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1949/04/26 第7回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第007回国会 経済安定委員会 第21号
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1949/04/26 第7回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第007回国会 経済安定委員会 第21号

#1
第007回国会 経済安定委員会 第21号
昭和二十五年四月二十六日(水曜日)
    午後二時三十四分開議
 出席委員
   委員長 小野瀬忠兵衞君
   理事 小川 平二君 理事 金光 義邦君
   理事 志田 義信君 理事 多田  勇君
   理事 永井 英修君 理事 森   曉君
   理事 笹山茂太郎君 理事 米原  昶君
      田中不破三君    細田 榮藏君
      南  好雄君    竹山祐太郎君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣 青木 孝義君
 出席政府委員
        農林政務次官  坂本  實君
 委員外の出席者
        專  門  員 圓地與四松君
        專  門  員 菅田清治郎君
    ―――――――――――――
四月二十六日
 委員土橋一吉君及び勝間田清一君辞任につき、
 その補欠として米原昶君及び田万廣文君が議長
 の指名で委員に選任された。
同日
 志田義信君及び米原昶君が理事に補欠当選した。
    ―――――――――――――
四月二十六日
 外資に関する法律案(内閣提出第一八五号)
 外資委員会設置法案(内閣提出第一八六号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 理事の互選
 飲食営業臨時規整法の一部を改正する法律案(
 内閣提出第八二号)
 外資に関する法律案(内閣提出第一八五号)
 外資委員会設置法案(内閣提出第一八六号)
    ―――――――――――――
#2
○小野瀬委員長 ただいまより会議を開きます。
 この際お諮りいたします。去る十八日理事米原昶君が、また去る二十四日理事志田義信君が、それぞれ理事を辞任されましたので、これより理事の補欠選任を行いたいと存じますが、先例により委員長に一任願うに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○小野瀬委員長 御異議なしと認めます。それでは本二十六日米原昶君が、また昨二十五日志田義信君が再び委員に選任されましたので、両君を理事に指名いたします。
    ―――――――――――――
#4
○小野瀬委員長 引続き内閣提出第八二号飲食営業臨時規整法の一部を改正する法律案を議題に供します。すでに本案に対する質疑は終了いたしておりますが、討論に入る前に、この際委員長の手元に共産党を除く各派共同提案の修正案が提出されておりますので、これを朗読いたします。
  飲食営業臨時規整法の一部を改正する法律案に対する修正案
  飲食営業臨時規整法の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。
 第三條第一項第四号の改正規定を次のように改める。
  第三條第一項第二号中「外食券と引換に」を「外食券又はめん類の購入舞と引換に」に、同項第四号中食糧管理法(昭和十七年法律第四十号)第二條の規定による主要食糧及びこれを調理加工したもの(以下指定主食という。)」を「指定主食(食糧管理法(昭和十七年法律第四十号)第二條の規定による主要食糧及びこれを調理加工したものをいい、その販売について同法又は同法に基く命令の規定による制限のないもの及び飯食営業を営む者が同法又は同法に基く命令の規定により入手したもの並びにこれらを調理加工したものを除く。)」に、同項第五号中「酒類以外の飲物」を「酒類その他の飲物」に改める。 第三條の改正規定の次に次のように加える。
  第六條を次のように改める。
  (指定主食に関する制限)
 第六條 飲食営業を営む者は、指定主食を提供してはならない。
  第七條を次のように改める。
 第七條 旅館又は外食券食堂を営む者は、外食券と引換でなければ、めん類外食券食堂を営む者は、外食券又はめん類の購入歩と引換でなければ、食事を提供してはならない。 第十條及び第十一條第二項中「外食券」の下に「又はめん類の購入券」を加える。附則第二項として次の一項を加える。
 2 この法律の施行前にした違法行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
 提案者の趣旨説明を求めます。竹山委員。
#5
○竹山委員 共産党を除く各派の委員のお許しを得まして、便宜私から提案理由を簡單に御説明を申上げます。中身は今朗読をいたしましたから申し上げることを省略をいたします。
 この委員による修正をいたしました動機は、そもそもこの法律が実施をされておるその実体なるものは、まつたく法を無視する状態に近い現実であります。これは法の権威から見ても、これを根本的に改めることが必要であるということが、委員各位の一致した意見でありまして、これを廃止をするということに、一応の意見はあつたのであります。しかしながら諸般の情勢からこれを全部廃止するということはできませんので、次の段階としては今日問題の多い委託加工の問題、これを中心に改正することによつて、実情に沿う改正ができるということ、それからなお外食券のほかにめん類の職人雰を加えることによつて安くして簡易に今日よりも便宜なめん類の配給の方法ができるというような点を、修正をすべく用意をいたしたのであります。ところがごの委託加工の問題については、いろいろ折衝その他の努力をいたしましたが、これを今日の段階において実現をすることが困難になりましたことは、まことに遺憾であります。そこで第三の次善の案として、政府の操作上可能な範囲において、業務用の米を除く主食の配給をなすことによつて、学生、労働者等、今日の配給量で不十分な場合、あるいは十分にうまく行かない面において、これを実情に合せるように直して行く、いわゆる業務用の配給制度を新しく設ける点の修正案に最後に落ちついたわけであります。さような段階を経ました修正案であるだけに、提案をいたします委員といたしましても、これには幾多の問題点を残しておるということは了解がつくのでありますが、現在の段階においてこの程度以上のごとが可能でなかつたということは、はなはだ遺憾でありますが、これは次の機会に譲ることにいたしたわけであります。
 そこで修正案を提出する委員会として、政府に希望をしておかなければならない問題がここに出て来るわけであります。法律の改正の便宜上と申しますか、非常に綿密な詳しい修正をすることを避けて、大ざつぱな修正にいたしておきます関係上、業務用配給の事実上の運用は、一に政府の責任にかかつて参るのであります。そこでこの配給の方法が適正であるかどうか、この委員会が提案をいたしました修正の立法の趣旨を適正に行うかどうかによつては、あるいはこれを曲げて行うような結餐なつて、われわれが要望をし、考えておるところと食い違つて来ることが多分にあるのであります。その一、二を申せば、今日業務用を出すという問題は、要するに可能な範囲において今日ゆとりをつけるという問題でありますから、これはどうしても生活的に困難な学生とか労働者とかあるいは俸給生活者というような方面の便宜を主とすべきであつて、いわゆる規整法の中にあげられておる軽飲食、喫茶というようなものの中には、いろいろの種類のものが包含せられておりますが、例をあげて言えば、キヤバレーとかカフエーというようなところに多量の業務用の配給をするということは、この法案の趣旨でないということを明確にいたしておかなければならないのであります。もちろんこれは、今日やみで扱われておるところを漸次合法的な方向に持つて行くということに、何ら根本的な異議を申すのではない。従つてその運用においては、そういう俸給生活者、学生、労働者というような方面の厚生的な食堂であるとか、あるいは今日のめん類の配給店であるとか、あるいは外食券食堂であるとか、そういうものにまず優先的にこの業務用の中から配給をするということを、今日政府の考えを明確にしておきたいと思うのでありますが、これについてこの際政府側の発言を求めておきたいと思います。
 もう一つの点は食糧政策全般に関する問題でありまして、この法律は要するに消費者、配給面に対する修正の問題でありますが、食糧政策は生産から配給まで一貫をいたしております。従つて考えようによつては、私はこれは非常に大きな修正であると思いますが、こういうものを加えることについては、政府としてはむしろ全面的に生産者、農民に対する供出制度から、一貫をした国民が納得をし得る食糧政策の改正をいたしていただかなければならぬことは私が申し上げるまでもないその点はこの法律の直接関與するところでありませんから、今日は秋は希望を申し上げておくのであつて、この修正を政府が承諾をする以上は一面において農民に対する供出制度その他の全般的な食糧政策の全部が、均衡のとれた政策の転換というものを当然すみやかに行うべきものであるということを了承の上で、この法案をわれわれは政府が了承をいたしたものと考えておるわけであります。さような問題をこの委員会としての修正を出すにつきまして、今日までの委員間の話合いを総合をいたしまして、私か便宜提案理由を説明いたしたわけであります。
#6
○小野瀬委員長 それではただいまより修正案及び原案を一括して討論に付します。討論は通告順にこれを許します。志田義信君。
#7
○志田委員 私は自由党を代表いたしまして、本修正案に対して賛成の意見を申し上げます。
 飲食営業臨時規整法の一部を改正する法律案に対しまして、本法実施以来今日までの実績を見ますならば、この際政府の改正案に対しまして修正を加え、これよりさらに飲食営業の違反行為を防止し、かつ一般国民の要望に適合するものたらしめるために、特に外食券食堂において外食券のみならず、なおめん類の購入券によつても食事し得るようにしたこと、またすでに自由販売になつております酒類が、従来外食券食堂や喫茶店等におきまして提供することを禁止されておりましたことをこの際緩和いたすことなどは、すべて主食の自由が許されない今日におきまして、飲食営業上許可される範囲内における、最も必要なる処置であることは申すまでもございません。従いまして本修正案に賛成するものであります。
 なお本修正案の修正点を除きました内閣提出の改正案たる主要食糧の需給事情の好転によりましては、一部統制の緩和と本法のさらに一年間施行期限の延長されることも、主食食糧の統制の撤廃せられざる限り、当然の処置と考えますので、これまた賛成を表する次第でございます。
#8
○小野瀬委員長 次に米原昶君。
#9
○米原委員 私は日本共産党を代表いたしまして、本案並びに修正案にも遺憾ながら反対の意思を表明するものであります。
 本法は元来自由党が公約いたしました料飲店の再開という問題から発した法案であります。しかしながら実際に法律になりましたときには、非常に嚴重な取締りを行つたのであります。しかし取締法ではありますけれども、しかもきわめて粗雑というか実施不可能な内容が多くあつて、実際上はその取締りはほとんど行われないということになつておるのであります。本法を條文通りに実際に実施するならば、ほとんどすべての飲食業者が取締りにひつかかるのではなかろうかと思われるのであります。たとえば二、三の例をあげますと、違反件数に示されておるように、農林省発表の二十五年度一月末現在の統計を見ましても、新潟の分は営業停止が百二十八件もあるが、この営業停止その他の処分が全然行われない県がむしろ多いというように、取締りに一貫した方針がない。そのために末端の取締り面においては、手心とか役得の問題等を温存させる結果となり、業者を明朗ならざる状態に置いておるのが実情だと思うのであります。またこのたびの修正案にもつけられておるのでありますが、委託加工の問題にしましても、まつたく事実上は空文となつておるのでありまして、またこれはすでに前国会で修正されたのではありますけれども、副食券制度のごときものも、全然一度も実行されないままにこれが修正されるというような、まことに法律としての権威を失墜するような法律だといわなければならぬと私は思うのであります。こういう現状では全然実行されないで法律だけが存在している、このようなあいまいな状態に放置しておくという行き方は、営業の自由を拡大して行く意思があれば思い切つて廃止すべきものであり、この状態を続けることは、これ自身が政府の権威を失墜し、また與党である自由党の権威を失墜することになるのではないかとわれわれは考えるのであります。
 さらに最近食糧問題について、輸入食糧の問題はわれわれの最も重大なる関心を拂つておるところでありますが、輸入食糧の永久免税の問題、供出制度の根本的な改廃の問題、目前に迫つております外国食糧の大量輸入に直面し、総司令部からもすでにその見解が発表されておるのでありますし、以前の状態と非常に違つておると思うのであります。この際政府は食糧問題の重大なる一環としてこの飲食営業の問題を考え、一貫した方針を国民の前に提示すべきだと思うのであります。かくのごとき観点から、われわれはこの法案に反対するものであります。また本法案はなお再検討すべきであり、またそれをしなければ、單に一年間延長するというような形で行くならば、情勢が急変する場合、朝令暮改の一例となることをわれわれおそれるものであります。
 以上をもつて簡單ながら反対の理由といたします。
#10
○小野瀬委員長 次に笹山茂太郎君。
#11
○笹山委員 私は民主党を代表いたしまして、ただいま上程されました飲食営業臨時規整法の一部を改正する法律案並びにその修正案に対しまして、賛成の意を表するものであります。ただこの法案につきましては、この機会におきまして政府に対しまして、希望を申し上げておく必要があると思います。
 この法案は御承知の通り、食糧管理政策の一環としまして提出されたところの法案でありまして、この制度を今後も継続するという以上は、必ず政府におきましては今後の食糧政策に対しまして、確固たる態度を表明すべきものであるというように考えるのであります。しかるに最近自由党及び政府の間におきまして、いろいろこの食糧政策につきまして意見がかわされておるというように聞いておるのでありますが、あるいは供出量を五百万石くらい減らしまして、全国の割当をそれだけ補正するとか、それと同時に超過供出に対するところの特別価格制度を廃止するとか、あるいは配給基準量を改正するとか、あるいはまた早場米奬励金を、どのくらいの数量に対しましてどのくらいの奨励金を出すといつた問題を、いろいろ議論の最中でありまして、まだはつきり政府の態度としてきまつておらないように聞いておるのでございますが、現在農民としましても、また消費者としましても、こういつた食糧政策に対しまして、政府がはつきりした態度をとることを要望しておるのであります。従つてこれらの問題につきまして、政府はすみやかに内閣全体としまして一つのはつきりした態度をきめまして、この食糧政策に対する各方面の危惧を一掃する必要があると思います。もし伝えられるように、供出後の自由販賣を許すという方向に進むという意向が強いということでありますならば、この法案それ自体がすでに存在の理由をなくするとも思いますし、こういつた方面につきましても、十分ひとつ政府の方で対案を練られまして、至急国民に対しまして、明確なる食糧政策を示されんことをつけ加えて希望しておく次第であります。
#12
○小野瀬委員長 これにて討論は終局いたしました。これより採決に入ります。まず共産党を除く各派共同提案の修正案について採決いたします。提案のごとく修正するに賛成の諸君の御起立を願います。
    〔賛成者起立〕
#13
○小野瀬委員長 起立多数。よつて本修正案は多数をもつて提案のごとく修正するに決しました。
 次にただいま採決しました部分を除く原案について採決いたします。ただいま修正に決しました部分を除く原案に賛成の諸君の御起立を願います。
    〔賛成者起立〕
#14
○小野瀬委員長 起立多数。よつて修正部分を除く他の部分は内閣原案の通り可決いたしました。よつて本案はここに修正議決せられました。
 なお本案に対する委員会報告書の作成その他については、委員長に御一任願いたいと存じますが御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#15
○小野瀬委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。
#16
○坂本政府委員 ただいま本委員会におきまして修正議決せられたのでありますが、その修正の御趣旨は、先ほどの趣旨弁明によりまして十分承知をいたしたのであります。もとよりわれわれといたしましても、今日この規整法の実施にあたりましては、種々なる困難な点もあるのでありまして、委員各位の御意思に沿いまして、今後これの運営をはかつて行きたいと存ずるのであります。ことに業務用の配給をいたしまする場合、御説の通り、つとめて公益的な食堂にこれを振向けて行くように考えておるのであります。ただいま厚生食堂でありますとか、あるいは職域の食堂でありますとか、かようなところに重点を置いて行きたいと考えております。なお詳細な点につきましては、十分御趣意を体しまして善処いたしたいと考えておる次第であります。
#17
○小野瀬委員長 それでは本会議の採決がございますので、暫時休憩いたします。
    午後二時五十八分休憩
     ――――◇―――――
    午後四時二十五分開議
#18
○小野瀬委員長 休憩前に引続き会議を開きます。
 これより本日委員会に付託されました内閣提出第一八五号、外資に関する法律案、内閣提出第一八六号、外資委員会設置法案の両法案を一括議題に供し、青木国務大臣より提案理由の説明を聽取いたします。青木国務大臣。
    ―――――――――――――
    ―――――――――――――
#19
○青木国務大臣 ただいま議題となりました外資に関する法律の提案理由につきまして、大要を御説明いたします。
 日本経済の自立とその健全な発展をはかり、かつ国際收支の均衡を維持するために、民間外資の導入がきわめて必要であることは、いまさら申すまでもありません。政府は昨年来、独占禁止法の改正、連合国人の財産権の回復に関する諸政令の制定等、いわゆる外資導入の阻害原因の除去に努めて参りましたが、幸い日本経済も最近ようやく安定の段階に入り、諸種の統制も逐次撤廃せられまして、外資導入の基盤が育成されつつあるのであります。しかしながら、外資導入の状況は、最近に至りましても、なお満足すべき成果を上げているとは申せないのでありまして、昨年三月、外資委員会設置以後の状況を見ましても、本格的な外資導入と目されるものはきわめて少いのであります。よつてこの際、ますます外資導入を促進するために、外資導入とこれに伴う海外送金に対するわが国の方針、手続等を明らかにし、外資を保護するための法的措置を定めることとした次第であります。
 次に本法案のおもな内容を簡單に御説明いたします。
 第一は、外国資本の投下に関する原則でありますが、さしあたり外資導入は、以下に申し上げますような一定の選択基準に従つて認めることといたしますけれども、根本方針としましては、外資導入をできるだけ促進するため、外資に対して加えられている各種の制限や、本法に規定されております認可制度を、その必要の減少に伴つて逐次緩和ないし廃止して参る方針であります。
 第二は、外資導入に伴つて生ずる海外送金を確保する措置を定めた点であります。現在外資導入を阻害している最も大きな要因の一つは、資本の投下に伴つて生ずる海外送金が将来はたして確実に実行できるかどうかが不明確な点であります。わが国の外貨事情から考えますと為替管理の緊要であることはもちろんでありますが、本法におきましては、日本経済の自立と発展のために、導入を必要と認める外資につきまして、投資の認許可を受けさえすれば、爾後それに伴つて生ずる海外送金が実質的に確保されるようにいたしたのであります。すなわち外国投資家が技術援助契約を締結し、株式、社債、もしくは貸付金、債権等を取得しようとする場合には、外資委員会に認可を申請し、外資委員会は、その投資が国際收支の改善に寄與するかいなか重要産業または公益事業の発展に寄與するかいなか、また契約の條項が公正であるかいなか、詐欺、強迫に基くものでないかいなか等の点について審査し、認可を與えるかいなかを決定いたします。右の審査によつて認可を受けた場合は、技術援助契約に基く特許料、株式の配当金、社債、貸付金の利子または元本の償還金等の海外送金は、あらためて為替管理上の許可を受ける必要がなく、自由に認められることとなるのであります。
 第三に、外国投資家は、海外への投資を行つた場合、将来被投資国が強制收用等の措置に出て、その投下資本の回收が不可能になりはしないかという点について、かなりの不安を抱いている向きがあることは事実であります。この不安を除去いたしますために、外国投資家がわが国において適法に所有する財産権が公権力によつて收用等をされた場合に、その補償金の海外送金を実質的に確保する措置を講ずることといたしたのであります。
 第四に、閣僚審議会は、以上述べましたところにより、確保すべき海外送金の額を外国為替予算に計上すべきこと、及び負債超過の場合に、内閣は応急の措置をとるべきことを定めましたが、その準備措置としまして、大蔵大臣が対外の貸借及び收支に関する勘定を作成しておくべきことといたしまして、もつと送金確保の裏づけのために遺憾なきを期したのであります。
 その他、本法におきましては、外資委員会が技術援助を希望する技術の種類を公表すべきこと、外資に対する行政処分に関して、外資委員会がその主管官公庁に対して意見を述べ、または所要の勧告を行うべきこと、外資委員会の処分に対する不服申立ての手続、外国投資家の外資委員会に対する報告手続及び罰則等を定めております。
 以上、外資に関する法律の提案理由につきまして概略を御説明いたしました。ここにすみやかな御審議と御賛成をお願いする次第であります。
 次に、外資委員会設置法の提案理由につきまして大要を御説明いたします。
 外資委員会は現在、経済安定本部の外局としまして、昨年三月ポツダム政令として施行されました外国人の財産取得に関する政令に基いて設置せられております。ところが別途御審議を願つております、外資に関する法律が施行されますならば、外資委員会の組織、職務権限等につきましても、法律によつてこれを的確にすることが必要と思われますので、本法案を提出することといたしたのであります。本法案によりまして、従来と異なつた規定が設けられました点は、次の諸点であります。
 第一は、外資委員会の所掌事務及び権限を明確にし、外資に関する法律に基く職務、権限を加えたのであります。
 第二は、外資委員会の組織を簡素化かつ民主化いたしたことであります。すなわち委員長は従前通り、経済安定本部総務長官が充てられるのでありますが、委員ぼ従来関係各省の事務次官及び公正取引委員会の委員合計七人であつたのを、大蔵、通商産業の両省、及び外国為替管理委員会を代表する者各一人と、学識経験者三人以内、合計六人以内をもつて組織することといたしました。これは組織を簡素化するとともに、事務次官が職務の性質上、常に委員会に出席できないので、当該行政機関の他の職員を充て得ることとし、また外資導入に緊密な関係を有する外国為替管理委員会の代表者一名を加え、かつ民間の意見を取入れるため学織経験者を加えることとし、もつて委員会の運営の一層強力かつ民主的な遂行を期したのであります。
 以上外資委員会設置法の提案理由につきまして概略を御説明いたしました。ここにすみやかな御審議と御賛成を御願いする次第であります。
#20
○小野瀬委員長 それでは質疑は次回の委員会に譲りまして、本日はこれにて散会いたします。
    午後四時三十五分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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