くにさくロゴ
1972/06/22 第71回国会 参議院 参議院会議録情報 第071回国会 科学技術振興対策特別委員会 第5号
姉妹サイト
 
1972/06/22 第71回国会 参議院

参議院会議録情報 第071回国会 科学技術振興対策特別委員会 第5号

#1
第071回国会 科学技術振興対策特別委員会 第5号
昭和四十八年六月二十二日(金曜日)
   午後一時五分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 六月二十日
    辞任         補欠選任
     和田 静夫君     大橋 和孝君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         渋谷 邦彦君
    理 事
                鍋島 直紹君
                船田  譲君
                辻  一彦君
                矢追 秀彦君
    委 員
                大森 久司君
                剱木 亨弘君
                斎藤 十朗君
                大橋 和孝君
                中村 利次君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (科学技術庁長
       官)       前田佳都男君
   政府委員
       科学技術庁長官
       官房長      進   淳君
       科学技術庁原子
       力局長      成田 壽治君
   説明員
       通商産業省公益
       事業局技術長   和田 文夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○科学技術振興対策樹立に関する調査
 (原子力発電の安全性に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(渋谷邦彦君) ただいまから科学技術振興対策特別委員会を開会いたします。
 参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。
 科学技術振興対策樹立に関する調査のため、本日、東京都公害局企画部副参事池野多一郎君及び同衛生局医療福祉部公害保健課長長崎護君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(渋谷邦彦君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
 なお、手続等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(渋谷邦彦君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(渋谷邦彦君) 科学技術振興対策樹立に関する調査を議題といたします。
 御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#6
○辻一彦君 私、きょう、十七、十八と美浜の発電所をはじめ、若狭湾一帯の発電所を、調査団で出まして、問題を少し見てきましたので、それらについて二、三点お伺いをいたしたいと思います。
 第一は、関西電力の美浜発電所の一号炉、これが、昨年も蒸気発生器の事故がありましたし、ことしも定検でとめて検査をしておりますが、いろいろ問題がありそうに思われます。そこで、美浜一号炉の蒸気発生器の事故の実態について報告を、まずお願いをいたしたいと思います。
#7
○説明員(和田文夫君) 美浜の一号機につきましては、昨年六月十三日に、SGの細管漏れによりまして、右側に放射能が、ごくわずかではありますが、漏れるという現象がありました。さっそく運転をとめまして調べたところ、SGの細管の一本に非常に小さいピンホールがありまして、そこから漏れていることが判明いたしました。その際、いろんな検査をいたしまして、御承知のように、約百十本の細管にめくらをしまして、運転を再開したわけでございますが、再開したのが昨年の十二月九日でございます。その後、本年の三月がちょうど定検の時期に当たっております。これも予定どおり三月十五日から定検に着手いたしまして、現在定検中でございますが、まあいろいろ事故の原因等から考えまして、今回は思い切って、もう少し――全体約八千八百本の細管があるわけでございますが、その約二割程度めくらをする方針で現在進んでおるところでございます。
