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1947/11/18 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 農林委員会 第32号
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1947/11/18 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 農林委員会 第32号

#1
第001回国会 農林委員会 第32号
  付託事件
○農地調整法の改正に関する陳情(第
 一号)
○物價是正及び肥料、作業衣、ゴム底
 足袋配給に関する陳情(第十号)
○農業保險法の改正に関する陳情(第
 十三号)
○農業復興運動に関する陳情(第十四
 号)
○水利組合費賦課に関する陳情(第二
 十二号)
○食料品配給公團法案(内閣送付)
○油糧品配給公團法案(内閣送付)
○農業会の農業技術者給與國庫補助に
 関する陳情(第四十六号)
○農業会の農業技術者給與國庫補助に
 関する陳情(第五十一号)
○農業会の農業技術者給與國庫補助に
 関する陳情(第五十九号)
○農業会の農業技術者給與國庫補助に
 関する陳情(第六十一号)
○薪炭生産のあい路打開に関する陳情
 (第六十二号)
○茶業振興に関する陳情(第六十三
 号)
○農業用電力料金の引下げ及び換地処
 分経費の全額國庫助成等に関する陳
 情(第六十七号)
○東北及び新潟地方の特殊事情に立脚
 せる食糧供出対策改善に関する陳情
 (第六十八号)
○農林省所管の治山治水事業の一部移
 管反対に関する陳情(第七十号)
○農地委員会の経費を全額國庫負担と
 することに関する陳情(第七十三
 号)
○林道飯田、赤石線開設に関する請願
 (第十七号)
○主食需給計画の根本的改革に関する
 陳情(第七十四号)
○養蚕協同組合法の制定に関する陳情
 (第七十六号)
○農業会の農業技術者給與國庫補助に
 関する陳情(第七十七号)
○農業会の農業技術者給與を國庫負担
 とすることに関する陳情(第八十
 号)
○農業会の農業技術者給與國庫補助に
 関する陳情(第八十四号)
○愛知縣豊川沿岸農業水利事業経費を
 國庫負担とすることに関する陳情
 (第八十九号)
○農業会の農業技術者給與國庫補助に
 関する陳情(第九十一号)
○農業会の農業技術者給與國庫補助に
 関する陳情(第九十七号)
○農作物の「栄養週期栽培法」の普及
 実施に関する陳情(第百二号)
○農業会の農業技術者給與國庫補助に
 関する陳情(第百五号)
○農業会の農業技術者給與國庫補助に
 関する陳情(第百九号)
○蚕繭の増産に関する陳情(第百十五
 号)
○養蚕協同組合法の制定に関する陳情
 (第百十六号)
○農業会の農業技術者給與國庫補助に
 関する陳情(第百十九号)
○飼料配給公團法案(内閣送付)
○函館営林局の管轄区域変更に関する
 請願(第五十四号)
○藥用人参試驗場設置に関する請願
 (第六十六号)
○米價改訂に関する陳情(第百二十八
 号)
○民有林野制度の確立に関する陳情
 (第百三十号)
○養蚕協同組合法の制定に関する陳情
 (第百三十一号)
○農作物の「栄養週期栽培法」の普及
 実施に関する陳情(第百三十三号)
○開拓者資金融通に関する陳情(第百
 三十八号)
○米穀供出に対する報奬制度の廃止並
 びに肥料の配給に関する陳情(第百
 四十九号)
○農業会の農業技術者給與國庫補助に
 関する陳情(第百五十号)
○遅配主食の價格に関する陳情(第百
 五十二号)
○岩手縣下の三農業用水改良事業を國
 営とすることに関する請願(第八十
 八号)
○福島縣安達郡大山村内の開墾事業を
 中止することに関する請願(第九十
 五号)
○北海道てん菜糖業の保護政策確立に
 関する請願(第百二号)
○薪炭の價格に関する陳情(第百六十
 二号)
○農業会の農業技術者給與国庫補助に
 関する陳情(第百六十三号)
○食料品配給公團法に関する陳情(第
 百七十六号)
○農業会の農業技術者給與國庫補助に
 関する陳情(第百八十七号)
○農作物の「栄養週期栽培法」の普及
 実施に関する陳情(第百八十八号)
○農作物の「栄養週期栽培法」の普及
 実施に関する陳情(第百九十二号)
○市営競馬の施行に関する陳情(第二
 百二号)
○北海道開拓事業に関する陳情(第二
 百七号)
○岩手山ろく國営開発事業に関する陳
 情(第二百九号)
○農作物の「栄養週期栽培法」の普及
 実施に関する陳情(第二百十三号)
○農業会の農業技術者給與國庫補助に
 関する陳情(第二百二十号)
○未墾地の開拓事業に関する陳情(第
 二百二十二号)
○群馬縣古馬牧村外三ケ村のかん漑用
 水路に関する請願(第百二十一号)
 蒜山演習地の返還並びに開拓計画変
 更に関する請願(第百三十五号)
○食糧配給確保に関する陳情(第二百
 二十六号)
○林業振興対策に関する陳情(第二百
 二十七号)
○農業会の農業技術者給與國庫補助に
 関する陳情(第二百二十八号)
○農業会の農業技術者給與國庫補助に
 関する陳情(第二百三十一号)
○水利組合法の改正及び水利事業費國
 庫補助に関する陳情(第二百三十二
 号)
○農作物の「栄養週期栽培法」の普及
 実施に関する陳情(第二百三十五
 号)
○米麦需給計画の根本方針に関する陳
 情(第二百三十六号)
○農業保險法制定に関する陳情(第二
 百四十四号)
○農業会の農業技術者給與國庫補助に
 関する陳情(第二百四十五号)
○岩手山ろく國営開発事業に関する陳
 情(第二百四十八号)
○未利用地耕作利用臨時措置法案(内
 閣送付)
○青果物の統制撤廃に関する請願(第
 百七十六号)
○開拓対策に関する請願(第百七十七
 号)
○旧軍馬補充部十勝支部用地内山林拂
 下げに関する請願(第百八十三号)
○十勝種馬育成所用地開放に関する請
 願(第百八十五号)
○昭和二十二年度産米價格並びに供出
 に関する陳情(第二百六十二号)
○農作物の「栄養週期栽培法」の普及
 実施に関する陳情(第二百六十七
 号)
○農業会の農業技術者給與國庫補助に
 関する陳情(第二百六十八号)
○農作物の「栄養週期栽培法」の普及
