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1949/03/14 第7回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第007回国会 経済安定委員会 第10号
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1949/03/14 第7回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第007回国会 経済安定委員会 第10号

#1
第007回国会 経済安定委員会 第10号
昭和二十五年三月十四日(火曜日)
    午後四時二十四分開議
 出席委員
   委員長 小野瀬忠兵衞君
   理事 小川 平二君 理事 金光 義邦君
   理事 多田  勇君 理事 永井 英修君
   理事 森   曉君 理事 勝間田清一君
   理事 米原  昶君 理事 高倉 定助君
      飛嶋  繁君    福井  勇君
      南  好雄君    田中不破三君
      森山 欽司君    竹山祐太郎君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣 青木 孝義君
 出席政府委員
        経済安定政務次
        官       西村 久之君
 委員外の出席者
        專  門  員 圓地與四松君
        專  門  員 菅田清治郎君
    ―――――――――――――
三月十四日
 理事南好雄君の補欠として小川平二君が理事に
 当選した。
本日の会議に付した事件
 理事の互選
 臨時物資需給調整法等の一部を改正する法律案
 (内閣提出第三四号)
    ―――――――――――――
#2
○小野瀬委員長 ただいまより会議を開きます。
 この際お諮りいたします。本十四日理事南好雄君が理事を辞任されましたので、これより理事の補欠選挙を行いたいと存じますが、先例により委員長に御一任願うことに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○小野瀬委員長 御異議なしと認め、それでは小川平二君を理事に指名いたしす。
    ―――――――――――――
#4
○小野瀬委員長 続いて内閣提出第三四号臨時物資需給調整法等の一部を改正する法律案を議題に供し、討論に入ります。討論は通告順にこれを許します。米原昶君。
#5
○米原委員 私は日本共産党を代表しまして、物調法の一部改正案に反対するものであります。この改正案はただ有効期限を延期するというきわめて簡單なものでありますが、わが党といたしましてはこの物調法の成立の際にも、やり方がいわゆる官僚統制のやり方であるという意味で、反対したという基本的理由のほかに、いわゆる統制撤廃が大幅に行われつつある現在の状態においては、最初に行われた当時の統制方式とは別の、むしろ日本の産業を保護するような意味の形の統制が行われなければならぬ、単なる今までの物調法を延期するということではいけないのではないか、こういう観点からも私は反対するものであります。戰時中から長い間統制に苦しめられて来たために、大多数の国民は自由党が統制撤廃をとなえました当時、非常にその言葉には魅力を受けたのであります。しかしながらここまで来ていよいよ大幅に撤廃されておる現実に直面して、必ずしも大衆はかつて期待したと同じようなものを感じていない。非常に期待とは違つた不安――漠然とした不安ではありますが、不安を感じておるのが実情だと思うのであります。いわゆる自由経済と言ううけれども。大衆の生活の面から見るならば、決して自由になつていない。むしろ生活が苦しくなつて来ておる。一言にして言えば、たとえば配給物資さえ買えない、農村においては報奨物資を受けられないというような大衆の生活の実情、そういうものがこの統制撤廃を必ずしも歓迎したい面が出て来ておると思うのであります。それは大体どういうようなところで、現実の統制撤廃が行われておるかということを、一通り分析して見るならば明らかだと思うのであります。現在行われておる統制撤廃の大体の傾向――これは商品によつていろいろ違う点もありますが、大体の傾向を見るならば、二つの面から見られると思うのであります。一つは国内的な理由であり、一つは国際的な理由だと思うのであります。国内的に考えて見れば、いわゆるこの統制撤廃が非常に生産が増強したがゆえに、簡單に統制撤廃になつたとは必ずしも言えない。大衆の購買力が不足して来た、そこで総体的な過剰生産が起つた。もちろん生産も堀強しておるのは事実でありますが、むしろそれよりも大衆の購買力の不足ということが、やみ値がマル公に接近するとか、またはむしろやみ値がマル公を下まわるというような現象として現われていると思うのであります。そこから自然に統制撤廃ということが起つておるのでありますが、元来この物調法による統制は、かつてわが党がこの法案が出た当時に主張しましたように、單なる物資の不足ということだけでは言えない。独占資本に対して、超過利潤を保障するような形式で官僚統制が行われて来た。ところが今やマル公の位置が、むしろ現在の段階では中小企業を保障しているような結果になる。そういう矛盾から、独占資本にとつてはむしろ耐えがたい状態になつている。そういう見地から統制の撤廃が行われているということは、依然としてかつてと同じような独占資本を強化するような行き方で、統制撤廃が行われているというところに、われわれは不満を感ずるものであります。
 第二に国際的な理由でありまして、これがもつと大きな理由だと思うのでありますが、日本のこの統制は、敗戰によつて極度に狹隘化した国内事情を、日本の独占資本にとつて有利に再建するために、国際物価とは一応かかわりたく、独自に組み立てられて来たものであつたと思うのであります。ところがその後国際的な経済の圧力が、いわゆる九原則として現われ、そしてドツジ氏の例の日本経済の竹馬論が起つて来た。そういう世界恐慌の圧迫から、この統制の撤廃が行われつつある。国際経済へのさや寄せという名目で行われつつある。そこからいわゆる押しつけ輸入というか、恐慌輸入というか、そういうような形のものが、相当現実には見られるようになつた。結局この形で、單なる国内の問題でなく、国際的な資本の圧迫下に、日本の大衆を犠牲にするというような形で、統制の撤廃が行われつつあるというところに、われわれは非常な不満を感ずるものであります。もちろん現実には、商品によつていろいろな違いがあります。でありますから大体の傾向ではありますが、その統制の撤廃のやり方を見ると、全体としては委員会の質疑でもわれわれがあきらかにしました通り、大体において内外のそういう大資本の利益のためにのみ、むしろ統制撤廃が行われておると感ぜざるを得ないのであります。この委員会で問題になりました、たとえば石油の問題でありますが、石油は相当大量に輸入されておる。もちろん全面的な統制の撤廃ができるような段階かどうかわかりませんが、しかしながらこのやり方を見ると、この前の質疑でも明らかになりましたように、もと事業者の販売マージンのために十八億円も出すというようなやり方、そうしてそういう販売マージンを一千数百億円も上げて、そういう形で統制が行われておる。犠牲の負担が全部大衆に押しつけられておる。しかも石油の需給統制のやり方を見ましても、もつと大量に配給できるはずなのに、相当大量にストツクが行われておる。こういうような統制のやり方といううものを基礎づけるためのこの物調法の延期ということに、われわれは、反対しておるのであります。また今まで統制の廃止されたものを見ましても、むしろそれは外国の安い物資がどんどん入つて来て、そうして日本の産業がつぶれて行くという形でその統制廃止が行われておる。これでは、むしろこの際はこういう物調法はむしろ廃止して、そういう日本産業を保護するための別個の新しい形の統制法なり、政策がとらるべきじやないか。こういうような観点から、われわれ讐の法案を単に有効期限を延期するというようなやり方に対しては、この際とるべからずと考えるわけであります。こういう意味において日本共産党はこれに反対するものであります。
#6
○小野瀬委員長 次に永井英修君。
#7
○永井(英)委員 ただいま討論に付せられました臨時物資給調整法等の一部を改正する法律案に対しまして、自由党を代表して賛成の意見を申し述べたいと思います。
 本物調法は、戦後わが国の産業の復興と国民生活の安定とをはかるために、実施せられた経済統制の根拠法規であり、昭和二十一年十月一日に公布されて以来、臨時法規として施行されて参つておるものであります。その後わが国の産業及び国民生活の実情が、いまだこの法律を不要とするまでに至らないため、前後三回にわたつて改正を加えて、その有効期限は本年四月一日、または経済安定本部の廃止のとき、いずれか早いときまでとなつておるのであります。終戦以来四年を経まして、近来わが国の統制経済も大幅に緩和され、自由経済への足取りは、着着と進行して参りました現段階においては、基本的には、むしろ本法の廃止こそ望ましいのではありますが、なお当分の聞、若干の緊要物資については統制の継続を必要とする実情も、またやむを得ないものがあると認められるのであります。従つて本法の有効期間を一箇年間延長することと、附則第二項を削る本改正案の趣旨は承認するのでありますが、統制解除によつて自由経済への国民的努力は続けられている。本法の延長期間内においても、本法の必要性が一日も早くなくなるように、政府としても積極的に努力を傾けられよう要望しておきたいのであります。これをもつて私の賛成意見といたします。
#8
○小野瀬委員長 これにて討論は終局いたしました。
 これより本案の採決に入ります。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#9
○小野瀬委員長 起立多数。よつて本案は原案の通り可決されました。
 なお本案に対する委員長報告書、その他の取扱いについては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○小野瀬委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。
 なおただいま青木国務大臣より発言を求められております。これを許します。
#11
○青木国務大臣 一言委員の皆様にお礼を申し上げたいと思います。かねてから経済統制法の基本法である臨時物資需給調整法の一部を改正するという法案が提起せられまして、各委員の方方におかせられましては、現在の日本経済の段階において漸次統制が撤廃されて行き、日本の経済はともかくも戦後五年の間に、一応の安定化への方向をたどつた。こういう状態のものにおきまして、自由経済への移行過程をたどつておりますから、この臨時物資需給調整法がいつまでも存続するということについては、ただいま討論の中にもお言葉がございましたように、御議論があるということはよく了承をいたしておるのでありますが、なお現在、御承知の通りに配給統制、資材統制等におきましては、大体三分の一程度に減少をいたしまして、価格統制におきましては、御承知の通り半数程度のものが残されております。しかしこれも漸次統制を緩和し、撤廃して行くという過程にございますが、皆様も御承知のように、なお九百億程度の価格調整費が残されておりますし、またそのほか食糧等、相当重要な統制が残されておる状態であります。従いまして、この法律の延長をお願いいたしたような次第でございまして、政府といたしましても、できるだけすみやかにかかる法律がなくなるということを希望いたしておるのでありますし、またその実現に努力いたしまする所存でございます。まことに、この法案が提起せられてから各方面から御検討をいただき、かつまた日本経済発展並びに安定のために、この法案を通して御審議をいただきましたことにつきまして、厚くお礼を申し上げる次第でございます。幸いに本日無事通過いたしましたことを、委員各位に対して深くお礼を申し上げる次第でございます。まことにありがとうございました。
#12
○小野瀬委員長 それでは十六日午後一時より事業者団体法に関する小委員会、十七日午後一時より委員会を開会いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後四時四十一分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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