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1949/04/29 第7回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第007回国会 経済安定委員会 第24号
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1949/04/29 第7回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第007回国会 経済安定委員会 第24号

#1
第007回国会 経済安定委員会 第24号
昭和二十五年四月二十九日(土曜日)
    午前十一時十七分開議
 出席委員
   委員長 小野瀬忠兵衞君
   理事 小川 平二君 理事 志田 義信君
   理事 永井 英修君 理事 森   曉君
   理事 笹山茂太郎君 理事 米原  昶君
      江花  靜君    木村 公平君
      首藤 新八君    周東 英雄君
      田中不破三君    福井  勇君
      福永 一臣君    藤枝 泉介君
      降旗 徳弥君    吉武 惠市君
      受田 新吉君    成田 知巳君
      羽田野次郎君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣 青木 孝義君
        国 務 大 臣 増田甲子七君
 出席政府委員
        大蔵事務官
        (理財局長)  伊原  隆君
        通商産業政務次
        官       宮幡  靖君
        経済安定政務次
        官       西村 久之君
        大蔵事務官
        (外資委員会事
        務局長)    賀屋 正雄君
 委員外の出席者
        議     員 前田 正男君
        專  門  員 圓地與四松君
        專  門  員 菅田清治郎君
四月二十九日
 委員根本龍太郎君、勝間田清一君、鈴木正文君、
 多田勇君、飛嶋繁君、林讓治君、本多市郎君及
 び金光義邦君辞任につき、その補欠として南好
 雄君、受田新吉君、降旗徳弥君、藤枝泉介君、
 首藤新八君、吉武惠市君、木村公平君及び江花
 靜君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員南好雄君辞任につき、その補欠として福永
 一臣君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
四月二十九日
 国土総合開発法案(内閣提出、第一九四号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 外資に関する法律案(内閣提出、第一八五号)
 外資委員会設置法案(内閣提出、第一八六号)
 国土総合開発法案(内閣提出、第一九四号)
    ―――――――――――――
#2
○小野瀬委員長 これより会議を開きます。
 これより内閣提出第一八五号、外資に関する法律案、内閣提出第一八六号、外資委員会設置法案を一括議題に供し、質疑を続行いたします。質疑は通告順にこれを許します。受田新吉君。
#3
○受田委員 私、この二つの法律案につきまして非常に遺憾の意を表したいのは、かかる日本国の経済全体に影響を及ぼすような重要法案が、国会の閉会まぎわになつて突如として提出せられまして、しかも短時日のうちにこれを切上げようとするような空気が見られることであります。私たちはこの二つの法律によつて、国全体の経済安定が可能であれば、これは一応うなずける節もあるのでありますが、特に外国の資本というものの影響が、この二つの法律によつて、国全体の経済の上に非常な圧迫を加えるだろうという危惧を抱いておるのであります。その一つといたしまして、この外資に関する法律案によりますと、内容に種々の規定はしてあります。たとえば「負債超過又は支拂困難のおそれのある場合の措置」とか「外国為替予算に関する措置」などにおいて、十分その保護のわくがはめられているように見られるのでありますが、実際の運営の上においては、これが無制限に外国送金となるようなおそれもありますし、特に外貨予算が赤字になつた場合などにおける、非常に憂慮すべき事態なども考えられますので、この法律案はよほど慎重審議をしなければならぬと思うのであります。特にかかる外貨関係の法律案は、少くとも国際條約によつて規定されるべき性質のものであるのが、単なる国内法で規定されるということも、われわれには非常な不満の気持ちがあふれておるのでありまして、この二つの法律案に対する根本的な態度として、私たちは非常に遺憾の意を表したいと思つております。具体的に昨日質問もありましたので、いろいろ調査した結果、昨日の質問で脱落している事項について、私より左の数点の御質問を申し上げたいと思います。
 その第一は、この外資に関する法律案の方でありますが、この法律案の出される前提として、一応お伺いしておきたいのは、今の国の経済全体から見て、非常に重大な問題でありますので、アメリカその他の諸外国の日本国内における投資は、一体どのくらいあるのか。及びこのためにこの法律の対象となる資本はどのくらいあるのかという点について、外資委員会で特に研究しておられる政府委員の方の御答弁を願いたいのであります。
#4
○賀屋政府委員 アメリカの今日の日本に対する投資の金額についての御質問でございますが、過去に入りました投資について、多少古いところで戦前の数字を申し上げますと、昭和十六年末に、外国の資本がわが国の法人に対しまして直接に投資せられた額を申し上げますと、米国が八千二百三十七万七千円ということになつております。なおついでにほかの数字を申し上げますと、英国が二千百八十万八千円、それからオランダが百八十八万三千円、合計いたしまして、一億六百六万八千円という数字になつておりまして、その当時の日本の法人の総資本金は、公称資本金で調査の関係上払込み資本金がとれておりませんが、全体で三百九十三億五千二百万円、こういう数字になつております。これは昭和十六年で戦争直前でもありまして、それまでに相当引揚げがあつたというようなことも考えられましようが、この両者を比較いたしましても、当時の日本の法人に対して直接投資せられました額は、非常に微々たる額になつておるわけであります。もとより戦争中には新しい投資はほとんどなかつたということは当然考えられますが、戦後投資が公に認められましたのは、昨年の三月以来のことでございますが、昨年三月以来の数字につきましては、前回の委員会におきましてもお答えいたしました通り、株式投資について申し上げますと、外貨で払い込まれましたものが、大体四十六万ドルということになつておりまして、このうちの大部分はアメリカの投資ということが言えるかと思います。
#5
○受田委員 この法律には、この対象とか、外資としてあげられるものの内容がはつきり規定されてないが、おそらくこれが民間外資のみをさすのであろうとは思うのでありますが、政府においては、ガリオアとか、エロアとかいう方面の外資はどう考えられておるのか。
#6
○青木国務大臣 日本ヘガリオア及びエロアの見返り資金として参つているものは、この対象ではございません。
#7
○受田委員 次にこの法律案の中にあげてあります外国人の財産取得に関する政令のうちにある規定について、どういうふうに解釈するかでありますが、朝鮮人とか、台湾人というものはいかに取扱われるのですか。
#8
○青木国務大臣 これは政令五一号と同様な解釈をいたしております。
#9
○受田委員 それからアメリカ人で日本に土地を所有している者がある。この土地に対する資本投下という問題について、これはやはりこの対象となるものであるか。特に二重国籍を有する場合に、この政令に基いて、現にこちらに居住していない者は、当然アメリカの場合であるならば、アメリカの国籍を有するものとして取扱われておるものと思いますが、こういうものもこの法の対象になつておりますかどうか。二世の農地問題は農林省においては外国人の土地として、今取扱われておりますが、その場合の土地です。
#10
○賀屋政府委員 外国人の定義は、先ほど長官の御答弁にありましたように、政令五一号と同範囲に規定いたしております。政令五一号で二世をどういうように取扱つておるかと申しますと、政令五一号の第二條第二項に、日本の国籍と日本以外の国籍の両方を有するものは外国人として取扱う。但し例外といたしまして、終戰後引続き日本に住所を持つております者でありますとか、昭和二十年九月二日以後外国から引揚げた者、それから連合国最高司令官から永住の目的をもつて入国を許可されました者、これは日本人として取扱う。それ以外の者は二重国籍を持つております場合、外国人として取扱うという規定になつております。
#11
○受田委員 次にこの外資委員会設置法案の方でありますが、この組織並びに委員長及び委員の第五條のところに、委員は左に掲げる者をもつて充てることが規定されておるのでありますが、ここにあげられている中に、農林省を代表する者が書いてないのでございますが、先ほど来申し上げた通り、日本においては、経済問題としては、通商産業省関係と農林省関係は、非常に重要な意味を持つておるのであります。この重要な意味を持つておる農林省関係の問題を無視したような形が見られるのでありますが、何ゆえに通商産業省を代表する者をあげて、農林省を代表する者をあげていないか、安本長官の御意見をお聞きしたい。
#12
○青木国務大臣 これは御承知の通り、直接貿易に関係をし、貿易の運営、特に事務上のことを扱つて参りまする通産省と、それから外国為替管理委員会を代表する者、それから御承知の通り経済安定本部の外局として、外資委員会というものが設置されるということになつておりますので、大体そういうふうな簡素化の意味におきまして、直接にこういう委員を選ぶということに決定することにいたしたのでありまして、もしそういう関係になりますならば、運輸省関係も、農林省関係も、またこれに入れなければならぬということになりますので、この際ぜひ事務の簡素化をやり、そうして必要のあるときにおいては、主務大臣に対してそれぞれ協議をいたしまして決定するというような、組織の上からこういう結果に相なつておる次第でございます。
#13
○受田委員 事務の簡素化と申し述べられたのでありますが、かかる重要な事項を取扱うものを、きわめて少数の委員でやるということそのことに、私は少し不満を持つておるのであります。経済関係から、直接貿易に関係をしておる通産省を代表する人だけを入れるというこの見解は、一応うなずかれる向きもあるのでありますけれども、しかしながら、農林省というものと運輸省を比べた場合に、農林省が経済的にいかに通産関係と密接な関係を持つておるか。元は農林省と商工省とが一つになつた時代があるくらいに、非常に密接不離な関係を持つておるのであります。それをここで非常に差別待遇をしておるということについては、その根拠が薄弱であるといわざるを得ないと思うのでありますが、委員の数をいま少しふやしてでも、農林省を代表する者を入れるという用意はないか。ただ簡素化というのみでなく、もつと真劍に、もつと念を入れて、外資委員会を構成するという立場から、もう一ぺん政府の所信を伺いたいのであります。
#14
○青木国務大臣 この点は、このうちの6と書いてございますところに、「委員会は、その権限を行う場合において、その事項が委員の代表する各省各庁以外の行政機関の所管に係るときは、あらかじめ当該行政機関の意見を徴しなければならない。」ということで、この点は委員会といたしましては、きわめて重要視をいたしておりますが、御承知の通り、外国投資、外資の導入というような点を考えますと、大体御承知のように、通産省及び外貨に関する大蔵省、それからこれを取扱つておるわれわれの立場というものが、一番前面に出て来ると思いますし、たとえば農業関係の外国投資というようなものが、従来の関係を見ましてもあまりなかつたというようなことも、この考えの中に包括してわれわれは持つておるのでございまして、そういう意味から、この程度でやつて参りますれば、万違算なくやつて行けるのではないかというような考えで、かような委員の構成にいたした次第でございます。
#15
○受田委員 いま一つ、この「組織並びに委員長及び委員」の事項に委員の任期があげてないということと、委員が職を解かれる場合の措置が全然あげてない。これは行政組織法のあらゆる面に、今までかつて見なかつた、まつたく偶然のできごとであります。この任期があがつてないということと、任を解かれる場合の措置があがつてないということとは、どういう根拠でおやりになられたのか、御説明を願いたいのであります。
#16
○賀屋政府委員 委員の任期についてのお尋ねでございますが、この大蔵、通産、外為委員会を代表いたします官吏につきまして、随時適格者を代表者とするということで、これはむしろ任期をもつて縛らない方がいいということは当然であろうかと思います。そのほかに新しく加えることになりました民間の学識経験者三人以内、これについての任期の問題でありますが、この学識経験者の委員は、これはパート・タイム、つまり非常勤の委員ではありますが、国家公務員法の取扱いにおきましては、これは一般職の職員と同じ取扱いを受けるわけでございます。一般の公務員がどういう場合に職を解かれるかということは、公務員法の七十八條に規定いたしておりますが、次の四つの場合に、本人の意思に反した免職ができるということになつております。その一つは勤務実績がよくない場合、二番目は、心身の故障のため職務の遂行に支障があり、またはこれにたえ得ない場合、第三には、その他その官職に必要な適格性を欠く場合、それから第四番目には、官制もしくは定員の改廃または予算の減少により廃職または過員を生じた場合。こういうことになつておりまして、外資委員会の委員の中に加えられます民間の学識経験者は、ただいまのところ、まだ的確にどういう人を入れるということは予定をいたしておりませんが、この職務の性質上から考えまして、一定の任期を定めますと、その間は保障されるということで、その意思に反した免職はできなくなりますので、そのときどきに最も適当した方を選び得るということで、ただいま申し上げました第三番目の、官職に必要な適格性を欠く場合ということになりましたときには、その方にしりぞいていただいて、また適当の人を入れるということで、機動的に委員の入れかえをやつて行くということができるように考えたわけでございます。
#17
○受田委員 今の説では、まつたく経済安定本部総裁が独断で委員の任免ができるようにされておるようでありますが、これは非常にに民主化をはばむものであつて、また思いつきでそのときどきに適当なものが登場するという結果が起ると思うのですが、そういう想定をしておられることは、せつかくこうした重要な委員会の構成組織の上で私は非常に遺憾だと思うのです。この点において、他の行政組織法に規定されたごとき方法による委員の任期、並びにもう少し民主的に委員の選出方法がとられて、国会の承認を得て、総理大臣が命ずるというような形式の委員会の方が、この外資委員会の性格からいつて、特にその重要性からいつて妥当であると思うのでありますが、そのような独断專行をなし得るような外資委員会というものが。実際の運営の上において妥当であるかどうか。それが妥当だという断定をあくまでもお下しになるか。これは安定本部長官にひとつお伺いしたいのであります。
#18
○青木国務大臣 この問題は、昨日もそういう点で御質問がございましたけれども、大体この委員の選定ということにつきましては、いろいろとわれわれも考慮いたしましたけれども、まあこの点は運営の面で適正を期するということでよかろうという結論になりまして、さような方法をとつた次第でございます。
#19
○受田委員 最後に、すべてこの原案を固執されるということになるとするならば、これ以上御質疑を申し上げることを差控えます。少くともこの委員会の構成並びに外資に関するあらゆる規定において、もつと国全体の経済安定という立場から、幅のある民主的な規定を盛つていただくことをお願いしておきたかつたのであります。しかももはや質問の時間も非常に差迫つて、先ほど来與党の委員からも、関連質問をしたときにも、種々の御注意があつたほど非常にあせつておられますので、この点で一応私の質疑を終りたいと思います。
#20
○小野瀬委員長 この際お諮りいたします。通商産業委員前田正男君より、委員外発言を求められております。これを許すに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#21
○小野瀬委員長 それでは前田君の発言を許します。
#22
○前田正男君 私は通商産業委員会の委員といたしまして、委員外質問をさしていただくわけでありますが、本来ならば、この法案は当然通商産業委員会と合同審査をいたしまして、詳細にわたつて検討いたしたいと存じておるのであります。しかし会期末のことでありますので、この際私は委員外発言によりまして、重要な問題二、三点につき、ごく簡單にお伺いしたいと思うのであります。
 まず第一に私がお聞きしたいと思いますのは、この第二條にも書いてありますけれども、本来ならば外国資本の投下というものは、自由に認めらるべきものであるというふうに書いてあるのでありますが、しかし当分の間ここで許可認可をするということになつて参りますと、この外国資本の投下された場合のそれの市場――マーケットというものは、当然東南アジアその他各方面にわたつての市場というものについて、相当の関連性があるのでございまして、これのまた第八條にも、直接または間接に国際收支の改善に寄與するものについては、この優先権を與えるように書いてありますが、その点私は特に長官にお聞きしたいのでありますが、こういうふうな外資委員会というようなものが設けられました場合には、こういう東南アジアその他の、わが国の通商関係の市場の状態というものが、よくこの外資委員会にわかるのかどうか、そういうものがよくわかつて、それによつてこの許可認可ができるのかどうかということを、まず第一にお伺いしたいと思います。
#23
○青木国務大臣 御承知の通り、東南アジアに対する開発計画、後進国開発計画、そういうふうなものもわれわれは注意をいたしておりますが、しかしながらこれはわが国が、こういう計画に基いて、輸出関係等に有利である、そういうことにわれわれとしても努力しなければならぬというようなことは考えておりますので、できるだけの注意は拂つて参つておりますし、また拂う考えでございます。しかしながらそういうような開発計画等について、直接日本が参加するというようなことは、今日のところ行われておりません。従つてさような点で不明確な点も起つて参ろうかと思いますが、しかし日本の利害関係というような意味でのこの外資導入の関係でございますから、諸般の関係について、できるだけの注意を拂つて、その上でこれらの運営をスムーズにやつて行きたいと考えておる次第でございます。
#24
○前田正男君 長官の今の御説明では、私は若干了解しにくいところがあるのでございます。それは何かと申しますと、外国の方におきましては、たとえばパキスタンにおいては、そういうような産業開発の計画がある、それによりまして日本に投資をして、そこに品物を輸出したい、そういうふうな考えをもつて外国の人が投資したいという申請を持つて来た、それに対しまして、日本の国といたしましては、そういうパキスタンの開発計画を知ることができるかどうか。それを知らなくて、日本側の外資委員会において、外国人のそういう要望に対しまして、認可許可の査定をすることができるかどうか。これをひとつお聞かせ願いたいと思うのでございます。そういうふうな要望によつて、外国の方からの投資したいという希望があつた場合に、どういうふうにしてこの外国の市場があるかどうか、そういうマーケットがあるかどうかということを、日本側の委員会として調べるつもりであるか、その点をひとつお聞かせ願いたい。
#25
○青木国務大臣 貿易等の関係におきましては、御承知の通り通産省が直接当つております。その通産省が当つておる範囲におきましては、外資委員会におきましても、これまでもそうでありますけれども、今後におきましても、種々通産省のこれらの仕事に当つておる人々とも折衝いたしまして、それらの関係は十分外資委員会にも反映させることができるというふうに確信いたしておる次第であります。