#8
○辻一彦君 原子力発電所設置の申請が出たときは、科学技術庁、原子力委員会が審査をします。まあ所管はそうなりますね。動き出すと通産省のようになっているようでありますが、原子力発電所の指導といいますか、監督について、科学技術庁と通産省はどういう関係になっているのか、これをちょっと段階的に一応説明をしていただきたい。
#9
○政府委員(成田壽治君) 御承知のように、原子力発電所の設置許可申請は、規制法に基づく申請が科学技術庁、内閣総理大臣になされると同時に、電気事業法による許可が通産省に、通産大臣に対してなされるわけであります。それで、申請がありますと、原子力委員会は安全審査会にその安全性の審査等を依頼しまして、まあ半年ないし一年の審査をやっております。それで、安全審査会から答申がありますと、原子力委員会はさらに総合的な判断で、許可していいかどうかという答申を総理大臣に対してなすわけでありますが、そして原子力委員会から答申が出ますと、規制法による同意を通産大臣からもらいまして、そして原子炉等規制法二十三条による許可を総理大臣名でなしておりますが、同時に、通産省としましては、電気事業法の四十一条による事業許可をなすわけでございます。そして、これがまあ安全審査、基本設計的な問題は原子炉等規制法によって行なっておりますが、詳細設計以降につきましては、これはまあ商業発電炉の場合は、電気事業法によっての工事認可、それから電気事業法による使用前検査、それから電気事業法による運転中の定期検査、これは全部電気事業法によって通産省が行なっておるところであります。ただ、これは両者許可においても非常に綿密な連絡をとってやっておりますので、運用面においても、法律上は商業発電炉については通産省の規制でありますが、十分通産と科学技術庁は連絡をとって、通産から連絡を受けて行なっておるわけであります。
 それで、規制法による運転中の炉に対しての規制としましては、いろんな運転記録の徴収とか、故障状況等の報告徴収、それから保安規定の順守状況について順守義務を、保安規定の順守義務を設置者に課しております。それから、保安のために講ずべきいろんな措置を定めるとか、あるいは主任技術者の選任等、そういう規制法による科学技術庁の権限は、そういう形での安全確保のための措置として残っておりますが、詳細設計に対する工事認可、あるいは使用前検査、あるいは運転中の定期検査等は、電気事業法によって通産省がなしております。
 美浜一号炉につきましては、安全審査会の答申は四十一年の十一月になされ、規制法による設置許可が総理大臣によって四十一年の十二月一日になされております。これは電気事業法の許可も同時だったと思います。そして、運開が四十五年十一月二十八日と、そういうことになっております。
#10
○辻一彦君 運転中の発電所で、通産省と科学技術庁の共管関係はどうなっていますか。ともに責任があるという関係。
#11
○政府委員(成田壽治君) 法律上は共管関係はないんでありまして、工事許可とか、使用前検査とか、運転中の定期検査、これ、商業発電炉につきましては、法律上は通産省の権限になっております。ただ、研究炉につきましては、こういうものも規制法によって科学技術庁になっております。
#12
○辻一彦君 それじゃ、一応通産省に伺うことになりますね。
 まず、美浜の一号炉の事故が去年も起こり、ことしも起こっておりますが、事故原因をどういうように見ておられるか、これをひとつお伺いしたい。
#13
○説明員(和田文夫君) いろいろ事故が起りまして、調査のため、蒸気発生器の細管を切り出して調べたわけでございますが、そのときの細管の減肉の状況、あるいは減肉の位置、あるいは腐食実験等の結果から、現段階では原因としては二つ考えられておりますが、一つは、蒸気発生器の細管の管が曲がっている部分、いわゆる曲管部分でございますが、曲管部が、細管の振れどめ――ストラップと申しておりますが、そのちょうどストラップの部分に曲管部がかかっているものにつきまして、蒸気発生器の右側、これは細管の外側になりますが、蒸気発生器の右側の蒸気と、水の流体が二相あるわけですが、その二相の流体の流動が局部的に妨げられまして熱影響を受けたんじゃなかろうかというのが一つの原因でございます。それからもう一つは、蒸気発生器の右側の水中に含まれております不純物等がストラップ付近で濃縮されまして、まあ蒸気発生器の細管の表面が化学的に腐食を受けたんじゃなかろうか。
 この二つが原因として考えられているわけでございますが、まあ、うちで原子力発電技術顧問会という専門家の方々のお集まりがございます。こういうところでいろいろ検討したいただきまして、まあ大体この二つだろうということになっているわけでございますが、初めに申し上げた熱影響によるほうが、まあ主原因じゃなかろうかなという意見の方が多いような状態でございます。
#14
○辻一彦君 この事故は、まあ放射能が非常に外部に漏れて問題になっていると、そういう性格ではあまりないわけですが、しかし、三十四万キロワットの発電所が、去年の六月に検査をして、半年前、三月たたない間に、またこれもいろいろ問題があるということは、かなりまあ私、大きな問題であると思うのです。そういう点で、事故の原因についても若干伺ってみたいと思います。
 これは衆議院のほうでも、二日前ですか、論議がありましたが、あの蒸気発生器の細管パイプは、インコネルという、非常に超耐熱性の材質を使っている、そういう点から、熱による影響というものは受けないはずなんだが、この点はどういうような見解なんですか。インコネル六〇〇というこの材質は超高温に耐えるという材質で、三百度前後の温度で損傷が出るというような材質じゃないはずなんだけれど、この点はどうなんですか。
#15
○説明員(和田文夫君) これはいわゆるエンジニアリング的な推測の域を出ないわけでございますが、先生おっしゃいますように、インコネルというのは非常に熱的にも強いということでございますが、さっき申し上げたストラップの、細管の振れどめのところにある曲管部におきましては、上部の管と下部の管との間に約八〇%蒸気の二相流の状態がございまして、これが渦流現象を起こして、他の正常の流れの部分に比べて、このいわゆる二相流の状態がとどこおると、こういうことになるのじゃなかろうかと、こういうふうに考えられております。それで、とどこおりますと、この管は、その部分につきまして、ある周期で、何といいますか、ぬれた状態と、それからかわいた状態と繰り返す結果になりまして、ここでそういうことがありまして、いわゆるホットスポットといいますか、高温のスポットが発生するのじゃなかろうか、こういうふうに考えられているわけでございます。
#16
○辻一彦君 もう一つは、化学薬品による腐食が出ておりますね。これも、第二燐酸ソーダを使っているというのですが、これはあまり腐食性のない薬品のはずだけれども、しかも、関電は、現地で聞くと、今度はこの第二燐酸ソーダの濃度をさらに上げると、こう言っているんですね、濃度を濃くすると。これが、曲がりかどで濃縮されて薬品による化学性腐食が起こると、こう言いながら、片面では、この第二燐酸ソーダの濃度を上げるというのは、どうも聞いても説明がわからないのですが、第二燐酸ソーダというのは、そういう腐食性の非常に強い薬品ですか。
#17
○説明員(和田文夫君) この薬品につきましては、当初は第三燐酸ソーダを注入していたわけでございまして、これが水中でアルカリになりまして、それが原因じゃなかろうかということで、事故後第二燐酸ソーダに切りかえたようでございます。その関係で、ペーハーコントロールやなにかの点で濃度が結果的に少し濃くせざるを得なかったというようなことを聞いております。
#18
○辻一彦君 美浜へ行ってみますと、あの原子炉の中にはアメリカの技師がたくさんいる。それで、日本の人もおりますが、おもな働きはアメリカの技師がやっているのですが、昨年の六月から十二月にかけての検査中にも二十二名のアメリカ人技師が来てずっとやっておったようですが、今度も、まあずいぶん、人数は聞いておりませんが、たくさんおりますが、ウェスチングから来ていると思うんですが、一体そのウェスチングの本社は、この事故についてどういう見解を持っていますか。
#19
○説明員(和田文夫君) われわれのほうといたしましては、ウェスチングから直接、まあウェスチングは事故原因をこういうふうに考える、そういうことは聞いておりませんが、われわれのほうで顧問会やなにかの先生の御意見も伺いまして、大体こういう事故原因だろうという推定に対して、別に異なった意見があるということは聞いておりません。
#20
○辻一彦君 いや、現地で聞くと、またきのう通産から聞くと、ウェスチングがこの蒸気発生器について保証期間、かなりな期間の保証をしているということですが、そういう機械の何年かにわたる保証をするウェスチングは、そこから、保証しているにもかかわらず何の見解も聞いていないというのは非常におかしいと思うのですが、その点はどうなんですか。
#21
○説明員(和田文夫君) これは、御承知のように、設置者が関西電力でありまして、関西電力が一括してウェスチングに発注したものでございますので、われわれとしてはウェスチングの意見は直接は聞いておりませんが、関西電力を通じましてウェスチングの意見も間接的には聞いていると、こういうふうに解釈していただいていいかと思います。
#22