 実施に関する陳情(第二百七十一
 号)
 自作農創設特別措置法及び同法附属
 法規一部を改正することに関する陳
 情(第二百八十号)
○勤労大衆の食糧危機突破対策に関す
 る陳情(第二百八十二号)
○日本競馬会に関する陳情(第二百八
 十三号)
○農村指導農場開設に関する陳情(第
 二百九十四号)
○昭和二十二年度産米價格並びに供出
 に関する陳情(第二百九十五号)
○農作物の「栄養週期栽培法」の普及
 実施に関する陳情(第二百九十九
 号)
○農業会の農業技術者給與國庫補助に
 関する陳情(第三百号)
○臨時農業生産調整法案(内閣送付)
○小阪部川貯水池改良事業を國営とす
 ることに関する請願(第二百七号)
○旭川合同用水工事促進等に関する請
 願(第二百九号)
○農地改革促進に関する請願(第二百
 十三号)
○東京都内の食糧配給に関する陳情
 (第三百七号)
○農業会の農業技術者給與國庫補助に
 関する陳情(第三百十三号)
○種卵及びひなの價格撤廃並びに養鶏
 用飼料増配に関する陳情(第二百十
 八号)
○農業会の農業技術者給與國庫補助に
 関する陳情(第三百十九号)
○農業会の農業技術者給與國庫補助に
 関する陳情(第三百二十五号)
○開拓融資金増額に関する陳情(第三
 百三十号)
○農地法による山林開墾行過是正に関
 する陳情(第三百三十二号)
○農作物の「栄養週期栽培法」の普及
 実施に関する陳情(第三百三十五
 号)
○千葉縣長生郡茂原乾繭所の設備を縣
 蚕糸業会に還元することに関する陳
 情(第三百三十七号)
○農業協同組合法案に関する陳情(第
 三百四十二号)
○三方原揚水事業に関する陳情(第三
 百四十五号)
○富士山ろく開発農業用水事業促進に
 関する陳情(第三百四十九号)
○こうじ類の一般製造に関する請願
 (第二百四十六号)
○茨城縣下北浦干拓事業促進に関する
 請願(第二百四十八号)
○茨城縣下のかん害対策助成に関する
 請願(第二百七十六号)
○大池用水幹線改良に関する請願(第
 二百九十号)
○主食配給に関する陳情(第三百六十
 号)
○農業協同組合法案に関する陳情(第
 三百七十八号)
○農地調整法並びに自作農創設特別措
 置法の改正に関する陳情(第三百八
 十号)
○奈良縣下のかん害対策に関する陳情
 (第三百八十七号)
○農業協同組合法案に関する陳情(第
 三百九十号)
○農業会の農業技術者給與國庫補助に
 関する陳情(第三百九十二号)
○農業共済保險法案中の農家負担等に
 関する陳情(第三百九十三号)
○食糧緊急対策に関する陳情(第三百
 九十九号)
○養蚕協同組合独立強化に関する陳情
 (第四百号)
○農業協同組合法案の一部を削除する
 ことに関する請願(第二百九十七
 号)
○観光都市に対する自作農創設特別措
 置法の実施延期に関する請願(第三
 百十六号)
○熱海観光地帶を農地法の適用より除
 外することに関する請願(第三百二
 十四号)
○森林治水並びに災害防止林造成事業
 拡充強化に関する請願(第三百三十
 号)
○民有林施業案編成國庫補助増額に関
 する請願(第三百三十五号)
○鹿兒島縣に國立茶業試驗場九州支場
 を設置することに関する請願(第三
 百三十六号)
○樟脳製造事業を森林組合に許可する
 ことに関する請願(第三百三十七
 号)
○農業協同組合法案に関する農情(第
 四百十七号)
○農業協同組合法案に関する陳情(第
 四百二十四号)
○邑知潟干拓計画反対に関する陳情
 (第四百二十六号)
○福岡縣三池郡高田村地先その他の干
 拓事業を國営とすることに関する陳
 情(第四百三十六号)
○農業災害補償法案(内閣送付)
○農村指導農場開設に関する陳情(第
 四百三十八号)
○主食の均てん配給に関する陳情(第
 四百四十号)
○新発田市旧町裏練兵場拂下げに関す
 る陳情(第四百四十一号)
○食料品関係の公團制反対に関する陳
 情(第四百四十九号)
○農地開発営團の解散に伴う開発事業
 の都道府縣移管その他に関する陳
 情(第四百五十号)
○民有未墾地買收計画の樹立その他に
 関する陳情(第四百五十二号)
○農業協同組合法案に関する陳情(第
 四百五十四号)
○邑知潟干拓計画反対に関する陳情
 (第四百五十五号)
○東京都の薪炭増配に関する陳情(第
 四百六十号)
○農業協同組合法案に関する陳情(第
 四百六十八号)
○元御料林拂下げに関する陳情(第四
 百七十号)
○植林用苗木無償配付に関する請願
 (第四百一号)
○適地開拓に関する請願(第四百二
 号)
○北海道農業試驗場復興助成に関する
 請願(第四百七号)
○燧灘干拓事業実現促進に関する請願
 (第四百二十号)
○ビール麦栽培奬励に関する請願(第
 四百二十五号)
○農業協同組合法の制定その他に関す
 る陳情(第四百八十二号)
○薪炭生産者價格等に関する陳情(第
 四百八十三号)
○鹿兒島縣揖宿郡内のかん害救済に関
 する陳情(第四百八十六号)
○農業保險制度の拡充強化に関する陳
 情(第四百九十一号)
○農地委員会費國庫補助増額に関する
 陳情(第四百九十九号)
○農業協同組合法案に関する陳情(第
 五百一号)
○水害林業対策に関する陳情(第五百
 十一号)
○米並びに甘藷の價格改訂に関する陳
 情(第五百二十三号)
○農業協同組合法案その他に関する陳
 情(第五百二十四号)
○競馬法の改正に関する陳情(第五百
 二十五号)
○適正米價決定に関する陳情(第五百
 二十六号)
○燧灘沿岸干拓事業実現促進に関する
 陳情(第五百二十八号)
○千葉縣下のかん害復旧助成に関する
 陳情(第五百二十九号)
○農業協同組合法案等に関する陳情
 (第五百三十四号)
○食料配給公團制反対に関する陳情
 (第五百三十八号)
○食料配給公團制反対に関する陳情
 (第五百四十一号)
○農業保險法の改正に関する陳情(第
 五百四十四号)
○自作農創設特別措置法の一部を改正
 する法律案(内閣送付)
○國有林野法の一部を改正する法律案
 (内閣送付)
○緊急食糧需給に関する特別措置法案
 (衆議院送付)
○農地調整法の一部を改正する法律案
 (内閣送付)
○林業関係水害復旧費國庫補助引上げ
 その他に関する請願(第四百五十
 号)
○農業協同組合法案の一部を削除する
 ことに関する請願(第四百五十二
