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1949/04/08 第7回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第007回国会 厚生委員会 第24号
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1949/04/08 第7回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第007回国会 厚生委員会 第24号

#1
第007回国会 厚生委員会 第24号
昭和二十五年四月八日(土曜日)
    午後一時五十分開議
 出席委員
   委員長代理理事 松永 佛骨君
   理事 青柳 一郎君 理事 大石 武一君
   理事 中川 俊思君 理事 苅田アサノ君
   理事 金子與重郎君
      田中  元君    丸山 直友君
      亘  四郎君    渡部 義通君
 委員外の出席者
        参議院議員   中山 壽彦君
        参議院参事
        (法制局第一部
        第一課長)   中原 武夫君
        厚生事務官   小池 欣一君
        厚 生 技 官 津田 信夫君
        参議院厚生委員
        会專門員    草間  弘君
        衆議院厚生委員
        会專門員    川井 章知君
        衆議院厚生委員
        会專門員    引地亮太郎君
    ―――――――――――――
四月七日
 精神衞生法案(参議院提出、参法第三号)
 青少年飲酒防止法案(参議院提出、参法第一
 号)
の審査を本委員会に付託された。
同日
 社会保險税法案に関する陳情書(東京都千代田
 区霞ケ関三丁目三番地日本船主会長山県勝見外
 五名)(第七三〇号)
 同和対策確立に関する陳情書(福井県知事小幡
 治和)(第七四六号)
 あん摩、はり、きゆう、柔道整復等営業法改正
 に関する陳情書(岩手県盛岡市北山九十番地岩
 手県立盲学校長大堂他人外一名)(第七五七
 号)
 国民健康保險法の一部改正に関する陳情書(鳥
 取県議会議長中田吉雄)(第七五八号)
を本委員会に送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 精神衞生法案(参議院提出、参法第三号)
    ―――――――――――――
#2
○松永委員長代理 これより会議を開きます。
 まず精神衛生法案を議題といたします。質疑の通告がありますので、これを許します。青柳一郎君。
#3
○青柳委員 私は昨日の本委員会におきまして、この法案施行に必要な予算のことについてお尋ねしたのでありますが、ただいま手元にいただいた予算の調べを見ますと、来年度の予算におきましては精神病院費補助費といたしまして、公立精神病院並びに代用精神病院の運営に必要な経費のみが計上せられておりまして、その総額は一億百万円ということに相なつております。この現在提案せられております法案を施行いたします際に必要な経費といたしまして、ちよつと考えてみますと、いろいろあるのでありますが、病院、病室の増設もしなければなりません。その運営に必要な経費もなければなりません。また精神鑑定医の制度をしかれたのでありまして、これらの方々に各種の報酬といいますか、手当といいますかを支給するような法文にもなつております。また巡回指導をいたすにいたしましても金がいりますし、精神衛生相談所についても金がいる。また知識を普及するにいたしましても、精神衛生審議会を設けるにいたしましても金がいるのであります。そうなりますと、現在私の一手元にございます予算の調べ一億円で、一方においてはこの予算のねらつておりますように、公立精神病院並びに代用病院に補助を行い、一方においては各種の新しい施設を行うということになりますと、非常にその点につきまして、どういうふうにやつて行かれるかという危惧を持つのであります。そこで私のお尋ねいたしたい点は、政府御当局に対しまして、私が今あげましたように、新しく予算を必要とする事項につきまして、来年度におきましてどのくらいの経費がいるとお見込みになつているかという点をお尋ねいたしたいと存じます。
#4
○小池説明員 お答えいたします。本年度は仰せのように精神病院法によりますわずか一億の経費によりましてやる以外にないという状態になつているのでありますが、来年度におきましては精神衛生相談所、あるいは精神衛生鑑定医、あるいは都道府県の行いますいろいろな精神衛生の一般業務等に相当な経費がいると考えております。もこういう経費につきましては、二十六年度におきましてぜひ要求いたし、かつお認めを願いましてやつて行きたいというふうに思つておりますが、その総額が幾らになるかということにつきましては、まだ確定的な計算をやつておりませんので、いずれ研究いたしまして、実施上遺憾のないようにやつて行きたいと考えております。
#5
○青柳委員 そういたしますと、この一億円というものは、この予算に計上してあります通りに、公立並びに代用の精神病院に使う金であつて、この中からほかに使うということをお考えになつておるのでは、ございませんか。
#6
○小池説明員 お答え申し上げます。私どもといたしましては、大蔵省と協議いたしまして、流用できる範囲においては他に流用をいたしまして、精神衛生鑑定医等の旅費等に流用したいというように思つているのでありますけれども、なかなか事実上実施はむずかしいというふうに考えております。