○辻一彦君 それじゃ、そのウェスチングはどう言っていますか、間接的に聞いた話では。
#23
○説明員(和田文夫君) われわれの意見と大差はないわけでございますが、何か、水処理、さっき申し上げた化学的の問題でございますが、それじゃなかろうかというので、さっき申し上げた第三燐酸ソーダでございますか、それを第二燐酸ソーダに、事故後――昨年の事故のあとでございますが、かえたような状況もございます。
#24
○辻一彦君 去年、関電は現地から、まずウェスチングの本社にパイプを切り取って飛行機で送っておりますね。それから三菱重工にも検査に送っておりますが、これはもう、かなりな期間がたっております。年末ぐらいにその分析検討の結果が出るという話でしたが、以来半年、それからでもたっているけれども、ウェスチング本社で、あるいは三菱重工で、それぞれあのパイプの切断したものについて、材料等の調査研究をやっておるはずですが、それはどんな報告が来ておりますか。
#25
○説明員(和田文夫君) いままで聞いている範囲におきましては、やはりわれわれが推定したような原因じゃないかというような、そういう試験の結果も、それに特に異なるようなことじゃないわけでございますが、その不純物があれするとかいう問題のスケールの成分といたしましては、主成分が鉄で、あとわずかではありますが、亜鉛でございますとか、ナトリウム、それから燐、それから少量の銅、ニッケル、クロム等が入っている、こういう報告を聞いております。
#26
○辻一彦君 それは成分はわかるんですが、腐食の原因を、明確にウェスチングは判断を出しておるんですか、どうもこれらしいというような程度なんですか、そこいらはどうですか。
#27
○説明員(和田文夫君) 原因といたしましては、さっき言ったような二つの原因が、ウェスチングとしても原因じゃなかろうかという推定をしているわけでございますが、特にさっき申し上げた高温のスポットがある、かわいた状態と、ぬれた状態を繰り返す結果、高温のスポットができまして、そのスポットが発生する部分では、かわいたときに水の濃縮が行なわれまして、それからそこで濃縮が行なわれる結果、水の中にあるスケールの付着がそこでふえる、こういう推測がされます。このスケールが、先ほど申し上げましたような渦流によって、スケール部と金属部との間の温度変化に伴いまして、その間の熱膨張率の違いから、そのスケールがだんだんはがれていくんではないか、そういうようなことが考えられるわけでございます。それで、そのスケールが剥離するときに、若干の金属部をはぎ取っていくんじゃなかろうか、それで、その結果、細管の減肉が徐々に進行していくのじゃなかろうか、そういうふうに一応現在の状態では考えられます。
#28
○辻一彦君 私も専門じゃないですから、あまり技術的なことになると、正直のところ、十分わかりません。しかし、三菱重工に送った報告、それについての、何か、大体こういうものだというのは出ておりますか。
#29
○説明員(和田文夫君) 三菱重工からわれわれのほうも直接聞いたわけではございませんが、間接的に聞いておりますが、その結果でも、さっき申し上げたようなメカニズムで減肉が進行していくのじゃなかろうか、こういうふうに申しているようでございます。
#30
○辻一彦君 じゃ、ほかに原因として、こういう問題はないのですか。一つは、これは物理の専門的な問題になると思いますが、残留応力、曲げるときに焼きを入れて曲げて、それを十分焼きを入れれば合金はもとへ返るけれども、返してしまえば元も子もないという、それで、曲がったところにある一つの金属のストレスという、そういうところから出る問題を考えませんか。
#31
○説明員(和田文夫君) おっしゃいますように、曲げますと、そこの点にいろんな無理がかかりまして、それを疲労と申しますか、それを除くためにいろんな処置をするわけでございますが、それは十分にやってあって、問題はないのじゃなかろうか、こういうふうに考えております。
#32
○辻一彦君 もう一つですね。振動による機械的腐食というものは考えませんか。たとえば、第一次の水がパイプの中を流れる、外側を二次の水が流れておる、かなりな流速になるはずですから、そういうものによって、つっているところのパイプが機械的振動によって腐食を起こす、こういう問題はありませんか。
#33
○説明員(和田文夫君) 先生がおっしゃるような振動による、何といいますか、機械的な疲労といいますか、そういうものではないようでございます。
#34
○辻一彦君 この問題は、しろうとで論議してもあれでありますから、もっと科学的にまだまだ究明しなければならぬと思います。
 そこで、こういう問題は、日本原子力研究所においては専門の人はおらぬのですか。
#35
○政府委員(成田壽治君) 詳細調べてみたいと思いますが、こういう問題、直接の専門の人はちょっとおらないんじゃないかというふうに考えられます。
#36
○辻一彦君 これは非常に材料、材質にかかわる問題ですね。何もこのパイプだけじゃなしに、原子力のいろんな設備、施設の中には、こういう材質や材料についての問題があるわけですから、これは原研になくちゃならないし、そういうものがなければ日本原子力研究所は一体何であるのかわからないと思うんですが、そういう金属材料、材質等を検討しているところはないんですか。
#37
○政府委員(成田壽治君) 材料関係については原研もやっておりますが、科学技術庁の付属機関である金材研等の政府機関も、原子力関係の研究もやってもらっております。
#38
○辻一彦君 じゃ、なぜ、日本原子力研究所というりっぱな研究所があり、科学技術庁直轄下の金属の材質研究所があるのに、そういうところにこの問題のパイプを送って分析研究をすると、そういうことはやらないのですか。
#39
○説明員(和田文夫君) さっき申し上げました、われわれのほうの技術顧問会にも、原子力研究所の材料の専門家である藤村先生というのをお願いしてございます。ただ、藤村先生が直接こういう、何と言いますか、熱交換器の御専門かどうかは知りませんが、材料一般についての専門家でございます。それからほかにも、大学等の材料等の専門家もお願いしているわけでございます。
#40
○辻一彦君 原子力研究所は、こういう問題が起こったときに、これについて検討し研究をし分析をすると、そういう機能を持っているのかいないのか、その点、どうなんですか。
#41
○政府委員(成田壽治君) こういうケースについては、政府の科学技術庁のほうから依頼をすれば、あるいは原研、金材研等が取り上げると思いますが、自動的にこういう問題について取り上げるという体制にはなっておらないと思います。それから今度の問題は、先ほど通産から御説明がありましたように、ウエスチングハウス系の保証期間の間に、二年間の保証期間の間に起きた事故で、向こうの責任もある期間中でありましたので、ウエスチングハウスのほうの検査、実験等に依頼したものと考えます。
#42
○辻一彦君 しかし、三菱重工に、検査のためにパイプを切断して――去年十本切っておるのですね、検査のために、アメリカに送るのと三菱に送るのと。その三菱重工に送ったパイプを三菱が見て、わからないというので、原研にいろいろ電話で聞いているということがありますね。こういうことを考えると、大体、原子力研究所というものをつくっておいて、そこへもっと持ち込んで、なぜ、そういうものの分析や研究ができないのか。アメリカに送るのもけっこうですよ。しかし、三菱重工に送るならば、日本の原子力研究所に送って十分な検査をするのが当然じゃないですか。研究所の中にはあれだけの人材がいるんですから、そういう問題について必ず専門的な人がおるはずですよ。現に、ECCSのいわゆる緊急冷却装置、こういうものの実験なんかを見れば、材質や材料力学に関係なしに、ああいうものの実験は、研究はできないはずですね。私は、やろうとすれば、十分研究所はその機能を持つと思うんですが、持っていませんか、どうですか。
#43
○政府委員(成田壽治君) 結果的に考えますと、あるいは原研等にこの問題も取り上げさせたほうが、原研の安全性研究にもプラスになり、あるいは事態の解決にもプラスになったかもしれないというふうに考えておりますが、ただ、原研が施設的に十分こういう能力があるかどうかというのは、私、よう詳細調べてみないとわかりませんが、むしろ施設的には金材研のほうが適当なんじゃないか。もちろん、原研の担当研究者と金材研、一緒にながめないといかぬと思いますが、施設的には、あるいは金材研のほうが原研より適当なんではないかというふうにも考えております。
#44
○辻一彦君 この間、私、原子力研究所を見に行って、蒸気の破断の実験をやっておりますね。ああいうのを見れば、いろいろな流速や、あるいは材料であるとか、そういう問題に必ず関係があるはずだし、だから私は、金属研究所ですか、そこでもそれはけっこうです。しかし、政府機関の中にちゃんとした研究所を持っているのに、こういう問題を去年も起こし、ことしも起きるのに、それをどっかにまかせ切りにしているというのは一体どうなのか。これは原子炉の本体そのものではないけれども、言うならば、重要な機関で、原子炉の建屋の中にある一体と考えてもいいし、しかもこれが故障を起こしてとまれば――現に、関電としても、三十四万の発電所を半年もとめて、去年からことしの三月までも十万キロダウンしてやっておれば、経済的に言ったって大きな損失なんですね。そういうものを、なぜ政府機関が、せっかく研究所を持ちながら、ぼんやりしているのか、これは私はどうもわからないんですが、それはできないんですか。
#45
○政府委員(成田壽治君) あるいは、御指摘のように、そういう形をとったほうが安全性研究の面でもベターであったかもしれませんが、まあ商業炉で、稼働後の炉でありましたので、そこまで十分気がつかなかったというのは遺憾に考えております。
#46
○辻一彦君 気がつかなかったなら、これは気をつけてもらわにゃいかないし、そこで、通産のほうに……。なぜ、原子力研究所や金属研という政府機関にしっかりした機関があるのに、そこへ持ち込んでこれについての原因究明をやると、こういうことをやらないのですか。
#47
○説明員(和田文夫君) うちのほうに、いろんな権威の方で構成いたします原子力発電技術顧問会というのがございまして、その中にいろんな材料面の専門家も相当数おられますので、そういう方々にいろいろ御相談を申し上げて、たとえばメーカーでどういう実験をやるとか、そういうことの指示もいただきまして、そういう多角的な方法でやったほうが原因の追及等も早く済むんじゃないか、そういう判断で技術顧問会の御意見を承って、いろんな原因追及あるいはそれに伴うあとの対策でございますか、それに当たっているわけでございます。
#48
○辻一彦君 私、多角的に研究するのが悪いとは言わないですよ。アメリカのウェスチングに送るのも、三菱重工へ送るのもいい。しかし、日本原子力研究所というのはそういういろんな問題を研究するためにあるんだし、政府の、科学技術庁の金属研究所も、そういう問題にこたえるために、私はいろいろあると思うのですね。せっかく政府機関にあるのに、なぜそれを活用しないのか。多角的にいろんなところで意見を聞き、研究をするということはけっこうですが、研究所が厳然としてちゃんとあるのに、それに全然研究調査をやらないというのは、これは私はどうもふに落ちないが、その点はどうなんです。
#49
○説明員(和田文夫君) さっき申し上げたように、その技術顧問会の先生の中には原研の方も入っておられますので、今後いろんな専門的分野につきまして、それぞれ分担してやることが必要になってくるかと思いますので、そういうことも今後考えていきたいと、こういうふうに考えております。
#50
○辻一彦君 くどいようだけども、去年も半年発電所をとめて、それからまた半年たって、またこれ、当分とまるんですよ。その相談もいいけれども、いいかげんに、早く、原研あたりでそういう研究ができるなら、そういうところへ、もう少し研究の手を伸ばしてやるということは必要だと思うのですね。大体、その通産省の原子力発電技術顧問会に参加されている原研の専門家の人は、それについて原研ではそういう能力がないという御判断なんですか、どうなんですか。
#51
○説明員(和田文夫君) 原研でそういう能力がないとか、そういうことはもちろんないと思いますが、特にこの問題につきまして原研でこういう面をやったらというようなお話も、まだ伺っておりません。
#52
○辻一彦君 じゃ、通産と科学技術庁に伺いますが、こういう状況の中で、この問題についての本格的な調査と研究を、原研で、あるいは金属研究所でできませんか、どうですか。
#53
○政府委員(成田壽治君) 通産の技術顧問会議で原研の人は、村主安全工学部長が入っておると思いますが、村主さんともよく相談をして――原研はかなり基礎工学的な部門は専門でありますが、こういう部門で十分やれるかどうか、あるいは金材研と一緒になってやるべきかどうか、安全工学部長の村主さんとも十分相談して取り扱いをきめたいと思っております。
#54
○辻一彦君 大臣にお伺いしますがね。動燃はかなり応用的な、原研は基礎的な研究というふうに一応大分けをしてやっていますが、その原子力研究所がこういう問題の研究に耐えられないということは私はないと思いますね。そんな原研であったら私はいかないと思いますが、原子力研究所で十分ひとつこういう問題についての研究ができるように、いまできなければその体制を直ちに整えてもらいたい、こう思いますが、これについてどう思われるか、それが一つ。
 もう一つは、原子力基本法の三原則、自主・民主・公開と、こう言いますが、自主という、自前の技術を、科学を育てるという力がなければ私はいかないと思うんですね。まあ美浜の原子炉を見ても、残念ながら、何十人かのアメリカの技術者がおる。これは私、それもいいと思いますよ。しかし、こういう体験の中に日本の専門的な学者、技術者にどんどん参加をしてもらって、自分で技術を積み上げるということをやらなければ、もうこれは、何か問題があったらアメリカに来てもらう、アメリカへかけつけなきやならぬと、こういうことがいつまでも続くと思いますが、自主性という、技術をみずから積み上げる点においても、どういうようにお考えになるか。
 この二点、ひとつ長官から伺いたいと思います。
#55
○国務大臣(前田佳都男君) ただいま辻先生から御指摘の問題は、安全性の確保という点から非常に重大な御提言と私は思います。私、先ほど来の問答を、やりとりを聞いておりましたが、具体的に、私それほど専門家でございませんから、わかりませんけれども、とにかく原子力研究所あるいは金属材料研究所等、当庁関係のほうにおきまして、その安全性ということについて御利用いただくということが相当いいんじゃないかということも考えます。しかし、その点は、先ほどのその顧問会のうちに村主さんという、原子力工学ですか、これの専門家もおられるようでありまして、私具体的にここでこの問題をお答えしても、あるいは村主君がどういう考え方を持っておられるか――あるいは顧問会に参加しておる以上、やはりその場においてただじっとすわっておったんじゃなくて、何か考えがあったんだろうと思いますので、この点はすぐに、われわれ話している間柄でございますから、一ぺん村主君の意見を聞いてみたいというふうに考えております。
 それから、原子力研究所は、辻先生御承知のように、原子力研究のほんとうの総本山といいますか、基本的な研究はやっぱり日本原子力研究所でやらなくちゃいけません。その点は全く先生御指摘のとおりでございます。したがいまして、私は、どの研究ということなく、もう原子力に関する研究は、やっぱり基礎的な研究はこの原子力研究所でやってもらいたい、やるようにすべきであるという考え方を持っております。
 それから自主的な開発でありますが、この点も、ほかの分野に比べまして、日本の科学技術のほかの分野においても、いろいろ外国との格差とか、そういう点が問題になるわけでございますが、原子力も、外国はもう軍事的なために、わりあい早く発達をいたしました。しかし、日本はそれにおくれて平和利用ということで一生懸命に張り切ってやっておるわけでございまして、その間――外国から技術を導入することは私もほんとうにきらいでございます。しかし、やむを得ず、とにかく、技術格差がある以上、いまのところ、まだときどき青い目の人が――これはちょっと俗なことばでありますが、出たり入ったりするということも私非常に残念に思っております。その意味におきまして、とにかく自主的に日本固有の原子力開発においての技術というものを外国に負けぬようにやっていかなきゃならぬということで、実はもうその点は辻先生御指摘のとおりでございまして、私どもそのつもりで実はやっております。しかし、まだ外国で購入した機械があるもんですから、その機械の修繕とか、あるいは故障の場合外国の人に来てもらっておるということがあるかと思いますが、その点もひとつ、しばらくはやむを得ない処置ではないかということも考えております。
#56
○辻一彦君 私は、アメリカから技術者、専門の方が来られるのを悪いとは言っていないんですよ。それは、必要なら来てもらうのはいいんです。しかし、その中に日本の技術者や学者にどんどん参加をしてもらって、もっともっと自分で力をつけて、自前の技術をもっと積み上げていただきたいと、こういうことを言っておるのですから。
 そこで、通産にあまり詳しく聞くのもお気の毒にも思いますが、これはもう運転炉はあなたのほうで管理されておるのだから、これはやむを得ないと思うので、そこで、事故に対してどういう処置をしてきたのか、これをちょっと簡単に報告してください。
#57
○説明員(和田文夫君) 先ほどちょっと触れた点もございますが、まず、昨年の六月に、一番初めにその漏洩事故が発見されたわけでございますが、直ちに原子炉を停止いたしまして、水圧試験を実施し、それからさらに渦流探傷装置によっていろいろな細管の健全性の確認を行なったわけでございますが、それでその結果、約八千八百本の総数の細管のうち漏洩のある細管は一本であったということが確認されております。しかし、漏洩のあるのは一本でございますが、ほかに損傷の疑いのある細管もあることが判明いたしておりますので、こういう損傷の疑いがある細管、それから先ほど先生がおっしゃった、いろいろな調査のため切り出した細管もございますので、そういうものにつきまして、昨年の六月以降、百十本について、めくらせん工事を行ないまして、十二月九日から運転を再開したわけでございます。それから本年三月十五日から、これは予定どおりの定期検査に入ったわけでございます。このときに、昨年の事故にかんがみまして、徹底的に調べようということで、いま調査しているわけでございますが、渦流探傷装置等の、何といいますか、その測定の精密性も非常に上がってまいりまして、まあそういうことがありまして、前回よりむしろ減肉の指示が少ないような例もあったように聞いておりますが、今回につきましてはまだ終わっておりませんので、最終的なことを申し上げるわけにはいきませんが、いまのところの方針といたしましては、少しでも減肉が認められるものについては全部、それからその付近はやっぱり今後減肉が起こることが考えられますので、これは、先生先ほどおっしゃったような安全性の問題には直接は関連ありませんが、やはり運転の信頼性ですとか、あとの保守、点検等のことも考えまして、思い切って約二割程度の、千八百本になるか九百本になるか、まだ最終的にきまっておりませんが、それについて、めくらせん工事を行なう予定にしております。その結果、終わりますと、いろんなまた検査をいたしまして、そのときの状態で、また使用条件等を定めて、それからまあ運転再開と、こういうことになろうかと思います。
#58
○辻一彦君 それで、第一回にめくらせんをしたのは百十本ですね。これは大体、腐食のパーセントとか、そういうものは、何か基準で、一応これはあぶないとか、そういう基準があったと思いますが、どういう基準で、めくらせんをしましたか、第一回の場合は。
#59
○説明員(和田文夫君) 第一回目のときは、腐食部分が七〇%に達しているものを、めくらせんをしたわけでございます。
#60
○辻一彦君 じゃ、その今回のめくらせんは、第一はどういう基準でやっているのか。さっきの減肉が認められた細管の数、それからわずかながら損失のあった数、周辺の健全なもの、こういうものを分けて、どういう、まず基準、それからその次には、これがそれぞれどういう本数になるか、その点、いかがですか。
#61
○説明員(和田文夫君) 今回は、先ほど申し上げたように、過流探傷装置によっていろいろ精密に測定いたしまして、少しでも減肉の指示があるものは全部、それからその付近の健全な細管ということで、めくらせんをこの基準にしております。
#62
○辻一彦君 いや、その減肉の認められたというのは、どういう基準ですか。それから少しでも減肉といいますか、指示のあったものというのは、何か基準でさしていますか、数字とか何か。
#63
○説明員(和田文夫君) 過流探傷装置によりまして厚さがわかりますので、その厚さが当初より減っているものはすべてでございます。それから指示といたしましては、精度といたしましては、一〇%程度のものは、一〇%程度の減肉は全部出るような精度になっております。ですから、正確に申し上げれば、一〇%程度の減肉と申しますか……。
#64
○辻一彦君 一ですか一〇ですか。
#65
○説明員(和田文夫君) 一〇でございます。
#66
○辻一彦君 そこで、減肉の認められた細管の数、それから、わずかでも指示があった数、健全なものも、周辺の健全なものといいますか、それの数、大体どうなります。
#67
○説明員(和田文夫君) 前回は、さっき申し上げたように、減肉が七〇%以上のものが百本ございまして、そのほかに、あの試験のために切り取ったものが十本で、合わせて百十本であったわけでございますが、今回は、それから少し時がたっておりまして、減肉が七〇%以上のものが三十七本追加になっております。それから、先ほど申し上げた、指示のあるものが千八本でございます。それから、そのほか、健全の細管――まあこれは最終的にまだきまっておりませんが、約六百本から八百本程度めくらせんをする予定でございます。
#68
○辻一彦君 それを合わすと、最終的にはきまっていないのですが、大体何本になるんですか、ほぼ。
#69
○説明員(和田文夫君) 約千八百本から千九百本程度になろうかと思います。
#70
○辻一彦君 きのういただいた資料にも、ほぼ今回千九百本と、こういうようにありますから、まずそれと思います。そこで、電流による過流探傷装置ですか、これは、ここ数カ月というか、半年くらいで、ずいぶん進歩したのですか。
#71
○説明員(和田文夫君) 以前は振幅法という方式だったわけでございますが、今回は位相法、まあ電気のあれでございますが、位相法という方式による渦流探傷装置を使用しておりまして、これのほうが精密度が高いようでございます。
#72
○委員長(渋谷邦彦君) 暫時休憩いたします。
   午後一時五十六分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時十三分開会
#73
○委員長(渋谷邦彦君) 委員会を再開いたします。
 本日の質疑は、都合により、この程度とし、散会いたします。
   午後二時十四分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト