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1972/03/07 第71回国会 参議院 参議院会議録情報 第071回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第4号
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1972/03/07 第71回国会 参議院

参議院会議録情報 第071回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第4号

#1
第071回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第4号
昭和四十八年三月七日(水曜日)
   午後二時四十五分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         星野 重次君
    理 事
                岩動 道行君
                黒住 忠行君
                鈴木美枝子君
                三木 忠雄君
    委 員
                今泉 正二君
                岩本 政一君
                楠  正俊君
                柴立 芳文君
                佐々木静子君
                田  英夫君
                藤原 房雄君
                喜屋武眞榮君
   国務大臣
       外 務 大 臣  大平 正芳君
       国 務 大 臣
       (内閣官房長官) 二階堂 進君
       国 務 大 臣
       (総理府総務長
       官)
       (沖繩開発庁長
       官)       坪川 信三君
   政府委員
       沖繩開発政務次
       官        稲嶺 一郎君
       沖繩開発庁総務
       局長       岡田 純夫君
       沖繩開発庁振興
       局長       渥美 謙二君
       外務省アメリカ
       局長       大河原良雄君
       外務省条約局長  高島 益郎君
       文部省大学学術
       局長       木田  宏君
       通商産業省企業
       局参事官     三枝 英夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        伊藤  保君
       常任委員会専門
       員        服部比左治君
   説明員
       防衛施設庁総務
       部施設調査官   高島 正一君
       法務省民事局第
       五課長      清水  湛君
       農林省構造改善
       局農政部長    今村 宣夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○沖繩及び北方問題に関しての対策樹立に関する
 調査
 (昭和四十八年度沖繩及び北方問題に関しての
 施策及び予算に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(星野重次君) それでは、ただいまから沖繩及び北方問題に関する特別委員会を開会いたします。
 沖繩及び北方問題に関しての対策樹立に関する調査を議題とし、昭和四十八年度沖繩及び北方問題に関しての施策及び予算に関する件について調査を行ないます。
 質疑のある方は、順次発言を願います。
#3
○岩動道行君 第一に、私は、坪川長官にお伺いをいたしたいと思いますが、先般の沖繩開発に関する所信の表明を伺いましたが、その筋道は、私どもも十分に了承できるところでございまするが、いささか具体的な問題については、十分な計画なり、御発想が伺えなかったのでございまするが、これらのことを伺っておりますると、私の持ち時間は、たちまちそれだけで終わってしまうと思いますので、きょうは、ごく簡単に質問を申し上げ、簡潔にお答えをいただきたいと思います。
 第一は、沖繩の振興開発計画で、十年後の沖繩はどういうふうな姿になるかということを、きわめて簡潔に、まずお示しをいただきたいと思います。
#4
○国務大臣(坪川信三君) 御指摘になりました十年後の沖繩というものを想像いたしますときに、私どもは、その沖繩開発の基本計画として考えなければならぬ基礎、基本計画は、やはり何と申しましても、環境の保全、また、社会資本の立ちおくれを取り戻すということの問題。その次は、やはり生活環境の整備という立場からくる保健衛生等の問題に取り組むということ。それからもう一つ、次に大切なことは、沖繩独特の地域の特殊偉というものを生かさなければならぬどいうこと。それは岩動議員御了承のとおり、いわゆる亜熱帯地域であるという、こうした特殊性を生かすと。しかも、美しい自然環境に恵まれました海洋性の自然というものを生かす。こういうことを基礎に置いて、十年後の沖繩というものを考え、そして本土並みの、格差のない、豊かな国民性、県民性、豊かな生活環境と、生活の安定の場をつくり上げていくということが、沖繩の基本計画でありたいと考えておる次第であります。
#5
○岩動道行君 そのことは、実は失礼ですが、前回の所信の御表明で十分に承っております。私が伺いたいのは、十年後の沖繩は、一体、現在の人口は九十五万程度でありまするが、それがどの程度になるのか。これは相当減るという復帰前の話もありました。また、減ったほうがいいというような意見を言う学者もおったわけでありまするが、一体それはどうなるのか。あるいは県民所得、これがどの程度にまでなっていくのか、その辺のところだけでけっこうでございまするから、お答えをいただきたいと思います。
#6
○国務大臣(坪川信三君) 次に、私もその点に触れたいと思ったのでございますが、御承知のとおりの、いまの沖繩の人口九十五万、少なくとも十年後には百万をこえたいというこの問題。また、生産所得におきましては、現在の三千百億という現状を見ますときには、やはり十年後には一兆円というようなことにいたしますとともに、県民の所得というものが三十三万円平均であるということを思うときに、これの三倍を踏まえて、ぜひ県民の豊かな所得生活を夢見たい、こう考えておる次第であります。
#7
○岩動道行君 あまり議論するつもりはございませんが、一兆円といいますと、一人当たり百万円ということになりますが、そのときの日本の全体の平均の所得、あるいは沖繩県並みの、沖繩県が目ざしている一ある中程度の県があると思いまするが、そこの県の県民所得とはつり合うものであるかどうか、そこをちょっと伺っておきたい。
#8
○国務大臣(坪川信三君) 本土との比較におきましては、やはり本土の所得の八割ということを基準に考えておきたいと思っております。
#9
○岩動道行君 県とすれば、どこら辺の県と大体並ぶことになりますか。
#10
○国務大臣(坪川信三君) 大体私の八割と申しておりますのは、本土の平均いたしたものに対する八割と、こう想定いたしておりますので、特殊的な本土の何々県ということに対する想定、あるいは予想というものをいま考えておいての基準でないということを御了解いただきたいと思います。
#11
○岩動道行君 これは、あとでまた事務当局に機会があればお教えをいただきたいと思いますので、その程度にいたします。
 最近の沖繩の物価、労務の状況というのは、非常に異常な状態になってきておるわけでございまするが、そういう中において、大臣のおっしゃるような沖繩の十年先の計画が、はたしてそのとおりになるか、また、相当に問題があると思いまするが、沖繩開発公庫、これがいままでどのように運用されているか、これは後ほど詳しい資料を実は出していただきたいと思いまするが、とりあえず、ここで、どの程度の金額がすでに融資に出ているか、それから件数とおおよその業種、これだけを、これは局長でけっこうですから、お答えいただきたい。
#12
○政府委員(岡田純夫君) 金融公庫は、復帰とともに発足いたしまして、本格的な融資に入りましたのは正月前後からでございます。と申しますのは、復帰いたしまして直ちにいたしましたのは、いわゆる当時の円・ドルショックと申しましょうか、問題に関連いたしまして、低利融資の八十億の措置、それから出発いたしました。したがいまして、それ以外の資金につきましては、それぞれ制度の整備等と関連しながら融資してまいっておると、こういう状況でございます。
 そこで当初、予算に、当初と申しますか、本年度の総ワクは五百三十億でございますが、ただいま申し上げましたように、緊急融資分とか特殊資金とか、要するに、四十七年度限りのものはちょっと別においてあげますというと、四百三十億というのが、何と申しましょうか、本来の金融公庫の活動部分でございます。それにつきまして、まだ経過中でございますので、これも見通しを立ててのことになりまするのでなんでございますが、三百数十億前後は少なくとも消化されていこうか、かように現在の段階では見込んでおります。
#13
○岩動道行君 たいへん不十分なお答えですが、これはいずれ項目等も、後ほど、委員会が済んだあとで申し上げて、資料を当委員会にお出しいただければしあわせだと思います。
 それから海洋博につきまして、国会内でもいろいろすでに論議が出ておるわけですが、この物価、労務等々、異常な状態の中で、計画が思うように進まないのではないかと、また、新聞紙上によれば、ある程度計画を延ばさざるを得ないのではないかと、こういったような政府の発言もあったようでございまするが、はたして、この問題については、どのように対処して計画を実行して、五十年の予定のときにりっぱな海洋博ができるという対策をお考えになっていらっしゃるか。
 また、これに関連しまして、海洋博の周辺等に不発弾等があるということを、実は、これは私は確認はいたしておりませんが、そういう話を聞いております。それが、もしそうであるならば、これに対する処置はだれがどうしてやるのか、なかなかこれは普通の人ではやり切れない仕事ではないかと、そういう意味から、場合によっては、現地の自衛隊等を活用するというようなことも考えられるのではないかと、かようにも考えるわけですが、これらについてはどうお考えになっておるか、あわせて簡潔に御答弁いただきたい。
#14
○国務大臣(坪川信三君) 国民の非常な関心を持っており、また、沖繩県の県民皆さまも非常な期待を寄せておられます海洋博をば、ぜひ予定のとおりにこれを開催いたしまして、これがひいては沖繩開発の大きい一つの役割を果たすものにいたしたいとともに、沖繩の本土並みの生活環境、豊かな社会資本の充実によってこれなどを並行的にやりたいということは、何ら変わりはないわけでございます。いま御指摘になりましたように、沖繩の現地におけるところの物価高その他を通じて、政府において予定の計画どおり行けるかどうかという、憂慮する旨の意向があるやに御指摘になりましたことも、実は、過般、社会党の沖繩に関連を持たれる代表の方が、官房長官、また、私がお会いをいたしましたとき、この緊迫性を指摘されました。そのときに、二階堂官房長官が、もし計画を変更せざるを得ないようなことになったならばたいへんだから、ひとつ政府もあげてこれに万全を期したいという旨の御発言のあったことは、私この耳で聞いておるのでございますが、私も、さようなことのないよう、開発長官として、ひとつ努力をいたしたい旨の返答をいたしておったわけでございます。私のところの小宮山副長官が非公式に参りましたそのとき、つぶさに現地の声も聞いてまいり、目でも見てまいったことの報告を聞きましても、なかなか容易ならない事態であるということの認識を、私自体も深くいたしておるのでございますが、しかし、政府といたしましては、これに対して、予定どおり海洋博を実施するという、開催するという目標に向かって諸関連事業を遂行いたしてまいりたいという基本方針は何ら変わっていないということは、ひとつ御理解いただきたいと考えておるような次第でありまして、それに対してそれぞれ万全を期したいと、こう考えております。
 次には、不発弾の処理の問題でございますが、もちろん重要なる世界的な催しでありますところの海洋博の現場周辺に、さような不祥なことがあってはたいへんでございますので、それらについても措置を講ずることは当然でございます。岩動議員御承知のとおりに、不発弾の処理ということは、やはり沖繩のみならず、内地の各地にもこうした不幸な問題が散在しておることも知悉いたしておりますので、政府は、このたびの四十八年度の予算編成に際しまして、最後の場になりましたけれども、官房長官あるいは自治大臣あるいは防衛庁長官、不肖私どもが相寄りまして、まことに予算の数の上においては少ないわけでございますが、一億円を計上いたしておるのでございますが、東京近辺の東久留米市などの不幸なことも、この間、問題として聞いてもおりますし、こういうような問題につきましては、やはり自治省の関係もございましょう、あるいは警察、あるいは防衛庁の御協力もいただかなければなりませんので、総理府といたしましては、また開発庁といたしましては、それらに対するところの調整をはかりまして、そして現地の現況に即応した除去態勢を、撤去態勢、あるいは、そうした点についての行政配慮をいたしてまいる調整の推進役を総理府がいたす、こういうふうな気持ちでおるとともに、内閣全体がこれに連体性の責任を持って処理するという方針であるとともに、海洋博周辺の問題につきましても、御心配のなきよう万全を期したい、こう考えております。
#15
○岩動道行君 それでけっこうでございますが、そういう意味において、いろいろな関係機関の調整を推進するという意味において、現地の沖繩県自体に対しても十分な協力姿勢をとっていただくように、特段の御努力をお願いいたしたい、かように思います。
 それから基地問題はたいへん大きいので、とても私の与えられた時間では質問が行き渡りませんので、ただ一つ、前回のこの委員会のあとで、実は北谷村の人たちがお見えになって、そして嘉手納基地の周辺に相当の余裕地があるといいますか、必ずしも基地として必要でない、自動車の、何か販売のための陳列場に使っている場所があるとか、いろいろ私どもが聞きましても、必ずしも適当でないような使い方があるようでございます。これは、開発庁自身の問題であるかどうかといいますと、むしろ基地の返還の問題にも関連しますので、後ほど外務大臣見えましたら、この点についてちょっとお尋ねをいたしたいと思いまするが、しかし、沖繩の地域住民の居住の問題、あるいはまた、経済の問題等から考えますると、これはやはりできるだけ地域住民の役に立つように、そして基地の役割りもそこなわないという立場で、十分にこれは開発庁におきましても、特段の御努力をお願いしなければならないと思うわけでございまするが、この点について大臣の御所信を伺いたいと思います。
#16
○国務大臣(坪川信三君) いま御指摘になりました問題については、村につきましては、つい先日、村長あるいは議長、その他各種団体の代表がお見えになりまして、切々と私に訴えられたのでございますが、その現況をお聞きするごとに、まことにお気の毒な感を一そう深くいたしておるような次第でありまして、村全体が全く基地化しておる。まあ三分の二以上も基地になっておる。村を越えて行く場合に、その道路をほんとうに遠くまで迂回して出て行かなければならぬというような現況、あるいは教育の上において、生活の場において、いかに、基地においての大きな公害を受けておられる点等も、私も十分一つの理解と同情を持ってお聞きいたしておるような次第でございますので、日米安保条約を保持、堅持しているという立場からのわれわれの政府といたしましては、やはりそれを踏まえながらも、しかし、基地の縮小、これはもうぜひともやらなければならない国家的課題であると考えておりますので、外務大臣その他外交の場を通じ、あるいは防衛庁のその場を通じ、また、私たちも政府あげて日米協議会等の場を通じて、これに対するところの基地縮小という、整理縮小という問題、ことばの表現は違いますけれども、私は、帰するところは一つである。現地の屋良知事あるいはその他関係者の言われる基地の撤去ということばと整理縮小ということばは、ことばはいかにも違っておるけれども、精神的な、私は主観的にも客観的にも、帰するところは一つであるという考えをもって、誠心誠意これに当たる考えであることを表明いたしておきたいと考えます。
#17
○岩動道行君 まあ一つの例として、北谷村の問題を持ち出したわけですが、この嘉手納基地は、やはり日本の基地、しかも、沖繩の基地という、いろいろな基地の中でも最も大きく、かつ、シンボルとして私どもは、国民は受けとめているわけです。したがいまして、この周辺の基地の一部縮小と申しますか、返還をして、地域住民のためにこれを活用する。これは非常に大きな国民的な受けとめ方にもなりますので、ぜひひとつ大きな課題として、真剣に、しかも早急に解決ができるように、一そうの御努力をお願い申し上げたいと、かように考えます。
 次に、これは日中の国交回復に伴いまして、沖繩に在住をしておりました台湾国籍、中華民国国籍の方々が国籍を離脱をして、ただいま無国籍になっておる方が相当あるはずでございます。これはむしろ法務省の問題になろうかと思いまするが、したがって、この無国籍の状態でいるということは、日常生活、経済活動、あるいは海外への旅行等々、あるいは学校等についても問題があるかもしれませんし、人間としての生活に非常に大きな支障があろうと思います。自衛隊の隊員が住民登録を拒否されて、非常に人権問題として大きく取り扱われておる。これは幸いにして解決をみたわけでございまするが、それと同じように、私は、日本に協力し、かつまた、沖繩の中において非常にりっぱな社会人として活動しておる台湾系の方、こういう方々が無国籍の状態であるということは、非常に問題であろうかと思います。それで、これは国籍を離脱をして、さらに一定の条件――五年以上日本に居住しているとか、その他社会生活の中において悪いことをしたかとか、あるいは税金を納めたとか納めないとか、いろいろな条件があって、それで日本に対する帰化が許されるわけでございまするが、日本内地においては、神戸とか大阪とか東京とか、そういうところに多く住んでおられる方々は、去年の九月ごろにはすでにその手続を開始いたしております。したがって、これらの方々は、日本内地においては大体何件ぐらいあって、それですでに何件ぐらいが正当な資格があって、許可を、国籍を取得をしたか。さらにまた、沖繩においては非常におくれておったようでございまして、去年の暮くらいから申請がぼつぼつ出始めたと、こういうような状況であるようでございます。しかし、沖繩の場合も、すみやかに処置をしてあげたい。ことに沖繩という特殊な立場から見ましても、私はすみやかにこれを処理してあげる必要があるのではないか、かように思いますので、沖繩においてはどれくらいの申請件数があって、これがどのように処理されて、どの程度で処理が終わるのか、その辺の実情と見通しをこの際伺いたいと思います。
#18
○説明員(清水湛君) お答えいたします。
 まず最初に沖繩関係でございますけれども、御質問にもございましたように、昨年の十二月から沖繩におきましても、那覇中央法務局に対しまして在日中国人の帰化申請がされております。その数は十二月中に二百十五名でございまして、昭和四十七年度中の申請者数が合計二百三十四名でございますから、その大部分は十二月に申請されているということになっております。
 なお、本年の一月末までにも八十四名近くの申請がございます。したがいまして、那覇中央法務局には一月末までで約三百二十名程度の帰化申請者が中国関係で出ているという状況になっております。
 次に、この全体でございますけれども、沖繩を含めまして、昨年中に中国関係で帰化の申請がありましたのは、数にいたしますと、約六千六百名という数字になっております。本年に入りましても、ややその傾向は衰えましたけれども……
#19
○岩動道行君 ちょっと簡単にやってくれないか、時間がないから。件数だけでいいや。
#20
○説明員(清水湛君) 人数は約六千六百名、沖繩におきましては三百十八名という形になっております。
 見通しにつきましては、現在、昨年じゅうに帰化の許可がされましたのは、中国関係で約千二百名ということになっておりまして、本年一月、二月に入りまして、次々と許可がされている状況になっておりますが、沖繩関係につきましては、まだそれほど進捗していないという状況でございます。
#21
○岩動道行君 それはわかっているから、一体いつごろまでに処理できるのか。
#22
○説明員(清水湛君) 帰化事件の処理につきましては、そのケースによりまして、いろいろ調査の時間とか量は違いまして、一律にいつごろまでということを申し上げるわけにはまいりませんが、法務省といたしましては、非常にこの中国関係の帰化申請は突発的なできごとでございますために、鋭意、これを早く処理をしたいということで、臨時の処理体制までしきまして処理している段階でございます。
#23
○岩動道行君 答弁、もっと簡便にしてもらいたいということを最初に申し上げたんで、よけいなことはおっしゃらないでけっこうですから。
 それじゃ、とにかく現地でのいろんな個人調査というものがあるんだから、それを非常に急いでやっていただきたいということと、それから、そういったような書類が本省に上がってきたらすみやかにこれも処理するということを、特に強く要望いたしておきます。
 それから、防衛施設庁の関係の方に伺いますが、騒音公害等に対するいろいろな補償とか、あるいは助成――防音装置に対する助成等が法律の三条、四条できめられておるわけですが、これらは政令等によって、対象物件が公共的な施設に限られておって、いわゆる一般の住民に対しては、それが対象になっていない。ことに、法四条によりますと、個人の生活環境等のために、「その費用の一部を補助することができる。」と、こう書いてありますが、当該市町村長に対して、政令で定めるところによって、その費用を補助するということであって、それの補助対象が、市町村からはやはり公民館だとか、いろいろ学校とかそういったようなものにどうも限られているように伺っておるんですが、一体民家にはどうしてこれをおやりにならないのか。問題は、そういう民家のほうにむしろ重点を置いてやるくらいのことでないと、私は、基地問題というものは絶えず問題になるし、われわれでもそれは非常な手落ちではないだろうかと、こういう感じがするわけなんです。
 たとえば、四条の防音装置につきましても、補助対象が公民館とか図書館とか、あるいは市町村の庁舎であるとか、あるいは病院とか、そういったようなものになっておりますけれども、一体この民家、普通の住宅にはどうしてこれがその対象になっていないのか。そうしてこれを今後早急におやりになるか。あるいは政令の段階で直ちにおやりになれるんではないかと、法律では私はできると思うわけです。それをどうしておやりになっていないのか、その理由だけをちょっと伺っておきたい。
#24
○説明員(高島正一君) お答え申し上げます。
 航空機の騒音に対する対策につきましては、防衛施設庁といたしましては、先生御指摘の防衛施設周辺整備法に基づきまして、現在、公共施設を中心として実施してきております。
 現行法では、個人の住宅は、先生御指摘のように法令上は実施できないことになっております。したがいまして、昭和四十七年度におきまして、防衛施設庁といたしましては、七百万円の予算を計上し、その工法等について調査研究を実施いたしまして、昭和四十八年度に、その調査の結果をもとにいたしまして、約一億円の予算を現在計上し、御審議を願っておるところでございます。したがいまして、この予算が成立いたしましたならば、当然関係法令を改正してこれを実施するように、現在鋭意準備中でございます。
#25
○岩動道行君 その場合は、一体その程度の金額で何件くらいが対象になるのですか。
#26
○説明員(高島正一君) 一戸当たり百万円といたしまして、大体百三十戸内外を予定しております。たいへん少ないという御指摘が当然あろうかと思いますが、何ぶんにも個人の住宅を防音化するということは、個人の住宅が千差万別でございますし、工法等も非常に研究を要しますので、相当時間をかけたわけでございまして、今後、これは相当伸びていくものというふうに期待いたしております。
#27
○岩動道行君 伸びていくものと思いますなんて、そういうなまぬるい姿勢だから、基地問題がいつでも各方面から指摘をされるのであって、積極的にこういう問題は政府が住民のためにやってあげなければいけない問題なんですよ。まあ、われわれもそういう点について、あるいは対策が足りなかったかもしれないけれども、政府でもっとこの点は積極的に、もっと大きな金を使っておやりになるのが私は当然だと思う。内地で空港ができないのも、そういった点が相当あると思うのです。ですから、この点については事務当局にも申し上げておきますが、いずれこれは国務大臣にもお願いをしなければならない。十分にこれは研究をして、そうして政令改正等はすみやかにおやりになって、そして基地対策の大きな一環として進めていただきたいと思います。
 時間がもう過ぎたので、実は沖繩大学の学生募集の問題が一つ残っているんですが、お約束を守らなければいけませんので、これは次の機会にまたするということにいたします。
#28
○鈴木美枝子君 坪川長官にお伺いいたします。
 三月二日に海洋博の起工式が行なわれたわけでございますけれども、祖国復帰後たった十カ月でございまして、祖国復帰になりました十カ月前の五月十五日には、私も十五日の日に沖繩に飛んでまいりまして、そうして現地を見たなんていうおこがましいことではなくて、あそこの方たちといろいろな話をしましたときに、まあ十五年間ドルを使っていた人たちが、円に切りかわるだけでもたいへんな操作だったと思います。十五年間もドルの生活をしていたわけでございます。そして円が三百五円、まあ一生懸命汗水たらしてためたドルも、たいへん安い円に切りかわって、ほんとうに貧しい貧しい生活で祖国復帰したわけでございます。海洋博がたった十カ月後で起工式が始まるあそこの中の住民の人たちの生活の立場なんでございますけど、いまあらたまってすぐに海洋博をつくったわけではなくて、東京におりましても、海洋博の付近は土地が買い占められたというようなことでございますけれども、もちろん十分皆さんお調べになっていらっしゃると思いますけれども、本土の人が行って買いあげたという、おかげで土地が三倍に上がっちゃっている。そういうことについては坪川長官は御存じでございましょうか。最近沖繩へいらしたのはいつでございましょうか。その買い占めた土地が何倍ぐらいに上がっているのかというのを、ちょっと具体的におっしゃっていただけませんでしょうか。
#29
○国務大臣(坪川信三君) 鈴木委員御指摘になりました、いわゆる沖繩の海洋博を中心とする土地の問題、それに先立って現地で坪川がどう認識しているかという問題でございますが、私は、沖繩復帰後一回行っております。それから復帰前には二度参っておりまして、宮古から八重山のほうの群島をつぶさに泊まりながら見てまいった経験は二回持っております。計三回でございます。私も沖繩開発長官になりましたので、ぜひともひとつ大事な職責でもありますので、復帰後の沖繩というものをぜひこの目で見、聞きたいと思って一応過般計画を立てたのでございますが、その計画が、衆議院の予算審議という大事な問題にもかかわりますので、万やむなく、心なくも延ばさざるを得ないという状態になっておりますけれども、私はぜひとも予算の成立、いわゆる、衆議院を通過いたしまして、参議院の予算の御審議をわずらわす総括質問が終わった前後には、ぜひ各党の御了解もいただいて、重要な問題でございますので、ひとつすみやかに早く今月中にはぜひとも参りたい、こういうふうな気持ちでおるのでございますが、その気持ちを一そうかりたてられておるのは、やはりいま御指摘になりましたような海洋博をめぐっての現地の物価の高騰、あるいは土地問題、あるいは消費者物価の問題、その他資材、労務の問題等も関連いたしておりますので、それをぜひともひとつ目で見てまいりたい、こう思っておるような次第であります。土地の高騰ということもいろいろと調査もいたしておりますし、大体中央部の付近、それから海洋博が予想される近辺というものの土地の高騰の事実も調査いたしておるような次第でございます。もうすでに復帰前、また復帰後直ちに、いわゆるレジャー、あるいは観光あるいはゴルフの施設等を予定されての土地の売買が行なわれた現実、あるいはこれからの予想を考えての土地のいわゆる計画買収をやっておられるというような現実なども、いささか勉強はいたしておるような次第でございます。しかし何といっても、この土地の高騰に対するところのやはり土地利用計画並びに土地の規制というような点に対しては、本土の土地税制対策あるいは土地対策に関連いたす重要な問題でありますので、沖繩の現地当局と密接な連絡を保ちながら、これらに対するきびしい対策を打ち立ててまいりたいと、こう考えておる次第であります。
#30
○鈴木美枝子君 いまたいへんよくなるような、りっぱなお話でございましたけれど、私が質問したのは、具体的にどのくらい上がったか。たとえば那覇でもって、市内で三万の土地が十万に上がっておる。大体三倍以上に上がっているというような状態があるわけでございます。海の近くとなりますと、やはり海洋博の近くですと、離島のほうが買い占められているのですけれど、ほとんど本土の人が行って買っているわけでございますね。一人で十万坪だの二十万坪というものを買って、そうしてそれが、だから、いまは私は那覇の例で言いましたけれど、三万の土地が十万に上がっちゃっている。先ほど十年後に豊かな沖繩、本土の人にとって豊かな沖繩になるのじゃないかなというようなイメージを私は持ちますのですけれど、そういう一つの例に集約して問題を見ますと、これは一九七三年ではまだ調べてないということなんでございますけれど、働いている人の人口、職別に分けまして、やはり沖繩では農業をやっておる人が一番多いようでございますね。女性の人だけでも五万四千人、男性の人で四万六千人、その一年前は六万二千人いたのに、だんだん少なくなるという現状の中の、基地の中の狭まれた農地、海洋博で土地を買われた中の農地ということになりますけれど、おもに生産されているサトウキビなどを、十年後といわなくてもいいから、二、三年の間に農業を一体どういうふうな目的で、この一番労働人口の中でも農業をやっている人の多いという沖繩の中で、一体どういう目標を持って農業に対処しようとしているのかということを、ちょっと具体的に言っていただきたいのですけれども。
#31
○国務大臣(坪川信三君) 先ほどの前段での御質問でございますが、大体復帰前の一年から復帰後の半年、いわゆることしの一月ごろまでの土地の売買という問題を調査いたしますと、確実に売買されたものが六千万平米でございます。うわさになっておるのが千二百万平米、それから賃貸借が行なわれておるというのが八百六十万平米というようなことで、大体八千万平米という状態であります。その後もう三カ月、四カ月たっておりますから、ずいぶん促進をいたしておるのじゃないかというような気持ちは十分ございます。したがいまして、沖繩全土に比べますと、沖繩全土に対する比は二・四八%というふうな状況でございます。しかし私どもといたしましては、こうした高騰に対する抑制、利用計画、さらには先ほど申し上げましたような方針で取り組んでまいりたい。また沖繩屋良知事が非常に要請されましたいわゆる土地対策に対するところの土地基金ということからくる公共用地の土地の確保という立場から、本年度予算上十億円を計上いたしまして、三年間で約三十二億をもって、沖繩の大事な公共用地の獲得に資するための土地基金三十二億円をば計上もいたしております。
 次に、御指摘になりました沖繩のいわゆる農業の問題、これは沖繩のやはり重要な一つの産業政策の中の最も柱にならなければならない産業でございます。ことに、鈴木先生御承知のとおりのパインアップルとか、あるいは亜熱帯地域におけるところの独特の野菜、あるいはお茶、あるいは養蚕というようなことを基礎においての、大切なサトウキビ、そうしたものを含めての特異性を持った農業政策の柱であることを考えるときに、政府といたしましては、これらに対するところの基盤整備あるいは土地対策をめぐっての技術の指導、あるいは優良な土地の確保への援助資金等、内地以上の私は農業政策に対するところの生産保護対策を打ち立ててまいりたいと、こう考えておる次第であります。
#32
○鈴木美枝子君 そうお考えになっていても、今日、いまなされてないということなんです。いまお考えだけは聞きましたけれども、いまなされてないということの中に、もっと具体的にいえば、物価が上がったとばく然としておっしゃいますけれども、海洋博で建設現場の労働者が一人当たり日当が六千円から七千円になっているんです。一年間農民が汗水を流してつくったサトウキビ一トンが七千円、これは農林省がきめた額で、四十八年度きめたのでございますけれども、そういう運搬する労働力の問題と、一トンが七千円と、海洋博をやったために労働者の、建築業者などが七千円になるというような、有機的な関係を別々に考えるわけにはいかないと私は思うんです。つまり、つくりっぱなしでほうっておくわけにはいきませんから、つくったものを運ぶにしましても、一トン運ぶには三人かかるんです。いままででしたらあちらはたいへんに安い賃金で運ぶわけですけれども、女性で千円、男の人が運んで千五百円、それが三人がかりで運ぶ。海洋博をやって物価が上がりましたから七千円、労力が七千円になっちゃったために、サトウキビを運んで、そして出荷することもできなくなっているような状態なんですけれども、その辺のところは、農林省の方はそこまで考えておやりなんでしょうか、ちょっと御答弁をお願いいたします。
#33
○説明員(今村宣夫君) ただいま先生のおっしゃられましたように、そういう公共事業が行なわれます場合にありましては、どうしてもそちらのほうの賃金が高いということで、先ほど御指摘がございましたようなサトウキビの価格との関連性を考慮しておるかという問題でございますが、全体的な労働需要に基づきます賃金の上昇が農業経営に及ぼします影響というのは非常に大きなものがございます。これを私たちは十分念頭に置いて今後の農業生産を取り進めていかなければなりませんが、沖繩の非常な主要作物でございますサトウキビにつきましては、私たちといたしましても、最低生産者価格を定めまして、その保障をいたしておるわけでございまして、本年度も相当の幅でこの保障価格を引き上げたわけでございます。さらにまた、実際の取引価格につきましても、これに上乗せしてきめられておるという状況でございますので、サトウキビの価格そのものの保障を行.ないますと同時に、やはり先ほど長官からもお話がございましたように、基盤整備を徹底的に取り進めまして、そして生産性の高いサトウキビ栽培をやっていくということが振興の基本的な方向ではないか。ほかの賃金が上がりますと、そういう大きな事業が行なわれますときの賃金の上昇をすぐに価格をもって処理するということはなかなかむずかしい問題でございますが、私たちといたしましては、そういうことで、十分にサトウキビの生産性をあげるような生産対策なり、あるいは最低の生産者価格の保障なりということにつきましては今後十分考慮して対応してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
#34
○国務大臣(坪川信三君) 鈴木委員非常に御熱意と御心配をもっての農業政策でございますから、大事な問題の基本だけを申し上げておきますが、開発庁といたしましては、いわゆる沖繩本土の基盤整備ということが非常に大事な農業政策の基礎をなすものでございますから、本年度は三十億五千万、昨年度の二十七億に対しまして約三億の増を盛っておるような次第でありますとともに、農林省自体におきまして、いわゆるあらゆる農業政策を含めましての予算配慮は、四十八年度は八十一億八千万、昨年度の五十六億に比べますとかなりの増をいたしておると、こういうようなことで、政府といたしましては沖繩の農業政策に、十分御期待には添い得ませんけれども、留意、配慮をいたしておるということは御理解いただきたいと、こう思います。
#35
○鈴木美枝子君 御期待に添えませんがということばが気に食わないのですね。いま現に、お金の数字は一ぱい聞くわけですけれども、私が農民の方たちからじかに聞いたところによると、さっき言いましたように、運ぶこともできない。運ぶこともできないから、自然に海洋博のほうの労働に仕向けられる。いや応なく農業を放棄して仕向けられる。そうしてそのサトウキビは牛や馬に食わせたほうが安くつくんだというような現状がいま、きょうあることに対してすぐ解決していただきたいという気持ちがあって私はお伺いしたわけでございます。現にとれているサトウキビについて、それではどうかするというようなことを農林省はすぐにお考えになっていただけますでしょうか。
#36
○説明員(今村宣夫君) 沖繩のサトウキビにつきましては、国全体の甘味資源政策はもとよりでございますが、地域農業振興の見地から、農林省としては十分その育成対策を考えておるつもりでございまして、糖価安定事業団による買い上げ措置を講じましてまいっておるわけでありますが、さらにまた、この事業団の買い入れ価格ではコストを償えないような離島につきましては、臨時糖業の助成金を交付するというふうなこともいたしております。私、砂糖の直接の担当ではございませんので、具体的などの地域のどういうサトウキビが運べないかということはちょっと承知をいたしておらないわけでございますが、政府といたしましては、先ほど申し上げましたように糖価安定事業団を通ずる買い上げ、あるいはまた離島につきましては臨時糖業助成金というのを交付してさらに基盤整備を取り進め、この生産性の向上をはかってまいるというつもりで対応いたしておるわけでございます。
#37
○鈴木美枝子君 さしあたって、至急、十一月から三月までが刈り入れでございますから、早くしていただきたいというふうに思います。先ほどから、土地は本土の人に美しいところを買われ、農民の方たちはそういう状態。
 そのほかについて二つばかり沖繩の方たちが心配していらっしゃる点についてお答えしていただきたいのですけれども、大阪の万博の例もありまして、大阪の万博はほとんど建物を取り除いた、道路や土地がきれいになったという一点はありますけれども、だけれども沖繩で海洋博をつくりましてそのまま保存する、あとの経費のことまで考えていらっしゃるでしょうか。これは長官にお聞きしたいです。
#38
○国務大臣(坪川信三君) 御承知のとおりに沖繩海洋博が五十年に開かれるということ、またこれに対応する諸施策の所管の専管大臣は、通産大臣が沖繩の本部長をやっておりますというような状況でございますけれども、沖繩の今後の開発に、また沖繩の十年後の基本計画を推進していく場に立っての私といたしましては、これらのあと地利用ということについては、私も十分意見を加えながら、これらのあと地利用には地域住民または沖繩の当局等の意見も加えまして、地域住民の期待に添うような利用計画を立ててまいりたい。いまはこれを推進するところに専念いたしておりますので、それの見通しが立つに従って、あと地利用についてはこうした関係各大臣が十分ひとつ配慮いたして地域住民の御意向に添い得るような対策を立ててまいりたい、こう考えております。
#39
○鈴木美枝子君 そのことはどうぞよろしくお願いいたします。
 それからもう一つだけ、時間がございませんので。沖繩の方がたいへん心配していらっしゃるのは、道路の整備された、たとえば高速道路になるんでしょうか、あそこは国鉄やそういうものがございませんから、省線もございませんから、どうしても道路を、あそこを歩くのにやはり自動車を使うとかということはたいへんに重要なことになっております。道路をつくりまして、有料道路にするんでしょうか、どうでしょう。なるたけしないでほしいんですけれども、その点について長官、御返事をお願いします。
#40
○国務大臣(坪川信三君) なるべくそうありたいと思いますけれども、いまの計画からいきますと、有料道路として、一部有料道路の計画、高速道路を計画いたしております。他は一般国道としての拡幅、また道路の改修をいたしてまいる計画でございます。
#41
○鈴木美枝子君 そのことをものすごく沖繩の方たちは心配しておりました。国鉄がございませんので、有料にされると足を奪われることになりますので、できればなくなしていただきたいと思います。長官、どうぞお約束してください。有料はなくなしていただきたいと思います。
#42
○国務大臣(坪川信三君) まあ鈴木委員の御心情、十分そんたく申してまいりたい。しかし、全部を有料道路でなくするということは困難であるということの立場もひとつ御理解願いたいと、こう思っております。
#43
○鈴木美枝子君 理解することはできません。
 どうもありがとうございました。
#44
○政府委員(渥美謙二君) 有料道路につきましては、今度の海洋博関連事業といたしまして、石川から名護市に至る間、これを道路公団が有料道路でやると、こういうことになっておりますが、その場合、沖繩の事情等も十分配慮されておりまして、一般の本土の場合には大体資金コストを、六%の資金コストがかかるような資金で道路建設をすることになっておりますが、沖繩の場合には三%ということで安くあがる。したがって、それが、この運賃も安くあがる、かような特別な配慮がされております。
#45
○三木忠雄君 時間が限定されておりますので、私は海洋博とそれから大臣の所信表明に対する若干の質問をしたいと思います。
 官房長官がまだ見えませんので、海洋博の問題はあと回しにしまして、大臣の所信表明の中で特に、「長年にわたる本土との隔絶により経済、社会等各分野で本土との間に生じている著しい格差を早急に是正する」と、こういうふうな所信表明が述べられているわけです。この問題を考えますと、沖繩の振興開発計画の問題とからみ合わしまして、具体的に開発庁長官として、本土との格差是正をどういうふうな段取りで行なっていくのかどうか、まずその問題を伺いたいと思います。
#46
○国務大臣(坪川信三君) 所信表明のときに申しましたごとく、沖繩の開発の基礎的な私の構想といいますか、それは、いま御指摘になりましたように、本土と沖繩との格差をなくするということ、また多年異民族に支配されておる沖繩県民に対する労苦に報いるだけの施策を行なうということ、また本土に復帰してよかったという喜びと感激を与えるというのが沖繩対策の私の三つの柱でございますが、いまおっしゃったように、本土との格差をなくし、そして労に報いるためには、何といっても沖繩県民の生活環境を豊かにするということ、しあわせにするということ、本土との格差をなくするということ、そうした立場から考えますと、私は、いまの非常におくれておるところの沖繩の社会資本の充実を、おくれを取り戻すということ、これが第一。第二番目には、やはり社会福祉政策を推進いたしまして、生活環境の豊かさを取り戻すということ。もう一つは、やはり文教、教育問題に対するところの施策に万全を期しまして、その施設、あるいは環境、内容等に充実のあるところの文教対策を打ち立てるということ、しかもそれに対するところの保健衛生という問題に対してのやはり施設、医療対策、保健衛生対策等の推進を強くはかる、こうした施策の具現をはかるということがさき申しました道に通ずる仕事ではなかろうか、それに対応いたしてまいりたいというのが私の考えであります。
#47
○三木忠雄君 それでは、官房長官が忙しそうなので、私、官房長官に質問を先にいたします。
 官房長官が発表されたこの沖繩開発庁に対する指示として、海洋博の四十八年度の事業計画を縮小するという問題が、沖繩現地では、これはマスコミ等を通していろいろ間接的に知り、現実に沖繩の県民が、いろんな事業の関係、あるいは物価の高騰の問題、労働力の問題、こういう点に対して非常に不安感を持っている。この問題に対する計画縮小なのか、あるいは事業規模をこのまま続けるのかということが非常に論議をされながら、まああとで総務長官にも聞きますけれども、現実に官傍長官の談話の真意というものがどこにあったのか、この点についてまずお聞きしたいと思います。
#48
○国務大臣(二階堂進君) いまお尋ねになりましたことが私のほうにも伝わってきておりますが、御承知のとおり、海洋博の起工式も行なわれたわけでありますし、それと同時に、国会の先生方からも、あるいは社会党の方々、特に安井先生、上原先生、井上先生お見えになりまして、この物価騰貴、労務者の不足、まあいろんな問題が起こっているわけです。だからこういう問題に対して政府は打つべき手を打ちなさい、こういう強い要請がございました。そのとき安井先生は、組合のほうでもこの万博を延期せよとか、やめろという意見まで出てきておりますよという意見も私に伝えられました。そういうことになりますとこれはたいへんなことでございますよ、それはほんとうですかと言ったら、上原先生が、それは待ったと、そんなことはないよ、こういうようなことなども交えての私に対する陳情でございましたので、私も深刻な事態であるということはよくわかりましたが、ちょうど万博のときに同じような現象が起こったこともよく承知をいたしております。労務者が非常に不足する、資材が一ぺんに投入されるということなどがありまして、大工、左官などの職業を持っている人は、日給大体二千円のやつが一カ月もたたないうちに五千円になった、七千円になったということがありました。したがって、沖繩は御承知のとおり狭い地域でもありますし、それは相当の規模の事業が開始されている、四十七年度から。四十八年度については相当な公共事業、あるいは民間の事業等々行なわれておる。したがって、労務者の不足というものは非常に深刻なものだと考えられます。特に資材の不足、輸送関係等もあって、それに伴う値段の引き上げとかというようなものがあって非常に困っているということでありました。そこで私は、ちょうど小宮山総務副長官も沖繩に起工式のために行っておられましたから、直ちに電話をいたしまして、――総務長官に連絡するひまもなく、実態はどうなっておるのかよく把握してきなさい、陳情も受けてきなさいと言って、滞在期間も少し延ばしてもらって、そしてお帰りをいただいたわけであります。その報告も私はいただいておりますが、そのときに、当面そういう問題が起こっておりますから、労務者等の対策もできる限り考えていくべき必要がある。同時にまた資材の手当てもできるだけ、内地から運ぶわけでありますが――現地調達ができないものばかりでございますから、そういうこと等についても万全な対策を講ずべきだ。これは建設省のほうにもお願いしましたし、なおかつ通産省のほうにも、主管大臣が通産大臣でございますからお願いをしました。そういうことなどを、すぐ打つべき手は打たなければならぬと言ってやったわけですが、そのときに、一ぺんにこの規模が、あの狭い地域において公共事業その他が一ぺんに始まるということも、まあインフレマインドがまた高まるゆえんでもありますし、私は海洋博覧会の全体の規模を縮小しろということじゃないんだと、さしあたりまあ三月に行なうべき事業を五月以降に繰り延べるとかなんとか、そういう方法もこういう過熱した状態を冷やす一つの要因にもなるんじゃないか、一たんいろんなものがレールに乗ってきますと、それをさらに二、三カ月あとに仕事をふやしていくということも一つの考え方じゃないかと、そういうことを申し上げたのでございまして、決して海洋博覧会全体の事業を縮小するということではないということを私は申し上げたつもりでございますが、それが誤り伝えられて、何か全体の規模が縮小されるんじゃないかというふうに誤り伝えられておるとすれば、それは私の言った真意ではございません。私は、今月三百億仕事をするならば二百億にして、五月、六月にその事業を延ばしてやることも一つの方法じゃないか、検討してみたらどうですかと。しかし海洋博覧会全体の規模を縮小するということは、これはもう国会でも決議になって、その上で立てられた計画でもございますから、そういう考えはなすべきではないが、当面一ぺんにかかる仕事を少し延ばすのも一つの方法ではないかと、こういうことを申し上げたのでございます。
#49
○三木忠雄君 そうしますと、海洋博の事業自身は縮小しないと、これはいいですね。
#50
○国務大臣(二階堂進君) ええ。
#51
○三木忠雄君 そうしますと、沖繩の公共事業――海洋博を除く社会資本の投資あるいは福祉施設の充実、こういうほうの関連事業をおくらすと、こういうぐあいにとってよろしいですか。
#52
○国務大臣(二階堂進君) 私は具体的に関連事業を延ばせとか、あるいはいま海洋博覧会本来の事業を繰り延べろとか言って、具体的に私は考えを述べたわけじゃございません。そういうこと等もひとつ検討をしてみたらどうかと。私は具体的に、関連事業を延ばせとか、あるいは本来の仕事を延ばせとか、そういう具体的なことを申し上げたんじゃないのであります。何かそういう方法があるならば、一つの冷却する要因にもなるんじゃないか、しかし、全体の規模を縮めるというんじゃないですよ、そういうこともやはり行政の立場にある者は考えてみるのも一つの策じゃないかと、こういうことを申し上げたのでありまして、具体的にその関連興業であるとか本来の仕事であるとかいうことを申し上げたのではございません。
#53
○三木忠雄君 どうもそこは真意が、沖繩の実際にインフレマインド、いろいろ物価高等で悩んでいる沖繩県民にとっては真意がわかりかねている。これはなぜかといいますと、やはり海洋博は現実にいまのローテーションからいっても非常におくれをとっているわけです。これは各省ばらばら――あとで申し上げたいと思いますけれども、各省のいろいろなばらばらな施策というか、通産省がやってる関係上か、いろいろ政府は総合的な取り扱いが非常に弱い。こういう体制で非常にばらばら行政が行なわれて海洋博の事業が非常におくれておるわけです、現実に。それにもまして規模は縮小しない、いわんやその事業を少しおくらせろという形態をとりますと、現実に沖繩の社会資本のおくれを助長さしていくような官房長官の発言になるように私は思うんですけれども、この点もう一度。
#54
○国務大臣(二階堂進君) 先ほど申し上げたとおり、私は全体の規模をどうしろとか、具体的にこの仕事をあとに延ばしなさいと言ったのじゃないし、また、ばらばらになっておるということの当面の施策は、総務長官もおられますし、建設省も、事業の主体は、公共事業の主体は建設省でありますから、建設省もおられますから、よく総合して、ばらばらにならぬような仕事を進めていただかなきゃならぬと思っております。で、私が申し述べたのにもし誤解があるといけませんから、ここに総務長官もおられますから、私の真意をひとつよく伝えていただきたいと思います。そうでなければ、どうも官房長官よけいなことを言ったなんて言われると、私の真意が誤り伝えられることになりますから。私はいま申し上げるとおり、あの狭いところでありますから、たいへんな公共事業、関連事業あるいは建設事業が行なわれているわけであります、特にホテルあるいは民間の住宅。そうしますと、いまちょうどサトウキビの時期でもありますし、一番労務者が不足してるときであるということもよく承りました。タクシーの運転手もタクシーを捨てていま畑に働いているときだと。従来は、日中国交正常化以前は台湾から三千人ぐらいの労務者も入っておった。サトウキビ、パイン、その方々も来られなくなった。したがって、労務関係というものが非常に窮迫している。ちょうど万博のときに、先ほど申し上げましたとおり左官とか大工さんの日当が二千円から五千円、七千円になった……。
#55
○三木忠雄君 簡単でいいです、時間がない。
#56
○国務大臣(二階堂進君) そういうこともございますので、私はそういうこと等もあってはならぬので、何か労務者が足らないというなら、本土から物を運ぶ土建の方々も相当な人を運んでいただきたい。労務者も十分運んでいただきたいと、こういうことを申し上げた。今度は、本土から行く人は一人航空輸送賃その他含めて五十万円の支度金がなければいけないと、こういうこともございます。こういうことなどもいろいろ承りましたので、できればそういう過熱したものを、インフレマインドもあると私は思いますから、だからそういうものを幾らかでも鎮静しながら、当面おくれている仕事にも着工していかなければならぬ。とりあえず物が高くなった、人が足らない、労賃は高くなった、こういうことが非常に深刻に叫ばれておりますから、それをおさめるのにはどうするのかと、具体的にはそれらの措置は総務長官、建設省、それから通産省のほうにもお願いしますと、あるいは労働省においても基準局長等を通じて災害事故等が起こらぬようにしなさいと、こういうことも、私はよけいなことでありましたが申し上げておいたわけでございまして、そういう趣旨であることをひとつよく御理解いただきたいと思いますし、また総務長官のほうからもひとつ現地に私の真意を十分理解できるように伝えていただきたいと思います。これはおられますからお願い申し上げておきます。
#57
○国務大臣(坪川信三君) 三木委員の御心配になる点は、先ほど岩動委員が私に御質問になりましたので、私もこの問題については政府の何ら変わらないところの方針と、またあのとき、いわゆる社会党の方々がおいでになったときには官房長官と私も立ち会っておりましたので、そうは解釈いたしておりませんと、官房長官の発言はこういう意味の発言であったということは、さっき岩動委員にも申し上げましたとおりでございまして、すなわち海洋博に対するところの規模と内容、あるいは関連事業等において縮小とか、あるいはそれを繰り延べるというような問題にはいささかも触れておられません、官房長官。いわゆる御指摘になって、安井議員あるいはその他の議員の各位が、もしこれがこういうような状態であるから事業の規模の縮小をはかるとかいうようなことになるようなことになる心配がありますよと、こう言われたものですから、官房長官は、また私も、そういうようなことになってはたいへんですから、政府は全努力と万全の対策を講じますから御協力をいただきたいと、こう言ったことは事実でございますから、この委員会を通じて沖繩県民の各位にもひとつ御安心を願って、政府の施策に御期待を願うよう、また三木委員も御理解をいただきたいと、こう考えて、明確にしておきたいと思います。
#58
○三木忠雄君 どうも話の食い違いか、あるいは聞き違いか、いろいろな点でそういう報道がされるということは、やはりその施策自身が、いま総務長官からいろいろそういう施策を講ずるんだと、万全な政策をやると言うけれども、現実にこの海洋博を目ざして沖繩が労務の不足あるいは物価高、海洋博に関連するいろいろな問題が起こってきているということに対する、政府は、じゃ具体的にこの問題を、五十年三月までに開催されるこの海洋博に対する具体的な施策はどういうふうにやるつもりですか。
#59
○国務大臣(坪川信三君) それにつきましては具体的にお答えを申し上げたいと思うのであります。
 御承知のとおりに、土曜日にお会いをいたしまして、そうして直ちに官房長官と私とが連絡をいたしながら、各省庁に対しまして、すなわち建設省に対しましては、すみやかにその事業の推進のための調査団を派遣してほしいということ、建設省はそれを受けて直ちに調査団を出すという、直ちにその措置をとられるということ、また推進本部にありますところの御承知のとおりのいわゆる施設部会――建築等を含めまして、いわゆる部会を二つ、関連事業の部会と二つを、本部にもございますし、御承知のとおりに現地の沖繩にもございます。この現地と本部との部会を直ちに開催を願って、これらの労務、資材対策の確保及び関連事業の推進等に対するところの計画的、総合的にこれを推進するという当面する緊急対応策を講ずるという方針もとっておるような次第でありますとともに、労務関係におきましては、労働省に連絡をとり、指示いたしまして、資材、労務の確保をはかるよう、いま労働省もそれに対応策を講じておられる。私のところの開発庁におきましては、緊急施設部会を開きまして、これらの万全の関連する問題に対する協議をいたしまして、私も両局長並びに事務次官にも命じまして、各省庁との連絡をもうきのう、おとといからすでに開始をいたしておるということで、具体的に進めておるという政府の意のあるところはひとつ御理解願いたいと、こう思っております。
#60
○三木忠雄君 官房長官もいらっしゃいますので、これは私、要望も兼ねて質問しておきたいと思うんですけれども、現実に総務長官の答弁、あるいはいろんな声を聞きましても、その沖繩のたとえば、私、具体的に時間があればいろんな問題点を取り上げて質問したいんですけれども、輸送の問題一つを考えましても、関係者自身がもうできない、こういうふうな結果に踏み切っているわけでしょう。この問題に対してだれが責任を持って海洋博を推進するのかという、まあおそらく通産省と、こういう答弁が私返ってくると思うんです。海洋博は通産省にまかせる。したがって、通産省傘下に入って労働省やあるいは運輸省やあるいは各省がその問題を推進するといっても、現実に通産省の当局ではそれを推進する能力はないといっても私は言い過ぎではないと思うんです。そういう点で、私はこの海洋博に関する問題が、沖繩県の県のいろんな事業の問題にも関連してまいりますし、あるいはこの海洋博のいろんな行事によって、仕事等によって、その県民生活が相当圧迫されるという問題、あるいはせっかくテーマを掲げた海洋博の問題が二年後にいろんな問題を惹起するような点が、たとえば交通の問題一つ取り上げてみても、那覇空港の返還の問題から輸送の問題を考えてみましても、これはたいへんな問題だということ、この点において、やはり開発庁の中にあるとかあるいは通産省の中にあるとかいうんじゃなしに、やはり政府自身がもっと強力なリーダーシップを持って、海洋博の問題あるいは深刻な沖繩のこの物価高の問題等に対して真剣に取り組む政府の姿勢が、私はもう一歩強い立場から、高い立場からやるべき機関が必要ではないかと、こう考えているんですけれども、この点いかがですか。
#61
○国務大臣(二階堂進君) 御指摘になりましたことは私もよく理解できますから、通産省、通産大臣がその海洋博担当大臣といわれておりますけれども、実際施行される事業は各省にまたがることも多いわけでございますから、そういう点につきましては、総務長官のほうでいまもお述べになりましたが、真剣にひとつ対策を着実に実行ができるようにし、私もまた政府の窓口といたしまして、強く強力に体制を一そう推進するようにいたしたいと思います。この海洋博覧会の事業というものは、御承知のとおりオリンピックとか万博とか、これは単に沖繩県だけの仕事ではありません。国際的に世界の国々の参加を求めている仕事でございますから、期日までには何としてもこれは完成をなさなければ日本の信用にかかわる問題でございますから、年度内には必ずこれが完全に施設ができ上がるという方針で、今後も一そういまお述べになりましたことも頭に置きながら、強力にそういう体制をもって推進することに努力をいたしたいと思います。
#62
○国務大臣(坪川信三君) いまの御指摘になりました問題、官房長官お述べになりましたとおりでございますが、当面する問題は、やはり何といっても労務の確保という問題、それから資材の確保、また資材の輸送、また資材の保管、こういう問題が当面する非常に重要な問題でありますので、政府といたしましては御承知のとおりに推進する本部を設けまして、いわゆる通産大臣が本部長に相なって、そして副本部長が沖繩開発の副長官、また内閣の官房副長官、この方が副本部長になって、すでにもう体制も整えて、そして御承知のとおりに施設部会を開きまして、そしていろいろの重要な問題、いわゆる労務の要求に対するところの能力がどれだけあるかというような問題、たとえば労務の問題、あるいはセメントの問題、あるいは鉄骨の問題、あるいは砕石の問題、砂の問題、これらに対するところの需要量と、またこれに対する供給能力がどの程度であるか、それではその供給能力の不足がどこまで及んでおるかという場合のひとつの配慮をすでにいま開始いたしておりますので、どうかひとつその点は御期待を願いたい、こう思っております。
#63
○三木忠雄君 この海洋博の推進のために突貫工事をやるいろんな関係から、沖繩県民の本来の生活、あるいは環境の整備、あるいは社会資本の充実というのが相当私は阻害されてくるのではないかと思うのです。したがって、海洋博の推進本部のほうは一生懸命進むかもしれないけれども、それに派生する沖繩県民の生活に対するデメリットの面、この問題に対する対策を政府としてどう講じていくかということが私は重大なる問題だと思うのです。これに対する考え方は、総務長官どう思っておりますか。
#64
○国務大臣(坪川信三君) たいへん失礼でございますが、さっき沖繩開発の副長官と申しましたが、副本部長でございますが、これは沖繩開発庁の事務次官ではなくて、総理府の副長官であるということでお願いいたします。
 その次は、いまの問題でございますが、これは御承知のとおりに総事業費が一千……。
#65
○三木忠雄君 簡単でいいです。デメリットの問題。
#66
○国務大臣(坪川信三君) いや、あなたが御心配になっておりますから、いわゆる公共事業のおくれを来たすのじゃないかという問題から、政府がこういう具体的な政策をとっているということの御理解を得たいから、具体的に申し上げなければ沖繩県民に対して不安と動揺を与えては私は心もとないと思いますので、申し上げますならば、海洋博の関連事業だけでございますが、約一千二百億でございます。それに対しまして道路、港湾などの公共事業にかかわるもの、また道路整備等に対して二百十三億、空港整備が九十億円、港湾整備が七十億円、治水事業が四十六億円、下水事業が約四十九億円、また水道事業が約十五億円、ごみ屎尿処理等が約五億円、公園事業費が約八億円、計四百九十六億円のほかに、沖繩の縦貫道路といたしましてのこれらに対する約四百三十億円、通信施設で約二百七十億円の整備、公共事業のおもなものは道路整備、一般国道、さっき鈴木委員御質問になりました一般国道の問題、主要地方道の問題、空港整備、那覇空港あるいは伊江、宮古、石垣の各島々の空港、港湾の整備というような意味において公共事業が、これと関連いたしながら私は社会資本の充実がはかられる、これが私は沖繩開発の基礎をなす十年計画の推進の一つの大きな核、柱になってくることを私は期待しているような次第であります。
#67
○三木忠雄君 まあそれは実際に施行され、現実に沖繩の県民の生活が安定できる方向に、海洋博のためにいやしくも沖繩県民の生活が不安になった、こういうことのない、政府として万全の対策を私は講じてもらいたいと思うのです。これはひとつ要望をかねてお願いしておきます。
 時間もありませんので、あと一点だけ、格差是正の問題でございますけれども、所信表明の中に、基地問題に対しては開発庁長官として一言も触れていないのです。沖繩の振興開発計画に、基地問題を抜きにして振興開発計画はあり得ないと思う。これは審議会の答申にも出ているとおりです。こう考えますと、この基地問題は、先般の衆議院の委員会においても、外務省やあるいは防衛庁にゆだねることなしに主導権を持って総務長官が当たるという話を私は漏れ聞いたわけでありますけれども、現実に、沖繩振興開発のためにこの基地問題をどういうふうに総務長官が今後処理されていこうとしておるのか、これを伺いたい。
#68
○国務大臣(坪川信三君) おことばを返すようですが、基地問題に触れていないというおしかりを受けておりますが、先ほどから、御質問に相なりますれば基地問題には私は十分誠意をもって御答弁申し上げておるので、三木委員の基地問題に対してはいま初めてでございますので、不誠意、誠意の問題でないということはひとつ御了承順いたいと思います。
 基地問題は、やはり何と申しましてもわれわれの、沖繩県民の非常に重大な関連をもつ国民的課題でございますので、これに対するところの整理縮小をはかるということは当然の国家的仕事でございます。したがいまして、政府もあらゆる場を通じてこれに対するところの達成のためにいろいろと努力もいたしており、また、所管大臣であるところの外務大臣、あるいは防衛庁長官もいろいろの場を通じて努力もいたしておられる。そして過般の日米協議会において、御承知のとおりの縮小が内地及び沖繩においてもひとつの見通しができましたことは、樹立されましたことは、非常に私たちは喜んでおるのでございまして、その方針で、ひとつあくまでもその縮小整理に全力をささげてまいりたいと、こう考えております。
#69
○三木忠雄君 具体的な問題としまして、那覇空港、これはもう返還の目玉商品であったわけです。海洋博でも非常に重要な空港になるわけです。これはターミナルができなくて困って、現実に別のほうにつくるようになっているわけです。これはあとで外務大臣に質問したいと思っておりますけれども、開発庁として沖繩振興開発の中にこの空港をいつまでに返してもらうつもりなんですか。開発庁側としての意見を私は聞いておきたい。
#70
○国務大臣(坪川信三君) これはなるべくすみやかな機会にこれを返していただくよう念願いたし、努力をいたす所存であります。
#71
○喜屋武眞榮君 私も初めに海洋博に関してお聞きしたいと思います。申し上げるまでもなく、海洋博は沖繩永遠の基盤づくりをして、その上に経済発展と県民の福祉という、こういう意図を持っているわけですが、現状は県労協を中心とするこれに対する拒否反応、あるいはもう海洋博は返上したほうがいいという、こういった空気もあることは御存じでありましょうか、長官。
#72
○国務大臣(坪川信三君) いまの喜屋武委員の御指摘でございますが、一昨日も私のところの小宮山副長官が帰っての報告によりますと、屋良知事はじめ、現地の官民あげて沖繩博の成功と期待に非常な熱意を持っておられる。したがって政府は、それに対して期待にこたえなきゃならぬという気持ちを持って帰りましたという報告を受けるにつけましても、私といたしましてはこれを中止するとか、あるいは海洋博をお返しするなんという気持ちは、また政府もみじんも持っていないことを表明申し上げておきたいとともに、そうしたお声のあるなしを別にし、またそうした不平と不安感が起きないように政府は最善の努力をいたしてまいりたいということで御了解願いたいと思います。
#73
○喜屋武眞榮君 なるほど、三月二日に起工式が始まって、いわゆる成功を期して、完全成功を期して決意を新たにして出発しておることは申し上げるまでもありません。しかし、私が聞きたいことは、そういった声の底に、この海洋万博に対する拒否反応、返上したほうがいいんじゃないか、あるいは県労協を中心とするこれに対する非協力ののろしも上がりつつあるということは御存じですかということなんです。
#74
○国務大臣(坪川信三君) そうした世論の背景のあることも、私は沖繩の現地の新聞等も毎日欠かさずに読んでおるのでございますが、そうした声の一部にあることも、一つの声としては聞いております。
#75
○喜屋武眞榮君 いまの御答弁によりますと、一部の声としてという非常に軽い気持ちで受けとめておられるところに問題があると思うのです。これは実に重大な問題であります。そういう県民の声に、なぜそういう声が起こるかということを真摯に耳を傾けてもらわなければ、この問題はだんだん時日がたつにつれてこれが表面化をして、いろいろの形でこれの障害になってあらわれることを私は憂うるから率直に私はそれを申し上げておるわけなんです。それを一部だとか、軽い気持ちでそれを受けとめてもらうということになると、これはたいへんなことであるわけです。そういう意味で、もう一ぺん長官のこれに対するほんとうの腹の底を私は聞きたいのです。
#76
○国務大臣(坪川信三君) 先ほどお答え申し上げましたとおりに、小宮山副長宿が帰りましての知事あるいは各官民の声はこういうところにある。しかしこれを遂行していく場合にはこうした問題点がありますから、政府は万全の策を講じなきゃならぬ。それで、われわれといたしましては、先ほどから申し上げるような、応急、緊急対策の万全の対策をいま具現化いたしておるということは、先ほどの答弁で御運解いただけると思います。いま喜屋武委員が御指摘になりました、こうした点に対する返上論があるかどうかを知っておるか、聞いておるかとお聞きになられましたものですから、私は沖繩の二つの新聞を通じて毎日読んでおるときに、こうした声が全部であるとは私は理解いたしておりません。あなたは全部であるようにおっしゃるかもわかりません。私は一部と理解しております。それでございますから、そういう一部の声の不安感と不満のないように目下最善の努力をいたしますからどうか御協力を仰ぎたいと、こう答えておる政府の、また私の気持ちをひとつ御理解願いたいと、こう思います。
#77
○喜屋武眞榮君 それでは、その一部の不平不満をなくして全力をあげて海洋万博の成功へ、こう方向づけていくために、政府としては全力をあげていると、あるいは万全の対策をと先ほど来話しておられますが、それではそれを前提としてこれから質問をいたします。
 それでは、この県労協を中心とする声がどういう内容を持っておるかということは十分御承知だと思いますので、私はそれは触れませんが、第一点、それではこの海洋万博をめぐって公共投資への融資が、聞くところによると二千億だとかあるいは二千五百億だとか、こういったことがうわさにのぼるわけですが、そのことについて、公共投資は一体どれぐらいであるかということをはっきりお聞きしたい。
#78
○国務大臣(坪川信三君) 数字にわたる大事な問題でございますので、正確を期する上において政府委員から答弁を申し上げます。
#79
○政府委員(渥美謙二君) 昨年や月六日に海洋博関係閣僚協議会で了解されております海洋博関連事業の規模は、総額約千二百億円でございます。内訳は、道路、港湾等のいわゆる公共事業費にかかるもの、これは道路が約二百十三億円、空港整備が約九十億円、港湾整備が約七十億円、治水事業が約四十六億円、下水道事業が約四十九億円、水道事業が約十五億円、ごみ屎尿処理施設約五億円、公園事業が約八億円、合計四百九十六億円でございまして、そのほか日本道路公団が施行いたします沖繩縦貫道路、これが約四百三十億円、それから電電公社が扱います通信施設、これが約二百七十億円、合計で約千二百億円と、こういう数字になります。
#80
○喜屋武眞榮君 じゃ、次に二点お伺いいたします。
 それを完成する労働力はどれくらい必要とするのであるか、そのことをひとつお聞きしたい。
#81
○政府委員(渥美謙二君) これは工事の取り進め方によりまして、いろいろなことになると思うんです。そこで、現在推進本部の中に関連施設部会を設けまして、各事業ごとに大体どのようなタイムテーブルで、どのような仕事をするか、そのために必要な労務、資材はどの時期に、どのぐらい要るか、こういうふうなことを詰めまして、そして結論を求めたいわけでありますが、現在のところ、作業中でございますのではっきりした数字は申し上げられません。ただ、こういう海洋博の関連卒業、それからそれ以外の民間工事、ホテル等も含めまして、まあ大体四十八年度にどのぐらいの工事がされるだろうというのを非常にラフに推計したものがございますが、大体千八百億から二千二百億円ぐらい、これはまあ県と私どもといろいろな推定を入れましての一応の推定でございます。まあ、そういうものに基づきまして、どんな資材がどのぐらい要るか、あるいは労務者がどのぐらい要るか、きわめてラフな推定をしておりますけれども、まあそれによりますと、労務者が大体七万人ぐらい四十八年度には必要なのかなという程度の数字をいまのところ一応持っております。しかし、これは先ほど申しましたように、これから各事業につきましてさらに詳細に詰める、それからタイムテーブルを調整することによりましてまたその数字が変わってくる、かように思います。
#82
○喜屋武眞榮君 いまおっしゃる七万人というのは、七万人を必要とするということなんですね。
#83
○政府委員(渥美謙二君) 一応そういうことです。
#84
○喜屋武眞榮君 それじゃお聞きしますが、七万人必要であるなら、現地沖繩ではいま現状どれぐらいあると見ておられるのか。
#85
○政府委員(渥美謙二君) これまたいろいろな数字がいま言われているわけでございまして、現在県のほうとも一緒になってその数字を詰めているところでございますが、まあ三万から四万ぐらいのものがいまのままであるのではないだろうか、かように見込まれているようであります。
#86
○喜屋武眞榮君 それでは、需要供給の面からは必要とするのが七万、現状が三万なら、その差はずいぶん開くわけですが、その補いはどう考えておられるのか。
#87
○政府委員(渥美謙二君) まあ、これからどういうふうにすれば一番よろしいかということを、いろいろ検討してまいるわけでございますが、一つは、先ほど申しましたように、この算出は非常にラフな推計でございまして、従来の実績みたいなもので、指数でもって割ってみるとそういう数字が一応出ると、そういうことでございます。したがいまして、綿密に事業の調整をやっていくことによりまして、そんなに人が行かなくても済むんじゃないか、また第一に、その供給をふやすあれといたしましては、県内の労働力、これをもって処理するということが考えられます。それから、かなり技術者等が必要であると思われますが、これはなかなかすぐ余剰労働力を活用するというわけにはいかない。これはやはり本土からかなりの人間を連れていかなきゃならないんじゃないか。それから工事のやり方につきましてもなるべく機械化をする、新技術を入れると、こういうことで労働力を節約していくということも多分に考えなければなりません。そういうところをどういうふうにするか、どういうふうにして調整――バランスをとっていくかというところを現在せっかく研究中でございます。
#88
○喜屋武眞榮君 この必要労働力の確保ということが、沖繩の農業構造の破壊、いろんな面で連鎖反応を起こしてこれが混乱させる、こういうことを思いますときに、その七万の予想に対して二、三万しか現地にはない、それをどう補っていくかということは、実に重大な問題だと思うのです。そういうことを、特に一つ私がお聞きしたいのは、これが沖繩のすべての混乱に連鎖反応していくという、根源であるということを私は強く申し上げておきたい。
 次に、労賃や建設資材がものすごくはね上がっておるということは、もういまさら申し上げるまでもありません。それに対する対策をどう考えておるか。
#89
○政府委員(渥美謙二君) 現在非常にはね上がっているという数字が出ておりますし、まあ、これにつきましてはいろいろな原因があるかと思います。まあ一つには、本年度、いわゆる復帰の直後でありましたために、公共事業の進み方というのが率直にたいへんおくれております。したがいまして、年度末に発注が集中してしまった、こういう実態がございます。そういうような状況でありますものですから、施工にしましても資材にしましても労務にしましても、その急激な集中発注に対応できなかったと、こういう点がありますし、先ほどもお話がございましたように、それが沖繩の農繁期にぶつかってしまった。しかも、従来多数の台湾からの季節労務者というものを入れてまかなってまいりましたサトウキビの刈り取り作業というものが、いろんな情勢から台湾から人が来なくなってしまった。また木材等は、これは全国的にたいへんな騰貴状況を示しております。まあそういうようないろいろな悪条件が重なりまして、今日異常な物価の上昇というものがあらわれたという要素もたいへん大きいと思うのです。そこで、今後まあ多額の、海洋博関連をはじめといたしますいろんな事業が始まるわけでありますが、これはやはり推進本部で、先ほど申しましたように、いろんな事業を計画的に施行するように調整をやってまいります。で、それによりまして資材、労務等の需給のバランスをとる。これはやはり沖繩県だけではだめなんで、本土のほうとも一緒になってその需給調整をはかってまいる、こういうやり方をしなければならないと思います。また、いろいろ沖繩には中小企業が多いもんですから、いろんな金融措置あるいはまあ協業化といったようなことによる企業体質の改善と、こういうものをあわせまして進めてまいりたい。また、これは建設関係につきましてのものでございますが、先ほどもお話がございましたように、推進本部の中には物価部会というものもつくりまして、これは生鮮食料品とか、まあそういったような消費物資等を中心にいたしましていろいろ安定策をはかってまいる。こういうもろもろの施策によりまして、なるべくデメリットが生じないように配慮してまいりたいというふうに考えております。
#90
○喜屋武眞榮君 そもそもこの海洋博のねらいが沖繩の健全な開発の起爆力ということになっておりますが、うっかりしますと破壊の起爆力になりかねない。まず、いま問題になっております農業破壊ですね。そこで農業に大きな影響を与えておるが、これに対してどう対処していかれようとするのか、このことをお聞きしたい。
#91
○政府委員(岡田純夫君) 農業につきましては、何といいましても土地利用計画との関連を考えながら優良農地を確保していかなければなりません。したがいまして、農業振興地域の指定、これを急ぎまして、四十七年度から指定という段取りに入っております。したがいまして、こういうふうな優良農地確保のための振興地域の指定、それからあとは農業の基盤整備でございますとか、あるいは農業に対するところの諸融資等も四十七年度よりもふやしております。そういうふうな融資関係等によりまして、基盤整備あるいは施設その他の充実、さらには流通対策あるいは価格対策といったようなことを総合的に考えまして、農業を守ってまいりたいというふうに考えております。
#92
○喜屋武眞榮君 これは、農林省ともちょっと関連がありますが、その農業を破壊するという関連が非常に心配になるわけですが、ところがいま、キビの収穫に関連して糖価の問題、この糖価の問題との関係、実はトン当たり七千円、この七千円を農家からはもっと値上げしてくれという、こういう要望がなされておるわけですが、ところが私の先日の質問主意書に対する回答の中でですね、決定後経済事情等に格別の変動がないので改定する意思はないという回答が出ておるわけなんです。ところが、たいへんな沖繩の経済情勢の激動、変動があるわけなんです。だからこれを再検討してもらわなければいけない情勢に追い込まれているわけですが、このようなイージーゴーイングな沖繩の認識に立って、変動がないからそれは改める意思はないんだと、こういうことになっておりますが、これはどうしても納得がいかない。もう変動というよりも激動です。この激動に備えるためにもキビの値をどうしても検討していかなければいけない。これは直接の所管ではありませんが、関連してひとつ農林省の方おられましたら一応……。それじゃこの問題はあとで。
 では次に、中小企業の立場からの大混乱があります。この中小企業対策については具体的にどう考えておられるかひとつ……。
#93
○国務大臣(坪川信三君) 中小企業対策の関連を大きく持っておるということ、私も心配もいたしておるような次第であります。開発公庫その他諸施策において予算上、行政上、さらに強く対応策を講じてまいりたいと、こう考えて、通産省その他にも連絡を、きのうおととい開発庁からとっておるのでございますが、こうした具体的な点につきましては、政府委員をして答弁を申し上げます。
#94
○喜屋武眞榮君 この海洋博は、きょうは時間が、まだほかにもお聞きしたいこともありますので、一応きょうはこのくらいにいたしまして、結びとして要望いたします。
 先ほど来述べておられるように、全力投球して万全の対策を打ち出していくと、そして具体的に調査団も派遣して云々ということも一応姿勢、かまえは述べられたわけですが、私たちがほしいのは、刻一刻ですね、国体でさえも五カ年間の一応準備期間がある。このような世界にも初めての海洋万博をどだい二カ年でやってのけようというところに私は必然的に突貫工事的性格を帯びてくる。そういった渦の中からいろんな形で連鎖反応が、いわゆる起爆剤――建設への起爆剤というよりも破壊への起爆剤になりかねない。そういうことで、できるならば、これを二カ年といわずあるいは五カ年に延ばしてという声も現実にあるわけなんです。ところがそういうことも不可能とするならば、いまの時点ではできないとするならば、何としてもそのデメリットを最小限に食いとめて最大限のメリットを、成果をあげていく、このことでなければたいへんなことになる。
 そこで私、具体的に要望をいたします。先ほど来ぽつぽつお聞きしましたが、労務と資材、必要労務、そして現状は現地でどういう実情にあるのか。どうしてもその差を、差額を何らかの方法でどこかで補わなければ具体的に建設に実っていきませんので、ひとつ労務、資材の逼迫状況といいますか、その表を、具体的にひとつ現状はこうである、必要はこれだけである、その差額はどう補うか、その対策、こういったひとつ表にして出していただきたい。
#95
○政府委員(渥美謙二君) 先ほど申し上げましたように、現在その調整をするための作業をやっておるわけでございまして、現在は、先ほど申しましたような非常にラフな計算はあるんですけれども、これはたいへん、そのままとっていただくとミスリードしてしまうだろうと思いますし、その差を縮めるための諸方策をこれから検討するわけでございますので、いまちょっと直ちにお出しすることはできませんので、御了承いただきたいと思います。
#96
○喜屋武眞榮君 次に、いまの表に関連しまして、もし具体的に参考に申し上げますならば、たとえば労務ですね、先ほど来出ました労務、労働力、次に資材としてのセメント、鉄筋、砕石、砂、生コンといったその他いろいろ資材がありますね、そういった必要資材の項目を入れて、ひとつ表にしてもらいたい。
#97
○政府委員(渥美謙二君) ただいま申し上げましたように、いますぐにそれを表に作成することはできませんので、御了承いただきたいと思うんです。と申しますのは、先ほど申しましたように、現在それのためのまず作業をやっておりまして、どういう仕事がどういうタイムテーブルでどういうものが必要であるか、こういうことをまず集めまして、その次にいろいろその事業の調整をやって、それから不足分につきましては機械化によって補う分とか、いろいろくふうをいたしまして、その調整を、アンバランスをどうやって解決するかという方策を見出そうという勉強をしているところでございます。推進本部の関連施設部会の中で一番大きな仕事だと思っております。それを現在、各事業につきましての見通し等につきまして、関係各省でそれぞれ作業をしている段階でございまして、いまそういったような数字を調整することができませんので、御了承いただきたいと思います。
#98
○喜屋武眞榮君 それでは先ほど長官が全力投球する、具体的に取り組んでおるというそのかけ声とうらはらですよ、あなたのいまおっしゃることは。起工式が始まった。二カ年という期限がある。まつげに火がついたということなんですよ。そういう時点に立って、まだそういうことはこれからだということでは、これは期待できませんよ。ぜひやってください。
#99
○国務大臣(坪川信三君) いまの資料提出の問題につきましては、いま渥美局長、政府委員、事務段階の立場を御説明申し上げただけでございまして、そうした作業が終わり次第、当然国会の要求でございますから、出しますことを申し上げておきたいと、こう思っております。
#100
○喜屋武眞榮君 大体いつごろまでにできますか。
#101
○政府委員(渥美謙二君) 現在作業の段取り、これは非常に各省に無理して急いでやってもらっているんですけれども、四月後半ごろになるかと思います。
#102
○喜屋武眞榮君 もっと早くできませんか。
#103
○政府委員(渥美謙二君) なるべく急いで作業を進めたいと思います。
#104
○喜屋武眞榮君 四月の後半ですね。それでもたいへんおそいと私は言いたいんですが、失礼ですけれども。もっと早くできるようにひとつ努力してもらいたい。
 次に、それと関連しましてどうしても心配になりますいろんなことが関連施設の中にあるわけなんですね。上下水道の問題、ごみ焼却問題、電力の問題、宿泊施設の問題、港湾の問題、船舶の問題、空港の問題、こういった問題に対するいま取り組みの現状、施設の現状、それから見通し、その一覧表もひとつ要望したい。
#105
○政府委員(渥美謙二君) その時点でできるだけ御要望に沿うように作成いたしたいと思います。
#106
○喜屋武眞榮君 それは現状――まあ完成というよりも現状、あるいは三月の何日現在ならば現在でどういう状況になっておるということがわかりますでしょう。あるいはどういう計画がなされておるということ、おわかりでしょう。そういうことでもけっこうですから、ぜひひとつ。
#107
○政府委員(渥美謙二君) 私がいまそう申し上げましたのは、実は四十八年度の予算で、非常に具体的に四十八年度にはこれだけの事業の予算がついたということがきまったわけでございます。そこで推進本部は、その予算の編成が終わりまして、直ちにこれが設けられまして、現在そのつきました予算につきまして、具体的にどの事業はどういう段取りでどういうことをやろうかと、そういうことを各省で検討しているわけでございます。御要求の御趣旨がよくわからないんですけれども、先ほど申しましたような作業が終わりますと、大体現状はこうであるから、これに対してこういう予定で事業を進めてまいると、こういう構想が各事業についてわかりますので、その際にあわせて御報告申し上げることができるかというふうに申し上げたわけなんでございます。
#108
○喜屋武眞榮君 私が要望しておる気持ちも、あせりも、よく御存じだと思いますが、そういうことで、たいへんせかすようでありますけれども、ほんとうに成功させて沖繩県民のためになった、喜んでくれた、こういうことになるためには、もうまつげに火がついておるというこのことを忘れてはいけないと思いますよ。そうでないと、ただかけ声だけは余力投球、一生懸命にやっておる、調査すると昔ってみたところで、現実に具体的にそれが実っていかなければこれは意味がない。こういう意味で、私も無理な要求かもしれませんが、そのように申し上げておるつもりでありますので、ぜひひとつ、事実によって裏づけてくださるよう特に要望いたしまして、この問題、一応これできょうは終わりたいと思います。
#109
○委員長(星野重次君) 以上で、大平外務大臣が見えられたので、これから大平外務大臣に質疑を行ないます。
#110
○岩動道行君 先ほど坪川長官に御質問申し上げたことについて、外務省関係のことも多少ありましたので、ごく簡単に申し上げて、簡潔な御答弁をいただきたいと思います。
 それは基地の返還問題でございますが、これは膨大な、そして非常に深く広い問題でありますので、全般について申し上げるわけではありませんが、いずれにいたしましても、基地の廃止というような、撤廃というようなことは現実問題として考えられませんが、それの整理縮小、これは積極的にやはり地域住民のためにも行なわなければならないと思うわけでございます。
 そこで、ごく一つの例としてお考えをいただきたいのは、先般嘉手納基地の周辺にあります北谷村という村の陳情がございまして、相当広範な軍用地がございますが、それの返還を強く要望しておる地域住民の声があったわけでございますが、これは私どもが実情を聞いてみたり、いろいろ話を聞いてみましても、かなりむだなと申しまするか、必要でないところまで軍用地としてこれを確保している。話を聞きまして、写真なども見せてもらいましたけれども、自動車の売り場を道路のそばに持っておる。そういったような商業用に使われておるところもあるようでございます。そういうような、たいへんわれわれ国民感情からみても、どうであろうかと思われるようなところもございまするので、地域の要望が全面的に正しいと、あるいは基地として欠くことのできない部分まで入っているのかもしれませんので、そこら辺は十分に御調査をいただいて、そうして早急にやはり地域住民の生活の向上と、そうして住宅が山の谷のようなところに追い込まれておるというような状況をすみやかに解消し、また商業活動が十分にできるような土地については、やはり積極的にこれを返還してもらう、こういうようなことをぜひ努力をして解決をしていただきたい。かように考えて、基地の一つの整理縮小のシンボルにもなるようなところでございますので、特段の御配慮をいただきたい。この点についての大臣の御見解を承りたいと思います。
#111
○国務大臣(大平正芳君) 沖繩基地の問題につきましては、施政権返還の段階で措置すべきものを措置いたしまして、確かにまあ八十六基地が残っておると思います。で、今後それをどのようにしてまいるかにつきまして、去年の初めのサンクレメンテ会談におきまして、日米首脳の間でこれの整理縮小の問題が原則として合意されております。ことしに入りまして、一月二十三日に久しぶりに安保協議委員会が東京で持たれたわけでございまして、この委員会におきましては、本土と沖繩と合わせまして、全体の基地の整理縮小問題を今後引き続き取り上げて、解決すべきものから解決していくという一般的な合意のほかに、とりあえず、関東平野と沖繩那覇市周辺に関しまして若干の具体的な決定を見たわけでございます。で、もとより御指摘のように、沖繩における基地の比重というのは圧倒的に重いものがありまして、これが沖繩の民生の問題、振興開発計画の推進との関連におきまして重大な影響を持っておることは、私もよく承知いたしておるわけでございます。この間、一月二十三日に合意を見ましたのは第一歩でございまして、これから引き続きこの問題についての具体的検討を進めてまいるつもりでございます。で、この国会の審議の状況等を踏まえて、なるべく早く日米間で打ち合わせの機会を持って、どういう段取りで進めてまいるかということについて協議いたしたいと考えております。
 実は、御指摘の北谷村の場合、関係者が御上京になりまして、私もお目にかかりまして、状況をよく拝聴いたしたわけでございまして、その実態につきましては、岩動さんと同じ認識を持っておるわけでございまして、今後の検討を通じまして、こういった問題につきまして、現地の要望を頭に置いて、できるだけ精力的に解決するように努力してまいるつもりでおります。
#112
○岩動道行君 わかりました。先ほどは、坪川長官も、極力努力をするということを申しておられましたので、沖繩開発庁の立場と外務省の立場と連携を緊密にして、ぜひ地域住民の要望を合理的に解決していただくように、特段の御配慮をお願い申し上げまして、私は質問を終わります。
#113
○田英夫君 いま岩動委員の御質問にも出てまいりましたように、沖繩の問題を考えたときに、アメリカ軍の基地の整理統合ないし返還という問題を考えなければ、これからの沖繩というものを議論することはできない、こういう立場から若干御質問をしたいと思うんですが、ちょうどいま大臣言われました一月二十三日の安保協議委員会で、日米間で基地の整理統合をやろうと、こういう話し合いがあったということですが、まさに、その二十三日の翌日にベトナム和平というものが発表になる、こういうことになりまして、したがって、ベトナム和平という新しい事態、これは当然沖繩の基地の問題に関連をして大きく考えなければいけないと思います。実は、いま問題になりました北谷村の問題なんかも、私、実はことしの初め沖繩に行って、現地を見てまいりました。これは全く論外だと思います。アメリカ軍の基地という形で提供をしている土地が、いつの間にかアメリカの民間人に使用されて、中古車を売る売り場にされていると、道ばたのところですが。こういうことが放置されているということは、全くこれは論外でありまして、こんなことはもう早急に、非常に強い立場で、整理縮小とか統合とかいう以前の問題として、これは外務省がき然たる態度でアメリカに申し入れをし、処分をしていただく、こういうことを私は、要望したいと思います。これは全く論外だと思いますけれども、それよりもさらに基本的に、沖繩におけるアメリカ軍の基地を整理統合、ないし私どもは返還ということを求めるべきだと思いますけれども、そういう方向で進める場合には、いまの日本をめぐる――特に沖繩をめぐる情勢というものをしっかり踏まえた上で、こちらが強い態度で、一つの方針を持って臨まない限り、日米協議委員会というようなところで話し合いをしましょうというようなことでは、アメリカの政府、特にアメリカ軍の側は、容易に整理統合に応ずるということにはならないだろう。これが私が客観的に見た現実です。
 そこで、大臣に伺いたいのは、この一月二十四日に発表になったベトナム和平という新しい事態を、沖繩の基地と関連をしてどういうように認識をされるのか。ベトナム和平と沖繩の基地というものを、たいへんばく然とした質問ですが、どういうようにお考えになるか、まず伺いたい。
#114
○国務大臣(大平正芳君) 私どもの認識は、若干、田さんとは違うかもしれませんけれども、今日、ヨーロッパはもとより、アジアにおきましても、緊張緩和の徴候が見え始めたわけでございます。で、このことは、なぜもたらされたかということでございますが、私どもは世界にいろいろ張りめぐらされてあります条約的なワク組みというものがちゃんとしておりまして、それがそれなりの抑止力を持っておる状況の中から、こういう緊張緩和の芽ばえが出てきたというように判断するわけでございますので、この条約のワク組みというようなものは、変えないほうが平和のためにもなるのだということを基調に考えておるわけでございます。ヨーロッパにおきましても、アジアよりはもっと平和が定着をしつつある状況であるけれども、ヨーロッパ各国は、それぞれ手固く既存のワク組みを堅持しておるわけでございまして、アジアにおきましても、やはり私はそれ以上にそういう必要があるのではないかと思っております。したがって、ベトナムで戦火がやみましたから、そういう状況に立って、もう一度この既存の条約のワク組みというものを見直して見るということには直ちにいけないのでありまして、やはり既存のワク組みは手固くこれは守ったほうが平和のためであるという認識でございます。これはいろいろ批判があろうと思いますけれども、そういう認識に立っておりますので、沖繩の基地の問題につきましても、新しい状況が生まれたから、すぐドラスティックな措置をとるというようなことは当面考えておりません。ただこれは、しかし、いかにも基地の比重が大きい。これは去年の五月十五日に返ったばかりでございまして、これから日本の手で一つ一つ処置していかなければいかぬのでございますが、これにつきましては、沖繩の将来を考えた場合に、基地経済から脱却をできるだけはかっていかないとものにならぬわけでございますので、むしろそういう観点から基地の整理統合というようなものについて取り組んでいくという姿勢でございます。
#115
○田英夫君 ベトナム戦争が終わったから安保をといういまの大臣のお話、大臣の御意見とは私違いますけれども、この問題については、安保があったほうがいい、安保をなくすべきだという問題については、きょうは時間もありませんし、あらためて別の場で議論をしたいと思いますので、きょうは触れませんけれども、そこで、一月二十五日、日本時間の午前零時に発表になりましたベトナム和平協定というものを見てみますと、これはいまのベトナム和平というものがどういう意味を持っているか。この協定を解釈することによって、実ははっきり出てくると思います。この点に
 ついて、いま大臣は、ベトナム和平が実現をしたから、緊張緩和になったから、安保条約を直ちにまあ解体するなりいじるということを考えてはいないという意味の御発言がありましたけれども、それはそれとしても、一体ベトナム戦争が終わったというあの和平協定が結ばれたという事態をどう解釈するか、政府としては。このところが、私は、特に沖繩についてはたいへん大切なところだと思います。これをしっかり、ほんとうに緊張緩和になったのか。しかもそれは、アメリカがベトナムの侵略戦争に失敗をして、アメリカが破れた形でベトナム戦争が終わったのか、あるいは北が譲歩せざるを得ない状況に軍事的に追い込まれてああいう形で終わったのか、その辺のところが実は非常に私は問題だと思います。ただ終わった、終わったということではなくて、そして、ただ緊張緩和になったということではなくて、アメリカがもうベトナムからは引き揚げざるを得ない。また、昨年のニクソン訪中によって台湾から撤兵することを約束をし、すでにそれをことしは徐々に実現しようとしている。アメリカはベトナムからも台湾からも引き揚げざるを得ない状況に追い込まれてきた、ベトナム戦争に失敗をして。そういう状況の中で、最後のよりどころが沖繩のアメリカ軍基地であるということになってくるならば、これは非常に日本にとっては重大な問題であると言わざるを得ないし、また、沖繩のアメリカ軍の基地を整理統合するとか、いわんや撤廃するなどということにアメリカが応ずるはずがない、こういう論理になると思います。また私は、実はそういうことだと思うわけです。この和平協定というものを結ばれた、あのベトナム戦争の終結の形を、いま私が申し上げたような意味で受け取っておられるのか、あるいはもっと別の形で解釈しておられるのか、その辺を伺いたい。
#116
○国務大臣(大平正芳君) 和平協定を拝見しますと、そこにはどちら側が勝ったとも負けたとも書いてない。しかし、各当事者側の互譲でああいった取りきめが成立したというように見るよりほかに道はないと思うのでありまして、しいて問われれば、そのようにお答えするよりほかないと思います。
#117
○田英夫君 大臣は、いみじくも、和平協定にはどっちが勝ったとも書いてない。まさにそのとおりでありますけれども、条約局長おられますので、専門的な立場から伺いたいのですけれども、和平協定の第一条に、アメリカおよびすべての他の国は、一九五四年のジュネーブ協定できめられた統一、それから主権、独立、さらに領土の保全を尊重しなければならない、こういう意味の規定が第一条にあります。
 そこで伺いたいのは、これ非常に私この種の条約、協定というものの中ではふしぎな文章だと思いますけれども、アメリカおよびその他のすべての国は、こう書き出してありますけれども、いうまでもなく、この協定の当事国は、アメリカ、北ベトナム、いわゆるベトナム民主共和国、それに南のグエン・バン・チュー政権と、臨時革命政府、四当事者の間で結ばれたものであるわけですけれども、なぜここでアメリカだけがアメリカと書いてあるか、そしてその他は、その他のすべての国はと書いてある。これは条約上どういうふうに理解したらいいんですか。
#118
○政府委員(高島益郎君) 田先生御指摘の、その第一条にございますアメリカおよびその他の国とあります場合は、アメリカについて特にそこに書かれた理由につきましては、私ども起草の背景を承知いたしませんので、その点責任を持ってお答えができませんけれども、要するに、これは当事者のみならず、すべての国が、ベトナムというものの独立あるいは統一というものについて、これを尊重するということをうたった一つの何と申しますか、道徳的な規定だというふうに考えております。
#119
○田英夫君 たいへん抽象的な質問になってしまっているんですけれども、実はこれはたいへん大事なことだと思うのです。というのは、いま条約局長お答えになったような意味からすれば、すべての国は、と書けばいいはずなのに、なぜアメリカだけがそこに特に指摘されているのか、国の名前をあげられているのかというところに、私は実は大平外務大臣がさっき言われた、勝ったとか負けたとか書いてないと、こういうところに触れてくる問題が、ここに言外にあらわれているんじゃないかというふうに私は解釈しています。つまり、アメリカは一九五四年のジュネーブ協定に参加するかのごとく途中までいって、途中から抜けて、これを批准しなかった、前科一犯であります。で、この第一条は、ジュネーブ協定と同じことを繰り返しているわけですけれども、それを尊重しなければいかぬと、独立、主権、そして統一を尊重しなければならないという義務を負わせているわけですけれども、アメリカだけは、特に名前をあげて指摘をされているということは、アメリカは、すでに前にジュネーブ協定を守らなかった前科がある。そして今度のベトナム戦争で、アメリカは事実上負けたというのが強ければ、侵略に失敗したと、引き下がらなければならぬと、そういう立場の国であるアメリカは、特にこれを守らなければいけませんよ、こういうことを北ベトナム並びに臨時革命政府から強く指摘をされたというふうに解釈すべきではないだろうか。ここにベトナム和平というものの姿が、このことばの中に端的にあらわれているんじゃないか、こう私は解釈するんですけれども、外務大臣いかがですか。
#120
○国務大臣(大平正芳君) 田さんの御意見として拝聴しておきます。
#121
○田英夫君 この点は、私の意見としてお聞きいただくだけでは実は困るのであって、日本政府としてこれからのアジア外交を進められる上で、特にさっきから申し上げましたように、沖繩の基地を日本国民の立場から少しでもなくすということが、特に沖繩県民にとっては非常に重大である、こう私考えますので、たいへんかってな意見を言っているようにお聞きとりになるかもしれませんけれども、ベトナム戦争が終わったというこの事態を、しかも、どういう形で終わったかということを正しく認識をしていただくということが非常に私は重要だと思ったからこそ、こういうことを申し上げたのですが、ところが、一般的には、たとえばこの協定が発表になった直前の一月二十四日、日本時間の正午、ニクソン大統領が演説をいたしまして、和平の実現を発表したわけですけれども、その演説の中には、南ベトナムにおける唯一の合法政権はグエン・バン・チュー政権である、アメリカはこれを引き続き支援する、という意味のことを言っているのは御存じのとおりでありますけれども、このことばは、和平協定第一条の精神から考えれば、むしろ協定違反のことばであると言わざるを得ない。アメリカは、この期に及んでもまだそういうことを言っている。で、世界のかなり多くの人々は、日本の国民の皆さんも含めて、こうしたアメリカのことばに惑わされて、ベトナム戦争というものの終結の姿を正しく理解できないでいるんじゃないだろうか。この和平協定第一条を読んだだけでも実ははっきりするんじゃないか、その点は。こういうことをしっかり踏んまえておかないと、いま簡単に、日米安保協議委員会で基地の整理統合についてこれからアメリカと話し合うんだということを言われましたけれども、そんな簡単なものじゃない。アメリカのこの現実と、それからニクソン演説というような食い違いの姿勢からすれば、アメリカは何とかして沖繩の基地を温存しておきたい。もうベトナムからも台湾からも引き揚げざるを得なくなった中で、沖繩こそが最後のとりでであるというふうな状態に追い込まれているというふうに考えざるを得ないわけですから、ここのところをどう解釈するか。正しく解釈するかどうか、これが私は政府の姿勢として非常に大事なことだと思うので申し上げたわけです。
 で、そういう中で、さっき大臣は、アジアの緊張が緩和をしたことは事実だ、こういうことはおっしゃったわけですから、そこでもう一つ、今度は視点を変えて申し上げると、そういう解釈が、私のいまお聞きした限りではたいへんあいまいでありますけれども、ベトナム戦争終結についての解釈があいまいでありますけれども、それはそれとして、たいへん残念なことですが、私の意見として聞きおくという程度で済まされるようでありますけれども、むしろアジアの中の、特に経済的に指導的な立場にある日本ということも考え、アジアの中で最も平和を望むべき立場にある日本ということを考えたときに、むしろ日本から積極的にアジアの緊張を緩和する外交をこれから展開すべきじゃないだろうか。そういうことの中から、沖繩の基地縮小ということも、実際にはそれでようやく実現できるんじゃないか。そういう状況を日本政府がつくっていかなければ、沖繩の基地縮小なんということは私はできないと思いますが、そういう意味で具体的にお聞きしますが、ベトナム民生共和国、いわゆる北ベトナムと国交を回復する、こういう計画がおありになるかどうか。さきに、昨年三宅課長がハノイを訪問するということがありましたけれども、近くまた三宅さんがハノイを訪問するというようなことも若干聞いておりますけれども、そういうことが事実かどうか、お聞きいたします。
#122
○国務大臣(大平正芳君) 結論から申しますと、北ベトナムと国交を結んでまいることをちゅうちょする理由は、日本側にはないんです。先方がどのように考えておるかということでございますので、先方のほうの了解が得られれば、こちらの係官を派遣いたしまして、双方共通の関心事について十分意見の交換を遂げさしてみたいと思っておりますけれども、まだ正式に先方からいついつ参ってよろしいという通知に接していないのでございますけれども、こっちとしては、待機の姿勢をとらしております。
#123
○田英夫君 それは、すでに何らかの形で、北ベトナム側に入国の申し入れをしているという意味ですか。
#124
○国務大臣(大平正芳君) さようです。
#125
○田英夫君 それは、前回同様、三宅課長ないし何人のどういう形の代表であるか、いまもし明らかにすることができるならば、お答えいただきたい。
#126
○国務大臣(大平正芳君) 三宅君だけはきめてありますけれども、そのあと随員をどうするかというところまで、私もちょっといま記憶にないのでございますけれども、一人、二人つけてやるつもりでおります。
#127
○田英夫君 従来、三宅課長が行きましたのは、昨年の一月だったか二月だったか、初めだったと思いますけれども、それ以外にパリで和平会談が続行しておりまして、あそこに北ベトナム並びに臨時革命政府の代表がおりましたので、パリでの日本と北ベトナム側の非公式の接触ということが可能であったように思いますけれども、今後は、北ベトナム側がパリから引き揚げてしまいますと、そういうことがなくなりますけれども、その接触の舞台というのは、もっぱら三宅さんがハノイに行くというような形になるわけですか。
#128
○国務大臣(大平正芳君) まあ直接のコンタクトの道が開けるとそれでいいわけでございますけれども、それまでは、パリ以外にも非公式のコンタクトの手順はございます。
#129
○田英夫君 私がこういうふうに北ベトナムとの接触について申し上げておるのは、繰り返して申し上げますけれども、日本政府の手によって積極的にアジアの緊張を緩和する方向を、すでに日中国交回復という大きなことを実現されたわけですけれども、さらにこのベトナム和平という新しい事態の中でそれを進めていただきたい、こういう気持ちから申し上げているわけですが、それは朝鮮の場合にも当てはまることですけれども、もう一つベトナムについて重要なことは、さっきの和平協定にもありますように、ベトナムは一つだ。第一条に、主権、独立、そして統一をすべての国は尊重しなければならない。こういうことが書いてある。また十五条には、はっきりと統一についてのことが書いてあって、外国は干渉しちゃいかぬ、ベトナムは統一に向かうのだと、こういうことが書いてあって、さらに十七度線というのは領土を区画するものじゃない、ここまではっきり書いてあるわけですね。つまり、ベトナムというものは一つだということが前提になって、そして統一を目ざさなければならぬということ、それはベトナム人にまかせなくちゃいかぬということも書いてある。そういうことになってくると、従来日本政府はアメリカと一緒にグエン・バン・チュー政権だけを認めるという方向でこられました。いま大臣のお話で、北ベトナムとはこっちが国交回復することを拒む理由はない。具体的にも接触を始めようとしている。こういうことになってくると、まだもう一つ私は欠落しているものがある。いわゆる解放戦線、臨時革命政府という存在、これに対して日本政府は接触をされる意図があるかどうか、意思がおありになるかどうか。これは、このベトナム和平協定というものの精神からすれば、そしてアジアの緊張を緩和するということをもし望まれるならば、当然私はこれをやられるべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
#130
○国務大臣(大平正芳君) そういう意思はないのであります。で、南越も北越も、それぞれ全ベトナムを代表するたてまえをとっておるわけでございますけれども、両方とも別個に、北越は北越として、南越は南越としてせいぜい国交を結んでいくという挙に出ておるわけでございまして、これは田さんの言われるように、究極の目標は統一にございますけれども、経過的にそういうことを、ベトナムの方々みずからがそういう措置をとってきておるように私は理解しておるわけでございます。ただ、その場合、ベトナムに三つあるとは書いてないので、南越と北越とあると、ただその非武装地帯ですか、あれが国境であるとは書いてないことはあなたも御指摘のとおりでございますけれども、また南越の民族の自決権を認めるということも書いてあるわけでございまして、私どもとしては、南越におきましては、二つの政府と外交関係を持つということは、私は適当でないと、どこの国もそう考えておると思うんでございまして、もしそんなことをすると、当惑するのはベトナムのほうだと思います。
#131
○田英夫君 時間がありませんので、簡単にお聞きしますけれども、そうすると、ニクソン大統領が演説をした南ベトナムにおける唯一の合法政府はグエン・バン・チュー政権であるというのと同じ態度を日本政府はおとりになるという意味ですか。
#132
○国務大臣(大平正芳君) 南越を代表する正統な政府としてサイゴン政府とつき合っておるということでございまして、法律的にはそのとおりだと私は思います。
#133
○田英夫君 その辺のところに、アジアの緊張を緩和させ、積極的に緩和をさせると、まあ私はそう希望するわけですけれども、そういう意味で政府の姿勢に非常に問題があると、こう申し上げざるを得ないわけですけれども、最後に一つだけ具体的に伺いますが、もし解放戦線、いわゆる臨時革命政府の側の人が日本に入国を申請をしたというようなことがありましたら、政府としてはこの入国をお認めになりますか、どうですか。
#134
○国務大臣(大平正芳君) そういうケース、いま起こっていませんので、そういう場面に際会いたしたときに考えさしていただきます。
#135
○田英夫君 私、先日ローマへ行っておりましたけれども、そこのローマの会議に南ベトナム臨時革命政府の人が、代表が五人来ておりました。イタリアという国は、御承知のとおり西側の国であり、現政権は保守党を中心にした政権でありますけれども、これが南ベトナム臨時革命政府の代表の入国を――私と同じ飛行機でモスクワから行きましたけれども、入国を認めております。もし日本にそういう人たちが来よう、これは私は近い将来にもそういう事態が起こると思いますが、そういう場合に、当然私はイタリア政府と同じような態度をおとりになるということを信じております。
 時間がなくなりましたので、この辺で終わりたいと思います。
#136
○三木忠雄君 私は、沖繩の基地問題を中心にして外務大臣に質問したいと思います。
 特に、一月二十三日の日米安保協議委員会における合意事項といたしまして、この那覇空港返還の問題についてお聞きしたいと思います。特に、この日本政府によってとられる処置を待って那覇空港を日本に完全に返還することに原則的に合意したと、こういうふうに言われているわけでありますけれども、現実に那覇空港はいつ返ると、こういうふうに外務大臣としては考えられているでしょうか。
#137
○国務大臣(大平正芳君) いま那覇空港には御案内のP3哨戒機とか、あるいは海兵隊の一部等がおるわけでございまして、これを移駐していただいてあけなきゃならぬわけでございます。で、その代替施設等ができて、その仕事が全部完了しないといかぬわけでございまして、私どもといたしましては、できるだけ早くやりたいのでございますが、海洋博が明後年の三月から開かれると言われておりますので、できたらそれに間に合うようなタイミングにおいて、一連のそういった関係を処理したいと考えておりますけれども、これはこれから事実関係をよく――どこへ移転さすか、どういう代替施設をつくるか、そうしてそれに対してどれだけの費用が要るか、その予算を要求していくという手順をずっと踏んでいかなければなりませんので、必ず三月までにできるという保証を、いま私の立場で約束を申し上げるまで自信はないわけでございますが、できるだけ早くやりたい。できたらそれに間に合わしたいというような気持ちでこれから対米折衝に出たろうと思っておるのがいまの心境でございます。
#138
○三木忠雄君 そうしますと、あくまでも返還については日本側――日本政府の処置によって早くもなるということは考えられるわけですか。
#139
○国務大臣(大平正芳君) 日米で合意していくことが先にあるわけで、まず日米間で合意することと、それについて予算措置その他一連の措置を講じなければいかぬ。それに要するタイミングを考えますと、相当かかるわけでございますが、できるだけ急がなければならぬと考えております。
#140
○三木忠雄君 この合意事項を読みますと、「この措置は、米海軍」云々と、普天間飛行場あるいは嘉手納飛行場、あるいは同時に岩国の飛行場、三沢の飛行場、この移転施設が、あるいは代替施設が終わったときに那覇空港を完全に返還すると、こういうふうに合意事項はなっておるわけですね。そうしますと、三沢あるいは岩国あるいは嘉手納、普天間の飛行場における具体的な代替施設の完了、あるいは予算面をどのように外務省として解釈しているんですか。
#141
○政府委員(大河原良雄君) 御指摘にございました日米安保協議委員会のあとの発表文にございますように、米海軍及び海兵隊の航空機が那覇空港から移転する先の嘉手納飛行場の代替施設の提供、それから那覇空港の完全返還に関連して必要とされる普天間飛行場における改良措置、こういうものがとられました上で、那覇空港を日本側に完全返還するということについての原則的な合意ができているわけでございますけれども、嘉手納飛行場並びに普天間飛行場における改良措置につきましては、四十八年度予算におきまして四十七年度予算に計上されておりました三十八億円の予算の繰り越し使用ということを財政当局にお願いいたしております。したがいまして、四十八年度におきましては、三十八億円の予算をもちまして嘉手納飛行場を手がかりに代替施設の作業を始めるわけでございますけれども、四十八年度中に作業は終わらないことが予想されますので、四十九年度にわたりまして残りの作業を引き続いて行なうということを予定いたしております。
#142
○三木忠雄君 そうしますと、具体的に本年度の調査費としまして、防衛施設庁からちょっと伺いたいんですけれども、嘉手納に三千七百万の調査費が計上されている。それから前年度――まあ本年度、四十七年度に三十八億の普天間飛行場の改良工事として計上されておったのが留保されて、翌年に、いまの答弁のとおりに繰り越されると、この関係はどういうぐあいになっているんですか。
#143
○説明員(高島正一君) お答え申し上げます。
 ただいま先生御指摘のように、P3移転に伴う昭和四十七年度予算は三十八億でございます。ところが、この予算は、当時の状態におきましては、那覇空港のP3を普天間に移動し、その他の航空機を嘉手納に移転させる。こういう予想のもとに組んだ予算でございましたが、普天間が所在する宜野湾市長等の反対もあり、その実施が見送られておったわけでございます。ところが、昭和四十八年の一月二十三日の日米安全保障協議委員会におきまして、このP3等は、今度は嘉手納のほうに移転する、こういうふうに合意がなされたわけでございます。したがいまして、この予算は来年度に繰り越すということで、いまその手続をとっておるところでございます。
#144
○三木忠雄君 そうしますと、三千七百万の嘉手納の調査費というのは何ですか、これは。
#145
○説明員(高島正一君) 当時の予算編成は、嘉手納飛行場については工事費として十一億、それから普天間については二十六億、その他調査費、事務費等で五千二百万円を計上しておったわけでございますが、この工事を実施するにあたりまして、どのような、まあボーリング調査とか、あるいは地質、その他いろいろな調査を必要といたしますので、その調査費を計上したものでございます。
#146
○三木忠雄君 そうしますと、普天間の改良工事のために三十八億円を組んでおったと、その費用と、まあ嘉手納の三千七百万なら三千七百万、そのプラスをしたものが現実にこの普天間飛行場の改良、あるいは嘉手納空港の代替施設の建設資金と、こう解釈してよろしいわけですか。それともそれにプラス、あと増額される予定があるのか。三十八億で全部この代替施設は、沖繩関係の代替施設は終わるのかどうか、この点については……。
#147
○説明員(高島正一君) たいへん御無礼いたしました。先ほど先生御指摘の三千七百万円という予算は、これは昭和四十八年度に組んでございます先ほど御答弁がございました那覇空軍、海軍補助施設及び牧港住宅地区の両施設の移設予定地の地形、地質等の調査を行なうための調査費でございます。先ほど私は昨年の成立しました三十七億の中の調査費と混同いたしまして失礼いたしました。いま御指摘のあった三千七百万円という予算は、昭和四十八年度におきます予算として計上しておるということでございます。
#148
○政府委員(大河原良雄君) 私は、ただいま実は同じ点を申し上げたいと思いましたのですが、いずれにしても、四十八年度におきまして予算に計上をお願いいたしておりますのは、嘉手納並びに普天間の飛行場の改良措置を含めまして、四十七年度からの繰り越し三十八億円、これでございます。ただいま施設庁から御答弁ございましたように、三千七百万円の調査費は、これとは別に、那覇地域から住宅及び補助施設を移転することに関連いたしまして必要とする調査費でございます。
#149
○三木忠雄君 そうしますと、嘉手納の代替施設あるいは普天間飛行場の改良施設、繰り越された三十八億で全部この那覇空港の移転完了という、こういうように解釈してよろしいですか。
#150
○政府委員(大河原良雄君) 最初に御答弁申し上げました際に申し上げましたように、四十八年度におきましては三十八億円を予定いたしておりますけれども、作業の状況から見まして、四十八年度中にこの工事が、作業が終わることは期待できませんので、四十九年度におきましても引き続き作業が行なわれることになると思います。したがいまして、嘉手納並びに普天間関係の予算といたしましては、三十八億円を出るということが予想されております。
#151
○三木忠雄君 三十八億円をオーバーすると、こういうふうにいま申されましたけれども、現実に、もう那覇空港を移転するためには、代替施設あるいはいろんな点の積算根拠はできていると思うんですね、まあ当然労賃とかいろいろな関係は部分的にあるかもしれませんけれども。そうしますと、大体この那覇空港を返還までの間の代替施設の建設に要する費用というものは幾らに見積もっているわけですか。
#152
○政府委員(大河原良雄君) 昨年の春にP3を普天間に移転ということが真剣に検討されました段階におきまして、米側との間にいろんな打ち合わせがございまして、その段階におきましては、普天間にございまする現有の施設を大幅に活用するという前提で移転計画を検討いたしました際に見積もられました費用が普天間につきまして約二十六億円、嘉手納につきまして約十一億円ということでございまして、事務費を含めまして三十八億円の予算を四十七年度でお願いしたわけでございますけれども、今回の合意によりまして、P3は嘉手納へ動かすということになりましたので、昨年の作業を根本的に変更いたしまして、新たな打ち合わせを、調整を必要とするという状況でございます。したがいまして、今後嘉手納にいかなる施設を設けるか、普天間におきましていかなる作業を行なうかということについては、米側と具体的な調整を必要とする状況でございます。したがいまして、四十八年度におきましては、とりあえず繰り越し分三十八億円を使うということを予定しているわけでございますけれども、ただいま申し上げましたように、この額ではおさまらないで、四十九年度にまたがることであろうと、こういうことを言っているわけでございます。
#153
○三木忠雄君 そうしますと、米軍との合意というか、この四十九年度の予算も含めて――あるいは五十年度までかかるかもわからぬと私は思うんですね、その予算は、大体この合意事項の安保協議会のときにその話は詰められなかったんでしょうか。
#154
○政府委員(大河原良雄君) この作業に関連いたします総額につきましての見通し、見積もりはできておりません。したがいまして、嘉手納で行なわれます作業、普天間で行なわれます作業、これにつきまして、今後米側と具体的に詰めました上で総額についての見通しが出てくると、こういうことでございます。
#155
○三木忠雄君 そうしますと、その具体的な計画はいっ打ち合わせをされるようになっておりますか。
#156
○政府委員(大河原良雄君) 米側とすでに接触を始めておりまして、細目調整は急ぎたいと存じておりますけれども、まだ若干の日にちがかかるかと考えております。
#157
○三木忠雄君 まあ私こまかなことで日程を詰めたくありませんけれども、運用協議会ですか、こういうところで大体詰められると思うのですけれども、この問題が、実際に当初は三十八億だと思っていたのが、普天間の飛行場の反対という理由はあるにしても、三十八億からあと何十億こえるかわからないというような時点での那覇空港の返還という問題がからんできます。それと同時に、この普天間飛行場あるいは嘉手納飛行場の代替施設の建設のみならず、これが終わっただけで那覇空港が返還されるとは私は解釈していないんです。同時に、岩国飛行場あるいは三沢飛行場における必要な施設の改良後に那覇空港が返還されるのだと、こう解釈されると思うんですね。そうしますと、たとえば嘉手納空港あるいは普天間飛行場が改良できたとしても三沢、岩国が終わらなければ那覇空港は完全に返還されないと、こう解釈をしてよろしいでしょうか、外務大臣。
#158
○政府委員(大河原良雄君) 大体P3の関連ということで、協議委員会の発表文第七項には、沖繩にございます那覇空港、嘉手納、普天間、この関連におきまして三沢、岩国ということが言及されてございますけれども、三沢、岩国につきましては、先般来国会でも御答弁申し上げておりますように、総額二十五億円というその中で、四十八年度につきましては十億円ということを予算をお願いいたしておりまして、なるべく早い時期にこの作業に取りかかりたいと、こういうふうに考えております。いずれにいたしましても、那覇空港の完全返還につきましては、先ほど外務大臣から御答弁ございましたように、昭和五十年三月の沖繩の海洋博の開催時期を念頭に置きまして作業を進めたいと、こういうふうに考えておるわけでございます。
#159
○三木忠雄君 私は、密約説の問題まで論及したくはありませんけれども、那覇空港の返還というものは、やはり五年間の、沖繩返還協定に基づく六千五百万ドル、衆議院でも問題になりました五年間の拘束というものは、予算的な問題からも、私は裏づけられるんじゃないかと思うんです。現実に、岩国、三沢がことしは約十億ドルの予算を要求されております。現実に、二十五億かかるこの岩国、三沢の基地の整備ということになりますと、やはり三年――順調に予算がとれて三年ないし四年というような形になってくる。こういう形になりますと、那覇空港は、答弁では海洋博までに間に合わしたい、こう言うけれども、現実に予算の裏づけ、あるいは調査費の関係、いろいろな実態を調べてみますと、完全に三年ないし四年はかかる。那覇空港返還は、私は五十年三月どころか、あるいは五十一年、特に返還協定にあるこの五年間の間の返還という目途になってくるのではないか、私はこういうふうに解釈するわけなんです。したがって、同時に、三沢、岩国の飛行場と関係を持たせるということは、沖繩県民の目玉であった那覇空港を返してもらいたいというこの強い要望、あるいは民間空港としての重要な那覇空港を、本土の岩国、三沢の基地の整備が終わらなければ、那覇空港は返還されないという、俗に言う玉つき移駐の関係も関連して、こういう問題になってくるということは、あまりにも目玉商品で売り出してきた那覇空港の完全返還の問題が、本土の、この基地の返還との間に大きな問題を生じていると言っても私は過言ではないのじゃないかと思うんです。この点について、岩国、三沢と切り離して、この那覇空港が、嘉手納あるいは普天間の飛行場が早く整備されて、那覇空港が返還されるように、外務大臣はもっと積極的にこの問題の折衝に当たるべきではないか、こう考えるわけでありますけれども、いかがでございますか。
#160
○国務大臣(大平正芳君) 仰せのとおりの精神でやっておるわけでございますけれども、先ほどもちょっと御説明がありましたように、那覇空港にあるP3を普天間に移して、普天間の飛行機を岩国に移して、岩国のものを三沢に移すといいますか、あなたがおっしゃった玉つき移転ということが、最初の米軍と了解ができた計画であったんでございますが、普天間にも反対があり、岩国にも反対がありまして、したがって、私どもはそれを変えまして、それでいま御説明申し上げましたようなラインで合意をみた、あらためて合意をみたわけでございまして、その理解に基づきまして、いまからアメリカ側と具体的な折衝をやりまして、工事を急がなければいかぬわけでございまして、したがって、岩国と三沢というのは本来無関係なんでございますが、そういう経過がございますので、しかもP3関係だということで、そこにうたったわけでございまして、那覇空港と直接物理的な関係はないことになっておることを御了承いただきたいと思います。
#161
○三木忠雄君 時間がオーバーしたように思うものですから、もう一点だけ聞いておきたいんですけれども、協議委員会で合意された牧港住宅地区、これは那覇市の計画にとって非常に重要な地域です。これは本年度、先ほどの話のように三千七百万の調査費がつけられておりますけれども、この牧港補給地区あるいは那覇空軍、海軍の補助施設の全施設の移転のために、幾らの費用をかけて、いつごろにこの牧港の住宅地区が日本に返還される目途にしておられるのか、この点についてお伺いしたいと思います。
#162
○政府委員(大河原良雄君) 牧港の住宅地区は現在千二百戸ございます。そのうちの二百戸につきまして、今回嘉手納飛行場へ移転することにつきまして原則的な合意ができたわけでございますが、残りの千戸分につきましては、今後引き続き米側と話し合ってまいりたい、こういうふうに考えておりまして、したがいまして、牧港の住宅地区そのもの、つまり千二百戸分が全体として最後的にどういうふうな落ちつき方をするかということにつきましては、今後の米側との折衝にまたなければ、いまの段階でははっきりしたことを申し上げる状況にございません。
 また、住宅及び補助施設の移転に関連いたします費用につきまして御質問でございましたけれども、この点につきましても、移転ということについて原則的な合意はできたわけでございますけれども、今後、細目につきまして米側と調整をいたしますので、その上で予算額についての見通しができてくるということであります。
#163
○三木忠雄君 いつも原則的な合意の話ばかりですけれども、具体的に、この牧港住宅地区を外務省としていつまでに返してもらうと、こういう計画なのか、あるいはその会議をいつやるのか、もっと明確にできないでしょうか。
#164
○政府委員(大河原良雄君) 牧港の住宅地区につきましては、沖繩返還交渉当時からの懸案でございまして、今日引き続いて大きな懸案事項でございます。したがいまして、私どもといたしましては、先ほど外務大臣から御答弁ございました沖繩の施設・区域の整理統合ということとも関連いたしまして、あらゆる機会にこの問題に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
#165
○喜屋武眞榮君 大平大臣にお尋ねします。
 沖繩の基地の整理縮小、返還については、沖繩の復帰後に対米交渉を進めていくということになっておりましたが、そのことについて順調に交渉が進められておるかどうか、お伺いしたい。
#166
○政府委員(大河原良雄君) 沖繩返還協定締結の段階におきまして、返還後の施設・区域の取り扱いにつきまして了解覚書ができているということは、喜屋武先生御承知のとおりでございますが、その了解覚書の中のA表関係につきまして、復帰時に提供されましたものが八十七カ所ございまして、そのうち昨年の八月にハーバービュー・クラブが返還されまして、A表関係では、了解覚書にあがっております中ではハーバービュー・クラブが返還され、また同じくA表にございました川田訓練場、瀬嵩訓練場、前島訓練場、この三カ所も復帰されましたけれども、別途、伊波城観光ホテルの新規提供、それからP3に関連いたしまして那覇海軍航空施設の提供というふうなことがございました。
 それからまた、了解覚書のB表の関係では、この表に記載いたしております十二カ所のうちの宮古島ボルタック施設及び宮古島航空通信施設、これが本年二月に返還をされまして、残りの十カ所についても対米調整を現在急いでいるわけでございます。
 それからまた、了解覚書のC表の関係におきましては、三十二カ所のうち、那覇空港の一部をP3の関係で提供いたしたほかは、すべて復帰までに使用解除いたされております。
 現在沖繩にございまする施設・区域の数は総数で八十四でございますが、先ほど来外務大臣から繰り返し御答弁ございますように、沖繩の施設・区域の整理統合につきましては、私どもとしてはこれをもって十分とすることなく、先般の協議委員会はいわば第一次の措置である、引き続いて第二、第三というふうな整理統合の計画を鋭意米側と折衝を進めてまいりたい、こういうふうに考えております。
#167
○喜屋武眞榮君 沖繩の基地の縮小、返還については、大体三つの立場から検討しなければいけない問題だと思います。一つは、いわゆる反戦平和の立場、国際情勢、アジアの情勢と関連した立場だ。第二は、いわゆる明るい豊かな平和な沖繩という合いことばの、沖繩の経済開発の立場から、県づくりの立場から検討しなければいけない面。第三は、人道的立場からどうしても早急にやらなければいけない。この三つの立場があると思いますが、それに対してはどうお考えでしょうか、大臣。
#168
○国務大臣(大平正芳君) あなたの言われるような見地から取り組まねばならぬということにつきましては、私も同感でございます。
#169
○喜屋武眞榮君 では、第一と第二の立場については、きょうはもう時間もありませんので触れないことにいたしまして、第三の、人道的立場からどうしても早目にやってもらわなければいけない。これが先ほど来お話のありました北谷村の解放の件、これは何としても最優先して解放してもらわなければいけない、こう思っております。で、その理由につきましては、先日代表が来まして、大臣もお聞きだし、また各関係大臣もお会いいたしておりますので、いまさら繰り返す必要はないと思います。
 その中で、問題になる、どういう立場からこれを検討すべきであるかということについて、私疑問がありますので申し上げたいと思いますが、ます、先ほど――写真で言いますとこれでありますがね、この前もごらんになったと思います。いわゆるこの施設は、かまぼこ型の兵舎があって、そしてあとは広場になって、外人商社がカーセールの場所にしておる。その商社の本社は浦添市の字城間という場所にありまして、コーラル・アイル・モーターズの支店がそこにあるわけなんです。――これが支店なんですね。そこは、六九年から、軍人軍属を対象とする自動車売り場にしておるわけなんです。このことが、一体、安保条約第六条――陸海空軍が日本国において施設及び区域の使用を許されるという六条に照らして、そのらち外であると私は思いますが、このことを私はまず問題にしたい。十分、復帰後において、基地の点検の中で、そういうことを日本側として理解の上に交渉を進めておられるかどうか。まずそのことをお聞きしたい。
#170
○政府委員(大河原良雄君) 先般、北谷村の村長、村会議員、それから委員会の代表その他お見えになりまして、現地の状況は私どももつぶさに拝聴いたしました。ただいま御指摘のございました、北谷村の施設・区域の一部を中古車の販売所に使っていると、こういう問題につきましては、いかなる形態でかかることが行なわれているのか、その実態を調査中でございます。すなわち、軍自体がかかる中古車の売りさばきということをやっているのか、いま御指摘のとおりに、民間の業者がこの施設・区域を使っているのか、その実態を調べているところでございます。
#171
○委員長(星野重次君) 簡単に。時間がないですよ、簡単に。
#172
○喜屋武眞榮君 これは、申し上げるまでもなく、北谷村にその民間商社としての税金も納めております。だから、民間人が使用しておることは間違いありません。このことがもし黙認されるとするならば、これは重大な問題だと思います。一体どういう根拠に立ってこのことが許されてしかるべきかということを、ひとつ十分調査の上に回答願いたい。こういう事実が黙認されて、沖繩の基地の解放が当然なされるべきところがこのように踏襲されておるという、この一例であります。はっきり調査の上にひとつ回答願いたい。
 もう一点。あの射撃場――五十八号線に沿うた射撃場が露天にあります。そこで射撃をしておる武器の内容はピストルと小銃。使用武器はピストルと小銃の射撃場所であります。国道五十八号線の、あの西海岸を通っておるところの元一号線、いま五十八号線。その国道からわずか三、四十メートル海岸側にある露天であります。左右は簡単に盛り土をされている露天の射撃場である。で、このことは当然法に触れるのではないだろうか。それは時間もありませんので、お聞きしたいが詳しいことをお聞きできないと思いますが、たとえば指定射撃場の指定に関する総理府令、念のためにこれに照らしてみましても、明らかにこれは違法であります。それを皆さんはどう理解しておられるのか、これはたいへんな問題であります。その流れだまに当たって、二、三年前に死人も出ております。こういったことがあの五十八号線の目抜きの通りのすぐそばで行なわれておるというこの事実、どういう根拠によってそういうことが許されておるのであるか、このことをお聞きしたいと思います。
#173
○政府委員(大河原良雄君) ただいま御指摘ございました、五十八号線に沿っております地域を米側が射撃場として使っておるということにつきましては、これは提供施設として提供いたしておりますので、米側は、その施設内におきまして射撃場として使うということを認めているわけでございます。したがいまして、米側といたしましては、地位協定三条3項によりまして、「公共の安全に妥当な考慮」を払うという義務を負いつつ、この施設・区域の使用を行なっているわけであります。
#174
○委員長(星野重次君) ここでもう発言は許しません。
#175
○喜屋武眞榮君 終わります。
#176
○委員長(星野重次君) 以上で、本件に関する質疑は、本日はこの程度とし、これにて散会いたします。
   午後五時五十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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