くにさくロゴ
1974/11/22 第73回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第073回国会 公害対策並びに環境保全特別委員会 第5号
姉妹サイト
 
1974/11/22 第73回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第073回国会 公害対策並びに環境保全特別委員会 第5号

#1
第073回国会 公害対策並びに環境保全特別委員会 第5号
昭和四十九年十一月二十二日(金曜日)
    午前十時三十五分開議
 出席委員
   委員長 角屋堅次郎君
   理事 坂本三十次君 理事 登坂重次郎君
   理事 林  義郎君 理事 藤本 孝雄君
   理事 土井たか子君 理事 木下 元二君
      吉川 久衛君    田中  覚君
      八田 貞義君    岩垂寿喜男君
      小林 信一君    米原  昶君
      岡本 富夫君    折小野良一君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (環境庁長官) 毛利 松平君
 委員外の出席者
        環境政務次官  橋本 繁蔵君
        環境庁長官官房
        長       信澤  清君
        環境庁企画調整
        局長      城戸 謙次君
        環境庁企画調整
        局環境保健部長 橋本 道夫君
        環境庁自然保護
        局長      柳瀬 孝吉君
        環境庁大気保全
        局長      春日  斉君
        文化庁文化財保
        護部記念物課長 澤田 道也君
        林野庁長官   松形 祐堯君
        水産庁漁政部協
        同組合課長   剱持 浩裕君
        通商産業省機械
        情報産業局次長 森山 信吾君
        工業技術院総務
        部総括研究開発
        官       佐藤 真住君
        資源エネルギー
        庁石油部長   左近友三郎君
        運輸省自動車局
        整備部長    田付 健次君
        建設省道路局有
        料道路課長   下川 浩資君
        特別委員会調査
        室長      綿貫 敏行君
    ―――――――――――――
委員の異動
十一月十五日
 辞任         補欠選任
  羽田野忠文君     住  栄作君
  渡部 恒三君     藤本 孝雄君
同月二十二日
 辞任         補欠選任
  八田 貞義君     吉川 久衛君
同日
 辞任         補欠選任
  吉川 久衛君     八田 貞義君
同日
 理事渡部恒三君同月十五日委員辞任につき、そ
 の補欠として藤本孝雄君が理事に当選した。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 理事の補欠選任
 公害対策並びに環境保全に関する件(大気汚染
 対策及び自然環境保全対策等)
     ――――◇―――――
#2
○角屋委員長 これより会議を開きます。
 この際、橋本環境政務次官から発言を求められております。これを許します。橋本環境政務次官。
#3
○橋本(繁)説明員 このたび環境政務次官に就任をいたしました橋本繁蔵でございます。
 環境保全の問題につきましては、国民の健康と生命を守る重大な課題でございますので、きわめて微力ではございますが、全身全力を投じてつとめさしていただきたいと存じております。
 何とぞ、この上とも御指導とご鞭撻を賜わりまするように心からお願いを申し上げまして、ごあいさつといたします。(拍手)
     ――――◇―――――
#4
○角屋委員長 理事補欠選任の件についておはかりいたします。
 理事渡部恒三君が去る十五日委員を辞任され、理事が一名欠員となっております。この際、その補欠選任を行ないたいと存じますが、先例により委員長において指名するに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○角屋委員長 御異議なしと認め、よって、さよう決しました。
 それでは、藤本孝雄君を理事に指名いたします。
     ――――◇―――――
#6
○角屋委員長 公害対策並び二環境保全に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。林義郎君。
#7
○林(義)委員 私は、十月二十三日の当委員会で、五十一年自動車排出ガス規制問題について質問いたしました。それに引き続きまして、五十一年度の自動車排出ガス規制問題につきまして質問を行ないます。
 先般の質問の中で私が指摘しましたのは、排出ガス規制を行なって〇・二五グラム・パー・キロメートルという目的を達成するために各社ともいろいろ技術的な開発をしておられる。この技術の中で触媒を使うという技術が一つありますが、この触媒の技術については問題がありまして、熱が九百度も出る。町のまん中で九百度も出るようなものを走らせるのはどうか、こういうふうなことで御質問をしたわけであります。そのときには、御当局のほうからの御答弁は、それはそのとおりであって、その辺についても十分考えている、こういうふうなお話でありましたが、これは運輸省の問題だろう、こう思うのです。
 これを規制いたしますのは道路交通法か道路運送車両法、この二つの法律でやる、こういうことになっておる。道路交通法では、交通公害のあるときには車両の交通規制ができるということがありますし、道路運送車両法によりますと、道路運送車両に関し、安全性の確保及び整備についての技術の向上をはかり、ということを目的にしておられますから、安全性の観点からこれは検討されなければならない問題だろうと思うのであります。
 まず、現在どの程度の安全性を考えておられるのかということにつきまして御説明を簡単にしていただきたい、こう思います。
#8
○田付説明員 実は五十年対策以降、触媒を使いまして公害防止をするという種類の自動車が出てまいりますので、それにつきまして私どもとしての観点から安全対策をとりつつございます。
 五十年の車につきましては、すでに一部車が出だしておりますが、急ぎますので、これにつきまして現在道路運送車両の保安基準という運輸省令の中に構造上の要件を定めて、これについて万全を期してまいりたい、こういうふうに考えておりますが、要点を簡単に申し上げますと、第一点は、触媒は中で熱反応をさせて有害ガスを除去するという仕組みになっておりますので、熱のために他の装置にいろいろの危害を与えるということでは困りますので、遮熱板を設けるということなどさせまして、他の装置の機能をそこなわないという要件がまず必要であるという点をきめましたし、第二点は、そのような異常な温度になります場合には警報装置を作動させるということで注意を促すという意味から警報装置の備えつけを義務づけることにいたしております。
 なお、これらの点につきましては、新車の完了後型式ごとに審査をするという段階でチェックをしてまいるつもりでおります。
#9
○林(義)委員 他の装置の機能を害しないこと、それから熱が出た場合には警報装置をつけるということでありますが、道路運送車両法の第四十一条の自動車の装置のところに書いてありますのは、「燃料装置及び電気装置」というのが六号にあります。それから「ばい煙、悪臭のあるガス、有毒なガス等の発散防止装置」というのが十二号に書いてございます。
 それで、これらの問題に、私はこの法律をすらりと読みますと、一つ一つの車両ごとにどうするか、こういう問題で書いてあるのだろうと思うのであります。道路運送車両法におきましては「道路運送車両に関し」、こういうふうなことばが初めに入っております。したがいまして、簡単にいえば自動車の一台一台につきまして安全装置を考える、また整備についての技術的な問題を考える、一台一台の静態的な自動車についての問題を考えておられるのが私はこの法律の基本的な考え方であろうと思いますし、それ以上にはない、こう思うのであります。
 ところが、自動車というものは、単にとまっているだけでは自動車ではないのでありまして、必ず動いて使われるものであります。動かなければ自動車としての価値はない。東京のように非常に混雑したところの道路の上において走る場合におきまして、非常に混雑したときに、一台の車が九百度も熱のあるようなものを中にかかえております。その次に並んでおる自動車も九百度をかかえておる。その次のものもかかえておる。こういうことでありますから、もしも一台におきまして何らかの事故があったならば、それがその次の車、またその次の車に事故がつながっていくというおそれは、私は当然に考えなければならない問題だろうと思うのであります。
 そういった走行の関係におけるところの問題というのは、この道路運送車両法の中でどの程度まで読み込めるものか。本来自動車というものは目的として走るということをやっておりますから、その辺の基準というものをどういうふうに考えておられるのか。単に一つ一つのものを考えるということでなくて、むしろたくさん集合して自動車が走る場合におけるところの事故防止というものをやはり考えていかなければならない問題だろうと思うのであります。
 一体、それではその事故がどのくらいの程度で起きるかという確率の問題に帰着するのだろうと私は思いますけれども、この辺につきましてはどういうふうに考えておられるのか、御説明をいただきたいと思います。簡単にひとつお願いしたいと思うのです。
#10
○田付説明員 要するに走行中の自動車がグループとしてとらえられた場合の熱の発生量の問題だと思いますが、対策としては二つアプローチのしかたがあると思います。やはり個別に熱がなるべく出ないようにするという方法が一つであります。そのために一つの手段としては、使用者がよく整備をするということが必要でありますし、さらにユーザーに全部負担させることができませんので、構造的にできるだけ熱を出させないようにするということがまず必要になると思います。先ほどお話ししましたように、公害基準が実はきびしくなればなるほど熱の発生量が多くなります。これはどうしても避けられない。したがって、その発生した量が最後の排気ガスとして出たときに、排気管の末端での温度がなるべく下がってくればよろしいわけであります。現在私どものほうで、実は自動車そのもののためではございませんが、通行中の方に熱気を吹きかけるというようなことではいけませんので、最終温度をなるべく下げる意味でリフューザーというのを末端につけさせるように指導をいたしております。
 それから別途マスとして、グループとして、全体としてどうするかという問題がございますが、先ほど先生のお話のございました九百何度という温度は実はミスファイアをした場合の温度でございまして、通常の走行中、普通の運転をしておりますときの温度はそれほど実は高くない。触媒の反応温度は大体六百度前後といわれておりますので、よほど整備が悪くなければそのような温度にはならないと思いますが、しかし、そういうふうな一つのグループの熱全体を下げる別のやり方としましては、やはり交通量を調整するとかいうようなほかの手段に訴えないと、実は車両法だけではとてもカバーできないと思います。
 したがいまして、これから実は触媒をつけた車が出てまいりますので、その実態まだわかりません。構造別に個別の車には私ども万全を期すつもりでおりますけれども、実際は出てきたときの実態をよく見ることがまず必要であろうと思いますし、その結果によりまして、運輸省だけではとても手段がとり切れませんので、環境庁なり関係の機関とも連絡をして、調査をして、対策を打っていくという必要があろうかと考えております。
#11
○林(義)委員 いまのお話ですと、どうも運輸省だけではやり切れない問題がある。私もこの前委員会で御指摘を申し上げたのですけれども、交通量の規制をするとかいうことも必要でありますし、あるいは交通流の規制をしていくことも必要である、こういうことも総合的に考えてやらなければならないということを申し上げたのであります。
 いまのお話で、ミスファイアのときの問題がということでありますが、私は自動車というものがこれだけたくさん走っておる場合におきましては、単に一つ一つのものだけを考えてどうだということでなくて、マスとして考えた対策というものをぜひやっていただかなければ実効は期せられないと思うのであります。
 五十年規制なりあるいは五十一年の規制をやったために、方々の道路上で車の火災が起きるというようなことになりましたならば、これは私はたいへんなことだと思うのであります。五十年規制なり五十一年規制の目的とするところのものの達成もさることながら、これもやっていかなければなりませんが、同時に交通安全という問題は人命にも直接に関係する問題でありますから、早急な対策を立ててやっていただきたいし、こういった問題につきましても十分に現在やっておられますところの中央公害対策審議会の委員会の場におきまして反映されるようなことを期待したいのであります。運輸省のほうから何か御答弁いただけますか。
#12
○田付説明員 ただいま先生からお話のありました件につきましては、公害の防止の進展に伴う新しい問題として私どもも対策を講じてまいりたいと思いますが、何せまだこれから実態が進んでまいります関係がございますので、十分その点を把握しながら関係省と研究をしてまいりたい、こういうふうに考えますので、よろしくお願いをいたします。
#13
○林(義)委員 新聞で拝見いたしますと、五十一年規制を完全実施するということになると自動車産業において五十万人の失業者が出るというようなことが報ぜられておりまして、自動車労連のほうから環境庁当局のほうにも陳情に行ったというような記事が出ておる。一体この辺につきまして、通産省当局はどういうふうにこれをお考えになるのか。この段階におきまして失業の問題というのはたいへんな問題であります。たいへんな失業をかかえるというのは一つのファクターとして考えていかなければならない、こういうふうな問題だと思いますけれども、非常に高い技術水準のことをやるということになれば、会社が生産を中止しなければならない、あるいは生産量の削減をしなければならない。そういたしますと失業者が出るということは論理的な結論でありまして、この辺につきまして通産省当局はどういうふうに考えておられますか。
#14
○森山説明員 自動車産業は御承知のとおり典型的なアセンブル産業でございまして、関連いたします部品産業等の多くは中小企業が多いわけでございます。しかも、地域経済に密接な関係を有しておる、こういうことがございます。かりに、五十一年規制値が技術開発のマキシマムをこえましてきめられた場合に、自動車が大幅に減産を余儀なくされる、こういう事態が起こりますと、これら関連産業を含めまして深刻な問題になるということは避けられないというふうに考えております。したがいまして、私どもといたしますと、現在五十一年規制値につきまして中央公害対策審議会におきまして十分御検討をいただいておるわけでございますが、対策技術の開発というものを十分御検討いただきますよう、その審議の状況を見守ってまいりたい、かように考えておる次第でございます。
#15
○林(義)委員 深刻な問題になる、したがって中央公害対策審議会の審議を十分に見守っておるというのでは、私は通産省の態度としておかしいのではないか。もしもそういったことで深刻な問題になるならば、通産省なりが、やはり失業というのはたいへんな問題でありますから、当然に何かアクションをとって申し入れか何かされなければならないのではないかと思いますが、いかがでしょう。
#16
○森山説明員 私が先ほど答弁いたしました深刻な問題になるということにつきましては、かりに技術開発のマキシマムをこえまして規制値がきめられる、こういうことになりまして、大幅な減産を余儀なくされる、こういう事態になりますと深刻な問題として出てくるのではないか、こういう考え方を持っておる、こういうふうに申し上げたわけでございまして、したがいまして、かりにそういう規制値がきめられるという問題の前提に立ってお答えを申し上げたわけでございます。その規制値の問題につきましては、中央公害対策審議会で現在御検討いただいておりますので、それをウォッチしてまいりたい、こういうふうに答弁したわけでございます。
#17
○林(義)委員 けさの新聞を見ますと、ツー・サイクル・エンジンの車につきましてもまた同じような問題が出ております。五十年規制の問題についても出ておるというのを朝日新聞で拝見いたしました。これは五十一年規制よりもっと前の話でありますし、五十年規制の話であります。やはりこれもたいへんな失業問題である。失業問題について通産省はもう少し考えてやられたらいいのじゃないかと私は思うのです。失業が出るのはしようがないなどという対策では、これからの経済社会の運営上非常に困ることになる。やはりその辺の問題五十年規制の、特にツー・サイクル・エンジンの問題についてはどういうふうにお考えになっておりますか。
#18
○森山説明員 ただいま林先生から御指摘のございましたツー・サイクル・エンジンにつきましては、五十一年の四月までということで現在検討させていただいておるわけでございまして、御指摘のとおり、この問題は失業問題等と関連いたしまして大事な問題になるというふうに私ども考えております。したがいまして、この間技術開発を積極的に推進するということによりまして、この規制に対応できるよう努力をさせていただきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
 それから、先ほど先生から失業問題につきまして通産省としてしっかりやれという御指摘がございました。この点はまことに同感でございまして、私どもとしましてもそういう問題につきましては真剣に取り組んでまいりたい、かように存じておる次第でございます。
#19
○林(義)委員 五十年規制、五十一年規制を実施するということになると、五十一年規制はどういうふうな形になるのか、当初の目的どおりのものはできませんからあれですが、いずれにいたしましても、新しい技術を開発し新しい装置をつけて新しい車を走らせるわけでありますから、このものは必ず従来のものよりは値段が上がるのだと思うのです。聞くところによりますと、一〇%とか二〇%とかという話も聞いておる。
 車は全国で走っておりまして、いなかのほうでは山村僻地における唯一の交通手段であるとさえ思われておる時代でございます。東京で排出ガス規制云々というけれども、それを解決するためにいろいろやらなければならない。ということは、逆に言いますと、そういった排出ガス規制の必要のないような山間僻地におきましても、同じような高いコストを払わなければならないということになるわけであります。これはやはり全体からすれば少しおかしなことになるのではないか。
 極論するならば、東京やその他の過密都市におきましては、排出ガスの規制を十分にやったような車を走らせる、そうでない地域、いなかのほうのめったに車も走らないような地域におきましては、そんな車をわざわざ使うことを強制しなくてもいいのではないかという議論があると思うのです。そして、いままでの車であるならば安い車である。やっぱり一般国民は、これだけ大衆の足となったものでありますから、できるだけ安い車で走ったほうがいいわけでありますから、わざわざむずかしいものをつくるということは必要ないだろうと私は思うのです。
 そういったような観点で、基本は大都市の問題、過密都市の問題をどう解決するかというのが五十一年規制の根本的な問題でありまして、その大都市、たとえば東京のようなところにおけるところの大気汚染の総量規制という観点からすべきであって、あまり自動車の技術開発技術開発でやると、不当な負担をいなかの人にかけることになるのではないか、私はこう思うのです。
 その辺につきまして、やはり何かこの際考えるべきではないか、私はこう思いますけれども、通産省御当局はどういうふうにこれを考えておられますか。
#20
○森山説明員 林先生御指摘のように、五十年規制、五十一年規制をやってまいりますと、コストにどうしても反映するということはやむを得ない点でございまして、最終的には申し上げられませんが、現在私どもの予測では、五十年規制によりまして、大体一〇%ないし一五%のコスト上昇があるのではないかというふうに見込んでおるわけでございます。
 そこで、先ほど先生御指摘になりましたように、こういったコストの高くなる車を全国民にしいるということになるのはちょっと問題ではないかということでございました。確かに、先生のおっしゃることは一つのアイデアとして私どもは受けとめさせていただきたいと存じておるわけでございますが、ただ、現実に、車は非常に機動性を持つものでございまして、しょっちゅう往来をするということになりますと、大都会の車とそれ以外の車というものをなかなか使用区分ということもむずかしいのではないかということもございますので、私どもはいまのところ、環境保全は国民的課題であるという観点のもとに、統一的な車の価格というものを検討さしていただきたい、かように考えておるわけでございます。
#21
○林(義)委員 大臣お見えになりましたから、最後に大臣からまとめて御答弁いただきたいのですが、いま大臣御出席前に私が聞きましたのは、車の安全性の問題であります。運輸省当局に聞きますと、車の一台一台の安全の問題につきましては道路運送車両法で規制をしておるけれども、それがたくさん並んで走る場合の安全性の問題については、これは新しい問題であるから、五十年規制で出てきた車が少し走り出してから検討したい。実ば熱を相当に持つような触媒等がありますから、そういったものがたくさん並ぶと、いつ事故が起きるかもわからない、こういうふうな心配がありまして、排気ガス問題という形で大気汚染の問題を考えると同時に、交通安全上の問題を考えてもらわなければならないということを私は御指摘を申し上げたのです。第一点です。
 第二番目の点は、あまりきびしい基準をつくって、生産を削減しなければならないような事態になって、自動車労連から出てきておりますように、失業問題が出てくるとたいへんなことであるから、通産省当局は失業問題というものをもう少し真剣に考えてもらいたいということを私は申し上げました。当局からも大体御承知のような趣旨があって、その辺は賛成である、こういうふうな話であります。
 それから、第三番目の問題は、この排出ガス規制の問題は主として大都市におけるところの問題である。いなかのほうも大都市も同じように精度のいい、また排出ガスの規制の車を使う必要はないではないか。大臣は宇和島の御出身でありますから、宇和島のような片いなかの場合と――片いなかと申しては失礼でありますが、宇和島のようなところと私のようなところとかというところでは、実はそんなにめちゃくちゃな排気ガス問題というのはない。ところが、東京であるとか大阪であるとかというようなところにこそ問題があるわけでありますから、そこは車の使い方を分けたらどうだ。
 確かに東京や大阪等の大都市におきましては車の規制をしていかなければならないけれども、いなかのほうまでそんなめちゃくちゃなことをやることはないではないかという考えがある。もちろんこれが技術的にできるならば、やったほうがいい。しかしコスト的に相当にかかるわけでありますから、これを何らかのくふうをすることができないだろうか。いま当局から御答弁がありましたのは、それも一つのアイデアでありますけれども環境保全の観点から国全部に使ってもらうのだという御答弁であります。
 しかし、私は考えますのに、これはやはりこれからの資源問題、省エネルギー問題というものを考えるならば、非常に大きな問題になるだろうと思うのであります。できるだけ便利な形で安いものでもって交通の利便を達成していくということは、一つの国民的な課題だろうと思いますから、この辺をやはり考慮してもらわなければならない問題ではないか。以上、安全性の問題と失業の問題と価格の問題を申し上げたのです。
 最後に、私はひとつ御提案申し上げたいのですけれども、道路取り締まりで、制限時速四十キロとか五十キロとか六十キロというのがあります。あれはときどきおまわりさんが見張りをして、つかまえて罰金を取るわけです。東京都内に入る車あるいは大阪に入る車はステッカーをつける、ステッカーをつけて、それで何ぼである、ステッカーをつけている車は入ってよろしい、それからステッカーをつけてない車はだめである、もしも入ろうと思ったら、ステッカーを買わなければならない。こういうようなことを考えたら、そうむずかしくないことでできるのではないか。全体の資源、エネルギーその他の点から考えまして、この際何か一くふうあってしかるべきであろう、こう私は思うのです。
 これは私の提案でございますけれども、ひとつそういった点をお考えになったことをやっていただかなければならない問題だろうと思うのです。環境庁御当局というような立場からしますと、これは必ずしも環境庁の守備範囲にはならない問題だと思うのです。やはり全政府なり全国会をあげて考えていかなければならない問題だと思いますけれども、こういうふうな形の問題を、国務大臣として環境庁長官、いかにお考えになりますか。こういった総合的な対策こそ、私はやっていかなければならない大きな問題だろう、こう思うのでありますけれども、長官はこれにつきましてどういうふうにお考えか、御所見を承りたいと思います。
#22
○毛利国務大臣 お答えします。
 環境庁の立場においては、環境の問題、公害の問題を第一義的に本件に対して考えておりますが、御質問の安全性の問題、技術上の問題、つまびらかではないのでありますが、車に関する限り、安全性のない車は車でないと思います。非常に重要な問題である。
 経済性の問題でありますが、燃費並びに省資源の問題、これも大事であると同時に、無関心でおるものではない。総合性が必要である。
 都市と農村の区別の問題でありますが、御存じのように地球は狭い、日本は狭い。農村における現象が直ちに都市に波及するという考え方と同時に、技術的に区分がむずかしいということで、御質問のように簡単に割り切れないものがあるのではないか。結論の、総合性をより勘案して考えなければならないという点については十分配慮すべき点があろうかと思いますが、一も二も環境、公害問題を中心としてわれわれのほうでは問題の検討を進めておるという立場も忘れるものではない、こうお答えしておきます。
#23