#26
○前田正男君 今のお話ですと、通産省の人が、この外資委員会に反映すると言つておりますが、それでは通産省とか日本側の政府機関におきましても、通産省であつてもどこであつてもけつこうですが、日本側の政府機関におきまして、現在外国のそういうふうな通商産業関係の市場というものが――今度アメリカに在外事務所を置きましたけれども、それ以外の土地において、現在私たち日本側の政府機関といたしまして――民間の情報は別であります。政府機関といたしまして、これの重要な認定を下すに足るような公式のしつかりした情報を、責任を持つて集めることができるかどうかということを、私はお聞かせ願いたいと思うのであります。
#27
○青木国務大臣 御承知の通り、この外資委員会には通産代表者も入つておりますが、また今申し上げましたように、通産省がそれらのことについて関係しておる限りにおきましては、当然外資委員会にも、その程度において反映することができる、こういうことであります。
#28
○前田正男君 それは水かけ論でありますけれども、反映することができるということは、情報が入つて来るということは、それは私もある程度認めますが、少くともこの重要な案を、あるいは許可するとかしないとかいう判定を、日本側の政府機関においてこれからやるわけであります。外資委員会というものは、政府の公的な機関であります。従つてそれの認定の情報というものが、公式なものでなければならぬと私は思うのであります。そのときにあたりまして、今のお話ですと、私は通産省についても、通産委員として知つておりますが、現在の通産省が、それでは公式にそういう東南アジアにおきますところの開発計画を入手し得て、外国人から投資したいという話があつた場合に、そういう市場があるとか、そういう計画があるとか、そういうマーケットがあるとかないとかいうことを、通産省が公式な情報に基いて、あるいは公式な調査に基きまして、これの重大な認定を下す資料が現在入手できておるようには、私には考えられません。この点につきまして、日本側の政府機関といたしましては、こういうような外資委員会というようなものを設ける以上は、少くともそういう方面の調査のいろいろなものが、日本側の政府として公式に入手できるというふうな道を講じなければならないと思うのであります。この点につきまして、重ねて長官の御答弁をお願いしたいと思います。
#29
○青木国務大臣 これはすでに御承知の通り、アメリカにおきましては数箇所に在外事務所というものができております。こういうものが、東南アジアにおきましても、各地にだんだんできるのじやないかという考えをわれわれは持つておりますが、今のところまだそういうものができるということについて、私どもははつきりした見通しを持つておりませんが、すでにアメリカにおいてこういうものができております以上は、通商関係におきましても、自然東南アジア、あるいは利害関係のあります地域に対しましては、そういうものができて来るであろうかと自分は考えておる次第でございます。
#30
○前田正男君 今の話で大体政府の希望しておられるところはわかりましたが、私は少くともこういうものを法律として出し、しかも政府が公式に、今後この法律が施行された場合には、重大なる判定を下さなければならぬ。ただ単なる届出ならけつこうでありますが、許可認可の重大なる判定を下さなければならぬというようなときには、そういう希望的な話では、一般の交易の事業に対しまして、公的な機関といたしましては非常に不十分だと私は思います。この法律が施行されて、外資委員会として行動を開始するまでには、当然そういう必要な場合においては、通商関係の情報が公的に入手できるいろいろな事務所を置いてもらうとか、あるいは別な方法で入手できるとか、はつきりしたところのものができてから、こういう法律が施行されて行かなければ、それでは現在許可認可の判定を下すのは、何によつてやるのかということについて、外国資本を投下したいところからつつ込まれた場合に、日本側の政府機関として非常に立場上困るのではないかと思います。そこでこの際この法律を施行されるまでに、政府におきましては非常な努力を拂われまして、ぜひひとつ東南アジアその他におきましても、在外事務所を設けるようなことについて懇請をするとか、その他いろいろとやつていただきたいと私は思います。幸い通産政務次官が出ておいでになつたので、通産政務次官にもそのことをお願いしたいと思うのであります。今ちようど聞いておつたところでありますが、通商産業省といたしまして、この外資委員会に代表者を送られた場合に、東南アジアその他の各方面の通商関係の公的な情報を入手できるかどうか、それについてひとつ宮幡次官から御説明を願いたいと思います。
#31
○宮幡政府委員 ただいま通産におりましたので遅れて申訳ありません。途中でありますので、あるいは前田君のお尋ねとは要点がはずれておるかもしれません。日本の盲貿易を打開いたしまして、純経済問題に対しましては、たとい占領下においても完全なる行為が行えるようにいたしたいものと存じまして、安定本部を中心といたしまして、関係省が集まり、寄り寄り検討したしております。幸いにいたしまして、最近アメリカ方面に通商事務所の開設が許されたわけでありますが、これをさらに拡張いたしまして、国際感情等が漸次緩和される状況にありますので、東南アジア地区へも近い時期において実現するような努力をいたして参つておるわけであります。なお英国式のべトロの制度というものを実施いたしまして、海外に対しまする宣伝、情報の収集等をいたすべく、実は今年度の予算において考慮いたしましたが、諸種の事情で今年度は実現いたしませんでしたが、後半におきましては具体的にそういう措置もとつてみたい、ことに二十六年度の予算におきまして、ベトロの制度に準じます施設をいたして参りたい、かように考えておる次第であります。なお現状におきましても、諸種の貿易協定等の機会には、日本の官吏その他の関係者が、オブザーバーの立場ではありますが、協定の内容に参加させていただくことができるようになつておりますので、従来のような完全盲貿易とは違つて、若干情報が入りまして、幾らか判断が明るくなつて来た、かような状況でありますので、外貨予算の割当とか、あるいは輸出入の許可、あるいは本法案に対しまする必要なる認許可というような問題に対しましても、乏しき中にも十分情報を集めまして、善処をいたす考えであります。
#32
○前田正男君 そういうふうに現状としましてはやむを得ないところもあると思いますけれども、少くともこういう法律を施行する以上は、通商産業省の代表者が委員会に出るまでには、十分なそういう公的な機関が情報を入手できるということを基礎にして、こういう法律というものは作成されなければならないのではないか、そういう環境が来てから初めてこういう許可認可というものはできるのではないかと考えます。実は私は今までの間におきましても、そういうふうな情報を入手すべく、各方面にわたつて政府におきまして努力するように、いろいろとお願いしておるわけなのであります。しかし現状におきましては、私は東南アジア方面におきましては、公的な、ことに向うの国におきまする経済開発計画は公的情報を入手し得ない現状にあると考えます。この点につきましては外資委員会は愼重なる検討をされまして、認可、許可等にあたつては、その点についてぜひ最善の努力を拂つていただくと瞬時に、日本政府の努力によりまして、ひとつ諸外国の友好的なるとりはからいをお願いしまして、一日も早く通商関係の公的な情報が入手できるように、最善の努力を拂われんことを希望いたします。
 次にお聞きしたいことは、技術援助の問題であります。この技術援助の希望でありますが、この外資委員会を見ておりますと、はたしてこれが技術的に日本の開発に必要であるかないかということについて、どこでどういうような方法でこれを認定されるつもりでおるか、その点についてお聞きしたいのであります。
#33
○賀屋政府委員 今度の法律によりますと、日本が援助を希望いたします技術の種類を公表することにいたしておるのであります。具体的にどういうものをこの中に包含させるかということにつきましては、産業関係に権限を持つておられる通産省あるいは経済安定本部の中にも生産局というものが、ございまして、そういつた官庁方面の調査によりまして、この具体的な資料を研究いたしたいと考えております。同時にまた民間からも具体的にこういう技術を導入したいという希望があり得ると考えますので、適当な方法によりまして民間側の意見も徴して、総合的にこれを網羅いたしまして、公表するということにいたす考えであります。
#34
○前田正男君 そういうような考え方だけでは、私はこの技術という問題は、今後の日本の産業が十分に外国の生産と対抗いたしまして、どれだけの力を持つて行けるかということが非常に大きな問題でありまして、各方面にわたつて日本の生産方式等にも影響がある問題であります。それがそういうような簡単な考え方では、私はいけないと思うのでありまして、少くとも現状におきましては現在日本には、学界におきましてはこれを法律で認められました日本学術会議というものがありますし、また行政方面はおきましては、現在内閣の総理府に科学技術行政協議会というものがあるのでありまして、この人たちが非常な努力を拂つております日本全体の今後の技術の問題というものをどういうように持つて行くかということに、大きな関連性を持つているのであります。ことにこれが外国から入つて来るということは非常に大きな問題でありまして、少くとも科学技術行政協議会の答申を要するか、あるいは日本学術会議の答申を要するか、そういうことがこの法律に入らないならば、政令でやるとか、あるいはそういうような何か規定を設けるとか、こういうことについてお考えがあるかどうかということについてお聞きしたい。
#35
○賀屋政府委員 御指摘の学術会議でありますとか、それから内閣に置かれております科学技術行政協議会、こういつたところの意見を採用いたしますことはもちろん適切なことと考えられますので、実際の運用におきまして、そういうように広く各方面の意見を取入れたい、かように考えております。
