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1974/10/28 第73回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第073回国会 農林水産委員会いも、でん粉及び甘味資源等に関する小委員会 第2号
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1974/10/28 第73回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第073回国会 農林水産委員会いも、でん粉及び甘味資源等に関する小委員会 第2号

#1
第073回国会 農林水産委員会いも、でん粉及び甘味資源等に関する小委員会 第2号
昭和四十九年十月二十八日(月曜日)
    午前十時十七分開議
 出席小委員
   小委員長 坂村 吉正君
      丹羽 兵助君    本名  武君
      柴田 健治君    芳賀  貢君
      美濃 政市君    諫山  博君
      瀬野栄次郎君
 小委員外の出席者
        農林水産委員長 仮谷 忠男君
        農林水産委員  島田 琢郎君
        大蔵省主計局主
        計官      宮下 創平君
        農林省農蚕園芸
        局畑作振興課長 本宮 義一君
        農林省食品流通
        局長      森  整治君
        農林水産委員会
        調査室長    尾崎  毅君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 いも、でん粉及び甘味資源等に関する件(てん
 菜糖の価格問題)
     ――――◇―――――
#2
○坂村小委員長 これより、いも、でん粉及び甘味資源等に関する小委員会を開会いたします。
 いも、でん粉及び甘味資源等に関する件について調査を進めます。
 この際、「てん菜及びてん菜糖関係資料」について、政府から説明を聴取いたします。森食品流通局長。
#3
○森説明員 お手元に「てん菜及びてん菜糖関係資料」というのがございますが、これはもう先生御承知のとおりでございまして、約三百万トンで、てん菜が従来三十六万八千トンということで、これがことし、われわれの推計によりますと二十七万トンぐらいに落ちるという現状でございます。したがいまして、自給率も非常に下がるということで、非常に憂慮をしておるということでございます。
 二ページは、作付面積、反収、歩どまり、産糖量、こういうことでございますが、作付面積は、ここにあります四万七千四百八十三ヘクタール、約二三%の減。それからヘクタール当たり反収でございますが、これは、われわれの推計では、四十二・六五トンという本年度の見込みを立てております。したがいまして、生産量は二百二万五千トンということでございます。
 それから、最低生産者価格一万一千百十円、これは改定をすべきじゃないかという御意見のある数字ということでございまして、買い入れ価格につきましては、ただいまの政府の原案では、十五万七千九百円ということで話し合いを進めておるわけでございます。
 それから、てん菜の目標生産費、これはすでに御承知のように、甘味資源小委員会できめられました五十三年目標を七万ヘクタールとしまして、増産をはかっていくということでございます。
 それから、五ページにてん菜関係の予算がございまして、輪作体系を確立するとか、共同育苗をいたしますとか、ことに、機械化をはかっていくというようなことのほかに、特に五十年度といたしましては、てん菜と酪農の経営を結びつけていく、てん菜大規模集団産地推進事業というものを来年度要求をしまして、てん菜と酪農を結びつけるいわゆるてん酪事業を推進をしていきたいということで、いろいろ今後の考え方をまとめておるということでございます。
 先ほど私が申しました十五万七千九百円という数字につきましては、原料価格を一万一千百十円に置いております。いろいろ問題もございますが、とりあえず一万一千百十円に置いた場合の加工経費その他がどうなるかということでございまして、これにつきまして、なお歩どまりを一四%にする。この資料はちょっと提出がおくれておりますが、いま届くと思いますので後ほどごらんをいただきたいと思いますが、私が先ほど申しましたように、作付面積で四万七千四百八十三ヘクタールと置きまして、ヘクタール当たりの収量を四十二・六五トンと置いて、総生産量を二百二万五千トンということでやりまして、原料価格は一万一千百十円とかりに置きますと十五万七千九百円になるということでございます。これで絶対がんばるということではございません。一応の考え方として、かりに一万一千と置けばそういうことになるということで、ただいま案をつくったわけでございます。
#4
○坂村小委員長 以上で説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#5
○坂村小委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。芳賀貢君。
#6
○芳賀小委員 ただいま森局長から、四十九年産のてん菜糖事業団買い上げ価格の方針について説明がありましたが、この質疑に入る前に、十月一日の当小委員会において、私から、四十九年四月十日に告示されたてん菜糖の原料であるてん菜の最低生産者価格について、砂糖の価格安定法の二十一条第三項の規定による価格の改定を行なうか、あるいはまた、甘味資源特別措置法の第十八条第一項の規定に基づいて、農林大臣指示という形で原料価格の改定を行なうべきでないかという点についてただしたわけでありますが、その際の森局長の答弁から察しますと、価格改定については非常に消極的であるという答弁を繰り返されたわけでありますが、この糖価決定の前に、手順としてはやはり原料価格の改定を行なって、改定された原料価格を基礎にした事業団買い入れ糖価の決定を行なうべきであるというふうに考えるわけでありますが、その点についてまずお尋ねいたします。
#7
○森説明員 先回の御指摘の委員会で、御質疑に対して私からお答えいたしましたように、この二十一条の三項の規定につきましては、私どもいろいろ検討いたしてみましたけれども、きめられたのが四月でございますから、四月以降最近までの事情の変化がこの改定に当たるかどうかということになりますと、どうも消極的にならざるを得ないというふうにお答えしたわけでございます。したがいまして、一万一千百十円の改定を行なっていないわけでございます。
 それから、甘味資源法の関係の規定につきましては、これは具体的にいろいろ生産者と会社側との取引が行なわれる。買い入れに際しまして、その価格につきまして生産者の間で合意が見られないとか、合意が見られてもそれは少し安過ぎるとかいうような場合に、必要に応じて農林大臣が価格につき指示を行なうという規定でございまして、われわれは、これは一般的な価格改定を指示するという規定ではなかろう、個別具体的な取引につきまして行なわれました価格についての政府の関与をする余地を定めたものではなかろうかというふうに考えるわけであります。一般的な改定をもし行なうとすれば、先ほど先生御指摘のように、二十一条の三項の規定がございますが、この規定でもし行なうなら行なうべきではなかろうか、こういうふうに考えておるわけでございます。
#8
○芳賀小委員 そこで、糖安法の二十一条第三項の規定の発動条件というものは十分に具備されておると思うわけです。たとえばてん菜を原料にしててん菜糖が製造される。そのてん菜糖というものは当然国内において消費されるわけでありますからして、その製造されたてん菜糖の市場価格あるいは製品価値というものを基礎にして考えた場合において、政府は、昨年の末に、精糖の小売り販売価格を、これは指導価格ということで百八十六円に設定してこの実現の指導に当たってきたわけであります。その後、今度は二百三十一円に指導価格を改定しまして、それがもう維持できない状態になって、けさのテレビ、新聞等によりますと、二百三十一円に対して五十六円価格上昇の二四%値上げということで、二百八十七円の指導価格を発表されたわけです。これは精糖業者の申請に基づいて、申請の範囲内で農林省が認可するという形で、キロ当たりの小売り販売価格を二百八十七円に決定したということになるわけでございますが、そうすると、先ほど局長の言われた四十九年のてん菜糖の買い入れ価格というものを、四月にきめた原料トン当たり一万一千百十円ということで計算すると、これは原案でもあるし、また、トン当たり製品の十五万七千九百円に固執しない、がんばるものじゃないということが最初から言われておるわけでありますが、これらの点を総合した場合において、相当大きな経済変動、あるいはまた砂糖事情の価格形成上の激変というものが生じておるわけでありますからして、局長の言われたとおり、原料価格を改定するということであれば、糖安法二十一条第三項の規定によって、まともに原料価格を再検討して改定をする、筋としてもそれがしかるべきであるというふうに考えるわけでありますが、その場合、けさ発表されました末端小売り価格の二百八十七円というものをめどにして考えた場合において、ことし生産される原料であるてん菜の最低生産者価格の引き上げの許容幅というものはどのくらいであるかということについて、これは具体的に数字をあげて述べてもらいたいと思います。
#9
○森説明員 数字的にあとで計算をして申し上げますが、考え方でございますが、この二十一条の規定というのは、この規定がいいか悪いかは別でございますが、あるいはまた政令で書いてある算式等についていろいろ問題はございましょうけれども、一応農業パリティ指数に基づいて最低生産者価格はきめるのだということを規定しておるのがこの規定だと私どもは理解をしておるわけでございます。したがいまして、販売価格が昨今の国際糖価の異常な高騰等によりまして非常につり上がってきておりますが、そのことはもちろん参酌をせねばいけませんけれども、やはり、パリティというものが基準で生産者価格をきめるというのがこの規定の趣旨ではなかろうか、こういうふうに理解をしておるわけでございます。
 したがいまして、先生の御質問に対しまして、改定をするかどうかということにつきましては、パリティの変化等から見てそう著しい変動があるとは思われないということをこの前の委員会で私は申し上げたわけであります。
  〔小委員長退席、柴田(健)小委員長代理着席〕
そういう趣旨でございまして、もちろん、先ほど御指摘のような事情がございます。
 ただ、お断わりしておきたいのは、まだ、決定といいますか、公表をいたしておるわけではございません。先生が御質問になりました数字等につきましては、そういうふうにして、本日中でもともかく砂糖パニックを解消するための措置をとりたいというふうに私どもは考えておるわけでございますけれども、そういう背景等は確かにございます。そこで、この規定から見て、改定をこの規定上行なうべきかどうかについては、いまだ私ども釈然としていないところが残っておるということでございます。
 それから、いま御指摘のようなことでやりますと、大体私どもが考えておりますこの末端小売り価格につきましては、流通マージンの若干の改定も考えたいと思っております。したがいまして、メーカー出し値が約二百五十円程度になろうというふうに考えております。
 それから、もう一つ、この政府原案に固執をいたしませんと申し上げましたのは、歩どまり等につきましてなお議論がございます。一四%見ておりますから、議論がございます。歩どまりとか、あるいは欠減とか、あるいは加工経費をもう少し見てまいりますと、加工経費が、私がここでお示しいたしました数字よりも若干上昇をしてまいります。そういうようなことで、その残りの分が支払いの対象になるであろう、こういう許容限度といいますか、まあ相当な幅のものが出てまいろうということにはなろうかと思います。
#10
○芳賀小委員 いま局長の言われた価格改定の根拠というものは、あくまでもパリティの変動に基づかなければならぬということでありますが、四月十日までに告示しなければならぬ最低生産者価格というものは、もちろん農業パリティ指数を基礎にして、それに物価その他の経済事情を参酌してきめなければならないということになっておるわけですが、年度内に価格改定をする場合においては、その後のパリティの変化に基づいてということにはなっていないのですよ。二十一条第一項は、当初の最低生産者価格をきめる場合にはパリティを基準にしてきめるということになっておるが、第三項の、そのきめられた最低生産春価格をさらに改定する場合はパリティ価格の変化によるということにはこれはなっていないわけだ。その決定された最低生産者価格に対して、収穫までの期間が約半年、六カ月の経過が必要になるわけでありますからして、その間における「物価その他の経済事情に著しい変動が生じ、又は生ずるおそれがある場合において、」改定することができるということになっておるわけですから、四月以降の物価その他の経済事情ということになれば、毎月毎月狂乱物価が激化していく、あるいは四月以降に国民春闘に基づいて民間の労働賃金も三二・九%上昇しておる、そういうように一番関係のある物価事情の中において商品として販売しなければならぬ国内の砂糖の価格事情は急変しておるわけです。そういうような経済変動、物価変動は、糖安法あるいは甘味資源法ができてからいまだかつて経験したことのない事態だ。だから、二十一条三項は、当時、自民党政治のもとにおいてこういうような事態が生ずるということはわれわれ予測できなかったわけだだから、こういうような規定の内容になったが、この際これを発動しなければ、これは全く空文に終わるということになるわけですよ。順序としては、原料価格の改定を行なって、改定された価格を基礎にして事業団の買い入れ糖価を適正に決定するということでなければ、一万一千百十円で買い入れ糖価の計算をして、そのあとで最低生産者価格の改定ということはなかなか――できないことではないが、手順としてはこれは逆であるということになるので、この際、この点をまず明確にしてもらいたいと思うのですよ。
  〔柴田(健)小委員長代理退席、小委員長着席〕
 それから、こういう二十一条三項ではできないということであれば、次善の策として、甘味資源特別措置法の十八条一項の規定で、これは農林大臣の指示ということにはなるが、実態は、甘味資源特別措置法の審議の場合においても、この発動は、生産者とてん菜糖あるいは国産糖の製造業者の間において取引さるべき原料価格が合意に達したということについて、法律上それを農林大臣が承認する形で農林大臣の指示を発動するということになっておる。だから、糖安法の二十一条三項の規定でどうしてもできない、パリティ以外の変動事情ではやれぬということであれば、今度は国産糖の製造業者は、結局、きょうから引き上げになった小売り価格キロ当たり二百八十七円の最終価格をめどにして製品の販売をすることができるわけだからして、これをやらないと、単に製造業者、企業内部だけに膨大な利益が、超過の利潤さえも蓄積されることになるわけです。これに便乗して、前回の小委員会でも指摘したとおり、いまの糖安法の事業団に対する売り渡し、売り戻しの形の中において多額の差益金を事業団が吸収するなどということは、これは絶対に許されない事態になるわけでありますからして、そういう点を踏まえて――どうせ原料価格は改定しなければならぬことは局長も十分腹の中にあるわけだからして、問題は、どういう手順で、どういう法的な規定の発動によってこれを実行するかという、その方法論、手順にもう集約されておると私は思うのですよ。だから、きょうの小委員会が終わって、おそらく今晩中に事業団買い入れ糖価というものを決定して、明日発表するということになると思うのですが、発表になればわかることであるが、せっかく農林水産委員会に小委員会を設置して、各委員の皆さんが真剣に論議しておる機会ですからして、政府としても率直に当委員会を通じて方針というものを明らかにすべきだと思うのですよ。
#11
○森説明員 法のたてまえの問題でございます。先生の御指摘の問題は非常に重要な問題だと思います。私ども考えておりますことは、小売り価格の改定が行なわれまして、七月からただいままで二百三十一円という指導価格を設けてまいっておりますが、と同時に、十月一日付で安定価格の上下限を定めました。この場合の安定上限価格が十万六千七百円ということで、粗糖ベースでございますが、そういうことに相なっておるわけであります。これにいわゆる関税分、四十一円五十銭が減免されておりますが、その減免された幅だけ高く、輸入をするもののラインで一応上限を押えていきたいという法のあらわれであるというふうに理解をいたしますと、大体そのベースが約百五十円になる。百五十円になりまして、それからいろいろ加工経費、マージン等を加えてまいりますと、大体現在の凍結価格二百三十一円ベースに見合う――若干違いますが、そういうラインになっておるわけでございます。
 したがいまして、そういうことで、一応現在の法体系としては二百三十一円ベースが頭打ちであるということで理解をすべきではなかろうか。もちろん、その上限価格をまた改定すべきであるという御意見があるかもしれません。そういう場合にはもちろん事情はまた異なってくると思いますけれども、法の体系としてはそういうことが考えられておる。とすれば、そういう範囲内で、少なくとも先生御指摘の点につきまして考えるとすれば考える余裕はあるかもしれません。そこに一つの問題があるのではないかというふうに思うわけでございます。
 全体からいたしまして、精製糖業者が精製しまして販売いたします価格が相当高目に実際の市中価格が形成される。もちろん、目標の指導価格二百三十一円なり、今後改定をしたいという額がございますけれども、そういう状態から逆算をして、もっと生産者が払えるではないかということにつきましては、一応そういう考え方は成り立つ。ただ、それは現在の高糖価、砂糖が異常に高いベースを基礎にしての話でございます。これはいつ暴落しないとも限らない。むしろ、われわれは、必ず近く暴落する、またさせてみせるということで豪州等との長契問題等もいろいろ話をしているわけでございます。異常な高値をもとにして計算するということもまたいささか問題があるのではないかということで、基本的には、このたてまえは政府が強制して買い上げるということにはなっておりません。
 むしろ、申し出によりまして国内産糖を買い入れ、売り渡すという権能があるということでございまして、国内産糖につきまして何が適正な水準であるかということにつきましては、また、それに基づきます最低生産者価格が、どのラインが現在のいろいろな諸情勢を考えて適切なラインであるかということは、いろいろな観点から御議論があろうかと思いますが、私ども、実は、きょうせっかく小委員会の各先生方の御意見を十分承りまして、農民がここまで追い込められております事態に対します要求をどういう形で満足させるべきであろうかということにつきまして、きょうの委員会の諸先生方の御意見を十分尊重いたしまして善処をいたしたい、こういうふうに考えているわけでございます。
#12
○芳賀小委員 いま局長の答弁の中に触れられた国産糖の事業団に対する売り渡しというものは、これは製造業者が事業団に対して売り渡しの義務を課せられているわけではないのですね。国産糖製造業者が事業団に対してまず売り渡しの申し込みをすることができるというところから始まっておるわけですから、売り渡しの申し込みをするかしないかということは国産精製造業者の判断に基づいて、これは利害に関することですから、事業団に売り渡しの申し込みをして、事業団が買い入れをするという場合には、申し込んだ国産糖製造業者には必ず売り戻しをしなければならぬということになっているわけです。
 ちょうど大蔵省の宮下主計官も来ておられるが、国産糖の製造業者の事業団に対する売り渡し申し込みというものは義務規定ではないということは疑う余地のないところですが、この点が非常に大事なわけですね。ですから、森局長並びに宮下主計官から、農林当局、大蔵当局の立場でそれぞれ明快にしておいてもらいたい。
#13
○森説明員 私が申し上げましたとおり、法のたてまえはそのとおりでございます。ただ、従来から、むしろ国内産糖の買い入れを通じまして政府が交付金を払い、それが回り回って生産者の価格支持につながるという形で運営をされてきたことは先生御承知のとおりでございます。そういう経過が一つ。
 それから、現在の糖価、また改定いたします水準というものが妥当な価格だというふうにはわれわれは決して考えておりません。国際糖価が下がれば下げるべきものではないかというふうに考えておるわけでございます。関税を減免してまで安く売ろうということでございますから。そういう事態でございますから、いまの最高価格というものはなるたけ安定帯の幅におさめてまいりたい。もちろん、安定帯は将来改正することがあるかもしれませんが、いまのところそういうふうに考えているわけでございます。
 この価格がもし暴落した場合に、やはり、本来の糖価安定法の規定が働いてまいります。来年の砂糖年度までにあるいはどういう国際変動があるか、これはわかりません。そういうことを考えますと、私どもはかってにしろということを申し上げているわけじゃない。精製糖メーカーが政府に売り、政府が責任をもって売り渡すという方式を通じまして農民の手取りを確保し、同時に国内糖の安定をはかってまいるということで、事業団というのはクッションに置きまして、それを財政当局とも相談しながら、両者の中をとって弾力的に運用してまいる、それがこの法律の精神ではなかろうかというふうに考えておるわけでございまして、今後もメーカーに対して売り渡しがあれば、もちろんそれに応じてまた売り戻しをしていく、こういう運用をはかってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
#14
○宮下説明員 いまの先生のお尋ねのことにつきましては、森局長のほうからお答え申し上げたとおり、法律のたてまえといたしましては、事業団への売り渡しは義務的なものではなく、申し入れに基づくものであることは法律の規定しているとおりでございます。しかしながら、この糖価安定制度は、私から申し上げるまでもなく、輸入糖が非常に低い時代がございましたけれども、しかも、その一方、国内産糖は非常に高いということで、輸入糖の波を国内産糖がもろにかぶっては日本の国内糖が成り行かないということからして、輸入粗糖の国内価格と国内産糖の価格とを同一水準に、大体均衡あるものにして、そしてその安定帯価格を設けて機能させて、国内産糖を保護していく、こういうたてまえから設けられたものでございまして、現に、輸入粗糖等が非常に低位で推移してまいりましたときには、国内産糖につきましてもいわゆる市価参酌をいたしまして、市場価格以下に売り戻しておったわけでございます。そこで、調整資金が御承知のとおりかなりの赤字になりまして累積したわけでございますが、ただいまは御指摘のとおり輸入糖が非常に高騰しておりまして、国際相場が異常な高騰を示しておりますために輸入価格が相当上がっております。したがいまして、最低生産者価格を基礎にして算定された事業団買い入れ価格もかなりこれを下回っているわけでございますが、先生御指摘のとおり、いま、いわゆる逆市価参酌と申しますか、そういうことによりまして買い入れ価格より高い価格で売り戻すということを行政措置として行なっているわけでございます。
 しかし、これは何も違法なことをしておるわけじゃございませんで、法のたてまえからいたしまして、糖価を、特に国内産糖を長期的に安定するための手だてといたしましてそういうことをいたしておるわけでございまして、当面、調整資金が底をついて、赤字が解消されたとしてもなおかつこのような措置は基本的には必要じゃないか、長期的に見て国内産糖の安定化のために必要ではないか、しかもそれはこの制度の趣旨に合致しておるものである、かように考えておる次第でございます。
#15
○芳賀小委員 いまの局長並びに主計官の答弁でこの点ははっきりしたが、問題は、法律の国産糖と輸入糖の扱いの中で、いずれも事業団に対する売り渡しあるいは売り戻しの規定があるわけですが、国産糖の場合には、売り渡しすべき時点において、その政府がきめた国産糖の買い入れ価格と、同じ政府がきめた合理化目標価格との間における対比の差によって明確な運営が違うということにはこれはなっていないのですね。たとえば輸入糖の場合は、糖安法の第五条に基づいて、輸入糖業者が事業団に対して売り渡しをしなければならぬという義務規正があるのですね。その場合は、輸入申告にかかわる指定糖を糖価安定事業団に売り渡す場合は、申告時の粗糖の平均輸入価格が国内産糖合理化目標価格に満たない額、それ以下の場合には、輸入した指定糖については製造業者は必ず事業団に売り渡ししなければならぬということになっているのですね。これは申し込みでも何でもないですよ。そういう合理化目標価格より安い価格で粗糖を輸入した場合においては、その輸入粗糖は必ず事業団に全面的に売り渡ししなければならぬという、これが義務規定ですね。
 それから、この第六条では、国産糖の売り渡し、売り戻しと同じような規定があるのです。これは申し込み規定ですが、この場合には、輸入粗糖の平均輸入価格が安定上限価格をこえる額である場合においては、輸入糖の製造業者の判断に基づいて事業団に売り渡しの申し込みをするか、あるいはしないかということについて第六条の規定があるわけですね。これはちょうど国産糖の規正と同じですからして、輸入糖については義務規定と申し込み規定というものをちゃんと区分してある。これはもう明確になっていますね。
 国産糖の場合にはその区分というものがないので、行政指導がきびし過ぎると、何も事業団に売り渡しする必要のないものをわざわざ売り渡しをして、安く売り渡しをして高く売り戻しをしなければならぬということになってしまうわけですからして、砂糖の市価が高騰した場合においても、その販売の利益をもって生産者に対して原料代の還元をすることが絶対できないという仕組みになってしまうのですよ。だから、政府の指導としても、なぜ売り渡しをしなければならぬかという、そういう必要性というものはこういう場合に限る、その必要がない場合においては、政府のきめたいつでも発動できる買い入れ糖価というものが国産糖の製造業者の価格上の持ち分である、それ以上に、国内の砂糖の市況あるいは農林省の指導価格の範囲内において適正な販売努力をして販売した場合の政府に対する売り渡しの価格をこえた分については、当然、これは、原料生産に努力をした生産者に対して原料価格として還元をするということにすべきだという、そういうような親切な行政上の指導をいままで怠ってきたわけですね。だから、この機会に、何も政府や事業団が手出しをしなくても、原料価格というものをトン当たり二万五千円にしても、この買い入れ糖価というものは、原案はトン当たり十五万七千九百円ですが、これが最終決定の段階でトン十六万あるいは十七万になるかということは、これは発表によってわかるわけでありますが、たとえば十七万円にしても、少なくとも原料一万五千円の保証というものは十分これはできると思うのですよ。政府に売り渡し、買い戻しをしなくても、ですね。こういう点をこの委員会を通じて明らかにしておかぬといかぬと思うのですね。そうでないと、あとで政府と自民党が何か恩恵でやってやったというようなことにしかならぬわけですよ。やるべきことをやらぬで、これは自民党の努力のおかげでこうなったとか、政府が恩恵的にこうやってやったということになる。常習的にそうなっておるわけだからね。
 しかし、今度はそういうわけにはいかぬですよ。私は森局長に対しては相当信頼を寄せておる一人ですから、今度のこの原料価格の改定について、これはあるいは表現を実質的な改定と言ってもいいですし、実質的な取引価格の実現でもそれはいいですが、将来に禍根とか混迷を起こさぬようなことにして、これは率直に明快にしてもらいたいと思う。大蔵省の主計官だってはっきりとあなたと同意見だということを言っているわけだから、大蔵省がぐずぐず言うからやろうと思ってもできぬなんというわけには今度はいかぬですよ。
#16
○森説明員 ただいまの時点の数字からすれば先生のおっしゃるとおりになろうかと思います。ただ、私ども、また精製糖のメーカーさんもおそらくそうだと思いますけれども、今度、本日改定をしたいと思っておりますベースの額も、これは最高価格でございます、それ以下で売りなさいよということで、消費者保護のために、臨時特例、特別の措置として、行政指導としてわれわれはやっておる措置でございます。
 それで、その価格で今回改定をすれば売れるのかということになりますと、これもまだわかりません。ロンドン相場のいかんによりましてまた変動すべきものだろうというふうに考えます。したがいまして、そういう販売価格に変動がある。だからいま一番高いところを持ってきて――高いか安いか、それはわかりませんけれども、いまの時点で払えるから全部払えというのもちょっと行き過ぎではなかろうかと私どもは思います。かといいまして、先生御指摘のように、いま高いんだから、これだけの問題が起こっているときに、それは払えるような措置をとるべきであるということでお話しになっていると思いますが、それについて私は全く同感でございます。
 ただ、われわれは、行政指導で何でも政府へ持ってこいということで法律を運用しているわけではございません。やはり、農民は農民なりに、またメーカーさんはメーカーさんなりに将来のことを考え――農民もそうだと思います。安定したビートの生産あるいはてん菜糖の生産をしていきたいということから、この制度の中でお互いに安定した事業を続けていくという観点からは、おそらく今後も政府あるいは事業団に対する売り渡しの申し込みはあるのではなかろうかというふうに私どもは理解をしておるわけでございます。どうしても持ってこいということを言うつもりはございません。
 ただ、先ほど言いましたように、本年度内に、この一年以内にまた変わるかもしれません。そのときには、これは話が裏目に出た場合には、今度は事業団なり政府なりが責任をもって生産者のための価格維持をはかっていかなければいけないという立場でございますから、今回のことは、ある意味では農民にとって非常にいいことだと思いますけれども、それが永遠に続く話ではないし、ことし一ぱい続くという保証もない。したがいまして、われわれといたしましては、あくまでも整然と、お互いに納得できるラインで加工経費もきめ、実質の農家の手取りもきめ、将来ビートをふやしていく、そういうようなことをこの機会に実現をしてまいりたい、またそういう指導をしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
#17
○芳賀小委員 局長、間違わぬでくださいよ。政府としては、糖安法二十一条第三項の規定に基づいて、てん菜の事業団買い入れ価格を決定する前に、まずその適正な原料価格の改定をやるべきであると私は言うのです。これを行なえば、それに基づいた買い入れ価格というものが生まれるわけですからね。その結果、製造業者が事業団に対して自発的に売り渡しの申込みをする、事業団は当然買い入れをする、買い入れれば当然これは売り戻ししなければならぬということになっておるわけですから、そういう手順でいけば、いままでのように事業団に売り渡して買い戻しをする場合の価格差というものはトン当たり三万円ですよ。一体何のために事業団が三万円の差益金を業務の中で吸収しなければならぬかということですよ。四十八年一年間に、これは暦年度と砂糖年度によっては違うが、おおよそ二十九億円の国産糖の買い入れ、売り戻しですね。てん菜糖だけでそれだけの、名前は調整金ということになっておるが、これは事業団としての差益金を吸収しているじゃないですか。糖安法をわれわれは国会で審議して制定したわけなんですが、そういうばかな目的は片りんもこの法律の中にはないんですよ。だから、今度は小売り価格が二百八十七円に二四%上がったが、この原案どおり十五万七千九百円で買い入れをするとすれば、政府に対する事業団に対する売り渡し、売り戻しの差額というものは、おそらくトン五万円以上になると思うのですよ。いいですか。一万五千円の価格に改定するというのは、一万一千百十円に比べれば、おおよそ原料一トン当たり四千円の価格を上げればいいわけですから、一四%なんという歩どまりはないということは局長もわかっておって一四%の資料を出しておるのだから、まあ昨年と同じような角度で検討して、かりに一三・五%の歩どまりということになれば、原料七トン半あれば精製糖一トンが生産されるわけですから、七トン半に対して一トン四千円ずつの原料代の引き上げを行なっても、これは精糖に換算するとトン当たり三万円の買い入れ糖価の引き上げということになる。三万円というのはキロ当たり三十円ですからね。きょうの値上げ幅というのは五十六円でしょう。原料が足らぬから製造経費も相当かさんでおるが、これは何も無理なことでも何でもないのですよ。だから、いまのような規定で製造業者が事業団に売り渡しをすれば、この一トン四千円の原料代の支払いは、これは財源的にできないわけなんだ。不可能なわけだからね。そうであれば、事業団に売り渡し申し込みをしないで、そうして政府の指導価格の範囲内においてできるだけ良心的な販売をするという販売努力をすれば、ことしの製糖の経営の中で四千円の原料代の引き上げは当然できるわけです。
 そういうことになるから、政府としては、まともに糖安法二十一条三項の規定を発動して、従来と同じような手順でこれを実現すれば、何も不安も混乱もないと思うのですよ。さっき局長が言ったとおりに、またいつ暴落するかわからぬという場合には、初めてこの糖安法に基づいて製造業者が事業団に対して売り渡し申し込みをすればいいわけでしょう。そうして売り渡し価格よりも売り戻し価格を安くしてもらえば、それで経営が成り立つわけですね。その差額というものは、政府が交付金を支給するということを法律上書いてあるから何も心配ないのですよ。それをやらぬということになれば、製造業者と生産者の間において、合意に基づいて、政府買い入れ価格を上回った分については、これはもうそこには製造経費も何も要らぬわけだから、上回った分は全部トン当たり四千円とか五千円ということで生産者に還元しても、製造業者の企業というものは何ら不安にはならぬわけですからね。そうやれば、失墜した信頼というものを回復して、生産意欲が急に高まって、来年北海道が六万ヘクタールに回復するということは容易でないと思うが、とにかくこれ以上来年減反しないというしっかりした歯どめをかけることができると私は思うのですね。これはこの機会にへっぴり腰で過ぎてしまえば、来年四月に大幅に上げるなんていったって、そんなものはだれも信用しないわけだから、あるいは三万ヘクタールに落ち込んでしまうかもわからぬと思うのですよ。だから、冒頭に局長も言ったが、来年はさらにその生産体制に対して努力をしなければならぬ、特に、集荷面において、いままでは工場の煙突の見える半径内において濃密的な原料生産をやるというようなことを農林省も道庁も指導してきたわけだから、その畑作の対応性の中で、一定の狭い地域に限定して原料生産を続けるということは必ずしも永続性がないわけですよ。だから、ことしの四月のように原料価格を期待に反したような低い価格で押えれば、そうなれば、奨励制度のある麦とか大豆とか、有利性のある他作物にすぐ転換してしまうということになるわけだ。将来を考えた場合には、局長もやはり考えておると思うが、北海道全体の畑作の中で、輪作経営やその他を通じててん菜というものを経営の中においても十分に生産をしてもらう。そうなれば、工場側の集荷とか運賃の面から見ると従来よりも平均的にかさむことにはなるが、もうそういうことは言っておれぬと思うのですよ。
 たとえば北海道に九つの工場があるが、士別工場のような場合には、北海道の約半分が集荷地域になっておるわけでしょう。それから道南の伊達にある工場にしても、道南一円が集荷地域になっておるが、なかなか原料が確保できないというような事態にもなっておるわけだからして、そういう広大な集荷地域というものを一、二の工場がかかえておる場合において、そこに原料を圃場から輸送する場合の集荷費とか運賃負担というようなことについても、これはどうするかということは根本的に考えなければならぬでしょう。これは単に食品流通局だけの問題ではなくて、農蚕園芸局等においても、来年以降の生産計画とか生産振興には当然努力してもらわなければならぬ点なわけですよ。
 少し将来にわたったことも述べたわけですが、この機会にぜひ法律と取り組んで、まともにこれは改定をやるべきである。どうしてもやらぬ場合には、自衛手段として、事業団に申し込みをしないで、売り渡しをしないで、そうして政府の指導する国産糖の価格形成の中においてこの問題は容易に解決できるわけだから、結局、選択の問題だと思うのですよ。法律に基づいて政府はちゃんとやる自信がないからできないということであれば、これは自衛的に生産者あるいは製造業者がやるということになるわけですからね。だいぶ追い詰めるようなことになるが、これは大事な点だからここではっきりしてもらいたいと思うのですよ。隣に担当の宮下主計官もいるわけだから、思い切ったことを言ったらいいじゃないですか。
#18
○森説明員 先生のおっしゃることはよくわかります。考え方によっては、それは全くそのとおりだと思いますが、私どもの考えております点をもう少し申し上げますと、かりに、いまの改定をいたしました価格で売れるかどうかという問題、いまはよくてもそれは来年度になった場合どうかという問題が一つございます。したがいまして、会社としても一年間まるまるそれでいけるという保証がないわけであります。ですから、そういう意味で会社側としても非常にちゅうちょする部分の数字があると思います。
 それから、もう一つ、一万一千百十円というのは、先生御承知のように、釈迦に説法で恐縮ですけれども、最低生産者価格を改めろという御主張であることはよく承知をしておりますが、本日の委員会のいろいろの御意見も承りまして、こういう非常に重要な時期でございますから慎重に検討をさせていただきたいというふうに考えております。
#19
○芳賀小委員 これで質問はきょうは終わりにしますが、数字の問題ですが、先ほどから議論しておる原料価格をこの際糖価決定前に一万五千円にした場合、この資料によると、製造経費とか集荷運賃とか、そういうようなものは全部織り込み済みになっているわけですから、歩どまりとの関係はあるが、所要原料の数量もわかっておるわけだから、私の先ほど言ったとおり、歩どまりも決定までには二二・五%以下ぐらいになると思いますが、かりに一三・五%にした場合には、原料費が砂糖一トン当たりちょうど三万円かさむということになるわけです。そういう計算をすれば砂糖の事業団買い入れ価格というものは幾らになるかという点と――事業団買い入れ価格というものは精糖業者の卸売り価格と必ずしも一致はしていないですね。ですから、原料一万五千円で計算した場合の事業団買い入れ価格と、それから、今度農林省において小売り価格の改定の認可をされたわけですからして、そうなれば、先ほど局長も述べられたが、逆算的に卸売り価格というものはわかるわけですね。それから小売り価格ということになるわけですが、その点をこの際数字上明らかにしておいてもらいたい。
#20
○森説明員 原料価格を一万五千円にしまして、歩どまりの点がございますが、現在の一四%ということでやりますれば大体三十円幅ぐらいの数字が出てくる。要するに、先ほど言いましたように、メーカー出し値を二百五十円とすれば、トン当たりの買い入れ価格が二百二十円台、したがいまして、差額として――先生がおっしゃったのはおそらくその点だと思いますが、逆に言えば二百二十円台ぐらいの事業団の買い入れ価格になります、と、こういうことでございます。
#21
○芳賀小委員 そうすると三十円幅が出るわけでしょう。それは原料一万五千円にできる――まあ、財源と言ってもいいですよ。
#22
○森説明員 私のほうはいま入れてでございますから、まだ余裕があるという意味で申し上げたのですが、ただ、先ほど私が申し上げました二百五十円というのは、最高で売れたとすれば、と、こういう前提で計算をいたしております。
#23
○芳賀小委員 その辺がおかしいのじゃないですか。一万五千円にしても、事業団に対する売り渡し価格は卸売り価格よりずっと低いわけでしょう。それから、卸売り価格というのは単に国産糖だけじゃないわけだ。国産糖というのは、ことしは沖繩とか西南諸島を入れても需要の二〇%ぐらいしかないわけですから、八〇%というのは、けさの日経のロンドン相場を見ても四百五ポンドですから、この四百五ポンドの粗糖を買い入れしてくれば、三カ月後になるか、四カ月後になるかわからぬが、四百ポンドの粗糖を精製すれば、これを小売り価格にするとちょうど四百円ということになるわけですから、けさ局長が小売り価格の改定の承認をしたその二百八十七円というものは、一般の国民から見ると、これは何カ月もつかわからぬというような不安がまだ残っているんじゃないですか。これががたんと暴落するなんというようなことは絶対ないと思うんですよ。国際的な砂糖事情を見ても、ECへの加盟はしているが、イギリスの労働党の中においても脱退の機運は相当あるわけでしょう。そこで、イギリスは砂糖不足で悩んでおるわけですから、オーストラリアから長期契約で買い付けの契約を結ぼうとしたところが、今度は、ECにおいては、そういうことをされては困る、場合によっては脱退の機運を助長するかもしれぬということで、これはECの域内の問題として処理するということで、ECがイギリスに対しては、百八十ポンドでイギリスが砂糖を購入できるようにする。そして長期契約でなくて、いわゆる国際的な自由市場からECが買い付けをして、それをイギリスに百八十ポンドで渡す。その幅が百ポンドになるかどうかわからぬが、とにかく相当大幅な負担をECがイギリスに対して行なう。そして、EC全体として、ことしは大体生産が一千万トンぐらいですが、これを来年一千二百万トンないし一千三百万トンにEC内の砂糖の生産を高める。もう金を惜しまぬで、自国における食糧の自給度の向上並びに砂糖の生産増強とか、あるいは共同体内部における食糧や砂糖の生産確保をみんなやっておるわけですが、日本だけが価格政策の失敗で自給度がどんどん後退する。それにもかかわらず、これに歯どめをかける気もないし、挽回する気もないというのはおかしいじゃないですか。そうじゃないですか。
 これは宮下主計官もよく肝に銘じてもらいたいと思うんです。何かというと、大蔵が足を引っぱるからやろうと思ってもできぬのだということでみんな逃げてしまうわけですからね。自民党だってそうやって逃げる場合もあるでしょう。だから、これはあとで小委員会としても取り扱いの相談を小委員長を中心にしてやるわけですから、この際よほどの決意で、さすが森整治君が局長でやったわというぐらいにぜひしておかなければいかぬですよ。いいですか。
#24
○坂村小委員長 答弁はいいですか。
#25
○芳賀小委員 何か一言あれば……。
#26
○森説明員 数字の点でございますからちょっと申し上げますが、先生の御指摘の四百ポンドで計算しますと、約三百八十円ぐらいになります。少し高くなっております。
 それから、これは反論ではございませんけれども、私は、いまの相場は必ず暴落する、少し高過ぎる――これは先生もおそらくそういうことは御承知の上での御発言だと思いますけれども、まあ、そうさせなければいけないと思いますが、いまの水準がいいかどうか。いまの改定価格というものがまだ上がるというふうにはわれわれは考えておりません。今後改定しようという額を再び改定して、また上げるんだというふうにおとりになりますと、私どもとしてはこれはたいへんあれでございまして、むしろそれ以下で今後も安定させていきたいという考え方で、先生の御意見などを十分尊重していろいろと今後対処をいたしてまいりたい、こういうふうに考えております。
#27
○芳賀小委員 それでは、来年四月にまた五十年度のてん菜の最低生産者価格をきめるわけですが、少なくともそれまでは、きょう引き上げをした小売り価格二百八十七円というものは絶対上げないということが言えるわけですね。下げるのはけっこうですよ。それはけっこうだが、農林省として、来年の四月のてん菜糖の最低生産者価格決定までの間は小売りの二百八十七円というものは上がらぬし、絶対に上げないということをここで言明できるのですか。下がるのは幾ら下げても、これは国民生活の上にけっこうですからね。
#28
○森説明員 私ども、今度の価格改定につきましては、異常な変動のない限り三月までこのラインで最高値を押えていきたいということで作業したわけでございます。もちろん、異常な変動がなお続くということであればまた考え方を変えなければいけません。そういうことで臨んでおります。
 これはお断わりしておきますが、いろいろ聞いておられる方もございますから釈明ではないのですが、やはり、これは砂糖全体の政策として申し上げているわけでございます。ビートの生産はもっともっと伸ばしていただきたいということは別に考えておるわけでございます。砂糖全体の消費者価格の問題としての先生の御質問に対して私はお答えしたつもりでございます。
#29
○坂村小委員長 美濃政市君。
#30
○美濃小委員 質問に入る前に宮下主計官に申し上げますが、何かあなたは公務で十一時半ぎりぎりだというそうですから、あなたにお聞きしたいことはまたいずれ別の機会にしますから、お引き取りいただいてけっこうです。残念ですけれども、公務はわれわれもやはり尊重しなければならぬと思います。
 まず、最初にお聞きいたしますが、いまの芳賀委員の質疑をずうっと聞いておって考えるのですが、局長、糖価安定法とか甘味資源特別措置法とかいう法律をつくったときの条件といまの条件はかなり大幅に変わってきていますね。たとえば最低生産者価格ということを繰り返し局長は表現されますけれども、こういう大幅な物価狂乱、インフレになってまいりますと、この前からも私は申し上げておるのですが、最低生産者価格というものの考え方で、以下、政令あるいは省令できめられておるパリティの計算のとり方、パリティそのものの矛盾よりも、計算のとり方のために、とにかくものすごく、特に家族労賃等が、製造業労賃あるいはこの間閣議で決定した人事院勧告に基づく公務員の皆さん方の賃金等と比較すると著しく所得が落ち込んでしまう。てん菜をつくって生活ができない。ここへ来てしまっておるわけですね。これをどうするかというのが私は政治だと思うのです。
 一体、甘味資源特別措置法だとか糖価安定法だとかいう法律は、国内の砂糖をなくしてしまうためにああいう法律をつくっておるのか。法律の趣旨ですね。法律というものには、法律をつくる趣旨と理由が必ずあるわけです。立法の趣旨その他から言った場合に、こういうことでいいのかどうか。最低生産者価格であります、一たん告示したら変えることはできません、ビートをつくった農民がてん菜の耕作で生活できょうとできまいと農林省のわれわれの知ったことじゃありません、と、こういうことなんでしょうか。そこをはっきりと聞かしてもらいたい。どうするのか。狭義的に法律や政令を通じてもだめだと一面私は思うのですね。条件が変わっておるわけです。この法律をつくったときの想定にはなかった条件が起きてきておるわけです。
 たとえばこの前、これは引例をしておるのですから答弁は要りませんけれども、この間きめたですが、農安法の運用にしても、あの農産物価格安定法をつくったときの立法の趣旨と、それに伴う政令省令で行なおうとする政策と、あらわれてきておる現象とは違ってきたわけです。そこを法律改正をしなければならぬと思うのですが、しかし、いまのことしの価格を決定するのにあたって、法律を改正してから決定するという期間的な余裕はない。ですから、そこをどう考えるか。また、法律についてすみやかに検討して、こういう著しく変わってきておる現時点は現時点としてこれはやむを得ないが、しかし、次の国会にはこういう食糧自給のために現況に合うように法律を改正するとともに、政令なり省令なりを改正するという用意、検討をしておるかどうか、また、あるいはこれから検討しようとするのかどうか、これをまずお聞きしたいと思います。
#31
○森説明員 先生の御指摘のように、この糖安法は、非常に国際糖価が低迷をいたしましてどうにもならないという時代の産物といいますか、まあ、極端にわかりやすく言うとそういう環境を念頭に置かれて仕組みが組み立てられたということはいなめない事実かと思います。
 しかし、この法律の中でも、最低価格ということだけでなしに、糖価の安定すべき安定帯をやはり設けておる。それで。下限価格だけでなしに、上限価格もございます。上限価格を定めながら、その範囲内で国内の消費者にも対策を講じていこうという趣旨が一つは入っておる。したがいまして、全然いまの時代に合わなくなっておるというふうには私どもは考えておりません。したがいまして、この最低生産者価格なりのきめ方にいたしましても、これは別に糖安法だけではございません。ほかの法律、先生の御指摘のような法律もいろいろございますし、それぞれの時代に応じた組み立てができておるわけでございます。価格の問題について言えば、畑作物でございますから、中で輪作なり何なりがいろいろと行なわれていく、その作物間のバランスを考えた価格政策というものはやはり必要ではないかというふうに考えております。
 この規定そのものがいいか悪いかということになりますと、要するに農業パリティというものでいろいろ算出していくという考え方は、一つの基本的な考え方ではないかというふうに私は考えております。そうでないという御意見もございますけれども……。ただ、非常に物価の変動が激しい場合に、こういう算定のしかたが、その年々によりまして、ことに最近のような事態になかなか対応できないということも事実ではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。ただ、永遠に物価がそういう変動をするということをわれわれとしては考えておるわけではございません。物価の変動が安定をしてまいれば、こういう考え方というものも、農政の基本として、価格政策の基本として、一つのよるべき基準として尊重していかなければいけないのではないだろうかというふうに考えているわけでございます。
 全般につきまして、糖安法につきまして今後何か考えておるかということでございますが、まだ、公式にこの改正を準備しておるということはございません。ただ、現在の安定上限価格、それから安定帯というものは、むしろ現在の国際糖価から著しく乖離して――先般これを二倍に引き上げたわけでございますけれども、なおロンドン相場が上昇を続けたという経過がございます。しかし、国際糖価というものがある程度安定してまいりました場合に、安定帯を設けて、生産者の価格といいますか、国内の糖価水準というものをその幅の中へ安定させていくという基本的な考え方については、なお存続をする必要があると思いますが、上限価格をその中へ押し込んでいく、国際糖価もそういう中へはめ込んでいく方法というものが今後の私どもの検討課題ではないだろうかというふうに実は考えておるわけでございます。
 したがいまして、いますぐ改正をするという準備はいたしておりませんけれども、上限の問題につきましては、今後何かの手だてを必要とするのではないか、これも国際糖価の推移を見て、ということに相なりましょうけれども、そういうふうに考えておるわけでございます。
#32
○美濃小委員 まず、第一点として、国際糖価を国内糖価に反映する。それもその時点においては必要な政策だろうと私は思いますけれども、原則的には、たとえば先ほども話が出ましたけれども、春からロンドン市場が三百ポンドあるいは三百五十ポンド、三百六十ポンドと上がってきまして、この糖価問題を審議した当時、いま最高だ、下がりますとあなた方は言うたわけですね。しかし、ついにこれは四百ポンドをこしたのですね。これをどう考えますか。
 経済変動の見通しですから、私は強くとがめません。人間の判定する能力で、気象条件とかあるいは経済観測というものには限度がありますから、その見方が狂ったことは、たとえば行政上の確実な計算に対してでたらめな表現をしたということは違いますから、極端にそれはとがめませんけれども、しかし、おかしい。これは違うのですよ。春から、もう二百五十ポンドぐらいのときから、これが最高です、やがて下がりますと、こう言ってきた。これはもうことしの二月ごろからです。この春のてん菜の糖価をきめるときの論争でも、速記録を見てください。これは最高だ、やがて下がりますと言っていた。そのときは二百七十ポンドか二百八十ポンドだったが、それが三百ポンドになり、三百二十になり、三百五十になり、三百七十になり、ついに四百ポンドになったわけです。これはどうなのです。きょうもまた聞いておったら、もう四百ポンドといえば最高だ、下がりますと言うが、五百ポンドにならないという保証があるのでしょうか。いままでの過去がそうなのですね。私も、四百ポンドといえばずいぶん高い砂糖だから天井だという表現を、一がいに、そんなことはない、五百ポンドになるなどという意識で申し上げるのじゃないのですよ。しかし、過去のこの委員会の審議が、いつやっても、最高だ、下がる、と言うんだね。しかし、ここ一年間下がったためしはないわ。これは上がりっぱなしなんですね。これをどういうふうに考えておりますか。
#33
○森説明員 確かに、御指摘のように、昨年の平均が九十九・六二ポンドということでございますから、約四倍に現在の糖価水準がある。ただ、ここへ至ります経過を見てまいりますと、二月に二百七十ポンドと、一時そういう相場がございました。その後二百二十ポンド台あるいは二百四十ポンド台ということで数カ月推移をしてまいりました。七月に二百五十三ポンド、したがいまして、この程度の水準で推移するとわれわれは考えまして七月に価格改定を行なったわけでございます。
 ただ、その後の事情でございますが、全体としまして、世界的に八千百万トンの生産消費という水準でございますけれども、七月下旬以降、英国とアメリカの二大消費国で特恵関係の原料の供給が非常にショートをしてきた、そういうことのために需給が逼迫をしてまいったということと、それから、ヨーロッパのビートの生産が非常に悪かったというようなことがございます。ことに、先ほど芳賀先生からも御指摘がございましたように、最近はECの国際買い付けという問題がありました。英国が非常に原料が不足している、ECが国際買い付けに入る、米国が自由市場から粗糖を買うという、そういう大きな底流がございまして、それがただいまの相場を非常に上げておるというふうにわれわれは理解をしておるわけでございます。
 したがいまして、七月時点あるいは四月改定のときに国際糖価の見通しを誤りましたことにつきましてはおわびを申し上げますが、ロンドンの相場というものについては、この前も先生の御指摘がございましたように、われわれはロンドンの相場に引っぱられておるということだけでなしに、われわれが自由市場一千万トンのうちの四分の一の二百四十万トンのバイヤーであるということを念頭に置きながら、国際相場に影響を与え得る買い付けのしかたがやはりあるのではないかということについても、別途、具体的に申しますと日豪間の長期協定の話し合いをただいま東京で進めております。そういうこともございまして、やはり、国際糖価がそう長くこのまま続くものではなかろうという判断をしておるということでございます。
#34
○美濃小委員 そこで国際糖価というものは動くものですから、技術的に的確な把握をすることはだれがしてもなかなか困難なものですから、それはそれとして、こういうことは言えるでしょう。これから上がらなければいいけれども、たとえば四百ポンドがずっと続いていくと仮定した場合、二百三十八円とか、今度改定して二百八十七円とか、これで需給を無視して押え切っていけますか。需給ということと、物価が最も大切です。物価は大切だが、日本には国内産糖にはおのずと限度があるわけです。需要を満たすということと価格調整というものはほんとうに相関関係にあると私は思う。たとえば物統令を適用して強引に価格を押えつけてしまおうと思えば、国家権力で押えられますね。しかし、そのときは、国が食管なり何なりで輸入して、四百ポンドで輸入して、三百数十円になる砂糖を二百八十七円で放出すれば別ですが、いまの日本の現況のように民間企業にやらすといえば倒産してしまうからやらぬということになるから、需要に対する供給責任が持てないということ、それはどちらを大切と考えておりますか。その相関関係はなしに、もう価格一本でやりますか。どうですか。
#35
○森説明員 御指摘のように、基本はやはり需給関係でございますから、需給関係によりまして価格が変動をするということはやむを得ないものと考えております。しかし、現在の国際糖価は、確証はございませんけれども、穀物相場にいたしましても、公式にそういうことを私が申し上げるというのはいささか控えたいと思いますけれども、何か別の要素が動いているというふうにも判断し得る点が、われわれが見てもあるやに思うわけであります。基本的には、やはり需給でございますし、あくまでも価格を押えていきますと、英国の砂糖パニックのような、御承知のような問題を引き起こしかねない要素はございます。したがいまして、われわれは、常に業界から、どういうコストのものを入手しておるということの手当て状況を報告を求めていきたいと思います。そういうものを見ながら、価格をこれ以上できるだけ上げないように、これは消費者を考えながら、むしろ物価対策でそういう措置を講じていきたいというのが真意でございます。
#36
○美濃小委員 時間の関係で国際関係はその程度にして、そこで、国内のてん菜価格に移りますが、まず、第一番に生産者の置かれておる立場ですが、きょうは永井課長は見えないようですけれども、局長も現地を見に行かれたし、永井課長も審議官も見に言っておるわけですね。それで、現地は見てこられたと思うのですが、統計情報部が発表した四十八年の十アール当たりの生産経費としては三万六千二百七十四円、うち家族労賃が七千八百三十六円、家族労賃を控除した生産経費は二万八千四百三十八円、これに二八・何%かけたわけですから、大体三万六千五百円です。
 それから、ことしの収量は、きょういただいた資料から見ると、ヘクタール当たり収量四十二・六五トンとなっておるが、私は、これはちょっと無理だと思っております。これはことしから共済が適用されておりますから、共済ですでに収量調査をしておりますが、いままでと違って、たとえば一番反別の多い十勝管内でヘクタール当たり二十六トン。去年は二十六トンなんというビートは見たくてもなかったわけです。三十トンを切れるビートはありませんでした。三十トンを切れるどころか、いずれも三十二、三トンで、ほとんどなかったのです。ことしは二十五トン、二十六トンというビートが、かなりの反別が出てきております。私も別な面で、あの畑作共済をつくったときに、てん菜に凶作なしと主張したのですが、全くこれはどうなったのか、てん菜耕作を始めて五十年の経過の中で、ことしぐらい作況が変動のある年はない。まあ、乾燥地で、いいところはそのわりに落ち込んでおりません。これは雨害であったと思うのですが、北海道は違いが多いから地帯別によっても違うと思いますが、だけれども、いわゆる落ち込んでおるのだから、あるいはこれはあるかもしれません。いまの時点ですから私もよくわかりませんが、従来の感覚からいくと、どうも四十トン程度じゃないかと思います。
 それで、四十トンで、一万一千百十円で計算すると、十アール当たりの収益高は四万四千四百四十円ですね。それから物財投下ですが、肥料も上がっておりますし、農薬も上がっておりますし、それを引きますと、家族労賃として残る部分は一万八百四円。これを情報部で出されておる三十三時間の家族労賃で割れば一時間当たり三百二十七円、一日当たり労賃二千六百十六円です。この前の委員会で、きょうは来ておりませんけれども、統計情報部長は、北海道の畑作物の中でビートが一番低くて、一日当たり労賃三千円と言ったでしょう。ですから、きょう出ておる四十二・六五トンが十アール当たり収量として出て、ことしのてん菜耕作の一日の家族労賃はかろうじて三千円でしょう。そうすると、一日三千円労賃というのはないんですよ。局長、これは定年退職をされた方が年金をもらいながら何か働いておるとか、あるいは中学卒業の未成年者労賃であればどうか知らぬけれども、世帯を構成した者が、この物価狂乱の中で一日三千円労賃で働いて生活ができるかできぬかはわかるでしょう。私の言うこと、この数字は違いますか。違わぬですよ。
 あなたも行って見てきておるんだから、私もうそやはったりを言っておるわけじゃないんだから、これをどうするかということなんですよ。このまま一万一千百十円で押し切ったら、来年はビートをつくれぬですよ。つくらぬのじゃない。寒地農作物だからつくりたいし、つくって農民は経営の安定をはかりたいが、つくれないのですよ。生活のできない労働というものはできません。餓死するんだからね。結局はやめるかということになるが、やめて、他に多少でもいいものがあればいい。私は、特に他の作物との均衡だとか、あるいは国際糖価が四百ポンドだからビートを上げろと言う気持ちは率直に言ってありません。そういう面は若干周囲との調和勘案事項でありまして、そういう気持ちでものを申しておるのじゃないのです。
 局長、基本的には、家族労賃男女込みで一時間六百円、一日四千八百円の労賃を確保するというのがあなたの任務だと思うのです。国際糖価が四百ポンドして三百何十円になる。砂糖もずいぶん高くなったものだ。ですから、私の言っておることを達成して――さっき局長も言っておったけれども、私の計算と合致しております。大体二百五十円ですよ。ですから、たとえばいまここで糖安法二十一条第三項の規定で告示がえができない、行政上の手続もあってなかなかめんどうだというのならば、もう一つの方法があるじゃないですか。小売り指導価格を二百八十七円に上げたんでしょう。ここまで上げなくていいんですよ。二百八十七円に上げて計算したら――二百二十で、いまこの計算のようにことしの砂糖をトン当たり一万一千百十円で押えて、十五万七千九百円のてん菜糖をつくったとしたら、その差額は一トン当たり七万六千円、キロ当たり七十六円も出るんじゃないですか。それを七〇%糖価安定事業団が吸い上げる。三〇%といったら一キロ二十円ですよ。一キロ二十円が糖業者の純益になっていくわけだな。そんなばかなことにしようとは政府も考えていないと思いますが、現実は、いまの砂糖であれば私が申しましたようになります。あなた方だって、いたずらに二百八十七円に小売り指導価格を改定したんじゃないでしょう。国際糖価が高くて、そうせぬければ、いま言ったように需要の確保ができないからやったんでしょう。そうしたら、キロ当たり百五十七円九十銭にきめた砂糖の価格との間には、キロ当たり七十六円の差額が出るのですよ。片や農民のほうは一日当たり労賃三千円。ことしは不幸にして四トンとすれば、二千六百十六円です。生活することもどうすることもできないてん菜価格で押えつける。私は決して国際糖価だけを言っておるのじゃないのだ。ロンドン市場が四百ポンドするから、四百ポンド見合いでてん菜糖の価格をきめろと言うのじゃないのだ。二百五十七円と思いますが、今晩きめるか、あしたきめるか、ことしの糖価安定事業団の政府買い入れ価格を二百五十七円、二百五十八円にきめて、それで糖業のほうはそのかわり一万五千円で買えよ、一万五千円で買って、そして製造経費は何ぼ見ろと言う。片や、まだそれでも二百八十七円に売れるというのです。たとえば二百五十七円でも、まだ三十円幅があるわけだ。三十円の七〇%といえば、二十円事業団が吸い上げる。ことしのてん菜糖が大体二十八万三千五百トン、二十九万トン近い砂糖ができるでしょう。それから二十円吸い上げても、五十八億円国内産糖で吸い上げるのですね。私は、吸い上げてもいいと思います。過去において安いときに政府が一般会計から金を出して、事業団が金を出しておるのだから、吸い上げることはけっこうだと私は言います。だから、一万五千円だけにしなさい。一万五千円にして、その上吸い上げることはいいです。北海道のてん菜が安いときには、政府がまた責任をもって、買い入れ、売り戻しの中で政府の財政責任でやってきておるんだから、一万五千円でいいですよ。そして二百八十七円の指導糖価で、その差額三十円、二百五十円でてん菜糖を買い上げる。二百五十三円ぐらいでいいと思う。二百五十三円なり、二百五十四円なりで買い上げる。生産者には一万五千円糖業から払え、政策指導で払いなさい、取引価格で払え、告示の変更はできぬから、とりあえずことしは取引価格で払いなさいと言っても、糖価安定事業団が二百五十三円で買い上げて二百八十七円で売り戻したらどうなりますか。五十八億円ぐらい事業団がてん菜糖から吸い上げることになります。私は、二万五千円さえ払えば吸い上げてもいいと思います。そのかわり、長い時代ですから、国際糖価ですから、安いときもあって、また政府が財政から金を出してきめた価格を補てんしなければならぬ時期がないという断言も私はいまできぬと思います。局長もそう言っておるが、そういうことは将来ないと私自身も断言できません。
 国民と国との政策でありますから、極端に外国糖は高いから、高い外国糖の何倍にしなければならぬというわけでもないと思います。しかし、生産できる、生活できる価格だけは保証しないで、食糧の自給は大切だとか、国内産糖合理化目標だとか、糖価安定、甘味資源特別措置法だとか、これでは法律が泣くんじゃありませんか。一体、日本の行政というものは弾力に欠けてしまっておるわけですね。私に言わせたら、これはばかみたいなものだ。極論を言うならば、ばかか気違いが行政をやっているようなものだ。どうしてそれぐらいの弾力性がとれないのか。現実に合う国の政治と置かれておる条件、これは農政もそうですけれども、社会福祉の中にもあるでしょう。置かれておる条件と法律をその次元に置いて、政令なり省令なり法律を無理に直さぬでもいいわけですから、直さぬでも、弾力的に、行政の考え方で、正常に運用の中でやれる幅もあるのじゃないですか。それができぬようであれば、いま私が提案したことすらができぬようであれば、農林省なんか要らぬと私は思う。こんなこともできぬのなら、こんな法律も廃止して、めんどうだから食品流通局だとか局長なんという機構ももう廃止してしまって青天井の野放しの社会にしたほうがかえってはっきりして、あっさりしていいのじゃないか。こんなことばかりやっておっては、全く国民の意識をおかしくしてしまう。国をおかしくしてしまう。
 いまこの委員会で、局長も責任ある立場で、こうやりますと確たることを言うことはできないかもしれないが、どうですか、私の言っておることは全然でたらめだとあなたは考えるか。こういう経済の大きな変動の時期になり、こういう国際砂糖暴騰の中で、国内甘味資源を安いと申し上げていいわけですから、安い国産糖を確保するためには、いま私が申し上げたような弾力的な運用は可能な限り最大限考えなければならぬという気持ちがあなたにあるかどうかということを聞いておるのであります。こうするということをいまこの委員会で言うことは、大臣もおることだし、局長は言い切れないと思うが、私の言っておることは全くでたらめなのか。私の言っておるようなことはもう歯牙にもかけないのか。来年ビートをつくろうとつくるまいと、北海道の九つのてん菜工場がつぶれてしまおうと、十五万七千円で告示して、あとは野となれ山となれ、局長ごときの知ったことじゃありませんと言うのか。そこの判断をはっきり聞いておきたいと思います。具体的な表現は要りません。判断です。そういうことはやはりやらなければならぬ、どこまでできるかわからぬが、誠意をもってやらなければならぬと思うのか。あなたの上にはまだ大臣もおれば与党もおるから、あなたが努力してもできぬ場合もあるかもしれませんが、しかし、あなたは当面原案を作成する責任者なんだから、私の言っておることが全くでたらめだと思うのか、やはりそういう意識を持って行政に当たらなければならぬと思うのか、そこの感触を聞かしてもらいたいと思います。
#37
○森説明員 先生からるる御指摘のございました点の中で、一言だけちょっと私どもと……。
 数字的な問題でございますが、かりに私どもがここにお示ししました四十二・六五トンということにいたしましても、これは全体の反収の総平均をそう想定するということでございまして、生産費を使います場合には生産費の反収との乖離がございます。過去において、生産費の反収のほうが高いわけでございます。その計数をかけて一応収益性の試算をいたしますと、先生が先ほどおっしゃいました三千円というのが、私どもの手元の数字では三千四百八十三円になるということでございます。数字の問題でございますから、ちょっと私どもの計算の根拠を申し上げたわけでございます。
 それで、いずれにいたしましても一日当たりの家族労働報酬が低いではないかという点につきましては、他の農産物で実現されております労働報酬と比べますと、確かに相対的に見劣りがするというととはいなめないと思います。たとえばバレイショでございますけれども、これは市価が非常に高くなってきておる。そういう関係もございますから、これは当然にいたしましても、そういうようなほかの農産物との関係もながめながら見てまいりますと、そういう点はございます。
 ただ、そういうことはそれといたしまして、先ほどおっしゃいました現在の市価水準ですが、それは国際糖価までは言わない、市価水準の見合いの中でいまの生産者の手取りを何とか確保していきたいという気持ちにつきましては、私、北海道の現状を見た場合に、価格だけではないと思います。価格だけで六万ヘクタールを取り戻せるものでなかろうと私は思います。これだけは私は申し上げておきたいと思いますけれども、ほかの生産対策、それから他の作物との輪作体系というものを考えながら、安定した、定着したてん菜の位置づけというものを、目標どおり、六万ヘクタールまで一挙にとは申しませんけれども、早く取り戻してもらいたい。そういう気持ちから申しますと、先生の御指摘の点はよく念頭に置きまして努力してみたいと思います。
 ただ、これは、農産物の告示価格という点から申しますと、他の農産物との価格のバランスあるいは計算の方法等いろいろございます。やはり行政価格でございます。市価が実現されておるからその手取りがどうなるかということよりも、行政価格として最低価格というものをどういうふうに見ていくかという論点がもう一つございます。これらは、各行政価格のバランスということを考えながら、先生の御指摘の点につきましては、私としましては最大の努力をしてみたいというふうに考えておるわけでございます。
#38
○美濃小委員 農蚕園芸局の課長さんが見えておりますから言っておきますが、大豆の問題ですが、もう時間がないし、それときょうは小委員会ですから、同様の趣旨で大豆の価格の決定に最大の配慮を払われるようにお願いしておきたいと思います。
 いま申し上げたような趣旨です。労賃の確保、これなくしてはできない。もちろん輪作体系は否定しません。そういうこともけっこうですけれども、それだけではだめです。輪作体系だとか、省力用の機械を出してやるとか、土地改良をしてやるとかと何ぼ言ったって、つくって生活もできなければ――土地改良というものも、特別にひどいところになると、この前も申し上げたように、沖繩あたりでも畑をぶん投げて逃げ出すのですから、率直に言うなら、生活ができぬで畑を投げて逃げ出すようになれば土地改良も要らないのですよ。だから、そこは土地改良も大切なんですよ。土地改良も大切、機械化も大切、省力化も大切だが、それと並行した価格が、これをやってやるんだから価格はどうでもいいじゃないかといっても、この物価狂乱の中で、一時間当たり労賃二百円か三百円で生計を立てろといっても、立てようがないということなんです。大豆にもそれがあるわけです。しかし、あなた方の試算を見ると、きょうは小委員会だから出てきていないけれども、何か、過去の流通局長に言わせたら置き忘れられたような低い価格にただパリティだけをかけて、パリティだからこれであたりまえだというようなことではどうにもならぬわけです。これは所管外ですから答弁は要りませんが、そこに来てすわっておるんだから、よく聞いて、間違いのないようにきめてください。間違いのあるようにきめたら、あとで責任を追及しますからね。きょうは答弁は要りません。
 以上で終わります。どうもありがとうございました。
#39
○坂村小委員長 次は、瀬野栄次郎君。
#40
○瀬野小委員 昭和四十九年産てん菜糖買い入れ価格について、農林省関係当局に質問いたします。
 去る九月十日、農林水産委員会でてん菜糖買い入れ価格について質問をいろいろ申し上げたわけでありますが、いよいよ価格決定を目前にいたしまして、再度政府の見解をただし、十分に検討の上、再生産ができるように、てん菜耕作農民が要求しておりますトン当たり一万五千円の価格にぜひ決定されるように冒頭要望し、以下質問に入りたいと思います。
 いろいろ先ほどから質問が出ておりますが、私はこの機会に総体的に問題点をあげて当局の見解をただし、今明日決定する価格についての慎重な検討の資料にしていただくようにお願いをする次第です。
 まず、最初に、てん菜及びてん菜糖の生産状況でありますが、先ほど森局長からもいろいろと冒頭発言がございましたけれども、四十九年度が総生産量が百九十九万四千トン、ちなみに四十八年度が二百九十四万八千トンということでございますので、約百万トンの減収になっている。作付面積も、四十八年が六万一千六百八十三ヘクタールに対して、四十九年度は四万七千四百八十三ヘクタールと、これまた激減をしている。さらに、てん菜栽培農家は、糖安法の制定時、昭和四十一年の五万百三十二月から八年間に二万九千九百五十九戸、すなわち五九・八%と、これまた激減をしておりますし、うち、四十九年度は六千四百九十九戸と、これまた前年対比二五%激減をいたしております。当局ももう十分承知のとおりでありますが、こういったてん菜の作付状況、また農家戸数を見ましても、まさに、てん菜は作付が今後激減をしていく状況がうかがい知れるところでございます。こういったことを思いましたときに、当局はいろいろ答弁をしておられますけれども、こういった数字を見て、事実どこにこの原因があるのか、その認識をあらためて当局に冒頭にまず私はお伺いをいたしたいのであります。
#41
○森説明員 北海道の畑作物の作付状況から見ますと、四十九年の見込み数字でございますが、四十八年に対比いたしまして著しい変動があるようでございます。その中で伸びておりますのが牧草であり、麦であり、大豆でございます。あと野菜が若干でございます。それから、全体から見まして減っておるのが、その横綱格になってしまったのがてん菜でございます。バレイショ、雑豆等若干減少をしているようでございますが、そういうような事情につきましては、直接は農蚕園芸局で所管をいたしておりますけれども、農林省としていろいろ検討をいたしました。これはやはりてん菜が相当な労働時間を要する。それから、よく私ども言われるのですが、あの雪の降る中で収穫を行なうということで、たいへんな御苦労をかける作物でございまして、そういうようなことも一つは大きく影響しているというふうに考えております。その他、価格なり奨励金の関係で、昨年のてん菜糖価格をきめました以降の物価の非常な変動なり、そういう条件の変化というものが収益性という観点からも相当いろいろ問題にされているということもよくわかるわけでございます。
 ただ、もう一つわれわれが考えておかなければいけないことは、そうではありましても、どの作物をとりましても、いまの日本にとって、農政の観点からも、また国民の食生活という観点からも、食糧を確保するという観点からも非常に重要な作物でございます。したがいまして、国際的な穀物なりそういう需給がこういうようにいろいろと非常に変わってまいりました中で、それぞれの作物の位置づけを至急考えなければいけない。やはり、輪作の中で、四年にしろ五年にしろ、根菜類というものを定着させていくことは必要だと私どもは考えておるわけでございます。今後は収穫の機械化なり育苗施設をもっと増大していく。あるいは酪農との結びつきも、酪農家自身がてん菜を植えつけていくということは、労力の面から、専業化されておる点から非常に問題があると思っております。したがいまして、農蚕園芸局で考えておりますように、新しいてん酪事業といいますか、要するに農家が委託を受けながらビートを酪農家の牧草地に植えていくというような結びつき、あるいは十勝では交換耕作というお話しもあるようでございますが、そういうものを何とか組織化いたしまして、酪農家もよくなる、ビート農家もよくなる、北海道の畑作の輪作もよくなるということを早く定着させてまいりたいということを考えておるわけでございます。
 そのために、今年度は、価格関係につきまして、それぞれの算定方式以外にいろいろな要素が織り込まれて形成されておるわけでございます。幸か不幸か国際糖価がこれだけ上がりまして、国内の販売価格も上げざるを得ないという事態でございますから、そういう一つの価格的なものが増産の刺激効果であることはわれわれも十分認めておるわけでございます。価格だけではいけませんけれども、全体を考えながら、当委員会の御意見を聞きながら、適正な価格水準の決定につとめてまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
#42
○瀬野小委員 森局長からいろいろと理由についての答弁がございましたが、一々反論する時間もございませんけれども、その中でてん菜の位置づけを十分考えていかなければならぬということもございました。これは当然のことであります。これは何回となく当委員会でも指摘してきたところでありますが、そこで、農林大臣が四十九年九月十日付で甘味資源審議会に諮問したのでありますが、てん菜の長期目標として、昭和五十三砂糖年度産てん菜の生産目標を、作付面積について七万ヘクタールを推計しておられます。四十九年度の四万七千四百八十三ヘクタールとはかなりの相違があるわけでありますが、位置づけ等についても十分考えるということでございますけれども、これは五十三年度の七万ヘクタールとの差が相当開いておるし、ますます農家は減っていく、逆な方向に進んでおる、こういうふうに思うわけですが、さしずめこの問題について、生産数量の向上をはかるという意味から、作付面積の増加については当面具体的には政府としてはどう考えておられるか、それらも冒頭にお答えをいただきたいと思うのです。
#43
○本宮説明員 お答えいたします。
 いま北海道にてん菜の作付面積七万ヘクタールの計画を持つのでございますが、これを達成するためには、北海道全体の畑作面積が減少しておる状態でございますので、面積全体のワクを広げていくということがまず前提でございます。それと同時に、食品流通局長が先ほど御答弁になりましたが、将来北海道におきまして、永年牧草地等の飼料畑が今後とも増大していくと思われますので、てん菜を永年牧草地の中のローテーションの中に入れていくといったようなことによりますてん菜の作付面積の増大をはかっていくということ等によりまして、いま北海道で第三期計画がございますが、その七万五千ヘクタールに近づけていくということを今後とも推進してまいりたいというふうに考えております。
#44
○瀬野小委員 森局長から先ほどいろいろ答弁があった中で、てん菜の耕作農家は労働時間が要するとか、雪の中での収穫がたいへんだとか、また、価格に対する奨励金の問題だとか、物価条件等がいろいろと加わって収量性に対する影響があるとか、いろいろございましたが、私は、農家の意欲を増すためにはてん菜価格を上げるという以外にない、と、かように結論をつけておるわけです。
 当局としては、農家の要求に即するようなデータで試算するわけにはなかなかいかないということからいろいろ言っておられますけれども、結局は、農家は、労働時間の問題あるいはまた雪の中での収穫というようなことなんかには地域特産物として耐えていく、そしてまた価格が上がれば喜んでやっていく、そして耕作の拡大をはかっていくという考えはあるわけでございまして、きょうも朝から中央会あるいは全農連の皆さん方の陳情等もございまして、悲壮なまでに、価格の問題が一番であるといった再三にわたる陳情をわれわれは受けておるわけであります。
 そういったことから若干お尋ねしてまいりますが、今回てん菜の最低生産者価格をきめるにあたって、昭和四十九年の価格は、四十九年四月十日、トン当たり一万一千百十円と決定したわけでありますが、これをきめる際、政府は、パリティ基準価格とともに競合作物との均衡価格を参酌価格としている。そして四十九年度産の場合は、バレイショの原料基準価格を基礎に算出しておられるようでありますが、これでいきますと、バレイショの一日当たり家族労働報酬を幾ら見られたのか、どういうふうに価格を見て算定されたのか、その辺をまずお答えをいただきたいと思います。
#45
○森説明員 てん菜の価格決定にあたりまして参酌いたしましたバレイショの一日当たりの家族労働報酬は三千五百二十円でございます。ただ、四月には四十八年の生産費調査が出ておりません。したがって、四十七年産までの生産費調査結果からそういう価格を推計して一万一千百十円ときめたような事情でございます。
#46
○瀬野小委員 それでは、四十八年産のてん菜、バレイショ、大豆、小麦の家族労働報酬は実際どのような数値であったか、その点を簡潔にお答えください。
#47
○森説明員 生産費調査の結果から申し上げますと、てん菜が三千六百十四円、四十八年産でございます。それから小麦が五千七百二十円、原料バレイショが六千二百七十九円、大豆が五千六百八十七円というような資料になっております。
#48
○瀬野小委員 バレイショの家族労働報酬が四十八年度は六千二百七十九円とおっしゃいましたが、そうしますと、先ほど申しましたように、バレイショの一日当たり家族労働報酬と四十八年度の実際の数値の食い違いはどういうことになるのですか。どういう試算によってこういうふうになったのですか。
#49
○森説明員 先ほど申しましたように、当時四十八年産の生産費調査がございませんで、四十七年産の生産費調査で推計をしたということが一つでございます。
 それから、バレイショの場合、四十八年産の価格が非常に高く出ておりますのは、これは行政価格としてわれわれ比較をしていくわけでございますが、バレイショ自身は、先般決定いたしましたが、農安法上の買い入れ基準価格というものを実際ははるかに上回る価格で販売価格が形成されております。要するに、いわゆる市価というものが高い価格で形成されておりまして、農家の手取り額が、四十八年産はでん粉の価格を反映いたしまして上昇したということのために非常に大きな差が出たというふうに理解をいたしております。
#50
○瀬野小委員 そうしますと、てん菜の四十九年の生産者価格決定にあたっては、参酌価格として、競合作物、特にバレイショとの均衡価格を一日当たり家族労働報酬と均衡さしていくということになれば、あくまでもバレイショの六千二百七十九円を基礎にして算出すべきじゃないか。かように私は思うわけでございますが、この一日当たり家族労働報酬の問題で、六千二百七十九円ということを基礎にすれば、最低生産者価格というものは幾らになるかという疑問を私は持つわけですが、この点を当局はどういうふうに検討をしておられるのか、その辺も明らかにしていただきたいと思います。
#51
○森説明員 バレイショの四十八年産の家族労働報酬六千二百七十九円をとるべきかどうかということについては問題があろうかと思いますけれども、一応御指摘のような計算をいたしますと、四十八年の生産費調査では、てん菜は三十・九時間を要しておるようであります。六千二百七十九円を八時間で割りまして一時間当たりにいたしまして、それに三十・九時間をかけまして、それを一応ことしの価格に引き直して、反収の見方といたしましては四十二・六五トン、先ほどお示しいたしましたことしの数字でございますが、これを生産費ベースに直します。そうしますと四・六トンということに相なるわけでございます。四・六トンで割りますと一万三千四百四十五円という計算に相なろうかというふうに存じております。
#52
○瀬野小委員 これは単純に考えても家族労働報酬というのが一つの問題になるわけですが、バレイショは六千二百七十九円、大豆は五千六百八十七円、小麦が五千七百二十円。この大豆と小麦はもちろん四十九年から生産奨励金がつくことになっておるわけですが、それに比べててん菜は三千六百十四円、一番低い。これは、こういった家族労働報酬の問題から見ても、どうしてもバレイショ、大豆、小麦と均衡のとれた価格にすべきであるということを私は言いたいわけでありますが、その点は当局はどういうふうな認識によって今回考えておられるのか、これまた明らかにしていただきたい。
#53
○森説明員 てん菜につきましては、播種期に価格決定を行なうということで、四月に価格決定を行なった次第でございます。この価格決定を行ないました以後のいろいろな情勢の変化等によりまして、それぞれにつきまして、需給の観点からもっと増産をはかってもらいたいという趣旨の生産奨励金が加算されております。これは生産奨励という立場からつくられたもので、価格それ自身の比較は、農家の手取りという観点からは確かにそのとおりでございますけれども、いわゆる価格という考え方からいたしますと、対等に相対的に価格でてん菜はそれを見なければいけないということに相なることには必ずしもならないというふうに考えておるわけでございます。
 また、そうは言うものの、これだけの面積を減少した現実というものはやはりわれわれは認めざるを得ませんし、農家の方々が相対的に収益的に劣っておるのだということをわれわれに訴えられておるわけでございますから、その間の事情というものは十分考えざるを得ないと思います。今後の価格決定にあたりまして、そういう観点からも十分検討を加えて、てん菜農家が喜んで生産にいそしんでいただけるような措置をとってまいりたい、こういうふうに考えているわけでございます。
#54
○瀬野小委員 この一日当たりの家族労働報酬がたいへんな一つの問題になる。小委員長も十分お聞きいただいたと思いますが、これらの問題を十分踏まえて、価格決定に対しては、農家が要求しているトン当たり一万五千円の要求にこたえられるように、だめ押しをする意味で申し上げたわけです。
 さらにお伺いしたいことは、てん菜糖の買い入れ価格の問題で先ほどからいろいろと申し上げてまいりましたけれども、四十八年度の総収量が二百九十四万八千トンあったわけでありますが、四十九年度が百九十九万四千トンということで、約百万トンの落ち込みになっておる。そこで、私は、糖業メーカーの工場の操業度というものも非常に問題になってくると思うのです。北海道からのいろいろな連絡を受けておりますと、おそらく工場そのものが成り立たぬようになるんじゃないかということで憂慮されている。操業度というものは、このようなてん菜の減収によってどのくらい低下するというふうに当局は見ておられるか。いろいろ私が巷間伝え聞くところによると、おそらく半分くらいに低下するんじゃないかというふうにも言われておりますが、当局はどのように見ておられるか、その点を明らかにしていただきたい。
#55
○森説明員 一つは、面積が非常に大きく減っておるということであります。それから、反収も、非常に作柄がよくなかったということの要素から原料が減っておるわけでございますから、当然その分だけ操業度は落ちてまいるわけでございます。そのほかに、ここ数年の傾向といたしまして、糖度が非常に減少しております。これは非常に憂うべき現象だと私どもは考えておりますけれども、ともかく、いずれにいたしましても、操業度が減るということは企業の立場から見ましても大問題でございます。したがいまして、こういう点につきましても十分配慮をしていかなければなりませんが、その点、問題は、その数字を正確にどう把握するかということだと思います。
 たとえて言いますと、歩どまりの問題にいたしましても、ことしは作がおくれておりますから、その出始めておりますところの、現在われわれがつかんでおります数字が今後どういうふうに変化していくかということの見きわめが非常に困難な状況にございます。いずれにいたしましても、過去の推計式等を使いましてできるだけ適正な歩どまり等も出しまして、適正な加工経費というものを決定してまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
#56
○瀬野小委員 数字がどう変化していくかということをおっしゃるけれども、価格を上げなければ、反別も戸数も、また生産力もどんどん減っていくということは明らかであります。これは局長も十分承知のことだと思うのですけれども、あなたも当面の責任者として十分対処していかなければ、今後農政上に一大汚点を残すことになるので、今明日の決定にあたっては十分な注意をして、要求価格が実現できるように努力してもらいたい。これを重ねてお願いをする次第です。
 そこで、糖業工場の問題ですけれども、現在九工場あって、大体二百九十万トンぐらいがちょうどいいというようなことを私は伺っております。これ以下になりますと工場は完全につぶれていくということが考えられる。つぶれたものをまた再建するというのはたいへんであります。そうなると当然生産費が高くつくわけでございますから問題であると思うが、その点、今後の見通しとしてどのくらい高くなるか、当局はどう思っておられますか。私の考えでは倍くらい高くなるのじゃないかと思っておりますけれども、その辺の見解はどうですか。
#57
○森説明員 先ほどお手元にお示しいたしました四十八年産の買い入れ価格の集荷・製造経費の欄、一枚紙のまん中あたりにございますが、これによりましても、去年が六千四百二十九円ということでございます。これは原料トン当たり、政府の一応の試算でも一万円をこえるという状況になっておるわけでございまして、経費が相当かさんでくるということでございます。もちろん、先住御指摘のように、ともかく六万ヘクタールへ戻す、そして原料を早く増産するということが工場側にとっても最大の課題ではなかろうか、こういうふうに考えておるわけでございます。
#58
○瀬野小委員 六万ヘクタールへ戻すということをよく言われるけれども、農林省試算によると、五十二年度七万ヘクタールとなっておる。その六万ヘクタールはいつまでに戻すのですか。
#59
○森説明員 できるだけ早く、ともかく失地回復をすべきだと私は考えております。ただ、現実の問題といたしまして、すでに小麦の播種が終わております。そういう関係から、小麦による減反ということは考えざるを得ないと思います。いずれにいたしましても、もっと外延的にビートも考えてまいる、外延的というのは、いままでの作付集荷範囲以外の外のほうまでビートの作付を考えてまいる、そういうことにもわれわれは努力すべきだと考えております。したがいまして、目標としましてはとりあえず六万ヘクタール、その次は七万ヘクタールということでともかく考え方を進めてまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
#60
○瀬野小委員 できるだけ早くと言うが、ことばは便利なものですけれども、来年なのか、三年後なのか、五年後なのか、できるだけというのはどのくらいの期間をできるだけとおっしゃるのですか。
#61
○森説明員 私、あまり正直に申し上げ過ぎているのかもしれませんけれども、私どもの気持ちとしましては来年度、ともかくこれからいろいろ手当てをいたしますけれども、それで六万ヘクタール取り戻したいという気持ちに変わりはございません。
#62
○瀬野小委員 それでは、精糖メーカーの問題ですが、こういう現状ではかなりきびしい状態になっていくと思うが、政府は精糖メーカーに対してどのような手を打つ考えでありますか、その点お尋ねしておきたい。
#63
○森説明員 とりあえずは、原料が減っておるわけでございますから、それの加工経費はそれなりに、操業度が減ったという事実で見てあげなければいけないと思います。われわれとしては、そういう計算を現にしておるわけでございます。あとは数字を的確に把握しまして、ともかく工場のコストが現実に近いようにとりあえず計算をすることだと思います。
 それから、もう一つこの際申し上げておきたいのは、糖度が低下をしておるということでございます。このことは、原料が非常にとれましても、結局産糖量が減ってまいるということでございます。これは国際的に見ても、少し異常な現象が最近あまりにも続いておる。三年連続糖度が低いということでございます。この点につきましても、われわれもいろいろと事情の調査をいたして、ただ一挙にその糖度を高める栽培方法というものが農家に徹底するということは非常にむずかしいと思いますけれども、できるだけ早い機会にそういう産糖を、要するに糖度のあるてん菜をつくっていただくことは、これこそ工場のためでもあり、農家のためだと私は思っております。
#64
○瀬野小委員 北海道の農協中央会並びに北海道農民連盟からも、この忙しい中で、しかも国鉄運賃値上げによって相当経費もかかる中で、再三陳情を受けて、その苦痛のほどは私たちも十分承知しております。再三申し上げておりますように、いろいろ条件もあろうかと思いますけれども、こういった精糖メーカーの問題についてもやはり大きな問題であるということを思ったときに、てん菜価格の引き上げが最大の課題であると、私はかように思っております。そういった面で、てん菜の生産農民は一万五千円以上の再検討をしろということを強く要求しておるわけでありますから、十分御検討いただきたい。
 と同時に、これについてもう一点お伺いしておきたいのですが、この決定の時期というものは、一米価のときに主張しておきましたごとく、作付前、せいぜい一月ごろに早めて決定をするということが大事じゃないかと私は思っております。昨年も当小委員会でいろいろとこういったことを質問したわけですが、検討するということで、なかなか具体化しておりません。いろいろとほかとの問題があることも十分承知しておりますけれども、てん菜は十一月ごろから準備をして、四月に作付をする。こういった面から言いますと、稲作と同じように、てん菜農家の意欲を増すためには一月ごろにきめるという方向で進めるべきだと私は思っておりますが、当局の担当である森局長はこの点はどういうふうに考えておられるか、お答えいただきたい。
#65
○森説明員 作物の作付前に価格を決定するという基本的な考え方につきましては、私ども異論はございません。しかし、現実の問題となりますと、てん菜につきましては、従来、二月のパリティの数字をとっております。それが大体三月の末から四月の初めに集計になるようでございます。
 それから、てん菜の生産費が四月の上旬に一応まとまるということでございまして、この作業が伴いませんと現実に数字を非常に把握しがたい。把握しがたいと価格を決定するというわけにまいらない、こういう事情がございます。
 それから、もう一つ、端的に申しまして、最近、サトウキビは収穫時に価格をきめるということになっております。これは法律上どうもそうしか読めないということでございます。
 それらを考えますと、最近のようにいろいろと年間の物価の変動が激しい時期に、現実的に考えた場合には、早くきめるということとおそくきめるということのいずれも実質的な問題がいろいろあろうかと思います。それらを含めましていろいろと今後検討すべき問題だと思いますけれども、当面の問題といたしまして、四月をもう少し繰り上げたいという気持ちに変わりはございませんけれども、その点につきましては資料上の制約があるということでございます。
#66
○瀬野小委員 時間の関係でいろいろと詰める時間はありませんけれども、サトウキビにしても、てん菜にしても、いろいろと収穫時間の問題があるとおっしゃる。それならば、米価なんかはもっと早く作付前にきめて、また秋に米審を開いて追加払いをやればいいということをわれわれは再三言っているわけです。それらに準じて追加払いの決定のしかたもあるわけですからね。かといって、資料がそろわないとおっしゃるけれども、そういったことは皆さん方が資料をそろえるように十分対処していけばいいわけで、旧態依然として慣習にならったようなやり方では相ならぬと私は思う。そういったことの改革がなされなければ、いつまでたってもこういった問題は解決しない、十分今後検討していただきたい、かように私は思うわけです。
 そこで、次に申し上げたいことは、政府は二十七日の夜に、砂糖の標準小売り価格を現行二百三十一円から二百八十七円にする、すなわち二四%値上げをすることを決定しました。これは上白一キログラム当たりの価格でありますが、これには消費者はたいへんなショックを受けたわけであります。御承知のごとく、これは家計にまた一つの大きな負担がかかってきた。
 そこで、日曜日の夕方突然に値上げが決定したということで、けさもテレビで報道されておりましたが、実は、東京都内のスーパーなどで買い急ぎの騒ぎが起きたということから、情報を得た農林省当局が急遽決定した、放置するとまた昨年のパニック状態が起きてくるという憂慮があったということが言われておりますが、これまたインフレ対策に悩むところの当局の苦しさをあらわしたものであると思うわけですが、突如としてこういった値上げがなされたことの経過について、どうして当局はこういうふうになさったのか、消費者はたいへんな驚きをもってこの価格の決定について非難をしているわけですが、お答えをいただきたい。
#67
○森説明員 基本的な原因は、海外に八割砂糖を依存しておりまして、その原糖のコストが急上昇をしておるということでございます。ロンドン相場が去年の十月で百一ポンドでございます。ごく直近時点で言いますと四百十ポンドであります。約四倍以上の水準を示しております。その経過につきましては、先ほど芳賀先生の御質問にもお答えしたとおりでございます。
 それから、そういう事情が基本的にございますが、たしか七月十四日に、百八十六円の凍結価格を二百三十一円に変更いたしました。その当時のロンドン相場は大体二百五十三ポンドだったと記憶いたしておりますが、その後いまのような外糖のコストの上昇があり、それに伴いまして先高感というものが業務用に確かにあったようでございます。ちなみに、業務用につきましては、技術上の問題がございましたものですから、価格の凍結は行なっておりません。
 そういう関係から、最近の日経相場では二百七十五円という取引が行なわれた。これは大口のものではございません。小口の需要家がいろいろございます。お菓子屋さんですとか、そういう方々が原料の手当てをする、その価格が先高感から二百七十五円にもなり、スーパーで売っておりますのは二百二十五円、場合によりましては百九十何円という価格がございます。そういうものの差というものが出てまいりました。そういうものを業務用が買いに走り出したということが、今回、昨日起きましたスーパーでの買い急ぎ、品切れという現象ではないかというふうに一応判断したわけであります。
 したがいまして、国民の皆さんのために家庭用の小袋を指導価格をつくって売っておりましたものがそういうことで店頭から姿を消すということはまことに残念なことでございます。私どもとしましては、実は、食品セールというものを七日まで、非常に食品を安く供給しようという立場から企画をして、現にやっております。来月の七日まで、ともかくそれが済むまで価格の改定は避けたいということで私どもは実は進んでおったわけでございます。
 しかし、先ほども申しましたように、大阪の高槻とか東京の下町で昨日の朝からそういう現象が起こり出したということで、これは全国に直ちに波及するおそれがあるということで、ともかく、価格改定によりましてとりあえずこの混乱を防ぐということをきめたわけでございます。
 あわせまして、先ほどのような業務用の価格が自然に上がっていくということは、いかにもこれはロンドンの相場であるかもしれませんけれども、相場の先取りという考え方もあるのではないか。そういう意味で、業務用の大袋につきましても、今後政府の指導価格あるいは現在の価格を引き下げるということも考慮いたしたい、こういうことを考えておるわけでございます。
#68
○瀬野小委員 このように突然の砂糖価格二四%値上げの決定ということはまことにけしからぬと私は思う。農林省がどういうような情勢分析をしてこられたか知らぬが、去る十月二十三日の物価対策特別委員会で、わが党の有島議員が森食品流通局長に質問をいたしておりますが、そのときの議事録を見ましても、砂糖二百三十一円の現価格は来春三月まで値上げはしないとあなたは言明をしておる。にもかかわらずこのようなことを急遽やられたということは、消費者の驚きはもちろんのことであると同時に、これは農林省としての不手ぎわと怠慢から来た問題ではないかと思う。これは国会軽視もはなはだしい。十月二十三日の質問にこういったお答えをしたばかりにもかかわらず、今回このように価格を値上げするということはまことに国会軽視ではないか、と、かようにきびしく指摘したいわけですが、それに対して局長はどういう見解をお持ちであるか。
#69
○森説明員 有島先生からそういう御質問がございまして、私がお答えいたしました趣旨は、ともかく家庭用の小袋は店頭からなくさない、そのことは絶対守りましょう、また、そのための制度でございますから、家庭用の小袋優先にわれわれは考えたいということを申し上げたわけでございます。
 価格の問題につきましては、業務用の価格が非常に高騰しておりまして、そういう者が家庭用のスーパー等の小袋を買いあさるという動きがある、そういうおそれがある、そういう事態があるということは私は申したつもりでございます。ともかく、価格を二百三十一円のまま三月まで据え置くということは、私は言った覚えはございません。
 いずれにいたしましても、英国で起こりました砂糖パニックも、これもやはり価格を安くしたために量が入らない。ともかく安ければいいという考え方をとれば、そういう考え方も現に英国で行なわれておるわけでございますから、そういう考え方も私ども否定はいたしません。しかし、片方で、アメリカでは三百三十何円の砂糖が売られておるわけでございます。これは価格を押えないために量は豊富だが、価格は高い。このいずれを選ぶかということにつきまして、その両方のよさをとってこの難関を乗り切っていくべきではないか、と、こういうことを私は申し上げたつもりでございます。そういう意味で、私のことばが足らない点がありましたらたいへん申しわけなく、おわびをいたしますけれども、私どもの考えておりますことは、ロンドンの価格がここまで来まして、何らかの措置を講じながら、消費者の皆さんになるたけ安い価格で砂糖をどうやって安定させて供給していくか、その方法として、業界が先取りをしないようにということを専一に考えながら行政指導で今後も善処をしてまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
#70
○瀬野小委員 森局長は、十月二十三日の物価対策特別委員会で先ほど指摘したようなことをおっしゃっておるわけですけれども、据え置くとはおっしゃっていないけれども、三月までは値上げをしないというような答弁をしておられる。にもかかわらず、今回のこういうような値上げはまことにけしからぬ問題だと思う。このことでいま追及するだけの時間の余裕もありませんが、この問題については別途また時間をかけていろいろと論議するということにして、最後に、もう一点、大事な問題を私は指摘せざるを得ません。これはまとめて申しますので簡潔に答弁をいただきたいと思う。
 ロンドンの相場の急騰で、昭和四十九年三月の時点で逆転して、国内産より外糖がはるかに届くなったことは御承知のとおりです。現在、糖価安定事業団の精糖メーカーからのてん菜糖買い入れ価格はトン当たり十一万四千円、ところが、てん菜糖の売り戻し価格は卸価格に見合った価格できめられるので、特にこの八月ぐらいから逆に売り戻し価格が買い入れ価格を上回っており、糖価安定事業団が逆に黒字でもうかっているというような珍現象が起きてきておるわけでありますが、この現象をどう見るかということ。糖価安定が第一義の目的であるべき事業団が黒字をあげている。そして、逆に、てん菜の生産農民は最低生産者価格の低迷に泣いている。こういった矛盾が感じられて、生産農家のいろいろな批判の声もたいへんきびしくなっておるわけでございますが、そこで、それでは政府は最低生産者価格の改定ということについては今回どういうふうに臨もうと決意しておられるか、政府のその考えと決意のほどを伺いたいし、また、助成金等についてのいろいろなことも考えておられるかどうか伺いたいし、それをもし考えていないとすれば、政府はこれらのてん菜価格については何らかの方法をとりたいとかねがね言っている声をよく聞くわけでありますが、この何らかの方法ということについては具体的にどういうように考えておられるのか、本日は責任ある答弁を最後に承りたいと思います。
#71
○森説明員 糖価安定事業団で行なっております調整金のいわゆる市価参酌という点でございますけれども、従来、計算のコストよりも下がった分について、事業団でその七割分を見ておる。それの合計が五十七億。それに対しまして、調整金として、収入として入ってきたものが二十九億。そういうような関係で、別に事業団がもうけておるわけではなく、事業団は損をしておるわけでございます。そういうことが従来もございました。そういう勘定から申しますと、まだいまだに赤字でございます。そういうことで、別に事業団がもうける必要もないし、もうけておるわけでもございません。
 ただ、それはともかくといたしまして、最後に先生から御指摘のございました点につきましては、先ほど私が申しましたように、価格というものはいろいろの他の農産物の制度との関連もございます。そういう関係から、その点の改定は非常にむずかしいのではないかと私は思っておりますけれども、そうかといいまして、ともかく農家に喜んでいただける方法としてどういうことがあるかということになれば、他の作物にとられましたような方法もございましょうし、いろいろなやり方はあろうかと思いますが、ともかく、農家が手取りとして御満足いただけるようなことを何らかの形で考えていくべきではなかろうか、ただ、それがどういう水準なりどういう方法がいいかということにつきましては、きょうの委員会の御意見を十分承りまして、われわれとしては適正な買い入れ価格の決定をしてまいりたい、こういうように考えておるわけでございます。
#72
○瀬野小委員 時間がないので最後に要望を申し上げて終わりにしますが、いま、局長から、事業団の問題で、現在は赤字で黒字じゃないということを言われたのであえて実は申し上げるわけですけれども、どこからその五十七億と二十九億の数字が出たかわかりませんが、十分検討していただきたいと思う。公開の席であるのでそういったことしかおっしゃることができないのかもしれませんけれども、現に黒字になっておりますし、糖価安定が第一義の目的であるという事業団にしてみれば、当然、もうけ過ぎても、また赤字を出しても困るわけです。そんなことは百も承知ですけれども、いろいろな去年からの経緯がありましてこういう珍現象が起きておるという事実がある。それを指摘するわけですから、よく調査していただいて、そういった矛盾が起きないようにしてもらいたい。また、農家は、一方では生産費が低価格のために耕作面積が減少し、たいへん窮地に追い込まれているので、こういった窮状をよく察知して、当局の十分な検討をお願いするわけであります。
 と同時に、冒頭に申しましたように、昭和四十九年産原料てん菜価格が、てん菜耕作農民の所得を確保するためにトン当たり一万五千円以上となるようにぜひとも決定をし、今回の窮境を打開するために当局の最大の努力をお願いし、農民を救っていただくように強く重ねて要望して、私の質問を終わります。
#73
○坂村小委員長 次は、諫山博君。
#74
○諫山小委員 わが国の砂糖の自給率がきわめて低下しているということが非常に大きな問題になっています。これは、わが国だけを見て自給率が低いというだけではなくて、世界的な比較を見ても、おもな資本主義の国で、日本ほど砂糖の自給率が低い国はないというふうに聞いているんですが、わが国の一番新しい資料による自給率はどうなっているのか。これはおもな資本主義の国と比べたらどういうことになっているのか。まず、この点を御説明ください。
#75
○森説明員 最近まで日本の自給率は約二割でございます。それでごく最近の数字ですと、きょうの資料にあるそうでございますが、一九・九一ということに相なっておりまして、これは四十八印でございます。
 それでは全体の世界の事情はどうかということになりますと、世界の全体の生産が約八千百万トンということで、そのうちのおもな輸入国といたしましては、米国が四百九十万トンになっております。それから英国、ソ連東欧圏と日本が大体輸入量が同じ、それからカナダも相当な輸入国になっておるわけでございます。
 全体から申しますと、英国にしろ、米国にしろ――いずれにせよ、英国は、従来は英連邦統計、今後はECの中に入りまして、これはフランスの生産ということで、ECの内部としてはバランスをしていくのではないかというふうに考えておりますが、いままでは相当な輸入国であった。米国につきましても、国内のサトウキビ、てん菜糖の生産のほかに、アメリカの砂糖法による輸入割り当てというものがございます。キューバ紛争以来、キューバのものをブラジルなり、豪州なり、南米の諸国なり、フィリピンなり、そういうところから輸入をしておったということで、いまちょっと正確な自給率はございませんので、大体の事情だけ御説明いたしました。
#76
○諫山小委員 絶対的な数字を聞いてもあまり意味がないと思います。私は自給率を知りたかったのです。日本の場合にはすでに二〇%を割った。しかし、諸外国でこういうところがあるのかということを問題にしたがったわけです。
 私の聞いているところでは、自給率の非常に低いところでも四〇%を割っているところはあまりないのじゃなかろうかということですが、自給率はどうでしょうか。
#77
○森説明員 ちょっと数字が古いのですが、英国が三四%、米国が五七%ということで、大きな国の中では日本が一番低いということは言えると思います。
#78
○諫山小委員 日本が一番低いというだけではなくて、ずば抜けて極端に低いということがいまの数字であらわれているわけです。いま、すべての食糧について自給率を向上すべきだということは国民的な世論になりました。砂糖についてそういう政策をとろうとしているのか、それとも自給率はいまのままでいいと考えているのか、どちらでしょうか。
#79
○森説明員 国の全体の立場から言いましても、また、農政全体から言いましても、自給率を上げていくということは従来からも考えておりますし、今後も考えてまいりたいというふうに思います。したがいまして、農林省の長期の見通し、五十七年の目標値でも大体二六%から八%、約二〇%をそこまで引き上げてまいりたいという考え方でございます。
 ただ、申し上げておきたいことは、こういう日本の国みたいなところで、北海道にいたしましても七万ヘクタールが限度ではないだろうかというふうに考えられておるわけであります。それから、サトウキビになりますと、鹿児島の奄美を中心とします島と、沖繩がその適地でございます。したがいまして、砂糖の性格から言いまして、暖地ビートはいろいろな需要がございますから、そういうところを中心に北と南の地域というものを考えてまいりましたときに、二六%ないし二八%の自給率の達成が可能ではなかろうかと、こういう考え方で進めておるわけでございます。
#80
○諫山小委員 いまてん菜の作付面積をふやしていく、自給率も高めたいということで、昭和五十三年度の数字が指摘されたわけですが、五十三年度の数字を達成するためには、そのずっと以前からそれなりの段取りをとらなければ実現できないはずです。そうすると、今年度はどのくらいのてん菜の作付が予想されていたのか、それともそういう予想は持たないまま指導していたのか、どちらでしょうか。実際には作付面積が非常に激減してきたわけですが、農林省の見通しはどうだったのかということをお聞きします。
#81
○森説明員 ただいままで、その資料で御説明をいたしましたとおりに順調に作付面積が増加をしてきたわけでございます。たまたまことしの作付面積が大幅に減少したということでございました。われわれも全く予想外ということで、意表をつかれたみたいな、まさにそういう感がいたしますが、これはいろいろな事情がございましょうけれども、ともかく、われわれといたしましてはまず六万ヘクタールのラインに乗せたいということで、とりあえずいろいろな政策を通じましてそういう失地回復をはかりたいというふうに考えておるわけでございます。
#82
○諫山小委員 今年度の作付面積が激減したというのは予想外である、意表をつかれた形だというふうに説明されましたが、だとすれば、農林省の考えと農民の意識の間に非常に大きな隔たりがある。農林省は農民の実情を、農民の苦労の実態をよくつかんでいなかったということにならざるを得ないと思います。農林省のほうとしては作付面積が伸びなかった理由をいろいろ説明されているようですが、しかし、農民側の説明で共通していることは、価格を上げてもらいたい、高くさえ上げてもらえば自分たちはてん菜をつくるんだということで、この点ではほとんど意見の違いがありません。
 先日私も農林水産委員会の現地調査で四日間北海道を視察して回ったわけですが、至るところで訴えられていることは、最低生産者価格を引き上げてもらいたい、そうすれば作付面積はふえるんだ、と、こういうことです。農林省のほうでそういう農民の実情が理解できていないから、意表をつかれた、予想外の作付面積の減少だという結果になったのではないかと思いますが、この見込み違いについて、いま言ったような反省をされているのかどうか、説明してください。
#83
○森説明員 減反ということは非常に重要な事実でございまして、われわれも十分調査はいたしておりますが、これはいろいろな事情がございます。たとえば稲作転作の休耕打ち切りに関連する問題でございますとか、あるいは他の農産物の需給状況から、それに対しますいろいろな生産奨励措置とかいうことでございまして、いずれの作物をとっても、われわれはその作物の重要性を認めざるを得ません。てん菜についても同じ重要性をわれわれは認めたいと思います。そういう中で、畑作の輪作の中の適正なてん菜の作付、その全体としての面積の確保ということを念頭に置いて今後われわれは十分対策を講じていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
#84
○諫山小委員 畑作全体の中でのバランスということはもちろん必要だと思います。しかし、いまのような説明だけをされますと、てん菜の一日当たり家族労働報酬がほかの作物に比較して極端に低いという状態が改められない限り、てん菜の作付面積はふえないと思います。これはどうでしょうか。
#85
○森説明員 一日当たりの家族労働報酬が一つの目安になるということは、私は否定はいたしません。しかし、ものの考え方といたしまして、北海道の農家へ私も参りましていろいろ聞いてみましても、要するに、これだけの問題以外にもいろいろ事情があるようでございます。それから、他作物との均衡という問題につきましても、反当たりの粗収益あるいはそれと労働時間の関係、そういうものを両者勘案いたしませんと適確な把握がなかなか困難だと思います。
 したがいまして、今後のバランスを考えていく場合に、輪作というものを中心にものを考えるということと、経営規模というものを考えていくということ、そういう中でのバランスをとった価格というものの位置づけというものを今後も考えていかなければならないというふうにわれわれは考えておるわけでございます。
#86
○諫山小委員 てん菜の価格をどういう方法できめるかということは、法律あるいはそれに基づく命令できまっているわけですが、ことしの四月にてん菜の価格を決定するときに、一日当たりの家族労働報酬がバレイショと同じか、あるいは似たようなものになるだろうという計算はしていたんでしょうか。それとも、一日当たりの労働報酬がバレイショとてん菜でこれほど食い違うということは予想していなかったんでしょうか。
#87
○森説明員 価格決定の際に、四十七年のバレイショの生産費調査の数字に基づきまして一応のバランスの計算をいたしております。それが現実の実現された水準と非常に乖離をしておったために、先ほどもお話しがございましたけれども、三千五百円程度の家族労働報酬を見込んでおったということでございます。当時の事情としてそれが誤りであったというふうにわれわれは考えておるわけではございません。
#88
○諫山小委員 法律のたてまえからいくと、この一日当たり家族労働報酬というのはバレイショに近似しなければならないんじゃないですか。競合ということばが使われているのですが、その点はどういうふうに理解しておりますか。
#89
○森説明員 具体的には、政令の十三条で、最低生産者価格については、「生産費、競合農作物の状況、物価その他の経済事情を参酌し、」ということになっておりまして、一番競合するものとして一応バレイショを考える、バレイショの推定の計算をして、そのバランスをながめながら、参酌しながら価格を決定したというふうになっておるわけでございます。
#90
○諫山小委員 ことさら競合農作物の状況を参酌してきめるということばが出てくるわけですが、この趣旨は、たとえばバレイショを競合農作物として見るとすれば、バレイショと同じような労働報酬が補償されることが望ましいという立場ではないんですか。
#91
○森説明員 それは一つの目安として計算をしておるわけでございます。ただ、問題は、バレイショの実際の販売価格、すなわち市価です。それと農安法上でいっております買い入れ基準価格というものが、先般もいろいろ御議論をいただきましたけれども、非常に乖離をしておるわけであります。したがいまして、われわれとしては今回相当大幅に上げたつもりでございますけれども、一応行政価格という考え方で比べてまいる。要するに、行政価格というのは買い入れ基準価格、あるいはもっと端的に言えば最低生産者価格、それがいかにあるべきか、それでそれぞれの関係がどうか、こういうことを目安に価格決定を行なったというふうに理解をしておるわけでございます。
#92
○諫山小委員 農林省がそういう処理をしたことはわかりますが、法律とそれに基づく政令を正しく理解するなら、いまのような処理ではいけないんじゃないですか。
 そこで、四十七年度の価格を基準に計算をしたそうですが、四十八年度にこういう開きが出てくるということは、農林省としては初めから予想していたんですか。予想しない大きな開きになったんでしょうか。
#93
○森説明員 やはり、昨今いろいろ価格の変動が非常に激しゅうございます。当時のわれわれの考え方としては、こういう変動を予想していたわけではないと思います。したがいまして、当時の事情としてその計算の根拠を求めるとすれば、四十七年の生産費調査からバレイショの価格を推定してまいる、そういう手法そのもの、それから出た答え、それが過去においてどうかということになりますと別でございますが、決定時におきましては、それは適正に決定されたものというふうにわれわれは考えております。
#94
○諫山小委員 そうすると、この大きな開きというのは予想しない開きだったと聞いていいんですか。
#95
○森説明員 開いた六千幾らという数字は、でん粉の市価が非常に上がっておるということ、それで、そのでん粉の価格に見合う――北海道は農協が精算払いをしておりますから、そういう現実に支払われた価格というものが非常に高い水準になったというふうにわれわれは理解をしておるわけであります。そういうものから算出されたものが六千二百円ということではないかというふうに理解をしております。
#96
○諫山小委員 そうすると、非常にこれに私はこだわるようですが、こういう開きが生じているというのは、法律や政令のたてまえから言ったら当然だと言われるのですか。それとも、競合農産物の状況を参酌したという点から見て不適当だというふうにお考えですか。
#97
○森説明員 当時の事情として、計算して出されたものは適正なものであったというふうに私は考えております。この種のものは畑作物の中ではやはり重要なもので、いろいろございます。それがそのときどきの事情によっていろいろと販売価格が変わってくるということは、これは先生もお認めいただけると思います。それをその競合作物の競合状況を参酌する場合に、その価格決定当時の時点で推計できる限りのデータで推計する、これはやむを得ないものではなかろうか、こういうふうに考えておるわけです。
#98
○諫山小委員 決定した当時は正しかったということはわかりました。これはあなたたちがきめたんだから、その当時から間違っていたとは言えないと思います。しかし、いまにして思えばどうですか。こういう開きが現に生じているという現在の反省はないんでしょうか。当時きめたときは正しかったというだけではもう済まない事態が出てきたと思います。ですから、きめた当時予想しないような経済情勢の変化があって、いまは非常にふつり合いな状態になったということはお認めにならないのですか。
#99
○森説明員 いまのバレイショの価格につきましては、従来の粗収益から比べてみますと、四十八年というのは一万円も生産費調査自身からも上がってきておるわけでございまして、相当な高水準にあるというふうに考えていいのではないか、先ほど私が申しましたように、畑作物の中の競合というもので一応バレイショを置いてみたわけでございまして、バレイショに絶対にリンクすべきということには必ずしもなっていない、全体の畑作物の実情から、てん菜を他に相対的におくれをとらないようにバランスをとっていくという立法の趣旨ではなかろうか、と、こういうふうに私は考えておるわけでございます。いまのバレイショが、必ずそれを参酌して決定しなければいけないものではないだろうというふうに思います。もちろん、今後決定をされていきますてん菜の買い入れ価格をきめる場合に、現実にバレイショの価格が高いという事実はわれわれも念頭に置きながら適正な価格決定をしてまいるべきだとは思います。
#100
○諫山小委員 私は、バレイショの価格が高過ぎるとは思っておりませんし、また、そういうことを主張しているつもりでもありません。ただ、この法律と、それに基づく施行令の立場を見ると、やはりお互いに競合する作物がありますから、価格でアンバランスが生じたとすれば、安い作物については、作付面積が減るというのは当然のことです。そういう点を配慮しながら、完全に同じ価格にしろとは言っていないでしょうが、アンバランスが生じないようにビートの価格もきめなければならないというのが法律の趣旨です。その点から見ると、いまのてん菜価格が、この法律なり、それに基づく施行令の立場から見ても、あまりにも低過ぎるということを指摘したかったわけです。
 さらに、今年度は、作付面積が農林省の予想を下回って極端に減少した、そのことといまの問題とは関係があるからですが、一日相当長時間働いて、家族労働報酬が三千六百十四円というのは、相対的に低いだけではなくて、現在の情勢で人間らしい生活を維持できる賃金にはなっておりません。そういうことから作付面積が農林省の予想に反して減少したんだということをやはり深刻に反省しなければならないと思っているわけです。そういう中で、農民の切実な具体的な要求が提起されているのです。この点で、農林省としては、来年は作付面積を向上したいということを盛んに言われます。来年は六万ヘクタールにのぼせたいということを言われるわけですが、しかし、来年の作付面積というのは、ことし収穫されるビートの価格で実質的にはきめられざるを得ないと思います。そうすると、来年の作付面積を飛躍的にふやそうとするためには、いまのような価格でいいと思っているのか、それともこれはもっと引き上げなければならないとお考えなのか、どちらでしょうか。
#101
○森説明員 すでに四月に価格を決定いたしておるわけであります。その価格を改定する手続をとるべきかどうかということにつきましては、先ほど芳賀先生からもいろいろ御意見がありまして、御意見はよくわかるのですが、いろいろと私もお答えをいたしましたように、法律的に読めるか読めないかという難点があると私は思っております。したがいまして、価格改定を現に行なっていないのはそのためでございます。
 ただ、そうは申すものの、それでは、農家の手取りとしてほかの作物が非常によくなってきている、そういう事情ではたして増産が可能かどうかということになりますと、確かに、農家に魅力のある措置を講じないと増産が行なわれないのではないだろうかということも一つの考え方だと思います。その点を十分考慮いたしまして、きょうの御意見をいろいろ参考にしながら、適正な事業団の買い入れ価格の決定をしてまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
#102
○諫山小委員 ことしの作付面積が激減したという原因をほんとうに正しく究明しないと、来年の作付をふやすことはできないと思います。これは机上の空論に終わってしまうし、これができなければ、五十三年度の七万ヘクタールというようなことも夢物語に終わるわけです。
 ことしの作付の面積が減った決定的な理由は価格がつり合わないからだ、安過ぎるからだというのがほとんどすべての農民の一致した声になっているのですが、その点はどう考えていますか。
#103
○森説明員 価格水準なり農家の手取りの問題といたしまして、農家がそういう考え方を持っておるということは、確かにそういう問題はあろうかと思います。しかし、価格だけのものではないと私は思っております。やはり、てん菜が相当労働時間を要する、もっと機械化を進めていかなければいけない、あるいは、場所によりましては、輪作の中で過度にてん菜が入っているというところもあります。それから、経営面積が小さいから非常にそういう労働から離れていっているという面もある。経営規模の高いほど残っておる。また、地域によっても減反が非常に少ないところも多い。十勝あたりは一割しか減っておりません。それやこれやのいろいろな事情を考えながら対策を講じていかなければいけないと思っておりますけれども、いずれにいたしましても、別に私は反論するまでのことを申し上げているわけではございませんけれども、ことし四月に価格を決定して、それから作付面積が減ったとは考えておりません。むしろ、去年の年末からいろいろ手当てをされて、三月からいろいろ準備が行なわれて、四月ごろにはすでに播種が始まっており、むしろ播種期が非常に早まっているわけです。播種といいますか、移植をする形がペーパーポットで非常に進んでおりますから、そういうことから言いますと、ことしの四月の価格決定が決定的な影響を与えたというふうにはわれわれは考えておりません。
 ただ、価格水準なり農家の手取り額として、他作物とのバランス上収益性が低いという判断をされておる。そういう点については、今後の決定にあたって十分配慮をしていくべき事項ではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。
#104
○諫山小委員 ことしの価格が安過ぎたから直ちに作付面積が減ったというだけのものではないと思います。むしろ、ずっといままで農林省がてん菜を大事にしてこなかったというような面が農民に反映しているというふうに言わなければならないと思いますが、さっき砂糖の消費者価格の問題が提起されました。これはきわめて重要な問題です。従来は、外国から粗糖を買い入れたほうが安く砂糖がつくられるという状態が続いていたわけですが、この関係は最近変化いたしました。そして、国内でサトウキビをつくったりてん菜をつくったりして、それから砂糖を製造したほうが砂糖の消費者価格もはるかに安上がりだという関係が出てきたと思いますが、そういう関係にあることは農林省はお認めでしょうか。
#105
○森説明員 いまの価格水準から言えば、あるいは輸出も可能な水準だと思います。しかし、いまの国際糖価が、長続き論はいろいろございますけれども、糖価水準が異常なものであるということは関係者もどなたも言っておられることでございますし、われわれとしましても、いま現出している国際糖価というものは特に異常な価格だというふうに判断をしております。
 したがいまして、どちらが今後有利かというようなことはございますけれども、当面の問題といたしましては、いろいろな生産事情からコストのアップというものを国内産では考えざるを得ない。ではございますけれども、自給の問題からいたしますと、国内で砂糖を相当程度つくっておかなければいけないということについての考え方には変わりはございませんし、今後も変えるつもりもございません。したがいまして、目標どおりてん菜の作付をふやしていくということよりも、失地を回復するということについて鋭意努力してまいりたいというふうに思っておるわけでございます。
#106
○諫山小委員 砂糖の国内自給を高めなければならないということは、私たちはきのうきょう言い出したことではありません。もう何年も前から言っておったわけです。かりに国内の経費のほうが高くなるとしても、もっと自給率を高めなければならないということを私たちは強調し続けたわけですが、しかし、結果的にはずっと自給率が低下して、現在では二〇%を割ってしまった。そして、このたびの砂糖の小売り価格の値上げというのは、やはりこのことと直接の関係があるわけです。農林省のほうでは自給率を高める、作付面積もふやすと言っていますが、それに相応するだけの施策を講じているかというと、私にはさっぱりそういうふうにには見えません。それは、来年六万ヘクタールというようなことを言っておられますけれども、それが実現される具体的な保証というものは何一つないからです。
 もちろん、てん菜の作付面積がふえないということは価格だけの問題ではないと思っているのですが、それでも価格が決定的なものだという点をどうしても農林省が認められないという点に私は非常に不満がありますし、おそらく農民団体も納得できないと思います。この点は、農民団体が価格こそが決定的な要素だと言っているのは、何かてまえかってな議論だというふうにあなたたちはお考えになっているのでしょうか。
#107
○森説明員 私ども、価格だけの問題だというふうには考えていないという、逆のものの言い方をしておるわけでございます。価格政策というものが増産の刺激的な効果があるということは、これは当然のことだと思います。ただ、価格だけで減反をされた面積が回復をするとは私どもは思っていないというふうに申し上げたいと思います。
#108
○諫山小委員 そういうことは異論がないことなんですよ。価格が安過ぎるということが決定的な要素だと農民は言っているけれども、その点はどう見ているのかと私は聞いているのです。それはいろいろな要素があります。しかし、何が決定的な原因かというと、価格が引き合わないからだ。具体的に言いますと、一日働いて三千円ぐらいではだれもつくらないのはあたりまえじゃないかというような認識が農林省にはないのだろうかということです。
#109
○森説明員 一日の計算が三千五百円ということを申し上げましたが、私どもの申し上げたのは、ビートが非常な減収を示しておるという、その事実に基づいて計算をすれば、ということでございます。ビートの反収が従来の水準であれば五トンもとれるということであれば、それは適正な労働報酬が確保できたものというふうに私は考えておるわけです。したがいまして、ことしの特殊事情から言えば、農家の方にとってビートが引き合わないのじゃないかというような御主張というものは確かに私どもはよく理解をしておるつまりでございます。
#110
○諫山小委員 さらに、砂糖の消費者に対する小売り価格の問題に戻りますが、今度の価格引き上げの一番大きな決定的な原因というのは、外国の粗糖の価格が上がったからですか。
#111
○森説明員 因果関係としては、外糖の値上がりというものがあると思います。
 それから、もう一つ、先ほど申し上げましたように、業務用の価格につきまして非常にいろいろな形態がございます。それを価格指導することに非常に問題がございます。したがいまして、いままでは、行政指導価格を設けて、その価格以下で取引をさせるということについては行なっておりません。そこの場面で、業務用の実際の市価水準というものが、外糖の先高感から家庭用の指導価格以上に相当上がってきておる、そのことが混乱のもとになるということの反省をしておるわけでございます。したがいまして、われわれといたしましては、場合によりましてはいろいろな問題があるわけでございますが、相当な決意で業務用の大袋についても指導を強化するということを考えたいということでございます。
#112
○諫山小委員 値上げには幾つもの理由があると思うのですが、何が決定的かというと、輸入価格が上がったからということが決定的ではないのですか。いろいろな理由を並列的に並べるのではなくて、主たる原因は何かということを探るとそういうことになるのじゃないでしょうか。
#113
○森説明員 私の申し上げたのはそのつもりであったわけでございます。
#114
○諫山小委員 そうすると、国内での自給率をもう少し高めておったら今度の消費者価格の値上げというものは避けられたか、あるいは上げ幅を小さくすることができたのではないでしょうか。つまり、私たちが、砂糖の自給率をもっと高めろ、そのためにはもっと農民が引き合うような価格を補償せよということを要求し続けたわけですが、それがなかなか農林省で実行されないということからこのたびの価格の大幅値上げになったのではないのですか。
#115
○森説明員 全体の中の二割でございます。それから、ビート生産というものがその中でも大きなウエートを占めておるわけでございます。そういう観点からいたしますと、二割の中で、今度の生産の見込みから言いまして十万トン程度の産糖量がともかく減ってまいるということは、これは非常に重要な問題だとわれわれは考えております。ただ、全体から申しますと、粗糖の八割のウエートというものは相当大きな要素を占めざるを得ない。しかしながら、先ほどから先生が御指摘のように、われわれの目標数字二六−二八%というものに早く生産を高めたいということについての気持ちは、前からわれわれも変わりはございません。
#116
○諫山小委員 砂糖の自給率が二割を割っているという国は、少なくとも、発達した資本主義の国では日本しかないはずです。そして二割を割っているという日本のこの数字がずば抜けた低い比率だということは一番最初に明からにしたとおりです。私たちは、二六%の自給とか二八%の自給でも足らないと思っています。もちろん一〇〇%の自給ということは困難でしょうが、それにしても、せめてヨーロッパ並みに自給率を高めることはできるはずだ、そうすれば、このたびの小売り価格の値上げというものも今度のような形ではあらわれなくて済んだのではないかということを言いたいわけです。
 しかし、自給率を高める高めると言いますが、そのために一番大切なことは、サトウキビなりてん菜をつくって、農家の人たちが経済的に十分引き合う、農業として安定するという状態が出てこなければこれは実現できません。農林省は、国民の自給率を高めろという世論に押されて、幾らか自給率を高める方向だけは打ち出したようですが、それに見合うだけの価格補償をしていないということが現在の深刻な事態を生み出した一番大きな原因です。いま、農民団体の人が、少なくとも一万五千円以上にしてもらいたいという非常に具体的な要求を提起しておりますが、私もこれを全面的に支持して、農林省が本気でこの問題に取り組むことを心から切望しまして、質問を終わります。
#117
○坂村小委員長 この際、暫時休憩いたします。
   午後一時四十分休憩
     ――――◇―――――
   午後二時二十九分開議
#118
○坂村小委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 この際、昭和四十年産てん菜の生産者価格等に関する件について、小委員各位との協議に基づき、政府に対し次の申し入れをいたしたいと存じますので、御了承願います。
   昭和四十九年産てん菜の血産者価格等に関する件
  国際的に砂糖需給が逼迫し、国際糖価が未曽有の高騰を続けるなかで、わが国甘味資源の作付けが異常に減少していることは、農政推進上誠に憂慮すべき事態と言わざるをえない。
  よつて政府は、甘味資源自給率の維持向上と生産農家の所得確保のため、左記事項の実現に遺憾なきを期すべきである。
      記
 一、昭和四十九年産てん菜の生産者価格については、四月の決定価格等が作付の減少をまねいた経緯にかんがみ、甘味資源審議会の答申を尊重し価格の大幅な改定を行う等により、てん菜の再生産を保証し、生産者の所得を確保するよう措置すること。
 二、てん菜糖の事業団買入価格については、前項により定められた生産者価格を適正に折り込むとともに、原料不足による操業度の低下と製造経費の上昇並びに国際糖価の高騰事情等を十分に反映させ、適正な引上げを行うこと。
 三、糖価安定法第三条第三項に基づくてん菜の長期生産見通し(五十三年度七万ヘクタール)の達成のため、生産条件を整備拡充し農民の生産意欲を高めるとともに、農畜産物の均衡ある総合的な価格補償制度の実現に努めること。
以上でございます。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後二時三十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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