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1949/04/19 第7回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第007回国会 厚生委員会 第29号
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1949/04/19 第7回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第007回国会 厚生委員会 第29号

#1
第007回国会 厚生委員会 第29号
昭和二十五年四月十九日(水曜日)
    午後二時四分開議
 出席委員
   委員長代理理事 松永 佛骨君
   理事 青柳 一郎君 理事 大石 武一君
   理事 中川 俊思君 理事 岡  良一君
   理事 苅田アサノ君 理事 金子與重郎君
      今泉 貞雄君    幡谷仙次郎君
      丸山 直友君    山崎 岩男君
      亘  四郎君
 出席政府委員
        厚生政務次官  矢野 酉雄君
        厚生事務官
        (社会局長)  木村忠二郎君
        厚生事務官
        (社会局保護課
        長)      小山進次郎君
        厚生事務官
        (保險局長)  安田  巖君
        厚 生 技 官
        (医務局長)  東 龍太郎君
 委員外の出席者
        厚生事務官
        (医務局医務課
        長)      河野 鎭雄君
        專  門  員 川井 章知君
        專  門  員 引地亮太郎君
    ―――――――――――――
四月十九日
 医療法の一部を改正する法律案(内閣提出第一
 四八号)(参議院送付)
 健康保險法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出第一五三号)(参議院送付)
の審査を本委員会に付託された。
同月十八日
 国立富山病院拡充に関する陳情書(富山県議会
 議長高原耕造)(第七七〇号)
 医師の調剤権確保に関する陳情書(長野市妻科
 町信濃衛生会館内長野県医師会長松岡文七郎)
 (第七七一号)
 同和対策確立に関する陳情書(鳥取県議会議長
 中田吉雄外三十一名)(第七七二号)
 外地引揚歯科医師の免許に関する陳情書外十二
 件(東京都澁谷区栄通り一丁目五番地道玄坂百
 貨街三十六号海外引揚歯科医師厚生委員会代表中富誠外二百
 六十一名)(第七七四号)
 遺族の援護強化に関する陳情書外一件(岡山県
 勝田郡湯郷町大字位田八百九十八番地濱田源二
 外一名)(第七七五号)
を本委員会に送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 生活保護法案(内閣提出第一一六号)
 医療法の一部を改正する法律案(内閣提出第一
 四八号)(参議院送付)
 健康保險法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出第一五三号)(参議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○松永委員長代理 都合により委員長が不在でございますので、私が委員長の職務を行います。
 これより会議を開きます。
 生活保護法案を議題といたします。御質疑はありませんか。――なければこの際お諮りいたします。本法案に関する質疑はすでに終了いたしておると存じますので、この際質疑を打切りたいと存じますが、さよう決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○松永委員長代理 御異議なしと認め、本案についての質疑を打切ろことといたします。よつて本法案の質疑は打切りました。
 なお青柳委員より修正案の提出がございますので、これが趣旨の御説明を求めます。
#4
○青柳委員 本法案につきまして修正案を提出いたします。この案はこの委員会の大多数の方々にお諮りした結果の修正案であります。まず一応朗読をいたします。
  生活保護法案の一部を次のように修正する。
  第五十一條第二項の次に次の一項を加える。
 3 厚生大臣又は都道府県知事は、前項の規定により指定を取り消す場合には、当該医療機関の開設者又は本人に対して弁明の機会を與えなければならない。この場合においては、あらかじめ、書面をもつて、弁明をなすべき日時、場所及び当該処分をなすべき理由を通知しなければならない。
 この改正点は、第五十一條に厚生大臣並びに府県知事が医療機関を指定する規定がありまして、それを取消す場合に、一方的に取消さないように、医療機関に弁明の機会を與えんとするものでございます。
 次に
  第五十三條第二項の次に次の一項を加える。
 3 都道府県知事は、第一項の規定により指定医療機関の請求することのできる診療報酬の額を決定するに当つては、社会保險診療報酬支拂基金法(昭和二十三年法律第二十九号)に定める審査委員会又は医療に関する審査機関で厚生省令で定めるものの意見を聽かなければならない。
 この第五十三條の原案におきましては、医療費の審査につきまして、知事が一方的に審査ができるように相なつておつたのでございまするが、その点を改めまして、そういう場合には各種の審査機関の意見を聞くということに改めたものでございます。
 次の改正点は、
  第七十二條第一項中「その区域内に所在する保護施設又は指定医療機関に対し」を「その区域内に所在する保護施設、指定医療機関その他これらに準ずる施設で厚生大臣の指定するものに対し」に改める。
 この理由はその区域内にありまする保護施設並びに指定医療機関に対してのみ繰かえ支弁の道が講ぜられろというのが原案であつたのでございまするが、その他におきまして、各種の、たとえば身体障害者の施設などにつきましても、繰かえ支弁の道を講じようとするものでございます。
 次は
  第八十四條に次の一項を加える。
 2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前項の違反行為をしたときは、行為者を罰する外、その法人又は人に対しても前項の刑を科する。但し、法人の役員(理事、取締役その他これに準ずべき者をいう。)又は人(人が無能力者であるときは、その法定代理人とする。)がその法人又は人の代理人又は使用人その他の従業者の当該違反行為を防止するため相当の注意を怠らなかつたことの証明があつたときは、その法人又は人についてはこの限りでない。
 この修正点の理由は、原案はその行為者のみ罰するごとに相なつておつたのでございますが、いわゆる両罰主義をとりまして、その行為者を使つている入たちにつきましても罰しようとするものであります。
 次の改正点は
  附則第一項中「四月一日」を「五月一日」に改める。
 四月一日は過ぎてしまいましたので、当然五月一日から本法の施行を行わんとするものであります。
 次の改正点は、
  附則第七項の次に第八項として次の一項を加え、附則第八項及び第九項を、それぞれ第九項及び第十項とする。
 8 社会保險診療報酬支拂基金法の一部を次のように改正する。
  第十三條第二項を次のように改める。
 3 基金は、前二項の業務を行う場合には、定款の定めるところにより各保險者(前項の場合においては都道府県知事)とそれぞれ契約を締結するものとする。
  第十三條第一項の次に次の一項を加える。
 2 基金は、前項に定める業務の外、生活保護法(昭和二十五年法律第   号)第五十三條第三項の規定により指定医療機関の請求することのできる診療報酬の額の決定について意見を求められたときは、意見を述べることができる。
  第十四條第一項中「前條第一項第三号」の下に「及び第二項」を加える。
  第十四條の三第二項の次に次の一項を加える。
 3 前二項において診療担当者とあるのは、第十三條第二項の規定において指定医療機関の提出する診療報酬請求書に関する場合においては、当該指定医療機関とする。第十九條中「各保險者」の下に「(第十三條第二項の場合においては都道府県知事)」を加える。
 ただいま読み上げました点は、先ほど申し上げましたように、五十三條の改正によりまして、支拂基金法に定める審査委員会の審査を、支拂委員会の意見を聞くことに相なつたのに関連いたしまして、支拂基金法などを改正する必要が起つた事務上の必要に基く修正であります。
 以上であります。
#5
○松永委員長代理 これより修正案及び原案について、一括討論に入ります。通告順によりまして、青柳一郎君。
#6
○青柳委員 私は修正案を含むこの原案に対しまして、自由党を代表して賛成の意見を述べようとするものでございます。
 従前ありました生活保護制度は、日本の国にとりましては相当りつぱなよい制度であり、しかも戰後の複雑な社会の中にあつて、非常に大きい効果を現わした制度であるのでありますが、ただ従前から保護が一種の恩惠的、慈惠的な色彩があつたのであります。しかろに今回の新しい法案におきましては、憲法二十五條の理念にこたえまして、生活に困つている人々の保護を、その人々の権利として與えるという画期的なものであります。社会保障制度の必要が叫ばれている今日、国民が権利としてかかる保護を要求できてこそ、ほんとうの社会保障であり、生活保障の制度が打ち立てられるわけであります。国民はどんなことがあつても食つてだけは行ける、しかも食うことを権利として要求できるという新しい法律がここに樹立せられんとしておるのでございまて、われわれといたしましては、かかる画期的な生活保護法がこの際打ち立てられるということについて、満腔の賛意を表するものでございます。新しい法律を実施せられるについても、いろいろな問題が起るでありましよう。法律の規定に関係はございませんが、たとえば、いかなる基準の保護を與うべきかという問題につきましても、われわれは委員会において、現在の基準には満足できないという意思を表示したのであります。いわゆる合理的な引上げを行い、しかも基準の決定に際しては、しかるべき機関において、権威のある決定をしていただきたい。現在厚生省には社会事業審議会がございます。これらの力を借りて、基準に関して合理的な解決を時々行つて行つていただきたい。また社会保障制度審議会が開かれておりましてこの審議会において国民の最低生活をいかなる線に引くべきかということを研究せられていると聞くのでありまして、この研究のすみやかに実現せられんことを希望しているのでございます。法律はできても、この内容に盛込まれる基準が相当合理的な、しかもりつぱなものでなければならないと存ずるのでございまして、かかる意味において社会事業審議会、あるいは社会保障制選管議会のすみやかなる結論の出ることを望みたいのであります。また民生委員の問題について考えてみても、今まで日本の生活保護制度が惰民の養成に堕さずして現在まで至つておりますのは、ひとえに民生委員の方々の努力によるものであるということが痛切に感ぜられまして、これらの方々の今までの功績について、非常に大きいものがあり、感謝にたえないのでございます。今回この民生委員の制度が新しく協力機関として出発することに相なりました。私はこの際政府御当局におかれては、従前にも増して民生委員の積極的な協力を求められるように、十分の御努力、ごくふうを願いたいと思いますとともに、民生委員の人々におかれましても、現在の客観的情勢をよく考えられまして、御自分たちに與えられた責任を欠くるところなく、ますます発揮せられんこと望むものであります。またたとえば医療扶助の問題におきまして、医療の報酬並びに診療の方針に関しましても、いろいろ議を練つたのであります。現在の国民健康保險は、健康保險に比べて非常に経営困難であるがために、診療の方針において、医療の報酬において、健康保險に劣る点が多々あるのでございます。しかしながら、われわれは各種の点から検討いたしまして、この点に関しまして原案に賛成するものでございますが、この際国民健康保險のますます充実、発展せられように、政府御当局におきましても十分な御処置を願いたいのであります。
 また負担の問題につきましても、市町村が最近の新しい地方税法に関連いたしまして、財力がふえるというので、一応この一年間は今まで通りの負担でもつてやつてみようというお考えでありますが、実際に出発した際に、なおやはり市町村の負担の過重を唱えられます際には、御当局におきましても、勇敢に市町村の負担の軽減になお努力いたされたいのであります。いろいろ考えますればいろいろな問題がございます。しかしながら冒頭申し上げましたように、どんなことがあつても、日本の国民は食つて生きてだけは行けるという線が、この際国民の権利として打ち立てられるということは、非常に御同慶にたえないのであります。現内閣の手によりまして、社会保障の一本の足たる公的扶助がここに確立を見ることに相なりました。社会保障確立のために一歩を進め得ることに相なりましたことを、またわれわれといたしましても、まことに御同慶にたえないのでございます。
 以上申し上げまして、自由党を代表いたしまして本法案に賛成するものであります。
#7
○松永委員長代理 岡良一君。
#8
○岡(良)委員 私も日本社会党の立場から、本改正案に修正案をも含めまして、賛意を表します。
 私どもが賛意を表するゆえんは、ただいま青柳委員からも申されましたことく、これまでは生活保護法と言えば、いわば救貧制度であつた、お助けの制度であつたものが、このたびの改正を通じまして、憲法の第二十五條に明確にうたわれておるその理念を制度上にはつきりと打ち出して、国民の最低生活が正当な国民の権利としてその保障が要求されるということは、また同時に政府もその責任においてその保障に当らねばならないということをも意味するという建前におきまして本改正は、とりもなおさず日本の生活秩序が民主主義的な一大前進を遂げるということについては、何人も異議なかろうと思います。こういう観点から、私どもは本改正法案につきまして賛成をいたすものでありますが、しかしなおいわば羊頭を掲げて狗肉を売るということわざもありますので、党の立場から、数点にわたつて強く希望を申し上げたいと思います。
 第一点は、これまた青柳委員からも御指摘になりましたように、生活扶助額の実情に即した引上げを断行していただきたい点であります。昨年の統計によりますと、東京都においては、大体一般家庭五人世帶で、その月の支出が一万四千五百円ということに相なつておりますが、その中で飲食物費の占めるものは、約九千円ばかりであります。ところが生活保護法が適用されておる五人世帶の家庭におきましては、その最低生活費の基準額はわずかに五千二百余円でありまして、その中において、飲食物費の占める割合が四千三百円であります。要するに一箇月の総生計費の基準として與えられておるものが、同様の規模の一般家庭の三分の一に近いような、きわめて零細なものであります。なおかつ飲食物費と総支出との割合は、いわゆるエンゲル係数は、一般家庭にあつては六二でありますが、被保護者の場合におきましては八二ということに相なつております。こういうようなことでは、少くとも健康で文化的なという名に値しない。いわば犬小屋につながれた犬のような、動物的な生活をしておると申しても過言ではないのでありまして、これではせつかく法を改正いたしましても、その実施面におきましては、とうていわれわれは満足をいたすことができかねるのでありますから、実態に即した生活扶助額の引上げを、この際強くお願いいたします。
 第二点は、教育扶助費の引上げであります。教育扶助費は現在のところ、小学校においては、各学年を通じての平均でありますが、月額九十円、また新制中学においては、月額、各学年を通じて百九十円ということに相なつておりますが、東京都内の父兄の声に聞きますと、交通費、娯樂費を含めまして、子供を一人小学校や中学に通わせますと、千円内外の支出がどうしても必要であるということを訴えておりますので、かかる実情からしましても、われわれといたしましては、この教育扶助費をもつてしては、十分に子女の教育には値しないものと考えざるを得ないのであります。なおかつこの保護法の被適用家庭には母子家庭が非常に多うございますが、現在全国七十万の戰災未亡人、またそれを中心とする百四十万あるいは百六十万と称せられる母子家庭におきましては、子供の成長こそがただ一つの望みでありまして、そういう観点からも、この教育費というものは、もう少し実際に即して安心をして子供たちが学校へ行けるようにしてやつてほしいと思います。それからそれとあわせまして育英資金の充実を、国としてももつとはかるべきであろうと考えております。本年度の予算を見ますと、育英資金は十五億三千七百万円で、新規に育英資金の交付を受ける者が、大体四万三千人ということになつておりますが、しかし育英資金の交付を要求する者は、二十四万人と推定されております。かようにいたしまして、貧しい家庭にあるために、あたら英才でありながら、上の学校へ行けないというようなことになつておりますことは、私どもとしてもきわめて遺憾でありますから、教育扶助費の引上げと同時に、育英資金そのものをもう少し拡充いたされまして、英才はたとい家庭が貧しくとも、自由に進学の道を講じてやるという政策が、当然行わるべきものと考えております。
 その次はこの予算の面であります。県費の負担がやはり依然として従前通りということにすえ置かれておりますが、この問題は昨年の民生委員全国大会におきましても、軽減ないし撤廃の要求が強く起つておつたことは、政府も御存じの通りであります。いわんやこのたび法を改正いたしまして、国民の最低生活は、政府の責任においてこれを保障しようというような、きわめて勇断なる態度を明らかに示す以上は、その教育費や、生活費や、医療費等は、全額国庫が負担すべきが当然だと存ずるのであります。そういう理論的な立場は別といたしましても、実際問題といたしまして、これはある地方の中都市の例でありますが、福祉主事に似たようなものを置き、生活相談所のようなものを置き、本法の運用に対して相当力こぶを入れた結果が、保護法の適用を要求するものが二倍、三倍にふえておるという実情を、私どもは見聞しておるのでありますが、本法の改正を通じて適用を希望する者が急激に増加するものではなかろうかと考える。しかもその認否につきましては、いよいよ市町村長等の権限も大きくなつているように思いますが、地方財政の窮乏の折柄、財政的顧慮によつて、通用を受けるべきものが適用漏れになるという事態が起りますならば、これまた、せつかく美しい精神を法案の中に織り込みながら遺憾なことになるのでありまして、こういう点からも、われわれはすみやかに、実際の扶助費は全額国庫負担とすべきであるということを、強くお願いをいたしたいのであります。
 そのほか第四点といたしましては、いわゆるボーダー・ラインの人々に対する生活保障の問題であります。本法の第二條には無差別平等ということがうたわれておりますが、この精神をさらに拡大いたしまして、要するに今一たび事故が起るならば、生活保護法の適用を受けねばならない、こういつた人たちが、推定によれば二百万人を越えんとし、その世帶もまた八十万人になんなんとしておると伝えられるのでありますが、こういう人たちに対する適切な生活保障の道が、当然講ぜられるべきであろうと考えるのであります。ことに最近には賃金の遅欠配は慢性化し、かつまた深刻化いたしておるのでありますが、しかもこうした生活保障のための資金は、これまでは公益質屋をもつて、いささか間に合せて充当されておるようでありますけれども、公益質屋の実績も、最近は当初に比べれば非常に少くなつている。その理由を尋ねてみると、公益質屋が運転資金に枯渇をいたしまして、結局店を閉鎖しておるようであります。一方先般来のこの委員会においても論議されましたように、労働者が零細な資金を賃金の中から積立てまして、すでに昨年の会計年度末においては、百八十億を上まわるような厚生年金の積立て金を積立てておるのでありますが、こういうような積立金は、当然やはり働く大衆の福祉と利益の用に還元されるような措置を、積極的に考えられるべきであろうと思うのであります。こういう意味から、単に公益質屋というような物件單位のみではなく、対人信用も含めまして、ボーダー・ラインの人々のみならず、賃金の遅欠配による労働階級の人も対象といたしまして、広汎な生活のための資金を供給するごとき金庫も設定されまして、いま一歩誤るならば、生活保護法の適用対象に転落せんとする人々に対する救済の適切な方途を講ぜられたいと考えるのであります。
 なおそのほか失業対策の問題でありますが、現在統計を見ますと、生活保護法の適用を受けておる登録失業者は一・八%というきわめて零細な数字になつておるのであります。しかし私どもの信ずるところでは、実際働く意思を持ち、働く手足を持ち、また養わなければならぬ家族を擁しながら、しかも働き場所がない。これが生活窮乏の根本の原因だろうと思います。従いましておそらく完全雇用というふうなことが実現されるならば、生活保護法というものは、きわめて限局された社会的機能しか営めないことは、これは当然常識からも納得できることでありますから、こういう点から考えましても、失業対策の強化充実という点につきましても、政府はこの機会に十分なる施策を講ぜられたいのであります。現在今年度の失業対策を見ますと、労働省の発表によれば、輸出産業を振興いたしまして、約八十万人を吸収する。あるいは見返り資金を大幅に放出いたしまして、公共事業や、基幹産業に投資しながら、これによつて三十万、四十万を吸収する。公共事業によつて五十万を吸収するというふうにうたわれております。しかしながら最近の新聞を見ますと、アメリカの対日援助の国務省の線では、一億ドル前後というふうにも伝えられておりますので、一億ドルと考えても、年間の貿易総額を加えて七億五千万ドルということでは、日本の本年度における産業規模が、きわめて縮小されるのではなかろうか。してみれば、現在労働省が考えておるような失業対策というものは、実際においてとうてい困難であるというふうにも推定されるのでありますので、われわれといたしましては、この際くどくどしく申し上げませんけれども、失業対策については、あくまでもデフレの現在の政策を、デイス・インフレの線に切りかえまして、有効需要の増成をはかり、雇用量の増大という点につきましては、万全の施策を講ずべきであろうと私どもは信じております。こういうふうな現在のような推算で、樂観的な失業対策をもつてしては、この生活保護法というものがこのように改正されることは、ほんとうにますます底なしの泥沼に入り込まなければならないような形になるのではなかろうかと想像されるのであります。