○林(義)委員 技術的な観点からむずかしいというお話がありましたが、私は、技術というのは工学技術だけの問題ではないと思うのであります。都市のような問題を解決するにはやはり都市工学という学問が新しくあります。最近ではわが党の中には政治工学研究所というようなものまでできているわけでありまして、政治というものは腹芸でやらなくてもう少し計量してやったらどうだというような研究をしようという動きさえ党の中にはあるわけであります。私はそこまでいく必要はないと思いますけれども、少なくともこの問題は社会工学的な見地から、いろいろな社会的なシステムを考えた技術というものが開発していかなければならない問題だと思うのです。
 それにはやはりいろいろな新しいくふうをこらしていかなければならない。単に自動車の中の機械的なメカニズムについての技術の問題だけではないと思うのであります。総量規制をやるとかというような問題につきましても、考え方としてはいま申し上げましたような考え方をとっていかなければ、単にそのものの生産の技術だけではできない事態に来ていると私は思うのでありますし、目標であるところの〇・二五グラム・パー・キロメートルという一つの大きな目標に向かって進まれるのでありますから、それを達成するためのあらゆる知恵を動員されることを環境庁長官にあえてお願いをしておきたいのであります。長官のお気持ちはよくわかるわけであります。環境保全というものをよくやっていかなければならない、これが中心である、これはまさに環境庁としては当然のことでありますけれども、その際に単に機械工学的な技術でなくて、社会工学的なその他のいろいろな技術を駆使されることを期待したいのであります。長官、これにつきまして、私の考え方はいかがでございましょうか、お答えいただきたいと思います。
#24
○毛利国務大臣 御質問の趣旨、総合力を発揮しなければならぬということ、賛成であります。
#25
○林(義)委員 終わります。
#26
○角屋委員長 吉川久衛君。
#27
○吉川委員 私はせんだって沖繩県の南端、西表島へ行ってヤマネコを見てまいりました。徳島県の橘湾も見たり、長野県の美ヶ原のビーナスラインを見てまいりました。きょうは時間がないようでございますから、南アルプススーパー林道に限って若干の質問をいたしたいと思います。
 南アルプス林道推進協議会、白鳳地域産業開発推進協議会、山梨県中巨摩郡町村会、長野県上伊那町村会、長野県上伊那郡山林協会、長野県議会で、これが促進の県議会における議決を持って私に陳情がございました。
 「森林開発公団により実施されている、南アルプス・スーパー林道については、御承知のとおり、本林道は甲府盆地と伊那谷を短縮する多目的林道として、林業経営推進の最大の基盤であり、奥地農山村の経済的・社会的振興と地域格差の是正等の面から、重大な役割をもつとともに、地域住民がこぞって早期開設を熱望している重要な路線であります。
 お陰様で事業も一順調に進渉し、現在両県境である北沢峠をはさんで約一・五キロメートルを残す地点まで開設されました。
 最近、自然保護問題に関連して開設事業が渋帯している実状でありますが、自然景観の保護・森林の保全機能の維持等に充分な配慮をいたされるとともに、森林の総合的利用・地域開発の見地から、本事業が早期に完成できますよう、格段の御高配を賜わりたく、ここに陳情申し上げます。」というのでございます。
 そこで、南アルプススーパー林道について、この林道計画の概要及びその実施状況はどうなっておりますか、林野庁に伺いたいと思います。
#28
○松形説明員 お答え申し上げます。
 本林道につきましては、ただいまいろいろ陳情書等にもございまして御披瀝ございましたように、山梨県の野呂川流域と長野県の伊那谷とを結びます五十六・六キロの路線でございます。受益地域といたしましては、森林といたしまして大体二万二千ヘクタール、こういう計画になっておりまして、森林開発あるいは森林の保護管理あるいは地域産業の振興というようなものを目的といたしまして計画されたものでございます。その総事業費は約二十七億円を計画いたしておりまして、四十二年度から着工いたしております。現在九七%開設が終わりまして、御指摘ございましたように、最後の一・六キロメートル、そのうち国立公園の第一種特別地域は七百六十四メートルでございますが、これを残すだけになっておるわけでございます。
 なお、つけ加えますと、本林道工事につきましては、森林開発公団といたしまして、自然公園法に基づきまして厚生省時代に協議を行ないまして、異存のない旨はいただいておりますけれども、特にこの北沢付近の第一種特別地域内につきましては、施工前に実施協議をしてくれ、こういうただし書きがございますので、ことしの六月に、この設計書を添えまして、環境庁に現在協議中、こういうことの概要になっておるわけでございます。
#29
○吉川委員 次に、南ア林道に関する基本的な考え方についてお尋ねをしたいと思います。
 南アルプススーパー林道は、南アルプス北部の森林の開発と適切な保護管理を行ない、また地元町村の発展をはかる重要なてことなる道路であるように承っております。この完成の意義はきわめて大きく、地元住民の寄せる期待ははかり知れないものがございます。しかるに、現在、一部自然保護論者の反対などがありまして、工事の最後に残された北沢峠付近約千六百メートルの部分の工事が見合わされているということでございますが、私ははなはだ遺憾なことと思います。環境庁は、この問題をどのように処理なさるお考えでございますか。
#30
○毛利国務大臣 この問題を解決するためには、このスーパー林道の開発に伴う自然破壊の問題林道開設についての地元住民の願いなどの諸要件を十分に勘案して検討をしていく必要があると考えております。そのために、去る十月には現地視察も行ない、現状の把握につとめたところであります。
 今後は、この道路開設のメリット、デメリットを十分に検討して、自然環境保全審議会の意見も十分聞いた上で、最終的に決定をしたいと考えております。
#31
○吉川委員 次に、自然保護行政の進め方について伺いたい。
 自然保護が重要であることについては、総論としてはだれにも異存はございますまい。しかし、自然保護が重要であるからといって、一木一草手をつけるべからずということに直ちに結論を持っていくことはできない。自然保護の要請をどのように地元住民の生活とかね合わせるかというところに、自然保護行政の要諦があると私は思います。
 この点について、環境庁は、ただいまの大臣のお答えのとおり事務当局もお考えなんですか、局長お答えを願いたい。
#32
○柳瀬説明員 自然保護行政を進めていく上では、やはり、もちろん地域の住民の生活の実情というようないろいろなこともその要因の一つとして十分考慮しながら、自然環境の保全の趣旨を実現していくことが必要であるというふうに考えておるわけでございます。
#33
○吉川委員 自然保護の観点から各種の制約が加えられようとする地域は、一般的に山村地域であると考えて間違いないと思います。そのような山村地域は経済成長の恩恵を受けること少なく、いわゆる過疎化に悩み、地域社会の崩壊すら危惧されるようなところも少なくありません。
  〔委員長退席、藤本委員長代理着席〕
このような地域住民にこそ、現在おくればせながら地域の経済や生活を浮上させる開発投資を差し向けることが何よりも必要とされていると思うのであります。自然保護の名のもとに、地域浮上の機会を永久に閉ざすようなことはやるべきでないと思います。
 去る十九日、OECD環境会議からお帰りになりました毛利長官は、欧米に学ぶところがあったと、経済との調和を無視することが多過ぎるようなことを記者会見でお漏らしやなったようでございますが、すばらしい見識であると私は敬意を表するものでございます。しかも、さきに南アルプススーパー林道を現地に視察された際、新聞報道で過疎対策上の配慮も重要だと発言されておられます。全く正鵠を得たお考え方であり、大いに敬意を表するところでございますが、環境庁は現在もその考え方に変わりはございませんか。
#34
○毛利国務大臣 南アルプスのスーパー林道の開発の問題を考える際には、自然保護の観点、この基本の問題を背景にして、地域住民の福祉、その他種々の観点からの検討をすることが必要であるという姿勢は何ら変えていません。いま欧州のお話が出ましたが、私は、自然を守るというこの根幹を、しっかり過去の伝統をくんで引き継がなければならぬという強い信念と同時に、自然をこわさないで、しかも地元の要請を実現する方法はないかというくふうを一段と技術的にこらすべき点があるのではないか、こういう意味のことも検討を進めさしております。
 しかも、そうした各方面の苦心をより結集して、その上に立って、せっかくございます権威者のそろっておる自然環境保全審議会のより多くの人々の知識を、判断を借りて、この南アルプスの問題の結論を出したい、また、その他の問題についても、自然の保護を第一に考えながら過疎地帯の問題の人々の執念等についても、もっともっと配慮しながら、技術の進歩を生かしながら、そうして、そうした専門家の意見を十分に配慮して結論を出したい、こういうぐあいに考えております。
#35
○吉川委員 自然保護行政における開発行為の承認、不承認の基準はきわめて流動的に見えるのであります。たまたま一部の自然保護論者が騒いだり、新聞がその反対運動を大きく記事にすれば、環境庁も反対するというパターンではないかと思いたくなるようなことが少なくございません。
 たとえば、この長谷村の、関係ございませんが、峠を越えた向こうの大鹿村の数頭の牛を飼っている小林さんの奥さんが赤ちゃんをおんぶして環境庁へ参りまして、前局長のときであったと思いますが、四十分ばかり陳情をいたしました。それが大々的に新聞に報道されました。また私の町の出身の小林勇さんが、ある大新聞の夕刊文化欄に、駒ヶ根市から幼いときからながめてきたが、あの大自然は手をつけてはならないようなことを書いてあるのを拝見いたしました。私も幼いときからあの山をながめて育ってきたものでございます。小林さんは山へ登られたことはないと思いますが、私は南アルプススーパー林道だけでも三回現地を視察いたしております。あの緑を削ったあとがどうなるのか気がかりになって、おりおり行って見ております。私は、小林静子さんが大鹿村でさえ村の人々から疎外されて相手にされないあの状況を見るにしのびません。小林さんは岩波書店の会長さんですから、遠くのほうで文化人として御批判なさることは御自由でございますけれども、私は地元の人々はこの投書には納得がいかな
 いと思っております。
  このきわめて流動的に見える承認、不承認の基準、これについて明確かつ具体的な基準をもって
 おいでになるのかどうなのか、明らかにしていただきたい点でございます。
#36
○柳瀬説明員 国立公園等の中における開発行為について、これを認める、認めないについての基準がはっきりしておるのかという御質問だと思います。またあの基準がなくて、新聞がいろいろ書いているのでそれに左右されているのじゃないかというようなこともおありだと思いますが、開発行為についての基準につきましては、これはなるほど先生おっしゃいますように、昔の時期に比べますと、現段階では、たとえば山岳道路についてのものの考え方というのは相当シビアになってきておるわけでございまして、これは自然環境保全審議会の林会長談話等にも見られますように非常に、たとえば高山地帯、亜高山地帯等におきましては原則的に道路というものはつくるべきでない、いろいろな問題がありますけれども、そういうような考え方も出てきておるわけでございます。
  〔藤本委員長代理退席、委員長着席〕
しかしながら、この南アルプススーパー林道の問題に限りますと、これはすでにその前、過去昭和四十二年に、厚生省の国立公園部時代にその大筋を承認しているというような特別の事情もございますので、非常にこの問題の処理がむずかしくなっておるわけでございます。それ以後の問題につきましては、現在会長談話にありますような基準というようなものを私どもの審査基準に取り入れて、近いうちに明らかにしたいというふうに思っておるわけでございます。
 それから、新聞に書かれているということについての問題につきましては、新聞ということも一つの大きな世論の要因でございますから、十分これも傾聴しなければいけない問題でございますし、いろいろな方々の御意見も慎重に聞いていかなければならぬ問題だと思いますけれども、ただそれによって新聞がこう書いたからどうとか、こうすべきであるとか、こうすべきでないというような取り上げ方は私どもはしておらないわけでありまして、一つの世論として受けとめて全体的な判断の中で検討の一資料として加えていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
#37
○吉川委員 次に、北沢峠付近の林道の開設についてお尋ねをいたします。
 現在、自然保護論者が心配しているのは、この林道が貫通すれば南アルプスの大自然を破壊する山岳観光道路になるということであるように聞こえてくるのでございます。そのようなことを心配する者は、本林道についての正確な認識を持っていないのではないか。本林道はいわゆる林道規程に基づく道路でありまして、砂利道一車線であります。いわゆる自動車観光道路のように快適なドライブを楽しむような道路ではありません。もしかりにそのような心配があるとするならば、さらに一般自動車の利用を一定限度に制限するような、たとえば工事用のトラックとかあるいはバスとかいうものに制限するような方法も考えられるのではないか。環境庁はそのようなことも自然保護団体などによく説明されたことがございますか。
#38
○柳瀬説明員 南アルプススーパー林道につきましての自然保護団体の方々の認識が欠けているのではないかという御質問だと思いますが、これは自然保護団体の方々も現地を大ぜいの方がごらんになっておられますから、それを見た上でいろいろの御意見を述べられているものというふうに私どもは思っております。ただそれは自然保護団体の方々の考え方なり立場からいろいろと御意見を言われているのだ、こういうふうに思っておるわけでございます。
#39
○吉川委員 毛利長官が現地を御視察のときに中央から二十二名ほど、県のほうの関係の方が十数名、記者の皆さんが御参加になった。私は、机の上で見ておいでになったときと現地をごらんになったときとだいぶお感じ方が変わったのではないかと思っております。これから私のようにたびたび登ってみていただくとずいぶんその様子が変わってくると信じております。
 北沢峠付近は、ごらんになった方々は御存じのようにほぼ平たん地であります。また無立木状態の歩道敷がございます。これを最大限に利用すれば伐木、土砂の移動などはごくわずかにとどまるはずであります。
 また、北沢峠付近の林道開通に伴って富士スバルラインのような副次的な植生への影響を心配する意見がございますが、風をまともに受ける独立孤峰の富士山と周囲を山に囲まれた馬のくらを置くような鞍部であるあの北沢峠とは基本的に条件が異なっているのではないか。
 また、現在の無立木状態の歩道敷を活用すれば、林道開設により現在の植生の環境を変えることはきわめてわずかにとどまるはずであります。
 このようなことを考えれば、北沢峠付近の林道開設が従来の同意を撤回してまで消極的態度をとるのはおかしいのではないかと思うが、いかがですか。
#40
○柳瀬説明員 北沢峠付近のいわゆる植生といいますか、自然景観と富士山のスバルラインの上のほうの自然景観とはなるほど景観的には非常に違うわけでございます。ただ亜高山地帯というようなことで、そこに植わっておる亜高山地帯の樹木等にいわゆる外力が加えられて、その破壊による復元――破壊されたものを復元するということになると、非常に弱い状況にあるという点については同じ問題があるわけでございます。また、その北沢峠付近千六百メートルのところ自体の植生問題と、さらにもう一つ、そこを通すことによって自動車等が通ることによりまして、それに連なる一帯の道路を含んだまわりの植生がどういうふうに変わるかということも一つの問題になり得るわけなのでございまして、そういう点を全体的に考えながら慎重に検討していかなければならぬ問題だというふうに考えております。
#41
○吉川委員 一部の自然保護団体等は、現在までに開設を行なった部分の工事が自然破壊を来たしており、これを理由に北沢峠付近の工事を中止せよと主張しているように見えるのですが、その主張には私は二つの誤りがあるように思います。
 その第一は、工事をやる途中においては、どうしても緑をはぎ、土を切ることはやらざるを得ない。しかし、これはその後の緑化、修景を十全にやれば、時間の経過とともに相当部分が回復するものであります。切開手術中の状態をことさらに誇大に言いつのることは事実の正しい理解を妨げることになり、残念であります。中央高速道路の大月の駅の向かいの岩殿山のふもとの大崩壊で、数カ月にわたって中央高速道路は別の道をつくって通したようなことがございます。金さえかければ今日、将来ほとんど心配のないまでに改修されておりますことは戸台からあの林道の入口に入った構造線のあたりの崩壊とまさに同じでございます。
 そういうような条件のところに道をつくるのに、私は森林開発公団も林野庁も少し配慮が足らなかったのではないかと思います。もっと修景、緑化について森林開発公団も万全の努力を払うべきだと思うのでありますが、林野庁は今後どのような指導で臨んでいかれるのか、お考えのほどを伺いたいと思います。
#42
○松形説明員 お答え申し上げます。
 ただいま修景、緑化について十分でなかったのではないかというおしかりでございます。実は私ども四十二年度着工当初からこの工事を始めておりますけれども、やはり工事の途中ということもございましたし、あるいは当時のことでございまして、当初必ずしも十分でなかったというふうな気がいたしております。したがって、私ども四十八年度までに約六億五千万円を投入いたしまして、漸次これの修景、緑化につとめておるところでございまして、当然全面的な点検というものをやっておりますので、それに対する万全な措置ができるよう、森林開発公団等も十分指導してまいりたいと思っております。
 なお、私どもいま点検の結果考えておりますことを二、三申し上げてみますと、工事施行に伴います山腹の崩壊あるいは残土の未処理個所がございます。大小合わして四十カ所相当ございますが、それに対する修復処理を直ちにやることにいたしまして、約二億円相当を準備いたしております。また地すべりで戸台地区がございますが、これの林道保全の施設工事を早急に完了するための一倍円を準備いたしております。なおまた、全線につきまして、先ほど申し上げましたように、総点検いたしました結果に基づきまして所要の緑化と修景のための工事も早急に完了する予定にいたしておりまして、約一億円等を準備いたしておるようなところでございます。
#43
○吉川委員 林野庁の長官のいまのお答えは、ときどき見にいく私にはよくわかるのです。けれども、当初がまことにずさんであった。しかし当時の事情としてやむを得ないといえばそれまででありますが、そういうずさんな工事が今日こういう問題を引き起こしているということはまことに遺憾でございます。しかし私は、環境庁の誕生したことによってストップがかけられ、そして不十分であった点が点検されて改修されてできつつあるということは、非常な意義があると思うのでございます。
 それから、初めの工事が悪かったから峠の部分もいけないという、誤解だと思う第二は、現在までに開設した道路の状態と北沢峠付近の工事を進めるかどうかとは直接関係がないことであります。そうであるとするならば、北沢峠付近の工事について反対を唱える自然保護論者の真意は、ここが私は非常に気になるのですが、南アルプススーパー林道を個別具体的な問題として考えているのではなく、南ア林道に場をかりて抽象的、総論的な原論的立場を主張しているにすぎないのではないかとも考えられるのであります。環境庁は、このような言に惑わされることなく、的確な問題把握を行なうべきであると思うが、いかがですか。
#44
○柳瀬説明員 自然保護団体の方々がどのような意図で反対をしているかという点につきましては、私どももよく存じ上げておりません。先生のおっしゃるようなことかもしれないし、あるいはそうでないかもしれません。
 ただ一つ、いわゆる山岳道路というものについての共通した問題というのもあるわけなんでございまして、こういう点はやはりこのスーパー林道問題についていろいろと共通して検討しなければならぬ問題があるわけでございます。
 ただやはり、その一つ一つの林道ごとの地理的条件あるいはいろいろな条件というものが違いますから、それはそれで個々に検討すべき問題だというふうに私どもは受けとめているわけでございます。
#45
○吉川委員 地域の実情と林道貫通の効果について述べておきたいと思います。
 南アルプスは、南北七十キロに及びますふところ深い峻険な山並みであります。この山脈にさえぎられた地域を結ぶ道路は現在皆無で、現在建設中の南アルプススーパー林道以外には道路を通す可能性はまず考えられないでしょう。本林道の完成を待ち望む地元地域は、南アルプス北部及びその周辺に位置し、伊那市を除いては南アルプスを背にした封鎖的な地形に閉ざされております。その林野率はきわめて高く、中でも芦安村、早川町及び長谷村は、その率は九〇%をこえています。
 このような立地条件の制約から、従来、新しい産業の導入、振興はむずかしく、日本経済の成長の中でその恩恵を受けることがきわめて少ないのであります。このため過疎的な状態の進行の中で、地元住民は山村地域崩壊の危機感を深めているといっても過言ではありません。山の崩壊だけではございません、地域の住民の社会の崩壊でございます。深憂をいたしております。
 古来、南アルプスの大自然を営々として守ってきたのは、自然保護団体でもなく、都会の自然愛好者でもありません。マスコミでもなく、登山家でもなく、ほかならぬこれら山村の住民であったのであります。私は地元の市ノ羽村長のことばをかりて言いますならば、この自然を保護してきたのは長谷の村民である。火災が起きれば村民あげて消火に当たり、夏山シーズンが去れば、散乱したごみやあきかんの処理をし、黙々として南アルプスを守ってきた自信があると言われております。私はまさにそのとおりだと思います。今後南アルプスの自然を守り続けるのは、だれでしょう。山村住民の努力と協力なくして、それは可能なのか。山村住民の生活向上の大きな手かがりとなる南アルプススーパー林道貫通の道を永久に閉ざして、はたして自然の保護ができるのでしょうか。
 ある自然保護論者は、南アルプス林道沿いの野鳥が昭和二十三年対比四十八年で大幅に減少していると指摘しています。それが事実であるかいなか、どういう方法で御調査になったのか。スーパー林道がその原因になっているのかどうかなど、議論はかりにおくとしても、その間、地元の村民の人口もまた半減している事実を直視していただかなければなりません。
 昭和二十五年に千百七戸あったものがことしの十月一日では七百四十二戸に減っております。人口は五千六百六十六人であったものが二千九百七十一人に減っております。学童の様子を見ますと、昭和二十八年に七百四十六人が小学校、今日では二百三人に減っております。中学校は三百八十九人が百四十七人と音を立てて減っているではありませんか。野鳥が減ったばかりではございません。
 繰り返しでありますが、自然保護の重要性について、総論としてはだれも異存はございません。しかし、その総論をそのまま地元の犠牲の上に押しつけることはしてはなりません。地元住民は南アルプススーパー林道の貫通を待ち望んでいます。それがゆえに、相応の賦課金を分担し、道路敷の土地を無償で提供するなど、他の道路事業等には見られない負担と協力を惜しんでいないのであります。これはだれかよそ者が入れてくれる観光道路に対する期待とは本来的に違っているのであります。環境庁はこのような事情をも十分考慮に入れて本林道貫通の結論を急いで出してもらい
 たい。
 環境庁の関係の皆さんに伺うと、自然保護の重要性は総論としては私ども異存はないのでございますが、ものごとによってはケース・バイ・ケースであってよいのではないかと思うのです。それをこの各論的な問題を一つとらえてみただけでも、人間のための政治であり行政でなくてはならないのに、これをも自然保護の審議会の意見を聞かなければ結論が出せないようにおっしゃっておられますけれども、これは法的には審議会にかけなくてもいいのです。これはもう長官の御決意一つでできることだと私は思います。
 昔、私は決算委員長をやっているときに、政府の審議会を再検討いたしました。あって無害のものもあり、全く何もしないで休んでいるのもございました。そこで私は、審議会というものは大切なものもあるけれども、中にはかえって有害のものもある。政府の隠れみのになるものさえある。そういうものに隠れて消極的な態度をとるのではなくて、責任を持って、自信を持って、よいことはよいと断行していただいてよいのではないかと思いますが、これはだれにでもできることではありません。毛利長官を除いてはまず近い将来も期待はできないように思うのでございまして、毛利環境庁長官の勇断を期待して、私の質問を終わります。
#46
○毛利国務大臣 ただいま地元の切々たる執念を代表して吉川委員から御質問がございましたが、御趣旨はよくわかります。
 したがいまして、私も現地を見てまいった次第であります。先ほど来局長が申し上げますように、また私も申し上げておるように、通さない場合のデメリット、通した場合のメリット、デメリット等々について、十分な検討をいま進めさせております。さらに、これほど進んだ近代施工法――現地で見てあの工事が途中であるということに対する理解をするにやぶさかではないのでありますが、非常に工事が粗雑である、またあの断崖絶壁に対してよくも工事をやったという点もありますが、非常に粗雑な工事であるということもこの目で見てまいりました。したがって、あの工事に対してすみやかなる補修、さらにことばをかりるならば修景、緑化を急いでもらいたいということを、この席をかりて林野庁にお願いをしておきますが、もしそれ、あの大切な自然をこわさないで、近代技術を総動員してやる施工方法はないものかということをもあわせて検討してもらいたいと、いま研究を願ってもおります。
 それやこれやを十分な研究の後、せっかくわがほうには権威者がそろっておるので、いま質問者の仰せの審議会の意見もありますが、権威者のそろっておる自然審議会にかけましてすみやかに結論を出したい、こういうように考えております。わがほうとしては審議会の権威者の意見を十分承るたてまえで本件の結論を出したい。
 吉川委員の御質問の趣旨はよくわかりますが、この点ひとつ御理解を賜わりたいと思うのであります。
#47
○吉川委員 審議会の権威者にぜひ現地を見ていただいてから結論を出していただきたい。ここ急げば、まだ雪が降っておりませんから、いまのうちならば行かれると思うのです。まごまごしていると雪に閉ざされて行かれなくなりますから、できるだけ早い機会に御配慮を願いたいと思います。
