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1949/03/04 第7回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第007回国会 本会議 第21号
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1949/03/04 第7回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第007回国会 本会議 第21号

#1
第007回国会 本会議 第21号
昭和二十五年三月四日(土曜日)
 議事日程 第十九号
    午後一時開議
 第一 科学技術の振興に関する決議案(星島二郎君外二十八名提出)(委員会審査省略要求事件
 第二 農業災害補償法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第三 農業災害補償法第十二條第三項の規定の適用を除外する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第四 農産種苗法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 第五 公職選挙法案(選挙法改正に関する調査特別委員長提出)
 第六 公職選挙法の施行及びこれに伴う関係法令の整理等に関する法律案(選挙法改正に関する調査特別委員長提出)
 第七 社会保障制度審議会設置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第八 日本国憲法第八條の規定による議決案(内閣提出)
 第九 持株会社整理委員会令第二十三條第六項の規定に基く、昭和二十三事業年度持株会社整理委員会経費収支計算書並びに譲受財産及び過度経済力集中排除法第七條第二項第五号の規定に基きその譲受けたる財産に関する財産目録及び収支計算書
●本日の会議に付した事件
 池田大蔵大臣兼通商産業大臣不信任決議案(天野久君外三十三名提出)
 大蔵大臣兼通商産業大臣池田勇人君に対する不信任決議案(野坂参三君外三十五名提出)
    午後六時二十五分開議
#2
○議長(幣原喜重郎君) これより会議を開きます。
   ――――◇―――――
池田大蔵大臣兼通商産業大臣不信任決議案(天野久君外三十三名提出)
 大蔵大臣兼通商産業大臣池田勇人君に対する不信任決議案(野坂参三君外三十五名提出)
     (委員会審査省略要求事件)
#3
○山本猛夫君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、天野久君外三十三名提出、池田大蔵大臣兼通商産業大臣不信任決議案及び野坂參三君外三十五名提出、大蔵大臣兼通商産業大臣池田勇人君に対する不信任決議案、以上の両案は提出者の要求通り委員会の審査を省略してこの際一括これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
#4
○議長(幣原喜重郎君) 山本君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○議長(幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 池田大蔵大臣兼通商産業大臣不信任決議案、大蔵大臣兼通商産業大臣池田勇人君に対する不信任決議案、右両案を一括して議題といたします。順次提出者の趣旨弁明を許します。天野久君。
   ―――――――――――――
  池田大蔵大臣兼通商産業大臣不信任決議案
   池田大蔵大臣兼通商産業大臣不信任決議
  衆議院は、池田大蔵大臣兼通商産業大臣を信任せず。
  右決議す。
   ―――――――――――――
  〔天野久君登壇〕
#6
○天野久君 私は、共産党を除く野党各派を代表いたしまして、大蔵大臣兼通商産業大臣に対する不信任決議案の趣旨弁明を行わんとするものであります。(拍手)私は池田大蔵大臣とは旧知の間でありまして、本日この席において大蔵大臣兼通産大臣の不信任決議案の理由を述べることは、情において忍びがたい感があるのであります。しかし、わが国の再建を双肩に担う中小企業の現状を見るとき、わが国の前途を思い、中小企業の窮状を見るときに、ただ私情や情実によつて黙視し得ず、あえて大蔵大臣兼通産大臣の不信任決議案の趣旨を弁明するものであります。(拍手)
 最初に決議案を朗読いたします。
   決 議
  衆議院は、池田大蔵大臣兼通商産業大臣を信任せず。
  右決議す。(拍手)
 私は、先日各新聞に報ぜられた重役一家八人心中の記事を見て、いかに中小企業が重大なる場面に突き当つておるかを思い、実は緊急質問を試みんと考え、念のため中小企業の実態調査に手をつけたのでありますが、その実情は実に想像以上でありまして、言語に絶するものがあります。生をうけた人間が、わが子を思うの念は絶対的なものでありまして、わが身を犠牲にしても、わが子のためにはと念ずるのが、親の真実であります。しかるに、かわいいわが子を、親みずからの手によつて、その生命を断ち、わが身もその手で死するとは、これこそ人間の断末魔であつて、涙なくしては見聞のでき得ない現実であります。同じ心中にしても、男女恋愛によつて行う心中と同一視することはでき得ないのであります。
 親子心中、またこれに類する悲惨な事件は、社会に発表される件数はきわめて少数であるが、それに準ずる立場のものは数知れず、たくさんあることを考えなければなりません。私が調査しておる中にも、実に驚くべき事実があつたのであります。それは、名古屋のある事業家の主人が、事業不振と税金攻勢のために、いかんともなしがたく、自殺を決意して、青酸カリと遺書を懐中いたし、死地を山梨県に求めて参つたのであります。小づかいもなく、余儀なく無賃乗車をいたしたために、列車公安官に発見され、身体検査の結果その事実が判明いたし、保護検束の上に事なきを得た事実があるのであります。その公安官いわく、こんな例は間々ありますよと言つておるのであります。この一事を見ても、中小企業がいかにさんたんたる状態であるかが想像できるのであります。
 しかるに、一昨日の池田大蔵大臣の談話の記事を見て、そのあまりにも冷酷なる暴言に、まつたく愕然としたのであります。(拍手)私は新聞記事の誇張ではないかと疑つたのでありましたが、いずれの新聞もみな大体同一の記事であります。また翌日開かれた予算委員会における池田大蔵大臣の答弁を総合して、あの暴言が真実であつたことを裏づけられたのであります。(拍手)おそらく、今日破産に瀕し、せめて政府において何らかの対策があるものと一縷の望みを抱いていた全国の中小企業者は、色を失い、万事窮すという失望感に突き落されたと思うのであります。