#36
○前田正男君 そういう意見を取入れていただくというお話で非常にけつこうでありますが、ただ将来必要なときに聞くということでは、実はポイントがはづれてしまうのでありまして、ここに書いてある通り、こちらから希望の科学技術の援助なり、技術というものを公表しなけばならない立場にありますので、ぜひともそこの議を経なければこれをやれないという、何か内規でも何でもけこつうでありますが、そういうことを確定するという気持かあるかどうか、その点をお聞かせ願いたい。
#37
○賀屋政府委員 ただいま運用の面でそういうふうなことを十分考慮するということを申し上げましたが、御質問の御趣旨は、こちらの悪意的な判断に基いて意見を徴するかいなかを決定するというのでは不十分である、法律的に確保しろ、こういうことであろうかと思います。その点につきましては、外資委員会設置法の五條に、「委員会は、その権限を行う場合において、その事項が委員の代表する各省各庁以外の行政機関の所管に係るときは、あらかじめ当該行政機関の意見を徴しなければならない。」とありまして、科学技術に関する権限を持つております行政機関に対しましては、当然あらかじめ意見を徴することになろうと思います。行政政機関以外の民間の団体等について、法制的な措置を講ずる点につきましては、第八條に「外資委員会規則を制定することができる。」ということが書いてありますので、法制意見局等と相談いたしまして、場合によつてはそういうことをこの中に織り込むことを研究して参りたいと考えております。
#38
○前田正男君 科学技術の点につきましては、今申しました通り、法律で規定されております学術会議なり、行政協議会なりの議を経て決定するというふうにぜひしていただきたいと思います。
 もう一つお聞きしたいのは、外国為替予算のことであります。今後これか行使されることになりました場合に、日本の現在の為替予算の割当のやり方では、その見通しがつけかねる場合があると思うのであります。それはなぜかと申しますと、現在の予算は三箇月を一期にに割つて、しかも一月ずつその品目を発表するというようなやり方でありますが、そういうことでは、今後投資される場合に、日本の国内においても、また近接の外国マーケット等においても、外貨予算が相当長期でない限り、いろいろな商売の見通しがつけにくいのではないか。これは現在の輸入においてさえ不便であるのであります。現在の輸出入は、自由貿易ということになつていながら、為替予算が短期間であるために、非常に本拠を感じておるのであります。少くとも一年間ぐらいの為替予算が公表されていなければ、投資によつて事業を運営して行こうという場合において、その参考にもならないし、またどういうふうになつて行くという見通しもつかないということに、現実問題としてはなつて来ると思うのであります。せつかくこういう外資委員会ができるのでありますから、一年間分ぐらいのものはまとめて発表できる権限を、日本側にゆだねていただけないかどうかということについて、ひとつ責任ある御答弁をお伺いしたいと思います。
#39
○伊原政府委員 外資予算の作成につきましては、今お話の通り、ただいまのところ三箇月ごとの予算を組んでおるのでございますが、この法律が通りまして、たとえば望ましい外資が入つて参りました場合に、毎月幾らずつ配当金を送り、利子を幾ら送るというような義務費に属するものができるわけでございます。これらにつきましては、一旦認可をいたしました以上は、その條項に従つて外資を確保するということが絶対に義務でございますので、お示しの通り、年間またはもつと長い見通しをつけなければならないと思うのであります。この外資委員会によつて入つて参りました外資によつて送金という問題につきましては、もちろん今お示しのように、一応読んでいますと義務費というようなことになりますので、年間を通じまして見通しを立てることはぜひとも必要であろうとわれわれ考え薫るのでございます。
#40
○前田正男君 そういう義務によつて生ずる外貨の割当は、一年間を通じて公表されるのかどうかということをお聞かせ願いたい。
#41
○伊原政府委員 個々の外資の送金か幾ら許されておるかというようなことを公表するかどうかは別の問題と存じます。ただいまも申し上げましたように、入りました外資が、毎年幾らの配当金を送金することを條件とするというふうな場合におきましては、認可の條件によりまして当然それが確保されることになりますし、三箇月ごとに予算を組む制度を続けまして、その送金が起る時期には必ず予算を組まなければならぬから、結局見通しといたしまして、三箇月ごとの予算でもそれが入つておるということになるではないかと思うのであります。
#42
○前田正男君 送金の予算等のほかに、これから外資を導入する立場からいいますと、商売の関係で、今商品別にいろいろな予算が三箇月ごとに割当てられて発表されておりますけれども、これでは導入の見通しは非常に困難を感ずるのではないか。ポンド域から、あるいはドル域から、どういう時期にどういうものが入つて来るという見通しがないと、たとえば導入しようという立場の人は、はたして将来性があるかどうかということについて、いろいろ考えがあるに違いないと思いますが、三月ごとの予算の公表でもつて外資を導入しようという見通しがつけられるかどうか。私たち商業的な頭をもつて考えた場合には、三月の予算で外資を導入するという計画は立てにくいと思いますが、この点についてどう考えておられますか、お聞きしたいと思います。
#43
○伊原政府委員 事務的なお答えになるかもしれませんが、この法律におきましても、第六條、第十五條等御参酌になりますとわかりますように、入つて参りまするときに、初めから外貨の送金を予定いたしますものにつきましては、そういう條項を含めて認可をいたします。そういたしました以上は、第六條の規定に従いまして、外国向けの送金は外国為替予算に計上する義務を生じますので、法令上はもちろん外貨の送金ということが確保されておるわけであります。しかし金がないのではないかというような問題につきましては、この第一條にもございますように、また全体を通じた精神でもありますように、その外資が入つて参りまして、日本の外貨の地位がよくなり、外国為替の事情を向上せしめるような外資の導入を希望いたしますので、それが入つて来たことによつて、たとえば十の外貨をもうける、そのうち毎年三ずつ出て行くというふうな結果になると思いますので、入つて来ました外資の利子、利潤の確保に事を欠くようなことはないとわれわれ確信いたしておる次第であります。
#44
○前田正男君 大体法律に関する事務的なことは私もよくわかりますが、予算の問題について納得できない問題は、そういうふうな三月ぐらいずつの公表でもつて、日本の輸出入の貿易から生じますいろいろな経済状態というものの見通しが立てにくいということです。これは今後外資を導入してもらいたいということに対して、私は非常な支障になるのじやないかと考えるのであります。日本の少くとく一年間を通ずるところの外貨の割当及び予算というものが明らかになつて、それによつて初めて外国資本というものは投下される見通しがついて来るのじやないかと思うのであります。しかしながら私たちは、聞くところによりますと、それをまたいろいろな方面から情報を得て非常にうまく立ちまわつておる者があるということを聞くのでありますが、私はこういうことについては、外資委員会というものがせつかくできるのでありますから、日本側において立てますいろいろな外貨の割当及び予算というものは、この委員会を通じまして、関係方面の了解を得れば、一年間の分は発表できるというような権限を持たせてもらう必要があるのじやないかと私は思うのでありますが、この点について政府としては、今の外貨割当の三箇月を六箇月とか一年にする。こういうふうに努力するつもりでおるのかどうかということを、長官から責任ある御答弁を願いたいと思います。
#45
○青木国務大臣 ただいま外貨予算について、一年間のわくを初めから発表したらどうか、そういうことについて、政府は努力する考えはないかということだと思いますが、これは御承知の通り、一年間のわくはもとより考えまして、さらにその中の第一・四半期、第二・四半期というふうな、三箇月ごとのわくをつくる、こういうことであります。この点は、私は前田君のおつしやるように、大した故障にならないだろうというふうに考えますことは、御承知の通り、ここで外資導入君案が確定いたしますれば、これについての外資を導入いたします際に、認可をするということが一つの根本でありまして、ここで認許可を與えたものについては、必ず外国への送金について利子、利潤等を確保するということに相なつておりますので、外国の人々の日本に対する投資ということについて御心配はない、こういうことだと思うのであります。かりにこれの総わくを発表いたしたといたしましても、その点は外資導入については大したかわりがないのだ。もし外資の一切のものが自由に、いつでも認許可なしに入つて来、日本で使われる。こういうことでありますれば、その場合においてはよほど違つて来るかと思いますけれども、現在の管理貿易並びに外資導入等について、第一條等に示されております趣旨を貫徹いたします意味においては、私はおそらく外国人にとつては、この方がむしろ外資を日本に持つて来るという意味において、よいのじやないかというふうに考えておる次第でございます。
#46
○前田正男君 これは私は長官と全然見解を異にすることになるわけでありますが、私たちの関係する範囲におきましては、少くとも現在のような経済の関係におきまして、特に輸出入の貿易関係においては、将来の見通しについて非常に困難を感じておるのでありまして、その困難を感じておる貿易の状態から見まして、今後外資を導入しましてこれを遊ばせておくわけではありません。当然仕事をし、商売をしてやつて行くわけでありますから、そのものがやつて行く場合におきまして、輸出入の見通しが現在においてもつきかねる場合に、さらに外資を導入してやつて行く場合には、三箇月の外貨予算のわくでは見通しは困難だと思います。これは経済界の方に聞いていただきたいと思いますが、これは今もお話の通り、一年間の計画を立てまして、三箇月ずつのわくでやつておるということでありますから、一年間のわくを発表すべきものじやないかと私は思います。そういうものを公表しないために、うまく立ちまわつた人が情報を得て、商売を有利に展開したというようなうわさを、私は真実かどうかわかりませんが聞くのでありまして、せつかく計画を立てられてあるものならば、当然一年間の分を公表されるべきものであると考えるのであります。しかしこの点は、私と長官との見解が違うのでありますから、これ以上は質問いたしませんけれども、せつかく経済の方面を担当せられる立場におられるのでありますから、もう少し経済界の意見を、ことに貿易方面の意見をお聞きになれば、この点は釈然とすると思います。現在の三箇月の予算の発表ということに関しまして、非常に不十分を感じておるという点は、みなからよく言われるところでありまして、私たち貿易の方面のこういう法案についても相当研究しておる立場から見まして、ぜひこれは改善しなければならぬ問題の一つであろうと考えておる点であります。私は外資委員会というものができる以上は、そういうふうな権限を拡大してもらいたいという希望を申し述べまして、私の質問を終ります。
#47
○小野瀬委員長 次に笹山茂太郎君。
#48
○笹山委員 本案の審議にあたりまして、まず第一炉外資の導入ということが、日本の経済の再建にとつて、具体的にどういう程度の外資の導入が必要であるかという点について、この間の政府の説明では、ただ現在の投資の状況がこうこうであるというふうな説明があつただけであつて、いかなる産業にいかなる投資をし、あるいはいかなる技術的な援助が現在必要になつておるか、それがまた日本の経済の再建にとつてどれほど必要であるかという具体的な要求、日本政府の外資の導入に対する強烈な意欲が、そこに具体的にはつきりしておらないという点については、この審議を進める上において非常に不便を感ずるものでありますが、こういつた点についてもう少しはつきりした御説明をぜひいただきたいと思います。
#49
○青木国務大臣 外資導入の問題は、わが国の経済、産業の発展にとりまして、蓄積資本等も破壊され、また回復していない現状においては、大きな問題とかあるいはわかりやすい問題としては、たとえば種々なる特殊開発計画であるとか、あるいはまた株式、社債等、その他技術導入契約であるとか、そういうものを通じまして、わが国がいろいろな点において産業の発展上、あるいはわが国の開発上必要であるとが問題になつておりますことは、すでに御承知のところと思うのであります。そういう意味で昨年三月外資委員会が発足いたしまして以来、入つておるものは、実はあげて大したものはこれまでのところではなかつた。しかし今後わが国の経済の安定及びわが国の経済が正常化して来るということになれば、おのずから外資が導入せられ、従つてそれがわが国の産業の発展に役立つという考え方から、ぜひ外資の導入をするというような意味で、今回外資入法案なるものがつくられたのでございまして、おそらくこの点については十分御承知のことであろうと存ずる次第でございます。
#50
○笹山委員 外資の関係については、ずいぶん前から論議されておつた問題でございまして、すでに日本経済の再建について、たとえば重工業のこれこれのものについてはこういつたもの、あるいは農林、水産業についてはこういつたもの、軽工業についてはこういつたものというふうにして、事業の種類なり投資の額について、日本政府において相当検討された資料があると思います。従つてそれらの観点から考えまして、もつと具体的にこの委員会に、政府の外資導入に対するところの計画なり、期待というものをはつきりさせる必要があると思いますが、そういうものは今ないのでございますか、その点をひとつ……
#51
○青木国務大臣 わが国といたしましても、どういう点に多くの希望を持つておるかということは、産業のそれぞれの立場からは、各方面から各般の外資の導入について要請があることはもとよりであります。御承知の通り外資を導入するということは、世界経済の観点から申しますれば、おそらくこれは一つの商品であつて特にこういうものが日本としては希望である。しかしながら相手の国がその希望にこたえてくれるかどうかということは、民間外資の導入というふうな観点から考えますれば、やはりそこにはおのずから一定の利子なり、利潤なり、その投資が安定性を持つかどうか、そういうことが対象になるので、やはりこの外資の導入を希望する点においては、おそらくあらゆる産業なり、あらゆる開発計画等においても、そういう問題が登場して来ると思いますけれども、ともかくも外資を導入いたしまする態勢といたしましては、かくかくの法案がきめられることによつて、外国人の日本に対する投資が便宜を得るというようなことを考えまして、今回のこの法案は、なるべく取扱いを簡素化するという趣旨が、徹底されるような考えをもつてできておる次第でございます。
#52
○笹山委員 どうもその点についてはもつと具体的に示された方がいいのではないかと思うのです。
 次には第二條の関係でございますが、第二條は外国の投資に対するところの届出とか、認可とか、あるいは許可の制度は、だんだんこれを緩和して行く、こういうふうに書いてあるのでございます。しかしながら第一條の関係から見ましても、また第八條の許可、認可の基準の場合を考えましても、すべてこれを直接、間接に日本の経済の自立あるいは再建に密接な、また緊要なものに限る、こういうふうになつておるのでございまして、この許可なりあるいは認可の制度だんだんなくなつて来るという観念とは、どうも矛盾するように考えるのでございますが、こういうような、取扱いは、外国資本の投下原則としまして掲げられておりますが、将来そういう日本経済の再建に必要であるか、必要でないかということは、検討しないでどんどん自由にして行くというような方針であるかどうか、その点ひとつ承りたい。
#53
○青木国務大臣 この外国投資については、いろいろ考え方もございましようけれども、まず日本経済の再建復興にとつて必要である。あるいはそれに役立つような外資の導入は大いに迎える。こういうような意味でのわれわれの考え方といたしましては、御承知の通り、外資が導入せられるその場合において、なるべく長期的なものが必要である。短期的なものよりも、長期的なものが必要であるというような、きわめて大まかな考え方の上におきましては、もちろんわれわれも考えております。またその都度々々それぞれの投資の性格に従つて判断をするという意味で、認許可が設けられておりますので、ただいまの御質問の要旨もそこにあるのではないかと思います。一つ一つこういうものについては必要であるが、こういうものは不要である。こういうことは今後の情勢に従つてきめられて参ると思いますが、御承知の通り、これまで入つておりますものから見て、たとえば株式の持分の取得の認許可というものを考えます場合にも、これがもしどんどんと日本の法人等に何ら制約なしに投資せられる。そうしてその外資がわが国の産業のしかも中枢的というか、ともかくその会社の支配権を持つというようなことについても、いろいろとその会社の性質ないしはその事業の対象においては、十分考えなければならぬことであろうと思います。今後ともそういう点ではいろいろなものが出て来ると思いますが、われわれそういう場合におきましても、日本の経済の再建、復興にとつて必要であり、ぜひこういうものがほしいというものを中心として考えて参りたいということであります。
#54
○笹山委員 私のお尋ねしたい点は、この二條におきまして、外国貸本の投下の原則というところ、でき得る限り自由にこれはやらせるというような根本方針が立つておりますので、こういつた相当な保護のもとに外国資本が将来自由に入つて来ることが最も好ましい現象であるか、あるいは現在この法案に規制されております通り、日本の経済再建に密接不可分なにものに限つて、許可あるいは認可によつて入つて来るのを希望されるか、どつちがほんとうの原則であるか、その点を承りたいと思います。
#55
○青木国務大臣 御承知のように、この條項の中に第二條に「わが国に対する外国資本の投下は、できる限り自由に認められるべきものとし、」とあり、これは「できる限り」とこう言つておりますので、もちろん日本の現状といたしましては、再建復興にとつて必要な外資の導入ということになりますれば、できるだけそういう点で大幅に迎えるということは考えておりますけれども、しかしなからわが国の再建復興なり、経済の正常化にとつて必ずしもこれは適当ではない、こういうものがありますれば、それについては考えなければならぬというような意味を考えまして、ここにこの條文の各條項を通して現われておりまする認許可というような点で、その点が十分考えられておるということだと思つておる次第でございます。
#56
○笹山委員 どうもその点は、認許可が現在の段階におきましては必要だということは、それはわかりますけれども、この根本原則が自由であるというような考え方が一方に書いてありますので、その点については私は矛盾をするものじやないかというふうに感ずるものでございますから、さようなお尋ねをしたのでございますが、時間もありしませんから、さらに進めまして、この法律案は、本来ならば外国との條約によつてきめる方が適当だろう、こういうふうに考えるのでございますが、将来わが国が講和條約等によるような場合におきましては、この法律案につきましては、さらに考え直して、外国ともつと相談の上で條約の形態に持つて行くような考えがあるかどうか、それらの点について伺いたいと思います。
#57
○青木国務大臣 御説のように、それが條約になつて行くということも一つの考え方でございます。これは各国の今までの例から見まして大体において協定というような形になつておるようでありますので、この四章の外国資本の保護というようなところで、今後そういうような時期が参りますれば、協定の形でそれがやつて行かれるというようになつて行くのではないかと考えております。
#58
○笹山委員 今後さような協定の線に近寄るというようなことになりました場合におきまして、わが国がかりに立場をかえて、中国なり、南方地域あるいは朝鮮等におきまして、資本の投下が将来かりにでき得る状態になつた場合におきましては、これらの外国とこの趣旨と同じような、換言すれば平等の立場において協定なり、あるいは條約というものをわれわれは考えなくちやならぬと思うのですが、そういう点についてはどうお考えになつておりますか。
#59
○青木国務大臣 そういう点はそういう時期が到来いたしますれば、御主旨のような考え方で考えるということに相なるかと思いますけれども、今のところまだそういうことについて、はつきりとわれわれは決定しておるわけではございません。
#60
○笹山委員 第五條の「対外負債が対外資産を著しく超過し」こう書いてございますが、これは一国の場合でございますか、あるいは対外投資全体を合計したものがこういうふうに超過した場合、こういうふうに解釈するのでございますか。
#61
○伊原政府委員 第四條は、いわゆる国の対外的の国際貸借表、つまり国際貸借対照表のようなものをつくるわけでございますが、通貨の自由交換制が認められないというような事情の場合には、それぞれ考えなければならぬ点もございますが、大体今のお話の点は、国全体として考えるのがしかるべきものじやないかと考えております。
#62
○笹山委員 そういう場合におきまして、たとえば外国投資に対しまして、送金の優先扱いをするといつたような場合におきまして、ドルあるいはポンド、それぞれ違うと思いますが、そういう場合においては個別的にこれを考えて行くのであるからあるいはそれらのドル、ポンドの交換について、所要の取扱いができるという前提の上で考えておるのでありますか。
#63
○伊原政府委員 今お尋ねの点は、第四條、第五條が第六條に関連する点であると思いますが、日本の国の外貨による貸借対照表のようなものをつくりますのは、あまり借り過ぎになりまして、そうして抑えなくなるというようなことが万一ないようにという趣旨でつくるのでございますので、たとえばドルとポンド安交換制がなかなかむずかしいというふうな現状におきましては、やはりそういう点も考慮して考えなければならぬ、こう考えております。
#64
○笹山委員 対外の送金を優先させるというような場合におきまして、そのために民間貿易といいますか、民間輸入が相当圧縮をこうむるというようなことがありはせぬかというふうに考えます。従いまして民間貿易の圧縮によりまして結局日本の必要とする産業なり、あるいは経済の再建ということが、頓挫する心配がないとは限りませんが、こういつた場合の勘案の仕方であります。第五條の関係ですが、外資委員会が條件をつけるような場合におきましては、どういうような点を勘案して條件をつけるので‘あるか、民間貿易が非常に萎縮するというような場合におきましては、その萎縮しない限度におきまして、その優先支拂いの額をきめるのであるかどうか、それらの点について伺います。
#65
○賀屋政府委員 御指摘の通り、今回の法律では、十四條で外資委員会が認可をいたします際には、必要な條件をつけることになつておるのであります。たびたび御説明いたしておりますように、外貨委員会が、外貨の送金條項を含んだ契約なり、財産権の取得を認可いたしますと、当然外貨送金が認められるということになります関係上、一般的な為替の外貨の状況によりまして、非常に外貨の送金が苦しいというような場合におきましては、それに応じたように額を適当に査定いたしまして、申入れの額を減らす、こういつた條件の範囲内においてのみ自動的には送金を認める。あるいはまた時期的に将来二、三箇月先に参りますれば、外貨の事情が非常によろしくなる。ただいまは非常に困るというような場合でありますれば、その時期的な調整を條件によつてはかり得るというために、この法律規定を設けた次第であります。
#66
○笹山委員 結局送金の優先取扱によりまして、民間貿易が萎縮しないような販扱いをする、こういうことでございますか。
#67
○賀屋政府委員 これは見通しの問題にもなろうかと思いますが、外資が入りまして、それに伴つてどうしでも義務費的に海外に支拂わなければならなくなりますところの外貨の額が、日本の輸出によりましてかせぎました外貨の総額に対しましては、そう大きな割合を占めることには相ならないのではないかというふうに考えております。外資の導入を認めました結果、輪入を圧迫するというような情勢には、今すぐにはそういう事態が生ずることは考えられませんが、万一そういうような事態が予想せられます場合には、ただいま申し上げましたように、外資の導入に際しまして、條件をつけまして、その輸入との間に適当な調整を加えるということにいたして参りたいと考えます。
#68
○伊原政府委員 ただいま賀屋政府委員から申し上げましたことに補足して申し上げますが、民間の輸入資金を外貨の送金が食うということは、原則としてない。こう考えますのは、入つて参ります原則が、日本の乏しい外貨事情をなるべくよくするようになるものが入つて参りますので、従いましてむしろその外資が入ることによつて、十よくなれば、出て行くのが三であるというようなことが前提でございますので、そのためにむしろ輸入の量がふえこそすれ、減るということは大体ないのじやないか。ことに従来の関係でもそうでありましたが、最近におきましても、日本の貿易外の收支というものは、大体いつも受取超過に相なつております。外資の導入の際に、外貨の事情に貢献するものを入れる。もちろん時期的にいろいろな食い違いが出ることは確かでございますけれども、原則として輸入資金をこちらが食つて行くということはないものと考えます。ことに外資が株式等のかつこうで入つて来るような場合におきましては、それが元本がもどつて行くというようなことは望ましくないと考えておりますので、その資本の引揚げというふうな点については、ただいまお話した條件等もございますし、かたがた出て行く金が輸入資金を食うということはないと、われわれは考えておる次第であります。
#69
○小野瀬委員長 ただいま福井委員より質疑の通告がありましたのでこれを許します。
#70
○福井委員 外資委員会設置法案の各條をずつと見ますと、技術的援助の問題が相当たくさんな文字として表われております。青木長官は平生技術の躍進のことにつきましては、ずつと前から非常な御理解がありますので、その点については私は安心しておるのでありますが、ごく簡單に質問申し上げたいと思います。なお前田君と多少重複いたしましたらその点は省略してお答え願いたい存じます。大蔵大臣がアメリヵへ到着してすぐ声明された四項目ばかりのうちの一項目に、やはり外国技術の導入をやつて、日本の産業技術の躍進をはからなくちやならぬということも言つております。従つて現在のこの法案をつくるにつきましては、多少現実的に、すでに外国方面から、技術的なパテントなり、技術の導入なりについての具体的な事項が多少あるかどうか、これは一々言つていただかなくつてもけつこうでございます。たとえばインターナショナルゼネラルエレクトリックからマツダへ持つて来るとか、あるいはデューポン会社の系統が日本のアミラン、ビニロンとハイバー系統の会社に投資しようとするとかいうような計画があつたら、大体のところでけつこうですから伺いたい。日本の現在の科学技術者は、終戰後非常な経済難に直面しつつありながら、相当研究が進んでおる面もありますが、大体今言ったようなことが安本の窓口に来ておりますかどうか、この点を簡單に一口でけつこうでございますから、お答えを願います。
#71
○青木国務大臣 おつしやるような外国のパテントであるとか、あるいは外国の技術というようなものについても、また導入等の問題につきましても、しばしば問題はございます。その件数等につきましては、私はこまかいことは存じませんが、すでに導入されているものもあると存じております。
#72
○福井委員 委員会の構成メンバーにつきましては、外国為替管理委員会、大蔵省、通産省からおのおの代表する者一人ずつ、学識経験者が三人、合計六人以内ということになつておりますが、この法案はあらゆるところに技術的援助という字が散見いたしますから、学識経験のある者という面においても、あるいはもう一つ欲を言えば、通産省を代表する者一人という面においても、科学技術のわかる面の人を十分参酌して入れておいていただきたいと思います。これは前田君と重複するかもしれませんが、われわれ技術出身の議員として特に希望しているのですから、それについてどういう御見解であるかをお答え願いたいと思います。
#73
○青木国務大臣 この学識経験者三名ということについては、まだはつきりした対象はございません。また技術專門の方が入るかどうかということも、今昨し上けたような事精ですから、今のところまだまだ明瞭には相なつておりません。しかしながらその点は考慮することができることであり、またそういうことが必要であるということでありますれば、そういう点も考えたいと思います。
#74
○福井委員 長官はできるいうふうにお答えになりましたが、私の方からの希望としては、ぜひともしていただきたいということを申し上げて質問を打切りたいと存じます。
#75
○小野瀬委員長 ほかに御質疑はございませんか――御質疑がなければ、両案に対する質疑はこれにて終了いたしました。
 それでは午後一時三十分よリ再会いたすことにして、暫時休憩いたします。
   午後零時四十四分休憩
     ――――◇―――――
   午後二時二十六分開議
#76
○小野瀬委員長 休憩前に引続き会議を開きます。
 すでに質疑も終了いたしましたので、これより両案に対する討論に入ります。討論は通告順にこれを許します。米原昶君。
#77
○米原委員 私は日本共産党を代表しまして、外資に関する法律案及び外資委員会設置法案に対しまして、反対の意見を述べるものであります。
 この二法案は、先ほど衆議院を通過しました外人に対する税金の特例法とともに、外国資本に対して特別の待遇を設けて、外資の導入を促進するという非常な外資優遇案であります。そうしてまた最近となえられておるところの後進国開発技術援助計画の受入れ態勢を整備するところの法案だと考えるのでありますが、私が昨日引用しましたアメリカの雑誌ビジネスウイークは昨年の十一月に、十九世紀におけるイギリス艦隊が演じた役割をこの法案に期待することは、いささかナイーヴに過ぎるだろうということを述べております。こういうきわめて植民地的といいますか、外国に対して特別な條件を設けて優遇するというような行き方は、われわれが最近日本の経済の行き方について指摘しておりますところの日本の経済の植民地化を促進するものである、そういう意味でわれわれは根本的にこの法案に反対するのでありますが、しかもこの雑誌でも言つております通り、決して外資が入るような状態ではない。そういうことを考えるのはきわめて子供らしい考え方でありまして、むしろこういう法案を出すことでなくて、ほんとうの日本の国内産業を根本から旺盛ならしめるところの別の措置をとること、そうして現在のような貿易でなくて、ほんとうに自主的な貿易、たとえば中共貿易にしましても、もつとこれを旺盛にするような措置をとる、こういうことをやつて、国内産業を真の意味で再建して行くならば、当然外資もほんとうに対等な條件で、日本の産業をさらに発展させ得る條件で入つて来るのでありまして、こういう特殊待遇的な法案を設けることは、外資を導入することに私はならないと思うのであります。そういう形で行くならば、まつたく日本を植民地化する方向に行くということ、そういう根本的な理由から反対するのであります。法案の内容につきましても、この委員会でその欠点と思われるところをほとんど指摘されたのであります。たとえば外資委員会の構成の点につきましても、外資委員の権限が非常に大きくて、しかもそれに任期なんかもきめていないというようなこと、そういう点から見ましても非常に不備なものであります。外資委員会の判定によつてすべてのものがきまるようになつておる。その外資委員会が独裁的な権限を持つようになつておる。しかも現在の占領下において、この外資委員会が真に自主的な判定ができるかどうかということが、この法律を運用する場合にほんとうに決定的なものになると思うのでありますが、その点についても、そういう方向に持つて行かないようにするような保障が、一つもない法案ではないかということ、それからまた最近外資の入つて来ております立場の実情を見ましても、労働者の生活を保障するような措置がとられていない。そういう点においても不備だと思う。そういう意味において私は本案に反対するものであります。
#78
○小野瀬委員長 次に小川平二君。
#79
○小川(平)委員 時間がないようでありますから簡単に申し上げます。六自由党を代表して外資に関する法律案並びに外資委員会設置法案、この二つの法案に対して賛成の討論をいたします。戦後経済の復興と日立のために、民間外資導入の促進が非常に強く要望されて参りましたことは、御承知の通りでございます。最近日本経済の本格的な再建が日程に上り、他面アメリカの対日経済援助は漸減する見通しが明らかになりますとともに、その必要が一層痛感されて、おつたのでございます。戦後五箇年のわが国の政治的、経済的、社会的状態が、これを阻害する悪條件に満ちておつたことは、御承知の通りでございます。申すまでもなく、資本は純粋に経済的なものによつて動くものでありますから、安全性と収益性とあわせて移動の自由が確保されない限り、その導入を期待し得ないことはもちろんでございます。社会不安、インフレの高進、賠償問題の未確定、あるいは集中排除の問題、独占禁止法その他さまざまの制約があり、加うるに煩瑣な統制法規が存在しておりましたために、外資の導入が今日まで阻害され来つておるのでございます。しかるにただいまはドツジ・ラインに沿つての経済安定のための強力な施策の実行によりまして、インフレは安定し、為替のレートも設定され、統制も大幅に解除されることとなつたのでございます。また独占禁止法も過ぐる第五国会において緩和され、集中排除も一段落するという状況になりまして、外資の導入のための基礎的な條件が、ようやく充足されるに至つておるのでございます。すでに昨年一月の総司令部の民間外資に関する新政策の発表によつて、民間外資導入の端緒は形づくられておつたのでありますが、この外資に関する法律案によつて、いわゆる受入れ態勢の方法的な、技術的な仕上げが行われることになりまして、この意味においてこの法律案はきわめて重要な意義を持つものであると言うべきであると考えるのでございます。本来外国資本の投下はできる限り自由に認めらるべきであり、入つて来る外国資本はみずからの危険において入つて来る、これが本筋でありますけれども、この法律案は一定の認可基準を設けて、導入される外資を選択する、そうしてこれに一定のわくを設ける反面、ひとたび導入された資本に対しては、利子、利潤の送金は確保するということを骨子としておるのであります。わが国経済の現段階に対応した措置としては、まことに適切なものであると思うのでございます。要するに本法律案は内外の要望にこたえて、民間外資導入の促進という当面喫緊の課題を解決するために、当然に必要不可欠な最小限度の法的措置を行わんとするものであると解釈すべきであります。この意味において本案に全面的な賛意を表するものでございます。
 なおこの法律案に関連いたしましては、今後事業者団体法の改正であるとか、独禁法の一層の緩和でありますとか、あるいは租税減免に関する措置等、研究を要する幾多の問題が残されておりますが、政府において今後鋭意研究の上、適当な措置を講ずる旨の言明をなされておりますので、これに信頼いたしましてこの法案に賛成いたす、ものであります。
 次に外資委員会設置法案は、外資に関する法律の施行に伴つて、外資委員会の組織、権限等を明確にするための措置でありまして、外資委員会の構成について、ただいま独裁的云々というお言葉もございましたが、専門的な知識を有する委員、エキスパートからなる簡素な組織によつて、能率的にこれを運営することを企図しておるのでありまして、まことに適切なものとして賛意を表する次第でございます。なおただいまのお言葉の中に、外資導入がただちに日本の植民地化を来し、あるいは日本経済の全面的な解体という結果になるというような印象を與えるようなお言葉がございましたが、こういう論議は私は多分に政治的な意図を含んでおるものであつて、実証と分析に基いた公平な議論とは考えることができないのでございます。過去の日本におきましても外資は入つております。およそ近代国家において、外国資本の援助なくして産業の基礎を築いた事例は存在いたしません。この種の議論に対しましては、反駁いたせば限りがないことでございますが、かような公式論に対してこれ以上多言を費す必要はないと存ずるのでございます。ただいま過去の蓄積を食いつぶして参りました品本経済が、この際外資の導入について成功しないならば、自立の達成は不可能であります。そうしてそのことこそ政治的独立の喪失であり、植民地化を意味するものにほかならないと私は考えざるを得ないのでございます。もとよりこの二つの法律案の運営いかんは、わが国経済の前途に至大の影響を與えるものでございますから、あとう限り、これが運用について愼重を期されんことを切望いたしまして、賛成の討論を終ります。
#80
○小野瀬委員長 次に成田知巳君。
#81
○成田委員 日本社会党を代表しまして、外資に関する法律案並びに外資委員会設置法案に対しまして、反対の要旨を二、三簡単に申し上げます。
 本法案はさきに通過を見ました外国為替及び外国貿易管理法と表裏一体をなしておる重大なる法律案でありまして、もともといわゆる未開発地開発計画が実施に移される場合に、当時條約の内容として当然規定さるべきところの投資をいかに保護するかという問題を、占領下における日本が法律の形において規定せんとしておるものでありまして、本来ならば講和会議締結後、対等の立場において條約において規定すべきものを、法律において規定せんとするところに問題の重要性があると思うのであります。何を急いで占領下における現在、法律でこれを規定せんとしておるか、その理由を私たちは解釈するに苦しむものであります。特にこの重大な法律案が、国会があと旬日に迫りました去る二十六日に急遽上程されまして、国民の意見を徴すべき公聴会も開くことなく、十分研究審議の時日を與えず、これをしやにむに通過させんとする態度は、国会の審議権を無視しておるという点についてまず反対せざるを得ないのであります。
 本法の骨子は、申すまでもなく、投資された外国資本の元本とか利子、配当、利潤を自動的かつ優先的に本国に送金できるように保証すること。外国人がわが国に所有しておりますところの財産に対して、特別の保護を講ずるというところにその主眼がありまして、これが本法の第九條、第十五條あるいは第十七條の規定するところであります。外国資本の元本、利子、配当、利潤あるいは外国財産が収用あるいは買収された場合に、その対価相当額を外国為替予算に計上しまして、外国為替予算が全体として赤字になつた場合でも、これらの金額を優先的に外国へ送金さすというこの特別な保護規定は、さきに衆議院を通過いたしました外国人の租税減免に関する特別措置に関する法律と思い合せまして、現在わが国の中小企業あるいは相当大規模の工場までもが全詰まりと税金、購買力の急激な減退で破産、倒壊しているこの現状において、まことに外国資金を保護し過ぎるものがあるという感じを受けるわけであります。
 政府の提案理由の説明を拝聴いたしますと、外国資本投資が阻害されている最大原因の一つが、外国投資の得たところの利潤を本国に送金する確保の道が講ぜられていないことにあるのだから、本国送金の道を確保し、外国投資を期待するのだというようなことでございましたが、これはまつたく当らざるもはなはだしい。問題の所在はそんな簡単なところにあるとは存ぜられません。資本というものは、水が低きにつくがごとく、利潤を求めて移動するものでありまして、これが資本の運動法則である。といたしましたならば、日本の政情が安定し、経済が安定しておりましたならば、求めなくても外科資本というものは入つて来る。わが山の現化の状況のごとく、非常に急激にデフレ状態に突入している現在において、外国資本が八つ、来ることを本法案によつて期待することはとうていできない。このような悪條件下にもかかわらず、こういう法案さえ成立したならば、外国資本が入つて来るというような考えを持つておられるとしたならば、その資本というものは、日本産業の復興に役立つような資本ではない。今自由党の賛成理由といたしまして、共産党の言う植民地化云々は政治的な意図だと言われましたが、こういう悪條件下に入つて来る外国資本というものは、何と申しましても、その背後に政治的な意図があると私たちは断定せざるを得ないのであります。現在中小企業は、貿易関係におきまして一ドル三百六十円レートという円高の為替相場のもとで、いわゆる日本的な原始的な産業合理化と申しますか低賃金と労働強化によつて、肉を切り骨をそぐ思いで輸出振興に努めている。このみずからを犠牲にしでまで獲得したところの外貨というものが、この法案によつて優先的に外国資本に献上されるということは、何と申しましても中小企業を破滅させる法案だと断定せざるを得ないのでありまして、こういう見地から私たちは本法案に対して全面的に反対するものであります。
#82
○小野瀬委員長 笹山茂太郎君。
#83
○笹山委員 私はただいま上程されました外資に関する法律案、外資委員会設置法案につきまして、国民民主党を代長しまして、要望をいたしまして賛成をするものあります。ただいま成田委員からお話がありましたように、この重要な法案が閉会まぎわに提出されまして、十分な審議期間を與えられなかつたことは、はなはだ遺憾であります。この前の外国為替管理法案、これも同様でありますが、こういう重要な法案は、でき得る限り審議の期間を與え、あるいは公聴会等も開いて、十分民間の意見も徴する必要があると思うのであります。そういうような点につきまして、審議の取扱いが不十分であつた点は、非常に遺憾とするものでありますが、この法案は、とにかく現在の荒廃したところの日本の経済の基盤を建直すという意味から、外資の導入を積極化しようという点につきましては、その努力の跡を認めるのであります。ただ今後これらの運営につきましては、外資委員会が中心になつて運営いたしまして、たとえば外国資本の投下の許可認可、あるいは外資の優先送金についての民間貿易との調整の問題、こういつた点について相当重要な役目を勤めるものでございますから、この委員の任免につきましては、原案の通り、安定本部長官の任命というだけではなくて、やはり国会というものとの関連を持つ意味におきまして、国会の承認を得るように将来適当の機会に改正してほしいと思うのであります。なお委員の数の問題でございますけれども、これは現在六人くらいでございますが、将来なるべく多くの意見を聞き取るというような見地から、これも相当数ふやす必要があるのではないかということを私は思うのであります。いずれにいたしましても、この法案によつてすぐ外資が入つて来るというような安易な状態ではありませんで、今後の日本の外資導入につきましては、何よりもまず日本の一般の経済情勢をよくする方向に努力しなければならぬと思います。従来の実績によりましても、今まで約六十万ドル程度しか入つておらないというような状況、それから対日援助資金の減少というような問題も起るであろうし、それにかわりまして、外資の導入というものは、やはり日本経済の再建に大きな影響を持つものでございますから、どうかこれらの運営につきましては、十分ひとつ各方面の関係を考慮せられて、万全の処置を講ぜらんことをお願いいたします。特にくれそれも要望するのは、こういう法案たけでは導入が円滑に参るということはとうてい困難でありますから、政府としては日本経済全体をよくする方向に努力せられんことを重ねて要望し、私の討論を終る次第であります。
#84
○小野瀬委員長 以上のほかに羽田野次郎君よりも討論の通告がありますが、同君は出席されていませんので、棄権されたものと認めます。これにて討論は終局いたしました。
 これより採決に入ります。両案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#85
○小野瀬委員長 起立多数。よつて両案はともに原案の通り可決いたしました。
 なお両案に関する委員会報告書の作成その他につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#86
○小野瀬委員長 御異議なしと認めさよう決定いたします。
#87
○青木国務大臣 ただいま本法案の審議を終られたのでありますが、各委員の方々には、この外資導入法案について、二十六日提案以来、個々の点について何かと御審議をお遂げいただきましたし、その間における審議の過程にありまして、いろいろと御勧告なり御注意を賜わり、またただいま討論におきまして、その五宮上に十分の注意を拂うよう何かと御指示をいただきましたことにつきまして、厚く御礼を申し上げますとともに、幸いに無事に本法案が通過いたしましたことに対しまして、厚く御礼を申し上げる次第であります。まことにありがとうございました。
    ―――――――――――――
    〔委員長退席、森(曉)委員長代理着席〕
#88
○森(曉)委員長代理 これより日程を追加いたしまして、本日本委員会に付託されました内閣提出国土総合開発法案を議題に供し、増田官房長官より提案理由の説明を聴取いたします。増田官房長官。
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    ―――――――――――――
#89
○増田国務大臣 国土総合開発法案の提案理由及びその内容の概略を御説明いたします。
 御承知の通り、わが国はその半ばに近い国土と厖大な資源を失うこととなつたのでありますが、この狭隘な国土と乏しい資源によつて、現在八千万を越え、かつ年々百数十万ずつも増加する人口を擁し、その生活の維持向上をはかることは、わが国にとつて最も重要かつ困難な課題となつているのであります。このような見地から、戦後の荒廃した国土の保全をはかり、また国土及び資源の積極的合理的かつ効率的な開発利用を期することは、これによつて人口収容力の増大、産業発展の基盤の育成及び地方振興をはかることとあわせて、現下きわめて緊要なる要請であります。しかしながらそのためには、広汎な角度から詳細に検討を加えた総合的ないわゆる国土総合開発計画を樹立することが、特にこの種の事業のため、欠くべからざる必要事と考えられるのであります。
 もとより従来におきましても、経済安定本部や建設省あるいはその他の各省において、それぞれの見地から国土計画の立案に努力して参つたのでありますが、何分にも問題があらゆる部門にわたり、内容が複雑多岐でありますために、国土計画の名に値する真に総合的な立案は、遺憾ながらいまだできていない実情にあります。
 政府はさきに閣議決定により、内閣に総合国土開発審議会を設置し、ここで総合開発計画について種々調査審議を願つて参つたのでありますが、この審議会の答申に基き、内閣において検討の結果、ここに国土総合開発法案を提出する運びとなつた次第であります。
 以下法案の概要につき御説明いたします。
 まずこの法律の目的とするところは、第一條に掲げておりますように、国土の自然的條件を考慮して、経済、社会、文化等に関する施策の総合的見地から、国土を総合的に利用し、開発し、及び保全し、並びに産業立地の適正化をはかり、あわせて社会福祉の向上に資することにあるのでありますが、その目的に沿うべき国土総合開発計画は、申すまでもなく、天然資源の利用、災害の防除、産業の適正な立地等のほか、経済、文化、厚生、観光等の各部門にわたる、きわめて広汎多岐な内容を持つものであります。従いまして、これらを総合して、適正かつ効率的な計画の立案ということになりますと、現在の各省各部門にまたがる立案の調整につき、特に愼重な配慮と長期の見通しとを必要とする次第でありまして、本法案におきまして、特にそのために必要な審議機関として、総理府に国土総合開発審議会を設くることといたしましたのも、当審議会をしてその任に当らしめんとするためであります。審議会の組織もまた、そのための識見者を中心として長期の任務に適するごとく配慮いたしたつもりであります。なお本審議会の事務の運営は、経済安定本部をして当らしめる考えであります。
 次に本法案においては、立案を予定しております開発計画として、国が全国の区域について作成する全国総合開発計画、都府県がその区域について作成する都府県総合開発計画、都府県が二つ以上の都府県の区域についてその協議によつて作成する地方総合開発計画、及び都府県が内閣総理大臣の指定する区域について作成する特定地域総合開発計画の四つを掲げております。本来本法案においては、国土総合開発計画はなるべくそれぞれの地域において、地方公共団体を中心とする自主的、積極的な開発計画の立案に期待し、これを中央における審議会において、総合調整することを骨子としておるのでありますが、その趣旨に基いて都府県総合開発計画、地方総合開発計画及び特定地域総合開発計画の三つの計画につき、その立案者たる都府県がそれぞれ都府県総合開発審議会、また地方総合開発審議会の調査審議を縫え立案し、これを中央に持ち込む諸般の手続につき詳細規定いたしております。もとよりこれらは、原則として都府県の自主的な提案にまつべきものとして、これを強制するものではありませんが、ただ、特定地域総合開発計画については、やや趣を異にしております。すなわち従来においても政府は、特別の建設もしくは整備を要する地域を特定地域として、その開発計画の整備と推進に努めて参つたのでありますが、この法案においても内閣総理大臣は関係都府県の同意に基き、さらに国土総合開発審議会の議を経て、右のごとき特定地域を指定して、その開発計画の推進をはかるとともに、他面これに対し国の負担金、補助金等に関する特例を設け得ることといたしております。
 最後に、さきに御審議をお願いしました北海道開発法との関係でありますが、この法案では北海道開発庁によつて作成される計画と、本法案による国土総合開発計画との調整は、内閣総理大臣が北海道開発庁長官及び国土総合開発審議会の意見を聞いて行うこととし、その運用に遺憾なきを期したい所存であります。
 以上提案の理由と法案の骨子を御説明申し上げたのでございますが、この法案の重要性を御明察の上、すみやかなる御審議と御賛成をお願いする次第であります。
#90
○森(曉)委員長代理 本案に対する質疑は明三十日午前十時よりいたすこととし、本日はこれにて散会いたします。
    午後三時三分散会
ソース: 国立国会図書館
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