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1974/11/11 第73回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第073回国会 決算委員会 第5号
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1974/11/11 第73回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第073回国会 決算委員会 第5号

#1
第073回国会 決算委員会 第5号
昭和四十九年十一月十一日(月曜日)
    午前十時二十九分開議
 出席委員
   委員長 臼井 莊一君
   理事 井原 岸高君 理事 唐沢俊二郎君
   理事 松岡 松平君 理事 綿貫 民輔君
   理事 久保田鶴松君 理事 原   茂君
   理事 庄司 幸助君
      中尾  宏君    中村 弘海君
      三原 朝雄君    平林  剛君
      東中 光雄君    坂井 弘一君
 出席国務大臣
        厚 生 大 臣 齋藤 邦吉君
 委員外の出席者
        大蔵省主計局主
        計官      梅澤 節男君
        文部省大学局審
        議官      三角 哲生君
        厚生大臣官房審
        議官      山中  和君
        厚生省公衆衛生
        局長      佐分利輝彦君
        厚生省医務局長 滝沢  正君
        厚生省薬務局長 宮嶋  剛君
        厚生省児童家庭
        局長      上村  一君
        会計検査院事務
        総局第三局長  本村 善文君
        医療金融公庫総
        裁       山本 正淑君
        環境衛生金融公
        庫理事長    坂元貞一郎君
        決算委員会調査
        室長      東   哲君
委員の異動
十月二十九日
 辞任         補欠選任
  稲葉 誠一君     山本 政弘君
同日
 辞任         補欠選任
  山本 政弘君     稲葉 誠一君
十一月十一日
 辞任         補欠選任
  石田 博英君     三原 朝雄君
 橋本登美三郎君     中村 弘海君
  田代 文久君     東中 光雄君
同日
辞任          補欠選任
  中村 弘海君    橋本登美三郎君
  三原 朝雄君     石田 博英君
  東中 光雄君     田代 文久君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 昭和四十七年度一般会計歳入歳出決算
 昭和四十七年度特別会計歳入歳出決算
 昭和四十七年度国税収納金整理資金受払計算書
 昭和四十七年度政府関係機関決算書
 昭和四十七年度国有財産増減及び現在額総計算
 書
 昭和四十七年度国有財産無償貸付状況総計算書
 (厚生省所管、医療金融公庫、環境衛生金融公
 庫)
     ――――◇―――――
#2
○臼井委員長 これより会議を開きます。
 この際、おはかりいたします。
 先般、歳入歳出の実況等に関する調査のため委員を派遣いたしましたが、派遣委員から報告書が委員長まで提出されております。
 この際、派遣委員からの報告聴取を省略し、会議録に参照掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○臼井委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。
    ―――――――――――――
  〔報告書は本号末尾に掲載〕
     ――――◇―――――
#4
○臼井委員長 昭和四十七年度決算外二件を一括して議題といたします。
 本日は、厚生省所管、医療金融公庫及び環境衛生金融公庫について審査を行ないます。
 まず、厚生大臣から概要の説明を求めます。齋藤厚生大臣。
#5
○齋藤国務大臣 昭和四十七年度厚生省所管一般会計及び特別会計の決算について御説明申し上げます。
 まず、一般会計の歳出決算額については、予算現額一兆六千七百四億三千二百三十三万円余に対して、支出済歳出額一兆六千三百十一億七千三百五十二万円余、翌年度繰越額百二十九億四千三百十六万円余、不用額二百六十三億一千五百六十四万円余で決算を結了いたしました。
 以上が一般会計決算の大要であります。
 次に、特別会計の大要について申し上げますと、厚生省には五特別会計が設置されております。
 まず第一は、厚生保険特別会計の決算でありますが、健康、日雇健康、年金、児童手当及び業務の五勘定あわせて申し上げますと、一般会計から一千百三億四千百二万円余を繰り入れました。
 その決算額は、収納済歳入額二兆六千八百四十二億一千四十三万円余、支出済歳出額一兆四千五百三十八億九百六十四万円余、翌年度繰越額十四億四千五百七十万円余でありまして、差し引き一兆二千二百八十九億五千五百九万円余の剰余を生じましたので、これをこの会計の積立金として積み立てたほか、翌年度の歳入に繰り入れて、決算を結了いたしました。
 第二は、国民年金特別会計の決算でありますが、国民年金、福祉年金及び業務の三勘定あわせて申し上げますと、一般会計から二千二百四十七億一千七百三十五万円余を繰り入れました。
 その決算額は、収納済歳入額五千七百六十九億四千九百八十八万円余、支出済歳出額三千三百七十五億八千三百六十七万円余でありまして、差し引き二千三百九十三億六千六百二十万円余の剰余を生じましたので、これをこの会計の積立金として積み立てたほか、翌年度の歳入に繰り入れて、決算を結了いたしました。
 第三は、船員保険特別会計の決算であります。
 船員保険特別会計につきましては、一般会計から三十四億四千六百六十三万円余を繰り入れました。
 その決算額は、収納済歳入額七百二十八億三千八百九十五万円余、支出済歳出額四百十二億六百二十三万円余、翌年度繰越額六億三千七百一万円でありまして、差し引き三百九億九千五百七十万円余の剰余を生じましたので、これをこの会計の積立金として積み立てたほか、翌年度の歳入に繰り入れて、決算を結了いたしました。
 第四は、国立病院特別会計の決算でありますが、病院及び療養所の二勘定あわせて申し上げますと、一般会計から四百六十四億五千五百十六万円余を繰り入れました。
 その決算額は、収納済歳入額一千七百十三億八千八十一万円余、支出済歳出額一千六百六十三億三千三百九十一万円余、翌年度繰越額三十一億五百六万円余でありまして、差し引き十九億四千百八十四万円余の剰余を生じましたので、これをこの会計の積立金として積み立てることとして、決算を結了いたしました。
 第五は、あへん特別会計の決算であります。
 あへん特別会計の決算額は、収納済歳入額十一億八千三百八十五万円余、支出済歳出額五億六十六万円余でありまして、差し引き六億八千三百十九万円余の剰余を生じましたので、これをこの会計の翌年度の歳入に繰り入れることとして、決算を結了いたしました。
 以上が厚生省所管に属する昭和四十七年度一般会計及び特別会計の歳入歳出決算の大要であります。
 最後に、昭和四十七年度の決算検査報告において掲記されております事項については、会計検査院の御指摘のとおりでありまして、まことに遺憾にたえないところであります。
 指摘を受けました件については、直ちに是正措置を講じましたが、今後なお一そう厳正なる態度をもってこれが絶滅を期する所存であります。
 以上をもちまして、厚生省所管に属する一般会計及び特別会計の決算の御説明を終わりますが、何とぞよろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
#6
○臼井委員長 次に、会計検査院当局から検査の概要説明を求めます。本村会計検査院第三局長。
#7
○本村会計検査院説明員 昭和四十七年度決算厚生省についての検査の概要に関する御説明を申し上げます。
 昭和四十七年度厚生省の決算につきまして、検査いたしました結果の概要を御説明申し上げます。
 検査報告に掲記いたしましたものは、不当事項二件でございます。
 これからは健康保険及び厚生年金保険並びに船員保険の保険料の徴収に関するものでございまして、いずれも保険料算定の基礎となります報酬月額の把握が適確に行なわれなかったなどのため保険料の徴収が不足していたものでございます。
 以上、簡単でございますが、説明を終わります。
#8
○臼井委員長 次に、医療金融公庫及び環境衛生金融公庫当局から資金計画、事業計画等について説明を求めます。山本医療金融公庫総裁。
#9
○山本説明員 医療金融公庫の昭和四十七年度の業務の概要について御説明申し上げます。
 昭和四十七年度の貸付計画額は、貸付契約額四百八十億円、貸付資金交付額四百六十五億円を予定し、その原資としては、資金運用部資金の借入金四百十億円、貸付回収金のうち五十五億円、計四百六十五億円を充てることといたしました。
 この計画額に対する実績は、貸付契約額四百七十九億円、貸付資金交付額四百六十四億円でありまして、これを前年度と比較いたしますと、貸付契約額で七・六%、貸付資金交付額で一〇・四%の増となりました。
 貸付契約額の内訳は、設備資金四百七十七億円、長期運転資金二億円であります。
 貸付残高は、前年度末一千八百二十四億円でありましたが、昭和四十七年度中に四百七十九億円の貸し付けを行ない、百八十五億円を回収いたしましたので、当期末においては二千百十八億円となっております。
 次に、決算状況について申し上げます。
 昭和四十七年度の損益計算上の総収益は百四十五億九千六百二十六万円余、総損失は百四十四億三千四百七十八万円余でありまして、差し引き一億六千百四十七万円余の償却前利益を生じましたが、大蔵大臣の定めるところにより、固定資産減価償却引当金へ八百十九万円余、滞貸償却引当金へ一億五千三百二十八万円余を繰り入れましたので、結局、国庫に納付すべき利益金は生じなかったのであります。
 以上で昭和四十七年度の業務の概況につきましての説明を終わります。
 何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
#10
○臼井委員長 次に、坂元環境衛生金融公庫理事長。
#11
○坂元説明員 環境衛生金融公庫の昭和四十七年度の業務の概況につきまして御説明申し上げます。
 昭和四十七年度の貸付計画額は、九百十億円を予定いたしました。その原資としましては、資金運用部資金の借入金八百四十億円、貸付回収金等七十億円、計九百十億円を充てることといたしました。これに対しまして貸付実績は八百三十八億円余でありまして、これを前年度と比較いたしますと、一〇・三%の増となっております。
 次に、貸付残高について御説明申し上げます。
 昭和四十六年度末における貸付残高は一千六百三十五億八千万円余でありましたが、昭和四十七年度中に八百三十八億九千万円余の貸し付けを行い、五百三十一億一千万円余を回収いたしましたので、昭和四十七年度末におきましては、一千九百四十三億七千万円余となっております。
 次に、昭和四十七年度の収入支出決算について御説明いたします。
 昭和四十七年度における収入済額は百五十九億一千万円余、支出済額は百五十億二千万円余でありまして、収入が支出を上回ること八億九千万円余となっております。
 まず、収入の部におきましては、本年度の収入済額は百五十九億一千万円余でありまして、これを収入予算額百六十二億九千万円余に比較いたしますと、三億八千万円余の減少となっております。この減少いたしましたおもな理由は、貸付金が予定より少なく、貸付金利息収入が減少したためであります。
 次に、支出の部におきましては、本年度の支出予算現額百六十一億三千万円余に対し、支出済額は百五十億二千万円余でありまして、差し引き十一億一千万円余の差額を生じましたが、これは借入金利息等が予定より減少したためであります。
 最後に、昭和四十七年度における損益について申し述べますと、本年度の総利益百七十五億八千万円余に対し、総損失は百六十七億一千万円余でありまして、差し引き八億六千万円余の償却引当金繰入前利益をあげましたが、これを全額滞貸償却引当金及び固定資産減価償却引当金に繰り入れましたため、国庫に納付すべき利益はありませんでした。
 以上が昭和四十七年度における環境衛生金融公庫の業務の概況であります。
 何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
#12
○臼井委員長 これにて説明の聴取を終わります。
    ―――――――――――――
#13
○臼井委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がございますので、順次これを許します。原茂君。
#14
○原(茂)委員 厚生大臣に前に大腿四頭筋短縮症の問題でお伺いをいたしまして、滝沢局長からもあわせていろいろと詳細な御答弁があったその後につきまして、まず最初にお伺いをしたいわけです。
 四頭筋短縮症の調査班ができて、実際活動はしているわけだと思いますが、調査班は一つですか、二つですか。それから、その活動の状況と、たとえばですが、推定患者をどのくらいに把握しているのか。原因は医者の施術の問題あるいは注射液の溶血性の問題というように調査が進んでいるかどうかを、少し具体的にお答えをいただきたい。
#15
○滝沢説明員 大腿四頭筋の問題で、当時先生から特に研究班の強化についてお尋ねがございまして、この点につきましてわれわれといたしましてもできる限りの配慮をいたしたいと思いまして、当初、日大の整形の教授の佐藤班を中心にした、六名程度の研究班だけでございましたが、これは厚生省の医療関係の研究費で充てることといたしましたが、国立病院関係にも相当数患者を取り扱っている、あるいは経験を持つ医師があることもわかりましたので、国立病院並びに国立大学の関係者を含めて、特別会計の関係の研究費をもちまして、さらに十一名程度の第二の班をつくりまして、合計十七名の研究班で当面研究に入っておるわけでございます。
 その研究の内容等でございますが、佐藤班におきましては、まず当面、約千カ所の育成医療担当の全国の病院に、過去において大腿四頭筋に関する患者を取り扱った実態についてアンケ−ト調査をいたしておりまして、次第にデータが集まってきておりますので、おそらく今月末ぐらいにはかなりのデータの分析に入れるものと期待いたしております。これは、治療方法別にどのような効果がありあるいは問題点があるかということを過去の実績からつかみまして、さらに研究班の討議の資料にするという考え方でございまして、決してこれによって実態がつかめるという趣旨のものではございません。もう一つの研究班につきましても、ほぼ同様でございますけれども、やはり発生予防の問題等にも取り組む必要がございます。そういうことで、両方の研究班はほぼ整形外科、小児科等の関係者で編成されておりますので、研究費等の都合で二個班になっておりますけれども、共同の研究発表会なども持ちまして、共同で討議を進めておりますので、全く一体の研究班として御理解いただいてよろしかろうと思うのでございます。
 当面、研究班が実施いたしましたことは診断基準の確定でございまして、これにつきましてはすでに研究班からの御討議の結果が出ましたので、これを受けまして、それぞれ都道府県に検診に対する具体的な指示をいたしております。したがって、これがまた患者の推定の問題ともつながるわけでございますが、各方面で自主的な検診の活動が医師によって行なわれ、あるいは親の会等によってもこれらの問題が取り上げられております。これら関係者の御推定の中にはいろいろのパーセントが出てまいりまして、たとえば大阪地区などのパーセントを当てはめると全国に相当、数十万というような患者数になるというようなことにもなるわけでございます。全国にこの患者が存在することはもう推定にかたくございませんけれども、ただ、地域的な差が、はたして大阪のデータがそのまま全国の人口にかけて実態になるかどうかということは、関係者の間にももちろん、必ずしも一致した意見として認められているわけではございませんけれども、われわれとしては、診断基準ができまして、大体本年度内、三月末をもって都道府県の検診によってほぼ患者の実態が把握できやしないかという考え方を持っております。現在実施してすでに報告を受けている山梨であるとかあるいは富山であるとかの実数はございますけれども、われわれとしては、新聞紙上等では五千人あるいは一万人というような推計数字が出ておりますけれども、そう違いはないと予測はいたします。現在、まあ推計値という概念でも、数字を申し上げるにはむずかしい段階であると思っておりますけれども、いま申し上げたような数字がそう大きな差があるものではなかろうというふうには思っておるわけでございます。
 原因につきましては、すでに国会等でもお答えいたしておりますように、また世上認識をいただいておりますように、やはり注射を子供のときに大腿直筋あるいはわきのほうに――外国などてはわきのほうに打つようでございますが、場合によっては広筋というわきのほうの、大腿の横側、外側の筋に障害が起こるということは、すでに原因としてはもう認められた事実として考えてよかろうと思っておるわけでございます。ただ、先生も先ほど申されましたように、注射の回数がごく少ないケースで発生している例もございますが、やはり多くは、注射回数が多いことと病気の重いこととは比較的並行しておるということも事実のようでございます。それと、特段、注射液の性格の問題ももちろん否定できない問題であろうということでございまして、特に抗生物質あるいはピリン系の解熱剤等の使用がほとんどのケースに当てはまるわけでございます。
 これらの点、今後、薬剤そのものの性格、これはこの大腿四頭筋ということじゃなくても、従来注射液については、浸透圧の問題とそれからPH、酸、アルカリの度合いの問題だけがいわゆる製薬の基準的な考えとしてございましたが、東北大学の赤石教授の御指摘による組織破壊の問題ということが新たに提起されてきておりまして、そうなりますと、これは新たな学問的な見解でございますから、かりにこの事件にかかわったことがその動機になっておるといたしましても、もちろん、注射薬そのものの本質のあり方の問題にもつながることでございます。この点も含めまして、薬務局におかれましても研究班をつくって検討に入っていただいております。
 そのほか、先生御指摘の注射部位等の問題につきましては、日本医師会が研究委員会をつくりまして、それの答申が出ております。ところが、その中に、大腿四頭筋を避けるかわりに臀筋、おしりの筋肉の上の半月の部分がよかろうというような提案もございますが、すでにここに注射した例で一部障害を起こした例もございまして、関係者の中では、子供の筋肉注射そのものを検討すべきである、どうしても必要なケースにはむしろ皮下注射にかえる方法が検討されるべきであるというような見解も、新たに出てまいっております。
 いずれにいたしましても、われわれの研究班は、ただいままでの手続としては、診断基準をきめていただいたということ、それから千病院に対して実績の調査をいたして、これも治療法確立の参考にするということ、それから治療法について各方面の経験を持ち寄りまして、ほぼ三月の年度末をめどに、治療法の見解について御意見がまとまれば御答申いただけるものと期待いたしておるわけでございます。
 そのほか、細部にわたる組織と注射液の関係等の原因究明につきましては、さらに新しい年度において研究費を設けまして引き続き検討していただきませんと、事柄の性格上早急な結論は困難であるというふうに思っておる次第でございまして、現状における先生のお尋ねの内容についてとりあえずお答えする段階は、いまのとおりでございます。
#16
○宮嶋説明員 ただいま先生御指摘の溶血性のものにつきましては、本年四月、東北大学の赤石教授からそういう御指摘があったわけでございますけれども、それを受けまして、薬事審議会の中の副作用調査会というのがございますけれども、そこで専門家にいろいろ御議論いただきましたところ、その後一カ月たちまして五月の時点でございますが、注射薬の関連で特に組織障害との関連でございますが、それにつきましては、PHとか浸透圧とかあるいは注射液の粘度の問題とかその他のいろいろな要因が、溶血性の問題も含めて全体として検討されなければいかぬということでございまして、特に溶血性が高いから組織障害性が高いと直ちに断定するわけにはいかぬ、だから注射薬全体について、特に医師に対して、それぞれの注射薬の要因とそれから組織障害性の関連を今後さらに検討する必要があるという結論をいただきました。
 その後、秋に入りまして、問題提起をなさいました赤石教授を含めまして実は研究会を設けました。東京大学の薬学部の教授でございます高木先生をヘッドにいたしまして、全体で六人の研究班の班員でございますが、この先生方の手をわずらわしまして、目下組織障害性と注射薬との関係、特に筋注を中心にしまして検討を急いでおります。
 ただ、そこで一言申し上げたいのは、赤石教授も溶血性の問題について御指摘がございましたが、その段階におきまして、今日一般に使われておる注射薬については、いずれも薬効もすぐれておるし、いいものである。ただ問題は、医家のほうで医療関係で注射薬をお使いになるときに、先ほど申しましたようなもろもろのいろんな要素が注射薬にあるわけでございますから、そこら付近と、それから組織に対する局所刺激性なり、あるいはまた筋肉に対する影響なり、そういうものをもっと調べて、その関係をもっと追及をして、その結果を、実際に注射薬をお使いになる医家に対してもっと情報を伝達する必要がある、こういう趣旨でおっしゃったものと理解しておりまして、まず、そういう御理解のもとに、現在そういう追及が行なわれておるという段階でございます。
#17
○原(茂)委員 先に薬務局長にもう一度、参考までにお伺いしたいのですが、愛知県か何かで、子供の疫痢にリンゲルをやりまして、それが原因でやはり同じ症状が起きているという例があるのだそうですが、これはどう解釈するのでしょうかね。
#18
○滝沢説明員 リンゲル注射によるもの、これが回数が、先生の御質問の内容からいくと一回だけという感じかもしれませんが、リンゲルというのは生理的食塩水でございますから、したがって、吸収の問題については、理論的には必ず吸収していいはずなんでございますけれども、御存じのように、このあと温湿布などをしまして、そういう吸収を促進する看護の上の注意を払うわけでございますが、ただ、設問の例は、具体的な――リンゲル一般論として言うとなりますと、普通はそう起こるべき性格のものでないように思うのでございますが、そこに感染が起こったのか、あるいはその後どのような症状の経過をたどったのか、こういうことも含めまして判断しなければなりませんけれども、研究班の中でも、要するに大量のリンゲル等の注射による障害の問題も議論されておることは事実でございまして、そのようなことがあり得るということは否定できないと思います。
#19
○原(茂)委員 そこで、過去のことばかり言ってもしかたがないので前向きにお伺いするのですが、現在でも子供に対するいろいろな病気による措置は行なわれておるわけです。したがって、医師会が出した指導の問題もあります。厚生省がいろいろ指導している問題もあるのでしょうが、当面、この種の問題を起こさないようにするためにどういうことをやれという指示をされているのでしょうか。これは起きないための当面の対策が必要ですよね。現在起きている問題の原因の究明あるいは溶血性、薬液の問題、いろいろありますが、しかし、現にまだ病人はいるわけですから、これに対してどういう指示あるいは指導をしているのか。
 たとえば、むやみに手術をするのだという。父兄、親の側にすれば、曲がらなくなったら、手術だ手術だというので好んで手術をしてもらう。ところが、その手術も、手術のしかた自体がいま問題になり研究をされているようですが、これは、あとの浸潤した胆瘡状況というのか何というのか知りませんが、一部かたくなったところだけとればいいので、筋までも切断をするという従来の手術のしかたは避けるべきではないかという、結論ではないのでしょうが、意見がだいぶ出ているというのも、どっちにしていいかわからないままにまだ放置されているのですが、少なくともすでになった患者に対する手当てに関しても、それから今後この種の問題が起きないようにする施術の問題といいますか注射のしかたというのですか、こういう問題に対して、分けて、現に起きている患者に対して手術をする何をするというときの、当面こうすべきではないかという的確な何かがつかめるまでは何にも指示をしないというのではいけないと思うので、そういう点を前向きで何か考えて適切な措置をしなければいけないと思いますが、こういったことをおやりになっているかどうか、それをお伺いしたい、当面の措置について。
#20
○滝沢説明員 お尋ねの件は二つの問題に分かれるわけでございますが、当面、注射薬が原因であるということであれば、医療の中において小児の注射に対する考え方を何か指示できないか、こういうお考え、あるいはそれを行政的な面からできないか。
 これにつきましては、医師会という医師団体が、全国の医師のすべてをカバーしておるわけじゃございませんけれども、それの組織を通じて、ともかく注射を乱用することを避けなさい、それから、注射部位についても注意を具体的に指示いたしておるわけでございます。この点については、過去に行政的に、医療内容について何か具体的に指示した例というものを、われわれも実は国会等でも御質問を受けますし、先生からも御指摘がございましたので、この段階で子供の注射の具体的な指示を行政的にやるべきであるかどうか、やるとしたらどのような内容を盛るべきであるかという――これは一般論として、子供の注射を打つなというような指示は、個々のケースごとに判断して医師が患者に対して医療を施している、その医師のたてまえから申しますと、よほど具体的な内容が把握できない限り、一般的な意味の注意というようなことは、結局、個々の医師が個々の患者の病状に応じて処置していることであって、一般的にただ、子供に注射を打つのはやめなさいというような関係は、行政措置としては非常にむずかしい。
 過去にペニシリンについてショックの問題が起こりました。そして、ペニシリンを注射するときには、これは過去に打っている人はいいのでございますが、打った経験のない人にはまず少量を皮内に打って、その反応を見た上で、そしてペニシリンの注射を使いなさい。これにはかなりこまかい指示内容が学問的に確立されておりましたので、このような内容の通知を出しております。
 そのほか、これは非常に特殊な例でございますけれども、新潟県でツツガムシ病を使って精神病患者の治療をするという、やや人体実験的な傾向の問題がございまして、こういうことに対して、当時やはり注意を促すという処置はいたしております。それから、ストロンチウム九〇というような放射性のものに対しても具体的な指示をした例がございます。
 したがいまして、われわれとしても、ただいま研究班が検討いただいていることの中から、具体的に指示できるような内容が共通事項として把握できますならば、行政としてこれを取り上げて、一般医師の守るべき注意として通知を出すことについてはできるのじゃなかろうか、また、そうするべき段階が来るかもしれないという判断は持っておりますが、基本的にやはり医療の問題は個々の判断にございますので、このような場合はやめ、このような場合はやりなさいというようなことは、具体的には行政上の措置としては困難でございます。しかしながら、現在の各医師のお考えの中に、このように大腿四頭筋が世上問題になり、医師会雑誌その他で医師会員としての通知が及んでおりますので、おそらくそれぞれの医師のこの問題についての判断は、従来とは変わってものの判断が行なわれておるものと期待するわけでございますので、行政の立場からは、個々に具体的なケースの対応のしかたについての指示は、研究班の検討の結果を待って、それに該当するような内容を盛り込めるという判断が出てまいりましたら措置いたしたいということで、この点については、現状のところ、行政措置としての通知を出すことについては研究班の内容によって判断したいというふうに考えております。
 それから、手術の問題について差し迫って確かに問題があるわけでございまして、先生御指摘のように、切断というような行為によっても必ずしも――一時は回復することがあるようでございますが、この前の合同研究班の共同発表の場で、私も一日その内容をお聞きいたしましたが、非常に手術の問題についての判断はむずかしいようでございます。そして、現状においての一定した見解はございません。医療の中身でございますから、確かに個々の病状による判断あるいは年齢の時期、こういうものについての従来の医師の判断によって手術等が行なわれておりますけれども、われわれが期待するのは、かりに手術をするような場合についてはどのような年齢の時期を選ぶか、それからその後のリハビリテーション的な訓練をどうするか、それから、そのようなケースが成長した段階において再び手術を必要とする場合も総合的に含めて判断するというようなことに対して、一定の標準的な考えが御答申いただければ、これを受けて、至急、先ほどの問題ともあわせまして、学会等を通じ、また行政措置を通じまして処置いたしたいというふうに思っておるのでございまして、現状において断定的なお答えができないのは、このような事柄の性格と医療内容からいって、非常に私としても残念でございますけれども、現状では、日常医療行為が行なわれ、あるいは手術をどうするかという親の不安、こういうものにどうこたえるかというところに非常に問題点をかかえてはおりますけれども、一般的には手術は、専門家の御意見では、あまり急ぐということをせずに、やはり年齢その他の問題を考慮して考えるというような、一般的な標準については御答申がいただけるものと期待いたしておるわけでございまして、なるべく早く、そのような標準的な考えがまとまれば出したいというふうに思っております。
#21
○原(茂)委員 当面の措置として、行政機関からの指導というのはなかなかむずかしい、結論的にはそういうことになるわけです。われわれしろうとの側からいうと、そこらが非常にもどかしいんですね。あやまちがあってはいけないのですが、より万全を期すための指導ならやっていいんじゃないかという気がするのが一つと、やはりいまの医療制度の問題とのからみがどうしても出てくるんじゃないか、こう思うわけですね。
 たとえば、小さな子供で、極端に吐いたり、下痢をしたりする、脱水状態になるというときに、やはり点滴静脈注射というのですか、ああいうものが非常に有効だということをしろうとでも聞いていますがね。しかし、そんなものをやっていたのではこれからの技術の問題も難しいから、簡単に、看護婦さんにやれというわけにいかない。まあ、やってはいけないことになっていても実際にはやるが、やるわけにいかない。医師が忙しいのにそれをやる。
  〔委員長退席、綿貫委員長代理着席〕
しかも、時間をかけて点滴注射でやれば非常にいいことはわかっていても、簡単にぶすっと注射で済ませようというようなことが――常識的には医師にわかっているんだが、実際に点数の上からいうと、とにかく手っ取り早く点数を上げるほうがいいんだから、これはやはり経営している、食べていく、商売と言っちゃ悪いけれども、昔の仁術とは違うんで、やはりある程度は生活というものを考える、経営を考えるというところから、こうすればいいんだとわかっていることを避けて簡単にやったというようなことも大きな原因になると思うので、少なくとも点数等、要するに医療制度そのものにメスを入れることになるのですが、厚生省の立場では、たとえば吐いたり、下痢がひどかったり、ひきつけているというようなとき以外は原則として注射はしない、避けるべきだ、――原則としてですよ。カルテにそれがちゃんと書かれていて、あと、いつそれが見られても、なるほどそのとおりやった、やらないということが実際にわかるようにさせながら、しかもできる限り、いまおっしゃったようにしか――一番いいのは口から飲む。時間の違いだけですから。緊急でなければいけないから注射をするので、飲んで三時間、注射なら一時間という、その二時間を短縮するために注射、そのために一生涯かたわになる。簡単に言うとそんな論理だろうと思うのですよね。
 ということを考えると、やはり少なくとも行政の面で指導をして、こういう状態には原則としては注射はしないように注意をしてほしい、しなければいけない、こういう場合にはやむを得ない、注射をするとしたらこういうところにやりなさい、もっとそれよりも、口から飲ませることが一番いいんだとか、わかり切ったことのようですが、医師会にそれをまかしておくんでなくて、行政指導という立場からいうなら、現に患者はたくさんどんどん出てきている、発見される、しかもこれからもその患者が起きてくるような措置が行なわれている段階で、現在、この大きく全国的に「守る会」などを通じて親の心配が非常に高まってきて、数からいっても、サリドマイドだ何だというのとは比較にならないほどの大きな数が予想をされるというような段階では、思い切って行政的な指導というのが、これは三月になると何が出てくる、答えが出てきて、そうしたらこうしよう、ああしようということも、急がせながらやる必要はありますが、その間に、こうしている間にもなすべきことをやっておくことが、私は国民医療という立場からいうなら、厚生省として考えていいんじゃないかと思うのですが、どうしてこれはできないのでしょうかね。その程度のことは厚生省として真剣におやりになるほうがいいんじゃないか。そのからみとしては、やはり医療制度の問題の検討もしなければいけないんじゃないかと思うのですが、いかがでしょうか。
#22
○滝沢説明員 たいへん具体的な、症状に対応して必要な処置の範囲でこれを限るような措置ができないかということでございますが、基本的には先ほどお答えいたしましたように、病状に応じた限定というものを表示してそれを指導することは、医療という本質からいきまして、時々刻々に変化する可能性のある患者というものを、医師法に基づいて医師という身分を定められた人が責任をもって対処している医療の本質からいきまして、この問題について、先生のおっしゃるような具体的の例をあげてお尋ねになれば、可能性がありゃしないかというふうに一般的には受け取れると思うのでございますけれども、しかし、われわれは行政の判断としては、個々の医療でこの辺まではやるように、その辺以下はやらないようにということにすることは、非常にむずかしい問題でございます。
 ただ、適正な医療であるかどうか、たとえば数百本打っておったというようなケースに対して、これがほんとうに適正な医療であるかどうかということを、医療制度とからんで先生が御指摘になりました。これは確かに今後のわが国の医療制度の推進の上に、技術の評価というもののあり方と医療のほんとうの必要性との関連を的確にしていくこと、そしてそういう点数評価のあり方というものをきめていくことは、基本的にきわめて大事な問題だと思うのでございまして、したがって、必要がなさそうだと思われるのに打っているというケースを医療制度的に、あるいは保険制度的にどうとらえていくかという問題が、私はむしろそちらの、現在の医療に対して出来高払いで支払いをしている現状からいきますというと、その問題というものは、したがって先生が厚生省として考えろという御指摘は、やはりそういう意味を含んでいると思うのでございまして、そういう点は、個々の医療担当者の適正な医療が行なわれているということが保険制度の上からもやはり検討される必要があると思うのでございまして、いわゆる医師と患者の判断の範囲というものを行政的に指示することは非常にむずかしい。ただ、医療の結果について、それに対する評価を加えるという方法が、今後の医療保険制度も含めまして、先生のおっしゃる広い意味の医療制度の中でやはり検討されませんと、個々のケースに対する指示は、私は非常にむずかしいんじゃないかというふうに思っております。