 それから次に人口の問題でありますが、現在日本の人口は、昨年は自然増がすでに百八十万人になんなんとしておる。貧乏人の子だくさんということがありますが、しかしたとえば社会保障制度が非常に発逹しているニュージーランドにおきましては、人口密度は一平方キロメートルにつき、わずかに六人である。あるいは第二次世界大戰中、常々として福祉国家の実をあげたるスエーデンにおきましては、人口密度は十五人である。ところが日本では、すでに二百二十人を突破している。こういうように人口が盲目的に膨脹いたしますということは、全般的に国民の生活水準そのものに対して大きな重圧であるばかりでなく、かつまた困窮者をますます拡大再生産する根本の大きな原因であろうと、私どもは考えておるのであります。そういう意味合いから申しまして、政府当局といたしましては――人口問題については、ウレン・トムソン博士は日本のあらゆる諸條件から見て、人口収容能力は五千万人と言つております。あるいはまた最近百七十七万人の自然増加に対しては、世界の新聞紙が適当なる人口制限の必要を、その論説をもつて主張いたしておるようであります。かかる国際的な輿論にもかんがみまして、われわれは人口制限という点につきまして、これまた具体的な方策につきましては後ほど申し述べる機会もあるかと思いますが、やはり積極的な対策を講ずる必要があろうと思います。
 あるいはまたわれわれは、社会保障制度の実現という観点からも、本法案の運営について強く政府に希望いたしたいのであります。と申しますことは、社会保障制度の実現は、現在は国民の広汎な輿論になつております。しかしながらこの社会保障制度というものが実現されればされるほど生活保護法の対象はますます嚴に、かつまたその機能もきわめて限局されて来るものであろうど私どもは考えております。たとえば現在社会保障制度が最も発達いたしておるイギリスにおける保障制度の年間総予算は七億五千万ポンドでありますが、身体障害者を含めての法的扶助の予算は、わずかに四千万ポンドにすぎないのであります。従いましてあるいに全国民を対象として、貧富の別なく合理的な医療が與えられるというふうな、全国民を対象とする医療保険の制度が樹立され、あるいは現在のような官公吏が恩給年金で、民間労働者が厚生年金ということ以外に、農民やあるいはその他の受益番も含めて老後の最低生活を保障するような国民年金あるいは寡婦年金、兒童手当等が実施されるという形になれば、当然生活保護法の分野はまことに限局される。従いまして社会保障制度が前進するということは、生活保護法の機能がますます限局されて来るということに相なると思うのであります。従いましてわれわれの希望するところでは、生活保護法がこのように改正されたことにつきましては、われわれは満腔の敬意を表するものではありますが、それと同時に、この精神がさらに一段と具体的な制度として発展をし、社会保障制度そのものにまで展開をされるという過程において、生活保護法そのものがむしろ社会的機能を圧縮し、また同時その対象もいよいよ少くなつて来る。こういうふうな形に進むべきであります。従いましてこういうような考え方から申しますと、生活保護法を改正したから社会保障制度の実現は、しばらく見送るというふうなことになろうならば、われわれとしてはどうしても納得できないのでありまして、こういう点につきましても、今日澎湃たろ国民の輿論となつておる社会保障制度実現という方向に向つて、この法案が有機的に、よき契機として発展せんことを哀心より希望し、また強調いたしまして、私の賛成の討論にかえる次第であります。
#9
○松永委員長代理 苅田アサノ君。
#10
○苅田委員 生活保護法の改正に対しまして、修正点は問題でございませんけれども、改正原案につきましては、日本共産党は反対であります。
 反対の理由は、従来の生活保護法の改正に対して、生活保護法を改正してもらいたいという要望は、一般にきわめて強いのでありますが、その要求の中心は何かと申しますと、一つは個個の基準が低いということで、そのために基準内では生活がやつて行けない。基準が低いために、少しだけ援助すれば生活ができ、立ち上つて行ける人たちに、何らその保護法の援助が與えられないで、生活全体を破滅させておるような状態に対する改正の要求であります。それから次の大きな点は、生活保護法に対して国家の予算、特に府県とか市町村の予算が出ないところから、この少額の補助自体でも現在制限をして、出すべき費用が出ておらないとか、あるいは当然費用をかけられなければならない人が適用されておらないとかいうような点に対しまして、一般からの強い改正の要望があろわけなのであります。ですから今度の改正で第一にしなければならないことは、ほんとに生活ができるところまで基準を引上げ、そして予算措置をはかつて、市町村の実態に即した負担の割合を出すということでなければならないのにもかかわりませず、この改正ではその点がほとんど無視されておるのであります。電気料金や、ガス、水道、あるいはみそ、しようゆう等の値上りに備えまして、基準額は五人世帶において、一箇月わずか百四十円の引上げが予定されておるだけでありまして、相かわらず成年子女の必要カロリーが一千六百カロリーであつたり、また東京都内の五人家族の住む六疊間の家賃が、七十円そこそこというような、まつたく現実とかけ離れたものさしではかつて、生活費が出ておるのであります。保護費の総額も二割上つておるというのでありますが、これは当局の説明にもあつた通り、昨年五月ころからの自然増加の傾向をそのまま敷衍して出した数字でありまして、保護の基準が低いからどうにもならないという一般の輿論に対して、また当然救われる人が救われていないという欠陥も、少しも是正されていないのであります。特に昨年度におきまして著しかつた労働者の首切りとか、あるいは中小業者の倒産に対して、その人たちの生命を守るという積極的な意図すら、何ら本案の予算には出ておらないことは明らかなのであります。本法案が画期的な改正で、国民がひとしく憲法第二十五條に基き、健康な文化的な生活をし得るというのならば、まずこの点が考えられなければならないのであります。これがまつたく羊頭狗肉を掲げておる状態であります。この点は先ごろ開かれました公聽会におきましても、被保護者も、あるいは保護施設の代表も、あるいはまた一般の研究者も一致してこの点の欠陷を指摘しておるのであります。われわれはそういうような單に改正の名目だけをうたつて、実質の伴わないような欺瞞酌な法律に対しましては、絶対に賛成することはできないのであります。
 そのほか生活困窮者の立場から、現在の民生委員制度に対する非難はしばしばあつたのでありますが、これは民生委員を眞に民主的に公選する道を開くということと、それから眞に公正な報酬を民生委員に対して拂うということでもつて、民生委員の地位を擁護することがなければ、とうてい改められないのであつて、今回のように実質上に民生委員の活動を制限して、少数の特定の官吏にその権限をゆだねるということは、上からの命令一本で働く官僚の事務的な取扱いにこの重大なる仕事をまかせては、実情に即した生活困窮者の救済ということは、ますます不可能になるばかりでありまして、この点からもわれわれはこの改正には賛成することができないのであります。この点は大日本民生委員連盟も、あるいは直接の被保護者も、ひとしく反対しておるということは、先般の公聽会でも明らかに見られた通りであります。また現在全町の国立病院、あるいは療養所の患者のその半数以上は、この生活保護法を適用されておるのでありますが、療養生活、医療保護とか、あるいは生活保護の面に何らの改善も行われないばかりか、この機会に施設の長の権限を増して、施設内の民主的な運動を抑圧するおそれもあり、こういう点から見ても、このたびの改正は決して民主的の線に沿つておるとは言い得ないと確信をするものであります。
 大体この法律案は、現在政府の行つている賃金をくぎづけし、重税を課し、中小企業は破綻しても大資本の利益にのみ奉仕している。そういう現在の政策の結果、また一般の社会保障は、健康保險にしても、国民健康保險にいたしましても、労災保險にいたしましても、失業保險にいたしましても、ことごとくこれが十分な運営ができておらない。こういう実情を前にいたしまして、さすがにこれから目をそむけることができず、生活保護法によつてすべての国民が救われるのだというような、こういう掛声ばかりの法案を見せかけ的につくりまして、これによつてあたかも生活困窮者はもちろん、政府の失態自体が全部救わるるごとき幻想を国民に與える、徹底的な欺瞞的改正でありまして、国民を非常に愚弄するものである。こういう見解から日本共産党はこのたびの改正法案に対して全面的な反対をいたすものであります。
#11
○松永委員長代理 以上で討論は終局いたしました。
 引続いて生活保護法案の採決をいたします。生活保護法案修正案に賛成の諸君の御起立を願います。
    〔総員起立〕
#12
○松永委員長代理 起立総員。よつて本修正案は可決いたしました。次に修正部分を除いた残りの部分については、原案の通り可決するに賛成の諸君の御起立を願います。
    〔賛成者起立〕
#13
○松永委員長代理 起立多数。よつて本部分は原案の通り可決いたしました。
#14
○岡(良)委員 動議を提出いたします。衆議院規則第百三十六條に基き、本法案についての本会議における討論者を指名するよう決定されんことを望みます。
#15
○松永委員長代理 ただいま岡委員より、本法案についての本会議における討論者の指名の動議が提出されましたが、規則の第百三十六條により討論者を指名するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#16
○松永委員長代理 御異議なければさよう決定いたします。暫時懇談に入ります。ちよつと速記をとめてください
    〔速記中止〕
#17
○松永委員長代理 それでは速記を始めてください
 それではお諮りいたします。ただいま御協議願いました通り、本会議における討論者を委員長において指名するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#18
○松永委員長代理 御異議なしと認め、大石武一君、岡良一君、苅田アサノ君を生活保護法についての本会議における討論者に指名いたします。
    ―――――――――――――
#19
○松永委員長代理 次に医療法の一部を改正する法律案を議題といたします。御質疑はありませんか。――御質議がなければお諮りいたします。本法案についての質疑はすでに終了いたしておると存じますので、この際質疑を打切りたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#20
○松永委員長代理 御異議なしと認め、さよう決定いたします。引続き討論に入ります。討論者は通告順に発言をしていただきます。大石武一君。
#21
○大石(武)委員 私は自由党を代表いたじまして、医療法の一部を改正する法律案に対しまして、賛意を表するものであります。昔よりわが国においては医は仁術と申しまして、これがわが国医療の基本方針となつておると思うのであります。とりもなおさず仁術ということは、医療の公共性を意味しておると思うのであります。この公共性ということは、近来ますます強調されて参つたのでありますが、その目的を達成するためにも、去る第二国会においては医療法、医師法等が改正せられまして、医師の公共性、医療の公共性ということが非常に強調されて参り、またその実際の状態も、これに即応するようになつて参つたのであります。しかるに一方においては、医師が医療の公共性を実施するためには、医療を行う者自体に対しても、この公共性に即応し得るような実情を與えてやらなければならぬのであります。そのために今回の改正の法律案が提出されたものと考えられるのであります。新しい医療法、医師法によりまして病院の規格、診療所というものがはつきりとここに規定せられて参りまして、私人による病院の経営というものは、ある程度の各人の努力及びその努力を裏付けるいろいろな方途というものが、必要になつて参つたのであります。ことにこのたびの医療法改正案の中にあります医療法人のような制度は、私人による病院の維持経営のためには、最も必要なことでありまして、これがあることによつて、私人が十分に医療の手腕を発揮することができ、医療の公共性を発揮して国民の生活改善に非常に貢献することになると信じられるのであります。従つてこの意味におきまして、われわれは本法案の成立に心より賛意を表するものであります。ただいろいろな客観的事情あるいは経済的な事情によりまして、この法案の中に盛り込め得なかつたと思われる種々の欠陥をわれわれは見出すのであります。これをわれわれは希望いたしまして、ぜひともこのわれわれの希望條件を、できるだけ早く実現されるように切望する次第であります。
 その要望事項を簡單に申し上げますと、まずこの医療法人の設立及び解散時の課税に対しましては、特に免税あるいは軽減の道を講じていただきたいことであります。たとえて言いますれば、医療法人の寄付、または出資の場合の贈與税等に免除するか、あるいはこれを軽減するような方途をすみやかに考えていただきたいと思うのであります。また法人税、所得税等に関しましても、これをでき得る限り免除あるいは軽減する方向に進めていただきたい。また地方税もできるだけこれを軽減してもらいたい。少くとも社会保險の收入に対しては、ぜひともこれらの免除あるいは軽減の道を、特に考慮を煩わしていただきたいと思うのであります。
 次に金融の問題があります。この法律案の中には、金融のことが何も記載していないのでありますが、現在のような経済的な社会情勢においては、どうしても法人の設立その他の場合において金融の道を講じてやらなければ、この法案の完全なる実施ということは望み得ないことであります。従つてぜひともこの問題に関しても、金融の方途を十分に講じていただきたいということを切望する次第であります。さらに小さな問題でありますが、この運営につきましても、たとえば医療法人の理事長は、なるべくならば原則として医師を理事長に推していただきたい。あるいは法人の理事の半数は医師をもつて充てるようにしてもらいたいということを切望する次第であります。
 以上のような希望條件を付しまして、本案に賛成する次第であります。
#22
○松永委員長代理 苅田アサノ君。
#23
○苅田委員 日本共産党は、この医療法の一部改正に対しましては反対でございます。反対の理由は、同改正法の審議中質疑の中に十分に申し述べてあるのでありますが、簡單にここで申し上げますならば、現在わが国の開業医の生活は、重税やあるいは国民健康保險等の破綻のために、ほとんど生活破綻の一歩手前まで來ておるのであります。国民の重大問題である医療制度を整備するためには、まずこの根本の原因が解決されなければならないのでありますが、今回の改正には、この点につきましては適当なる措置がさらに行われていない。さらに前々年度整備されました医療法自体が、日本の現状に適合しない模倣的なものであり、これが実行できないための彌縫策として、今後の改正が行われたのでありますけれども、これによりましてかえつて一般の開業医が、その窮状の打開策として、自然発生的に医者の団結によつて協同組合等の運動が通じつつあるのに対しまして、このような改正法案を持ち込んで、そしてかえつてそうした医者の自然発生的な気運を助長するのにまかすかわりに、この法律によつて定の型にはめたり、統制しやすくしたり、さまざまの義務を負わせたり、監督したり、罰則を加えるというような方向に曲げて行くものであつて、これがどこまで進むかということにつきまして、私どもは大きな危惧を持つておるのであります。現在のいびつな統制のわくに医療を押しはめるよりも、完全なる社会保障制度の行われる時代になるまで、かえつて民主的な医者の自発的な運動にまかせることこそが、現在とるべきものであると考えられる。かような見解から私どもは医療法の今回の改正につきましては、反対をするものであります。
#24
○松永委員長代理 討論は終局いたしました。
 これより医療法の一部を改正する法律案の採決をいたします。本案を原案の通り可決するに賛成の諸君の御起立を願います。
    〔賛成者起立〕
#25
○松永委員長代理 起立多数。よつて本案は原案の通り可決されました。
    ―――――――――――――
#26
○松永委員長代理 次に健康保險法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑の通告がありますので、これを許可いたします。苅田アサノ君。
#27
○苅田委員 改正案の第三條の第二項のことについて質問いたしたいのであります。つまり滞納金に対しまして、その一部の内金が入つた場合に、従前でありましたならば、大体これに対しては追徴金をかけないということが、法律の面はともかく、実際はそういうことが行われておつたのでありますが、今回の改正によりますれば、内金以外の滞納金に対しまして厳重な滞納料がつくということが、法律の上に明らかにうたわれておるわけなのであります。この改正に対しまして、どういうわけでこういうことをはつきりと書き込まれたかということについて、御説明を承りたいと思います。
#28
○安田政府委員 お答えいたします。徴収金額が全部一ぺんに納められなくて、部分的に納めました場合に、従来でも、その日以後納められた部分につきましては、延滯利子をつけないで、納められてないものだけにつきまして、延滯利子をつけるような取扱いをやつて來たわけであります。私どもは、條文がそういうふうに読めるものとして、そのような取扱いをいたしておつたのでありますけれども、労働省にも同じような問題がございまして、この際そういうことをはつきり書いておいた方がいいというので、実質的には少しもかわりはございません。従来も拂つた分につきましては、延滞利子をとらない。今度もそれを明文に書きまして、拂つた分だけを除いたあとの分についてかけるというのでありますから、実態は同じであります。決して悪くはなつておりません。
#29
○苅田委員 それは実際の下からの声としては、今までは当然そうあるはずでありましようけれども、実際の措置としては、一部の内金を納めておれば――納められない実情というものがいろいろあるわけで、それに対してはこういつた容赦がされておつたわけですけれども、これができれば、どうしてもそういうことは行えなくて、実際全部かかつて来る。必ず嚴密に、そういう拂わない部分に対しても、延滯料を取立てる。実際に行われるということをお書きになつたと思うのですが、そうなのでしようか。
#30
○安田政府委員 今おつしやることも、わかつたような、わからないような気がするのでありますけれども、前とかわりないのであります。実際の取扱いも、ただ従來の取扱いでは拂つた部についてはかけない。こういうのを法文の上に書いた。そうしないと、全部についてかけられるおそれがある。こういうものでありますから、それは不合理な話であるから、拂つた分についてはかけない。こういうことであります。その他の取扱いにつきましては、実際上の問題としまして、いろんな場合があると思います。
#31
○苅田委員 これは意見の相違になりますから、御質問じやないのですけれども、実際拂つた分まで延滞料をかけられるということはないので、これはやはり内金をすれば、大体あとのものは、あとの保險料を納められるまで見逃しておつたものを、今度そういうものについては、全部延滯料をかけるということが主眼だろうそういうふうにしか実際考えられない。これは意見の相違になりますから、そうでないとおつしやればそれまでです。
#32
○安田政府委員 別にそういうふうにしてやるうというわけでやつたわけではないのでございまして、ただ従来やつておりますことを法文に書いた。こういうことであります。
#33
○松永委員長代理 他に御質問はありませんか。――なければお諮りいたします。本法案についての質疑は、すでに終了いたしておると思いますので、この際、質疑を打切りたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#34
○松永委員長代理 御異議なしと認め、さよう決定いたします。
 引続き討論に入るのございますが、本案の討論につきましては、別に通告もございませんので、討論を省略し、ただちに採決いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#35
○松永委員長代理 御異議なしと認め、討論を省略し、健康保險法等の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本法案を原案の通り可決するに賛成の諸君の御起立を願います。
    〔賛成者起立〕
#36
○松永委員長代理 起立多数。よつて本法案は原案の通り可決いたしました。なお、本日議決いたしました各法案の、議長に提出する報告書の作成に関しましては、委員長に御一任を願いたいと存じますので、さよう御了承願います。本日はこの程度にて散会いたします。次回は公報をもつてお知らせいたします。
    午後三時六分散会
ソース: 国立国会図書館
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