くにさくロゴ
1972/06/22 第71回国会 参議院 参議院会議録情報 第071回国会 物価等対策特別委員会 第7号
姉妹サイト
 
1972/06/22 第71回国会 参議院

参議院会議録情報 第071回国会 物価等対策特別委員会 第7号

#1
第071回国会 物価等対策特別委員会 第7号
昭和四十八年六月二十二日(金曜日)
   午後一時十四分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 六月二十日
    辞任         補欠選任
     大橋 和孝君     和田 静夫君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         山下 春江君
    理 事
                長屋  茂君
                竹田 四郎君
                中沢伊登子君
    委 員
                亀井 善彰君
                佐田 一郎君
                志村 愛子君
                嶋崎  均君
                西村 尚治君
                伊部  真君
                中村 波男君
                柏原 ヤス君
                渡辺  武君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (経済企画庁長
       官)       小坂善太郎君
   政府委員
       経済企画庁調整
       局長       新田 庚一君
       経済企画庁国民
       生活局長     小島 英敏君
       経済企画庁調査
       局長       宮崎  勇君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        杉本 金馬君
   説明員
       食糧庁総務部長  森  整治君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○生活関連物資の買占め及び売惜しみに対する緊
 急措置に関する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(山下春江君) ただいまから物価等対策特別委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 一昨二十日、大橋和孝君が委員を辞任され、その補欠として和田静夫君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(山下春江君) 次に、生活関連物資の買占め及び売惜しみに対する緊急措置に関する法律案を議題といたします。
 これより質疑を行ないます。質疑のある方は、順次御発言を願います。
#4
○竹田四郎君 小坂長官にお伺いするわけですけれども、けさの新聞を見ますと、田中総理は、インフレではないと。それで、まあ経済関係に非常に明るいといわれております福田行政管理庁長官は、これはほかの席で、インフレなんだと、ほかのことはやめてもまずインフレ対策をする必要があると、こう言っているわけなんです。言うならば田中内閣の一方は首班だし、一方は首班ではないにしても現実的にはかなり大きな田中内閣の柱をなす人、この二人の人が意見が違うわけなんです。インフレであるかないか、これによってはおそらく政策もかなり違ってくるだろうと思います。で、物価担当の大臣として、一体、どうなのか。これは私どもどういうふうに見たらいいか。まあ私はインフレだろうと思いますけれども、しかし、日本の物価あるいは経済の最高責任を持っている田中内閣の中でお二人が意見が違う。国民もこれは確かに困ると思うのですね。物価担当大臣としてどっちが正しいのか、ひとつ国民にはっきりさしていただきたいというのが私の第一問であります。いかがでしょうか。
#5