 号)
○繊維産業從業者に対する加配米及び
 物資報奬配給に関する請願(第四百
 六十三号)
○山口縣玖珂郡内各町村のかんばつ防
 止対策に関する請願(第四百七十二
 号)
○山梨縣下の水害復旧費國庫補助に関
 する請願(第四百八十号)
○農地制度改革等に関する請願(第四
 百八十一号)
○食料配給公團制反対に関する陳情
 (第五百四十六号)
○食料配給公團制反対に関する陳情
 (第五百五十一号)
○あひる飼育事業の拡充強化に関する
 陳情(第五百五十四号)
○緊急開拓事業費の増額に関する陳情
 (第五百六十九号)
○水害應急対策用建築資材の配給に関
 する陳情(第五百七十号)
○大和平野東南部用水改良事業費予算
 増額に関する陳情(第五百七十一
 号)
○農地制度改革に関する陳情(第五百
 七十二号)
○奈良縣下のかん害対策に関する陳情
 (第五百七十三号)
○農業協同組合法案中に薪炭を明記す
 ることに関する陳情(第五百七十四
 号)
○埼玉縣入間郡民有林開拓反対に関す
 る請願(第四百八十八号)
○埼玉縣下水害町村の農業会助成に関
 する請願(第四百九十四号)
○和歌山縣のかん害應急対策費國庫補
 助に関する請願(第四百九十六号)
○奈良縣下のかん害應急対策費國庫補
 助に関する請願(第五百号)
○愛知縣下のかん害應急対策費國庫補
 助に関する請願(第五百一号)
○大阪府のかん害應急対策費國庫補助
 に関する請願(第五百六号)
○京都府のかん害應急対策費國庫補助
 に関する請願(第五百六号)
○淀川右岸用排水改良事業費國庫補助
 に関する請願(第五百十三号)
○愛知縣下のかん害應急対策費國庫補
 助に関する請願(第五百十四号)
○土地改良事業の継続施行に関する請
 願(第五百十五号)
○農業災害補償法施行に関する請願
 (第五百十七号)
○滋賀縣甲賀郡外一郡のかん害恒急対
 策費國庫補助に関する請願(第五百
 二十一号)
○三重縣下のかん害應急対策費國庫補
 助に関する請願(第五百二十二号)
○小倉市曾根地先干拓実現に関する請
 願(第五百二十七号)
○造林用苗は用地確保に関する請願
 (第五百三十四号)
  ―――――――――――――
昭和二十二年十一月十八日(火曜日)
   午後二時二十八分開会
  ―――――――――――――
   本日の会議に付した事件
○國有林野法の一部を改正する法律案
○農地調整法の一部を改正する法律案
○自作農創設特別措置法に一部を改正
 する法律案
  ―――――――――――――
#2
○理事(木下源吾君) それでは委員会を開きます。本日は國有林野法の一部を改正する法律案の提案理由の説明、それから自作農の質疑をその後引続いてやりたいと思いますが、御異議ございませんか。
#3
○理事(木下源吾君) それではそういうように進めたいと思います。それでは提案理由の説明をお願いいたします。
#4
○政府委員(井上良次君) それでは只今から國有林野法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申上げます。
 北海道の國有林野は、從來内務大臣の所管の下に北海道廳が管理経営して來た関係もありまして、北海道には國有林野法は施行せられておりませんので、これに相当する法令といて、北海道國有林野及び産物処分法令が施行せられておつてのでありまするが、この勅令は旧憲法上のいわゆる独立命令でありましたために、昭和二十二年法律第七十二号日本國憲法施行の際現に効力を有する命令の規定の効力等に関する法律の第一條によりまして、本年十二月三十一日限り失効となるのでありまして、北海道の國有林野に対して右の勅令に代るべき法律を必要とする次第であります。
 又北海道の國有林野は、本年四月國有林野事業特別会計法の施行と、五月の官制の改正によりまして、旧御料林と共に農林大臣の所管に移り、内地府縣所在の國有林野と同一の方針の下に運営せられることとなつたのであります。以上述べました理由によりまして國有林野法を改正して、北海道にこれを施行する必要があるのであります。
 尚本法の改正前に、北海道國有林野及び産物処分令に基いてなした國有林野に関する契約は、本法施行後においても有効であるといたしまして、既存の権利関係を保護することといたした次第であります。又國有林野法第二十六條第二項は、沖繩縣の國有林野の貸付、使用及び賣拂並びにその処分に関して必要がある場合においては、勅令を以つて特例を設けることができることを規定しておるのでありまして、改正憲法の趣旨から見ますれば、これらは当然法律を以て定める事項でありますので、この條項を削除いたすわけであります。以上の理由によりましてこの法案を提出した次第であります。
 何卒愼重御審議の上可決せられんことをお願いする次第であります。尚詳細は後程林政部長から詳細に御説明申上げるつもりであります。
#5
○理事(木下源吾君) それではこの法律案についてこの機会に御質問を願いたいと思います。木檜さん何かおありになるようなお話でしたか……。
#6
○木檜三四郎君 いや、ございません。
#7
○理事(木下源吾君) なければ、ではもつと詳細な説明を政府委員にお願いしますか。いかがでございますか。
#8
○理事(木下源吾君) それでは詳細な説明をお願いします。
#9
○政府委員(安孫子藤吉君) 只今の提案理由以外に格別詳しく御説明申上げる点もございませんのでありますが、一番関心が持たれると存じまするのはこれによつて北海道の國有林野について從來の取扱いといかなる差異が生ずるかという点が、一番関心を持たれる点じやないかと思うのであります。その点につきまして多少敷衍して申上げて見たいと思います。現に北海道に施行されておりまする北海道國有林野及産物処分令は、北海道におきまする國有林野の賣拂、讓與、交換、貸付及び使用並びに林野産物の賣拂及び讓與に関する根拠法規でありまして、主としてこれらの処分について農林大臣が行い得る契約の範囲を規定しておるのであります。このことは言いかえますると、この勅令が國有林野管理の一般的な根拠法規でありまする國有林野法と全く同じ性質のものでありまするのを規定の対象といたしておるのでありまして、形式的には勅令でありまするが、國有林野法の北海道における特例をなしておるということを示唆する事実からいたしまして、両法令を具体的に比較檢討いたして見ますると、それぞれ相対應する規定があり、その内容も大体類似しておりまするので、この改正をいたしましても、北海道の國有林野に関しましては、從來の取扱と大した差異は生じないということが一應言えるのであります。
