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1949/03/28 第7回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第007回国会 経済安定委員会 第12号
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1949/03/28 第7回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第007回国会 経済安定委員会 第12号

#1
第007回国会 経済安定委員会 第12号
昭和二十五年三月二十八日(火曜日)
    午後二時四分開議
 出席委員
   委員長 小野瀬忠兵衞君
   理事 小川 平二君 理事 志田 義信君
   理事 多田  勇君 理事 永井 英修君
   理事 森   曉君 理事 勝間田清一君
   理事 笹山茂太郎君 理事 米原  昶君
   理事 高倉 定助君
      田中不破三君    南  好雄君
      森山 欽司君
 出席政府委員
        農林政務次官  坂本  實君
        経済安定政務次
        官       西村 久之君
 委員外の出席者
        議     員 小川 半次君
        総理府事務官
        (公正取引委員
        会事務局企画課
        長)      丸山 泰男君
        総理府事務官
        (公正取引委員
        会事務局事業者
        団体課長)   遠山 親文君
 参考人
        (日本中小企業
        連盟常務理事) 稻川 宮雄君
        專  門  員 圓地與四松君
        專  門  員 菅田清治郎君
三月二十七日
 委員永井英修君辞任につき、その補欠として佐
 藤榮作君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十八日
 委員佐藤榮作君辞任につき、その補欠として永
 井英修君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 永井英修君が理事に補欠当選した。
    ―――――――――――――
三月十八日
 労務用物資配給に関する請願(春日正一君外一
 名紹介)(第一六三六号)
同月二十七日
 労務用配給物資に特別価格設定の請願(門司亮
 君紹介)(第一八九五号)
の審査を本委員会に付託された。
同月二十日
 新聞用紙統制撤廃反対の陳情書外三件(熊本県
 八代市松江城町八代商工会議所会頭寺岡理三郎
 外三名)(第六二〇号)
を本委員会に送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 理事の互選
 事業者団体法に関する件
    ―――――――――――――
  請 願
 一 北海道の家庭暖房用炭に特別価格設定の請
   願(柄澤登志子君外一名紹介)(第三七
   五号)
 二 同(岡田春夫君外一名紹介)第)(三七六
   号)
 三 旅館宿泊料金に対する統制撤廃の請願(畠
   山鶴吉君外二名紹介)(第五五五号)
 四 旅館における主食取扱に関する請願(小笠
   原八十美君外二名紹介)(第五五七号)
 五 価格調整公団職員の不当解雇に関する請願
   (土橋一吉君紹介)(第七九四号)
 六 塗料の統制撤廃に関する請願(佐藤榮作君
   紹介)(第九四一号)
 七 国産油脂の統制撤廃に関する請願(佐藤榮
   作君紹介)(第一〇七〇号)
 八 生鮮水産物の統制撤廃に関する請願(小松
   勇次君外二名紹介)(第二四一号)
 九 旅館における主食取扱に関する請願(小川
   半次君紹介)(第一一五八号)
一〇 労務者用配給物資に特別価格設定の請願(
   田島ひで君紹介)(第一三二一号)
一一 労務用物資配給に関する請願(春日正一君
   外一名紹介)(第一六三六号)
  陳情書
 一 まぐろ、ぶりの統制撤廃に関する陳情書(
   盛岡市内丸七十二番地岩手県定置漁業協会
   長山根三右衞門)(第四四号)
 二 新聞用紙統制撤廃反対の陳情書(八代市長
   坂田昌亮)(第五七七号)
 三 同外二件(熊本市長佐藤眞佐男外二名)(
   第五八九号)
 四 新聞用紙統制撤廃反対の陳情書外三件(熊
   本県八代市松江城町八代商工会議所会頭寺
   岡理三郎外三名)(第六二〇号)
    ―――――――――――――
#2
○多田委員長代理 ただいまより会議を開きます。
 この際お諮りいたします。理事永井英修君が昨二十七日委員を辞任されましたので、これより理事の補欠選任をいたしたいと存じますが、前例により委員長に御一任願うことに御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○多田委員長代理 御異議なしと認めます。それでは永井英修君が本二十八日再び委員に選任さましたので、永井英修君を理事に指名いたします。
    ―――――――――――――
#4
○多田委員長代理 なおこの際お諮りいたします。事業者団体法の審議の愼重を期するため、日本中小企業連盟常務理事稻川宮雄氏を参考人として招致いたし、意見を聽取いたしたいと存じますが、御異議ございません。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○多田委員長代理 御異議なしと認めます。なお出席日時については委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○多田委員長代理 御異議なしと認めます。それではちようど稻川常務理事が出席されておりますので、ただいまより参考人として意見を聽取いたすことといたします。稻川さん。
#7
○稻川参考人 豊田会長が出席するはずでございましたが、よんどころない事情がございましたので、私かわつて参りましたことを御了承願いたいと存じます。
