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1974/09/10 第73回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第073回国会 建設委員会 第3号
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1974/09/10 第73回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第073回国会 建設委員会 第3号

#1
第073回国会 建設委員会 第3号
昭和四十九年九月十日(火曜日)
    午前十時四十二分開議
 出席委員
   委員長 木村 武雄君
   理事 天野 光晴君 理事 服部 安司君
   理事 渡部 恒三君 理事 井上 普方君
   理事 福岡 義登君 理事 浦井  洋君
      梶山 静六君    金丸  信君
      國場 幸昌君    浜田 幸一君
      大柴 滋夫君    清水 徳松君
      柴田 睦夫君    瀬崎 博義君
      新井 彬之君    北側 義一君
      渡辺 武三君
 出席国務大臣
        建 設 大 臣 亀岡 高夫君
        国 務 大 臣
        (国土庁長官) 西村 英一君
 委員外の出席者
        環境庁水質保全
        局水質管理課長 山村 勝美君
        国土政務次官  山内 一郎君
        国土庁長官官房
        長       粟屋 敏信君
        国土庁計画・調
        整局長     下河辺 淳君
        国土庁土地局長 河野 正三君
        国土庁大都市圏
        整備局長    小幡 琢也君
        大蔵省理財局資
        金第二課長   石川  周君
        大蔵省銀行局銀
        行課長     宮本 保孝君
        林野庁指導部長 藍原 義邦君
        運輸省港湾局計
        画課長     大塚 友則君
        建設大臣官房長 高橋 弘篤君
        建設省計画局長 大塩洋一郎君
        建設省都市局長 吉田 泰夫君
        建設省河川局長 増岡 康治君
        建設省道路局長 井上  孝君
        建設省住宅局長 山岡 一男君
        住宅金融公庫理
        事       沖  達男君
        参  考  人
        (日本道路公団
        理事)     吉兼 三郎君
        建設委員会調査
        室長      曾田  忠君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 建設行政の基本施策に関する件
 国土行政の基本施策に関する件
     ――――◇―――――
#2
○木村委員長 これより会議を開きます。
 この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。
 建設行政の基本施策に関する件調査のため、本日、日本道路公団理事吉兼三郎君に参考人として御出席を願い、御意見を聴取することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○木村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 なお、参考人からの御意見は質疑応答の形式でお聞きすることにいたしたいと存じますので、さよう御了承願います。
     ――――◇―――――
#4
○木村委員長 次に、建設行政の基本施策に関する件及び国土行政の基本施策に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。福岡義登君。
#5
○福岡委員 総需要抑制の諸問題についてお伺いしたいのですが、先般、新聞の報道によりますと、四十九年度の公共事業八%、福祉関係が四%繰り延べるようにきめられたということなんですが、建設省関係で言いますと、その内容が一体どういうようになっているのか、御説明いただきたいと思います。
#6
○高橋説明員 本角度の繰り延べ措置でございますけれども、建設省関係では、原則としてはただいま御質問がございましたように八%の繰り延べでございますけれども、積寒地域、それから公園、下水道、交通安全というものにつきましては四%、それから災害復旧事業、住宅金融公庫等につきまして、たとえばその他同和対策の経費だとか沖繩の海洋博だとか、そういうような緊急性を持つ経費につきましては対象から除外、つまりゼロということになっている次第でございます。そういうふうに生活関連の経費につきましては対象外、またはその率を四%にするということで、結論から申し上げますと、一般会計、財投を合計しまして千九百九十一億繰り延べられる、これは対象経費の六・九%ということになっておる次第でございます。
#7
○福岡委員 時間がありませんのでこまかい議論はさておくといたしまして、大体いま官房長の御説明で了解できるのでありますが、さらに今後検討いただきまして、災害関連あるいは生活関連の公共事業などにつきましては遺憾のないように措置をしていただきたいという要望を申し上げておきたいと思います。
 それから二つ目に、これも総需要抑制関係でそういうことになっておるのではないかと思うのですが、道路公団が用地買収の交渉をいたしまして、交渉がまとまって契約書に調印して、通常ならば一カ月ぐらいでその支払いがあるのでありますが、最近、中国縦貫道の例で二、三私が聞いた内容によりますと、一カ月前後のおくれが出ておる、合計二カ月ぐらいかかる、こういう例があるのでありますが、これは総需要抑制に関連をしてそういうことになっておるのかどうかという点なのであります。もし総需要抑制の関係で資金が抑制されておるのであればそういうような用地買収交渉はさせない、させる以上は規定の手続によって所定の支払いをする、こういうことにしていただきたいと思うのですが、そういう事実を承知されておるかどうか、あるとすれば今後どう対処されるか。
#8
○井上説明員 先生御指摘のとおりに、予算ワクのない場合には契約はしないというのが原則でございます。また、契約をいたしますればすみやかにその代金の一部は支払うというのが普通でございます。したがいまして、支払いが御指摘のように二カ月以上も遅延するということは一般にはあり得ないというふうに私ども考えておりますが、もし御指摘のような事実がございましたら、今後そのようなことのないように公団を十分指導してまいりたいと思います。
#9
○福岡委員 たてまえはいまの道路局長の御説明のとおりだと思うのですけれども、現実にそういう事態が起きておるのですが、道路公団は承知しておりますか。
#10
○吉兼参考人 ただいま御指摘のような問題につきましては、私どものほうで具体的に実情をよく調査をいたしてみないと正確なお答えは実はできないと思いますけれども、道路局長からお答えがございましたように、予算のワクの範囲において私どもは契約をいたしておりますし、契約をいたしますとすみやかに代金をお支払いしていくというたてまえをとっておりますが、中の実際の事務処理を申し上げますと、いま御指摘の二カ月とかいうふうな支払い遅延ということにつきましては、私どものほうは契約ができる見込みが立ちますと、出先のほうで局を通じまして本社のほうへ送金の依頼があるわけでございます。ことに高速道路の場合は、県のほうに用地買収事務を委託をいたしております。したがって、実際の第一線の買収事務は県が担当いたしておるわけでございます。県から事務所を通じまして局、本社、こういうふうになりますので、資金の送金の依頼とか、そういう点につきまして、手続上若干時間がかかるという場合がございます。通常一カ月くらいで処理ができているものと思いますが、場合によりますれば二カ月近く事務処理上おくれるというふうな場合もあるやに私ども承知をいたしております。しかしながら、これはできるだけすみやかに支払いをするということがたてまえでございますので、本社といたしましても、十分そういう点を督励いたしておるような状況でございます。
 以上、お答え申し上げます。
#11
○福岡委員 私は具体的な事実を二、三持っておるのでありますが、まあそれはこれ以上追及しないことにしまして、用地交渉がまとまったならば所定の支払いができるように、今後遺憾のないように要望しておきたいと思います。
 次の点は住宅金融公庫の関係でありますが、民間の住宅ローンが抑制をされておりますために住宅金融公庫に殺到いたしまして、二カ月も繰り上げて締め切らざるを得なかったということになっておるようでありますが、いままで締め切られた借り入れの申し込み件数、金額はどうなっておるのか、これが一つであります。
 もう一つは、なお金融公庫に対する強い要望がたくさんあるのでありますが、今後そういう要望に対してどうこたえようとされておるのか、この二点についてお伺いします。
#12
○山岡説明員 ただいままでに約二十二万戸オーバーする申し込みを受け付けております。この件につきましては、前回の委員会のときにもお答えいたしましたけれども、弾力条項の発動につきまして強く建設省からは大蔵省へお願いしておるということでございます。
#13
○福岡委員 弾力条項の適用で大蔵省に要望しておるといわれるのですが、大蔵省のほうはもう結論を出されたのですか。
#14
○石川説明員 お答え申し上げます。
 住宅公庫の財投追加の問題につきましては、建設省のほうからいろいろ御要望を承って、現在検討中でございます。
 ただ、お断わりしておきたい点は、問題は大きく分けまして二つございます。一つは、公庫の予算として予定をいたしております個人住宅建設融資は十五万戸という計画になっておりますが、これをはるかにこえる二十二万戸という受け付けをしてしまった、そのオーバーしている七万戸の処置をどうするかという問題が一つございます。それから二番目の問題は、さらに再開をして、さらにワクを追加をして申し込み受付を再開するようにという御要望をされている点の二つございます。
 前者、つまりすでに申し込みを受け付けました計画戸数をはるかにオーバーしている点は、当初計画戸数の四割ぐらいに当たる膨大なものでございますが、この点につきましては、大蔵省といたしましても何とかしなければならないだろうと考えております。まだ最終的な結論を得るに至っておりませんが、公庫の中のいろんなやりくりやら考えまして、また場合によっては財政投融資の追加を考えざるを得ないであろうと思われます。計数につきましては、なお検討中でございます。
 ただ、第二番目の問題の、その当初計画に六万戸ないし七万戸追加をして受け付けた分について処理をして、さらにその上に数万戸を追加していただきたいというお話につきましては、大蔵省といたしましては、これはいささか問題が大き過ぎる、きわめて消極的でございまして、現在はそのような考えは持っておりません。
  〔委員長退席、渡部(恒)委員長代理着席〕
#15
○福岡委員 二十二万戸については何とかする、再開はちょっと考えられないというお話なんですが、総需要抑制の必要性は私どもも認めるのですが、しかし、こういう個人住宅については極力こういうことのないように措置することが望ましいと思っております。ですから、前者のほうは、おおむね二十二万戸については措置するというように解釈をさしていただきまして、再開される、あと追加が幾らになるかという点は問題があるといたしましても、相当の幅をもって再開受付をされるように強く要望しておきたいと思います。
 それから、これは大蔵省の銀行局になるのですか、民間の住宅ローンの金利が引き上げられるようにいわれておるのであります。いろいろな金利体系その他議論があると思うのですが、結論を言うと、銀行は相当もうかっておるのでありますから、住宅ローンぐらいにある程度還元するということがあってもいいのではないかと思いまして、住宅ローンの金利を引き上げるべきではないという私どもの意見なのですが、これに対してどのように考えておられるか。
#16
○宮本説明員 住宅ローンの金利につきましては、先生御指摘のとおり、できるだけ低く押えることが必要であるということはわれわれも認識いたしております。ただ、住宅ローンの金利もやはり市場金利の一つでございまして、あまり押えつけますと、今度量の確保ができないという点がございます。これが非常に悩みでございまして、金融制度調査会の答申、これは去年の十二月に出ておりますけれども、この場合でも同じような趣旨の答申が出ておりまして、やむを得ず上げる場合でも、定期預金金利と長期のプライムレートが上がったときに限るべきであるということを答申いたしておるわけでございます。今回は定期預金金利が上がるわけでございますので、上げてもいいかなという感じもございますけれども、その辺はできるだけ低く押えなければならないという要請も片一方でございます。かといって、われわれといたしましては量を十分確保いたしておきたいという点もございます。現在全銀協でその辺につきましては検討いたしておるようでございますので、全銀協の出方を待ちまして、大蔵省としても検討してまいりたい、こう考えております。
#17
○福岡委員 ある程度の金利を上げれば資金量が確保できる、押えれば資金量が減るのじゃないかというお話なんですが、金利をある程度上げましても資金量がふえるという保証はないように私どもは思う。この際は資金量も確保してもらわなければなりませんが、同時に住宅ローンの金利は引き上げないように極力努力をしていただきたいということを要望しておきたいと思うのです。
 総需要抑制の関係でもう一つ、これは建設大臣にお伺いしたいのですが、本四架橋の問題は昨年の十一月以来着工が延期になっておるのですが、今後はどういう方針で対処されようとしておるのか、御説明をいただきたい。
#18
○亀岡国務大臣 政府として総需要抑制政策は当分これを継続してやってまいるという方針をきめておるわけでございます。この政府の決定に沿いまして、本四橋の着工をストップいたしておるわけでございます。したがいまして、物価鎮静の情勢を見届けた上で着工に踏み切りたいと大体考えておるわけでございまして、大体十月の一応の動向、御承知のように消費者米価の値上げ、国鉄運賃の値上げ等がどのように消費者価格にはね返ってくるか、物価がどのような方向に落ちついてくるかということを一応見届けた上で決定を下していきたい、こう考えておる次第でございまして、しかも、いろいろいわれておるわけでございますけれども、私としては、国会でおきめいただいたとおり――四国にも何回か行ってきました。四国の方々の要望、また本土側における要望等も十分聞いておりまして、三つの橋はどうしても私としては同時に仕上がるようにやはり配慮すべきではないかという気持ちでおりますので、その態勢はくずしておらないわけでございます。
#19
○福岡委員 もう少し経済事情を見きわめて決定をしたい、こういうお話なんでありますが、私どもが考えますと、三ルート同時着工という従来の方針が、いまの経済事情では少し検討を加える必要が出てきておるのではないかという気もいたします。
 そこで、具体的に私の考えをここへ示して建設大臣の見解を聞くというようなことができればいいのでありますが、それはちょっと差し控えまして、現実的に何らかの方向転換といいますか、三ルート同時着工というような問題も含めまして、現実的に何らかの方針が検討されなければならぬ事情に直面しておるようにも考えられるわけですが、大臣のいまのお考えは、既定方針といいますか、三ルート同時着工というような方針でおられるのか、または別の検討が加えられる場合もあるのか、その辺をもう少し御説明いただきたい。
#20
○亀岡国務大臣 私としては同時にゴーサインを出せればと、こう思っておるわけでございます。と同時に、総需要抑制で本四架橋公団に着工のサインが出ないからといって仕事がないわけではございませんで、準備行為といったようなものについては、やはり着工した際の工程が迅速に進むような準備、これはさせていきたい、こう考えておるわけでございます。たとえば取りつけ道路でございますとか、あるいは途中の道路の測量、用地買収、そういうものは積極的に進めていきたい、こう考えておるわけでございます。
#21
○福岡委員 これ以上の議論はやめるのですが、総需要抑制という関係で慎重に対処していただきたいということだけ要望しておきたいと思います。
 それから国道昇格の関係はいろいろ御検討されておるようであります。いまやられておる作業はいろいろあると思うのでありますが、国道昇格が決定をされる時期なり、あるいはその規模なり、あるいは要望がどのぐらい出ておるのか、その辺の事情を少し……。
#22
○井上説明員 国道昇格につきましては、御承知のように前回は昭和四十四年に実施をいたしました。五千八百キロばかりを昇格いたしました。それから約五年たっておりますので、そろそろ全国的に要望も非常に強くなってまいりました。現在各県から要望をとりましていろいろ作業中でございます。現在のところ、全国から約一万四千キロの希望路線が手元に参っております。それらにつきまして現在いろいろ検討中でございます。この五年間に既存の国道の整備が相当進みましたので、その辺の延長を勘案いたしまして、約三千キロ、あるいはそれにプラスアルファというような程度の規模で、現在その規模を目標にして作業をやっております。時期はこれからの問題でございますが、できれば年内に実施をいたしたいと思っております。
#23
○福岡委員 地方道の整備に重点を置いてやっていただきたいという観点から申し上げておるのでありますが、できるだけ各都道府県の要望に沿っていただくように強く要望しておきまして、この問題もここで終わりたいと思います。
 次の問題は四十七年度災害の復旧についてでありますが、いろいろな事情によりまして、今年度で完了しないものがあるのではないかという心配があります。資材の高騰あるいは業者の手不足といったようないろいろな事情で、三年間でやるべき予定のものができない。一般公共の場合はほとんどないのじゃないかともいわれているのですが、まあ場合によってはあるという心配があるのでありますが、もし不幸にして今年度完了しなかった場合に五十年度にそれを補助事業としてやるのかどうか、そういう手だてを講じていただきたいということなんでありますが、この辺どうですか。
#24
○増岡説明員 四十七年度の発生災害につきましては、総国費が二千五百六十二億四千五百二十三万円に対しまして、四十八年度までに二千百六十七億六千五百八十六万円を実施しておりまして、これは八四・六%に当たります。したがいまして、四十九年度は差し引き残事業費が三百九十四億七千九百三十六万円になりますけれども、これは物価増を考慮いたしまして、六百三十八億九千十八万円を計上しております。現在までには、そのうち三百九十四億五千五百四十一万円を配分しておりますが、残額につきましては、再調査の結果がまとまり次第、早急に配分いたします。
 以上は金の問題でございますが、現在、全国を調査いたしましたところ、現在の時期におきましては、いわゆる繰り越し問題をどうしようかという問題まで至っておりませんし、各県を督励いたしまして、私どももなお一そう、本年度内に完成いたす所存でございます。
#25
○福岡委員 できなかった場合にどうするかということをお伺いしておるのです。努力はしてもらわなければならない。農業災害なんかは相当残るだろうといわれておるんですがね。
#26
○増岡説明員 お答えします。
 現在九月でございまして、まだその実態が出てまいりませんので、あと二、三カ月いたしますと、先生のおっしゃるような実態が参りました場合は、早急に財政当局と御相談いたしまして、適当な処置をしたいと思っております。
#27
○福岡委員 強く善処を要望しておきたいと思います。
 次は、超過負担の関係について一つお伺いしておきますが、これはもう時間がありませんから簡単に申し上げますが、従来の経過からいいますと、四十八年度、四十九年度で超過負担は解消したいということであったのですが、現実はそうなっていない。公営住宅などいろいろ見ましても相当の超過負担になっておるわけでありまして、多いものは三七%もこれは超過負担になっている。第一種の中層耐火建築などは三七%も超過負担になっておるわけでありますが、地方財政を非常に大きく圧迫しておる。この問題がありますために公営住宅が相当伸び悩んでおるという事情もあるのですが、超過負担関係について本年度どう対処されようとしておるか、それから来年度どう対処されようとしておるか、御説明願いたい。
#28
○山岡説明員 昭和四十九年度の公営住宅の単価につきましては、諸物価高騰のおりでございますので、いままでの超過負担解消ということも含めまして、前年度に比べて四六%の増となってまいりました。しかしながら、いま先生おっしゃいますように、最近の入札状況を見ますと全国的に若干上回っております。したがいまして、来年度については適正単価で当然要求したいということでやっておりますけれども、現在大蔵省、自治省、建設省の三省の間でどの程度オーバーしておるか調査中でございます。中間の報告によりますと、大体一五・七%ぐらいというのが落ちつく先ではなかろうかと思っております。発注の時期にズレがございますので、全体を平均いたしますとその程度になるだろうという見通しでございます。公営住宅の単価と申しますのは、いわゆる超過負担になるだけではなくて家賃にも影響いたします。したがいまして、われわれとしては、ぜひとも年度内にも家賃の単価の更改をいたしたいということで関係省と協議中でございます。
#29
○福岡委員 協議されました結果、それでは五十年度は超過負担がないように措置をするというように理解をしていいですか。
#30
○山岡説明員 現在まで考えております措置は、先ほど申し上げましたように、一五・七%ぐらいどうも超過があるらしいという数字をつかんでおるわけでございますが、それを全面的に一ぺんに解決するわけにはなかなかまいらぬと思います。当面はできるだけの範囲で回復したいというふうに考えておる次第でございます。
#31
○福岡委員 この問題はまた別の機会に取り上げたいと思うのですが、本日は善処を要望しておく程度にとどめたいと思います。
 最後に、住宅関係の問題なんでありますが、新聞の報道するところによりますと、建設省が先般大蔵省に要求されました住宅関係の内容を見ますと、五カ年計画の最終年度であるのに、要求されましたものが全部認められたとしても建設戸数は非常に足りない。しかも、その中身を見ますと、民間自力は一〇〇%をこしておるのに公営住宅は八六%、それから公団関係は七二%しか建設戸数いうお考えでそういう要求をされましたのか、ちょっと御説明をいただきたいと思います。
#32
○山岡説明員 御案内のとおり、五カ年計画の全体は九百五十七万六千戸、これは沖繩も含めております。そのうちで公的資金によるものが三百八十三万八千戸ということになっておりますが、特に四十七年度の後半から物価の高騰その他地方公共団体の団地拒否等のこともございまして、大都市地域が中心でございますが、大都市地域を中心といたしまして公団と公営が極端に施行がダウンいたしております。したがいまして、四十九年度からいろいろな施策も講じましたし、五十年度にはさらにそういうふうなものの抑制要因を排除するための各種の手だてを盛り込んでおりますけれども、各地方公共団体等の現実の施行能力等を十二分にヒヤリングいたしまして、できるだけふやすという方向でやりまして、公営住宅、公団住宅はその程度の達成に終わるということでございます。
 なお、全体といたしましては調整戸数というのがございます。公的資金の中で三十八万五千戸を五カ年の間に配分をしてやるということになっておりましたが、これはそういう諸般の情勢から若干これをあきらめたという結果でございまして、全体といたしましては約九七%の進捗に終わるという見通しでおります。
#33
○福岡委員 九七%の達成率だというのですが、中身はさっき言いましたように、民間自力が一〇二%であるのに公営関係は八六で、公団が七二だ、公的資金関係の施策は非常におくれたということですね。これは大臣としても十分認識していただきまして、来年度の住宅対策に遺憾のないように、あるいは将来の住宅政策に取り組んでいただくように強く要望しておきたいと思います。
 住宅問題に関連してもう一つだけお伺いしたいと思いますのは、来年度の住宅金融公庫の貸し付け戸数、これは二十四万五千戸ということになっておるので、今年度の、四八倍ということになっておるのでありますが、この戸数の適否につきましてはいま私も議論する用意がないのでありますが、一般的な常識から言いますならば、もう少しこれをふやしてもいいのではないか、あるいはそういう要望があるんじゃないかという気がいたします。その戸数の問題にも、申し上げましたようなことで問題があるのでありますが、この委員会で長年議論してきております貸し付け限度額はどの程度引き上げられるのか。私どもは去年の段階で七百万ぐらいには引き上げなければならぬのじゃないかと言っておったのですが、御承知のように、そこまではいっておらない。それから償還期限については、十八年をとりあえず二十五年ぐらいにしたらどうか、そういう方向で検討するということになっておるのでありますが、これも今年度実現していない。それと金利を引き下げていこうという確認もできておるのでありますが、そういう方向に努力をするということを建設省としても答弁をされておるのでありますが、来年度どのように考えられておるのか、御説明願いたい。
#34
○山岡説明員 融資限度額につきましては土地つき八百万円、それから上物だけの場合は五百万円という要求を来年度はいたしております。さらに償還額のふえることを考えまして、木造では十八年を二十五年、簡易耐火造は二十五年を三十五年というふうに延ばしていただくように要求いたしております。
 なお、利率につきましては現行の五・五%ということで要求いたしております。
#35
○福岡委員 要求自体が非常に弱いように思うのでありますが、出された以上変えるというわけにもいかぬと思うのでありますが、ぜひその要求された線が最低限として実現できるように努力をしていただきたいということを要望しまして、私の質問を終わりたいと思います。
#36
○渡部(恒)委員長代理 清水徳松君。
#37
○清水委員 先般の質問の続きをちょっとさせていただきたいと思います。
 先般ツーバイ工法のことについて住宅局長のほに関する指導員の講習が近く持たれるようでありますが、その講習会が百二十名規模で東京と大阪二カ所だけでやるというふうに聞いておるわけであります。しかし、このツーバイ工法というのはやはり日本の工法を相当大幅に変えて、将来ともその建築の比率というものが高まっていくのじゃないかというような状況下にあるときに、こういったようなスローモーなことではどうかというような心配があるわけであります。
 そこで、東京、大阪ということじゃなくて、せめてブロック単位でやるというぐらいにやっていかないとなかなか受付がたいへんじゃないかと思います。現に各府県において二人か三人といったような状態でありますので、非常に希望者が多くて混乱をしておるというふうに聞いておるわけですが、その点ブロック単位ぐらいにできないものかどうか、お伺いいたしたいと思います。
#38
○山岡説明員 ツーバイフォーの教育訓練につきましては、前回御報告いたしましたとおり、建築主事及び行政関係者、それから建築設計者、管理者い現場技術者、技能者、それから木材、建材業者等関連業界、いろいろな方面にわたりまして研修を行なわぬといかぬという状況でございます。
 そのうちで、いま先生おっしゃいましたのは、今度われわれが計画しております現場技術者、技能者のことであろうかと思います。確かに九月の終わりと十月上旬に東京、大阪で研修を行なうことにいたしております。
 ただ今回の場合は、研修者の資格といたしまして、実務経験年数が十年以上、三十歳以上の方ということで、どちらかといいますと将来の指導者層をねらっているということでございます。といいますのは、なるべく早く全国にそういうふうなものの研修を及ぼしたいと思っておりますが、全県でやりたいのが心情でございますが、なかなかそこまでいきません。したがいまして、そういう方々をまず研修いたしまして、その方々を研修のリーダーといたしまして、各府県で当面直ちに始めたいということが趣旨でございます。
 なお、こういうふうな中央におきます研修等につきましても、今回に限らず何回もやっていくというつもりでおります。
#39
○清水委員 そうすると、将来、各都道府県でもやるという予定は、見通しはあるわけですか。
 それに、もう一つついでに答えてもらいたいのですが、大体四日間で講習料は二万円というふうにきめられておるようですが、政府がやる講習会としては、少しこれは高過ぎるのじゃないかという批判があるわけですが、その点に対していかにお考えですか。
#40
○山岡説明員 都道府県段階の研修は、先ほど申し上げましたとおり、今回の研修が終わりました直後にそういう方々をリーダーとして直ちにやりたいと思っております。
 それから、今回の研修費は確かに一人二万円ということになっております。これはテキスト代、それから四日目に現地視察に方々に参ります。そのときのバス代、それから昼食代等がいずれも中身になっておるということでございます。それから実技用のいろいろな資材も若干入っておるということで二万円にしたと聞いております。
#41
○清水委員 ちょっと質問の方向が違うわけですが、先般、東京都の狛江で多摩川の堤防が決壊いたしまして、十八戸ですかの家屋が流失をしておるわけであります。その他、土地が流れまして、そして非常に大きな災害になったわけですが、これに対して建設大臣等も視察に行かれたようでありますが、しかし、それに対する対策としては、法的には非常に不備といいますか、ほとんどないといったような状況で、住宅金融公庫の融資だとか、堤防そのもの等については、これは建設省の責任においてやるわけですが、その他については何らの法的な根拠もないということのようです。東京都においては二億円融資をするというようなことで処理をしておるようでありますが、こういうような、ほとんど国家賠償に値するんじゃないかといったような性格のこの災害に対しては、もう少し政府として、何らかの政府の責任における一つの処置というものが必要じゃないかというふうに思いますが、その点、御説明をお願いいたしたいというふうに思います。
#42
○亀岡国務大臣 多摩川の狛江の問題につきましては、罹災された方々に心からお見舞いを申し上げるわけでございます。
 国家賠償というお話でございますが、やはり原因の探求をいたしまして、法律に基づくその施設に瑕疵がなかったかどうかということがきわめられなければ、私としては軽々に補償するということは申し上げられないわけでございます。これはもうおわかりいただけると思うわけでございます。今年も全国的にもう四千億に近い施設災害を受けておるわけでございまして、人命等も多数失われておる、人家も失われておるということを考えますとき、狛江のあの災害だけを特別扱いにするというわけにはなかなか私としてはできないということで心痛をいたしておるわけでございます。
 住宅金融公庫の三百五十万の貸し付けということだけじゃないかという御指摘でございますけれども、私もあれを見まして、これはひどいと思いまして、とにかく家だけ流れたということでありますれば、そのあとに掘っ立て小屋でも建ててとりあえず生活を続けることもできるわけでございますけれども、しかしもう土地も流されたわけでございます。罹災された方はもう住むところもないということで、たいへん苦労されるであろうということで、東京都また狛江市等にも連絡をいたしまして、とりあえず住宅公団なり公営住宅なりであいているところがあったら、条件等はもうここで言っておりますと、収入制限等を言っておりますとなかなか入れない方も出てくるわけでございますので、ここではもう目をつぶって、とにかく臨時措置として入れるようにだけはすべきであるということで、狛江市、東京都のほうにも連絡をいたしたわけでございます。また、住宅公団にもそういう措置をとらせるようにいたしたわけでございます。
 その後の情勢につきましては、先生御承知のとおりでございますので、その点御了承をいただきたいと思うわけでございます。
#43
○清水委員 流失地域の埋め戻しと申しましょうか、いわゆる宅地造成まで含めてやってもらえるのか、その辺のところを法律的な根拠はどうであるかわかりませんがやっていかなければならぬじゃないかというふうに思いますが、その点お答え願いたいと思います。
#44
○増岡説明員 お答えいたします。
 宅地の問題でございますけれども、例の災害を起こしました個所は、堤防と直ちに続くところでございます。堤防と一体になるところでございます。したがって、堤防に付随いたしまして、宅地を従来どおり堤防と一緒に完成いたすつもりでございまして、もう近いうちに完成する予定でございます。
#45
○清水委員 全国至るところこういう災害があるとおっしゃいますが、やはり人口密集地帯、しかも一級河川、しかも絶対安全の堤防であるというところで起こった事故であるだけに、やはりその点、細心の配慮をしていただきたいということを要望しておきたいと思います。
 次に、この八月九日、前回の委員会において同僚の中村委員のほうから指摘されたところでありましたが、公示価格というものを中心に考えながら凍結価格というものを考えていく、こういったような傾向というものは非常に強かったわけでありますけれども、本来この国土利用計画法の一番の柱の一つである地価の問題について、七〇%から八〇%にこの地価というものを押えていく、凍結価格を押えていく、こういったような趣旨からして、現在のような公示価格とそれから時価というものがほとんどもう差異がない、場合によっては公示価格のほうが高いのではないかといわれるようなときに、公示価格というものを中心にこの凍結価格を決定していくということは趣旨に反するのではないかというふうに思うわけですが、その点についてあらためて国土庁のほうから御答弁をお願いいたしたいと思います。
#46
○河野説明員 お答えいたします。
 おっしゃるとおり、最近一般の地価動向も非常に弱含みになっておりまして、この一月一日時点での公示価格そのもので凍結価格ないしは規制価格にするということはたいへんおかしな感じがするわけでございます。一方また清水先生おっしゃいましたように、国会の審議過程におきますいろいろの御趣旨がございます。これもまたわれわれとしては十分に尊重して規制価格を決定する政令をつくってまいらなければならないかと思うのでございます。
 そこで、この法律を忠実に読みますと、御承知のように政令に委任されておりますのは基準の方法でございます。そこで、基準ということばであらわされておりますところを極力最大限に許される範囲内で研究をいたしまして、現在各県の参加を求めました法施行研究会と、それからもう一つは専門家の方々に御参加願っております地価基準研究会という両輪立てで内容の検討を現在進めているようなわけでございます。おそらくはそれぞれの都道府県知事の方々が自信を持って運営に当たれる基準価格ができるものというふうに私は確信をいたしております。
#47
○清水委員 いま局長がおっしゃたように、中央それから各都道府県、英知を集めて地価の調査あるいはそういったような価格のいろいろな決定についての調査をやっておるわけですが、大体八月ごろから開始をして十月ごろには結果が出るというふうに聞いておるわけですけれども、これは大体どういうような方法でおやりになっておられるのか、もう少し詳しく説明をしていただきたいというふうに思います。
#48
○河野説明員 お答えいたします。
 一口に規制価格に関する政令づくりと申しますが、御承知のように、土地価格の問題は非常にむずかしい問題を含んでおります。宅地の場合、田畑、山林等の場合、地目によっても多少の算式が違ってくるかもしれません。また、一月一日から今日に至る地価動向等を考える場合にも、一般的な地価要因、地価に働きかける要因、これについての分析を相当やらなければなりません。また、個別の宅地につきましても位置、地積、形状、地盤、いろいろと価格に影響する面があるわけでございます。そこら辺をこまかく詰めていくということが作業としては第一でございます。
 それから第二には、従前宅地あるいは宅地見込み地等につきましては、ある種の鑑定理論がわが国内におきましてもできているわけでございます。田畑につきましても、明治以来ある程度熟したものがあるわけでございます。山林等につきましては、いま少しまだ詰めをやらなければならない面がございます。
 また、国土利用計画法は、御承知のように所有権の移転だけではなくて、借地権の設定というようなものも規制対象にいたしております関係から、借地権価格というものをどういうふうに押えるかというような問題がございます。これは御承知のように、関東、関西で、また権利金の性格であるとか、あるいは借地権価格部分が底地価格に対する比率とかというのが慣行上違うようなこともございまして、地域別の調査等にもこれは相当やってまいらなければ十分な検討ができないというようなものがございます。
 さらに、固定資産税の評価額をなるべく使ってまいることになりますと非常に都道府県としては助かるわけでございますが、固定資産税の倍率方式を極力使いたいと私考えておりますが、現実に固定資産税の評価というものが実は地域によってどういうようなばらつきになっているか等の検討も必要なわけでございます。
 さらに、法律では物価変動修正率につきましても政令に委任をされております。異常物価の範囲というものをカットしなければならぬ。このカットのしかた等もたいへんな問題でございます。
 そこで簡単に申し上げましたが、以上を大分けいたしますと、新しくつくらなければならない新基準の検討の部門と、それから物価変動率関係を検討する部門と、それから宅地等につきましての基準方式を検討する部門と、時点修正の方式を検討する部門等々幾つかの部門に分かれるわけでございます。そういうような部門別に研究会をそれぞれ別のものをつくりまして進めているようなわけでございまして、一言に規制価格と申しますが、たいへんに複雑な作業を含んでおります。そこで、十月の中旬ないしは下旬までかかるというふうに申し上げているようなわけでございます。
#49
○清水委員 非常にむずかしい、なかなかのみ込めないあれもあるわけですが、これは公示価格を決定する場合とどういう違いがありますか。それから公示価格との関係はどういうことになるのか。
#50
○河野説明員 お答えいたします。
 大ざっぱに考えますと、地価公示をやっている地域とやっておりません地域とがございます。やっておりません地域に対しましては標準地的なものがいままで地価調査の上ではございませんので、各県の知事といたしましては、法施行と同時に届け出制も発足をすることでもございますし、ある程度の標準地につきまして事前に地価動向の調査、地価調査をやっておきたいという希望が非常に強く出てきたのでございます。そこで大蔵、財政当局とも相談をいたしまして、当初予算にない点は予算の組みかえ措置を講じまして、全国の県にわたりまして公示地域外につきましても標準地を選びまして、現在地価調査を行なっているようなわけでございます。
 一方、地価公示対象地域につきましては、おっしゃるとおり地価公示があるわけでございますが、一平方キロに一地点というようなことで標準地が市街地を中心として選ばれているわけでございます。これでは知事といたしましていろんな作業をやる面でどうも密度がまだ足らないというような御意見も強く出てまいりました。そこで、知事の独自の立場での調査を公示地域につきましてもやらしておるようなわけでございます。ただ、こうやってやりましても標準地はあくまでも標準地でございまして、許可申請だとか、あるいは届け出だとか、個々別々の土地というのは筆単位で出てまいりますので、その筆と標準地との関係、また出てまいりますのは都道府県調査をやるにいたしましても、価格時点というのは全国で一本にいたしております。七月一日時点で価格調査をやっておりますのが二十二件、九月一日を価格時点といたしまして調査をやっておりますのが二十五件でございます。
 そこで、十二月法施行後、来年の一月とかあるいは十二月末とか、具体の事例が出てまいりますと、そこに何カ月間かのズレが出るわけでございます。特に昨今のように地価の趨勢が弱含みであるというようなことになってまいりまして総需要の抑制もまた当分継続されるというようなことでございますと、地価の動向が非常に鎮静の度合いが強くなるということも予想されるわけでございます。そこで、その時点間の修正のしかたというものも、従前でございますと国の土地鑑定委員会のほうは専門家がそろっておりますからできますが、各県は専門家ではございませんので、専門家でない方々でもできるようなある種の方式というものを確立していかなければならないというようなことでございます。
 もう一度大ざっぱに申し上げますと、公示地域の外と内とで分けまして、標準地について地価調査をやっている。それからさらに具体の事例が出る時点と地価調査をやります調査時点との間の修正の問題、個別の土地と標準地との間の比較検討の問題等をめぐりまして作業を進めているようなわけでございます。
#51
○清水委員 結局そういう作業と、それからこの地価公示法も先般改正されまして、調整区域のほうまでずっと範囲を広くしまして、いまやっている最中でしょう。先ほど局長がおっしゃったように、公示価格をきめる方々のほうがずっと専門家が多いわけですから、何やかやいっても各都道府県におけるいろいろな土地の評価については、公示価格とうものがやはりてこになっていくんじゃないかというふうに思うわけであります。もちろん公示地点は少ないかもしらぬけれども、しかしだんだんそれを多くしつつある、並行して公示価格がきめられつつあるということと、それからあらゆる土地であっても、それぞれ時点修正なりあるいはまたその公示地点からの遠近、その他いろいろな条件を含めまして修正をして、その地点における地価をきめていくというような、そしてそのきめられた地価によって一応売買を指導していくというような形で今日まで地価公示法そのものも運営されてきていると思いますが、そういうことを考えてみると、都道府県においてもやはり公示価格の影響力というものは非常に強いような気がするわけでありますので、国土庁のほうが公示価格というものを一つの大きな基準にするというようなことをいっても、決してそれは不自然なことじゃないというふうに私は思います。ただ、それを二、三割安いものというふうに最初からきめてかかったところに、誤解であるかもしらぬけれどもわれわれとしては非常に心配な点があるということで、埼玉県知事の畑さんなんかも公示価格で凍結するという場合ならば一切買わぬというような強硬な発言までされておるようでありますが、国土庁としては、それは誤解であるというふうに言われておるようでありまから、その点誤解は誤解であるとしても、この公示価格というものを一応参考にする場合でも、それ自体が時価より二、三割安いといったような状態を頭に置いては絶対なされぬように、ひとつ今後とも配慮していただきたい、そういうふうに思うわけです。
 それで、この土地の規制の場合はいかなる場合であっても規制をする、価格を凍結をする、売買の凍結ですか、する。それから買い上げ請求、買収、こういうような一つのパターンがあるわけです。ですから、今度の場合も、いかなる範囲、いわゆる指定する場合にどのような範囲を指定していくのか。非常に関心の高いところであろうと思います。国土庁の方針としては、もちろん市街化区域の全部あるいは一部、こういったようなことを考えているだろうと思いますが、調整区域についてもこのごろ非常に地価の値上がりが激しいわけでありまして、これは先般の新聞記事にも載っておりますが、この規制区域を市街化区域だけに限定することなく、やはり調整区域のほうまで伸ばしていく必要があるのではないか。埼玉県その他におきましては全県的にこれを規制していこうなんという話まで出ておるぐらいですから、その辺の規制の範囲をひとつ国土庁としてはどのようなことを考えておられるか。非常に基本的な問題でありますのでお伺いしておきます。
#52
○河野説明員 御質問は規制区域の指定の関係のお話だと思います。
 御承知のように、これは各県の知事さんに権限がある問題でございます。しかし、国土庁といたしましては、各県の知事が法律で書いております要件、つまり投機的取引が相当範囲にわたって集中して行なわれている、あるいは行なわれるおそれがある、地価が急激に上昇する、あるいは急激に上昇するおそれがある、こういった要件につきまして十分に御判断になり得るような材料のとらえ方というものを御指導申し上げなければならないじゃないかということで、先般来予算の配賦を一応各県別に指示をいたしまして、調査対象地域というものを選定をしていただいているようなわけでございます。つまり今日から各県がこういう地域を調査したいということを国土庁に申し出てくることになりますが、その地域というのは、知事が必要になれば伝家の宝刀を抜き得る地域ということになります。調査対象地域でございますから。その調査対象地域は、現在地価鎮静傾向が非常に定着しつつございますけれども、またいつ何どき変わるかもしれませんので、できる限り広い範囲内にとっていただきたいということを国土庁としては申し上げております。
 その中身は、先生おっしゃいますように、市街化区域と市街化調整区域と両方あるわけでございまして、調整区域につきましても必要性があると知事が認めましたところにつきましては、十分の調査予算を配賦したいというふうに考えております。
#53
○清水委員 時間が参りましたので、最後に一つだけ。
 日本勤労者住宅協会、勤住協といっておりますが、それから住宅生活協同組合、こういったようなものが日本の民間、特に勤労者の住宅建設に果たした意義というものは非常に大きいものがありまして、今日まで住宅金融公庫の融資関係だけでも五万五千戸、それからまた厚生年金の還元の資金を利用した住宅が一万二千戸等々相当多くの住宅を建設してきておるわけでございます。こういったような勤住協、住宅生協等について、国土利用計画法十八条、二十三条、三十二条に基づく、それから附則第二条による政令の指定の団体の中にこういったようなものを入れる余地がないのか。入れたほうがいいんじゃないかというふうに思うわけです。特に持ち家の住宅というものは非常にいろいろな面で規制されつつある、制約されつつある。そういうような場合に、これらの果たす役割りが非常に大きいというふうに思うときに、政令の指定の中に入れるということは非常に意義のあることのように考えるわけですが、いかがお考えでしょうか。
#54
○河野説明員 現在検討中でございます。おっしゃる勤労者住宅協会、住宅生協、両方とも同じ程度に公共性が強いとかいうふうにはちょっと思えない点もございます。業務の範囲その他につきまして十分審査をいたしまして結論を出したいというふうに考えております。
#55
○清水委員 最後に伺いますが、国土利用計画地方審議会、それから中央における土地利用の計画審議会、それぞれ七名、二十五名選ばれるわけですが、これらの人選についてもちろんいまやっておられるだろうと思いますが、ぜひひとつ労働福祉関係からも入れていただきたいという強い要望があるわけでありますので、その点十分な配慮をしていただきたいということをここに要望しておきたいと思います。その点についてもし明らかにできるのでしたら、この際、明らかにしていただきたいと思います。これが最後の質問です。
#56
○河野説明員 明らかにできるならばという御質問でございますが、現在まだ明らかにできる段階ではございません。御要望をじっくりと承っておきます。
#57
○清水委員 終わります。
#58
○渡部(恒)委員長代理 瀬崎博義君。
#59
○瀬崎委員 本日は、新たな段階を迎えております琵琶湖問題について質問を申し上げたいと思います。
 本来、直接の琵琶湖だけではなしに、その周辺地域全体、つまり滋賀県全体が近畿一千万住民の水源地と認識すること、こういうことがもろもろの琵琶湖問題を考える場合の基本的な立場ではないかと思うのですが、この点について一応政府のお考えを聞いておきたいと思うのです。両大臣に答弁をお願いしたいと思います。
#60
○亀岡国務大臣 御趣旨のとおりでございまして、近畿一千万の水源の役割りを果たしておるのが琵琶湖であることは仰せのとおりでございます。したがいまして、これの水質保全という点につきましては十分行政的な配慮をしていかなければならないというふうに考えておるわけでございます。
#61
○瀬崎委員 私の趣旨は、琵琶湖というと水のたまっている琵琶湖だけを問題にされるが、そうではなくて、ほんとうに近畿一千万住民の水源地という考えを大きい視野で持つならば、周辺の水源地域、つまり琵琶湖全体が近畿全住民の水源地域になっているんだという認識がまずなければならないのじゃないか、こういうふうにお尋ねしているわけなんです。ちょっといまの御答弁は趣旨を狭く理解されているんじゃないかと思いますが、そういう点では御同意いただけますね。
#62
○亀岡国務大臣 いま仰せのとおりのそういう気持ちでございますがゆえに、琵琶湖をより大事にすべきであるという気持ちで答弁申し上げたわけでございます。
#63
○瀬崎委員 そうだとしますと、滋賀県全体について近畿全住民の水源地保全の見地が貫かれながら滋賀県民の生活向上と調和が保てるようにしていくのが琵琶湖問題についての政府の責任だろうと思うのです。ですから、本来ならば新しく発足いたしました国土庁にはそういうことが期待されてしかるべきだと思うのです。私どもの期待は当たっておりますか。
#64
○西村国務大臣 琶琵湖総合開発特別措置法ができましたときに、開発ということよりも資源の保全が第一じゃないかというので、第一条の目的は、特に野党の方々のあれもありまして、保全という、資源の保護をするということを第一条に修正でうたった点もあるわけでございまして、あくまでも開発はしなければならぬけれども、保全をしつつ開発をするんだということを中心に考えておるような次第でございます。
#65
○瀬崎委員 国土庁の所掌事務及び権限として、設置法第四条で関係行政機関の事務の調整や予算の調整権が与えられている総合的かつ計画的に実施すべき特定の地域の開発整備のための大規模な事業の一つとして、琵琶湖総合開発事業を対象にしていらっしゃいますね。ここで具体的に、琵琶湖総合開発について一体何を調整しようとするのか、どの範囲で調整をしようとするのか、国土庁のお考えを聞いておきたいのです。
#66
○西村国務大臣 琵琶湖の総合開発を大プロジェクトとして国土庁が全部まとめていくかどうかということは政令できめなければならぬことになっておりまして、まだ政令のあれはないわけでございまするが、やはりああいう総合的にやらなければならぬところはいずれ国土庁が政令で定めることになると思います。したがって、そうなりましたら、そういうような趣旨でこの法律に基づいて予算その他についていろいろ調整をしていかなければならぬ、いまの段階はまだ政令を出していない段階でございます。
#67
○瀬崎委員 ということは、その政令づくりの方向は、いま大臣のお話しのとおり、いずれは国土庁が琵琶湖総合開発全体を統括していくような方向だというふうにわれわれ理解しておいていいわけですか。
#68
○西村国務大臣 さようでございます。もう一つは、やはり学園都市、この二つをさしあたり政令で出したいと思っております。まだそこまでいっておりませんが、いずれそうなると思います。
#69
○瀬崎委員 それじゃ、先ほどの大臣の御答弁とあわせ考えれば、琵琶湖総合開発特別措置法では、お話しのとおり保全、治水、利水の三本立てになっているわけですが、もしその間に矛盾や対立が生じた場合には当然保全を優先して調整を行なっていく、こういうふうに考えてよろしいですか。
#70
○西村国務大臣 お説のとおりでございます。
#71
○瀬崎委員 それでは具体的にお尋ねをしていきたいのです。
 まず第一点としては、緊急的かつ積極的に実施をしなければならない対策のおくれについてお尋ねをしたいわけです。
 今年四月滋賀県が公表いたしました公害白書では、環境庁が告示した「環境基準の達成は現状では極めて困難」と率直に指摘をしております。また、環境庁提出の資料、大津市三井寺沖、つまり京都疎水の入り口でありますが、ここにおけるCODの推移でも、CODで昭和四十八年が最高値を示し、かつ、昭和二十五年から三十五年までの十年間を除けば、一貫してCOD値が高くなっていることを示しているのであります。
 ずいぶんはでな宣伝で行なわれましたLBIセミナーでスイスのシチューム教授が、「いまは透明度の高い北湖についても、潜在的には爆発的な汚染の可能性がある」ことを指摘しております。このように「環境基準の達成が極めて困難」とされるに至った原因の一つでありますBOD、CODなどの指標に示される汚濁を除去するためには工場排水の本格的な総量規制を急ぐことであり、いまやいつ、どういう方法で実施するかが政府に迫られていると思うのですが、これは環境庁の具体的なお答えをいただきたいと思うのです。
#72
○山村説明員 お答えいたします。
 現在の制度では、水質汚濁防止法によりましていわゆる濃度規制方式をとっておることは御承知のとおりでございますが、とりわけ琵琶湖のような閉鎖型の水域におきましては、今後環境基準の達成とか、その利用目的を満たすためには、当然にその水域に排出される汚濁物質の総量で規制していくという方向をとるべきであろうと考えておるわけでございます。現在その制度化についていろいろ検討を進めておる段階にございますが、水質汚濁にその総量規制を行なうにあたりましての、たとえばその排出総量をどうして測定していくかということ、あるいは琵琶湖全体にどれだけの排出量が許されるのであろうか、いわゆる総量の決定でありますとか、そういう技術的な問題が残されておりまして、その具体的な詰めをやっておる段階でございまして、こういった調査の終わり次第、直ちに総量規制に、必要に応じて法律改正も含めて、検討して実施に入っていきたいというふうに考えております。
#73
○瀬崎委員 そのお話はすでにわれわれも聞いておるわけなんです。問題は、めどは一体いつなんだということを聞いておるわけなんですね。
#74
○山村説明員 日本全国の水域をすべて総量で規制するというには、やはりその総量把握としてのいろいろな調査に時間がかかると思いますが、特に琵琶湖とか、霞ケ浦でありますとか、瀬戸内海等のような閉鎖型の水域によっては、まず緊急、第一義的にやっていかなければいかぬと思っております。いまのところ、法改正等の準備等も考えますと、五十一年度からはスタートできるのではないかというふうに考えております。
#75
○瀬崎委員 特に琵琶湖の場合、めどが示されたことはけっこうなんですが、琵琶湖の場合は、そういっておる間にも汚濁が進んでいるのですね。ここに一つ興味ある資料があるのです。確かに滋賀県当局も、工場排水については一定の上のせ基準を出してきびしく規制していることは事実なんですが、一方、四十七年の工業統計を見ますと、三十人以上の企業の使用工業用水量は日量で百二万トンとなっております。ところが、回収使用水量はわずかに二十九万七千トン、回収率は二九%。これは私は、全国的な水準から見ると非常に低いと思うのです。ですから、五十一年で法改正を伴う総量規制がスタートするとするならば、とりあえずその間は、せめて進んだ都府県並みに工業用水の再生利用、回収率の向上が行なわれるように行政指導が行なわれるべきだと思いますが、いかがですか。
#76
○山村説明員 水資源の保護という立場からの工場排水の回収利用という指導は、工業用水の主管官庁であります通産省等で指導がされておりますが、御指摘のとおり、水質保全の立場からも、いわゆる総量的な意味で確かにそういう問題がございます。現在までのところ、われわれの水量に関しての指導は、総量の体制ができておりませんこともありまして、必ずしもまだ十分じゃないと反省しておる段階でございまして、今後とも御指摘の点を尊重いたしまして、特に琵琶湖等については配慮してまいりたいというふうに考えます。
#77
○瀬崎委員 いま一つの原因、燐、窒素による富栄養化汚濁の対策としては、下水道整備を急がねばならぬことで、これはおそらくどなたの意見も一致していると思うのです。問題は、実行の裏づけがあるかどうか、ここにかかっていると思います。第六十八国会で、時の建設大臣であった西村長官はこうおっしゃっているわけです。「十カ年の計画を一ぺんに全部着手するわけにはいきません。したがって、何が急ぐか、前期の五カ年計画、後期の五カ年計画」「こういうふうにして事柄を分けてそうして進めたい。」「十カ年計画というのは全部の事業が十カ年計画でありまして、下水道の処理、水質保全なんかまっ先にやらなければならぬ事業なんです。」こうお答えになっているわけですね。この下水道事業の実施主体である自治体が大臣の意を受けて下水道事業を優先して実行していく上で、その後支障なく進んでいるとお考えですか。
#78
○西村国務大臣 よく実情は知りませんが、あまり進んでいないように見受けられます。そのときに、私は、やはり内湖でございますから、下水道にしてもやはり三次処理までいかないと承知しないから、用地だけは早く取得しておいたほうがいいよと、三次処理というのは非常に土地の面積がたくさん要りますから、そういうことを事務当局には申しましたが、どの程度にいま進んでおるか、想像するところではあまり進んでいないような気持ちがいたしております。もし進んでおれば、それは取り消してもよろしゅうございますけれども。
#79
○瀬崎委員 仰せのとおりで、おそらく滋賀県の各地方自治体からのいろいろな陳情の中で一番強い要望となっているのが下水道関連なんです。決して三次処理だけがいま問題になっているのではないわけなんですね。これはいろいろな問題をはらみながら、とにもかくにも建設は、ある意味では強行的に行なわれているわけなんです。再度西村大臣の答弁を引用して恐縮なんですが、六十八国会で「琵琶湖総合開発のおもな仕事は、下水道、水処理の問題です。」とも明言しておられるわけですね。この考えは、もちろん現在でもお変わりありませんね。
#80
○西村国務大臣 変わりはありません。
#81
○瀬崎委員 こういう大臣の答弁に加えて、六十八国会で、国会のほうでは、衆参ともに、琵琶湖の汚濁した水質を回復し、保全するため、各排水の高度な処理技術の開発を促進し、水質の保全上最も有効な下水道事業について、早期的かつ優先的に実施することと附帯決議を付されておるわけです。これは私がまだこちらにはおじやましていないときでありますが、先日、地元の私どもの党の市会議員団等が陳情いたしました際にも、山内政務次官は、予算を思い切って下水道整備に集中させないととても進まないだろうと発言されているわけであります。こうしたいきさつが反映いたしまして、地元のほうでも、去る九月三日発表された「明日の大津のために」という大津青年会議所のアンケートの集計が出ているわけです。「恵まれた琵琶湖の自然環境を守るために、あなたは、この中のどの事業を重点的に行なえばよいとお考えになりますか」との問いに対し、過半数の五六・六%の人が「下水道や、し尿処理など琵琶湖の水質を維持するための事業」と回答をしておられるわけです。結局滋賀県民の琵琶湖総合開発に対する理解は、まさに大臣の言われるとおり、琵琶湖総合開発事業イコール下水道事業くらいの理解になっているとお考えいただいてもいいんじゃないかと思うのですね。政府側も国会側もこうした意思表示をしていらっしゃるということは、つまるところ、全国的にも下水道整備はもちろん緊急かつ必要だけれども、なおそれ以上に琵琶湖の場合には緊急性を持っているという認識が根底におありだからだと思うのですが、そうじゃないんですか。
#82
○西村国務大臣 そのとおりでございます。
#83
○瀬崎委員 そういうことを前提にして、これはひとつ下水道の直接の所管である建設大臣にお尋ねしたいのです。
 私どもも、もちろん滋賀県だけの下水道整備が進めばよいというふうなけちな考えは毛頭持っていないんです。全国的な下水道整備も大いに急いでいただきたいと思うのでありますが、琵琶湖には、いま大臣が御答弁になったような特別な緊急性が下水道事業に課せられている。ところが、第一に、昨今のインフレで、下水道工事総額が琵琶湖総合開発計画が立てられた当時とは比べものにならないほど膨張してきております。
 第二には、琵琶湖関連で施行を迫られております地方中小都市、町村の場合、補助対象にならない二百五十ミリ管敷設量が圧倒的に多く、そのため実質国庫補助率は非常に低くなってくるのです。たとえば、これは私どもの計算でありますが、事業費で見た場合、草津市では国庫補助率は二二・六%、守山市では国庫補助率は二五・五%という数字が出てくるのです。県の資料では、草津市の場合二〇・三%、守山市の場合一三・八%で、これは政府から資料をいただいているわけであります。似たりよったりであります。
 第三に、総需要抑制のあおりで一般的に市町村財政が苦しいところへ今後公共下水道事業が本格化してくると、それこそ下水道のために市町村財政がパンクしてしまう、こういう実情が目の前に追ってきているわけです。
 第四に、工事のスタート時点のおくれ、これはいま西村長官の御指摘のとおりなんですが、時限立法ですからそれが今後に圧縮してくるために、しかも前半五年間でやろうという政府の意思がありますから、自治体財政の圧迫はひどいものになります。こういうだれにも理解できる事情を解決するための特別の財政措置が、これこそやはりほんとうの裏づけではないかと思うのです。私どもは、こういうことを直接建設大臣にも、また都市局長にも、下水道部長にも説明し、要望してまいったわけであります。御存じいただけていると思うのです。
 今度はさらに滋賀県当局も、特例による国庫補助率の再引き上げと国庫補助対象事業の拡大の特別措置を五十年度政府予算に関する重点要望事項にあげてきておりますし、ただ単に滋賀県知事がそう言っているだけではなしに、全国知事会の五十年度予算に関する要望の中でも、特に閉鎖水域その他緊急な整備を要する地域における管渠基準の大幅緩和をはかり、補助対象範囲を改善すること及び特別立法にかかる補助率の特別措置の早期改善をはかることを強調しているわけです。ですからこの際、琵琶湖関連の下水道事業が関係自治体にどういう影響を与えているのか、せめてそういう実情調査からでもぜひ前向きに検討されてしかるべきではないかと思うのですが、ひとつ大臣の御意向をお伺いしたいと思います。
#84
○亀岡国務大臣 最近、特に下水道の整備につきしておるわけであります。琵琶湖につきましては、ただいままでいろいろお話のありましたとおり、下水道の整備というものは、地元の自治体も私どもも真剣に取り組んできておるわけでございます。しかし、下水道事業全般の立場からいいまして、補助率というものが昭和四十八年まで非常に低かったということで、四十九年度の予算編成にあたりましては思い切って補助率のアップをしたわけであります。ところが、補助率のアップはできましたけれども、補助対象の範囲を拡大するという点が残されたわけであります。したがいまして、下水道事業の補助率は実質的には低いように見えるわけでございますので、これは五十年度の概算要求の中におきましても、補助範囲の拡大も十分取り入れて要求をしてございまするし、特に下水道事業につきましては五カ年計画を新たにスタートさせたいということで、十兆円に及ぶ事業費を持った新五カ年計画をぜひ実現をしていきたい、そうしていまいろいろと御要請のありました琵琶湖周辺の下水道の整備も促進をしていきたいと考えておるわけであります。
#85
○瀬崎委員 もう一ぺん確認をさしていただきたいのですが、では、下水道の五カ年計画の改定を機に、琵琶湖関連で、とりわけ環境工事で超過負担がふえてくる滋賀県の実情を反映できるような処置は考えていく、こういうように理解してよろしいのですか。
#86
○亀岡国務大臣 滋賀県のみならず、全国的に地方自治体の負担が非常に多くなってくるわけでございますので、補助範囲の拡大をはかって自治体の負担を軽減していきたい、こう考えておるわけであります。
#87
○瀬崎委員 くどいようなんですが、一度、琵琶湖総合開発関連で、一定の時限立法内で公共下水道を行なわなければならない市町村の実情をまず政府としてよく把握していただきたいと思うのですが、それは、この間、いま申し上げましたようらいなんですね。しかしまあ、下水道課長が、いや、大体政府のもらっておる資料でもそうなるんだという話もあって、あらためて確認されたというふうないきさつがあるんです。そういう点からまず出発していただきたいと思うのですが、どうでしょう。
#88
○亀岡国務大臣 私も、あの周辺の各県に参りまして、特にこの下水道関係の事情は詳しく聴取をいたしております。
 なお、事務当局に対しましても、現地の実情を十分把握した上で処置するように指導していきたいと思っております。
#89
○瀬崎委員 おそらく地元市町村としては、もう少し積極的な大臣の姿勢を望みたいということになると思うのですが、時間の関係もありますから、次に進みたいと思います。
 以上は、積極的に進めることが水質保全にぜひ必要な事業や対策であったわけでありますが、お尋ねしたい第二点目は、逆に現在の琵琶湖総合開発計画には、根本的に検討し直す、場合によっては予定の事業をやめることがかえって琵琶湖の水質保全に役立つものもあるわけなんです。その最大、かつ、現実の焦点になっている事業計画が浜大津人工島の建設計画であります。
 まず運輸省の港湾局にお尋ねをしたいのです。運輸省は、四十七年度三千万円、四十八年度一億五千万円の人工島事業費に対する国庫補助金を予算計上しながら、実際にはごく一部の調査費分を除いて予算不執行にされておるわけですね。確認しておきたいのです。
#90
○大塚説明員 いま先生のおっしゃったこと、大体そのとおりだと思います。
#91
○瀬崎委員 そういう事情について、先ほども申し上げました地元議員団の陳情に港湾局長が答えていらっしゃるのです。それを要約すると、第一点は、昭和四十五年の大津港湾調査計画委員会には運輸省の本省としては正式に参加していない。示を港湾局としては出しており、四十八年度予算の執行もそういうわけで押えている。あくまで地元のコンセンサスを得ることが基本だと考える。第三点目が、元来、港湾改良についてはそれほどまでに自治を尊重しているつもりだと述べられたと思うのですね。私どもの主観的な解釈が入っておってはいけないので、いま一度、ひとつこの席で確認をさしていただきたいと思うのです。
#92
○大塚説明員 お答えいたします。
 私どもが港湾事業を行なう場合は、いま先生のおっしゃいましたように、また、私どもの局長が申しましたように、極力地元の港湾管理者の御意見を尊重いたしまして計画を立て、かつ、実施をしてまいる。もちろん、実施をする際におきましても、管理者のみならず、関係の皆さまの御意見をできるだけ尊重していくということで、それらが整備したことを条件に私ども補助金も交付し、予算も執行してまいるというふうなたてまえでございます。
#93
○瀬崎委員 その関係の皆さまということの中には、たとえば先ほど私が例を引いた大津青年会議所であるとか、あるいは滋賀経済同友会であるとか、こういうふうな、いわば一定市民を代表する団体の意見なども入っている、こういう理解でいいのですね。
#94
○大塚説明員 お答えいたします。
 おっしゃるとおりでございます。
#95
○瀬崎委員 今年度で足かけ三年予算を計上しながら、不執行を続けてこられておるわけでございますが、五十年度、来年度はどうされますか。
#96
○大塚説明員 まだ、五十年度予算はこれから決定される予定でございまして、いまの段階でどうするということははっきり申し上げられませんが、御承知のように、三年間継続してまいって、五十年度、かりにここで予算を断つということにいたしますと、かえってそこに若干の無理が出てくるというふうにわれわれ理解しておりまして、予算をきめます際におきましては、その後の情勢を十分勘案しながら慎重に検討していきたいというふうに思っております。
#97
○瀬崎委員 先ほど地元の陳情があったと申し上げましたが、そのあと、滋賀県の企業局次長を東京に呼んで、運輸省とお話し合いをされておるようですね。ちょっと聞いた話では、そう聞いたのです。一応いまの運輸省の基本方針が県側に伝わっているのか、あるいは県側と意見の一致を見ておるのか、これも確認をしておきたいのです。
#98
○大塚説明員 お答えいたします。
 私どものこれまでの姿勢は、港湾管理者には十分伝わっておると思います。
#99
○瀬崎委員 経済同友会といえば、一応滋賀県の経済界を代表する団体ということになると思うのですが、ここが昨年の九月十八日の提言の中で「浜大津沖の人工島建設の構想は、予てより伝えられる埋立不許可の既定方針に反するものであり、水質水量に悪影響を及ぼすことは明らかであるので、その構想を直ちに撤回する様求めるものである。」と述べているわけです。この提言は、建設、国土両省庁に提出をさせていただいているのであります。ほかにも琵琶湖関連でいろいろ教訓的な意見を含んでいるように思うのですが、大臣のお目にはとまっておりますか。
#100
○西村国務大臣 はっきり覚えませんですが、まだ拝見していないと思います。
#101
○亀岡国務大臣 その書面は拝見いたしておりません。
#102
○瀬崎委員 ぜひこれはそういう点では一度目を通していただく価値はあると思うのです。いま申し上げましたようなことが浜大津人工島について提言されております。
 それからさらに、先ほども引用いたしました九月三日発表の大津青年会議所のアンケート調査結果で、「あなたは浜大津沖合百メートルに人工島が建設されることによって浜大津周辺の湖水は、どのようになると思いますか。」の問いに対する答えとして「悪くなる」が五六・八%で過半数、次いで「わからない」が二八・八%となっております。次に、「あなたは浜大津人工島建設について賛成か反対か」との問いに対しては、「反対」が三六・三%でトップ、「わからない」が三五・五%で二番目、「賛成」が一番少なくて二八・二%という結果が出ております。あとでまたお渡しします。
 先ほどから運輸省のほうは地元のコンセンサスを強調されたわけでありますが、少なくとも地元のコンセンサスという意味を先ほどの発言から考えるならば一応結論は出ているように思うのですね。むしろ人工島方式を撤回する方向で検討するのが正しいのではないかと思うのですが、いかがでしょう。
#103
○大塚説明員 お答えいたします。
 私どもは、この計画の実施についてあくまでこれに固執するということの態度ではございませんで、やはりあくまで事業主体は港湾管理者である滋賀県でございますし、滋賀県が十分その関係方面との意見調整を行なった上で、いけるということであるならば私どももそれに協力するということでございまして、これを強行するとか、あるいは最後まで固執するということはございません。
#104
○瀬崎委員 いま申し上げたのは一応住民の世論の点からでありますが、やはり事は埋め立てでありまして、しかも埋め立ての認可権を大臣が持っていらっしゃる。おそらくその判断は自然科学的な面での調査も参考にはなってくると思うのです。その点についてなんですが、浜大津人工島建設計画について環境庁によりますと、人工島造成に伴う水質への影響等については現在県において調査させているとのことで、このアセスメントの結果は六月ごろには報告できるだろうということだったのですが、先日の報告では十二月にならないと発表できないということらしいのです。アセスメントは本来住民に公表されることによって、住民が正しい判断のできるよう活用されるべきものとの環境庁の事務次官の説明もあったわけでありますが、そういう点から言うなら、最終結論が出る前においてでも中間的な調査結果などは発表すべきではないかと思うのですが、アセスメントの意義、役割りも含めまして環境庁の見解をお聞きしておきたいのです。
#105
○山村説明員 お答えいたします。
 浜大津の人工島造成に伴う水質等への影響についての環境アセスメントの件でございますが、ただいま先生御指摘のとおりの情勢でございます。
 言うまでもなく、こういう公共事業を行なうことによって環境が破壊されるということは厳に押えるべきでございまして、この人工島につきましても、現在環境庁といたしましては、水質とか、湖の底質でありますとか、それから湖流あるいは景観等も含めて調査をして、特に人工島周辺について詳細に調査をして、人工島設置に伴う水質影響、環境影響についての評価、検討を進めるよう指示をしている段階でございます。十二月までに一応報告できるはずだという県の報告は受けておりますが、ただいまのところ、全然中間報告等も受けておりませんので、いまのところ何とも申し上げかねる段階でございます。
#106
○瀬崎委員 ここではっきりさせておきたいことは、建設省と環境庁のこれまでの答弁の中で人工島の正式の計画は知らないという答弁があるわけなんですね。しかし、先ほどお聞きのように、ちゃんと運輸省のほうでは補助金まで出しているわけなんです。計画を知らないで補助金がつくわけがないわけです。ですから、まずこの点では、現にやはり埋め立て方式による二十三万平方メートルの人工島計画があるということだけは、これは琵琶湖総合開発計画の一環として総理大臣も認めて、存在するということは、これは確認しておいていただきたいのです。
 そこで、すでにアセスメントは一種類出ているわけであります。大津市が専門家に依頼したアセスメントの報告書、正式名は「びわ湖汚染総合調査報告書」というんですが、これは発表されております。ここでは人工島にきわめて否定的な意見が出ているわけであります。かりに県のいま環境庁が指導しているアセスメントの結果がこれと大きく異なる意見になった場合、認可権者である建設省、それと、建設省から意見を求められる環境しておきたいのです。庁は、どういう検討を行う予定なのか、お聞きしておきたいのです。
#107
○増岡説明員 お答えいたします。
 いま先生のおっしゃいます環境庁御指導の環境アセスメントにつきましては、建設省もまだよく存じ上げませんし、また当該の埋め立てにつきましては、滋賀県知事に対しての免許申請は行なわれておりませんけれども、御承知のように、建設省におきます公有水面埋立法の第四条というものがございまして、これには「国土利用上適正且合理的」であるということと「環境保全及災害防止ニ付十分配慮」されたものでなければ許可しないということになっておりますので、もしそういうような問題が、あるいは書類が出てまいりましたならば、いま先生のおっしゃいますように、十分これにつきましては、その法のたてまえを尊重いたしまして、慎重に判断いたしまして処置してまいりたいと思っております。