#7
○青柳委員 大体二十五年度の予算、これは精神病院の補助でもつて、大体一ばいと考えてよいものと思います。従つてそういたしますと、この法律は公布の日から施行するということになつておりますが、二十六年度までは施行するといいましても、精神衛生鑑定医の設置、あるいは精神衛生相談所を設けることができないような事態に相なるかもしれないのでありますが、その点につきましてお考えを承りたい。
#8
○中山参議院議員 この法案を出上ますにつきましては、御承知のごとく今年度の予算というものはもうすてにきまつております。予算の更正をするということが、これは大蔵当局とも数次交渉いたしましたが、できがたい現状にあります。それで今年度はとりあえず一億幾らの予算によつて、でき得るだけこの法案の趣旨に沿うて運営をする。しかして明年度におきまして、これも予算の関係でありますから、今ただちに明年度幾らの金を出してどうするということは、ちよつと申し上げにくいのでありますけれども、大蔵当局とも数次交渉をいたしまして、でき得る範囲において、なるべく多額の金を支出して、この法案の目的を達成するように努力をしよう。こういうような話合いで実はこの法案を出したわけであります。今年度からこの予算を増額するということになりますと、この法案の提出ということが非常に困難な事情になりますので、この点はどうかさよう御了承願つておきたいと思います。
#9
○青柳委員 そういたしますと、提案者の御説明によりますと、この法案につきましては全部大蔵省の了解済みであるということは、はつきりいたしておりますか。
#10
○中山参議院議員 この法案を出しますにつきましては、厚生省の方の主管局とも十二分の打合せをいたしておりますし、また大蔵当局の方とも予算の関係で、数回私が交渉をいたして、今申しましたような了解のもとに、この法案を出すことに相なつたものであります。さよう御承知を願つておきたいと思います。
#11
○青柳委員 そういたしますと私は、これは希望でございますが、この精神病院費の補助一億円の使い方について、この中から、精神鑑定医並びに精神衛生相談所の金も、大蔵省の了解を得ながら使いつつ、本年度中に機会を見つけて、全面的にこの精神病院費の補助の方も計画通りに、また新しい施設も、この法文にあるように実施して行かれるというふうになることを、私も大いに希望いたします。その点につきましての御自信のほどを承りたいと存じます。
#12
○中山参議院議員 ただいま青柳委員から御希望を承つたのでありますが、私どもは立案当時よりそういうような希望を持つてこの案を出したのでありますから、御希望に沿うように努力いたしたいと存じます。
#13
○青柳委員 予算の点は私は了解いたしました。
 次にお尋ねいたしたい点でございます。昨日も政府御当局がおられなかつた際でございますが、いろいろお尋ねしたのであります。私はこの法案の適用を受ける、生活保護を要する人について問題を限つて御質問をいたします。この法案によりますと、申請があつた際に鑑定医の診察を受けなくても入院できる人もあるし、またどうしても必要のあるときには受けるということになつておるので、この二種類があるということになると思うのであります。さよう考えてよろしゆうございますか。
#14
○中原参議院法制局参事 法文解釈の上では、ただいまおつしやいました通りでございます。
#15
○青柳委員 そうして診察を受ける必要がある人については、府県知事が強制的に入院させる道を講じてあります。その際に入院に要する経費は都道府県が負科する。そうしてそのうちの半額を国庫が補助する。こういうことに相なつておると解釈してよろしいのでありますか。
#16
○中原参議院法制局参事 ただいま御質問がありました通りの解釈でございます。
#17
○青柳委員 そういたしますと、残つつた生活保護を受ける人、それはどういう人かといいますと、鑑定医の診察なくして入院できる人と、鑑定医の診察を受けても強制的でなく入院する人と、その二種類が残ると思うのですが、そう解釈してよろしうございますか。
#18
○中原参議院法制局参事 さようでございます。
#19
○青柳委員 そういたしますと、ただいまのあとで申し上げた人々は、生活保護による医療扶助を受ける者と解釈してよろしうございますか。
#20
○中原参議院法制局参事 その通りでございます。
#21
○青柳委員 そういたしますと、結局こういうことが残るのであります。貧乏な人の家で精神病になつた。その人は鑑定医の審査を必要があつて受けた。そうして強制的に本人並びに保護君の同意なくして都道府県知事が入院させたというときには、国庫から出る入院費は二分の一である。その他の場合には生活保護でありますから、国庫から出る金は八割だ。こういうふうに相なることになりまして、その間に不均衡な点が出て来ると思うのでございますが、この点につきましてお考えなさつたことがあり、どういうふうに結論がついておりますか。こういう点を承りたいと思います。
#22
○中原参議院法制局参事 ただいま御指摘になりました二分の一の補助と、十分の八の補助との差を平均化すると申しますか、差別がつかないように予算的な手当をする必要があつたのでございますが、そういう予算措置につきましてはもただいま中山議員から御説明がありましたようないきさつで、増額をすることができなかつたのでございます。そのためにやむを得ず本年度は、ただいま御指摘のような差がつくことになりました。それでこの法案を滝川するにあたりまして、生活保護法の適用を受けるような人に対しては、できるだけ二十九條による知事の入院措置は講じないようにしよう。保護義務者を勧奨いたしまして、なるべくなら保護義務者の同意による入院措置、すなわち三十三條による保護義務者の同意による入院措置をとるようにし向けて行こうというような運用によりまして、でき得るだけ生活保護法の適用を受け得る者については、生活保護法の費用でやつて行こうという運用上の方針を一応打合吊せてございます。