 事業者団体法の制定されました際に、私どもといたしましては、これに対しまして、いろいろ希望意見を述べて参りまして、その多くは法律制定の際に取入れていただいておりますので、技術的な面につきましては、特にこの際多く改正を要望するという点は少いのでございますが、事業者団体法全体につきまして、特に中小企業者の観点から、こういう法律を全面的に適用されることが、はたして適当であるかどうかという点につきまして、相当の問題がありますので、それらの点について申し上げたいと存じます。事業者団体法は独占禁止法の補完立法として制定されまして、独占禁止法で足りないところを補うという必要のあることは十分認められますけれども、しかしながらわが国の産業の経営合理化あるいは技術の向上というような面において事業者団体の活動にまつところが少くありません。ことに中小の企業者にとりましては、事業者の団体によつて経営の合理化なり、あるいは技術の向上ということをはかつて行かなければならない面が、非常に多い点から考えまして、この法律の適用につきましては、特に中小企業者に対しましては、考慮をお願いしたいという点があるのでございます。全体の問題といたしまして、第一に要望いたしたいと思いますことは、この法律のうちで、第四條に許容活動が掲げられ、第五條に禁止行為が掲げられておりますが、第五條の禁止行為があればそれで足りるのでありまして、第五條で禁止行為を掲げておりながら、特にまた第四條で制限的に許容活動があるということは、事業者団体の活動を非常に制限することになります。いけない事柄は第五條に禁止行為として書いてあれば足りる。従つて第四條の許容活動というものは、これは単なる例示として掲げられるという程度ならばよろしいかと思いますが、これ以外の行為をしてはならないということになりますと、常非に制限が強化されますので、第四條の取扱いはそういうようにしていただきたいということを希望するものでございます。それから第五條の禁止行為の方におきましても、この禁止が少しきびし過ぎるというような点がございますので、こういう点について改正を要望したいのでございます。たとえば事業者団体が営業用の施設を所有するというようなことを禁止されておりますが、中小業者の団体では、営業用の施設をもつてその所属員のために活動するというようなことが、非常に必要が多いのでございまして、そのためには中小企業等協同組合法という別の法律があつて、その法律に基いて協同事業が行われることには相なつておりますけれども、いろいろな関係によりまして、組合の設立しがたいというような場合もございますので、営業用の施設を所有するというようなことは、その必要性にかんがみましてある程度認められる必要があるのではないかと考えます。それから資金、資材のあつせんというようなことも、中小業者の団体におきましては、相当に必要の場合が多いと考えられますので、資金、資材のあつせん程度はこれを認められるようにお願いしたいのであります。またこの禁止行為の中には、構成員のために集金を行うことというような点まで禁止されておりますが、団体がその構成の仕入れ代金その他を集金いたしまして、団体によつて支拂つて行くということは、その薄弱なる構成員の信用を補うというような意味において非常に必要な場合もございますので、こういうような点はこれを削除していただいても、そんなに弊害が起るものでないというように考える次第でございます。
 それから次の問題といたしましては、この事業者団体の定義として、会社もいけないというようなことになつておりますが、どの程度の会社がいけないということについて、いろいろ疑義を生じますので、この会社につきましては、もし独占行為に当るような場合があつたときには、これは独占禁止法によつて、その事業活動を制限するということで取締れば足りるのではないか。従つて会社までも事業者団体というふうに認めることについては、実際問題上非常にやりにくいということがございますので、これらの点も御考慮願いたいと考えております。
 それから中小の企業者が中小企業等協同組合法によつて組合をつくりました場合に、その連合会は一定の地区を越えました場合には、経済事業が行えないということに相なつております。これは直接事業者団体法の関係ではございませんが、中小業者の集まりました組合が、さらに連合会をつくつて行くということは、個々の小さな組合では十分能率か上げられない場合に、連合会というものの必要が起るわけでございますから、一定の地区を越えました連合会に対しましても、経済活動を認めるようにしていただきたいということを希望するのでございます。
 それから事業者団体法のねらいは、独占行為を禁止するというところにあるのですが、そういう意味からいたしまして、事業者団体がいろいろ取引上の制限をすることを禁止されるのは、これは一面においては当然でございますが、しかしながら中小業者が最近のようなデフレ傾向に向います際には、お互いの濫売ということが相当行われ、あるいは輸出関係におきましては、フロア・プライスの撤廃などによりまして、いわゆるダンピング的な行為さえも現われて来るという危険が相当濃厚でございますので、こういう事柄は独占禁止法によつても、取締り得ることでありますので、むしろ事業者団体におきまして一定の協定をいたしまして、そういう濫売的なこと、あるいはダンピング的なことを防止するという措置を講ずることが、実際問題として必要になつて来るのではないかと考えられます。特に資本力の強いものの濫売を防ぐというような意味からいたしまして、中小企業者の団体においては、ある程度の協定をさせることが、信用を維持し、またダンピングを防止するという面において、必要なる場合がございますので、そういう点を特に御考慮願いたいと考えるのでございます。
 それからこまかい事柄になつて参りますが、第六條の第一項第一号に掲げられていることは、当然のことだと思いますが、この組合法が廃止されまして、新しく中小企業等協同組合法になつたわけでございますが、中小企業等協同組合は、御承知の通り中小規模の事業者のつくる団体でありまして、その組合員の規模にも一定の制限がございまして、独占禁止法第二十四條に該当する組合として法律が制定された関係がありますので、第六條第一項第一号にあります中小企業等協同組合法は、これ農業協同組合法あるいは消費生活協同組合法と同じく、第二号の方に移していただくことが適当ではないかと考える次第でございます。
 非常に簡単でございますが、希望意見として考えております点は、大体以上の通りでございます。
#8
○多田委員長代理 ただいまの稲川さんの御意見に対しまして、公正取引委員会の方から御見解をお述べ願いたいと思います。
#9
○丸山説明員 お答え申し上げます。ただいまの団体法改正に関する御意見につきましては、当委員会といたしまして別に立法をつかさどつておるわけではございませんので、この点に関して特にどうこうという御意見を申し上げる立場にはないわけでございますが、ただいま御指摘になりました点につきまして、一応検討の余地があるという意味におきまして若干御説明申し上げたいと思います。
 まず第一に四條の許容活動が制限的になつておつて、それ以外はできないという形は不適当であるという御意見でございます。この点につきましては、公正取引委員会におきましても相当検討を加えた点でございまして、この団体法の建前が四條において許容活動の範囲を明示し、五條において禁止行為を列挙すという形になつておるのでございまして、この四條と五條との中間が認可制度という建前をとつておるのであります。こういう許容活動と禁止行為という二本建を法律の中にうたつている例は、あまりほかの法律に見ないのでありますけれども、要するに四條がつくられた趣旨というのは、積極的にやつていい活動を明示するという意味と、それから先ほど申し上げた五條の禁止行為以外で、なお押えたいという面を認可制度でチエツクして行くという一つの面から四條が置かれているわけでございまして、この点四條を例示に改めた方がいいという御意見は、私どもすでにしばしば委員会の方で伺つておるのでありまして、この点についてはそういう認可制度という形の上で、いろいろきゆうくつな点もあるので、研究の余地があろうと考えております。