林野の賣拂或いは讓與、交換、貸付、使用、こういうような点については殆ど問題はございませんが、こういう点が一番問題があるかと思います。國有林野の保護及び更新上必要と認める場合におきましては、制限を付して地元人民にその産物を採取させることができるということが、北海道國有林野及産物処分令にございます。この保護並びに更新上必要である場合には、その産物の採取を地元にやらせるというのでありますが、この点が國有林野法につきましてはさような形になつておりませんので、國有林野であつて、保護上必要な場合におきましては、市町村又は市町村内の一部にその保護を委託することができるというような程度になつておりまするので、多少その点の制限はきつくなるのではなかろうか。かように存じます。併し実質上におきまして格別支障がなかろうかと存じます。運用の如何による問題であると思つております。その他の点につきましては、格別利用上或いは処分上支障を來すようなことがございませんので、殆ど問題はなかろうかと、かように存じておる次第でございます。
#10
○理事(木下源吾君) 御質問がありましたら……。
#11
○山崎恒君 改正法案については別に質問もないのでありますが、念のために北海道の國有林並びに旧御料林の面積、その他推定木材の石数等お分りでしたら、念のためにお聞きしたいと思います。
#12
○政府委員(安孫子藤吉君) 農林省に移管されましたこの四、五月当時の北海道におきまする國有林野の面積を所有者別に申上げて見ます。北海道廳が管理いたしておりました國有林が二百二十九万八千町歩、旧御料林が八十七万八千町歩、尚その外、大学の演習林が十万五千町歩、北海道地方費林が六十四万七千町歩、市町村有林が十二万四千町歩、私有林が百九万八千町歩、尚國有林、御料林、演習林の外に多数雜種財産その他の管有林がございます。この官有林が八万三千町歩、合計いたしまして五百二十三万三千町歩になります。
#13
○山崎恒君 推定木材の石数を…。
#14
○政府委員(安孫子藤吉君) 大体の蓄積の想定をあとで調査いたしまして、書面で御報告申上げます。
#15
○理事(木下源吾君) その他御質問はありませんか。
#16
○河井彌八君 このたび御料林が國有に編入せられたのでありますが、只今政府委員の説明によりますと、從來のつまり國有林野法が行われていなかつた。併し從來の取扱いは大体において改めないということであります。元の道廳で管轄しておつた國有林と、それから元帝室林野局で管轄しておつた、そうして今度新たに入つた國有林と、大分施業の方法等について非常に相違がある。かように私は考えておるのであります。これらの施業の実施等につきましては、政府はどういうふうな方針を以て、これから北海道の國有林を経営せられるか。それを伺いたいと思う。
#17
○政府委員(安孫子藤吉君) 只今御指摘の通りに、從來の御料林の経営方法と、内地國有林の経営方針と、北海道が管理しておりました國有林の経営施業方法とはいろいろな点において異なつております。それぞれ長所を持ち、又短所を持つとおるのでありまして、この点はできるだけ早い機会に統一した方針を確立いたしまして統一方針の下に渾然融合して経営をなして参りたい。かように考えまして只今この三つの行き方について部内におきまして愼重な檢討を加えておる最中でございます。いずれ近い内に結論が出るかと思いますので、その結論に基いて一貫した方針で三つの種類のものを経営して参りたい。かように存じております。
#18
○河井彌八君 政府委員の御説明一應了承いたしますが、併し私が承知しておりますところでは、道廳或いは内務省で経営しておつた國有林と、御料林として経営された國有林とは、経営上非常に実質的な違いがある。はつきり違つておると思うのであります。そこで道廳でやつた経営の方法は随分ひどく山を荒らしております。事実において北海道には、國土計画の上からいつても或いは農業の関係からいつても將來非常に厄介な問題が起ると思う。宜しきを制して、比較して一番良い方法を採ろうというお考のようでありますが、具体的に実際これならばよいという方法、むしろ私は御料林のごとき経営方法を採つて、北海道の山の荒れないように施業等を実施して頂きたい。こういうふうに考えるのでありますが、いかがでしよう。
#19
○政府委員(安孫子藤吉君) 只今私が三者比較檢討の上と申しましたが、実際におきましては、内地國有林と御料林との経営方法の比較檢討が主になるかと思います。北海道廳の経営方法につきましては、いろいろの問題も承知いたしておりまするので、將來山を荒らすというような点についての考慮は十分睨み合せまして、主として御料林並びに從來の内地國有林の関係においての長所を組合せまして、方針を確立したい。かように考えておる次第でございます。
#20
○岡村文四郎君 案そのものが一應見ると非常に簡單で、当然こうあるべきなんで、改正になつたと思いますが、この内容につきましては、北海道は特殊の土地のためか、道廳が管理しているためか、いろいろ内容が違つておりまして、今河井さんからもお話がありましたが、例えば官行百五十五号を今後継続しておやりになることと思いますが、これは我々一般國民から見ますると、非常に濫伐というよりも、むしろ非常にやり方が粗末で、政府の事業である、官営の事業であるというので、ああなつているのかも知れませんが、我々が山の跡地を見ますると、この大事な資源の実に乏しい時期に、ああゆう方法では、とても日本の山はなんぼあつても足らんことは当然なりというような濫伐の仕方をやつております。伐るのではなくて伐つた後の処分の方法なのでありますが、若しああいう事業を政府で今後おやりになるというおつもりならば、十分檢討されて、御料林と一般の國有林との経営の方法が違つていたということでありますが、その通りなのでありまして、御料林の方では丁寧に、非常に良く扱われているのでありますが、一般の國有林の方は誠に粗末で、伐ることは伐つても、伐つた木の取り方が乱雜であります。ああいうものは自分の物ならああいうことは絶対にないと思いますが、あれが政府の事業でありますためか、実に跡地を見ると誠に粗末でありまして、今後御料林を扱つた場合には、ああいうことが絶対にないように、乏しい資源は一層注意されて、必要な材料になる部分はどこまでも取つて行くというような御計画を立てますことを御希望申上げますと同時に、今度調査願つて、御檢討下さることをお願い申上げて置きます。
#21
○政府委員(安孫子藤吉君) 御趣旨御尤でございまして、林政統一の趣旨も亦この観点から從來もいろいろ主張されて参りましたので、それが実現したのでありますから、この趣旨に副うて万全の努力をいたしたい。かように存じます。
#22
○河井彌八君 只今岡村さんが私の伺いたい点をお述べ下さつて、非常に好都合であつたのでありますが、私も岡村さんと同一の考を持つております。
 それからもう一つ私は附加えて申上げて置きたいのは、北海道における開拓の状況であります。これらの実情を私は実地に行つて調べることができませんが、自分が調査しておるところでは、随分無理に、この林野に喰い入りまして、ひどい開拓の方法をやつておるということが報告されておるのであります。殊に森林として、つまり耕地として十分にこれは経営する見込のないところを森林として経営せざるを得ず。そうして森林になつているような所も随分各地において大面積に亙つて切り拓いて耕地とせんとするようなことが実際に現われておるのでありますが、そういうようなこともこの北海道における森林を本当に経営する見地から、非常に重要な関係を持つのでありますから、農業関係の、極く極端に言えばできるだけ早く人の森林を取つてしまつて、そうして開墾をしよう。その土地にある山林にある林木も切つてしまうとかいうような妙な考えが働かないとも限らない。そういうような実情などに制せられることなしに、北海道の山を、國有林を中心として本当によく護つて立派なものに育て上げるというような御方針をはつきりと確立して行つていただきたいと思うのであります。これは直接に北海道の林野をどうするというわけではありませんけれども、併しこれが立たないというと、北海道の林野というものは荒れ放題に荒らされてしまつて、結局災害の原因になるとか又食糧増産なんかということもできないということになる虞れがあると思いますから、その点を十分に注意してやつて頂きたいということを申し上げて置きます。それについて政府の御所見を伺いたいと思います。
#23
○政府委員(安孫子藤吉君) 開拓の問題につきましては、單り北海道のみではありませんが、殊に北海道におきましては重要な問題であります。いろいろ開拓が始まりましてからも、北海道において実行いたされましたが、円滑に又有効に進行いたしていないことを承知しております。又これがいろいろな國土保安上の観点から支障を及ぼしておる点も承知いたしております。只今の御趣旨によりまして、林野の立場からも……單り林野の立場からではなく、國土保全の立場から強く私共主張いたしまして、北海道の開墾土適地につきまして十分な檢討を加えまして、合理的にやつて参りたい、かようなことで開拓局ともいろいろ折衡しておる次第でありますので、御了承願いたいと思います。
#24
○理事(木下源吾君) 他に御質問ございませんか。御質問ございませんければ、この案は予備審査でありますが、先程説明にもあつたように、從來内務大臣の所管であつたものが、農林大臣の所管に変るというだけで、極めて簡單のように考えますので、予備審査をこの程度で打ち切つて御異議ありませんですか。
#25
○理事(木下源吾君) それではそういうことにいたします。速記を止めて…
#26
○理事(木下源吾君) それでは速記を始めて……。自作農創設特別措置法の一部改正法律案の予備審査をこれから質疑をお願いいたします。尚自作農創設と、今予備審査に廻つておる農地調整法の一部改正法律案とは関連がありますので、一括してやりますので、その点を一つ御了承を願います。
#27
○北村一男君 今他の地方は存じませんが、新潟縣のこの山の地滯におきましては、どうもこの山林の開放、これは開墾の意味もございまするが、今度この農地調整法の一部改正案が新聞に提案されるということが傳わりましてから、或る團体からもう既に開放を迫つておりまして、これは只今申したように單にこの法案が実施されることを予想しておるのみならず、開墾の問題もありまするが、地主と、この開放を要求する側に非常に対立摩擦を起しておるような実情が少くございません。この法案が通りましたら、一段かような傾向が助長されると思うのでありまするが、これに対して農林省としては誤解のないようにいろいろ手を盡されることと存じまするが、こういう摩擦が起きておるということを御承知になつておるかどうか、それに対して又差当りどんなふうに手を打たれて行くお考えであるか。先ずそれを承つて見たいと思います。
#28
○政府委員(山添利作君) 山林開放という問題につきましては、現在行なつております農地改革が昨年決まりましたときに、農民組合等の要求といたしましては、一町歩の保有地をなくする。それから山林原野に対する開放、このことが要求をされ、又やかましく論議をされたのであります。その後安定本部等におきまして、石炭増産のための坑木、これを伐採するというようなことを考えられたときにも、やはりなんらかそこに山林が特別の措地を受けるのじやないか。結局山林開放というような誤解を起し、そういうようなことで、断えず山林開放ということが世間の噂になつておるのでありまして私共聞いておりますところによりますと、中には山林が今に開放になるのだから、今の中に賣つておいたらいいだろうとかなんとか、いろいろなことを言う人があるらしいのであります。その都度政府はこれを否定しておるのであります。これはこの法律を出します事柄と、この法律の中に含まれておりまするところの山林に関する利用権の保護並びに設定という事柄は、いわゆる山林開放とは全然関係のないことでありまして、ただこういうことは言えると思うのであります。そのようにいわゆる第三次農地改革の名を以て呼ばれますところの山林開放の問題、これをよく考えて見ますると、成る程國土資源を最もよく使うことは必要なことでありまするが、さて農地と同じように所有権の移轉をする。