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1972/08/31 第71回国会 参議院 参議院会議録情報 第071回国会 科学技術振興対策特別委員会 第8号
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1972/08/31 第71回国会 参議院

参議院会議録情報 第071回国会 科学技術振興対策特別委員会 第8号

#1
第071回国会 科学技術振興対策特別委員会 第8号
昭和四十八年八月三十一日(金曜日)
   午前十時三十四分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 七月十六日
    辞任         補欠選任
     黒柳  明君     矢追 秀彦君
 八月三十日
    辞任         補欠選任
     上田  哲君     村田 秀三君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         渋谷 邦彦君
    理 事
                鍋島 直紹君
                船田  譲君
                辻  一彦君
                矢追 秀彦君
    委 員
                大谷藤之助君
                剱木 亨弘君
                源田  実君
                斎藤 十朗君
                大橋 和孝君
                村田 秀三君
                加藤  進君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (科学技術庁長
       官)       前田佳都男君
   政府委員
       科学技術庁原子
       力局長      田宮 茂文君
   説明員
       資源エネルギー
       庁長官官房審議
       官        井上  力君
       資源エネルギー
       庁公益事業部原
       子力発電課長   児玉 勝臣君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○科学技術振興対策樹立に関する調査(原子炉の
 設置に係る公聴会制度に関する件等について)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(渋谷邦彦君) ただいまから科学技術振興対策特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、上田哲君が委員を辞任され、その補欠として村田秀三君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(渋谷邦彦君) 委員の異動に伴い、理事が一名欠員となっておりますので、この際理事の補欠選任を行ないたいと存じます。
 理事の選任は、先例により委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(渋谷邦彦君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に矢追秀彦君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(渋谷邦彦君) 科学技術振興対策樹立に関する調査を議題といたします。
 御質疑のおありの方は、順次御発言願います。
#6
○村田秀三君 私は、来たる九月十八、九日福島県の福島市におきまして原子力委員会が主催をいたします最初の公聴会が開催される、それにつきましてさきに「開催要領」そしてまたその「細則」等が出されたわけでありますが、実は私は地元福島県の人間であります、そういう意味におきまして、重大な関心を持つと同時に、相当疑義を感ぜざるを得ないと、こういう立場に立ちまして質問を行ないたいと思います。
 なお、時間が一時間という限定されたものでございますので、十分に意を尽くすことができるかどうか存じませんが、いずれまた機会をあらためてやらねばならないものもあるだろうと思いますので、きょうは、多くの疑点の中心的な問題について質問をいたしたいと思います。
 そこで、初めに、公聴会を開催するに至りました経過、そうしてまた、公聴会の趣旨目的というものが那辺にあるのか、このことについて、これは局長でけっこうでございますけれども、御説明いただきたいと思います。
#7
○政府委員(田宮茂文君) このたび、先生御指摘のように、九月の十八、十九日、福島県におきまして初めての公聴会が設けられるわけでございますが、これが開催されました趣旨につきましては、御承知のように、原子力委員会は原子炉の設置に際しまして総理大臣の諮問を受けて答申するわけでございますが、その原子炉が設置されます地元のなまの声をお聞きしてこれを安全審査に反映し、地元の意見を反映して原子炉の設置に伴います安全その他環境問題につきまして万全を期したいと、こういう趣旨で開催されるものでございます。
#8
○村田秀三君 いまお答えをいただきました部分につきましては触れていきますが、経過についてはどうでございましょうか。この公聴会を開催しなければならないそこに至ります経過、この点についてひとつ御説明いただきたいと思います。
#9
○政府委員(田宮茂文君) 従来、原子炉の設置に関しまして公聴会が設けられましたのは、私の記憶では、原電の第一号炉コールダーホール型の設置に関しまして公聴会が設けられたように記憶しております。その後、公聴会は設けられておりませんでした。しかし、原子力問題、特にその安全問題等につきましてはいろいろな御疑念が地元に高まりましたことと、それから国会におきましてもその点の御審議がありましたこと等にかんがみまして、今回福島県で第一回の公聴会を設けることになったというふうに理解しております。
#10
○村田秀三君 私は、公聴会というものの性質といいますか、本来の姿といいますか、そういうものを実は持ちながら質問をしているわけですが、いま説明を受けましたが、安全審査について参考意見を聴取すると、こういうことでございますね。そうしますと、安全であるのかないのかというそういう問題を論議する場にされるのか、どうなんでしょうか。
#11
○政府委員(田宮茂文君) 安全審査につきましては、先生御承知のように、安全専門審査会におきまして万全を期しておるわけでございますが、なおかつ地元の皆さまの立場としていろいろな御疑念がある、その御疑念を公聴会において御表明いただきまして、安全審査の過程においてその御疑念にできるだけお答えし、そしてそのお答えした結果は報告書として発表する、こういう趣旨と考えております。
#12
○村田秀三君 実は、二十七日に地元福島県の知事と私はこの問題について折衝いたしました。その公聴会の趣旨目的が何であるかということを知事に聞きましたところが、県知事は、これは技術庁の見解だがと、こう言って、まあいろいろ地元に疑念があると。しかしながら、地元の人たちはよく知らないと。であるから、知識を与えて、そしてその疑念を解消する、そのために開催すると、こういうことを言っておるのですね。そう理解してよろしいですか。
#13
○政府委員(田宮茂文君) 公聴会の開催の趣旨、その要領等につきましては、従来から県当局とは事務的によく打ち合わせしておりますけれども、まあいま先生御指摘の知事が言われたことにつきましては私どもつまびらかに聞いておりませんけれども、公聴会要領によりましても、公聴会の冒頭に申請人からその申請の内容について説明をいたしますので、その説明をするという意味ではいま先生が引用された知事のおっしゃったことが当たっていないこともございませんけれども、私どもはそれだけではございませんので、先ほども申しましたように安全性その他について地元の方が御疑念があったら、それを表明していただきまして、それを安全審査等の過程において十分お答えするということが主目的と考えております。
#14
○村田秀三君 福島県知事の答えが必ずしも間違いではないと、こういうような意味の答弁とも受け取れるわけですがね。
 そこで、要領、細則等によって内容を検討してみますと、開催要領の主文でありますが、「原子力の利用に関する国民の理解と協力の重要性にかんがみ、原子炉の設置に係る公聴会開催要領を次のとおり定める。」と、こうなっておるわけですね。だから、これを見る限りでは、「重要性にかんがみ」はわかるのでありますが、ではその公聴会を開催をして何をどうするのかということはこれは明らかでないですね。たとえばお答えありました、つまり疑念について陳述を受けて、そうしてそれを別途検討をして総理大臣に安全審査の結果を答申をする際に公表すると、こういう順序のようでありますね。こういうことだけで、はたして地元の疑念というものが全く解消できるのであろうかどうか、実はこう考えてみるわけですね。そうしますと、これはまことに一方的なものであって、疑念があるならば言いなさい、それは検討していずれ公表いたしますと。しかし、その疑念についてとことん理解できるように討論をするというようなそういう場所というのはこの公聴会の中にはないわけですね。はたしてそういうことで疑念が解けるのであろうか、実はこういう疑問を持つわけでございまして、その辺のところが私は非常に問題であると、こう思うわけです。そういう意味におきまして、どうやら、この公聴会というのは、この主文に書かれているもの、それからまた県知事がどう答弁しようとそれは原子力委員会の関知するところではないと、こう言うかもしれませんが、福島県知事は、つまり地元の疑念を解く、不安を解消させるために必要な知識を伝授すると、こういうことを言っておるわけでありますから、まさにこれは一方的なものであると理解せざるを得ない。いわば説明会ではないか、こう私は理解をするわけでありますが、その点はいかがでございますか。
#15
○政府委員(田宮茂文君) 第一回の公聴会でございますので、この公聴会の要領発表以来、いろいろ各方面に御批判があることは承知しております。しかし、いずれにいたしましても、このようなことで開催いたしまして、私どもといたしましては地元の方々のなまの声、賛否ともになまの声をお伺いし、そしていろいろ御疑念があればお答えをするということによりまして、先生御引用になりました要領の冒頭にございます国民の理解と協力を得るための一歩を進める手段であると、このように考えております。
#16
○村田秀三君 いま最後に言われました部分ですね、国民の理解と協力を求めるために一歩前進をしたい、これが本音だと思うのですね。どうですか。
#17
○政府委員(田宮茂文君) 私、公聴会のPRのためという趣旨で申し上げたのではございませんので、現実の設置の問題につきまして地元の皆さまの賛否の声をお聞きいたしまして、そしてその御疑念にお答えするということによりまして、参加していただくという意識をお持ちいただく、そして原子力委員会としましても誠実にその御疑念にお答えするということによりまして国民の理解と協力を得るための一歩を進めるということができるのではないか、こういう趣旨で御答弁いたしました。
#18
○村田秀三君 結局、そこが問題だろうと思うのですね。理解と協力を求めるということですね。それから賛否を求めるということですね。これはまさに一方的であって、つまり公聴会というものの趣旨というものをすりかえて、つまり公聴会というものに名をかりて安全であるんだということを強調をし、一方的に原発の建設を進めるというそういう意図というものが歴然としておる、こう理解するわけでありますが、これは、長官、どうですか。公聴会というものは一体どういうものであるかということを私は考えるわけです。それは後ほど私の考えを出してみたいと思いますけれども、少なくとも原子力委員会、これは原発問題についてある一定の政策目的を持つかもしれませんけれども、しかし、少なくとも中立的な立場でその安全性について確証が持てるように、地元の人たちも科学的な見解というものをいろいろと聞きながら自信を持って判断できるように、公平に扱っていくのが私は公聴会の趣旨ではないかと思うのですね。ところが、もう当初から、いわゆる原子力問題については協力をいただかなければならないから、理解と協力を求めるためにまた地元の賛否を問う、こういうかっこうであります。これは明らかに公聴会の趣旨に反する、私はこう思うのでありますが、どうですか。
#19
○国務大臣(前田佳都男君) ただいま村田先生から公聴会のあり方についてのお尋ねでございますが、田宮局長もお答えをいたしましたが、要するに、先生は、公聴会というものを考えておるけれども、それは一方的なものじゃないかと、また見せかけのものじゃないかというふうな御指摘に尽きると思うのでございます。先生からいろいろ御批判もおありかと思いまするが、この公聴会というもののあり方につきましてわれわれも実は私なりにいろいろな勉強をいたしました。国会にも公聴会という制度がございます。それからそのほかいろいろな場合に公聴会という制度が行政の中へ一つの姿としてございまするが、これはやはりその利害関係人のなまの声を聞くということに現在の公聴会の制度というものがなっておるのでございまして、先生は一方通行じゃいかぬじゃないかと、それは討論会、まあ討論会ということば自体がどうかと思いまするけれども、問答する会にしたらどうかとか、あるいはまた、もっと説明的な会にしたらどうかというふうな御意見だとは思います。しかし、私たちは、現在国会の公聴会をはじめ公聴会制度の全体のものをよく勉強いたしまして、そして今度の公聴会というふうに踏み切ったわけでございまして、実はこんな見せかけのもので何だというふうなお考えでございますけれども、従来は公聴会という制度もなかったわけでございます。この公聴会制度につきましても、私、実は就任したのは去年の十二月でございますけれども、その前からもう国会においてもいろいろ公聴会についての御要望、御意見もございました。ここに御列席の辻先生も早くから御指摘をいただいておるということも私実は着任以後もすぐ聞いております。そうして、公聴会という制度を踏み切るについても、何をぐずぐずしておったんだというふうな御指摘があるかと思いますけれども、私はこれを一歩でも半歩でもたとえ何センチでも前進するという相当な決意を持って実は踏み切ったわけでございます。決してこれをどうぞ評価していただきたいというのじゃございませんけれども、その意味におきまして、今度の福島の公聴会というものは原子力行政において最初の公聴会であるという点で、われわれも非常に力を入れておるわけでございますが、その点、ただ見せかけの公聴会でかっこうだけつくるというわれわれの趣旨じゃないんだということも、どうぞ先生いろいろ御指摘もあると思いますけれども御理解をいただきたいと思います。
#20
○村田秀三君 まあいろいろ言われましたが、やはり理解できませんね。一歩前進と言いますが、私らの考えからすればこれはむしろ後退です。一歩前進じゃありません。とにかく、内容的に見ますと、ずいぶんこれは矛盾がある。最初局長がここで御答弁ありました安全審査について参考にするための意見陳述を受けるんだと、こういうことですね。ところが、この要領全体を見てまいりますると、全体的にはつまりは件名はどうなっておりますかというと、これは原子炉の部分ですね。その他の環境問題については、まあ陳述してはいけないとは言わないけれども、原子力委員会と扱いとしてはこれは別に扱われることになるわけですね。そういうことでありまして、原子炉が中心部分である。そうすると、その原子炉というのが安全であるのか安全でないのか、これを住民によく説明をして理解をしてもらうというのが主なんでしょう。そうじゃございませんか。局長、ちょっとお答えをいただきたいと思います。
#21
○政府委員(田宮茂文君) 原子炉の安全性につきましては、安全性の審査会におきまして十分審査するわけでございますが、そのほかに、またその中に入るかもしれませんけれども、地元の利害関係者といたしましてこういうところに疑問がある、こういうところに疑問があるというふうな御指摘を受けまして、それを安全審査の過程で十分お答えするということが一つの目的であると私は考えております。
 それから、御指摘の原子炉の安全性以外の環境その他の問題につきましても、当然地元利害関係者として御疑念なり御指摘があることを予想しておりまして、これにつきましては原子力委員会の守備範囲のものにつきましては原子力委員会が審議をいたしますし、また、他省庁の権限に属するものは原子力委員会の設置法の第五条によりまして、他省庁に御調査を依頼し、あるいは審議をしていただきまして、その結果を報告書に反映いたしたいと、こういうふうに考えております。
#22
○村田秀三君 私はそれは問題だと思うんです。ただ、原子炉の安全性について疑問があると、あるということを地元の利害関係者は申し述べろと。それについては安全審査をして、そうしてオーケーを出して、内閣総理大臣に答申をする際に回答を出しましょうと、そういうかっこうになっておりますね。これで地元の疑念を解くなどということにはなりませんよ。よしんば安全性についての疑念をかりに出しなさいといっても、地元利害関係者というのはどういう方々を原子力委員会は想定をいたしておりますか。事、原子力に関する専門的な知識、こういう方々は、かりに居住するということがあるかもしれませんけれども、しかし、実際問題としては皆無ですよ。安全性について地元の人が疑念を持つというその疑念というものは、これはいろいろな本を読んで科学的な知識を得ながら考えるということもありましょうけれども、すべて感覚的な問題であるとかあるいは政治的な問題であるとか、そういうことが多いと思うのですよ。それを述べさしてそして回答するというような、しかも回答というものは安全性についての十分な理解を得た後において原子力委員会安全審査会がオーケーを出すというのではなくて、これは一方的に検討いたしまして検討結果を単にオーケーを出す際に公表するというだけのものでは、これは地元の人たちが理解しました、了解しましたということにはなりませんよ。その点はどう考えますか。
#23
○政府委員(田宮茂文君) 先ほど来申し上げておりますように、当該原子炉の設置に関しまして地元のなまの声を聞くのが趣旨でございますけれども、御指摘のような点も考えまして、地元と特に利害関係を有する科学者等であればその陳述人として利害関係人としてお認めするということを県のいろいろな団体に対しまして県側からお答えしているはずだと思います。
#24
○村田秀三君 まあ地元のなまの声ということだけでなくて、科学者も入ってもよろしいのだと、これはそういうお答えは二十四日に県から回答をいただいています。
 そこで、いずれその点についてお伺いをしたいと思っていましたから聞きますが、地元に利害関係を有する科学者という具体的な内容ですね。つまり、地元に居住をしておらなくても何らかのつながりを持っておれば県外でもよろしいということなのか。そして、二十四日の回答が出される以前に私どもは県に接触をいたしました。県を通じておたくのほうの回答をいただいておるわけでありますが、それはわれわれは地元という範疇について若干の議論をいたしました。地元の利害関係者といえば、広範囲には福島県全体も入るであろうし、直接的には放射線被害あるいは温排水の問題であるとか、取水の問題であるとか、環境の問題であるとか、そういうものに利害関係を有する直接的な地元の人々、こういう問題でいろいろ論議をいたしました。県外はだめだというのが当初県の答えでありました。そうすると、地元の利害に関係をする人々であるならば県外であってもよろしいと。たとえばそこにある賛成派の期成同盟でもよろしい、反対の期成同盟でもよろしいが、その同盟等の推薦する人はよろしいと、こういう理解をしていいわけですか。それと、もう一つ、地元の範疇が県内であるとするならば、代理人をひとつ認めろと。陳述者として地元双葉町のAならAという人が申請すると、このAの代理人をひとつ認めろと、こういう要求が地元からは出ておったようですね。その代理人も認めるということですか。
#25
○政府委員(田宮茂文君) 先生御指摘の第一点につきましては、県側から当方の見解を求められました際に口頭で申し上げたわけでございますが、その口頭で申し上げたものを県がメモにしていろいろな団体にお渡ししていると思います。それによりますと、「地元と特に利害関係を有する科学者等であれば陳述者になり得ると考えるが、この公聴会の趣旨は地元住民の生の声を聞くのがねらいであり、代理人という形で科学者等を陳述人とすることは考えていない。」と、こういうふうになっております。それで、具体的には、先生のおっしゃいましたように、地元の賛成、反対を問わず、いろいろな団体がございまして、それについて常時あるいはしばしばそのコンサルタントと申しますかというふうな形で意見を述べ指導をしておるというような方であれば、その地元の利害を代表する者として陳述人として認めるつもりでございまして、まあことばの問題でございますが、その時点におきまして、だれかあの人間がいいからあれを代理人にしようというのはお認めしがたいと、こういう趣旨でございます。
#26
○村田秀三君 そうしますと、つまり地元の団体にかかわりを持つ科学者、県外からも出席を認めると、こういうことになりますね。そうしますと、これは当初の要領、細則の厳密な解釈を一歩はみ出したということに理解していいわけですか。
#27
○政府委員(田宮茂文君) その点につきましてはいろいろ御議論があろうかとは思いますが、当初の要領におきましては、「事案に係る原子炉の設置に関し、地元利害関係者として、公聴会において意見陳述を希望する者は、委員会に対し、その利害関係の内容および陳述意見要旨をあらかじめ委員会が指定する日までに届け出なければならない。」と、こうなっております。まあいろいろ御議論もございますけれども、その時点におきましては別に制限的なことはあらわれてはおりません。ただ、いろいろの過程におきまして多少制限的な議論が行なわれておった。あるいはまた、私の記憶では、成田前局長が当参議院の科学技術特別委員会におきまして、この陳述人につきましては弾力的に考えたいという御答弁もしているような点もございまして、必ずしも非常に明らかにしておったというふうには言えないと思いますけれども、私どもといたしましては方針を変更したというふうには考えていないのであります。
#28
○村田秀三君 どうも、しかし、そうは理解できないんですよね。方針を変更したつもりはないと、こう言いますが、それ以前に私どもが県当局と折衝した際に科学者の話が出ました。これは代理人として認めよ云々というところから出発はしておりますけれども、科学者の意見というのは中央でいろいろ言われるじゃないか、何も地方に来てまでお互いに中央の科学者を呼び込んで、そこで意見を聞く必要はないのじゃないか、あくまでも現地のなまの出戸現地利害関係者のなまの声を聞くんだと、こういうことで頑として聞かなかった経緯があるわけですね。科学者は出る必要がないんだ、現地利害関係者だ、こういうことであったわけですよ。だから、そういう意味からするならば、たとえば地元とかかわりのある科学者、県外でもよろしいというそういうことは当初から県を通じての答えの中にはなかったわけですよ。そうしますと、これは重大な変更である、こう実は私どもは理解せざるを得ないわけですが、もう一度、その点を御答弁を願いたいと思います。
#29
○政府委員(田宮茂文君) 要領を発表いたしました以来、いろいろ各方面からお問い合わせがございます。先生の議長をやっておられます団体からも八月十三日付でいろいろな御要望がございまして、その中に、「住民の推せんする科学者や弁護士等を陳述者として認める。」という項がございます。県に先生の議長をしておられます団体が参りましたときにこの点についてどうかという御質問がございましたそうでございまして、また聞きでございますけれども、県がこの点につきましては科学技術庁に問い合わせて後刻返事をするというふうに申し上げたと県からは聞いております。ただ、その際、代理人は認めないというふうな趣旨の御発言もあったようでございます。私も、こういう御要望を受けまして、先ほど申しました要領の利害関係人の範囲というものをいろいろ議論いたしまして、それで先ほど申し上げましたような範囲にいたしたいということで御返事を申し上げたと、こういう趣旨でございます。
#30
○村田秀三君 私どもは代理人でもいいから科学者も弁護人も出せと、こういう趣旨の要求をしていたわけですから、直接県外の科学者が少なくとも反対同盟の推薦する者として出席できるということは別に異存はないんです。しかし、ここで重大な問題は、その回答を受けたのは二十四日ですね。そして、しかもこれは県内の問題でありますから、おたくのほうに関係ないといえばそれまででありましょうが、二十四日は、回答の文書はいただきましたが、当時、知事と交渉すると、こういうことでありましたけれども、知事が留守のために交渉にならないで、二十七日にこれは延びたわけですね。そうしますと、陳述人を申請する日限というのは二十五日です。これは間に合わないですね、これは事務的な問題かもしれませんが。これは現地の判断としては非常に問題のあるところでして、これはもう当初から公聴会開催の内容について一つの何といいますか基準をつくりながらその基準を途中で変更したというそういう立場に立つならば、これは公聴会を開催する体裁というものは一角くずれていると、こう私どもは理解をしているわけです。その点はどうでしょうか。
#31
○政府委員(田宮茂文君) 十三日に県当局とお会いになりましたときに、たしか県当局は科学技術庁と打ち合わせて二十四日までに回答するというふうに申し上げているように聞いております。お伝えをしたのが二十四日ぎりぎりになったという点はまことに不手ぎわだと思いますけれども、いままでるる申し上げておりますように、解釈の変更ではございませんので、解釈の幅の問題だというふうに私どもは考えております。それで、住民の推薦する科学者や弁護士等を陳述者として認めろという御主張でございますので、その点は、まあこう申し上げますと先生のおしかりを受けるかもしれませんけれども、お申し込みになる道は開けておったというふうに考えております。
#32
○村田秀三君 それでは、時間がございませんから次の問題に移りますが、先ほど現地住民の賛否を問うというお答えがございましたね。賛否を問うということが公聴会に事実問題としてあるのかどうかと私は実は疑問を持っているわけです。そこで、新聞を見ますと、昨日の新聞でありますが、おとついの衆議院の科技特でこれはおたくのほうで発表された数字ではあろうと思うのでありますが、意見陳述人希望者千四百名、そして、反対の立場に立つ陳述人は四十名から五十名、あとは賛成ないし条件つき賛成であると、こういう説明が新聞に載っておりました。
 そこで、お伺いしますが、同じ問題でありますけれども、その内容についてもう少しく具体的に承知をしたいわけでありますが、賛成、反対というのは、原子炉の安全について安全だという賛成の意味ですか。それとも、原発をつくることについて反対、賛成の内容ですか。
 それからまた、もう一つは、つまり二十四日にそういう拡大解釈をされた結果、県外から科学者等の推薦が実際にあるのかどうかですね。そういう点について詳細に知りたいと思います。
#33
○政府委員(田宮茂文君) 最初の先生御指摘の点は、当該原子力発電所の設置についての賛否でございます。
 それから、第二に、県外の科学者等の申し込みがあるのかどうかのお尋ねでございますが、実は私もこまかくまだ内容を検討しておりませんが、県外の科学者で地元利害関係者を代表する立場でお申し込みになっておる方が二、三あると聞いております。
#34
○村田秀三君 この辺が私は問題だろうと思うんですよ。公聴会というのは、原子炉の安全性について審査するための意見を聞きたいと、こういうことなんでしょう、もともとは。そうじゃありませんか。主としてはそうじゃないですか。件名は原子炉についてですよ。公聴会の開催の件名は原子炉です。だから、結局、安全審査をするために必要な意見、そして、つまりその他の問題、原発を設置するについてはその他の諸問題がございます。むしろその諸問題のほうが現地の人たちには大きな関連があるかもしれない。その問題については原子力委員会設置法第五条によって措置をするということだけでこれは主たる問題としては扱っておらないわけです、全体を通じて見る限りですね。そうして、しかも賛否を求めるという当初からの態度、しかも意見陳述人の内容というのは、原発自体を設置することについての賛否が大多数などというようなことが実際あっていいのかどうか。これはつまり原子力委員会が進めようとする重大な公聴会の趣旨と実態というものが相当ずれているんじゃないですか、その点はいかがですか。
#35
○政府委員(田宮茂文君) 私のことばが足りませんで、たしか先生のおっしゃるような御印象を受けたと思いますけれども、申し上げます趣旨は、原子炉の設置に関します公聴会でございまして、その内容といたしましては昨今の状況にかんがみまして原子炉の安全性とか環境問題が主になると考えておりましたので、先ほどのような御答弁になりましたが、もちろん当該原子炉の設置にかかわるいろいろな問題についての賛否、御疑念と、そういうものをなまにお伺いする公聴会であるということでございまして、私のことばが足りませんでしたことをおわびいたします。
#36
○村田秀三君 では聞きますが、この千百名の意見陳述人、反対が四、五十人だということですね。圧倒的に賛成者が多いと、地元では。だから原発を設置するについては問題がないんだという理解をいたしますか。先ほど、賛否を問うという、つまり公聴会開催の目的の中には賛否を問うということも含まれておったようでありますね。それはどうおたくのほうでは理解しますか。
#37
○政府委員(田宮茂文君) 確かに、御指摘のように、今回のお申し込みにつきましては賛成もしくは条件つき賛成の方が多うございますけれども、それをもちまして当該の原子力発電所の設置について地元住民の大多数が賛成だと、だから問題がないというふうには考えませんので、賛否を問うというよりは、住民の意見を聞く趣旨でございますので、公聴会を開催いたしまして反対の御意見の方の御意見も十分聞きまして、また、先ほど来申し上げておりますように、反対の方の中で原子炉の安全性とか環境問題その他の問題について御疑念の御表明をいただければ、それを十分参酌いたしまして御回答を申し上げたい、こういうように考えております。
#38
○村田秀三君 最初は賛否を問うということも言っておられましたが、いま幾らか言い直されたようでありますが、しかし、現地ではどうなっておるかといいますと、実情を申し上げますが、この陳述人の申請といいますか、これはどこでだれがどうやっているということは推測の域を出ませんから、特に私は申し上げませんが、少なくとも部落単位に何名、だれさんとだれさん、それから業界別にだれさんとだれさん、土建業界であるとかあるいはその他の団体で指名をしておる。そして、その後、公職を持った方が、実は賛成の立場に立って意見を開陳してくれということを言っておる。で、この点について、福島県知事について、そういう実情を知っておるか、県が指導しておるのかという問いをいたしました。県はそういう指導をしておるとはもちろん言いません。しかし、これはあたりまえじゃないか、あんた方もつまり賛成派あるいは反対派を多くするために多数派工作をするじゃないか、こういうことを言っているんですね。県が直接指導しているという証拠もございませんからこの際私は言いませんけれども、しかし、何らかの立場で――もっとも、地方議会等については、原発誘致賛成という決議をしているところがある。そういうところは、町をあげて、議会をあげてそういう措置をやっているものと私は理解するわけでありますが、とにかくおまえとおまえ行きなさい、そのかわり賛成の立場で意見陳述をしなさい、こういうことをやっておる。だから、現実問題として、原発の問題については相当に疑義があるけれども、しかし、まあやむを得なかろうということで土地を東電に売り渡した人々さえも、このやり方を見て、実際に自分も受けて、なるほど公聴会などというものはごまかしだと、私は指名を受けたけれども出席はいたしませんという人が多数出てきておる。でありますから、反対派が希望者が少ないということも当然でありましょうし、また、二十四日の時点に回答したから二十五日の締め切りに間に合うはずであるというあなた方の理解とは別に、つまり公聴会に反対をする立場の人々は、その内容が充実してないからおれは入らないということで反対陳述人が少ないのはあたりまえです。それに対してまあ若干の言い直しはされたようでありますけれども、賛否を問うというかっこうでこの公聴会が開かれるなどということは、これは公聴会の趣旨としてはもってのほかですよ。少なくとも公聴会のあり方について、冒頭の論議に戻りますけれども、地元の人は、これは利害関係者といえども科学者ではないんですから、安全なんだと言われれば、ああ、そうかなあと思うし、いや、絶対にこれは危険なんだと言われればそうかとも思うし、そして現実問題としては、すでに六月時点で、さらにはその前にも幾多の事故がある。それは中心部分である原子炉それ自体の問題ではないかもしれないけれども、しかし、放射線を放射する、そういうような事故というものは実際問題としてあるわけですよ。だとすれば、つまりこの公聴会というのは、それはこの原発問題、原子炉の安全性の問題で別な意見がそれぞれ存在するということも私は承知をしておるわけでありますが、だとするならば、つまり原子炉の安全性について賛否を持つ科学者数人を対置して、その安全性の問題について討議をする、地元の人々がより多くの人々がそれを聞いて、そして知識を得、その知識を得た中から判断をする、最終的に地元住民の賛否を問う、地元住民の全体のですよ、そういう措置がとられなければ、冒頭言いましたように、私は、この公聴会などというものは、まさにもって、おまえら知らないんだから教えてやる、安全なんだよ、賛成派が多いようだから原発を設置するについては別に問題はなさそうだなどというような公聴会のあり方などというのは、これはまさにまやかし、ごまかし、原発を設置する前提に立ってあなた方々は公聴会制度をここでつくったと言わざるを得ない。その点でお答えをいただきたいと思います。長官、どうですか。
#39
○国務大臣(前田佳都男君) 先ほどもお答えを申し上げましたように、村田先生は、われらの公聴会は全くごまかしじゃないかというふうな御指摘をいただいておりますが、私たちは私たちなりにそんなごまかしという気持ちはもう全然ございません。けれども、なかなか御理解をいただけないで、いろいろな御指摘をいただいて、たとえば科学者の問題でも、どうも締め出すような方向で考えておるのではないかという点でございますけれども、ただ、私、地方に全然関係のない科学者が入っていただくということについては、どうも――それは問題があったと思います。しかし、地元に関係のある人はその点入っていただくということについても、たしか、前に、私ちょっと記憶がございませんけれども、成田君がやはり相当弾力的なお答えもしておるように思いますし、それから初めからその点は相当弾力的に考えておりましたので、その点も御理解をいただきたいし、それからいま、賛成の者を呼んで勢ぞろいさしてこういうところにやるというふうな先生のお話がございましたけれども、やはりそういうところへ出ていくのはいやだと、しかしいろいろな意見を持っているという人もあって、それはなるほど陳述人の申請が少ない場合もあるかもしれません、いろいろな理由からですね。その意味におきまして、私は、声なき声といいましょうか、具体的にそういう陳述の申し出をせぬでも、先生のおっしゃったようなそういう人もあると思います。それで案分比例で――案分比例と言うとちょっとほんとうに俗な言い方でありますが、そういうことでやったら、先ほどたしか局長が申し上げたか、先生がおっしゃったかどうか知りませんけれども、千何百人が賛成であった、反対が何名というふうな案分比例的でやったら、これはもう反対の声というのはほんとうに数はたいへん少なくなりますので、そういうことで案分比例というようなことを考えないで、とにかくいろいろな意見があるという声をできるだけ拝聴するようにしたいというふうに事務当局でもいろいろ考えておるようでございまするので、どうぞ見せかけだというふうにおきめつけにならないで、どうぞひとつよく御理解をいただきたいと思うのでございます。
#40
○村田秀三君 まあ幾ら長官にそう言われても、これは理解できないですね。そこで、この陳述希望人がそれほどおるわけでありますが、まあ四十数名ですわな、これはどう選定しますか、参考までにちょっとお伺いいたします。
#41
○政府委員(田宮茂文君) その点につきましてはいま議論中でございますけれども、長官が申し上げましたように、できるだけ反対の方の御意見をたくさん聞くようにしたいと考えております。
#42
○村田秀三君 もう時間もございませんので、私はここで一つ提案をするわけでありますが、何といいましても、どうも私どもはこれは住民の意思が十分に反映されて、しかもその疑問が解明されるような場としては理解できないわけですね。そしてまた、この開催要領あるいは細則に基づく開催の手続についても、二十五日の締め切り前におけるところの問題はともかくとしても、告示は公聴会の六十日前にするということになっておりますね。ところが、この六十日の余裕を持たれておらないという事実もあるようです。まあこれは小さな問題といえば小さな問題でありますけれども、少なくとも最初にやる公聴会にしてはずいぶん配慮に欠けるものがあると、こう実は理解せざるを得ないわけでありますが、告示の日付が八月一日ですね。だから、八月一日で六十日ということになりますと、これは九月の末ですよね。それが十八、九日でありますか。これは要件は整っていないわけですね。まあそういう問題もあるし、少なくとも現地におきましては、つまり陳述希望のそういう手続の中では、公聴会反対というそういうものは出てこないと思いますけれども、相当にこれは深刻な問題がある。まあ地元から言わせれば、要望としては数項目あります。地元の意見を聞くというならば、何も福島まで開催地を持っていかなくとも、浜通り相双地帯にあるではないかというような意見等もあります。そういう点についていろいろ論議をいたしますと長くなりますからそれは省略いたしますけれども、そのほかいろいろとこれは意見があります。そういう意見というのは一切解消していないわけですな。そういう問題のある状態をつくっておいてそして公聴会を開催をいたしましても、私は無意味だと思うんですよね。そういう立場に立って、この際、公聴会というのは――まあ公聴会を開催せよというのは、先ほども発言ありました、ここにおられる辻さん、まあ社会党の立場でその開催を要請、要求してきたと思いますから、公聴会それ自体は特に問題はないにしても、その持ち方、少なくとも住民の疑念を解消すると、こういう立場に立つとするならば、住民の疑念を解消するために地元の人はこうしてほしいというその要望に従って公聴会を開催するのが私は真の意味の公聴会であると思うのですよね。ところが、つまり自分たちが理解をするためにはこれだけの手続が必要だ、内容が必要だというものを一方的に無視して、これきりないんだという押し付けをするような、まあ時間がありませんから十分詰めることはできませんでしたが、その公聴会の内容はまさに一方的ですよ。まあ説明会、いろいろ問題がある。原子力発電所をつくることについて賛成だ反対だというそういう意見の陳述などというものが原子炉の安全審査にどれほどの参考になるんですか。件名と内容というのが全然これはそぐわないところの形きりでき上がらない。こういうものをあえて強行する必要はないと思う。私はここで中止をする、まあ中止ができないとするならば、つまり少なくともこうしてもらいたい、ああしてもらいたい、そうしてくれることのほうが疑念を解消するのに必要なんだという、そういう措置を盛ったような開催要領に大きく修正をして、それから公聴会を開催すべきだと私は思うのでありますが、長官、いかがですか。
#43
○国務大臣(前田佳都男君) お答えいたします。
 先刻来、村田先生から御親切にいろいろな御指摘をいただきまして、私たちもよく御意見は拝聴いたしております。ただし、私は、先ほども申し上げましたように、くどいようでございますけれども、公聴会という制度がない前に比較いたしまして、とにもかくにも公聴会というものに踏み切ったということは、私は私なりに――なんだ、見せかけじゃないか、かっこうだけじゃないかという御指摘になると思いますけれども、私は私なりにこれはやっぱり前進であるというように考えておりまするので、今回の公聴会は予定どおりぜひやらしていただきたいというふうに考えておるわけでございます。
#44
○村田秀三君 まあいろいろ聞きましたが、どうもやはり了承できません。質問をまた留保しておきまして後日やりますが、いずれにしろ、現地におきましては、公聴会の日にちが切迫するにつれていろいろと緊迫した諸問題が出てきておるわけでありますから、そういう意味におきましては、地元の混乱を防ぐと、そういう意味において原子力委員会、科学技術庁に御努力をいただきたいと思うのですが、その点はいかがでしょうか。
#45
○国務大臣(前田佳都男君) いろいろ御指摘の点もよう私たちは身に体しまして、予定どおりにできるだけ円滑を期して進めていきたいというふうに考えております。
#46
○辻一彦君 私も、村田委員に続いて、きょうは、公聴会のあり方について若干の質問を行ないたいと思います。
 私は、この二年間、公聴会を開けということを事あるごとに強調してまいりましたが、二年たって五月二十二日に出た開催要領並びに七月二十四日に出されたいわゆる細則等を見ますと、私たちがぜひ公聴会を開いてもらいたいと、こういう要求をした願いと非常にかけ離れている、こういうふうに思わざるを得ない。この点、若干の問題点を指摘をして、政府の考え方をただしたいと思います。
 まず、最初に、私は、最近原子力発電でたくさんの事故が起きておりますので、これについて前段の問題として二、三お尋ねをいたしたい。数え上げましても、美浜の一号炉が蒸気発生器の故障で半年以上発電所がとまり、今日四〇%出力が下がっておる。あるいは、二号炉はここ数日前に電気のショートによりましてこれも人身の事故を起こしている。また、福島一号炉は、過日六月に放射能の廃液漏れの大きな問題がありました。さらに、国産第一号といわれる島根一号が、臨界に達して試運転前にこれもまたとまっている。さらに、福島の第一発電所の二号炉が、聞けば今日これも試運転が五月臨界に達して以降行なわれたが、いろいろな事故、故障によって停止をしている。言うならば、実証炉といわれた加圧型、沸騰水型のいずれを見ましても、どうも実証炉の名に価するにあまりにも事故が多過ぎると、こういうように私は思うわけであります。そこで、きょうは、主として燃料棒の問題について若干伺って、そのあとで公聴会問題を伺いたいと、こう思います。
 第一は、美浜の関電一号炉に、いわゆる加圧型でありますが、燃料棒に異常があって、三月からこの七月の定期検査で燃料棒の三分の一を全部入れかえたと、こういう事実が起きておりますね。その実態は一体どうなのか、簡単にひとつ報告をいただきたい。
#47
○説明員(井上力君) ちょっと、私、資料を持ち合わせておりませんので、原子力発電課長の児玉に答えさせます。
#48
○説明員(児玉勝臣君) 美浜第一発電所の燃料体の取りかえについて御説明したいと思います。
 美浜の一号炉は、ことしの三月十五日に定期点検に入りまして、それで燃料、第一領域の四十一体、これは非加圧型の燃料棒でございますけれども、この四十一体を全部取りかえたということでございます。
#49
○辻一彦君 その原因は、一体、何だとお考えになりますか。
#50
○説明員(児玉勝臣君) 美浜一号炉のその第一領域の燃料棒は、当初第一回目のいわゆる定検におきまして燃料を取りかえるという計画であったわけでございまして、その後蒸気発生器の事故などございまして十分な燃焼には上がりませんでしたけれども、当初のいわゆる計画の燃焼度には達しませんでしたけれども、ちょうど第一回目の燃料取りかえの時期にまいりましたので、四十一体全部取りかえたわけでございます。
 それからもう一つは、アメリカの発電所におきまして、ギネーという発電所におきましてその非加圧型の燃料に燃料体の変形現象が見られまして、そしてそういうような非加圧型燃料におきましてはそういう可能性があるのではないか。したがいまして、若干燃焼度は予定よりも低かったわけでございますけれども、この際、そういうような事例が起こる可能性もある燃料でございますので、早目に取りかえたということでございます。
#51
○辻一彦君 それは燃焼度が残っておったから取りかえたのでなくして、変形が起こる可能性が十分あると。だから取りかえたということでしょう。現地の関電では、三分の一はそういう懸念があるので全部取りかえたと、こういうふうに言っていますが、それはどうなんですか。
#52
○説明員(児玉勝臣君) 当初から第一領域は第一回目の燃料取りかえのときは全部取りかえるという計画でございましたけれども、その計画を早めた原因の一つとしてはいま先生御指摘のとおりだと思います。
#53
○辻一彦君 その燃料棒の耐用年数は何年ですか、普通。
#54
○説明員(児玉勝臣君) これは燃焼度によりますけれども、大体まあ一年半から二年燃やして取りかえることにしております。
#55
○辻一彦君 では、この間取りかえた三分の一はどれだけたっていますか。
#56
○説明員(児玉勝臣君) 手持ちの資料がございませんのでその詳しいデータはちょっとございませんが、概略一万メガワット・デー・パー・トンぐらいであろうかと思います。
#57
○辻一彦君 一年半から二年もつという耐用年数の中で、大体何年と何カ月ぐらいになりますか。
#58
○説明員(児玉勝臣君) 資料を持ち合わせておりませんので、詳しいことはちょっと回答できません。
#59
○辻一彦君 それはあとで報告していただくことにして、三分の一の燃料棒を全部取りかえなくちゃならないということは、これはB型ではない加圧型でありますが、やはりアメリカでそういう懸念があり、あるいは変形が起こっていると、こういう中でたいへん問題になったことでないか。もしこれがこのまま燃焼さしておって問題が起これば蒸気発生器等と同じような問題が出てくる。しかし、これは全部いま入れかえたからその懸念がないという説明がなされておりますが、燃料棒というものがやはり大きな問題を持っているということを私は加圧型においても示しておると思います。
 そこで、沸騰水型のほうでありますが、過去、日本原電の敦賀発電所で燃料棒のピンホールや異常状況があったということを聞いておりますが、その実態があれば簡単に報告いただきます。
#60
○説明員(児玉勝臣君) 四十六年の五月に敦賀発電所の燃料棒取りかえのときに追加放出の沃素の量が千七百キュリー出た。それは保安規定によります二千キュリーを下回るものでございますけれども、そういう事実がございまして新聞に報道されたことを記憶しております。
#61
○辻一彦君 その敦賀の二千キュリーに対して千七百キュリー、なるほど数字はちょっと小さいのですが、考え方としてはこれはかなりな量と思いますね。
 そこで、どういう原因でこういう異常といいますか事故があったと考えていますか。
#62
○説明員(児玉勝臣君) 燃料棒にピンホールがあきます原因としましては、燃料ペレット内の水分が熱によりまして水素と酸素に分かれまして、その水素がジル化――ジルコニウムと反応いたしまして腐食の進行を進めるというふうにいわれております。
#63
○辻一彦君 異常があったその燃料棒はどう処置をしておりますか。
#64
○説明員(児玉勝臣君) 敦賀の異常のあった燃料棒は、いま燃料貯蔵槽の中にキャスクのまま入れてございます。
#65
○辻一彦君 それでは、福島一号炉についてお伺いしますが、福島第一発電所の一号炉にいままで燃料棒についての同様な事故や故障があったのかどうか、この点いかがですか。
#66
○説明員(児玉勝臣君) 福島発電所が運転を始めましたのは四十六年三月でございますけれども、その後、四十六年度の定検それから四十七年度の定検におきまして、漏洩の疑いのある集合体合計二十七本を交換しております。それから四十八年度におきましては、これは第一回目の計画取りかえでございまして、百三体取り出しておりますけれども、そのうちの三十八本に漏洩の疑いがございます。
#67
○辻一彦君 四十六年、四十七年で二十七本、それから四十八年のこの間の定検、まあ私は七月十五日にこの現地を見に行きましたが、そのときに三十八本の異常があったということも聞きました。この原因は先ほどと同様に考えておられるか、この点どうですか。
#68
○説明員(児玉勝臣君) 先ほど申し述べた原因とほぼ同じではないかと思っております。
#69
○辻一彦君 それはいまアメリカで問題になっているいわゆる燃料棒の内部の収縮等による変形とは関係は全然ありませんか、どうですか。
#70
○説明員(児玉勝臣君) 全く関係がないという実験、証拠は、いまのところ私ども持ち合わせておりませんが、ジルカロイの腐食という点につきましては、この前のAECの出力制限措置の問題とは若干別ではないかというふうに私は感じております。
#71
○辻一彦君 じゃ、その三十八本の取りかえをした燃料棒の耐用年数はやはり敦賀と同じですか。これは何年ぐらいになりますか。
#72
○説明員(児玉勝臣君) やはり燃焼度によりましてその時間はだいぶ違うと思いますが、取りかえました燃料の燃焼度は約九千メガワット・デーということでございます。これはちょうど初装荷しましたときからの第一回目の取りかえでございますので、ちょうど四十六年の三月から二年間使ったということでございます。燃料棒そのものの耐用年数ということでいきますと、まず第一領域のものは二年で取り出した。第二領域のものはまだ入っておりますので、正確にその燃料体のいわゆるライフというのは、燃焼度によってきまることでございますので、その辺は大ざっぱにいって二年から三年間もつと考えます。
#73
○辻一彦君 大体二、三年持つうち、あれですか、年数にすると、一年とか一年半というところで取りかえたことになりますか。
#74
○説明員(児玉勝臣君) 大体二年ぐらいの燃料サイクルで取りかえておりますので、それくらいの耐用でいいのではないかと思います。
#75
○辻一彦君 その三十八本並びに前の二十七本の燃料棒がどういうように処置をされておるのか。
 それからもう一つは、原因の究明については、これはアメリカのAECで解明をしたのか、あるいは日本の原研等でこういう内容について実験とかあるいは研究等を行なって解明をやっているのか、この点いかがですか。
#76
○説明員(児玉勝臣君) 燃料体の漏洩に関しましては、定期点検ごとに全集合体につきましてシッピングによりましてどの燃料体が漏洩しているかということを調べておるわけでございます。これは設置者自身が行なっておるわけでございます。それで、その漏洩の疑いのあるものにつきましては、それを取り出しまして、いま使用済み燃料のいわゆるプールの中に保存しております。
#77
○辻一彦君 水素と金属の反応によって大体そういう原因があるのじゃないか、こういうことは日本の原研あたりでもかなり具体的に実験や研究をやっているのですか。
#78
○政府委員(田宮茂文君) やっております。
#79
○辻一彦君 具体的に、まああまり専門的でなくていいですが、どの程度のことをやっておるか、ちょっと……。
#80
○政府委員(田宮茂文君) ジルコニウム水素反応というのは、軽水炉の燃料の一つの問題点でございますので、原子力研究所では古くから基礎的な研究をやっております。
#81
○辻一彦君 そこで、そういう研究が行なわれているとすれば、福島の一号炉から六号炉、第一発電所、これは全部沸騰水型――容量は違いますが、B型になりますね。そこで、燃料棒のこういう問題点等が安全審査の過程でどのように論議をされているのか、どの原子炉についてどういう論議がされているか、これも、非常に詳しい専門的でなくてもけっこうですが、およそのことを報告をいただきたい。
#82
○政府委員(田宮茂文君) こまかい論議につきましてはちょっと記憶がございませんが、その当該の原子炉の燃料の設計につきましてジルコニウム水素反応等の見地から検討が行なわれていると思います。
#83
○辻一彦君 それはちょっと大ざっぱ過ぎて、もう少し具体的に、こういう事故の可能性があれば、これに対してどういう安全対策をとっているかというそういう論議が原子力委員会の安全審査の中でなされているのかどうか、その点いかがですか。
#84
○政府委員(田宮茂文君) 御承知のように、軽水炉燃料は加圧水型でも沸騰水型でもやはり燃焼度の設計がございます。三万メガワット・パー・トンとかそういうふうな設計がございますが、それに対しましてその当該の燃料棒が耐え得るかどうかという点の設計上の検討は行なわれております。
#85
○辻一彦君 これはその論議をしてもしかたがたいから、具体的に安全審査でどう論議をしたか、この内容を資料として出していただきたい。
 そこで、いまアメリカで問題になっている燃料棒のいわゆる内部の縮小によって変形が起こる心配があると、こういうことでAECは出力の五%から二五%に及ぶダウンをアメリカのB型原子炉に対して行なっていますね。この問題についていわゆる原子炉安全専門審査会の中で燃料棒の縮小が起こった場合にどう対処するかということが具体的に論議をされているか、この点いかがですか。
#86
○政府委員(田宮茂文君) 安全審査会の燃料研究委員会におきましてその点については議論されております。
#87
○辻一彦君 それはちょっと専門的になるかもわかりませんが、アメリカで五%から二五%というと、四分の一ぐらい出力を落とせというこれは非常に大きな問題だと思うのですね。それは単に論議されているというような問題じゃなしに、そういうことが想定をされて、具体的な安全上の対策、あるいは一つの余裕といいますか、こういうことはどの程度論議をしてとっているのか、その点はわかりますか。
#88
○政府委員(田宮茂文君) その点につきましては、先般、原子力委員会は安全審査会に際しまして燃料の粗密化の問題について調査を依頼いたしましたし、それから調査団を派遣して調査しておりますが、定性的に申しますと、燃料棒が照射によりまして燃料棒の中の酸化ウランペレットが縮まると申しますか、縮まって、そしてジルカロイ被覆管との間にギャップができる。そしてそのギャップができて、熱伝達が悪くなることと、それから酸化ウランペレットの容積が縮小いたしますので、比出力密度がふえるというふうなことからの問題でございまして、結局は、燃料棒の表面温度並びに中心温度が幾らになるかということでございます。これにつきましては、ある仮定を入れましてコードを使って計算をするということでございますので、そのAECの出しました条件、それからその計算コード等を入手いたしましてわがほうでも検討をいたしたい、こういうふうに考えております。
#89
○辻一彦君 いまの答弁によると、私はあまり専門的にはわかりませんが、ジルカロイの管との関係ですね、こういうものがあるとすれば、さっき言ったピンホールの原因とみなされる、こういうものとの結びつきはないとは言えないように思いますが、これは通産のほうはどうなんですか。
#90
○説明員(児玉勝臣君) このたびのUSAECが警告を出しました燃料棒の焼きしまりの問題でございますけれども、確かに、焼きしまりいたします上では、密度が当初九五%のものが、AECによりますと九六・五%まで焼きしまると考えられると、そういうことを言っておりますので、密度がそこまで一・五%上がるというような事態を考えなければいけないということであろうかと思いますが、確かに、水分も同時にそういうことで出てまいると思いますけれども、その辺が実は燃料の製作の品質管理の問題に非常に関連があることかと思います。で、燃料棒をつくる場合に乾燥させます、または真空で引いているわけでございますけれども、その作業によりまして十分水分を抜くという品質管理の改善が行なわれているというふうに聞いております。
#91
○辻一彦君 いや、私の聞きたいのは、燃料棒の内部縮小によるいろいろな問題が、いま三十八本、前には二十七本ですね、合わせれば六十五本というものがいま貯蔵されておるけれども、いわゆる前段の症状ではないか、そういう症状がだんだん重なって、そして燃料棒縮小というようなことに結びつく可能性はないのかどうか、この点はどうなんですか。
#92
○説明員(児玉勝臣君) 先生がおっしゃるような結びつき方があるというふうにちょっと専門家からの話では聞いておりません。
#93
○辻一彦君 その点は私も少し調べてみることにしましょう。
 そこで、安全審査専門会で燃料棒が縮小するというこういう問題について、いろいろな安全度を見るほど論議をされているとするならば、あの緊急冷却装置のECCSのときに問題が起きて、聞かれてすぐ調査団が飛んで行ってようやくわかったと、こういう同じようなことがまたぞろアメリカへ行かなくちゃわからないということでは私はないと思うのだけれども、安全審査であるいは原研でそういう基礎的な研究を十分積み、しかも安全審査の専門家の会の過程で論議をされているならば、アメリカへまた前と同じようにあわてて出かけなくても、確信ある解明ができると私は思うのですが、この点はどうなんですか。
#94
○政府委員(田宮茂文君) 原研で行なわれておりますのは、先ほど申し上げましたように、ジルカロイと水素の反応というふうな基礎研究でございます。それから燃料の照射による縮小あるいは膨張という問題についても基礎的な研究は行なわれております。それからまた、安全審査会の燃料研究会で行なわれておりますのは、すでに約半年ぐらい前からそのような現象が議論されているということがわかっておりましたので検討しているわけでございますが、何ぶん、申し上げましたように、具体的な原子炉の照射レベル、それから炉心の設計の寸法、それから炉内条件と、そういったものを入れました具体的な計算コードの問題でございますので、それと、それに与える条件の問題でございますので、その点の推定はある程度つきますけれども、USAECがどういう条件を入れて、たぶんGEのコードだと思いますけれども、どういうコードで計算をして、どういう結果を得たのかというものは、やはりぜひ入手する必要があると、こういうふうに考えております。
#95
○辻一彦君 私は、資料を入手されるのはそれはいいですよ、比べるのにですね。しかし、事故が起きればすぐアメリカへ飛んで行かなくちゃならないというこういう点にどうも日本の原子力委員会の自主性が欠けているといいますか、積み上げが非常に薄い感じがします。
 そこで、燃料棒の部門で半年前ごろから話題になって論議をしていると、こういうお話でありますが、しかし、それにしては、安全審査でその程度でもって、十分な論議が行なわれてこれに対する対策が成り立っていることとは私はちょっとつながりはないように思うのですが、この点はどうなんでしょうか。
#96
○政府委員(田宮茂文君) 具体的な当該原子炉のある条件におきます計算の問題でございます。それからそれにどういう仮定を入れるかという問題でございますので、やはり具体的にどういう仮定をUSAECが設けたかというようなことについて、それにまたその背後になります、何と申しますか、フィロソフィーと申しますか、そういうことについては、やはり現地と打ち合わせる必要があると、こう考えております。
#97
○辻一彦君 ということは、やはり、安全審査では十分なそういう個々の原子炉についてそういう問題が起きたときにどう対処するかということについては、実際的な論議をしていないということなんですよ。どうなんですか。
#98
○政府委員(田宮茂文君) どの程度の論議をしておりましたか、よく調査してみたいと思いますが、非常に具体的にどのコードでどういう条件でというところはまだやっていないと記憶しております。
#99
○辻一彦君 いや、だから、あれでしょう、たとえばアメリカで、十の原子力発電所に出力ダウンを命令をしたと。日本の原子力委員会は一体これで何も指示をしなくていいと考えているのか、あるいは指示をする必要があると考えているのか、その科学的な判断というものは自分でできるのですか、いかがですか。
#100
○政府委員(田宮茂文君) その十の原子炉に対して五%ないし二五%の出力ダウンを命じましたけれども、先ほど来御説明しておりますように、この問題は比出力密度と申しますか、それに関係する。線出力密度と申しますか、その十のBWRは、設計の線出力密度がみんな一七・五キロワット・パー・フット以上でございます。現在日本で動いております敦賀は一四・五でございますし、福島はまだ全出力になっておりませんのでそれよりも低うございます。しかし、いずれにいたしましても、調査の結果を待ちまして何らかの処置をいたしたい、こう考えております。
#101
○辻一彦君 ちょっと私いまのがわからないのだけれども、それじゃもう一度伺いましょう。アメリカの十の発電所に対して出力ダウンを命令しましたが、一九六九年から七二年に建設したものというと、これはB型の最新鋭の大型ということになると思うのですね、大体これはB型、沸騰水型のほとんどがこれに該当しているのですか。もっとほかにこれに該当しないB型は残っておりますか。
#102
○政府委員(田宮茂文君) B型十四基のうち、十基だそうでございます。
#103
○辻一彦君 その残りの四基はどんな原子炉ですか。
#104
○政府委員(田宮茂文君) ちょっといま名前がわかりませんので、後日調査して御報告いたします。
#105
○辻一彦君 私の調べたのでは、アメリカにあるB型沸騰水型十四基中、十基が命令を受けている。残りの四基は原型炉、非常に小さい原子炉で、これは商用とは違ったものですね。だから、言うならば、アメリカにおける沸騰水型の大型、最近の全部がこの命令を受けておるということですね。そこで、日本の敦賀と、そして福島原電は、一体この十の型と同じなのか、全然別なのか、この点どうなんですか。
#106
○政府委員(田宮茂文君) 私どもの入手しております情報によりますと、アメリカの該当いたします十基につきまして具体的に出力ダウンをしておりますのは、オイスタークリークと、それからナインマイルポイント1と、ドレスデンの2と、バーモントヤンキーと、もう一つマイルストンの1でございまして、あとのは一応出力ダウンをしないで運転しております。
#107
○辻一彦君 それは、AECが出力を下げろと、こう言って、下げてない理由というのは何ですか。
#108
○政府委員(田宮茂文君) その点につきましても、現在調査団が調査する対象になっておると思います。
#109
○辻一彦君 日本の敦賀と福島のB型原電は、一体アメリカのどっちのほうに入りますか。
#110
○政府委員(田宮茂文君) 敦賀はオイスタークリークに該当いたしますし、福島はドレスデン2に該当すると思います。
#111
○辻一彦君 ドレスデンは、あれですか、いま出力ダウンしていますか、していないですか。
#112
○政府委員(田宮茂文君) しております。
#113
○辻一彦君 しているんですね、ドレスデンは。
#114
○政府委員(田宮茂文君) はい、しております。
#115
○辻一彦君 これは地方新聞ですが、敦賀の原電は自主的に出力を六・二%削減したと、こう出ていますね。これはどういう判断でやっていますか。
#116
○政府委員(田宮茂文君) 自主的に下げたわけでございますが、先ほど来申し上げておりますように、敦賀はオイスタークリークに該当いたします。オイスタークリークは、設計線出力密度が一七・五キロワット・パー・フットでございます。敦賀も大体この設計でございますが、六%下げることによって、それが一四・五ぐらいになっております。
#117
○辻一彦君 福島のは、これはさっきちょっと説明されたように思いますが、もう一度伺いますが、ドレスデンの同型発電所が出力低下をすでに行なっているのに対して、福島のはその必要がないのかあるのか、いかがですか。
#118
○政府委員(田宮茂文君) 福島はまだ定格出力に達しておりませんで、いま二十七万キロワットで運転しておりますので、同じく線出力密度が一四ないし一五でございます。
#119
○辻一彦君 福島の一号炉は、あれですか、二十七万ですか、いま。四十六万のうちで二十七万しか動いていないんですか。それはいつから動いていますか。
#120
○説明員(児玉勝臣君) 福島の一号炉は、先ほどお話がありましたような放射性液の漏洩問題がございましてそれの改善を行なっておりましたので、定期点検がずっとおくれておったわけでございますが、八月の半ばに運転を開始しております。それで、徐々に負荷を上げつつあったわけでございまして、この問題が起きましたとき約二十万キロ、きのうの夕方で二十七万キロになっております。
#121
○辻一彦君 それはわかりましたが、いずれ四十六万にフルパワーで動かす考えなんでしょう。
#122
○説明員(児玉勝臣君) ただいまの計画でございますと、九月の上旬にフル出力になるという予定でございます。しかしながら、こういう問題がございますので、どこまで線出力密度を上げてよいかという問題について十分検討した上、そこの出力の上限をきめたいと思っております。
#123
○辻一彦君 そこで、これは放射能漏れがあったから炉をとめたから、出力をとめて、いまだんだん徐々に上げているということですね。それはいまのところは二十万か二十七万でしょう。しかし、フルパワーでやれば四十六万まで動かすことが一応できるわけですね。しかし、ドレスデンがすでにダウンしているとすれば、一体、これは四十六まで上げるんですか、どこで押えますか。
#124
○説明員(児玉勝臣君) 先ほどドレスデン2が九二%の出力で動いているというお話がございましたが、ドレスデンの3、これは一〇〇%で運転しております。それで、福島の一号炉の先行炉はドレスデン2、ドレスデン3、先ほど局長がいろいろおっしゃいました、一〇〇%で運転している炉の大部分が福島一号炉の先行炉ということになっております。したがいまして、炉型の違う、炉型といいますか、燃料設計が若干違いますものを除きますと、ドレスデン2だけが九二%で出力減ということになっておりまして、そのあとのものは全部一〇〇%で運転しております。したがいまして、その辺の実相を調査団が調べてくるということになろうかと思いますが、まあこれは若干推測でございますが、ドレスデン2は運転を始めましてから相当時間がたっておりますので、燃焼度がだいぶ高まっているために線出力密度を下げろということではないのか、それに比べまして福島一号炉は八月の半ばに運転開始を始めたばかりでございまして、燃料燃焼度はまだ六千メガワット・デー・パー・トンでございますので、それほどの出力制限というのは必要ないのではないかと私は思っております。ですけれども、その辺は調査団の結果を待ちまして最終的にきめたいと思っております。
#125
○辻一彦君 あれですか、福島の一号炉は、そうすると、二号炉とは関係ないんですか、ドレスデンの二号炉とは。
#126
○説明員(児玉勝臣君) 二号炉、三号炉、それからピリグリム、クワッドシティーズ一号、二号、そういうものと全部関連がございます。これらは全部先行炉でございます。
#127
○辻一彦君 それは燃焼度の相違によってその差があると、こういう御判断のようですが、おそらく、こういう問題を地元の住民の人が見ると、敦賀のB型も六・二%出力を下げている。住民からすれば、やはり安全を求めるという立場から、この安全のためには十分な余裕を見てもらいたいと、こういう声が私は強いと思うのですね。美浜があの一号炉を動かすときにも、地元の人は、とにかく海水浴期間中は、またこれが何か出るとたいへんだからとにかくとめてくれと、こういう強い声があって、これは通産も科学技術庁も町議会のほうから二十人近くお見えになっておったと思いますね。そういう意味で、住民は、非常な、そういう意味の不安といいますか、あるいは心配を持っておると思うのですが、そういうものにこたえるためにかなり余裕をもってこの問題に対処する必要があると私は思うのですが、そこらの判断はどう考えておられますか。
#128
○説明員(児玉勝臣君) 先生御指摘のように、地元住民の安心をいただくという意味で慎重に対処したいと思います。その方向といたしましては、この調査団の結果を待ち、かつ、原子力委員会が安全審査会のほうにこの出力の問題についての解明を命じられたということを聞いておりますので、そちらのほうの御判断も聞きまして慎重に対処したいと思います。
#129
○辻一彦君 通産省は、御自慢の技術顧問会議とかいうのは、これについてあれしないんですか、関与しないんですか。
#130
○説明員(児玉勝臣君) 技術顧問会の主要なメンバーにはさっそく御意見を承っております。
#131
○辻一彦君 話が少し問題がそれますが、私、この技術顧問会議で非常に問題があると思うのですね。見識高い学者が集まっていらっしゃるはずなんだけれども、この前ちょっと御紹介しましたが、福井県に原子力の安全管理協議会がありますね。そこでこの技術顧問会議のメンバーである京都大学のある先生が顧問になっていらっしゃる。また、通産省の技術顧問会議のメンバーでもある。私はこれを最近聞いてちょっと驚いたのですが、去年の六月に美浜一号炉が事故を起こしたときに、いわゆる蒸気発生器ですね、あのときに、さっそくその見解を出されて、こういう事故は四百回ぐらい起こっても心配がないと、こういう見解を県の安全協議会に御報告になりましたが、二回目にもう発電所がとまりかねないという状況ですが、これは私は通産省の技術顧問会議のメンバーとしては見識を若干というか大いに疑わざるを得ないのですが、これは一体通産と科学技術庁はどうお考えになりますか。
#132
○説明員(児玉勝臣君) いまのお話は、福井県の原子力の技術顧問として委嘱されていらっしゃる京都大学の先生のことだとは思いますが、この先生は実は私たちのほうの顧問会のメンバーではございません。しかし、いろいろと私たちの技術顧問会の意見を取り入れられまして御発言されていらっしゃることもありますので、技術問題については私たちとしても非常に責任を感じておりますが、そういうあとの見解は、実際に京都大学の先生がそうおっしゃったのかどうかわかりませんが、私たちもちょっと心外に感じておる次第でございます。
#133
○辻一彦君 通産の技術顧問会議のメンバーじゃないんですね。
#134
○説明員(児玉勝臣君) はい。
#135
○辻一彦君 私、ちょっとある新聞でそういうように見て、まさかその人が通産省のメンバーとはちょっとふしぎに思ったのですが、でなければけっこうなんです。
 そこで、もう一つ福島の二号炉が最近五月十日に臨界に入って、その後放射能漏れのために二号炉もとめて以降、事故によって試運転の運転が停止をされている、こういうように私は聞いておりますが、この実態はどうなんですか。
#136
○説明員(児玉勝臣君) いま先生御指摘のように、放射性廃液の漏洩事故以来、総点検をさせましております。それからそういう漏洩問題については一応の結論が出ましたが、さらに原子力の原子炉周辺の機器の調整ということを現在やっております。
#137
○辻一彦君 いや、何かスターターが故障でアメリカに注文しているので十月ごろまでかかるというのじゃないのですか。
#138
○説明員(児玉勝臣君) これは最近報告を受けたことでございますが、御案内のように、原子力発電所がスタートいたしますときには中性子源が要るわけでございますけれども、それがベリリウム、アンチモンというものから成り立っておりまして、それは約六カ月で減衰するというものでございまして、その炉の中に五カ所その放射性源が用意されておりますけれども、その中の一つのものが非常に減衰を来たしたということで、減衰しましたときにはスタートしてはいけないという運転操作上の規定になっておりますので、現在運転開始できない状態でございます。したがいまして、急速その中性子源を輸入するという手続を踏んでおります。
#139
○辻一彦君 それはいつごろ手に入りますか、そして実際動くのはいつごろの予定ですか。
#140
○説明員(児玉勝臣君) 中性子源の入荷は九月の末と聞いております。それを入れましてから内部点検を十分しまして再起動する予定でございます。
#141
○辻一彦君 それは十月のいつごろになりますか。
#142
○説明員(児玉勝臣君) いまのところ、ちょっと、はっきりお答えできる状態ではございません。
#143
○辻一彦君 私は若干時間をかけて最近の事故をさっと洗ってみたんですが、長官、御存じのように、いま私が申し上げたのだけでも、最近の事故もしくは故障というのは、第一に美浜一号炉の蒸気発生器の事故、第二に同二号炉の電気回路のショート人身事故、第三に福島一号炉の放射能漏れ、第四に福島一号炉の燃料棒の異常、第五に福島第一発電所の二号炉のいわゆる試運転が停止をしている。これに島根一号炉がやはり試運転がとまっている。六つ、七つとこういう事故もしくは故障が実証炉といわれる原子炉の中に起きておるわけですね。これが重大な安全度につながるかどうかということになれば、私はいろいろ論議がありますが、実証炉中にはちっと事故といいますか故障が多過ぎるというように私は思いますが、この点どうお考えになりますか。
#144
○国務大臣(前田佳都男君) 先ほどから辻先生と政府委員との問答を実は拝聴いたしておりまして非常にうんちくの深いといいますか、先生の非常にお詳しい御追及に私も感服をしておったのでございまするが、確かに最近そういういろいろ御指摘のような事故があったことは事実であり、その点について、そのうちの一つのたとえばGEの沸騰型の原子炉の出力ダウンの問題、こういう問題は私も実は非常に驚いたわけでございまするが、この問題につきましては、先ほど局長からも申し上げましたように、すぐに原子炉安全審査会でこの問題は至急調査検討してくれということも要望し、さらに専門家を米に派遣するということについても、先生御指摘のように、何かアメリカがちょっとくしゃみをすりゃすぐにそれを心配せにゃいかぬじゃないかというお考えだろうと思うのでありますが、全く私も実際むずむずといたしまして、なにこれくらいのことが日本でわからぬはずはないじゃないかというふうな気持ちを実は持ちまして、日本の国においてもすぐにこの問題は安全審査会で十分日本としても別にアメリカへ行かぬでもやってくれということを実は強く言いました。しかし、何ぶんやはり軽水炉というのはアメリカから来たものでありまするから、その資料を取り寄せたりいろいろな点もこれもまたやむを得ないのじゃないかということも私もまあ実は思っております。いろいろそういう問題もございまするが、とにかく、私は、いろいろな機械類というのは、これは私もあまりわかりませんけれども、いろいろ故障がある場合も多いと思います。しかし、何ぶん原子力の発電とか原子力関係の施設というものは一歩誤れば非常に重大な被害を与えるのだという点におきまして常に身を引き締めて安全ということの確保に慎重にやっていかなきゃいかぬということで、安全研究に相当力点を置いて従来もやっておると私は思っております。その点も先生から不十分じゃないかという御指摘はたびたび受けておりまするが、相当やっております。しかし、今後もまた来年度にあたりましても、こういうふうな予算要求のいま段階でもありますし、この問題についても諸般のそういう情勢を考えまして、極力安全研究ということを十分努力をしていきたいというの、が私の現在の気持ちでございます。
#145
○辻一彦君 そこで、これらの事故や故障に対して、周辺地域の住民あるいは国民が広範な不安や疑問を持つのは私は当然であると思いますが、そうお思いになりますか。いかがですか、簡単でけっこうですが。
#146
○国務大臣(前田佳都男君) いろいろなそういう事故に対していろいろな懸念とか不安というのを持つことはよくわかります。
#147
○辻一彦君 そこで、私は四月の七日に予算分科会で環境、温排水の問題に触れましたが、このときに、美浜の一号炉と二号炉の原子炉において温排水の拡散状況は、科学技術庁、原子力委員会が試算をした数字、これは沖合い七十四万キロのときにちょうど一・一キロと数字が出ましたですね。環境庁が赤外線、航空機によって実測すると二・二キロ、実測は、形が違いますが、沖合いでいえば倍あったと、こういう食い違いが明確に一つ出ておったと思います。あるいは、六月十五日に浜岡の二号炉の環境審査の問題について、私は、通産省は漁業資源特にシラスに与える影響について大きな誤認をしておったと思います。この点は私ははっきり指摘をしましたが、こういう問題を考えたときに、安全や環境について、今日の一つ一つの原子力発電所に広範な国民がやはり不安と疑問を持つと、こういうことは私は当然だろうと思います。
 そこで、今日、原子力委員会がいま出されておる公聴会の要領案であります、これについて私は触れたいのですが、まず、この公聴会要領案・細則案は、国民の声あるいは国会における論議を十分踏まえてこれをくみ入れたとお考えになっておられるかどうか、この点、簡単でけっこうですが、長官からまずお伺いいたしたい。
#148
○国務大臣(前田佳都男君) さように考えております。
#149
○辻一彦君 そこで、では、環境安全について一つ一つの原子炉にそれぞれ問題があり、広範な不安や疑問を持つということを長官自体がお認めになっている。ところが、いまの原子力委員会の公聴会開催案によれば、サイト主義をとって、一つの敷地において一回公聴会をやればあとは実質的にやらなくていいという仕組みになっていますね。たとえば福島の第二発電所において第二発電所一号炉の公聴会をやれば、あとは自動的に、これは二、主、四と四つの計画があるんですが、四つとも実際的には認めてしまうような形の公聴会のやり方になっておると私は思う。各、美浜にしても、浜岡にしても、あるいは福島にしても、一番目の原子炉がこれだけの広範な問題をいま出している中で、一つだけやったらあとはやらなくていいと、こういうことが、はたして国会論議においてわれわれが要求した国民に合うものかどうか、この点いかがお考えになりますか。
#150
○国務大臣(前田佳都男君) 公聴会開催の場合につきましては、先生御承知のように、大型、集中、あるいは新型、並びに地元の声といいましょうか、地元の知事から要請があるときということで、それですべてのものがカバーされているという――もちろん知事が要請しない場合があるかもしれません。しかし、大体地方住民というか地方の意見を代表するものとして知事の意見、要望があるときということも入れまして、そうして実は今度の開催要項を決定したわけでございまして、特にできるだけわれわれは公聴会の回数を減らしていこうとか少なくしていこうとかいう趣旨ではございませんことを御理解願いたいと思います。
#151
○辻一彦君 いや、それならば、全部の発電所について公聴会をやると、こういうことを明確にすべきじゃないんですか。
#152
○国務大臣(前田佳都男君) 先生のような御指摘でオール原発公聴会ということも考えられる一つの案だとは考えます。しかし、同じようなコンディション、同じような条件下においては、特に新しく公聴会を開かなくても、同じような姿でわれわれは御理解を得たい。特にここでも同じような条件だから特に不安あるいは懸念というものはございませんというふうな趣旨において、われわれはこういうふうな列挙的な公聴会開催の場合というものをきめたわけでございます。
#153
○辻一彦君 だから、私はさっきから一時間にわたって、その一番目の原子炉がいかに問題を持っているかということを幾つか取り上げて申し上げたんですよ。一番目が何にも事故も起こらずに全部満点であれば、それは二番目も心配ないかもわからない。しかし、第一番目がこれだけ問題があるわけでしょう。あと二番目が前のとおりでけっこうだということがどうして言えるのですか。
#154
○政府委員(田宮茂文君) いろいろ御指摘を受けておりますけれども、確かに、故障、事故というのがございますが、御指摘の中で、中性子源の減衰の問題は、これは事故ではございませんし、それからピンホールも、これは程度の問題でございますけれどもやはり品質管理上の問題というふうなことでございます。したがいまして、そういういまたまたまいろいろな問題が起きておりますけれども、そのうちには全然問題のない一号炉というのもできてくるかというふうに考えております。
#155
○辻一彦君 そんな予想ができますかね。安全審査で心配がないというので全部できた原子炉が、いろいろな形で、美浜の蒸気発生器だって出ているわけでしょう。先に三十四万で蒸気発生器がもう動かなくなるという心配がある。五十万、八十万、百二十万が動き出したらもっといろいろなことが出ると考えるのが常識であって、将来そんなものがないというようなことは私は言えないと思うのですよ。やっぱりこれだけの具体的な事実がある中で、私は、当然、二号炉についても、これはやはり住民の、いわゆるそれは重大な安全の問題でないにしても、住民のいろいろな不安と疑問というものがある以上、これに対して解明をし、これにこたえるというのが私は公聴会の大事な点だと。そういう点で、一号炉が終わったとしても、二号炉にやるべきでないか。したがって、原子力委員会が必要と認めたとき、あるいは知事が必要と認めたとき、いま、今日の知事で、これは都合のいいときは公聴会を使おうと言いますけれども、ほんとうに公聴会が住民の側に立つということが明確になったときに、どこの知事さんが公聴会をやりましょうというようなことは、私はめったにお目にかかれないと思いますよ。それはまた特別なところはあるかもわからない。そうすれば、住民のそういう不安や疑問というものは解明できない。現に、福島の第二発電所は、計画では百十万を四つつくる計画なんでしょう。一番目をやって、あとは同じ型でいいと言ったら、四つ全部通っちゃうということなんですよ。もちろん審査は形式的にいろいろやるでしょうが、こういう問題は、一つの原子炉を公聴会で済ましたならば、全部認めるということに私はつながると思うのですね。また、温排水にしたって、一つのときと二つのときと、いろいろな条件によって変化してきますよ。そういうものに対して、一体これは公聴会を通して十分環境や安全についての意見を聞く、そういうことを私は設けるべきであると思いますが、こういう住民の声は一体どう吸収されるか、どうお考えになっていますか。
#156
○国務大臣(前田佳都男君) どうも、その点が、辻先生と議論があるいは食い違うかもしれません。けれども、地元の知事というものは、必ずしももうそういう公聴会というのを開かないでやっていこうというのじゃなくて、むしろ公聴会を開いていただきたいという気持ちが地元の知事のほとんどの意見じゃないかというふうに私は実は考えております。とにかく、地元の人にできるだけ理解と協力を得てもらうことが自分の地方政治を行なうについてもそれは非常に大事な姿勢じゃないかと思いますので、私はそれによってむしろ公聴会がどんどん開かれていくのじゃないかというふうに実は解釈をいたしておるわけでございます。
#157
○辻一彦君 いや、私の特に申し上げたいのは、かりに福島で公聴会が行なわれたとして、一号炉がいろいろな住民運動の反対があった中でかりにこれが無理にでもきまったとしますと、二号炉から開きますか、知事は。開くんですか。
#158
○政府委員(田宮茂文君) その時点で知事がどうお考えになるか、予断のできないところでございますが、そのほかにも、長官が先ほど申し上げておりますように、集中化というような問題もございますし、そういう時点でいろいろな形になっていくのではないかと、こう考えております。
#159
○辻一彦君 じゃ、確認しておきたいのだけれども、福島の第二発電所は集中化の典型ですね。二番目やりますか、公聴会を。はっきり……。
#160
○政府委員(田宮茂文君) その時点で判断いたしたいと思います。
#161
○辻一彦君 いや、原則をはっきりさせなくちゃならぬですよ。その時点でと言ったって、いま初めて公聴会をやるかどうかというときでしょう。そのときにこれからどうするかというそういう方針は明確にすべきじゃないんですか。これはそのときに判断をして、いや知事が要求すればやれるんだと、どういう知事さんも全部大体住民要求で公聴会をやれと、こう言うんだとおっしゃるなら、全部の原子力発電所に公聴会をやるというふうにしたらいいじゃないですか。それが法律的に必要であって、前局長はこれは全部やるならば法改正をやらなければいかぬと、こういうことでしたですね。なるほどそうですよ。いいことだったら法改正をやればいいですよ。しかし、それは時間がかかるんだったら、この一項に住民の要求ある場合に開くということを一つ入れたら私ははっきりすると思いますね。これを法改正のその日まで住民が要求する場合に公聴会を開くと修正できますか、いかがですか。
#162
○国務大臣(前田佳都男君) どうもくどいようでございまするが、住民の要求、住民の気持ちというものは知事に反映する、そしてその知事からそういう要望があるというふうに――住民の要求からすぐにわれわれはそれによって原子力委員会を開催するという考え方じゃなくて、住民の要求が知事に反映し、知事も地方政治を行なう上におきまして、当然われわれのところにその要望があるというふうな考え方を持っておるわけでございます。
#163
○辻一彦君 しかし、それは実態を考えてごらんなさい。知事はどうしても開発推進派ですよ、これはどうしてもですね。公聴会を開けというのは、大体住民運動の側から、知事という県の機構やそういうルートを通して反映できない住民の声、国民の声をもっと聞いて、それに対して説明をしろと、わかるようにしなさいと、こういうことでしょう。知事のルートを通して開けない場合が多いから、住民の声というのは私は出てくると私は思うのですよ。だから、長官の言われるように、そんな全部住民のそういう声が知事、県機構を通して反映ができるというようには私は考えられない。住民の声をほんとうに吸い上げようとすれば、これは当然一項加えて、住民の要求があれば開くと。これはもちろん住民の要求といったって、五人や六人でやってくれと言ってそれで開くという、そういうものではないと思いますよ。しかし、かなりの数の住民組織というものがやはりこれについてやってもらいたいと、こういう要請や要求があったときに、これは私は当然二つ目についても公聴会を開くべきであると思いますよ、ほかの発電所についても。これはどう思いますか。
#164
○国務大臣(前田佳都男君) どうも、その点が辻先生と私どもの判断が違うようでございまして、私はどうもこれからの政治といいますか、特に地方の政治においても、知事にいたしましても、市長とかあるいは町村長にいたしましても、住民というものの声というものを無視して、それは一時は通るかもしれませんけれども、なかなかそれはそういうものは通らないんじゃないかと思います。その意味において、それは一人や二人はしょっちゅう何かの意見はあると思いますけれども、相当多数の意見がある場合に、公聴会を要求すること自体ぐらいは別にそうむずかしいことでも何でもないし、知事が自分のそういうことを無視して政治を行なった場合は、また何回か任期が来て選挙があるわけでございますから、その場合も結局また批判されてそれがその選挙にも反映してくるということが私は現在のその姿じゃないか。相当現在の社会情勢というのはそういう方向に動いておりまするので、私は当然これで公聴会というものは知事からどんどん出てくるものだというふうに、この点は、辻先生、かたく信じておるわけでございます。
#165
○辻一彦君 新しい場所にやる場合には、知事は公聴会を開いて住民の声を聞いたと、こういうことにしない限りたいへんだというので、これは要求するでしょう。しかし、福島のように、一つやって、四つとも自動的に認めてしまうというようなこういう中で、知事は一体開けますか。
 じゃ、こう言ったらどうでしょう。住民の組織というものが県に公聴会の開催を要請したときには開くということは断言できますか。
#166
○国務大臣(前田佳都男君) そういう私どもで条項はつくる意思はございませんけれども、知事たる者がその住民のりっぱな公聴会を開いてくれというそういう相当な数から要求があった場合、それを無視するということは、私はどうもそういう知事はないのじゃないかというふうに思いまして、やはり知事という地方行政長官としてのその責任というか、権威というものは、われわれは認めていきたいというふうに考えるわけでございます。
#167
○辻一彦君 知事が、まあみんな要請するというような可能性があるなら、新しい発電所をやるときに公聴会を全部やるというふうにしたらいいのじゃないですか。どこの知事さんもたいへんものわかりがよくて、全部ひとつ、その公聴会をやろうと、こういうようにお考えになるなら、なぜ全部のこれから新しい発電所について公聴会を開くと、こうできないのですか。
#168
○国務大臣(前田佳都男君) くどいようでありまするが、特にその問題はないという場合もあるかと思うのでありまして、そういうときはわざわざ公聴会を開かないでもいいんじゃないか、要請もないし、というときはそのままでやっていけると、こう私は思います。
#169
○辻一彦君 その御答弁では、私はこの点については納得ができません。この方法でいけば、おそらく、福島の第二発電所は、一回公聴会が行なわれれば、それによって四つが認められてしまう形になろうと私は思うんですよ、実際としては。それはどこかほかに新しい所にやる場合は、知事は、住民運動があるから納得をしてもらわなければいかぬからというので、おそらく公聴会を申請するでしょうが、集中化する、そういう傾向の中では二つ目に開かれる可能性は私は非常に薄いと思う。だから、これは福島の第二発電所については一回公聴会を行なって、四つとも認めてしまう方式につながると、私はこう思います。もし、これに、そうじゃないと言われるならば、二号炉、三号炉についても集中化という点で、それじゃ開きますとか、あるいは住民の要求があれば開きましょうとか、あるいは全部新しい原子炉については新しい場合には公聴会を開くとか、何らかを明確にすべきであると思いますが、その三つの点についていずれも納得のいかない御答弁です。そうすれば、一回やれば、あとはもう四基をおそらく認める方向になるだろう。これは私は住民の意向に非常に合わない中身になろうと思うのですよ。住民がこれについて非常な不満を持つということを十分お考えになっても、これを変えられる御意思はないのかどうか、最後に、それだけもう一度伺っておきたいと思います。
#170
○政府委員(田宮茂文君) 御承知のように、現在の公聴会は、新型、大型化、集中化、それから知事の要請というふうになっておりますので、その原則の中で、長官が言われましたようになるべく何と申しますか弾力的な運営をはかっていきたい、こう考えております。
#171
○辻一彦君 それは納得できない。もしわれわれ委員会において、まあいろいろな法案の場合には議員立法という方法もあるけれども、これは法案ではないけれども、このやり方についてわれわれの委員間の意見がかなり一致したときに、修正される用意はありますか。長官、いかがですか。
#172
○国務大臣(前田佳都男君) 委員会の意見が一致したといいましょうか、その内容によりけりでございまして、その点はその具体的なまた問題が出たときにお答えいたしたいと思います。
#173
○辻一彦君 この公聴会のあり方は、二年前から、場合によっては一昨年の三月から五月まで二カ月間委員会がとまって理事会を再三開いた例もあります。したがって、この中身については当然委員長からもあとで理事会等でさらに論議をしていただく、そういう機会を持っていただきたいと思います。
 第二に、この要領案によると、質疑応答というものがほとんどないわけですね。十五分間一人が意見を発表して、質問を許さずに、住民の声を聞いたと、こういうことにして、あとは答弁書といいますか、検討した結果を知らすと、こういうふうになっていますね。これはちょうど質問書を出して答弁書を出したもので、なるほど質問するほうは、十五分間、言うか、物に書くか、言いたいことは言っても、答えは、一応それは聞いて検討しましたということで、安全審査が終わったあとで、答弁書というか、こういうことをやりましたということが出てくる。何らそこに拘束性といいますか、住民の意見が十分論議をされる過程がない。これは私は公聴会という名によって非常に形式化をはかるやり方である、こういうように思いますが、こういうことでほんとうに住民の声を吸い上げることができると、こうお考えになっていますか。いかがですか。
#174
○政府委員(田宮茂文君) 先ほど御答弁いたしましたように、今回の公聴会は住民のなまの声をお伺いするというのが趣旨でございますので、いろいろな安全上の御疑念とか、それから環境等に関する御疑念を十分伺いまして、それを安全審査の過程、それから原子力委員会におきます審議の過程で十分詰めまして報告書の形でお出ししたい、こういうふうに考えております。
#175
○辻一彦君 この国会の委員会でも、私も、美浜の蒸気発生器問題、あるいは浜岡の環境審査の問題、あるいは美浜の原子炉における温排水の問題、幾つかの問題を論議をしてきましたが、これは質問書を出して、あるいは十五分間しゃべって、一定の期間たって書類でこういうことになりましたというようなことで問題が解明されるはずはないと思いますよ。住民のなまの声というのは、そこへ行ってテープコーダーのかわりにしゃべるのじゃなまの声じゃない。そこの発言を、これに対して設置者あるいは安全審査に当たった方々が十分その疑問やあるいは不安に説明をし、そしてこの質問に答えると、こういうことを通して、時間はかかりますけれども、コンセンサスというものが形成され、理解が広がっていく。こんな一方的に十五分間だけ聞いて、あとはひとつ審査会で検討して、まあ終わりましたらひとつ文書で報告しましょうと、こういうことで住民のなまの声がほんとうに吸い上げられ、理解が広がるとお考えになっていますか。長官、どうなんですか。
#176
○国務大臣(前田佳都男君) この点は、よく御指摘を受ける点でございます。ただ、しかし、先生、公聴会というのは、われわれも公聴会というものはどういうふうにすべきであるかという問題についてもよくいろいろなわが国における公聴会の制度も勉強しました。国会にも公聴会という制度がございますが、これは別に討論会のような――討論会というとちょっと語弊があるかもしれませんけれども、そういう式じゃなくて、やっぱり一方的にいろいろな御意見を陳述になってそれをその行政の決定をする場合に参考にするといいますか、そういうのが公聴会の制度だというふうに私は理解をいたしておりまして、特にその場においていろいろ討議をするというふうなそういう公聴会というものは実は私は考えていないわけでございます。
 また、その公聴会でお述べになりました意見について、検討結果、報告書ですか、そういうものもちゃんとお出しを実はするわけでございまして、まあ、いろいろその御批判はあろうと思います。けれども、これも先生からも前々から御指摘をいただいた公聴会制度でありましてこれは踏み切ったわけでございまして、公聴会というものがなければ、まあそんなことを別に仮定をする必要はありませんけれども、要求する者はそういう意見の開陳もないと。ほんとうにこういう制度でもつくりましたので、私はそれなりのまた値打ちはあるというふうに考えておるわけでございます。
#177
○辻一彦君 公聴会はけっこうですよ。しかし、中身に問題があるんですよ。どんな公聴会でも公聴会と名前がつけばそれでけっこうだと、こういうふうに私は思っておりません。聴聞会にこれならなってしまう。私はこう思いますが、電力会社が設置者が安全審査の申請をした初期の段階で、いわゆる設置者側が中心になって、これにもちろん原子力委員会も加わって、公述者の質疑に十分応ずべきだ、設置者がですね。それからある一定の安全審査が進めば、おそらく中間報告が行なわれる、安全審査の。そのときにはもう一度公聴会を開いて、そして今度は安全審査に当たった安全審査専門員あるいは環境審査に当たった環境審査の専門員、こういう方が中心になって、これに設置者を加えて十分質疑に応ずると、こういうことをやらなければほんとうに行き違う。なるほど意見は出したけれども、それは何かの形で検討されるでしょう。しかし、従来の例から考えて、そういうものはまあ検討しましたよということに終わりがちであると思うんですよ。そういう意味で、少なくも初期とそしてその安全審査の後半と二回公聴会を開いて、設置者並びに安全審査専門委員会のメンバーが十分公述人のあるいは住民の質問に応ずる。私は討論会をやれとは言いませんよ、討論会を。しかし、疑問や不安にこたえるためには、質問に十分答えて理解を広げ、コンセンサスを形成をさすと、こういうことが大事だと思いますが、そういう点に質疑応答を十分とるというように修正をされるお考えはないんですか。
#178
○国務大臣(前田佳都男君) そういう質疑応答ということも一つのそれは考え方かもしれません。しかし、私たちは、とにかく検討をいたしまして、その報告書を、検討報告書というものをできる限りよく意を尽くすように、そういう報告を努力をいたすことによって処理していきたい。回数を二回とか何回とかする考え方はございません。
#179
○辻一彦君 お考えをお変えにならないとすれば、おそらくすれ違いの公述と答弁書になるおそれが十分ある。なまのほんとうの声は、声が出ればなまの声を聞いたというのじゃなしに、その聞いた声をどう生かすか、どう説明をし、あるいは納得がいくようにこういう理解を広げるかということがほんとうのなまの声を聞くのであって、ものをそこへ行ってしゃべればなまの声を聞いたと、こういうことには私はならないと思います。そういう意味でおそらくこの点については住民の強い不満が出るだろうと私は思います。
 三つ目に、資料公開ですが、利害関係ある科学者が参加をするとか、あるいは賛否両グループで自主調整によって平等にその賛否の方が公述に出られるようにすると、こういう点はこの前の衆議院において一歩前進といいますか、変わったわけですね。この点はいいでしょう。しかし、科学者が参加をしたって、ほんとうに資料が公開されなければ、これは私は意見はかみ合わないと思うんですよ。いままで国会で衆議院においても両者の学者によっての論議がありましたですね。しかし、一番基盤になる資料が公開をされていない。そういう中でどうして専門の学者が十分専門的な知識を生かして発言することができるのか。資料公開なくして科学者が発言できるとお思いになりますか、いかがですか。
#180
○政府委員(田宮茂文君) その点につきましては、当該事件にかかわります申請書並びにその参考資料を地元等におきまして供覧できるようにしております。
#181
○辻一彦君 それでは非常に不十分なんですよ。それは、前よりも、わら半紙の薄っぺらなのが何枚かくっついて出された時代に比べれば、それは前進ですよ。しかし、今日百万キロワット以上の加圧型、沸騰水型ですね、こういうものの中にかなりな非公開の資料があるわけですが、一度お伺いしたいけれども、何点ぐらい百万キロワット以上のいわゆる大型原子炉について公開されざる資料がありますか。
#182
○政府委員(田宮茂文君) ちょっと私は記憶がございませんで正確にお答えできませんが、現在、申し上げましたように、申請書並びにその添付資料を公開しております。それで、もしそれで不足であるというお話がございましたら、できるだけほかのものも公開をするつもりでおりますけれども、いまだそういうふうな声は聞こえておりません。
#183
○辻一彦君 それでは、安全審査には企業の申請、設置者の申請書がありますね。それからいま言われたのは添付書、ここまではみんなに見せるということですね。しかし、その上に審査参考資料がありますね、審査参考資料が。安全審査が終われば議事録と報告書が出ますが、その前の段階であれば審査参考資料はありますが、これをどこまで公開されますか。
#184
○政府委員(田宮茂文君) 御要望がありましてそれが理由があれば、公開できないものを除きまして極力公開いたしたいと思います。
#185
○辻一彦君 じゃ、公開できるのは何点ありますか。それは事務当局は御存じでしょう、大体。ごく正確な数字じゃなくてもいいですが、おおよその数字は、何点あり、何点ぐらい公開できますか。
#186
○政府委員(田宮茂文君) 事務局に聞きましたところ、御承知のように、この公聴会は安全審査の前段階でいたしますので、その時点におきましては申請書と付属資料でございます。ほかの参考資料につきましては、安全審査の進展に従いまして逐次提出されるということでございます。
#187
○辻一彦君 福島第二発電所の一号炉、いま公聴会をやろうとするのは、百十万の沸騰水型ですよ。すでに福島の第一発電所の六号炉百十万キロワットの審査が終わっておりますね。同様の資料がそこにあるわけですよ。それについてどうなんですか。
#188
○政府委員(田宮茂文君) 先ほど来申し上げておりますように、現在その当該原子炉につきましては申請書と添付資料を公開しておりますが、御要求があれば、できる限りその他の資料もお見せいたしたい、こう考えております。
#189
○辻一彦君 要求があれば見せてくれますか、オープンに。
#190
○政府委員(田宮茂文君) できる限りと申し上げました。
#191
○辻一彦君 だから、何点のうち何点ぐらいはできるかということを具体的に聞いておるんです。その点いかがですか。
#192
○政府委員(田宮茂文君) 御承知のように、先行炉につきましてはいろいろございますが、当該の原子炉につきましては、これから安全審査をいたしますので、どのくらい参考資料が出てくるか、いまの時点ではわからないわけでございます。
#193
○辻一彦君 同じ形の同じ大きさの福島の六号炉をこの間やってあるわけでしょう。それについてはどうなんですか。これはおそらく条件がほとんど変わらない安全審査ならば、前の審査資料が論議をする場合に十分役に立つと私は思うのですが、それについてはどうされますか。
#194
○政府委員(田宮茂文君) 先生御指摘のとおりでございますが、その二号炉につきまして、必ずしも一号炉と同じ参考資料が要るとは限らないと思います。
#195
○辻一彦君 しかし、東海二号炉百十万にしても、福島六号炉百十万にしても、ほぼ――それは全部一緒じゃないですよ。しかし、大体似たような審査資料がいろいろ出されているはずですよ。そういうものについてはどうされますか。ここまでは公開できるというふうにはっきりできますか、いかがですか。
#196
○政府委員(田宮茂文君) いまの時点ではちょっと御返事申しかねます。
#197
○辻一彦君 百点に及ぶ非公開の資料があって、それが全部公開されずして、科学者に自由な科学的意見を述べよといっても、私はこれはやっぱりなかなか問題がある。まあ、中には、おそらくアメリカとのGE、ウエスチングハウスとの間で協定、覚え書きによって、これはいまの段階ですぐ出せないものもあるでしょう。しかし、私たちはそういうものはあり得ないと思いますが、たとえそれがあったとしても、かなりな科学者が知らなくちゃならない資料が手に入らず、見ずして、そうして専門の知識を使って発言をしなさいと言っても、私はこれは十分できぬと思いますが、こういう点をどうお考えになります、長官。
#198
○国務大臣(前田佳都男君) 何もかもみんな見せろと、それで十分判断していくと、それはそれで一つの考えだと思います。しかし、どうしても企業機密といいましょうか、見せられないものもあるということも先生もこれ御承知のとおりでございまして、その意味におきまして、はなはだあいまいなる御答弁というふうにおしかりを受けるかもしれませんけれども、先ほど田宮君から申しましたように、まあでき得る限りという御答弁をしたわけでございます。
#199
○辻一彦君 これはいままででも論議をしてそう簡単な問題でありませんから、ここで最終結論は無理とは思いますが、安全審査申請書、それから添付資料の上にさらに過去の百十万キロワットクラスの審査参考資料を、できる限りというのはどこまで出せるかということを後日明確にできますか。
#200
○政府委員(田宮茂文君) 当該原子炉の安全性等を御判断をして御意見を述べられるために資料をできる限り公開しろというお話でございますが、私どものほうといたしましては、確かにその点は重要なことだと思いますので、今後は添付資料の内容を拡大充実して、そうして皆さまの御判断が十分できるようにいたしたいと考えております。
 それから先生御指摘の参考資料等につきましては、体系立っていない点が非常にございますので、個々のピース・オブ・インフォーメーションということでは体系的な御判断ができかねると思いますので、できる限り添付資料の内容を充実するという方向で御要望にこたえたいと、こう考えます。
#201
○辻一彦君 衆議院の過去の科学の委員会においてアメリカ並みの資料を一面においては公開するという確約を長官はされておりますね。いま一つ、百万キロクラスですね、非公開の資料でアメリカはどこまで公開しているか、早急に私は点検していただきたい。これはできますか。
#202
○政府委員(田宮茂文君) 点検してみます。
#203
○辻一彦君 それはいつごろできますか。なるべく早くですが。
#204
○政府委員(田宮茂文君) いま御即答できかねますが、できるだけ早くやります。
#205
○辻一彦君 まあその可及的すみやかにということばはなかなか安心がならないから、これは大至急やって点検をしてください。
 私は、さっき、三点をあげたんですが、一つは敷地主義――サイト主義、一つの敷地で一回やればもういいんだというこのやり方は、やはり住民の声を十分聞くことができない。第二は、十分な質疑応答といいますか、これがなければ、やはり、住民の理解、そして多くの人のコンセンサスを形成することはむずかしい。そして資料がほんとうに公開されなければ、科学者も十分な意見を述べることはできない。やってもすれ違いになってしまう。基礎が一つ共通であればその上の論議は共通でやれますが、その基礎の資料が公開されなければ、すれ違いになる。こういう点、この公聴会の内容というものは非常に問題点が多いと思うのですね。こういう点について修正がない限り、私たちはこの原案による公聴会というものは住民の声を真に聞くものにはならないと、こういうように考えます。特に公聴会という形をとって住民の声を聞いたという形をとりますが、それによって福島の第二発電所一号炉の公聴会によって四つとも押し切ろうとするそういう考え方がある。もしそれがないというならば、二号、三号、四号についても公聴会を開くということを明確にすべきであると思います。先ほど長い時間を申し上げましたが、それぞれの美浜、東海、福島、あるいは浜岡と、第一番目の一号炉がいまいろいろな問題を持っている、こういう中で、もしも二号炉以下もやらなくてもいいんだと、こういうことであれば、名前は公聴会でありますが、中身は非常に形式的非民主的な公聴会になる。したがって、そういう意味の公聴会を公聴会の名において私たちは容認していくことはできない、こういうふうに考えます。すでに、社会党は、五月の三十一日に衆議院において公聴会に対する考え方を明らかにしましたが、私はきょうは具体的な事実をもってこういう中で住民と国民の声をもっと取り入れる公聴会の修正を行なうべきであると、こういうことを申し上げ、要求をしてまいったわけであります。ほんとうに国民と住民の声を聞くために、以上の三点について具体的な修正を行なって、広範な国民と住民の声を吸い上げる構えなり考え方がないのかどうか、あえて長官にもう一度お伺いをいたしたい。
#206
○国務大臣(前田佳都男君) 先刻来、辻先生からいろいろ御指摘をいただきました。しかし、私たちは、たびたび申し上げておりまするように、決して見せかけの、かっこうだけの公聴会ではないという点だけはほんとうに自信を持っておるわけでございまして、現在のこの公聴会で住民のなまの声を聞くことにおきまして、何ぼかの前進をしたという確信を持っておるわけでございます。
#207
○辻一彦君 私は、あえて、修正と、そしてもう一度この声を聞いて練り直しができないのか、そして、それが成案を得るまで延期をして、もう少しコンセンサスを形成して、公聴会を開くべきでないかと、こう思いますが、これについて、長官、もう一度お伺いいたしたい。
#208
○国務大臣(前田佳都男君) お答えをいたしまするが、簡単に申しますると、修正する考え方はございませんし、また、延期する考え方もございません。
#209
○辻一彦君 そういうようにしてこの国会における声をもう少しくみ入れるということができないかたくなな態度であれば、私は、おそらく、福島県において、住民の皆さんが持っておられるいろいろな気持ちや考えを見ると、この公聴会のあり方について非常に批判的なあるいは怒りを持つことになるのではないか、こう思います。これはまだ時間があります。あえて十分ひとつ私は考えていただきたい。田中総理は、閣議で、長官に、原発は反対するのがあったってかまわぬからつぶしてやっちゃえと、こういうことを言ったというんですが、そういう発言は、これはまあ私の発言はちょっとオーバーでもありますが、どういう発言があったのか、それを受けて、長官としては、民主的に原子力基本法、平和利用の三原則に沿ってこの原発の問題を考える場合にどうお考えになっておるのか、それをひとつお伺いしたい。
#210
○国務大臣(前田佳都男君) 実は、その田中総理の発言でございまするが、二十九日の閣議のあと、たしか二十九日の夕刊でございましたですか、幾つかの新聞に、相当激しい表現の記事があったことは事実でございまして、私も、ああ、これはどうもこの記事ではたいへんみなに誤解を招く、心配を招くということを考えまして、これはひとつ何らかの機会にこの真意というものを私からもお話ししたいというふうに思っておったような状況でございまして、ちょうどこの点につきましては衆議院でも御質問をいただきましたし、また、きょうも辻先生から御質問をいただいて、むしろ私はこの機会に、ほんとうのこの状況というものを−閣議の内容というものは、一般に言わないことになっております。政府の意見を発表する場合は官房長官とかそういう人が責任もってやるということになっておりまするが、そういう状況を言うべきでないかもしりませんけれども、私は申し上げたいと思うのでございます。
 これは二十九日の閣議のちょうどもう終わりごろでございました。もうほとんどこれでお開きという前に、実は、田中総理が、私のほうをちょっと顔を見て、そうして、原子力について最近いろいろ問題があるが、科学技術庁長官、しっかりやってくれよとあの調子でぱっと言われた。別に具体的に原子力発電がどうであるとかあるいは補償をどうするとか、そんな話は全然ございませんでした。その点いろいろ表現はあるようでございますけれども、そういう点はございませんでした。ただ、私は、そのときに、原子力船の「むつ」についてちょっと最近の経過を簡単に御報告いたしました。合計時間的に見まして、約二分間程度でございます。それ以上の何にも問答もいたしておりません。特に私は非常に情けなく思いましたのは、住民の意思を無視してでも原発を進めようというふうな、ほんとうにそれだとすれば非常な暴言でありまして、そんなことを田中総理が言うはずもないし、また、全然そういうことは言っておりません。それだけは私もはっきりと申し上げたいと思うわけでございまして、どうぞその点誤解のないようにしていただきたい。もしそういう無視してやれというなら、それは原子力基本法にも違反しまするし、私は、そういうことを言われれば、たとえ総理大臣であろうと何大臣であろうと、それはいかぬと言って私もその場で黙ってはいません。したがいまして、閣議のあとよく記者会見があるのが慣例になっておりますけれども、特に総理大臣から新しい御指示等は一つも私は考えておりませんでしたので、実は科学技術庁の記者の皆さんとはしょっちゅうお目にかかって非常に心やすいのでありますが、そういうことを全然私からもほかの問題は話しましたけれども報告していないくらいの問題であるということもつけ加えて申し上げたいと思います。
#211
○委員長(渋谷邦彦君) 他に御発言もなければ、本日はこれにて散会いたします。
   午後一時十七分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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