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1949/04/28 第7回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第007回国会 経済安定委員会 第23号
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1949/04/28 第7回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第007回国会 経済安定委員会 第23号

#1
第007回国会 経済安定委員会 第23号
昭和二十五年四月二十八日(金曜日)
    午後二時六分開議
 出席委員
   委員長 小野瀬忠兵衞君
   理事 小川 平二君 理事 金光 義邦君
   理事 志田 義信君 理事 多田  勇君
   理事 永井 英修君 理事 森   曉君
   理事 勝間田清一君 理事 米原  昶君
   理事 高倉 定助君
      田中不破三君    成田 知巳君
      竹山祐太郎君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣 青木 孝義君
 出席政府委員
        大蔵事務官
        (理財局長)  伊原  隆君
        通商産業政務次
        官       宮幡  靖君
        経済安定政務次
        官       西村 久之君
        大蔵事務官
        (外資委員会事
        務局長)    賀屋 正雄君
 委員外の出席者
        專  門  員 圓地與四松君
        專  門  員 菅田清治郎君
四月二十八日
 委員南好雄君辞任につき、その補欠として根本
 龍太郎君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 勝間田清一君が理事に補欠当選した。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 理事の互選
 外資に関する法律案(内閣提出第一八五号)
 外資委員会設置法案(内閣提出第一八六号)
 委員派遣に関する件
 閉会中審査申出に関する件
    ―――――――――――――
#2
○小野瀬委員長 ただいまより会議を開きます。
 この際お諮りいたします。理事勝間田清一君が去る二十六日委員を辞任されましたので、これより理事の補欠選任を行いたいと存じますが、委員長に御一任願うに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○小野瀬委員長 御異議なしと認めます。それでは勝間田清一君が昨二十七日再び委員に選任されましたので、同君を理事に指名いたします。
#4
○小野瀬委員長 引続き内閣提出第一八五号、外資に関する法律案、内閣提出一八六号、外資委員会設置法案を一括議題に供し、質疑を続行いたします。質疑は通告順にこれを許します。成田知巳君。
#5
○成田委員 二、三の点について、重複を避けて簡單に御質問いたします。昨日も多田委員から御質問があつたと思うのでありますが、本法施行によりまして、外資に対して優先的に外国向送金を保証するということになるのですが、現在までに外国法人が日本国内において持つておるところの円資金の取扱いについてでありますが、新聞紙上報道するところによりますと、一部のものについては申請すれば許可するであろう、一部のものについては許可がないだろうというような報道もされております。たとえばリーダーズ・ダイジェストとか外国映画のようなものについては許可をしない。DDTの関係については許可をするであろうというような報道も伝わつておるのでありますが、昨日の伊原理財局長の御答弁では、今後研究するというようなお話があつたのですが、大体の方針として、現在の外国法人の手持ち円資金を、どういう方針でお取扱いになるかということを承りたいと思います。
#6
○賀屋政府委員 お答えいたしますリーダーズ・ダイジェストあるいはモーシヨン・ピクチユアが国内で蓄積いたしました円資金の海外送金についてでございますが、御承知のように終戦後ドル資金を管理しておりましたのは、もつぱら司令部が運用の任に当つておりまして、日本側に移管されましたのはごく最近のことでございます。またその送金に関する手続等につきましても、古い為替管理法はそのまま存続いたしておつたのでありますが、事実上これが働きませんで、終戦後出ました省令八十八号というのによりまして、一応全面的に海外との金融取引を禁止する、そうして特定の場合には許可の申請に基いて送金を許す、こういうことになつてはおつたのでありますが、実際上の手続等がまだ明確になつておりません関係上、現実の問題といたしましては、海外に送金が行われた例はほとんどないように心得ております。御承知のように昨年十二月に新しい為替管理法ができまして、また外貨のいわゆる商業勘定も日本側に移管されることになつたのでありますが、今後はこの新しい手続によりまして、一定の方針に基いて海外送金を許可することに相なると思われるのであります。どういう方針で、たとえば何割まで利潤の送金を認めるとか、あるいはそれを業種によつてどういう区別をするか、そういつた方針はただいまのところではまだ確定しておりません。お話にございましたような、あるものは認める、あるものは認めないというような取扱いは、現実にいたしたこともありませんし、またこの前申し上げましたように将来の問題としても、方針がきまつておりませんので、今ここでどういう方針で送金を認めるかということをお答え申し上げかねる段階にあります。
#7
○成田委員 ただいま申しました現在の外国法人の手持ち円資金というのは、大体どのくらいあるか算定できますか。
#8
○賀屋政府委員 実は国内で事業を営んでおります外国商社が持つております円資金は、多くは外銀に預金せられておるという点があるのであります。外銀に対する調査あるいは報告の聽取といつたようなことも、ただいままでのところは、政府といたしましても自由にこれを行うというような情勢に至つておりません関係上、いろいろ推定は行われておるようでありますが、的確に幾らたまつているということは、大蔵省あたりでもまだ的確な数字を持ち合しておらないようでございます。ただ今度提出いたしております法案にも、第四條に、わが国の対外的な貸借と収支に関する勘定を大蔵省で常に準備しておけ、こういう規定がございますが、これを作成いたしますために必要な外国人の手持ち円資金についての資料も徴集し得る権限を付與せられましたので、この法律が通りますれば、この規定に基いてただちに調査をいたしたい、かように考えております。
#9
○成田委員 現在の手持ち円資金を確認する方針については、まだ未定だということでございますが、法律の建前から行きましたならば、本法施行後、外国資本が投下されたところの利子あるいは利潤については、本法第八條の許可認可の基準によつて、送金を認めるということになると思いますが、本法施行前にすでに手持ち円資金として外国法人が所有しておる資金については、遡及を認めなければ、これを送金することができないというのが一応の建前になるのじやないかと思いますが、この点どうお考えになりますか。
#10
○賀屋政府委員 この法律が施行されます前の問題と、この施行されましたあとの送金の問題についての取扱いについての御質問でございますが、今御指摘の外国商社が日本で事業活動を行いまして、利潤という形で円資金を蓄積いたしました場合、これを海外に送金いたしまするにつきましては、直接にはこの法律の第八條に基く問題ではないのでありまして、つまりこの法律が予定いたしております契約を認可いたしますれば、その契約條項に従つた送金を自動的に認めるというのは三つの場合、すなわち技術援助契約の場合と、社債に応募いたしました場合あるいは貸付金契約をいたしました場合のような金銭的な債権者になる場合、それから株式に応募いたしまして、株主として配当を受取る。この三つの場合に限つて契約なり、その財産権取得を認可いたしますれば、それに伴う送金を自動的に認めるということにいたしておるのでありまして、外国商社が、ただこちらに入つて参りまして支店の設置等、いわゆるセールス・コーポレートなビジネスをやるという場合、この利潤の送金については、この法律で特に保証の措置を講じておらないのでございます。従つて御指摘のような例には、この法律が通りましたあとでも先でも、別段取扱いには変更がないわけでございます。
#11
○成田委員 この法律によりますところの保証というのは、技術援助契約、それと株式配当、社債利子の三つに限られておるということでございますが、十六條に利潤の配当について規定があると思います。この十六條を見ますと、ただいま申し上げた三つの場合と同様に公平な取扱いがなされるということを前提としておると思いますが、この公平な取扱いというのは、大体どういう内容を意味しておるのか、承りたいと思います。
#12
○賀屋政府委員 御指摘の通り外国商社の自動的と申しますか、支社の活動等によりまして蓄積いたしました利潤の送金は、十六條に一條設けてございます通り、先ほど申し上げましたように、株式投資によつて日本の会社と提携の関係に立つて事業を行う場合と、今のような支店の活動による場合と二通りあるわけでありますが、多くの場合にはその両者について根本的な差別を、ことにこの送金の面につきましては差別を設けるのは適当でないと考えられます。たとえば石油関係につきましても、日本の石油会社の株を持つて活動をする場合と、あるいは自分自身で来ておる場合、あるいはゴムの事業につきましても先ほども申し上げましたような横浜護謨の場合と、日本ダンロップのような場合とあるわけでありますが、この両者の取扱いにそう著しい不均衡をもたらしてはいけないということを考えまして、この利潤の送金につきましては、主管官庁たる大蔵省で許可することになつておりますから、大蔵省が許可いたします際には、必ず外資委員会の方へ付議いたしまして、その勧告に基いて許可をする。外資委員会が勧告をする場合には、大体同様の業種につきましては、株式投資の形によつて配当金を引揚げる場合と、不公平な取扱いにならないような勧告をつけるという趣旨の條文を設けた次第であります。
#13
○成田委員 そういたしますと、今申しました三者と利潤とは結局公平な取扱いがなされるということになりますと、やはり本法施行後の問題についてだけでなく、施行前の問題が起きて来ると思います。現在商社が入つておりまして、事業活動をやつて上げた利潤、それに基くところの手持ち円資金というものは本法施行前のものでございますから、これに対して許認可を與えるということになりますと、やはり特別に法律の遡及力を認めた規定が必要ではないかという感じを受けるのですが、いかがでしようか。
#14
○賀屋政府委員 十六條の規定は、これから許可する場合についての規定を設けたわけでありますから、現実にその利潤の蓄積が過去に行われましたものも、許可の申請がこれから行われるものでありますれば、この條文の適用によりまして公平な取扱いが行われることになろうかと思います。
#15
○成田委員 過去に、本法施行前に利潤の蓄積が行われたものでも、この十六條によつて許可の申請が本法施行後ならば許認可が與えられるだろうと言われるのですが、この法律の制定というものは、もともとこの法律を制定しまして、外資導入を促進しようというわけですから、この法律施行後の外資導入に対する利潤なり利子、あるいは手持ちの本国送金を保証するのがいいのではないかと思うのですが、過去のものについても十六條でやるということになると、十六條はもともと例外的な規定なのですから、この例外規定を時間的に過去に遡及するということは、少し行き過ぎではないかという感じを受けるのですが、いかがでしようか。
#16
○賀屋政府委員 なるほどお説のような点も確かにございます。ただ法律の解釈といたしましては、この十六條の書き方で参りますと、許可が今後行われる場合におきましては、やはり主務大臣が――この場合大蔵大臣でございますが、外資委員会に付議して来なければならないようなことになるかと思います。ただその場合に勧告をいたしますわけでありますが、この勧告の内容があるいは前に蓄積せられました円資金と今後のものとでは、あるいは多少違つた取扱いがされる、こういう結果になるかと思つております。
#17
○成田委員 多少違つた取扱いがあることは当然だと思うのですが、私は本法施行前の蓄積のものについては、本法の適用はないと考えるのが普通ではないかと思うのですが、この法律の制定趣旨から行きまして、その方針をひとつ明確に承りたいと思います。
#18
○西村(久)政府委員 成田委員のお尋ねの通り、法律は過去にさかのぼる関係のものでないのでありますから、本法律が制定されまして施行されました前のものに対しましては、この法律の適用は受けないということに御了解を願います。
#19
○成田委員 そういたしますと、もう一ぺん念を押しておくのですが、先ほど申しました外国映画あるいはリーダーズ・ダイジェスト等で本法施行前の手持ち円資金の送金については本法の適用はない、こう解釈してよろしゆうございますか。
#20
○賀屋政府委員 その場合におきましては、大蔵大臣が許可いたします場合には、勧告を求めるために外資委員会に付議するという点は、これはこの法律が出ますれば付議して参らなければならないことになろうかと思いますが、ただその場合に勧告は公平な取扱いをするために勧告をするという趣旨でありますが、その比較をする元がないわけでございますので、現実に送金の取扱いがどらなるかということにつきましては、おのずから別の問題になると思います。
#21
○成田委員 どうもくどいようでございますが、今比較する元がないというのは、やはり適用すべき性質のものではないということが前提になつているのだろうと思うのです。結局本法施行後にリーダーズ・ダイジエストあるいは外国映画が事業活動をやりまして、利潤を獲得するそのどこまで送金を認めるかということ。事実上過去のものまで含めたような送金のやり方をやるかもわかりません。たとえば一千億なら一千億の手持ち円資金が本法施行後出た、本来ならば二百億なんだけれども、五百億という査定の手続上、事実上過去のものに遡及するような結果になるかもわかりませんが、建前としては本法施行前の手持ち円資金については本法の適用はない。こう解釈すべきではないかと思うのですが……。
#22
○賀屋政府委員 大体の原則的な考え方は成田委員のお説の通りであろうかと思いますが、ただ多くの場合にこの十六條を発動いたしまするのは、今後リーダーズ・ダイジエスト等がかせぎました円の送金について起つて来る問題であろうかと思います。
#23
○米原委員 ちよつとその点に関連して……。大体わかりましたけれども、昨年の十一月二十六日ごろのアメリカのビジネス・ウイークにその問題について向うの業界の意向が出ている。つまり送金の保証の問題についてナシヨナル・フオーリン・トレード・カウンセルの大会で、これに対する非常にむしろ反対な決議が行われているということがここに出ているのでありますが、つまり今まで既存の投資のものと、それから新規の投資のものとが不公平に扱われるという点に、むしろ向うの業者の方には不滿があるのじやないかということのようなんです。そうしてそれがまた先日たしか通つたと思いますが、アメリカのポイント・フオアの法案の中に輸出入銀行の保証が、日本でたとえばこの法案が通れば、向うでも保証がされるというような関係になつておつて、その保証の問題と兼ね合うので、非常に大きな問題になつているらしいのでありますが、その点向うの方にはそういう業者の要望があるとすると、ただいまの解釈でこの法文の解釈としては正しいと思うのでありますけれども、そういう状態だとすると、この法文の解釈通り行くと、かえつて向うの業者の方は、日本に対する投資をむしろ手控えるというような傾向が起つて来るのじやないかという意味で、その法文の点は考慮する必要があるのじやないかと思うのですが、いかがでしようか。
#24
○賀屋政府委員 送金の保証の問題は、いわゆる契約の許可が自動的に送金を認めたことになるということで、これは十六條の問題とは違いまして、その前の十五條の問題になるわけでありますが、この十五條の方は明らかに本法施行後外資委員会で認可をいたしましたものに限るわけであります。そういうふうに限りました結果、ただいま御指摘のように、既存のものがかえつて非常な不利な取扱いを受けるということで、またその面から反対があるかもしれませんというようなお話でありますが、既存のものはこの法律が適用されません結果、その送金をしたいと思う都度、為替管理法でそれぞれ主務大臣の為替管理法上の許可を求めて参るわけであります。結局個々の事案につきまして審査をいたしまして、為替管理法の許可を下す場合の運用によりまして、遺憾のないようにやつて行くことになると思うのであります。
#25
○成田委員 外国為替管理法の大蔵大臣の権限ですね。それと本法の安本長官の権限のことでありますが、この関係はどうなるか。本法に特に外国為替管理法の二十七條のあの規定だけははずされる。そう解釈していいのですか。ただ條文を見ただけではどの程度権限の重複あるいは排除というものが行われているのかわからないのですが、具体的な例を二、三あげて御説明願いたいと思います。
#26
○賀屋政府委員 為替管理法におきましては、資本の移動を取締るという面からいたしまして、現実にこの海外送金の問題のみならず、証劵の移転、それから不動産の移転と、それから金融取引という面からいたしまして、証劵の応募、取得、そういつたことを一応全面的に禁止をいたしまして、特に政令で認めたり大蔵省省令で認めた場合には、この禁止を解除する、こういう建前になつておりまして、大体その禁止を解除する権限は大蔵大臣が持つておるわけであります。ただ特許料等の送金につきましては、例外的に通産大臣が許可の権限を持つているわけであります。それと本法との関係でありますが、海外送金の面につきましては、この二十七條で規定されておりますが、外資委員会が契約を認可いたしますれば、あらためて二十七條で大蔵省なり通産省の許可を受けなくてもよいということが十五條によつて明らかになつているわけであります。ただその元になる方の株の取得だとか金銭債権を取得する契約、貸付金の契約、そういつたものも為替管理法では一応禁止せられまして、それを解除するのは大蔵大臣という建前になつているのでありますが、これはやはり外資委員会が認可をいたしまして、二重に大蔵大臣の認可を得るという必要はありませんし、またそういう二重の手間をかけることが、海外投資家に対して手数を煩わすことになりますので、これは為替管理法に基く政令あるいは同法に基く省令によりまして、外資委員会が認可をすれば、あらためて大蔵大臣の認可は必要ないということを、向うの政令で規定することにいたしているのであります。
 それからもう一つ、この法律と為替管理法との権限の関係についての御説明をいたしておきますと、十三條にございます社債の取得、それから貸付金、債権の取得、これは従来外資委員会は昨年の三月からできたのでありますが、外資委員会の権限は財産権の取得を認可するということでスタートいたしまして、社債といつたような債権者の立場に立つ場合には、従来は外資委員会はタツチいたしておらなかつたのであります。しかしながら今度外資導入という点から考えますと、金銭的な債権者に立ちます場合と、株主として企業に参加する場合と、それからあるいは技術援助契約で特許の実施権を與える場合と、実質的には選ぶところはないと申しますか、いずれも投資のそれぞれの形態であるということから、投資家の立場からただ債権者としての立場に立つ場合に大蔵大臣の方に行くというようなことでは、窓口が二つにわかれるという関係もありまして、十三條では窓口といたしましては外資委員会に認可申請をすればいい、債権者としての立場に立つ貸付契約につきましては、本来為替管理法上で大蔵大臣の認可がいるのであるけれども、あらためて許可申請をしないでも、外資委員会に認可申請をすればそれは大蔵大臣の許可とみなされる。こういうことで外国投資家の便宜のような措置を採用することにいたしたわけであります。
#27
○成田委員 本法によりまして、外資導入を促進しようというのですが、現在の日本の政治、経済情勢あるいは米国の民間投資の実情から行きまして、そんなに本法だけで大した外資導入は期待できないだろうというのが実情だろうと思うのです。株式の取得あるいは社債の取得というものは大した期待はできない。問題は技術援助の問題だろうと思うのでありますが、本法にも第七條に外国投資家からの技術援助を希望する、技術の種類は公表しなければならないという規定があるのでありますが、現在技術援助を予定されておりますおもなるものの名前あるいは件数が大体おわかりになりませんでしようか。
#28
○賀屋政府委員 第七條につきまして、この法律が通りますれば、日本の産業の現状からいたしまして、援助を受けたいと思う技術の種類を公表いたすことになるのでありますが、この公表にあたりましては、ただ官庁側がどういうものということを一方的に決定いたすようなことはしませんで、できますれば民間の現実に事業をやつておられる方々からも、どういつた技術がほしいかというように希望を聽取して、これを総合的に見まして公表いたしたいと考えておるのであります。ただいまのところ、どういつた技術ということは研究中でございまして、民間からの希望も聽取した上で、両者を合せて公表する、こういうことにいたしたいと思つておりますので、具体的なものを申し上げる段階には至つておりません。ただ先ほども申しましたような合成繊維関係の技術でありますとか、あるいは電気機械工業関係の技術、そういつたものがおそらく上つて参るだろうということがただいま予想されますが、具体的にどういうものということは、ただいま通産省方面でも研究をいたしておるような状況であります。
#29
○成田委員 この特許の所有権の問題に関連いたしまして、先ほど質問いたしました本法施行前の手持ち資金の問題と同じような問題が起きるのではないかと思うのであります。従来外国特許実施権を日本の商社が得ておつた――戰時中特例でこれを全部没收してしまつて、日本商社がこうした所有権を取得したことになつておる。終戰後これが破棄されまして、その結果特許実施契約その他によつて当然違反の問題まで起きまして、ノーマルな特許実施が数年間負債になつておる。あるいは特許実施契約違反の損害賠償の金なんかも負債として出て来ておると思うのですが、これらの処置は現在どうなつておるか。もし処置されていないとすれば、やはり負債として残つておるわけでありますから、これをやはり外国送金として優先的に確保するという問題が、先ほど申しましたのと同じような形において、現われて来ると思うのですが、この点についてはどういう御方針を持つておられますか。
#30
○賀屋政府委員 戰争前の特許権の実施契約は相当残つておるわけでありますが、御指摘のように、戰時中特例法によりまして、特許権の効力をなくしたような措置に出でたわけでありますが、これは昨年スキヤツプインが出まして、それに基く政令によつてこれを回復するような手段がとられております。契約自体はこれによりまして当然回復して参るわけでありますが、その間に、ただいまお話のありました特許料の送金につきましては、やはりこの法律は今後の契約についての送金保証をいたします関係上、更改なり契約のし直しということで、あらためて申請されません限りは、普通の為替管理の手続によつて送金することになろうかと思います。
#31
○成田委員 契約の更改ということになりましても、更改された部分が本法施行後のものに該当いたしましたらこれは優先的に送金ができると思うのでありますが、この十五條がやはり本法施行後の技術援助に対する保証だといたしますならば、本法実施前の実施料というものは、本法により優先的に送付できない、こう解釈されるように思いますが、いかがでありましようか。
#32
○賀屋政府委員 お説の通りであります。
#33
○成田委員 最後にお尋ねしたいのは送金の確保の問題でございます。この送金の確保は、第六條と第十五條によつて優先的に取扱いを受けることに結果はなると思うのでありますが、この第六條、第十五條を拜見いたしますと、外貨予算の点で、外資導入に関する送金は特別なわくを設けることになつている。その結果外貨予算が赤字になりましても、本法に基く送金額だけは優先的に送金されることになると思いますが、そう解釈してよろしゆうございましようか。
#34
○賀屋政府委員 六條の規定によります外国為替予算の計上でありますが、これはこの法律によりまして外資委員会が認可いたしまして、結局送金の保証をされましたものを必ず予算に計上することになります。その額を計上しました結果、外貨予算の絶対額が赤字になるというようなことはおそらくあり得ないではなかろうかと思いますが、ただこのほかの債権債務の関係は、外資導入関係以外に貿易の関係等についてもあるわけであります。外資だけの関係で外貨の絶対額が足らなくなるということはおそらくなかろうと思います。その他全般的に国際收支の関係が非常に悪化いたしまして赤字になりそうだというような場合には、前の條文によりまして、今後入つて参りますものをある程度制限し得るということになつておりますので、これによりまして外貨予算の編成が非常に困難な事態に陥らないような措置をとり得ることと考えております。
#35
○成田委員 この法律に基く外国送金のわくというものは、愼重におやりになるのですから、それ自体は赤字にならないということは了承できるのでありますけれども、その他の輸出入の関係は非常に激変するものでありますから、予算通りには行かないと思います。その関係で、外貨予算全体として赤字になつて来る場合でも、本法に基くわくだけは優先的に保証するということになりましたら、結局他の外貨予算の受取り勘定は黒字勘定に食い込み、食い込んでも出さなければいけないという結果になつて、結局において総体的に赤字になつても、この法律によつて保証された送金額は、優先的に保証するという結果になるおそれがあるのではないかと思いますが、その点をお伺いいたします。
#36
○賀屋政府委員 その点は確かに御指摘の通り、過去にすでに取得権として、保証を受けました分は、ほかの事情によりまして非常に国際貸借の関係が悪くなりましても、ぜひとも保証をするということにいたさなければならないと考えております。またそういたしますことが外資の導入を促進するゆえんではなかろうかと考えております。
#37
○小野瀬委員長 次は永井英修君。
#38
○永井(英)委員 先ほどは外貨予算の赤字の場合にも送金をしなければならない、負担になるというような御意見でありましたが、私は本法を見ますと送金についてもすべてほとんど認可を要するような條件になつておりますが、外資導入を促進するという点から見て、むしろある一定の送金基準というようなものを設けて、そうしてその基準内においては、自由に送金ができるというような制度にした方が、むしろ外資導入を促進するゆえんではないかと考えますが、政府はどういうふうにお考えでありますか。
#39
○青木国務大臣 われわれも一応そういうことも考えてみましたけれども、御承知のようにこの外資金部につきまして、一々それをきめて行くというようなことは、その経過から見まして、なかなか困難なことでありますし、また適当でないというふうに考えましたので、かように一々必要な認可を與えるというようなことにきめた次第でございます。
#40
○永井(英)委員 それでは大体戰前一箇年間の平均株式配当あるいは社債の利子、特許権に対する特許料というようなものの送金は大体どれくらいあつたのですか。
#41
○賀屋政府委員 戰前におきまして日本の会社が、利益の配当金として海外へどれくらい送金いたしたかという数字でございますが、株式の配当金につきましての数字を申し上げますと、昭和十五年におきましては千二百四十九万二千円、それが一番新しいところでございます。それ以前毎年一千万円ないしは二千万円程度送つておつたような数字が出ております。昭和二年から十五年までの平均をとりますと、海外送金の額は一千百九万三千円円という数字になつております。特許料の送金につきましてはただいまちよつと資料を持ち合せていません。
#42
○永井(英)委員 ドルに直したらどのくらいになりますか、あとでもよろしゆうございますが、お聞かせ願いたい。
#43
○賀屋政府委員 相当の期間をとりますと、その間にレートがいろいろかわつておりますのでちよつと数字は今すぐ出ませんので、後ほど計算いたしましてお答えいたします。
#44
○永井(英)委員 この輸出入銀行といいますか、以前の正金銀行は為替関係をいろいろ取扱つておりましたが、今後正金銀行のようなものをつくられる御意思があるかどうか
#45
○青木国務大臣 政府は目下のところでは、正金銀行のような金融機関をつくるというような考えはございません。
#46
○永井(英)委員 それから昨日もちよつとお尋ねしたと思いますが、日本経済の復興あるいは国際收支の改善に寄與する外資というような漠然とした規定でございますが、大体その内容はどういうようなものでありますか。
#47
○青木国務大臣 元来外資を導入いたしますためには、もし日本の経済的なあるいは一般的信用が充実し、高い信用を持つておりますれば、自然に入つて来るというようなことも考え得られますし、また外国投資のことでありますから、有利な確実なしかも永続性のあるような投資対象があれば、どんどん入つて来るというような常識的な考え方もあるのでありますが、御承知の通り、日本の現在の状態から見て、また昨年三月以降外資委員会が取扱つて参りました経過から見まして、どんどんと外資が入つて来るというふうなことも考えられません。またわが国に投資することによつて、厖大な利益が得られるというふうな対象があるかどうかという問題もございますが、ともかくもわれわれ今まで取扱つて参りました経過から見ますと、やはり外国からのパテントであるとか、あるいはまた技術援助契約であるとか、そういつたものが主になつておるようなわけでございまして、またそのほかに国内におきまして株式投資とか、あるいは社債投資であるとかそういつたもので、日本の破壊された現下の資本蓄積の状況から見まして、やはりできるだけ国内市場ことに産業に寄與し、生産を増加し、国内経済の回復に役立つというような、きわめて抽象的な言い方でありますけれども、そういう意味でそういう考え方のもと確認許可等も行うという考えでここに書いてある次第でございます。
#48
○永井(英)委員 こまかいことでありますが、外国投資家の中には非居住者々たる日本人が含まれておるわけですか。
#49
○賀屋政府委員 第三條の規定によりまして、これを含むことにいたしております。従いまして海外におります一世のような方も、国籍は日本の国籍を持つておりましても、外国投資家としての取扱いをいたすことになつております。
#50
○永井(英)委員 それから技術援助契約で「その対価の支拂の期間が一年をこえるもの」こういうふうに限つてありますが、それはどういうことですか。それからもう一つは、一年未満のものはどういうふうに取扱われますか。
#51
○賀屋政府委員 一年未満の契約は、大体事柄としては軽微なものが多いと予想されますし、また日本の商社との関係が非常に短かくて、これはむしろ無体財産権の輸入というような取扱いをいたす方が適当ではないかと考えまして、外資導入として外資委員会が認可するということをいたさないことにしたわけであります。従いまして、これは自由に契約ができるのでございます。ただ対価の支拂いにつきましては、技術料の送金という面で為替管理法上これは所管官庁は通産省でありますので、通産大臣の許可を受ける、こういう取扱いを受けるわけであります。
#52
○永井(英)委員 外国為替管理法とか、それから本法に罰則がたくさんありますが、この適用は日本人にはむろん適用されるでしようが、相手方にはちよつとむずかしいのではないかと思われます。この点はどういうふうにお考えでありますか。
#53
○賀屋政府委員 外国投資家に対する罰則の適用でありますが、連合国人につきましては、日本の裁判所が裁判管轄を持ちませんので、ただこの法律の違反として連合国の裁判に付するわけです。日本の法令の違反として連合国の裁判に付する。それ以外の外国人は日本の裁判によつてこの法律違反につきまして罰することができる、こういうことになると思います。
#54
○永井(英)委員 しかし、外国人にそれが適用されないわけですが、たとえばアメリカにはこういうような法律はないのではないかと思うのでありますが、そうした場合には伺うは自由になるということになるのではないでしようか。
#55
○賀屋政府委員 投資家がアメリカにおります場合には、直接これの罰則の適用はできないのであります。
#56
○永井(英)委員 日本に来ているアメリカ人は……。
#57
○賀屋政府委員 それはただいま申し上げましたように、軍事裁判として向うが裁判し得る、こういう解釈であります。
#58
○永井(英)委員 そうすると、この法律によつて連合国が裁判するということになるのでありますか。
#59
○賀屋政府委員 その通りでございます。
#60
○永井(英)委員 それから設置法についてちよつとお尋ねしたいのですが、設置法の第五條の第六項に「当該行政機関の意見を徴しなければならない。」こういうふうになつておりますが、それの意見を徴するだけで、承認しない場合には一体どうなりますか。
#61
○賀屋政府委員 その場合には、結局閣議において関係大臣に協議していただきまして、最終的な決定をいたすことになろうかと思います。
#62
○永井(英)委員 その第五條の第三項ですが、学識経験者から三名以内ということになつておりますが、学識経験者というと、これはいろいろございましようが、たとえば為替関係の銀行業者とか、あるいは一人は学者、あるいは一人はほんとうの外国貿易の経験者、こういうふうに考えられますが、一体どういう内容できめられますか。
#63
○青木国務大臣 この学識経験者でございますが、学識経験者と申しますと、大体外国為替とかあるいは貿易とかいうことについての知識あるいは経験のある人でありますが、われわれが一応考えますと、日銀の理事というような人がその事務の関係から、またそのほかに今申し上げたような方面の学識経験者、こういうことを考えているのでありまして、まだはつきりしたことはきめておらない次第でございます。
#64
○永井(英)委員 それからもう一点、再建整備法がありますが、全部の会社が再建整備法による整備が終つているのでありますか、まだ残つているのでございますか。
#65
○伊原政府委員 再建整備にかかりました会社は、五千ほど特別経理会社があつたと思いますが、もうほとんど完了いたしました。ただ集中排除法の適用を受けました会社は、法律的な関係でまだきまつていないのがあるかとも思つておりますがきわめて少くなつておると思います。ほとんど完了したといつてもさしつかえない程度になつております。
#66
○小野瀬委員長 それでは次は小川平二君。
#67
○小川(平)委員 今後期待される外資の量ですとか、あるいは形態、業種ということについで、何か目安になるような資料がほしいのでありますが、御提出がありませんので、概略でけつこうでありますが、二、三お尋ねさしていただきます。アメリカにおける国内投資の平均利回りはどのくらいになつておりましようか。
#68
○伊原政府委員 最近の株式等の例を、ムービー社の例をとつてみますと、二百社の平均が六・六%ということになつているようでありまして、帰つて来た人の話を聞きましても六―七%程度の利益があるということであります。
#69
○小川(平)委員 それからアメリカの海外投資の国別の分布、こういうことはおわかりになりませんか。どのくらいの金額がどういう地域に出ているか。
#70
○賀屋政府委員 アメリカの、これは民間の直接投資だけについての数字でございますが、地域別に申し上げますと、一番新しくわかつておりますのが一昨年、つまり一九四八年末でございますが、カナダが三十二億ドル、ラテン・アメリカが四十二億ドル、ヨーロッパが二十四億ドル、その他が十六億ドル、合計百十四億ドル、こういう数字になつております。
#71
○小川(平)委員 それからその投資の形態ですが、株式投資、直接投資あるいは社債の引受がどういうような形になつておりますか。海外の民間投資の場合でございますね。
#72
○賀屋政府委員 これもアメリカの民間投資の例で申し上げますと、著しい傾向といたしましては、一九二〇年ごろと最近とは非常に相違がありまして、一九一九年末の数字で申し上げますと、アメリカの民間の投資について、直接投資が三十九億ドル、証券投資が二十六億ドルということで、そう著しい差はなかつたのであります。これが最近では直接投資の方がだんだんふえて参りまして、先ほど申しました一九四八年末では、直接投資が百十四億ドルに対しまして、証券投資はわずかに三十九億ドルという数字になつております。
#73
○小川(平)委員 中南米あたりの平均の利回りはどのくらいになつておりますか。
#74
○賀屋政府委員 ちよつと今資料を持ち合せておりません。
#75
○小川(平)委員 それから業種別ですが、石油に対する投資が非常に大きい、半分くらいとか半分以上とか聞いておりますが、その点はいかがでありましようか。
#76
○賀屋政府委員 アメリカの民間直接投資について、先ほど申しました四八年末の百十四億ドルの産業別の内訳を申し上げますと、製造工業が三十六億ドル、石油工業が三十一億ドル、それから鉱業、製錬業が十一億ドル、農業が六億ドル、公益企業が十三億ドル、その他が十七億ドル、合計百十四億ドル、こういう数字になつております。
#77
○小川(平)委員 それから今度は別のことでございますが、国有化とかあるいは没收の危險に対する補償でございますね。アメリカの側においても同様の立法をすることになつているというように聞いておりますが、議会における審議の経過というようなことを、御存じでしたらばお聞かせ願いたい。
#78
○賀屋政府委員 いわゆる未開発地域援助計画といたしまして、昨年トルーマン大統領が就任の際に述べましたいわゆるポイント・フオアーの計画でございますが、これは未開発地域に対する民間の援助を促進いたしますために、輸出入銀行を通じまして民間の、ただいま御指摘になりましたような没收の場合の補償等をいたさせるという法律的な措置をとりますために、昨年国会に法案が提出されたのでありますが、昨年は審議未了に終りまして、今年あらためて法案が提出されたように聞いております。私どもも新聞等の情報によつて知り得る程度でございますが、けさほどの新聞にも、上院におきまして二億五千万ドルの限度で輸出入銀行に補償の権限を與えるというのが、上院の委員会を通過したようでございます。
#79
○小川(平)委員 けつこうでございます。
#80
○小野瀬委員長 それでは米原委員。
#81
○米原委員 昨日も本日もこの問題で理事会も開かれたわけでありますが、最初に、安本長官が来ていらつしやいますから、この非常に重大な法案が会期末に出て来て、われわれとしても審議の時間が非常に短かいことを非常に遺憾に思うわけでありますが、この国会におきましても、たとえば地方税の問題や、給與法の問題で、いろいろそういう議会の審議権の問題が問題になつて来たわけでありますが、今度の場合、今までの問題は国会の問題といたしましても、今度の問題は、少くともわれわれが新聞聞くところによると、一月から日米合同審議会にこの法案の作成がかけられて、相当の時間がかかつているように聞いているのでございます。それが今になつて出て来て、国会の審議の方はわずか五、六日でやらなければならぬという状態になつていることを非常に遺憾に思うのでありますが、なぜこういうふうになつたかということについて、一言長官の御意思を聞きたいのであります。
#82
○青木国務大臣 これは御説のように大分長くかかつたということは事実でございますが、これが最初外資委員会というようなものが政令に基いてございまして、新しくこういう標準をきめるというようなことでありましたので、いろいろ検討すべき分野が広かつたということと、もう一つは、なるべく簡素化しまして一つの窓口でもつてやる、一々外国の投資家がそれぞれ関係各省にすべて書類を出して、そしてそれぞれの許可認可を受けなければならぬというようなことは、外国投資にとつて不便であるというようなことが問題になりましたり、その他いろいろ外資導入という意味で、日本ができるだけ外国の資本を獲得するということのためには、なるべく便宜を與えなければならぬというような意見もいろいろありました関係から、この検討を重ねて参りました期間が非常に長くなつた次第でございます。おつしやるように相当長い期間を経てようやく今日でき上つたようなわけでございます。
#83
○米原委員 私の聞きたいのは、確かに折衝なさつたわけでありましようけれども、国会の審議の今後のやり方として、国会がそもそも立法機関でありますから、むしろ国会で審議しながら一月も二月も国会の方をかかつてもよろしいと思うのでありますが、そうして最後的に解決して行つた方がいいのではないかと考えます。それが政府原案の作成に百日もかかつて、国会の方が六日しかないということはいかぬと思うのであります。こういう行き方について所信を承りたいと思います。
#84
○青木国務大臣 ごもつともなお話で、われわれももつと早くこれができ上りますれば、国会に提出して御審議を願いたいという考えでやつて参りましたけれども、いろいろと今申し上げましたように検討の時間を費しましたので、そういう点ははなはだ遺憾であつたと存じます。しかしながらこれがやはり日本の経済の情勢というか、外国人が安んじて日本に対外投資をするというような点を考えますと、日本経済の落ちついて行くというか、安定の軌道に乗つて来るということが大きな眼目であろうかと思いますし、またその間にこの内容等についてもその実態に即して変更される。あるいは考え方等においてもかわつて来るというような経過がございました。まことに遺憾だとは思うのでございますけれども、ともかくもその期間を長くとつたということであります。仰せのようにできるだけ早く提出して、十分御審議を願うということは、もとより私どもの本意でございますけれども、今申し上げましたような次第でございましたので、御審議を願う期間が大分短かくなつたということでございます。
#85
○米原委員 その問題につきましては、ただわれわれ新聞だけしか見て知らないのでありますけれども、最初の原案と結局はあまりかわらないものになつているように聞いておるものですから、よけいに、なぜ国会にもつと早くかけられなかつたのかという気がするわけでありますが、議論しても盡きませんから、内容の問題に入ります。
 どのくらいの外資が入るかということが大分質問されたのでありますが、これは大体予想はつくのじやないかと存じます。ただいまの御質問のときにも利潤率が大体六%ぐらいと見て行くと、外貨予算の中からどれだけを送金の保証に充てる予定になつておるかということをあわせ考えて逆算して行けば、大体どのくらいの外資が入るという予定も立つているのじやないかとわれわれは考えるのでありますが、そういう点がありましたならば聞きたいと思います。
#86
○賀屋政府委員 ただいまのところでは、別段外貨予算のうち幾らを外資導入に伴う送金のために留保するという、その数字を確定いたすほどには相なつておりませんから、これから逆算いたしまして外資が幾ら入るというようなことは、やはり推定は困難かと思います。
#87
○米原委員 それではちよつとお尋ねいたしますが、産業経済新聞の四月二十日に載つておるワシントン十八日APであります。「東京の国際租税委員会の特別代表ブルース・エイチソン氏は十八日ワシントンで、総司令部は日本に外資保護基金を設置することを考慮していると次のように語つた。総司令部は日本が輸出によつて獲得した外貨により、二千五百万ドルの外資保護基金を設置することを考慮中である。この基金は外資を日本側の没收の危險に対して保護し、外資の元利を外貨にかえることを保証せんとするものである」こんな記事が出ておるのでありますが、この二千五百万ドルという数字は何か思い当りの点がないでありましようか。
#88
○賀屋政府委員 確かにそういうような情報が新聞に載りまして、私ども情報があるということは存じておりますが、それの真偽のほどにつきましては、確たる知識を持ち合せておりません。司令部等からもそういう点については何らの知らされておるところもございません。
#89
○米原委員 ただ二千五百ドルとすると相当これは多過ぎて、外貨予算の中から、これだけのものを逆算して行つて、ただいまおつしやいました利潤率六%で出すと、四億ドル以上のものがドル地域から入るという計算になるので、とうていこんなことはあり得ないと思うのです。そうしますと輸出六億ドルのうち大体何パーセントぐらいのものが、ドル地域に向けられることになつておるか聞きたいのであります。
#90
○賀屋政府委員 ただいまちよつと貿易の数字を持ち合せておりませんので、後ほど調べてお答えいたします。
#91
○米原委員 その問題は通産省の方でもいらつしやればわかると思いますが、われわれ聞いたところでは、前の外貨予算の予算委員会のときにも、たしか三〇%ぐらいに当つているのじやないかと覚えておるのでありますが、その程度のものじやないでしようか。私はかりに計算してみたのでございますが、輸出がドル地域に三〇%とすると一億八千万ドルぐらい。それに対して何パーセントぐらいの保証を見るのが普通であるかと考えて行けば、大体の数字が出て来るのじやないか。おそらく一千万ドル以下、この新聞に伝えられておる二千五百万ドルという保証金はとてもあり得ない。一千万ドル以下のものではないかという気がするのでありますが、大体そのくらいしか保証できないと思いますが、いかがでしようか。
#92
○賀屋政府委員 先ほども申し上げましたように、二千五百万ドルという数字は一つの情報として知つておるという程度でございますが、これを私ども個人的に考えまして、保証の金額としては一年間限りのもとを考えますとこれは非常に大き過ぎると考えます。従いましてこれが何年間のものであるか、あるいは没收国有化等に対する元本の補償を受くるものであるか、といつた点が不明確でありますので、それがそのまま利潤の額としてその中へ逆算するということは、必ずしも当てはまらないのではないかと考えております。
#93
○米原委員 私がその問題を聞きますのは、実際は現在外貨予算の実情からしまして、それほどの送金はできない実情にある。そうだとすると、それから逆算して考えても、実際にはこの法律によつて外資がそれほど入ることは期待できないのじやないかという気がする。むしろ昨日もその問題があつたのでありますが、届出制にしないで認可にしたということは、結局むしろ外貨予算を最大限にこれに充てても、それほど入る予定が立たないから、そういう状態であるから、むしろ重点的に外資を入れなくてはならぬという趣旨から、こういう認可制度になつているのではないかというように解釈してよろしいかどうかということをお聞きしたい。
#94
○賀屋政府委員 大体そういうお考えでけつこうでございます。いいのではないかと思います。
#95
○米原委員 そこで聞きますのは、最初にわれわれ新聞震えられたところを聞きますと、池田さんの談話か何か出ておりまして、一流の芸者は客のえり好みをしない、そういうことが一時は伝えられたのです。そういうことで自由に入るという形になるかと思つたところが、そうでなくて認可制になつて来たということがそういうところにあるのではないかということを確めたかつたわけですが、実情はどうなのか、そこのところをはつきり聞かしていただきたい。
#96
○賀屋政府委員 外資の導入を自由に届出制だけで認めるか、あるいはこれを認可制にするかという点につきましては、そういう制度をとります趣旨がどこにあるかという問題と、そこから現実に将来日本に対して交渉がどの程度行われるかという見通しの問題によつて、結論がかわつて来るのではないかと考えるのでありますが、将来の見通しといたしましては、これは各人考えるところよつていろいろ異なろうかと思います。ただひとつの制度といたしまして認可制にいたさなければならないというのは、一つはさしあたり外資を入れますこと自体は、それによりまして外貨をふやすということになろうかと思いますが、将来に対しまして結局外貨の負担を伴うという点におきまして、無制限に認めることが将来の負担を増加するという点からいたしまして、やはり日本の経済に役立つものを認める。現実に外貨を使う値打のある外資を導入させて行く、こういう趣旨から認可をする必要が起つて来るのではないかと思います。この法律をつくります過程におきまして、いろいろ議論が闘わされたのでありますが、根本の考え方からして、認可制度になりましたのはそういう点にあると考えております。
#97
○米原委員 そうしますと送金ということが法案の一番重要なところだと思いますが、先ほどから質問がありました点でありますが、日本の国内で行われている外商の外貨建営業の場合、この場合に今まではどういうような形で送金しておつたのでありますか、またどういうような制限があつたのか、これをお聞きしたい。
#98
○賀屋政府委員 OSS類似の業務をやつております商社が、国内におきましてかせぎましたドルの送金の問題でありますが、これは司令部の内部のいろいろな規則、その他によつて制限を受けておるようでありまして、的確なところはわからないのでありますが、私どもの承知しておりますところでは、消費物資等を持つて参りました場合のCIFに相当する価格までは、無制限に送金を許しておるようであります。これを越えます利潤の送金につきましては、何らかの規制を加えておるように聞いておりますが、外銀を通じてやつております関係上、明確にどの程度のものが現実に海外に送られたかという点につきましては、私どもといたしましてはわかり得ないような状態であります。
#99
○米原委員 私も輸入した限りのものの送金の許されているということは聞いておるのですが、同時に実際はそれ以上のものをどんどん送つているということも聞いておるわけです。外人の調査の問題でありますが、これは為替管理法で実際は外人の検査をすることができることになつておるのではないでしようか。
#100
○賀屋政府委員 御指摘の通り、為替管理法では調査、あるいは検査し得る権限は付與いたされておりますが、実際問題としてこれを行つておりません。
#101
○米原委員 なぜ行われないか聞きたいのでありますが、同時にこれを外貨予算の中に将来組入れることについて一そういうような方向に持つて行かれるつもりであるかどうか。
#102
○賀屋政府委員 外国商社は御指摘の通り、今日までのところは国内におきましてドル取引をやるということが認められておつたわけであります。これを今度昨年通りました為替管理法に基きまして、国内におけるドル取引を従来通り今後も継続して認めるかどうかという点につきましては、ただいま大蔵省が中心になりまして、関係各省並びに関係方面と連絡をとりつつ研究いたしておるのでありまして、もしこれが国内において円取引一本になるというようなことになれば、ドルはすべて集中されることとなりまして、もちろん外貨予算の方に組み込まれることになるわけであります。またそれに基きまして、利潤を向うへ送金する場合も、その所要額が支出の面で外貨予算に出て来ることになるだろうと思います。
#103
○米原委員 当然そうならなくちやならぬはずだと思いますが、どういうわけで管理法の趣旨が実行されていないのですか、それを聞きたい。
#104
○賀屋政府委員 これはこの国会におきましても、御協賛願つたのでありますが、為替管理法の一部の施行期日を六月末まで延期いたしておりまして、実は三月末までその取扱いに関する方針を確定いた予定で寄り寄り協議いたしておつたのでありますが、最終的な結論に達しませんで、これをさらに三箇月間延期することに御賛成願つたわけでありますが、いろいろな関係で困難な問題がございまして、早急に解決いたしかねておりますので、六月末までには方針を確定いたしたいと思つております。
#105
○米原委員 そうしますと今度のその修正によつて三箇月延期されたわけですが、三箇月の延期というと、あと二箇月でありますが、それまでにこれをきめなくちやならないとすると、大体の御構想はできておると思うのですが、どういう形になるか、大体のところを聞きたいと思います。
#106
○賀屋政府委員 まことに残念でありますが、それはただいまお答えする段階に至つておりません。
#107
○米原委員 それからこの委員会で、前に物調法のときにも聞いて、どうもそのときの御答弁が間違つていたのではないかと思うのですが、最近町で売られておる放出のマツチとか、せつけんあるいは食料品などが大量に放出されておるようですが、ああいうものはどういう形の手続で売り出されておるのですか。これは物調法のときに聞きましたときには、政府は知らないというお話でありましたが、放出物資を政府と関係なく放出されるということはあり得えないことだと思うのですが、どういう形になつておりますか、そうしてその代金が向うへ送金されておるのではないかと思いますが、その場合どういう形で送金されておるかということについてお聞きしたいと、思います。
#108
○賀屋政府委員 ただいまの御質問、ちよつと私どもの所管外の事柄でありますので、今お答えいたしかねますが、調べました上で別途お答えいたしたいと思います。
#109
○米原委員 これは外国為替管理委員会の方でわかると思うのですが、私が聞いておりますのは、これは輸出代金で、外貨予算の中から半分くらいは拂われておるということを聞いておるのですが、それだつたら安本長官でもわかると思うのです。そういう形でこういうものが、そういうところへどんどん送金されておるとすると、これは非常に大きいと思うのです。そういう選金額があれば、それを保証金とすれば、むしろ大量の外貨を入れる保証にもなるわけでありまして、どういう形で送金が行われておるかということをお聞きしたいと思います。
#110
○青木国務大臣 ただいま御質問でございまして、外貨予算のものは自分も関係しておる一人でございますので、れはなおよく調査いたしまして、別な機会にお答え申し上げたいと思います。
#111
○米原委員 それからもう少し放出物資のことを聞いておきたいのですが、新橋にある放出の食料品を売つておる店には、この金は見返り資金であるという広告が出ておる。見返り資金の方にもこれが積立てられておるというのですが、そういうことがあるとすれば、実にわけがわからなくなるのですが、この点を明らかにしておいてもらいたいと思います。
#112
○青木国務大臣 さようなものは見返り資金には積立ててないと自分は記憶いたしておりますが、なおよく調査いたしてみます。
#113
○米原委員 もう一つ送金の問題で、最近新聞に出ておりました例の古着の輸入の問題であります。あれは輸出滯貨の魚のカン詰だと聞いておりますが、それとバーターで入つておるというように聞いておりますが、それはどのくらいの金額であるのですか。私の聞いておるのでは百二十八万ドルの輸入であつたと聞いておりますが、これは実際に送金の問題と重大な関係があるので、この点も聞いておきたいと思います。
#114
○青木国務大臣 その問題は新聞で私も拝見をいたしましたけれども、今までのところ処置をいたしておりません。この点もなおできるだけ調査をいたしてみたいと思います。
#115
○米原委員 実はこの問題については、われわれとしてほんとうの真相を調査してみなければならないと感じておる点があるのであります。それは古着を輸出滯貨である魚のカン詰とバーターで入れるという契約が行われて、そうしてその百二十八万ドルという金は、国内市場における古着の消化力と、それから輸出滞貨の向うの方における消化力と見合せて拂われるということになつておつたのが、実際は百二十八万ドル一度に支拂つたということも聞いておる。そういう信用状を銀行をして一度に出したということを聞いておるのですが、そういうことがあつて、しかも輸出滯貨が実際に輸出にならないで、輸出適格品がないというので新製品を買つて向うの方へ送つたというので、初めの話と全然違うように考えられるのですが、とにかく百二十八万ドルという信用状が一度に出ておる。こういうような点は非常に送金の点で無方針で行われておるのではないかと思うのです。そういう百二十八万ドルの送金がごく簡單にできるということがあるならば、むしろ外貨を無制限に入れる届出制にして、無制限に入れるような方針がとられるはずだと思うのですが、そういう意味でもこの法案と関係しておりますので、十分調べてお答え願いたいわけであります。
 それからこの法案でありますが、この法案の第四條によりますと、対外貸借及び收支に関する勘定を内閣に報告することになつております。この点について收支勘定というのは、結局外貨予算が一つの予算である、この收支勘定が外貨予算の実績ということになると思うので、日本の貿易の実態をつかむに一番大切なものだと思うのであります。そういうものをただ内閣に報告するだけになつておつて、国会には一つも報告することになつておらない。外貨予算の実態についても、閣僚審議会できめられて、あまり国会では知らされていないのでありますが、この收支勘定も当然国会に報告することにすべきではないかと思うのですが、そのについて安本長官の御意見を聞きたい。
#116
○賀屋政府委員 かわつてお答えいたします。第四條で、内閣へ報告することにいたしましたのは、その次に出て参りますように、債務超過になるおそれがあります場合には、ただちに新しい方針を決定する必要がありますので、国会開会中に限らず、随時内閣に報告いたしまして、新方針決定の資料といたすわけでございます。ただこれが一般国民といたしましても、関心のある数字でもありますので、これの発表の点につきましては、別途適当な方法を考えて参りたいと思います。
#117
○米原委員 それは前の予算委員会でも、外貨予算の内容を発表すべきではないかという意見を私は述べたわけでありますが、この点今の御答弁は、もう公表されることと解釈してよろしいのですか。
#118
○賀屋政府委員 どうも公表いたします形式、程度等につきましては、研究いたさなければならない問題が残つておるかと思いますが、方向といたしましては、なるべく公表する方向で研究いたしたいと思つております。
#119
○米原委員 それから昨日も志田委員から問題に出されました第八條の二の二の問題でありますが、詐欺、強迫、不当なる圧迫によると認められる場合は認可しない、国際商法からいうと、この規定がなければ、占領下における被占領国民の契約は、強迫として取消すことができる。しかしこの規定があるからそういうことにはならないという御返答だつたわけでありますが、実際の問題としてはそういう意味からいいますと、外資委員会が認可する場合に、ほんとうに外資委員会が自主的な立場でやれるかどうか、実際問題です。その点が非常に重大だと思うのであります。その点で今まで外資委員会が不許可にしたものを、総司令部が許可にしたという例があるように思いますが、そういう場合にはこの規定はどういうふうになりますか。
#120
○賀屋政府委員 ただいままでのところ、日本の政府すなわち外資委員会が不許可にいたしましたものを、司令部側が許可するということにいたした例はございません。
#121
○米原委員 それはOSSなんかの関係で、二、三あるのじやありませんか。
#122
○賀屋政府委員 御指摘のOSS等の問題は、この許可云々という問題ではないのでありまして、昨日も御説明いたしましたように、事業活動につきましては――ただいまではそうではないのでありますが、昨年の十月までは、司令部が固有の権限に基いて許可をいたしておつたのであります。その許可不許可をいたします場合に、あらかじめ日本政府の意見を聞いて参つたのでありまして、その意見に反した取扱いをいたした例は、二、三ありますが、この行政処分を司令部側がくつがえすというようなことはないのであります。
#123
○米原委員 この法の趣旨からいいますと、実際の外資委員会の判断、外資委員会の認可というようなことが、実際上の問題を決するので、非常に外資委員会の責任は重大だと思うのです。そういう意味で外資委員会の構成という問題は非常に重大だと思うのでありますが、この外資委員会の構成の点を見ますと、今までの外資委員会では相当――たとえば通産省にもありますが、運輸省とか農林省とか、むしろ各省の次官が出ておるわけです。数も相当多く出ていたわけでありますが、それが学識経験者という形にかえられておるわけです。こういうふうな形になつたのは、どういう理由からでありますか。
#124
○賀屋政府委員 従来の外資委員会の構成と今度とでは、大分かわつた点がございまして、官庁代表者といたしましては、次官でもかまわないわけでありますが、必ずしも次官に限らず、その省を代表する者一人ということになつておりますが、これは次官は職務上非常にほかの一般的な問題で忙しくて、必ずしも外資の問題のみに専念するということもできませんし、またそれ以外に、職務上外資問題についで適切な判断を下し得る立場にある官庁の職員があり得るわけでありますので、そういう者を代表者に任命し得ることといたした次第であります。またその代表されます省の数が、前に比べまして減りましたので、できるだけ官庁の代表者の数を減らしまして、機構を簡素化することによりまして、意思決定をすみやかにやつて行くという趣旨にほかならないのであります。ただその場合におきましても、外資導入の案件は、各省に関する部門が非常に多いわけでありますので、その点につきましては、十分権限官庁、所管官庁の意見を尊重することにいたしたいと考えております。そのためには法律上も当然意見を聽取しなければならないということにいたしておるのであります。先ほどもほかの委員から御質問がありましたように、この場合にどうしても話合いがつかないというようなことに相なりました場合には、一番上級の閣議において処理をしていただくという結果になるかと思います。実際上の運営につきましては、従来に比して処理が的確に行われることになろうかと思う次第であります。
#125
○米原委員 私はこの外資委員会には、もつと民間の代表が出る方がいいと思うのでありますし、また人数ももつと全体としてはふやして、むしろ愼重に審議する行き方の方がいいのではないかと思うのです。たとえば私この各省の数が少くなつておる点について、これは思い過ぎかもしれませんが、先般来本国会でも問題になりましたラウントリー汽船の、例の裸用船の問題でありますが、あの時にわれわれは、新聞で伝えるところによると、運輸省の方から相当強硬な反対論があつたと聞いておるのでありますが、そういう場合に、そういう反対論はむしろあるのが当然であつて、ああいうような場合、そういうものを十分愼重に審議をやらなければいかぬと思う。そういう意味でもむしろ人選を多くした方がいいのじやないか。ただいまの御答弁によると、決定をすみやかにやるために能率的にやるためにというような趣旨に伺えるのでありますけれども、この法案の性質からすると、この外資委員会は非常に重大だと思う、そういう意味でも、もつと慎重にこの構成をやるべきでないかと存じますが、その点はいかがでしようか。これで十分だとお思いになりますか。
#126
○青木国務大臣 これは一つの考え方でありますが、直接関係の深い、ここにあげておりますような大蔵省を代表する者とか、それから通商産業省を代表する者というふうにし、さらに外貨の関係では外国為替管理委員会を代表する者、こういうので、大体この方面に専門的に当り得るような者を選ぶという趣旨でございますので、ただ片手間に各省の次官が従来参加していたという程度よりも、さらに一段とこれならばよかろうというような考えで、われわれはここにかような数の委員会を考えた次第でございまして、大体私どもとしてはこれでやつて行けるというふうに考えている次第でございます。
#127
○米原委員 もう一つちよつと不審に思うのでありますが、この委員には任期というものが全然きまつていないようで、何もそういう條項はありませんが、そういたしますと、一ぺんこの委員がきまりますと、当人が辞職するとか特別の何かが起つてやめなくちやならぬようなことがない以外は一永久に委員であるということに法文の解釈から行くとなるように思いますが、どういうふうになつているのでありましよう。
#128
○賀屋政府委員 御説の通り、この委員につきましては別段の任期を設けておりません。
#129
○米原委員 そうしますと、相当この外資委員会は権限を持つているわけであります。大蔵大臣にかわるような、たとえば第三章第十五條の権限なんかあるわけでありまして、非常に大きな権限を持つている。しかもそれが任期もない。しかもこれを見ると、安定本郡総裁が任命するというだけで、国会が承認するとかいう條項も全然ない。非常に大きな権限を持つているものが、しかも任期もきめられていないとしますと、非常にこれは独裁的なものになるおそれがあるのじやないかと思いますが、その点についてはいかようにお考えになりますか。
#130
○青木国務大臣 これは考え方によりますれば、御説のように従来と違いまして、学識経験者の三人以内というものが入りますので、任期を定めておいた方がよかつたという考え方もあるのでありますが、この点はおそらく運営の点で適当にやつて行けるのであるという解釈をいたしておる次第でございます。
#131
○米原委員 どうも今の解釈では納得行きません。実際問題として、この外資委員会がほとんど外資導入については、絶対的な権限を持つことになつているので、実際に今までの外資導入のやり方を見ると、われわれとしてはどうも理解できないような点があるわけでありますが、こういう行き方が続く外資導入ならば、前から申しますように、われわれ反対せざるを得ないのです。そういう意味での保障がないので非常に不満に思うわけでありますが、昨日のわが党の河田委員から日本石油のカルテツクスの場合ですか、ああいう点について申しましたが、たとえば最近こういうような話があつたということを聞いておりますが、国際自動車とリチヤードメーとの契約であります。外人用の営業タクシー、こういうような問題でありますが、代金を月賦で拂つて、そうしてそれとは別に金利を拂つて、そのあとで同額のものをまた拂うというような契約になつていると聞いておりますが、そういうようなことが実際に認可されているのでありますか。
#132
○賀屋政府委員 リチヤードメーと国際自動車との契約についての内容につきましては、一時両者が提携しまして、国内で外人向きのタクシー営業を行うことを計画いたしまして、申請を持つて参つたことは事実でございます。その内容をしさいに検討いたしまして、相当注文をつけまして内容を変更させたような次第でありまして、またこれはその後におきましても、当事者の方で考えをかえたようなふうに見受けられまして、ただいままでのところでは現実にはこのケースにつきましては認可をいたしておりません。
#133
○米原委員 では私がただいまお尋ねしましたようなことはないわけでありますか。
#134
○賀屋政府委員 ございません。
#135
○米原委員 もう一つ最近聞いたのでどうも不審に思うのがあるので聞きますが、オスカー・コーホンと壽製作所の問題であります。紡績機械の販売店だろうと思うのですが、それを顧客名簿をただ渡すというだけで、相当大きなものを要求しているのでありますが、そういうような話がありますか。
#136
○賀屋政府委員 オスカー・コーホンと壽重工業との間の契約につきましても申請は出て参つておりますが、この件につきましてはまだ最終的に結論が出ておりませんので、契約の内容は私契約にわたりますので、ちよつとこの席ではお話するのをはばかります。
#137
○米原委員 今までに外資導入が実際に入つた場合の條件が、どうもあまり感心できないようなものが多いようにん御調査なさつておると思いますけれども、先ほどお尋ねしましだ中小企業等の場合におきまして、大企業の下請になつておるような中小企業に対しては、外資の導入は設備資金よりも運転資金の方が、より効果が多いと思つておるのでありますが、それにつきましてはいかがでありますか。
#138
○宮幡政府委員 中小企業の金融の問題につきましては、外資導入と離れても考えなければならない問題であります。そこで運転資金の方が非常に必要だということはごもつともな意見でありまして、ただいまのところ、あるいはこの席で申し上げるのは少し早いので、しいて申し上げますれば、私個人の考え方を申したらという程度にお聞き流し願つて御参考になれば仕合せでありますが、ただいままで中小企業の小の企業に対しまして、見返り資金の解除を受けまして協調融資というのをやつて参りました。これは従来のように、中小企業対策が幾多の失敗を繰返して参りましたに対しまして、下部に浸透いたすように特別の努力をいたしましたところが、非常に有効に使われます。三月一ぱいにおいて見返り資金三億の解除に対しますものをオーバーいたしまして、非常に効力がある。しかしながらこれは設備資金に限定されております一般金融機関との協調融資でありますので、次には中小に限らず――中小の区別は大体申しますと、小の方は従業員が百人未満、資本金三百万円未満というような程度のものを、一応標準にしておつたわけであります。中の方は、これは法律的のものではありませんが、見方としまして従業員が三百人未満、資本金額において五百万円未満、こういうところに一つの目安を置きまして、大蔵省を通じまして折衝中でありますが、やはり見返り資金から相当額――金額はここでは申し上げませんが、相当額の解除を受けまして、それを基金として信用保証制度というのを実施いたしたい心構えで進んでおります。交渉も相当進んでおりますが、確定的に発表する段階にない。これの内容は、一年間の中小企業を通じます設備資金の所要額は大体五十億、これに伴いましたところの運転資金の所要額が百億、百五十億を運用いたします案によつて進んでおります。これは外資と関係なく、中小企業の運転資金を充実させるための政府の施策としてやりたいと思うのです。中小企業に直接民間外資を導入してこれを充当しようということは、現在の段階、特に金利関係におきまして外国の金利と国内の金利との間に大きな開きがあります。それから外国為替の売りと買いとの相場の開きも一円五十銭ずつありますので、これはちよつとさような方向には簡單に考えられないと思いますので、国内施策として運転資金の供給をやる。主として中小企業に対しまするものは組合化の組織を促進いたしまして、組合の信用を基盤といたします設備資金の導入、あるいは技術の導入、かような点に重点を置きたいと考えておるような状況であります。
#139
○志田委員 外資が三億ドルぐらいあれば、日本の株式は、今日のように株式の安いときには総ざらいされるだろうという恐怖もある。また共産党のように、本質的に外資恐怖患者もおるのでありますが、政府はこの外資を導入するにあたりまして、外資使用の目的について産業界の要望内容をお聞きになつたことがあるかどうか。もしあつたとすればその要望の内容をお話願いたい。
#140
○宮幡政府委員 非公式にはいろいろお話がありますが、いまだ具体的には承わつておりません。例の只見川の問題等につきましても調査は終えましたが、その後に対しましていまだ具体化した相談がありませんので、こういう法律ができないうちは、そういう話が持ち上つて来ないだろう。できましたあかつきには相当にさような問題が具体化して来ると思いますが、今日ではまだ正式にさようなお話を民間から承つたことがないような状況であります。
#141
○志田委員 われわれの手元に日本産業協議会を通じまして外資導入の経過についていろいろと情報も受けておる。それによると大体單一形体のものは借入れを主として、それから株式、社債ということになつております。複合形体のものは、やはり株式、社債の借入れを主として、條件によつて株式あるいは社債にするというふうになつて、そういう情報もいろいろ見えておるのであります。そこで私はお尋ね申し上げたいのでありますが、この外資を入れるにあたりまして、償還についてはどういうふうにお考えになつておるのでありますか。それは短期でありますか、長期でありますか、これをお尋ねしたい。
#142
○宮幡政府委員 この点につきましては安定本部の方からお答え願うか、大蔵省の方でお聞き願うのが妥当だと思いますが、便宜お答え申し上げますと、ただいまは正式には何ら外資導入のことについてお申出を受けておりません。御希望の点が長期であるか短期であるか。ちよつと判断に苦しむわけでありますが、常識的に申しますれば、設備資金であれば相当の長期にわたる部分、二十年ないし三十年くらいの間に落ちるのがほんとうではなかろうか。かように考えておるわけでありまして、ただいま御指摘の民間ではこういう希望を持つておるというお話でありますが、その御希望はよくわかります。しかしながら外資を導入いたしました以上、それの利潤なりあるいは元本なりの償還を確保するという法律が定まつておらない以上、希望はありましても、その希望を受入れる状況にならぬと思います。従いましてただいま御審議を願つております両法案が、もし外資導入の希望が旺盛であればあるほど、早期にこれをやることが必要であり、かつ外貨予算との見合いにおきまして、認許可等の制度もとつておるのでありまして、これは自由の原則の上に立つ認許可であつて、この認許可を與えられたものは外貨の送金が確保されるのだ。かように運用されて参るのが本法立法の趣旨であると通産省は考えておるわけでありまして、具体的にこの法律が通りました上は、いろいろと民間の希望を取集めまして、むしろ積極的に協力いたしまして、民間外資の導入を達成いたしたい。かように考えておる次第であります。
#143
○志田委員 この法案によりますと、日本経済復興に必要なる外資を認許可するということになつておるのでありますが、一体それほど、選択するほど外資が入つて来るように政府は考えられておるのかどうか。届出だけで自由に導入した方がいいのではないかという考えもあると思いますが、その点はいかがでありますか。
#144
○宮幡政府委員 これは先ほどもちよつと申したように、外資導入を阻止しようとしての効果を持とうという意味ではありません。送金すべき外貨の資金の関係が、ただいままではいまだ復興過程にあります日本の現情といたしまして、自由に送金を認めるような形がとれないわけであります。しかも国際の為替取引の問題につきましても、戰前のような正常な状況にありません。また日本の貨幣制度におきましても、完全なる兌換舞に返つておるわけでもない、何と申しますか、信用貨幣時代の変則のようなものが現われておりますので、こういう意味から一応は許可、承認を與えたものは送金ができるのだ。外資が確保できるのだという意味の窓口でありまして、これは許可、認可を困難ならしめ、これに無用の煩雑さを加えるというものでないのであります。許可、認可を與えざることが本則であつて、たまに認許可をするものを取上げる。さような取扱いでなくして、むしろ外貨の割当あるいは外貨の送金を確保するための認許可である。かように運用して参りたいのが本法の趣旨であります。
#145
○志田委員 昨年度中に外国人の投資がいろいろあつたように、先ほど多田委員にお話があつたようでありますが、それは送金を予定された借入金や、あるいは株式の売買、売渡し等のものでありますかどうですか。
#146
○賀屋政府委員 ただいままでに入りました外資につきましては、その果実寺の送金につきましては、政府としてもわからない。この前出ました外国人の課税の特例のこともここにちよつと書いてありますが、この場合にもむしろアメリカの方は課税の條約を方々の国と結ぼうとしているということを指摘している。しかしながらこの記事を書いた人の意見によると、実はアメリカの税法は、イギリスやオランダの場合と比べて、アメリカの商社が外国にあろうとどこにあろうと課税の対象になるという形があるので、これはむしろアメリカの法律の方が問題なのです。アメリカの法律をかえさえすれば、何も外国に特例を設けなくてもいいというようなことがここに書いてある。これを好んで日本の方で特例を設けられたという行き方を私はどうも感心しないのであります。送金保証の問題にしましても、アメリカでは先ほど話のありましたポイント・フオアーの法案で、国内で保証しようという行き方をしているではありませんか。そういうときに特別にこちらで保証するということは必要ないのじやないかと思うのです。しかも今アメリカの業界にも若干これに対して異論がある。必ずしもこれが公平に行くとは限らないので、むしろ認可制のために非常な不公平が起つて来て、アメリカの業者の方にまで、日本に対するところの投資を歓迎しないという空気があるとすると、ますます問題だと思う。そういう意味でもう一度お考え直しになる意図はないかどうか聞きたいのであります。
#147
○青木国務大臣 いろいろと御研究の結果の御勧告と思いますが、政府といたしましてはこの際別段考え直すという考えはございません。
#148
○永井(英)委員 先ほど外貨予算を発表されないということを言われましたが、どの新聞にも外貨予算は載つております。あれは一体どういうふうになつておりますか。それを発表するとかしないとかいうのが第一おかしいのですが……。
#149
○賀屋政府委員 外貨予算につきましては、当局から積極的に発表いたしましたが、今後も定期的に発表する予定にいたしております。
#150
○永井(英)委員 そうすると先ほどの発表するとかしないとかいう問題は解消するわけでございますか。
#151
○賀屋政府委員 その通りでございます。
#152
○小野瀬委員長 他に質疑はございませんか。
    ―――――――――――――
#153
○小野瀬委員長 なければ、この際閉会中の審査の件についてお諮りいたします。本委員会におきましては、今会期の初めに国政調査の承認を得まして物資の生産、配給及び消費、労働、物価、財政、金融、外国為替、貿易、建設、輸送等経済の安定に関する総合的基本問題に関し、あらゆる角度より審議をいたして参りましたが、会期終了も目前に迫つておりますので、閉会中もなお継続して審査を行いたいと存じます。また経済の総合基本計画に関連し、重要産業の実態調査及び国土総合開発に関する実地調査も行いたいと存じます。
 つきましては委員派遣の承認を申請いたす前に、国会法第四十七條第二項の定めるところにより、経済の総合基本計画及び国土総合開発に関する諸問題につき、閉会中も継続して審査することを院議に諮る必要がありますので、その旨議長に申し出たいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#154
○小野瀬委員長 御異議なしと認めます。なお閉会中の審査申出書の作成その他については、委員長に御一任願いたいと存じます。
 次に委員派遣の承認申請の件についてお諮りいたします。閉会中の継続審査が許可になりましたならば、さつそく委員派遣の承認申請をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#155
○小野瀬委員長 御異議なしと認め、さようとりはからいます。なお派遣地、派遣期日、派遣委員の人選、申請の手続等につきましても、これまた委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#156
○小野瀬委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。
 次会は明二十九日午前十時より第三委員室において開会いたします力
 なお明日は両法案の質疑を終了し、討論採決の予定でありますから、委員各位は時間嚴守の上、必ず御出席くださるよう特にお願いいたします。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後四時二十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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