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1974/10/16 第73回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第073回国会 大蔵委員会金融及び証券に関する小委員会 第1号
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1974/10/16 第73回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第073回国会 大蔵委員会金融及び証券に関する小委員会 第1号

#1
第073回国会 大蔵委員会金融及び証券に関する小委員会 第1号
本小委員会は昭和四十九年七月三十一日(水曜
日)委員会において、設置することに決した。
八月一日
 本小委員は委員長の指名で、次の通り選任され
 た。
      伊藤宗一郎君    宇野 宗佑君
      金子 一平君    中川 一郎君
      萩原 幸雄君    村岡 兼造君
      村山 達雄君    森  美秀君
      広瀬 秀吉君    山田 耻目君
      山中 吾郎君    荒木  宏君
      広沢 直樹君    竹本 孫一君
八月一日
 森美秀君が委員長の指名で、小委員長に選任さ
 れた。
―――――――――――――――――――――
昭和四十九年十月十六日(水曜日)
    午前十時三十四分開議
 出席小委員
   小委員長 森 美秀君
      伊藤宗一郎君    萩原 幸雄君
      村山 達雄君    広瀬 秀吉君
      山田 耻目君    山中 吾郎君
      荒木  宏君    広沢 直樹君
      竹本 孫一君
 小委員外の出席者
        大 蔵 委 員 浜田 幸一君
        大 蔵 委 員 佐藤 観樹君
        大蔵省証券局長 田辺 博通君
        大蔵省銀行局長 高橋 英明君
        中小企業庁計画
        部長      吉川 佐吉君
        大蔵委員会調査
        室長      末松 経正君
本日の会議に付した案件
 金融及び証券に関する件
     ――――◇―――――
#2
○森小委員長 これより金融及び証券に関する小委員会を開会いたします。
 この際、一言ごあいさつ申し上げます。
 先般、各位の御推挙により、私が当金融及び証券に関する小委員会の小委員長に就任いたしました。
 わが国経済が内外にわたりきびしい試練に直面している今日、金融、証券に関する諸施策は一そう適切な運営が必要であります。かかるときにあたり、当小委員会の使命もまことに重大と考えます。各位の御協力を得て、その職責を全うしたい所存であります。何とぞよろしくお願い申し上げます。
 金融及び証券に関する件について調査を進めます。
 まず、最近の金融情勢及び証券取引の実情について政府より説明を求めます。高橋銀行局長。
#3
○高橋説明員 最近の金融情勢等について御説明申し上げます。
 初めに金融引き締め措置等の実施状況から申し上げます。
 現在総需要抑制のもとに金融引き締め措置がとられておりますが、今回の金融引き締め措置は、昨年の一月の預金準備率の引き上げから始まっております。したがいまして、今回の金融引き締めはちょうど二十二カ月日に入っております。このように長い金融引き締めは、最近の金融引き締めでは珍しい長い例でございます。
 この間、公定歩合が五回引き上げられ、また預金準備率も五回引き上げられました。それから一時中断しておりました日銀の窓口指導による貸し出し増加額規制といったようなものも復活してまいりまして、昨年中は大体において金融引き締めが強化されてきつつございました。本年に入りましては、預金準備率あるいは公定歩合といったような追い打ち的な引き締めはとられておりませんが、もっぱら窓口指導というものによってやっております。
 この間、中小金融等につきましては格別の配慮をいたすべく、例年のことでございますが、昨年も年末金融の中小三機関の追加といったようなことは当然行なわれましたが、昨年度末の年度末金融といったようなものも特に追加され、また本年度に入りましてからも、中小三機関の資金追加というようなことは二度にわたって千五百億円も行なわれまして、十分配慮してきたつもりでございます。
 それから一方、民間におきましても、本年の初めにおきまして中小企業救済のための緊急対策というようなものを考えまして、三千二百億というようなワクをつくってやってきておる、これは今度が初めてのことでございます。
 それから、今次の長い引き締めの間でとられました措置にもう一つございまして、いわゆる世間でいわれております選別融資規制あるいは消費者向け貸し出しの規制といったことが行なわれましたが、一般的に量的な金融引き締めのほかに、一部とはいいましてもこのような選択的な規制というものが行なわれておるのも今回の特色でございます。
 一方、金融引き締め措置と同時に、預金等につきましては、先般の九月二十四日からの金利の引き上げを含めまして過去五回ほど預金金利の引き上げを行ないまして、貯蓄奨励といった見地から消費の抑制といったようなことをはかっております。二年定期で八%という高い水準の金利までいっております。
 それから、そのほか二年定期あるいはボーナス定期、割り増し金つき定期といったような新しい貯蓄の手段を創設したことも今回の特色でございます。
 また、貯蓄優遇策としましては、非課税貯蓄の預入限度、郵貯の限度あるいは別ワク国債あるいは財形貯蓄といったようなものの限度が引き上げられたことも今回の特色でございます。
 以上のような措置が二十二カ月にわたって行なわれておりますが、最近の金融情勢は、申し上げましたような引き締め措置の影響が、金融面だけではなく、実体経済面にもようやく広く浸透しつつあるというふうに思われます。
 まず、通貨供給でございますけれども、日本銀行券の発行高で見ますと、最近では六−七あたりは二二、三%という水準でございましたけれども、八月ごろから勢いが鈍化しまして、九月は二〇・三というところまで落ちついてきております。十月に入りましてからは二〇%を切っております。
 それから、いわゆる預金通貨を含めました広義のマネーサプライM2で見ましても、ここ数カ月は二%台まで落ちております。これは個人消費が落ちついていること、あるいは銀行の貸し出し態度が抑制的であるということのあらわれかと思います。金融機関の貸し出しの残高も、たとえば都銀で見ますと、昨年に比べまして一一%台の伸びにとどまっております。
 一方、貸し出し金利でございますが、公定歩合の第一回の引き上げが昨年の四月に行なわれましたが、それ以来短期金利はかなり上昇いたしまして、ことしの八月で見ますと、約定平均金利で二・五%上がっております。長期金利のほうはそれほど上がりませんでしたので、この間までは長短金利というものは非常に接近し、中には逆転するという現象が起きまして、金利体系にひずみが生じたのでございますが、十月から長期金利のほうも引き上げられることになりましたので、長短金利のアンバランスというものが是正されていくということになろうかと思います。
 金融市場面は以上のようでございますが、そういう結果、金融の逼迫というものは企業サイドのほうにも明瞭にあらわれておりまして、手元が苦しいために法人預金の取りくずしなどが行なわれております。その結果、企業の手元流動性というものは、六月ごろの日銀の短観の調査によりますと非常に低くなっておりまして、〇・八ぐらいのところになっております。これは前回の引き上げ時よりは低い水準になっております。しかも、七−九あるいは十−十二にかけてもっと下がっていくだろう、こういうふうにいわれております。
 実体経済活動の面を見ましても、ようやく鎮静化といいますか、オーバーにいえば不況色といったような感じが出てまいりまして、生産、出荷というものは、ほぼ全業種で低水準で推移しております。したがいまして、在庫の水準というものは非常に高い水準になっておりまして、これを受けて、経済界では生産調整あるいは在庫調整といったようなものが始まっております。そういう影響もあるのでございましょう、九月の卸売り物価は、最近では低いプラス〇.一というような、この狂乱物価が始まる前の上がり方のようなところまで来ております。
 なお、企業倒産はここのところ月八百ないし九百件台というようなところで推移しております。件数としましては驚くほど高いということでなく、高水準ではございますけれども、まあ過去にもありました水準でございますが、最近は倒産の金額が非常に大きくなっておりまして、九月は千八百億というような大きな水準になりまして、一件当たりの倒産金額が九月で初めて二億をこえたというようなことでございますので、倒産が大型化してきつつあるということで、われわれは今後の動向には十分注意してまいりたいと思っております。
 以上のような現状でございますが、これから今後の政策運営でございますけれども、もちろん、私ども経済情勢の変化に対応してきめこまかく配慮していこうという気持ちではおります。一本調子の引き締めといったようなことではなく、弾力的に対処しなければならない、こうは思っております。ただ、今後も予想されますことは、エネルギー資源のコストアップといったようなもの、あるいは大幅賃上げ等の影響から、企業のマインドが価格に転嫁するという気持ちが消えません限りは、物価の動向の先行きはなお予断を許さないと思われますので、現在の引き締め方針というのは今後も当分の間堅持する必要があるのではないかというふうに考えております。
 また一方、国際収支の面でも、資源、食糧等の大半を輸入するわが国でございますが、そういうものの価格が非常に上がっておりまして、基盤的には弱体化しておりますが、最近輸出の好調と輸入の非常な激減とから、ややここのところ国際収支の基調は好転しておりますけれども、これが永続的に定着するかどうかということにも必ずしも自信がございませんので、当分同じような姿勢は続けざるを得ないと考えております。
 しかし、先ほども申し上げましたように、引き締めが始まってから初めての長い経験でございますので、しかもまだ当分金融引き締めの旗をおろすわけにはいかない。と申しましても、あちこちにフリクションが起きてはいけないということから、特にいわゆる健全なる中小企業が金融面の行き詰まりだけから倒産するといったようなことは何としても避けなければいけない、こう考えておりますので、先ほども申し上げましたが、中小三機関の貸し出し計画の追加あるいは民間の中小企業救済特別融資制度といったものを十分活用してやっていきたい、かように考えております。
 それから最後でございますが、いわゆる国民の願望の強い住宅ローン、これは長い引き締めの間総ワクが規制される中で、かなり金融機関も努力してまいってきたとは思います。残高シェアなどは伸びてきておりますが、それでも要望が強いことでもございますので、今後も私どもとしてはなるべく量を確保するように指導を続けていきたい、かように考えております。
 以上でございます。
#4
○森小委員長 次に、田辺証券局長。
#5
○田辺説明員 証券市場の最近の動向や今後の問題点などにつきまして、概略御説明いたします。
 最近の証券市場をめぐる環境と申しますか、事情はたいへんきびしいものとなっております。
 御高承のとおり、昨年の初めから金融は引き締めに転じたわけでございますが、物価上昇が非常に根強く、秋にはオイルショックが発生いたしまして、物価の上昇は一段と激化をいたしました。そのため、財政、金融両面にわたって総需要抑制策が強化され、その効果は次第に浸透してまいりました。産業活動の面におきましても次第に停滞してきている現状だと思います。
 世界の先進諸国もほぼ同様の傾向をたどっておりまして、いわばインフレと高金利のもとで経済活動の停滞に苦しんでいるということであろうかと思います。そのためニューヨーク証券取引所のダウ平均が、昨年の初めの最高時点から、最近におきましてはほぼ四割方の値下がりを示して十数年前の水準にある状態でありますが、その他の各国の株価もいずれもきわめて低い水準にございます。
 このような状況はわが国の証券市場にもきびしい影響を与えておりまして、昨年夏以降株価は低迷を続けてまいりましたが、石油問題の発生により、年末にかけまして急落いたしました。その後一時上昇場面を見せましたが、ことしの八月以降、御存じのような大幅な値下がりを示しているわけでございます。価格の低迷に伴いまして、出来高も著しく減少しております。
 このような市場の状況にかんがみまして、今月の初めに特例省令による信用取引の保証金率引き上げ措置を解除いたしましたが、今後とも市場の動向を慎重に見守り、適時適切な措置をとってまいりたいと存じております。
 発行市場におきましては、一昨年は流通市場の活況を背景にいたしまして時価発行増資が活発に行なわれました。しかし、これは昨年以降減少傾向に転じております。これは流通市場における市況の低迷によるところが大きいと考えられますけれども、一面、証券界におきまして従来の引き受け態度に反省がなされてきたことも一つの要因ではなかろうかと思っております。時価発行増資は、本来、発行市場と流通市場の結びつきを強め、民間資金の適正な配分に資するというぐあいに考えられますが、過去におきましてはややその行き過ぎが見られまして、株式市場に好ましくない影響をもたらしたと考えられている次第であります。
 このため証券界では、昨年二月以降数次にわたりまして自主申し合わせをやりまして、安易な時価発行増資の引き受けをやめる、また発行会社に対し株主への利益還元について特段の配慮を促すなどのことをしてまいったのであります。今後ともこの適正な増資慣行が定着していきますよう期待しておるわけでございます。
 次に、公社債市場について申し上げますと、金融引き締めのため、昨年初め以降既発行債券の流通価格は低下を続けてまいりました。この間いわゆる流通利回りと応募者利回りの乖離現象が生じてまいりまして、公社債の消化が困難になってまいりましたため、発行条件の引き上げが六回にわたって行なわれております。公社債の発行条件は四十七年以降十回にわたって改定されておりますが、このように発行条件の弾力化が進み、発行市場と流通市場の結びつきが強まってきたということは、一方におきまして消化先が個人など安定した投資家層に広がっていっているという傾向とともに、市場の機能発揮のためにきわめて喜ばしいことだと思っております。ただ、現在のような金融情勢のもとにおきましては、当面公社債市場の順調な拡大を期待することはむずかしいのではないかと考えております。しかし、長い目で見まして市場が国民経済の要請にこたえられるものとなりますよう努力をしてまいりたいと存じております。
 公社債市場の流通市場に関しましては、昨年二月に証券取引審議会から公社債市場のあり方について答申をいただき、その方向に沿って努力をしてまいりました。特に昨年八月には、この答申の趣旨にのっとりまして日本相互証券株式会社に免許を与え、業者間の債券の売買の促進をしておるわけであります。
 なお、近年わが国証券市場は急速に国際化してまいっておりますが、最近の様子を見ますと、国内の金融情勢及び国際収支の動向などを反映いたしまして、これまでのような進展は見られなくなってきております。やむを得ないことかと思いますが、その中にありましても、昨年末以降外国株式の東京証券取引所への上場が実現いたしておりまして、現在九銘柄が上場されております。