    〔多田委員長代理退席、南委員長代理着席〕
 次に禁止行為があまりにきびし過ぎるという御意見であります。ことに事業団体というものが独占とか競争を制限するという弊害を惹起する素地になるといいますか、そういう意味から、常業活動とか、先ほど御指摘かありました集金を禁止するとか、予防的な規定が相当第五條に上つているのであります。要するにその趣旨は、そういう事業者団体が商売をやることを通じて競争制限とか、独占になる可能性があるというので、これらを予防的に禁止しておるわけであります。しかしながら中小企業の問題については、必ずしも独占とか競争制限にならないのでありまして、これらについては先ほど御指摘がありましたように、中小企業等協同組合法の中で、これらが団体法の適用除外をされるという建前をとつておるのでありまして、協同組合の形で行けば、こういう営業用の施設を所有したり、または営業に従事したり、組合員のために仕入れ代金の集金をするということも可能なわけであります。ただ問題の点は、組合を結成することがいろいろな事情で困難であつて、会社形態で行かなければならないという点がある。この点もよく私どもも承知しておる点でありまして、協同組合の形ではなくて、会社で中小企業の組織的な合理化をはかつて行くという必要性も十分にわかるのであります。団体法の建前からは、たとい会社形態でも事業者団体に該当すれば、営業行為を禁止されるという建前になつておるのでありますので、この点も研究の余地があろうかと考えております。もちろんこれは中小企業と同じ規模のものが、会社形態をつくる場合でありまして、大きな会社が会社形態を通じて、営業なり何なりをやつて行くということは、団体法なり独禁法の建前から非常に困難ではないかと考えております。
 次に連合会の業務内容が制限されるというお話でありますが、これは団体法改正の問題とは直接には関係のない問題でありまして、むしろ中小企業等協同組合法の関係の問題ではないかと考えております。
 それから中小企業等協同組合の適用除外が第六條の第一号に上つておりまして、これを第二号にまわすべきではないかという御意見でございましたが、これは第一号と第二号の違いは、第一号は独禁法の二十四條各号に掲げる要件をそなえた場合にのみ適用除外になる。二の方は特にそういうことをうたつておらないのであります。これは單に形式の問題でありまして、農業協同組合については、二十四條各号の要件ということは特にうたつてはありませんが、実質的には、これは一般の農民がつくる協同組合でありまして、常時従業員が百人を越えるということはあり得ないのでありまして実質上、二十四條各号の要件をそなえており、また組合法の中でも、二十四條のほかの要件、たとえば議決権の平等とか、剰余金の分配が、定款で制限を定められておるとか、そういうことを協同組合の中に、実質的に保障されておりますので、特に二号にまわしてあるわけであります。その他につきましては、すべて特殊の業態における団体のみをはずしておるのであります。従いまして一号に上つているということは、必ずしも実質的には大した問題ではないのではないか、こう考えるわけであります。以上お答えいたします。
    〔南委員長代理退席、小川委員長代理満席〕
#10
○稻川参考人 先ほど申し上げました中に、一つ申し落しましたので、つけ加えさしていただきたいと思います。事業者団体法の適用を受けまする事業者団体の数は、非常に多いわけでありますので、その取締りを徹底するということは、きわめて困難であると私ども考えます。しかしながらその違反行為を犯しました一部の団体に対しましてその摘発があるという現状で、多くのものはこの法律違反行為がありましても、見のがされているという事例がきわめて多いのでございます。つまりたまたまそういう違反行為が見つかつたものが問題になりまして、その他のものはのがれておるということは、法の権威を失墜することにもなります。また正直者がばかを見るというような結果にもなりますので、私どもはこの事業者団体法というものは、今日のわが国の経済界、特に中小企業の面から見まして、こういうきびしい法は適当でないという考えを持つておりますけれども、いやしくも法律としてできました以上は、その取締りは徹底して行つていただきませんと、一部のものがその適用を受け、他のものはそれを免れているというようなケースが、非常に多いのでありますので、取締りをするならば、徹底的にしていただきたいということを考えるわけでございます。
#11
○多田委員 稻川さんにお伺いしたいのですが、最近金融が非常に詰つて来ているというような関係と、今一つは、中小企業に対する信用状態が悪くなつて来ているというような経済的な理由から、協同組合に対する金融に対して、ある程度金融機関が融資を引締めて来ているという傾向があるように聞いております。そのために協同組合でなしに、会社組織で中小企業者が一つのかたまりを持つという傾向が、最近あるようなふうに聞いておりますが、そういつた実情がおわかりでしたら、お話し願いたいと思います。
#12
○稻川参考人 中小企業等協同組合は御承知のように、組合員の加入脱退が自由ということになつておりますので、随時組合員が脱退して参りますと、その資本の総額が減つて参りまして、会社のように資本金が確定しておりませんので、債権者の方から見ますと、出資一口の金額の減少というような場合には、債権者保護に関する嚴重な手続がありますけれども、出資口数を減らすとか、あるいは組合員が脱退するというような場合には、債権者保護に関する手続なくして、担保力であるところの出資金が減少するということがございますので、銀行その他の融資方面から見ますと、非常に組合はその点において不安定であるということが言い得るのであります。そういう点から、組合よりは、むしろ資本金の確定している会社の方がよろしいということを、銀行当局でも言つている方面があります。これに対しましては私どもは、この加入脱退の自由という原則を曲げることは、組合の民主性から見て適当ではありませんので、その弊害といいますか、欠陷は、これは組合制度から見て、やむを得ないと考えておりますが、ただ一つ希望として申し上げたいことは、今度の中小企業等協同組合法においては、組合員の脱退の場合のみならず、組合員でありながら、その出資口数を随時減少することができるという新しい規定が入つているのでありますが、この規定はぜひとも削除していただきたい。つまり脱退の場合はやむを得ませんが、出資口数を減少することは、従来の組合法にはなかつた点でありますので、組合の信用力から申しましてそうい点はぜひとも削除していただきたいというふうに考えております。なおただいま組合よりは会社の方が資本が確定していいという意見が、銀行方面にありますけれども、これはまた一面確かにその通りでございますが、しかしながら組合に対しましては特に商工組合中央金庫という專門の金融機関がありまして、最近においては中央金庫の資本力も相当に強化され、中央金庫は組合でなければ融資できない、会社に対しては融資しないという点がございますので、中央金庫の制度をよく認識し、この制度をよく活用して参りますならば、むしろ会社よりは組合の方がよろしい。こういう面もありますので、先ほど御指摘の組合の欠陷は欠陷といたしまして、別に中央金庫というものを強化していただき、かつこれを活用するという線で参りますならば、かえつて会社よりも組合の方がよくはないか、こういうふうに私どもは考えておる次第でございます。
#13
○多田委員 その次に中小企業者が受けるところの団体法の制約の面で、非常に大きな問題があるように聞いておりますが、中小企業連盟でそういつた調査をされておるわけでございますか。もしそういつた調査があるとするならば、団体法のために非常に支障を生じておるという実例をお話願いたいと思います。
#14
○稻川参考人 事業者団体法によつて具体的にどういうさしつかえを生じておるかということにつきまして特に私の方で調査したものはございませんが、最近公正取引委員会の方において、問題になつておりまするものとして伺つておりますのは、大阪の紙の二次製品の業者の工業会、あるいは宇都宮の青果の食品商業協同組合あるいは山梨県の菓子の商業協同組合と商工協同組合の連合会の関係、また大阪の砂糖の荷受卸商業組合、あるいは大阪の総合食品の株式会社というような、主として中小業者のいわゆる事業者団体につきまして問題が起つておるように聞えておるのでございますが、全体として考えますると、中小業者が団体をつくりまして、それが全国的な団体にまとまつておるわけでございますが、こういう団体が今までのような経済活動、あるいは集金いたしまして共同して代金を支拂うということができなくなりますために、そういつた団体の力が非常に弱まつて来ておる。団体の力があまり弱くなるということは、一面ボス的な勢力を養成するということになりますけれども、先ほど申しましたように、中小業者はどうしても団結をいたしまして、それがさらに全体にまとまつて参りませんと、強い力になつて参りませんので、そういう点は中小企業等協同組合法がありますから、これによつてもちろん埋合せて行くわけでございますが、その中小企業等協同組合におきましても、全国的な関係においては経済事業もできない、こういうような関係がありますし、またさつそくには協同組合ができない。協同組合は出資も必要でありますし、登記も必要である、いろいろな手続が必要でありますので、さつそくにはできないというような場合もありまして、その結果中小業者の団体が非常に弱くなり、中小業者の発言力が弱まつておるという例が非常に多くなつておる。統計とかあるいは資料としては持合せがございませんが、全体の傾向として事業者団体が非常に弱まつておるために中小業者の発言力が非常に弱くなつたということは言い得ると考えております。
#15
○多田委員 具体的な実例がもし団体の構成の中あるいはその他の関係でございましたら、書類をもつて御提出願つたら仕合せだと思います。
    ―――――――――――――
#16
○小川委員長代理 これより本委員会に付託されました請願の審査に入ります。本日審査予定の請願は十一件でありますが、まず日程第九、旅館における主食取扱いに関する請願を議題に供し、紹介議員の紹介説明を求めます。小川半次君。
#17
○小川半次君 現行の飲食営業臨時規整法によりますと、旅客が旅館に対して直接主食を持ち込むことができないことになつております。すべて外食券をもつて取扱うということになつておるのでありますが、たとえば農村地方の人であるとか、あるいは急に旅行に出なければならなくなつた人たちなどは、一旦主食を食糧公団に持ち込みまして、そうしてそれと引きかえに外食券をもらつて旅行に出るのですが、米を納めて外食券をもらつたその旅客が、その旅先であいにくいもを配給しておつたりあるいはパンを配給しておつたりする場合に出くわすこともあつて、非常に不都合や不便を生じておるのであります。現に過般農村の小学校の子供たちが、それぞれわずか一人三合か四合ずつ米を持つて旅行に来たところが、旅館において米を扱うことができない。それは一応食糧公団に納めて外食券を持つて来なければならぬというような事態も起つたりしておりまして、全国的に見て非常に不便を生じておりますから、少くとも旅客に対しては、旅館において主食を持ち込むことができるという制度に、改正することが妥当ではないかと思うのであります。私も大体全国的に、相当それがために不便があり、あるいは不都合を生じておるという事件が続出をしておりますから、この際ぜひこれの改正をお願いするものであります。
 大体以上御説明申し上げまして、委員各位によろしくおとりはからいをお願いいたします。
    〔小川委員長代理退席、多田委員長代理着席〕
#18
○多田委員長代理 政府の答弁は一括して願うことにいたしまして、次に引続き日程第三、第六ないし第八を一括議題に供し、紹介議員の紹介説明を求めます。
#19
○小川(平)委員 それでは紹介議員が御出席になつておりませんので、私が代理で請願の趣旨を説明申し上げます。
 旅館宿泊料金に対する統制撤廃の請願、旅館の宿泊料金は昭和十七年に統制されて今日なお継続いたしておるのでありますが、宿泊料金算定の基調をなすものは、すこぶる複雑多岐にわたつておりますので、これをむりに一定のわくにあてはめてすべてに敷衍する料金を設定することは至難であるばかりでなく、かりに一つの基準を算定するとしても、これははなはだしく実情と遊離したものになるおそれが多分にあるのであります。たとえば客室についてみましても、調度品、寝具類等はもとより、その施設用材等に優劣があり、客室をめぐる庭園の有無、ありとすれば造園の手法等をも考え合せると実に千差万別で、これをその疊数のみによつて一律に評価することは何ら意味をなさない結果を生じがちなのであります。建物全体から見ましてもその構造、資材、所在地の地価、ロビー、娯楽室、広間等の有無及びそれらの総建坪に対して占める面積比率等を総合勘案するとき、単に総建坪によつて全体を律しようとする原価計算は、これまた著しく適切を欠くことになるわけであります。一方食事について見れば什器、食事材料等の吟味いかんによつて、その価値に著しい差異を生じ、單に品種、品数、一品等の量目等をもつてして、同列に律することは不可能と言わざるを得ません。特に御関心を煩わしたいことは、旅館にあつては人によるサービスが旅客接遇の良否を決するのに大きな役割を勤めておることでありまして、このサービスなるものはとうてい金銭に換算して評価できないものであります。かかる旅館営業の実態に対し、均一料金をもつて統制しようとすれば、はなはだしいむりを伴い、ひいてそのことが統制を守り、またはこれを取締る上に困難を来しつつあることは、これまでの統制の実績によつて看取し得るところであります。また最近は旅館業に関係深い生鮮食料品を初め、木綿類を除く繊維品、障子紙、疊その他の物資で統制を撤廃されたものが多く、ひいてこれらの資材に依存し、その原価計算によつて算定される宿泊料金は、必然的にその統制も廃止さるべきものと信じます。元来宿泊料金なるものは、一般国民の日常生活から見れば、その生計費に影響する度合いは他のものに比べてはなはだしく重要度は低く、またそれが一般物価に及ぼす影響も、ほとんどないと言つてもよいと思われます。現在は旅客は旅行先において、自由に各自の好む旅館を選択し得る状態にありますので、かりに自由料金制度が実施せられても、旅館は社会通念上妥当と認められる料金によつて常業しなければ、自滅の道をたどるほかはないのであります。よつて統制撤廃後における料金の暴騰のごときは、少しも懸念する必要がないばかりでなく、むしろ業者相互の競争心を刺激して、でき得る限り料金の低下に努め、もつて旅客に不用の散財を避けさせて、永続性ある愛顧をかち得ようとするため、食糧消費の面においても、かえつて好結果を得られることが期待されます。なお自由料金は業者各自の創意と熱意とを刺激して、自己の業態の特色発揮に努める結果、旅客に対するサービスを向上し、ひいて業界の向上に資する点もすこぶる大きいことを確信するのであります。以上の事由により、宿泊料金の統制撤廃につき、特に御詮議を賜わりたくお願い申し上げます。
 次に「旅館における主食取扱に関する請願」であります。旅館における主食の取扱いについては、飲食営業臨時規整法の定めるところによつておりますが、同法施行後現在まで約七箇月間の実績を見るに、旅行者に対し左の通り不便を與えており、業界においてもはなはだしく苦痛を感じております。よつて同法第五條に携帶主食の旅館における委託加工を認められて、同法の目的とする国民生活の明朗化を現実化できるよう特別の御詮議を仰ぎたくお願い申し上げます。一、旅行者側1、緊急旅行者、予期しない事故または緊急の商用等が突発し、外食券を入手するいとまがなくて旅行しなければならぬ場合、主食を携帯しても旅館で加工を受けることができず、そのために憂き目にあうことになります。2、保有米所有者、保有米所有者は外食券に相当する米と引きかえねばならぬのでありますが、その手続煩雑の上に外食券による現場での配給は米に限られないので、本人には不利となる場合を生じます。3、短期日程旅行者、外食券は十枚を單位としておりますので、二食または三食等の少数外食券を必要とする短期旅行者も、十枚單位の外食券を入手しなければならぬのであり、残余のものは現物と引きかえの方途ができていても、その手続は煩瑣であり、時間の浪費ともなります。二、旅館側、1、旅行者に対する外食券制度は前号に記述の通り種々不便を與えますので、これを利用しない者が多く、その反面旅館としては在来の顧客、緊急旅行者等に対して、外食券を持たないのを理由にして、一切の食事を提供しないのは情において忍び得ないものがあります。2、手続の煩瑣、旅館業者は毎月市区町村長により、外食券数の確認を受け、地方長官に報告することになつておりますが、その手続はきわめて繁雑であり、少からず時間を空費いたします。また当該期間中の外食券回収予定数の修正を申請すると、一応許可を取消され、あらためて許可を受けねばならぬという煩瑣手続かあり、なおその際は新たに手数料を徴収せられます。以上であります。
 次に塗料の統制廃止に関する請願、戰後のわが国経済界の混乱を防ぎ、重要物資の需給を調整するために、従来各般諸物費の統制が実施され、塗料もまた指定生産資材としてその一に加えられて、生産復興、経済安定施策の一環として、その効果をあげて参りました。しかし今や従来重点産業と目された部門の有効需要の減退及び従来塗料の配分を受け得なかつた潜在需要部門の需要の切実さ等は、塗料の統制を続けることの不合理を示しつつありますので、この際塗料の統制を全般的に廃止する措置を至急おとりくださるよう、左に理由をあげてお願いする次第でございます。
 一、重点産業部門の需要はすでに充足されつつある。経済安定本部の調査によると、わが国の塗料需要量は、年間約十一万トンでございますが、これに対して塗料の生産量は二十二年度一万三千トン、二十三年度二万七十トン、二十四年度計画生産量四万五千トンと逐年増加して昭和五―九年の平均年間生産量四万一千トンを上まわる状態になりました。ことに本年は一部塗料の統制が廃止されましたので、合成原料その他による新しい塗料も自由に製造販売ができるようになりましたので、実際の供給量は右の計画生産量を上まわり得る状況にございます。しかるに一方塗料の需要は輸出の減少、政府計画の中止、重点産業部門の金融難等のために低下して参りました。現に需要者団体に依頼して調査した報告によつても、すでに需要が充足されているものが少くありません。このように重点産業部門の有効需要が減退して、その部門の需要は充足に近い状況に達して来たのにもかかわらず、潜在零細需要部門は塗料入手の道なく、塗料を必要とする中小企業の復興と、塗装美化による国民生活の明朗化を阻害しています。建築物を始め、塗料を最終の仕上げに必要とする需要部門の所要資材がほとんど統制を解除された今日、塗料の統制を廃止して塗料を必要とするあらゆる部門に、塗料入手の道を開くことは最も必要であり、またこれによつて重点産業部門の塗料に対する需要充足を阻害することはないと存じます。
 二、市場価格の上昇の憂えはない。昨年までは塗料の市場価格は、常に統制額を上まわつておりましたが、今日では第一表のごとくに下まわつたものが多い状態にあるのでございます。たとえば調合ペイント白亜鉛B、九月三十日現在三千八百四十円であります。現行の統制額が二千九百九十九円であります。また従来市場価格が公定価格に比較して、著しく高かつた白系統の塗料も第二表のごとく逐年低下して、現在では公定価格と同じになつております。たとえば調合ペイント白、二十三年の七月に三・八、これが二十四年の十月には一・二となつております。
 さらにマル進、マル鉄、マル輸向け塗料の価格は、入札制並びに予約制の結果極端にマル公を下まわりつつあり、従つて一般市場価格も右の価格に準じて低下する傾向にありますので、今日ではマル公制定の意義を失つて参りました。
 三、統制の廃止は塗料工業の合理化及び集中生産を阻害しない。現行の統制様式、すなわち予約注文票の収集量による集中生産方式は、十分に公正な競争と需要者の選択性とを反映しないで、むしろ製造業者と需要者との間にある販売業者の商策及び政治力、または供給者と需要者との事務担当者間における正常ならざる因果関係を、反映する結果にすぎないものが少くありません。統制を廃止した場合においても、もちろん右のようなことは起り得るでありましようが、時間的、地域的及び法的制約から解放された自由競争場裡にあつては、各業者が分に応じた力一ぱいの技術上及び営業上の競争をなすことによつて、優勝劣敗は赤裸々に仮借なく現われ、塗料工業の合理化と集中生産とは、統制下におけるよりも一層促進されることは、すでに統制を廃止されたラツカー、酒精・ニス業者の例から見ても明らかであります。
 四、統制廃止の利点。1、需要者はその希望する品質の塗料を買うことができ、かつ塗料の品質向上を促進する。2、所要の数量を希望するときにいつでも買うことができ、塗料の利用効率をあけるとともに、金融を緩和することができる。
 五、塗料の統制廃止後の措置。以上述べた理由によつて塗料は指定生産資材としての配給統制も、また価格統制もこれを廃止していただきたいと思います。但し塗料の統制廃止後の措置として二、三考えておくべき点があると考えますので、それらについての意見を次に述べます。
 1、原料の統制について。塗料の原料は百三十種の多きに上つておりますが、それらの統制は逐次廃止されて、現在では十八品目程度に減りました。統制を廃止された原料は二、三の例外を除き、いずれも自由競争の結果。合理化を促進されて、供給量の増加と価格の低下とをもたらし、塗料の生産高揚に資しています。従つて国産の塗料原料については、全面的に統制の撤廃を希望します。特に油脂については国産油脂の全面的統制の解除を希望します。先般とられたごとき国産油脂の部分的統制解除の措置は、統制の効果と意義を減殺するのみでありますので、この際思い切つて全面的に統制を解除される方が適切であり、望ましいと思います。次に輸入油脂については工業用油脂を食用油脂と切り離し、輸入工業用油脂の統制を解除して自然流通の原則に基く塗料工業の合理化と自立を促進するように措置されたく、特に希望します。
 2、重点産業部門の塗料需要について。全面的に塗料の統制を撤廃しても造船、車両、電気器械等重点産業部門の塗料需要の充足には支障ないと思いますが、もしそれらの有効需要が激増した場合に対する不安があるとするならば、これら部門向けの所要原料だけを保留しておき、マル進、マル輪、マル鉄用塗料の場合と同様に、契約成立量に応じて、契約者に所定原単位に応じて資材を割当てることにすればよいと思います。
 以上塗料の統制撤廃要望の理由及び統制廃止後の統制輸入原料に対する措置についての意見を申し述べました。何とぞ右事情御了承の上、一日も早く塗料の統制廃止方御高配賜わりたくお願い申し上げます。
 次は国産油脂の統制解除お願いの件。輸入油脂の民間貿易移譲及び油糧配給公団の存廃問題等を機に、関係諸方面で国産油脂の統制廃止問題が真剣に研究討議された結果、現在では国産油脂のうち数品目は従前通り統制を続行される方針のように漏れ聞いております。もちろんこれは食料油脂及び肥料としての搾油かす等の関係を勘案された愼重な御考慮によるものとは存じますが、われわれ油脂を主要原料とする塗料製造業者の立場からは、次の理由により部分的統制存続は反対で、この際全面的な国産油脂の統制解除を希望するものでございます。
 一、部分的統制は統制の効果を減殺するのみで無意味である。
 二、統制を撤廃すれば生産量は増加する。
 三、統制解除によつて未利用油脂の増産が促進される。
 四、統制を撤廃しても油脂価格は上らない。
 五、国産油脂の統制撤廃は企業の合理化を促進する。
 以上述べました通り、塗料工業界は国産油脂統制解除を切実に希望するものでありますので、これが実現にすみやかなる措置を講じられるようお願い申し上げます。
 次に生鮮水産物の統制撤廃に関する請願。生鮮水産物の配給統制は昭和二十一年四月以来実施せられ、今日相当の成果をあげて参つたのであります。まず第一に統制の強化により、当初相当氾濫したやみ魚は最近に至り漸次その影をひそめ、生産量の増加と相まつて公債との差も僅少になつて来たのであります。由来日本国民蛋白質の補給源は、四面海に囲まれたる国土の特異性よりして、海産性魚族に負うところ多く、終戦後特にこれが確保については、強く要請せられて参つたのであります。最近国民経済もようやく安定し来り、国民生活水準もまた昔に返りつつある現状でありまして、蛋白質補給源は、ただ單に魚族のみでなく、畜産物その他多様面より攝取し得るようになつたことが考えられるのであります。次にこの統制実施中、生産漁民の犠牲はまことに大なるものがあるのでありますが、漁業はその時期により、潮流により、あるいは天候等の自然の交配を受けること多く、従つてその漁獲生産量は実に不安定であります。他面これに要する資材は常に絶対量が必要なのでありますが、統制強化により末端販売価格は常に公債の厳守を余儀なくされ、ために漁期においては相当経営に困難をきわめて来たのであります。敍上の理由により、魚類配給統制のすみやかに全面的撤廃が実現するなれば、業者の生産意欲を高揚し、業界をいよいよ明朗化し、また活況をもたらすものと確信するものであります。何とぞ現下の事情をとくと御賢察の上、願意達成相なりたくつつしんで懇願いたします。
#20
○多田委員長代理 それではただいま紹介議員から御説明がありました日程第三、第四及び第六ないし第九について、政府の意見を伺います。
#21
○西村(久)政府委員 政府の所見を簡単に申し述べてみたいと思います。請願がすこぶる多岐にわたつておりまするので、一々これにお答えするの煩瑣を避けたいと存じまするが、請願の御趣意に対しましては、御趣意に沿うように政府といたしまして努力いたしたいと考えております。各案件ともに請願の御趣意は了承いたしまするが、ただ請願の中にお述べになりました油脂の一部の統制をすみやかに撤廃する、こういうふうな案件につきましては、撤廃することに努力はいたしておりまするけれども、需給関係その他の諸情勢のもとにおかれまして、統制の撤廃が多少時間的に延びるという点は、御了承置きを願いたいと存ずるのであります。
 生鮮水産物の統制撤廃等に関しましても、すでに御了承の通り、四月一日から全面的にこれを撤廃するという方針をとつておるのであります。簡單でありますが、この程度で御了承願います。
#22
○小川委員長代理 引続き日程第一、第二、第一〇及び第二を一括して議題に供し、紹介局員の紹介説明を求めます。米原君。
#23
○米原委員 紹介議員が来ておりませんので、かわつて紹介します。
 第一が北海道の家庭暖房用炭に特別価格設定の請願であります。請願者は北海道労働組合会議議長長山田長吉君。紹介議員は柄澤登志子君と土橋一吉君であります。請願の、要旨を簡單に申しますと、北海道は冬期使用する暖房用石炭は、生活上必要欠くことのできないものになつており、これを欠くならば、主食を欠くよりもさらに悲惨な状態を引き起すのである。しかるに現在の給典べースには、この石炭代が含まれていないので、毎年のように石炭代の要求をめぐつて問題が生じておる。寒冷地給制度とともに、石炭手当の支給は一日も早く制度化しなければならないというのが、北海道の全官公吏の心情である。それはそれとして本年度の石炭手当について、さきに決定された所帯主三トン八千百円、独身者一トン二千七百円ではとうてい冬期使用する暖房炭を手配することはできない。そのために非常な生活不安を生じておる。そこで請願の要旨でありますが、要するに石炭の一般価格が北海道民にそのままこういう場合適用されているので、購入できないところに悲惨な事態を引起す原因がある。そこでさきに特殊産業に対して低廉な特殊価格を適用したことがある事実にかんがみましてこの際北海道の家庭用暖厨房炭の価格にもこういう特殊価格を適用されたいというのがこの請願の趣旨であります。こまかい資料がついておりますがこれは略します。
 それから次に日程第二も同じ趣旨の、北海道の家庭暖房用炭に特別価格設定の請願であります。これは北海道の全日通労働組合北海道地区本部、全日本金属鉱山労働組合連合会の北海道地方連合会、全逓信労働組合北海道地区本部、北海道農業団体労働組合、国鉄労働組合札幌支部、国鉄労働組合札幌中央支部、北海道庁職員労働組合、日本炭鉱労働組合連合会北海道支部、これらの各労働組合口が連名で請願したものでありまして、趣旨はただいまのとまつたく同様のものであります。
 第三に、労働者州配給物資に特別価格設定の請願であります。この請願人は名古屋市の全日本金属産業労働組合協議会東海支部の小寺徳夫君であります。紹介議員は田島ひで君で、請願の要旨を申し上げますと、現行の労務物資に対し特別価格を設け、即時実施するよう請願するというのでありまして、理由は、現在の賃金ベースにおいては、労務用配給物資―主食、衣類その他すら受けることができぬ者が相当多数あるので、このことは労働者の家計のいかに苦しいかを如実に物語つている。
 第二に、民間企業においては、福利施設の大幅な削減、厚生施設の打切り等により、実質賃金はますます低下しつつあります。かかる窮状を打開する手段として、労務者用配給物資に特別価格を設けることにより生活安定の一助としたい。これが理由であります。
 それから第四に、労務用物資配給に関する請願であります。この請願者は、日本自治団体労働組合総連合の委員長である信近高雄君であります。紹介議員は春日正一君、立花敏男君であります。請願の趣旨を申し上げますと、労働者の実質賃金としての労務用物資は、労働條件に従つて公平に分配さるべきであり、これが受配の権利は労働者にあるのである。ところが現行のこの物資の扱い方を見ると、労務用物資の上述の性格が曲げられて報奨的に、または滞貨整理の一手段に使われておると見られるようなところもあり、下部配給機構においても、この誤りに基く不明朗な事件が起り、労働者の非難を買つている幾多の事実もある。従つてこれらの不合理を除去して、現段階においても労務用物資の果すべき性格を正しく確立するために次の諸点を実施されたい。
 第一が労務用物資の特別価格の設定、現在労務用物資として割当てられているものは、一般の高物価と同率のものであり、低賃金により、しかも労務用物資を必要とする部門に労働している労働者においては、その必要條件を満たす能力はまつたくゼロである。せつかく配分されても購入することもできず、終日ボロをまとつて、食事も欠食しつつ、強度の労働に服するの余儀ない状態になつておる。こういう意味で労務用物資の本来の性格が生かされてない。従つて当然の措置として労働者が買えるような低廉の価格を設定すべきである。これが第一であります。
 第二に分配の公平並びに職種に適合するように品種を割当ててもらいたいというのであります。現在物資の分配は政府の方針に基く重点産業に対するウエートによる配分方式が行われており、同一の業種、職種にありながら、受配する者と受配し得ない者があるという矛盾を示しているので、この方式は根本的に労務用物資の性格を踏みにじつているものである。これを早急に改革してもらいたい。そして公平に労働條件の質に従つて分配されたい。なお配給される品種が画一的であつて、受入れる側においてせつかくの物資が有効に利用し得ぬという不都合があると同時に、生産過程において、低下せる品質を生産し、これもまた用を満たし得ぬ不都合をも生ぜしめている。従つてこれが不都合を排除すべく画一的生産方式を変更さるべきであり、現地現物化、労働者による生産業者の指定、それがための原料配給措置等がとらるべきである。
 第三に労務用物資を増してもらいたいということでありますが、労務用物資を扱うにあたつての基礎として、この物資の必要量の確保、原材料の増加がはからるべきである。最近では統制の撤廃が次々に行われ、実質的に一般消費物資の方に移行せんとする現状であるが、こういう状態では実のところは労働者としては絶対に反対を叫ばざるを得ない点がある。この点についてもつと考慮してもらいたい。
 それから第四に、これを実際にうまく配給するための民主的な協議会を設置されたいというのであります。労働者のためにされる物資の配給でありますが、扱いの完全を期するために、労働者側の代表を主体としたところの協議会が設立されて、これが今までの不合理かつ非民主的な措置を除去するように、全国の労働組合によつて構成された労務用物資全国協議会の会議によつて、こういう協議会をつくられるようにしてほしい。これが請願の趣旨であります。
#24
○多田委員長代理 それではただいま共産党の米原委員より御説明の日程第一、第二、第一〇、第一一の各請願に対する政府側の意見を求めます。
#25
○西村(久)政府委員 ただいまお述べになりました日程第一、第二の北海道の家庭暖房用炭に対します特別価格を設定してもらいたいという請願につきましては、御承知の通り、今日石炭に対する統制を撤廃いたしておるのであります。この際特別価格を設定するということはすこぶるむずかしいと考えておるのであります。
 日程第一〇の労務者用の配給物資に対し特別価格を設定してもらいたい、すなわちマル労価格とでも申しますか、特別の価格をつくつてもらいたいという御希望の請願につきましても、今日の段階におきましては、マル労価格をつくるということはすこぶる難事と政府は考えております。
 日程第一一の労務用物資配給に関する請願の御趣旨に対しましては、ごもつともの点か多々あるようでありますから、でき得る限り請願者の趣旨を尊重して進みたい、かように考えます。
#26
○多田委員長代理 質問がございましたら御発言を願います。
#27
○勝間田委員 西村政務次官に御質問したいと思いますが、今北海道の暖房用炭についてのお話がございましたが、この前私が増田官房長官に予算委員会で質問したときに、人事院の勧告に基いていわゆる石炭手当というものを出しておるのであるが、トン当りたとえば二千七百円というようなことであつては、これはとても確保できない。そこで一体人事院の勧告を金銭と見るのか、石炭三トンが必要と見るのか、そこをはつきりしなければいけない。石炭三トンということであれば、石炭三トン分の手当を出すべきである。そうでなくて若干の金子を出せばいいのだという解釈であれば、あるいは二千七百円でけつこうであるかもしれない。一体どちらに中心があるのか。こういうことをお尋ねしたところが確かに三トンという数量確保が、やはり勧告の精神であると考えておる。こういう話であるわけです。従つて三トンという数量を確保するということでありますれば、それに必要な金額を予算上考えるなり、あるいは今請願のあつたような特別な価格を形成して、三トンを確保するなり、いずれにいたしてもそこに数量確保ということが中心にならなければならぬ。それが石炭を購入するための手当である。こういうことになろうかと私は思いますが、これについて政府はもう態度は決定しておるのではないかと思いますが、その点について確定したことがございましたならば、この際お話を願いたいと思います。
#28
○西村(久)政府委員 勝間田委員にお答え申し上げますが、先ほど申しました通り、石炭に対する統制を撤廃しておるのでありまして各家庭において三トンを標準の消費量としてお使いになるという関係が裏づけされるとなりましても、それに対して政府の方でとかくの価格をきめ込んで行くというようなことは考えていないのでありまするから、価格が高くなつたり安くなつたりするのは自由の立場において操作を願う、こういうことに御解釈を願い、たいと存じます。
#29
○勝間田委員 価格の方は変動があり、数量の方は勧告に基いて確保せなければならないということになつて来ると、やはりそこに予算の弾力性というものがなければ、確保できないことになつて来るだろうと私は思うのです。そこで今のお話でありますと、今までの二千七百円とか幾らとかきまつておる数字の金額を、行政措置で動かさない限りにおいては、現在約束したようなことは実行できないことになろうかと思うのでありますが、その点についてのお考えがもしおわかりでございましたら、はつきりしていただきたいと思います。
#30
○西村(久)政府委員 先ほども申しました通りに、石炭の統制を撤廃いたしておりまするから、炭価が今後上向きになつたり、あるいは下向きになつたりするのは、これは消費者の購買力と申しまするか、そういうふうな点で、物価の上下があることになるのであります。統制を撤廃いたしました後、どの値段でどういうふうに政府の方できめるということは、すこぶるむずかしいことであろうと考えるのであります。従いましてもし政府の方で価格をきめまして、統制を解除したものに当るということになりますると、最近御承知の通り報奨物資等の価格が、マル公が上になつて、実際の価格は下になるというようないろいろな関係等が伴うて参りまするので、政府といたしましては、特別価格を設定するということは好ましくないと、かように考えるわけであります。
#31
○勝間田委員 いや、質問の点が混同されているように思うのですが、価格が変動するということは、西村政府委員の答弁でよくわかつたのでありますが、価格に手をつけられないとなれば、数量確保という精神にのつとる限りにおいては、予算に計上してある二千七百円の問題は調整して行かないと、実際上の石炭手当になつて行かないということになるので、今きまつている二千七百円等の予算を行政措置というようなことで、実際の支給をふやしてやるということか行われなければならぬはずだと私は思う。すなわち一ペンに価格がきまる。変動的であり、他面において数量がきまつておるということであつて、しかも予算が内輪に切られておるということであれば、予算と数量と価格という問題をどう調整して行くか、これが問題だろうと私は思つております。これに対する御説明を願いたい。
#32
○西村(久)政府委員 お話の点はごもつともであります。価格がずつと上つて参りますれば予算的措置として、御案内の通り予算を増額しなければならないことになりますし、下つて参りますれば予算に剰余を生じて来ることに相なると思うのであります。
#33
○米原委員 ただいま勝間田君の御質問の点は明確になつたと思いますが、同様な趣旨からいつて石炭の場合、それから第三番目の請願の労務用物寮の問題につきましても、政府の言つておられる実質賃金の向上という点、それが実際に現在の労務用物資の価格では買えないという状態では、実質賃金の向上は、とうていあり得ないということになると思うのであります。その点について政府の言つておられる実質賃金の向上ということが、実際実現されるためには、どういうふうな措置をとられる意図があるか聞かせていただきたい。
#34
○西村(久)政府委員 お尋ねはマル公価格では今日の労務者の生活に脅威を感ずるから、労務者に限つて特別価格としてマル公価格よりも安い品物を報奨の意味で配給してもらうようにという御趣旨から出た御質問だと思うのであります。これは一応ごもつともお考えでおりますが、今日統制を撤廃いたしまして、そうして物によつてはなるほど上る品物もありますが、物によつては下る品物もあるのであります。下るような品物のときにマル公価格とでも称しますか、ここで一定の価格で押えますと、結局安い物を手に入れようといたしましても、そのマル公価格と矛盾する価格の品物が出がちになつて参りますから、ここでマル公価格という特殊の価格を設定いたしませんで、でき得る限り需給のバランスのとれるような関係のものは、統制をはずして参りますれば、国民の購売力との関係におきまして、おのずから物価がきまつて参る、こういうことに私どもは解釈いたしておるのであります。今後も物価は上向きしないで下に向いて来る可能性が多分にあるものであろう。こういうふうに考えて、実は下に下りますれば、おのずから実質賃金の向上ということになるのでなかろうかと、かように考えておるわけであります。
#35
○米原委員 西村次官のおつしやることば一般論としは確かに言えるのでありますけれども、実際に労務者としては統制を撤廃されて、物価はどちらかというと下るようになつておるけれども、その物すら買えないというところに問題があるのでありまして、それに対して政府が言つておる実質賃金の向上ということが、ただ一般的な傾向だけで、こういう数字になつておるから、実質賃金が向上するのだということは、実際にはなかなかあてはまらない。そういう自由経済のもとにおいては、かえつて労務者は安い物が買えないのであります。大きな資本を持つておる商売人なんかは、案外買占をやつたりすることも自由にできるわけであります。そういう点から一般論だけでは決して解決できないというのが実情であり、そういう意味でただいまの請願が出ていると私は思います。請願の趣旨のままは、現在の経済状態あるいは政府の方針からいつても、ただちに実行できないといたしましても、そういう趣旨を考えてどういうような方法をとられるか、そのまま放つておくがいいかどうかという点については、私は聞いておるのであります。
#36
○西村(久)政府委員 実質賃金の向上をはかるという考え方は、政府において考えてはおるのであります。これは個々のものによつても違うのでありますし、また実質賃金を向上させるという考え方は、いろいろな方面から考えなければならないのであります。あるいは税金の上るのを税金を上げないようにして行くとか、物の値が上るのに対して、これを一般の国民の負担に過重に負わしめないという考え方、いろいろ考え方があるのであります。お考えの趣旨はよくわかりませんが、総括的に実質賃金の上るような方向に、政府は進みたいということを申し上げるよりほかに道は実はないのじやないかと思つておるのであります。こういうものはどう考えるかという個々のものについての御意見に対しましては、ここはこういうふうなことで緩和したい、こう実は申し上げなければならぬのでありますけれども、お尋ねの点が実質賃金というお尋ねでございますから、実質賃金の向上のためには、なるべく負担を軽減してなるたけ安い品物が手に入るようにと、政府は抽象的にお答えするよりほかに道がないのじやないかと、かように考えます、
#37
○多田委員長代理 ほかに御質疑がなければ、これにて本委員会に付託されました各請願の紹介説明及び政府側の意見の聽取を終ります。
 次会は来る三十日午前十時より飲食営業臨時規整法の一部を改正する法律案の取扱いに関し、理事会を開会いたし、当日午後一時より委員会を開会いたしますから、理事及び委員各位の御出席を願います。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後三時二十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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