 池田大蔵大臣は、通産大臣をも兼務しておるのであります、いわば中小企業者の親であります。中小企業の振興には特別な御努力を傾倒していただかなければならない立場の人であります。しかるに、その大臣が、中小企業の倒産もやむなしと放言され、事業の不振や納税を苦にして五人や十人の自殺者が出ても、それはやむを得ないと、うそぶくに至つては、まさに人道上許されるものではないのであります。(拍手)
 一体大蔵大臣は、人命の尊重ということを考えておられるのであるか、その心理状態を疑うものであります。日本国憲法にも明らかな通り、基本的人権こそ侵すことのできない国民の権利であり、冷酷無情な態度は人類の敵である。おそらく、あの新聞記事を読む諸外国の人々は、日本人とは冷酷な民族であり、人道を無視した常識の持主であるという印象を受けたと思うのであります。
 特に奇怪に思いますことは、池田大蔵大臣は、十月ごろまでには中小企業の整理が一段落することと思うが、じたばたする人間が少くて済むように、いろいろな施策をやつて行かなければならない、と語つておることであります。大体じたばたという言葉は、首を絞められた場合に、苦しまぎれに手足をばたばたすること言う形容詞であります。中小企業者は苦しくて、もがいている、こんなものは早く片づけてしまつた方がよいというぐあいに解釈されるのでありますが、その通り解釈してもよいか、国民を疑わせるのであります。
    〔発言する者多し〕
#7
○議長(幣原喜重郎君) 静粛に願います。
#8
○天野久君(続) 池田大蔵大臣の言われるように、倒産や自殺者の五人や十人は、数字そのものは、国民全体から見れば、まことに微々たるものかもしれないのでありますが、その背後には、広汎にわたつて中小企業者層が同様の苦しみをなめているのであつて、そのことを思うならば、政府は中小企業に対して決して冷淡であつてはならないはずであります。
 かつて。わが国の軍閥や官僚が、天皇の名を利用して独裁専制の政治を行つたと同様に、吉田内閣は、ドツジ政策に名をかり、中小企業の整理や倒壊はドツジ政策の不可避的な結果であると言つて、その責任を転嫁しておるのであります。(拍手)もちろん、ドツジ政策が、経済安定の方策として、企業の合理化や補給金の廃止、消費の抑制を要求したことは一応認められるのでありますが、しかしながら、その一切のしわを中小企業者や農村に寄せることまでもドツジ案は要求していないと考えるのであります。むしろ、政府の傾斜生産方式や復金融資方式の線に沿りた大企業偏重の方策が、ほとんど修生されることなくドツジ政策とからみ合つたために、中小企業者がその犠牲として苦境に追い込まれるに至つたことは、見のがしができない問題であります。(拍手)一体、中小企業者は見殺しにしてもよいということが、ドツジ条のどこに示されておるか、見出せないのであります。
 吉田内閣のとり来つた政策は、中小資本以下の大衆から取上げた資産をもつて、少数の独占資本に集中する性格を持つていることは、あらためていうまでもないのでありますが、この基本的性格は、本年度予算においても、さらに強められていると思うのであります。たとえば、大部分が大衆課税である租税負担は、二年前の三千百十四億から、五千百五十九億という、六五%の増徴となり、国民の所得に対する割合が、一八・九%から二五・八%に高まり、地方財政において遊興飲食税は四倍、地租は二倍半、家屋税二倍、住民税六〇%の増徴となり、なお聞くところによれば、附加価値税、財産税等を設定せんとするやに聞き及んでおります。これが中小企業者及び農漁村の金詰まりに極度の拍車をかけているのであつてそのようにして吸い上げられた財政資金は、これらの人々のところにはほとんど還流ざれずに、一部独占資本や銀行資本の手に集まつて行くのであります。(拍手)
 今日、中小企業者や農漁村では金詰まりであるというのに、銀行には金がだぶついておるのであります。これらの金の大部分は、天資本家、大企業家に流れて行くのであります。全国銀行勘定の昨年度の貸出状況を見ても、四月ないし六月には五百九億、七月―九月には一千四十二億、十月―十二月には四百八十八億、合計二千四十億という増加を示し、三月末には四千八十二億であつた貸出総額が、十二月には六千百二十二億に激増しておるのであります。この数字は、いわゆる金融引締めが決して全般的なものではなく、一部の少数の独占資本に対して厖大な融資が與えられていることを何よりも雄弁に物語つておるのであります。
 池田大蔵大臣は、よくディスインフレを口にせられるのでありますが、現下わが国の国内情勢は、一部少数の大資本家は金がだぶついてインフレであり、九十幾パーセントかの大多数の国民は、金がなくてデフレであります。このバランスをとつたものがディスインフレかと、皮国なことをお尋ねしなければならないのであります。
 申し上げるまでもなく、わが国の企業者数の九九%は中小企業であり、またわが国の生産高の六三%は中小企業者によつてまかなわれておる実情であります。戦後わが国が、かくも早く復興の緒につたことは、そこに中小企業者の大きな足跡のあることを認めなければならないとともに、今中小企業の多数が閉鎖したり破産してしまつたならば、たちまちわが国の復興に支障を来し、生活必需物資や輸出向けの製品の生産低下は必然であります。おそらく政府もこうした点を考慮に入れ、二十億円の予算を中小企業設備資金に充てたものと思われるのでありますが、しかしこれとても、営利を目的とした銀行は、その融資に対してはきわめて冷淡であり、加うるに高度にして複雑なる資料を必要とするため、工場主兼労務員兼事務員として日々生産と取組んでおる中小企業者にとりましては、この書類の作成は、あたかも小学生に大学の試験を求むるの類で、一々計理士等に依頼して莫大な費用を要し、しかも融資は不可能に近いというのが実情であるのであります。池田大蔵大臣は、通産省兼務の大臣としてあなたの所管である中小企業庁が、中小企業の現状を打開するためには二百十八億の資金が必要であると訴えておることは、御存じだと思うのであります。御存じであるとしますならば、それを実行に移さなくては、中小企業者の実情をお知りになつておるとの証左とはなりません。実行に移されないのは、今日の中小企業者の実態を知らざるもはなはだしいと断ぜざるを得ないのであります。しかして、この状態におきましては、為政者として仰ぐの資格を認め得ないのであります。
 なお吉田内閣は、誠実に政策の検討をいたしておるやいなやを疑わざるを得ないのであります。ややもすると、数をたのんで押し切らんとすることのみに苦慮しておる証左があるのであります。その証左といたしましては、昨年より本年の二月に至る一年有余に及び、保守合同のみに恋々といたしておるのであります。意義なき保守合同の実現に没頭しておることは、多数をたのむの要ありと考えておるものと断ぜざるを得ないのであります。民主主義、平和日本再建の上に立つ政治は、最も正しく国民の実情を把握し、日本の持つ特殊性と、日本国民の持つ晴耕雨読、勤勉努力をもつて明日へつなぐ希望を生かして、国民の一人々々が栄えずして、決して日本の再建は望み得ないのであります。よつて現大蔵大臣兼通産大臣をわれわれは信任せざるのゆえんであります。(拍手)