#48
○毛利国務大臣 審議会にかければ当然見てくれると思いますが、御要望の趣旨に沿うように努力いたします。
#49
○角屋委員長 この際、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十四分休憩
     ――――◇―――――
   午後一時五分開議
#50
○藤本委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。
 委員長が所用のため、少しおくれますので、委員長の指名により、私が委員長の職務を行ないます。
 質疑を続行いたします。岩垂寿喜男君。
#51
○岩垂委員 質問する前に、私、ちょっと申し上げたいのですけれども、自民党はどなたもいらっしゃらないのであります。いま委員長からお話がありましたけれども、私はこういう形では、いま特に五十一年規制を含めて問題になっている、国民みんなが関心を持ち、心配をしている問題について、それは自民党総裁の事柄のほうが派閥としては大切かもしれませんけれども、私はそういう形では国民の期待にこたえることはできないと思うのであります。この意味で、たいへん恐縮ですが、私が質問を始めるのは、自民党の方がだれもいらっしゃらないところで始めるということを前例にしない、こういう前提で質問に入らしていただきたいと思うのであります。
 最初に、この前の委員会、これは富士保全法を議論したときの委員会でありますが、本年の五月七日の委員会で、日本道路公団が計画をしている国道百三十八号線の第二次工事ともいうべき東富士有料道路の計画概要を私が入手した形で実はお伺いをしたわけでありますが、そのときには建設省はおられませんでしたので、建設省にその計画がいまどうなっているか、計画の概要を承りたいと思います。
#52
○下川説明員 有料道路課長の下川でございます。
 ただいまお尋ねの東富士有料道路の建設につきましては、一般国道の百三十八号線の二次改築事業といたしまして、また東名高速道路及び中央高速道路の両幹線の道路を結ぶ道路の一部といたしまして、静岡県の御殿場市水土野から山梨県河口湖町までの区間につきまして、バイパスとして道路の改築計画を進めておるわけでございますが、昭和四十八年度、この事業の採択をいたしまして、道路の構造といたしましては第一種の第三級、設計速度が八十キロメートル、四車線の自動車専用道路といたしまして、目下日本道路公団で実施計画の準備をいたしておる段階でございます。
 以上でございます。
#53
○岩垂委員 概算事業費はどのくらいで、いつから供用を始めようとしておられるか。そしてすでに調査費その他で調査の段階に入っておられるかどうか、その進捗状況について伺いたいと思います。
#54
○下川説明員 四十九年度の単価で積算をいたしました全体事業費は、五百七十億と積算をされております。現状では、この自然環境の調査ということで、国立公園協会に委託をいたしまして、植物、動物あるいは自然の景観、地質等につきまして、専門の先生方にお願いをいたしまして調査をいたしておるわけでございます。このほかに、山中湖を中心といたします環境問題につきましてもあわせて調査を実施いたしております。現計画では、昭和五十五年の四月には供用開始するようにできれば計画を進めていきたい、それを目標といたしまして調査をいたしておる段階でございます。
#55
○岩垂委員 私は実はきのう現地調査をしてまいったのでありますが、バイパスを必要とする事情などについていろいろ県のほうやあるいは建設省の見解があるわけでありますが、観光シーズンだけで、常時継続的な渋滞でないことはもはや言うまでもないと思います。そういうところへ五百七十億もの巨額を投じて仕事をやっていくということが、今日の状況、とりわけ総需要抑制を続けている政府の政治姿勢の中でその計画というものは再検討する余地があるのかないのか、その辺について一ぺん承っておきたいと思いますし、それからアセスメントをやっていらっしゃるということなんですけれども、それについて中間的な報告がいただけるかどうか承っておきたいと思います。
#56
○下川説明員 ただいまの道路の必要性の問題でございますが、先ほども申し上げましたように、国道百三十八号線というのは当地方の唯一の幹線道路でございまして、この道路は一次改築が完了しただけで、その途中には篭坂峠といって非常に急峻な山岳の道路の地帯がございまして、観光シーズンにおきます交通の渋帯はもとより、冬季間におきます積雪あるいは路面の凍結による交通の困難性あるいは降雨時におきます交通の遮断等、幹線の道路としては再改築をしなければいけないという段階にまいっておるわけでございます。御承知のようにこの百三十八号線の山中湖から河口湖に至ります区間は特別指定地域でございまして、道路の拡幅等現道のままでは非常に困難であるということから、バイパスの形式でこの道路の再改築をはかっている次第でございます。
 それから、環境アセスメントの点につきましては、四十九年二月に先ほど申し上げました委託契約を結びまして、現在調査が続行中でございますので、まだ結論的な話は聞いておりません。
 以上でございます。
#57
○岩垂委員 このルートの相当な部分が特別名勝指定地域であること、あるいは有名な諏訪ノ森の国有林に隣接をしているということ、または自然公園の特別地区に入っているということは御存じの上でそのお仕事をなさっておられるかどうか。
#58
○下川説明員 現在指定されております特別地域を通るということは存じております。これらを踏まえまして、この道路計画がまとまりました段階で環境庁とも十分協議をいたした上で実施に移してまいりたいというふうに考えております。
#59
○岩垂委員 この地域が東京地裁の決定を待つまでもなく、忍野村忍草部落にとって梨ヶ原入り会い地の部分であることをどのように御処置なさるおつもりかどうか。
 もう一点は、ここは開放になりました国有地でありますが、その国有地を、実はこれはあとで申し上げますが、何かわけのわからぬ形で、富士吉田市外二カ村の恩賜県有財産保護組合に払い下げをすることになっておりまして、その払い下げをした。それからまた建設省が手に入れるというような手続をおとりになるのかどうか。いま世の中を騒がしている国有地の問題に関連する幾つかの問題がそれに含まれているように思いますが、その点について建設省は承知の上でどのような形で土地を入手なさろうとしていらっしゃるか、承っておきたいと思います。
#60
○下川説明員 東富士、北富士の演習地内のいろいろな権利の問題につきましては、過去におきましてもいろいろな議論がなされておりますし、現実に観光でございますとかいろんな問題が存在しておるように聞いております。この問題につきましては、先ほど来申し上げております道路の詳細な計画がきまりまして、非常にたくさんの地権者がございますので、こういうものと用地の折衝あるいは道路の構造の協議、こういう段階で解決をしてまいりたいというふうに考えております。
#61
○岩垂委員 これはあとでまた質問をいたしますが、文化庁、お入りになったそうですから伺いますが、この地域、国道百三十八号線の周辺が文化財保護法による特別名勝指定地域になっているわけでありますが、それはどういう理由でそうなっているか、その広さなどについて承っておきたいと思います。
#62
○澤田説明員 富士山につきましては、昭和二十七年に、主としてわが国にとって欠くことのできない国土美として指定しているわけでございます。しかし、何しろ広大な土地でございますので、基本は五合目以上を名勝として指定しているわけでございますが、登山道及び周辺道――当時既設の道路でございますが、そこからの展望ということも含めまして、その帯状の道路をはさむ百メートル幅の土地を指定しております。
 その指定は、主としてその二つの要素でございますが、国道百三十八号につきましては、富士吉田の浅間神社の近辺の登山道との交差、それから国道百三十八号、これは指定当時は梨ヶ原県道でございまして、いわゆるこの県道からの展望という意味で県道の展望の指定地がございますが、これは近隣という意味でございます。
#63
○岩垂委員 指定された地域についての、たとえば工作物であるとか、別荘やマンションなどを含めてですが、そういう問題に対する規制というのはどのような形で御配慮いただいているのでしょうか。工作物について承りたいと思います。
#64
○澤田説明員 一般的に文化財として指定を受けますと、すべて現状変更については許可が要るわけでございますが、この富士山について申し上げますれば、五合目以上につきましては特にいわゆる工作の状態もございません。したがって、あとは今度は先ほど申し上げました道路のそばの展望の保護ということでやった部分でございます。これにつきましては、もし現状変更その他指定当時に変わって、たとえば建物を建てるとか展望をじゃまするとか木を切るとか植えるとか、そういうことがございますれば、現状変更の申請があがってきて、許可、不許可を決定する、こういうことでございます。
#65
○岩垂委員 この地域の景観を守っていく、ここは富士山が一番きれいに見える地域だそうでありますが、この景観を守っていくために、この現状を変えるという申請があったときに、文化庁はこれに対してどのような態度をお示しになるか、原則的な立場を承っておきたいと思います。
#66
○澤田説明員 現行法のたてまえからしますと、たとえば国道百三十八号線の両側帯状百メートルのところが指定地でございます。その指定地の区域内において建物を建てるとか現状変更がございますればこちらとして法的な措置ができますけれども――もちろん現行法によりますと、その要素は展望を保護するためでございますが、さらにその指定地と五合目以上の指定地との間に広大な土地がございますが、そこの点についていろいろな工作が行なわれますことにつきましては、もちろんわれわれとしても関心は持ちますけれども、現行法上特別措置ということはできないわけでございます。
#67
○岩垂委員 環境庁に承りたいと思うのですが、建設省のこの道路計画について、環境庁は協議をなすったことがあるか、あるとすればいつごろからお話し合いが始まっているかという点について承りたいと思います。
#68
○柳瀬説明員 ただいまの道路計画につきましては、正式に申請を受けておりませんけれども、下相談を受けておるわけでございます。そういう意味で承知いたしておるわけであります。
#69
○岩垂委員 この返還国有地は、残された富士山ろくにおける貴重な自然であることは御承知のとおりだと思うのです。自然環境を守るという立場で、富士山にこれ以上車を入れないようにすべきじゃないか、こういう議論も保全法の議論のときにもありました。当時スバルラインの乗り入れ規則の問題について、実は三木前環境庁長官はそういう検討をする、それから江間さん、前の自然保護局長は、乗り入れ規制について考えたいと思うからちょっと時間をかしてほしいというふうに言われたわけですね。この間毛利長官はスバルラインを視察なさったそうでありますが、そのときに、乗り入れ規制の問題について環境庁の方針はどんなようなお考えでいらっしゃるか、スバルラインだけでなしに、あの一円の地帯の自動車乗り入れと、いわば道路公害その他を含む自然破壊の問題その点について御検討をいただいておると思いますので、御答弁いただきたいと思います。
#70
○柳瀬説明員 富士山のスバルラインの自動車の交通規制の問題につきましては、検討いたしまして、県ともよく相談をいたしまして、シーズンの時期に対処いたしまして、五合目付近にはまずこれ以上駐車場を増設しないというようなこと、それから混雑の状況によっては入り口付近においてこれを規制をして乗り入れを制限するということ、それから道の途中で正規の駐車場以外のところで駐車をすることをさせないというような規制をしたいということで大体考えておるわけでございます。
 それから、それ以外の地域につきましては、これは状況によりまして検討していかなければならない問題だと思いますが、ただ、一般に通り抜けるような道路でありますと、非常にこれは交通規制がむずかしゅうございまして、まあ相当の効果のあがるような規制は非常にむずかしい状況なので、私どもいろいろ今後また検討していきたいと思っております。
#71
○岩垂委員 いまの富士山のスバルラインの乗り入れ規制の問題というのは、いまはもう冬なので、夏が始まる前にはきちんとその方向を示すという
 ふうに理解していいですね。
#72
○柳瀬説明員 はい。
#73
○岩垂委員 それでは、この道路の問題で、実は私先ほど申し上げた五月七日のこの委員会で、江間さん、前の自然保護局長に、この道路の問題についての環境庁の考え方を伺いました。そのときに、速記録がございますので読ましていただきますが、「あの道路につきましては、私のほうはまだ正式な相談を受けておりませんけれども、しかしともかく、あの地域が自然を守る上で非常に重要な地域であるということから考えまして、きわめて慎重な方向で、できるだけあの道路ができないほうがよろしいという方向で考えております。」こういう御答弁をいただいたわけでございます。
 議事録をそのとおり読ましていただいたわけですが、環境庁はその方針をいまでも変えていらっしゃらない、そのとおりであるというふうに理解をしてようございますか。
#74
○柳瀬説明員 あの地域も含めまして、自然景観のすぐれた地域、国立公園の特別に保護しなければならぬような地域については、できるだけ道路というようなものはつくらないほうがいいという考え方に変わりはございません。
#75
○岩垂委員 いま環境庁があの解除になった地域を国立公園に追加指定することをきめておられるようですが、そのプログラムを教えていただきたいと思います。
 そしてまた、一種、二種、三種の問題があるわけですが、それらの問題についても、環境庁の見解がもし固まっておるならば、この際御答弁をわずらわしたいと思います。
#76
○柳瀬説明員 山中湖と河口湖方面を結ぶ公園を利用する幹線道路であります国道百三十八号線の沿線に位置しておりますので、現地の自然状況に合わせまして、特別地域の第一種、第二種、第三種に区分いたしまして風致の維持をはかることにしておるわけでございます。
#77
○岩垂委員 そのプログラムはいつ審議会にかけるのですか。
#78
○柳瀬説明員 現在関係各省との調整をおおむね終了いたしましたので、今月の二十七日の審議会の部会におはかりをいたしまして、指定の手続を行なうこととしたいと思っております。
#79
○岩垂委員 この地域というのは、演習場が返還になりました国有地の部分についてどのような指定を諮問なさるおつもりか、承っておきたいと思うのであります。
 と申しますのは、この国有地の部分というものが富士吉田市外二カ村の恩賜県有財産保護組合に払い下げられるということが閣議了解で、これはオープンにはなっておりませんけれども、きめられております。四十八年の三月三十日であります。それは、有名な演習場を自衛隊が使用することについて訴訟が提起されておりまして、この訴訟がおそらく国の側が敗訴だろうということが明らかになってきた段階で、自衛隊違法使用排除の訴訟の進行を停止させる目的で、防衛施設庁長官と保護組合の組合長との間に覚書の交換がございます。そしてその覚書の中で、この払い下げになった国有地というものをこの恩賜林組合に払い下げるということが約束になっておりまして、それは林業再建整備事業用地として地元に払い下げるということが約束されておるわけであります。約束と同時に、自衛隊の違法使用排除の訴訟を取り下げました。その日に実は恩賜県有財産保護組合の議会が、この払い下げになった土地を富士急株式会社に貸し付ける、貸し付けの用途は観光開発である、そして貸し付けの期間は二十年間、こういう議案を議決をしているのであります。
 もう御存じだと思いますけれども、あの富士山の中で富士急がどういう形で富士山の自然を破壊してきたか、あるいは環境破壊に役割りを果たしてきたかということは、もはや言うまでもないわけでありますが、そういう立場から見ますと、いま申し上げたように、国有地が恩賜林組合に払い下げられて、恩賜林組合は富士急にそれを貸して、そして富士急は観光開発の目的で国有地を使うわけであります。そこをいま申し上げたバイパスの道路が通るわけであります。道路と道路の間に結局富士急の用地がいまでも私有地としてあるわけであります。そういう形で富士急は必ずその地域というものを観光開発の目的に使う。そしておそらく、皆さんのほうでは第三種の特別地域指定をなさるということになれば、あそこにはモーテルも建つだろうし、あるいは別荘も建つことが可能ではないかと私は思うのですが、実はそういう背景があるわけであります。これは現地に入りまして私はすべての資料を整えてまいりまして、こういういまどき田中さんの問題でいろいろな取りざたをされていると似たようなからくりというものがここにある。そしてあの富士山ろくで残された唯一といっていいほど貴重な自然というものがいま目の前で破壊されようとしているわけであります。諏訪ノ森の国有林の問題も、実はこの委員会が視察をしたことがありました。皆さんみんなこれを守らなければいかぬという議論をしたわけであります。
 そういう立場に立って、第二種以上の地域指定をこの際そういう背景を含めてお考えをいただきたいという地元の強い要求があるわけでありますが、その点についてどのようにお考えになっていらっしゃるか、ぜひ御答弁をいただきたいと思うのであります。
#80
○柳瀬説明員 国有地の部分二百十ヘクタールにつきましては、仰せのように第三種の特別地域に指定する予定でございます。これは先生のおっしゃるように、観光開発とかモーテルをつくるとかいうことを認めるために第三種にするのではございませんで、あそこの地域は地元の民生利用という観点から林業の整備事業を実施する地域である。したがいまして、人工森を造植し、それを伐採し、また保護し、造植しという地域であるので第三種にするという意味でございます。
 そこで、先ほど恩賜林組合と富士急との間で契約があってというふうなお話でございましたが、私どもはそれは承知しておりません。それから、あくまでそういう林業整備事業ということで払い下げをするわけでございますから、その後そういう地域におっしゃるようなモーテルとかなんとかというようなあれがもし出てきましても、これはみな許可にかかっておるわけでございますから、趣旨に違ったような使用方法については考慮するつもりはございません。
#81
○岩垂委員 存じておりませんというのですけれども、ここに議事録があるわけであります。だから、私はあなたにうそをついているつもりはないのでありまして、こういう事実が前提にあるわけであります。だから、自然保護という観点があらためて目の前にその危険にさらされているという状況を配慮した上でいまのような措置をとられることが必要ではないか、こういうふうに私は申し上げたいわけでありますので、その点を、もしそうであるとすればどのようにお考えになるかという点をもう一ぺん御答弁をいただきたいと思います。
#82
○柳瀬説明員 どういう契約があるかは別といたしまして、好ましくないような使用方法に基づく計画につきましては、それを承認しないつもりでございます。
  〔藤本委員長代理退席、委員長着席〕
#83
○岩垂委員 昨年一月に北海道の大雪山の縦貫道路計画を自然保護の立場から白紙にしたときに、自然環境保全審議会の林修三自然公園部会長が談話を発表されまして、国立公園内に自動車道をつくるのを極力抑制をする、ぜひ必要だという場合でも、代替手段がない場合に限るという条件が談話の中であげられておりますが、この談話の立場というものは当然環境庁はお守りいただけると思いますけれども、この点について、大雪の経験にちなんで、そういう失敗が今後ないようにしていただきたいと思うので御答弁をいただきたいと思うのであります。
#84
○柳瀬説明員 国立公園地域内における道路の設置問題につきましては、部会長談話の内容になっておりますようなものを尊重していきたいと思いますし、また、その内容につきましては、私どもの国立公園内の車道とかあるいは建物とかの設置についての審査基準の中にも近いうちに盛り入れていきたいというふうに考えておりますので、そういう考え方は今後十分尊重していくつもりでございます。
#85
○岩垂委員 その審査基準というのは、いつ御発表になるのですか。
#86
○柳瀬説明員 しあさって発表するつもりでございます。
#87
○岩垂委員 内容を伺うわけにはいかぬでしょうか。
#88
○柳瀬説明員 何ぶんにも部厚いもので、ここに持ってきておりますものですが、非常にたくさんございますのであれでございますが、車道の問題について概要を申し上げますと、特別保護地域には車道はつくることを認めない。それから特別地域以外でも、部会長談話にありましたような高山地帯とか、あるいは自然景観が非常にすぐれているところとか、学術的に非常に価値の高いところとか、そういうところにつきましては特別保護地区以外でも認めないようにしたい。それからそれ以外の地域につきましても、先ほど先生おっしゃいましたような、ほかに代替する道路ができないかどうか、あるいは非常に高い公益性があるのかどうかというようなことがはっきりしないようなものは認めていかないというふうな趣旨でございます。
#89
○岩垂委員 建設省に伺います。
 いま御指摘のとおりであります。国立公園の中に事実上道路は通れない仕組みができつつあるのであります。したがって、基本的にこの道路計画をお考えいただかなければならないと思いますが、その点について私は強くいまの計画の基本的な変更を、富士山の景観を守っていくだけでなくて、自然保護の立場から、そして環境保全の立場から建設省として再検討をわずらわすよう要請いたしまして、この問題についての質問は終わって次に移りたいと思います。建設省答弁をどうぞ。
#90
○下川説明員 ただいまの御要請でございますが、先ほど来申し上げておりますように、国道の百三十八号線というのは非常に重要な当地域の幹線道路でございますので、この二次改築というよのは今後十分慎重に検討をした上で進めてまいらなければならぬというふうに考えております。
 以上でございます。
#91
○岩垂委員 進めてまいらなければならぬということと、いまの環境庁の発言というものを十分御理解をいただいておりますね。
#92
○下川説明員 環境庁につきましては、もちろん自然保護地域でございますので、この点につきましては協議の義務がございます。この段階で、設計の詳細については十分調整を行なった上で遺漏のないようにしてまいりたいというふうに存じます。
#93
○岩垂委員 この問題はいま環境庁のお答えをきちんといただきましたから、事実上いま予定をしている地域はできないというふうに私は判断をいたします。基本的な変更を余儀なくされているというふうに思いますので、それは私の判断でありますが、質問を終わって、環境庁長官お見えですから、次に移らせていただきたいと思います。ありがとうございました。
 五十一年規制の問題について御質問申し上げたいと思います。
 環境庁長官は先ほど午前中に自民党の林議員の質問に対して、この規制の基準をきめていく過程の中で経済性というものに無関心ではない、総合的に判断をしていかなければならぬ、安全性という問題はまだつまびらかでないけれども、というようなことを、私、断片的に書きとめてあるわけでありますが、御指摘をいただきました。
 春日さんにお伺いをいたしますが、審議会に国民の健康を最優先にして、経済性や運転性能悪化の問題というのはこの際抜かしてもという議論ではないと思うのですが、国民の健康保護というものを優先させるという立場で見解を明らかにされたようでありますけれども、新聞に出ているように、国民の健康を最優先に扱っていくというふうなリードを環境庁が審議会に示したという内容について、少しお教えをいただきたい。
#94
○春日説明員 私どもは、大気汚染防止のために、五十一年度から量産車に適用可能なNOxの削減の技術的限界を追求いたしてまいりまして、できるだけきびしい規制基準を決定する場合に、車の燃料経済性及びドライバビリティー、この悪化の問題が発生してくることはよく知っているわけであります。しかし、自動車排ガス規制の問題というのは、公害対策基本法及び大気汚染防止法のたてまえからいたしますれば、国民の健康の保護あるいは生活環境の保全をはかるために、大気汚染の防止を促進し、また優先する見地から取り組むべきものであるということはもう言うまでもないことでございまして、したがって、基本的には現在の技術で可能なNOxの低減対策の適用によって、車の燃料経済性あるいはドライバビリティーの悪化が避けられないとしても、これはある程度やむを得ないことだ、かように考えておるわけでございます。
#95
○岩垂委員 大臣に伺います。
 先ほどの、午前中の林さんに対する答弁と、いま環境庁の春日さんがお答えになったことばとの間には明らかに矛盾があります。環境庁長官は、OECDからお帰りになったときにもこの問題に対する一つの観点を明らかにされております。それは、特に経済性の問題を中心にしてこれらの問題の配慮が行なわれなければならないという意味のことが伝えられているわけでありますが、それらの見解をいまはどのようにお考えになっていらっしゃるか、承りたいと思います。
#96
○毛利国務大臣 けさほど申し上げましたこと並びにただいま春日局長からお答えになったこと、ことばの表現の言い足らぬ点はあったにいたしましても、矛盾はありません。
#97
○岩垂委員 経済性について無関心ではない、経済性のことも考えなければならぬという考え方ではないということですね。春日さんのいま御発言いただいたとおりに理解してよろしゅうございますか。
#98
○毛利国務大臣 健康が優先するということに間違いはないと同時に、経済問題に無関心ではないということに私は矛盾はないと思っております。
#99
○岩垂委員 これはどっちから言うかという言い方の違いの問題ではないのです。最優先にするという限界があるわけです。それをちゃんと中公審に対して、一定の文書を添えて、こういう形で御議論をいただきたいということを出しているわけでしょう。それが事務当局の見解ですよ。それならばその立場にお立ちになるとおっしゃるのか、それとは違うと言っているのか、はっきりしてほしいと思うのです。
 つまり、経済性の問題も重視されるべきである、これは午前中の林委員の質問に対してあなたはそう答えたのですから、その辺が全く矛盾しているのですよ。ですから、その点はごまかしの、ことばの問題ではなくて、姿勢の問題として、事務当局が答えている見解と同じと承って、そのように理解してよろしいか、その点についてお答えを願いたい。
#100
○毛利国務大臣 重点はあくまでも健康でありますが、総体的な問題として矛盾はしていない、こういうふうに申し上げております。
#101
○岩垂委員 それでは具体的に伺いましょう。
 ツー・サイクル・エンジンの問題で、鈴木自動車をはじめとする業界といいましょうか会社から、五十年規制の実施がクリアできない、延ばしてほしい、こういう要請があり、自民党の政調会の名において、環境庁にその延期の問題について申し入れがあったように承っておりますが、それは事実かどうか、そしてそれはどなたが自民党を代表して環境庁に申し入れが行なわれているか、この点を明らかにしてもらいたいと思います。
#102
○毛利国務大臣 政調会長の名において申し入れの一部に本件が付記されておる、こういうことでございます。
#103
○岩垂委員 どなたが環境庁にその申し入れを行なったかという点について、これはもう周知の事実ですから、明らかにしてもらいたいと思います。
#104
○毛利国務大臣 いま申し上げたとおりです。
#105
○岩垂委員 どなたが申し入れを行なったかということを聞いているのであります。そのことについては環境庁長官は触れておられません。もう一度御答弁をいただきます。
#106
○毛利国務大臣 政調会会長水田三喜男さんの名において、私のほうに正式文書として参っております。
#107
○岩垂委員 水田さんがお見えになったのですか。
#108
○毛利国務大臣 いや、書類を送ってきたのです。
#109
○岩垂委員 送ったのですか。
#110
○毛利国務大臣 そうです。
#111
○岩垂委員 郵送で……。
#112
○角屋委員長 ちょっと、往復の質問回答は正式にやってください。
#113
○毛利国務大臣 政調会から書類で持ってきたのです。
#114
○岩垂委員 それはどなたが持ってきたということは言えないのですか。
#115
○毛利国務大臣 政調会の事務当局の人です。名前は忘れましたがね。
#116
○岩垂委員 少し事情が違うようですが、しかしそれは……。
#117
○信澤説明員 ただいまのお話の件でございますが、私が承知しておりますのは、事務的に私どもの政府委員室のほうへ書類の送付があった、こういうことであります。事務局の職員がお持ちになったか、その経緯はわかりませんが、政府委員室を通じまして私ども入手をいたしました。そういう記憶がございます。
#118
○岩垂委員 まあ、それはそのくらいにしておきましょう。
 環境庁長官はこの申し入れについてどのような措置をなさるつもりか、承りたいと思います。
#119
○毛利国務大臣 ツー・サイクル・メーカーの一部から、五十年規制のHCの対策が技術的にきわめて困難であるとの発言があり、この点に関して各方面からの陳情もあったが、一方では可能であるとのメーカーもあるので、事務当局に対していままでの経緯並びにその実情について総合的に調査するよう指示したところであります。したがって、延期を指示したというような事実はいままでのところありません。
#120
○岩垂委員 延期を指示したということではないというので、私は次に進みますけれども、五十年規制の問題に関連して、やはりNOxが大幅に緩和されるというならば、この際という気持ちでおそらくHCのほうもめんどう見てくれという言い方にやはりなってくると思うのであります。問題は、五十一年規制の問題姿勢それ自体が問われていることだと私は思うのであります。その意味で、この問題に対する環境庁長官の今後の態度というものについて、たいへんくどいようですがもう一ペん承っておきたいと思うのであります。ある意味でそれは五十一年規制のあり方を占う一つの政治的な行為にならざるを得ない、このように考えますので、その点について恐縮ですが御見解をわずらわしたいと思います。
#121
○毛利国務大臣 五十一年規制については、先般来いろいろ申し上げておりますが、〇・二五という五十一年規制を実行するのは技術的に非常に困難であるということが今日明らかになってまいっております。したがって、私のほうでは中公審の答申を待って結論をきめるという方針でただいまおります。ただいま申し上げました五十一年規制の困難であるという人々の声は、あるいはできるという人々の声は、二つの声が大きく出てまいっておりますが、五十一年規制の〇・二五が実行される場合はされる場合で、されない場合はきわめて不公平であるという声を大きく出してまいっております。
 いずれにいたしましても、われわれのほうではできるのかできないのか、できるできないの議論が二つある、それに対する実情を総合的に調べておく必要があるというので調査をいまさせておるというのが実情でございます。
#122
○岩垂委員 春日さんに伺いますが、この間、いまの国民の健康を優先させるということに関連をして、環境庁が暫定値をきめるための各社の技術評価とでもいいましょうか、それを試案として出されたということを承ったわけでありますが、それを提示なさったという意味は、環境庁がこの時点から公式に暫定基準ということに、暫定値に踏み切ってそのような措置をおとりになったのかどうか。そして同時に、そのドラフトというものを私たちの前にお示し願うわけにはいかぬかどうか、その点を承っておきたい。
#123
○春日説明員 今月の二十日に委員会が行なわれたわけでございますが、この委員会に提出いたしました書類は、いわゆるドラフトといえるほどりっぱなものではないのでございまして、ドラフト以前のものと申してもいいかと思いますが、これはいままでの技術的諸問題に関する専門委員会の諸先生の論議を議事進行のために取りまとめたものでございます。したがいまして、その委員の総括的なものである。そして、これをもとにしてドラフトが今後書かれていくことになろうと思います。したがいまして、暫定値というような問題につきましては具体的に内容としておるわけでは全くございません。したがいまして、ドラフトで暫定値をどういうふうに書いておるとかこういうようなことはまだないわけでございます。
#124
○岩垂委員 その文章を委員会に御提出を願うわけにはまいりませんでしょうか。
#125
○春日説明員 ただいまも申し上げましたように、いままでの委員会におきます論議を整理いたしたたたき台のものでございますから、これを御提出して先生方の御批判をいただく、こういう段階にあるようなすぐれたものでは残念ながらまだございませんので、御容赦いただきたいと思います。
#126
○岩垂委員 すぐれたものであるかどうかという判断は皆さんがなさるだけじゃなくて、国民がぜひしたいというふうに思っていることだろうと思うのです。それはどうしても出せないということであればやむを得ませんけれども、やはり資料というものをできるだけオープンにする、審議会の議論というものを国民の前に公開していく、こういう姿勢がいまや私は環境行政の中で問われているのではないだろうか、こういうふうに思わざるを得ないのであります。
 そこで、続いて質問をいたしますけれども、この間、自動車公害専門委員会が七大都市の調査団と会われまして、このときに八田委員長は、このレポートというのはたいへんりっぱにできておる、大部分はもっともだということを言っておられるわけであります。その御発言と、遺憾ながら春日さんがこの前の委員会で非科学的だと言われた議事録に残されているおことばを私たちは問題に、せざるを得ないと思うのであります。環境行政というのはソフトでなければならぬことは事実でありますが、同時にお互いの技術開発あるいは努力というものに対して謙虚でなければならぬと思うのであります。
 この点について、この前の春日さんの御発言がどのような意味を持って国民の前に伝わっているかということも御配慮をいただいた上で、このことばについていまでも正しいと思っていらっしゃるかどうか、そのことばの重さについてどのようにお考えになっていらっしゃるか、御答弁をわずらわしたいと思います。
#127
○春日説明員 七大都市の自動車排ガスに関する調査団の報告書にございますところの技術評価の問題でございますが、この技術評価に基本的な問題があるとは私必ずしも考えていないわけでございます。すなわち、五十一年度になりますと、ある種の前提を置けば技術的にこの辺まで到達できるようになろうというような見通しめ問題につきましては、私どもあるいは委員会の専門委員の方々と調査団の技術評価の間にはそれほど差がないといっていいと思います。しかし、そのことが直ちに五十一年度中にシステムとして耐久性もあり量産可能であるということになるとは必ずしもいえないわけでございまして、その辺が一番大きな意見の相違点であろうと思います。
 それからまた、個々のケース・バイ・ケースの問題でございますけれども、若干の意見のそごはあろうかと思います。しかしながら、先ほど申し上げましたように、基本的に技術的評価というような点につきましてはそれほど大きな問題はないというのは八田委員長あたりの御発言のとおりであろうと思います。しかし、専門委員会はまだ審議中なので、具体的のこういった問題について触れるということも、あるいは評価が分かれるという点もあろうと思います。私の考え方と申しますものも大体私がただいま申し上げたような点に集約されようかと思っております。
#128
○岩垂委員 それならば、この前科学的な推論ではないと思うということばを使っておられますが、そのことばはお取り消しをいただきたい、このように思います。
#129
○春日説明員 科学的でないと申しておりますのは、その前後の論議を受けての点でございます。
#130
○岩垂委員 林さんが御質問の中で指摘をされていることは、本田と三菱の技術を組み合わせるのは現実的ではない、だから科学的ではないと言っているのです。しかし、私はそうは思っていません。問われている課題は科学の問題ではない、企業秘密の問題なのであります。それを科学的でないということばが使われているわけでありまして、一体どっちを向いているのかと実は言いたくなるわけであります。そのことばとあわせてあのことばが一体国民の中に環境行政のあり方をどのように疑問を含めて見詰めさせたかということばの重さをもう一ぺん御反省を私はいただきたいと思うのであります。
 たいへん言いにくいことでありますけれども、率直に言って環境行政のあり方というものがあのおことばの中にやはり語られているように理解をした人たちがどんなに多かったことか、新聞の投書その他の中でも御指摘のとおりであります。だとすれば、やはりこれは私としては謙虚にこの事態というものを環境行政をあずかる立場で御配慮願いたいという気持ちであります。もう一ぺん春日局長の、この問題が及ぼした影響も含めて御答弁をわずらわしたいと思います。
#131
○春日説明員 先生がただいま御指摘になりましたような、私から考えればある種の誤解に近いこともあろうと思いますけれども、そういうことがあったとすれば、はなはだ遺憾でございます。
#132
○岩垂委員 遺憾である立場が明らかにされたわけでありますが、この七大都市との話し合いの中で、八田委員長がこう言っておられます。メーカーが実は企業秘密があって、十分な資料が見られないのだという意味のことを御発言なさっておられます。すべての技術というものを知ることがなくて五十一年規制を議論することはできないと思うのでありますが、中公審にすべての資料を、ヒヤリングの際のすべての資料を提出しておられるかどうか、その点が一つと、本委員会にその資料請求が出されているようでありますが、これらについても私は環境庁がどのようにこの問題について対応なさっておられるかということについて承っておきたいと思うのであります。
#133
○春日説明員 まあヒヤリング等を通じまして、私ども事務当局といたしましては、でき得る限りの資料、データの入手につとめてきたつもりでございます。企業秘密のためメーカーが提出しなかったものがあるかどうか、これは必ずしもはっきりしているわけではございませんけれども、今後とも専門委員の必要だとする資料、データというものはつとめてこれは集めていきたいと思います。現にそれは提出さしておるつもりでございます。
#134
○岩垂委員 メーカーは企業秘密というものを口実にして資料の提出を渋っているということは一切ないというふうに理解してよろしゅうございますか。
#135
○春日説明員 この点につきましては、先ほど申しましたように、必ずしもはっきりはいたしておりませんが、私どもがこういう問題について、こういうデータがほしいというものについては、これは提出方を要請し、あるものについてはこれは提出させておるわけでございます。
#136
○岩垂委員 本来ならば、このような重要な課題を扱う委員会でありますから、中公審独自が、たとえば立ち入り調査を含む調査権みたいなものを、そういう権限を持たなければできないことだろうと私も想像いたします。しかしにもかかわらず、その調査権というか、立ち入り調査の権限がないとしても、最大限の努力を尽くしながらその資料を収集しなければならぬ、それはこの委員会の義務だろうと思うのであります。いわばその事務局をあずかっている環境庁がそうした努力をいただくことは当然だろうと思うわけでありますが、委員会への資料提出というものは時期を見て考慮をいただけますかどうか、この点についても御答弁をわずらわしたいと思います。
#137
○春日説明員 私どもはヒヤリングを通じて、あるいはその後中公審の自動車専門委員会の要請に応じてメーカーから提出さしたものが多くございますが、その中で特にヒヤリングの場合、これらの資料は公表しない、ですから企業秘密もお出しいただきたい、こういう態度で私どもは資料の提出を求めておるわけでございます。
 したがいまして、自動車メーカーは午前中に通産省のほうからもお話がございましたように、アセンブリー産業の一つでございますから、非常にいろいろな企業とお互いに協力体制にある、その中にはそれぞれ契約によって企業秘密というものが存在していることも事実でございます。それを一般に公表するという形はなかなかむずかしい。したがいまして、一般公表を前提として資料を求めた場合には、先ほど先生の御指摘のように、出すべきものも出さないことがあり得るわけでございます。それでは困るということで私どもは処置してきたわけでございます。したがいまして、この点につきましても御理解をいただきたいと思います。
#138
○岩垂委員 出せるものは可能な限り出していくということについては理解をしてもよろしゅうございますか。――いいですね。
 じゃ続いて、これは私どもの党の中でも実は相談をしたわけでありますが、この委員会に中公審の委員長あるいは大気部会長あるいは自動車公害の委員長を参考人としてお招きをしてお話を聞きたいということがあるわけでありますが、これらについてはもちろん理事会でお話をいただかなければなりませんけれども、これをあらためて要求をしながら、そのような要請があったときに環境庁はどのように対応いただくかどうか、承っておきたいと思います。
#139
○春日説明員 ただいまの問題につきましては、理事会の御権限に属することであろうと思いますので、事務当局としての見解は差し控えます。
#140
○角屋委員長 ただいまの岩垂君の質問の点につきましては、理事の先生方もおられますが、午前の理事会で同じような趣旨の要請が出ておりまして、これは与野党含めて適当な機会にそういう関係者を呼んで議論をしなければならぬという点では意見が一致をしたわけでありますが、いついかなる時期に呼ぶかという点については、さらに各党とも検討してもらい、理事会でも相談をしようということになっておりますので、その点でひとつ話をさらに進めていただきたいと思います。
#141
○岩垂委員 了解をいたします。
 七大都市の調査団と八田委員長がお話し合いをしたときに、委員長はこの時点では現在まで五十一年規制の可能性について技術的な討議はなされていないということをおっしゃっておられるわけでありますが、それはそういう意味に私どもは受け取ってようございますか。
#142
○春日説明員 まことに残念でございますが、その意味ちょっとわかりかねます。
#143
○岩垂委員 五十一年規制の可能性について技術的な討論が委員会で行なわれているかどうかという質問であります。
#144
○春日説明員 おそらく八田委員長の御発言は、現在のところ五十一年規制値をどういう形で決定するか、それについての論議はまだしていないということでございまして、それぞれの五十一年度規制値達成のためのアプローチによる可能性の問題とか、そういったことは十分に討議をしておるわけでございます。
#145
○岩垂委員 委員会の議論を引き出すようで悪いのですけれども、委員会の大方の見解というものの中に、たとえばリードの期間というのは一体どのくらい必要かということについて議論をされたことがあるかどうか。八田委員長は四十カ月必要だという見解を持っておられることが調査団との話し合いの中で明らかになったのでありますが、そのとおりかどうか、お答えをいただきたい。
#146
○春日説明員 八田委員長が四十カ月リードタイムが必要だと、こういうふうに仰せになったとは私ども理解いたしておりません。
 ただ、リードタイムと申しますものは、先ほども申しましたが、システムとして耐久性があり、量産可能な準備のためにはリードタイムというものが必要であることは当然でございます。
 またもっと具体的に申せば、リードタイムは運輸省の認証規則を満たすための準備のために必要でございましょうし、また不特定多数のしろうとの使う大衆商品の量産のための準備からも必要でございましょうし、もちろんこの両者はある程度オーバーラップできるわけでございますが、なかなかそれを完全にはオーバーラップできないわけで、そういった問題があるという御理解はいただきたいと思います。
#147
○岩垂委員 四十カ月ということになりますと、いま議論していることが実はナンセンスな形になるわけでありまして、そういう議論というものは私は成り立たないと思うので、その点を実は承りたかったわけであります。五十一年規制の実施に当たって、大型車が規制の困難な場合は、極端なことを申し上げると、たとえばセンチュリーとかあるいはプレジデントなどの問題でありますが、月間の生産量もあまり多くない、こういうことを考慮に入れたときに、そうしたものの生産をやめさせる、あるいは規制値がクリアできないとすれば、それは売るなというようなことを指導すべきだと私は思うのですけれども、この問題について八田委員長は、これは専門委員会の所管じゃない政策の問題だというふうにお答えなさっておられるわけですけれども、毛利長官はこれについて、大型車というものをそういう形でやめていくような規制措置というものをこの時点でお考えにならないかどうか、この点を承っておきたいと思います。
#148
○毛利国務大臣 大型車をやめてしまえとかそんなことは言えないと思います。けだし、日本のような道路事情の場合に、小型車と申しますか、燃料が少なくて済むような、いわゆる排気ガスが少なくて済むような小型車を重点的にやってほしいという重点指向というものはおのずからあっていいと思います。
#149
○岩垂委員 つまり、一律の規制にするということは、一番困難な大型車のところへレベルを合わせるということに結果的にはなるわけであります。そういう意味で私は、進んだ部分を基準にして、可能なぎりぎりということばを皆さんも何べんかおっしゃっているわけですけれども、その可能なぎりぎりという結論をお示しいただくことがいまや重要ではないかと思うのでありますが、そういう考え方に立ってこの環境行政にお取り組みを願うわけにはまいらぬかどうか、もう一ぺん質問をしたいと思います。
#150
○毛利国務大臣 いま御質問の趣旨は、一本立てでというような御趣旨のようでありますが、一本立てとするか二本立てとするか、そうした問題についての結論は出しておりません。目下、非常に困難であるという事情が明らかになってまいりましたので、いろいろな角度からの検討はいたしておりますけれども、中央公審の結論を待ってわれわれのほうでも結論を出そうという方針にいたしております。
#151
○岩垂委員 私は繰り返して言いますけれども、規制値というのは技術開発先行メーカーに合わせるべきであるという考え方をこの段階でも繰り返して実は要請をしたいのであります。四十七年に五十一年規制目標値を定めて、メーカー各社が技術開発を行なってきたわけであります。規制値がゆるめられた場合には、それを目ざして一生懸命で努力をした先行メーカーというものが、つまり正直者がばかを見る、こういうことにならざるを得ないのであります。それは今後の技術開発というものに対して非常に悪い前例を残すことになるのではないかというふうに思いますので、その点についてはもう一ぺん御考慮をわずらわしたい、このように思います。
 なお、暫定値ということだろうと思うのですけれども、あと何回くらいの委員会のプログラムで結論をお出しになろうとしていらっしゃるか。政局の関係もございますものですから、環境庁のあり方について、この際、具体的な技術的なプログラムを、何回でいつごろというふうにお教えをいただけませんか。
#152
○春日説明員 なお三回程度の委員会の御審議をわずらわすことになろうかと思います。
#153
○岩垂委員 三回ということは十二月の中ごろというふうにでも理解してようございますか。
#154
○春日説明員 なるべく早くいたしたいと考えております。
#155
○岩垂委員 時間が来ましたから、最後に要請と御質問を申し上げたいと思うのですが、東京都都民室が社団法人の新情報センターというところに委託をして、排ガスの五十一年規制の都民の世論調査を行なった結果というのは御存じだろうと思うのでありますが、これについてどう思うかということをまず承っておきたいと思います。
 内容はごらんになったかどうか、そしてごらんになったらどのようにそれに対してお考えいただいているかということについて御見解を承りたいと思います。
#156
○春日説明員 拝見いたしました。これにつきましては、もちろん大気保全という見地から自動車排ガスの問題をいろいろ世論調査なすっておるわけでございますが、いわば当然の都民の声があのデータの中に集約されておる、かように考えております。
#157
○岩垂委員 私は繰り返して申し上げますけれども、五十一年規制について、「自動車業界が技術的に困難だといっておるので、実施の延期もやむを得ない」という設問に対する賛成というのは一六%、「現在の科学技術でできないはずはないから当初の方針どおり実施すべきだ」というのは賛成が六二%、また設問を変えて「実施すると自動車業界が痛手を受けるから延期もやむを得ない」というのは賛成がわずか五%、これに対して「産業の発展より人の健康をとうとぶ意味から絶対に実施すべきだ」という見解に同調した人たちが七八%にのぼっているのであります。
 ここに国民の気持ちがある。このことを私はあらためて主張をしておきたいと思うのであります。願わくはそういう国民の期待にこたえるように、国民の健康と生活と生命を守っていくための環境行政の原点というものをこの五十一年規制の中にぜひ打ち立てていただきたい、このことを要請をいたしまして質問を終わります。
 以上です。
#158
○角屋委員長 小林信一君。
#159
○小林(信)委員 私は、前の質問者にだいぶ時間を食い込まれましてわずかしか時間がないのであります。したがって、十分御意見を聞くことができないかもしれませんが、資料とか、そういうものをお願いいたしまして、なお今後この問題でさらに検討をしていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 と申しますのは、午前中吉川委員から山梨県と長野県の境のスーパー林道の問題で質問がありましておわかりになったように、林業行政とそして環境行政、これは非常に密接な関係を持っておるのですが、あの話を承りましても、二つの役所の間に密接な関係というものがほんとうに結ばれておらぬ。そしてその中からは林業のほうを優先すべきであるというようなものも感ぜられるし、いや、自然保護が優先するものである、調整というようなことばも出てまいりましたが、とにかくばく然としておりまして、これは単に長野、山梨両県の問題でなくて、山岳地帯の多い日本全体の問題でもあるわけであります。いま私どもが感ずるような二つの役所のきわめて不明確な問題に対する対処のしかた、こういうものを一日も早く国民が疑惑を持たないような状態にやってもらいたい。ことに、私の県は山の多い県であります。しかも県有財産が多くて、林業というものは非常に重大な産業になっておるわけであります。そういうところが、たまたま今度の問題に触れまして大きな話題を投げかけておるわけです。
 したがって、私の県の問題を材料にして、この二つの問題は今後どうあるべきかということをこの委員会の中でただしたいという考えで実は立ったわけでありまして、時間がございませんから、きょうはほんとうに基本的な問題と、そして今後の問題を解明する材料を両役所にお願いをして終わりたいと思います。
 まず最初に、環境庁長官が、十月初旬でありましたか、富士山のスバルラインにおいでになり、それからスーパー林道の現地を視察されております。先ほど吉川さんは、自然を愛好する一部の人たちあるいは新聞、そういうものがいろいろなことを書き立てるから云々というふうに言われましたが、私は、この問題に限っては、長官がみずから現地を視察され、そしてその視察をした感想として出されたものが大きな波紋を呼んでおると考えております。それほど長官の現地の視察というものはたいへんな問題の焦点になっておるわけであります。
 新聞等を通して長官の御意見は承りましたが、ここで長官からじきじき、この二つの問題を調査された御感想をお伺いしたいと思います。
#160
○毛利国務大臣 富士スバルラインを視察したことと、南アルプス林道を視察した感想の二点についての御質問だと思いますが、富士スバルラインのほうからお答えをいたします。
 富士スバルラインの造成による植生の枯損等は、下のほうではかなり回復しているようでありました。五合目の高山地帯を中心としての緑化復元はかなり問題がある、これには強化しなければならないと強く感じました。この観点から、山梨県当局へ、復元への努力、指導をするよう指示したところであります。
 なお、山梨県においては、この方向に沿って新しく五カ年計画を立て、緑化復元事業の大幅な強化をはかることとなっていると承っております。
 南アルプスの林道を視察した感想でありますが、先ほど来吉川代議士から切々として地元の執念の御質問がありましたが、現地の実情をつぶさに見て、過疎に悩む地元住民の道路開通に寄せる気持ちを十分理解するとともに、この道路の造成による自然破壊もまた相当ひどいというのが、私の率直な感想であります。
 したがって、今後この問題については、先ほどもるる申し上げましたが、道路開設に伴うデメリット、メリット等々についての観点から、林野庁並びに関係諸団体とも十分検討を進めた上で、権威者のそろっておる自然審議会の皆さまに御相談した上で結論を出したいというのが、先ほど申し上げたとおりの私の所感であります。
#161
○小林(信)委員 最初のスバルラインの問題は、これは富士保全法が前の国会、その前の国会というふうにかかりましたが、ついにこれは廃案になっております。その廃案になる理由はいろいろあると思いますが、一体その富士保全法という、富士を保全するという大眼目の法案が、いまスバルラインが富士を崩壊させておる、この問題をどうするかというふうなことで、なかなか環境庁の結論というふうなものが得られない、私はそういうことも一つの理由だったと思うのです。したがって、来年度予算をさらに計上してこの法案を再度提案をするかどうかというようなことが、おそらく環境庁長官の使命であったのではないかと私は想像をいたします。
 であれば、いま当該自治体に強く要望をしたというお話がございましたが、ただ地元の自治体に要望するのでなく、こういう山岳開発についての基本的なものを長官がお持ちになるような、そういうものが私はほしかったのであります。おそらくおありになったと思いますが、きわめて形式的な措置を御報告になったと思うのです。ああいう山一つを見ましても、一方では、確かに富士山を大ぜいの人に見せたい、ああいう高山に触れさせたいという気持ちもあるかもしれませんが、全く山が破壊される、その問題は許すことができないわけでありまして、その基本的なものを環境行政に当たる長官がどう持たなければならぬかということを、私はしっかりあそこで勉強していただきたかったわけであります。
 それから、スーパー林道の問題については、たいへんにひどい、こういう御感想がありましたが、それが結局環境庁長官の最も責任を負うところは、一・六キロ残された指定地域の道路を通すか通さぬか、そういう一つの判断をするための観察だったと思いますが、おそらくいまの状態では、いままで行なったその施工の状態というものがあまりにひどいというようなことが、環境庁全体の意向としていま暗礁に乗り上げておるように思います。
 確かに長官が視察をされたあとは、ほかのところも、全国放送だったと思うのですが、NHKの放送で出されたものは、全くひどいものという印象以外にないわけであります。しかし、それを林野庁あたりに聞きますと、あのくらいのことは当然だ。ほんとうにただ自然保護という簡単な考え方でいる人たちはひどいと思うかもしらぬが、あれはすぐ修復できるのだ、修景できるのだ、こういうふうに林業技術者というものは大きな抵抗の論理を立てて、いま自然保護の行政に対してたてをつこうとしておるのが、私はあの問題から生まれた全国的な情勢ではないかと思います。
  〔委員長退席、林(義)委員長代理着席〕
 したがって、環境庁長官が審議会にはかる。午前中は何かいい工法はないかというのが、私の一番の関心だった。一・六キロ通るのに、何かいい施工法はないか、自然を破壊せずに、そしてせっかくできた両方の道をつなぐことができるかどうか、私が一番関心を持ったのはそこなんです。しかし、それと同時に、こういう問題にどう対処するかという環境行政の基本的なものが、いま長官に要求されておるその一つだと思って差しつかえないと私は思います。
 私はこの際申し上げたいのですが、今度の林道の所々の問題からして、環境庁はまず事務処理のために、現状の人員でいいかどうかという問題をたくさんな声の中から聞いております。もう一つは、そういう自然破壊の現状を観察するという機能を持ってなきゃいけない。いまのようにとぼとぼと山の中へ入っていって、そうして破壊現状を見るというふうなことはもう許されない。そんなことをしていればほんとうに日本じゅうの山が破壊されてしまうと思うのです。せめて、海上保安庁が飛行機を持っています、ヘリコプターを持っています、まあそれと同様なくらいの観察する機能を持たなければ、どんどんどんどん破壊されて、後にさあこれを認可してくださいというようなことになるのではないかとさえ私は心配するものですが、これはいまのお話から感じた私の希望なんです。
 林野庁に聞きますが、林野庁では大臣が考えておるような考え方をしておりません。私どもしろうとが見ても非常な破壊行為だと見ましても、あのくらいのものはこれはもうすぐ修復できるのだ、復元できるのだ、こう言われた。そこに林野庁と環境庁の見解の相違が出てくるのだと私は思います。
 たとえば、先刻私は山梨県に参りまして、そして環境庁から中島という調査官が来られて、その調査官があれを復元するためには千年かかりますと言ったそうですが、私が中島さんに聞いたら、私は千年なんて言いません、百年と言いました。私はその県庁の人が言った千年をそのままとりました。それくらいの考え方を持っていいのだ。
 たとえば、富士山のいま破壊されているものは、あれが復元されるためには人工で不可能なところがある。ほんとうにあの自然が生まれたもとの状態にならなければ復元できない問題がたくさんあると思う。長官は簡単に人工でというふうなことを言われましたが、あの五合目以上の自然が復元されるためにはもっと植生の、植物の社会構造、そういう原理に立っていかなければほんとうに修景というものはできないくらいに私は考えておりますので、それを言いましたところ、富士山という孤立したああいう高山と鞍部のような地域の一・六キロとは違いますというふうなことを言われましたが、事実中島さんの言を聞いたら百年と言いました。百年といったってその間相当な努力をしなければ修景というものはできないと私は思う。ところが林野庁の人たちに聞きますというと、ああいうふうに破壊したものも、私たちはりっぱにわずかな期間で修復できるのだというようなことを言っておいでになりますが、林野庁の長官どうですか。
#162
○松形説明員 お答え申し上げます。
 ただいま植生の破壊による回復はどうだ、こういうことでございます。その例の一つといたしまして千六百メートルの残された場所についてのお話であろうかと思いますが、私ども現在その施工についての設計書を環境庁に出しまして御協議いたしておるわけでございます。
  〔林(義)委員長代理退席、委員長着席〕
 その点を踏まえて御審議いただいているのが現状でございますが、その千六百メートルのところは、ほとんど大部分といってもいいくらいが平たん地でございます。そしてすでに国有林などの中に四メートルないし五メートルの道が通っておるわけでございます。その千六百メートルをつくる場合にも、私どもの設計によりますと約三百本の大小の樹木を伐開することによってできる。しかもそれが平たん地でございますから盛り土、切り土、その差によります捨て土というものもわずかで済むというふうに私ども思っておりまして、それほど植生を破壊しないでもいけるのではないかということを私ども考えておるのでございます。
 なお、午前中にも申し上げましたけれども、道路建設五十数キロをもうすでに終わっておりますけれども、その中で約四十カ所程度が土捨てというようなかっこうで下のほうの樹木に被害を与えておる。それの植生の回復につきましては、のり面あるいはその側面等の緑化ということを郷土樹種をもって実施いたしまして、さらにそこに広葉樹等の侵入を見ながら私は十分修復できる、こういうことを考えておるのでございます。
 なお、つけ加えさせていただきますと、千六百メートルで破壊される土地の面積は〇・七ヘクタールでございます。ここの国立公園等の区域面積三万五千ヘクタールでございますし、この林道の利用区域面積と私どもが想定いたしておりますのが二万二千ヘクタールで、ございます。その中における〇・七ヘクタールの問題でそのような状態になっているということを御理解いただきたいのでございます。
#163
○小林(信)委員 まだその現地は工事が施行されておりません。しかし、それらを判断したものは長官ばかりじゃありません。これに関係する人たちが判断をしたのは、それ以前の工事を見て判断をしたと思うのです。したがって林野庁の長官、そのすでに施行されたその地域の修復というものもあなたがおっしゃるようにできるものですか。それと同時に、午前中吉川さんの質問にどこへ二億、どこへ一億というような金の使途まで明らかにされましたが、そういうものを使えば必ずだいじょうぶか。そして長官の見た、そして長官がそういうことを紹介して、いろいろアサヒグラフにも出ておりましたし、それからテレビでも放送されましたが、全く山の様相を一変されたものが何年くらいでもってもとの姿に返るか、そういう期限までつけてひとつ保証をしていただきたいと思うのです。
#164
○松形説明員 お答え申し上げます。
 南アルプススーパー林道につきまして、午前中もお答え申し上げたのでございますが、いろいろ問題のところがございます。そしてまた開設途上であったということもございますし、あるいは四十二年の開設を開始いたしましたころの一つの私どもなりの感覚等もございまして、必ずしも十分でなかったということは私どもは認めておるわけでございまして、その個所数が四十数カ所ございます。したがって、それに対しまして私ども計画いたしておりますのが山腹崩壊あるいは残土未処理個所についてのそのような修復工事、これが約二億円、あるいは戸台地区におきます地滑り地域の林道保全施設工事に約一億円、さらに所要の緑化あるいは修景のために約一億円、このようなことをお答え申し上げたのでございます。こういうことをやることによりまして私ども十分、これが年数がかかることによりまして修復できる、かように思っておるわけでございます。
 なお、先生地元でいらっしゃいますから野呂川林道を御承知いただいておると思いますが、私ども野呂川林道開設当時の写真と、現在それがどのように修復されたかという比較写真等も準備いたしておりますので、先生のところに写真を持って御説明にあがりたいと思います。
#165
○小林(信)委員 その年限くらいはこの際林野庁でもって、百年なら百年、二百年なら二百年、そういうものを言明する必要があるのですよ。おそらく環境庁のほうにまだ――自然保護局長にどうですかと聞くと何だかからみ合わせるようでいけませんから聞きませんが、しかし必ずしもあなた方が述べるように世間が安心はしておられない。だからそれをもっと明確にする必要があると思うのです。
 いまの野呂川の開発ですね、あなたはあれが立証しているじゃないかとおっしゃいますが、あそこに発電所があるでしょう。その発電所の貯水地が、あそこを破壊したために石がごろごろ流れてきたり、土砂が流れてきてあのダムが全部埋まっているのを御承知でしょう。それは修復されておるかもしれぬけれども、山梨県の、ことに南部地帯というものは地盤が脆弱ですね。もう国道なんかは屋根をつくらなければ、しょっちゅう土砂が崩壊してしようがないくらい脆弱なところでしょう。野呂川もその例に漏れず、あの開発の影響でもって大きなダムが石ころでもって全部埋まっている。そういうようなことが起きているのが山梨県の現状なんです。必ずしもあなたが立証しようというものは私は通用しない、こういうふうに思っております。
 しかし、立証できるならば、そういうものを私は示していただきたいし、そうして、だからといって、いま残されております一・六キロ、ここは平たん地だからよろしいというふうな判断でなく、長官が言っているように、どういう工法でやったらいいか。審議会なんというものは、これは私は長官の逃げ道だと思うのです。環境政策を、行政をあずかる人とすれば、もっと信念を持ってこの問題に対処してほしい。それは審議会にかけることも当然でしょうが、もっと具体案も持たなければいけないと思います。やはり工法を研究するというふうなことも林野庁も私は考えるべきだと思う。
 私の時間はあと八分しかないのですが、一・六キロの残されたものを、いままでの例からすれば政治的に解決をする、いわゆる環境庁が妥協の仲立ちをするようなことがよく行なわれるわけなんですが、ほんとに今度の仕事は、これは一つの全国的な林業行政とそして環境行政のモデルになるわけですから、ひとつしっかりした考え方でもって処理して、決して政治的なもので解決はされたくない。それは地域住民の要望というものはありますよ。そして、奥地開発だとか、ただ林業開発の問題でなく、いろいろ多目的なものが考えられてこなければならぬと思いますが、しかし、自然保護の原則というものはしっかり守っていただきたいと思うのです。
 そこでこういうような問題が、ただ、いまのような両役所の見解の相違から生まれるというのでなくて、行政上の措置が私はいろいろな問題を生んでおるような気がいたします。たとえば今度のこの問題については、たくさんあらゆる角度から紹介されるのを私どもは見ましたが、事前着工は慣行である、許可を受けない前に着工するのは当然である、とても許可を待っておったのでは、これはいつ仕事ができるかわからぬ、こういうものがいま責められるほうからは非常に強く出ておるわけなんですが、この点はまず環境庁のほうからこれにどういうふうに見解を示されますか、お伺いをいたします。
#166
○柳瀬説明員 山岳地帯に対する道路の建設というものは、やはり自然破壊というものにつながる問題が非常に多々ありますので、やはり慎重にこれは処理しなければならぬというふうに考えておるわけでございまして、したがいまして、許可のおりる前に事前に着工するというようなことは非常に遺憾な問題であると思っております。
#167
○小林(信)委員 しかし、だからといって幾らでも、二年も三年も待っても、いいとも悪いとも言わないというふうなことがまた一つの理由になるわけですね。
 たとえば黒金山ですね。いま中止されております黒金山の林道、これなんかは二年も三年も待っているけれども、まだ何とも言ってくれない。したがって、いろいろな諸条件からもう着工しなければならぬというようなことを私は地元から聞いておりますが、このことは事実ですか。
#168
○柳瀬説明員 黒金山林道につきまして許可なく事前に着工をいたしましたということは遺憾ながら事実でございます。
#169
○小林(信)委員 いま私が申しましたように、環境行政というものは、あなた方が少し妥協的な気分になったり政治力をおそれたりすれば、大気汚染も水質汚濁も、企業側の横暴というものはどんどんその間隙を縫って来ますよ。そういうものを完全にシャットアウトするためには、あなた方がほんとうに信念を持って、私たちと話をするときにはまじめに話をしなければだめだと思うのですよ。黒金山の問題は、あなた方はもう一つ前の段階でもって、地方自治体がかってに着工して、そしてそれに対してあなた方のほうから注意をして、それがもとのとおり修復されなければ次の申請を検討することができないといっているのが私の聞いた事実なんです。何となく局長はぼやかしておりますが、そんな政治的な考慮をしていちゃだめなんだ。そういうものが重なって今度の問題になっているわけですからね。根が深いわけですよ。私はさらにそういう問題についてお聞きいたしたいのでありますが、そういうことが事実かどうか、調査をして私に御報告願いたい。
 それから、林野庁にもう一つお願いいたしますが、林野庁が無許可の林道施行に対して補助金を出しております。これはあなた方はどうお考えになっているのですか。私は山梨県ですから、これが不当であるとすれば、山梨県から金を返さなければならぬようになるかもしれません。しかし、これは検察庁の手が入っておりまして、検察庁が判断をする中で山梨県が金を返すか返さないかということになると思うのですが、ただ、山梨県の問題だけでなく、林野庁自体がなぜそんなところへ補助金を出したかということは、私はもっと大きな問題として考えなければならぬ問題だと思いますが、これについて林野庁のお考えを聞かしてください。
#170
○松形説明員 お答え申し上げます。
 ただいまの黒金林道につきましての無許可問題についての御指摘でございますが、私ども林野庁といたしましては、路線採択の際におきまして、このような自然公園の特別地域とか非常に大事なところを通るような林道開設につきましては環境庁長官の許可が要ることは十分承知いたしておりまして、この許可を受けるよう強く府県につきましては指導してまいっておりまして、したがって、補助金の交付にあたりまして、私ども、事業主体である県知事が当然法的な処置は受けておるものと、こういうことで手続を行なったものでございます。
#171
○小林(信)委員 それでもってあなた方は満足しているのですかね。国民がそれでもって納得すると思いますかね。地方自治体は必ず環境庁の許可を得ておるものと思いましたとか、あるいは地方自治体にうそはないと思いまして補助金を出しましたとか、そんな金の使い方をしてあなた方はいいと思っているのですか。私はそういう質問が出てくると思いますがね。
#172
○松形説明員 お答え申し上げます。
 私ども、先ほどちょっと申し上げましたように、路線の採択とか設計の審査という場合には、このような制限された地域を通る場合につきましては十分チェックをいたしておるのでございますが、今回このような事態が発生いたしましたことにつきましてたいへん遺憾でございまして、今後このようなことが、補助金申請あるいは補助金交付という段階にも十分私どもの目が通って、そういうことがチェックできるようなことで対処してまいりたい、かように考えておるわけでございます。
#173
○小林(信)委員 あなた方のやっていることを考えれば、環境庁は必要ない、そういうふうにも判断できるわけです。環境庁が目付役としてその職能を発揮しようと思っても、あなた方がそういうルートを通っていれば自然は破壊されるわ、そしてしてはならない補助金を交付する、こういう形に私はなると思うのですよ。今後改めなければならぬ、その改め方をどうするかということは林野庁だけの問題じゃないと思うのです。環境庁も一緒になって考えなければならない問題だと思いますね。
 チェックするといっても、この工事は国立公園地内を通るのだ、ここは何市の特別地域であるかというぐらいはあなた方もチェックするでしょうが、しかし環境庁の許可を受けたか受けぬかということは二の問題だ、そういう条件さえそろっていれば補助金は出す。そんなことをしたからいまこんな問題が起きて、山梨県では林業開発の人たちはこの線から押していけ、そして環境庁の許可とか、あるいは不許可ということは問題じゃないのだ、近くやってしまえという者も出てくると私は思うのです。あなた方が行ってこれぐらいの破壊はたちどころに修復することができます、修景することができます、こういう考え方というものは私はますます自然破壊というものを助長するような気がしてならないのです。
 したがって、あなた方が将来どういうふうにチェックするかということも問題ですが、もう少し環境庁は行政全体の中でどういうふうにするかを私はひとつ検討してきていただいて、そして次の機会にお知らせ願いたいと思います。
 それと同時に、いまのスーパー林道の問題も四十二年に厚生省の認可をとってあなた方は計画を立てた。その時点でそのときには、環境庁はないからしかたがないのですが、この国立公園地内を通ることについて十分の検討というものを、ただ許可をとったからいいのだというのでなくてほかに問題にならないか。その後自然保護の問題がたいへんに世論となってきておる。そして環境庁が生まれた。そしたらその時点で何か処理をしたらいいと思うのです。
 先ほどお話を聞けば、ことしの六月計画書を環境庁に送った。環境庁とすれば、五十何キロのところをやってきて、あと一・六キロしか残っていない、それをこれは国立公園地帯だ、いままでの施工の状態というものは破壊的である、だからこれはちょっと待ってくれといったって、これはもう何とか政治的に解決できるだろう。そういうふうにして自然破壊を余儀なくされる。私は大きな罪つくりをしているのは林野庁の森林開発公団だと思うのです。もっともっと事前に幾らでも良心があれば検討する機会があったのじゃないかと思うんですが、そういうものをあわせて今後の問題として提案をして、私は質問を終わらせていただきますが、何かありますか。
#174
○松形説明員 お答え申し上げます。
 いま御指摘ございましたように、確かに林野庁と自治体との間に地方庁の自主性というようなものを尊重し過ぎたというのもあるいは語弊があるかもしれませんけれども、指導監督に欠ける面があったということを私ども考えておりまして、一方御指摘のような、環境庁と林野庁の間でも国立公園内の林道に対する許可の基準の話し合いというものが十分でなかったということがあったように思います。
 今後このようなことがないように、すでに私ども環境庁と林野庁課長レベルにおける会合等も一、二開催いたしまして、それが対策についても十分話し合いを進めておるところでございます。また一方、都道府県等に対しての指導監督も、今後二度とこのようなことが起こらないように、私ども誠実な気持でこれを指導してまいりたいと思っております。
#175
○小林(信)委員 あと三十秒ありますから……。
 この問題は、私はいまのような程度でもって聞きおくことができないから、具体的にこうするというものを報告を願いたいと思います。そして環境庁のほうだって、決して林道をつくることに反対をするわけじゃないのでしょう。そういう点も、私はよくお聞きして、この問題をもう少し深く追及してまいりたいと思いますが、よろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。
#176
○角屋委員長 木下元二君。
#177
○木下委員 まず、本論に入る前に一点だけ環境庁に伺いたいのでありますが、公害健康被害補償法に基づく指定地域拡大の問題であります。尼崎市での指定地域の拡大は、東部の阪急電鉄以北に及ぶという方向で進められてきました。調査も済まされているはずであります。昨日は予定されておりました中公審も開かれずに延期となりましたが、これは既定方針どおりこの阪急電鉄以北を含む地域拡大がなされるものと理解してよろしいでしょうか。
#178
○橋本(道)説明員 いまの御質問のございました件につきましては、来週月曜日に中央公害対策審議会の環境保健部会において最終的な審議が行なわれますので、その結論によって決定されることになっております。
#179
○木下委員 その点はけっこうであります。
 水俣病問題を伺いますが、私は時間の関係で、患者救済の点にしぼって伺います。
 この患者救済の認定審査のおくれが著しいわけでありますが、認定の申請者数は二千五百名をこえておる現状であります。これが大きな社会問題になっているわけでありますが、そこで認定促進検討委員会がつくられまして、国と県が相協力をして認定を促進する体制が整えられました。そしてこの委員会が行ないましたことは、去る七月、八月の集中検診であります。これで約四百八十名の検診がなされたというふうに聞いております。
 ところが、この集中検診は、患者のほうからたいへんな不評をかっております。医師やこれを推進した行政側に対する患者の不信が、これによって一段と高まっております。認定の促進どころか、かえってマイナスをもたらしたという結果であります。
 この認定促進委員会の委員会づくりに肩入れをしてきました環境庁としましては、この結果をどのように受けとめていられますか、伺いたいと思います。
#180
○橋本(道)説明員 いま先生の御質問のございましたのは、今夏に行なわれました約四百八十名近くの検診促進のために行なわれた結果につきまして、患者さんの一部の方から非常にこの検診に対する不信の声が生じて、国にまでその問題につきまして陳情に見えたということの問題についてでございます。十八名の方が、御本人の名前と自分はどのようなところで問題があったかということをはっきり上申書としてお書きになりまして国に持ってまいりました。私どもは、この四百八十名近くの方々の検診のすべてが問題があったとは思っておりませんが、少なくとも十八名の方は、御自身の名前を書かれて、そしてそこに問題があるとされ、また検診協議会という組織として、その点につきまして問題の御指摘があるというところにつきまして、非常に心を痛めておるわけでございます。
 その点につきまして、患者さん側からも意見を聞き、あるいは検診を担当されましたお医者さん方のほうにも私どもも意見を承っておりますが、実際の問題といたしまして、非常にこの検診を進める上におきまして、まず熊本県の方でない大学の先生方がお見えになっておられますので、やはりそこらにことばの違いとか、あるいは患者に対する対し方等につきまして、お互いに何か誤解を生じやすいようなことがあったのではないかというようなところもございますし、中には知覚検査の場合に、突いて血が出る、これは一つの問題と思いますが、そのような事実上の問題があったということでございます。
 そういうことでございますので、私どもは医師と患者の信頼を回復するのが一番大事な問題であるというぐあいに考えておるわけでございますが、この四百八十名近くの方の検診の成績ということは、やはり一日も早く認定できる人についてはその検診の成績を使って認定すべきであるというぐあいに考えておるわけでございますが、患者さん御自身が自分の成績を使ってほしくないということを非常に強く言う方がおられるという問題や、あるいはこの認定審査会で議論をしてみると、この人は認定には至らないのではないかというような問題となりケースにつきましては、さらに慎重な対応を要するものというぐあいに考えておるわけでございます。
#181
○木下委員 いまその集中検診について問題があるのは環境庁のほうにやってきた十八名、これについて問題があるというふうに言われましたが、では、その四百八十名全体については、十八名以外のあとの残った人たちについては全く問題がなかったというお考えなのか、あるいはそうではなくて問題がありそうだということなら、そのほうについては調査をなさったのかどうか、そこはいかがですか。
#182
○橋本(道)説明員 十八名の方は、御自身の名前を明確に書かれてこのような問題があったということをされましたので、この人については確かに私どもも調査をするということで先ほど申し上げたようなことが事実わかったわけでございます。そのほかの人に問題がなかったかということでございますが、そのほかの人で名前を書いて国に対して直接事実をもって言うという人はなかったわけでございますが、検診者の協議会、検診を受けておりますその認定者協議会として全体として非常に陳情をしておられるということにつきましては、数量的にどれだけかということは私どもはわかりませんが、少なくともこの検診の成績についてかなり不満足で信頼を持ちがたいと言っておられる方々があるのではないかというぐあいに感じております。
#183
○木下委員 決してその十八名だけの問題ではないわけです。実は私もこの九月に現地、水俣に行きまして、患者の人たちからじかにこの集中検診の実情を聞いてまいりました。ここで一々申し上げることは、時間の関係もあり、差し控えますけれども、まるで患者を罪人視するような扱いがされております。少なくとも患者のほうはそう感じております。これでは不信感を招くのは当然であります。しかもそれは、中にたまたまそういう扱いを受けた人がいるということではなくて、全体的にそういうふうな扱いを受けているというのが特徴的なんです。
 この集中検診を行なうにあたって一定の研修をなさっておるようでありますが、この研修がこういう不当な、乱暴な検診のやり方の原因になっておるとしか考えられないわけであります。つまり、偶発的に起こったということでなくて、全体的に共通してそういう現象があるということから、そういった一定の研修がもとになっておるのではないか、こう思われるわけでありますが、その点については調査はされているのでしょうか。
#184
○橋本(道)説明員 いまの先生の御意見では、全体について罪人視したような扱いをしたというお話でございますが、私どもはそのようなことは考えております。十八人の方に問題があり、またその他の方々にかなり不満を言っておられる方があって、協議会として苦情を出されたということは事実でございますが、四百八十人の全体の人についてそのような問題があるというぐあいには私どもは考えておりませんで、これは患者さんの各派のところに私も回りまして、そして、すべての方がそのようなことを言っておられるわけではない、これは私も回りまして事実そのように感じております。そういうことで、一部にそのような問題があったということは確かにあろうかと思いますが、これはお医者さんのほうにも、私ども、いろいろ事情を聞いております。
 お医者さんのほうにいたしますと、決してそのような意図があったものではないということでございます。先ほどの知覚検査の問題は別にいたしまして、これはお医者さんのほうで決してそのような疑いを持ってやっているということではございませんで、夏休みを返上し、あるいは土曜、日曜日を返上して、そうしてこの患者の検診にわざわざ、これは強制的な業務でも何でもなしに、国と県とがお願いしたことに対して快く応じていただいてやっていただいておるものというぐあいに私は受け取っております。
 ただ、先ほど申し上げましたような、この検査の中で誤解をされやすい問題がある。たとえば、一例を申し上げますと、立っている人をうしろからつっと突くというようなことがあるわけです。このときこれから突きますよと言って突いたのでは反応の検査にならない。そういうことでうしろからつい軽く突くとそのような問題が出るとか、あるいはことばのやり取りという問題の中で、普通の患者さんの場合には、あなたは病気ではありませんと言われると非常に安心される場合があるわけですが、しかし、お医者さんが、あなたにはそういう問題はどうもないようだというお話をすると、否定するために切ろうとしているのだというぐあいに受け取られる。あるいはことばの点で、熊本の水俣なまりの方とほかのところの方とで意思疎通がなかなかむずかしい、あるいは聴力等の問題があって、そこにうまく円滑な関係がいかなかったとかいうようなことが中にあったのではなかろうかというぐあいに私どもは考えておるわけであります。
 そういうことで、全体としてすべてがそのような罪人視をした問題のある扱い方をしているのではないということははっきり申し上げておきたいと思います。
 それから、次は研修云々の問題でございますが、研修ということはいたしておりません。これは認定業務促進検討の委員会というものを何度か開いておりまして、そうしてその一番最後の六月九日から十二日の間に水俣市立病院の検診センターでの打ち合わせ会及びこの検診についてこのような問題があるということを具体的に知っていただいた機会のことを研修というぐあいにおとりになっておられるようですが、これは研修のために行なったものではございません。
 この点につきましては、水俣病の検査につきましては、当初、熊本大学の人でなければ絶対できないというぐあいに、四十八年の初めごろまではそういうぐあいな議論があったわけでございますが、第三水俣病の問題以降におきまして、九州の大学あるいは国立大学の先生方の御協力を得て、そうして先生方が皆さんでいろいろ討論されて、その方式によって検討の実際を経験された、そうしてそれだけの経験を踏まえまして四十九年三月から第一回の検診促進のための検討を行なわれたということでございますので、研修会というものを持ったものではないということが一点と、検診において全体的にそのような患者さんに冷たく当たるというようなことになるような内容としての議論があったということでは全くないということだけは明らかに申し上げたいと思います。
#185
○木下委員 私はその四百八十名全体について罪人視したということは言っておらぬのです。そうではなくて、全体としてそういう特徴的な傾向があらわれているのではないかということを言っているのです。だから、決して十八名ではなくて、相当数に対してそういった乱暴な扱いがやられておる。これはたとえば態度の問題などを言いましても、まるでうそをついておるということを前提にしたような形で詰問をするとか、そういう傾向ですね。あるいはいろいろ病状について過去のことを述べても、それは記載しようとしないとか、そういうことで非常に不満が残っておるわけなのです。これはもうあなたのほうも御承知だと思いますけれども。
 そういう問題について特に研修はやっていないということでありますが、名称は研修であろうがなかろうが、そういうことでなくて、この集中検診を担当する医師の人々に、手順であるとかやり方等について説明をしたということは事実だと思うのです。その中で不当なことがあったのではないか、こういうことで伺っているのですが、この点については環境庁はタッチしているのですか、いないのですか。
#186
○橋本(道)説明員 環境庁としましては、六月の初旬に行なわれました現地の市立病院におきます会合にはこちらからは直接参加はしておりませんが、具体的に第一次検診、第二次検診、第三次検診とどのようなぐあいにして進めるかということにつきましては、四十八年の間に先生方が皆さん非常にお寄りになって議論をされました結果そのものを使っておりますので、その中で患者さんを扱う場合に、疑いをはさむ云々というような議論を、そういうことを中心に患者さんの扱いを進めておるというようなことは一切ございません。ただ、医学の面におきましては、鑑別診断ということは当然あるわけでございまして、鑑別診断としていろいろ質問をするということ、これまた否定できないところでございます。そうした場合に、そのような質問の――これはことばづかいもありましょうし、あるいはそのときのお互いの空気もありましょうし、あるいはそれをどういうぐあいに相手が受け取るかというところの問題もございますので、その点で一がいにその患者さんの言われたようにすべての人がけしからぬことをしたとか、あるいは研修においてそのような方向で、お医者さんに疑ってやるようにしむけたのだというのは、これは曲解であるというふうに申し上げたいと思います。
#187
○木下委員 そういうふうに一応伺っておきますが、今回の集中検診のデータをどういうふうに扱う方針かということであります。先ほども少し言われましたけれども、水俣病と認定できる者についてはすみやかにこれは認定していただく、それ以外の者については再度十分な検診をやり直すように取り計らってもらう、こういうふうにお願いしたいと思うのですけれども、そういう方向で進めてもらえますか。
#188
○橋本(道)説明員 いま先生の御指摘のございましたような点が患者さんたちからの強い要望でございまして、私も県におきまして審査会が開かれましたならば、そのような線において善処していただくようお願いするということでございますが、残念ながら、審査会がまだ開けなかったという事実があります。知事さんも同様の考えでおられるということでございまして、開かれればいずれそのような方向をとるというぐあいに考えております。
#189
○木下委員 そういたしますと、環境庁としては検討委員会を発足させまして集中検診を行なわしめたけれども、結局、もう一度審査をやり直すということにもなるわけで、この集中検診というのは成功しなかったというふうに結果として考えざるを得ないと思うのです。これは環境庁としても今度の問題を教訓として今後に処してもらいたいと思うのでありますが、いかがでしょうか。
#190
○橋本(道)説明員 集中検討につきましていま先生の御指摘のような問題が事実社会的に生じたということは、非常に残念なことだというぐあいに思っております。ただ、この問題の解決につきまして、やはり医師と患者との信頼関係の回復という問題と、そのもとに立って検診のし直しということかどうか、これは次元の違う問題でもございますし、患者さんたちの要望をぜひとも生かしたいということで私たち対処いたしたいと思っておりますので、一日も早く認定審査会が開かれて、そうしてそれによって認定するに至らないとなった方につきましては、もう一度納得のいくように検診をして、そうして善処されるように持っていきたいというぐあいに考えております。
#191
○木下委員 集中検診で水俣病と認定できる者についてはもちろんのことでありますが、県の三次検診がありました、この三次検討によって、あるいは熊大の研究班の検診によりまして認定できる者については直ちに認定していくべきだと思うのです。審査会がいま開かれていないという問題がありますが、これもひとつ早急に開くように取り計らってもらって、その上でこれを直ちに認定できるように進めていただきたいと思うのです。いかがでしょうか。
#192
○橋本(道)説明員 いま先生の前段で御指摘のございました県がすでに行ないました三次検診のデータのある者及び熊本大学の第二次研究班でデータの出ている者につきまして、申請をされておって非常に長くまだ待っておられるという者につきましては、今回不作為の行政不服審査の中で、そのようにデータのある人は、また新しく検診をもう一回受ける期間を全部待つことなく、審査会が開かれればできるだけ早く、これは審査の順位にはよらなければなりませんが、できるだけ早く審査会にかけて、その審査会の中でなおかつこの分に問題があるということが審査会の意見として出ればそれを再検査しなければならないが、そうでなければ、そのデータをもって認定できれば認定するという方向の処理をとっておるわけでございます。
#193
○木下委員 だから、それは不作為の申請があった分についてだけではなくて、全体についてそういう方向で進む、こういうことですね。
#194
○橋本(道)説明員 いま先生の御指摘のあったとおりでございます。県にもそのような指導をいたしております。
#195
○木下委員 一つ指摘をしたいことは、認定促准検討委員会の構成の問題であります。集中検診のいま指摘をいたしましたような問題点、まずさがあらわれたというのは、私は研修と申しましたけれども、そうしたあらかじめの打ち合わせ等にも問題があったのではないかという疑いがございます。しかし、何よりも大もとは、その委員会の構成にあると思うのです。
 たとえば熊大の武内教授は委員会のメンバーにされておりましたけれども小委員会からはずされております。そして水俣病問題の病像を狭く限定する考えに立つ黒岩教授、この人が入ってきております。審査会のほうでは武内教授がはずされております。環境庁や県のこうしたやり方が一番問題だと私は思うのです。これが患者や住民の不信のもとになっておると私は思うのでありますが、いかがでありましょう。
#196
○橋本(道)説明員 いま先生のご指摘のございました、この委員会の中に小委員会を設けておってその中に武内先生が入ってないではないかということでございますが、委員会としては武内先生は入っておられるわけであります。小委員会というのはどういう人が出てきたかと申しますと、自分のところの病院の医員あるいは教室員で検診のために参加させる手勢を持っておられる方が小委員となられたわけでございまして、武内先生のところは病理解剖でございますから、検診そのものに病理解剖の方が御自身の医員の方を出されるということはないわけでございます。そういうことで武内先生が入っておられないということでございまして、全体の検討には武内先生も十分この中に入って検討しておられたわけでございます。
 それから、武内先生が認定審査会に入っておられないという点につきましては、武内先生は前回の審査会で私はやめるということをおっしゃって次におなりにならなかったということでございまして、そういう理由で武内先生が次の委員会に入っておられないということでございますので、そこの点につきまして誤解のないようにしていただきたいと思います。
#197
○木下委員 環境庁のほうとしては一応の筋はお考えになっておられるようですが、これは納得できません。特に最後に言われた、審査会から武内教授がはずれておるのは武内先生みずから言われたことだというお話がございましたけれども、そんなことはないですよ。私はことしの九月に武内先生とお会いしまして聞いたのですが、決してそういうことではない、何にも話もなくはずれたと武内さん自身が言っているのですから。
 それから、いまの問題にも関連いたしますが、いわゆる第三水俣病に対しまして環境庁がシロ説をとられましたその第三水俣病否定を実務的に切り開く役を果たしましたのが黒岩教授であります。しかし、これは学者の間では大きな議論が起こっております。武内先生は徳山、宇土はクロであると思う、シロ説は政治的な結論ではないか、こういう趣旨のことを言っておるのです。
 徳山の新南陽市の田中仙市さん、この方の一家には私も十月に現地に行って会ったわけでありますが、本人から事情を聞きましても、四十九年の一月二十二日に黒岩教授らが山口大学にやってきてわずか十分か二十分できわめて大ざっぱな、ずさんな診察をしただけだというのです。しかもこれは本人がはっきり言っているのですが、診察室ではなくて事務室で行なったというのです。それまでは水俣病の疑いが濃いとされておったのが、これだけでもってがらりと一変したのですね。この黒岩教授の診断が基礎資料となって環境庁の水銀汚染調査委員会健康調査分科会のシロの結論が出ておる。この第三水俣病という重大な問題に対しましてなぜもっと慎重にできないのか、これは非常に疑問が残ります。いかがでしょうか。
#198
○橋本(道)説明員 先生のご指摘の問題点につきましては、山口大学の神経内科の中村教授が御自身でこまかく診察をされました第一回目の診査の票もその検討委員会において詳細に検討されております。また、御指摘のありました四十九年一月の、これは全体で四人の先生だと思いましたが一緒に立ち会ってごらんになった。これはあとの経過の観察としてもごらんになったのですが、その四人の先生が合意してそのような結論になられたということでございます。ということでその時点においては水俣病と診断することはできないということになったわけでございます。
 この点につきましては、私どもは徳山は水銀の汚染もあったところでございますから、県に対しまして、その時点において水俣病と診断される人はなかったということは事実だが、このあとも十分注意をしてやっていくようにということで、私自身も山口に参りまして山口大学の先生ともお話をしまして、そしてこの事後の経過につきまして十分調査をしながら慎重にやってもらうよう申し添えております。
#199
○木下委員 その一月二十二日の件、四人と言われましたが、私は二人と聞いておりますが、人数はともかく、これは十分か二十分で、そしてしかも事務室でやったということはお聞きですか。その点はいかがですか。
#200
○橋本(道)説明員 私は事務室でやったということは聞いておりません。それから四人の先生のうち二人が山口大学の先生でございまして、二人が別の大学の先生でございます。で、その別の大学の二人の先生方は、患者さんは自分たちが別の大学から来ているということを知っておられたかどうかわからないというぐあいにおっしゃっておられましたが、先生方として十分資料を中心として患者さんをそこの場所で見てやれたということは事実でございます。ただ、事務室でやられたということは私は存じておりません。
#201
○木下委員 その四人の名前を言ってください。それから事務室でやったということはないと言われるのか、それともわからぬと言われるのか、そこはお調べになっていないのか、どうなんですか。
#202
○橋本(道)説明員 事務室でやられたということは私は存じておりません。
 それから四人の先生は、山口大学の精神神経科の中村教授と九州大学の黒岩教授と川崎大学の荒木教授と、それから山口大学の先生のところのたしか高松助教授だと思いますが、ちょっと私名前が不正確かもしれませんが、精神神経科の助教授の方がこれをみておられるわけです。
#203
○木下委員 さらに問題は、疫学的調査が抜きにされておるということです。臨床面での結論も私が指摘をしたようにきわめて粗雑、不十分でありますが、この臨床面とあわせて重要な疫学的調査がなされていない。この点もたとえば熊大の原田先生であるとか山口大の野瀬先生が批判をされております。一体なぜこれをやろうとされなかったのか。
 私はこうした第三水俣病をめぐる問題にいたしましても、あるいはそれ以外の問題にいたしましても、どうも見えすいた政治的な取り扱いがなされておる、こういうきらいが多分にあると思うのです。これは私は厳に慎んでもらいたいと思います。この認定審査会でもメンバーであった立津教授は、あまりにもひどい政治的処理に憤慨して、とうとうこのメンバーを辞退されました。これは新聞にも出ております。私は、一日も早くこうした人たちの協力も得られるような体制をつくって、早急に認定業務が進むようにするべきだと思います。またこの第三水俣病の問題についても、本格的な取り組みを進めるべきだと思います。長官、お考えはいかがでありましょうか。
#204
○橋本(道)説明員 長官のお答えの前に事実として申し上げますが、疫学的調査がされていないということは、これは全く事実に反しております。それにつきましては、仙市さん、セキさんの調査票の中にも疫学的事項としまして記載をされておりますし、家族の状況あるいは生活歴等について詳しく記載されており、また徳山湾の汚染及び魚の汚染についての事実も出されておるということが実態でございまして、野瀬先生はどういう理由で疫学的調査がなされていないとおっしゃったのかは存じませんが、それにつきましては私は疫学的調査はされておる、資料の中にもはっきり書かれておるということを申し上げておきたいと思います。
 また、認定審査会の問題につきましては、態本県におきましても精神神経科の先生に入ってもらうということで相当努力をされたということを伺っておりますが、まだ正式な委員としてお入り願えないということで、専門委員として精神神経科の武内先生のところの門下の原田先生が加わっておられて、認定審査会が開かれれば原田先生もその業務に参加されるというぐあいに私ども承っておりまして、一日も早くスムーズに問題がみんな納得のいくように進むようにということを念願しておるわけであります。
#205
○毛利国務大臣 事務当局に積極的に推進を命じておりますが、不親切のないようにさらに命じます。
#206
○木下委員 さっき言われました疫学的調査の問題は、そういう学者の批判があるということですよ。それは御存じだと思うのです。それはその方法が問題にはなるのかもわかりませんが、やはり一定の地域が問題になっているわけですから、その地域の健康の片寄りといったことを、もっと精密に科学的にほかの地域と比較調査をするといった、そういう形での厳密な疫学的調査というものがやられていない、こういう指摘なんですよ。第三水俣病の問題は決して終わったわけではなくて、私はもっと本格的な取り組みを進めていただきたい、このことを要請しておきます。
 それから委員長、第三水俣病問題について実情と所見をぜひ武内、立律、原田三氏から聞きたいというふうに思うわけでございますが、当委員会に参考人として出席を要請願いたい、こういうふうにお願いをいたしておきます。
#207
○角屋委員長 この点は、きょうの理事会で木下君から特に要請もなかった問題でありまして、協議もしておりませんから、次回の理事会でその問題を提起されて相談をしたい、そういうふうに思います。
#208
○木下委員 次は、患者の治療費問題でありますが、患者の置かれた事情と認定のおくれを考慮いたしまして、申請者全般について、一定の条件のもとに来年度予算で医療費、医療費手当を見ていくということを、環境庁はすでに明らかにされておるようでありますが、そこで一定の条件のもとにというのはどういうことをお考えになっていられるのかということであります。一定の条件といいましてもさっぱりわかりませんので、これはもう少し輪郭を明らかにしていただきたいと思います。
#209
○橋本(道)説明員 いま先生の御指摘の問題点の中で現在申せますのは、従来の熊本県の認定審査会におきましても、当初より約十二カ月余の期間を待っておられたという事実は数年にわたってあるわけであります。そういうことで長期の期間待たれた患者さんということが一つの問題になっております。あとの問題は、現在いろいろ検討しておる最中でございまして、どれということはなかなか申せませんが、裁判の仮処分を認められたケースにつきましても、全部を認められたわけではなしに、そのうちの二名について認められたというようなことも一つの参考ではないかと思われますが、それをいかなる条件でやるかということは、まだいろいろむずかしい問題がございますので、現在の段階では私どもはっきりいたしておりません。
#210
○木下委員 申請をしてすぐにそれではということで医療費を見るというわけにはいかない、これはよくわかるのです。では、一定の期間というのはどの程度のことをさすのかということが問題になると思います。
 そこで伺いたいのは、大気汚染の場合、一体平均的には申請をしてどのくらいたって認定が行なわれるのか、これが一つの大きな参考になると思いますが、私、聞くところによりますと、大気汚染の場合は大体三、四カ月というふうに聞いております。そうしますと、これとのかね合いということもありますので、大体これを基準にしてひとつ、これを条件にということで考えていただきたい、こう思うわけであります。いかがでしょう。
#211
○橋本(道)説明員 認定につきまして、大気汚染の場合と水俣病の場合とでかなりいろいろの条件の相違がございますので、私、いま何ともお答えいたしかねますが、先生がそのような御意見をお持ちであるということをよく頭に入れておきたいと思います。
#212
○木下委員 さらに、環境庁が不作為の申し立てを認めました申請者と同じ条件にある人に対して、四十九年度中にも医療費を支払えるように最大限の努力をするというように長官は患者の人たちに言明をされております。そうしますと、これは大体何名くらいいるのか、また、具体的にはどのような条件にある人たちなのか、大ざっぱでけっこうですが、これも明らかにしていただきたいと思います。
#213
○毛利国務大臣 先般の不作為の裁決において認容したケース及びこれに準ずる申請者についてはすみやかに処分をするべきところでありますが、その人数は二百四十名にものほっており、処分が行なわれるまでには数カ月を要すると思われるので、これらの者については、行政の常識としてはきわめて困難でありますが、今年度からでも医療救済処置が行なわれるよう努力をしているところであります。
#214
○木下委員 今年度中にでもということでありますが、この二百四十名という人の中には、もう長く保留をされてそのままになっておるという状態の人もたくさんいるのであります。そうした人たちに対して、すぐにでもひとつそういう便法をはかっていただきたいというふうに思うわけであります。ひとつこれは長官にお願いしておきますが、よろしいでしょうか。
#215
○毛利国務大臣 最善の努力をいたします。
#216
○木下委員 それからもう一つ、治療センター建設問題でありますが、これは前長官の約策でもあります。この構想はどの程度具体化しておりますでしょうか、伺いたいと思います。
#217
○橋本(道)説明員 水俣病センターの件でございますが、四十八年の三月に裁判の判決がありました以降、三木前長官が現地に行かれましてその設立を言明され、それ以降環境庁におきまして、昨年暮れに水俣病治療研究センター設立準備懇談会というのを設けまして、検討を行なってまいりました。そして大体どのような施設、どのような機能ということについて、ほぼ輪郭としては整理をされてまいってきたわけでございますが、最終的に機能及びその運営の主体、責任というところの問題につきまして、現在決定する直前ぐらいのところに参っております。それが固まればこれの追加要求をしてやっていくということで、現在環境庁は努力をいたしているところでございます。
#218
○木下委員 私が聞いたところでは、大体今月一ぱいぐらいに構想をまとめて、五十年度の予算に間に合うように措置をしていくというふうなことも聞いておるわけでありますが、そういうふうに理解してよろしいでしょうか。
#219
○橋本(道)説明員 来年度の予算に間に合うように最終的な結論を得て追加要求をするという方針で環境庁は現在努力をいたしておるところでございます。
#220
○木下委員 それからもう一つ、これは要請をいたしたいのでありますが、この水俣病の治療開発を進めるために、熊大やあるいは現地の水俣診療所というのがありますが、こういうところがいろいろ努力をしておるわけであります。こうしたところに特別の財政援助を行なっていただきたいというふうに思うのです。この点はいかがでしょうか。
#221
○橋本(道)説明員 御質問のございましたこの研究に関しましては、非常に複雑ないろいろな分野の方がかまないとできない研究でございますので、従来公衆衛生協会に委託しまして、そこでチームを組みましていろいろの研究をしていただいているという形になっておるわけであります。この四十八年の状況につきましては……(木下委員「詳しいことは、大体わかっておりますからけっこうです」と呼ぶ)全体としてチームを組むということになっておりますので、いま先生の御指摘のあったような問題につきましては、やはり全体の総合研究班の中でそのような形ができるかどうかということで、研究班自身でお考え願って決定していただくという問題であると私どもは考えております。
#222
○木下委員 この点はひとつ長官、いまの答弁があったわけでございますが、水俣病研究班というのがありまして、そのチームなりメンバーに対して財政援助をされておる。これはわかるのです。それはそれでけっこうでございます。ところが、現実に現地で治療活動とともにその治療開発を進めておるところがやはりあるわけです。それは熊大であり、あるいは水俣診療所であるわけです。現地で患者を前にして現実にやっているわけです。一番大事なところであるわけです。そういうところに対して、これはやっぱり国のほうから援助を願いたい、こういうことを特にお願いしたいのであります。ひとつこれはぜひ前向きに検討願いたいと思うのですが、いかがでしょう。
#223
○毛利国務大臣 事務当局に検討を命じます。
#224
○木下委員 その問題はぜひひとつ実現をお願いしたいと思います。時間がありませんので水俣問題はこのくらいにいたしまして、五十一年排ガス問題に移ります。
 この問題は、中公審の大気部会自動車公害専門委員会で審議中でありますが、その審議の経過のあらましを、ごく簡単でけっこうでございますが、お願いしたいと思います。
  〔委員長退席、登坂委員長代理着席〕
#225
○春日説明員 中公審の大気部会の下部にございます自動車公害専門委員会、これは前からの審議が続いておりますので第二十三回の委員会、これを八月九日に行なっておりますが、今回の五十一年度規制の討議については第一回と考えてよかろうと思いますので、それから申し上げます。
 第一回は、八月九日に開催されまして、事務局から技術開発状況のヒヤリングの結果、それから各メーカーの対策技術の概要につきまして資料を提出いたしまして、事務局のほうから詳細な説明をいたしました。それから今後の審議の進め方についての意見の交換を行ないました。それから自動車メーカーの視察について決定が行なわれました。
 第二回の委員会はこれは八月二十六日、それから第三回の委員会は二十七日、第四回の委員会は二十八日、それぞれメーカーの視察を行ない、討議を行なっております。
 第五回は九月二日に開催されまして、通産省から自動車産業の現状、五十一年度規制の問題について資料を提出し、説明があったわけでございます。本委員会におきましても、その点については御討議があったと記憶いたしております。なお、検討すべき問題点について一般的な意見の交換があったのでございますが、主として対策技術の現状把握、五十一年度規制の技術的可能性の問題、それから大気汚染に対する自動車排ガスの寄与度の問題等々についての討議が行なわれました。
 第六回の委員会は九月二十四日に開かれました。東京都の公害局小田企画部長、大阪府生活環境部の……(木下委員「簡単でけっこうです。どういうことをやったのか、テーマだけでけっこうです」と呼ぶ)大阪府の生活環境部からそれぞれ窒素酸化物低減計画について資料が提出され、それの説明を行ないました。なお、わが国における光化学大気汚染の概要について資料提出、説明、それから光化学大気汚染の関連物質について千葉大学の鈴木教授からの説明、光化学反応におけるハイドロ、カーボンとNOxの関係について柳原機械技術研究所課長の説明。
 第七回の委員会は十月の三日にございまして、これは主として光化学スモッグ、ロサンゼルスにおけるオキシダント環境基準達成の問題等々についての説明がございました。
 第八回は十月の八日に行なわれまして、これは触媒の開発状況を中心に検討がなされました。
  〔登坂委員長代理退席、委員長着席〕
 第九回は十月十七日でございまして、これはNOx防止技術の現状等について、主としてCVCC、ロータリーエンジン、熊谷エンジン等についての意見の交換があり、オゾン濃度と上気道狭さくの関係等についての話し合いが行なわれたわけでございます。
 それから第十回の委員会でございますが、十月の二十四日でございます。これは七大都市調査団報告書についていろいろな意見の交換がなされ、建設省、警察庁からも要望があったのでございます。
 次いで第十一回委員会は十月の三十一日に行なわれまして、これは各委員からそれぞれ意見の表明があったわけでございますが、主として運転性、燃費の評価の問題、五十一年度目標値達成の見通し、五十一年度から実施可能な対策技術等々でございます。
 第十二回は十一月の六日にございまして、これは七大都市調査団を招きましてその調査報告書、特に技術評価の部分についての意見交換が行なわれております。
 第十三回の委員会は十一月の十二日に開かれておりまして、五十一年度規制の技術的諸問題に関する各委員の意見表明が行なわれております。
 それから第十四回でございますが、十一月の二十日に行なわれまして、この場合冒頭に燃費とドライバビリティーについての事務局の見解の説明があり、生産のリードタイム等々につきまして、技術開発の状況について討議が行なわれております。
 以上でございます。
#226
○木下委員 環境庁長官から中公審大気部会に諮問されたテーマは、窒素酸化物の防止技術の開発状況ということではなかったのですか。簡単にイエスかノーかお答えいただきたいと思います。
#227
○春日説明員 五十一年度規制をいかにすべきかということでございます。
#228
○木下委員 五十一年規制をどうすべきかということで諮問があったテーマは、窒素酸化物の防止技術の開発状況、これがどうであるかということではなかったのですか。
#229
○春日説明員 必ずしも技術開発状況の現状についてのみだけではございません。
#230
○木下委員 それは八月三日に長官もあいさつをされておりますが、私は引用いたしませんけれども、それが中心テーマでしょう。ほかに何があるのですか。
#231
○春日説明員 もちろんそれが中心テーマでございます。
#232
○木下委員 いま申しましたのが中心テーマであるのに、その本来のテーマに初めから十分取り組んでいなかった感じがするのですよ。だからこういうふうにおくれてきているのです。大体、光化学スモッグ問題の論議をすること自体が、私はピンぼけではないかと思うのですよ。光化学スモッグ問題それ自体は重要な問題ですよ。けれども、一体なぜこれをしなければならないのか。このために貴重な時間を費やして、一体なぜこういう論議をするのか。この十一月六日に七大都市調査団と意見交換をしたときに、柴田団長は光化学スモッグは自動車と関係がないと考えるのかというように質問したのに対して、喜多委員は、はいそうですと答えたと伝え聞いております。どうも問題の中心テーマがずっと逆戻りした形で議論がされておるような感じがするのです。この目の前の五十一年規制に対して、光化学スモッグはロサンゼルスに比べて被害が少ないとか、あるいは光化学スモッグは車ではなくて固定発生源がもとだとか、こういうのはまるでメーカーの泣き言のような感じがするのです。それをいまごろこの中公審で議論をされておる。これはどうも認識不足の感が強いのであります。
 また、七大都市調査団との意見交換のときに、調査団の報告書に対しまして家本委員は、データが少なく推定が多くメーカーとして説明を聞きたいというふうに述べておるのです。大体、メーカーとしてなどと言うことが問題であります。この点は新聞報道でも報じておりますが、傍聴していた東京都公害局規制部長がこうした発言を聞いて、委員会が中立の立場に立っておるとはどうも思えない、委員会の姿勢に驚きと失望を感じた、こう話をしておるのです。これは新聞にも出ております。
 私はどうもこうしたことからも、中公審のあり方が大きな問題だと思います。ことに五十一年規制という、国民の健康と生存にかかわる問題を審議しておる中公審がこんな姿勢でよいのかどうか、私は環境庁長官にこのことを伺いたいのです。いかがですか。もう時間がありませんので、長官から……。
#233
○春日説明員 ただいまの中公審の専門委員会の議論の経過でございますが、これは先生まことに失礼でございますけれども、専門委員の自由濶達なる討議、それから五十一年度規制はいかにあるべきかということの最終的な結論を出すためには、こういったことが私は必要だと思っております。これは、きわめて態度がおかしいというようなことはないと私は思っております。しかし、これは意見の分かれるところであろうと思いますので……。
#234
○毛利国務大臣 こまかい議論はつまびらかに聞いていないのですが、専門委員の皆さんを信頼して結論を期待して待っております。
#235
○木下委員 もう時間がありませんので、最後に、私はまとめて申しますが、先ほども質問があったわけですが、環境庁は中公審の委員会のメンバーに審議のための資料をどの程度渡しておるのかという問題です。この点は七大都市調査団との意見交換の際に八田委員長が発言をいたしておりますが、どうも環境庁のヒヤリングも、企業秘密といったようなことで十分見せてもらっていないというふうな発言があるのです。一体、環境庁はヒヤリングのとき渡していないのかどうか、それからまたヒヤリング以外にも渡していない資料というものがあるのかどうか、どういうものがあるのか。私はこの問題については、環境庁は、メーカーが企業秘密ということにこだわるならば、これは既定方針であった五十一年規制を実施するという強い姿勢をなぜおとりにならないのか、こう思うわけです。
 その問題と、五十一年規制という問題は国民の最大の関心事であります。これほど重要なことをごく一部の専門家の意見を聞いただけで事実上きめてしまうというやり方はおかしいのではないか、もっと国民が納得できる手続をとるべきだ、こういう意見が強まっておるのです。より広い分野での専門家を加えて、公開の論議をやるべきだ、こういう意見も強まっております。非公開でやるから、先般も十月三十一日の委員会の発表では、これは環境庁のほうで発表されましたけれども、重大なミスをおかしておるのです。
 長官、これは途中でありますけれども、もう公開のも一とで審議を進めるべきだと思うのです。非公開にする理由は私は全くないと思う。この点についてひとつお考えを最後に聞かせていただきたい。
#236
○春日説明員 私どもは、再三お答え申し上げておりますように、中公審の自動車公害専門委員会の討議と申しますものは、これは終わりましてから記者クラブで詳細な報告をしておるつもりでございます。たとえば三時間行なわれますと、記者レクを一時間半ぐらいやったりすることもございますし、あるいは同じぐらいの時間をかけてやることすらあるわけでございます。そういう意味で、私どもは決して秘密のべールの中で討議しているとは考えておりません。私は、記者クラブを通じて討議の内容というものを公開しておる、こういうふうに考えておるわけでございます。
#237
○毛利国務大臣 非公開ということを厳守するたてまえよりも、親身に意見を開陳して議論を進めてもらいたいという趣旨に沿うためには、公開でないほうが、各委員の方々が真剣に思うとおりの議論ができるのではないかという趣旨に沿いたいということだと思います。
#238
○木下委員 公開ならばその自由な討議、論議ができないということ自体がおかしいので、その議論は私はさか立ちしていると思うのです。
 それから、先ほど言われました、環境庁が新聞記者にレクチュアしておるということでありますが、そういうことをやるから、さっきも指摘しましたようにミスが起こるのであります。私は、公開をはばむ合理的な理由というものはないと思います。
 もう最後でございますので、ひとつこれは委員長に重ねてお願いをいたしておきますが、この五十一年規制問題について、中公審の進捗状況と問題点を国民の前に明らかにすることが当面重要だと思います。また、あわせて七大都市調査団の調査結果なりあるいは見解もより明確にする必要があろうと思います。理事会でも提案をしましたが、あらためてできるだけ早い時期に参考人として喚問していただくことを要請いたしまして、質問を終わります。
#239
○角屋委員長 参考人の問題は、先ほど岩垂君からも出ておった問題でありまして、次の委員会の理事会のときに、いまの参考人招致以外の問題も含めて問題を提起していただいて御相談をしたい、こう思います。
 米原昶君。
#240
○米原委員 私は、これはいままでも各地で起こっていることでありますが、石油の備蓄あるいは精製基地、こういうものを設置する問題で、住民との間に各地で紛争が起こっておるわけです。その問題をひとつ聞きたいのでありますが、その前に、通産省のほうで考えておられる今後の石油政策といいますか、エネルギー政策全体の方向について、一言最初にお尋ねしておきたいと思います。
 それは、フォード大統領が見えまして、そして日米首脳会談が行なわれて、共同声明が出ました。この問題全般についていま論議する場所でもありませんが、今度の共同声明の大きな特徴として一言言えることは、エネルギー問題、特に石油問題あるいは食糧の問題こういう問題についてアメリカと日本が共同行動をとっていく、こういう大きな方向を打ち出したことだと思うのであります。
 その中で、石油問題でありますが、この問題については、すでにキッシンジャーの構想というものが発表されておって、世界各国でいろいろな論議を呼んでいるところであります。
 今度の会談の中で、キッシンジャーの行なった記者会見あるいは木村外務大臣の記者会見などで新聞が報道しておりますが、共同声明そのものには抽象的一般的な形で書かれておりますが、何かいわゆるキッシンジャー構想、こういうものを原則的に認めたというようなことが出ておりますが、そのように理解していいでしょうか。このことを最初に通産省の石油部長のほうからお聞きしたいと思います。
#241
○左近説明員 お答え申し上げます。
 ただいまの件でございますが、フォード大統領来日あるいはキッシンジャーの来日によりまして、あのコミュニケにあらわしておりますように、石油の問題につきましても今後日米両国が相互に意思を疎通してやっていこうというふうな合意はあったわけでございますが、具体的な内容というものはむしろこれからの問題であるというふうにわれわれは考えております。むしろ、今後具体的な会議が持たれて、その中でそういうものの方向が進んでいくのではないかというふうに考えておりますので、いまのところ具体的な内容というものははっきりしていないということに考えております。
#242
○米原委員 具体的な内容はまだおそらく発表できない段階であろうと思うので、そのことの議論をここでする場所でもありませんが、ただ、この考え方自身は非常に危険な方向を持っている。つまり、キッシンジャー構想というものは、先進工業国、資本主義大国が共同して、いわゆる石油消費国の大同盟をつくる、そして石油生産国アラブ諸国に対決していくという考え方であります。そのために石油の輸入の一〇%削減とか、こちらのほうがそういう態度をとる、あるいは石油の備蓄を九十日間やるというような形で大国側の共同体制をつくり、これを圧力にして交渉しよう。
 その中で非常に危険なのは、フォード大統領自身が九月末のエネルギー会議で、戦争も辞さないと、とんでもないことを言っているんですね。これは日本のNHKのテレビでも解説がありました。第二次大戦後、一国の指導者が戦争も辞さないなんということを言ったのは初めてである。キッシンジャー自身が先日ソ連その他を訪問するに先立って、ニューヨーク・タイムズに発表しておる記者会見の模様を見ましても、非常な危機感、このままでいったらたいへんなことになる、政治的、経済的な圧力だけでなく軍事的な対決をも辞さない、こういうことまでしゃべっているのであります。それに加担するということになりますと、非常にこれは外交上からいいましても危険な路線を歩むことになる、そういう意味で心配しておるわけであります。
 その問題は別の機会に別の委員会で論議することにしまして、実はその中で石油の備蓄の問題です。キッシンジャー構想をまつまでもなく、すでに通産省のほうでは、キッシンジャー構想と全く同じ九十日間備蓄という方向を現に進めておられるわけです。これは今後も強行されるつもりでありますか。これをまず聞きたい。
#243
○左近説明員 通産省は従来から、何らかの理由によりまして石油の供給が途絶いたしましたときに、現在必要な石油の九九%以上を輸入に仰いでおります日本の現状といたしまして、必要な備蓄を持ちたいという考えを持っておりまして、実は昭和四十七年から三カ年、つまり本年で完了する三カ年の間に、従来四十五日の備蓄しかなかったものを六十日の備蓄にするということで、計画的な備蓄計画を進めてまいりまして、これについては必要な助成を行なってまいったわけでございますが、現段階になってまいりますと、ヨーロッパ諸国の備蓄量が大体九十日程度の水準に達しておりますので、やはり世界各国とも似たような備蓄水準まで持たないといざというときに困るということで、実は石油危機を経験して以来計画してまいったわけでございまして、通産省といたしましては、国際的な問題もございますが、日本自身のいざというときに国内でカバーできるという体制を固める意味において、九十日の備蓄はぜひやっていきたいというふうに考えております。
#244
○米原委員 この際、国際的な問題は別にしまして、この委員会でお聞きしたいのは、この石油備蓄の問題です。これがいままで全国各地でいろいろな反対運動が起こっている。備蓄基地をつくることが強行できないような状態が起こっているのが現実なんですね。なぜこういう問題が方々に起こるか。
 一つは、もちろん石油基地が、計画のときは無公害だとか、公害は起こさないとか、いろいろ約束しますけれども、実際に石油基地ができてみると、しばしば非常に大きな公害を起こしている。また基地をつくる過程で、非常な自然破壊をやる。海洋汚染とか漁業被害、たとえば沖繩の金武湾でも、最初できたときには、まさかと土地の人は思っていたらしいけれども、あそこでタンクのほうにタンカーのバースから送るところで、タンカーの石油が漏れてしまった。それでたいへんな石油公害を引き起こしました。そういうことから、あそこでは途中で反対運動が猛然と起こってきてややこしい状態になっているわけです。
 そういう中で、もう一つ住民が反対するのは、そういうものを強行するたびに企業の側が実にいろいろな手を使うことです。金をばらまいて、いわば住民を買収するというやり方が方々で行なわれる。このために逆に反感を買うという問題があると思うのです。実は私、十月の末に、十月のこの委員会でも一度問題になりましたけれども、鹿児島県の奄美大島、ここに問題が起こっているので行ってきたのです。この委員会でも、この前の委員会で公明党の方から、この問題で質問が出ました。
 同じ問題ですけれども、つまり奄美大島の西北部にある宇検村という村のところの問題です。その村の向かい側に非常に風光明媚な枝手久島という島がある。その村と島との間の海はおそらく浅いところらしいのですが、そこを埋め立てる、大体三百三十万平方メートルというのでありますから、たいへんな広さです。それだけ埋め立てて、そこに日産五十万バーレルの石油の基地をつくるということを東亜燃料工業が計画しているわけです。これが地元でたいへんな問題を起こしているわけであります。つまり地元では、そこの村長は賛成なんです。しかし、ただ圧倒的な多数という状態ではない。反対派が相当いるわけです。そういう中で、いろいろな問題が起こっている。
 たとえば、これは去年の九月の朝日新聞に詳しく報道されておりますが、これは例の志布志湾の問題もあるとか、方々に石油基地の問題が鹿児島県では起こっておりますが、その中で、石油基地の開発賛成派が鹿児島で大集会を開いた。その記事が去年の九月二十八日の朝日新聞の地方版に大きく出ておりますが、たとえば、その集会にたくさんの人が集まっているのですが、大体日当一人当たり二千円ないし三千円出ているのですね、よく読んでみますと。その金が一体どこから出たか。あるいはこの賛成派の人たちが奄美大島からも二百数十名参加しているのです。その奄美大島から出かけていく汽船の座席の予約が取ってある。これはどこから金が出ているかと見たら、東亜燃料なんですね。東亜燃料が買い占めておる。そして、出かけていくと、また日当が二千円、三千円もらえる、こういうようなことが公然と行なわれて、これは新聞紙上でもずいぶんたたかれている。こういうようなことが起こっております。
 あるいはこれは方々の会社がやることですが、この東亜燃料は、枝手久島の反対派を切りくずすのだと土地の人は言っておりますが、和歌山の東亜燃料の工場に招待して相当の金を出して歓迎する、こういうようなことで、まあ実地を見せるのだということのようです。
 あるいは結局埋め立てられて漁業権を放棄することになれば、補償金を出さなくてはならない、これは大体七億円の金が出るのだというようなことをずうっと漁民に言って回りました。だから、もう漁業なんかやめて埋め立てに賛成したほうがいいんじゃないか。非常に過疎地帯ですから、もちろん生活は非常に低いです。そこで七億円というような金をばらまくというような話をすれば、それは相当な効果があることば事実ですね。そういうようなことが行なわれておる。しかし、こういうことをやること自身が、非常な住民の反感を持たれているわけです。逆の効果の面も起こっている。
 通産省として企業がこういうようなやり方をやるということに対して一体どういう指導をされるのか、こういうようなやり方はやらせないというふうに指導すべきじゃないか、こう思うのでありますが、この点についての通産省の指導方針をお聞きしたい。
#245
○左近説明員 ただいま御指摘の事実については、私らも詳細は存じておりませんが、もしかりにそういう事実がありとするならば、それについてはやはり企業として注意をすべきじゃないかと思います。もちろん石油基地をつくるにあたって、地元の住民の了解を得ることば必要でありますし、また十分な御説明を申し上げることは必要でございますけれども、いまのようなことがもし事実であるとすれば、それはやり方について問題があるというふうにわれわれは考えております。
#246
○米原委員 これは事実があるとすればというよりも、もう一般の新聞紙上て――ここにありますが、去年の九月二十八日の朝日新聞に実に大きな記事で出しているのです。その次の日にも「金で演出された集会の波紋」なんという解説記事を大きく載せている。こういうのはすでに公然化している問題なんです。こういうような問題に対してやはり通産省は適切な指導をやるべきだと思うのです。ぜひこれをやっていただきたいと思います。
 実際のところが、七億円という補償金が出る、このいわば札束攻勢ですね。こういう中で住民の中の賛成派と反対派の対立が非常に激しいものになってくる、こういうようなことが一体好ましいものかどうか。
 これは私、次に水産庁の方にお聞きしたいのですが、水産業の振興という点でも実際重大な問題が残るわけです。私は現地に行っておりまして、ここは実に景色のいいところです。ここをそんなに百万坪も埋め立てるというようなことが一体いいことだろうか。しかも実際は、いろいろまだ調査していただかなくちゃならぬ、これは環境庁のほうにもお願いするわけですが、そこは非常に狭いところですから、ここを埋め立てしますと、海流の状況から見ましてここで海流がとめられるわけですから、そこの埋め立てをやる村だけの問題じゃなくて、その近辺の村の海流に大きな変化が起こる。これが一体どうなるかということを検討しないと、軽々しく埋め立てるべきところじゃないと思うのです。漁業に対してもたいへんな打撃を与えかねないわけです。
 そういう点について、実は昭和四十七年に、地元に宇検村というのがありますが、ここの漁業協同組合と、それに隣接する住用村という村がありますが、ここの漁業協同組合、もう一つの隣町の瀬戸内町漁業協同組合、この三つの漁業協同組合が合併するという問題が鹿児島県のほうの指導で進められました。そうして四十七年の六月十三日の合併協議会では基本的にすでに合意に達していたのです。こういう経過があるわけですが、この点について水産庁にお聞きしたいのです。
 この合併を進めた理由はどういうことであったのかという点です。この点について水産庁御存じだったらお聞きしたい。
#247
○剱持説明員 水産庁といたしまして漁業協同組合の合併につきまして、漁業協同組合合併助成法に基づきまして合併を推進しているわけでございます。その趣旨といたしますところは、漁業協同組合がいろいろ漁村での経済活動の中心になってきておるわけでございますので、その規模の拡大といいますか、経済的な基盤を強化するために規模を拡大する、そのために合併を推進する、こういう趣旨で全国的に合併を推進しているわけでございます。
 鹿児島県におきましても、県全体といたしまして八十二あります漁協を、十七地区、二十二漁協に合併しようという計画を、先生御指摘になりました四十七年の六月に立てたわけでございますが、奄美大島につきましても、御指摘のとおりの合併の計画が立っていた、こういうことでございます。
#248
○米原委員 一応そのとおりだと思うのですが、この宇検村というのは、非常に漁業協同組合も組合員が少なくて、非常に運営が困難になっている。そういう中で、隣村の協同組合と合併したほうがいい、それでこういう合意ができまして、この宇検村の漁業協同組合は、お隣の瀬戸内漁協から十五万円、十六万円もの漁具を買い入れて、生産の拡大に備えた。ここまできて、すでに瀬戸内漁協のほうでも、合併の決議をした。
 ところが、突然この話が進まなくなった。一ぺん話はまとまっていたのに、突然反対が起こったわけです。この点さらに私、調べてみたところが、東亜燃料がここを埋め立てて工場をつくるという問題が起こっていた。そうして埋め立てて補償金七億円もらったほうが得だということですね。簡単にいえばそういうことだと思う。そこで態度が変わったのですね。
 ところが、おかしいことが起こっている。四十八年の組合員数は七十八名です。これが四十九年になると、漁協の組合員が四十九人になる。ところが現在ではつぶれかけた漁協の組合員がどんどんふえている。現在では正組合員が八十八名、準組合員が百二十五名、二百十三名の大きな組合になっているのです。つぶれかけた漁協ですよ。これ自体だれだって変だと思うでしょう。
 なぜこういうことになったか。つまり、埋め立てをやろうと思えば、水産業協同組合法によって、漁業権の放棄が必要である。漁業権の放棄をするためには、組合員の三分の二の多数でなくてはならぬ。ところが、いまの人数では実は反対派がかなり多い。比較的多数では賛成が多いのですが、三分の二はとうていとれないのです。そこでどんどん組合員をふやしておる。
 つまり、漁業をやってない人――私、調べてみました。協同組合員の名前から職業、全部調べたのをここに持っております。新規加入の申し込み者というのは、たとえば七十歳以上の隠居した老人が漁業協同組合員になっておる。あるいは病人がいたりしておる。村の人はみんな知っているのです。ほかに何も生業を持ってない者、あるいは村会議員、貨物自動車の運転手、それからこのあたりにチップ工場が幾つかありますが、そこで働いている労働者、あるいは日雇い労働者。漁業をやっている人たちじゃないのです。
 そういうのが漁業協同組合の正組合員になっている。あるいは準組合員になっている。来年になると正組合員のほうが三分の二以上になるといっておりましたが、そういうことで多数をとって、そうして漁業権の放棄を三分の二の多数できめるというようなことになりますと、これはたいへんな問題じゃないか。全然漁民でもない者が漁協に加入しているというこの実態、これは水産庁としても考えていただきたいのです。こんな状態、好ましいと思われますか。
#249
○剱持説明員 まず最初に、合併しかかったけれども合併が進まなくなったようだという点につきまして、われわれ県に照会いたしました結果をお答え申し上げたいと思いますが、実は、宇検村と瀬戸内ともう一つ住用村という三つの組合を合併させて一つにするというのが県の当初の計画であったようでございますが、瀬戸内と他の二つの漁協の漁業者の経営規模が非常に違う、つまり、瀬戸内は比較的大きい漁業者がいるけれども、あとの二つは、宇検村も含めまして、一トン未満というような非常に小さな漁業者が多い。そこで、これが合併いたしました場合、漁場の割り振りといいますか、そこでの調整が非常に困難である……
#250
○米原委員 肝心なところを答えてください、いま言った問題。その経過はいいですから。
#251
○剱持説明員 そういうことで合併が進まなかったというように理解しております。
 そこで、准組合員の組合員資格の問題でございますけれども、これにつきましては、御承知のように、水協法の組合員資格は法律で明定されております。法律の条件の中で、従事日数というものだけが定款できめられるようになっております。したがいまして、定款で漁業従事日数をきめました場合に、それに従って組合員にするか、しないかということを漁業協同組合として判断するということになろうかと思います。
 その場合に、漁業協同組合の中で、これはわれわれの解釈といたしましては理事者の権限といいますか、理事者が処理すべき問題であろうというふうには考えておりますけれども、組合員資格の公正を期しますために審査委員会等を設けまして、だれを正組合員にする、だれを准組合員にするということをきめるように指導しているわけでございますが、この宇検村の組合員資格の問題につきましても、資格審査委員会ができているようでございまして、その審査の結果、組合員にすべき者、または組合員から除く者というものを現在決定しているというふうに了解しております。
#252
○米原委員 そこが問題なんです。この周辺の漁協ではたくさんの漁民もいて、そういう石油基地ができると、隣の村だけれども、実際こちらもよごれてしまってたいへんだというので、反対が非常に強いわけですね。そのあたりでは漁民でもない者の意見によって漁業権が消滅されるというようなことになったらたいへんじゃないか、これは黙っていられない。この点なんです。
 これについていま水産業協同組合法のことを言われましたが、実際、その問題についてインチキがあるのです。この問題について業務検査の実施を請求した正式の請求書が出ている。その中では、いま言いました審査委員会の問題ですが、四十八年の三月に開催した臨時総会で資格審査委員会を選出する問題がすでにきまっていた。その決議を無視して理事会が一方的に漁民でもなく、組合員でもない者まで審査委員に任命して、その数を十四名とした、こういう事実があった。だから、これはもう、水産業協同組合法にも違反しているじゃないか。だから県庁に申し出ているのです。審査してもらいたいといって。
 それから、実は水面を埋める問題ですが、埋め立ての問題これも協同組合法によれば、総会で三分の二の漁民の賛成が必要なはずだのに、すでに一部は埋め立てているところが出ている。村の公会堂までそこにつくっている。これはわずかの地面ですけれども、そういうところも協同組合の総会ではかっていないじゃないか。この審査を要求しているのです。
 ところが、何と県庁からやってきて、これでやったので適法であるという判断を下した。請求書を引き上げろということまでやらしているのです。圧力を加えている。こういうことが許されている。これはもちろん水産庁が直接指導する問題じゃなくて、県が指導することになっております。鹿児島県の漁業課というのですか、ここが指導したらしいけれども、正規の文書、業務検査実施請求書というものが出ている。これを何の理由なく圧力をかけて引き下げさせている。こういういきさつがあるのです。これはたいへんなことなんですよ、こういうやり方で水面の埋め立てを認めるなどということをやってしまえば。しかも漁業組合の、いまおっしゃった一年に九十日間やる、そういうものに実際には達していない人まで、資格のない者まで正式の漁業協同組合員にして多数をとっていくというやり方、こういう指導をもしも県がやっているとしたらたいへんなことなんです。
 こういうやり方までもしも企業のほうから手が伸びていて――舟やなにかまて買っております。網まで買っているのです。だからこれは漁業をやっている、形だけはそうなっているけれども、実際は一つもそれは漁業をやっていない、そういうのが網が買ってあるというので漁業協同組合員になっている。その金がもしも東亜燃料から出ていたらえらいことですよ。これは県の指導に何かそごがあるのではないかということを感ずるのです。
 水産庁としてぜひ適切な処置をとっていただきたい。こういうやり方で水面の埋め立てを強行するようなことをやったらたいへんなことになる。こういうことは絶対に許してはならぬと思うので、この点についてひとつ水産庁の見解を聞きたい。
#253
○剱持説明員 ただいま御指摘になりました組合員資格の問題及び漁業権漁場におきます埋め立ての関係での組合の同意の問題と申しますか、議決の問題は、いずれも漁業協同組合の基本的な重要事項でございます。
 ただいま御指摘になりました宇検村漁協の水協法百二十三条によります検査の請求につきましても、県としていろいろ指導はした結果請求者のほうで取り下げたというふうに私どもは聞いておりますけれども、ただいま申しましたように、この組合員資格なり漁業権漁場におきます埋め立ての問題ということの重要性にかんがみまして、適切な指導を行政庁たる県において十分行なえるようにわれわれは県を指導してまいりたいというふうに考えております。
#254
○米原委員 この状態は決して正常な状態じゃないです。そういううわさが立って、現に七十以上の老人で、漁業なんかできないことはだれが見たってわかる、そういうのも漁民だということになっているのです。それで新しい舟が買ってあって網が置いてある。だから漁民に疑いなしなどということになってしまう。それを、当然協同組合法で正規の審査委員会でやるという手続があるでしょう。その審査委員会をつくることまで前の決議に違反したやり方でやっているということが出ている。これを単なる圧力で、そういう漁村地帯ですから非常に圧力に弱いのですよ。だからそういうことを簡単にやられるとたいへんな問題をあとに残すことになる。
 ですから、県当局はこれでごまかしたつもりかもしれないけれども、たいへんな問題ですよ。水産庁として直接しっかりと事実を調べていただきたい。そうしないとたいへんな問題になる。私はもっともっと証拠を現地から集めていますから、証人に立っていつでも出るという人も出てきますから、ぜひ検討してもらいたい。適切な処置をぜひとっていただきたい。
 では時間も参りましたから、これできょうの質問は終わります。
#255
○角屋委員長 岡本富夫君。
#256
○岡本委員 私は、五十一年度規制問題について少し詰めておきたいと思いますが、その前に環境庁長官が、OECDの環境閣僚会議に出席なさっての談話といいますか記者会見で、こういうことをおっしゃっていますね。「環境保全を前提に、経済との協調を配慮した総合政策をとる傾向にあることが各国の現実だということを教えられた。自動車排ガス五十一年規制と経済との調和を関連して考えているわけではないが、無関係のものではない」こういうように新聞報道されているのですが、そのとおりでございますか。
#257
○毛利国務大臣 公害問題、環境問題を考える場合に、環境を前提に考えなければならぬことは当然ですが、経済問題を無視したり無関係ではない、総合的に考えなければならぬ問題が多い。今回のパリのOECDにおける閣僚会議の場においても、演説の中で私も三点を最後に指摘した中に、総合政策のアプローチという問題これを強調したということを申し上げました。各列席の閣僚の中にも、資源エネルギー、食糧、物価、そうした問題に多くの閣僚が発言をして、環境問題を論ずる中にそうした問題を織り込んで発言があった、こういうことを発言いたしまして、新聞発表の中にそうした記事が摘出されたということです。
#258
○岡本委員 長官はそういったOECDの各閣僚の発言を聞いて、わが国でもやはり経済との調和というものが環境問題については必要であるというように考えていらっしゃるのか、ひとつこの点をお聞きしたい。
#259
○毛利国務大臣 私は、OECD合わせて二十四カ国、その中で閣僚が二十名以上列席した中で三番目に演説をしている。その中で三点を指摘し、経済総合性のアプローチ、第二点は実態把握、第三点は開発途上国への協力、情報提供。その後次々に演説をなさる各国の閣僚が口をそろえて、たまたま私よりも語気を強くいま申し上げますような経済総合の必要性を環境の問題について強調された、こういうことでございます。
#260
○岡本委員 いや、それはわかるのです。それは各国がそれぞれ、あれは去年、おととしだったですかね、OECDの環境局長ですか、来たときも若干そういうような話をしておりましたし、私も四年前ヨーロッパに参りましてOECDの話を聞いたときも、加藤大使の話を総合すると大体そういう話をしておった。これはよくわかる。
 しかし、日本における現在の環境庁長官として、経済との調和を無視してはいけないというように、いまあなたの決意ですね、これをどういうように考えていらっしゃるのか。向こうへ行って洗脳されたのと違うのか心配なのです。
#261
○毛利国務大臣 環境を前提にして総合的に考えなければならぬ、経済問題を無視するわけにいかないという信念であります。
#262
○岡本委員 昭和四十二年に公害対策基本法というのをつくりました。私ども対案を出してつくったのですが、そのときに、いまはここにいらっしゃいませんけれども、自民党の先生方がどうしても経済との調和条項を入れろ、これは抜けということでだいぶ議論したのです。その後、四十四年か五年だったですか、改正をやりました。そのときには経済との調和条項というのは第二項に譲ってしまったわけです。したがって、環境庁ができて環境問題をほんとうに考えるときには経済との調和条項というものを考えたらいけない、いけないといったらおかしいですけれども、これは二の次になる。御承知のように、ヨーロッパを回りまして、相当回っておってもくつなんかよごれないでしょう。いままでの各国におけるところの環境問題については日本より非常に進んでいるわけです。
 たとえば、ドイツにおきましては植生図、これは各国そうですが、植生図というのがありまして、開発しようとするとその植生図にあわせて、そこを開発すればだめだというようにして非常に規制のきびしい開発をしておる。あるいはまたいろいろな総合政策をとっておる。日本では、御承知のように、敗戦後経済復興のためにあまりにも環境問題、公害問題を無視して、今日の経済発展のためにいま日本の国の状態は各所において公害問題で困っておる。
 したがって、私はそのOECDの閣僚会議の皆さんの考え方とそれから日本の現在の環境問題を取り上げる考え方とはそこに大きな一つの差異があると思うのですよ。ですから、環境庁長官がOECDの環境会議に出て、そういうように経済との調和を無視してはいけないというような、日本の国の環境問題が経済との調和無視が多過ぎるというような発言といいますか、そういう考え方になってもらったのでは、これはもう環境庁ができる以前の考え方に後退している、こういわざるを得ないと私は思うのです。この点は環境庁の姿勢としてもう一ぺん考え方を変えてもらう必要があると思うのです。この点について、もう一度お聞きしておきたい。
#263
○毛利国務大臣 生命、国民の健康保護ということが大前提の話でありまして、私は環境庁へ参りましてからいろいろな問題にぶつかって歴史性をながめてみると、今日その大前提を強化することにはやぶさかでないと同時に、経済問題を口にしてはならないほど日本の現状というものは私は環境をおろそかにしていない、重点に置いている、健康と生命を重点的に環境の問題をやってきておる。今度欧州へ行っても感じました。かつては日本は汚染の濃度の高い国であった。今日はよほど皆さんの御努力によって進んで世界水準にまできておるということを感じました。
#264
○岡本委員 まあひどいことを言いますね、あなたも。あなたは第十五回の大気汚染研究全国協議会の大会にメッセージを寄せられておる。そこには一言も経済との調和というようなことは出ていませんよ。「今日、環境問題は緊急に解決を要する重要な課題であります。私は環境庁長官に就任以来極力、私自身の目と耳で環境問題の現状をつぶさに見聞するよう努めながら、その解決のための最善の方策はなにかを探究し続けてまいりましたが、公害に悩む人びとの声に耳を傾け、自然破壊が進行している山野をこの足で踏みしめるたびに、この問題の重要性と困難さを改めて痛感させられております。」
 あなた、こういうすばらしいメッセージを送っている。言うことと考えていることと違うじゃないか、これは。どうもおかしい。それでもう一度もとへ戻ってもらわなきゃならぬ。どうも洗脳されてしまったみたいですね。
 そこで、これは一番大事なことですが、五十一年度規制についての議論の中には、あまりにも経済との調和を無視した議論が多過ぎた、環境庁ではこういう考え方だったのですか、これを一つお聞きしたい。どこの議論で多過ぎたのか、環境庁でこういう経済との調和を無視した議論が多過ぎたのか、これをひとつお聞きしたいと思います。
#265
○毛利国務大臣 御質問の趣旨はよくわかりますが、健康と生命が大前提ということは絶えず申し上げております。それに徹底した上での経済への総合性も無視してはならないということを言っております。
#266
○岡本委員 私がいま質問しておるのとあなたが答えるのと、同じことを言うてもだめですよ。私の質問しているのは、五十一年度規制についての議論の中には、あまりにも経済との調和を無視した議論が多過ぎたというのは、どこの議論で多過ぎたのかということをお聞きしておるわけです。
#267
○毛利国務大臣 私のところへ来るいろいろな議論の中心が、全然総合性を欠く議論が省内においても各方面の聞く議論も多過ぎるということです。
#268
○岡本委員 一体通産省と間違ってもらっては困るのですね。通産省のほうは大体経済のほうの議論を持っていかれるところです。環境庁の長官のところはどうしても環境問題ですね。これを持っていって初めて環境庁がそこできしっと規制してもらって、そして環境保全ができる。あなたのところへ経済のほうを持っていったのじゃ、これは話にならないわけですからね。だから、環境問題、すなわち経済との協調を無視した議論が多過ぎるというのは、これはあたりまえじゃないですか。通産大臣と違うのですよ。ここのところを多過ぎるということを言うことになると、これは後退だ、こう考えざるを得ない。
 こればかり言っておってもしかたがないから、そこでこれはほんとうかうそか確かめますけれども、朝日新聞の二十二日付、きょうですか、毛利環境庁長官は「環境庁が今年一月告示した自動車排ガスの五十年度規制のうち、二サイクルエンジンの規制の一部延期を検討するよう事務当局に指示した。」こういう記事が出ているわけですけれども、この点はほんとうでありますか、この点をひとつ確かめておきたい。
#269
○毛利国務大臣 先ほども本件の質問がありまして答弁いたしましたが、この二サイクルのメーカーの一部から、五十年度規制のHCの対策が技術的にきわめて困難であるとの発言があり、この点に関して各方面からの陳情もあったが、一方では可能であるとのメーカーもあるので、事務当局に対していままでの経緯並びにその実情について総合的に調査するよう指示したのであります。したがって、延期を指示したというような事実はありません。
#270
○岡本委員 延期を指示しなかった、それならけっこうです。
 そこで、もう一度もとへ戻りますが、OECDの環境会議であなたが一般演説をされた中で、来年度から世界で最もきびしい自動車の排出ガスの規制を決定した、こういうようにお話しでありますけれども、すでに決定なさっておりますか。
#271
○毛利国務大臣 五十年度告示をしたHC、COは世界との比較において最もきびしい規制のようであります。
#272
○岡本委員 これは五十一年度規制はあの中に入ってないわけですね。HC、COだけで、五十一年度規制はこのあなたの演説の中には入ってないわけですね。
#273
○毛利国務大臣 この間の演説の中には五十一年規制のことは言っていませんが、すでに五十年度規制も二分の一入っております、窒素酸化物も。
#274
○岡本委員 私、聞いたのは、来年度からというのは、五十一年度規制はこの中に含まれていないということですね。うまく逃げてますね、これは。
 そこで委員長、先ほども要求があったと思うのですが、中公審の和達会長、伊東大気部会長それから八田桂三同部会自動車公害専門委員長、それから七大都市の自動車排ガス規制問題調査団の東京都公害研究所長の柴田所長、それから関西大学工学部の庄司光教授、それから東大工学部の西村肇助教授、この方々をひとつ次の機会に参考人として呼んでいただきまして、そして両方から御意見を承りたいと思うのです。
 というのは、すでに新聞報道によりますと、東京都議会におきましても自民党都議団も完全実施を要求しておる。これは御承知のように、もう毎年毎年光化学スモッグによって悩む都民の意思を代表したと思われるわけでありますので、二十八日に中公審の委員らを東京都議会に呼ぶということであります。したがって、ひとつこの点は善処していただきたい。
 と申しますのは、中公審の審議会というのは大体いままでは非公開でありました。ところが新聞報道によりますと、環境庁だけはこの審議会にいろいろとたたき台を出したり、あるいはまたいろいろと意見を言っているわけでありますので、当委員会としましてもやはりりっぱな五十一年度規制が行なわれて、もう光化学スモッグで苦しんだり、あるいはどんどん大気汚染がされていくこの状態をとめなければならぬ、こういうような考えから委員長にお願いをするわけでありますが、ひとついかがでございましょう。
#275
○角屋委員長 ただいまの点は、本日の委員会審議の中でも、対象人数については若干変化はございますが、参考人招致の問題はきょうの理事会並びに委員会の質疑を通じて岩垂君、木下君等から出ておるわけでありまして、いまの岡本君の参考人要求の問題も含めて、次回の理事会で具体的に問題を提起して御相談をするというふうなことでお答えをしたわけでありますので、その線で御了承願います。
#276
○岡本委員 環境庁としては、五十一年度規制を完全実施するといういままでの姿勢に変わりはない、こういうように考えておるのか、もう一度念を押しておきたいと思うのです。ひとつこの点をお聞きしたいと思うのです。これは局長からでもけっこうです。
#277
○春日説明員 現在、中公審の自動車公害専門委員会で御検討願っております。だんだん結論が近づいてきておるわけでございます。すでに十四回の審議を経ておるわけでございますが、その中でわかってきたのは、〇・二五グラム・パー・キロメートルという五十一年度規制の目標値を少なくとも五十一年度中に達成するということはきわめて困難であるという感触がいま出てきておるわけでございます。
#278
○岡本委員 そうしますと、一歩退いてお聞きしますと、どうしても暫定基準ということになるわけですか。一〇春日説明員この件につきましては、中公審の審議の段階できまってくることでございますが、いまのところその暫定値という値等についてはまだ検討が進んでいないわけでございます。
#279
○岡本委員 そう言って逃げてしまうからだめだ。そういうようなことを言ってどんどん引き延ばしますと、五十一年度規制に間に合わなくなってくるというのが、非常に時間的に問題であろうと思うのですよ。大体見通しとしまして、いつごろ中公審の答申と申しますか、はっきりした答えが出てくるのか、これをひとつお聞きしたい。
#280
○春日説明員 次回の専門委員会ら十二月四日、さらに十一日と予定いたしております。さらにそれに引き続いてもう一回ぐらい、合計これから三回ぐらいで終了いたしたい。専門委員会はその見当で作業が進んでおるわけでございます。
#281
○岡本委員 そこで、時間があれですから次に参りますが、通産省は四十六年度から五カ年計画で電気自動車の開発を実施してきた。その成果についてあまり情報がないが、来年は、五カ年計画ですから、ちょうど最終年度に当たる。この開発進行状況について一言お聞きしておきたい。
#282
○佐藤説明員 お答え申し上げます。
 電気自動車の研究開発につきましては、昭和四十六年度からスタートいたしまして、現在四年目を迎えているわけでございます。この間、五年間で約五十億の研究開発費を投入いたしまして、高性能の電気自動車を開発するということで鋭意努力中でございます。
 御承知のように、電気自動車は原理的に見まして排気ガスがない、あるいは騒音がきわめて少ないということで非常にいい面があるわけでございますが、現状では一充電走行距離あるいは加速性能等におきまして、普通のガソリン車に非常に劣る面がございます。その意味で、私どもこれらの改良をねらいまして、高性能の電池であるとか、あるいはいろいろの制御装置であるとか、こういうものを重点に開発を進めております。四十八年度に第一次実験車というものをつくりまして、大体この第一次実験車は五車種ございますが、ここで得られました加速性能あるいは一充電走行距離でかなりの成果が出ております。ちなみに一充電の走行距離で申し上げますと、一日に大体百八十キロ以上一回の充電で走れるということでございまして、従来の電気自動車の性能から比べますと、画期的な改良が得られております。
 しかしながら、その他いろいろ、加速性能であるとかあるいは登はん性能であるとか、なお詰めなければいけない開発目標がございまして、これにつきましては第二次実験車を昭和五十年度に完成する予定でございます。そのために、本年度はそれらの部品の開発をやっていますが、昭和五十年度中には最終的に電気自動車として世の中に一応技術的には出せるというところまで何とか持っていきたいということで努力中でございます。
#283
○岡本委員 この間、私、ヨーロッパに行きましたが、イギリスではすでにバス、小型車あるいは牛乳配達車というのが五、六万台動いておりますね。日本では技術開発にあたって何が一番困難なんですか、この点ひとつ……。
#284
○佐藤説明員 御指摘のように、イギリスは電気自動車は大体十万台近く動いているわけでございますが、これは世界で唯一の例でございます。それで、私どもでもこの辺につきまして調査団を出して実情をいろいろ調査したわけでございますが、イギリスでは主として牛乳配達車あるいは郵便配達車に使われているわけでございます。その使われております理由は、イギリスの場合、早朝配達をいたしますにつきまして、騒音の問題が住民からいろいろクレームが多いということで、まず第一に騒音対策ということでやられているようでございます。
 それから第二に経済的な面でございますが、イギリスのような寒冷地でガソリン車を走らせますと、一戸一戸車をとめて走るというようなことになりますと、エンジンのスタート、停止がきわめてひんぱんで、非常に短期間に自動車がもたなくなる。こういう経済的な面がございまして、電気自動車でそれをやりますと寿命か十年以上もつということで、非常にロングランに考えますと、一キロメートルあたりの走行距離のコストが現状でもガソリン車より安い、そういう経済的な面からイギリスの場合はこれが非常に使用されているわけでございます。
 ひるがえりまして日本の状況を考えますと、日本の都市交通の現状から見まして、現在の都市内の交通の流れに電気自動車が乗りますと、やはりいろんな交通の渋滞を起こすというような問題がございます。
 それから牛乳配達その他の点につきましても、コスト的に現状ではまだ試用程度でございまして、国内では電電公社等一部実用に供しておりますが、やはりコスト的に見てもまだ十分に対抗できないという点があるわけでございます。
#285
○岡本委員 イギリスでは早朝と言うておりますけれども、日本はもう夜中じゅう走っておるのだから、もっともっとひどい騒音をみな受けているわけですよ。
 そこで、具体的にこの開発を急ぐと同時に、自動車関係の税を免除するとかいうように税制面の優遇、こういうような裏づけをして、そうして電気自動車をよけい使えるような、促進できるような考え方はいま持っていないのですか、どうですか。
#286
○佐藤説明員 ただいま申し上げましたように、私どもの電気自動車は目下開発中でございまして、これの普及促進策につきましては昭和五十年度は問題になろうかということで、部内では鋭意種々の問題を検討中でございます。
 御指摘のように、最初の段階といたしましては、非常に価格的な問題もございますし、税制面あるいは法規面等で相当の優遇措置を講じませんと、この普及がなかなかむずかしいということは事実でございます。その意味で私どもことし一年間十分経済的な面も含めましてその促進策の調査をし、五十年度の予算要求の段階等におきまして十分これを生かしていきたい、こういうふうに考えております。
#287
○岡本委員 環境庁は電気自動車の問題について、五十一年度規制実施と相まって通産省へ電気自動車の実用化促進について勧告するというような考えはありませんか。
#288
○春日説明員 私どもも電気自動車の今後の都心部における、少なくとも都心部におきます有用性については十分着目いたしております。そうして常に通産省とこの問題につきましては連携を保ちながら、その開発促進に一臂の力をかしておるつもりでございます。
#289
○岡本委員 約束の時間が来ましたからこのくらいでやめますが、最後に環境庁に一つ要望がある。それば光化学スモッグの原因の一つに、ヘドロ化した大地の硫化水素が原因であるということを近畿大学の助教授がいろいろと調査したことを発表しております。こまかく言いませんが、これは東京の石神井やら、あるいはまた大阪でもこういった代表校の校庭の地下がヘドロ化しておる、そこから非常に硫化水素が検出されているというような記事が、ぼくの母校でありますけれども、相当この話が出ておる。これについてあなたのほうでは研究なさったことがありますか。
#290
○春日説明員 その論文につきましては、私どもも取り寄せて、大気局において検討させております。ただ、光化学スモッグの原因説と申しますものは、ちょっと考えてみましただけでも数十あるわけでございます。数十はオーバーといたしましても、まあ五指、十指に余るというぐらいあるわけでございます。数が多いということはそれだけ決定的なものがないということだと思うわけでございますが、ただし、ヘドロ中の硫化水素説、ユニークな説だと思いますけれども、十分検討して、これは私どもは参考にいたしたい、そしてさらに大気局において検討をさせるつもりでございます。
#291
○岡本委員 これできょうは終わります。
#292
○角屋委員長 本日は、これにて散会いたします。
   午後五時五分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト