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1974/07/30 第73回国会 参議院 参議院会議録情報 第073回国会 議院運営委員会 第2号
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1974/07/30 第73回国会 参議院

参議院会議録情報 第073回国会 議院運営委員会 第2号

#1
第073回国会 議院運営委員会 第2号
昭和四十九年七月三十日(火曜日)
   午前十一時三十七分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
   委員長          植木 光教君
   理 事
                柴立 芳文君
                桧垣徳太郎君
                細川 護熙君
                竹田 現照君
                森  勝治君
                黒柳  明君
                塚田 大願君
                中村 利次君
   委 員
                佐藤 信二君
                佐藤  隆君
                斎藤 十朗君
                坂野 重信君
                高橋雄之助君
                戸塚 進也君
                中西 一郎君
                林  ゆう君
                福岡日出麿君
                大塚  喬君
                片岡 勝治君
                沢田 政治君
                安永 英雄君
                内田 善利君
                上林繁次郎君
                内藤  功君
        ―――――
       議     長  河野 謙三君
       副  議  長  前田佳都男君
        ―――――
   事務局側
       事 務 総 長  岸田  實君
       事 務 次 長  植木 正張君
       議 事 部 長  鈴木 源三君
       委 員 部 長  川上 路夫君
       記 録 部 長  西村 健一君
       警 務 部 長  江上七夫介君
       庶 務 部 長  上野山正輝君
       管 理 部 長  前川  清君
       渉 外 部 長  武田  實君
   法制局側
       法 制 局 長  杉山恵一郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○決議案の委員会審査省略要求の取り扱いに関す
 る件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(植木光教君) 議院運営委員会を開会いたします。
 決議案の委員会審査省略要求の取り扱いに関する件を議題といたします。
 事務総長の報告を求めます。
#3
○事務総長(岸田實君) 昨二十九日、議員松永忠二君から、田中内閣総理大臣の所信表明演説を求める決議案が提出されました。本決議案には、発議者から、委員会の審査を省略されたい旨の要求書が付されております。
 この要求につきまして御審議をお願いいたします。
#4
○委員長(植木光教君) 本件につき御意見のある方は御発言を願います。
#5
○桧垣徳太郎君 今回の臨時国会の性格は、申し上げるまでもなく、先般行なわれました参議院の半数改選のあとを受けての臨時国会でございます。当然のことでございますが、まずもって院の構成を整え、参議院が機能するようにするためのものでございまして、院の構成を終えることをもって足りるものと考えております。この決議案にございますような総理大臣の国会における所信表明の問題は、現下の政治、経済、社会諸情勢の大きな変化に対応して述べられるべきでございます。そのためには、政府・与党におきましても、慎重かつ周到な検討と政策の用意をもって臨むべきでございまして、今回の短期国会においてそれを求めることば無理であると考えております。かような基本的な考え方からいたしまして、政府・与党としても法案その他の案件を今国会には提出をしなかった次第であります。
 以上の事由に基づきまして、自由民主党としてはこの決議案に反対せざるを得ないのでありまして、決議案の委員会審査省略に同意することができないのでございます。
 以上が私どもの反対の意見でございます。
#6
○竹田現照君 ただいま自民党から、私どもの所信表明要求決議案に反対する趣旨が述べられましたけれども、召集当初から私どもは理事会を通じまして再三主張してまいりましたとおり、院の構成はもちろんのことでありますが、昭和三十三年国会法が改正になりました趣旨、これは、その当時まで院の構成も行なわないでおったということがけしからぬということで、そういうことのないようにという改正の趣旨であったことはもちろんでありますが、その後通常選挙によって新しく国民の審判を受け、しかも改選議員の半数以上の新人の議員が出てきているという現状に照らして、その時点に合った政府の施策ということについて、国会を通して国民の前に明らかにし、それを選挙後の各党が、それぞれの代表がそれについて質問を行なうと、こういうことば昭和三十四年、三十七年、四十年、四十三年、四十六年と、参議院においては慣行としてもう確立をされたものだと私どもは思っておったのであります。しかし今回政府が、この国会の法律案を提案をしておらないから所信表明は行なう必要がない、こういうことをおっしゃるのでありますけれども、これは四十三年、四十六年の通常選挙後の臨時会においても、これは法律案の提案はございません。しかし、所信表明並びに代表質問は行なわれておったのであります。したがって、今回与党が主張する、あるいは政府が主張するということは、過去の慣例からいっても理屈に合わないことなんであります。とりわけ、今回の選挙で民意が明らかになりましたように、当面する国内情勢、国外情勢を踏まえて、狂乱物価に象徴されるようなこういうような問題について政治が一体何をしてくれるのか、政府はこれにどう対処するのかということは、国民ひとしく注目をしているところなんであります。したがって、選挙後日が浅いから政府はもう少し勉強して、それでなければ所信が明らかにできないなどということは、政権を担当する者のことばとしては全くふに落ちないわけでありまして、行政の任に当たる者は、臨機応変、いかなる事態があってもそれに即応する態勢を行なうことは、政府として当然の任務なんです。特に田中総理は選挙中、自民党が勝てば多数の政治を断々固として行なうということを再三にわたって言明をされておりました。もしかりに、今回の選挙で自民党が多数を占めたと仮定すると、おそらくそういう挙に出たことだけは明らかでありましょう。しかし、今回選挙に惨敗をしたがゆえに、黙して語らず、当座の政府・与党の危機を切り抜けようという、こういうような魂胆は、これは全くふらちな考え方でありまして、われわれはどうしても容認ができないところであります。
 さらにまた、二十六日に勧告がなされました人事院勧告等は、これは前国会の国会の審議を通しましても、いまの物価の状況等から照らして、この臨時会において公務員に対する給与の引き上げ措置をとらざるを得ないという情勢の中で、人事院も鋭意作業を進め、異例の早期勧告が行なわれたことはもう大方の御承知のところです。しかし、これもこのまま政府・与党の主張を通すといたしますと、少なくとも十月の末、あるいは十一月に入っての臨時国会においてこれが措置されるというようなことになってまいりますと、人事院勧告の早期勧告を行なったという趣旨というものにも著しく反することであります。
 さらにまた、所信表明を行なわないばかりでなくて、これはわれわれが、野党各党が当面する政府の重要施策、あるいは内外諸情勢等について緊急質問をさらに要求をしておりますが、これにも応じようとしない態度のようであります。
 さらに、院の構成、院の構成と言われておりますけれども、それでは院の構成に自民党は積極的に取り組んでいるのか、これもまた言っていることとはうらはらに、でたらめの限りです。当然に正副議長、常任委員長の選出後、常識的には直ちに委員会を開き理事の互選を行なって、委員会が運営でき得るように取り計らうということは、過去の慣例に照らしても常識的なことなんです。それが今回は、与党の理事の選任ができない。新しい議員がたくさん出た、ベテランが落選をした、そういうようなことで人選がむずかしい。こんなことは恥ずかしくて口にするべきことではないのであります。そういうことを理由にして、三十一日――あすの会期末でなければできないと。きのう議運の理事会はじめ国対委員長会談等を通じまして与党に強くこのことを反省を求めたら、きょうの午前中に理事の選出を行なって委員会は開きますと、こういうことになっておった。ところが、けさの公報を見ますと、地方行政、外務、文教委員会等は、委員長は公報の掲載をすらしておらない。われわれとの間の約束は一体どうなっておるのか。外務委員長のごときはどこへ行ったか行くえがわからない。地方行政委員長は、そんなことはきめることが大体おかしいのだと。これでは院の構成、院の構成と言っているけれども、一体何を考えているのか全くわからない。
 さらに私は、官房長官が異例の官房長官談話等を出しておりますが、国会の場において政府が所信表明を行なわないとする真意についてただしたいと考えてこの委員会に官房長官の出席を求めましたけれども、これも出席をしない。これでは全く問答無用です。憲法の定めるように、内閣総理大臣なり国務大臣は、院の要請に応じて出てきて質疑に答えたり報告しなければならぬということになっている。これも多数を背景にする与党が反対をすれば何もできない。これでは国会はあってなきにひとしき状態であって、国政というものについて国会の場を通してわれわれが真剣に論議をし、ただすべきものはただし、政府の施策に取り入れさせるものは取り入れさせるように要求すべきものはするということが全く封殺をされて、このまま八月、九月、十月と、国会で全く審議の場がないままにじんぜんとして日を過ごさざるを得ないというようなことでは、これは何のために選挙で民意を問うたのか全くわからないわけであります。
 そういういろいろなことを考えますときに、今回の政府・与党の一貫した態度というものは、だれがどう解釈をしても、少なくとも常識ある者が考えたときに、全く理が通らないわけであります。私は、河野議長が就任の際におっしゃったように、いま参議院は数より理の政治を行なうべきだとおっしゃっていますが、全く賛成であります。しかし与党は、依然として数にものを言わせて何でもかんでも押しまくってしまう。あわよくばあすの会期末に、何もかも、何だかんだと理屈をこね回して逃げ込んでしまってこの会期を過ごそうと、そういう魂胆であります。こういうことでは、国民の国会に対する信頼、とりわけ参議院に対する国民の信頼というものが失われてきたことについて、三年前から私どもは参議院改革を主張される河野議長を中心として、参議院に対する国民の信頼をどう回復させるかということを努力をしてきたこの努力は、一挙に水泡に帰すわけであります。
 私は、参議院の院の権威を高め、政治に対する国民の信頼をより強く回復するためにも、どうしてもこの際私どもが主張していることを、衆議院がどうあろうと参議院はそのことを実現をして国民の期待にこたえるべきである、このことを強く要求して、この決議案に賛成の意見を述べるものであります。
#7
○森勝治君 いま竹田委員から社会党の立場をるる開陳をいたしました。私は違った角度から、いま自民党さんが私どもの提案に賛成をしないという問題をとらまえまして、一、二の点について反論を試みたいと思うのであります。
 まず第一点は、いまお話にありました、この臨時国会を院の構成を定めるだけにとどめるという理由だけでありまして、そういうことで、これは官房長官談話もそういうふうになっておりますし、いま自民党さんもそうおっしゃいましたが、一体この改選された、いわゆる戦い終わった新しい議会に対する国民の眼は何だろうか、国民がこの新しい議会に何を期待しておるだろうかと考えますと、申すまでもなく、物価を初めとする幾多の問題が山積されております。このことは、いみじくもきのう自民党の議員総会で田中総理が、そういうふうに問題が山積されておると言っておるわけであります。そういう観点からいたしましても、当然この所信表明はたすべきであります。
 竹田君も若干触れましたが、これをさらに私は詳しく、わが党の主張する問題について申し上げてみたいと思うのでありますが、たとえば第六回の通常選挙すなわち昭和三十七年に改選が行なわれました直後には国会会期三十日間でございまして、このときには法案も提案をされて、総理が所信表明をされておるところであります。その前の三十四年のときには第五回の通常選挙でありましたが、このときにはなるほど会期は十二日でありますが、このときも総理の所信表明がなされております。続く第七回、すなわち昭和四十年の選挙のあとには、会期は二十一日間でございまして、このときには所信表明並びに補正予算が提案をされております。さらにその次の第八回通常選挙、すなわち四十三年のときにはなるほど会期は十日でございましたが、このときも同じく総理の所信表明がなされておるわけです。さらに三年前の四十六年、第九回の通常選挙後におきましては、会期は十一日でございましたが、このときも総理の所信表明がなされ、当然野党の代表質問が行なわれております。このように三年に一度めぐりくるというこの通常選挙にあたりましては、当然国会が心機一転の立場で、国民の期待にこたえなければならぬわけであります。したがって、そういう過去の慣例からいたしましても、現下のこの政情からいたしましても、当然総理は新しい議会に対して所信表明をすべきではないかと思うのであります。ところが、自民党さんが官房長官をもって発表させた、構成にとどめるだけというこの理由の第二点としては、六月三日までにこの会議をやっておったからあとは知らないと言っている。しかし、参議院は御承知のように選挙の洗礼を受けている。きびしい選挙の洗礼を受けたわけです。このきびしい選挙の洗礼を受けたという厳粛なる事態の認識に立つならば、特に参議院は半数改選であります。少なくとも新人が九十余名を数えるという段階に至りますならば、この議院を構成するいわゆる議院の背景となる土壌がすなわち変わったわけですから、だから議員の顔ぶれが変わってきたわけですから、当然新たなる角度から国会で国民の期待にこたえるような議論があってしかるべきだと私は思うのです。ところが、御預知のように田中総理は選挙中に、今度参議院が改選されたならば衆議院のように野党には常任委員長等もやらない、責任政治を全うするというふうにして、まさに談尽くることなき放言これつとめたわけであります。なかんずくNHKのテレビ放談等に至りましては、このころは人の言うことを聞かない人が出て困ると総理みずから言う。世間いわく、それは総理自身ではないかと言っておるわけであります。このように傍若無人の総理が、この正しい議会運営を志向するわれわれ野党のこの考え方に沿って所信表明をしないということは、これは何といっても自民党が責任政治を明確にしない、責任を全うしない、総理としてはまさに欠格条項に該当すると私は思うのです。
 そういう問題はさておきまして、なるほど自民党さん負けたから、選挙での総理の放言を今度の国会で野党からたたかれてはかなわぬ、三十六計逃げるにしかずということの気持ちはわかりますけれども、それは政治の範畴にくみするわれわれとしてはそれをいさぎよしとしない。したがって、そういうことが自民党さんは理事会をしばしば、これは四日も五日もやってきたわけでありますが、しばしば、野党の皆さんの言うこともわかるけれども、うちのほうも苦しいのだと言う。苦しいのは国民であって自民党さん苦しいことはない、多数を制しておられるわけですから。その自民党さんが責任政治を全うしない。国民の期待にこたえない。いま竹田君が言いましたけれども、院の構成の最終的な理事等の選出等もなかなか十分でないということからいたしましても、一体自民党さんは何を考えておるのか。特に先ほどの理事会のことを持ち出しては恐縮でありますが、自民党さんが、勉強しなければ国民の期待にこたえられないということを理事会でおっしゃった模様でありますけれども、まことにこれは噴飯ものでありまして、勉強しなければ国政を負担することができないと言うならば、すべからく自民党内閣は桂冠あってしかるべきだと私は思うのです。そういう観点からいたしましても、自民党さんが私どもの提案に賛成しないということには私どもは反対せざるを得ないのであります。
 さらに、与野党が今日ほど接近しているときは、何といっても与党が野党に協力を求めて円満なる国政の運営をはかるというのが正しいあり方だと思うけれども、どうでしょうか、この臨時国会召集以後の自民党のあり方は。会議に会議をもって重ねることば当然でありましょう。慎重審議のたてまえから当然でありましょうけれども、一体何を――野党に協力を求め、院の構成をすみやかにやろうやろうと言っておられたが、そのあとは何です。何もやらずに、しかも常任委員会等も最終日の明日で、あとは知らないと逃げ込もうとしている。私どもは、特に新しくこの選挙の試練を受けて出てこられた新人の方が大ぜいおられるわけです。これらの諸君は、期待されたこの国会で総理が所信表明もできない、国民生活に密接な関係がある法案等について、あるいはそれらの国政についての議論も交えることができないことでは選挙区に帰れないという悲痛な叫びをあげる新人議員もおるわけです。しかし、何といってもこの国民の願いをよそに、ほおかぶりを通して過ごそうとするこの自民党さん並びに内閣のあり方というものには、重大な反省を私は要求したいと思うのであります。何といたしましても、私どもは、この国会が国民の期待にこたえるように機能が十分発揮できる運営があってしかるべきものだと思うのであります。総理として当然、過去の慣例からいたしましても、過去七回ばかりの例を私は申し上げましたが、私がことあげするまでもなく、過去の慣例に照らすまでもなく、また総理として所信表明をすることは、新しい議会に対する当然の責務であるし、また国民に対する責任だろうと思うのであります。この責任を全うしない、勉強しなければ国政をつかさどることができないなどと言うこの自民党の体質というもの、考え方というものは私どもはいただけません。したがいまして、すみやかに野党一同が提案をいたしております所信表明に、自民党さんは悔い改めて御賛同あらんことを私は強く主張して私の発言を終わります。
#8
○黒柳明君 私はこの決議案に賛成する立場で意見を開陳したいと思います。
 本国会におきます政府、田中内閣と与党・自民党の罪状を私は個条書きに述べましてそれで皆さん方の奮起、また本決議案に対する、ぜひとも与野党ともに賛成の意思をあらわしていただきたいと、こう思う次第であります。
 まあ、罪状と申しましても幾多ありますので、私、この罪状を述べ立てますと大体三時間ぐらいかかるんではなかろうかと、こう思いますが、ぜひともごしんぼういただければと、こう思います。
 その前に、私述べたいことは、今回の第十回参議院通常選挙が保革逆転という大きなテーマをひっさげて、内外の注目を浴びながら選挙戦が準備され、また進み、そしてそのさなかにおいても、自民党を中心にしましてのいわゆる企業ぐるみ、金権選挙、自民党の主要閣僚からもこれに対しては大きな批判が出てきた。そして終わった結果が、これまた異例な大量な選挙違反という事実をもってまだこの結末すらついていない。そして自民党の大敗北という、そういう、まあ皆さん方にすれば、与党・自民党とすれば、予想もしなかった結果が出たわけであります。
 こういう今回の参議院通常選挙は全く選挙前、そして選挙期間、さらに選挙後、そしていまに至るまで異例ずくめの連続であります。このさなかに、またこの異例な、わずか八日間という国会の会期があしたで終わろうとしているわけであります。
 これに対しまして、私いま申しましたように田中総理大臣、はたして与党・自民党の中の一部の議員の突き上げにおたおたして野党の意見を聞けないのか。議員総会でも、あるいは選挙直後の七月九日の記者会見では、非常に低姿勢というか、あるいは謙虚な姿勢で記者会見いたしまして、野党の皆さん方と話し合って国会運営をやっていきたいと。私は聞きながら、こいつ、またうそついているなと、こう思いましたが、まずすなおに私も信じたい気持ちでいました。しかし、そのうそがみごとに本音になって、八日間が本音になってあらわれてきたことは私が申すまでもありません。田中総理大臣は与党に、そして一部の与党の中の自民党の意見に突き上げられ、野党の鋭い、そして国民の鋭い批判というものを受けて立つだけの力がなくなったのか。であるならば、昨日の議員総会で、皆さん方がやめろと言うならば、それでよければ私やめたいんだ、これもぜひ本音として実行していただきたいと、こう思いますが、いかんせん御本尊がここにいないわけであります。あるいはその代理であるせめて官房長官にでも、今回の国会におけるこの異常な会期の決定のしかた等々につきましても真意をただしたいと、こう思いましたが、その官房長官すらも給与関係の閣僚会議に出て――人事院勧告に対して検討しているかどうかわかりません。しかし、こんなこともなかろうかと思います。とんずらをきめたわけであります。ということで、すべて国民に対してはあほうの行者のごとく口を結んで、そしてずるをきめている、こういう国会であります。私はこの報いは必ずやこの次の国会、ないしは田中内閣自身にあらわれることは間違いない。それが田中内閣、一昨年の七月誕生して一年十一カ月、今回の参議院でこれだけ議席が減ったというみずからの反省の材料があるにもかかわらず反省しないということは、間違いなく、また第二撃の国民の鋭い鉄槌がおのずから下されることは間違いないと、こう思う次第であります。
 そこで私、まだまだ冒頭に申したいことがありますが、罪状について私逐条あげていきまして、これについて皆さん方の御判断を求めたいと、こう思います。
 いまも社会党の委員から指摘されましたように、臨時国会後の所信表明が行なわれないというのは全く異例な事実であります。七千五百万有権者がこれほど熱心に国政に参加し、三年に一ぺんのこの参議院の選挙でありながら、その国民の意思を全く無視して踏みにじったこの姿勢であります。野党の、所信表明を含めましての実質審議というものに対こて全くこれを無視した、こういうことについてはこれは異例な事態であります。
 第二は、官房長官談話におきまして、明らかにこれは行政の立法に対する介入であります。六月三日の先国会におきまして審議が尽くされている、だから今回は審議をする必要はない、会期は一週間程度にとどめる。いまだかつてそういう会期の決定につきまして行政のほうが先行してこういう官房長官が談話を出すなんということはもうなかったわけであります。これこそ全く田中総理大臣の独走、おれの言うことは正しいんだ、おれのあとについてこいと、こういう全くファッショ的な傾向というものがこの官房長官の談話に出ていると、こう思う次第であります。これが第二点。
 第三点は、三木、福田、外務、大蔵という主要閣僚が抜けたにもかかわらず、急速な人事の補充でこれを糊塗した。そして内外にわたる物価問題、外交問題における大きな方針に対しても何らこれを示す余地もなかった。また示す考えもなくして急速人事でこれを糊塗した。これについても全く異例であります。しかも、この事実が、自民党内部におきましても、衆議院の議運の理事会で二人の造反が出たと、こういうことでも大きな、与党・自民党、田中内閣、政府に対しての反省の材料を提起したんではなかろうかと、こう思います。これが第三点。
 第四点は、所信表明どころか、実質審議もまず行なわれないで終わるんではなかろうかと、こういう雰囲気であります。本日、先ほども社会党の委員が指摘しましたように、自民党の三委員長が、あれほどきのう約束した委員会の公報掲載も行なわれておりません。こうなりますと、まずこういう委員会が開かれるのか、あるいは明日までに何らかの審議が行なわれるのか、全くこの可能性はないということでありまして、所信表明どころか、実質審議が全く行なわれないでこの臨時国会は終了しようとしていると。これが四点。
 第五点、人事院の勧告が二十六日に出された。これにつきまして絶えず政府が繰り返してきたのは、人事院勧告は尊重すると、野党よりもと、こう言いながら、全く今回の臨時国会におけるみずからの策として、この人事院勧告を無視をした、こういうことであります。これはただに国家公務員の生活問題だけではありません。大きく政府に対しての不信感というものを国民の、そして野党のわれわれの不信感をただつのらせるだけのものではなかろうかと、こう思います。この人事院勧告無視という態度は全く異例であり、けしからぬことであると、こう思います。
 さらに、実質審議が行なわれないその結果として、第六点目は、六月一日の電気、そして私鉄、ガス、続々と上がるであろう生産者米価、消費者米価、これに対して公共料金を中心とする物価の値上げ、物価問題、これに対して全くまた審議もなされないで今国会は終わり。臨時国会が十一月ごろ開かれればそこで人事院勧告も物価問題もと、こういう官房長官の談話であります。これも全く不見識きわまりない事実であります。十一月の事態ではありません、いまの問題であります、この物価問題というのは。
 さらに第七点、韓国問題を中心としまして、日本の外交政策はどう転換をされていくのか、ソ連とのシベリア経済開発、経済協力の問題、あるいはアメリカのニクソンのウオーターゲート事件の問題、わが国にどうこれが影響するのか等々、日本の外交はまた田中内閣、政府独走の外交体制でいくならば、間違いなくこれは先回の前内閣と同じような失敗を繰り返すんではなかろうかと、こういう心配も私はするわけであります。この外交問題は結果が出て失敗したというわけにはいきません。いまから私たち国民の、そして野党の見識というものをよく含めて外交問題に対処しなければならない重大事件であります。ところが残念ながら、この外交政策においても政府は全く野党、国民の意見に対しては耳をふさいで独走態勢をとっております。大きな外交政策の失敗も起こすんではなかろうかと、こう思います。非常に憂えるべき時点であります。これが第七点。
 第八点、議長、副議長の問題におきまして、これは言うまでもなく党内の意見調節がつかない。私たち一日待たされて、そして深夜における異例の議長、副議長の決定、しかも副議長が党籍離脱さえもすることができないと、こういうこれまた先回の議長、副議長選挙後、その後の与野党の話し合いとは全く逆行した状態においてこの副議長――申しわけありません――党籍離脱しないという副議長が現にいることはこれは事実であります。これ自体田中内閣、そして政府、与党自民党が全くたががゆるんで、これから内外にわたる政策をどう展開していくのか、私たちは全く不安でならない。こういうことも非常に異常であり、大きな罪の一つだと思います。そして先ほど申しました院の構成、院の構成国会であると言いながら、私たち議運の理事は二回招集され、何も自民党の参議院の役員人事がきまっていないということで二回の議運の理事会は暑い中呼ばれて私たちはお預けを食ったわけであります。そして昨日、今度こそはきょうは理事はきまると、理事なんか院の構成の重要な一環でありますと言いながら、まだ理事がきまったんだか、きまんないんだか、しかも、自民党の三委員長の委員会は公報にも掲載できないと、こういう全くみずから院の構成中心の臨時国会と言いながらそれすらも行なわれていないという、これまたおかしな状態が続いております。
 さらに本日のこの異例な委員会における採決等々まだこれ申しますと、また河野議長からストップがかかる可能性があります。私は、さらにさらに罪状をあげますと、これ、いっぱいあります。
 ひとつ与党の皆さん方も、特にいまの自民党田中内閣の政治姿勢に対して与党の内部から大きな反駁が、反論が起こっているわけであります。ぜひともこの決議案に対して皆さん方の良識ある態度をもちまして、ここでひとつこの田中内閣の選挙前、選挙中、選挙後今日に至るまでの非常にファッショ的な、独裁的なこの姿勢というものを、できれば野党のみならず、与党の心ある皆さん方と力を合わせて、ここで大きな国民の見識、良識というものをこの委員会の採決という行為をもって示していただきたいと、こうお願い申しまして、短い意見でありますが、私終わらせていただきたいと思います。
#9
○塚田大願君 私たちが今回の決議案を提出いたしましたのは、決して偶然に出したわけではございません。私どもは、国会の始まる以前から、今度の国会はいまの公共料金の値上げ、あるいは災害問題と、国民の生活にとって重大な問題が山積をしておる。したがって、今度の臨時国会は、当然政府の所信表明また代表質問あるいは予算委員会、物価集中審議、こういう国会にすべきである、会期は少なくとも一カ月以上必要ではないか、こういう道理のある提案をしてまいったと思うのであります。ところが、御承知のように、政府はこれを拒否をして、そして院の構成だけだ、こう言って横車を押してきたわけであります。数日前からこの問題を理事会議運でも問題にいたしました。きょうも問題になりましたが、要するに、先ほどからもお話がございましたように、自民党の拒否理由というのは、一つは法律案がない。もう一つは、政策勉強しなければならないんだ。この二つ以外何ものもないです。これでは全く説得力も何もない。法律案がないから所信表明しなくてもいい、こんな理屈はどこにもないし、慣例からもない。あるいは政策勉強しなければならない。選挙でわれわれはお互いに政策と政策の戦いをやり、そしてその信を問うてきたわけであります。その結果が出たわけでありますから、間違っていたなら間違っていた、いいならいい、はっきりするのが国民に対する、有権者に対する政府の、自民党与党の責任でなければならない。ところがいまさら勉強します、そんなお粗末なことであったならば、これはもう政策、政治担当の、政権担当の能力のないということをみずから証明していることになるだろうと思うんです。ですから、私どもは、こういう理由というものは全く根拠がない。根拠がないばかりではない。とにかく、選挙であれだけ公約をしながらこれに対する答えをしないというのは、明らかに主権在民の精神を否定するものだ。憲法では主権在民が明らかであります。国民が国の政治の主権者であります。この主権者に対して答えをしないというのは、明らかに憲法の主権在民の精神を否定するものである。同時にまた国権の最高機関としての国会を軽視するものだ。そういう意味では、まさにこの政府・自民党の今回の態度というのは、議会制民主主義の根本を否定しようとするものであり、私どもは絶対にそれは承服できない。
 また、先ほどもお話が出ましたが、河野議長のもとに参議院改革というものがこれだけ論議をされてまいった。三年間論議をされてきた。政府・自民党も、この参議院改革については決して反対だと言われたことはない。にもかかわらず、今度のこの政府・自民党の態度というものは、この改革の精神すら、やはりじゅうりんしようとするものだと、私どもはそう断ぜざるを得ないと思うわけであります。
 しかも、今度の国会が始まりましてから、会期問題にいたしましても、とにかく衆議院で八日というああいう異常な形できまった。参議院ではこの会期すらきめることができなかった。なるほど国会法では、会期については衆議院の優先権がございますけれども、やはり私どもは参議院でも会期を意思表示をすべきであるというふうに考えましたが、それすらもやらなかった。これではやはり参議院の存在というものはどこにあるのか。参議院は第二衆議院だなどといろいろ世評で批判をされておりますけれども、そういう点をほんとうに改めていくという改革ということがこれではいつまでたっても解決できない。また院の構成にいたしましてもそうであります。たとえばこの間の常任委員長の選任の問題にいたしましても、いままでの慣例と称してきわめて矛盾した不合理な方式が行なわれる。私どもは、やはり参議院改革の精神からいいましても、常任委員会の配分はもっと合理的にもっと科学的な方式でやるべきだと強く主張いたしました。そのときに自民党の皆さんは何とおっしゃった。これは長い間の慣例なんだ、今後の配分の方式の検討は今後の課題にしても、いままでの貴重なこの慣例は守るべきだ、こう主張されて、私どもはこの矛盾した、もう実に矛盾した結果に現になっているわけでありますけれども、とにかくそういうことで、あえて強行される。ところが、それに対して私ども不満もありましたけれども、とにかく一度きまったことは私どもは誠実に守るべきだと思いましたから、決定に従って直ちに理事の選出その他委員の決定をやって届けた。ところがどうです。今度自民党さんが理事を選出しない。こういうことで委員会も開かれないということはまことにおかしなことだ。院の構成を早く進めてくださいとおっしゃった自民党がまずそれを裏切っていくというふうな行為に出られたことは、私はたいへん政党間の信義にもとるもんだと思って、たいへん遺憾に思っているわけでありますけれども、同時に私は、単にそれだけではなく、あれだけ院の構成を要請しながらみずからこの委員会が構成できないようにしたというのは、明らかに私は一つの謀略として断ぜざるを得ない。政治的なものとして断ぜざるを得ない。現にこれは反論がございませんでした。もし反論があるならば、ひとつ堂々と反論していただきたい。私どもはそう思っているわけでありますが、とにかくそういう点で、今回のこの所信表明を求める決議案に対する態度も、私は一貫していると思うわけであります。人事院勧告の問題にいたしましても、そうでございますが、とにかく政府・自民党が、この国民の生活というものを全く顧みない、ただ党利党略だけに過ごそうとするこの姿勢というものは、私は絶対に許すことはできない。また、このことが今日世論の批判を受けておりますあの金権政治、買収選挙、こういうものとやはり通ずるものだと思うわけであります。したがいまして、私はこういう立場に立った今回の所信表明に対する反対の政府・自民党の態度というものはこれは間違っておるから、間違っているならばやはり改めていただきたいと。やはり議会制民主主義を守り、そしてほんとうに参議院改革を進めて、政治というものをほんとうに国民の信頼にこたえ得るものにするためには、ここで所信表明をやっていただく、代表質問をやらしていただく、こういうふうにならなければならないと思うわけであります。