○国務大臣(小坂善太郎君) インフレというのは一体何であるかということでございますが、まあ一般的には物価並びにサービス料金が一般的に継続的に加速上昇するというのが一般の学問的なインフレの規定のように了解しております。これはアメリカの学者のサミエルソンなんかもそういうことを言っておるわけでありまするが、そこで、今日の経済の現状をどう見るかということでございますが、いまのようなインフレであるといい、あるいはインフレになっちゃ困るといい、そういうことをいろいろ定義してみることは政策的にどういう効果があるであろうか。私は、そういう現状インフレであるときめつけてみても、あるいは、異常な物価高というものはこれは現実にあることなんでございますから、この物価高を押えるということにおいて、インフレときめてみても、インフレになっちゃ困るんだときめてみても、結果的には政策としては同じであるというふうに思っておりますわけでございます。そういう意味で、政府は、物価安定というものをもう最高の政策手段としてきめておるわけで、これに立ち向かうという意味においては田中総理の考え方も福田国務大臣の考え方も一致している、かように私は考えておるわけであります。
#6
○竹田四郎君 なるほど、物価安定というそういう面では、それはインフレでないという田中総理も考えていないことはないと思う。しかし、現在の物価問題が最優先の課題であるということは、もうしばしば言われている。そこで、片一方はインフレだという認識、片方はインフレでないという認識、私は、出てくる結果というのは、抽象論としてはおっしゃるようなことだと思うのです。抽象論としてはそうだと思う。しかし、具体的な政策、具体的な施策の面においてはやっぱり違ってくると思うのです。国民自体が、片方の大臣はインフレだ、片方の大臣はインフレでないんだと、こういうことを言うのでは、まさに閣内不統一もはなはだしいものだと私は思う。こういうことであってはならぬと思うのですね。やっぱり閣内の認識も統一をして国民に発表してもらわなければこれは困ると思うのです。こういうように、物価担当大臣にはおそらくこれは相談はなかったと思うのです。一体企画庁というのはどういうところなのか、私はわからなくなってきてしまう。そういうような認識の一番基本というのをつくっていくということも私は企画庁であろうと思うのです。こういう両者の発言について企画庁にこれは問い合わせがあったんですか、なかったんですか。各大臣がかってに発言をされては私は困ると思うのです。どうなんですか。これは物価担当大臣としてただそういうことだけで私はおさまり得るものじゃないと思うのです。どうなんでしょうか。
#7
○国務大臣(小坂善太郎君) わが国におきましてインフレという場合、戦後にわれわれを襲った非常な悪性インフレ、これが頭にすぐ来るわけですね。そういうような状況に現在非常に近づきつつあるとか、あるいはそうであるとか、そういうことを言うことは、これは非常にまた仮需要を逆に刺激するという、そういう面もございます。インフレなんだから、もうどんどん物価が上がるんだから、いまのうちに買っておかなければ損だと、家もいま建てておかなければ損だと、こう考えて一億がそっちへ走ったら、やはり物価はそのことだけでどんどんまた上がっていくわけです。そこで、いまインフレという、まあインフレーションとこのごろ言わずに、みんなインフレと言うわけですが、インフレというものをどういうふうにいろいろ見ているかというと、まあデマンドプルインフレであるとか、あるいはコストプッシュインフレであるとか、あるいは低生産性部門のスラッグがあって、それから来るインフレであるとか、いろいろなことを言っているわけですね。あるいは世界的なインフレの波の中に日本は漂っておるからインフレだというような言い方もある。だから、インフレとは一体何ぞやということについて言う人がそれぞれ違う規定をもって言っているわけです。要するに、通貨に対する信認が失われつつあるというようなそういう非常な悪性の段階に達したインフレだということを頭に置いて、いまはインフレじゃないと言っている人もあるし、まあ物価が上がっている、物価騰貴というのはインフレということばで言っているから、いまインフレなんだと、こう言う人もあるでしょう。そういう意味で、いろいろ象徴的に、あれはインフレと言った、あれはインフレと言わないというようなことを申しましても、経済企画庁長官の意見を聞かれれば、私は断固として一つのことを言っているわけです。これはいろいろな機会で申し上げている。いまもそれに触れているわけであります。結局、私は、そういう意味で、政府のそのほうの当局者というものがそういう定義を――これはもういろいろ学者の間で意見のあることでございますが、政府としてそういう定義をすることが一体どういう実益があるかということを考えている、そういう立場でございます。不毛の論議を政府は助長するようなことは避けなければならぬ、こういうことでございます。