#9
○議長(幣原喜重郎君) 風早八十二君。
   ―――――――――――――
 大蔵大臣兼通商産業大臣池田勇人君に対する不信任決議案
   大蔵大臣兼通商産業大臣池田勇人君に対する不信任決議
  衆議院は、大蔵大臣兼通商産業大臣池田勇人君を信任せず。
  右決議する。
   ―――――――――――――
    〔風早八十二君登壇〕
#10
○風早八十二君 ただいま議題となりました、野坂參三君外三十五名提出の、池田大蔵大臣兼通産大臣に対する不信任案に関する趣旨弁明をいたします。
 まず決議文を朗読いたします。
  本院は、大蔵大臣兼通商産業大臣池田勇人君を信任せず。
  右決議する。
 私は、この際、日本共産党を代表して、この不信任案の趣旨弁明をいたさんとするものであります。今回、池田大蔵大臣兼通産大臣が新聞記者団との会見でやつた失言もしくは暴言は、実は池田君自身にとつては、暴言でもなく、失言ですらなく、吉田内閣の正体を暴露したものにすぎないのであります。でありますから、池田大臣は、これほど鴛々たる非難を国博大衆、全野党、いな自由党の内部からさえ浴びせかけられながらも、依然として反省の色なく、中小企業がつぶれるのだから、つぶれてもしかたがないと言つたまでだと、捨てぜりふを浴せ返しておるのであります。中小企業はつぶれてもしかたがないという池田大蔵大臣の放言が吉田内閣の財政経済政策の本質である以上、かりに池田大蔵大臣が場当りの訂正や取消しをやつたところで、事態は少しも改善せられないのであります。
 吉田内閣の本来の面目は一体どこにあるか。それは政治、経済、財政、金融、貿易、文化、教育一切について、特定の外国への隷属、自主性の完全なる喪失にあるのであります。池田大蔵大臣は、たまたま中小企業のことをしやべつたのでありますが、池田君がほんとうに言いたいことは、日本帝国主義の復活、再び戦争に日本を巻き込むためには、軍需産業以外のものは一切つぶれてもかまわない、いや、内外独占資本のための巨額な国債、外債の償還のためには、戦争の大目的に役立たない平和産業はつぶしてしまわなければならないということであります。それをちよつぴり値切つて、中小企業がある程度つぶれてもしかたがないと言つたまでであります。ここでさらに注意しておきたいのは、この残したもの、言いかえれば戦争の目的に役立つものさえも、実は根なし草でありまして、外国資本の隷属的な下請機関になるにすぎないのであります。(拍手)
 池田大蔵大臣の暴言は、決して今日に始まつたことではない。池田大蔵大臣の言うことは、言々句々暴言に満ちておるのであります。中小企業者が重税のために自殺したり、あるいは一家心中したりしてもやむを得ないというような言葉は、すでに昨年の五月二十八日の考査特別委員会におきまして、わが党の徳田議員の質問に対する証言において述べておるのであります。本年一月の新聞紙上におきましては、池田大蔵大臣は何と言つたか。日本にどこに金詰まりがありますか、これほどの戰争をしたのだから、これくらいのことはあたりまえであると言つております。そういう意味のことを言つております。まだまだ日本国民は甘い、これからどかつと来るのだということを言つておる。今度の記者団会見でも、追徴金をとられまいと思うなら差押えを受けたらよいではないかと、こういう暴言を吐いておるではありませんか。(拍手)また一日にはこう言つておる。この状態を、ドツジさんが来られたら喜んでもらえると思う、と言つておる。これは全国七千万の人民大衆をドツジ氏の人身ごくうに供するものだと言われても、しかたがないではありませんか。(拍手)
 池田大蔵大臣の傲岸不遜は、彼に特別に政治家としての才能があるからであるか。断じていなであります。池田大蔵大臣の傲岸不遜の秘密は、たつた一つだ。彼が虎の威をかりるものだということであります。(拍手)正確に言うならば、吉田首相自身、虎の影法師であるところの張子の虎であり、(拍手)池田君は、その張子の虎の威をかりるものにほかならないのであります。(拍手)
 池田大蔵大臣は、一月二十五日の本会議における、わが党野坂參三議員の質問に対して、米国対日援助見返資金の運営は、米国対日援助見返資金特別会計法の第四條第五、六項により、連合軍最高司令官の承認のもとに行われる、と答えております。だが、実際にはそんな條文は全然ないのであります。実は第五国会におきまして、私は大蔵委員会において、政府原案にかくのごとき国会の予算審議権を無視をするような屈辱的な條文があるのを発見して、これが削除を強硬に主張して、民自党の諸君すらこれに賛意を表したのだ。それによつて、これは無事に削除に成功しだのであります。それゆえ、本年の二月四日の予算委員会におきまして、わが党の川上貫一議員の追究に対して、池田大蔵大臣は、記憶違いでありましたと、完全にあやまつたではないか。(拍手)しかしながら、いやしくも大蔵大臣として、第五国会におけるこの画期的な事実を忘れているということだけでも、大蔵大臣として不見識きわまるものである。(拍手)この一事だけをもつてしても、大蔵大臣の資格はないものであると断ぜざるを得ないのであります。(拍手)
 しかしながら、この問題は、單に池田君の健忘症として見のがし得べき問題ではありません。池田君にとつては、この屈辱的なる條文が削除されようがされまいが問題ではない。初めから予算の自主的な運営などということは考えてもおらないのであります。(拍手)この見返り資金にいたしましても、その運営について、もし国会がこれに反した意思を表明しても、これを無視してやるという一貫したる奴隷性が流れておるのであります。(拍手)
 池田大蔵大臣は、通産大臣は勤まらないが、大蔵大臣ならば勤まる、大蔵大臣ならよろしい――そういうことはすこぶる矛盾であると思う。同じ吉田内閣のもとにありまして、通産大臣としては、中小企業がつぶれてはさしつかえあるけれども、大蔵大臣としては、つぶれてもさしつかえないという、これははなはだ矛盾ではありませんか。それゆえ、全野党並びに自由党の一部が確信しておりますように、池田君が通産大臣として不適格であるということが正しいとするならば、大蔵大臣としても当然これは不適格であると断ぜざるを得ないのであります。(拍手)池田君の今回の暴言問題は、もはや池田君がわが国民の運命をあずかる政治家としての適格性がないということを暴露したものである。池田君は、国会議員として、少くも一切の大臣をやめるべきであると、われわれは固く信ずるものであります。(拍手)
 しかしながら、一池田大蔵大臣が大臣をやめたところで、もしも吉田内閣が続く限りは、その従属的な奴隷政策が続く限りは、問題は少しも解決しないのであります。今やドツジ・ラインの強行によりまして、戦争準備に合わぬ産業は、大中小を問わず、圧迫され破滅しつつあるのでありますが、このときに、三月三日の日本経済新聞によりますると、司令部のウェルシュ氏は、中小企業こそは日本産業の基礎であると、談話を発表しております。われわれは、これがドツジ・ラインの修正であるというような甘い考えは持ちたくない。問題はあくまで吉田内閣の完全なる自主性の喪失でありまして、もしドツジ・ラインの強行あるいは手の修正、いずれにせよ、自主性のない、奴隷的なる政府のもとにおきまして、断じて日本産業の平和的な発展、国民生活の安定向上はあり得ないのであります。
 この際、ほんとうに手を打とうとするならば、打つべき手は一つあります。それはしかし、ただ一つだ。この八千万国民の生活の安定、平和と民族の独立を犠牲にして内外の独占資本へ隷属する、自主性を喪失する、このことを信條としておる吉田内閣自身の総退陣を要求する以外はないのであります。(拍手)自主性を保証し得る人民政府のできる條件のもとにおきまして、初めて日本民族の独立、自主的にして多角的な貿易、平和産業の無制限なる拡大、さらに中小企業者の再建、最低賃金制度の確立ということは実現できるのであります。
 私は、この意味において、わが党を代表して、池田大蔵兼通産大臣不信任案の趣旨弁明をいたしたのであります。(拍手)
#11
○議長(幣原喜重郎君) 討論の通告があります。これを許します。石田博英君。
    〔石田博英君登壇〕
#12
○石田博英君 私は、自由党を代表いたしまして、ただいま提出されております。天野久君外数名の諸君の提出にかかわる大蔵大臣兼通産大臣不信任に関する決議案、並びに共産党の提出いたしております同様趣旨の決議案に対しまして、反対の意を表明いたす次第でございます。(拍手)
 ただいままで、それぞれ提出者から提案理由の説明があつたのでありますが、私は静かにこれを拝聴いたしておりまして、まことにこつけいの感にたえないのであります。(拍手)およそ天下の公党が、本会議の議場におきまして、閣僚あるいは内閣の不信案を提出いたします場合におきましては、私ともしばしばその情景に接しているのでありますが、一種異様の凄気をはらみ、迫力に満ち満ちているのは当然でございます。(拍手)ところが、ただいままで行われましたお二人の趣旨弁明を伺つておりますと、老人が入歯をはずして議論をされているような、もどかしさを感ずるのでございます。(拍手)なるならば、かわつて演説をして差上げようかとさえ思つた次第でございます。(拍手)
 さらに、まず民主党の天野久君の提出にかかわりますところの不信任案の趣旨は、一体その論拠の基本が、一昨日の新聞に掲載されておりますところの池田大蔵大臣の談話の内容、あるいはその談話そのものを契機として出されているか、あるいはまた、自由党の内閣の今日までとつて参り、さらに今後実施せんといたしますところの中小企業対策全般に対して行われているものであるのか、はなはだ分明いたさないのであります。(拍手)
 一昨日の大蔵大臣の談話は、私どもも新聞紙上でこれを拝見いたしまして、実ははなはだ了解に苦しんだことは、ここに明言をいたす次第でございます。しかしながら、何分新聞記事のことでございまして、その趣旨が十分に完全に表現されているとは思われませんので、わが党といたしましては、党の根本的な立場からも、また予算委員会あるいは通産委員会等におきまして、その大蔵大臣の発言の内容について、真意を詳細問いただしました。党の役員会あるいは代議士会におきましても、これを問題にいたしました結果、しばしば大蔵大臣から説明があり、弁明があり、さらに声明書まで発表せられまして、少くとも文字の読める―ロシヤ語だけ読める人はどうか知りませんが、日本語の読める人は、すでに大蔵大臣の発言の内容並びにその真意は十分に了得できているものと私は確信いたすのであります。(拍手)
 すでに本院におきます正しい機関である予算委員会、通産委員会、大蔵委員会において、しばしばその発言の内容、真意について明らかにせられたものを、片言隻句をとらえて、ここに不信任の理由にするがごときは、これは党利党略以外の何ものでもないものであるか、そうでなければ、いたずらに議場を混乱させ、議事の審議を遷延して、もつて国家再建の施策の進捗を妨害するものであると断言せざるを得ないのであります。(拍手)さらに、わが自由党あるいは自由党内閣の中小企業対策全般に対して論ぜられた議論であるとするならば、ただいまここで趣旨弁明をせられました天野久君は、つい先だつてまで、連立派としてわが党に協力せられた人であります。(拍手)つい先だつてまでわが自由党内閣の施策に賛成せられて協力せられた諸君が、たつた一箇月足らずのうちに、今度は不信任案の趣旨弁明に立たれる。私は、その政治的節操及び信念に深甚なる敬意を表するものでございます。(拍手)
 さらに共産党の風早君の御演説を承つておりますと、何かわが自由党内閣が、特定国の陰に隠れて、その虎の威をかりているような、あるいは一特定国の従属を目的としているような御議論でございましたが、私は、自分のことと人のことを間違えておつしやつているのではなかろうかと思うのでございます。(拍手)人間は、とかく自分のことというものは、御婦人のよう毎日鏡を見るものでなければ、わかりがたいのであります。従つて、共産党の諸君が自分の姿がよく見られないということは、まことに同情にたえない次第でございますけれども、およそ天下の公党として、わが国に存在している政党数多くの中で、特定国に従属し、またそれに隷属せしめることを目的としている政党は、たつた一つしかないことは、国民全部が承知をしているところでございます。(拍手)
 およそ中小企業の問題につきましては、私どもの自由党においてはもちろんのこと、本日ここに御参集の諸君すべてが重大なる関心を寄せておられるところだろうと私どもは確信をいたしております。わが国経済の現況におきまして、中小企業の果している、また将来果さなければならないところの任務はきわめて重大であると私どもは考えております。従いまして、私どもは、中小企業対策を確立することこそが現下日本の経済復興を推進して参りまする根底であると考えているのであります。われわれは、常にあらゆる機会におきまして、一切の努力を傾注して、今日経済政策の一大転換の過程にあつて非常なる困難をなめておられる中小企業者に対する救援、援助、復興の手を種々考究いたしておることは、反対党の諸君の御議論は別といたしまして、天下多くの国民のひとしく認めているところであろうと確信をいたしている次第であります。(拍手)また、わが第三次吉田内閣成立以来、久しく中小企業者の願望するところでありましたところの官僚統制経済を勇敢に撤廃して、全力をあげて自由経済の復興に努力をいたしておりますゆえんも、これが中小企業の正しい健全なる発展を期する基本政策であると確信をするからであります。(拍手)
 さらに、しばしば税制改革の問題をとらえ、あるいは現行税制の施行の面をとらえて、現内閣が中小企業に対して苛酷であるという御議論をされるのでありますが、そもそも今日の税法は、一体どなたの内閣のときにできたものであるかということを、よくお考え願いたいのであります。これはとりもなおさず、社会党、民主党、国民協同党連立の内閣の産物であります。私どもは、国民多数の輿望を得て絶対多数を本議場に占めました以上、全力をあげてこの税制の根本的改革に努め、すでにその法案の大部分を国会に提出しておることは、これまた諸君御承知の通りであります。(拍手)その税改制革案の内容におきまして、中小商工業者に対しましては、他のいかなる業者に対するよりも以上の減税を心がけておることも、これまた事実をもつて証明いたしておるところであります。およそ議会政治家がその施政に対して攻撃する場合におきましては、よろしく片言隻句をとらえて女、子供の議論のごときことをなさらずに、その実績を正しく認識した上の議論に願いたいのであります。(拍手)
 さらにこのたび、この不信任案提出の状況を各位がごらんになれば明らかな通り、ひとしく野党の立場にありたがら、同じ題目の不信任案が二本出ておる。しかも本日の運営委員会におきましては、ただいま問題になつておりまする、同じ大蔵大臣の談話に対して、十幾つもの緊急質問が出て、その整理統制を何らなし得ない。だれをさして、だれをやめさせるか。今日十ば一からげ、数えてみても、私どもしよつちゆう運営に当る者でも数々切れないぐらいの群小政党がてんでんばらばらにある状況において、野党みずからがそれを統制、制御できない、やけのやん八、犬糞的復讐が、この本議場に不信任案提出となつて現われたのでありまして、まことに現在野党の諸君の苦衷察するに余りあるものと、私どもは、これまた深甚なる同情の意を表する次第でございます。(拍手)
 およそ口に中小企業の窮状を訴え、その救済を叫ぶ諸君が、本演壇に上つて、その提出の理由を述べられるにあたつて、御両人とも、にやにや笑つて、きわめて不謹慎な態度をもつて趣旨弁明に当つておるというその事実は、彼らは真剣に中小企業対策などを考えていない、党利党略と宣伝以外は何ら企図していないことを明らかに暴露しているものと私は断じてさしつかえないと思うのであります。(拍手)かかる意味におきまして、かかる党利党略に基く犬糞的不信任案に対しましては、私は残念ながら党の御命令であるからここへ立つたのでありますが、本来ならば、ばかばかしくて、反対討論などはやるべき性質のものではありません。しかしながら、ここに党を代表いたしまして反対の意を表明いたす次第でございます。(拍手)
#13
○議長(幣原喜重郎君) 勝間田清一君。
    〔勝間田清一君登壇〕
#14
○勝間田清一君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま上程になりました池田大蔵大臣兼通産大臣の不信任案に対しまして賛成の意を表するものであります。(拍手)
 現在の経済の最大の課題は、経済の九原則をして、いかに国民のひとしき犠牲の上において、いかに国民の総意を結集してこれを実行するかにあると存ずるのであります。しかして、現日本の社会におきましては、一面において労働者を、他面において農民を、他面において中小商工業者を、いかにして確保し発展せしむるかが、私は経済政策の重点であると考えるのであります。(拍手)しかるに池田大蔵大臣は、過般新聞記者会見におきまして、いわゆる中小の企業者が、五人や十人の人たちがたとい自殺しても、これはやむを得ない、と言われたのであります。さらに、税金によつて自分たちが自殺をしなければならないというならば、おれのところに相談に来たがよろしい、と言われておるのであります。しかも、じたばたする人間がある間に公いては日本の経済は安定しないとさら極言されたのであります。
 かつて池田大蔵大臣は、この席上におきまして、日本経済は完全に安定したと豪語いたしたのでありまするけれども、この池田大蔵大臣の傲慢なる態度は、当時世上をして唖然たらしめたことはわれわれのよく記憶するところでございます。(拍手)今日われわれが最大に感謝しなければならない人たちがありといたしますならば、この経済の安定に協力し、これの犠牲となつた諸君に対する感謝こそが当然要求せらるべきであると考えるものであります。しかるに、これらの階級に対して、自殺や脱落はやむを得ない状態であるという考え方に至つては、われわれは決して賛意を表することはできないのでございます。
 しかしながら、現池田大蔵大臣の今日言われました諸問題は、単なる池田大蔵大臣の個人の問題ではないと存ずるのでありまして、これこそ、現に吉田内閣のもとにおいては、日本の中小の商工業者の繁栄は絶対にこれを認めることができないことを証明するものであると同時に、(拍手)弱肉強食の政治がいよいよ露骨に展開されることを証明したものにほかならないと存ずるのであります。(拍手)われわれは、一たび振り返つてみて、現在の吉田内閣のとつておる諸政策について、はたして中小商工業者の維持と繁栄を約束することができるかどうか、この事実を深く反省しなければならぬと思うのであります。
 諸君も御案内の通りに、現吉田内閣の第一の政策は、金融財政の政策に端的に現われておるのであります。財政のしわを一切金融に寄せることによつて通貨の安定と資本の蓄積を行わんとする政策であることは、われわれがしばしば指摘したところであります。現にわれわれは、もし諸君の民主自由党が(「自由党だ」と呼ぶ者あり)真に中小商工業者のために政策をあえてやつておると言われるならば、二十五年度の予算をすみからすみまで見て、どこに中小商工業者の予算が計上されておるでありましようか。(拍手)一般会計における最後の雑件のところに、中小企業庁振興部の経費と称して、中小企業の協同組合に対する補給金わずかに一億、その調査費わずかに四千万円にすぎないではないか。日本の全予算は六千六百十四億円に当るのに対して、中小企業の振興政策費はわずかに一億数千万円にすぎないという実情であるのであります。(拍手)
 かかる財政の極度な縮減を行つて、池田大蔵大臣は、金融にこれをしわ寄せして、あるいは特別わく融資を出す、あるいは預金部資金を出すと言われておるけれども、これは少しも中小企業に対して浸透性がないではないか。それなるがゆえに、蜷川長官が、中小企業の金融に対する実態調査を行つた場合において、中小企業は現金融機構とはまつたく無縁であるとの結論を出したではないか。蜷川長官を何百人首を切つても、現在の中小企業は断じて救われることがないと考えるものであります。(拍手)
 次に、現在の吉田内閣の政策で、三百六十円の為替レートを維持し、他面において補給金の全面的撤廃を実行するところの一連の価格政策を見ても、この一連の価格政策が、はたして現在の中小企業を維持し繁栄せしむるところの政策になるかどうか。これをわれわれは真剣に考えてみなければならぬと存ずるのであります。すなわち為替レートの維持を、一面においては労働者の低賃金にこれを吸収せしめ、他面においては中小企業、下請工業にこれを吸収せしめて維持し、同時に補給金の撤廃や大企業の犠牲が中小企業にすべてしわ寄せされておるということを、われわれは看過することができないのであります。(拍手)この価格政策の一半が中小企業に対して重大なる重圧となつておることを、われわれは何としても黙過することができないと考えるものでございます。
 さらにわれわれが現在考えねばならぬ事柄は、はたして自由主義が中小企業を救い、繁栄を約束するものであろうか。われわれは、現に統制から自由主義なる政策をとつておるけれども、すでに現内閣のとつておるところの政策は、十九世紀における自由主義経済復帰の政策であるということが言えるのであります。現に自由主義を標榜する諸国家におきましても、近代国家を成立する唯一の問題は完全雇用であり、社会福祉の保障であり、国家企業に対する新たなる再認識であることは、これは諸外国の例をもつても明確であります。現在、もしわれわれが近代国家の成立を保障するというならば、現にとりつつある吉田内閣の自由主義政策をもつては、断じてこれを確保することができないと考えるのであります。
 われわれは、ここおいて、現在の吉田内閣の金融財政政策といい、あるいは価格政策といい、現にとりつつある自由主義政策といい、すべての政策が中小企業に対してはまつたく不適の政策であるということを言わざるを得ないのであります。何ゆえに、かかる問題が起きて来たのであろうか。
 われわれは経済の九原則を大いに尊重するものであります。だが吉田内閣は、金融財政政策に関してはドツジ氏にこれを依存し、税制改革に関してはシヤウプ氏にこれを依存し、真にこの経済政策をして、日本の土壌と日本の気候に合つた経済政策としてこれを成長せしむるところの能力を失つたものであると言わなければならぬのであります。(拍手)
 われわれが最後におそれる事柄は、吉田内閣の政策は勤労大衆のための政策では断じてないと言わざるを得ません。諸君も御案内の通り、かつて吉田主相は、勤労大衆に対して不逞のやからと言つたではないか。今また蔵相は、中小企業者に対して、五人や十人自殺してもよいと豪語しだではないか。この次に、飢えた農民に対していかなる言葉を投げかけようとするのであるか。(拍手、「大きなことを言うな」と呼び、その他発言する者あり)おそらく日本の農民に対して、生かさぬように、殺さぬように、と言うに違いない。(拍手)
 われわれは、かかる政府に対して絶対に信頼を置くことはできないのであります。これを担当した池田大蔵大臣兼通産大臣は、その努力と善意にかかわらず、当然私は辞職すべきものであると信ずるのであります。(拍手)
#15
○議長(幣原喜重郎君) 河田賢治君。
    〔河田賢治君登壇〕
#16
○河田賢治君 私は、ただいま上程されました池田蔵相兼通産相の不信任案に対し、日本共産党を代表して賛成の意を表するものであります。
 池田蔵相兼通産相の暴言は、決して失言ではない。これは吉田内閣の全性格を忠実に表現しているものであつて、池田蔵相こそ、吉田内閣の一大柱石、すなわち大黒柱なのであります。そもそも吉田内閣は、先ほど石田博英君の礼讃にもかかわらず、労働者には低賃金と失業を押しつけ、農民には低米価と強権供出を強要し、自由経済の名のもとに、統制撤廃による中小企業の破壊、めくら貿易と押しつけ輸入、外資導入と外人税金の免除等々によつて日本を外国に隷属させながら、産業と経済を破滅に導きつつあるのでありまして、かくして日本の自主性をみずから放擲し、国をあげて日本の軍事基地化と戦争の準備にのみ邁進しているのが現在の吉田内閣であります。それゆえ政府は、現実に進行しつつある軍事基地の問題を仮定の問題としたり、都合のよいときには、いたけだかになつたり、白を黒と言つたり、こうした傍若無人のふるまいをしているのであります。(「傍若無人は共産党じやないか」と呼ぶ者あり)これがたまたま池田蔵相のこの無札きわまる暴言となつて現われたにすぎないのであります。
 政府は、口を開けば、敗戦のあとの切りかえだとか、一時の犠牲だとか、建設のための耐乏だとか言うが、終戦以来四箇年半の今日の日本の悲惨な状態は一体どうであるか。これに反して、あの莫大な戦争の損害をこうむつたソ同盟においては、経済復興は着々と成功し、去る三月一日よりは、四〇ないし二〇%の物価引下げと賃金のすえ置き、かくて全国民の生活水準の向上をはかり、しかもこの物価引下げは、実に戦後三回目の健全なものなのであります。ソ同盟を先頭とする民主主義国家におけるこの人民生活の向上こそ、社会主義体制の優越を端的に示しているのであります。(拍手)これが真に平和を守り、民主主義と社会主義の道を進む国々の真実の姿なのであります。これが世界の大勢なのである。
 しかるに、吉田内閣のすべての政策は、まつたく反対の方向に進んでいる。すなわち、新しい戦争と、日本の民族の破滅の方向であります。池田蔵相の暴言こそ、反ソ反共を旗じるしとする吉田内閣の売国的性格を表わすものなるがゆえに、わが日本共産党は、吉田内関全体の不信任の一環として池田蔵相廉通産相の不信任案に賛成するものであります。(拍手)
#17
○議長(幣原喜重郎君) ただいま石田博英君外二十名より討論終局の動議が……(発言する者多く、議場騒然、聴取不能)ただちに……(発言する者多く、聴取不能)採決いたします。この採決は……(発言する者多く、議場騒然)この採決は記名投票をもつて行います。石田博英君外二十名提出の討論終局の動議に賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参せられんことを望みます。閉鎖。
 これより氏名点呼を命じます。
    〔参事氏名を点呼〕
    〔各員投票〕
#18
○議長(幣原喜重郎君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開匣。開鎖。
 投票を計算いたさせます。
    〔参事投票を計算〕
#19
○議長(幣原喜重郎君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。
    〔事務総長朗読〕
 投票総数 二百七十五
  可とする者(白票) 百七十六
    〔拍手〕
  否とする者(青票)  九十九
    〔拍手〕
#20
○議長(幣原喜重郎君) 右の結果、討論は終局するに決しました。
    〔参照〕
 石田博英君外二十名提出討論終局の動議を可とする議員の氏名
   逢澤  寛君  安部 俊吾君
   青木 孝養君  青柳 一郎君
   淺利 三期君  麻生太賀吉君
   天野 公義君  井手 光治君
   伊藤 郷一君  飯塚 定輔君
   生田 和平君  池田正之輔君
   池見 茂隆君  石田 博英君
   石原 圓吉君  稻田 直道君
   岩川 冥助君  宇田  恒君
   宇野秀次郎君  内海 安吉君
   江崎 真澄君  江田斗米吉君
   江花  靜君  遠藤 三郎君
  小笠原八十美君  小澤佐重喜君
   小淵 光平君  尾崎 末吉君
   尾関 義一君  越智  茂君
   大石 武一君  大澤嘉平治君
   大西 頼夫君  大西  弘君
   大野 伴睦君  大村 清一君
   岡延右エ門君  岡田 五郎君
   岡西 明貞君  岡野 清豪君
   押谷 富三君  鍛冶 良作君
   風間 啓吉君  甲木  保君
   門脇勝太郎君  金光 義邦君
   神田  博君  川野 芳滿君
   川端 佳夫君  川本 末治君
   菅家 喜六君  木村 公平君
   北川 定務君  北澤 直吉君
   金原 舜二君  倉石 忠雄君
   栗山長次郎君  黒澤富次郎君
   小金 義照君  小坂善太郎君
   小平 久雄君  小玉 治行君
   小西 英雄君  小峯 柳多君
   小山 長規君  近藤 鶴代君
   佐々木秀世君  佐々木盛雄君
   佐藤 榮作君  佐藤 重遠君
   坂田 英一君  坂本  貴君
   志田 義信君  篠田 弘作君
   島田 末信君  澁谷雄太郎君
   島村 一郎君  首藤 新八君
   白井 佐吉君  庄司 一郎君
   周東 英雄君  鈴木 明良君
   鈴木 仙八君  鈴木 正文君
   關谷 勝利君  千賀 康治君
   田口長治郎君  田嶋 好文君
   田中 角榮君  田中 啓一君
   田中不破三君  田中 萬逸君
   田渕 光一君  多武良哲三君
   高木  章君  高木吉之助君
   高田 弥市君  高橋 英吉君
   高橋 權六君  高橋  等君
   高間 松吉君  竹尾  弌君
   圖司 安正君  塚原 俊郎君
   辻  寛一君  圓谷 光衞君
   坪川 信三君  寺本  齋君
   飛嶋  繁君  苫米地英俊君
   奈良 治二君  内藤  隆君
   中垣 國男君  中野 武雄君
   中村 幸八君  中山 マサ君
   仲内 憲治君  永井 英修君
   永井 要造君  永田  節君
   丹羽 彪吉君  西村 英一君
   西村 久之君  根本龍太郎君
   野村專太郎君  橋本 龍伍君
   幡谷仙次郎君  畠山 鶴吉君
   林  讓治君  原田 雪松君
   平澤 長吉君  平野 三郎君
   廣川 弘禪君  福田 篤泰君
   福田  一君  福永 健司君
   船越  弘君  保利  茂君
   星島 二郎君  堀川 恭平君
   本多 市郎君  本間 俊一君
   眞鍋  勝君  前尾繁三郎君
   前田 正男君  牧野 寛索君
   増田甲子七君  益谷 秀次君
   松田 鐵藏君  松野頼三君
   松本 善壽君  丸山 直友君
   三池  信君  三浦寅之助君
   三宅 則義君  水田三喜男君
   水谷  昇君  南  好雄君
   宮原幸三郎君  村上  勇君
   村上 清治君  守島 伍郎君
   森幸 太郎君  八木 一郎君
   柳澤 義男君 山口喜久一郎君
   山口 好一君  山崎 岩男君
   山本 猛夫君  山本 久堆君
   吉田  茂君  吉武 惠市君
   龍野喜一郎君  若林 義孝君
   渡邊 良夫君  亘  四郎君
  否とする議員の氏名
   足鹿  覧君  青野 武一君
   赤松  勇君  石井 繁丸君
   石川金次郎君  稻村 順三君
   受田 新吉君  加藤 鏡造君
   勝間田清一君  上林與市郎君
   川島 金次君  佐々木重三君
   佐竹 新市君  坂本 泰良君
   鈴木 義男君  田中織之進君
   堤 ツルヨ君  土井 直作君
   西村 榮一君  前田榮之助君
   松尾トシ子君  松岡 駒吉君
   松澤 兼人君  三宅 正一君
   水谷長三郎君  門司  亮君
   森戸 辰男君  八百 板正君
   山口シヅエ君  米窪 滿亮君
   天野  久君  荒木萬壽夫君
   有田 喜一君  小川 半次君
   小野  孝君  大西 正男君
   川崎 秀二君  小松 勇次君
   河本 敏夫君  坂口 主税君
   笹山茂太郎君  園田  直君
   千葉 三郎君  床次 徳二君
   苫米地義三君  中曽根康弘君
   並木 芳雄君  橋本 金一君
   長谷川四郎君  畠山 重勇君
   原   彪君  福田 繁芳君
   増田 連也君  宮腰 喜助君
   柳原 三郎君  山本 利壽君
   池田 峯雄君  風早八十二君
   春日 正一君  神山 茂夫君
   河田 賢治君  木村  榮君
   聽濤 克巳君  今野 武雄君
   高田 富之君  竹村奈良一君
   立花 敏男君  谷口善太郎君
   土橋 一吉君  野坂 參三君
   深澤 義守君  山口 武秀君
   横田甚太郎君  米原  誕君
   渡部 義通君  石田 一松君
   今井  耕君  笹森 順造君
   竹山滋太郎君  内藤 友明君
   般田 享二君  三木 武夫君
   河口 陽一君  小平  忠君
   高倉 定助君  寺崎  覺君
   中野 四郎君  中村 寅太君
   松本六太郎君  石野 久男君
   岡田 春夫君  黒田 寿男君
   玉井 祐吉君  中原 健次君
   金子與重郎君  小林 信一君
   山手 滿男君  小林  進君
   浦口 鉄男君
#21
○議長(幣原喜重郎君) これより採決に入ります。
 まず、天野久君外三十三名提出、池田大蔵大臣兼通商産業大臣不信任決議案につき採決いたします。この採決は駐記名投票をもつて行います。天野久君外三十三名提出、池田大蔵大臣兼通商産業大臣不信任決議案に賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参せられんことを望みます。閉鎖。
 氏名点呼を命じます。
    〔参事氏名を点呼〕
    〔各員投票〕
#22
○議長(幣原喜重郎君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開匣。開鎖。投票を計算いたさせます。
    〔参事投票を計算〕
#23
○議長(幣原喜重郎君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。
    〔事務総長朗読〕
 投票総数 二百七十七
  可とする者(白票)  九十九
    〔拍手〕
  否とする者(青票) 百七十八
    〔拍手〕
#24
○議長(幣原喜重郎君) 右の結果、天野久君外三十三名提出、池田大蔵大臣兼通商産業大臣不信任決議案は否決せられました。(拍手)
    〔参照〕
 天野久君外三十三名提出池田大蔵大臣兼通商産業大臣不信任決議案を可とする議員の氏名
   足鹿  覺君  青野 武一君
   赤松  勇君  石井 繁丸君
   石川金次郎君  稻村 順三君
   受田 新吉君  勝間田清一君
   上林與市郎君  川島 金次君
   佐々木重三君  佐竹 新市君
   坂本 泰良君  鈴木 義男君
   田中織之進君  堤 ツルヨ君
   土井 直作君  西村 榮一君
   前田榮之助君  松尾トシ子君
   松岡 駒吉君  松澤 象人君
   三宅 正一君  水谷長三郎君
   門司  亮君  森戸 辰男君
   八百 板正君  山口シヅエ君
   米窪 滿亮君  天野  久君
   荒木萬壽夫君  有田 喜一君
   小川 半次君  小野  孝君
   大西 正男君  川崎 秀二君
   小林 達美君  小松 勇次君
   河本 敏夫君  坂口 主税君
   笹山茂太郎君  志賀健次郎君
   園田  直君  千葉 三郎君
   床次 徳二君  苫米地義三君
   中曽根康弘君  並木 芳雄君
   橋本 金一君  長谷川四郎君
   畠山 重勇君  原   彪君
   福田 繁芳君  増田 連也君
   宮腰 喜助君  柳原 三郎君
   山本 利壽君  池田 峯雄君
   風早八十二君  春日 正一君
   神山 茂夫君  河田 賢治君
   木村  榮君  聽濤 克巳君
   今野 武雄君  高田 富之君
   竹村奈良一君  立花 敏男君
   谷口善太郎君  土橋 一吉君
   野坂 參三君  深澤 義守君
   山口 武秀君  横田甚太郎君
   米原  誕君  渡部 義通君
   石田 一松君  今井  耕君
   笹森 順造君  竹山祐太郎君
   内藤 友明君  船田 享二君
   三木 武夫君  河口 陽一君
   小平  忠君  高倉 定助君
   寺崎  覺君  中野 四郎君
   中村 寅太君  松本六太郎君
   石野 久男君  岡田 春夫君
   黒田 寿男君  玉井 砧吉君
   中原 健次君  小林 信一君
   山手 滿男君  小林  進君
   浦口 鉄男君
 否とする議員の氏名
   逢澤  寛君  安部 俊吾君
   青木 孝義君  青柳 一郎君
   淺利 三朗君  麻生太賀吉君
   天野 公義君  井手 光治君
   伊藤 郷一君  飯塚 定輔君
   生田 和平君  池田正之輔君
   池見 茂隆君  石田 捕貴君
   石原 圓吉君  稻田 直道君
   岩川 與助君  宇田  恒君
   宇野秀次郎君  内海 安吉君
   江崎 真澄君  江田斗米吉君
   江花  靜君  遠藤 三郎君
  小笠原八十美君  小澤佐重喜君
   小淵 光平君  尾崎 末吉君
   尾関 義一君  越智  茂君
   大石 武一君  大上  司君
   大澤嘉平治君  大西 禎夫君
   大西  弘君  大野 伴睦君
   大村 清一君  岡延右エ門君
   岡田 五郎君  岡西 明貞君
   岡野 清豪君  押谷 富三君
   鍛冶 良作君  風間 啓吉君
   甲木  保君  門脇勝太郎君
   金光 義邦君  神田  博君
   川野 芳滿君  川端 佳夫君
   川本 末治君  菅家 喜六君
   木村 公平君  北川 定務君
   北澤 直吉君  金原 舜二君
   倉石 忠雄君  栗山長次郎君
   黒澤富次郎君  小金 義照君
   小坂善太郎君  小平 久雄君
   小玉 治行君  小西 英雄君
   小峯 柳多君  小山 長規君
   近藤 鶴代君  佐々木秀世君
   佐々木盛雄君  佐藤 榮作君
   佐藤 重遠君  坂田 英一君
   坂本  貴君  志田 義信君
   篠田 弘作君  島田 末信君
   澁谷雄太郎君  島村 一郎君
   首藤 新八君  白井 佐吉君
   庄司 一郎君  周東 英雄君
   鈴木 明良君  鈴木 仙八君
   鈴木 正文君  關谷 勝利君
   千賀 康治君  田口長治郎君
   田嶋 好文君  田中 角榮君
   田中 啓一君  田中不破三君
   田中 萬逸君  田渕 光一君
   多武良哲三君  高木  章君
   高木吉之助君  高田 弥市君
   高橋 英吉君  高橋 權六君
   高橋  等君  高間 松吉君
   竹尾  弌君  圖司 安正君
   塚原 俊郎君  辻  寛一君
   圓谷 光衞君  坪川 信三君
   寺本  齋君  飛嶋  繁君
   苫米地英俊君  奈良 治二君
   内藤  隆君  中垣 國男君
   中野 武雄君  中村 幸八君
   中山 マサ君  仲内 憲治君
   永井 英修君  永井 要造君
   永田  節君  丹羽 彪吉君
   西村 英一君  西村 久之君
   根本龍太郎君  野村專太郎君
   橋本 龍伍君  幡谷仙次郎君
   畠山 鶴吉君  林讓  治君
   原田 雪松君  樋貝 詮三君
   平澤 長吉君  平野 三郎君
   廣正 弘禪君  福田 篤泰君
   福田  一君  福永 健司君
   船越  弘君  保利  茂君
   星島 二郎君  堀川 恭平君
   本多 市郎君  本間 俊一君
   眞鍋  勝君  前尾繁三郎君
   前田 正男君  牧野 寛索君
   増田甲子七君  益谷 秀次君
   松田 鐵藏君  松野 頼三君
   松本 善言君  丸山 直友君
   三池  信君  三浦寅之助君
   三宅 則養君  水田三喜男君
   水谷  昇君  南  好雄君
   宮原幸三郎君  村上  勇君
   村上 清治君  守島 伍郎君
   森幸 太郎君  八木 一郎君
   柳澤 義男君 山口喜久一郎君
   山口 好一君  山崎 岩男君
   山本 猛夫君  山本 久雄君
   吉田  茂君  吉武 患市君
   龍野喜一郎君  若林 義孝君
   渡邊 良夫君  亘  四郎君
#25
○議長(幣原喜重郎君) 次に、野坂惨三君外三十五名提出、大蔵大臣兼通商産業大臣池田勇人君に対する不信任決議案は、天野久君外三十三名提出の決議案議決の結果、議決を要しないものといたしめます。(拍手)
#26
○山本猛夫君 議事日程は延期し、本日はこれにて散会されんことを望みます。
#27
○議長(幣原喜重郎君) 山本君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#28
○議長(幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつて動議のごとく決しました。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後八時一分散会
ソース: 国立国会図書館
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