 そういうような立場から私どもはこの決議案を提出いたした次第でございますし、また私自身、もちろん賛成の立場から、あらためて問題を提起したいと思うわけであります。
#10
○中村利次君 私は田中内閣のわがままによって、日本の議会制民主主義がたいへん重大な危機に瀕していると思うんです。総選挙後の特別会及び昭和三十三年に国会法が改正された後の参議院第五回通常選挙以降、院の構成をやることはもちろん、やっぱり所信表明はずっと行なわれてきておりますし、このことは何も国会だけでなく、国民の常識として、当然のこととして、すでにもう定着をしておると思うんです。ところが、それに対して、この臨時会は院の構成をきめるだけであるという、そういう新しいことをやろうとしておるわけですね。その理由がまことにこれは薄弱であり、と同時に、憲法をないがしろにすることがその中で行なわれておるわけですね。国会の会期をきめるのは、当然これは国会できめるんです。立法府がきめるんです。決して行政府がこれを決定したり介入すべきものではありません。三権分立、憲法で定められたことが、こともあろうに田中内閣の官房長官によってこれが発表をされて一週間前後の短期国会にして、そして所信表明は行なわないんだと。私は、これは与党だ、野党だという立場を離れて、これは国会議員として、こういう間違ったやり方に対しての主体性がなければならないと思うんです。ですから、私はこれは与野党の問題じゃないと思うんです。国会がこれに対してどう反応するのか、これは私は当然のこととして、こういう憲法をないがしろにするようなやり方に対しては、当然それを改めるような行動を起こすべきだと思うんです。ですから、私どもは、官房長官を呼んで、ここでその真意をただそうとしたんですけれども、給与関係閣僚協を主宰しておるのでどうしても出られないという理由でここに出席をしていただけなかった。私はこのことも、実際、国会レベルで、あるいは国民のレベルで納得のできることかどうか、たいへん問題があると思いますよ。まして、これは私はいやみでなくって、与党の中からすら――今度の金権選挙については、違反があるのは、これは国民のすべてが承知しておるところなんです。この選挙後の臨時会で、そういうことすら何ら議論の対象にならないというのは、私はこれは正常じゃないと思う。また、国民の皆さんが、今度のこの第十回の参議院通常選挙に示された厳粛な判断に対して、やっぱり何にもものを言わぬというそういう国会であることが、はたして国民の負託にこたえるものかどうか、きわめてこれは重大な疑義のあるところなんです。
 加えて、なぜこの人事院勧告が七月の二十六日に行なわれたか、これは議運の理事会でもそういう議論がございましたけれども、この臨時会で、何らこれに対して対応しない、できないというならば、これは八月の勧告でいいんですよ。こいつをやっぱり人事院がたいへんに苦労をされて勧告時期を早めたということに対して、私は人事院の勧告を尊重する立場を再三にわたって表明しておる政府が何らこれに対して対応しないというのは、これは私は何としても納得できない。確かにこれに対する事務的な手続、作業というのが相当の日数がかかるんだったら、せめて先国会の会期末に行なったような、ああいうまあ臨時措置、内払いですか、せめてこれくらいのことでも――これはすくできるんですから――考えて、こうい措置をやるべきではないか、こういうやっぱり喫緊の――私は政府が、何も慎重かつ周到な姿勢をおとりになることをすべて非難しませんよ。そういうことも必要でしょう。しかしながら、やっぱり喫緊に、いま直ちにこれに対処すべき課題に対しては、これはそれに対する対応姿勢がないということは、やっぱり国民から失望されてもそれにこたえる私はすべはないと思う。そういういろんな意味から、まだほかにも理由はいろいろございますけれども、すでにもう同僚委員から余すところなく言い尽くされておりますので、とにかく私は参議院という立場で、与党、野党の立場を離れてこの所信表明演説を求める決議案にぜひこれはやっぱり賛成をするのが、日本の議会制民主主義を守り、同時に院の権威を守る唯一の方法だと確信をいたしますので、この決議案に賛成をいたします。
#11
○委員長(植木光教君) 他に 発言もなければ、本件につき採決を行ないます。
 本決議案の委員会審査を省略することに賛成の諸君の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#12
○委員長(植木光教君) 可否同数と認めます。よって、国会法第五十条後段の規定に基づき、委員長において本件の可否を決します。
 本件につきましては、委員長はこれを否決すべきものと決定いたします。
 暫時休憩いたします。
   午後零時二十七分休憩
  〔休憩後開会に至らなかった〕
ソース: 国立国会図書館
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