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1974/11/18 第73回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第073回国会 農林水産委員会いも、でん粉及び甘味資源等に関する小委員会 第3号
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1974/11/18 第73回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第073回国会 農林水産委員会いも、でん粉及び甘味資源等に関する小委員会 第3号

#1
第073回国会 農林水産委員会いも、でん粉及び甘味資源等に関する小委員会 第3号
昭和四十九年十一月十八日(月曜日)
    午前十時十三分開議
 出席小委員
   小委員長 坂村 吉正君
      橋口  隆君    上原 康助君
      柴田 健治君    美濃 政市君
      諫山  博君    瀬野栄次郎君
      安里積千代君
 小委員外の出席者
        農林水産委員長 仮谷 忠男君
        沖繩開発庁振興
        局振興第二課長 星野 省松君
        大蔵省主計局主
        計官      宮下 創平君
        農林省農林経済
        局統計情報部経
        済統計課長   遠藤  肇君
        農林省構造改善
        局次長     杉田 栄司君
        農林省農蚕園芸
        局畑作振興課長 本宮 義一君
        農林省食品流通
        局長      森  整治君
        農林省食品流通
        局砂糖類課長  永井 和夫君
        農林水産委員会
        調査室長    尾崎  毅君
    ―――――――――――――
十一月十二日
 小委員丹羽兵助君同月十一日委員辞任につき、
 その補欠として吉川久衛君が委員長の指名で小
 委員に選任された。
同月十八日
 小委員安田貴六君及び山崎平八郎君同月十五日
 委員辞任につき、その補欠として中川一郎君及
 び橋口隆君が委員長の指名で小委員に選任され
 た。
同日
 小委員芳賀貢君及び稻富稜人君同日小委員辞任
 につき、その補欠として上原康助君及び安里積
 千代君が委員長の指名で小委員に選任された。
同日
 小委員上原康助君及び安里積千代君同日委員辞
 任につき、その補欠として芳賀貢君及び稻富稜
 人君が委員長の指名で小委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 いも、でん粉及び甘味資源等に関する件(砂糖
 きびの価格問題)
     ――――◇―――――
#2
○坂村小委員長 これより、いも、でん粉及び甘味資源等に関する小委員会を開会いたします。
 いも、でん粉及び甘味資源等に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。上原康助君。
#3
○上原小委員 まず、最初に、サトウキビの原料価格の決定がこの二十日までになされようとしているわけですが、すでに農林省においても原案作成の作業が進んでいると聞いております。刻々と期日が迫っておりますが、現段階でどういうぐあいに作業が進んでいるのか、また、四十九年産のサトウキビ価格の決定にあたって事務当局としてはどのような考え方で原料価格をおきめになろうとしておられるのか、そこいらの点について御説明をいただきたいと思います。
#4
○森説明員 御指摘のように、サトウキビの買い入れ価格につきましては二十日までに告示をする、それから、蔗糖の買い入れ価格につきましては月末までにきめなければならないということになっておるわけでございますが、今回、両方合わせまして二十日までに告示をすべく、政府部内でただいま作業を進めておるところでございます。
 そこで、サトウキビの買い入れ価格でございますが、法律の規定に従いまして、農業パリティの指数に基づきまして計算された価格を基準として、物価その他の経済事情を参酌して定めることになっておるわけです。パリティの基準価格につきましては、千三百円の奨励金はございましたけれども、価格としては一応八千七百円を四十八年の基準価格といたしまして農業パリティ指数の上昇率を求めて計算いたしますと、上昇率が一二五・三%ということに相なるわけでございます。この計算は四十八年の三月から十一月までの平均の農業パリティの指数をとりまして、四十九年三月から九月までの平均を、その時期をとりまして算出をいたしておるわけでありますが、この結果出てまいります数字は一万九百一円ということでございます。
 それからあと、生産費の四十八年の公表が十五日に統計情報部からございました。これは従来にない非常に高い生産費になっておるようでございますが、この生産費を基礎にいたしまして四十九年の推計をいたします。その推計をいたしました推定生産費と先ほどの農業パリティの価格を両者勘案いたしまして価格を決定するという段取りになろうかと思いますが、残念ながら、現在のところ推定生産費につきまして政府部内で意見調整が終わっておりません。したがいまして、ここで数字を申し上げることはできませんけれども、いずれにいたしましてもそういう価格を基準にいたしまして価格決定を行なってまいりたいということで考えておるわけでございますが、片や、いろいろな国際糖価あるいは沖繩の生産事情というようなこともございますから、私どもとしては、できるだけ農民の皆さんの御要望にこたえるだけのことはこれから努力してやってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
#5
○上原小委員 まだ、推定生産費が政府原案として出せない状況だということですが、いろいろ御事情はあろうかと思うのですが、きょうの委員会に政府原案が提起できなかったおもな理由ですね。これはあまり込み入ったことはお尋ねしたくはありませんが、なぜきょうの委員会に原案が提出されないのか。特に、推定生産費も出せないとなりますと、あるいは政府部内でも非常に難渋しているのではないかという感を受けるわけですが、そこいらについて、御説明できる程度はぜひやっておいていただきたいと思うのです。
#6
○森説明員 端的に申しまして、四十九年の推定生産費を出します場合の反収の見方につきましてこれは推計をして出してまいるのですが、その推計のしかたにつきまして意見調整ができない。もちろん、それと答えと非常に関係があるわけですが、そういうところで推定生産費が出ない。推定生産費が出ませんと、いかにわれわれでも、パリティ価格だけで政府原案といいますか、そういうものをお示しをするわけにまいらないということで、ただいまのところその調整に努力をしておるというのが現状でございます。
#7
○上原小委員 そこで、具体的にお尋ねしたいわけですが、いま最初に御説明がありましたように、昨年のトン当たりの基準価格がおっしゃるように八千七百円、出荷奨励金の千三百円を加えて一万円となったわけですが、農林省が十五日に公表をいたしました四十八年産のサトウキビの生産費は、鹿児島を含めて一万六百三十円、沖繩の場合は一万一千百六十二円という数字が出ているわけですね。これは数字そのものが証明をするように、八千七百円を基準単価にした場合は大幅に生産費というものが上回った。数字的には奨励金を含めても一万円を上回っているわけですね。こういう事実を皆さんはどういうふうにとらえておられるのか。昨年の場合も推定生産費も出されているわけですが、実際には生産費そのものを下回った価格の告示というものが今日までなされてきているという事実、そういう面からしても、数字的なつじつまを合わすということもお役所仕事では必要な面もあろうかと思うのですが、農民やあるいはわれわれが受け取る感じとしては、実際に政府がはじいた数字よりも告示価格というものが下回ってきている。こういうことなどを勘案した場合に、原料価格というものは、農民の要求する、あるいは一般的に言われている再生産費を確保していくいわゆる生産費所得補償方式ということが今日まで、サトウキビだけじゃなくしてほかの農作物の場合にも言われてきたわけですが、ここいらの重要なポイントをぜひ改定をしていくということでなければ、パリティ方式その他を勘案してということだけではこの問題の根本解決にはなかなかならない。私たちとしてはそういうふうに見ているわけです。
 そのことは先にまた議論をしますが、要するにお尋ねしたい部分は、四十八年産のこの生産費が公表されて、それよりも下回った価格で実際には原料が昨年も買い上げられた。しかも、昨年と今年とは事情がもっと違っているが、ここいらの点について農林省事務当局としてはどうとらえておられるのか、お答えをいただきたいと思います。
#8
○遠藤説明員 この生産費調査を担当いたしております主管課長といたしまして、調査技術面からのただいまの先生の御質問に対する結果の見方につきまして、まず、若干説明をさせていただきたいと思います。
 ただいま先生が御指摘になられましたように、私どもの調査の結果で見ましたトン当たりの第二次生産費と、それから政府の最低生産費の価格の関係はまさにそのとおりになっております。ただ、ここで、私どもがこの調査を組み立てる理論の問題といたしまして、第二次生産費と申しますのは地代あるいは資本利子を含んでおります。しかも、その地代は大部分が自作地地代でございまして、また、資本利子にいたしましても、自己資本さらに家族労働費の部分につきましても一定の利子率を乗じて算出しているわけでございます。言ってみますれば、資本利子並びに地代のかなりの部分といいますのは本来利潤の部分から支払われるものであるというような概念に立っておるわけでございます。したがいまして、本来、農民の経営の感覚といたしましては、この前にございます第一次生産費というものが一つの目安となるということをまず第一に申し上げたいと思います。それによりますと、第一次生産費といたしまして鹿児島県におきましては八千百三十九円、沖繩県におきましては九千九百四十三円という結果になっております。
 それからもう一つ、第二点目として付言させていただきたいのは、本来、この家族経営におきまして、生産費は、特にサトウキビの場合には労働費が八〇%も占めておるわけでございます。厳密に申し上げますと八〇・七%でございます。労働費が八〇%も占めておるといいますのは、私どもの調査作物の中にはほとんど例がないほどの高さの、そういうサトウキビの生産構造になっておるわけでございます。その場合に、家族労働費といいますのは、生産費の計算におきましては、一応擬制的にコストの構成要素として計算をいたしておりますけれども、事後的にこれは当然農民に所得としてあらわれるわけでございます。
 ここで、御参考までにお手元にお配りいたしております資料の七ページを見ていただきますと、出荷奨励金の千三百円を含めました場合の所得を見ますと、昭和四十八年産におきまして、沖繩、鹿児島を含めまして五万百八十一円、そのうち沖繩は五万一千六百四十八円となっております。御参考までに同じ甘味資源のてん菜について申し上げますと、十アール当たり所得一万八千七百十三円という数字でございます。
 問題は、この労働費が大きいということ、構成要素でございます労働時間が百六十四時間も占めておるという労働生産性の問題と関連するわけでございます。そういうことになりますと、一日当たり家族労働報酬というものを計算しますと、ここで出ておりますように二千三百四十六円、これは奨励金を含めての話でございますけれども、そういうことで、十アール当たり所得と一日当たりの家族労働報酬という両面からこの収益性を御判断いただければありがたい、そういうふうに思います。
#9
○上原小委員 理屈は、おっしゃるようにそうなるかもしれないですね。それは統計的に学問的に申しますとそうなるかもしれません。しかし、裏を返せば、農民にとってはそれだけの労働がかかるということでしょう。労働報酬所得というふうに見たとして、ですね。
 そこで、問題は、そういう理屈を立てて説明することもできるかと思うのですが、いまいみじくも御指摘がありましたように、サトウキビ生産においては八〇・七%が労働費だ。ほかの作物には見られない労働費がかかっている。そういうことであるなら、パリティにおいて皆さんが指数をとる二五・三%というのは、それでは実際に原料単価をきめる場合に労働費というものをどれくらい見積もっておられるのか。特に、サトウキビの場合は、多く申し上げるまでもなく、収穫時における労働費の問題などを加えた場合に、労働時間と労働単価というものをこの価格にどう反映をさせていくかということが一番ポイントだと思うのですね。統計上こういうふうな数字を並べてみると、確かに皆さん役所の立場で言うと説明はつくでしょう。しかし、逆に端的に受ける印象は、一万一千百六十二円実際には生産費はかかっておる。そのうちの労働費はどうだということはあるわけですが、実際に農民の方々は、一万円の奨励金を入れても、この第二次生産費の場合を含めても安かったということを感ずるわけですね。これはそうむずかしい理論とか議論ということにはならない。そこが一つは問題だと私は思うのです。
 そこで、この価格を決定していく場合に、労働費というもの、労働賃金というもの、いわゆる家族労働費というものがどう価格に反映をされているのか、また、今期の場合に昨年よりどれだけの労働費が上昇していると思われるのか、そこいらについても、政府の資料なり考えがあればお聞かせをいただきたいと思うのです。
#10
○森説明員 労働費の問題でございますが、先ほど申しましたように、復帰後沖繩におきましては非常に労賃が高騰をしておるように思います。そういうことでございますが、われわれとしましては、生産費調査をもとにいたしまして四十九年産の生産費を推計する。その推計をする中で、従来の方法といたしましては、農業パリティ指数の中に経営と家計部門と分かれておりますが、経営のパリティをとりましてその推計を行なうというのが従来の例でございます。今回もそういうことで一応の基礎数字といたしたいというふうに考えておるわけでございますが、その見方につきまして、ただいまのところ提示する数字がまだ調整がついておらないということでございます。
#11
○上原小委員 昨年の八千七百円の場合の労働費というのは、大体幾らぐらい加味されたのですか。
#12
○森説明員 いま数字を調べさせたいと思いますので、ちょっとお待ちください。
#13
○坂村小委員長 上原君に申し上げますが、いま数字を調べておりますから、その間、もしほかの質疑がありましたら、どうぞ進めていただきたいと思います。
#14
○上原小委員 昨年の労働費の単価がどのくらい加味されたかということは、今期の場合の価格を決定する上で重要なウエートだと思うのですね。
 そこで、お答えをあとでいただきたいわけですが、今回の四十八年産の生産費の統計資料を見てみますと、労働時間が大体百六十四時間だという指数が出ているわけですね。そうしますと、労働単価がどのくらい加味されたかということも重要な点ですが、たとえばお米の場合ですと、御承知のように、労働単価というものも都市近郊の労働単価を基準にしている。同じ農業をするにしても、米をつくる農民の方々と、キビや、そのほかのでん粉とかてん菜をつくる農民の方々、いわゆる甘味をおつくりになる農民の労働単価というものはそんなに実質的に異ならないと思うのですね。法的根拠は別にいたしましても、一般概念として、お百姓さんが十アール米をつくるにしても、キビをつくるにしても、てん菜をつくるにしても、機械化の合理化の問題がいろいろありますよ。そして、土地条件の違いがあるにしても、それに投入する労働費というものは変わらないと思うのです。
 そこで、その単価のことも聞きたいわけですが、皆さんがサトウキビの単価をきめる場合の労働費というものは、沖繩や奄美のその地域の労働単価というものを参考にしておられるのか、あるいは全国平均というもの、いわゆる国内の農業従事者の家族労働費というものを参考にしてきめるのか、そこいらについてもぜひ明らかにしていただきたいと思うのです。
#15
○遠藤説明員 私どもの生産費調査におきましては、あくまで、調査地点におきます、その地方における農業の雇用労賃を使っておりますので、生産費に含まれております労働費の評価には、いずれも、沖繩の調査地点における、その地方のその時期の男女別の農業雇用労働賃金を使っております。
#16
○上原小委員 では、沖繩の男女の農業従事者の雇用労働費というのは現在幾らぐらいですか。
#17
○遠藤説明員 私ども、現在、農村物価統計調査というものを毎月実施をいたしておりまして、その結果につきましては毎月公表いたしておりますけれども、一番最新時の昭和四十九年九月の結果を見ますと、沖繩県平均におきまして、男子が三千七百五十円、それから女子が二千六百五十円であります。これはいずれも一日当たりでございまして、まかない費を除きました現金支給額で申し上げておる金額でございます。
#18
○上原小委員 先ほどの昨年のあれはまだですか。
#19
○森説明員 昨年の推定生産費の織り込み労賃を逆に出してまいりますと、沖繩では一日当たり千九百四十円、鹿児島では千九百二十三円ということになっております。
#20
○上原小委員 昨年の八千七百円の基準単価をきめる場合の労働費というのが、大体逆算をしてという注釈もついておりますが、千九百四十円ということですが、これは男女込みでしょうね。平均でしょうね。鹿児島が千九百二十三円だ。いま統計課長がおっしゃった数字は、四十九年九月現在で――まあ、九月以降もっと上がっているかもしれませんが、一応皆さんが調査をして出した労働費というものが、男が三千七百五十円、女が二千六百五十円ということで、相当の労働費のアップということがいまの皆さんの証明によっても出てきたわけですね。したがって、これだけ大幅な労働費のアップは――この三千七百五十円というのも数字のとり方があると私は思うのですが、まあ、農業従事者ですから、いろいろな日雇い的な立場での数字のとり方だと思うのですが、しかし、実感としては、一般的に五千円、七千円という相場があるわけですよね。いわゆる農業に従事をしなければ、一般労務にしても、とてもじゃないが三千七百円程度では人が雇えないという現状があるわけです。
 そのことはさておいても、いま皆さんが説明をした数字の上でさえ千七百円上がっている。千九百四十円とすると、千七百六十円の労働費のアップということになっているわけですね。したがって、この労働費というものがどれだけ単価に反映をされるかということが一番問題だと思うのです。だから、私がお尋ねをしているようにパリティ、パリティと言っておられるのだが、実際に農業に従事をしている農民の方々のこの労働単価というものをどう価格に反映をさせてきたのかということが一番大きな点だということはこのことなんですよ。
 そこで、これだけ労働費というものがアップをしているということであるならば、逆に言うと、そのウエートだけは当然基準単価に反映をされてこなければ数字としてもつじつまが合わないということになるが、その点はどうお考えなのか、また、どういうふうに取り入れようとしておられるのか、御説明をいただきたいと思います。
#21
○森説明員 政府がいままできめております価格というものは、農業パリティに基づきます価格が一つと、推定生産費に基づく価格が一つございますが、これは、おそらく、農家が購入するものと販売するものと、それのついてのコストの要素がいろいろ変わってくるから、それらを反映するようにきめていくという過去の価格から見てくる見方と、それから、生産費に現実にかかっておる直近時点の価格を延ばして推計をしていくという、その両方のやり方を併用しながら現実に合わせていこうという考え方であろうかというふうに思います。
 それで、いま御指摘のような問題につきましては、最近の沖繩の労賃の値上がりが非常に激しく、それに伴って、いわゆる統計でとっております農村の雇用労賃の値上がりも非常に激しいという現象が最近になっていろいろと起きており、それが、いま私どもが申しましたような価格で考えられる労賃部分と――家族労働報酬といいますか、そのほうが厳密に正しいと思いますが、家族労働報酬が現実の農外労賃との関連から見るとどうもなかなか低目にきめられがちであるということであろうというふうに思います。そこで、去年行ないましたように、価格計算として出てくる価格のほかに、千三百円の出荷奨励金を特に加算をしてきめたという事実がございます。これのついても、先生の御指摘のような環境条件が変わっておりませんから、そういうような何らかの対応策を講じませんとなかなか沖繩の実態にそぐわない面が出てくるということも考えられますが、これにつきましては、ただいまわれわれここで責任を持って申し上げる立場にございません。その出発でございます推定生産費の詰めが、調整がまだ終わっておらないということでございます。いずれにいたしましても、法の規定に従いますと、やはり、その基準価格というのをきめてまいり、きめた上でどう判断するかということになるわけでございます。
 ただいま御指摘の点につきましては、私といたしましては何らかの調整を必要とするのではないかと思いますけれども、全体の考え方がどういうふうにきまりますか、きょうの委員会の御意見も十分拝聴いたしまして適正な価格決定をしてまいりたいというのが私の考え方でございます。
#22
○上原小委員 いまちょっと抽象的ではありましたが、その労働費のアップというものも十分見込んで価格の決定にはあたっていきたいというお答えだと受け取るわけですが、要するに、皆さんにお答えをいただいた数字が間違いなければ、昨年の八千七百円という基準価格――あくまで基準価格として原料単価は出てくるわけですからね。千三百円ももちろん全然頭にないというわけじゃありませんが、単価を考える場合は、トン当たり原料八千七百円というのがベースなんですね。その時点の労働費というのが千九百四十円だった。鹿児島も千九百二十三円。この労働費の問題を議論する場合に、鹿児島とは条件も違う面もあるわけですね。先ほどのお答えからしても、現在は農業従事者の家族労働費が三千七百五十円に上がっている。そうしますと、相当の、約倍近いアップになっているということは証明されたわけですから、少なくともそういう事情というものは十分勘案して原料価格の決定にはあたっていく、そのことは無視をしないということはここではっきりお答えいただけますね。
#23
○森説明員 数字の問題でございますからひとつ御理解をいただきたいと思うのですが、ただいま統計情報部でお答えいたしました数字は三千七百五十円というのは、いわゆる九月の物賃の調査から出てくる数字でございます。われわれが生産費を推計いたしますのに、収量変動あるいは生産性の問題がいろいろございますから、過去三年の生産費をとりまして、それにいろいろと指数の伸びを見まして計算をいたしております。ただいまのところそのこと自身について変更を加えるというつもりはございませんが、先生の御指摘の賃金といいますか、賃金水準が非常に上がっておるということにつきましては、一生産費のほうの推定をする場合に、農作業期間中をとってまいる。パリティもそうでございますが、三月から十一月、ことしは九月までしかとれませんから三月から九月、そういう見方をいたします。
 そういうような見方をしながら、それにしても賃金水準が非常に上がっておるという事実は、私ども率直に受けとめて考えてまいりたいというふうに思います。
#24
○上原小委員 私も数字を持っていますが、こまかい議論まではしません。しかし、今年の一月から六月まで、あるいは九月までの数字を見ても、三千七百五十という変動はそんなにはないわけですよ。去年からずっとそういう傾向にあった。しかも、この数字はあくまで農業に従事をしているところの労働費であって、農外労働費というのは実際にはもっと高いわけですね。だから、キビをつくるよりは他の農外労働に行ったほうがいいということになっているわけですから、そこいらは数字的に見てもそれだけのアップになっているということが証明された以上は、そのことを無視しては原料単価というものは出てこない。この点を私は特に強調しておきたいと思うのです。
 そこで、時間がありませんので先に進みますが、労賃だけでなくして、肥料代、農薬あるいは農機具にしても、申し上げるまでもなくさらに相当の上昇率を示している。これらのことを総合的に判断をしたものが原料価格でなければいけないと私は思うので、この点もぜひ御配慮をいただきたいと思うのです。
 そこで、次にお尋ねしたいことは、原料価格をきめる場合の生産加工費といいますか、トン当たりの製造経費というものは一体どのくらい見ておられるのか。
#25
○森説明員 これもたいへん申しわけないのですが、例のブリックスの見方と、それから歩どまりの見方につきまして若干の調整を要する問題がございます。したがいまして、数字的にただいまはっきりしたことを申し上げられませんが、いずれにいたしましても、いまの労賃の問題、それから運搬費の問題、それから金利の問題、そういう問題が従前と著しく異なっておるというようにわれわれ承知いたしております。その点についての調整をただいま行なっておるところで、いずれにいたしましても、われわれといたしましては、やはり、実費は実費としてはっきり見ていく、合理化は合理化として考えていただくという方向で加工経費の算定も適正に行ないたいというつもりでございます。
#26
○上原小委員 なぜこの点をお尋ねするかと申し上げますと、原料価格の推定生産費ですか、それにはこの集荷製造経費というものも相当とられているわけです。昨年はたしかトン当たり五千百八十八円でしょう。原料価格は八千七百円。そして、これを足して、いわゆる歩どまりで除した額が製造価格だというふうに一応はなっているわけでしょう。そうしますと、生産加工費にしても、この物価の高騰のインフレの中では生産加工費にはどういうファクターが入るかわかりませんが、これも幾らを見るかによって価格そのものの推定生産費というものに反映されてくると思うのですが、これも全然まだきまらないわけですか。
#27
○森説明員 もう一つ申し上げますと、原料費といまの加工経費を足したもので事業団買い入れを行なうわけです。それとてん菜の価格とどうなるかという問題もございます。それで、われわれもそういう原料価格を早くきめてほしかったのですが、政府部内での調整が、そこのところがかえって問題になりましてなかなかつかないということで、したがいまして、加工経費にしわ寄せるというつもりも毛頭ございませんけれども、加工経費の見方につきましても、歩どまりがどうもことしはよくないというふうにわれわれも判断をいたしておるわけでございます。よくなければよくないだけにまたいろいろ議論がございまして、そういう点につきまして、ただいまのところ調整がついておりません。
#28
○上原小委員 歩どまりがよくなければ、またほかの議論があると思うのですね。しかし、これはまあ避けるとしまして、どうもこの計算のやり方にも私は非常に疑問を持つんですがね。もちろん製造費用も判断をして価格をきめるというシステムになっているわけですが、原料価格は原料価格ということを主体に推定生産費というものを出すべきだと思うのですね。これはまたいずれ議論をいたしますが、これをどのようにとるかということも相当問題が出てくるような感じを受けるわけです。
 そこで、結論に入りたいわけですが、いまいろいろお尋ねしても、なかなか政府の手のうちというものは明らかにしない。要は、いろいろな理屈はあるでしょうが、一万八千円のトン当たり原料価格を農民の方々は要求しているわけですね。あるいは、これは農民だけじゃなくして、県をあげて、鹿児島もしかりなんです。そこで、まだその辺に対する答えは出ませんが、先ほど冒頭にもありましたように、二五・三%というパリティ指数だけをはじくとなると、とてもじゃないが、お答えにもありましたように、一万九百一円にしかならない。これでは、今回の価格の決定いかんによっては、せっかくサトウキビをつくっていこうとする意欲の芽というものをつむことになると思うのですね。そういう意味で、あまりごたごたしたようなことではなくして、たとえばてん菜糖の場合を例にあげたいわけですが、当初の一万一千十円というものが結果的には一万五千円になった。しかも、昨年のてん菜糖の価格というものは八千五百六十円だったわけですね。八千五百六十円に対して、四月の十日に一万一千十円というものを告示をした。その後の経済変動によって、これじゃとてもてん菜をおつくりになっている農民の方々がだめだということで、再告示ではないとはいろいろな説明はしておりますが、実質的には再告示だと私は思うのですが、いろいろな奨励金を入れて一万五千円になった。これからしますと、八千五百六十円から、今期のてん菜の買い入れ価格のアップは六千四百四十円の大幅アップということに結果的にはなるわけですね。こういう点からしても、サトウキビの場合だって北海道とよく比較をされるし、あるいはてん菜糖が一万五千円だから一万五千円以上にはどうもという内部の考え方もあるやに聞いておりますが、基盤整備の問題やらいろいろなことを考えた場合に、置かれている条件が全然違うわけですよ。機械化の問題にしても、農業経営規模の問題にしても、あるいは先ほど議論をしました労働単価の問題にしても、こういう面からしても、今期のサトウキビ買い上げ価格にしましても、これらのてん菜糖の競合作物と比較、検討するということもいろいろな説明書を見てみるとありますが、トン当たり一万八千円の原料価格を要求するということはさほどむちゃな要求ではないと私たちは思うのですね。この点については決して説明のつかない数字ではないと思うので、ぜひこれは生かしていただきたいと思うのです。
 これについてあらためてどのくらいの目標を立てようとしておられるのかということと、もう一つは、けさも私はNHKのニュースを見て非常にぎくっと来たんですが、失業者が来年にかけて百万を突破するのじゃないかということが報道されておりますね。失業対策の面から考えても、第一次産業に復帰をせしめる、農業を大事にしていくという、私たちがよく強調しておりますような政策転換というものをここいらで政府全般としてはかっていただかないと、これはますます深刻な問題が出てくる。そういういろいろな客観的な面、主体的な面、国際情勢、国際糖価の問題から考えても、今期のサトウキビの買い上げ価格、原料買い上げ価格というものは、沖特でも決議もされましたように、相当大幅な、一万八千円の数字に近づける価格決定というものが出ないと、これはまた大きな社会問題になりますし、農民の生産意欲というものを後退せしめる結果になると思うのですね。こういう面から考えても、今期のサトウキビの原料価格というものは一万八千円前後の価格決定でなければいけないと私たちは思うのです。
 いま私が申し上げましたてん菜糖の場合は、実際はそういう上昇率になっているが、比較するのもどうかとは思うのですが、この点についてどうお考えなのか、あらためて決意のほどを伺っておきたいと思うのです。
#29
○森説明員 あとの御質問のほうに関連して、先にそちらからお答えいたしますけれども、これだけの砂糖の世界的な需給の環境にある中で、われわれとしては一トンでもよけいにつくってもらいたい、また、いただきたい、また、それだけの生産意欲を起こしたいという気持ちに変わりはございません。したがいまして、沖繩と北海道の事情は違いますし、また、南西諸島も違いますが、しかし、沖繩のサトウキビにつきましては、沖繩のほうが鹿児島の倍ぐらいの生産をあげておるということも事実でございます。また、昨年の一万円の声を聞いたということによりまして相当な改植が始まり出したということも事実でございます。この機運をさらに継続して盛り上げていくということを基本的に考えてまいりたいと思います。
 ただ、北海道のてん菜につきましては、ある意味では国際的な水準にまで生産性が非常に上がってきておるのではないかというふうに思いますし、だから沖繩はいけないということではないのですが、また、それなりの特殊事情がございます。そういう事情を考えながら、われわれとしても、特に労賃の問題を念頭に置きながら今回の価格決定に対処してまいるという所存でございますので、ひとつ御了承をいただきたいと思います。
#30
○上原小委員 きょう、あすに政府原案が出ると思いますが、お約束の時間ですのでこれで閉じたいのですが、せっかく農民が生産意欲を出してきており、あるいは国際糖価がこういう騰貴的な現状になってきており、また、政府もかねがね国内自給率を向上せしめたいという基本姿勢があるならば、甘味資源確保という面でこれは一つの大きなチャンスだと思うのですね。そういうことでも、ぜひ一万八千円の要求に近づけるということを重点に置いて価格を決定させていただきたいということと、さらに、最後に一点だけ申し上げますが、北海道のビートをきめた場合に、増反奨励金とかいろいろなことが言われておりますが、かりに振興奨励金を昨年のように入れるにしても、条件が違うわけですから、沖繩の場合、昨年並みにやはり一律方式の奨励金でなければいけないと思うのです。この点はあまりごちゃごちゃとあれこれ報奨金とかなんとかつけるのではなくして、やる場合には、沖繩の現在の状況に見合った振興奨励金ということをお考えになっていただきたい。北海道のようにつくればあげますよということになると、逆に沖繩の場合はますます農民の意欲を減退せしめる結果にもなりかねない。その点もあわせて要望をしておきたいと思います。
 これについてお考えがあればいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
#31
○森説明員 沖繩の特殊事情、現在の事情等と、また、先生の御指摘の点を念頭に置いて価格決定をしてまいりたいと思っております。
#32
○坂村小委員長 次に、美濃政市君。
#33
○美濃小委員 先ほどから質疑を聞いておりまして、政府の事務的な原案といいますか、政府原案がまだできていないということでありますが、それも時間的にできていないとすれば、できていないものを深く追及はしようとは思いません。しかし、もう日にちは接近しておるのでありますから、ある程度のことは言えると思うわけです。
 先ほど、生産費調査をした統計情報部の課長からは、このサトウキビの生産費の中で八十数%が労働費であるということは異例なことであるという表現がされておりますが、しかし、私どもは復帰前から特別委員もやりまして、もう沖繩へは相当の回数行っておりますが、農業生産というものは、サトウキビといえども、これから省力化なり機械化なりを進めれば労働時間を短縮することはできると思いますけれども、そういう事情ではなかったということです。アメリカの占領下にあって、占領行政の中ではそういうことは一つも行なわれていないわけです。私はこれは不自然だと考えません。農林省の情報部の課長は異例なことだと言うけれども、私は異例なことだとは考えません。サトウキビという作物を、機械化をしないで、労働主体で、人間の手で、いわゆる手労働という生産方式でやっておって、それを改善できなかった理由というものは、アメリカの占領行政下にあったということでしょう。それをいまの時点で、日本の統計情報部であろうと、農林省の幹部から、生産費の中で八十数%労働費がかかっておるのはおかしいのだという表現は、根本的にこの考え方を直さなければ、沖繩の問題の論議の対象にはならないと思うのです。そういう条件にしたものは何なのか、何が原因でそうなっておるのかということを解明して、それを解明するまでの間は、当面たとえば沖繩でサトウキビが壊滅してもいいのだ、サトウキビはつくらなくてもいいのだというなら話は別ですよ。これから話は詰めていきますけれども、そうじゃない。局長から言えば、一トンでも多くつくってもらいたいと言うのでしょう。国際糖価あるいは現時点の国際間の砂糖の需給事情等からいけば一トンでも多くつくってもらいたいと言うのでしょうが、一トンでも多くつくってもらいたいのであれば、現況におけるつくれる条件を可能にして、そして、収量の増加なり、土地改良なり、あるいは機械化による省力化なりというものを将来の方向に向かって進めていくことにはやぶさかではないと思いますし、また、ある面ではそうしなければならぬ面も、調査の結果私も感じておりますが、とりあえずの現況は、何も好んで沖繩の島民が百六十四時間を要しておるのじゃありません。千年、六百年、五百年前からああいう体系で砂糖というものはつくってきたのじゃないですか。それが占領行政のために放置されていたということはふしぎなことではないと私は思う。
 いま、国際条件の中ではどうですか。いま、東南アジアの国々の中では、米をつくって、足で踏んでもみ落としをしておる。NHKの現地レポートなんかで出てくるでしょう。米を刈って乾燥したら、むしろ一枚敷いて、その上で人間が足で踏んでもみ落としをしておる国もあるのです。東南アジアの国々の中には、米をつくっても、サトウキビをつくっても、八十数%が労働費であるという国はたくさんあります。これは沖繩だけに限られた条件だとは私は思いません。そういう条件を加味して今度の価格を考えなければ、そんなものはおかしいのだ、変則的なんだ、労働の生産性は低いのだと言っても――だから、この統計表にあるように、これは計算されておるものは家族労働時間で百四十一・七時間ですね。それを二万六千二百九十四円と評価して生産費を出しておるわけですから、一時間当たり百八十六円ですね。八時間働いて千三百円ぐらいになりますか。こまかいものは別です。生産性が低いからこれでいいんだろうということで、そこらの論議がまだこの時点で煮詰まらない。十日にきめるのに、庁内の、そこらの問題をどういうふうにして推定生産費をきめるかという論議が煮詰まりませんという姿、これはどうなるんでしょうかね。どういうふうにお考えになりますか。
 現況でこういう事態が起きているのは、沖繩島民の怠慢でもなければ、沖繩島における現象だけではないと申し上げておきます。こういう生産事情でサトウキビがつくられておる。生産量はかなりある。それを先進国と称するものが安くたたいて買ったわけですね。砂糖というものは、自由市場で多少余剰傾向もある。この前から私は申し上げておりますけれども、それが石油問題と同時だとは言いませんけれども、石油問題等が起きて、砂糖の産出国においても砂糖の安売りはしないぞというような気風が出てきた原因も、今度の国際糖価の暴騰の中にその要因もあるということも確かでしょう。それなくしてこんなに国際糖価が上がっていくものじゃない。砂糖の生産農家が、われわれははだしで、裸で、こじきのような生活をしてでも砂糖を安く売りますという、そういうことではないということです。そういう現実を押しつけてきたわけです。貿易という手段の中で、先進国と称するものがそういう過酷な条件で砂糖を収奪してきた。貿易収奪をしてきた。それが許されなくなってきた。それのみだとは申しませんが、しかし、国際糖価がこういうふうに上がっていくという要因の中に、いま申し上げたような、砂糖産出国の安売りをしないぞという気がまえが大きく働いてきておることも見のがせない事実だと私は思います。十アール当たりの生産の中で百五十時間、百六十時間かかって生産しておる国々は、サトウキビについてたくさんあるわけですから、それに対する国際水準の労働対価の要求が今日の砂糖高要因、国際糖価要因となっておるわけですね。
 これは一〇〇%だとは言いませんよ。しかし、そういうことは全然無視して、国内においてそういうことがおかしいというんじゃなくて、米並み生産費で私が計算するとこうなりますね。まあ、大ざっぱですから、これは必ずしもそれのみを一〇〇%主張するものではございませんけれども、生産費所得補償方式で、片や、米に対する生産労働は、ことし一時間当たり五百九十四円ときめたのでしょう。五百九十四円で百六十四時間を同様に計算すれば九万七千三百十円というものが――これは奄美も同じでありますから、沖繩、奄美両方一緒にして申し上げますが、十アール当たり生産労働に対する所得補償じゃありませんか。それに、二万八千七百六円が四十八年度における家族労働費を除いたほかの生産経費である。二五・三%というパリティもおかしいのではないかと私は思う。一応三〇%のパリティの増加率で計算すると、その経費は三万七千三百十七円、合計して十三万四千六百二十七円が十アール当たりの生産費となります。これは二五・三で計算しても、これよりちょっと下がるだけです。それを七トンの基準収量で割るのか、それとも復帰の年ですね――四、五年前は干ばつでものすごい凶作がありました。ああいう年の収量を入れれば、サトウキビで七トンという平均収量はちょっと過酷でないかと思います。四十八年は七トンあるというんですから、これはいいです。しかし、その三年か四年前に干ばつでものすごい減収を受けておる。ですから、五年なり七年なりの平均収量をとれば七トンというのはちょっと無理ではないか。たとえば、四十八年の七トンで計算しても十三万四千六百二十七円。これは三〇%アップで計算しますから何ですが、これを二五・三でしても幾らも下がりません。大ざっぱに申し上げて、十アール当たり十二万円の生産所得を補償するということになれば、大体一万八千円ということになるわけです。期せずして一トン当たり一万八千円ということになってくるわけですね。
 そういうことを基本に置いてしなければ、局長が先ほど言ったように、現時点における国際糖価あるいは国際的な砂糖の需給事情から見て一トンでも多くつくってもらいたいと口では言っても、いま申し上げたように、大幅に下回った決定をことしして、それで一トンでも多くつくってもらいたいと言ったって、現実にはサトウキビをつくって生活できない。だから出かせぎに出るということになります。その現実は、私どもが農林水産常任委員会で調査したところによると、サトウキビの畑がものすごく荒廃している。特に、八重山群島の石垣島と西表島ですね。西表島へも行きましたが、西表島は農業は少ないですけれども、砂糖工場はことし動く工場が一つもないのではないでしょうか。西表島へ行っても砂糖工場があるにはありましたが、しかし、キビ畑がもうほとんど荒廃してしまっているので、どうしておるかというと、島から外へ出かせぎに出ておる。全部だとは申しませんが、出かせぎに出ている者が多い。
 まず、第一段階にそういう条件が起きておるのでありますが、それは皆さん方も行って見てきておると思うけれども、その条件を満たすのが、きょう前面におすわりになっている流通局長と砂糖類課長と、特に参列しておる大蔵省の宮下主計官にもよく申し上げておきますが、皆さん方だ。その皆さん方の手でそれをぜひつくることが大切である。まだ結論は出ておりませんと言うけれども、結論は出ていなくたって、それに対する総合的な作業はかなり進んでおるわけですから、核心に触れた見解を承りたいと思います。
#34
○森説明員 沖繩を中心にしますサトウキビの生産の現状につきましては、まだまだこれから大いにやらなければならないことがたくさんあるというふうに私どもは思っておりますし、おそらく農民の方々もそう思っておられると思います。
 確かに、御指摘のように、われわれ価格計算をする面から見ましても、鹿児島の南西諸島のほうが歩どまりが高いというような、むしろ沖繩のほうが適地なのに、という単純な疑問が出ます。そういうことがいけないということではなしに、それが現実の問題であることはわれわれも十分承知をいたしておるわけでございまして、そこで、基本的には、生産当局担当課長が参っておりますが、私からお答えいたしますと、基盤整備をして機械化をはかっていくこと。品種の改良も、いろいろとわれわれが調べてみますと、確かにおくれておる。これらの問題も今後精力的に解決していかなければならないというふうに思います。
 そういう基盤の上に立っての百六十時間、あるいは家族労働にしますと百四十時間、その八割、先ほど言いましたように、そういう数字が出ておる。ですから、それがけしからぬということをわれわれは申しておるのではない。ただ、もっと合理化をしていかなければならないという反省を込めて申し上げておるわけでありますが、それはそれといたしまして、それが現実であるとすれば、その現実の上に立って、粗収入の三分の一がサトウキビに依存しているという事実を踏まえまして沖繩の農業を考えていく場合に、当然そういう線に沿った適正な価格をきめてまいらなければならないということについてはわれわれ異存はございません。
 先ほど国際環境の点も御指摘がございましたけれども、各種の面から見まして総合的に考えながら、少なくとも現実的に価格も考えてまいりたい、私はこういうふうに考えておる次第でございます。
#35
○美濃小委員 では、その次に、これは御答弁は要りませんから参考として申し上げておきますが、昨年、沖繩のサトウキビをきめたときに、これを審議したときの委員会でも私は申し上げたが、ただいまのような条件も申し上げた。
 そこで、砂糖として比較すれば、もちろんてん菜糖のほうがサトウキビよりも歩どまりも高いし、結局原料としての価値は高いということは言えるわけです。しかし、先ほど申し述べたような条件があるからそういうことを比較すべきではないという理論から、先ほども上原委員から話がありましたように、昨年のてん菜価格に対して奨励金をつけると一万円ですから、サトウキビの価格を約二〇%上げて、そして沖繩のサトウキビ対策をやったわけです。ことしも大体一万五千円になるように原料のてん菜価格をしたわけであります。ことしも去年と同様の大体二〇%上置き措置を、それよりも二〇%高いサトウキビの価格にきめるべきであると思います。そうすると大体一万八千円になるのですが、そういう措置ができるであろうと思います。これは私が申し上げておきますから、いまの段階でそうしますという答弁を引き出そうというのは無理ですから、聞いておいてください。
 そこで、それをするための問題をお伺いしたいと思いますけれども、最近まだどんどん国際糖価が上がってくるのですが、二百八十七円ときめたこの間のもので、一体需給を保っていけますか。石油問題でも何でも、通産省の行政を見ておったら、たとえば原油か上がれば――これは物価対策と二つありますが、しかし、いまの通産省は、原油等が上がれば、物価対策も大切だけれども、いわゆる需給確保が大切だ、値段を押えれば需給の確保ができないからということで、需給の確保が大切なのか、価格対策が大切なのか、上がる原因は、それを供給してもらう国際価格が上がるのだからやむを得ないという姿勢を大幅にとっておりますね。そこらは、物価対策と需給確保という問題とは政策上からんでまいると私は思います。国際価格を全然無視してきめた価格だから、せめてこれは三月一ぱい守りたいという話をどこからか私は聞いております。そればどこまで信憑性のある話かわかりません。三月一ぱい国内産糖は二百八十七円で押えつけて、そして北海道のてん菜糖その他が出回るから、去年のようにいよいよ需給が逼迫してくれば、国鉄公社にも圧力をかけて北海道のてん菜糖を――まあ、ことしも二十八万トンくらいとれるでしょうから、それを押えつけた価格で緊急手配をして三月までは守り切る。これも物価対策上一がいに悪いとかなんとかということは私は申しません。きまった価格でやる政策でありますから、それも一面有効な政策だと考えて、別にそれをしていいとか悪いとか言うのじゃないですよ。しかし、二百八十七円という価格は、輸入糖の輸入価格が上がればあくまで指導価格として、これをこえた場合には行政措置をするということで、一体この価格で輸入糖の需給を確保できるのかどうか。どう思っておりますか。これをちょっとお伺いしたい。
#36
○森説明員 御指摘の問題につきましては、非常にむずかしい問題だと思っております。確かに、二百八十七円ベースの価格が国際的に見てどうかという問題につきましては、私も非常に頭の痛い話であることは御指摘のとおりでございますが、さりとて、この考え方は、国際糖価がウナギ登りに非常に暴騰をしている中で、ほうっておきますとえてして先取り的な相場が出てまいります。相場がそういう形で順次形成をされてきますと、早く買ったほうが得だということに相なってしまうわけでございます。輪をかけて上昇をする。一々の取引につきまして、われわれそれを押える手だては持っておりません。そういう観点から、ともかく、現実に入ってきているコストから見てどうかということを常に業界から報告を求めまして、その価格形成を適正に行なわせるために、しいて申しますとわれわれがまさに行政指導をしておるということでございまして、これを一つ間違いますと、英国で御承知のような砂糖パニックを起こすというような事態に突入をしてしまうわけでございます。そこの限界すれすれで物価対策を考えますと、低ければ低いほどいいということを考えながら運用をしておるわけでございます。現在政府がここまで価格に介入をしておるところはほかにはございません。われわれもからだを張ってこの調整に当たりたいと思っておりますけれども、いまのところ、たとえば五百九十ポンドまで参りましたロンドンの相場が一日で三十ポンド下がるというようなこともあるわけでございます。現に数日前にそういう暴落、ストップ安があったわけでございます。
 そういうようなことからいたしますと、国際糖価から見て何が適正かという判断は、繰り返しの質問がございまして、私も繰り返し御答弁いたしておりますように、非常にむずかしい問題でございます。しかし、いま国際糖価は高いから高く買ってくれたっていいではないかというお気持ちは、われわれはいろいろと陳情の方から伺いますが、私も確かにそのとおりに思います。ただ、具体的な数字の詰めあるいは将来の糖価水準というものを、それを当てにして割り出すわけにはいかないということも御了解いただけるのではないかというふうに思います。
 そこで、ついででございますが、てん菜糖とサトウキビの価格の算定上非常に違う点が一点ございます。これは致命的に違う点でございます。てん菜糖の十六万六千五百円の買い入れ価格というのは、先生はもう十分御承知でたいへん恐縮なんですが、安定帯の上限価格に関税を足したもの、それを精製糖に換算いたしました数字より若干低いというコスト計算に相なっておるわけでございます。それ以上に売れるだろうから、その分はその凍結の価格のラインまでは企業側も協力してほしいということで二万五千円近い数字が出てきたという経過がございます。
 サトウキビの場合は、先ほどの原料の価格の問題はちょっとおきましても、どうしても非常に歩どまりが悪いとか、操業率が非常に低いとか、いろいろな要素がございます。それにかてて加えて労賃、運搬費等々、諸物価が高騰しておりまして、加工経費も合理化の余地が非常に少ない。さすれば、いわゆる二百八十七円ベースでどのくらい出るだろうかということをいろいろやってみましてもたいした問題の数字にはならないというのが、私ども今回の価格算定にあたりまして非常に苦慮をいたしておる点でございます。そういう点をこの際ひとつ御了承をいただいておきたいと思います。さりとて、先ほど私が申しましたように、沖繩なり南西諸島の皆さまの御要望は十分念頭に置いて適正な価格決定をいたしてまいるつもりでございます。
#37
○美濃小委員 価格問題については、特に局長に申し上げておきますが、こういう情勢ですし、先ほどもお話しがありましたように、新聞紙上を見ておると、大企業が、ユニチカが二千五百人の人員整理を打ち出したとか、日本の経済の上においても、国際的には輸入する資源高、輸出の不振という非常に大きな憂慮すべき問題がいろいろと出てきております。そういう面からも、また、片や国際的な生産と人口という面からも、食糧の需給ということは大きな問題になってきておる。これは申し上げるまでもないわけです。ですから、私がいまここで申し上げたいことは、復帰した以上、これに対する土地改良なり、生産性の向上なり、あるいは労働時間の短縮の方法なりということはもちろんこれからの問題として取り組んでもらいたいと思いますけれども、先にやるのだからいま当面安くてもがまんせよと言っても、キビをつくって生活する農民はその年の生活でありますから、その年が赤字になるのでは、先の絵をかいて、先の絵を見せても、絵を食べて腹を起こすことはできないのでありますから、そういうちぐはぐな政策をやらぬようにしてもらいたい。やはり、現実は、復帰したといってもまだ年限は短いわけです。
 重ねて申し上げますが、このような低生産や多くの労働時間を要しておるものを、こうすれば労働時間が短縮されるだろう、こういう機械も入れなければならぬだろう、それまでは労働時間が長くかかって不自然なんだからキビは安くてもがまんせよというようなものでは絶対ないわけですし、ことしの価格はことしの現況で、先ほど申し上げたように、生産費であれば、一トン当たり米の生産費所得補償方式の原理の導入そのままで計算機を回していけば十二万以上になることは間違いないわけです。ですから、それは、局長の言うような、国際的な砂糖の需給条件下で一トンでも多くつくってもらいたいということを当面進めるための最大の、一番大切な政策だと私は思います。また、その中で、省力なり、そういうものが、政策により、予算の導入によって進んでいけば、進んだ時点で将来考えればいいのだ。それだけを強く申し上げておきます。
 と同時に、これは開発庁にお聞きしたいと思うが、こういう問題について、しからば将来何年間で、時間については何時間ぐらい短縮して、それに対してはどういう機械をどういうふうに導入して、土地改良の計画はどういうふうに進めて、どこまでサトウキビを合理化していくか。国際的な需給条件、食糧条件からいけば、沖繩における砂糖の生産については、少なくとも沖繩の農民が納得して、その中から、沖繩の一つの重要な農産物として、沖繩の大きな経済の発展に効果をあらわし――同時に、サトウキビの生産は、復帰直前に比較すればいまものすごく落ち込んでいるわけです。私に言わせたら、こんなことはあり得ないことなんです。何のための復帰であったかとも言いたいわけです。すべてのものが復帰する前よりもよくなって、初めて沖繩が本土に復帰した意義というものがあるわけですね。しかも、大切な砂糖が復帰前の生産量から見たら今日かなり大幅に落ち込んでしまっているなどということは、はっきり言うと政策が悪いからなんです。それと、一面は、復帰前と比べて島内における経済様式が変わったということも言えるでしょう。一面は経済様式の変化だ、一面は政策が悪いからだ、とはっきり言えると私は思う。それでは将来に対しての真の沖繩の発展というものはあり得ないだろう。大切な沖繩の基礎産業はくずれ去ってしまうだろう。一時的な海洋博の労賃ぐらいで、沖繩の将来が、沖繩の島民が復帰してほんとうによかったという経済になれたら私はお目にかかりたい。そんなものではないのであります。
 だから、先行きの方向があるならあるで、ないならないで、きちっとここで聞きたいと思います。どれだけの誠意とどれだけの熱意をもって何年間でどれだけのことをして、どれだけのコストを下げて、そして沖繩の砂糖の生産量をどこまで持っていくということ、これをはっきり聞かせてもらいたいと思います。
#38
○星野説明員 沖繩開発庁の振興第二課長でございます。
 沖繩の場合、沖繩の農業につきまして、サトウキビは非常に重要な地位を占めておるということは先生がただいまおっしゃったとおりでございまして、私ども沖繩開発庁といたしましても、そのような認識のもとに沖繩の農業の将来を考えます場合、特に、キビとパインが現段階における主幹作物であろうかと思いますが、これにつきまして極力生産性の向上をはかるというような形をとりながら、何しろ、沖繩自身が亜熱帯地域にあるということで、気温も非常に高うございますし、雨量も多いということから、それに適しました形で、たとえば野菜とか、園芸とか、畜産とか、そういうものを入れるというような基本的な方向で、先生御承知のように、四十七年の、復帰しました年の暮れに沖繩の振興開発計画というものをつくりました。その中では、ただいま申し上げましたように、サトウキビとパインにつきまして、その生産性の向上をはかりながら、園芸、野菜、畜産等を導入しまして、作目を多様化しながら沖繩農業自身の振興をはかっていく。そのような形で現在考えております。
 先生がただいまおっしゃいましたところの、将来何年にどれだけの砂糖の生産をするというようなことにつきましては、私ども、そこの段階では現在作業はいたしておりませんけれども、確かに、先生がおっしゃいましたように、沖繩農業自身につきまして、基盤整備が立ちおくれているということは事実でございます。そのために、私どもとしましては、現在、復帰直後から毎年二、三十億程度の金を――復帰の年に投入いたしました二十七億程度の金は、実は、復帰前の年に比べまして五、六倍以上の金額になっておるわけでございますが、毎年その程度の金をずっと投入いたしまして極力基盤を整備しまして、それから機械化については、先生御承知のように、四十八、九年度からでございますけれども、集約化機械の導入をはかっております。これによりまして労力の節減をはかりながら近代的なサトウキビ経営をとにかくはかりたい、そういうような形で現在進めております。
#39
○美濃小委員 時間が参りましたので、まだ不十分でありますが、以上で質問を終わりますが、特に開発庁に申し上げておきますが、いまのお答えではまことに不十分でありますから、もっと予算の面にも全力を尽くしますとか一さらに、これはキビだけではございません。お話しのような構想でよろしいと思うが、その構想を実現するための具体策、その裏づけに対する年次計画、こういうものについてもっと積極的にはっきりと方向を示して、開発庁みずからが、こういう価格問題についても、これが達成できればコストはどこまで下げられるというように、そこまで踏み込まなければいけないと私は思います。たとえばサトウキビのコストは何年後にはどこまで下がる、しかし、現時点において生産を維持するためには――私は重ねて申し上げておきますが、ことしは一万八千円できめる必要がある。それをきめなくしては、一トンでも多くつくってもらいたいというような表現とは全然合わない。そういう考えが政策にある以上は、それを達成するにはことしは一万八千円が必要だ。しかし、将来公共投資が進み、百六十四時間かかっておる時間がたとえば九十時間でできるというような大幅な改革ができた場合には、そのときはまたそのときの情勢で、沖繩の島民、特に農民の生産が落ちないようにして、その中から他産業と同じ所得、均衡所得が得られて、安心してサトウキビがつくれるような体制を続けなければならぬのではないか。そうなればなったときの次元で考えるべきだと思います。しかし、先にそうしてやるのだから、いまこのくらいでがまんせいという価格を決定することは許されませんから、その点だけは十分意に体して決定を願いたいと思います。特に、開発庁はもう少し前向きに開発政策に取っ組んでもらいたい。
 大蔵省としては、そういう事情でありますから、特に決定にあたっては財政上めんどうを見てやろうという、少し大きな気持ちで主計官としては取り組んでもらいたい。お願い申し上げておきます。
 以上で終わります。
#40
○坂村小委員長 次に、諫山博君。
#41
○諫山小委員 先日、砂糖の消費者価格が引き上げられたときに、農林省に対して非常に大きな非難が集中しました。砂糖の消費者価格が引き上げられた大きな原因になっているのは、砂糖の自給率が低下したことであります。
  〔小委員長退席、美濃小委員長代理着席〕
 おもな資本主義の国で、砂糖の自給率が二〇%を割るというようなところは日本以外には例がないということを、私は、てん菜を審議する小委員会で論議いたしました。政府は、砂糖の自給率をふやしていく、昭和五十七年度にはほぼ三〇%程度の自給を確保したいという方向を打ち出して、その立場からサトウキビについても増産計画を立てているはずですが、この数年間農林省が予想しているような増産が実際に確保されているのかどうか、御説明ください。
#42
○本宮説明員 生産を担当いたしております畑作振興課長であります。
 サトウキビの生産の推移は、四十一年には四万二千ヘクタール程度の作付面積がございましたが、四十八年においては、三万ヘクタールを若干切る二万九千五百ヘクタール程度の作付面積でございます。
#43
○諫山小委員 私は、数字は知っています。ただ、実際の作付面積が政府の予想どおり進んでいるのかどうか、見込み違いがなかったのかどうかを聞いているのです。いかがですか。
#44
○本宮説明員 五十七年の作付面積の目標は、沖繩県におきましては二万三千ヘクタールでございます。現在の沖繩県の作付面積が大体二万ヘクタール程度でございますので、五十七年の目標の作付面積とはそれほどの大きな差はないと考えます。
 作付面積はそのようでございますが、ただ、十アール当たり収量につきましては、将来、沖繩県におきましては十アール当たり十トンの収量を目標といたしております。その現状からいたしますれば、現在のところ六トン程度でございますので、今後相当の反当たりの生産増強が必要というふうに考えております。
#45
○諫山小委員 五十七年度にはまだ何年かあるわけですが、作付面積あるいは収量は予定どおり推進する見通しですか。
#46
○本宮説明員 沖繩県につきましては、作付面積は現状の維持程度でございますので、この面積については、極度に減ることがなければ維持されるもの、二万三千ヘクタールは確保できるものと私どもは考えます。
 ただ、ここで、反当たりの収量につきましては、現在のところから相当の目標を掲げておりますので、これにつきましては今後施策の展開を強力に進めてまいりたい。そういうことで、私どもとしましては、今後県並びに地元の方と十分協議いたしまして、反当たり十トンの目標を確保すべく努力いたしたい、また、そのように目標を確保できるものと考えております。
#47
○諫山小委員 沖繩県のことを説明されましたが、鹿児島県についてはどうですか。
#48
○本宮説明員 鹿児島県は、作付面積につきましては、四十五年の一万三千ヘクタールを五十七年に一万五千ヘクタールに伸ばしたい。現在のところ一万ヘクタールを若干切るような状態でございますので、作付面積につきましては相当努力しなければならないと思います。
 それから、十アール当たり収量につきましては、鹿児島県は五十七年に九万トンを目標といたしております。これも沖繩県同様相当に高い目標でございますので、今後大いに努力する必要があるというように考えます。
#49
○諫山小委員 昨年度のキビ価格決定で、最低生産者価格をきめると同時に生産出荷奨励金をきめたわけですが、これは、生産出荷奨励金を基本的な最低生産者価格になぜ織り込まなかったのでしょうか。二つに分けなければならなかった事情を説明してください。
#50
○永井説明員 昨年の経緯について御説明申し上げます。
 昨年のサトウキビの生産者価格の決定にあたりまして、価格自体といたしましては八千七百円、それに生産出荷奨励金を別途千三百円計上いたしまして、農家手取りが一万円になるように措置したところでございますが、この趣旨は、生産者価格といたしましては法に基づく手続きをとり、また、各種農産物の上昇傾向等も考慮いたしまして八千七百円というふうに決定するのが適当であるが、昨年までの沖繩及び奄美地方におきますところのサトウキビの作付が減少傾向にあったこと、特に、沖繩におきましては海洋博を控えて非常に諸物価の上昇傾向が見られたこと等から、沖繩を中心といたしますサトウキビ作が非常に荒廃しておる。そこで、適正な肥培管理と適期の出荷を奨励する必要が特に認められるであろうということから、特別の措置といたしまして千三百円を計上し、農家手取りを上昇する措置を講じたところでございます。
#51
○諫山小委員 昨年の生産出荷奨励金を加えない価格で一日当たり家族労働報酬を計算すると、鹿児島県の場合には千九百二十三円、沖繩県の場合には千八百十三円、こういう数字が出ています。鹿児島県、沖繩県でサトウキビがどんなに大きな役割りを果たしているかということはすでに述べられているとおりですが、この農業の基幹作物であるサトウキビについて、一日当たり家族労働報酬がこんなに安く据え置かれているということは許しがたいことだと私は考えております。基幹作物でこんなに一日当たりの労働報酬の安いものがほかにどういうものがありましょうか。
#52
○遠藤説明員 ただいまの先生の御質問の、この一日当たり家族労働報酬につきましては、すでに先生御承知のような手続で計算をいたしております。
 ちなみに、現在私どもが対象といたしております各種農産物の生産費調査の結果を四十八年について見ますと、全国平均で水稲が四千八十四円というものが一般に言われるところでございますけれども、作目間で非常に差が広うございまして、麦のような場合におきましては、麦の種類によって違いますけれども、たとえば小麦の場合は千五百三十四円というようになっております。それから、なお、野菜、果実につきましては、作柄の変動^価格の変動なども非常にございまして一概に申し上げられませんけれども、たとえばミカンなどを例にとりましても、かつて四千円台にございましたものが、現在におきましては、四十七年でございますけれども、千百七十九円という状態になっております。
#53
○諫山小委員 沖繩県、鹿児島県では、農家の人がよく言われるように、これは基幹作物なんですから、本土で米をつくるのと同じような位置づけをしてもらいたいという要求が繰り返し出されております。しかし、生産出荷奨励金を加えても、鹿児島県の場合に二千五百七十六円、沖繩県の場合に二千二百九十八円、これで再生産をせよと言ってもなかなか無理な話です。非常に犠牲に犠牲を重ねながら農家の人たちはサトウキビをつくっているわけですが、この賃金というものは、地場賃金に比べても極端に安い価格だということは農林省もお認めだと思いますが、いかがですか。
#54
○遠藤説明員 ただいま私どもが公表いたしておりますのは四十八年産のサトウキビでございます。ここに、ただいま先生が御指摘のように八千七百円ベースで計算をいたしますと、沖繩の場合は千八百十三円、鹿児島の場合は千九百二十三円というふうになっております。ちなみに、私ども、別途、全国的な規模におきまして農村物価統計調査を実施いたしておりまして、鹿児島、沖繩についてもそれぞれ結果を出しております。
 それによりますと、四十八会計年度におきまして、鹿児島の場合、男子が千六百六十五円、女子が千四百二円ということでございます。それから、沖繩の場合におきましては、男子が三千七百六十三円、女子が千九百七十八円というのが私どもでやっております一方の賃金調査の結果でございます。
#55
○諫山小委員 糖価安定法の施行令の第十三条に最低生産者価格のきめ方が書かれております。これによりますと、「生産費、競合農作物の状況、物価その他の経済事情を参酌し、」云々ということが出てくるわけですが、競合農作物というのは、サトウキビの場合は何を考えておられますか。
#56
○森説明員 この法律の規定はそのとおりになっておりますが、北海道ではバレイショの価格が競合農作物ということで、実際の政府の算定にもよく使っております。ただ、サトウキビの場合に競合すべきものということになりますと、ある意味では株出しを伴うようなものでありまして、毎年作付を行なうというようなことではないという意味で、現在までのところ、競合作物についての算定につきましては、一応公式なものはございません。
#57
○諫山小委員 そうすると、第十三条の条項というのは、サトウキビについては死文化しているということになるようですが、しかし、ここで規定している趣旨というものは、似たような作物と同じような価格を保証するのが正しいという趣旨ではなかろうかと思います。そして、農家の人たちが指摘をしているのが、本土の米と同じような問題だから、米と同じように取り扱ってもらいたいということになっているわけです。生産者所得補償方式によって算定してもらいたいというのもその角度から提起されているわけです。私は、これはきわめて正当な要求だと思うのですが、そういうふうに米に準じて価格をきめるという考え方は農林省としてはとっておりませんか。あるいは、そういう問題を検討したことはありませんか。
#58
○森説明員 沖繩の方々が米に比すべきものだということをよく言われます。われわれも、沖繩の農業の中で占めるサトウキビの販売額等から見まして、確かに沖繩における基幹作物であることは率直に認めてよろしいと思います。しかし、米と算定方式を一にするかどうかということになりますと、これは著しく生産事情が異なるのではないかというふうに私どもは考えております。かつての占領時代に本島あたりで私も見ましたけれども、沖繩で米作がサトウキビにかわってきているという経過的な事情があることはもちろんそのとおりのようでございますけれども、全体の米の扱いとサトウキビの位置づけというものは、先ほど私が申し上げましたように、今後大いに基盤整備をやり、機械化をやり、まだまだ生産力をあげていかなければいけないという農業の事情にある。そういう中で、いま直ちに生産費所得補償方式というような米でとっております算定方式をとることがはたして妥当かどうかということにつきましては、われわれは消極的に考えておるわけでございます。
#59
○諫山小委員 昭和四十九年の四月二日に甘味資源審議会が建議をしています。四十九年九月十日に甘味資源審議会の答申が出されております。四月二日の建議を見てみますと、「原料価格の決定に当たっては、米価に準ずる生産費所得補償方式によるよう法律を改正せられたい。」として、さらに、「てん菜の原料価格については、この趣旨を十分勘案の上算定せられたい。」というふうになっております。これは、いまの法律ではずばり生産費所得補償方式というのはむずかしいだろう、しかし、実際の価格決定にあたっては、生産費所得補償方式が甘味資源の価格決定の場合に適当だという趣旨を十分勘案しながら計算すべきであるという建議だと読めます。四十九年九月十日の答申も、現行法ではずばり生産費所得補償方式というわけにはいかないかもしれないけれども、同様の趣旨を勘案してサトウキビの価格もきめてもらいたいという、そういう趣旨だと理解できるのですが、答申を受けた農林省は、この答申をどういうように解釈していますか。
#60
○森説明員 御指摘のように、現在の砂糖の価格安定等に関する法律によりますと、「農業パリティ指数に基づき算出される価格を基準とし、」ということではっきり書いてございますので、米と同じような算定方式を直ちに採用するわけにはいかないということだろうと思います。
 それから、それについていまの米並みのやり方をとるかどうかということを参酌することは、私ども、少なくとも法文の規定上は可能ではなかろうかとは思いますけれども、ただ、先ほど申しましたように、やはり、農業の実態というものからこれらの問題は考えていかなければいけないのではないかという観点からいたしますと、当面御議論をいただいておりますサトウキビにつきまして生産費所得補償方式をとる必要があるというふうには私どもは考えておりません。
 ちなみに、生産費所得補償方式といいましても、先化にたいへん申しわけないのですが、これは私ども毎年手がけてまいりまして、毎年いろいろ論議があります。あまりにも論議があり過ぎる方式でございます。論議があるということは、答えがいろいろ出るという性質の方式でございます。このことにつきまして、米につきましてもそういう議論がございます。したがいまして、この方式をとることによってかえって価格の算定に安定性をなくするという議論も実はあるわけでございます。それば別にいたしましても、先生の御指摘の問題につきまして、要するに、労働の評価あるいは労働費というものを他産業並みに考えていくべきかどうかということになりますと、これは米とほかの農作物全般の問題にかかわる問題であろう。決して沖繩のサトウキビが生産性の低い作物であるということを申し上げているわけではございませんけれども、農産物全体の価格政策全般につながる話になるのではないだろうかというふうに私どもは考えているわけでございます。
#61
○諫山小委員 私は、問題を分けて質問したいと思います。
 さっき私が指摘しました甘味資源審議会の建議及び答申は二つのことを言っております。生産費所得補償方式によるように法律を改正してもらいたいということが一つと、もう一つは、その法律改正を待つまでもなく、この趣旨をてん菜とサトウキビの価格決定にあたって勘案してもらいたいということ、この二つのことを言っていると思うのですが、その点は農林省はそういうふうに理解していますか。
#62
○森説明員 先ほど御答弁申し上げましたように、現在の法律がパリティ価格ということを基準にして考えろということをいっておりますから、もしかりに米と同じような算定を行なうとすれば法律改正を必要とする。そういう前提でものを考えますれば、いまの御答申の趣旨は先生御指摘のとおりだろうというふうに思います。
#63
○諫山小委員 生産農民が生産費所得補償方式でやってもらいたいというのは、一方的な主張ではなくて、甘味資源審議会でさえ支持している要求だということなのです。そして、農林省としては、もちろんこれを尊重して価格決定をしなければならないという仕組みであることは当然です。ですから、ずばり生産費所得補償方式で計算しろとは審議会は言っていない。このことを十分勘案しながら価格をきめてもらいたいと言っているわけですが、その点は農林省としては尊重しないのですか。それとも、尊重してその趣旨でやるのですか。
#64
○森説明員 法律の規定に従いまして、農業パリティ価格あるいは推定生産費というものを勘案してきめていくという考え方でわれわれは対処をいたしたいと思いますけれども、推定生産費あるいはその他の考え方といたしまして、今回の価格決定あるいは前回も、というか、今回の価格決定にあたりましては、先ほどいろいろ御質疑がございましたように、あるいは統計情報部からも御答弁申し上げましたように、沖繩におきます労働事情というものが賃金に非常にはね返ってまいっておりまして、これとサトウキビの収穫労働というものは確かに競合する時期でもあるし、その水準というものは適正に定めませんとサトウキビの生産意欲はわかないということは、私ども率直に認めざるを得ないと思います。したがいまして、そういう事情をどういうふうに織り込んでいくか、今後の私どもの政府部内での詰めの段階におきまして、その事情というものを、価格なりあるいは農家手取りなりというものに十分反映をさせていきたいというふうに私どもとしては考えておるわけでございます。
#65
○諫山小委員 いまの説明はそれでけっこうですが、私が聞きたいのは簡単なことです。甘味資源審議会の建議と答申を尊重するのか、黙殺するのかと聞いているのです。どちらですか。
#66
○森説明員 最近行なわれました甘味資源審議会の御答申は九月の十日でございますが、九月の十日の線で価格決定を適切な水準にきめてまいりたいというふうに私どもは考えておるわけでございます。
#67
○諫山小委員 この答申では、現在の法律を改正しろ、早急に生産費所得補償方式で計算できるように検討すべきだとなっていますが、その検討はすでに始めていますか。
#68
○森説明員 これは農林省全般にわたる問題でございまして、砂糖の価格、あるいは農安法、あるいは大豆の関係、あるいは小麦の関係等、その他各種の法律がございます。それにつきまして、むしろ統一的に、たとえば反当収益あるいは労働報酬のいずれを基準に考えるかという問題がいろいろございます。それから、むしろそういうように政府が直接介入しない、たとえば野菜のような基金制度もございます。これら全体の農産物の価格体系ということになるわけでございまして、その価格の体系の中での価格算定の方式ということに相なるかと存じます。若干時日をかしていただきませんと全体の答えが出てこない。したがいまして、甘味資源審議会での御意見の甘味資源に関します算定方式につきましても、直ちにその結論を得るというわけにはまいりません。
 ただ、われわれといたしましては、先ほどから申しましたように、農産物の価格相互間、それから先生の御指摘の競合作物との関係というような御指摘のとおりに、これは決してないがしろにできない問題でございますから、当然、今後十分早急にその考え方を明らかにいたしたいというふうに考えておるわけでございます。
#69
○諫山小委員 私はこの問題に時間をこれ以上とるわけにいきませんが、この建議と答申は二つのことを言っているのです。一つは、長期的な課題としていまの法律を改正すべきだ、パリティ方式で算定するというのは正しくないから、農民の要求どおり生産費所得補償方式で計算をすべきだということ、これが第一です。もう一つば、その法律改正を待つまでもなく、いまの趣旨を十分勘案しながら価格をきめていくべきだということです。これを甘味資源審議会が公式に打ち出しているわけです。ですから、農林省には農林省の考えがあるかもしれませんが、この意見というものは十分考慮しながら今度の価格もきめるし、将来の問題にも対処するということが正しいのだということを考えていただきたいわけです。
 さらに、現在パリティ方式で計算することがどのくらい不合理であるかということは、前回の価格決定を見ても明らかです。そして、おそらく農林省としても、パリティ方式で計算しただけではとてもサトウキビの再生産を保証することはできないという立場から生産出荷奨励金というものを特別につけたのではないかと思います。そこで、今度価格を決定する場合にどういう基準でやっていくかというわけですが、生産出荷奨励金を付さなければならなかった昨年度の事情というものは現在も残っていると考えていますか。もうなくなっていると考えていますか。
#70
○永井説明員 昨年度特に一千三百円の生産出荷奨励金をつけました事情というものは、その前におきまして、両県におきますところの作付事情が非常に減少しつつあり、一方では海洋博等によりまして諸物価、労賃が上昇しつつある中で、沖繩及び南西諸島のサトウキビ作の生産が荒廃しつつある事情にあるということから、通常の価格算定のほかに特にその生産振興をはかる必要があるというふうに考えまして特別な措置を講じたわけでございまして、その事情が現在まで全く同様な事情にあるかということにつきましては、昨年と全く同じであるというふうには考えられませんが、しかしながら、サトウキビ作の振興が非常に重要であるという条件というものはなお残っておりますので、これを解決するのが価格問題だけでいいかどうかということにつきましてはなお幅広く考えていく必要があるというふうに私は考えております。
#71
○諫山小委員 そうすると、昨年の事情が現在も同じように続いているかどうかについてはなお検討を要するけれども、全くそういう状況がなくなったとは考えていないという趣旨になりますか。そういう場合は、生産出荷奨励金という形で解決するよりか、むしろ基本的な価格に織り込むということが正しいと私は思うのです。基本的な価格を非常に安く据え置いて奨励金も払わないというのであれば、もちろんこれは言語道断でありますが、いまの沖繩のサトウキビが直面している深刻な事態というものが一時的、臨時的なものであるかというと、決してそうではないんじゃないかというふうに考えられます。
 ですから、いま算定方式についていろいろ論議したわけですが、同時に、沖繩、鹿児島のサトウキビを抜本的に振興するという立場からこの価格を決定しなければならないということを申し上げたいわけですが、最後に、作付面積だけではなくて、十アール当たりの収量が非常に少ない、これが計画どおり進んでいないという点が指摘されました。これは農家にとっても非常に深刻な問題ですが、これを計画どおり進めるためにはもっとサトウキビに資金をつぎ込まなければならないと思います。今年度のサトウキビ関係の予算の要求を見てみましても、これを根本的に解決するような予算要求にはとてもなっていないように思われます。いまのように狂乱物価が続いている中で、絶対額が幾らかふえた程度では反当収量というものはなかなか増産できないと思いますが、この点はどういう方法で解決しようとしているんでしょうか。
#72
○本宮説明員 明年度の新しい生産対策といたしましては、私どもは、サトウキビ増産技術濃密指導地区というものを鹿児島県及び沖繩県に四十カ所設けまして、その地区において、現在の反収を十トンを目標とするような生産技術を実証してみる、実際にあげてみるというような施策を講じてまいりたいということで、これを一つ新しい予算を五十年度に要求させていただいております。その他につきましては、大体、従来の機械化を中心といたします予算を来年度も踏襲して要求させていただいております。
#73
○諫山小委員 この基盤整備とか機械化については、ちゃんと年次計画を立て、そのとおり実行が進んでいるのかどうか説明してください。
#74
○本宮説明員 鹿児島県並びに沖繩県につきましての、機械化につきましての今後の計画でございまするが、私ども、鹿児島県につきましては、機械化の中の特に問題になりますサトウキビの機械化台数につきましては、この収穫面積から、並びに導入可能な地域の現状からいたしまして、大体必要台数は鹿児島県では三百六十セットと試算し、沖繩県についても同様なような試算をいたしますと七百八十セット必要である。すでにある程度の台数を入れておりますので、今後につきましては、特に沖繩県におきましては、この一、二年の間に緊急に導入をはかるということを実施いたしますが、その後におきましては、現在沖繩県で実施しておりますような機械導入事業を実施いたしまして、昭和五十五年程度までの間には、現在の労働時間を機械収穫にかえまして、大体百五十時間の労働時間を五十時間程度の、三分の一程度の労働時間に減少させたいという考え方で機械の導入の推進をはかってまいる所存でございます。
#75
○諫山小委員 鹿児島、沖繩県のサトウキビ耕作を見てみますと、もっともっと基盤整備に力を入れ、機械化に努力するということがどうしても必要です。そのためにたくさんの予算をつぎ込まなければならないのは当然でありますが、沖繩県、鹿児島県におけるサトウキビの特殊な役割りということを考えて、農民団体の要求にあるように、国の負担の割合をもっともっとふやし、なるべく農民に負担がかからないようにこの事業を推進するということを進めてもらいたいと思うのですが、この点はいかがですか。
#76
○本宮説明員 機械化の導入につきましては、一般本土地区におきましては、あるものについては三分の一、ものによっては二分の一というものがございまするが、大体二分の一以内の補助率で助成をいたしております。ですが、サトウキビにつきましては現在も六割補助ということで、内地の地区よりも補助率を高めて導入をはかっているという実情でございます。
#77
○諫山小委員 きょう、沖繩、鹿児島県のさとうきび価格労組要求団という代表団から要請書をいただいたのですが、この中には、「さとうきび生産の基盤整備を国の全額補償によって早急に実施すること。」ということが書かれ、さらに、「さとうきびの収穫機械を国費により、その開発と普及(導入)促進をはかること。」という要求が出ています。いろいろと農民団体でそれぞれの要求があるわけですが、とにかく国の負担割合をもっと特別にふやしてもらいたいという要求が非常に切実だし、また、それなりの合理性があるわけですから、この点はやはり農民の要求にこたえる形で検討してもらいたいと思います。
 最後に、何といっても砂糖の自給率を高めていくということが全国民的な要請になっておりますし、そして、このことは砂糖の消費者価格を引き下げるという役割りも現在では果たせるはずなんです。そういう点から見ると、サトウキビ、てん菜に対して政府がもっと手厚い保護をするということは、農家の要求だけではなくて、全国民的な一致した要求でもあるというふうに理解できると思うのですが、その点は同じような理解を農林省は持っておられるのかどうか、いかがですか。
#78
○森説明員 確かに御指摘のような状況に入っておりまして、たとえて言いますと、ECも三百万トンの増産を決定して、相当な助成金も考えるというような事態でございまして、私どもも、当然、先生の御指摘の考え方のように、国民経済的にも、消費者のためにも、農民のためにも、先ほど申しましたように、ともかく一トンでもよけいに増産をすべきものだというふうに考えておるわけでございます。
#79
○諫山小委員 昔は、サトウキビとかてん菜の価格を上げて国内の生産をふやすと消費者がマイナスになるんじゃないかというような懸念もあったわけですが、現在はそうじゃない。サトウキビをたくさんつくればつくるほど砂糖の消費者価格も引き下げられるというような状態だし、また、国際的な食糧事情を見てみると、この状態が短期間に解消するというような見通しではなかろうと思います。そうしますと、サトウキビあるいはてん菜の場合も同様ですが、この生産者価格を引き上げる、そのことによって増産する、自給率を高めていくということはすべての国民の要求するところですから、ぜひその要求にこたえていただきたい。
 さらにまた、農家の人たちが強調するように、こんなに安い一日当たり労働報酬であってもやはりサトウキビをつくらざるを得ないというのが沖繩県、鹿児島の実情だということを農林省はもっと真剣に考える必要があると思います。サトウキビをやめて何か適当なものに転作するといっても簡単にいかないから、あまりもうからないサトウキビであっても一生懸命これを生産しているというのが実情だし、また、そのことが日本の砂糖の生産を確保するということになるんだという使命感にも農家の方々は燃えておられると思います。
 そういう要求に十分こたえるような価格決定をしていただくことを強く要望しまして、質問を終わります。
#80
○美濃小委員長代理 瀬野栄次郎君。
#81
○瀬野小委員 昭和四十九年産サトウキビの生産者価格等について、関係当局に質問いたします。
 十月二十八日の当小委員会でも、てん菜、サトウキビ等の価格問題については私からもるる質問いたしたところでございます。その後、十月三十日午後二時から、東京九段会館でサトウキビ要求価格貫徹沖繩県農民東京大会が開かれまして、一千余名の方が、約一億円以上の旅費を使って、台風の余波によるしけの中を船酔いをしながら、往復九日間にわたって陳情がございました。これは昨年に引き続き二回目の大型陳情でございますが、御承知のように、沖繩は戦後四分の一世紀という長い間異民族の支配下にあって、まさに、本土における米にかわる主幹作物であるサトウキビによらなければどうしても生活できない。しかも、アルカリ性土壌で、台風は年に三回も四回もやってくるという中から、他の競合作物もなかなかできないという二とで、ことしは悲壮な要請であったわけでございます。
 さらに、十月三十一日には、党に対しても五十人の方から一時間余にわたって切実な訴えがございまして、私もいまさらながらその真剣な要請に心を打たれたのでございます。
 さらに、十一月十一日及び本日早朝から、組合関係の方及び各種団体の代表の方からこまごまと切実な要請を受けてまいったわけでありますが、これらの一連の沖繩の方、また鹿児島県の南西諸島の皆さん方の要請を見ましても、ほんとうに切実なものがきているなという感をさらに深くいたしたところです。
 去る十月三十日の大会のときでも、南部地区の新里さんという方からは、沖繩はアルカリ性土壌で、しかも台風が年に三回以上来るし、われわれはこの作物以外につくるすべはないんだ、国鉄の思恵も受けていないし、国鉄の導入でもしていただかなければ、肥料その他の問題についても輸送費がかかってたいへんである、これは超党派で解決すべき問題であるというようなきびしい要請がありました。また、糖みつ工場も六工場あるけれども、現在八十日から約八十五日間の操業で、いまのようなことでは沖繩本島の糖みつ工場もたいへんな壊滅状態にある、少なくとも百二十日以上の操業がなされなければ困るんであるといったことが切実に訴えられました。そして、さらには、八重山地区の内藤五郎さんという方からでございましたが、大会の中で、八重山群島はキビにかわるものがないんだ、もしキビの価格が上がらなければ、キビ作にかわる農作物を政府は開発して、これを考えていただきたい、まさに非常事態に入った、と、こういった御発言がございました。
 たくさんございましたが、そのおもなものをあげましたが、こういった例年にない沖繩島民の切実な声を聞くにつれて、私は、戦後二十五年間という、四分の一世紀もの長い間苦労された沖繩に対しては、あらゆる意味で特別なあたたかい手を伸べてやるべきだと思う。それで、いろいろありますけれども、結局は、根本的には、少なくともトン当たり一万八千円以上のキビ価格を決定していただきたい。十一月二十日にいよいよ決定が迫っておりますが、これがもう一貫して言えることであります。この価格の決定こそがすべてに優先してなさるべき問題であると、かように私はしみじみ感じておりますし、また、そのように各団体の皆さん方もるる申されておるわけでございます。
 そこで、農林省並びに開発庁にまずお伺いしたいと思いますが、いろいろ同じような問題が論議されてまいりましたけれども、今回のこういった一連の沖繩の皆さん方の強い要請並びに、一千余名に及ぶところの、大会等を開いての沖繩島民の血の出るような切実な要請については十分認識しておられるのか、その辺、まず冒頭に私は当局の御見解を承りたいと思います。農林省並びに開発庁の関係者のほうからお答えをいただきたいと思います。
  〔美濃小委員長代理退席、小委員長着席〕
#82
○森説明員 サトウキビの価格の問題につきましては、鹿児島と沖繩から非常に御熱心な御要請が農林省にもしばしば行なわれております。大臣以下、私ども、皆さまの御要望をよく承っておるわけでございますが、まあ、そういうことはそれといたしましても、いまの砂糖生産というものが国際的に日本でも非常に立ちおくれているということと、それから、いまの国際糖価というものが異常であるにいたしましても、かつてのような低迷をした砂糖相場は再び来ないのではないかという、そういう認識を持ちます場合には、北海道のビートとともに鹿児島、沖繩のサトウキビの生産を合理化しながらもっと増産をはかっていくということがやはり基本的に必要だという認識を私どもは持っておるわけでございます。その場合に、基盤整備あるいは機械化と同時に、サトウキビの価格政策というようなものがきわめて重要な位置づけを持っておるということにつきましても、御指摘のとおりわれわれは重要な問題だというふうに考えておるわけでございます。ただ、いかんせん、従来の算定方式から出てまいります数字というものは非常にきびしいものがございます。それと、現実の御要請なり、現実の沖繩の農業事情というものをどういうふうにかみ合わせて答えを出していくかということで苦慮いたしておるわけでございます。
 いずれにいたしましても、先生の御指摘の問題につきましては、今後先生の御意見も伺いまして、十分適正な価格の決定につとめてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
#83
○坂村小委員長 瀬野君に申し上げますが、開発庁の要求がなかったものですから、開発庁から来ていないそうでございます。
#84
○瀬野小委員 沖繩の問題であるので、当然開発庁も来ているものというふうに私は認識しておりましたのですが、それでは、次の問題に入りたいと思います。
 先ほどからいろいろ論議されてきましたが、私もこのサトウキビ価格決定にあたっては、何といっても現行のパリティ方式を生産費及び所得補償方式にかえるべきであるということをぜひお願いしたい。かような立場から私は若干補足して申し上げたいと思います。
 政府は、今回の価格決定にあたっては、せんだってからのいろいろな質問の中でも、農業パリティ方式によってやる、現行ではそれ以外にないということを再三申されておりますけれども、先ほどもいろいろ論議がございましたが、サトウキビの価格については、四十九年の四月二日に、農林大臣に対して、甘味資源審議会会長の徳安健太郎氏が「甘味資源の対策について」という要請を建議しておるわけです。「甘味資源の自給率を向上するため、政府は積極的に施策を講ずるとともに生産者の耕作意欲を高めるため原科価格の決定に当たっては、米価に準ずる生産費、所得補償方式によるよう法律を改正せられたい。」という建議であります。これはてん菜のときのこともあってこういつた建議が出されておりますが、いずれにしても、てん菜についても、サトウキビについても、米価に準ずる生産費所得補償方式によるよう法律を改正しろということであります。
 さらには、四十九年九月十日の甘味資源審議会会長の農林大臣に対する答申の中でも、二項目の中に、「さとうきびについては、前年を大幅に上廻る適切な水準に定めることとされたい。」ということがありますし、「また、農産物価格問題の根本的な解決をはかるため、速やかに価格算定方式及び時期の統一など、各農産物間の均衡ある価格制度の確立につき早急に検討を加えられたい。」ということを言っております。
 こういう権威ある答申であり、また建議であるわけでございますが、これに対して、私は、この建議と答申については当然尊重してかかるべきであると思うわけですけれども、政府は言を左右にして、現在は農業パリティ方式によるというふうにおっしゃっておりますけれども、この答申並びに建議をどういうふうに受けとめておられるか、その点を私はあらためてお尋ねしたい。
#85
○森説明員 前段の四月の建議の生産費所得補償方式につきましては、先ほども御答弁いたしましたけれども、価格算定にあたりましてとるべき諸要素が毎年異なってきておるという経過がございます。そういうことを考えますと、そういう技術的な問題が一つと、それからもう一つは、もしかりに適正に算出されるといたしましても、現実に価格がなかなかそういうふうにならないということがある。そういたしますと、ある特定の作物がもし有利にきめられたということになりますと、その作物から他への転作というものが行なわれない。逆に簡単に申しますと、そこで固定化されてしまうということで、マイナス面がございます。それは不足払いを行なおうと何をしようと同じことでございます。そういうことで、終局的には各作物間の価格バランスというものと、また、その所得をどう見るのか、反当で見るのか労働で見るのかというようなことがいろいろございます。それやこれやいろいろございまして、この方式を全部の農産物にとるかどうかにつきましては、農林省全体として答えを出しておりません。
 ただ、後段の九月の御答申の趣旨につきましては、われわれサトウキビの置かれております状況というものを十分静かに冷静に考えてみますと、大幅に引き上げができるかどうかはここでお答えできるわけではございませんけれども、気持ちといたしましては、ともかく、沖繩の農業とサトウキビの置かれている現状を考えながら、法の規定に従いまして適正な決定をしてまいりたいというふうに考えているわけでございます。
#86
○瀬野小委員 そこで、これはもう前回もいろいろ論議したことでありますので、さらに具体的にちょっと申し上げてみたいと思いますけれども、この生産費及び所得補償方式については農林省としても答えを出していない。気持ちとしてはいろいろと考えておるというような御答弁がございましたし、法の規定に従って今後やっていくということでございますが、その法の規定そのものがやはり問題なのでございまして、前回私は質問して、その後いろいろ検討してみましたが、農林省は、生産性の向上が必要だということで生産性向上のための施策をいろいろとっておられることも事実でありますけれども、四十九年度の予算を見ても、この予算ではもう全然お話しになりません。四十八年が、予算では、沖繩県の場合ですとたしか七千五百二十八万円がサトウキビ関係の予算として計上されております。四十九年が二億五千四百五十四万六千円、五十年度が三億六千九百七十五万二千円というように要求されておるようですが、この点、予算はどうですか。こういったことでございますか。
#87
○本宮説明員 ただいまお述べになりましたように、沖繩県につきましては、四十九年度が二億五千四百万、五十年度要求額は三億六千九百万の予算を要求しております。
#88
○瀬野小委員 生産性の向上をはかるということを口を開けばおっしゃるけれども、この程度の予算で十分目標を達成されると思いますか。どうですか。
#89
○本宮説明員 もちろん、現在の予算で十分だとは申しておりませんが、私ども県当局とも十分協議いたしまして、これは今後とも引き続く事業でございますが、新しい事業を現地の御要望等に沿いまして五十年度要求額に入れたい。あるいはまた、先ほども御質問がございましたけれども、機械化予算につきましては、特に機械化研究所に中型機械の開発を全額国庫から受託しているというふうな事業もまた別途に四十九年度予算でも組んでおります。
#90
○瀬野小委員 合理化が進んだり、または生産性が向上し、さらには労働条件が改善されるというふうになれば、これは農業パリティ方式のほうが有利であるということはもう当然でありますけれども、現段階においては、先ほどの答申、建議にも出ているように、生産費所得補償方式でやったほうが、地元の生産者も要請を強くやっておりますし、それが有利であるというふうに考えられるわけです。四分の一世紀の長い間異民族の支配下でたいへん苦労された沖繩には特別のあたたかい手を伸ばすのが当然であり、そういった意味からも、各団体からもあげてそのように強い要請があり、生産費及び所得補償方式によってくれということを言われておるわけです。
 せんだってもいろいろと質問申し上げたときに、政府の答弁は、現在は生産費を増すためにも基盤整備を進めておる、ところが、政府の予算に対して地元ではなかなか消化し切れない、予算がへんぱになっているというようなことを申されましたけれども、実際には、この基盤整備にしてもひもつきであり、また、利益者負担というものが少ない、さらには県当局が硬直財政によってなかなか執行ができないという、そういう苦しい財政の問題が地元にはあるわけです。そういうことを抜きにして基盤整備を云々と言われますけれども、開発庁も農林省当局もそういうことをも十分考えて対策を講じてやらなければ、地元は浮かばれないのであります。
 そこで、合理化といっても、このような予算では、沖繩にしても、奄美にしても、なかなかそれは進まない。また、基盤整備が大事であることも当然でありますけれども、これがなかなか一挙に進む状態でもないことも十分私たちも承知しております。労働時間等を見ましても、百六十時間も収穫時に集中するという状態でありまして、合理化によって機械化を進めて短縮するといかに言っても、基盤整備をやらなければ合理化というものはなかなかできていかないということは皆さん方も百も承知であろうし、私たちも五回も六回も沖繩に参りまして、いやというほどそれを見てまいっております。そういったいろいろな政府の考えと地元の食い違いや、財政的な問題等があるわけで、そういうことを考えましたときに、生産費及び所得補償方式よりもパリティ方式が現在いいというふうに農林省はおっしゃいますけれども、私は、先ほどから言いますように、それは基盤整備が整い、さらにその上に立っての労働時間の短縮が行なわれ、さらに合理化と生産性の向上がなされなければどうにもならぬ問題である、だから、現時点においては農業パリティ方式よりも生産費及び所得補償方式によってやることがいい、沖繩のサトウキビは米にかわるところのいわゆる主幹作目でございますので、特殊地帯として見てやるということがぜひとも必要である、と、こういうふうに考えておるのですが、それについて当局はどういうふうにお考えでありますか。私の問いに対しての見解を承りたい。
#91
○森説明員 先生の御指摘のように、基盤整備を充実いたしまして、十分やりまして機械が入れるようにする、機械が入れるようになれば沖繩のサトウキビの生産性も相当高まってくる、と同時に品種改良等をやりまして歩どまりも上げていくというようなことによりまして、今度は外のメーカーのほうにも相当な余裕が出てくる、また、それが農村に返ってくる、と、こういう構図をわれわれは描いているわけです。その場合に、いま直ちにそういう方式をとるということにつきましては、先ほどるる申し上げましたようにいろいろな問題がございます。したがいまして、端的に申し上げますと、現在の法律あるいは農業パリティというものが決して悪いものではないというふうに私どもは思っております。生産費所得補償方式が一番いいんだというふうにも、われわれは、逆に言いますと考えておるわけではございませんけれども、もちろんそういう考え方もございますが、そうは言いましても、現在の法律をもってしてもいろいろな参酌事項がある。そういうものが沖繩の現在では、先生の御指摘のような低生産性の水準にあるということ、また、それを放置しておいてはますます振興ができないということ、そういうようなものを勘案する要素というものは現在の法律をもってしても可能であるというふうに私どもは思っておるわけです。
 それを今後どういうふうに体系づけて考えてまいるかということにつきましてはいろいろ論議がございましょうが、基本的には、現在の法律をもってしても、そういう実質の価格水準なり所得水準なりを確保していくことは可能であろうというふうに考えておるわけでございます。そういう観点から申しまして、そういう基盤整備なり機械化というものを進めて、その段階で、農産物全体の中でサトウキビの位置づけを考えていくということが一番適当なのではなかろうかというふうに考えておりますけれども、これは農林省全体といたしまして、先ほど言いましたように、農産物の価格政策をどういうふうに考えていくかということとも関連をいたす問題でございますので、サトウキビの所管局長といたしましては、そういう対応のしかたというものが現在の時点では一番適当ではないだろうか、こういうふうに考えておるのでございます。
#92
○瀬野小委員 そうすると、農林省は、現時点では生産費及び所得補償方式よりもパリティ方式が有利であるというふうに考えておられるのですか。
#93
○森説明員 私、ことば足らずで申しわけないのですが、現在の法律をもってしてもいろいろな考え方が採用し得る。もちろん、パリティ価格というものを基準として考えなければいけないということには、法の規定がございますから、そういうことに相なろうかと思いますけれども、その他の要素のとり方なり考え方で価格決定を行なうことは可能でございましょう、われわれはそれに努力してまいりたい、と、こういうことを御答弁をいたしたつもりでございます。
#94
○瀬野小委員 法の規定によれば農業パリティ方式ということであるから、それに従って、というように受けとめられますけれども、率直に言って、沖繩の皆さん方が熱望しておられるのは、生産費及び所得補償方式をぜひやってくれと言われておるのですが、当局としては、パリティ方式のほうが、沖繩の島民を救うためにも、また、今後の自給率を上げるためにも、現段階ではこういうわけで有利だというふうにおっしゃるなら、その点を明らかにしてもらいたい。私は、沖繩島民の今後のサトウキビ生産をよく増すためにもぜひあたたかい政治の手を伸べなければならぬという立場でお伺いしているわけですけれども、この際あらためて、パリティ方式が生産費所得補償方式よりもこういう意味で有利であるというようなところを明快にお答えをいただきたいと思います。
#95
○森説明員 先ほど御答弁申し上げましたように、生産費所得補償方式に基づきますそういう考え方で、現在、沖繩並びに鹿児島の農業団体等からそういう計算の御要望がございます。ただ、私が申し上げたいことは、その結論がそういう数字に相なるかどうかは、査定をいたしますとそうなるということには相ならないわけです。ということは、先ほど言いましたように、労賃のとり方なり期間なり、要素のとり方についていろいろな議論がございます。そういうことで、かつて米で行なわれましたような、生産費所得補償方式とはいいながら非常に低い価格がきめられたという、そういう政府案が示されたという事態もございます。したがいまして、私は、生産費所得補償方式という観念については、一つの考え方だと思いますが、しかし、だからといって、現実にその方式をとらなければ現実の価格水準が上がらないのだという考えは間違いだ、と、こういうふうに申し上げているつもりでございます。現在の法律をもってしてもいろいろな参酌事項は可能であろう。その参酌がどこまでできるかということはいろいろ問題はございますけれども、そういう意味で私は申し上げたつもりでございます。
#96
○瀬野小委員 あとでまた若干触れることになりますが、質問の順序として、現在、この基盤整備の進捗状況はどういうふうになっておりますか。
#97
○杉田説明員 基盤整備につきましては、四十七年度以後、現地の実態に合わせて早急に進めるべくやっておるわけでございますが、四十六年に御承知のような大干ばつがございましたので、四十七年、四十八年とは、両年におきましてその干ばつの応急的な対策に追われたきらいがございまして、いわゆる恒久的な対策につきましては、繰り延べあるいは繰り越しというようなかっこうでおくれております。おくれております割合を数字で申し上げますと、三〇%ないし四〇%方おくれたというのが実情でございます。四十九年度につきましては、現在までのところ予定の仕事が順調に進んでおる、約一〇%程度のおくれであるというふうに伺っております。
#98
○瀬野小委員 あわせてお伺いいたしますが、合理化をして労働時間を短縮し、さらには反収を上げる、さらに生産性の向上をはかるということが大事なことは当然ですけれども、これまでにはかなり時間がかかる、私はこういうふうに見ておるのですけれども、なるべく急いで短縮してやってもらいたいのですが、大体いつごろまでにこれができる見通しであるか、どういうふうにその計画を考えておられるか、その点も明らかにしてください。
#99
○本宮説明員 サトウキビの生産で、労働時間が一番大きな問題でございますが、現在の労働時間が大体百七十時間で、百五十時間以上でございますので、これを何とか減少させていきたいということで、現在考えております機械化の導入計画といたしましては、先ほどもお答え申し上げたところでございますが、鹿児島県については三百六十セット、沖繩県については七百八十セットを今後計画的に入れてまいりたい。それには、一応のいまの私どもの計画では、五十五年時点までにこの必要台数を満たしていきたい。そういたしますと、その時点ではいまの労働時間の大体三分の一程度、五十時間台程度に減少せしめ得るのではなかろうか、と、われわれはこういうような計算を持っているのでございます。
#100
○瀬野小委員 いま答弁があったように、なかなか時間もかかるような状況でありますが、さらに、この自給率を見ましても、農林省は国内産自給率を五十七年までに二六%から二八%の目標を掲げておられるわけですが、収穫面積も四十九年は一万九千ヘクタール、と、沖繩についてはこういうようになっております。おそらく四、五千ヘクタール伸び得るというようなことも聞いておりますが、私のほうの調査によりますと、四十年には三万一千ヘクタールが現にあったわけですけれども、五十七年の生産目標によれば、鹿児島が一万五千、沖繩が二万三千ということで、相当の減反になっておるわけですが、価格を上げて本腰を入れれば四十年の三万一千ヘクタールに急速に伸びることも不可能ではない、必ずできる、と、こういうふうに私は見ておるわけですけれども、こういった収穫面積等はどういうふうに見通しを立てておられるか、これもあわせてお答えをいただきたいと思います。
#101
○本宮説明員 お答えいたします。
 四十九年の作付面積につきましては、県当局からの報告をいただいておりますが、四十八年に比べまして、鹿児島県においては前年よりも若干収穫面積がふえております。四%程度だというように聞いておりますが、沖繩県につきましては、前年よりも多少下がりまして、三%程度減じておるという状況と伺っております。しかし、これも、現在のところではなるほど四十九年は減ったのでございますけれども、その理由といたしましては、古い永年株出しが更新しておるというようなことで、ことしの夏植えがことしの収穫面積に入ってまいりませんけれども、ことしの夏植えがふえますので、四十九年度の現時点の収穫面積は、前年に比べますと両県合わせまして現状程度より大体ちょっと下がった程度でございますけれども、来年五十年度の収穫面積は、永年株出しをしないで新植が行なわれておるということから若干増加していくであろう、こういうように私どもとしては見通しを持っておるのでございます。
#102
○瀬野小委員 いろいろはしょってお尋ねしてまいりましたが、国内自給率を上げ、さらに沖繩のサトウキビの生産意欲を上げるためには、先ほどからるる申し上げましたように、まず価格の保証が大前提であるというふうに私は思うわけです。
 沖繩県でも、真夏の炎天下に日雇いで仕事をしても、四千円から五千円ぐらいの賃金が現在払われております。ところが、サトウキビの場合は二千円前後である。こういうふうになっておりまして、労賃から言ってもまことに無理であります。したがって、海洋博等のいろいろな工事等に出かせぎに行く、または本土へ出かせぎに来るということで過疎化が進み、無人島になりかねない場所も出てきております。
 そこで、先ほど申し上げましたように、あの答申の中にもあるように、最低生産価格の大幅な引き上げが何といっても沖繩県のサトウキビ生産の意欲を増す唯一の手段であると私は思うわけです。価格も他産業または米並みに引き上げるべきである、これなくしては今後の沖繩のサトウキビ作は壊滅になっていく、かように私は訴えたいのであります。
 そこで、沖繩にしても、奄美においても、基幹作物はサトウキビであることは言うまでもありませんが、輪作体系があるわけではありませんし、他の作物との競合もできないわけでございます。北海道なんかは、御存じのように、てん菜の場合にいたしましても、沖繩と違って、バレイショ、小麦、大豆という競合作物があります。輪作体系もあるわけで、こういう面から北海道のほうが沖繩や鹿児島の南西諸島に比べますと有利であるということは一応言えると私は思うのです。こういった現状からも、私は、ぜひ米並みに食べていけるように価格を決定し、また、算定方式も変えてあげるということを真剣に考えてもらいたい。現在、いろいろと何回論議しても、規定によって、農業パリティ方式によって、と、こういうことをおっしゃっておりますけれども、地元の要請は生産費所得補償方式なんですから、そういったことを踏まえて、沖繩を救うためにもぜひ最大の努力を払っていただきたい、かように私は思うわけでございます。
 そこで、さらに政府のお考えをいろいろお聞きしておきたいと思いますけれども、昭和四十八年十月一日から昭和四十九年九月三十日までに収穫されるサトウキビの最低生産者価格がいろいろ表で出ておりますけれども、最低生産者価格はパリティ価格ていきますと六千九百五十円――これは前年価格でありますが、今回、昨年は、トン当たり八千七百円に対して奨励金が千三百円ついたわけでございますので、実質的には一万円ということになったわけでありますけれども、昭和四十八年十月一日から昭和四十九年九月三十日までに収穫されるサトウキビの最低生産者価格の表によりまして、あくまでもパリティ価格の基礎を一万円にしてやるべきじゃないか、当然これが生産者の既得権じゃないか、かように私は思うわけですが、このパリティ価格について一万円を基礎にするということはどういうように考えておられるか。ぜひこういうように考えて算定すべきじゃないかと思いますけれども、当局の見解をお聞きしたいのです。
#103
○森説明員 先生の御指摘のように、農家の手取りからしますと一万円ということでございますから、それにパリティの指数をかけてパリティ価格ではないのかという見方というのは、手取りの観念からいたしますとそのとおりだと思います。ただ、私どもが考えております価格というのは、八千七百円に振興奨励金ということで千三百円を足したわけでございますから、今回の価格計算といたしまして、パリティ価格は幾らかと言われますと、あくまでも一万九百一円でございますということにならざるを得ないのではないかというふうに思います。
 先生の御指摘のような問題につきまして、考え方としては、価格として今回決定をするということであれば幾らになりますか、それはあくまでも価格ということで、前年産価格ということになるわけです。それで、そういう問題が今後累積されていくというようなことになれば、その時点で価格の観念なり何なりを改めるということの必要性はございましょうけれども、現在のところ、現在の沖繩の事情というものは、全国の労働賃金から見ましても非常に異常な高騰をしておる。全国平均より高い。全国平均より高いというのは、農村雇用労賃としまして全国平均より高い水準であるという、非常に悪いということになります。現実の問題としてそういう事実がございます。これがいつまでも続くということでもないが、むしろそういう実態に着目いたしますと、ことしどういうふうにその事情を繰り込んでいくかということの考え方というのも一つ成り立つのではないか。結論から申しますと、去年きめられた八千七百円という価格というものを基準にしてパリティ価格は計算をいたしたいというふうに考えておるわけでございます。
#104
○瀬野小委員 昨年決定した八千七百円を基礎にして農業パリティ方式でやるということを申されましたが、四十九年の四月十日、てん菜の最低生産者価格がトン当たり一万一千百十円と決定したのでありますが、今回十月二十九日に措置がされまして、事実一万五千円となったわけであります。これに先立って、てん菜生産者農民は、これまたサトウキビ生産者農民と同じように、生産費及び所得補償方式によってトン当たり一万五千円の要求を掲げてきたことは御承知のとおりです。当委員会でも数回にわたってこれを論議してきたわけですが、実質要求の満額を達成したということが一応言えると思うわけです。
 言うまでもなく、今回の措置は今回のみの措置ということで、私は、これはあまり感心したきめ方ではない、いわば邪道であるというふうにこの間指摘をしたのでございますが、率から言うと七五・二三%のアップになっております。当局は十分御存じだと思うけれども、私は、生産農民の声を訴え、真剣に価格をきめていただきたいためにあえて申し上げるわけでございますが、これでいきますと、いまおっしゃったように八千七百円となれば、かりに八千七百円に七五・二三%、てん菜並みのアップをかけますと、それだけでも一万五千円以上になるわけです。それに奨励金が、八千七百円に千三百円ついておりますから一万円とした場合に、七五・二三%かけますと、単純計算でも一万七千五百二十三円になる。こういうことになるわけでございます。
 そこで、沖繩、鹿児島の今回の要求であるところの一万八千円以上という問題は、生産費及び所得補償方式ではじき出した数字でありまして、こういった単純計算から見ても、これはもう当然の要求であるというふうに私は思うわけです。そこで、政府の決定にあたっては、こういったことも百も承知であろうと思いますけれども、てん菜の関係等をにらみ合わせて、特に、台風に脅かされ、アルカリ性土壌で、サトウキビ以外に輪作もできない、競合作物もないという土地柄で、四分の一世紀の長い間ほんとうに苦労した沖繩に対して、しかも糖価もだんだん上がっていくという現段階で、そういったことを十分考えて、農民の要求する一万八千円以上の価格決定をぜひやっていただきたい。これが私の切なる願いでありまして、政府もまたそのように努力してほしいと思うわけであります。
 今回の沖繩、鹿児島両県のサトウキビ価格の要求であるところのトン当たり一万八千円以上の価格決定については、これは絶対に認めてやるように努力していただきたいと思うわけでありますが、その点についても、てん菜のように――私はこれをあえて邪道と申し上げましたが、政治加算ぎみの措置ではなく、正々堂々と正規に認めて決定をしてあげるということが真の政府の態度であると、かように思うわけですが、その点当局はどうお考えであるか、決意を承りたい。
#105
○森説明員 てん菜とサトウキビにつきましては、生産事情並びにコストが非常に違っておりますということは先ほど申し上げたとおりでございます。したがいまして、てん菜がどうだからサトウキビがどうだということは、直ちに比較できない問題であろうかと私は思います。しかしながら、サトウキビの置かれております沖繩の特殊事情につきましては、私ども国の立場から言いましても、砂糖が必要だという立場から見まして、ともかく、てん菜と直ちに比較するわけにはまいりませんけれども、先生の御指摘の気持ちにつきましては、私どもも考え方は同じでございます。ただ、やはり政府の価格決定でございますから、パリティにしろ、生産費にしろ、あるいはその他の事情を勘案するにしろ、それはそれなりの算定の理由がなければなりません。
 まあ、御指摘のようなつかみで加算をされるということにつきましては、私どもは反対でございます。合理的な説明のある数字に基づきまして適切に決定をいたしたいというふうに考えておるわけでございます。
#106
○瀬野小委員 てん菜とサトウキビとがにわかに結びつかないことばよくわかっておりますが、いずれにしても、いま局長から答弁がありましたように、てん菜のような政治加算ぎみの措置ではなくて、正規に堂々と認めるという方式でやるという決意でございますので、そういうふうにして明らかにしていただきたい、かようにさらに強く要請をいたしておきます。
 時間も参りましたので、あと簡単に二点だけお伺いいたしますが、この沖繩で、いまいろいろと基盤整備その他の問題もございますが、これは前回も質問したので省略するといたしますが、この沖繩県で、糖業試験所を設置して、試験研究施設の拡充をぜひはかっていただきたいということが、別途沖繩農民の強い要請です。これは、先般沖繩に衆議院の国政調査で行きました際にもいろいろ要請がありました。特に、亜熱帯研究所等もできておりますが、これは沖繩のためにも、地元のためにも、いま直接にはなっていない。将来のいろいろなことを考えての研究は必要でありますけれども、サトウキビ生産農民からは、新品種の改良または病害虫対策、さらには土壌改良をもっとやってほしい、新しく試験所をつくって品種の改良等を積極的にやってほしい、そして生産性を上げるように努力してほしい、と、こういう切なる要請が強いのです。現在の研究所等は試験項目も少ないし、その目的も達しないということでありますが、この点について簡潔に一点お伺いしておきます。どういうようにお考えであるか、御見解を承りたい。
#107
○森説明員 試験場を新しくつくるということはちょっとなかなかむずかしい問題があろうかと思いますが、先生の御指摘の問題につきましては、農林省の内部で私ども価格決定をいろいろ担当し、また、やっている中でそういうことを痛切に感じております。品種の改良にしろ、機械化の問題にしろ、試験研究というものが相当先行する必要があるということにつきましては先生の御指摘のとおりだと私は存じておりますので、農林省全体といたしましてその改善につきまして努力をいたしてまいりたい、われわれとしてもこういうふうに考えているわけでございます。
#108
○瀬野小委員 最後にもう一点お伺いして質問を終わることにいたしますが、外糖がまたまた急騰を続けておる問題でございます。御承知のように、九月時点で三百五十ポンド、十月で四百ポンド、十一月で五百ポンドと急騰を続けておりまして、去る十月二十八日も当委員会でいろいろ指摘をしてきたところでありますが、いろいろな最近の情報によりましても、十二月の先物でも六百ポンドをこしておる状態でございます。これはロングトンでありますが、糖業メーカーでは七掛けでございますから、五に七をかけて三十五万円くらいになる。先般の小売り末端価格では、砂糖一キログラム当たり二百八十七円で政府は押えておられますが、二百八十七円で手当てできるのは二十万円くらいということになるわけでございます。近いうちにまた上がることはおそらく必定じゃないかということで消費者も心配していますし、われわれも実はたいへん心配をいたしております。御承知のように、市価が高くなって売り戻し価格が上がる、さらには甘蔗買い入れ価格は年一本で一定しているということから見ますと、てん菜のときも指摘しましたように、事業団が相当もうかるということになってきて、まさにナンセンスであります。てん菜のときにも事業団問題を取り上げましたが、相当赤字があったために今回黒字で埋めたから、政府当局は赤字と言いますけれども、実際にはもう黒字が出ておるわけで、何のための事業団かと言いたいような状況が今回あったわけです。ところが、サトウキビの場合ですと、現在はかなりの赤字で、なかなかたいへんである。ただし、売り戻し価格が上がり、甘蔗買い入れ価格が年一回に一定していますと、これまた将来事業団がもうかるということになっていくわけでございます。そういうようなことをいろいろ考え合わせましたときに、理論的には最低生産者価格プラス製造経費というもの――これは製造経費はほとんど一定しておりますが、これがプラスされて価格が検討されるわけでございますから、今回の外糖の急騰等を考えてみましたときに、大幅に上げてもよいではないかというふうに理論的には当然成り立つわけです。また、当然そう考えられるわけです。
 そこで、時期的には、今回サトウキビの生産者価格をトン当たり一万八千円以上に――さっきからいろいろはしょって申し上げてまいりましたが、そういったことを加味して当然上げるべき一番いいチャンスであり、また、上げてやるべきいろいろな条件がそろっておるということを私は痛切に感じております。そういったことを踏まえて当局も十分御検討なさっておることだと思うし、私が申すまでもなくこれは百も承知であるわけですが、時間がございませんので、私の申し上げたい内容を若干はしょって申し上げたが、今回の沖繩及び鹿児島南西諸島のサトウキビ作に対して、例年のことであるけれども、特に冒頭に申しましたように、悲壮なまでの沖繩島民の一千余名のあの大会を見、また、その血の叫びを聞きましたときに、いよいよ非常事態に入った、ぎりぎりのところに来たということを思うわけです。そういうことを思いますときに、特にあたたかい政治の手を伸べるべきであるし、かような観点から政府も勇断をもってトン当たり一万八千円以上の決定をするべきである、これが何にも優先して、沖繩島民のサトウキビ作農家を救う一番の唯一の道である、そして逐次に基盤整備、農業近代化等をし、いろいろとあたたかい予算措置をするというふうに進めていただきたい、と、かように私は最後に申し上げるわけです。
 これに対する当局の決意とお考えを承って、質問を終わりたいと思います。
#109
○森説明員 国際糖価が非常に異常な水準にありますことは御指摘のとおりでございます。そのまま計算いたしますれば、それは一万八千円は当然可能でございましょうし、二万何千円という数字にも相なろうかと思います。ただ、御指摘のように、われわれといたしましては、物価対策上もともかくこの高い糖価を何とかして乗り切っていきたいということで、そのために価格凍結という異例の措置をとっておるわけであります。そういう事態でございますので、やはり、そういうものを念頭に置くということはわれわれとしては当然考えてまいりたいと思いますけれども、そういう意味での制約というものもいろいろある。しかしながら、最初に申し上げましたように、この荒波の中で沖繩なり鹿児島の御期待が非常に強いという事情も踏まえまして、価格算定にあたってはわれわれは最善の努力をしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#110
○瀬野小委員 政府の最大の努力を要請して、質問を終わります。
#111
○坂村小委員長 この際、暫時休憩いたします。
   午後一時二十七分休憩
     ――――◇―――――
   午後一時五十二分開議
#112
○坂村小委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 この際、昭和四十九年産さとうきびの生産者価格等に関する件について、小委員各位との協議に基づき、政府に対し次の申し入れをいたしたいと存じますので、御了承願います。
   昭和四十九年産さとうきびの生産者価格等に関する件
  国際的な砂糖需給の把迫と糖価の異常な高騰事態に対応し、国内産甘味資源自給率の維持向上を図ることは現下の重要課題となっている。
  よって政府は、さとうきび等の生産振興と関係農家の所得確保を図るため、左記事項の実現に遺憾なきを期すべきである。
      記
 一、昭和四十九年産さとうきびの最低生産者価格については、生産資材及び労賃等の高騰を適正に反映させ、さとうきびの再生産確保が図られるよう大幅な引上げ措置を講ずること。
 二、甘蔗糖の事業団買入価格については、製造経費の上昇並びに国際糖価の高騰事情等を十分に反映させ、適正な引上げ措置を講ずること。
 三、さとうきびの生産振興を図るため、土地基盤の整備、優良種苗の普及、機械化作業体系の確立等生産性向上の諸施策をさらに進めるとともに、生産者価格の算定については、生産費と生産者の所得が補償出来るような方式を検討すること。
以上でございます。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後一時五十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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