或いは分割するというような形における改革というものは、これは山林に適用すべからざるものであり、山林の面から申しますれば、國土の保安、森林資源の涵養、この事柄をいたしますためには、相当の面積を計画的に施業をして行く。そのティピカルなものは先程もお話されとおりましたが、結局國有林等の大きな経営でありまするし、そういうことが望めないにいたしましても、小所有者の持つております山林を森林組合等の形で協同施業をして行く。協同施業はできないにいたしましても、一定の施業計画に基いて施業をして行くという形、いずれにいたしましても、これはもう申すまでもありませんが、森林は補足的な経営をしなければならない。年々幾らか伐採をして、幾らか殖えて行く。そういう補足的な経営をしなければならない。そのためには大きな面積が要るということでありまして從つて農地もそうでありまするが、山林も非常に分割され過ぎておるのじやないか。それに対する考え方といたしましては、そういうような森林自体の要求から考えるべきものと思うのでありまして、ただ問題はそういうことでなくて、農業経営と密接不可分の関係にあるもの、即ちこの農地調整法の中に今回取入れました落葉を取るとか、或いは枯枝を取るとか、或いは炭鉱がありますところに限りましては原木を採取する。そういう自家用燃料の問題又家畜の飼料とするための草を採る問題、或いはは推肥原料にするための落葉なり、下草なりを取る問題、かような山林を山林としてでなく、農業経営と密接不可分な資源の供給地としての問題、これは当然農地乃至は農業経営との関聯において一体的に考えていかなければいけない。こういう事実に基きまして、農地調整法に、今回の山林をそういう農業上の利用という問題を取り上げたのでありまして、從つて私はこういう山林に関する農業上の要求というものは、この農地調整法に書きましたように、山林自体の経営ということは全然別個に、山林自体の経営は飽くまでもその方向において造林をされ、補足的な経営もできるようにやつて行く。そうして農業上との関係において、今申しましたような落葉、下葉、或いは又枯枝、又炭鉱のありますところでは薪炭原木、こういう利用権の保護、若しくは設定という形で処理をすべきものである。こういう考え方に基いておるのでありまして、從つて御質問の趣旨から申せば、いわゆる山林原野の開放という問題は、むしろ問題がはつきりして來るのではないか。こういうふうに考えておるのであります。
#29
○北村一男君 只今農政局長の御説明によりますると、先ず山林関係におきましては自家用の燃料関係のところに線を引いて、それ以上に今のところ進む意向が政府にはない。かように解釈して宜しいわけでございましようか。
#30
○政府委員(山添利作君) それは農地改革というような思想からいたしましては、その通り明確であります。問題はむしろ造林を促進しなければならんというような面において、これは國が強力な施策をしなければならん。こういうことであると思うのであります。
#31
○北村一男君 後段の御説明でありまするが、これから造林をする必要があつて、個人の力ではなかなかそこまで至らんという場合においては、國家として或る施策をやられるという場合があるという意味に取つて宜しいのでございましようか。
#32
○政府委員(山添利作君) そういうことが必要になつて來るのだろうと思つております。
#33
○岡村文四郎君 今度の法案の改正で、牧野を開放しようという説明があつたようでありますが、これは大いに考えられることで、牧野の中にも農耕地になるところが確かにあることであつて、それは決して否定するものではないのでありますが、正確な数字は掴み得ないというようでありますから、正確とは考えておりませんが、例えば北海道に十万町歩の土地を予定しておる。こういうように書いてありますが、これは主として現在北海道の牧野と称しておるもので、農耕地になりはしないかという場所に見られるのは主として根室、釧路、即ち根釧原野に非常に多い面積があると思うのであります。この根釧原野を農地にせられます時分には、先般お聽きしますと、北海道應でその選定をすることになつておるようでありますが、非常に重要なことでありますので、実は北海道そのものが農地の計画を立てて、佐上長官時代に大失敗をいたしておるのであります。これは北海道におつて北海道の人間が計画を立てて、その移民を入れて失敗をしたのでありますから、とても想像もつかんことでありますが、それは入地さして見て、初めて結果が出たことで、これもあながちそれがいけなかつたということを言つてもいかんのでありますが、今度あの地方の土地を農耕地に適するという考で指示されていると思いますが、これには農業ばかりでなくて、牧畜を入れた農業でなければ絶対に根釧原野の農業は成り立たんということが現実に現れておりますために、計画を立てます時分にその面を十分にお考えになつておやりにならんと、又入れたその農家は、非常な迷惑をする。それで根釧原野は一時佐上長官が非常な努力であそこに多数の移民を入れましたが、殆ど三分の二はそこから逃げて、後へ残つた三分の一が残つた面積を纒めてとつて、そうして牧畜を兼ねてやつておりますために、最近は非常に経営が樂になつております。それは馬、牛が非常に高いのと、牛乳が非常によく賣れるので、そのために根釧原野の農家は、今では昔の苦労を忘れた形になつておりますが、それには相当の面積も要しております。それで共同放牧地も設けられることと思いますが、何れにしましても農業と畜産と相容れた農業でなければ、絶対成り立たんことがはつきりいたしておりますから、政府はそこでそのお考があるとは存じます。ところが調査に行かれた方のお考は、北緯何度であるから、外國でとれているから、物がとれるというお考をしているのでありますが、これは所によつて氣候が変るということは、度数、温度が変るにしましても非常な違いがありまして、そのことを逸して農業畜産をやることは非常な間違いでありまして、例えば内地の千五百、千六百海拔あるような所でも物がとれますが、北海道では千二百以上の海拔では絶対に物がとれぬのであります。同じ國内でも海拔の差がそれ程あるのでありまして、外國の北緯の度数で以て入地さしても、これは到底成立たぬことでありますから、その点を十分考慮に入れておやりになりませんと、飛んだことが起ると存じますが、政府はその点でどうお考えになつておりますか。承ります。
#34
○政府委員(山添利作君) 牧野を開放しまして、その後入れますところの入植者が、これは畜産を主とした経営を考えておるわけであります。勿論馬鈴薯ぐらい作れるというわけでありまするけれども、併し普通の農耕を主としたことは考えておりません。
#35
○岡村文四郎君 牧野を開放する時分に、今局長の御説明を聽くというと、農業ばかりで行くことは考えておらん。家畜を加味したものを考えるというお話でございますが、これは耕作地の買收とは違いましようから、入れる方をどうお考えになつておるか、お聽きせぬと分りませんが、政府が土地の買收をして開墾をする。それから農家を入れよう。こういうお考えであるかどうか分りませんが、新しく人を入れても、すぐに畜産を加味した百姓なんかできつこないのでありますが、その点どうお考えになつておりますか。
#36
○政府委員(山添利作君) これは相当廣い牧野もございまするし、牧野と一口にいいましても、いわゆる開墾に適する地区と、然らざるところをあるわけです。開墾に適しないところは、結局そのまま共同放牧の形において共同利用をして行く。もとより所有権は、大きなものにつきましては國が留保しておることになりましようが、小さいものは、地元の市町村等に譲り渡すということになつております。そうして開墾のできますところは、これをそれぞれの十町とか二十町とかいうような区劃に分けまして、そうして幹線道路というようなものは國で施設する。而して開墾そのものは入植者にやつて貰うということを考えておるわけでありまして、この開墾といいましても、もとよりこの意味における藷を作つたり、或いは馬に食わす大根を作つたりする農地もありましようし、そうでなくて、同じ牧場として使つておるにしても、牧草の栽培せられる形式が、耕作地式なものになる。こういう牧草栽培的なところに段々向けて行きたい。こういう考えでありまして、要するところ、今の牧野を集約的に使いたい。で、開墾のできるようなところは、今の我々が普通頭に考えておる一部は耕地になり、一部は非常に改造された牧野になると、そこに共同放牧地等として使いまする部分は、これも現在よりは相当集約度を進めて行きたい。こういう考えなのであります。
#37
○北村一男君 私は先刻ちよつとお尋ね申上げたのですけれども、この私の一番憂うる点は、自家用薪炭の燃料を採取する薪炭林の使用権設利の場合にいろいろ問題が起ることを厭うたのでございます。それはどういう場合かと申しますると、第一に過大な面積を持つておる者、これは問題はないと思いますけれど、過大……何を以て過大と申しますか、その一つ……。地方々々によつて必要とする農家の経済をやつて行く面積というものが違つてくるのではないかと思うのであります。それからそういう場合に、或る線を引いた以上持つておるからこれを開放せよということは、実情に即して、無理の点のあることがあるのではないかと思うのであります。それからもう一つは、自家用の燃料を採取するに、便不便という点が、なかなかこれは実際問題として大きな問題でありまして、不便なところは誰しも使用権の設定などを希望しない。便利なところを目がけて使用権を設定するように要求が起きるのではないか。こういう問題を繞つてやはり農地委員会において裁定なり、承認する場合において、同じ部落内において相当の対立なり不平が起きて、農村の平和を乱すようなことがあるのではないかということを心配するのでありますが、この点については、どんな処置をお執りになるか。伺いたいと思います。
#38
○政府委員(山添利作君) この山林の使用権の問題につきましては、典型的な例を挙げますと、岩手縣の名子という所、或いは中國筋にもございますがそういう地方におきましては、これは昔、開墾をした時の名残と言われておるのでありますが、農地と同時に山も一括して小作人に貸されて、そうして相当面積の山林を借りておつて、年々一定量で山を伐つて行く。そういう慣行があるわけであります。これは典型的に強い意味におけるそれでありますが、單に枯枝を取つたり、山の下草を取つたり、或いは採草地の草を年々採る権利を持つておるというような例は全國各地に廣くあるのであります。併しその内容は地方々々いろいろ態様も異つておろうと考えております。これらのものを一括しまして、現在あるところの権利を保護する。即ち農地と同じように、無暗に正当の理由がないのに契約を解除するというようなことがないようにしたいというのが一点、それから農地改革に伴つて、今度は山の方で土地を所有しておる人の方が、謂わば攻勢に出ると申しますか、それとの関連において、むしろ農地改革そのものも進まないというような事態もあり得るわけでありまして、そういうような意味合から、この権利を保護をいたしますと同時に、從來そういうような関係から持つておりました使用権を取り上げられた者については、これを新らしき権利の設定という意味で回復をする。それから御承知のように、未墾地開墾をいたしますと、從來その山野から燃料なり、又は草なり取つておりました人達が、その資源を失うことになる。そこでそれに代えるところの土地を提供する。固よりその場合には山の奥になる。この点はいたし方がありませんけれども、代地においてそういう必要なるものを採取するところの利便を認めよう。こういう点、それから又現在非常に廣範囲に亘つて比較的少数の人々がいま申しますような使用権を持つておる場合に、他の農家にもその仲間入りをさせる。即ち配分調整をする。こういうようなことを考えておるのであります。大体山林原野に関する利用ということは廣く行われており、廣く又……その何と言いますか、そういうことが慣行的に成立をいたしておるのであります。それらの今申しましたようないろいろな事例の場合を調整をして行きたい。同時に又新しく草を採るとか或いは燃料を取るとかという問題が起りますれば、これを山林経営等を害さない範囲において認めて行きたい。こういう趣旨であります。そのことのために、成る程地元におきましては農民側の要求、又農民の仲間の同志の要求、それぞれ違う場合に紛爭と申しますか、左様なことが起きるという場合も十分考え得るのでありまして、この利用権の設定に当りましては、山林関係それから畜産関係、又開拓関係、それから地元の市町村、それから当事者、こういう人達の意見を聽いて物事を決めて行く。こういうやり方をいたして行きたいと考えておるのでありますが、具体的にそれではどういうものをどういう順序でやるかというようなことにつきましては、これはなかなか抽象的にそういう基準を立てることも参りません。又どういう程度の面積について利用権を認めたらいいかというようなことも、その利用の態様、又地方的な慣行、それぞれ違うのであります。一概に申すこともできないのであります。併し大体としてはもうそういう慣行が廣くあり、その辺の実情を斟酌して適当に運用をして行く、ということに考えているのであります。
#39
○門田定藏君 改めて御質問したいと思いますが、農家の自家用薪炭につきまして、当局は農家一戸当りどの程度の自家用薪炭をお組みになつておりますか。尚全國的に自家用薪炭としてこれを適用する場合は、薪炭の数量がどのくらいの額になるか。御考慮になつておられますか。この点について御説明が願いたいと思います。
#40
○政府委員(山添利作君) そういう資料を手許に持つておりませんので、必要があれば後にお答えをいたしたいと思いますが、考え方といたしまして、農家に現状以上に多くの薪炭を供給しようという考えは持つていないのでありまして、何人もいわゆる燃料の不足に困つている。從つて今まで枯枝であるとか、根株を堀つたりして、相当やつておるのが実状だろうと思いますがやはりそういう形でやつて行くのでありまして、立派な原木を農家に優先して供給するという考え方ではございません。特にこの原木を採取するという意味の利用権の設定につきましては、法令の上で嚴格に制限をいたしておるのであります。第十四條の五というところに書いてありますが、その第一項の但書に、この第一項は次の場合でなければ立木の原木の採取を目的とする使用権の設定はやらない。これは從來あつた権利が取消された。それを回復するという場合と、それから慣行上、原木を採取する権利を今持つている。こういう者に限つてやるのでありまして、但し政令を以て定むる場合において都道府縣の認可を受けたときはこの限りにあらずとありますのは、これは先程申しました末墾地の開拓、その場合は換地を與える。こういうような場合に、元々原木まで採る内容であれば、そういうことを考慮しなければならない。こういう非常に制限的に考えているのであります。從つてこの山林の農業上の利用、乃至農家の利用というものは、通常考えられるところの訳でありまして、普通の原木はこれは賣買でやつたら宜い。これは一時的な賣買とか一時的利用というのでなく、農業経営に密接不可分に当然続いて行くところの一種の入会というような色彩が強いのでありますが、ことの性質としてそういうような場合を考えているのでありまして、又農地調整法としてそういう考をするのが当然である。こういうわけであります。
#41
○河井彌八君 山林関係で一つ伺いたいのでありますが、林業経営に必要な苗圃でありますが、苗圃というものは農地としてのお取扱いであるか。森林の経営の附属として、むしろ林業用地としての取扱いであるか。言い換えれば農地調整法の目的、即ち範囲内に入るのかどうか。そういうような点についてお伺いしたいと思います。
#42
○政府委員(山添利作君) 苗圃は農地調整法の農地であり、又自作農創設特別措置法のいう農地であります。併しこの造林の大切な時に苗圃について特別の考慮を要することは又当然であります。その扱い振りにつきましては、種苗の供給に遺憾なからしむるようにしたいという趣旨を以て、いろいろ関係方面と相談いたしております。
#43
○河井彌八君 例えばここに三町歩の苗圃がある。御承知の通り苗圃の種苗事業と申しますと、詰り苗を育てる仕事と申しますと、非常に集約的な仕事でありまして、農業と言いますか、園藝とも言うべき非常に骨の折れるもので、それで、併しながら三町歩なら三町歩というものを全部苗圃として使うのではありませんで、休閑地として、例えば三分の一なら三分の一というものを残すというようなこともあります。それらの休閑地は一時は休閑にさせておきまして、併しその間に蔬菜を作るとか何とかいうこともありましよう。そういう場合にこれは林業用の必要な土地として認められないと、これが自作農創設の目的ということになりますと、林業の経営ということはできない。こういうことになるのであります。局長の今の御説明はそういう場合は矢張り林業のため存するところの苗圃である。その性質を認める。こういう御趣意に解したのでありますが、それで宜いのでありますか。
#44
○政府委員(山添利作君) 現に苗圃に使つておりますものも、これは自作農創設特別措置法から言いますと、これは農地に入るのであります。農地の対象としつつ苗木の供給に支障のないような取扱いをしたいということで、これは農地改革の要求もありますし、又森林の要求もありますので、そこを睨み合して今相談いたしておるわけであります。
#45
○理事(木下源吾君) どうですか。今日はこの程度に止めて、次回に又続行いたすことに御異議ありませんか。
#46
○理事(木下源吾君) 御異議なければそういうふうにいたします。次回は二十一日の午後一時ということに予定をいたしておりますから、左様御了承を願います。本日はこれを以て散会いたします。
   午後三時四十九分散会
 出席者は左の通り。
   理事
           木下 源吾君
   委員
           太田 敏兄君
           門田 定藏君
           北村 一男君
           柴田 政次君
           岩木 哲夫君
           木檜三四郎君
           石川 準吉君
           岡村文四郎君
           河井 彌八君
           島村 軍次君
           寺尾  博君
           藤野 繁雄君
           山崎  恒君
           廣瀬與兵衞君
  政府委員
   農林政務次官  井上 良次君
   農林事務官
   (農政局長)  山添 利作君
   農林事務官
   (開拓局長)  伊藤  佐君
   農林事務官
   (林野局林政部
   長)      安孫子藤吉君
ソース: 国立国会図書館
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