#23
○原(茂)委員 一部、局長も、医療制度とのからみでその面の検討が必要だということは、お認めになったようであります。医者に対して医師としての資格を与えたのは国なんです。医療制度を現につくり、運営しているものも国なんです。そういう立場からいうなら、そこに何らかの矛盾というか、あるいはまだ解明はされていないが、何とかしなければいけないという問題が起きたときには、これは政治的な一つの決断で、やはりそのことが患者に対して悪い結果になるのでない限り、ある程度の前向きの行政指導というのが行なわれている間に、医療制度の抜本的な検討、改正を行なうとかいうことをしないと、人命に関する問題ですからね、人間が、かわいい子供がかたわになったりなんかする問題なんですから。結果が出るまで出るまでといって、ずいぶんもう長くなってきましたよね。私は、その努力も必要であるけれども、その間に、空白があるものを埋めていく何らかの措置が行なわれなければいけないんじゃないかという感じがするんです。
 それに関連して、来年度の予算要求の中に五つだか十の難病か何かを指定して、それに関連する予算の要求を厚生省はされたそうですね。その中に難病ということばがあったんですが、私は、これはもう間違いなく医原病であって、難病という範疇ではないというような解釈のもとにものを言っているわけですが、少なくとも医原病ということに常識的になるとするなら、国の責任は非常に重要だと思うのです。であるとするなら、まず、来年度予算要求をなさるときに、難病といわれる五種類か十種類の何かに前年度よりはよけいの要求をされているようですが、少なくとも、現在検討中ではあっても、現に患者が出ている、現に国としても対策を急がなければいけない認識のもとに調査班をつくり、急いだ検討をしているというようなものの、先ほどもちょっと予算ということばが出ましたが、やはり大々的なチームをつくり調査を行ない、あるいは的確な現地における状況の把握を行ない、いろいろな問題での予算の増額を必要とするだろう。それにも増して私は、そのことをひとつ聞きたいのと、もうすでに四頭筋短縮症がここまで問題になってきた以上は、サリドマイドのように訴訟に持ち込まれて、訴訟になってから、その決定に従って国家的な補償をするとかしないとかいう結論の出る前に、あれだけのことを考え、しかも数を相当想定されることを考えますと、私は、この間のサリドマイド訴訟のああいう結論というものを見ただけでも、急いで国としても、国の損失をより少なくする立場からの配慮というものがあっていいんじゃないか。現在のままでいけば訴訟という事態に持ち込まれそうな雰囲気ですが、どうせ持ち込まれるなら裁判の結果が出てからやればいいんだ、国がそういったような態度でいるようにすら思われるわけですね。
 したがって、三つお伺いしたいのだが、一つは、概算要求されました来年度予算の中で、一体この四頭筋に関連する何か新たな予算の要求をしているのかどうか。それから二つ目に、難病というものでなくて医原病だというふうな認定をされているのかどうか。それからもう一つは、やはりこの種の問題がやがて裁判になるということがほぼ傾向として出てきているんですが、これに対してどうお考えになり、措置をなさろうとしているのか。三つに分けて……。
#24
○滝沢説明員 先ほど予算の問題をちょっと申し上げましたのは、実は原因究明については新たな予算措置をどうしても、動物実験その他、少なくとも一千万以上の予算措置をしませんと――現在は主として経験、医学的知識等を持ち寄って、文献関係とかあるいはそれぞれの会合を通じてのあれでございますので、二班合わせて三百万程度の予算で執行しております。来年度はいわゆる特別の研究費の補助金として約一千万を要求いたしておりますので、これはどうしても原因究明を中心として必要であるというふうに思っております。
 それから、難病等の関連でございますが、これは難病担当の局長もおりますが、私は、先生のおっしゃるいわゆる医原病という点では、考えがほぼ同じでございます。先ほどの先生の御指摘にも若干その趣旨を含んでおるわけでございますが、われわれとしては今後このような医療で――昭和二十一年にこの大腿四頭筋の一例が報告されております。その後学会その他で御指摘があるのに、何で日本の医療制度の中にこれが注意として取り上げられるような情報システムが十分できてないかということについての御指摘の意味も中に含むと思うのでございまして、この点は、われわれといたしましても、医務局に医療情報室を設置いたしまして、この問題に対しても新たに担当を命じまして、すでに医療情報の研究費を使いまして、民間の医療情報センターから各文献等、学会発表等の、問題にかかわるもろもろの情報を的確にわれわれの手元につかめるような仕組みを用意いたしました。今後このような、たとえば薬務局がただいまモニター制度で、各医療関係者の副作用等についての情報をおとりになっていると同様に、われわれとしてはこの情報機関を通じまして、学会の動きあるいは新たな見解、学者の新しい発表等につきましての情報を的確につかみながら、事前にこのような問題がわが国の医療の中に情報として伝わるような仕組みというものを考えたいと思っておるわけでございまして、医原性であるという先生の御意見と同様でございます。
 それから、訴訟問題につきましては、サリドマイドという御指摘がございましたが、率直に私の見解を申しますと、サリドマイドは、今回の措置全体を見ましても、国の責任というものをある程度はっきりうたった問題だと私は思うのでございまして、大腿四頭筋とサリドマイドとは、やはり率直に申しまして若干性格の違いがあると思うのでございます。スモンがある程度、キノホルムという薬の多用、連用というような問題がございまして、これももちろん、受け取り方によってはこまかい違いがございましょうが、非常に大ざっぱに言わしていただくならば、むしろスモンのケースに近いような感じがするわけでございまして、先ほど来御指摘の具体的な指示その他の問題については、私もいろいろ悩みを持っておりますけれども、これが訴訟にならないように措置するということのむずかしさというのは、個々の医療のケースの中から出てまいっておりますので、じんぜん訴訟になることを待って対処しようなんという気持ちを持っているわけではさらさらございませんが、事柄の性格上この問題についての対処は非常にむずかしいというふうに思っておるわけでございまして、その点率直にお答えするわけでございます。
#25
○原(茂)委員 訴訟にならないようにするためにどうするかという問題は、確かにむずかしいと思うのですが、いま二、三私が申し上げたようなことをもう少し真剣に、中間的な措置としても考えていかないと、やるならやってみろという態度と同じような結果になる。
 たとえば、危険なのは、いま各都道府県で、県単位で、あるいは市単位で、この患者の発掘を集団検診という形で、自主検診ですが、やっている。患者の中では、これは重症だ、大腿四頭筋短縮症なんだ、こう言われて、あくる日、ある医者に飛び込んだ。そうすると、その医者はすぐに、あした来なさいというその日に入院させて、二日目にはもう手術をしているのですね。これは非常に自信のあるりっぱな先生かもしれませんが、単に集団自主検診で大腿四頭筋短縮症だと言われた、驚いてかかりつけの医者に飛んでいった、すぐ入院した、翌日には手術をした。結果はもうじき出てきますけれども、そういうことが、先ほど私ちょっと言ったように行政指導というか、医師会の指導があるに違いないのですが、あとでもし間違ったらたいへんだなという感じがするわけですね、そういうやり方をされると。そういう例が実は相当あるのです。
 かと思うと、この種の患者、子供を守る親の会ができていますが、親の会の会員の子供は見てやらないという病院まで出てくるのですね。これは先ほど私が行政指導と言った逆の行政指導ですが、少なくとも医院であり、病院である限り、親の会に入っている患者だからというので差別をするなんということが行なわれていいはずがない。ですが、現にそれが行なわれているわけです。
 そういうようなことも、やはりこれは行政的に相当な指導が必要になってくるんじゃないか。こういう問題が起きたときに、単に医師を責めるという立場ではなくて、医師全体のそういう意味のレベルをやはり上げてもらって、再び同じような患者を出さないようにというのが親たちの念願の一つなんです。ですから、何もこう武装して、何の会に入っているから見てやらないなんというようなことが起きるはずがない。したがって、こういうことが現にあるわけですから、こういう点の指導も十分にしていただかないといけないと思う。
 前回社労でもお伺いした問題に関連して、次いでお伺いしたいのは育成医療の問題なんですが、大臣はできるだけ前向きで検討するとおっしゃった。できる限り所得制限、年齢制限というようなものもはずすようにとにかく努力をしましょう、結論的にはそういうお答えをちょうだいしたわけです。各都道府県とよく打ち合わせをしてという前段がついていましたが、実は都道府県の中にはすでに育成医療で、しかも所得制限も一切なくて、年齢制限を十八歳なんというものを考えずに、しかもそれだけでもなおった例があるというマッサージに関しても制限なし、こういうことを現に行なっている都道府県が出てきました。これは調査をしていると思うのですが、三つぐらい出てきました。これもやはり、何々県に住んでいる者は損をしている、そういうふうに一切の制限をなくしたところに住んでいる者は得をしているというのが現に起こっているわけです。原因はほぼこれじゃないかといって国の立場で調査をして、しかも医原病だと考えているこの患者に対して、現に差別の行なわれていることはまずいと思うのです。調べてみますと、そういうところでは難病の指定をして、そうしていま言ったように制限を取るということを現に行っているわけです。こういう不平等は早期に改めなければいけないと思うのですが、いかがでしょう。これは、大臣はそういう点ではきっと前向きでおやりになったと思うのですが、厚生省の指導なりあるいは予算的な何かの約束なりがあってそうできているのか、全然その指導はしなかったのか。現にアンバランスが起きているのですが、これをどうならしていくかという方針についてお伺いしたい。
#26
○上村説明員 前回にもお答えしたと存じますけれども、大腿四頭筋拘縮症については育成医療の対象にする。ただ、先ほど医務局長が申し上げておりますように、治療方法が非常にむずかしい点があるようでございます。
 そこで、この育成医療でございますけれども、これは御案内のように、費用が負担できる方は、その負担できる額を医療機関に払い込んでいただくという法律上の仕組みをとっているわけでございます。そこで、本人の負担がどうなるかということになるわけでございますけれども、医療保険の改正等があって、最高月に三万円の自己負担ということになるわけでございます。で、国のほうではその費用を負担する基準というのを統一的に示しておるのは、御案内のとおりだと思いますけれども、最高は三万である。同時に、A階層つまり生活保護を受けている世帯とか、あるいはB階層、市町村民税の非課税世帯というのは、全部、取らなくてよろしい。それから、私どもC階層といって二つに分けておりますけれども、所得税の非課税世帯については、入院の場合最高は月千五百円でございます。それ以上の、つまり所得税が課税されております世帯については、D1からD14までのクラスに分けて統一的な基準を示しております。最高三万になりますところを私ども役所の中で見てまいりますと、大体本省の局長クラスくらいが三万円取られる、それ以下のところは三万円以下であるというふうな状況でございますので、現在の基準そのものはそれほどきついものではないというふうに思っております。
 ただ、自治体によって、一つはただにしているところがある、それからあるいは年齢を十八歳をこえてやっておるところがあるというふうなお話でございますけれども、国が統一的な基準を示しまして、それに付加給付をするような形で自治体がその自治体の行政としておやりになるものについて、この差があるのを統一するということは非常にむずかしい問題ではないか。むしろそこに自治体行政のいい点もあるのじゃないか。国としては一応統一的な基準は示したつもりでございます。ただ、自治体がそれぞれ独自におやりになるものについてさらに基準を示すというのは、お話のように、住むところによって公平を欠く点がないとはいえないと思いますけれども、それがやはり自治行政というものではないかというふうに思うわけでございます。
#27
○原(茂)委員 それは見解の相違で、いまあなたの立場ではそういうふうに言わざるを得ないのでしょうが、やはり私は、この種の病気が全額負担で措置されているところがあるとするなら、先ほど言った行政の指導ではないけれども、必要があれば予算措置もしなければいけないでしょうし、これは自治体のよさなんで、不公平があってもしようがないんだ、こういう厚生省の態度というのは非常に冷たいし、いいものがあったらなるべくいいものに右へならうような努力を厚生省としてもします、こういうのでないと、これは自治体行政のいいところなんで、よくやるところはどんどんやっていけ――御存じだろうと思うが、やっているのは栃木、東京、愛知県ですよね。一都二県です。しかし、ここに非常に患者が多いのですよ。これは、いまおっしゃった、局長級の収入があれば三万円だというのですが、その内容は資料をもらってこまかく知っていますけれども、しかし、大部分の方は、たとえ一万でも五千円でも取られるということは非常に生活にもこたえる。しかも精神的にはたいへんですよ、子供を目の前に見て、かたわになっている子供をどうしたらいいか。そういうものを単に、わずかだからいいじゃないか、負担しているところはしようがないんだ、出せる自治体があることはいいことだからほっておくというのではなくて、愛知なり東京なり栃木がやっているとするならば、それを国の立場でやはり指導をしてできるようにしてやろうということが、いま調査をし、何とかしてやろうとして、調査班までつくって何とかしているという国の当然の立場だと私は思う。こんな災難みたいに起きている患者を、子供の将来がめちゃめちゃになっているものを、これをとにかく自治体の、住む場所によって、そこが自治体の政治のよさなんだなんというようなことでやっている手はないと私は思う。大臣はこの点は前向きでやってくれたはずなのです。いま私が言っている点、どう思いますか。これはやむを得ないと思いますか。できる限り厚生省としては、こういうことがわかった以上は、この気の毒な患者に対して、たとえ一万でも一万五千円でもたいへんな家庭の中から出させることをしないように、予算措置を講ずる必要があるならしていくという、なるべく前向きで検討する姿勢というものが、私は政治だろうと思う。そうでなければ、何も政治なんか要らない。いかがですか。
#28
○齋藤国務大臣 局長のお答えは、現在やっている制度の仕組みについて御説明申し上げたわけでございます。しかし、私は、いまのような仕組みのままでいいのかどうか、実は非常に疑問に思っているのです。特に大腿四頭筋の問題については、難病ではないにしても、何かしらもう少しあたたかい手を伸べる必要があるのではないか、こういうふうに私は考えております。したがって来年度の予算編成に際しても、適用の数をできるだけことしよりは多く考えるとか、そういうことによって所得制限というものをもう少しゆるめる方法がないかということを十分検討すべきである、私はこういうふうに考えております。したがって、現在の仕組みについての局長の説明は、あれでそのとおりだと思いますが、私は、あれに対してもう少し検討をして、所得制限を緩和していくというやり方をすべきではないか、こういうふうに考えております。
#29
○原(茂)委員 大臣もせっかくやってこられたと思うのですが、ひとつ思い切って、大臣の意思を受けて局長方にも、こういうアンバランスのあるという事実を、この種の気の毒な患者にそのまま負担をさせておくようなことのないように、前向きで、いまおっしゃったような方向が具体的に出てくるように努力をしていただきたいと思う。これはいまの制度の中ではもうやむを得ないのだというのでは、私は生きた政治ではないというふうに考えますから、そういう点を特にお願いをいたしておきます。
 四頭筋は、また次の機会に譲ります。
 次いで、これから無医地区の問題、少しお伺いしたいのですが、全国にまだ相当の無医地区があって、無医地区の実態を――たぶん行ったことがないでしょうが、私のところにも二カ所ばかりありまして、行くと始終言われるので、これは弱ったなと思いながらどうしようもなくて今日に至っているのですが、この対策をどのようにお考えになっていますか。
#30
○滝沢説明員 無医地区の対策につきましては、過去に二回の年次計画を立てまして、すでに十数年取り組んでいるわけでございますが、最初のころは、やはり診療所をつくって住民の方々のそばに医師を置こう、これが非常に困難だ。次の段階は、医療を確保するということから、輸送手段について強化していこうということでやってまいりました。これも、必ずしもこれで十分な成果があがったとはいえない面もございます。ただ、一つの大きな変化は、御存じのような社会の大きな変化、特に道路の開発その他によりますところの地域の変動という問題については、かなり大きな変化が来ております。しかし、われわれの定義でいう個所数からいくと、やはり二千八十カ所くらい、沖繩を含めて残っておるという実態でございます。