#108
○瀬崎委員 環境庁のほうの答弁も一応聞いておきたいですね。もしも市側と県側とアセスメントの結果が大きく違った場合の処置です。
#109
○山村説明員 その内容いかんだと考えます。その科学的根拠が両方検討いたしましてどの程度あるかというようなことをやはり客観的に見て判断すべきものだと考えます。
#110
○瀬崎委員 相当慎重に時間をかけて検討するというふうに両省の態度をとっておいてよろしゅうございますか。
#111
○増岡説明員 そのとおりでございます。
#112
○瀬崎委員 第三点目として、先ほども申し上げましたように、水のたまっている琵琶湖だけじゃなしに、琵琶湖周辺地域全体を水源地域とみなして保全するための具体的な施策が政府としてとられているかどうか、こういう点をお尋ねしたいんです。
 林野庁から提出されました資料によると、琵琶湖の南部にあります甲賀郡の信楽町というところでは、全山林面積一万四千ヘクタールの約四分の一、三千七百ヘクタールが人工林となっておりますし、その全山林面積の二分の一、七千百ヘクタールが土砂流出防備及び水源涵養保安林に指定されているわけであります。こうなったについてはそれなりの理由があり、林野庁もそれなりの方針があって人工造林を進めてこられたのだし、また保安林指定を行なったと思うんですが、ごく簡単に、なぜそうなったのか、説明をしていただきたいと思います。
#113
○藍原説明員 お答えいたします。
 森林面積あるいは保安林面積につきましては、ただいま先生が御説明されたとおりでございまして、この保安林につきましては、森林法が制定されました明治三十一年に約五千三百ヘクタール指定されたものでございまして、当時の指定いたしました保安林の内容は、土砂流出防備保安林という形になっております。その後、現在まで累計いたしまして七千百ヘクタール余の保安林ができておりますが、新しいものといたしましては、第二期の保安林整備計画によりまして約一千ヘクタールの水源涵養保安林を指定いたしております。(瀬崎委員「そうなった理由を」と呼ぶ)第一点の明治時代の問題でございますが……(瀬崎委員「いや、そんな詳しいことは要らない。簡単になぜそういうふうに保安林、人工造林が多いかということ」と呼ぶ)これはあの地帯が花こう岩地帯でございまして、非常に国土保全上問題があるということで、森林法ができました当時、いち早く土砂流出防備保安林ということで指定されておりますし、水源涵養林につきましては、保安林の整備に伴いまして、あの地方の水源の維持という形で水源涵養保安林として指定されております。
#114
○瀬崎委員 そうだとするならば、こういった保安林の大量伐採や林地の地形変更は、なるべく差し控えたほうが好ましいとわれわれは思うわけなんですが、そうじゃないのでしょうか、林野庁。
#115
○藍原説明員 先生のおっしゃいますとおり、われわれといたしましても、保安林につきましてはできるだけ保安林の性格を維持するようにつとめております。
#116
○瀬崎委員 ところが、この信楽町には、ゴルフ場がオープンしているもの並びにオープン間近が三カ所、工事中が二カ所、それから林野庁の解除許可を待つ建設準備段階のものが三カ所、建設予定及び見込みのもの三カ所、計十一カ所にも及ぼうとしているわけであります。これらを合計しますと、信楽町の利用可能面積の六割にものぼる。信楽町議会も、ゴルフ場の建設が、「恐るべき災害発生の懸念、地場産業の労務対策、水資源対策およびよう業資源対策に非常な障害をもたらすものであり、町の将来は重大な危機に直面している」と決議しているわけです。こうした事態に対し、林野庁は個々のゴルフ場については一定の通達を出して行政指導に乗り出しておりますが、先ほどから言われたようなこの地帯、しかも過去に大水害に見舞われているわけでありますが、こうした保安林地域で、ゴルフ場が集中立地した場合の相乗作用といいますか、集中的な河川水の増水など、総量的な危険については触れられてないわけです。この集中立地に対して、個々のゴルフ場に一般的規制条件を当てはめるだけで一体十分なのかどうか、どうお考えですか。
#117
○藍原説明員 林野庁といたしましては、先生御指摘のとおり、昭和四十八年の六月に林野庁長官通達を出しまして、ゴルフ場の造成に対しまして、保安林の立場から見て一つの要件を出しまして審査に当たっております。したがいまして、保安林内のゴルフ場につきましては、ただいま四十八年の三月以後のものにつきましては受理いたしておりません。それ以前のものにつきまして受理し、今後審査に当たるわけでございますけれども、われわれといたしましても、保安林については、保安林そのものの持ちます性格を十分わきまえまして適正な対応をしてまいりたいというふうに考えております。
#118
○瀬崎委員 この信楽町を水源地とする川の一つに大戸川があるわけです。信楽町におけるゴルフ場の集中立地は、こうした河川の維持管理、水源涵養にとって、建設省の見解は、代替施設さえつくられれば支障はないと考えるのか、最良の方策はやはり水源涵養の森林を残すことだとお考えになっているのか、どちらでしょうか。
#119
○増岡説明員 御指摘のように、信楽町の上流に多数のゴルフ場が確かにあります。これらが流域面積に与えます割合とか、あるいはゴルフ場の造成のしかた、こういうものにつきましては、その影響が下流に及ぶこともあると思いますし、いま先生がおっしゃいますように、涵養林があれば最もいいということでございます。したがいまして、滋賀県におきましては、これらに対処いたしますために、滋賀県の土地利用に関する指導要領というものをおつくりになっております。こういうようなことで、ゴルフ場の造成が下流に影響を及ぼさないような一応の処置はしておりますけれども、建設省におきましても、砂防サイドあるいは一般河川サイド、そういう方面からいろいろとこういう問題に対しても都道府県に対して指導をしていくべきであろうということを考えておるわけでございます。
#120
○瀬崎委員 建設省は、その信楽町から流れてくる大戸川ダムの下流にダム建設を計画して予備調査をやっていますね。このダムの規模及び建設の目的は、どの程度のものですか。
#121
○増岡説明員 お答えいたします。
 大戸川の計画でございますけれども、これにつきましては、治水の関係と、それに最近におきます水資源確保の上からも、多目的ダムとして計画したらどうかということで現在現地調査をしておるわけでございまして、このダムの規模だとか着手時期等はまだきまっておりません。現在検討の最中でございます。
#122
○瀬崎委員 しかし、一応そのダムの目的は明らかになっているでしょう。
#123
○増岡説明員 そのとおりでございまして、先ほど申し上げましたように、治水と利水でございます。(瀬崎委員「利水というのは、どこの利水ですか」と呼ぶ)いわゆる水でございます。沿道の農業あるいはまた発電その他、まだすっかりはきめてはおりません。
#124
○瀬崎委員 全然これは出先との話が違うので、この大戸川ダムというのはそもそも琵琶湖総合開発によって毎秒四十トン下流に水をいまよりも多く送ってみてもなお足りないので、その足りない分を補充するためのものだ、こういうふうに聞いているんですよ。
 そこで、川の上流では水源涵養のためにせっかく植えられた森林を伐採したり山を削るなどの乱開発で水源地域が破壊されることに対しては、代替施設等々の手は打たれても、実際ゴルフ場そのものに対して規制等の有効な手を打たないまま、一方、その下流でこれは相当水没が出るのです。
  〔渡部(恒)委員長代理退席、委員長着席〕
その水没という犠牲を住民に強要して貯水のためのダムをつくる、あまりにもこれはやることが矛盾し過ぎて、これで地元民が納得したら私はふしぎだと思うんですね。こういう点、大臣どうお考えですか。
#125
○亀岡国務大臣 瀬崎委員御承知のとおり、わが国の人口増に伴う将来の水計画、水資源というものを考えましたときには、非常に憂うべき状態にあることはもう御承知のとおりでございます。したがいまして、政府といたしましては、そういう事態に対処いたしまして、できるだけダム等において利用できる水というものはこれを確保するという立場でいろいろ調査を進めておることも御理解いただけると思うわけでございます。したがいまして、私も就任以来、特にこの石油ショック等にかんがみまして、とにかくダム地点として開発できる地点は、これは十分検討をして、そうして水資源の確保につとめるようにということを強く実は打ち出しておるわけでございます。したがいまして、ただいま御審議いただいております地点におけるダムの建設の検討につきましても、その趣旨に従って行なわれておるものと私は理解をいたしておるわけであります。
#126
○瀬崎委員 私は何も頭からそのダムがいけないとは言っていないんです。同一の水系で、上流地域には先ほどから言われているように、本来ならば保存することの望ましい保安林、せっかく植えた森林が、ゴルフ場のためにいやおうなしに破壊される。このことが見過ごされて、そうして下流では立ちのきも強要されながらダム建設が行なわれる、この矛盾が住民にとっては納得できないものになるだろう、こういう点を申し上げているわけです。大臣は、そういう矛盾を別に矛盾だとお感じになりませんか。
#127
○亀岡国務大臣 先ほど林野庁からも答弁がございましたように、それぞれの行政的立場においてそれぞれの定められた法律的な措置によって処置をいたしてきておるわけでございますので、私どもといたしましては、河川行政をあずかる立場から水源涵養林、保安林等につきましては十分その確保が望ましいということは申し上げ得るわけでございます。
#128
○瀬崎委員 これは国土庁にあるいは期待するのがいいのかもしれません。いま申し上げましたように、一方でダムをつくって貯水する、下流の利水に備える、一方で水源地域を破壊する、こういう矛盾を本来調整しなければならないと思うのです。そういう点で国土庁は有効な働きをなさる意思はありますか。
#129
○西村国務大臣 まあそういう行政が非常にばらばらになっておりますから、国土庁としては、そういうようなことを総合的に考えて調整する役目を今後しなければならぬと思っております。ゴルフ場にいたしましてもいま計画中、それから施工中のものが千カ所以上もあるわけでございます。したがいまして、そういうものの総体的な調整をやはり国土庁は今後やらなければならぬと思っておるような次第でございます。
#130
○瀬崎委員 ぜひそれは具体的にいま大戸川で起こっているような矛盾の解決に役立つようにお願いをしたいと思うのです。
 今度は北のほうで、同じく琵琶湖総合開発計画の中で県が治水目的の高時川ダムというのを計画しているわけです。ところが同じ地点で今度建設省がもっと大規模な下流利水も含めた、このほうは貯水量が菅並の上流地点で一億二千万トン、下流サイトになると二億トンというふうな大規模なダムを計画し、これも予備調査をすでに一部やっていらっしゃるわけです。
 さて琵琶湖総合開発にのせられている、つまり計画で決定されている高時川ダムと建設省がいま計画している高時川ダムとの関係は一体どうなるのですか。
#131
○増岡説明員 お答えします。
 高時川につきましては、計画当初は治水オンリーでいろいろと計画されたいきさつもございますが、その後の利水関係の需要ということが非常に大切になってきまして、またダムサイトもあまりないという今日、やはりこれを総合いたしました多目的ダムとしての計画もあっていいじゃないかというようなことから、建設省におきましても再度多目的ダムといたしまして調査を進めようとしておる段階でございます。現段階におきましては、このダムの規模あるいは着手時期等については未定でございます。
#132
○瀬崎委員 ということは、建設省のこのダムに対する計画や工事実施の方針がきまらない限り、琵琶湖総合開発で現在決定を見ている高時川ダムの着工はされない、こういうことですか。
#133
○増岡説明員 先ほど申し上げましたように、高時川のダム計画は現在多目的として計画をしておりますけれども、もしこの計画が非常にいいということになりました場合は関係府県と十分協議いたします。そして計画が決定いたしましたならば、例の琵琶湖総合開発計画の変更をする手続をしなければいけない、そういうことを考えております。
#134
○木村委員長 瀬崎君に申し上げますが、理事会できめられた時間が過ぎております。結論をお急ぎください。
#135
○瀬崎委員 はい、わかりました。
 もう一点、琵琶湖周辺で土地や埋め立て地が自民党にかかわりの深い大企業によって買い占められている問題で、国土利用計画法等で遊休地処置がとれるのかどうか、あるいはまた保全のために有効に今後残される処置がとれるのかどうかお尋ねしたいと思ったのですが、これはまたの機会に譲りたい。ただ、そういう点は特に国土庁に、琵琶湖周辺の住民が強い期待と要望を持っているということだけお伝えしておきたいと思うのです。
 最後に、そうしますとこういうことになってきましたね。すでに去年の段階で金丸前建設大臣が三次処理が必要かつ可能になった場合には琵琶湖総合開発計画を改定する、こういうことを御発言になっている。それから第二には、住民のほうからも先ほどから論議いたしました浜大津人工島や湖周道路あるいは内水排除とか各河川の改修等で、いろいろと現在の計画変更を望む声が高いわけであります。第三番目に、いま河川局長が答えましたように、私たちは住民が現在非常に反対しているのでそれをあえて押えて強行することは厳に慎んでもらいたいと思いますが、しかし高時川ダムについては明らかに琵琶湖総合開発計画の変更を前提にして考えているということがはっきりしました。ですから、ここまで琵琶湖総合開発計画の変更要素というものが生まれてきた以上、一応これははっきりと一定のめどを持って琵琶湖総合開発特別措置法第三条に基づく計画の再検討に取りかかるか、あるいはそういう意思表示をされるのが少なくとも住民に対する責任ではないかと思うのですね。これはどちらの大臣からお答えいただくのが適切か知りませんが、答弁を願いたいと思います。
#136
○亀岡国務大臣 御指摘の琵琶湖総合開発につきましては、下水道一つを取り上げてみましても第三次処理をしなければならないという最近の急激なる要請もあるわけでございまして、これも水質保全の上からはどうしてもやっていかなければならない事業でございます。そういう問題をはじめとして、いま御指摘されたような点もございますので、琵琶湖総合開発の計画につきましては見直しの段階に来ておる、こう申し上げていいのではないかと考えておるわけでございます。
#137
○瀬崎委員 これが最後です。
 そういうことであるならばなおのこと、水位低下による琵琶湖の直接的な水利用の増大に固執するのではなしに、より根本的に琵琶湖周辺全体を水源地域とみなして保全していく積極策をもっと政府においてその際検討していただきたいと思うのです。もしそれが優先されますと、下流での合理的な水利用の促進と相まって、破壊的な水位低下を避けながら、近畿一千万住民の水は未来永劫に、しかも美しく確保されるのではないかと私は思っております。そういう点をぜひひとつ、いま亀岡建設大臣が言明されました変更の時期に来ているのではないかというその変更内容の一要素に加えておいていただきたいと要望いたしまして、質問を終わりたいと思います。
#138
○木村委員長 新井彬之君。
#139
○新井委員 私は若干の質問をいたします。
 初めに道路の問題でございますが、先ほども国道が昇格するということでお話がございましたが、現在の国道におきまして、たとえていいますと第二国道ですね。その第二国道の整備ということについては建設省ではどのように考えておるか、お伺いしたいと思います。
#140
○井上説明員 国道二号線は大阪から下関へ行っております幹線道路でございます。非常な交通量でございますが、まだ二車線の区間がたくさん残っております。これと並行いたします山陽自動車道あるいは中国縦貫自動車道、こういったものとの関連を十分考慮いたしまして、必要な区間はバイパス等あるいは拡幅等で四車線に広げる、こういう計画でございます。
#141
○新井委員 もう少し私はこまかく質問をいたしますと、たとえていいますと、第二国道というのはよく改良もされておるわけでございますが、どういいますか、まだまだ車線を左に曲がるときとか、あるいはまたどうしても第二国道しか道路がないというような地域もあるわけでございます。したがいまして、その第二国道が自転車であれあるいは単車であれ、あるいはまた徒歩であれ、そういうぐあいに歩けるような、全体的に通行可能な地域であれば問題はないわけでございますが、そういうような歩いてはちょっと無理である、あるいはまた自転車では非常に危険であるというような地域があるわけでございます。そういう面については、今後の第二国道について整備計画といいますか、そういうことについてどのような検討をされておるか、お伺いしたいと思います。
#142
○井上説明員 国道二号線の歩行者、自転車の多いところには積極的に歩道あるいは自転車道の設置を現在も進めております。
#143
○新井委員 そうしますと、これは岡山県と兵庫県の境になるわけでございますけれども、その境に船坂トンネルというのがあるわけでございます。ここはもう御存じのように大体兵庫県側から岡山県へ通勤をする、こういうことで約五百世帯ぐらい、あるいはもっと広範囲にわたりますともっとたくさんの方々がその船坂トンネルを通って通勤をされるわけでございます。そこが非常に事故が多発をいたしまして、自転車ではとてもじゃないけれども通れない。そしてまた単車でも、あの排気ガスと、それから非常に狭いトンネルでございますから危険が伴うということで、あの地域の方々は、とにかく出るときには、顔を見なければ心配でたまらない。大体一世帯に一人はけがをしたり死亡したりするところがあるわけです。大体三人に一人はそういう事故にあっているということで、全国でも珍しいほど事故多発のところだと思いますけれども、その問題にしましてもこれはもうだいぶ前からの問題でございます。そこには新しいトンネルを一本掘ろうじゃないか、あるいはまたそれができない場合においてはいままでの旧道を何とか改良しようじゃないかといって、何年も何年も過ぎているわけですね。その間にいろいろな方が行かれたそうでございますが、建設省というんじゃなくて、県会の人であるとか、あるいは町長だとか、あるいはまた国会の人だとか、そういう方が来ましていろいろなことを言っている。現実にはできておらないわけですが、そういうようなことについてもう何年も前からあれはあるわけでございますから、建設省はよく聞いておられると思いますけれども、その問題についてはどのように解決をしていくのか、お伺いしたいと思います。
#144
○井上説明員 御指摘の船坂トンネル区間につきましては、先生のおっしゃるとおりの実情にございますので、いまお触れになりました並行する市町村道がございます。その市町村道を利用いたしまして自転車と歩行者の道路をつくるという方針を立てまして、今年度中に実施をしたいと思っております。
#145
○新井委員 そのときに非常に問題になりますことは、御存じのように、単車もあのトンネルでは非常に危険である。排気ガスの関係で、自動車に乗っておりましても窓をあけていくと出るまでに気分が悪くなるというような状態があるようでございますけれども、あそこは何といいましてもいなかの山道でございまして、そのときにあるいは軽自動車、そういうものが通るような可能性がある。しかし、現実には自転車道というのは自転車専用で単車までは通れるようでございますが、そういうような問題があることが一つ。
 それからもう一つは、非常に暗くて、自転車で帰ってくるときにやはり防犯関係の街灯等も一緒に設置をしないと事故が起こるんではないか、こういうようなことが全般的にいろいろと協議されているわけです。したがって、ただ一本横につくるというのではなくて、そこにはやはりそういうような配慮というものが必要だと思いますけれども、そういう面についてはどのようにお考えですか。
#146
○井上説明員 ただいま申しました町道を改良して歩行者及び自転車道にしようということでございます。幅が三メートル程度でございますので、自動車の通行は禁止することになろうと思います。
 それから、先生のおっしゃるように山道でございますから、防犯上も十分な手だてをいたしたいと思います。
#147
○新井委員 それからもう一つ、鯰峠というのがございまして、そこは坂になってきて、またおりて、今度はまた上がるようになっておりまして、これは兵庫県の公害課等で調査いたしましても、そこは坂でありますからトラック等が非常にアクセルを踏み込む。ところが、非常にゆっくりでございますから、そこが非常に混雑をして、その地域は一帯が緑で囲まれておりますけれども、その地域が一番の大気汚染の結果というのが出ている、こういうような状態にあるわけです。したがってここについてはやはり登坂車線、そういうものが必要だということで、これも前からの話であるそうでございますが、そういう問題についてもどのようにお考えになっておるか、お伺いしたいと思います。
#148
○井上説明員 総峠の区間約二・四キロにつきまして、御指摘の登坂車線を設置する計画を決定いたしまして、本年度からすでに用地買収に入っております。完成はおそらく五十二年度ぐらいまでかかろうかと思います。
#149
○新井委員 それからこれは赤穂市になるわけでございますけれども、とにかく国道と県道とが交差している地域というのはたくさんあると思います。赤佐線というわけでございますが、赤穂−佐用線という県道に、三差路になっている交差点がございますけれども、そこも、どういいますか、右に折れる車線が一本あるんですけれども、うしろから押されまして、とにかく危険この上ない。この前も三台追突事故がございまして、その三台とも焼けて、一番前の人が前の車と当たって二人焼け死んじゃったというような事故でございまして、とにかくうしろから来るトラックが居眠りなんかしていると――これは居眠りをしなくても、ちょっとハンドルを誤っただけでも当然事故が起こるような状況です。
 そこで、やはり少なくとも第二国道を車が走っている以上は、運転さえ間違えなければ安全度はあるんだというようなことにしなければまずいということで、これも改良ができるようなことになっておるようでございますけれども、その件についても明確に聞いておきたいと思います。
#150
○井上説明員 御指摘のところは、国道二号線と県道の赤穂−佐用線のT字路だと思いますが、昨年も四台の炎上事故があったところでございまして、現在、計画を決定いたしまして、交差点付近の国道をいま九メートルばかりの幅でございますが、それを十二メートルに拡幅いたしまして下り方向の右折車線をつくる、それから歩道を設置する、こういう計画で今年度実施する予定でございます。
#151
○新井委員 それから先ほども出ましたけれども、住宅金融公庫の問題でございますが、これは先ほど話がありましたように、十五万戸の予定の戸数に対して二十二五戸、こういう申し込みが七月二十日の締め切りまでにあったということが出ております。その中で該当しない人を除きましても約二十万戸、これだけは当然必要である。これも皆さん方はどのようにお考えかわかりませんけれども、自分の家を一軒建てるというときには非常にお金がかかるわけでございます。その中で住宅金融公庫から借りるお金というのは一部でございまして、ほかの手当をしなければいけない。あるいはまた一つの家を建てるときの設計図と契約ですね、これを早くちゃんとしなければ単価が、現在の場合におきましては変動というものがあるわけです。したがって、七月二十日なら七月二十日に申し込んだ方々が、どういう手配をされておるかわかりませんけれども、もうこれだけ日にちがたって、普通なら当然借りられておるのに何ら返事も来ない、だから自分はもう借りられているんだというような感覚をほとんどの方が持っておりますね。少なくともこの七万戸の方に、いやこれは今後こういうことで検討するんだから、あなたの分についてはこれはまだ決定ではありませんよ、その決定は十一月なら十一月にするのですよというふうに言っておれば別でございますけれどもね。ほとんど銀行の窓口です。その銀行のほうはちょっと待ってみなさい、いまはなかなか金が苦しいんだと言う。そうすると、資金がなくてあとで追加が来て借りられるのか、それがいつなのか、そういうことについては、少なくともこの七万戸の方というのは、家を建てるという現実の問題があって申し込みをしているわけでございますから非常に困っておるんじゃないかというのが実態じゃないかと思います。したがって、そういうところの、十五万戸は現実に貸した、これは予算があった、あと受付はしたけれども、そのときにどういうような形でやられたのか、一ぺんお聞かせ願いたいと思います。
#152
○山岡説明員 先生御案内のとおり、住宅金融公庫の資金の貸し出しは、むね上げのときに六割、完成のときに四割というルールを守って行なっております。ところが、先ほど資金第二課長も言っておりましたように、非常にまとまって申し込みを受け付けたものですから、そのための資金の出方が非常に早いという点がございました。そこで、七月十日までの受付のものについてはどんどん貸しておりますが、十一日以後受け付けました約三万戸程度だと思いますが、これにつきましては、やはり先生のおっしゃいましたような指導の足らぬ点がございましたので、八月半ばごろから、大体むね上げのときにちょっと資金が間に合わないかもしれませんが、着工だけはお進めくださいという指導をするように現在やっております。
#153
○新井委員 その点がやはり契約に基づいての工事になっております。したがいまして、いついつお金を払いましょう――いまの建設業界というのはそんなにたくさん仕事が出ているわけじゃありません。したがって、その資金繰りが一つ違えばまた大きな倒産ということにもつながるわけでございまして、その辺は明確に、いついつにはこれはおりますということですね。許可がおりなければ仕事にもかかれませんし、そういう面では待っていらっしゃる方がなかなかたくさんあると思うのですよ。だからだめならだめでもいいんだ、この前も会った人は、だめならだめでもいいんだけれども中途半ぱが一番困るんだ、こういうような人もおるわけでございまして、そこはやはり明確にやっていただきたい、このように思うわけでございます。
 それからあわせてもう一つ、先ほど住宅五カ年計画において九七%達成する、こういう御答弁がございました。その中で現在公営住宅が八六%、それから公団が七二%、それが九七%まで達成されるということは、結局は民間自力が補って建つのか、それとも公営住宅あるいは公団住宅というものが建ってちゃんとバランスがとれたような、初めの予定どおり建つのか、この辺をちょっとお伺いしておきたいと思うのです。
#154
○山岡説明員 先ほどお答えいたしましたように、大都市地域を中心に四十七年後半から公営住宅、公団住宅の建設が非常にダウンいたしております。われわれとしましても非常に憂慮いたしておりまして、できる限り伸ばすという対策を講じてまいったわけでございますが、公的資金によります住宅は相当進めることを努力いたしましても約八八%というのが最終のでき上がりでございます。それに対しまして民間自力は現在のところ約一〇三%ぐらいいくだろう、両方を平均いたしまして約九七%の達成になるだろうと言っておるわけでございます。その中で、公的資金による住宅の八八%と申します中には、例の調整戸数の三十八万五千戸というのをこの全体計画の中からあきらめたという点が一つ大きなポイントになっておるわけでございます。
#155
○新井委員 現在一千万戸住宅が足らないということがいわれておるようでございますが、その中でやはり持ち家住宅を建てられる方、あるいはまた建てられない方、すなわち公営住宅の一種、二種、あるいはまた今度は公団住宅、こういういろいろの希望者がいらっしゃるわけでございますけれども、少々幅を広げても持ち家住宅が建てられない三百万とか四百万の方々には、どうしてもやはり公営住宅というものをしなければ解決ができない問題である、こういうぐあいに思うわけですが、その点については建設大臣はどのようにお考えですか。
#156
○亀岡国務大臣 もうお説のとおりでございまして、公的機関による賃貸住宅等については特に配慮をしていかなければならないと考えておるわけであります。
#157
○新井委員 一つは、先ほどからお話を聞いておりますと、現在地価が非常に鎮静化している、あるいはまた仕事がないというようなことで比較的建てやすい状況になってきているというぐあいに考えたわけでございますが、そのときですら公営住宅が土地がなくて建てられないのだ、あるいはまた単価が合わなくて建てられないということであれば、これはますます今後建てにくくなるのではないかと思うわけです。したがいまして、やはり住宅問題としてどういうところをいま一番やらなければいけない問題があるのか、そういうところをよく見きわめてやっていただきたい、このように要望しておくわけでございます。
 来年度の概算要求はほとんど出そろっておりますけれども、その中でも特に下水道であるとか、あるいはまた今回の災害による河川の改修とか住宅問題というのは、やはりやり過ぎたということがないほどみんなが待ち望んでいる問題でございます。そういう意味におきましてよろしくお願いしたいと思います。
 それから、今回の台風十六号によりまして多摩川に被害が出た、これについてはいろいろな報道がなされております。その中で、結局建設省側からすれば雨がたくさん降り過ぎたのだ、あるいはまた都の言い分もありますし、また市の言い分もあるということでいろいろありますが、建設大臣は、その現地を視察されまして、それじゃ一体今後どのような手を打っていったらいいのか、あるいはまた、ほかにこういうところに欠陥があったのじゃなかろうかというような問題についてはどのようなお考えをしているか、まずお聞きしておきたいと思います。
#158
○亀岡国務大臣 多摩川の狛江市における堤防の決壊についての直接原因等につきましては、関東地建に調査委員会を設けまして、もうすでに第一回の検討会を進めさせておるわけでありまして、その調査委員会の結論を待って私としては自分の決心を固めたい、このようなつもりでおるわけでございます。
 多摩川につきましては安全な川、普通の洪水になるような雨ではもう絶対だいじょうぶだというふうにいわれてきておったわけでありますが、やはり計画水量の五百ミリ以上も降りますと――まあ溢水はしなかったわけでございます。たまたまあのような減水が始まって、もう堤防が大体確保できたんじゃないかということで、一日の午前二時ごろでございましたが、私は各方面を督励をいたして、とにかく堤防が切れぬように最大の努力を尽くせということで指導をしておったわけでございますが、ほっとして、減水がしてもうだいじょうぶと思ったころから新たな今度災害が起こり始めたというところに、今回の狛江市における堤防決壊の特徴があるわけでございます。
 これらの問題につきましては、私どもしろうとが云々するよりも、専門家に委嘱しましたので、その検討を待ちたいと思っております。と同時に、多摩川流域におきます条件が非常に変容を来たしておるということを考慮いたしまして、現在の堤防で十分かどうかということを考えまして、建設省におきましてもさらにこれを強化せなければならないという方向に向かっていろいろ検討を進めさしていただいておるわけでございます。
#159
○新井委員 それでは、それは専門家に検討させるというならば、そのあとにまたしたいと思いますが、堤防を一つ築く場合に、そこに大体どのぐらいの水が流れてくるだろうか、その流量とか、いろいろのことを計算をしまして、そしてそれを積算して、これだけの堤防だからこれだけの水が出てもだいじょうぶです、だからどこの水位まで来てもいいし、どれだけの流量があってもだいじょうぶだということになっておりますね。その場合、五百ミリの雨が降った、正確に言えば四百九十七ミリだそうでございますが、それじゃ何ミリまでだったら助かったのですか、それをお伺いしたいと思います。
#160
○増岡説明員 お答えいたします。
 非常にむずかしい御質問でございますが、現在の多摩川の改修計画は、明治四十三年の洪水が中心になりまして計画されたわけでございまして、古くは、下流のほうが大正七年から、上流のほうは昭和七年からという非常に古い多摩川でございますけれども、現在その計画におきましても七〇%の進捗でございます。河川計画と申しますのは、なるほど計画高水量をきめまして、毎年工事を重点的に施工順序を選びまして施工してくるわけでございますから、非常に長年月かかるわけでございます。そういう意味から、多摩川の今回の出水はそれを上回ったわけでございますけれども、昔の雨と比べましても、史上第二位というような雨が降っております。
 どこまでがいいのかという御質問があるわけでございますが、私どもは、とにかく多摩川につきましては、いままでの計画高水量ぐらい来ましても、水防活動も含めまして、一生懸命にやればどうやら保てるのではなかろうかと思っておったわけです。ちょうど計画どおりぐらいのものは、そこまでは進捗は確かにしておりましたが、先ほど申し上げましたように、まだいろいろなところで工事が残っておりましたので、上流等にも破堤をしたわけでございます。先ほど大臣が申しましたとおり、大都市を貫流する大きな川というものは、一たん溢流をしますとたいへんな被害でございますので、私どもといたしましては、現計画ではいけないのではなかろうかという反省もしておりまして、早急に新しい、レベルアップいたしました高いレベルの計画をしていいのではなかろうかという作業をいま一生懸命やっておるところでございます。
#161
○新井委員 いや、私の言っているのは、幾ら降ったらだめかというとちょっと変な話になりますが、ここの川はこれだけの流量はだいじょうぶなんだ、したがって大体これぐらいの雨が降ればこのぐらいの流量になって、ここまでだったらだいじょうぶだというものがないといけないのではないか、一つのそういう堤防を築く場合においてもどれだけのことを考えてやっているのかという基礎的なものがあると思うのですね。今回それ以上降ったからだめだったんだというならば、一つの科学的データとして出てくるわけです。しかし、そういうものが何も考えられないで、河川の改修だとか、そういうものはできないと思います。これから河川も大事になってまいりますし、そういうような集中豪雨のことも考えなければいけない、そういう意味におきますと、これは非常に昔の計算があって、現在の計算ではなかなかしにくい。たとえて言いますと、一山削れば、そこにはえている木がどれだけの水を吸って涵養してくれるか、そういうものが全然なくなって宅地化されてしまった場合は、そのままその水が川に流れ込んでくる、こういうようなことまで計算をしないと、なかなか昔のままの計算で、野っ原のままというわけにはいかないわけでございまして、違いがあると思いますが、少なくとも建設省が多摩川を改修することについての十カ所の、ここはしなければいけないんだという点検をしたその中には、この今回の決壊部分は入ってないわけですね。そういうようなことから考えまして、これは改修といまお話がありましたけれども、ほかを改修しても結果的にこの前のようなことになれば当然決壊されるだろう。それから流量も、毎秒四千三百三十トンですか、これだけの流量が流れたわけですけれども、これによりますと大体百六十トンほどオーバーしたためにやられてしまったということにもなっているわけです。もちろんせきがありまして、その力というものがあるわけでございますけれども、そうすると、たいがい堤防を築く場合というのは、これだけならだいじょうぶというのは、一〇〇%ではなくて、大体八〇%ぐらいのことで計算をするというのが普通なんでしょう。そうすると、今回のいろいろの問題を見ますとちょっと話が合わないと思いますけれども、その辺はどういうふうにお考えになっておりますか。
#162
○増岡説明員 河川計画におきましては、いま先生おっしゃいましたように、時間の経過とともに流域の状況がきまりますけれども、私どもが現在とっております計画の考え方ば、いわゆる確率的なものを一つの標準にしております。雨の記録、水位の記録、過去から長い間の、明治からの記録をとりまして、私どもは、何年に一度ぐらい起こるような洪水を妨ごうかというのが一つのレベルになっておるわけでございます。その中の確率の中に、いろいろな先生のおっしゃるような要素が入っておると思っております。多摩川の場合は明治の災害が中心になったというものの、この計画の検討をいま考えてみますと、大体五十年に一度起こる異常出水というものになっておるわけでございまして、したがって、そういうものから洪水量がきまってまいります。計画雨量と申しますか、そういうものから計画の流量が各地点できまってきます。そういたしますと各堤防の広さ、深さ、そういうものと合わせまして水位がきまってきます。そういうところで各地点に計画の高水というものがきまってまいりますと、それに余裕高をさらに一メーター五十ないし二メーターを足し算いたしまして現在の堤防の天端をつくるわけでございます。その堤防の天端も、やはり各川の重要度に応じまして六メーターなりあるいはそれ以上のものと、そういうようなことをやりながら、また水衝部には御承知のような護岸等を施していく、そういうような順序で考えてきたわけでございます。
#163
○新井委員 この点は、大臣もおっしゃっているように調査結果が出てからということにしたいと思いますが、河川法の第五十二条に「河川管理者は、洪水による災害が発生し、又は発生するおそれが大きいと認められる場合において、災害の発生を防止し、又は災害を軽減するため緊急の必要があると認められるときは、ダムを設置する者に対し、当該ダムの操作について、その水系に係る河川の状況を総合的に考慮して、災害の発生を防止し、又は災害を軽減するために必要な措置をとるべきことを指示することができる。」こういうことがあるわけです。今回の場合におきましては、小河内ダムというのは利水ダムでございますから水をためるということがおもになるわけでございますけれども、気象条件とかいろいろの条件から、これは非常な流量でございますから、少し早目から流さなければいけないとか、そういうようなことに対してもやはり手を打つべき問題ではなかったかと思うのですけれども、そういう点については手を打たれましたか。
#164
○亀岡国務大臣 実は私、九月一日、防災の日朝早くから江東地区の調査に行っておりました。それでいろいろ天気予報等を、また建設省からの、特に奥多摩地区の降雨量等も聞いておりました。そこで、これはさっそく都の水道局のほうにも連絡をして、とにかくダム操作の慎重を期していくべきであるという連絡をいたしております。
 さらに、いま仰せのとおり、小河内ダムは利水ダムでございますためにいつも満ぱいを目標にいたして貯水をいたしておるわけでございます。当日も満ぱい近く水位が上がっておったわけでございますが、東京都は非常によく協力をしてくれまして、ぎりぎりの線まで、実は締め切りを完成するまで協力をしてくれた、こう思っておる次第でございます。
#165
○新井委員 そういう面についても、今回は非常にどういいますか、安心をしていた多摩川が決壊したということで手の打ちようもあれだったと思いますが、そういうような一級河川だけでも百八本あるわけでございまして、とにかく今後もそういうようなところともよく連絡を密にしてやっておかなければならない、こういうぐあいに思うわけです。
 それから、とにかくいまの多摩川のどれだけ流すかということについての計算というのはまだできていないと思いますが、これについても昭和四十六年にできている上河原取水ぜきについても毎秒六千トンを計画流量にしているというようなことがありますね。そういうようなことから考えて、よくひとつその点は完ぺきを期していただきたい、このように思うわけです。
 それからもう一つ、これは私、多摩川のことを言っているわけでございますが、今回の災害全般に対しまして、やはり中小河川等が非常なやられ方をしているわけですね。これがたまたま多摩川はだいじょうぶである、一級河川であるというようなことで大きな問題になっておりますけれども、そういう中小河川のところにおきましては、前々からまたこれだけ降ればやられるぞということで避難をしている地域もたくさんあるわけなんですね。ところが、そういうような河川に対します予算というものを見ますと、四十八年度におきましても国費は三十八億五千万、こういうことで非常に少ないわけです。あるいはまた、四十九年度についても三十八億九千八百万、こういうような現状だと思いますけれども、とにかく直轄河川で三五%、補助河川については一八%しかきちっとまだできていない。こういう中で、今後一級河川については、河川局長が次官通達として、そういうせきであるとか、いろいろそういうことで事故の起こりそうなところはすぐに調査をしなさいと総点検を通達してありますけれども、一級だけじゃなくて、二級も、あるいはまた市街化が進んでおりますそういう河川におきましても、調査をきちっとしておく必要があるんじゃないか。特に人口の過半数が住んでいる地域にそういうほとんどの河川があるわけでございまして、これについてはやはり全体的に、これをいい教訓としてやっていただきたい、こういうように思うわけでございますが、その点についてはいかがですか。
#166
○亀岡国務大臣 御趣旨よく理解できるわけでございますので、私も就任以来、特に河川に重点を置いて事務当局を指導してきておるわけでございます。来年度の概算要求をごらんいただけばその私の気持ちもわかっていただけると思うわけでございまして、特に中小河川、都市河川の整備がおくれておるわけでございますので、これらも来たるべき治水五カ年計画の改定に際しましては思い切った考え方を取り入れて、やはり災害を防止する、投資をすれば、しただけ人命並びに財産の保護というものが現実にできておりますことは統計の示すところでございますので、そのように進めてまいりたいと考えておるわけでございます。
#167
○新井委員 それから、先ほど下水道の問題については大臣から、来年度を初年度として五カ年計画の予算として約十兆円を組みたい、こういうようなお話があったわけでございますが、国土庁のほうは、何か五十一年度に全体的な五カ年計画というものを発足させたいというようなことがあるようでございますが、その点は長官、いかがお考えになっておりますか。
#168
○下河辺説明員 国土庁といたしましては、目下のところ、四十四年の新全国総合開発計画の見直し作業であるとか、あるいは二〇〇〇年展望作業をしておりまして、来年度一ぱいかかって六十年目標の計画をつくることにしていることは御説明してあると思いますが、その計画ができますと、その計画をベースにして各種公共事業の相互間の調整が可能になるということで作業を始めておりますが、そういった事務的な角度から申しますと、五十一年度から各種公共事業の相互調整をさせていただくのが適当ではないかというふうに思うわけであります。しかし下水道等、環境保全にとって緊急を要する事業について特段の措置を緊急に講じなければならないということは当然でございますので、これから建設省のつくられます下水道五カ年計画につきまして、よく内容を伺いました上で、予算の査定時期までに国土庁としてどのような扱い方をするかという最終的な態度をきめさせていただこうということにしております。
#169
○新井委員 環境庁からも、二十六水域から水銀とかPCBの汚染ということが出ておりますけれども、これは総合施策の中で特にやはり下水道の完備ということは大きな基本になるわけでございまして、当然いま言ったような新全国総合開発計画を改定して、新々全国総合開発計画の調整をいまやっているということはわかりますけれども、当然これについては一刻も早くやらなければいけない、こういう立場でございますので、ひとつ長官もよろしくお願いしたいと思います。
#170
○西村国務大臣 現在の下水道五カ年計画の一〇〇%をやるとして、残っておる金は、六千億ぐらい残っておるのです。新計画をつくりまして、初年度六千億以上の金でいけるかどうか、現在、総体的なワク、経済企画庁でも経済社会基本計画を見直しておりますから、総体の、全体のワクも見直そうとしておるのですが、とにもかくにも、五カ年計画はともかくとして、来年度五十年度の予算をできるだけ下水道に対して振り向けるということだけは十分考えなければならぬ、こういうことは国土庁としても十分注意をいたしておるところでございます。
#171
○新井委員 時間がもうありませんので、最後に一問だけ長官にお伺いしておきますが、土地の取引の場合に、今回の国土利用計画法によりまして、土地取引がうまくいかなくて買い取り請求が出た場合、これに対する予算というのは八百億円の地方債を設定するということですけれども、実際問題として土地を買い取る資金としては非常に少なくなるのじゃないか。少なくなるというのは、いろいろな費用が要って、事務費等を抜くと非常に少なくなる。まして、現在のこの状況で規制の網をかぶせた場合に、資金量というものはほんとうに幾らでもふえてくる可能性もありますね。それについては心配要らないということで国土庁としては幾らでも増額に応じる、こう言っておりますが、その幾らでもという意味ですね。これはほんとうにそういうような予算を組んでいただけるのかどうか、これをお聞きして、質問を終わりたいと思います。
#172
○粟屋説明員 いま先生お話のように、一応予算要求といたしましては地方債八百億を要求いたしております。ただ、これは法施行に要する経費の特ワクという意味でございまして、これが不足いたします場合には、自治省から要求をいたしております公共用地の先行取得債七千億の範囲内でそれを処理することができるわけでございますので、地方公共団体の買い取りの要望には十分対処できると考えております。
#173
○新井委員 終わります。
#174
○木村委員長 渡辺武三君。
#175
○渡辺(武)委員 まず最初に住宅局に御質問をしたいと思います。
 第二期住宅計画の最終年度を迎えんといたしておるわけでございますが、この進捗度合いはいまどの程度になっておるのでございましょうか。
#176
○山岡説明員 先ほど来御報告いたしておりますが、昭和五十年度予算を全部加えまして、最終年度で全体の約九七%の進捗ということに相なろうと思っております。
#177
○渡辺(武)委員 それは実績ですか、そうありたいという希望なんですか。
#178
○山岡説明員 まだ予算要求の段階でございますので、どちらかといいますとそうありたいというほうに入ると思います。
#179
○渡辺(武)委員 非常にきびしい情勢の中で考えてまいりますと、ほとんど達成は不可能だというふうにわれわれは考えておるわけです。そこで、今回その中の一部としての住宅金融公庫融資について大蔵省等と概算要求をなさっておるようでございますが、これはもうその年々にいつも問題になっておりますけれども、住宅金融公庫の融資そのものの資金ワクというものがたいへんに過小ではないか、つまり融資によって建てようといたします住宅の少なくとも半分以上は融資をすべきではないか、こういう意見が毎年続いておるわけでございますが、従来大都市地域においてたしか三百五十万円という金額、これはもう、建設委員長が、いま委員長席におすわりになっておりますが、従来、建設大臣当時にいろいろ述べられておりました金額にもまだまだ遠く及ばない現状であるわけです。
 そこで、実際に五十年度に向けて建設省が概算要求をいたそうとしておる金額を見ましても大体五百万円を大都市地域で予定をしておるようでございますが、この金額そのものがたいへんに少ないのではないか。題目として居住水準の向上につとめるんだ、こうおっしゃっておりますが、この程度のアップでほんとうに居住水準の向上がはかれるのかどうか、それは数字的に見れば三百五十万円を五百万円にすれば四五%程度のアップになると思いますけれども、数字的に見れば一応の物価上昇を吸収する、こうごらんになるかもわかりませんが、そもそもその三百五十万円そのものが実はその建築費の三〇%にも及ばぬというような状態の中では、むしろいまの高騰する建築資材等等からくる建築単価の上昇に追いつかない程度ではないだろうか。にもかかわらず、表題としてあらわれてまいりますのは、居住水準の向上に資するため、こういうことになるわけですが、ほんとうにそういうことになるだろうか、たいへん疑問に思うわけですが、その辺どうお考えでしょうか。
#180
○山岡説明員 先生御案内のとおり、昭和四十六年度の公庫の貸し付け資金は大都市で九十五万円でございました。その後百二十万円、百五十万円、二百五十万円、三百五十万円、ずいぶんいろいろな機会を利用いたしまして増額してまいったわけでございます。来年度の金融公庫の財政投融資の要求は一兆六千九百十億円ということでございまして、本年度の二・二四倍要求いたしております。中身といたしまして、特に大宗をなします個人住宅につきまして二十四万戸程度は充てたいと考えておるわけでございます。
 そういたしますと、現実の問題といたしまして土地つきで八百万円、それから上物だけで五百万円ということにいたしましてもそのような金額になるわけでございまして、おっしゃるとおり、私どもとしては多々ますます弁ずということで七百万円なり一千万円なり要求したいのが本心でございますけれども、財政投融資につきましても大体前年度二倍程度規模ということになつておりますその範囲内で実現可能性を考えまして要求したわけでございまして、これは先ほどは要求と申し上げましたけれども、必ず実現させたいと考えておるわけでございます。
#181
○渡辺(武)委員 質問と若干答弁が食い違ってくるわけですけれども、いわゆる融資金額というものを建設費用の何%ぐらいが適当とお考えでしょうか。
#182
○山岡説明員 四十八年度の実績の分析を行なってみました。そうしますと、もちろん満ぱいの限度までお借りにならないという例もございますが、四十八年度実績では約四〇%ぐらいに当たっております。実際問題といたしまして、法律では八五%以内ということになっておりまして、結果は四割ぐらいというのが実態でございます。
 来年度は規模等につきまして相当大幅に見込むということにいたしておりますが、先ほど申し上げました限度額で逆算いたしますと、おそらく融資率は五割程度だろうと思っております。
#183
○渡辺(武)委員 いや、実際を聞いておるんではなくて、住宅局としてはどうあるべきかとお考えでしょうかという質問をしたわけです。そういうどうあるべきかから発していきますと、この要求はちょっとおかしくなってくるのではないか、こう思うから、基本的な考え方を聞いているわけです。
#184
○亀岡国務大臣 私も実はその点で非常に迷ったわけであります。と申しますのは、御承知のように、住宅に対する国民の不満は、三五%の国民が住宅に対して不満を持っておるという実情でございまして、また今年の、非常に多くの方々が住宅金融公庫の金を活用したいということで途中で打ち切るといったような事態、渡辺先生の御指摘のように、貸し出し条件をよくしていきますと戸数が減ってくる。戸数も貸し出し条件もよくするということになりますと、膨大なこれまた資金が要る。とても現在の政府の予算編成の中においてはいまのような形をとらざるを得ないということ等も考えまして、とにかく四十八年における実績等も勘案をいたしまして五百万、また土地つきにつきましては八百万という、私どもとしては相当思い切った線を打ち出した、こういうふうに考えておるわけでございまして、できるだけ多くの方々の要望にもこたえ、なおかつ貸し出し条件もよくするという両方の要望をできるだけ充足したいということで、このようなところに落ちつけたということでありますことを御理解いただきたいと思うわけであります。
#185
○渡辺(武)委員 考え方の基本として、福祉充実政策に転換をしていくんだ、こういうことが第一にございますね。
 ところで、先ほどの局長等の答弁を聞いておりますと、予算総ワクは大体その二五%アップ以内におさめなければいけないので、計算をしていくとこういうことになります――そこには、考え方の基調はもうすでに変わってしまっておるわけですよ。そうではなくて、政策の転換をはかっていくんだという基本的な方向であるならば、当然総平均的に従来の、たとえば二五%アップのワク内におさめよう、ちょっと出るやつをよそのほうから持ってきて埋め合わせをしよう、こういう作業をおやりになるわけですが、それではやはりいつまでたったって政策転換、考え方の転換はできないのではないか、だから来る年、来る年同じように、住宅に対する考え方の基本的な姿勢を問うということをやらざるを得ない、私はこういう形ではないかと思うのです。
 そこで、あえてことしも御質問申し上げておるわけですが、やはり重大な考え方の転換をはかられようとしておるというふうには残念ながらうかがえないのですね。したがって私は、そういう意味から、やはり福祉充実政策をとろうとするならば、それがやはり具体的な政策に実際にあらわれてこなくちゃいかぬじゃないか、こう思うわけです。ところが、どうもそうではないようで、従来の実績あるいは昨年度と比べればこういうことになってまいりまして、もちろんそれは財政そのものですから、住宅だけに全部充実するわけにはいきませんでしょうけれども、その中でもやはりある程度そういう考え方の転換がはかられていっておるなというような認識が私どもにもできるような方向での政策転換というものがやはりなされてこなければいかぬじゃないか、こう思うわけですが、どうでしょうか大臣、将来にわたって。
#186
○亀岡国務大臣 御指摘の点、まことに私も同感でございます。私もそのような気持ちで対処したつもりでございますけれども、住宅金融公庫の資金量等につきましては、前年の場合、二五%というワク内を考慮することなく、住宅関係については概算要求をしろということで、そのような線を打ち出しているゆえんも一つの私どもの気持ちのあらわれとお認めいただきたいわけでございます。
 また、住宅政策は、住宅をほしいという方々、また住宅に対する不満をお持ちの方々は、狭いということがやはり一番統計上強い不満、要望になっておるわけでございますので、この狭いという点を改善するために、やはり公庫で借りて建てる場合とか、公団の住宅でありますとか、そういう住宅の広さを従前よりも広くして予算要求をしようということ等もやはり私どもの気持ちの一つのあらわれでございまして、非常に総需要抑制というきびしい中において、住宅関係の問題について、先般当委員会においても一番先に重点事項として解決をしていきたい、こう御説明申し上げたゆえんもそこにあるわけでございます。
#187
○渡辺(武)委員 おっしゃっておるように、確かに質的な向上をはからなければいかぬということも一つの課題でしょう。だからそういう質的な向上をはかる、ことばで言えば居住水準の向上ということになるのかもしれませんが、そういうことを考えれば考えるほど、むしろこのアップの金額というのは建設単価の上昇に見合う程度になってしまうのではないか、何も質的向上なんというのははかられないのではないかと言うことができる。そのままの状態で落ちついておって、そして一挙に四五%アップさせたということであれば、ああこれは質的向上をはかったなと思うわけですけれども、もともとが低い融資金額で非常に物価の高騰が続いておる、そういう中でさらに国民的要望である質的な向上というものを念頭に置いて考えていった場合に、はたして四五%アップでこと足りるかどうかということになりますとたいへんに疑問が出てくる。これは物価上昇分だけで見たって相当な上昇をしているわけですからね。そうすると、そこへ質的な向上分を入れられるかどうかすら疑問になる、ましてや全体の建築費の三〇%ないし四〇%というものを法律が示しておるような八〇%近くまで持っていこうとする努力があれば、これはもう全然お話にならない金額になってしまう、こういうことでございますから、苦しいことはわかるわけですけれども、やはりそこにはもう少し積極的な姿勢があってしかるべきではないであろうか。もう大臣の三代ぐらい前の大臣も、当時口約束では相当な金額を言っておられたのですよ。ところが、今回要求金額だけを見てみましても、そういう過去の経過から見るとたいへん低いのではないか。その中でほんとうの姿勢転換がなされるだろうか、こういう疑問を持ったものですから、その基本的な認識をお聞きをしたわけですが、いずれにいたしましても、国民的要望の非常に強いワクでありますし、特にいまの社会情勢の中では、他の住宅ローンというのはたいへん高い金利になっております。したがって、この住宅金融公庫の融資というものが非常に重視をされて、この窓口に殺到しておるという事実であろうと私は思います。きょうの新聞を見ますと、大蔵省がある程度財投のワクを広げようという決意をしたということでございますが、そうなりますと、すぐに総需要抑制の観点からどうかという論議が巻き起こっておるようでございますが、まあ少々ぐらいの、実際の国民的要望を満たすために住宅金融公庫の財投の融資のワクを広げたからといって、直ちにそれが総需要抑制政策に影響を及ぼす程度のものではなかろう、私はこう考えておるわけでございますから、その辺もう少し積極的にお取り組みを願いたい、かように考えるわけでございます。
 それから次の問題に移りたいと思いますが、最近、石油ショック以来の狂乱物価時代から、たいへんに建設業界そのものが深刻な状態になっておりまして、特に中小企業は倒産寸前にあると言っても過言ではない、こう考えるわけですが、実際の状態を見てまいりますと、たとえば、住宅計画等を見ましても、第二期住宅建設五カ年計画の中では、いわば民間自力建設に依存することが六〇%にも及んでおるわけですから、現実の建築業者というものの困窮度というものは直ちにやはり国民生活に非常に大きな影響を及ぼしておる、こう私どもは見ておるわけですが、現状の中小零細企業である建設業者の実態というものを建設省としてはどのように把握をしていらっしゃるのでございましょうか。
#188
○大塩説明員 現在の中小建設業の実態は、その三十万業者のうち一億円未満の業者の数が大体九九・四%というふうに零細かつ基盤の弱い中小企業がそのほとんどを占めておりまして、一億円以上のものは〇・六%であるというような状態であります。したがいまして、最近における金融の引き締め、あるいは資材の高騰等の悪環境のもとにありまして、これら中小企業はきわめて苦しい環境にありまして、その体質の改善ということのほかに、現在この困難な環境に対しまして、特に金融力に弱いものでございますから、金融面の対策というものが一番大きな現下の問題である、このような概観をいたしております。
#189
○渡辺(武)委員 建設省としては、こういう中小建設業者に対していろいろな指導、助言等々を行なっておられると思いますが、特に最近、業界のほうでも建設省自身の指導をしていただくところといいますか、窓口がたいへんに複雑でよくわからぬ、こういう意見がございまして、特に建設省の中で、いわば建設業界に対する窓口の整理統合をはかっていただきたい、こういう要望があるわけでございますが、建設省としては、これらの要望に対してどう対処をしていこうとなさっておられるか、その辺をお聞きしたいと思います。
#190
○大塩説明員 御指摘のように、建設業の対策としましては、資材の対策あるいは金融面の対策あるいは労務の対策等々非常に内容の多い対策でございます。建設省におきましては、建設業法というものを中心としまして建設業課あるいは建設労務資材調査室あるいは建設振興課等がございますけれども、多くの場合、労働省あるいは大蔵省あるいは通産省等の他省庁の関係するところも非常に多いわけでございます。そういう意味におきまして、建設業全体として、建設業のことなら建設省の担当のそこへ行けばわかるというような仕組みには残念ながら一体化していないのが実態でございます。
 そこで、これらの組織をさらに、従来建設業の体質の育成あるいは基盤の強化というような面に重点を置いてまいりました建設行政の体制を今後はその基盤の強化だけではなくて、魅力のある産業として成長させるための機構の整備拡充をはかっていく必要があると考えまして、諸般の内容の充実とともに、そのような組織の強化をはかっていく方向で対処したいと考えておる次第でございます。
#191
○渡辺(武)委員 具体的に、いわばそれらの窓口として建設業局という一つの局を新設をしたいという構想があるように聞いておりますが、具体的にはどうなんでございましょうか。
#192
○亀岡国務大臣 先ほど来からのお話でもわかるわけでございますけれども、建設業界は国民生活に非常に密接な関係を持っておりますことは、もう渡辺委員御承知のとおりでございます。おそらくこの業界に関係のない国民は一人もいない、一生のうちには一度か二度は必ずもう関係しなければならない国民にとってはきわめて大事な業界であるわけでございます。この業界が健全に発展してまいりますことが国民のしあわせに通じますことはもちろんでございます。と同時に、私、就任以来建設行政をながめてまいりまして、特に地建等におきましては労務、資材等の相談する窓口さえもないという実態を前々からどうしてだろう、こうふしぎに思っておったわけでございますが、大臣に就任いたしまして、四十九年度の予算編成にあたりましては、その点だけでもとりあえずひとつ地建に各業界の窓口をつくろうということで、労務、資材の係のポストを一つ設けたわけでございます。その後ずっと考えまして、とにかく三十万建設業界、また十万の不動産関係の業界、これによって生計を立てておる日本人はどのくらいいるだろうかということを統計をとってみますと、約一千数百万の方々が建設業関係、不動産業関係のいわゆる建設行政の範疇で仕事をしておられる。それだけの方々が建設業、不動産業によって生計を立てておるということでございますので、そういう面から考えましても、建設業界の健全なる発展を期していくためにも、また国民の信頼を受けるためにも、積極的な行政指導をしていくことが今後の建設行政の使命ではないかという立場から実は建設業局というものを設置すべきである、こう判断をいたしまして概算要求をさせた次第でございます。
#193
○渡辺(武)委員 そうした組織の変革も必要であろうかと私は思いますが、組織をつくったからそれでこと足りるというものではありませんので、従来にも増して、いわば正しい意味の行政指導というものが相当強力に行なわれていかなくてはいけないのではないか、こう考えるわけでございます。
 そこで、具体的な問題についてお伺いをするわけですが、ことしの五月に建設省の計画局長名で、ある通達を出しておられる。「下請負人の保護について」という通達を出しておられまして、下請代金の支払い等々についてはあまり手形を多くしないように、なるべく現金で支払えとか、いろいろなことが通達として出されておるわけでございますが、いまの情勢は、この通達でいっておられることそのものはほとんど無視をされたような形で実際情勢が推移をしておるのではないか、こう考えるわけですが、その辺はどのような実態把握をなされておられるものでございましょうか。
#194
○亀岡国務大臣 実はその点、私の就任以来総需要抑制のもとにおいて非常に仕事が減ってきておる。特に現に住宅等一つとってみましても、六月、七月等におきましてはもう十万戸を割っておる。これこそほんとうに戦後かつてないような情勢に落ち込んでおるわけでございます。したがいまして、中小建設業者の諸君は非常な苦しみに逢着をしており、歯を食いしばってこの危機を乗り切ろうということで努力をされておるわけでございますけれども、その業界一同の責任を持っております私といたしましては、どうしてもこの危機を乗り切ってもらわなければいけないということで、総需要抑制の中で組んだ予算の中でも、各四半期ごとに仕事を閣議において配分決定をいたす際にも大蔵当局とできるだけ折衝をいたしまして、中小企業関係の割り当て分を確保するということとともに、建設省といたしましても、一つの工事、一つの事業に対しまして分離発注をするとか、あるいは地域ごとに分けて業種ごとに分離発注するとか、あるいは地域ごとに地区を割って発注をするとか、いろいろなくふうをこらして今日まで指導をしてまいりましたとともに、金融関係につきましても政府三金融機関のワクを確保するなり、また二百億の持別融資をするなりということで、全力をあげて倒産の防止等につとめてきておる次第でございます。なかなか容易じゃない、特に十月から十一月にかけて最もきびしい状態に当面するのではないかということでございまして、そういう危機を乗り切る方策でもあり、なおかつ住宅に対する要請を強く持っておる国民の希望にもこたえていくためにも、住宅金融公庫の弾力条項等についてはぜひ実現をしていきたいということで、政府の中で強力なる折衝を続けておる次第でございます。
#195
○渡辺(武)委員 一般情勢については大臣がおっしゃっているとおりだと思いますが、そういう情勢を踏まえた中でいまの元請業者と下請業者との関係がたいへんに乱れておるといいますか、さらに下請業者が苦しめられておるという実態――この通達を見ますと、いろいろ下請代金の支払いとか契約書を結ぶ場合はどうだとかいうことが念頭に置かれて出されていると私は思うのです。しかし、実態を見て調べていきますと、この通達はほとんど無視をされたような形が現在出ておるのではないだろうか。私の調べたところによりますと、元請業者と下請業者の契約条件で、ある社のごときは、たとえば請負金額は二百六十万円、毎月十五日に締め切りをしておる。毎月十五日に請求をしておるのだけれども、実際には翌月の十日に支払われておる。その支払いの内容は手形が八〇%、しかもそれは百五十日間の長期手形である。現金が二〇%しか支払われない。その現金二〇%支払いも、そのうちの一〇%は、いわば保留金という名目でさらに一カ月延ばされてしまう。保留金というのはどういうのかよくわかりませんけれども、手形と現金に分けて、その現金をさらに分割して保留金という名目で延ばしている。こういうことが現実に行なわれておって、ただでさえ苦しい中で下請零細企業はますます困難に追い込められてしまっている。そういうことを予想してこういう通達が出されておると思うのですが、実態は改善されるどころか、もっときびしい情勢になっておるのではないか、こう考えるものですから、その辺はどのように把握をされ、どのように対処をされていこうとしておるのか、こういうことを実はお聞きをしておるわけです。
#196
○大塩説明員 いま御指摘にありましたような事例に類似した事例が最近見受けられます。われわれも月に大体百数十件の紛争案件が持ち込まれておりますけれども、その中にいろいろなものがございます。いまお話しになりましたような、いわゆる賃金の問題、あるいは条件に違反している、あるいは遅延している等々も含まれております。高率の割引困難なものを渡してはならないという禁止の規定がございます。これは社会常識できまるわけでございますけれども、手形割引の困難と思われるようなものを支払ってはならないという規定に違反するような事例があることを確認いたしまして、五月十七日のような通牒を出した次第でございます。
#197
○渡辺(武)委員 通達を出したのはけっこうですが、五月に出されて現状は一向にその通達が守られていないんではないだろうか。むしろさらにきびしいような過酷な条件に進行してしまっているのじゃないか、こういうことなんです。したがって、先ほどから基本的なことをお聞きをしていきましたように、そういう行政指導の一環として一つの通達をお出しになっていろいろ監督指導をしていらっしゃる。指導をしていらっしゃるが、しかし現実にはどうかというと、一向にその指導通達は無視をされた形での実態というものがある。そうであるとすれば、幾ら組織を直してみても何にもならぬじゃないか。むしろその辺の実態をどう改善をし、どう指導をしていくかということのほうがより大切ではないか、こう思うものですから、その辺を実はお聞きをしているわけでございます。
#198
○亀岡国務大臣 確かに御指摘のとおり、組織をつくってもその内容が伴わなければ、しないほうがいいということにもなるかと思いますけれども、私としては、組織とともに制度もある程度改善をしていかなければならぬ、こう考えております。と申しますのは、やはりいままで公共事業関係で業界もどんどん仕事がふえていくという情勢であったわけでありまして、一時不況があったにしても、こういうきびしい情勢というものを経験しなかったということもございます。また、建設省としても、こういう事態に立ち至った際に業界がどれほど苦しむかという行政的な経験も乏しかったともいえると思うのでありますが、やはり業界に対する積極的な金融の措置を建設省としてもっと考えるべきじゃなかったか。たとえば一般の保証協会で保証をしてもらう範囲は無担保で五百万、もうそれだけでございまして、あとは何もない。そこで、今度建設省としてはさらにその上に五百万の保証をして、少なくとも緊急の際には一千万の資金が無担保で確保できるという制度をつくっておけば、もっともっと倒産せずに済んだ人があるのじゃないかというような感じもいたすわけでございますし、また建設省として業界を指導する際にも、もっともっと適切な指導ができたのではないかという反省もありまして、そういう金融の制度も来年度からひとつ実行をしていこうということで、組織とともに内容の強化もはかっていっておるわけでございます。ただいま業界において請負関係の間において決済が非常に渋滞をしておるという事情も私十分承知をいたした上で、先ほど申し上げたような答弁をした次第でございます。
#199
○渡辺(武)委員 そういうきびしい情勢の中にあって、中小零細企業そのものも実際は一生懸命になって努力をしておると思いますね。これは私は東京都の中小企業団体中央会というところで調べたわけですけれども、月に大体六十組合くらいの協同組合の設立相談といいますか、そういうような組合を何とかつくりたい、そうしてお互いに団結をしてこの難局に対処したいということで努力をしておられる。ところが、実際にはその組合というものが認可をされる件数というのが非常に少ないし、組合がかりに設立できたといたしましても、なかなか担保能力がございませんから融資が受けられない。一方、銀行のほうはどうかといいますと、建設業界そのものはいわば不良業種ということになっているのですね。結局は中小零細企業は融資が受けられないから町の高利の金融を受けざるを得ない。そうして高利の金融を受けておれば、不良業種としての指定を金融をするときに選別をされてしまうわけです。したがって、たいへんに困って、何とかお互いに協同組合をつくろうではないか、こういう動きが非常に盛んにあることも事実でございます。ところが実際には、協同組合をつくって、たとえば商工組合中央金庫というのがあって、ここで融資を受けようといたしましても、これもまた担保能力の関係でなかなか受けられない。こういう実態でございまして、ほんとうに困窮をしておるというのが実情だろうかと思います。そういう協同組合なんかを設立し、認可をされておるような融資については、いわば担保条件を相当緩和してやる必要があるのではないか。むしろ担保能力がないからこそお互いに寄り集って協同組合を設立して、何とか組合としてそれに対処していこう、こういう努力をしているわけですが、実際には、組合をつくりましても担保能力が云々されてしまうということが間々あるようでございます。組合はつくったけれどもやはり融資は受けられなかった、こういう実例が非常にたくさんあるわけです。したがって、倒産に追い込まれてしまう。こういうことのようでございますが、この辺はどのようにお考えでしょうか。
#200
○大塩説明員 建設省としましても、中小企業等協同組合法によります事業協同組合の結成等につきまして、その協同化をはかり、その事業を推進していきやすいようにしよう、金融力もつけられるようにしようということでその協業化を進めているところでありまして、現在約二千の結成数になっております。これだけではなくて、やはりそういう協同化をいたしますとその基盤が強くなりますから、金融の道がつきやすくなるということもありまして、こういう協業化が必要だと考えているわけでございますが、さらに、いま大臣もお話しいたしましたような別途の金融措置というものが当面の問題としては必要ではないかというふうに考えます。下請保護のために、元請の賃金不払いあるいは遅延というような現象も下請保護のために別途の面から検討し、緊急対策を講ずる必要があるのではないか。
 それから、制度としては来年度基金というようなものをつくって、いま申しましたような弱小の企業に対する無担保の融資の道を開くようにする、当面の問題としましては下請保護のために何らかの金融の対策を必要とするのではないかというふうに考えまして、現在鋭意その検討を進めております。
#201
○渡辺(武)委員 少し前に建設省そのものが建設業界に対して資金手当てをなさいました。これは私も知っているわけです。しかし、実際にはそういう特別措置で資金量は増大をしましても、これが弱小企業までなかなか流れていかないのです。大体、大手、中ぐらいのところでとまってしまって、弱小のほうはあまりたいした援護策にはなっていない。むしろ協同組合をつくってないさらに小さな組合なんというのは全然貸してももらえぬ。その資金ワクの外にもたくさんの業者がおるわけです。実際にはそういう恩恵に浴する人々の仕事の大半というのはそういう弱小業者がやっておるというのが実態ですから、この辺をひとつ十分に考慮をしていただいて、貸し付けワクの増大だとか、あるいは貸し付け条件の緩和あるいは弾力的な運用というものを十分に考えていただかなければほんとうに重大な問題になってくるのではないだろうか、それらが結局は国民の上にすべてがはね返ってきてしまっておるというのがいまの実情だろうと思います。そういうことを十分にひとつ御認識をいただきまして、新しい局の設置、これも大いにけっこうだと私も思います。しかし、実際組織をつくっても従来の惰性の延長であってはならないということを十分にひとつ御認識をいただきまして、強力な建設行政をお進めいただきますように要望いたしまして、質問を終わりたいと思います。
#202
○木村委員長 次回は、十月二十四日木曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開くこととし、本日は、これにて散会いたします。
   午後二時十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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