支部ができるというておるのでありますが、その支部には事務の一部を分擔させるのであります。その事務の一部を分擔させる支部は從たる事務所であるか、從たる事務所でないのであるか、從來の例によつて見ますと、これを從たる事務所とする場合と、從たる事務所とせない場合とがあるのであります。で、そういうふうな支部は從たる事務所とせないということに定めて貰いたいと思うのでありますが、從たる事務所じやないと解釋して差支ないのであるかどうか。
 八十四條の第一項の第一號の、政令で規定するという食糧、農作物の種類はどういうふうなものであるか。これから同じく第三號と第四號に、馬のみに明け二歳以上こういうふうなことを書いてあるのでありますが、馬のみにそういうふうな年齢を定めたところの理由は何處にあるのであるか。又第五號において、馬の場合と牛の場合と區別してありますが、馬の場合と牛の場合を區別せなくちやできないところの理由はどこにあるのであるか。
 八十六條で、組合員は定額の共濟掛金を支拂わなくちやいけないのでありますが、若しこれが支拂いを拒んだ場合があるといたしましたならば、その場合の徴收方法はいかなる方法で徴收されるのであるか。八十七條で國庫が負擔する事務員以外の事務費は組合で負擔せなくちやいけないということになつておるのでありますが、事務員の費用は全額國庫が負擔されるのであるかどうか、以上お尋ね申上げます。
#4
○説明員(安田誠三君) 第十五條の命令で定むるところによつて、定款でその資格を或る程度別に定めることができるようになつている點でございますが、これは御承知のように非常に耕作反別の違う場合とか、或は掃立卵量の非常に少いような場合を一應除外したらどうかというので、ここでその範圍を定款で決めるようにしておるのでございます。それはこれを命令で書くということになりますと、非常に同じ一段歩と押えましても、地方地方によつてその一段歩の持つ經濟的意味、或いは掃立卵量の大小というものが、地方によつて非常に農家經濟上重點が違いますので、それを一律に決め難いというので、これは各農業共濟組合の定款に讓るようにした方が實際の運營上うまく行くのじやなかろうか、こういうのでこの點を定款に讓つておるのでありますが、併しながらこの共濟組合の精神から申しますると、成るべく多數のいわば耕作上の、或いは養蠶經營上の經濟を負擔している者は、成るべく多數包含さして行きたい。こういうふうに考えておるのでありますが、地方では事情によつて、只今申しましたように非常に細かいような經營をやつておるような場合は、事務の點から言つ合ても煩瑣に亙りますので、それを定款に讓るように各組でその範圍を決めるようにしたい。それで定款例で示しておりますのは、一應これは大きな限度を示して置く、こういうふうに考えておるのでありまして、さように御承知を願いたいと思います。
 それから第十六條の場合におきまして、農作物と蠶繭に關する限りは、強制の加入という方式を取つておりますし、家畜に關しては任意加入である、こういうことになつておりますが、これは現在の農業保險法、家畜保險法も大體こういつた精神で立法されておりますが、今囘の法案の制定當時においては、これはこの機會に兩者共できれば強制加入の方法にしたいというふうな考え方でおりましたのでありますが、いろいろの各方面の御意見がありまして、特にこういうふうな區別をいたしましたのは、農作物については相當これは日本の食糧事情というものからしまして、農家に相當な供出等について割當をしておる、食糧については國家管理をしておる、こういうふうな事情と、それから相當日本の農業災害というものが特殊な事情にあるというので、これを假に任意にするということになると、保險制度というものの全體の構成が、基本的に搖らぐ危險がある。こういつた觀點から農作物と蠶繭については、特別にこれを強制加入といたしたのでありまして、家畜につきましてはとにかく現行法における方針をやはりそのまま踏襲したがよかろう。特に家畜の所有者は、相當そこに農家としても耕作ばかりをやつておる農家と若干違つた能力、或いは掛金能力等においても違つた能力を持つておるというので、これは最終的には家畜については自由にするというふうな規定になつたのでございます。
 それからこの種豚につきましてでございますが、種豚はこれは兩方を含んでおる。こういうふうに御解釋をお願い申したいと思います。
 それから第八十條の今の組合員に限定しないということは、成るべくこの法案全體を、民主的な方法によつて運營して行くのが適當であるというふうな觀點において、この十八條の規定は設けてあるのでございます。
 それから尚十九條の第二項における定款で、特別の定めをするという場合は、御承知のように特に家畜につきましては、家畜の死亡ということによつて、農家は多く代畜を購入する。代りの家畜を購入するのが普通でございますので、その間に一、二ヶ月乃至三ヶ月の餘裕がありまして、その間に代畜を購入するという實情から申しまして、その度にその共濟關係について組合員たるの資格を消滅させるということになれば、いろいろな手續等の點もあり、新らしくここで組合員の加入の申込をさせなきやならんというような手續上の煩瑣を除くために、大體三ヶ月というものを家畜については一應共濟關係の全部の消滅によつても、尚組合員として存續して行く、こういうふうな考えでおるのでございます。
 それから三十一條の役員選擧の場合の無記名投票は、これは組合員の意思を自由に表明させるという趣旨から、無記名投票というふうにいたしておるのでございます。それから三十九條のこの組合員名簿に記載します事項は、これは協同組合と違いまして、相當共濟事業というものの内容が明瞭になつておりますので、特にこの法律にこの點を記載する必要がなかろうというので、この點は協同組合と違つておるのでございます。それから……。
#5
○藤野繁雄君 五十九條の第十一號の公告の方法ですが、それが協同組合では別に四號として書いてあるにも拘わらずここで第十一號として一括した理由は立法上面白くないぢやないが、順序が……。登記の體裁から言つてもおかしいぢやないか……。
#6
○説明員(安田誠三君) そうですか、これは特別な理由はないと思つております。
#7
○藤野繁雄君 五十四條の清算久の登記ですが、理事が清算入と書いてあるのであるから、清算に入つたからと言つて清算人の登記を特別にする必要はないぢやないか、從來の法律が全部そうなつております。特に六十五條で清算人の登記をしろということは、從來の法律と違つて要らないことを登記するのぢやないかと思います。
#8
○政府委員(山添利作君) 成る程五十四條の法文によりまして、理事が清算人に當然なることになつておるのでありますが、五十四條但書におきまして、又他人をも選任するわけでありまして、從つて絶對的に法律上決まつておるわけではございません。その意味におきまして清算人が決まれば改めて登記をするということに相成つておると思うのです。それから六十六條の清算結了の日はいつであるかという點でございますが、これも恐らく慣例等ございましようと思いまするが、私の意見といたしましては、これは清算、一切の債權債務の辨濟取立等を終り、殘餘財産等の處分にも結了を告げて總會に報告して承認を受ける。それを以て一切清算が結了するものと、かように考えるのであります。
 それから府縣の農業共濟組合ができました場合、これは郡に多分支所を置くであろう。それを從たる事務所と見るや否やという点につきましては、これは従たる事務所と言えば相當程度そこを根據として經濟行爲が行われるという意味でありまして、この保險の性質から見ますれば、恐らくこういうところで料金の受取というようなことはいたしましようと思いますけれども、その程度のものを以ていたしましては、これは必ずしも従たる事務所と見て登記をする必要はないように考えます。
 それから第八十四條の農作物の中で政令を以て定めますものは、食糧供出の行れておりますものを當然考えておりまして、陸稻竝びに芋類を考えております。
 それから馬と牛とについての相違でございますが、これは慣例上馬は日本人並みに一歳、二歳、明け一歳、明け二歳、牛の方は西洋式に滿何ヶ月、こういうふうに慣例といいますが、そういう扱いをいたしておるのであります。その点の區別でございます。それから國が共濟保險組合の事務費を負擔いたしますことは、法律にも書いてある通りでありますが、事務員の費用といたしましては、府縣の組合に設置いたしますものは、全額國庫が助成をいたします。市町村の團體に設置いたしまするものは、三分の二ということになつております。
 それから共濟掛金の支拂を拒みました場合においては、これは市町村税の例によるということになつておるのでありまして、その規定は百八條にあります。この點は従來と變りはございません。
#9
○板野勝次君 私は農業災害補償法案の基本的な問題について二、三お尋ねしたいと思います。
 農業が自然力の支配を受けることの最も強い産業だということは申ずまでもないことでありますし、それから日本は、地理的にも、氣象的にも世界に類例を見ない災害が頻發する國だということも亦すでに御存じの通りでありまするが、從來我が国の農家は自然的にも社會的條件におきましても、いろいろ制約されておりまして、生産性も低いし、いわゆる零細農家の經営を非常に餘儀なくされておつたのでありまするから、農業經營から起りまするところの收入は非常に少いので、大きな負債を起して來る。轉落農家を生じて來る。それが農民離村の大きな原因になつて來た。そういうような原因をなして來まして、農民は非常に生活に窮乏して參つて來たのでありますが、ところがこの法案におきましては、第一條にも言つてありますように、「農業災害補償は、農業者が不慮の事故に因つて受けることのある損失を補填して農業經營の安定を圖り、農業生産力の發展に資することを目的とする」。こういうことを謳つてあるのですが、こういうような農業災害を補償して、再生産を確保し、農業經營の安定を圖つて、農業生産力の發展に資するためには、どうしても自然的な災害に對しまするところの防衞手段を講じなければならないので、從つて積極的な農業、振興政策の實施というものが基礎にならなければならないのであつて、こういう基礎的な政策の保障を若し缺いておりましたならば、單なる保險金の給付では何ら農業災害補償の實を伴わないのみではなくして、かくのごとき形式的な名目的な制度の存在というものが、却て根本的な對策の實施を怠るような口實となつて來る危險が甚だ多いように思われるので、この點を非常に危惧するのでありますが、當局においてはこの防衞手段、自然的な災害に對する防衞的な手段としてどういうふうな積極的な政策を持つておられるか、その積極的な農業振興政策について承わりたいと存ずるのであります。これが第一點であります。
 而も農業災害補償法によつて農家が災害に際しまして翌年度の再生産をいたしまするのにどうかと言えば、今度の法案におきましても極めて不十分でありまして、收穫物の價格の二分の一を標準として定める最高額と最低額の範圍内において共濟金が支拂われるということが第百六條に言われておるのでございますが、新らしい米の價格でさえも生産費の半分に過ぎないような現状におきましては、何ら災害補償の機能を持つていないように思われるのであります。從つて政府が豫定しておりまする昭和二十二年度におきまする共濟金額、これは水稻その他の三段階に亙つて金額が示されておるのでございまするが、少くともこれが再生産を保償して行く金額とは考えられないので、そういう三段階に區分した數字の若し科學的統計的な根據があるなら、その點を明らかにして貰いたい。これが第二點であります。
 第三は、この法案ではすでに説明されましたように、保險料の負擔者は農家負擔の外は、食糧管理特別會計を通じまして消費者が負擔することになつておる。担し本年度はその必要がないという説明ではありましたが、この特別會計を通じての消費者負擔、更に農家が負擔しなければならないという點は、他の保險と違いまして、日本の農業保險は勞働者に對しまする失業保險と同じように、農業勞働力の再生産に對する保險ではないかと思うのです。農産物の價格の約六〇%程度は純勞働の上になされており、何ら現在の農産物の價格は、利潤的な要素というふうなものが見込まれていないのであますから、つまり利點的要素に對する保障を意味するものでないので、從つて私は社會保險の性質を持つておる、こういうふうに考えられるのでありまして、從つて一般勤勞大衆の負擔を加重するような、大衆的課税、そういつた方面に財源を求めるのではなくして、國庫負擔によるべきものだと、こういうふうに考えるのでありますが、その點に對する説明、以上三點を明快に答辯をお願いする次第であります。
#10
○政府委員(山添利作君) むしろ源を防ぐという意味において、積極的に災害の發生することを防ぐ方に力を入れなければならん。この保險制度を施行することによつて、その方面の施策を怠るようなことがあつては大變だという御意見につきましては、私共も全く同感に考えております。そこでどういうところから災害が起るかという點から考えて、それぞれ施策いたすべきでありまして、この點につきましては從來と雖も、いろいろな施策をいたしておるわけでありまして、特に最近皆さん始め世人の心を苦しめておるものは治山、治水の問題、何と申しましても國土の保安を保つ農業災害の源もそういうところに大きな災害としてはありますので、この山を治め、川を治めるということにつきましては、特段の力を盡すべきことはこれは申すまでもございません。山林の政策につきましては、現在過伐になつておりまして、伐つた跡に木の植えてないところが非常に多い。又そういうことがますます多くなる傾向にある状況に對處いたしまして、積極的な且つ果敢なる造林をいたしたいというので、來年度豫算には、これを實現すべく農林省で目下案を練つておるような次第であります。その外にこの農業水利の關係が非常に關係があるわけでありまして、用水設備を良くし溜池を作る、この旱害地方におきましては、絶えず溜池に依存しておるところにおきまして、旱害が起つておるわけであります。これらについて溜池を増設し、水路を良くする。かような施設も擴充をして行かなければならん。ところが從來はこの農業土木の方面と災害の發生、即ち保險の方面との連絡が十分でなかつたという點に甚だ遺憾に存じておるのでありまして、今後は兩方から連絡を取りまして、保險に現われるところの災害、その原因を究明して、それに對應するところの水利施設をやつて行くようにいたしたいと思うのでありまして、同じ金を使い、同じ資材を使うにいたしましても、急を要する所から著手をするということによつて、この農業土木の施設と保險の施設とは歩調を合してやつて行きたいというように考えておるのであります。又今囘新たに冷害等も加わりましたのでありますが、この農作物の收穫について、氣候状況ということが非常に影響をいたしますわけであります。特にこの長期に亙る豫報、これについては氣象臺でいろいろ力を入れておられまするが、農林省といたしましても、この特別の調査費をとりまして、數年來氣象臺にお願いをいたしまして、本年度の状況というようなものをいろいろ調べまして、長期豫報というようなことにも非常に力を盡しておるわけであります、又災害の一つの原因として、そういう氣候状況、これは必ずしも長期とは申せませんが、その氣候状況によつて病害蟲が非常に發生する。この害蟲は保險からは除いてございますが、病蟲は入つておるわけでありまして、これらに關することを事前に察知して手遅れのないような防除手段を講ずるということが必要でございます。これにつきましては全國千ヶ所以上の場所、將來更に擴充されますが、こういう所に嘱託員を置きまして、病害蟲の發生豫察ということを著手いたしておるのでありまして、これはまだ十分に機能を發揮するに至つておりませんけれども、今後は更に有力なる專任の人を置いて、そうしてそのときにおける氣象状況、作物の状況等を視察して、そうして病害蟲の發生しそうな場合におきましては、豫めこれを他の地方にも通報し、そうして適當な手段を採り防除の指導に遺憾なきを期したい、こういうふうに考えておるわけであります。又いろいろ雪害に堪える品種であるとか、品種改良等について長年研究をされておることにおいでになります寺尾博士等の御盡力によりまして、いろいろそういう品種改良等も行われておる。又この方面に今後とも力を向けて行くということも申上げるまでもございません。農業災害は非常に原因が多いのでありまして、個個の保險事故といたしましては、氣象上の條件、こういうことでございますけれども、その氣象上の條件が現われる部面というものはいろいろな點に亙るわけで、大にしては治山治水の問題、それから局部的にしては今申上げますような病害蟲の問題までに擴がつた範囲の問題であります。これらの點について十分なる施策を進めて行きたいと思つておるのでございます。元來増産施設と言つてもなかなか積極的な増産ということは固よりいろいろ努めておりまするが、同時にこのロスをなくするということ、消極的な災害による減收を防除するということが、又大きな實際上の増産になる。その方面における餘地は甚だ大であると考えておるのでありまして、農家經營の上から見ましても亦食糧對策の上から見ましても、御指摘になりました點につきましては、十分の力をいたして行きたいと考えておるのでございます。
 それから共濟金額を毎年定めて概ね段當收穫の半分といたしておる。これは毎年定めることにいたしましたのは、現在のインフレーシヨンの状況、物價變動に即應して適當なる價格を決めたい。而して半分では足りないではないかということにつきましては、これはお述べになりましたように、大體六割見當が自給費になつておる、そこで本來の出發點は、この農業保險におきましては全然支出の部分をカバーしようじやないか、こういうことが政府の出發點にあつたわけであります。これは成る程全部の價格を共濟金額とするということも考え得るわけでありますけれども、一面この自給部分というものは御承知のように相當彈力性のある部面でもあります。そういう點がございまするのと、一面掛金のことも亦見合せなければならんわけでありまして、今囘も四%というようなことになり、相當出す方としましては、理窟から申せば當然のことでありましても、そこに出しにくいというような事情もございますので、兩々見合いまして概ね半額ということにいたしておるのであります。かような半額の金額を三階級に細かく分けるのはどうかという點でございますが、これは全國平均二石といたしましても、二石以上の所もあれば一石五斗の所もあり、又それ未滿の所もある。この三つの段階に分けて決めておるのでありまして、そこに科學的根據という程むつかしいことはございませんのでありますが、上中下、こういうような意味合で分けておるのであります。尚本年の金額、即ち平均九百圓、二石以上千二百圓、一石五斗未滿六百圓、これは現在の千七百圓というものをそのまま考えたのでないのでありまして、こういう金額を決めましたのは、麥の當時におけるパリテイーから出しましたものの價格、即ち千三百四十圓、こういうものを概ね頭に描いて決めた數字でありまして、來年のことは現在の情勢からはしかとは分りませんけれども、又見積りとしては千六百圓ぐらいの收入にして見たいというように豫算の編成上考えておるのであります。
 その次に、この國家の負擔にいたします部分を米價に織込まないで、國家の一般財源の負擔によ誠てはどうか、もとよりこれは米價に織込みますれば、勤勞階級の負擔になり、あらゆる富めると否とを問わず同じ比率で行くわけになりますから、消費税と同じような作用を持ちます。併しながら飜つて考えますと、これは一面から申せば特別の負擔ではなくて、正常なる生産費を見ておるということも言えないことはないのでありまして、本來米價から申せば、これは各地によつて生産費も違いましようが、そういうことはできませんから、全國一律に決めて米價は決まるわけであります。共濟掛金も地方によつて相當の相違はございます。これはやかましく言えばそれぞれの地方で米價を變えて行かなければならんという問題になるのでありますが、これは一律の米價ということにいたしまして、買上げの米價といたしまして、全國共通の最低部分だけを、これを農家の負擔とする。即ち政府の買上げるところの米價の中に含まれておるもの、それから先のものは農家と政府が責任分擔、即ち半分づつ持ち合う。それから冷害その他大きな旱害等の特別の危險に對應する部分は、これは國家が持つ、即ちその間において米の買上げ價格と、それから米の賣渡價格との間において、その共濟掛金、即ち各地域で違うところの生産費に仕掛けるべき掛金がプールされておる、こういう説明も、説明と申しますかそういう考え方ももとより財政が許しまするならば、米價のごときは、ついこの間までは補給金を出しておるというような状況、消費者に對する補給金を出しておるというような状況でありまして、必ずしもそれが望ましいというような理論上の根據ではなくして、今囘こういう主義を取りましたのは、國家財政の状況に照して他に手段がないというところから、こういう決定になつておるのであります。要はそういうことでございましても、これは食糧のこの問題について、生産者消費者が相寄つてここに生産の確保増強ということについて全てを期したい、こういう精神に基ずいておるものと御了承願いたいのであります。
#11
○山崎恒君 第九十九條と百九條に關連いたしまして、組合の事業の運營の問題でありまするが、九十九條には共濟組合の共濟金の支拂の面におきまして、いわゆる通常管理の損害防止を怠つてはならない、或いは組合員は、損害防止のために特に必要なる指示を組合からした場合に、その指示に從わないというような場合には、組合がその支拂の責を免れるというようなことが謳われておるのでありまするが、例えば旱害地帶において、當然或る一定の地域から揚水作業をすれば、その旱害が免れるというような場合において、その揚水作業をするについては相當に費用が掛かるというような面が生ずるのでありまするが、その場合に組合が、揚水の必要性を説いて、それを指示するという場合に、それを怠つたがために旱害になつたというような場合が來るのでありまするが、そういう場合にはいわゆる九十九條に謳つておる通りに、支拂の責を免れることができるというようなことがあるのであります。從いましてこの百九條と關連いたしまして、百九條には、いわゆる被害の程度に應じて共濟金額を組合員に支拂うということになつておるのですが、この場合に非常に運營の公正化、民主化という問題が、そこにむずかしい問題を招來するだろう、こう思うのでありまするが、政府におきましては、そうした九十九條、百九條に關連いたしまして、共濟組合事業の運営の公正化、民主化というような方面に對するところの措置をどうするかという問題についてお尋ねいたして見たい、こう思うのであります。
 次に、百六條でありまするが、共濟金額は、收穫物の價格の二分の一を標準として、最高額と最低額の範圍内において決定される、種類毎に定款によつて決めるということに相成つておるのでありまするが、共濟金額は、毎年いつ頃これを決定するのであるか、又共濟金額が收穫物の價格決定以前に決められるとしたならば、現在のような事情下にありましては、非常に受くるところの率というものが浮動性である、例えば共濟金の額の決定と農作物の價格の決定が同時でありますれば大體いいのでありまするが、それがちぐはぐであつて、例えば主要食糧の價格というものは非常に遅れて決まる。ところが共濟金額は前以て決まつてしまうということになりますと、そこに齟齬が生ずるのではないかと、かように思われるのでありますが、さような點についてお伺いいたしたいと思うのであります。
 それから第百九條におきまして、共濟事故に因る減收が平年における當該耕地の收穫量の百分の三十を超えてはならない、こういうような點があるのでありまするが、その平年作というものは、その基準をどこに置くか、いわゆる最近の平年作というものと、ずつと前の平年作というものは、地方その他の關係から行きまして相當に違うのであります。その平年作の基準というものをどこに置くか、この點をお伺いいたしたい、こう思うのであります。
 次に、都道府県の農業共濟組合の審査會、或いは農業保險審査會等の組織というものを、どういう工合に組織するかという點、以上四點につきましてお尋ねいたしたい、こう思うのであります。
#12
○政府委員(山添利作君) 共濟金額につきましては、この決定はどうしても共濟掛金を拂う前に決定をしなければならんわけでありまするが、田植の前、又掃立の前、こういうことは當然であります。實際問題といたしましては、豫算編成等の關係もありまして、來年度の分は、豫算のときに大體決めるというわけであります。ところがそういう掛金を拂うというような關係、或いは豫算の關係から豫め決ましたものと、半年の間に物價が非常に違つて來る、このギヤツプを生じますことは、これは止むを得ませんのでありまして、こういうインフレーシヨンの時には絶えずそういう不利が伴う、これはいたし方がないと思います。
 それから指示に從わない場合において、共濟金の全部又は一部の支拂を免がれることができるという點でございますが、この指示については、固より保險團体の指導者といたしまして、又そこに設置されておる、職員、技術者等といたしましては、損害防除について、指示というやかましい形がなく、いろいろああしたらいい、こうしたらいいという指導をいろいろすると思います。ところが指示という法律上のことになりますと、それに對しては、特別な施設を指示すれば、その費用は組合が負擔しなければならん。ですから嚴密にいいますと、法理上の指示というのは、實際上は今までは、やらないのであります。その點におきましては、先程板野委員からの保險共濟金は、半分じやないかというのは、一つの理由といたしまして、農作物については、そういう全部にいたしますと危險も多いが、半分ということになれば、どつちみちこれは災害防除に努めなければ、保險に入つておる人も得にはならんわけであります。農民諸君は、本來作物については、損得に拘わらず作物を愛護いたします。加えてそういう算盤の上におきましても通常なすべき防除に努めるということになるわけであります。
 それから平年作の基準について、成る程戰爭の前と現在地方が非常に衰えた時代といろいろ違つておるのでございますけれども、これはどこに行きましても、正確なる土地毎の平年收穫量というものが決まつておるわけではございません。大体等級別に分けまして、その耕地の基準を決めておるわけでありまして、それにつきましては、今地方における状況を概ね基礎にする。尚この點につきまして詳細に申上げることがあれば申上げることにいたします。
 尚審査會の點につきましては、これは官廳方面の人といたしまして、知事を會長にし、委員は十名乃至二十名ございますが、この中にはもとより組合を代表する方もございまするし、生産者代表というような意味で協同組合關係の方もございましよう。又技術關係の方もございましよう。又作物報告というような組織ができ上りまして、いろいろ災害の状況も調査をしているわけでありまして、それらとの連繋も取りたいというふうに考えているのでございまして、まだ細かくどういふ方面をも入れるかというまでは決めておりませんのでありまするが、概ねそういう關係方面の方に委員になつて頂きたいというように考えているのであります。
#13
○岡村文四郎君 私がお尋ねいたしたいことは、實は多分外の委員の方々から前にお尋ねがあつたことであろうと存じますが、丁度缺席をいたしまして、自分が出席しておりませんので、お尋ねしたいのでありますが、この法律をお出しになる前に、政府當局はこのことのお考えは何らかいたしているのだろうとは存じますが、實は今までやつておりました保險金が、今度打切りになつて棚上げになるわけでありますが、そういたしますと、私の方では保險金支拂に對しまする相當な赤字を生じているので、これを如何に處理して行くかの問題があるわけでありますが、僅な金額なら處理の方法もあると思いますが、簡單に片附けることのできないような金額でありますので、當局の方でこれに對する處置を如何にして行けばよろしいか、如何にするお考えがあるか、御答辯をお願いしたいと思います。
#14
○政府委員(山添利作君) 本來から申しますれば、新しい團體制度になりましても、事業の本質、又構成するところの組織等も同一でありますので、舊、舊と申しますとおかしいのでありますが、現在の保險団體の債權債務はそのまま新團體に承け繼ぐということが原則でありまして、特に保險關係につきましては、さように法律上も規定してございます。併しながら新らしい團體が發足するにつきまして、非常に過去の赤字をそのままに移行するということは、これは新らしい制度の運用にも支障があるのでありまして、そこでそういうものは他に名案のない限りは、この際新團體に移行しない、即ち切捨てる。その結果は結局金融機關の方に赤字が出る。赤字と言いまするか金融機關の方がそれだけ不良債權を持ているということになる。金融機關再建整備によるところの措置をいたしたい、こういう考えを持つております。具體的には尚關係の官廳、又關係の金融機關等ともお話合いの上で措置をいたしたいと考えております。
#15
○岡村文四郎君 今のお話はよく分りました。そういうふうになつておりまして、金融再建整備法に基ずく整理ができるような負債の方法であれば、それも御考慮になればできると思いますが、私の方の債權はさようなことに相成つておらんのでありまして、これは非常に面倒だろうと考えますが、舊勘定に入つております。例えば中央金庫から借りておつて、その債權が舊勘定に入つておりますと、これは片付ける方法もないとは考えておりませんが、そうでないので自己資金で賄つておるような形になつておる。そこらは非常に面倒であろうと思いますが、それにしても何らか方法を講じて貰いませんと、破産の宣告をされたのではちようと工合が惡いのでありまして、一つ特段のこの點の御配慮を願わなければ方法がつかんという形になつておるようでございますから、この點特に一つ御考慮を願つて置きたいと思います。今日又お考えがあればお聞かせ願いたいと思います。
#16
○政府委員(山添利作君) 北海道のことにつきましては、豫ねて伺つておりますので、これは具體的に御相談を申上げたいと思います。
#17
○北村一男君 九十二條の「支拂に不足を生ずるとき」というのはどういう場合でありますか。これをお聽かせ願いたいと思います。それから八十四條の第一項の第一號の共濟事故の中に蟲害を加えないということにつきまして農政局長から先にお答えがあつたようでございますが。これを加えない理由を一遍御説明を願いたいと思います。それから桑に地震及び噴火による被害を加えない理由、これを一つ御説明を願いたいと思います。それから九十四條の第二項に、「農業共濟組合は、前項の管理その他損害防止について組合員を指導することができる。」農村に對しましては、農業協同組合の指導もあり、又調整法が成立しますれば、町村の調整委員會もいろいろ水利、又病蟲害に關する指導指示をすることができる。それからこの共濟團體の指導、それから技術的には指導農場からやはりいろいろ指導があるように思いますが、こういうふうに一つの農村を目ざしまして幾つかの指導の點があるわけでございまして、末端に參りますと、なかなか混亂と申しまするか、これを受ける農家に取つては一々この指導に從いかねる。又その指導が稀にはどつちを聽いてよいか分らんというような場合もあり得ると思うのでありますが、こういういろいろの指導は皆農林省の管轄の下にありますから、一元的にこういう指導若しくは監督を調整するような組織を拵えてはどうかと思いますが、その邊についての御見解を伺いたい。
#18
○政府委員(山添利作君) 法律の第九十二條の「共濟金の支拂に不足を生ずるときは、」これはもとより非常に大きな災害が起つた、然るにすでに今までの災害で組合としては赤字になつておる。これはこの邊でどうも止むを得んじやないかというような場合を指すのでありまして、併し大部分は、これは農作物につきましては超過再保險の制度で、これは大きな災害が起きたら政府自身が負擔をして、組合に關しまする部分は標準とするところの普通の災害の範圍であります。從つて九十二條のようなことはしかく起るわけではないのでありまして、更に町村になりますと、一割の手持ちになつております。この事柄は全體が最保險によつてカバーされておる。而も末端では一割ということでありまするから、事實上は或る年に不足を生じましても、借入金をして處理をして行けばいいのであります。たまたまそういうものが累積するようなこともございますので、そういう場合には新らしく借入金を起さないで、共濟金を減額する、こういう規定を持つておるのであります。併し減額いたしましても、今申しましたように、大部分の金は最保險の方から來るので、實際受取る農家といたしましては、しかく影響があるというようなことは事實起らないのです。その次に桑の蟲害について事故に加えておりません理由は、いつか蟲と病氣との區別を御質問された方がありました。甚だむずかしい點もあるのでありまするが、普通の蟲の害でございますれば、これは防蟲施設が現在あるわけであります。自然の害というよりもともかく人の力によつて防除ができる、藥品をかけるなりなんなりやればいいわけであります。從つてそれはそういう努力によつて損害を防止して貰う、こういう趣旨に相成つておるのであります。
 それから桑葉についての共濟事故の原因が、一般の食糧農作物よりも狭くなつておるという點についての御質問でありまするが、本來これは桑葉の共濟を繭に切り替えたのでありまして、その方が本體でありまして、而も繭に切り替えましても、桑の點を又そのまま外してしまうというのも不滿足ではないかというので、桑の葉の保險も附随的に殘しておる、こういう關係もございまして、從つて食糧農作物程廣く徹底してという觀念にはなつていない、そこに相違が出て來たのであります。
 それから協同組合或いは農業調整委員會或いは府縣、かようにいろいろ指導の多元化を來たすということにつきましては、これは見かけ上そういうこともございまするし、又事實上そういうことも起り得ると思います。併しながらそういうことの拙いことは、これは申すまでもないのでありまして、技術指導の體系といたしましては、現在關係方面とも連絡して農林省で特別に案を練つでおるのでありまするが、強い大きな一つの線を引きたい、それは中央に試驗研究を統合して能率よく、又農業畜産或いは養蠶等の分野に關連してやつて行くところの機構を作る、且つ技術の指導普及に關する事務をも掌るところの或る新らしい機構を作る、縣にもそういうものができて、相當それに關する人員が設置をされました。その下に指導農場がある。この指導農場には現在は農事關係の人と、あと畜産の人が一名でありまするが、ここに技術員を相當數設置をする、それから協同組合でも自發的に人を置いて貰う、その職能の割合は、協同組合におきましては、日常絶えず農家の世話をするところの、程度は低いけれども何でもできる重寶な技術者を置いて貰う。指導農場は相當專門的な指導のできる人がおる、更に府縣の農事試驗場等を根據にして置かれるところの指導員は、これは又更に高級、こういうシステムで行きたいと、こう考えております。これに加うるのに、若し農業調整委員會に設置される二名の職員が餘力を以て協同組合の指導事業に協力する。これはもとより望ましいことでありまして、これは農業調整委員會と申しましても、仕事は公でありまするが、實體的には協同組合と、觀念は別として、事實離るべからざる關係もある。そこに調和のあるチーム・ワークを取つて行く。府縣の方はもとより大きな指導力を持つところの技術者を整備するわけには參りません。これはなし得る限りという程度でありますので、この關係もまた協同組合と極めて密接な關係がございますのでありまして、成る程或る觀念から言えば、いろいろ分れておるようでありますが、一つの大きな上下一貫したところの筋金を通し、そうして末端においては協同組合を中心にして調和のある一體的な指導というように運営されるように心がけて行きたい、かようなつもりでおるわけであります。
#19
○西山龜七君 蠶繭その他主食に關係のないものの災害に對する補償を主食の價格に織込んで消費者負擔とすることは不合理であると思いますが、この金額は多くはありませんが、蠶繭の分を消費者負擔より除外するお考えがないかどうか、もう一つは、災害補償金を主食の價格に織込むことは、將來主食配給制度が廢止になつた場合に、自由價格となれば當然消費者負擔の制度は廢止しなければなりませんが、そのときにおきまして、この財源をいずれに求むるお考えであるか、この二點をお伺いしたい。
#20
○政府委員(山添利作君) 繭の負擔は食糧の方には行きません。關係ございません。
 それから將來食糧管理制度が廢止になつた場合に、現在のような消費者負擔にするという方法がございませんので、當然制度は變つて參ります。その場合には一般會計の財源から一般會計において負擔をすべきものであります。併し財政の状況によれば、一部は、これも觀念論でございますけれども、例えばそういう目的税というようなものも考えられないことはないと思います。もとより大部分は一般財源による、その時の財政事情によつて更に工夫を要することもあるかも知れない、かように思いますが、これは現在そういうことを研究はいたしておらんのでありまして、食糧管理は相當續かざるを得ないという事情にあるわけであります。
#21
○寺尾博君 第九十四條の「共濟目的について通常すべき管理その他損害防止を怠つてはならない。」これはこの共濟制度を施行するに當つて最も大事な點で、治水であるとか治山とか、國家的な問題と同時に又各農家が個々に損害防止のできることを怠つてはならないということは、この共濟制度を作るのに大事なことであると思います。その點について特に水稻の冷害の場合は從來冷害がどうして發生して來ておるかという實際を考えて見ると、特に考慮しなければならない點があると思うのであります。というのは、この年年の氣候というものについて見ると、實際五年なり、或いはそれ以上順調の氣象が連續して來る。そうするとその地方にとつて一旦異常氣象が來るというと、凶作に遭遇するような品種も、その氣候が順調であるために優良な成績を示す。それが数年間順調な氣象が繼續するというと、段々殖えてくる。又平坦部ではそれが普通安全であつても、山間部等の危險地域にまでこれが侵入して蔓延して來る。このことが私はそういう品種を、人氣を集めた、人氣品種という平易な言葉で表わしているのです。明治三十七八年頃宮城縣にありました大凶作、これは愛國という品種が、殆んど全面的に普及した結果、九割以上の被害を受けた。その後の昭和九年の凶作でも、各地それぞれその人氣品種が擴まつた結果、又東北で有名な陸羽百三十二號のごときも、青森縣地方、それから岩手縣の山間部と、これが非常に擴がつた。それでちよつと人がこういう品種を擴めるからいけないのだと言つて、農業技術者、指導者の方に一時攻撃の矢を向けられたくらいなんです。併しながらその後尚段々調べて見るというと、他の品種よりも、やはり冷害に對する抵抗性が強いということが認識されたので、この不名譽が幾分取返されたのです、けれども、又指導上においても昭和十六年、青森縣舊南部領方面は非常な大不作でしたが、その指導の方面においてはその地方に陸羽百三十二號は、一割以上の範圍を越えないようにという指導が、殊に戰時中でありますから強く示されておるのです。にも拘わらず現地へ行つて見るというと、大部分がその陸羽百三十二號を栽培しておる。尤も普通の土地には、他の品種に超越して收穫が非常に多いのであります。而も數年間順調な氣候が續けば、農家がそれに引きつけられて來るのも止むを得ないことである。併しそれを續けてやれば、必ず何年か後には氣象の急激な著しい變化があるのが從來の例でありまして、今までこういうことを繰返して、いつまで經つても凶作の種が盡きないという事實であります。我々稻の品種改良をやつて來た方から、見ますというと、品種改良によつて優良品種を作る。がそれが優良であるために、所によつてはこれを栽培しては危險である地方にまで人氣を博して、ぐんぐん擴まつて行く。そこで一旦何年かに一囘來る冷氣のために、却つてそのために凶作が強くなる。かような状態であつては、何ぼ品種改良に努力しても凶作は免れない。凶作が一面天然事情、天の爲す業だと言えますが、又一面水稻の冷害等にありましては、人の考えに基ずき得る事實が多々あります。それ故に從來の農業保險においては、水稻冷害は除外してある。恰も蟲害のごとき人爲を以て處理し得べき性質の範疇にあると見て除かれてあつたのでありますが、今後水稻冷害もこの保險の對象になつて來れば、この第九十四條の「損害防止を怠つてはならない」というようなことを、今言うような意味において強く推進させて行くことが非常に必要であるが、この點に對して行政上ただこの條文を書いて置いただけでは、今までのようなことを繰返して行くので、たといこの保險金、共濟金が出たとても、個人的にも損であるし、又國家的にも損害であると思う。一方においてこういう共濟保險というものが非常に重大であると共に、又一方先程板野委員も言われたような、災害の原因の方に對しても、行政的に強く推進することが必要であると思う。この點に關する當局の御考えを一應伺つて置きたいと思います。
#22
○政府委員(山添利作君) お話を伺いまして、誠に私共もそういうふうに考えておるのでありますが、特に指導と申しましても、ひとりこの條文に即する指導でなく、又保險團體としての指導も勿論でございますが、それ以外にも、いま指導方針の確立ということをいたしまして、間違いなくしたいと思いますが、その指導の内容におきましても、今御指摘にたりましたような點をよく考えて、特に科學的な根據に立つ方法において指導して行く。いつもちよいちよい變つて行くというようなことでなしに參りたいと思うのであります。品種と同時に、例えば山の非常な谷間の狹い所でわざわざするというようなことも轉換しなければならんことと思います。科學的根據に立つた落著いた指導をして行くということにいたしたいと思います。
#23
○委員長(楠見義男君) それでは午前はこの程度にしまして、午後は二時から開會いたしたいと思います。
   午後零時三十九分休憩
   ―――――・―――――
   午後二時二十六分開會
#24
○委員長(楠見義男君) それでは只今から午前中に引續いて開會いたします。農業災害補償法案は午前中にも申上げましたように、一應豫備審査としての質疑は打切りまして、衆議院から正式に案が廻つて來た場合に最後の仕上げのための質疑をして討論採決に入りたいと思いますので、さように御了承願いたいと思います。尚昨日申上げましたように、災害補償法については政府から修正案が出ておりまして、今それを國會に諮つておられますが、それは例の消費者に轉嫁する分について、本年は價格調整金の方から五億九千萬圓の金が出るので、從つて本年は消費者に轉嫁しないという條文が一ケ條入るのでありますが、それに關連して多少條文の入替えがございますので、本日お手許にお配りいたしましたような農業災害補償法案中修正案、これが出ております。從つてこれによつて修正されたものが衆議院から廻つて來たものと思いますので、さように御了承を願いたいと思います。
 これから自作農創設特別措置法及び農地調整法の一部を改正する法律案について農林次官から提案理由の御説明を伺うわけでありますが、本日は提案理由の御説明を伺う程度にいたしまして明日午前十時から速記の關係で、正式の委員會ではございませんが、委員の打合會の形式で更にこの法案についての内容の詳細をお伺いし、又簡單な質疑をいたしたいと思いますので、それも御了承を願いたいと思います。それから提案理由の御説明が済みましたら、後で午前中に御指名申上げました林業等に關する小委員の方々にお殘りを願いまして、小委員長の互選をお願いいたしたいと思います。
 それでは只今から提案理由の御説明を伺うことにいたします。
#25
○政府委員(笹山茂太郎君) それでは只今から自作農創設特別措置法及び農地調整法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由を御説明申上げます。
 農地改革の進行状況は、各位の御承知のごとく、略々順調であります。政府はすでに三月三十一日、七月二日及び十月二日の三囘に亙り、六十九萬七千町歩以上の農地の買收を完了いたしました。この外財産税として物納された農地で、八月末日現在市町村農地委員會で判明いたしております分だけでも二十二萬九千町歩に上ります。兩者を合計いたしますと、少くとも九十二萬六千町歩の農地が小作農に解放される状態にあるわけでありまして、これる解放豫定面積の略々半ばに達するものであります。他方農地の賣渡しにつきましては、まだ八萬六千町歩程度に過ぎないのでありますが、これは市町村農地委員會におきまして、先ず以て買收に全力を盡しているからでありまして、今後は賣渡の方も併行して處理して行けるものと期待しているわけであります。かくのごとき大事業がかくも短期間に、而も平穩裡に行われているということは世界における農地改革史上空前のことでありまして、本事業が完成いたしました曉には、耕作農民はただに經濟的に獨立し得るばかりでなく、精神的にも從來の地主的秩序から解放されて、日本農業發展の礎がここに定まるものと信じて疑いません。
 農地改革の進行状況は概ね以上の通りでありますが、さて農地改革の目的とする所を更に推し進めて考えますると、農業經營上も重要な意味を持つております放牧採草地に對しても、農地と同樣の改革を行うことが必要でありまするけれども、又山林中農業經營と密接不可分の關係にある農用林についても、農業經營を安定せしめるため必要な範圍において、適切な措置を構することが必要であります。これと同時に關係法令、即ち自作農創設特別措置法、及び農地調整法の規定中、實施の經驗に鑑みて、若干改善を要する點も發見いたしましたので、ここに兩法律の改正法案を提出いたしますわけであります。
 次に兩法律の改正案について大體の御説明をいたします。先ず自作農創設特別措置法の一部を改正する法律案から申上げます。
 先ず第一に、農地改革の一環として自作農の創設及び土地の集約利用を促進する目的を以て、新に牧野の開放を行うことといたしました。戰後の我が國として、國土の完き有効利用を圖ることの急務であるのは言うを俟たないところでありますが、飜つて現在の我が國牧野の利用状態を見まするとき、極めて粗放的であつて、集約利用の餘地が甚だ多いのであります。從いましてこの牧野に可能な限りにおいて、自作農を創設して、人口收容の餘地を作ると共に、かくして分割された土地の利用度を高めんとするわけであります。かかる趣旨より、通常の牧野經營には一定の制限を設け、その制限を超えるものはこれを開放することにいたしたわけであります。即ち牧野と農地と合せて北海道では平均二十町歩、都府縣では平均五町歩を超える場合には、その超える部分の牧野を買收いたします。この農地と合せて北海道平均二十町歩、都府縣平均五町歩という數字を各地域について具體的に割當てますについては、各地域の具體的な實情を考慮して、安定した有畜農業が成立つて行くように定めるわけでありますが、その最高限は四十町歩であります。尚村落又は協同組合等の所有にかかる共同牧野及び公共用、公用に供している牧野で、農林大臣の指定するもの竝びに畜産の改良増殖上特に必要な種畜の供給牧場として主務大臣の指定したもの等は買收いたしません。買收した牧野は先程申し述べましたように、これを分割して畜産を主とする自作農の創設に供するのでありますが、土地の形状、地味等によつては分割による集約經營を期することができないものがあります。そのような場合には、適當な形態において農家の共同利用に供することにいたすつもりであります。
 買收の對價は現在行なつております未墾地買收の對價と同樣、近傍類似の農地の對價の四割五分以内であります。尚買收に當つて原則として昭和二十年十一月二十三日現在の事實に基ずいて買收計畫を立てることは、農地と同樣であります。これにより買收を豫定されておる面積は、或る種の假定に立つての推算でありますが、概ね北海道十萬町歩、都府縣十萬町歩、計二十萬町歩と推定いたしております。
 第二に重要でありますのは、未墾地買收關係の規定の改正であります。現在は開拓用地のみを對象とする規定でありますが、これを大規模土地改良事業の施行上必要な用排水路の敷地等について買收又は使用をなし得るよう擴張いたしまして、國營土地改良事業の實施の圓滑を期することにいたしたのであります。
 次に、買收又は使用豫定地域を指定して、當該指定區域内においては一定の障害となるべき行爲を制限する制度を設けたのであります。未墾地の買收におきましては、その買收を愼重に行うことが必要でありまして、買收に先行いたします適地調査には、相當の日時を要するのでありますが、從來の調査期間中に、土地の轉賣、立木の伐採というようなことがとかく行われ、いろいろと支障を來している實情でありますので、これを豫防したい趣旨に外ならぬのであります。
 第三に、本改正の機會に、農地の遡及買收についての原則を明確にいたしました。昭和二十年十一月二十三日以後において土地の賣買、小作地の取上などがありました場合に、原則として昭和二十年十一月二十三日現在の事實に遡つて農地の買收計畫を立てることは、從來とも法律に規定いたしておりますが、何分規定が簡單に過ぎまして、市町村農地委員會において事實處理上困難を來たしておる實情でありますので、これに關する規定を詳細且つ明確にいたしたのであります。
 以上は自作農創設特別措置法の改正の要點でありますが、次に農地調整法の一部を改正する法律案について申上げます。
 第一は、農業上當然必要な自家用の燃料及び肥料等を採取するところの薪炭採草地及び放收地等の問題について解決を圖つたことであります。その一は、これらに關して耕作者の有している使用權の保護を圖つたことでありまして、貸主が使用權に關する契約を解除解約し、又は更新を拒絶する場合には、農地同樣市町村農地委員會の承認、これは當分の間都道府縣知事の許可でありますが、この農地委員會の承認を要することにいたしたのであります。その二は、農家が薪炭林、採草地等の利用を必要とする場合におきまして、森林經營にも差支えない範圍において、當然その使用を認めることが妥當な場合、或る時によつては現在或る特定人の有する過大な使用權を活用するためには、これを他の者にも適當に配分、調整する必要がある場合等におきまして、若し當事者間に圓滑な協議が整わないときには、市町村農地委員會の手によつて、新たに使用權を設定したり、既存の使用權の配分調整を行うことにいたしたのであります。この新らしく使用權を設定いたします場合については、いろいろの方面に關係もあり、特に愼重に期することにいたしまして、市町村農地委員會、森林組合その他畜産、開拓などの専門家の意見を聽くことにしております。尚自作農創設特別措置法で牧野の解放をいたすことに相成りましたので、牧草及び放牧地について移動統制を行うことにいたしました。
 第二の問題は、小作地取上げに關する制限の徹底であります。農地改革のことは申すまでもありません。農地調整法においては、土地の返還は市町村農地委員會の承認を經ることを要することといたしておるのでありまして、かようにして耕作權の確立を圖つておるわけであります。ところがこの農地調整法第九條第三項の解繹を廻りまして、合意の解約に承認なり許可が必要であるか否かについて解繹上疑義があり、實際は一方的な取上げが、外見上双方の同意として、委員會の審査を經ることなく、しばしば行われている實情であります。そこで本改正案においては、明文を以て合意解約を含める趣旨を明らかにいたしました。從つて一切の土地の返還は、市町村農地委員會なり知事なりにおいて審査することになつたわけであります。
 第三の問題は、小作料代物辯濟の廢止であります。現行法におきましては、或特定の場合、即ち小作料の支拂期が過ぎ、小作人の發意による場合は、金納によらずして代物辯濟の規定を削除いたしまして、脱法の餘地をなからしめたいと思うのであります。
 第四は、不當な土地取上げの耕作權囘復の問題であります。昭和二十年十一月二十三日以後不法不當な小作地の取上げがありました場合は、一般に市町村農地委員會は、當時に遡つて買收計畫を立て、その小作人に舊小作地を取得させることができますが、その取上げを行なつた者が、平均一町歩以下の小地主でありますならば、その取上げがいかに不法不當でありましても、舊小作地、舊小作人に取得させることはできず、法律上小作人の保護に缺くるところがあると申さなければなりません。それでは昭和二十年十一月二十三日から、この改正法律を施行いたす日までに、不法不當な土地の取上げが行われました場合は、市町村農地委員會が審査の上、賃借權の囘復を決定できることにいたしたのであります。即ち舊小作人が市町村農地委員會の承認を受けて、舊地主に對して賃借權設定の協議を求めまして、成功いたしません場合は、市町村農地委員會が裁定をいたすわけであります。勿論地主の生活が極めて困難である場合など、何人もその取上げを事情止むを得ないものと認めるような場合には、賃借權の囘復はいたさない旨法律に明らかに規定いたしております。又賃借權の囘復に不服な地主は、都道府縣の農地委員會に訴願する途も拓かれておるのであります。
 以上が兩改正法律案の主なる内容であります。何率御審議の上速かに御可決あらんことをお願いいたします。
#26
○委員長(楠見義男君) それでは先程申上げましたように、この二つの法案については、十分に御檢討置き願いまして、明日午前更に内容を伺い、質疑をいたしたいと思いますから、これで今日は終ります。
   午後二時四十五分散會
 出席者は左の通り。
   委員長     楠見 義男君
   理事      木下 源吾君
   委員
           門田 定藏君
           羽生 三七君
           北村 一男君
           西山 龜七君
           平沼彌太郎君
           岩木 哲夫君
           木檜三四郎君
           小杉 繁安君
           佐々木鹿藏君
           石川 準吉君
           宇都宮 登君
           岡村文四郎君
           河井 彌八君
           島村 軍次君
           寺尾  博君
           徳川 宗敬君
           藤野 繁雄君
           松村眞一郎君
           山崎  恒君
           板野 勝次君
           廣瀬與兵衞君
  政府委員
   農 林 次 官 笹山茂太郎君
   農林事務官
   (農政局長)  山添 利作君
   農林事務官
   (畜産局長)  遠藤 三郎君
   農林事務官
   (開拓局長)  伊藤  佐君
  説明員
   農林事務官
   (農業保險課
   長)      安田 誠三君
ソース: 国立国会図書館
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