 今後の対策でございますが、やはり医療を確保するということが重点であって、医師を僻地に確保することはきわめて困難でございます。しかしながら、既存の診療所等についても老朽なものがあり、これが活動している実態がございますので、やはり拠点として必要なものについては機能を新たに強化していく、また、その中心になるものが広域市町村ごとに中核病院等を設置して、そしてそのお世話をするよりどころになる病院の育成ということが従来いろいろ考えられましたが、まだ手のついていない問題でございます。そういうことを中心といたしまして、五十年度の予算には、医務局関係でただいま約七億前後でございますけれども、これをかなり大幅な増額をすることで、自民党の社会部会等においてもこれに対して具体的な御検討をいただいておるわけでございまして、僻地の医療というものを、単なる僻地的な地域の医療の確保でなくて、僻地を持つような地域の医療全体のレベルアップという観点を中心にいたしまして、広域市町村圏ごとにとらえた病院機能の強化というふうな方向で、もちろん、もろもろの医師確保対策あるいは保健婦の設置等こまかい対策もあわせてやりたいと思いますけれども、かなり大幅な計画で医療の過疎現象の底上げということとあわせて僻地医療の確保につとめたい、このように考えております。
#31
○原(茂)委員 先ほどおたくからおいでいただいて、ちょっとお伺いしたんですが、辺地の医療というものを、無医地区の解消ができるまでの補助手段として、いますでに実際に新潟県がやっているようなああいうテレックス、こういうものが取り入れられて、完全に解消できるまでの補助的な機能を発揮するというようなことは考えていませんか。やるべきだと思うのです。
#32
○滝沢説明員 具体的にテレックスのお話でございますが、当面は非常に有効な手段だというふうに私も理解いたしております。新潟の豪雪時期におけるテスト、それから長崎あるいは和歌山県等における僻地医療との関連、そのほかにも、これは僻地ではございませんが、国立の呉病院というのをがんセンターにしております。それから四国の松山病院というのもがんセンターでございますが、ここがどうしても、ガンを治療するエックス線の専門医が得がたい状況にございますので、これにテレックスを入れまして、呉病院の専門医が松山の四国のがんセンターのガン治療のテレファックスによる指導をいたしておる。こういう医療をめぐる情報システムの開発ということは、本年度約四億、来年度も相当の金額を通産と合わせて要求いたしたいと思いますが、財団法人の医療情報システム開発センターを設置いたしまして、わが国の僻地の問題あるいは救急医療、そのほか病院そのものの機能の強化等を含めまして医療情報システムの開発ということに努力いたしておるわけでございますが、先生御指摘のテレックスあるいはテレファックスというようなものは、この問題に対して非常に具体的な、当面対処し得る施策として有効でございますので、今後予算措置の上もあわせまして強化して、具体的な、実験段階から実用の段階にもう入る時期に来ているというふうに思っております。
#33
○原(茂)委員 来年度の予算はどのくらい要求しているんです。
#34
○滝沢説明員 この地域医療計画の情報システムということで十四億くらいだと思いますが、要求いたしておりますが、これは僻地といっても、テレファックスは僻地以外のことにも使えるものですから、テレファックスだけで予算がどういうことはちょっと抜き出せませんけれども、いろいろな対策、特に地域医療計画、これは僻地の問題も含むわけでございますが、そういうことでもろもろのコンピューターの導入、これからリース、こういう費用も含めてでございますので、まあ具体的に、先ほどお答えいたしましたように、テレックス、テレファックス系統というものは、比較的費用が組みしいい予算の範囲内でわりあい広げて使えるという感じを私持っておりますので、これは活用していきたい、このように考えております。
#35
○原(茂)委員 予算があっても医師とか保健婦を急増するわけにはいかないですね。ですから、この件ではそのことをお伺いしようと思って、いま、まあまあやる気持ちだなという気はいたしますが、本年度四億、来年度十数億と言いましたね。これてリースを考えるにしても、どの程度の――たとえば全国の無医地区、特に市町村という単位で数えても九百四十七市町村か何かある。これに十数億で一体何ができると言いたいのです。私は、ほんとうに無医地区を、従来からいわれているものを国民保健の上からいって真剣に考えるなら、この種の情報システムというものが予算があればできるのですからね、特にいま総需要抑制で、みんなどこでもつくるのに、仕事がなくて困っているのですから、思い切って予算を取れば相当程度、無医地区解消までの補助的な役割りを果たすことができる。おっしゃるとおり、すでに実験段階を終わろうとしているということになるなら、こういう面に思い切って予算をつけてやろうという姿勢が出てこなければいけないのじゃないかと思うのですが、どうですか、いまからじゃもうおそいのですか。そんな程度しか来年度やらないということになるのでしょうか。
#36
○滝沢説明員 先生、来年度予算というお尋ねでしたので、大体の感触を申し上げたわけでございますけれども、実はこの医療情報問題というものは、そう急ぎましてもなかなかむずかしい問題でございまして、ただ、テレファックスというような具体的な問題はかなり実行段階に入るという、部分的に限って申し上げたわけで、全体のシステム化ということはまだ非常に時間を要します。したがって、われわれとしては五年以上の計画で資金を投入したいと思いますので、その投入額は相当の金額にのぼるというふうに思っておるわけでございます。
 それから、予算の中身からいって、テレファックス、テレックスを抜き出した数字はお示しするのが困難であるというだけで、具体的な実用ができる段階であることでございますので、できるだけ予算の獲得と同時に実行に入りたい、こういうふうに考えております。
#37
○原(茂)委員 これは郵政との関係もあるでしょうが、私は無医地区解消というものを考えたときの相当有効な手段として重点を置かなければいけない問題だと思うので、もう少し時間があれば、これは専門的な分野なんで、ものを言いたいところですが、きょうはそういう専門の方においでいただいていないと思いますから申し上げませんが、これにもう少し思い切った重点を置くという考え方を持っていただくように、この点お願いしておきたい。その後の進展状況はまた伺います。
 次いで、看護婦さんの少な過ぎるという問題について、これは非常に現実的な大きな問題になつているわけですが、いろんな資料をちょうだいしましたし、二月に出されました社会保障長期計画懇談会というものの需給計画について、これもプリントをちょうだいして、見ました。これは五十三年目途に相当程度の充足を考えているという結論になっております。
 現在、週休二日制というものが、当然のこととしてこれから考えられていく。それと脳外科あるいは一般の外科もそうですが、看護密度の高い施療に関しては、いまのような二直ではやり切れない、当然三直制度というようなものが加味されていかなければいけない。われわれが考えてもそう思うのですが、それがこの計画には入っていないようなんです。私が申し上げたいのは、せっかく出されている懇談会の答申を、これを中心に皆さんいまおやりになっているようですが、これではもうすでにおくれているではないか。こういうときに、せっかく四十九年二月に出たのだから、さっきの話じゃないけれども、まずこれで五十三年までやるのだ、これではいけないと思うのです。先取りではありませんが、現実にすでに週休二日制は取り入れられなければいけない。専門家の滝沢先生なんか、考えればすぐわかる。もうここは二直じゃ無理だ、だんだん三直にしなければいけないというところがたくさんあるということがわかっていたら、そういうものを織り込んだこういう答申がもう一度つくり直されて、出し直させて、それを中心に今後の行政を考える必要があるのじゃないか。これが出たからこれでいいんだという態度について、私はまずいのじゃないかということをお伺いしたい。看護婦さんのこまかい、いろいろな問題がありますが、その問題は基本的な問題として、いま言ったそういう点を考えたら、これは出し直し、検討し直し、懇談会に諮問し直す、そうして新たに現状を織り込んだものを、しかも相当のゆとりを持って、五十三年目途に看護婦の養成その他をどうするかということを検討し、そのレールを敷いた上で、厚生省の仕事をなさるべきではないか、こう思うのですが、いかがですか。
#38
○滝沢説明員 御指摘の長期懇における数値は、四十八年以来長期懇が取り組んでいただいておりますその段階での一つの考え方でございまして、基本的にはこれを固定的なものと考えるということはむずかしいということも、長期懇には申し上げてございます。特に週休二日の問題はこれには入っておりませんということになっております。
 ただ、週休二日をかりに全く事務的に、四十四時間労働が四十二時間になる、四十二分の四十四的な考え方で人員をはじくというだけの問題でいいかどうか。ということは、先生おっしゃったように、二八の二が三人を必要とするような看護単位も生まれてくるだろう、これも一つの当然の御意見だと思います。ただ、わが国の看護婦の需給を二八の看護単位が幾つだから何名要るというとらえ方は、すでに先生御指摘のように、三八あるいは主張によっては六という労働条件の主張も出てまいる。非常に流動的と申しますか、固定的にものを考えることがむずかしい。
 一面、わが国の看護婦が諸外国の、医療事情がほぼ似たような国の需給状況等を勘案して、これを参考にしてみましても、やはり現状においては三十七万に、さらになるべく早い機会に四十九万前後に――それが五十三年四十九万という長期懇の数字でございますけれども、これとてもやはり、週休二日制が導入されますと、四十二分の四十四で事務的にはじいた数字だけではないという問題は、いわゆる勤務交代制というものに対してやはり十分な配慮を加えて週休二日というものに対応しませんと、交代制の問題を現状のままにしておいてこの週休二日制を実現するということは、現状でも看護婦不足の実態からいって非常に困難でございますから、お答えとしては、週休二日制を考慮すればこの計画は動かさなければならぬということはあり得ても、その四十二分の四十四の数字をそのまま養成すべきとするかどうかというところにまだ議論の余地が残っておるという問題は、認識いたしておるわけでございます。
 いずれにいたしましても、四十八年に始まった長期懇に当面の計画としてお出ししたのでございまして、週休二日問題その他の関連、まして看護婦養成というものは三年を要するという実態からいきまして、やはりマンパワーの計画というものはかなり長期の問題に取り組む必要がございますので、この点については、引き続き看護婦需給対策というものについて対応しなければならぬと思っておるわけでございます。
#39
○原(茂)委員 看護婦需給対策に対応するためにこの需給計画そのものを新たに、いま言ったきょうとあしたを考えた問題を取り入れて、この計画をいつの日かつくりますか。全然つくらないで、五十三年までこれでいきますか。いまのお話はわかるのですが、どうしますか。
#40
○滝沢説明員 おそらく五十三年まで、この計画がこのままでいけるとは私思っておりませんので、いつどのような時期にこの問題を検討するか、週休二日制の論議なり、あるいは国全体が実施するとのからみも当然出てくると思うのでございますが、五十三年までこのままでいくというような感触は持っておりません。
#41
○原(茂)委員 それは当然だと思うので、ぜひひとつ、いまからもう計画の立案に着手していいんじゃないかという感じが私はしますね。すぐやるべきだと思うのです。でなければ、あとを追っかけて追っかけて、いつでも追っかけ行政になっちゃうから、どうしてもやるべきだと思うのです。
 そこで、看護婦の不足を中心にわれわれの目につきますのは、たとえば国立病院などもそうですが、今度新しくできました自治医科大学の附属病院なども、東大の附属病院にしても、看護婦不足が原因でベッドが相当あいている。これは非常にもったいないと思うのです。われわれ病気になると、まず最初に何とか地元で見てもらっていても、やがて少しむずかしいといえば、すぐに飛んでいきたいのは、やはり国立病院あるいは東大の附属病院だというところへだれでもが目を向ける。非常に権威のある病院、差はないのでしょうが、しろうとのほうではそんな感じがするわけです。そこが、聞いてみたら案外ベッドがあいている。ずいぶんもったいないと思うのです。これは何とか充足する方法はないのですか。これもあきっぱなしで、看護婦不足でしょうがないという、これほどもったいないあき病室ですか、このままで看護婦充足を待ってやっていく、それまでしょうがない、別に対策はない、お手あげなんだ、こういうことになるんでしょうか、どうでしょう。
#42
○滝沢説明員 病棟を閉鎖されている実態につきまして、資料としては、ただいま全国的な調査をして集計中でございますが、四十八年九月一日現在の数値でいきますと、増改築等をからめて休んでおる病棟のことは別といたしまして、医師、看護婦の不足を理由にしたものにつきまして数値を申し上げますと、医師だけの不足では、病院数にして〇・六%の九病院、看護婦の不足のためが七十五、五・二%、医師、看護婦ともに理由にあげているのが三十六で二・五%、合わせまして百二十の八・三%の病院がかかわりあいがあり、病床数にして二・二%でございますが、合わせまして約七千の病床が、医師不足、看護婦不足によって使用をしていない病床数でございます。増改築によるものは約四千、調査時点についてございます。これは自治体、日赤、済生会等の公的病院の実態でございます。
 そのような次第でございまして、先生おっしゃるように、看護婦、医師の不足状態というもののために既存の病院が十分利用できないということは大問題でございますが、わが国の看護婦全体の需給の問題というものが、先ほど議論をいただいたようにマクロであるほかに、看護婦さんの地域的な流動性と申しますか、これにまたその時代時代による変化がございまして、一時はかなり都市に集中した時代がございますが、逆にいまは都市が困難で、地方に一部、それほど看護婦不足が切実でないという実態も聞いておるわけでございまして、その時代時代による流動性というものもどうしてもございます。それから、個人の開業の先生の診療所等における看護婦の需給状況と申しますか、そういうものと病院のように絶対看護婦がないと困るというところとのかね合いというものも、時代によって変動してまいります。
 いずれにいたしましても、われわれは全体の看護婦対策を、給与の改善も含めて総合的に講ずるわけでございますが、個々の病院の病棟の看護婦不足あるいは医師の不足という問題については、行政上直接的な関与がなかなか困難ではございますけれども、それぞれの病院の実態、たとえば労働条件あるいは病院の機能、たとえばこういう病院なら行くけれどもこういう病院には行きたくないという看護婦さんの判断、こういういろいろなものを含めて結果が出てまいりますので、結論としては、看護婦不足というものが絶対的に当面ございますことは否定できませんけれども、個々の病院の運営上の問題とのからみについては、それぞれの実情に応じた御判断を願うところで、責任はやはりわれわれの養成計画なり医師のいわゆる医科大学設置その他の国の計画なり、こういうことが基本的にはございますけれども、そういうそれぞれの時点における医療従事者の変動要素というものについては、なかなか行政的に具体的な手を打つことは困難でございますが、ただ、看護婦の全般的な給与の改善は、国家公務員の人事院勧告等によって民間にも影響し、診療報酬の点数設定にもそれを配慮していくというような、これは若干タイムラグはございますけれども、一応の措置を講じていくという基本的な、国がやるべき問題というものは、これはやらなければならぬというふうに思っております。
#43
○原(茂)委員 この問題も、あいているところは急速には、いま言った事情でふさがりませんね。さっきのテレックスの問題ではないのですが、私は、ああいうテレファックス、テレックス等を利用することが相当進んでくると、このベッドの利用の道もまた別に出てくるんじゃないかと思うのですよ。
 どっちにしても、看護婦さんの充実というものを基本的にもうちょっと考えておかないと、先ほど申し上げたように、需給計画が出ているからというので、それだけで日を送っているのでなくて、もうちょっと前向きでこの問題の検討をぜひしていただくように、これは注文をつけておきたいと思うのです。やがて、具体的にどんな計画をつくることになったのか、あるいは懇談会等によって新しい答申、答えが出てきたのか、また時期が来たらお伺いしたいと思うのですが、ぜひひとつ前向きに検討してもらいたいということをお願いしておきます。
 次いで、今度白ろう病についてお伺いしたいのですが、これは大体、官公庁に働く労働者、特に林野庁関係の労働者なんかの患者は、非常によく調べ上げることができるわけです。民間の山林労働者に関してはなかなかっかみにくいのですよ。まだつかんでいない。ところが現にあるのですね。私どもの回りにもたくさんある。これをつかむのに、地方地方の基準監督署が一生懸命督励をし、つかんではいるようですが、ようやくつかんでも、適切な指示をしても、その患者がその治療を受けない。なぜかというと、食うのに忙しいし、こんな程度ならおれはだいじょうぶだ、こう自分で、ほんとうに重症患者になるまでやっちゃうのですね。という問題が一つ。
 それから、すでに白ろう病だということが認定されている一般組合員の労働者、民間に働く労働者に関しての治療法というものは、どうも何かほうっておかれている、適切な指導がされていないし、十分は検討がされていない、こういうふうに考えるのですが、現在ではもう白ろう病というものは認定病で、まあある程度、出てきた者に関する措置は、手当てはできるということになったのですけれども、その治療法に関してもうちょっと突っ込んだ検討、研究を行なって適切な指導をしていかないと、治療の面において非常におくれがある、こう考えているのですが、いかがでしょうか。
#44
○滝沢説明員 白ろう病の問題について、林野の関係が常識的には非常に多いということはわれわれ知っているのですが、その他の機械にも、確かに振動の多い機械等がございますから、そういう問題があり、治療を受けるという人になかなか啓蒙が十分いかないでいるという実態その他もあると思いますが、主としてお尋ねの治療法の問題でございますが、過去には研究費を四年くらいにわたり百万ずつ差し上げていろいろ御検討願って、それから国立病院に温泉病院がございますので、これに対して林野庁のほうから御要望がございますと、研究調査をしながら治療に御協力申し上げているわけで、その実績を申し上げますと、四十九年十月現在の数字で申しますと、約九十カ所の全国の国立病院のうち外来に三十六名、入院が十八名という実態でございます。認定患者は、先生御存じのように、三月末で千七百五十八人というような数字でございまして、国立といたしましての治療法の開発はなかなか――これは原因が、除去すればすぐに回復するケースもございますけれども、それに従事しなくなっても非常に症状を残しておるケースもございまして、従来は温熱療法等が非常に有効であるということで、温泉浴以外にも、いわゆるリハビリテーション的に温熱器具を使った温熱療法等も加えているわけでございます。そのほか血管拡張剤等を使用して末端の血行をよくするというような対症療法ももちろんするわけでございまして、原因が、機械の振動に長年従事をした方に特殊な現象として末梢の血行の障害が起こる、こういうことで、かなり自律神経的な、体質的な問題も若干関与するようではございますが、基本的には原因はそういうことでわかっておりますので、今後治療法の開発につきましては、林野庁その他関係の各方面と御協力しまして、特に直轄の国立病院では、温泉病院等の活用については積極的に受け入れてまいりたい、こういうふうに思っております。
#45
○原(茂)委員 いま局長もおっしゃったように、林野のことはだいぶ詳しく御存じだろうと思うのです。これは私は、現段階では治療法の開発というものは急がれなければいけないという面が一つと、もう一つは、やはり民間の山林労働者には、実は潜在患者がたくさんいるのですよ。これは木曽地方のほんの一部だけを調べただけでも――たとえば長野県厚生連の佐久総合病院というところで六十八人受診してみたのです。やってみたのですよ。すると、精密検査を要する者が三十三名いるのです。これは要するに患者とぴしっとわかる人。精密検査をしなければいけない。たいした異常じゃないというような者を含めて、異常なしが三十五という数字。木曽保健所で調べてみると、八十九名のうち三十名。やはりあっちに辰野というところがあるのですが、そこの総合病院でいうと、三十九名のうち九名。伊那の中央総合病院、これはどうしたのか、四十二名で、精密検査を必要とする者はここだけがゼロ。あとは大体大同小異で、同じような率で、この病院をずっと調べたやつで出ているのです。ですから、この率からいいますと、山林労働者のたいへんな率なんです。
 こういう者に私は会って聞いてみると、いまのところこんな状態なんだから、何とか働けるから、とてもじゃないが、生活が忙しいのに治療だ休みだなんていわれたってやっていけないと言っているわけなんです。なぜそんな気持ちになったのかと聞きますと、なった人が病院に通うのです。ところが、ちっとも実際によくなったような感じがしないと言うのです。昔から古いのですから、この病気は。ところが顕著に、とにかく病院で治療を受けたらこんなによくなったというようなことが、ほとんど仲間から聞けないのですね。そのために、そんなくらいなら行ったってしようがない、むだな時間をつぶして、金を使って、というような感じで、自分から、ほんとうにどうしようもない重症患者になるまでほうっちゃうのですね。
 私、気がついたのは、やはり白ろう病に関しては、治療法というものの開発を国の立場でやる必要があるのじゃないだろうか。これは思い切って真剣にやっておかないと、いまどこか林野庁とも打ち合わせや何かして、報告を聞いて厚生省がどうのこうのという段階はもう過ぎて、やはり厚生省として白ろう病の治療対策というものを開発をする。それこそ、さっきの話ではありませんが一チームでも組んで真剣にやっていかないと、いまなら救える白ろう病患者の民間の山林労働者の数多くが、非常に気の毒な状態になりつつある。したがって、治療というものに信頼がおける、治療すればこれだけよくなった、よくなるといったようなことが一日も早くできるように、もうちょっと国の立場でこの開発に対しては手を入れていただく必要があるんじゃないか。
 先ほど温泉の話が出ましたけれども、大分その他で温泉療法をさせるということで効果があがりつつあるかもしれません。これもやはり中国のあるところで、白ろう病に悩む中国の労働者はもちろんですが、中国以外の外国から、この温泉が非常にきくというので、現に治療に行かされているのですね。日本からもやってくれ、やってくれと、われわれ現地では言うのですが、そんな予算がないからとんでもないというんで、個人ではもちろん行けませんしね。半年なら半年、やはりそういう開発途上における検討の一つとしては、ほんとうに温泉で、日本における大分の温泉よりは中国のその温泉がきくんだということなら、あとで場所なんかは調べてきてお教えしてもいいのですが、読み方がわからないので私言わないのですが、これは相当方々から来ているようですね。成果があがっているんだそうです。ですから、これもやはり試みに、大至急に二人でも五人でもいいから半年くらいやってみる。そうして、確かにいいとか悪いとかということを厚生省で確かめ、治療法の一つとしてその指導をしていく。いいものならやるというようなことも、開発の中の一つとしては検討していただきたいものだ、こういうふうに実は考えているわけです。
 これは大至急に、やはりいまのことも含めながら、白ろう病というものに関しては、その治療法の開発というものに思い切った力を加えていただく。厚生省が主体になって、関係する各官庁のそういう必要な機関も集めながら、先ほどの看護婦の需給計画ではありませんが、あるいは四頭筋に対する調査班ではないけれども、何か国で前向きにこの治療法に対して抜本的な検討を加えていくということをぜひやるべきだと思うんですが、いかがでしょうか。
#46
○滝沢説明員 具体的な先生の持たれているデータに基づいて、民間の山林労働者に相当数のレイノー氏症候群を持つ、いわゆる白ろう病がある、こういう御指摘でございます。
 ただ、私、少し遠慮なく答えさしていただきますと、林野庁等が健康管理には相当の苦心をしておるわけでございまして、したがって、公的な公務員の場合のこのような問題については、従事者からはずすとか、あるいは職場を転換するとか、いろいろなことがやれるわけでございまして、ただ、民間の方が、この病気そのものを御理解にならずに、ということはやむを得ない面があると思いますけれども、従事しながら治療するでは、効果は非常にむずかしい。ましてや、従事しないようにするということは転業しなければならぬということで、これは農林行政的な感覚からも対処しなければなりません。
 それから、お聞きしておって、やはりこの林業関係の一つの協同組合等の機能もございますし、もうちょっとやはり、林野庁の感覚と同様の、林業に従事するチェーンソーを使う方の啓蒙と申しますか、こういう問題を、まあここでたまたま先生からの御質問もございましたし、われわれも、国民の病気の問題でございますから当然かかわり合いはございますが、しかし、その性格、原因、その治療の段階等を考慮いたしますと、かなり啓蒙して理解をいただくことが非常に必要な面もあろうと思いますので、これらの点につきまして、今回御質問があり、問題になりました点を踏まえまして、われわれとしても農林関係とも十分相談して――たとえば佐久病院等が農夫症の問題を長年おやりになっている。そして啓蒙している。しかし、農業に従事して、ある程度注意を払っても、長年の農業労働のためからくる手足の節々が痛む、あるいは異常がくる、こういうような問題を、国民の一つ一つの疾患と職業の問題とをどう結びつけて医療の面で対処していくか、あるいは行政的に対処するかということは、これは私非常にむずかしい問題だと思うのでございまして、そういう点、林野庁その他で行なわれた研究、あるいは医学関係者がもたらした研究の成果というものを御理解いただいたり、適用する場をつくらなければいけません。御理解いただけないと、効果なければ受けてもしようがないという先生のおことばどおりの反応になると思います。
 そういう意味では、医学的な開発は今後とも必要でございましょう。まして、この自律神経の系統というものは、いろいろの試みもしなければなりません。ただ、この場合、最近特にアメリカはじめ日本のみならず各方面が、人体にいろいろの実験的な試みをするということに対するむずかしさも加わっております。そういう意味で、従来は温熱療法というものが非常に有効であるということで、これはあまり、適用のしかたを間違うということで危害を及ぼすということはまず少ないので、一般的には理論的に、血行が悪いのだから、血液の循環が悪いのだから、あたためて循環をよくして回復をはかる。この点はいいのですけれども、場合によっては、他の医学に考えられますように、ある神経の部分を切除してみると自律神経の働きが変わってくる、こういうようなことも場合によっては、レイノーのような血行障害には必要かもしれません。こういうような医学の進歩には実験的な試みも必要でございますし、引き続きこの問題は、研究ということの必要性を認識しながら対応したいと思いますし、これら民間の方々の啓蒙につきましては、農林の関係局ともよく相談しながら対応していきたいというふうに思っております。
 なお、中国の具体的な温泉の問題は、温浴ということではわが国の温泉と同様であろうと思いますが、温泉の質というものがかかわり合いがあるのかどうか、これは私、非常にむずかしい問題だと思います。温泉の質が関係あってなおレイノー氏病に影響するという理論というものは、私ちょっとなかなか気がつく面がございませんので、これは先生からまた具体的な資料でお教え願えば、温泉学会等にもお尋ねして検討してみたいとは思いますが、従来は、温熱療法という物理学的な面からのアプローチによる有効性が認められておるので、それに温泉の質が関与することがどの程度あるのか、これをやっぱり確かめる必要があるというふうに思っております。
#47
○原(茂)委員 私の言ったのは二つで、念のためにもう一ぺん言っておきますが、いまお話しになったことは大体わかるのですが、そうでなくて、やはり治療法を開発して、この白ろう病に関して、こうやって治療すれば有効にだんだんよくなるのだという実績を示してやらないと、民間の山林労働者がこの治療に飛びついていかないのだよと。なるほどおれも治療しようという気持ちにさせるためにも、ぜひ的確な――いまほうってあるわけじゃないでしょうけれども、治療法というものをもう一ぺん開発して、進んだものをつくっていただくようにしないと、民間は先ほどおっしゃったような理由で、わかっていながらなかなか重患になってしまう。そういう状態に現に放置されていますから、そうでないためにも治療法というものを開発し、確立してもらいたい。もう一ぺん突っ込んで検討してもらう。その一つとしては、温泉の研究ももう一ぺんやってみたらどうか、こういうことです。
 それをお願いしておいて、最後に、時間がなくなりましたのできょう質問はできませんが、合成洗剤に関して、例のABS、LAS、こういうものが非常に大きく人体に影響し、特に学校における給食の調理師の御婦人ですね、あの調理師さんが一日三時間平均、あるいは四時間くらい洗剤を使ってものを洗う、手袋をしろといってもなかなかしないというようなことから手が荒れ、だんだん肝臓が悪くなる。あるいは死んだ人を調べると肝臓ガンが多いというような統計が、いまどんどんあらわれ始めているわけです。きょう、そういうものをたくさん実は持ってはきたのですが、先ほどちょっとおたくのほうと話した結果、まだきょうの時間ではちょっと無理だろうと思いますし、そのための御答弁をいただく方々も範囲がまた広がるだろうと思いますので、きょうは質問申し上げませんが、次回の機会に、この合成洗剤に関する被害が非常に及んでいますから、私のねらいは、この種の病気にかかった皆さんにはやはり認定病として扱えるようなことを考える段階にもう来ているんじゃないかということを申し上げ、検討を願おうというので用意はしてきましたが、これは次回に譲りたいと思います。
 きょうはこれで終わります。
#48
○綿貫委員長代理 庄司幸助君。
#49
○庄司委員 子供の虫歯の対策についてまず質問したいと思います。
 これは、五月七日の参議院社労委員会でわが党の沓脱議員が質問いたしまして、それぞれ御答弁があったわけです。その点で、まず時間の関係で、確認の意味でこのやりとりをちょっと申し上げますので、それを確認していただきたいと思うのです。
 子供の虫歯、これは罹患率の問題では、三歳児検診をやりました際、三十二年が八一%だった、四十四年は八七・七%にふえた。その点で、現在一番新しい数字で何ぼなのか、それをひとつお示し願いたいと思うのです。一それから、小学生の場合は三十二年が八四%、四十四年が九三%になっておりますが、最近の一番新しい数字、これはたしか九七・九にふえている、こう伺っておりますが、それでいいのかどうか、この辺まずお伺いしたいと思います。
#50
○滝沢説明員 この三歳児検診のときの虫歯の数字でございますが、過去に先生御指摘のような数字でお答えしておるわけでございますが、最も最近の数字というお尋ねでございますけれども、三歳児で八七・四、これは四十四年歯科疾患の実態調査というものを根拠にいたしておりますので、三歳児検診そのものの運営から出てまいります数字については、数字がわかりましたらお答えいたしますが、そういうことで、四十四年の実態調査のときの数字を、私のところではただいま八七・四ということで持っておるだけでございまして、ただ、三歳児検診というものは毎年行なわれておりますので、それの保健所の報告例からこの問題がつかめれば数字が変わると思いますので、お答えいたしたいと思います。
#51
○庄司委員 小学生……。
#52
○滝沢説明員 児童生徒の虫歯の罹患率でございますが、四十八年の数字で、男子で未処置の歯のある者が七九・六%、処置完了者で二・五、合わせて九三でございます。女子の場合未処置の歯のある者が七八%、処置完了者が一五・九、合わせて九三・九%でございます。
#53
○庄司委員 それから、子供の虫歯のいわゆる成長に対する影響と申しますか、これはあの質問に対しては、「かなり全身的な健康状態に影響があるものと見るべきだ」とお答えになっておりますね。これはこのとおりですね。
 それから、外国との子供の虫歯に対する対策の比較の問題です。これは局長さんから、外国では非常に積極的な対策が行なわれているというお話があったと思うのですが、そのとおりですか。
#54
○滝沢説明員 その当時沓脱先生にお答えした諸外国の実情のとおりでございまして、それ以上のさらに別の関係の資料は、ただいままだ入手いたしておりません。
#55
○庄司委員 それから、わが国の対策はどうなっているかという質問では、「小児の虫歯治療は、歯科医の先生方が非常にこれを取り扱うことの困難性も含めまして、敬遠されがちである」、こういうお答えがあるわけですが、これは現在でも変わっておりませんか。
#56
○滝沢説明員 基本的には変わっておらないということでございますが、しかし、各県の施策の中でたとえば愛知県、神奈川県、広島県等におきまして、県の処置の段階として、歯科医師会の御協力を得て、月に一回なり二回なり特定の診療所の先生を相談員として御指定申し上げて、日を限って子供の歯の相談に応ずるというような施策をやっている点は、当時お答えしたとは別の意味で、一つの、わずかではございますが具体的な事例でございます。
#57
○庄司委員 それから対策の問題、あの当時お答えになったのでは、これは一括してお伺いしますが、一つは口腔衛生センターですか、これが全国で二十六カ所ある。それから歯科医師対策については、公衆衛生への参加が非常に少ないというお答えがあったわけです。それから大学の歯科については、国立に七大学が歯科を扱っている、それから私立が十五だ。その点で、歯科医の養成が私学依存度が非常に強いという数字になるわけですが、その点もほとんど変わっていないだろうと思うのです。それから歯科衛生士の問題では、歯科医師とペアでないと活動できない、こういうお答えがあったのですが、それはそのとおりですね。
#58
○滝沢説明員 いまの問題の中で、基本的には大きな変動はございませんが、ただ、歯科の医科大学の設置等については、国立等に歯学部を設置する方針で逐次進められておりますので、この四月にどういう変動があったかということは別といたしまして、できる限りの歯科医師の養成の向上をはかり、六十年を迎えますと大体十万対五十、ちょうど医師の三分の一でございますけれども、そういう見込みは立てておるように思うわけでございます。そういう点で、口腔衛生センターの問題等も御指摘ございましたが、これはわれわれとして五十年度において予算要求して具体化をはかっていきたい、こういうふうに思っております。
#59
○庄司委員 それで、実はこれは大臣に聞いてもらいたいのですが、十一月九日の毎日新聞に「歯痛は深刻、訴えの声続々」という見出しで、歯の治療に関する読者の体験例を集約したものがあるのです。それで一般のおとなの問題も扱っておりますが、子供の問題ではこういう声が聞こえているわけです。子供の歯の問題で、「夏休み直後に申し込んだのに初診は九月二十四日。その間に子ども(十歳)の症状が進んで二本がムシ歯になった。八万円を前払いしたうえ、毎回千八百――二千円とられている。予約の時刻に行っても三時間待たされた。」これは船橋の主婦の方の訴えです。それからもう一人、群馬県の境町の主婦の方の訴えは、「近所の歯科医は午前六時から受付けをするが、朝三――四時から並ぶ。うちの予供が並んだときは順番が午後三――四時ごろになり、夜になって帰ってきた。」それから、これは埼玉県の上尾市の主婦の声ですが、「どこも子供はおことわり。困って保険がきかない医者に通っているが、毎回の治療が四千――五千円。高い理由を聞くと“あんたは客だと思っているが患者でしょ。患者なら医者のいうこと聞きだまってなさい。イヤならいいですよ”」こう言われているんですよ。それから、「横浜のK医院“あなたの子は泣き方がひどいので千円余計にください”」こういうことを言われている。これは極端な例かもしれませんが、こういう事例は、これは毎日新聞の指摘をまつまでもなく、全国至るところの家庭の主婦から寄せられている問題なんです。
 そこで、この子供の虫歯対策についていろいろ伺ってまいりたいんですが、最初は予防についての対策の問題なんです。
 その一つとして、現在は三歳児検診でやっておりますが、三歳児検診だと、三十二年に八一%だったものが四十四年になると八七・四%、いまお答えのとおり。こういうふうに罹患率が進んできておりますね。それから二歳児の統計が若干あるんですが、四十四年の調べで二歳児は四七・四%、これは厚生省の歯科症患実態調査の数字です。そうすると、四十四年で見ますと、八七・四%の三歳児の罹患率があって、二歳児の場合は四七・四%、差し引きずると四〇%がふえているわけですね、一年の間に。この四〇%が、二歳児検診を実施するなら、これは四〇%進ませないで食いとめることも可能じゃないか、こういうふうに考えられるわけです。
 同時に、この数字は、二歳児でさえも四七・四%、大体半分ぐらいの子供さんが罹患しているという恐るべき状態がある。それで、この問題もやっぱり二歳児段階で予防、治療すれば、早期に直して、三歳児で八七・四、こういう数字が出ないで済むんじゃないかと思うのですね。その点でこの二歳児検診――母子保健法の十二条では三歳児検診をうたっておりますが、二歳児検診はこの法律にはないんですね。その点で、これは歯だけではありませんが、その他の問題もありますので、やはりこの二歳児検診、これは法の十二条になりますか十三条になりますかわかりませんが、その辺やはり法改正して制度化すべきじゃないか、こういう要望がまた非常に強いんです。これは歯科保健問題懇談会の最終報告にも載っているんですね。母子保健法を改正して二歳児検診も義務化すべきだ、こう載っておりますが、この辺、当局のほうでどのように二歳児検診についてお考えなのか、これは御決断願いたいんですが、ひとつ御答弁願いたいと思うのです。
#60
○上村説明員 いま御指摘になりましたように、乳幼児の検診の中で三歳の時点をとらまえまして、特に歯科と精神の発達にポイントを置いた検査をしておるわけでございますが、いまお話しになりましたような点は一つの検討課題にさしていただければと思っております。つまり、母子保健法で乳幼児の健康診査をやり、その中で三歳の時点にポイントを置いて歯科と精神に異状があるかどうか調べるという仕組みをとっておりますので、それをどの程度まで早めるかどうかというのは一つの課題になるのじゃないか、検討課題として残していただきたいということでございます。
#61
○庄司委員 大臣、その点どうですか。大臣も、きょういよいよ内閣改造でどうなるかわからない、落ちつきがないだろうと思いますけれども、その辺大臣からも、先ほどの毎日新聞の訴えなどもありますので、これをひとつお答え願います。
#62
○齋藤国務大臣 いま庄司委員から、毎日新聞の記事をお読み上げになられましてのお尋ねがございました。私も、そういう話のあることも十分承知しておるのです。最近、歯科医療について方々からそういうふうな御意見が出ておることを十分承知しておりまして、もちろんそれには、原因としてはお医者さんが足りないとかいろいろな問題あるでしょうけれども、しかし、こういうふうに批判が強いということは、やっぱり相当考えなくちゃならぬ問題だと私は思っております。
 そこで、先般来医務局長と相談して、この問題はやっぱり医師会とも十分相談して、町の批判があまりこうきびしく起こらないように改善方法を考えなくちゃならぬじゃないか、こういうことを申し上げて相談をしておりまして、近く、当面の責任者である歯科医師会の方々にお越しいただいて、こういうふうな国民の声にこたえ、改善をするやり方について私は十分考えたいと思っております。
 それから、三歳児検診のほかにさらにという御意見があることは、私も十分承知をしております。やっぱり虫歯の予防には小さいうちからやるということが非常に大事なことでございますから、私は、その二歳児検診を義務化するがいいかどうかは、まだそこまでは決心がつきませんけれども、前向きに検討をさせるようにいたします。
#63
○庄司委員 これはぜひ前向きに早期に検討していただきたいと要望しておきます。
 それからもう一つ。大臣もいろいろ、歯科医師の問題については歯科医師会とも相談するとおっしゃっておりますが、これはあとでやはり制度上の問題といいますか、教育上の問題と申しますか、歯科医師会に相談してもおそらく名案が出ないのじゃないかと思われるような節もあるのです。それはあとで伺います。
 二番目に、予防上の問題でお伺いしたいのは、保健所の問題です。いま歯科医師と歯科衛生士とのペアーによる活動ですね、この御確認を願ったわけですが、現在保健所が八百三十二あるうち、歯科医師が配置されているのはきわめて少ないと聞いているわけです。ある数字によると四十九、歯科衛生士は百十六だと。これはペアーにならないわけですね、四十九と百十六では。その点で、このペアーによる配置を全保健所にするためには、相当の歯科医師の数も必要だし、衛生士の数もまだまだ足りない。その辺で、こういう配置についての計画、これはおありなのかどうか、これをひとつお伺いしたいと思います。
#64
○佐分利説明員 現在保健所には歯科医師が七十九人、歯科衛生士が百三十七人配置されておりまして、おおむねそれらの方たちはペアになっておるわけでございます。ただ、御指摘のように充足率が非常に悪いわけでございますから、今後そういった歯科医師、歯科衛生士の確保に特別の努力をいたしたいと考えております。
#65
○庄司委員 特別の努力と言われますが、現在の歯科医師と歯科衛生士の養成の問題を考えますと、ただ単なる特別の努力だけでは、ことばの上だけでは進まないだろうと思うのです。その点で、来年からすぐやれと言っても、これは無理なことは私もわかりますが、やはり年次計画ぐらいつくる必要があるのじゃないか、こう思うのですが、その辺どうでしょうか。
#66
○佐分利説明員 年次計画をつくっておる県もあるのでございますけれども、待遇の問題から始まりまして、もともと歯科医師、歯科衛生士の数が少のうございますので、思うように充足いたしません。しかし、今後、保健所の歯科保健サービスを伸ばすためには、先ほど御説明いたしましたような常勤の職員のほかに、非常勤の形で地域の歯科医師あるいは歯科衛生士の方々に御努力を願うという努力をさらに一そうしてまいりたいと考えております。
#67
○庄司委員 実態を見ていますと、なかなかそれではたいへんなんですよ。と申しますのは、歯科の巡回診療車を方々でつくっておりますね。ところが、これに乗るお医者さんが非常に少なくて、巡回診療車があっても十分機動性を発揮してないという事態があるのですね。それぐらいに歯科医師の協力が困難な実態がある。先ほど読み上げましたように、都会ではもちろんのこと、いなかのほうでも、歯科医師はもう一般のおとなの診療だけで手一ぱいだ、こういう実態があるんですね。これは数字もあります。その点、やはり県まかせにしていたのではこれは進まないだろうと思うのです。厚生省が文部省あたりともっとも強力な連絡をとり合って、保健所にいわゆる公衆的な衛生機関、歯科医師と衛生士を配置していく計画ですね、これは国につくってもらわないと、県だけではとても進まないだろうと思うのです。その辺で私は年次計画の問題を申し上げているわけですよ。計画に伴う対策ももちろん必要です。その辺いかがでしょうか、大臣。局長さんではなかなかお答えもたいへんだろうと思うのですが、大臣のほうからお答え願えませんか。
#68
○滝沢説明員 全体に医療の問題にかかわりますから、私からもお答えいたしますが、従来、歯科医師が、絶対数の不足の問題もさることながら、具体的な歯科医師の治療場面というものが、予防よりも、どちらかというと治療に限定されておるものですから、内科の一般医師に比較しますと、歯科医師自身の公衆衛生的な活動の分野なり気持ちなりが非常に発揮しにくい状態というものが、率直に言ってあるのじゃないか。それと、はっきり申し上げまして、根っこにそういう問題があるだけに、日本歯科医師会あるいは各郡市の歯科医師会も、公衆衛生活動というものを非常に強く取り上げていくには隘路が多過ぎて、なかなか思うようにいかなかった。ただ、最近は、何も歯科医師が急激にふえてきたわけではございませんけれども、先ほど大臣からもお答えがございましたように、われわれとしても、いま現状の歯科医師一般の医療のあり方に対してやはり具体的な改善策を提起していただいて改善をはかっていきたいと思って、日本歯科医師会から近く具体案を出していただく予定でおりますけれども、そういう中に、公衆衛生的な活動に隘路はあっても、日本歯科医師会なり各郡市の歯科医師がもっと積極的に取り組むという、いわゆる公益の団体としての姿勢というものを求めたいというふうに私は思っておるわけでございます。
 ただ、具体的には、保健所という御指摘でございますが、私のほうには、各県庁所在地等にあります歯科保健センターというのも、これも歯科保健の対策の一環として育成していきたいということで、五十年度予算要求をいたしております。したがって、行政上の各地八百数十カ所あります保健所の機能強化も今後の重要課題でございますが、われわれまた具体的な、子供や身障者の歯科の治療ができるセンターの設置ということは、これは予防も含みますが、むしろ治療がかなり重点になりますけれども、そういう特殊な、あるいは休日、夜間等の診療体制という意味で、医務局のほうとしては各県に歯科保健センターの設置を具体的に進めたい、こういうわけでございます。
#69
○庄司委員 たまたまいま口腔センターの話が出ましたから伺いますが、この口腔センターが県庁所在地につくられるわけですね。しかし、現状からいうと無医地区が非常に多い。この無医地区の解消というのは、医師の派遣の解決方法はなかなかたいへんだという状況があるわけですね。そういう点で、無医地区をかかえておるような保健所、こういうところは特別の対策をとっていただかないとだめだろうと思うのです。ところが、この無医地区をかかえておる保健所となりますと、この間の委員会でも御指摘申し上げたわけですが、いわゆる基幹保健所構想などというのが、厚生省の方針だかどうかわかりませんよ、こういうものが進んで、無医地区がますますうとんぜられるような傾向があるのですね。ですから、この基幹保健所構想なんというのも、やっておるところは検討し直してもらわないと、歯科だけではありませんが、ますますうとんぜられる傾向になるんじゃないかと思うのですが、その辺どうお考えですか。
#70
○佐分利説明員 一部の県で基幹保健所構想を持っておるところがございますけれども、そういうところにおきましても、基幹保健所の機能を高めると同時に、そのほかの保健所についても、無医地区、僻地、離島等があればその対策を講じていくようにつとめておりますし、また、国のほうにおいてもそのような計画で、きめのこまかい予算要求を明年度もしておるところでございます。
#71
○庄司委員 それは実態からちょっと離れるのですね。だって、保健所の定数はふえないでしょう。しかし、基幹保健所のほうは、今度は公害関係やら何やら相当充実しなければならない。それで、保健所の定数がふえないとなれば、勢い穴はどこかにいくわけですね。その辺が私が心配しておる問題なんです。ただ、基幹保健所構想できょう論争しようとは思いませんから、その辺はひとつ念頭に入れておいてもらいたいと思います。これはあなたのおっしゃるとおりの実態にはなっていないという問題です。
 それから三番目にお伺いしたいのは、この予防の問題では、例の弗素塗布の問題ですね、この無料化の問題あるいは義務化の問題ですね。この辺検討して予算化していただきたい。これはお母さん方の相当切実な願いなんです。これは沓脱さんの質問に対しても、何か検討するようなお話もお答えになったようですが、その辺の検討は進んでおられますか。
#72
○滝沢説明員 弗素の塗布の問題、実は五十年度予算編成にあたって、医務局でもだいぶ議論したわけでございます。一つの考え方としては、民間にすでに開発ができております、弗素を塗布する専用の自動車、これは機械などを使ってかなり大ぜいの子供を一度にできるというような、弗素塗布専用の自動車の開発ができておるようでございますので、こういう問題を行政的に取り上げてみたいということでいろいろ議論しましたが、この保健センターの問題をどうしても早く――社会問題的にとらえても、やはり休日、夜間その他子供、身体障害者の歯科医療、こういう問題に取り組むということで、保健センターを優先させたわけでございます。
 学問的には、弗素の塗布というものの効果は、かなり一定した学問の根拠はあるようでございますし、一部では、外国などでは弗素を水道水に入れているという実情も聞きます。また、弗素が多過ぎて班状歯ができるというような問題点もございますが、いずれにいたしましても、この弗素の塗布ということが、虫歯予防でわが国の児童、生徒の、たとえば二歳、三歳児検診問題も先ほど議論がございましたけれども、そういうことと塗布するという技術からいって、学童などを考える。その二歳、三歳と塗布という問題、その間に塗布の技術化なり受け入れの条件からいって、二歳、三歳児で塗布が可能かどうか、こういう若干ジレンマ的な問題もかかえるわけでございまして、この点については、決して弗素塗布の施策を否定する必要はないと思いますが、具体的にこれを行政でわが国の子供たちの対策としてやるのに、どういう時期を選び、どういう方法を選んだらいいか、これはやはり検討する必要がございますが、その間に虫歯がどんどんふえるので、やはり塗布という技術と年齢との関係、これと、そのときにはすでに相当虫歯になってしまっておる、こういう問題との関連に悩みを持ちながら、この問題は、自動車等の開発もできて、かなり機械を使って塗布が可能になってまいりましたので、前向きに検討いたしておるわけでございます。
#73
○庄司委員 これはひとつ大臣、ぜひ早期に検討していただきたいと思うのですが、その点で一言……。
#74
○齋藤国務大臣 できるだけ結論の出るように検討をいたしたいと思います。
#75
○庄司委員 次にお伺いしたいのは、歯科医師と歯科衛生士の充実の問題なんですが、それで若干お伺いしたいと思うのです。
 文部省の方、いらしていると思いますが、ひとつお伺いしたいのですが、厚生省では歯科医師を六十年までに十万人対五十人にする、つまり二千名に一人、こういう計画をお持ちなわけです。これに対応した計画ですね、これは文部省でも、いわゆる国立大学やあるいは私大の問題もからめて当然検討されないと、これは厚生省だけ何ぼ検討したってだめなんです。その点で、文部省でそれに対応した計画があるのかないのか、これを一つお伺いしたい。
 もう一つは、この歯科医師の養成が、わが国の現状では私立大学依存がきわめて強いという問題ですね。国立では七医大にしか歯学部がない。ところが、私立大学のほうは十五もあるわけでしょう。こういう私立大学依存が依然として残るならば、私は、非常に高い金を払って出るこの私立医大、こういう方々は、公衆衛生関係に回らないんじゃないだろうかと思うのですよ。一説によると入学金が一千万だ二千万だなんという話もあるわけでしょう。授業料もしたがって高い。相当のお金持ちかあるいは将来これで資金回収するというような方以外は、これは入れないしかけでしょう。ですから、どうしても国立の大学の中に歯学部の増設、これは考えられるべきだろうと思うのですよ。その辺、文部省でどういう計画がおありなのか、どうお考えなのか、この辺をひとつ伺っておきます。
#76
○三角説明員 国立の歯科医師の養成数の拡充に関しましては、一つには、既設の歯学部の入学定員増ということも含めて検討いたしたいというふうに思っておりますが、本年度徳島大学歯学部の創設準備をただいま進めているところでございます。明年度、準備の進捗に応じまして、創設ないしは創設準備をなお続けるという形で概算要求いたしておりますが、なおそのほかに、明年度さらに新たな歯学部の設置について調査検討いたしたいということで、若干の調査費を要求いたしている次第でございます。
 ただ、学部の増設の問題につきましては、これはやはり教員構成がきちんとできるかということとも重要な関連がございますので、そういった面の整備充実の実情に即して充実、増設の方向に努力をいたしたい、このように考えております。
#77
○庄司委員 お話聞いておわかりだろうと思いますが、文部省では当面の手当てしか考えておられないようです。その点、私、文部省を責めるわけではありませんが、やはり厚生省と文部省が、もっとこの問題を国民的な課題として検討されてやっていっていただきたいと思うのです。その辺ひとつ大臣、今後この問題について文部大臣と積極的に検討課題にしてもらいたいのですが、いかがでしょうか。
#78
○齋藤国務大臣 歯科関係の技術者の養成については、非常に大事な問題でございますので、文部大臣とも十分緊密な連絡をとりながら努力をいたしたいと思います。
  〔綿貫委員長代理退席、委員長着席〕
#79
○庄司委員 それから、これも文部省と厚生省にお伺いしたいわけですが、国立大学の中の歯学部、この中の小児歯科講座の問題をお伺いしたいのです。
 五月七日の沓脱質問に対する文部省の御答弁ですね、あれは、一口で言うと、一体、小児歯科講座というのは必要だと認められた答弁なのか、あるいは要らないというのか。何か弾力的にとか協力とかいろいろことばが出てきて判断がつかないのですが、あの御答弁の趣旨はどういう意味なのか、ちょっと説明願いたいと思うのです。この小児歯科講座が必要なのかどうかという問題です。
#80
○三角説明員 五月七日に文部省医学教育課長が御答弁いたしておりますが、現在の基準では、小児歯科講座を置くことが望ましいというふうにされておりまして、必置とはされていないということでございます。ただ、認識としては、講座を置く置かないにはかかわらず、小児歯科の関係の教育を行なってもらうということは必要であるというふうに考えている、そういう立場からの答弁だったかというふうに考えます。
#81
○庄司委員 それでは文部省にちょっと伺いますが、これは昭和四十八年一月に日本小児歯科学会会長菊池さんですね、この方から文部省にこういう要望書が出ているわけです。「国公立大学小児歯科学講座開設に関する要望書」、これは文部省にも厚生省にも大蔵省にもいっているわけですが、お読みになったですか。
#82
○三角説明員 文部省にもちょうだいしております。
#83
○庄司委員 お読みになったのですか。
#84
○三角説明員 拝見しました。
#85
○庄司委員 それなら、これに対する回答ですね、これはまだお出しになっていないと思うのですが、しかも四十九年の四月にまたこの問題について、ぜひ御回答願いたいという文書が文部省にもいっているはずですが、なぜ回答ができないのか、その辺ちょっとお伺いしたいのです。
#86
○三角説明員 この文書に対する回答はいたしておりませんが、先生おっしゃいました、回答をしてほしいという督促でございますか、そういう文書は、私まだ承知しておりません。
#87
○庄司委員 これは四十八年の一月に三省に出して何の回答もないので、四十九年の春にまたこの文書回答の要請をしたわけです。ところが、これは見てもいないとなると、たいへん無責任じゃないかなと思うのです。
 これは厚生省の医務局長さんにも、御回答をお願いしますという文書がいっていると私聞いておりますが、医務局長さん、それに御回答なすったのですか。それから、この要望書に対する考えですね、こういう要望があったんだが厚生省としてはどう考えると、この辺御判断があったらお示し願いたいと思うのです。
#88
○滝沢説明員 その具体的な回答云々の問題につきましては、ただいま歯科衛生課長に聞きましたら、電話等でお話があったようでございますが、そのこと自体は、特に今後に大きな問題としてあるならば、われわれのほうからも適切な処置をしなければならぬと考えておりますが、ただ、問題の性格を、私も文部省の委員をいたしております立場も含めましてお答えいたしますと、今回、医学、歯学に関する講座の範囲というものにかなり大学が自主性を持てるように拡大いたしました。このことは決して小児歯科の必要、不必要の問題とつながるわけじゃございませんが、大学教育というものは、文部省側がこの講座を設置しなさいというような政策的運営というものは、なかなか従来のいきさつからいってむずかしい。したがって、その講座の範囲の自主的な判断というようなものをおまかせすることによって、この歯科保健というものが、いわゆる講座として教授を置くとかなんかじゃなくても、実質講座として取り入れるというような大学も生まれてくることが望ましいのでございますし、まあ先生おっしゃるように、積極的に教授をきちっと置いた独立した講座として、外国と同じように設置される段階が来ることは望ましいと思うわけでございまして、今後は私も委員の一人として、また行政上、小児歯科保健の専門医というものはやはり今後とも必要でございますから、それを推進する方向は決して否定すべきものじゃなくて、むしろ大いにやらなければいかぬと思います。ただ、現状の文部省の判断はそのような形になっておりますので、これらの点もそれぞれ専門医を、教授を得ることのむずかしさ等も含めましてそれぞれの学校で御判断いただき、なお歯科医師、衛生の関係の学会なり医師会そのものが、この小児保健の問題に対する重要性というものを認識するということの背景を持ちながら大学の講座設置の誕生という方向にもつながるというふうに思うのでございまして、もっと積極的にやれということであれば、それは気持ちの上で決して否定するものではございませんが、手続がそのような段取りでなっているように私理解いたしますので、この点については、委員の一人としても今後推進いたしたいというふうには思っております。
#89
○庄司委員 医務局長からたいへん前向きの答弁をいただいて感謝いたしますが、ぜひそれは進めていただきたいと思います。
 これは文部省にお伺いしますが、いま医務局長さんからお答えがあったわけですが、どうもこれに反するような方向が文部省の施策としてとられているような事例があるのです。それは、四十六年に広島大で小児歯科講座が第一要求だったのですね。ところが、これが通らなかった。そして反対に今度――反対と言うと語弊がありますが、これに反して東北大の放射線科の講座が通った。そこで、四十七年には広島大学では、小児歯科講座は要求したってこれはだめだとあきらめちゃって、第二口腔外科を出したらこれはすっと通ったという経過があるのですね。これは一つの事例です。そうすると、やはり文部省のこの当局の中に小児歯科講座についての認識の問題で、私は、いい悪いは言いませんよ、やはりまだこの認識が深まっていない問題があるんじゃないかと思うのです。
 その認識の問題ですが、この日本小児歯科学会の要望書によりますと、小児の歯科医療とは何ぞやということが四ページに書いてあるわけです。
  小児特に幼児のための歯学については、残念ながら、その学問的水準も一般臨床の実態も、世界のそれに比較するとはるかに遅れていることは、否定できない事実であります。
  医学の分野では、発育過程にある小児を医療の対象とする場合、その生体としての未熟性から考えられる特殊性が早くから注目され、こういうことですね。
 それから、この六ページを見ますと、小児歯科講座、まあ小児歯科、これはどのような臨床歯学なのかということが明確に述べられているのですね。ちょっと読んでみますが、
  基本的には補修的治療を主とする成人歯科と違って、未熟な生体が動的調和を保ちながら発育的変化を続けている小児の歯科医療とは、総合的咀囑器官を正しく育成することであり、その機能を維持することにより、小児の発育現象が常に正常に進行することを期待し発育という動きに同調させる治療法が要求されるものであります。
  乳歯の齲蝕による咀嚼機能の喪失、歯列と咬合の高さの低下による顎発育異常、あるいは早期抜歯による機能不全と咬合異常など、発育するための変化が混乱されがちなのが、小児の口腔なのです。すなわち、罹患歯対策と同時に予測される発育上の異常、あるいは現にある異常成立の因子に対して対応しながら、歯の交換現象が正常に進行することを期待し、それを完了するまで見守るのが、小児のための歯科医療なのです。そのため、小児の歯科医療とは、建設的臨床歯学であり、永久歯咬合の完成を期するための広義の予防歯学であるともいわれております。
こういうふうに、いわゆる小児歯科学あるいはこれに対応する小児歯科講座ですね、これはやはりおとなと同じに扱っちゃならないんだということを明確に言っているわけですね。
 こういった認識が学会の共通の認識だとすれば、当然、この小児歯科講座というものを、現にもうこの時点で、やはりどの大学にも確立させるということが認識として私は出てこなくちゃならないだろうと思うのです。その点がやはり私学にまかされているのですね。私立学校が十五あるうち、小児歯科講座を持っているのは十二あるのです。ところが、国立大学の中で小児歯科講座を持っているのはたった一つしかないのですね。七つしかない中でもたった一つしかない。その点、私は、この小児歯科講座というものを、文部省としても当然この文書をやはり検討されて、そして文部省の回答を、これは文書でお出しになるかどうかは別として、自分自身に対する回答を準備しなくちゃならない段階だろうと思うのですが、その辺、文部省どうですか。
#90
○三角説明員 四十六年度当時の講座増の経過等につきましては、私、必ずしもつまびらかにしておりませんが、一般的に申しますれば、大学からそういった増設の要求がございまして予算的に措置をいたします場合に、その当該大学の当該要求にかかる具体的な準備状況をもにらみ合わせましたり――と申しますのは、要員確保等の問題もございます。それから、当該大学あるいは当該学部で全体的な必要講座の均衡等もございますので、その点は内面的に十分打ち合わせの上で措置をするわけでございまして、文部省が一方的に、当該大学の要求と離れて講座を措置するというようなことは、通例ないわけでございます。
 それから、この小児歯科学会の要望の関係でございますが、これにつきましては前回も若干御答弁を申し上げてあるわけでございますが、小児歯科学ということで取り上げますと、学問領域としてはいわば横割りのかまえになりまして、関係者の意見の中でも、保存、補綴、矯正、予防歯科ないし口腔衛生といったような縦割りの講座の総合的なものであるというような意見も一方にはございまして、必ずしも講座として必置ということになっていないということは、先ほども御説明申し上げたわけでございます。その結果、現在では、先生のおっしゃいますように、国立では東京医科歯科大学一校に置かれておるだけという状況になってございますが、先ほど医務局長から、私どものほうの委員会の委員をいたしていただいております関係上御答弁いただきましたように、このたびの大学設置審議会大学基準分科会の中に医学及び歯学教育に関する特別委員会を設けて御検討願った次第でございますが、この中間報告によりまして、歯学部の開設すべき講座については特に個々の講座を定めないで、基礎歯学、応用歯学、この両面にわたって十七講座を設けるというふうにいたしまして、個々の大学の特色ある運営ができるように措置するという中間報告になっておるわけでございます。なおまた、大学の判断によってはいわゆる大講座制というものも導入できるというふうな、弾力的な基準にいたしてございます。これによりますれば、必要に応じまして、現在の教員構成でも、再編成等によりまして小児歯科等の講座を置くなりあるいは教授を置くということが可能になるわけでございます。
 なお、文部省といたしましては、現状では歯学部の入学定員が、一部を除きまして四十名というふうに少のうございますので、これにつきましては他の一般教育等の側の協力も得る必要もございますが、先生がさきにおっしゃいました、歯科医師養成数の増大の要請も強うございますので、入学定員の増加をはかる方向で努力をいたしたい。その際に、要求があれば小児歯科等も含めて講座の増設等も検討いたしたいというふうに考えておるのでございます。
 なお、先ほども申し上げましたように、講座の有無にかかわらず、小児歯科等の教育自体は大学の卒前教育で行なわれておるのでございますが、そういったことにかんがみまして、今後さらに教育研究組織を充実していくようにつとめたいというふうに考えておる次第でございます。
#91
○庄司委員 いま文部省のほうから定員増、これをやるならば認めてもいいというような、それにまぎらわしいような御答弁があったのですが、定員増の問題となると、当然、教育の分野から見ると、いわゆる講座の増設なりあるいは教官の増員なり、これが必要になってくるのです。ところが、文部省は定員法の関係にこだわって、こういう国民的な要望については、定員法がある、定員法がある、こういうかっこうで、なかなか積極的なかまえをなさらないですね。その辺でひとつ、これは行管のほうも説得して、やはり定員法、こういう面ではこだわってもらいたくない、まして五%削減などというのはとんでもない、こういう強い態度を持ってもらいたいのです。
 それで、当面、小児歯科学ですね、この講座について、大学当局が意思を統一しておたくのほうに御要請申し上げた場合、これは通してもらえますか、大学が必要と認めた場合。
#92
○三角説明員 これは一般の大学の拡充の場合の原則でまいると思いますが、当該大学の中での緊急順位、これはいろいろな学部を通しましての緊急順位がございます。それから、学部の中での緊急のプライオリティー、順位がございます。それから、先ほどもちょっと申し上げましたが、十分に予算措置された場合に具体的にこなしていくだけの実質的な用意が整ってきておるかどうかというようなこともございまして、それらを総合的に判断して最終的に詰めてまいるということであろうかと存じます。
#93
○庄司委員 たいへん要領を得ない御答弁で残念なんですが、いろいろ大学の内部事情もある、あるいは優先順位の問題もあるとおっしゃっておりますけれども、私はいま、毎日新聞の問題から何からいろいろ申し上げました。どうしても小児歯科に対する関心を文部省も高めてほしい。その認識が高まったなら当然小児歯科医学というもの、これを講座としてどんどん増設をやっていく、そうでないといまの事態を解決できないんだという認識をぜひ持っていただきたいと思うのです。
 その点、厚生大臣、文部省はこういうかっこうでなかなかかたいようですから、この問題を閣議の中でも重視していただいて、文部大臣とも御協議願いたいと思うのです。それをひとつお答え願いたいと思うのです。
#94
○齋藤国務大臣 小児歯科の重要な問題については、私もお尋ねの先生と同意見でございますので、これは文部省、かたいとかなんとかいいますけれども、必要であることは十分わかっておるわけでございますが、講座をつくる自主性とかいろいろな問題がございましてそういうことになっておるわけでございましょうが、いずれにせよ、文部大臣に対しましても、小児歯科の重要性ということでお話し合いをして、何とか円満に解決できるように努力をいたしたいと思います。
#95
○庄司委員 大蔵省の担当主計官がいらっしゃっていると思うのですが、大蔵省、このやりとりを聞いて御認識はどうなのか、御認識のほどだけひとつお伺いします。
#96
○梅澤説明員 国立大学の歯学部に小児歯科専門の講座を設けるというお話でございますが、先ほど来文部省当局の御説明にもございましたように、現在は、一つの大学で専門の講座を持ちまして、他の大学では専門の講座は持っておりませんけれども、実情に即して小児歯科学と申しますか、小児歯科の教育が行なわれておる。それで、先ほど来先生の御指摘の点でございますけれども、私どもといたしましては、現在文部省当局におきまして、小児歯科を専門の講座であるかどうかにつきましては個々の大学の講座の編成と実情に即して対処していくというお考えのようでもございまするので、来年度どういう具体的な処置をとるかということは、この場で申し上げる段階ではないことは御了承願いたいと思うわけでございますけれども、文部省の御計画などを十分伺いまして、実情に即して慎重に検討してまいりたいと思います。
#97
○庄司委員 ひとつそれはぜひ実情に即して――慎重ということばはちょっと気に食わぬですが、慎重は慎重で必要だろうと思いますが、勇断をもってひとつ御検討願いたいと思います。それから、厚生大臣もひとつ、ぜひこの点御協力をお願いしたい。
 それで、大きな質問の二番目で、いわゆる植物状態にある人間の問題です。この問題でちょっと、これは大臣にお伺いしたいと思うのです。
 いわゆる遷延性の意識障害者と学名でいわれておるそうですが、通称、植物状態の患者、これは交通事故による頭部外傷の問題、脳血管障害の問題で、社会問題になっているわけです。この点では、厚生大臣もついこの間、十一月の六日ですか、仙台に行かれて、この問題について言及されておられます。その点で、これはお聞きになっただろうと思いますが、宮城県の仙台市立病院ですね、ここでは現在十二名の植物状態の患者が入院している。これらの患者の多くは一家の経済的支柱であるわけですね。大黒柱です。こういう状態になることによって収入が断たれてしまう。同時に、この医療費が年間五百万円ぐらいかかるというのですね。特に付き添い看護料がこのごろ上がりまして、一日七千五百円という状況なんですね。そうしますと年間二百七十万ぐらいになってしまう。合わせると七百七十万ぐらいですね。そういう膨大な費用がかかるので、大体この家庭が崩壊状態になってしまって、生活保護世帯に転落する方も非常に多いわけです。その点で、大臣が仙台においでになって、「植物人間の救済策については国も援助していくが、治療費の無料化までいくかどうかはもう少し検討したい。」という、これは地元新聞の報道です。
 この辺、いわゆる付き添い費用、付き添い看護料、この問題については大臣、どうお考えになっていますか。それから、医療費の無料化の問題について具体的に――六日ですから、もうそれぞれ担当の方との御相談もあったと思いますが、その辺の感触、ひとつここで聞かしてもらいたいのです。
#98
○齋藤国務大臣 植物人間と称されておるわけですが、私も非常にこの問題には関心を持っておるわけでございまして、その原因はいろいろあるようでございます。脳卒中によるものもあり、脳腫瘍によるものもあり、交通事故によるものもあり、さまざまあるようでございますが、そういう人たちの医療費が非常にかさんで、そういう家族の方々、生計、なかなかたいへんだということも私、実は承知をしております。
 実は先般来、この植物人間に関する研究を東北大学の鈴木教授その他にお願いをして、多少なりの研究費の助成もいたしておるわけでございますが、介護その他で相当金がかかる、ほんとうにたいへんなことだと承知しております。
 そこで、この問題について、何とかその医療費の負担の軽減をはかる方法はないだろうかと思って実は検討をしておるわけでございますが、昨年の健保法の改正によりまして三万円の高額医療といったふうなこともありますが、介護の問題、これはなかなか解決しにくい問題があるわけです。
 そこで、私は率直に言いまして、いま具体的な結論を持ち合わしておりません。具体的には結論を持っておりませんが、なかなかたいへんな経済負担でございますから、何とか、無料とまではいかぬにしても何か別な方法でやる方法はないだろうかというふうなことを研究はいたしております。研究はいたしておりますが、まだ具体的にどうするという具体的な案は持ち合わしていない、こういうふうにお答え申し上げておきたいです。
#99
○庄司委員 これは地元新聞に相当大々的に、大臣の写真入りでも掲載されておりますから、非常に期待されているわけです。これはひとつ、検討の問題ですね。これも長くかかるとたいへんなんですね。少なくとも年内ぐらいに検討を終わられて――大臣、今度留任なさるかどうかわかりませんが、この問題はぜひ引き継いでいただいて、検討を年内ぐらいに急いでいただきたいと思うのです。特に介護料の問題ですね。医療費の無料化は、もちろん、大臣のこれはお約束ですから、やっていただけると思います。介護料の問題、これも含めてひとつ年内ぐらいに検討を終わられるようなおつもりはございませんか、大臣。
#100
○齋藤国務大臣 この問題は、法律の関係とかいろいろな問題がありますから、年内にとこうおっしゃられましても、いい結論が出るかどうか、そうすぐは私はなかなか容易じゃないと思っておるのです。けれども、十分検討はするつもりでございます。
 しかし、誤解のないように申しますが、私は、無料化ということを約束などはいたしておりませんから。その新聞に出ておりますように、無料化ということは非常にむずかしいかもしれぬけれども、そういう問題もあわせていろいろ検討いたしましょう、こういうことを記者会見で申し上げたので、無料にいたしますという約束はいたしておりませんから、その点は誤解のないようにしていただきたいと思います。
 しかし、経済負担、これはほんとうにたいへんだと思います。一家の働き手が交通事故等によってそうなってしまって、その医療費はもうたいへんなことなんです。何かいい方法がないだろうか、私は率直な気持ちを述べておるわけでございますから、今後とも検討を続けるようにいたしたいと思います。
#101
○庄司委員 それで、もう一つの問題は、これは仙台市立病院で端的に困っている問題ですが、こういった患者の性質上、ベッドの回転が悪いのですね。このベッドを――大体三カ月ぐらい脳神経外科でみて、三カ月ぐらいで安定すれば、大体脳神経外科の手を経なくてもいいという見解なんですね。そこで、そのための後方病院と申しますか、移す病院ですね、これをひとつぜひつくってもらいたい。だから、それ専門の病院という意味ではないのです。たとえば、大臣もおっしゃられているとおり、宮城県の山元町にある宮城療養所ですね、ああいうところとか、国立仙台病院であるとか、何か公的な病院で、患者の家族の近くの病院で、そしてあの看護も非常にしやすい、そういう場所を何とかやってくれという意見なんです。特にこれは、大臣の地元の方も二人ぐらい、やはりいらっしゃっているようです。そういう点で、ここに書いてある国立仙台病院と山元町の国立療養所宮城病院ですか、ここにもひとつそういう患者を移していただきたいと思うのですが、これは大臣のおことばどおり承っておいてよろしゅうございますか。
#102
○齋藤国務大臣 脳卒中の問題は、これは非常に大事な問題でございますので、脳卒中を中心とした床的な研究所、医療センターをつくるという構想、さらにまた、それにリハビリテーションの施設を併置するという構想、これは私はぜひ実現したいと考えておるわけでございます。その際に交通事故等による植物人間、それまでこれに収容するようなやり方がいいのかどうか、その辺、問題があると思うのですよ。問題の発想は、脳卒中の医療センターをつくろうということから出ておるわけです。ところが、植物入間というのは、脳卒中によるものもありますが、交通事故等によってどうにもならぬというのもあるわけです。そういうことでございますので、脳卒中を中心とした医療センターなりリハビリテーションの施設をつくるにあたって植物人間をどういうふうに位置づけていくか、そのほかの原因によるものもですね、そういうこともその時点において総合的に考えたい、私はこういうつもりでございます。しかし、ほんとうに東北地方に、植物人間について非常に熱心に東北大学その他研究されておることも十分承知をいたしておりますから、植物人間も含めたそういう施設が可能であるかないか、十分ひとつ検討を続けてまいりたいと思います。
#103
○庄司委員 次は、いわゆる進行性筋萎縮症の患者の問題でお伺いしたいと思うのです。一つは国立研究所の設置の問題でありますが、これはこのあとにします。
 第一番目にお伺いしたいのは、この間、いわゆるディセンヌ型といいますか、大体二十前後で命をなくされる方ですね、この方のたくさん入っている西多賀の療養所を見学したわけですが、その際電動いす――電気いすというとアメリカの死刑のいすですが、そうじゃなく電動いす、これについて患者からは非常に要望が強いのです。というのは、こういう筋萎縮症の患者の場合は、普通のいわゆる足をなくされた患者と違って腕力がないんですね。そのため手でこぐわけにいかないわけです。この電動いすをぜひ――何か試験的に二台ぐらいあそこにあるそうですが、これは全国的にどうかわかりません。あそこには二台ぐらいですが、この電動いすをこういった患者さんにぜひ与えてもらいたい。その点での厚生省の計画が何かおありだったらひとつお聞かせを願いたいし、ないとすれば、これは御検討をお願いしたいと思うのですが、いかがでしょうか。
#104
○滝沢説明員 一般的な障害児の対策ですと児童家庭局長ですが、ただいまの内容そのものが国立の西多賀を例に引かれました予算措置のようでございますので、当面私からお答えいたします。
 確かに電動式の車いすについては患者に、まあ西多賀が発祥の地と申しますか、非常に喜ばれておることも承知いたしておりますので、われわれといたしましても、計画的にひとつ電動車いすを国立療養所の予算の中でやっていきたいというふうに考えておりまして、四十九年度は九十三台ということで用意したわけでございますが、患者の実態等を見まして、日常生活の用具という関係で、今後とも児童家庭局の対策、わが国一般の民間等の重症障害児あるいは筋ジス患者等の対策ともあわせながら国立施設としても充実していきたい、こういうふうに考えております。
#105
○庄司委員 五十年度の概算要求にこれはどれくらい載っていますか。
#106
○滝沢説明員 四十九年度のベッド数は約二千でございまして、これを必要とする対象患者数を積算いたしまして四百数十台、これの五カ年計画ということですから、九十台前後というものを一応計画的に用意していきたい、こういう積算になっております。
#107
○庄司委員 それはぜひ実現していただきたいと思います。
 それから、大臣が、やはりこの進行性筋ジストロフィーの研究所の問題で、「救う会」の代表の方に何かお約束なすった。これは毎日新聞の地方版に出ているのですが、それによりますと、「研究所設立を検討している「国立精神神経発達障害センター」は来年三月末までに青写真をつくる」、これが一ですね。それから二は、「センターは国立がんセンターと同じようなシステムにする」。三は、「センターの工事開始は五十一年度、予算は二百億円程度――であることを明らかにした。」こういうふうに報道されております。「さらに神経系難病の研究費予算として「今年度予算の倍に当たる七億五千万円を大蔵省に要求していく」ことを明らかにした」。その辺、これは新聞報道ですから、このとおりで間違いないのかどうか、お伺いしたいと思います。
#108
○齋藤国務大臣 この進行筋ジストロフィーの患者に対する国立の研究所をつくってもらいたいという要望が、だいぶ前からあるわけでございます。そこで私どもいろいろ研究をしておったのですが、筋ジストロフィーということだけではなしに、精神神経発達障害の研究所というものにすべきではないか、こういうことでございます。そういうふうなことから 前に東京大学の教授をしておりました森山先生が中心になりまして精神神経発達障害の総合研究所をつくろうではないかというふうな話になってきたわけであります。
 そこで、国立の研究所をすぐつくるという問題でございましたが、いますぐそういう研究所をつくっても、第一どういう研究項目がその対象になるのか、これはたいへんなむずかしいもののようでございます。そこで、従来厚生省においては難病対策の面で研究費を出しているものもあり、児童家庭局でそれぞれ所管をして研究費を出しているものもありますが、そういうものを総合的に――片手間的な、と言っては恐縮ですが、個別的な研究だけではなしに、やはり総合的な研究体制をつくるということが必要ではないか。そのほうが先ではないか。建物をつくる、研究所もつくるということよりも、総合的な研究体制を整備することが先ではないか、というようなことになりまして、来年度要求としては、精神あるいは神経部門あるいは総括班といったふうな筋ジストロフィーも含めた精神神経発達障害に対する国の総合的な研究体制を整備するということに先に全力を尽くそうではないか。その研究体制の整備を行なってしかる後に今度は研究センターというのですか、そういう研究所をつくるというのですか、そういうことが必要かどうか、それはわかりませんが、まず研究体制を整備する。ばらばらなものではなしに総合的な研究体制を来年度全力を尽くしてひとつつくろうじゃないか、こういう考え方になっておるわけでございます。
 新聞にいろいろ書かれておりますが、そのとおり言った記憶もあまりございませんが、要するに精神発達障害というものの総合的な研究体制を整備するということがイコール筋ジストロフィーの解決になり、精薄の問題の解決にもなる、こういう考え方から、総合的な研究体制を整備しよう、こういう考え方で、来年度の予算も大蔵省にそういうことで相談をしようということにいたしておるわけでございます。
 来年度どの程度の予算を要求しているか、必要がございましたら係の審議官からお答えをさせます。
#109
○山中説明員 ただいま大臣からお答え申し上げましたように、センターにつきましては問題が非常にたくさんございまして、森山豊博士を座長とする森山委員会を発足させまして、現在、対象疾患とか、それから既設センター、それから研究費等のその中での位置づけとか、そういう検討をしておりまして、すでに四回開いてございますが、この検討は専門家で非常に専門的にやっております。この年度でこの検討が終わらないということをこの委員会でも言っておりますし、また、患者代表の方々その他の専門の方々も納得しておるところでございますが、現在、今年度は調査費を獲得しておるわけでございますが、来年度はさらに進めまして、具体的なマスタープランをつくる調査費、それから現在の研究体制つまり研究システムをきちんとするということで評価とか、あるいは現在ばらばらに行なわれておるものを一つの体系で行なうというようなそういう評価の機関の費用とか、そういうことで要求しておりますが、こういう面につきまして約一千万円近い要求をいたしております。
#110
○庄司委員 一千万円と七億五千万円じゃだいぶ違うのですね。ですから、これは新聞の報道ミスかどうなのか。その辺どうなんですか。
#111
○山中説明員 ただいま申し上げましたのはこういう調整の費用でございまして、現在の研究費、四億五千万円の心身障害児研究費がございますが、これを七億円要求。それからなお、この心身障害児の研究の費用は難病対策費の一部にもございます。その面で三つの疾病がございますが、それだけ分けますと二億円の要求をしてございます。
#112
○庄司委員 大臣、実は去年の八月、田中総理が筋ジストロフィーの患者から直接訴えを受けたわけです。そのとき新聞にも大々的に報道されたのですね。あのとおりの調子で、わかった、わかった、百億円ぐらいかけて国立の研究所をつくる、こういうふうにはっきり答えたわけですね。答えたのか放言したのかわかりませんけれども、私は答えたと伺いたいのですよ、一国の総理ですからね。これに対して筋ジストロフィーの患者の方々は非常に大きな期待を持ったのです。この患者の方々は、大臣も御存じでしょうが、ディセンヌ型になりますと二十歳前後でほとんど死んでいくのです。私の知っている患者も死んでおります。こういう患者の方が、おれはなおらなくても、私はなおらなくても、私が死んだあとでこういう患者がこういう悲痛な経験をしないように――死刑宣告を受けたと同じですから。そういうものをぜひつくってほしいという切なる要望があるのですね。これを一国の総理大臣が、わかった、わかった、百億円かけて国立の研究所をつくると言われましたから、非常に期待しておるわけです。こういう死刑宣告を受けたような患者さんの期待を裏切るようなことがあったら、これはたいへんな問題なんです。しかも大臣がやはり仙台で、予算二百億円程度と――これは報道ですが、しかし報道にしろ、やはり患者はこれに期待するわけです。それがおざなりで、いつまでたっても、目下体制の研究中であるとかなどということでは、こういう患者を裏切るかっこうになると思うのですよ。
 ですから、そういう点で私はぜひ大臣に御要望したいのは、この問題については、いささかなりとも総理大臣発言の線を曲げるようなことがないように、厚生省当局でも対処願いたいと思うのです。その点で大臣の決意を一言述べていただいて、私の質問を終わりたいと思うのです。
#113
○齋藤国務大臣 これはもうお述べになりましたように、筋ジストロフィーの患者さんが田中総理に陳情された、その話は私も承知しております。総理がどういう話をされたか、新聞で伝えるとおりであるとすれば、お述べになりましたとおりだと思います。
 そこで、いま田中総理の発言――お答えというのですか、お答えがありました。そればかりじゃなくて、前々から私も、筋ジストロフィーの治療法を確立するような研究所をつくらなければならぬということを実は言っておったのです。ところが、その研究所をつくろうとなりますと、筋ジストロフィーだけで問題は解決しない。そこで、私が先ほど申し上げましたように、精神神経発達障害全体を考える。その一環としての筋ジストロフィーである。――学問的にですよ。学問的にそういうことになってきたわけなのです。すぐ建物だけつくったって、どういう研究をするのかわからぬじゃしようがないのです。そこで、筋ジストロフィーを含めた精神神経発達障害というものの研究のセンターをつくろうじゃないか。それじゃそれはどういうふうな構想でいけばいいのか。そこで三部門に分けて、森山教授のところでその研究体制をどういうふうにつくっていくかということになってきたわけなのです。これは順序があるのです。これは御承知のとおりでしょう。筋ジストロフィーの研究所と言ってみたって、そうすぐできっこはない。それは全般的な、科学的な、医学的な検討を総合的にやる必要がある。ということになってくると、従来難病で使っておった金もあるし、さらにまた、児童家庭局で使っておった金もある。しかし、それは非常にばらばら、個別的に使われておるので、この際それを総括的にやっていくようにしようじゃないか。まず総合的に研究を始める体制をつくろうではないか。そしてしかる後に、なるほどこの体制でいけば間違いなく研究はできるぞ、そうなったときにいよいよそういう研究所というのですか、そういうところにいこうではないか、こういうことで、実はこれは非常に前向きに考えているのです。
 私は、患者さんの方々にもしょっちゅうお目にかかってますよ。そして患者さんの方々に、こういう順序でいかなければ結局何にもなりませんよということで、患者さんの方々もそれを非常に理解しておるはずでございます。そこで私は、この問題については、筋ジストロフィーの研究所というのではなしに、精神神経発達障害の総合研究体制の整備をまずやる、しかる後に研究所なりセンターをつくっていく、こういう手順が一番科学的である、こういうふうに考える次第でございまして、この問題には私は、今後とも前向きに全力を尽くす考えでございます。
#114
○庄司委員 もう一つだけお願いしたいのですが、そうすると、大体私も、いわゆる研究所の建物だけつくっても、スタッフもいない建物じゃこれは何にもならないと思うのです。それから、総合的な研究も必要だろうと思うのです。これはわかります。ただ、これは報道ですからどうかわかりませんが、これを見た患者さんはこうなるんだなと思うのですね。来年三月末までに青写真をつくる、それからセンターの工事開始は五十一年度だ、予算は二百億円程度だ、こういうことが報道されているのですね。これを見ると、五十一年度から二百億円の予算で研究所ができるのだと患者さんはとらえるわけです。だから、この辺を私は大臣にはっきりしてもらいたいと思うのです。そうでないと、患者さんはまたこの報道を見て、また厚生大臣がいいかげんなことを言ったといってがっかりして、人によっては死期を早めたりざれたのじゃ困るのです。その辺を明確にしてもらえませんか。
#115
○齋藤国務大臣 その新聞が一体いつの新聞なのか、私も実はあまり……。
#116
○庄司委員 十一月八日の毎日新聞の地方版です。
#117
○齋藤国務大臣 十一月八日ですね。それは私よく承知しておりませんよ。十一月八日というのは、ことしでしょう。
#118
○庄司委員 そうそう。
#119
○齋藤国務大臣 私、そんなことをしゃべったことございません。十一月八日にどこでしゃべったのかしりませんが……。
#120
○庄司委員 八日付の新聞です。
#121
○齋藤国務大臣 八日付の新聞で私はそういうことをしゃべった覚えはありません。
#122
○庄司委員 じゃ、これは、大臣がお話しになった覚えはない。こういう五十一年度からセンターの工事を開始すると言った覚えもないし、また、五十一年度からセンターをつくるつもりもないということになりますか。
#123
○齋藤国務大臣 つもりがあるかないかというのじゃなしに、私は、来年度は、いま申し述べましたような総合的な研究体制を整備する、こういうことを申し上げておるだけでございます。したがって、その結果それが五十一年度の予算にどういうことになってくるか、それはもう先のことですから、いま何とも私は申し上げることはできません。しかし、少なくとも筋ジストロフィー研究所という問題が提起されて以来の経過を述べ、来年度においては研究所という建物をつくることに着手するよりは総合的な研究体制をまず整備する、しかる後に研究所なら研究所というところに移行する、こういう順序でいくべきではないか、こういうことを申し上げているのです。
#124
○庄司委員 終わります。
#125
○臼井委員長 次回は十三日水曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開くこととし、本日はこれにて散会いたします。
   午後一時五十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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