#23
○青柳委員 ただいま論講じておりまするような生活保護を受ける人で、都道府県知事の強制入院を命ぜられる人は、至つて少いのであります。少なければこの人々の入院費に対する国庫の負担を半分から十分の八にすることは、現在の生活保護法はなお余裕があるというような御当局の御説明でありますので、大してむずかしいことはないと私は存じておるのであります。しかしながらその点はいろいろ御当局同士でもお話合いはなつたということでございますので、将来の機会になおお考えおきを願いたいと存じます。
 次に私がお尋ねいたしたいのは、これは政府御当局に対してでありますが、今度のごの法律によりましては、新しくその対象として精神薄弱者及び精神病質者を加えられたのであります。しかしてこれらすべての、いわゆ、る大きくひつくるめまして精神病者の私宅監置は一年間を限つておるのであります。現在のペッドからいたしまして、ベットの数が非常に少いと思うのでございますが、御当局におかれましてはこの新しい法律によつて、どの程度の増床を必要とお考えになつておりますか。その点を承らしていただきたいと存じます。
#24
○津田説明員 従来の精神病者に加うるに、薄弱者と変質者とを加えまして、その数はラフに見積りまして、従来の数のほぼ五倍に達すると思うのでございますが、現在私宅に監置しておりまする精神障害者、精神病者のその内容を分析いたしてみますると、従来言つておりまする精神病者、つまり狭義の精神病者がほとんど大部分で八五%から九〇%を占めておりまして、薄弱者及び変質者は私宅に監置されておるのは非常に少い。こういう現状でございます。それから精神障害者も全部これを收容するわけでなく、強制的に入院せしめたい者は、自身を傷つけ、ないし他人に害を及ぼし、社会公安上書のある者、こういうことになつておりますので、その数はおのずからまた少くなると想像されます。従いまして、私どもといたしましては、はほ四百万に近いすべての精神障害者のうちで、どうしても監置、監護ないし保護を必要とする精神障害者の数は、現状におきましてては十二万近くいるのではなかろうかということを一応想像しております。しかし現在の状況では、それだけのものをすべて收容するということは不可能な状況でございますが、もとりあえず五箇年計画をもちまして四万床、これは人口一万に対して五という数になります。先ほどの十二万は人口万に対して十五という数になつております。ちなみに一九四九年のアメリカにおいては、人口万に対して五十という数になつております。とりあえず五箇年計画をもちまして四万床つくりたい、かように考えております。
#25
○青柳委員 そういたしますと、四万床できれば私宅監置を庭止し得るのに十分であるというふうに考えることはできるのでありますか。
#26
○津田説明員 現在精神病者監護法によりまして、私宅監置をされております者は二千六百名ほどございます。それに対しまして精神病床のあいておりますものは、現在二千三百ほどございます。とにかく新しいものを入れずに今監置されている者だけを收容するとすれば、あと四百ふえるだけでもどうにか収容できることになります。ところで現在の精神病院におきましては、病床の一転率が毎月一〇%になつております。一年間たちますと、ほぼ十二割の患者を完全に回転させることができると想像しておりますが、その辺のことから推察いたしまして、私宅監置の者は、一年の余裕期間で一応は何とか片づくのではなかろうかと想像いたしております。
#27
○青柳委員 精神病院は、他の病院と違つて、一床あたりつくりますのに、大して金がかからぬと思いますが、どのくらいを必要とするものでありますか。
#28
○津田説明員 昭和三十五年度の公共事業費におきまして、精神病院といたしましては、坪一万九千円、こういう單価で八百坪の増床の計画を立てております。精神病院も特殊医療の面が、従来と違つてずいぶん加わりますので、一従来考えていたような非常な低額でできるということにも参らぬのではなかろうか。かように想像いたしております。
#29
○青柳委員  一床当りに直すとどのくらいでしようか。
#30
○津田説明員 一床六坪ないし八坪と言うております。
#31
○青柳委員 ただいまのお話を承つておりますと、五箇年計画で四万床、平均一年に八千床というものを計画なさつておるようであります。この予算措置につきましても、提案者の方もわれわれと一緒に十介御努力のほどを切に希望いたします。これをもつて私の質問を終ります。
#32
○松永委員長代理 他に御質疑はございませんか。ちよつと速記を中止してください。
    〔速記中止〕
#33
○松永委員長代理 それでは速記を始めてくたさい。
 お諮りいたします。本法案の質疑も終了いたしていると存じますので、この際質疑を打切るに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#34
○松永委員長代理 御異議がなければ、本法案の質議はこれをもつて打切ることにいたします。
 本日はこれをもつて散会いたします。次会は公報によつて御通知申し上一げます。
    午後二時十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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