 企画庁長官に問い合わせがあったかということでございますが、これは事柄の性質上、おれはこういうことを言おうと思うが、どうだというようなことを言うほどの重要なそういう意味を持つものではないというふうに思います。非常に重要なことであれば、当然、私に対して意見を求められるでしょうけれども、問い合わせがないということは、それほどに重要に考えて言っておられないことであろう、こう思っておるわけでございます。
#8
○竹田四郎君 私は、学者が議論するならいいと思うんですよ。学者がいろいろな意見を出すのはいいと思う。あるいは議員の立場でいろいろ意見を出すのは、これはまたいいと思う。しかし、これほど物価問題がやかましくなっているときに、内閣の実力者が、おのおの、幾らそれは定義が違うというふうに言われていても、かってに出されるということは、私はたいへんなことだと思う。インフレであるかないか、これだってもう十分そういう点は注意して出していただかないと、いまの物価上昇という問題は、ある意味では論理的な問題でなしに、心理的な問題というものも非常に影響をしているというのが私は実際だろうと思うのです。そういう中で、おのおのがかってな解釈をして、しかも、内閣という一つの組織ですよ、内閣というのは私はばらばらな大臣がただいるだけじゃないと思う。国の行政をやっていくところの一つの組織だと思う。その中でおのおのがかってな解釈をやっていくということは、私はどうも理解できない。小坂長官、あなたは一体どう考えているんですか、インフレについて。いまの状態はインフレであると考えているのか、インフレでないと考えているのか、あなたはどうですか。
#9
○国務大臣(小坂善太郎君) 私は、さっき申しているように、いまのがインフレであるとかないとかということがそれほどの意味を持たない、こういう論議は経済企画庁の長官として言うことはむしろ不毛の論議であると――私の立場ですよ。お聞きになるから申し上げるので、あなたのおっしゃる意見が不毛だと私は言っているわけではございません。これはお断りして申し上げますが、私はそういういまの現状をインフレであるとかないとか定義することは不毛のことであって、むしろ私どもがやることは、いま燃え盛ってくる物価騰貴の火の手をどうしたら消しとめることができるか、この点に問題を結集したいと、こう思っております。
#10
○竹田四郎君 まああなたはそう考えていても、内閣としてはこういう二つの意見が出ちゃっているわけです。具体的に出ちゃっているんです。これは物価担当の企画庁の長官としてこの問題は一体どういうふうにおさめてもらえるんですか。そのままでは私は済まされぬと思いますよ。福田さんもかつての経済閣僚をやられた経験が非常に深い、その御経歴もやはり非常に深い人です。一方は内閣の首班です。これをそのままにして私ども見過ごすわけにはいかぬと思うのです。何とかこれは一つにまとめてもらわなければ、どっちにしてもいけないと思うのですけれども、どうにかまとめてもらえますか、どうですか。そのままでほったらかしておくということですか。私は、ほかの農林大臣だとか通産大臣なら、こういうことを言いません。少なくともきょうの参議院の本会議で物価局というものを新設した。しかも、それはあなたの所管の一つになっている。こういうことになると、どうもそれを解釈の違いだとか、定義の違いだとかというようなことで見過ごすわけにはいかぬと思うのです。どうしてくれるんですか、これは。
#11
○国務大臣(小坂善太郎君) 私はその日本記者クラブに行っておりませんので聞いておりませんしまた、もう一つ何とかいうところ、その福田大臣が言われたというその場所にも行っておりませんので、どういうふうに言われたのか、そのことも聞いておりませんから、まあいませっかくのお話しでございましたから、その当時列席しておった者、あるいは本人からよく話を聞いてみて、そうしてあなたのおっしゃるような非常な食い違いがあるのかどうか、それも確かめてみませんと何とも申し上げられませんから、それは、せっかくのお話でございますから、そういうふうに努力いたします。努力いたしますというのは、聞いてみて違いがあるのかないのか聞いてみるということについて努力いたします。
#12
○竹田四郎君 それでは、ひとつその点は両者のインフレという問題に対する、どういうことを言ったのか、これ新聞にはもうほとんど出ておりますから、いまさらこの新聞を全部回収しろというわけにもいかぬでしょう、全部出ているんですから。これはこの次の会合まで、その点を明確に一本にしてきていただけますか、どうですか。お約束できますか。
#13
○国務大臣(小坂善太郎君) 私申し上げているように、どういうことを言われたのか、そのことが新聞には見出しだけ――実は、けさ忙しいものですから、見出しをさっと見て来ているわけでございますが、新聞によってはそんなに食い違いがないような見出しに読めた点もございますし、よくどういうことを言われたのか聞いてみないと、これで一本にするとお約束しても、もともと一本のものを一本にするとお約束するのも変でございますので、その程度にしていただきまして、まあせっかくのお話しでございますから、よく事情を聞いてみるようにいたしたいと思います。
#14
○竹田四郎君 しかし、私はそんなになまやさしい問題じゃないと思うんですよ。見出しだけ読んでも、私も、けさ、朝六時から家を飛び出ましたから新聞を読んでいるひまはなかった。新聞の見出しだけ見ただけです。国民の多くというのは私は大体そうだと思う。片方は何を書いてあるか。インフレになったら物価、賃金等の一切の凍結をしなくちゃならぬ、いまやその必要はないからインフレでないと、こういうふうに私は受けました。私も正確に読んでいるわけじゃないですが、一方のほうは、いまはインフレだから、ほかの、まあ軽いということばが適当かどうかわかりませんけれども、そういうことよりも、いまインフレ退治をしなくちゃいかぬと。だから、新全総なんかも、そんなものはいまやるべきじゃないと。具体的にはそのくらい分かれているんですよ。きょうだって、設置法の問題が、あなたも出ておられましたから御存知のように、具体的にそれが論議になっているそのときですよ。やってくることは一つ一つ変わってくるんですよ。ですから、どうもあなたは立場が困るという意味なのか、あるいはこんな問題は触れたくないということなのかわかりませんけれども、国民に与える影響というのは、何と言ったって、新聞がどう書こうがこう書こうが、とにかく新聞を通じて国民のところには流れているわけですから、そんなに私は簡単な問題じゃないと思うんです。調べてみなければ確かにどういうことなのかわからぬでしょうけれども、これはこの次までに、違っているのか違っていないのか、はっきりしてきていただけますね、その点は。
#15
○国務大臣(小坂善太郎君) どうも何回も同じことを申し上げるようですけれども、極力実態をきわめまして、そうして御報告いたします。
#16
○竹田四郎君 その問題については、田中総理とそれから福田長官に、場合によっては、その答弁いかんによっては、出てきてもらって、ここではっきりしてもらわなくちゃならないようになるかもしれませんから、その点はひとつ委員長のほうでよろしくお取り計らいをいただきたいと思います。
 それでは、時間の関係で次へ移りますけれども、小坂長官は、新聞料金の値上げについては、「日本経済新聞」についてはたいへん勇気ある発言をあなたはなさいました。その点では敬意を表します。しかし、きのうきょうの新聞を見ますと、新聞料金の値上げについて、いままでよりも新聞社としてもその値上げの理由についてかなりの紙面をさいて説明はしておりますけれども、「日本経済新聞」が上げるときにあなたはあれだけ値上げを自粛してほしい、このようにおっしゃられたんですが、今度の「読売」とか「毎日新聞」、まあ「朝日新聞」はまだ出ていないようでございますけれども、その他の新聞の値上げについて、あなたは、どのようにお考えになっているのか。どうも私ども紙面を見る意味では、あなたのお考えというものが「日本経済新聞」についてはよく出ておりました。その他の新聞についてはあまりよく出ておらないわけです。これは私のひがんだ考え方かもしれませんけれども、「毎日」、「読売」というのは、「日本経済新聞」が特殊的な新聞だとすれば、一般的な新聞だということで、あなたの発言が弱くなったのではないだろうかという勘ぐりが私にはあるわけです。しかし、新聞も、率直に言って、自分に都合の悪いものはおそらくあまり出さないでしょうから、出してもきわめて小さく出しているでしょうから、どうもその辺が、「日経」に対してはたいへん強い御発言だったけれども、今度はどうも長官の御発言は弱いように思いますが、いかがですか。
