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1949/04/20 第7回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第007回国会 経済安定委員会 第18号
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1949/04/20 第7回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第007回国会 経済安定委員会 第18号

#1
第007回国会 経済安定委員会 第18号
昭和二十五年四月二十日(木曜日)
    午後二時二十一分開議
 出席委員
   委員長 小野瀬忠兵衞君
   理事 小川 平二君 理事 志田 義信君
   理事 永井 英修君 理事 高倉 定助君
      周東 英雄君    田中不破三君
      福井  勇君    細田 榮藏君
      南  好雄君    森山 欽司君
      河田 賢治君    竹山祐太郎君
 出席政府委員
        経済安定政務次
        官       西山 久之君
        大蔵事務官
        (外資委員会事
        務局長)    賀屋 正雄君
 委員外の出席者
        專  門  員 圓地與四松君
        專  門  員 菅田清治郎君
四月十九日
 委員田中不破三君及び竹山祐太郎君辞任につき、
 その補欠として坪川信三君及び井出一太郎君が
 議長の指名で委員に選任された。
同月二十日
 委員坪川信三君、川上貫一君及び井出一太郎君
 辞任につき、その補欠として田中不破三君、河
 田賢治君及び竹山祐太郎君が議長の指名で委員
 に選任された。
    ―――――――――――――
四月十九日
 輸入原皮拂下価格の適正化に関する請願(天野
 公義君紹介)(第二七六七号)
 労務用物資配給に関する請願(柄澤登志子君外
 一名紹介)(第二七七六号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 外資導入に関する件
    ―――――――――――――
#2
○小野瀬委員長 ただいまより会議を開きます。
 この際お諮りいたします。これより外資導入に関する件を議題といたしますが、本件につきましては、外資に関する法律案、外資委員会設置法案として目下内閣において関係方面と折衝中でありますので、本日の委員会はこれより秘密会といたし、外資委員会事務局長賀屋正雄君より説明を聽取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○小野瀬委員長 御異議なしと認め、それではただいまより秘密会にいたしますから、傍聽の方は御退場を願います。
     ――――◇―――――
    〔午後二時二十二分秘密会に入る〕
#4
○賀屋政府委員 それでは近く国会に提出いたしまして、御審議を煩わす予定にいたしております外資に関する法律案、外資委員会設置法案、この二つにつきまして概要を御説明申し上げたいと思います。
 日本経済の自立とその健全な発展をはかりまして、かつ国際收支の均衡を維持いたしますために、民間外資の導入がきわめて重要であるということは、いまさら申し上げるまでもないことでございます。朝野をあげてその導入が期待せられておるところであります。外資の導入につきましては、御承知のように、昨年一月スキャップ・インが出まして、外国人の事業活動及び報酬に関しましても指令が参りまして、これに基きまして政府におきまして、ポツダム政令として政令五十一号外国人の財産取得に関する政令というものを三月十五日に公布施行いたしたのであります。この政令に基きまして安本に外資委員会という一つの委員会組織の行政機関が設置せられまして、この機関によりまして外国人の事業活動と財産取得、この両者につきまして、スキャップ・インで要求せられておりますところの行政を行うことになつたのであります。外資の導入の案件は従いまして事業活動、あるいは財産取得のいずれかの方面で、大部分が外資委員会を通じて処理せられることになつたわけでございます。しかしながら御承知のように現実にこれまでに外資が導入せられました実績はどうであるかと申しますと、結論的に申し上げまして、非常にはかばかしくない状況なのでございます。これにはいろいろの原因がございまして、根本的には国際情勢の不安と、日本政府の手ではどうにもならないような原因もあると考えられるわけでございますが、その他技術的に、法制的に外資の導入をはばんでおるというような問題につきましては、昨年来種々これまで打開に努めて参りました。例のいわゆる独禁法の改正その他連合国人のいろいろな財産権の回復に関する諸政令の制定というような法的措置によりまして、技術的に外資導入の阻害となつておりましたような原因の排除に努めて参つたわけでございます。と同時に、いわゆるドツジ・ラインの施行によりまして、わが国の経済も漸次安定の段階に入つて参りました。従来いろいろ加えられておりました経済統制も、逐次撤廃いたして参つておる状況は御承知の通りでございます。これによりましてだんだん外資が導入せられます基盤が、育成せられつつあると申し上げることができるのであります。にもかかわらず、現実の状況か先ほど申し上げましたように、はかばかしく進んでおらないということには、まだそれ相当の理由が存するわけであります。そのうち考えられますこととして指摘し得るものは、一つは海外送金の問題と、もう一つは、外国人に対する課税の問題であろうかと思います。昨年の暮、前の陸軍次官のドレーパーが参りましたり、シーツが参りまして、いろいろ政府の要路者と会見いたしまして、話し合いましたところでも、この海外投資が行われましても、これに基きまして生じます果実について、それを本国ヘドルの形で回收するという保証がないということが、非常に大きな外資の導入の障害になつておるということが言われておるのであります。それからもう一つは、資本を投下いたしましても、その投下された資本が、将来日本の政府が沒收とかあるいは国有化をするというような処置に出やしないかということを非常に危惧いたしておるのであります。こういつた点の保証が得られて、それからもう一つは收益性を確保するという意味合いで、従来非常に高かつた法人税、所得税等について、これを軽減する措置がとられれば、外資導入に非常に好都合であるということが指摘されておるのであります。これらの声を聞きまして、いずれもこの両者について適切な法的措置を至急講ずることにいたしまして、そうしてできるだけ外資の入りやすいような基盤をつくる必要性が最近痛感せられて参りまして、年が改まりましてから関係方面との折衝も開始いたしまして、具体案の作成に着手いたしたのであります。そうしてでき上りましたのが、この外資に関する法律案とこの法律に基きます権限を施行いたしますための外資委員会の設置法なのでございます。大体以上のようないきさつによつて、この法案が作成せられたのであります。
 次にこの両法案につきまして、その内容を條文の順序を追いまして御説明申し上げたいと思います。
 まず外資に関する法律でありますが、目次にありますように、七章二十九箇條からなつております。第一章は総則で、全体に通じますような問題を規定いたしておるのであります。第一條は、いずれの法律にもございますように、法律の目的を掲げておるのであります。この第一條の目的、第二條にあります外国資本の投下の原則、この二つが大体日本の外資に対する考え方と申しますか、方針、これをこの二條で明らかにいたしておるのであります。第一條では結局究極の目的は、わが国に対する外国資本の投下の健全な基礎をつくることにあるのでありますが、そのためにはまず第一には、外資と申しましても、いかなる外資でも無制限に認める趣旨ではなく、一定の基準に従つてこれを認めて行くというのが第一でありまして、すなわち日本経済の自立と健全な発展、それから国際收支の改善に寄與するような外資を認めて行く、つまり政府が何でもかんでもやたらに外資の導入をいたしまして、これに伴つて将来の外貨負担を負うというような野放図な態勢では、かえつて外資が入りにくいのではないかという考えから、一定の基準に従つたものを認めるというのが第一であります。
 第二には、外国資本の投下に伴つて生ずる送金を確保する。先ほど申し上げましたように、外国投資家が非常に不安を持つております果実の送金について、その保証を與えるというのが第二であります。
 それから第三には、先ほども申し上げましたように、政府が将来外国投資を国有化するなり、沒收いたしましたような場合に、これが回收についての措置を規定する。そうして外国資本を保護するという点でありまして、この三つの措置を法律で明確にいたしますことによりまして、究極の目的としては外資の入りやすいような健全な基盤をつくろう、これが第一條に述べました趣旨であります。しかしながら第二條にありますように、結局究極の目的は、できるだけ健全な外資を導入するということにあるのでありますので、これについての制限は、さしあたりは外貨事情その他を考慮しまして、いろいろ設けられることになろうかとも思いますが、究極の目的はなるべく自由に入るようにするというのが適当であろうという考え方から、今日の段階では先ほど申し上げましたような、一定基準に従つた外資を入れる。究極の目的は自由に認めるのである。従つてこの法律で、いろいろ届出だとか認可を要しておりますが、こういつた制度もだんだんその必要性が減少いたして参ります都度緩和、廃止して行こう。こういう趣旨を明示いたしたのであります。
 第三條は定義でありまして、この法律の適用を受けます人的範囲といたしまして、外国投資家という言葉を用いておりますが、その外国投資家の範囲は、どういう範囲であるかということをまず第一に規定し、以下この法律に出て参ります技術的な用語についてのことを一括して、この第三條に掲げたのであります。
 第四條は対外の貸借及び收支に関する勘定でございますが、これは大蔵大臣が常にわが国の対外的な貸借收支に関する状況かどうなつておるかということを明白にいたしますために、これらについての勘定を作成しておきまして、その点か常に明らかになつておるような措置を講じておかなけれどならないということにいたしたのであります。そうしてこれを定期的に内閣へ報告いたすのであります。それで大蔵大臣はこういつた勘定をつくりますために、必要な資料を関係の行政機関、その他必要な方面から聽取することができるという規定であります。これはただ技術的な規定で、この勘定をつくること自体は、別段何らの政策を含んでおるわけではないのであります。これが基礎となつて次の條文その他が出て参るわけであります。
 第五條に参りまして、負債超過または支拂い困難のおそれある場合の措置といたしまして、今申し述べました対外の貸借及び收支に関する勘定を絶えず大蔵大臣が用意いたしておりまして、それをにらんでおりまして、万一対外負債か資産を著しく超過し、債務超過に陷りそうなおそれかあります場合には、新たに外資を導入いたしまして、それに基いて対外的に負債を生ずるような措置を、ある程度チェックする必要が起つて来るのであります。そのためにそういつた状況が起つた場合には、大蔵大臣がここで危險信号を出す。それはつまり内閣へそのことを報告いたしまして、その報告を受けて内閣が新しい外資導入についての方針を決定する。そうして新しい方針が決定されましたならば、外資委員会、その他外資導入に関係ある行政処分を行います諸官庁は、その新しい内閣の方針に基いて行政処分を行う、こういう段取りにいたしたのであります。ただその場合におきましても、すでに外国投資家か海外送金等について保証を得ておりますような場合には、その既得権を侵害しないように注意しなければなければならないことはもちろんでありますが、その旨を最後の項で明示いたしておるのであります。
 次に第六條は、外国為替予算に関する措置といたしまして、御承知のように外貨を要しますものは、すべて閣僚審議会が作成いたします外貨予算に組まれる必要があるわけであります。この法律を施行いたしましで、外資導入を外資委員会が認可いたしました場合には、これに伴います送金関係の裏づけが、この外貨予算によつてなされるのでありまして、この法律の規定に基いていろいろな外資導入の案件を認めました場合には、これによつて海外へ将来果実の送金が必要となつて来る場合には、その額を必ず為替予算に計上しなければならないということにいたしたのであります。
 それから次の第七條は、わが国におきまして海外投資家の援助を希望する技術の種類の公表に関する規定でありまして、これは先ほども申し上げましたように、昨年外資委員会が設置せられましてから、今日までさして大きな外資導入の案件はないと申し上げましたが、その中でも多少とも経済的に意義のある外資といたしましては、いわゆる技術の形で入つて参ります外資が数件あつたのでありまして、機械工業だとか、造船業等につきまして、こういつた案件が現実に起つておるのであります。また昨年ドレーパーが参りましたときに、安本長官が面会いたしました際のお話におきましても、ドレーパーの考え方では、さしあたり日本に対する投資として期待し得るものは、技術の導入という形による外資ではないかということが言われておるのであります。事実戰争によりまして、非常に機械設備、その他技術方面が立ち遅れておることは申し上げるまでもないのでありまして、まずこれが改善に着手するということが、日本の経済を立ち直らせる第一の手段であると考えられるのでありまして、この点につきましては、はたして日本の産業がどういつた技術を要望しておるかということを、あらかじめ海外投資家に知らせておく必要かあるのではないか。海外投資家は、それがわかつておれば、現実に日本に技術を持つて来るというときに、非常に便利であろうということから、あらかじめ公告といつたような意味で――もちろん公表された技術に限つて導入を認めるという意味でありませんが、たとえばこういうような技術を日本側に欲しておるということを、海外投資家に知らせるという意味合いにおきまして、この條文が置かれたわけでございます。
 それから第八條は、認可、許可、勧告の基準でありまして、第一條のところで申し上げましたように、今日の段階におきましては、一定の基準に従つた外資を求めて行く。それではその基準とはどういうものか。これが第八條に掲げられておるのでありまして、第一項で、積極的な基準を示したのであります。まず第一に直接間接に国際收支の改善に寄與するもの、これが一つ、その次は直接間接に重要産業、公益事業の発達に寄與するものである。第三には、重要産業、公益事業に関して、従来すでに日本側と技術援助等について提携かできておりまして、それを更新いたしましたり、継続いたしますために必要なもの、こういつた範疇に属するものを認可して行く。この一、二、三というのは、必ずしもこういつた順序でやるという順位を示したものではないのでありまして、個々の範疇のいずれかに属するものをまず認めて行く。同じような性質のものでありました場合には、その間の優先順位はどこに置かれるかと申しますと、その中でも、国際收支の改善に有効に寄與するものをまず優先させる。将来の問題といたしまして、外国の政府によるいろいろな援助が打切られるというようなことになりますれば、わが国といたしましては、できるだけ民間貿易を伸張いたしまして、外貨の獲得に努力いたさなければならないのでありますが、と同時に民間の外資をできるだけ導入いたしまして、外貨を潤沢にするという必要か生じて参りますので、この優先順位といたしましても、国際收支の改善という点を、まず第一に考えて行くわけでございます。
 第二項はむしろ消極的な基準でありまして、こういつた各号に該当いたします外資の導入の案件は、認可をしてはならないということにいたしたのでありまして、これは当然の事柄であります。契約の條項が公正でない、あるいは産業に不当な圧迫かあるというような場合、あるいは日本の生産に惡影響かある場合、それから四番目は、外資が導入される場合に、円をもつて投資されます場合には、その円が国内で合法的に事業活動を行つて、適当に取得したものでなければならないというのでありまして、たとえばリーダーズ・ダイジェストがこちらで書籍を出版いたしまして、相当の円貨を持つておりますが、これは正当に認められた事業活動を本邦において行つて獲得した円であります。そういつた円でなければならないのでありまして、それ以外の、たとえばやみ取引といつたような、不正当な原因によつて、獲得した円による投資は、これは認めない。認可してはならないということにいたしたのであります。こういつた積極、消極の両方の基準は、あとで述べますが、他の省が外資関係の処分をいたします場合に、外資委員会に勧告を求めて参りますか、その際これを認むべきかいなやの勧告をいたします場合にも、これをそのまま準用するということにいたしたのであります。
 次は送金條項の表示でありますが、これは後ほど申します外資に伴う海外送金の確保ということと関連して参るわけであります。投資家がわが国に対して投資して参ります場合には、当然多くの場合はその果実を将来本国へ持ち帰ることを予定しているわけでありますが、場合によりましては、今ただちに持ち帰る必要がない。さしあたりはこちらで、たとえば貸付金であれば利子、株式投資であれば配当金、そういつたものを円で国内で受取つて、そのまま日本に置いておこうという例もあり得るわけであります。その両方があるわけでありますが、投資家があとに出て参ります規定によりまして、必ず自分の国へその果実を持ち帰ることを保証を得ようという場合においては、あらかじめそのことをはつきりさせておかなければならない。そのために技術援助の契約であるとか、社債貸付の契約をいたしますときには、契約の條項にあらかじめその旨をうたつておく必要かある、こういうことにいたしたのであります。それから契約がない場合には、たとえば株式の配当金というような場合には、これは株の取得の認可申請書の中に、その配当命を海外へこれだけは将来必ず送りだいとかいう希望かありますならば、その旨を明示しておかなければならない。こういうことにいたしたのでありまして、これはあとに出て参りますが、こういつた契約を外資委員会が承認いたしましたならば、果実の送金はあとで一々為替管理の手続をとらなくとも、必ず送れるということにいたしているのであります。
 以上が総則的な規定でありますが、第二章は、外資の導入についていろいろな形態で入つて参ります場合、どういう手続が必要かということを規定したのでありまして、およそ三つのタイプにわけて規定いたしているのであります。
 まず第一は技術援助契約であります。これは先ほど申し上げましたように、技術の形による外資導入が、今日の段階では非常に入りやすくもあり、また必要性も大きいと思われるのであります。具体的に申し上げますれば、たとえばある優秀な機械に関して、外国の商社が特許権を持つている。日本の会社がその特許の実施契約をいたしまして、その実施権を獲得する。これに対して毎年最低額、それからその実施権を使用しまして、つくつてでき上つた製品を売つた。それに対して何パーセントかの歩合でもつて特許料を支拂う。こういつた契約が、現実にも数件外資委員会において取扱われましたし、将来も出て参る可能性が非常に大きいのであります。こういつた技術契約は、まず一年以上の期間にわたつて日本の会社と関係か生じますもののみにつきまして、外交委員会規則の定めるところによつて、認可を受けなければならないということにいたしたのであります。
 なおこの点は、今まではどういう形で行われておつたかと申しますと、政令五十一号――に冒頭に申し上げました外国人の財産取得に関する政令でありますが、その政令の中に、外資委員会の認可を要する財産権として、株式、土地、建物、工場、事業場、賃借権、地上権、永小作権、それから特許権といつたものをあげておりますが、最後に生産量、販売量、その他取扱量の全部もしくは一部を引取る、もしくは販売する権利、または生産高、販売高その他の收入高の一定割合を受領する権利、これを一つの財産権として、こういつた権利を外国人が取得いたします場合に、外資委員会の認可を要するということになつているのであります。この販売高の一定割合を受領するというのは、つまり特許料として、特許権の実施権を獲得して、これによつて生産した製品を売つた代金を、歩合によつて外国投資家に拂つて行く。これがつまり財産権になるわけであります。でありますから、従来は特許実施契約という形でなくて、特許料を支拂う、受領を受けるということが、外国人が見れば、一つの財産権を取得することになるという形で、外資委員会の認可を受けておつたわけであります。
 次げ株式持分の取得でありますが、ただ單に技術を提供するというたけではなくして、日本の企業に現実に参加して行くという直接投資の場合であります。この場合には、原則として株を取得いたしますことにつきまして外資委員会の認可が必要である、ただ第二項に該当する場合は届出でよいということになつております。それはどういう場合かと申し上げますと、すでに外国人が適法に株を持つておりまして、これに対して増資が行われまして、新株が割当てられるというときには、これはもう適法に持つておるのでありますから、増資新株割当新株は、当然株主の権利として取得するものでありますので、いまさら認可にかけて、これをどうのこうのというわけに参りませんので、これは届出たけでよろしい。それからすでに、ある外国人が株を持つておりまして、それが他の外国人に移る、外国人相互間において讓渡が行われるという場合には、別段その際新しく日本の企業を支配するという観点から審査をする必要もございませんので、この場合は届出でよろしい、こういうことにいたしたのであります。ただその場合も、株を買いますのは、国内で円を買うわけでありますが、その円をどうして得たかということが問題でありまして、先ほど申し上げたリーダーズ・ダイジェストのような形でこちらで合法的にかせいだ円であるか、それからその株を買いますために、投資をいたしますために、特に外国から送金して参る、たとえばアメリカの投資家であればドルを送金して参りまして、それを三百六十円のレートで合法的に交換して得たところの円でもつて投資するか、そのいずれかでもつて区別をいたしております。これはお話が大分前後いたしますが、後ほど送金の保証のところでも出て参りますが、配当金の保証か行われますのは、今申し上げました二つのうちであとの場合、すなわち株を取得いたしますために海外から送金いたして参りました場合に限るのであります。以上申述べました一号、二号に該当するもの以外は、外資委員会の認可が必要であるということにいたしたのであります。ただ一号、二号に該当いたしますものでも、外資の導入という観点から、外資委員会が見ます場合には認可は必要でないわけでありますが、証券の移転という意味合いから、為替管理法上何らかの制限を加えなければならないというような場合には、必ずしも届出だけで持てるものではなくして、為替管理法上必要な制限が加えられる場合もあり得るということをこの第三項で述べておるのであります。
 第四項は連合国財産であつた株が、戰争中敵産として処分せられておりまして、それが昨年出ました政令によつて返還される場合、そういつた場合には当然一々認可する必要もございませんので、この外資委員会の認可を受けなければならないという條文は、適用しないということにいたしたのであります。これは当然の規定でございます。
 次の十二條は先ほども申し上げましたが、株の取得の場合には第八條に述べました一般的な基準のほかに、特別な基準が適用されるのでありまして、外国投資家が日本の法人の株を持てるのは、まず第一には株を取得いたしますことによつて、その株を発行しております会社が、実質的に資産の増加をもたらす場合でなければならないのであります。新しい会社ができることによりまして、その株を外国人が引受けます場合には、その資産がそこに生れ出るわけであつて、当然よいわけであります。そのほか増資をいたしまして、その増資新株を外国投資家が引受けるという場合は、それによつて会社の資産が増加するのでありまして、この二つの場合はまず基準に合致するわけであります。そうでなくして資産の増加をもたらさない場合、すでに発行せられております既存の株を取得いたします場合には、先ほど述べましたように、その株に投資いたします円貨が、どういうものであるかということによつて違うのでありまして、既存の株を買います場合には、必ずその株に投資するために、外国から外貨を持つて参りまして、それを合法的に交換した円で買う場合でなければならない。またそれが同時に投資計画の一部でなければならない。ただ漠然と日本の国内でかせいだ円でもつと既存の株を買いあさるというようなことはできないことになつております。たとえば技術援助をいたしますかわりに、その会社の支配権を、たとえば今まで三〇%であつたが過半数とりたい、そのために二一%は増資でなくてすでに発行されております株を買う必要かある。そういう場合には技術援助という点で非常に有意義な投資でありますれば、その投資計画の一部として既存の株を買うわけでありますから、またその株を買いますための通貨か、もしも送金によつて得た円貨であります場合には、この基準に合致するものとして、外資委員会は認めてもさしつかえない。こういうことにいたしたのであります。多少ごたごたいたしますが、株式投資はその企業に対して外国人が直接支配権を握る例でありますので、ほかの場合に比べますれば、ややこまかい基準を設けておるわけであります。
 それから第三番目に投資形態といたじましては、株の取得によつて経営に参加するというような場合と違いまして、ただ債権者としての立場に立つ、金を貸すという例であります。その場合には社債の形をとる場合と、ただ貸付金の場合とあるわけでありますが、この二つの場合につきましてはどういう手続がいるか、これは官庁内部の権限の分配もありまして、多少ほかの場合と違つた規定の仕方になつておりますが、しかしながら海外投資家に対しては窓口は外資委員会であるということをはつきりいたしまして、従来外資委員会はこれらの社債、貸付金については、全然権限を有しておらなかつたのでありますが、一応これについても外資委員会は認可をする。外国投資家は外資委員会へ認可申請書を持つて来ればよい、こういう形にいたしたのであります。ただすべての貸付金について、あるいはすべての社債についてそうであるのではないのでありまして、この社債の取得なり、貸付金の契約が、外資委員会が認可をいたします他の事項と関連を持つておる、それと同時に一つの大きな投資計画の一部分として行われる、こういう場合に限るのでありまして、單純に外資導入と言えないような、銀行のバランスのための銀行その他の貸付というようなものは、これは外資導入とあまり関係のないものとしまして、為替管理法上大蔵省の承認を受けることになろうかと思います。外資導入と目される社債、貸付につきましては、窓口は外資委員会であつて、大蔵大臣はこれについて許可権は為替管理法上持つておりますが、それは内部関係の事柄として規定されておるのであります。従いまして第二項にありますように、外国投資家が外資委員会に認可を申請すれば、為替管理法上の大蔵大臣への許可の申請はあらためてする必要はないのでありまして、外資委員会に対する認可の申請が、そのまま大蔵大臣に対する許可申請とみなされる。それで外資委員会が認可をいたしますには、まず大蔵大臣の許可を受けなければならないということになつておるのであります。
 それから十四條では以上述べました規定によりまして、外資委員会が認可をいたします場合には、いろいろな條件をつけることができることにいたしたのであります。たとえば契約の條項として幾ら外貨を本国へ送りたいというようなことがあります場合に、それが高きに過ぎるということであれば、これこれまでときめて行く。あるいはその時期について、こちらで希望する事項でありますれば、この時期はこれこれこういうふうにしろというような條件をつけることができるようにいたしたのであります。第二項はむしろ各省大臣が積極的にこういつた條件をつけてほしいということを、外資委員会に言つて参りました場合には、外資委員会はその條件をつけなければならないということで、送金に関して権限を持つております各省大臣のイニシアチーブによつて條件をつけることもあることをはつきりいたしたのであります。
 次に外国資本の投下に伴う送金でありまして、これはつまりいわゆる海外送金の保障に相当する規定でございます。前にもちよつと触れました第九條で外資を導入いたします場合に、将来これに伴つて生じて参りますたとえば特許料の送金でありますとか、社債、貸付でありますれば利子または元本の償還金、それから株でありますればその配当金、こういつたものを本国へ送金したいという場合には、第九條の規定によつて契約書なり外資委員会に対する認可申請書の中に、あらかじめその條項をうたつておかなければならないということにいたしたのであります。そういつた條項のうたつてある契約自体を外資委員会が認可いたしました場合には、その條項通りに送ります限りは、その海外送金はもはや為替管理法の規制を受けない、為替管理法二十七條では海外送金は一応全部とめておる形でありまして、政令で認めた場合以外には海外送金はできないということになつておりますが、その例外といたしまして、二十七條で認められたものとみなしておるわけであります。法制技術上文句は多少おかしいのでありますが、つまりここに書きました趣旨は、入つて参ります場合に一度政府が審査いたしまして、これは日本の経済に役立つ外資の導入であるということであれは、その契約の條項にうたつてあります海外送金につきましては、その都度将来あらためて為替管理法の規定に基いて認可申請をする必要はない。従来この規定がない場合は、今まで外資委員会ではどういうふうな取扱いをして参りましたかと申し上げますと、たとえば技術援助契約では先ほど申しましたように、財産権として一定割合を取得する権利を認可するのでありますが、外資委員会はこういう権利け認可する。ただし條件をつけまして、これに伴つて海外送金をする場合には、その都度その当時の為替管理法に従わなければならないという條件をつけて、認可して行くのであります。従いまして、契約をいたしました当事者は、はたして将来受取りました特許料を海外へ送れるのかどうかという点については、非常に不安があるわけであります。その送る必要が起りました場合に、為替管理法の規定で認可申請をして、そのときの外貨事情によつて許されるかどうかが左右される、そういう仕組みになつておつたのでありますが、その点を改めまして、最初に入つて参りましたときに一度いいということになりましたものは、その先に参りましても、條項通りの海外送金は自由に送れる。ただ第十四條で條件をつける場合がありますから、その條件でたとえば高過ぎるので幾らかこれを低くしろというような條件をつけます場合には、その條件に従つた送金に限つて、自動的に送金ができるようになるということは申し上げるまでもないところであります。これがこの法律の一つの大きなねらいでありまして、第二項にありますことは、ただその場合におきましても、先ほど申し上げましたように、国内でかせいだ円で投資します場合、たとえば外国商社が日本のある会社に貸付をします場合に、リーダーズ・ダイジェストのように、こちらで行われます事業活動に基いて獲得しました円を投資するという場合には、海外送金は保証されないのであります。現実にドルを持つて来て、それを円にかえて投資した場合に限るということにいたしたのでありまして、日本がかせいだ円をどんどん投資して、その果実の送金を海外へいつでも送れるということでは、今日の外貨事情にかんがみますれば、非常に先が危ぶまれますので、今日の段階ではドルなりその他外貨を持つて来て投資しました場合にのみ、海外送金を保障するということにいたしたのであります。
 十六條は、今まで述べましたことは、外国投資家が日本の企業に何らかの形で関係を持つ場合でありますが、そうでなくて外国投資家が日本に支社を設けますような形で、日本の会社とは関係を持たずに事業活動をするという場合、たびたび例にあげますが、リーダーズ・ダイジェストのような場合はその例であります。あるいは石油の場合でもそういつた例があるのであります。日本の会社の株を持つて配当の形で利潤を獲得するというのではなくして、自分たちだけで日本へ出て参りまして、事業活動を行つて利潤を持ち帰る、こういつた場合と形式上二つにわけて考えられるのであります。そのあとの場合におきましては、この利潤の送金は法律上は貿易外の送金として、大蔵大臣が権限を持つている事項でありまして、その利潤を現実に送金します場合には、大蔵大臣に為替管理法に基いた許可申請を出さなければならないのであります。ただその場合には、前に述べました株式に投資してその配当金の形でもつて利潤を持ち帰る場合と、均衡のとれた措置を確保する必要があるという見地から、大蔵大臣が為替管理法で許可をいたします場合には、必ず外資委員会へ付議いたしまして、そうしてこの両者の取扱いがまちまちにならないように、外資委員会でよく審査をいたしまして勧告をする。そうして大蔵大臣はその勧告に従つて処理をするということにいたしたのであります。
 次は第四章外国資本の保護であります。これがまた本法の大きなねらいの一つでありまして、冒頭に申し上げましたように外資が入つて参りましても、将来いつかこれか国有化されたり沒收されたりして回收ができなくなるおそれがありはしないかということは、投資家が非常に不安を持つているところであります。この不安を除こうというのがこの十七條の趣旨であります。憲法第二十九條によりまして、私有財産を公共の用に供する場合は、正当な補償が必ず行われることになつているのであります。しかしながら海外投資家がこちらで持つております財産を沒收せられて、それに対して円で補償が行われましても、海外投資家は決して満足しないわけであります。せつかく投資しましたものが円になつてしまつたのでは、画に描いたもちで、結局本国へ回收できなくなるという心配がありますので、この憲法の根拠に基きましておそらく法律が出て收用あるいは沒收が行われるのでありましようが、その法律に基いて補償金が支拂われたときには、その補償金相当額まで必ず外貨の裏づけをしてやる。必ずそれ相当額の外貨を予算に計上しまして、その計上された限りの金額は、為替管理法の制限の適用を受けずに自由に外国へ送れる。但しその期間は無制限に延ばしておくわけにも行かないので、一応一年間ということにいたしました。一年間は、沒收されました財産の身がわりであるところの円は、必ずドルに転換し得るという規定を置いたわけであります。ただ外国投資家が、自分が財産を持つて直接支配しております場合と、そうでなくて外国投資家が株の形で日本のある企業に参加している。その財産はその株を発行している会社の財産である。その財産が沒收されたというような場合には、外国投資家は直接に持つているのは株でありまして、第一項の規定の適用を受けないのであります。そういつた場合に、もしこういう事情が起りますれば、その株の内容が空なものになるわけであります。その場合もやはり適当にこれを外貨にかえる措置を講ずる必要が起つて参るわけであります。従つて同様な取扱いをいたします旨を明らかにして、第三項を設けたのであります。これは別に法律で定めるということで、そのとき、新たにこういう事態が起りました場合に、法律をつくるということを今から約束しているわけであります。
 大体実質的な規定は以上申し上げたところで盡きるのでありますが、第五章は投資と事業活動を調整するという意味合いで、たとえば船の関係でありますれば運輸省、その他、銀行等であれば大蔵省といつたように、外資が入つて参ります場合、あるいは投資家が国内でいろいろな事業活動を行います場合のその業種によつてそれぞれ行政上の権限を持つております官庁は、非常にたくさんわかれておるわけでありますから、それがおのおのばらばらな措置をとりましては、取扱い上よろしくない。日本の経済にできるだけ貢献させるという上から、一つの一貫した考えでもつて処理して行く必要があると考えるのでありまして、そのために外国投資家の投資、事業活動に関する案件は、一応すべて外資委員会が目を通す機会が與えられるようにしたのが、この章の規定を置きました趣旨であります。重要な案件はもとより閣議できめるわけでありますが、この閣議できめる場合におきましても、各省はみずから閣議に提出するということのないように、あらかじめ外資委員会の議にかけて、外資委員会は閣議に対してその意見はこうであるということを述べるようにしているのであります。それから各省が認可とか承認等の行政処分を行います場合も、軽微のものを除きましては、あらかじめ外資委員会に出し、その勧告に従つて、勧告を尊重して各省は行政処分を行う。こういうことにいたしたのであります。
 第六章は雑則でありまして、ここでは主として外資委員会が行いました行政処分に対して不服ある場合、これを救済する措置を規定したのであります。不服の申立てをした場合、聽聞を行う。そうしてこれの決定を文書にいたしまして、関係人に送付するということにいたしたのであります。そのこまかい手続は政令できめられるのであります。
 それからその次は外資委員会の認可を受けました事項につきまして、それを実行いたしました場合に報告をするという規定であります。
 それから次は公正取引委員会というのかございまして、いわゆる独禁法、事業者団体法の施行の責任に当つているわけでありますが、外資委員会にかかつて参ります案件は、両者の法律に関係のある事項が多いのでありますから、外資委員会が決定いたしましても、公正取引委員会が判断いたしますところを決して制限する趣旨ではない。公正取引委員会は独自の立場から両方の法律の施行をして参るという旨を明らかにいたしたのであります。
 第七章は罰則でございまして、別段御説明する必要はなかろうかと思います。
 附則におきましては、先ほど申しました外国人の財産取得に関する政令を改正いたしまして、今までは株の取得もこの政令で行うことになつておつたのを法律に移しました関係上、両者の調整をはかつておる点と、多少経過的な問題がありますので、経過規定を置いたのであります。外資に関する法律は大体以上御説明いたしました。
 次に外資委員会設置法でございますが、外資委員会は最初に申しましたように、やはりこれはただいまのところは根拠は政令五十一号というポツダム政令でございまして、いわば過渡的なものになつておるわけであります。この恒久的な今度できます外資に関する法律の諸権限を行いますためには、やは恒久的な機関といたしまして、独立の設置法をつくつた方がいいという考え方から、一つの單行法にまとめたわけであります。実質的には大した差はございませんが、権限が多少ふえましたことと、たとえばこの外資に関する根本方針について重要政策について内閣総理大臣及び関係行政機関に意見を述べるというようなことも今度はでぎるようにいたしたのであります。一番大きなかわりはこの組織でありまして、第五條にございます。従来どういう組織であつたかと申しますと、政令五十一号にありますところでは、委員長は今度の案と同じように、安定本部総務長官となつておりますが、委員は従来は経済安定本部の長官、それから外務省の事務次官、大蔵省の事務次官、農林省の事務次官、通産省の事務次官、それから運輸省の事務次官、公正取引委員会の委員、以上七人の委員と委員長とによつて組織せられておつたのであります。しかしながら従来のような、次官が職務上当然に委員になるという制度は、次官は非常に多忙でありまして、一々外資関係の仕事に必ずしも身を入れるわけにも行かないというような場合も考えられるのであります。外資の問題につきまして、より適当な代表者、官吏があの省の中にあれば、各省を代表するものといたしまして、その人を任命した方がよかろうという考え方から、ここに大蔵省を代表する者、通産省を代表する者というような形にいたしたのであります。そういうように次官が当然委員になるのではなくて、適当な代表者を選び得ることにかえた点が一点、それから従来の官庁代表者の人数を減らしまして、大蔵、通産、それから外為委員会の代表者、最も密接な関係のある官庁の代表者に限定した点、それから次には、民間の意見を取入れて委員会の運営をやつて参りますために、学識経験者を三人以内とすることにいたしたのであります。この三つが従来と異なつた大きな点であります。あとは大体従来と同じでありまして、別段取立てて御説明する事柄もないのでございます。
 外資委員会設置法の御説明は大体以上で終りたいと思います。
#5
○小野瀬委員長 ただいま賀屋政府委員の説明に対し質疑があればこれを許します。――御質疑がかなければ、これで秘密会を終りました。
    〔午後三時三十八分秘密会を終る〕
     ――――◇―――――
#6
○小野瀬委員長 本日はこの程度で散会いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○小野瀬委員長 それでは本日はこれにて散会いたします。
    午後三時三十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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