 以上御説明いたしましたようなきびしい市場環境の中にありまして、いわゆる四十年不況時代に見られましたような証券会社の行き詰まりなどの事態は生じておりません。四十年不況の教訓によりまして、たとえば現在、投資信託の株式組み入れ比率は低くなっております。また、証券会社が商品として手持ちをしております株式も、いわゆるブローカー業務に最小限必要な限度の量に押えられております。また、さらに申し上げますと、会社の利益準備金の積み立てなどによりまして、その資産内容の堅実化につとめてまいっております結果、証券会社の内部留保は著しく充実をしております。このように、市場環境の悪化に対する証券界の備えは格段に改善されているということができると思います。
 わが国証券市場の国民経済において果たす役割りというものはきわめて大きいと思うのでありますが、近年個人持ち株比率の減少が著しく、これは証券市場の機能低下を招くのではないかという指摘がありますが、個人持ち株比率の低下につきましては、その原因、それから対策につきましてかなり広範な問題があろうかと考えられます。したがいまして、今後広く御意見を伺いましてこの問題を検討し、対策を講じてまいりたいと存じております。
 証券市場が資金調達の場といたしまして、また同時に、国民の資産運用の場といたしましてその役割りを十全に果たすためには、投資家の信頼を確保することが肝要であると考えております。その点に関しまして、最近投資家に不測の損害を与えるような事件が起きましたことにつきましては、まことに遺憾であると存じております。行政当局といたしましても、わが国証券市場が真に信頼できる市場となるよう格段の努力をしてまいりたいと存じます。
 この経済の環境条件は、従来の歩んできた道から大きく変わってきているように思います。今後の経済運営につきましても非常に慎重な配慮を要すると思っておりますが、そのような情勢のもとにおきまして証券市場が一そうその役割りを果たすことができるよう、私どもは今後一そう努力を続けてまいりたいと存じております。どうかよろしくお願いいたします。
#6
○森小委員長 以上で政府の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#7
○森小委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の通告がありますので、順次これを許します。山田耻目君。
#8
○山田(耻)小委員 いまお二方から当面の金融の情勢なりあるいは証券の動向についてお話がございましたが、私はこうした一つの特徴的な傾向は、今日のインフレ、物価高を押えるためにとられておる総需要の抑制政策あるいは国際的なインフレの影響、こういうものが起こっておる中で、金融の面にしても、証券の面にしても、異例といえる長期にわたる混迷が続いておるというふうに思えてなりませんので、一つはこういうインフレ下でとられておる国際的な伝統的な政策というのは、総需要抑制の政策であるし、所得の政策であるわけですけれども、しかし、いまの総需要抑制政策全体から見て、部分的には効果を認めることもできるし、同意をすることもできるのですけれども、この総需要抑制政策が異例といわれる長期化の状態に入っていて、倒産も中小零細企業から逐次大企業の方向へ影響をし出しておるし、こうした状態が不況感をつくり出してきております。
 しかし、輸入する原材料の価格の高騰なり、消費者物価の高騰が起こってきますから、当然人件費の引き上げ、こういうものが経済の内部に具体的に出てまいりますと、生産コストに影響してきて価格の上昇、こういうことで、いまの総需要抑制政策が根本的にインフレを解決する有効な手段であるのかどうなのか心配なんです。スタグフレーションということばが最近非常に強くいわれ始めてきましたが、このままの状態で一体日本経済が立ち直っていけるのだろうかどうだろうか、そういう面からも総需要抑制政策、異例といわれる長期にわたってのこの措置に疑問を投げかけてきている多くの人たちがいるわけです。
 そこで、最近OECD第四作業部会でも議論されてまいっておりますが、ブラジルとかフィンランドでは実際に行政の中に組み込んでおりますインデクセーション、いわゆる価格の上昇にスライドさせて債権債務の価値を修正していく、そうしてインフレの悪影響を中立化させていこう、こういうふうな動きが導入されまして、ブラジルなりフィンランドではかなりの効果をあげています。OECDの第四作業部会でもこういうことに着目をして、関係各国に適用への可否についての指示をいたしておると聞いておりますし、今度アメリカの新大統領になりましたフォードさんも、このインデクセーションについては深い興味と自分の経済政策に対する志向の中に導入できればしたいという意向を漏らしておるということを聞いておりますが、一体、日本の今日の現状を立て直していくために、インフレーションを押えていくために、総需要抑制政策以外には考えられないのか。こういう国際的に起こってくる新しい一つの発想に対しては、全然日本としては考え得る余地は持っていないのか。そこらあたりについて基本的な考えをひとつ聞かしていただきたいと思います。
#9
○高橋説明員 たいへん広範なむずかしい問題でございまして、私がお答えするにはちょっと範囲を越えておるようにも思います。総需要抑制政策がインフレ抑圧に効果がないんじゃないか、そういうふうにも言い切れないじゃないかというふうには思っております。たとえば、ここのところ落ちつきました卸売り物価などは、総需要抑制というようなことをやっておりましたために、各企業によりまして、たとえば塩ビであるとかセメントであるとかというものはみな価格転嫁をしたがっておったわけでございますが、これがなかなかうまくいかないで、時間も長くかかり、上げたいと思っていた幅の半分くらいというようなことで、需要がないためにやむなく落ちておるというような事例は現実にあります。したがいまして、総需要抑制というものは物価対策としてかなりの効果があるとは思っております。
 それから、世界的にこういうインフレーションになりまして、資源とか食糧とかいうものは一挙に三倍とか四倍とかいうような高さになってきた場合に、インデクセーションというものは有効ではないかというお尋ねでございますが、私、ブラジルの例などは承知しておりますけれども、いわばインデクセーションというものは中立化するという面もございましょうが、言うなればインフレというものにあと追いしてついていくというようなことではないのかなというふうにも考えられます。したがって、これはあらゆる資産というものについて適正なるインデクセーションができるのかどうかという点については、私もまだよく承知しておりません。
 ブラジルの場合、もちろんインデクセーションを採用したわけでございますけれども、あの場合には財政の非常に極端なる圧縮、超均衡財政といったようなものとか、その他賃金につきましてもいろいろ所得政策的なものとタイアップしてインデクセーションが行なわれたというふうに聞いております。それで、その効果がインデクセーションだけの効果であったかどうかということについては、必ずしも意見が一致していないというふうに聞いております。
 私ども、インデクセーションというものがブラジル、フィンランドあるいはイスラエルでやっておる、あるいはOECDでも取り上げられているということでございますので、関心を持ち、勉強はいたしたいと思っておりますけれども、いまのところ、それに直ちに踏み切るというようには考えておりません。
#10
○山田(耻)委員 私もおっしゃっておることはわかりますし、インデクセーションを研究しておるわけでもございませんが、ただ、従来のような総需要抑制政策、そして金融の窓口規制、日本の場合所得政策はなかなかとり得ない現状ですけれども、それのみを追ってきて二十数カ月、そして倒産は非常に多くなってきた、しかも大型化してきたという状況、しかも価格は下がらない、不況の中で物価はどんどん上がっていくというスタグフレーションを起こしておることは間違いないですから、だから大蔵当局として、特に金融政策がインフレ抑制については非常に有効な働きをするわけですから、各方面に知恵をめぐらして何とかひとつ有効な手だてが打てないものだろうかというもどかしさを感じるわけなんです。
 OECDの第四作業部会は、このインデクセーションについて関係各国に勧告をしたと報道されておるわけです。その一つの実効をあげた国としてブラジルなりフィンランドなりを指摘しておるわけですが、このOECDの第四作業部会には、日本の代表というのは当然加盟しておる限り出ておるんじゃないかと私は思うのだが、しかしそれは別といたしまして、OECDから日本に、こういうことを適用してみたらどうか、あるいは日本経済にも適用できるのではないか、そういう何らかの勧告めいた示唆というものはなかったのかどうなのか。あったけれども、しかしそれは日本のいまのインフレ抑制、総需要抑制政策の中にプラスして取り込むということにはならない、たとえば債権債務ともに価格にスライドさせるということになりますと、銀行預金金利も物価上昇に合わせて引き上げなくちゃならぬ、債権のほうも当然そうなるわけですから、そういうことはいまの金融政策としてはとり得ないという直截な判断を、いままでの大蔵委員会の審議の中ではこういうインデクセーションということとはかかわりなく述べられていたわけなんで、そういう大蔵省の金融当局にある従来からの固定した観念、たとえば預金金利を引き上げること自体がインフレーションを強めていくことになるという観念もあるわけです。学者の中にそういう説を唱える人もいるわけです。だから、できるだけ預金金利というものは安定化させておくほうがいい。しかしそうは言うものの、インフレの速度が非常に強かったから過去五回にわたって手直しをしてきているわけですが、しかし、それとインデクセーションとは無関係であるし、債権債務の関係を価格に合わせてスライドさせていくということはとれないという立場があったのではないかという気が私はひそかにしたものですから、特に前段でインフレ克服の道としてとられておる総需要抑制政策以外にはないのか、考えられないのかということを前提としてお聞きしたわけです。
 いまの御説明では、基本的なものに対してあなたにお伺いすることが多少当を得ていないかと思いますが、特にあなたの分野である金融の施策について、やはりいま私が基本的にお伺いしたことの中で御答弁できるものがあるのじゃないだろうか。これはさっきあなたがお話ししておられました、非常に倒産がふえてきておる、しかも健全な中小企業の倒産もふえてきて、一件二億円をこえるようなかなり大型の倒産になりつつある、だからそういうものには政府三機関の資金をもっと活用して何とか救済への手だてをとりたい、そういう御説明がございました。これも私たちが従来言い続けてきたことなんでございます。
 しかし、実際の政府三機関の運用というのは、それはもう貸し出し対象がほぼ固まっているようではございますけれども、やはり中小から零細にわたってきめのこまかい配慮が行き渡る前に、どうも大企業のほうから出る手のほうに乗っていく可能性があるのじゃないだろうかという心配をしておりますし、いま一つは、政府三機関を活用して中小零細を救済していきたいということばは何回も聞きましたけれども、具体的に活用して救済をしていくということばにふさわしい措置がなされているのだろうか、ここにも懸念がございます。貸し付け申請に対してこたえ得るものはわずかに一五%から二〇%程度の応じ方しかできないというのが実態ではないだろうか。
 いま一つは、あなたのお話の中に、活用する、何とかして救済をする、しかも健全なということばがついておりますけれども、活用し救済をしていくという実は具体策を聞きたいのです。政府三機関という名ざしはございましたけれども、どれくらい具体的に資金量をふやして需要者にこたえていく、それは何%程度ふやして、いまの需要者の要望に対してどうこたえていく、比率は従来よりどれだけふやすとか、こういう一つの具体的なものの検討がなければ、健全な中小企業の救済、そのために活用するということにはなってこないので、その発想があれば、その前提である具体策があるものだと私は思いますので、それについてひとつお聞かせをいただきたいと思います。
#11
○高橋説明員 中小三機関の現状と申しますか、あるいは中小企業の資金需要に対しての三機関を含めあるいは民間を含めての応諾といいますか、実行というものが十分であるというふうにはとても申せないことは当然でございますけれども、しかし、限られた中におきましてできるだけのことはいたしておるつもりでございます。
 もちろんどこまでやってもこれで十分だということにはならない宿命的なものかもしれませんが、具体的にと申されましたが、先ほどもちょっと触れましたが、常に資金を潤沢に追加していくというようなことをまずやっております。
 それから、いま一割とか二割とかいうことでございますが、これも取り方によるわけでございますけれども、窓口に来て、そして日数はかかりましても、応諾したというものの比率はもう少し高いと思っております。大体国民公庫などは九割ぐらいは応じておるようでございます。それから中小公庫の場合、八月などは八百四十三の申し込みに対して六百六十という程度やっておりますので、一割、二割という低水準ではございません。それから商工中金の場合でも、八月の数字を見ますと、三千七百六十七の申し込みに対して三千四百八十ぐらい応じております。ですから、これは窓口に行く前にということであるかもしれませんが、申し込みに対する貸し出しというものはかなりやっております。
 それから、それでも、たとえばこれはほんの一例でございますけれども、先般国民公庫などに資金を追加いたします場合に、いわゆるお待たせ日数といいますか、待たしておりますのが平常時三十日台でございましたのが、五十日台ぐらいまで延びておったということがございましたので、これも一気に三十日台までに戻すということはできませんので、せめて四十日ぐらいまでにというようなことで、そういうことを考えながら資金を追加したということはございます。
#12
○山田(耻)小委員 お話を伺っていますと、政府三公庫は大体八割以上貸し付け要求に対して応じられておるというような実績の数字が述べられているわけですが、受付を受理する段階でかなり審査して落としていく、それは受付を受理する件数は大体資金量をにらみながら受け付けていく、こういうことが受付以前の作業として強められておりますから、受け付けたものの貸し付けは、非常にパーセントがいいと思うのです。
 ただ問題は、いま中小零細企業が困っておりますのは、受け付けてもらえないという苦しみが非常に多くあるわけです。ですから、私は、一つの金融機関ですから、何もかも無条件でというわけにはいかないと思いますけれども、しかし、無担保、無保証で貸し得る限度というものも法律で制定されておることでもありますし、できるだけこういう時期にはひとつ広い判断に立っていただいて受付という制度を緩和していただきたい。そうしませんと、中小零細の倒産は私はこれから暮れにかけまして非常にふえていくという気がするわけですよ。だから、いまあなたのおっしゃいました活用し救済をするということばを、文字どおり倒産件数が減っていく方向に具体的に政府三機関を活用していただくということを望みたいわけなんです。だから、従来の一つの受付の規制というものを緩和していただきたい。その受付の規制の目盛りは、与えられた資金量が目盛りになってきておる。だから資金量をふやしていただく、受付を緩和していただく、この二つが相互に作用しませんと、中小零細企業の倒産は救っていけない。だから、そこに初めて健全な優良な倒産さしてはならないという、いろいろ中小企業の評価もあるんでしょうけれども、私はそれには触れませんけれども、申し上げたように受付の規制をゆるめていただくし、資金量をふやしていただいて、相互が関連をして倒産を食いとめるという方向でひとつ御配慮をいただきたいと思うのです。