#17
○国務大臣(小坂善太郎君) せっかくの御指摘でございまするけれども、実は、昨日、「読売新聞」の値上げに関する経済企画庁長官談話というのを発表いたしました。これはほとんど同一趣旨でございます。ここに原文を読み上げることは省略いたしますけれども、「日経」のときと同じ趣旨で言っておるわけでございます。ただ、報道されたかされないか、私は実は本院にずっと出ておりまして、例の物価局新設について内閣委員会に出ておりましたので、これは存じません。そこで、あるいは竹田委員に非常に弱いように映ったのかもしれませんけれども、言っていることは同じでございます。物価安定政策会議の特別部会におきまして、「日本経済」のときも、責任者に来てもらいまして、いろいろ値上げの理由を聞いたわけでございますが、この「読売」の場合も二十六日においでを願うということにいたしております。それで、実はそういうふうにいろいろやっているのですが、いかにもどうもなかなかお聞き届け願えませんで、きょうまた「毎日新聞」「サンケイ新聞」が値上げを発表されておるというふうに聞いて、非常に失望落胆、はなはだ困っておるわけでございますが、別に私の意図は新聞によって差等を設けるなどということは全然考えておりません。どうも、新聞というような世論指導機関が、一方的に、しかも抜き打ち的に購読料の値上げを発表されるということは、はなはだ困ったことであって、何とか自粛を願えないかと、こう思っておるわけでございます。
#18
○竹田四郎君 具体的にただ談話を発表するだけじゃ、いままでの例でも私はとめられないと思うんです。長官、談話を発表すれば自粛してくれるというようなことでしょうか。あるいは、現実に各社の社長をお呼びになって、ある程度経営状態ということもお調べになって、そういう上で自粛を願うという形にならなくちゃならぬと思うのですが、そういう措置はおとりになっておやりになったわけですか、どうなんですか。
#19
○政府委員(小島英敏君) なかなか、新聞社に対しましての採算状況の説明聴取というようなことは、もちろん法律的なバックもございませんし、この前の「日経」の場合でも、実は公表されておらないわけでございますね。会計報告というものは公表されておりませんので、普通の産業における以上に新聞社の場合というのは実態がよくわかりませんわけです。株主総会に内部的に配付された資料をある方面からいただいて、一応内部的に公表された資料でいろいろ検討するということが限界でございまして、その意味からはなかなかどうも、普通の企業でもそうでございますけれども、新聞社の場合は一そうそういう実態把握はむずかしいということでございます。
#20
○竹田四郎君 最近の新聞というのは、ページ数が非常に多くなってきております。ごみ公害といわれる中で実際われわれも弱っているわけですね。そういう中でそれじゃ実際上のサービスがよくなっているかというと、あまりよくなっておりません、率直に言いまして。であるだけに、経企庁の長官ね、ただ談話ぐらいでは私はこれはとてもだめだと思うんですよ。率直に言って、経企庁の長官というのは、談話は非常にうまいですね。談話とか政策発表は非常にうまい。しかし、あんまり実効があがらないんですね。また何か弁解をなさるかもしれませんけれども、実際に実効があがらないんですね。ぼくは、これじゃ、受けるほうでも、ああ経企庁何か言っているなということでやっぱりせっかくの談話が軽くあしらわれてしまうだろうと思うのです。もう少し実効のあがるやり方というのを、どうですか、長官、お考えになったらいかがですか。ただ談話発表ぐらいで終わらないで、現実的にその新聞社の社長をお呼び出しになって実際の状況というものを精査してみておやりになったらどうでしょうか。ただ談話だけ発表されて、社長と会ってお話しになったのかどうか、その点もいまのところ明らかでないわけですが、私は、いまの段階で談話を発表するならば、いまの物価情勢の中で、そのくらいは経企庁の長官もおやりになるべきだと思うのです。そういうことはおやりになったのですか、ならないのですか。ただ談話だけですか。
#21
○国務大臣(小坂善太郎君) 実は、新聞の値上げというのは、御承知と思いますけれども、もう昨年からずっと企画されておるものでございまして今日まで押えに押えてきたわけでございます。人知れぬ苦労を実は私もしておる――だれに会ってどうしたということは申し上げませんけれども、そういうことで非常に苦労をしてきておるわけでございまして、どうもまことに困ったものでございますけれども、いまの物価安定政策会議のほうへ出てきていただいていろいろ話をいたします場合は、消費者の代表がほんとに生活そのものからくる強い意見を吐かれるものでございますから、これはある意味で非常に効果的に機能してきておることなんでございます。今後も消費者の声を特に新聞経営者にも反映いたしまして、こうした値上げについての自制を求めていくという行動を続けたいと思います。一片の談話で能事終われりとしているわけではございません。しかしながら、実際問題として、なかなか新聞社というのは強力でございますから、これはある意味においては政府より強力であるという点がございます。それにいろいろこちらの言うことを聞いてもらうという長官なるものの苦心も御了承願っておきたいと思います。極力ひとつ翻意を促したいと考えております。
#22
○竹田四郎君 長官は、この間、米価の値上げについて、米価の値上げはするべきでない。もしもそれによって食管会計が赤字であるならば、これは政府の財政負担によって埋めるべきであると。私はたいへんけっこうなお説を発表になったと思うのです。これはもしも米価がきまって――いつごろきまるのかわかりませんけれども、たいへんけっこうなお話だと思うのですが、農林省の方がいらっしゃっていると思うのですが、消費者米価はどうするんですか、どういうつもりでいるわけですか、その点を先にお聞きしておきたいと思うのですがね。上げないつもりなのか、上げるつもりなのか。おそらく米価審議会にはかってということできっと逃げられると思うのですが、それじゃ困るわけです。その点は一体どうなのか。
 それから企画庁長官は、ほんとうに上がると言ったら、ほんとうにそれをおやりになるでしょうね、あれだけおっしゃったのだから。大蔵省を絶対に説得しておやりになるのでしょうね。それでなければあなたに聞いたって意味ないんですから。
#23
○国務大臣(小坂善太郎君) 先日のあれは内閣委員会だったと思いますが、麦価の問題について私が上げるべきでないということを言ったことについて関連してお話がございました。なぜお前はそれをやったか――そのお話どおり言いますと、非常にいいことをやったというお話がございました。そのときに、私は、これは世界的に小麦が不足してくるので値段が上がるということになると、もう買い入れ価格は上がらざるを得ないと。それじゃ、消費者麦価も払い下げ麦価も上がるんだと、そうすればパンも上がるんだというふうに連鎖反応が起きまして、非常にいわゆるインフレ心理に拍車がかかるということになっては非常に好ましくないから、これはひとつ上げないということにしてもらいたいということを閣議で農林大臣に要請したわけです。しかし、それによって生ずる財政負担は、これはこの際非常に減税も考慮されているときであるから、一種の減税と考えてもらいたい。しかも、税金を払えない低所得者層に対しては、いわゆる負の所得税であるということで考えてもらいたいということを申したという話をしたわけです。そこで、それじゃ、米価はどうするんだと、こういう話がございました。私は実はもう長い間二十七年国会におりますけれども、その間二十年ぐらいは毎年米価問題で苦しんでおる。私の選挙区も米産県でございます。この問題では非常に苦しんでおります。そこで、その際一番問題になるのは、消費者米価と生産者米価を同時決定するかしないか。それは非常に微妙に生産者米価に響く問題であるから、いま消費者米価のことは生産者米価のきまる前に言うのは適当でないと。そこで、この際言えることは、消費者米価については十分慎重に考えてもらいたいということを申し上げるのだと、これが御答弁申し上げたすべてでございます。それに対して、十分慎重にじゃ答弁にならぬじゃないか、据え置くとなぜ言わぬという御質疑がございましたけれども、私はばかなような顔をして十分慎重にでございますとこういうふうに申し上げた、そういう次第でございます。
#24
○説明員(森整治君) 企画庁の長官の御答弁で尽きていると思いますが、蛇足かもしれませんけれども、売り渡し価格は、まだ生産者米価の取り扱いをどうするかという問題もきまっておりませんし、いずれにいたしましても、食管法の規定どおり、各般の事情を参酌いたしまして慎重に検討さしていただきたいというふうに考えております。
#25
○竹田四郎君 二人とも今度えらく慎重になっちゃって、たいへん景気のいい話が非常に景気が悪くなってしまったわけなんですが、森総務部長にお聞きしますが、かりに、かりにです、生産者米価が上がったとすれば、要求もすでに出ておりますが、日農からも出ておりますし、それから農協からも出ております。上がったとする。おそらく上げざるを得ないでしょう。現在の米穀事情から言えば上げざるを得ないでしょう。もしかりに上がったとすれば、そのときには消費者米価は据え置きますか、上げざるを得ないですか、これは事務的に答えてください。私は食管会計の内容というものはあまりよく存じておりませんから、その方面から分析して私は質問しているわけじゃないですから、生産者米価がかりに上がったとすれば、どうですか。
#26
○説明員(森整治君) たいへんむずかしい御質問でございまして、率直に事務当局としての考え方を申し上げさせていただければ、従来からやはり逆ざやという問題をかかえております。その額がどうということももちろん財政的な見地からございますけれども、食管の制度を運用していく上で逆ざやという問題が管理面におきまして非常にむずかしい問題を実は出してきておるわけです。具体的なお話は省略さしていただきますけれども、そういう問題から、従来からやはり逆ざやを段階的に是正をしていくという考え方で消費者といいますか、政府の売り渡し価格を基本的には考えながら、同時にもちろん物価対策ということからそういう調整をはかりながら、総合的に検討をしてまいってきておるわけでございます。まあ仮定のお話ではございますけれども、基本的にはやはりそういう考え方でいくのが筋ではなかろうかとわれわれは考えておるわけでございます。
#27
○竹田四郎君 そうしますと、企画庁長官ね、まあ筋論としては、食糧庁としては逆ざやを段階的に解消していくということですから、段階的というのは徐々に解消をしていくという問題が一つ、それから物価情勢を考えてやるということであります。全体のお話のニュアンスとしては、計算上事務上言えば、生産者米価が上がれば消費者米価もそれだけ上げるのかどうか、それはわかりませんけれども、まあとにかくそういう方向で検討せざるを得ない、こういうふうに私は受け取ったわけなんです。かりにそうなった場合は、先ほどは慎重に対処をするという立場で何か非常に後退をしたような感じでありますけれども、もしもかりにそういう形で上がった場合は、これは慎重に対処するというのは、麦価と同じように米価のほうでもそのようになさって、いわゆるマイナスの所得税的な考え方、そうしたことでおやりになるという意思はいまもお変わりはございませんか。
#28
○国務大臣(小坂善太郎君) 私は、米価については、十分慎重ということだけ申し上げておるわけでございますが、先ほども申しましたように、生産者米価と消費者米価は同時決定がなされておらぬわけでございます。御承知のように、大体生産者米価は六月ないし七月、消費者米価は十月ごろか十一月ごろというようなことでございまして、同時決定はしないというのが従来のやり方でございます。一部に理論的には同時決定すべきであるという説もございますが、実際問題としてはそうなっていないので、消費者米価の決定される時期におきまして十分家計への影響、物価全般に及ぼす影響を考えまして慎重に対処したいと、こう思っております。
#29
○竹田四郎君 どうも、こういう時期に物価担当の大臣がただ慎重に慎重にということじゃ、私は国民は納得しないと思うのですよね。まず消費者米価そのものについてはあなたはどういうふうにお考えですか。ことしは上げさせないというのかあるいは、ある程度はいたし方ないというのか、どっちですか。
#30
○国務大臣(小坂善太郎君) 物価問題全般に関しての私の気持ちはもうすでにおわかりいただいていると思いますが、なるたけ上げないという、全般に上げちゃ困るという考え方を持っております。しかし、現実に消費者物価が上がっておるのは現実でございますので、かれこれいろいろ勘案いたしまして十分慎重に対処していきたい、こう思っております。いま私はそういうことを申し上げる段階でないという考え方を持っておるわけでございます。
#31
○委員長(山下春江君) ちょっと速記をとめてください。
  〔午後一時五十四分速記中止〕
  〔午後二時二十九分速記開始〕
#32
○委員長(山下春江君) 速記を起こしてください。
 暫時休憩いたします。
   午後二時三十分休憩
  〔休憩後開会に至らなかった〕
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト