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1947/12/04 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 農林委員会 第36号
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1947/12/04 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 農林委員会 第36号

#1
第001回国会 農林委員会 第36号
  付託事件
○農地調整法の改正に関する陳情(第
 一号)
○物價是正及び肥料、作業衣、ゴム底
 足袋配給に関する陳情(第十号)
○農業保險法の改正に関する陳情(第
 十三号)
○農業復興運動に関する陳情(第十四
 号)
○水利組合費賦課に関する陳情(第二
 十二号)
○食料品配給公團法案(内閣送付)
○油糧品配給公團法案(内閣送付)
○農業会の農業技術者給與國庫補助に
 関する陳情(第四十六号)
○農業会の農業技術者給與國庫補助に
 関する陳情(第五十一号)
○農業会の農業技術者給與國庫補助に
 関する陳情(第五十九号)
○農業会の農業技術者給與國庫補助に
 関する陳情(第六十一号)
○薪炭生産のあい路打開に関する陳情
 (第六十二号)
○茶業振興に関する陳情(第六十三
 号)
○農業用電力料金の引下げ及び換地処
 分経費の全額國庫助成等に関する陳
 情(第六十七号)
○東北及び新潟地方の特殊事情に立脚
 せる食糧供出対策改善に関する陳情
 (第六十八号)
○農林省所管の治山治水事業の一部移
 管反対に関する陳情(第七十号)
○農地委員會の経費を全額國庫負担と
 することに関する陳情(第七十三
 号)
○林道飯田、赤石線開設に関する請願
 (第十七号)
○主食需給計画の根本的改革に関する
 陳情(第七十四号)
○養蚕協同組合法の制定に関する陳情
 (第七十六号)
○農業会の農業技術者給與國庫補助に
 関する陳情(第七十七号)
○農業会の農業技術者給與を國庫負担
 とすることに関する陳情(第八十
 号)
○農業会の農業技術者給與國庫補助に
 関する陳情(第八十四号)
○愛知縣豊川沿岸農業水利事業経費を
 國庫負担とすることに関する陳情
 (第八十九号)
○農業会の農業技術者給與國庫補助に
 関する陳情(第九十一号)
○農業会の農業技術者給與國庫補助に
 関する陳情(第九十七号)
○農作物の「榮養週期栽培法」の普及
 実施に関する陳情(第百二号)
○農業会の農業技術者給與國庫補助に
 関する陳情(第百五号)
○農業会の農業技術者給與國庫補助に
 関する陳情(第百九号)
○蚕繭の増産に関する陳情(第百十五
 号)
○養蚕協同組合法の制定に関する陳情
 (第百十六号)
○農業会の農業技術者給與國庫補助に
 関する陳情(第百十九号)
○飼料配給公團法案(内閣送付)
○函館營林局の管轄区域変更に関する
 請願(第五十四号)
○藥用人参試驗場設置に関する請願
 (第六十六号)
○米價改訂に関する陳情(第百二十八
 号)
○民有林野制度の確立に関する陳情
 (第百三十号)
○養蚕協同組合法の制定に関する陳情
 (第百三十一号)
○農作物の「榮養週期栽培法」の普及
 実施に関する陳情(第百三十三号)
○開招者資金融通に関する陳情(第百
 三十八号)
○米穀供出に対する報奬制度の廢止並
 びに肥料の配給に関する陳情(第百
 四十九号)
○農業会の農業技術者給與國庫補助に
 関する陳情(第百五十号)
○遅配主食の價格に関する陳情(第百
 五十二号)
○岩手縣下の三農業用水改良事業を國
 営とすることに関する請願(第八十
 八号)
○福島縣安達郡大山村内の開墾事業を
 中止することに関する請願(第九十
 五号)
○北海道てん菜糖業の保護政策確立に
 関する請願(第百二号)
○薪炭の價格に関する陳情(第百六十
 二号)
○農業会の農業技術者給與國庫補助に
 関する陳情(第百六十三号)
○食料品配給公團法に関する陳情(第
 百七十六号)
○農業会の農業技術者給與國庫補助に
 関する陳情(第百八十七号)
○農作物の「栄養週期栽培法」の普及
 実施に関する陳情(第百八十八号)
○農作物の「栄養週期栽培法」の普及
 実施に関する陳情(第百九十二号)
○市営競馬の施行に関する陳情(第二
 百二号)
○北海道開拓事業に関する陳情(第二
 百七号)
○岩手山ろく國営開発事業に関する陳
 情(第二百九号)
○農作物の「栄養週期栽培法」の普及
 実施に関する陳情(第二百十三号)
○農業会の農業技術者給與國庫補助に
 関する陳情(第二百二十号)
○未墾地の開拓事業に関する陳情(第
 二百二十二号)
○群馬縣古馬牧村外三ケ村のかん漑用
 水路に関する請願(第百二十一号)
○蒜山演習地の返還並びに開拓計画変
 更に関する請願(第百三十五号)
○食糧配給確保に関する陳情(第二百
 二十六号)
○林業振興対策に関する陳情(第二百
 二十七号)
○農業会の農業技術者給與國庫補助に
 関する陳情(第二百二十八号)
○農業会の農業技術者給與國庫補助に
 関する陳情(第二百三十一号)
○水利組合法の改正及び水利事業費國
 庫補助に関する陳情(第二百三十二
 号)
○農作物の「栄養週期栽培法」の普及
 実施に関する陳情(第二百三十五
 号)
○米麦需給計画の根本方針に関する陳
 情(第二百三十六号)
○農業保險法制定に関する陳情(第二
 百四十四号)
○農業会の農業技術者給與國庫補助に
 関する陳情(第二百四十五号)
○岩手山ろく國営開発事業に関する陳
 情(第二百四十八号)
○未利用地耕作利用臨時措置法案(内
 閣送付)
○青果物の統制撤廃に関する請願(第
 百七十六号)
○開拓対策に関する請願(第百七十七
 号)
○旧軍馬補充部十勝支部用地内山林拂
 下げに関する請願(第百八十三号)
○十勝種馬育成所用地開放に関する請
 願(第百八十五号)
○昭和二十二年度産米價格並びに供出
 に関する陳情(第二百六十二号)
○農作物の「栄養週期栽培法」の普及
 実施に関する陳情(第二百六十七
 号)
○農業会の農業技術者給與國庫補助に
 関する陳情(第二百六十八号)
○農作物の「栄養週期栽培法」の普及
 実施に関する陳情(第二百七十一
 号)
○自作農創設特別措置法及び同法附属
 法規の一部を改正することに関する
 陳情(第二百八十号)
○勤労大衆の食糧危機突破対策に関す
 る陳情(第二百八十二号)
○日本競馬会に関する陳情(第二百八
 十三号)
○農村指導農場開設に関する陳情(第
 二百九十四号)
○昭和二十二年度産米價格並びに供出
 に関する陳情(第二百九十五号)
○農作物の「栄養週期栽培法」の普及
 実施に関する陳情(第二百九十九
 号)
○農業会の農業技術者給與國庫補助に
 関する陳情(第三百号)
○臨時農業生産調整法案(内閣送付)
○小阪部川貯水池改良事業を國営とす
 ることに関する請願(第二百七号)
○旭川合同用水工事促進等に関する請
 願(第二百九号)
○農地改革促進に関する請願(第二百
 十三号)
○東京都内の食糧配給に関する請願
 (第三百七号)
○農業会の農業技術者給與國庫補助に
 関する陳情(第三百十三号)
○種卵及びひなの價格撤廃並びに養鷄
 用飼料増配に関する陳情(第三百十
 八号)
○農業会の農業技術者給與國庫補助に
 関する陳情(第三百十九号)
○農業会の農業技術者給與國庫補助に
 関する陳情(第三百二十五号)
○開拓融資金増額に関する陳情(第三
 百三十号)
○農地法による山林開墾行過是正に関
 する陳情(第三百三十二号)
○農作物の「栄養週期栽培法」の普及
 実施に関する陳情(第三百三十五
 号)
○千葉縣長生郡茂原乾繭所の設備を縣
 蚕糸業会に還元することに関する陳
 情(第三百三十七号)
○農業協同組合法案に関する陳情(第
 三百四十二号)
○三方原揚水事業に関する陳情(第三
 百四十五号)
○富士山ろく開発農業用水事業促進に
 関する陳情(第三百四十九号)
○こうじ類の一般製造に関する請願
 (第二百四十六号)
○茨城縣下北浦干拓事業促進に関する
 請願(第二百四十八号)
○茨城縣下のかん害対策助に成関する
 請願(第二百七十六号)
○大池用水幹線改良に関する請願(第
 二百九十号)
○主食配給に関する陳情(第三百六十
 号)
○農業協同組合法案に関する陳情(第
 三百七十八号)
○農地調整法並びに自作農創設特別措
 置法の改正に関する陳情(第三百八
 十号)
○奈良縣下のかん害対策に関する陳情
 (第三百八十七号)
○農業協同組合法案に関する陳情(第
 三百九十号)
○農業会の農業技術者給與國庫補助に
 関する陳情(第三百九十二号)
○農業共済保險法案中の農家負担等に
 関する陳情(第三百九十三号)
○食糧緊急対策に関する陳情(第三百
 九十九号)
○養蚕協同組合獨立強化に関する陳情
 (第四百号)
○農業協同組合法案の一部を削除する
 ことに関する請願(第二百九十七
 号)
○観光都市に対する自作農創設特別措
 置法の実施延期に関する請願(第三
 百十六号)
○熱海観光地帶を農地法の適用より除
 外することに関する請願(第三百二
 十四号)
○森林治水並びに災害防止林造成事業
 拡充強化に関する請願(第三百三十
 号)
○民有林施業案編成國庫補助増額に関
 する請願(第三百三十五号)
○鹿兒島縣に國立茶業試驗場九州支場
 を設置することに関する請願(第三
 百三十六号)
○樟腦製造事業を森林組合に許可する
 ことに関する請願(第三百三十七
 号)
○農業協同組合法案に関する陳情(第
 四百十七号)
○農業協同組合法案に関する陳情(第
 四百二十四号)
○邑知潟干拓計画反対に関する陳情
 (第四百二十六号)
○福岡縣三池郡高田村地先その他の干
 拓事業を國営とすることに関する陳
 情(第四百三十六号)
○農村指導農場開設に関する陳情(第
 四百三十八号)
○主食の均てん配給に関する陳情(第
 四百四十号)
○新発田市旧町裏練兵場拂下げに関す
 る陳情(第四百四十一号)
○食料品関係の公團制反対に関する陳
 情(第四百四十九号)
○農地開発営團の解散に伴う開発事業
 の都道村縣移管その他に関する陳情
 (第四百五十号)
○民有未墾地買收計画の樹立その他に
 関する陳情(第四百五十二号)
○農業協同組合法案に関する陳情(第
 四百五十四号)
○邑知潟干拓計画反対に関する陳情
 (第四百五十五号)
○東京都内の薪炭増配に関する陳情
 (第四百六十号)
○農業協同組合法案に関する陳情(第
 四百六十八号)
○元御料林拂下げに関する陳情(第四
 百七十号)
○植林用苗木無償配付に関する請願
 (第四百一号)
○適地開拓に関する請願(第四百二
 号)
○北海道農業試驗場復興助成に関する
 請願(第四百七号)
○燧灘干拓事業実現促進に関する請願
 (第四百二十号)
○ビール麦栽培奬励に関する請願(第
 四百二十五号)
○農業協同組合法の制定その他に関す
 る陳情(第四百八十二号)
○薪炭生産者價格等に関する陳情(第
 四百八十三号)
○鹿兒島縣揖宿郡内のかん害救済に関
 する陳情(第四百八十六号)
○農業保險制度の拡充強化に関する陳
 情(第四百九十一号)
○農地委員会費國庫補助増額に関する
 陳情(第四百九十九号)
○農業協同組合法案に関する陳情(第
 五百一号)
○水害林業対策に関する陳情(第五百
 十一号)
○米並びに甘藷の價格改訂に関する陳
 情(第五百二十三号)
○農業協同組合法案その他に関する陳
 情(第五百二十四号)
○競馬法の改正に関する陳情(第五百
 二十五号)
○適正米價決定に関する陳情(第五百
 二十六号)
○燧灘沿岸干拓事業実現促進に関する
 陳情(第五百二十八号)
○千葉縣下のかん害復旧助成に関する
 陳情(第五百二十九号)
○農業協同組合法案に関する陳情(第
 五百三十四号)
○食料配給公團制反対に関する陳情
 (第五百三十八号)
○食料配給公團制反対に関する陳情
 (第五百四十一号)
○農業保險法の改正に関する陳情(第
 五百四十四号)
○自作農創設特別措置法の一部を改正
 する法律案(内閣送付)
○緊急食糧需給に関する特別措置法案
 (衆議院送付)
○農地調整法の一部を改正する法律案
 (内閣送付)
○林業関係水害復旧費國庫補助引上げ
 その他に関する請願(第四百五十
 号)
○農業協同組合法案の一部を削除する
 ことに関する請願(第四百五十二
 号)
○繊維産業從業者に対する加配米及び
 物資報奬配給に関する請願(第四百
 六十三号)
○山口縣玖珂郡内各町村のかんばつ防
 止対策に関する請願(第四百七十二
 号)
○山梨縣下の水害復旧費國庫補助に関
 する請願(第四百八十号)
○農地制度改革等に関する請願(第四
 百八十一号)
○食料配給公團制反対に関する陳情
 (第五百四十六号)
○食料配給公團制反対に関する陳情
 (第五百五十一号)
○あひる飼育事業の拡充強化に関する
 陳情(第五百五十四号)
○緊急開拓事業費の増額に関する陳情
 (第五百六十九号)
○水害應急対策用建築資材の配給に関
 する陳情(第五百七十号)
○大和平野東南部用水改良事業費予算
 増額に関する陳情(第五百七十一
 号)
○農地制度改革に関する陳情(第五百
 七十二号)
○奈良縣下のかん害対策に関する陳情
 (第五百七十三号)
○農業協同組合法案中に薪炭を明記す
 ることに関する陳情(第五百七十四
 号)
○埼玉縣入間郡民有林開拓反対に関す
 る請願(第四百八十八号)
○埼玉縣下水害町村の農業会助成に関
 する請願(第四百九十四号)
○和歌山縣のかん害應急対策費國庫補
 助に関する請願(第四百九十六号)
○奈良縣下のかん害應急対策費國庫補
 助に関する請願(第五百号)
○愛知縣下のかん害應急対策費國庫補
 助に関する請願(第五百一号)
○大阪府のかん害應急対策費國庫補助
 に関する請願(第五百二号)
○京都府のかん害應急対策費國庫補助
 に関する請願(第五百六号)
○淀川右岸用排水改良事業費國庫補助
 に関する請願(第五百十三号)
○愛知縣下のかん害應急対策費國庫補
 助に関する請願(第五百十四号)
○土地改良事業の継続施行に関する請
 願(第五百十五号)
○農業災害補償法施行に関する請願
 (第五百十七号)
○滋賀縣甲賀郡外一部のかん害應急対
 策費國庫補助に関する請願(第五百
 二十一号)
○三重縣下のかん害應急対策費國庫補
 助に関する請願(第五百二十二号)
○小倉市曾根地先干拓実現に関する請
 願(第五百二十七号)
○造林苗ほ用地確保に関する請願(第
 五百三十四号)
○岐阜縣下のかん害應急対策費國庫補
 助に関する陳情(第五百七十六号)
○競馬法の改正に関する陳情(第五百
 七十七号)
○食糧配給公團制反対に関する陳情
 (第五百七十八号)
○土地改良事業継続施行に関する陳情
 (第五百八十二号)
○農地調整法令の改正等に関する陳情
 (第五百八十三号)
○兵庫縣下の耕地水害復旧費國庫補助
 に関する請願(第五百四十三号)
○埼玉縣下の水害復旧耕地事業費國庫
 補助に関する請願(第五百五十三
 号)
○岩手山ろくの國営開墾及び岩手種苗
 牧場の拡充強化に関する請願(第五
 百六十号)
○民有林施業案編成國庫補助増額に関
 する請願(第五百六十五号)
○樟腦製造事業を森林組合に許可する
 ことに関する請願(第五百六十六
 号)
○三化螟虫駆除費國庫補助に関する請
 願(第五百六十九号)
○薪炭緊急確保に関する請願(第五百
 八十一号)
○農業協同組合法案に関する陳情(第
 五百八十七号)
○兵庫縣下の耕地水害復旧費國庫補助
 に関する陳情(第五百八十八号)
○千葉縣下のかん害対策費國庫補助に
 関する陳情(第五百九十号)
○京都府のかん害應急対策費國庫補助
 に関する陳情(第六百四号)
○自作農創設特別措置法中一部改正法
 律案の修正に関する請願(第六百
 号)
○岐阜縣下のかん害應急対策費國庫補
 助に関する請願(第六百一号)
○技術者指導農場費國庫補助増額等に
 関する請願(第六百四号)
○勝尾寺川用水改良事業費國庫補助に
 関する請願(第六百十五号)
○アイヌ民族所有農地に関する請願
 (第六百十七号)
○技術指導農場費國庫補助増額等に関
 する請願(第六百二十三号)
○國有林の地方移讓に関する請願(第
 六百三十号)
○食料配給公團制反対に関する陳情
 (第六百十二号)
○三重縣下のかん害應急対策費國庫補
 助に関する陳情(第六百十七号)
○農業生産調整法案に関する陳情(第
 六百二十号)
  ―――――――――――――
昭和二十二年十二月四日(木曜日)
   午後一時三十九分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○飼料配給公團法案
  ―――――――――――――
#2
○委員長(楠見義男君) それでは只今より農林委員会を開会いたします。
 本日は飼料配給公團法につきまして提案の理由を伺うことにいたします。尚提案理由を伺つたあとで、昨日公團法案につきまして委員長がGHQに参りまして交渉いたした経過を御報告申上げたいと存じます。御了承願いたいと存じます。
#3
○政府委員(井上良次君) それでは只今から飼料配給公團法案の提案の理由を御説明申上げます。
 畜産の基礎である飼料については、昭和十三年以來、飼料配給統制法に基く一元的な集荷配給機関である日本飼料株式会社の運営によつて統制して來たのでありますが、最近における飼料の需給状況は、相当窮迫しておるのであります。昭和二十二年の需給状況の推算を申上げますと、需要三百二万トンに対し、供給は百四十八万トン程度にしか見積りは得ない状況でありまして、差引程百五十四万トン以上の大幅の供給不足が存在すると推定せられるのであります。このような供給減少の理由は、昭和十四年において百七万トンの輸入があつたものが、昭和二十一年度においては輸入食糧、副産物を加えても僅かに四万トンに止まつたこと及び國内食糧管理の強化並びに飼料資源の食糧轉用等を挙げることができるのであります。このような事情のために、家畜の能力は低下し、家畜の数は減退して、ために農業生産力の低下は固より、牛乳の生産は減退し、食糧の供出にも惡影響を及ぼし、輸送にも重大なる影響を與える等、極める廣汎深刻な影響を國民経済に及ぼしておるのであります。かかる飼料不足に対処いたしましては、先ず農業生産の増大の見地から、畜産を採り入れた農業経営の合理化の方途及び範囲を確立し、その結果農業経営の輪作化、適当な飼料作物の栽培による耕地利用の合理的増進を図ると共に、國内飼料資源を合理的且つ徹底的に活用することが第一義でありますが、その他農場副産物の利用増加、草その他山林牧野の未利用資源の利用促進を図る等、自給飼料の確保を期したいと考えております。併し當面の不足を補うために必要な飼料の輸入懇請については、特に政府としても固より努力をいたしておる次第であります。このような飼料需給の事情の下に、この少い飼料資源を重点的且つ合理的に活用して、乳牛飼料、輓牛馬飼料、種畜種禽飼料、その他配給飼料に依存する家畜家禽に飼料を配給することは、畜産の維持発展を図る上からは勿論、國民経済上重要なる農業生産力の向上、牛乳の確保、輸送の確保、及び食糧の統制自体のためにも必要であるのであります。然るに飼料資源の現状においては、この重点的配給を行うためには、集荷配給を自由に放任することなく、何らかの機関において強力に遂行する必要があるのであります。從來はこの機能を飼料配給統制法に基き日本飼料株式会社が行なつていたのでありますが、獨占禁止法の精神により、この種の機能は民間会社でこれを行うことができなくなつたのであります。而も飼料需給の現状では、ここに述べますように、これを放任することができないのでありまして、この操作も公團形式によつて政府みずからの責任において遂行することが適当であると考えるに到つたのであります。
 これを並行していわゆる切府制によつて飼料の配給を行うのでありますが、御承知の通り、飼料は、総量が少い上に、非常に種々雜多でありまして、食糧加工製造の副産物も多いので、飼料として生産が計画的に行われないので、切府制度のみでは統制し難く、又種類が多い飼料資源の栄養價値は、物によつて相当開きがあるので、成るべく完全な栄養價値のあるものを供給するために、いわゆる配合飼料の形で配給することが必要でありますが、このためにも一手に集荷配給する機関がないと、この操作がうまくやれないのであります。
 その他需給の機動性を持たせるためには、或る程度の予備貯藏をなし得ることが必要であり、又飼料輸送の円滑、生産配給の徹底、飼料價格の安定等のためにも、公團形式による把握を適当と考えるのであります。
 以上のような考えで飼料配給公團を設立することを考慮したのでありますが、飼料配給公團は、大体他の公團と大同小巽であります。
 政府は、この公團設立によつて、飼料の重点配給を確保し、農業生産力の向上、牛乳の確保、輸途の円滑、食糧統制の確保等を図りたい所存であります。
 本法案は、以上のような理由によつて上程するのでありますが、何卒御審議の上速かに御協賛あらんことをお願いをいたします。
#4
○委員長(楠見義男君) ちよつとこの際木下さんから政務次官に對して緊急の質問がございますので、それを許可します。
#5
○木下源吾君 この際一つ承わつて置いて、我々委員会として何らかの処置を講じなければならんと考えておるのでありまするが、それは御案内の通り、過般の水害によつて、非常に被害方面では困難をしておる。從つて國に向つて補助或いは融資を要望しておつたのであります。農林当局においても、被害地を調査し、その査定の結果、相当の額を要するものとして認めておるわけであります。その結果として査定額が一應纏まつておつて、それに對する補助又は融資等を、農林当局は極めて熱心に計上するために努力をせられておつたのでありますが、今日の実情に見まするというと、最初の復旧費に対して一割程度も行つておらんというような実情にあるのであります。そうして又、最初農林当局から地方に明示しました額が、地方においてはそれを現金化することができないで、逆に復旧の仕事は、地方民の異常なる努力によつて着々進行しておる。にも拘わらず、これが跡始末に非常に困窮しておるという実情であります。それは私から申上げるまでもなく、地方から頻々として農林省又は國会に対して陳情等が参つておる、この実情でも明瞭であるし、地方民の困窮の実情も、今日では忍び難いものがあると考えられるのであります。
 これは、要するに、食糧増産がこういうことでは停滯するのではないか、こういうことを憂うるのであります。農林当局がこれに対して、食糧の増産上、將又我が日本再建の上において遺憾がないと考えておらるるか。非常に遺憾であるけれども、國費の多端の上において止むを得ない、これは後廻しにしても止むを得ないと考えておるのであるか。御案内の通り、昨今政府においては、政府職員に對する給與の問題、又は教育上の重要性に鑑みる六・三制実施に対しても、近く補正予算を提出せられるようになつておるのであります。かたがた併しながら食糧は一切の根本でなければならないのであつて、固よりその見地から農林当局が非常な努力を拂つておられるとき、私は今日農林省において專任の農林大臣が居らないことは、誠に遺憾と考えるものである。併しながら諸種の事情でこれが專任大臣を置くことが遅れておるといたしましても、尚農林当局が全力を擧げて食糧増産のために予算を計上するの責任があると考えるものであります。この点につきまして一つ政務次官に御意見を承り、更にその御意見の要旨によつては、我々農林に関係あるところの議員としてはでき得る限りの努力を政府にいたさなければならない、かように考える次第であります。
#6
○政府委員(井上良次君) 只今水害対策費の問題について熱心なる御質問がございましたが、関係当局として、又特に農産物の被害及び今後の問題についての責任当局として、今御指摘のように、実際思うように予算がとれませんのを全く残念至極と考えております。併しながら我々といたしましては、今お話のありました通り、差当りこの水害地の復旧を急速に実行することが、直ちに明年の食糧増産になることであるし、又河川その他の改修を速かに実行しておきませんと、出水期に再び被害が拡大をして参りますので、この見地からもこの水害復旧費については全力を挙げて交渉を進めております。第一次、第二次、第三次、第四次と、いわゆる國の財政の許す限りといいますか、他の財政の繰り廻しのつく限り、でき得る限り全力を挙げてこれの財源の要求をいたしておりますが、地元関係当局の要望するものから比べますと、全くお話にならんような國庫負担でございまして、これではとても駄目でありますから、更に一層、現在決まつておりますものより更に追加を要求いたすつもりで、今事務当局をして折衝さしております。
 尚この年末から來年の春にかけまして、この問題は解決をいたして置きませんと、御承知の通り、東北、關東方面の來年の出水期までに、何とか目鼻のつくような事態に押し進めたいという一つの目途を以ちまして、全力を挙げて参りたいと思いますが、この問題は單に我々農林省所管だけで交渉いたしましても、御承知の通り内務省所管において、或いは又その他の関係所管においてそれぞれ又要求もされておりまして、全体を打つてこれこれという額でいつも押えられて参りまして、農林省の本当に必要とする経費が思うように押えられませんので、これらの点につきましては、是非國会の関係委員会の御協力を願つて、少くとも最少限度我々が必要とする分までは漕ぎつけたい。又漕ぎつけなければならんというつもりでおりますから、今後ともよろしく御協力を願いたいと思います。
#7
○木下源吾君 それで、今日まで地方に一應内諾を與えたところの補助額、それに対して現金化しておる率及び融資を承認といいますか、そのことについての融資の各縣別の額並びに地方各縣における緊急に復旧を要する、年度内の復旧を要するという工事の進捗状況等について、資料を一つ成るべく早く御提出を願い、それに基いて又我々相談いたしまして方途を講じたいとかように考えます。
#8
○政府委員(井上良次君) よろしうございます。只今木下さんの御注意の点は至急に事務当局に作らせまして、提出することにいたします。
#9
○委員長(楠見義男君) 速記の方の都合がございまして、これで速記は他の委員会に割愛したいと思います。御諒承を願いたいと思います。ではこれにて一應散会といたします。
   午後一後五十六分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     楠見 義男君
   理事
           木下 源吾君
           高橋  啓君
   委員
           門田 定藏君
           羽生 三七君
           北村 一男君
           柴田 政次君
           西山 龜七君
           平沼彌太郎君
           岩木 哲夫君
           木檜三四郎君
           小杉 繁安君
           佐々木鹿藏君
           石川 準吉君
           岡村文四郎君
           河井 彌八君
           島村 軍次君
           寺尾  博君
           藤野 繁雄君
           松村眞一郎君
           山崎  恒君
  政府委員
   農林政務次官  井上 良次君
ソース: 国立国会図書館
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