 それから、私ばかり質問してもいけませんからあれしますが、いま中小の皆さんたちには金融機関に対する言い知れない腹立たしさがあるわけなんです。二十二日から国政調査に出ますので、私は各地でそういう意見を聞くことになろうと思うのですが、それは法律的には一応なくなったと言えます歩積み両建てが、実は衣をかえて出てきておるわけです。拘束預金という名で出てきておるわけです。金融機関に言わせますと、私はここにも一つの理屈はあると思います。
 しかし、中小企業はほんとうに困っておるから一千万借りたい、ところが、一千万借りるときには三割程度、三百万が拘束預金で拘束される、七百万しか貸してもらえない、こういうことがもう金融機関おしなべてやられておると私は思うのです。それで、中小企業は非常にいま困っております。私の手元にもたくさん資料が来ておりますが、その最後には必ず次のように付記されておる。うちの会社の名前をどうか出さぬで銀行を調べてほしい。もし私が言ったことがわかったら二度と銀行は金を貸してくれなくなります。みんなそういう付記がついてくるのです。中小企業は一千万なければ困る、一千万なければ倒産する、手形が割れない、いろいろなことがあって一千万お願いしても、七百万しか貸してもらえない。三百万は引き出すことのできない拘束預金として拘束されている。しかしそれは法律的にはよくないことをしているんですよと言えば、いま言ったようなことを、ことばでも言うし、文書でも書き添えておるのです。
 ただ、大蔵省が監査をなさいますときには、銀行は通知をよこす。拘束預金は解除いたしました。監査の何日か前には銀行もわかっておりますから、そういう通知を出して拘束預金から普通預金におろす。出してもらえるかと思ったら、それは出せません。監査が終わればまた普通預金から拘束預金にかわっている、こういうなかなか手の込んだことをやっておられることも現実です。だから私は、政府三機関を強化し活用して倒産を防いであげるという制度とともに、一般銀行に対しては、こういう拘束預金についてどういう指導をなさっていこうとするのか、それをひとつお聞かせをいただきたいと思います。
#13
○高橋説明員 この歩積み両建ては、まことに申しわけないといいますか、率直に申し上げまして非常に残念なことでございます。戦後こういう悪習といいますかがはびこりまして、私ども昭和二十年代から、銀行が優越的な地位を利用してそういうことをやってはいかぬということは繰り返し繰り返しゃっておりますし、それから検査に行きましても、これはとても全店の全債務者というものについて見るだけの能力はございませんが、部分的に見て発見した場合、厳重なる措置をとるということを繰り返してきているわけでございます。しかし、私がいまここで胸を張って、絶対にございませんと言うだけの自信がないのは非常に残念でございます。しかし、毎度毎度国会などでもおこられておりますし、特にひどい例などがさきの国会などであげられまして、そのために、こちらもこらということでまたしかるというようなことをやっておりまして、まあ趨勢的には行儀が直ってきていると思います。
 先般、ある信用金庫で極端な例がございました場合に非常に厳罰をいたしましたら、これが一罰百戒的な効果が出まして、ほかの金融機関も、これはたまらぬというので、ことしの四、五月ごろから急遽整理に入ったりしまして、もちろん全部なくなったとは思っておりませんけれども、かなり整理いたしました。現実にそのために信用金庫の預金が六月でしたか純減になったというようなのは、むしろ両建てを解除したというようなことがございまして、本気になって何千億という両建てを解除してきました。しかし私は、全部ないだろうというふうにはとても申し上げられません。ほんとうに残念なことでございますが、われわれとしては銀行の中に責任者を定めておきまして、検査その他等で発覚した場合にその人の責任を厳重に追及するというたてまえをとっておりまして、ほんとうに解消するように指導したい、それだけでございます。
#14
○山田(耻)小委員 私、時間がございません。あと関連で一言言ってもらいますが、やはり金融機関は大蔵省の監査というのを非常にこわがっているわけですよ。監査にいらっしゃるのは、事前に通知をなさっていらっしゃるようですが、抜き打ち監査ということができないものかどうか。
 いまの状態で倒産していく中小企業が最後に恨みに残していくのは、私の近所にもありますけれども、この銀行のやろう、おまえたちは政府と一緒になっておれたちをこんな目に会わしたといって、激しい恨みを込めて倒産していっています。金融機関ですから、そういう拘束預金を最後まで残していきながら中小を苦しめていくというやり方は、やはり大蔵省の手によらなければ矯正できないと思うんですよ。法律で歩積み両建てを禁止する制度をつくってみたって、依然としてあとを断たないわけですから、やはり銀行監査を強めていただいて、そこの中でひとつ十分なる指導をしていくという立場をおとりいただかなければいけないのじゃないかという気がするのですが、最後にその点だけお聞きしたい。
#15
○高橋説明員 おっしゃるとおりでございます。ただ、検査は全部抜き打ちでございます。事前には絶対に通知はしてございません。これは実際はそうでございますが、先生が事前に通知というふうにおとりになるのは、これはある意味では監査能力の問題がございまして、大体その間隔が一年とか、一年半とかというふうな間隔があるものですから、たとえば検査が終わったらすぐは来ないぞということで、前回の検査からこれだけ時間がたっておるからそろそろ来るころじゃないかということは、向こうが自然にわかるといいますか、そういうことでございまして、決して事前に、どこどこの金融機関へ行くぞということはわからないことになっております。(広瀬(秀)小委員「ことになっておるだけか」と呼ぶ)もちろんわからないことになっておるというのはちょっとあれですが、わかりません。
 それは、銀行局の中でも検査部の行く人と、検査部長、あるいは私ぐらいしか知りませんで、ほかの行政課の連中も知らないくらいにやってはおるんです。ただ、前回の検査がいつだったからということでだんだんりこうになっていますから、そういうことだろうと思うんです。ところが、それじゃあるところ、Aだけ半年ごとに行ってみろということになりますと、B、C、Dに三年も四年も行かぬということになってしまうものですから、実際上はむずかしい話でございます。人員でもたくさんふやし、あるいは経費でもたくさんいただいて、従来一年とか一年半であったものが半年ごとに一度という体制になればそういうことはないと思いますが、現在ではちょっと望めないということでございます。
#16
○広瀬(秀)小委員 関連して二、三御質問をいたしたいのですが、中小企業問題は山田委員も取り上げられたのですが、これ以上倒産するような企業が出てはならない。しかも今日の倒産状況を見てみますと、いわゆるかつてのインフレ型倒産から不況型倒産の状況を呈して、しかも件数は、前回の不況時のピークから見れば、八百とか九百とかという数字で、千をそれほどこすというような異常な状態ではないというようなお話があったわけだけれども、いまの金融引き締め、総需要抑制という旗は当分の間おろせない、こういう状況でいくとすれば、先ほど銀行局長は、健全な中小企業が倒産するというような事態は避けたいということを表明されたわけだけれども、そういうかなり健全な経営をやっている企業もこの不況の波をもろにかぶって年末を乗り切れない事態、そして倒産をするというような深刻な事態が到来することが予想されるわけでありますが、この中小企業に対する年末金融の問題について具体的にどういう対策を用意されておるか。
 中小三機関、政府系三機関等に対する資金ワクをさらに拡大するとか、あるいはそのほか一般金融機関等に対して中小企業向けの特別の配慮というようなもの、そういう両面についてどういう具体的な対策を年末金融ということに焦点を合わせてお考えになっておるか、伺っておきたいと思うのです。
#17
○高橋説明員 おっしゃるとおりでございますが、年末金融につきましては、私ども中小三機関あるいは民間のいわゆる年末中小特別融資といったようなものについては、当然対策を立て指導するつもりでおります。ただ、中小企業庁からきょうあたり私のほうへ、こういうふうにしてほしいというのは持ってくるんじゃないかと思います。まだいままでのところは中小企業庁等からは聞いておりません。しかし、心のかまえは私どもはできておるつもりでございます。
 一昨年ぐらいまでは年末金融対策的なものは十一月の半ば以降にやっておりましたけれども、昨年、一昨年のドル・ショックあたりからちょっと早まりまして、十月中にというようなことをやっておりますので、ことしもこれから詰めましてやっていこうと思っております。したがいまして、金額とかそういうものについてはまだとても申し上げられるようなことにはなっておりません。
#18
○広瀬(秀)小委員 この点はいま対策の用意ありということですし、時期も十一月からというんじゃなくて、できるだけ早くその対策を実現化していくということですから、こういう二つの点を確認して、先ほど銀行局長も表明されたわけですが、健全な中小企業まで倒産したんではこれこそまさにオーバーキル、そういう事態が起こって中小企業にたいへんな犠牲を負わせるというようなことがないように最善の努力をしていただきたい、このことを強く要望しておきます。
 そこで、同じく先ほど、今日の総需要抑制の経済実態面に対する浸透の状況あるいはこれからの景気判断、それから政策態度というようなことを述べられて、最後のところで住宅金融等についても、ワクの問題について弾力的にやる、そういう指導をしていきたいという話があったわけですが、これは非常に大事なことだと私は思うのです。これは理財局長も来ていないとなかなか詰まった議論にはならないと思うんだけれども、住宅金融公庫では七月二十日で、もう上半期で一年分のワクが一ぱいになっちゃって、あともう追加貸し出しができない、こういう状況というのは非常に異常なものがあるだろうと思うのです。個人住宅というようなものについては、国民的ニーズが非常に強い。しかも今日、私どももつい最近カナダ、アメリカなどを歴訪してきたわけですけれども、もうとにかく日本の住宅事情というのが非常にきびしいということを身をもって感じてきたわけだ。
 その住宅問題について、今度の不況がだらだら不況で、ずうっともう二十一カ月も金融を締めっぱなしできて、さらにこれが続くんだという中で、住宅金融公庫に申し込みが殺到している。一般の金融機関から締め出されてみなここへ集まるというような場合に、この住宅問題を契機にして景気がまた全体の政策配慮のワクを越えて加熱をするということについては非常に警戒的であり、かつ慎重であるかもしれないけれども、住宅事情というものが日本では特に非常に問題であり、不足が目立っている。しかも個人の住宅というのは特別な何億もかけてつくるような住宅ではなしに、庶民住宅というようなことで考えていけば、その必要度というものは一番優先度の高い分野であると見なければならぬだろうと私は思うし、そういうものには、このような総需要抑制という大きな政策課題を遂行している中でも一つの特別な配慮をやらなければいかぬだろうと思うのですね。今度の景気回復はかなりV字型回復がむずかしいということもいわれている。なだらかに回復に持っていくというような方向の中では、ある程度弾力的に個別的に配慮をしていくというものの中でやはり最優先に取り上げらるべきものは住宅、こういう庶民住宅、個人住宅、そういうものについて特別な配慮をやって、そういうものに最重点を置いた施策をやったということが全国民の目に明らかになるというようなところから、少しずつ新しい景気回復の方向というものがなだらかにはかられていく。そういう一つの手段としての最優先順位をここに置いて、住宅については特別な扱いをする、こういう政策配慮というものが必要だろうと思うのですね。
 こういう面で、住宅金融公庫の問題については理財局長の分野であるけれども、あなたも常にそういう面では連絡を取り合っているはずなんだから、答えられる限りにおいてその面についての考え方を――大蔵省は非常にシビアで、金融公庫に対して二十二万戸申し込みがあって、ことしのワクは十五万戸だというようなことで、七万戸も不足しておる。建設省は八万戸追加融資ワクをくれ、こう言っておるというような問題についてと、それからさらに、民間の金融機関サイドでその住宅融資のワクを配慮していく、そういう問題についての基本的な考え方と、もう少し具体的にどういうようにその問題を考えていくかという点についてお伺いをいたしたいと思います。
#19
○高橋説明員 住宅ローンにつきましてでございますが、実は昨年の前半は緩和期の余じんがございましたのでしょう、民間の金融機関も非常に争ってといいますか、競って住宅ローンをやったわけでございます。したがいまして、昨年の前半は、一昨年の前半に比べまして二倍とか三倍とかというような融資の伸びになったわけです。だんだん引き締めがあって窓口規制がこうなってきましたので、全体の貸し出しワクも対前年三割減というようなことをずっと続けておりました。その中で、本年に入りましてから、住宅ローンだけをとってみますと、昨年その三倍ぐらいにふくれたものに対して二割ぐらい減っておるという程度の伸び方だったわけでございます。したがって、全体の貸し出し金の中におきましては住宅ローンの伸びというのはかなり高いもので、したがって、限界シェアはもちろん高く、残高シェアもどんどん伸びてきてはおったわけです。
 しかし、つい一年前に、全国銀行でいいますと、一・四半期三千億ぐらい貸しておりましたものがどんどん減って二千五百億になりというようなことで、都市銀行ではことしの一−三ではとうとうそれは千億を切ってしまった。これは増加額でございます。それで、これはいかぬというので、都市銀行に対しましては、私どもは三カ月、つまり一・四半期で絶対に千億は割らぬでくれ、総体の貸し出し増加額というのはどんどん圧縮されておりますけれども、住宅ローンだけはもう比率とかなんかではなくて額で千億は割らぬでくれというような指導をいたしまして、そして都市銀行もそういうふうになりまして、千億を切りましたのが、七−九あたりでは千二、三百億まで回復しました。今後もその額は絶対に落とさぬでくれという指導をいたしまして、通牒も出しました。特に銀行課長のほうにその計画とか実績を出せというようなことで、注目するということになりますとやはり銀行は手を抜くわけにはいくまいということで、民間部分につきましてはかなりの量は確保されるのではないかと思います。
 それから住宅公庫の話ですが、これは先生も御承知のように私のほうではございませんが、確かに昨年度のペースで考えておりまして、それよりはもちろん当初予算でふやして十五万戸というようなことでやったのが、意外や意外七月で満ぱいになってしまったということで、あわてて締め切ったわけでございますが、その締め切った当初の計画よりは七万戸オーバーしておる分、これについては当然認めましょうということで、最近建設省との間でそういうあれがありまして、おそらく財投追加がこの七万戸だけでも千七、八百億だそうでございますが、そういうことに一応セットいたしました。この七万戸を含め二十二万戸というものはこれから契約したりなんかやっていくわけでございますが、おそらくそれでかなりの分量にはなると思います。
 現在、建設省では八万戸さらに追加して受付を再開させてくれというような要望があることは承知しております。これは現在理財局との間で折衝している問題で、どのようになっておりますか、私はちょっとわかりません。
#20
○広瀬(秀)小委員 住宅問題については、財投の問題、住宅金融公庫の問題についても非常に前向きに建設省との間に話が進んでいるということでありますから、これ以上申し上げませんけれども、金融引き締め、総需要抑制、また財政的にもある程度公共事業部門等を締めている、こういうように政策手段を多様化しながら物価の安定を目ざしている、こういう態度はわかるわけですけれども、住宅の問題というのはやはりその中でも特別な扱いをしていくぐらいのあたたかみのある、国民の住宅事情を改善する、そしてまた、そのことが特にいまの段階ではいい意味での景気回復への地ならし的な効果というものもあるし、しかも国民の強いニーズにこたえるという意味もあるということを認識していただいて、ぜひそういう方向で進めていただきたいと思うわけです。
 証券局長に一つだけ伺いたいのですが、今日何か田中総理もだいぶ皆さんに対して、自己資本比率がとても上がらぬばかりか、逆に、いろいろな税制面やその他あらゆる優遇を与えているにもかかわらずこれが低いことと、それから個人株主比率がどんどん減少しているという状況に非常に怒りを発したというような囲みの新聞記事も出ているわけですけれども、戦前では六六%ぐらいですか、また、高度成長が始まる三十五年ぐらいでも四八%ぐらいの個人持ち株比率があったのが、その後におけるいろいろな経済の国際化であるとか、あるいはテークオーバービッドのおそれがあるとかというようなことで安定株主工作がどんどん進んで、法人の持ち株比率がどんどん高まって、いまや三二%あるいはそれ以下になっているというような状況、これではやはり証券市場だって健全な発展というのはあり得ないはずですね。
 株主安定化工作のために法人持ち株がどんどん進んでしまう、これは市場に出さないということが原則になっているわけですから、これはもう流通市場としてはまことにおかしなことにならざるを得ない。さらに、個人持ち株の比率が上がるということば、よくこの委員会で民社の春日委員が指摘しておったわけだけれどもピープルズキャピタリズム、そういう方向からはどんどん乖離する方向ではないのか。働く大衆が、やはり自分も資産の保有形態として株式を保有するというようなことがどんどん行なわれてくるというようなことで初めて証券市場の健全な育成発展ということもはかられるわけだけれども、これがどんどん減ってしまうというこの問題に対して、今日の状況はいろいろな意味でグローバルな世界経済の、どこもここも株が下がっているというような状況の中で、持に日本の場合に一気に個人持ち株比率を上げていくというようなことはなかなかむずかしいかもしれないけれども、将来展望としてどういう対策を講ずるならば、どういう証券市場のあり方というようなものを指導していくならばそういう方向というものが出てくるだろうか。
 これはもうずいぶん税制やなにかでは、公平を害しながら配当の問題なんかについてかなりメリットを与えてきたわけだけれども、それにもかかわらずどんどん減ってしまうということは、そんなちゃちな政策誘導手段なんかでは個人持ち株比率なんというのは上がりっこないんだ、そういう構造的な問題があろうと思うのですね。そういう問題について証券局長としてどういうお考えを持っておられるのか、考えられる対策としてどういうものがあるのか、この点だけ端的にひとつ伺っておきたいと思います。
#21
○田辺説明員 個人持ち株比率低下の問題は、先ほど私からも御報告申し上げましたが、まことに重大な問題であると私どもは見ておりますが、先生も御指摘のとおり、傾向はその逆であります法人持ち株比率がぐんぐん上がってきたということにはいろんな事情があったと考えられます。あるいは自由化に備えての安定化工作、あるいはまた企業のグループとしての結びつきを深めるための株式の持ち合い、あるいは取引上の有利性と申しますか、シェアを確保するための株式の保有、あるいは金融のため、あるいはその他のいろいろな経済現象と申しますか、それが重なってまいっておる、こういうぐあいに考えられます。
 したがいまして、これを一朝一夕にもとへ戻すということはたいへんなことでございます。たいへんなことでございますが、まさに株式会社の本質にも関係があることでございまして、証券市場がこのままでは次第に狭隘になってしまって、その機能を十分に発揮することができない、こういうことでございますので、一つ一つこの問題をあらゆる面から検討いたしまして、発行会社としての態度、その動機、これを弱めるためにはどうしたらよろしいか、あるいはまた、証券会社も従来の営業姿勢というものがどちらかといえば法人寄りにきたのではないか、その姿勢をより一般投資家向けに改める、これがやはり一つの根本ではなかろうか。もちろん税制上の問題、個人が株を持ちましてそれによって受けるところの利益といいますか、利得が他の資産の保有に比べて不利でない、むしろ有利であるという形をとるべきである、これも一つの方策であると思います。
 よって来た原因、特に最近における四十七年の傾向と申しますのは、御承知のとおり、いわゆる過剰流動性と申しますか、企業が相当のお金をたくわえて、そのお金をもってどんどん株式を買って、それで株がどんどん上がっていった。その価格が上がってまいりましたものですから、個人が持っておりましたものを手放していって法人に移っていった、こういう状況が今日残っておるわけでございます。法人が持っておるものを一挙に個人へ吐き出させるということは、力と申しますか法律と申しますか、そういうものではなかなかできないことでございまして、またそのやり方が急激でございますとやはり市場にも悪い影響を与えるということも考えなければなりませんので、あらゆる面から、いかにしたら従来の傾向を是正することができるか、そういうことに焦点を当てまして、たとえば取引所における上場基準の問題もございましょうし、あるいは会社の配当政策の問題もございましょうし、あるいは時価発行増資についての改善方策もありましょうし、先ほども申しましたような証券会社の営業姿勢の問題もあると思います。あらゆる面からこれを検討してまいりたいと思います。
#22
○広瀬(秀)小委員 もう一つ、いま証券界で非常に問題になっておるが、株が暴落して、若干持ち直したにしても、そういう問題の中で株に投資をするという場合に、何を基準にして、何をものさしにして投資するかということで、利回りというもの、まあ戦前なんかでは大体そういう方向で行った。ところが、高度成長になってからは株価収益率というもので成長性を買うというようなものに転換をした。ほんとうに健全に株式市場というものが資本主義経済の中で育っていくためには、どっちがほんとうに健全なものさしであるのかというようなことについて、いまそれが見直されてきておる。
 まだ現時点では利回り説というやつは少数意見のようであるということだけれども、どうも私ども、かなりこの安定的な利回りというようなものをやはり特に個人株主なんかは重視していくのだろう。そういうものにやはり指導の方針が傾斜をしていくというような方向が示されないと、過剰流動性ができたらどんどん資本家、大法人が株を買い占めてしまうというようなことで、それでちょっと株が上がれば個人株主は、そういう利回りの問題や何かもあって、もちろん株価収益率ということを個人でも考えない人もまるっきりないわけではないけれども、そういう問題でやはり売ってしまうというようなことになれば、いよいよ法人に集中するというような方向が出るだろう。そういう点についてあなたの基本的な、今後の証雰政策運営についての問題意識をどうとらえていくか、その辺のところをちょっと簡単に考えだけ聞かせていただきたい。
#23
○田辺説明員 これはたいへんな難問でございまして、株の値段を測定する基準として、おっしゃいますような利回りという要素は非常に大きい要素であると思います。また、企業の将来性というものを判断する株価収益率も見のがしてはならない要素でありましょうし、さらに申しますと、その会社の持っておる一株当たりの資産、それもやはり最後の底にはある。これは、どれだというような基準をこれにしぼって、そちらのほうへそれを前提にして政策を進めるということは、ちょっとお答えしにくい問題でございます。
 しかし、私ども考えましても、個人が株式を買ってその魅力を持つということが個人株主を育成するためのやはり基本でございますので、その点では、いまのような利回りのもとではその魅力が薄れていく、こういうことは否定できないことだと思っております。まあ、企業の収益率も近い将来の見通しとしてはそう明るくない経済情勢でございますから、現状においてはなかなかたいへんなことだと思いますけれども、いまの問題は長い目で見まして、いろいろな施策をもって、会社の配当政策というような問題もこの辺でさらに考え直していただく必要があるのではないかということもございますし、長い目で見てそういう方向に進んでいくように、一つ一つの施策をやってまいりたい、こう考えております。
#24
○広瀬(秀)小委員 終わります。
#25
○森小委員長 荒木宏君。
#26
○荒木小委員 政府系金融機関の窓口段階での国民の要望などを中心に、二、三行政当局にお尋ねしたいと思うのです。
 総需要抑制がずいぶん長くなりまして、ことに不況色を一段と強めておる。そういう中で、ことに中小企業、零細企業のこういった金融に対する要求が非常に強いわけですが、初めに、中小企業庁お見えになっていると思いますから、最近の倒産の件数、金額の推移、それを簡単にお伺いしたいと思います。
#27
○吉川説明員 お答え申し上げます。
 最近の倒産件数につきましては、非常に高水準に推移しております。三月に一千件を突破いたしました。それ以降におきましては大体若干下がってきておりまして、九百件台でございますけれども、負債金額におきましては、前月におきましてたとえば千八百億円という大きな金額に達しております。今後におきましても、この高水準は依然続くような見込みになっております。
#28
○荒木小委員 そういった中でいろいろ主として政府系金融機関に対する業者の皆さんの金融上の要望が出ておると思うのですけれども、いま主としてどういう種類の要望が出ているか。こうしてほしいという主要な要望はどういうものであるか、銀行局のほうでつかんでいらっしゃる業者の政府系三機関に対する要望の主要な点を御説明いただきたい。
#29
○高橋説明員 量をふやしてほしいというようなこと、あるいは条件を緩和してほしいといったようなことが主であろうと思います。
#30
○荒木小委員 先ほども御説明を伺ったわけですけれども、量をふやせ、それから条件を緩和してほしい、こういう要望に直接こたえるような施策として、いま銀行局ではどんな方針、政策をとっていらっしゃいますか。この点についてはどうですか。
#31
○高橋説明員 量につきましてはそのつど、予算のときあるいは追加のときといったようなときに可能な限り追加しております。
 それから、条件緩和的なほうは毎年毎年緩和しておるといいますか、一人当たりの限度というようなものを上げてみたり、そういうことは逐次やってきておるつもりでございます。
#32
○荒木小委員 ちょっといま聞こえにくかったのですが、条件緩和はたとえば最近ではどういうことでおやりになったか。
#33
○高橋説明員 条件緩和のほうは、最近はやっておりません。
#34
○荒木小委員 中小企業庁にお伺いしますが、ことに所管官庁として業者との接触はどちらかといえば他の官庁に比べると密接であろうと思うのですが、いまの零細業者の金融に対する要望、政府系金融機関に対する要望と、それからそれに対する中小企業庁としての施策、これはいまの銀行局長の御答弁と同じですか。あるいは中小企業庁として特に配慮をし検討しておられることがありますか。
#35
○吉川説明員 七月以降におきまして、中小企業庁に参ります各業界からの陳情が非常にふえておるわけでございます。それで、われわれとしましては何よりも資金の量的確保、これを第一に考えておりまして、第一・四半期には中小三機関の貸し出しワクを千五百億円追加いたしました。それから第二・四半期、この九月におきましては千億円の追加をしておるわけでございます。また民間金融機関の中小企業特別救済融資制度を活用いたしまして、九月までに約五百五十億円を決定いたしております。
 また、本月に入りまして中小機械業者並びに木材合板関連業者に対しまして約五百億円の追加をすることを決定しておりまして、いまその申し込みを受けている現状でございます。
 このほか特に不況色が濃くなっている業界につきましては、保証協会の保証はお金を借りるときに非常に重要な役割りを果たしておりますが、不況業種に対しましては保証協会の保証を倍額保証できるように、特に不況色の強い業種、建設、繊維、ガス、そのほか最近は自動車関連業種あるいは家電関連の下請、そういったもの計十四業種を指定しておるわけでございます。今後とも、こういった特に不況が強くなって倒産の危機に瀕するような企業が多くなってまいりますものにつきましては、中小企業信用保険法による不況業種に指定をいたしまして資金の確保をはかってまいりたい、こういうふうに存じておるわけでございます。
#36
○荒木小委員 いま量のほうの要望を重視している、こういうお話がありましたね。これは非常に大事なことだと思うのです。同時に、銀行局長から条件緩和の要望も強い、こういう話がありました。もちろん中小企業庁でも条件緩和についてはいろいろ配慮、重視しておられると思うのですが、この点についての中小企業庁としての施策はどうですか。
#37
○吉川説明員 条件緩和につきましては、金利の面ではなかなかむずかしい問題がございますけれども、一般の金利は〇・五%全般的に上がるわけでございまして、それに対応した引き上げはやむを得なかったわけでございます。たとえば小企業向けの小企業経営改善資金、これにつきましては従来七%という低利で貸しておりますが、これを〇・二上げる。〇・五ではない、〇・二上げるというような措置によりまして、なるべく条件の悪くならないように努力しておるわけでございます。
 なお、もう一つは、これも結果的には一つの条件緩和につながるわけでございますが、特に困っている業者に対しましては、ケース・バイ・ケースではございますが、償還猶予を配慮するように政府系の関係三金融機関を強く指導しておるわけでございます。
#38
○荒木小委員 条件がきびしければ、幾ら量をふやしたって借りることが非常にむずかしい。新需要が非常に強い、それで量の点についてずいぶん配慮をする。しかし条件がうんときびしければ借りることができないというのは常識的にわかりますね。
 そこでいまのお話でありますと、小企業経営改善資金では並みが〇・五のところを〇・二にした。つまり利息の面で、非常にむずかしいけれども、特に優遇しようという面は、対象はどれかは別として、とにかく一つ的を定めて、ここは安くする、あるいは上げ幅を低くする、こういうことは中小企業庁として今回やった、こう伺ったわけなんです。
 そこで、大蔵省に伺いたいのですが、小企業経営改善資金、これは例の経営改善事業の経済的な裏づけだと思うのですが、これはなるほど一つの意味がありましょう。提案されたときも説明があったからね。しかし局長、いま利息の面でもう全然配慮できないかというと、そうじゃなくて、やはり〇・二に上げ方を押えているところがある。だとすれば、局長の立場からごらんになって、いまこの利息の面でそういうふうに配慮すべき面は小企業経営改善部門だけかどうか。とりわけ先ほど中小企業庁から説明がありました、ことに不況色を強めて倒産の推移がきびしくなっている業種も特定されてきているわけですね。それらの点について現に今回やられた利息についての優遇措置、そういったものを、全部とは言いません、順を追って、そして条件のきびしいところからほかにも適用するというような方針がとられておるかどうか、その辺のお考えを伺いたい。
#39
○高橋説明員 小企業経営改善事業といったようなものに類するものにつきましては、上げ幅が少ないというようなものはまだほかにもございます。
 それから、一般的な貸し出しでございましても、ただいま中小企業庁のほうからお答えがありましたように、ケース・バイ・ケースで返済猶予といったような措置をとっておりますので、これは結果としては金利引き上げにならないというようなことになりますので、そういう点は中小企業庁と共同で政府三機関について実情に応じて積極的にやりなさい、こういう指導をいたしております。
#40
○荒木小委員 そうしますと、小企業経営改善部門、これは一つ部門としてまとめてそういうめんどうを見よう、ほかのほうは個別の業者ごとに返済猶予というのをやるのだから、実質的には利息面では前の継続なんだ。だとしたら、個別にやられる分を業界ごとに包括して、この業界ではそういうことが必要だろうというふうなことを、現在の倒産の深刻さと比べて検討する必要があるというふうにお考えか、いや、それはもう検討する必要はないというふうに考えていらっしゃるか。いまの不況の波を非常に激しく受けている業界の実態に照らして、局長としてはどういうふうな政策方向をお考えですか。
#41
○高橋説明員 不況業界といったようなもので、いろいろ繊維とか自動車関連事業あるいは合板といったような、業界として一般的に苦しいという業界のあることは承知いたしております。ただ業界の中でもこれはまちまちでございまして、企業間格差もございます。これは別に大小という意味ではございませんで、中の中でも小の中でも、そういう個々のバラエティーに富んでいるのが経済の実情だと思います。したがいまして、私はいまのところ、ある業界を一括して返済猶予をするといったような制度的なものにする考えはございません。
#42
○荒木小委員 そういう御説明だとしますと、結局、返済猶予という形で実態に適合させていきたい、こういうふうな当面の考えだと伺ったのですが、そこで一番最初に局長が話をされたいまの業界の要望、量をふやせ、条件を緩和しろとありましたが、返済猶予というのもそうすると非常に強い要望だ、また現にそういうふうに認識をしていらっしゃるということになると思うのですが、この返済猶予については、いつごろからそういう方針を正式に出されたのでしょうか。
#43
○高橋説明員 返済猶予ということは、個々の金融の取引でございますから昔からあったものだと思います。ただ全般的にそういうことについて積極的におやりなさいというふうになったのは、ことしの四月ごろからでございます。
#44
○荒木小委員 実施状況はどんなでしょうか。たとえば国民金融公庫の場合はどういう実施状況になっておりますか。
#45
○高橋説明員 四十八年度の数字で申し上げますと、四千二百五十件、金額で四十八億五千三百万でございます。これは四十八年度一、二・四半期でございます。それから三、四・四半期で五千三百二十八件、七十四億六千四百万、合計いたしますと約一万件、百二十億ぐらいになろうかと思います。
#46
○荒木小委員 数字を伺って、これは非常に少ないのではないか。業者の要望が強くて、しかも条件緩和としては、先ほどおっしゃったごく一部の例を除けば返済猶予がある、これが該当するとおっしゃるのですけれども、これは非常に少ないのじゃありませんか。たとえば、ことしの七月の国民金融公庫の貸し出し累計残は約百八十一万件ですから〇・六%ぐらい。私はこの点については業者の人たちの二十人、三十人という懇談会にたびたび出ました。閉会中にもなっておりましたから、実際の状況は聞きましたけれども、もちろん地域は特定をされておりますし、全体のものではない点がありますけれども、しかし二百人寄って一人しか返済を猶予してほしいというような希望者がないというような状態ではとてもなかったです。それぞれ受注の減、工賃の切り下げ、あるいは在庫がふえている、関連で倒産がどんどんふえてきた、金額も大きい、こういう話で、国民金融公庫で返済猶予につき、前から一般的にあるけれども、本年になって特別の配慮をするようになったということを、集まった懇談会では知らぬ人がほとんどなんですよ。
 私は幾人かに聞いてみたのです。いま局長がおっしゃったような条件緩和の施策にもつながる一つのポイントとして、こういうこともやっている、閣議決定もあった、通達も出されたという話だけれども、ほとんど知らない。内部でもどの程度の念達になっているのか、局長この点はどうですか。国民金融公庫の債務者になっている人、取引をしている人に、そういった点ではどういうような周知の方法をとっておられるのでしょうか。
#47
○高橋説明員 国民金融公庫の取引者が百八十万ございまして、その〇・六%というような少ない数字だ、こういうことでございますが、従来から国民金融公庫の貸し付け金は意外と貸し倒れとか延滞とかが少なくやってきて、金額も僅々百十何万くらいのものでございますし、非常にじみな商売が多いせいか、従来はずっとそういう成績がいい。ちょっと普通から考えると意外に思うような、決して無理に回収するとか何かというようなことをやっておりませんでも、きわめて回転のいい良好な金融機関なんでございます。おそらく窓口に来て、こういう事情だから返済猶予してくれというのを金融機関のほうで聞かないといったような事例はあまりないんじゃないかと私は思うのでございます。それから、一般的に百八十万の取引者に対して、国民公庫は返済猶予してやるぞというような通達を出すというようなこともいかがかと思うわけでございます。したがって、私のほうは金融機関のほうに対して、そういう要望があれば積極的に相談に応じなさいということを言うのが限界じゃないか、こう思うわけでございます。
#48
○荒木小委員 これは信用補完がありますから保証協会のほうも関係しますね。ところが自治体へ行きまして、たとえばそこの商工部長さんなりにお会いしますと、国民金融公庫がそういった方針をとっておる、大蔵省や中小企業庁からそういう念達があった、それは知りませんと言うのです、聞いていませんと言う。関係の自治体などにはどういうふうな方法でいまの方針を通しておられるのですか。
#49
○高橋説明員 通達の写しは自治体には出してございます。
#50
○荒木小委員 それはいつどういう形で何号で出されたのですか。
#51
○高橋説明員 自治体には出していないそうでございます。どうも失礼しました。
 それから、政府機関の代理店には周知徹底するように取り計らえということは言ってございます。
#52
○荒木小委員 局長、いま出しているとおっしゃったのだから、それは出すのがよろしいというお気持ちがそこにあるから出しているとおっしゃったのだと思うのですよ。これは出すべきでないというような頭があれば、幾ら事実関係を確認されていなくとも、出しているとはすぐにはおっしゃらぬと思うのです。だから、いまここでおっしゃったのだから、いままでの出している出してないは別として、これはやはり自治体のほうにはそういう趣旨が通るような手だてをとられるべきじゃないでしょうか。代理店にも言われる、それから支店関係にもおっしゃる。ならば、その関連のある自治体のほうにもひとつ出すことを検討していただけないでしょうか。
#53
○高橋説明員 これは中小企業庁との共同通達でございますので、相談してみたいと思います。
#54
○荒木小委員 それではよく質疑の方向を踏まえて御相談いただくことにして、中小企業庁のほうも検討していただくのはよろしゅうございますな。
#55
○吉川説明員 検討させていただきます。
#56
○荒木小委員 それから、幾らでも返済猶予してあげますよというようなことを公然と政府系金融機関が言うのはどうかというような話がありますけれども、たとえば月報が出ておりますね。これにもそういった趣旨がなかなか明確になっていない。これは言わしていただくなら、私どもが国民の代表として委員会で質疑をする、この念達関係はどうなっておりますかと聞いても、その点についてははっきり言えません、中小企業庁はこういう返事です。ですから、この点については、返済猶予がいわば条件緩和につながる一つの施策だ、こうおっしゃっておるのだから、その通達の内容をこういうふうにやっています――懇談会をやればもっと返済期限は延ばしてほしい、もうどうにもならぬという声が非常に強いのですよ。これは皆さんだって、そういう場に出られて直接声を聞かれる機会もあろうから、よくおわかりと思います。
 だから、いまのように金融機関自体でそれをPRするのがどうかという趣旨があれば、そういう趣旨をひとつ踏まえても、やはり関係者がわかる、申し出ができる――知らなければなかなかできませんしね。申し出ができるということを、自治体への通達を検討するといまおっしゃったけれども、それに限らず、ほかの方法も含めてひとつ検討していただきたい、こう思うのですが、中小企業庁、いかがですか。
#57
○吉川説明員 御高承のとおり、中小企業庁にはこの七月一日から小規模企業部というのが新しくできております。特に償還猶予が問題になるようなところは零細が多いかと思いますが、そういう零細の企業につきましては、小規模企業部の小規模企業官が償還猶予も含めていろいろ相談を受けております。
  〔小委員長退席、山田(耻)小委員長代理着席〕
これは地方の通産局にもそういう小規模企業官がおりまして相談にあずかっておりますが、そういう場におきましても積極的にそういった償還猶予のあっせんをするとか、そういうことをやらせてまいりたい、こう思っております。また、個別のケースがありますれば私どもでかなり口をきいてやっておるところがございますが、今後ともそういうふうにやってまいりたい、こう思っております。
 また、各業界の人が償還猶予の希望があります際には、これまでも、そういうことは各機関によく相談してください、特に問題のある場合には中小企業庁のほうに言ってきていただければ相当の努力はいたします、こういうふうに申し上げております。
#58
○荒木小委員 従来からも皆さんのほうでは、声をかけるとそういうふうにおっしゃっていただくのですよ。ところが実際に、たとえば大阪府の堺市に国民金融公庫の支店がありますが、そこへ泉州の繊維業者の皆さんが返済猶予の話で出向くとかねがね聞いておりましたから、私のほうも連絡をしまして――これがなかなかそうはいかぬのです。猶予になったのがあって、だめなのがある、これなら話がわかるのですよ。ところが、交渉したって全部だめなんです、まあ検討中という話がありますけれども……。
 そこで、いま中央官庁のほうではそういうふうにいろいろおっしゃっていただく。ところが、一つは国民金融公庫の支店の数がまだ十分でないでしょう。これは両所管庁ともおわかりと思いますが、一年に五つか六つつくるというぐらいのことで、あちこちを回りますと、代理店もいいけれども支店をもっとつくってくれという要望が非常に強い。一々中小企業庁まで出向いて、あるいは通産局まで行って相談をするというのは、一般の零細業者にとってはたいへんなことなんですよ。
  〔山田(耻)小委員長代理退席、小委員長着席〕
ですから、せめて各支店にいま企業庁がおっしゃったような相談係ですか、あるいは代理店も含めて、各自治体のほうにすぐ取り次げるような相談係を、もっと末端の業者が相談しやすい地域に数をふやして、そして専門の人も置く、いま御答弁いただいたそれを、私が申し上げているような趣旨で広げる方向でひとつ御検討いただけるかどうか、これをお伺いしたいと思います。
#59
○吉川説明員 単に通産局だけではいろいろ御不便もあるかと思います。地方自治体ともよく連絡をとって、周知をできるように検討さしていただきたいと思います。
#60
○荒木小委員 これは銀行局のほうもそういう趣旨で伺ってよろしゅうございますね。
#61
○高橋説明員 私のほうとしては、国民金融公庫の支店網の整備といったようなことかと思いますけれども、これは従来ともできる限りやってきておるつもりでございます。現在百二十カ店ぐらいございまして、政府系金融機関の中では一番支店網が多いという状態に相なっております。今後もできる限り支店網は整備していきたい、こういうふうに思います。
#62
○荒木小委員 お尋ねしているのはそういう方向じゃないのです。一般的なことじゃなくて、返済猶予についての相談係、末端に専門の人が十分か、こういうことを言っているのです。中小企業庁はその方向でと、こう言われたのですが、共管の所管庁である大蔵省もよろしゅうございますな、こう念を押しているのです。
#63
○高橋説明員 よろしゅうございます。
#64
○荒木小委員 先ほど返済猶予の金額を伺ったのですけれども、私がもう一つお尋ねしたいのは、業界によってばらつきがある、こうおっしゃっている。そこで、本年一月の、たとえば繊維部門についての返済猶予の国民金融公庫の実績を監督官庁の資料で拝見いたしますと、二十六件です。金額は千八百万円です。ところが、一カ月の繊維部門への契約件数、これはもちろん製造段階もあり流通段階もありますが、これを見ますと、大体五千件なんです。〇・五%でしょう。先ほどおっしゃった四十八年度間の約一万件、百二十億円、これは全体から見ますとやはり百八十一万件中の一万件だから〇・六%、一兆五千億の中の百二十億だから、これは一%弱になりますね。だから、特に不況だといわれている繊維部門の返済猶予の実績というものが、一般の全業種の平均よりもどちらかというとむしろ低い、数字の上からははっきりそうなっています。
 だとしたら、局長がおっしゃった返済猶予の指導なり実際の取り扱いが実情に沿わない面があるのではないか。不況だといわれている部門が返済猶予の要求が強いというのは当然でしょう、常識的に考えて。また、実情に即してと、こうおっしゃっている。だとしたら、数字の上でもそれが反映されなければならぬのに結果はこうだ、これは局長どうお考えになりますか。
#65
○高橋説明員 いま承知しましたその数字、私存じませんので、ほんとうに何とも申し上げかねるのでございます。ただ、返済猶予の件数が最近になってふえてきておるということは聞いております。業種別の内訳ということは私よくわかりませんので、ちょっと御返事申し上げることができません。
#66
○荒木小委員 私は現地で聞いてみたのですよ。そうすると、業界の幹部の人たちはこう言うのです。これは国民金融公事のほうから、たとえば業界の団体がいろいろあります、そこへ金融公庫としてはこういう方針をとっている、こういうふうに言ってもらえば、中でいろいろまとめて折衝もしやすい。これはもちろん商工会もありましょうし、民主的な業者の人たちの団体もいろいろあります。そういったところへは政府のほうでしかるべく念達をしよう、ことに不況の部門はそういうふうな配慮をしようという姿勢が強化されればこれは改善できますよ、こう言うのです。
 ですから、先ほどは自治体のほうをひとつ検討していただく、こういうような話がありました。それから公庫の中の体制をもっと強化すること、これも検討するという話がありました。そこで、公庫、政府関係機関、自治体、さらに広げてそういう不況関連業種の業界の団体というところへもひとつ徹底するような、そしてやっぱり実態が反映される数字が出るような措置を検討していただくべきじゃないか。これは中小企業庁いかがですか。
#67
○吉川説明員 先ほども申し上げましたように、どういう方法が一番一般に周知されやすいか、そういうところも含めまして、地方自治体等との関係もよく検討をいたしまして善処してまいりたいと思います。
#68
○荒木小委員 今度は猶予の中身について若干伺いますが、先ほど局長から伺った数字は、返済の猶予期間は平均でどのぐらいでしょうか。
#69
○高橋説明員 件数、金額だけしかわかりませんで、実際どのぐらい猶予になっているのか、あるいはまた猶予になったものがまた再猶予になっているのかというようなことについては、実は承知しておりません。
#70
○荒木小委員 これはどうでしょうか、一月も猶予ですね、六カ月も猶予あるいは一年も猶予、いろいろあると思うのですけれども、先ほどの条件緩和の話じゃないのですけれども、せっかく方針は若干出る。しかし形だけじゃ困るのですよ。実際に懇談会をやりまして話を聞きますと、なかなか渋い。いろいろ折衝してようやく認めてもらったという人も中にはいらっしゃる。ところが、大体は期間を半分かあるいは四分の一か、要するに値切られるわけです。ですから、仏つくって何とかということばもありますが、せっかく実情に即して猶予とおっしゃるなら、期間もひとつつかんでいただきたい。これは局長、金額、件数を伺ったのだから、内容についても調査して報告していただけますね。
#71
○高橋説明員 これは非常に内容がばらばらのあれになると思いますので、計数的にまとめるということはできないのではないかと思います。
#72
○荒木小委員 たとえば、四十八年第一・四半期に猶予した件数がありますが、この件数に見合う平均猶予期間がどのぐらいか、これは数字はとれませんか。一年延ばしもあれば六カ月延ばしもあるでしょう。その平均はどのぐらい延ばしたかという数字はとれないのでしょうか。
#73
○高橋説明員 国民金融公庫自体でどういう整理をしておりますか、原資料を私存じませんので、ちょっと明確なことは申し上げられないわけであります。
#74
○荒木小委員 そうしたら、国民金融公庫に相談をしていただいて、できるだけ内容がわかるような方向でひとつ御努力いただけませんか。そして、結果がわかれば委員会のほうへ御連絡をいただく、そういうことでよろしゅうございますか。
#75
○高橋説明員 金融公庫と相談してみます。
#76
○荒木小委員 そこで、御相談なさるときの大蔵省のほうのお考えですけれども、これは確かに、事柄の性質上、実情に即してということになりましょう。ただ、たとえばこのぐらいまではいいんだということになりますと、これは窓口段階の処理が非常にやりやすい。先ほど言いましたように、半分に削られる、四分の一にばっさりいかれる、こういったことも、窓口の段階で話をし相談をするときには実情実情ということになっているけれども、判断をする側としましても腹がすわらぬのですよ。いろいろ折衝の上で、御意見なども聞きますと、そういう話があるのですが、従来、ここ二、三年、数年でもいいのですけれども、この返済猶予というような措置がとられた場合に、たとえばつつ一ぱいはこのぐらいまでいく、一年だとか二年だとか三年だとか、そういうふうなことを措置としておとりになった例はありませんか。
#77
○高橋説明員 私のほうからそういう基準を示したことはないと思います。おそらく返済猶予というのは、債務者とそれから現実に貸しております担当の人の間が一番よく実情を承知しておると思います。現実に回収できないものは回収できないわけでございますし、相手企業をつぶすというために金を貸しておるわけじゃございませんので、まさにそれこそ実情に即して一カ月延ばしたり一年延ばしたりというようなばらつきがあるのだろうと思います。
#78
○荒木小委員 中小企業庁いかがですか。法律で、みな何年までというのじゃないですよ、あるいは何年以内だとか、そういう措置をとったことはないですか。
#79
○吉川説明員 ただいま銀行局長からお答えになったように、やはり償還猶予というのはケース・バイ・ケースでやる、こういうことを基本的な原則にしておるわけです。というのは、業界全体に対して償還猶予をするというようなことになりますと、これはもう回収金が入らないとか、それによってまた貸し付けができないとか、そういうような事態を招くわけでございまして、われわれとしては非常に困っているということはよくわかりますが、やはり困っている人が各金融機関に申し出て、十分相談をしてやっていただく。それに対して特にトラブルがあれば私どもとしてもいろいろ口をきく、こういう態勢以外いまのところはないんじゃないかというふうに考えております。
#80
○荒木小委員 ドルショックのときに、近代化資金の返済猶予というのが法律上きめられましたね。あれはたとえば何年以内という年数を、これは一つの上限でしたけれども、明記していたんじゃありませんか。私が伺ったのは、個々の業者でなくて業界をまとめてやれ、こう言っているのじゃないのです。個々の業者の相談に応ずるときに、どのくらい延ばすかという一つの目安、底でも天井でもいい、それがやられた例がありましょうかと、こう聞いたのですが、ドル対法のときには年数は明示されていたんじゃありませんか。
#81
○吉川説明員 ドル対法におきまして貸し付け金の償還期限がきまっておりますのは、中小企業近代化資金等助成法の設備近代化資金でございますが、これは資金等助成法の法律によりまして五年以内というふうにきまっておりますので、その関係で、この特別法によりまして特にそういう期間を明記した、一般的なものではない、こういうふうに考えます。
#82
○荒木小委員 年数を明示する、もちろんその明示の目的、趣旨が法律でワクを限っているから、それを延ばすんだ、これはありましょう。しかし、要するにその場合に一年にするか、二年にするか、三年にするか、いろいろ延長猶予年数について法律上も検討されておるという事例はいまお話があったようですけれども、いまの事態とドルショックのときと中小零細業者にとっての不況の度合いは一体どうなのか。たとえば、中小企業のディフュージョンインデックス、これは売り上げ、資金繰りあるいは受注、一口に言ってどういうふうな状況でしょうか。あのドルショックのときといまの時期と比べてどういうふうに見ておられますか。
#83
○吉川説明員 数字的にいま比較するあれを持ち合わせておりませんので、はっきりとしたお答えはできません。ドル対法のときには、ドルの切り下げの影響というのは全業種的に非常におそれられていたわけでございまして、外的なそういった国際環境の激変というものが主因であったわけでございます。今回の場合も石油ショックの関係はございますが、石油関係につきましては一応小康を得ておるわけでございまして、物価抑制の見地からの総需要抑制策というのが現在とられておるわけでございまして、その影響が各業種に浸透しておるわけでございますが、そういった意味におきまして、ドルショックのときと要因が若干違う、結果的に各業種が非常に困っている、こういうことはわかりますけれども、そこにやはり若干の差があったというふうに考えられるわけでございます。
#84
○荒木小委員 要因が違う、これは時期が違いますからね、情勢も違うからそうでしょう。結果的に差があったとおっしゃるんですが、私が伺っているのは、中小零細業者にとって、あのときといまとどちらが深刻か、結果を伺っているんです。原因はいろいろありましょう。要素もいろいろ考えられるのですが、その結果をどう見ますかと、こう伺っているわけです。経済企画庁だとかあるいは中小企業金融公庫、これらからいろいろ資料が出されておりますが、一口に言ってあのときといまと比べてどうか。全体としてありましょう。あるいは業界によってばらつきがありますからね。不況業種の非常にしんどいところがある。これを一口で伺っているんです。銀行局長いかがですか。どうごらんになっていますか。
#85
○高橋説明員 前回との比較という意味ではとても私も申し上げられないのでございますが、現在じわじわと各業種に不況色が広まっているという認識は持っております。
#86
○荒木小委員 四十六年の七月の先ほど申し上げましたDIによりますと、受注が二・一です。ところが、今度の四十九年の七月はマイナス四九・二になっています。売り上げのほうは、四十七年年の同じく七−九で一〇・五ですが、四十九年の七月になりますとマイナスの三四・二。だから、DIの数字で見る限りうんと悪い。そのことがはっきり出ているんじゃないでしょうか。だとすれば、いま局長はじわじわというふうにおっしゃったし、それから中小企業庁も差があるとおっしゃったんだけれども、その差のある中身というものは今回のほうがこたえ方がきつい。そして局長が言われたようにじわじわではなくて、数字の示すように非常にきつくこたえている。
 だとすれば、猶予期間というものもいまやっている実態をつかんでもらって、あのときは法律で、近代化資金だけではありますが、とにかく二年というのが出ましたよ、実定法の上でね。今度はそれよりもきついというのだから、まあ二年がきまった趣旨や目的はいろいろありましょう。ありますけれども、やはりこのくらいまではひどいときには考えてもいいよ、あるいはこのくらいはひとつ目安ではどうかというふうな、発表するしないは別として、やはりものさしというものがなければ、末端の窓口で、実情で実情でといったって足がすくんでしまって、先ほど言ったように、二十人三十人寄った懇談会に出るつど言ったってなかなか聞いてもらえない。たまたま聞いてもらったらばっさり削られる。こういうことになるので、そこで先ほど御提案しておるのですが、ひとつ中央としてこの点は検討していただきたい。先ほどの趣旨徹底のほうの検討もおっしゃったですが、同時にどういうふうな形で指導していくかという内容もひとつ検討していただきたい、こう思うのですが、いかがですか。
#87
○吉川説明員 本件につきましては、先ほども高橋局長のほうからもお話がありましたけれども、本年の三月、それから六月、九月、特別追加融資をいたしましたが、そのとき中小企業庁長官と大蔵省の連名で、各機関に対して返済猶予について配慮をするように、特に九月におきましては一そう配慮するように通牒を出しております。当面これを運用して各機関でやっていただきたい、特に何か問題があれば私どもとしても協力をしたい、こういうふうに思っております。
 ただ、先ほども何回も申し上げますように、業界なりあるいは産地なり全体としてということはなかなかむずかしいわけでございます。ケース・バイ・ケースでやっていくのが、さしあたっての緊急のあれとしては一番手っとり早いと申しますか、現実的と申しますか、そういうふうに考えております。
#88
○荒木小委員 時間が少しオーバーいたしましたので、最後にもう一言だけお尋ねしておきたいのですが、ただあとの質問の関係で、主計局と農林省と時間をさいてお見えいただいたのですけれども、時間が切迫しましたので、たいへんその点は御無礼なんですけれども、委員長、その質問が時間内にできませんので、御退席いただきますように。
 最後に一言、延ばした場合に、いま一応たとえば設備資金は何年であるとか運転資金は何年とか期限をきめていますが、これの返済のおしりもずれ込むのか、終期は同じであって結局うしろへたまるだけなのか、この点の取り扱いは、局長、現行の運用実態ではどうなっておりますか。
#89
○高橋説明員 猶予をした期間だけ最終期限も延びる扱いになっているそうでございます。
#90
○荒木小委員 それはいまの業務方法による貸し出し期間を猶予の結果オーバーすることになっても認めている、こういう御趣旨ですね。
#91
○高橋説明員 業務方法書できめられておりまする貸し付け期間というのは、原則としてというのがかぶっておりますので、猶予をしたものが延びることは業務方法上は差しつかえございません。
#92
○荒木小委員 それではそのことが徹底するように、ひとつ政府系金融機関の出先窓口に十分伝達をしていただきたいと思うのです。いまの実情は、業務方法書できめられている期間をこえることは実際の処理としては拒否されているのです。もう二年にきまっています、五年にきまっています、だからいまちょっと猶予してもらっても、もうその期限でどさっと返さなければならぬというので、また気が重いんです。いま局長は原則としてと言われたから、それは幾らでもおしりをずらせられるんだということだったら、そうしなさいよ。ほんとうに猶予の必要がある場合はそうせよということを、ひとつ伝達をしていただきたい。現場の実態はそうなっていないんですから、その点はよろしゅうございますね。
#93
○高橋説明員 その点は、機関のほうによく注意をして徹底するようにさせます。
#94
○荒木小委員 返済猶予の点だけになってしまいましたけれども、いろいろいまの中小零細業界の深刻な実態、とりわけ政府系金融機関、たとえば国民金融公庫の窓口の処理の改善の問題についてお尋ねをしたわけでございますが、検討するというお約束を幾つかいただきましたので、これはひとつ早急に誠実に御検討いただいて、しかるべく処理をお願いしたいと思います。
 質問を終わります。
#95
○森小委員長 広沢直樹君。
#96
○広沢小委員 それでは最近の経済金融情勢について、二、三質問いたしたいと思います。
 冒頭に銀行局長のほうからは、総需要抑制下における景気の動向についてお話がありました。いま一番問題になっておりますのは、やはりインフレを収束させていこうと思えば不況が問題になってまいりますし、あるいは不況を回復しようとすれば高物価だ、いわゆるスタグフレーション下における二律背反した問題をどう、取り扱うかということが、当面の一番重要な課題になっております。特に先ほどからの議論の中を通じましても、不況色がだんだん深まってきている、こういうことでございます。したがって、これから具体的にどういう施策をとっていくかということが一つの大きな問題だろうと思いますし、それぞれ業界におきましても、特に不況色の強い業界におきましては、総需要抑制の手直しということを強く要求されているような現状であります。
 基本的には私どもは、やはり物価の安定というものを現在の経済運営、景気対策の基本に据えていかなければならない、これは当然でありますし、今日までとってまいりましたインフレを基調とするいわゆる高度経済成長政策を転換して、やはり安定経済成長へ持っていかなければならない、いわゆる水ぶくれをしたこの経済を安定的な立場に持っていくためには、基本的にはやはり総需要抑制という基調というものは続けていかなければならぬ、こういう考え方に立っておりますけれども、やはりそれによって起こってまいります先ほどから問題になっております中小企業の問題、あるいは業種別の不況対策の問題、こういったものにこまかい配慮がいまなされなければならないと思う次第であります。
 そこで、銀行局長は、先日の総理との当面の景気対策の問題についてのお話し合いの中でも、また先ほどの冒頭のお話の中でも、一応いまの基調は心配ない、こういうような感覚であったと報ぜられておりますし、またきめこまかく配慮をしていくということでありました。一体具体的に現在の状況においてきめこまかく配慮をするということはどういう面に配慮をしていこうと考えているのか、先ほども若干伺いましたけれども、その点を少し最初に御説明いただきたいと思います。
#97
○高橋説明員 金融が詰まってきておりますので、民間企業が確かに金繰りが繁忙をきわめておるということはいろいろな指標に出ております。そういう状態でありますのですが、なかなかCPIのほうが下がらないという、まあある意味では非常に困った状態になっておるわけです。
 そういうことで、特に構造的な問題もございますが、繊維業界あるいは中小土建といったようなところ、あるいは自動車関係の下請等の機械、あるいは合板のような建設関係のものとか、最近では紙パルプといったようなもので、むしろいい業種をさがしたほうが少ないくらいで、造船部門とか重電部門等を除きますと軒並みに生産も減っておりますし、受注も減っておりますし、まあかなりのところまで来ているということは承知いたしております。ただ、計数だけではなかなかわからないのでございますけれども、さればといって、換金、投げ売り的なところまではまだ至っていないというような、あるいは資金余剰時代に買っておきました土地というものも放出されていないというような、非常にいままさに突っぱり合ったところにいるんじゃないかという感じでおります。それで、先生もいまおっしゃいましたように、もう少しこういう状態を続けておればあるいは物価のほうは下がってくるのかなというような、ここでゆるめてしまうとまたもとのもくあみになるのかなというような、まさにそういう時期であろうと認識しておるわけでございます。
 もちろん構造的な問題とかいろいろな問題のほかにも、一般的にある業界あるいは地域的にある地域といったようなもので非常に生産を縮小しあるいは操短、臨時休業といったようなことが行なわれているというようなことがございますが、そういったようなものに対する金融というものにつきましては、先ほど来申し上げておりますように、政府系三機関にもできるだけそういうのを見ろ、あるいはまた民間におきましても三千二百億というワクをつくりまして、特に困っている業界については特別に緊急融資をやるといったようなことで手当てをしながら現在程度の引き締め基調を維持していく、まあここしばらくそういうことではないのかな、そういうふうに思っておるわけでございます。
#98
○広沢小委員 いま御説明がいろいろございましたけれども、一部では景気の回復はV字型になるのではないか、こういうお話もありますけれども、先ほど私も申し上げましたように、日本経済の基調を転換していかなければならないという観点に立ってものを考えていくと、やはり旧来のパターンに見られたようなV字型の回復ということはあり得ない。またそういう方向で徐々にいま言う手当てをしながら、引き締め基調の中で政策の転換ということを考えていかなければならないと思っておるわけです。
 しかしながら、いまもお話がありましたように、不況色が非常に強く浸透し始めてきているという御認識に立っていらっしゃるわけでありますから、当然そういうことが具体的にあらわれている業種に対しては、業種別というか個別というか、引き締めの一つの大きな柱であります金融の対策についても、十分なる配慮をここでなしていかなければならないのじゃないか。総体的な引き締めは先ほど私が私見も申し上げたとおりでありますから、そういうつもりはしておりますけれども、やはり具体的にここで、景気の手直しということばが適当かどうかは知りません、しかしながら、やはり当面する問題に対しては十分なる手当てをしていかなければ、一般に心配されているオーバーキルという状態に落ち込んでしまうのではないかということが心配されますので、その点を具体的に個別的に業種別に十分対応し得る金融体制というものをお考えになっているか、もう一ぺん念を押しておきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
#99
○高橋説明員 そういう点はまさに先生のおっしゃるとおりでございまして、業界を直接把握しております通産省、農林省あるいは建設省といったようなところと十分に私ども連絡をとっておりますし、そしてそういうところでこういうふうにしてくれということは受け入れられるような体制が、民間並びに政府系機関において整っているというふうに思っております。
#100
○広沢小委員 いま申し上げた手段をとってまいりますと、一般的には景気の手直し、なしくずし緩和というような感覚にとられるのかもしれませんけれども、そういうことばのあやよりも、現実に即した十分なる体制というものを考えていくべきであろう、これは強く主張も申し上げておきたいと思います。
 それからもう一つ、それに関連しまして、総需要抑制、金融引き締めの一つの手段として強力な窓口規制ということが行なわれております。これは各四半期ごとにそれぞれ対前年同期比ですか、それを対象にして相当きびしく窓口規制が行なわれておりますけれども、最近の状況から考えまして、都市銀行においても貸し出し増加ワクの大体三倍から五倍の融資申し込みを現実に受けている、非常に資金が逼迫してきている。こういう状況から、これは確かめたわけではございません、一部の新聞報道に載っているわけでございますけれども、そのために地方公共団体の指定機関になっている銀行が、民間の融資といわゆる公共団体の融資との板ばさみになって、勢い公共団体向けの純増を認めない、そして民間のほうに回さざるを得ないという状況にまで資金がショートしてきている、こういう記事が載っているわけでございますけれども、その点はどういうふうに認識されておられるでしょうか。
#101
○高橋説明員 貸し出しの増加ワク規制はやっておりますが、その中でいまおっしゃるように、地方公共団体あるいは地方公社向けといったようなものからの資金需要が非常に強くて、それに応ずれば銀行がもらったワクの中で五割あるいは七割ぐらい要ってしまうというような銀行のあることは承知しております。
 私ども総需要抑制で、あるいはいろいろな選別通達的なものを出しましたときにも、地方公共団体も一般の企業に準じて行なってくださいというような意味の通達は出しております。特別押えろとか特別ふやせとかいうようなことじゃございませんが、ただ地方団体、公社を含めてでございますが、非常に資金需要が強くなっております。これは都市銀行あるいは地方銀行、まあ地方銀行が地方公共団体の金庫事務などをやっておりますので非常に関係が深いのですが、地方銀行などで見ましても、地方公共団体、関連公社に対する貸し出しというのは非常にふえておりまして、去年、おととしあたりでも、もちろん民間に対するものとはけた違いにふえてきておるわけでございます。それで昨年の十二月に、この勢いでいったんではとても民間のほうがたまらぬというので、地方公共団体も民間並みにしてくださいというような通達を出したというのがいきさつでございます。
 ほんとうに銀行によっては困っておるところがありまして、これはまたどちらからも攻撃されまして、民間に出すから地方公共団体が困るぞというふうに攻める方もございますし、地方団体に出すから民間が圧迫されるぞと攻められることもございまして、私もそのときどきにおいて答弁が非常にむずかしいのでございます。
 いずれにしましても、限られたワクの中で民間と地方公共団体と資金の使い道の優先順位、これは当然のことながら国民生活優先というか、あるいは中小企業優先というか、つまり生活関連施設の工事費だとか、学校とかそういったようなものの取得費だとかいうようなものの優先順位を全部連ねて、そして当てはめていくというふうなことをやっていただくよりしかたがないのじゃないか、そのように考えておるわけでございます。
#102
○広沢小委員 そこで、十−十二月期、いわゆる第三・四半期においても窓口規制というものがなされると思うのですが、いま私が申し上げました関係と、それから特に先ほどからお話がありますように、この十−十二月期は年末を迎えて、企業におきましてもいわゆる年末のボーナス資金だとかあるいは決算の会社もあるでしょうし、あるいは在庫がどんどんふえている関係の資金需要というものも特に年末を控えてふえてまいりましょうし、あるいは地方公共団体におきましても公務員の給料の引き上げ、あるいはいまもお話がありました病院だとか教育だとか福祉問題、それから公共事業の関係、さらにいま言うように各銀行そしてまた政府機関、こういったものを一応にらみ合わして考えていかなければ、十二月を含む第三・四半期は一番金融が逼迫してくるわけでありますから、総需要抑制の中でもこの十−十二月期の窓口規制といいますか総体的な金融引き締めには、ある程度年末対策ということを考えた上での具体的な施策というものをもう少し総合的に考えてみる必要があるんじゃないかと思うのですが、その点は窓口規制の規制ワクとの関係と比べてどういうふうになっておるか、ちょっと具体的に御説明いただきたいと思うのです。
#103
○高橋説明員 十−十二月、いま先生のおっしゃったようにいろいろな資金需要が出てくるであろうということは当然予想されますし、また金繰りも非常に繁忙になるだろうということも予想されます。都市銀行に対します十−十二が一兆二千七百億というので、昨年の十−十二に比べましてほんの少しのマイナスだったわけでございます。大体二〇%以上カットしてきておりましたのが、ここで二%程度のマイナスになったわけです。これは新聞によると引き締めの手直しだというふうなことでございましたが、それに対して地方銀行筋は、いや七−九と同じ程度の引き締めの強さであるということを言ってております。私どもも、そういうふうには思いますけれども、これからまたゆるむ要因もございまして、財政の支払いがふえてきたり、あるいはいままで繰り延べておった公共事業というものも、三・四半期以降は前半とは違って出てくると思いますし、あるいは災害復旧事業といったようなもの等に関しましての補正予算というようなことも考えられますので、締まるだけではないという要素もございます。
 いま具体的にという御注文でございましたけれども、具体的にはいま申し上げるだけの数字とかそういったものは持っておりません。ただまさに、日本銀行などもいっておりますが、この十―十二というのが一つの正念場であるというか峠であるというふうな感じでおりますので、私どももほんとうに、月並みなことばで恐縮なんですけれども、実際、実体経済の動き、十月、十一月、十二月と、こういうものを見ながら、生きておる日本経済をつぶしてしまってもしようがないですから、そういうことのないように、できるだけやっていきたい、このように考えております。具体的な数字とかいうことは、いまの段階ではまだちょっと申し上げられません。
#104
○広沢小委員 具体的な問題はまた個々にお伺いしたいと思いますので、次に移りたいと思いますが、これは基本的なことでありますけれども、とみに今日金融構造の改革ということが問題になってきておるわけであります。やはり安定成長に即した金融構造、こういう体制に変えていかなければならない。これは先ほどの証券との関係にも影響してまいろうかと思うのですけれども、特にやはり間接金融に片寄った姿というものが、前国会におきましても、御存じのような、だぶついた金あるいは投機的な問題、こういういろいろな弊害を含めてこれを改革していかなければならないということが問題になっております。
 したがって、都市銀行のいわゆるオーバーローンの是正、これも状況を御説明いただきながら、どういうような対策を講じているか、あとから御説明いただきたいと思うのですけれども、特に日銀信用供与を通じて成長通貨が供給されていく、あるいはその通貨信用供与というその面から再検討していかなければこの問題は解決しませんでしょうし、さらには系列的な融資の問題、それから大口融資の規制、こういうふうな問題が証券市場にも、先ほどもお話しになっておりましたように、一つの大きな影響を与えてきているわけですが、大口規制の問題は金融機関の社会的責任という上から、すでに金融制度調査会においても具体的検討に入っているということでございますけれども、この点についてどういうふうに運んでいるのか、その点ひとつ御説明いただきたいと思います。
#105
○高橋説明員 都銀のオーバーローンあるいは間接金融偏重といいますか、そういう金融構造ということ、これにはいろいろな原因がございまして、先生もその原因は十分御承知のことと思います。
 日本銀行の通貨供給方式なども、いろいろ昔の貸し出し一辺倒からオペレーションに変えていったりして、そういうことは徐々に直していこうという対策がとられてきております。ただ、日本の成長が非常に高かったということ、そして企業の自己資本の蓄積がなかなか芳ばしくなかったというようなことがございまして、つい借り入れ依存というような体制であったということで今日まで来ておりますので、オーバーローンあるいはオーバーボローイングといったようなものが、はかばかしく直ってこなかったことも事実でございます。
 ただ、最近大きく環境が変わりまして、また国民のマインドも成長志向よりは福祉優先というようなふうにもなっておりますし、企業のほうもだんだんそうなってくると思います。先生のおっしゃったように、成長一辺倒的な金融構造というものがなくなるのではないか。これは実体経済がありまして金融がついていく面もございます。ございますというか、そちらのほうが大きいわけで、金融が、実体経済を引っぱっていく場合もありますけれども、どちらかといえば、実体経済の変化に応じてそういうことは是正されていくのだろうとは思います。
 それから、系列融資的なこともかつてワンセット主義といったようなことで行なわれておりましたが、この辺はだいぶ直ってきておりまして、むしろ系列以外の金融機関の成長といったようなことが大いに力があったのじゃないかと思います。
 それから、大口融資の問題はさきの国会でたびたび取り上げられまして、これはもちろん昔からというか明治百年来の大問題でございまして、先ほど申し上げましたように、日本の金融構造、企業のあり方といったようなこととのうらはらをなしておりまして、なかなか言うはやすく直すのはむずかしいという問題なのでございますが、現在私ども何らかの大口規制はやらなければいかぬだろう、またあるいはやれる時期になってきているのではないか、つまり、成長優先から福祉優先へというような形の経済構造になっていけば可能性は出てきたのではないかというふうにとらえまして、現在金融制度調査会において御検討いただいております。ただ、戦後でも三十年近く、あるいはこれはもう明治の初期からの体質でございますので、一気に改革するというようなことはできませんが、直す方向へ志向していくような形にいたしたいと思っております。
#106
○広沢小委員 その意向はよくわかるわけでありますし、いままでにも再々お答えになっていらっしゃいますからけっこうなんですが、大口規制の問題につきましては、これは法律化するのか、そういう方向で行政指導という形をおとりになるのか。これは具体的にはどこまで規制すればいいかということは確かに金融制度調査会において間もなく答申されるであろうと報道されているように、具体的に突っ込んだ検討をなされていることも紙上を通じて私よく心得ているわけでありますけれども、大蔵省の意向としては、さきの国会で問題になったことも踏まえてこのことはお約束なさっていらっしゃるわけでありますから、この点は法律化されるのか、それから行政指導という形で残されるものなのか、その点をお伺いしておきたい。それが一つの当局の姿勢だろうと思われますし、その点が一点。
 それから系列融資の関係については、大体今度の独禁法改正の公取の試案の中にも株式の保有制限ということがいわれております。現在一企業一〇%というのを五%にというような案も出ているようでありますが、わが党のほうもそれを考えているわけです。やはりこれは投資効果というものをねらっているのではなくて、企業の集団化という形での系列化といいますか、そういう形にウエートがある。
 ですから、先ほども証券市場において企業とか金融機関といった法人の株主がどんどんふえて個人の株主というものが減少しているという話がありましたが、最近ちょっと持ち直したというような数字も出ているようでありますが、総体的にこれは基本的な問題が直っておりませんから、それが改まったとは思っておりませんけれども、そういうことから考えていきますと、やはりもう少しこういういまの証券の関係等と融資の関係という系列化の方向というものを連動して考えていかなければならないのではないか。
 ですから、証券市場の発達がおくれて円満なというか順調な運用がなされないと、勢いやはり問題にされつつも間接金融、いわゆる金融市場に片寄ってしまうという日本経済の運営になってしまうわけでありますから、その弊害が先ほど言ったような系列融資だとかあるいは大口融資という形で出てきている。ですから、それに対して制約を加えていかなければならないということになれば、当然これは証券局との関係にもなりますけれども、この関係をやっていかない限りには、ただことばのみでああすればいい、こうすればいいという議論だけでは、この形態というものは改まらないものと考えます。
 そこで最初の問題に移りますけれども、その大口融資の規制というものに対しての当局の基本的な考え方をもう一ぺん明らかにしておいていただきたい、こう思うわけであります。
 それから、公取から指摘されております銀行の株式の保有制限についてはどういう見解を持っておるのか、これもあわせてお答えいただきたいと思うわけです。
#107
○高橋説明員 大口融資の問題でございますが、私どもの立場から申しますと、銀行の健全経営あるいは資金をできるだけ広く分配せよというのは、どうしても銀行のほうを中心として判断せざるを得ない。そのうらはらの企業の借り過ぎといいますか、そういうほうも多分に問題になるのでございますけれども、そちらのほうにはちょっと手が出せないものでございますから、私のほうは銀行に対してある種の規制を加えるという形になろうかと思います。
 したがいまして、考え方としてはその場合の基準を何にとるか、これも一応金融制度調査会などで御相談したいと思っておりますけれども、つまり自己資本をとるとか、あるいは資金量をとるとか、あるいは貸し出し金をとるとか、いろいろなものさしがあろうかと思います。その辺も、いずれにしましても銀行サイドのデータを基準にして判断せざるを得ないのではないかというふうに考えております。
 それから、いずれにしましても非常に大きな変革でございまして、ある程度の時間をかけて収歛させるというようなことをせざるを得ないと思います。
 それから、そういう時間の間でもときに起伏があると思います。ひょっとこう出るとか出ないとか、そういったような弾力的な性質を持ちながら収束するというようなことにせざるを得ないと思いますので、私は個人的には、法律にはなじまないので通達でやらしていただこうか、こう思っております。
 それから、銀行の保有株一〇%を五%にするという公取の試案が出ております。公取の独禁法改正といったようなものがどういうふうになりますか――どういうふうになりますかというとおしかりを受けるかもしれませんが、つまり、いろいろあれも変えたい、これも変えたいという中の一つとして取り上げられておるわけでございます。したがいまして、いまの非常に微妙な情勢のときに、私が銀行は五%だっていいというようなことを言うようなことは、ちょっと早過ぎるような感じがするわけでございます。銀行はかつては五%でございました。二十八年に一〇%まで上がったわけでございます。それが企業支配になっているのかどうか。一〇%なら企業支配になる、五%なら企業支配にならないというような論拠というのは、むしろ公取のほうが積極的に私のほうに示すべきことではないのかと思います。
 しかし、いずれにしても銀行が株を持っておる動機というのはいろいろありましょう。積極的に持った場合もありましょうし、安定株主として持ってくれといわれて消極的に持った場合もありましょうし、いろいろ動機はあると私は思います。ですから、これは独禁法改正の全体の進みぐあいをにらみながら、私のほうもこれについての態度をきめていきたい、私はこういうふうに考えております。
#108
○広沢小委員 時間の関係でまたその次に進めますけれども、あと一間お伺いしておきたいことは、これも先ほど政策金融の関係、政府系金融機関の関係でいろいろ議論が出ておりましたから深くは申しませんけれども、せんだって私は国民金融公庫の労働組合の皆さんの意見をいろいろ拝聴する機会がありました。そのときに、非常に貸し出しに時間がかかるではないか、もっとスピーディーにいかないかとか、いろいろな問題がそこで議論されたわけでございますけれども、そのときに、やはり一人にかかってくる仕事の量が非常に過重である、そして最近特に政策金融でありますからいろいろな窓口がふえている、公害問題が問題になれば公害貸し付けという制度ができる、あるいは何々貸し付けというようなことで非常に繁忙化してくる、ですから、ほとんどの方々が家に仕事を持って帰ってやったりというような状況にあるというふうに伺ったわけです。それはもちろん人員の問題やいろいろなこともありましょうけれども、先ほどの量の問題とかあるいは条件緩和の問題とかも一つの大きな問題でありますが、もっとスムーズな調査そしてスピーディーな貸し出しといったことがはかれないものか。
 これについては私どもは前々から考えてきたところなんですが、一つはやはり調査の問題ですね。これは民間の金融機関のベースに合わない方方が補完的なこういう政府機関にたよっていらっしゃるわけですから、当然いろんな問題があろうかと思うのですよ。思うけれども、地方公共団体においても、中小企業であれば中小企業相談所だとかそれぞれの経営問題に対する指導機関というものはあるわけですね。そういうものとこういう補完的な機関との連携、あるいは信用保証協会もございますね、そういったもののプレーがぴしっといかないと、あらためて金融機関で調査検討ということをやっているようでは、これはやはり時間的な問題あるいは人員的な問題ということが当面の問題となって事務が繁雑になり繁忙化して、なかなかスピーディーな処理ができないという結果が出てくるのではないかと思われるわけです。その点をもう少しスムーズに借りやすいようにする、あるいはまた申し込みから早く対策が講じられるようにする、こういったことを考えていくべきではないか。特に零細な企業を扱っております国民金融公庫においては、だんだんスピードアップはされているようでもありますけれども、そういった点もひとつ十分御配慮をいただきたいと思うわけですが、所管庁が大蔵省ですから、その点どういうようになっているのか、あるいは今後どういうように取り組んでいかれるのか、御意見を承りたい。それが一つ。
 それからもう一つは、福祉時代の政策金融としては、ときどきの政策によって制度が生まれておりますけれども、やはりこれをもう一ぺん見直す段階がきているのではないかと私は思うのです。たとえば地域開発の問題につきましても、北海道とかあるいは東北だとか沖繩だとか、特定の地域というものはたいへんおくれているといいますか、諸問題をかかえた地域であるという事情はわからぬでもありません。それから開発銀行というのもありますね、これは地域開発の問題と取り組んでおりますけれども、そういったものの一元化をはかっていくことが大事じゃないだろうか、こういうふうに思われるわけなんです。
 その他、公害問題が起これば、たとえば公害問題についてもそれぞれの機関の窓口がある、それはけっこうなことです。それぞれ利用しやすいようにあることはけっこうでありますけれども、これも窓口が多くあるから量が多いということでもありませんし、それがすなわちまた効率的な運用になっているとも言えないのじゃないかと思うのですね。そういう錯綜するというか、ふくそうしているような政策金融のあり方も、いまここでもう一ぺん総体的にもっと効率的にいけるように洗い直していく必要があるのではないかと思われますが、これに対する御意見、御所見を伺っておきたいと思います。
#109
○高橋説明員 初めの調査等に手間どるというようなこと、これを何とかしろという問題、これは全くおっしゃるとおりでございます。
 金融というのは金を貸すことですからある程度の調査というようなことはどうしても必要かと思いますが、金融業務は本来サービス業務でございますから、お客さまに迷惑をかけちゃいけないわけですから、この点はもちろん限られた人員、経費といったような中でやりくりしておりまして、また従業員のほうもオーバーワークになるというような声もあったりしまして、ほんとうに痛しかゆしなんでございますが、その点はより簡略化するというようなこと、それに尽きるかと思います。そういうことでまた各機関が一そう励むようにこれは指導するといいますか、お願いしたいと思います。
 それから、いろいろな政府機関がかなりダブっているではないかというような御指摘ですが、確かにそういうふうに見られるような形になっております。ただ実際はせつ然と区割りをしておりまして、あまりダブっておるのはないのでございます。これはまた当然、政府資金といいますか財政資金の利用ということからいえばなるべくダブらないというのも一つの考え方ですから、実際の運営としてはダブっておりません。ダブっておりますのは公害防止事業団とかあるいは公害に関するその他の政府機関の貸し出しといったようなものがダブっている例かと思いますが、公害防止事業的なものはむしろダブっておってパイプが多いほうがいいのではないかというふうなことも一面考えられますので、あえてそういうことになっておるわけでございます。
 政府機関全体の問題としてそれぞれを考え直すべきではないかという御提言は、一応承っておきます。直ちにどうということではございませんが、おおむね設立後相当の年限がたっておりますので、今日の経済情勢にぴったり合っているかどうかということについては検討する余地がないわけではないと思いますので、一応御提言として承っておきたいと思います。
#110
○広沢小委員 それについて若干私の意見を申し上げておきたいのは、政策金融でありますから、これは各都道府県にもそれぞれ企業関係を指導している商工部だとか各部局がありますね。どこの県にもあると思いますが、そちらのほうに中小企業相談所だとかいって専門に経営相談をしているところもあるわけですよ。中小企業の大きな問題といえば金融であり、税金の問題であり、また人間の問題であろうかと思われますけれども、やはり金融関係が非常に大きなウエートを占めておりますね。ですから、そういったところで具体的な相談をし、こういう方向へ持っていけばいいという方向を受けたものはスムーズに政府の政策金融機関では貸し出せるという、そういう地域の中小企業並びに零細企業に対する政策と、政府のこういった補完的な機関との連動というものがもっとスムーズにいけば、いまさっき私が一つの例として指摘申し上げたこともスムーズにいくようになるのじゃないか。それぞれが違った分野で、お互いに経営は経営だけで考える、融資は融資の分野でまた新たにそこで徹底的に調査をし直していいの悪いのと考えているというような、政策という面では地域も国もないわけですから、一致していかなければならないわけですから、そういう面が錯綜しているところに一つの矛盾があるのではないか。
 だから、中小企業相談所という公の機関があり、その中で具体的な経営診断を受けたものは、国金にせよ中金にせよ、同じ政府系の金融機関では早急に貸し出していく。また、先ほども具体的なお話がありましたが、いろいろな経済情勢においてその相談所で考えられた問題を、補完している金融機関でも当然取り入れてスムーズに運営ができるようにする。こういうところの地方との連携というものをもっと深めることが必要ではないか、これは一つの主張として私は申し上げておきたいと思うのであります。
 それから、確かにおっしゃるように、公害防止だけを一つの例に取り上げられて、窓口が多いほどよろしい。よろしいけれども、たとえば国民金融公庫の例をとりますと、一つの零細企業が公害設備をするということで国民金融公庫へ借り入れの申し込みに行く。それはいままでの普通貸し付けの運用とは全然別個に別ワクで貸していただけるならばいいのですが、やはり総体的にその零細企業の内容というものを加味して融資するわけですから、受けるほうになってみれば、これは普通貸し付けと同じ感覚になってしまうわけですね。それはもちろん条件つきといいますか、公害貸し付けということですから条件が多少違いますけれども、実際はその経営内容の運営において検討されて貸し出されるわけですから、そういうふうに別ワクできちっと対応して貸していくという制度になっていけば、公害防除という面にも相当大きな効果があがってくるのじゃないかと思うのですが、そういう面にもう少し配慮が足りないんじゃないか。窓口が多いということは代理業務だって何だってできるわけですからそれはけっこうだと思いますけれども、その点も申し添えておきたいと思います。
 最後にもう一つだけ証券局長に聞いておきたいと思うのですが、先ほども個人株主のシェアが低下しているというお話がありました。これは確かに証券市場、株式市場の本来の姿、現在の経済運営の立場からいきますとたいへんなことです。
 それで、そのような中の一つの大きな問題としては、企業の株式の持ち合いですね。先ほどの金融機関も多少影響してまいりますけれども、そういうようなことが一つの大きな原因になっているのではないか。株式の持ち合いは欧米では禁止または非常にきびしくやっている。わが国においてはその面がまだまだきびしいというよりも、まあいわば野放しといっていいほどの状況にあります関係上、いま証券市場をゆがめるようなこういう実態というものが生まれてきたのではないか。これも早急に全部それを禁止してしまえといえばたいへんなことになると思うのですけれども、そういった面から徐々に手をつけていくことがやはり個人株主のシェアを拡大していく、国民大衆が、条件はいろいろありますよ、利回りの問題やあるいは投機的じゃなくていわゆる資産としての株式投資という形をとるというその条件の整備とか、これは先ほどもおっしゃったとおりであろうと思いますが、やはり大きくそのシェアを広げていくという本来の姿に持っていこうとするのであれば、こういったところに対する制限というものをもう少し明確にしていかなければ、私は言うべくしてできないのではないか、こう思うわけでありますから、その点についての御所見を承って終わりにしたいと思います。
#111
○田辺説明員 御指摘のような株式の持ち合いという問題は、証券サイドからの問題と申しますよりは、会社法と申しますか会社組織あるいは資本の充実といった面からの問題があるような気がしておるのでございます。西ドイツやフランス、イタリア等で、これは会社法ないしは民法というようなところで一定限度以上の株式持ち合いを制限したり、あるいは持ち合いによる増資を規制しております。これの精神はやはり資本の充実という原則から会社の本質の問題としてつかまえているのだろうと思います。
 これは証券行政という私の置かれている立場から申しますと第三者的な一種の意見になるわけでございますが、証券サイドから見ましてもやはり市場が狭隘化するという大問題がございますので、持ち合い自体というものを証券市場面から料理をすると申しますか、処理をしていくのはたいへんむずかしいと思っておりますが、先ほどちょっと広瀬委員にもお答えいたしましたように、少なくとも上場をするからにはできるだけ多数の株主、投資者がいる、それが適正な価格の形成に参画するというほうがよろしいわけでございまして、いまもある程度の株主の広がりについての基準がございますけれども、これらあたりも上場廃止基準とも関連をいたしまして、一ぺん及第したらその後はどんなに勉強しなくても落第しないというような、どうもそういうシステムにもなっているように思いますので、その辺からも何かアプローチをしてみたい、こう考えております。
#112
○森小委員長 本日は、これにて散会いたします。
   午後一時四十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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